【田村くん】竹宮ゆゆこ 5皿目【とらドラ!】at EROPARO
【田村くん】竹宮ゆゆこ 5皿目【とらドラ!】 - 暇つぶし2ch200:名無しさん@ピンキー
08/11/27 22:39:53 YN8ANYFG
>>198
お前どのスレから来たんだよ!

201:名無しさん@ピンキー
08/11/27 23:30:33 tJ6wSHiA
>>192
続きGJ


そのコテはなかなか上手いな

202:名無しさん@ピンキー
08/11/27 23:38:13 yTuNvAHt
GJ!
ななドラ続きこないかなぁ

203:名無しさん@ピンキー
08/11/27 23:44:43 IdswYh/M
>>192
GJ
後日談あればいいなとは思ったが、こんなに早く読めるとは思わんかったよ
一本目が竜児モテる、ヤキモチという図式でないのは
良い意味で今後のそういうベタな展開への期待が高まって良かったっす
続編気長に待っとります

204:名無しさん@ピンキー
08/11/28 00:52:37 0YltAgow
>>178
あみドラGJGJ!全俺が泣いた
感動の超大作だな、映画化決定!!亜美可愛いいなー畜生ー
続編期待

>>192
GJGJ!こんなにも早く続編がみれるとはな
大河プラグゲットw
まさか女だったとは…
こちらも続編期待



205:名無しさん@ピンキー
08/11/28 00:58:52 YA63X1Fg
>>181
正論だけどそんな正直言ったらやる気そがれるだろ
とりあえず一作品書いてあげてみろ
GJと言われる嬉しさが分かるから

>>192
GJ!
ニヤニヤしながら読ませてもらいました

206:名無しさん@ピンキー
08/11/28 02:25:03 aTNu8ykp
>>178
あんなに察しの悪い竜児はマジで一回殴られるべきw
ばかちーかわいいよばかちー

>>192
淑女御三方、一歳年下に手を出したらもうロリコンですか?そうなんですか?
てか、みのりん未練タラタラじゃねぇかwww

おかげで今日も頑張ろうと思えました。GJ!!!

207:名無しさん@ピンキー
08/11/28 02:29:41 0YvdpVge
>>178
前半の竜児はマジぶん殴りたくなったけど
素直になった亜美ちゃんのかわいさが異常で涙が出てきた
木原のアシストもよかったです。

>>192
今度は二人目の相談者なのか?小出しにするとは意地が悪いなw
大所帯のお弁当うらやましす

208:名無しさん@ピンキー
08/11/28 02:41:32 LSNQNgr2
投下祭絶賛継続中だなw

209:名無しさん@ピンキー
08/11/28 02:44:30 dBpfIFoY
>>192
GJ!!!
ニヤニヤしすぎて引きつった顔が戻らねえwww
っていうかこれで初SSって‥‥自分は‥‥まぁいいや、また暇出来たら書いてみよう

210:名無しさん@ピンキー
08/11/28 02:46:15 mPw+vZpV
(’・ω・`)やぁ。ようこそゆゆぽスレへ。
この水道水は相模ダムのサービスだから、まずは落ち着いて呑んで欲しい。
うん、また「大河SS」なんだ、すまない。
亜美ちゃん★の顔も三度って言うしね、謝るから許してくださいお願いします。

注意みたいなもの。
・内容の薄さの割りにネタバレが多いので、原作を読んでいない人で続きが楽しみな人は回避行動をとって下さい。
・本当にネタバレの嵐です。
・大人になった二人の話。
・作者はツンデレ大河の人。
・やっぱり嫌いな人は退避を勧めます。
・裸の人ごめんなさいエロ無しです。

211:名無しさん@ピンキー
08/11/28 02:49:14 mPw+vZpV

「結婚しよう」

男は、横の座席に座って映画を見ている女に言った。
丁度スクリーンには苦難を超えて結ばれたカップルの顔が互いに引き寄せられているところがアップで写されていて、
男は狙い済ましたような――実際に狙っていた――タイミングで隣の女に声をかけた。

「結婚しよう」

男が言った。そして、二人がスクリーンの中の光景と同じようになろうと―――

「センス悪っ」

なろうとするところで、二組のカップルを写していたテレビの電源が消された。






ある晴れた日曜日だった。土曜日の仕事の帰りに、同居人である(世間様は同棲と呼ぶ)高須竜児が、

「たまには映画でも見よう」

なんて言って、その顔に恐ろしいほどに似合わない、話題のラブロマンスもののDVDを買って来たのだ。
予定もなくて、一緒に布団から抜け出すとすぐに竜児は朝食を作り、そして私はテレビとDVDの準備(電源をつけるだけ)をしたのだ。

絵に描いたように、幸せな、週末と言えた。


だが、そのラブロマンスのなんと似合わないことか。


簡単に言えば、何処にでもいる(パッケージにはそう書いてあった。きっとイギリスにはハリウッド・スターのような美形のサラリーマンがあふれているのだ)
会社員が意中のあの子を射止める話だったのだが、本当に、なんと私達に似合わないことか!

運命だ何だのと銘打っているが、こんなちっぽけなことが運命なら私と竜児は何だったのだ。
紆余曲折のさらに紆余曲折、おまけに一回点半ひねりみたいな結ばれ方をした私達が、いまさらあんなものを見てなんになるって言うのだ。


長い、道だったと思う。
ラブレターの誤爆から始まって、竜児の記憶を消そうとしたこともあったし、
川嶋亜美(いまやドラマに映画にの大人気である)の別荘にも行ったし、学園祭でプロレスもどきもやった。
クリスマスにサンタと踊ってみたりもしたし、遭難してみたりもしたし、逃避行だってした。
北村くんが好きだといってみたりもしたし、みのりんと色々揉めてみたりもした。

かたや、この会社員もどきはどうだ。
ちょっと金持ちのライバルが現れてみたくらいじゃないか。

こんなのよりよっぽど現実の方が運命的なのだ、私達にとっては。
それに、あのベタベタな行動はなんだ。
もうちょっと粋な幕引きもあるんじゃないのか。
流石に、あれを粋というのは少しセンスが前時代的すぎる。
(――と思う。他人とかけ離れていることが売りの私が言っても説得力はないかもしれないが)


212:名無しさん@ピンキー
08/11/28 02:51:11 mPw+vZpV

「ねえ、竜児?」

「何だ」

「これ、見てると苛々するんだけど」

「...そうか?何か変なとこあったか?」

竜児が、困惑した顔になる。
仕方ない。説明してやろう。

「だって、」

隣に座っている竜児に体重を預ける。
寝間着に上着を羽織っただけの竜児の肩に、頭を任せた。

「だって、あんなのより私達の方が大変だったよ。あれくらいで運命がどうのって言われたら、なんかムカつく」

竜児の顔が歪んだ。これは照れている顔だ。
いつまでたっても初心なところは変わらない。

「...そうか。そうだったな。俺達も色々あったんだ。お前が鞄を間違えたことから始まって、」

「私が竜児の家に押し入って、」

「お前が家に来るようになって。だんだんお前がいつも横に居るようになって」

「私はいつも竜児の傍に居て。竜児が居ないと何も出来なかった」

「俺も、大河に後押しされて色々出来た」

「私が北村くんを好きって言い張ってた頃もあったし、竜児はみのりんが好きだった」

「そうだ。川嶋の別荘で色々やったりもした。今になって思うと、あの作戦とかも本当バカだったよな」

「私が三年のクラスに殴りこんだこともあった。結局竜児が来てくれるんだよね」

「俺がインフルエンザで寝込んだりな。クマとスーツ交換してもらったりもした」

「私は遭難したしね。ここでもやっぱり竜児が助けてくれた」

「そして極めつけは」

「「二人で逃避行」」

声が重なった。

「一緒なら、幸せだと思ったんだろうな。無意識に。高校生の分際だって言うのに」

「いいんじゃない?今だって幸せだから一緒に居るわけでしょ?」

「ああ」

「ほらね。私達の方が絶対運命的だったでしょ?」

「ああ。そうだな。その通りだ。」

口を開こうとした瞬間に、竜児が咳払いをした。
リビングの主役が竜児一人へと切り替わる。

213:名無しさん@ピンキー
08/11/28 02:52:59 mPw+vZpV
「大河」

「これを受け取ってくれないか」

竜児が、上着のポケットから化粧箱を取り出した。
何だろう。心臓が暴れ始めた。これはやっぱりそういうことなのだろうか。

「指輪...」

「そうだ。本当はさっきのシーンに合わせようと思ってたんだけどな」

センス悪いって言われちまったしな、と続ける。

「それに、お前に言われて気づいた。そうだな、俺達には似合わなかった。俺達はいつもどおり、変に気取らないでただ一緒に居るのが一番幸せなんだ」

緊張しているのだろう。竜児は、私の鼓動に負けないぐらいものすごい早口だった。
それでもなぜか、その言葉を私が聞き逃すことはなくて、一字一句間違えずに聞き取れていたのだ。

「だからさ、大河」

「生憎、俺は顔も性格も良くないし、収入も多くはないけど、裕福とは言えないかも知れないけど」

「結婚してくれ」


...ああ、本当に長かった。高校時代に始まって、今まで続いた関係が、やっと昇華されようとしているのだ。
大学に行ったって私達はずっと一緒だった。社会人になってからは一緒に住み始めた。
ケンカだってしたし、一方的に距離を置いた事だってあったけど、それでもそれだけ続いてきた。
その間、私なんかは今か今かと待ち続けてきたというのに。やっと今。

本当に、このバカは、どれだけ人を待たせていたと思っているのだろうか。
一丁前に緊張なんかしちゃって、私の答えなんてわかっていそうなものなのに。

だから、人を待たせた罰に、満面の笑みと共にこう言ってやるのだ。

「土下座しなさい。そうすれば、」


そうすれば、アンタのためにブチのだって白いのだって茶色いのだって産んであげる。


214:名無しさん@ピンキー
08/11/28 02:54:44 mPw+vZpV
終わりなんだぜ。

今回は隆二さんは居ないと思うが、居たら本当にすまん。

お目汚し失礼しましたー。

215:名無しさん@ピンキー
08/11/28 03:04:32 VIdl1Yag
GJGJGJ

216:名無しさん@ピンキー
08/11/28 03:32:28 aTNu8ykp
GJ!そして4巻につながり無限ループですね
え?違うんですか?

217:名無しさん@ピンキー
08/11/28 03:55:57 Pr5wKfzP
139です。竜児と大河、第2戦目です。

駄犬の逆襲

竜児とて男である。
凶悪な目つきに似合わず、温厚で面倒見の良い彼にも、プライドはあるし、我慢の出来かねることだってある。
今までこういう事態にならなかったのは、ひとえに彼が逢坂大河に何を言われようとも、受け流していたからに過ぎない。
日々積み重ねられた暴言に対する、凄惨極まりない復讐は、ある日突然やってきた。

「てめぇ! 口さえ開けば駄犬だバカ犬だ、人を何だと思っていやがる!」
また例のごとく、罵倒する必要もない場面で竜児を駄犬、アホ犬呼ばわりしていた大河は、聞いたこともない竜児の怒声に
目を見開いて身体を硬直させたが、5秒と経たずに緊張を解くと、いかにも心外だといわんばかりに、
「アンタ、誰に口聞いてるの! ご主人様に口答えするなんて、いつの間にそんなに偉くなったの?」
とやり返した。

その瞬間、大河の右頬がバチンとなり、大河は畳の上に横倒しにされてしまった。

「ちょ…なにすんのよ竜児。こんなことしてタダで済むと…」
「うるせぇ。口を開けばこの俺を犬呼ばわり。大河、お前こそ何様のつもりだゴルァ!
だいたいどこの世界に、犬に飯を作らせて食わせてもらっているご主人様がいるんだ? あぁ?」
鬼気迫る顔で、上から押さえつけてくる竜児を押しのけようと、大河はもがき、身をよじろうとしたが、身体はまったく動かない。
こいつ…こんなに力強かったんだ。
あまりの衝撃と恐怖で声を出すことも出来ず、大河は自分が思わぬ人間の手で、窮地に陥ったことを悟った。

218:名無しさん@ピンキー
08/11/28 03:57:09 Pr5wKfzP
「今日は誰が真のご主人様なのか、大河、お前の身体にたっぷり教えてやる」
ビリビリとシャツが破られる音に我に返り、思わず叫び声を上げようとした大河の口を、竜児の大きな手が力いっぱい塞ぐ。
「ん~っ! …んんん」
いつの間に手元に用意したのやら、大河を押さえつけたまま口にタオルを噛ませて頭の後ろで固く結びつけると、竜児はボロ切れと
化したシャツを投げ捨て、スカートの中に手を入れると、必死で足をバタバタさせたり、よじったりする大河の両足から、力づくで
パンツも抜きとってしまった。

「竜児…お願い、ごめんなさい…もう許して、無理矢理なんてヤダ…ヤダよ…」
大河のこんな声も言葉にならず、ただ必死に何かを訴える形相だけが空しく映る。
そんな様子に微塵も注意を払うこともなく竜児は、口と下でむき出しの大河の上半身を蹂躙しながら、もう一方の手の指を大河の膣内に差し入れた。
「何を必死に嫌がってるフリなんざしてるんだ。大河、お前、こんな濡らしやがって…気持ちいいのかよ」
抵抗する気力も体力も萎えていくのが分かる。なんで…なんではじめてなのに、こんなことになっちゃったんだろう。

「さて…お前を愉しませるのはここまでにしようか、大河」
散々もがいた挙句、ついに抵抗する気力を失ったのを見計らい、竜児は口のいましめを解いてやった。
荒い息をつき、涙と涎でぐちゃぐちゃになった顔で、大河は竜児に懇願する。
「竜児お願い…ちゃんとつけて…中に出さないで…」
「は? こんな時にゴムつけたり、外出しなんかするわけねぇだろが。たっぷり中に出してやる」
「いや~! いや~! うえええん…」
泣き出した大河にニヤリと笑いかけると、竜児は青筋を立てて赤黒く怒張したモノを、大河に押し当てると一気に奥まで押し込んだ。

219:名無しさん@ピンキー
08/11/28 03:58:14 Pr5wKfzP
「…ふう…」
胸と割れ目を指で愛撫しながら、恍惚の時間をさまよっていた大河は、はげしく弓なりになって2、3度ビクビクと痙攣すると、
ベッドに仰向けに身を横たえた。スプリングがギシリと音を立て、ベッドに広げられたバスタオルの上には、大小の染みが広がっている。
大河は忘我状態でハァハァ息を整えながら、なんとなく心地よいけだるさに浸っていた。
「竜児とする時って…いつも…」
なんとなく寄り添って、いちゃいちゃしている流れの中で突入するか、或いは大河が竜児を責めるシチュエーションでやるかのどちらかだ。
この間は、川嶋亜美のパンツをアホ面さげて見ていたことをネタに、竜児を散々苛めてやった。それはそれで楽しかった。
「お前、人の顔使って1人だけでイクんじゃねぇよ。俺まだイッてねぇぞ」と不平満々の竜児のために、手と口で奉仕することになったけど。

でも、それだけじゃ大河は物足りないのだ。たまには竜児から強引に迫ってきて欲しい。
「ね、竜児。伸びたり擦り切れて捨てようと思ってるシャツとかパンツが溜まってるんだけど、レイププレイに使わない?
男の子ってそういう願望あるんでしょ」
ところが意に反し、これを聞いた竜児は喜ぶどころか、大河を目の前に正座させると、ただでさえ怖い顔をさらに怖くして、

「大河。男ってのをみんな、そういう願望がある獣だなんて考えるんじゃねぇ。少なくとも俺は違う!
俺はたとえお遊びプレイでも、嫌がる女を力づくで犯すなんて死んでも嫌だ。
大抵のプレイには付き合ってやるが、そのテのヤツだけは勘弁してくれ」

凶悪顔のフェミニストは、大河を前に毅然と言い放った。そして続けて、
「あ…MOTTAINAIから、古くなったシャツや下着は捨てんじゃねえぞ。いくらだって転用の方法はあるんだ」
と、なんともまあ、顔に似合わないが彼らしい生活感溢れる一言を付け加え、大河をずっこけさせたのだった。

「酷いでしょみのりん。竜児ったら、私の気も知らないで」
「そんな話を平然と、独り身のあっしの前でするおめぇさんの方がひでぇと思いやすぜ。私にどう反応しろと?」
竜児と付き合うようになって、すっかり変わってしまった親友を前に、櫛枝実乃梨は大きな溜息をつくのであった。

220:名無しさん@ピンキー
08/11/28 03:59:44 Pr5wKfzP
竜児くんはやっぱり真面目なようです(`・c・´)
そして大河さんは、ちょっと欲求不満のようです( ゚∀゚)
ということで、ここまで。

221:名無しさん@ピンキー
08/11/28 04:05:51 WSM0ACjv
まぁ、なんと過激なズリネタwww
まさか大河でくるとは思ってなかったけどピッタリです。GJ!

222:名無しさん@ピンキー
08/11/28 10:54:40 xHrSicVo
久々に来たらスレが凄く進んでる
皆さんGJです

223:名無しさん@ピンキー
08/11/28 12:49:28 9xKNoY7R
>>210
>>217
GJGJ
大河可愛いよ大河

224:名無しさん@ピンキー
08/11/28 13:35:49 y/3njN5o
>>192
はああああんみんなかわゆすなあ
続きも楽しみにしてます

>>210
こっちも幸せになるわあGJ

225:名無しさん@ピンキー
08/11/28 15:15:46 x2C/qtDY
なんか久しぶりにエロが投下された気がするなw
GJ!

226:名無しさん@ピンキー
08/11/28 15:27:10 IhbY+4yK
展開早ぇ。たった1日見れなくてもうこんなに伸びてんのかよ(
>>119
GJすぎるぜ。
そこで初ラブレターを貰ってうろたえる高須とか3人娘を見てみたいと思ったオレがいる

227:名無しさん@ピンキー
08/11/28 18:01:22 palBMu4+
投稿ラッシュね
玉石混淆【エロスレ的には】ですが、作者一人一人の発想が個性的で面白いわ。

さて
受け止めは人それぞれですが、大宮駅発伊豆急下田駅行き湘南新宿ライナー、スーパービュー踊り子とは思わなかったわ。
新宿8時30分の
小説は三人席向かい合わせなので新幹線を使っているのに。

それと、大河が天井裏を探検しないのが残念。
「降りて来い」「パンチラ狙いかエロ犬」が無かったな。
全身ホコリまみれで、くしゃみの連発も無かったし。『花のように舞うホコリ』期待してたのだけと。


しかし、この状況だと、エロなしで投下しても大丈夫みたいですから、後で一石投げ込みます。

228:名無しさん@ピンキー
08/11/28 19:09:44 wBcKdw+v
作品、GJ評価以外で長文投下すんな
容量あんだぞ

229:名無しさん@ピンキー
08/11/28 19:15:45 LLq+GgOh
>>227
エロパロスレ的にする話題じゃないな
それに玉石混淆なんて言葉、投稿してくれてる人達にあんまりじゃないの?
今のスレの流れだと必ずエロを入れる必要もないんだから

230:名無しさん@ピンキー
08/11/28 19:51:46 aTNu8ykp
てか原作の雰囲気がエロに持ってき辛いよな

231:名無しさん@ピンキー
08/11/28 20:06:41 cd6/H4hB
俺はエロ無しでニヤニヤできるほうが好きだ

232:名無しさん@ピンキー
08/11/28 20:10:23 IhbY+4yK
>>230
いやいや、どちらもよいぜ。
ラブければさらにいい。
ラブエロならいけるんじゃないか?
神諸氏は臆せずGOの方向で。
とZENRAでSEIZAな俺がいる。

233:名無しさん@ピンキー
08/11/28 20:11:16 K/4NQc3C
>>211
遅レスかもしれんがGJ!
色々振り返ってるのが楽しかった
確かにドラマチックどころか波乱万丈、七転八倒だよなw

234:名無しさん@ピンキー
08/11/28 20:15:16 xHrSicVo
エロが少ないくらいエロパロ板ではよくあることだ

235:名無しさん@ピンキー
08/11/28 21:10:25 4PnqFonC
すげぇぜ、今やここはエロパロ板で最も勢いのあるスレとなった!

236:名無しさん@ピンキー
08/11/28 21:25:45 MlZPnS1c
アニメ化ってやっぱ偉大だね。
心配してた作画も気にならないし、内容も結構良い。

237:名無しさん@ピンキー
08/11/28 21:27:35 9ZJpl3lR
>>234
竜児や大河たち、登場人物そのものがエロス的存在だから問題なし( ゚∀゚)

238:名無しさん@ピンキー
08/11/28 21:47:04 M50z2ru8
URLリンク(blog-imgs-19.fc2.com)

239:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:21:28 6q6LTdV1
角煮でやれ氏ねカス

240:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:23:50 YA63X1Fg
竜虎出た嬉しさでストックをあげようと思う。

かなりオリジナル要素強いから嫌な人いたらゴメン。

241:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:24:46 YA63X1Fg

『ある日の巡り会い』


高校二年生になり、心機一転。新しいクラスになり数日が経った頃。 …私には、最近気に食わない奴がいた。
私と親友が話していると、チラチラとこちらをみてくる男子。私より前に席にいるんだから見てるのバレバレだってのに。
とりあえずじっと睨んでおく。大抵の奴ならこれで目を合わせようとしなくなるんだ。

そして案の定、そいつも慌てて目を背けている。ふんっ、バッカじゃないの。
そんなに私の親友がみたいなら勇気でもだして話しかければいいじゃないの。まったく。男は全員死ねばいいのに。

「でさ~! ……ん?どったの??」
「ううんなんでもない。それよりなんの話だっけ」

えー聞いてなかったのかよーちゃんと聞いてろよー!と猛抗議の親友。
やばい、バカ男子を睨みすぎて親友の話なんかまったく聞いていなかった。
そしてまたこれだ…親友と話し出すとチラチラこっちを見てくる。
ああまったく意気地がないったらありゃあしない…こんな蛆虫みたいな奴が同じ空間にいるだけでさぶいぼが…。


***


それは下駄箱に入っていた。
授業も終わり、下校時刻。親友はソフトボール部で部長を務めているので一人での帰宅だった。
そうして帰宅しようとして下駄箱を開けるとそこには一通の封筒が。

『屋上で待ってます』

…はぁ、またこれか。
その少女は、本人は自覚はないが容姿端麗、お人形さんのような子だった。
入学当初はその外見に惹かれ告白してくるものが後をたたず、全部切り捨ててはきたけれど未だにたまにこんなことがあるのだ。
それにしても。

「…てかアンタ誰なのよ。名前くらい書きなさいよ、どれだけドジなのよ…。」

とりあえず、こんなバカはさっさと切り捨てて帰ろう。ああ男ってホントにうざい。
そう思いながら気だるげに屋上に向かうのだった。


***

242:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:25:39 YA63X1Fg


「げっ…なんでアンタこんなとこにいるのよ」

少女の目の前には、最近クラスでチラチラ見てくる気に食わない男子が。
こいつ、私の親友を見てたんじゃなかったのか。

少年は、顔を真っ赤にして俯いている。

「…で、なんなのよ」

ある程度内容の検討がついているのだが、わざと知らないふりをして急かす。
それにしてもじれったい奴だ。さっさと言ってしまえば楽なものを。

「……あ、う。」
「聞いてあげるから、早くしてよね」
「あ、あのさ俺…」
「うんうん」
「俺、お前のことが好きなんだ!」
「ごめん無理。はい却下」
「ちょ!少しは悩むとかもなしかよ!そんなとこも好きだけどさ!」
「はいはい…それじゃあね、私早く帰りたいから」

呆然と立ちすくむ少年を尻目に、少女は屋上から去っていく。
はぁ、早く帰ってママのご飯作らなきゃ…。今日はパパも久しぶりに休みだし、久々に料理教えてもらおうっと。
そんなことを考えながら階段を降りていた。
後ろからはさっきの少年がなにか叫びながら追いかけてきているような気がするが無視無視…。

と。
「うわぁ!」
という声。

それとともに少女の横をすさまじいスピードで何かが転がり落ちていく。
目の前の壁にぶつかって止まったのは、さっきの少年。
…しかもちょっと泣きそうな顔。男のくせにこいつはまったく…。

243:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:26:36 YA63X1Fg

「はあ…。なにしてんのよ、ほら、起きなさい」

とりあえず手を差し伸べて立たせる。少年は傷だらけだった。
…どうやったら、転がり落ちただけでそんな怪我をするのよ…。
でも当の少年は平気そうな顔。けっこう丈夫なのかもしれない。

「あ、ありがと…」
「…別に。それよりアンタ、制服ほつれてる」
「うあ…ま、まぁいいんだ、こんなのいつものことだし」

…どこかしら、母親に似ている気がする。ドジなところとか。すごくドジなところとか。かなりドジなところとか。
それにしてもほつれた制服が気になるなあ。自分は父親に似て案外潔癖症なのかもしれない。

「…うーん。いま裁縫道具持ってないわ」
「い、いいよそんなの!」
「なーんかアンタほっとけないのよね…とりあえずウチに来て。ほつれだけでも直したげるから」
「…!ありがとう!やっぱお前すごいいい奴だなぁ!」
「そんなんじゃないっての。さっさと行くわよ」

「うん! …あのさ、友達からじゃ、ダメかな…?」
「…」
「俺、もっと高須のこと知りたいんだ!」
「…」
「…高須?」
「…いいわ。アンタといると、なんか気が楽だし」

はしゃぐ少年。それを置いてズンズン歩く、ちょっと目つきの鋭い可愛い少女。




両親は、娘が始めて連れてきた男友達に驚いた。

――そして、少年が櫛枝と名乗って、何故かさらに驚いていた。


end

244:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:27:56 YA63X1Fg
以上です。
短いし駄文で失礼しました。

祭りはまだまだ終わらないぜ!

245:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:41:49 MlZPnS1c
性転換…だと?

じゃあ、竜児は俺の嫁になれるってこと?何て素晴らしいんだ!

246:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:46:00 574aSUep
>>244
GJ!

>>245
次世代の話ってことじゃない?ってマジレス

247:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:48:08 sduyKlX7
>>229
もっと丸くなりましょう。争いの種は些細なところから生まれますよ。

248:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:58:01 9xKNoY7R
GJGJ
竜児と大河の娘か
大河の容姿で家事万能とかやべえ

249:名無しさん@ピンキー
08/11/28 23:02:58 y/3njN5o
>>244
GJ!
みのりんの息子が大河竜児の娘に惚れちゃったということかな?
続きが気になるぜ

250:名無しさん@ピンキー
08/11/28 23:09:26 IfhoQRj6
>>244
GJ!
この発想はなかった!
才能ってやつか!

251:名無しさん@ピンキー
08/11/28 23:15:35 nK4XG0xW
>>244
GJ!

何故か親友の名字が気になった
川嶋か狩野か春田か…

252:名無しさん@ピンキー
08/11/28 23:17:19 9ZJpl3lR
>>244
これまた意外な視点からの快作( ゚∀゚)
しかしなんとハイスペックな娘だ(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ

253:名無しさん@ピンキー
08/11/28 23:30:03 LbjUH5m+
この話がリリアに見えてくる

254:名無しさん@ピンキー
08/11/29 00:31:10 dIeqBO1R
>>253
お前の言いたいことはわかるがスレチだ

255:名無しさん@ピンキー
08/11/29 00:32:42 1Br5el+I
GJ
シングルマザーみのりんに泣いた

256:名無しさん@ピンキー
08/11/29 00:52:40 AgnNmaWK
逆じゃなくてよかったなw
竜児の容姿に大河の性格…

257:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:08:26 TZ60jDL1
>>256
それは怖すぎるだろうw
弟あたりがそうなってたりして。

258:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:10:49 Y3O5ime4
いくら凶悪でも姉には絶対顔が上がらないんだな
それより亜美ちゃんの性格で顔が竜児のry

259:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:18:29 G4gc41ec
>>241
あまり多くない良作だ
次回作にも期待大

260:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:25:46 UBbsVkkd
大河と竜児の娘カワユス
GJ!

261:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:29:31 MlaYj5dk
竜虎行きます
ちょっとアレですがごめんなさい
タイトルは『おはようのXXXX』

262:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:30:26 MlaYj5dk


     「えー、ですのでここは………。」


午後の古典の授業。
抑揚もなく一定のテンポで淡々と授業を進める教師の声だけが響く中、
眠気を誘う相乗効果がクラスを襲い、
その魔の手に囚われた生徒達はウトウトと船を漕いでいる。


     「えー、つまり、これが………。」


ギラリと三白眼を細め、竜児はノートを見ていた頭を持ち上げた。
ブルブルと頭を振る。呪いを撒き散らそうというのではない、眠気を振り払おうとしているのだ。
午前中に体育の授業でしっかりと体を動かし、そして昼食をたっぷり食べた。
眠くなるのは自然の摂理というものだ。
見た目とは正反対に、授業態度は極めて真面目な竜児だが、
大半の生徒同様、夢の世界の甘美な誘いに耐えるのは大変なのである。


「よっ…と。」
目立たないように体を伸ばしながら、目だけを動かし、竜児はざっとクラスを見渡した。
古典の教師は課題と試験さえちゃんとやれば基本的に文句を言わないタイプなので、
真面目に授業を聞いている者はむしろ少数で、
内職している生徒と寝ている生徒ばかりに見える。

北村はちゃんと聞いている、さすがは生徒会長。
実乃梨は一見ちゃんと聞いているように見えるが、
あの真剣な眼差しはどうやらマジックでまぶたに書かれたもののようだ。
亜美はつまらなそうに端の席でなにやら爪を磨いていた。



263:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:30:26 sCA8O3EA
>>257
しかし、姉には逆らえない感じだよな。姉に限らず家族は皆。

>>244
続きが楽しみなんだが、これを読んでて
息子の性格から竜児がみのりんと一夜過ごしたんだと訳分からん設定が頭に浮かんだ

264:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:31:14 MlaYj5dk

もはや教師の言葉は耳から耳へ抜けていく。
「ふわぁ。」
押し殺せず、あくびが出た。
最終防衛ラインは陥落寸前のようだ。
竜児は目をこすりながら、先日の席替えで斜め後方の窓側の席になった大河のほうに顔を向ける。

「うわぁ…。」
思わず声が漏れてしまった。
大河も御多分に洩れず、すやすやと眠っていた。
細い両手を枕にして長い髪を垂らし、
居眠りというには大胆すぎる熟睡ぶりだ。
小さな背中を丸めるようにして気持ちよさそうに寝ている。


「スゥ……スゥ……」


小さな寝息をたてて熟睡する姿、
そのかわいらしいまぶたも、長く美しいまつげも、ピンク色の唇も、
さながら気まぐれに地上で休息する天使そのもののような愛らしさだった。

今日の弁当は大河のリクエストに答え、奮発してトンカツにした。
竜児の分まで奪い取り、心行くまで肉を堪能した大河は、
サバンナの虎が存分に餌を貪った後そうするように、
緩みきった顔で幸せそうに夢の中で午後のひと時を過ごしていた。


「スゥ……スゥ……」


学校ではまずお目にかかれないその愛らしい姿を見ていると、
竜児はつまらない授業を真面目に聞く気にもなれず、
眠りかけの頭でぼーっと大河の無防備な寝顔を眺めていた。
教師の声と大河の寝息だけが教室に響き、
まどろみの中、時間が過ぎていった。




265:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:31:54 MlaYj5dk


キーンコーンカーンコーン

授業終了の鐘と同時に、古典教師はスパッと話を切り上げた。
すでに指示した課題をやっておくように最後に付け加え、これにて授業は終わり。

「起立!礼!」

北村の号令で、竜児は立ち上がり頭を下げる。
力なく立ち上がりダラダラと礼をする生徒たちの中、大河は熟睡したまま立ち上がらない。
周りの生徒たちはどうするか困っているようだった。

起こしてやるべきなのだが…、竜児は迷った。
だが、竜児がどうこうするより前に、
教師は気にすることなくサッサと教室を出て行ってしまった。


「スゥ……スゥ……」


授業後の喧騒もどこ吹く風、大河は一定のテンポで小さな寝息をたてて、眠り続ける。
竜児は座りなおし、睡魔に誘われつつも、大河を再度眺めた。
今日の授業はこれで終わりだ。
HRが始まる前に大河を起こして帰る準備をさせるべきなのはわかっていたが、
竜児は机に立て肘をついたまま、眺め続けた。
このひと時を、素直に楽しみたいと思ったのだ。


「スゥ……スゥ……」


しかしそんな竜児の平穏は、無粋な第三者に破られる。
「相変わらず逢坂の寝顔は可愛いな。」
一頻り眺めていた竜児に、北村が声をかけたのだ。
「はぁ?」
その声に振り返り、間抜けな声を上げる。
そして竜児は大河を眺めているのが自分だけではないことに気づいた。
男子生徒たちの視線が、チラチラと自分と同じように大河に向けられていた。



266:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:32:35 MlaYj5dk

眠りかけていた脳が一瞬で覚醒した。
平穏な世界は二人だけのものではないのだ。
眠り姫そのものの今の大河は、普段の口の悪さや横暴さは皆無で、
その彫刻のような美しさを惜しむことなく見せ付けている。
クラスの男子たちが無防備すぎる大河の寝顔を盗み見たくなるのは当然なのかもしれないが。

……くそ、なんだこの不快感は。
竜児は独りごちる。

そんな竜児に、いつの間にか側にいた亜美が、にやりと笑みを浮かべて言った。
「あれ~、高須くんってば、タイガーの寝顔を独り占めしてるつもりだった?」
「な、川嶋!俺は別に、そんな……、」
「あはっ、残念、男子たちみんな堪能してるみたいだよ。
 早く起こしてあげたほうがいいんじゃないの~?」
「……うるせえ。」

竜児はニヤニヤとムカつく笑顔を向けてくる亜美を無視し、
顔を引き締めて立ち上がり、一度ゆっくりとクラスを見回した。
一応、慌てて顔をそらしたヤツのことは憶えておこう、能登のやつめ。


「スゥ……スゥ……」


帰り支度をしようとするクラスメイトをかきわけるようにして、竜児は大河の元へ。
側に立ち、一度息をついた後、声をかけ肩をゆすった。

「おい、大河!起きろ!もう授業終わったぞ!」
「………ふにゃ。」


267:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:33:16 MlaYj5dk
竜児の声に反応する大河。
普段のようなドスを効かせた低い声ではなく、緩みきった甘い声。
寝起きが悪い大河は、いつも覚醒するまでに時間がかかる。
竜児は大河が再び寝てしまわないよう続ける。
クラスの皆の注目が集まっていることは分かっていたが、
なぜか見せ付けるように大袈裟に声を張り上げてしまっていたことに、竜児は気づかなかった。

「いつまで寝てる気だよ!起きろ大河!」
「……うん。」
「起きろ!寝るな大河!」
「……はぁ、……りゅうじ……おはよ。」

大河は生まれたばかりの子猫のように、小さく体を動かし、起き上がった。
うーん、と声を漏らし、その折れてしまいそうな体を伸ばし、
眠たそうにわずかに開いた瞳が竜児の姿を捉えると、
せっかく開けた目を再び閉じ、大河はその小さなアゴを少し持ち上げた。
ん、と小さな声が漏れる。



その可愛らしい仕草に竜児は見覚えがある。
毎朝見ているその仕草。
あのバレンタインの騒動以来日課となっているその仕草の求めるもの。
一瞬の後、竜児はその仕草の意味に気づく。

あれ?これって……、
まさか、おい、ちょっと待……、

竜児が焦り、口を開く直前、

「………おはようのキスは?」

寝ぼけた大河が催促するように小さく呟いた。




268:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:34:02 MlaYj5dk


瞬間、あれほど騒がしかった教室が嘘のように静かになった。
竜児は硬直した。
頭が真っ白になる。
ガチガチの体に鞭打ち、振り返る。
じー、教室中の視線が突き刺さった。
北村も実乃梨も亜美も、無言のまま苦笑い。

「あ、あのな……、これは……、違うんだ。」
固まった喉を無理矢理動かし、竜児はそれだけ言った。
噴き出した汗が頬を伝う。
手が震える。
竜児は耐え切れず視線を戻した。

いつまで待っても唇に竜児を感じられないことに不満そうに眉を動かし、
大河は閉じられていたまぶたをゆっくりと開いた。
いまだ夢の世界から抜け出せられずといった愛らしい瞳が左右に揺れ、
そしてその双眸が滝のように汗をかく竜児を見つけると、
大河は天使のように無邪気で可愛らしい笑顔を向けた。



そして大河は、脳がゆっくりと覚醒していくにつれ、
硬直する周りの視線に気づき、
己が今どこにいるかに気づき、
己が今口走った一言の意味に気づき、
竜児の目を再び見つめ、硬直した。



269:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:34:48 MlaYj5dk

沈黙が支配する永遠のように長い数秒の後、
大河の象牙のような白い顔が、トマトのように真っ赤に一瞬で変化した。
「な、ななな、な………、」
羞恥でガタガタと震えだす。
握り締められた机が軋む。

「お、落ち着け大河。……落ち着いて、な、ほら。」
妙に冷静になった竜児の声。
しかし大河の動揺は収まらず、そして、


「いやあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」


「うおっ!待っ……。」
机も椅子もなぎ倒し、弾丸のように一直線に扉へ猛ダッシュ。
竜児の制止を振り切り、大河は開け放たれていた扉から勢いよく飛び出していった。




大河が去って数秒後、魔法が解けたように竜児の硬直も解ける。
「悪い!」
今だ向けられるクラスメイトの視線を無視し、
竜児は素早く大河が倒した机と椅子を元に戻し、席の主に簡単に詫びた。



「ほら、高須。」
その声に振り返る。
北村と実乃梨が二人分の荷物を竜児に差し出していた。
「さっさと追いかけてやりなさいよ。」
めんどくさそうな亜美の言葉にうなずき、
竜児は荷物を両手で掴み、廊下へ飛び出した。
「大河ーっ!待てー!」
そして、大河と同じく猛ダッシュ、全速力で大河を追いかけた。



270:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:35:34 MlaYj5dk

あの日と同じ、逃げる大河を追いかける自分の姿に、竜児は走りながら思わず頬が緩んでしまった。
まったく、あいつは、いつもドジやって勝手に逃げ出して、
だけど……、だけど俺は……、結局……

「ちゃんと捕まえてやるぞ、大河。」

大河の側を、離れられないんだよな。




「高須、逢坂。都合により早退っと……。」
北村の呟きを合図に、クラスに喧騒が戻った。
「ケッ!やってらんねーよバカップルが!」
「ハハハ……。」
吐き捨てる亜美に、実乃梨は苦笑いで答えた。

クラスのみんなも付き合ってられんといった様子で、
二人のことは忘れてお喋りに興じている。
まもなく独身がやってくるだろう。

高校二年の生活も残りわずか。
今日も概ね、平穏な一日だった。

End

271:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:42:07 ZPAu3ong
>>261
GJGJGJGJ!
2828が止まらないぜw
大河が可愛すぎるw



272:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:44:43 jsTEuxlU
(28∀28)

273:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:48:29 HExPoN71
261さんGJです!!

274:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:52:00 UBbsVkkd
>>261
乙乙
やっぱり竜虎はええのう
寝ぼけ大河可愛いです

275:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:54:46 P33eBJ7S
GJ
竜虎最高だよ、この大河の可愛さは異常

276:名無しさん@ピンキー
08/11/29 01:55:03 Y3O5ime4
これはいいニヤニヤ

277:名無しさん@ピンキー
08/11/29 02:05:36 TZ60jDL1
>>261
まったく顔がにやけるGJ
大河がかわええのう。

278:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:08:40 5HG9E5IO
やっちゃんSSの続きを投下
少しだけどあーみんやみのりんも出るよ

279:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:09:21 5HG9E5IO

「やすドラ?」

ざっと体を拭いて服を着る。ホントは体なんかも洗いたかったけどこの際しょうがない。
あのまま、また泰子と一緒に風呂に入ってたら色々と耐えられない。変な意味じゃなくって精神的に耐えられない。
ただでさえ俺の、あ~・・・元気な高須棒まで見られたんだ・・・その上、泰子の体まで洗って・・・・・・柔らかかったな・・・・・・はっ!?
つい泰子の体の触り心地を思い出してしまい、脱衣所の壁に寄りかかって悶々としていた俺を

「竜ちゃ~ん」

「・・・どうした? 泰子」

「上がりたいの~」

泰子がドア越しに呼んできた。もう上がるのか。
・・・1度深呼吸して意識を切り替える。
泰子の裸なんてさっき存分に拝んだろ。今更恥ずかしがってどうする。
そんな事を気にしてる時点で自分が恥ずかしがってるのを自覚しつつ

「竜ちゃん、まだぁ?」

って俺を待っている泰子を風呂から出すために浴室のドアを開ける。
充満していた湯気が晴れると、浴槽に浸かっている泰子が声をかけてきた。

「やぁん、竜ちゃん・・・あんまり見ないで? 恥ずかしいよ・・・」

「はぁ? 急になに言ってんだよ。さっきまで一緒に風呂入ってたろ」

「だってぇ、やっちゃんだけ裸なんだもん・・・急に竜ちゃんの視線が気になっちゃって」

本気でなに言ってやがんだ? それに俺が泰子の裸を凝視してるみたいに言うなよ。

「あ、そのね? ・・・見られるのは恥ずかしいけどぉ、竜ちゃんに見られていやなんじゃないよ?」

しかもどこを訂正してんだ。意味分かんねぇって。
そう言いながら俺を見つめてくる泰子に向かって、いい加減話を進めようと話しかける。
考えればもう大分長湯になったし、疲れさせちまうだろうからとっとと出よう。

「分かった分かった。そんなことどうでもいいから早く上がろうぜ。もう十分温まったんだろ?」

「・・・・・・・・・」

「・・・どうかしたか?」

「・・・・・・・・・べつに」

途端に不機嫌になった泰子。俺、なんかマズイこと言ったのか?
さっきまで上げかけていた上半身をお湯に沈めて、口元まで来たお湯をブクブクさせながらたまにこっちを睨んでる。
あまり広くない上にお湯だって沢山張ってるわけじゃないうちの浴槽だと、半分仰向けになる形になってしまうから
ぶっちゃけ胸だのお腹だの・・・あれだのが丸見えになる格好になって、慌てて後ろを向いて泰子に問いかける。

「泰子? 俺、何か気に障ることでも言ったか・・・?」

「・・・・・・どうでもいいんでしょ・・・」

280:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:10:00 5HG9E5IO
ポツリと泰子が呟くが、何を言いたいのかよく分からない。

「な、何がだ?」

「・・・だからぁ、竜ちゃんはやっちゃんの事なんてどうでもいいんでしょ、って言ったの」

「・・・はぁ? 何でだよ? 俺そんな事言ったか?」

「言ったもん・・・やっちゃんがぁ『竜ちゃんに見られてもいやじゃないよ?』って言ったら、竜ちゃん『どうでもいいから』って・・・
 やっちゃん、竜ちゃんに誤解されるのヤだったから言ったのに『そんなこと』って・・・
 やっちゃんの事どうでもいいってぇ・・・ぐしゅ・・・うぅ・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

ちょっと強引じゃないか? 話飛び過ぎじゃねぇかそれ?
どこをどう繋げたらそこに辿り着くか分からないで一瞬呆然としてしまったが、最後の方に涙声が混じっていたのに気付いて我に帰った。
再度振り返り、泰子の目を見て口を開く。

「な、なんで泣いてんだよ!? 泣くところなんて無かっただろう? それに、俺はそんなつもりで言ったんじゃねぇよ!」

「ふぇ・・・? ほんとに?」

「そうだって。俺はべつに泰子の事がどうでもいい訳じゃなくて、いつまでも風呂に浸かってるとのぼせるし体にも良くないし・・・
 それにもう風呂から上がるって言ってたから、長話してても可哀想だと思ってだな・・・」

「・・・・・・・・・」

「『そんなことどうでもいいから』ってのも、単に言葉の綾と言うか、口から出ただけで深く考えてた訳じゃ・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・だから、その・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・言葉が悪かった・・・・・・ごめんな、泰子」

意外にもこっちの話を聞いてくれていた泰子に、チャンスだと思って畳みかける。
だけど、じっと俺の方を見て黙って聞いている泰子に、だんだん自分が言ってるのが言い訳みたいに聞こえてきて・・・
実際に泰子は俺の何の気なしに放った一言で泣いていたじゃないか。そう思ったら、俺はもう何も考えないで謝っていた。

「「・・・・・・・・・」」

無言の泰子と、その泰子の反応を待つ俺。
時間にすると1分も経ってなかっただろうけど、見つめ合ってる時間が異様に長く感じた。
そろそろ何か声をかけるべきか?
そう思っていたら、ずっと黙っていた泰子がようやく口を開いた。

「・・・なんで・・・」

「・・・ん?」

「なんで竜ちゃんが謝ってるの・・・? やっちゃんが勘違いしただけなのに・・・」

「・・・勘違いさせるようなこと、言っちまっただろ? 俺が」

281:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:10:44 5HG9E5IO
「・・・・・・でも・・・」

「勘違いさせて、泣かせたから。だから、悪いのは俺の方だ。・・・ごめん、泰子」

「・・・・・・・・・」

また押し黙ってしまう泰子。けど、今度はすぐに口を開いて

「・・・竜ちゃん、立たせて」

「あ? あぁ・・・泰子?」

「おねがい」

「・・・おぅ・・・・・・」

急に立たせてほしいと言ってきた。
あまりにも突然話を変えてきたから思わず聞き返してしまったが、泰子は有無を言わせぬって感じで見上げてくる。
考えは読めなかったけど、真剣な眼差しで見つめてくるのでそれ以上言わずに腕を伸ばす。
こっちを向いてる泰子の脇に腕を差して持ち上げてやれば、お湯の中だし膝も曲げていたからすんなりと立った。
・・・立ち上がった泰子から昇る湯気がなんだか色っぽく見えて、気恥ずかしくてつい目を逸らすと

「竜ちゃん・・・・・・」

泰子が俺にもたれかかってくる。

「・・・っと・・・・・・どうした? のぼせたのか?」

「・・・ごめんなさい」

もたれかかってきた泰子を受け止めてやると、俺の胸に顔を埋めて謝りだしてきた。

「・・・服のことか? 濡れただけだし、こんなの着替えりゃ」

「うぅん・・・違うの・・・」

おどけて言ってみるが遮られた。べつに本気で服のことだって思ってた訳じゃないけど、ちょっと驚く。

「・・・ごめんね? 変なこと言ったりして・・・」

「だから、それは俺の言い回し方が」

「竜ちゃんは悪くないよ・・・だって、やっちゃんのこと心配してくれて、それで言ってくれたんでしょ?
 それなのにやっちゃん、1人で勝手に怒ったりして・・・子供みたいにふてくされて・・・竜ちゃんはぜんぜん悪くないのに」

また遮られた。しかし・・・今度はまた随分とへこんでるな・・・・・・
まぁ、思いつめてる内容が内容なんでちょっと人には知られたくないけど。
・・・・・・どうすっかなぁ・・・ただ口で言っても今は聞いてくれそうにないし・・・けどこのままにしておけないし。
・・・どうせ口移しだのあ~んだの、昨日から散々恥ずかしいことをやってきたじゃないか。
後先考えてないで、今は泰子をどうにかすることだけ考えろ、俺。

具体的に何をするかを決めて、俺は未だ自分の胸に顔を埋めている泰子に向かって声をかけた。

282:名無しさん@ピンキー
08/11/29 02:11:23 4npBEt51
>>261さんGJ
なんか本物読んでる気になった

283:名無しさん@ピンキー
08/11/29 02:11:23 wIbuw/J1
>>261
GJ!
ちゃんと原作っぽさが備わっていて、
なおかつ2828させてくれる。

284:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:11:34 5HG9E5IO
「・・・なぁ泰子、ちょっとだけ顔を上げてくれないか?」

「・・・・・・・・・」

黙って離れる泰子は、それでも顔を上げずにこっちを見ないようにしてる。
まぁいい。俺は少しだけ膝を屈めて高さを調節して

「ぁっ・・・・・・・・・」

泰子をしっかりと抱きしめた。
くっ付けた頬から熱が伝わってくる。密着してる胸から泰子の心臓の音が聞こえる気がする。いや、俺のかもしれないな。
抱きしめたまま、耳元でそっと囁く。

「俺は泰子の事をどうでもいいだなんて思ったことは絶対に無いぞ。
 ・・・大切だって、思ってる。できればずっと一緒に居てやりたいって思ってるくらいだ」

「・・・っ」

たった2人の家族だからな。俺が家を出たりして、泰子を1人にさせたくない。
一拍置いて

「あと、泰子が泣いてたのはやっぱり俺のせいだろ。泰子が謝ることなんて無いって」

言い終えて、今度は顔を泰子の目の前に持ってくる。ちらっと泰子の目に映った自分を見たら、茹蛸みたいだった。

「・・・だから、もういい加減風呂から上がらないか? こんなこと言い合っててもしょうがないし、俺まで冷えてきちまうよ」

「・・・・・・・・・」

そう言って抱きしめていた腕を解く。正直羞恥心が限界に達していて頭を何かに打ち付けたい衝動が半端じゃないけど、じっと耐える。
視線だけは泰子から外さないで待っていたら、弾かれたように泰子が動き出した。

「・・・・・・っ竜ちゃあん! ・・・んちゅ、ふむぅ・・・んうぅ・・・」

顔がぶつかるんじゃないかって思った瞬間にはもう泰子の舌が俺の口を割って入ってきていた。
って

「!? っぶは、いきなり何すんだ!? っていうかいきなり何すんだ!」

いかん、相当テンパってる。同じこと訊いてどうすんだよ。
そりゃ勢いつけて母親がくちびる押し付けてきたらテンパるだろ? つか何でキスなんかしてくんだよ。
しかも今舌だったよな!? 舌突っ込んできたのか!?

至近距離なのに、ほとんど俺を押し倒さんばかりの勢いで飛びついてきた泰子。
足が浴槽に入りっぱなしだから転倒しないようにまた抱きしめたら、あろうことか舌まで入れてくるような深いキスをお見舞いしてくれた。
口の中に自分以外の舌の感触を感じ取った瞬間、泰子が倒れないよう腰に回していた手を肩に置いて引き剥がし、顔を遠ざける。
訳が分からず、問いただそうとするが間抜けにも程があるような状態の俺。
2回も続けて同じ事を言っている俺に、泰子が鼻をスンスン鳴らしながら話しかけてくる。

「ぁ、ご、ごめんなさい・・・けど、やっちゃん嬉しくってぇ・・・ぐす・・・
 竜ちゃんが抱きしめてくれたのも、言ってくれたことも、とってもとっても嬉しくってぇ・・・
 そうしたら、なんだか竜ちゃんにチュウしたくなって・・・我慢できなかったのぉ・・・」

「泰子・・・・・・」

チュウなんて可愛いもんじゃなかったぞ、今の。それに舌入れてくるのをチュウで片付けんなよ・・・
心の中でそっとツッコミつつ、泰子の話しの続きを聞く。

285:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:12:18 5HG9E5IO
「ぐし・・・・・・ねぇ竜ちゃん。竜ちゃんはああ言ってくれたけど・・・やっぱり、ごめんなさい
 おかしな事言って、竜ちゃんの洋服濡らしちゃって、いきなりチュウして・・・困らせちゃってごめんなさい・・・」

「・・・・・・・・・おぅ、もういいって。だからもうこの話は終わりにしないか? いつまで経っても風呂から出れねぇよ」

「うん。・・・竜ちゃん・・・ありがと」

「だからもういいって。それより早いとこ体拭くぞ? 俺だって服ずぶ濡れになってんだし・・・」

これ以上は泰子も引かないだろうと思って俺の方から折れる。
なんだか風呂から出すだけで物凄く骨が折れた気がする。今度から『どうでもいい』は使わないようにしよう。
泰子の何に引っかかるか分からない。

やっと機嫌を直してくれた泰子の頭をバスタオルで荒く拭いてターバンみたいに巻いてやり、別のタオルで体の水気を拭き取る。
体を拭くのが1番厄介だろうと思っていたけど、あんな空気の後だからか、それとも無理やりくちびるを奪われた事を引きずってるのか
思っていたよりは泰子の体を拭いていても緊張しなかった。
一旦頭のタオルを取って代えのシャツと下着、短パンなんかを着せ終えて泰子を居間にやり、俺も自分の分の着替えを取りに自室へ行く。
自室で着替えて、脱衣所のカゴに濡れた服を放り込むついでにドライヤーを持って居間に入った。

「泰子、髪の毛乾かすからじっとしてろよ」

「あ、竜ちゃん。お願いしていい?」

「タオルじゃあ乾ききらないだろ。濡れたまんまだと風邪ひくし、このくらいはな。少しの間動くなよ?」

「はぁい♪」

「・・・・・・」

「♪~」

コンセントにコードを挿し込んでスイッチを入れ、温風を満遍なく行き渡らせるように動かしながら、たまに髪を手で梳いてやる。
大河とはまた違った感じの柔らかさだ。
さっきまでのへこみっぷりが嘘みたいに、
なにが楽しいのか鼻歌交じりでドライヤーをかけられている泰子と、黙って髪を乾かすのに集中してる俺。
たまに「竜ちゃん、大切だってぇ・・・」とか「ずっと一緒・・・それってぇ・・・」とか聞こえた気がするけど。

あらかた乾かし終えたら、ドライヤーを片付けて今度は手に湿布を貼って、添え木を包帯で固定してやる。
包帯も巻き終わって、俺はようやく人心地ついた。

「ほら、もういいぞ。またお茶でも淹れてくるからちょっと待ってろ」

立ち上がって台所に入り、冷めてしまった急須の中身を流しに捨てて、熱いお湯を注ぐ。湯飲みはさっき使ってたのでいいだろう。
居間に戻って座り、お茶を注いでいると泰子が擦り寄ってきて、余っている方の俺の腕に自分の腕を絡ませてる。

「ん? なんだよ」

「うぅん~、なんでもなぁい♪」

「? まぁいいけど。お茶飲むか?」

「うん、ちょうだい」

泰子が左腕に抱きついてる状態で口移しでお茶を飲ませる。大分慣れてきた感もあるが、まだ恥ずかしい・・・

286:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:13:03 5HG9E5IO
ただ、てっきり気紛れにくっ付いてきたと思ったら、その後もずっと泰子は俺にくっ付いてきた。
くっ付いてって言うよりも何て言うか・・・・・・ベタベタ? みたいな。
とにかく離れるのはトイレぐらいなもので、昼飯を作ってる時も立ったまま隣で見ていたし、
食ってる時も昨日や今朝以上にピッタリ寄り添って、おかずを食べさせる度に一々『おいしい!』だの大げさに言ってくる。
さっきの風呂から上がる時とはえらい違いだ。ころころ態度が変わるな。

さすがに不思議に思って、昼飯を食い終わった後に「良い事でもあったのか?」って訊いてみたら

「うぅん・・・ただねぇ? やっちゃん、もう竜ちゃんから離れなぁい♪」

とか言ってはぐらかされた。どうでもいいが無駄に機嫌が良い。あ、『どうでもいい』って使っちまったよ。
正直動きづらいし腕が胸に挟まれ・・・いや、動きづらいだけだ。

午後になると腕だけじゃなくて背中に抱きつかれたり胡坐をかいてる俺の膝に頭を乗っけてきたり・・・
止める理由も無いんでさせたいようにさせていたら、どんどんエスカレートしていく泰子。
手首だけは注意してるみたいだから問題無いだろうけど・・・
今では大河がやっていたように俺の膝の間に座っている。
大河よりは重いし、前が見えなくなるのでさすがに止めてほしいと言ったら

「・・・大河ちゃんはよくてやっちゃんはダメなんだぁ・・・」

・・・この一言でもう何も言えなくなった。
けど、ここで多少泰子の機嫌を損ねても、この時ばかりは自分の意見を押し通しておけばよかったんだ・・・

その後もしばらく俺の膝に乗っかってると、不意にこっちに顔を向ける泰子。

「んふふ~♪竜ちゃん~♪」

・・・頭で俺の胸をぐりぐりしてくるだけかよ。甘えっ子か・・・
子供にしてやるみたいにポンポン頭を叩いてやるとさらに体を寄せてくる。
そろそろくすぐったくなってきたので止めさせようと口を開こうとしたら、玄関の開く音が聞こえた。
驚いて玄関を見ると

「竜児ー? 居るわよねー?」

・・・・・・大河が、帰ってきやがった・・・・・・

「「おじゃましまーす」」

え? 櫛枝? それに川嶋の声!? 何故!?
い、いや、今はそんなことより

「泰子、どいてk」

「あんた・・・やっちゃんと何してんの?」

「た、高須くん・・・?」

「・・・・・・・・・」

余裕で間に合わなかった・・・そりゃ玄関から居間まですぐだもんな・・・
どける事ができずに泰子を膝に乗っけたまま俺は・・・・・・

287:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:13:36 5HG9E5IO
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q 事情を知ってるはずの大河が指をバキボキ鳴らしながら近づいてきて、
  櫛枝がなんの冗談も言わないまま固まっていて、
  川嶋が周りの目も気にしないで素で俺を睨んでくるんですけど、どうすれば生き永らえる事ができると思う?
= 駄犬、まず土下座して私に許しを請え。その後泣きながら「俺には大河しかいないんだ」って言ってぎゅってしろ。
= た、高須くん? 私にゃちょ~っと状況が掴めないんだけど・・・とりあえず今度お店に来たら盛っておくぜ、『いろいろ』。
= 手乗りも天然もどうでもいい。亜美ちゃんを蔑ろにはしないよね? ね? 高須くん? ・・・したらどうなるか分かってんだろうな、おい?
= た、高須・・・逃げぐおおおお!? ・・・お前と、裸でソフトボールがしたかぎゃあぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・

「うぉおう!? 一体何があった!?」

「きゃん!? ・・・・・・竜ちゃん、いたい・・・」

い、いつもの感じじゃなかった・・・何か恐怖の塊みたいなのに押し潰されてたような・・・それも3つくらい・・・
思わず大声を出して泰子を払いのけた俺に、大河達が訝しげな視線を送ってきながらも、急に訪ねてきた訳を語ってきた。

「ちょ、ちょっと竜児、なに言ってんの? 私はべつに帰ってき・・・やっちゃんのお見舞いに来ただけよ」

「私は高須くんが2日も学校に来ないから、てっきり悪の組織と死闘を繰り広げて重症を負って動けないと・・・」

「・・・櫛枝さんの冗談は置いといて・・・高須くん、お母さんがケガしたんでしょ? 亜美ちゃんに何かできることって、あるかな?」

矢継ぎ早に話しかけてくる大河達。どうやら俺を心配して家まで来てくれたようだ。

「そ、そうなのか? ・・・櫛枝も川嶋も、わざわざすまないな」

「・・・え? りゅ、竜児? 私も・・・」

「いいってことよ高須くん。私と君の仲じゃあないか!」

「そうだよ高須くん? 『すまない』なんてあたし達の間でそんな、水臭いじゃない」

「・・・・・・ありがとな、2人とも。お世辞でも嬉しいよ」

「・・・・・・・・・」

今までの人生で、風邪をひこうがケガをしようが、学校を休んだ俺を心配して家まで様子を見に来てもらった事なんて無かった。
生まれついての目つきのおかげで。だから、お世辞でも2人が言ってくれたことは素直に嬉しかった。
親指を立ててニッコリ笑ってる櫛枝と、いつもみたいに外面を作ってからかってくる川嶋。その横で・・・

「・・・・・・・・・」

大河がスカートを握り締めて俯いていた。

「・・・大河?」

そう言えば2人の相手ばっかりしていて、大河の話を聞いていなかった気がする。
大河は元々成り行きを知ってるし、櫛枝と川嶋に話を合わせてると思ったから後回しにしてしまったんだが・・・
悪いことしたなぁ・・・除け者にされたと思っているんだろう。

288:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:14:10 5HG9E5IO
「大河も、ありがとうな」

「・・・べつに・・・私はやっちゃんのお見舞いに来ただけよ。駄犬のことなんて・・・」

「分かってるよ」

「ん・・・・・・」

言いながら頭を撫でてやる。口調はキツイけどさっきみたいな泣きそうな顔が引っ込んだから大丈夫だろう。
櫛枝と川嶋が黙って撫でられてる大河を信じられないって感じで凝視しているけど、ここで大河のフォローを怠ると後が恐い。
微妙な空気の中、俺が休んでる間に学校であった事を3人に聞こうとして・・・できなかった・・・

「ねぇ竜ちゃん? おともだち?」

・・・・・・・・・泰子が俺の肩にしな垂れかかりながら訊いてきたから。
なんで今そんなことを・・・一瞬で微妙だった空気が凍てついた。皆動きが止まったじゃないか。
いや、大河だけは撫でるのを止めた途端に俺を睨んでるけど・・・

「・・・・・・ク、クラスメートの櫛枝と川嶋だよ。大河と一緒によく話に出てくるだろ?」

「あぁ~、大河ちゃんのおともだちのぉ。竜ちゃんのママの泰子で~す。やっちゃんって呼んでね?」

泰子。自己紹介で俺と腕を組む必要なんて無いだろ? 無いよな? だから腕を解いてくれよ。
捻挫している手首はぶつけないようにしながら、両腕を器用に俺の腕に絡める泰子。
仕事柄慣れきってるんだろう。俺が気付いたときには完全に組まれていた。

「や、泰子? ちょっと腕を・・・」

「え~? なぁに? 竜ちゃん」

さらにぎゅうっと俺の腕を締め付けてくる泰子。挟まってる! 挟まってるって!

「だ、だから、腕を放してほしいんだけど・・・」

「やだ」

やだって・・・・・・
大河は未だに俺を睨んでるけど、櫛枝と川嶋は困惑しきった感じで顔を見合わせている。

289:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:14:50 5HG9E5IO
「・・・・・・友達が来てるんだ。俺だってもう2日も学校行ってないんだし、気になることだってあるんだよ。
 それにわざわざ来てもらっておいて、お茶も出さずに放っておけないだろ。だから放してくれよ」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・泰子・・・」

「・・・・・・・・・」

それでも腕を放さない泰子に、いい加減焦れた俺は大河達の方に顔を向ける。

「・・・・・・悪い、3人とも。来てもらったのに変なところ見せちまって」

「へ? あ、あの・・・高須くん? 私達べつに・・・」

「うん・・・亜美ちゃん達、気にしてないよ。だから高須くん? ちゃんと埋め合わせはしてくれるんでしょ?」

「・・・あぁ・・・本当に悪い。来てくれてマジで嬉しかった・・・このお詫びは絶対にするから・・・なんか、考えといてくれ」

こんなところはやっぱり察しがいいな、川嶋のやつ。
心苦しいけど、泰子が抱きついてる格好で櫛枝達と楽しく過ごせる訳が無いし、泰子が腕を放す気配が全然無い。
だから・・・メチャクチャ失礼だと自分で思うけど、皆には帰ってもらうことにした。

「・・・・・・竜児」

「・・・大河も、済まないな・・・来てくれてありがとな? ・・・(飯、できたら呼ぶなり届けるなりするから、悪いんだが・・・)」

「・・・・・・分かったわよ。・・・みのりん、スドバ行かない? ばかちーも来たけりゃ来れば」

「逢坂さん? 亜美ちゃんをハブにするなんていい度胸してんじゃねぇか? チビタイガーのくせに」

「うっさいわね・・・あんたは来なくてもいいのよ、プチメタボチワワ。行こ、みのりん」

「おっしゃあ! 今日はスドバのデザート制覇するぜぃ、大河! 行こう! ダイエット戦士の休日じゃあ!」

「テメェ手乗りタイガー! 誰がプチメタボだコラァ! あたしは食べても太らない体質だって言ってんだろ!?」

「じゃあ、行ってくるね、竜児・・・やっちゃんも、またね」

「高須くん、学校でねー」

「シカトすんな! ・・・あ、じゃあね? 高須くん、お母様」

「お、おぅ。またな」

何と言うかまぁ・・・女三人寄れば姦しいって言うけど、騒ぎながらうちを出て行く大河達を見て本当にそう思う。
川嶋なんて完全に地が出てたし。しかも最後お母様って・・・

それよりも・・・・・・

「・・・・・・泰子。なんでこんな事したか、ちゃんと説明してくれんだよな」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

俺はこっちを見ないままでいる泰子に、自分でも珍しいと思うくらい不機嫌さをあらわにした語調で話しかけた。

290:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/29 02:15:25 5HG9E5IO
本当はもっと3人娘を暴れさせたかったけど別の機会に
次は多分佳境。水曜までには上げる予定です

291:名無しさん@ピンキー
08/11/29 02:24:55 zaGPdGxo
何という修羅場
しかしやっちゃんなら結構ありえそう

292:名無しさん@ピンキー
08/11/29 02:28:24 rR1vygYc
これ竜児どうなるんだ(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

293:名無しさん@ピンキー
08/11/29 02:51:08 mUj4dlR+
修・羅・場!修・羅・場!
GJッス!!

294:名無しさん@ピンキー
08/11/29 02:54:23 rR1vygYc
やっぱり可愛い息子が、他の女のモノになるのが嫌なのかな?
でもやっちゃんは若くて美人だから、まともに張り合ったら洒落にならん( ゚∀゚)

295:名無しさん@ピンキー
08/11/29 04:32:36 XUTcozqZ
>>241-244
櫛枝君って
野球な弟の子か?
それとも、婿養子なの?


>>261-262 264-270
4月に春田君や木原さんたちに、同棲疑惑かけられてるし。
修学旅行のあと、学校で竜児が寝ぼけて『大河』と叫んだし。

296:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:37:13 WGJN6Edy
すいません、初めて書いてみたのですが
無駄に長くなってしまったので、途中ですが投下してみます。

297:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:38:16 WGJN6Edy
「ほら、男ならもうとっとと脱ぎなさいよ」
逢坂大河はベッドの端にちょこんと座って、気だるそうに俺へ催促をする。いや、命令をする。

「ちょ、ちょっと待てよ、大河…これって何かがおかしくないか?」
俺は、ある意味夢のような展開に戸惑いを隠せない。
だいたいこんなに事がうまく運んだことなんて俺の人生にはない。今回だって、きっと何か罠があるに違いない。
大河の事だ。全裸の写真を学校にばら撒くとか、
脱いだ瞬間に警察が突撃してくるとか、
終わった後に100億円請求されるとか、とにかく何かがあるに違いない。それに……

「た~~かすく~ん、恐がることなんて何もないんだぜ~」
櫛枝実乃梨はオーバーに手を広げながら、「冗談を言う時の顔」で俺に声を掛ける。
何で櫛枝までここにいるんだ。そして、何でこんなにかわいいんだ。
この無駄に強靭な理性と弱きさえなければ、今すぐ抱きついて色んなことをしているのに、ちくしょう。

「あぁ、わかった。あんた、自分のあそこに自信がないんでしょ」大河はそう言って、軽く嘲笑をしながら俺を見る。
「そ、そんな事ねえよ。別に自信があるわけじゃないけど…ないわけでもない」
「だったらもう早く脱ぎなさいよ。ってか女に何度もこんな事言わせんじゃないわよ、バカ」

「そうだよ高須く~ん、これは千載一遇…いや、一万載一遇のチャンスなんだよ~」
櫛枝は大河のイライラを打ち消すかのように、満面の笑みで俺のほうへ少しだけスリスリと寄ってくる。
こうやって櫛枝も大河派になった時は、大抵言われた通りにしてしまう。
櫛枝はいつも適当なことを言っているように見えるが、実はちゃんと考えていたりもする。
それを分かっているから、俺は「櫛枝が言うのなら」とズルズルと言われた通りにしてしまったりする。
もちろん、櫛枝は本当に冗談だけで言ってる時も、実は何も考えていなかったりする時もあって、俺は場合によっては後悔する時もあるのだが。
今回は一体、何を思って言っているのか正直検討もつかない。

298:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:39:37 WGJN6Edy
「じゃあもういいわよ、駄犬が」大河がわざとらしくあくびをしてこっちを見る。
「もうこんな気二度と起こさないんだから。後から泣いて土下座してきても無駄だから」

「誰が土下座なんてするかよ」俺は意地になって言い返す。

「行こう、みのりん」大河は優しい声で櫛枝に声を掛ける。俺と櫛枝とで声を使い分けてやがる。
「う、うん」櫛枝は少しばつの悪い顔で返事をする。大河の機嫌の悪さを察してのことだろう。

それから少しの沈黙が続いた後、大河は荒々しく立ち上がり、ベッドに蹴りを入れる。
ベッドの中央でまだ体育座りをしていた櫛枝は、その揺れでゴロンと横に倒れる。
制服のミニスカートがチラッとめくれて、真っ白な無地のパンツが見える。

「うわ~~大河何すんだべさ~」櫛枝はめくれたスカートを戻しながら言う。
「あ、ごめんみのりん…みのりんに蹴ったんじゃなくてね、このダメ犬に蹴ったんだけど」
「あぁそっか…ならば許~す!」
「へへへ、ありがとみのりん」

二人のそんな会話も、耳で止まって脳にまで入ってこない。俺の頭は、櫛枝のスカートがめくれた時間で止まっている。
漫画なら間違いなく、俺は今鼻血を出しているであろう。俺は赤面しながら、無意識に櫛枝のスカートを凝視し続ける。

「このエロ犬が」そこで大河がさっきよりも強くベッドを蹴り上げる。震度6並の揺れがベッドの上で起きる。
「あ~れ~」櫛枝がゴロンゴロンとこっちへ転がってきて、肘を付いて横になっている俺の胸元に頭をぶつける。

「いてててて」櫛枝がおでこの辺りを擦りながら言う。俺のほうをゆっくり見上げて「ち近っっ」と驚く。女の子特有のシャンプーのいい香りが漂ってくる。
こんなに間近で櫛枝のことを見たのは初めてだ。部活で汗をかくからか、化粧はほとんどしていないように見える。
化粧もしないでこんなにかわいいなんて、奇跡、いや女神としか言いようがない。
 
俺はとっさに櫛枝の肩に手を回す。
「あへっ?」櫛枝が拍子抜けした声をあげる。
そのまま櫛枝の身体を自分のほうへ寄せる。もうどうにでもなれ。

ドカン、と大きい音がした。恐らく、この音は自分の身体のどこからか出たものに違いない。案の定、背中から激痛が走る。

299:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:41:28 WGJN6Edy
「あんた、何してくれちゃってんのよ」大河が鬼のように睨みながら言う。「しかもあんた、今私の存在忘れかけてたでしょ」
「いやあ、それは…」返す言葉が浮かばない。
「その手、離しなさいよ」櫛枝の肩に掛かっている俺の腕を指差す。

「スースースースー」櫛枝はアニメでしか見たことのないような寝息で寝たふりを演じだした。逆に目立っている。

櫛枝の身体に触れて、俺の中で何かのスイッチが入っていた。
「関係ないだろ」思ったよりも強い口調になってしまった。「櫛枝ももう寝ちゃってるんだし」慌てて訳の分からない言葉を付け足してしまった。

櫛枝の身体がちょっとビクンとする。恐らく、冗談でやっていた寝たフリを引っ込みづらくしたに違いない。
「スヤスヤ、スヤスヤ」というパターンの寝息に変えた。熟睡を表現しているのか。何にしても余計にわざとらしいぞ、櫛枝。

「竜児がみのりんの身体に触るなんて、100年早いのよ」相変わらずきつい目で大河が言う。

「そうだぜ~、続きは100年後にやろ~ぜ~」目を閉じたまま櫛枝は言う。恐らく今は何も考えていない櫛枝だ。

「俺が何やろうと勝手だろ」俺はもう今更引き返せない。「だいたい、さっきまで乗り気だったのはお前らだろ」
「そ、それはそうだけど…」大河が少し怯む。
「俺はこの一万載一遇のチャンスを掴むことにしたんだよ」
「あっそう…じゃあもう勝手にすればいいじゃん」大河が少し涙目になる。
それをごまかすように髪をバサバサと掻いてうつむく。「バカ犬…」

床に落ちているバッグを持って、そのまま急いで部屋から出て行く。
バタンとドアの閉まる音が部屋中に響き渡る。しばらくしてバキッという音がする。恐らく向こう側からドアを蹴ったに違いない。

300:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:42:19 WGJN6Edy
「…ゲーム、オーバーですな」櫛枝がシリアスな表情を作って言う。
俺は相変わらず櫛枝の肩に手を乗せている。
近過ぎて、心臓のバクバクいってる音が聞こえているのではないかと一瞬不安になる。「放っとけばいいんだよ、あんなやつ」

「いいのかなあホントにそれで」真剣な表情でこっちを見ている。これは本音を言ってる時の顔だ。
「大河、高須くん誘ってる時、生まれたての小鹿みたいに手がプルプル震えてたんだぜ~」

気付かなかった。いや、俺は大河の気持ちなんて考えようともしていなかった。
何か罠があるに違いないなどと疑っていた自分が少し情けなく思えてきた。
俺は大きくため息を付き、伸ばしていた足をくの字に曲げる。「大河、怒ってるよなあ」

くの字に曲げた膝が何か柔らかいものに挟まれた。何だろうと下に目をやる。
あぁ、櫛枝の内ももに挟まれてる。内もも!?
足をくの字にした時に櫛枝のスカートの中に膝が入ってしまったのである。
膝小僧の辺りには布のような、恐らく櫛枝のパンツであろう感触が伝わってくる。

「いきなり下を責めるなんて、お主、いい度胸をしておるな~」
冗談めいた声を出しているが顔は少し赤くなっている。無理もないだろう。櫛枝だってこういう経験は初めてなんだから。

俺は「ごめん」と言いながらも足を戻そうとしない。
言うまでもなく、下半身はもうガチガチに硬くなってる。この機会を逃したら、俺は多分一生童貞だ。
膝をさらに櫛枝の股間に食い込ませて、少し上下に動かしてみる。

「ちょっと…」櫛枝が少し眉をひそめる。
「あんさん、膝で擦るなんて、聞いたことありまへんで」もっともな事を言われた。

俺はもう決心をした。今から櫛枝と、ヤル。
肩に乗せていた手を離し、櫛枝のあごに持っていく。
そのまま親指に力を入れて少し上を向かせる。
セックスの前にはまずキスをするという常識を俺はいつの間にかどこかで得ていたらしい。
ゆっくりと櫛枝の唇に近づける。櫛枝は何も言わず目を閉じている。

301:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:43:12 WGJN6Edy
その時、ガタンという音とともにドアが開いた。
「駄犬がやっぱり発情してるわ…気持ちわる」大河が戻ってきた。
「何だよお前、帰ったんじゃないのかよ」
「忘れ物」
「あぁそう」
「どうぞお構いなく」そういうと大河は雑にバッグを床に置いて、ベッドに乗ってきた。「狭いからもっとあっち行きなさいよ」
「何だよお前、忘れ物じゃないのかよ」
「一々うるさいわね。寝るの忘れたのよ」
「何だよそれ」

「まあまあお二人さん。仲良く川の字で寝るのもオツなもんだぜ~」櫛枝がまた絶妙なタイミングで声を掛ける。
「まあ、川の字なら大河が真ん中じゃないといけませんな」

「どういう意味よみのりん」大河は本当に意味を聞いた。

少しの沈黙ができた後、大河が口を開く。「で、気にせず続きやればいいじゃない」

櫛枝が俺の顔を見る。「え~と、高須くんが私の股間にゴシゴシと膝を押し付けてきたところからですな」

バチンと大河に頭を叩かれる。「あんた、何してんのよ」
 
俺はひとしきり言い訳をした後、これからどうするべきかしばし考えた。
正面には横になった櫛枝が、背後には同じく横になった大河がいる。しかもベッドの上。
もう恥じらいなんて要らない。俺は心の中で「よし」と気合を入れた。

櫛枝の胸に右手をそっと当てる。

「うわああっ」不意打ちを食らって櫛枝はびっくりする。
「て、敵が…し、使途がAT、ATフィールド突破してきました碇司令~」
いつもの冗談にも歯切れがない。確実に動揺している。

俺はそのまま右手に力を入れて、ギュッと胸をわし掴みする。
制服の上からでも柔らかい感触がちゃんと伝わってくる。

「お、お主…」少し間が空いて口を開く。
「ちょっと、高須くん本気?」素のトーンで聞いてきた。
今はふざけている余裕がないのかもしれない。

302:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:44:08 WGJN6Edy
「冗談でこんな事するわけないだろ」
俺は左手も櫛枝の胸に持っていき、そのまま両手でゆっくり回すように揉んでいく。
櫛枝も観念したのか、目を閉じて、静かに行為を受け止めている。
押してみたり、下から持ち上げてみたり、強く揉んでみたり、とにかく櫛枝の胸の感触を味わった。
乳首の辺りを人差し指でカサカサと擦ってみると、櫛枝は顔を歪めて身体をビクンとさせた。ここが気持ちいいのか。

俺はここで2つの目標を立てる。
1つは櫛枝の乳首を立たせること。
もう1つは櫛枝にあえぎ声を出させること。

俺はひたすら乳首を集中攻撃することにした。
ずっと触っているお陰か、制服の上からでも乳首の場所はほぼ正確に分かってきた。

初めは人差し指で周辺をゆっくりなぞるように触っていく。
そして少しずつなぞる円を小さくしていき、最後は乳首に到着。名づけて焦らし攻撃。まずはこれを繰り返す。
櫛枝が息を押し殺して、ゆっくり鼻で呼吸をする。手ごたえありだ。

次は爪を立てて人差し指と中指でカリカリと乳首を擦る。
これには櫛枝も応えたのか、すぐに身体をビクンと動かす。調子に乗って、少し強めに動かす。
もう一押しで、櫛枝のあえぎ声が聞けるはずだ。カサカサと制服を擦る音がいやらしく響く。

時々身体をクネクネと動かすものの、なかなかあえぎ声を出さない。
仕方ないから、一度リセットという意味で胸全体を揉み直す。
やっぱり何度触っても最高の感触だ。しばらく弾力のある感触を楽しみながら、次にどうするべきか考える。
もう服を脱がすか?いや、制服の上からであえぎ声を出させることに意味があるんだ。
果たしてそこに本当に意味があるのかは不明だが、まだ服を脱がしてはいけない気がする。しかし一体どうすれば……そうだ。

俺は胸をゆっくり触りながら、ブラジャーのカップ部分の上に手を置く。
櫛枝は何?という訝しげな顔で少しだけこちらを見るが、また目を閉じる。
俺は制服越しにグイグイとカップの中に手を入れようとする。しかし乳首までは届かない。仕方がないので、下に強引に引っ張ってカップを下にずらす。
見事に成功。制服越しではあるが、何とか乳首をガードしているものを取っ払った。
うっすらと制服から乳首の出っ張りが分かる。ここだな。

俺はまずは周りからジワジワと触っていき、十分に布一枚越しの胸の感触を堪能した後、親指と人差し指で出っ張りをキュッと摘む。

「んぁっ」櫛枝が小さくあえいだ。俺の指にカチカチになった乳首の感触が伝わる。勝った。

「か、完敗だぜ」そう言って櫛枝はわざとらしく大きく肩を落とす。どうやら櫛枝も何かと勝負していたようだ。
俺はにっこりと笑い、次の段階へと進むべく、櫛枝のブラウスのボタンに手を伸ばした。

303:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:44:55 WGJN6Edy
「あーあー暇なんだけど」後ろから大河の声がする。
あまりに夢中過ぎて、大河がいるのをすっかり忘れていた。
俺はどういう顔して大河を見ていいのか分からないので、背を向けたまましばらく硬直した。

ダルそうに大河のほうに振り返る。「お前、寝てなかったのかよ」
「エロ犬の鼻息がうるさくて眠れないわ」
「う、うるせえよ」
「だいたいねえあんた、それ以上胸ばっか触ってると、みのりんのおっぱいから母乳出るわよ」
「げっマジかよ」
「ふっ…嘘に決まってるじゃない。あんたそんな知識のままよくもまあガツガツとやれたわね」
「い、いいだろ別に」
「そもそも普通こういうもんはキスから始めるもんでしょ?それをまあバカみたいにハァハァしながらおっぱいばっか触って」
「お前、そんなに見てたのかよ」
「こんなに近くにいたらそりゃ目に入るわよ、ったくこれだから童貞犬が」
「うっせーよ。お前だって処女だろ」
 俺の腹筋に小さな拳がめり込む。

 櫛枝が俺の身体にちょこんと腕を乗せてこちらを覗き込む。
「おっとお二人さん、激しい前儀ですなあ」うしししっと本当に楽しそうに笑う。
「ではでは、私の役目はこれにて終了ですな」そう言ってズラされたブラジャーを元の位置に戻そうとする。
 
「あ、ちょっと待って」俺は反射的にそれを止める。
 大河が軽蔑のまなざしをこちらに向ける。
「あんた、まだ揉み足りないの?」
 
俺は少し赤面する。「べ、別にそういう訳じゃねえよ」
「何顔赤くしちゃってんのよ。バッカじゃないの。あんたみたいのは一生スポンジでも握ってればいいのよ」
「何だよそれ」
「あ~スポンジが汚れるわ。せいぜい丸めた雑巾ね」
「ちっ何なんだよ。お前さっきから突っかかってきてばっかだぞ」
「うるさい」

「とう!」櫛枝が突然立ち上がる。
「それでは、後は若い二人に任せて、お母様は帰るとしますかね。フォッフォッフォッ」
そう言って掛け布団を俺と大河にガバッと覆い被せてくる

304:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:46:57 WGJN6Edy
視界が一気に真っ暗になる。俺はすぐにそれをどけようと身体を起こそうとする。

その時、手をギュッと強く掴まれる。

「痛って」強過ぎる握力に思わず声が出る。
「ちょっと、まだ行かないでよ」大河が少し怒ったような口調で言う。
「何でだよ」
「べ、別に理由なんてないけど」

俺はその時、大河の手が小刻みに震えていることに気が付いた。こいつ、もしかして…
俺はここでどうするべきか考える。ベッドの上で布団に包まって二人きり。これは俗に言う大チャンスというやつかもしれない。
しかし相手は大河…もちろん何もやりたくない訳ではない。俺も男だ。したいに決まっている。
何より、毎日一緒にいて、そういう対象として見ていなくても、大河のかわいさには十分気付いている。
ある意味、憧れのような気持ちもどこかにあったのかもしれない…
しかしそれを認めたくはないし、そんな事口が裂けても言えない。
だったら……俺は大きな賭けに出ることにした。

俺はゆっくり深呼吸をして、大河の顔があるであろう暗闇を一直線に見る。
「大河、お前俺とHしたいか?」剛速球ドストレートな球を投げる。

「…へっ?」当然面食らっている。

「だから、大河は俺とHしたいか?」
「はぁ?バカじゃないの?駄犬が何言っちゃってんのよ」
「だって、お前さっきだって乗り気だったじゃねえかよ」
「あ、あれはみの、みのりんと一緒に冗談言ってただけじゃない。真に受けないでよ」
「そうか。じゃあ俺は櫛枝のとこにもう行くぞ」俺は身を起こそうとする。

「ちょ、ちょっと待って」大河がそれを止める。
 沈黙が続いた後、大河がボソボソと何か言う。
「何だよ」俺は聞き返す。するとまたボソボソと何か言う。
「何だよ?言いたいことあるならはっきり言えよ」
「…だから、竜児が私とHしたいんなら別にしてやってもいいわよ」

もしかして、とは思っていたが、実際にこんな答えが返ってくると、やっぱり焦る反面嬉しさも込み上げてくる。
しかしだからと言って、手放しで喜ぶわけにもいかない。それに相変わらずの上から目線もどうも納得いかない。

「俺は、別にどっちでもいいけど」
「わ、私だって、別にどっちでもいいわよ」

305:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:47:46 WGJN6Edy
再び沈黙が続く。恐らく、どっちも向こうの口から言わせようとしているに違いない。
こういう駆け引きの時はいつも俺のほうが折れる。しかし、今日こそは…
ここはもう何としても大河の口からハッキリと「俺とHがしたい」と言わせたい。
そうすれば、この先どれだけコキ使われようと密かに優越感に浸れる気がする。
 
「んで、どうすんだよ?」俺は気がなさそうに聞く。
「だから、私はどっちでもいいってさっきから言ってるでしょバカ犬」
「俺もどっちでもいいんだって」
「だったら男のあんたが決めなさいよ」
「こういう事こそ、女性の意思を尊重すべきだろ」
「ちっ」と大河が舌打ちを打つ。
 
一呼吸置いて大河が口を開く。「竜児と…Hがしたい」
よっしゃ。俺はそれを聞いた瞬間、思わず笑みがこぼれる。

「…なんて言うわけねえだろおおおおおおおおおおお」至近距離で大河のばかでかい声が響く。
「だいたいさっきから…あんたの股間から硬いもんが当たってんのよ。私の太ももに」
俺は何も言えない。
「そんなもん押し付けといて、何が俺はどっちでもいいのよ。笑わせんじゃないわよ、この発情犬が」
俺は何も言えない。
「んで、あんたは私とHしたいの?したくないの?どっちなのよ」
「したいです」
「何?聞こえない」
「大河さんとHがしたいです」
「よろしい。初めからそう言いなさいよ全く」
「じゃあ私はここで寝てるから、全部自分でやりなさいよ」大河がいつもの口調で言う。 
「全部自分って…」俺もいつもの口調で返す。
「いいわね?」
「わ、わかったよ」

こんな会話前にもしたな、とふと思う。あぁそうだ、こないだの大掃除の時だ。あの時も結局…

306:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:48:46 WGJN6Edy
フワーと大河が大きなあくびをする。「早くしないと、私眠っちゃうから」
俺はごくりと唾を飲む。「じゃあ、行くぞ」
しかし真っ暗で何も見えないため、どうすればいいか分からない。
まず、最初はキスだよな…俺はとりあえず手探りで口を見つけることにした。
握っていた手を離し、身体をポンポンと叩いて確認しながら、顔のほうへゆっくり手を持っていく。
しかし、いまいちどこに手を当てているのか分からない。

「わりい暗くて全然わかんねえ。今肩の辺りだよな?」
「胸だバカ」大河の舌打ちが聞こえる。
「ごめんごめん、なんか平べっ…」暗闇の中、大河の拳が僕のあごを確実に捉える。
「それ以上言ったら、殺す」
 
俺は何とか手探りの状態で顔まで到達する。
えーと、口はここらだよな。ペタペタと顔を触る。
人差し指がプスッと何かに入る。
「痛ったあ、そこ鼻の穴だドアホオオ」

「はぁぁ…」大河が深い深いため息をする。
「ったく、口はここよ、ここ」ガシッと顎を掴まれて顔を上に引っ張られる。
「私にやらせんじゃないわよ」大河の息が俺の口に掛かる。
大河の口が俺の口の目の前にある。その距離、多分3センチくらい。
 
俺はまた生唾を飲む。と同時に、大河のほうからもごくんと唾を飲む音が聞こえてくる。そしてそれをごまかすかのように、わざとらしく咳き込んでいる。

「じゃあ、するぞ」
「うん…」
俺はゆっくりと顔を前に近づける。

307:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:50:33 WGJN6Edy
「ま、待って…」大河が止める。
「なんだよ」
「さっき…」
「さっきが何だよ」
「さっき…みのりんとキスしたの?」
「はぁ?してねえよ」
「あっそ…じゃ、じゃあ竜児は今まで誰かとキスしたことあるわけ?」
「ねえよ」
「ふ~ん。私も、私もね、ないから」
「そっか」

俺は唇をそっと近づける。唇と唇が触れ合う。大河の唇の柔らかさが伝わってくる。
キスって、こんなに気持ちいいもんなんだ。
俺はそのまましばらく静止する。
そして恐る恐る舌を唇の中に入れようとする。大河がそれを受け入れる。
俺の唾液と大河の唾液が絡み合う。ネチョネチョという音が、布団の中に響く。

息が苦しくなってきたところで口を離す。
二人ともプハーーとすぐに息をする。

何となく恥ずかしいような気まずいような沈黙が続く。

「うえっあんた今日野菜炒め食べたでしょ」
「食ったけど…お前もだろ、同じ弁当食ってんだから」
「わ、私はご飯の後歯磨いたもん!」

これ以上言うとまた殴られそうな気がしたので何も言わない。
それにしても、口を離してもまだ何故か息苦しい。そうか、布団の中の酸素が無くなってきてるんだな。

「大河、ここもう息苦しくねえか?」
「うん、たしかに」
俺たちは布団をバサッと投げて外に出ることにした。


《《 続く 》》

308:名無しさん@ピンキー
08/11/29 08:51:21 WGJN6Edy
今回は以上です。
長々と失礼しました。

309:名無しさん@ピンキー
08/11/29 10:14:49 G4gc41ec
>>261,296
あんたら・・・最高だよ・・・・・

310:名無しさん@ピンキー
08/11/29 15:03:36 an5xwdkC
早く続きを投下してくれないと風邪ひいちまう

311:名無しさん@ピンキー
08/11/29 15:16:29 gZH9q3eS
結局、竜児が折れるような展開は飽きたな。
たまには強気で行って欲しい。夢オチや凌辱の類でなく。

312:名無しさん@ピンキー
08/11/29 15:37:06 vviOV2oQ
>>311
そうなるとハーレムになるからな
いや、ハーレムは好きだけど

313:名無しさん@ピンキー
08/11/29 15:58:07 L0GGJ1Oz
>>308
なに!?そこで切るとは、なんという生殺し
ともかくGJ!


314:名無しさん@ピンキー
08/11/29 16:21:42 sCA8O3EA
>>312
竜児のハーレムって…

「お前らの身の回りの清掃は俺が全てしてやる!」

こんな感じにしか考えられない

315:名無しさん@ピンキー
08/11/29 17:02:06 WrxGDPHz
アパートの管理人さんな竜児か…
似合うな、天職といってもいい

316:名無しさん@ピンキー
08/11/29 17:46:13 fScqRJ1q
竜児が管理人で店子がヒロイン+やっちゃんとか
アパートと言うより下宿みたいな雰囲気だな

317:保管庫”管理”人 ◆Dash///1.k
08/11/29 17:55:34 CrGQ7raW
こんにちは、お久しぶりです。
SSの保管についてのご相談なのですが、以前多数投下されたコピペ改変SSは保管した方がよろしいでしょうか?
コピペの改変という事で苦手意識、または嫌悪感などがある方もいらっしゃると思います
皆さんの意見を聞かせてください。

318:名無しさん@ピンキー
08/11/29 17:58:55 h8gUEWKU
いらん

319:名無しさん@ピンキー
08/11/29 18:02:07 an5xwdkC
いつも乙です
コピペまで保管しだしたらキリがないかと

320:名無しさん@ピンキー
08/11/29 18:27:22 TNIQoZPg
いらね

321:名無しさん@ピンキー
08/11/29 19:01:29 vviOV2oQ
保管庫に入れた方がいいと思う
コピペだから知らなかった人が同じネタを投下しないとも限らないし

小ネタまたはコピペと注意書きすればいいんだし

322:名無しさん@ピンキー
08/11/29 19:17:25 bc1tUBSq
個人的には、改変コピペまで保管する必要はないかと思います


323:名無しさん@ピンキー
08/11/29 19:21:29 giGLpAUh
小ネタなんかはともかく、コピペはさすがにいらないんじゃないかと

324:名無しさん@ピンキー
08/11/29 19:41:31 L0GGJ1Oz
賛成多数で可決されました

325:119
08/11/29 19:57:23 W3ysix88
どもども、>>119です。
<花二本目>が完成したのですが・・・すげぇ長くなってしまったorz
グダグダに思えるかもしれないのですが、どうか見てやってください。
全8スレの予定。

326:119
08/11/29 19:58:30 W3ysix88

<花二本目>

「あ、お早うございます」
「お、おう」
「はよーざいあーす」
「…おう」
後輩襲撃事件から二日。何というか、高須竜児は困っていた。

今朝、いつも通り大河を起こしに行って高須家で一緒に朝食をとる。その時に大河から
「今日は、別々に登校ね。わかった?竜児」 と言われた。
別に一緒に登校できないからといって、何も騒ぐことはないが、少し気になったので竜児は疑問を口に出した。
「いきなりどうしたんだ?俺、何か気に障ることしたか?」
…原因がすぐ自分にあると考えるあたり、この男の性格がしれる。この過小評価な性格のせいで周り(特に女の子)は多大なる被害を被っているのだ。
「別に。ただみのりんがちょっと話したいことがあるからって」
そう大河に言われてしまうと竜児はそれ以上、質問を重ねるわけにもいかず。
「おう、わかった」
と、了承の返事をした。何か大河が、ぶつぶつ言っていたが声が小さくて聞き取れなかった。
「…あ、そうだ。大河」
「だいたい何で放送なんかでちゃうのよあの放送がなかったら今だって安心して…何?竜児」
「お前、最近いつも顔赤いけど、どうしたんだ?風邪か?しかも、起こしに行ってもすでに起きてて、準備万端だし」
「…!う、うるっさい!この駄犬!!わ、私がどうしようと私の勝手でしょうが!!」
「いや、風邪ひかれたら困るだろうが。お前のことが心配なんだよ」
「…!!!」 大河がフリーズする。
「お、おい、大河?大丈夫か?学校いけるか?やっぱ大事をとって今日は休んだほうが…」
「うるさーーーーい!!!早く学校行きなさいよ、ばか竜児!!」

そう追い出されるように家を出たのだ。ちなみに、大河が実乃梨と話があると言っていたから、いつもの登校ルートも変えている。
ふっ、さすが俺、『気遣いの高須』。そう竜児が一人悦に浸っていると
「おはようございまーす」 
声をかけられた。
今、誰に挨拶したんだ?いや、でも周りに人はいないし。もしかしなくても、俺か?何で見知らぬ男子(おそらく一年生)に俺が朝の挨拶をされるんだ?
テンパリながらも、「…お、おう」と、返す。
その男子は何事もなかったかのように、自分を追い越していった。
いや、やはり俺の勘違いだったのだろうか…?でも、本当に自分の周りには人がいないのだ。だからあの挨拶は確実に自分に向けられたものであって…
ステータス・状態異常『混乱』で竜児が出した結論は。
『あの一年生(おそらく)がとても気のいい奴だったんだろうな』だった。
そう一応の答えを出しておいて、また竜児は歩き始める。こんなヤンキーみたいな俺にも挨拶をしてくれるいい奴はいるのだ。そんな奴に朝から会えた俺は、今日ついてるんじゃないか…
と、つらつら考えながら歩く竜児は、まったくもって甘かった。そりゃもう甘かった。
学校に近づくにつれ、自分に向けられる挨拶は増え、そこで冒頭につながるわけである。


327:119
08/11/29 19:59:01 W3ysix88
何がどうなってるんだ?
混乱と戸惑いの極みの竜児の頭の中は、この一言が占めていた。
この俺が。生まれつきの目つきの悪さで、恐れられるのが常なこの俺が。もしかして、『下級生から慕われている』?
いやいや、ないない、それはないから。冷静に判断を下す自分がいる。
この、血もしたたたるような、とか射殺すような、と言った言葉がピッタリの面の野郎がどうしたら人に慕われるというのだ。
でも、それ以外どうすればこの状況に説明がつく?この奇妙奇天烈摩訶不思議な状況に一体どういう説明が…

「お早うございます、先輩」 まただ。
「…おう、おは!?お前か!!」
「朝も早いうちから、失礼ですね先輩。私でも傷つきますよ」
「あ、それは悪い…」
ラジオネーム K・Yだった。というか、今更だが名前を知らない。ゆえに、目の前の人物をK・Yと呼ぶしかない。
だが、今の竜児には後輩の名前などどうでもよいのだ。飛んで火に入る夏の虫。今は冬だが。目の前の『貴重な情報源』からいくつかこの事態に説明のつく事柄を…!
「なぜか、今日は異常に下級生から挨拶をされるんだが、お前何か知らないか?」
言って、自分で馬鹿なことを言っている、と感じた。大体、下級生全体の思惑などその中の一人でしかない彼女が知るはずも
「あ、それはですね。先輩のイメージが今うなぎ登りだからです」

……。

「は?」
「?そんなに不思議なことですかね?そもそもあの昼の放送で先輩の印象はガラッと変わりましたし。私の友達にも『今、胸がキュンってした…』って言ってる子がいましたし」
「いや、ええ?キュン…?」
「はい。それで一年生全体がそんな状態の時に、私が一昨日のことを語ったものだからもうすごくて」
「…語った?一昨日?」
「はい。本当にすごかったですよ。友達にしか話さなかったのに、次の日には一年生ほとんどが知ってましたから」
すげぇな、女子。口の軽さ的な意味で。
「それでもう、先輩の株がすごい上がってしまって。なので、今日はそんなに挨拶されるんだと思います。ようは、みんな先輩のことを慕ってるんですよ」
そういって、K・Yは颯爽と校舎に入っていってしまう。残された竜児は放心状態で
「ありえねえ…」 と呟いた。



328:119
08/11/29 19:59:32 W3ysix88
それから、校舎に入ってクラスまで行く途中に、いろいろな人から「おはよう」を貰った。
先輩だったり、同輩だったり、後輩だったり…要するに全員である。
竜児が誰かとすれ違うたびに、すれ違った人は「あ、おはよー」なんて声をかけてくるのだ。
…正直うれしい。やっと、本当にやっと、自分がヤンキーではないとわかってもらえたのだ…!!と微妙にずれた喜び方だったが。
竜児はご機嫌だった。―教室に入るまでは。

「鼻の下を伸ばしてお喜びのようねぇ、だ・け・ん…?」

うわーい。手乗りタイガーがご立腹でいらっしゃる…。
大河の後ろからゴゴゴゴゴゴゴ!!と黒い何かが吹き出ている。…なぜこんなにこいつは怒っているのだ?
「…いいじゃねぇか、別に!!やっと、本当にやっとだぞ!?ようやくみんなに俺がヤンキーなんてもんじゃないとわかってもらえたというのに、それのどこが不服なんだ!!」
「別にあんたのイメージなんてどーでもいいのよ、私は。私が言いたいのはね、ちょっと下級生に言い寄られたからって、あんなだらしのない顔を見せないでちょうだいって事」
「俺が、いつ鼻の下を伸ばしてたっていうんだよ!!」
「この教室から、あんたと一昨日の女が話してたのが見えたのよ。ね、みのりん?」
その言葉に、思考が止まる。
「いやー、高須君。こういっちゃあなんだけど…デレってたね!」
そう、竜児の肩をぽんと叩きながら実乃梨が後ろから出てくる。

みのりのこうげき!
つうこんのいちげき!
りゅうじはしんでしまった!

おお、りゅうじよ。しんでしまうとはなさけない。

…はっ!あまりのショックに意識が飛んでしまっていた。
どうやら大河と実乃梨は竜児の意識が飛んでいた間も、目の前で竜児について語っていたようだ。
二人でやいのやいの言い合っている。お前らなぁ…と思っていると、
ふと、違和感を感じた。いつもならここに川嶋もいるはずなのだ。それが今日は姿が見えない。あいつ、どこいった?と周りを探すと、一人ぽつんと席に座っていた。
余計に違和感を拭えずに、川嶋に声をかけようとすると。
―妙に真剣な瞳と目があった。そして川嶋は何も言わず、竜児から目をそらし教室から出て行く。
その姿が妙に寂しくて、竜児は言いようのない胸騒ぎを覚える。急き立てられて追いかけようとすると

「ちょっと、竜児!!聞いてるの!?」 大河に引きとめられてしまう。
胸の中にすっきりしない思いを抱えながらも、「いや、悪い。聞いてなかった。すまん」と答えておく。
大河もその竜児の様子に何かを感じたのか「竜児?どうかしたの?」と尋ねてくる。
いつのまにか実乃梨も竜児を真剣な様子で見つめている。
「いや、少し気にかかることがあっただけだ。別に大丈夫だから」
そう。今日の朝はいつもの日常と違っていたのだ。
―川嶋亜美が絡んでこない、という点で。


329:119
08/11/29 20:00:48 W3ysix88
昼休み。考えがあって、休み時間のたびに弁当を少しずつ食べていた竜児はみんなより一足先に食べ終わる。
「飲み物買ってくる」
と、みんなに言って教室を出る。どうしても、一人だけで行きたかったのだ。それは、朝の違和感の正体を確かめたかったからに他ならない。
そして竜児が目的地―自動販売機―に到着すると、やはり目当ての人物もそこだった。
昼休みのチャイムが鳴った瞬間に教室を一人で出て行った、川嶋亜美が自販機と自販機の間にしゃがみ込んでいた。
「おう、早いな、お前。ちゃんと飯食ったのか?」
竜児がそう尋ねると、亜美はうっとおしそうに答える。
「別に、関係ないじゃん。高須君には。…ていうか、そっちこそ何でこんなに早いの?もしかしてストーカー?」
「ストーカーじゃねぇよ。ただ、何て言うか、朝のお前の様子が気にかかってだな…」
そういうと、ますます亜美の機嫌が悪くなる。
「は?何で高須君にあたしが心配されなきゃいけないの?まじでキモイんだけど」
「な…おま、キモイとか言うなよ!!俺だって傷つくんだぞ!?」
わざわざ早弁までしてこの場所に来た自分に、この仕打ち。ジーザス、神は死んだのか。
「お前が意味深な行動をとるから、気にかかって来たんだろうが!」
「別に、亜美ちゃんそんなこと頼んでないし。ていうか、それ高須君の勘違いだから。わかったらさっさとどっか行ってよ」
うおおおお…!!と怒りにもだえる竜児に、容赦なく亜美は言葉の矢を放つ。
この野郎、人の優しい気持ちを…と、竜児が言葉を続けようとその凶眼で目の前の人物を見据えると

妙にその存在が小さく見えた。しゃがんでいるからかもしれないが、確かにそう感じた。その印象がいつもの『川嶋亜美』とはかけ離れていて。
それこそ―儚げ、といったような、そんな風に見えてしまったのだ。
「…何、急に人のことじーっと見て。さっさとどこか行ってって言うのが聞こえなかったの?」
「川嶋」
竜児が突然名前を呼んだことで、亜美が訝しむ。その顔で、何なのこいつ?、と思っていることが丸わかりだ。
けれど、竜児はなぜか亜美がそのまま消えてしまいそうな気がして。その不安をぬぐうためか、口から言葉が飛び出してくる。

「――お前、ここからいなくならないよな?」
「どこにも行くな。いや、行かないでくれ。これからの学校生活にお前がいないなんて、そんなの、俺は嫌なんだ」


330:119
08/11/29 20:01:32 W3ysix88
…沈黙。言い終わった途端、竜児に恥ずかしさがこみ上げてくる。顔が上げられない。勢いに任せてつい出てしまった言葉だが、もしかすると今俺はものすごく痛い奴なのでは…!!
川嶋もうつむいたまま顔を上げないし、やばいこれは取り返しのつかないミスを
「…何で、そーゆうとこは鋭いかなぁ?」
その言葉に竜児は驚き、恥ずかしさも忘れてガバッと顔を上げる。目の前の女の子は、あーあ、といった感じで苦笑していた。
「本当、高須君って気づいてほしいことは気づかないのに、気づいてほしくないとこには気づくよね」
「…どういう、意味だ?それは、お前がどっかに行くっていうのを認めたのか?」
「まぁ、ね」
そう、何でもないことの様に亜美は言う。急な告白についていけていない竜児に言葉を重ねる。
「元から、一学期が終わったときに、学校やめるつもりだったの。ストーカー騒ぎのほとぼりが冷めたら前の学校に戻るか、通信教育か、って」
だから別に特別な事情で、とかじゃないよ―と言う。しかし、それならなぜ冬になってもまだ亜美がこの学校に通っているか、竜児にはわからない。
もちろん、竜児は亜美がさっさと転校すればよかったのに、何て思っていない。それでも疑惑の意志が表情に出ていたのか、亜美は続ける。
「一学期が終わったときは、もうちょっとここでやってみようって思ったの。ここでみんなと一緒に過ごしたら、あたしも何か変わるかもって」
「…何で、今はそう思えないんだよ。俺は、ちゃんと変わってると思うぞ」
そうだ。亜美は以前と比べてずっと変わった。少しずつだけど素を出せているし、木原や香椎は当然、それに大河や実乃梨とだって随分仲良くなっていたように思う。
それは、転校してきたばかりの頃の亜美からは想像できないほどに。それなのに、なぜ『転校しよう』などと思うのだ。
「―変わっちゃったから、だよ。高須君」
「はぁ?何でそうなるんだよ?お前、変わりたいから残ったんじゃないのか」
意味がわからない。すると、亜美は独り言のような口調で話し始める。

「転校してきたばっかりの時は、自分がこんな風になっちゃうなんてわからなかった。二人で欲しがってるようなものを自分も欲しいと思うようになるなんて。
 でも、それでも欲しいと思ったのよ。―だけど、最近になって気づいちゃった」
あたしって、すごい邪魔な存在だって。
「あたしが、無理に入ろうとするから余計にこんがらがっていって。途中から出てきたやつが、何で場を乱してるの?って自分で冷静に思っちゃった」
だから―と締めくくる。
「高須君は、あたしの事を気にしなくてもいいよ。全部あたしが招いた当然の結果だもん」
そう言って、ごめんね?なんて似合わないことを言う。だけど、その顔はとてもつらそうで―。


331:119
08/11/29 20:02:05 W3ysix88
「川嶋」
「何?もう本当に話す事は何も…」
「くらえ」
そういって、竜児は渾身の力で亜美にデコピンを決行した。
「~~~~!?いっったぁぁぁ!!何なの急に!?ていうか、モデルの顔に何してんの!?意味わかんないんだけど!!」
相当痛かったのか、立ち上がり自販機の間から出てきて竜児に詰め寄ってくる。
「るっせぇ、この野郎」
竜児の突然の行動(デコピン・会心の一撃)に当然のこととして亜美は抗議の声を上げるが、竜児のただならぬ様子に困惑する。
「馬鹿か、お前。いやそういや、ばかちーだったな」
「…!!な、何でそんな急にキレてるのよ!!ていうか、馬鹿とか高須君にだけは言われたくないんだけど!?」
「いいや、お前は馬鹿だ。大馬鹿だ。何て言うか、すごくいたたまれないレベルで」
「何でそんなこと言うの!?私だって色々悩んで、本当に悩んで、それなのに―」

「自分は邪魔者だ、とか、勝手に決めつけてんじゃねぇよ!!」

竜児はそこに怒っていた。いや、激怒していた、と言ってもいいかもしれない。目の前の少女は、勝手に自分で気まずくなって、最悪な形で自己完結した。
そこがどうしても竜児には許せなかった。川嶋が、亜美が、誰かにとって邪魔でしかない、などという妄言が。
「お前が邪魔者だ、なんて誰も思ってねぇに決まってんだろ!?木原や香椎とか、めちゃくちゃ仲いいじゃねぇか!!」
「別にあの二人は今回の事とは何も関係ないし!!何でそんな」
「大河や櫛枝とだって、仲良くしてただろ!!」
「―!!今このタイミングでそれを言う!?信じられない!!あんたなんか…!!」
一際大きくなった亜美の声に、竜児は、川嶋が悩んでいる原因はそこか、と当たりをつける。
「何で、そこを拒絶するんだよ。誰がどう見ても、お前ら仲良かっただろ」
「~~何でそんな事平気でいえるの!?こうなったのも、あんたが原因の一端じゃん!!あんたが自分の気持ちをはっきりさせないから…!!」
「俺は、櫛枝実乃梨に、好意を持ってる」
言った瞬間、亜美が固まる。泣き出しそうな顔で、気づきたくない事に気づいてしまったというような顔で。
だけど、まだ続ける言葉が、竜児にはあるのだ。
「そして、逢坂大河を守ってやりたい、とも思っている。あいつは、びっくりするぐらいのドジだし、『一人でできる!!』なんて言いながら傷だらけになるやつだから」
「…はぁ!?何それ、高須君ちょっとおかしいんじゃ」
「それに!!」

―川嶋亜美という女の子を大切にしたい、とも思っている。


332:119
08/11/29 20:03:06 W3ysix88
「…何、それ」
呆然と、亜美が呟く。
竜児は当たり前の事のように言う。
「確かに、おかしいのかもしれない。だけど、これが俺の今の気持ちなんだ。櫛枝のことは好きだ。それこそ一年近く想ってきたしな。
 …だけど、それと同じくらい大河を守りたい、とも、お前を大切にしたいとも思ってる」
ようするに、ベクトルだ。それぞれの矢印は見当違いの方向に飛んでるのかもしれないが―大きさはどれも負けず劣らずで。
「俺はこの気持ちは、偽りじゃない、と言える。櫛枝のことを好きで、大河を守りたくて」
そして亜美を大切にしたい、というこの気持ちは。
「お前、完全に素を出せるのなんて、男じゃ、北村か俺ぐらいだろ。女同士でも猫かぶらなきゃいけないときはあるだろうし、そういう時に、愚痴でも聞いて楽にしてやりたいって思うんだ」
川嶋亜美という少女は、大人のような目線を持ってるけど―だけどやっぱり自分と同じ高校生なのだ。
「場がこんがらがったなら、俺がほどく。こうみえても、手先は器用だからな。頑張ってみる」
そうやって語りかける竜児に、亜美は呆けた顔で、「…どうしてそこまでしてくれるの?」とこぼす。
それを聞いて竜児は苦笑しながら言う。
「だから言ったろ、川嶋。   

 ―俺はお前を大切にしたいんだ」

そう言うと、亜美は顔を真っ赤に染めてみせた。


333:119
08/11/29 20:03:42 W3ysix88
「お前、もう『転校する』なんて言うなよ」
「わかったって、しつこいなぁ。高須君それ何回言ったと思ってるの?」
「三回しか言ってねぇよ」
「…うわぁ、自分の発言数えてるし。高須君、そういうの引くからやめた方がいいよ?」
「お前は調子が戻ったら、すぐ俺を傷つけるよな!!」
「え~?そんなことないけどぉ?」

そう言い合いながら、自分たちの教室に戻っていく影二つ。その姿は、双方に気安さがあって、楽しそうだった。



「あ、そうだ。高須君」
「何だよ」
「教室に戻ったら、高須君の口から『川嶋も本格的に参戦するから』って、タイガーと実乃梨ちゃんに言っといて」
「…また、よくわからん指令を」


そして、休み時間ぎりぎりで帰ってきた二人に大河と実乃梨が詰め寄り、竜児の口から出た言葉に障気をまき散らすのは、別のお話。

<花三本目に続く>

334:119
08/11/29 20:04:56 W3ysix88
以上!!

今回は亜美のターン。
もうわかったかもしれないけどラストはみのりんwww

ご希望の竜児初ラブレターとかお便り二人目とかは次に入れるつもり

335:119
08/11/29 20:10:48 W3ysix88
>>325
スレって何だ俺・・・
どんだけ長編だよ。うわー、すげぇ死にてぇorz

336:名無しさん@ピンキー
08/11/29 20:15:40 BmL5Wcn3
天然ジゴロw

337:名無しさん@ピンキー
08/11/29 20:44:35 4npBEt51
>>325
GJだ
だが亜美とのカラミはやっぱりオリジナルが欲しかった気もするぜ
しかしサブでも大河は可愛いな

338:名無しさん@ピンキー
08/11/29 20:45:54 /91XeFkp
これは刺されるぞw

339:名無しさん@ピンキー
08/11/29 20:51:16 0UvkZsCp
この全自動口説きマシーンが!
GJ!!

340:名無しさん@ピンキー
08/11/29 21:01:47 cytH16mF
ちょw竜wおまww

341:名無しさん@ピンキー
08/11/29 21:03:18 G4gc41ec
なんだ亜美か

342:名無しさん@ピンキー
08/11/29 21:30:32 L0GGJ1Oz
>>325
なんというハーレムGJ!
もちろん、全8スレの超大作期待してます
…残り7スレと992レス



343:名無しさん@ピンキー
08/11/29 21:48:00 0b/+YI+z
なんか竜児×亜美って同じような展開ばっかだな

344:名無しさん@ピンキー
08/11/29 22:08:52 P33eBJ7S
GJ!!!
さぁ早く三本目を書く作業に戻るんだ

345:名無しさん@ピンキー
08/11/29 22:29:01 sCA8O3EA
>>325
おちゅ!

竜児が人気になって嬉しいし、原作に沿ってるのも良いし
何よりも竜児のキャラがあんまし崩壊してないのが良い!

>>343
お前の言う同じ展開じゃない展開ってどんな感じなんだ?


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