【陰湿】レズいじめ【ドロドロ】at EROPARO
【陰湿】レズいじめ【ドロドロ】 - 暇つぶし2ch250:名無しさん@ピンキー
09/09/12 04:12:09 NTis4b2Z
2chのスレで無ければ思いつくのがいくつかある

251:名無しさん@ピンキー
09/09/12 06:53:35 AfhFPbkz
>>249
もしかしてこのスレかな。チアリーダーという設定。
この作者、わりと歴史が長い。更新止まってるけどね。
スレリンク(pinkcafe板)

252:名無しさん@ピンキー
09/09/12 13:39:20 RlJLYvrm
>>250
レスありがとう!
教えてくれたら嬉しい
>>251
それだ!チアリーダーだったか
まさかこんな早く教えていただけるとは思わなかった本当にありがとう

253:250
09/09/13 02:23:14 6UPVdcDs
>>252
探してた物が見つかったみたいだけど
俺が思いついたのはネットだと
ブログ形式になる前の「選ばれし天使達の伝説」の裕美
後は商業誌とか

254:名無しさん@ピンキー
09/09/13 20:49:08 fzX+x9DH
>>253
ありがとう!調べてみる

255:名無しさん@ピンキー
09/09/16 22:40:45 TZCFemGf
女の子が女の子をいじめるお話ってエロスレあったのに…
あれもこのスレ同様良かったが落ちたんだよなあ…また読みてえ

256:名無しさん@ピンキー
09/09/18 17:27:08 g9pLDU5M
つづきマダ~?

257:名無しさん@ピンキー
09/09/18 22:43:54 HWGKGTJY
そろそろ作者死亡説が…

258:名無しさん@ピンキー
09/09/21 23:51:19 Pna121ao
まだー?

259:名無しさん@ピンキー
09/09/22 17:40:00 cbNPjVAl
保守 マターリ待とうぜ

260:名無しさん@ピンキー
09/09/25 01:53:52 z2LyKas6
>>257
まさか作者はうs…

261:名無しさん@ピンキー
09/09/25 15:05:06 XlSh2V34
うしろの百太郎

262:名無しさん@ピンキー
09/09/28 22:05:27 BZgrmpMJ
このスレも潮時か・・・

263:名無しさん@ピンキー
09/09/29 07:08:53 EImJ4+KN
何そんなことは

264:名無しさん@ピンキー
09/09/30 00:12:35 V5ysazQz
マターリ待とうぜ

265:名無しさん@ピンキー
09/10/06 03:51:04 KGGKyCcS
いつまでも

266:名無しさん@ピンキー
09/10/06 07:56:04 /enZc8jC
待つわ

267:名無しさん@ピンキー
09/10/09 06:36:00 sYULcnIj
age保守

268:名無しさん@ピンキー
09/10/10 15:53:42 Rhl6C0dt
投下したい人は投下していいでしょ

269:名無しさん@ピンキー
09/10/10 17:18:12 zA0dWgyW
そりゃもちろんいいだろ。
長編連載中だからって、完結するまで待つこたないわよ。

270:名無しさん@ピンキー
09/10/10 20:38:23 hlvVB6nv
>>268
しちゃいなさいよ…見ててあげるから。

271:名無しさん@ピンキー
09/10/13 13:29:04 Zi/GCEbg
まあ実際に投下する人がいるかだろ問題は
休養中の職人に気を使う人も居るだろうし


272:名無しさん@ピンキー
09/10/19 22:52:46 IJrUjD8Q
保守

273:名無しさん@ピンキー
09/10/22 21:01:10 Sfqo4sFm
保守

274:名無しさん@ピンキー
09/10/23 12:53:18 QlP+3pja
また女子高系いじめ誰か投下しないかな


275:名無しさん@ピンキー
09/10/23 14:40:22 ZonyEoFv
ご自分でお書きなさい

276:名無しさん@ピンキー
09/10/24 11:47:57 2CVLtoNw
書きたいなら早く書きなさい?
見ててあげるから…

277:名無しさん@ピンキー
09/10/24 14:39:25 agFGw7Zm
ほら、自分の文章相手に見せるの恥ずかしいでしょ…?

278:名無しさん@ピンキー
09/10/25 00:19:35 LQ4PhqJl
このスレはもうじき死ぬな

279:名無しさん@ピンキー
09/10/29 15:31:19 JPkiEqz4
誰か投下しないと

280:名無しさん@ピンキー
09/10/30 13:32:32 KzYb7RZZ
女同士の集団いじめSSって貴重なんだよ、落ちないようにしないと


281:名無しさん@ピンキー
09/11/02 09:07:28 cu5z3hu7
保守

282:名無しさん@ピンキー
09/11/03 10:40:09 XK6e0sJk


283:名無しさん@ピンキー
09/11/06 14:40:03 hM41ilxl
つうか別に投下してもいいんだよな、この前途中で消えた作者はもう戻って
来ないんだろうか…?


284:名無しさん@ピンキー
09/11/06 18:32:32 Sszh2jzO
一度途絶えると本人も出てきにくい(or原稿に手をつけにくい)のかもしれない
別に個人スレじゃないから投下はぜんぜんおkですよ

285:名無しさん@ピンキー
09/11/06 19:43:05 n+QtqsSd
このスレはいじめ無しのSSでもいいのかな
規制に巻き込まれてるから投下は今は無理だが

286:名無しさん@ピンキー
09/11/06 21:15:20 PbKkMumv
いじめなしならスレちがい

287:名無しさん@ピンキー
09/11/07 01:09:15 RrcYJyzk
いじめ要素は欲しいなあ。
個人的にはイジメかレズどっちかといえばイジメが重要。
イジメの首謀者が女でもちろん標的も女でさえあれば
男をけしかけて犯させるSSでもいいくらい。

288:名無しさん@ピンキー
09/11/07 01:39:21 ItGZ83Dk
このスレの連中は自分で書かずに誰かに書かせようという書き手いじめしてる連中ばかりだな

289:名無しさん@ピンキー
09/11/07 15:51:09 qXyozgMr
確かにそうだなあ…あと誰か書けば皆投下しやすくなると思うんだけどねえ
あと、消えた職人さんの作品がレベル高いから投下しにくいってのもあるのかもしれないな


290:名無しさん@ピンキー
09/11/15 04:00:26 +VldGA4N
補修

291:名無しさん@ピンキー
09/11/18 15:07:06 RHQOsKh/
いじめ好きだから誰か期待するよ

292:名無しさん@ピンキー
09/11/22 13:29:11 gWqlkdEq
これだけ間が空くとは…誰か制作中なんじゃね





293:名無しさん@ピンキー
09/11/23 12:59:00 yaXuHp4n


294:名無しさん@ピンキー
09/11/25 17:04:20 tMI59gXT
がんばれ

295:名無しさん@ピンキー
09/11/30 18:02:44 kEqCTwsZ
待ってるよ

296:名無しさん@ピンキー
09/12/03 12:14:32 PoopuUTZ
そろそろ

297:名無しさん@ピンキー
09/12/04 17:04:48 FaohTdtr
もう一声!

298:名無しさん@ピンキー
09/12/04 18:20:16 tr8FKdDX
Don't 来いです

299:名無しさん@ピンキー
09/12/05 03:40:41 cSe0C/vR
ん?何か呼ばれた気がした

300:名無しさん@ピンキー
09/12/06 17:03:03 nClvIQgC
>>213のつづきがやっとできました。
お待たせして申し訳ない。以下から12レス分投下します。

301:女学院復讐SS6 1/12
09/12/06 17:04:05 nClvIQgC
 有瀬文月が自分の嗜虐嗜好を自覚したのは、彼女が中学にあがる前だった。
 十歳になる頃には既にそれに近い感覚はあったが、その時の文月にはまだ、そんな性癖が
存在するということ自体、わからなかったのだ。文月の常識はまだ、自分の異常を押しとどめる
ことに成功していた。
 それが完全に崩壊したのが小学校四年生。学校で飼っていた兎が殺されるという事件が起
きた時だった。
 周囲の同級生がその光景の悲惨さに泣く中、文月は自分が悲しんでいないことに気がつい
た。いや、悲しまなかったわけではない。それよりも遥かに、強い感情があったのだ。
 兎のうちの一羽にはまだ息があった。ただ生きているだけで、あとは死んでいくだけだろうそ
の兎を、文月は誰にも悟られないようにこっそりと殺した。
 どうせ苦しんで死ぬのだから、早く楽にしてあげよう、と、そんな考えがあった。安楽死という
概念こそ知らなかったが、文月はやさしさから兎を手にかけたのだ。
 それが直接的なきっかけだった。
 死んだ兎を見た文月が得たものは、ひどく鬱屈した、しかし激しい―快感だった。
 有瀬文月はこの時、自分が他者を虐げることに悦びを感じることを確信した。それを異常と
知っていながら、否定する気は起きなかった。
 そして、文月が自分が『虐げる側』なのだと自覚したのと同じ頃。
 伊勢宮アリスもまた、自分が『虐げられる側』なのだと、ぼんやりと自覚していた。
 二人はこれまで何の接点もなく生きてきた。その二人が接触した時、アリスは虐げる側で、
文月は虐げられる側に立っていた。
 アリスは変わりたいと考えている。虐げられて生きるのは嫌だった。いじめられる側に理由が
あるのなら、自分が変わることでそれを無くそうと思った。
 文月は変わる必要はないと考えている。誰かを虐げながら生きるのは面倒だから、この感情
を抑えて生きようと思った。たまに溜まったものを晴らしていけば、それで済むはずだった。
 そうしてどこまでも対照的な二人は―結局、すれ違ったのだった。
 
「ふぅ……」
 自室の天井を見上げて、文月は小さく吐息をついた。一仕事終えた虚脱感は、一日置い
ても抜けきらない。やりつくした、というには些か控えめな遊びだったが、それでもここまで腕を
振るったのは久しぶりだ。使いもしないのに集めていた嗜虐コレクションが日の目を見たことも、
どこかうれしい気分になっている原因だろう。
 いつもは大きい鞄にいれて隠してあるそれらは、ストレス発散として収集しているものだ。見
つかったら大変だが、入学のさいこっそり持ち込んだのである。
 文月の父親である、ALICEグループ総帥有瀬王春は鞄の中身も文月の性質も知っている
が、何も言わずに彼女を送り出した。態のいい隔離だと文月は考えていて、それはあたってい
る。
 大人しくしていよう、と思ってはいたのだ。中学の時に少しばかり『やりすぎた』せいで、文月
はここに放り込まれた。卒業するまで粛々と過ごそうと、そう考えてはいた。
「でも、しょうがないわよね……」
 売られた喧嘩だ。しかも、文月は二ヶ月我慢したのである。
 机の上にあるノートパソコンにちらりと目を向ける。開きっぱなしの液晶はスクリーンセイバー
に切り替わっていた。
 思い出にするほど時間が経っているわけではないが、デジタルカメラのデータでも見ようかと、
文月の指がタッチパッドを操作する。が、フォルダを開きはしなかった。
 部屋の扉を、遠慮がちにノックする音が響いたからだ。
「なあに、早苗」
「文月さん、今、大丈夫ですか? クッキー焼いたんですけどっ」

302:女学院復讐SS6 2/12
09/12/06 17:09:14 nClvIQgC
 頬を赤く染めて、わずかに開いた扉からこちらを伺うのは、同室の早苗だ。ショートボブの黒
髪で、頭の両端からちょこんとひと房飛び出すように結わえている。待ちきれないように体を揺
らす早苗にあわせて、そのひと房が小動物の尻尾か、あるいは耳のようにぴょこぴょこと跳ね
ていた。
「そうね、いただくわ」
 ノートパソコンを閉じて、文月は扉をくぐった。礼染女学院の寮は二人一組で使うが、一室
が三部屋に区切られている。それぞれの個室とダイニングである。簡易キッチンも用意されて
いて、早苗はここでお菓子を作るのが趣味だった。
「文月さんこないだの夜は忙しいみたいだったけど、少しは落ち着いたんですか?」
「そうね……だいたいの後始末も済んだし、もう、全部終わったと言ってもいいわね」
「そうなんですか。えへへ、なんだかわからないけど、無事にすんで良かったですね」
「無事に―」
 その言葉に文月はくすりと微笑んだ。無事に。いったい、何に対してそう言えばいいのか。
 糞尿にまみれて自己を否定した幸崎幸にか。
 唯一の支えを破壊された月小路妃美歌にか。
「―そうね。無事にすんで、何よりだわ」
 無事といえるのならば、あのクォーター、そもそもの発端の位置にいた伊勢宮アリス、彼女だ
けは無事だといえるかもしれない。文月は彼女に何もしていない。少し厳しい指摘をしただけ
だ。まさかあの程度で心が折られる人間などいまい。
 正直、文月はあまり彼女に興味がない。芯の弱い人間はつまらないのだ。
「はい、クッキーと紅茶です。自信作ですよ!」
「ありがとう」
 かわいい後輩の作ったクッキーを口に運びながら、文月はこの穏やかな生活をいとおしいと
思った。心のどこかで何かが唸り声をあげていたが、そんなものは気のせいだ。
 復讐は終わった。暴れていい時間は終わったのだ。
 だからこの獣は鎖につないで、眠らせておかなければいけない。
 ことの終わりから二日を経て、文月は小さな幸福の中に、やっと復讐の完成を自覚した。
 こうして、有瀬文月の短い復讐は幕を下ろした。 
■■■
 香堂智恵はその日、閑散とした放課後の教室で、一人本を開いていた。
 読み始めると終わるまで止まらないのは彼女の悪い癖だ。どうしても続きが気になって、本を
閉じることが出来ないのである。それでも授業や用事があればそちらを優先させるが、今日は
もう帰るだけだ。ページが残りわずかということもあって、読みきってしまおうと考えたのである。
 物語は終盤に向かって盛り上がっていく。結末まではもうあと少しだ。……と、そこで、はやる
気持ちを抑えながらページを繰っていく香堂の指がピタリと止まった。
「ああ、よかった。まだ残ってましたか」
 教室の入り口に、見知らぬ生徒が立っていた。とっさにスカーフのラインを確認する。二本。
一学年上の先輩だ。
「香堂さん、よね?」
「はい」
 間の悪いことに、自分に用事があるようだ。香堂はため息を飲み込んで本を閉じた。教室に
すたすたと入ってくる生徒は、背筋をピンと伸ばした凛々しい印象のある人物だった。本を鞄
にしまって、階段状になっている教室を前方へと降りていく。先輩は微笑みを浮かべて待って
いた。
「私のことわかるかしら。生徒会なんだけれど」
「ああ……」
 言われてみれば、確かに行事のたびに壇上で見かける顔だ。しかし生徒会が何の用だとい
うのだろう。

303:女学院復讐SS6 3/12
09/12/06 17:10:15 nClvIQgC
 ふと、香堂は数日前の出来事を思い出した。過去、香堂に凄絶な屈辱を与え、そして今に
なってその記録を外部にばら撒いた幸崎幸という生徒のことだ。
 表沙汰にはなっていないはずのアレが、そして香堂自身は参加していなかったが、その後に
起こったはずの月小路妃美歌への報復が、問題になっているのだろうか。
「たいしたことではないのだけど、会長が呼んでいるのよ」
「会長が……」
 相手の言葉を繰り返しながら、香堂は心中、そんなはずはない、とつぶやいた。幸崎も月小
路も事を公にはしていない。幸崎は出来るだけ平静を装って登校してきているし、月小路が
学校に来ないのはいつものことだ。復讐劇を計画した有瀬文月の言葉が正しければ、もう何
もかも終わっているはずなのだ。
「行ってもらえる?」
「はい」
 断る理由はない。香堂は頷いて、生徒会役員だという先輩と連れ立って教室を出た。他に
も用事があるらしく、そこで先輩とは別れる。生徒会室までの道のりを思い浮かべながら、香
堂は廊下を歩き出した。
「何の用ですかね……」
 件の復讐劇に関して、香堂の考えは他の参加者とは異なる。
 そもそもの立案者である有瀬文月や、柚子澤蜜柑、逢坂仁和子などは復讐を楽しんでい
た。他者に暴力を加えることに、喜びを感じていたのだ。
 香堂にもそれ自体を否定する気はない。ないからこそ、復讐に参加した。
 だが、釈然としないものを抱えているのも、また確かだった。
 かわいそうだとは思わないが、自分が手を汚している事実にいやなものを感じた。復讐という
名目で暴力を振るうことは、幸崎が自分にしたこととなんら変わりがないのではないかと、そう
思わないではいられなかった。
 だから、彼女は月小路を標的とした復讐には参加しなかったのだ。
「そういえば、相田さんはどう考えているのかしら」
 実行に際して、相田涼香だけは現場にいなかった。彼女が復讐についてどう考えているの
か、聞いてみたい気がした。
 そんなことを考えているうちに、生徒会室の大きすぎる扉が目の前にあった。ご丁寧に用意
されているノッカーを叩いて、
「香堂智恵です」
 と、声をかける。中からすぐに「どうぞ」と涼やかな声が返ってきた。
 今の生徒会長は天王寺弥生という三年生で、文武両道の才女である。女系で有名な天王
寺家の三女であり、ずば抜けた才覚から家の今後を任されていると噂される。
 女傑。そんな言葉が似合う女性である。
 存在は知っていたが、面と向かうのははじめてだ。いささかの緊張を自覚しながら、香堂は
扉を開いた。
 
 とたん、噎えた匂いが立ち込めた。
 
 汗と、尿と、そして濃密な淫液の匂いが交じり合う、一度嗅いだら忘れることのできそうにな
い匂いだった。そう、実際香堂はこの匂いのことをよく覚えていた。
 あの時、授業中のトイレの中は、この香りで満ちていたのだ。
「あ……ぅぁ……」
 うめき声が聞こえた。ふらふらと室内に踏み入ると、背後でひとりでに扉が閉まる。重厚な大
扉はそれなりに大きな音を立てたが、香堂にそんなことを気にする余裕はなかった。

304:女学院復讐SS6 4/12
09/12/06 17:12:16 nClvIQgC
 広い生徒会室。その中央に、生徒が独り、白目を剥いて横たわっていた。制服は着ていな
い。それ以外のどんな服も身に着けていない。十代の裸身をさらけ出して、時折ビクビクと痙
攣している。
 口元には何か器具のようなものを噛まされて、こぼれた涎が絨毯を汚していた。股座には手
首ほどもありそうな巨大な筒状の何かが突きこまれて、処女でもないはずなのに血が流れてい
る。一歩近寄ると、重量に引かれて横に流れる両乳の先端に、ピアスのような物がゆれている
のまで見えた。
 それは、明らかな陵辱の痕跡だった。
「あ……いだ、さん……」
 ぐらり、と世界が揺れる。吐き気すら覚えた。
 その名前を、香堂は知っている。相田涼香―計画に参画しながら直接的な報復には及
ばなかった、五人目の復讐者。利尿剤入りのジュースを幸崎に飲ませた、仕掛け人。
「な、なんで、こんな……」
 声がふるえる。足もふるえている。報復だということは、すぐに思い当たった。だが誰が? 幸
崎幸にはできない。彼女の心は文月がへし折った。月小路妃美歌にはもっと無理だ。学校に
すら来ない引きこもりが、どうやってここまでいたぶれるというのか。
 誰もいない。復讐は終わっている。報復に報復が返ることなど、ないはずなのに。
「当然の、結果ですよね」
 この部屋に入室を促したのと同じ声が、そうつぶやくのが聞こえた。あわてて視線をめぐらせ
る。探すまでもない。彼女は香堂の真正面、部屋の奥、中庭の見渡せる大きな窓のそばに立
っていた。最初から、隠れもせずにそこにいたのだ。
「私たちに復讐した貴方たちなら、これを否定することは、できないですよね」
 そこにいたのは、幸崎幸でも、月小路妃美歌でもない、そしてもちろん、この部屋の主人で
あり、香堂を呼びつけたはずの生徒会長でもなかった。
 輝くような金の髪、吸い込まれるような碧眼。学院でも珍しいクォーター……
 そう。
 香堂の時にはいなかった、三人目の陵辱者。文月が唯一見逃した、かつて被害者だったら
しい誰か。
「香堂智恵さん。私は貴方に、復讐します」
 伊勢宮アリスが、そこにいた。
■■■
 終わってみればたった一日の復讐劇は、文月の生活に何も残さなかった。二ヶ月に渡った
陰湿な嫌がらせが消えたくらいで、文月は当たり前の顔をしてゆるやかな日常へ帰ってきたのだ。
 一週間ほどの間を置いてそれとなく探りをいれてみたところ、アリスや幸崎はきちんと登校し
ているらしい。月小路は相変わらず引きこもっているようだ。
 文月の行為が明るみに出ることはなかった。学院の性質はもとより、幸崎や月小路が外部
に漏れることを嫌ったのだろう。特に月小路は、ピアノが弾けなくなった、などと言えるはずもな
い立場にいる。
 柚子澤や香堂とは、すれ違えば挨拶する程度の関係だ。そもそもお互い、会えば嫌な記憶
を思い出す。用もないのに顔をつき合わせても憂鬱なだけだ。
 逢坂仁和子だけは持ち前の明るさでよく声をかけてくれるが、それもさほど仲が良いというわ
けでもない。そもそも学年が違う―彼女は中等部なのだ。
 新調した携帯電話には、誰のアドレスも登録しなかった。
 唯一の例外として、相田涼香とはそこそこに親密な関係を築いている。彼女は復讐に直接
参加しなかったこともあり、撮影したデータを肴に二人でこっそりとジュースで乾杯などしたものだ。

305:女学院復讐SS6 5/12
09/12/06 17:13:13 nClvIQgC
 ともあれ、文月にとって、それが今回の顛末だった。
「……?」
 だから、その日帰宅しようと開いた靴箱の中を見て彼女が眉をしかめたのも、無理からぬこと
だった。
 靴はある。きちんと揃って入っている。問題は、その上に乗っているCDのケースだった。
 あるはずのものがないということは以前ならばよくあったが、ないはずのものが入っているのは
これがはじめてだ。
「……ラベルはなしか」
 透明なケースにおさめられているのは、どうやらDVDのようだ。白いレーベル面には何も書
かれておらず、市販されているデータ用ディスクであることが伺える。一応靴箱を確認するが、
自分のものだ。
 ここでディスクを見ていてもはじまらない。文月はそれを鞄にしまうと、普段どおりの足取りで
昇降口を後にした。
 文月は部活動に所属していない。純粋な帰宅部はこの学院では珍しいが、そんなことを気
にする文月でもないから、授業が終わればまっすぐ寮に向かうのが彼女の日常だった。だから、
彼女が寮に戻る時、中はほとんど無人である。この日もそうだった。
 自室の扉を開けて、革靴を脱ぐ。ちゃんと鍵をかけてから猫のスリッパを取り出して、かわり
に靴を靴棚にいれる。靴棚には他に数足の靴と、ウサギのスリッパが入っている。
 足が沈み込むような錯覚すらする絨毯を踏みしめて、文月は『ふづきさんのお部屋』というプ
レートのかかった扉の前まですたすたと歩いていく。早苗が作ったプレートに少し笑みを浮か
べて、扉を開いた。
 無駄なものを極力省いたシンプルな部屋に入ると、文月はまず机の上のノートパソコンを開
いた。鞄をその脇に置いて、中からディスクを取り出す。本体脇のスイッチを押してトレイを引
き出すと、今は何も入っていないそこに白いディスクを置いた。
 ヒュイィン、とスムーズな稼動音を立ててトレイが飲み込まれていく。しばし待つと、画面上に
ディスクの中身がフォルダとして表示された。
 表示されているフォルダの中には、ふたつのファイルが入っている。どちらも動画ファイルの
ようだ。タッチパッドに指を滑らせて、文月はカーソルをうちのひとつに合わせた。
 開く前にウイルスがないかどうかだけチェックする。手馴れた調子でスキャニングを済ませると、
文月は躊躇も好奇心もなく、いっそ事務的な調子でファイルを開いた。
 自動で動画再生ソフトが立ち上がり、小さなウインドウが現れる。かすかに目を細めて、文月
は細い指先でいくつかのキーをタッチした。すぐにウインドウが全画面表示に切り替わる。
 まず、ノイズが液晶を埋めた。それからわずかの間を置いて、映像が切り替わる。
 どうやら室内らしい。しかし、解像度が低く粗い上に、やたらと上下に揺れていて、何が映っ
ているのかほとんどわからない。スピーカーから聞こえてくるのは何気ない雑談のように思える
……これは、校舎の中だろうか。
 幾度か近い位置からささやきかわす声が聞こえた。どうやら撮影者の声らしい。そこでやっと
画面の揺れがおさまった。やはり校舎の、廊下のようだ。カメラは下を向いていて、見慣れた
絨毯と、上履きを履いた生徒たちの足がいくつか見て取れた。
 休み時間か、放課後なのだろうか。
 カメラの標的は目の前にいる生徒らしい。一体どういう方法で操作しているのか、足元から
ゆっくりとフレームをずらしていく。下から覗き込んでいるとしか思えないのだが、まさかそんな
真似を校内でできるはずもない。
 ターゲットは黒いストッキングを着用していた。繊維が細かく肌に吸い付くそれを、カメラはの
ろのろと追っていく。まるで安物のAVのようだと文月は思った。さすがに、見たことがあるわけ
ではなかったが。
 太ももが映し出される頃になって、標的となっている生徒のスカートが短いことに気がつく。

306:女学院復讐SS6 6/12
09/12/06 17:14:25 nClvIQgC
 礼染女学院は成り立ちや風聞から受けるイメージほど厳しい学校ではない。さりとて、こと服
装に関して言えばそこまで自由というわけでもないはずなのだが。
 そんなことを考えていた文月は、次の瞬間映し出されたものを見て、一瞬、かすかに眉を跳
ね上げた。
 形のよい、丸いお尻。ストッキングによって形を整えられ、きゅっと引き締まったそれが、フレ
ームにおさめられている。やはり下から覗き込んでいる。何か器具を使っているのだろう。
 短すぎるスカートの襞はかろうじてお尻の丸みを隠す程度で、あれではさすがに指導を受け
る。すこしでもかがめば下着が見えてしまう、そういう長さだった。
 が、その心配はない。
 その生徒はそもそも、下着なんてつけていなかったからだ。
「……よね、これは」
 粗い画像にまじまじと目を凝らす。黒いストッキングなんてつけているものだから余計に分か
りづらいが、下着のラインが出ていない。どころか、繊維の奥には淡い茂みまで見える。
 文月は一度、映像を止めた。
 液晶を見つめる。気のせいかと思ったが、違う。粗い画像でも見分けやすい、白い楕円形の
何かが、ストッキングの向こう側で剥き出しの秘部に触れている。
 ローターだ。
 実物を、文月も持っている。指先でつまめる程度の小さな器具。女性が自身を慰めるため
に使う、電動式の玩具である。
 軽い仕草で指を跳ねさせ、キーを叩く。映像が再開された。
 よくよく耳を澄ませば、モーター音も聞きとれる。カメラはいたぶるように秘部を眺め回して、
更に上へと向かった。
 礼染女学院はセーラー服だ。今は移行期間なので、夏服冬服の判断は各自に任せられる。
画面に映る生徒は夏服を着ていた。あるいは、着させられていた。
「つけてない……」
 ぽつり、と文月はつぶやいた。薄手のセーラーは陽に透かされて、その奥にあるものをさらけ
出す。もちろん本当に透けているわけではない。だが、膨らんだ胸部の頂点で震える突起が
生地を押し上げるのはどうしようもない。うっすらと桜色が見えるのは、画面上の錯覚か、ある
いは単なる気のせいなのか……それとも。
 更に、画面は上へ向かう。白い首筋はじっとりと汗に濡れていた。羞恥に耐えているのか、
悦楽を堪えているのか、その両方なのか。
 震える顎、引き結んだ唇。形のよい鼻、その上に乗る眼鏡のブリッジ。
「……」
 ここにきて、ようやく文月は映る人物の正体を知った。そして同時に、この映像の意味をほぼ
正確に悟った。
 今にも泣きそうな顔で改造制服に身を包み、人のあふれる廊下で身を震わせているのは、
誰であろう、香堂智恵だった。
■■■
 見られている。
 事実はどうあれ、香堂智恵はそう感じていた。実際、廊下で談笑する生徒たちのうち何人か
は、過激すぎる香堂の制服に注目している。
 黒いストッキングはいつもよりも肌の露出を少なくしているはずなのに、太ももを撫でる風がい
やに冷たく感じられた。短すぎるスカートをおさえる手がカタカタと震えて、掌にはじっとりと汗
が浮かび上がっている。
「いい格好ですね」
 背後から、そう声が聞こえた。透き通るように美しい声だった。
「こ、こんな格好、」

307:女学院復讐SS6 7/12
09/12/06 17:15:29 nClvIQgC
「自分で選んだんですよ、香堂さん」
 声は、そう続けた。唇を噛んで、香堂は震える顔を前に向けた。
 ―生徒会室で相田涼香を発見した香堂は、選択を迫られた。この場で彼女と同じように
陵辱の憂き目に遭うか、それとも、とある格好をして校舎を一周するか。
 香堂の脳裏に閃いたのは、かつて自身が受けた屈辱であり、そして幸崎幸に与えた暴虐だ
った。あんな思いをするのはもう嫌だ。
 逃げる、という選択肢もないではない。だが、アリスが生徒会室を陵辱の舞台に選んだという
ことは、少なくとも生徒会のうち幾人かはアリスの味方だということだ。
 そう、香堂を呼びに来たあの役員も、そうなのだろう。逃げ出しても意味がない―状況が
悪化するだけだ。
 かくして、香堂は卑猥な制服に身を包むこととなったのである。
「それじゃあ、行きましょうか。ゆっくり歩くんですよ」
「……」
 肩越しに、ちらりと視線を投げる。圧倒的優位な立場から香堂をいたぶっているはずの伊勢
宮アリスは、なぜか厳しい顔をしていた。緊張しているように見える。
「早くしてください」
 促されるままに、香堂は歩を進めた。
「んぅ……」
 一歩踏み出しただけで、自然と声が漏れた。秘部に埋め込まれたローターは微細な振動を
繰り返して、絶えず刺激を送り続けている。歩くだけで、その震えが倍増されて伝わってくるのだ。
 体の中心を撫でるような曖昧な刺激は、しかし確実に香堂の官能を揺さぶっていた。
 なるべく刺激を抑えるように、内股になってしずしずと歩き出す。訝しげな視線を何度か受け
たが、それ以上に注目してくる生徒はいなかった。『スカートが短い気がする』程度の違和感
なのだろう。まさかその内側で、ローターが暴れていることなど彼女らに知るよしもない。
「そんなにゆっくり歩いていたら、終わりませんよ」
「……ぅ、んぁ……」
 ついさっきとまるで逆のことを言いながら、アリスがくすくすと笑った。ローターの振動がわず
かに強くなる。アリスが急かしているのだ。
 歩く速度をあげようにも、少し大またになっただけでスカートの裾が気になって足が止まって
しまう。ストッキングを履いているから、遠目になら下着をつけていないことは悟られない……そ
う思っても、やはり大きな動きを躊躇してしまう。
 そうしてまごまごと鈍重な歩みを続けるからかえって注目の機会を増やしてしまうのだ。
「ぅ、うぅ……」
 じわじわと擦り寄ってくる官能の熱は、お腹の下の方にたまって全身を炙っている。微妙す
ぎる刺激はかえって自分自身の性欲を強く意識させる。体中の感覚が全て股間へ集まって
いくような錯覚すらあった。
「足が止まっていますよ」
「ひぁぅっ―」
 思わずあげそうになった嬌声を、無理やりに飲みこむ。ローターからの刺激が、急激に強ま
ったのだ。
 一気に最高値まで引き上げられた振動は、すぐにまたゆるやかに撫でさする曖昧なラインに
戻されたが、一度あげてしまった声は周辺の生徒たちの目を集めるのに十分すぎた。注目か
ら逃げるように、ひきつりそうになる足を懸命に動かして、香堂は廊下を先に進む。
「そんなにあわてなくてもいいのに」
 急がせたいのかそうでないのか、アリスがまた矛盾したことを言う。
 ほんの一瞬ではあったが体の中心を貫いた衝撃は、香堂の中にあるスイッチをいれるのに
十分だった。

308:女学院復讐SS6 8/12
09/12/06 17:16:48 nClvIQgC
 鼓動の速度が倍になる。さっきまでと変わらないはずの振動が、妙に強く感じる。震える足が
少しずつ前に進むと、その度に秘唇をさする衝撃が強くなる。思わず太ももをすり合わせて、
そのはしたない仕草に気づいてあわてて前進を再開する―
「淫乱」
 ―それら一連の行為を見つめて、ぼそり、とアリスがつぶやいた。
「……ッ」
 否定できない。吐く息すら荒く、頬の紅潮している自分が、何を言えるだろう。
 息がおさまらない。今が冬だったら、口のまわりがずっと白くけぶっているだろう。熱を孕む吐
息が口の端から漏れて、それをこらえようと唇を合わせれば、口内にじっとりと唾液が溢れる。
涎を零しているのは下の口も同じで、汗と混じりあった濃密な粘液が股間からふとももまでをぐ
っしょりと濡らし、ストッキングの繊維を肌に張りつかせていた。
「はぁっ……は、ふ……」
 右足を前に出す。ぐちゅり、という音が聞こえる。
 左足を前に出す。にちゃり、という音が聞こえる。
「は……ぁ……」
 気のせいだ。本当にそんな音が響いているわけではない。だが、一度頭の中で鳴りはじめた
淫音は、まるで香堂を煽るようにこだまする。
 そうしてその音が響くたびに、体の奥の方で、何かがずぐん、ずぐんと蠢くのだ。股座から伸
び上がる性感は膣道を通って子宮に達する。そこで確かに、得体の知れない何かが暴れて
いる。
「ん……んふぁ……は、はぅ……」
 ふとももをすりあわせながら歩く香堂は、自分が性欲をこらえるためではなく、貪るためにそう
しているのだと、うすうす気づきはじめていた。膝頭がこすれあうたびに大きくなる刺激が、香堂
を内側から破壊していく。尻を振りながら歩く姿がどれほどいやらしく惨めか、ちらちらとこちら
を伺う同校生たちを見ればわかりそうなものだ。
「とてもかわいらしいですよ。まさに、雌犬という風情で」
「は、ぅ……んぅ……!」
 引き結んでいるはずの唇から、あえぎ声と一緒に涎が一滴こぼれた。あわてて口元をぬぐって、
「ぁ……」
 掌についた唾液を見て、香堂は一瞬動きを止めた。
 手を振って、また歩き出す。ぬらりと光る唾液は彼女の性を象徴しているようで、あげく香堂
はそれを『舐めたい』と思ってしまったのだ。
「ふ……」
 ローターの刺激が少しずつ強くなっていることを、この時香堂はやっと悟った。弱い刺激を
延々与えているように思わせて、気づかれないようにリモコンを操作していたのだ。
「ん、んぁ……あふ……」
 気づいてしまうと、余計にローターが意識された。脳裏に、かつて凌辱された記憶が蘇る。
泣いても叫んでも許してもらえなかった、あの地獄のような時間が。
 視界がだんだんと曖昧になっていく。すれ違う生徒たちの顔がよく見えない。ここはどのあた
りだろう。廊下の景色はどこも似たようなもので、それが余計に香堂の理性を削り取っていく。
朧とした世界を漂うように歩き続ける。もはや明確な感覚は、股間を嬲る淫悦だけだった。
「香堂さん、止まってください」
 唐突にささやかれて、香堂は足を止めた。現実から乖離していく香堂の意識は動きを止め
ても不明瞭なままで、ぼんやりと靄がかった世界を眺めるばかりだ。半開きの口元からは断続
的にあえぎ声が漏れている。かろうじて声を抑えているのが、ぎりぎり残された理性だった。
「ここには、誰もいませんよ」

309:女学院復讐SS6 9/12
09/12/06 17:17:24 nClvIQgC
「ぁ……あ、ふぁ……」
「いくらでも、声をあげていいんですよ」
「あ……」
 まるで催眠のように、アリスの声が忍び寄ってくる。綻んだ理性の隙間を通りぬけて、香堂の
内側を侵略していく。細く綺麗な指がそっと震える尻に添えられた。それだけで、香堂は背を
震わせてしまう。
「ほら」
 短すぎるスカートの裾をくぐって、ぐしょぐしょに濡れたストッキングを撫でる。薄布一枚隔て
た感触が、優しくなだらかに、香堂を昂ぶらせる。
 そうして、
「叫んで、いいんですよ……!」
 小声でそういうと同時に、アリスの指が、ストッキングごと香堂の菊座につきこまれた。
「―っ」
 声をこらえる。肛門から背筋を突き抜けた感覚は紛れもない快感で、曖昧模糊としていた香
堂の視界を真っ白に染め上げた。それでも嬌声だけはあげずに、天を仰いでぶるりと大きく震
える。
「叫んでいいと言っているのに」
 呆れたようにアリスがそうつぶやいた。指が引き抜かれる衝撃にまた背を震わせて、香堂は
肺の奥から、大きく吐息をついた。予想外の強襲を乗り切った、安堵の吐息だ。
 香堂は気づかなかった。
 アリスは、その吐息を待っていたのだ。

「―ひぁああぁあああっ!」

 ぐぢゅり、と膣内で響く淫音が、体の中で反響する。一度抜かれたはずの指は、一瞬の油断
に前に回りこみ、今度は疼く秘唇に突き立てられたのだ。
「あら、どうしたんですか、そんな悲鳴をあげて」
「なっ、中、な、なかっ、中に、入っ……あぁあああああっ!」
「何が、入ってるんですか?」
「ろ、ろぉっ、あ、ぁああっ、いやぁああっ!」
 アリスが指を蠢かせると、狭い膣道で震えながら『それ』も身を捩る。そう、アリスの指はストッ
キングごと、その奥のローターまで、香堂の中に押し込んでしまったのだ。
 最大値で震える淫具を埋め込まれた膣は、わななきながら未知の悦楽を吐き出していく。膝
が震えて立っていることすらできない。内側から送り込まれる刺激は、先ほどまでの比ではな
かった。
 がくり、と膝が落ちる。同時にアリスの指が離れていくが、よほど奥までねじ込まれたのか、ロ
ーターは落ちてこない。膣の収縮運動でストッキングだけがゆるゆると吐き出されてきても、肝
心の玩具は唸り声を止めないまま、香堂の中で暴れて回っていた。
「はっ、はぁ、い、いや、やぁああ……」
 両手を床の絨毯について、涙と涎を零しながら、香堂は立ち上がることができないでいた。よ
つんばいの姿勢で腰をひねりながら悶える姿は、どう見ても性を懇願するあさましい雌だ。
 このローターをどうにかしなければいけない。そうしなければ、気が狂ってしまう。香堂は震え
る指を、自身の秘裂にそっと這わせた。布地に浸透した淫蜜に指先がぬめり、なめらかな繊
維の感触がふっくらとした土手を撫でる。這い上がる電流にも似た感覚に背を震わせながら、
香堂は指先を蠢かせる。しかし、ストッキングが邪魔をして秘所に指を触れさせられない。アリ
スがそうしたように、勢いよく突き込めばいいのだろうが、それでローターを取り出せるとは思え
なかった。

310:女学院復讐SS6 10/12
09/12/06 17:18:16 nClvIQgC
「い、いう、ん、んんぁあああ……っ」
 片腕を肘までついて、腰を振りながら秘所をまさぐる。これではただの自慰だ。それも校舎の
中で、まだ人がいるというのに。
「あ、ああ、ああああ……っ」
 違う、ただローターを取り出したいだけだ。違う。違う。違うのに、布地ごしに暴れる指を止め
られない。
「あ、ああ、あっ、ああぁ、あっ……ふぁああっ、」
 加減もなく掻き毟っていれば、当然ストッキングは伝線する。どころか、布を引き裂く音と共
に、香堂の指はついにストッキングを破ってしまった。涼やかな風が股を走り抜ける。その瞬間、
確かに香堂はつぶやいていた。
「さわれる、」
 と。
「ふぁっ、ああああっ!」
 何もかも振り切るように突きこんだ指は、剥き出しの淫裂を割り開いて膣口に突き立った。奥
に潜むローターの固い感触が指先にあたる。全身を衝き抜ける快感の波に流されるままに、
香堂はそのまま、指を思い切り深くまで突き刺した。
「んぁああぁあああああ――っ!」
 視界が白濁する。七色の光が真っ白の世界を飛び交って、香堂の体をどこか知らない場所
に連れ去っていく。今まで感じたことのない、全く知らない類の絶頂だった。
「あぁ、あ、ふぁ……」
 指を抜くことも忘れて、ぐったりと弛緩する。床に頭をつけると、眼鏡が絨毯に触れてわずか
に音をたてた。
「……だ、大丈夫?」
 ―そこで、知らない声が聞こえた。
「……ふぇ……?」
 顔をあげる。知らない女生徒が、心配そうにこちらを見下ろしていた。背後には何人かの生
徒が、気遣わしげに、あるいは気味悪げに香堂を見ている。その更に後ろからは、ざわめきと
共に野次馬の集まる音が聞こえてきた。
「あ……ぇ?」
 振り返る。
 伊勢宮アリスは、どこにもいなかった。
 誰も来ないと言われていた場所は、確かに人通りは少ないがただの廊下の隅で、香堂自身
の悲鳴を聞いてだろう、多くの生徒がざわめきながら集まっていた。多数の視線に晒されなが
ら、香堂はよつんばいのまま、尻を高く掲げて上半身を地面に伏せた恥ずかしい姿勢で、自
分の指を股間に沈ませている。足元の絨毯は捩れて皺だらけになっていて、ここでさんざん悶
えたことを言外に示していた。
「な、なに、してるの……?」
 指の行き先に気がついたのか、声をかけてきた生徒が顔を赤らめてそう言った。一歩退く彼
女に合わせて、ざわめきが波のように伝播していく。
「あ……あ、ああ、ち、ちが、ちがう、違う―あぁああっ」
 あわてて起き上がるその勢いで、膣の中でローターがぐしゃりと押しつぶされる。密着した玩
具は電動式の愛撫を容赦なく香堂の体に刻み付けた。まなじりから涙を零しながら、香堂は
視線を巡らせる。少なくとも、この玩具の電波が届く範囲にはアリスがいるはずだ。
「う、うぅう……」
 羞恥心だけを頼りに、香堂はふらふらと立ち上がった。一歩進むと、人垣がざわりと割れる。
二歩進むと、誰かが香堂の足元を見て、
「なに、なんか垂れてる」

311:女学院復讐SS6 11/12
09/12/06 17:20:59 nClvIQgC
 と、そうつぶやいた。
「なにあれ、おもらし?」
「違いますよ、あれ、……その、あれじゃないですか」
「嘘、あの子、こんなところで何やってるの?」
「変態なんじゃないの」
 ぼそぼそとした囁きが一斉に沸き立つ。中には香堂を弁護するものもあったが、とても耳に
入れている余裕なんてなかった。ローターは休まず動き続け、絶頂に達して敏感になった香
堂の性感を刺激している。どこかに隠れているだろうアリスは、笑っているのだろうか。
「うう、う、うぁああ……」
 呻きながら、香堂はふらふらと廊下を、逃げるように歩いていった。ざわめきは収まらないが、
誰も追ってこない。ただ気味悪そうに、遠巻きに香堂を見つめているだけだ。
 助けてくれる人などいない。
 香堂はそのまま、人の目から隠れるように角を曲がると、一番近いトイレに駆け込んだ。気が
つけば、ローターの動きは止まっている。アリスから離れたのだろう。
「う、う、うぅ、うぁあ……」
 汗が浮き上がった手を個室の扉にかける。それを開くと同時に、
「傑作でしたよ」
 ……この数十分でいやというほど聞いた、澄んだ声が響いた。振り返れば、かすかな笑みを
浮かべて、伊勢宮アリスがトイレの入り口に立っている。
「香堂さん、きっとマゾの素質があるんですね。かわいかったです」
「い、いせ、みや……」
「さあ、それじゃあ」
 すたすたと歩いてくるアリスの腕が、香堂の肩をトイレの中に押し込んだ。同時に、また膣の
中でローターが蠢動を開始する。後ろ手にアリスが鍵を閉める音が、いやに大きく響いた。
「遊びましょう?」
 微笑は美しかった。
 まるで、悪魔のように。
■■■
 映像が終わった。
 液晶を見つめたまま、文月は小さく、しかし深い吐息を漏らした。最後にノイズになった画面
からは、悲鳴も嬌声も、もう聞こえてはこない。
「よくもまあ、大胆にやったものね」
 あれほどの人数に目撃されては、口封じなど不可能だろう。いや……文月が知らなかったの
だから、ある程度はそれも成功しているのかもしれない。野次馬の生徒全員がアリスの協力者
という可能性もあったが、さすがにそれは考えすぎだろう。
 だが、中に二、三人のサクラがいたかもしれない。
「そう……そうか……」
 伊勢宮アリスという人間を計り違えていたのかと、文月は沈思する。彼女は戦える人間では
ないと思っていた。ただ虐げられ、搾取されつづける家畜のような、餌になるべき人間だと認
識していたのだ。
 彼女は変わったのだろうか。それとも、最初から文月が間違っていたのだろうか。
「……」
 文月は沈黙したまま、指先をタッチパッドに滑らせた。マウスカーソルをふたつめのファイル
に合わせ、ダブルクリック。
 同じように再生ソフトが立ち上がるが、映像は流れなかった。シークエンスバーだけが横に伸
びている。どうやら音声のみのファイルらしい。
 数秒の雑音の後、澄んだ美しい声が、さえずるように流れ出した。

312:女学院復讐SS6 12/12
09/12/06 17:21:39 nClvIQgC
『許しません』
 まず、声はそう告げた。
『貴女がわたくしたちを許さなかったように、わたくしも貴女を許しません』
 文月はかすかに目を細めて、シークエンスバーを見つめる。どうやらほんの十数秒の音声だ。
つまりこれは、宣戦布告なのだ。
『貴女の行為が復讐ならば、これも復讐なのだと―貴女には理解できるはずです』
「わかってないな……」
 ぽつり、と思わず言葉が漏れる。自分ながら『らしくない』反応に、文月は自身の昂奮を悟っ
た。昂ぶっている。それは、知り合いのあられもない映像を見たからではない。
『貴女のいうような人間では、わたくしはない。わたくしは自分で、貴女に復讐できる』
 これが昂ぶらずにいられようか。文月はぶるりと震えて、自身の肩を抱いた。
『これは、わたくしの復讐です……!』
 言葉を最後に、再生が止まった。文月が止めたわけではない。これが収録されている音声
の全てなのだ。文月は震えながら、口元を掌で押さえて、
「くっ……あはははははっ……」
 いつかのように、笑い出した。
「そう、そうなのね、貴女、私と戦争をしようというのね……!」
 ぶるりと、また大きく震える。
 早鐘のように打つ心臓が、脊椎を駆け上る快感の予兆が、文月の興奮を押し上げる。一度
は終わったはずの楽しい遊びの時間。鎖から解放された獣が雄たけびをあげる狩りの時間。
刹那の慰めだったはずのそれを、獲物の方から望んできたのだ。
 昂ぶらずにいられようか。
 これを、喜ばずにいられようか。
「ああ、そう、そう! それならばやりましょう。見逃すなんて失礼な事を言ったわね―」
 興奮のあまり手を打ち合わせて、文月はつとめて声を抑えながら、うっすらと笑みを浮かべて
宣戦した。
「―潰してあげるわ、貴女も!」
 
 伊勢宮アリスの復讐は、こうしてはじまった。

313:名無しさん@ピンキー
09/12/06 17:25:49 nClvIQgC
以上です。今回は四ヶ月も間が空いてしまって申し訳ないです。
おそらく、あと二回か三回くらいで完結すると思います。
が、今回ほどではないと思いますが、若干時間がかかるかもしれないです…
なるべく早く書き上げたいと思うので、もう少々お待ちください。

んじゃつづき書いてくる。

314:名無しさん@ピンキー
09/12/06 23:08:08 P+k2UkaR
うわああああおかえりいいいいいいい
待ってたGJ

抜いてくる。

315:名無しさん@ピンキー
09/12/06 23:14:05 iPvZ30Gv
S女同士の対決になったって訳か
俺としては文月に勝って欲しいな

316:名無しさん@ピンキー
09/12/06 23:42:07 FEd5TGvW
最新話読んで面白かったので、最初から読んでみたがこれは何という大作。
夢中で読んでしまった。

>315
正当防衛(過剰防衛?)と言えなくもないし、俺も文月派かなぁ。

次もアリスのターンなら、蜜柑と仁和子のどっちかが狙わるのかな。
それとも文月のターンなのか、続きも楽しみだ。

317:名無しさん@ピンキー
09/12/07 02:44:29 3nDQdc2+
女学院の人の投下キターーー!
ほんと帰ってきてくれてありがとう!ありがとう!!

相変わらず程よい鬼畜っぷりがたまらんね
次回のS同士の対決(?)も期待してます

318:名無しさん@ピンキー
09/12/07 07:39:36 P/5N4iuH
きたああああああああああ!!!!!
待ってたぜえええええええええええええええ!!!!!!

しかし、なんだ
文月とアリスじゃ器が違いすぎやしないかという気もしなくもないがw
アリスがどんだけがんばるのかが楽しみだ

319:名無しさん@ピンキー
09/12/07 18:16:53 ujhglN26
うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ続きが気になるぅぅぅぅぅ

320:名無しさん@ピンキー
09/12/07 19:30:03 JpUE2TMY
戻ってきてくれて、嬉しいです!
続き楽しみに待っています。

321:名無しさん@ピンキー
09/12/07 20:38:13 XHqNBKb1
>>318
文月は残酷であるだけでなく非情さも相当なもんだからねぇ
アリスなりに色々策を練るだろうが返り討ちにされて自殺ものの恥辱を受けそう

322:名無しさん@ピンキー
09/12/07 21:23:53 XHUdodEB
アリス…
人の痛みが分かる子だったのに…

323:名無しさん@ピンキー
09/12/07 22:43:19 vec4vxGt
次回から最終回まで文月無双ですねわかります

324:名無しさん@ピンキー
09/12/07 23:10:20 qa58CpUl
おお、ついに続きが!

325:名無しさん@ピンキー
09/12/09 09:42:44 kkgXteeC
>>322
幸崎幸と一緒に文月を陵辱しまくってたがなww

326:名無しさん@ピンキー
09/12/09 10:04:49 A65Lr86a
ポップスベストテンデビュー

327:名無しさん@ピンキー
09/12/09 14:25:28 GDCAShnR
保守

328:名無しさん@ピンキー
09/12/09 14:33:49 c8t9z1K3
初めてこのスレを開いたけど
ふおおおぉぉぉぉっ!!!

329:名無しさん@ピンキー
09/12/09 15:42:30 q9VSR6oY
いつのまにかきてたあああああああああああああああ
アリスいい!敬語責めかわいい!

330:名無しさん@ピンキー
09/12/09 15:52:06 tBRoJvtt
相変わらずのクオリティ、GJ!待った甲斐があった。

331:名無しさん@ピンキー
09/12/09 16:08:40 04i7YX/e
お互い復讐にかける気持ちが真逆なんだな。
文月が折れるとは思えんが、アリスがどこまでいじめぬけるか楽しみだ。超GJ!

332:名無しさん@ピンキー
09/12/10 15:25:57 KDuEp9Hc
やられた事をやり返してるだけの文月か
やられて自業自得ざまぁのアリスか。

どちらに軍配が上がるのだろうか・・・。

333:名無しさん@ピンキー
09/12/10 23:19:42 sSLm+HTC
アリスかわいいな
いじめる側もいじめられる側も見てみたい

334:名無しさん@ピンキー
09/12/17 01:25:53 6s3ImE/D
すげえええ!!作者さんgjすぎる!!
これは保守せざるを得ない

335:名無しさん@ピンキー
09/12/21 15:04:49 xp6DEmTz
保守

336:名無しさん@ピンキー
09/12/22 11:28:39 h+0bsd43
保守

337:名無しさん@ピンキー
09/12/22 16:52:42 G6pU2AQb
今読んだ。職人さん凄いですな
いたぶられながらも矜持を失わない月小路は魅力的
というかやられる前に挿入されるいじめっ子たちの生い立ちが彼女たちの人物像に厚みを持たせていていい

相手に取り返しのつかない傷を与えないよう、自分たちなりのルールを守っていたいじめっ子たちと
仲間(というより手下)さえも欺き、双方に回復不可能な痛手を負わせる文月
はたしてどちらに義があるのか…
続きがすごく気になります

338:名無しさん@ピンキー
09/12/22 23:02:59 Qr7Yj5sm
まだまだ感想募集期間は続くよ(笑)

339:名無しさん@ピンキー
09/12/23 03:31:21 sjF7LWgx
2chのエロ小説と言えども、単にスレごとの趣向に合わせて
女がアハンアハン言ってるだけではダメなんだよね

小説である以上読ませる文章でないとダメで、
でも気負いすぎの過剰装飾な文章だったり
エロ以外の枝葉を無駄に広げすぎても当然ダメで、
その辺がこの作者さんはうまいなあ

340:名無しさん@ピンキー
09/12/23 08:56:25 CF6CcbEy
そうだね

昔は文章の素人がエロリビドーに任せて書いてた作品がほとんどだった

最近はネットによるエロ創作とその共有が普通になってきて
こういう創作が特殊なことでなくなってきたせいか
文章書ける人が多くなってきたのは実感するね

そのかわり今度は読ませる文章やしっかりした構成になってれば
肝心のエロ要素置いてきぼりで文章部分に夢中だったり
扱いきれない話を広げてエロにたどり着けないまま立ち消えるのを
よく見かけるようになった

その点でもこの作者さんはうまいな
内容もしっかりしていて文量もあるのに
エロだけに注目してもおろそかになってる間延びがないし
ストーリー展開だけに注目しても停滞や退屈がない

341:名無しさん@ピンキー
09/12/26 10:26:49 HhpjmZZE
言いたい事は勿論分かるんだが
そんな感想の書き方したら初投稿しようとしてるかもしれない人達が
躊躇して投稿止めるかもしれない

342:名無しさん@ピンキー
09/12/26 11:40:37 CvXJWpUV
まあ今は>>313へのGJキャンペーン中ですから

書きたい新人は気になるなら時期を選ぶか他で書くかすりゃいい

343:名無しさん@ピンキー
09/12/26 15:23:50 xIuKPtpu
女学院の人でみんな満足してるのかもしれんが、ここ基本的には超過疎だからな。
あんま書き手を遠ざけるような物言いは控えたほうがいいとは思う。

>>313でも間があくって言ってるし、書き手さんは小ネタとかでも遠慮なく投下したらいいんじゃないかな。
誰か投下すれば、気安く投下できるようになるだろうし。

344:名無しさん@ピンキー
10/01/09 23:36:27 uF9kwp2d


345:名無しさん@ピンキー
10/01/12 16:55:18 DDkODMoA
ところでアリスがいじめられてる描写ってどっかにあったか?
別スレ探せば見つかる?
何もされてないのに私はひどい仕打ちを受けたのだって騒いでる
あほな女にしか見えん、文月よ、いいぞ、もっとやれ。

346:名無しさん@ピンキー
10/01/12 20:51:22 baDRNHNt
>>345
無い。
つまり主要キャラの中ではまだ誰にもイヤラシイことをされていないわけで、
ということはこの先の役割は・・・
やっぱり文月がんばれ、ですねw

347:名無しさん@ピンキー
10/01/12 22:18:00 MU2eRqO4
レズ

348:名無しさん@ピンキー
10/01/12 22:43:51 jxyE4SlY
文月にぐちゃぐちゃにされるアリス期待。

349:名無しさん@ピンキー
10/01/13 01:20:24 3KVAcWrX
文月の編入前:アリスは幸崎と月小路にいじめられてた
文月の編入後:幸崎と月小路は遊びで、アリスに文月をいじめさせる
って感じで、アリスは元いじめられっ子じゃなかったっけ。

350:名無しさん@ピンキー
10/01/14 16:12:06 YnA6gAmO
ここのメイン作者様の素晴らしい文章、読ませる力のある言葉の並び…
正直、このようなハイレベルなSSがあると自分のSSを書き込むのが
恥ずかしくなってしまうのですが、それっぽいものを書いてみたいと思います!
このレベルの差を直に感じるのも勉強だと思ったので!


351:名無しさん@ピンキー
10/01/14 16:12:55 YnA6gAmO
誰しもがそう思うだろう。
弱い者の上に強い者は立つ。
弱い人間がいるから強い人間はその立場を利用する。

なら、弱いモノがいなければ、力を持つ人間はどうなるのだろう…?

私はどちらでもない。

ただ、ほんの少し他の人間より強いだけの、ただの傍観者だ。
いつだってそう…

なまじ道場に通っていたせいか、ケンカ等の暴力沙汰にはあまり手を焼いたことが無い。
だからといって、トラブルに巻き込まれるのは真っ平ごめん、それが私の性分だ。


そう、つまり今のこの状況も私にとっては、何の変哲も無い日常でのワンシーンとして平然とただその上を歩いていけばいい。
誰しもがそう願うだろう。
私は弱者でも強者でもないのだから…




ゴボゴボゴボッ…便座横のレバーをクイッと持ち上げ、勢いよく水が流れていく。

この学校のトイレも近いうちセンサーになるのだろうか、いやならないだろうな。

個室を出て、蛇口をひねり手を濯ぎながら彼女はそんな事を考えていた。
ティッシュやハンカチなどを常備する習慣の無い彼女は、濡れた手をピッピッと数回払ってトイレを後にしようとする。
さも日常的な光景ではないか。

しかし、それが彼女だけの(あるいは彼女にだけ許された)日常なのは、いかんともし難いと言える。
何故なら今この空間で行われている行為は“異質”そのものだからだ。

3人、いや4人か…数名の女生徒と、その向こうには裸にされお世辞にも清潔とは言えないこの学校のトイレの床で突っ伏している女の子。
恐らくはイジメの類で、そのリンチの真っ最中といった感じだ。
幾人かは煙をくゆらせ、甘いメンソール臭が漂っている。

最もこの状況、彼女がトイレで用を足す前から行われていたものだ。
そして今何食わぬ顔でここを後にしようとしている。
果たしてここでの“異質”とは彼女の方を指して言うのかもしれない。

352:名無しさん@ピンキー
10/01/14 16:14:42 YnA6gAmO
「ちょっと待ちなよ…」

ドスを聞かせて一人の女が彼女を呼び止める。
「アンタ、このまま出て行く気?」

「あっ…ゴメン、お取り込み中だったみたいね。でもさぁ、漏れそうだったから」

もう半分以上ドアを開けて出て行こうとする彼女に、なおも女は食い下がる。
「ちょちょちょ、まあ待ちなって。ねぇ、わかるでしょフツー?ん?これからどうなるか…」

「もうメンドーだからコイツも一緒にやっちゃう?」
「あっ、アタシ生のレズ絡みとか見てみたいかも!」

何故か後ろの方が盛り上がってきていた。
相変わらず全裸の女の子はぐったりと、無防備に体を床に預けていた。

いいねぇー、いいねぇーと声が大きくなっていく女達に彼女は若干の苛立ちを覚えた。
そして、いよいよ腕を捕まれそうになった時、彼女は威圧感を顔に滲ませた。

「やめといたら?」

それは、彼女が発しようと思った言葉だった。

ギィイイイという個室の扉が開く音に、ゴポゴポッという水の流れる音…。
一番奥の個室からもう一人の女生徒が出てきた。
そして、彼女の傍まで歩み寄って来ると、手を洗い始めた。

「ねぇ、ハンカチ…持ってない?ティッシュでもいいけど…」

そう言って、彼女の手がまだ乾いてないのに気付き「あ、やっぱりいい」と、奥に向かっていく。

「アンタ、持ってなかったっけ?」

全裸で横たわる女の子の前で屈みながら、その女は聞いた。

目は虚ろで、けれども怯えた表情で女の子はコクンと頷いた。
その怯え方は他とは違う様子にも感じられた。

「ある?そお……って、そういやこの子の服どうしたっけ?」
その女は周りにいた女達に聞いたが、思い出したかのように
「あっ、そっか。捨てたんだっけ、ははは。ゴメンゴメン!それじゃあ無理か」
と苦笑交じり、立ち上がった。

「そうだ、こんな時の為に一枚残しといたんだ!」
シュルル…とポケットから布のようなものを取り出す。
淡いピンクのハンカチサイズの布だ。
それが何であるかわかった女の子は「や、やぁああ!!」と泣き出し、取り返そうとするが、周りの女二人に手足を押さえられバタバタをもがく事しか出来なかった。

そして、いざそれで手を拭こうとした時、
「あ~…でも、やっぱこれで拭いちゃうと余計汚くなっちゃうか…」

その言葉に周りは大ウケし、言った本人も笑いを堪え引きつった顔になっていた。
「コレ、いらないから、返すわ。」

353:名無しさん@ピンキー
10/01/14 16:15:40 YnA6gAmO
クルクルと団子状に布を丸めはじめ、「心配いらないわよ、ちゃんと元の場所に返すから」と言って、女の子の股間に丸まった布を押し当てた。

ズズ…ズ…ズリュ、布は彼女の性器の中に少しずつ埋もれていき、そして全て入り切った所で押し込めていた人差し指の力を抜いた。


「さっ、行こ!この子もう飽きたし…いいわ、いらない」

クルッと振り返り、トイレの出口に向かって歩き始める。
女の子を離し、他の女達もそれについて行くように次々とトイレを後にする。

すれ違いざま、その一部始終を見ていた彼女に対し、その女はこう言った。

「貴女とはやり合わないわ、割に合わないもの。ただ、弱い者を自分の物にする感覚はたまんないわよ。
 誰かの上に立つってのは、選ばれたものの特権…いえ、使命にも近いわね。
 そして、そうされるのがあの子の宿命なのよ、わかる?」

「………」

目と目が合う、視線と視線が交差する。


「まっ、好きなようにすれば?中古でよければ、だけど。
 ちゃんと躾はしてるから扱いやすい筈よ。水島 叶絵さん…」


ドアは閉まりかけていた。
彼女…叶絵は手を振ってじゃあね~、というジェスチャーで笑って去っていくその女を知っていた。
そう、最初から。

「……緑川 夢子」

叶絵にとって最も苦手な女。
賢く計算高く、残酷で陰湿な、女のドス黒い部分を全て最大値まで高めたような女だ。
叶絵としても、あんなのとは関わりたくも無い…が、

『使命』

という言葉が、彼女の中の“何か”をゆっくりと動かし始めていた。


354:名無しさん@ピンキー
10/01/14 16:16:10 YnA6gAmO
放心状態でその無残な恥体を晒す女の子。
女性器から少し顔を覗かせているピンクの布は恐らく彼女のショーツだろう…。

叶絵は女の子を見下ろすように立ち、かすかにうめき声を上げるその様を見やると、やおら下腹部辺りに手をやって、少し濡れそぼった小陰唇を押し分け、人差し指と親指でその布切れ掴むと、ゆっくりと引き摺り出し始めた。
徐々に布が出てくる、その直径がおよそ最大に達したとき、女の子は裸体を一瞬のけぞらせ、「ひぐっ!」とくぐもった声を出した。
布が全部出るころ、指には透明色の粘液がいやらしく糸を引いているのがわかった。

「…っう…ぅぅ…」

同性に全てを見られた恥ずかしさか、はたまた初めて会った人間にここまでされた恥ずかしさからか、女の子はプルプルと体を震わせ、声を押し殺して泣いていた。


叶絵にとってはどうでもいい世界だった。
『強い人間が弱い人間を支配する』
そんな事は自分には関心の無い世界の出来事だった。

けれど、今この状況が…ただのワンシーンに過ぎなかった日常が、大きく変わって見え始めていた。



「ねぇ、アンタ…名前は?」

「…え?」

「教えてくれない?名前…」

泣いてる女の子の髪を撫で、叶絵はやさしく聞いた。


「…の……み…」

「ん?」

「く、黒岩 希望…です」

女の子は伏せ目がちに、けれど少し叶絵の表情を伺うかのように呟いた。


「ノゾミかぁ…希望…、うん、気に入った!」

ポンッと頭を叩くと、叶絵ははにかむ笑顔でこう言った。

「じゃ、今日からアンタは私のもの!玩具にする!それでいい?!」


希望の顔からは一切の笑みは見て取れない。
やっと鳥かごから抜け出せた小鳥は、すぐにまた別の鳥かごへと閉じ込められたのだから。


この日から、希望にとっての非日常は、更に過酷なものになっていくことになるのだが…
それはまた、別のお話。

355:名無しさん@ピンキー
10/01/14 16:36:44 xOHd0Ulf
期待しちゃうぞー

356:名無しさん@ピンキー
10/01/14 17:26:40 KQHOCSKz
>>350
蝶乙。
膣にショーツ突っ込むのいいね。


357:名無しさん@ピンキー
10/01/15 17:27:59 UHgjTev7
いいじゃまいか

358:名無しさん@ピンキー
10/01/16 02:25:07 P2gofscD
つづきが気になる

359:名無しさん@ピンキー
10/01/16 02:52:25 U1oQN5fW
願望系の名前なのね

たまえはいないのかな

360:名無しさん@ピンキー
10/01/16 10:20:01 9o9YK967
のぞっみー!かなえたまえ!
すべってー!燃えてしまえ!

361:名無しさん@ピンキー
10/01/16 23:35:57 Xo9i9SM1
続きがこないというのも、ひとつのいじめですか

362:名無しさん@ピンキー
10/01/16 23:52:58 9o9YK967
>>361は女じゃないだろ

363:350
10/01/17 00:05:05 DI1MGZP2
続き、書きました。

書きました…が、エロパートを全く入れられませんでした!
ごめんなさい!!
ここは大人の為の掲示板です。
エロが無いとは全く持って度し難い!!

けれど、この次はもうビックリする位エロくするつもりなんですッ!
それを考慮して、エロ無しのSSをここに上げてもいいでしょうか?
駄目でしょうか…駄目ですよね、やっぱり…

364:名無しさん@ピンキー
10/01/17 01:03:16 XgJqV9IA
>>363
はやく つづき クレ

365:名無しさん@ピンキー
10/01/17 01:21:19 edvYXd8l
>>363
誘い受けなんて要らないッ!
早く投下するんだッ!!

366:名無しさん@ピンキー
10/01/17 02:00:35 IptEs5d0
>>363
それ相応にちゃんと叩くなり褒めるなりしたげるから
そういうリアクション乞食みたいな真似はやめよう

367:名無しさん@ピンキー
10/01/17 02:59:08 UXsAhlLJ
もうプレイは始まっているのか……

368:名無しさん@ピンキー
10/01/17 16:04:00 wErCVBid
斬新だなw

369:名無しさん@ピンキー
10/01/17 21:22:54 pFpn+RNV
367「はやく…はやくッ…!」
350「…何? ちゃんと言ってごらん?」

370:名無しさん@ピンキー
10/01/17 22:06:42 I1JlKHlu
>>1へもどる

371:名無しさん@ピンキー
10/01/17 22:33:54 XgJqV9IA
誘い受けして放置とか・・・ウザ過ぎ
>>350はもう書かなくても良いよ

372:名無しさん@ピンキー
10/01/17 22:59:37 IptEs5d0
単に初心者なだけじゃね?

何の気なしに誘い受けしてみて
こんなに叩かれることを知らず
びっくりして怖気づいたとか

373:名無しさん@ピンキー
10/01/18 02:50:54 tgJ9ljWo
>>363
エロパートまで書きあがったらまとめて投下してくれると嬉しいです

374:名無しさん@ピンキー
10/01/18 09:14:12 3EMuTnFg
>>351
こういうのは俺好きかな…典型的な過激いじめだけどそれがいい


375:350
10/01/19 08:19:15 X7+m3cPJ
ホント申し訳ないです!
やっぱりエロいのがないと駄目なような気がして、
書いても書いてもなかなかその部分までいけず、そうしてやっとイジメが始まりそうになってきました。
と言ってもまだぜんぜんヌルイですが。

366お姉様、371お姉様
ごめんなさい…とにかく全力で書きました。
もうあまり下手なことは書き込まないよう注意します。
なので、もう一度だけチャンスを下さい。

前半は本当フツーです。
けど、こういう描写が後々になって利いてくると思っています。
それでは。

376:350
10/01/19 08:20:19 X7+m3cPJ

なんで、泣いてるの?


私は彼女にそう聞かざるを得なかった。

彼女は泣き腫らした目をこちらに向け、そして一回だけズズッと鼻をすすると、
「飼ってたね、ペットが死んじゃったの」
そう言って、少し恥ずかしそうに涙を拭った。

私はその時、夕暮れに染まる彼女の横顔が、

とても美しく見えた…




あの日から、一週間が過ぎた。
希望の学校での生活は今までとは明らかに変わっていた。
誰も彼女を相手にしてこない…
教室で一人、誰からも相手にされず一日を過ごしている。
以前と違う点は、そう誰も彼女に“何もしてこない”という点だ。


本当に…

本当に彼女は私を解放したのだろうか…?
解放されたからといって、次の第二、第三のグループにまた目を付けられ、結局はまたいつも通りになってしまう筈なのに…

そうならないのは、恐らくもう一人彼女のお陰なのだろうか…?

彼女は私に何もしてこない。

殴ることも蹴ることも裸にすることも。

壊れかけていた私の心は、苦痛に対する抗体がある程度構築され、
ただ次に何をされるのかという恐怖心だけが常にあった。

私は彼女に救われたのだろうか…?

願わくばこの幸せが偽りでは無い事を、今は信じたい。


377:350
10/01/19 08:24:39 X7+m3cPJ


「希望!」

昼休み、購買部の前でパンとジュースの入った袋を片手に彼女が手を振っていた。

「み、水島…さん」
名前を呼ばれたその女の子は、控え目に少し照れた表情で返事をした。


これが二人の日課だった。

「お昼、一緒に食べよ!」
そう最初に言ってきたのは彼女だった。
それが私に彼女が要求してきた事。
ただそれだけ…。


「あっ、買わなくていいよ。ちゃんとアンタの分も買ってあるからさ!」

「えっ?」

彼女は希望の持っていたパンを掴み取ると、そのままもとの場所へと戻した。
そして、今度はキョトンとしている希望の腕を掴むと、
「屋上、行こっ!」
と、人で溢れ返った購買部前の廊下を力任せに引っ張って歩き始めた。

階段をズンズン登っていく。
もうとっくに人ごみを離れ、十分一人でも歩ける状況だった。
それでも、希望の腕は彼女に掴まれたままで、ときどき「ぁの…」と呟いてみたりもするが、
彼女はお構いなしに先に進んでいく。
希望は恥ずかしさもあったが、どこか嬉しくも感じていた。


あれは彼女と出会って二日目のことだった…。

今のように腕を引っ張られ階段を登っている最中、希望のクラスの数名の女子とすれ違った。
「あれ、希望じゃん?アンタ何してんの?」
そう言って薄笑みを浮かべる。

「アンタさぁ~、夢子が捨てたって言ってたけどホント?」
クスクスと笑い声混じりに聞かれる。
「次、アタシらがオモチャにするから、ソレこっちに渡してくんない?」
私の腕を握っていた彼女に向かってそう投げかける。希望はただ下を俯く事しか出来なかった。
肩が震え、動悸が激しくなる。

私にはやっぱり普通の日常はやってこない…


378:350
10/01/19 08:25:23 X7+m3cPJ

「何訳の分かんないこと言ってんの?」

彼女はそう言った。
掴んだ腕をグイッと引き、希望の体を自分の後ろに置き、まるで守るかのようにして。

「悪いけど、この子は私のもんだから。そこ、どいて…。」


水島 叶絵はそう言った。

その迫力に気圧された数名の女子は先程の笑みを失い、一人また一人と道を開けた。
この学校で叶絵に敵う者はいない。
ましてや女の力では10人やそこらではまるで相手にならない。
夢子のグループが一つの巨大な勢力だとしたら、叶絵もまた唯一人でその力と張り合える程の力の持ち主だった。

「…っち!!」
二人が過ぎ去った階段で、その女は悔しそうに舌打ちする。
「卑怯者!アンタは何もしないだけのただの傍観者だろ!!」
希望は後ろを向きチラッと一瞥する。
「今更になって、遅いのよ!今まで誰も…助けなかったクセに!!」

叶絵が後ろを振り向くことは無かった。
ただ、掴まれた腕が少し痛くなっている事に希望は気付いたいたが、彼女は何も言えなかった。

何故だろう…あの時、彼女を少し怖いと思ってしまったのは…
それが、希望にとって拭いきれない不安感を今尚抱かせている。




ギィイイ…ガチャン!


屋上の扉が開く。
外は晴天、少し肌寒さもあるが、とてもいい天気だ。

ここで二人はいつもパンを食べる。
その間会話は…弾んでいるとは言い難い、が穏やかな時間だった。
終始叶絵のペースで話は進んでいく。
今日の授業のこと、テストのこと、家でのこと…

彼女はクリームパンが好きなようだ。
必ず一つは入ってある。
こう毎日会っていると、流石に少しずつだが彼女のことが見えてくる。


379:350
10/01/19 08:25:53 X7+m3cPJ
かじった拍子に飛び出したクリームが口の端を汚し「あちゃ~」と叶絵は照れてみせる。
それを見て思わず希望の顔にも笑みが零れた。
「な、なによ~…たまにはこういう事だってあるの!」
空いた方の手の指でクリームを掬い取り、その指を舐めながら叶絵は言う。
やっぱりまだ恥ずかしそうだった。

希望は今のこの瞬間が幸せで、何かが込み上げてくるような、そんな…
それが叶絵によってもたらされている事がたまらなく嬉しかった。


パンを食べ終わり、いよいよ昼休みも終わろうとしていた。
二人が無言になった時、どちらともなく立ち上がり、教室へと戻ろうとする。

そんな時、叶絵が扉を開けようとした時だった。

「なんで…」

希望は俯いていた。強く握り締められた拳は僅かだが震えている。
叶絵は、えっ?と掴んでいた扉のノブから手を放した。


「なんで…私を、その……」

沈黙があった。

希望はそこから先を言い出せず俯いたままで、今にも泣き出しそうになってしまう。
叶絵はそんな希望にこう呟く。
「なんで助けたのかって…?」

屋上に吹く風はまだ寒さを帯びている。
ビュウッと吹いた少し強めの風は冷たく、その寒さに体を強張らせ、希望の髪がなびく。
風になびいた髪の毛に自分とは別の、温かみ帯びたその手がそっと置かれる。
叶絵は希望の目をじっと見つめていた。

「似てたから…かな」

「え?」
誰に…と続こうとする希望の言葉を、叶絵の言葉が遮る。

「妹に…」

今度はより一層強い風が吹く。
そのせいか乱れた髪は叶絵の顔を覆い、その表情は読み取れない。
けれど、口元を見るに叶絵が笑顔でいてくれている事に希望は安堵した。

やがて風はおさまり、希望は思わずハッとした。

叶絵の顔が目に映る。
その笑顔が、彼女を彷彿とさせたからだ。
綺麗で、そして儚いその笑顔はまるで…あの時の彼女そのものだった…。


380:350
10/01/19 08:26:31 X7+m3cPJ



「なんで、泣いてるの?」


放課後、誰もいない教室に一人佇む彼女に希望は声を掛けずにはいられなかった。
彼女は希望に背を向けたまま、ただ黙って泣いていた。
ゆっくりとその背中に近づいていき、そっと肩に手を乗せる。
震えているのが分かる。
そして、彼女は遂にこちらに目を向けると、赤くなった鼻をズズッと一度すすると、
「飼ってたね、ペットが…死んじゃったの」
と言った。

知らない子だった。
だが、希望は涙を拭う彼女のその悲しい眼差しに引き込まれるように、ぎゅうっと体を抱きしめた。
すると、彼女は見ず知らずのはずなのに優しく笑顔で腕を希望の体にも回してきた。
その時見た彼女の笑顔は今でも忘れられなかった。

「貴女は私の事、嫌いにならない?」

何故そんな事を聞いてきたのか、初めて会った人間に彼女は甘えるように聞いてきた。
「…うん」
そう答えると、泣き腫らした彼女の目から再度、大粒の涙が零れはじめた。

それが、私と彼女…


緑川 夢子との最初の出会いだった。

381:350
10/01/19 08:27:31 X7+m3cPJ

一枚の写真がある。

小学生くらいの女の子が3人―
両端の二人は仲が悪いのだろうか、お互い目も合わせずにムスッとしている。
その二人の仲を取り持つように、真ん中の女の子は満面の笑みをこちらに向けピースをしている写真だ。

彼女はその二人の女の子に確かな面影を見た。

水島 叶絵

緑川 夢子

まるで二人をそのまま小さくしたような…それがとても可愛らしく思えた。

けど、真ん中にいるこの子は一体…?





希望と夢子はすぐに仲良しになった。
それもその筈。
夢子は何時、何処にいても希望を見つけると飛んできて一緒に行動を共にしてくれた。
希望も別段悪い気はしなかった。
一緒にいて楽しいし、何より彼女は親切で優しかった。

顔立ちもよく、男子はおろか女子からの人気も高い。成績の方も自分とは比べ物にならなかった。
そんな彼女を妬ましいと思うどころか、憧れの対象として見てしまっていた自分がいることに気付いた時、
希望はこの関係がいつまでも続くことを強く願った。


382:350
10/01/19 08:28:23 X7+m3cPJ
休み時間。

希望は借りていた本を夢子に返しに行こうと席を立った。
彼女のクラスは3つ隣だ。
本を片手に廊下を歩いていると、丁度夢子の姿が見えた。

「夢子ちゃ…っ」

声を掛けようとした時、思わず希望は伸ばした腕を引っ込め、廊下にある柱に身を隠した。

「えっ…あれって…?」

夢子は自分のクラスの一つ隣の…そこは問題児揃いの不良グループの多いクラスの前で誰かと喋っていた。
話していた相手はいかにも、な人物である事は希望にも見て取れた。
4,5人に囲まれた中心に夢子がいる。そのいつもと違う目つきに一瞬だがゾクッとした。
顔付きこそ違えど、笑顔で話している事に希望は一抹の不安を抱いた。

結局…本は返せなかった。




「夢子ちゃん、コレ…借りてた本。ありがとう」

放課後になって、希望は帰り支度をしていた夢子の机の前でそう言った。
教室に残った人間の数はまばらで、皆早々にして教室を後にする。
格言う夢子も、机の横に下げてあるリュックのカバンを椅子から半身になって取ろうとしていた。

「ん?ああっ、もう読んだの。早いね」

渡された本を、都合上膝の上まで抱え込んでいたカバンの中に仕舞い込むと、
夢子は椅子から立ち上がり、カバンを背中に回すと希望の手を取って歩き出す。
「帰ろっか」

「う、うん…」
何か言いたげな、そんな表情だった。が、夢子は気にも留めずうっすらと笑みを浮かべるだけだった。


トボトボと学校からの帰り道を歩く。
この日は何故か、夢子は無言だった。
話を切り出してくるのはいつも彼女の方から…
必然、二人に会話は無い。

十字路のカーブミラーが湾曲した二人の距離感を写し出す。

383:350
10/01/19 08:28:53 X7+m3cPJ
「……っ」
希望は思い切って、今日のあの事を彼女に聞こうと、口を開き「あのっ」と言い出そうとした時、

「希望…今日なんで、隠れたの?」
かき消された希望の質問が、質問で逆に返って来る。

「え、あ……っ気付いてた、の?」

沈黙。

夢子は答えない。代わりに希望はさっきしようとした質問を口に出す。

「夢子ちゃん…っ…夢子ちゃんがみんなと仲が良いのは知ってるけど、
 あの人たち、その…あれ…だよね?」

何故か彼女の機嫌を伺うようにして、言葉を選ぶように聞いてしまった。

「…ああ、あの子達?まぁ、評判は良くないよね、そんなに」

その答えを聞くに、やはり少なからず交流があるみたいだった。
前を歩く彼女の歩幅と、自分の歩幅が僅かに開き始める。それも無意識の内だろうか…?

何も言えず、俯き加減で歩いている希望は、急に立ち止った夢子の背中にトンッと頭からぶつかってしまった。
「ふぁ!?ごめんなさいっ」

夢子はやおら振り向くと、

「ねぇ…今日、私ん家…来ない?」

あの時の目つきがそこにはあった。
逆らうことを許さない、絶対的支配の目。
口元を見やるにその笑顔こそ、いつもと同じ風だったが、明らかに普段のものとは違う。
果たして彼女は、私が知っている緑川 夢子、その人なのだろうか?


ポツと一滴、雨粒が彼女の額に落ちる。
見上げると、曇り空がうねりを上げ、シトシトとぱらつき始めた。

「わっ!ヤバ!?降り始めたっ、希望早く!ウチここからすぐだから!!」

目の錯覚なのでは?と思ってしまう位に、意外なほどそこにはいつもの彼女がいた。

「う、うん!わかった!」

それを聞くと彼女はニコッとした表情で「さっ行こ!」と手を引っ張り走り出した。


384:350
10/01/19 08:29:31 X7+m3cPJ



―ザアアアアアアア


雨脚は一層強くなってくる。

しばらく止みそうにないね、と彼女は暖かいコーヒーを二つ持って部屋に入ってくる。
ハンカチで腕や髪を拭いていた希望に、少し大きめのハンドタオルをふさぁっと頭に被せ、
「風邪引いちゃうよ、そんなんじゃ」
と、夢子は苦笑する。

「ありが…とう」
希望は照れ笑いしてコーヒーに手をつける。

ついでに着替えたのだろう、夢子は私服姿だった。
普段制服を着ている彼女しか見たことのない希望にとって、それはとても新鮮だった。
Tシャツ袖から伸びる細い腕や、ホットパンツ越しの腰からお尻にかけてのくびれ、
色白な彼女の肌は女の自分から見てもとても美しく思えた。

「何呆けてんのよ、コーヒー冷めちゃうでしょ、ホラ」

「あっごめんなさい…」
慌ててズズッと差し出されたコーヒーを啜った。

一息つくと、改めて自分が今夢子の部屋にいる事を実感する。
小物やインテリの類はそれ程だが、シンプルな感じの中にけれども女の子らしさを醸し出す、そんな部屋だった。
ベッドに置いてある子豚や河童のヌイグルミが妙に彼女とのギャップを生んだが、
それはそれで自分との距離が少し縮まった感じがして微笑ましく思えた。



「希望は、自分の事どう思ってるの?」

コーヒーをほぼ飲み終え、まったりとした時間がこの部屋の空間を包み込み始めた時のことだった。

「え?どうって…?」

「女って人に見られて綺麗になるもんでしょ?だから、希望も周りから可愛いとかって思われたい?」
彼女なりの見解だが、一理あった。
けれど、自分にとってそれはまるで夢物語の世界だとも同時に思った。

「…えへへ…私ってその、あんまり可愛いとか、そんなのじゃないから…
 髪も伸ばしても似合わないからこんな中途半端だし…それに…」

「それに?」

言葉に詰まる。
自分は彼女ほど努力を重ねたこともなければ、誰かからの好意の対象になれる自信もなかった。
それに…何より彼女を目の前にしてそんな事を言うのが恥ずかしかった。

385:350
10/01/19 08:41:57 X7+m3cPJ
「…えっと…」

自分より数段格上の同性を目の前にして、この質問は少し酷だった。
何を答えようとも、何処かしら自分が惨めになってしまうような気がして…。


「わかってないなぁ、希望は」

「…え?」

「私はすごく可愛いと思ってるよ、希望のこと。特に…」

何かを言いかけて、彼女はサッと口を閉じた。
だが、希望にとってはその時は別に気にも留めない出来事だった。

「…優しいね!夢子ちゃんはっ」
私みたいな何の取柄もない目立たない人間にもそう言ってくれて。
希望は彼女の言葉が社交辞令的なものだろう、とそう思い込んでいた。




どれくらい時間がたっただろうか…?

以前雨は激しさを失わず、それに伴って吹く強風はガタガタと窓を揺らす。

そんな中ふと、希望は本棚に置かれた写真立てに目がいった。

「あれ?この写真に写ってるの…夢子ちゃん?」
希望は立ち上がり、間近でじっとその一枚の写真を見つめた。

そこには3人の小学生くらいの女の子が並んで写っていた。
その写真に写る夢子の表情は険しかった。
ムスッとしていて、全く正面を向いていない。明らかに嫌そうで、誰かに敵意を丸出しにしていた。
それが誰なのかは彼女の反対側に位置する、もう一人の女の子なのは明白だった。
この子も同じようにしてツンッとそっぽを向いている。

何故このような写真をわざわざ飾るのだろうか?
自分だったらまず見える所には置かないだろう。
希望は不思議そうに眉をひそめた。

「それが、一番楽しそうに笑ってたのよ…」

ドキッとする。
後ろに立っていた夢子は、自分の考えていた事を悟ったかのように呟いた。

「笑ってる…って?」

視線を写真に落とす。
確かにそこには最後の一人、真ん中に立っていた女の子がとっても嬉しそうな笑顔をこちらに向けている。

「この子…誰かに似てるような…」
その疑問は夢子の反対の女の子を見るとすぐに解けた。
表情こそ対照ではあるものの、目元や口元がそっくりではないか。
双子…?


386:350
10/01/19 08:42:37 X7+m3cPJ

「希望」

そんな思慮を巡らせていた時、突然自分の名前を呼ばれてビクッとした。

「え、な何?夢子ちゃん」

彼女は突如、腕を回して希望に抱きついてきた。

「ごめんね、希望…私、これでもちゃんと我慢したんだよ?」
耳元でそんな言葉を囁かれ、突然のことに希望はパニックに陥っていた。

「何言ってるの?ねぇ!!どうしたの?!」

「希望…もし、さっき飲んだコーヒーに睡眠薬が入ってたら…眠ったアンタに私何すると思う?」
声のトーンが普段より低い、それでいてどこか艶めいた喋り方をする夢子。
違う!こんなの夢子じゃない!!

「なっ!?離して!!」

ドンッ!!

急に恐ろしくなった希望は、彼女の体を突き飛ばし、慌てて部屋を出ようとする。
「わ、私帰るね!夢子ちゃんっ」


「帰るって…外、雨だよ?」


ザアアアアアアという雨音が静寂を打ち消すかのように轟く。
それでも尚、希望は一刻も早くこの部屋を出たいという一心で、カバンを手にドアノブを掴む。
が、開かない。

「あれ?!」
内側の鍵が掛かっていた。
ノブにあるツマミを反転させるタイプだから簡単に開けられる。
しかし、それに手間取った一瞬の隙が希望を奈落へと突き落とした。

ガツン!!

鈍い音がする。と同時に、何かが割れて弾ける音が続く。

「いっ!!?」
希望の後頭部を激しい痛みが襲う。
思わずその場に倒れ込むと、希望はドアにもたれかけ、後ろを向くと―


そこには、割れて跡形もなくなったマグカップの取っ手だけを右手に夢子が立っていた。

「あ~あ…このカップ、結構お気に入りだったのになぁ…」
飛び散った破片と一緒にその取っ手もぽいっと放ると、しゃがんで希望の顔を覗きこんできた。
「あっ、血ぃ出ちゃったね。痛い?」

希望はズキズキと痛む部分に恐る恐る触れてみると、その手は真っ赤に染まっていた…。
「い、いやぁああああ!!!」
こめかみを流れる血が、頬を伝っていくのが分かる。
ぬるりとした感触。
痛みと困惑の中、体は言う事を聞かない。
それでも、逃げなきゃ!という思いで彼女の頭はいっぱいだった。


387:350
10/01/19 08:43:09 X7+m3cPJ
「そんなに怯えないでよ、かすり傷よ。ちょっと切っただけ、見せて…」

「いやっ!来ないで!!」

傷を押さえる手を触ろうと、夢子の手が伸びてくる。
希望はその手をバシッと弾くと、両足で何とか立ち上がろうと交互に動かしてみるが、力が入らない。
まるで恐怖心に体を支配されてしまったかのように。

「ふふっ…さっき睡眠薬って言ったけど、あんなのデタラメよ」
この状況で笑みを浮かべる夢子に、彼女は懇親の怒りの眼差しを向ける。

「だって…眠ったアンタをイジメても楽しくも何ともないでしょ?」
遂には堪えきれず、ショックで、悔しくて、必死で我慢していた、
希望のその両の目からぽろ…ぽろっと涙が零れ始めてきた。

「やっぱり、思った通り。泣いてる希望の顔、すっごく可愛い…」

「う…っう~…ひくっ ひっく ぅ~~」

歯を食いしばって、泣き声を出さないようにしていたが、どうしても漏れてしまう。
堪えるだけ余計惨めさが募っていく。



「ねぇ、希望…」

涙で視界があやふやになった時、彼女は私にそっと呟いた。


「私の事、嫌い?」


その時、彼女の表情が少し寂しそうに見えたのは、

あれは気のせい…?それとも…


ただ、一つ言えるのはその時見た彼女の目はいつもの優しい目だった。

388:350
10/01/19 08:45:02 X7+m3cPJ

昔も今も、学校は生きた心地がしない…


小学校、中学校と酷いイジメを受けてきた。
少し、周りの人と比べて口下手で内向的なだけで…

ヒトというものはかくも恐ろしい。

私は心を閉ざした。
そうすることで、私は私を救ってきたのだ。


あれは高校に入ってすぐの事…一人の女の子と出会った。
そして、初めて私に友達が出来た。

その子の名前は…





「夢子!」

誰かに名前を呼ばれる。

教室の外をぼぉ~っと眺めていた、そんな時だった。
視線を声のする方に向けると、入り口には悪友とも言うべき連中がこちらを見て、手招きしているのが分かった。
仕方なく立ち上がり、そいつらの方へ足を運ぶ。(嫌々だ)

「…学校ではあんまり声掛けないでよ。」
連中の前でさっそく悪態をつく。
明らかに周りの人間が少し引き気味にこちらを伺っているのが見て取れた。
「まあまあ、そう言うなって。優等生っ」
若干の嫌味めいたニュアンスを漂わせ、その女はニヤニヤとポケットから封筒のようなものを取り出す。

「夢子、アンタにプレゼントだよ。ラブレター…っていってもいいかもね」

「?」

訳も分からずその封筒を受け取ると、
「E組の黒岩 希望…仲良いんだってね」
ボソッとそう耳元で囁いて、そいつらはその場から立ち去った。

「……」

何故か胸騒ぎがした。

渡された封筒をゆっくりと慎重に開けていく。
中には一枚の写真が入っていた。


389:350
10/01/19 08:45:41 X7+m3cPJ
3人の女の子が並んで写っている。
その中に希望と思しき女の子がいた。
制服が今と違う…中学の頃だろうか…

が、特筆すべきはそこではない。

笑っている二人の女の子、そこに挟まれる形で希望がまるで魂が抜けてしまった人形のように机の上に座らされていた。
スカートをたくし上げ、両足を大きく広げるように腕で押さえられている。
ショーツが脱がされ左足にかろうじて引っ掛かり、今にも抜け落ちそうである。

そして、

局部には一本のリコーダーが突き刺さっていた。
血の滴るリコーダー、無残にも机にはその鮮血が広がっていた。

希望の大腿部には大きくマジックでこう書かれていた。

“処女喪失記念”


夢子は封筒の中に写真を戻す。

今自分がどういう表情をしているのだろうか…
心の奥底に眠っていた感情。
決して起こしてはいけない、今起こすわけには…っ


右手をそっと口元にやる。
無意識に零れる笑みをなんとかして隠そうと…

夢子は、自分の机に戻ると一冊の本を手に取る。タイトルは何だったかな…まぁいい。
それを手に彼女はゆっくりと立ち上がり、廊下に出る。

向かう先は…三つ隣の、



390:350
10/01/19 08:54:08 X7+m3cPJ


雨が降っていた。

部屋の明かりはついていない。
薄暗いこの一室の片隅で、今一人の女の子が陵辱に堪えていた。

その子はベッドの上に寝かされていた。
その身には一切の衣服はない。
脱がされたであろう制服や下着は乱雑にベッドの下に放られて、
両足の付け根にある彼女の秘所を弄る手がそこにはあった。

クチュ、クチュという音が響く。
その音に恥ずかしそうに耐える少女は、目を真っ赤に腫らし涙を流していた。

「やっぱり、奥まで入るね…指」

そう言って、希望の体を押さえる彼女は中指と薬指を更に深くに挿す。
「うぐっ!」
口にハンドタオルを押し込まれた希望の口から呻き声が漏れる。
彼女の指は、膣の一番奥、子宮口にまで伸びてくる。
その円形の淵をなぞる様グルグルとかき回され、嫌が応にも体は反応してしまう。
「う~~っ!!う、ん~~!!」

「何?気持ちいいの?希望」
彼女はその反応を楽しむかのように、指を器用に動かしイジメてくる。

少し落ち着いたとは言え、未だ希望には今のこの現状が信じたくない、夢であって欲しかった。
彼女は…夢子は、初めて自分と友達になってくれたヒトだったから。



タオルを口から取り出される。
指を抜かれ、まだ快楽の余韻が体の自由を縛っている為か、言う事を聞かない。
夢子は彼女の体を離し、今度は囁くように質問してきた。

「初めて処女を亡くした時、どう思ったの?」
その質問に、彼女はハッとして夢子の目を見たが、また直ぐに視線を落とした。

思い出したくも無い記憶だった。

中学の頃、イジメがいよいよ過激さを増してきた時、クラスの女子から最も嫌われていた男子の笛を
あろう事か性器に挿し込まれたのだ。
その様子を写真に撮られ、笑い者にされ、今でもその事を思うと涙がどっと押し寄せる。
その事実を知った上で、夢子は質問してきたのだろう…それが余計に胸を締め付けた

391:350
10/01/19 08:55:33 X7+m3cPJ
「ねぇ、どうなの?」

意識を現実に戻される。
夢子の指はまた性器の方へと向かっていた。
今度は中ではなく、尿道の直ぐ上にある小さな朱玉を狙っていた。
そして、親指と人差し指の爪先で摘まんだそれにギュッと力を込める。
「早く答えなさいよ!」

「ひぎっ!!」

薄い包皮に守られた彼女の陰核は潰れるとはまではいかなくも、形を変え、指と指の間で押し出されていた。

「あっう…!ぐ、ぁの…し…死にたかった…です…」

「死ぬ?ははっ馬鹿ね、希望。そうなったのは全部アンタのせいでしょ?」
冷たい答えが返ってきた。
あの時自分がどれだけ苦しんだか…どんなに悲しんだか…
けれど、言い返せなかった。
夢子の言っている事が確かにそうだったからだ。

「つまりね、アンタは最初からこうなる側の人間だったってことよ…」
 
「そ、そんな…非道いよ…夢子ちゃんっ」
体を震わせ必死の覚悟で声を絞り出す。
「……」
夢子は何も言わず彼女の体を解放する。
そして、その視線は彼女の方を見てはいない。

「雨、止んだね…」

窓の外を見ると、さっきまでの大雨は嘘のように過ぎ去っていた。

「今日はもうお終いにしてあげる」
優しい笑みで話しかける夢子。
だが、それはもう昨日までの夢子ではないのは、きっと本人も分かっているだろう…。

服を着せられ、救急箱を手にその中から消毒液と脱脂綿を取り出し、頭の傷を丁寧に診てくれた。
染みて痛かったが、その痛み以上に胸が悲しさで張り裂けそうだった。


392:350
10/01/19 08:56:04 X7+m3cPJ

「じゃ、気を付けて帰んのよ!」

玄関口で靴を履いて帰ろうとする。
夢子は見送りがてらにそう言った。

「……ぅん」
彼女は気の無い返事でどこか上の空のまま、ノブに手をかける。
ガチャッと扉を開けた瞬間、

「希望…また、明日ねっ」

その時見た夢子の目に彼女はゾッと表情が凍りついた。
何故ならその目は、これまで自分をイジメてきた人間と同じ、いやそれ以上の恐怖を感じさせたからだ。

彼女は何も言わず足早に出て行った。
まるで逃げるかのように…

残された夢子は一人、笑みを浮かべる。


「明日から楽しみね…希望」

393:名無しさん@ピンキー
10/01/19 12:02:48 56HFq6UM
これはなかなか。
エロ抜きで考えても普通に面白い。

ところでリコーダーで処女喪失シーンは、過去の回想みたいな形でまた描かれますか?


394:名無しさん@ピンキー
10/01/19 20:26:07 MpQnQqBN
>>350
超乙です。
夢子の言ってた「飼ってたペットが死んだ」ってまさか………

見た感じ良作だから頑張って途中放棄せずに最後まで書き切って欲しいです。

395:名無しさん@ピンキー
10/01/19 23:58:51 XYPX5MK4
すばらしすぎる

キャラの心情や場面の緊張感に
振れ幅の大きい緩急をうまいこと作ってるな
鳥肌立ったわ

せっかくなんだから誘い受けレス乞食的な発言はしない方がいいと思う

396:350
10/01/21 01:55:01 +8ESHzV1
続き書きました。
皆さん読んで下さって本当にありがとうございます。

あと、希望の処女喪失の辺りはもう出てこないです…申し訳ありません!

397:350
10/01/21 01:55:43 +8ESHzV1

その子はとにかく泣き虫だった。

よく姉に泣かされては、私の所にやってきて、わんわんと泣きじゃっていた。
それが癖なのか、泣いてる最中はずっと私の服の袖を噛んでいる。
正直何着服を駄目にされた事か…まぁ、いいやと私も半ば諦めた様子でその子の頭を撫でていた。

気が弱く、怖がりで、臆病で、ろくにヒトとも喋れない…
そのくせ私には人一倍甘えてくるのだから、困ったものだとしか言いようがない。

そういう人間としての弱い部分が余計に許せないのだろう…
性格が正反対の姉は事あるごとに妹であるその子をイジメた。
そうして、また私の所へとやってくる。

まさしく悪循環だ。

けれど、その子を守ってあげられるのが私しかいない以上、
今はただ泣き止むまで頭を撫でてやることしか出来ない。

なかなか泣き止んでくれないとき―
そんな時は、軽くその子のやわらかい唇に自分の唇を重ねる。
無論、まだ幼い私にとってそれ自体に深い意味はない。

しかし、これが一番の解決方法だった。

そうするとその子は、途端に涙を拭い「えへへっ」と笑う。
今日は肩から肘にかけてぐっしょりとやられた…泣きたいのはこっちの方だ…。

「ありがとう…ごめんねっ、夢子ちゃん」
もう一つの悪い癖。
必ず“ありがとう”と言った後には“ごめんね”が続く。
その言葉はどこか私の心情を複雑にさせる。

「もう泣いちゃだめだよ、珠恵!」

珠恵は、うんっ!と言って、また次の日も私の服を噛んでいた。


398:350
10/01/21 01:57:09 +8ESHzV1


「あっ!いたいた!」

屋上にゾロゾロと人がやってくる。どうやら彼女を捜していたのだろう。
その事に強い不安と絶望が彼女を襲う。

一人の女が近付いてきて言う。

「お前さぁ~ヤバいって…なんでちゃんと来ないの?」

全く知らない人達だったが、恐らくは不良の…ともなれば大体察しが付く。
「あのさ~…これウチらが言うのもなんだけど…アイツ、あんまし怒らせない方が良いよ?」
続けて別の女が口を開いた。
「そうそう、マジ怖ぇ~から…ウチらなんてまだ可愛いもんだよ、なぁ?」
皆、それに応じるように頷く。

そして、肩にポン!と手を置かれ、
「さ、行こうか」
と足を進めるよう促された。

「……」
もう逃げられないのは十分わかっていた。
そういう経験は今までに何度もあったから…

屋上を出て階段を下りていく。
彼女を含め4、5人の集団が、人気の無い放課後の学校を闊歩する。
中心を歩かされる彼女の周りでは、恐ろしい言葉が口々に飛び交っていたようだったが、
彼女の耳には入ってこない。
ただ、深く深く…自分の心を閉ざすだけだった。


399:350
10/01/21 01:57:39 +8ESHzV1
やがて、場所は体育館にたどり着く。
その奥には、今では誰も立ち寄らない用具準備室のような所がある。
裏手に回り、更に地下へと続く階段を降り切ったその扉の向こう、
そこが、彼女たち不良グループの溜まり場だった。

地下の階段を歩かされ、ゆっくりと扉が近付いてくる。
彼女はここに来てようやく心臓の鼓動が早まっていくのを感じた。
恐怖や不安もあっただろう…が、
この扉の先に待ち構えているであろう人物の方が殊更にそれを助長していた。


嫌だ!会いたくない!という想いとは裏腹に、手はドアのノブに伸びていく。

『だって…


ガチャリ、と扉が開いていく。

か細い明かりに照らされた小さな部屋で、そのヒトは椅子に座っていた。
背中を向け、静かに佇むそのヒトは紛れも無く“緑川 夢子”だった。

「夢子…ちゃん」

その声に反応した彼女は、ほんの少しだけ顔をこちらに向けると、こう呟いた。

「なんで泣いてるの…希望?」


希望の目は涙で溢れていた。
ポロポロと零れ落ち、拭っても拭ってもまた零れ落ちてくる。
その名前を呼ぶことに、その姿を見ることに、
どうしてもこの想いが胸に詰まってしまうから…

『だって…私…

 もうどんな顔して、会ったらいいのか…

 わかんないよ…夢子ちゃん…』


400:350
10/01/21 01:58:04 +8ESHzV1


ドンッと後ろから背中を押されるのが分かる。

「早く入りなよッ」
不良の一人が希望を中に急かすと、続けて残りの連中も用具準備室へと入ってくる。
全員が入り終えた所で、最後の人間が扉の内側に付いてある閂のようなものを閉め、
その下にはガッチリと南京錠をかける。
これで、この部屋は外部と完全に遮断された空間となった。

つまり、誰も彼女を助けてくれる人はここには現れない、という事だ。

「メール、見なかったの?」
と、椅子に座ったままの彼女が言った。

皆がそれぞれ一様に腰を下ろし、ある者は煙草を吸い始め、ある者は談笑を始める…
けれど、その視線はポツンと立たされた希望に向かっている。

メール…
今日の放課後、ここに来るようにと書かれたメールだった。
それを無視して、希望はその時間が来ても屋上から外を眺めていた。

「……」

何も答えない希望に、彼女はあからさまに“はぁ~…”と大きく溜息をつくと、
「最初だし、今日は軽めにしようと思ったけど…そういうわけにもいかない、か」
そう言って腰を上げ、椅子から立ち上がると希望の方に近付いてくる。
希望はビク、ビクッと時折肩を震わせていたが、それを見る彼女の眼差しは冷たい…。

「…じゃ、みんな始めよっか。まずはコレの服、脱がせて」
周りにいた連中はそれを聞き、ニヤニヤと黒い笑みを浮かべ、指をさされた人物へと近寄っていく。

セーターを脱がされ…
スカートを下ろされ…
シャツのボタンを外され…
白いキャミソールを取られ…

遂には下着だけが残された。

「おっと、こいつも取っておかないとね!」
不良の女はそう言って、希望の束ねていた後ろ髪のゴムをすっと抜き取ると、
ぱさぁっとセミロングの髪の毛が肩まで下りてくる。
「ひゅ~、色っぽいじゃん!ノ・ゾ・ミちゃん♪」
前髪で顔を隠し、そのヒト達からの視線を逃れるよう俯き加減になる。
希望はその行為をただじっと我慢していた。

「それじゃあ、この可愛い下着も取っちゃお~ねっ」

「コイツ、結構大人しいのな!場馴れしてる奴は楽でいいわ」

そんな会話を交えて連中は、されるがままの希望の体からブラとショーツを脱がしていく。
夢子はその様子をただじっと見つめていた。


401:350
10/01/21 01:59:00 +8ESHzV1
一糸纏わぬ姿となった希望を、4人が抱え体が宙に浮く。
そして、夢子が再度口を開く。
「じゃあ、次は…あそこに運んで…」

彼女が次に指をさしたのは、部屋の片隅にある長机だった。
希望の体くらいならなんとかその全身が乗るくらいの机…言わば、これが処刑台となる。

「いっ…嫌!!ヤダよぉ!助けてっ」
ここに来て初めて希望は暴れ始めた。
「プッ!助けるって…誰がアンタを助けんの?この状況で?」
「ハハハ!夢子にでも頼んでみたらぁ!?ひょっとして助けてくれるかもよ?」

その名前が出たとき、希望は僅かな『希望』を抱き、彼女の方を見つめ何かを訴えるようパクパクと口を動かした。
夢子は口の動きから読み取れた言葉がなんだったのか…いや、わかっていた。
彼女は確かにこう言った。

“夢子ちゃん…助けて…”

涙ながらに訴えるその小さな小さな声が、彼女に何かをもたらしたのだろう…
夢子は俯いて、ただじっと服の袖を見つめていた。



「ホラ、暴れんじゃないよ!」
不良たちは希望の非力な抵抗をものともせず、徐々に机へとの距離を縮めていく。

そして、「せーのっ」と希望の体を机の上に乗せると、今度は細いロープを持ち出し、
不良たちは手際のいい作業を進めていく。
一人は左足を、もう一人は右足、そして両手をバンザイの格好になるろうに後の二人が…
各々が手に持ったロープで各部位を机の脚にきつく結び、両膝のにもロープが回される。
膝をロープで左右に引っ張られ、強制的に下半身を割広げた状態にして、それが戻らないようロープを括り付ける。

俗に言う“カエルの解剖”といった感じか…

それだけでは無い。
机と腰から臀部にかけての間に大きめのクッションを押し込み、前に突き出すよう、
まるで見てくれと言わんばかりに陰部を露出させられていた。

「うわっエロいなぁ~…ちょっとグロいけど」
ゲラゲラとその部分を笑って覗き込まれる。

こんなにも惨めな格好で、裸を性器を余すところ無く同性に見られていた。
恥ずかしくて、涙だけではなく鼻水も涎も構わず垂れ流す。
こんなにも惨めな自分の姿を、彼女に…

402:350
10/01/21 01:59:28 +8ESHzV1
他の者たちは皆、笑いながらにその様子を携帯の写真機能で一枚、また一枚と撮っている。
間近に撮られたり、顔が写る様撮られたり、別々のヒトが指で小陰唇を広げた所を撮ったりと…
様々な形をした自分の性器を写メとして収めていく。

「見て!コイツのここ、伸びて面白いんだけど!ホラッ」
ビロンビロンと肉びらを引っ張って弄ぶ。
「それよか、もっと開いて奥まで見ようぜっ」
他人の性器にここまで興味津々になれるのが不思議だ。
自分たちにも付いてある筈の生殖器官なのに…

2本の指を膣口に引っ掛け、グググッと左右に押し広げていく。
暗くてよく見えない、と誰かが携帯のライトでそこと照らすと、

「あっ!見えた見えた!アレのこと?子宮って?」

ポッカリと口を開けた希望の膣の奥底には、小さくヌメヌメと光る子宮口が見て取れた。

「うわ~…きもいなぁ…こんなのがついてんの?ウチらにも…」
「ノ~ゾミちゃんっ♪アンタも見てみたいんじゃない?自分の大切な処だもんね~」
そう言って、“テロリ~ン”と軽快な撮影音が鳴ると、携帯の画面に一杯に映った子宮口の画像を希望に見せ付けてきた。

「ぃ…やぁああ!!もうやめてっ!!お願い…だからぁ……ッ!!」
希望がひときわ甲高い声を張り上げた。


「もう、いいわ…その辺で」

その一言にまるで、時間が止まったかのように、
その場にいた全員の動きがピタリと止まった。

遠巻きに見ていた彼女は、こちらに向かって来ると、
「どいて」
と、不良女の一人と手で押しのける。
不良たちは何も言わなかった。(或いは、言えなかった)

「…怖かった?」
彼女は希望の顔を覗きこんで、優しい笑顔で頭を撫でてきた。

「…う…ん…っ」
その言葉に素直にコクンと頷く。
涙でベトベトで、鼻水が垂れて…なんて情けない顔だと思われてもいい…っ
希望は彼女の顔を見つめた。
普段見たあの優しい顔が…この状況から救い出してくれる事を願う『希望』を照らした。

「そう、それじゃあ…」

彼女は振り返り、元居た場所に置いてあった椅子を机の傍まで、
丁度希望の足の間から全てが見える位置に持ってくると、そこに腰を下ろした。

「始めましょうか、希望」

処刑のときを告げる、悪魔のひと言だった…
と同時に、『希望』は闇へと突き落とされたのだと、悟った。


希望は…このとき全てを諦めた…

403:名無しさん@ピンキー
10/01/22 19:26:38 8mFsSXW8
うわ~すげ~
同姓ならではの容赦の無さが出ててGJ

是非是非続き希望~希望~♪

404:名無しさん@ピンキー
10/01/23 06:29:18 DYXBwTgT
あれ?人いない?

405:名無しさん@ピンキー
10/01/23 06:29:36 0zWN1tTz
あげ

406:名無しさん@ピンキー
10/01/23 12:03:25 YFLZUUJX
GJ
おもしろくてかつエロいです
夢子怖いです

407:350
10/01/24 07:53:32 tXAXmE4x
続き出来ました。

ちょっとやり過ぎたかもしれません。
夢子怖い…

408:350
10/01/24 07:54:36 tXAXmE4x
自分が同性愛者だとわかった時、私は深い後悔と同時に生きる意味を見出した。

初めてその人を好きになったのは、恐らくあの時だろう…

三人並んで、一緒に写ったあの日―
私はうまく笑えずに、険しい剣幕でそっぽを向いてしまったが、
その胸中はどれ程の愛おしさで溢れていたことか。

けれど、決して知られてはいけない…
葛藤はいつしか、
私のこの恋心を狂気に変えてしまった。

そして隣には、
その人と瓜二つの顔をした、もう一人の彼女が…

その顔が、その笑顔が、その泣き顔が私を狂わせた。

そう、私は最初から

彼女を守ってなどいなかったのかもしれない…




希望の目は虚ろだった。

机の上にロープで四肢を縛られ、多くのヒトにそのあられもない姿を見られ、撮られ…
彼女の精神は恥辱と苦痛に蝕まれ、もはや崩壊寸前だった。

「ふふっ、随分大人しいわね希望…もう壊れちゃったかな?」
希望の性器が余す所無く見える位置に腰掛けた夢子が、彼女の恥部と、その生気の抜けた顔とを見渡しながら言う。

「……」
希望は答えない。もとい、その声が耳に届いているのかさえも怪しい状態だ。

「あらら…大丈夫、この子?まあ、その内元気になるでしょう…イヤでも、ね」
夢子は、そう言うと取巻きにいた不良たちにある物を渡し始めた。
一人にはハンディカメラを、もう一人にはデジタルカメラを持たせ、

「じゃあ、最初はこの子のアソコを撮っておいて!」

そう言われ、不良の女は「お、おお…」と返事をするが、その表情にさっきまでの明るいさはなかった。
今この場で笑みを浮かべているのは、夢子ただ一人…
不良の女はカメラを構え、希望の股間部に詰め寄ると夢子の指示の下シャッターのボタンを押した。

パッシャ!とまばゆいフラッシュが焚かれ、カメラのメモリーに次々と記録されていく。
希望の秘裂が、間近に接写される事でそのピンクの襞一本一本の皺までもが鮮明に細部まで見て取れる。
そこに世の男性が思い描く美しさなど存在しない。
ただの“生殖器”である。まだ色が綺麗な淡い色をしているのが何よりの救いだろうか…


409:350
10/01/24 07:55:09 tXAXmE4x

「あっ」

と、夢子が口を開け、写真を撮るのを中断させた。

「もお、希望ったら~…女の子でしょ?毎日ちゃんと洗ってるの!?」
指で開かれた希望の陰部には、よく見ると僅かだが恥垢が付着していた。

「大切な撮影なんだから、こんなんじゃ駄目よ。ちょっと待ってね…」
そう言うと、夢子はウェットティッシュを取り出し、その先端の方で陰唇の淵をなぞる様に柔らかく拭き始めた。
そして、クリトリスの包皮を親指で器用に剥き上げ、その間にもティッシュを宛がった。

「あっ…!ん…ぅぐ…っ!」

希望は、恥ずかしさに打ち震え、敏感な所を突付かれるムズ痒さから声が漏れ出した。
女性の手によって性器の汚れを指摘され、取り除かれる…
それは羞恥心を通り越し、惨めさの極まりであり、それが涙となって零れ落ちていく。
希望のそんな切なる表情の変化さえも、無機質なビデオカメラに収められていくのだった。

いっそ楽になれるのなら、死んでしまいたい…

そんな希望の願いが叶う筈もなく、
「うん!これでいいわね。じゃあ、続きやって」
夢子は包んだティッシュを傍にあった袋にポイと捨て、再度不良の一人にカメラを構えさせた。

何枚も撮る。閉じた状態、開いた状態、陰核をアップに包皮を剥いたり、と
先程の携帯の時よりも綿密に性器だけを撮っていく。
そうして、夢子はカメラを受け取り、その画像を再生して「う~ん…」と唸ると
「まっ、こんなもんでいいか…」
と、ようやく何かに満足した。

しかし、本当の地獄はこれからだった…

ガサゴソ、と袋をまさぐる音が聞こえ始める。
体の下の方から聞こえるそれは、希望に強い不安感をもたらした。

「希望。次はちょっとしたクイズに付き合ってもらうわね!」
その言葉に希望は恐る恐る頭をもたげ、夢子の方を見る。
彼女が手にしていたのは、①・②・③という三つの札だった。

そして、彼女は言う…優しい笑みを浮かべて…


「三択よ、希望…ちゃんと答えてね」


410:350
10/01/24 07:55:56 tXAXmE4x


奇妙な質問―

三択とは、一体何のことなのか…勿論知りたくない。
知りたくはないが、恐怖心がそれを許してくれない。
彼女は思い切ってこう切り出した。

「な…何するの?夢子…ちゃん」

これから何をされるのか分からない不安げな顔…
この後それが、絶望色に染められることを想像すると、
夢子は背筋からピリッとしたものが全身を駆け巡るのを感じた。

「ふふふ…簡単よ。要は三つの内のどれかを答えるだけ」
その目は妖しく光っていた。

当然、ただの三択ではない。
それは彼女に地獄の苦しみを味遭わせる、残酷な三択ゲーム…

「じゃあ、ちょっと準備するから待ってね」
夢子は不良たちを従え、その場を離れた。

そして、数分後「よしっ」と言う夢子の声と、不良たちの「本気でやんの?」という声が聞こえてきた。
夢子はそんな抑制には耳もかさず、身動きの取れない彼女の方へと歩み寄ると、
その手に持った三つの“モノ”を見せた。
彼女の目に映ったのは、

①の札が付いたワサビのチューブ、
②の札が付いたカラシのチューブ、
③の札が付いたタバスコのビンだった。

「あ…ぅ…うそっ?夢、子ちゃん…それどうする…の?」
大きく目を見開き、想像しうる最も恐ろしい行為が頭を過ぎり、あまりの恐怖に絶句する。

夢子は言うまでもないと思ったが、説明した。
「どうって?だから、この中から一つをアンタのここに塗って正解を当てん…」
「いやあああああっ!!いやだよぉ、それだけは許して!!お願いっ!!」
夢子の言葉を最後まで聞かずして、希望は狂ったように大声をあげた。

縛られた腕を、脚を力の限り縦横無尽に振る。
ガタガタと机が揺れ出し、不良たちは慌ててその体を押さえた。
「ちょっ!暴れんな!」
いやっ!いやっ!!と頭を振り、大声で泣き叫ぶ希望の口に布が押し込められる。
「ングッ!!ンーーーッ!!!」
それでも、まだ尚抵抗する。

「ったく、こんなんじゃ無理だって…夢子?」
「答えられるわけないよ、こんな状態じゃあ…」
不良たちも流石に気が引けたのか、中止を促そうとする
が、夢子は椅子に腰掛て既に①のワサビの蓋を開けていた。

「あはは、それじゃあ希望?これは何番でしょ~か?


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