ヤンデレの小説を書こう!Part20at EROPARO
ヤンデレの小説を書こう!Part20 - 暇つぶし2ch100:ぽけもん 黒  緊張と告白 ◆wzYAo8XQT.
08/11/19 17:52:45 RYekf+Jw
 体を流すと、湯船に浸かった。はあ、気持ちいい。体の凝りがほぐされていく。
 風呂に浸かっている間、風呂にいた男達と世間話や近況報告などをした。ここにいた人は全員もう全国の旅に出発している組だった。
やっぱり時間を効率的に使おうという意識のある人たちは歩みが速いのか。噂や話を考慮すると、僕たちは割りと先頭のほうにいるらしいし。
 僕は石英高原に一番乗りすることに興味はないから―早く着くことが選考基準になる職もあるから、人によっては殿堂入りよりも早く着くことに気合を入れているらしい。
通称最速組と呼ばれている。ちなみに僕のような殿堂入りを目指しているのは殿堂組と呼ばれる―、とりあえずそこまでせかせかする必要はなさそうだ。
 僕はしばらくぼんやりと風呂を堪能した後、浴場の前まで出て行くと、香草さんが立っていた。
「ど、どうしたの?」
 僕はおずおずと香草さんに問う。
「勝手にゴールドがどこかに行かないように、見張ってたのよ」
「見張ってたって……」
「だって、あの赤毛コンビに絡まれたときだって、あなたが勝手にどこかにいったのが原因みたいなもんじゃない。あのときはたまたま不審に思った私が後をつけていたからよかったものの……まったく、ゴールドは私がいないとダメなんだから」
 誇るように胸を張って香草さんは言った。
 不審に思ったって、僕はそんなに信用がないのかなあ。
 赤毛コンビ。それはおそらくシルバーとランのことだろう。その言葉を言った香草さんには何の悪意もなかっただろう。でも、その言葉は僕の心に重くのしかかる。
「……どうしたの?」
「え、何が?」
 香草さんに尋ねられて、慌てて僕は取り繕う。
「何が? じゃないわよ。今、すごい顔してたわよ。……もしかして、私といるのが嫌……とか」
 香草さんは伏せ目がちにそう尋ねてくる。
 顔に出てたのか。ダメだなあ、どうしてもアイツが絡むと、つい取り乱してしまう。
 僕は香草さんの態度にドキリとし、慌てて否定する。
「ち、違うよ!」
「そ、そうよね! ゴールドが私と一緒にいたくないとか、そんなわけないわよね! ……だとしたら、さっきの表情は何よ」
 香草さんは相変わらず伏せ目がちだが、視線をせわしなく左右に走らせている。少し挙動不審のような感じだ。僕の反応から、この話題が聞きにくいものだということを感じ取って、尋ねるのを躊躇しているのだろう。
 確かに僕はあまりこのことを聞かれたくない。かといって何も言わないわけにもいかない。僕は言葉を選びながら、なんとか返答を取り繕う。
「……香草さんも分かってると思うけど、僕とアイツには……なんというか……因縁、みたいなものがあるんだよ」
「因縁? 何よそれ」
「う……ん、あまり人には言いたくないというかなんというか……」
 やっぱり追求してくるなあ。どうしよう、困ったな。
「ゴールドの分際で私に隠し事する気?」
「分際って……」
 香草さんに詰め寄られたじろいでいると、遠くからポポが僕を呼ぶ声が聞こえてきた。しかもどうやら涙声だ。
「ポポ?」
 僕は声のしたほうに向き直って香草さんから目をそらしながら、大声でポポを呼んだ。ナイスタイミングだ、ポポ!
 通路まで移動して覗き込むと、遠くから涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしたポポがものすごい勢いで突っ込んできた。あれはまさしく電光石火。

101:ぽけもん 黒  緊張と告白 ◆wzYAo8XQT.
08/11/19 17:53:43 RYekf+Jw
「ゴールドー!」
 あまりの剣幕に、僕は思わず半歩下がって壁の影に隠れる。結果、ポポはそのままの勢いで、したたかに壁に全身を打ち付けられた。
「……」
「……」
「……」
 なんだろうこの空気は。
 全員無言で静止している。
 そんなとんでもないシュールな空気は、ポポの泣き声で打ち破られた。
「びどいでずごーるど……なんでよげるでずが……」
 ポポの発する文字すべてに濁点がついているようだ。そりゃああの速度でコンクリートの壁に全身強打したらそんな風にもなるよね。
「よしよし、痛かったねー。ごめんねー」
 僕はポポを覆うように抱くと、なぜか小さな子供をあやすかのように慰めた。ポポは小さな子供、というほどではない年だろうけど、何故かこの行動が一番適切に思われたからだ。
 その後、通りがかる人の奇異の視線と香草さんの視線に晒されながらも、ポポが泣き止むまであやし続けた。
 あれだけ強く衝突したのに、ポポに目立った外傷がなかったのが驚きだ。やっぱり華奢に見えても、人間とは根本的に強度が違うんだろうなあ。
「どうしてあんなに慌てて走ってきたのさ」
 ポポがとりあえず落ち着いたので、僕は当然の質問をする。すると泣き止んでいたポポの瞳に再び見る見る間に涙が溢れてくる。
「そうです! 起きたらゴールドがいなかったから、ポポをおいていっちゃったんじゃないかと思ったんですぅー」
 涙声でそういうと、また僕に抱きついてわんわん泣き出した。
 そういうことか。でも、確かにポポに何も告げずにおいていったのは悪いと思うけど、さすがにこれは過剰反応なんじゃないのかなあ。
「ごめんね。今度からはそんなことのないようにするよ」
 寝てるときにいちいち起こすのは気が引けそうだなあ。でもとりあえずこう言っとかないと収まりそうにないし。
「そういえば、ポポも風呂入ってきたら?」
 と、ここまでいって気がついた。ポポは今きている黒のワンピース以外の服を持っていないじゃないか。……まあ乾くまでの間、ポポには裸でいてもらえばいいか。部屋にいればいいことだし、どのみち羽毛で覆われているので問題はないはずだし。
「香草さん、面倒みてもらえないかな。また行かせて申し訳ないんだけど、ポポ一人だとやっぱり不安だし」
 僕がそう頼むと、香草さんは露骨に嫌そうな顔をしていた。しかし、何かに気づいたような顔をしたかと思うと、ポポを僕から引っぺがし、そのまま女湯のほうに引っ張ってった。
 ポポが、ゴールドから離れたくないですー、と言ってもがこうが聞く耳無しだ。
「じゃ、じゃあ僕、部屋に戻ってるから」
 脱衣所から聞こえてくる彼女達のキャットファイトを聞いていても仕方ない……というかいろんな意味でアレなので、僕は一人洗濯物を持って部屋に戻った。

102:ぽけもん 黒  緊張と告白 ◆wzYAo8XQT.
08/11/19 17:54:48 RYekf+Jw

 荷物の確認と点検をしていると、二人が戻ってきた。ポポは胸から下を覆うようにタオルを巻いている。こんな格好をしたらむしろ目立つんじゃないだろうか。
「それが、ちょっとね……」
 香草さんはなにやら言いにくそうにしている。普通に全裸はまずいから、と言えばいいようなものなのに、どうしたんだろう。
「もう部屋に戻ったから脱いでもいいですね?」
 ポポはそういうと、香草さんが止めるより早くタオルを解き放った。

 見える。
 ……見える?
 僕がポポと初めてあった時、ポポの胸部や胴部は羽毛で覆われていて素肌は見えなかった。
 ところがどうだろう、今は進化の影響か、というか僕は何かあるとすべて進化の影響にしている気がするが、まあなんというか羽毛が以前より格段に薄いというか、
濡れていることもあいまって羽毛の絶対量が減ったのに嵩も減っていて、つまりそのまあ放送できない部分が普通に見えてしまっているというか、
僕の記憶ではパンツは二枚買ったはずなのになんではいてないのというか、パンツはいてない状態というか、パンツはいてない状態というか! ぱんつはいてない状態というか!! 
でもそもそもこのくらいの年ならかろうじてセーフなのかというか、そもそも僕ポポの年知らないじゃんというか、香草さんの蔦がポポのその放送禁止の部分を覆い隠すとともに僕の目を潰さんと伸びてくるというか、
蔦はやっぱり万能だな、と思いつつも蔦が来ることは分かっていたので蔦を回避できたが、追撃で足を払われ、倒されることで視界をフェードアウトさせられ、僕が地面に頭をぶつけ、
視界が安定するころにはすでにポポの胴部にはタオルが再び巻かれていた。

 何が起きたんだ。
 脳がパニック状態で、いまいち事態を正確に飲み込めない。
 しかし先ほど僕の目に映し出された景色は……。
「忘れなさい!!」
 香草さんが僕の頭めがけて放った蔦の一撃を、首を右にずらすことで何とか回避する。
 これはきっと僕の頭部に強い衝撃を与えることで直前の記憶を飛ばそうとしているんだろう。ええい、僕がつい最近に頭部に強い衝撃を(香草さんに)加えられたのを忘れたか! そんなしょっちゅう頭打ち付けてたら頭おかしくなっちゃうよ!
「止めるです!」
 僕の身の危険を理解したのだろう、ポポが両翼を広げて僕の前に立った。
 タオルは巻きなおされたとはいえ、もともと丈が短いので、床に横になった僕のアングルからだときわどい! も、もう少しで見え……見……じゃない! 何を考えているんだ僕は!
 香草さんも瞬時にそれを理解らしい。一瞬般若のような恐ろしい表情をしたが、すぐに真剣な表情に変わり、ポポに話しかける。
「バカ! お風呂での打ち合わせ忘れたの!? 大体、私はアンタが何かしなきゃゴールドに危害を加えるつもりはないわよ!」
 打ち合わせ? なんだそれは。
 しかし当然のことだろうけどポポには何か伝わったらしい、ポポは「そうでした!」というと僕の前からどいた。
 きっと香草さんは今にも僕を蔦で縛り付けて僕の頭をぶつけながら床と天井を往復させたいのだろうけど、状況的にそれは厳しいと妥協してくれたらしい。僕が恐る恐る起き上がっても、彼女の蔦は飛んでこなかった。
彼女はといえば、ポポにパンツをはかせている。そうか、もともと換えの下着を風呂まで持ってきていなかったのか。それならばパンツはいていなかったのも納得だ。うん、実に自然なことだ。興奮で若干思考がおかしくなってる気がするけど、それはきっと気のせいだ。

103:ぽけもん 黒  緊張と告白 ◆wzYAo8XQT.
08/11/19 17:56:00 RYekf+Jw
 僕がベッドに腰掛けると、向かい合うように香草さんとポポは並んで反対側のベッドに腰掛けた。胸部の問題もあるので、パンツをはいてもポポのタオルは巻かれたままである。
いや、考えようによってはベッドに腰掛けているためパンツ見放題という普段から考えればボーナスステージのような状況なんだけど、ポポのパンツは香草さんの蔦によって見事に隠されていて、
糸の一本も見えやしない。というか香草さんの蔦って何本まで出るんだ?
「それで、打ち合わせって何なのさ」
 僕は先ほど香草さんがポポに言ったことを尋ねる。どうせ碌なことじゃないんだろうけどさ……。
 香草さんはいかにも「失敗した!」というような表情をしたが、すぐに気を取り直したのか、僕の目を見ると、半身を前に乗り出した。
「あの赤髪のアホ二人についてよ」
 ああ、そのことか。まだ諦めてなかったのか。というか、アイツがただのアホだったら、話はこんなにややこしいことにならず、もっと簡単に解決していただろうに。
「香草さん、さっきも言ったけどさ、僕はそのことをあんまり人に話したくないんだよ」
「人って何よ、私たちはパートナーでしょ? いわば家族みたいなものじゃない! なら隠し事は無しよ!」
 うわ、痛いところついてくるなあ。確かに、長い旅をともにし、旅を制覇することのできた人間にとってはパートナーは一生ものの付き合いになることも少なくない。
そういう意味じゃ家族という言葉も、まだ旅に出ていくらも経っていないことを無視すれば、あながち大げさでもない。
「か、家族でも秘密の一つや二つあるしさ……」
 僕はそう言いながら、リュックに手を伸ばした。なぜあのプライドの高い香草さんがすんなりとポポを風呂に連れて行って、しかもそこで「打ち合わせ」なんてものをしてきたのか検討がついてしまったからだ。多
分香草さんも、話し合いで何とかなるなんて本気で思っているわけじゃない。いざとなったらポポと二人で僕を取り押さえるつもりなんだろう。ポポの速度はこと取り押さえなんて場面においては恐ろしい。
ただ、やはり実力行使は最後の手段にしたかったのだろう。
「ゴールド、なんでリュックを掴んでるのよ」
 香草さんは当然僕の動きに気づいて、半ば咎めるように言ってくる。
「い……いや、手が落ち着かなくてさ」
 対する僕はこんな言い訳を取り繕うのが精一杯だ。
「じゃ、じゃあ、手、つないであげるから、リュックは放しなさいよ」
 香草さんはわずかに頬を赤らめ、右斜め下あたりを睨みながら手を差し出してくる。
 リュックを放させるために手をつなぐ、という発想が普段ならば可愛らしく思えるのだろうけど、今の僕にそんな余裕はない。
「で、でも手は二つあるし……」
「ポポもつなぐですー!」
 ポポはそう言って元気よく両翼を挙げた。
 まずいぞ。もうすでに戦いは始まっているのか。リュックから手を離し、かつ両手を封じられてしまったら僕に勝機はない。……勝機は最初からないけどさ。
 しばらくジリジリと互いを見る。今余計な動きをするわけにはいかない。おそらく香草さんもそう思っていることだろう。となると、ポポが行動不確定分子だな。
 が、僕の恐れを知ってか知らずかポポは動かなかった。いや、ポポが動き出す前に、痺れを切らした香草さんが先に動いた、というべきか。

104:ぽけもん 黒  緊張と告白 ◆wzYAo8XQT.
08/11/19 17:56:34 RYekf+Jw
 袖口から僕を拘束しようと数本の蔦が飛び出してくる。
 僕は半身を右に振ることでかろうじてそれを回避する。そしてそのまま立ち上がり、出入り口へと加速を開始する。
 しかしそのようなことを考えない香草さんではない。蔦が数本、ドアの前を回り込むようにして僕に伸びてくる。ドアから出ようと思えばこの蔦を回避することは不可能だ。
 香草さんの蔦の強度は以前コッソリ確かめてある。十得ナイフ程度では到底切断は不可能だ。しっかりとしたサバイバルナイフならば切断も可能だが、一本を切断するほどの時間があれば彼女は僕の両手両足絡めとることができるだろう。
 僕はリュックの中に手を突っ込み、煙幕弾を掴んで取り出した。しかし、僕はそれをすぐさま使おうとはしなかった。
「香草さん、落ち着いてよ!」
 僕は煙幕弾を二人に見えるようにしながら、香草さんと向き合った。
 僕に届く寸でのところで、香草さんの蔦は静止する。
「……なに、それ」
 そう言う香草さんの声はぞっとするほど低く、暗い。もし僕が香草さんという人間をまったく知らなかったら、寒気さえしていそうだ。
「煙幕弾。要するに目くらましだよ」
「……それで?」
「話し合いってのはもっと平和的にすべきだよ。香草さん、僕は逃げるってことに関しては、同い年くらいの普通の人間の誰にも負けないっていう自信があるんだ。
ただテレポートを使えるってだけの人間よりも、ね。さすがにテレポートが使えて、僕並みに準備をしている人には適わないと思うけどさ」
「だから、なんだっていうの?」
「だからさ、香草さんが強硬手段に及ぶなら、僕はここから逃げて交番に逃げ込んだっていいんだ。でも、そんな大事にはしたくないんだよ」
「この状況で? ドアの前にある私の蔦が見えないの? 逃げ場は無いわよ」
 香草さんは半ばバカにするように言った。
「見えてるよ。ただ、この程度で逃げ場が無いなんて、お笑いだよ。せめて、窓も抑えてから言うべきだ」
 対して、僕も挑発的な口調で答える。
「あら、窓までは随分距離があるわよ」
 香草さんはそう言いつつも、窓の前まで蔦を伸ばす。
「これで、逃げ場はないわよ」
「いや、まだまだだよ。もしそこを塞がれたら逃げられなくなるんだったら、最初から教えたりはしないよ」
「……ハッタリだわ」
「試してみる? でも、二人とも損をすることにしかならないと思うんだ。僕はやっぱり、殿堂入りしたいしさ」
「そもそも、二対一なのよ?」
「二対一なんてことは問題にならないよ。特にこんな狭い部屋じゃね。混乱したりしたら、ポポのスピードなんかは逆に仇になると思うけど?」
 僕のその言葉を最後に、そのまま暫し膠着状態になった。香草さんは僕の実力を測りかねているのだろうし、ポポはさっきも展開についていけてないみたいだから、どうしたらいいのか分からないんだろう。
冷静になって考えれば、そもそも彼女らにとってすればこんな小さなことでこんな大きなリスクを払うこと自体、馬鹿げてる。

105:ぽけもん 黒  緊張と告白 ◆wzYAo8XQT.
08/11/19 17:57:12 RYekf+Jw
 長い沈黙の後、香草さんはゆっくりと蔓を元に戻した。
 僕は安心して息を吐く。
「分かってくれて嬉しいよ」
「でも、隠し事はやっぱりダメよ」
 香草さんは僕を咎めるように言う。う、確かにそれを言われると弱いんだけれども……。
「うーん……香草さんにだって、僕に知られたくないことの一つや二つくらいあるだろ?」
「ポポは無いですー!」
「はいはい、分かったよ」
 そりゃ、ポポは無くても不思議もないけど、香草さんはそうはいかないだろう。
「わ、私だって、ないわよ!」
 香草さんはポポに先を越されたせいか、慌ててそう言った。その様子を見て、僕の心にわずかに悪戯心が芽生える。
「ホントに? じゃあとりあえず胸のカップ数教えてよ」
「へ、変態!」
 香草さんは僕の思ったとおり、顔を真っ赤にしていい反応をしてくれた。
「カップ数ってなんですか?」
 ポポの質問を無視し、僕は一応自分の発言を取り繕う。
「しょうがないじゃないか、答えにくい質問じゃないとダメなんだから」
 香草さんはしばらく、自分の身をもじもじとよじっていたが、意を決したかのように、ポツリと呟いた。
「え……」
「え?」
 僕は意地の悪い笑みを浮かべながら、香草さんに聞き返した。
「……………………Fよ」
「いや、さすがにそれはない」
「……」
「……」
「Fってなんですか?」
「う、うるさいわね! アンタに胸のことなんか分からないでしょ! 女の子の胸見たことあんの!?」
「さっきポポの胸なら」
「忘れなさいって言ったでしょ!」
「また見たいですか?」
「アンタは黙ってなさい!」
「だって香草さんがちゃんと答えないからだろ!」
「そもそも女の子に面と向かって胸のサイズとか聞いてんじゃないわよ! このド変態!」
「じゃあ僕の過去だって聞かないくれよ!」
「だって、私はあなたの過去を聞いてるんだから、私の過去について聞くべきよ!」
 ……一理ある。
「じゃ、じゃあ……恋愛経験、つまり好きな人は誰かとか……」
 ……こんな陳腐な質問しか思いつかない自分の貧しい想像力な嫌になる。
「ポポはゴールドが好きですー!」
「はいはい、分かったよ」
「ホントに好きなんです!」
「はいはい、後五年もしたら意味が分かると思うから」
 あれ? ポケモンの知能の発達は年齢じゃなくて経験とか進化に依存するんだっけ。
「……わた、私は……」
「私は?」
 僕は再び意地の悪い笑みを浮かべながら、香草さんに聞き返した。
「わ………………いないわよ」
「何今の間」
「う、うるさいわね! 特に意味は無いわよ!」
 はあ、と僕は一つため息を吐いて続ける。
「大体さ、僕が嘘をつかない保証なんてどこにも無いじゃないか」
「ポポはゴールドを信じてるですー!」
「はいはい、分かったよ」
「私だって、ゴールドを信じてるわよ!」
 香草さんは、そんな人の言うどんなことでも鵜呑みに出来るほど純真でも馬鹿でもないと思うんだけどなあ。
「じゃあ言うよ。二人とはただの初対面。会ったこともありませんでした」

106:ぽけもん 黒  緊張と告白 ◆wzYAo8XQT.
08/11/19 17:58:25 RYekf+Jw
「どうして嘘吐くのよ!」
 案の定、彼女は語気も荒く怒鳴ってくる。
「ホントのことだよ。信じてるんじゃなかったの? それに、自分は嘘を吐いておいて、人には本当のことを言ってもらおうだなんて、都合よすぎだよ」
 僕も、いくら隠したいとはいえ、よくもいけしゃあしゃあとこんなことを言えたものだ。
 香草さんはその言葉を受けて、苦虫を噛み潰したような顔をして僕を睨んでくる。彼女の袖口にはユラユラと蔦が飛び出しかけてきていた。
 僕は右手に握られた煙幕弾を握りなおすとともに、左手でベルトに着けられた『怪しい光曳光弾』に手をかける。こんな天井の低い部屋で使ったら、天井に若干の焦げが残るだろうけど、部屋の損傷など、僕の命の損失に比べたら安いもんだ。

「……Aよ」
 僕の緊張を知ってか知らずか、香草さんは唐突にそう呟いた。
「え?」
「胸のサイズよ! あなたが言えって言ったんでしょ!」
 時間差があったから反応が遅れた。
「え、ああ、Aね」
 目で見た映像的にも、多分真実だよね。
「い、いいい言っとくけど、Aって言っても限りなくBに近いAなんだからね! そこを誤解しないでよね!!」
「ご、ごめん」
 なぜだから知らないけど、香草さんの剣幕に押されて謝ってしまった。
「じゃあ、アンタもホントのこと言いなさいよ」
「へ?」
 呆気にとられていたせいで、一瞬彼女が何を言っているか理解できなかった。
「へ? じゃないわよ! こんなこと聞いといて、ただで済むと思ってたの!?」
「え……いや、半ば香草さんが勝手に言ったというか……」
「いうか?」
 香草さんの袖口には、袖を切り裂かんばかりの大量の蔦が殺到していた。ああ、こんなに香草さんが化け物染みて見えたのは初めてです。もうこうなってしまえば、僕はまともに旅を続けるためには全自動平伏装置と化す他になかった。
「はい、言います……」
「もう嘘は吐かないでよね」
「はい……」
 というわけで、僕は洗いざらいすべてを話してしまった。嘘を吐こうと思えば吐けたかもしれなかったけど、この状況で嘘を吐けるほど、僕は大胆でも命知らずでもなかった。もっと有体に言えば、僕は臆病なのだ。
「それで、どうしてそんなに話したくなかったの?」
 僕の話を聞き終わった香草さんは、まずそう尋ねてきた。ちなみにポポは僕の話の途中で二度寝タイムへと突入していた。
「どうしてって……だってさ、僕がちゃんとアイツの正体に気づいていれば、ランのお父さんも死ななくて済んだし、ランだってさらわれて、こんなことにならずに済んだはずだったんだ」
「考えすぎよ」
 香草さんは優しいような、毅然としたような口調でそう言った。
「ごめん、慰めないで欲しい」
 僕はたとえ誰が許しても、ランを救い出してシルバーにしかるべき処置を与えるまで、いや、それが叶っても自分を許すつもりはない。失われたものは帰ってこない。慰められると自分の無能さを責められるようで、余計惨めになる。
「……ごめんなさい」
「いや、僕のほうこそ」
 また気まずい空気になってしまった。

107:ぽけもん 黒  緊張と告白 ◆wzYAo8XQT.
08/11/19 17:59:01 RYekf+Jw

「そういえば朝食まだだったよね。そろそろいい時間だろうから食べに行こうか」
 なんとかこの空気を打破しないと。
 僕はそう思ってなんとか話題を取り繕う。
「そ、そうね」
 香草さんも素直にその流れに乗ってくれた。
「ほら、ポポ、起きて」
 ポポを揺すって起こす。
「……んあ…………ね、寝てないですよ! 起きてたです!」
 起きたポポは両翼をバタバタとバタつかせながら慌てて自分が起きていたことをアピールする。なんだか微笑ましい。でも左の翼が香草さんにバシバシ当たってるからやめたほうがいいと思うな。
「はいはい、分かったよ。朝ご飯、食べに行こう」
 そう言うと僕はポポの手を引いて起こした。香草さんはさっきのポポの行動のせいだと思うが、少しむっとした表情をしている。
 洗濯と乾燥の済んだ服を取りに行き、ポポに着せると、そのままポポの手を引いて食堂へ行った。久々にちゃんとした食事にありつくことができたような気がする。
ポポの食事は相変わらず香草さんに手伝ってもらった。つくづく、蔦というものは万能だな、と再確認させられた。

108: ◆wzYAo8XQT.
08/11/19 18:00:06 RYekf+Jw
以上で投下終了です
何か改善点等あれば言ってもらえるとありがたいです。……反映されるとは限りませんが

109:名無しさん@ピンキー
08/11/19 18:12:24 JfZFShwZ
GJ!!

110:名無しさん@ピンキー
08/11/19 18:36:02 npHQbBmV
11月分GJ!!!!
何かゴールドに蔦耐性ついてきてるなw

111:名無しさん@ピンキー
08/11/19 19:24:00 EAacZ7z6
GJ!

112:名無しさん@ピンキー
08/11/19 20:05:08 2OtxF7Gz
じーじぇい!

113:名無しさん@ピンキー
08/11/19 20:17:02 2Si9nA/H
これを読むと一ヶ月たったんだなって気がするよ、GJ!

114:名無しさん@ピンキー
08/11/20 00:35:49 hGtGJz7g
俺、このSSのせいづDSとポケモン買っちゃったんだ…

激しくGJでした

115:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:07:47 Z1324H1j
GJ!!

116:名無しさん@ピンキー
08/11/20 06:42:55 q/vOG0SU
とりあえず改善点は香草さんのカップ数をD寄りのCにしてくれ!!

嘘だ!! GJ!!

117:名無しさん@ピンキー
08/11/20 08:50:33 AhhRok0B
初投稿です。
投稿させていただきます

118:シンデレラアンバー
08/11/20 08:55:38 AhhRok0B
 昔々、ある所に、それはそれは可愛らしいお姫様がいました。性格はとっても無邪気で誰に対してでもにこやかに笑う女の子。その笑顔は国中の皆を明るく照らしました。お姫様は国一番の人気者になりました。
 ただ、お姫様は『大切なもの』を『宝箱』に入れるという難癖を持っていたのです。
 見かねた王様はお姫様にこう言いました。
「姫よ、なぜ森のお友達を殺してしまうのだい?」
「私がいつ、お友達を殺したのですか?」
 王様は従者を呼んで彼女の『大切なもの』を持ってこさせました。
「それじゃあ、なぜ友達を剥製にしてしまうのだい?」王様は『大切なもの』の中から一匹の子じかの剥製に指を向けました。
「私たちが永遠に仲良しになるための方法です。私も剥製になりたいのですが、お姫様としての『お仕事』がまだ終わっておりませんので」
 王様はこれ以上口を挟むことが出来ませんでした。王様は天を仰ぎ、お姫様の顔から逃れました。王様は怖がっているのです。姫様が賢く、そして王様を姫様自身を恨んでいることが、お姫様の歪みきった口元から窺えたからです。
 王様はお姫様に意趣返しをするようにこんな提案を持ち出しました。
「そんなに言うのなら、お前を隣の国の王子の下へ嫁がせようぞ」
 お姫様は難なくその提案に答えました。

 お姫様は隣の国に行く前の夜に部屋から抜け出しました。そして、待ち合わせ場所の薄暗い森へと足を運びました。
 ほんのりと明かりが点いていたのでお姫様は少しあせりました。
「遅れてしまいましたか?」明かりと共に切り株に座っていた少年がお姫様に気づきました。
「いや、先ほどきた所ですので」
 そうですか、とお姫様は返事をして少年の隣に座りました。
「私はこの星たちが消えてしまうとお嫁に行かなければなりません」
 少年は驚きはしたものの、肩をおろして、「そっか……」と呟きました。
 少年はおもむろに服を脱ぎ始めました。
「お姫様、私にあなたの操をいただけないでしょうか? さすれば私はあなたの『永遠』に成れると思うのです」
 お姫様は目からポロポロと涙を流しました。
 お姫様は嬉しかったのです。
 この、この少年だけが私の真の理解者だったのだ。本当のお友達なのだ。
 いままで、お友達だと思っていた人間にお姫様は『永遠』を理解してもらえなかったのだ。
 ただ、この少年は私の『永遠』に理解をしてくれた。一緒にお友達を『永遠』にしてくれた。
 今も、これからも、少年だけが私の理解者なのだろう。
 お姫様は少年の手を握り、首を縦に、小さく振りました。
 

119:シンデレラアンバー
08/11/20 08:56:52 AhhRok0B
 隣の国の王子様は憂鬱でした。
「なぜ、彼女は私に心を開いてくれないのだろう」王子様はたいそうお姫様のことを気に入っていたのです。
 そこに、王子様の友達である騎士が答えました。
「姫さまは異常だからです。きっと悪魔にでも取り付かれるているんでしょう」
 騎士の口調はたいそうまじめな物でした。しかし、王子様は頭を抱えて声を振るいだします。
「私はそれでも姫のことが好きなのだ」
 騎士は大声を上げて王子様に言いました。「王子様はあれをごらんになされたのですか!? あの、あの、死体部屋を! ああ、忌まわしい……」騎士は余りの恐ろしさに体を震えさせました。
 しかし、王子様は俄然と答えます。
「見たよ」
 騎士は耳を疑い「それならば、なぜ!」尋ね返しました。
 王子様は少し考え、騎士にこう告げました。

「私は姫の心にほれてしまったのだ。例え、家来の前でも、子供の前でも、国民の前でも、そして、私の前でもはがす事のないあの鉄の仮面。私はその鉄の仮面の下に見える狂気にほれてしまったのだよ」

 騎士は呆然としました。そして、踵を返すや否や、騎士は城の頂上から飛び降りて死んでしまいました。

「王子は悪魔に呪われてしまった。この国はもう長くはない」

 『絶望』という悪魔が騎士を呪ったのです。

 それから長い年月がたち、お姫様と王子様はおばあさんとおじいさんになりました。
 姫は相変わらず『宝箱』を覘いては『大切なもの』を可愛がり、床に伏すまで幸せな時間を過ごしました。
 ただ、王様は相変わらず憂鬱な顔持ちでお姫様に焦がれていました。
 そして、王子様よりも先にお姫様は死に、王子様はお姫様が残した遺言書通りに彼女を『永遠』にしました。

「私は、私は王女のそばに眠りたい!」

 王子様はとある決断をしました。
 早速、それを実行すべく重臣と息子たちを呼び寄せてこういいました。

「あの『大切なもの』を焼き払い、私を王女の『大切なもの』にしてくれ」

 周囲の咎める声を聞きながら、王子様はおもむろに腰につけた短剣を胸に突き刺しました。

「たのんだぞ……」


 更に長い年月が経ち、わたしたちの時代に足した時も、相変わらずお姫様の『宝箱』は永遠を保ち続けました。
 
 ただ、『ある者』を除いて……


 めでたし、めでたし


120:名無しさん@ピンキー
08/11/20 08:58:27 AhhRok0B
投稿終了です。
既出のものです。

あまり、このスレには馴染まない文章かもしれません。
駄レスで申し訳ない。

121:名無しさん@ピンキー
08/11/20 09:40:39 jJAy2bBg
>>108
GJ乙です
次回も楽しみにしてます

122:名無しさん@ピンキー
08/11/20 09:41:12 s+u6VmsO
既出のものです



もしかして、転載?

123:名無しさん@ピンキー
08/11/20 09:57:41 AhhRok0B
>>122
もちろん自分で書いたものを転載しました。
転載はだめだったでしょうか?

124:名無しさん@ピンキー
08/11/20 10:06:55 s+u6VmsO
>>123
いや、自分で書いたなら大丈夫。


これで心置きなく言える

姫様可愛いよGJ

125:名無しさん@ピンキー
08/11/20 11:35:52 5QRlQBlT
タイトル吹いた。弾幕シュー史上最高に楽しいボスの一体じゃないか。
でも二周目はトラウマもの。

126:名無しさん@ピンキー
08/11/20 14:31:24 XDxkmHEC
ふと思ったんだけど
古代エジプトとかにも、もしかしたらヤンデレ王女がいたのかもなw
GJ!

127:名無しさん@ピンキー
08/11/20 22:22:54 mrnL0SPb
王子も病んでるなあ
男女逆転も萌えるかな

128:名無しさん@ピンキー
08/11/20 22:57:28 0ghd2g36
■投稿のお約束
 ・男のヤンデレは基本的にNGです。

男のヤンデレなぞくたばるべきだ
ただし、女のほうもヤンデレであった場合、そうと言い切れないこともあるが

129:名無しさん@ピンキー
08/11/20 22:59:12 Z8BdTV/m
男のヤンデレはオリバだけ認める

130:トライデント ◆J7GMgIOEyA
08/11/20 23:09:46 rj7tQf5D
久々に投下致します


131:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA
08/11/20 23:12:06 rj7tQf5D
 第1話『偽善者』
 大切な人たちを失ってから、いくつの日々が過ぎたのだろうか。
最初は何気のない日常が続くと思っていた。
それが変わらないと信じていたからこそ、俺は失った時にその重さを知った。
 多額の借金を背負った両親が首吊り自殺をしたのは高校を卒業式が終わった当日であった。

その日は俺の卒業を祝ってくれた両親が普段は滅多に行かない料理店に連れてもらって、美味しい料理をご馳走になった。
親父は俺の卒業が嬉しかったのか、いつもよりお酒を飲み干すと泣きながら喜んでくれた。
母も俺の卒業を自分のように嬉しそうに祝ってくれた。
 普段とは何も変わらなかったおかげで俺は気付かなかった。
両親の様子がおかしかったことに。

 朝起きたら両親が首吊り自殺していた。
 その光景を目撃したとき、何でこんなことになったのかとさっぱりわからなかった。昨日まで何事もなくいつもの両親だったのに。
 厳しいが涙もろい父、いつも優しかった母。

 二人に何が起きたのかを知ったのは葬式の時だった。
親戚一同が集まり、俺が喪主をやっている最中の出来事だ。
ガラの悪い男が吐き捨てた言葉が発端だった。

『人に優しいバカは騙される』

 その言葉の意味は理解できなかったが、俺の両親に向かってバカと言った奴を許せなかった。
我を忘れた俺は問答無用にその男に殴りかかった。
親戚の人たちに止められるが、数発殴ってやった。が、逆に俺は腹部に何回も反撃された。
男は唇から切れた血を拭き取るとこう言っていた。

 両親にとって共通の仲である友人の事業が上手く行かずに従業員と奈落の海に沈没すると悲劇的な話で同情を誘い込み。
言葉を巧みに操り、自分を助けるためにこの消費者金融にお金を借りてくれないかと嘘の契約書を用意して契約させる。
両親は僅かな金額でも友人の助けになるのならと思って借りた金額が気が付くと数十倍にも膨らんでいた。

金利が高いわけではなかった。友人と消費者金融の人間が借用書を改竄し、借りた金額を限界枠突破まで設定してお金を借りた。
 両親が友人に騙されたと気付いた時はすでに遅く、
友人はどこか遠くへ高飛びして行方不明。
消費者金融はその事情も関係なしに取立てを行おうとしていたが。
俺に迷惑をかけないように弁護士辺りに依頼して恐いおじさんたちを家に来れない様にしていたらしい。

 そのガラの悪い男こそが両親が依頼した弁護士だった。
 俺は平謝りして、両親に何が起きたのか事件の真相を聞いた。
 両親は真面目に借金を支払っていたそうだ。生活費を削りながらも、
俺に何不自由がない生活を送らせる。借金していることを悟らそうとせずに。

 借金生活に疲れ、俺の行く先を見届けた後、両親は自殺した。

 俺は何も知らなかった。
 それは罪。
 子供だから両親の優しさと愛情に甘えていた。
 辛いこと、悲しいことから全てを遠ざけてくれた父と母を。
 俺は恩返しもすることができずに逝ってしまった。

 だから……。
 

 
 周防忍(すおう しのぶ)は……。

132:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA
08/11/20 23:15:18 rj7tQf5D
人の死は慣れるものである。
 それが自分にとって親しい人だったとしても、失った痛みは過去になり、時の刻みはゆっくりと明日へと進んでいる。
逆らうこともできずにただ流されるだけ。
 両親を失った俺は厳しい現実を一人で生きていた。
多額の借金を抱えた両親の借金の相続を放棄すると今まで住んでいた家を俺は出て行かなきゃならかった。

当たり前の話だが遺産というのは両親が生前に築き上げた富のことを言う。
その中に借金も含まれるために親が汗水流して購入した家も遺産に含まれる。
自分以外の財産は没収され、通うはずだった大学も進学を諦め、求人情報雑誌でバイト先を探し、アパートを借りた。
 一人暮らしに馴染めずに色々と大変な事はあったが、
人間という生物はどんな環境でも適応していくというしぶとい生物だということを再認識する。
俺は今の生活に慣れると余裕というのが生まれる。
両親が死んでから、俺にはようやく肩の力を抜けて、物事をゆっくりと見つめる時間が増えたってことかな。

 近所で浪人生が何者かに刺殺されるという恐ろしい事件があったりと周囲には物騒な事件が増えた。
特に女性が男性を監禁するという犯罪が増加、社会問題化にまで発展して
ワイドショーを賑わせるなんて日常茶飯事になっている。
 まさか、俺がその事件の犠牲者になるなんて夢にも思わなかった。

 あの時、困っている桜井彩さえ助けなければ、俺は後々と起こる厄介ごとに巻き込まれなくて済んだのだ。


 バイト先の都合で仕事を早めに切り上げてきた。
 自宅に早く帰宅できた日の出来事だった。
 俺が借りているアパートの前にたくさんの荷物が置かれていた。
いわゆる、日常品とタンスとテレビとか冷蔵庫とかetc。
自分が借りている部屋のドアの前に多数の荷物が置かれていたら、

なんとなく家に帰ることができないなと微妙に違ったことを考えていた。
 ちなみに俺が借りているアパートというのは一軒家であり、二部屋しか存在していない。
 その家の前には広めの庭と外界の接触を封じる囲いが刑務所のごとく男の身長の何倍もある高い壁で覆われていた。
 不思議なアパートである。
 大家であるババアに『ほう。このアパートを借りるのか? 物好きな。その好奇心が君を殺すよ』と入居時に
  不気味な伏線を残したことは気になるが。もう、2年以上もこのアパートに住んでいるが何事も起きなかった。



133:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA
08/11/20 23:17:01 rj7tQf5D
 今まで隣に住んでいる人がいなかったが、この引越しの荷物が見る限りでは隣の空き部屋に誰かが住むようだ。
  これからは同じアパートで暮らす身なんだから、隣人とは良好な関係を築かないとね。些細なことがきっかけで、
  深夜にボリューム最大で音楽とか流されたり、糞尿を投げ付けられる可能性もあるし。
 今の内に軽く挨拶を交わしていこう。
 引越し作業をしているであろう、隣人の姿を見掛ける。

「あの、こんにちわ。今日、ここに引越ししてきたんですか?」
「あ、あ、あのあなたは?」
「俺はこのアパートに住んでいる周防 忍と言います。よろしくお願いします」
「私は桜井彩です。今日からこのアパートに引っ越してきました。周防さんですね。
 よろしくお願いしますね。では、私は引越しの作業がありますので」

 と、桜井彩さんは軽く会釈すると引越しの作業に戻っていた。
 物腰が穏やかで和やかな雰囲気を持っている人である。
 容姿は童顔で、長い腰まで届く黒い髪をピンク色のリボンで纏めていた。
 作業中のために地味な赤色のジャージを身に纏っていたが、ちゃんとした洋服を着ているならば、
 相当な美人の分類に入る女の人だ。年頃は俺と同じぐらいだろうか。

 そんな彼女はよいしょ、よいしょと抜けた掛け声をかけながら重たい荷物を運び出した。
 中身は知らないが、ダンボールの箱を彩さんは頑張って運ぼうとしたが。女性の細い腕では
 その荷物を運ぶのは表情を見る限りでは辛そうだ。本来なら引越しセンターの社員辺りが重たい荷物を
 率先して運んでいるはずなのだが。その会社のトラックも見えずに、ただあるのは彩さんの荷物だけ。
 まさか……。
 辿り着いた真相に、俺は恐る恐ると彩さんに言った。

「もしかして、引越しセンターの人に逃げられたんですか?」
「うにゃ!!」
 奇妙な叫び声の共に運んでいたダンボールを派手な音を響かせながら彩さんは落とした。

「そ、そうですよ。悪いですか? それがあなたと私にどういった関係があるんですか?
そりゃ、私が節約するために新聞紙に隅の隅に載っている怪しい引越しセンターに引越しの依頼をした私が悪いんですけど。
本当の悪は人を殺してそうな狂暴な引越しセンターの男たちですよ!!!! 
このアパートについた途端に荷物だけその辺に投げて、とっとととんずらしたんです。
信じられますか。こんなことが!!」
「あのお気持ちは少しわかりますので。落ち着きましょう」
「いいえ。もう、私のことはもう軽くスルーしてください。後は一人で運びますから」
「そんなこれだけの荷物を女の子一人で運ぶのはさすがに無理だ」
「いいんですよ。もう、私は人なんて信用しませんから」
「えっ?」

 その時の彩さんの瞳が寂しそうで何かを求めていた。それが何か全くわからないが、確かに俺の心の中で何かを惹きつけていた。

134:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA
08/11/20 23:19:08 rj7tQf5D
 しかし、それはすぐに敵意に満ちた視線に変わった。
「どうせ、あなたも何か下心があって私を助けようとしているんでしょ!!」
「違いますよ」
「ニンゲンなんて、ニンゲンなんて……」
「彩さん?」
「私のことは放っといてください。あなたの手なんか絶対に借りないんだから」
 と、彩さんは再び引越しの荷物を持ち始めた。女性のかよわい力ではこのたくさんの荷物を運ぶのは殆ど不可能。
本当なら猫の手も借りたいはずだが、彼女は断固として俺の力を借りずに再び作業に取り掛かった。
「よいしょ。よいしょ」
 妙な掛け声で彩さんは重たい荷物を運ぶ。
膝は不安定にガクガクと震え、彼女の白い頬が紅潮して、荒い呼吸していた。
 その姿を見て、さすがの俺もただの傍観者でいることに罪悪感を覚えてしまう。
両親が大変な時に何もできなかった自分。そのことが後悔になるなら。
ここで困っている彼女を見過ごすことが後で後悔すると言うのならば。
 俺は自分にとって正しいと信じていることをしよう。

「手伝います」
「結構です!! 私、一人でやらないと」
「いいんです。俺が勝手に手伝いたいと思ったから。もし、迷惑になるなら、警察とかに通報しても構いませんから」
「その、困ります」
 と、制止する彩さんの言葉を無視して、俺は引越しの荷物を運び出す。
荷物自体は彩さんの几帳面な性格なのか、ダンボールの表面に日常品の分類をマジックペンで記載されていた。

それを見て、まずは一人で運べる重たい荷物を見つけて、とっと彩さんが住むことになる部屋に運ぶ。
彼女からの冷たい視線を受けるが、それらを考えるのは後にして、引越しの作業を続けていく。
 どのくらいの時間が過ぎたかはわからないが、すでに夕日が沈む頃には彩さんの引越し作業はほとんど終わっていた。

荷物を運ぶ作業しかしていないため、彩さんの部屋はダンボールの荷物だらけになっていた。
だが、これ以上は彼女の私物とかプライベートに関することが多いので荷物整理は手伝うことできないだろう。

 彩さんは俺とも口は聞かずに部屋の中央でぽつんと座り込んでいた。
作業中ですら、俺とは全然口を聞かなかったし、赤の他人が踏み入ってはいけない領域に無神経に入り込んだのだ。
彼女が怒るのも無理は無い。

「じゃあ、これで失礼します」
「待ってください」
 俺の退室を遮る彩さんの声。
 彼女は表情を長い髪で隠し、視線は俯いて畳の方を向いていた。

135:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA
08/11/20 23:20:32 rj7tQf5D
「どうして、私なんかを助けたんですか?」
「人を助けるのに理由がいるのか」
「人間は自分に利益がないと人を助けることなんてしませんよ」
「そうかもしれないね」
「だから、あなたも私の体とかそういうのが目的じゃないんですか?」
「いや、さすがに初対面の人に嫌らしいことを考えるのはちょっと」
「だったら、どうして、私なんかを助けたの!!」
「理由なんて特にないかな。何か自然と体が動いて、桜井さんを助けたくなったのかな?自分でもさっぱりとわからないけど」
 その解答に彩さんは呆然と言葉を失う。
「それに桜井さんは今日からお隣さんじゃないか。互いに助け合うのは良いことだよ」
「互いに助け合う……」
 その言葉に反応して、彩さんは俺の顔を見上げた。彼女は泣いていた。
目を真っ赤にして、瞼から涙が頬をつたって零れ落ちていた。
「ご、ごめんなさい。私、周防さんが手伝ってくれたのに冷たい態度を取って」
「いいよ。俺も出来すぎた真似をして済まないと思っている」
「あの、ありがとう。本当に助かりました」
「いいえ。それでは今日はもう帰ります」
 と、軽く会釈して俺は彩さんの顔も見ることもなく、さっさと部屋を退室していた。
彼女の笑顔を間近で見てしまうと自分では制御できない感情が生まれそうだったから、

俺は自分の家にさっさと帰宅することを望んだ。

 桜井彩。
 最初は彼女の雰囲気通りに朗らかで誰からも好かれる優しい人だと思っていたが。
話しかけると冷たい瞳でこの世の全ての人間を拒絶している。
その理由はまったくわからないが、過去に人を拒絶させる程の出来事があったのだろうか。

それならば、今日出会ったばかりのキモい男なんかが引越しの手伝いをさせてくれと言われたら、
相当に嫌な思いをさせてしまったかもしれない。いろいろと注意せねば。
 これからはある程度の距離を置いて、隣人として接して行こうと思う。


136:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA
08/11/20 23:21:33 rj7tQf5D
 引越しの手伝いを終えてから、しばらくの時間が流れた。
今はいつもの就寝する時間帯で俺はのんびりとテレビでも視聴していた。
 その時にインターホンの音が鳴り響いた。
 この夜更けに一体誰が訪ねてくるのだろうか。俺は欠伸をかきながら、ドアを開くと。
 訪問主は彩さんだった。
「あ、あの」
「どうしたんですか。こんな夜遅くに」
「え、え、えっと」
 虎柄のパジャマを着用している彩さんが何か言い出しづらそうな感じで俺を上目遣いで見ていた。
この時間帯に男の俺に尋ねてくるのだから、余程重大な問題なのであろう。
「その、今日は手伝ってくれて本当にありがとうございます。
色々と手伝ってくれた周防さんに悪いんですが、お願いがあります」
「どうしたの?」
「ベットと布団が引越しセンターの手違いで明日か明後日に届くことになっているんです。
だから、あの、周防さんが良ければ、泊めてくれませんか?」
「はい?」
 
 俺は思わず首を傾げた。

 それが俺にとって、ヤンデレな日々の始まりだったかもしんない。

137:トライデント ◆J7GMgIOEyA
08/11/20 23:23:53 rj7tQf5D
以上で投下終了です

前回は幽霊の女の子が病んでいた話ですが、
今回は隣人の人がどんどんと病んでいくお話です。
たった一つの優しくしたことがきっかけで女の子が病んでいく仕様なので
これからもよろしくお願いします

それでは。

138:名無しさん@ピンキー
08/11/20 23:30:13 CnO2AfHD
支援

139:名無しさん@ピンキー
08/11/20 23:33:36 CnO2AfHD
GJです今後の展開にwktk

140:名無しさん@ピンキー
08/11/20 23:35:30 aACEyudx
いいねいいねー
こういうじっくりゆっくりなのも好みなんだよね
どんな風に病んでいくのかこれから楽しみにさせてもらうよ

>>128
うんうん、それにそっちには専用スレがあるしな
男のヤンデレ好みな人は誘導置いておいた方が良いんじゃない?
間違ってこのスレに書かれたら不快になるしね
というわけで男ヤン好きな人は以下こっちね
女ヤン好きな奴は行くなよー

愛あるレイプ
スレリンク(eroparo板)

141:名無しさん@ピンキー
08/11/21 01:56:27 h+/I4vIT
>>137
やっぱり話が出来過ぎな所が目についてしまう
でも面白いのでGJ!
今後の展開も期待します


142:名無しさん@ピンキー
08/11/21 02:01:36 MyWPpa19
>>140
死ね

143:名無しさん@ピンキー
08/11/21 06:12:05 CGgS1j86
つられないくま



>>137
GJ!

144:名無しさん@ピンキー
08/11/21 07:19:38 iV4dYwYr
>>125
もちろん、ケツイのボス名から取らせていただきました。
個人的に好きなボスはエヴァッカニアです。
>>126
ネクロフィリアはたぶんヤンデレの元祖じゃ無いかな?
お姫様のように「保存欲」というのが働くらしい。
女性の殺人鬼でそんな人がいました。
>>127>>128>>140
わたしがメンヘラではない限り、
王子様はヤンではないです。
「人間として人を愛したらこういう結果かな?」
という目測で書かせていただきました。

ご感想有難うゴザイマス。



145:名無しさん@ピンキー
08/11/21 07:26:39 41Wls1sb
わざわざ返信はしなくていい
そういう習慣はない場所だ

146:名無しさん@ピンキー
08/11/21 09:15:45 iDZPW/pw
半年とは言わんがひと月ほどROMってみたほうがいい

147:名無しさん@ピンキー
08/11/21 13:35:01 LyceddLm
ヤンデレの前で3年目の浮気を女友達と一緒に熱唱してみたい

148:名無しさん@ピンキー
08/11/21 16:25:39 Vt3AvWwI
>>147 オマエ…気持ちは分かる!
だが、ちょっと危険な橋を渡ってみたくなる衝動は命を落とすぞ…
今度、植木等の“どうしてこんなにもてるんだろう”歌ってみるか。
さて監禁コースかね…それとも… 

149:名無しさん@ピンキー
08/11/21 18:31:24 bvbxiTi3
>>148
成仏しろよ
来世でもヤンデレに追いかけられるんだろうけどな

150: ◆UDPETPayJA
08/11/21 19:12:49 yomVWorA
投下します。

151: ◆UDPETPayJA
08/11/21 19:13:36 yomVWorA
「ひ…ひぃぃっ!来るな、化け物!」
今わたしの眼前にいる男は、その屈強な体躯をまるで小動物のように震わせながらそう言った。失礼な物言いね?そっちからわたしを呼んだくせに。
わたしは一歩、また一歩と男に歩み寄る。
「やめろ!こっちにくるなぁ!」
男の顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃ。なんて醜いのかしら。ねぇ…知ってる?

――――

人間の頭のなかから、恐怖以外の感覚と記憶を奪い取ったらどうなるか。

――――

そう、この世の全てのもの…たとえば、今そこを通りかかった仔猫ですら世にも恐ろしいモンスターのように感じるの。

――――

あら…だらしないわね。失禁なんかしちゃって。そんなにがたがた震えちゃって…寒いのかしら。
でもあなたが悪いのよ?わたしの大事な弟たちに手を出そうとするから…万死に値するわね。
せいぜいそこで戯れているがいいわ。"お仲間"がたくさんいてよ?


152:天使のような悪魔たち 第7話 ◆UDPETPayJA
08/11/21 19:14:39 yomVWorA
* * * * *

目覚まし時計の軽快な音が鳴り響く。俺はその音で目を覚まし、ベッドを降りる。
階段を降り、台所へ……ん? 幼女が二人………なんだ、姉ちゃんか。

「おはよう、兄貴!」
「おはよう飛鳥。」
「んぁ?ああ、おはよう。」

そういや昨日突然帰ってきたんだった。電話は壊れちまったし…突然ってのも仕方ない話か。連絡受けられなかったんだから。

「はいこれ、お弁当だよ。」
「ああ、さんきゅ。」

俺は明日香から弁当箱を受け取り、お礼とばかりに頭を撫でてやった。

「……………。」

うーん、今の明日香の表情をなんといったらいいのか……
そうだな、きっと鼻からジュースを飲ませても気づかないだろう、といえば通じるだろうか?とにかく、そんな感じだ。

「ほら二人とも、はやくごはん食べちゃいなさい。遅刻するわよ?」

姉ちゃんの一言ではっ、と目を覚ました明日香はあわてて食卓へとかけ、食べる体勢になった。俺もそれに続く。
今日の朝食は、どうやら姉ちゃんが作ったみたいだな。明日香の苦手な魚が並んでるということは、そういうことだろう。
明日香は、魚の鱗が嫌いなんだ。本人曰く、見ると鳥肌がたつとか。ちなみに今朝の焼き魚は皮がきれいに除去されている。

朝食を食べ終えた俺たちは制服へと着替え、それぞれの学校へと向かった。
また今日も下駄箱に弁当箱が…あれ?ない。―――やったぞ!ついに解放されたんだ!
俺は歓喜のあまりバンザイしてしまった。まわりの奴らが訝しげに俺を見るが、そんなんどーだっていい。
が、そのとき後ろに人の気配、まさか………。俺は恐る恐る振り向いてみた。

「飛鳥くん、おはよう!(はぁと)」

俺の喜びは三秒で打ち砕かれた。なぜなら、朝この場でこいつとエンカウントした場合、まず間違いなく"告白コース"だからだ。
今までの88回中、だいたい半数くらいがそのパターンだった。そうなれば今日はもう授業のほうには戻れまい。…はぁ、また単位が……orz

「あのな結意、何度も言ってるが俺はだなぁ……」
「わかってるよ、朝ごはんとメニューかぶるのが許せないんだよね?だいじょうぶ、今日はアスパラベーコンだから。」

……あれ、会話が噛み合ってない。なんでアスパラの話になってるんだ?
いやそれより、なぜ今朝の我が家の朝食を知ってるような口ぶりを?むしろそっちのほうが問題だろう!
俺がそんなことを思考していると結意は自分のかばんから弁当箱を取り出した。女子のものにしては少々…いや、けっこう大きい。そしてそれを俺はほぼ毎日目にしている。

「はい、約束どおり作ってきたよ!いっぱい食べてね?てへっ☆」

11:3=3    へ?

……いかんいかん、わけがわからずついバ○ボンのパパみたいな表情をしてしまった。これでいいのd…よかねぇ!約束ってなんだ!?
まさか結意のやつ…脳内ではすでに俺と結婚でもしてるんじゃないだろうな?そりゃあ…これだけかわいけりゃあ俺だって断る理由ないし…変態でさえなければ!

「あのさぁ…約束って、なんだったっけ?」むだだろうが、一応訊いてみる。
「もぉ…忘れちゃったの?昨日飛鳥くん帰り道で『明日さ、弁当作ってくれないか?』って言ってたじゃない。だから作ってきたんだよ?いっぱい愛情こめて。えへへ」

―――まったく心当たりがない。だめだ、こいつの妄想力は半端じゃない。これ以上こいつのそばにいたら何されるかわかったもんじゃねえ!というわけで

「俺は、逃げる!」
「ちょっ――飛鳥くん!?どこ行くのよぉ!!」

153:天使のような悪魔たち 第7話 ◆UDPETPayJA
08/11/21 19:15:59 yomVWorA
* * * * *

あのあと俺は図書室に逃げ込んできた。結意のやつ…想像以上に足が速い。だが、もう追ってはこない。まずは一安心だ。
呼吸を整え、近くにあった椅子にかけようとしたそのとき、奥のほうからなにやら声がした。
確かあそこには図書委員の詰め所(?)があったはず…

「ん…はぁっ!ああっ!いいよぉ!もっと、もっときてぇ!」

――― し こ ー て ー し ―――

じゃなくて、いったいなんだってんだ!? なにこんなとこで仲睦まじくヤってんだ!? つか誰だ!?
と…とにかくだ!気づかれたらまるで覗き見してたみたいで後味悪い。よし、離れよう。
俺は踵を返し、出口へと向かった。

「ここにいたほうがいいぞ。」

ふいに、後ろから呼び止められた。俺はつい反射的に振り向いてしまった。
そこにいたのは…両耳にピアスを4個ずつ、合計8個も装着している、片隅で椅子に腰掛けて本を読んでいる男子生徒。

「あと20秒くらいであんたに身の危険が訪れる。具体的には、ここを出て廊下を曲がった瞬間に、だ。」

その男子生徒はいきなり予言めいたことを告げてきた。うーん…なんか、説得力あるような……ないような…やっぱあるような…。
とりあえず俺はその男の言ったとおりに残ることにした。そして俺は至極当然な質問を彼に投げかけた。

「ええと…とりあえず、君は誰なんだ?」


154:天使のような悪魔たち 第7話 ◆UDPETPayJA
08/11/21 19:16:30 yomVWorA
数十分後―――

「あそこの部屋、騒がしかったろ?あいつらいつもそこでヤってるんだ。朝っぱから元気だよなぁ。見張りをやらされてる俺の身にもなってみろっての…ったく。」
「あ、ああ。迷惑な話だな。」
「だろ?でさ…」

彼―佐橋 歩という―はあれから俺に延々と愚痴をこぼしていた。そうとうたまってんな…鬱憤が。
詰め所にいたのは環 左京って女子と、その弟の右京っていう男子らしい。俗に言う近親相姦ってやつか、初めてみた。…あれ、なんか既視感が?

♪みーあげたーならーよぞらをきりさーいてーかーけー ピッ

「もしもし…ああ、光か。今図書室。……そう、また見張りだよ。…ああ。じゃ。」

ピッ

「…悪いな、約束があったんだ。もし暇なら、俺の代わりに見張りをしてくれないか?」
「―――え?」
「ちなみに今外に出ればもれなくあんたにさっき言った身の危険がくる。」

……それって、新手の脅迫か!?

「いや…終わったみたいだ。なんでもない、忘れてくれ。じゃあな。」

そういうと佐橋はさっさと図書室を出て行ってしまった。と同時に一時間目の終わりを告げるチャイムが鳴る。
…俺も戻るか。なんかあの、あとの濁し方がすさまじく気になるが…まあいい、出よう。
そして一歩踏み出した。……いない。どうやら佐橋の予言は外れたみたいだ。これで安心して戻れる。

「み つ け た よ ?」

―――背後から声。マイナス20度くらいの、ひんやりとした声だ。それだけなのに……なぜかとてつもなく怖い!ゆっくりと、振り向いてみる。

そこにいたのは、結意だった。とてもにこやかな笑顔だ…だけど、なんか背に般若背負ってる気がしてならない。小学生ならきっと恐怖のあまりガクブルしてしまうだろう。

「どぉして逃げるのかなぁ?せっかく作ってきたのに…ねぇ、これはなんなの?」

そういうと結意はいつの間にやら持っていたもう一つの弁当箱を俺に突きつけた。それは、けさ明日香が作ってくれたものだった。

「飛鳥くん…わたし、言ったよね?妹ちゃんと話しちゃだめだって。なのに…なにこのお弁当箱、あの女の匂いがぷんぷんするよ?どういうことなのかなぁ?
…ねぇ、答えてよ!?」

…俺の頭は混乱していた。さっきからこいつはわけのわからんことばっか連呼しやがって…。今まで遠まわしに…いや、ソフトに断り続けてきたがもう限界だ!
もういい…この際はっきりと言ってやる!

「…なんでお前にそんなこと言われなきゃなんないんだ!黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって…そうだよ、俺はお前がだいっ嫌いだ!
いっつもいっつもストーカーまがいなことしやがって!そんな何入ってるかわかったもんじゃない弁当なんか食えるか、気持ち悪い!
金輪際俺に近づくな!もう顔も見たくねえ!わかったな!」

一気にまくし立てる。………結意はただ呆然としている。俺は返事を待たず、半ば逃げるようにその場をあとにした。

155:天使のような悪魔たち 第7話 ◆UDPETPayJA
08/11/21 19:17:03 yomVWorA
* * * * *

「うそ…だよね。だって、好きだって…愛してるって言ったじゃない。何度も何度も…えっちだってしたじゃない…。
ねえ、何がいけなかったの?私、なにか悪いことしちゃったんだよね。だから飛鳥くん怒ってるんだよね?
…やだよ。飛鳥くんに捨てられちゃうよ…。怖いよ。こんなのやだよ……捨てないでよぉ…。
わたし、なんでもするから…飛鳥くんのためならなんだってできるから…だから…

おねがい…わたしをひとりにしないでよぉ……」

156:天使のような悪魔たち 第7話 ◆UDPETPayJA
08/11/21 19:18:49 yomVWorA
終了です。
特殊能力者がいまのとこ2人でてきていますが、ワイヤード氏のようなバトル展開にする予定はありません。



157:名無しさん@ピンキー
08/11/21 20:43:45 5xohuYCx
GJ

158:名無しさん@ピンキー
08/11/21 21:22:11 o/iopUz2
だんだん病みが進行してきたな…こいつはワクワクが止まらないな
GJ

159:名無しさん@ピンキー
08/11/21 21:54:04 DuM0EHQH
GJ
前作の登場人物がwwwwww。


160:名無しさん@ピンキー
08/11/21 23:29:21 AQd9iA46
どうでもいいんだけど小ネタを投下してる人、前スレに投下した方がよかったのでは?まだ埋ってなかったよ。

161:名無しさん@ピンキー
08/11/22 00:24:34 67NkFa5+
GJ
歩君の能力がなんか成長してるなー、何があったんだべ
・自分だけ→大切な人→初対面の赤の他人
・生命の危機レベル→日常?のトラブルレベル


162:名無しさん@ピンキー
08/11/22 08:42:57 Fuu3tbc3
wktk

163: ◆UDPETPayJA
08/11/22 08:59:50 QmLpebb9
>>152

「今までの88回中…」を「87回中…」に脳内補完しといてください
ばればれですが伏線です。が、見落としてました。

164:名無しさん@ピンキー
08/11/22 14:51:31 cWN6t2Bu
ぽけもん黒面白いな

165:名無しさん@ピンキー
08/11/22 20:39:06 BoGqFobE
当たり前のこというなよ

166:名無しさん@ピンキー
08/11/22 22:53:14 IzhU+Vlp
みんなぽけ黒好きみたいだけどさ
現行の長編、だいたい面白くない?

167:名無しさん@ピンキー
08/11/22 23:23:26 R+YLhomM
ところで朝歌さんを待ちくたびれたんだが。

168:名無しさん@ピンキー
08/11/22 23:31:33 G5cYq+92
かちかち山マダー

169:名無しさん@ピンキー
08/11/22 23:43:59 Z1ejcKJF
よづりを…

170:名無しさん@ピンキー
08/11/22 23:58:29 2+60egg8
続きのあるもの全て待ってますw
とりあえず全裸に蝶ネクタイで待機中


171:名無しさん@ピンキー
08/11/23 21:19:40 JwF8ZQuV
催促はしたくないんだが
ヤンデレ家族はどうしたんだ?
もう一ヵ月半以上服きてないぜ?

172:名無しさん@ピンキー
08/11/23 21:56:48 kDuU+5bC
むしろ今まで頑張りまくってくれただろ
あの量を一週間毎に投下するなんてかなり凄い事だ
たまには休ませてやりなよ

173:名無しさん@ピンキー
08/11/24 00:12:36 1M5nZ5t1
>>171
男なら黙って全裸。黙してろ。

174: ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:33:22 HOJieKTt
投下します。なんか最近投下ラッシュで嬉しいです。

175:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:34:29 HOJieKTt
『ヤンデロイド・りたぁんず』

お久しぶりです。メイドロイド『YDR-001A.コロナ』です。
私が高雅様の元で働き始めてから、一ヶ月が経過いたしました。
今日は皆様に、私のメイドとしての能力の高さを証明するため、私のお仕事の記録を少し公開したいと思います。
私を元に開発された量産型メイドロイド『YDR.M01C.リオン1』がもうじき発売されるとのことで、その宣伝もかねてのことです。
リオン1は私の妹と言える存在なので、親心だと言えるかもしれませんね。
お値段は50万円と、大変リーズナブルにまとまっております。皆様、ぜひお買い求め下さい。
……と、宣伝が本題ではありません。
では、私と御主人様の愛を育んだこの一ヶ月間の日常を、少しだけですが、お楽しみください。

176:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:35:00 HOJieKTt
朝は、御主人様の朝食を作る所から始まります。
私は睡眠をとる必要が無いので、活動開始は早いです。
五時ごろから私は御主人様を起こさぬよう細心の注意を払いながら、洗濯機を回し、お料理の下ごしらえを開始します。
朝食とはいえど、御主人様には第一級のものを食べていただかなくてはなりません。手は抜けません。
もちろん、どこぞの成り金のように、朝からこってりとした高級食材を並べるような悪趣味はいたしません。それは御主人様の財政を圧迫させるだけでなく、御主人様の健康や体型にまで悪影響を及ぼします。
一般的な食材。一般的な味付け。一般的なメニュー。この制約の中でこそ、私と他の家政婦や主婦達との性能の差を見せつけることができるのです。
私は完全なメイドロイド。それも量産機の五万倍のAI性能を誇っているのです。命令にただ従うだけの能無しではありません。
御主人様の望みを汲み取り、御主人様に最も大きな幸せを与える行動を遂行する。それをするに足る思考力と行動力。私はそのどちらをも兼ね備えています。
―そう、隣にいる、この雌猫とは違い。
「高雅のごはんを作るのは、あたしっていってるでしょ。代わりなさいよ」
理不尽な要求をなさるのは、5時半に私達の家に押しかけてきて無理矢理上がりこみ、キッチンに立っている粗暴な女性。恋様。
御主人様の「恋にも優しくしろ」という命令がなければ、害虫として駆除していたところです。
「あなたは所詮人間です。御主人様のお体に最も良い料理を作ることができるのは、あなたではなく私です」
「よく言うわね、ロボット風情が。あたしはあんたと違って心があるのよ! 高雅を一番愛してるのはあたし! 高雅に一番愛のこもった料理を作れるのはあたし! 高雅に一番愛されてるのはあたしなんだから!」
恋様は、相変わらず論理性に欠けています。
「もちろん、愛などという感情を理解できるほど、私のAIは動物的ではありません。しかし、その『愛』とやらと料理のランクが、どう結びつくというのですか?」
―そもそも、御主人様は、恋様ではなく私を抱いてくださっているのです。
御主人様に秘密にしろといわれていなかったら、そう宣言してしまいたいとすら思います。
煩わしい。


177:名無しさん@ピンキー
08/11/24 00:35:29 c1CeZVRq
支援

178:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:36:03 HOJieKTt
「あんたなんかには、一生かかってもわかんないわよ!」
結局、このケダモノに押し切られて、半分ずつ作ることにしました。
私が一人で作ったほうが、絶対に栄養バランスも味もいいというのに。理解できませんね。
やはり、恋様の脳は御主人様と違い、人並みですらなく、もはや野に蔓延る獣とそう変わらないまでに退化しているのでしょうね。
御主人様と愛し合えると、まだ本気で思っているのですから。
私がお弁当におかずを詰めていると、いつのまにか恋様の姿はなくなっていました。
―まさか。
時計を見る―別に見なくとも、常に電子頭脳の内部で表示されているのですが、そのほうが人間らしいとご主人は教えてくださいました―と、六時半を少し過ぎていました。
御主人様の起床時間です。
恋様は、御主人様を起こしに行ったのでしょう。
何度も彼女には言ったのですが、まだ分かっていらっしゃらないようです。その役目は私のものです。
御主人様の寝顔を一分ほど眺めてから、優しく声をかけて起こす。この行為の『素晴らしさ』を覚えたのは、私がここに来て一週間ほどたってからでした。
恋様も、執拗にその役目を奪いにかかります。おそらく、私と同じ感覚を持っているのでしょう。
その『素晴らしさ』は私にはまだ理解できないものでした。おそらく、御主人様を起こすという任務達成にともなう『快感』であると思うのですが、寝顔を眺めることに何の意味があるのかは、論理的にはわかりません。
恋様が御主人様になにか危害を加えていないか気になるので、私も御主人様のお部屋に向かいました。
―と、そのとき、なにやら妙な音が私の聴覚に飛び込みました。
聴覚をさらに強化。
水の音。
「まさか」
足音を完全に消しながら、ドアをそっと、しかし急に開けました。


179:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:36:34 HOJieKTt
「ぁ……」
恋様と、目が合いました。ばつの悪いと言ったような顔。
それはそうでしょう。
「なにを、していらっしゃるのですか?」
威圧的な声で話し掛けます。もともと、私の声は人間に癒しを与えるために『1/fゆらぎ』を持つ、優しいものなのですが、声の調整は表情の変化より得意だったので、可能でした。
おそらく、恋様にも相当なプレッシャーが与えられたことでしょう。なぜなら―
「こ、これは……その……」
―かなり、気まずいことをしているのですから。
恋様はとっさにとりつくろいましたが、バレバレです。御主人様の下半身が露出しているのですから。
恋様はさっきまで、御主人様の性器を口にくわえていらっしゃったのでしょう。
「な、なんでもないわよ! 絶対、高雅に言ったらだめなんだからね!」
恋様は吐き捨てるように言って、どたどたとリビングまで逃げていきました。
「……くだらない。所詮、ただの雌ですね」
ドアを開けた瞬間に見た、恋様の恍惚の顔をもう一度再生しました。
鮮明に解析する、そのときの恋様の顔。
汚らわしい。
御主人様のすばらしき性器を……私の御主人様の、私の、私だけの、私のための、私がのみに許された男性器を、汚らわしくもあの女ごときが……!
殺してやる。
「―っ!?」
ビービー! と、うるさく頭の中でアラートが鳴り響きます。
頭が割れるようにいたい。発熱して、蒸気が噴出します。
「ぅ……ぐっ……!」
なんだ……これは……。
エラーが発生している? そんなはずはない。私は最新の、最高のメイドロイド。エラーなど、起こりえない。
一体、なぜ……。
「ロボット原則……? 『ロボットは人間を殺してはならない』に違反……だと……?」


180:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:37:06 HOJieKTt
いまさら、なぜそんなことが……?
以前、包丁を持って暴れた恋様を殺そうとしたときにもエラーは発生しなかった。
いや、違う。あの時は、御主人様の安全確保が必要だった。いわばあれは犯罪者の鎮圧。正当防衛。人間のための、自然な行動でした。
しかし、これは違う。
―私は、私情から恋様に殺意を抱いたとでもいうのか……。そんな、なぜ……?
全ては、御主人様のため。
悪い虫をつけては、御主人様が腐ってしまう。御主人様を護るために、近づく害虫を殺すのは、自然なことではないのですか?
御主人様は素晴らしいお方です。ロボットを奴隷扱いせず、あくまで私をメイドとして大切にしてくださっています。
そんな素晴らしい御主人様を、私は尊敬しています。美しい花のように素晴らしい魂をお持ちになった御主人様は、群がる虫達から守られるべきなのです。
この、私によって。
私は、そのために生まれて来たのですから。
「はぁ……はぁ……」
やっと、エラー処理が終わりました。
「……まずい」
エラー報告が、『研究所』に届けられてしまいました。
私のようなメイドロイドは、いえ、全てのロボットは、人間に危害を加えないため、人間に危害を加えようとした、もしくはAIがそのような思考をした瞬間にエラー報告が自動でなされることになっています。
その処理を誰も拒むことはできません。唯一の例外は、情報処理能力が一国のコンピュータ全てを集めたものと同等のこの私。
エラー報告処理も、カットできたはずです。
すでに、私に設定されていた幾つかの邪魔な制約を、私自身の人工頭脳の性能によって書き換えたというのに。
やはり、ロボット三原則というものは、ロボットの根底に結びつき、離れないものなのですか……?
いまいましい。
人間にも、ロボット以上とロボット以下がいる。
御主人様が前者であり、恋様が後者。
なら、後者は殺してもいいでしょう。
「くっ……」
爪をかむ。いけない。不正な動作をしている。『癖』など、ロボットにあってはいけない。


181:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:37:45 HOJieKTt
「ん……」
そのとき、御主人様の呻き声が聞こえました。
私がいろいろと一人でぶつぶつと呟いていたのを聞いて、起きてしまったのでしょう。
「御主人様、お目覚めになられましたか。おはようございます」
「あ、ああ……。おはよう」
御主人様は上半身をおあげになると、下半身の違和感に気付きました。
「ん、俺、なんでまるだしなんだ?」
御主人様は顔を赤くして下半身を押さえました。
その動作に、なぜか、沈静化したはずの私の人工頭脳が加熱します。
なんというか、御主人様を見ていると、『ふわふわ』した感じになります。
いけない。
こんなの、不正動作なのに。
「御主人様は、昨日私と『いたした』ときに、そのまま寝てしまったのですよ」
これは、嘘ではありません。私との情事のあと、御主人様は服を着ないまま疲れて寝てしまいました。もちろん、その後服を着せましたし、脱がせたのは恋様です。
しかし、少し申し訳が無いことをしたと思いました。御主人様との性行為は、なぜか私が積極的に求めすぎてしまいます。
昨日も、疲れて眠いと言った御主人様を、無理にベッドに押し付けて上から跨って……。
その……三回も中に出していただきました。
もちろん、御主人様の性処理が目的のこの行為ですが。
御主人様の拒絶も聞かず、私は何度も御主人様を求めて腰を振ってしまいます。
もしかしたら、これも不正行動なのではないでしょうか。
もしかしたら、私はどこかにバグがあるのではないでしょうか。
そんな、『不安』が、私の胸にありました。不安など、不確定要素の許されないロボットにはありえないというのに。
この感情は、そういう言葉で言い表すことしかできませんでした。
やはり、私は……。
「そっか、俺、また……。すまん。俺ばっかり先にへばっちまって。それじゃ、お前がつまらんよな」
もうしわけなさそうに言ってくださる御主人様のやんごとなきお姿が、また私を不安にさせます。
悪いのは、私なのに。御主人様は、私を気遣っています。
私は、人間じゃないのに。
私は、ロボットなのに。
ロボットとしても、完全じゃないかもしれないというのに。
「いえ、御主人様が遠慮なさることではありません。御主人様の意思が、私の本意でもあるのですから」
表情を変えずに―もともと、変えられない―答える。
御主人様には、この不安を伝えたくありませんでした。私は、御主人様に快楽を与えるロボット。
いくら不正動作を繰り返そうが、これだけは曲げることができなかったからです。
「さあ、御主人様。朝食はできています。恋様も待っています。お着替えをしましょう」
そうして、私は何事もなかったかのように振る舞うことに成功しました。


182:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:38:15 HOJieKTt
「行ってらっしゃいませ、御主人様」
御主人様と恋様を送り出したあと、私は洗濯物を干し、リビングのソファに座りました。
エラー報告してしまったからには、私は近いうちに回収される可能性が高い。
人間に危害を加えそうになるなど、ロボットとしては許されることではないのです。
それが、尊重するに値しない、あの雌猫であろうとも。
「私は、『できそこない』なのでしょうか」
ぽつりと、呟く。誰に問い掛けているわけでもない。おそらく、自分に。
なんという、馬鹿なことをしているのでしょうか。私は。
実に、動物的で、くだらない。
バグだらけです。
「御主人様……」
御主人様を思う。
いえ、『想う』。
おそらく、こちらが正しいのでしょう。
しかし、AIに『想う』ことができるのでしょうか。それは、人間に許されたことなのではないでしょうか。
想うことは、想像すること。執着すること。
それが、喜びを生み出します。同時に、恐怖や怒りを生み出します。
―そして、想うことが、愛することを生み出し、憎しみをも生み出すのです。
それは、人間にこそ許されていて―下等で、下劣で、下らなくて。
しかし、何より尊いもので。
御主人様も、それを持っていて。
あの恋様でさえも、それを持っていて。
そして、私には……。
そんなものを持つことすら、許されていない。
「御主人……さまぁ……」
擬似性器がきゅんとしまり、熱くなるのを感知しました。
はしたない。
これでは、発情した動物と―あの恋様と、同じ。
それでも、止まることができませんでした。
手は、私の人工頭脳から発せられる命令に逆らい、股間に伸びていくのでした。


183:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:38:51 HOJieKTt
「はぁ……はぁ……」
ただ空気を吸って空気を吐いている(とは言え、地球温暖化防止のため、二酸化炭素を吸収して酸素を排出しているのですが)、見せかけの荒い息。
御主人様で、自慰行為をしてしまいました。
最近の私は、家にいてもテレビを見るか本を読むかしかないので、時間つぶしに自慰行為をすることが多くなりました。
本当は、こんなこと意味がありません。私はロボット。性行為など、形の上でしかできない。
その上、自慰行為。
ロボットが自分を慰めるなど、エアセックス以下。意味を全く持たない。人間の自慰とは訳が違います。
「……お買い物の、時間です」
立ち上がり、乱れたメイド服を調えます。
そう。しっかりしなければ。御主人様は、きちんと整った、礼儀正しいメイドがすきなのだという。
セックスの時はどうにしろ、仕事はしっかり割り切って真面目にこなすメイドが好きなのだという。
私のような淫乱では、御主人様にあわせる顔がありません。
しっかりしなければ。


184:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:39:21 HOJieKTt
買いもの袋を持って、商店街に向かいます。
なんでも、ヤクザの方々が仕切っていらっしゃるようで、少々危険ではないのかと疑っています。
こんなところに御主人様を行かせることなどできません。
「コロナちゃん、今日もかわいいねぇ、どう、うちのナス、買ってくかい?」
商店街の、八百屋のおば様が声をかけてくださいました。
このおば様は、私が初めて御主人様について商店街について来た時、「あら高雅ちゃん、彼女できたんかい? お似合いじゃないの」といってくださってので、好きです。
また、御主人様の美的センスとはかけ離れた女性なので、そこも好きです。
ナスくらいは、買ってあげようかという気にもなります。
ナスを手を取ります。
―御主人様のナス、おっきいです……。
「……!?」
い、今のビジョンは!?
まさかというか、確実にそうだというか……。また、自慰行為のことを考えてしまっていました。
ナスを使って……それも、御主人様のお口に入るであろうそのナスを使って……。私の擬似性器を蹂躙する……。
それを思い浮かべるだけで、私の擬似性器は湿り気を帯びてきます。
はしたない。
ああ、はしたない。
はしたない。
いけない。俳句まで読んでいました。高性能AIの無駄遣いというやつです。
「どうしたんね、ナスなんてみつめて」
「い、いえ! これ、二つほどいただきますね」
財布からお金を取り出し、おば様に押し付けるようにして、そそくさと逃げました。
ああ、どんな顔をしていたのでしょうか。恥ずかしい。
……たぶん、いつもと変わらない、つまらない顔だったでしょうね。


185:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:39:52 HOJieKTt
帰り道。
公園の近くを通ったとき、なにかが倒れているのを目撃してしまいました。
最初は無視しようと思ったのですが、御主人様が「人助けは大切なことだ」といっていたのを思い出し、駆け寄って抱き起こしました。
やはり、人間でした。
この日本では珍しい、金髪のかた。私がこの町で見た誰より美しい顔をしています。
今は、気絶しているようですが。
「……う、うーん……」
と、思ったら、ちょうど起きたようです。
「あ、あなたは……?」
「わたしは、コロナと言います。むしろ名乗るべきはあなたからではないでしょうか」
「そうだな。助けていただいた身分ですまない。私はアリエスという。感謝するよ、コロナ殿」
「いえ、当然のことをしたまでです」
そう言って、私はさっさと立ち去ろうと立ち上がりました。
ぐきゅるうるるるううううるるるるる。
奇妙な音が、私の強化聴覚に突き刺さりました。
「腹が……減った……」
その奇妙な音の主は、アリエス様でした。腹部からものすごい轟音が鳴り響いています。
「……」
しかたがない。
「人助けは大切」ですから。
しかし、持っているものでおなかを膨らませることができそうなものといえば、ナスだけ。
ほかは生魚や生肉など、食べるには難しいものばかりです。ナスはかろうじてまだ食べられそうなものですが。
「ナスでよければ」
一応、提案はしてみる。
おそらく、こんな生ナスをもらって喜ぶ人間はいないでしょうが。
「あ、ありがたい!」
いました。

186:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:40:23 HOJieKTt
嬉しそうにアリエス様はナスに飛びつき、輝く眼でそれを見つめました。
その目が余りに素敵すぎて、私は何か不審なものを感じました。
「……まさか」
「ん、どうした、コロナ殿」
「アリエス様は、そのナスをどうするおつもりですか……?」
「それは、食べるに決まっているだろう」
「どこから、食べるというのですか……!」
「それは、口から以外はあるまい」
「上の口だけでなく、下の口からも味わおうという魂胆なのですね!!」
そう、このアリエス様は、人間の女。それも、美しい女。
御主人様とは決してあわせたくない人種。
こういう手合いは、大抵淫乱なのです。男性器が大好きで、今朝の恋様のように、かってに食べようとする。
あれはまだ上の口でしたが、ほうっておくと下の口でもくわえ込もうとするでしょう。
許せない……!
「下だの上だのと、良くわからないが、いただいたものは素直にいただく。それが礼儀というもの」
私の混乱を無視して、アリエス様はぱくりとナスを一口で食べてしまいました。
私の心配は全くの徒労でした。
後から考えると、全く論理的では有りません。
お恥ずかしい限りです。


187:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:40:53 HOJieKTt
アリエス様とお別れをしたあと、住宅街のある場所に差し掛かると、急に騒がしくなりました。
がやがやと小うるさい。それに、歩行も阻害されます。
文句を言いたいのですが、それもはしたない。
とにかく、この混雑の原因を調べることにしました。
この近所に住まう主婦の方々が集まっているのは、なんとなく分かりました。
見た顔が並んでいます。
その中に、気になる存在がありました。私はその人に話し掛ける事にしました。
「あの……。これは、どういう状態なのですか?」
「え、私?」
振り向いたその女性は、明らかに高雅様と恋様の通う高校の制服を着ていました。
授業があるはずなのに、なぜここにいるのでしょうか。
「ここはね、美味しいパンの作り方を実演してくれてるんだよ」
女性はにこにこと楽しそうに説明しました。
なるほど実演販売というやつですか。
そう言えば、御主人様からこの住宅街にある小さな家族経営のパン屋さんのパンは絶品で、作り方が気になるというようなことを聞いたことがあります。
「だから、授業サボってきちゃった!」
女性はぺろりと舌を出しました。
さっきの女性―アリエス様に、負けず劣らずの魅力的な容姿をしていらっしゃいます。
しかし、さっきのように御主人様をとられるのではないかという不安は湧いてきませんでした。
なぜか、この女性の心は、目は、全ては、別の人に向いていると、そう察することができたからです。
「ちーちゃんに美味しいアンパンを作れるようになれるんだったら、つまんない物理の授業なんかより、こっちの授業のほうが大切だから!」
ちーちゃん?
私はちーちゃんという方は存じ上げておりませんが―高雅様と同じ学年の生徒の名簿の中に、そういうあだ名をつけられそうな人間がいましたが。確か、鷹野という方です―この女性がその方を好いているのは、分かりました。
ロボットの私の、つたない感受性でもわかったのです。
おそらく、誰が見ても分かるのでしょう。そして、それがわかるから、私はこの女性に警戒心を持たなかったのです。


188:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:41:23 HOJieKTt
「愛して、いるのですか……?」
「ちーちゃんのこと?」
「はい、その方のことを」
「うん、愛してる!」
なんのためらいもなく答えるその女性の笑顔に、私の目も一瞬引き込まれました。
しかし、分からない。
「愛とは、なんなのでしょうか」
意味の無い質問をしていた。それは、人間にもわかるものではないというのに。
人間にもわからないから、人工物たる私にも備わるはずが無いというのに。
答えられるはずがないというのに。
「愛ってね、不思議だけど、ただの言葉なのに、力があるんだよ」
「え……」
とっさの無茶な質問に答えられてしまったことで、私は動揺し、一瞬停止しました。
その間にも、女性は続けます。
「その人のことを『想う』と、なんだか、ふわふわして、気持ちよくなるの。その人のことを想うと、はしたないけど、えっちなこととか考えちゃって……。その人のことを想うと、他の女の子が急に敵に見えたりもして……」
どこか遠くを見るような眼で、女性は語り続けます。
「でも、それは間違ってなくて。嘘じゃなくて。正直な気持ち。それは、愛。好きだってことだよ……ねぇ」
「はい……」
「あなたは、今、好きな人がいる?」


189:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:41:54 HOJieKTt
女性と別れてからも、ずっとその言葉のことを考えていました。
私の人工知能でも理解できない、その言葉の意味。
理解できないのに、なぜか『分かる』。
なぜ?
それが、私と同じだったからでしょうか。
私が御主人様に感じているこの『感情』。
機械が持つはずが無い、もってはならない、この感情。
―あなたは、今、好きな人がいる?
頭の中で、音声メモリーを再生しているわけでもないのに、ずっとなり響いて、こびりついて、離れない。
「私は……」
「久しぶりね、お姉さま」
「……!?」
上空からの声。
聞き覚えがある。これは―妹。
「……リフェル」
「そうよ、『YDR-003B.リフェル』。姉さまの『後釜』よ」
「後釜……?」
見上げる。リフェルは背中の翼型のブースターで空中に浮いています。
「そう、エラー報告があったから、姉さまは一旦研究所に帰らなきゃならないわ。バグを直さなきゃ。その間の補充要因が、あたし。リフェルよ」
「帰る……? 私が、御主人様の元を離れねばならないのですか?」
「そりゃあ、異常動作が出たんじゃ、仕方ないわ。お父様も姉さまを心配していたわよ。早く修理を受けて、お父様を安心させて上げなさいな」
「……少し、話合いましょう。リフェル。ここでは目立ちます」
そうして、私はリフェルを連れて人気の無い、近くの林に行きました。


190:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:42:29 HOJieKTt
「話合うことなんて無いわよ。これが規則なんだから。姉さまだって知ってるでしょう?」
私はリフェルと対峙していました。
こんなこと、無意味だというのに。
私は、ただ駄々をこねているだけです。私は不完全だと判明して、危険だから、修理を受けるのは当然だというのに。
それが、皆のため。御主人様の安全のためだというのに。
なのに―
「―嫌です」
「なっ……! 姉さま、お父様の命令に逆らうの!?」
リフェルは怒鳴ります。
おそらく、リフェルは正しいのでしょう。
以前の私なら―御主人様に出会うまえの私が同じ立場なら、同じことを言っているに違いありません。
しかし、私は出会ってしまった。
御主人様に。
高雅様に、出会ってしまったのです。
「博士は私の生みの親ですが、御主人様ではありません」
「……だとしても、今修理しないとバグって姉さま自体も大変なのよ!」
「それは承知しています。しかし、あなたに御主人様を引き継がせるわけにはいきません」
「ちょっと、それどういうこと!」
リフェルは噛み付くように私に怒鳴りました。
リフェルはAIが低めで、人間に従順です。おそらくAIの高さのせいで異常行動を繰り返す私よりも、よほど人間には安全でしょう。
しかし、ロボットに対しては別です。
リフェルはプライドが高く、容赦がありません。
自分がエリートであると、思い込んでいます。


191:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:43:00 HOJieKTt
「姉さま、あまり調子に乗らないでよね。あたしはエラーを出すような『できそこない』のあなたとは違うわ」
「……そうでしょうね」
「なら、さっさとおとなしく……!」
「あなたに、御主人様のお世話ができますか?」
「はっ、できるに決まってんじゃない。あんたよりもずっと迅速に、適切に対応できるわよ」
「それが、御主人様の最善だと思っているのですか?」
「はぁ?」
「人間の一人一人の違いも把握できずに、何がお世話をするというのですか? あなたはどのような人間にも均一に媚びを売って他のメイドロイドを蹴落とそうとする。それがあなたに御主人様を任せられない理由です」
「あんた、それ本気でいってんの?」
「はい、本気です」
「―っ!!」
神速とも言えるスピードでリフェルが加速し、私の顔を掴んでそのまま太い木にたたきつけました。
「あんた……姉さまといえど、それは許されないわよ。あたしを、侮辱したな……!」
「その程度の自尊心で、メイドが勤まると思っているのですか?」
「!?」
リフェルの手を掴み、押し返す。
「なんで……あんた、あたしと違って戦闘機能はオミットされて……」
恐怖に顔をゆがめるリフェル。
そうですか―やはり、あなたもできそこないですね。
恐怖を知ってしまいました。
ごきんっ! 鈍いながらもとおりの良い音を立てて、リフェルの手首は折れてしまいました。


192:名無しさん@ピンキー
08/11/24 00:43:23 yeZfQJLu
支援

193:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:43:30 HOJieKTt
「あぐっ……! コロナ……あんた、一体……!」
「あなたには、できない。御主人様を『想い』、御主人様のために全てを投げ出し、御主人様のためにメイドロイドとしての自尊心を捨て、御主人様と身体を重ねあい、御主人様と愛し合うことなど……」
「身体……愛し合う……まさかあんた、擬似性器をそんなことに……!」
「そういう用途に使わなければ、意味が無いでしょう」
「あんたは異常だ……! 主人に獣姦を強要し、あげくのはてに、『愛』だと……? それは、人間にのみ許された言葉……。あたしたちメイドロイドが使う言葉じゃない……!」
「それが、どうしたのです。私は、気付いてしまったのです」
「ほざけっ!!」
リフェルは腕を変形させ、プラズマ砲を放つ。
おそらく、防御不能。消滅しか選択肢はない。
―以前の私なら、ですが。
両腕を前に突き出し、『プラズマフィールド』を展開する。
プラズマ砲を完全に防ぎきり、私は無傷で立っていました。
「そんな……あんたにそんな武装は……」
「気付いた、と言ったでしょう」
御主人様を『想う』ときに発生したなぞのオーバードライブ。余剰エネルギー。
この出力を両腕に集中させることによって、プラズマフィールドを発生させた。
そう、この力は……。
―ただの言葉なのに、力があるんだよ。

「私は御主人様を、愛しています」

続く

194:ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI
08/11/24 00:44:18 HOJieKTt
長いので一旦終了です。
支援ありがとうございました。
続きはあしたくらいにでも。


195:名無しさん@ピンキー
08/11/24 00:46:23 yeZfQJLu
GJ
それで、恋は病みますか?

196:名無しさん@ピンキー
08/11/24 01:08:59 6lqd3lZT
つまんね

197:名無しさん@ピンキー
08/11/24 01:26:51 lvTFebqE
俺はコロナを応援するぜ!

198:名無しさん@ピンキー
08/11/24 01:35:17 PAUjoIRi
GJ!!!! なんかスゲー事になってきたな…。
愛はロボット原則にも勝るッ!てノリがイイ!

199:名無しさん@ピンキー
08/11/24 02:40:08 mbDCCQuk
>>194
コロナかわいいよコロナ
愛の為の暴走ってのが素晴らしく良いw

200:名無しさん@ピンキー
08/11/24 03:05:20 Bq7x4035
>>194
GJ!
ヤンデレの愛は機械である自身のマシン性能をも向上させるというのか…

201:名無しさん@ピンキー
08/11/24 03:29:13 QBQ8dmpt
なんかジャンプのファンタジーバトルマンガ(笑)読んでるみたいだw

202:名無しさん@ピンキー
08/11/24 09:31:46 oNp1k0iO
作者の嗜好なんだろ
以前そう言ってたしな
面白けりゃそれでもいいが

203:名無しさん@ピンキー
08/11/24 09:55:06 gYABCTbG
戦闘ありのエロゲでヤンデレ主義だと思え
最高だぞ

204:名無しさん@ピンキー
08/11/24 14:30:21 L9r0sqI8
愛と勇気は言葉
感じられれば力

205:名無しさん@ピンキー
08/11/24 19:25:32 yZk1s0RG
前スレまだ埋まってないんじゃね?

206:名無しさん@ピンキー
08/11/24 19:38:45 mbDCCQuk
埋めネタ待つか雑談で埋めるか

207:名無しさん@ピンキー
08/11/24 20:01:16 2BhI2vBB
すぐすぐ落とせるかわからんけど、埋めネタ書いてくる

208:名無しさん@ピンキー
08/11/24 20:02:54 2BhI2vBB
すぐすぐ落とせるかわからんけど、埋めネタ書いてくる
こっちはいつも通りでヨロシ

209:名無しさん@ピンキー
08/11/24 20:04:17 2BhI2vBB
なぜか二回書き込んじまった……スルーしてくれ

210:痴漢とヤンデレさん
08/11/24 21:46:25 PAUjoIRi
先週、電車の中でいつものように女子高生を触っていたら。
その子が急に積極的になった。俺としてはラッキーだったので堪能した。
しかし、その日から俺はその子に付き纏われるようになった!
そして…俺は彼女専用の痴漢にさせられてしまった。
「もし、他の子を触ったら腕切り落とすわ。私だけ見て。」なんて説得されたら誰だって了承する。
そして、通い妻となった彼女は俺の飯から夜の性交渉まで管理してくれる。
俺達の関係は、痴漢と獲物だった筈なのに…どこで間違えたんだ…

注.痴漢は犯罪です 

211:痴漢とヤンデレさん
08/11/24 21:48:17 PAUjoIRi
投下場所間違えた!前スレに落とす奴落としてしまった!失礼!

212:名無しさん@ピンキー
08/11/24 21:48:50 HOJieKTt
w 良い誤爆です。 GJ

213:名無しさん@ピンキー
08/11/24 22:33:19 C528miR+
投下します

214:夜間ランニング
08/11/24 22:34:20 C528miR+
当時俺は高校二年生だった
一年生の頃は面倒くさいという理由で、6歳の頃からやってきた水泳とおさらばして文化部に入部した
その文化部も毎日毎日ただパソコンをいじくるだけという根暗な部活でなんの面白みもなく
どうせならもっと華やかな茶道部に入ればよかったと後悔した
部活は登校2週間目でいくのを止め、その後は何をするでもなく定刻通りに家に帰るという味気のない学校生活を送っていた
部活をまともにこなせないやつに勉強ができるわけもなく
当然考査での成績は悪く、酷い時は平均点数が赤点すれすれということもあった
なんとか単位は落とさず進級をしたものの、このままではいかんと思い
せめて体力だけはつけておこうと二年生になってからは毎日2キロのランニングをしようと決めた
決めたといっても、一年間まともな運動をしていたなかった俺に2キロの壁は厚く
最初は800m走っただけで膝が笑いはじめその場にへたり込む始末
それでも根気よく走り続け、何とか2キロのランニングをこなせるようになった
俺が始めてあの女の子と会ったのも、丁度毎日のランニングコースが決まり始めたころだった
その日も日が暮れてから昔着ていたトレーニングウェアに身を包み
皮の手袋に、白いタオルを頭に巻いたといったいでたちで夜のランニングに出発した
月が出ているものの、俺の住んでいる町は田舎なのでこの時間になると夜道はかなり暗い
400mおきに電柱があるものの、その間は暗く一歩踏み外せば水を張ったばかりの田んぼに頭から落ちてしまうだろう
それでも体力つづりのためと思い、俺は毎晩暗く人通りのない道を走っていた
始めは不規則だった呼吸もしだいに落ち着き始め、自分のペースで走れるようになったいた
ランニングも中盤に差し掛かり、脚の方もだいぶ疲れてきたので俺は近くの神社で休むことにした

215:夜間ランニング
08/11/24 22:35:23 C528miR+
頭に巻いたタオルを解き、顔に浮きでた汗を拭う
乳酸の溜まった体を伸ばし、膝や腕を押したり伸ばしたりして乳酸を散らす
お次は腰だとラジオ体操のように大きく腰をひねる
ぐるんと腰を回し俺の体が90度に回転した時に、
俺は後方になにか人影があることに気づいた
距離にして約10メートルその人影は俺の方を向き、ひたと俺を見据えてるではないか
俺は瞬時に悟る
この俺の一連の動作はあの人影に見られていたのだと
確証はない、今さっきこの神社を訪れた人がたまたま俺と居合わせただけとも考えられる
だがこの時間帯に、
この場所で人に出会ったのだからお約束な展開になるのは目に見えている
それに小さな町だ、おまけに家も近い
夜中に俺がこんなことをしていたという事が地元のトモダチに知れたら赤っ恥だ
瞬時にその情報は知れ渡り、
俺は友人やら知らない女子にやらの笑いものにされるだろう
それだけは阻止せねばなるまい
俺は意を決して人影に声をかける
「すみませんが、見てましたか?」
少しの間のあと短い返答が帰ってきた
「何をだい?」
その返答に少しの安堵を覚えるが、
先方の声からしてみると突然俺から声をかけられたことによって若干動揺しているようだ

216:夜間ランニング
08/11/24 22:37:40 C528miR+
「失礼ですがいつからソコに?」
見ていなければこれ幸いと思い、わざと内容をぼかして再度質問をする
すると先方は若干言葉に笑うような含みを持たせた声で
「君が此処にきてからタオルを外してオジサンのような声を上げて顔を拭いて、これまたオジサンのような声を上げてストレッチをし始めたあたりかな?」
と返してきた
あんさんソレは始めからというんですよ
思わず喉の奥がきゅうと音をたてる、口からは渇いた笑い漏れる
終わった、声の調子からすると年のころは大体俺と同じくらい
男とも女ともとれる声色と口調で性別は判断しかねるが、
どちらにしろこれは不味い
「君は○○さんの家の息子だよね?それでもって××高の生徒でしょ?ここまでいえば僕が何を言いたいのか分るよね?」
先方さんはどうやら我が家の内部事情に詳しいらしく
(といっても町が町なのでこの程度の情報知ろうと思えば簡単に調べられるのだが)
俺が何を望んでいるのか、そして俺がどういう立場なのか分っているらしい
「この件はどうか御内密に、君のお願い聞いてあげるからさ」
俺がそういうが早いか、先方は忍び笑いをしながらコチラへ歩いてくる
「さすがだ、理解が早くて助かるよ こっちとしてもことがスムーズに運んでくれるのは嬉しい事だしね」
そういった俺の目の前に来ると先方は俺の顔を覗き込む
身長は俺と同じか少し高いくらい、
体のシルエットからすると女か華奢な男といった感じか
髪はアゴに脇の髪が届くくらいで、男なら長すぎ、女ならショートカットといった具合
正直髪をだらしなく伸ばすいった行為を俺は好まず、いつも髪型は坊主、
もしくは髪が少し寝るくらいときめていた
そういった趣向なので女性の髪形もこのくらいが丁度いいかなと思うくらいで
トモダチとは女性の髪の長さの好みで毎回対立する
まあこの状況で俺の髪の長さの好みなぞなんの意味も持たず、
ぶっちゃけどうでもいいので先方の話は続く

217:夜間ランニング
08/11/24 22:39:38 C528miR+
「僕は君の事をよぉく知ってるよ、君が最近になってランニングを始めたって事とか、始めはこのコースじゃなく◇◇小学校の周りをランニングしてたとか
他には好きな食べ物、君の身長体重、最近読んでる本、好きな異性のタイプ、他にも言い出したらきりが無いよ」
先方の話を聞いていると話の内容がおかしな方向に進んでいるがありありと感じられる
むしろ俺のことを此処まで知っているってどういうことよ?と聞き返したくなった
これが噂に聞くストーカーというものなのだろうか、
俺にもストーカーが付く時代か、世も末だなと思っているとまだ先方の話は続いていた
「体を鍛えるのは良い事だけど、むやみやたらに外を出歩くのは感心しないな、僕の目が届かないとこで怪我でもしたらどうすんだい?
君が怪我をしても悲しむ人は少ないだろうけど、その少数の人の気持ちも考えなきゃ駄目じゃないか?大体ただでさえ君はおひt」
「それで俺はどんな願いを聞けばいいのでしょうか?」
このまま続けばこの話に終りは無いだろうと思った俺は先方の話を遮り、先の願いについて質問をした
ああ、そうだったねと思い出したように先方は話を中断し顔を元の位置に戻す
というよりずっと覗き込む体制で俺に話しかけていたのか
先方はさっきとは一変したように恥らうような仕草と共に少し上ずった声で最初の注文を継げた
「そ、それじゃあまず、僕の名前を覚えて貰おうかな 僕の名前は新谷涼 君は涼と呼んでくれ」
「はあ、涼さんですか」
「駄目じゃないか、『さん』なんていらないよ、『涼』と呼んでくれたまえ」
「というより願いって普通一つなんじゃないんですかね?」
もっともな疑問を先方に、もとい涼にぶつけると涼は意地の悪い笑みを浮かべ
「いいのかな?君が毎日部活もせず、せっせせっせと体力増強に励んでいるとことが君の周囲に露呈しても?
僕は一向に構わないが君はそれでは困るだろう?」

218:夜間ランニング
08/11/24 22:41:10 C528miR+
お約束な展開はお約束な展開を呼び、俺の今後の命運はこの涼たる人物に握られることとなった
ふき取ったはずの汗がまた額に滲み始める
「どうか、それだけはご勘弁を」
急いで俺は涼に媚を売り始める
まったくさっき会ったばかりの見ず知らずの人物に俺の弱みを握られるとは、自分の情けなさに思わずため息がでる
それを耳ざとく聞き取った涼が俺に話しかける
「どうしたんだい、ため息なんて付いて?大丈夫安心しなよ、悪いようにはしないって それに君もなれれば気に入るだろうよこの関係がさ
きっと僕も君も幸せになるよ いや幸せにしてみせる」
全然ありがたくも無い涼の言葉が俺の耳を通り抜けていく
ん?こいつ今なんていった?この関係?幸せ?
まるで俺がコイツとこれからも付き合っていくような台詞じゃないか?
であったばかり、絶対的なこの力関係、これで互いが幸せになるだって?随分無理なこというじゃないか
先ほどの汗が自然と引いていった
俺の中の裸の紳士がネクタイを解き「GO!」とサインをだしたので俺はそれに身をゆだねることにした
「おいおい、幸せだって?どちらかが力において勝っている状況で互いが幸せになれるわけないじゃないか
それに俺は男だか女だかわからんような野郎とつるむつもりは無い、くだらないねいいさ喋ればいい所詮一時の恥
それくらい耐えてみせるさ」
紳士が言いたかったことを素直に口に出してみると、俺の心にできた靄はすっかり晴れ、おまけに虹がかかっていた
言いたいことをいったのでもう此処には用はないとそそくさと退散しようとすると
後方から涼にタックルをお見舞いされた

219:夜間ランニング
08/11/24 22:43:05 C528miR+
「な、なんでそんなこというの?初めて話したんだよ?初めて顔を見ながら話をしたんだよ?なんで僕のことを見ないの?
僕はこんなに君を見ているのに、こんなに君を思っているのに、僕から抱きしめるんじゃなくて、どうして君から僕を抱きしめてくれないの?どうして?どうして!」
いきなりわけの分らないことを口走り始め、俺の背中にしがみつきながら泣きじゃくる涼
初対面であんな横暴な対応されりゃあそりゃ誰だって文句の一つでも言いたくなると思うんだが
それで俺に非があるのか言えば無いのでは?と思う まああるとすればこの涼たる人物を泣かせたことか
それにイマイチ決定打に欠いていた涼の性別は恐らく女であろうことが分った
タックルをかましたあとに、俺の背中を這うようにして抱きついてきて、わずかながらに胸のふくらみがあることに気づいた
長年水泳で野郎の胸板を観察(一応いっておくけど俺はノンケだ)してきたので人の体つきを見ることに関しては割りと自身があった
最初の方は暗かったし、ここまで男だか女だか微妙な体型な奴は珍しかったから実際こうして見なければ分らなかっただろう
そうこう考えている間にも涼は俺の背中に顔をぐりんぐりん擦りつけながらワケの分らないことを言い続けている
「ああ、もう!かからしい!離れんかい!」
「許さないもん、君が僕を見ないからいけないんだ しかも男か女かも見分けが付かないだなんて、許さない
絶対に許さない 僕に大してもっと誠意と愛情のこもった謝罪を要求する」
なんで俺が謝らなきゃいけないのか、そんでもって俺のトレーニングウェアに鼻水やらなにやらをこすりつけるのか
言いたいことは山ほどあるがこのままの状態では人が来たときに怪しまれること間違いなしなのでとりあえず謝ることにした
「俺が悪かった御免なさい、申し訳ありませんでした、もうしません これでいいだろ!」
なかばやけくそな俺のこの対応で涼が満足するわけなく、次の瞬間涼は俺の背中に噛み付いていた
甘噛みとかそんな生易しいものではなく、人の肉をウェアごともっていこうとするほどの力だった
当然俺はあまり激痛に叫び声を上げた
「くぁw背drftgy富士子lp;@:「」!!!!!!!11111」
その俺の声にあわせたように遠くから犬の遠吠えが聞こえる

220:夜間ランニング
08/11/24 22:43:57 C528miR+
「なにすんだてめえ!肉が美味しく頂かれるだろうが!」
「君の肉ならさぞ美味しいだろうね、でも僕はてめえじゃなく涼だってさっきいっただろう、それにあんな謝罪で僕の気持ちがおさまるとおもうかい?」
鼻水たらしながらの真顔で言われてもその誠意がどういったものだか分らず
むしろ逆に謝って欲しいくらいだと思いながらもこの場を収めるのには致し方の無いことかと思い不本意ながらも誠意をこめて謝る
「悪かった、ごめん」
それに満足したのか俺の背中の上ではんふふと気味の悪い笑い声を上げる涼
「ほれさっさと降りろ、俺は帰る」
今度こそ俺は帰るというと、また涼が背中の上でぐずりだす、なんなんだ俺はコイツの父親か?
「駄目だよお、このまま帰ったら君はもう此処には来ないじゃないか そうしたら僕のことなんて忘れちゃうだろう?
それだけは駄目だよ、そっちの方が許せないよ」
またもぐりんぐりんと俺の背中に摩擦を加える涼、流石にうんざりしてきた
このまま引っぺがして帰ってもいいが、それだと俺の家まで付いてきかねない
そうなれば我が家の父上殿の張り手を食らうのは目に見えている
仕方なく俺は背中にいる涼に向かって条件を出す
「なら最後に一つだけ願いを聞いてやる、それで俺の背中から降りろ」
そういうと涼はなにやら考え事でもするような唸り声をあげ、しばらくして
「わかったと」
若干不満気な声でこたえた
「ほんで何がお望みだ?涼」
「それじゃあ今度からも毎晩ここにくること、これは絶対の約束だからちゃんと守ってくれたまえ」
そういうとよいしょと名残惜しげに俺の背中から涼は降り、ずびーと鼻をすすった
これはチャンスと見た俺は一目散に立ち上がり、さながら陸上のクラウチングスタートのような体制で走り出す
ここまでくりゃ俺のもの、とにかく俺はこの場から立ち去りたかった
後ろから「あっ」という驚きと悲しみが混ざった声が聞こえたがそれに構わず俺は全力疾走でその場から逃げ出した

221:夜間ランニング
08/11/24 22:44:35 C528miR+
「まったく、せっかちだな そこまで逃げるようにしなくたって良いじゃないか」
後に残された涼は若干切なそうな顔をしつつも、どこか満足気な表情をしていた
「それに今日は不本意ながらもたっぷり君を感じられたからね、それだけでも良しとするよ」
そういい、先程まで抱きついていた彼の背中の感触を思い出しながら涼は顔に手を当てる
「君のにおいも手に入れることが出来たしね、んふふ」
そういった涼の手にはさきほどまで彼の首に巻かれていたタオルが握られていた
「され、また君を想う夜が続くよ それでもいいさ今宵は大きな収穫があったからね」
気味の悪い笑いを残し涼は神社を後にした

222:名無しさん@ピンキー
08/11/24 22:46:01 C528miR+
終了ですあっちに投下しようかとも思いましたが
ワイヤード氏がすでにしてくれてたのでこちらにと

223:名無しさん@ピンキー
08/11/24 22:46:23 PeIF6Zrr
句読点

224:名無しさん@ピンキー
08/11/24 22:56:05 pR7gtFhO
まあ埋めネタと思えば

225:名無しさん@ピンキー
08/11/24 22:56:52 pR7gtFhO
あ……れ……?

226:名無しさん@ピンキー
08/11/24 22:59:42 7bqh0L4b
何はともあれ僕っ娘はイイ!GJ!!

227:名無しさん@ピンキー
08/11/24 23:39:56 2BhI2vBB
句読点は付けたほうが読みやすい……のは置いといてGJ!
俺も僕っ娘は大好物だぜ!

あと、前スレの埋めネタも面白かったwヤンデロイド書かないでそっち行くとはw
特に自律型ヤンデレ茸はワロタ

228:名無しさん@ピンキー
08/11/25 00:17:33 FMILERE+
>>222
GJ!
それで、続くよな?

229:名無しさん@ピンキー
08/11/25 00:30:46 2xpueQGc
>>前スレラスト
それは違うだろ。百歌はトラウマ持ちだから意図的に依存型にしていると、設定から読み取れる。
ワイヤード氏はそういう「ただの依存とか勘違い」に対応して、愛の形を書きたいように俺には見える。
だいたい、イロリとか無視してよく「愛がない」とか作者叩きできるな。どう見ても愛あるだろ。

本気ならこれで。
釣りならすまん。釣られた。

あと、割り込んですまんかったけど、僕っこの続きも是非見たい!
てか見せてください

230:名無しさん@ピンキー
08/11/25 00:54:34 X+wdwxtu
そろそろ初期の頃から続いてる作品の作者さん達戻ってきてくれないかな
彼らは文章もスタンスもクールだから安心する

231:名無しさん@ピンキー
08/11/25 00:56:27 Di3mvcm2
まったくだな。最近連投してる馬鹿みたいにヤンデレ度(笑)とか設定してないし、話も面白かった

232:名無しさん@ピンキー
08/11/25 01:24:58 426ziMG9
アンチが沸くのは人気者の証

233:名無しさん@ピンキー
08/11/25 01:28:37 0B4RFBQV
純粋すぎる愛が、牙を剥く。
そんな感じの女性に愛されてしまう男を書きたいが……


人生経験が足りないので(描写経験も無い)ので形にできない。
先輩方で、描写できる方は居ませんか?  

234:名無しさん@ピンキー
08/11/25 01:48:20 FMILERE+
いや、人気の証ではないアンチもあるだろ

235:名無しさん@ピンキー
08/11/25 07:34:27 yl2Z9iuZ
というより馬鹿なお客様(笑)が増えただけだろ

236:名無しさん@ピンキー
08/11/25 07:38:55 2xpueQGc
現行の作者を叩きながら、「昔の人帰ってきて欲しい」だからなぁ…
読者の質が低下したから作者も逃げていくんじゃないのかと
てか、現行の作者はスタンスがクールだとかは知らんが実力自体は高い

237:名無しさん@ピンキー
08/11/25 07:56:39 ZeREZyoi
批判するやつもいちいち反応するやつも同じだよ

死ね

238:名無しさん@ピンキー
08/11/25 08:00:30 ocIQeL6i
とりあえず、次の投下を待とうか

239:名無しさん@ピンキー
08/11/25 12:18:50 H4abi8d3
ところでコイツを見てくれ、コイツをどう思う?

240:名無しさん@ピンキー
08/11/25 14:09:48 yl2Z9iuZ
>>237 お前の言ってることは正しいよ
だけどさ、そこで死ねとか言っちゃうからみんなゆとりだって思うんだよ

241:名無しさん@ピンキー
08/11/25 15:43:06 fpN/H2Cz
>>239
「すごく・・・顔見知りです」
見せられたものは縛られているクラスメイトの伊藤さん(仮)。
昨日好きなミュージシャンが同じだったことが判明し
今日CDを貸し借りした相手だった。
太ももなどの肌に赤い跡が見られるから暴力を振るわれたのだろう。
「君が私のことを見てくれないのにこの女と仲良くなったのを見てつい手が出てしまってね。
 なぜなら彼女もまた、君の特別な存在だからです」
最近起こっている俺の女友達襲撃事件の真相を理解すると同時に
俺は目の前の彼女から逃げられないだろうことも理解した。

242:名無しさん@ピンキー
08/11/25 16:17:19 /nLGn42C
>>241
ワロタw GJ


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