【田村くん】竹宮ゆゆこ 5皿目【とらドラ!】at EROPARO
【田村くん】竹宮ゆゆこ 5皿目【とらドラ!】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/11/25 23:14:10 q/U72BIO
 
☆☆☆狩野すみれ兄貴の質問コーナー☆☆☆


Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A「基本的にはそうだな。無論、自己申告があれば転載はしない手筈になってるな」

Q次スレのタイミングは?
A「470KBを越えたあたりで一度聞け。投下中なら切りのいいところまでとりあえず投下して、続きは次スレだ」

Q新刊ネタはいつから書いていい?
A「最低でも公式発売日の24時まで待て。私はネタばれが蛇とタマのちいせぇ男の次に嫌いなんだ」

Q1レスあたりに投稿できる容量の最大と目安は?
A「容量は4096Bytes、一行字数は全角で最大120字くらい、最大60行だそうだ。心して書き込みやがれ」

Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A「あぁん? てめぇは自分から書くって事は考えねぇのか?」

QこのQ&A普通すぎません?
A「うるせぇ! だいたい北村、テメェ人にこんな役押し付けといて、その言い草は何だ?」

Qいやぁ、こんな役会長にしか任せられません
A「オチもねぇじゃねぇか、てめぇ後で覚えてやがれ・・・」

3:名無しさん@ピンキー
08/11/25 23:18:49 j1xznoG7
一乙

4:名無しさん@ピンキー
08/11/25 23:26:17 U0MZVTkS
いち乙

5:名無しさん@ピンキー
08/11/25 23:35:24 FtmdIV/L
乙!おらゴクウ!

6:名無しさん@ピンキー
08/11/25 23:38:55 HLKFyqmY
一乙!

7:名無しさん@ピンキー
08/11/25 23:40:29 zOg4yVDG
>>1乙!

アニメ視聴、原作未読の人は注意してね!!

8:名無しさん@ピンキー
08/11/25 23:57:22 9izqqI5o
壱乙

9:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:06:40 SiZiITxX
なんか人少ないみたいだな

10:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:30:24 b9yhQk6j
>>1
竜児のカレーを食う権利をやろう( ゚∀゚)

11:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:44:09 5QceqiN7
>>1

12:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:48:30 BNeZp3VY
一さん乙です。

13:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:52:05 YshON3+Y
>>1
これは>>1乙じゃなくて高須棒を無造作に置いただけなんだからね

14:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:54:41 veuxi5iw
俺の名はペイジ!
プラント!
ジョーンズ!
ボーンナム!

「「「「1乙!!!」」」」

15:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:58:28 qQ68l5H8
>>1

とりあえず景気づけに竜虎をひとつ、>>1に捧げるぜ

16:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:59:19 qQ68l5H8
『チャーハン』

「おい大河ー、晩飯何か食いたいのあるか?」


こいつは高須竜児、私の使えない駄犬。

「今頃聞いてどうするのよ、アンタさっき買い物済ませたじゃない」

これだから駄犬は。さっき自分で買い物しといていまさら聞いても遅いじゃない。
それよりもさっき買ったものからすると今夜はマーボー豆腐あたりかな?
ま、少しは肉が入ってるから今日は文句を言わないでやろう。
この駄犬は栄養バランスだかなんだか知らないけどそんなの気にしてばっかり。もっと肉を食べたいのに。

まったく変なとこにばっかり気が利くんだから。

「あー、その…なんだ、今日はお前の誕生日なんだろ?
材料は買ってあるから好きなの作ってやるよ」

「…はぁ?」

…まったく、ホントに変なとこにばっかり、気が利くんだから。

「…なんで、私の誕生日、知ってるのよ」

「お前が前に1回だけ、言ってたのを思い出してな。
…実は昨日思い出したんで、プレゼントは用意出来なかったんだが。
かわりと言っちゃないんだが今日は腕によりをかけてやるよ」

やばい。すごく嬉しい。誕生日を祝ってもらうのなんて何年ぶりだろう。
記憶に残ってる限りじゃ小学生の頃が最後だった気がする。
そもそも自分ですら忘れてた誕生日を、このアホ犬が覚えていることが驚きだったけど。

…そんな優しいアンタだから、みのりんとうまくいってほしいと思うよ。

そんなことを考えた瞬間、急にモヤモヤしたものに襲われる。
気づいてはいけないこのモヤモヤの正体。大河は、認めたくないが、この感情がなんなのか薄々気づいている。
言ってしまいたい。でも言ったらダメ。みのりんと竜児はお似合いなんだから。
でもちょっとだけなら…。

「じゃあ…竜児に任せる。」

竜児が、私のことを分かってくれてるか確かめるだけなら。

「なんでもいいのか?好きなものなんでも作ってやるっていってんのに…」

「うっさいわね、アンタに任すって言ってんのよ。いいからさっさと作って。お腹空いた」

「分かった分かった」

苦笑いで台所に向かう竜児。
これはそう、ちょっとした神経衰弱のようなものよ。私が心の中で勝手に決めたのが出るかだけ。
別に当たってもなんでもない。当たるわけない。これは私の気持ちとは関係ないことなんだから。
そうね…チャーハン。竜児が最初に作ってくれた料理だし。あれが食べたい。
他のでもいいけどね、まぁ久しぶりにあの味を思い出したいっていうのかな、そんなもの。
きっと外れる。うん、私の気持ちなんか分からないはずよ、なんたって駄犬なんだから。
分かってなくてもいいんだけどね。

…竜児、アンタは私のこと、分かってくれてるのかな?

17:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:00:00 qQ68l5H8


***


材料は昨日のうちに大方買っておいていた。
今日追加で買ったのは、学校の帰り道に大河がすごくお腹が空いてそうだったからだ。
それじゃ用意した分じゃ足りなくなる可能性がものすごくあった。
平常時だって朝からご飯を三膳食べちゃうような奴なんだ、あの逢坂大河は。
なんだってアイツはあんなちっちゃい体であんなに食えるんだか。
だから、本当にたくさん作ってやった。

「どうだ、すごいだろう」

机に並びきらないんじゃないかというくらいの料理の数々。
約束どおり腕によりをかけて作った。それはもうギャル○根も喜ぶくらいの量と味のはずだ。

「…さすが駄犬、量の加減を知らないわ」

呆れたような顔をする大河。……手乗りタイガーにいっぱい食わせてやったぜ。
あ、いっぱいって満腹って意味じゃなくて驚かせたって意味でな。
そんな誰に対する言い訳かわからないものを心のなかで呟いてほくそ笑む。
笑うとシンナーを吸ったI can flyなお兄さんですら裸足で逃げ出すような顔になるが、これは生まれつきなのだ。

そんなことを考えている間に、大河は「いただきます」と一言、勢いよく食べ始める。

がつがつがつがつがつがつがつがつ!



…?
なにか違う。いつもの大河ではない気がする。
食う勢いもいつも通り。こぼし具合も散らかし具合もいつも通り。でも、何か違う。
雰囲気が違うというか。一緒にいるときごくたまに感じるような雰囲気。
こういうときはそう、大河は大抵不機嫌になっていたりするんだ。

「なぁ大河…なんかお前変じゃないか?」

がつがつがつがつと勢いよく進んでいた手がピタッと止まる。
体勢ははそのまま、大きめの皿をかきこむように持っているせいで顔は隠れてしまっているが、
声は不機嫌そのものの塊のような声だった。

「…もういらない」

「な…」

ぽいっとスプーンと皿を投げ出し、背を向けてしまう。
でもその背中からはなんというか、いつものようにゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…というような怒りではなく
悲しさというか、諦めのようなものが漂っている。
…この手乗りサイズの虎は、またなにか一人で悩んでいるに違いなかった。

「…はぁ。急になんなんだ。せっかく作ったんだから残さず食べてくれよ」

「いらないって言ってんの!…もうお腹空いてない」

「おい…っ、たく…」

18:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:01:07 qQ68l5H8
**


そう、竜児は別に悪くない。
あれだけ豪華なものを作ってくれたのだ、感謝すべきだろうとは思う。
久しぶりの誕生日を祝ってくれたことも感謝すべきだろう。本当にすごく嬉しかったのだし。
ただ、竜児は分かってくれていなかった。私の気持ちを。
勝手に期待して、勝手に失望して、これはワガママだってことは分かっている。分かってはいる。
でも、竜児ならこんなワガママでも叶えてくれる気がしたんだ。
いつだって竜児は私がそばに居てほしいときに居てくれた。励ましてくれた。
だから期待してしまっただけだ、失望するのは分かっていたのに。
竜児の心の中はみのりんで一杯。そんなこと、分かっていたはずなのに。

後ろでは竜児が無言でカチャカチャとお皿を動かし、机と台所とを行き来している。
きっと料理を下げているんだろう。
すごく申し訳なくて、すごく切なくて。
どうして分かってくれないの!と怒りがこみ上げてくる。
こんなことはあってはならないんだ。私は、どうせ誰にも理解されないんだ。
それを竜児には諦めじゃなくて怒りが沸いてくる。好きだから。好きだから分かってほしかった。

でも、竜児は分かってくれない。
うん、いいんだ。そう、私は誰にも理解されない。うん、誰もわかってくれなくていい。
私は一人なんだから。竜児には、みのりんがいるんだから。


「…お前なぁ、何があったのか知らないがいくらなんだって食べな過ぎだぞ。
これなら食えるだろ、とりあえず腹の中に詰めとけ」

いつの間にか竜児が隣にいた。片付け終わるにはちょっと早いと思ったが、とりあえず料理を下げただけなのだろう。
竜児は手に持ったそれをスプーンで掬い、横から大河の口にそれをつっこんできた。懐かしい味のそれを。

「フガッ!…んぐんぐ…ん、んぐ。なにすんじゃー!」


19:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:01:50 qQ68l5H8




ポロッ
……あ、あれ…

「お、おい、急に泣くなよ!」

違うの竜児。おかしいの。泣いてる訳じゃなくって勝手に涙が出てくるの。

「おっかしいな…おまえチャーハン好きだったよな」

好き。竜児が作ったチャーハンは。

「それ…なんで…さっきは無かった」

「お前のことだから作った料理全部食べちまうだろうと思って。
その後まだ腹減ってたらと思って作っといたんだけど…」

「…よこせ。お腹空いた」

竜児からチャーハンとスプーンをひったくって口の中にかきこむ。
卵とご飯がちゃんと絡んでて、具もしっかり火が通ってて、なにより今まで一番優しい味がする。
前食べたのってこんなにおいしかったっけ。
あ、そういえば私の気持ち当てられちゃったなあ、どうしよう。
でもこのバカ犬はチャーハン最初から出してたわけじゃないし。でもちゃんと作ってくれてたしなあ。
まあこんなのが当たったところでどうせこいつは私のことなんか分かってはいないんだろうけど。
ま、いっか。今はチャーハンを味わおっと。

「りゅうじ!おかわり!」


end

20:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:02:44 uewZDs5M


21:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:03:17 o0Tzf9B7
>>15
GJ
28282828してしまったぜ

22:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:03:18 qQ68l5H8
            |'//////////////////////: : : : :'"´: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
            | //////////////////// |: : :/: : : : : : : : : :./: : : : : : : : : : : :.|ー-、
            ∨'///////////////////,|/ : : : : : : : : : : : :{: : : : : : : : : : : : :|: : : ヽ
           ∨,'////////////////,'イ : : : : : : : : : : : : : ハ: : : : : : : : : : : ,' : : : : '.
          ∨/////////////////,|: : : : : : : : :/|: : ∧: : : : : : : : : : : :/ : : : : : i
              ∨'////////////////l: : : : : : : :/ _j∠_\: :/ : : : : : : : / : : : : : : |
             ∨,'///////////////| : : : : : |/〃/r'弌ミヽメ、j_, : : ://|: /: : : : : :|
            ∨///////////////|: : {: : : |   込::少 V:/|: : ∠二 Ⅵ: : : : : : |  おかわり!
                ∨'//////////////l: : ヽ: : !    ̄`   j/ィ'弌ミ、/!/: : : :l: |
              ∨//////////////l\ハ: ゝ////        、込少ノ,':/: : : : :|: |
                 /∨,'/////////////l: : : :ヽ             ̄ノ´ : : : : ,'|:│
           /: : : ∨'/////////////l\: : : \       _     ー=ァ:イ.: : :/ |:│
            /: : : : : : :∨'////////////|/∧、: : : \      `   ,_イ:/: :.:./ |:│
.          /: : : : : : : :/:∨'///////////j,'/∧ヽ: : : : }丶 _ ... <:∠:_:.:イ八 jノ
.       /: : : : : : : :/: : : :∨,'/////////////∧}: : : :/\_/: : : : : : ヽ: : : : i(: :ヽ、
      /: : : : : : : :/: : : : : : :∨//////////////,': : : ん^∨>┐\: : : \: :i: ヽ: : \
      |: : : : : : : /: : : : : : : : :\/////////////: : : :{⌒ヘ≦廴| : :\: : : \: : :ヽ: : :\
      |: : : : : : :,': : : : : : : : : : :∧/////////ノ |: : : : :∨/「丁 「厂\ : \: : : \: : :ヽ: : :\
      |: : : : : :.:i: : : : : : : : : : :/: :|//////////,|:{: : : : :∨|O|八|⌒∨: : : :丶: : : \: : ): : : :\

祭りを終わらせるわけにはいかないぜ!ってことで書いた
駄文だけど後悔はしていない

23:sage
08/11/26 01:03:45 NZ+ggLiq
ホイホイチャーハン?
あんかけチャーハン?
乙です

24:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:08:15 BNeZp3VY
GJ最高です。職人乙。

25:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:11:11 /HGHW850
メシ食ったばかりなのによだれが・・・・ジュルリ
GJすぎるぜ!



26:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:22:46 bLo/2y+C
>>15
GJGJGJGJ
竜虎いいよ竜虎

27:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 01:30:51 6/cRYRk1
>>1
新スレ乙です
やっちゃんSSの続きを投下
自分的には微エロだと思うんだけど自信が・・・

28:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 01:31:25 6/cRYRk1

「やすドラ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q 朝っぱらから母親と入浴する男子高校生を客観的にどう思う?
= 真性の変態だな。見損なったぞ、高須。お前はそんな奴だったのか?
  その歪んだ性癖を矯正するために高須には裸でソフトボール VS 男子ソフト部オールスターズに挑戦してもらう。
 この試練を乗り越えられればきっとお前は・・・だから早くこっちへ来るn

「っくちゅん・・・・・・竜ちゃん、早く入ろうよ~。冷えてきちゃった」

・・・っは!?俺は今何を・・・・・・なんで壁が目の前にあるんだ? ぶつかっちまうとこだった。
いや、そんな事はどうでもいい。

「・・・だから、一人で入ってろよ。そのまんまじゃ風邪ひくぞ」

「竜ちゃんも昨日お風呂入ってないんでしょ? いっしょに入ろうよ~。気持ちいいよ?」

「何がだ。それに入るにしても俺は一人で入るって。子供じゃないんだし」

「・・・・・・竜ちゃんと入る・・・竜ちゃんが入んないならやっちゃんも入んない・・・」

子供かよ・・・そもそも誰が風呂に入りたいって言ったと思ってやがんだ・・・
このままじゃ埒が明かない。多少強引にでもお湯の中に入れちまってこの場から離れよう。
真っ裸で風呂場に突っ立ってる泰子の方は見ずに、なるべく穏やかな口調で話しかける。

「バカ言ってないで・・・1人だと入り難いんなら支えててやるから。な? だから後ろ向いて・・・」

「・・・・・・・・・ぐすん・・・」

ちょ・・・・・・

「や、泰子? どっか痛いのか? なんで泣いてんだ?」

話の流れから明らかにそうじゃないのは分かってる。
ただ、ひょっとしたら、もしかしたらって・・・・・・
だって高校生の息子に「お母さんとはお風呂に入んない」って言われて、泣かないだろ? 普通・・・

「ぐす・・・うぅん、大丈夫・・・・・・っくちゅん・・・竜ちゃん・・・」

「・・・・・・・・・」

どうすればいい・・・
うちの風呂は広くない。ハッキリ言ってしまうとむしろ狭い。
大河ですら、普通に1人で入っても膝を抱える必要がある。
要は大人が2人いっぺんには入れない。それでも一緒にお湯に浸かるには密着する必要がある。
そんな事、泰子だって考えなくても分かるだろう・・・・・・分かってて言ってるよな・・・
なにか・・・なにかないか・・・・・・
この場を乗り切れそうなものを探して、誤って視線を泰子の方に向けてしまった。
視界に飛び込んできた泰子は、顔を真っ赤にして震えながら

29:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 01:32:05 6/cRYRk1
「・・・・・・・・・」

じっと、俺を見つめていた。

「・・・・・・・・・はぁ・・・」

再度泰子に背を向けて、ため息を1つ吐いて自分の服を脱ぎ始める。
泰子の息を飲む声が耳に届いたけど、構わずに着ていた服を脱ぎ終える。
泰子は今、手をケガしてんだから仕方ないだろ?
どうせ今上も下もモロで見ちまったんだし。それに子供の頃はいつも一緒に風呂に入ってたんだから。
自分の裸を見られるという部分は頭から追い出し、誰に向けて言ってるのか分からない言い訳を頭の中で繰り返して

「・・・・・・あんまりこっち見んなよ」

「うん。竜ちゃんも大きくなったんだねぇ・・・」

大事な所を手で隠しながら風呂場に入る俺。
うんとか言いながらこっちをガン見してニヤニヤしてる泰子。
これなんて罰ゲーム・・・いや、よそう・・・あと40年もすればなんとも思わないで同じ事やってるって。その予行演習だって思えよ、俺。
必死で羞恥心を誤魔化そうとしてる俺に対し、泰子はセクハラ発言までかましてる。
さっきの恥ずかしげな感じで震えていた泰子は何だったんだ・・・・・・
恥ずかしさとやるせなさを無理やり押し込んで桶をお湯に突っ込む。

「ほら、お湯掛けるからじっとしてろ」

「ん~」

桶のお湯で軽く泰子と自分の体を流して、下の方が確実に負担がかかるだろうから先に浴槽に浸かる。
体をできるだけ小さくして隙間を作ってやり、多分このくらいで大丈夫だろうと思ったので泰子に声をかける。

「泰子、こんなもんで足突っ込めるか?」

「うん。あ、腰押さえててもらってもいい? 竜ちゃん」

「あ、あぁ。ゆっくり入ってこいよ? ・・・・・・ぶふぉお!・・・」

腰を浮かせて泰子の腰に手を回し、つい下の方に向いてしまった目を慌てて閉じる。
アップはさすがにアレだろ・・・俺、初めて見たのが母親のかぁ・・・
大人の階段があるのなら、おそらく今俺は確実に1段上った。他人と同じ階段かは別にして。
・・・・・・・・・いや、というか

「や、泰子!? なんでこっち向きながら入ってきてんだよ!?」

「え? なんでって・・・なにがぁ?」

「だ、だから! 普通こんな狭い風呂に2人して入るんなら、上に乗っかる奴は下の奴に背中を預けるんじゃ・・・」

「そうなの?」

言ってて自信が無くなる。普通もなにも俺には1人以上で風呂に入るなんて銭湯や修学旅行以外だと、
泰子と入浴した経験しか無いし・・・それだって子供の頃の話で・・・ましてや女の子となんて・・・
そもそも俺が言ってたような入り方だって漠然としたイメージみたいなもんだし。
けど、このまま泰子と向き合ったままだと風呂に入ってられないから

30:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 01:32:52 6/cRYRk1
「ほら、映画やドラマなんかだと恋人同士や夫婦がさぁ・・・こう、上に乗ってる女を男が背中から抱きしめるみたい・・・に・・・」

そう言ってみたんだが・・・
あれ?・・・これじゃあ、俺がそうやって入りたいみたいに聞こえてこないか?
いやいや、俺は泰子と一緒に風呂に入りたい訳じゃなくて、俺が一緒じゃないと泰子が入んないから仕方なくこうしてる訳で。
そうだ、泰子。泰子はどうしてる?
泰子の反応が気になって、
今まで曲がるだけ曲げてそっぽを向いていた首をちょっと戻して様子を窺ってみると、未だ俺の前で突っ立ったままの泰子が

「こ、恋人みたいにぃ・・・・・・夫婦みたいにぃ・・・・・・竜ちゃんが?」

ヤバイ。マジでヤバイ。マジヤバ。
何故かそんなフレーズが頭に浮かんだ。
だって、目の前で軽く足を広げてる泰子がどこを見てんだか分からない目でブツブツと何事か呟いて、その内容が今ので・・・・・・

「・・・泰子・・・?」

内心引きっぱなしだけど、いい加減堪らなくなって声をかける。

「なぁにぃ? あ、体の向きだっけぇ? ちょっと待ってて♪」

「そ、そうなんだけどちょっと待ってくぶふぉあ!」

パッと一息で返事を返す泰子に一瞬付いていけず
ルンルンって感じで俺に背中を向ける瞬間に、泰子の・・・その、前と尻を交互に見てしまって吹き出す俺。

「よいしょ・・・竜ちゃん、座っていい?」

「あ、あぁ」

すぐさま体勢を入れ替えた泰子が訊いてくる。
半ば呆然としていて生返事をしたが、ふと気がついた。

(ん? 泰子は俺に背中を向けながら座ってくるんだから・・・)

考えてる間にも、でっかい桃が俺の目の前を通り過ぎていった・・・・・・・・・

「はぁ・・・いぃ気持ち・・・・・・ね? 竜ちゃん♪」

「・・・・・・・・・・・・」

お湯に浸かって、すっかりリラックスしてる泰子。それはいい。
捻挫してる手首はお腹の上で重ねているから痛まないだろう。それもいい。ただ

「泰子」

「うん? なに?」

「べつに入り方に文句をつける訳じゃないんだ。ただ、その体勢だと辛くないか? 首とか足とか。
 だから普通に座る感じでいいんじゃないか? その方が俺も多少は落ち着くんだが」

「だってぇ、こっちの方が恋人みたいでなんだか嬉しくってぇ♪」

世迷言は無視しろ、俺。

31:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 01:33:35 6/cRYRk1
「けど、それじゃあたまにお腹とか浮いてきて、えぇと・・・
 とにかく目のやり場にも困るし、ちょっと上半身を上げてもらいたいんだけど」

「ちょ、ちょっと竜ちゃん・・・急にそんな・・・恥ずかしいよ・・・・・・あ、でもね?
 昨日も言ったけどねぇ、竜ちゃんにだったらやっちゃん見られても~・・・」

話噛み合ってねぇよ・・・・・・

泰子は俺に背中を預けてる状態なのに、俺から見て左下から俺の顔を見て話している。
片足を浴槽の外に出して、もう片方の足を浴槽に入れて突っ張らせて、
髪が濡れるのもかまわずに俺の肩に頭を乗せている形で、ずっと俺を見ている。
俺の方はと言えば、プカプカ浮いてる2つのボールやらその下の・・・やら、お湯から出ている足とか・・・
とにかく、ゆっくり風呂に入ってられないような状態を強いられている。正直言って出たい。早く風呂から上がりたい。
なんの冗談で午前中からこんなこと・・・・・・泰子! の、伸びをするな! 浮いてるのが揺れてる揺れてる!

しばらく2人してお湯に浸かっていたら、泰子が目を閉じて

「竜ちゃん・・・・・・」

言いながら、俺の鎖骨辺りにピッタリと顔を寄せて静かになる。

「どうしたんだ泰子。のぼせたのか?」

「違うの・・・」

「じゃあ何かあったのか・・・?」

「・・・・・・・・・」

尋ねてみるが違うらしい。急にどうしたんだ?
しばらく待ってみるが続きを言わない泰子に、再度尋ねてみる。

「泰子?」

「うん・・・あのね・・・」

そう言って、寄せていた顔を少し上げて耳元で



「・・・・・・・・・お尻にあたってるの・・・・・・あれが・・・・・・」



囁かれて背筋に冷たいものが走る。
ドッと汗が噴き出た。長湯のせいとかそんな汗じゃなくて、例えるなら好きな子の目の前で自家発電のネタをばらされた時みたいな。
ゆっくりと下を見ると、恥ずかしいのか伏目がちになった泰子が見えた。
顔を赤くすんなよ! 太ももを擦りあわせてモジモジしないでくれって! それなんか色々マズイんだよ!

「・・・あ、また大きく」

口に出すなよ!

32:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 01:34:28 6/cRYRk1
「泰子! これには訳が・・・そう、せいりげんしょう、生理現象なんだって!」

「それは分かるよ~? やっちゃんだって子供じゃないんだからぁ」

嘘だろ? 口を吐く寸前で飲み込んで別の言い訳を探す。

「だ、だからこれはその・・・」

だけど上手い言い訳が出てこない。昨日もそうだったし、俺にはペテンだの2股だのは無理だろう。確信できる。
泰子はまた俺の肩に頭を預けて

「竜ちゃんだって男の子だもん。このくらい普通だよ? だからぁ気にしないでいいよ」

「や、泰子?」

えらくまともな上に理解ある母親みたいな事を言っている目の前の女性は本当に泰子か?
いや別人だったらそれはそれで大問題だけど。
ちょっとだけ泰子を見直して、けどそもそもこんな事態に俺を陥れたのは泰子自身だとか考えていたら

「それに竜ちゃんのがあたってると、なんだかやっちゃんも」

おもいっきり頭をお湯の中に沈める。絶対にこの先は聞いちゃいけない。
水を口移しで飲ますとか下を拭いてやるとか、それとは絶対に同じ次元の話じゃない。
遠くで

「ぁ・・・竜ちゃんそんな急に・・・・・・優しくして・・・」

なんて妄言が聞こえた気もするけど気のせいだ。気のせいじゃなきゃやだ・・・

・・・・・・そうだ、いいぞ。そのままこっちに来るんだ、高須。もう少しで裸でソフトボールだぞ。やっぱりお前は俺の元に来るt

お前は俺をどこへ連れてくつもりなんだよ。そんでどんだけ裸でソフトボールに執着してんだ。
お湯の中で咽てしまい、慌てて顔を上げる。何か嫌な物を見た気がしないでもないけど、忘れろ、俺。

「あん・・・・・・竜ちゃん、どうしたの?・・・」

泰子も変な声出してんじゃねぇよ。ハァハァすんな。
もう泰子の言葉は無視しろ俺。いつまで経っても風呂から上がれん。

「・・・・・・もう十分温まったろう? いい加減体流すぞ」

返事は聞かないで泰子の脇に手を差し込んで、沈まないようにしたら立ち上がる。
俺という椅子が消えて支えが無くなり、ズルズルとお湯に引き込まれて座った格好になった泰子が俺を見上げる。
そのとき俺はのぼせていたんだ。そこそこ長湯して、子供みたいにお湯の中で息を止めたりしてたから。

「ひど~い・・・竜ちゃん急に、ぁ・・・・・・・・・・・・・・・」

だから

「なんだよ・・・早く立って・・・・・・・・・」

泰子の目線の高さでブルンブルン揺れている自前の高須棒のことをすっかり失念していた。

33:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 01:35:09 6/cRYRk1
「「・・・・・・・・・・・・」」

無言の俺と泰子。沈黙が痛い・・・・・・
空気を読んだのか、それとも読めなかったのか無駄に元気だった高須棒が首を下ろしていく。
食い入るように見つめている泰子の顔もつられて下がるっておい!

「うおぉお!? ち、違うんだ泰子!これは!」
「ち、違うの竜ちゃん! やっちゃんはべつにぃ・・・」

2人いっぺんに口を開いて意味不明なことを喋っている。
きっと近所の人は朝っぱらから風呂場で騒いでるうちのことを、これからは生温かい目と見えない壁越しに接してくるんだろう・・・

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

今俺は泰子の髪を洗っている。
あの後、変なことを言いまくってお互い気まずくなってしまい、とりあえず泰子の体を洗う方向でさっきの『事故』は流された。
あれから俺はずっと顔を赤くしているし、泰子もなんだかモジモジして落ち着きがない。

「・・・・・・泰子、頭流すぞ」

「うん・・・」

こんな感じで必要最低限の言葉以外、なんだか話しかけ辛い。
風呂用の椅子の上で小さくなってる泰子の頭にシャワーをかけて泡を流し、次にヘアコンディショナーを軽く馴染ませてからまた流す。
今度は石鹸を手に取って泡立てて

「顔、洗うからな。目ぇ開けるなよ」

「ん・・・・・・」

力は入れないで撫でるみたいに洗ってやる。柔らかい・・・って何考えてんだ俺は・・・
これを流すと今度は・・・

「泰子? 首から下はどうする? べつに今日は背中とかだけでも」

「うぅん。気持ち悪いから背中だけじゃなくってぇ、他も洗ってほしいんだけど・・・」

「・・・・・・分かった」

昨日からの経験で、こうなったらもう泰子は絶対に考えを変えないって知ってる。
無駄にあーだこーだ言ってる時間の方が勿体無いから、割と素直に引き受ける。
俺は石鹸を含ませて泡立てたスポンジを、まずは1番洗いやすそうな背中に持っていくと

「じゃ、洗うな」

少しだけ強めに擦ってやる。背中だしこのくらいなら平気だろう。
昨日抱き上げた感触の通り、あまり無駄な肉は付いてないけどスベスベする。
背中をまんべんなく洗ってやると、不意に泰子が話しかけてきた。

34:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 01:35:49 6/cRYRk1
「竜ちゃん、力強くなったね~・・・子供の頃は力一杯やっちゃんの背中流してくれてたけど、
 やっぱりちいちゃかった頃とは全然違うね」

「当たり前だろ? 俺だってもう高2だぞ」

チラッと「高2のくせに母親と一緒に風呂入ってる俺って・・・」とか考えたがすぐに頭を切り替える。いい加減慣れろよ・・・

「うん。だからねぇ、やっちゃんも竜ちゃんとお風呂入るのって、ホントはすっごく恥ずかしいの」

・・・・・・・・・はぁ?

「・・・だったら」

「けど、竜ちゃんといっしょにお風呂に入りたかったの。
 いつもお店の服着てるの見られてるし、あんまり変わんないと思ったんだけどぉ・・・やっぱり恥ずかしいね」

そう言ってハニカむ泰子の顔は、気がつかなかったけど俺と同じくらい真っ赤で・・・
俺は反対の腕を取ってスポンジを滑らせながら

「俺はもっと恥ずかしいんだぞ。母親とは言えこの多感で繊細な時期に女と入浴して、
 お婿に行けなくなったらどうしてくれるんだ?」

恥ずかしい上に寒い冗談を言ってみる。泰子も最初ポカーンとしてたけど

「・・・ふふ、そうなったら竜ちゃんとずーっといっしょに居られるね。
 あ、なんだかいいなぁそれ・・・やっちゃんが働きに出てぇ、竜ちゃんがお家のことしてくれてぇ・・・」

反応すんのはそっちの方かよ。
まぁいい、乗ってやれ。

「それって今と全っ然変わってねぇじゃねぇか! 俺はそこまで甲斐性無しか!?」

今度は泰子の前に回って、目を合わせて喋る。
手は泰子の足を洗うために動かしているけど、今は不思議と恥ずかしくない。
泰子は俺のツッコミに笑いながら

「だって~、なんだかその方がしっくりくるしぃ・・・
 だったらやっちゃんがちゃんと奥さんやるからぁ、竜ちゃんがお仕事に出る?」

そう言って、ズイっと顔を寄せてくる。近いっての。
内心の緊張を顔には出さないようにしながら泰子に返す。

「泰子が『ちゃんと』炊事、洗濯、掃除ができるんならな」

「それってぇ、やっちゃんが『ちゃんと』お家のことできないみたいに聞こえるんだけど・・・」

「そう言ったけど? それとも俺よりこなせるのか? 家事」

35:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 01:36:47 6/cRYRk1
泰子がまたほっぺた膨らませてるけど、自分でも俺より家事をこなせる自身が無いのか「ぶ~」とか呻いてる。
きっと手が使えたならペチペチ叩いてきただろう。裸だと何気に痛そうな気がする。
さっきみたいな気まずい空気が消えたのを肌で感じて、泰子にこう切り出す。

「・・・じゃ、前・・・洗うぞ? いい加減温まってたのが冷めちまうし・・・」

それ以上言わなくても分かったんだろう。泰子も

「・・・・・・うん。お願い、竜ちゃん・・・」

言い終える前に目を瞑る。俺も泰子もまた顔が真っ赤だけど、いやな感じはしない。
ゆっくりとスポンジを首筋にもっていって撫でてやる。

「・・・・・・ん・・・くすぐったいよ」

「我慢しろ。すぐ済むから」

身じろぎする泰子に空いている方の手を回して動かないようにする。
スポンジを今度は胸元に滑らせて

「ぁ・・・・・・んん・・・はぁ・・・・・・あ、ん・・・・・・・・・」

泰子が出す声を必死に意識しないようにしながら、胸を丁寧にさすってやる。
硬い突起がスポンジ越しに伝わってくるが、俺だってあんなに間近で見られたんだ。おあいこだって。

「・・・くふ・・・ふふふ、りゅ、竜ちゃん」

「すぐだってば」

わき腹を通って・・・

「あ、そこ・・・・・・だめ・・・んぅ・・・・・・あっ・・・」

最後に下を洗って、ようやく終了した。

「終わったぞ。泡、流すな」

「・・・・・・・・・・・・うん」

泰子の顔は見ない。見なくても真っ赤だって分かるし、俺の顔が赤いのも見てほしくないから。
体中の泡を流してやってると、モザイクが取れてくみたいでなんだかエr・・・いかん、しっかりしろ俺。
泡を流し終わった泰子をお湯に入れてやる。

「じゃあ俺、先に上がって着替えて用意してるから。温まったら呼んでくれよ」

そう言って風呂場を後にする俺に、

「うん。ありがとう、竜ちゃん」

笑顔で返事を返す泰子が・・・まぁ、可愛くって・・・恥ずかしくって変なにやけ面で応えてしまった。他人が見たら通報するだろう。
浴室と脱衣所を仕切るドアを閉めて体を拭いていると



「・・・お湯・・・汚しちゃったかなぁ・・・」



よく聞こえなかったけど、そんな声が聞こえた気がした。

36:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 01:38:03 6/cRYRk1
微エロを目指した結果がこれっていう・・・サーセン
ホントはもっと先まで話を進めたかったけど長くなっちゃったんで投下
次は遅くとも今週中には投下予定

37:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:38:51 uewZDs5M


38:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:50:00 PcI+R28/
GJ
もうなんて素晴らしい投下祭りの連続。
もう感涙ですね(´;ω;`)ブワッ

39:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:55:33 b9yhQk6j
さて、俺も投下逝くぜ( ゚∀゚)
大河が怖いです。ヤンデレです。

「写真と狂気」

きっかけは一枚の写真だった。
竜児がそれを締まりのない顔で眺めているのを見つけた時、あたしは我を忘れてしまった。
思えばこれが罠だったんだ…
「竜児、なに、この写真は? アンタ、いつみのりんを隠し撮りしたんだっ!」
隠し撮りなんかしてねえよ、普通に櫛枝に貰ったんだ、慌てた表情でそう言い訳する竜児を見た時、
あたしの中で、何かが、切れた。
「なんであたしがいるのに、みのりんの写真なんかでするのよっ!」
「バカ野郎っ! おまえの見てる前でそんなことするわけねぇだろうが」
そんな意味で言ったんじゃない…という言葉が出かけて、あたしは慌てて口をつぐんだ。
竜児が意味を取り違えてくれて助かった。
気持ちを落ち着けるべく、1つ深呼吸すると、あたしは竜児に向かってこう言ってやった。

「みのりんの写真をおかずにするな! このエロ犬!
男なら正々堂々と告白して、みのりんを彼女にしてみせろっ!
そしたら好きなだけ、見せたり触らせてもらえばいいでしょ!」

この言葉が、あたしと竜児の運命を変えてしまった。

40:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:56:03 b9yhQk6j
この日を境に竜児は、少しずつ、そして着実に自分を変えていった。
これまでは、みのりんに話しかけられただけでテンパったり、話しかけられずに物欲しそうにみのりんを
見ていることが多かったけど、積極的に自分から話し掛け、みのりんとコミュニケーションを取っていた。
竜児は自分が、人から好意を持たれるような人間だと思っていない。
そう思わざるを得ないことが、これまで何度もあったのだろうし、それが竜児を奥手にしていた原因でもある。
ロクに中身を知ろうとしないバカどもから、勝手に怖いヤツ、とっつきにくいヤツだって敬遠されてきた。
あたしは竜児のいいところを、ちゃんと知っている。それは多分、みのりんも同じだったはず。

そんな竜児の努力が効を奏したのか、2人の関係は急速に進展していった。
本来喜ぶべきことなのに、あたしは2人が仲良くなっていくのを、素直に喜ぶことが出来なかった。
そんな私の気も知らず、竜児は散々、みのりんとののろけ話を聞かせてくれるようになった。
本心を悟られないよう努力しながら、適当に相手していたけど、正直あたしの心はもう限界に来ていた。

そしてついに、その日は来てしまった。
竜児が告白し、みのりんが告白を受け入れて、晴れて2人は恋人同士になった。

「…思えばあの時の大河の言葉で、俺、頑張らなきゃなって踏ん切りつけられたんだよな。
ありがとう大河。櫛枝に告白できたのはお前のおかげだよ。お前も北村とうまくいくといいな」

真剣な目をしてこう言う竜児の顔を、あたしはきちんと見ることが出来なかった。
この時のあたし、どんな顔してたんだろ。
気力を振り絞って、竜児にこう言ってやったことは覚えている。

「当然よ、あたしに感謝しなさいこのバカ犬!
ただ感謝するだけじゃダメよ。ホントに恩を感じているなら、これまで以上にご主人様のあたしに尽くしなさい!」
あと、ばかちーにハァハァして、みのりんを泣かせるようなことしたらぶっ殺すからね。肝に銘じておきなさい!
…相変わらずキツイなお前、そう言って苦笑いする竜児に、あたしは言葉を続けた。
「でも、あんたにしちゃ、よくやったじゃない。正攻法でみのりんを彼女にした、その根性と努力は認めてあげるわ」

その日、竜児の家で食べた夕食は、美味しいはずなのに全然味が分からなかった。

41:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:57:04 b9yhQk6j
家に帰った私を襲ったのは、強烈な後悔の念だった。
自分のあの日の発言が、まさかこんな結果につながるとは思っても見なかった。
正直私は、竜児とみのりんが、恋人になれるとは思っていなかった。いや、言葉を偽るのはいけない。
2人には…恋人になって欲しくなかった。
あたしがどんな形であれ竜児の隣に居続ければ、いつか竜児は振り向いてくれると信じていた。
あたしが竜児のことを好きなのを、みのりんが悟ってくれれば、竜児のことを諦めてくれると思っていた。
我ながら嫌な女だ。竜児に好かれる努力を何もしなかったくせに、みのりんを選んだ竜児を許せない。

何でこんなことになっちゃったんだろう。
どうも、何かがおかしい。
今までの竜児との関係を考えれば考えるほど、こんな結末はおかしいとしか思えない。
こんな結末があっていいわけがない。
あたしは知らないうちに、誰かに嵌められたんじゃないだろうか。
よく考えるんだ。裏で糸を引いている誰かの存在を。
堂々巡りして、悩んで悩んで考えた末に、ようやくあたしは気づいた。気づいてしまった。
灯台下暗しとは、まさにこんな状況を言うのだろう。
この時のあたしはどんな顔をしていたのだろう。

あたしは今まで、みのりんのことを無二の親友だと信じていた。
こんな性格のおかげで、あたしには心を許せる親友というのが、今までほとんどいなかった。
だからあたしを色眼鏡で見ず、天真爛漫に接してくれるみのりんのことが大好きだった。
思えばこの出会い自体が罠だったんだ。

そもそもみのりんはこれまで、あたしに何をしたのだろう。
父親との仲を取り持つふりをして、結果、見事にそれを断ち切ってくれた。
思えばあの異常なハイテンションと天然ぶりも、本性を隠すため、周到な計算の下でのカモフラージュだろう。
そしてこの女は、あたしの大事な、大好きな竜児までも、あたしの手から奪っていった。
あの写真…そう、あの写真だ。
おそらくみのりんは、いずれあたしがあの写真を見つけることも、竜児になんて言葉をかけるのかも
すべて計算していたに違いない。
あたし自身の手で、2人の中を後押しする結果を導き出させれば、文句も言えないし、嵌められたことすら気づかない。
なかなかやるじゃない、みのりん。アンタ…ばかちーなんて足元にも及ばない策士だよ。
アンタのことを大親友だと思っていたあたしがバカだった。あはは、あはははは…

…この代償は高くつくよ、みのりん。
アンタ1人だけ幸せになるなんて絶対許さない。
こんな女を彼女に選んだ竜児も許さない。
ポロポロと涙を流しながら哄笑する少女は、すでに正気を失っていた。

42:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:58:17 b9yhQk6j
異常です、もとい、以上です。
個人的には甘~い話が好きなのですが、たまにはこんなのもいいかなと。

43:名無しさん@ピンキー
08/11/26 02:01:39 PcI+R28/
うーむ。後日談が恐ろしいことになるだろうが、それは想像に留めておこう。GJ

そして俺は何回GJを言えば良いんだw 最高だぜフゥハハハーハァ

44:名無しさん@ピンキー
08/11/26 02:06:02 4iOEYc0I
GJが追いつかないんだが…

45:名無しさん@ピンキー
08/11/26 02:31:51 rnQdkf4h
投下がマッハだな。いいぞ、もっとやれ

46:名無しさん@ピンキー
08/11/26 02:45:31 5QceqiN7
タイガーデイズの再来かと思ったぜ!GJGJGJ!!!

47:名無しさん@ピンキー
08/11/26 02:51:29 Nj38pjTy
>>15 地の部分の大河の描写が素敵でした
>>27 背徳感がたまりません、竜児はどこまでいくのだろうかw
>>39 言葉にしにくいですが……すれ違い、食い違い、それとも思い込み?
   歯車が色々と狂った結果がこれだよ!ってことですかね

新スレ祝砲三発乙です
それぞれ色の違う作品で感涙


48:名無しさん@ピンキー
08/11/26 03:03:15 veuxi5iw
>>39乙。原作は未読と見た

あたし ってなんかスイーツみたいね

49:名無しさん@ピンキー
08/11/26 03:27:13 7mdocxbe
原作を読んでいたとしても、妄想してかまわないと思うのだが?
例えば、高校を卒業した後とかなら、状況は変わるし、心も変わると思う。

50:名無しさん@ピンキー
08/11/26 04:43:54 BI+eBDbq
>>27
泰子の顔の前に高須棒がきた時点で、ガチエロパロを期待したぜ
そっちにいかなかった素晴らしさを褒めるとともに
今まで抑えてた分ガチにいってもエロとしては傑作だったのにとだけ伝えとくぜ

51:名無しさん@ピンキー
08/11/26 05:38:20 nooJVCut
>>49
一人称が違うのよ

52:名無しさん@ピンキー
08/11/26 05:50:58 XSEX8yMe
みんなGJ

大河は「あたし」ではなく「私」だよ。
気にする人は気にするし、もともとはライトノベルのエロパロだったから違和感あるのかも。


参考までに
大河→私
竜児→俺
みのり→私
亜美→あたしor亜美ちゃん
裸賊→俺
奈々子→あたし
麻耶→あたし
兄貴→私
独神→先生
泰子→やっちゃん

竜児が耳にする、一人称はこんな感じ。

ついでなんでに田村くんも
田村→俺
まっちゃん→私
相馬→あたし
高浦→俺
伊欧→私
あえて外すのもアリだとは思うけど、一応基本はこんな感じ。

53:名無しさん@ピンキー
08/11/26 06:04:48 BelzdQLi
>>52
俺は基本的に全キャラ『私』で統一してるな。
単に『あたし』って呼び方が気に入らないだけだけれど。

54:名無しさん@ピンキー
08/11/26 06:20:21 XSEX8yMe
>>53

まぁ、あくまで参考なので。
僕は原作の一人称どおりにしすぎてミスったなって後悔してるので…。

55:名無しさん@ピンキー
08/11/26 08:23:50 H0Y8vV5n
IDがSEX!

56:名無しさん@ピンキー
08/11/26 15:04:21 WcNppXcW
>>1


…おかしいな。つい最近書いた気がするんだが。
ここゆゆぽのスレだっけ?

57:名無しさん@ピンキー
08/11/26 17:47:44 SiZiITxX
>>56
何言ってんの?

58:名無しさん@ピンキー
08/11/26 18:07:50 veuxi5iw
>>56
とらドラ!ネタバレしながら~のスレか?

59:名無しさん@ピンキー
08/11/26 18:50:20 gKiPuAsB
56は>>1乙ってつい最近書いた→スレの流れが速いってことを言いたかったんじゃね?
最近は投下ラッシュが凄かったからな

60:名無しさん@ピンキー
08/11/26 18:57:15 dPHuBYL2
>>1000行かずなんて、投下多くて雑談少なかったってことか
みんなすげえな

61:名無しさん@ピンキー
08/11/26 18:59:02 SiZiITxX
>>59
それだと56の「ここゆゆぽのスレだっけ?」発言の謎が解けない

62:名無しさん@ピンキー
08/11/26 19:01:38 TBnXd3EC
最近の投下ラッシュについて全職人GJ!!!

だが、SSに死○なんて単語が入ってると即効であぼ~んされるから困るwwww
○ねって単語嫌いでNGに設定してる自分のせいなんだがwwww

63:名無しさん@ピンキー
08/11/26 19:14:25 JH5dZHM3
>>62
1レスだけとんでるならそこを想像で補えばいいと思います
それが終わったらあぼーんを解除してまた最初から読めば2度楽しめると思います

64:名無しさん@ピンキー
08/11/26 19:26:33 TBnXd3EC
>>63
まぁ、引用付きでレスする機能を利用して読むんだが・・・

>>61
ゆゆぽスレ→本来速くない
だからここはゆゆぽスレだっけ?って疑問に思ってるんだろ

65:名無しさん@ピンキー
08/11/26 19:40:06 gKiPuAsB
>>59
ここゆゆぽのスレだっけ?→ゆゆぽのスレにしては流れ速くね?ってことだと俺は思った

>>16
乙 和んだというかほのぼのしたというかうまく言えないがGJ!

66:前スレ863
08/11/26 19:54:46 19QuWvfm
前スレで、亜美×竜児もの、26フレームを投下している途中に、
容量オーバーのエラーが出たので、こちらに残り20フレームを投下しますが、
宜しいでしょうか?
それとも、しきり直しで、最初から全部投下した方がいいでしょうか?


67:名無しさん@ピンキー
08/11/26 20:02:24 GgOFmvXh
>>66
お手数掛けてすまないが、
はじめから投下してもらえるとありがたい

68:前スレ863
08/11/26 20:05:15 19QuWvfm
>>67
諒解
帰宅して、再履行致します。

69:名無しさん@ピンキー
08/11/26 20:29:33 spDruzhO
個人的にやっちゃんネタは鼻血出そうになる。


70:名無しさん@ピンキー
08/11/26 20:29:58 qiJ7tiN5
>>68
ズバリあなたは理科大関係者でしょう!

71:名無しさん@ピンキー
08/11/26 20:35:56 veuxi5iw
容量限界寸前の前スレで無謀にも26に分けて投稿しようとしてた人に泣いた

72:名無しさん@ピンキー
08/11/26 20:36:41 GgOFmvXh
>>68
ありがとう!
>>70
ズバリあなたは瓶底メガネの学級委員長でしょう

73:名無しさん@ピンキー
08/11/26 21:16:23 TfdOeBb+
ところで、国木田って誰だ?

74:名無しさん@ピンキー
08/11/26 21:16:34 +zHaXNtj
『竜児のお弁当』

竜司は最近体調が悪い。それが理由かは知らないが、
竜司の作る弁当は味もイマイチで質素で見映えの悪い物ばかりになっていた。
北村くんに見られるのが恥ずかしくて、毎日食堂へ行き、お弁当はゴミ箱へ捨てていた。
ある朝竜児が嬉しそうに「今日は大河の大好きな卵焼きを入れといたぞ」と私に言ってきた。
私は生返事でそのまま学校へ行き、こっそり中身を確認した。
すると確かに卵焼きが入っていたが焼き方もめちゃくちゃだし、彩りも悪いし、
とても食べられなかった。
家に帰ると竜児は私に「大河、今日の弁当美味しかったか?」としつこく尋ねてきた。
私はその時イライラしていたし、いつもの竜児の弁当に対する鬱憤も溜っていたので
「うるさいな!あんな汚い弁当捨てたわよ!もう作らなくていいから」とついきつく言ってしまった。
竜児は悲しそうに「気付かなくてごめんな…」と言い、それから弁当を作らなくなった。

それから半年後、竜児は死んだ。私の知らない病気だった。
竜児の遺品を整理していたら、日記が出てきた。
中を見ると弁当のことばかり書いていた。
「手の震えが止まらず上手く卵が焼けない」 日記はあの日で終わっていた。
後悔で涙がこぼれた。

75:名無しさん@ピンキー
08/11/26 21:38:03 SiZiITxX
>>74
こんなようなの見たことあるwwwww
本来泣けるはずが笑えたww

76:名無しさん@ピンキー
08/11/26 21:42:00 A2X6pym2
URLリンク(s-empty.sakura.ne.jp)

77:名無しさん@ピンキー
08/11/26 21:44:12 qQ68l5H8
>>74
なんぞこれwwwwGJwwww

78:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:05:54 TBnXd3EC
私の母は昔から体が弱くて、それが理由かは知らないが、
母の作る弁当はお世辞にも華やかとは言えないほど質素で見映えの悪い物ばかりだった。

ではじまるコピペ改ざんじゃねぇかwwwwwww
しかも海老じゃなくて卵焼きになっとwwwww

79:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 22:06:59 6/cRYRk1
前スレの埋めネタ用に書いていたSSを投下
やっちゃんSSの大河視点での一幕のつもり

80:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 22:07:31 6/cRYRk1

「やすドラ? 外伝~その時虎は~」

最近私は寝たふりをしながら、竜児が起こしに来てくれるのを待ってる。
前は気にもしなかったけど、寝起きのだらしない格好を見られてたんだって考えたら急に恥ずかしくなっちゃって・・・・・・
それからはどんなに眠くっても竜児が来てくれる時間の少し前には目を覚まして、
鏡の前で軽く髪を梳かしたり、変なところが無いかチェックしてからまたベッドに寝そべって竜児を待つことに決めたの。

玄関が開く音がするとドキドキしながら目を瞑って、にやけちゃいそうになるほっぺに力を入れて寝顔を作って・・・
部屋に入ってきた竜児が声をかけてもすぐには起きないで、肩を優しく揺すってもらってから
起き出すのがお気に入りだったんだけど・・・・・・

今日に限って、いつもの時間に竜児が起こしに来てくれなかった。

「なんで今日はちゃんと起こしてくれないの?」

登校時間をとっくに過ぎてから大声を出して私の部屋に飛び込んできた竜児に、今目を覚ました風を装って目を擦りながら訊いてみた。

・・・ホントは、竜児が起こしに来てくれないのは『・・・まさか先に学校に行っちゃったのかしら?』とか、
『ひょっとして、もう私を起こしに行くのが面倒になったのかな・・・』なんて思うと怖くって・・・
でも、今更1人で起き出すきっかけも見当たらなくて・・・

(こんな事なら今日くらい寝てるふりなんかしないで、私の方から竜児の家に行けば良かった・・・)

そんなことをベッドの上で丸くなりながら考えていると、「大河ぁぁぁあ! 遅刻だ、起きろ!」って言いながら竜児が駆け込んできた。

(竜児、ちゃんと来てくれたんだ・・・・・・)

いつもより遅くなっても、自分も遅刻してても、私を起こしに来てくれた竜児が嬉しくって涙がこぼれた。
だから、目を擦ってたのはちょっとだけ流れちゃった涙を拭いていたから。
竜児に訊いた事も、責めてるんじゃなくて泣いてるのを気付かれたくなかったから。

その後竜児が簡単に事情を説明してくれた。
来るのが遅くなった理由も、やっちゃんがケガしたんじゃ仕方ないわね・・・
嫌われたとかっていう理由じゃなくてホッとしたら、少しだけ意地悪したくなって、
わざと不機嫌な顔をして竜児を困らせてやった。

81:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 22:08:17 6/cRYRk1
(やっちゃんがケガしちゃったのは可哀想だし、それで起こしに来たのが遅れたのも仕方ないけど・・・私だって不安だったんだからね)

その内竜児が見た目だけなら凄く不機嫌そうな、でも本当は困った顔して「何でも言うこと聞くから」って言ってきた。
そんな事言わせるつもり無かったけど、私を不安にさせた罰よ。そう思うことにしたわ。
だって、竜児が来るのを待ち焦がれて不安になってたなんて・・・
うん、これは絶対竜児のせい。そうそう。だから何でもお願い聞いてもらうのは当然なのよ!

思いがけず良い事もあったし、そろそろいいかしら?
いつまでも困らせてるのも可哀想だから、私は演技でしてた不機嫌さを引っ込めて、心の底から出てくる笑顔で竜児に話しかける。
竜児は最初何を命令されるかビクビクしてたみたいだけど、考えとくから今度にするわって言うとあからさまに安心してた。
一体どんな無理難題を言われると予想してたのかしら? 私がするお願いはそんなに恐いの? 駄犬?

まぁいいわ。その・・・ちゃんと来てくれたんだもん。ホントはそれだけで十分だから、大目に見てあげる。特別よ?

しばらくして竜児がやっちゃんのところへ戻っていった。これから一緒に病院へ行くみたい。
時間もけっこう経っちゃったし竜児も休むようだからサボっちゃおうかなー・・・
そんな考えを見透かされたのか、部屋を出る寸前のところでちゃんと学校へ行くように釘を刺して、竜児は帰っちゃった。
ホントはあんまり乗り気じゃないけど、風邪でもないのに休むのも気がひけるし、授業を受けに行こうかしら。

(べ、べつに竜児の言いなりになるわけじゃないんだから・・・学校にはみのりんだって居るんだし)

誰に言ってんだか分からない言い訳をしながら、ふと思いついた。
明日は竜児が起こしに来てくれる前に身支度とかを全部済ませとこうかな? もしかしたら誉めてくれるかもしれないし。
うん、いいかもそれ。それにやっちゃん手をケガしたみたいだから、今日帰っていろいろお手伝いすればもっと誉めてくれるかな?
ひょっとしたら「ありがとうな、大河」って言って、ぎゅってしてくれるかも・・・・・・

「・・・・・・えへへ・・・」

明日は絶対早起きしよう。それに聞いてもらうお願いも考えとかなきゃ。
ご主人様にこんなに思われて、駄犬はなんて幸せなのかしら。
照れ隠しにそう呟いて、私は久しぶりに1人でみのりんとの待ち合わせ場所まで歩いていった。

82:174 ◆TNwhNl8TZY
08/11/26 22:08:48 6/cRYRk1
じゃ、やっちゃんSSの続き書いてきます

83:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:09:53 Ci+yr09H
>>74
これ見て鬱だ死のう病になった私は素人ってことかw

84:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:22:31 dPHuBYL2
乙、あみドラはまだですか?

85:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:22:53 SiZiITxX
>>83
もっと鬱になるコピペはいっぱいあるゾw

母ちゃん氏ぬ系はやばい

86:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:24:08 4FgdlCTX
カーチャンネタはやめてくれw

87:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:24:40 SiZiITxX
>>79
GJでした

>>83
もっと鬱になるコピペはいっぱいあるゾw

特に母ちゃん氏ぬ系はやばいな

88:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:25:57 SiZiITxX
重複して書き込んじまった・・
すまん

89:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:27:42 bLo/2y+C
>>79
GJGJ

90:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:28:17 IVUkEMGa
>>82
氏の書くやっちゃんと大河とホモ裸族は大好きだ

91:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:29:23 53atshVl
俺もコピペネタやってみた

大河に「牛タンってウマイよな」って言ったら、
「うん、人間の舌も牛タンだったらいいのにね」って言われた。

「そしたら何も食べてなくても、常に牛タンの味がしておいしいのに」だって。
たしかに、人間の舌っていつも口の中にあるのに味がしないなー。

大河と話し合った結果、それはもしかすると
ずっと同じ味の舌が口の中に入ってるから味覚が麻痺してるんじゃないか?
ということになって、お互いの舌を舐め合って確かめてみることにした。

そしたらすごい!大河の舌おいしい!!まろやか!
お互いに相手の舌を舐めながら「おいしいよー」「おいしいねー」
「デリシャスだよー」「デリシャスだねー」ってやってたら、
だんだん

(省略されました 続きを読むにはデリシャスデリシャスと書き込んでください)

92:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:29:54 jKi4bgwN
デリシャスデリシャス

93:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:31:18 Qi6zCuDf
>>91-92
www

94:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:32:35 SiZiITxX
デリシャスデリシャス

95:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:35:07 4FgdlCTX
デリシャスデリシャス

96:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:38:14 IVUkEMGa
デリシャスデリシャス

97:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:50:58 odQU7EKq
デリシャスデリシャス

さらに燃料を追加
URLリンク(youkan-hh.sakura.ne.jp)

98:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:52:10 5ebPgROg
デリシャスデリシャス

99:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:52:38 kecqeWSg
やっちゃんSS、作品としては素晴らしいと思うんだがどうにも受けつけない自分がいる

理由はわかってる。俺の母親の名前もやっちゃんと同じ名前だからどうしても複雑な気持ちに…



100:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:55:33 UNKSSOQl
画像はどう考えても板違い
よそでやってくれ

101:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:56:54 v5l2prJz
>>99
それこないだも言ってなかった?

>>82
GJ
そうして帰ってきた大河が見るのが
やっちゃんと一緒に寝てる竜児なんですね、わかります

102:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:57:35 fyxnIKmb
ヒロインが自分と同じ名前だったときもあれだぜ…

103:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:59:58 fyxnIKmb
>>100
所でIDすごいですね

104:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:03:54 Y6iJ5UTW
氏ね氏ね言われる名前よりマシだろ

105:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:05:43 S78JEpsH
26レス(亜美竜)の投下がこっちにも来てないのか……
もしや容量オーバーに気づいていないんだろうか。

106:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:27:55 LoStaiLC
>>66

107:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:33:28 S78JEpsH
oh,流れが速すぎて飛ばしてた。
なんか最近すげえなあ。

108:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:36:18 SiZiITxX
俺もコピペ便乗してみた。
亜美と竜児が結婚してる設定で、しかもかなりキャラ崩壊してるから見たくない人は見ないで


***

亜美は,今日も仕事で疲れきって,遅くなって家に帰ってきた。すると,彼の夫、竜児がドアのところで待っていたのである。彼女は驚いて言った。
「まだ起きていたの。もう遅いから早く寝よ」
「亜美。寝る前に聞きたいことがあるんだけど」
「なに?」
「亜美は,1時間にいくらお金をかせぐの?」
「竜児には関係ないことでしょ」亜美はイライラして言った。
「なんだって,そんなこと聞くの?」
「どうしても知りたいだけなんだ。1時間にいくらなの?」竜児は嘆願した。
「あまり給料は良くないよ・・・20ドルくらいかな」
「わあ」竜児は言った。「ねえ。亜美。ボクに10ドル貸してくれない?」
「なんだって!」疲れていた亜美は激昂した。「竜児が何不自由なく暮らせるためにあたしは働いているんだよ。それが金が欲しいだなんて。だめよ!早く部屋に行って寝なさい!」
竜児は,黙って自分の部屋に行った。

しばらくして,亜美は後悔し始めた。少し厳しく叱りすぎたかもしれない...。たぶん,竜児はどうしても買わなくちゃならないものがあったのだろう。それに,今まで竜児はそんなに何かをねだるってことはしない方だった・・・
亜美は,竜児の部屋に行くと,そっとドアを開けた。
「もう,寝ちゃった?」亜美は小さな声で言った。
「ううん。亜美」竜児の声がした。少し泣いているようだ。
「今日は長いこと働いていたし,ちょっとイライラしてたの・・・ほら。竜児の10ドルだよ」
竜児は,ベットから起きあがって,顔を輝かせた。「ありがとう。亜美!」
そして,竜児は大きな手を枕の下に入れると,数枚の硬貨を取り出した。
亜美はちょっとびっくりして言った。「ちょっとぉ。もういくらか持ってるじゃない」
「だって足りなかったんだもん。でももう足りたよ」竜児は答えた。そして,10ドル札と硬貨を亜美に差しのべて...
「亜美。俺,20ドル持ってるの。これで亜美の1時間を買えるよね?」

109:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:43:05 5ebPgROg
>>108
wwwww崩壊しすぎwwwwww

110:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:45:01 PcI+R28/
>>108
おいおいw 亜美が竜児の母親じゃないかwww
疲労困憊の竜児が大河につい怒鳴って的な流れでセリフもらしく変えたならそれなりに自然になると思うんだ。

111:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:45:53 bLo/2y+C
>>108
ちょっと別人すぎて竜児や亜美っぽくないな

112:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:47:26 SiZiITxX
確かにwwww
サーセンwwwwwww

113:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:48:21 LoStaiLC
竜児とやっちゃんでやったらまんまだけど無茶苦茶ハマりそうだな

114:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:54:37 IVUkEMGa
>>108
せめて口調とかお金の単位を変えようぜwwww

そんな事より北村よ、ちょいと聞いてくれよ。流れとあんま関係ないけどさ。
このあいだ、学校で三人娘と屋上で飯食ったんです。三人娘。
そしたらなんか囲まれてめちゃくちゃでカオスなんだよ。
で、よく見たらなんか扉の鍵とか閉められてるし、逃がしてあげないから、とか大河が言うんですよ。
もうね、怖いと。来なきゃ良かったと。
お前らな、三人で一人の男囲って襲おうとするなよ、マジで助けて。
三人だよ、三人。
なんか乱交とか言ってるし。女三人で男一人か。体もたねーよ。
よーしみのりん竜児の童貞奪っちゃうぞー、とか言ってるの。もう本当に逃げたい。
お前らな、ご飯やるから逃がしてくれと。
昼食時ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
一人で飯食ってる独身と向かい側の既婚者の愛妻弁当でいつ喧嘩が始まってもおかしくない、
狩るか狩られるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。三人娘は、面談室へ行ってください。
で、事が終わってやっと解放されるかと思ったら、川嶋が、まだ足りない、とか言ってるんです。
そこでまた絶望ですよ。
あのな、そんな何回もでねーんだよ。マジで。
物欲しそうな顔して何が、まだ足りない、だ。
お前らはいつ俺を解放する気になるのかと。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前ら、午後の授業サボる気なんじゃないんかと。
昼飯通の俺から言わせてもらえば今、昼休みの醍醐味と言えばやっぱり、
お茶、これだね。
お昼の後の一服。これがお昼の醍醐味。
お茶はお昼の区切りの至高の一服。そん代わり次からまた授業と言う絶望感に襲われる。これ。
で、それに予鈴のチャイム。これ最強。
しかしこれをやるとだんだんと昼休みが嫌いになってくる、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあ親友のお前、北村は、早く俺をかくまってくださいってこったうわなにする大河に櫛枝と川嶋やめr。

115:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:55:54 VI0FoIKI
>>113
やっちゃんが子供役ですね。分かります。

116:名無しさん@ピンキー
08/11/27 00:18:14 VEvSF4BO
>>114
口調とかキャラとか変えなかったのはあえてでウケ狙いだったんだけど、失敗してあーなった。でも後悔はしてない。

117:名無しさん@ピンキー
08/11/27 00:22:19 mJuYpTs4
>>114
吹いた俺のコーヒー返せwww

118:名無しさん@ピンキー
08/11/27 00:52:52 czuW0tU4
前スレの「川嶋亜美の暴発」の続きまだー?
6/26で上限に達してて生殺し状態なんだが・・・

119:名無しさん@ピンキー
08/11/27 01:43:36 pGpLYahm
勢いに任せて、人生初のssを書いてしまったんだが
投下してもよいものか。
カップリングはなしなんだぜ。

120:名無しさん@ピンキー
08/11/27 01:45:28 4Nr3enTy
>>119
今投下せずにいつ投下するんだい?
GO!GO!

121:名無しさん@ピンキー
08/11/27 01:50:43 pGpLYahm
なら、投下するぜ。
文が下手なのは勘弁してくれな。

『本性バレ』

「なぁ、高須。昼の放送にでてみないか?」

そう出し抜けに北村から言われて、竜児は驚いた。
なぜ、北村が急にそんなことを言い出したのかがわからなかったのだ。
「お、俺が?昼の放送に?…なんでまたそんなことを」
「いや、みんなが高須に持っているイメージをどうにか払拭したくてだな。みんな変なイメージを高須に抱きすぎだと思うんだ」
…まぁ、それは、確かに。何も苛ついてなどいないのに、目を向けた人から怯えられるというのは日常茶飯事だ。
それは、ただ単に自分の目つきがどうしようもなく悪い故の出来事であって。たとえ自分が殴り合いのケンカなど一度もしたことがなくとも
この目は、見る人に常勝無敗(路地裏のケンカ的な意味で)なすさまじい恐怖を与えるのだ。
「だけど、今更じゃないか?今、俺に対するみんなのイメージが変わっても…」
そう弱気になる竜児に、北村は言う。
「今だからこそだ。本当は、ずっと前から高須の名誉挽回策は考えていたんだが…。いかんせんタイミングがなくてな。決行に至らなかった」
「いや、名誉挽回策って…」
「そこで、俺が生徒会長になった今、昼の放送を通して高須の本当の姿をみんなに知ってもらおうというわけだ!」
自信ありげに言う北村。
「…何でそんなに俺の事を気にかけるんだ?俺のイメージが変わったってお前は何も得しな「それは違うぞ、高須」
竜児は北村の真面目な表情に言葉をなくす。
「俺はもっとみんなにお前がいい奴だと知ってもらいたい。俺の友人はこんなにもできた奴なんだと自慢したいんだ」
その言葉に不覚にも竜児は感動してしまって。俺はそんなほめられる奴じゃ…とは思いつつも
「お、おう」
と、了承の返事をしてしまったのだった。

122:名無しさん@ピンキー
08/11/27 01:51:56 pGpLYahm
『あなたの恋の応援団!』

『こんにちは、今日も始まりましたみなさんの恋を応援するお昼のひと時。
 メインパーソナリティーの生徒会長、失恋大明神こと北村祐作です。
 今日は、特別ゲストとして僕の友人に来てもらいました』

『…二年C組の高須竜児です。よろしくお願いします』

『はい、それでは今日の一つめのお便りです。
 ラジオネーム、K・Yさん。
 『僕には今気になる人がいるのですが、その人に自分が近づいていいものかわかりません。
  その人を僕が傷つけてしまうのではないかと、不安で動けなくなるのです。
  どうすればいいのかわかりません。どうか僕を導いてください。』
 なるほど、これは難しいですね。好きだからこそ、自分が傷つけてしまうのでは…と不安になる。
 高須君はどうしたらいいと思いますか?』

『いきなり俺に聞くのかよ!?ちょ、ちょっと待ってくれ。すぐに考える。
 …あくまでも、俺の考えだが。距離が遠すぎるから、傷つけるんじゃないかと不安になるんだと思う。
 例えば、パンチとかは相手と距離があるから威力が増して痛いんだ。逆に、相手と距離が近いと腕が伸びきらずに、当たっても全然痛くない。
 だから、傷つけたくないと思うんなら思い切って距離を詰めてみたらいいんじゃないかと思う。
 それなら、痛い思いをさせないし、何より相手の声も聞こえるから』

『なるほど。思い切って近づいてみる、と。うじうじするよりはそれがいいのかもしれませんね。
 それでは次のお便『お前の意見はなしかっ!?』りです。
 ラジオネーム、教えて大明神さん。
 『今、自分には彼氏がいるのですが聞いてください。この前
  「例えば、湖の真ん中に二人乗りのボートがあって、それにあなたが乗っていて、目の前で私とあなたのお母さんが溺れていたらどっちを助ける?」
  と聞いたら、曖昧に答えを濁されて結局答えてもらっていません。やはり男の人はみんなマザコンなんでしょうか?
  それと、大明神だったらどう答えますか?』
 これもまた難しい質問ですね。高須君はどうですか?』

『いや、お前名指しされてるだろ!?何でそれを差し置いて俺なんだよ!?』

『ゲストですから』

『お、お前なぁ…!!』

『で、どうなんですか?教えて大明神さんからのお便りへの返事は?』

123:名無しさん@ピンキー
08/11/27 01:52:40 pGpLYahm
『…まぁ、答えるけどよ。というかそもそも、教えて大明神さんの彼氏が何で答えられなかったかがわからないんだが』

『ほう。高須君はすでに答えを持っていると言うことですか?それは興味がありますね。
 いったい彼女か母親のどちらを…』

『俺がボートから降りて、二人を乗せる。それでボートを岸まで押す』

『…は?』

『まぁ、泳ぎには多少の自信はあるし、湖だから波もないし大丈夫だろう。できればボートにタオルとかがあればいいんだが。
 濡れたままだと体に悪いしな。…あ、俺が降りる前に服を脱いで、それを使わせればいいのか』

『高須…』

『後は、温かい飲み物とか用意して…ん?なんだよ、北村。というか口調が戻ってるぞ』

『俺は、なぜ、お前に、今、恋人がいないのか、不思議でしょうがない』

『…何を言ってるんだ?お前』

『お前みたいな超優良物件は他にない!断言してもいい!!何でフリーなんだ!!』

『いや、それは俺の外見がヤンキーというか何というかだな』

『そんな些細なことはどうでもいいだろう!!!なぜ誰もお前の内面を見ようとしないんだ!?』

『それを、俺に言われても…。というか、おい、北村?』

『ありえないありえないありえない俺が女だったら絶対付き合うぞ?優良すぎるだろ?というか男から見ても格好いいぞ?そもそも…』

『…失恋大明神がぶつぶつ言い続けてるので、今日の放送はこれでおしまいです。
 以上、『あなたの恋の応援団』でした。…これ俺がまとめてよかったのか?』


124:名無しさん@ピンキー
08/11/27 01:53:18 pGpLYahm

この後が大変だった。放送が終わって教室に戻ると、誰も俺と目を合わせようとしないのだ。
大河に「俺、何かしたか?」と問いかけても「ううううっさい、駄犬!!話しかけるな!!」と拒絶され
川島には「もうちょっと場所考えて本性だせよ、あーもうっ!!」と罵られ
実乃梨には「何て言うか、隠してた宝物の場所を暴露された気分だぜ…」と嘆かれた。

やっぱり俺のイメージは昼の放送ぐらいでは変わらなかった。
むしろ酷くなってないか、これ?北村の心遣いには感謝するが、以前より悪化してしまったようだ。
それにしても。
何で、みんな顔赤かったんだろうな?


それから、竜児が『天然タラシ』として名をはせたり、相談役として北村の地位を危うくしたりするのはまた別の話。


125:名無しさん@ピンキー
08/11/27 01:56:23 pGpLYahm
以上!!

書いてて思ったが、考えてることを文章に起こすのは難しい…。
やっぱssは壁が高いな

126:名無しさん@ピンキー
08/11/27 01:57:29 4PDO99Lj
何というイケメンGJ

127:名無しさん@ピンキー
08/11/27 02:00:26 cYiOF6ts
GJ!
これは全学年の女子がキュンときたに違いないw

128:名無しさん@ピンキー
08/11/27 02:01:47 PLgv0xnp
初めてとは思えないくらいよかったぞGJGJ!!
ハーレムエンドですね


129:名無しさん@ピンキー
08/11/27 02:14:22 4Nr3enTy
GJ!
これはよいものだ。
自分たちだけの宝物の価値をみんなに知られちゃったのは残念だよなw

130:名無しさん@ピンキー
08/11/27 02:15:24 /iJQ64XG
ほのぼの…とは違うけど、良いわ~

131:名無しさん@ピンキー
08/11/27 02:20:22 pGpLYahm
>>126->>130
GJと言ってもらえてうれしいwww
褒められると、次への意欲がわいてくるなww
個人的に竜児はものすごいイケメンだと思うんだ。漫画とか特に
ハーレムなのは自分の趣味…w

132:名無しさん@ピンキー
08/11/27 02:23:03 qYAjakKU
これはいいところに目を付けたSSだな(・∀・)イイ
この放送できっと、腐系の女子が喜(ry

133:名無しさん@ピンキー
08/11/27 02:38:44 0TzPCsyV
性格というか性質というか、そういう部分をうまく表現できていると思う。
いいですね。新鮮。
今までに無い話を読めた。
こういう話は好きなほうだ。

134:名無しさん@ピンキー
08/11/27 02:55:23 o3lwGrNA
GJ!だが裸族がもう少しホモっぽい方が好みd

135:名無しさん@ピンキー
08/11/27 03:11:19 qYAjakKU
さて、それじゃ俺も一発イキますか。
ジャンルは…調教もの?

犬の躾

「いい竜児? パンツなんてモノは、それで何を妄想しようとしょせんはただの布っ切れなの!
そんなものに一々心乱されたり、見えた見えないで動揺するなんて、まさに愚の骨頂よ!
アンタがそんなんだから、バカチワワに毎回毎回からかわれるの!」
…どうやら大河は、俺が川嶋のパンツを見たことを根に持っていらっしゃるようだ。
しかし何とも身も蓋もない意見だ。こいつは男の性情ってヤツに思いを致すほどの想像力がないらしい。
とはいえ、一々反論するとまたうるさいことになるので、とりあえず聞いているフリは…
「だ・か・ら、このご主人様自ら、アンタを躾けて少しはマシな飼い犬にしてあげるわ」
大河はそう言うと、俺の正面に陣取り、ペタンと体育座り…あ、白…っておいこら、見えてる見えてる。お前何を…
「いちいち喚くなっ! わざわざ見せてやってるんだから、目ん玉広げてよく見てなさい!」

「まったく…小学生や中学生じゃあるまいし、この程度で喚いたりハァハァするんじゃないの!
アンタ本当に、女に対する耐性無さ過ぎよ。みのりんの前じゃすぐにテンパるし、ばかちーには翻弄されるし…」
流石にそうはっきり言われると、俺の男のプライドが少々傷つく。良かろう、そんじゃ見てやろうじゃねぇか。
「これから2人の時は、恥ずかしいけど極力下着の見えるもの履いて、アンタの正面に座ってやるから。
少しは自制することを覚えなさい。あ…もし発情して私に襲い掛かったりしたら、容赦なく殺すからそのつもりで」

136:名無しさん@ピンキー
08/11/27 03:12:46 Pqxmuxu7
手乗りタイガーが可愛すぎる件について

137:名無しさん@ピンキー
08/11/27 03:13:31 qYAjakKU
まったくこいつは、口じゃ恥ずかしいだの何だの言いながら、羞恥心なんぞ欠片もないのかい。
興奮するどころか、半ば冷めてあきれ果てた俺の様子に気づいたのか、大河は俺を鋭い視線で一瞥すると、なぜかニヤリと笑みを浮かべ、
「…竜児、あんたそこに仰向けに寝なさい」
と言い放ちやがった。何をする気だ…と首をかしげると、すぐに自分の命令に従わなかったことに業をにやしたのか、
「さっさと仰向けに寝ろっ、このアホ犬!」
と怒鳴りやがった。お前声デカいって、犬だのなんだのと呼ばれる俺の身にもなってくれ、隣近所への世間体も…
心の中でぼやきながら仰向けになると、大河は俺の顔を跨いで立ちやがった。おいこら、なんてことを…と言うまでもなく、

「視覚訓練だけじゃダメね。触覚と嗅覚も訓練しなきゃ」
俺の視界は真っ暗になり、なにやらすべすべした感触と、ほのかな体温と、そしてなにやら…

「おいこら何をしやがる!」
そう言ったつもりだが、モゴモゴフガフガとしか聞こえなかっただろう。
「このアホ犬! ああ…有難く思いなさい。わざわざここに来る前にシャワーを浴びて…」
そこから先は声にならなかった。

138:名無しさん@ピンキー
08/11/27 03:14:30 qYAjakKU
「ねぇ竜児、面白かった? 興奮した? このシチュエーション」
なあ大河…川嶋のパンツを見たことは、もう何度も謝っただろ。だから…たまには普通にやらないか。
「ダ~メ! 私以外の女のパンツ見て、鼻の下伸ばした罰だから」

俺はいつまで責められるのだろうか。やれやれ。

139:名無しさん@ピンキー
08/11/27 03:15:44 qYAjakKU
どうやら大河さんのヤキモチのようです( ゚∀゚)
ということで、ここまで。

140:名無しさん@ピンキー
08/11/27 03:23:05 Pqxmuxu7
やきもちタイガーも可愛すぎる件について

141:名無しさん@ピンキー
08/11/27 03:44:09 IdswYh/M
>>119
GJ
クラスメイトに若干モテる竜児、それにリアクションする三人という続きも頼む

なんかハーレムもの読ませてもらったら
あのクリスマスイブ、竜児が熱で倒れたのがもっと前で
大河が自分の気持ちに別の形で気付く
修学旅行もヒロイン三人ともなんだかんだ進展してして
そして、どんなバレンタインの一日になるかというIF話を書きたくなるな

142:名無しさん@ピンキー
08/11/27 06:49:18 SoIiWisT
>>119 ベリーGJ!

今までにない切り口で、マジでオモローだったw
別口で思いついたら、また頼む

143:名無しさん@ピンキー
08/11/27 07:37:06 f3z0LhJh
もはよう
お前らはえーよ
GJ

144:名無しさん@ピンキー
08/11/27 13:00:09 tJ6wSHiA
>>119
久々に奇才を見たぞ

145:名無しさん@ピンキー
08/11/27 13:59:54 4Nr3enTy
>>139
いっつもなりきりシチュでしてるのかw
評価したい。大河はgj

146:名無しさん@ピンキー
08/11/27 14:03:22 10C3iWXF
>>139
GJGJ
大河可愛いよ大河

147:名無しさん@ピンキー
08/11/27 15:09:32 YQ5RshM9
>>119
シチュは全然違いますが、内容がちょっと似ているのを考えてました。
しかし、竜児が格好良すぎる…。GJです!

土曜には何か投下できるように頑張ろう…

148:名無しさん@ピンキー
08/11/27 17:35:14 xvE5QFEk
>>119
これは一気に恋のライバルが増えたなw

149:66
08/11/27 17:54:46 DDawPt6N
ちょっと、テスト。


150:66
08/11/27 17:56:35 DDawPt6N
テスト結果、良好なので、
旧スレで、容量不足で、頓挫した、「川島亜美の暴発」を、
最初から投下します。全22レスの予定です。

151:川嶋亜美の暴発 1/22 by SL66
08/11/27 17:58:09 DDawPt6N
「あ〜、もう、フラ語って、本当にうざい」

「そう言うなって、国木田のフランス語は、お前の法学部でも、俺が居る理学部でも落とせない科目
なんだからさぁ。手抜きはできねぇ」

大橋駅の駅ビルの一角にあるハンバーガーショップの窓際の一角に、大学生と思しき男女が並んで座り、
フランス語の辞書を広げて呻吟している。
目つきの鋭い男は、

「第二外国語は、ヤバいよ。D(不可)がついたら、それまで。1年留年決定だからな」

と、諭すように言う。

「うん、わかってる。あいつは、国木田は、階段教室の学生を順繰りに指名して、朗読させて、
訳までさせる。答えられなければ、それまで。本当に嫌な奴だよね」

「だな…」

川嶋亜美は、この春、高須竜児、北村祐作と一緒に、国立大学に進学した。
川嶋亜美にとって、大橋高校からの知り合いは竜児と北村祐作の2人のみ。
幸いなことに、櫛枝美乃梨も、逢坂大河も、いない。
邪魔者のいない楽園。もう、自分を異分子と自嘲する必要もない。
あとは、竜児と学園生活を満喫できるはず、だった…。
しかし、実際は、講義の進度の速さは気違いじみていて、高校とは桁違い。
成績不良者は、容赦なく留年。
高須竜児との接点も、共通する科目の予習と、行き帰りの電車の中での会話程度。
これじゃぁ、何のために同じ大学に進学したのか分からなくなってくる。

不意に、赤ん坊の泣き声が聞こえる。視線を右に移せば、大橋高校の制服を着た男女が
抱き合っている。目障りな連中だ、とばかりに亜美は眉をひそめる。
何よりも、高須竜児は、この喧騒が気にならないのだろうか?
本当にもう、鈍感なんだから、いろんな意味で…。

「ねぇ、高須くん、ここじゃうるさくって、勉強するのは無理なんじゃない? あたし、できたら、
高須くんの家か、あたしの家でやりたいんだけど、場所、変えれば、いくらあたしでも、うん、
あたしだって…なんとかなるかも」

また、その話か、川嶋、と竜児は思う。

「いや、自宅とかだと、緊張感が足りないだろ、俺なんか、ついついテレビやインターネット
見ちまうし、それに…」

「それに…?」

「いや、何でもない」

また、俺を、からかうつもりなんだろう? という一言は飲み込んでおく。時と場合によるが、沈黙は金だ。

「高須くん…、なんかつまんない」

152:川嶋亜美の暴発 2/22
08/11/27 17:59:17 DDawPt6N
「そりゃ、勉強だからな、もともとがそんなに面白いもんじゃないだろ」

「だから、そうじゃなくて…」

「そうじゃなくて?」

「もう、いいよ…」

そんな亜美に、高須竜児は、またか、程度の一瞥をくれると、フランス語のテキストに視線を戻した。
亜美はイライラする、相変わらず鈍い男だ、そのくせ何でも無難にこなす。
悔しいけど、亜美にとって高須竜児はスーパーマンだ。

「ここをこう訳して、ほらできた。川嶋、ちょっと、読んでみておかしなところがないか確認してくれ」

「う、うん…」

二人の共同での予習と言っても、それは名ばかり。フランス語の翻訳は完全に竜児の独壇場。
高須竜児が差し出したノートには、細かい文字で、邦訳がびっしりと書かれていた。
係り結びも、文脈にもおかしなところがない。完璧だ。

「帰りに、コンビニで、こいつのコピーとれば、OKだな」

一仕事を終えた満足感が、高須竜児の表情には現れていた。
高校時代は、
『あたしは、川嶋亜美は、高須くんと同じ地平の、同じ道の上の、少し先を歩いて行くよ』
とか、はったりをかましたけれど、高須竜児には到底かなわない。
ルックスだけが取り柄の亜美ちゃんは、高須くんの心を引き止めておくことができるんだろうか。
今、この場に、櫛枝美乃梨が現れたら、あたしは、彼女に対抗できるのだろうか?

「ねぇ、高須くん…」

苛立ちは天使のような仮面に潜ませて、すぅーと、亜美は、右隣の竜児に寄り添った。
竜児は、左半身に亜美の体温を感じ、「またかよ」と、一瞬だが顔をしかめる。
高校時代から、こいつは、隙あらばこうだ。この大胆さには、今だに辟易させられる。
これがなければ、竜児の基準から見ても、亜美は、かなりまともな奴なのだが…。
なにより、腹黒さの毒が、以前に比べれば、だいぶ薄まってきたように思えるし。

「川嶋、人目があるぞ、ほどほどにしてくれよ」

悪ふざけも大概にして欲しい、とばかりに、竜児は、亜美をたしなめる。

「ほどほど?」

天使のような仮面の下で、苛立ちが膨らむ。

「お前には節操というものがねぇのか? お前だって、大学の受験勉強するまではモデルでちっとは
知られた存在だったろうが。無名の一般人じゃねぇんだぞ」

「モデルなんて、もうやめちゃったし。あたしなんか、もう、どこにでもいるタダの女子大生だよ」


153:川嶋亜美の暴発 3/22
08/11/27 18:00:09 DDawPt6N
さらりと、髪をかき上げ、

「それに、亜美ちゃんはつまんない子、腹黒で、嫉妬深くて、歪んじゃってる子。でも…」

「でも…?」

亜美は、竜児の背中越しに右手を伸ばし、竜児の体を抱きとめた。
亜美のバストが、竜児の左脇腹に押し付けられ、その胸元からは、甘い匂いが微かに香る。

「か、川嶋、密着しすぎだって。離れろ! そういう節操のないことは止めろと、あれほど…」

「高須くん、亜美ちゃんは、無節操な女じゃないよ。見てくれだけじゃなくて、あたしの真っ黒な
ところ、歪んじゃってるところとか、全部知ってて、それでもあたしを避けずに一緒にいてくれる。
高校時代の友達は、みんな亜美ちゃんからいなくなっちゃった。今では、高須くんと祐作を除けば、
麻耶と奈々子くらい。だから…」

さらに、ぎゅっと、竜児の脇腹にバストを押し付けて…、

「こんなことをしてあげるのは高須くんだけ、だから…、だから、あたしを大事にして」

やわらかな感触と、ほのかな香りに理性が吹っ飛びそうになる。
今日は、いつになく挑発的。
竜児は、そこをこらえて、擦り寄る亜美の上体を引き剥がす。

「た、高須くん」

「まぁ、まぁ、落ち着け、川嶋。俺達ゃ、大学に合格したばかりで、右も左も分かっちゃいない。
まぁ、俺も、正直、川嶋とこうして一緒に居られるのはうれしいさ。だがな、当面の敵、赤点で、
即留年決定の必修科目を何とかしなけりゃならん。お遊びは、こいつが何とかなる目処がついてから
でもいいんじゃねぇか?」

さらに、

「俺の場合は、奨学金がかかっているから、よけいに深刻なんだ、でも、多少は障害があった方が、
やりがいがあるぜ」

と、言って、「にやり」とする。

こうしているときの竜児の顔に、亜美は見覚えがあった。学校や別荘で、念入りに掃除をしていた
ときの顔と同じだ。
解決が困難な課題に集中しているときこそが、高須竜児にとっての生き甲斐なのだろう。
凡人には理解しがたいところであるが…。

「高須くん、亜美ちゃん、もう疲れちゃった」
高須くんは、相手の気持ちを考えずに、自分一人で頑張りすぎ。

もう一度、亜美は、竜児に抱きついて、

「高須くんは、冷たいよ」
うつむいて、鼻をすする。やべ、まじで涙が出てきちゃった…。


154:川嶋亜美の暴発 4/22
08/11/27 18:00:57 DDawPt6N
「はぁ…」
竜児は、軽く嘆息する。

「なぁ、川嶋…」と、前置きして、再び、亜美を引き剥がし、

「ガキみたいなこと言うなよ。お互い大学生にもなって、こんな露骨な……、過剰な、ダイレクトな
表現だけでしかコミュニケーションがとれないってのは、悲しくないか? 
川嶋がそんな大胆なことをしなくたって、気持ちは伝わるさ」

「言葉で伝わらないことがあるから、ダイレクトな表現があるんじゃないの?」

「い〜や、川嶋、お前は、根本的に間違っている。過剰なものは有害無益なんだよ。
過ぎたるは及ばざるが如し、っていうじゃないか」

「でも、でも、みんながみんな、言葉だけで真意が伝わるなら、もめごとなんて起きないよ。
言葉には嘘があるから、本当の気持ちの表現が大切なんじゃないの?」

「嘘だったら、体を張った表現にだってあるだろうさ」

「どういうことよ?」

「例えば、ものすごい美人からだな、『好きです』とか言われて、いきなり抱きつかれても、
容姿が並以下の男だったら、それを素直に信じないと思うんだ。信じるに足る根拠がない。
もっと言うと、その美人にとって、不細工な男と付き合うメリットが客観的には見出せないからな」

「それはあくまでも客観でしょ、その美人とかの主観はどうなの? それが一番大事なんじゃない?」

あたし達のことを喩えているとしたら、悪趣味もいいところ。
あたしが、この亜美ちゃんが、あんたを偽っていると言いたいのか、と亜美は訝る。

「主観までは分からないな。でも、大方は、客観的な評価と大きくは違わないだろ? 
その美人だって、本当は、イケメンの野郎と付き合いたいに決まっているさ。
資産があれば更に言うことなし。これが、客観的な認識じゃないか?」

あんた、間違ってるよ、と心の中で亜美は毒づく。
あんたの言う客観は、ただの皮相だろ? 人の本音なんて、そう簡単に分かるものか。
亜美は、思いっきり嫌みな口調で皮肉を言った。

「すっごぉ〜い、高須くん。そっか、客観的な評価から、そこまで何もかも分かっちゃうんだ。
じゃぁ、今、あたしが何を考えているかも、見当がつくよね?」

その言葉に、竜児は、

「おう! 取り敢えず、明日の分の予習が終わって、ほっとしているとか、
そんなところじゃないのか?」

胸を反らして、得意気に、言い放つ。

「それだけ?」

「おう! それだけ」

155:川嶋亜美の暴発 5/22
08/11/27 18:01:35 DDawPt6N
「じゃ、あたしが高須くんに抱きついたことは、どう説明がつくの?」

「そりゃ、いつものお前の悪ふざけ。そんだけだろ?」

亜美の表情が、一瞬、険しくなる。何だと? コラ!
辛うじて、平静を装って、最後通牒のつもりで、竜児に畳み掛ける。

「念のため訊くけど、本当にそんだけ?」

「おう! 本当にそんだけだろ?」

「はぁ〜?」

亜美は絶句する。本気で言ってるのか? しかも、自信満々に。
この根拠のない自信は、どっから湧いて出ているんだろう。
竜児はさらに、ダメ押しの一言。

「どうだ、図星だろう。何せ、俺は、『気遣いの高須』と呼ばれているくらいだからな」

だめだ、こりゃ、話通じねぇ…。
『気遣いの高須』だぁ? あんたが、本当にそうなら、亜美ちゃんこんなに苦労しねぇよ。
こいつはだめだ、救いようがないバカだ。むかついた、あたしゃ本気でむかついた!
表情を怒りで引き締め、スツールから立ち上がる。

「お、おい、川嶋…」

当惑する竜児に、キッ、とばかりに向き合い、

「あんたは、何にもわかっちゃいない! ああ、もういいわ。あんたには何言っても無駄。
あんたは本当にどうしようもないバカ。あたしの言うことなんか、聞いちゃいないんだ。
もう、いい!!」

亜美の手が、もがくように竜児の胸を強く突いた。その勢いに、竜児はスツールから転げそうになる。
亜美は自分のカバンをひっつかみ、

「あたしはもう疲れたから帰る。どいてよ、道開けて! やだ、もう混んでて…うざい」

そのまま、顔をおさえながら逃げるように走り出す。もう、いやだ、勉強も、高須竜児も、何もかも。

「川嶋…」

取り残された竜児には、周囲からの冷たい視線。
さらには、「極悪なツラした奴が、あんなかわいらしい娘を怒らせるなんて」「サイテー」
「女の敵よね」「ヤクザが堅気の女の子に手を出していたのかしら」「いやねぇ」、
無遠慮なヒソヒソ話が追い討ちをかける。
竜児は、それらを無視して辞書や教材を片付ける。
確かなことは、もう、ここでは勉強できないこと、それと川嶋はえらく怒っていたこと、
それと、ここは大橋高校の関係者がよく来る場所でもあった。噂に尾ひれが付いて、
広まっていくのは確実だろうということだ。



156:川嶋亜美の暴発 6/22
08/11/27 18:03:03 DDawPt6N
***
「あ〜、ちくしょう、むかつく。あの鈍感バカ、死ね、死んじまえ!!」

物騒なことをぶつぶつ言いながら、川嶋亜美は商店街を大股で闊歩する。本当に腹が立って仕方が
なかった。高須竜児が鈍感なのは出会った直後から分かってはいたことだったが、これほど重症だと
は思いも寄らなかった。

「腹立つから、もう、亜美ちゃん酒のんじゃう。お酒は好きじゃないけど、なんか飲まないとやって
られない感じぃ!」

どこかの居酒屋にでも入ろうかと思ったが、最近は未成年者への飲酒にうるさいから、酒を買って、
自宅でやけ酒あおることにした。買うなら一升瓶の日本酒。やけ酒の定番だ。

亜美は、酒屋はどこだよ、ばかりに商店街に連なる看板に視線を泳がす。目に入ったのは「稲毛酒店」
の看板。店頭では、前掛けをした小太りの中年男がビールケースを運んでいた。
しかし、このおっさん、どっかで見たことがあるような…。

「らっしゃい。お、あんた、たしか魅羅乃ちゃんの息子さんの彼女だったっけ? 久しぶりだねぇ」

しまった、このおっさんが店主だったか。亜美は、唇を歪めて、舌打ちする。
前に、高須竜児と一緒のときにスドバで会ったことがあったっけ、なんつ〜、間の悪さ。

「今日は、魅羅乃ちゃんの息子さんは一緒じゃないのかい?」

やなこと訊くなよ、おっさん、空気読めよ。この無遠慮なダボハゼがぁ、とばかりに、
亜美の表情が険しくなる。

「ねぇ、ねぇ、どうしたんだい?」

「も、もう、彼女じゃないかもしれませんから…」

眉間に深いシワをピクピクさせて、怒りをこらえる亜美の表情にさすがに気づいたのか、
稲毛酒店の店主は、「あう…」と嗚咽のような声を発して押し黙った。

「そんなことはどうでもいいんですけど、お酒ください、一升瓶で、あまり甘くないやつ」

やけ酒をあおろうというのに、できるだけ糖質が少ない酒を買おうとするのも、元モデルの性か。

「え、あんたが飲むの? でも、たしかあんたは竜児くんと同い年で未成年じゃなかったっけ?」

むかっ! うっるせーな、関係ねーだろとばかりに、亜美の表情がさらに険しくなる。

「おお、わかったわかった」

店主は、「剣呑剣呑」と唱えながら、

「これなんかどうだろう? 辛口で、すっきりしている。おすすめだよ」

と、半紙で包まれた一升瓶を持ち出してきた。亜美にはその意味がさっぱり分からないが、
『純米 山廃仕込み』という文字が、半紙の包越しに確認できた。


157:川嶋亜美の暴発 7/22
08/11/27 18:03:43 DDawPt6N
「じゃ、これでいいです…」

5千円札を店主に手渡し、釣りと包装された一升瓶を受け取る。酒がなみなみと満たされた一升瓶は、
ずっしりと重い。
それを肩に担いで、亜美は、ぶすっとした表情で、店主を睨みつけるように、一瞥する。
元々が整っている顔立ちだけに、不機嫌な時は、まるで般若だ。

しかし、一瞬、

「ありがとございます。これ、いただいて帰りますわ」

瓶を両手に持ち替えて、物腰もやわらかに、鬼女の面から、天使の面に早変わり。
ほ〜ら、亜美ちゃん、本当はこ〜んなに、かわいいのぉ〜、心して拝めよ、この愚民〜とばかりに。

その豹変ぶりに、店主は、「おお~っ」と、呆けかけたが、それも束の間、
次の瞬間、元の般若顔へ戻った亜美に、腰を抜かさんばかりに仰天し、
「わは!」と、小さな悲鳴とともに、商品棚に背中をぶつけるまでのけぞった。

そんな店主の無様な姿へ、「ふん…」とばかりに、亜美は、侮蔑を込めた冷笑を浴びせて、立ち去る。

「何なんだありゃ…」

女はこわい、俺も離婚して正解だったかな、それにしても竜児くんは、あんなのを彼女にしていたのか、
う〜、ぶるぶる。稲毛酒店の店主は、悪寒を感じて、首をすくめた。


***
自室にこもった亜美は、買ってきた日本酒を白いマグカップになみなみと注いだ。
うす黄色い液体からは、アルコールの刺激的な匂いのほかに、エステルのような華やかな香りが
漂っている。
日本酒は、というよりもお酒はあんまり飲んだことないけれど、第一印象は悪くない。
そのまま、ちょっとひと口。アルコールのピリッとする刺激と、華やかな香り、それと米に由来する
旨味なんだろうか、甘い、辛いといった単純な言葉では表現できない美味さを感じた。

「悪くないじゃない、これなら、ちょっといけるかも」

そのまま、一気にあおり、マグカップを空にする。

「ぷっはぁ〜」

一杯目で、早くも酔いが回ってきた。でも、もう一杯。一升瓶からドクドクと注ぎ込む。
それを、さらに、ぐっと一気にあおる。
それにしても、ちくしょう、高須のバカ野郎、死ね、死んじまえ、鈍感、グズ、根性なし、と、
ぶつぶつ毒づきながら。

「あは、なんか余計に腹立ってきちゃったぁ」

アルコールは怒りを増幅させる。飲めば飲むほど、怒りが収まらなくなるのが普通だが、
亜美の場合は、どうやらその傾向が特に強いらしい。


158:川嶋亜美の暴発 8/22
08/11/27 18:04:28 DDawPt6N
さらに、もう一杯。血中アルコール濃度に比例して、高須竜児へのどす黒い怒りがふつふつと
たぎってくる。

「誰かに、愚痴でも垂れるか…」

亜美は、おもむろに携帯を取り出して、

「もしもし、麻耶ぁ〜、ひっさしぶり、ほらあたし、亜美ちゃん、元気してたぁ〜?」

怪しい呂律で、高校時代の友人である木原麻耶に電話をかける。
電話からは、「うっわ〜、ほんと久しぶり、元気してた?」という、麻耶の声が聞こえる。

「う〜ん、亜美ちゃん、あんまし元気じゃないけど、なんとか生きてるよぉ〜」

えらく酔ってるな、と、麻耶は思う。酔っぱらいの戯言ほど迷惑なものはない。
大体において、話題も、ロクなもんじゃないからだ。
麻耶は、適当に亜美をヨイショして話を終わらせることにした。

「でもさ、亜美はすごいよ、高校3年のクラス分けの時、私ら、私大文系だったじゃん。
それを北村くんと同じ国立に行っちゃうんだから、やっぱ並の人じゃなかったね」

「そんなことないよ、試験は水物だぁしぃ〜、まぐれだよぉ〜、まぐれ…」

「あたしなんか、私立の女子大じゃん。つまんね〜って、毎日が。秋の学祭には、男どもがわんさか
来るんだろうけど、どうせ発情したヲタばっかだっていうし、ちょー最悪」

なにせ、北村祐作もいないし、本当につまんないんだよね、と、麻耶は本音を心の中で反芻する。

「それで、さぁ、まるお、つか、北村くんは元気?」

「祐作ぅう〜、あんだか相変わらずだよう、優等生ヅラしてぇ〜、相変わらずボケたことばっか。
正直うっぜぇ〜」

「そこが北村くんの、いいところなんじゃん。
ま、亜美には、高須くんがいるから、そんなのどうでもいいんだろうけどさ」

『高須くん』の一言に、亜美は「うっ」と言葉をつまらせた。

「高須くんは、何だかんだっても勉強できるし、家事も何でもやっちゃうし、本当にすごいよね。
なんか理想のお嫁さんて感じ? あ、違った、お婿さんか、あはは」

「そ、そお?」

「そうだよ、顔はアレだけど、脚は長いし、結構いいじゃん」

「そうかぁ?」

「他人に対する思いやりもあるし」

「そんなことないって…」


159:川嶋亜美の暴発 9/22
08/11/27 18:05:13 DDawPt6N
「それに、気遣いの高須だし、洞察力があるっていうか、やっぱすごいよね」

「違うよ…」

「どうして? まぁ、高校の男子が、能登や春田みたいなバカばっかだったせいもあるけど、
高須くんとかは、今にして思えば特別な存在っていうか、ああいう男はなかなかいないねぇ」

「麻耶、あんたねぇ…」

「もしもし、どうしたの、ねぇ亜美」

「た、高須、高須って、うるさいよ、あ、あいつのせいで、どんだけあたしが苦労しているか、
ちくしょう、高須、高須のバカは…」

うわ、地雷踏んじまったか、やっべ、と麻耶は思った。

「ごっめ〜ん、亜美、空気読めなくて。そ、そだね、高須くんだって、完璧じゃないから。
彼女でもない私がアレコレ言うのは失礼だったよね、ほんと、ごめん」

「い、いいんだよ、あいつの悪口なら何だって許す。あ、あたしも、あいつがあんなにバ、バカだっ
たとは思わなかった、ち、ちくしょう、死ね、高須竜児」

ひゃー、修羅場? 勘弁してよ、あんたらの痴話喧嘩に、私を巻き込むな、と麻耶は困惑する。
とにかく、ここは酔っ払いの機嫌を適当にうかがっておくしかない。
いきなり電話切ったら、後々までしこりが残りそうだし…。
それにしても、高須竜児と一体何があったのか?

「そうだね、高須くんは、粗暴そうな印象があるからね。何ていうか、いきなり女の子を襲いそうな、
ちょっとヤバそうなところがあるから。存在自体が危険物っていうかぁ〜」

「お、襲ってくるような根性がありゃ、苦労しねぇ……」

「え、亜美なんか言った? ま、いっか、高須くんはやっぱり怖い人だよね、亜美も高須くんの
そんなところが嫌いになったんじゃないの?」

「そ、そういうとこが嫌いなんじゃねぇんだけど……」

「あ、そ、そうなんだ、そうだねぇ、高須くんみたいなワイルドな感じもいいよね。ちょっと、強引
なところとかあって、でも、そこが魅力みたいな…」

「ま、麻耶ぁ、あいつに強引なところなんてねぇ。ゆ、優柔不断な根性なしだぁ〜」

「え?」

「ちくしょう、あの優柔不断な、鈍感野郎!」

「ど、どうしたの、亜美、落ち着いて」

「ま、麻耶ぁ、あいつは、あいつは、あいつはぁ〜」

電話口では、亜美がわんわん泣いているようだ。

160:川嶋亜美の暴発 10/22
08/11/27 18:05:54 DDawPt6N
「あいつは、あいつは、この亜美ちゃんさまが、体を寄せても、む、胸を押し付けても、な、何にも
しない。エッチどころか、キスすらさせない、手だって、自分からは握ろうとしない。バカだよ、
本当にしょうもないバカ、バカ、バカ、バカぁ〜、鈍感、グズ、甲斐性なし!!」

あっら〜、亜美ちゃん、欲求不満みたい。んで、精神崩壊、まっしぐら? 
こいつはヤバくね?

「そ、そうだね、高須くんってさぁ、結構、冷たいところがあるじゃない。ほ、ほら、高2の時、
高須くんに、私と北村くんとの仲を取り持ってくれって、お願いしたのに、結局、役立たず。
ほんと、グズで、無責任な奴だよね」

「うん、あいつは冷たい。嫌な野郎だぁ〜」

「乙女心を踏みにじったのだよ、高須竜児は。女の敵だね。本当に」

「そ、そうだぁ、女の敵だぁ〜」

「なんつ〜かさ、紳士ぶっているところがキモいよね。品行方正らしいけど、わりとつまんね〜奴っ
ていうか、ヤンキー顔にあわね〜だろ、品行方正は、とか?」

電話口の酔っ払いは、泣き止んだようだ。

「そうだぁ〜、もっと言ってやれぇ〜、うふ、うへへへへ…」

それどころか、今度は笑い上戸になったらしい。このまま機嫌がなおってくれればそれでいいのだが。
しかし、喜怒哀楽が激しい。これも、腹黒さを隠し、
笑顔の仮面で他人を欺いてきたことの反作用かな? と麻耶は思う。

「いずれ、痛い目に遭うと思うよ、今のままだと。無自覚に、女の子を傷つけているもん。
そのうち、バチが当たるんじゃないかな」

「うんうん…」

「なんつーかさ、高須くんには、天罰というか、天誅っていうか…」

「あ、天誅、それ最高ぉ〜」

「もう、誰かに成敗された方がいいかもね。思いっきり痛い目に遭えば、目が覚めるかもしれないし」

「……」

「あれ、亜美、もしもし、もしもし…」

「麻耶ぁ〜、いいこと言うなぁ、やっぱ持つべきは同性の友達だね。うん、そっか、天誅、成敗か、
いいねぇ〜。お〜し、決まったぁ〜。これから、女の敵、高須竜児を、成敗しに行こう!!」

「え!?」

地雷爆発。それも核地雷だったりして。


161:川嶋亜美の暴発 11/22
08/11/27 18:06:49 DDawPt6N
「麻耶、あんたも、憎っくき高須を成敗すんだぁ〜。あたしゃ、これから高須の家に殴りこむぅ〜。あんたも、なんか武器持って、高須の家に集合だぁ〜、武器はバットなんかいいんじゃないかなぁ〜、
それも金属バットなら最高かもぉ〜、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ」

「ちょっと、ちょっと、亜美、大丈夫? 正気に戻ってよ!」

「亜美ちゃんは、いつだって正気だよぉ〜。正気じゃないのは、あいつ、女の敵、高須竜児だぁ!!」

電話は切れた。

「どうしよう…」

時刻は、午前0時過ぎ。110番通報をすべきかどうか、麻耶はしばらく迷った。
安易に警察沙汰にはしたくなかったからだ。亜美のためにも、竜児のためにも。
電話口での亜美の様子だと、そうは暴れ回ることは出来ない感じだったが…、
「もしも」の場合も否定はできない。

「高須くん、もしもの時は、亜美を何とかしてやって」

もしものときは、高須竜児が適切なフォローをしてくれるか否かがカギだろう。
だが、竜児なら、いけるかもしれない。


***
一升瓶を握り締めたまま、亜美は、高須竜児の家を目指す。
酔いが回って、千鳥足だが、一歩、また一歩と、確実に竜児の家までの距離を詰めていく。
警官に出くわさなかったのは幸運だった。
もし、出くわしていたら、その警官は、亜美が振り下ろす一升瓶の餌食になっていたかも
しれないのだから。

「みぃつけたぁ〜」

既に何度か訪れたことがある、見慣れた木造家屋。その2階に高須竜児は居る。
竜児の部屋には未だ明かりが灯っていた。
たしか、明日のフラ語の予習は済んでいるはず。こんな夜更けまで、一体、何をやっているんだろう。
まぁ、いいか、奴が何をしていようが関係ない。あの鈍感野郎の脳天に、こいつを一発お見舞いする
だけだ。起きているのなら、起こす手間が省けるというもんじゃないか。
よろめきながら階段を登り、呼び鈴を押す。1回、2回、3回…。

「は〜い、どちらさんですかぁ?」

つい数時間前に聞いた声が、ドア越しに聞こえてくる。奴は、居る。
亜美は、半分ほど酒が残っている一升瓶を逆手に持ち替え、背後に隠した。
こいつを一発かませば…。
ガチャ、ドアが、ドアチェーンの長さ分だけ開いた。

「か、川嶋、こんな時間にどうしたんだ?」

うわ、と竜児はドン引きする。顔見知りとはいえ、真夜中の訪問者。血走った酔眼。
一目で尋常でないことは誰の目にも明らかだ。

162:川嶋亜美の暴発 12/22
08/11/27 18:07:33 DDawPt6N
「……」

亜美は、無言で血走った酔眼を竜児に向けてくる。ヤバイ、限りなくヤバイ雰囲気だ。

しかし、相手は婦女子、こんな夜中にむげに追い返すわけにもいくまい。ヤンキー顔でも
高須竜児は紳士なのだ。

「ま、何だ、そんなところに突っ立っていてもしょうがないだろう。ひ、ひとまず、中に入るか? 
何せ、こんな夜更けだしな」

亜美は、それには応えず、ずい、とばかりに高須家の玄関に踏み込み、

「でぇーい!」

と、気合一発、背後に隠し持っていた一升瓶で左右をなぎ払った。

「うわぁ! か、川嶋、なにすんだ!!」

空振り。高須竜児は、尻餅をついて、難を逃れていた。

「逃げんじゃねぇ! 高須竜児、この女の敵!!」

今度は、一升瓶を右から左にフルスイング。

「わああ!」

竜児は、首をすくめて、それを避ける。

「か、川嶋、何で、何でこんなことをする。女の敵って何だ? おれが一体何をした! 教えてくれ」

「うるさい、この根性なし!」

亜美は、一升瓶を構え直して、左から右になぎ払う。

「うわあ、わけが分からねぇ。川嶋ぁ! お前は俺を殺す気か」

「殺す? 亜美ちゃん、そんなことするわけないじゃない。高須くんてバカ? 
亜美ちゃん、高須くんが正気じゃないから、これで頭を叩いて正気にしてやろうとしてるだけだよぅ、
うふ、うふふふふ…」

ほとんど泥酔状態の亜美は、団扇のように自分の体がふらついている。

「正気じゃないのはお前だろ、酔っ払いやがって」

「あ〜ら、亜美ちゃんは正気だよぅ。いっつもね。ただ、惚れてる男がなぁ〜んにもしてくれない
から、亜美ちゃん、ちょっと心配なだけ。もしかしたら、脳の悪い病気かな? なんてね。
だから、亜美ちゃん、これでその人の頭をぶっ叩いて、正気に戻してあげようとしてるだけなんだよぉ〜」

「お前のその考えが、そもそも正気じゃねぇよ」

163:川嶋亜美の暴発 13/22
08/11/27 18:08:15 DDawPt6N
「高須くんが、今のあたしを正気じゃないとか何とか、そんなのどうでもいいの。高須くんは、
個々の主観は不明だから、考慮しないんでしょ? だったら、高須くんが今のあたしを正気じゃない
と思っていても、そんなの、あたしには関係ないじゃない。それに…」

腰が抜けて座り込んでいる高須竜児に、亜美はさらに半歩詰め寄る。

「これから高須くんは、リセットされるの。
あたしのこと、この亜美ちゃんのことを、ちゃ〜んとしてくれるようにね」

さらに半歩。

「だから、おとなしく、これで、ね…」

亜美は、一升瓶を大上段に振りかざす。これをへたり込んでいる竜児の脳天に見舞うつもりだ。
まともに食らえば、即死か? はたまた、脳挫傷で、一生廃人かもしれない。

「ま、待て、川嶋、落ち着け。は、話せば分かる」

「話せば分かるぅ〜? 亜美ちゃん、嘘を含んだ言葉なんて信じられなぁ〜い。だから亜美ちゃんは、
直截な行動に出るの。特に、言葉でいくら言っても分かってくれない高須くんにはねぇ〜」

亜美は、一升瓶を上段に構えたまま、じりじりと竜児に迫る。一方の竜児は、へたり込んだまま、
ずるずると後退するものの、ついに背中が壁に当たって行き止まり。
万事休すだ。
だが、

「うっ」
酷薄な笑みを浮かべていた亜美が、突然、口元を押さえて、その場にしゃがみ込む。
さらには、

「う、ううう、うぇえええええーっ!」

と、ものすごい勢いで嘔吐した。

「川嶋!」

黄色い吐瀉物が、高須家の玄関の板の間に広がっていく。
亜美は、うずくまって、一升瓶にすがるようにして上体を保持し、吐瀉物まみれの口から、荒い呼吸
を繰り返す。過度の飲酒、その状態での運動。その結果の悪酔いだった。

「川嶋ぁ!」

竜児は、亜美の体を抱きとめ、その手から凶器の一升瓶を取り上げる。
こんなので、ドタマをかち割られたらたまったもんではない。
次いで、古新聞紙を、亜美が吐瀉した内容物の上に広げ、吐瀉物を吸着させる。1時間もすれば、
大方水分が吸着されるから、あとは、残りを雑巾で拭き取ればいいだろう。
それと洗面器。

「川嶋、大丈夫か?」

激しい嘔吐でテンションがぷっつり切れたのか、亜美はぐったりとしていて動けない。


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