☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第89話☆at EROPARO
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第89話☆ - 暇つぶし2ch50:名無しさん@ピンキー
08/11/20 09:52:39 xDGx+IYF
皆様GJ!!

>クアットロをまともに書いたのは初めてだったけど、何故か筆が進む進む。
>癖になりそうだ。
B・A氏が何かに目覚めたwww

51:名無しさん@ピンキー
08/11/20 20:40:30 56VOk5O7
3連発とはな…GJ

しかし自分の手で殺っちまうとか、このルーテシアはもうダメかもわからんね

52:名無しさん@ピンキー
08/11/20 22:00:28 RgxO87Rm
>>14
ティアナとクワットロ、二人の正反対の女性のストーリー
二人がすべてを知った時、それぞれどんな反応をするのだろうか
GJ!!

>>32
外道だ…クワットロが外道すぎる
ここまで眼鏡が死ねばいいと思うのはリトラン以来か
三年前コンソールで操られた時を遥かに超えて心は壊れてしまっただろうな
もうエリオが殺してあげるしかないとか、そんな残酷な未来だけは回避してくれ…
エリオとガリュー、二人がどうするのかもう待ちきれない
GJ!!

53:名無しさん@ピンキー
08/11/20 22:15:16 u+1ZJ6eD
>>14
GJ!!です。
クアットロ……あんたがシバキ倒しているのがティアナの意中の男ですw
それにしても珍しいですね、仲良くなるとはwww
こうゆうのもいいなぁ。実は敵対さえしていなければ意外や意外、あんなキャラとこんなキャラが
仲いいかもしれないってのがあるかもしれない。

54:名無しさん@ピンキー
08/11/20 23:14:54 JwqvMRnC
>>32
Gj!!
だけど…
ルーがルーがああああああああああああ!!
畜生眼鏡め!絶対許さん!
次回をもの凄く待ち望んでおります

55:7の1
08/11/21 00:00:45 iciKkvxZ
GJ こういう外道女王クアットロだったら、どういう殺し方しても良さそうだ。
なのはの愛弟子の♀オリキャラに、ゆりかごから脱出したクアットロが、子宮ごと
内蔵をぶち抜かれた上に、脳のAIの情報を抜かれて、マリエルに実験材料として
引き渡されるって話を書いたが、クアットロのキャラが立ってないんで破棄した苦い
思い出がある私としては、このクアットロが死ぬんでしたら、思い切り無様に殺して
いただきたい。


まあエリオやスバルが長悲惨な最期を迎えてクアットロ高笑いの鬱展開も良いかも

56:シロクジラ
08/11/21 00:37:40 zLOXz61e
こんばんは、なんかこう、鬱なのか純愛なのか不明な物が仕上がったので投下を。
不幸な少女ってモチーフとして好きです……いや、それでもちょっとアレですが。

まとめのほうで感想くださった方、ありがとうございます。
スローペースですが、頑張っていきますのでよろしくお願いします。

注意事項
・TSです、ユーノ君が女の子です。
・クロノ×ユーノ エイミィさんとか義妹とかなのはとかカリムとか無視です。
・強姦、レイプアリ
・よって今回は鬱、嫌いな人はスルーしてください。

以上の事項に嫌悪感、忌避感がある人は、「司書長は女の子 その3」でNGをお願いします。

57:司書長は女の子 その3
08/11/21 00:47:13 zLOXz61e
「司書長は女の子 その3」

なのはに追いついたクロノにかけられた第一声は、叱咤だった。
目に涙をいっぱいためた少女は、その美しい横顔に憤りを込めてクロノ・ハラオウンという青年を睨む。
びくり、と青年が肩をすくめたのも無理からぬ話だ。

「クロノ君! どうして私を追いかけてきたの?」

「それは、君が心配で―」

ついてきたんじゃないか、とそう言おうとして。
本心では、あの場に置いてきた“彼女”のことが気になっている自分に気づいた。
嗚呼、僕は―

「―来たわけじゃないな」

「……ユーノ君のこと、任せても良いの?」

なぜだか、とても素直な自分がいた。

(僕が今、守ってあげるべきなのは―)

―きっと、この子じゃない。

だから。
全力で首を縦に振り、頷いた。

「ああ。ユーノのことは僕に任せてくれて良い。
どんなことがあったって、僕らは友達だった―それだけで十分だ。
そうだろう、なのは?」

高町なのは―天使みたいな、昔の自分が一目惚れした笑みを浮かべて、目尻からこぼれ落ちた涙を拭いた。
頷くと、クロノの男らしい顔つきに向けて言葉を投げかける。

「もう……クロノ君らしいかな。
うん、ユーノ君をお願いね、クロノ君」

「ああ」

短く頷き返すと、青年は今来た道を引き返して駆け抜ける。
執務官として鍛えられた健脚は凄まじく、あっという間に彼の姿は見えなくなった。
なのはは、レイジングハートに話しかけ、微笑んだ。

「私ね、レイジングハート。とっても今、二人に幸せになってもらいたいの」

《マスター?》

58:司書長は女の子 その3
08/11/21 00:49:12 zLOXz61e
偽りとは何だ?
性別を偽るのは罪か、咎か?
わからない。
硝子のように脆い心に意味はなく。
偽り続けた魂は摩耗した。
だから、ここにいる自分は抜け殻なのだ。
そう、彼に焦がれる資格なんて――

「――僕には、ないんだ」

そう嘯(うそぶ)いて、彼女は涙を目にためる。
偽り続けた数年の間に、大切なものは融けてしまったように。
でも、でも――想い続けたあの時間は、嘘なんかじゃない。
その確信は胸を焦がす/偽り続けた自分という殻を破る。
割れた殻から溢れ出た黄身は……

「……でも、君が好きだよ、クロノ」

そう言って、彼女は―ユーノ・スクライアと呼ばれていた“少年だったもの”は、声を上げて泣いた。
長い金髪を衣服にうずめて、えんえんと泣き続けて、そうして、彼女が顔を上げて――

――扉は開かれた。

「……まるっきり子供だな、君は」

「え……ク、ロ、ノ?」

「驚くようなことなもんか。なのはがね、君に付いていてやれって。
でも、ここに来たのは僕自身の意思だ。それだけは履き違えてくれるなよ?」

ぽつり、と泣いていた少女が洩らした。
緑色の瞳に大粒の涙が浮かび、か細い声が溢れた。

「どうして……どうして、君は、クロノは……」

そう言うとがっくりと膝をついて顔を俯かせ、ユーノは涙をボロボロ零した。
上気した頬、泣き腫れた目蓋―薄く紅い唇が言葉を紡ごうとして、泣き声にかき消された。
ひぐっ、ひぐっ、とどもりながら、誰にも見せたことのない激情―女としての顔だ―も露わに、
彼女は塩辛くて熱い雫を零してひたすらに泣き喚いた。クロノは黙ってハンカチを差し出すが――

――腕を振り払われ、ユーノ・スクライアの痛いほどの叫びが、二人以外に誰もいない家に響く。

「?! おい、ユーノ―落ち着―」

「五月蠅い! 君だって、中途半端な同情心で僕に関わってるんだろう?!
今までだってそうだった―僕の経歴を聞いた途端、どいつもこいつも生温い目で僕を見やがって!
どうせ、君だって―“僕”のことを知ったらッッ!!」

「どんな事情だが知らないが、否定させてもらおう」

「何を!」

59:名無しさん@ピンキー
08/11/21 00:51:47 neAOG9F7
B・A氏GJ!!
断じてクワットロには裁きを与えて欲しい
エリオが自分には誰も救えないと悟ったうえでルーテシアを優しく殺し、自分の心も殺し
クワットロ、グリフィス達、ナンバーズ、スカをどこまでも苦しませて拷問し、殺す
そんなエンドが浮かんでしまった・・・
何とかしてルーテシアを助けてやって欲しい。
でもそれは平行世界でルーテシアの全てを助けたことの何倍も大変なこと。
だってこちらのルーテシアは自分の手で全てを犠牲にしても助けようとした存在を壊してしまったから・・・
平行世界でいけば、世界の全てを敵に回してでもルーを守ると誓ったエリオがルーを殺してしまったようなもの
・・・・・・これはやばい、すごくやばい。何とかハッピーへの道を模索してください・・・orz

60:司書長は女の子 その3
08/11/21 00:57:46 zLOXz61e
怒りで昂揚したユーノの白い肌を、何だかとても美しいと思いながらも、クロノはずいっと屈んで彼女に顔を近づけた。
突然距離が縮んだ意中の男との接近に、顔を真っ赤にしながらも、ユーノは彼の瞳から目が離せない。
多分、普通ならば愛の囁きと言うべき言葉を、何時も通りとても憮然とした表情で。
この男は不器用で、だからきっと、どんな言葉も無骨なのだ。

「なぜなら―クロノ・ハラオウンは、君に一目惚れしたから」

「え―」




時が止まった。




ボロボロと涙の大粒が零れ、床を濡らして―ユーノの視界が滲んでいく。
景色も、こんなにも近くにあるクロノの顔さえも歪んで、まともに見えない。
歪んでいく視界の中―心には、こんなにも温かなものが芽吹いた。
やっぱり、泣きっぱなしはみっともないよな―と思いながら、ユーノは心の中、温かな感情を大事にしたい衝動に駆られつつ、それを振り払う。
ぞわぞわと嫌な感覚が這い上がり、吐き気がこみ上げる。彼の前で醜態は見せたくない一心で押さえ込むが……
クロノが彼女の細い華奢な肩を抱いて、顔色が悪いユーノの顔を覗き込む。

「おい、大丈夫か? 顔色が良くないぞ―」

「放して……くれ」

「馬鹿言うな、神経的な昂ぶりはよくないんだ、ちょっと見せてくれ―」

自分の暗部を覗き込まれているような、嫌な感覚に襲われて、ユーノは発作的に叫んだ。
それが破滅への道だと知りながら―偽る罪に耐えかねて、語られざる過去を声高に。

「やぁ! 放してくれ! 穢されているんだから……!
君に好かれる権利なんか僕には無いんだよ、クロノッッ!」

「何を――」

「――父さんに、犯されたんだよ、僕は!!」


煉獄の扉のように、それは開いてはならない禁忌だった。

だけれどきっと、それは開かねばならない苦痛。

振り返ろう、忌まわしい記憶を。


61:司書長は女の子 その3
08/11/21 00:59:02 zLOXz61e
「母さん……死んじゃったの?」

幼い童の声が、葬儀場に響いた。既に葬儀は終わり、死者は炎によって灰へ還る。
母親譲りのほっそりとした美貌を見せ始めた、七歳ほどの娘に父親は悲しい笑みを浮かべる。
その顔には憔悴と苦悩の後が見て取れ、愛した女との別れを未だ惜しんでいるようだった。
まだ幼かった少女ユーノ・スクライアは、母の死が理解できずにきょとんとした顔をしていて、父の悲しみもわからずにぐるぐると廻っていた。

「行こう、ユーノ……母さんと最期のお別れだ」

そうして、何もわからないユーノを抱き上げると、ゆっくりと火葬場へ歩き出した……


ユーノの母は事故死だった。遺跡の発掘作業中の落盤事故で、突然命を落としたのだった。
その夜、父は泣きながら浴びるように酒を飲んだ。何時もはたいして飲まない真面目な父は、悲しみと酒に溺れていた。
その光景を、ユーノが「怖い」と感じたのは、あるいはそれから起こる悲劇を感じ取っていたからか。
ユーノが何故か怖気を感じながら眠りにつこうとすると……父の気配がした。

「父さん……?」

「ぁぁあ……×××……」

それは母の名前だった。とろんとした光のない目が、父に理性がないことを告げる。
本能が危険を叫び、反射的に後ろへ下がろうとした刹那のとき。
父の固い身体が少女の柔らかな肢体を押し倒し、酒臭い息を吐く口で、娘の唇を塞いだ。
呼吸が出来ない、自分に起こったことが理解できない―ユーノが必死に逃れようともがくが、男の体重に幼い少女の身体は無力だった。
酒精がユーノの呼吸器官に入り込み、味覚と嗅覚をアルコールが麻痺させ―父の手がユーノの股間をまさぐった。
無骨な指の秘所への侵入に違和感と痛み、そして痺れるような感覚を味わいながらユーノは喘いだ。

「ひぐっ……痛っ……やめ……」


――暗転。


翌朝、ユーノは自身が処女を失ったことを悟った。悲しくもなく、ただ喪失感だけがあった。
腹の中――子宮の奥深くに吐き出された白濁液が、どろりと股間から溢れた。
それが父の精液なのだと知ったのは、ずっと後のことで、その意味もそのときは知らなかったが。
穢された、とは何故か思った。
ユーノ・スクライアという存在の幼年期の終わりはあまりにあっけなく。
無邪気でいられるほど愚かでなかった彼女は、父と関係を持ったという事実に泣いた。
それからは地獄だった。
父は娘に手を出したという事実に深く傷つき、より深く酒を飲むようになった。
そして、決まって意識を失うほど酒を飲んだあとは……早熟な少女を抱いていくのだ。
お互いが、心に救いようがないほどの傷を負っていた。
ハツカネズミのように棘を生やしながら抱き合う父子は、絶望の深淵に飲まれていった。
瞳は深く澱み、光無い風景の中で交わりあう二人は、誰よりも深く肉体で繋がりながら、凍える檻の中で心は壊死しようとしていく。
温もりにはほど遠い寒さの中で、何度泣きながら汚されたことだろう、何度逝きながら穢されたことだろう。
やがて何も感じないように虚ろな心になりながら、身体だけは嬌声を上げていくのだ、苦しげに。
それは媚びを売るものでもなく、快楽への反応でもない。
魂が上げる苦悶の絶叫だった。
地獄の連鎖は、長老の訪問で終わりを告げた。
半ば狂うように娘にしがみついていた男は放逐され、少女は“男”として長老に育てられ始めた。
都会の魔法学院でも、少女は男として学院へ送り出された。それが苦肉の策だったのだとは、彼女も気づいていた。
女としての尊厳を犯された少女にとって、女でいることは耐え難いことだったから。
だから――心を押し殺して、ずっと、ずっと生きてきたのだ。

62:司書長は女の子 その3
08/11/21 01:02:12 zLOXz61e
重い沈黙が降りた部屋の中で、涙を流しながらユーノは全てを語り終える。
ごしごしと目元を手で擦り、エメラルドグリーンの瞳で愛しい男性の顔を覗き込んで、
すぐに目を背けて泣き笑いを洩らし、か細い声で、彼女は黙って俯いているクロノに謝った。

「はは……ごめん、クロノ。こんな話聞かせちゃって……
僕は汚れてるんだ、父さんに抱かれたあの日から―こんな僕なんかに、君が惚れて良いわけないだろ?
きっと、全部錯覚だったんだよ……だから、君と会うのもこれが最後だ」

「バカ……野郎……! 僕は、僕は―」

場違いな眼鏡は机の上で輝くだけだ。
何も映しはしないし、少女の瞳に男の顔が鮮明に入り込むのを拒む。

「何度も抱かれて、ずっと嫌で、でも誰も助けてくれなくて―」

堰を切ったように溢れ出たのは、負の感情。
嗚呼、何度過ちと告白を繰り返せばいいのだろうか。
それでも、壊れた人形みたいにもう一度喋ろうとし――

「言うな、それ以上言うなっ!!」

――強く、逞しい身体に抱きしめられていた。
青年の黒い髪と金髪が交差し、両腕が少女の細い身体を抱き寄せ、力一杯、筋肉質な身体へ押しつけている。
クロノの匂いが鼻孔一杯に広がって、少女は何とも言えない気分になったけれど。
彼の真意を計りかねて、首を傾げて左肩に乗ったクロノの顔に言葉を投げかけようとして、青年の身体の震えに気づいた。
震えている。怒りと悲しみと、それでも諦めようとしない意志の混ざり合った、強い震え。


63:司書長は女の子 その3
08/11/21 01:04:03 zLOXz61e
「そんな記憶―僕が、クロノ・ハラオウンが忘れさせてやる―!」

「く、ろ、の……」

クロノの痛いくらい真っ直ぐな瞳、抱き締めてくれている熱い身体、傷を癒してくれるような錯覚を覚える言葉。
何もかもが尊くて、どうしようもないくらい痛みが激しくて――少女は一度は泣き止んだはずの涙を再び零し始める。

「―だから、僕と一緒に生きてくれないかな。どんなに君が自分を卑下していたって……
僕は君が忘れられそうにないんだ、だから――僕を好きになってくれ」

泣きながら、震える声を絞り出す。

「本……当、に……こんな僕で良いの?」

むっとした顔で―でもすごく優しい表情で―クロノはもう一度はっきり言った。

「“こんな”じゃないさ。君は多分、僕が見てきた誰よりも―可愛いから」

鼻水も涙も止まらなくて、喘ぐみたいに声帯は震えっぱなしで。
自分でも情けないくらい泣き続けながら、触れ合っている事実が嬉しくて、ユーノは目を閉じて青年にもたれかかった。

「ひぐっ……うぇ、ぇえ……クロノォ……僕も……」

「ユーノ? どうした、痛いのか?」

「うぅ……僕も、君が、好きだよ――」

言葉は不要とばかりに二人は抱き合い続け、やがてどちらからともなく名残惜しそうに、少しだけ身体を離して相手の瞳を覗き込んだ。
潤んだ緑眼と漆黒の瞳がゆっくりと近づき――二人の顔が完全に重なり合って、キスを交わした。
唇と唇の触れ合い――その蕩けるような感覚に恍惚となり、ユーノは幸福を神様に願った。

(お願いです、お願いです―どうか、今このときだけは、邪魔しないでください―)

ふと、こんな心臓の高鳴りは初めてかも知れないな、と思いながら。


「ねえ、クロノ」

「ん?」

「シャワー、浴びる?」

その日、二人は産まれて初めて、愛しい人と契りを交わした。

64:シロクジラ
08/11/21 01:10:26 zLOXz61e
終了ですー。
男装の理由を考えた末にこれになるというのは、病んでるなあ自分。
鬱が好きで好きで堪らない、人間のプリミティブな衝動に準じる最低最悪のろくでなし―。
ともあれ、ダークサイドから救われるっていいですねー。

ではでは。


65:名無しさん@ピンキー
08/11/21 01:16:04 o62/A77m
不幸な生い立ちの少女GJ!!

なんという悲運なる過去、父親にレイプとか悲惨すぎだぜ。
それでもクロノの愛が救ってくれるのが心温まる、実に良い!

最初はユーノがTSって聞いて受け入れがたいイメージがあったけど、それが今では嘘のように自然に読めます。
シロクジラ氏の腕前に脱帽しました。

66:名無しさん@ピンキー
08/11/21 01:41:34 neAOG9F7
シロクジラ氏割り込み本当に失礼しました・・・
ユーノもクロノもようやく全てを打ち明けられたんだな。
特にユーノの方はすごく勇気が必要だっただろう。
次回はエロでしょうか。GJ!!

67:名無しさん@ピンキー
08/11/21 10:42:36 l2XZPZL3
GJ!!です。
行為に入ったとき、昔取った杵柄ってのは嫌な言い方ですが、
床レベルはユーノの方が今は上かな?

68:名無しさん@ピンキー
08/11/21 13:01:29 3KXubE2E
前スレ>>581
GJ。
何という勘違いを。
でもここまで言ってしまえば後は抱かれるだけ。
エリオは…据え膳は食っておくべきだと思うよ
てかエリオには断るすべがナイヨウナ

>>32
GJ。
そしてすごく欝です
なんとかルーを助けて欲しいけど絶望しか見えない…
ガリューの主従の絆とエリオの助けたいという思い。
それでどこまで救えるのか。いや救って下さい!

>>64
GJ。
そんな辛い過去があったとは…
でもクロノはそんな過去も含めて愛すると決めた。
きっと幸せになれるはずだ!

69:名無しさん@ピンキー
08/11/21 20:40:54 fGzdSuuM
>>64
GJです! ユーノは女の子でも萌えますね。なのはの金髪キャラには被虐が似合う子が多いのでしょうか?

誤字らしきもの発見。
>>ハツカネズミのように棘を生やしながら抱き合う
これは、ハリネズミの間違いでしょうか? 違っていたら済みません。

70:シロクジラ
08/11/21 20:52:07 zLOXz61e
う、うわああああああああorz

はい、その通りでございます。

ハツカネズミ>×
ハリネズミ >○

ですね。
司書の方、申し訳ありませんが拙作を編集の際は、上記の箇所の訂正をお願いします。
作業を増やしてしまい、まことに申し訳ありません。

71:名無しさん@ピンキー
08/11/21 21:01:54 EH3CU6wI
うわあ、板が変わっていたことに気付かない間にいい作品が投下されている!

畜生いい話だ!

と、そうだった。カリム×ヴェロッサを投下しようかと思ったんだけど、
何か書いている内に書きたいのと違ってきたから、もう少し練り直してから投下させてもらう。
もう少し待って。

72:名無しさん@ピンキー
08/11/21 21:10:34 L+ZyvRgU
いや、板は変わってないから

73:名無しさん@ピンキー
08/11/21 21:28:57 BXl8T3SN
何もないようだし、投下、いいですかね。

74:名無しさん@ピンキー
08/11/21 21:29:53 o62/A77m
>>投下

カモンベイビー。

75:野狗
08/11/21 21:31:49 BXl8T3SN
では。

魔法少女リリカルなのはIrregularS 第六話です。(全十三話予定)

捏造まみれです。
SSX前提です。
あぼんはコテで

レス数16


76:野狗
08/11/21 21:32:28 BXl8T3SN
    1


 マリアージュ事件の終結後、ヴァイス・グランセニックをエリオが訪れていた。
 来訪の理由を話したエリオに、ヴァイスは心底不思議そうな顔をしている。

「あー。話はわかった。わかったが、わからん」
「お兄ちゃんが訳のわからない事言うから、エリオさんが困ってるよ」

 たまたま同席していたラグナが、エリオにお茶を煎れながら助け船を出した。
「ラグナ、お前は黙ってろ。これはな、男と男の会話なんだ」
「またそういうこと言って誤魔化す」
「誤魔化しじゃねえって」

 いつまで経っても終わりそうにない兄妹のやりとりに、エリオは焦れてそっと言う。

「あの、それで…」
「あ、すまん。こいつが余計なこと言うから」
「余計なこと? そんなこと言うなら、もう掃除も洗濯もご飯作りもしてあげないよ。ティアナさんもアルトさんも、この前お兄ちゃんが大ポカやってから、
もう二度と来ないって言ってたんだからね」
「だから余計なことをっ!」

 慌てるヴァイス。

「大ポカって何ですか?」
「お兄ちゃんね、二人と同じ場所同じ時間で待ち合わせしちゃったのよ。信じられる?」
「うわ……」

 気をつけよう、と肝に銘じるエリオ。キャロとまだ結婚していなかった頃のエリオにとっては、ヴァイスの二股失敗は他人事ではなかったのだ。

「だからな、エリオ。お前の言いたいことはわかる。しかし、何で俺の所に来たかがわかんねえ」

 指を折って数え始めるヴァイス。

「シグナム姐さん、フェイトさん、なのはさん、ヴィータ。スバルやティア、いや、ディードやノーヴェ、チンクだって、
お前さんの頼みなら嫌とは言わねえと思うんだが」

 少し考えて、

「うん。ガリューってのもいたな。ザフィーラの旦那だっている」


77:野狗
08/11/21 21:33:04 BXl8T3SN
      2

 さらに一人で勝手にうなずいて、

「後の二人はおいといて、こんだけの美女美少女からよりどりみどりで教えを請えるって、俺が替わって欲しいくらいだぞ、おい」

 ラグナの冷たい視線にもめげず力説するヴァイス。
 強くなりたい。それがエリオの望みだった。
 しかし、何故自分の所に来たのかがヴァイスにはわからない。

「第一、俺の魔道師ランクなんざ、たかが知れてる」
「魔道師ランクは関係ないんです。僕は、男として強くなりたいんです」
「クロノ提督でも、ユーノ司書長でもいいと思うが」
「僕が、一番かっこいいと思った男の人ですから」
「お……」
「あ、お兄ちゃん、照れてる」
「ラグナ、お前ッ!」
「エリオさん。私が許可します。お兄ちゃんが断っても、私が許すから」
「ありがとうございます」
「お前ら、勝手に決めるんじゃねえって」
「お兄ちゃんに拒否権はありません」
「おいおい……」



                    魔法少女リリカルなのはIrregularS
                             第六話
                    「エリオの偽善 ルーテシアの高慢」


78:野狗
08/11/21 21:33:38 BXl8T3SN
     3

 静かな場所だった。
 自然あふれる森の中の一角。開けた場所に、テーブルがセットされている。そして、そこに座っているのはキャロとローヴェン。
 キャロの前には茶と菓子が置かれている。
 それを置いたのは、キャロの世話役としてあてがわれている戦闘機人だ。顔を見る限り、セッテタイプであることがわかる。

「同じ顔の人ばかりね。クローン?」
「いや、ただのコピーミス連中だよ。家事はこなせるので、数匹は始末せずに飼っているだけのことだから」

 ローヴェンの説明にキャロは首を傾げた。

「コピーミス?」
「そうだよ」
「もしかして、貴方もコピーミス?」
「見てわからない?」
「わかります。貴方の中身がエリオでないことくらいは」
「確かに。僕はある意味エリオ以上だからね」
「人の中身に上も下もありません」
「あるとも。知力気力能力、呼び方は様々であるにしろ、上等な中身と下等な中身というのは歴然とした違いがあるんだよ」

 キャロは、ローヴェンの後ろに従っている女性に視線を移した。

「その人は?」
「戦闘機人など、どうでもいいことだよ」
「戦闘機人……ナンバーズにそんな人はいませんでしたけど」
「そうだろう。彼女はオリジナルの戦闘機人だからね」

 つまり、彼女はコピーではない。戦闘機人を作り出す技術の持ち主がローヴェンの近くにいるということだ。

「彼女の名はハーヴェスト。ナンバーズを“刈り取る”ための戦闘機人だよ」
「ナンバーズよりも強いんですか?」
「言うまでもない」
「ローヴェン、お茶の時間です」

 ハーヴェストがローヴェンの前にカップを置いた。

「なぜだか知らないけれど……」

 ローヴェンはカップを手に取った。

「この時間になると、お茶が欲しくなる」

 そしてキャロに、カップを取るように促した。

「お茶ぐらい、つきあってくれてもいいんじゃないかな?」
「断れば、次は手を折るんですか?」
「頑なだね」

 ローヴェンは一口飲んで、すぐにカップを置く。

「この数日は、君に危害など加えていないと思うけれど」


79:野狗
08/11/21 21:34:15 BXl8T3SN
      4

 キャロはカップを取った。
 ここに連れられてから数日が経過している。
 ローヴェンの言うとおり、ここに連れられてきてからは暴行の類は一切受けていない。丁重と言ってもいい扱いだった。
 折られた足も、高いレベルの治療を受けている。放っておかれているということはない。世話役も礼儀正しい者が数人ついている。
ただし、世話役が全員同じ顔の戦闘機人というのはぞっとしない。
 セッテタイプ、ノーヴェタイプ、ディエチタイプ、セインタイプ、オットータイプ。五種類の顔しかないのだ。

「では、そろそろ日課の時間かな」

 決まった時間に、キャロは映像記録を求められる。
 自分の近況を伝える映像を作るのだ。ローヴェンの話では、エリオの部隊にキャロの無事を知らせるためだけに送られているとのことだが、
当然それを確認する術はない。しかし、キャロには映像記録を断る理由がないのだ。
 話している途中で邪魔をされることはない。もし映像が加工されているとしても、いや、加工するつもりならキャロに喋らせる必要はないのだ。
ただキャロを普通に写すだけでいくらでも誤魔化すことはできる。
 だから、キャロは素直に映像記録を取った。そしてその中でキャロは真実だけを話す。
 自分がエリオのクローンに捕らえられていること。
 両足を折られたこと。
 その後の待遇自体は悪くないこと。
 戦闘機人のコピーに囲まれていること。
 新しい戦闘機人が一人だけいること。
 捕らえられた場所はわからないので伝えようがない。
 逃げだそうにも両足はまだ治っていない。
 ヴォルテールは召喚できない。
 召喚しようとすると激痛が身体に走る。そんな仕掛けの首輪をつけられている。
 ただ、毎日記録していては言うことなどなくなっていく。

「きちんと毎日記録して、君が無事であることを伝えないとね」

 その証拠にと、その日のミッドチルダで放送されたニュースの内容を言ってみせる。古典的だが、確実な確認方法だ。

「それから、少し遅れたけれど君に伝えることがある」

 ローヴェンは、その日のニュースに目を通すキャロに言った。

「ニュース種にはなっていないようだが二三日前、ウェンディとガリューが死んだよ。死因はSLBだ。僕たちの頼もしい味方、なのはさんが殺してくれた」

 キャロは無言でローヴェンをにらみつける。

「……嘘だと思っているんだろ。いずれ、証拠を見せてあげるよ。そこに、死体を並べてあげるよ。戦闘機人八体、蟲が一匹、クローン二人。
君とルーテシアに捧げるオブジェだ。それで足りないなら、聖王陛下や守護騎士、融合騎に幻影使い、クローンもう一人と第97管理外世界の人間二人もおまけしよう」

 だから、今日の映像にテロップを一つ付け加えた方がいい。とローヴェンは微笑んだ。

「『ルーテシア、次は誰が死ぬ? スバルか? チンクか? ジュニアか? それとも、お前が寝取った男か?』
………いいな、これ。よし、ハーヴェスト、準備してくれ」
「かしこまりました」

 立ち去るハーヴェストを見送ると、ローヴェンは思い出した仕草で自分の頭を叩いた。

「ああ、そうだ、キャロ。いいことを教えてあげようか。コピーなのはさんたちのことなんだけどね……」

80:野狗
08/11/21 21:34:49 BXl8T3SN
       5

 予期せぬ来客に、エリオは戸惑っていた。
 来客自体は想像の範疇である。いずれは来るだろうと思っていた。だが、まさかこの人が来るとは思っていなかった。

「久しぶりだな、エリオ」
「はい。まさか提督が来られるとは」
「君から見れば伯父さんみたいなものだ。君はフェイトの息子みたいなものだからな」

 クロノ・ハラオウンはにこりともせずにそう言うと、来客用のソファに腰掛ける。

「報告は全て見せてもらった。ひどい話だな」
「自分の指揮経験不足が原因です。隊員たちは全力を尽くしました」
「そうじゃない」

 クロノは五月蠅そうに手を振った。

「向こうの戦力、フェイクマザーの性能の話だ」

 それで、とクロノはエリオの顔を正面から見据えた。

「正直な話、どうなんだ」
「初手は不覚でした。高町特佐、スクライア特佐、ナカジマ特佐のコピーが出てきたのは予想外でした。しかし、対策は立てています。同じ手は通じません。
それにコピーの戦力という意味ならこの三人を超える人材はないでしょう」
「それは、君の意見だな。データとしての事実が欲しい」
「できる者に説明させます。同席よろしいですか?」
「アルピーノ三尉か?」
「いえ、スカリエッティ・ジュニア主任研究員です」
「……そうだな。ここに来るときから覚悟はしていたつもりだったが……。呼んでくれ。ああ、それからもう一つ」
「なんでしょう?」
「エリオ、もう少しざっくばらんに話してくれ。肩が凝ってしょうがない」
「もう年ですよ、伯父さん」
「毒舌までユーノに伝染されたか」
「俺の毒舌は貴方譲りだと、フェイトさんには良く言われてましたよ」
「あいつは人を見る目がないんだ。結婚相手を見ればわかるだろ」
「少なくとも、引き取る子供を見る目はあったと思いませんか?」
「キャロのことなら、イエスだな。もう一人の生意気なガキのことなら、大失敗だ」
「一部隊を率いるまでになったのに?」
「しょげ返って、背中を丸めて座り込んで泣いている、と聞いたから見物に来たんだ」

 言葉とは裏腹に、クロノの目は優しい。

「復活が早いな。もっとも、まだ座り込んでいたらぶっ叩いてやるところだ」
「復活した訳じゃありませんよ」

 エリオは素直に言う。

「ただ、こういう時のコツを、師匠に聞かされているんです」
「シグナムに?」
「もう一人の師匠ですよ」
「フェイト……じゃないな。初耳だぞ、誰だ?」
「ヴァイスさんですよ」

81:野狗
08/11/21 21:35:43 BXl8T3SN
     6

「嘘をつけ」
「嘘……を?」

 ヴァイスの言葉にエリオは顔をしかめる。

「自分に嘘をつくんだ。今の自分より、少し強い自分だと思って。一のことができるなら、二のことができると言え。十の力があるなら、二十の力があると言い切れ。
嘘をついて、自分を強く見せろ」
「でも、それって」
「いいんだよ。嘘で」
「でも、すぐにバレちゃうじゃありませんか」
「バレない嘘をつけ」
「そんな無茶な」
「バレないように頑張るんだよ。そうすりゃあ、いつの間にかそれが本当になる。十の力が二十の力になってる」

 ヴァイスは両手を降参のように上げた。

「そうなったら次は、五十の力を持ってるって嘘をつけ」

 手を下げる。

「いつの間にか、百の力持ちになってるぜ?」

 何か言いかけるエリオを手で制するヴァイス。

「少なくとも、俺はそうやってきた。ま、どうしても越えられない壁はあったけどな、リンカーコアとか。だが、技術そのものは鍛えることができる。
鍛えることができるのなら、自分の嘘に近づくこともできる。違うか?」
「嘘に……」
「嘘って言葉に抵抗があるなら、『理想』って言い換えてもいいじゃないか」



82:野狗
08/11/21 21:36:21 BXl8T3SN
     7

「僕……俺は、嘘つきになることにしたんです」
「その言葉遣いも、その一環なのか」
「そういうことです」
「……フェイトが真剣な顔してな、『どうしよう、お兄ちゃん、エリオが不良になっちゃった』と、相談に来たんだぞ」
「あ、あー。そんなこともありましたね」
「まあ、いいだろう。強くなる方法なんて、人それぞれだ」

 そこへ、ジュニアがディエチとヴィヴィオを伴って現れる。

「失礼します。……クロノ提督!?」
「…直に会うのは初めてだな、ジェイル・スカリエッティ」

 ディエチが一歩前に出た。

「失礼ですが、ジュニアをお忘れです、提督」
「君は……ディエチか」
「初めまして」
「艦同士では、一度会っているけれどね」
「え?」
「君がゆりかごに乗っていたとき、僕はクラウディアに乗っていた」

 ディエチは何を言っていいかわからず、ただうなずいた。

「さて、エリオ。彼らを同席させた理由を聞こうか」
「ジュニアは一流の科学者ですよ。特に解析能力に優れた才能の持ち主です。ディエチとヴィヴィオは彼の助手とでも思ってください。今現在の敵陣営について、
彼の解析結果を説明してもらいます」
「わかった、説明を聞こう」

 あらかじめ準備していた資料をディエチが広げる。

「まず、敵陣営の目的と主犯格は不明です。今のところ最も確率が高いのはエリオローヴェンですが、確定はできません。続いて、敵陣営の戦力ですが、
現在わかっている限りでは主力はコピー戦闘機人、同じくコピーのなのはさん、フェイトさん、はやてさんです」

 フェイクマザーの性能はすでに報告されている。

「しかし、フェイクマザーによる戦力の水増しには重大な欠点があります」

 ジュニアは先だっての戦いで回収されたコピー戦闘機人のデータを出した。

「まず脳ですが、自我を司る部分の発達が著しく遅れているんです。いや、わざと未発達のまま置かれているといった方が正しいでしょう」
「自我が弱い、という解釈でいいのか?」
「はい。具体的には、単体行動には向きません。あくまでも集団の一部としての行動に限定されると言うことです」
「……つまり、集団戦闘でない、突出した個人による個別撃破には対応しきれない、ということか」
「はい。その意味では僕たち遊撃隊が有利です」
「なるほど。しかし、コピーなのはたちはどうだったんだ?」

 ジュニアは新しいデータを示す。


83:野狗
08/11/21 21:36:56 BXl8T3SN
         8

「完璧なコピーはコピー元と同時に出現できません。精神的に干渉し合い、精神的に自壊します。念話が使える魔道師ならさらにその可能性は高まります。
同時に出現させるなら、互いの定義をずらすしかありません。僕と父のように、擬似的な親子関係を作り上げるのが一つの方法です。
あるいは、精神的に別の存在にしてしまうか、戦闘機人たちのように自我を抑え込むか」
「なのはたちには二つ目の方法を使ったのか」
「そのようです。しかし不十分な方法です。コピーたちの精神状態は不安定で、味方への被害を何とも思ってません。戦力としても不安定すぎて、
殲滅戦にしか使い道がないんです」

 エリオの眉がひそめられるのを見て、ジュニアが説明を一旦止めた。

「隊長? どうかしましたか?」
「いや、なんでもない……ちょっと、嫌なことを思い出してね」



 殲滅戦にしか使えない。
 どこかで聞いた言葉に、キャロは全身が闇に覆われるような感覚を覚えていた。

「……息子がクローンだと知られて、捨ててしまった連中もいたね。うん、懐かしいよ」

 キャロ? と語りかけながら、ローヴェンはキャロの頬に手を置いた。

「娘がクローンだと知って、捨てる親もいるかもね。部族の掟とか、有りもしない理由をでっち上げて」
「私は……」
「クローンじゃない?」

 キャロは顔を上げる。
 ローヴェンは笑った。

「根拠はあるのかい? むしろ君がクローンであれば、理由がつくんだよ。何故フェイトさんは君を拾ったのか。いや、君を選んだのか。
もう一人選ばれたのがエリオだと言うことを考えれば、とってもわかりやすいよね」
「……違う。私は……」

 うなずくローヴェン。

「そう、クローンじゃない。クローンじゃないんだ。うん、そうだよ、君はクローンじゃない。安心したかい? 引っかけてごめんよっ! 君はクローンじゃないんだよ!」

 嬉しくてしょうがない。ローヴェンは笑っていた。事実、嬉しいのだ。次の瞬間のキャロを想像するだけで。

「エリオ・モンディアルとは違う。君は真人間だ」


84:野狗
08/11/21 21:37:30 BXl8T3SN
         9

 その瞬間、キャロの中でいくつかの事実が繋がった。
 これは罠。ローヴェンの罠。でも、自分の想いもまた事実なのだ。
 クローンだと言われ、否定したこと。
 クローンでないと言われ、安堵したこと。
 キャロは、青ざめた。

「君も心の中ではクローンをどう思っているかという事だね」
「あ……あ…………」
「最低だな。君の本性がよくわかったよ」

 キャロは座っていた椅子から落ちた。両足が補助具で固定されているのだ。体勢を崩せば落ちるしかない。そして、泣いていた。
 拉致されて初めて、キャロは泣いていた。自分の情けなさに。自分への怒りと、エリオへの申し訳なさに。

「最低な女だよ、君は。エリオに対して優越感を持っていたわけだ。自分は真人間だと。クローンとは違うのだと」

 キャロは周囲の気配に顔を上げる。
 コピーが全員、エリオの後ろに並んでいた。

「彼女たちは、もう君の世話はしたくないそうだ。仕方ないね、君のクローンに対する蔑視は、すなわちコピーに対する蔑視でもある。
腹黒い君の世話など引き受ける者はいないよ」
「違うっ! 私は……!」
「エリオも、どこかで気付いたんじゃないかな」

 ローヴェンは一歩、キャロから離れた。

「ルーテシアには、そんな感情はなかっただろうからね。君と違って、ルーテシアは優しい子だよ。君のように外面を繕ったりはしないから誤解されやすいけれど。
君とは違う。ルーテシアはクローンを嫌がったりはしないよ」
「ルーちゃんが……?」
「僕なら、ルーテシアを選ぶよ。君に、騙されたりはしない」
「騙してなんて……」
「クローンに生まれなくて良かった。そう言ったのは君だ」
「言ってない! 言ってな……」
「でも、そう思ったんだろ?」

 静かに、断固とローヴェンは言う。否定は許さない。口調に込められた殺気が、キャロの口を閉ざす。

「最低だ。君は」

 これでもう話す事はない。それを宣言するかのようにテーブルを倒す。
 何も言わず振り返り、歩いていくローヴェン。その背後をコピーたちが付き従う。

85:野狗
08/11/21 21:38:05 BXl8T3SN
        10

「現在の状況はわかった。一つだけ単刀直入に聞こう」

 クロノはジュニアからエリオに向き直る。

「勝てるのか?」
「勝ちます」

 エリオは言下に答えた。しかし、クロノは顔をしかめる。

「それもまた、嘘じゃないだろうな」
「勝てば、嘘じゃなくなりますから」

 確かに、コピー戦闘機人相手なら充分な勝算がある。オリジナルナンバーズの方が強いだろう。
 問題は、コピーのなのは、フェイト、はやて、そしてエリオなのだ。

「それに関しては、逆にこちらから提督にお願いしたいことがあります」

 ジュニアの問いをクロノは制止する。

「ちょっと待った。先にこちらの用件を片づけた方が良さそうだな。まさか、提督直々に戦況を聞きに来ただけだと思っているのか?」

 顔を見合わせる一同。言われてみればもっともだが、クロノの用事は戦況の確認だと全員が勝手に思いこんでいたのだ。

「いくらなんでも、それはないだろう。第一、それなら僕じゃなくてはやての出番だ」

 クロノは一枚の紙を取り出した。

「命令だ」

 エリオは受け取って一瞥すると、命令書を叩きつけかねないそぶりで立ち上がった。

「……こんなの、はいそうですかってあっさり受け取ると思ってるんですか」
「思ってないから僕が来た。落ち着け、その命令書は条件付きだ」

 エリオは再び命令書に目を通す。

「……拒否権は一応あるんですね。命令というより打診ですか……ちょっと待ってくださいよ、これ……」

 堪らず、ヴィヴィオがジュニアを肘でつく。

「わけわかんないよ、ジュニア」

86:野狗
08/11/21 21:38:38 BXl8T3SN
      11

 いくら怖い者知らずのヴィヴィオでも、命令書を隊長の手から奪うのは躊躇するらしい。クロノの見ている前では尚更だ。

「隊長、命令の内容は何なんですか?」
「管理しているロストロギア、フェイクマザーによる対応だ。敵のコピーに対抗して、こっちもチンクたちをコピーしろと言ってきている」
「馬鹿なっ!」
「その通りだ。だが、一応、拒否権はある。条件付きだがな」
「条件って?」
「確実な勝利の確認だ」
「それで、提督が確認に?」
「そうだ。こちらの優位が確認されず、その上フェイクマザー使用の命令に従わない場合、遊撃部隊は新しい指揮官を迎え入れることになる」

 クロノはゆったりと座り直した。

「そういうことだ。話を続けよう。コピーなのはたちを倒す目算はあるのか?」

 エリオとジュニアは首を振った。

「長期戦になればわかりません。時間をかけてきちんと作ったクローンや元々タフな戦闘機人とは違い、生身のコピーは耐久力に難があるようです。
しかし、それは向こうも先刻承知でしょう。そもそも、壊れたら別のコピーを出せばいいだけの話ですから」
「加えて、疑問があるんですよ」

 ジュニアがクロノの前に新しいデータを出した。


 先日の戦いでの大きな疑問が二つある。
 一つは三人の力。確かに強かったが、実際はあの程度の力ではないと、エリオたちは知っている。六課時代の力があれば、あの戦いはもっと早く終わっていただろう。
つまり、三人は明らかに本物よりもは弱いのだ。もっとも、それでも平均を軽く凌駕する力なのだが。
 二つ目はデバイスである。レイジングハートもバルディッシュも魔天の書も三人は持っていなかった。ただの(強化はされていたが)平凡なデバイスだった。
ただし、はやてだけはシュベルトクロイツを持っていた。
 コピーのデータがなかった、という可能性もある。しかし、三人のデータは揃っているのにデバイスのデータだけがないというのは不自然である。

「三人のデータを集めたのが、現在の敵ではない、と仮定するならつじつまが合うんですよ」

 戦闘機人のデータは、スカリエッティが持っていたデータを見つけたとすれば説明がつく。おそらく、そのデータの中にフェイトのデータはあっただろう。
プレシア・テスタロッサの使ったクローン技術はスカリエッティからもたらされたものなのだ。その程度の繋がりはあっておかしくない。
 バルディッシュは、フェイトが生まれてからリニスによって作られたもの。プレシアはほとんど関わっていない。
だからスカリエッティのデータには記録されていないだろう。
 では、なのはとはやてはどうか。

「これは仮説ですけれど。スカリエッティと繋がっていた管理局の一部がデータを送ったとすれば?」



87:野狗
08/11/21 21:39:12 BXl8T3SN
       12

 そもそも夜天の書はロストロギア闇の書である。簡単にデータをバックアップできる者ではない。そして、レイジングハートは管理局から来たものではない。
ユーノによってなのはに贈られたものなのだ。管理局側にはデータはない。

「キャロの話によれば、ストラーダとエリオ隊長はコピーされています」

 ストラーダとシュベルトクロイツは管理局から出てきたものだ。当然データは管理局にある。

「はやてさんは闇の書事件で拘留されたとき、そしてなのはさんは撃墜された入院時に検査を受けているはずです。
そのときにデータを取られたとすればつじつまが合います」
「……俺のデータは、当然施設にあっただろうな。管理局が押収済みか……」

 エリオが呟いた。

「レジアス、並びに三提督の死亡とともに管理局の闇は一掃された。過去のそのような事例があったとしても、現在の管理局には何の関係もない」

 クロノは早口で言うと、一同を目で制する。

「というのが公式見解だ。僕の立場上、ここまでしか言えない」

 これ以上は聞くな、とクロノの視線が告げている。

「そこまで聞けば充分ですよ、提督」

 どちらにしろ、決定的に優位な情報などない。いや、あったとしても「客観性に欠ける」「信憑性に欠ける」と言われるのがオチだろう。
そして、フェイクマザー使用など、あまつさえチンクたちのコピーなどエリオやジュニアが認めるわけもない。

「僕がいなければ、フェイクマザーは扱えませんよ。少なくとも、最初の一体のコピーまでに三週間は必要でしょう」
「サボタージュは勧められんが……。ところでさっきの情報、裏付けはあるのか? 不確かなものでもいい」
「確実なものはありませんんが、臭わす程度のものならいくらでも」
「データのコピーを僕にくれ。その線で追求すれば、しばらくはこちらへの風当たりは弱くなる」
「すぐに」
「僕とはやてで連中の腹を探る。だが、確証がなければ所詮時間稼ぎだ。保ったところで一月は無理だぞ」

 その間に決着をつけられるのか、とクロノは聞いていた。
 もし決着がつかなければ、管理局の反対派閥が介入してくるだろう。そうなれば、戦いの帰趨がどうなるにせよ、エリオたちは使い捨てられる。
 クロノは立ち上がった。

「言うまでもないだろうが、今の僕やはやての局内での政治的力は、昔ほどもない」


88:野狗
08/11/21 21:39:46 BXl8T3SN
          13

 今のはやてやクロノの立ち位地はそういったものだった。より次元の高い立場に対応するために、あえてその位地を選んだのだ。

「わかってます」

 管理局内の反対派閥とやり合うのは、自分たちでなければならないという思いは、エリオにもある。だが、今回に限っては相手が悪すぎる。
 スカリエッティの遺産を得た敵なのだ。同じくスカリエッティの遺産である者ばかりの遊撃隊は、ただでさえ心証が悪いのだ。
反対派閥にとっては願ってもない展開だろう。

「敵をたたく。それ以上の解決策はないでしょう?」

 確かに、と言ってクロノは笑った。

「これは何とか防いだとしても、別の形での嫌がらせはあると思ってくれ。下手をするとサボタージュもな」
「身内だけで固めているのが、ウチの強みですよ」
「その辺りは、僕らやはやてのやり方と一緒だな」
「しかし。正面で戦う部隊に背中から嫌がらせとはね」
「よくあることだ。かつてのアースラや六課に、嫌がらせがなかったとでも思っているのか?」
「……クロノさんやはやてさんの後を繋ぐのは、ティアナさんだと思ってたんですけどね」
「甘いな。ティアナはそうと知っていたからろ、さっさとフェイトの後釜になったんだ」
「次に会ったら文句の一つも言ってやりますよ。俺は、気軽な一騎士でいたかったのに」
「世の中は、こんなはずじゃなかったことだらけだよ」
「痛感してます」

 それでは、とクロノは立ち上がる。

「……聖王陛下に戦闘機人、そしてスカリエッティの息子」

 ヴィヴィオ、ディエチ、ジュニアを順番に見ながらクロノは大袈裟に肩をすくめた。

「……六課の名簿を見たときは、あんな混沌な名簿は空前絶後と思っていたものだけどな。あっさり越えてくれたよ、君らは」
「クローンと元レリックウェポンをお忘れですよ」
「まったく………なんて部隊だ」

 エリオはクロノの先に立ち、ドアを開く。

「最高の、自慢の部隊ですよ」
「部下の前ではあまり言わない方がいい」
「仲間です」

 ヴィヴィオとディエチにクロノの見送りを命じて、エリオは自分の席に戻った。

89:野狗
08/11/21 21:40:20 BXl8T3SN
       14

「さて、ジュニア。正直なところ、どう思う?」
「ノーヴェさんやディエチさんのデバイスの修理はまもなく終わります。あと、隠し球をいくつか準備できるかも知れません」
「頼む」
「それじゃあ、僕はラボに戻ります。ヴィヴィオはまだ僕の助手ですね?」

 ジュニアはエリオの返事にうなずくと部屋を出た。
 エリオは机に置かれたデータに目を通し始める。
 その後ルーテシアに話しかけられてようやく、エリオは自分がデータに見入っていたことに気付く。

「どうした? ルーテシア」
「……怖いの」

 ルーテシアは倒れるようにしてエリオにしなだれかかる。

「ルーテシア?」

 エリオがその身体を受け止めるより早く、ルーテシアはエリオの肩を抱いた。

「……怖いの……ガリューもいなくなる……ウェンディも……キャロもエリオもいなくなりそうで……」
「大丈夫だよ、ルーテシア」

 華奢な身体をしっかりと支え、エリオはルーテシアの顔を正面から見据えていた。

「ガリューもウェンディも元通りになる。キャロは俺が助ける。そして、俺は絶対にいなくならない」
「エリオ……」

 エリオは再び、ルーテシアの身体を支え直した。

「ルーテシア。君は俺の有能な副官で大事な親友で、キャロの親友だ」
「うん。それは、わかってる……ただ、怖いだけ……」

 ルーテシアは何も言わず、エリオの手を取る。エリオも何も言わず、その手を外す。
 一歩、エリオはルーテシアから離れた。軽く首を振り、困ったように笑う。

「さあ、部屋に戻るんだ。さもないと、フリードに囓られるぞ?」
「囓られたら、ガリューが目覚めて飛んでくるかも」

 エリオの手を借りず、押し出される前にルーテシアは部屋を出た。


90:野狗
08/11/21 21:40:56 BXl8T3SN
             15

 自分から部屋を出たのは、せめてもの意地だ。部屋から追い出されるように出るなど、そんなみっともない真似ができるはずもない。
 そしてルーテシアは、ドアを見た。まるで、その向こうにいるエリオの姿が見えているかのように。
 ……やっぱり、キャロじゃないと駄目なんだね。
 ……キャロは、私が助けるよ。
 メガーヌ経由でルーテシアへと届けられた手紙。そこにはキャロの身柄を返す条件が書かれていた。
 信じたわけではない。しかし、それが貴重な機会であることは間違いないのだ。そして、エリオに話せば止められるであろう事も間違いない。
 ……キャロには、今のエリオは救えない。今のエリオとキャロを救えるのは私だけ。
 ……キャロ……貴方にできないことが、今の私にはできるんだよ。
 奇妙な笑みが、ルーテシアの顔に浮かんでいた。
 優越感と敗北感、相反する二つの感情を混ぜ合わせたような複雑な笑みが。
 それは時折、高慢な仮面のようにも見えていた。
 ……私は、貴方とは違う。エリオのために、役に立ってみせる。キャロとは、違うの。
 
 ……私は、貴方とは違う。

91:野狗
08/11/21 21:41:32 BXl8T3SN
         16

  次回予告

ローヴェン「我らが女王よ、貴方への捧げ物です」
ハーヴェスト「我らが女王のために」
ロ「馬鹿どもが守った馬鹿どもの世界」
ハ「あきれ果てた見捨てるべき世界」
ロ「殺戮すべき世界」
ハ「全ては、女王の意のままに」
キャロ「なんで……どうして……貴方が……」
ルーテシア「この世界は、貴方の物じゃない」

ル「次回、魔法少女リリカルなのはIrregularS 第七話『殺戮すべき世界』 私たちは進む。IRREGULARS ASSEMBLE!」

92:野狗
08/11/21 21:42:15 BXl8T3SN
以上、お粗末様でした。


93:名無しさん@ピンキー
08/11/21 22:03:53 ZiLTnv3l
殺伐としたタイトルだなw乙

94:7の1
08/11/21 22:20:59 Y7gM8Dpn
野狗さまGJ
しかし次回は殺伐とした台詞を言いまくる連中勢揃いですね。

それぞれの作者さまの未来史で語られるリリカル世界に自分の作品の立ち位置を
決めるとしたら、勝者の変質しかないと改めて感じられる作品でした。

スカ勝利世界のリオ   野狗さまのエリオ さて自分のエリオはハラオウンの尖兵かな?

95:7の1
08/11/21 22:21:55 Y7gM8Dpn
スカ勝利世界のエリオでした。すみません。

96:名無しさん@ピンキー
08/11/21 23:05:51 3KXubE2E
>>92
GJ。
ルーはもうある意味エリオの事を諦めてしまったんだな
だから敗北と優越を感じてしまった
でもまだチャンスは作れそうな気もする。がんばれ!

97:名無しさん@ピンキー
08/11/21 23:09:26 arm6+Rt1
>>95名前を抜き忘れてますぜ

98:名無しさん@ピンキー
08/11/22 10:23:14 e6duCiFq
>>92
予告見る限りではまさかのルーテシア裏切り?
しかしキャロの気持ちもわからんではない。
例え大切な人が病気やら障害をわずらっていたとして、そんなこと気にしてない。愛してる。
そう口にはしてもいざ、自分がそうだったと言われるとショックを隠せない。
そういう意味では本当にエリオの事を理解できるのはルーテシアとしか思えない。
まあエリオがキャロを裏切ってルーテシアとくっついても元あるべき姿になったと思ってしまうだろうな。
GJ!!!

99:名無しさん@ピンキー
08/11/22 11:54:26 F7KD7gJg
GJ!!です。
コピーナンバーズが自我が薄く、対応が拙いといっても、その物量は脅威だろうなぁ。
ディエチ一人に、10人で足りなければ20、30と増やしていけばいいし。
完璧なコピーで指揮官タイプを作られるとさらに強くなるだろうし。


100:名無しさん@ピンキー
08/11/22 12:10:07 B+N4A2Py
 

101:名無しさん@ピンキー
08/11/22 12:11:18 B+N4A2Py
>>94

123 :名無しさんなのね~:2008/11/21(金) 23:26:16
なのはエロパロスレに沸いた7の1っていうのがイタい。
管理局アンチして、ユーノだけは違うみたいな作品書いてるけど、
当然のことながら、作品に対して碌に感想ついてない。
ユーノ厨って、こんなんばっかりなのか?

102:83スレ260
08/11/22 13:06:20 U0nK+zXP
すずか×アリサのエロって需要ある?

103:名無しさん@ピンキー
08/11/22 13:20:26 y0KJpodS
需要のあるなしなど関係ない、自分の書きたいモノを書く、それが職人ってもんだぜ。

あと、少なくとも俺にはあるとだけ言っておく。

104:83スレ260
08/11/22 13:21:04 U0nK+zXP
とりあえず投下しますね

すずか×アリサ エロ
中学時代
基本的におバカ?です

105:お嬢様の秘密 1/4
08/11/22 13:22:10 U0nK+zXP
「おじゃましま~す」
「は~い。今お菓子とか用意してくるね」
挨拶も程ほどに勝って知ったるすずかの部屋に足を踏み込むアリサとニコニコ顔のすずか。
二人は小学校時代からの友人であり、なのはたちを加えた仲良し五人組で行動するのがお約束となっていた。
しかし、なのは・フェイト・はやての三人が本格的に局入りしてからは任務の都合からかアリサとすずかの二人だけになることが多くなった。
これはそんなある日、月村すずかとアリサ・バニングスの秘密の話。

「負けた~!!」
「あはは、また勝っちゃった」
万歳のポーズをしてゲームのコントローラーを放り出すアリサと。隣でニコニコ微笑んでいるすずか。
すずかは姉である忍の影響もあってか対戦型ゲームは意外に得意だったりする。負けず嫌いのアリサが挑戦し、すずかがそれに応える。
これが二人の間ではお決まりのパターンとなっていた。

「ごめんねアリサちゃん、ちょっと用事があるから下に降りてるね。すぐに戻るからのんびりしててね」
「うん、分かったわ」

そういってすずかが部屋を後にすると急にシンと静まり返り、アリサは外界から遮断されたような錯覚に陥る。
本来の使用人数に対して部屋が広すぎるのが原因だが、それでも寂しさよりも暖かさを感じるのは主の人柄故だろう。
「だるー」
アリサがだれきった表情で室内を見渡していると、ようやくすずかが戻ってきた。

「おまたせ、アリサちゃん」
「おそーい、いつまで待たせるきよ」
アリサはすずかの姿を確認してすぐに復活した。そしてすずかの手元に目を向けると何やら見慣れないものが握られていた。
「ねえ、それ何…?」
アリサは目の前の物体を指差し問う。視線の先では蛇や土中の生き物を連想させるそれがウゾウゾと妖しくうごめいていた。

「これ?リリカル棒MK-Ⅱっていう楽しいおもちゃだよ。お姉ちゃんに作ってもらったんだ」
おっとりした笑顔のまま白状するすずか。アリサとて子どもではない。形状と動きからして”それ”が何であるかは知っているので使う事態は避けたい。

「それをどうする気?」
「もちろん使うんだよ」
「いつ?誰が?」
「今、私とアリサちゃんが」

106:名無しさん@ピンキー
08/11/22 13:22:44 y2jOTdrH
>>101
なのはエロパロスレに沸いた>>101っていうのがイタい。
7の1氏アンチをコピペして自分だけは普通のアンチとは違うみたいな書き込みしてるけど、
当然のことながら、批判するのにも他人の言葉を借りなきゃいけない程自分の頭が悪い事に気づいてない。
エロパロのアンチって、こんなんばっかりなのか?

107:お嬢様の秘密 1/4
08/11/22 13:23:07 U0nK+zXP
ザザザッ…!!
「あんた何考えてるのよ!」
アリサは音を立てて後ずさるが壁にぶつかり追い詰められてしまう。
そこにすずかが覆いかぶさるように迫ってくる。すずかの表情はいつもの深窓の令嬢たるそれではなく、情熱に浮かされた不安定なものものである。

「いつかアリサちゃんとこうしたいって思ってたんだ…」
「そういうのは大好きな人にとっておきなさいよ!!」
「大丈夫、私はアリサちゃんのこと大好きだよ…それともアリサちゃんは私のこと嫌い?」
「そりゃ好きだけど、そういう意味じゃなくて…」

アリサの抵抗も空しく、すずかが唇を重ねてくる。小鳥のような啄ばむキスを何回かした後に舌を口内へ侵入させた。
「ん…んちゅ…はあはあ、アリサちゃん…」
すずかはそのまま舌を這いまわしアリサの口を味わっていく。舌や唾液、果ては歯列まで、その全てを確かめんばかりに行為を進める。
静寂に包まれた室内に二人の舌が絡み合う音と唾液の交わる水音だけが切り取られた世界の全てと言わんばかりに響き渡った。
唾液を交換する内にアリサもスイッチが入ったのか自ら舌を絡ませて求めるようになっていた。

「あっ……」
しかし無情にもすずかは一旦密着しきった身体を離した。

「すずかぁ……」アリサはすずかに唇を離されて切なげな声を上げる。だが言葉以上に潤んだ瞳と朱に染まった頬が正直に物語っていた。
「少し我慢してねアリサちゃん、そしたらもっと愛してあげるからね」
そういうとすずかは自分の服を脱ぎだし、アリサの服も脱がせにかかった。

「す、すずか…」
「ア。アリサちゃん…」
ベッドの上で生まれたままの姿で向かい合う二人。これから始めようとする行為のせいか二人の身体はぎこちなさに包まれていた。
「なんであんたまで緊張しているのよ!!」
「だって私も初めてなんだもん…」
やりとりこそいつも通りだが,纏っている空気はかなり異なるものになっている。

「ん、んん…」
「ん……」
本日二度目のディープキスを交わす。今回はさっきと違い、アリサも最初から積極的に動いていく。こぶになった糸のように舌が絡まりあい、飽和した唾液が二人の口元から
だらしなく垂れていく。二人が舌を出し合うと銀色のアーチが出来上がった。存分の互いの味を堪能したことを確認すると、共にベッドに倒れこむ。
二人分の体重を受けてベッドがギシリと音を立てて歪んだ。


108:お嬢様の秘密 3/4
08/11/22 13:23:45 U0nK+zXP
「アリサちゃんの身体、綺麗…」すずかが思わず感嘆の声を漏らす。ここ数年で急激に成長した胸部から細身の腰、そして大事な場所に至るまで、アリサの肢体は太陽の加護を受けたように輝いていた。
「ちょっと、あんまジロジロみないでよ」
アリサはすずかの視線を追いかけ、咄嗟に腕でそこを隠す。均整の取れた身体にそのポーズは西洋に絵画を思わせる美しさを内包していた。

「恥ずかしがらなくていいんだよ…」すずかはそういうとアリサの鎖骨に優しく口付けをした。
「ふわ…ああ…!!」
すずかが唇を押し付け、チロチロと舌で舐める度、アリサは嬌声を上げる。
「ふふ…アリサちゃん可愛い」
すずかは優しく微笑むとアリサの全身にキスの雨を降らせていった。
鎖骨、胸、、腹と順々に降りていくと、遂にアリサの大事な所に辿り着いた。
「すごいよ、アリサちゃん…」すずかはアリサの髪色と同じ金色の薄い茂みを掻き分けて割れ目を押し広げる。

「いやあ……」
アリサは自身の痴態とそれを見られた恥ずかしさから駄々っ子のようにイヤイヤをする。
「大丈夫だよ、すぐに気持ちよくなるから」
すずかは宥めるように言うとアリサの膣に指侵入させた。

「あれ…?」
すずかは指で中を弄りながら首を傾げる。手探りでアリサのポイントを見つけようとしたが、初めてのことなので上手くいかないようだ。
「あ…ちょっと…やめ…!!」
しかしその不慣れな動きがアリサの快感を揺さぶり、そのまま絶頂へと駆け上がっていった。
「はっ…ふあああ……!!」
アリサは声にならない叫びを上げる。力を入れて絶頂に耐えようとするが、すずかの攻撃が止むことはなかった。

「アリサちゃんのここ、さっきからキュウキュウ泣いてるよ」
アリサのそこはくわえ込んだすずかの指を離すまいときつく収縮している。すずかが指を引き抜くと栓が外れたように止め処なく蜜があふれ出していた。


109:お嬢様の秘密 4/4
08/11/22 13:24:31 U0nK+zXP
「すずか、焦らさないで早くしなさいよ…」
アリサが口調こそいつも通りに命令するが、そこに彼女本来の迫力は微塵も感じられなかった。
「ふふ…ちょっと待っててね」
そう妖しく微笑むとすずかは自らの秘部にバイブ〈リリカル棒MKⅡ〉を挿入する。それを馴染ませるともう片方をアリサの秘部へ導いていった。

「あっ…」
くちゅ、という水音とアリサの吐息が混ざり合う。
「大丈夫、アリサちゃん?」
「ええ、思ったより痛くないのね」
すずかの気遣いに落ち着いて答えていく。迎えた痛みが予想より小さかったのか表情も硬さがなくなっている。

「よかった、じゃあ動くね」
そう言うとすずかは弓をひきしぼるように下半身をゆっくり戻し、同じくらいゆっくり挿し込んでいった。
「アリサちゃん気持ちいい?」
「いいよ、すずか…もっと強くして…」
初めての異物の侵入を許したアリサのそこは押し返すようにバイブを締め付けてきた。しかしいくら締め付けてもすずかのモノはあくまで擬似。
感覚までは共有出来なかった。その分を取り戻さんばかりに二人は密着していく。共に抱き合い、一緒に絶頂へと向かって行った。

「アリサちゃん、私…」
「あたしももう限界よ…」
口と口、胸と胸、そしてそれぞれの大事な所をぶつけ合い感覚を共有していく。そして二人に電撃が駆け抜けると快楽に抱かれて眠りに落ちていった。


「この、この、すずかのバカーー!!」
事を終え、意識を目を覚ましたアリサが真っ先にしたことは顔を赤くしながら手当たり次第に物を投げることだった。
アリサは生まれたままの格好で、その度に二つの丘がゆれているがそれを指摘して地雷原に突っ込むほどすずかは無謀ではなかった。

「アリサちゃん、落ち着いて」
すずかがまあまあと宥めるが、一向に効果はない。しかし当のすずかは既に服装を整えている辺り抜け目ないというかなんというか…
「落ち着けったってあんた、あんな…」
アリサは先ほどまでの痴態を思い出したのか再び、温度計のように全身を赤くしていく。

「またしようね、アリサちゃん」
「うるさい、うるさい、うるさあーい!!誰が二度とするもんかー!!」
平和な月村邸にアリサの怒号だけが木霊した。


110:お嬢様の秘密 あとがき
08/11/22 13:25:12 U0nK+zXP
あとがき

すずかって案外攻めもいけるよね、とか考えてたら一気に電波が降りて書き上げてしまった。後悔はしていない。
ノリノリで攻めるすずかと攻められなれてない故になすがままにされるアリサを書けて大満足です。
当初の予定では忍やノエルも参戦させるつもりでしたが、収拾がつかなくなりそうなので止めときました。

111:名無しさん@ピンキー
08/11/22 13:38:00 y2jOTdrH
>>110GJ
下らない内容で割り込みしちゃって本当にすみません
半年ROMってます

112:名無しさん@ピンキー
08/11/22 13:43:27 y0KJpodS
投下乙、アリすずGJ。

良いね良いね~、お嬢様の淫らな戯れ良いねぇ~♪

113:名無しさん@ピンキー
08/11/22 13:54:49 yiXU1kNb
>>106
ageてる時点で物凄く分かりやすいスルー対象なのになんで触っちゃうかねこの子は……

114:7の1
08/11/22 17:29:38 CssG+9cx
お嬢様の秘密様、GJです。
すずか×アリサ バーニングアリサ大炎上は面白かったです。
こういう話が書けないだけに、楽しく読まさせていただきました。


115:名無しさん@ピンキー
08/11/22 17:43:20 OX5+BlQv
職人さんの勝手ではあるんだが、
感想のみの時はコテはずした方がいいと思うんだぜ

116:ザ・シガー
08/11/22 17:50:41 y0KJpodS
さぁて、最近寒いし暖房代わりに投下でもするか。

っつう事で18:00くらいに投下するぜよ。
またもやメガネが活躍するエロSS、今回はグリフィス×スバルだ。

「そんなありえないカプ信じられない!」って人は頑張ってスルーしようね?
「スバルのエロが見たくてしょうがねえ!」って人は楽しんでね?

あと、今回はメガネがあんまり黒くないから、その辺をどうか踏まえたうえでお願いします。

117:部隊長補佐と彼の子犬
08/11/22 18:02:49 y0KJpodS
部隊長補佐と彼の子犬


 麗らかな朝日が照り、小鳥のさえずりが小気味良い音色を奏でる、そんな爽やかな朝。
 少女は気だるい倦怠感を伴いながらも眼を覚ました。


「んぅぅ~……もう朝か」


 かけていたシーツから身体を出して少女はうんと伸びをした。
 背筋を伸ばせば、とても15歳とは思えないほどに豊かに実った胸の二つの果実が揺れ、日ごろの運動で養われたしなやかな腰のラインが艶めかしいくびれを見せる。
 朝日に透ける短く切りそろえられた青く美しい髪、そして幼いあどけなさを残す美貌と相まって、一糸纏わぬ少女の裸体は形容し難い艶やかさを誇っていた。

 少女の名はスバル・ナカジマ、機動六課スターズ所属の若きストライカーである。
 普段なら相部屋であるティアナと迎える朝だが、今日彼女が眼を覚ましたのはいつもの機動六課の隊舎ではない。
 ここは六課隊舎とそれほど離れていない住宅街のマンション、とある青年士官の部屋である。
 スバルはまだ眠気の残る目蓋を少し擦ると、隣りでまだ寝息を立てていた男に視線を移した。
 ベッドの上でシーツに包まっているのは機動六課の若き部隊長補佐、グリフィス・ロウラン。
 昨晩交わした情交の疲労が残っているのか、青年は未だ眠りの世界を漂っていた。
 しばらくグリフィスを収めたシーツの膨らみを眺めていたら、ふと“寝顔が見たい”という衝動に駆られて、スバルは彼の包まっていたシーツを少しめくる。
 すると、そこには穏やかに寝息を立てる恋人の姿があった。


「なんだかいつもと印象違うなぁ……」


 穏やかに眠るグリフィスの顔に手を伸ばし、髪と頬を優しく撫でながらスバルはそう漏らした。
 ある日好きだと言われて、それを受諾して、二人が恋人になって一ヶ月と少し。
 共に夜を過ごし、朝を迎えるのはこれが初めてではないが、こうして自分が先に眼を覚ますのは初めての事だった。
 機動六課で見せる理知的で怜悧な顔、二人でいる時に見せる優しく包み込むような笑顔、そしてベッドを共にする時に見せる少しいぢわるな顔、グリフィス・ロウランは様々な顔を持つ。
 だが、今彼が見せている顔はそのどれとも違うものだった。
 穏やかな眠りにつくその表情は無防備であどけなく、どこか母性本能をくすぐる可愛らしさがあった。


「やっぱりメガネがないからかな? いつもより可愛いなぁ♪」


 グリフィスはいつもメガネを外さず、一緒に入浴する機会もあまりなかったスバルには彼の素顔が新鮮で、思わず彼の頬や鼻を指で弄る。
 中性的なグリフィスの顔はとても男性とは思えない肌をしており、スベスベとしてとても触り心地が良かった。
 まるで興味のあるオモチャを前にした子犬のように、スバルは夢中になってその感触を堪能する。
 しかし、寝ている時にそんな事をされれば、無論人は寝ていられない訳で。


「んぅ……ん?」

「あ、起きた?」

「なにしてるのかなスバル……」

「えっと~、朝のスキンシップ?」

「……」


 少し小首を傾げながらそんな事を言うスバルに、グリフィスは明らかに呆れたような顔をした。


「まったく、君という子は……朝からイタズラするのは止めてくれないか?」

118:部隊長補佐と彼の子犬
08/11/22 18:05:24 y0KJpodS
 
「ダメ?」

「ダメ」

「ぶぅ~」


 いじけたように頬を膨らませるスバルの姿は、彼女の幼げな美貌と相まってとても愛らしいものだったが、グリフィスは冷静に一蹴する。
 そして、眼を細めながら枕元に手を伸ばした。
 だが、非常に弱いグリフィスの視力は即座に目標を捕捉する事ができない。しばらくの間、彼は手探りで探すが、寝起きの状態ではそれが叶わなかった。


「スバル、悪いけどメガネ取ってくれないかな?」

「うん、良いよ」


 スバルはそう答えると、枕元にあった彼のメガネケースに手を伸ばした。
 黒い革張りのそれを開ければ、角ばった形の見慣れたメガネが姿を現す。
 そして彼に手に渡そうとした刹那、スバルの胸にちょっとしたイタズラ心が生まれた。
 少女の口元にはニンマリとした笑みが浮かぶ。


「はい、メガネ」

「ああ、ありが……と?」


 グリフィスがスバルの手の上のメガネに手を伸ばした刹那、途端に少女の手が遠のいた。
 あと少しで指が触れるというところで、丁度拳一つ分後方へと移動する。
 もちろん、これは人為的に発生した現象であることは言うまでも無い。
 グリフィスは少し恨めしそうな視線をスバルに向けた。


「スバル……」

「えへへ~、たまにはグリフィスさんの困った顔も見たいから♪」


 スバルは少し舌を出してイタズラっぽい笑みを見せると、そのまま一歩グリフィスと距離を置いた。
 そしてその豊満な胸の前でブラブラと手にしたメガネを揺らした。


「ほらほら、こっちだよ~♪」

「このっ」


 イタズラ好きの子犬が見せる挑発に、グリフィスはおぼろげな視界を頼りに手を伸ばした。
 だがスバルは彼の手が迫る寸前にひらりと回避して逃れる。
 早朝のベッドの上で、しばしの間恋人同士の他愛ない鬼ごっこが繰り広げられた。


「はい残念~♪」


 いくら男と言っても、視力がかなり悪いグリフィスが頑張ったところで近接格闘戦に秀でたベルカ式の使い手であるスバルに追いつける訳が無い。
 少女は追いすがる青年の手を余裕で避ける。

119:部隊長補佐と彼の子犬
08/11/22 18:06:44 y0KJpodS
 しかし、これが思わぬアクシデントを生み出した。


「っと、うわっ!」


 視界の利かない青年は、少女翻弄に体勢を崩して倒れてしまう。
 シーツに絡まったグリフィスの身体が、音を立ててベッドの脇に転がり落ちた。
 目の前で起こった突然の事故に、スバルは慌てふためいて彼に駆け寄る。


「だ、大丈夫、きゃっ!?」


 だがその心配は単なる杞憂だった。
 駆け寄ったスバルの腕に倒れたグリフィス伸ばした指が絡みつき、彼女をそのままベッドから引き摺り下ろす。
 床の上に落ちた自分の方に少女を引き寄せると、彼は見事な体捌きで組み伏せて押し倒した。
 突然の事に驚いて眼を丸くしているスバルを、グリフィスは勝ち誇ったような優越の視線で見下ろす。
 先ほどまで少し困り気味だった瞳は今や嗜虐の黒さに満ち溢れていた。


「ズ、ズルイ~! 騙したの!?」

「ふふ……力任せに戦うだけが戦略じゃないよスバル」


 そう、全てはグリフィスの策略だった。
 わざと自分からベッドの下に落ち、自分を案じて近寄るであろうスバルをさながら巣にかかった獲物を襲う蜘蛛のように絡めとる。
 彼女の純心で疑う事を知らない性格を熟知しているからこその作戦だった。
 無力にも罠にかかった獲物に青年は妖しいまでの微笑みを浴びせる。
 彼のその表情、そして眼差しにスバルは背筋を寒気にも似た感覚が駆け上るのを感じた。
 普段はメガネのレンズ越しに見ている彼の瞳、それが裸眼で視線を浴びせるだけで身動きができなくなる。
 あまりにも強すぎる視線の力、眼力とでも呼ぶべき魔の眼光だった。
 彼に見つめられる中、スバルはまるで巨大な肉食獣を前に丸裸で突き出されたような錯覚すら感じた。
 この魔性の瞳で縛られれば、スバルに抵抗する力なんて欠片も無くなる。
 それを察したのか、グリフィスは目の前の少女に向けていた瞳をそっと細めると静かに顔を寄せた。


「んぅぅ……ちゅぷっ……んむぅっ!」


 唇が重なるや否や、グリフィスは即座に舌を捻じ込むとスバルのそれに絡みつかせて舐り始めた。
 一方的で攻撃的な愛撫、だが少女の快楽のツボを抑えた的確極まりない責めが開始される。
 いきなり口付けを奪われて驚き、抵抗しようとするスバルだがそれは叶わない。
 先ほどの魔眼の力で四肢に力が入らず、ただされるがままにグリフィスに弄ばれる。
 そして、雌を貪る彼の魔の手が口付けだけで終わる筈も無く、次いで妖しく蠢く指がスバルの柔肌で踊った。
 たっぷりと実った乳房と引き締まった下腹部を、こそばゆいながらも快感をそそる絶妙な愛撫でなぞられる。
 性感帯という性感帯を知り、柔肌の感じる箇所を熟知した素晴らしい前戯の手管に少女の下腹部は昨晩の情交を思い出したかのように疼きだした。
 子宮が熱を帯び、蜜壷からは止め処なく愛蜜が溢れ出し始める。
 そして、長いような短いような時間、唇を淫らな口付けに嬲られたスバルは身体が肉欲に蕩けた頃ようやく解放された。


「っぷはぁ……」


 二人の間に、つうと一本の透明な唾液の糸が橋をかけた。
 与えられた快楽に思考を蕩かせたスバルはボーっとその銀糸を見つめる。
 その様は彼女の普段の爛漫とした屈託のない姿からは想像もできないほど淫らで、妖しいほどに美しかった。
 スバルのその艶姿に思わず口元に優越とした笑みを浮かべると、グリフィスはいつのまにか奪い返したメガネをかけつつ彼女の瑞々しい太股に手を伸ばした。
 むっちりとした素晴らしい肉付きの白い太股を左右に開けば、少しの汚れもない秘所が姿を晒す。

120:部隊長補佐と彼の子犬
08/11/22 18:08:28 y0KJpodS
 粘着質な果汁、雄を受け入れ誘う為の蜜を垂れ流しているそこは、まるで“早く犯して欲しい”と言っているようにヒクヒクと淫らに蠢いていた。
 そして無論、既に臨戦体勢を整えていたグリフィスの股間の魔根は早速目の前の獲物を貫かんと狙いを定めている。


「さて、それじゃあ悪戯が好きな子犬には……しっかりオシオキしておかないとね、スバル」

「ふぇ?……ちょ、ちょっと待って、ひゃはぁぁんっ!!」


 スバルが言葉を言い切るより早くグリフィスは腰を沈めた。
 硬く大きくエラの張った肉の槍が少女の体内に抉りこまれ、肉壁の粘膜を擦り上げて快楽と言う名の暴力を刻み込む。
 何度も何度も彼に貫かれ、犯され続けたスバルの身体は既にその快楽の暴虐を悦ぶ事しかできない。
 硬くいきり立った肉棒が愛液で溢れる淫穴を掻き乱し、開発された性感帯を的確に刺激しながら力強く律動を繰り返す。
 その度に少女のしなやかで美しい肢体が面白いくらいに跳ねて踊った。
 口からは、さながら楽器の如く快楽に合わせて甘い嬌声が木霊する。
 ミルクを溶かし込んだかのように白い肌が汗に濡れ、淡い桜色の唇から心地良い雌の音色が鳴り響く。
 今のスバルはどこまでも淫らで、そして美しかった。
 昨晩散々味わったにも関わらずグリフィスはすっかりと嗜虐のスイッチをオンにして目の前の媚肉を貪る。


「ま、まってぇ……ふにゃぁっ!……いきなり……はうぅんっ! はげし、すぎるよぉ……」


 頭の中を蕩かせ、理性と嗜好を甘く染め上げる快楽の暴力にスバルは喘ぎながら哀願した。
 全身を駆け抜ける恍惚の電流に瞳からポロポロと涙を流して縋るように上目遣いでグリフィスを見つめる様は、実に彼の嗜虐心をそそる素晴らしい姿だった。
 隠しきれぬ本心からの暗黒の笑みを僅かに口元に滲ませてグリフィスは笑う。


「待つ? ダメだよスバル、そうしたら“オシオキ”にならないだろ?」


 まるで死刑を宣告するかのように、一切の異議申し立てを聞く耳を持たないような口ぶりでそう言うと彼はさらなる責めを開始した。
 スバルの耳たぶに唇をやったかと思えば舌を這わせて吸い付くと、そのまま彼女の柔肌を舐め上げながら首筋を降下する。
 少女の敏感な性感帯を刺激しつつ、下へ下へと移動した彼の口はそのまま大きく実った乳房の果実へと到達。
 そして迷う事無くその先端の鮮やかな桃色の突起へとむしゃぶりついた。
 無論、膣を抉る肉棒の律動は少しだって緩めていない。
 下半身はまるでそれが一個の快楽装置のように動いては、身体で記憶した少女の性感帯を擦りあげて徹底的に快楽を刻み込む。
 秘所から生まれる快感の濁流に胸の先端に走る甘やかな電流が合わさって、スバルの脳に蕩けるような陶酔が生まれた。


「ひゃぁっ! だめぇぇ……むね……はにゃっ!……さきっぽかんだらぁ……らめぇ」


 逞しい肉根で膣を貫かれ、敏感な胸を弄られたスバルはだらしなく蕩けきったいやらしい顔で口元を唾液を濡らしながら哀願する。
 だが少女の顔にそして声には決して完全なる拒絶はない。
 まあそれも当たり前だ。
 何度も何度も、それこそ数えるのが馬鹿馬鹿しくなるような睦み合いの果てに彼女の身体は既に快楽と言う魔毒の味を覚えてしまっている。
 抵抗など所詮表面上のポーズに過ぎず、心の奥底と快感に従順な身体は隷属と支配を求めて淫蕩に溶けていた。
 だから少女の顔には縋るような哀願の中に、“もっともっと”と、さらなる辱めを求める顔が混じっている。
 それは普段のスバルからは想像もできない淫靡な様、発情した雌犬のような色に狂った姿だった。

121:部隊長補佐と彼の子犬
08/11/22 18:09:40 y0KJpodS
 グリフィスは自身の手で深い快楽の奈落に堕ち果てた少女の姿に胸中でほくそ笑みながら、口の中に含んだ乳首をカリっと甘咬みした。


「ひあぁうぅっ!!」

『“ダメ”? そう言う割りに、身体は随分と素直に喜んでるじゃないか』


 姦通の手を徐々に強めながら、青年は念話で声をかけながら少女の心を辱めるように心に囁いた。
 それは甘く脳髄を蕩かすような魔の言葉だった。


『胸弄る度にスバルの中、僕のをキュウキュウ美味しそうに締め付けてるよ? 本当はもっと苛めて欲しいんでしょ? 君は本当にいやらしいなぁ』

「ち、ちがうもん!……んぅぅっ……わたしそんなエッチじゃ……ふぁぁっ!」


 淫らな女と言われ、スバルは必死に否定しようとしたがそれは叶わない。
 理性的な言葉を重ねようとしても、それらは全て圧倒的な快楽に塗り潰されてかき消される。
 口中の乳頭を甘噛みするのと同時に、グリフィスはさらにもう片方の乳房を鷲掴むと荒々しく揉みしだき始めた。
 快感の波が神経を疾駆し、健康的でしなやかな美少女の肢体が面白いくらいに跳ねる。
 出る所は出ているのに他の全ては素晴らしく引き締まったスバルの身体が、快楽と言う名の指揮の元に淫靡に舞う様はどこまでも官能的。
 自分の与える快感に従順に応える子犬はグリフィスの心をどす黒い悦びで染め上げた。
 自然と彼の行う責めの手にも力が入る。
 手持ち無沙汰だった青年の腕が、鮮やかにくびれたスバルの腰に絡みついたかと思えば、そのまま彼女を一気に持ち上げた。


「ふぇっ!?」


 スバルは突然の事に可愛い声を上げて疑問符を浮かばせる。
 グリフィスは腰に絡ませた腕を以って、性的な結合はそのままにスバルの身体を抱き起こして体勢を変位させた。
 二人の体位は互いに対面から抱き合うような交合の形、対面座位に変わる。
 そして体位が変わるや否や、グリフィスの指は早速次の責めへと移行。
 肉棒に思うがままに蹂躙される蜜壷の後方、本来は排泄に使われる不浄の淫穴に妖しく指が接近する。
 グリフィスの指はその先で触れた菊門を、最初はゆっくりと輪郭をなぞった。
 そっと優しく、それこそ羽毛が触れるようなタッチで外周を解す。


「んぅぅ……ふぁぁ……」


 肛門への緩やかな愛撫がもたらすむず痒いような刺激にスバルはくぐもった声で喘ぐ。
 身体を重ねる交合が唐突に甘く優しくなり、スバルは思わず“このまま終わるのか”とさえ考えた。

 だがその思考は一瞬で破壊される。

 次の瞬間、今まで優しく菊門を撫でていた指はそれまでの愛撫が嘘のように強引にそして暴力的に侵入を行った。
 深く肛門へと入り込んだ指は、内部の腸壁を抉るように引っ掻いて暴虐の限りを尽くす。
 加えて膣を犯す肉棒までもが激しい腰の動きと共に荒々しい交合を再開したとあっては、スバルに与えられる快楽は天上知らずに跳ね上がるより他は無い。


「ひぃいいああぁっ!! らめぇっ! うしろぉ……あひゃぁっ!……うしろはらめぇぇ……」


 今までも十分に乱れていたスバルだが、肛門への侵入が開始されてからはさらに加速度的に淫らな色が彼女を蝕んだ。
 襲い来る快楽によって既に呂律は上手く回らず、身体はグリフィスの行う陵辱に従って震える。
 腰がズンと少女を突き上げられて濡れた肉同士がぶつかり合う淫らな音が耳を打ち、肛門を指が嬲り乳頭を舌が転がす度にスバルの悦楽はどんどん高まっていく。

122:部隊長補佐と彼の子犬
08/11/22 18:10:55 y0KJpodS
 そろそろ肉欲の宴を燃え滾らせようとしているのか、肉棒が膣の内壁腹側の性感帯であるコリコリとした感触の一点Gスポットを的確に擦りあげた。


「いぅうああぁっ! らめぇ……んぅっ! もう……イくぅ……」


 もう限界だった、これ以上は耐えられない。
 乳房・肛門・膣、様々な箇所を嬲り辱められ、巨大な絶頂の頂が近づきつつあった。
 目の前にチカチカと白い閃光が見える錯覚、声も思考も神経の一本一本までもが甘く蕩けるような快楽の暴虐。
 腰の突き上げが互いの肉と肉を激しく擦り合わせ、狂おしいまでの悦楽を高める。
 そして最高の力を込めた一突きが放たれた刹那、全てが決壊した。


「ひぎぃいああああぁっ!!……ああぁぁああっ……」


 悲鳴と思える程の嬌声、少女の喉から甘い叫びが木霊する。
 瑞々しくしなやかな四肢が絶頂の反動に震えあがり、全身が痙攣したかのように強張った。
 同時に収縮した膣肉の締め付けに、グリフィスも欲望を吐き出す。
 まるで白いマグマ、性欲の灼熱がスバルの体内へと吐き出されて秘所の粘膜を白く染め上げる。
 否、白く染まるのは体内だけではなかった。
 絶頂する身体に粘り気を持つ熱い精を撃ち放たれ、脳髄の思考すらも白く染まりきる。


「しゅごぉ……あちゅいのが……おなか、やいてるぅ……」


 圧倒的な絶頂の余韻の中、体内を焼き尽くすような精の熱に、スバルはただ快楽に蕩けきった甘い声を漏らした。





 寝覚めに激しい睦み合いを終えたスバルとグリフィスの二人は、さっそく行為でかいた汗を流すべくシャワーを浴びに浴室へと向かった。
 そして、二人は一緒にシャワーの熱い水滴に打たれているのだが、スバルは不機嫌そうに頬を膨らませていた。


「……」

「スバル? その……そろそろ機嫌直してくれないかな?」

「待って、って言ったのに……全然待ってくれないし……グリフィスさんのエッチ」


 先ほどの朝一番の情交で散々に責められた事が不満だったのか、スバルは少し頬を膨らませて不機嫌さをアピールし、恨めしそうな目で彼を見つめた。
 だがいくらそんな目をしたところで、子犬のような美少女の仕草は愛くるしいとしか言い様がない。
 それにスバル自身、本気で怒っているのではないので自然と漂う雰囲気も情愛が滲み出たものだった。
 グリフィスはそんな風に拗ねる彼女に苦笑しつつ、そっと腕を絡めて抱き寄せると優しく頬に口付けを落とした。
 唐突なキスを受け、スバルは嬉しそうにされど恥ずかしそうに顔を真っ赤に染める。


「ほら、機嫌直して? ね?」

「もう……そうやってすぐ誤魔化すんだから……」


 言葉を続けながら、少女はそっと彼の首に腕を絡めて引き寄せる。

123:部隊長補佐と彼の子犬
08/11/22 18:11:46 y0KJpodS
 そしてそれが当たり前の事であるかのように、二人の唇は優しく重なり合った。
 触れ合う唇と唇、それは舌を絡める事もない戯れの穏やかな愛撫。
 しばしの間、時を忘れてキスで繋がると、スバルはおもむろに顔をそっと離した。


「キス一回じゃダメだよ、もっとたくさんたくさんしてくれないと許してあげないんだから」


 子犬のように可愛らしい少女は少し舌を出して、悪戯っぽい笑みを浮かべながら彼にそう言った。
 彼女のその要求に、グリフィスもまた口元に笑みを浮かべて囁くように言葉を返す。


「ああ……それじゃあ、たくさんしてあげないとね」


 彼の唇から零れた残響はどこか甘い響きを孕んでいた。
 そして言葉が浴室の壁を反射した時、二人は再び口付けで結ばれる。
 蕩けるような朝の睦み合いは、まだしばらく終わりそうにもなかった。


 終幕。

124:ザ・シガー
08/11/22 18:18:45 y0KJpodS
はい投下終了。

ナカジマワンコの姉を書いたのならば妹も書かねばならない、なんかそう思ったので書いたぜ。
姉のギンガは調教し尽くして淫らな雌犬奴隷になるのが似合うけど、妹のスバルはひたすら可愛がって愛でる子犬、って感じが俺のイメージなのですよ。
どちらにしても美味しくいただける、ナカジマ姉妹の高性能っぷりには書いてる俺自身もびっくりさ!


あと、グリフィスが黒ずんでないのはメガネをあまりかけてなかったからだね、きっと。

125:名無しさん@ピンキー
08/11/22 18:25:45 U0nK+zXP
ザ・シガー様
GJ。子犬のようにじゃれるスバルに萌えさせていただきました。
飼い主?に従順なあたりも犬っぽくて最高です。

そしてグリフィスは今回珍しく綺麗なのかと思ったらやっぱり黒いw
何はともあれGJでした


126:名無しさん@ピンキー
08/11/22 19:56:43 kV0RG/n5
>>92
GJ!
これはキャロにとっての試練かもしれないとオモタ
エリオは妻を助けた上で全てを守ると決意した
ルーテシアはどんな手段であっても自分だけができる方法でエリオを助けると決めた
一方キャロは自らの醜い思いを出してしまった
もし試練を乗り越えられなければ愛する夫を奪わる。
恐らくそんな感じの
次回にも期待!

127:名無しさん@ピンキー
08/11/22 23:31:42 K9Q9RLH/
>>124
眼鏡があんまり黒くない……偽者だっ!
冗談はさておきGJです。姉とはまた違った甘い可愛がりにニヤニヤしてました
さて、次は誰が眼鏡の毒牙にかかることやら


128:名無しさん@ピンキー
08/11/23 00:24:21 vGqGXAh5
>>125
ひたすらGJ!!
エロカワイイよスバルw
なんか偽者っぽいが、そこがまたグリフィスの魅力さぁ!!


そしてスバルが居ないことをいいことに
ティアナはヴァイスの所に居るに違いないッッ!!11!

129: ◆hZy29OoBJw
08/11/23 01:43:51 ag+gZj72
1年くらいROMったんだ。
もう、投下しても…… いいよね……
でもまずエロなしの短編から。

登場する人:なのはさんと、彼女をよ~く知る男2人

130:名無しさん@ピンキー
08/11/23 01:45:40 Lv0QNYcx
>>125
このスバルは萌え死ねる。
もう、尻尾をパタパタ振っている姿が目に浮かぶ。
GJです。


>>128
なるほど、そしてエリオはキャロとルーテシアに取り合いされているのか。
その片隅では、

ケリュケイオン「ストラーダにあなたみたいな年増は不釣り合いです」
アスクレピオス「お子様はこれだから。女は傷ついた男を包み込む包容力が大事なのよ」
ケリュケイオン「私の方が付き合いは長いから、彼のことは隅々まで承知しています、おばさま」
アスクレピオス「ベルカ式の私の方が彼との相性はいいのよ、お譲ちゃん」

とデバイス同士が火花を散らしているとw

131:着替え 1/5
08/11/23 01:46:22 ag+gZj72
「まったく…… なぜ僕が君なんかの愚痴に付き合わなきゃならないんだ?」
ぼくだってきみなんかと食事とは、あんまり本意じゃないけど。
どういうわけかぼくの周囲は女の子ばかりでね…… 話の性質上きみしかいないんだよ。
「まあ、僕は日頃君にだいぶ無理難題をぶつけているからな。たまにはいいさ」
一応自覚はあったんだね。何よりだ。
「だが、君が愚痴とは珍しい…… よっぽどおもしろい話なんだろうな」
それは知らないが、まあ聞いてくれ。この前野暮用でなのはの居室に行ったんだが、彼女は出てこない。
仕方なく、鍵が開いていたから入っていったんだけど……
「ちょっと待て」
どうかした? 何か変かな?
「……いや、いい。続きを」
そうしたら、まあその、タイミングの悪いことに、彼女は着替え中だったわけだよ。
「おいおい、何だよそのタイミング。このラッキースケベ。淫獣」
そこまで言わなくてもいいじゃないか。
「で、どこまで見た?」
双曲線ってのは、まったくもって不思議な図形だよね…… 
えっへん、そんなことはいいんだ。問題はその後だよ。
当然、ぼくは動揺した。彼女に咎められると思った。非難を浴びると思った。
……でも実際にはこうだった。

132:着替え 2/5
08/11/23 01:47:49 ag+gZj72
『あ、ユーノ君。頼んでたもの持ってきてくれた?』
『……うん』
『じゃ、そこに置いてもらっていいよ。じゃあね』
『……わかった。じゃあね……』

133:着替え 3/5
08/11/23 01:48:58 ag+gZj72
こんな具合さ。どう思うよクロノ。
「……なんも言えね」
実際ぼくもリアクションに困ったんだが。
「普通は、『キャー、ユーノ君のエッチ! バカ! 淫獣!』とか言って、
 アクセルシューターの1つや2つ飛んできてもおかしくないようなものだが」
それも恐ろしいけど…… 今回はあとからじわじわ来たね。
結局のところ…… あなたは飼い猫の前で着替えるとき、羞恥心をおぼえますか? ってことだよね…?
「飼いフェレットか……」
それ以上ぼくに打撃を与えないでくれ。
「いいじゃないか。これからもお咎めなしに見放題。役得だな」
待てよ。これでもぼくは真剣なんだ…… ふざけないでもらえるかな?
「……わかったよ」
で、ぼくはどうしたらいいんだ……
その点を、貴官にうかがおうと思ったわけです、提督閣下。
「閣下はよせ。気持ち悪いんだよ」
いえいえ、妻帯者かつ子持ちでいらっしゃる。
わたくしめのようなチェリーからすれば神や聖王様にも等しく……
「待て。淫獣などと言ったのは悪かった。謝るからそんな卑屈な言い種はよしてくれ」
……ふう。一応ぼくは自分が男の子だというつもりなんですけど。
「要は、彼女が実際のところ、そう思っているのか、知りたいわけだろ?」
まあ、そういうことかな。
「それならいい方法がある」

134:着替え 4/5
08/11/23 01:50:39 ag+gZj72
それでぼくは、友人の言ったようにしたわけだ。
なのはが無限書庫に、ぼくが貸したものを返しに来る。
そのときに……
「ユーノ君いる~? 入るよー」
ほら来た。
「このまえ借りたもの返しに来たよ…… と……」
彼女の動きが止まった。当然だろう。
このときぼくは『着替え中』だったのだから。

友人の彼が言うには……
『君も彼女の前で脱いでみろ』
何を言っているんだ?
ぼくは、エース・オブ・管理局員にわいせつ罪の現行犯で逮捕してもらうつもりはないんだが。
『まあ聞け。君のときと同じく、着替え中を演出するんだよ。
 彼女が乙女であるのなら、
 彼女が君を男の子と思っているのなら、
 何らかのリアクションがなされることだろう』
なるほど。この際、なのはが「乙女」であることに疑いは挟まないことにしよう……

135:着替え 5/5
08/11/23 01:52:01 ag+gZj72
そういうわけで、ぼくは彼女の反応に注目。
「びっくりした~」
これは…… いけるか…?
「なんだユーノ君か~」
……『なんだ』って、なんだ。
「女の子が着替えてるのかと思って、焦っちゃった」
おーい、ぼくは男の子ですよー。
「よかったー、ユーノ君で」
何がよかったんだろう…… 全然わからないや♪
「これ返すよ。置いとくね。じゃあね」
……じゃあね。

そういうわけだよ提督閣下。
「……本日はスクライア大先生に、小官から一杯おごらせてください」
一杯で足りるかな…… 今日のフェレットの胃袋は、見た目より大きいかもしれないからね。

136: ◆hZy29OoBJw
08/11/23 01:54:40 ag+gZj72
おしまい。
ユーノ君は気の置けない家族でヨカッタネ的なお話でした(嘘)
スレの流れが競合したかな?スマン

137:名無しさん@ピンキー
08/11/23 03:21:01 FjoG3wZ0
GJです!
個人的にはかなり本編よりな気がする。

138:名無しさん@ピンキー
08/11/23 03:39:19 gizjg6l+
なのはの行動は本編の際限度が高いのだが、ユーノの独白の口調に違和感を覚える。

なにはともあれ、ご苦労様

139:名無しさん@ピンキー
08/11/23 03:45:18 5w3BT93H
GJっす!
もうユーノはなのはを押し倒すしかないんじゃないか、これ?

140:名無しさん@ピンキー
08/11/23 04:11:17 Cb99MXFk
ユーノかわいそうだけどこの関係はこれはこれで萌えるな

141:名無しさん@ピンキー
08/11/23 04:28:42 cP31HZV2
GJ!!
何だかんだ言っても付き合いのいいユーノとクロノの腐れ縁っぷりが良かったです
こういう相談に乗ってくれる友人はやっぱイイものですね

142:名無しさん@ピンキー
08/11/23 05:12:11 +9qs6ZwA
GJ
ありがとうの一言もないなのはには違和感あるが、天然ってこんな感じだっけ?
クロノとユーノの付き合いのよさはガチ

143:名無しさん@ピンキー
08/11/23 06:53:14 y7iJFL1J
本編もこんな感じだし、なかなかいんじゃね?

ユ「(着替え中)わっ誰だ!」
ク「き、君か!は、早く服を着たまえ!」

144:名無しさん@ピンキー
08/11/23 08:13:15 muS5XFQp
>>136GJ
いい雰囲気だwww

145:名無しさん@ピンキー
08/11/23 08:28:25 Ja/5Pwjo
不覚にもラッキースケベで吹いたwなんだよそれ
て思ったら同じ人ネタか。懐かしい。

ほのぼのとしていてこういうのも良いっすね。

146:名無しさん@ピンキー
08/11/23 08:33:08 o/+3AUNF
ユーノが女の子でクロノにばれた話がまた読みたくなってきた

147:名無しさん@ピンキー
08/11/23 10:40:49 epIuMKVK
読みたきゃ勝手に読めばいいじゃないか

148:名無しさん@ピンキー
08/11/23 13:27:08 0B9DYwfO
>>91
遅レスですがGJ!
まさかのルー子裏ボスか
でもエリオは何としてでも戦って勝つことを決めた
その時彼女はどうするのか
てかエリオとルー子がくっつけば(ルー子が裏ボスの場合)満面解決になるような。つかむしろくっついてまえ

>>110
GJ!
リリカル棒MKⅡにワロタ
うるさい言ってるにもかかわらず、このあともアリサは求め続けてしまうのが容易に想像できる

149:名無しさん@ピンキー
08/11/23 13:47:18 77MzrTrQ
キタコレ
URLリンク(usokomaker.com)

150:名無しさん@ピンキー
08/11/23 14:16:39 UqnV+T3n
高町なのは→クロノ・ハラオウン
フェイト・テスタロッサ→クロノ・ハラオウン

で切なくなり、

フェイト・T・ハラオウン→クロノ・ハラオウン
八神はやて→クロノ・ハラオウン

で盛大にフイタ

151:名無しさん@ピンキー
08/11/23 14:28:11 FjoG3wZ0
なのは→ユーノでやったら、ちょっと感心した。

152:名無しさん@ピンキー
08/11/23 14:31:48 t9hyUx84
ノーヴェ → チンク  が最強過ぎた

153:名無しさん@ピンキー
08/11/23 14:42:44 3GOhudrK
またスレと関係無い話題を……オットー→ディードとディード→オットーの微妙な差に吹いた

154:名無しさん@ピンキー
08/11/23 14:44:22 6YI/g6pt
そういう話題で盛り上がるのはやめれ

155:名無しさん@ピンキー
08/11/23 14:56:22 QoXz3YHI
高町なのは→ユーノ・スクライア どんまい


156:名無しさん@ピンキー
08/11/23 15:04:51 DAgmuSJL
ヴィヴィオ→ユーノで和んだ

157:名無しさん@ピンキー
08/11/23 15:08:27 FUo8YVyn
なにこの流れ
いい加減にしとけよ

158:名無しさん@ピンキー
08/11/23 18:30:31 FjoG3wZ0
ヴァレンタインよりもクリスマスだろ。
ネタ的に考えて。
俺はたぶん、卒論の追い込みだが。ミッドの人たちは仕事だろう。

159:名無しさん@ピンキー
08/11/23 19:23:12 7x2He+Hr
なのは→ユーノでやったら、ちょっと感心した。

160:名無しさん@ピンキー
08/11/23 19:44:10 cP31HZV2
釣れますか~?ちょっと、あからさま過ぎですよぉ。

161:名無しさん@ピンキー
08/11/23 20:15:39 Mpwd57JH
釣られてるぞ

162:名無しさん@ピンキー
08/11/23 20:35:16 cP31HZV2
うん、知ってる

163:名無しさん@ピンキー
08/11/23 20:53:16 g3zS8/La
知ってるならなんで反応するの?

164:名無しさん@ピンキー
08/11/23 20:59:59 ZgaTTfhx
>>158
そもそもクリスマスの概念がないだろうな
二次創作で気にする必要はないが

165:名無しさん@ピンキー
08/11/23 21:36:01 /s/Ndyq8
そういえばバレンタインの時もそんなレスあったな

166:ザ・シガー
08/11/23 22:10:43 YFa21XOj
さて、せっかくの日曜に投下ないのも寂しいのでコツコツ書き溜めてたSSでも投下しましょう。

ラグナとオリキャラがメインの非エロ・ギャグのSS投下します。
まあ、言うまでもないかも知れませんが、ラグナのキャラ崩壊やメタネタが多いですのでご注意を。

167:病んでる少女 マッドネス・ラグナ
08/11/23 22:12:10 YFa21XOj
病んでる少女 マッドネス・ラグナ 「嗚呼、愛しのお兄ちゃん」


 ラグナ・グランセニック、武装局員兼ヘリパイロットの兄を持ち、ミッド市街の学校に通うごくごく普通の12歳女の子。
 品行方正・成績優秀、多くの生徒に羨望と恋慕を抱かれる美少女である。
 まあ……少なくとも彼女の事を良く知るごく一部の友人はそんな事欠片も思ってはいないが。
 むしろラグナの友人は彼女の事を最悪のイカレ少女として認識していた。
 その理由は彼女が寝起きする学校の寮での朝の風景から見ていただければよく分かるだろう。

 私立ナイスボート学園の学生寮、その中の一室にラグナ・グランセニックと彼女と相室であるメアリー・スゥの部屋はある。
 そして時間帯は早朝、まだ多くの生徒は眠りの世界に浸っている中、甲高い女の嬌声が響き渡った。


「ああぁんっ! お兄ちゃん……ダメよぉ……はぁん♪ そんなぁ、ラグナ壊れちゃうぅ……ムニャムニャ」


 どこの淫乱痴女かと思うような淫蕩かつあられもないセリフを寝言で連呼するところからラグナの朝は始まる。
 もしもあと少しだけ壁が薄かったならば彼女のぶちきれっぷりが全校生徒に知れ渡っているのだろうが、幸か不幸かそれはなんとか免れていた。
 一体どんな淫らで破廉恥な夢を見ているのか、ラグナは著しく寝巻きを着崩れさせながら身体をくねらせて甘えた声で鳴き叫ぶ。


「はひゃ~っ!……お兄ちゃぁん……もっとぉ……もっとしてぇ、ラグナの○○○にお兄ちゃんのぶっとい○○○もっとぶちこんでぇ♪ ムニャムニャ……」


 蕩けるような甘い声でアヘ声を喚き散らすラグナ、もし男が聞けばそれだけで僅かに股間を滾らせてしまいそうな淫靡な声であるが、残念な事にここにいるのは同級生の女の子である。
 ラグナと相室の丸いメガネと三つ編みが年頃の少女らしさをかもし出している少女、メアリーはこめかみに血管を浮き上がらせながら目の前のベッドで毎度の痴態を演じている親友を見下ろしていた。
 同じ部屋になってから既に一年以上、メアリーはそれこそ毎朝ラグナのこの嬌声で叩き起こされているのだ。
 最初はとまどい、徐々にいらつき、今では毎朝激怒している。
 とりあえずメアリーは毎朝使っている愛用の角材を手に腕を振り上げた。
 その角材は先端が既にラグナの血で真っ赤に染まっていり、彼女をどれだけ長い間ぶん殴ってきたかよく分かる程だ。
 正直に言って、とても年頃の少女が行う行為ではないがメアリーは一ミリの躊躇もなく腕を振り下ろした。


「いい加減にせんかい、このブラコン変態がぁっ!!!」

「へぶぅああっ!!」


 振り下ろされた角材がラグナの額にめり込み、美少女の美しい肌から夥しい鮮血を迸らせた。
 可愛らしい女子学生が朝っぱらから行うにはあまりにスプラッターでバイオレンスな一幕、だがこれが彼女達の日常である。


「いったぁ~い……ヒドいよぉメアリー……こんなに殴られたら頭がバカになっちゃうぅ」


 流血する額を抑えながら、ラグナは涙目になって親友に恨めしげな視線を投げかけた。

168:病んでる少女 マッドネス・ラグナ
08/11/23 22:14:00 YFa21XOj
 しかしメアリーはこの程度で目の前の痴女が死ぬなどとは毛ほども思ってはいない。


「バカ言わないでちょうだい、あんたがこれ以上ヤバくなる訳ないでしょ」

「ううぅ……親友がいぢめる~」

「はいはい、分かったからもう起きなさい」


 っとまあ、ちょっと病んでる美少女ラグナ・グランセニックの朝はいつもこうして始まるのだった。





 まあ、今日の学校でのラグナもいつも通りだった。
 いつも通り、授業中に『お兄ちゃん、ハァハァ』とふしだらな妄想に耽り。
 いつも通り、休み時間にトイレに篭って『お兄ちゃんらめえ~!』と叫びながらいけない一人遊びを興じ。
 いつも通り、昼食のおかずにヴァイスの写真を眺めて『お兄ちゃんの……凄くしょっぱくて苦くて美味しいよぉ♪』と言いながら危険極まる想像と共に昼食を咀嚼した。
 ちなみに、彼女の近くにいたメアリーはこれまたいつも通りにひきつった笑みを浮かべていたのは言うまでもない。
 そして放課後を迎えた二人は、とある場所に足を運んでいた。


「ああ、生のお兄ちゃん、ハァハァ」


 ヤバいくらい息を荒くしたラグナの視線の先にはヘリを整備する彼女の兄、ヴァイス・グランセニックの姿。
 そう、ここは言わずもがな機動六課の隊舎である。


「ちょっとラグナ! 流石に管理局に施設に勝手に侵入するのは不味いわよ!」


 もちろんだが、危険極まりなく病んでるラグナの抑止剤として友人のメアリーが一緒なのは言うまでもない。
 茂みに隠れながらヴァイスを盗撮しまくっている友人に、彼女はさっそく突っ込みを入れる。
 だが当のラグナはそんな言葉など聞く耳持たず、『ハァハァ、お兄ちゃん、可愛いよお兄ちゃん』などとほざきながら完全にトリップして兄の姿に魅入り、唾液といけない汁を垂れ流していた。


「人の話を聞かんかいこの変態がぁ!!」

「ほべぇあっ!」


 変態性全開のラグナにまたもや炸裂する血塗れ角材の一撃、美少女の頭から噴水の如く血が溢れた。


「いったぁい……なにするのよぉ~」

「あんたがヤバイ事してるから突っ込んでるのよ」

「別にヤバくなんかないよ? ただの兄妹愛だよ?」

「十分ヤバいわよ、頼むから管理局の施設に盗聴器と盗撮用高性能小型カメラを設置するのは止めなさい。ばれたらテロリスト扱いで逮捕されるわよ?」


 下手をすれば一緒に来た自分まで逮捕されかねない、メアリーは肝を冷やしながら友人を必死に説得した。

169:病んでる少女 マッドネス・ラグナ
08/11/23 22:15:48 YFa21XOj
 だがその程度でこの変態が黙る訳もない。


「何言ってるの! 逮捕が恐くてお兄ちゃんは愛せないわ!」


なんて言うかもう……メアリーは本気でこのイカレ女を一片殺した方が良いんじゃないかと思った。
そして丁度そんな時だった、ラグナの表情が豹変したのは。


「んなっ! ア、アレはぁっ!!」

「へ、なに? 今度はお兄ちゃんが脱いだか?」

「違う! アレ見て!!」


 視線を向けた先には、なにやら一人の少女と会話しているヴァイスの姿。
 それは茶髪の短めの髪をした、どこか子犬のような印象を受ける愛らしい少女だった。
 少女はなにやらヴァイスと楽しそうに談笑している、そして無論だがラグナはそれをまるで悪鬼の如し形相で見ていた。


「アルトの野郎~! 私のお兄ちゃんに馴れ馴れしくしやがって~!!」

「へ? アルト? あの人知ってる人なの?」

「アルト・クラエッタ! 階級は二等陸士で通信士兼ヘリパイロット! 私のお兄ちゃんに昔から同じ部隊でくっ付いてるクソ虫じゃあ!!」


 まるで極道の怨霊が乗り移ったかの如く怒り狂いながら叫ぶラグナ。
 そのあまりの迫力に突っ込むこともできず、メアリーはただ度肝を抜かれた。
 とりあえずメアリーは彼女がこれ以上ぶちきれないように宥めるしかなかった。


「ま、まあ落ち着きなさいよ」

「ぐぬぬぅ……ちきしょう、あの女ぁ……帰ったらさっそく呪ってやるぅ」


 ヴァイスとアルトの会話が終わるまで、ラグナは終始不吉な事を呻いていた。
 二人の会話は本当に他愛ない雑談だったのか、すぐに終わってアルトはその場を後にする。
 ようやく平和な盗撮タイム(?)に戻るかと思われたが、そうは問屋が卸さなかった。
 またしてもヴァイスの下に少女が現れたのだ。
 それはオレンジ色の髪をツインテールにした、ちょっと気の強そうな美少女だった。


「あれはティアナぁ! あんのメス猫め……お兄ちゃんに馴れ馴れしくしやがってぇ」

「ちょ……今度は誰?」

「あのクソメス猫はティアナ・ランスター! スターズ分隊所属のセンターガード! 将来の夢は執務官志望!!」

「……随分詳しいわね」

「敵を知り己を知れば百戦危うからず! お兄ちゃんの周囲にいる害虫共の事は毛穴の数まで熟知してるわ!!」

「……ああ……そうですか」


 なんかもう、メアリーは突っ込む気力がなくなりつつあった。

170:病んでる少女 マッドネス・ラグナ
08/11/23 22:17:23 YFa21XOj
 目の前のイカレ女のぶち切れっぷりは想像の斜め上を第一宇宙速度で突き抜けまくっている。
 常識的思考と理性を持つ自分ではあまりに抑え難い狂気であった。
 仲睦まじそうに談笑するヴァイスとティアナの姿に、ラグナは血が出るほど唇を噛み締め手を握り締めて睨みつけていた。


「ぢぎじょう~!! 殺す! 絶対に殺すぅううう!!」

「ちょ! 落ち着きなさいって」

「離して! この手で殴り殺してやるんだから!!」

「本気で殺しそうで恐いわよ! マジ止めなさい!!」


 とりあえず、メアリーは飛び掛りそうな勢いのラグナを羽交い絞めにして必死に押さえつけた。
 危うくラグナの拘束が解けてティアナに飛び掛りそうになったが、寸でのところで二人の会話が終わり、彼女はその場を後にした。
 殺人未遂及び殺人事件が未然に防げた事に、メアリーはホッと胸を撫で下ろす。
 だがしかし、神は無情にも運命を弄び新たなる火種を投下した。
 ヴァイスの前に今度は、鮮やかな緋色の髪をポニーテールにした凄まじいプロポーションの爆乳美女が現れる。


「あれはシグナムぅ!! またしてもお兄ちゃんをそのウシ乳で誘惑するかぁ!!」

「ちょ! また!? 少しは休ませてよ!! ってかまた新キャラなの!?」


 ラグナは兄に近づく美女に、メアリーは自分に過酷な運命を課す神に呪いの言葉を吐いた。


「で、今度は誰なの? ってか凄い美人なんだけど、あと胸凄いわね」

「あんのデカパイ魔人はシグナム! ライトニング分隊副隊長、階級は二等空尉! 八年前からお兄ちゃんをあのだらしなく垂れたウシ乳で誘惑しているいやらしい雌よ!!」

「ああ、そうなんだ……ってか、あんたの兄ちゃんの周りは恵まれてるわね、ギャルゲの主人公みたいだわ」


 メアリーは、名前を“岡崎”かなんかに変えた方が良いんじゃないかとも言おうとしたが止めておいた。
 それにしてもシグナムと言う女性は美人だった。
 燃え盛る炎のように鮮やかな緋色の髪、比較的高めの身長とその美しさを強調するかのような爆発的なプロポーション、そして切れ長の瞳に麗しい美貌。
 とてもじゃないが、12歳かそこらの自分たちのチンチクリンボディでは勝てる要素が微塵も見当たらない。
 というか、そもそも実の妹でその上オツムが狂いまくってるラグナでは相手にされる訳がないにも程がある。


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