☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第88話☆at EROPARO
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第88話☆ - 暇つぶし2ch50:名無しさん@ピンキー
08/11/04 22:31:50 YxLnskio
>>48
出たぞ? 聴きなさいよ。

51:名無しさん@ピンキー
08/11/04 23:10:19 sf9OQ84U
>>48
むしろ主役を食いかねない程の美味しい立ち位置でしたよ?
ティアナから盗んだファントムブレイザー撃ちながら敵陣に突っ込んで、ティアナと背中合わせて軽口叩き合ってるシーンは鳥肌立ったw

52:名無しさん@ピンキー
08/11/04 23:15:17 31q34RAG
>>51
銃使い同士の共闘は燃えるよなw 惜しむらくは映像で見たかったってことだ。

53:名無しさん@ピンキー
08/11/04 23:27:11 wmTGE4LP
一体どこからどう突っ込めばいいのやら……

54:名無しさん@ピンキー
08/11/04 23:30:26 AoL/96+N
狙撃手が、突っ込んだのか。
状況が気になるぜ、狙撃での支援が不可能だったのかな?
あと、ストームレイダーをフルオート連射したのかとか、ヴァイスの魔力が持つかとか心配してしまう。


55:名無しさん@ピンキー
08/11/04 23:43:26 gQ4uyNkM
まあ>>51は嘘なんだけどな。>>52はある意味当たりだけど。

56:名無しさん@ピンキー
08/11/04 23:51:18 t+HWRsdZ
狙撃手が突っ込むって、某マクロスを思い出したじゃないかw
声は違うが、女のために特攻して果てたあの人。

57:名無しさん@ピンキー
08/11/05 00:17:55 T0E0agWG
>>17
GJ!!
個人的にはこれまでとは違った世界感で展開されているし、ワンパターンにはなってないかと思いますぞ
このあとエリオ達が勝ったとしてもそれは完全な勝利ではないと思うのでかなり今までとは違う作風に感じます
作者様は書きたいように書くのが、最も良いと思うし、そちらの方が良作になるかと
まあアンチが湧くのも人気があるからこそだと思います

スバルは大変な思いをしたけど、完全な孤独になっていたわけじゃなくて安心しました
イクスもいなくなったと考えるとぞっとします。それこそ復讐の殺戮機械となって・・・
フェイトさんもかわいそうすぎる・・・そしてエリオも・・・
本当は彼もスバル以上に復讐の気持ちを持っていたと痛いほど感じました
せめてキャロの願った通りエリオがルーテシアとわかりあえる結末を、そしてスバルに安息の未来を願いつつ次回を楽しみにしております

58:名無しさん@ピンキー
08/11/05 10:23:04 CvhWcq8z
スバル一人(イクスもいるけど)で動いてたら、大怪我した時とか大変そうだな、とかふと思った。
戦闘機人の修復なんて、普通の医者にはできないし。

59:名無しさん@ピンキー
08/11/05 12:48:36 xUBpBMdC
倒した機人からパーツを奪って修復にですね

60:名無しさん@ピンキー
08/11/05 13:04:43 uKF/xUE8
↑左腕がやられたら「さよならギン姉…」と言うんですね、分かりますwww

61:名無しさん@ピンキー
08/11/05 13:19:04 xUBpBMdC
>>60
「あぁ、痛いなぁ…これじゃもう使い物にならないや、だから…代わりを探さなきゃね?」
と言いながら笑顔でやられた相手からもぎ取るスバルさん

そしてこのパーツ以外は要らないんだと頭部に振動破砕ですね

62:板垣
08/11/05 15:45:32 IFfqntSp
>>46 「ヴァイス? まだ決めてない」

63:名無しさん@ピンキー
08/11/05 17:19:28 bVWgi9oE
スバル!新しい顔だよ!

64:名無しさん@ピンキー
08/11/05 18:13:41 g6NpryeJ
>>17
キャロにギンガ…
相手を許そうとするエリオと許さないスバル
対称した道を辿る二人がどうなるか気になる。GJ!

65:名無しさん@ピンキー
08/11/05 19:02:14 DWdrOlVq
SSXでの一番の勝ち組はパパ

66:名無しさん@ピンキー
08/11/05 19:30:30 inqMvG9l
>>64
味方に対しては今までと変わらない態度で接するけど
敵に対してはまるで容赦のない殲滅ぶりとか、そんな歪み方っていいよね

67:名無しさん@ピンキー
08/11/05 19:45:22 g6NpryeJ
>>66
エリオもキャロが何も言葉を残せずに死んでしまったり、別次元での二人みたいに互いがいるだけでおかしくなりそうなぐらい幸せで愛しあっていたら…
スバルもイクスがいなかったら…
そうなってたら、スカ側についた人間を全て皆殺しにするぐらい歪んでたかも
でも、そんな話もぞくぞくして目が話せなくなる不思議
ただ100%救いがないのが欠点
そういった意味でまだ二人には幸福になれる希望がわずかながらもある所が今回の世界の見所の一つだと思う

68:名無しさん@ピンキー
08/11/05 20:11:05 05H0JHQp
>>スカ側についた人間を全て皆殺しにするぐらい歪んでた

それはそれで読みたいなぁ。
殺戮マシンと化したスバル。
悪鬼羅刹のエリオ。


69:名無しさん@ピンキー
08/11/05 20:16:34 bDTlbQwo
くそっハッピーエンド大好きな俺は負け組かorz

70:名無しさん@ピンキー
08/11/05 20:56:13 g6NpryeJ
>>69
俺もハッピーエンドの方が大好きだぞ
ただそういう復讐鬼となったエリスバもすごく似合うという事
エリオはストラーダで敵の心臓を貫抜いても顔色一つ変えず、引き抜いた時の大量の返り血で真っ白なバリアジャケットが真っ赤にそまり、崩れ落ちた相手を虚ろな目で見つめる…
スバルは常に暴走状態の戦闘機人モードで相手の原型がなくなるまで相手を殴り続ける…
ハッピー好きでもこういう二人の姿も素敵と思ってしまうのだよ

71:名無しさん@ピンキー
08/11/05 21:04:25 uuLCuajd
レジなのSSのレジィとなのはさんの可愛らしさは異常

72:名無しさん@ピンキー
08/11/05 21:34:16 O+qEmmDG
>>71
同意だぜ。
俺の中ではベストカップルだ。

73:名無しさん@ピンキー
08/11/05 21:49:09 05H0JHQp
 上の流れでスイッチが入った。こんな感じ。二レス分だけね

   1

 世界が僕を苦しめるのなら、僕は世界を苦しめる。
 世界が僕に背を向けるのなら、背中から貫き屠ればいい。
 こんなはずじゃなかった世界を味わうのは、僕だけでなくていい。
 皆が味わえばいい。
 そして絶望の苦悶の中で問えばいい。
 ―世界はこんなはずじゃなかったのに、と。
 少年の涙は、とうに枯れている。否、涙など、流す理由はない。これから流すとすれば、それは歓喜の涙なのだろう。
 全てを奪い去った世界から、全てを奪い取る。そのために少年は槍を握る。
 与えられ、奪われる。奪われ、与えられる。
 太陽と月のように交互に訪れる希望と絶望。
 命を与えられた。父がいた。母がいた。温かい、何不自由のない生活があった。
 誰かが言った。お前はクローンだと。
 名を奪われ、父を奪われ、母を奪われた。冷たい牢の中で辱められ、屈辱を屈辱と感じる心もすり減る日々。
 家族を与えられた。母と呼べる美しい人がいた。妹のような少女がいた。
 誰かが戦いを始めた。少年は、家族を守れなかった。
 美しい人の生首を投げ与えられ、襤褸切れのようにすり潰された少女の亡骸を抱きしめて少年は絶叫した。
 負け犬と罵られ、反逆者だと追われ、獣のように狩りたてられ、屑のような誇りとともに友人たちは散っていった。

 力が欲しい。少年は願う。
 力を得た。少年は、少年であることをやめた。負け犬であることをやめた。
 エリオはその日、復讐者へと生まれ変わった。

 ミッドチルダ南方。
 晴天に雷が轟いた。
 雷をまとった悪鬼羅刹が、世界に宣戦を布告する。否、死刑を宣告した。


74:名無しさん@ピンキー
08/11/05 21:49:58 05H0JHQp
       2

 これがあたしなんだ。
 少女は悟った。
 これがあたしの、本性なんだ。
 父を失い、姉を失い、あらかじめ失われていた母の名を辱められ、少女は吼えた。
 恩師を殺され、親友を殺され、帰るべき場所を奪われ、少女は叫んだ。
 守ると誓った。守れなかった。
 帰ると誓った。帰れなかった。
 一緒にいようと誓った。いられなかった。
 少女には何もできなかった。
 少女は自答する。答えは存外に簡単だった。
 ―あたしは戦うために作られたのだから
 だから、守れるはずなどなかったのだ。
 帰れるはずなどなかったのだ。
 一緒にいられるはずなどなかったのだ。
 それはあらかじめ叶えられるはずのない希望。軸に近づく漸近線のように、無限に近づくことはあっても永遠にたどり着けない希望。
 だったら、戦えばいい。
 守らなくていい。壊せばいい。
 帰らなくていい。進めばいい。
 一緒にいなくていい。自分一人でいい。自分以外は破壊してしまえばいい。
 なんて簡単なことだったんだろう。どうして、気付かなかったんだろう。
 少女は笑う。
 もっと早く気付いていれば良かったのに。
 守るものを作らなければ、壊されることもない。
 帰る場所がなければ、帰ろうとしなくてもいい。
 もっともっと、簡単に、楽に、こんなに苦しまずに生きていけるのに。
 ああ……だったら、もう、これでいいよね。
 スバルはその日、戦闘機人モードを永久に開放した。

 ミッドチルダ北方。
 大地が衝撃に軋んだ。
 大地を震わす殺戮機械が、世界に宣戦を布告する。否、死刑を宣告した。
 

75:名無しさん@ピンキー
08/11/05 21:50:56 05H0JHQp
 以上、お粗末様でした。

 って、SSにもなってないな。

76:名無しさん@ピンキー
08/11/05 21:58:15 inqMvG9l
>>75
なんという…最後は復讐者同士でぶつかり合って終わるんですね

77:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:14:45 0rNlole0
>>71
ウザイ、消えろ。

78:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:19:12 hzI8A0vs
ちょっとお尋ねしますが、アギトの翼と尻尾って、直に生えているか、着脱式のファッションなのかご存知の方はいらっしゃいますか?
その、どちらかで後背位の描写が変わってくる気がするので、宜しければ教えて下さい。

79:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:28:36 09bPkONf
ありゃ身体から生えてるだろ。

80:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:30:30 O+qEmmDG
>>78
ここはやり易いように変えても良いのでは?

81:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:31:53 g6NpryeJ
>>75
言い出しっぺだがここまで書いてくれて本当にサンクス
もう決して救われない二人だけど、決して報われないけど、全て終わって力尽きたあとにはあの世できっと大切な人達と再び暮らせるようになると思う…
B・A氏のストーリーでは哀しき二人の戦士に祝福のあらんことを…

82:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:36:16 inqMvG9l
>>81
「参ったなぁ…あいつらもこっちにいるんだった」
と、言いながら地獄を舞台に復讐劇の第二幕がですね

83:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:39:26 Ly1+skUl
アギトでエロ書こうとすると
真っ先にリインやシグナムが出てきて百合になるのが困る…

84:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:43:22 qivIM234
>>83
力量次第だな
やろうと思えば鮫島さんとだってくっつく
それがパロSS

85:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:52:00 uN7RliAq
>>83
リインⅡの様に身体を大きくできることが前提になるけど、
普通に考えれば、第一候補はゼスト?(但し、ルーテシアをどうするか)
sts本編終了後と考えれば、ゼストと同じ槍騎士という事でエリオとか。師であるシグナムとも縁が深いので話を膨らませやすいと思う
何でも良いなら、sts開始前のゼスト達に保護される前の状況、研究所員に陵辱とかかな・・・?
百合だって別に良いんじゃね?形になるのを楽しみにしてるぜ!

しかし、鮫島はハードル高すぎ。棒高跳びのバーを走って飛び越えるのと同じくらい無理・・・飛べる奴はきっと背中に羽根がある


86:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:54:23 f5aSboci
>>85
アリサがいるじゃないか。

87:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:59:22 fWEktXUI
>>83
アギトとリィンの百合は見たいし想像も出来る
が、アギトとシグナムは想像が……

88:名無しさん@ピンキー
08/11/05 23:01:39 472Q3vEE
>>83
何を困る事がある?
さぁ、百合を書く作業に戻るんだ!

89:名無しさん@ピンキー
08/11/05 23:01:43 1ZaoA9Dr
ふと思ったんだけど、もしもアギトとヴィータが百合った場合はキャラの書き分けできるのか?

90:名無しさん@ピンキー
08/11/05 23:08:49 hzI8A0vs
皆様ありがとうございます、アギトのパーツは直生え路線で行ってみます。
いつぞやのパラレル時空電波妄想のリイン・エリオ・アギトで書いてます。
エロは特に下手糞なので頑張ってみます。


91:名無しさん@ピンキー
08/11/05 23:26:15 g6NpryeJ
>>82
せめて多くの人を悪とはいえ殺したとしても天国に行って幸せになって欲しいな
あ、しかし地獄でもエリスバが再開して今度は力を合わせて悪を裁いていく、文字通りの永久の大切なパートナーエンドみたいでありかも

>>90
もしかしてアルカディア氏ですか?
期待しています

92:名無しさん@ピンキー
08/11/06 03:29:55 JlGPuInH
>>91
むやみに職人さんの名前を出さないほうがいい
万一間違えた場合、書いた名前の職人さんと、間違われた職人さんの両方を不快な思いにさせるから

93:名無しさん@ピンキー
08/11/06 10:58:12 H/WMlF98
「いつぞやの~」とか言ってるから、誰なのか特定できるんじゃねーの?
別に間違われたとしても職人側はm9(^Д^)プギャーとしか思わないってw

94:名無しさん@ピンキー
08/11/06 13:02:54 3xUvz1xY
リイン2とアギトのエロだけど、フルサイズでつながったまま2人が元に戻ったらスプラッタだよな。

95:名無しさん@ピンキー
08/11/06 13:25:03 E2SNS4Mb
オティンティンが圧縮されて潰されるの想像して尻の穴キュッってなった

96:名無しさん@ピンキー
08/11/06 16:18:54 mng4AY0/
>>95
むしろリインとアギトの方が危険なんじゃ……と思ったけど耐久度が
ユニゾンデバイス>おにんにんだと確かにそうなるのか……恐ろしい話だ

97:名無しさん@ピンキー
08/11/06 19:45:09 2XQa9nle
その方法を使いロリコン強姦魔を人知れず退治する必殺仕事人になれるなw
>>82
なのはたちの仇が地獄に着き、数時間に、今まで殺した奴に遭遇し襲われ、戦闘開始になると思いきや、
大音量で謎の警鐘が鳴り響く……冥王一味が来るぞぉ!!という物凄い切迫した叫び、あわてて逃げ始める復讐者たち、
何も知らない到着したばかりの奴らはそこで目にする……数十人規模の首に首輪を付けられお互いがお互いに繋がれた状態で神輿のようなものを担いでいる光景を、
そしてその上に鎮座するは、高町なのはッ!!そのBJは今だ純白、ここに着てから一度とて触れさせず、返り血も浴びない位置から圧倒的な攻撃で虐殺した事を意味する。
地獄の乱世程度、肉体という檻から開放され、常にフルドライブで戦える彼女に収められないはずがなかったッ!!
そして彼女に付き従う、機動六課改め冥王軍は今日も今日とて、地獄に着たばかりの何も知らず大物気取りの愚か者に恐怖を刻み込むのだッ!!って妄想がでた。
地獄に着いた瞬間に、なのはに出会って久しぶりだね……待ってたよって消し飛ばされるのもwww


98:名無しさん@ピンキー
08/11/06 21:23:10 Guagt3FU
そろそろ雑談自重してSS投下を待とうか。

99:名無しさん@ピンキー
08/11/06 22:10:47 Kp1xO4vp
tes

100:名無しさん@ピンキー
08/11/06 22:43:37 n1vkqL+b
ハァハァ ハァハァ ・ ・ ・ ・ ・ う ・ ・ ・ ・ 鬱分が ・ ・ ・ 鬱分が欲しいで ・ ・ ・ す ・ ・ ・ ・

101:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:00:07 TG3NL8Wr
丁度鬱物が書きたくなってきた辺りですが、どの系統の鬱がお好みですか? 書けそうならば読みきりで書きますよー

102:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:01:02 sSevVbSr
どろどろ三角関係。

103:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:18:23 6NIfaqZ0
先生! 人死系の鬱を要求したくなるのはは中二病発症の兆候でしょうか!

104:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:22:30 WKcwcf0V
死で感傷を誘うのはあまり好きではない

105:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:22:37 5NQdEva1
ちょうど本編放送中に、「スカリエッティが完全勝利した世界」で書いてた人がいて
登場人物だいたいみんな死んでて、浮浪者になった爺ユーノが……みたいな話があったが
そういう感じの、「直接鬱々してるんじゃなくて、本編知ってる俺たちだからこそ鬱」みたいな

106:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:28:09 134n9Jui
まぁ人が真でも最後に芽が出ると救われたような話になるけど、欝はその反対だからな

107:ザ・シガー
08/11/06 23:45:52 Guagt3FU
欝が望まれる中、あえてギャグを投下する俺参上。
っつう訳で短めのバカギャグ投下します~。

108:機動六課の男達IN居酒屋
08/11/06 23:47:27 Guagt3FU
機動六課の男達IN居酒屋


その日、機動六課の主要男面子四人、ヴァイス・グリフィス・エリオ・ザフィーラは居酒屋へ行った。
機動六課の数少ない男衆が親睦を深めるという理由もあったが、実際はエリオのちょっとした相談を男同士で腹を割って語らう為である。


「ふんふん、つまりお前は“キャロと仲が良いけど、ルーテシアって子に好きと言われた”と」


エリオの話を反芻しながら、ヴァイスがグラスの焼酎をあおる。
当のエリオは年齢の関係上アルコールは飲めないのでコーラの注がれたコップを手に頷いた。


「は、はい……」
「キャロが好きなら別に迷わず断っちまえば良いじゃねえか」
「でも……そうしたらルーが悲しみますし……」
「そういう優柔不断な態度が一番いけねえんだよ! 男ならバシっと行け! バシっと!!」


酔ったヴァイスはアルコール臭の混ざった息と共にエリオに一喝。
言っている事はもっともだが、酒臭い叫びにエリオは困った表情を浮かべる。
しかしそんな彼に、今度はメガネをかけた美青年が肩を掴み声をかけた。


「いやいや、エリオ君。ヴァイス陸曹の与太話に耳を傾けることは無いよ?」
「なに! グリフィスてめえ! 誰の話が与太話だ!?」
「シグナム隊長やティアナの他にアルトまでキープしているあなたに“優柔不断”がどうのと言う権利があるとでも?」
「ばっ、ばか言うんじゃねえ! お、俺はシグナム姐さん一筋……だよ」


最後の方がどうにも弱弱しくなった言葉にはあんまり説得力はなかった。
酔っ払いを黙らせると、グリフィスは手にしたワイングラスを傾けて血のように紅い雫で喉を潤す。
そしてエリオの肩を掴むとメガネ越しに魔性とも呼べるその瞳で彼を見つめた。


「エリオ君、確かに君がキャロを選べばルーテシアは泣く。これは事実だ」
「は、はい……でもキャロは裏切れないし、だからってルーも泣かしたくないし……」
「うん、そうだね。でもそれなら二人とも選んでしまえば良いんじゃないかな? キャロとの関係はそのままでルーテシアとも付き合ってしまおうじゃないか」
「ええ~!? いや、でも……それって浮気じゃ……」
「エリオ君、“英雄色を好む”って言ってね、優れた男には多くの雌(おんな)を囲う権利があるんだよ」
「ちょ! 待てこらグリフィス! いたいけな少年に歪んだ貞操観念教えてんじゃねえ!」
「それは古い考え方ですよヴァイス陸曹。そもそもあなたが言える義理じゃあないでしょう?」
「な、なんだとっ!」


もうエリオの事を忘れて睨み合う男二人。少年はただおずおずと身を引くしかない。
浮気の是非や男談義で白熱するグリフィスとヴァイスから少し距離を置き、エリオは一人黙々とウイスキー(ストレート)を飲んでいたザフィーラに話しかけた。


「あ、あの……ザフィーラさんはどう思います?」
「ふむ、そうだな……」


盾の守護獣ザフィーラ、いつもは犬(狼)だが今はこうして屈強で精悍な二枚目の姿をしている機動六課の番犬である。
渋くてストイックな彼ならば何か良い意見をくれるのではないか? エリオは淡い希望を持って答えを待った。


「エリオよ、もしお前が真剣に相手と交際を行うのなら、まず相手を良く知らなければならない」

109:機動六課の男達IN居酒屋
08/11/06 23:48:09 Guagt3FU
「は、はい……」


エリオはザフィーラに対する評価を改めた。
今まではただの子守犬程度の認識だったが、やはり最年長の男なだけはある、彼の言葉は重みが違うような気がした。
そしてザフィーラは酒を傾けつつ、少年に言葉を続けた。


「相手の表面上の顔ではなく、内面を良く知り、互いの事を理解しあった上で交際する。それが理想の形だろう。ではどうやったら相手と分かり合えるか、分かるか?」
「えっと……なんでしょうか」
「うむ、それはな……」


ザフィーラはグラスに残ったウイスキーの最後の一滴を飲み干すと、威厳を持った力強い言葉で続けた。


「まず交尾してみる事だな、そうすれば身体の相性が良く分かる」
「ぶ~っ!」


瞬間、エリオは思い切り口の中に含んだコーラを噴いた。
っていうかアレなのか? この犬はつまりはヤリ心地で女を選んでるのか?
人としてはあるまじき事、しかし残念だが彼は人ではなく畜生だった。
そしてエリオは思った、やっぱ犬は犬だと。

こうして機動六課の男達の夜は更けていったとか。
その後エリオが誰の意見を参考にしたかは、また別の話。

終幕。

110:ザ・シガー
08/11/06 23:48:54 Guagt3FU
うん、バカだねすっげえバカ。
思いつきで書いた、後悔はしていない、たぶん。

111:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:58:58 X40eZVuO
ザフィーラァアアアアアア!
貴様なんて選び方を! けだものめ! いや、獣だけどさ(守護獣だ!)
アルフをそんな理由でめちゃめちゃにしているのか! くそ、ウラヤマ―いや、なんて酷いことを!
グリフィスの黒さはやはりシガー氏だとデフォルトか、だがヴァイス、貴様のエロゲー主人公のような状態は許せん!
幸せ生活か! ぁぁん?(嫉妬マ○ク状態)

とりあえずエリオ、説得力はないがヴァイスのアドバイスが一番いいと思うよ。
他のは鮮血の結末がまっている可能性が高いw

面白かったです、GJ!

112:名無しさん@ピンキー
08/11/07 00:06:26 8yB9hWL1
ゲ○ヤ「とりあえず、娘って名目で家族にしちまうって手も……」



     正直すまんかった。

113:名無しさん@ピンキー
08/11/07 00:07:18 4c668Zoj
>>110
GJです!
ザフィーラの意見にグリフィスはきっと大賛成したに違いないですね、これは。

>優れた男には多くの雌(おんな)を囲う権利があるんだよ
いや、その理屈はおかしい。……と一人思ってるヴァイス涙目!

114:名無しさん@ピンキー
08/11/07 00:21:14 KPqM7T6Y
>>110
畜生、俺のコーラを返せw
GJ!

115:名無しさん@ピンキー
08/11/07 01:02:29 N1VBPzlO
ク○ノ「最初に出会った笑顔の似合うあの子もいいけど、次に出会った物静かなあの子もいい
     なんて思ってるうちに、もっと前から近くに居たお姉さん的な年上女性とゴールインしてしまう
     人生は意外性に満ちている」

ユ○ノ「仕事が恋人ですが何か?」

116:名無しさん@ピンキー
08/11/07 01:06:04 KPqM7T6Y
ヴェ○ッサ「血の繋がらない姉に、怒ると怖い教育係、最近では新人のシスターたちが3人もいるね。
       無口な娘とボーイッシュな娘と元気な娘。ああ、忘れちゃいけないのが子狸ちゃんだ。
       あの娘にはもれなく4人の美女が付いてくる。え、犬? 提督さん家に婿養子かな」

117:名無しさん@ピンキー
08/11/07 02:07:28 QpLQitY/
・・・の割には、貴方のSSの主役率はかんなり低いッスね~

>>101
どの系統かぁ・・・・・。恋愛、友情、は問わず人間関係が崩れ去っていくような物が個人的に読んで見たいです

118:名無しさん@ピンキー
08/11/07 02:23:08 19OnmoTw
>>115
義娘がよく来る職場で言われてもなあ

なのは死後、ユーノがオットーと再婚することになり複雑な心境なヴィヴィオ
彼女がとった行動とは

A:あなたになんかパパは渡さない!!ヤンデレルート
B:私のことをちゃんと見てよユーノ君。娘と再婚ルート
C:オットーは私のものなんだからね!!血は争えないルート
D:ちゃんと面倒見てよねパパ♪3Pルート


正解はワッフルの後で

119:名無しさん@ピンキー
08/11/07 02:42:08 laMnc2HQ
>>101
ペンペン草の一本も生えないくらいに
ミッドを徹底的に破壊

そして数百年後
ある魔導師がその地に降り立って、過去の遺産を掘り起こしたら聖王ヴィヴィオ復活
そして芽生える恋


…なんじゃこりゃ

120:名無しさん@ピンキー
08/11/07 02:42:42 KPqM7T6Y
ヴォ○ツ「あれ、俺忘れられている? 職場には美人5人もいるんだが」
カ○タス「SSX知らない人もいますし」
アレ○クス「俺たちなんて」
ラ○ディ「フラグすら立たない」
ギャ○ット「ちょっぴりで良いんで、どこかに出してください」
恭○「リリなの界の悲○感か」

121:名無しさん@ピンキー
08/11/07 03:05:12 kGFc9RTZ
>>118
ちょっと待て

>義娘
ここは笑うところか?

122:名無しさん@ピンキー
08/11/07 03:10:50 kij7aHsJ
>>121
大人の男から見たら、小さい子供なんてみんな息子や娘みたいなモンさ。
懐いてくれてればなおさらな。

123:名無しさん@ピンキー
08/11/07 03:20:22 ov5oFpWE
>>101
Demarcation! Demarcation!

124:名無しさん@ピンキー
08/11/07 04:50:41 HThQV6w5
>>101
たまにはなのはさんが負けて死んでしまう話が読みたい
sts本編中でも三年後とかでもいいから
特定のカプ色とかは一切無しで

125:名無しさん@ピンキー
08/11/07 10:02:59 08XleVkg
つまりレイプされてショック死するなのはさん!?
おまけでヴィヴィオとアイナさんまで…

126:名無しさん@ピンキー
08/11/07 10:57:45 RS52bSzF
ヴィヴィオにチンコ入らないんじゃね? 鎧的に。

鎧のためセクロスできない鋼鉄の処女ヴィヴィオなんて妄想が…

127:名無しさん@ピンキー
08/11/07 11:15:19 Hx0cIYjU
JackyさんやANIMの触手モノのコアなやつみたいに触手でイキ殺すかい?
たとえばこのスレで例えると、ダークフェイトの1話で触手責めがどんどん過激に
なっていって強烈な絶頂負荷でフェイトそんイキ死んじゃったZE、みたいな。

まあオルタみたいに死んでも生き返らせて(または死ねないようにして)
絶望するほど絶頂漬けにしてココロ壊しちゃうってのも面白いけどね。

128:名無しさん@ピンキー
08/11/07 19:30:24 fpT60DAB
病んだはやてが家族を虐待し始め、日々エスカレートしていく肉体的・精神的いじめで
全員レイプ目になって家庭崩壊する八神家とか最高に鬱だと思うんだが、
こんなもん読みたいと思うのは多分俺だけだろう

129:名無しさん@ピンキー
08/11/07 19:52:29 oTIYqoMT
>>105
あああれはいい鬱だったな
も全てが過去のものになってしまっていてどうしようもない感じが特に

130:名無しさん@ピンキー
08/11/07 19:54:13 pCIUOob9
おっとここは鬱パロのスレですか?

131:名無しさん@ピンキー
08/11/07 20:28:19 2dH85fVR
いいえ、ここは凛々狩るなスレです
気を抜くと狩られます

132:名無しさん@ピンキー
08/11/07 20:56:46 mXdY9Oqb
>>41
だいぶ遅れたけど、うpお願いできますか?

133:名無しさん@ピンキー
08/11/07 21:04:45 PnkyYGCr
不穏な事喋ると、ピンクの砲撃をプレゼントされるスレですね

134:名無しさん@ピンキー
08/11/07 21:23:07 6c0wUbli
>>132
URLリンク(www.dotup.org)

そう言えば、最近なのはさんメインのSSって少ない・・・?



135:名無しさん@ピンキー
08/11/07 21:25:20 mXdY9Oqb
>>134
まじサンクス!!

136:名無しさん@ピンキー
08/11/07 21:43:04 3xZ/riPz
>>134
そう言われるとそんな気もするが……じゃあ誰が人気なのかと聞かれると
パッと出てくるキャラがいない
野郎だとヴァイス、グリフィス辺りをよく見る印象があるな

137:名無しさん@ピンキー
08/11/07 21:53:10 gzJb2+3w
>>105
スカ博士逮捕して、円満な感じで六課解散したけど、スバルとギンガを製造した奴らや、
ヴィヴィオを作った奴らが普通に今も非人道的な実験を行っているとか見てみたいな。
数年後に、販売された戦闘特化の完成型エリオクローンや機人の使用によるテロ組織の犯罪が起きたりするとか。
結局、解決には程遠かったので六課は道化みたいな、これだと欝にはならないか。

138:名無しさん@ピンキー
08/11/07 21:56:54 6c0wUbli
>>136
スマン、少ないって程じゃなかったよ
ただ、以前に比べて、スバル、ティアナ、ナカジマ家入りナンバーズ一同の出番が増えた気がしたんだ
なのはさんメインは勿論有る。けど以前に比べてちょっと減った?
フェイトさんは相変わらず。エロでも非エロでも多い

男性陣だと、鬼畜眼鏡が定着しつつあるグリフィスが異彩を放っている。というところ?
しかし出番で言えば、相変わらずエリオが一番多い。ヴァイスもちらほら

SSXの影響か、3期勢が以前に比べて比較的元気が良い。ような気がする。反面、1期2期勢が少々減速気味?
いつぞやみたいに、スレ内での各キャラの趨勢事情とか出ないかな?


139:名無しさん@ピンキー
08/11/07 21:57:33 N82R0H/R
相手がスカでさえなければ、簡単に取り締まれそうな気がするしなぁ。



140:名無しさん@ピンキー
08/11/07 22:10:55 2dH85fVR
>>138
職人さんによってジャンルやキャラに守備範囲があるように思うんだが、
更新がはやい職人陣に、野郎メインで書くのが得意な御仁が多いから相対的に見ると、少なく見えるんじゃないかと愚考。
あとは前、結構なペースで投下してた6B~氏が休眠してんのもそう見える一因かもしれん

141:名無しさん@ピンキー
08/11/07 22:14:09 61JqloBL
どうでもいいけど雑談自重

142:名無しさん@ピンキー
08/11/07 22:15:02 btGyrryp
スカだから取り締まれた気もするが…

ふと、思ったんだがヴィヴィオやスバルを作った組織以外に戦闘機人って
簡単に造れなさそうな気がする。そうなるとなんかなぁーって思う。

それよりもフェイトが保護した児童がフランクイェーガーみたく変な組織に
売られるor拉致されて、フェイトと戦うことになるってのもなかなか鬱な気が。

143:名無しさん@ピンキー
08/11/07 22:20:44 BaYCTBy+
まぁいいじゃん、以前ほどのペースじゃないし

144:名無しさん@ピンキー
08/11/07 22:30:38 piQ44JTB
>>110
GJ!!!
ザフィーはエリオに動物達の中では強い者は複数の妻をめとって子を産ませると教えるべきだった
グリフィス&ザフィーの意見、その二つをエリオが参考にすれば完璧だったのに
でも失敗するとキャロの目からハイライト消えそうなのが欠点だな

145:名無しさん@ピンキー
08/11/07 22:57:31 mvUzhaW0
>>142
引き取られた先がミカエルの眼みたいなところでとかか?

146:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:07:30 KPqM7T6Y
>>140
男なんで女性主観は難しいです。


147:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:10:11 N82R0H/R
………いや、それはさすがに…

148:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:11:29 pCIUOob9
女性の気持ちになるんだ

149:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:12:07 HThQV6w5
>>146
俺も男だけど、そんな事は無いと思う

150:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:13:29 61JqloBL
雑談自重

151:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:15:59 Hx0cIYjU
都築は書けるらしいな>女の気持ち
とらハの時に声優さんに驚かれたらしいし

原作なのはとか見事に少女漫画やってたしな

152:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:18:34 maeoRUUs
都築さんは女だし

153:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:20:06 b67VwtbB
>>110
この後フェイトさんの手によってザフィグリヴァはちょっと頭冷やそうかですね。
とりあえずエリオはザフィー案でキャロルーとも妊娠させてしまえばいいと思うよ!
Gj!

154:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:22:53 gzJb2+3w
>>145
うわ、それフェイトは絶望に陥るんじゃない?
クロススレだと、フェイトが保護した子供達は全てスカ博士のところで戦闘できるように強化改造されて、
その部隊の双璧がエリオとキャロだった。隊長はエリオだったかな?

聞きたいんだが、雑談は、やっぱり控えるべきなのかな?物凄い自分勝手な考えになっていたらすまないと、先に謝罪する。
雑談というか、ちょっとした個人の脳内妄想を書き込んで、それがネタというか、少しのアイディアになったりはしないだろうか?
ただ、何事も程々だっていうのはあるけど。

155:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:38:37 HThQV6w5
>>151
というかプロなら大抵書けるんじゃね?
女主人公書いてる人なんて珍しくないしね
ってか素人でも女性主観書いてる人はいっぱいいるでしょ、百合とかも多いし

>>152
都築は日替わりで性別が変わるんだっけかそういえば
NanohaWikiには普通に男と書いてあるがw

156:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:40:25 N82R0H/R
こういう流れになるたびに、やっぱしたらば辺りに避難所いらないかなって思うんだけど。


157:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:41:25 BaYCTBy+
>>140
職人さんのパラメーターが頭に浮かんだけど自重した

158:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:43:58 +oMGPfeh
>>156
理由を聞こうか

159:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:44:15 laMnc2HQ
いらんよ>したらば

いつものこのスレなら投下で埋まるもの
たまたま雑談が目立ったからってそういう場所を安易に作ると
住人が分散するぞ

160:名無しさん@ピンキー
08/11/07 23:48:22 N82R0H/R
最大の理由は、プロバイダのせいでアク禁されることが多いからなんだけどね。
すまんね、個人的な理由でw

161:名無しさん@ピンキー
08/11/08 01:34:32 RSLpaTOy
クロフェイの本番中にうっかりお邪魔しちゃってフェイトの
悪ふざけで引きずり込まれるティア、とか言ってみたりする…

いやなんか、この三人の絡みと右往左往するティアが急に読んでみたくなった

162:名無しさん@ピンキー
08/11/08 01:46:55 7NdKNBAk
引きずりこまれたその一回でクリティカルヒット、ギスギスする上司&部下ですね

163:B・A
08/11/08 02:33:30 Uj2OgFE8
誰もいないようなので投下します。



注意事項
・非エロでバトルです
・時間軸はJS事件から3年後
・JS事件でもしもスカ側が勝利していたら
・捏造満載
・一部のキャラクターは死亡しています
・一部のキャラクターはスカ側に寝返っています
・色んなキャラが悲惨な目にあっています、鬱要素あり
・SSXネタもあります、未聴の人は気をつけて
・主人公その1:エリオ(今回、出番なし)
     その2:スバル
・タイトルは「UNDERDOGS」  訳:負け犬
・スバルはひたむきなわんこで悪いこと、酷いことはしないって思っている人はスルーした方が良いかも。

164:UNDERDOGS 第三話①
08/11/08 02:35:04 Uj2OgFE8
正く死闘であった。
洗脳された姉は手強く、打ち込まれる拳は機械のように正確だ。姉と戦うことに迷いがあったとはいえ、
敬愛する師匠に鍛えられた技と魔法は悉く打ち破られ、容赦なくこちらの命を狩ろうとしてくる。
必ず姉を救い出すと誓ったはずのスバルも、一度は絶望に屈しかけた。
だが、相棒の言葉が折れかけた心を奮い立たせた。
苦しむ誰かを救うために魔導師になった。その理由を嘘にしないでくれというマッハキャリバーの訴えが、
倒れるはずだった体に再び力を漲らせたのだ。

『いくよ、ギン姉』

完全に迷いを捨て去ったスバルは、持てる力の全てを姉へとぶつけた。基礎トレーニングで培った頑強さ、
体で覚えたコンビネーション、勝利するという意志が込められた魔力付与攻撃。今まで学んできた全てを駆使して、
姉の立つ頂へと上り詰めていく。しかし、それでも足りなかった。力も技も魔法も、一つとして彼女を上回れない。
経験値の差がそれを許してくれない。どのような奇跡を起こそうと、その差を埋めることなどできなかった。
だから、スバルは残された唯一のチャンスに賭けた。ギンガはシューティングアーツを教えてくれた師だ。
彼女の弟子である自分の目にはその動きがハッキリと焼き付いており、土壇場で姉が人体のどこを狙ってくるのかがわかる。
故に、彼女に残された最後の希望は真正面から攻撃を受け止め、紙一重のカウンターを叩き込むことだった。

『一撃・・・必倒!』

『・・・!?』

打撃力は互角、しかしバリアブレイクは僅かにギンガが早かった。
繰り出される高速の螺旋。眼前に迫る死の一刺し。
その一撃が己を捉える刹那の瞬間を見切り、皮一枚を切らせて相手の防御を突き崩す。
その先にあるのはがら空きの胴体、そしてその内で禍々しい輝きを放つ旧き結晶を、スバルは確かに垣間見た。

『ディバイン・・・・バスタアァァァァッ!!』

渾身の砲撃が撃ち込み、スバルは辛うじて勝利をもぎ取ることができた。
熾烈な戦いで体のあちこちが軋みを上げており、人工皮膚が剝がれて剥き出しとなった機械が所々でスパークしている。
お気に入りのバリアジャケットも血だらけでボロボロだ。それでも、スバルは自分が師との約束を果たせたのだと安堵した。

『ギン姉・・・・・』

『スバ・・・・ル・・・・・』

『ギン姉、意識が・・・・・・・』

『スバル・・・・っ!?』

ボロボロの体を引きずりながら、ギンガは後ろへと這っていく。そして、近づこうとしていたスバルを大声で制した。

『ダメ、来ないで!』

『ギン姉!?』

『私の中のレリックが、爆発する・・・・・スバル・・・・すぐに逃げて!』

『そんな・・・ギン姉、今助けに・・・・』

『いいえ、あなたは死んではダメ・・・・さよなら、スバル』

『ギン姉!!』


165:UNDERDOGS 第三話②
08/11/08 02:35:41 Uj2OgFE8
制止を無視して踏み込んだ瞬間、スバルは水色の壁にぶつかって尻餅を着く。
マッハキャリバーが自動詠唱したプロテクションにぶつかったのだ。
直後、膨大な魔力が渦を巻き、ギンガの体が内側から膨れる様に破裂して大地を震撼させるような大爆発が起きる。
大好きだった姉は、そうしてこの世から去っていった。





「ギン姉!?」

飛び跳ねる様に毛布を蹴飛ばし、飛び散っていく姉へと手を伸ばす。だが、手は虚しく空を切るばかりで何も掴めない。
視界に飛び込んできたのは瓦礫で埋もれた町並みではなく、半ば風化した石造りの壁と、乾いた地面で小ぢんまりと
毛布に包まっているイクスの寝顔だった。
冷静さを取り戻した思考が、ここが3年前の廃棄都市区画ではなく仮眠を取るために潜り込んだ無人の廃屋であることを理解していく。

「また、あの夢・・・・・」

3年前のあの日から何度も見ている悪夢。イクスと出会い、1人ではなくなってからは長らく見ていなかったのだが。

(何かの前触れかな、これ)

不快な汗を手で拭い、呼吸を整える。近くの川から漂う湿った空気が心地よくて、萎えた気力がいくらかマシになった。
スバルはこの3年間、単身でスカリエッティを追いかけていた。奴は基本的にゆりかごにこもりきりだが、
ごく稀に地上を訪れることがある。通信では済ますことのできない用事、例えば自分が手がけた作品の最終チェックなどを行うためだ。
故にスバルはミッドチルダのあちこちを放浪し、関係のありそうな施設に潜入して情報を集めている。
無論、非人道的な研究を行っているそれらの施設は例外なく破壊してきた。人助けを夢見て魔導師になったはずが、今では立派なテロリストだ。

《お目覚めですか、相棒》

「マッハキャリバー? うん、おはよう」

《随分とうなされていましたが、またあの夢を?》

「うん。長いこと見てなかったから、ちょっとショックが大きくて」

《お辛いようでしたら、次のミッションは延期しましょう。お体への負担も溜まっていますし、最低でも後半日の休養を推奨します》

「駄目、予定通りこれからしかける。2時間眠れただけでも十分だよ」

《相棒・・・・・》

頑なな主の言葉に、マッハキャリバーはこれ以上忠告しても意味はないと察して沈黙する。
彼女の頑固さは筋がね入りだ。今更、自分が進言したところで改めることはないだろうし、頑固じゃない彼女は彼女ではない。

「ごめんね、マッハキャリバー。こんなことに付き合わせて。お前はこんなこと、本当はしたくないよね」

《相棒、私はあなたのバディです。あなたが私のことをそう呼んでくれた時からずっと。だから、これからもずっとあなた共にいます》

「けど、マッハキャリバーが言っていたお前が造られた理由、あたしはちっとも果たせていない」

《信じています。また、あなたが誰かのために走れる日が来ることを。それまでは、代わりに私があなたの命をレスキューします》

「マッハキャリバー・・・・・うん、ありがとう」

そのためにも、必ずスカリエッティを倒さねばならない。それから先、自分がどうなるのかは、またその時に考えるしかない。
今はまだ、考えるのではなく行動する時だ。



166:UNDERDOGS 第三話③
08/11/08 02:36:19 Uj2OgFE8



廃屋での仮眠を終えて一時間後、準備を済ませたスバルは行動を開始した。
イクスは戦闘能力が皆無なため、潜入活動をする時には足手まといにならぬよういつも安全な場所で待機してもらっている。
今回の場合は、休息を取った廃屋である。あそこは街や潜入する施設から離れていて、周りには隠れられそうな岩や茂みがたくさんあった。
訳あって逃亡生活を続けていたイクスは危険を察知して隠れるのも上手いため、待機させておくには絶好の場所だ。
もちろん、保証はされていないので不安がないと言えば嘘になるが、数ヶ月も一緒にいればすっかり慣れてしまった。
連絡用に通信機も持たせてあるし、いざとなればウィングロードを使って最短距離で駆けつけることができる。

『・・・・あー・・・・あー・・・・聞こえていますか、スバル?』

「よく聞こえています。通信機の感度、バッチリですね」

『はい』

マッハキャリバーから聞こえてくるイクスの声は、鈴の音のようにハッキリと聞き取ることができた。
彼女に持たせた通信機はクロノ達と離反する際にちょろまかしてきた物で、発信機も兼ねた優れものだ。
かなりの遠距離まで電波が届く上、落としても水に漬けても壊れないようにできている。

『ではスバル、参りましょう』

「了解、ミッションを開始します」

通信を切り、スバルはゆっくりと頭上の蓋を押し空ける。
最初に見えたのは剥き出しのパイプと数字が刻まれたコンテナだ。人の姿は見えないが、足音らしきものが聞こえる。
それが遠ざかるのを待ってから、スバルはそっと潜り込んでいたコンテナから音もなく忍び出た。
物資に紛れての潜入。古典的な手だが、施設の規模自体が大きいので運び込まれる物資の量も多く、
また荷物のチェックはコンピューターによるID方式を採用しているのでコンテナの奥底に隠れれば誤魔化すことも難しくはない。

「潜入成功です」

『言う必要もないことですが、できるだけ見つからないように行動してください。そこはかなり規模が大きく、警備も厳重です。
いくらスバルでも、全部を相手にはできません。発見されればアウトです』

「わかっています。サポート、よろしくお願いしますね」

『任せてください』

イクスの頼もしい言葉に、スバルは苦笑する。まるで、機動六課にいた時のようだ。
自分が前線で戦い、状況に応じて隊舎からの情報支援が行われる。さながら、今のイクスはロングアーチだ。
実際、イクスの知識が役に立ったことは多い。古代ベルカ時代の生まれであるため、ロストロギアや質量兵器に詳しいのだ。
突っ込んだ専門的な知識までは把握していないが、機械の動かし方や銃器の扱い方は彼女に聞けば一通りのことがわかる。
余り褒められたことではないが、彼女のおかげでスバルのテロ活動は非常にやりやすくなった。

(さて、位置的にここは西側の倉庫か。外から見た時は出入り口は正面の大きな扉だけだったけど・・・・・・・・まずいな、見張りがいる)

怪物の口のように開けられた出入り口の左右に、警備用のガジェットⅢ型が2体、鎮座している。
ここからは見えないが、奥の方でまだ誰かが物資の積み下ろしをしているようだ。
そこでスバルは索敵用の魔力球で周囲を探り、隅っこの方でコンテナに張られたラベルの確認をしている作業員を見つけると
足音を忍ばせながらそっと背後に忍び寄って首筋に手刀を叩き込んだ。そして、気絶した作業員を抱きかかえて物陰に引きずっていき、
身につけている衣類や身分証明書を頂戴する。大柄の男性だったので多少、作業着のサイズが合わなかったが、そのおかげで胸の膨らみが目立たなくて済みそうだ。

167:UNDERDOGS 第三話④
08/11/08 02:37:09 Uj2OgFE8
(そういうことだから、ごめんね)

下着一枚になった男の手足を拘束してコンテナの中に隠し、スバルは堂々と正面の出入り口から倉庫の外へと出ていく。
警備用ガジェットがジッとこちらを睨んできた時はさすがにヒヤッとしたが、作業着の胸のIDを認識して本物と誤認したのか、
特に何をするでなく元の位置に戻っていった。





結果から言うと、この施設にはスカリエッティはいなかった。
ただ、丸っきり収穫がなかったわけではない。北の研究棟で行われているある研究が上手くいっていないこと、
そしてその研究のために1騎の融合デバイスが先週からこの施設に連れて来られたということがわかった。
スバルの知る限り、管理局が保有する融合デバイスは2騎しかなく、うち1騎は元上官であるシグナムと共に
管理局を離反している。ならば、ここにいるのは担い手を失った彼女である可能性が高い。

『では、ここにあなたの元上司が?』

「ええ、いると思います。自主的になのか、無理やりなのかはわかりませんが」

恐らくは、後者だろう。彼女は八神はやてと共にゆりかごに突入し、そのまま帰って来なかった。
てっきり死んだものと思っていたが、どうやら研究用に生かされていたようだ。

「相棒、ここの端末からダウンロードしたプラントの地図を出して」

《All right》

空中に投影された仮想ディスプレイに地図が表示され、現在地に光点が灯る。
今、自分がいる兵器製造棟はプラントの東側にあり、一般作業員が立ち入り禁止となっている区画は北側に密集している。
怪しいのは大型試験場に隣接された建物だ。先週から警備が厳重になり、ロストロギア関連の研究者が頻繁に出入りしているらしい。
双眼鏡で確認したが、窓には鉄格子が嵌められていて周りには有刺鉄線が張り巡らされている。
あれは侵入を防ぐためというよりも、脱走を防ぐためのようなものに見える。

『変わりませんね、いつの世も』

「イクス?」

『管理局は、その融合デバイスの少女を使って何か善からぬ企てをしているのでしょう?』

「確証は・・・・ありませんが」

『古代ベルカでは、人体操作技術は王族の特権でした。王は国の矢面に立って国土を守り、戦場では先陣を切って敵兵を倒す。
ですが、そのために陰で多くの命が失われていきました。国のため、民のためと非道な実験を捕虜や犯罪者に重ね、
そうして培ったデータを基に王は我が身に処置を施す。平和や繁栄を求める陰には常に歪みがあることは事実です。
それは否定しません。しかし、古代ベルカと今のミッドは・・・・・・』

「同じ道筋を辿っている?」

『スバル、争いは一方通行ではありません。我々がナイフをかざせば敵は銃器を持ち出し、我々が魔法で身を守れば、
今度はAMFと戦闘機人でそれを打ち破ろうとしてきます。軍拡競争に終わりはありません』


168:UNDERDOGS 第三話⑤
08/11/08 02:38:00 Uj2OgFE8
「ミッドと・・・・・・管理局と同じことが、他の世界でも起きると?」

『わかりません』

通信機の向こうで、イクスの声が消沈する。
古代の戦争を生き抜いた彼女の言葉は重く、スバルは反論することができなかった。
彼女の言うように、戦う相手が強大になれば抗うためにより大きな力が求められる。
今、下のベルトコンベアで運ばれている兵器の数々も、直に旧式となって新しいものに取って代わられるだろう。
たった1人の男の欲望が波紋となって、世界中に広がった。その結果が、今の混沌とした繁栄だ。
その時、踵が地面を蹴る甲高い音が左右から同時に響いた。即座に音の反響から位置を割り出したマッハキャリバーが警告を発する。

《警告、何者かが近づいてきています。この反応は、戦闘機人です》

(見回り!? まずい、ここには隠れられるところがない!)

スバルが息を潜めているのは人気のない渡り廊下に通じている階段の踊場だ。一歩前に踏み出せば遮蔽物のない通路があり、
階段を降りれば大勢の作業ロボットが居並ぶ作業場に出ることができる。廊下側から見回りが来ている以上、逃げ道は下しかない。
だが、間の悪いことに複数の人間の話し声が下からも聞こえてきた。

「やれやれ、館内禁煙は辛いぜ」

「安全のためらしいが、喫煙所くらい造れってんだ。何が悲しくて隠れて吸わなきゃならないんだか」

「見つけたのは俺なんだ、みんな感謝しろよ。それと、絶対に火災報知器鳴らしたりするな」

最悪だ。警備用ガジェットなら奪った作業着のIDで切り抜けられるかもしれないが、人間の目までは誤魔化せない。

(強行突破? ううん、まだ騒ぎを起こすわけにはいかない。何か、何か考えないと)

『落ち着いて、スバル。まだ彼らが来るまで少し時間があります。何か、役立ちそうなものは周りにありませんか?』

「そんなこと言われても、こんな綺麗な・・・・・廊下・・・・・・に?」

そっと足を退けると、数本の煙草の吸殻が落ちていた。それと同時に遠くから微かに聞こえるファンの音。
跳ね上がりそうになる心臓を必死で宥めながらその音を辿ると、壁の高い位置に設けられた排気ダクトがそこにあった。
階下から聞こえた男達の会話から察するに、彼らはここでこっそり煙草を吸う気でいるようだ。
確かに、ここなら立ち上った煙は排気ダクトを通じて外部へと流れていくので火災報知機を鳴らしてしまう可能性は低い。
意を決したスバルは即座に排気ダクトに被さっている網を取り外し、持ち前の腕力で壁をよじ登ってダクトの中に潜り込む。
そして、見回りや作業員達が来る前に内側から網をもう一度取り付け、外れないように接合部を魔法で溶接しておく。
直後、3人組の男達がその真下にやって来て、気だるそうに愚痴を零しながら煙草に紫煙を立ち上らせた。

(間に合った・・・・・・)

ホッと胸を撫で下ろし、男達に気づかれる前にダクトの奥へと進んでいく。地図と照らし合わせてみたところ、
このダクトは目当ての研究棟の方まで伸びているようだ。ダクト内は狭い上に胸が邪魔をして進むのに苦労するが、
誰かに見つかることはないので自由に動くことができる。戦闘機人であるスバルは視覚の設定を少し弄るだけで暗闇にも対応可能だ。
そうして500メートルほど進んだところで、スバルは新たな排気ダクトを発見した。
位置的に研究棟の西部、大型実験施設のすぐ近くだ。外に出て見回りと鉢合わせなどという間抜けなことにはならないように、
倉庫の時と同じくサーチャーを先行させて様子を探る。そして、付近に人気がないことを確認すると、
入った時と同じように網を破壊して外の廊下へと着地する。瞬間、マッハキャリバーが通信の着信を告げた。

《相棒、通信です》

「通信? イクスから?」

《いえ、周波数が違います。彼女ではない》

「・・・・逆探知、できるね」


169:UNDERDOGS 第三話⑥
08/11/08 02:38:39 Uj2OgFE8
《お任せを・・・・・・繋ぎます》

空中に仮想ディスプレイが展開される。しかし、画面は砂嵐で何も映らない。
聞こえてきた音声もノイズだらけで非常に聞き取りにくかった。

『・・・スバル・・・・ナカジマ・・・・・・』

「・・・・そうだ」

『うまく切り抜けられたようだな。君が排気ダクトに潜り込まなかったら、俺が騒ぎを起こして引きつけるつもりだった』

(見られていた?)

『故あって、君と協力したい。彼女を助け出したいんだろう?』

「どうしてそれを!?」

『そんなことより気をつけろ。君が今いるところには、赤外線センサーが仕掛けられている。触れれば警報が鳴る仕掛けになっている。
サーモグラフィは持っているかい?』

「持っていない。視覚の設定を弄れば見えるかもしれないけれど、やり方までは知らない。明暗を調節できるくらいだ」

『なら、デバイスに赤外線視認の術式を送ろう。エリアサーチで応用できるはずだ』

「あんた、いったい・・・・・・・」

『彼女は今、実験施設にいる・・・・・・・・スバル、これからは俺が君を守る』

そこで一方的に通信が切られてしまう。逆探知の結果、通信は施設内から送られてきたようだ。
会話の内容から、さっきの兵器製造棟にいるのかもしれない。ひょっとしたら、それよりも前から見張られていた可能性もある。

《相棒、送られてきたデータは確かです。モニターに表示します》

再び開いた仮想ディスプレイには、通路を縦横無尽に走る赤外線が映し出されていた。
均等に配置されずに数本が斜めに重なるように伸びており、通り抜けるのはかなり苦労しそうだ。
赤外線に引っかからぬよう、サイズの合わない作業着を脱いで身軽なインナー姿になってからスバルは実験施設へと続く通路を進んでいく。
こういう苦労をする度に、スバルはどうしてこんなことをしているのかと自分を責めたくなってくる。
人助けをするために管理局に入ったはずだ。
誰かの力になるために、どこかで泣いている子の涙を止めるために、魔法の力を身につけたはずだ。
なのに、どうしてそれとは正反対のことを自分はしているのだろう。
そんな答えの出ない自問を繰り返しながらも、スバルは赤外線の網を潜り抜けていく。そして、最後の1本を潜ったところで、
緊張の糸が途切れてその場に座り込んだ。

『抜けましたか?』

「ええ、何とか。イクス、さっきの通信をどう思いますか?」

『こちらの周波数を知っていた、というのが気になります。と言っても、公共の電波なので傍受自体はできなくはありませんが』

「ひょっとしたら、もっとずっと前から見張られていたのかも。イクス、そっちに敵の気配は?」

『今のところは大丈夫です。スバル、とにかく今は彼女を救出するのが先決です。
実験施設はそこの角を左に曲がったところですね、出てきたところを待ち構え・・・・・・・・・・・・・』

イクスが言い終わる前に、耳をつんざく様なサイレンの音が響き渡る。警報が鳴ったのだ。


170:UNDERDOGS 第三話⑦
08/11/08 02:39:20 Uj2OgFE8
「どうして、赤外線には触れていないのに!?」

『スバル、まずいことが起きた。彼女が逃げ出したようだ。追っ手を引きつれてそっちに向かっている』

「トラブルメーカーなところは相変わらずか。わかった、こっちで確保する」

『こちらは脱出の準備をしておく。彼女を確保したら右に逃げるんだ。そこの壁を破壊すれば、すぐに外に出られる』

駆け足の音と小さな少女の悲鳴が耳に届き、スバルはバリアジャケットを展開して壁際で息を潜める。
そして、身長30cmくらいの銀髪の女の子が視界を横切ると通路に飛び出し、
彼女を追いかけていた4人の戦闘機人に飛びかかった。突然の乱入者に驚いた彼女達は、ほんの一瞬だけ反応が遅れてしまう。
その隙にスバルは左フックを一番前の戦闘機人に叩き込み、ローラーが通路を滑る勢いのまま右ストレートを2人目の顔面に打ち込む。
驚愕から覚めた残りの2人も装備しているガンナックルを向けてくるが、それよりもスバルが蹴りを叩き込む方が早かった。
まとめて2人を吹っ飛ばし、通路を跳ねたところで追撃の拳を真上から叩き込む。強烈なその一撃は易々と2人の腹部を貫通し、
迸る水色の光が内部から肉体を粉々に粉砕する。

「痛・・・・・・」

軋みを上げる右腕を押さえながら、返り血で汚れた右腕を持ち上げる。
振り返ると、不安げにこちらを見つめる少女の視線があった。
リインフォースⅡ。かつての上司、八神はやてが所有していた融合デバイスにして彼女の大切な家族。
そして、機動六課の前線司令としてスバルを始めとする前線メンバーを統括する役目を担っていた少女だ。

「お久しぶりです、リイン曹長」

「スバル・・・・殺しちゃった・・・ですか?」

「ええ、壊しました」

淡々と告げられた言葉が、逆に恐ろしさを醸し出していた。
言うならば、青白く燃える高温の炎。もしくは痛みを通り越して熱さを感じさせるまでに冷え切った氷のようだ。

「何も、殺さなくても・・・・・・・」

「量産型は機能を停止させない限り、何度だって立ち上がってくるんです。ほら、こんな風に!」

振り向き様に拳を握り、背後からリインに飛びかかろうとしていた戦闘機人の頭部を打ち砕く。
強靭な肉体を誇る戦闘機人といえど、全身を統括しているのが脳であることに変わりはない。
頭部を失った戦闘機人は人形のように体を硬直させ、そのまま動かなくなった。

「もうこの人は人間じゃない。人間の心は全部消されて、ただ生かされているだけの死体。
壊してあげなきゃ、痛みも感じない闇に囚われたままなんです」

スバルのような生まれつきの戦闘機人と違い、後天的に肉体を機械化した人間は自分が変わってしまったことにショックを受けて精神を患うことがある。
人間にとって、自己とは生まれてから共に育ち、最も身近に感じてきた己の肉体までを指すのである。心だけでは人は生きていけない。
機械の体というアイデンティティを持たない者は大多数が機械であることに耐えられず、精神崩壊を起こす。
開発初期はそのようなことが度々起こったのだそうだ。そのため、量産型戦闘機人は薬物やサイコセラピーで自我を消去し、問題が起きるのを防いでいる。
それは同時に、彼女達が人間としての最低限の尊厳すら失ってしまったことを意味している。

「壊さなきゃ・・・・壊してあげなきゃ、この人達は解放されない」

「けど、元々は人間だったんでしょう!?」

「・・・・・・」

リインの言葉が研ぎ澄まされたナイフのようにスバルの心を抉る。
そんなことは言われなくてもわかっている。わかっているが、どうしようもないのだ。
どんなに頑張っても、救えないものはある。助けられない命はあるのだ。


171:UNDERDOGS 第三話⑧
08/11/08 02:39:52 Uj2OgFE8
「リイン曹長、話は後です。脱出を・・・・・・!」

脱出しようと言いかけた瞬間、スバルは形容し難い悪寒を感じた。
魔法や機械的なセンサーが反応したのではない。研ぎ澄まされた五感と第六感。
実戦の中で培われた経験則が、大気を引き裂きながら迫るエネルギー弾を察知したのだ。

《相棒!》

「リイン曹長、伏せて!」

跳躍と着弾はほぼ同時だった。飛来したエネルギー弾は通路に反射して弾け、夏の夜の花火のように儚く消えていく。
キュルキュルとローラーが地面を擦る音に、スバルは血管の中の血液が沸騰したかのような錯覚を覚えた。
忘れたくても忘れられない。暗闇の中から現われたのは、燃えるような赤毛と禍々しい金色の双眸。
3年前にギンガを連れ去り、蹴りを交わらせた仇の1人。

「やっと会えたな、タイプゼロ・セカンド」

「・・・・戦闘機人・・・・ナンバーズ・・・・・」

「まだ名乗ってなかったな。ナンバーズが9番、“破壊する突撃者”ノーヴェ。お前をぶっ壊す奴の名前だ!」

宣言と共に、ノーヴェの右手に装着されたガンナックルから無数の高速直射弾が連射される。
広範囲にばら撒くように撃ち出されたガンシューターは牽制だ。まず相手の動きを封じ、隙を作らせてから必殺の一撃を叩き込む。
あまりにも教本通りな攻撃。だが、それをわかっていながらもスバルは防御を選択せざる得なかった。彼女の後ろには、
度重なる実験で疲弊しているリインがいる。

「くっ・・・・・彼女は、研究材料じゃなかったのか!?」

「はっ、失敗した研究の素材なんざ必要ねぇ。ドクターから廃棄処分のお達しも貰っている」

「失敗・・・・・・」

「あいつら、戦闘機人に融合デバイスを持たせられないか研究していたです。けど、機械の部分が多い戦闘機人じゃ相性が悪くて、
成果が出なかったんです」

「そういうことだ。だからまとめてぶっ潰れろ、セカンド!」

ノーヴェの足のジェットエッジに火が灯り、高速回転から繰り出された強烈な回し蹴りがスバルの張ったプロテクションを蹴り砕く。
3年前とは比較にならない強力な一撃。パワーもスピードも、あの時より格段に向上している。だが、それは何も彼女だけではない。
必殺を賭して繰り出された蹴りは、スバルの左肘で受け止められていたのだ。高速回転するブレイクギアは触れたものを全て粉砕する
魔のうねりだ。だが、スバルはそれが自身を捉える前にノーヴェの足の甲を肘で押さえ、蹴りが命中するのを防いだのである。

「何を勘違いしているんだ・・・・・・・・」

地獄の底から響く様な低い声で、スバルは宣告する。

「破壊されるのは、お前の方だ!」

瞬時に攻防が入れ替わり、迫りくる拳を蹴りの反動を利用してノーヴェは回避する。
すかさずスバルはマッハキャリバーを走らせ、カートリッジをロード。全身に循環する魔力をリボルバーナックルの内部に集中、
軋むように火花を散らすナックルスピナーによってその威力を増幅させ、引き金の引かれた実弾デバイスの如く拳を振り上げる。

「リボルバァァァァァシュートッ!!」

ナックルスピナーの回転から撃ち出された真空の渦がノーヴェの脇腹を掠める。
破壊力こそ乏しいが、衝撃波によって広い範囲を攻撃できるリボルバーシュートは狭い通路でこそ真価を発揮する。
だが、大気を引き裂いたリボルバーシュートはスバルが意図したものよりも遙かに小さかった。
本来ならば通路の半分をカバーできるほどの衝撃波が、まるで扇風機の風のように弱々しい。
そのため、深手を負うはずだったノーヴェの体は横腹をほんの少し削られただけで済んでいる。
そこでスバルは気づいた。自分の体に重く圧し掛かる重圧感を。

172:UNDERDOGS 第三話⑨
08/11/08 02:40:59 Uj2OgFE8
(これは・・・・まさか・・・・・)

「ここがあたしらの息がかかった施設だって忘れたか? 特盛りのAMFだ、身動きすら取れないまま潰されちまえ!」

「・・・・腕が重い、それに息が・・・・・・」

魔力の結合を阻害するAMFにより、スバルのリンカーコアはごく簡単な魔法を行使するだけでも負荷がかかって魔力が削られる。
まるで重い荷物を背負わされたまま何十キロもマラソンをさせられたかのような疲労感に、全身の細胞が酸素を求めて暴れ狂う。
そんな呼吸すらままならない状態のスバルに、ノーヴェは容赦のない蹴りの連打を放った。
右から、左から、流れるような動きでスバルを狩りたて、ジェットエッジの餌食にせんと迫る。
体に鞭を打って何とか攻撃を搔い潜っていたスバルは、その動きにどこか既視感を覚えた。
まともに戦ったのは僅かに1回、それもごく短い時間だけだ。当然、彼女の戦い方はほとんど記憶に残っていない。
なのに、今の彼女の動きを自分は知っている。いや、頭ではなく体で理解している。
この動きは、シューティングアーツだ。

「どうしてシューティングアーツを!?」

「違うな、こいつはブレイクライナー。あたしのISだ!」

暗闇に黄色のレール“エアライナー”が走り、その上をノーヴェは疾走する。
咆哮を上げるジェットノズル。噴射推進によって加速したノーヴェはそのまま跳躍、ブレイクギアの回転によって
圧縮されたエネルギーをジェットエッジの先端に集め、スバルの胴体目がけて解き放つ。

「リボルバーキャノン!」

「・・・!」

紙一重で身を捩り、攻撃を回避する。ノーヴェのキックが打ち込まれた壁は杭打ち機でも打ち込まれたかのように陥没しており、
まともに食らえば機械の体を持つ自分でも一たまりもない。

「避けるなよ・・・・イラつくだろ。3年前にお前にやられた傷がさ・・・・・足が疼くんだよ・・・・・
お前を壊せって、煩いんだよ!」

「恨みならこっちにもある。お前は、ギン姉を傷つけた」

「チンク姉を傷めつけてくれたよな、お前」

「だったら・・・・・・」

「恨みっこなしだ!」

同時に駆け出した2人の拳が激突する。
唸りを上げる魔力と戦闘機人エネルギー。零距離でぶつかったリボルバーシュートとガンシューターが空間を震わせ、
それを合図に両者の拳と蹴りが苛烈な応酬を開始する。どちらもクリーンヒットすれば一発で相手を打ちのめすことができる
威力を秘めて攻撃。それがぶつかっては弾け、互いに決め手に欠けるまま2人はもつれ合うように壁に激突する。
丁度、スバルがノーヴェの上に覆い被さる形で。お互いに関節を決めているので身動きが取れず、攻撃もできない。

「・・・何で、そんなに動けるんだ」

「忘れた? あたしだって、お前と同じだ!」

スバルの青い瞳が見る見る内に金色へと染まり、腕に込められた力が増していく。
戦闘機人モード。普段は意図的に封印しているスバルの奥の手、いや真の姿と言っても良い。
悪鬼の如きその形相は、相対しているノーヴェと瓜二つであった。


173:UNDERDOGS 第三話⑩
08/11/08 02:41:47 Uj2OgFE8
「し、しまっ・・・・・・この態勢は・・・・密着していたらまずい・・・・・・・」

水色のテンプレートが展開すると共に、スバルの手から不可視のエネルギーが放出される。
それは接触しているノーヴェの腕へと流し込まれ、金属がぶつかり合うかのような軋みが腕の中で木霊する。
あろうことか、ノーヴェの腕は掴まれている場所から少しずつひびが入り始めていた。
これがスバルの保有するIS“振動破砕”。四肢の末端から振動エネルギーを流し込み、
共鳴現象を起こすことでありとあらゆるものを破壊する対機人能力だ。例え体がどれほど頑丈にできていようと、
これを前にすれば一瞬の内に破砕される。

「この・・・何て、力だ・・・・放れねぇ・・・・・」

「砕け散れ、振動破砕」

「くぅ・・・・間に合え!」

振動エネルギーが肩に到達する寸前、ノーヴェは手首を捻ってガンシューターを連射、自らの肩を撃ち抜いて左腕を吹き飛ばし、
その衝撃でスバルの攻撃から逃れる。スバルの振動破砕は強力ではあるが、接触状態で一続きのものしか効果が現れない。
このまま何もせずに殺されるくらいなら、腕を失ってでも生き延びてみせるという覚悟がノーヴェにはあった。

「お前・・・・・」

「これくらい、お前を殺れるんなら軽いもんだ!」

スバルの拳に、若干の躊躇が生まれる。
強がって見せているが、今のノーヴェは息も絶え絶えでまともに戦う力は残っていないことは明白だった。
完全に振動エネルギーを流し切れなかったとはいえ、スバルの振動破砕は命中した瞬間から効果を発揮する。
接触した場所を中心に、放射状に広がった共鳴現象は外装だけでなく体内の骨格や内臓にまで及ぶため、
見た目以上にダメージは大きい。ノーヴェの場合は腕から共鳴現象が起きたのでまだ意識はあるが、
もしも胴体に打ち込まれていれば一撃で機能不全の起こしていただろう。
そんなボロボロの状態でありながらも、ノーヴェはまだ戦おうとガンナックルを向けてくる。
だが、直射弾は発射されない。スバルの攻撃で発射機構が壊れてしまったのだ。
立ち上がることもできず、戦う術もない。彼女の完全な敗北だ。後は、自分が止めをさすだけである。
その時、傍観者に徹していたリインがノーヴェを庇うようにスバルの前に立ち塞がった。

「どいてください、リイン曹長」

「ダメです。スバルはこの娘を殺すの嫌がってます」

「あたしが?」

「この娘が自分の腕を吹き飛ばした時、攻撃する隙はいくらでもあったのにスバルは攻撃しませんでした。
だって、この娘には自我があるから。自分の意思で、スバルに怒りをぶつけてきたから、スバルはこの娘を殺すことに
躊躇したんです。自分で考える力があるなら、まだやり直せるかもしれない。そんな風に考えているからです」

「あ、あたしは・・・・・だって、こいつは・・・・ギン姉の・・・・あたしは・・・・・」

振り上げた拳が行き場を失い、やがて力なく下ろされる。
リインが言っていることもあるが、スバルには彼女を攻撃できないもう1つの理由があった。
ノーヴェは言っていた。自分が彼女の姉を傷つけたと。それは姉を失い、スカリエッティを憎んでいる自分と同じだ。
自分があいつを憎んでいるように、彼女も自分を憎んでいる。無意識に彼女と自分を重ねて見てしまったことで、
スバルの戦意は失われてしまったのだ。


174:UNDERDOGS 第三話⑪
08/11/08 02:42:40 Uj2OgFE8
「いつまで時間をかけている? 手間取り過ぎだぞ、ノーヴェ」

凛とした声が天井に響き、弛緩していた空気が再び張り詰める。

「ノーヴェをここまで追い込むとは、さすがはタイプゼロ。それともテロリストのスバル・ナカジマと呼ぶべきか」

「チンク姉!?」

「相手を過小評価するのはお前の悪い癖だ。下がっていろ、今度は姉が相手をする」

現われたのは長い銀髪を下ろした小柄な少女だった。右目を黒い眼帯で隠しており、その口調は歴戦の戦士を思わせる風格がある。
本能的にスバルは感じ取った。今の自分では彼女に勝てないと。3年前は感情の暴走もあって何とか引き分けに持ち込むことができたが、
今はノーヴェとの戦闘で疲弊している上にリインも守らねばならない。勝率は極めて低いと見て良い。

(どうする? アレを使えば隙くらいは作れそうだけど・・・・・・)

ここに来るまでに、スバルはプラントの要所に無線式の爆弾を仕掛けておいた。
生憎と探索のできた南方のみだが、それでも施設内に混乱を起こすには十分だ。
だが、これは一度きりしか使えない最終手段であり、失敗は許されない。
そう思った正にその時、プラントの北側から走った大きな衝撃が建物全体を揺さぶった。

「なっ!?」

「こ、これは!?」

《相棒!》

「・・!」

これを好機と直感したスバルは、2人が揺れに驚いている隙に自身がしかけた爆弾の起爆スイッチを入れる。
北と南の両方から襲いかかった衝撃は地震のように大地を揺るがせ、耳障りな警報が鳴り響く。
その隙にスバルはリインを連れて反転し、眼前の壁を目がけて拳を振りかぶる。
マッハキャリバーによって拳周辺に圧縮された振動エネルギーはナックルスピナーの回転によって加速し、
先ほどとは比べものにならない爆発的な破壊の渦へと昇華されていく。

「振動拳!」

轟音と共に特殊合金の壁をぶち抜き、スバルとリインは施設の外へと飛び出す。
後方からチンク達も追ってくるが、機動力ではスバルの方が上だ。だが、外に出た途端、目の前に広がる凄惨な光景に、
スバルはおろか後ろの2人までもが言葉を失った。


                                                     to be continued

175:B・A
08/11/08 02:46:24 Uj2OgFE8
以上です。
明らかに本編のスバルがしないことをしています。
スバル好きな人には本当に申し訳ない。
お詫びに短編でエロを書こうと考えてはいるけど今のところネタはなし。
上で少ないと言われたなのはにするか、スバルで書くか、きっとそのどっちかかな。

176:名無しさん@ピンキー
08/11/08 02:51:26 RSLpaTOy
>スバル
スカに捕まってポッド内でなす術なくエロ洗脳とか?
機械責めと触手責め。

177:名無しさん@ピンキー
08/11/08 02:53:46 a64PgOMT
せっかくだから氷付けとか石化とかにっちな属性で

178:名無しさん@ピンキー
08/11/08 02:58:11 RSLpaTOy
イッた瞬間に意識覚醒させたままそれで固定する?
ごくまれに見るネタだけど。

179:名無しさん@ピンキー
08/11/08 04:17:49 XgkcRj5j
>>175
GJ!!
スバルはかわいいわんこだけど、それは周りに家族や仲間がいるからそのままでいられるんだと思う
もしも周りから大切な者を奪われたらきっとこんな感じに他者を噛み殺すことに躊躇しなくなる
本当にイクスやリインがいて良かった

180:名無しさん@ピンキー
08/11/08 07:09:44 /ViUNR7c
>>175
GJ!
半分は自分のせいで最愛の姉が爆死したら変わってしまうのは無理もない…
そうなったスバルと冥王陛下がどうやって心を通わせたかも読んでみたいかも

181:名無しさん@ピンキー
08/11/08 10:59:06 GS7TZ8Mu
最近、なのはさんのエロを見ないね、確かに。

182:名無しさん@ピンキー
08/11/08 12:35:22 unxztagG
>>181
少女じゃないし…

183:名無しさん@ピンキー
08/11/08 13:12:47 XjcYiDgk
>182
魔法女リリカルなのは?
語呂が……

184:名無しさん@ピンキー
08/11/08 14:05:46 FHGL9S3f
そういう下らん話題はいらん

185:名無しさん@ピンキー
08/11/08 14:25:58 BqJ78pW0
>>175
乙です

このスバルの変貌を見たとき、何と言うルイスハレヴィとおもわず思ってしまった。
でもそんなスバルの止めるリインがいい感じですね。
これはこれで面白いなと思いました。

186:名無しさん@ピンキー
08/11/08 15:26:10 dzsfQYWp
昔から機人は怒らせると超怖いって決まってる
ソースは今は無きボンボン

187:名無しさん@ピンキー
08/11/08 16:36:26 XpH4QLKX
「怒る!」

「それは機人じゃなくて超人機」

188:名無しさん@ピンキー
08/11/08 17:24:41 rkGRFWB3
>>110
GJ!!
ヴァイス案で真面目に生きるか、グリフィス案で鬼蓄に生きるか、ザフィーラ案でスケコマシに生きるかまさしくエリオの人生の境目だな
お勧めは当然グリフィス案で行こうか

>>175
GJ!!
普段は脳内お花畑のスバルだけど家族失ったら、こうなってしまうのは仕方がない事か…
本編でギンガが大怪我負った時以上の苦しみと憎しみを抱いてる以上、その負の連鎖から抜け出す事は無理にも思える


189:名無しさん@ピンキー
08/11/08 19:42:36 GAoYegnT
GJ!!です。
スバルの能力はやっぱり規格外w
機人を殺す為に作られた機人としか思えないwww


190:名無しさん@ピンキー
08/11/08 22:03:49 wUeoL4C/
GJです。

・・・・・・ですが、なんでとっ捕まったリインの犯られるシーンがないんだ!?

191:名無しさん@ピンキー
08/11/08 22:07:28 lgIOKB8G
前にキャラスレで生まれた電波を投稿してようか質問したものです。
投下しても大丈夫ですか?

192:名無しさん@ピンキー
08/11/08 22:13:34 ckQV9dfu
さぁこい

193:名無しさん@ピンキー
08/11/08 22:23:03 lgIOKB8G
ありがとうございます。
カプはエリオ×フェイト×オリキャラになります。
オリキャラなんか認めないという方はスルーしてください。
エロはちょっとです。

タイトルは「第三の風」になります。

194:新たなる祝福の風
08/11/08 22:28:57 lgIOKB8G
時空管理世界ミッドチルダ
数年前に大規模な次元犯罪があったものの、今現在は失礼な言い方ではごく小規模の事件しか起こっておらず、
世界は表面的ではあるが平和を維持していた。
ここ港湾地区でも犯人グループと局員らしき少年が捕り物劇を行っている。

少年―歳は13前後だろうか赤髪に青の瞳、防護服であるバリアジャケットは下茶のハーフパンツ、
上は赤のインナーに白のコート。 手には身の丈と同程度の槍を持っている。
「あなた方にはデバイス不正使用による強盗容疑が掛かっています。今からでも間に合います、
自首をすれば弁護の余地も与えられるはずです。デバイスを捨てて投降してください。」
「お前1人でか?なめるなよ。」
男逹はデバイスもこちらに向けて構え、抵抗の意を示す。投降する気はさらさら無いらしい。
「わかりました。投降の意思が無いものとして実力で拘束します。……行くよライア!!」
「あぁ、 やっと出番か、さっさと片付けるぞ。」
 エリオの後ろに1人の女性が現れる。髪は長い銀色で瞳は黄色、
少しつり上がった切れ目がやや攻撃的な印象を与える。
リインフォースⅢ(ドライ)、それが彼女の名だった。
彼の為だけに生まれたユニゾン・デバイス。

「行くよライア!!」
「今日は新記録を出せよ。」
「「ユニゾン・イン!!」」
エリオの身体がまばゆい光に包まれる。光が消え去った時、そこにはユニゾンによって姿を変えた以前より逞しくなったベルカの騎士が立っていた。
瞳と髪は薄い朱色へと色を変え、バリアジャケットもコートがノースリーブになり軽量化が図られ、
よりスピード重視の攻撃的なスタイルを思わせる出で立ちだった。
「行きます!」
……戦闘は10分も経たない内に終わった。エリオのスピードに反応が追い付かない男逹は1人、
また1人とデバイスを破壊され魔力ダメージでノックアウトされていった。
今は全員の身柄を管轄元である陸士隊へ引き渡したところだった。
「お疲れ様でした、モンディアル捜査官。」
「いえ、こちらこそご協力ありがとうございます。現場の事後処理よろしくお願いします。」
現場担当の陸士と別れると、エリオは彼のユニゾンデバイスであるライアと共に報告書作成の為に、
今の所属先である隊舎へ自分にとって二人目の相棒であるライアと話ながら向かった。

195:新たなる祝福の風
08/11/08 22:29:32 lgIOKB8G
「なかなか様になってきたじゃないか。隊集団戦の基礎は大丈夫みたいなだな。」
「そうかな?だったら嬉しいかな。」
「だが、現状に満足するなよ。シグナムやおまえの母親にはまだまだ遠く及ばないんだからな。」
「わかってるよ。常に精進。でしょ?」
「あぁ、それよりも次の模擬戦はいつだ?この前の相手はつまらなかったからな。」
また始まったとエリオは思った。彼女と初めてパートナーになった時からの口癖がこれだった。
話に似たとは言わない。しかしライア誕生のきっかけを作った彼女の影響を受けたのはごく当然のことなのかもしれない。


ライアが誕生したのは約1ヶ月ほど前になる。久しぶりシグナムとエリオが再会したときの模擬戦がすべての始まりだった。
エリオの成長を感じたシグナムが融合騎をパートナーを持つことを提案し、エリオ本人もさらに上を目指すためにこれに同意した。
早速シグナムが主であるはやてに相談して八神家の新しい末っ子が生まれることとなった。
今まで末っ子だったリインフォースⅡも「これで私もお姉ちゃんですぅ。」と凄い喜び様だったのを覚えている。

 末っ子誕生について男の子にするか女の子にするかでひと悶着があった。
男性の知り合いが少ないエリオと八神家唯一の男であるザフィーラは男の子を主張、一方ヴィータとリインは妹がいいと言って譲らなかった。
論戦は白熱したが、結局一家の主であるはやてと「自称 主婦」であるシャマルが判断をくだすことになった。


結果は女の子


それについてエリオが尋ねるとシャマル曰く「少年にはお姉ちゃんが必要なの」と意味不明なことを言われ、
はやては「エリオやったらお兄ちゃんよりお姉ちゃんのほうが面白そうやん」と言われた。

複雑な気持ちのエリオだったが、今となってはライアがお姉さんで良かったと思っている。
母親であるフェイト、妹のような存在であるキャロだったが、自分には姉に当たる人はいなかった。
なのでライアが姉であることは八神家だけでなく自身にとっても家族が増えたようで嬉しかった。
シグナムはただ一言「将来の楽しみが一つ増えた。」と嬉しそうに話していた。
それを見たヴィータが
「シグナムのバトルマニアは死んでも治らねぇよ。歴史が証明してる。」
とエリオにこぼしていたが彼自身はただ苦笑するしかなかった。


196:新たなる祝福の風
08/11/08 22:31:08 lgIOKB8G
真夜中の隊舎、廊下に靴の音が染み込むように静かに聞こえる。
音の主はエリオ・モンディアル捜査官補、キャロと共に転属した自然保護隊の元を離れ、今はミッドチルダ陸士隊でお世話になっている。

何故陸士隊に入ったのか?
元々エリオ本人は六課解散後、フェイトの補佐をするつもりでいた。しかし、フェイトにはキャロと一緒にいてほしいと言われてそれを受け入れた。
別にキャロのことが嫌いというわけではない。むしろキャロ本人が「私もエリオ君と一緒に行きたいな」と自分に伝えてくれたときは嬉しかった。
しかし、後で考え直してみるとキャロには周囲の環境が目まぐるしく変わる本局勤めよりも、アルザスの穏やかな環境のほうがキャロ本人には合っていると思い、
一度、フェイト・キャロ・エリオの三人で話し合いをした。結果、キャロはアルザスに戻ることに……。
ただ、「私やエリオと一緒にいたいって気持ちが強くなるみたいだったら、一緒に暮らそう。それまではもうちょっと頑張ってみようか?」と
母親であるフェイトは言ってくれた。

その時の光景は今も忘れない。

解散の時に泣きじゃくるキャロを自身も泣きそうな顔を何とかこらえてキャロを慰めているフェイト。
それを見たときに自分たちは本当の家族になれたという実感をあらためて再認識できたエリオは、体の中に何か温かいものができた感覚を覚えた。
淡く穏やかでいて温かい何か、それがすっと胸の中からじわりじわりとにじみ広がって来る。
頭まできたそれは目と鼻の奥を熱くさせて、外へと内面の感情を露わにする。
それが恥ずかしくて周りの同僚や先輩にばれないように顔をうつむかせていたが、後で少しも隠せていなかったことが分かり再び羞恥が沸き起こったりもした。
そこでもまた弄られて、ふて腐れてしまったのもいまでは良い思い出だ。
後で想い直してみると、それが世間一般で言うところの「家族に絆」、「家族の繋がり」といった類のものだったのかもしれない。


「どうした? どこか痛むのか?」
その声で感傷の世界から現実へと引き戻される。顔を上げれば、自分の相棒が心配そうにこちらを見ていた。
「え?……どうして?」
「どうしてってお前が泣いてるからだろ」
そう言われて目元に手をやると指先には水滴が付いていた。どうやら思い出の中に居た間、現実の自分も同様に泣いていたらしい。
「医務室に寄ってくぞ。まだこの時間ならやってるだろう」
「大丈夫。ただちょっと思い出してただけ」
「そうか?ならいいんだがな……」
「……」
「何だ?」
「ううん、そんな顔してくれたの久し振りだったから。あと、心配してくれてありがとう」
「別に構わんさ……ただつらい事があれば私を頼ればいい。パートナーなんだからな」
そう言って彼女はエリオの頭を優しく撫でる。顔には慈母のような笑みを浮かべて……

こんなに優しい顔も普段や戦うときには刃物のような鋭いものへと変わる。そのギャップに多少ドギマギしながらエリオは自室へと続く廊下を歩いてゆく。
時刻はもうすぐ深夜をまわろうとしていた。


197:新たなる祝福の風
08/11/08 22:33:59 lgIOKB8G
そんなことをしているうちに自室へ着くと、安心したせいか疲れが一気に体に圧し掛かってきた。さっさとシャワーを済ませてベットに潜り込む……が、
疲れているにも関わらずエリオはなかなか寝付けなかった。
(フェイトさん、キャロ……会いたいよ……)
寂しくならないようにと二人のことはあまり考えないようにしてきたが、先ほどの思い出が頭から離れない。
(考えてみたら六課での一年間、それより長くフェイトと一緒にいれた時間がなかったっけ。)
幼い頃は長くても一週間、別れても引きずることはなく、次に出会える日を楽しみにしていたものだった。
ただ、つらいこと、嬉しいこと、楽しいこと、色々なことをフェイトやキャロ、六課のメンバーと関わることで経験してきた。
あれほど濃密で長い時間を過ごした後だと、ついついあの時が恋しくなり引きずってしまう。
(こんな僕じゃ駄目なんだけどな……でも中々ふっ切れないし)
自己嫌悪に陥りながらも明日にそなえて頭の中をシフトするためにも再び瞼を閉じる。
「眠れないみたいだな……一緒に寝てやろうか?」
心配していたらしく、いつもより少し小さめの声で彼女が訪ねてくる。一瞬、いいのかなと頭の片隅で考えるが、彼女の優しさに甘えることにした。
「ありがとう。甘えさせてもらおうかな」
「今日は素直だな?いつもそうならいいんだがな」
その端整な顔に笑みを浮かべて皮肉を述べながら、ドライは意識を集中させていく。
「ユニゾン……イン……」
彼女がエリオと一体になる。
「精神リンクすれば少しは和らぐだろう。明日も早いんださっさと寝ろよ」
彼女の温かさを感じてリラックスできたのかエリオは少しずつ眠りの海に落ちて行った。





エリオは目を覚ます。そこは自分のベッド、目の前には何故か全裸のフェイトがいて自分に微笑みながら何かを言った。
「おいで……エリオ……」
声は聞こえなかったが、そう言った気がした。そして自らの意思とは関係なしに体が動きフェイトの胸へと手を伸ばす。気づけば彼女の胸を揉んでいた。
「エリオ上手だよ。その調子でお願い」
まただ、声は聞こえないのにフェイトの喋っている言葉が聞こえる。聞こえるというよりは直接頭、脳に響いてくる。
そんな感じがして、今もフェイトの声が頭の中に木霊する。
「んぁ……く……ふぁ。もうつ……次に、エリオストップ!!」
「え……」
自分の口から残念な声が漏れる。我に返り彼女の胸に夢中になっていたことを振り返る。どうやら自分もおかしくなってきたらしい。
いつもなら全力で拒否するはずなのだが、今はそんな気になれなかった。むしろ早く続きがしたくてたまらない。
そんな葛藤の最中にもフェイトは太腿を広げる。そこは白い靄がかかって何も見えない。それなのにそこは強烈にエリオの視線を惹きつけて離さなかった。
「次はね、ここにエリオのそれを挿入れて欲しいんだ」
それを聞いた瞬間、エリオは己の欲望を最優先にしてフェイトの秘所に自分のモノを挿入れる。するとどうだろう、今まで体験した事のない感覚が全身を駆け巡る。
思わず目を閉じた。

198:新たなる祝福の風
08/11/08 22:35:21 lgIOKB8G
夜中、ライアは目を覚ますと共に自らが感じているおかしな感覚に疑問を感じた。
「あ……くぅ……」
声が漏れ、体の奥が熱く疼いている。何事かと思い周りを見ると、主も同じ感覚らしく苦しそうに息をしていた。
「そういえば精神リンクしてたんだったな……」
ひとりごちながら考える。この感覚は何なのだろうか?確かに苦しくはあるが同時に温かく心地良いものがある。
「そんなことよりもこいつのほうが先か」
ドライは汗で濡れた主の頬をひと撫ですると、精神リンクの度合を最大に引き上げると意識を同調させて深層意識に入り込んでいく。
意識に潜り込んだ彼女の目の前には、お互いに顔を赤らめ裸で見つめあう我が主とその母親の姿が。
汗で光る身体を艶めかしく動かして行為におよぶ二人を見ていると、下腹部が熱くなるのを感じ、両手は無意識のうちに自らの胸へと当て動かし始める。
「ふぁ……ん、んぅ……」
幼き主の行為を見て自慰に浸る淫らな融合騎の姿がそこにはあった。
ドライは思考する。
自分はいったいどうしてしまったのか? 守るべき存在を対象に自らを慰めている。いけないこととわかっていながらも手はとまらず、
さっきまで胸を揉んでいたうちの左手は熱く潤った秘唇をいじり始めている。ラインに沿ってなぞり、時々中に指を少しだけいれてみる。
「ダメ……なのに……こんなこと……で、でももぅ……っと欲しい」
なぞる指を早める。自然と指の往復する距離は長くなり陰核に指が触れる。
「ひゃっ!!……ハァハァ……。すごい……こ、こんな……っ」
胸に当てていた右手も股に移す。太ももを撫でながら秘所に進み右の指で膣をかき回し、左の指は陰核をいじる。
飛びそうになる意識をこらえ、さらなる快感を求める。だが、主の肉棒が母親の中に入るのを見た瞬間、あれだけ昂っていたのに寂しさが心に渦巻き自然と手も止まる。
変わりに主と一つになった母親、フェイトのことが羨ましいと思う気持ちが滲み出てくる。どうして私はフェイト・T・ハラオウンではないのか?
「嫉妬しているのか私は?主の母親であるというのに……」
自覚したことで気持ちはさらに強くなる一方だ。エリオとフェイト、一つになった快感に打ち震えながら目をつむる主。
その表情を見た刹那、エリオを求める自らの身体は自然と動き出す。精神リンクを利用して夢の中に侵入、信号を操作してフェイトと自分の存在を置き換える。
後は主と一つになるだけだ、彼女はその想いに支配された。そして目を開いた愛しい主を見つめてこう思う、まずは宣戦布告だ。
「今からお前は私の物だ、私だけの……」
そのまま唇に口づける。今までの寂しさ、虚無感が嘘のように無くなって変わりに言葉にできない満足感が彼女を満たしていった。

199:YW
08/11/08 22:44:54 lgIOKB8G
以上で投下終了になります。
タイトルを急に変えてすみませんでした。なんかぱっとしなかったのでつい
今のがぱっとしてるかというと微妙ですが……
初投下でオリキャラでエロという無謀をやってしまい、ちょっと不安です。
フェイトさんがいてとても助かった。やっぱ女神です。
一応確認はしましたが、誤字脱字があったらすみません。

HNはYWにしました。
アドバイス、ダメ出しがあればよろしくおねがいします。


さいごにキャロが誤変換でKY炉と出て妙に納得してしまったのは内緒

200:名無しさん@ピンキー
08/11/09 00:10:50 +L01v5JM
投下大丈夫ですか?

201:名無しさん@ピンキー
08/11/09 00:15:35 5JwViHXA
おこk

202:名無しさん@ピンキー
08/11/09 00:15:52 cB+fdnAy
無問題

203:野狗
08/11/09 00:17:21 +L01v5JM
魔法少女リリカルなのはIrregularS 第四話です。(全十三話予定)

捏造まみれです。要注意
SSX前提の設定があります。
あぼんはコテで

レス数16


204:野狗
08/11/09 00:17:59 +L01v5JM
      1

 遊撃隊フォワードメンバーは、エリオの騎竜フリードを警戒している。
 何故かというと、噛まれるからだ。怪我をするほどではないけれど、とっても痛い。
 ちなみに今のところ、隊内で噛まれているトップはダントツでウェンディである。二番手にはノーヴェが続いている。
 ルーテシアはまだ噛まれたことがない。

「それじゃあ意味がないのよねぇ……」

 どこかでキャロが、溜息をついた。


 エリオがルーテシアを隊長補佐に指名したときには、周囲に色々と言われた。その一年前にキャロと結婚していなければ、もっと言われただろうと本人は思っている。
 しかし、結婚しているからこそ色々言われたのだとは全く気付いていない。実際の所はそうなのだけれど。
 そこから派生したのが、今ではルーテシア本人まで自称している「隊長の現地妻」である。
 それを最初に言い始めたのは誰だかわからない。ちなみにエリオ自身ははやてを疑っている。
 少なくとも、キャロの耳に入ったのは称号ができてからかなり早い時期だったらしい。そこでキャロは、騎竜としてエリオに従うことにしたフリードに言い聞かせた。

「もしエリオが浮気したら、その相手を噛んでいいよ。むしろ噛みなさい。たっぷりと。丹念に。がじがじと。むしゃむしゃと。痛く痛く」

 当初は、やたらスキンシップをするウェンディがほぼ毎日噛まれていた。
 あれは浮気じゃないッス、とのウェンディの根気強い説得をフリードは理解した。そして次に噛まれたのはノーヴェ。
 あれは格闘訓練。とノーヴェは説明する。スバルも一緒に説明したのでフリードは落ち着いた。
 それなのに本命であるはずのルーテシアは、まだ一度も噛まれていない。これについては、隊員たちも不満を隠そうとしない。
 噛まれていない理由としては、
 一、ガリューが怖い説。
 二、ルーテシアが上手く隠している説。
 三、エリオが噛むなと命令している説。
 四、白天王が怖い説。
 五、ルーテシアがとっても怖い説。
 の五つが今のところ有力である。ちなみに、浮気をしていないとは誰も思っていないらしい。

「いいから一度噛まれてください。隊長補佐」

 そして全員の嘆願を、ルーテシアは無視し続けている。



魔法少女リリカルなのはIrregularS
第四話
「悔い改めよナンバーズ」

205:野狗
08/11/09 00:18:39 +L01v5JM
     2

 客が待っていると言われ、キャロは自然保護局の出張事務所に顔を出す。
 その客を見た瞬間、なんでこんなところに? とキャロの疑問。

「どうしたの? エリオ。休暇だっけ?」
「あ、キャロ。いや、偶然近くに部隊を展開させることになってね。空いた時間に顔を見に来たわけさ」

 出会ったときに比べるとかなり精悍になった夫の雰囲気。
 勝利の数だけ誇らしく、敗北の数だけ逞しくなった姿。それでも、自分に向けている微笑みは全く変わっていない。

「やっぱり、単身赴任は寂しいよ」
「ルーちゃんやスバルさんたちがいても?」
「チンクたちもいる。でも肝心のキャロがいない」

 うふふ、と嬉しげに笑いながらキャロは尋ねる。

「お昼ごはんは済ませたの?」
「いや、まだだよ。隊の方には外で済ませると言ってきた」
「じゃあ、一緒に食べようか」
「ああ」
「その前に」

 キャロはなにやらごそごそと、何かの作業をしている。

「どうしたんだ?」
「ちょっと、喚んでみたの」

 羽ばたきの音。振り向いたエリオに見えたのは、事務所の前に着地する巨大な鳥。

「この地方に生息している巨大鳥でね。名前はサルトゥール。フリードに劣らない戦闘力だよ」
「どうして、こんなのを?」
「乗せてもらうのよ」
「なるほど。ああ、済まない。フリードは本部にいるんだが、僕が乗るわけにはいかないんだろう?」
「フリードがいないことは何となくわかってたよ」

 キャロはケリュケイオンを掲げる。

「それで一つ質問。貴方、誰?」

 エリオは笑った。

「エリオ・モンディアルだけど、どうしたの? キャロ」
「うん。別に、名前はどうでもいいんだ。貴方が私の夫のエリオでないことはすぐにわかるから」
「だけど、エリオなんだよ」

 エリオの笑みは消えない。しかし、何かがその奥で蠢いている。今のエリオはそれを隠そうともしていない。
 キャロはデバイスを動かさず、しかし視線が揺れる。

「まさか?」
「いやいや、最初のエリオは死んでるよ、それは間違いない」

 エリオはさらに笑った。

「だって僕は、三番目だからねぇ」

 衝撃とともに室内を烈風が襲う。
 一瞬目を背け、次にキャロが見たものは……。首を撥ねられた巨鳥と、禍々しい紅に染まった槍を構えるエリオの姿。

「僕のデバイスだよ。名付けてストラーダ・ローヴェン」

206:野狗
08/11/09 00:19:21 +L01v5JM
           3

 チンクはちらりとルーテシアを見た。この状況でも、一瞬の隙をついた転送魔法で逃げることはできる。未知の場所への転送は不可能だが、
ヘリの置いてある場所は当然わかっているので転送可能だ。
 ところが、そのタイミングを待っていたかのようにルーテシアが言う。

「今、インゼクトたちが教えてくれた。ヘリが破壊された」

 これでは、転送先がない。ヘリを最初に調達した位置、管理局の駐屯他は遠すぎる。転送でこの人数を運ぼうとすれば、発動まで時間がかかりすぎる。
 しかし驚くべきはそこではない。今の情報の別の意味にチンクは気付いた。
 ヘリの破壊は今。つまり、上の三人とは別働隊がいるのだ。
 その三人は、一同を見下ろしていた。
 その三人が見た目だけの存在だとは誰も思っていない。仮に本物の八割の力だとしても、こちらに勝ち目はないだろう。

(ディエチは砲撃準備。ガリューは合図でディエチを担いで洞窟へ戻って)

 ルーテシアが密かに念話で指示を始めた。

(合図でオットーはレイストームで土塊を巻き上げ。チンクはデトネイターで地面を打つ。それを煙幕代わりに、総員洞窟まで撤退)

 逃げの体勢だった。不本意だが、この状況では仕方がない。
 さらに言えば、洞窟の中では閉じこめられたも同然だろう。おそらく入ってきた側からは、ヘリを破壊した別働隊がやってくるのだ。
 チンクはそれを問うた。

(構わない。考えがある)

 ルーテシアがそう答えたので、その策に素直に乗ることにしたチンクはオットーと自分の位置を確かめる。

「状況開始!」

 合図と同時にインゼクトの大群が洞窟から姿を現した。
 なのはたちを取り囲み、攻撃するでもなくまとわりついている。
 その隙に洞窟へと走る一同。殿のガリューが抱えているディエチはすでにイノーメスカノンを起動させていた。

「ディエチ、広域砲撃。対魔法ジャミングを」
「バレットイメージ、アンチマギリンクチャフ」
 

207:名無しさん@ピンキー
08/11/09 00:19:43 ITvEEOs+
come

208:野狗
08/11/09 00:19:54 +L01v5JM
        4

 AMCはAMFに効果は劣るが、その分広範囲で、なにより発生器が必要ない。
 ディエチの実弾砲撃と同時に、全員が洞窟内へ。寸前、チンクとオットーがそれぞれ地面を砕く勢いでレイストームとランブルデトネイターを起動。
 相手の魔法砲撃を多少なりとも制限し、しかも地下に逃げる。ジャミング圏外からの精密砲撃が通るだけの有視界もない。これでもなお追ってくるつもりならば、
むこうも地上に降りるしかない。

「急いで奥に!」

 走る一同。なのはの砲撃なら、岩盤の一枚や二枚あっさりと抜いてしまう。立ち止まっていてはいい的だ。
 戦いに持ち込むのなら、接近戦しかない。チャフ散布下なら、ガリューが魔法を制限されたフェイトを止められるかもしれない。残るはやてとなのは相手では、
接近戦なら活路はある。

「ガリュー、後方を監視。ディエチ、前方を観測」

 ガリューの感覚は追跡者を捉えず、ディエチはヘリのあった側から上ってくる反応を発見する。

「タイプは?」

 ディエチは溜息のように息を吐いて、答える。

「……戦闘機人。ノーヴェと同じタイプのようです。数は10」
「ナカジマ特佐の資料と繋がったな」

 チンクの呟きに、オットーがうなずく。

「やっぱり、量産していたね」

 密閉された環境での戦いには、ノーヴェが最も適しているだろう。投入する戦力としては間違っていない。

「ノーヴェ十人か」
「間違いなく、強化されているよ。ノーヴェの出力じゃない、これは」

 ディエチの観測が続いていた。

「あと、量産された疑いがあるのはセッテとあたし。飛行タイプも砲撃タイプも洞窟の中に入ってくると思えない。外で待ってるかもしれない」
「構わない。オットー。プリズナーボックスで全員を囲んで」

 ルーテシアが全員を集めて中央に立つ。そして、召喚印を描く。

「地雷王!」

 無茶だ。とチンクは叫びかけて、プリズナーボックスの存在に気付いて口を閉じる。
 確かに有効だ。洞窟内の敵は全てつぶされるだろう。しかし、本来檻として使われる力場をシールド代わりにするとは。
 轟音。崩れていく内壁。
 このまま埋もれてしまっても、プリズナーボックスの中なら心配はない。もう一度ルーテシアが地雷王を呼べばいいのだ。
 そしてこの状態なら、なのはの砲撃でもそう簡単に抜くことはできない。
 チンクたちは、落盤の響きに安心すら覚えていた。


209:野狗
08/11/09 00:20:29 +L01v5JM
           5

「そうだな。僕自身もエリオローヴェンかもしれないな。では、ローヴェンと呼んでもらおうか」

 偽エリオ……ローヴェンは言う。

「動くと刺すよ。さすがに殺しはしないが、腕、いや、足一つくらいは失っても仕方ない。その程度の覚悟はあると思ってくれ。しかし、腐っても妻だ。
できれば五体満足で連れ帰りたい」

 ローヴェンはさらにそう言うと、ストラーダを構えたままキャロに近づく。

「忘れないで欲しいんだけど。私の夫は貴方じゃないわよ」
「ミッドチルダにいるのが君の夫だと?」
「そう」
「アレが君の夫。それを忘れているのは、僕だけじゃないと思うよ」

 ストラーダの先端が、キャロの胸元を乱暴についた。

「例えば、ルーテシア・アルピーノとか」

 ローヴェンをにらみつけるキャロ。

「もしかすると、ミッドチルダの僕も君の夫であることを忘れているかもしれない。そうだな……三日に一度くらいは」

 ストラーダの先端が赤く鋭く光る。

「君も忘れたらどうだ? ミッドチルダにいる不義理者のことなど」
「三流以下のゴシップ紙でももっとマシな記事を書くと思うけど。正直に言いなさいよ」

 キャロはケリュケイオンに意識を集中する。

「人質を取らなければ、僕は本物には勝てません。って」

 同時に魔法弾がローヴェンを襲う。しかし、ローヴェンは微動だにせず、ただストラーダを左右に振るだけでキャロの魔法弾を相殺してしまう。

「人質は必要ない。僕はまともにやり合っても、あの偽善者には勝てるよ」
「私を人質にするくせに?」
「ああ、誤解があるね」

 ローヴェンは肩をすくめた。

「君を連れ去る理由は一つしかない……飽きたんだよ、戦闘機人と元レリックウェポンには」

 ニヤリ、と嫌な笑い。

「たまには普通の女が抱きたくなる。例えば、親に捨てられた召喚師とか」
「ふざけ……」

 言い終える前に、キャロの身体が宙に浮いた。いや、浮かされた。
 衝撃がキャロの下肢を折り曲げるように叩き、身体が横回転して地面に叩きつけられる。
 

210:野狗
08/11/09 00:21:02 +L01v5JM
           6

「……一つ言っておく」

 ストラーダの先端が、キャロの襟を引っかけ、持ち上げる。襟を引かれ、首が絞められたようになったキャロは咳き込みながら相手を睨んだ。
 ……折れた?
 ストラーダで横殴りにへし折られたのだ、とキャロは両足の激痛とともに理解する。

「別に、ダルマでもいいんだよ、僕は」

 両手足を落としてでも連れて行く。それは脅しではなかった。ただの事実の宣言にすぎない。

「そう」

 だから、キャロはそう答えた。
 こちらも事実の確認。仮にそうなったとしても、気持ちは変わらない。と。

「それでこそ、いい女だ」

 ローヴェンはより愉快そうに笑う。

「でも、ヴォルテールは呼ばない方がいい。そりゃあ、ヴォルテール相手だと、僕だって負けるかもしれない」

 だけど、とローヴェンはニッコリ微笑んだ。

「ヴォルテールでは、守れないよ」

 その言葉を合図としたかのような轟音。そして聞こえよがしの命令。

「クローラーズは周囲の包囲。ガンナーズは威嚇射撃を続行。ライナーズ、ナンバー4と5はキャロの上司見つけて捕獲、ここまで連れてこい」

 さらに、ローヴェンは続ける。

「君にわかりやすく言ってやろうか。クローラーズはノーヴェ、ガンナーズはディエチ、ライナーズはセッテの、それぞれ強化改良型量産戦闘機人だ」

 ヴォルテールは多数を短期間で沈黙させられるのか、とローヴェンは問う。否の答えを待つまでもない、簡単にわかることだった。
 キャロは、ヴォルテール召喚によってローヴェンを倒せるかもしれない。しかし、多数の戦闘機人に襲撃されている人々を全て救うことはできない。
 すぐにライナーズが二人を捕らえ、連れてきた。

「……ごめんなさい」

 キャロの言葉に、ミラとタントは首を振る。

「謝ることはない。こんな連中…」
「人の女に軽々しく話しかけるなよ。田舎者は礼儀を知らないな」

 ストラーダがタントの喉を突いた。咳き込み、血を吐くタントの姿にミラは叫ぶ。

「命は取らないよ。キャロ次第だけどね」
「キャロ……」
「ごめんなさいっ! タントさん! ミラさん!」
「そういうことだから」

 キャロは力無くうなずいた。違う方向へ曲がった足のためか、おびただしい汗をかいている。

「後から捜査に来る連中に伝えろ」

 嘲りを隠そうともせず、ローヴェンは言う。

「キャロ・モンディアルの身柄は、ルーテシア・アルピーノと交換だとな」 

211:野狗
08/11/09 00:21:37 +L01v5JM
             7

 落盤の響きは止まない。いや、明らかにそれは別のものだった。
 落盤とは違う、別の破壊音。

「間違いありません。この音はイノーメスカノンによる砲撃の着弾音です」

 やはり、ディエチをベースとした量産タイプもいるのだ。
 しばらく、全員が着弾音に耳を済ませていた。

「向こうも、AMCを撃ち込んでいるようです」

 ルーテシアの転送魔法封じだろう。
 行く場所もないと言うのに念入りなことだ、とチンクは呟く。

「ガリュー、チンク、気付いた?」

 ルーテシアの問いに二人はうなずく。
 着弾音から考える限り、こちらの位置は特定されていない。地下洞窟全体に対して撃ち込んでいる様子なのだ。しかし、洞窟にはまだ息のあるノーヴェタイプ
だっているはずなのだ。
 チンクが忌々しげに言う。

「奴ら、味方へのの誤射は気にしていないようだな」
「目的は私たちのあぶりだし。少し、我慢して」
「我慢はできる。しかし、その後はどうするのだ? 諦めて下がっていくような相手とは思えないが」

 ガリューが力強く唸る。

「そう。ガリューの言うとおり。エリオは私たちを見捨てたりしない」

 チンクがガリューを見上げた。

「ガリューと補佐の言うこともわかるが。助けに来るとすればスバルだろう。救助はお手の物だからな」

 本物相手ならまだしも、コピー相手なら本隊と合流すれば勝てる。誰もそれを否定しない。

「でも、エリオが来るから」
「いや、スバルだ」

 ディエチとオットーは二人のやりとりを呆れた目で見ている。ガリューもチンクもルーテシアも、互いのお気に入りを贔屓しているようにしか二人には見えないのだから。

「あたしは、ジュニアだと思うけど」
「……僕は、ディード」

 そして互いを呆れて見る二人。

「どうしてそこでディードなの?」
「ディエチはジュニアを過大評価している…」
「オットーこそ、ディードに頼りすぎているよ」
「ディードは頼るに値する。少なくとも、ジュニアよりは」
「ドクターのいい部分を受け継いでいるよ、ジュニアは」
「何やってるんだ、お前たち」

212:野狗
08/11/09 00:22:11 +L01v5JM
                   8

 気がつくと、二人の言い争いを面白そうにルーテシアとガリューが、困ったようにチンクが見物していた。

「なんでもない」

 五人は警戒を解かずに、それぞれの方法で周囲に気を配ることにした。連絡がないのを不審に思った本隊が捜索に来るとすれば、ここに来るのはただ一人。

「はーい」

 案の定、それほどの時間を待たずに声が聞こえる。
 プリズナーボックスの向こう、地面から見えるのは指が一本。もちろん、セインのものだ。
 一部解除した場所から入るセイン。

「あいつら、やたらめったら撃ち込んでるよ。こっちの位置はバレてないみたいだけど。物量に物言わせて、不格好な戦い方だね」
「そっちの作戦は?」
「そのことで確認したいんだけど。こっちが見つけたのはノーヴェタイプとディエチタイプ。セッテタイプはいないみたい。何で空に逃げなかったの?」

 五人は顔を見合わせた。

「私たちの確認した戦力はまだある。高町なのは、フェイト・テスタロッサ・スクライア、はやて・ナカジマのコピーだ」
「げっ。管理局三大魔女!? 嘘でしょ?」
「嘘じゃない。そもそも、ディエチやノーヴェの劣化コピーだけなら、こんな所に逃げ込んでない」
「あー。どっちにしてもジュニアの言う通りか」

 頭をかいて腕を組み、セインは座り込んだ。

「ディエチとチンク姉、私に掴まって。隊長の所に行くから」
「待て、私たちだけか」
「沈むだけなら何とかなるけど、結構長い距離を潜ったまま戻ることになるから。全員一度には無理だよ」
「AMCを何とかすれば、転送魔法でヘリのあった位置までは戻れる」

 ルーテシアの指摘に、わかってると言うように手を振るセイン。

「そのふりをするつもり」
「ふり?」

 チンクが聞き返すと、セインが首を捻った。

「うん。AMCの無効化を狙う振りをするって。そうすれば、向こうは転送可能地域の制圧に現れるだろうから、それを叩く。そういう作戦」


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