【田村くん】竹宮ゆゆこ 5皿目【とらドラ!】at EROPARO
【田村くん】竹宮ゆゆこ 5皿目【とらドラ!】 - 暇つぶし2ch500:名無しさん@ピンキー
08/12/03 06:27:33 x2SmWobn
>>492
あーみんが二回言ったとこに激しく萌えた
というか二回目の意味って、おいっ
作者には失礼だが、泰子よりあーみんが可愛かった

501:名無しさん@ピンキー
08/12/03 08:58:31 X4yEBR66
>>492
もうお前ら結婚しちゃえよ

おにゃの子全開で竜児を独占したがる嫉妬やっちゃんが可愛すぎてヤベエ
姦し三人娘もぶっちゃけまくりワロタwみのりんwwww
そして地味に竜児にくっついてたやっちゃんwww

502:名無しさん@ピンキー
08/12/03 10:09:56 qIYgr0eb
やべえww全員萌えるw

503:名無しさん@ピンキー
08/12/03 10:30:59 eJLVBOlC
もうハーレムでいいよ

504:名無しさん@ピンキー
08/12/03 14:42:15 bfL5DTfh
てゆうかハーレムがみたいよ

505:名無しさん@ピンキー
08/12/03 15:24:04 LIFycD/c
田村弟が相馬さんを寝取った上に青い果実や松沢さんも狙うんですねわかります

506:名無しさん@ピンキー
08/12/03 15:25:54 +bsJgp9X
>田村弟が相馬さんを寝取った上に

それは寝取るというのか?w

507:名無しさん@ピンキー
08/12/03 16:45:16 BL3zwSIy
多分弟って三男の孝之の事だろ

508:名無しさん@ピンキー
08/12/03 16:59:03 +bsJgp9X
いやそれはわかってるけどさ

一応自分のほうから振った形になる女がそれから誰とくっつこうが
それは雪貞的には寝取られじゃないんじゃないかって話w

509:名無しさん@ピンキー
08/12/03 17:27:11 BL3zwSIy
なるほど(-.-;)
確かに

510:名無しさん@ピンキー
08/12/03 17:31:22 /c3jq1pw
あの…本性バレの続きは…?

511:名無しさん@ピンキー
08/12/03 17:45:33 dgpOZFNz
>>507
孝之とか聞くと某エロゲが……

512:名無しさん@ピンキー
08/12/03 17:48:39 r80hgkSM
おまえらそんなに俺の名前呼ぶなよ。照れるだろ

513:名無しさん@ピンキー
08/12/03 21:27:59 eJLVBOlC
>>512
猫のうんこ踏め!

514:名無しさん@ピンキー
08/12/03 22:41:30 x2SmWobn
人が増える弊害だな
職人が増えるのは嬉しいが雑談で無駄に消費は勘弁してほしい

515:名無しさん@ピンキー
08/12/03 22:43:59 WTuqicxO
>>514
そのとおりでございます

516:名無しさん@ピンキー
08/12/03 22:51:30 AFgFX8Je
>>514
だが、雑談によって投稿しやすくなるもでは?

517:名無しさん@ピンキー
08/12/03 22:57:23 x2SmWobn
純粋なネタ提案なら役立つかもだけどな

518:名無しさん@ピンキー
08/12/03 23:07:24 WTuqicxO
>>517
そのとおりでございます

519:名無しさん@ピンキー
08/12/03 23:10:32 eJLVBOlC
つまり、あーみんのオナニーが見たいという俺の率直な欲求もこのスレなら許されるわけか

520:名無しさん@ピンキー
08/12/03 23:11:03 /c3jq1pw
>>518サザエでございます。

521:名無しさん@ピンキー
08/12/03 23:33:19 WTuqicxO
>>519
自由でございます

522:名無しさん@ピンキー
08/12/04 00:12:34 yUaLU5mP
竜児とのHの時も猫かぶりなあーみん。
竜児によってGスポットを責められてイキまくるあーみん。
竜児に顔を真っ赤にして「イってないから…」とのたまうあーみん。

523:名無しさん@ピンキー
08/12/04 00:12:59 a3IY21BW
>>514
投下ラッシュも終わったみたいだから、それも落ち着くだろ。

524:名無しさん@ピンキー
08/12/04 00:40:19 iwhz+oTE
>>522
「そんなとこ必死に舐めちゃって、
 あっ、ホ、ホントに、…あんっ、犬みたいね
 マ、マジきも、…っ、きもい、わよ
 もっと真面目に、…あっ、やって、…っ、くんないと
 亜美ちゃん全然、気持ちよく、なっ、ないんですけどぉ
 あっダメそこヤダだめええええっ!!!!!!!」

525:名無しさん@ピンキー
08/12/04 00:58:06 1wovTq5F
亜美厨ウザすぎ

526:名無しさん@ピンキー
08/12/04 01:18:41 EWgKBqHW
同感
いや
亜美がウザいんだよ

527:名無しさん@ピンキー
08/12/04 01:24:02 xZkgo75L
亜美ちゃんの魅力がわからないなんて可哀相……同情するよ

528:名無しさん@ピンキー
08/12/04 01:32:07 XTDTVrx+
ヒント:蓼食う虫も好きずき

俺なんてみのりん派なんだぜ?
誰かみのりん分をおおぉ!

529:名無しさん@ピンキー
08/12/04 01:42:47 EWgKBqHW
>>527
やっぱ亜美厨ウザいわ

530:名無しさん@ピンキー
08/12/04 01:43:51 RbADJC+h
俺は相馬派
たのむとらドラの10分の1でいいから田村くんssを…

531:名無しさん@ピンキー
08/12/04 02:18:28 uB8XKoyl
>>524
さあその妄想をSS化する作業に戻るんだ

>>530
そのうちアニメ化するから待ってればいいじゃん

532:名無しさん@ピンキー
08/12/04 04:43:28 yKIcM31C
なんで誰もssかかへんの?

533:名無しさん@ピンキー
08/12/04 06:57:43 w6JmvrVG
>>532
書き込みが少ない→大作の予感

534:名無しさん@ピンキー
08/12/04 07:27:29 EWgKBqHW
池田大作?

535:名無しさん@ピンキー
08/12/04 07:35:03 WS1dXIUs
>>533
実際書き込みが少なくなると、出てくる職人さんもいるだろね。ツンデレ型の。


536:名無しさん@ピンキー
08/12/04 07:42:01 EWgKBqHW
「やっと俺の出番か・・・」

537:名無しさん@ピンキー
08/12/04 07:59:45 iwhz+oTE
祭りになってると投稿しやすいんだよね、なんとなく
大作の後だとか今みたいな雰囲気だと尻込みするわ、なんとなく

538:名無しさん@ピンキー
08/12/04 12:39:30 RRPR+mlf
同じ祭りの会場なんだから気にしないでいいんだけどな。

539:名無しさん@ピンキー
08/12/04 21:50:42 FzIAhObp
>>530
同意。相馬とのほのぼのが見たい。

540:名無しさん@ピンキー
08/12/04 23:29:54 aQDv8G2C
空気読まず投下
タイトルは『9巻56ページ4行目の続き』
タイトルそのまんまの妄想してみた

541:名無しさん@ピンキー
08/12/04 23:30:26 aQDv8G2C
「ただいま~。」

久々の自宅、無人のマンションに、虚しく響く己の声。
大河は肺の中の冷たい空気を全て吐き出すように大きく一息つき、まず暖房をつけた。
手荷物を全てテーブルに投げ出し、力なくコートとマフラーを脱ぎ捨てる。
そのまま制服が皺になるのも構わず、ソファに体を投げ出すように座る。

「逢えるかなって思ってたら……、ホントに逢えちゃった……。」

大河は唇をわずかに持ち上げ、かすかに笑う。
何もする気になれず、そのまま横になったまま時間が過ぎていく。

「竜児………。」

かすかに口から漏れる。
それだけで大河は、今だ凍てつく部屋の寒さも忘れられる暖かさを感じた。

そのまま先ほどまでのひと時を反芻する。
一週間ぶりの心地よい時間を、竜児との全てを反芻する。

それは決して許されないこと、やってはならないことだとわかっている。
大河の心の幻は、しかしすぐに霧散する。
温かさも心地よさも全ては幻で、大河の体は凍てつく寒さに蝕まれ続けている。
力なく体を持ち上げ、大河は夕飯の準備を始めた。



542:名無しさん@ピンキー
08/12/04 23:31:02 aQDv8G2C

ただ、空腹を紛らわすためだけの食事だった。
買ってきたばかりの冷凍チャーハンのパッケージを乱暴に破り、皿に盛る。
電子レンジで温めている時間、数分の時間、大河はレンジの中で回るチャーハンを眺めていた。

何もしなければ、余計なことを考えてしまう。
ただ、チャーハンを見つめることで、全てを忘れてしまいたかった。
温め完了を告げる無粋な音が響くまでの間だけでも、その僅かな時間だけでも。



大河は温まったチャーハンを取り出し、ラップを外した。
上気が舞い、しかしすぐに儚く溶けて消える。
そのまま大河は無言のまま、無心のままスプーンで口に運んだ。

ゆっくりと一口食べ、二口食べ、
不意に大河は何かがチャーハンの皿にこぼれたことに気づいた。
それは己の涙だった。

「うぅ……、あぅ……」

あふれ出す涙を止めることができず、一滴、また一滴と涙がこぼれる。
震える指先がスプーンを支えきれず、小さな音を立ててテーブルに落ちた。

「美味しくない……、美味しくないよ……。」

脳裏をよぎる、竜児のチャーハンの味。
何気なく食べてきた、竜児の手料理。
何気なく過ごしてきた、竜児との時間。
もう二度と戻ってこないかけがえのないそれらの思い出が五感の全てを支配した。


543:名無しさん@ピンキー
08/12/04 23:31:36 aQDv8G2C
「うぅ……」

大河は唇を噛む。
これは罰だ。サンタさんの罰だ。
大河は独りごちる。
いい子でいると誓ったのに、あの日、イブの夜、
最後の最後で、いい子でいられなかった私への、罰だ。

サンタさんは残酷だ。
逢いたくて、逢いたくて、でも決して側にいてはいけない人に、
一週間ぶりに帰ってきた自分にいきなり逢わせるなんて。
決して、もう側にいることはできないというのに。

歯を食いしばり、大河は顔をあげた。
自分に残された時間は残りわずかだろう。
そう遠くない未来、私はこのマンションに、街にいられなくなる。
別離の時は近いのだ。
そのときまでに、最愛の人と最愛の友に笑顔で結ばれてもらいたい。
消えてしまう自分を忘れ、笑顔で過ごせる二人になってもらいたい。
そのためにできることをやらなければいけない。
こんなことで躓いているヒマはない。
だけど………、


不味いチャーハンでも胃袋に入れてしまえば体は満たされるかもしれない。
しかし、心は、開いてしまった心の穴は、決して満たされることがなかった。


END

544:名無しさん@ピンキー
08/12/04 23:49:29 EWgKBqHW
は?なんなの?涙が止まらないんだけど?乙

545:119
08/12/04 23:54:35 aooFLaeM
>>540
泣いた

そしてやっと<花三本目>完成…orz
今人いないっぽいけど、希望があれば投下します。
一応8レス予定。

546:名無しさん@ピンキー
08/12/04 23:54:56 0z2lx34v
…なんだこのモヤモヤした気持ちは…
…年末だからか…

547:名無しさん@ピンキー
08/12/05 00:00:54 EWgKBqHW
>>545
関係ない 行け


ってDIO様が言ってた

548:119
08/12/05 00:03:26 /z/jqm26
そんじゃ行くぜ!!

<花三本目>

何でこんな事に…
あの昼の放送から、二週間たった月曜日の朝。『後輩襲撃事件』や亜美の『転校する』発言を切り抜けた竜児の頭にはその言葉が渦巻いていた。
ちなみに彼の周りでは、大河、実乃梨、亜美がピリピリとした空気を放っている。
一体どうしてこんな事に―二年C組の自分の下駄箱の前で見知らぬ女子に話しかけられている高須竜児は途方に暮れた。


亜美に「あたし、転校するかも」と告げられた日、竜児は自分の偽らざる本心を語った。
実乃梨が好きで、大河を守りたくて、亜美を大切にしたい――という想いを。
そのおかげかどうかはわからないが亜美も転校を思いとどまってくれ、竜児は安堵した。
教室に休み時間ぎりぎりで帰った後、大河と実乃梨がえらい勢いで詰め寄ってきて、
「「何してたの!?」」と、問い詰められたがかといって会話の内容をそのまま伝えられるはずもない。
亜美が不安がっていたからこそ、竜児は自分の本心を語る決心がついたのであって、同じ内容を二人には語れない。
しかも、実乃梨の前で『櫛枝が好きで~』などと言えるわけがない。どんな変則的な告白だ。
悩みぬいた竜児から出た言葉とは、
「川嶋が、『転校する』なんて言うからその説得をしてただけだ」
という、何とも当たり障りのないものだった。しかしその答えを聞いた二人は思う事があったのか、
「こ、この駄犬!!あんたねぇ!!その手当たり次第にいく癖どうにかしなさいよ!!」
「高須く~ん。さすがの櫛枝も、少し自重すべきだと思うぜ~?」
…ええぇ?と竜児が、なぜいい事をしたはずなのに責められてるんだ、といった声を上げる。
俺が説得していなければ川嶋は転校していたかもしれないのに、それでよかったのかよと、竜児が反論しようとすると
今まで竜児の横で黙っていた亜美が愛らしい笑顔で、
「そうだよぉ。高須君が”気持ちのこもった”説得してくれたから、亜美ちゃん転校するのやめよって思ったの」
なんて言い出した。ああよかった、お前も大河たちをなだめてくれるのか、と竜児は思う。
「おう。もう転校するなんて言うなよ」
「それ言われるの四回目なんだけど」
「そんだけ、お前に転校して欲しくないんだと思えよ」
「…ほんと無自覚だよね、高須君」
軽く言う竜児に亜美が苦笑したように言う。変なこと言ったか?と竜児が考えようとしたところで―


549:119
08/12/05 00:04:19 /z/jqm26
「…へぇ。ばかちーとずいぶん親しくなってるじゃない、竜児」
「へー、ほー、ふーん。あーみんとの親密度急上昇!!って感じかねぇ?」
妙に冷たい目の、大河と実乃梨がそこにいた。
なんでお前ら打って変わってローテンションなんだ!?と竜児は愕然とする。が、この男にわかるはずもない。
そして、大河たちをせせら笑うように、亜美が続ける。
「まぁ、親密になった、って点では間違ってないよ。少なくとも悩みは解消させてもらったし」
はっきり断言した亜美に、大河と実乃梨が驚いた表情になる。
今までの亜美の態度なら「んなことないっつーの、うざい」ぐらいは言いそうなものだが、亜美は「親しくなった」と認めたのだ。
その事実が、二人の背にひたひたとはい上がってくる。自覚が有るか無いかの差はあるものの、これはまずいという警告だ。
思惑は違えど、二人ともその警告に従い声を発した。
「頭大丈夫?ばかちー。あんたが今『親しくなった』って言ったのは、この駄犬よ?」
「おお!?あーみんがそんな風に言うなんて珍しいね!!」
片方は亜美の指す相手を乏し、片方は亜美自身の異常を指摘した。どうか間違いであってくれ、という淡い希望で放たれた言葉。
…が、それは空気の読めない(異常に鈍感)な男によって破壊される。
「あそうだ、大河、櫛枝」
「「何?竜児(高須君)」」
正直いま竜児にかまう暇はないがでもやっぱり無視するのは…、と思ったかどうかはさておき二人が返事を返す。
しかし、放たれたのは核爆弾級の驚きの言葉だった。

「何かは知らんが川嶋が、『あたしも本格的に参戦する』ってよ。…お前らクラス内で戦争でもしてんのか?」

後半の竜児の言葉は流して、バッと亜美の方を見る。そこには先ほどと変わらず愛らしい笑みがあった。そして
「言っとくけど、冗談じゃないから。今までは逃げてたけど、これからは違うよ」―宣戦布告。
棒立ちになる大河と実乃梨。しかし亜美はそれを意に介した様子もなく言う。
「どーぞ、いやそっちがどーぞ、ってずっと譲り合ってるつもりなら、あたしが貰っちゃうからね」
それを聞いた竜児は、
「またその話か。お前ら一体何を欲しがってるんだよ?それって、仲良く三等分、みたいな解決はできないのか?」
と若干呆れた様子。亜美は苦笑して竜児に返す。
「無理なんじゃない?あたしは、今はそれでもいいかなって思ってるけど」
その答えに、ぎょっと二人が亜美に目を向ける。亜美は別段気にした様子もなく、ふん、と鼻をならして竜児に向き合う。
「今日はありがと。高須君が来てくれてよかった」
そう不意打ちで竜児に告げる。何の心の準備もなくそれを食らった竜児は赤面して、「お、おう…」と返す。
その竜児の姿がおかしかったのか亜美がくすくす笑う。笑われた竜児は気恥ずかしさも相まってつい反抗してしまう。
「何だよ。お前が急に素直になるからだろうが」
「高須君が言ってくれたから、素直になってるんだけどなぁ?」
意地の悪そうな笑みを浮かべ、亜美がそう言う。怪訝な表情を見せる竜児に亜美は告げる。
「大切にしてくれるんでしょ」
そういった亜美に竜児はひどくビックリした。いつも冷めてたというか、距離を置いていたような亜美が自分の発言をここまで信頼してくれたなんて、と思ったからだ。
そんな風に聞かれたら竜児の心は決まっていて、
「当たり前だ」
と答えた。それを聞いた亜美はうれしそうに笑って(初めて見た)それじゃまたね、と言って木原たちのところへと、離れていった。
やっぱ腐ってもモデルだななどと、見惚れてしまった自分が悔しいのか竜児は負け惜しみをこぼす。
そうして、自分も友達のところに行こうとすると


550:119
08/12/05 00:04:57 /z/jqm26

「どこへ行くのかしら…?竜児」
引き止められた。ていうか、ひっそり二人から離れようとしてたらバレた。
「いろいろと聞きたいことはあるけど、これだけは言っておくわ。―覚悟してなさいよ、この駄犬」
と、告げて自分の机にずかずかと向かっていく。
オーマイゴッド。マジ怒りじゃねぇか。経験から、大河が冷静に自分に宣告してくる方が被害が大きいことを竜児は知っていた。
そして、実乃梨は実乃梨で竜児に向き合い、肩をガッとつかんで、
「高須君!!何かあーみんがすっげーことになってる!何で!?何で!?」
おおう、櫛枝。頼むから飯を食ったばっかりの俺の頭をそんながっくんがっくん揺らさないでくれ。
竜児の肩を持って、激しく揺さぶる実乃梨に祈る。その祈りが通じたのか、実乃梨は揺さぶりをやめてくれた。
けれど、どこか呆然とした様子で何事かをつぶやく。
「あ、あーみんまで。これじゃ、私が『決めた』意味が…。」
その言葉の意味がわからず、竜児は頭の上に?マークを浮かべる。そして、竜児のその様子で実乃梨は今のが聞かれたとわかったのかバッと手を肩から離し、
「あ!や、違くて!これは~その~…。えっと、何でもないんだぜ!!」
確実に何かあるだろう反応を返してくる。しかし竜児はその『何か』がわからないのでそれ以上問いつめることもできず
「お、おう」
と無難に流すことにとどまる。実乃梨は、何で~もない何で~もない、と自作の何でもないソングを歌って竜児から離れていく。
何か今日いつにもまして挙動不審だな、と竜児は思った。


そしてその日は学校から帰ったら大河に盛大に罵られた。ものすごかった。具体的に言うと●●●●●…言葉にできない。
ひとしきりわめいて落ち着いた大河に、「何でもするから機嫌なおしてくれ」と言うと様子が激変して、
「じゃ、じゃあ週末の食事はあんたが全部作りなさい!!いい、三食きちっと作るのよ!?あ、あんたに持ってこさせるのはさすがに可哀想だから、私が食べに来てあげるわ!!」
と返してきた。そんなんでいいのかよ、と竜児は思うが大河がいいならそれでいいかとも思う。
二日間、ずっと自分の家で大河のために食事を作ればいいのならお安いごようだ。自分には特に予定もないし。
ただ、大河はこの週末どこにも出かける予定はないのだろうかと思ったが、目の前で楽しみでたまらないといった様子でいるのを見る限りその心配もなさそうだ。
「ね、竜児。私このまえ作ってくれたやつが食べたい。あの鳥のやつ」
「おう、任せとけ。あ、でもあれは手間がかかるから土曜の夕飯でいいか?」
「うん」
そう嬉しそうに大河が笑うなら、二日間の食事提供など軽いものだ。


そして休みも終わり、月曜日。学校に行くために、いつも通り大河を起こしに行き一緒に朝食を食べ一緒に家を出る。
登校の途中で実乃梨とも合流し、女二人は竜児などいないかのように盛り上がる。
そして校門の所でたまたま時間の重なった亜美と会い、一緒に下駄箱まで行く。
男女比に何も思わない訳でもないが、ここまではおおむねいつもの日常だった。
――二年C組の下駄箱にたどり着いた竜児が一人の女の子に話しかけられるまでは。


551:119
08/12/05 00:05:35 /z/jqm26
「…なんっで、そんなにピリピリしてんだよ、お前らは…」
今まで和やかだったのに、なぜ急に極寒なんだ!!と主張したいが、この空気がそれ以上言わせてくれない。
「ずええぇぇ………っっったい、あの放送のせいだわ!!」
「むっかつくなぁ、急に注目しだしちゃってさぁ。今まで見向きもしてなかったくせに」
「おおお!?高須君、それ誰、誰それ!?この櫛枝、恥ずかしながら初めて見る顔なんだけど」
三者三様の答え。共通点はみんな目が笑っていない事。…まったく笑えない。
「ねぇねぇ高須君。私の話聞いてる?」
目の前の見知らぬ女子は空気読まずに話し続けるし。頼むから読んでくれ。
「いや、その、あなたが誰だか俺は知らないんですが…」
「あ、ごめん。そうだよね。えっと、『教えて大明神』って言ったらわかる?」
その名前を聞いて竜児の記憶が呼び起こされる。北村に誘われて出た昼の放送で、二枚目のお便りを書いた人物、のはずだ。
「ああ、あの二人目の。それでいったい俺に何の用が」
「そうなの!!聞いてくれる!?もうほんと私の彼氏すごい分からず屋で困ってるの!!」
……もしかして愚痴を聞いてもらいたいだけ?
「そんでまた高須君に相談乗ってもらおうと思って。今日の放課後とか平気?」
「いや、特に用事はないけど―」
「ありがと!!じゃあ、今日の放課後にね!」
それだけ言って、風のように去っていく。残されたのは呆然とした竜児と不機嫌顔の女の子三人。
もしかして、承諾した事になってしまったのだろうか。動揺する頭にそんな言葉が浮かぶ。
「あんた何、約束してんのよ!!」と猛る大河。
「ふーん。女の子から大人気だねぇ、た・か・すく~ん」と毒をはく亜美。
そして実乃梨は
「うううううううううう…!!」唸っていた。
その様子に竜児が「く、櫛枝?」と声をかけると、実乃梨も自分の状態に気づいたのか説明してくる。
「…おおっとぉ!!少し自分を見失っちゃってたぜ城之内くん!!ずっと君のターンだったからね!」
「いや、意味がわかんねえ」
説明で余計に訳がわからなくなった感じだ。実乃梨はまだ「もちろん効果は正位置だ!!」とか言ってるし。
三人の心中を竜児は理解しないまま妙に悪い雰囲気で、みんなで教室に向かうのだった。


そして放課後。竜児は、面倒事は早いうちに片付けるとばかりに早々と朝の約束を果たすため教室を出て、すでに相談を受けた後だった。
だが、自分の教室に戻っていく竜児の足取りは重い。なぜかというと…
「…しかし疲れた…」
そうなのだ。相談を受けるために、『教えて大明神』が所属する教室(二年A組だった)まで行ったのだが(場所の指定は昼休みに彼女の方からあった。ちなみにその時、いつも一緒にお弁当を食べるグループの三人ほどの女の子からの視線が痛かった)
竜児は思う。――何で俺が他人の惚気を聞かなければならないんだ…!!
そう、惚気られたのだ。そりゃあもう盛大に。
彼氏の事を悪し様に言っていたのは最初の五分間だけで、後の十五分はずっと惚気だった。そして『教えて大明神』の友人らしき人物も「私も話聞いてもらっていい…?」と言い出す始末。
最終的にA組は『出張☆高須竜児の相談部屋』になっていた。
「なんっで、順番待ちが増えていくんだよ…。おかげでえらい時間くっちまったぞ」
竜児の性格上、相談を持ちかけられたら真剣に考えないわけにもいかず真面目な応答をしていたらいつのまにか列ができていたのだ。
「しかも、なぜ恋愛相談が多いんだ…。俺は年齢イコール彼女いない歴の人間なのに」
そうであっても、しっかりと相談にはのったが。そして例にもれずに優しさのあふれる回答をしているので隠れファンが増えている。が、竜児にそれを知るすべはない。
もう大河も帰っちまっただろうな、とため息をつきながらガラッと教室の扉を開けると

「おぉ~高須君。おつかれさま~」

―櫛枝実乃梨がそこにいた。


552:119
08/12/05 00:06:18 /z/jqm26

「は?え、いや、何で!?」
「え~。城之内君、さすがにそれは傷つくぜぇ?速攻魔法、バーサーカーソウル!!ってな感じで」
「いやいや、別に待っててくれたのが嬉しくないんじゃなくて、むしろ嬉しいんだがそうじゃなくて!!」
「ん~とね。高須君が教室出た後、大河が『竜児が変なことしないか見張ってくる!!』って出て行って、あーみんは『あたしは先に帰っておこーっと』って出て行って、そんで私は大河と高須君を待ってたのだよ」
「待ってた、ってどうして。何か大河と約束してたのか?」
「今日、大河の家に泊まるんだ。平日だけどごり押ししたら両親からオッケーサインがでてさ。…家主がいないのに大河の家に行くわけにもいかないし。それで教室で待ってたんだ」
「そっか。部活とかは?いいのか?」
「土曜日練習して、日曜日試合だったから今日はオフ。バイトもないよ」
そういうことか、と竜児は納得する。しかしすぐにまた疑問がわいてくる。
「でも俺、大河に会ってないぞ?」
実乃梨の言う事が確かなら、自分は大河の姿を見かけているはずである。だが、A組からここまでの道のりで大河には会っていない。
それを実乃梨に伝えると苦笑して、
「あ~やっぱりか。多分だけど、どこで高須君が相談受けてたか知らないんだと思う」
「…は?」
「いや~、あの子すごい勢いで出て行ったけどすぐ立ち止まってまた走り出したからさ。きっと、『場所がわからない、ならしらみつぶしに探す!!』ってなったんだと思う」
「…大河…」
さめざめとその名前を呼ぶ。昼休みあんなに鋭い眼光をとばしてきたのに、伝えられた場所を忘れるのか。ある意味すごいぞ手乗りタイガー。
「そういうこと。だから待つしか選択肢が残ってないんだよね。…私のライフカードはどこへっ!!」
「…それは別にその選択肢一つでよくねぇか?」
そう言って笑う竜児に、実乃梨も「ん?そっか、そうだやな」と笑顔を見せる。
その笑顔はやっぱり素敵で―この人に恋をしてよかった、と思う。
そんな風にこの状況を楽しんでいた竜児に、実乃梨は次の言葉を放つ。

「ね、高須君。今もまだ幽霊は見えてる?」

それを聞いたとき、竜児の頭は一気に現実に引き戻された。しかし実乃梨は穏やかに続ける。
「ほら、夏休みにあーみんの別荘で話したじゃん。UFOとか幽霊とか」
それが何で今でてくるんだろう、そう考えていた竜児の頭を読んだのかは知らないが、さらに実乃梨は言う。
「最近、ほんといろんな事があってさ。それで価値観も変わってきてて。前は、幽霊なんて私には見えないんだろうなって思ってたんだけど…今は、見えてる、かもしれない」
「…それは…」
後の言葉が続かない。実乃梨が見えたかもしれない幽霊はいったい誰なんだろうか、もしかして……といった思いがないわけでもない。
実乃梨との雰囲気は―自惚れていいのなら―良好だったし、竜児以外の男と話しているのを見た事なんて数えるほどしかない。
「だけどね、高須君」
それでも言葉に詰まったのは、そう、実乃梨の様子があまりにも苦しげで、それはまるで懺悔のようで―
「その幽霊は私が見ちゃ駄目な人で。親友も同じ幽霊を見てて。でも、駄目って思えば思うほどはっきり見えちゃって…!!」
何で。何で実乃梨はこんなにも苦しんでる。竜児は確かに『実乃梨にも幽霊が見えたらいい』と望んだが、こんな顔を見たかった訳じゃない。
竜児は、実乃梨にも自分が持っているのと同じような想いを持って欲しかった。お腹のあたりがフワフワと暖かくなるようなそれでいて幸せなこの想いを。
「…やっぱり私はさ。幽霊、見えない方がよかったみたいだよ、高須君」
そんなことを言われてしまったら、もう終わりだ。
本当に終わりだ。だってそんなことを言われたら――

自分の本音を暴露するしかないではないか。


553:119
08/12/05 00:07:47 /z/jqm26
「な、何か変なこと言っちゃったぜ!!もーう、それもこれも高須君が頼られオーラをゆんゆん出してるからだよ!高須君はほんと危険なお・と・こだね!!」
「櫛枝」
「え、何だい城之内くん!もう一戦なんてのは勘弁しておくれよ!もうとっくに櫛枝のライフポイントは0だ!」
「好きだ」
隠すのは終わり。結果がどうだろうと玉砕しようが何だろうが、今言っておかないと自分はこの気持ちを実乃梨に渡す機会を永遠に失う。
それは、それだけは嫌だった。実乃梨の行動・言動で簡単に一喜一憂するこの想いを無かった事にされるのだけは。
「一年の時に、北村と話すお前を見て好きになった。何て楽しそうに笑うんだろう、ってそう思った。それからずっと好きで、今年同じクラスになれて内心すごく嬉しかった。お前は覚えてないかもしれないけど、最初に話しかけられた時すごく緊張した。
 悪い、こんなヤンキーみたいなのがお前の事好きになって。でも、俺は本当にお前の事が」
「ストーーーーーップ!!」
顔を真っ赤にした実乃梨に止められる。
「た、高須君!?今さっきの私の話聞いてた?聞いてたよね!?そ、それで何で急にそんな、こ、こ、告白を」
「お前が、幽霊見えない方がよかった、なんて言うからだ」
見えない方がよかった―そう実乃梨が言うのならば、今言っておかないともう実乃梨は聞いてくれないだろう。
だから言う。
竜児だって恥ずかしいのを我慢しているのだ。噛みそうになるのを必死でこらえて、口数でカバーして。心臓は破裂しそうに、バクバクバクバク!と鳴っている。
「何回でも言うぞ、本音だからな。俺は、お前のことが、好きなんだ」
そう竜児が言い切ると、実乃梨はブチッと――ブチ?
「~~~~!!!高須君の馬鹿!私が見えなくていいって言ってるんだから、関係ないじゃん!!」
「はあ!?か、関係なくねぇよ!好きな奴が、『恋愛とかどうでもいい』っつったら一大事だろうが!」
「でも、高須君には大河もあーみんもいるじゃん!私のことなんてほっといてくれていいんだよ!!」
「お前、それ俺、どんな鬼畜だよ!?ほっとけるわけねぇだろ!お前は俺なんかにそう思われるのが嫌かもしれないけど―」
「そう思ってたら、ここまで悩んでない!私だって、高須君のこと好きだよ!!」
竜児の口が止まる。え?今実乃梨は何て言った?聞き間違いじゃなければ確かに今自分の事を―
「好きだから、こんなに悩むんだよ!大河もあーみんも高須君のこと好きなのに、それで私一人だけ成就するなんて…!!」
ひっそりと驚愕。ええええええ!?大河と川嶋!?うっそお!?
「…大河と川嶋?…や、それはさすがにありえな」
「ありえるの!!大河もあーみんも高須君のこと好きなの!!鈍感すぎ!!」
何気に傷ついた。好きな人からこうも真っ直ぐに言われるとクるものがある。
…しかし、まあ何で実乃梨が『幽霊なんて見えない方がよかった』なんて言うのかはよくわかった。
大河と亜美の存在に悩んでいたのなら、簡単だ。亜美が悩んでいたときと同じように、実乃梨の不安を取り除けばいい。
その答えを、竜児は持っている。
「櫛枝」
「…何だよ。高須君」
「俺は、大河を守りたいとも川嶋を大切にしたいとも思っているんだが」


554:119
08/12/05 00:08:19 /z/jqm26
「………へ?」
「大河を守りたいし、川嶋を大切にしたいって思ってる。そしてその上でお前の事が好きなんだ」
そうだ。自分の気持ちはいつもそうだった。
―あの肝心なところでばっかりドジをやらかし、それでも強がる大河を『守ってやりたい』。
―いつもいつも上から目線で人を見てて、そのくせ一人で傷ついて寂しがる亜美を『大切にしたい』。
―毎日太陽みたいに笑ってて、だけど真っ直ぐな強い芯を持っている実乃梨を『好きでいたい』。
うつむいた実乃梨の表情はわからない。もしかしたら呆れてるのかもしれない。だけどこれは実乃梨に知ってもらいたかった事なのだ。
「優柔不断って言われたら、そうとしかいえねえ。でもこの気持ちは嘘じゃ「…っ!!あははははははっ!!」
爆笑。竜児もさすがに、ええええここで…!?となる。うつむいてたのは、笑いをこらえるためか。実乃梨の顔は真っ赤だった。
「ちょ、おい、櫛枝?大丈夫か、お前!?」
「ひー、やばい、もう高須君、予想外すぎる…!!斜め上いきすぎっ!!」
何で実乃梨は爆笑しているのだろうか…?俺なんか失敗した?竜児が不安になるのも仕方ないといえる。
その間も実乃梨は「やーもうほんと予想外。すっげー、高須君すっげー…!」と笑っている。
「…何がそんなにおかしいんだよ…」
憮然と言う竜児に実乃梨は涙をぬぐい(そこまで笑ってやがった)言葉を返す。
「もー、高須君さいっこう。こんな風に悩み解決されるとは思ってもみなかったよ…!やーも、…ぐふっぐふふっ!!」
息も絶え絶えにそう言って、しかも最後は笑って言えてない。
……やっぱこいつ変。そう竜児が判断を下すのもしょうがなかった。

555:119
08/12/05 00:08:57 /z/jqm26
実乃梨が落ち着いてから、大河を探しに行く。
こっちが探しに行った方が早い、と二人で結論を出し大河の鞄を持って教室を出る。
さてどこに行ったかと、竜児が探そうとすると
「大河、下駄箱の所にいるってさ。早くいってあげよ?」
携帯をとりだした実乃梨が竜児にそう告げる。
なら急ぐか、と並んで小走り。
「ねー高須君。私らの関係って今どんなかんじ?」
「いやどんな感じって」
「一応、告白し合って、両思いってわかったじゃん」
「ぶっ!!」
「でも、高須君は大河とあーみんもいるしさー。なんだろうねこの関係…わかった!!友達以上恋人未満だ!!」
「げほっ、げほっ!!」
好きな人からそんなこと言われて照れない男がいるだろうか。いたらそんなやつ人間じゃねぇ!!
「どしたの?高須君」
「何でもない!!」
誰かこの無自覚爆弾投下娘を止めてくれ。

下駄箱につくと大河がちょこんと座って待っていた。竜児たちが着くなり開口一番
「遅い!!」 
の一喝。これでこそ大河。それでこそ手乗りタイガー。
「悪い、いろいろあって遅れた。寒かったか?」
「もー、みのりんおそーい!私すっごい寒かったよー!」
「へへへ、お嬢ちゃん。俺が暖めてやろうか…?」
ガン無視か、こら。しかも実乃梨もノってるし。…俺、本当に好かれてるんだろうか?
靴を履き替え、校舎を出る。そして校門を出ると、横で亜美が校門にもたれて立っていた。
「おっそーい。女の子をこんな寒空の中待たせとくなんて、男として失格」
「…約束はしてなかったと思「てい」
バシッと叩かれた。理不尽すぎやしないか、この状況。
「こんな美人が待ってたことに感謝したほうがいいんじゃない?高須君」
「お前が美人なのは認めるが、絶対に感謝はしない」
そして亜美も合流。女三人寄れば姦しいと言うがまさにその通り。
「えっと大河、あーみん。私は三分こに賛成です」
「三分こ?…ああ、半分この三人版。実乃梨ちゃんがそう言うって事は…」
「…また、竜児がやらかしたわけね」
「や、それは恥ずかしいから置いといて!…で?で?どうなのどうなの、三分こ」
「あたしはかまわないって前も言ったでしょ。その方が高須君も喜ぶんじゃない?」
「…みのりんがそう言うなら、私もいいよ。でも!ばかちーは近づきすぎちゃだめだから!!」
「べっつにちびタイガーに指図される覚えはないんだけどぉ?」
「何だと、このぽっちゃりチワワ!!」
「だから、太ってねぇつのミニマムタイガー!!」
俺ここにいる意味あるのかな…竜児がダークサイドに堕ちそうになっている。
この喧噪は、大河の家に泊まらない亜美が途中で分かれるまで続くのだった。


556:119
08/12/05 00:10:16 /z/jqm26

―この世界の誰一人、見たことがないものがある。

「朝だぞー大河、櫛枝。早くしないと学校遅刻するぞ?平日に泊まるんなら次の日もしっかりしないとな」
「んー。ほらみのりん行こ?」
「へーい」

それは優しくて、とても甘い。

「「「いってきまーす」」」

多分、見ることができたなら、誰もがそれを欲しがるはずだ。

「いやー、夏の時も思ったけど高須君の料理スキルはやっばいね」
「そ、そうか?そう言ってくれると嬉しい」
「竜児はそこ以外誇るところないもんね」
「こら、大河!昨日の会議を高須君にぶっちゃけるよ?」
「それは待ってみのりん!!」

だからこそ、誰もそれを見たことがない。

「あ、あーみんだ。おーい!!おーい!!」
「げ、ばかちーだ」
「朝っぱらからてめぇはむかつくな、ちびタイガー!!」
「お前ら、もうちょっと静かに登校しろよ…」

そう簡単には手に入れられないように、世界はそれを隠したのだ。


557:119
08/12/05 00:10:53 /z/jqm26
「高須君も幸せだねぇ?こーんなに女の子からモテモテで」
「あのな、川嶋…」
「そーよ!!あんたはもう少し自分のみに舞い降りた幸運に感謝すべきだわ!!」
「…だからな、大河」
「うーん、否定できないかなぁ」
「櫛枝っ!?」

だけどいつかは、それも見つかる。

「お前らな…前も言ったが、俺のこと嫌いだろう…?」

手に入れるべき人達が力を合わせれば、そんなのは軽いことなのだ。



「「「ううん、大好きっ!!」」」



そういうふうになっている。




「「「あ、顔真っ赤」」」
「うるせぇな!!あー、もう、お前らもさっさと履き替えて教室…に…」
「…ねえ、竜児?その手に持ってるピンクの手紙は何かしら…?」
「へー、高須君は亜美ちゃんたちじゃ満足しないって…?」
「二年A組…高須く~ん?これって前手当たり次第に相談を受けたのが原因だと私は思うんだけどなー?」
「本当俺みたいなのがラブレター貰ってごめんなさい!!」


なっている、のか?

End

558:119
08/12/05 00:11:33 /z/jqm26
以上!!
めちゃくちゃ難産だった…orz
ごめんねオリジナリティなくてごめんね。
一人でこんなにレス消費してごめんね。

559:名無しさん@ピンキー
08/12/05 00:18:39 mWBfWaql
>>558
一番槍GJ!!
いいぜぇいいぜぇ超ぐっじょーぶ!

ハーレムスレの住人としてはもっとモテてもいいくらいだぜ
兎に角楽しかったよ!
…その三本がもっと成長するところも是非見てみたいけどね

560:名無しさん@ピンキー
08/12/05 00:18:47 vHZNSh+j
グッジョブ!
こ・・・このハーレム王め(・∀・)ニヤニヤ
オラちょっと竜児に殺意が沸いてきたぞ(`д゚メ)

561:名無しさん@ピンキー
08/12/05 00:18:49 iSP3VMis
そんなことないです!
しかし、これで完結ですか。
さびしいです

562:名無しさん@ピンキー
08/12/05 00:29:17 30VtnONj
>>558
この鬼畜め、ハーレム好きめ
でもそんなあんたの書く話は最高だ~
亜美のがオリジナルうんぬん言っちまったが、全体とおすと良い繋がりになってたよ

563:名無しさん@ピンキー
08/12/05 00:30:32 WI86NmTR
ここはいいハーレムなインターネッツですね

564:名無しさん@ピンキー
08/12/05 00:30:32 fWlpyVW+
GJ!GJ!
4~10本はエロエロ展開ですね。お願いします。

565:名無しさん@ピンキー
08/12/05 00:41:21 pdCCgmkT
>>558
Good job
なんというハーレム
しかし、これが序章に過ぎないとは…



566:名無しさん@ピンキー
08/12/05 01:17:34 xI3K280F
何と言うハーレム
しかもエロパロ的には序章に過ぎないとw

567:名無しさん@ピンキー
08/12/05 01:41:45 AJi84e+c
エロなしでハーレムを作るとは…恐ろしい子。GJ!


568:名無しさん@ピンキー
08/12/05 01:43:35 o1OoA1uW
GJ過ぎます。みんな可愛いし、最後がまた破壊力すさまじいですねっ。
終始ニヤニヤでした。


独身を…遅筆な自分に代わって、誰か独身を…

569:名無しさん@ピンキー
08/12/05 02:13:56 n7P/pu3H
>>558
GJ!

僕らの戦いはこれからだ!

570:名無しさん@ピンキー
08/12/05 02:26:29 k8aHOys5
>>558
イカン

顔の筋肉がニヤケざるをえない






ところで「三人同時に初えっち編」はまだですか?


571:名無しさん@ピンキー
08/12/05 02:27:28 DkiV6zve
>>540
で泣いて
>>548
でニヤニヤした

なんて恐ろしい子たち!GJ!

572:名無しさん@ピンキー
08/12/05 03:38:20 aLjaeX49
やべぇ、超GJ!
こんなキレイなハーレムエンド知らねぇよwww

全般的にハーレムエンドは優柔不断臭がするから好きじゃないんだけど、これはイイ!
俺の中で唯一気に入てった『トラぶる花札道中記』のワカメ編を越えた

眼福眼福

573:名無しさん@ピンキー
08/12/05 04:43:41 F/t8lpeJ
俺はまだ、あの人から卒業できていないのか。


「お久しぶりです。北村先輩」
「うん?幸太、か?久しぶりだな」
仕事帰りの電車で懐かしい奴に会った。自分の一つ下の後輩で生徒会役員を勤めていた幸太だった。
「結婚式は行けなくて悪かったな、ちょっと立て込んでたんだ」
嘘だ、本当はあの人に会いたくなかっただけだ。
おそらく幸太も分かっているのだろう、顔が若干歪んでいる。
「結婚式で義姉に会いました」
幸太は窓の外を見ながら言った。
「ずっと………彼氏を作っていないようです」


『おめでとう、さくら』
『うん!ありがとうおねぇちゃん!……次は、おねぇちゃんの番だよ』
そう言ってさくらはブーケを差し出したが、すみれはそれを受け取ろうとはしなかった。
『私にそんな相手なんか居ないよ』



574:名無しさん@ピンキー
08/12/05 04:44:20 F/t8lpeJ

「義姉は誰かを待っているんですよ」
ドアが開いて人の出入りが行われる、幸太は失礼しますと言い電車を降りて行った。
「誰か、ね」
竜児は大河と結婚し、能登はなんだかんだで木原と一緒になり、春田は頭の良い彼女とうまくいってるらしい。
そして自分は彼女の一人もいない。
なんどか告白されたが、心の中であの人と比べてしまって今一歩踏み出せない。

だからと言って会長に再びアタックする気はない。
足手まといにならないと決めたその日から、彼女と顔を合わせてはいない。

「結局俺は、いまだに心が囚われているんだな」

バッグから今日の朝刊を取り出して一面を眺めた。
そこには、NASAの関係者の中で豪快に笑うすみれの姿が映っていた。



575:名無しさん@ピンキー
08/12/05 05:49:19 bMPKOWCi
>>548GJ!素晴らしいSSを書いてくれた事に大感謝!所で、>>570が言う様にエロ編は無いの?

576:119
08/12/05 06:40:05 JNS6oeKq
>>559-572
>>575
みんなにそう言ってもらえてほんと嬉しいです。
ss初心者ながらもがんばったかいがありましたwww
エロ編は…どうしようかなー、と思ってます。
一人でそこまでシリーズ化して書いていいものかとも思いますし。


577:名無しさん@ピンキー
08/12/05 06:47:16 rG0XFDDh
遅レスだが >>558 GJ! なんという綺麗なハーレムEND!
これは続きor後日談を期待せざるを得ないぜ!

578:名無しさん@ピンキー
08/12/05 07:48:47 vQqzmy6F
>>573-574
これで終わり?
続きを頼む、救われねえよ

579:名無しさん@ピンキー
08/12/05 08:03:58 KbqPElEm
俺はエロより>>119氏の新作が読みたい
エロは好きなんだが、綺麗なまま終わってるならそれで……

580:名無しさん@ピンキー
08/12/05 08:26:20 AJi84e+c
裸族は役回り的に一番損してるよね、ばかちー共々。
そんな北村にスポットライトをあててくれた作者の深い愛を感じたぜ、GJ!
でも、救われねぇ…

581:名無しさん@ピンキー
08/12/05 09:27:56 pdCCgmkT
>>573
アニキ北村だと!?
期待せざれるを得ないじゃないか!!
しかし、アニキ裸族はどうもってくか難しいところだね~


582:名無しさん@ピンキー
08/12/05 09:49:40 k8aHOys5
>一人でそこまでシリーズ化して書いていいものかとも思いますし。

書いていい
っていうか書け
書かないとおまいは野良チワワの群れに襲われて食い殺されるであろう

583:名無しさん@ピンキー
08/12/05 10:17:48 kjj/ahY5
なんと幸せな死に方

584:名無しさん@ピンキー
08/12/05 12:03:23 bMPKOWCi
保管庫にある、「あおいタオル」というSS。
いーとこで終わってるから誰か続きを書いて欲しいな。
アニメではその辺のくだりはカットされてたけど。

585:名無しさん@ピンキー
08/12/05 12:34:12 fWlpyVW+
>>576
長編書いてください

586:名無しさん@ピンキー
08/12/05 13:13:56 /Z7VyLIE
>>540
GJ
切ないが…かなり気に入ったw
これのおかげで原作9巻のこのシーンよりちょっと後の
昼休みに竜児が自分の弁当を大河に渡す場面の大河の心裏を色々妄想してしまったw


587:名無しさん@ピンキー
08/12/05 19:03:38 SABmPcav
>>558
GJ!!!
ところで3Pはまだですか?

>>574
GJ!!1
続編マダー?

588:名無しさん@ピンキー
08/12/05 21:15:11 bMPKOWCi
>>587 4Pだろ?

589:名無しさん@ピンキー
08/12/05 23:13:11 SABmPcav
>>588
( ゚Д゚)間違えたorz

590:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:28:53 R4rfXRJQ
松澤SSってみのりんSSより少ないのな
やっぱ書きにくいんだね

591:名無しさん@ピンキー
08/12/06 02:03:16 acHaZPrS
今はアニメのおかげでとらドラの流れだしな

まぁ竜虎好きな俺的にはすごくありがたいが

592:名無しさん@ピンキー
08/12/06 04:44:50 NM17bj+N
良作が続いてるな
みんなGJ!!

593:名無しさん@ピンキー
08/12/06 10:53:47 R4rfXRJQ
このスレってそんなに人がいないように見えて実はかなりROMがいるんだな
保管庫のアクセス数も結構多くて驚いた

594:名無しさん@ピンキー
08/12/06 12:19:09 dnW4oMDU
ななドラとかまた見て~
なんだろハーレム物の時も思ったが
原作で竜児を気にしてなかった子に竜児がモテるとこをニヤニヤして~

595:名無しさん@ピンキー
08/12/06 12:49:31 /vQblZjX
>>573-574
GJ

596:573
08/12/06 13:57:21 9uCp/Jm2
救済への構想は練った、後は書くだけ。
待ってくれてるとうれしい。

597:名無しさん@ピンキー
08/12/06 14:52:37 CgiZnB+N
保管庫ってもう少しどうにかならないの?
すげー読みにくいんだけど。

598:名無しさん@ピンキー
08/12/06 15:00:05 nxRvQUj1
5,6話あたりだったと思うけどみのりんが頭上で「○」を作ろうとして
急に「×」に変えたのって、あれ何のネタだっけ?
たしかかなり昔にテレビで見た覚えがあるんだけど
○だと紙吹雪が、×だとバケツの水が落ちてくるの

599:名無しさん@ピンキー
08/12/06 15:03:23 nQ4pg+Dp
>>598
懺悔の部屋

600:名無しさん@ピンキー
08/12/06 15:10:04 vQ2hTDVa
どう読みにくく感じてるのか分からんが
保管庫サイトとしては親切目のまとめかただと思うけどな

601:名無しさん@ピンキー
08/12/06 15:24:24 3HyLf+yk
>>596何の?

602:名無しさん@ピンキー
08/12/06 18:28:03 nIxoh6g1
>>598
『オレたちひょうきん族』っていうお笑い番組のなかの「ひょうきん懺悔室」ってコーナー

603:名無しさん@ピンキー
08/12/06 18:31:17 graFE3Zu
まとめはこれでいいと思うけど、強いて言うなら明朝体よりもゴシック体にしてほしいな

604:名無しさん@ピンキー
08/12/06 18:32:54 nIxoh6g1
URLリンク(jp.youtube.com)
ナツカシス

605:名無しさん@ピンキー
08/12/06 18:40:23 jcTFIIxl
三大都市でテレビを視ていらした皆様、次週予告で、すみれの対面がさくら、奥がすみれの隣が祐作、さくらの隣りが幸多、出前の女子が書記、男子が庶務というか次期生徒会会長候補、で良いでしょうか?
さくら×こうた を書いている最中に出てきたので、驚いてます。

だって、幸福の手乗りタイガー伝説がまだなのてすから。


606:名無しさん@ピンキー
08/12/07 00:32:53 4ffKg8Vw
とらドラってここ以外だと個人のHPではあんまりSS書いてる人とかいないね
ラノベの限界か

607:名無しさん@ピンキー
08/12/07 03:45:39 6DZT4/43
ハルヒは今でも見掛けるほど書かれてるけどね
会社の限界か

608:名無しさん@ピンキー
08/12/07 06:31:12 lv0heIhW
>>604
久しぶりに見た

609:名無しさん@ピンキー
08/12/07 07:05:13 lv0heIhW
スレリンク(eroparo板)
川嶋亜美の凌辱もの(?)を牧場スレに置いてきました
よかったら見てやってください

610:名無しさん@ピンキー
08/12/07 08:58:00 1cg/nbJz
>>609
牧場スレってなんぞと思ったがそのまんまでワロタ
GJ

611:名無しさん@ピンキー
08/12/07 15:28:20 klerSZZ5
>>606
探したのはいいが中々見つからないよな
一番上にHITするのはここという落ち

612:名無しさん@ピンキー
08/12/07 16:18:32 at3jumgW
生意気な竜児をシめてやるッ!

狸ね入りするやっちゃんが見守る中、「晩御飯作るの遅い」件への制裁は行われた。
既に竜児の両手は後ろ手に縛られてれている。
「タイガ、コマしたれ」
インコちゃんが寝言をいうと、大河はワンピースの下からショーツを抜き出した。
ゆうに数ミリしかないだろうというささやかな陰毛の草むらに、竜児の頭はくらっと震えた。
しかし、その恐怖とは裏腹に~いや、竜児にとってはその恐怖こそが
色欲を沸き立たせるものだったのかもしれないが~
竜児の「ふ、ふんっ!蛇のしっぽみたいね!」(大河談)と言われるようなな小振り(大河談)な一物は痛い程にそそり立っていた。
その「蛇尾」の皮を大河が唇で「ちゅる…ん、んう、ん…ふぅん」と不器用に、苦しげに剥く。
大河の口中に竜児の雄臭が広がる。
そして、大河の花畑が竜児の竜頭をねじり飲み込んでいく・…
ご主人様によるド迫力(と思いなさい)の初体験。
まだ、幕が開いたにすぎない。
抑え切れなくなった気持ちの吐露は、ここから始まる。夜はまだ終わらない…

613:名無しさん@ピンキー
08/12/07 18:56:09 u20tbsFH
大河が竜児を後ろ手に縛るって、想像出来ません。
ですが、縛る事以外は有りそうですね。
で、続きは?


有るとしたら、木刀で後頭部一撃か、正面から襲いかかって、倒れた所を手足を押さえて、正面なら喉を噛む、背面なら耳か肩を噛む、
と思います。


614:名無しさん@ピンキー
08/12/07 19:04:21 Ok08bX2o
あからさまに18歳以下な香りのするレスは控えましょう

615:名無しさん@ピンキー
08/12/07 21:05:53 t3OuCb2T
>>614
うん!わかったよお兄ちゃん!と言えばいいんですね、わかります

616:名無しさん@ピンキー
08/12/07 21:29:22 v6dml5DT
sageるんだ

617:名無しさん@ピンキー
08/12/07 21:52:51 3PGUZzir
新作はまだか?
竜児と実乃梨のラブラブだぜー超ラブラブだぜーなヤツ。

618:名無しさん@ピンキー
08/12/07 22:18:35 klerSZZ5
連休中に来るかなと思ったんだけどな・・・・・
だが、まだ一時間半ある!

619:名無しさん@ピンキー
08/12/07 22:43:17 taKrNr8n
ねこうさプリンにとらドラ!の漫画があるな。
思えば俺はあの人の影響でこれを見始めたんだなぁ…

620:名無しさん@ピンキー
08/12/07 22:51:32 v6dml5DT
連休って先週普通のウィークデーじゃん

621:名無しさん@ピンキー
08/12/07 23:12:15 6DZT4/43
俺毎日連休なんだけど

622:名無しさん@ピンキー
08/12/07 23:19:13 +Vu36Xz7
土日と休みなのは連休ですよ。
週休二日が浸透したこともあるけれど
みんながみんな週休二日ではないわけで。

>>621
その昔「毎日が日曜日」という漫画があってだな(ry

623:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:09:34 gzp3/2Af
学校が土日休みなのは、ゆとり教育ってやつのせいでしょ?

624:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:32:01 6lnq1jca
毎日が日曜日ですが?

625:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:48:39 ZA3bULmt
>>623
18禁だが

626:名無しさん@ピンキー
08/12/08 01:25:14 cRGjE19X
18禁とか…
そんな有名無実なことにまだこだわる奴がいるのか…
素で少し驚いた


627:名無しさん@ピンキー
08/12/08 01:34:37 1PyJ9UBQ
奪い合いされる様なハーレムSSと自然に三又OKなハーレムSS、
みんなはどっちがいいかい?

628:名無しさん@ピンキー
08/12/08 02:11:13 c8Jamza6
俺はどちらでも構わんが

629:名無しさん@ピンキー
08/12/08 02:18:37 MufVwmDr
が?

630:名無しさん@ピンキー
08/12/08 02:41:29 I60xnez4
>>623
労働運動の成果。週休2日制じゃなきゃ疲れがとれんw

631:名無しさん@ピンキー
08/12/08 02:45:56 11DM10Z3
>>627
自然だけどお互いに張り合っちゃって三人ともが濃厚サービスになっちゃってるSSがいい

632:名無しさん@ピンキー
08/12/08 02:53:29 hY87u+9c
竜児×ゆりの続きマダー?

633:名無しさん@ピンキー
08/12/08 03:18:04 REwDzTVd
>>627
ふだんまずない実乃梨対大河がチクチク口撃しあう様子
実乃梨がリードで、普段喧嘩ばかりの大河、亜美が協力して妨害とかが見たいです

634:名無しさん@ピンキー
08/12/08 03:22:04 gr/eqvB/
>>633
自分で書くんだよ

635:名無しさん@ピンキー
08/12/08 06:17:15 HXVmmvsJ
稚拙ながら作ってみました。とりま前半6レス予定
「恋の魔法」

636:名無しさん@ピンキー
08/12/08 06:17:53 HXVmmvsJ
「はぁ・・」

川島亜美はため息を繰り返していた。とあるモノを見ながら・・

「はぁ・・・」 ため息したあと頭を抱えてうずくまった。

「あたし何やってんだろ・・」と吐き捨てその場を立ち上がり、あるモノを乱暴にかばんに投げ入れた。

-love magic-と可愛らしくピンクのラベルの貼ってある一見普通の飲み物。
昨日事務所に置いてあった怪しいファンからの贈り物だ。
普通なら捨てる。間違いなく捨てる。
しかしながらこの-love magic-は普通のモノではなかった。一般人では易々と手の届かない程の額、
輸入制限と入手困難で偽物を横行させている超強力な媚薬効果が売りの飲み物である。しかも大半の日本人が
つかまされる偽物ではなくて本物のロゴマークいりである。芸能界にいれば嫌でも効果は耳につく。金の亡者に、媚薬に溺れるアイドル。
気がついたとき亜美は-love magic-を手に取っていた。

媚薬効果が、見た目危険人物である鈍感な高須竜児に効くだろうかという好奇心に勝てなかったのだ。


じゃあ亜美ちゃん使っちゃう?

・・嫌。そのままのわたしを見てくれている。いくら取り繕って可愛い顔しても、高須君はわたしの本質しか見ていない。

ならそのままのわたしで勝負するべきだったと自嘲するかのようにため息をつき。鏡を見た。亜美ちゃん超可愛い~♪

こんなモノ使わなくたって高須君は振り向いてくれるよね?ふと時計に目を向ける。
「やばっ!」時間が思ったよりも早く過ぎている。
女の子の朝は忙しく、あるモノの存在を忘れてしまうくらい余裕がないようだ。

チャイムの音が聞こえる。5分前のチャイムかな授業開始かな・・玄関に人影が見えた。普通のサイズとちっこいのと二つ人影だ。

「おーい川島~遅刻するぞ!」どうやら前者の方のチャイムだったらしい

『駄犬!バカチー!朝から犬セットなんて最悪!』と隣で聞こえてきそうだったが。

どうやら今朝は大人しいらしい。高須君の袖をつかんで顔を赤らめていた。
見た目カップルだが内情を知っている亜美からすれば異常な朝の光景だった。

「どうしたのコレ」と大河を指でさした

「ぁあちょっとな・・・」 はぐらかされた?

誤魔化すように頬をポリポリとかいている。バレバレなんですけどー

「それより川島遅刻するぞ!」 話題変更?亜美ちゃんつまんなーい

ムスっとした態度をとっても視線はもうこっちになかった。
遅刻するのもばからしいので3人で教室に入った。


637:名無しさん@ピンキー
08/12/08 06:18:31 HXVmmvsJ
高須竜児は困惑していた。
今朝の出来事である。珍しく大河に起こされたのだった夜中の3時に。

「おまえ・・何時だと思ってるんだぁーまったく・・」すごく眠そうな声で、実際さっきまで寝ていた竜児にとって当然の抗議である。

「りゅうじ・・私ね・・私・・私・・」弱々しい大河の声で竜児の目が鋭くなった。

「どうかしたか大河!いまからそっちいくからな!」と立ち上がり寝巻きのままで飛び出していた

「ぇっ!りゅ、りゅうじだめ」と大河が言った気がした。電話の相手は玄関の外だった。
合鍵でドアを開けて竜児は大河の部屋の前まで来ていた

「大河はいるぞー」返事はなかったが竜児はドアを開けた。

竜児は目を光らせた。ベットの上に毛布の塊が一つ

「大河どうした?」塊は動かない。返事を待つようにベットに腰かける

「りゅうじ・・あのね・・恥ずかしがらずに聞いてくれる?」

「おぅ!怖い夢でも見たのか?」ビクッと塊が動いた
竜児は優しく塊を見つめた。怖い夢を見て自分を呼んでくれた。自分のすべきことは決まっていた。

「よっとっ!」竜児は塊を抱き上げ赤ん坊をあやす様に腕の中に大河を包んだ。

「なっな、な、な、ななにをするのよっ!!」と塊が抗議の声をあげた。

竜児は気にせず腕を解かなかった。

「大丈夫だよ大河」ぎゅっと大河を抱き寄せ

「俺はいなくならないから。そばにずっといるから」塊の動きが止まった。

「りゅうじ・・りゅうじ~!!」塊から大河が飛び出してきた。

大河は竜児に抱きつくと顔を胸にうずめボソボソと何か呟いていた。
竜児は大河の頭をポンポンと優しくなでそのまま寝てしまった。
安心して寝てしまったのだ。朝起きたときそこは大河のベットだった。
何を言われるんだろうかと内心ビクビクしながら腕の中の大河に声をかけた。

「おはようー」

『何がおはようよ!調子に乗ってるんじゃない駄犬が!いい?昨日はご主人様が弱ってるところをずいぶん好き勝手言ってくれたわね!
いいわ一生私に奉仕しなさい!駄犬!』と言う罵声とみぞおちに来るだろうパンチを考えて腹に力を込めた。

「ぉ、おはよ・・竜児昨日は・・」 ビクっと竜児が動いた。

「昨日はありがとっ」 はて・・今日はやけに素直なのだ。
「えへへっ」
そして人形のように綺麗に整った顔で竜児に笑いかけてくる。
あのあと良い夢でも見たのかなと竜児は思い。
大河の頭をずっと撫でていた。遅刻しそうなくらい。

638:名無しさん@ピンキー
08/12/08 06:19:16 HXVmmvsJ
-今日は逢坂大河の機嫌がいい-
クラスの危険人物の機嫌だけでそうそう話題にあがることもないのだが大河の機嫌がいいことに越したことがないといことを
このクラスは身を持って体感している。
そして同時に「「なぜ?機嫌が良いんだ手乗りタイガーは」」という共通の疑問ができる。
好奇心は時に異常なまでの連帯感を見せるのだ。

本人に直接聞くのはNGだ。眠れる虎を起こしてしまってはクラス全員を敵に回すよりもたちが悪い。[触らぬ虎に祟りなし]である。
高須竜児はどうだ。いつも手乗りタイガーと一緒だ。見た目は危険人物だが、竜児がイイヤツということはみんな知っている。しかし、
竜児の口からその情報が得られるだろうか、鈍感であるが故に余計な一言を言ってもらっては困る。それに今日はいつもより逢坂と一緒にいる気がする。
一緒に入ってきた川島亜美はどうだろう?いや、やめとこう。喧嘩するほど仲がいいなら・・と誰もが思うくらい二人は対立している。
手乗りタイガーの機嫌が良くて一緒に入ってきた川島がムスっとしていたら・・・。

じゃあ
「「櫛枝~」」櫛枝実乃梨。手自他共に認める乗りタイガーこと逢坂大河の大親友である。
ぞろぞろと櫛枝の席にクラスメイトが集まる。

「おやおや、お客さん順番にならんでー」勤労少女はバイト口調で言った

「あんたの親友どうしたの?」女子がズイっ距離をつめる

「手乗りタイガーどうしたの?」男子も負けじと距離をつめる

「オラ、モテモテで幸せだぁー」と独特の口調で櫛枝は答えた。

とここでチャイムが鳴った。実乃梨は誰にも気づかれないように「ふぅ」ともらした
「閉店!閉店だよー!」とバイト口調でチャイムに合わせ、それぞれの席に帰っていった。

大河が機嫌よくてうれしいけど、あーみんの機嫌が悪いとなると思い当たる節は一つ。
ふと高須竜児の席に目をやると。鋭い目をギラつかせながら大河を見ていた。
あの目は・・大河が心配で見ている目・・大河の今日の態度はきっとなんかあったと確信できる。
うれしいけど切ない。私の望んだこと。
机の下で拳を作り私と大河にガッツポーズ。今日もバイトだ。勤労勤労

で、結局何があったんだろうとクラスのみんなが思いながら授業は進んでいった。


639:名無しさん@ピンキー
08/12/08 06:19:55 HXVmmvsJ
----昼休み----
竜児に作ってもらったお弁当を持って大河は竜児の机の前に来ていた。

「おう!わりぃなすぐ支度する。」と竜児はマイ箸をとりにロッカーに向かった。

主のいなくなった椅子を眺めていた大河はおもむろにその椅子を陣取り竜児を待った。

「逢坂今日ずいぶんご機嫌だな~」上から声が聞こえて大河は声のするほうに目を向けた。

大半のクラスメイトが疑問を抱えていたことを躊躇なしに聞くことが出来るのはクラス委員長ことまるお。北村祐作くらいである。

「き、北村君っ・・えっと・・その・・別になんでもないよ」あれ今日はいつもより普通に喋れる

「そうなのか・・俺はてっきり・・」クラス中からGJの賛辞が北村の背中に集まったが本人は知るよしもなく

「いや逢坂がなんでもないなら・・それでいい」と北村らしく流してしまった

「おう北村じゃねぇか今日は生徒会いいのか?」
竜児は声をかけると同時にチラっと大河を見つめ視線を絡めた。
席を返せと訴えているのではなく。竜児なりの気配りだとすぐに気づいたが視線を返せない。いや直視できないでいた。頬が赤くなっていく。
竜児が心配そうに覗き込もうとしている。ダメ・・恥ずかしい・・

「まあそんなわけで今日は生徒会もないし、一緒に昼飯どうかな?」救いの手は北村から始まり

「みんなでお昼なんて!あっしもいれてくれないと嫌だぜい?」軽快なみのりんはそのまま「あらよっと!」とくるくる回りながら
その手はバカチーを捕らえていた

「ちょっと・・もぅ強引なんだから・・回るなって!」とムスっとしたバカチーも加えて

気がつけばいつもの5人で席を囲っていた。
竜児がみのりんの華麗な登場にあっけに取られている間に大河は脱兎のごとくササっとバカチーのところに移動していた。

「た、たまには場所変えて食べるのもい、いいかなと思うじゃない?」同意を求めるかのように竜児に問いかけてみる

「俺の近くの方が後々楽になると思うぞ?」竜児から同意は得られなかった

周囲がビクっとざわめいた。高須が逢坂に逆らった・・いつもならここで
『私食事は楽しく食べたいの!いい?駄犬!あんたの顔を四六時中見ながらご飯食べていたらご飯がドックフードと思われるじゃない?
世間体的にヤなの!分かった?』という毒をいとも簡単に吐き捨てるか、蹴りかパンチが飛んでくるからだ。
しかし今日の大河はおとなしかった。


640:名無しさん@ピンキー
08/12/08 06:20:39 HXVmmvsJ
『ばっかみてー』内心から言葉が滲み出てしまいそうだった。

「亜美ちゃん超お腹すいたんですケドーていうか、別にどこでもいいじゃん?高須君亜美ちゃんに嫉妬?」ププと嘲るように言ってみる

「違っ!ぁーわりぃメシ食おうぜ」と竜児は渋々席についた

どうみてもあのタイガーは恋にうろたえている可愛い少女。鈍感男から守らないと。亜美ちゃんって損な役回りばっかして・・
誰かさんに似てきたなと自嘲しながら弁当を取り出すためにかばんを開けて、亜美は硬直した。

-love magic-と書かれたその存在をすっかり忘れていたのだ。そういえば朝は遅刻ギリギリだっけ。
隣に座った大河が不思議そうに亜美のかばんの中を覗き込んでくるのも気づかずに、

「ねぇバカチーそれおいしそうよね。一口いい?」っは!と亜美が気づいたときには既に遅く

「うへっまっず。バカチー趣味悪いね」とタイガーは少し減ったモノを亜美のかばんの中に押し込めていた

しばらくタイガーを観察してみる。相変わらずおそろいのお弁当だこと・・。
あれこれって一切冷凍食品なし?ぁあホッペに米粒・・ちょっソースが制服に・・

「「あ゛っ」」ほぼ同時だった。一瞬高須君と視線が合い、互いにうなづく。竜児はティッシュを亜美に向けて放ち、
亜美は空中でティッシュのキャッチし、今まさに制服に黒いしみを作らんとするソースに向けて手を伸ばす。
「「うっし!」」また声が重なった。見事にソースを捕らえたのだった。連携プレーの勝利の瞬間である。

それにしてもあの鈍感男は・・鈍くないのか?いや、いつも見てるのかな。だから近くに置きたいのかな。
ホント気づいて欲しいものには気づいてくれないのに・・

「大河?大丈夫か?」竜児が立ち上がり大河を心配そうに見ている

「ナ、な、なんでもももな、いのっよ」いやいやタイガーそれじゃ誰も信じないよ

顔を真っ赤にして体を小刻みに震わせて潤んだ瞳で必死にあがいている。
さすが本物・・やりすぎた・・持ってくるんじゃなかったと亜美が後悔している間

「やっぱ今朝から調子悪ぃみてえだ保健室連れてく」ヒョイっと大河を抱きかかえ竜児は去っていった

「「なんだよータイガー結局病気で本調子じゃなかっただけじゃないか~」」

「「大人しいタイガー可愛いけど、早く直って欲しいなぁ~」」教室はざわめいていた


641:名無しさん@ピンキー
08/12/08 06:22:33 HXVmmvsJ
「くそっ!」竜児は鋭い目をさらに細め苛立ちを隠せないでいた
今はお昼休み。保健室の先生ももちろんお昼休み。
大河の呼吸がさっきから荒い。とりあえずベットに大河を寝かせることにした。

「大河大丈夫か?」優しく大河に話しかけ髪を撫でる

「りゅうじ・・からだがあついの・・」じっと潤んだ瞳で竜児に訴える

自分ひとりでは何も出来ない。不甲斐無い。俺が出来ることは・・・

「大河少し待ってろ今先生見つけてくる!」立ち上がり保健室をでようとした

「やだ・・りゅうじひとりにしないで・・」竜児の動きは止まり戻ってきた

今朝怖い夢で震えていたのは誰だ?大河だ。俺は大河に何ていった?ずっと一緒にいると言ったじゃないか。

「ごめんな大河。」竜児は大河の手をそっと握った。

―はむっ!自分の指が食べられている。突然の出来事に竜児は動けなくなっていた。

「た、大河っヤメロってどうしたんっだよっ・・うっ」 言い終わる前に大河に指を吸われていた

―ちゅうちゅうと、そこからミルクが出てくるかの様に
チロチロと小さい舌で指を舐めまわした後にツゥーと舌先で指の腹を掌までなぞる
唾液がべっとりついた竜児の指を見て大河はご満悦なようで口先を吊り上げる

「りゅうじあたしにも・・して」 ずいっと竜児に指先を突きつける

待て、冷静に考えるんだ俺。必死に思考を巡らせる。
―はむ。大河がまた指を舐めている。上目遣いで竜児に催促するかのようにジッと見つめる。
「ふぅーっ」と何かを観念したかのように大きく深呼吸をしたあとに、ゴクリと唾を飲み込んだ。

「大河いくぞ」 突きつけられてた指先を竜児の唇が覆った。

舌先で大河の指を円を描くように舐めまわす。
「ひゃうっ」と驚いた大河は後ろにおののきベットに倒れこみ、指をくわえている竜児は覆いかぶさる形になった。
竜児は舐めるのを辞めなかった。
甘噛みし、固定された指を舌で蹂躙する。

「ぁ・・・うぅん・・・んあっ・・」大河の息遣いがだんだん荒くなってきた

「はぁ・・りゅうっじ・・・はぁ・・・んんんっ・・」大河に竜児の指を舐める余裕はなかった

竜児は解放された指を口から引き抜くと唾液を拭くかのように頬にこすりつけ首筋まで大河をなぞった
舌全体で大河の指を包み、力強く吸い上げる。

「んっんんん」大河は悶えてた。

「はぁ・・・はぁ・・・」大きく呼吸する大河を見下ろし竜児は指を放した。

グッタリしている大河を覗き込み、唾液をなぞるように首筋から頬まで舐め上げ、首筋を軽く吸った。

「ひぅっ」大河はビクッと体を震わせそのまま寝てしまった。

642:名無しさん@ピンキー
08/12/08 06:24:45 HXVmmvsJ
以上で前半終了です。エロはありのほうがいいのかな・・
挑戦しているけど難しいですorz


643:名無しさん@ピンキー
08/12/08 06:48:57 0oGOKYg0
>>642 GJ 出勤前に、にやにやをありがとう

644:名無しさん@ピンキー
08/12/08 08:51:31 6rKVCcK9
エロパロのとらドラスレ初めて来たけど
ほのぼのな良い話ばっかりでビックリした。

645:名無しさん@ピンキー
08/12/08 10:31:49 c4xjobiJ
>>635-642
GJ
どっちでもいいんじゃね
無理に書く必要はないと思うよ

646:名無しさん@ピンキー
08/12/08 12:50:43 TNtPCt1e
てか同衾だとか指チュパだとか充分エロね?
それに、保管庫とかみれば判るけどエロには(多大な)期待していないし。

647:名無しさん@ピンキー
08/12/08 14:32:32 6jDOAtyt
GJGJ
後半も期待

648:名無しさん@ピンキー
08/12/08 14:33:35 LfzrqL4J
GJ
御心のままにお書きください

649:保管庫”管理”人 ◆Dash///1.k
08/12/08 15:28:55 T+z+46dJ
ここまで保管しました。
コピペ改変ssについてのご意見有難うございました。
それでは失礼します。

650:名無しさん@ピンキー
08/12/08 16:20:34 mu/6bpd1
>>649
いつもありがとうございます。

651:名無しさん@ピンキー
08/12/08 16:54:19 UWaZlSi5
>>649
乙です

652:名無しさん@ピンキー
08/12/08 17:18:55 bqNe/0Ja
>>649
いつもご苦労様です

653:名無しさん@ピンキー
08/12/08 18:19:27 d2xdO1JR
>>649
ご苦労様です。

654:名無しさん@ピンキー
08/12/08 18:52:13 1PyJ9UBQ
保管庫の
①ノーマルタイガー
②アップでポニテタイガー
③ネズミータイガー
④赤面して腕にしがみつくタイガー ←new!
⑤虎縞極小ビキニの虎コスタイガー ←new!
⑥膝の上でくつろぎタイガー ←new!
⑦一緒にお風呂タイガー ←new!
ってなに?

655:名無しさん@ピンキー
08/12/08 19:17:25 RqQRXwc9
駄文ながら貼らせていただきます。

「竜児は私のだぁ事件~アフター」

656:名無しさん@ピンキー
08/12/08 19:18:09 RqQRXwc9
~亜美との水泳勝負を終えた日の帰り道~



「大河」

竜児は少し前を歩く手乗りタイガーこと逢坂大河に声をかけた。

「なによ」

あからさま不機嫌に返事をした大河は、足を止め振り返る。竜児を睨む
その両眼は、言葉には出さなくても「今私に話しかけないで!!」と
物語っていた。いつもの竜児ならこの時点で会話終了だが、今回は少し違う。


「あ、あのよ・・・なんていうか・・・」

バツが悪そうに前髪をいじりながら竜児は視線を左上に向ける。太陽が憎くて憎くて
しかたない。というわけではない。照れているのだ。


「気持ち悪いわね。用があるなら早くいいなさいよ!これだからグズ犬は」

けっ、と唾を吐くような素振りをみせ、悪態を吐く。他者の目で見れば、非常に腹の
立つ行為であろうが、竜児にとっては日常茶飯事。最早慣れっこであった。そのまま話を続ける。




「その・・・ありがとうな!俺が半分失神してプールに沈んでったとき、大河だけが
気づいてくれた。しかも泳げないのに必死に俺のこと助けてくれて。それに竜児はわ・・・おうっ!」

不意に大河の目を見た竜児は慄いた。その眼光は抜き身の真剣のような鋭さで、今にも強烈な袈裟
切りでも浴びせられそうだ。しかも口パクで「それ以上いったらコロス」と。竜児コクコクと
頷き、自らの学習能力の無さを呪った。







「竜児は私のだー事件」のあとクラスメイトの無言の圧力に耐えかねた大河は、残りの授業をすべてサボり、
竜児のいる保健室へ退避していた。ちなみに竜児はというと大河の無言の圧力に押しつぶされていた。
保健室に来てからというもの、一言も話さないのだ。ただいるだけ。話しかけても完全無視。プールの話題を出そう
ものなら・・・・・。


657:名無しさん@ピンキー
08/12/08 19:19:42 RqQRXwc9
せめてお礼だけでもと思い、今に至るわけだが。





しばしの沈黙・・・この非常に冷たい空気を切り裂くように再び竜児が口を開く。

「とりあえず、本当にありがとな。それから・・・お前がもし危ない目にあったら、
必ず俺が助けてやるよ・・・・」

虎を助けることが出来るのは、竜だけだからな。と、少々恥ずかしそうに下を向いてもごもご
付け足す。

大河は一瞬だけ猫みたいに目を大きく見開き、すぐに竜児に背を向け言い放つ。


「あ、ああああああんたねえ、い、犬がご主人様を助けるなんて当たり前じゃないの!
なにを今更。それに勘違いしないようにいっておくけど、あんたのことなんてほんっ~~~~~
~~~~~~~~と~~~に、どうでもいいんだからね!!」

ふんっ、と鼻をならし、そのまま大河は歩き出す。










全く、お礼言いたかっただけなのになんなんだよ、と一人ごちり、竜児はその場に立ち尽くしたまま、
先を行く小柄すぎる少女の背を眺めていた。


『どうでもいい』不意にその一言が頭に浮かぶ。

昨日そのワードを大河に言われ、ムカつき、生まれて初めてケンカをした。
これまで人に何を言われようと、素のまま怒りの感情を表に出したことなんてなかった。
そして今、またそれを言われてしまった。






・・・・でも、なぜかわからんが、昨日みたいにイライラと湧き上がる感情がない。
それどころか、なんていうか・・・くすぐったいような・・・・。


・・・Mなのか!?俺ってもしかして。・・・否!!断じて違う・・・よな?


658:名無しさん@ピンキー
08/12/08 19:21:50 RqQRXwc9
「あぁ、もうわっかんねぇ」

右手で自らの考えを掻き消すように、でたらめに髪を掻く。


・・・まぁ、いいか。

大河といるときはいつも分からないことだらけなのだから。


竜として大河の隣に居続ける。


あいつの隣にいるのは、自ら望んだこと。


今はそれだけでいいのかもしれない。


「竜児ー!何してんだー、このグズトロ駄犬が!!早くいくわよ。今日特売なんでしょ!?」

竜児がついてきてないのに気づいた大河が、足を止め、怒鳴る。

「おうっ、今行く!ってかいちいち怒鳴るな」シワが増えるぞ!とは怖くて言えない。

ったく、やっぱり早まったか?と、苦笑いを浮かべながら、再び歩き出した大河の背を追いかけた。






「・・・俺が絶対助けるだって!」

『お前のそばに居続ける』以前竜児がこの言葉を言ってくれた時の気持ちが甦る。

追いかけてくる足音を聞きながら、先を行く少女は満面の笑みを浮かべていた。
しかし、それを竜児には見られまい、必死に隠そうと、持ち前の無愛想を浮かべようとして・・・失敗。
笑顔半分、むっつり半分の阿修羅顔の出来上がり。




「はぁ、やっと追いつた。って、プッ!お前なんて器用な顔してんだよ・・・・ゴフッ・・・。」


「黙れ!ブサイク!!!」


end



659:名無しさん@ピンキー
08/12/08 19:37:07 H0IlZLLe
>>649


660:名無しさん@ピンキー
08/12/08 20:56:24 Tj/PlP0R
>>649
乙です。

661:名無しさん@ピンキー
08/12/08 21:03:18 HqR7GpbI
>>655
おつおつ

662:名無しさん@ピンキー
08/12/08 21:42:37 LfzrqL4J
>>655
GJ!

663:174 ◆TNwhNl8TZY
08/12/08 22:12:51 /WfUctA0
SS投下
すごく短いです

664:174 ◆TNwhNl8TZY
08/12/08 22:13:29 /WfUctA0

竜ちゃんのバカ・・・

わたしはもっと、も~っと竜ちゃんと一緒にいたいのに、竜ちゃんは私を置いて出かけちゃう
朝目が覚めて・・・いつの間にか来ていたちっぱいと一緒にご飯を食べたら、
竜ちゃんはちっぱいと一緒に出かけて・・・そうなったら夕方まで返ってこない

竜ちゃんのバカ・・・・・・

今日だってそう
どんなにわたしが竜ちゃんを見てても、竜ちゃんはちっぱいばっかり気にして・・・

ちっぱいが余計なおせっかいして、竜ちゃんが一生懸命作った朝ご飯をテーブルに運ぼうとして、滑っちゃって・・・
けど、転んじゃいそうなちっぱいを慌てて竜ちゃんが抱きとめてあげたり・・・

─そのまま転んじゃえばいいのに
それに竜ちゃんが振り返った瞬間に足を滑らせるなんて・・・ずいぶん都合がいいドジだね・・・

ちっぱいがアホの子みたいにバクバクご飯を食べて、ほっぺたに沢山ご飯粒付けてるのを
竜ちゃんが一粒一粒取ってあげて・・・それをそのまま食べちゃって・・・真っ赤になってるちっぱいの顔を拭いてあげたり・・・

─ちっぱいの顔なんてご飯粒付けてるのがお似合いなのに
竜ちゃんも、ちっぱいが食べてるふりしながらご飯粒を必死に顔に付けてるのになんで気付かないの?

調子に乗ったちっぱいが「りゅ、りゅうじ・・・ぁ、あ~ん」って言って、おはしを竜ちゃんに向けて・・・
けど、竜ちゃんはちゃんと「何してんだ? 大河。ふざけてないで早く飯食えよ」って断ってたけどね


─ちっぱいザマァ


ちっぱいは他にも、竜ちゃんに気付かれないようにしながらちょっとずつ座ってる位置を直して竜ちゃんに近づいたり
自分で取れるくせに「竜児、お醤油ちょうだい」とか言って、お醤油を取ってあげた竜ちゃんの手をベッタベタ触ったり
「なんだか今日は暑いわね」なんて言いながら、その薄っぺらい胸元を強調させて・・・朝からなに発情してんの? 出かけるんじゃないの?
っていうかうっす! うっすぅい! それ胸? そんな胸で竜ちゃん誘ってるの? かわいそう・・・そんなぺらい胸で誘われてる竜ちゃんが・・・

まぁ竜ちゃんには、ちゃんとわたしがいるから? ちっぱいの薄い胸と色気なんて全然・・・え? ちょ、ちょっと・・・竜ちゃん?
なんで、ほっぺた赤くしてるの?
なんで、チラチラちっぱいのちぃっちゃ~い胸元見てるの?
なんで、今『ゴックン』って大きく唾を飲み込んだの!?


・・・・・・竜ちゃんのバカァ!!


665:174 ◆TNwhNl8TZY
08/12/08 22:14:17 /WfUctA0
・・・とにかく
今日も朝からちっぱいは竜ちゃんにベタベタベタベタ・・・ご飯を食べ終わってもベタベタベタベタ・・・
ここはわたしと竜ちゃんのお家なのに・・・自分の巣へ帰れ、雌虎
そして2度とわたしと竜ちゃんのお家へ来ないで
そんな事を考えながらちっぱいを睨んでやると、わたしの睨みに怯んだのかしら
ちっぱいは立ち上がって「竜児、そろそろ行くわよ」ってカバンを手にとって・・・あぁ、いつもみたいに出かけるみたい
竜ちゃんも洗い物を終えて、ちっぱいと玄関へ・・・お外へ・・・

いやぁ! やだ! そんな奴ともうお外に出ないで! ずっとお家にいようよ、竜ちゃん!
そんな硬そうなちっぱいよりも、わたしの方がもっと柔らかいよ! 竜ちゃんたくさん触ってくれたから知ってるでしょ?
・・・っ・・・前は・・・前はあんなに可愛がってくれたでしょ?
竜ちゃん、わたしが嫌がっても・・・朝だって、夜だっておかまい無しに・・・してくれたでしょ? ね?
わたし、もう嫌がったりしないよ? 竜ちゃんがしたい事、なんだってさせてあげるよ? ホントだよ?

だから・・・ちっぱいと、これ以上仲良くならないでよぉ・・・わたしの事置いてっちゃやだぁ・・・

ちっぱいと出かけてっちゃうのに耐えられなくなって、泣いちゃったわたし
けど、そんなわたしの想いが届いたのか、竜ちゃんがこっちを向いてくれて






「じゃ、インコちゃ~ん、俺たち学校行くから、帰るまでいい子にしててね~」

「い、いいっい、いぐー! いぐいぐいぐ、いっぐぅぅぅう! りゅ、りゅうちゃ、りゅうちゃ、んっいぐ──!」






「・・・ねぇ竜児」

「おぅ?」

「あのブサインコ、なんだか前にも増して気に入らない視線を送ってくる気がするのよね・・・
 うぅん、視線なんてもんじゃなくって、こう・・・ドロドロした・・・」

「だから、大河の気のせいじゃないか? 俺にはいつも通りのインコちゃんにしか見えなかったぞ」

「・・・それに、ブサインコの言葉使いがおかしくない? さっきのあれ、下手くそなオウム返しにしてもなんか変よ・・・」

「お前なぁ・・・気にし過ぎだって」

「なんだか気味悪い・・・・・・竜児、ちょっと手出して」

「? おぅ・・・お、おい、あんまりくっ付くなよ。それに手なんか握って・・・」

「えへへ・・・あ、か、勘違いしないでよ、駄犬。これはべつにそんな意味でしてるんじゃなくて、
 ただ単にこうしてると落ち着くだけだから、それだけなんだからね? いい?」

「はぁ? ・・・わ、分かったけど、手はちょっと・・・櫛枝に見られたらどうして」

「もう遅いわよ」

666:174 ◆TNwhNl8TZY
08/12/08 22:14:54 /WfUctA0
イン娘ちゃん(CV サト○ユキ)再び
イン娘ちゃんが言ってるのは単なるスキンシップ・・・の、はず
一番ぺらいのはやっちゃんSSが煮詰まってこんなのに逃げてる俺

667:名無しさん@ピンキー
08/12/08 22:18:42 6jDOAtyt
やっちゃんひでえ
と思ったら
イン娘ちゃん…だと…

668:名無しさん@ピンキー
08/12/08 22:24:17 1PyJ9UBQ
>>664
竜×インコちゃんSSだと思ってたら竜×虎萌えSSでした。GJ!

669:名無しさん@ピンキー
08/12/08 22:54:18 zwKONn+g
初めて投下
駄文とか気にせず投下!

670:名無しさん@ピンキー
08/12/08 22:55:31 zwKONn+g
たかすほいくえん

「せんせいまたあしたー!」
「ん、またね。気をつけて帰るのよ」

園児が見えなくなるまで手を振り続ける彼女からは、昔とは違う感じの優しさがあふれていると思う
午後6時30分
最後に残った子を送り出した教室は、差し込む夕焼けでオレンジ色に染まっていた

「今日もお疲れさまだな。たいがせんせい?」
「誰もいないから大河でいいわよ、園長先生?」
「未だに慣れないんだよな…その呼ばれ方」

あのバレンタインの日からもう何年たったろうか
紆余曲折のすったもんだを繰り広げ、多数の人々に迷惑をかけつつ、俺たちはようやくお互いを理解した
その後の学校生活はこっ恥ずかしいやら楽しいやら
同じ机で飯を食い、同じ机で勉強をし、友人たちとくだらない話で盛り上がった
今でも鮮明に思い出せる楽しかった日々
それがあっての今があるのだろうと俺は確信している


671:名無しさん@ピンキー
08/12/08 22:55:59 REwDzTVd
「ちっぱい」が創作なのか、一部地域では言うのか、仲間うちの流行りなのか小一時間

672:名無しさん@ピンキー
08/12/08 22:58:31 zwKONn+g
-保育士を目指そうと思うの
逃避行からようやく落ち着いた頃、大河がぽつりとそんなことを言い出したのを覚えている
本当に脈絡もなく言い出したので、思わず「へ?」と返して思いっきり蹴られたのもよーく覚えている

-私ね、性格ひねてて友達も少ないでしょ?
-ちっちゃいときから本当はもっと話したい。私の考えてること伝えたいって思ってたの
(今もちいさいとか言いかけてやめた。あざが一生ものになりそうだったから)
-それをね、ちゃんと聞いてくれるきっかけは、先生とかが作ってあげればいいのかなって

独身…担任が俺たちのために尽力したのもきっかけになったのだろうか
そこからの大河には迷いは見えなかった

なら俺はどうだ?俺はどうしたい?大河と一緒に、幸せに暮らしたい
職場だって同じならいいに決まってる
なら大河のために、自分のために学校を作るのも面白いんじゃないか?
我ながら単純な脳みそだと呆れたが、俺もここからは一直線に進んできた

大河も俺も進学し、資格や経営の勉強で明け暮れた
同じちゃぶ台で飯を食い、同じちゃぶ台でノートを広げ、たまにスドバで友人たちと他愛のない会話をした
そしてようやく保育園を設立するにまでいたった


673:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:00:42 zwKONn+g
「にしても可愛そうね園長先生は。入ってすぐの子には泣かれっぱなし」
「やっぱり俺、あんまり表に出ないほうがいいのか…」
「そんなに悲しそうにしない!慣れたらちゃんと懐いてくれるでしょ?」

大きく変わったところをあげると、大河は駄犬だのエロ犬だのと暴言を吐く回数が極端に少なくなった
身長こそ出会った当時のままだが、綺麗な人形から綺麗な大人の女性になってきている
これが自分の嫁さんなんだよなーと考えると自然と顔がにやけてくる。悪いな、惚気だ

「竜ちゃぁーん。鍵閉め終わったよぉ」
「おう、お疲れ泰子」
「やすこ先生お疲れ様」
「もーやっちゃんでいいってばぁ」

この辺のいきさつをいまいち覚えていないが、気づいたら泰子も保母さんとしてうちで働いている
結局この3人で高須家が成り立っているのだ

「明日は久しぶりにみんなに会いに行くんでしょー?後のことはやっちゃんやっておくから任せてよぅ」

結婚式以来会っていない友人たちも、明日は川嶋の別荘で久々再会の予定だ
北村が有名大の研究者で、櫛枝は女子ソフトの全日本エース。川嶋は売れっ子映画女優
よくもまあこんな面子と付き合っていたものだ

674:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:02:00 zwKONn+g
「じゃあお言葉に甘えてお先な。インコちゃんもよろしく」
「ありがとうやっちゃん」

先に保育園を後にし、河原道を並んで歩く
繋いだ左手はあったかくて、ちょっとむずがゆい
夕暮れの風が大河の髪をなびかせ、かすかに甘い香りを漂わせている

「ありがとう…竜児」

俺の顔を恥ずかしそうに見つめつつ、大河が切り出す
こいつのやる事は本当に唐突だ

「ずっとそばにいてくれてありがとう。いきなりだけど、素直に思ったこと伝えたくて」

それでも、俺はそばにずっと居続けた

「これからも、ずっと一緒にいてよね。バカ竜児」

優しく人を罵倒し

「大好き、愛してる」

優しく人に口づけをするこの手乗りタイガーを

「俺もだ大河。愛してる」

絶対に守ってやろう
何度目か分からない固い決意を胸に誓い、俺たちはゆっくりと家路を行く

草木の香りと虫の鳴き声が心地よい、ある夏の日の出来事

675:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:03:19 zwKONn+g
仕事中の妄想をぶちまけてみました
細かい点は気にしない方向で一つよろしくです

676:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:07:18 +LeMzbha
終わり? 乙&GJ

この竜虎はニヤニヤせざるをえないw

677:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:12:00 8IHL1BmK
おう!良いねぇ。良いねぇ。
確かに大河先生と言うか、攻撃性を抑えればネコだものね。可愛い先生かも。
意外と死角だったかも。先生っていう設定

678:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:12:01 zwKONn+g
終わりです
自分にはこれ以上無理
携帯で打ったから半端なく面倒だったw


679:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:15:29 XWmFD9Oq
園児たちから、「たいがせんせー♪」とか言われてペタペタくっ付かれたり、抱きつかれたりしているのか・・・

(;´Д`)ハァハァ (;´  Д`)ハァハァ (;´   Д `)ハァハァハァハァ :.` ;:.・∵ ゚ д:.`

680:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:16:37 XBwHZKgo
>>642>>655>>664

GJGJGJGJGJGJ!!!!!

681:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:16:40 8IHL1BmK
>>669-670,>>672-675,>>678
そういえば 竜児と大河の子ども=やっちゃんの孫 っていないの?
それまでは考えていなかったのかしら?


682:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:17:49 fS+kR8MT
竜児が園長だと? クレヨンしんちゃんの組長を彷彿させてくれるぜw

683:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:19:39 zwKONn+g
>>681
最初は二人の子どもも出すつもりでしたが、途中で忘れましたw


684:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:41:34 1XSPpqyr
>>682
やはり俺が居たか

685:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:43:13 XBwHZKgo
>>675
GJ!

686:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:44:20 bp+lgqTW
>>675
GJ!

687:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:15:25 BuNpmwlO
せっかくの竜虎の流れなんで投下します
ちょっと長編で、駄文ですがご容赦を

688:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:16:47 BuNpmwlO

『Tiger Summer Diary』


夏休みのある日の夕方。『それ』は竜児の家に突然やってきた。

「竜ちゃ~ん、この子ね、やっちゃんのお店のお友達から預かってきたの。
 お友達が一泊二日でお泊りにいっちゃったからぁ~、その間お願いって~」

そう言う泰子が連れているのは、りっぱな柴犬。
しっかりと躾がしてあるのであろう、全く吠える様子も無く、すごくおとなしい。
いやしかしそういう問題ではなくて……。

「…うち、ペット禁制だろ。大家に見つかったら大変だぞ」
「だぁ~いじょうぶ! この子たまにお店にも連れて来られるんだけどぉ~、一回も吠えたことないの!
 だから見つからないってぇ~」

…そういう問題か?
まあ吠えないのなら問題はないだろう。一泊二日で旅行に行っているのなら一日預かればいいだけだろうからそんなに苦でもないだろうし。
何より、こんなつぶらな瞳でじっと見られていると、断るのになにか罪悪感が…。
なぜ「生きていてすみません」と言いたくなってくるんだ、汚れた大人になった気分だぜ…。

「そうだな、それなら一泊くらいなら大丈夫だろ。 それより餌とトイレはどうするんだ?」

動物を飼う上で大切なのは餌とトイレだ。
インコちゃんには専用の餌が市販であるし、トイレも小屋の中でしてくれるからいいのだが、どうにも犬のことは分からない。
玉葱とチョコレートは毒らしいから、それに気をつければいいのだろうか。

「餌はね~、ドッグフード貰ってきたから大丈夫だよ~。おトイレはお散歩のときにお外でしちゃうだけでいいみたい~」
「随分楽なんだな、それだけでいいのか」
「うん~、ヴァルヴァジアは賢いもんねぇ~」

そう言いながら犬の頭をワシャワシャと撫でる泰子。犬もまんざらではないようで、目を細め、大人しくなすがままにされている。

……ておい。ちょっと待て。ヴァルヴァジアって犬の名前か? どう考えても犬につける名前ではないだろ。
どっかの神話に出てきたような気がするが、少なくとも犬では無かったはずだ。 …飼い主は何を考えているんだ。
それともこれが今流行の、騎士と書いてナイトと読ませちゃうようなトンデモネームの氷山の一角なのか?

「ヴァルヴァルは可愛いね~」
「……」

ま、泰子が楽しそうだし名前なんかどうでもいいか。
マザコン? それがどうした。

689:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:17:27 BuNpmwlO

「明日の夕方まで預かるんだってぇ~、やっちゃんが出て行くとき一緒に連れて行くから、それまで一緒だよ~」
「おう、とりあえず散歩行って来い。その間に晩飯用意しとくから」
「は~い、いくよおヴァルヴァル~」

そう言って泰子は散歩に出て行く。ヴァルヴァルも泰子の横にしっかりくっついて行くので、本当に躾がなっている犬なんだろう。

そういえば、犬は飼われている家族をグループとみなして順位をつける、と言うのを聞いたことがあるな。
犬が言うことを聞かないと言うのは、その人間を下にみて、王様気分でいるかららしい。

ガチャガチャ。バタンッ。
扉を思いっきり開けて。

「りゅうじ! 飯!」


…こんなことを言いながら、入ってくる奴のように。


***


「はあ? 犬ぅ~?」

犬を預かっていると聞いて思いっきり顔をしかめているのは、逢坂大河。通称『手乗りタイガー』。
容姿はありえないほど可愛いのだが、何回見てもそのしかめっ面はどうかと思うぞ大河…。

「確かに、少し嗅ぎ慣れない匂いがするわね。ちっ…テリトリーを荒らされた動物って、こんな気分なのかしら」

そう言いながらいつものように専用の座布団を二つ折りにし、それを枕にオッサンよろしく寝そべりテレビを見始める。
どうにも可愛い外見とその行動が合ってないんだよなあ、と思い竜児も笑って。

「……お前はどんな嗅覚をしてるんだよ」
「うっさいわね、それより早くご飯作ってよ。お腹空いた」
「分かってるって。ちなみに、今日はなんとスペシャルメニューだ!」

大河の体がピクッと反応する。食に関してもものすごく獰猛な大河のことだ、その頭は間違いなく肉で一杯に違いない。
普段は栄養のこともあるからなかなか肉は出さないが、今日は本当に特別なのだ。

「…もったいぶらないで言いなさいよ、今日は何なのよ」
「今日はな…。なんと、神戸産のお牛様のステーキだ!」
「なっ!なんですって!あ、アンタの家にそんな豪華なもんを買えるだけの貯えなんてないはずっ…!?」
「…お前さりげなく失礼なこと言うな。」
「本当のことでしょーが」

…まあ、うちの金銭事情を泰子よりも知ってる大河に奴に言われては、反論のしようもないんだが。


690:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:18:09 BuNpmwlO

「とにかくだな、これはヴァルヴァルを預かるということで頂いた、飼い主さんからの豪華な気遣いだ」
「……ヴァルヴァル? なにそれおいしいの?」
「なんでも食に繋げて置き換えるんじゃありません。
 …さっき言った犬だよ、ヴァルヴァジアって名前らしいから、あだ名がヴァルヴァル」
「…センスの欠片も感じられない名前ね」
「……」

…それも、反論できない。

「それより、味付けはどうするべきかだな。こんないい肉焼いたことないからどうすればいいか分からないんだが」
「そういうのって塩コショウだけのほうがいいんじゃない? シンプルイズザベストって言うし」
「そんなもんなのか?」
「知らないわよ、私だってそんないい肉最後に食べたのいつだか覚えてないもん」

確かに肉自体にそんな味はつけないほうがいいかもしれない。
代わりにタレを何種類か用意して、ご飯もいつもより食べそうだから6合ほど炊いておくか。

そんなことを考えながら竜児はテキパキと用意を始めていった。


***


「おいしいねぇ~! やっちゃんこんなおいしいお肉初めて食べたよぉ~」
「…っ! なんだこれ、すごくうまいぞ! 口の中でとろけるってこんな感じなのか!!」
「うっふぁいふぁね、静かに食べなふぁいふぉ」
「……まずそのハムスターのような頬袋をどうにかしてから喋ってくれ」
「おいふぃー」
「……」

文句を言いながら、口を高級お肉とご飯でパンパンにしながら。大河の顔は今まで見たどの笑顔よりも、幸せそうな顔をしていた。
…なぜだろう、肉相手にとんでもなく敗北感を味わったような気がしたが、まぁ気のせいだ。

泰子とヴァルヴァルが帰ってきてから、さっそく晩飯が始まった。
肉は焼きたてが一番美味いからと思って空腹を我慢して泰子を待っていたのだが、どうやら正解だったようだ。
大河も泰子も満足そうな顔で食べている、なんと言うかまあ…平和だ。

「あ、そうだ、ヴァルヴァルにもドックフードあげないとな」

今日はヴァルヴァルもいるんだった、と思い出し餌をあげようと近づくと。


691:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:18:47 BuNpmwlO

「う”-…」
「………うおうっ」

ヴァルヴァルが低く唸っていた。ジッと大河を睨みながら。
…さすがと言うか、犬にも大河が隠し持っている猛獣のようなオーラが分かるのだろうか。
やっぱり大河は、動物からしても危険物として扱われるのか、ある意味なんて不憫な奴なんだ…。

そんなことを考えていると、大河もヴァルヴァルの様子に気づいたのだろう、ヴァルヴァルをジッと見ていた。
そしてまるで勝ち誇った顔をして。

「ふんっ。犬風情が何こっち見て肉欲しがってんのよ。お前にはドックフードあんでしょ。
 まーでも可哀想だわ、こんな素晴らしい食べ物も食べられないなんて。あーおいふぃい」

そう言って見せ付けるように肉を頬張る大河。
ヴァルヴァルに人間の言葉が分かるかは分からないが、大河にバカにされたのはわかったのだろう。
立ち上がり、唸りながら、ゆっくり大河に近づいていく。

「……なによ、なんか文句あんの?」
「大河止めろって。ヴァルヴァル怒ってるじゃないか」
「うっさいわね、その犬が喧嘩売ってきてんのよ。売られたら買うのが義理と人情でしょうが」
「…お前はどこの任侠者だよ。それより本当に止めろって。大家にバレたら、」
「あーもううっさい! こんなおいしい物を食べてる時くらい黙って――」

「「!」」

まさに、一瞬だった。
ヴァルヴァルが大河に飛び掛ったと思うと、その箸の先にあった肉だけを上手く掻っ攫っていった。
そして今は、悠然と大河を見ながら戦利品を噛み締めている。

「……やってくれたわね、私の大切な肉をよくも…」
「た、大河落ち着け! 肉ならまだいくらでもあるだろ!」
「……だまれカス。その小汚い毛玉は、私の物に、手を出したのよ。犬のくせに、あろうことか神戸牛を口にしたのよ」
「う”う”う”う”う”-…」

これは本当にマズい。喧嘩になって大河が怪我をするとか、ヴァルヴァルが食われないか心配とか、そんなもんじゃない。
なんたってうちはペット禁制なのだ。大家に見つかったらヴァルヴァルが追い出されてしまう。
それなのに当のヴァルヴァルは大河に唸り続けているし、大河もユラリ、と立ち上がりゆっくりとヴァルヴァルとの距離を詰めているし。
あれだけ大人しかったヴァルヴァルが唸っているのを見て、泰子も困ったように慌てている。

「ヴァルヴァルだめぇ~! 吠えたら見つかっちゃうよぉ~!」
「泰子非難しとけ! こいつらが暴れたらお前が危ない!」

泰子の仕事の都合上、肌に傷を負うのはよろしくない。
今や二匹とも爪が生えた凶暴な生物なのだ、そんなので引っかかれたらバイキンが入ってしまうかもしれないし。


692:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:20:16 BuNpmwlO


「う”-…う”-…」
「……食い物の恨みは深いわよ…」

ジリ…ジリ…

まさに一触即発。
獣と獣のにらみ合い。
…いざとなったら、自分がこの中に入って仲裁しなければならないのだろう。なぜこんなことに…。

「やったるわーーー!」
飛び掛る大河。

「グルゥゥゥ!!ヴァウーー!」
応戦して噛み付こうとするヴァルヴァル。

「ああもう!落ち着けお前らー!!」
本当に、なぜ…こんなことに……。


***


「本当にすみませんでした!」
「全く犬なんか連れ入れて…こんなことは金輪際無いようににしてくださいよ。
 それに、最近あなたの家、すごく騒音が目立ちますし…恋人が来てて楽しいのは分かるけど、ほどほどにね」
「恋びっ…!私そんなんじゃ―…っ!んむー!」
とりあえず大河の口を手で塞いでおく。ここで大家の機嫌を損ねてどうするんだ。

「はいすいません!次からは無いようにします!」
「それじゃあね。…あと、犬は連れ出しといてくださいよ」

そう言って玄関から出て行く大家。
あんなことがあったのになんとか追い出されずに済んで本当によかった……。

……あの後大河とヴァルヴァルの間に入った竜児は、腕をヴァルヴァルに噛まれ、顔を大河にひっかかれた。
それだけで収まれば良かったのだが…どうにもヴァルヴァルの気は収まらなかったようで、大河に向かって吠え続け、
噛み付こうとしていたので、しょうがなく暴れる大河を抱きかかえ、テーブルを中心にグルグルとヴァルヴァルと追いかけっこをしたのだった。
まったく…。泰子が近くのコンビニでヴァルヴァルのオヤツを買ってきてくれなければ今頃どうなっていたか…。

「…んむー」
「お、おう。そういえば手離すの忘れてた…。悪かったな」

そう言って手を離す。が、大河は全く動かず腕を組み仁王立ちのポーズのままだった。


693:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:21:41 BuNpmwlO

「大河、どうした?」
「…」
「お、おい…大丈夫か?」

まさか酸欠で頭がクラクラしてるとか? そう考えたがどうやら違うようだ。
大河の背中からは『ゴゴゴゴゴゴ…』という擬音が発せられている。 今にも、時を止めちゃうような、そんな何かが出てきそうな雰囲気。

「わ…、わ…、わ……、わわわわ…私と、アッ、アンタが、…恋人ですって……!?」
「おおうっ…って、そんなことそんなことかよ」
「そんなこと!? アンタそんなんでいいの!! 恋人ってつまり私たち付き合ってるってことに――!」
「いいじゃねえか」
「……っな! …あ、アンタがいいなら私は別に…」
「いいじゃねえか、別に、何も知らない奴には言わせておけば。勘違いしてもしょうがねえだろ、毎日朝晩来てるんだし」
「……」
「そうだろ…っておい、どうした大河?」

顔を赤くしながらものすごいしかめっツラで睨んでくる大河。

「…別に」
「……そうか。熱でもあるかと思ったんだが。
 …それにしても、お前、本当にそのしかめっツラ止めた方がいいぞ。せっかく可愛い顔してんだから」
「……っ!」
「…? おい、お前本当に熱あるんじゃないのか? 顔が真っ赤だぞ?」
「うるさいだまれ」
「そう言ったって…心配だろ」
「……っっ! 腐れ!そしてさっさとあの世に帰れ!」
「なんでそこまで言われなきゃいけないんだ!人がせっかく心配してやってんのに!」
「…帰る」

そう言って竜児の家を出て行こうとする大河。
普段は理不尽な怒りは放っておくに限るが、今日はそうはいかない。そうはいかない事情があるのだ。

「大河待てって!」
「…何よ」
「お前が暴れるのもいい。理不尽に怒るのも、まあいい。
 …だが、これだけはどうにもならない。…今夜、ヴァルヴァルをお前の家においてやれ」
「なっ! 嫌よ!」
「しょうがないだろ! うちで匿えなくなったのは誰のせいだ?」
「その、バカ犬」
「責任を他人、もとい他犬に擦り付けるな」
「……」

同意も待たずに大河にヴァルヴァルの綱を握らせる。
ヴァルヴァルも自分がどうなるのか分かっているのか、こちらには寂しそうな目で、大河には唸っている。
だからそんな目で見るんじゃない、お前は売られていくパトラッシュか。今にもドナドナが聞こえてきそうだぞ。

「喧嘩をしたらオヤツをあげろ。臭いが気になるなら明日掃除してやるから」
「…ふんっ!」

バタン!
扉を勢いよく閉めて帰っていく。…ヴァルヴァル、捨てられなければいいが。


694:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:22:32 BuNpmwlO

その後泰子を仕事に送り出し、散々散らかった部屋を全力で掃除し、風呂から上がったところで調度眠気に襲われた。
今日は散々だったからなあ、さっさと寝て、明日の朝は大河の飯ついでに様子を見に行ってやるか。
…さっきから向かいの家で「やんのかこらあー!」「ヴァウヴァウヴァウ!」などと聞こえるが気にしないでおく。
さすがにこれ以上は体がもたない…。
それに、大河ならヴァルヴァル相手に負けることも無いだろうし、ヴァルヴァルに重症を負わせることもしないだろう。

…たぶん。
まあ明日は、早めに様子を見に行ってやるか…と思い、7時に目覚ましをセットして眠りについた。


***


ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ…ピピ…

「…んあー」
まだ眠いが、セットした目覚ましを止めて起きる。
そうか、大河の様子を見に行くんだったな…。とりあえず顔を洗い、服を着替える。
自分の分と泰子の分と…大河の分。
すっかり慣れてしまった三人分の朝食を作りながら竜児は思う。いつの間に、こんなに慣れてしまったんだろうか。
前までは二人分だけでよかった朝食。いつの間にか加わった、放っておけないおかしな隣人。
まだ4ヶ月しか経っていないのに、それより昔からずっと一緒にいた気がする。

「メシー!」
「……そうだよな、インコちゃんもいたよな」

インコちゃんの餌を換えて新しい餌をあげる。
自分と、泰子と、大河と、インコちゃんと、ヴァルヴァル。すごく賑やかになったものだ。
……さ、そのうちの一人と一匹が隣で腹を空かせているだろう、さっさと持って行ってやらねば。

「泰子ー、朝飯は置いておくからなー。」
「んん~、竜ちゃんどこいくのぉ~?」
「大河んちー。昨日はきっとあまり眠れなかっただろうし、朝飯持って行ってやるからー」
「ふぁ~い。大河ちゃんとヴァルヴァルによろしくぅ~」

そう言ってまた眠りについてしまったのだろう、泰子の寝息が聞こえる。
また起こさないように玄関のドアをゆっくり閉めて、出て行った。


***


隣の大型分譲マンション。慣れた様に合鍵を使いオートロックを開け、エレベーターで着いた二階。
この階丸々全部が、大河の一人暮らし用に用意された家だった。

「大河ー、起きてるかー?」


695:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:23:07 BuNpmwlO
大河が女の子で、さらに一人暮らしだろうと入ることに躊躇はしない。
と言うかそもそも、学校があった日は毎朝起こしに来させた奴に遠慮なんかしていられない。
まあ起きてるか、とは言ったものの実際は寝ているだろう。昨日のヴァルヴァルとの死闘で相当疲れていたはずだし。
だがしかしリビングで見たのは、

「…ハァ…ハァ…」
「う”-…」

目元にクマを作り、今にも倒れそうなほど衰弱しているのにけっしてヴァルヴァルから目をそらさない大河だった。
もはや家に入ってきた竜児に気づく様子も無く、ただひたすら睨み合っている。
喧嘩をしたらオヤツをあげろって言ったのに、人間様は犬なんかには媚を売らない、と言うことなのだろうか。

「ヴァルヴァル、ほら、オヤツだぞ」
とりあえず、まずはこの均衡状態を何とかしなければ。

「…? …りゅうじ? アンタ、なんで…ここにいんの…?」
「お前昨日からずっと睨み合ってたのかよ? もう朝だぞ」
「…なに、今何時…?」
「7時半だな。お前の分の朝飯持ってきたんだが…食えそうか?」
「……眠い」
「…だろうなあ。ほら、とりあえずこれでも飲んで落ち着け」

魔法瓶からコップに温かいお茶をそそぎ、それを大河に手渡してやる。
大河は目をショボショボさせながらもそれを両手で握り締め、ゆっくりと味わうように飲んでいた。

「…あったかい」
「おう。落ち着いただろ」
「…うん。…もうだめ、寝る」

そう呟き、まるで糸が切れたような操り人形のように倒れそうになる。
なんとか間一髪倒れる前に支えることが出来たが、コップは落ち、お茶は床に零れてしまった。

「まったく、どこまでも危なっかしい奴だな…」

まあ、今はこの寝顔に免じて許してやろう。
黙っていればすごく可愛いくせに、凶暴な性格。でも、それが手乗りタイガー。それが、逢坂大河。
こんな奴だから放っておけないんだよなあ、と竜児はひとりごちる。
そして、安心しきったように眠る大河をお姫様抱っこで寝室まで連れて行き、ベッドの中に入れてやる。
リビングに戻るとヴァルヴァルも丸まって寝ていた。
お互い眠いのに引かなかったのは野生の底力だろうか。まったく…恐れ入る。



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