らき☆すたの女の子でエロパロ54at EROPARO
らき☆すたの女の子でエロパロ54 - 暇つぶし2ch236:~ディープだったら:後編5/13
08/11/14 23:06:04 nIQGT2CW
 ぼやけているゆたかの脳に、衝撃が走ります。
 立ち込めた霧の中に、突然大きな槍が豪速で突き抜けたかのようでした。 
「胸無いから…触ってもあんまり面白く、ない…よね」
 微弱に震えるみなみの声が、ゆたかの心をきゅっと締め付けます。
 掲示板のことを思い出して、ゆたかの胸の中で、後悔の嵐が吹き荒れました。
 みなみが胸のことを気にしているのは、よく知っていました。それなのに、自分は掲示板にあん
なことを書いてしまった。
 スレッドのタイトルに、貧乳、絶壁。
 みなみの人物像に、ナイチチ女。
 名前を書いたわけではないし、みなみが目にするとはゆたかは思っていない。けれど、それでも
みなみのコンプレックス部分を軽く扱ってしまったという罪悪感は、ゆたかの心を直撃しました。
「そんなころないよみなみちゃん!そんなことあい!」
「……嘘」
「嘘ひゃないよ!らって…みなみちゃんのなら、どこだって好きりゃもん!」


 くちゅ、ちっ、ちゅっ、ぷちゅ…
 淫らな水音が、コトコトと弱火で煮られているカレー鍋の音に混じって響きます。
 ゆたかは床に膝立ちになると、寝転がったままのみなみの服を脱がせて、その秘部を念入りにほ
ぐしていました。
 すでにいやらしい匂いの粘液は充分に滴っていたけれど、まずは舌で粘膜同士の交流から始めま
した。
 初めてじっくりと見る他人の膣内。お互い使い込まれてない代物ではあるものの、やはり個人差
という物は厳然と存在し、自分で見るのとは違う角度で目にするそれはけっこうな感慨をゆたかに
もたらします。舌でぴちゃりと裂け目を広げるさい、むわっと湿った空気が下腹部を中心に漂って
いるのを初めて知りました。
 やがて、ゆたかは舌から指を使った行為へとエスカレートしていきます。
 最初は人差し指1本でいっぱいだったみなみの入り口には、今や人差し指と中指が入っています。
 ぬぷり……
 2本の指で丹念に、中の壁の感触を確かめてみました。
「く、ぁぅ……」
 次に引っ掻くように指を曲げ、
「っはぁ、ふぅぅっ!」
 次に入り口を拡げるように指を開き、
「ッ……!!!」
 そしてそのまま、ゆっくりと手首を180度回しました。
「ひぅっっ!?……ぃ、ぃあ――っ!」
 聴いたことの無いようなみなみの大きな声が、岩崎家の中にこだまします。


237:~ディープだったら:後編6/13
08/11/14 23:06:51 nIQGT2CW
「ゆ、ゆたか……もう、いい。もうだいじょうぶだか、ら」
 荒い息をしながら、みなみが蕩けた目でゆたかに懇願しました。
 その言葉だけだと、もう終わりにしようと言っているのか、さらに次のステップに行こうと言っ
ているのかわかりません。どちらともとれる内容です。
 ですが、今のゆたかには、後者の意味しか考えつきませんでした。
 自分の服も脱ぐと、そばに置いておいたバナナの房に手を伸ばし、そのうちの一本をもぎ取りま
す。
 そしてそれを自分の膣口に押し当てると、ぐいっと押しこみました。
 ずぷ……
「ひぎぃッ…!!」
 予想以上の痛みがゆたかを襲います。まだほんの先っぽが侵入しただけだというのに、ぼやけた
頭でも我慢できず、思わずバナナを落としてしまうほどの激痛でした。
 それもそのはず。さっきから丹念にほぐしていたのはみなみの身体で、ゆたかの方は直接触った
りは全くしていなかったのです。
 しかも初めての行為からいきなり異物を挿入するなど、あまりにもハードルが高すぎました。
 さらに仮に痛みに我慢できたとしても、青い固いバナナならともなく黄色い食べごろのバナナで
は柔らかくて使い物になりません。少しだけ入ったバナナの先端は無残にも中身が潰れ、甘くてド
ロドロした白い果汁が垂れ出ていました。
「バナナ…あるぇ。潰れちゃ…あぇ、入らな…んっ」
 先が潰れたバナナを拾い、再び股間に押しつけるゆたか。
 でも、もはやそのバナナでは一ミリたりとも中に挿れることはできず、どんどん潰れていくばか
りです。
「ゆたか……無理、しないで」
 何かに取り憑かれているかのような様子でバナナを潰し続けるゆたかを、みなみは身体を起こし
てそっと抱き締めました。
「えも、わたし…ばららでみなみちゃんと、がっらいしなきゃ」
 ゆたかは今にも眠りそうに半分閉じかけている目を虚ろに泳がせて、うわ言のように呟きます。
 ゆたかの思考能力は、目薬を入れたアルコールによって正常な機能を一時的に失っていました。
 刷り込みの要領で、まだ行動決定を選択出来ていたころの記憶に従って、まるで赤子のごとくた
だ緩慢に四肢を動かすのみです。
「ほらゆたか…こうすれば、合体できる」
 みなみはゆたかのうわ言を正確に理解したようで、ゆたかが手にしていた崩れたバナナを手放さ
せます。
 それから新たにバナナを一本もぎ取ると、ゆたかの大事なところを隠すように触れさせました。
「…う、ん…」
 ほとんど無毛でつるつるのゆたかの股間において、唯一ある突起にバナナの皮がむにっと当たり、
ぴくりと下半身を震えさせます。
 今度はバナナを体内に差し込むのではなく、ただ縦に添えているだけでした。
 これなら痛みを伴うことはありません。
 そして、脚を交差させてバナナを反対側からみなみが挟みこめば完成です。

238:~ディープだったら:後編7/13
08/11/14 23:07:41 nIQGT2CW
「く、ぁ……」
 二人の股間に挟まれたバナナは、一本目のバナナのぬめぬめとした白い残骸が潤滑油となって絶
えずわずかに動きます。その微かな動きが、接している二人の敏感な突起を存分に刺激してくれる
のでした。
 さらに、自ら動いてしまえば、摩擦力に比例して快感は増加するのは当然。
「ふ、ぁ……っ」
 意識してなのか無意識のうちになのか、ゆたかがもぞもぞと動いて自分から擦りつけ始めました。
 バナナの皮に、小さなお豆を。
 みなみの太ももに、ねっとりと上気した柔脚を。
 みなみのすらりと無駄な肉の無い腹部に、桜色の二つの蕾を。
 みなみの艶めかしく浮き出た鎖骨から首筋に、ぬらぬらと光る舌と唇を。
「ゆたか…ん、私も動く…よ」
 みなみもやがて我慢できなくなり、脚が、腕が、口が、心がゆたかを欲してじっとしてはいられ
なくなりました。
 すると二本目のバナナもぐちゃぐちゃになり、三本目のバナナを挟みこみます。
 このままではバナナを何本消費してしまうかわかったものではありませんが、下腹部から燃え上
がった熱はバナナがもったいないという精神で鎮火するにはあまりにも大きくなりすぎていました。
「ん…あ。止まらな……!」
「あ、み、みなみちゃ…す、き。しゅ、きぃ……」
 立ち込める甘い香りの中、白濁の半固形物にまみれて身体中を可能な限り密着させて擦りつけ合
う二人。
 みなみが少し身をかがめてゆたかの口が届くところに顔を寄せると、蜜に誘われる蝶のようにゆ
たかの唇はみなみの唇にむしゃぶりつきます。
 息をするのも億劫なほどに舌と舌が別の生き物かのように絡み合い、湿った音を発していました。
 バナナだった物が触れあう肌の間で立てる音。
 そして二人の上下の粘膜が奏でる音も加わり、二人の耳にはそれはそれは素敵な三重奏に聴こえ
ていました。
「あぁっ……気持ちい、ゆたか……っ!」
「あ、あ、やふ…」
 ちゅぷちゅぷちゅぷ…
 じゅぷ、じゅぷ、じゅぷっ…
 くちゅくちゅくちゅ……
「あ、だめ…も、だぇぇ……っ!」
「んっ……いい、よ。ゆた、か……我慢しないで……ぇっ!!」
「あ、はっあああぁぁ、ああああああああっーーーー……!!!!」
 
 ぞくぞくっ、という悪寒とも違う波が身体のつま先から頭頂まで駆け巡った瞬間、ゆたかの意識
は今度こそ塗りつぶされて景色も感覚もなにもかもが消えうせました。






239:~ディープだったら:後編8/13
08/11/14 23:08:23 nIQGT2CW
 ゆたかが気がついたのは、午後七時をまわってすっかり陽も落ちてしまってからでした。
「ぇ……いたッ」
 急にがばっと起きあがると、頭の奥でトライアングルを鳴らされたようなキーンという痛みが走
ります。
 その不快な頭痛に耐えながら周囲を見回すと、そこはみなみの部屋でした。ゆたかは、みなみの
ベッドに寝かされていたのです。
 なぜ自分がここで眠っていたのか。ゆたかはその経緯を思い出そうとして、意識を失う直前のこ
とをよく覚えていないことに気づきました。
 痛む頭を堪えて、順序立てて思い返してみます。
 ベジーテという野菜ジュースに似たお酒とバナナを買って、岩崎家に到着。それからカレーをみ
なみと作り始めて………
 その後の記憶は、ゆたかの脳内にほとんど残っていませんでした。
 もやのかかった、ところどころ断片的なシーンが、大量のノイズの中でぼんやりと見えるだけ。
ですが、その限界まで擦り切れたビデオテープのような脳内映像でも、ゆたかを赤面させるだけの
破壊力は備えていました。
 それは、みなみと唇を合わせているところ。
 それは、二人とも生まれたままの姿で肌を合わせているところ。

 ボンッ。

 頭の上から煙が噴き出ます。
 もちろん本当に煙が出てはいないけれど、ゆたかの頭の中で爆発的に恥ずかしさが噴き出してい
ました。
 そこに、ゆたかが目覚めたことに気がついたみなみが部屋に入ってきます。
「……ゆたか起きた?」
「みみみ、みなな、みなみちゃん!!」
 頭から布団を被って恥ずかしさを紛らわせたい気持ちを、鼻まで布団を上げる程度に抑えました。
 みなみに事の次第を尋ねてみるべきなのかも。そんな考えが浮かんできますが、わずかに頭に浮
かんだシーンに映っていたみなみを思い出すと、どうしても恥ずかしくて質問を口に出来ません。
 しかしみなみの方は、特に恥ずかしそうな様子もなく、さらりとゆたかが眠ってしまった原因ら
しいことを口にしました。

240:~ディープだったら:後編9/13
08/11/14 23:09:13 nIQGT2CW
「急にお酒なんて飲んじゃうからだよゆたか……」
「…ふぇ?」
「覚えてない?ゆたかが野菜ジュースって言って持ってきたのを味見したら、酔って寝ちゃったの
 ………あれ、後でよく見たらお酒って書いてあった」
 みなみの説明によると、お酒だと知らなかったゆたかがベジーテの味見で酔ってしまったという
ことになっていました。
 ゆたかも必死であやふやな記憶を掘り返すと、確かにベジーテを飲んでしまったような気がしま
す。
 でも、みなみの言葉とは違ってベジーテがお酒であることは知ってたのに、なんで自分が飲んで
しまったのだろう。ゆたかにはそこのところの細かい記憶までは再生できなかったので、不思議に
思いました。
 それに、その時に眠ってしまったのなら、なんでみなみと口づけをしてる記憶なんかがあるのか
わかりません。
 意を決して、直接尋ねてみます。
「ねえ、みなみちゃん…あの、私ってなんか変なこと、しなかった?」
「特には無いけど……そういえば、携帯電話で何かしてた。ふらふらなのに」
「ケータイ……ぁあ!」
 インターネットの掲示板。ゆたかはすぐにピンときました。
 自分で立てたスレッドのことを思い出し、そこに自分の行動も書き込んでいたのも思い出します。
 試しにそのスレッドを開いてみると、いつの間にか1000レス間近になっていました。
 その中から自分が書いたと思しきものを探して読んでいくと、あるところから急におかしくなっ
ています。
 主に漢字の誤変換や、平仮名自体の打ち込みミス。そういった初歩的なミスが、間違えてお酒を
飲んでしまったあとから頻発しているのです。
 それを目にすると、ゆたかはなんとなく合点がいきました。

 夢……のようなもの。

 ゆたかは、そう結論づけました。
 みなみとの艶々しい行為の記憶はきっと夢なのだと。きっと掲示板でそういうことを書いていた
ので、酔っ払い状態の脳がまだやってないことをすでに行ったことと勘違いしたんだと。おそらく
掲示板への自分の書き込みは、ベジーテを間違えて自分で飲んでしまったというところまでが事実
で、それ以降はアルコール脳が作りだした妄想だったのだと。
 そう考えないと、みなみのセリフと適合しませんでした。
 もし二人が行為に及んでいたのなら、みなみがいつも通りと変わらないなんてありえない。
 いくら沈着冷静なみなみでも、それまで普通に友達だった少女と心の準備もなしに不意に性的な
関係になったら、激しく動揺するはず。
 ゆたかはそう考え、全ては夢だったのだという結論に、たどり着いたのです。

241:~ディープだったら:後編10/13
08/11/14 23:09:57 nIQGT2CW

「ゆたか……変なことって?」
 ゆたかの思考を読むことができるのか、ちょうど考え事にけりがついたところでみなみが、少し
躊躇いがちに話しかけました。
「ん~…ちょっと変な夢を見てたみたい」
「そう…なら、いいけど」
 この瞬間、みなみがほっと息を吐きましたようにゆたかには見えました。
 みなみの表情の変化を見抜く術は世界でも五指に入るはずのゆたかです。そのゆたかにも、表情
の変化を感じ取ったわけではなかったので、気のせいだったのかもしれません。
 当のみなみは少々携帯電話をいじると、いつもの調子で口を開きました。
「そうだ。もうすぐ田村さん来るけど、動ける?」
 どうやら突発的に入ったイラスト描きの依頼を無事に終えて、ひよりがやっと到着するようです。
現時刻は七時二十分。七時ごろという予告より若干遅いけれど、ゆたかがちょうど目覚めたことを
鑑みるとベストタイミングと言えます。
「うん、だいじょうぶだよ!………あ、結局カレー作るのみなみちゃんに任せちゃってごめんね」
「ううん……………………………私のせいみたいなものだし」
「え??」
「……なんでもない。田村さんが来る前にごはんの準備しちゃおう」
 みなみに促されてベッドから出ると、ゆたかは着ている服が家を出た時と変わっていることに気
が付きました。お泊まりのために持ってきていた着替えのパジャマとも違います。というか、明ら
かにぶかぶかでした。
 みなみいわく、ゆたかが酔っぱらったときに派手にベジーテを身体にこぼしてしまったので、眠
ってる間に服を替えていたのです。目立つところは拭いたのだけれど、残り汁がついてもいいよう
にお風呂に入るまではみなみの替えを着させておこうということでした。
 確かに、布団の中にいるときはわからなかったけれど、鼻を近づけると身体中に甘い匂いが染み
ついています。
 こぼしただけで身体中についちゃったりするかな?とも思いましたが、ゆたかは深くは考えませ
んでした。
 ベジーテよりも、もっと生の果物の甘ったるい匂いだったのですが、それ以上は考えませんでし
た。




242:~ディープだったら:後編11/13
08/11/14 23:10:46 nIQGT2CW
 みなみとゆたかがてきぱきと食事の準備を整え、ひよりが到着すると、さっそく夕食の時間です。
「それじゃあ……いただきます」
「いただきまーす」
「いただきますよー。お、うま!このカレーなんか甘めだね。砂糖っていうより、自然な甘さって
 いうか」
 ゆたかが寝ている間に完成していたカレーを口に運ぶと、ひよりは感嘆の声をあげました。
「バナナ一房分使うことになって……いっぱい入ってるから。田村さん、甘いの嫌い?」
「そんなことないよ!すごい美味しいよ!こういう甘み大好き」
 みなみがバナナという単語を口にしたとき、ゆたかは頭の中に何かひっかかる感覚がしました。
 ただの夢。
 アルコールの見せた妄想だと決めたみなみとの肌のふれあい。
 それが、なぜかバナナの一語で蘇りました。
 なんでだろうと思いみなみに目を向けると、ちょうどこちらを見ていた彼女とゆたかの視線が交
錯します。
 その瞬間、正体不明の高揚感が身体の奥底から湧きあがってきました。
 みなみの顔を見ていると、なぜかどきどきと胸が高鳴ります。
 この感覚に似ている物を、彼女は知識として知っていました。
 ただ、それを自分の中に自覚したのは初めてでした。

 百合。

 それは俗世でそう呼ばれる感情でした。
 草津の湯でも治らない病のうち、女の子だけがかかる類の病です。
 ゆたかは普段みなみに対して、親友だとは思っていても恋人という視点で見てはいませんでした。
 百合とは二次元の世界での話。三次元であっても、それは遠くで伝え聞く物で自身に降りかかる
ものではないと思っていました。
 でも、たった今、百合に似た感情を持っている自分がいる。
 なぜいつもそばにいたみなみに対して、今突然意識するようになったのかはゆたかにはわかりま
せん。何がきっかけになったのか、ゆたかの今持ちうるしっかりとした記憶の中には探し出せませ
ん。それでも彼女は自分の中に、みなみへの友情とは別種の好意が存在するかもしれないという可
能性を見つけました。

 それは最終的に勘違いなのか、
 それとも本物なのか、
 どういう結論に達するのかは誰にも、
 ゆたか自身にもまだわかりません。
 ただ、そのことについて、いつか考えてみよう。
 ゆたかが頭の隅にそっと留め置くのは、小さな前進でした。

 どんな結果になるとしても。


243:~ディープだったら:後編12/13
08/11/14 23:11:46 nIQGT2CW
「そういえば、小早川さんだいじょーぶ?」
 カレーを盛ったスプーンを口に運びながら、ひよりが声をかけました。ひよりは自分が来る前に
ゆたかが倒れたと聞いていたので、ゆたかの身体を気遣ってこのことです。
 お酒を飲んで酔っ払っただけとはいえ、基本的に身体の弱いゆたかですから心配にもなります。
「うん、もうすっかりだいじょぶだよ」
 ゆたかは笑顔で応えました。
 わりとだいじょうぶじゃない時でもだいじょうぶと言ってしまう彼女ですが、今回は本当にだい
じょうぶなようでした。
 笑顔も、無理をして作っているものではありません。
 実際、飲み込んだお酒の量は少ないので、身体から抜けるのも早いのでしょう。
 むしろ大酒飲みの実姉をもちながら、目薬を混ぜた物とはいえ少しのアルコールで泥酔してしま
ったことが、ゆたかにとって残念なことでした。
 徹底的に頑健な身体を持った姉と病弱な妹。身体のサイズも正反対。その全く似ることのなかっ
た体質は、こんなところでも覆すことができなかったのだと思うと、少し寂しくもありました。
「無理しちゃ駄目だよー?小早川さんに何かあったら泉先輩にこっなこなにされちゃうよ」
 ひよりはそう言うと、頭頂部の髪の毛を一束持ってぴょんぴょんと頭の上に立たせます。
 こなたのアホ毛の真似でした。
「レバ剣げと~」
 続けて声も真似ます。
「………ぷっ」
「あはは。似てる似てる~。お姉ちゃんよく夜中にそういうこと言ってるよ」
「さすが先輩。夜行性は我々の業界では基本なんだよ」
 三人は、それぞれのスタイルで会話を楽しみました。
 ゆたかも、みなみも、ひよりも、誰ひとりとして似たタイプではない三人。
 それでも角がぶつかり合うということはなく、パズルのピースがはまり込むように自然と居心地
の良い空間を生み出しています。

 さあ、楽しい楽しい岩崎邸お泊まり会はこれからです。

 みなみ所蔵のチェリーばかりの画像集や、
 ひよりの18歳未満の閲覧をお断りしているブログの話が、
 きっとこの後にあったことでしょう。











244:~ディープだったら:後編13/13
08/11/14 23:12:29 nIQGT2CW


975:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/11/7(金) 19:12:37.12 ID:rzebdo36
>>1も去ったみたいだし、ここも1000まで埋めて終わるか
無事百合カップルが誕生してればいいが


978:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/11/7(金) 19:14:47.12 ID:mosk42e0
今北産業


980:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/11/7(金) 19:14:59.45 ID:jieomapp
>>978
遅えよwww


984:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/11/7(金) 19:15:54.12 ID:yAMayUri
>>978
百合フラグびんびんなので
それをマリア様がみてたら
結果この国の少子化がまた一歩進んだのでしためでたしめでたし


987:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/11/7(金) 19:16:40.51 ID:bytUJ1OK
>>984
だいたいあってる


990:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/11/7(金) 19:17:19.01 ID:VGTDY?mm
マリア様って安価の神スナイパーのことかwww
いや百合女神スナイパーかww
このスレ異常にいたからなw

もうすぐ1000だがなんか来るか?


995:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/11/7(金) 19:17:52.28 ID:4Okkan24
そういや、
今の目薬って酒に入れても大丈夫って聞いたんだが、
どうなんだ?


999:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/11/7(金) 19:19:17.35 ID:Cv//a-yA
999だったら
>>1が無事幸せになる


1000:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/11/7(金) 19:19:19.24 ID:miNorIcV
計画通り









245:三毛また
08/11/14 23:14:32 nIQGT2CW
以上です。
色々気付かないとわからない不親切設計なので、伏線等一部のネタばらしを。

ゆたかID eIEnroRi + wAlk/mOE
こなたID AhOgeOta + Cv//a-yA(AhOgeOtaは前スレでレス番193氏が使ってた物と同じです)
みなみID South/AA + miNorIcV
パティID uSA168jk
IDが二つあるのはPC時とケータイ時の違いです。自分はPCがあるからケータイを定額にしないでネ

ットに繋がない派ですが、ゆーちゃん達にはケータイでがんがん掲示板に書き込んでもらいました。そう

しないと話にならないので。

昔の目薬はアルコールに反応して睡眠薬のような効果を出す成分が入ってたので、それを悪用するや

からがいました。今の目薬には使われてないそうです。でも、そもそも食べる物じゃないので良い子

は真似しちゃいけません。

ゆーちゃんがお酒に弱いのは公式じゃないです注意。

岩崎邸お泊まり会の本番は原作6巻P61~63です。
でも時期が違うかもしれませんすいません。

長くなりましたがこれにて


246:名無しさん@ピンキー
08/11/14 23:18:52 Yi7Nn8Rx
一瞬、数年前にAA系の板で蔓延してたシリア語ブラクラを思い出したがGJ
変なところで改行してあるのは何かの立て読み?

247:名無しさん@ピンキー
08/11/14 23:33:08 2I/vM+KX
まさにwwwwこの神ID’swwww蒼い三連☆wwww
ジェットストリームアタック見事性交wwww
見事な連係プレイが、ゆたかをもてあそぶwwwww
次回、「百合場ラルの脅威!」wwwwwww
うはwwwwwwwwwwおkkkwwwwwwwwwwwww

VIPPERゆたかに乾杯しつつ、>>245に惜しみないGJを!

248:名無しさん@ピンキー
08/11/14 23:35:21 9Imn22v3
>>245
み、見える。見えるぞ……!一人隠れて携帯を操作し、1000レス目のカキコを済ませた後に携帯を閉じながら楽しげで冷ややかな笑みを浮かべるみなみの姿が……!!
そして家に帰ったら帰ったで従姉に『どうだったのカナ?カナ?』と聞かれるゆたかの図が……!!

249:名無しさん@ピンキー
08/11/14 23:59:06 5pO7N/4e
>>245
エロパロスレのエロ真骨頂あざーすww

前編から読み返すと伏線バリバリですごいっすね!
パティがバイトで来れないとか、こなたもバイトで一緒にいるとか。
最後に原作に戻るのも気持ち良い!

250:名無しさん@ピンキー
08/11/15 00:41:00 BL2r7JZm
>>245
ゆーちゃんvipperだったのかwww 
エロパロの新機軸を目の当たりにしているのかも。
特にバナナシーンは反則的にエロかったです。GJ!

251:名無しさん@ピンキー
08/11/15 01:24:46 SsEawSma
>>245
VIP行ったことないけど彼女らの神っぷりが目に浮かぶようだ…!
ひよりの書き込みがないのはどうしてだ!なんて言わないからひたすら全力でGJを贈らせてもらおう!!

…神は>>245の中にいる…

252:名無しさん@ピンキー
08/11/15 01:45:57 ojl700y+
>>245
凄くえろいのに、最終的にゆたかの百合観の変化を繊細に描いてることに驚きました。
まさかゆたかが自分の百合関係に無頓着だったのが伏線になってるとは・・・
三毛またさんの作品は伏線が尋常じゃない!
構成が緻密で深くて、本気でGJです!

>>248
みなみが1000取ったのって、ゆたかがえろ展開を夢と思い込んだのを確認した直後なのでは。たぶん。

253:名無しさん@ピンキー
08/11/15 04:12:37 dWEg+rQT
すっかり騙されたよ、三人の中にひよりもいると思ってた(まさか自作自演とは)
ひよりらしいへたれさというか…
日和見というか…
よく言えば癒しポジションだね

254:名無しさん@ピンキー
08/11/15 06:57:46 WSGe0CFz
特に準備している方がいなければ、投稿します。
・8レス、非エロ。
・かがみ視点

255:you are on there!(1/8)
08/11/15 07:00:56 WSGe0CFz
 結果ではない。そこにいたるまでの過程が大切なのだ。
 そういったことはよく聞く。確かにそういうことって多いと私も思う。努力することが大切なのであって、結
果は二の次。それも大切なことだ。
 でも私はそれに反対。
 残るのは結果だけだ。どれほど努力したとしても、評価は結果のみで決まる。
 勝てば官軍負ければ賊軍といった大仰なものではないにしろ、私は世の中結果が全てだと思う。

―2月19日、午後6時30分。
 目覚ましのなる数分前には目が覚めて、寝ぼけ眼のまま立ち上がり部屋の電気を付けた。目覚ましのなる前と
いうことは、遅刻をしていないということだし、もしそんな状況であればお母さんが起こしてくれると思うから、
そういったことには気にしていない。
 つかさやこなたが言う「『目覚まし鳴ったの?』って思うことない?」というのは、まあ経験がないとは言わ
ないけれど、めったにないことだ。
 45分にセットしておいた目覚ましを、その役割を果たす前に停止ボタンを押す。
 私服に着替えて一階のリビングに向かうと、ほのかにコーヒーの香りがした。お母さんは私を見かけると「あ
ら、早いのね」と言った後挨拶をするので、私もそれに続く。
 食パンでいい? という質問に肯定で答えて私は椅子に座り込み、ぼんやりとしていた。まだ頭が覚醒してい
ないらしい。みっともない大きなあくびをして、テレビを付けているうちに、苺ジャムの缶とこんがりと黄金色
に焼けたパンが置かれていた。
「何時に家にでるの?」
「7時30分」
「そう。頑張ってね」
「うん」
 お母さんは私に微笑みかける。私は曖昧な笑いを返しながら、気を紛らわすかのようにコーヒーを口に運んだ。
 扉がきぃと申し訳なさそうに開く音がするので、私とお母さんが音がした方向に顔を向けると、お父さんが顔
をぽりぽりと掻きながら立っていた。
「あらあなた。おはよう」
 私もそれに続く。
 お父さんは寝具のままだった、
「うん。おはよう」
「パンでいいですか? ご飯、たいていなくて」
「うん、お願い」
 そういいながらお父さんは私の対面の椅子に座る。私はお父さんが腰掛けるまでの所作を無意識に見ていたが、
はっと我に返り、食事に戻った。
「……」
 お父さんは、何も言わない。数分後お父さんの前にお皿がおかれて、お母さんもその隣に座る。
 なんだかぎこちない感じだが、つかさがいないことを除けば平時と大して変わらない光景だった。普段はもう
少し会話が弾むものだが、それも頭数が一人足りないことを考えれば妥当なところだと思う。
 つかさは、多分まだ寝ていると思う。自由登校に入っており、学校に行く必要はない。それでも惰性というか、
どうしてだかわからないけど、特に何もないときはつかさ含めて学校にいっていた私だけど、それも二人して登
校できるだけだ。
 お姉ちゃん、明日何時に起きるの? と私に聞いていたから、もしかしたら私の出発に合わせて起きてくれる
のかと思ったけど、どうも体が言うことを聞かなかったらしい。それも仕方ないと思う。やめておけばいいのに
昨日まで3日連続で入試があり、やっと安心して眠れる一日なのだ。
 一月にセンター試験を受けた後、2月から多くの私立大学の入試が始まる。よく言われることであり、また私
の経験からしても3日連続で受けると本当に疲弊感がある。だから、今日はゆっくりと休んでいてね、と私は思うのだ。

256:you are on there!(2/8)
08/11/15 07:01:55 WSGe0CFz

「何時に終わるの?」
 お父さんが主語を省いて聞いてくる。私は「3時半くらいかな」と答えると、そうかと一言言った後、おもむ
ろに立ち上がり、薬箱の上からホッカイロを取り出した。
「冷えるといけないから」
 とはにかみながら言うので、私は素直に受け取る。テレビから流れるアナウンサーの音声が雑音となって響いている。
 何を言っているのかよくわからなかったけれど、「今日は午後から雪になるでしょう」といっているようだっ
た。関東一帯に雪のマークが出ている。
「あら、今日は雪が降るのね」
「そうみたいだね。今年初めてじゃないかな」
「ええ、そうね」
―雪。雪か。折りたたみ傘を鞄に入れたほうがいいかもしれない。
 前日に準備していたものを思い出す。受験票、筆記用具―鉛筆、消しゴム―、財布、定期券。それに世界
史のノート。うん、全部入っていると思う。折りたたみ傘を追加するときに確認しよう。
「受験票は持った?」
「つかさじゃないんだから、大丈夫よ」
 なんて言ってみる。お父さんは苦笑気味に、
「あの時はかがみのおかげで助かったよ。かがみが一緒に駅までいってくれなかったら、と思うとぞっとする
ね」
「別に、たいしたことじゃないけど」
 そんなことを言っていると、室温とともに空気までもが暖かくなった気がした。緊張が解れたのもそうだし、
非日常めいた私にとっての2月19日という日付を日常のものに変わっていく、そんな感覚があった。

 あの時とのことというのは、つかさの入試初日のことだ。おそらく家族なら全員心配したことを、期待通りに
つかさはした。つまり、受験票を忘れた。
 朝食のときにも言って、大丈夫だよと屈託のない笑顔を見せていたので、お父さんもお母さんも安心しきって
いたが、私はやっぱり心配だった。この子もドジっ子は筋金入りだったし、こういったことは用心してもしすぎ
ることはない。私が監督していたこともあり、この時間にでれば30分前くらいには着くだろうという時間に家を出、鷹宮駅に着いた。
 そこで念のためもう一度問いただし、鞄の中を捜せさせると案の定、というわけだ。
 走って家に戻ろうとするつかさを、ゆっくり歩いても間に合うからと制し、二人して家に踵を返す。こういっ
たところで無駄に体力を消費するべきではないと思ったからだ。

257:you are on there!(3/8)
08/11/15 07:02:44 WSGe0CFz

「じゃあそろそろ行かないと」
「ん……そうか」
「頑張ってらっしゃい」
 励ましの言葉に力ない笑顔で答えた後、玄関近くにある我が家の特有の黒電話に一瞥をやる。
「まあ、見てなさい。あんたにも絶対仕事をしてもらうんだからね」
 特に意味のない行動だ。

 扉を開けると、北風が吹き付けてきてとても寒い。晒された太ももに容赦なく吹き付ける。
 ブルブルと携帯が震えるので、歩きながら携帯を開くと、

date:2/19.7.30
message from こなた
 re:がんばってくれたまへー
「やふーかがみ。今日だっけ? かがみんのことだから寝坊なんてしていないとは思うけど、頑張ってね。私の
ほうは受験も終わったし、今年の冬には某ギャルゲーからの格闘ゲームが出ているじゃん? 相手がいなくて
ねー。かがみはいくら誘っても『あんたは……』と呆れるだけで取り合ってくれないし。
 まあ昨日からスーパー徹夜タイムだったからさ、寝るね。お休み。夢の中ででも、合格を祈ってあげるよ♪」

「こいつは……」
 メールの台詞のように苦笑気味にため息をつく。変わらないというか、こなたらしい。
 そういえばこなたの結果はまだ聞いていない気がする。結果がでたのかもわからないけど(私自身、日々に忙
殺されていたから、そこまで頭を働かせる余裕はなかった)この調子なら手ごたえはあるのだろう。
 商店街を通り、駅へ向かい、列車が通常通りに運行していることに一安心する。
 改札を抜けて駅へのプラットフォームに降りたところで私は携帯を取り出し電源を切った。
 大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出す。
 電車の到着を告げるアナウンスが流れ、見慣れた電車が停止し、ドアが開く。それに乗り込んだとき、私は
「よし」と小さく呟いた。


258:you are on there!(4/8)
08/11/15 07:03:26 WSGe0CFz


「それでまあ、どうなのよ」
「そりゃまたざっくらばんだな」
 ……この日、教室に向かい鞄を置いて、そのままA組にくとこなたは、さっそく私に問いかける。
 私の代わりにつかさが、
「今日発表がでるんだよー、私ドキドキしちゃって……」
「別につかさのじゃないじゃん」
「でもこなちゃん、お姉ちゃんのだよ? やっぱり気になるよ」
「そりゃあ私だって? 嫁の一大事とあれば!」
「誰が嫁か!」

 2月29日。いわずと知れた、あれである。こんな日に合格発表日を設定しなくてもいいのにと思うが、とも
かく今日が私の第一志望の発表日なのである。
 つかさの発表は一足早く3日前にあった。結果は、その日の夕食が今年最大の豪華なことを告げておけば十分だろう。その主賓であるつかさが、主な食事当番だったというのはちょっとおかしな話だけど。
 こなたは思ったとおり合格していたらしく、久しぶりに(といっても1週間とかそこいらだけど)あったときも
しれっとしていた。こなたの家でもパーティーが行われたらしい。娘を溺愛している父親に元気な警察官の従兄
弟―想像に難くない。
 結局私はゆたかちゃんの「無病息災」の意味を伝えることはしなかったけど、ゆたかちゃんの思いが叶ったよ
うで嬉しい限りだ。
 本当、感謝しておきなさいよ。


259:you are on there!(4/8)
08/11/15 07:05:14 WSGe0CFz

「大丈夫ですよ、きっと。かがみさんならきっと受かっていると思います」
「あー、うん、ありがと。でもみゆきもまだなんでしょ? どうなの?」
「私のほうはちょっと心配かもしれませんね……」
「なに謙遜しているのよ。みゆきが落ちるなんてこなたがオタクをやめるくらいありえないことだわ。鯨が魚で
ないのとを同じくらい」
 ちらりとこなたをあほ毛にに視線を落としながら言う。
「ちょっ、それ例え悪すぎ!」
 すぐさまこなたの抗議が入る。
 つかさは後半の例えがよくわからなかったのか、はてなマークを浮かべていた。
「いつだっけ?」
 私がそんな二人にかまわず聞くと、3月ですと返ってきた。
「そっか。終わったら皆で遊びにいこっか」
「あーいいねーそれ。じゃああきばで―」
「ディ○ニーなんてどう? ちょっと定番だけど、私たち皆でいったことはなかったわよね?」
「あれー私の提案は華麗にスルーですかー?」
 それもいいけどまた今度でいいじゃない、と一蹴する。しぶしぶながらこなたも従い、私たちは各々知ってい
る知識を総動員して乗る乗り物についての侃々諤々、口角泡を飛ばす議論に更けた。
 最後にみゆきがパンフレットを持ってきますねといい、私もクラスに戻る。
 卒業式まではまだ数日あり、自由登校期間中に学校に来る酔狂な輩はそう多くない。一年二年の活気と比べる
と、本当に静かなものだった。
 よくわからないが私の周りにはそういう酔狂な奴ばかりだ。嬉しそうに合格を語ってぺたぺたひっついてくる
奴とか、その保護者役の奴とか。
 まったく。

260:you are on there!(6/8)
08/11/15 07:06:11 WSGe0CFz
 午後になり、数学の先生に記述の解答の添削を受けているみゆきにエールを送り、私たちは下校する。
 その帰り道、
「しかしかがみからメールこなかったら落ちてるってことだよね? なんという焦らし……」
「不吉なことを言うな」
「大丈夫だよこなちゃん。こなちゃんの祈りはきっと伝わっているよ」
「祈り?」
 耳慣れない言葉に聞き返す。
「うん、入試日……だったかな? こなちゃん、8時くらいに家に来てね、初詣―というのカナ?―にきた
んだよ。それで何しにきたの聞いてみると、『いやまあ、困ったときの神頼みというか、まあ私ぃも、こんなこ
とぐらいからしかできないからさ』っていいながら、『かがみが実力を発揮できますように……まあかがみだか
らまじめにやれば受かるだろうし常識的に考えて』って」
「ばっつかさ! 言わないでっていったのに」
 はあ……やっぱりつかさはつかさか、と肩を落とす。
 うっかり漏らしたつかさが「はぅ……ごめん」と胸の前で合掌した。
「あんた……私のために?」
「まあかがみが落ちると後味悪いしね。大して意味のない行為だと思うけど、やらないよりかはさ」
「そっか……あ、ありがとね」
「まあつかさほど熱心じゃないじゃないけど。ぶっちゃけつかさがあれだけやってれば私、無意味ですか?って
感じだったし」
 といいながらあの日のことを再現する。今度はつかさが呆然と「はう、それも秘密」という番だった。
 ふと気づく。
 てゆーか、つかさ、起きていたんだ。
 ……無理しちゃって。

261:you are on there!(7/8)
08/11/15 07:07:30 WSGe0CFz

 今時の私立大学は電話で合否を知ることができる。東京大学の合格発表日はテレビなどでもよく取り沙汰にな
っている。その発表方法である伝統的な掲示板による掲示も多いが、現地に赴かなくても特定電話番号をダイア
ルし、受験番号と生年月日を入力することでその場でわかるのだ。
 大学によってはインターネットで知ることも可能である。
 味気ないといえば味気ない。
 1時から開始。家に帰ったときは、もう2時を回る時間帯だった。
 だから、私はいつでもその結果を知ることができた。
 高まる心臓の音を抑えて、じれったい黒電話をのダイアルを何度もまわすことによって。
 逃げることもできる。明日、明後日までに入学手続きについての説明などが入った書類が送られてこなければ
―。
 やめよう。ネガティブになるのは。しばらく玄関で立ち尽くした後、受話器を取る。
 すぐにガチャリと置いた。
 まずは着替えよう。話はそれから―。

 ブルブルブルブル。
 携帯の着信音。予想だにしなかったことで、びくっと私は震えた。すぐに状況を理解し、「まったく、驚かさ
ないでよ」と軽口を叩きながら携帯を開くと、メールがきていた。

message from こなた
re:お米!
「電話で調べたんだけど、かがみおめー!」

「え?」
 信じられず、もう一度ディスプレイを覗き込んでみる。どういう意味だろう? ”おめでとう”? ……それ
は、どういう意味だ? 合格という言葉があるわけではない。
 冷静に考えろ。この場でこの意味といったら、ひとつしかないはずだ。
 踵を返す。再び鞄から受験票を取り出す。受験番号は暗唱できると思う。心の中で想起した数字と、受験票に
書かれている数字が正しいことを確認する。
 じれったい。今日ほど家の電話がどこの過程にもあるようなものであったらな、と思ったことはない。携帯電
話という選択肢を考えるほど心に余裕はなかった。
「こちらは受験案内です。合格番号の参照を希望される方は1を―」

―確かに、その機械は告げていた。
 私は階段を一段飛ばしで駆け上がり、つかさの部屋に赴いた。ノックをして、つかさの「どうぞ」という声を
聞くのも待ち遠しい。入るなり私は第一声を発する。
「つかさ、受かったよ! 私、受かった!」


262:you are on there!(8/8)
08/11/15 07:09:37 WSGe0CFz
 その日のことは、あまり覚えていない。
 3日前と同じくらいの豪勢な食事に、「体重、死なないで」と日本語として怪しい言葉を吐きつつもせっせと
口に運ぶ。お父さんはシャンパンを何本も用意していたらしく、私やつかさにまでそれを注ぐ。
「今日だけだよ」
 と笑いながら。ただし、私たちは一杯飲んだだけで、後はほとんど姉さんやお母さん達のお腹に納まったから、
ほとんど酔うということはなかった。
 賑やかに談笑する家族に、感涙のせいか咽び泣くつかさ。
 ちなみに、その後だ。気づいたことがあった。ごく少量のアルコールが、夢見たいな現実において私を冷静に
させる安定剤代わりになったらしい。
 ……私は、こなたに受験番号なんて教えていない。

 夕飯を食べ終え、自宅に放置した携帯を開くとまたメールが来ていた。誰からかは予想するまでもない。メー
ルは2件。みゆきとこなたから。
 みゆきの丁寧な祝福メールに「ありがとう」という趣旨のメールを返信し、こなたのを見た。

messege from こなた
re:(=ω=.)
「いや~よかったよかった。あれで落ちてたら私どうなるかとさ。あーかがみ、実はさ、私見ていないんだ。て
ゆーか受験番号聞いていないからわからかったよ。てへ☆
 まあかがみのことだから理由を知りたいだろうから、こうしてメールを送ったのだよ。某漫画だと『落ちた』
というネタだったから私は『受かった』というネタにしようと。ただそれだけです。
 ごめんなさい><」

 ……。
 ひとつ言える事は。と前置きをし、苦笑する。
「遊園地にいったときは、覚えていなさいよ?」

263:42-519
08/11/15 07:12:53 WSGe0CFz
以上です。書きかけのほうがありますので終わらせればいいなと思いながら。
多少原作と食い違っているかもしれないです。

264:名無しさん@ピンキー
08/11/15 08:10:54 e9Ijquqx
>>245

みゆき
「『今の目薬には睡眠薬のような効果は期待できねえよwwww釣られ乙wwww』……っと」

[このスレッドには書き込めません。]

みゆき
「は、はうっ!? レス完走してます……祭に乗り遅れてしまいましたorz」

------
ぐっじょ~~☆

265:名無しさん@ピンキー
08/11/15 11:17:44 Xv7ZtgxM
>>263
ちょっとした緊張を交えつつ、
4人の正統なる友情を描いた日常作。
そして、こなたの友達想いな面も垣間見た。色々と和んだ。
久しぶりの、らきすたらしいらきすたSS。GJです。

266:名無しさん@ピンキー
08/11/15 11:34:11 fdcgdC/j
>>213
ぐっしょっぶ!
なんとなく、よつばと!テイストだが、それが良い。

267:名無しさん@ピンキー
08/11/15 11:35:52 fdcgdC/j
>>263
こちらもぐっじょぶ。
でも、ダイアル式の電話だと、その手のサービス受けられないぜ。
(プッシュ音を発信できないから)

268:名無しさん@ピンキー
08/11/15 19:25:20 WSGe0CFz
あら、知りませんでした。後で辻褄が合うようにしようと思います。

269:名無しさん@ピンキー
08/11/15 20:59:47 wZ/NMpdF
こちらにも一応告知

あと1時間ほど後の11月15日 22時から翌16日 07時まで、
まとめサイトのatwikiは全鯖サーバーメンテナンスのため接続が困難になります
保管作業・サイトの閲覧を行う方などは注意してください

URLリンク(www1.atwiki.jp)

270:名無しさん@ピンキー
08/11/15 22:04:38 /6chxGmX
>>269
なんと !
告知乙

271:名無しさん@ピンキー
08/11/16 08:20:22 XUqOjTG+
>>245
やっぱりこいつらでしたか! なんてトリプル孔明。
ゆーちゃんが記憶を胸にしまいこむくだりから、なんとも言えず余韻を感じました。
ゆーちゃん、お幸せに。ぐっじょぶ。

>>263
多少食い違っても気にしない!
最終レスでのかがみの乙女心ににやりとしつつ、ぐっじょぶ。

272:名無しさん@ピンキー
08/11/16 15:23:35 uBg3Cofl
お、過去ログ倉庫が更新されてるね
乙です

今夜あたり生存報告だけでも頼もうかと思ってたんでちょっとびびったw

273:名無しさん@ピンキー
08/11/16 20:30:14 Y2RY534w
>>272さんが書かれたとおり、先日dat保管庫を前スレ分までアップロードしておきました。
今週容量が増強されるとのアナウンスがありましたので、まだまだ十分アップして行けそうです。

というわけで、とりあえず生きてますw

274:名無しさん@ピンキー
08/11/16 20:33:17 dPgV291z
>>263
GJ!
実はこなたの方がツンデレではないかと思ったりしました。

>>273
激しく乙です。
過去ログを読み返して、スレの歴史に思いをはせていましたw

275:名無しさん@ピンキー
08/11/17 01:00:42 14S4j3+l
ところで、あやのって進路お嫁さんじゃなかったんじゃ?
こなたやみさ基地の近くの大学だっけ
あと茶道部じゃなくなったからプロレスじゃなくなるのか?

276:名無しさん@ピンキー
08/11/17 01:08:36 8BpaIW0h
ヒンタポ語でおk

277:名無しさん@ピンキー
08/11/17 01:17:51 eFShi4Tj
あやのは、俺の記憶で間違えなければ専業主婦のはづ
んで、みさきちは、俺の記憶に間違えなければ家業継ぎ、だったはづ(ラジオではそういってた)



そうじろう「できれば、こなたにも家業を継いで欲しかったなあ、この際ラノベでもいいからさあorz」

278:名無しさん@ピンキー
08/11/17 02:18:19 XU8LVx+7
>>277
安定するまでキツイ仕事を娘に進めないでください。
まあ、一部のSS(主にこなた達の未来を書いている作品)ではそういう道を選んでるのが多いけど。

279:名無しさん@ピンキー
08/11/17 05:19:13 eFShi4Tj
活字がだめで小説家は無理、絵がまるでダメなのでイラストもだめ。でも、こなたは実際、
ヲタコラムくらいならかけるほどの情報量と知識量は持ってると思うんだ。
自分のコスプレを交え実践しつつ情報提供、という形でいけば、
親父のコネもプラスしつつ雑誌関係に食い込むことも可能では・・・





そうじろう「いや・・・わかってんだよ、夢にすぎないってことくらいはさorz」

280:名無しさん@ピンキー
08/11/17 07:55:06 ZQTARM6g
活字がダメなら小説家は無理、とは限らないわけで。

それに、ラノベを読みたがらない、というだけで、描かれていない部分では
なにやってるかわかんないぞ。
「活字はもうおなかいっぱい」てことかもしれんし。

281:名無しさん@ピンキー
08/11/17 09:19:00 2mSyPTcn
とある掲示板では、こなたとかがみは結婚してたり、子供ができてたり、ゾンビになってまでもイチャイチャしてるw

282:名無しさん@ピンキー
08/11/17 09:25:47 0NQQoSDA
>>281
そこのおかげでゾンビと言う単語を見るだけで噴いてしまう

283:名無しさん@ピンキー
08/11/17 11:02:21 XU8LVx+7
>>281-282
物凄く気になるじゃないか。
アドとかを聞くのはまずいけど、せめて検索ワードを教えてくれ。

284:名無しさん@ピンキー
08/11/17 13:41:25 xj0amNL3
>>283
2chのスレが荒れたんで避難所に半ば移行しつつある、
とあるカップリングのスレの保管庫を探せばわかる。

285:名無しさん@ピンキー
08/11/17 15:59:02 RhTkKboI
将来とか考えるとかがみが稼いでこなたが専業がしっくりくるよ

料理はできるわけだし

286:名無しさん@ピンキー
08/11/17 17:59:26 lmsSZt41
こなかがBBSでググればいいと思うけど、アドレスのっけてもいいと思うけどな。
おkなら出すけど。

287:名無しさん@ピンキー
08/11/17 18:04:38 cW6mm0yi
>>286
それは止めとけ。荒らされる原因になる

288:名無しさん@ピンキー
08/11/17 18:05:23 8BpaIW0h
URL晒すのは極力避けた方がいい
晒すのはネットウォッチ板のみで

289:名無しさん@ピンキー
08/11/17 18:33:58 q2ktq8Cb
うっとおしい

290:名無しさん@ピンキー
08/11/17 18:44:01 Qsr+vkk5
すみません、空気も読まない初心者が
ひとつお目汚しを投下させていただきます。

291:かなたさんチェックの時間(1/1)
08/11/17 18:45:14 Qsr+vkk5
お盆・・・
死者が郷里に還るといわれるこの時期・・・

例によって霊のごとく、つーかもともと霊なんですが
このヒトはまた帰ってきました。


『うふふ♪さぁ、そう君もこなたもちゃんとしてるかしら?

 おかあさんがちゃんとチェックいれちゃうぞ♪』


ビシィ!と人差し指を立てて、
誰にとも無く厳重チェック宣言をする。
その仕草は、不思議とこなたにそっくりな癖。

それにしてもこのかなたさん、ノリノリである。


==============かなたさんチェックの時間================

292:かなたさんチェックの時間(2/5)
08/11/17 18:48:23 Qsr+vkk5
『あ、ふたりともこなたの部屋にいるのね・・・
 また二人してゲームやって遊んでるのかしら。』

音も無く、階段を上り、こなたの自室のドアを通り抜ける。


『ほーらやっぱり♪思ったとおりゲームしtぶほぅーーーーーーー!!』


そこで画面に目をやった瞬間エクトプラズム噴いた。


こなた自室の大画面TVに映し出される
あはんうふんいやんてレベルじゃねーCG。
どうみてもそれ何てエロゲです。本当にあ(ry

『な・・・・な・・・・いったい・・・ふたりとも・・・?』

「いやぁこのつる○△●が萌え萌えだにゃぁ~」

「こなたはぜんぜん分かってないなぁ。こうゆう
縞●○※■は ずらして
×◎◎□だからこそ萌えなんだよ。」

「はいはい陵辱陵辱」


こなたもそうじろうも、背後の空間に、二度目の
白いもやが立ちのぼったのに気づかなかった。

あまりにひどい会話の内容に、
かなたさんもう一回盛大に
エクトプラズム噴いた。


『ちょwwwww俺のエクトプラズム返せwwwwwwwww』
なんてことはかなたさんは言わない。嘘ですごめんなさい。


『ななな、あなたたち、なに、ナニを、何のゲームをしてるんですかッ!!』


白いエクトプラズムが、ちょっぴりかなたさんの
顔にかかってそれはまるで(ry
なんてこともありませんごめんなさい。

293:かなたさんチェックの時間(3/5)
08/11/17 18:50:50 Qsr+vkk5
二人は難攻略の陵辱エロゲを協力の末ようやくまとめ、
達成感と充実感に満たされながら残CG回収の作業に当たっていた。


「おや、こなた、エアコン効かせたのか?」

「いんやぁ?窓開けて切ったと思うけど・・・なんだろね」

     一陣の涼しい風が抜けた。

『ちょ、と、そ、そう君・・・こなたにそんな
 えっちぃゲームやらせて・・・っていうか
 このケースに18歳未満だめって書いてあるでしょ!

 いーかげんにしなさい!
 おかあさんもうおこりましたよ!ぷりぷり!』


口に出してぷりぷりとかフツー言うものでもないが、
そもそも二人には聞こえないし、

ていうか 可 愛 い か ら O K 。


「・・・なんだ?このプレッシャーは」

「どーした、こなた?」

「・・・なんでもない。なんかプレッシャーみたいなものを感じただけ」

「プレッシャー?急におかしなことをいうなぁ」

「・・ていうか、かがみんの殺気に似たものが・・・」

「ウチには誰もいないよ?ゆーちゃんも留守のはずだし」


つかつかと(足音もなく)ゲーム機の本体に歩み寄って手を添える。

冷気がこなたのノースリーブの肩をかすめた。


「あら、なんかさぶいよっ・・・。」

『もー、こーゆー教育上よくないものはこーしてあげます!』

「アレ?操作できないぞ」

「あやややや?バグッたの?」

画面が乱れる。なんだか人影のようなものが一瞬写り、

「ちょっ、画面がなんかおかs

  ゲームデータがありません
  セーブデータがありません

「「ちょwwwwwwwwwwwww」」

そのまま、二人ともOrzの姿勢のまましばらく動けなかった。

294:かなたさんチェックの時間(4/5)
08/11/17 18:51:56 Qsr+vkk5
『まったく・・・そう君はともかく、まだ高校生のこなたまで
 一緒になってそんなえっちぃゲームするなんていけませんっ!
 ふたりとも反省しなさい。』

そういえば・・・こなたのお友達にもこんなヒトがいましたね。
何かといってこなたにお説教してるつり目の女の子・・・。

でも本当はこなたのことが大好きで・・・お勉強とか
いろいろ世話を焼いて、可愛がっているんですね。

くすっ・・・なんだかその子がこなたの
母親代わりみたいな・・・。

   ----------母親代わり-------------?

そこまで思い至ったところで、かなたさんはほんの少し、
いつものような、いつも通りの沈思にふける。


こなたがはじめて言葉を話す前に、
彼岸の彼方へ去ってしまった自分。

母のぬくもりというものを束の間にしか
与えてやれなかった、ほんの短い時間。

母のぬくもりというものを知らないまま過ごした
こなたの18年という、長い歳月。


ちいさいなりにすくすくと大きくなっていく
こなたを、この手に抱いて実感したかった、
それは我が侭な願いというものだろうか。


母親に可愛がられる、身の回りの子供たち。
彼ら母子の姿を横目で見るこなたは
ほんとうにさみしさも疑問も感じなかったのか。


そして、若くして二人の前から立ち去った自分を責める。

数え切れないほど繰り返した、かなたさんの沈思。


また涙が溢れそうになったとき、もうひとつの思い出が
かなたさんの胸に去来する。

295:かなたさんチェックの時間(5/5)
08/11/17 18:53:07 Qsr+vkk5
そう、思い出しました。去年のことでしたね・・・・・・

そう君がこなたに「さびしくはないか」
そう聞いたとき・・・

「べつにさびしくないよ」

わたしのことを覚えていないこなたは、
きっとほんとうにそうなのでしょう。

こなたが悲しむことはないであれば、
それはむしろ救いなのでしょうね。


そして・・・そう君は・・・堂々と、
「俺がかなたを世界で一番愛していた」だなんて・・・もうっ・・・


そう君がわたしを愛して・・・
こなたはそう君に愛されて・・・


こなたは不良になることもなく、
ちょっと趣味に問題あるけれども、
良いともだちにもたくさん囲まれて、
いい子に育ってくれて。

そう君は・・・ちょっとベタベタしすぎで
ちょっと遊び方に問題あるけれども
好きな小説で仕事ができて、
こなたをいっぱい愛していて。

わたしの思い出もずっと大事にしていてくれて。


わたしがいない限りのこの世界で、
そう君もこなたもいっぱい、いっぱい幸せじゃないの。


だから・・・・・・それなら。


それなら、わたしも、

笑顔でいられます。


「とおさーん!!に、にに2ヶ月費やしたセーブデータがぁあああああ!!」

「回収CGも全て消えてもぉたぁあああああああああ!!夜の楽しみがぁあああああ!!」

でもそーゆーのは幸せとかには含めないですからね♪

296:名無しさん@ピンキー
08/11/17 18:55:47 Qsr+vkk5
以上、終了です。

いきなり一本目から(1/5)が(1/1)になって
瞬間的に完結してしまったり
不作な物を投下して申し訳ナシです。

1000年ROMって精進することにします・・・

297:名無しさん@ピンキー
08/11/17 19:36:43 xj0amNL3
>>296
いやいやいやいやGJですよ!

ほんとにもう、かなたさんったら可愛いんだから。
お亡くなりになってもしっかり母親していると子もいいですなあ。
ま、こなたとそうじろうについては自業自得ということでw

また投下してもらえるとうれしいですよ。

298:名無しさん@ピンキー
08/11/17 19:52:23 XU8LVx+7
>>296
かなたさんマジ小悪魔……哀れおっさんコンビ。

299:290
08/11/17 20:00:40 Qsr+vkk5
>>297さん

正直どういう評価になるのかビクビクもんでしたが
暖かいお言葉有難うございます。
まとめサイトもちっと読んで勉強してきますです。

>>298さん

もしかなたさんが存命で、こいつらが同じような
ことをこっそりやっててもこんな破壊行動するかも。
お話の都合上、若干キャラ変わってるかもしれません。
(敬語になってたり)
つか、エクトプラズム噴かせてみたかっただけとかw



300:某希少価値
08/11/17 20:12:21 eFShi4Tj
>>298
お・・・おっさん・・・orz    まあ、しかたないかー(≡ω≡.)

かなた「不良に育つのとオッサンに育つ、はたしてどちらがよかったのかしら・・・」
そうじろう「不良ダメ!!ゼッタイ!!」

すなわち>>296はGJ。またの投下をお待ちしております。

301:名無しさん@ピンキー
08/11/17 21:22:30 DLQgrg2d
>>296
オチの一行がベリーキュート!
ああ、なんて可愛いのでしょうかこの霊(ひと)。

このスレへようこそ、ぐっじょぶでした。

302:名無しさん@ピンキー
08/11/17 22:28:27 JVKMuyJs
PCが不調につき携帯から

>>300さん
ありがとうございます、おっ・・・いやなんでもw
アノ親父で不良娘の組み合わせは
想像するだに・・・
「ダメ!ゼッタイ!俺がやられる」


>>301さん
ありがとうございます!
「きっちり〆上げてやりました」宣言ですw

303:名無しさん@ピンキー
08/11/17 22:57:51 NvZsjQlc
全レス気持ち悪いです

304:名無しさん@ピンキー
08/11/17 23:13:11 /ABlXy5D
>>303
ふっ……初めての投下だと嬉しくて、ついやっちまうものなのさ。
生暖かく見守ってやろうぜ。
新しい職人の誕生に乾杯。




305:名無しさん@ピンキー
08/11/17 23:16:50 XU8LVx+7
>>300
まあ、こなたはおっさんじゃなきゃこなたじゃない、という事で。

あと、(便宜名)54-290氏へ。
感想レスをもらえた事が嬉しいのはわかるけど、全員に返す必要はないよ。
そういうのが不快に感じる人もいるからね。

306:名無しさん@ピンキー
08/11/17 23:58:18 tcAa6/XE
おいおいもう賢者タイムかよ

307:名無しさん@ピンキー
08/11/18 00:14:54 x2GqvNX6
>>296
ぐっじょぶ。
ギャグだけど、途中ほろっとさせられて、いい味が出ていますね。
かなたさんは可愛いし、こなたとそうじろうは相変わらず煩悩まるだしだし、
とても楽しく読むことができました。
もしよければ、次回作もここでお願いしますね。とても楽しみに待っていますよ。

308:名無しさん@ピンキー
08/11/18 00:18:19 j1eKDeyF
>>296
GJ!可愛いかなたさんに出会えたのは久しぶりだwww
僕もつい最近ここにSSを投下し始めたばかりなので、お互いがんばりましょう。

309: ◆MoiSlbQnQw
08/11/18 00:51:37 Hjs80orR
どうも、お久しぶりです。

URLリンク(www.sonokawa28.net)
今回投下させてもらうのは、自作『ヴァンパイアハンター・かがみ』の感想欄に気になる物があったのでそれに関するネタです。
言い訳がましいとはお思いでしょうが、お許しください。


310:名無しさん@ピンキー
08/11/18 01:02:11 MZAfR+KZ
>>309
アンタ、まさかノボルじゃないだろうな……?

311: ◆MoiSlbQnQw
08/11/18 02:06:30 Hjs80orR
そして今更ながら誤字発見。『郷』ではなく『卿』でしたorz

312:名無しさん@ピンキー
08/11/18 02:17:40 JHz8IkcZ
こなた「そだね、郷だとジャックになっちゃうからね~」
そうじろう「ジャックではない!あれは帰りマンだ!!」

313:名無しさん@ピンキー
08/11/18 20:24:44 wSwUzcDH
串規制の人のため宣伝を代行。
URLリンク(www.sonokawa28.net)
つか×ゆた
微エロ


314:名無しさん@ピンキー
08/11/18 20:52:21 wSwUzcDH
よろしければ感想など書いてやってくださいm(_ _)m

315:21-260(代理)
08/11/18 22:50:00 IwNn2uUe
お久しぶりです、
最近はずっと別の原稿でごたごたしていたり、
それ以前に謎の規制で2chに書き込めない状態がずっと続いていたりでしたが、
今回代理の方を通じて『黙っと~』の続きをひっそり投下させて頂きます。

ですが、

・みなみ&ゆたか←ひより、エロ無しです
・ぶーわ氏のSS『人として袖が触れている』をもとにした三次創作です
・舞台設定が平安時代なので、人物の呼称など、様々な点で現代と異なっています
・ひよりんが悪役っぽいかも知れませんので、ファンの方は注意して下さい

等、かなり偏った内容になっていますので、苦手な方は気をつけて下さい。
↓では、これより3レスほど使用します。


316:黙っと白拍子 第3話 1/3
08/11/18 22:51:46 IwNn2uUe
 嵯峨小早川邸。
 長年都を荒らした野盗・玄道組(げんどうぐみ)を、弱冠十五で成敗した検非違使(けびいし)・
 きよたかが、その愛妻・ゆい姫と、ゆたかの誕生を祝って建てた邸だ。
 ゆたかのために様々な書物や絵が集められた東の対屋(たいのや)からの眺望は、
 当時無名だった庭師・典兆(てんちょう)率いる阿仁明党(あにめいとう)が、その名を轟かせる
 契機となった大傑作。
 都の家々や、山裾に開いた棚田を絶妙に借景した庭園はまさに一幅の絵画。
 邸の名前の由来にもなっている小川は、山からの水をそのまま引き込んだもので、
 蛍や紅葉など、季節に応じて様々な風物を運んでくるという。

 明るい時に、一緒に歩けたらな―
 ゆたかが自分で描いた絵を見せながら、何度も話してくれた景色。
 でも、秋には帝や大臣達も訪れる、由緒ある庭園の片隅から、小倉山の縁を伸びる街道に
 抜け出せることを、知る人は殆どいない。


        第三話 ― 恋すてふ、ひより ―


 ひよりに別れを告げて、暫く家の方へ向かった後。
 二、三町(一町は約百二十米)ほど住処へ戻るふりをしてから、私は来た道を引き返して、
 御堂まで戻ってきていた。
 邸裏手の竹林を抜け、街道に出た先にあるこの御堂は、まだ賊や獣が多かった頃、愛宕詣の
 無事を祈って建てられたものらしい。
 今はもう廃れているが、私にとっては、ゆたかと初めて出逢った雪の日から、水無月の頃まで
 毎日逢瀬を重ねてきた大切な場所。そして文月が近付く頃、今のように邸に通うように
 なってからは、手引きをしてくれる女房・ひよりとの別れの場所だ。

「…………」
 大丈夫、誰もいない―
 周囲の気配を探ってから、御堂脇から伸びる山道に入る。
 木々に遮られ、星明り一つ届かない墨染の世界。それなのに、道の所だけ積もった竹の葉が
 仄白く浮き上がって、不気味なほどに歩きやすい。
 それどころか、山肌を覆う木々の枝や藪草までが、道際の所だけ悉く背を向けている。
 まるで、客人の衣を傷めないように、草木が意志を持って道案内をしてくれているようだ。
 小早川の者はおろか、夜盗達すら近付かない、秘められた場所へ続く妖の道。
 そこを私は昨日までと同じように、惑うことなく進んでいき……。

「―っ!」

 どうして……どうやって此処に来たのだろう。
 目的地のすぐ近く。
 久しぶりに夜空が見える、森の中の小さな畑。彼女はそこに、月明かりを背にして佇んでいた。
 暗闇を抜けたばかりの目には眩しい光の中、その表情はよく見えない。
 けれど、別れた時のままの姿に、冷たい風に靡く栗色の髪は、見間違いようはなかった。

「やっぱり、こっちに用があったんスね」
 来客が私だと確認してから、ひよりはこちらに歩み寄ってきた。
 ようやく光に慣れてきた目を、真っ直ぐな視線が縛る。夜風の中、ずっと私を待っていたようだ。
「どうして、此処に?」
「ああ、パティと貴方のことで語ろうかな、って」
 声だけは気さくを装おうとしている。
 でも、その瞳は見間違いようもなく真剣で、ゆたかの前では決して見せない感情を宿している。

「けど、いい感じに予定変更っスね。前から聞きたかったんスよ。みなみが邸の外で……
 その書道具をどうしてるのかな、って」
 何もかもを見通し切った視線を、顔から右手で手にしたものへ、そしてもう一度顔へと戻してから
 ―ひよりは、躊躇うことなくそう聞いてきた。


317:黙っと白拍子 第3話 2/3
08/11/18 22:52:38 IwNn2uUe
「ずっと不思議だったんスよね。その筆も硯も、多分ゆーちゃんの前でしか使ってない。
 それなのに、上達が変に早いし、暗がりでも分かるくらい筆だこができてるし。
 でも、まさか家で恋文の練習なんてしないだろうし、そうなると……ね」
 思わず俯く私とは逆に、これでも物書きの端くれっスからね、と胸を張る。
 けれど、その自慢げな笑顔の裏側から零れる感情が、酷く心に響く。

「パティの所って、便利っスよね。人も来ないし、夜でも明るいから一日中原稿書けるし。
 『誰か』と違って、ちゃんとゆーちゃんに見せてるけど」
「それは、私の舞と同じ。恋文とは違う」
「見苦しい言い訳っスね。まあ、私も……っスけど……」
「……」

 秋の最後に吹く風が、傍の長月草と、どこか似たもの同士の袖二つを揺らしていく。
 ざぁ……っと頭上を抜け、都の向こうへ遠のいていく木々の声は、まるで何かの合図のようだ。
 時間にすればどれほどだったろう、
 風の音が完全に消えたのを見計らって、私が口を開きかけた、その時。

「ゆーちゃんの文っスけど……」
 私より一瞬早く、ひよりが話を振ってきた。
 さっきまでとは違う、静かで落ち着いた―今までに聞いたことのなかった口調で。
「写してみて、どんな感じっスか?」
「よくわからない。練習するのは幸せだけど、辛いというか……」
 ずっとひよりを見つめ続ける勇気がなくて、思索にかこつけて目を伏せる。
 同じ人に焦がれる恋敵の問いかけに、自分はどうして、こんなに悩んでいるのだろう。
 それなのに、気がついたら考えていた。答えないといけない、そんな気がして。

「ゆたかの書は、本当に綺麗。洗練されているのに堅苦しくなくて、柔らかくて、優しい感じがして。
 でも、私が書くとどうしてもぎこちなくて、ゆたかの感じにならなくて……」
「なるほど、それでずっと練習してたんスか。あんな書が書けるようになるまで、私達に隠れて」
 視線を逸らしたまま、小さく頷く。
「ゆたかに渡しても、恥ずかしくない文にしたかったから。だけど、最近は練習すればするほど、
 ゆたかから離れていくような感じで……」
「うわー、それ激しく分かるっスけど、正直私達には無理っスね。アレは本当に神業っス。
 あの領域に辿り着ける人なんて、それこそ十年に一人いるかどうかっスよ」

 相変わらず、私はうまく気持ちを言葉にできない。ひよりの前でも、ゆたかの前でも。
 けれどゆたかと同じように、ひよりも私の僅かな言葉と仕草から、伝えたいことを汲み取って
 くれる。ただ……二人の間には、絶対的な違いがある。
 それは―
「でも……きつい言い方っスけど、今のみなみのは、『練習』にもなってないっス。
 変にかっこつけて、練習のフリして『先延ばし』してるだけっスよ」
「それは、そんな……私は、ゆたかに少しでも上手な」
「いつまで逃げるのっ!?」

 ゆたかの手前、ずっと抑え続けてきた感情がわっと溢れて、私を抉った。
 あの春の夜、ゆたかに嘘をつき続けていた私に叫んだ時の、風や空も押し黙るような感情が。

「確かにみなみの『字』はまだまだッスよ、でも、字がヘタクソなだけで、もうちゃんと読み書き
 できるじゃないっスか!後は歌の知識だけど……そこも問題ないっスよね!?」
「そんなこと」
「そんなことない!」
 きっ、と声を荒げて、逃げようとする私に楔を打つ。
「みなみは自分が思ってるよりずっと頭いい、漢詩はヘタな貴族より詳しいし、舞なんて間違いなく
 超一流っスよ?そんな貴方が歌を知らないわけない、万葉古今に多分後撰辺りも暗記してて、
 たまには即興歌で舞ったりもしてる筈、違う!?」

 私の肩を荒々しく揺さぶりながら、隠し事を剥き出しにする。ひよりより私の方が背が高い
 筈なのに、青褪めた顔で俯く自分は、先生の前で項垂れる子供のようだった。


318:黙っと白拍子 第3話 3/3
08/11/18 22:53:19 IwNn2uUe
 ―そう、私は今日まで、小早川邸で、一度も『和歌』を朗じたことはなかった。
 文字を知らなかった頃は、折角ゆたかがくれた文を、読むこともできない自分が悔しくて。
 文字を覚えた後には、歌を口にした瞬間、約束の文のことを思い出してしまうのが怖くて。
 だからずっと、漢詩だけを声に出して舞ってきた。
 白居易、王維、菅原道真、源順。
 でも、白拍子とは本来、唐渡りの詩よりも、むしろ神楽や戯れ歌、古今の和歌を歌い舞うもの。
 ひよりも、ゆたかも、最初から分かっていて……そしてずっと待っていたんだ。
 ゆたかが待ち焦がれている約束を、きっと私が果たしてくれると信じて。

「ごめん、つい」
 時を巻き戻したように、ざざぁ……っと愛宕からの風が吹き、凍りついた世界に音が戻ってくる。
 それを合図にしたように、肩を捕えていた手が力なく滑り落ちる。
「でも……みなみは、こんな逢瀬がずっと続くなんて、思ってないっスよね」
「それは……」
 けれど、不穏な瞳は変わらない。
 激情とは違うけれど、苛立ちと、痛みと、達観めいたやり切れなさを綯い交ぜにした。

「少し前から、『ゆーちゃんに恋人ができた』って噂が広まってるっス。
 それで今日、女房(にょうぼう:小間使い)のみんなに、ゆい様の前に引き出されて……」

 ばれたら多分、もう会えない―それは、何処で聞いた言葉だったろう。
 いや、もしかしたら、自分の心の声だろうか。
 でも、もしもゆたかと逢えなくなったら。もしも自分が幸せに舞える場所を失くしたら……
 言葉を失う私の中を、ゆたかの居なくなった未来が、死ぬ間際の走馬灯のように心を貫く。

「その場は誤魔化しといたけど、念のため警備を強化することになったっス。
 姫が身分も知れない男といつの間にか結ばれてたなんて、家の浮沈にも関わるっスからね。
 もうすぐ紅葉の宴で都中の貴族が集まるのに、そんな醜聞が漏れたら……」

 ゆたかと過ごす夜。
 睦月の雪の出逢いから、ずっと続いてきた逢瀬。
 それは余りにも幸せだったから、私はその危うさを考えようとしなかった。
 だから、逃げられた。練習しながら考えればいいと、詠めない歌を引きずってきた。
 でも、もう意識してしまった。
 星が季節を巡るように、幸せが露見する日は必ずやってきて……
 その瞬間、天の川に別たれた織女と牽牛のように、『身分』という絶対の掟に引き裂かれる。

「だからその前に、さっさと『約束の筆』で文を書くっス。そりゃ、道ならぬ恋だし、振られるかも
 知れないけど、このままだと絶対後悔するっスから。貴方も、ゆーちゃんも……私も」
「っ、それ!」
 ひよりが懐から取り出したものに、思わず叫びが漏れる。
 私の髪の毛を結わえた、練習用の『筆』―。
「自分でも酷いと思うっス。けど、これがあるとまた、手習いに逃げちゃいそうだから」
 一度見せた筆を懐紙で丁寧にくるんで、ひよりは再び懐にしまった。
 筆を奪われた私よりも痛々しい悪役顔で、恋敵である筈の私に縋るようにして。

 とても筆とは言えない筆なのに、それがどんなに大切にされていたかを心から分かっていて……
 それゆえに私から奪った、ひより。
 そこまでされたら、もう。

「分かった、明日、ちゃんとゆたかに伝える」
「そっか……悪いっスね、こんな阿漕な真似して」
 文を渡してくれたら、必ず返すっスから―と、小さく頭を下げながら、切なげな笑顔を零す。
 そんなひよりに私も、自分に言い聞かせるように再度頷き返すしかなくて。
「じゃあ、これ以上遅くなると叱られるし、これでもう戻るっス。でも、」

 山を下ろうと、私の横を通り過ぎた所で、不意に振り返る。
 蒼い月明かりに、栗色の髪を煌かせながら、祈るように口にした。

「最後に一つだけ、みなみの……みなみに、舞を教えたのは誰?」

319:21-260(代理)
08/11/18 22:54:17 IwNn2uUe
みなゆた好きなのですが、ひよりんも好きなので、
何とか活躍させようと思っていたらこのようなことに……汗汗
いつかきっとかっこいいひよりんのターンを作る予定なのでかんべんですっ
次回にはついにあの金髪ヲタク外人の活躍が……!?
いいいじょうしししつれいいたしましたーーーー(笑)

そして改めて、
読んで下さった皆様と、この文章を代理投下して下さったK氏に、
ありがとうございましたっ






        _   
      .'´   `ヽ、  
        i レノ{`´}ノハ      
        | !l;;(. )_( )'        
     _ノ !!' つ乙φ_         
    /旦/三/./|         
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |         
   |たゆ☆なみ.|/  

320:名無しさん@ピンキー
08/11/19 02:14:20 MRxSyluj
GJ

321:名無しさん@ピンキー
08/11/19 12:21:31 6yJKpKaO
みなゆた小説少ないからこういうのすごくうれしい。続き待ってますね。

322:某無乳TFEI
08/11/19 18:52:21 9aj+sTez
>>321
orz

323:名無しさん@ピンキー
08/11/19 22:36:09 Mtr8oRHX
>>309
ああ、この前作が投下されたの読んだ記憶があるw
GJ !

懐かしいな。何だか続きそうだから続き期待してもいいかい ?

324:名無しさん@ピンキー
08/11/19 23:30:32 N/cGW46x
投下された方々、GJです。

>>313
小悪魔的なつかさが、可愛らしいですね。


誰も準備している方がおられなければ、投下させていただきます。

325:23-251 ◆5xcwYYpqtk
08/11/19 23:39:43 N/cGW46x
「恋の後押し」

つかさ×ゆたか 非エロ

・一話完結もの
・Elope関連
・3レス程使用

326:恋の後押し 1/3
08/11/19 23:40:35 N/cGW46x
 秋が深まりゆく、ある日の夕方。
 田村さんから借りた同人誌を返しに1年D組の教室に入ると、小早川ゆたかちゃんが、
とても寂しそうに席に座っていた。
「こんにちは。ゆたかちゃん」
「つかさ先輩…… 」
 ゆたかちゃんは一瞬だけ、微かに笑顔をみせたけれども、すぐに物憂げな表情になってしまう。
「ひよりちゃんはもう帰った? 」
「え、あ、そうみたいです…… 」
 ゆたかちゃんは答えてくれたが、心ここにあらずという感じだ。
「そっか。ごめんね」
「いえ。お役にたてず、すみません」
 俯き加減で答えた彼女の声は、蚊の鳴くように小さい。
「どうしたの、ゆたかちゃん。体の具合が悪いの? 」
 私は心配になって尋ねた。ゆたかちゃんは体調を崩すことが多い。
「いえ。違います。ちょっと…… 」
 ゆたかちゃんは、助けを求めるように話し始めて、すぐに口ごもる。
「な、なんでもありません。なんでも」
 一旦は、口にしながら止められると、気になって仕方がない。

「あのね。ゆたかちゃん」
 私は、少し迷ったけれど、思い切って尋ねてみることにした。
「悩みがあるのだったら相談にのるよ」
「で、でも、ご迷惑ですし」
 ゆたかちゃんは人に遠慮をしすぎると思う。
「そんなに私って頼りない? そりゃ、こなちゃんや、お姉ちゃんと比べるとそうかもしれないけれど、
一応は三年生だよ」
 先輩面をしたい訳ではないけれど、可愛い後輩が悩んでいるのだから、力になりたい。
「確かに、悩みを解決できるとは約束できないけど…… 話すだけで気持ちが楽になると思う。
もし、ゆたかちゃんさえ良ければ、話してくれないかな」
 うつむき加減のゆたかちゃんの大きな瞳を見据えて、説得を試みる。

「そ、そうですね…… 」
 しばらく逡巡した後ではあるけれど、ゆたかちゃんは頷いてくれた。
「お願いですから、他の人には内緒にしてくださいね」
「うん。もちろんだよ」
 私の返事を聞いてから、ゆたかちゃんはゆっくりと口を開いた。
「実は、好きな人がいるんです」
 ゆたかちゃんの悩みは、誰もが経験するものではあるけれど、自分だけの答えを
見つけなくてはいけないものでもあった。

327:恋の後押し 2/3
08/11/19 23:41:22 N/cGW46x
「そっかあ。ゆたかちゃんは恋をしたんだね」
 片想いは辛いけれど、恋をしている人は輝いて見える。
「ええ。話をするだけでどきどきして…… 胸が締め付けられるように痛くなるんです」
 ゆたかちゃんはとても辛そうな表情をみせながら、声を絞り出した。
「告白はしないの? 確かに怖いことかもしれないけれど…… 」
 私の言葉に、ゆたかちゃんは私の言葉を遮るようにして叫ぶ。
「普通の場合だったらできるんです! でも! 」

「ゆ、ゆたかちゃん」
 珍しく感情を露わにする、ゆたかちゃんに驚きながらも、疑問に思ったことをそのまま口に出す。
「ゆたかちゃん、『普通の場合』ってどういうこと? 」
「あっ…… 」
 彼女は口に手をあてて黙り込んだけれど、結局は打ち明けてくれた。
「私が好きになったひとは、女性です」
 泣きそうな顔をしているゆたかちゃんが、とても可哀想で愛しい。
 もし、自分が同じ性別の人が好きになっちゃったら、狼狽するのも無理はない。

 誰が相手なのかが凄く気になるが、流石に今のゆたかちゃんから聞き出すことは憚られる。
 しかし、おそらくは彼女のナイトである岩崎みなみちゃんなのだろう。
 傍から見ていれば、ゆたかちゃんとみなみちゃんは両想いとしか思えなかったから、
ここは後押しをしてあげた方が良いと思う。

328:恋の後押し 3/3
08/11/19 23:42:13 N/cGW46x
「ねえ。ゆたかちゃん」
「は、はい」
 私は、後輩の小さな手を包み込むように覆ってから話し始めた。
「あのね。告白した相手が女の子であっても、ゆたかちゃんのことを嫌ったりしないと思うよ」
「で、でも、同性ですし…… 」
 彼女の不安を鎮めるように、笑顔を向けて言葉を続ける。
「だって、ゆたかちゃんって、凄く可愛らしくて魅力的だもん。もっと、自分に自信をもった方がいいよ」
「そうでしょうか? 」
 ゆたかちゃんは、自信なさげに問い返す。

「うん。ゆたかちゃんに想いを打ち明けられたら、男の子じゃなくても嬉しいと思うよ。それにね。
とても優しいゆたかちゃんが好きになった子が、相手を傷つけるようなことをするはずがないよ。
だから、例え結果が上手くいかなくなったとしても、気まずくなったりはしないはずだよ」
 一気に話し終えて、返事を待つことにする。
 
 無言の時間がずいぶんと過ぎて、下校を促すベルが鳴った頃。
「ありがとうございます…… 」
 お礼をいってくれたゆたかちゃんが、ようやく、本来の魅力あふれる笑顔をみせてくれる。
「私、すごく臆病でした。嫌われたらどうしようって、ずっと後ろ向きに考えていました。
だけど、逃げてばかりじゃ駄目なんですね」
 ゆたかちゃんは、大きく息を吸ってから言い切った。
「私、告白します」
 きっぱりと宣言したゆたかちゃんは、先程よりも、うんと大人びてみえる。
「うん。がんばって」
「はい。ありがとうございます。つかさ先輩」
 私は、満面の笑顔をみせてくれた彼女の手を、ぎゅっと握りしめた。

 すっかりと元気になったゆたかちゃんと別れてから、駅に向かってゆっくりと歩く。
 秋の短い太陽は、既に地平線の下に隠れており、あたりは黄昏から夜の領域に踏み出している。
 私は、瞬き始めた星の間を縫うように落ちていく大きな流れ星に願った。

 ゆたかちゃんの恋がうまくいきますように、と。

(おしまい)


329:23-251 ◆5xcwYYpqtk
08/11/19 23:44:36 N/cGW46x
以上です。
読んで頂いた方、ありがとうございます。
つかさとゆたかの組み合わせは、相性が良いと言うか、ぴったりとはまる様な感じがします。
では。


330:名無しさん@ピンキー
08/11/20 03:13:21 UCv3S5xc
うむ、ほんわかしてても緊迫してても貴方のつかゆたは大好きだっ

微笑ましい一場面のはずなのに
>・Elope関連
の一行が切ないですな。正に後押しになったのか、どのみち辿る道だったのか。
最後のつかさの願いは叶ったといえるかどうか。
色々考えてしまいますねぐっじょぶ


331:名無しさん@ピンキー
08/11/20 18:42:26 OdVcGUZQ
前作のゆたかがつかさを恐れる?理由が甘いと思っていましたけど、このエピソードで補完され納得できました。

332:名無しさん@ピンキー
08/11/20 18:49:06 yYFY8uLa
普通にほのぼのと見せかけて、「この後」を思い起こすとせつなさ3倍増でした。ぐっじょぶ。

333:戸別響
08/11/21 11:27:18 9qIRthqM
どうも、戸別です。シリーズの続きが書けたので投稿します。
スケッチスケッチ!  3筆目 青色栗色紅葉色
・K&A K視点
・非エロ
・7レス使用
3分後に投下を始めます。では、どうぞ。

334:スケッチスケッチ!  3筆目 青色栗色紅葉色(1)
08/11/21 11:30:28 9qIRthqM



うーん、空気がきれいだー。天気も良いし、絶好のスケッチ日和だねー。みさきちが突然
走り出すのもなんとなくわかる気がするね。


「もう、みさちゃんったら……後で注意しておかないと」
「みさきちと一緒に行動してると、とても疲れそうだよねー」
「でも、元気が良いのはとても良い事だと思いますよ」
「そうデスヨー。人間、energeticなのが一番デース!」
「そ、そうだけど……元気すぎるのもね……」


スケッチスケッチ!  3筆目 青色栗色紅葉色


どーも、私、泉こなた。このスケッチ大会の主催者みたいな者です。
今私達は駅前から山の中に向かって伸びる砂利道の上を歩いています。

って、私ってばこんな風に丁寧語で話すようなキャラじゃないよね。修正修正っと。

んまぁそんな訳で、私と一緒に歩いている人は、合わせて3人。
あれっ? 確かこのスケッチ大会ってペアで行動するんだよね? って疑問に思った人、
実は私のいるペアともう一つのペアは途中まで同じ道を歩いていかなくてはならないのだ。
ちなみにみさきち・ひよりんペアもホントは私達と同じ道を歩いてくんだけど、先述の様に
みさきちがスタートと同時に走り出してしまい、こちらからは二人はもう点のようにしか
見えなくなってるんだー。

と、
「あ、私達がスケッチをする場所は、ここから入るみたいですよ?」
「Oh! ホントデスカー? じゃあココでコナタ達とはお別れデスネー!」
ピンク髪の委員長がある草むらの前で立ち止まり、それにつられて金髪の留学生もそこで足を
止めた。やたらハイテンションで。

「あ、そっか。んじゃ頑張ってねー」
「はい、頑張ります」
「Yes! expectしてくださいネー!」
そう言って、二人は草むらを貫いている、獣道のような小道の中に入っていった。



335:スケッチスケッチ!  3筆目 青色栗色紅葉色(2)
08/11/21 11:32:30 9qIRthqM

さて、と。
一緒にいた3人のうち2人と別れ、今、私の隣にいるのはただ一人。
「……じゃあ、私達も神社まで行きましょうか」
「うん、そうだね」
峰岸あやの。かがみやさっき出てきたみさきちとは中学生のころからの友人で、クラスメイト。
そして今日のスケッチ大会における、私のペア。
くじ引き後、私の開始の合図の直後に走り出したみさきちを見て、かがみが呆れた様に
ひよりんに呟いたのに対し、この峰岸さんは少し困ったように微笑んでいた。さすがつかさ、
みゆきさんと並ぶいい人さんだー。

「ひよりんも大変だよねー。よりによってみさきちとなんてさ」
「……否定できなくてごめんね? みさちゃん……」
「うおっ、み、峰岸さん。今の発言、ちょっと黒くなかった?」
「えっ、そうだった?」
「うん、なんか……あ、ここ右だね」
「あ、ホントね。……わぁ……」
右折をして、神社―私達の指定場所―までのまっすぐな道に入ると、私達の目の前に、
会話している間には気づかなかった、とてもきれいな景色が広がっていた。
目の前の山肌は一面紅葉色に染まって、それが小春日和の快晴の空と相成って、とてもよく
綺麗に映えていた。

「……すごいねー……」
「……えぇ、そうね……」
私達はしばらくその景色に見惚れていて、でも私がまだ指定場所に到着してないことに
気づいて、峰岸さんを促して、その神社までの一本道を歩き始めた。



「……高いね……」
「……そう、だね……」
さて問題です。私たちは何を見ているのでしょーか?



336:スケッチスケッチ!  3筆目 青色栗色紅葉色(3)
08/11/21 11:33:46 9qIRthqM

正解、やたら長い石段。
……うん、地図を見て神社の前に階段があることはわかってたけど、ここまで長いとは
思わなかったなー。上を見上げても―木が邪魔で、っていうのもあるけど―その急で長い
石段の終わりを見つけることができないし……

「「…………」」
その長さにしばらく圧倒される私と峰岸さん。でも、目的地の神社にたどり着くにはこの
石段を登りきらなければならない。

「……とりあえず、登ろっか?」
「あ、うん、そうだね……」
私は峰岸さんに促され、一緒に一段ずつその石段を登り始めた。



「……ハァ、ハァ……よ、ようやく頂上が見えたわ……」
「み、峰岸さん、ハァ、だ、大丈夫?」
「い、泉ちゃんこそ……」
約4分後、私達の目の前にようやく神社の鳥居が見えて、この地獄の階段登りが終わりを
告げた事がわかった。その頃には私も峰岸さんもバテバテで、鳥居が見えたことでようやく
ホッとというか、安堵することができた。
それにしてもこの石段、長すぎだよ……3分間登りっぱなしでようやく頂上が見えてくる
なんて……おかげで石段の周りの紅葉を見てる余裕なんてなかったし……
えっと、2段に1秒かけたとして、4分だから……

480段。

……さすがに後半はバテてたからもう少し段数は少ないはずだけど、こんな田舎に400段
以上の石段を登る神社があるって……
というか、何で私はこんなどうでもいい事を計算してるんだろうね。

まあ段数の話は置いといて、私達は息を切らしながら最後の数段を登りきり、息も絶え絶えに
鳥居を通り抜けた。そして苦しくて閉じていた目を開けて、前を見てみると―


「「……わぁ……」」


そこには今日何回目の感嘆だろうか、なんて野暮なことを考えるのももったいないくらい、
綺麗な景色が広がっていた。



337:スケッチスケッチ!  3筆目 青色栗色紅葉色(4)
08/11/21 11:34:43 9qIRthqM

吹き抜ける風がサラサラと、色を染めたカエデやイチョウの木々を揺らす、その中に、
少しこじんまりした、それでも威厳のある、立派な神社がそこには建っていた。大きさは、
私の家と同じくらいかな? それよりも少し小さいかも。でも、それほどの大きさでも、私や
峰岸さんを圧倒させる、厳かな雰囲気が漂っていた。

「……何というか……凄いね」
「……ええ、そうね……」
凄いとしか言えない、って言う感想を旅行系のテレビ番組でよく聞くけど、今ならなんとなく
その気持ちがわかる気がするね。あまりにも素晴らしい景色とかに出会うと、ホントに
それしか言えなくなるね、今の私達みたいに。


そんな風に私と峰岸さんがその凄さに見惚れていると、

――ッホー――
「んっ?」
「へっ?」
どこからともなく人の声が私達の耳に届いた。しかも、どことなく間の抜けた声が。

「……何? 今の声……」
「……後ろから聞こえたような気がするけど……」
と、峰岸さんは後ろを振り返った。私もつられて後ろを見てみる。
後ろには誰もいなかった。あるのは神社の鳥居と紅葉色の木々、そしてその隙間から見える、
小さな山だけで……山?

いやいや、いくらなんでもここまで声が届く訳が……
「もう、みさちゃんったら……」
……って、やっぱりそうなの!?

「ていうか、よくみさきちだってわかったね」
「……あれもみさちゃんの子供っぽいところでね。みさちゃんったら、山とか高いところに
登ると、いつもああやってやまびこみたいな事をするの。しかも突然……」
やや呆れ気味に峰岸さんは呟いた。

「……まあ確かにみさきちの声ならここまで届きそうな気がするね」
と私がフォロー(?)をしたところで、


―キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン―



338:スケッチスケッチ!  3筆目 青色栗色紅葉色(5)
08/11/21 11:36:12 9qIRthqM

「あら? このチャイムは……」
突然のチャイムに、峰岸さんは少し戸惑いを見せた。

「あ、このチャイムはね―」

―ただいまの時刻は、午前、12時です―

「―ってわけ」
「あぁ、時報の代わりなのね」
峰岸さんは納得した様にこう言った。

「そういう事。さあ、スケッチ大会の始まりだー!」
私はそう言って、何を書くか決めるために神社の周りを歩き始めた。



「……泉ちゃんって、あんなに絵が下手だったんだ……」
「……そんなストレートに言わないでよ……」
20分後、私と峰岸さんは一旦スケッチをやめ、お昼ご飯の用意をしていた。ある意味で
お楽しみだったランチタイムだったけど、今の私の心はブルーで、峰岸さんはそんな私の
フォローに回っていた。
事の始まりは私がモチーフを見つけてその対象のスケッチを始めたとき、峰岸さんが私の
後ろに来て、描いてた絵を覗き見したことが発端。

「だ、だって、私がぱっと見たとき、最初は何が描いてあったかわからなかったんだもん」
「だからってさー、驚いた様に「えっ? これ、何?」って私の耳元で言わなくてもいいじゃん!」
いくら私が絵を描くのが苦手だからって、そこまでびっくりされるとさすがの私でも
傷つくよ……

と、
「……そういえば、どうして泉ちゃんはこのスケッチ大会をしよう、って思ったの?」
峰岸さんがお昼用の敷物を広げながら私に尋ねた。そういえば、みさきちや峰岸さん達には
言ってなかったっけ。
私はかがみ達に言った様に、その理由を答えた。最近美術系の漫画がアニメ化されて、それに
感化されてこの大会を開いた、と。でも峰岸さんはあまり納得した様子は見せないで、
「でも泉ちゃん、絵が、その、えっと……あ、あまり上手くないじゃない? なのに、どうして?」
と、少し遠慮がちに尋ねた。

「……ありゃー、気づかれちゃったか」
私はしまったー、といった感じのポーズをとった。
「と、いうことは、他にも何か理由があるの?」
「うん、まあね」
そこで一呼吸を置いて、本当の理由を答えた。

「―ただ、みんなで集まって遊びたかったからだよ」



339:スケッチスケッチ!  3筆目 青色栗色紅葉色(6)
08/11/21 11:38:44 9qIRthqM

「……どういう事?」
峰岸さんは私から答えを聞いても、わからない、といった顔をしていた。まあ確かに色々と
端折り過ぎたところもあったかな。まあ峰岸さんにならぶっちゃけてもいっか。

「えっとね、私達、受験生じゃん? かがみには自覚がないって言われてるけど、これでも結構
気にしてるんだよ? 私。だからさ、私もそろそろ真剣に勉強頑張ろうかなー、とは思ってる
のよ。でもさ、真剣に頑張るんだったら、そろそろ遊ぶ事も止めたほうがいいかなって思い
始めてね。だったら始める前にもう一度みんなと遊ぶ機会がほしいなって。で、ちょうど
さっき言ったアニメがやってたから、それに感化された事を口実にみんなで遊ぼっかなー、
って思ってさ、この大会を開いたわけ。ゆーちゃん達やみさきち達との交流も兼ねて、ね」
私は一気にこの大会の動機を述べた。

「…………」
私の答えからしばらく、峰岸さんは敷物を持ったまま手を止めて、ポカンとした表情で私を
見つめた。
「…………」
「……ど、どうしたの? 峰岸さん」
それがあまりにも長いもんだから、私は心配になって峰岸さんに話しかけた。
「……え、な、何? 泉ちゃん」
「いや、何ボーっとしてるのかなって」
私に質問に峰岸さんは少し躊躇った様に沈黙して、
「……意外だなぁ、って思って」
「えっ、な、何が?」
峰岸さんの答えこそ私にとって意外なんだけど。
「えっと……私ずっと、泉ちゃんって、目先の楽しいことだけを考えてるのかな、って
思ってたけど、ちゃんと将来の事も考えてるんだな、って思って」
「ちょ、ひどっ! 私そこまで悪い性格してないよ! ちゃんと先を見つめてるよ!?
絶望した! 峰岸さんの私へのイメージの悪さに絶望した!」
ネタを交えて峰岸さんに反論。いや、確かに私オタクだからあんまりいいイメージは持たれて
ないよね、とは思ってたけど、少しひどくない!?



340:スケッチスケッチ!  3筆目 青色栗色紅葉色(7)
08/11/21 11:40:01 9qIRthqM

峰岸さんは私のまくしたてが面白かったのか、少し笑いを堪えた様な表情で、
「ご、ごめんなさい。でも、今の泉ちゃんを見たら、」
そして、まるでお母さんの様な、柔らかで優しい笑顔になって、

「―泉ちゃんって、寂しがり屋で優しくて、友達思いの人なんだな、って思えるの」

「…………ほえっ?」
「だって、そうじゃない。受験勉強を始めて、みんなとあまり遊べなくなるから、この大会を
開いたんでしょう? だから、そうなんじゃないかなって」

…………
今私、他人が見たらかなり変な顔をしてるんだろうな。それと、間違いなく顔は真っ赤だと
思う、メチャクチャほっぺの辺りが火照ってるから。
何? その恥ずかしすぎるセリフ、思わず「禁止!」って言いたくなるところだったよ!?
そうやって心の中でツッコミながら、私はしばらくさっきの峰岸さんの様にボーっとして、
その柔らかな顔を見続けた。



その後、峰岸さんの声でわれに帰った私は、峰岸さんと一緒にお弁当を食べ、その中で料理の
話で盛り上がり、今は二人で並んでスケッチを再開している。
でもさっきも言った様に、私にとって絵は二の次。問題は、自分のペアと楽しく過ごして
友好を深めることができるか。それもさっきのお昼の時の会話や、今のスケッチの中でも
お互いの意見を出し合いながら、笑顔で会話ができている事で、ちゃんと達成できてると思う。


―これが高校生で、みんなと遊べる最後のチャンスかもしれない―


我ながら女々しいと思うけど、そんな思いから始まったこのスケッチ大会、私の中では
ひとまず成功かな?

やや冷たい風の中でたなびく、私の青髪、峰岸さんの栗色の髪、そしてサラサラと音を立てる
きれいな紅葉を見ながら、私はそう思い、秋空の空を見上げていた。







341:戸別響
08/11/21 11:58:02 9qIRthqM
以上です。ある意味このシリーズの核心的な話です。
こなたにとって珍しいペアって誰かなー、と思って出てきたのが、あやのんです。
さて次回はこの話で出てきた残り二人の話になると思います。留学生の口調、これであってますかね……
感想、批評、ありがとうございます。この話でもよろしくお願いします。


後一つ、提案というか質問があります。
今年の五月から六月にかけて、私の作品がスレを介さずにまとめwikiに保存されていたことが問題に
なりましたよね。それで、そのとき問題になった5作品のうちいくつかを、私が再度編集、修正して
スレに投下したいのです。その上でその修正したものを再度まとめwikiに保存したいのですが……
もちろんだめなら止めますが、許可が出ればこのシリーズが終わったら投下をしたいと思います。
いかがでしょうか?

342:名無しさん@ピンキー
08/11/21 22:09:29 Iu04Azuj
>>341
実はこの組み合わせ、一度だけ既出なのですが、
それでもまだまだ珍しいこのペア作品GJ!
こなたを本来のキャラ性格とキャラ位置づけにした上で
ここまで受け受けしいこなたにまた萌えたし、
言葉の端々、態度の端々に黒さがにじみ出たりしたけど
最後は優しくまとめたあやのも再評価。

この、基本優しいんだけど時々黒い、
略して「時黒」、何気に広まらぬものかねえ・・・w

343:名無しさん@ピンキー
08/11/21 23:05:48 AMO56lvn
>>341
Gj !
いいなあ和むなあスケッチ大会w
寂しがりこなたな一面が見れて、なかなか萌えたよ !

344:名無しさん@ピンキー
08/11/22 00:57:57 KPL/m5xA
>>341
保管庫の自作品を編集して改稿を更新報告所に報告するのが筋じゃないかな
スレに改稿を保管した事を報告するなら、簡潔に作品名と保管ページのアドレス貼る程度にされたほうが無難でしょう
再投下は新たな問題が生じる可能性もあり、するならば避難所などで話し合いをしてからの方がよいと思います


345:名無しさん@ピンキー
08/11/22 01:07:01 TcY/dUoR
その件に関してはもう方が付いたし、ガイドライン改訂前の事を今更なじるような人は居ないだろうけど、
もし、本人がどうしても納得行かないという事であれば、避難所SS投稿スレを使わせてもらうという手も……

346:名無しさん@ピンキー
08/11/22 11:21:37 I1J3x/q6
>>341
わざわざこちらに投下せずとも、『修正しましたよ』という一言と保管庫のページを載せるだけで大丈夫ではないでしょうか。


347: ◆MoiSlbQnQw
08/11/23 17:27:16 6zivKFsq
お久しぶりです。

かがみ:私は、帰ってきた!
URLリンク(www.sonokawa28.net)

言い訳SSで予告した、こなたがハンター、かがみが吸血鬼のかが×こなSSです。
エロシーンに行くのを何度脳内こなたが止めた事か……。おかげで寸止め状態になってます。

348:名無しさん@ピンキー
08/11/23 20:01:18 P3/9cFee
>>347
おかえりなさい、そしてGJ!

結局かがみさんはへんたいから逃れられない運命なのですね。
そしてこなたさんはそんなかがみさんから(ry

できることなら、もちょっと吸血鬼設定をもちょっと・・・

かがみ「たとえば首筋とか首筋とか首筋とか」
こなた「かがみうるさい(≡ω≡.)」
かがみ「 T(´・ω・`T アレ?ツッコミハワタシノヤクメジャ?」

349:名無しさん@ピンキー
08/11/23 20:23:06 Gr91pPS+
>>347
ぐっじょぶです。
相変わらず、ぶっとんだお話ですね。弄ばれるこなたんが可愛くて仕方ありません。
とても、たのしませて頂きました。

準備される方がいなければ、投下させていただきます。

350:23-251 ◆5xcwYYpqtk
08/11/23 20:28:09 Gr91pPS+
「Affair 第1話」

つかさ×ゆたか

注意事項
・非エロ
・Elope関連、Escapeの続き
・6レス程度使用



351:Affair 1/6
08/11/23 20:29:24 Gr91pPS+
 午後5時になり、バイトの時間が終わった。
「お先に失礼します」
「お疲れ、ゆーちゃん」
「お疲れ様、ゆたかちゃん」
 まだ勤務中のこなたお姉ちゃんや、バイト仲間に挨拶をしてから私服に着替えて店を出る。
 紺から黒へと移りゆく晩秋の空を見上げながら、私は買い物客で賑わうアーケードを過ぎ、赤門をくぐり抜けて、
上前津駅に向かう。
 普段なら、鶴舞線に乗ったままなのだけれど、今日は2つ先の伏見駅で、交差する東山線に乗り換えて、
隣の名古屋駅で降りる。
 地上に戻ると、ひんやりした空気が衣服の隙間から身体に流れ込む。
 立冬が過ぎてからは、雨が降るごとに冷え込みが厳しくなっており、先週からコートを纏うようになった。
 タクシー乗り場の横を通り過ぎ、桜通口からJR名古屋駅に入り、金色の大きな時計がある場所で立ちどまる。

 ここは、ナナちゃん人形程ではないが、地元ではそれなりに有名な場所で、多くの人が待ち合わせの場所として利用している。
 ほとんどの人はとても楽しそうな顔をみせているが、私だけは不安に包まれてひどく落ち着かない。
 足を止めて待つことができずに、時計の周りをぐるぐると回ってしまう。
「…… 本当に、会っていいの? 」
 心の声が何度も危険信号を送ってくるが、今さら、約束を破るわけにはいかない。
「しっかりしなくちゃ」
 無意識な領域からわき上がる不安を無理矢理抑え込んで、ひたすら待ち続ける。

 5時55分。意味もなく歩きまわることに疲れて立ち止った時に、待ち合わせの相手が姿をみせる。
「お久しぶり。ゆたかちゃん」
 柊つかさ先輩は、とても楽しそうに微笑む。
 前と同じように、いや、前より増して綺麗で可愛らしくみえた。

352:Affair 2/6
08/11/23 20:30:09 Gr91pPS+
「こんばんは…… つかさ先輩」
 私は、緊張による細かい身体の震えを抑えながら、挨拶を返す。
「うん。こんばんは。ゆたかちゃんは、いつみても可愛いね」
「きゃっ」
 いきなり抱き締められて、思わず声をあげてしまう。
「や、やめてください! 」
 衆人環視の中での過激なスキンシップに、顔を真っ赤にしながら、腕を伸ばして先輩を振りほどこうと試みるが、
力が強くて離すことができない。
 私に密着したつかさ先輩は、調子に乗ってくんかくんかと鼻を鳴らしながらセクハラまがいの質問をしてくる。
「ゆたかちゃんは良い匂いがするねえ。どんなシャンプー、つかっているの? 」
「においを嗅がないでください! 」
 抗いながらイヤイヤと身体を捩じるけれど、先輩の身体はとても柔らかくて、温かくて、油断すると受け入れてしまいそうになる。
「お願いですから、やめてください! 」
 それでも本気で抗うと、唐突に体を離して言った。
「食事にいこうよ。ゆたかちゃん」
 つかさ先輩は、唖然としている私の手を掴むと、すたすたと歩き出してしまう。
「ま、待ってください! 」
 引きずられそうになって慌てて声を出すが、結局、右手を握られたまま、マイペースすぎる先輩の後を追う羽目になった。

「つかさ先輩…… 」
 私は、精一杯怖い目つきをつくって、先輩をにらみつける。
「ふふ。ゆたかちゃんがラブな視線を送ってくれて、とっても嬉しいなあ」
「違います! 何、とぼけたことを言っているのですか」
 私はため息をつきながら、言葉を続ける。
「どんどん先に行ってしまうから、てっきり、お店を知っていると思っていましたよ」
「あはは」
「笑ってごまかさないでください! 」
 私はあきれながらも、突っ込みを入れざるを得ない。

 なにしろ、つかさ先輩は、意気揚々として5分程歩いた後、人気のないガード下まで歩いたかと思うと、急に立ち止まって、
「ゆたかちゃん、ここどこだっけ?」
と、あっけらかんと聞いてきたのだ。こなたお姉ちゃんが、つかさ先輩のことを天然と言うのも分かる気がする。

「場所も、知らずに歩いていたのですか? 」
 先輩はちょっと恥ずかしそうに顔を赤らめながら答えた。
「ううっ、ごめんね。だって名古屋のお店なんて、全く知らないだもん」
 両手をあわせながら、しゅんとうなだれるつかさ先輩は、年上なのにとても可愛らしい。
「仕方ないですね…… 私の知っているお店にしますが、良いですね」
 柄ではないけれど、お姉さんぶった言い方になってしまう。
「うん。ありがとう。ゆたかちゃん」
 向日葵のような笑顔を浮かべながら子犬のようにじゃれついてきて、本当に2つも年上なのだろうか、と疑問に思ってしまった。


353:Affair 3/6
08/11/23 20:30:49 Gr91pPS+
 私が、不?戴天の敵ともいうべき、柊つかさ先輩と会う約束をしたのには、いくつか理由がある。
 表向きの理由としては、初夏の騒動の時に結んだ、先輩達が名古屋に来た時は会うように努めるという協定があるためだ。
 もっとも、それだけならば多忙を理由に断っていたが、つかさ先輩は誘いをかける時に、
抜かりなくそれなりの「お小遣い」をくれると持ちかけてきた。

 第三者が聞いたら幻滅するかもしれないが、現実は結構非情だ。
 安くない家賃を払い続けながら、未成年の女の子二人が独立して暮らすのにはまとまって金額が必要で、
親元からの援助と、バイト代を合わせても余裕があるとはいえない。
 それでも、ただ単に食べていくというだけの話ならば、当面は何とかなるけれど、本格的に社会に出る準備として、
進学という道を捨てる訳にはいかなかった。
 少なくとも私にとっては、つかさ先輩の誘いはとても魅力的なものだった。
 
「はい。ゆたかちゃん」
 お店に入り、席につくなり差し出された封筒を受け取る。
「中を確認してね」
「あの…… 多いです」
 事前に教えられていた額よりもかなり多い。
「いいから、いいから」
 先輩は鷹揚にうなずいたが、一介の学生が出せる金額とは思えない。
 ただでさえ、新幹線での往復という余計な費用を使っているのに、大丈夫なのだろうか?

「ゆたかちゃんは心配性だねえ」
 つかさ先輩がカラカラと笑った。
 先輩が言うには、神社のイベントの時は、巫女となって、神主である先輩のお父さんのお手伝いをしているけれど、
昨年から参拝客が倍以上に膨らみ、予想以上の収益があがっているとのことだ。
 それ加えて、お父さんが末娘に激甘という事情もあるらしい。
「だから、ゆたかちゃんが気にすることはないよ。お金は、必要な人が必要に応じて使ってくれればいいの」
 私は思わず、つかさ先輩の顔をまじまじと見つめた。
 悪意に満ちた陰謀だけではなくて、ごく真面目なことも考えているのか。

354:Affair 4/6
08/11/23 20:31:22 Gr91pPS+
「ゆ・た・か・ちゃん」
「な、なんですかっ」
 いきなり、どあっぷで迫られて思わず後ずさる。
「今、とっても、失礼なことを考えていたよね? 」
 ぷーっと頬を、焼いた餅みたいにふくらませる。
「そ、そんなこと…… 」
 しかし、嘘をつくこともできず、私は顔を真っ赤にしたまま、両手の人差し指を合わせることしかできない。
「考えていたよね」
「ご、ごめんなさい」
 慌てて謝った途端、先輩の表情に笑みが戻る。

「ふふ。ゆたかちゃんって素直で、可愛いね」
 今日何度目の『可愛い』なんだろう? 
 しかし、先輩の無邪気そうな笑顔には必ず裏がある。騙されてはいけないと気を引き締める。
「私はそんなに可愛くなんかありません。それはつかさ先輩もご存じのはずでしょう? 」
 今までの行動を振り返ってみても、お世辞にも可愛らしい行動をとったとはいえない。

「ううん。ゆたかちゃんは、どんなことをしても純粋で素敵な女の子だとおもっているよ」
「はあ…… 」
 つかさ先輩の言葉は、魔法のように、私の敵愾心をどんどん溶かしてしまう。
 このままでは非常にまずい。何とかしなくては。
「この際だからはっきりと言いますけれど」
「何かな? ゆたかちゃん」
 つかさ先輩は、愛らしい笑顔を浮かべたまま、小さく首を傾けた。

「つかさ先輩。私のことが嫌いじゃないのですか? 」
「え? 」
「つかさ先輩は、こなたお姉ちゃんのことが好きなのでしょう。こなたお姉ちゃんをひとり占めしている、
私がとても憎いはずです。今度は、一体何をたくらんでいるのですか? 」
 私は、先輩から決して目を逸らさずに、厳しい口調で言いきった。
 わざわざつかさ先輩の誘いに乗った理由は、お金の為だけなんかじゃない。
 企みを暴いて、私とこなたお姉ちゃんの関係を護らなければならなかった。


355:Affair 5/6
08/11/23 20:32:16 Gr91pPS+
「ふうん」
 しかし、つかさ先輩の表情は変わらない。デフォルトとなっている笑顔のままだ。
「ゆたかちゃんは本当に頭が良いんだね」
 うっとりと、私を見つめてくる。
「何が…… 言いたいのですか? 」
「私はね。自分がそうじゃないから、できる人に憧れるの。もちろん、こなちゃんは大好きだよ。
でも、ゆたかちゃんも同じくらい好き」
「あ、あの…… 」
 つかさ先輩は、何を言いたいのだろう?
 訝しみながら先輩の顔を見つめていると、店員が料理とお酒を運んできた。
 若い女性の店員が手際よくコルクを抜いて、グラスに赤のワインが満たされる。

「ゆたかちゃん。乾杯しよっか」
「はあ…… 」
 私は言われるままに、グラスを合わせると、鈴の鳴るような乾いた音が響く。
「乾杯! 」
 グラスを傾けて、赤い液体を喉に流し込むと頭がぼうっとなってきた。
「ふふ。美味しい? 」
 つかさ先輩の声がやけに遠くから聞こえる。
「は、はい…… 」
 
 一旦はグラスを置いたけれど、すぐに喉が渇いてくる。
「遠慮しないでね」
 再び注がれたグラスに口をつける。ほんのりと甘くて、さっぱりとしていて、喉越しも良い。
「とても、美味しいです」
「ええ。そうね」
 つかさ先輩が、相槌を打った後に尋ねてきた。
「こなちゃん、元気にしている? 」

「こなたお姉ちゃんですか? 」
 お酒で身体が熱くなっているのを感じながら答えた。
「元気ですけど…… お店のチーフになったから最近はとても忙しいです」
「そうなの? 」
「最近は残業も多くて、遊びにいくこともままなりませんから」
「ふうん。今日もバイトなのかしら? 」
「ええ。私と違って最後までです」
 チーフに昇進したこなたお姉ちゃんの業務は、閉店時間までとはいかない。
 食材の発注や、バイトメンバーのシフトの調整など、煩雑な管理業務のせいで、帰りはとても遅くなる。
 お姉ちゃんのことを考えていると、何故か喉がとても渇いてきて、私はグラスをまた空ける。
 すぐにつかさ先輩が継ぎ足してくれる。
「ありがとうございます…… 」
「じゃあ、あまり遊びにいかないの? 」
「はい。仕事の時間が合わないことが多いですし、余裕もありませんから」



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