【MH】モンスターハンターでエロパロ 16匹目【モンハン】at EROPARO
【MH】モンスターハンターでエロパロ 16匹目【モンハン】 - 暇つぶし2ch700:名無しさん@ピンキー
09/03/08 19:38:03 VnmHl2DD
まずメ欄にsageをだな…

701:名無しさん@ピンキー
09/03/08 20:44:10 oT4fPswJ
おまいら暇だな

702:初心を思い出した。
09/03/08 21:03:28 b2VKVy6h
こんばんは。
唐突ですが思いついたままに書いた駄作を一つ。

1、ハンター×ハンター(笑)
2、連作予定
3、最初エロクナイ
4、超オリジナリティー
5、作者の高校時代の国語はオールレッド

こんなです。
携帯からなんでペースはアレですが……
では、どうぞ。

703:初心を思い出した。1
09/03/08 21:04:21 b2VKVy6h



ーー樹海。


その名の表す通り、様々な植物に埋め尽くされた広大な海のような世界。
その恩恵を与る為に更に多くの生物が集まり、まさに生命の集合体とも呼べる程にそこは命に溢れていた。
そんな中、閑散と静まり返っていた木々の隙間を駆け抜ける轟音が響く。

ーーオオォォォォン!!!!!


大気を震わせながら自らの存在を強烈に主張する、ソレの発生源。
異変に気づいた小さな命達は大慌てで散り散りになる。
そして次の瞬間に響いたのは、一人の人間の甲高い絶叫。

「しぃぃしょぉぉぉ!!!
ヘルプ!ヘルプです!
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!」

何やら必死な形相で走る少女が、どうやら叫びの主らしい。
少女はその姿からして、ハンターのようだった。
頭には何の兜も付けず、真っ赤なナナストレートから覗く耳元には小さなピアスが淡く輝いている。
胴体から下を覆っているのは、ハンターにしては随分とラフな……というか、防御力という面においてはさほど効果を発揮しそうにないイーオスーツシリーズ。
そして腰に巻かれたベルトと、同じく腰に装備された一振りの剣。


704:初心を思い出した。2
09/03/08 21:05:10 b2VKVy6h
その剣がまたイーオスのような片手剣『デットリィポイズン』だという事も相まって、彼女は頭から足先に致るまで全身が真紅に包まれていた。
そんな紅の塊が深緑で覆われた森の中を駆け抜ける姿は、否応なしに目立ちまくっている。

「師匠ーー!!どこですかーー!?
早く助けて下さいよぉ!!
死んじゃいますってばぁ!!」

先程から彼女は『師匠』なる人物を探しているのだが、一向にその者が現れる気配はない。
むしろ、彼女の背後から並々ならぬ存在感を持つ者が木々をなぎ倒して近づいて来ているのだが、彼女は必死に逃げるあまり気づいていない。
そして案の定、彼女の探し人よりも先にその者は姿を表した。
ようやく感づいた少女は振り返り、その姿を見て軽く頬をひきつらせる。

「ひぃっ!イ、イャンクック!!」

彼女が口にした通り、そこにいたのは怪鳥ーーイャンクック。
全身に淡い桜色の甲殻と鱗を纏い、その頭部には巨大な嘴と耳を持った飛竜種だ。
飛竜の中では残念ながら最弱の部類で、新米ハンター達にとっては最初のハードルとも呼べる存在である。

「うぅ……もぉヤダよぉ……」

そんな怪鳥と対峙し、彼女は武器を抜き構えた。


705:初心を思い出した。3
09/03/08 21:05:52 b2VKVy6h
「か、かかってきなさい!アンタなんか、こ、恐くもなんとも……」

瞬間、怪鳥は彼女めがけて火球を放つ。
一般人にしてみれば驚異だが、飛竜の中では比較的に威力も弱く、それ程大した攻撃でもない。
ただ直線的で防ぎやすいその火球を、彼女はその右手にかざした盾で防ぐべく身構え……

「ひぃ!ヤッパリ無理!!」

直前で腰を抜かしながら慌てて回避した。
体勢の崩れた少女を見て、怪鳥は好機と思ったのかその身を震わせ駆け出す。
大地を抉りながら迫る怪鳥に、

「い、いやぁぁぁ!!
来ないでよぉぉ!!」

と半分涙目になりながら彼女はソレを投げた。
ヒュンヒュンと音を立てながら回転して飛ぶソレは、先程まで彼女の左手に握られていた愛剣。
デットリィポイズンはキレイに宙を舞いながら怪鳥に向けて飛ぶ。
しかし、それは僅かに怪鳥の耳付近を掠めただけに終わった。
そして当然の事ながら、その程度で怪鳥の突進が止まる事は無く……

「死んだら呪ってやるぅ~!!
師匠のばかぁぁぁ!!」

諦めた彼女は泣きながら叫んだ。



そんな死を覚悟した彼女まで怪鳥は到達せず、僅か数メートル程の位置まできてその場に身を横たえた。



706:初心を思い出した。4
09/03/08 21:06:36 b2VKVy6h
「………え?」

急に再びの静寂に包まれたその場で、少女は拍子抜けした声を漏らす。
しばらく呆然とした後慌てて我に帰ると、自らの足元で地に伏す怪鳥に恐る恐る近づき、その生死を確かめた。

「あれ?死ん……でる?」

「あれ?じゃねぇよこのバカ!」

「ひゃぁぁ!?」

突然背後から聞こえた怒声に驚き、とっさに盾を構える少女。
しかし声の発生源である男を確認すると、安心しきった顔で盾を下ろした。

「なぁんだ~師匠じゃないですかぁ~
もぅ、ビックリさせないで下さ」

「ビックリしたのはコッチだバカ!お前、イャンクック相手になんっつー無様な戦い方してんだ!?
大体、お前ハンターランク2のくせにイャンクック恐いってなんだよ!?」

たたみかけるような責める言葉に、さすがの少女もカチンと来たのか反論する。

「ダメなんですか!ランク2でイャンクック苦手って!誰にだってあるでしょう!?
そりゃ、カニさん系とかお猿さん系とかお魚さん系だったら戦えますよ?
けど鳥さん系だけはどうしてもキライなんだから仕方ないじゃないですか!」

互いに一歩も譲る気はない。
こうしてイャンクックの亡骸を横目に、二人は小一時間口論する事となる。

707:初心を思い出した。5
09/03/08 21:09:02 b2VKVy6h

ーー数分後ーー


言いたい事を言い切った二人の喧嘩はいつの間にか終わったが(最終的に少女が折れた形で)、クエスト完了後も終始気まずい空気のままだった。
迎えの馬車が来るまでベースキャンプで待機しているつもりだったが、少女にはこの雰囲気に耐えきれる余裕は無かった。
テント内のベッドに横たわる男と距離を置き、一人壮大な樹海の大自然を眺める。

(師匠のバカ!頭でっかち!そりゃ、クック相手にビビってる私が悪いかもしれないけど……)

それにしても、と少女は内心苛立ちを感じていた。

(もうちょっと早く助けてくれてもいいじゃない!コッチは死ぬ程怖かったんだから!)

つい数分前まで自らが怪鳥と演じていた命のやり取りを思い出す。
途端に恐怖が蘇り、彼女は座りこんで身震いしてしまう。

だが彼女は決して臆病な訳ではない。

むしろハンターを始めてから僅か1ヶ月でハンターランク2に上がったという実績を持つ、驚異的な成長率を誇る期待の新人でもある。
事実、彼女の持つ防具イーオスーツを作る為には、訓練所でダイミョウザザミを倒す事で手に入るコインが数枚必要だ。
更にランク2という事は数体の大型モンスターを倒した証でもある。


708:初心を思い出した。6
09/03/08 21:09:52 b2VKVy6h
だがその実力に関わらず、彼女には苦手とするものが存在した。

まず、炎。
幼少期に起きたとある事件により、彼女は炎が怖かった。
また、その事件が原因で彼女は鳥竜種に対しても体が竦んでしまうのだ。
更に加えて彼女はガードする、という行為が大の苦手だった。
迫り来る攻撃を見ると、どうしても体は防御よりも回避しようと働いてしまう。
そんな彼女の性分を理解した『師匠』は、防御力よりも素早さを追求したイーオスーツを彼女に勧め、更に護りのピアスで咄嗟のガードを体に覚えさせようとした。
この先も彼女が片手剣使いとしてハンターを続けて行けるように、今の内に矯正しようと考えていたのだ。
今回のイヤンクック狩猟の依頼にしても、特に怪鳥の素材が必要な訳でも無く単純に彼女の為に受注した。
だが、そんな師の気持ちは弟子である少女には伝わるハズもなく……

「師匠はイジワルなんです!ワザと私が嫌がるような依頼受けたりして!しかも一人で倒せとか無茶振りして!
とにかく、ヒドいです!」

少女は集会所に付属された酒場で麦酒をかっくらいながらグチった。
二人は樹海から街に帰るなり少女は酒場、師匠は帰宅という何とも言えない別れ方をしていた。



709:初心を思い出した。7
09/03/08 21:10:38 b2VKVy6h
酔った勢いで不満を撒き散らす少女に、一人の女ハンターが宥めるように声をかけた。
全身をキリンZという、Gクラス装備で覆ったその女ハンターはどうやら少女の知り合いらしい。

「そんな事言わないの。ホラ、アイツだって別にリリアちゃんの事嫌いな訳じゃないんだしさ!」

「いいえ!師匠は私の事絶対にキライです!じゃなきゃ、こんな扱いはされないですもん!
ユーナさんは何も分かってないです!」

(ありゃあ……こりゃ何言ってもムダかなぁ……)

ユーナは慰めに失敗したと判断し、少女ーーリリアを優しい眼差しで見つめながら隣に座った。
そして考えこんだ。
この娘は理解しているのだろうか?
自らの恵まれた師がいかなる人物なのかを。

(私もアイツとは付き合い長いけど……弟子なんかアナタが初めてよ?)

それの意味する所を考えれば、彼がいかに少女を大切にしているのか自ずと分かる。

(分かってないのはアナタの方よ?
全く、嫉妬するくらい大事にされちゃって……)

こうまですれ違う師弟も珍しいモノだ、とユーナは微笑んだ。
彼女もまた、リリアを見守る人間の一人なのだ。

多くの人に守られた少女は、ただその身に麦酒を流し込んでいた。

710:初心を思い出した。
09/03/08 21:12:24 b2VKVy6h
以上です。

続きはいろいろ様子見てから書くか否か決めたいと思います。

お目汚し失礼致しました。
では。

711:名無しさん@ピンキー
09/03/08 21:39:44 xo2t3DF0

だがしかし、キリンはXであってZは無いぞw

712:名無しさん@ピンキー
09/03/08 21:53:27 sKa2yq9u
乙だぜ

713:初心を思い出した。作者
09/03/08 22:52:22 b2VKVy6h
>>711
確かに、Xですよね。
初投稿でテンパりました。
スイマセンw

おまけ情報です。

リリア/♀/16才/片手剣使い
武:デットリィポイズン
頭:護りのピアス
胴:イーオスーツ
腕:イーオスーツ
腰:ハイドベルト
脚:イーオスーツ
スキル:
幸運
高速剥ぎ取り&採取
火耐性+10
オートガード

全て『師匠』の考えた組み合わせ。
火の怖い彼女の為に火耐性を上げ、ガードを習得させる為にオートガード。
動きがトロい彼女の為に高速採取を、更におまけに幸運を、という彼女の為だけを思って考えた防具セット。
鎧よりも軽装が好きなリリアの趣味とも合致し、なかなか好評なようだ。
以上。

続きはそのうち。では。

714:名無しさん@ピンキー
09/03/08 23:32:06 jCoMZ8H9
16才・・・ゴクリ・・・

715:名無しさん@ピンキー
09/03/08 23:32:31 VnmHl2DD
>>713
師匠の愛が伝わる装備だなw


716:名無しさん@ピンキー
09/03/09 03:16:33 3JATmBy7
>>713
武器の名前くらいちゃんと覚えといてやれww

717:名無しさん@ピンキー
09/03/09 11:38:21 SjZ4JKM1
ここに投稿している人たちはある程度書きなれてるんだと
思うけど 初心者同然かつ素人のオレが あのゲリョぽんの
お話を執筆しても良いと思いますか・・・・

718:名無しさん@ピンキー
09/03/09 12:12:04 nLiawyxp
>>717
どのゲリョだよ
初心者同然かつ素人のオレが

719:名無しさん@ピンキー
09/03/09 12:16:27 nLiawyxp
ごめんまちがえた

>>717
どのゲリョだよ

>初心者同然かつ素人のオレ
俺もド素人だが書かせてもらったよ
初心者だか素人だかが書いちゃまずいと勝手に思うならおとなしくROMってろ



720:名無しさん@ピンキー
09/03/09 12:28:23 0kcHVcnb
落ち着け、初めての投稿はビクビクするもんだ。
とりあえず、完結してる作品ならいいと思う。書きながらはやめとけ。
投稿の基本も分からなくて不安なら、SS書きの板を探してみればいい。

721:名無しさん@ピンキー
09/03/09 12:31:41 wzyPU3fy
うん 良いと思うよ

擬人化しないならモアベター

722:名無しさん@ピンキー
09/03/09 13:25:24 2Dl0u0ey
>>717
この板にいる大半の書き手は素人だろ
この板内を『書き』でスレタイ検索かけてみ
控え室スレと練習用殴り書きスレと書き方スレが、おまいの役に立つ
…かもしれない

>>720
SS書きの『板』なんてあるのか?

723:名無しさん@ピンキー
09/03/09 13:28:21 SjZ4JKM1
>>719
スマソ
“あの”とか付けたのには意味ないです。
>>203~とか見ると分かるかと

>>720-721
完成してからにします。否エロで

724:太刀厨
09/03/09 20:37:54 r/DUja/N
なんか急にSS増えたな、と思いつつ、「猛獣達の番い」のラストを投下します。注意事項は以下の通り。

一、エロは最初からクライマックスだぜ(展開的な意味で)
二、とりあえずどうなったか、は説明できると思う
三、やっぱりメインはラージャンだった
四、レンの性格変わってね?
五、作者のギルカ称号は現在「金色☆ハート」

というわけで、投下開始します。

725:猛き獣達の番い・4 1/5
09/03/09 20:39:03 r/DUja/N
「あぁんっ!んっ、はぁぁんっ!」

すっかり蕩けきった喘ぎ声をBGMに、俺は激しく腰を振る。子宮まで届きそうな勢いで一物が膣内と擦れ合う度、俺に向かって尻を高く上げたラウナは全身を震わせる。
「ま、待っておくれ!んぁっ、な、なんでそんなに、ぁふっ!げ、元気なのさ、ぁんっ!」
同時に、喘ぎの中に抗議じみた言葉を絡めてくる。だが、今はそれに付き合うつもりなどない。俺は思いきり深く一物を突き刺した。
「んぁっ!あぁぁぁあっ!だ、だめ!そんな、深いっ!」
「今は文句を言う時間か?そんな暇があるならもっと締めつけろ。欲しいんだろ?」
「欲しい、欲しいけどぉっ!」
「だったら構わないだろう?……ほら、そろそろイクぞっ」
「イ、イク?ア、アタシも!アタシもイッちまう!だから、早く!」
「急かすな。どのみち、たっぷりと注ぎ込んでやるのは決まってるんだ。だから……お前からイッちまえ」
そして、とどめとばかりに強く腰を打ちつけた。
「あ、あっ、あぁっ!だめ、イク!イクゥゥゥッ!」
ラウナの体が反り返る。官能的刺激の限界を迎えた彼女の膣内は、俺のをきつく締めつけ、そこから子種を搾り出そうとする。俺はそれに抗わず、存分に白い欲望を吐き出した。
「あ……あは……♪アタシの奥で、レンがびくびくしてるよ……♪」
前のめりに倒れ込んだラウナはうっとりと目を閉じ、精子を放ち続ける一物の脈動に合わせて腰を震わせる。なかなかそそる眺めだ。
しかし、実は既に十回以上も達している俺はさすがに欲情しきれない。萎びた肉棒を余韻たっぷりに引き抜くと、息をつきながら腰を下ろした。
「ふぅ、これでやっと全員か。思いの外、大変だった」
「……まさか、本当に全員、犯しちまうなんて、思わなかったよ……」
息も絶え絶えなラウナの皮肉じみた呟きに、俺は辺りを見回す。

―そこは、俺の家の寝室。
俺とラウナがいるのはベッドの上で、その周りにはあられもない姿で身を投げ出す、数々の女達。全員陶酔した表情で、女の部分からは白い液体をもれなく垂らしている。
俺が犯した結果だ。奥底からじわじわと沸き上がってくる征服感に、俺は思わず口元を歪ませてしまった。
そこへ、ラウナが呟く。
「やっぱり、アンタを選んで、よかったと思うよ……」
視線を戻すと、彼女は体を動かして寝転がるような姿勢になっていた。俺を見つめる眼差しには、純粋な嬉しさが見える。

726:猛き獣達の番い・4 2/5
09/03/09 20:39:55 r/DUja/N
それはそのままに、ラウナはふと問いかけてきた。
「でも、どうしてアタシ達を家に連れ込む事に、したんだい?」

―そう。
俺は、旧火山で会った女達を、自分の家に連れ込んだのだ。


「……俺の鎧を着けろ」
立ち上がって最初に言った事は、それだった。ラウナはにやりと笑うと、後ろに目を向ける。
「だってさ。着けてやりな」
その言葉に一歩進み出たのはヤマネ。先程シャーリーが置いた荷物に駆け寄ると、そこから俺の装備と、アンダーを取り出す。
「すぐに終わる」
そう言って、アンダーを突き出してきた。俺がそれを着ている間に、彼女は各装備を一部だけ分解する。そして俺がアンダー姿になると、手際良く装備を取り付けていった。
「これで終わり」
あっという間に、俺はここに来た時の格好になった。俺は「感謝する」とヤマネに言うと、今度はラウナに背を向ける。
そこにあるのはダオラ=レイド。ラージャンと戦うために携えた太刀だ。
躊躇わず引き抜き、再びラウナを見る。彼女は裸で胡座をかいたまま、動く気配がない。その目は「やっぱり」とでもいいたげな様子だ。
そのまま、沈黙が続く。
動かない。
話さない。
すると焦れてきたのか、ラウナが口を開く。
「殺すなら早くしな。でないと……その気になるまで殴るよ」
その言葉を、俺は鼻で笑ってやった。
そしてダオラ=レイドを収め、彼女達に再び背を向ける。
「なんだ、帰「お前達が本当に俺を求めるんだったら」
彼女を遮るようにして、声を張り上げる。肩越しに振り返ると、女達は皆一様に目を見開き、驚いているように見えた。そんな彼女達に、俺は笑いながら言う。

「俺の家に来い。そしたらお前達の望み通り孕ませてやるよ」

きっと笑いは、とてつもなく歪んでいただろう。
女達は息を呑み、へなへなと腰を落とす。既に座っていたラウナはふるふると全身を震わせ、自らの体をかき抱いた。
「……い……今の、濡れたよ」
そう言って俺を見つめるラウナの目は、完全に情欲をたたえている。他の女達も同様だ。
俺はそれを見てますます笑みを強める。そして再び前を向くと、こう言ってその場を立ち去った。
「一時間待ってやる。その間にベースキャンプまで来い」




727:猛き獣達の番い・4 3/5
09/03/09 20:40:38 r/DUja/N
―そして、今に到る。

「アタシは、アンタが拒むだろうと、思ってたんだよ」
問いかけに続いた独白。俺は「何故だ」と聞き返した。すると彼女はゆっくりと体を起こし、言葉を続ける。
「ハンターは、脅威であるアタシ達は殺すのが当たり前。いくらハーレムでも、脅威を受け入れるはずがない」
「なるほどな」
「それだけじゃ、ないよ。人間は、アタシらモンスターの数を管理してると、思ってる。で、余計な事をすれば、管理に邪魔な者として殺される。そうだろ?」
確かにそうだ。俺もそれは考えていた。
ギルドはモンスターを狩らせる事で、その生息数を管理している。ハンターはその生息数管理のために存在しているようなものだ。そこからの逸脱は、後の死を意味する。
「だからアタシは、『首をはねても構わない』って言ったんだ。アタシは子供を産むのに興味はなかったし、アンタ以上に相応しい相手がいるとも思わなかった」
ラウナが擦り寄ってきた。胸板に頬を当て、目を閉じる。
「拒まれたら、どのみち死ぬつもりだったのさ。……教えておくれ、レン。どうしてアタシ達を受け入れたんだい」
俺は黙って、彼女の背中に腕を回す。抱き寄せると、ラウナは「んっ」と艶っぽい声を上げた。それを聞きながら、俺は口を開く。
「……気付いた事があった」
「なんだい、それは」
「俺がギルドにとってどういう立ち位置にいるか、だ」
「……話が読めないね」
「黙って聞け。お前の言う通り、ギルドにはモンスターを狩り過ぎるハンターを消しているという話がある。おそらく事実だろう」
「……」
「そして、俺は間違いなくそのハンターに該当する。ギルドから優先して回されるクエストで、大低三、四匹は狩っているからな」
「それを一人でやってのけたのかい。全く、凄いねぇ……で?」
「つまり、あそこでお前達を受け入れようが受け入れまいが、そのうち死ぬのは決まっていたのさ」
「だからアタシ達を受け入れた?……足りないね」
ラウナが身じろきした。解放してやると、彼女は俺の体をはい上がるようにして、妖しい笑みを近づける。
「それじゃあアタシ達を家に連れ込むには至らない。別の理由が必要になる。……あるんだろ?」
どうせそう来るだろうと踏んでいた俺は、ため息をつく。「わざわざ言わせる気か」とでも言いたげに、だ。それがわかったのか、ラウナは更に密着してくる。

728:猛き獣達の番い・4 4/5
09/03/09 20:41:31 r/DUja/N
「聞かせておくれ、その理由をさ」
そして、声に出して問われてしまった。これは答えないわけにはいかない。
「……お前達の望みを叶えてやったのさ」
「望み?アンタと共にいる事なら「違うな」
「……なら、どういう事だい?」
「お前達は、自分が強いとわかった上で、更に上を行く奴を求めていた。それは強い子孫を残すため?

違うな。

お前達は、自分よりも強い『雄』に服従したかったんだ」
ラウナが目を見開く。
「ほとんど直感に近かった。だがお前の行動を良く考えてみると、お前については確信があった。『こいつは俺に支配されたがっている』ってな」
顎を持ち上げ、俺は彼女の顔を引き寄せた。後数ミリの所まで唇が接近する。
「なんでそんな風に思うんだい」
「『拒まれたら死ぬ。』言い換えれば、お前は俺に命を捧げるつもりでいた。それは自殺願望か?いや、お前みたいな強者の場合は被支配願望だ」
「……そうなのかもしれないね。少なくともアタシはアンタに会うまで、死ぬつもりなんざちっともなかった」
ラウナの頬が急に赤く染まる。
「で、その『支配されたい』っていう根っこの願いに気付いたから、アタシ達を家に連れ込んだのかい?」
「あぁ。『きっと孕ませるだけじゃ足りない。身も心も支配されたいんだ』と感じた。ハーレム、ってやつにも興味があったしな」
「……実は最後が本音じゃないのかい?」
頬を赤らめたまま、皮肉をぶつけられた。多少可愛いげはあるが口の減らない奴だ。とてもじゃないが、これが並み居る実力者達を下してきた『激昂するラージャン』とは思えない。
俺はこれみよがしにため息をつき、ラウナに冷ややかな視線を送った。
「……ま、いきなり真面目くさった話をしても、お前はあまり聞かないだろうと思っていたがな」
「そんな事はないさ。ただ、最後のが一番、理由としてわかりやすくてねぇ」
「つまり、俺はそんな短絡思考に見えると」
「いや、直感で動いているように見えるね。アタシの目を狙ったのも、咄嗟の行動だったんだろう?」
「……」
―なんだか無性に頭に来た。生意気だ。

729:猛き獣達の番い・4 5/5
09/03/09 20:42:16 r/DUja/N
鼻を鳴らし、俺はラウナを突き倒す。「あんっ」と可愛く悲鳴を上げる彼女に跨がり、そして笑みを浮かべた。
旧火山で女達に見せたのと同じ笑みを。
「まあ、モンスターだって事を除けば、お前達は相当の美人だ。そんな奴らに『孕ませてくれ』なんて言われたら、断るのも損だ」
「レ、レン……目が、こわいよ」
「しかも、揃いも揃って心の底では支配されたいっていうのばかり。男、いや雄なら、そんな据え膳を食わない方がおかしい」
「ちょ、ちょっと待っておくれ、まだ余韻が、ぁんっ!」
「だからお前達を連れ込んだ……これなら満足か」
「わかった、わかったっ!減らず口叩いた、ひぅっ!のはあやまるからぁんっ!ゆる、はぅんっ!ゆるしておくれっ!」
「……だがその話で行くと、雄は雌の言う事なんか聞かないぞ?なにせ、雄は自分の欲求を満たす事しか考えない生き物だからな?」
「そんなっ!ご、後生だからそれ以上乳首を引っ張らないで、ぅん!あっ!」
「まあ、なんにせよ夜は長い。だから少し付き合え、ラウナ。異論は認めない」
「ぁふっ!もう……勝手にしておくれ……ひぅっ!か、代わりに、アタシを狂わせる位激しくしてほしいね……んっ!あっ、あぁぁあっ!」


結局その夜は俺の家から、ラウナを始めとする女達の悦びに近い悲鳴が絶える事はなかった。
そしてその日から、俺は誇り高く強い獣達が認める『番い』として生きる事になったのだ―

730:太刀厨
09/03/09 20:51:18 r/DUja/N
やっとこ終了。過去にあった数少ないラージャン話に比べて、なんだか妙な感じになった気がする。
ちなみにこの話を書いたのは、「モンハン=野生味」ってイメージと「雌は強い雄と番いになる事が多い」ってのが繋がったため。それだけだったりする。
では、自分はしばらくこのネタで突き進もうかと思うので、その時はまた。


どうでもいいけど太刀いいよね。
太刀厨率めっさ多くて太刀使い率めっさ低いけど。

731:名無しさん@ピンキー
09/03/09 21:22:13 KkIa9OYA
いいじゃん、本能のままに番う人の姿をした獣達
好きだよこーゆーの

732:名無しさん@ピンキー
09/03/09 21:23:21 UtmNoK64
乙。
つまり、雄モンス×雌モンスズって構図だったわけだね。

733:名無しさん@ピンキー
09/03/09 21:33:17 /WfFvmZ0
>>730
GJだぜ。


ハーレムは、厳密には「番い」ではない希ガス



鬼刃斬りを華麗にかわし、切り払いにはガード突き。ヘイト稼いで尻尾を譲り、武器を納めりゃワザと斬られる。

そういうランサーにオレはなりたい。

734:名無しさん@ピンキー
09/03/09 23:23:36 bZs8akGS

他の古龍空気でワロタ

735:名無しさん@ピンキー
09/03/10 03:23:03 ewUnW9fB
乙でしたー。
このネタで突き進むってことはシリーズ化かな?
期待して待ってます。

736:名無しさん@ピンキー
09/03/11 18:47:28 FQp3xq+X
サルの母親が子どもにしつけするのをニュースみて妄想した、ラージャン親子で

親子丼もよくね?

737:名無しさん@ピンキー
09/03/11 23:19:28 vU+5YMvU
親子丼ならバサルたんとグラビたんをだな・・・

738:名無しさん@ピンキー
09/03/11 23:39:41 sg3FyOOM
はっきり繁殖期のメスと言われてるディアの出産をだな

739:名無しさん@ピンキー
09/03/11 23:40:06 ZnpnLWUO
いやいや、アプトノスだろ。ほらいるじゃないか、子連れのやつ。

740:名無しさん@ピンキー
09/03/12 01:12:36 4gv+AqQw
ウカム×アカムとか

ごめんなさいやっぱり無理です

741:名無しさん@ピンキー
09/03/12 16:18:34 gXu6DMya
むしろ親が子をしつけるとか(性的な意味で)

ハンター親子
モンス親子

742:名無しさん@ピンキー
09/03/12 16:19:42 gXu6DMya
おうふ途中送信orz

武具屋親子や道具屋親子他各種取り揃え御座いまする

743:名無しさん@ピンキー
09/03/12 20:48:52 b84NJCMy
武具屋親子って・・・
ばっちゃがあふん、とかやっても
ギャグでは?

744:珍味のひと
09/03/12 20:56:52 5qkkXAvx
親の方が『食べられない』って明記してあったフルフルは、親子丼出来ないっぽいな。
さておき。
前後の内、前編投下する。投下自体に9レスほど拝借。
*前提*
>>167-174の男女が逆転してる話。
>>168の27行目までの展開はほぼ共通だから、そこまで略
*傾向*
・ドスガレ擬人化×ハンター。今回エロ無し
・舞台はMHP2砂漠
・捏造設定多数かつ脈絡のないネタ混じり
以上許せる方はご覧あれ。
NGワード→『桃色したひらひらの…』

745:桃色したひらひらの… 1
09/03/12 20:59:40 5qkkXAvx
桃ヒレ求めてドスガレ乱獲を繰り返す女ハンター。
そのドロップの渋さに苛つきを募らせていた。
ある日、彼女は追い詰めたドスガレの背ビレの縁に桃色の輝きを見る。
だがドスガレを捕獲したハンターは知った。その背ビレの桃色はペイントボールに染まっただけのものだったと。
 
 ハンターさんは、うっすらそばかすの浮いた鼻にシワを寄せ、荒々しい鼻息を吐きました。
 女性としての取り柄は見た目だけと言われているのに、それすらぶち壊す、憤怒の形相です。大半はガブラスフェイクに隠れてますが。
 ハンターさんは舌打ちと共に、ぐーすかねんねのドスガレちゃんの背中を蹴りつけます。
「クソめ! この役立たずのどす黒包茎がっ!!」
 その場で地団駄を踏むように、何度も、何度もドスガレちゃんの背中に蹴りを入れる様子は、まさにアクション【悔しがる】。
 お聞きのとおり、このハンターさんは下品で毒舌でありました。
 鼻筋整った彫りの深いお顔はキレイと言えるもので、ほどよくお肉が付きつつ締まったスタイルは女性らしく魅力的です。
 が、とってもモテません。
 
 余談はさておき。
 暑さで苛ついていた事もあって、ハンターさんのヒス……いやいや、怒りはいや増すばかり。
 暫くの間、ハンターさんは顔の横に垂らした二房の髪を振り乱し、キックの鬼と化しておりました。
 蹴っても蹴っても、硬い背中のドスガレちゃんには、ちっとも痛痒を感じさせていないばかりか、
自分の足がちょっぴり痛くなってきたり、ダルくなってきたり。
 ハンターさんは自分の頬っぺたに汗がしたたっているのに気付き、ふと我に返りました。
 ここは丁度岩影でしたが、ただでさえ暑い砂漠で、ガブラスーツを着込んでるお陰で不快指数はかなりお高くなっております。
 ハンターさんは肩で息をしながら、落ち着こうと自分に言い聞かせます。
 
 落ち着こうとしているのですが、ハンターさんはドスガレちゃんを捕獲してクエスト達成してる事を、すっかり忘れていたのです。
 ですので、ギルドの人へ回収してねというお知らせを出すこともキレイさっぱり頭にありません。
 ご覧のとおり、ハンターさんは血の巡りがよろしくございません。
 今ハンターさんの頭をいっぱいにしているのは、ドスガレちゃんに、どうやって自分の悔しい思いをぶつけるか。
 ハンターさんとっては、桃ヒレ生やしてなかったドスガレちゃんが悪いんです。
 悪いドスガレちゃんには何をしてもいいんだと、ハンターさんは思っていました。
 
「全身のヒレ全部切っちゃって、鱗一枚も残さずを剥がしちゃって、カンカンに焼けた砂の上に転がしてやろーかしらね」
 お腹空いてきた事もあって、ハンターさんの不機嫌さはマッハで加速中です。
「お腹を開いて、ゲネポッポの巣に放り込んじゃうとか……」
 そのゲネポッポの群れのボスの生首をさっきゲットしたとか、ハンターさんには忘却の彼方でした。
 ともかく、生まれて来たことが嫌になるくらい、痛くて惨めな思いをさせたいなー、なんて、ハンターさんは考えたのです。
 
 ぼむと小さな破裂音がしたので、ハンターさんは頭の中での拷問百選の閲覧を止めました。
 おかしなところだけは記憶力が働くのは、ヘンな人に有りがちなことです。
 音の出所をハンターさんが見ると、シビレ罠がやり遂げた漢の顔をして、その儚い命に幕を降ろしていたのです。
 そんなことはお構い無しに、ドスガレちゃんはぐーすかぎゅーと、口を開きっぱなしに眠り続けていました。
 何もドスガレちゃんが暢気な訳じゃなく、それもハンターさん達が使うお薬のせいなのです。
 しかしながら、ドスガレちゃんの一聞能天気な寝息は、ハンターさんのヒス……いやいや怒る心に火を点けます。
 お察しのとおり、ハンターさんはとってもキレやすい人でした。
 


746:桃色したひらひらの… 2
09/03/12 21:03:27 5qkkXAvx
 ハンターさんはドスガレちゃんから離れ、このエリアに入った時に投げた自分の荷物を拾いに行きました。
 フットワークが命の弓使いでしたので、捕獲だけといえ、ドスゲネポッポの頭とか抱えて戦ったりはしないのです。
 ハンターさんは拾い上げた荷物から砂を払って、ごちゃごちゃした中を覗き込みます。
 手慰みに調合してみた、LV2睡眠ビンこと眠魚入りビンは熱気で臭くなってきたので捨てました。
 ペイントの実入りビンは、ドスゲネポッポの尻尾をピンクに染めるのに一役買いました。
 二度焼きしてある保存食、ピカピカする小石、何かの大きな種、日除け兼砂塵除け外套、半端に溶けかけてるスイーツ(笑)。
 素材玉なんか、隙間から入った砂を纏って泥団子みたいになってます。
「んもう、役に立ちそうにないものばっかりじゃないの……っ!」
 それすらもドスガレちゃんのせいだと言わんばかりに、ハンターさんは吐き捨てたのでした。
 
 色々と痛め付ける手段は考えてみたものの、考え疲れてちょっぴりどうでもよくなってきたハンターさん。
 そんな彼女が、荷物の底から一つのビンを見つけ出したのです。
 それはハンターさん命名するところの劇毒ビンといいました。
 怖い怖いキノコを磨り潰した物が詰められています。
 食べたら一発でお腹が壊れて苦痛に身を捩らせるその威力は、うっかり食べちゃった事のあるハンターさんお墨付きです。
 
 暫くして。
 ドスガレちゃんのお顔の前に立つハンターさんは、ビン片手に笑うのでした。
 もうじき、ドスガレちゃんを眠らせている麻酔薬も切れてしまう頃でしょう。
 体の大きな魚竜種には、通常量の麻酔薬では効果時間が少し短いのです。
 そんなことも、今のハンターさんには好都合でした。
 矢でもってドスガレちゃんの体に毒を撃ち込み、麻酔が切れて痛みに喚き、のたうちまわる無様な姿を見てやろうと、ハンターさんは企むのです。
 ビンの蓋を開けてやじりを浸し、その矢を、ハンターさんはドスガレちゃんの首に突き立て、引き抜きました。
 まだ麻酔が切れていないせいか、ドスガレちゃんの寝息は一瞬止まっただけで、すぐ安らかに再開されました。
 ちょっぴりおかしな力の入れ方したせいで、抜いた矢は折れてしまいました。
 けれど、ハンターさんはそんなこと気にしてられません。
 
 輝く笑顔で見守るハンターさんの目の前、ドスガレちゃんのにぎやかな寝息に変化は一向に現れません。
 ハンターさんは「あれ?」とばかりに劇毒ビンとドスガレちゃんを交互に見ました。
「きっと体がおっきいから、毒回るの遅いのよ、そーよね」
 考えるのも面倒くさいハンターさんは、そう決めつけたのです。
 
 ハンターさんはぷっくりしたおしりの上に乗っかるような矢筒に手を伸ばし、矢を一本抜き取りました。
 そしてそのやじりを劇毒ビンに浸したまま、ちょこちょこと移動するではありませんか。
 ハンターさんはドスガレちゃんのおしりの辺りに屈み込み、悪いお顔をし始めました。
 ドスガレちゃんが目を覚ました時、ハンターさんがお顔の近くにいたら、その大きなお口で丸かじりにしてしまうかもしれません。
 おしりの近くなら、次の一刺しで起きても、ドスガレちゃんがまともに動けるまでに充分な距離をとれると、ハンターさんは考えたのです。
 ドスガレちゃんのお腹側は少し白っぽく、脚とヒレっぽい何かが生えています。
 それ以外はほとんどつるりとなだらかで、カエルにちょっと似てなくもありません。
 お腹からおしりの境がよくわからないながらに、ハンターさんは、ドスガレちゃんのおしりに矢を突き刺しました。
 
 ドスガレちゃんの寝息が途切れます。
 けれどもまたそれは、ほんのまばたき一つの間。
 すぐに再開されたイビキ調の寝息にハンターさんの怒りは静かに再燃を始めます。
 矢を引き抜きながら、ハンターさんは考えました。
 いっそビンの中身を、直接ドスガレちゃんのお口に、ぶちまけてやれば良いんじゃないかと。
 しかしながら、ドスガレちゃんの顔はお口をぱっくり開けたままに横倒しになっています。
 これでは上手く半液状の毒を飲ませられるか怪しいものです。
 


747:桃色したひらひらの… 3
09/03/12 21:07:40 5qkkXAvx
 ふと、飛竜に対する毒生肉みたいに、何かに含ませて飲み込ませる事を思いついたハンターさんは、手にした矢を弓弦につがえました。
 そのまま踵を返して小走りに駆けて行った先は、オアシスの水辺です。
 ハンターさんは足を止め、すいすい泳ぐお魚さん達を少しの間、ガブラスフェイクの奥から目を細めて眺めます。
「てや」
 気のない掛け声と共に弓から放たれた矢は、ハンターさんの狙い通りに鋭く水面を突き破りました。
 魚達が逃げた水際へとハンターさんは踏み込みます。
 矢は浅い水底に突き立ち、頭の砕けたサシミウオがぷかりと浮かんで来ました。
「やーね、もう。頭、取れちゃったじゃない」
 弓を背負い、残念そうにハンターさんは呟きました。
 大きくもない魚に対竜用の矢を使えばどうなるか、言わずと知れた事です。
 これこのように、ハンターさんはつくづく考え無しでした。
 
 仕留めたサシミウオの口から劇毒ビンの中身を流し込んみ、毒生魚に仕立てよう。
 そう考えていたハンターさんですが、魚の頭がふき飛んでしまっては簡単に行きそうにありません。
 食道は残っているのでしょうが、うじゃけた傷口をまさぐるのはちょっぴり面倒臭そうです。
 うるさいドスガレちゃんの寝息を耳にしながら、ハンターさんは劇毒ビンの原料、ドキドキノコの威力に思いを馳せました。
 
 さてお腹に劇毒ビンの中身を仕込み終えたサシミウオ片手に。
 ハンターさんはドスガレちゃんの寝顔をとっくりと眺めました。
「その間抜け面さらしてられるのも今のうちよー……ぅふふふふぁははははは!」
 含み笑いを高笑いに変えながら、ハンターさんはドスガレちゃんの喉奥めがけて頭のないサシミウオを放り投げました。
 大きくほの暗いお口の奥に、べちりと毒生魚はぶつかります。
 ドスガレちゃんの寝息は止まり、ぐぎゅ、と寝言のような声が出されました。
 ハンターさんは、足元に転がる枯れた板状の植物を拾い上げまして。
 それをドスガレちゃんの鼻面に叩き付けます。
 途端、ギザギザの牙達の埋まった歯茎がせり出して、バクリと宙を噛みました。
 ドスガレちゃんの閉じたお口と動いた喉を見、ハンターさんは再び悪ぅい顔で笑うのでした。
 
 ドスガレちゃんはブゴッとモスみたいな声を上げ、ちょっぴり首をもたげます。
 うぇいくあっぷ・ざ・どすがれおす、です。
 じりじりと距離を取りつつも、ハンターさんは決してドスガレちゃんから目を離しません。
 いつ苦しみ出すかと、楽しみで仕方ないからです。
 先程までの寝こけっぷりからは信じられないような身軽さで、ドスガレちゃんはひらりと身を起こし、その二本の脚で立ちました。
 両腕(ヒレ?)をお空へ向かって伸ばし、ドスガレちゃんは元気一杯、ぎぉーうと鳴きました。
 
 おかしさを感じ、ハンターさんは眉をひそめます。
 穴でも開けそうな凝視に気付いているのかいないのか、ドスガレちゃんは長い首をもたげ、我が身をしげしげと眺めているようです。
 一度目蓋を閉じた後、ハンターさんはくわりと眼を剥きました。
 そして違和感の正体に気付いたのです。
 さっきまでしんなりと垂れていたはずの背ビレが、雄々しく天を衝いているではありませんか。
 そればかりか、砂埃にまみれた鱗の一枚一枚が艶を増したようにすら見えるのです。
 元気百倍とか吹き出しの付きそうなお肌っゃっゃ具合は、ハンターさんを歯噛みさせました。
 
 ハンターさんの脳裏を一つの記憶が掠めます。
 近頃同僚がどっぷりとハマっている、馴染みの飯屋の裏メニュー。定価2ゼニーぽっちの怪しい緑色スープ。
 一杯食べれば力みなぎる素敵なスープだというそれの主な材料は、ドキドキノコだと聞きました。
 彼の言うことは満更嘘ではなかったのです。
 ドキドキノコの効果はどっきりびっくり気まぐれデタラメ。
 お腹を壊す事もあれば、嘘みたいに疲れがとれてしまう事もあるのでした。
 


748:桃色したひらひらの… 4
09/03/12 21:11:38 5qkkXAvx
「何よ、なによなによ! クソ砂ムシの分際で……ッ」
 ハンターさんは、握り拳と肩と声をわなわな震わせました。
 ドスガレちゃんがその小さく円らな目を向けているのも、お構いなしです。
「ああぁあもうっ! このがっかり砂ムシ!」
 ちょっぴり垂れ眉テイストの効いたドスガレちゃんの顔めがけて右手人差し指をびしと突き付け、ハンターさんは叫びます。
「ナガムシのクセに全快なんて生意気だわよ!!」
 どこぞのいじめっこのような言葉も突き付けられたドスガレちゃんは、げ、と小さめに鳴きました。
 甲高いハンターさんの声が耳障りだと感じたのか、ドスガレちゃんの顔はふいと他所を向きます。
 
 桃ヒレ生やしてないし、苦労して毒盛っても苦しまないうえに元気満々になっちゃうし、文句聞く耳も持たないし。
 ハンターさんの怒りの内圧は高まるばかりでした。
 彼女の心の狭さは猫の額といい勝負です。勝るだろうし劣りません。
 両の拳を握りしめ、それらを体の両脇へと振り下ろし、再度ハンターさんは叫びます。
「無視してないでこっち見なさいよね! そこで正座してあたしの話聴きなさいよ!!」
 ハンターさんは、軽く無茶を言いました。
 風にそよぐ草花のように、ドスガレちゃんの尾ビレが揺れるのを見て、ハンターさんは苛立ちを露わに一度砂を踏み鳴らします。
 おかげで、ドスガレちゃんの頭が小さく縦に振られたのを、見逃していたのです。
 
 ざぁ……
 
 雨に似た音がした、とハンターさんは感じました。
 それと同時に砂臭い風が吹きつけて、視界は白っぽく霞んでしまいます。
 降って湧いたような砂埃に、ハンターさんは目を開けていられませんでした。
 息をするにも口に鼻に、砂埃が入ってしまうので、堪らずハンターさんは後退りました。
 踵で砂の上を探る様に下がっていけば、息苦しくない程度の位置まで来た頃です。
「言いっぱなしで放置とは感心しないぞ」
 ハンターさんの正面の方から、男の人の声が聞こえたのです。
 とっさに弓に手をかけ、声の方へ目を凝らし、ハンターさんは誰何の声を上げるつもりで、
 むせました。
 砂埃をもろに吸いこみ、ハンターさんは咳込んでしまったのです。
 
 いわゆる生理的な涙というものを黒い革手袋に覆われた掌の底で拭い、ハンターさんは真正面、声のした方を睨みます。
 相変わらず砂埃が舞っていましたが、その向こうにうっすらと黒い人影が透けていました。
「だれよ、あんた」
 自分以外の人が居るとは思っていなかったハンターさんの声は、露骨な警戒心に彩られたものです。
 あんなことこんなことしていたのが全部見られていたんじゃないかと、ハンターさんの掌はじっとりと汗ばみました。
「誰でもいい。今は反省しろ」
 少しがさついた低い声に淡々と命令口調で言われて、早速かちんと来たハンターさんの頬がぷくっと膨れました。
 ハンターさんは背負った弓から手を離してその手を腰に当てます。
 砂埃の中の人影を睨んだまま、言われた通りに己を省みるべくちょっと記憶を巻き戻しました。
 三つ歩けば忘れるという程ではありませんが、このハンターさんの記憶力は頼りないものなのです。
 その記憶を呼び起こす助けなのでしょうか、落ち着いてきた砂埃の中の人が言いました。
「ここに座して話を聴けと言ったのは、おまえだろう。さて、いつ話し出すのだ」
 そうだっけ、とハンターさんは首を傾げました。
 
 砂埃が鎮まった頃、ハンターさんから少し離れた正面には、黒い肌の人が砂の上に正座していました。
 全裸で。
 半裸辺りまでなら見慣れていたハンターさんも、まさかの全裸に硬直してしまいます。
 引き攣った喉からは、小さく悲鳴が漏れました。
 男の人は、おにいさんと呼ぶにはちょっと苦しく、おっさんと呼ぶには可哀想なくらいの年頃です。
 ここは間をとって、おにっさんとしておきましょう。
「どうした。話す事があったのではないのか」
 顔色を変えて固まってしまったハンターさんの様子を気にした風もなく、おにっさんは尋ねました。
 全部のパーツが線で構成されたような顔のおにっさんは、薄い色の短い髪や黒い肌から、大きな手で砂を払い落しています。
 座っていても大きなおにっさんを見詰めていたハンターさんは、ふと我に返りました。
 そして、この状況に考えが追い付かず、キレました。
 


749:桃色したひらひらの… 5
09/03/12 21:14:58 5qkkXAvx
「何なの? だからあんた誰ッ! いつから、どうしてそこに居て、何で裸なのよっ!?」
 言葉の切れ目でビシビシとおにっさんを指しながら、真っ赤な顔のハンターさんは矢継ぎ早の質問を投げ付けます。
 おにっさんは迷惑そうに眉根を寄せたのですが、元々下がり眉と糸目の持ち主でしたので、とっても困った顔のように見えてしまいます。
 ハンターさんはといえば、鼻息を荒げたついでに砂埃でムズムズしたのを思い出して、小鼻をむにむにとこすっていました。
 鼻をこすりながら睨みつけるのは、ちょっぴり間抜けでした。
 ふん、と鼻を鳴らして、おにっさんはその大きな口を開きます。
「誰かと訊かれても困るが、おまえの言葉によれば砂ムシか。
 我らは我らを砂食みという。先程休息をとろうとここへ出て、鱗が無いのは、なんとなくだ」
 さり気無く、いい加減な返答もありました。
 ハンターさんは鼻をこするのをやめて、首を捻ります。
「すなはみ……、すなむし?」
 ハンターさんは下唇を軽く噛んで考えます。自分がクソ砂ムシ、がっかり砂ムシと言った相手はドスガレちゃんでした。
 そう言えばドスガレちゃんは砂煙と共に消え去ってしまっています。
 そして目の前には自称砂ムシの、色黒ででっかいおにっさんが律儀に正座を続けています。全裸で。
「話はまだなのか。そろそろ脚がしびれてきたぞ」
 あまり抑揚のない声で、おにっさんはハンターさんに話を促しました。
 
 考えても状況がよく解らなかったハンターさんは、考える事を打ち切りました。
 溜息ひとつ、おにっさんに目を向けて、すぐに逸らします。
「ちょっとそこで待ってなさいよ」
 言うや否や、ハンターさんはおにっさんに背を向け、駆け出しました。
 その場に残されたおにっさんは、遠ざかるハンターさんのガブラスーツフットに包まれたおしりを見つめ、小さく呟くのでした。
「二つに割れてるな」
 そして、自分の背中からおしりにかけてを撫でてみて、おにっさんはその糸目を心持ち見開きました。
 青空の下、おにっさんがまた呟きます。全裸で。
「二つに、割れた」
 
 荷物を抱えて戻ってきたハンターさんは、おにっさんの前で足を止め、荷袋の中へ手を突っ込みます。
 黒い革手袋に覆われた手が引っぱり出したのは、日除けの外套でした。
 ハンターさんはおにっさんに外套を投げ寄越して言います。
「それくれてやるから、その、粗末なもの隠しときなさい。有難く思いなさいよね」
 実際はハンターさんから何かが見えたわけでもないのですが。
 全裸の人を直視したくないハンターさんはちょっぴり悪態を吐きました。
「礼は言わん。隠すべきものなぞ有りはしないがな」
 おにっさんはハンターさんの物言いに、気を悪くした様子もなく尊大に返します。
 あまり肌触りも良くない布製の外套を、ごっつい指先でつまんで広げ、観察し始めました。
 とりあえず視界から男の人の肌が隠れたことにハンターさんは安心して、おにっさんの前に腰を下ろしました。
 ドスガレちゃんを始め竜達の姿も見えないので、荷袋や弓や矢筒も脇に置いてしまいます。
「それと、よ。足崩しゃいいじゃない。あたし、なにもあんたに正座しろなんて言ってないもの」
 外套の手触りを確かめていたおにっさんは、顔をハンターさんへ向けました。
 糸目からのまじまじとした視線を受け、ハンターさんは落ち着きません。
「ぬかした言を端から忘れるのは、そういう作りなのか。おまえは」
 ハンターさんは、かさついた低い声から呆れを感じ取り、鼻から深く息を吸い込んで、ぐっと胸をそらしました。
 口をへの字にして怒ると、背が伸びるのは、人の本能的な威嚇行動なのかもしれません。
 
「なによう、素っ裸の変態のクセに! あんた失礼なヤツね。なんで恵んでやった相手に、馬鹿にされなきゃなんないのよ!!」
 間近からのハンターさんの大声に、おにっさんは少し眉をひそめます。
「馬鹿になどしてはいない。ただ純粋な疑問から尋ねたまでだ。違うなら違うと一言で済むだろう」
「黙んなさいよ変態白髪色黒デカブツ!! 十秒で描けそうなうっすい顔の分際で、あたしに上からモノ言うなんて十年早いわ!」
 甲高い声が、暴力的な音量でおにっさんの聴覚を襲うのです。
 まだまだがなり立てそうなハンターさんの様子に、おにっさんはほんの少し、頬を引き攣らせました。
 


750:桃色したひらひらの… 6
09/03/12 21:19:16 5qkkXAvx
それは唐突でした。
「とう」
 おにっさんは気のない声と共に、ハンターさんを頭からすっぽりと外套で覆ってみたのです。
 いきなり世界が暗く閉ざされたハンターさんは呆気にとられてしまい、外套の下でまばたきをしました。
 やがて、その鼻の先に触れる感触が、とっても憶えのある外套のモノだとわかると、また鼻から深く息を吸ったのです。
 
 ハンターさんが怒りの声を上げようとしたその時です。
 大きな手が布ごと、ハンターさんの口を押さえてしまいました。
「おまえが話すというから聴いてやろうと待っているのに、少しも話が進まないではないか」
 視界が効かない中、聞こえるおにっさんの淡々とした声に、ハンターさんは叫ぶのも暴れるのも止しておこうと思いました。
 自分より遥かに体格のいい男の人が、視界を奪って何をしようというのか。
 ハンターさんは命の危機を感じ、あんまり深く考えたくもなくなりました。
 大人しくしているハンターさんから、おにっさんの大きな手が離れます。
 ハンターさんは声もなく、頭から被せられた布を取り払う事すら思い付かず、後退ろうとしても腰が上がりませんでした。
 砂を踏みしめる音がして、おにっさんが立ち上がろうとしているのがハンターさんにも解りました。
「あ」
 かすれた声が上がったワケをハンターさんがきき返す間もありません。
 ハンターさんは、立ち上がろうとした瞬間に脚の痺れでこけたおにっさんの、下敷きにされたのです。
 
「ぅ重っ!!」
 砂面に背中をぶつけて痛かったのに、ハンターさんの口から出た言葉はそれでした。
 後ろ頭はガブラスフェイクのおかげで案外大丈夫です。
「すまんな。ここまで脚の感覚が無くなっているとは思わなんだ」
 おにっさんは、ハンターさんを下敷きにしたおかげか、裸なのに全く無事でした。
 それどころか押し倒したハンターさんの胸に顔を受け止められ、見事なラッキースケベ状態です。
「ちょ、どこにどうして……」
 背中は痛いわ体の上に人が乗ってて苦しいわで、ろくに声も出ないハンターさん。
 その言葉を止めたのは、おにっさんの呟きでした。
「黒い肌をしているからには、どれほど硬いのかと思えば。随分と柔いのだな、人は」
 軽く頭を打ったせいか、なんなのか。
 さっき途中で打ち切った考えとおにっさんの呟きの内容とが、一つの事をハンターさんに理解させました。
 おにっさんのごっつい手が、遠慮なんてなく興味津津でガブラススーツボディに包まれたハンターさんの体を撫でていきます。
 一つ理解してしまえば、芋づる式にあれこれそれと「わかった!」が広がっている最中のハンターさん。
 珍しくも考えに夢中になっていました。
 
 ハンターさんが、思い出したように自分の頭に被さった外套をめくりました。
 ガブラスフェイクの奥、眩しげに薄茶色の眼を細めるハンターさんを、おにっさんの糸目がちらりと見上げます。
「ねえ、すなはみって、ヒレと鱗が生えてて、砂の中泳いで、ギザギザキバのでかい口から砂吐く、アレ?」
 らしくもなく穏やかな声で、ハンターさんが訊きました。
 おにっさんが手を止め、ふむとうなりました。
「それが、砂中を裂き進む平たく尖った頭、長い首と尾、二本の脚を備えた者なら、確かに砂食みの事だ」
 すぐ近くにあるおにっさんの砂まみれの髪が、ほとんど白に近い紫色をしているのにハンターさんは気付きました。
 奇妙な色なのですが、それもハンターさんを納得させるものとなったのです。
 ようやくおにっさんがハンターさんの体の上から退きました。
「そんでね、あんたはあたしが追っ掛け回して、矢を撃ち込みまくったあの、すなはみなのよね」
 然り、とおにっさんは答えました。そして、凶悪な感じの爪の生えた指でハンターさんを差します。
「そうだ。理解しろ。冷静にな」
 ドスガレちゃんは、紫鱗に黒い皮膚、大きな体をしていました。
 おにっさんにはそういう要素が確かにあるのです。
 おにっさんののっぺりした顔も、言われてみればドスガレちゃんテイストに見えなくもありません。
 


751:桃色したひらひらの… 7
09/03/12 21:22:16 5qkkXAvx
 ハンターさんの横で、おにっさんは居住いを正しました。
「話を聴けとおまえは言ったろう。何を聴かせるつもりだかしらんが、そろそろ語り始めてもいい頃ではないのか」
 わざわざ全裸に正座で待機してくれるおにっさんが、ナチュラルボーン変態なのか、律儀なのか、ハンターさんには解りません。
 体を起こしたハンターさんは、おにっさんの見えそで見えない何かを隠すため、外套をおにっさんの腰に被せました。
 しかしながら、さっきのようにおかしな使われ方をしては困ると考え付いたハンターさんは、そのままおにっさんの胴に腕を回します。
 おにっさんの腰回りに外套を一周させ、端を結んでおきました。
 これでずり落ちたり、被せられたりしないはず、とハンターさんは自分の仕事の出来に会心の笑みをこぼします。
「話は聴いてやるが、無駄に大声を張るのは止せ。聴く気が失せる」
 おにっさんはハンターさんのやる事を気にしてないらしく、変わらず淡々と言うのでした。
 
 再度おにっさんの正面に腰を下ろしたハンターさんは、胡坐を掻きました。
 自分の膝に片肘突きながら、ハンターさんはおにっさんを指します。
「正座はもういいから」
 そうか、とおにっさんも胡坐を掻きました。
 隠れて欲しい何かが隠れていても、男の生脚は本当に目に嬉しくないモノだと、ハンターさんは思ったのでした。
 何か忘れているような気がしながら、ハンターさんはガブラスフェイクを脱ぎます。
 頬に風が当るのを感じ、ハンターさんは爽快感に微笑みました。
 すっぽ抜けた蛇頭におにっさんが目を丸くし、糸目が開くことにハンターさんがびっくりしました。
 ハンターさんはドスガレちゃんことおにっさんに、ハイガノボマーDEウマー計画と、その道程を語り出したのです。
  
 出来るだけ安全に飯のタネを稼ぎたい事、そのためには砂の竜の桃色ヒレが必要な事。
 ガレオスを狩れども狩れども桃色のヒレが生えている個体が見当たらない事。
 桃ヒレ生やしてないドスガレに八つ当たりしたのに、ほとんど効かなかった事。
 砂漠の暑さに心底うんざりしている事。肌荒れに留まらず、日焼けとそばかすが増えちゃった事。
 虫嫌いな同僚が変なスープにハマって怖い事。
 近くに住んでる別の同僚が最近ケルビを飼い始めて、なんだかうるさい事。
 同じく近所に住んでるこれまた別の同僚が、部屋に女を連れ込み始めて妬ましい事。
 男共はどいつもこいつも女扱いしてくれないっていう失礼千万な事。
 そのくせ下ネタ振る時は喜々として馬鹿じゃねーのクソな事。ノリノリに乗ってやんよオラな事。
 むしろドン引きさせてくれるわ畜生共めな事。
 
 ハンターさんによる取り留めのないこと限り無しな話を、おにっさんは相槌を打ったり頷いたりしながら、聴いていました。
 話し疲れて、お水を飲んで一休みしているハンターさんに向かって、おにっさんは言いました。
「だいたいわかった」
 多くを語ったハンターさんと同じくらいの疲労感を漂わせ、おにっさんの言葉は続きます。
「だがな、我らに関わる話題は、多分に譲歩してもその日に焼けて云々辺りまでだろう。その他の話題を、砂食みに話してどうするつもりだ」
 言葉のお外からは「知らんがな」という意味が匂わされていますが、我らがハンターさんは空気を読みません。
「だって、あれこれ言いたい事が溜まってたんだもの。ついでよついで」
 後ろ頭をバリバリ掻きながらも晴れやかな表情で言われ、おにっさんも言葉を重ねようとはしませんでした。
 
 片膝立ててお水を呷っていたハンターさんが、ぽんと膝を叩きました。
 おにっさんの視線が自分に向いたのを感じて、ハンターさんはそのお顔をずいとおにっさんに近付けます。
 上目遣いでおにっさんの顔を眺め、ハンターさんは言いました。
「ね、あんた、なんで人になってんの?」
 それは生まれ出でて当然の疑問です。しかし生まれるのが遅すぎるのではないでしょうか。
 ハンターさんの問いに、おにっさんは少しの間、だんまりになってしまいました。
 


752:桃色したひらひらの… 8
09/03/12 21:25:36 5qkkXAvx
 答えてくれないおにっさんは、勿体ぶっているのか、はたまた目が細いから解らないけど、実は寝ちゃってるのか。
 ハンターさんはそう考えて、おにっさんの糸目をしげしげと見詰めました。
 糸目ながらまばたきもするし、目玉も動いているのを確認し、ハンターさんはなんだか感心します。
「なんでよ、ねー」
 大人しくお話を聞いてくれたおにっさんに対して、ハンターさんは馴れ馴れしくしていい人と判断しました。
 フレンドリーなのではありません。このハンターさんの態度を別名、格下扱いともいいます。
 距離無しなハンターさんの態度に動じた様子もなく、流石の元ドスガレちゃんのおにっさんは大物っぽく頷きました。
「話せば長くなる」
「あたしの話よりも?」
 またも頷いたおにっさんに対し、ハンターさんはパサついた食物を頬張りながら返します。
「聴いたげるから、コンセツテイネイに、解りやすーく説明しなさいよ」
 長い話を聴くのは嫌いな事を忘れて、ハンターさんはそう言ったのでした。
  
「我らは砂食みといえど、砂のみで生きていける訳ではない事は知っているな。
 食らう肉と砂が揃わなくては生きてはいけない。逆に砂と肉の食らえる所ならば、砂食みのいずれかが辿りつくこともあるだろう。
 だが、この一帯に棲む我らは、他の地域の砂食みとは違う。
違ってしまったというべきか」
 ちょっぴり仰々しいおにっさんの語りに、ハンターさんは早くもうんざり気味です。
 己の言葉に責任なんか持たないのがこのハンターさんでした。
 けれど、荷物の中からかなり溶けた氷結イチゴを見付けて、口に含むと同時、ハンターさんの視線はおにっさんへと戻ります。
 腐っても女の子なハンターさんは、お話の供にお菓子があれば何とか話に集中できるのです。
「そうだな、例えば。おまえが桃色のヒレがないだのとぬかしていたが、当然の事だ。
 あれはほとんど女にしか生えない。そしてこの一帯に砂食みの女はいない」
 
「ふぇ!?」
 せっかく集中したばっかりだったのに、ハンターさんは驚きのあまり変な声を出しました。
 桃色だから女の子専用だなんて安直な、とか突っ込む事すら思い付きません。
 間抜けな顔になっちゃってるハンターさんを放っておいて、おにっさんは続けました。
「知らぬわけでもなかろうよ。おまえの同族にも、わざわざ我らの腹を裂いて、子種の詰まった袋だけを取っていく輩がいたぞ」
 おにっさんの疑わしげな目で見られ、いやいや知らないからと否定するハンターさん。
 ハンターさんはトレハンなんて小洒落た事をしたことがありません。
 なので、この辺りのガレオスちゃん達の7割が白子(しらこ)持ちだなんて知らないのです。
 (参照:大丈夫?な本)
「子種を蓄えた袋を持つ女なぞいない。桃色ヒレは砂食みの女にしか現れない。解るな」
 背筋を綺麗に伸ばしたおにっさんの前。ハンターさんはへどもどしています。
 予想もしていなかった話に、なかなか思考を戻せないのです。
「じゃ、じゃあ、さ。あたしが今までドスガレ追っ掛け回してたのって、すっごく無駄なの!?」
 ハンターさんはおにっさんに詰め寄り。
 かけて、大きな手に顔を掴まれ阻まれてしまいました。
 おにっさんの掴む力が強いのは勿論、危険な感じの爪が、今にもハンターさんの肌を破らんばかりに食い込んでいます。
「痛っ危なっ! 放してよっ! 乙女のやわ肌何だと思ってんのよ!」
 状態が状態なだけにハンターさんは暴れる事も叶わず、罵る声も少し気弱なものでした。
 おにっさんの手を剥がそうとするのですが、少し震えた指の力など、何の役にも立たなかったのです。
 
 おにっさんは、自分の手にかかった二回りほど小さなハンターさんの手を、蛇顔飛竜の赤黒い革手袋に包まれたそれを、見詰めました。
「色が黒いのは好みだが、おまえの色ではないようだな」
 おにっさんは掴んでいる顔の肌色に目を移し、ふむとうなります。
「手袋好きならあげるから、放してよぉ……」
 痛いわ怖いわで涙目になってきたハンターさんのか細い声に、やっとおにっさんは手を放しました。
 ハンターさんは何度もしゃくりあげ、涙をぽとぽと零しながら手袋を取って、おにっさんのごつい手に押しつけました。
 


753:桃色したひらひらの… 9
09/03/12 21:29:33 5qkkXAvx
 べそかきハンターさんにどう対応したものか、おにっさんはほんの少し困ったようでした。
 一方のハンターさんは、始めの内こそマジ泣きでしたが、今やほとんど嘘泣きです。
 内心では「困れ困れ」と笑っているくらいです。
 そんなハンターさんの性根は、腐れ縁の同僚からは「あいつ、泣きゃ済むと思ってやがる」と非常に不評でした。
 
 おにっさんが溜め息を一つ吐きました。そしてハンターさんの顔を覗き込むように、身を屈めます。
 しめしめと思ったハンターさんは、その表情を隠すべく、殊更両手で涙を拭う仕草をしてみせました。
 ハンターさんの涙に濡れた片手を、おにっさんが取りました。
「話を続けるぞ。この一帯の砂は石と化した古い龍や、得体の知れん金物の混じりだ。
 それを食む我らも知らず知らずのうちに変えられていく。我らは、己で言うのもなんだが、砂食みとしては無駄に小賢しく成り果てた」
 女の人の手を取っておきながら、平然と話を再開したおにっさんに、ハンターさんは思わず涙の止まっている顔をあげました。
 しまったと思った頃には、おにっさんの糸目とハンターさんの潤んだ目はばっちりと合っていたのです。
「なんだ」
 おにっさんは、笑いました。
 大きなお口の端が更にキリキリと吊り上がり、のこぎりみたいなギザギザの歯が並んでいるのが見えます。
 驚きと怖さに、動きを止めてしまったハンターさんの耳に、おにっさんのざらついた呟きが届きました。
「どうせまた泣かされるのだから、泣き止むのも無駄な手間だろうに」
 正しく取って食いそうな笑顔のおにっさんから逃れようにも、ハンターさんは既に手を取られていました。
 ハンターさんの素手におにっさんの黒い手が音もなく滑り、捲り上げる様に袖の内へと入り込んでしまいます。
 肘の内側に鋭く爪を立てられて、小さな悲鳴をあげたハンターさんは、おにっさんの手を振り解こうとしました。
 けれどそれは、かないませんでした。
 
 成す術もなく崩れおちるハンターさんの体を、笑顔を引っ込めたおにっさんが受け止めました。
 ハンターさんは自分の状態を把握したのです。
 意識ははっきりしているのに、全く体に力が入らない。これはいわゆる麻痺状態というものだと。
「なに、すうの……よ」
 言葉も少し怪しくなってしまっています。
 ハンターさんはすっかり忘れていましたが、ドスガレちゃんのヒレには麻痺毒を持ったトゲがあるのです。
 トゲから爪へと姿を変えても、毒性は変わらずに備わっていました。
 おにっさんは、ハンターさんをそっと抱き締めて囁きます。
「先程言ったろう。この一帯に砂食みの女はいない」 
「らから、なんら、の。はあしなはいぉ」
 砂っぽいおにっさんの胸に頬っぺたがくっつき、ハンターさんはますます喋りにくく感じました。
 おにっさんはハンターさんの髪に触れてみながら、もごもごとくぐもる声を聞いています。
 
 ハンターさんの要求を呑む事もない代わりか、おにっさんが噛んで含めるように囁きました。
「季節柄、繁殖行動をとりたくて堪らない。この際異種族でも全く構わん。体はおまえ合わせてやっている。有難く思え」
「かまえ。あらしは、やらから」
 呂律が回らないのに、ハンターさんは懸命に言葉で拒絶しています。
 けれども、さっきみたいな大声も出ないようで、そんな言葉もおにっさんは涼しい顔で受け流してしまうのでした。
「合意がなければ強引に、が我らの身上だ。言うなれば穴があったら入りたい」
 言ってはなんですが、おにっさんは言い回しがおっさんでした。
 
 下ネタを振られるわ、ガブラスーツの上から撫でまわされるわ。
 流石に物分かりの悪いハンターさんにも、はっきりと話の方向が読めてまいりました。
 ガブラスーツ越しに伝わるおにっさんの体温に、感触に、これまで危機感を持たなかったのもどうかという話ですが。
 ハンターさんは暴れて喚いてどうにか逃げ出したいのですが、体はちっとも動かないのです。
 体の線を確かめるように辿る手のくすぐったさに、ハンターさんは落ち着かないどころの騒ぎではありません。
 現時点で『青空の下でおさかなをキャッチ!』が『前略おさかながキャッチ!』に移り。
 このままでは『前略おさかなとエッチ』になるかもしれません。
「やらせない! やらせないからね!! よりによって初めてが砂ムシとだなんて、絶対やだーっ!!」
 気合のままにハンターさんは叫んでみました。発音は明瞭になったものの、音量はいまひとつでした。
 


754:珍味のひと
09/03/12 21:31:13 5qkkXAvx
投下終了。
前回と同じタイトルでver.A(あたし)、ver.B(僕)って適当な呼び分けができる。
砂漠で携帯食料ってパッサパサで食べにくそうだと思う。
続きはまた近い内に。

755:名無しさん@ピンキー
09/03/12 22:44:02 xaZy2Go4
GJ

756:名無しさん@ピンキー
09/03/12 23:30:14 HA6zJKhM
GJだ!
GJだよ!

757:名無しさん@ピンキー
09/03/13 16:54:50 04BcHziY
>>754
( ・x・)・x・) パッサパサ!パッサパサ!乙!



2ndGの引退したハンターはティガレックスにバキバキに犯されたと思っているのは自分だけだろうか
ティガの性別はどっちでも可

758:名無しさん@ピンキー
09/03/13 17:12:52 +cxokGNV
ティガは♂がいい

759:名無しさん@ピンキー
09/03/13 17:51:22 FRLL4Xt4
>>754
乙。これってハンターより地の文のが毒舌なんじゃね?
前半ドスガレが可愛い感じの描写だったのに、擬人化したらおっさんって…
この気持ちは、着ぐるみの中の人を見てしまった気分に似ている

760:名無しさん@ピンキー
09/03/13 18:35:12 tz43nmLX
そこはホラ、どこぞの夢の国のように「中の人などいない」ってことでw

761:名無しさん@ピンキー
09/03/13 19:45:46 PhMiRk6M
おっさんじゃねーよ、おにっさんだよ
CV:若本よりはましだよ…

農場の奥のでっかい剣で擬人化妄想したけど、♂だろーが♀だろーがナニがでっかくなるのか想像つかないのでやめた
古龍骨のピッケルでれいぷとかまでは考えたけど

762:名無しさん@ピンキー
09/03/13 22:35:36 6rpbM5Uu
古龍骨バイブだと・・・

763:名無しさん@ピンキー
09/03/13 23:07:16 sQcMerzO
>>762
ブヨブヨの皮と竜骨系を調合ですね?分かりますん
雷光ゼリーでピリッとそしてヌルっとさせてグヘヘ

764:名無しさん@ピンキー
09/03/14 11:26:02 yoMttFGe
wikiに直接投下が来てるな
あっちに投下するなら、ついでにTOPも直してってくれりゃいいのに…

765:名無しさん@ピンキー
09/03/14 11:56:41 d+lZYkmE
そういや ゲネポッポとか呼ぶのってどこか発祥あるのかな?

私の周りでもって言うんだよね ゲネポッポ

766:名無しさん@ピンキー
09/03/14 12:51:58 7BcXBrRj
自分の初見はここのwikiの鳥竜種の欄
他には攻略板の方でも見た事ある
そんなにローカルな愛称でもないのかも
ランポッポにゲネポッポとかかわいいけど、イーオスの場合はなんて言ったらいいんだろ
いーおっお?

767:名無しさん@ピンキー
09/03/14 13:20:48 ipd7tKpi
( ^ω^)いーおっお

768:名無しさん@ピンキー
09/03/14 13:33:43 wSSOKafg
一応投下物あるんだけとかなりグロくなってしもうた
エロとグロの比率が1:9ぐらいになってるけど
変態女ハンターがリオ家族を惨殺したり逆レイプしたりする話。擬人化なし
無難にtxt投下とかした方がいいだろか?

769:名無しさん@ピンキー
09/03/14 13:39:34 7BcXBrRj
( ゚皿゚)いー
( ^ω^)おっお

770:名無しさん@ピンキー
09/03/14 13:52:47 wSSOKafg
>>769が肯定にも見えるし
じゃあ投下するわーグロ無理な人は目欄をNGに設定してくださいな

771:名無しさん@ピンキー
09/03/14 13:53:35 7BcXBrRj
肯定してないしてない

772:名無しさん@ピンキー
09/03/14 13:54:27 wSSOKafg
>>771
ごめんなさい。調子乗りました。

773:グロ中尉 でもとりあえず投下
09/03/14 13:59:41 wSSOKafg
 カシャン、カシャン、鎧の揺れる小気味良い音を立てながら、ハンターがキッチンを後にして居間へと向かう。
 G級のナルガクルガ素材を使用した防具や、龍属性を付加した強力な太刀が、ハンターとしての実力を表していた。
 ヘルムの下に見える顔は、女性のものであり、額から左目を横断する傷跡と、浅黒い肌が印象に残る。
 彼女はポーチの中を探って、今一度持ち物を確認すると、部屋の掃除を続けるキッチンアイルーに手を振りながら、家を出る。
 その間際、オトモのうちの1匹が、「今日は連れて行ってくれないのかニャ?」と彼女に尋ねるが、ハンターは黙って首を横に振った。
 今回のクエストは、一人で行わなければ意味が無い。家を後にしながら、「また今度な」と投げかけ、ギルドへと向かった。
 受注するのは、下位のリオレイアとリオレウス同時討伐クエスト。G級の装備で身を固める彼女にすれば、何の苦労も無いクエストだ。
 苦労も無いが、今さら大した利益も無い。わざわざ受ける意味もないクエストなのだろうが、それでも彼女は、狩場での行為に思いを馳せて、口の端を歪めた。
 これから行うのは、仕事ではなく娯楽なのだ。狩りを趣味とする者などいくらでもいる。その対象が、弱いケルビやモスか、飛竜かの違いだ。
 ギルドへ向かう彼女の足取りは、自然と早足になって行き、ゆっくりと歩いて向かっていたはずが、いつの間にか走り出していた。
 かくして彼女は、胸を躍らせながら狩場へと向かう。




 緑の豊かな森丘を歩きながら、彼女はクスクスと笑っていた。彼女の通り過ぎた後には、数体のランポスの死体が転がっている。
 そのどれもが、四肢を切断され、腹を切り裂かれて臓物を撒き散らし、頭部を破壊されて脳漿を撒き散らしている。
 彼女の持つ太刀なら一撃で倒せるような相手だが、あえてそんな真似はしない。ダルマにして腹を引き裂き、死ぬ間際に頭部を破壊する。
 普段ガンナーをしている彼女にとっては、久々の太刀に身体を慣らすための、丁度良いウォーミングアップだった。
 幸いな事に古竜観測号の飛んでいない。これならば、いくら残虐なハンティングを行おうと、誰にも咎められる事は無い。
 以前同じ依頼を同じ目的で受けたときは、運悪く古竜観測号が狩場を監視しており、今日のような借りが出来ず、フラストレーションが溜まったものだ。
「さて、これくらいで充分か……」
 血の臭いが立ち上る周囲を見回しながら、彼女は満足気に背伸びをした。
 今回のクエストは、リオレイアとリオレウスの2体を狩る事。今は火竜の繁殖期であり、つがいとなった火竜が、仔竜の餌を求めて徘徊する、危険な時期だ。
 だが、そんな時期故に、火竜の思考がある程度単純化する。数匹の仔竜の餌を稼ぐために、積極的に狩りを行い、血の臭いに惹きつけられる。
 これだけの下準備をしたのだから、臭いを嗅ぎつけた火竜がここにやってくるのも近い筈だ。
 火竜がここまでやって来た時に備えて、彼女は太刀を一振りしてランポスの血糊を払い、砥石を使って切れ味を整える。まだそう鈍っている訳ではないが、最初の一匹に時間をかけるつもりは無い。

774:グロ中尉 でもとりあえず投下
09/03/14 14:00:31 wSSOKafg
 時間をかけて楽しむ相手は、巣穴で仔竜たちを護るリオレウスの方だ。
 繁殖期の火竜の巣穴に入るような生物は、ハンター以外に有り得ない。あそこなら雑魚のちょっかいを気にせずに、満足するまで楽しめる。
 刃を砥ぎ終えた彼女は、火竜の到着を待ち侘びるように空を眺めながら、ポーチに手を伸ばして千里眼の薬を取り出す。
 薬を飲み干すだけで、感覚が研ぎ澄まされるのだから便利な物だ。目をつぶって意識を集中させると、こちらへと飛んでくる火竜の気配が感じられる。
 彼女は目を開き、気配の方向を見ると、端正な顔立ちに挑戦的な笑みを浮かべ、背中の太刀に手をかける。
 最初に何処を切ろうか。翼を裂いて逃げる事を出来なくするか、足を潰して歩けなくするか、それとも目を潰すか。
 火竜の肉を裂く感触に思いを馳せながら、下半身に滾る物を感じ、フォールドの下のインナーに、粘液が染み込んでいく。
 自分でも、倒錯的にも程がある性癖だとは思っているが、直しようの無い事実だった。
 竜に対してしか性的な魅力を感じず、しかもその命を弄んだ挙句に絶命させる瞬間、その興奮が絶頂に達するだなどと、自分でも嫌悪感を感じる。
「だけど、仕方が無い」
 そう呟きながら、自分の真上を通過した、大きな影を見上げ、その軌道を目で追う。顎の先の棘、攻撃的な形状をした尻尾、深緑の鱗、やはり雌火竜リオレイアだ。
 血の臭いの中央に立っている人間に、気付いてはいるのだろうが、大して気にもならないようで、死骸の上へと真っ直ぐに降下し始める。
 ランポスの死体を獲物として狙う所を見ても、どうやら仔竜はあまり成長していないらしい。
 仔竜がある程度成長すると、狩りの練習をさせるために生きた獲物を求め、死んだ獲物にはあまり見向きをしなくなる。
 リオレイアに向かって走りながら、“それは好都合だ”と考える。仔竜が生後間もない内は、リオレウスの方は絶対に巣穴を離れられない。
 やたらと逃げるリオレウスを追い回す必要は無さそうだ。そう安心しながら、リオレイアとの距離を一気に詰め、初撃を繰り出す。
 降下中のため、無防備になっている足を薙ぎ払うように、横薙ぎに一閃を入れる。
 瞬間、龍属性武器特有の、黒い稲妻のようなエフェクトと共に、4本の鍵爪が千切れ飛んで、鮮血が飛び散った。
 特に気にもかけていなかった、小さな獲物が、突如として牙を剥いた事に驚いたのか、リオレイアは『グォオオオオッ!』と咆哮を上げながら、体勢を崩し、地面に倒れこむ。
 飛竜には天敵と言えるものがおらず、その行動は大胆になりやすい。下位クエストの標的に選ばれるような、若い個体なら、なおの事その傾向が顕著に現れる。
 ある程度齢を重ね、経験を得た飛竜ならば、最も警戒しなければならない相手は、ハンターだと知っているので、視界に人間の姿が入った時点で、警戒心を露にするものだ。
 慣れない近接武器なのに、こうも簡単に事が運んでしまうのだから、おかしくて笑みが止まらなかった。
 その笑みを崩さぬまま、先ほどの斬撃の勢いを使って、次の一撃を翼の付け根に振り下ろす。
『ギ、ギャッ、グォオオッ』
 ザシュッ―盛大に血飛沫を上げながら、リオレイアの屈強な翼に太刀がめり込む。だが、完全に両断する事は出来ず、骨に食い込んだところで刃が止まった。
 彼女は「ちっ」と舌打ちする。やはり、人の腕力で飛竜の骨を一撃のもとに両断するなど、そうそう出来る事ではない。尻尾だって何回も切り付けなければ、切断出来ないのだ。
 G級素材の竜属性武器でならとも思ったが、やはり無理なようだった。彼女はすぐさま目標を変える。

775:グロ中尉
09/03/14 14:01:05 wSSOKafg
 リオレイアの骨を削りながら太刀を引くと、「やぁっ!」と声を張り上げながら、翼の根元、間接の部分に先端を突き立てる。
 剣の先端が上手く間接を貫くかどうか、ある意味賭けだ。リオレイアは既に体勢を立て直しかけているし、次に狙うとすれば、また転倒させなければならない。
 しかし、懸念をよそに賭けは上手く行った。耳をつんざくようなリオレイアの咆哮と共に、傷口から血飛沫が吹き上がり、太刀がその肩を貫いて地面へと突き刺さる。
 そのまま捻るぐらいしてやりたかったが、彼女はすぐさま剣をリオレイアの肩から抜き、後ろへ飛びながらリオレイアの皮膜を薙いだ。
 毒液を滴らせた尻尾が、さっきまで彼女のいた場所を薙ぎ払ったのは、その一瞬後の事だ。
 尻尾の空振りで出来た隙に、さらに太刀の攻撃を叩き込む事が出来たが、彼女はあえてリオレイアが体勢を整えるのを静観した。
 動かない片翼を引き摺り、指の千切れた足のせいで何度も転びながら、それでもこのエリアから逃げ出そうと頑張る姿は、本当に健気でサディスティックな欲望をくすぐる。
 その姿を見ながら、彼女は再度自分の中で燃え上がる劣情を認識する。あれでは足りない。もっと傷つけてやらないと。
 彼女は太刀を抜き放ち、ゆっくりとした足取りでリオレイアに近づいていく。
 初めて出会った天敵に、リオレイアの恐怖も最高潮に達したらしい。その瞳から竜のナミダを落としながら、片足で地面を蹴って飛び立とうとする。
 だが、所詮は無駄な行動だ。太刀を構えたハンターの前で、腹部を晒して転倒するという、最悪の事態にしかならなかった。
「わざわざおなかを見せてくれるなんて、気が利くじゃないか」
 硬い鱗に包まれた飛竜の身体の中で、腹は最も柔らかい部分だ。内臓へのダメージが届きやすい場所なのだから、当然急所でもある。
 このままリオレイアの腹に太刀を突き立てれば、それで勝負は決まる。しかし、それでは満足など出来ない。彼女はより自分の性癖を満足させるために、リオレイアの下腹部へ視線を移す。
 多少分かりにくいが、すぐに横に割れたスリットを見つけ出す事が出来た。リオレイアの総排泄孔だ。
 産卵と排泄を行うための器官。彼女は太刀を振り上げると、雄の生殖器がそこを貫くように、太刀を突き立てた。
『ギャァァアアアアッ!!』
 またあの咆哮だ。今度は余程痛かったらしく、リオレイアの尻尾が狂ったようにのた打ち回っていた。
 ピストン運動のように抜き差しを繰り返すと、挿入のたびに血が飛び散り、彼女の太刀と防具もリオレイアの血で汚れていく。
 だが、そんな事は気にならなかった。彼女が太刀で一突きする度に、リオレイアは苦痛の悲鳴をあげ、刀身を通して肉の動きが伝わってくる。
 激痛から逃れようと、リオレイアが身体を捩る様子が、また彼女を興奮させる。今すぐにでもインナーに手を入れて自慰を始めたい気分だった。
 だが、身体を護る防具のせいで、手を突っ込むなんて出来ない。湧き上がってくる欲求不満をぶつけるように、彼女は剣を握る手に、上下に動かす腕に力を込めた。
『ガッ、グガガッ……』
 その運動を繰り返すうちに、リオレイアの咆哮は頼りなく変わっていき、辺りには血とも違う異臭が漂い始める。
 太刀の刃を見ると、リオレイアの血液の他に、茶色い塊が付着している。どうやら乱暴に動かしすぎたせいで、直腸を切り裂いてしまったらしい。
 これは確実に致命傷だ。死んでしまうのも時間の問題だろう。もう少しぐらい楽しむ予定だったのだがと、彼女は舌打ちした。

776:グロ中尉
09/03/14 14:01:42 wSSOKafg
 飛竜と言っても、そこまで現実離れした力は持ち合わせていない。ミラボレアスに同じ事を出来れば、楽しいだろうか。いつかそんな事が出来るようになりたいものだ。
「じゃ、今イかせてやるよ……っ!」
 ビクビクと狂ったように痙攣し始めるリオレイアを見下ろしながら、彼女の昂りも、もはや我慢の利かないレベルまで達する。
 サディスティックな欲望が、止めようも無いほどに暴走し、快感に震えた声で叫ぶ。
 一気に太刀を引き抜き、頭上にまで持ち上げると、切り広げられた横割れへと振り下ろした。
 今度は割れ目の向きに合わせてやるような、優しい真似はしない。割れ目が十字になるように、深く切り込む。
 もはや悲鳴を上げる余力も無いらしく、太刀で身体を貫かれていると言うのに、『ギッ、ギャ……』と威厳の欠片も無い呻き声を上げるだけだ。
 リオレイアの下半身を深く貫いた剣先は、腰骨とぶつかって鈍い音を立てる。
 そのままガリガリと骨を削ってやると、何処か神経を圧迫したらしく、もうほとんど動かなくなっていたリオレイアの体が、ビクンと跳ねた。
 やはり、下位の雑魚飛竜と言っても、その生命力は人間とは桁が違う。人ならとっくにショックと出血多量で死んでいるところだ。
「気持ち良いか? 腹が熱くて気ぃ失いそうだろ?」
 そう尋ねかけながら、突き刺し刀身で、体内をやたらめったらにかき混ぜる。
 最早リオレイアの下半身では、あらゆる臓器が切り刻まれ、揉みくちゃにされ、身体の中でシェイクされていた。
 彼女の言葉どおり、それはもう痛みを超越し、快感にさえ感じられるほど壮絶な熱さだった。
 リオレイアが熱に浮かれたようにだらしなく口を開き、その口から血を噴出す様子を見ながら、彼女は最後の仕上げに取り掛かる。
「今、楽にしてやるよ……!」
 下腹部に突き刺した太刀を身体全体で押して、胸元まで切り開いていく。抵抗といえるものは、もう何も無かった。
 鱗の下の強靭な筋肉は、力を失って弛緩し、まったく剣の障害にはならない。リオレイアはもう諦めている。
 自分の死が避けられない事を悟って、抵抗すらしない。本能に生きる生物は、人間とは違って、変なところで合理的だ。
 そんな合理的な生き物でも、死ぬ間際には何か考え事をするのだろうかと、リオレイアの胸をぐちゃぐちゃに掻き回しながら考える。
 巣の中で帰りを待つ仔竜たちの事だろうか。それとも巣を護る夫だろうか。彼女はそれを尋ねるように、リオレイアの瞳を覗き込んでみた。
 もう目も見えなくなったようで、リオレイアは虚ろに宙を見上げるだけで、何の反応も示しはしない。
 何だか無視されたようで、彼女は少し不快になったらしく、金色の両目を潰そうと手を伸ばした。
 しかし、右目に指を突っ込んだところで思い留まり、左目だけは無傷で残しておいた。 
 何も見えなくしてしまうより、見せたくないものを無理矢理見せるほうが、彼女の性に合っている。
「そうだな。こんな所に放置しちゃ、ちと可哀想だ。
ちゃんと巣穴に連れ帰って、夫と子供の最後に立ち会わせてやるよ」
 さっきまでとは打って変わった優しい声色で、そう話し掛けながら、リオレイアの内臓をぐちゃぐちゃに掻き回していた太刀を引き抜く。
 紅く染まった刀身からは、血糊がぽたぽたと垂れ続けていた。
 彼女はその太刀を構えた状態で力を溜めると、リオレイアの首へと振り下ろす。

777:グロ中尉
09/03/14 14:02:27 wSSOKafg
 いつの間にか絶命していたらしく、もう何の抵抗も無い。弛緩した筋肉を切り裂き、骨を砕き、鱗を引き裂いて、頭と体を切り離した。
 一仕事終えて満足気な表情を浮かべながら太刀を背中の鞘に戻すと、地面に転がる頭を抱きかかえる。
 ゴツゴツしたリオレイアの頭を、血溜まりの中で抱き締めながら、愛しそうに頬擦りを一つして、彼女はリオレウスと仔竜が待つ巣穴へと向かった。
 そこには、首を失い切り開かれた体からぐちゃぐちゃになった内蔵を溢れさせ、血溜まりの中に沈む死体が残される。
 討伐対象を引き取りに来たギルドの人間が見れば、彼女の人格を疑うような有様だが、心配する必要は無い。
 圧倒的な強さで仲間を惨殺した天敵がいなくなると、血臭に引き寄せられたランポス達が、次々に顔を出し始める。
 本来なら、彼らの牙で飛竜の鱗を貫く事は不可能だが、全身を切り刻まれてしまった今は違う。
 シェイクされた内蔵を啜るように喰らい、切断された首から肉を噛み千切り、群れ全体で巨大な獲物を平らげていく。
 彼らは群れで狩りをする狡猾なハンターであると同時に、自然界での掃除屋だ。
 普段なら、飛竜にありつけたとしても、老死した上に鱗の組織が弱くなるまで放置された、腐りかけの獲物だけだ。
 だが、今は狩ったばかりのケルビのように新鮮な肉が、わざわざ食べやすいように切り刻まれて放置されている。彼らにしてみれば、まさに天恵だった。
 その死体がバラバラに引き裂かれ、骨にこびりついた肉片まで貪られ、原形をとどめなくなるまで、そう時間は掛からなかった。




 火竜の巣穴へと続く崖を、一人のハンターがよじ登っていた。ナルガクルガの素材を使用した防具は、そのハンターとしての力量を伺わせ、背中の太刀も、大きな威圧感を放つ業物だった。
 時には崖に生えたツタを利用し、時には崖から崖へとジャンプして、岩の出っ張りを掴み、着実に上へと登っていく。
 そのハンターの背中には、太刀の他にもう一つ、リオレイアの顎が紐でくくりつけられていた。
 本当ならば顎ではなく、頭を丸ごと持ってきたかったが、頭だけでも彼女と同程度の大きさがある。持って歩くだけならまだ大丈夫だったが、さすがに背負ったまま崖を登るのは無理だった。
 キャンプに持ち帰る訳でもなく、何故そんなものを持ち歩くのか、持ち主以外には分からないだろう。
 その持ち主である彼女自身、こんな物を持っていかなくては気がすまない、自分の倒錯的過ぎる性癖に辟易していた。
 防具を着込んで太刀を背負うだけでも、随分な重量になると言うのに、リオレイアの顎まで背負ってロッククライミングなどしていたら、また余計に筋肉質な身体になってしまう。
 彼女はその事を考えて、ヘルムの下の、端正な女性の顔立ちをしかめた。
 人間の身体に興味は無いし、人間の異性にモテても嬉しくないが、ムキムキのマッチョな女なんて、あんまり魅力的ではないだろう。
 彼女としては、適度に筋肉質で、余分な肉の無いすらっとした体形でいたい。
 しかし―と崖の淵に手をかけ、二本の腕の力だけで身体を持ち上げながら彼女は思う。

778:グロ中尉
09/03/14 14:03:03 wSSOKafg
 このハンターライフが、それを許してくれない。日常が既に、自分を鍛え上げるように出来てしまっている。
 彼女が溜息混じりに崖の上に登り終えると、目の前には大きな横穴があった。見つけた。飛竜の巣だ。
 周囲はヒューヒューと風が渦巻く音が聞こえ、洞窟の置くから冷たく湿った空気が運ばれてくる。
 この洞窟は相当深い。風の通りから考えて、出口はいくつかありそうだ。飛竜が出入りできそうな、大きな出入り口も。ここで間違いはないだろう。
 背負ったリオレイアの首を片手で持つと、彼女はその洞窟へと足を踏み入れる。
 さすが飛竜の巣だ。洞窟の奥へと進んでいくのだが、ケルビもランポスも全く出てこない。
 飛竜の繁殖期であるこの時期、レイアとレウスが最も凶暴化する。そんな中、わざわざ餌になりに行くような真似をするのは、ハンターぐらいしかいないということだ。
 さらに奥へと進んでいくにつれて、仔竜たちの鳴き声や、ドス、ドス、とリオレウスの足音までもが聞こえてくる。
 心なしか、その足音には荒々しさが感じられた。狩りの途中、飛竜が怒り狂ったときの荒々しさに、似ているような気もする。
 餌を獲りに言った妻が、いつまでも帰らないことに苛立っているのだろうか。それならば心配は要らないというのに。
 なぜなら、今彼女が片手にかかえって持ってきてやってるではないか。もうすぐ家族との再会だ。
「さて、どうしてやったものか」
 いよいよ竜の巣の間近へと達し、物影に身を隠してリオレウスと仔竜の姿を確認しながら、彼女は小さく呟く。
 リオレウスとは言え下位だ。G級の装備で身を固めた彼女なら、そう苦労する相手でもない。問題は、どう痛めつけるかだ。
 手に持っているリオレイアを狩った時よりも、もっと楽しめるような、そんな狩りをしたい。
 彼女はハンターとして実力をつけ、下位の飛竜なら楽しみながら息の根を止められるようになることで、倒錯的な性欲というのに、終わりがないということに気づいた。
 このリオレイアの胴体に太刀を突き刺し、中身を掻き回してやってから、そう時間も経っていないのに、もう次の獲物のことで頭がいっぱいだ。
 リオレウスへの虐待を夢想するほど、背筋にゾクゾクとした感覚が走り、下半身が熱を持って粘液を滲ませる。
「我ながら気が早いな。楽しみはこれからなのに」
 苦笑交じりに呟きながら、彼女はポーチに手を突っ込み、閃光玉を取り出す。
 あれこれ考えるのは抜きにして、さっさと本番へ行ってしまおう。もう我慢も聞かない。
 彼女は岩陰から姿を現すと、リオレウスの方へ向かって、抱えていた顎を蹴り飛ばす。
「おい。奥さんのお帰りだぞ。喜べ」
 洞窟の中に、ドサッ、と言う音が響く。リオレイアの顎は一回だけバウンドした後、地面を滑り、埃まみれになって止まった。
 一瞬だけ、巣の中が静寂に包まれる。リオレウスはきょとんとした様子で、地面に投げ出された妻の痕跡を見ていた。
 それが何か理解することに、少々の時間を要したらしい。だが、それが自分の妻だと認識した瞬間、周囲を包む空気が変わった。
『―グォオオオオオオッ!!』
 周囲の空気を振るわせる、巨大な咆哮。まだ一撃も食らわせていないのに、口からは燃え盛る吐息が漏れていた。
 どうやら相当の怒りを買ったらしく、リオレウスは彼女に狙いを定め、怒りに任せて突進しようとする。

779:グロ中尉
09/03/14 14:03:41 wSSOKafg
 期待通りの反応に胸をときめかせながら、彼女は閃光玉を放り投げる。それが強烈な光を放ちながら破裂すると同時に、リオレウスは動きを止める。
 よろよろとふら付き、生まれてから初めて目にした目が潰れるほどの光に、戸惑い恐怖していた。
 彼女はここぞとばかりに走り出すと、リオレウスを素通りして、その後ろの、仔竜たちの眠る揺り籠へと向かう。
 獲物の骨と皮を寄せ集めて出来た揺り籠は、見様によっては随分と皮肉な姿だ。
 そこにいたのは、本当に生まれたばかりの、アイルー程度の大きさしかない火竜の幼生だ。
 両親と兄弟以外の生きた生物を見るのは初めてのようで、『キーキー』と親からは想像もつかない、可愛らしい声で威嚇してくる。
 全部で四匹もいる。彼女はまず最初に、両翼を広げ、もっとも激しく威嚇してきた一匹を踏み潰す。
 所詮は幼生だ。鱗も骨も未発達で柔らかく、背中を足で踏みつけると、簡単に肛門や口から内臓が溢れ出した。たった一つの動作で、声を上げる暇もなく、一匹が絶命したのだ。
 続けて頭を踏み付けると、頭蓋が砕け、脳みそが眼球を押し出しながら溢れ出す。その感触に彼女は感極まった様子で微かに震えた。
 興奮も冷め遣らぬうちに、残った幼生のうち、一匹の尻尾をつかんで持ち上げる。やはり根が凶暴らしい。兄弟が死んだというのに、彼女の腕に噛み付こうとすることに夢中だ。
 幼生とは言え、鋭い歯が並び、顎の力だって冗談で済むレベルではない。せっかくだ。顎を斬り落とされた火竜は、どんな反応をするのか見ておくのも悪くない。
 彼女が尻尾を握る手を離すと、ボトっと音を立てて仔竜が地面に落ちる。ふら付きながら体制を立て直そうとするが、間髪入れずに太刀がその口元を一閃した。
『ギヒッ、ギ……っ!』
 仔竜の顎が宙を舞った。斬り落とされた顎から血が溢れ出す。どうやら上手く切れたようだ。仔竜の反応に満足しながら、彼女は残った2匹の顎も斬り落とす。
 3匹目の顎を切ったときには、すでに最初の一匹は出血多量でぐったりしていた。また尻尾をつかんでそれを持ち上げると、ようやく視界を取り戻したリオレウスへと向き直る。
 彼からすれば、ハプニングの連続だろうなと想像し、堪らず笑みを浮かべてしまう。
 妻の体の一部を投げてよこされたかと思うと、強烈な光に襲われて視界を塞がれ、それが治ると、今度は我が子たちが蹂躙され、命を落としかけている。
 彼が今まで生きてきた中で、最悪の日ではなかろうか。自分を囲む家族たちが次々に惨殺されているのだから。
 だが、そろそろ本人に苦しんでもらおうと、彼女はリオレウスの殺し方を頭の中でシミュレートさせた。
 そうしている間にも、リオレウスは仔竜たちの命が長くない事を悟ったのか、それとも単に怒り狂って何も考えられないからか、まとめて吹き飛ばそうと、彼女へ向けて火球を放とうと口を開く。
 まだ何も飛ばしていないのに、ビリビリとした威圧感が襲ってくる。彼女は微かに笑うと、手に持った仔竜をリオレウスに向かって投げつけた。
 その瞬間、リオレウスの口からも火球が放たれ、その二つは空中でぶつかった。轟音と共に、仔竜の脆い体は原型をとどめる事無く爆散する。
 肉片のひとつが彼女の足元に落ちた。焼け焦げて、何処の部分かも分からない。
 それを踏み潰すと、言いようもない高揚感が体を包み込み、頬がほころぶ。
 この感覚をもう少し楽しみたかったが、そうも言っていられない。
 ポーチに手を入れて、再度閃光玉を取り出し、それを投げる。またあの光だとリオレウスが認識した時には、もう遅かった。
 さあ、そろそろ本番だ。彼女は地面を蹴って、何も見えずにまたふら付き始めるリオレウスへと駆けていった。

780:グロ中尉
09/03/14 14:04:26 wSSOKafg
「そうだな。まずはダルマにする所からだっ!」
 そう叫びながら、無防備な尻尾へと太刀を振り下ろす。黒い稲妻が走り、リオレウスは悲鳴を上げた。
 一回では斬り落とす事など出来ない。何度も何度も斬り付け、尻尾を振り回して反撃してくれば、前転でその下を掻い潜って、また斬り付ける。
 太刀を振り下ろすたびに傷口が深くなり、そして数度目の斬撃を浴びせたとき、すぱりと刀身が尻尾を通過する。
『ギャッ、グガァアアッ!!』
 尻尾が宙を舞い、リオレウスはバランスを崩して前のめりに倒れる。その隙を逃さず、彼女はリオレウスの片翼へと気刃斬りを放った。
 普通に斬るときとは違う、太刀の力を100%引き出した一撃が、皮膜を切り裂き、骨へと達し、鈍い音を立てた。
 そのままのこぎりの様に刀身を上下させてやると、リオレウスが金切り声を上げ、太刀は骨までも切り裂いて、レウスの片翼を両断した。
「次は脚をもらうぞ!」
 尻尾と片翼を失い、リオレウスの抵抗も力を失う。それなりの重さを持った部位を2箇所も失っては、バランスがとれずに歩く事もままならない筈だ。
 その証拠に、リオレウスは前のめりに倒れたまま、起き上がろうとしても上手くいっていない。
 起き上がれそうになっても、左右のバランスを欠いた体では、体が片方に傾いて、すぐにこけてしまう。
 傷口から血を垂れ流し、そうやって四苦八苦する姿は、見ていて和む光景だ。
 思わず朗らかな笑みを浮かべながら、彼女はリオレウスの右脚へ太刀を振り下ろす。翼に比べて太い上、尻尾に比べてもかなり筋肉質で、刃を通しにくい。
 あんまり時間をかけても出血多量で死んでしまう恐れがあるし、考えどころだ。
 だが、抵抗が少なくなったおかげで狙いは定めやすくなっている。同じ場所に何度も刀身を振り下ろし、その度に『ギャッ、グギャッ』と悲鳴があがる。
 懸念とは裏腹に、随分あっさりとリオレウスの脚を切り落とす事が出来た。だが、翼や尻尾に比べて出血の量が激しい。
 彼女は慌ててポーチに手を突っ込むと、爆薬と火炎草を取り出す。爆薬を傷口に摺りこみ、その傷口に火炎草を千切って投げる。
―ボンッ
 鈍い爆発音が響いた。辺りには火薬と肉の焼ける臭いが漂うが、切断面の肉が焼け爛れて出血も止まった。
 さあ、次はもう片方の足だと、太刀を振り上げたところで、さっきリオレウスが悲鳴を上げなかった事に気がつく。
 もしやと思い、リオレウスの口元に刀身を近づけてみると、火竜の口から漏れる、灼熱の息に、刀身を滴る血がチリチリと焼け、蒸発した。
 どうやら気絶しただけらしい。彼女は胸を撫で下ろし、リオレウスをダルマにする作業を再開する。
 今回は調子がいい。初めて命を奪わずにダルマに出来るかもしれない。嬉々として太刀を振り下ろす彼女のフォールドからは、愛液が滴っていた。




 リオレウスが意識を覚醒させたとき、ある事に気づいた。目が見えない。意識の混濁していた彼は、また閃光玉を食らったと勘違いし、とにかく反撃しようと、体を動かす。
 そこで、自分に脚も尻尾も翼もない事に気づいた。そして、覚醒した頭が全身の痛みに気づき始め、思わず叫びそうになったところで、牙と舌がなくなっている事に気づいた。
 彼はひたすら混乱した。奇妙な姿の人間に襲われ、窮地に陥った後の記憶が曖昧だ。ただ必死に逃げ出そうとした事しか思い出せない。

781:グロ中尉
09/03/14 14:05:03 wSSOKafg
 だから彼は、今になっても逃げ出そうと、ダルマになった体をくねらせ、じたばたし始める。
 刳り貫いたリオレウスの眼球を弄んでいたハンターは、彼の暴れる音に、意識が戻った事に気づいた。
 暇つぶしに遊んでいたのだろう。足元にはミンチと化したリオレウスの右翼が転がっていた。
 いや、正確に言えば地面にへばりついていると言う感じだ。骨は粉々に砕かれ、肉と皮はすり潰されてしまっている。
 彼女はゆっくりと顔を上げ、芋虫のように地面を這うリオレウスを見て失笑すると、彼へと歩み寄っていく。
 ガシャン、ガシャン、と言う鎧の揺れる音に、リオレウスも気づいた。あいつが再び近寄ってきていると、恐怖に体が凍りつく。
「やっと起きたか。やはり下位だ。体力がない」
 近づきながら、彼女はリオレウスが震えていることに気づく。飛竜だというのに、情けない姿だ。
 だが、これならもう抵抗する事もないだろう。もっとも、今のダルマになったリオレウスでは、抵抗されたところでランポスほどの脅威もないのだが。
 彼女はリオレウスから見て、足元だったところまで来ると、鎧を脱ぎ始める。
 鎧なしでも脅威のない程に弱らせたリオレウスが目の前にいて、彼女は飛竜を相手にしなくては性的な魅力を感じられない、異常性癖の持ち主だ。
 せっかく手に入れた機会だ。書物を読んでリオレウスの体の構造も把握している。何処を刺激すれば、体が反応するか、暗記してきた筈だ。
「いくらなんでも怖がりすぎだろう。少し落ち着け」
 インナーまでも脱いで裸になると、彼女の引き締まった体が露になる。
 体のいたる所に傷跡が残り、筋肉で引き締まった体には、胸と尻以外に余分な脂肪をつけている部分はなかった。
 浅黒い肌は、暑苦しい鎧から開放されて、汗を滴らせている。
 興奮で火照る手を、リオレウスの下腹部に伸ばし、すっと指でなぞった。
 そうしていると、横に割れたリオレウスの総排泄孔が見つかる。その割れ目を両手で開くと。その中でさらに、排泄に使う肛門と、萎えた状態のペニスに分かれていた。
 本で読んだとおりだ。一般的な爬虫類と同様の構造をしている。彼女はそのペニスをつかんで、割れ目から取り出すと、肛門に指を入れながら扱き上げる。
 まだ勃起してもいないというのに、子供の腕ほどもある。これで勃起したらどうなってしまうのか。
 軽く爪を立てながら上下に動かすと、すぐに大きさを増し、硬くなっていく。根元は彼女の太ももよりも大きい。
 こんな状況でよくも勃起できると、笑ってしまいそうになるが、死の淵にあるからこそ、生存本能が暴走してこうなるのだ。
 狩りの途中に腹を裂かれた男の下半身が、精液で濡れていたなんて話は、聞いた事のある人もいる筈だ。
 早くも先走りを溢れさせ、ビクビクと震えているペニスを見ていると、無性に切り落としたい衝動に駆られるが、まだ早いと思いとどまる。
 その前に、色々と試したい事もがあった。今までやろうと思いはしても、機会を得られなかった事が出来そうなのだ。
 ただ体を破壊するだけなら、後で満足するまで出来る。
 リオレウスの下腹部に飛び乗ると、ここまでの行為ですでに濡れ始め、粘液を滲ませる、自らの恥部へ手を伸ばす。
 人間相手に欲情できないから、滅多につかうこともなく、そのせいかあまり拡がらない。リオレウスのペニスの大きさと比べると、先端が何とか入る程度だろうか。

782:グロ中尉
09/03/14 14:06:28 wSSOKafg
「なんだ。つまらん。終わったらまずここをぶっ壊そう」
 予想はしていたが、少し残念だなと言う気持ちを拭えず、彼女はそう呟きながら腰を落としていく。
「……っ」
 先端は思ったよりもすんなり入る。痛みも思っていたよりない。問題は、さっきからリオレウスが体を震えさせていることだ。
 うっかり抜けてしまわないように四苦八苦しながら、ペニスの向きを強引に変えて、大きな腹の上で四つんばいになる。
 脚だけで踏ん張る必要もなくなったお陰か、さっきよりも楽だし、ペニスもより深くまで入ってきた。
 リオレウスも、なんだかんだで気持ちいいのだろうか。体の震えに合わせてペニスまで動き、結合部ではくちゅくちゅと音が鳴った。
 期待していたより気持ちよくはないが、それほど苦しくもない。
 微かに息を荒くしながら、リオレウスの顔を見ると、眼球を失った目から涙を流し、首を激しく振りながら、鼻水と涎を撒き散らしている。
 まるでレイプされて泣き叫んでいる娘のようだなと思ったところで、まさしく今がそんな状況だと気づき、彼女は思わず笑ってしまった。
 気を利かせて、右足の爪でペニスの根元をがりがりと引っ掻いてやると、リオレウスが「……ッ、…ッッ!」と、なんと形容していいか分からない悲鳴を上げ始めた。
 舌も牙もなくて、声がまともに出せなくなってしまったらしい。飛竜にそんなものがあるか知らないが、精神崩壊でも起こしていそうだった。
 まあ、妻と子を惨殺された上に、こうして自分までダルマにされてレイプされているのだから、心が壊れてしまう状況としたら、十分かもしれない。
 リオレウスの顔は、涙と鼻水と涎に塗れ、牙のない口を開け、いよいよ威厳の欠片もない、情けない顔になってきた。
 膣内へも、先走りだろう生暖かい液体が、少しずつ溢れてきている。
 限界が近いのだろうか。先端しか入れられないのに、随分淫乱だ。何か、何かお仕置きをしなくては。
 血を見たいと言う彼女の願望も、そろそろ我慢できないところまで来ていた。目の前にこんなに美しい姿になった飛竜がいるのだ。解体せずに何をしろと言う。
 しかし、飛竜の射精と言うのを体験してみたいと言う思いも、依然として残っている。
 彼女は片手を自分の恥部に伸ばし、そこに入れられた肉棒に、思い切り爪を立てた。
 今はまだ、血の出ない程度に我慢しなければいけないと、何とか自制心を働かせながら、がりがりとペニスを引っ掻き回す。
 リオレウスの動きが激しくなったかと思うと、ペニスがビクンと震えた。やっと来るのかと、彼女が期待感に喉を鳴らした瞬間、沸騰しているかと思えるほど熱い、精液の塊が流し込まれてきた。
「あ……ッ、すごっ」
 ペニスでは通れない、狭い膣の奥にある、子宮口までも通過して、体の奥まで叩きつけられたような感覚だ。
 ちっとも気持ちよくはない。むしろ苦しいと思えるような感覚だったが、彼女の心はこれまでにないほど高揚していた。
 ペニスを抜くと、膣内に溜まった精液がどぼどぼと流れ落ちてきて、なんだかもったいない気持ちになってしまう。
 恥部に力を込めて、その流れを止めようとするが、さっきので拡がってしまったらしく、無理そうだ。
 彼女は胸を揺らしながら、高潮した顔を上げると、腹の上から降りる。地面に立つと、精液が太ももを伝って垂れていった。

783:グロ中尉
09/03/14 14:07:26 wSSOKafg
「もう長くはないんだ。顎の一つぐらい惜しむなよっ!」
 そう言いながら一旦腕の力を緩めた後に、今度は体全体をバネにして、一気に引く。弱った皮下組織が悲鳴を上げながらブチブチ音を立てて弾けた。
 あんまりにあっさりと千切れてしまったものだから、彼女も咄嗟の事に反応が出来ず、リオレウスの下顎を抱えて尻餅をついてしまった。
 尻をさすりながら「いてて……」と呟いて立ち上がり、下顎の抜けたリオレウスの顔を見る。
「中々どうして、結構可愛らしい顔になったじゃないか」
 綺麗な赤い色をした口腔が、血と唾液でてらてらと光っているのがよく見える。下顎を失ったお陰で、あふれ出る血がボタボタと地面に落ちていく。改めてまじまじ見つめると、結構な出血量だ。
 下顎と一緒に口元の鱗も大きく剥がれ、長い首の中ほどまでが指の逆剥けのようになり、筋肉が露出して、その脈動まで観察する事が出来る。
 それを見ていると、居ても立ってもいられなくなる。彼女はその首に抱きつくと、露出した筋肉を、硬い篭手で思い切り引っ掻いた。
 腕の中の首は、その刺激にビクビクと震え、感じている事が伺える。次はその手を顔の方に伸ばして、眼球を失った目を掻き回してやる。
 どろりと淀んだ血の塊が零れ落ちると同時に、びゅくびゅくと音を立てながら、千切れたペニスが血と精液の混ざったものを噴出す。
「本格的に壊れてきたな。こんな事されて気持ちがいいのか」
 リオレウスの口から漏れる「ヘッ、ヘッ」と言う息遣いも、まるで笑っているかのように聞こえた。
 だが、そうなってしまうと彼女の楽しみも半減だ。彼女は苦しみに悲鳴を上げる飛竜が好きなのだ。喜ばれても萎えるだけだ。
 ここらで一つ、少しだけ回復してもらい、正常な感覚を取り戻して貰わなければ。彼女はポーチに手を突っ込むと、持てるだけ持ってきた“いにしえの秘薬”を取り出し、リオレウスの喉の奥へと押し込む。
 顎が無くなっているので、噛まれる心配もなく、硬い篭手で喉の内部を傷つけながら押し込んでいく。届くところまで腕を突っ込み、そこに薬を置き去りにした後、その部分を外側から殴りつけてやると、リオレウスは咳き込みながらそれを飲み込む。
 効き目はすぐに現れる。クエストの途中に使うたびに思うが、都合のいい薬だ。
 衰弱して薄れていた痛みが全身を襲いだしたようで、リオレウスは喉の奥から呻くような息を放ち、首を振り回す。
 そんな惨めな体で頑張って、見ているだけで笑みがこぼれるような、微笑ましい光景だ。
「さあ、もうすぐお前に止めを刺してやるから、それまで元気でいろよ」
 彼女は笑顔で抜刀すると、リオレイアの表皮を裂くように太刀を振り下ろした。鱗と皮下の筋肉だけを裂くのは、結構難しい。戦闘中に行うのは不可能だ。
 だが、今のリオレウスはろくに動けない。目標がこんな状態なら、十分に手加減も可能だ。
 リオレウスの表皮をズタズタに裂く作業を終えると、彼女は少し離れたところにある岩に腰掛け、耳を澄ます。
 聞こえてくるのは、狂ったように荒いリオレウスの息遣いだけではない。遠くから、細かな足音が聞こえてくる。
 リオレウスが気を失っている間、この巣の入り口から、磨り潰した血肉をばら撒いたが、ようやくそれを嗅ぎ付けてきたらしい。
 思っていたより少し早いが、まあ待ち時間がなくなって丁度いい。のた打ち回るリオレウスを楽しそうに観察しながら、足音が大きくなるのを待った。

784:グロ中尉
09/03/14 14:11:21 wSSOKafg
すまん順序間違えた
>>783の前にここが来る。


 興奮も冷め遣らぬまま、未だ萎えないペニスに手を伸ばすと、さっきよりも強引に曲げて、先端を自分へと向けさせる。
 射精の余韻で大人しくなっていたリオレウスは、再度暴れだした。彼女はいったんその手を離し、地面に置いてある太刀を拾い上げる。
 飛竜の射精を体験したことに、ある程度の満足感を得たが、まだ完全に満足したわけではない。やはり、苦しんでいる姿を見ないと燃え上がらない。
 彼女は再度ペニスを掴み、先端を自分に向けると、太刀を鞘から引き抜き、刃を鈴口へあてがう。これを作った職人さんにバレれば、土下座では済まない使用法だ。
 だが、試したいと言う欲望には逆らえない。研ぎ澄まされた刃を、尿道へと挿入していく。
『ギャァアアッ、ガッ、ガッ―ッ!!』
 その瞬間、リオレウスが咆哮を上げる。声はもう出せないと思っていたが、あまりの痛みに不可能が可能になったのだろうか?
 どちらにせよ、そんな悲鳴では彼女が手を緩める事などなかった。ピストンをするように刀身を上下に振ると、鈴口から射精をするように血が飛び散る。
 その間にも、リオレウスの口からは絶え間なく絶叫があがり、巣の中に響いた。そんなに苦しいのだろうか。なら、そろそろ仕上げだ。
 尿道から刀身を抜くと、今度は変わりに自分の手を当てる。とても入るような大きさではないが、問題はない。入れるのだから。
 刀身を抜く瞬間に、少し切り付けて入り口を拡げておいたので、握りこぶしを押し込むと、鈴口がミチミチと裂けながら、腕を飲み込んでいく。
「後は、中から壊すだけだな」
 リオレウスが狂ったように体を跳ねさせるため、少し苦労するが、肘まで突っ込んだところで、握りこぶしを解き、中から爪を立て、思いっきり引っ掻く。
『ガガッ、……ッ! ッッッ!!』
 咆哮は再び掠れたものとなり、腕には精液や血液が絡みついているのが分かる。腕にぐいぐいと力を込め、これでもかと一部分に爪を立て続けると、外側からでも、そこが盛り上がっているのが見えた。
 太刀を使って、その盛り上がった部分に刃を立てると、血飛沫が上がり、中から彼女の指が飛び出す。
 両手を使ってその穴を広げていくと、肉の裂ける心地いい感触が体へ伝わり、リオレウスの精液が溜まった胎内が、熱く滾る気がした。
 千切れたペニスからは、溜まっていた血潮があたりに飛び散り、今もまだ血を垂れ流していた。
 ぼたぼたと地面に落ちる鮮血だけで、小さな水溜りが出来ている。出血は少しずつ減っているが、もうリオレウスは時折ビクビク震えるだけで、抵抗と言えるものは無くなってしまった。
 少しのんびり甚振り過ぎたかもしれない。そう思いながらも、彼女はゆっくりインナーと鎧を着直し、太刀を拾い上げる。
 リオレウスの下顎を踏み付けて地面に押し付け、顎の付け根へと太刀を突き立て、強引に顎を外してやると、リオレウスは掠れた悲鳴を上げた。
 もうハンターの動きを止める、バインドボイスのような咆哮はあげられないようだ。まさに虫の息と言ったところだ。
 顎を外し終えると、次はその周りの鱗をと顎の筋肉を裂く。そうなると、後は脆いものだ。彼女は両手でその顎を持つと、「ふんっ……!」と声を出しながら思いっきり引っ張る。
 上顎を足で踏み付け、力を込めると、あの肉の引き千切られるミチミチと言う音と感触が、腕を伝わって全身を巡る。
 そのまま力を込め続けると、徐々に下顎が上顎と距離をとっていき、リオレウスが目に見えて粋を荒くし、あまり動かなくなった体を精一杯震わせた。

785:グロ中尉
09/03/14 14:12:21 wSSOKafg
 やがて、いくつもの細かな足音が洞窟内に響き始め、リオレウスが不安そうに首を動かし、周囲を見回すような仕草を見せる。
 もう何も見えないし、自分の血の匂いで鼻も利かないのに、意味のないことをご苦労なものだ。
 不安なのだろうか。リオレウスが今、恐怖に全身を震わせているかと思うと、彼女の興奮は強まるばかりだった。
 早く来い。早く来て、リオレウスの惨めな最後を見せてくれと、念じるように思い浮かべれば、それに応えるように『ケェーッ!!』と甲高い鳴き声が洞窟の中に響いた。
 リオレウスが顔をあげ、鳴き声の方を見つめるが、宙高くジャンプしたランポスが、その頭に飛び掛り、地面に叩き付ける。
『……ッ!! ッ!?』
 その衝撃の中、リオレウスの口から漏れたのは、なんと形容していいかも分からない、声とも呼べない音だった。
 下顎を失った口では発声すらままならず、奇妙な音を出す事しか出来ないらしい。
 だが、そんな彼の体に、次から次へとランポスが飛び掛り、太刀によって引き裂かれた表皮の傷口に嘴を突っ込み、中の肉を啄ばみ始める。
 彼女は、ハンターを無視して瀕死の飛竜に対して攻撃を始めるランポスの習性が大好きだ。
 こうやって飛竜を動けない体にして、生きたまま食われていく姿をのんびりと眺めるていると、小さい頃を思い出す。
 あの頃は虫の羽と脚をもぎ取ってアリの巣穴に落とし、解体されていく様子を観察する程度だったが、大人になってもやってる事が変わらないと言うのは、それはそれで考えさせられる。
 まあ、スケールが大きくなっているだけ、成長している証拠だろうが。
『ッ! ッ!』
 少し考えている間に、一匹のランポスが、リオレウスの節穴となった目に嘴を突っ込んで脳を啄ばみ、リオレウスの体が狂ったように大きく跳ねていた。
 それと同時に、千切れたペニスから精液が溢れ出して、今まさにペニスに喰らいつこうとしていたランポスにかかり、まるで顔射したようになっている。
 その様子がおかしくて、くすりと笑いながら、嘴を突っ込む瞬間を見たかったなと、彼女は微かに残念そうな素振りを見せ、次は見逃さないぞとリオレウスを見つめた。
 四肢を切り落とした後、焼いて塞いだ傷口は、爪と牙によって掻き毟られ、鮮血を垂らしている。
 喉の方も複数のランポスが牙を立て、血を噴出す肉の隙間から、白い骨が垣間見えている。
 こんな状態でまだ死んでいないのだから、飛竜の並外れた生命力も呆れたものだ。早く死ねた方が楽だろうに。
 そんな彼女の視線を知ってか知らずか、リオレウスの脳を啄ばんでいたランポスが、嘴を目から引き抜く。その嘴には、綺麗な色をした脳髄の切れ端が挟まっていた。
 その脳髄を飲み込むと、もう片方に比べて、随分広げられた目の穴に、再度嘴を突っ込む。今度はもう、その動きにリオレウスが反応する事はなかったが、それでも巨体がビクビクと震えていた。
 体の痙攣は止まらないが、どうやら死んだらしい。最後は思ったよりもあっけないものだ。
「さて、今度はどんな言い訳を考えるかな」
 食い荒らされていくリオレウスの死体を眺めながら、彼女がぼそりと呟く。まさか狩猟対象を両方とも紛失してしまっただなんて、なんて説明すれば納得してもらえるだろうか。
“G級で慣らしているため、下位相手では弱すぎて加減が効かず、ついズタズタにして、ランポスの餌になってしまう”
 この言い訳はよく使っていたが、そろそろ通用しなくなっている。一応ギルドでは、誠実で不正の一つもした事のない、良心的なハンターで通っているのだ。
 この異常な性癖は、まだ誰にもばれていない。出来る事なら、誰にも知られたくはない。
 彼女が満足いく言い訳を思いつき、その場を離れる頃には、リオレウスの体は骨だけになっていた。
 その骨を見ながら、胎内に残留していた精液だけが、リオレウスの生きた部分だと思うと、なんだか面白い気がして、彼女は数日間の間、その心地いい残留感を楽しんだ。
 体の異変に気づいたのは数ヵ月後の事だが、その時も彼女はさして驚かなかった。試す者が自分以外いなかっただけで、可能性としては十分有り得ると、嬉しそうに思っただけだ。
 表向きはどうであれ、内面では彼女は正しく狂人だった。「子守りは別料金だニャ」などと軽口を叩くキッチンアイルーたちに笑って返しながら、生まれ出る姿を想像しては悦に浸る。
 この先どうなるかなどとは、考えもしなかった。どうとでもなるからだ。




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