☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第88話☆at EROPARO
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第88話☆ - 暇つぶし2ch500:狙撃手と彼の灯火(前編)
08/11/16 22:51:05 c6om57DN
 それは、見慣れたかつての上司の愛用していたものだった。


「おお、ヴァイスか。おかえり、勝手に上がらせてもらったぞ」


 玄関を開けたヴァイスの下に、鮮やかな緋色の髪をポニーテールに結った素晴らしいプロポーションの美女がエプロン姿で迎えに現れた。
 それはヴォルケンリッター剣の騎士にして烈火の将シグナム、ヴァイスのかつての上司にして今の恋人。


「ええ、ただいま姐さん」


 JS事件終結後から一年、久しぶりに会えた愛しい人に、ヴァイスは最高の笑みを見せた。





 ヴァイスの部屋の合鍵を持っている人間は二人だけ、妹のラグナに恋人のシグナム。
 特にラグナはお兄ちゃんっ子という事もありちょくちょく彼の部屋に来ては掃除やら食事やら、色々と家事をしてくれる。
 そしてシグナムもまた仕事の合間に時間を作っては彼の家に訪れて、不精者な彼のために色々と家事を手伝ってくれていた。
 局の仕事の関係で二人の時間が重なることは難しいが、今日はどうやら運良くそれが重なったらしい。

 ヴァイスは上着を脱いで居間のテーブルに着くと、目の前に並べられた料理の数々に視線を向ける。
 そこには焼き魚、ホウレン草のお浸し、味噌汁、肉じゃが、ほかほかのご飯、そして納豆、完璧な和食のメニューが並んでいた。
 元々はそれほど和食が好きでなかったヴァイスだが、彼女と日々を過ごすようになってそれはすっかり変わった。
 今では白いご飯と納豆を見るだけで思わず涎が垂れそうになるくらいだ。


「それじゃあ、いただきます」


 ヴァイスは手を合わせてそう言うと、早速箸を手に料理を突きだす。
 魚は脂が良く乗っており、味噌汁は良いダシが出ている、他の料理も申し分なく実に美味だった。
 蓄積された肉体的・精神的疲労から生まれる食欲に従い、ヴァイスは次々と料理を胃に収めていく。
 それほど時間をかけぬ内に、彼は用意された夕食を食べ終えた。
 〆に熱い緑茶を啜り、独特の渋い味わいを楽しんで至福の一時を感じる。
 湯飲みの中に満ちたお茶を飲み終えると、ヴァイスは“ふう”と一息ついた。


「ごちそうさんです姐さん」

「お粗末様、お茶のお代わりはいるか?」

「ああ、それじゃあもらいます」


 ヴァイスがお茶を飲み終えると、シグナムはすかさず急須を手にまたお茶を注ぐ。
 まるで長年連れ添った夫婦のような時間、身も心もひどく落ち着くそんな穏やかな空気が満ちる。


「それにしても、姐さんの料理凄く美味しくなりましたね」

「おい、その言い方では昔は酷い味だったみたいじゃないか」


 ヴァイスの言葉にシグナムは少しヘソを曲げたように眉を歪めてその美貌に怒りを浮かべる。

501:狙撃手と彼の灯火(前編)
08/11/16 22:52:29 c6om57DN
 彼女の様子にヴァイスは思わずすいませんと頭を下げたが、実際彼女の昔の料理は結構ヒドかったので彼の言葉はあながち間違ってはいなかった。


「まあ、アレだ……私もそれなりに勉強したんだ……その……お前には美味しいものを食べて欲しいし……」


 自分も緑茶を啜りながら、シグナムは少し朱に染まった頬を隠すように俯いてそう零した。
 恥じらいに頬を染めるその様は、普段の凛然とした雰囲気からは想像もできないほど愛らしく、ヴァイスの胸の鼓動は自然と高鳴る。
 シグナムがときおり見せるこのような可憐な仕草はほとんど反則だった。
 烈火の将が見せたその愛くるしい様はさながら糖蜜で出来た刃の如く彼の胸に突き刺さり、なんとも言えない恋慕の甘い陶酔をもたらす。
 彼女への恋しさが自然と身体を火照らせ、芯から生まれる熱に汗が出てきた。
 そして流れるのはなんとも言えない沈黙、シグナムは自分の言った言葉が恥ずかしくて、ヴァイスはそんな彼女の言葉が嬉しくて、双方口を紡ぐ。

 そして、最初にこの沈黙を破ったのは将だった。


「と、とりあえず風呂にでも入ったらどうだ? 丁度沸いている」

「ああ……そうっすね」


 シグナムに促されるまま、ヴァイスは一つ頷いて席を立った。
 そういえば、自分が今日の狙撃任務に当たって身体中から吹き出た汗で結構匂っている事にも気付く。
 これは早急に清めねば彼女にも失礼になるだろう。


「それじゃあちょっと風呂行ってきます」

「ああ、ゆっくりな」


 台所で食器を洗いだしたシグナムを残し、ヴァイスは一人風呂場に向かった。
 洗面所に入れば即座に纏っていた服を全て脱ぎ去り、彼は裸身になる。
 そうすれば、鍛えられたしかし決して無駄に筋肉を付けすぎてはいないしなやかな男の裸体が現われた。
 ヴァイスの肌には無数に傷跡、総魔力量の低い彼が今までどれだけの実戦を潜り抜けてきたかの証が刻まれていた。
 だが別に自身の姿に感慨を抱く筈もなく、彼はそのまま風呂場へと足を進める。
 ドアを開ければ視界を薄い湯気が漂い、湯船に満ちた熱湯から熱気が伝わる。
 ヴァイスは足を踏み入れると、ひとまず風呂イスに腰掛けてシャワーのコックを捻った。
 シャワーは最初一瞬だけ冷たかったが、即座に熱湯に変わって気持ちの良い爽快感を与えてくれる。
 一日の疲れ、特に多大な緊張感を強いられた狙撃任務で全身にかいた汗が洗い流され、素晴らしい爽快感をもたらす。
 しばらくの間、ヴァイスは身体を伝う熱湯の心地良さに浸る。

 そんな時、ふと背後で物音がしたのを感じた。
 誰かが洗面所にいる、そう思った刹那、ドアが開きその誰かが風呂場に侵入してきた。
 無論だが、今この家には二人しかいないのだから相手が誰かなんて考えるまでもない。


「邪魔するぞ」


 素っ気無いほどの簡素な言葉と共に、烈火の将は風呂場に足を踏み入れる。
 思わずヴァイスが振り向けば、タオルで身体の前面を隠しただけのシグナムが立っていた。
 一応タオルで隠してはいるが、その凄まじいボディラインは小さなタオル程度では到底隠しきれず白く美しい肌をあちこちから晒している。
 普段はポニーテールに結っている長い髪はバスターバンで纏められてなんとも新鮮。
 いつもと違うその姿に青年の胸の鼓動は否応なく高鳴った。
 ドクドクと心臓が脈打つ音が聞こえくる、狙撃の時とはまったく違う緊張に、ヴァイスは思わず彼女から眼をそらした。
 これ以上見ていたら理性が一気に崩壊してしまいそうだったから。
 しかし、ヴァイスのそんな意識などお構い無しにシグナムは彼へと近づく。
 そして直ぐ後ろに腰を下ろすと、そのしなやかな指をヴァイスの背中に這わせた。

502:狙撃手と彼の灯火(前編)
08/11/16 22:55:20 c6om57DN
 ゆっくりと指を動かし、まるで彼の身体に刻まれた傷を慈しむようになぞる。
 指先に愛しい人の肌を感じながら、シグナム静かに口を開いた。


「それでは背中を流してやろう、今日は疲れただろう?」

「え、ええ……それじゃあ、お願いします」


 ヴァイスの口から了承の意を受け取ると、シグナムは分かったと一つ返事をして奉仕を始めた。
 スポンジを手に取り、ボディソープを泡立てて彼の背中を洗い出す。
 強すぎず弱すぎず、丁度気持ちの良い具合の力加減でヴァイスの大きな背中が洗い流されていった。
 柔らかな手で行われるその奉仕に、ヴァイスは正直気が引けた。
 これほどの美女を恋人にしているだけでも自分にはもったいないのに、さらにこんな事までしてもらっては“自分如きに”とつい卑屈な感情を抱いてしまう。
 どれだけパイロットとしての腕を持とうと、どれだけ狙撃手として有能であろうと、どうしてもこの劣等感は消えてくれなかった。
 そうして少しだけ憂鬱な思考が脳裏を駆ける中、ヴァイスはふとある事に気付く。
 先ほどシグナムの言った言葉、その意味に。


「あの、姐さん……」

「なんだ? もう少し強くするか?」

「いや、違いますよ。その……さっきの言葉、“今日は疲れただろう”って」

「それがどうかしたか?」

「知ってたんっすか……今日の仕事の事……」


 その言葉で、二人の間に沈黙が流れた。
 ヴァイスの背中を流していたスポンジの動きまで止まり、風呂場に静寂が満ちる。
 一秒か、それとも数分か、形容し難い沈黙が流れた。
 そして、唐突に生まれた沈黙はまた唐突に破られる。


「ああ、知っていたよ。アルトに聞いた」

「……そうっすか……じゃあ、今日来てくれたのもそれが理由っすね」

「まあな」


 その日、ヴァイスは部隊の任務で武装強盗の鎮圧に当たった。
 もちろん彼の仕事は、その持ち前の狙撃技術を用いての犯人の無力化する事である。
 圧倒的遠距離より、防御不可の貫通力を誇る魔弾を、神技の粋に到達した狙撃術で叩き込む。
 彼の狙撃は一片の滞りもなく寸分のミスもなく、即座に完了した。
 だが、任務を終えた直後にヴァイスは意識を失って倒れた。
 局の医療施設に送られたが、外傷も疾病もなく原因は不明。
 彼の経歴を知る医師は、過度のストレスによる精神的なものではないか、と漏らしていた。


「心配……かけちゃいましたね」

「気にするな」


 JS事件が解決し、地上本部の陸士部隊に所属する事となったヴァイスはその持ち前の狙撃技術により再び武装隊員として前線に出るようになった。
 しかしかつてのトラウマ、妹への誤射事件の影響なのか、重度のストレスを感じる狙撃の際に身体的不調を度々引き起こしていた。
 ある時は嘔吐し、ある時は気絶し、様々な不調がヴァイスを襲った、だがそれでも彼は決して任務を仕損じる事はない。

503:狙撃手と彼の灯火(前編)
08/11/16 22:57:26 c6om57DN
 全ては狙撃を終えてから絶え続けたプレッシャーの末に起こる。
 どんな苦痛があったとしても、ヴァイスは任務を放棄する事はなかった。
 まるでかつて自分が犯した罪への贖罪のように、ただ苦痛を耐え殺して引き金を引き続けていた。
 そして、同じ部隊に所属する後輩のアルトが彼のこの現状を案じぬ訳がない。
 今日こうしてシグナムに連絡し、彼女をヴァイスの家に向かわせたというのが突然の訪問の理由である。

 シグナムはヴァイスの背中を丹念に洗いながら、まるで囁きかけるような声量で彼に言葉をかけた。


「身体の調子はどうだ? もう苦しくはないか?」

「ええ、まあなんとか」

「……そうか」


 その言葉に込められた感情に、背中越しでもシグナムが安堵したのが分かった。
 彼女にそれだけ思われているという事を自覚させられ、ヴァイスは思わず胸が熱くなるのを感じた。
 本当にこの女性は自分には過ぎた恋人だと、改めて自覚させられる。


「すいませんね、心配ばっかりかけちまって」

「さっきも言ったろ、気にするな」


 そう言うと、シグナムは風呂桶に掬ったお湯でヴァイスの背中を流す。
 ボディソープの泡が流されて、彼の身体はすっかり綺麗になった。


「ほら、綺麗になったぞ。早く風呂に入れ」

「はい、それじゃお先に」


 彼女に促されるまま、ヴァイスは立ち上がって湯船に身体を沈めた。
 少しお湯の量が少ないと思ったが、それでも十分に熱い湯の温度が心地良い。
 ジワジワと身体の芯まで伝わる温かさに、まるで身体の内側から汗と共に疲労が溶け出すような錯覚すら感じた。
 思わずヴァイスの口から心地良さげに息が漏れる。


「ふぅ~」


 一日の疲れを癒す湯船と言う名の極楽、言葉にならない気持ちの良さに青年は最上の至福を感じた。
 オマケに目を開ければ、視界には極上の美女がいるのだからこの上ない。
 シグナムは先ほどヴァイス腰掛けていた風呂イスにその素晴らしく肉付きの良い美尻を乗せて座っていた。
 そして、数多の男を虜にして止まない壮絶・凄絶としか形容できない爆発的な肢体に満遍なくボディソープを這わせて洗っている。
 彼女の裸体はその須らくが凶器と読んで差し支えない威力を誇るが、中でも特に“魔人”の二つ名を持つ乳房と来たら……
 何度も何度も、それこそ飽き果てる程に見ているのに、ヴァイスはその豊かに実った二つの果実から目が離せなかった。
 美女・美少女ばかりで構成されていた機動六課でも最強・最大・最美乳と称えられたその乳房、見るたびに圧巻である。
 ヴァイスはその麗しい乳肉を一切合財脳髄に保存すべく、まるで狙撃時にスコープを覗くような集中力で観察した。

 絡み付くようなその熱視線がシグナムの敏感な柔肌を舐める。
 白く透き通る肌に降り注ぐ視線の愛撫、長く艶やかな髪を洗い始めた将はシャンプーの泡を少し手でどけるとちらりと顔を彼に向けた。

504:狙撃手と彼の灯火(前編)
08/11/16 22:59:34 c6om57DN
 そこには案の定自分を凝視するヴァイスの瞳、彼の熱い眼差しに思わず鼓動が一つ高鳴る。
 思えば彼と最後に身体を重ねたのは随分前だった気がする、欲情の溶けた視線も仕方のない事だろう。
 それを自覚すると、シャワーの熱とは違う肉の火照りがシグナムの下腹部に生まれた。
 彼との睦事に想いを馳せれば、自然と彼女の中の雌(おんな)の部分が甘い期待に疼きだす。
 シグナムは羞恥心により赤みを増した顔を上げて、ヴァイスのその瞳に己が視線を向けた。
 突如視線を重ねられて彼はギョッとする。そして将は恥ずかしそうに口を開いた。


「ヴァイス……そ、その……今するか?」

「はい?」

「いや、だから……セ、セックスとか……」


 最後の方はそれこそ蚊の鳴くような程に、かなり語気が弱くなっていたが良く音の響く風呂場ではしっかりと知覚できた。
 その言葉の意味に、ヴァイスはしばし思案する。
 確かに自分は彼女が欲しい、願わくば即座に組み伏せて欲望の限りにその甘美な女体を貪り尽くしたかった。
 既に肉棒も怒張し、鋼の如く硬度を増して熱く滾っている。
 だが今ここで彼女を犯すのは正直嫌だった。
 欲望ウンヌンではなく、感情的な問題として許せない。
 自分にここまで甲斐甲斐しく尽くしてくれる彼女を、こんな場所で犯すのはあまりにも勝手が過ぎると思う。
 故に、ヴァイスは股間で雌を欲している己が分身を強靭な意志で抑え付けた。


「いや、別にしなくても良いっすよ」

「なっ! そ、それはもう私の身体は飽きたという意味か!?」


 ヴァイスの言葉にナニを勘違いしたのか、シグナムはこの世の全てに絶望したかのような表情で嘆いた。
 そうそう拝めない彼女の慌てふためく様子に思わず苦笑しつつ、ヴァイスはできるだけ優しく答える。


「違いますよ、俺が姐さんに飽きる訳ないじゃないっすか」

「うぅ……本当か?」

「ええ」


 そもそもからして、彼女の身体に飽きるというのは無理な話だった。
 シグナムのその艶めかしさ極まる女体は、一度味わえば決してその悦楽が忘れられなくなるほどに甘美。
 さらに、身体を重ねれば重ねる程にどんどん奈落の底に堕ち、深みにはまるような麻薬めいた中毒性を持っていた。
 これに“飽く”など不可能も良いところだ。

505:狙撃手と彼の灯火(前編)
08/11/16 23:02:22 c6om57DN
 そしてヴァイスは、少し鼻の頭を掻きながらやや恥ずかしそうに言葉を続けた。


「まあ、その……そういうのは、後でちゃんとベッドの上でしましょう」


 自分にこれだけ尽くしてくれる彼女を愛すなら、柔らかく温かいベッドの中でしたかった。
 それに、今ここで始めたらとてもじゃないが抑制なんて効きそうにない。それこそ狂った獣のようにシグナムの身体を徹底的に貪るだろう。
 だからヴァイスは理性を鋼にして耐えた。
 そして、彼の言葉を聞いたシグナムは頬をうっすらと朱に染めて頷く。


「ああ……分かった……あ、後でな」


 彼女の頬を染めるのはシャワーの熱だけでなく、脳裏を過ぎった彼との睦み合いへの羞恥、そして肉欲への期待。
 入浴の時間は、ただ互いの身体を火照らせるだけに終わる。
 愛と欲望を交わす甘い情交は、少しの間だけお預けされた。


続く。

506:ザ・シガー
08/11/16 23:06:22 c6om57DN
投下終了。

シグナム分が足りねえ! って事で自給自足で補う事にしました。
オッパイ最高です、ポニテで剣士ならさらに良いです。

んで俺思うのね、シグナム姐さんっていつも凛々しいけど嫁になったらきっと凄く旦那に尽くす良い嫁になるって。


次回は後半、エロエロ甘甘で行くぜベイベー!

507:名無しさん@ピンキー
08/11/16 23:36:59 LURi49B/
ヴァイス貴様!!
俺の姐さんになんて真似させてるんだゆるさ~ん!!!







シガー様たっぷりとシグナム分を堪能させて頂きました。
ポニテにロケットおぱ~いは正義ですwww

508:名無しさん@ピンキー
08/11/17 01:04:37 CfkOlLUX
>>
同意!
リリカル世界の女性たちは旦那とか彼氏にはすごく甘えそうだw

509:名無しさん@ピンキー
08/11/17 01:53:25 GikxVb9+
そいえば、シグナムがヴァイスが自分に手を出してくれないことをアルトに相談してる作品って完結してる?

510:名無しさん@ピンキー
08/11/17 01:58:20 jCLq2+MN
>>492
上がってる話全部読ましてもらいました
GJ
スクライアを筆頭に、存在するけどもスポットを当てるとどうしてもオリジナルにならざるを得ない人々を愛しているので応援しますよ
レイジングハートが出来た時とか、アリシアの父親とか、アレックスやランディとか
そんな中、スクライアを取り上げたのは目を開かされました
あと3話で行間空けてくれたのはありがたかったです

あんまり反応なくても、読む人いますから

511:名無しさん@ピンキー
08/11/17 02:29:16 Eh9oGwxZ
>>464
ここでまさかのエリオ復讐者フラグの成立か
でも本当は幾度となく、復讐しようと考えたことだろう
しかしやってしまうとキャロが何のために死んだのか解らなくなる
13歳としてはあまりに重い選択だ…
GJ。

512:名無しさん@ピンキー
08/11/17 07:08:27 PPWvNtUj
今のエリオはまるで大人だ
長生き出来るタイプじゃないな

513:名無しさん@ピンキー
08/11/17 08:51:53 qzqK6KYQ
>>506

GJ!

シガー氏のシグナム姐さんは可愛くてエロいな~と心から思います。


514:名無しさん@ピンキー
08/11/17 13:14:14 yRcYZszS
>>492
続き楽しみにしています

515:7の1
08/11/17 19:32:03 RIy3MV2V
注意事項
・一部エロありです(この章はエロというか虐待です)
・時間軸はJS事件から1年後
・JS事件のもたらしたもの
・捏造満載
・オリキャラ出てます。
・StSキャラはヴィヴィオしか出ていません
・ユーノ×なのはは基本です。
・主人公:ユーノ
・タイトルは「再び鎖を手に」  

それでは第4章を始めます。


516:7の1
08/11/17 19:38:07 RIy3MV2V
第4章 聖王の碑

 扉が開くと、艦内食堂とは思えない世界が広がっていた。

 柔らかい光に満ちた天井は、その高さがわからないほどで、その中を青い羽根をした鳥が飛んでいる。

 聖王樹の森に囲まれた芝生の中央には木製の丸いテーブルと四脚椅子が置かれており、テーブルの上に置かれた
ガラス製の鉢には見たこともない果物が盛られていた。

「こちらが、本船自慢の食堂です。ユーノ博士からお二方を同伴されるとのことでしたので、聖王陵特産の果物を用意
しておきました。どうぞ、お座りくださいヴィヴィオさん、高町一尉」

 テーブルを挟んでヴィヴィオとなのはの前に座ったマテウスが、人差し指を立てるとガラス鉢の果物の一つが二人の
前に置かれた白磁の皿に現れた。

「こちらが、聖王陵特産のスレビアとい果物で、別名”聖王玉”と言って97管理外世界のリンゴに味が似てい ます。
皮は手で向いて食べてください」

「なのはママ。これ、おいしいよ」

 皮をむいてスレビアを食べ始めたヴィヴィオは、まだ手を付けていないなのはに声を掛けたが、なのはは、あえて無視した。

「おいしいですか、それは良かった。ヴィヴィオさん、後でご自宅にお届けしましょう。スレビアも良いですがこのモレス”聖王の星”は、
もっとおいしいですよ。いかがですか?」
「わあ、きれい」

 ヴィヴィオの皿にあったスレビアの皮が消えると、代わりに深紅の色をした星形のモレスが現れた。モレスを手に取るや躊躇すること
なくかぶりつき、夢中で食べるヴィヴィオの周囲にモレスの濃厚な香りが広がる。

「高町一尉、先ほどから手をお付けになっていませんが、スレビアやモレスは、なじみがないのでお気に召しませんかな? 
それでは、これは如何?白いナザンなら高級将校のパーティーでよく出されるものですからご存じでしょう」

「いい加減にしてくださいバウアー卿!」
「はあぁ?」

「何が目的です。ヴィヴィオに聖王の洗礼果を食べさせるなんて・・・・」
「なのはママ怖い」

 血相を変えて抗議するなのはに怯えたヴィヴィオが、食べかけのモレスを皿に落とした。




517:7の1
08/11/17 19:40:32 RIy3MV2V
「ごめんね、ヴィヴィオ。これ食べる?」
「なのはママが食べないなら、ヴィヴィオも我慢する」

 差し出されたスレビアに手を出そうとしないヴィヴィオに根負けしたなのはは、スレビアの皮をむくと二つに分けて、
一方をヴィヴィオに差し出した。

「ママも食べるから、ヴィヴィオも食べるのよ」
「うん」

 なのはの抗議の意味がわからないのか、しきりに首をかしげていたマテウスだが、二人のやりとりを見て

「これも、おいしいんですがね。ヴィヴィオさん食べないんですか?」

 とナザンを勧めるが、ヴィヴィオはマテウスの前に置かれたナザンから顔を背けた。

「それ、ママは嫌いみたいだから、ヴィヴィオ食べない」

 ナザンの皮をむき、自分の皿に盛っていたマテウスは、ヴィヴィオの言葉を聞くとがっくりと首を垂れた。

「美味いんですよ、これ~ 。残念です、実に残念です」

 ナザンのやけ食いを始めたマテウスの愚痴は、なのはとヴィヴィオから完全に無視された。 

「失礼します。マテウス様、ユーノ博士が碑の解読で話があるそうです」

 いつの間にか芝生の上に出現した黒髪を肩の高さに切りそろえた女性士官にマテウスは、軽くうなずくと椅子から立ち上がった。

「ヴィヴィオさん、高町一尉、お聞きの通りです。ちょっと席を外します。リアン三尉、お二方の接待を頼む」

「了解、全力を尽くします」
「頼んだよ。リアン」

 リアンと呼ばれた女性士官が胸に左手を当て頭を下げ、マテウスを見送った

「ヴィヴィオ様、高町一尉、翠屋製のアップルパイは如何でしょうか?先日、注文していたものが、転送便で先ほど届きました」
「翠屋のアップルパイが食べられるなんて、リアンさんありがとう」

 ニコニコしながらアップルパイの入ったボックスをテーブルの上に出現させたリアンになのはは微笑んだ。

(バウアー卿と違って魔法の気配を感じるわ。どんな系統の魔術かしら、波動は、レイジングハートが記録したから、
後でユーノくんに聞いてみよう。ユーノくんならわかるかも)


518:7の1
08/11/17 19:43:40 RIy3MV2V
 手書き文字で医務室と書かれた木札が掛かった部屋の中で、ユーノとマテウスは、レナードの寝かされている
高酸素カプセルを挟んで対峙していた。

「何をお聞きになりたいので?」
「陵墓盗掘の真実です」

 ユーノの鋭い視線が、眼鏡越しに、ちびた葉巻を吹かすマテウスのさえない顔を射抜く。

「はて?真実とは難しいものですな。真実は必ずしも美しくなく、かつ正しいとも言えないという俚言がありま
 す。事実は遺跡盗掘をしていたスクライア、いやライアー一族を我々が捕縛したとういうだけのことです」

「嘘だ!バウアー卿、あなた方は真実を隠している。彼らに、ラーナやレナードに何があったんです?」

「知らない方が良いこともありますよ。私としては、貴方を評議会入りさせる切り札に、これを持ち出すつもりはないんですから」
「僕は真実が知りたいんです」
「言い出したのは貴方です。若さ故の代償を払うことになるかもしれませんよ」

 マテウスが、左手の人差し指をユーノの眼前に突きつけるとモニター画面が出現した。

 密林の向こうに見える、いかなる樹木の侵攻をも許していない赤茶けた土肌をむき出した墳墓の一角に直径10mほどの大きな
穴が穿たれ、そこからバインドで縛り上げられ、泣き叫ぶラーナを担いだ3人の男が出てくるシーンが映し出された。

 3人の首には黒い首輪がはめられており、その足取りはラーナの抵抗を考慮してものろのろしていた。

「サック、ビルス、それにバック・・・」

 生き残った一族の中にいなかった長老3人の蛮行を見て、ユーノは言葉を失った。彼らは、こちらに背を向けている褐色の装甲服
を着た10数人の男たちの前に泣き叫ぶラーナを置くと、うずくまって深々と頭を垂れた。

「言われたとおりにしました。どうか命ばかりは」

 卑屈な笑みを浮かべ命乞いするサックの首輪が爆発した。首を失った身体は、そのまま後ろに跳ね上がって地面にたたきつけられる。

 あたりに漂う血臭の中をビルスとバックが狂ったように駆けだし、こちらの方に走ってくるが、無造作に振り返った装甲服の一人が、
はなったクナイが背中に刺さった瞬間、ビルスの身体が内部から弾け四散した。

(チンクと同系統のIS、いや人体を内部から破壊している。遺失技術の波動系ISだ!)

 次元連合の総攻撃にあって完膚無きまでに殲滅された、いにしえの時空管理局の武装機兵が標準装備していたISの威力を眼の前で
見せつけられたユーノは戦慄した。

 記録映像が写真でしか残っていない為、実感がなかったが、この技術が現在も生きているなら管理局の武装局員にとって最大の脅威
になるのは明らかだった。


519:7の1
08/11/17 19:47:57 RIy3MV2V
「た、助けてくれ。あんたたちに言われたとおり女を、ラーナを連れてきたじゃないか?頼む、頼みます」

 ビルスの悲惨すぎる最後に気力が尽きたのか、地面にしゃがみ込んだバックは、ゆっくりと近づいてきた男の
一人に弱々しく訴える。

「男はどうした?探索にはやつが必要だ。レナードは何処だ?」
「・・・・・」
「何処だと聞いている。答えんか」

 男の一人が、無造作にバックを蹴り上げた。骨の折れるいやな音と共にバックが血反吐をはいて跳ね上がる。

「ふ、墳墓の中だ。ラ、ラーナの件で抵抗したんで痛めつけ・・・ぐぎゃあぁ」
 
バックの言葉が終わらないうちに、男の一人がバックの首を左手に仕込んでいた刀で切り落とした。

「奴を連れてこい。怪我をしていたら、手当をして、すぐに働かせろ」
「女はどうします」
「殺さない程度に楽しめ。お前たちは、レナードの確保と一族の身柄を押さえろ。行け!」
「はっ、ただちに取りかかります」

 バックの首を切り落としたリーダとおぼしき男の命令で、待機していた装甲服の男たちが、空に飛び上がると
穴の中に突入する。しばらくして穴の中から、悲鳴が聞こえてきた。

「墳墓の監視カメラの送ってきたデータを確認したのがこの辺からですな。見ての通りの状況ですから、ただち
 にレミオ指揮下の武装隊を派遣することになったわけです」

 続けますかと尋ねるマテウスにユーノは苦い顔でうなずいた。

 しばらくして血のにじみ出ている白い布を額に巻かれたレナードとユーノが再会できた一族の若者たちが、鎖
付きの首輪をはめられた状態で男たちに引っ立てられてきた。

「バックたちはどこだ?」

 レナードの前に血にまみれたバックの首が投げ出された。それが男たちのリーダーの返答だった。

「お前の妹は預かった。すぐに封印を解除しろ」
「封印?」
「とぼけるな。お前たちが掘り出している石碑がロストロギアだってことは、割れてるんだ。我々に残された時間は残り少ない。
早急に聖王の猟犬を浮上させ同志スカリエッティに合流しなければならない。お前の役割は石碑の封印を解除して、聖王の
猟犬の動力源を解放することだ」

 聖王の猟犬という言葉を聞いた瞬間、ユーノの顔色が変わった。
 いにしえの時空管理局と戦った聖王軍の主力戦艦にして、ゆりかごを上回る殺戮を管理世界で行った殺戮兵器が生き残っ
ていて、スカリエッティと共闘する連中の手に渡っていたのだ。 

「・・・・命は、俺の命はどうでも良い。妹と他の一族の命を保証してくれ」
「早くしないとラーナだったかな。お前の妹の命も保証できんぞ。17号、見せてやれ」
 17号と呼ばれた装甲服の男が、ラーナを抱えてレナードたちの前に降り立った。 

「に、兄さん助けて・・・痛い、痛いよぉぉぉ、や、やめて、やめてよぉぉぉ」

 固定カメラの映像は、悲鳴を上げるラーナを抱きかかえている17号と呼ばれる男の背中しか捉えていないが、
その足下にぽたぽたと血が垂れて血だまりが広がっていくのが見える。

「やめろ、やめてくれ。封印は解除する。だから妹を助けてくれ」
 できもしない事を口にするレナードの必死さを思ってユーノの心中に苦い思いが広がる。
 ユーノの探索魔法の師であったレナードだが、封印の解除に必要な検索魔法や魔道書などの速読魔法については、
ユーノに遠く及ばないのだ。


520:7の1
08/11/17 19:50:50 RIy3MV2V
「同志が石碑を運んできたようだ。早くしないと妹の身体が持たんぞ」

 墳墓に穿たれた穴からデートリッヒに積み込まれているものに酷似している石碑が装甲服の男たちによって
運ばれてきた。
 レナードの背後に石碑が置かれると石碑の隣に17号が着地した。

「お兄ちゃんを応援しないのか?いけない妹だ。これはお仕置きが必要だね」

 軽口を叩く17号に抱かれているラーナの股間に突き刺さった金属製の肉棒が、上下するたびに耳を覆いたく
なる悲鳴と血が地面に流れ落ちる。

「ひぎゃぁぁぁぁ、いやぁぁぁぁ、いやぁぁぁぁ」
「よい妹だ。お兄ちゃんのために、精一杯、応援するんだよ」

「やります。封印解除でもなんでもやります。だから妹に、これ以上ひどいことはしないでください」
「では、やってもらおうか  な、何奴!」 

 狼狽したリーダーが石碑へ顔を向けた瞬間、17号の頭がまっぷたつに割れ、血のシャワーをまき散らして
倒れた。
 聖王陵の騎士甲冑を纏ったレミオを先頭にした魔導騎士の奇襲を受けた戦闘機人たちが、反撃する間も許さ
れず、呆気なく倒されていく。
ISを作動させ高速起動で上空に逃れたリーダーが、腹部に根本まで刺し仕込ま
れた狩猟ナイフと狩猟ナイフを握っているレナードを見て信じられないと言った表情を浮かべた瞬間、腹部が爆発し、
リーダーの身体が四散した。

 同時に右肘から先を失ったレナードも血の花を咲かせながら地上に墜ちていく。

「戦闘機人は全滅。後に残ったのは陵墓盗掘の実行犯たちだけ。情状酌量の余地はありますが、如何せん戦闘機人
たちの目的が目的ですからねぇ。まあ戦闘機人の生存者がゼロってことが救いですかね」

 JS事件の裏側で進行していた恐るべき事件に、スクライア一族が関わっていた事実に衝撃を受けたユーノの顔色は
死人のようだった。

「・・・・」

「そろそろ石碑をお披露目と行きますか、ユーノ博士」



第4章はここで終わります。

明日、第5章を上げます。


521:名無しさん@ピンキー
08/11/17 20:15:52 sJTyUto8
GJ。ただこの話のなのはさんの口調、ちと違和感が
「だわ」とか「かしら」とか「~のよ」とか‥‥

522:名無しさん@ピンキー
08/11/17 20:47:21 YnMY9dyI
なのはさんなら
「~だね」「~かな」「~だよ」

蛇足的には
「~なの」

といった感じだからな

523:名無しさん@ピンキー
08/11/17 20:57:13 r0tJth+2
余談だが、語尾を文字だけで表すと、フェイトとなのはの区別はちょっと難しい。
耳で聞くと、イントネーションの違いですぐわかるのにね。
「断定口調」→なのは
「疑問口調」→フェイト


524:名無しさん@ピンキー
08/11/17 20:59:51 lWOD1dyb
フェイトは戦闘時は途端に断定口調になるけどなw
「~だ」、「~ない」って。

なのはの「~なの」はニュアンスで断定or疑問だから文字にするとちょいややこしいな。
まあ、そこが良いんだがw

525:名無しさん@ピンキー
08/11/17 21:38:40 MUpfjqOW
>>464
GJ!!
うわあああああヴィヴィオもなのはもヴァイスも皆…
何人かはもうすでに変えられない運命になってしまっているのですね。
ヴィヴィオとなのははまだやり直せるけど、大切なものを失って支えがないスバルとヴァイスは取り戻せない。
エリオも下手をすればそうなる。
逃れられるならば、全員辛い運命なら脱して欲しい。そう思ってなりません。

>>506
GJ!!
シグナムはこんな感じで嫁にいけば気立てのよい優しい妻になると私も思います。


526:名無しさん@ピンキー
08/11/18 19:15:06 qxpTklGi
注意事項
・一部エロありです
・時間軸はJS事件から1年後
・JS事件のもたらしたもの
・捏造満載
・オリキャラ出てます。
・StSキャラはヴィヴィオしか出ていません
・ユーノ×なのはは基本です。
・主人公:ユーノ
・タイトルは「再び鎖を手に」  

それでは第5章を始めます。


527:名無しさん@ピンキー
08/11/18 19:17:29 qxpTklGi
第5章 口碑

 森に囲まれた芝生の上にあるテーブルに座って談笑しているなのはとヴィヴィオとリアンの頭上には、艦内
食堂とは思えない光景が広がっていた。

 のどかな日の光が天井から降り注ぐ。見上げれば、太陽は見えないが柔らかい光が降り注いでいる。その中
を青い鳥が、雁行陣を組んで飛んでいる。

「リアンさんが、海鳴市の人だとは思わなかったよ」

 リアンの話を聞いたなのはは、マテウスの前で演じていた良き母の口調を忘れる程、興奮していた。

「曾祖母が出身者ってだけですわ。まだ曾祖母の兄の家系が続いているので、親戚づきあいの関係で地球に行き
ますが、まさか親戚の住んでいる都市が、なのはさんの出身地の海鳴市とは思いませんでした」

「翠屋のケーキっておいしいでしょ。リアンお姉ちゃん」
「ヴィヴィオちゃんは、何が好きかな?」

「翠屋のガトーショコラ」

「あ、それも良いかも。でも私はブランデーケーキ、でもヴィヴィオちゃんには、まだ早いかな。なのはさん
 は、何が好きです?」

「子供の頃、翠屋を継ぐつもりだったからシフォンケーキをよく作ってたからシフォンケーキが好きかな」

「今度、シフォンケーキの作り方教えてくださいよ。私が作ると型を抜いた後で必ず萎んじゃうんですよ」

「それじゃ、作ってるところをメールで送るからメールアドレスを」

「後で、戦技教導隊のなのはさんのアドレスにメールを送りますので、都合の良い時に返信していただければあ
 りがたいです」

「ママ、ブランデーケーキってリアンお姉ちゃんにしか食べれないの?ヴィヴィオ食べれないの?」
「ヴィヴィヴォが、これぐらい大きくなったら、翠屋でブランデーケーキ食べられるんだよ。それまではだーめ」

「ええ~、そんなに大きくなれないよ~」
「ママは、ヴィヴィオより小さかったから、ぜったい大きくなれるんだよ」

 他愛ない会話を交わすなのはとヴィヴィオを見ながら、微笑んでいたリアンの表情が、急に引き締まった。

「は、了解しました」
「リアンさん?」

「ユーノ博士が、石碑の解読を終えたようです。お二方に見せたいので、ご案内するようにとのことです。こち
 らにおいでください」

 武官らしいきびきびした口調に戻ったリアンは、立ち上がったなのはとヴィヴィオを芝生の上に姿を現した
転送ポートに誘った。

528:名無しさん@ピンキー
08/11/18 19:20:26 qxpTklGi
 AMFを解除した格納庫に案内されたなのはは、自分とヴィヴィオを迎えたユーノに走りよると、にっこり微笑んだ。

「ユーノくん、がんばったね。ヴィヴィオもパパのお仕事、見たいって言ってたし、グッドタイミングだよ」
(顔色が悪いよ。なにか嫌なことでもあったのかな?)

「なのは、皆が見てるよ。ほら、ヴィヴィオもこっち来たがってる。ヴィヴィオ、こっちおいで」
(なんでもないよ。口碑の解読に手間取っただけさ)

「ユーノパパ、ママがね。ブランデーケーキ、まだ食べちゃ駄目だって言うの。もっと大きくならないと駄目なんだって
ヴィヴィオ食べたい。ヴィヴィオの言うこと、そんなに間違ってる」

 なのはの魔王モードの口癖を真似てせがむヴィヴィオを見て、ユーノの緊張感が緩むのを見たなのはの微笑み
が深くなる。

「そうだね。ほんのちょっとならヴィヴィオでも食べられるかな。でもブランデーケーキって少し苦いんだよ、
 ヴィヴィオ、苦いもの嫌いだよね」

「うーん、苦いのは嫌だな。でもユーノパパが食べさせてくれるならヴィヴィオは平気だよ」

 ヴィヴィオの笑顔につられるようにユーノも笑顔を浮かべる。

(子供の笑顔ってのは救いだな。助かるよ)
(あら、私の笑顔は救いにならないのユーノくん何か隠してるんだね。恋人にも隠し事するなんて間違ってない?
 私の言うことそんなに間違ってるかな)

 その言葉に驚いたユーノは、目から笑いが消えているなのはの笑顔を見てぎょっとした。

(なのは・・・・後で話がある。君の助けが必要だ)(うん)

「じゃあユーノくん、今度の休暇にヴィヴィオと翠屋に行こうよ」
「そうだね。行こう」

 糖度200%のバカップルの雰囲気を振りまく二人のやりとりに辟易したのか、ユーノと一緒にいたレミオ
やなのはたちを案内したリアンの姿は、いつのまにか格納庫から消えていた。

「ユーノ博士、高町一尉、ヴィヴィオさん、お邪魔でしたかな?」
「うん、マテウスのおじちゃん、邪魔だよ~」

 間髪入れずに答えるヴィヴィオを見たマテウスは、途方に暮れた表情を浮かべると頭をかきだした。

「後にしましょうか?晩餐を用意しますので・・・」

(ユーノくん!)
「いや、すぐに始めましょう」

「聖王陵自慢の食材をご賞味いただけないとは残念の極みです。ではご案内しますのでおいでください」


529:名無しさん@ピンキー
08/11/18 19:23:12 qxpTklGi
 格納庫の中央に一同を案内するよれよれのレインコートを着たマテウスの背中を見ながら、なのははヴィヴ
ィオの手を引いているユーノに話しかけた。

(バウアー卿ってどんな人なの? 教導隊の総隊長から名前だけは聞いた覚えがあるけど、総隊長も面識がない
 って話だったよ)

(第三管理世界始原ベルカ聖王陵出身。新暦47年若干11歳で入局、武装局員を経て戦技教導官に昇格。ここ
 までは、なのはとほぼ同じだね。一等空尉昇任直後、監察部へ異動、以後、監察部でキャリアを重ね、現在、
 監察部S級監察官、幹部評議会評議員、戦技教導隊最高名誉顧問、聖王陵伯爵)

(聖王陵伯爵って・・・本物の貴族なの!? )

(あんな格好してても伯爵だ。あのレインコートは、戦技教導官時代の愛用品って話だ)

(魔法ランクは、総合?それとも空戦か陸戦?)

(監察部異動時に情報保護のため記録を抹消してる。入局時 総合A+って記録しか残っていない。一等空尉だ
 から空戦S+以上は確実だね)

 目の前を歩くさえない中年男が、ベテラン執務官ですら恐れるS級監察官で、自分の大先輩でもあるという事
実に衝撃を受けたのか、なのはは押し黙ったまま、ユーノの腕を強くつかんだ。

「痛っ なのは、顔が怖いよ」

「ふぇぇユーノくん見てたの?」

「なのはママ・・・怖い」

 よほど厳しい顔をしていたのか、自分を見ているヴィヴィオの目が怯えているのに気づいたなのはは、小声で
ごめんと謝った。

 そんな3人のやりとりを聞いているのかいないのか、3人の前を歩くマテウスが振り返った。

「みなさん、着きましたよ。ユーノ博士、解説をお願いします」

 マテウスが指を鳴らすと直径2m高さ10mほどの石碑が足下に配置された照明によってライトアップされた。

 石の材質は不明だが、光沢のある材質で照明の当たり具合によって碧色や紅色、黄色などめまぐるしく色が変

わり、石碑の正面に刻まれた碑文を読み取ることができない。

「あれなんて読むのかな?ヴィヴィオ読めないや」

「古代ベルカ文字の方言だよ。ヴィヴィオ」

 自分には見られない文字を見ることが出来るユーノとヴィヴィオに、なのはは漠然とした不安を感じた。



第5章 終わり

第6章は、明日、上げます。


530:名無しさん@ピンキー
08/11/18 19:32:34 BBYc5GWz
贅沢を言って済まない。
この長さなら、数日分まとめてアップした方が読みやすくないかな?

531:名無しさん@ピンキー
08/11/18 19:48:44 Pe2d6zVS
章ごとなんだし別にいんじゃね
何も投下ないのも寂しいし

532:名無しさん@ピンキー
08/11/18 22:04:49 quIUiE3K
ゆのふぇ

533:名無しさん@ピンキー
08/11/18 22:09:08 /x2OKPZg
サイヒ氏のクロノ×フェイト×カリム3Pの投下をずっと待ってる。

534:名無しさん@ピンキー
08/11/18 22:11:33 BBYc5GWz
じゃあ俺は、ユーノに囲われたティアナの話をずっと待ってる

535:名無しさん@ピンキー
08/11/18 22:25:43 Fe0h9eKm
じゃあ俺はターンA氏のエリオのごとくをずっと待ってる

536:名無しさん@ピンキー
08/11/18 23:00:40 zsUy2Fm3
もうそろそろおとなしく待機するなり感想を投下していこうぜ

537:名無しさん@ピンキー
08/11/18 23:10:54 Sh4m+5kO
自治もそろそろほどほどに

538:名無しさん@ピンキー
08/11/18 23:27:20 LJEnI9lV
>>537が見えない

539:名無しさん@ピンキー
08/11/18 23:29:39 +AS2JSP6
続きが気になる

540:名無しさん@ピンキー
08/11/19 00:52:38 k4c3c5Nx
>>535
エリオの如くか…ネタを言い出した手前、何となく責任を感じてしまうwww
ターンA氏(屮゚Д゚)屮カモーン

541:名無しさん@ピンキー
08/11/19 01:43:40 p5sdHtnT
>>540
クラナガンの龍の異名を持つギャングになったエリオを想像してしまった。

542:名無しさん@ピンキー
08/11/19 02:33:31 ovmZjsx0
幼児プレイが好きな組長?は誰だろか?
…レジアス?

543:名無しさん@ピンキー
08/11/19 12:50:46 Oea4ROSn
ハラオウンの龍じゃない?w
ヒートアクションが凄そうだwww

544:名無しさん@ピンキー
08/11/19 12:58:58 RJa+HUvb
待て、そうなるとフェイトは自分が殺した人間の子どもを引き取っていることになる。


545:名無しさん@ピンキー
08/11/19 18:19:53 42f6mpo2
その設定は実際、ありそうだから困るw
執務官時代に色々とあってだな・・・

546:540
08/11/19 18:28:27 k4c3c5Nx
ちょっとした一字違いのミスで執事でなくヤクザを連想するのか…
そんなおまいらが大好きだwww

547:名無しさん@ピンキー
08/11/19 19:46:21 gTDTQ7ZV
如くだと読切版になるんじゃないのか

548:名無しさん@ピンキー
08/11/19 20:14:20 13z08mSU
>>545
流石はフェイトさん、トラウマの百貨店だな

549:7の1
08/11/19 21:09:16 FHyS07q6
第6章 交感

「なのはは、そこの赤い輪の中に立って、ヴィヴィオは、僕とここの青い輪に」
「そして、私はあそこですな」

 ユーノの指示を待つことなく、マテウスは黄色い輪の中に立った。

「この碑文は、一種の結界魔法によって光を分光、ヴィヴィオ、プリズムって知ってるよね?分光させることで
 赤や黄、青などの色に分け、それを多層構造にして石碑の周囲に展開しているから、普通の状態では見えない。
 僕とヴィヴィオが見えたのは、結界魔法の中に一瞬だけど入れたからだ。最初の解読の際マテウスさんに手伝
 ってもらってわかったんだが、完全な解読には3人の魔導師が必要なんだ。なのは手伝ってくれるね」

「うん、ユーノくん、ここだね」

 なのはは、赤い輪の中に立つとユーノとヴィヴィオを見た。

「詠唱が始まったら、障壁が輪に沿って生じるので、絶対に輪の中から出ないこと。なのは、リンカーコアに傷
 害が生じるから絶対に出ちゃ駄目だよ」

 真剣なユーノの口調になのはは黙ってうなずいた。 

「さて始めますかな」

 新しい葉巻を取り出して火を付けたマテウスが声をかけるとユーノはうなずいた。

「いにしえに生ぜし縁により、我、汝を喚起す。光ありて闇あり、人は闇より出でて光を視たり・・・」

 低い声で詠唱を続けるユーノの声を聞いていたなのはの姿が、空気に溶けるように消えると桃色の魔力光を
放つリンカーコアが赤い輪の中に浮かぶ。

 詠唱を続けるユーノとその脇に立っているヴィヴィオの姿も、桃色のリンカーコアだけになったなのはと同じ
様に姿が薄くなりはじめ、やがて緑色の魔力光を放つリンカーコアと紫色の魔力光に輝くリンカーコアが青い輪
の中に出現する。

「ユーノ博士が緑色、ヴィヴィオ様は、やはり聖王の虹色でしたか。で、高町一尉は・・・・桃色ですか?」

 少し口ごもったマテウスは、葉巻を吹かしながら、なのはのリンカーコアを興味深げに見ていたが、しだいに
姿が薄くなり消えていった。そして黄色の輪の中には、リンカーコアの影も形もなかった。

(光ありて我あり、闇ありて我あり 我は混沌の君、我は秩序の王 我ら交わりて万物を生ぜり 故に万物は光
 と影を宿せり・・・)

 ユーノの詠唱で目を覚ましたなのはは、闇の中に浮かび上がる石碑とそれを見上げるヴィヴィオの姿を認める
とともに一緒にいたはずのユーノの姿が見えないことに気づいた。

「ユーノくん、どこにいるの?」
(・・・かくて聖王、天より降りたまいて、地に法を敷き、人々を導けり・・)
「そこに・・・・いるの?」


550:7の1
08/11/19 21:12:29 FHyS07q6
すみません。これを最初に書くべきでした。
それと残りの長さから見て第6章、第7章をあげて完結します。

注意事項
・一部エロありです(この章はエロというか虐待です)
・時間軸はJS事件から1年後
・JS事件のもたらしたもの
・捏造満載
・オリキャラ出てます。
・StSキャラはヴィヴィオしか出ていません
・ユーノ×なのはは基本です。
・主人公:ユーノ
・タイトルは「再び鎖を手に」  

それでは第6章および第7章を始めます。


551:7の1
08/11/19 21:14:41 FHyS07q6
第6章 交感

「なのはは、そこの赤い輪の中に立って、ヴィヴィオは、僕とここの青い輪に」

「そして、私はあそこですな」

 ユーノの指示を待つことなく、マテウスは黄色い輪の中に立った。

「この碑文は、一種の結界魔法によって光を分光、ヴィヴィオ、プリズムって知ってるよね?分光させることで
 赤や黄、青などの色に分け、それを多層構造にして石碑の周囲に展開しているから、普通の状態では見えない。
 僕とヴィヴィオが見えたのは、結界魔法の中に一瞬だけど入れたからだ。最初の解読の際マテウスさんに手伝
 ってもらってわかったんだが、完全な解読には3人の魔導師が必要なんだ。なのは手伝ってくれるね」

「うん、ユーノくん、ここだね」

 なのはは、赤い輪の中に立つとユーノとヴィヴィオを見た。

「詠唱が始まったら、障壁が輪に沿って生じるので、絶対に輪の中から出ないこと。なのは、リンカーコアに傷
 害が生じるから絶対に出ちゃ駄目だよ」
 真剣なユーノの口調になのはは黙ってうなずいた。 

「さて始めますかな」
 新しい葉巻を取り出して火を付けたマテウスが声をかけるとユーノはうなずいた。

「いにしえに生ぜし縁により、我、汝を喚起す。光ありて闇あり、人は闇より出でて光を視たり・・・」

 低い声で詠唱を続けるユーノの声を聞いていたなのはの姿が、空気に溶けるように消えると桃色の魔力光を
放つリンカーコアが赤い輪の中に浮かぶ。

 詠唱を続けるユーノとその脇に立っているヴィヴィオの姿も、桃色のリンカーコアだけになったなのはと同じ
様に姿が薄くなりはじめ、やがて緑色の魔力光を放つリンカーコアと紫色の魔力光に輝くリンカーコアが青い輪
の中に出現する。

「ユーノ博士が緑色、ヴィヴィオ様は、やはり聖王の虹色でしたか。で、高町一尉は・・・・桃色ですか?」

 少し口ごもったマテウスは、葉巻を吹かしながら、なのはのリンカーコアを興味深げに見ていたが、しだいに
姿が薄くなり消えていった。そして黄色の輪の中には、リンカーコアの影も形もなかった。

(光ありて我あり、闇ありて我あり 我は混沌の君、我は秩序の王 我ら交わりて万物を生ぜり 故に万物は光
 と影を宿せり・・・)

 ユーノの詠唱で目を覚ましたなのはは、闇の中に浮かび上がる石碑とそれを見上げるヴィヴィオの姿を認める
とともに一緒にいたはずのユーノの姿が見えないことに気づいた。

「ユーノくん、どこにいるの?」

552:7の1
08/11/19 21:17:43 FHyS07q6
(・・・かくて聖王、天より降りたまいて、地に法を敷き、人々を導けり・・)

「そこに・・・・いるの?」

 石碑から聞こえる声が、ユーノであることに気づいたなのはが、石碑に目を向けるとヴィヴィオに連なる聖王
の圧倒的なイメージが、なのはの中に流れ込んできた。

 聖王陵最後の聖王の死後、新たな聖王がゆりかごで天を渡って去り、やがて今は無きベルカの地に降り立つ。

 混沌の君と呼ばれる聖王の出現により戦乱の地と化す古代ベルカの地、質量兵器による戦争が人々の生命をい
とも簡単に奪うことに嘆く人々。

 荒廃する世界で魔法を見いだした聖王。

 質量兵器と古代ベルカ式魔法を併用して戦乱を終息に導いた聖王の中の聖王。

 次元世界に進出する覇王と呼ばれた聖王。

 やがてミッドチルダとの接触を平和理に果たした聖王教会の最初の聖遺物となる聖王。

 時空管理世界に聖王教が広がっていく時代に各管理世界を巡礼する聖王。

 ミッドチルダに誕生した”いにしえの時空管理局”と対立し、和平を説く聖王教会を弾圧する聖王。    

 やがて天を覆う時空管理局の戦艦群”地獄の番犬たち”に襲来され炎上する王都、反撃の為、出撃する聖王の
ゆりかごと随伴戦艦群。

 激しい戦闘の果てに撃墜されるゆりかごと随伴戦艦群。

 ゆりかごの玉座に座り、最後の時を静かに迎えるヴィヴィオにうりふたつの女性の聖王と勝利の美酒に酔いし
れ、ベルカの支配する管理世界を蹂躙する地獄の番犬たち。

 撃墜されたゆりかごから時空管理局の目を掠めて聖王の遺体を持ち出す聖王教会の聖職者たち。次元世界の覇
者となった時空管理局の圧政に苦しむ人々の希望の星となる聖王教会。

 突如、聖王陵の上空に出現する時空管理局の戦艦群。

 その戦艦群の前にユーノそっくりの黄砂色の髪を風になびかせた若者が立ちはだかる。

 聖王陵に向けられた質量兵器と魔導砲の集中砲撃を複数のラウンドシールドで防ぐと同時に巨大なチェーンバインドが、戦艦に巻き付き一挙に握りつぶす。
 十数隻の戦艦を失った時点でミッドチルダの戦艦部隊は散開すると若者を無視して聖王陵へ殺到する。
 
 若者はチェーンバインドで戦艦を阻止しようとするが、白光の砲撃が緑の鎖を砕き四散させる。
 
 紅い4枚の羽を背中に持った純白のバリアジャケットに、レイジングハートを思わせる魔導杖を持ち、栗色の
髪をサイドテールに結った美女が放った砲撃によるものだった。

 空中で対峙する二人が、恋人でありながら、互いの信念のために生死を賭けて戦わざるをえないことが、膨大
な聖王の意識の海に呑み込まれてもがくなのはの心を戦かせた。


553:7の1
08/11/19 21:20:13 FHyS07q6
 ディバインバスターを思わせる白光の砲撃をラウンドシールドで防ぐ若者の顔が痛みに歪む。

 その眼下の聖王陵に対して戦艦群の質量兵器と魔導砲の集中砲撃が実施されようとしている。

 砲撃の衝撃に耐えきれずラウンドシールドが砕け散るのと同時に魔導杖を長槍の形に変じ、神速の刺突で迫る
恋人を憂いを含んだ目で見つめる若者の周囲から、密度を最高度に高めた為に針金のようになったチェーンバイ
ンドが24本射出される。

 突き出された槍が、死を前にしながらも微笑む若者の胸を貫くのと同時に24本のチェーンバインドが、涙に
顔を濡らす美女の背中から胸を貫き若者と美女を縛り付ける。

 次の瞬間、聖王陵に墜ちる二人に合わせるかのように戦艦群の集中砲撃が、聖王陵を陵辱した。

 死によって一つとなった二人が、大砲撃の閃光に包まれる聖王陵に墜ちていくのを見ながら、なのはの意識は、
悲しみの闇の中に溶けていった。

 砲撃の閃光が収まった無傷の聖王陵の上で目覚めたユーノは、古代の映像記録でしか見たことのない、いにし
えのミッドチルダ時空管理局の誇った戦艦群”地獄の番犬たち”の砲門が、自分と自分の脇に横たわるなのはに
向けられていることに愕然とした。

「なのは・・」
 自らの死を覚悟し、意識を失って横たわる恋人を救えなかった無力さを噛みしめるユーノの目が大きく見開かれた。

 再び砲撃の準備に入った戦艦群の射線上に、突然、薄茶色のレインコートを羽織った壮年の男が出現したのだ。



554:7の1
08/11/19 21:21:46 FHyS07q6
 ユーノの目に映る男の背中からは、自分に向けられた戦艦群の砲門を睥睨し嘲笑っている雰囲気が漂っていた。

 戦艦群の砲門が一斉に火を噴き、男の姿を一瞬にして消滅させるが、砲撃は聖王陵に届くことなく、戦艦群の
上方や下方、後方から降り注ぎ、戦艦を次々と打ち抜いていく。

 自らの砲撃によって数を4分の1以下に減らし、算を乱して離脱を計る戦艦群の前に消滅したはずの男が再び
姿を現す。

 男が心底くだらないといった仕草で指を鳴らすたびに、戦艦が不可視の手によって粘土細工のように捻り潰さ
れるという非現実的な光景がユーノの眼前で展開される。

 最後の一隻が捻り潰されるのを見ながら、ユーノの意識は、安息の風に抱かれる。

 ヴィヴィオは、自らの始まりとなった碑と対峙していた。何故、自分が古代ベルカの聖王の系譜に連なるのか
碑に浮かび上がった文字が語りかける。

「聖王、正義を望みし故、政は大いに乱れ、かくて世は混沌の海に沈む 光は闇を討たんとして、闇に墜ち、
 燃え尽きん 陵墓、大いに嘆きて 正義を望みし聖王を空に放逐せり かくて聖王の世は、途絶えたり」

 幼いヴィヴィオには全く理解できない言葉が、深層意識に眠っていた聖王の後悔と悲しみの記憶を蘇らせる。

 自らの正義と信念に固執するあまり、故郷より追放され、ミッドチルダとの対立の果てに多くのベルカの民を
死に追いやりベルカ王国を滅亡させた自らの過ちに圧倒されたヴィヴィオは、忘却の海に放り出された。

「なのは、なのは!」「なのはママ~」

 ユーノとヴィヴィヴォの声に導かれ、闇空をひたすら上昇し続けるなのはを柔らかな緑色に包まれるリンカー
コアと虹色の光輝を放つリンカーコアが、さらなる高みにと導いていく。やがて闇の帳が開け、光の海になのは
は、浮かび上がった。

「ユーノくん・・・ヴィヴィオ」

「なのは、良かった」「ママァァァ」

「にゃははは、気絶しちゃった」

 安堵の色を浮かべるユーノとわんわん泣くヴィヴィオに囲まれたなのはは、照れ笑いして、立ち上がろうとし
たが、全身の力が抜けてしまったらしく起きあがることができなかった。

「ユーノくん、腰が抜けちゃったみたい」 

「なのは、僕につかまって」

 真っ赤になってうつむくなのはをお姫様抱っこしたユーノは、黄色い輪の中で、ちびた葉巻をふかしている
マテウスを振り向いた。

「なのはを送りますので、これで失礼します」「マテウスおじさん、バイバイ」

「今日はありがとうございました。ユーノ博士、高町一尉、ヴィヴィオさん」
 葉巻を口から放したマテウスは、珍しく真摯な口調で礼を言うと去っていく三人に深々と頭を下げた。



555:7の1
08/11/19 21:23:53 FHyS07q6
第7章 無限書庫Ⅱ

 モニターに映ったリンデイの顔を見ながらユーノは、歯を食いしばった。

「無限書庫の人員増員の件は予算的に難しいわ。あなたも知ってるとおりJS事件で崩壊した地上本部の再建や
時空犯罪組織のAMFや戦闘機人に対処する武装局員の練度向上と増員に、管理局の予算を重点的に回さざるえ
ないのよ。わかってちょうだい」

 同様のやりとりを今まで、何度繰り返しただろう。相手はJS事件を口実にしているが、それ以前を思い返せ
ば、大空港火災の復興事業や廃棄都市の治安対策などが人員増拒否の名目だった。

「しかし、無限書庫には、日々、各管理世界から収集された膨大な文献や資料が運び込まれて来ます。せめて収
集文献のおおまかな分類、保管を行う補助要員の採用をお願いします。民間協力者の採用と言うことであれば、
本局採用より低予算で採用できますし、僕にも当てがあります」

 ユーノの必死の訴えに心底困ったといった顔つきで同情するリンディの目が、一瞬、細められたのをユーノは
見逃さなかった。             

(やはり、真実だったか)
 苦い思いが胸をよぎる。

 自分も変わったかもしれないが、目の前にいるフェイトの義母の変容が、無性に悲しかった。

(あのころのままの心を持っているのは、なのはだけかもしれないな)

「そうね・・・・前から提案のあった補助要員の採用を次の評議会で提案する予定なんだけど、採用のための
 特別予算を捻出するためには、評議会での採決が必要だわ、あまり期待しないでちょうだい」
 そう言うとリンディは用事があるといって通信を一方的に打ち切った。

 マテウスから送られたディスクのデーターを再生したユーノの眉間に深いしわが刻まれた。

(次の評議会とはよく言ったものですね。リンディさん)

 目の前のモニターに映し出された次期評議会でリンディが提案する議題案件のリストの中に無限書庫に関するも
のが一つもなかったのだ。

 もちろんマテウスから提供されたデーターが嘘の可能性はある。
 しかしマテウスは、自分が嘘を言ってるかどうかわかる機会を提供すると申し出ているのだ。

「評議会にお出でになれば真実がわかります」

 盗聴対策を施した特別回線のモニターに出たマテウスは、ユーノの出席がすべてを動かす鍵になると強調した。

「僕がいることがわかれば、提案すると思いませんか?そうなれば真実は藪の中でしょう。無限書庫の件は提案
 しても通るとは思えない案件ですし、言うだけなら簡単なことです」

「藪を突いて蛇って伝承が、高町一尉の故郷にありましたね?」

「伝承と言うより教訓でしょう。なのはの故郷では、ことわざというそうです」

 その蛇が出るんですよと言ったマテウスはレインコートのポケットを探って葉巻を取り出した。


556:7の1
08/11/19 21:26:31 FHyS07q6
「仮にリンディ統括官が無限書庫の件を提案されれば、問題なく承認されます。そうなればユーノ博士にとって
 も願ったりかなったりでしょう。如何です?」

 苦い顔でうなずくユーノの脳裏に、今もデートリッヒの艦内に滞在という名で拘束されているレナードやラー
ナたちの顔がよぎる。

「ところで高町一尉はお変わりありませんかな?」

「相変わらずです。今日も武装隊の教導でしょう」
 急に話題を変えた相手の意図をつかみかねるユーノの眼の前に、銀色のディスクが浮かんだ。

「例の症例に関する治療方法を記録したディスクです。エースオブエースの命を取引材料にしたって知られたら
 なのはさんのファンのうちのかみさんに殺されますんでね」

 いやぁ惜しいことです。ユーノ博士の首根っこを押さえられる絶対の切り札だったのにと葉巻に火を付けなが
らマテウスが愚痴る。

「診断の結果は?」

 聖王陵サナトリウム院長にして、次元世界屈指の名医であるオリガ・バウアーの答えを切望する自分を抑え、
冷静な口調での問いかけたユーノに事務的な答えが返される。

「リンカーコアバースト症候群レベル3末期。早急にオペとリハビリをする必要があるそうです。現在の病状の
 進行を食い止めるには休養あるのみ。あくまで進行を抑えるだけですがね」

「それは・・・」
 不可能だという言葉を呑み込んだユーノの目は暗かった。

(なのはの翼を折る・・・それしかないのか?)

「鉄は熱いうちに打てってことわざがありますな」

「それを言うなら、時は金なりでしょうね」

 思わず言い返したユーノだったが、語尾がかすかに震えていた。

「それでは、これで。かみさんと食事の約束がありますんで失礼します」

 モニターの向こうで、懐中時計を取り出して時刻を確認したマテウスは、あわてて席を立った。
(時間はないのか、僕にもなのはにも・・・) 

 彼女が空から墜ちた日にリンカーコアバーストの危険性に気づいていればと、過ぎた日の過ちを悔いても、
しかたないとは思いつつユーノは、マテウスの姿が消えたモニターを長い間睨んでいた。



557:7の1
08/11/19 21:30:19 FHyS07q6
「ユーノくん、明日だよ。明日、ヴィヴィオの6歳の誕生日」
 モニターの中の恋人の笑顔は、その内部で進行する破滅を感じさせないほど輝いている。

「なのは、フェレットモードは良いけど、女装モードは勘弁してほしいな。アリサたちとの写真、ヴィヴィオに見せたね」

「ふぇぇぇぇ、ヴィヴィオ、あのアルバム見てたんだ」

「ユーノパパの絵って見せてくれたんだけど、結構ショックだったよ。って、なのは、あのアルバム、海鳴市に

 置いてたんじゃないのかい?」

「にゃはははは、フェイトちゃんとはやてちゃんが、昔の写真を見たいって言うんで持って来ちゃったの。あれ

 ヴィヴィオ見たんだ。ご、ごめんね ユーノくん、」
 手を合わせて謝るなのはの肩は、笑いを必死で堪えているのか小刻みに震えていた。

「なのは、明日はフェレットモードオンリーだよ。ヴィヴィオにもフェレットのユーノパパが、やってくるんだよって言っておいて」

「うん、じゃあユーノくん、明日の午後3時だよ。忘れたら、頭冷やすから」


 仕事の性質上、無限書庫で働く人間の時間感覚が狂いやすいのを知っているなのはは、ユーノに魔王の脅しを
かけた。

 モニターの右隅に表示された時刻は午前2時を回わっている。

 モニターに写し出されていくオペの手順と術後の予防措置、病変部を除去した後のリンカーコアの再生のため
のリハビリ、そのいずれもが聖王陵サナトリウムの協力なしには不可能だった。

 ミッドチルダにおいては不治の病というより死刑宣告に等しいリンカーコアバースト症候群、発症者は、有無
を言わせず軌道ホスピスという名の牢獄に収容され死を待つしかないのだ。

 無限書庫にある資料も不治の病としての記録しかない。

「レナードたちの件もなのはの病気もバウアー卿次第か」

 評議員になりませんか?
 無限書庫は聖王教会(八神)ハラオウン閥と見なされています。
 レベル3末期ですな。早急なオペとリハビリが ・・・・

 脳裏に繰り返される簡潔にして明瞭なマテウスの宣告

「なのはを救うんだ。悪魔にでも魂を売ってやるさ」

 閉じたモニターに向かってつぶやくユーノの横顔は、歴戦の魔導師を思わせる闘志に満ちていた。 


                   「再び鎖を手に」
 
                        終


             次作 「翼を折る日」 現在制作中です。

558:ザ・シガー
08/11/19 22:40:21 9krqs/l6
とりあえず次スレ立てました。

スレリンク(eroparo板:1番)-100

あと、あんとか今日中に>>506の続き投下するかもです。

559:ザ・シガー
08/11/19 22:46:03 9krqs/l6
ああ、書き忘れました。

投下乙でした!

560:名無しさん@ピンキー
08/11/19 22:56:44 k4c3c5Nx
スレ立て、投下共に乙です。
そして今夜は全裸待機させていただきますwww

561:名無しさん@ピンキー
08/11/19 22:57:34 ebm+xqOY
つまり、ここは埋めろと。

562:アルカディア ◆vyCuygcBYc
08/11/19 23:01:48 zM6bJu3T
ザ・シガー氏スレ立て乙です。
丁度私も出来上がりそうなので、ザ・シガー兄貴の後ろに席を取っておきます。


563:B・A
08/11/19 23:08:45 p5sdHtnT
ならば、殿は僕が。
そしてザ・シガー氏スレ立て乙です。

564:ザ・シガー
08/11/19 23:12:40 9krqs/l6
>>アルカディア氏

いやいや! お気になさらず投下なさってください!
まだ〆の部分を一箇所書き上げていないので、氏が投下できる状態でしたらどうか先に投下なさってください。
もう少し煮詰めた方が良いかもしれませんし、僅かな時間でも自分一人がスレを占有するのは良くないと思いますので。



あと、ぶっちゃけ俺は氏のSSが早く読みたいのでwww

565:アルカディア ◆vyCuygcBYc
08/11/19 23:21:19 zM6bJu3T
>>ザ・シガー氏

済みません、私もラストの部分と見直しに、まだ少しだけ時間が掛かる状態です。
氏が投下されて+30分ほどあれば丁度かな、と思っていたのですが、生意気に席取り宣言などして失礼しました。

という訳で、私もB・A氏にパスを。投下可能なら、どうか切り込み隊長をお願いします!

566:ザ・シガー
08/11/19 23:24:09 9krqs/l6
ウホ! 良い投下ラッシュ♪

よし、お前ら一番早く書けたやつが最初に投下しろ。
きっと良い気持ちだぜ?

567:B・A
08/11/19 23:24:16 p5sdHtnT
>>アルカディア氏

実はラスト部分がまだ書きあがっていないんです。
お2人が投下中に完成すると踏んで書きこんだんです。
書きあがってもいないのに席取りなんて本当申し訳ありません。
後、僕のは容量オーバーなんで次スレになります。


なんだこの流れはw

568:名無しさん@ピンキー
08/11/19 23:39:16 ebm+xqOY
………そして大穴になるために必死で仕上げている俺w

569:アルカディア ◆vyCuygcBYc
08/11/19 23:58:43 zM6bJu3T
今夜は何のシンクロニシティですかww

完成したので、一番槍の栄誉を預かっても良いでしょうか?
投下は、折角なので次スレで良いですか?

570:名無しさん@ピンキー
08/11/19 23:58:56 ovmZjsx0
ティーダがオセロットみたいだったら、という電波を受信したよ

テ「俺が…ランスター一尉だ」バッ(ポーズ)

クイント「ひとつのデバイスで、沢山のことをやろうとしすぎている。ツインデバイス向きね」
「でも、判断力と射撃は良かった…いいセンスね」

テ「いい…センス」
クロス向けかな?

571:ザ・シガー
08/11/20 00:03:04 9krqs/l6
>アルカディア氏

ツナギを全て脱いで待ってる。

572:名無しさん@ピンキー
08/11/20 00:17:56 y+MeSVMJ
空気を読まずに投下しても大丈夫でしょうか?

573:名無しさん@ピンキー
08/11/20 00:21:17 PElxJHio
カリムは恋愛とかいけるんだろうかとふと思った。

574:7の1
08/11/20 00:45:29 iciKkvxZ
>>572
次スレでアルカディア氏が投下されておりますので、
このスレでの投下をお待ちしております。


575:63スレ390
08/11/20 00:49:01 y+MeSVMJ
ありがとうございます

エリオ+ルーテシア
・エリオがキャロと微妙な関係なのにルーに告白

なんで二股?が赦せない方はスルーして下さい

576:Triangular parade
08/11/20 00:53:28 y+MeSVMJ
珍しくエリオが一人で遊びに来た。
突然の来訪に驚きはしたけど、他愛のない話をしながら、一緒に夕食を作り、
3人で食事をした。
無人世界を探索したいとエリオが言うから、湖まで案内した。

月明かりがきらきら湖に反射して、とても綺麗で、私のお気に入りの場所。

そんな時だった。
1つ年上のエリオ・モンディアルに「好きだ」と言われたのは。
 


正直に言えば、エリオが何を言っているのかさっぱり判らなかった。

なに?
友人として?
・・・この雰囲気で?
それは本当に「好き」だという感情?エリオが判らない。

君が好きなんだ、とあっけなく伝えられた言葉は一言だった。
エリオの感情が判らない。告げた後も、いつものように笑っているだけで、
赤面症で無いせいで顔色一つ変える事も出来ず、いや、どういう顔をしたらいいのか良く判らない。
エリオは何も言わない。私も言わない。
どうしたらいいんだろう?
・・・・そもそも、「好き」に対する答えを望まれているのか?それすら分からない。

この場所には2人しか居なくて、つまり誰のフォローは入らない。
いつもならキャロやヴィヴィオが居て、行き詰った会話には
なんらかのアクションを起こしてまとめてくれるけど、
あいにくと今は2人しかいないし、この現状を生み出したのはエリオ。

つまり何も起こらない。困った。これは本当にどうしたらいいんだろう。

577:名無しさん@ピンキー
08/11/20 00:54:32 iY2fEg9N
そういえば、カリムって何歳なんだ?

578:Triangular parade
08/11/20 00:57:51 y+MeSVMJ
何かを言えば、この現状は打開できるかも。


なにを伝えらればいいか。
考える。頭の中で羅列した。


何を言ってるの
気の迷い?
疲れているの?
キャロはどうするの?
冗談は程々にして
キャロと何かあった?
本気?
嬉しい
私も
本当はエリオなんか大嫌い!

・・・どれを言えばいいのだろう。
考えて、どれも自分の感情に当てはまっていると気付く。
そうなのだ、エリオ・モンディアル。この人は嫌いじゃない。
時折嫌いになる事もあるし、だけどありがたいと思う事も、好きだなと思う時もある。
こんなぐちゃぐちゃの気持ち、なんて言ったらいいのかわからない。

時間は刻々と過ぎてゆく。
デジタル式の腕時計がコチコチと音を立てているような気がした。
時間。・・・・そうだ、時間。エリオがこの世界に居る事が出来るのは、
あともう少しだけ。
こんな事に、時間を消費していていいのか?良い訳がない。
じゃあ、この時間は無駄なんだろうか?

目の前にエリオが居て、よくも穴が開くほどと思える程に、こちらを見ている。

・・・・その瞳は何が言いたいのか。判らない。
何を考えているのかなんて判らない。

こぶしに、じっとりと嫌な汗が伝った。

何故たった一言にこんなに考えこまなければいけないの。
この場から立ち去ればいい。何も言わずに立ち去れば無かった事にしたらいい。

エリオが好きだといってきた、それは夢として考えておけばいい。
あれはまぼろし、冗談だったと。
振り返ってそろそろ帰ろう、そう言えばいい。そうしたらうやむやですむ。

・・・でも、そういった場合、好きだと言ったエリオはどう思うのだろう。

「好き」という気持ちは本当なのか。嘘なのか。冗談なのかもしれない。
だって、エリオにはキャロが居る。


579:Triangular parade
08/11/20 01:01:27 y+MeSVMJ





・・・もうなんでもいい。とりあえず、この現状をなんとかしたい。
何でここにヴィヴィオはいないの。キャロでもフリードでもいい。
ガリューでもいいから何かを言ってくれたら時間は動くのに。

・・・汗が背中にまで伝ってきて気持ち悪い。
でも、その汗の滴り方が、人の指先の動きに似ていて、びくりと身体が動いた。

「好き」というのは、私を『オンナ』として見ているから好きだというのだろうか。

・・・・もしかしたら、セックスの相手を望んでいるだけなのかも?
今までの経験を思い返す。

・・・・・・大人の相手をするよりはずっとずっと、エリオの方がマシなはずだ。

この気持ち悪いほどの静寂の中で、黙りこくったまま時間を浪費するよりも、
『ケガサレルオジョウサマ』になってしまった方がよっぽど楽のような気がしてきた。
相手はエリオ。


ここには2人しかいない。1人で来たということは、そういうことなんだろう。

エリオの目はまっすぐで、逸らされず、どうしたらいいのか判らないが、
だんだん慣れてきたのも事実。

色んなことをエリオとしてみたい。

ふと、そう思った。

めぐりめぐった頭の中で答えが導き出されたとき、驚く程からだから力が抜けた。

エリオの目を見据えて、手を伸ばして顔に触れる。
エリオがびくりとしたのが指先に伝わったが、かまわず触れた。
そうだ。答えはこれ以外に見つからない

「ル・・ルー・・・」
「わかった、セックスしよう」
「・・・ええええええええええええええええええええ??!!!」

ルーテシアの可憐なくちびるから放たれた爆弾発言は、
思春期真っ只中の少年の心に強く深く苦しく悲しく突き刺さった。

580:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:02:29 PElxJHio
あーしまった。
カリムで作るとしても相手がいない…どうしよう……

581:63スレ390
08/11/20 01:05:36 y+MeSVMJ
投下終了です

ルー視点で見たらエリオとキャロは付き合っているけど、
実際に付き合ってない、という勘違い話です。

SSX聴いてないのでルーの居る世界に関しておかしい部分があれば本当にすみません

582:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:06:50 iY2fEg9N
おっと、割り込んだみたいだすまん。
乙でした。

583:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:07:23 PElxJHio
ルーテシアの爆弾発言が…w


584:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:12:07 UIwIKGyQ
>>580
やっぱ不倫?

585:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:15:07 TQ8cdlRd
>>580
一応義理の弟がいるけど。

586:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:15:11 PElxJHio
>>584
って事はクロノか…

587:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:30:36 jeL60xvL
>>580
他はベルカ騎士見習いのエリオかロッサとはやての繋がりでユーノとかか?
ザフィは…どうだろうなぁ
ゼストも古代ベルカだが地上本部の人だったのでその辺が難しいかも

588:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:31:32 sL/S6jvw
>>581
GJ。
ルーの勘違いっぷりが実に良い。

>>580
クロノかロッサか。オリキャラありなら教会の司祭や司教とか教会騎士団のメンバーとか。
凌辱ありなら騎士団に輪姦とか街角で性的ボランティアとか。
いかん、思考がそっちよりにw

589:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:38:18 BKODcdJM
>>580
冗談抜きに影の薄すぎるロッサに一票

590:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:42:37 nd2wHO9+
清楚な方だから輪姦に一票。

591:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:52:08 p0BFPvBJ
6課設立の為に体を売る…ってのは?<カリム
はやてを守るために体を売るも結局ははやても巻き込まれてまとめて輪姦とか。

592:名無しさん@ピンキー
08/11/20 01:54:51 NPyun8oH
>>581
ルーが暴走www
笑えたぜ! GJでした~。

593:名無しさん@ピンキー
08/11/20 03:19:38 9QqjdKpV
アリサとかすずかと言った面々と六課陣の絡みってどんな感じになると思います?

アリサ「どいつもこいつもツンデレ、ツンデレ…釘宮だからって安直に…」
ティア「分かります…良く分かります、その気持ち。テレながらちょっとそっぽ向くとすぐツンデレ、ツンデレ…」

士郎「どうだい、一緒にお風呂でも」
エリオ「わ、凄い…傷痕だらけ…」

594:名無しさん@ピンキー
08/11/20 09:29:28 eWNTHz2s
>>580
俺は大穴でなのカリがみたい
はやてではなくあえてなのはさん

595:名無しさん@ピンキー
08/11/20 12:35:44 Me6tyXYk
>>570
つまり、

スバル「待たせたね」
ギンガ「まだよ、まだ終わっていない」
ノーヴェ「今日は何日だ」

ユーノ「君も、オタクかい?」
なのは「え!?」(砲撃→狙い撃ち→狙撃→わたし、最後は死んじゃう)
ヴィヴィオ「サニーだよね、ヴィヴィオ、サニーだよね?」(最終回のユーノは何だか保護者みたいだった→義理の○○な関係→最後に死んじゃう)
シャマル「ほ、他に該当する人が・・・・・」(医務官→白衣→ナオミ・ハンター→やっぱり最後は(以下略))

596:名無しさん@ピンキー
08/11/20 12:58:48 JwqvMRnC
>>581
GJ!
もちろん続編はありますよね?
ここで終わるのはキツすぎますぞ。
エリルーの二人がどうなるかもう気になって仕方ないです。

597:名無しさん@ピンキー
08/11/20 13:26:47 aEx6y1xx
>>593
士郎とエリオがどうみても

興<やらないか

598:名無しさん@ピンキー
08/11/20 16:03:59 u+1ZJ6eD
カリムが三十路で、今だ経験なしならとんでもねぇエロが出来そうだw
成人してからの慣らし無しの強い快楽は麻薬に似るって感じw

599:名無しさん@ピンキー
08/11/20 16:24:16 UJ9FNeNQ
>>597
落ち着いてACスレに帰るんだ!

600:名無しさん@ピンキー
08/11/20 17:30:48 xZ8y1klE
以前六課設立の為にヴォルケンが偉い人に体を売ってるって設定で
カリム×ザフィのネタを考えたことがあったけど、カリムが
サイヒ氏の不倫時空純情ビッチカリムの劣化版にしかならなくて頓挫したな
ビッチキャラ難しい……


601:名無しさん@ピンキー
08/11/20 20:49:59 PElxJHio
カリム×ヴェロッサでいいなら書いてみるけど。



602:名無しさん@ピンキー
08/11/20 20:52:59 cAKL6dRD
>>600が書いたのが見たい

603:名無しさん@ピンキー
08/11/20 21:45:47 RgxO87Rm
>>581
GJ!!!
エロありの続編を望んでいるのは自分だけじゃないと信じたい
ルーの勘違いだと言い出せずに魅力に負けてHしてしまうエリオ
その上キャロよりもルーの方が素敵だと思ってしまって、その後も隠れたもう一つの恋愛を…
みたいなストーリーをすごく期待

604:名無しさん@ピンキー
08/11/20 23:28:48 UDpMxFY5
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
                 , ─ヽ
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_   __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/'''  )ヽ  \_________
||__|        | | \´-`) / 丿/
|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\  /   ::::::::::::ゝ/||
────(~~ヽ::::::::::::|/        = 完 =
                   ,.-―っ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                人./ノ_ら~ | ・・・と見せかけて!
           从  iヽ_)//  ∠    再  開 !!!!
          .(:():)ノ:://      \____
          、_):::::://(   (ひ
          )::::/∠Λ てノし)'     ,.-―-、   _
______人/ :/´Д`)::   (     _ノ _ノ^ヾ_) < へヽ\
|__|__|__( (/:∴:::(  .n,.-っ⌒    (  ノlll゚∀゚) .(゚Д゚llソ |
|_|__|_人):/:・:::∵ヽ | )r'        ー'/⌒ ̄ て_)~ ̄__ イ
||__|  (::()ノ∴:・/|::| ./:/         /   ̄/__ヽ__/
|_|_| 从.从从:/ |__|::レ:/      ___/ヽ、_/
|__|| 从人人从 ..|__L_/      .( ヽ     ::|
|_|_|///ヽヾ\ .|_|_     /⌒二L_    |
────       ー'     >ー--'
        巛ノi
        ノ ノ                  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ノ')/ノ_ら      ∧_∧       | いきなり出てくんな!!
      、)/:./、      ( ´Д`)      | ビックリしたぞゴラァ!!!
     )/:./.:.(,. ノ)    `';~"`'~,.       \   ________
     \\:..Y:.(  ・ ''    :,   ,. -―- 、|/
_____ 从\、,. ,; .,、∴';. ・  ( _ノ~ヾ、ヽ
|__|_ _(_:..)ヽ:∴:@)       ノ(゚Д゚ #) )
|_|__|_人):|:・:::∵ヽノ)    (_(⌒ヽ''" `ー'
||__|  (::()ノ∴:・/|::|( \    \ \) )        _
|_|_| 从.从从:/ |__|::|ノ   \  ミ`;^ヾ,)∃        < へヽ\
|__|| 从人人从 ..| /:/ _,,,... -‐'''"~   /ー`⌒ヽ、  (( (゚Д゚llソ |
|_|_|///ヽヾ\ ./:/ _ \        /     /T;)   /~  ̄__ イ
──── ノ (,    \/__/__,ノ|__`つ  ヽ__/
             ´⌒ソノ`
______/   \____
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|_|__|___い 、  , ,ソ_|_|
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||__| 从ヽ-i´ ,_ ,_ 'i-'"_|   / ___ _ _ ___/,イ
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605:名無しさん@ピンキー
08/11/20 23:29:47 UDpMxFY5

                             ヽ、
                  , :<´ ̄ ̄> 、}}ノ
              ー=≠": : : : : : : : : : : : :\
                 /: : : :/: {: : ヽ: ヽ : : ヽ:ハ
               i.: ::{ 斗-ハ: : :}十ト:i :}: :}: :}
               | { :|:Ⅳ示h: :j示Ⅵ j: :|: :l
                    v|八:代り ソ辷リ }/: :i /
                Ⅵ:ヘ  _     } : /′
                 Ⅵヽ. ヽノ   /: /ヘ
                   ヽi{`>- イ´/Ⅳ}<
             /⌒ヽ   /i>く´   }ヘ\}
              {=x ノー ': ,/{/こ)'ヽ/ : l: : :`>: 、.._
           /^こヽ{ : : : / :| ,ハ   ∧: : }: : : : : : : : :`ヽ
             ノ  ヽノノ: : : : >:|/ || /: :`<: : : : : : :/: : : :}
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