【獣人】亜人の少年少女の絡み8【獣化】at EROPARO
【獣人】亜人の少年少女の絡み8【獣化】 - 暇つぶし2ch172:名無しさん@ピンキー
09/01/03 10:26:40 9UxtE5rr
どこかの山奥には牛の神がいて
人間が牛を家畜にするのを黙認する代わりに12年に1度丑年に生贄を求めるとか
その生贄は乳牛獣人になって性奴隷兼ミルク係として12年間過ごすんだが
12年の務めを終えた後でも快感の虜になって人に戻らないのを自ら希望する人が沢山だとか

そんなネタはないかね

173:名無しさん@ピンキー
09/01/04 02:13:30 0Ilb9av3
人の目の前でセクースして体液拭いたティッシュをその観衆に投げる、という祭りなら聞いたことある

174:名無しさん@ピンキー
09/01/06 04:49:35 L0prPs4N
>>177
すっごく気になるからkwsk教えて欲しい
人ならば隠すはずの性行為を人前にさらすという行為によって獣と化していく祭りとかどうだろう

175:名無しさん@ピンキー
09/01/06 05:09:26 +9bOIjkm
>>177
調べてみたら実際にするわけじゃなくて、そういう演技をするだけみたいだ。
テレビで「ええのんか~ええのんか~」「ああん、いやん」みたいなアテレコがされてたから、てっきり本番かとおもってた。
URLリンク(www.sugikoto.com)

ちなみに俺の家の近くでは3月になると巨大なチンコが町を練り歩く祭がある。
日本三大奇祭のひとつらしい。近くにはおっぱいの神社もあるし。
上のページには載っていないがね。

176:名無しさん@ピンキー
09/01/06 18:17:03 WNv3UVZz
>儀式として人前でセクース
日本でも昔はそういうお祭あったよ
女体を大地になぞらえて、セクース=農耕、出産=五穀豊穣、みたいな感じで
田んぼのあぜとかでまぐわって見せるの

今じゃもう形骸化してオカメとヒョットコのお面かぶった人が
へこへこ腰振るジェスチャーだけして終わり、みたいだが

177:名無しさん@ピンキー
09/01/07 22:57:43 /4p8cqTT
>>178
多分それ関係のやつで、女の人が抱えたこけしくらいの大きさのチンコを
お母さんに抱かれたようじょが撫でてる写真を見たとき俺の中で何かがはじけたわ

178:名無しさん@ピンキー
09/01/13 15:40:33 R+zTysiy
家畜萌え保守

179:名無しさん@ピンキー
09/01/13 17:40:34 gPuENX4Q
うおおお、以前半虹で話題が出てた
ダンジョンに入った女戦士が呪われたり犯されたりでTFする話が読みてぇー!

クレクレ気味でスマン。最近は海外まわっても不作で欲求不満気味なんだ

180:名無しさん@ピンキー
09/01/14 15:36:23 dP2U4cDy
狐の嫁入りな感じが一番萌える

181:名無しさん@ピンキー
09/01/19 19:58:40 l3prtvp4
なんか1月早々から勢いが鎮火してるな
新作は無くとも雑談で進まないか?

・・・なんて言う俺も特に話題があるわけではないが

182:名無しさん@ピンキー
09/01/19 22:56:10 ZPxpXnau
ネタがなあ…

183:名無しさん@ピンキー
09/01/19 23:59:39 8347LcuU
ないよなあ・・・
獣化系獣人系で萌える作品最近出てないし・・・
ジャンプかチャンピオン辺りの漫画でドバーッと変身したりしないかな

184:名無しさん@ピンキー
09/01/20 00:28:48 FFpCA0+p
ライブオンはダメか?
ゼニス王子やプリンセスプライマリー、エロいよ

185:名無しさん@ピンキー
09/01/20 00:39:54 Pz0JO7Ur
サーヴィラさんハァハァなこのごろ

186:名無しさん@ピンキー
09/01/20 07:07:04 Z5K0AGJi
リュキアもなかなか… 声が媚び媚びなのが気になるけど。

187:名無しさん@ピンキー
09/01/22 02:06:07 8ljJAWgJ
今まで見てなかったので今からだと追いつける気がしないんだぜ・・・

188:名無しさん@ピンキー
09/01/22 18:37:04 VEl5SAsE
書いてみたら酷い虐待モノと化してしまったorz

189:名無しさん@ピンキー
09/01/22 19:43:13 mZ9wlKVL
うーん…

190:名無しさん@ピンキー
09/01/22 20:14:58 q3OxsM8+
虐待モノ?SMとかじゃなくて単純に虐待なのかな?
どちらにせよ読んでみたいが。

191:名無しさん@ピンキー
09/01/22 22:42:16 2/BfY8XS
現スレの一番最初のっぽいのか
それとも何時ぞやの犬亜人王女蹂躙ネタなのか・・・
精神衛生上覚悟が必要だな

192:名無しさん@ピンキー
09/01/22 23:11:18 qDleDPXE
今全力で書いてるから、出来たら載せます

193:名無しさん@ピンキー
09/01/22 23:34:06 JEfGS5wj
のっけがケチャップなんだ。このスレにはもう自重の二文字は存在しない
欲望の赴くままに投下してくれ

194:名無しさん@ピンキー
09/01/27 16:23:53 8/AGZ8a1
過疎

195:名無しさん@ピンキー
09/01/27 20:27:36 JxU6omMw
投下予告があったから皆待ちに入ってるのかも知れないけどな

クレクレになるのはいけないが、もっと自分の性的欲求不満とかムラムラとかをブチ撒けて良いと思うぜ
半虹とかと違ってネタ出してなんぼの板だし

196:Num1
09/01/29 00:06:34 yD1xD9dd
種族:二足のドラゴンっぽい2種族

 つみかさなる落ち葉を踏み砕きながら、森の中を二人は走っていた。
 だが、ただ走っていると言うわけではない。大柄な追う者と、小柄の追われる者。二人
の関係はただそれだけに過ぎない。
 小柄な方の体色は地味な茶色で、頭には朽ちた白樺のような色をした短くまっすぐな2
本の角と、体に似合わぬほど長く太い尻尾がある。体毛は、長い毛髪が認められるだけで、
服の間からみえる肌や露出した部分は細かい鱗に覆われていた。
 最も特徴的なのは顔であろう。馬のように長い鼻面をした、爬虫類と獣との中間のよう
な形をしており、他の露出している部分同様に細かく滑らかな鱗に覆われている。
 黒い双眸は不安と恐怖を映し、激しくあえぐ口のなかにはきれいに並んだ細い牙と桃色
の舌が踊るのが見えた。表情から察するに、もうそろそろ息が切れてしまうように思える。
 対する追う側はどうだろう。顔は追われるものと同様に爬虫類ともつかぬ顔だ。
体は青く錆びたような色と模様があるり、体格は倍以上にみえる。
 頭には象牙色の2対4本の角があり、尾の先には鋭い突起もあった。少したれて開いた
口角からは、太く鋭い牙がうかがえる。少し息は上がっているが、まだまだ余裕があり、
その目には楽しむような感情が見て取れた。
 この二人は、多少似ているところがあるが、全くの違う種族である。小さい方をアンキ
族。大きい方はヴェロシ族と言った。
 その一方が一方を追いかける。
 追われる側の必至の形相と、追う側の持つ武器が、この鬼ごっこがただ事でないことが
容易にうかがえる。
 なぜこのような事をするのか。これは種族間での殺し合いであった。いや、正確に述べ
ならヴェロシ族によるアンシ族への一方的な虐殺なのである。文化的にも近く、言葉も習
慣も理解し合っていたというのに。しかし何らかのきっかけで虐殺が始まった。それ以来、
体格と戦闘力で圧倒的に劣るアンキ族は急速に数を減らし、いまや森の中でひっそりと暮
らすだけとなっていた。
 さて、この鬼ごっこのきっかけはなんだろうか。それはなんと言うこともない単なる偶
然であった。追われているアンキ族の少女─といっても14~5はあるが─がたまたま離れ
た集落へ使いに出たとき、不幸にもヴェロシ族の男に出会った。ほんのそれだけのことな
のだ。だが、出会うにしても最悪の出会いと言わざるをえまい。捕まることは死を意味す
るのだ。ほんの数秒視線が交わる。少女は走り出し、一瞬矢をつがえた男は、射ることを
止め追いかけた。
 それがほんの数分前のことだ。しかし、この追いかけっこもそろそろ終わりであろう。
息も絶え絶えに走る少女に対し、男には余裕がある。未だ追いつかないのは、彼女が諦め
て足を止めるのを待っているからなのだ。

197:Num2
09/01/29 00:07:20 yD1xD9dd
「誰かっ!」
森が切れ、川辺に近づいたころ、ひしひし背中に迫る圧力に耐えかね、少女はついに甲高
い声で叫んだ。
 走りながら叫ぶことは、無駄に体力を消耗するだけであったが、そうせずには居られな
かったのだ。誰一人助けてくれる者が居ないとしても。だが、もし誰かが居たとしても助
けの手はさしのべなかったであろう。近接武器を持ってすれば10対1でも勝てない。
2種族間の違いはそれほどのものなのだ。
「誰かぁっ!」
2度目の叫び声に、言いしれぬ絶望が混じった。そして少女はしゃくり上げながら木にも
たれかかり、そのまま崩れ落ちた。
「体はよく暖まったか?」
図太く、かつかすれた低い声で男が皮肉った
「ああ…お慈悲を」
この、震え上がってに懇願するメスの生殺与奪を意のままに出来る。その事実が男の嗜虐
欲をこの上も無いほどに刺激する。
「おまえメスだよな?」
種族が違うにしても似たもの同士。性別について大体の区別はつく。相手が男なら、ただ
弓で射り、逆さに吊して殺すだけの相手だが、和えて追いかけたのは思うところがるから
だ。
「メスなら殺さない事もないぜ。オレの言葉は解るな?」
少女にしてみれば、もしかしたら殺されないかもしれない好機なのだ。震え、泣きながら
も首を縦に振った。
 男は目を器用に片目だけを細め呟く。ああ、そいつは可哀想に。
少女がその意味を理解するまもなく、男は彼女の襟首に両の親指をかけ、そのまま一気に
引き裂く。彼女の代わりに布が悲鳴をあげ、その裂け目からは疲労と恐怖に乱れた呼吸に
合わせ、激しく上下する薄い胸板があらわになる。
 そうされたとき、少女は初めてこの男が何をしようとしているか、可哀想と言った意味
を理解した。この男は、よりによって違う種族の女を、自分の大きさの半分にも満たない
ような哀れな自分を辱めようとしているのだ。携帯する弓で射らなかったのは、ただその
ためにすぎない。
「あああぁぁっ!」
少女がヒビ割れた叫び声を上げる。スカートが破かれ、下着をはぎ取られる。彼女は男を
蹴り爪をたて、必死で抵抗する。どれもあまり効果は上げられなかったが、顔を押さえよ
うとした腕への一噛みだけは唯一効果を発揮した。小さいとはいえ鋭い牙が男の鱗を砕き、
肉まで達する。
少女の舌は男の汗の塩辛さを感じ、次に暖かい血の鉄臭い味を感じた。
男は動きを止め少女を見下ろした。

198:Num3
09/01/29 00:08:04 yD1xD9dd
「痛ぇなあおい。」
噛みつきの効果は、男に肉体的な痛みという効果を発揮しただけではなかった。か弱い存
在の必死な抵抗。それは彼の性的な興奮と嗜虐性という炎に油を注いだのだ。
「やってくれたな」
 怒りに近い声色で出した言葉とは裏腹に、男は少女の唾液に濡れ血のにじみ始めた傷を
嬉しそうに舐めると、きついお仕置きが必要だなとつぶやく。その表情には彼女にとって
うかがい知ることが出来ないほどの悪意と喜びが満ちる。
「オレはな、おまえらアンキ族が結構すきなんだぜ」
 彼は、その左手で少女の右角をつかみ、鼻がふれあう程の距離まで引き寄せて言った。
「なんでかっていうとな、家畜が言うことを聞かないからって言って殺したら損をするが、
おまえらなら殺しても損にならない。それに─飼っている犬よりも物わかりがイイ」
 少女はもう歯の根も合わぬほどがたがたとふるえていたが、そんなことにかまうわけも
なく、男は無理やりに少女を引き起こす。そして、そのまま更に持ち上げるとそれだだけ
で彼女はつま先立ちとなってしまう。少女は男の腕や腹に爪を立て暴れたがそれ以上どう
しようもない。
「さあ、物わかりの良いおまえにお仕置きだ」
そういうと、男は無防備な少女の腹に右の鉄槌を打ち込んだ。打たれた彼女の体はなすす
べもなく、くの字に折れ口から吐瀉物を撒き散らす。
「随分手加減してやったぜ」
少女を放り投げると、もんどりうって嘔吐する彼女をみながら着衣を脱ぎ始める。上着を
脱ぎ捨てると、ややたるんだような肌が見えるが、ところどこに浮く血管や筋が、鍛え絞
り込まれている肉体であることをうかがわせた。ついで下半身も脱ぎ終えると、その上半
身を支える強靭な足腰があらわになる。股間のスリットのとじ目は桃色に染まり、平常時
は中に納められているはずの肉の刃が半ば鞘走っている。
「おいおい、どこに行くんだよ」
 男は、えづきながらも這って逃げようとしていた少女の尻尾を片手でつかみ引き寄せる
と、そのままごろりと仰向けにさせる。そして有無をいわさず股を割る。次いで割った彼
女の右足と左足の上に、それぞれ自分の左足と右足をのせ尾を尻で踏む。これでもう彼女
は腰を浮かせることすら出来なくなった。
「うううっ」
上半身を起こし、健気に足に噛み付いてるくる少女を無理やり振りほどくと、男は彼女の
腹部へと二発目の拳を振り下ろす。まるで腹筋の訓練をしているかのように上半身が起き
上がり、彼女はまた吐瀉物を撒き散らした。男は彼女の後頭部あたりの髪をつかんで上半
身を引き寄せた後、地獄の責めを開始した。
 それから数10分も経っただろうか。やっと地獄の責めから解放された少女は、細い手足
と尾を力なく吐瀉物の上に投げ出して、ぜいぜいと咳とも呼吸ともつかぬ喘ぎをもらして
いた。酸い臭いが鼻をつき、彼女の顔や髪は嘔吐物にまみれている。
満足に呼吸できなかったことと、嘔吐により猛烈に体力を消耗したせいで、ごく短時間で
あったにもかかわらず彼女は酷くやつれ、目にはうっすらと隈が出来ている。その表情は
苦悶に満ちていたが、なぜかなまめかしくもあった。
「汚れちまったな。川が近くでよかったぜ」
 男は再び少女の角をつかみ、川の方へと引きずって歩き出す。

199:Num4
09/01/29 00:08:45 yD1xD9dd
「お願い…もうやめ…て」
そのお願いに、男はうれしそうに答える
「んー…物わかりがわるい子もかわいいもんだ」
男が何を言いたいか解ったのだろう。少女はおそれに身をすくませ、腹部を隠すように体
を丸める。だが、男は彼女の腹を打つためにしゃがんだのではない。左手でその細い首を
つかむと、気管を親指で押しつぶす。
「ごめんなさいごめッ…カ…っ」
少女があまりの苦しさに口を開くと、彼は右手をその中へ滑り込ませ、そして喉の奥へと
指を押し込んだ。言うまでもなく、強烈な嘔吐感が少女を襲う。胃を痙攣させ全身をわ
ななかせながら、嘔吐をする。先の責めで胃には何も残っていないようで、ただ熱い胃液
を何度も戻す。男は巧みな指使いで舌の付け根を押さえつけ、嘔吐をくり返させた。
 少女はこの責め苦から逃れようと自分の胃液で滑る男の手首を握り、なんとか押し戻そ
うともがく。苦しさにバタバタと動かす足は、むなしく地面をかいた。
 今度は程なく解放されたものの、少女はすっかりと抵抗する気力と体力を失い、脱力し
たまま水際まで連れていかれる。
「さ、一緒にきれいになろうな」
 男はその様子に満足したのか少女を後ろから抱き、執拗なまでに丁寧に洗いはじめた。
髪、顔、口の中。洗う部位が薄い胸からあざの出来た腹部を通過するころ、彼女は背中
に熱く硬いものが押しつけられているのを感じていた。責めが始まる前は半分も露出して
いなかった男のペニスは今やほぼ全体を露出させていた。
「さあ、この中もだ」
 男は少女の熟しきっていないスリットを開き、二本に指でほぐすように中をかき回す。
次逆らうと何をされるか解らない恐怖に、抵抗することが出来ない少女の秘所は、無骨な
指によて無慈悲にほぐされ、次第に柔らかさを増していく。ひとしきり洗いほぐしたのち、
男は少女を抱えて川からでると、もう待てないと言わんばかりに彼女にむしゃぶりつく。
 彼の口は少女の鼻面を咥え、開かせた口内全てに舌を這わせ、歯をなぞる。舌同士を絡
ませ吸い出し味わう。ひとしきりそうした後、口は華奢な首筋をなぞり、薄い胸にキスマ
ークを刻み腹に噛み後をのこしながら、下半身を目指す。到達した場所は、体が三つに分
かれるその中心だ。ふわりと閉じた肉の裂け目は、ほぐされて間もないながらもまだ形を
守り、男を拒絶しているようだ。彼は、その閉じた割れ目に両親指の先をあてがいおし広
げた。先ほどきれいに洗ったので、ただ湿った粘膜の匂いだけがする。まだ男を知らぬ無
垢な秘肉はまだ綺麗なで染みなど付いていない。彼は舌先でその場所を征服にかかる。陰
核と尿道を嬲り、さらにその下側にある卵管を、卵巣を、直接に舐め回さんとする勢いで
ねぶる。体の反応とは悲しいもので、そうして与えられる苦痛を軽減するため、卵管は女
の臭いを放つ粘液を分泌し始めた。それは少女の意志とは関係のないものであったが、た
とえ異種族の女ともいえども、その臭いに酔い始めた男は、事実をよく知りつつもそれに
対して辱めの言葉でもって彼女の心を刺す。
 そうやってしばらく経つ頃、少女の秘所は男の舌によってそのほとんどを征服されてい
た。完全な成熟を伴っていないはずのそこは、吸われ、ねぶられ、弄られて、まるで発情
期をを迎えた熟女のように赤く腫れ上がっている。だが征服は完成されていない。いきり
立った肉のくさびを打ち込み、中に精を放ってこそ、それは完成するのだ。

200:Num5
09/01/29 00:09:48 yD1xD9dd
 少女に似合わぬそこを突き荒らすという興奮に、男のペニスはもはや完全に臨戦態勢と
なっていた。どうだとばかりにそれを少女の目の前に突き出す。
 改めてそれを見せつけられ、少女はひっと息を飲んだ。いきり立った彼のペニスは、彼
女の腕程もあった。おまけに、根本には肉茎を囲むように返しになった棘がが3列、先端
は細くなっているものの、釣り針の先端のような形状の返しになっている。
「ごめんなさい…ひぐっ…ごめんなさい…」
 征服の時は来たれり。男はごめんなさいと繰り返す少女の足の間に腰を割り込ませると、
そのくさびをスリットにあてがいぐっと突き刺した。
きつく熱い器官が男を包み込み、拒絶せんとして締め付ける。強烈な快感に彼はうめき声
をもらしながらもそれに耐え、さらに奥へと突き進む。
「うわあああああ…」
少女が痛みと苦しみに力なく叫んだ。
三分の二ほども入れたところで、彼女の生殖器は限界かと思われるほどに押し広げられる。
男は、少女の両足を両手でもって裂いたまま、腰をふり、ゆすり立てた。
ここまでくると少女は、体がスリットから引き裂かれてしまいそうな痛みで、半狂乱にな
って抵抗する。
やがて、彼のほぼ全てが少女の体内に没するころ、その先端はやがて卵巣につながる、子
宮のような器官へと達した。これは、アンキ族の女が受精した卵をしばらく暖めておく器
官で、かなりの弾力性と熱をもっている。
「クッ…ここがたまらん」
卵管全体の締まりと体温の刺激だけで射精しそうになるのをこらえ、全てを埋没させるた
めの一押しを行う。少女は泣き叫び、やめて助けてと懇願する。これが同族であれば、男
は罪悪を感じたかもしれない。しかし、異種族に対しては慈悲も加減も覚えぬ。
少女が哀れなのは、男が彼女を生きている自慰の道具というくらいにしか思っていないこ
となのだ。さらなる彼の進入に、少女はこの小さな体のどこにそんなものがと思えるほど
の力で暴れもがいた。
 やがて男の先端が卵宮とでも言うべき器官の奥を突き、さらにその奥の卵巣に達した。
ついに彼は、自分の全てを少女の中に埋没させることに成功したのだ。
「ふうぅ…さ…さすがにきつ過ぎる…」
気を抜くと本当に射精しそうになる程、少女の体が男を排出しようとする蠕動は強いもの
だったが、それに耐え、彼は腰を弾ませた。
ここからは言う間でも無かろう。種族が違えど男と女の営みは変わりがない。男は絶頂に
むけて駆け上るかのように激しく腰を振り、ゆすり立て己一人の快楽をむさぼる。
そこには、少女にたいする慈悲や加減は一切存在しない。
少女は、自分の顔を舐め回し、口をむさぼる男を見ないようにぐっと目を閉じ、手を血が
にじむほどに握りしめ、足の指をきつく折り曲げて、解放されるまで耐える。
男の激しい息づかいと、結合した部分から漏れる濡れそぼった音は更に激しさを増し、彼
が達するのは時間の問題であったが、男をしらぬ彼女はそれがいつかをうかがい知ること
はできない。地獄とも思える責めは、やがて終わりを告げる。

201:Num6
09/01/29 00:10:14 yD1xD9dd
男は、ひときわ大きくうめくと、少女のそのか弱い体を折れるかとも思えるほどにきつく
抱きしめ、今までになく腰を突き入れる。脈動する男根が、一瞬後に引けた後、ビクビク
とうごめきながら少女の一番深いところで達した。
精液は間欠泉のごとく周期をもって大量に放たれ、無垢な胎内をくまなく汚してゆく。男
は射精しながらも、びくつくように腰を打ち付け、更なる快楽をむさぼる。
熱く胎内に染み渡るモノが、自分を汚したと少女は知る。一回にとどまらず、なんども脈
動して吐き出し続けられる異種族の子種。
ぐっと耐えていた心に亀裂が走る。血がにじむほど噛んだ唇、手のひらが傷つくほどに握
った手から力が抜けた。完全に心折られた彼女の目からは、今までと異なる涙がこぼれ落
ちる。折れた心の苦しみは、肉体の苦痛と合わさり、慟哭となってその口からほとばしり
でた。
「泣くのはまだ早いぜ?」
そんな彼女に対して、男は容赦なかった。二人はまだ繋がったままでいる。彼はまだ満足
したわけではない。このまま何度も犯し抜こうとしているのだ。
 彼が腰を使い始ると、卑猥な音を立てながら精液と愛液、そしてわずかな血液が混ざり
あい、ピンク色の泡となってスリットからあふれた。
どれくらいの時間責め立てられたのだろうか。
「もっとキツク締めろよ!」「しゃぶれ」「自分で舐めて中を綺麗にしろ!」
男は、泣いてしゃくり上げる少女をなじり罵倒し、いろいろな事を共用する。
そして、彼が四回目に達したとき、好き放題に突き荒らされた彼女の花園は、もうすっか
と締め付ける力を失っていた。
膣からゴボッという音と共に、ペニスが引き抜かれまだこんな量をと思えるほど大量の精
液がたれ、尾の付け根を伝って地面に染みを作った。
「ガバガバになっちまったな」
卵巣まで見えそうな程にぽっかりと空いたスリットと膣口を見て、男が下品に嗤う。
「五回目と言いたいが、こうもユルクなっちゃおもしろみが無いな」
男は少し考えると、これで最後だと決め、少女に対しこれで最後だと告げた。
少女は絶望で暗く濁った瞳を男に向けた。
「ホントだぜ」
そう言うと彼は彼女の足を持ち、をまんぐりがえしするように持ち上げると、だいぶ萎え
たペニスを、締まりの無くなったスリットに入れる。
そして、不意に少女の首に両の手を掛け、力を込める。
少女の顔が苦悶に歪む。頼りないカギ爪が男の手の甲を引っ掻き、細い足は男の腰を締め
付け、口は空気を求めて虚しく開かれた。同時に、緩くなっていたスリットは恐ろしい程
の力を持って男の象徴を締め上げる。
「おお…いいぞ」
苦しむ少女の表情が、締め付ける体が、その全てが心地いい。
少女の顔は、涙と唾液と精液で汚れ、やつれてはいるものの、傷つけられてはない。
それは、彼女を気遣ってのことなどではない。傷のい、綺麗な顔が苦悶に悶える様を見る
ためだけにそうしたのだ。
やがて、少女の体が弓なりに反り、ぶるぶると痙攣し、いっそう体に力がこもる。
気を失う寸前に手の力が緩められると、体は狂ったように空気を求めた。だが、まだ男は
絶頂に達していない。繰り返しこの首締めが行われ、苦しみに少女の意識は壊れていく。

202:Num7
09/01/29 00:12:15 yD1xD9dd
「…して」
「あ?」
「…もう…殺して」
少女の懇願は、もはや早く逃れたいとう願いから、死を願うものへと変わっていた。
「ああいいとも…くっ」
男がうめいた。約束が本当なら、これで最後なのだろう。そして射精する間際、男は少女
の首を押さえながら頭部を川に沈める。反射的に、彼女の瞬幕が閉じる。
驚き、そして見上げた少女の目には、自分の口から上がる気泡と、かき乱され揺らめく水
面、そしてそれにうつる男が見えた。
ごぼごぼと息が漏れる。数センチ先の水面が遠い。もがけばもがくほど、体は空気を求め
あえぐ。男が射精し、そのほとばしりを胎内に感じる。空気が欲しい。
腕は空をかき、足が力なくばたついた。丸められた尻尾は、弱々しく男の背中をたたく。
視界が狭まり暗くなる。空気を、解放を求めながらも、少女は早く殺してくれと願う。
息を吸うと、空気の代わりに水が肺を満たした。
男はばたばたと暴れる少女をなお押さえ続けていた。完全に満たされたのだ、この玩具の
事はどうでも良い。それに、最後に願いを叶えてやったではないか。彼女の口からあふれ
ていた大量の気泡は、やがてこぽこぽと少なくなり瞬膜が開いていく。
そして、絶望と恨みがましい表情をうつした目から光が消えた。
男はこの上なく満足する。己の欲望を満たすと共に、種族の最終目的にも近づいたのだから。

203:名無しさん@ピンキー
09/01/29 00:15:58 yD1xD9dd
トカゲっぽい人たちの話です。
尻尾の骨を折ったり、顎を外したりと、は忠類っぽい特徴を活かす表現も考えていたのですが、
なぜか抜けてしまいました。

んーなんかこうしてみると結構酷かったですね。文とか。
もっと作文能力つけて、何時の日か出直します(´・ω・`)

204:名無しさん@ピンキー
09/01/29 12:00:41 yytNUrPv
URLリンク(blog.fullerhouse.net)
オマイ等向きですよっと。

205:名無しさん@ピンキー
09/01/30 02:14:35 xERb8u4+
>>205
切ない・・・が、描写の細やかさはGJ。・・・だからこそ尚更切ないが

文章そのものはいいんだが改行がちょっと不自然な気もする、自動改行?

206:名無しさん@ピンキー
09/01/31 20:09:41 yhas0OU1
鬼畜な俺にはけっこう好みだ。
後書きはいらない。

207:名無しさん@ピンキー
09/01/31 21:54:55 QLD6Wxct
時には生態系の不条理さで切なくなるのも乙なものですね

良い作品をありがとう。

208:205
09/02/01 01:27:34 eKb5csHg
読んでいただきありがとうございました。
理不尽な暴力というかそいうのは好きです。

>208
エディタで80バイトごとに改行してました。

>209
ヽ(゚∀゚)人(゚∀゚)ノ

言い訳しないようにがんばります。

>210
ヽ(゚∀゚)人(゚∀゚)ノ

209:名無しさん@ピンキー
09/02/02 11:16:01 R1H3cJgk
たまには和姦も思い出して下さい………

210:名無しさん@ピンキー
09/02/03 10:21:23 jqSbCeib
獣の潤んだ瞳を見てると苛めたくなるんです。
それもまた愛です。

211:名無しさん@ピンキー
09/02/03 14:05:01 aY3HcPkv
>>213
可愛いのをみると蹴りたくなる感じ?

212:イノシア ◆rkAWlQPFjI
09/02/03 15:44:08 Bal2euS9
とりあえずSSを投下してみる。
竜人♂×獣人♀です。

213:イノシア ◆rkAWlQPFjI
09/02/03 15:45:40 Bal2euS9

 何故……何故なんだろう。
 何でこんなところに獣人族の少女が……?

 見間違いなんかじゃない。俺みたいなすべらかな鱗ではなく、体中から生えている赤茶色の毛を見れば一目瞭然だった。話には聞いたことがあったが、本当に獣人族は体の一部分を隠すかのように服を着るみたいだ。
 ふくよかな胸に当てられた白い帯状の布に、閉じられた股に履いている胸当てと同じ繊維であろう布が、それを物語っていた。

「……にしても、困ったなぁ」

 他に誰もいないのにそう呟くと、頭の後ろを掻きながら思案をし始める。
 家の前でどさりと何かが地面に落ちるような音がして飛び起きたけど、出て見てみればこの場所には似つかわしくない獣人族の少女。
 今は月がはっきりと見えるくらいの深夜であることを考えると、わざわざ人目を忍んで国境を越えてきたに違いない。それを裏付けるかのように、少女の体のあちこちにる擦り傷や切り傷があった。

「とりあえず……家の中で寝かせておこう」

 このままにしておくのはさすがに気が引けるので、少女を抱き上げて家へと戻ることにした。……と、決めたのは良かったのだけど。

「んっ……」

 少女は目を一旦強く瞑り、そして月明かりに目を細めながらもゆっくりと目を開いていく。そしてその目の中に自分の姿が映ると、少女は目を瞬かせる。

「は、離してっ!」

 自分自身がおかれている状況に気づいたのか、少女はその華奢な体からは想像もつかないほどの強い力で突き飛ばされた。その反動で勿論少女は倒れ込んでしまう。
 倒れたのは大したことはないかもしれないけど、傷を負っている少女にとっては「痛っ……」と小さく声を上げてしばらく震えてしまうほどの追い打ちだった。

「来ないで……!」

 心配して近づこうとすれば、少女は痛みに泣きそうになりながら足を引きずり後ずさる。

 こうまで拒絶されるのは別に自分が強面というわけではない。竜人と獣人は昔から仲が悪く、どちらも『獣人は野蛮』だとか『竜人は凶悪』だとか教育しつつ忌み嫌い続けてきたからと言わざるを得ない。
 しかし両者とも一歩譲らないために、両国の境には巨大な壁が建てられている。その国境をなぜこの少女は越えてきたのだろうか……。

214:イノシア ◆rkAWlQPFjI
09/02/03 15:46:31 Bal2euS9

 とりあえず後ずさりし続ける少女にゆっくりと近づいてはみるものの、やはりまた後ずさりをする。いくら両種族の仲が悪いとはいえ、こうも避けられているのを間近に感じることはないだろう。
 そうして後ずさりするのを一歩一歩追う状況が続くが、家の外壁に突き当たり、少女は逃げ場を失ってしまう。……こうやって考えてみると、自分はこの少女を追いつめるかのように近づいたみたいで、小さな罪悪感がわき上がってくる。

「来ないで……」

 もう叫ぶ気力すらないのか、かすれたような声でこちらを睨む少女を見て、さすがにこちらから声をかけないとさらに警戒されることになる。

「だ、大丈夫だから。別に俺は君を襲ったりはしないよ」

 とりあえずそう言ってはみるものの、やはり少女が警戒を解く様子はない。当たり前といえば当たり前だけど、警戒されているとなんだかこちらも声をかけにくい。しかし、声をかけないと何も進まないのは事実で……。

「とにかく、家に入らない? ここじゃ寒いし、君の傷の手当もしなきゃいけないし……」

 警戒を解いてもらうようになるべく優しく語りかけるかのように聞いてみる。少女はこちらを潤んだ目で睨みながらもゆっくりと自分の手を取り、そして立ち上がってくれた。
 ふらふらとおぼつかない足取りで家の中に入った少女は、家の中をきょろきょろと見渡す。俺はその様子を横目で確認すると、救急箱を取りに向かった。

「あ、あの……」

 だいぶ落ち着いたのか、救急箱を探している最中に少女は話しかけてくる。「何……?」と手を動かしながらも返答をすると、少女は言った。

「なんで……助けてくれるんですか」

 その言葉に一旦手を止める。それを見たのか少女が目の端でビクリと少し震えたのが見えた。
 そういえばなんで助けたのだろう。倒れてたから? 傷ついてたから? ……そんな自問自答を繰り返し、出した答えはこれだった。

「よく分かんないや」
「そう、ですか……」

 少女は何もなかったことに安心したのか、ため息をつくようにそう呟いた。

215:イノシア ◆rkAWlQPFjI
09/02/03 15:48:07 Bal2euS9

 黙々と腕に消毒液を湿らせたガーゼを当て、傷の手当てをしていく。特にこの辺りは毒草があるから念入りに消毒をしないと、後で酷い痛みや悪くすれば膿んでしまう。
 消毒が終わると包帯を腕にゆっくりと巻いていく。その間何故か少女が黒い鼻を動かしていたけどあまり気には止めなかった。

「あの、さ……。足は自分で出来る?」
「……?」

 意味がよく分からないと言うように、少女は首を傾げた。言いにくいことなのだけれど言わないで任せるのもどうかと思うから一応言っておく。

「一応種族は違うとはいえ、俺も雄……だから。ここから先は言わなくても分かるよね?」

 意味を理解したのか少女は頬を紅潮させながらコクりと小さくも頷く。このまま太股についた傷を消毒していたら、間違いなく少女のあれに触れてしまう。いくら布がかかっているとはいえ、ただ腰に巻いてあるだけなのだから。
 消毒液を湿らせたガーゼを少女に渡すと、しばらくそれを眺めてから足の傷の方へと持っていく。とりあえず手順はさっき見せたから問題はなさそうだ。
 そう思うより早く俺は立ち上がり、再び寝ようと寝床へ向かう。もう一度言っておくけど今は深夜。結構な時間眠りを阻害されたため、瞼はだいぶ重くなってきていた。

「俺は寝てるから。傷の手当て終わったらここから出て行ってもいいし、暖炉に火をくべて朝まで暖まっててもいいよ。寝るならどこでも構わないから」

 そう言うと、少女はどれに頷いたのかは分からないけど小さく頷いた。とりあえず警戒だけは解いてくれたことは確かだからそれはそれで良としよう。
 頭の中でそう考えをまとめて空っぽにすると、ベッドにくるまってゆっくりと瞼を閉じる。そして再び静寂の中に手を離していくのだった。

216:イノシア ◆rkAWlQPFjI
09/02/03 15:49:45 Bal2euS9

 ふと何かがベッドの中に入ってきたのを感じ取り、眠いながらも何かを感じた反対側の方に寝返りをうってみる。そこには先ほどの少女がいた。

「……なんで俺のベッドの中に」
「……ご、ごめんなさい」

 そう言って少女はあわてるようにベッドから出ようとしたが、それを俺は止めた。

「別に構わないけど、寝首を掻こうなんてこと考えないでね」
「……はい」

 一応そうは言っておいたが、実際は彼女が入って来たときに何故かその体が暖かく感じたからだった。低体温な竜人族と違って、獣人は体温が高いと聞いたことがある。それだからか、妙にその暖かさが気持ちよかった。
 どこでも寝ていいとは言ったものの、家にはベッドがこれ一つしかない。空け渡すべきだったかな……。
 そんなことを思案しているうちに、後ろからはっきりと寝息が聞こえてくる。気づけば結構密着した状態で寝ていたのだ。寝息が俺の首にかかるほどに。

(……っ!)

 いきなり少女の腕が伸びてきて抱きしめられてしまう。今まで同族でさえこんなに異性と密着したことがないために、だんだんと体が熱くなる錯覚を覚え、息が荒くなってくる。
 やばい……もう我慢出来そうにない。

 俺はくるりと少女のほうに向くように寝返りをうつと、ゆっくりとその体に手を伸ばしていく。頭の隅で何かが制止をかけているが、籠もっていてよく聞こえない。そんなことより……。


 胸当てにゆっくりと手をかけると、ふくよかな胸の小さな谷間に指を差し入れる。そして下にずらすと、隠されていた乳房が露わになった。毛の色は全く同じだが、その中に点のようなものが見える。
 淡いピンク色をしたそれに誘われるように指をもっていき、軽く触れてみる。少女の体が少し震えたが、目を覚ます気配はない。

 ……ならもっとやってしまえ。

 頭の中で聞こえた悪魔のささやきに抵抗することもなく俺は更に下へと視線を移す。暗くてよく見えないものの、手探れば簡単に見つけられるだろう。
 手をそのまま滑らせるようにして下へ持っていくと、また布に当たる。これだ。これを外せば彼女の花弁は露わになるのだ。

217:イノシア ◆rkAWlQPFjI
09/02/03 15:51:04 Bal2euS9

 おもむろに布に手をかけると、ゆっくりとそしてなめらかともいえる動作で布を下へ下へとずらしていく。その間に少女が起きないか心配ではあったものの、それは欲望によって簡単にかき消されてしまう。
 やがて布は足下に退かされ、彼女の花弁が露わになった。だが、いまいち暗くてよく分からない。もっとみたいと悪魔が再び囁く。ああ、分かってる分かってるさ。

 少女をベッドの中央にずらし、その上に四つん這いになって腰が見える位置まで下がっていく。それは彼女の花弁を見るために他ならなかった。
 下にずれていけばずれていくほど、だんだんと雌のにおいが近づいてくる。そのにおいに酔いしれながらも花弁を一目見ようと下へと向かっていく。

 見つけた……。

 彼女の花弁は乳房にあった点と同じく淡いピンク色だった。まだ何者の侵入を許していないそこは、まさに純白そのものだった。これをみたからにはある一つの欲望が生まれる。悪魔が囁く。

 入れてしまえ、と。

 だが、簡単に入れてしまうとそれはそれで面白味もなにもない。再び滑るように少女の顔と自分の顔が丁度目の前になるようにし、そして柔らかな乳房に手を乗せ揉みしだく。

「んっ……」

 艶の入った声が少女の口からもれる。たがそんなことお構いなしに胸の愛撫を続ける。時にはゆっくりと、時にはゆがませるように。
 しかし、そんなことをすればいくら熟睡していても起きるのは当たり前だった。少女は目を見開き、そして言った。

「きゃ、何するのっ!」

 そうして暴れようとするがすでに手足を押さえ込んだ状態では、少女も上手く逃げ出すことは出来ない。手が使えないので仕方なく口を開けて長い舌で胸の膨らみを確認するように動かし始めた。

「んっ……くっ……やめ……」

 いくら拒絶をしようとも、本能であるが故に全身を走る快楽。それに抵抗しても開いた口から賛美の声がただもれだすだけだった。

「やっぱり……んっ……そんな卑しい目的で……はんっ……」

218:イノシア ◆rkAWlQPFjI
09/02/03 15:51:55 Bal2euS9

 その言葉を聞いたとたん、舌の動きが止まる。

「違う……」

 口から出たのは否定の言葉。しかし、今実際にやっていたのはそうとられてもおかしくないような行動の数々……。悪魔の囁きに負けた自分自身の恥で思わずベッドから抜け出す。

「こんなことするつもりじゃ……」

 だんだんと声が暗くなっていくのが自分でも分かる。少女は様子が変わっていく自分の様子を見て、荒げた息を徐々に整えていく。

「ごめん……」

 ただそれしかいえなかった。今更言い訳を彼女にしたところで意味なんてない。だからといって謝ったとしても意味はないのだ。今の彼女は完全に竜人を、いや、俺を警戒しているのだから。
 そっと目を瞑る。出て行くなら出て行け。殺すなら殺せ。もうどうにでもなれとさえ思っていた。ふと空気が揺らぐ。少女が動いたのだ。しかし目は開けない。開けたらきっと自分を責めるような目がそこにあるだろうから。

「ん……」

 だが、その予想は的を大きくはずれてしまう。口に何かが当たった。いや、つけている?
 ゆっくりと瞼を開けると、そこには少し戸惑ったような、頬を紅潮させた少女がいた。

「……助けてくれたお礼……私の体で、いいなら……」

 さっきと全く違う態度の少女に、思わずこちらも戸惑ってしまう。どうしてと聞きたげな表情でも浮かばせていたのだろうか、聞くよりも早く少女は口を開いた。

「……よく分からない。でも、あなたとなら体を重ねても構わないような気がした……」

 よく分からない……俺が少女に何故助けたかを聞かれた時に答えた言葉。何故かはしらないが、なんだか彼女の方がいろんな意味で一枚上手なような気がした。

「構わないのか……?」

 俺の問いかけに少女はコクりと小さく頷いた。そして小さく笑顔を見せた。気づけば何故か自分も笑顔を見せていた。

219:イノシア ◆rkAWlQPFjI
09/02/03 15:52:53 Bal2euS9

「本当に、いいんだよね……?」

 ベッドの上に寝そべる彼女に覆い被さるようになった状態で、俺はもう一度少女に問いかける。彼女は無言で頷くと、俺の胸板に手を当ててきた。

「緊張してるの……?」
「そ、それは……俺だって初めてだし……」

 戸惑いながらもそう返答はしたものの、余程慌てた様子だったのか少女はまた笑う。そして一度お互いにゆっくりと深呼吸をする。

「それじゃ……いくよ」

 その言葉に頷くのを確認すると、既にそそり立っている雄の象徴を少女の花弁に押し当てた。そしてゆっくりとその中へ肉棒を埋めていく。

「んっ……はぁっ……」

 痛みなのか快楽なのかは分からないが、少女がくぐもった声をもらし、手でこちらを抱きしめてくる。それを受け止めながら更に奥へ奥へと埋めていく。そして何かが切れるようなほんの小さな音を感じ取ると、少女は口を開いた。

「きちんと……入ったね」
「恥ずかしいこと言わないでよ」

 息を荒くしながらそんなことを言う彼女に、思わずそうツッコミを入れてしまう。未だにぎゅうぎゅうと締め付けてくる彼女の膣に耐えながら。

「動かして、いい?」

 答えを聞くより早く俺は待ちきれずに動かし始めてしまっていた。しかし、少女はそれに抵抗することもなく、高めの声を上げながら快楽を全身で受け止める。

「はぁっ……んっ……あっ……」
「くっ……はっ……」

 抜いたり挿したりを繰り返す度に全身に走る快感に身を任せながら一心不乱に腰を振る。少女もさらなる快感を求めるかのように自分から腰を浮かせ始めていた。

「あっあっんっ……はぁっ」

 だんだんと喘ぐ声が大きくなってくる。それは暗に限界がくることを示していた。こちらもだんだんと何かがこみ上げてくるような感覚が近づいて来ていた。

「そろそろ……くっ……イくよ!」
「私も……あっ……限界いっ……」

 その言葉を聞き取り、終わりへと更に近づかせるように腰を振る早さをあげていく。ぴちゃぴちゃと嫌らしい水音が時折部屋の中に響きわたり、気を更に高ぶらせていく。そして……。

『あぁぁぁぁあっ!』

 二人が叫び声をあげた途端、びゅる、ぴゅるっと彼女の膣内に精を吐き出す。それを受け取るかのように、彼女の膣壁が肉棒をなで上げている。
 だんだんと射精の音がなくなっていくと、荒れた息も少しずつ治まってくる。相変わらず少女の方はまだ荒い息ではあったが。……少し激しすぎたかな。

220:イノシア ◆rkAWlQPFjI
09/02/03 15:53:43 Bal2euS9

 とりあえずこのままで寝るのも後々いやな思いをするだけなので、名残惜しくも少女の膣から肉棒を引き抜く。引き抜かれたそれがだんだんと縮んでスリットの中に収納される前に、こびりついた精液をふき取らないと後になって臭くてたまらない。
 適当なタオルをとってそれで拭いていると、やがて少女の方がむくりと起き出す。どうやら少し落ち着いたようで、他のタオルを手渡すと顔を赤くさせながらも自分の体にこびりついた精液をふき取っていた。


「でさ……一つ聞きたいことがあるんだけど」
「なんですか……?」

 自分の体を拭き終わり、次はベッドについたのを拭いている最中に頭の中にふと浮かんだ疑問があった。それを問いかけるために口を開いた。

「なんでわざわざ国境を越えてまで竜の国に?」

 それを聞いた途端、少女の顔が暗くなる。何か悪いことでも聞いたのだろうか。答えなくてもいいよと言おうとしたところで彼女は口を開く。

「父さんの遺骨を取りに……」

 話を聞いていると、どうやら少女は昔に起きた戦争で父親をなくしたものの、遺骨はこの竜の国に保管されたままらしい。戦後に遺骨の返却を求めたものの、それは断固として拒否されたらしい。だからそれを取り返すためにこの国までわざわざ来たらしい。

「それなら明日、王都に行って遺骨の返却を求めよう」
「えっ……?」

 思わぬ言葉に少女は驚く。一応前までは王の側近として護衛を任されていたし、覚えているかは分からないが面会をして頼み込めばきっと大丈夫だろう。それを少女に話すとたちまち表情は明るくなり大きく頷いた。

「じゃあ、とりあえず寝ようか」

 二人は再びベッドの中に入り、互いに確かな温もりを感じながら眠りにつくのであった。

221:イノシア ◆rkAWlQPFjI
09/02/03 15:57:05 Bal2euS9
 ……以上です。
 長文エラーのせいでところどころ改行しなくてもいい箇所を改行していますが、気にしないでいただけると助かります(・ω・`)

222:名無しさん@ピンキー
09/02/03 16:19:22 uHC0zkAO
リアルタイム乙

種族問題物に弱い俺が二連作とも感激!

223:名無しさん@ピンキー
09/02/03 22:30:44 jqSbCeib
初々しくっていいな。

224:名無しさん@ピンキー
09/02/09 11:00:42 vzr4heWx
ほす

225:名無しさん@ピンキー
09/02/10 02:15:24 LPfrAzhl
久しぶりにFC版DQ2やってたら、犬状態の王女の首に首輪らしき線があるのを見つけてなんかムラムラした
いや小さなドット絵だし首輪じゃなくてただの輪郭線かも知れないが

226:名無しさん@ピンキー
09/02/10 12:38:32 PT0BYhqL
それはただの首輪プレイじゃ・・・

獣だったらやっぱ、
不妊手術の副作用で年中発情とか、
股間にカウベル吊して鼻輪で引き回して、
「おや、音が湿ってきたぞ?」とか、
乳房の周囲を剃毛して羞恥責めで
「ごめんねチョビ、女の子なのに八つもハゲを作って」とか、
そういうのじゃないともう俺はダメだ。

227:名無しさん@ピンキー
09/02/10 13:19:02 o7+beEaa
心理描写がよけりゃシチュはそこまで指定しないな

228:名無しさん@ピンキー
09/02/10 21:09:21 OI0N0xYR
>>224
DAY OF VENGEANCEの続き待ってますお…

229:名無しさん@ピンキー
09/02/10 23:08:57 LPfrAzhl
>>229
ただの首輪されど首輪
元人間だけど犬に堕ちたという自覚と恥辱を味わわせるシンプルな第一歩としてですね

って思ってたがそこに例として列挙された比較的濃いものもやべぇ超萌える
不妊とかは真面目に考えるとちょっと話が重くなりそうだけど
あとカウベルも萌えるが取り付け方がピアシングとか痛そうなのだと苦手

230:名無しさん@ピンキー
09/02/14 01:52:00 GX2z45Ro
ほしゅ

231:名無しさん@ピンキー
09/02/19 19:51:05 56wk4Abi
前スレで投下した作品、加筆修正して再うpします。
というのも、一番肝心な場面展開が抜けてしまい、読み返したら情けなくなったので。

とりあえず内容

カエル♂×トカゲ♀ 和姦
特に注意すべきことはないが、爬虫類系なので苦手な方はスルーで。

前回の、この作品を見てくださった方々、大変申し訳ありませんでした。
お詫び申し上げます。

232:守るべきもの part1
09/02/19 20:00:08 56wk4Abi
「・・・・申し訳ありません。」
暗い茂みの中で、俯き言葉少なめに謝る。
怪我をした右足が心なしか痛みを増した。

その足先には黙々と包帯を巻き、自身の持つ魔術療法の呪文を呟く男がいた。
呪文を終え、しばし噤んだ口が開き、重い言葉が流れる。

「・・・お前は、何の為に隊長になったんだ・・?」
「すいません・・・。」
「誰が謝れといった。質問に答えろ。」
「・・・・・・。」
「答えろ!前に話したことがあっただろうが!!!」

ざわついていた木々の音が、その声で一挙に静まり返った。

自分の口が、肩が、全身の筋肉が恐怖に震えている。
怖い。目が見れない。

ここに連れて来られた直前から、同じように怒りに燃えていた。
指揮官の補佐である彼には、今回の任務は特別なものだった。
海洋部隊の指揮官は高齢のため、次期指揮官の任命時期が迫っている。
補佐である彼が適任だろうが、何故か有能な隊長格も名乗りを上げていた。
それには、彼の弱点でもある、一つの原因があった。

皆、彼を「指揮に甘さがある」と言う。
それは、ついこの間まで「優しさ」という言葉には転換されなかった。

訓練にしても、彼は個々の能力を最大限に引き出す方法をとる。
精度を高め、かつ強靭な体力を身につけるための訓練。
ところが、これは受け継がれてきた訓練とは正反対。
「根性」をプロセスとした指揮をする者の反感を買うのも無理はない。
むしろ、その訓練がこの国の強固な軍事力を保ってきたのも事実だけど・・。

233:守るべきもの part2
09/02/19 20:01:11 56wk4Abi
あの時、ノイズにより指揮が聞こえなかったと言えば言い訳になる。
部下を守るためと言っても、口合わせに変わりはない。
あの艦隊の暴発装置を打てたら・・・そう思って近づいた。
そうすれば、同時に透明に輝くこの海の景観も守れるだろう・・・・と。

暴発装置は、接近していた私をいとも簡単に吹き飛ばした。
幸い後方の崖に足を打撲した程度だった。しかしその後の衝撃波による津波が襲い、
死を覚悟した瞬間、彼により助けられた。

女性隊長という事に反発があった任命直前の議会でも、彼が助てくれた。
それは彼が私の全責任を負うという事。
つまり、今回の事件で首を切られるかもしれない。
私の所為で・・・・。

いつも自分は、恩返しができない。
それどころか――。

ふと、頬を暖かく湿った指が触れた。
その方向には、いつもの彼がいる。
あの優しい、大きな目をして。

「泣くな。俺も少し大人気ない言動だったな。すまない。」

いつもの口調に戻って安堵したのか、一気に胸に詰まった物が溢れ出す。
必死に堪えようとするほど、流れ落ちる涙。
私はただ、そっと腕を回して胸に抱いてくれた彼に甘える。

何とか質問に答えたい。
答えたいけど・・・涙が・・・。

優しく頭を撫でられる。
私はただ泣いた。咽る程に。
そんな不甲斐ない私を、彼は泣き止むまでジッと抱いていてくれた。

234:守るべきもの part3
09/02/19 20:02:14 56wk4Abi
―俺は本当に補佐という座にいてよかったのだろうか・・・。
この、長年心の奥底に塞ぎこんだ悩みは今、春の陽気に溶ける雪のように消えた。

そうなったのも・・・こいつのおかげだ。

今胸に抱くこの部下・・・否、彼女が居なければ、俺はとうにこの座を降りたかもしれない。
任命当初、格下の隊長格に罵倒され、胃の痛い日々が多かった。
指揮官が自分の親戚であるが故に「コネ」と噂さえ流れていた。

「まだ15歳」

そう嘲笑された任命式。
それが非常に悔しくて、自室で壁を殴り続け、もともとあった傷口が開き出血多量で搬送された。
血のシミはまだあの壁に残っている。
それを見るたび、そんな自分が情けなく感じた。

それから3年経ち、俺は彼女・・・ハッチに出会った。
同い年ながら大人びた精神力、指導力。
隊長候補生試験もトップで卒業。
俺は彼女ならいい隊長として指揮ができるだろう・・と思い始めた。

それでも、女性は隊長になることはできないという規律がこの国にはあった。
その原因は過去に、敵軍に姦淫されて身籠った女性隊長を上司が惨殺したという暗黙の歴史の所為。
そしてその上司は異質なことに、殺して血まみれになったその隊長を犯した。

俗にいう、「死姦」。

この上司も事件発覚後に上官に首を落とされ、絶命した。

これ以来、断固として女性に昇格制度を施さない。
俺はどうにかできないかと模索していた。
しばらくして、俺は彼女が上官の前で、「なぜ女性が隊長になれないのか」聞いていた。
上記のとおり、暗黙の事実に加え、勧誘で昇格させようとした上官を、
俺は渾身の力でぶん殴った。
もちろん、これはクビ同然の行為である。
しかし。

―俺はどうなってもいい。彼女が隊長になるなら――。
この時はまだ、自分の気持ちに気付かなかったのだが。

なりふり構わず総合指令部に駆け込み、説得した。
自分の首は飛んでも構わない、彼女の腕を見てほしい、と懇願した。
「贔屓するのは好きだからだろう」と嘲笑されても、構わないほどに。
むしろ恥じなかった。いや、恥じることではない。


それから数十年ぶりの女性隊長になれた彼女は、立派な指揮をしている。
時折こちらから補助をしないといけない時もあるが、それでも男には気付かない、
女性特有の指導力が、次第に評価を上げていった。

この頃だった。上司と部下でなく、もっと身近な関係でありたいと思ったのは・・。

235:守るべきもの part4
09/02/19 20:03:12 56wk4Abi

「泣きやんだか?」
「・・・はい。」

静かに流れる小川の音と、風に揺れる木々の音しか聞こえない。
ハッチは涙を拭うと、鼻をすすって立ち上がろうとする。
しかし、クロッグはハッチの手を掴んで強引に座らせた。

「・・補佐官?」
「そのまま座ってろ。」

疑問を持ちながらも、静かに腰をおろした瞬間、肩を押され仰向けに倒れる。
驚いて何も言えないハッチを見て、クロッグは「ふぅ」とため息をつき、前を見据えて口を開いた。

「・・ほ・・・補佐官?」
動揺するハッチは、突然の行動に戸惑いながらも、やっと言葉を返す。
しかし、それ以上に驚いた事。

ー手でも足でもない・・・・脈打つ・・・それはまるでーーー。

「え・・・・!?」
「・・・分かるか?この意味が。」
「あ・・あの・・・。」

丁度自分の股間部に当たる、雄の象徴。
時折脈打つその硬い棒は、自らをこれでもかと主張していた。

「お前に対してのお返しだ。」
「お・・お返しとは・・?」
「以前、自室で俺を呼んでたろ?嬉しかった。」
「・・・・・!」
過去に遡った瞬間、ハッチの顔がみるみる赤くなる。
「無理もない。俺もそうだ。発情期があるから耐えるのは難しい。」
「・・・なんでそんなところを・・・」
「いや・・・隣の部屋だろうが。」
「寝てなかったんですか・・・。」
「ああ。」
顔を手で覆い、真っ赤になって押し黙るハッチに、クスリと笑いを見せるクロッグ。

「・・・なあ、ひとつお願いしてもいいか。」
「え・・?」

ようやく熱が引いてきたころ、クロッグが静かに口を開いた。
「今は名前で呼んでくれるか?それに、同い年なんだから。」
「・・・はい。」
「こら。早速守ってない。」
「急には無理ですって。」
「・・・・・まあ、そうだな・・。」

しばらく見つめあい、やがて重なる唇。
まだ若い2人にとっては若干違和感があった。
それでも、本能に宿る行為の伝承は、しっかりと残っている。

236:守るべきもの part5
09/02/19 20:05:55 56wk4Abi
裸になった2人。
空は月の光が振り注いで神秘的な光景を醸し出していた。
クロッグはハッチの尻尾を撫でながら、舌を体に這わす。
長く太いその舌は、じっとりと暖かく、卑猥な感じであった。
時折漏れる幼い喘ぎ声に、心臓の鼓動も早くなる。
我慢できないとばかりに、秘部にたどり着くやいなや舌を奥まで侵入させる。

「!!ぁ・・・クロッグ・・・ま・・・っ!」

にちゃにちゃと音を立てる秘部は、次第に潤っていく。
締めつけたり弛んだり、変則的な動きにを繰り返している。

「クロッグ・・・駄目・・・・・もう・・。」
頭を掴み、首を横に振って悶える。
あまりの快感に達しそうになるが、必死に耐えた。
自慰ではない、本当の性行為で初めて達するのなら、彼と一緒に、と思っていた。

クロッグはそれを察してか、ゆっくり舌を抜き、一呼吸置いてから、自身の肉棒を挿入した。
小さな体にそぐわない、舌より太いその肉棒は、ハッチの膣内にめり込んでいく。
初めて味わう女性の中に、クロッグは溜息を洩らして身を震わせた。

「っ・・は・・ぁ、なんか変な感じ・・・。」
「・・・俺もだ。気持ち良すぎて・・・う・・動いても平気か・・?」
「・・・・いいけど・・さ、その前に聞いてもいい?」
「?」
「女性の隊長任務期間って・・5年だよね?」
「え?・・・そう・・だな。」
「じゃあさ、もし。」
「うん。」
「・・・5年経って・・・二人とも経済的に余裕ができたらさ・・。」
「・・・そうだな。きっと・・・な。」
それ以上、言葉を出さないハッチ。
だがクロッグには、予測がついた。
経済的な自立、そして任期満了とともに退職となった時、女性が選ぶ道・・。

―結婚。

この先どちらかが、あるいは二人とも戦禍に巻き込まれて命尽きるかもしれない。
それでもいつか平和が訪れ、治安もよくなったら幸せな家庭を築こう、と誓い合う二人。
そして軽くキスを交わし、再び見つめ合った。

237:守るべきもの part6
09/02/19 20:08:31 56wk4Abi
クロッグは一度腰を引くと、慎重に奥まで挿れていく。
ゆっくりとしたストローク。高まる感度。
それは次第に早く、強くなっていく。
月明かりに照らされた二人の息遣いと、ねちゃり、ぐちゃりと響く音が生々しい。、
そして時折聞こえる空気が抜けるような卑猥な音、体のぶつかり合う音。
誰かが通れば確実に気付くであろうが、それを意にも介さず本能のままに没頭する。

そして迎える、終息の時。

眉間にしわを寄せ、何かに耐えているようなクロッグを見て、ハッチは射精が近い事を悟った。
達しそうなのかと聞きたくても、自分の口から声が出ない。
自分も限界が近いと言いたくても、口がそれを許さない。
開いていた足をクロッグの腰に回し、腕を首に回してしがみつく。
できる事なら一緒に達してみたい。精一杯の受け答えだった。

喉元からグッと声を絞り、ピタッと動きを止めるクロッグ。

彼の名を呼ぼうとした刹那、膣内に己の精魂が大量に飛び出す。
クロッグは射精の律動に合わせて再度腰を打ちつける。
吐き出す息と同時に聞こえる、快楽の声。
その様子を目の当たりにし、膣内を熱い液で染め上げられたハッチも声なく達した。

収まった律動。それでもなお味わいたいと衰えを知らないその性欲の根幹は、膣内で硬さを保っている。
ハッチは虚ろに空を仰ぎ、初めて感じた『愛の行為』の快楽に浸っていた。
「子供できるな、これ・・・・。」
「・・知らないよそんなこっ・・・・あ痛たた・・・。」

何度か肌を重ね、いつの間にか眠ってしまった二人を起こした朝日。
あまりに没頭しすぎて、起きた時には痛みさえ感じた。
お互いの欲望の痕跡が辺りに、体に残り、糊のようにべとべとして気持ち悪い。
二人はじっくりと昨晩の行為を思い出しまい、大汗をかいていた。
無論、恥ずかしさの余りである。

近くの池で体を洗い、身支度を整える。
ハッチも怪我の具合が良好のようであった。
歩きながら、ハッチの足の具合を見るクロッグ。

「背負ってやるよ。まだ完全には治ってないしな。」
「あ、うん・・・。」

「で、気持ちよかったか?」
「・・・そりゃあ、ね。クロッグは?」
「最高。まだ足りないかも。」
「この馬鹿。変態。」

238:名無しさん@ピンキー
09/02/19 20:10:12 56wk4Abi
以上です。
だいぶ加筆したので、原型が無くなりかけてますがご了承のほどを。

239:守るべきもの part7
09/02/19 20:16:55 56wk4Abi
すいませんまた・・・orz
>>240続き

親指をつきたて、にこりと笑うクロッグに軽く小突く。
クロッグはハッチを背負う。少し重かった。
と同時に、自分の首元に愛すべき者の温もりを感じる。
後ろから抱きよせるように、クロッグに身を寄せるハッチ。
少しばかりの静寂の後、ハッチが口を開く。
「・・・じゃあ、クロッグ。」
「・・。」
「ひとつだけ・・お願いしてもいい?」
「・・何だ?」
「無茶しないでね。私ももうしないから。」
「・・・ああ、心配するな。」
頬笑みながら、基地への道なき道を歩いて行く2人。
それは二人がこれから築く道を、作っているかのようだった。

END

240:名無しさん@ピンキー
09/02/20 07:27:16 JjYHkUW8
以前見たときも萌えましたが、再び見ても良いですね
真面目で優しい二人のやり取りが暖かいです
加筆にこだわりや向上心を見ることができて書き手としての意識の高さも尊敬。GJでした

241:4スレの621
09/02/21 16:33:32 chmDSf9+
ずっと以前にミノタウルスの話を書いた者ですが、狼をネタにして一本書きました。
概ね20レスほどお借りします。
♂獣×人♀。モフモフ成分は狼。属性はTF、獣姦になります。
その手の属性や描写が苦手な方はスルー、若しくは『猟師と狼』をNG登録するようお願い致します。

242:『猟師と狼』
09/02/21 16:36:54 chmDSf9+
―1―
 それは、むかしむかしの話。
 人の世界は今よりもだいぶ狭く、神様と魔物がずいぶん人と近しかった頃の話。
 あるところに一組の親子が住んでいた。
 既に母は亡く、父一人子一人で山奥にひっそりと暮らしていた。
 親子は猟を生業としており、父親は近隣の村々では並ぶ者のない凄腕として知られていた。
 その子である娘も、父に習ったお陰か、はたまた血の所為か。これまた、かなりの腕を持った猟師だった。
 娘は猟師として泥と埃に塗れて、日が昇る前から日がとっぷりと暮れた後まで山塊を駆け回る日々だったが、しだいに美しく育っていった。
 娘が女となるよりもずっと前から、母親譲りの美しさは彼女の面にその片鱗を覗かせていた。
「お前の娘は弓の腕も大したものだが、そのうちどこぞの若旦那でも射止めるんじゃないか」
 しばしばそう言っては、里の者は父と娘を囃し立てたりした。
 無論、互いによく知った仲である。本気の訳が無い。酒宴の席に無理やり同席させられた娘を肴にしての、ほんのちょっとした冗談に過ぎない。
 しかし、その度に娘は顔を真っ赤にして怒った。
「あたしは誰の嫁にもならない!ずっと父さんのそばにいる!」と。
 それがさらに村人達の茶目っ気を煽ると知るには、娘はまだ幼すぎたし、なによりも血の気が多すぎた。
 そんな娘の態度を面白がって、里の者達はさらに囃し立てる。父は杯を傾けながら、そんな他愛の無い会話ににこやかに笑っていた。
 母を早くに失っていた所為だろう。
 父は娘を、また娘は父を、互いに深く深く愛していた。
 他に累の無い親子としてだけでなく、時には命を預ける事もある猟師の師弟としての様々な想いが二人の絆をより一層固いものとしていた。
 月日は経ち、いつしか娘は立派な大人になっていった。
 弓の腕はついには父と並び称されるまでになり、白粉も紅もついぞ指した事の無い、およそ化粧っ気のない荒削りなものであったが弾けるような美貌となっていた。
 楚々とした如何にも女性らしい雰囲気には欠けていたが、しなやかな肢体に引き寄せられて不用意に近寄る雄に、後ろ足で一蹴りをくれるはねっかえりの雌鹿の風情。
 反面、娘の成長は、父には老いだった。
 あれほど険しい山肌を苦も無く駆け巡っていた足は弱くなり、弓弦も弱いものへと変えざるを得なくなっていた。
 いくら凄腕二人とは言っても、猟師の暮らしは厳しいものだ。
 質素ではなく、貧しい、と言える部分も多々ある。
 老いたとは言え父親は、娘に猟を任せて安穏と隠居を決め込む訳にもいかなかった。
 男として老いを認めたくないのと、父として子に心配をかけさせまいと、ことさら気丈に振る舞っては自分の老いを隠そうとする。
 だが、ずっとすぐそばで父の狩りを見てきた娘には、どんなに隠そうとしても父の腕前が衰えてきているのはどうしても分かってしまう。父も子も、認めたく無い事だったが、時の翁は誰にでも平等であった。
 娘は、父を支えねばと思った。
 どうやって支えるか。娘には一つしか思いつかなかったし、実際、支える手段も一つしかなかった。
 既に娘は一人前に、いや、並みの一人前が束になっても敵わないくらいの狩りをするまでになっていた。なまなかな男では付いていく事すら難しい俊足で山を駆け、里の者達から鷹の如しと褒めそやされる耳目で獲物を探し、狙う。
 器量は良いのだが、きつい娘の性格と目鼻立ちを皮肉っての言葉もそこには含まれていた。幸いな事に、娘はそうと知らなかったが。
 兎、狐、鹿、猪。驚くべき事に時には熊まで。
 愛用の短弓と罠を駆使して、娘は見事にさまざまな獣を狩った。それは時に、父が眉をひそめるほどの数を仕留める事もあるほどだった。
 しかし、どんなに獲物の数を増やしても、財布の中で増える金は僅かに過ぎなかった。
 所詮、山に住む猟師は、村や町に住む者からしてみれば下なのである。下層の者から、わざわざ高値で買い取ってやろうと言う奇特な人間は多くない。それが金勘定に全てを捧げる商人ともなれば、なおさらであった。

243:『猟師と狼』
09/02/21 16:38:16 chmDSf9+
―2―

 ある日、親子は二人して猟に出かけた。
 が、どうした事か。
 鹿一頭見かけない。ほうぼうに仕掛けた罠にも、兎一匹すらかかっていない。
 運が悪かったか、と猟場を移してみるが、どこを巡っても変わらない。
 山中に寝起きしながら狩りを続け、数日、同じような状況が続いた。二人の中に焦りばかりが募っていくが、状況はどうにも変わらなかった。
「手持ちの食いモンも尽きた。いったん家に帰ろう」
 そう父親が言った時。
 親子は今までに感じたことのない、異様な気配を感じた。
 その気配の方向を見やれば、遥か断崖の上、その切り立った頂きの張り出した岩棚の上。
 そこに"そいつ"がいた。
 いや、正しくは"そいつら"、だろう。
 獣は二頭いたからだ。
 おそらくは番いなのだろう。ぴったりと寄り添いながら、"そいつら"は親子を見つめていた。
 離れている為にどれほどかはよく分からないのだが、彼らの体躯は見たことも無いほどに大きいという事くらいは分かった。四肢は太く、流れるような立派な尾をした狼の番いである。
 目に入っているであろう、人の姿に臆すことなく頭をずいと掲げ、胸を張って頂きの高みから睥睨している。
 頸の後ろに生えた立派な鬣を、崖下から吹き上げる風に靡かせている姿には、獣ながらに恐ろしいほどの風格を備えていた。
「ありゃあ、カミサンだ…カミサンいたら獲れるモンも獲れん」
 心ここにあらず、と言った様子で父が呟く。
 父親の言う通りだった。
 二頭の狼は、山神だった。
 山神は、山の事物その一切を司る神だ。山の物は、すべて山神の物であると言ってよい。勿論、親子の獲物も山の物だ。山神の目の届く所で、山神の物を勝手に獲ろうとしたとして、人の身で獲れる訳がない。
 しかたなしに、親子は山を降りる事にした。他に何か良い手立ても思いつかなかった。
 かといって手ぶらで降りれば、自分達が食べる物にも事欠く事態が待っている。
 親子は猟師である。ごくささやかな畑を除いて、田畑の類いを持ってはいなかった。米に味噌、野菜と言った作物は、里の者と狩った獲物と交換するか、あるいは商人に売って金に替え、それから改めて買っているのだ。
 蓄えもそう多くはなかった。
 親子は二手に分かれ、なんとか自分達の食い扶持だけでも狩ろうとした。
 それも全て、徒労に終わった。
 それだけでなかった。
 なんと、父親が猟の最中に足を滑らして、沢筋に転げ落ちてしまったのだ。
 焦りと老いが、彼から猟師としての腕前を奪っていた。
 なんとか命は繋ぎとめたものの、滑落する途中であちらこちらにひどく体を打ちつけた所為か、そう長くないのは誰の目にも明らかだった。
 最愛の、唯一の肉親であり師でもある人間の弱々しく伏せった姿に、娘は深く嘆き悲しんだ。
 山の様子は相変わらずで、いっこうに弓にも罠にも獲物はかからなかったが、幸いにも草木の恵みなどは採る事が出来た。しかし、いくら採れたと言っても山の幸から取れる薬効ではおのずと限界がある。

244:『猟師と狼』
09/02/21 16:39:32 chmDSf9+
 かと言って、医者にかかるにはとてつもない金がかかる。そんな金のあてなど、どこをどうしたってあろう筈が無い。本気で用立てようとすれば、娘が女衒にでも身を売るしかないだろう。
 娘は一人で狩りをし、必死で獲物を求めた。
 狩りの合間に焼く炭の量も増やしたが、娘一人が頑張って増やせる量などたかが知れている。
 床で寝たきりの父に、少しばかり上等な粥を食わせてやるのが、せいぜいだった。
「どっちか一人で三国一、親子揃えば六国一と二の猟師だ、なんぞとおだてられて、調子にのっとった罰かもなぁ」
 実際には父親はそんな調子に乗った事など一度もなかったのだが、弱った体は彼の心までも弱くしていた。萎えた心は急速に生きようとする力を吸い込んでいく。
 父の言葉には、ある覚悟をした者につきものの雰囲気があった。
「そんな事ない!猟師が猟をしちゃならんって掟なんてないもの!」
 しかし言葉で否定したとしても、父の傷が治るでも、獲物が狩れるようになるでもない。
 娘の憔悴ぶりに、里の者達も心を痛めた。
 しかし、猟師の父娘の為に懐まで痛めようとする者はいなかった。皆、それほど豊かではないのだ。山裾に広がる畑は実りに乏しく、不作が続いた時には口減らしすら出さなくてはいけないような村ばかりなのだ。
 運命の悪戯、とも言うのだろうか。
 それが起こったのは、娘が焼いた炭を背負って里まで降りてきた時の事だった。
 炭を商人に売って、その金で米やらを買おうと、娘は村の市場を訪れた。
 ここの村の者とは旧知の仲だ。幾人もの村人が、娘を案じる言葉をかけてくれる。
 疲れた微笑みと共に彼らに礼を返しながらも、一向に役に立ちそうな話が無いと困り果てているところ、ある村人の呟きが娘の耳に入った。
「山神の生き胆には、どんな傷でも病でもたちどころに癒す力があるそうだ」
 娘は掴みかかるような勢いで尋ねた。
「ねぇ!今の話!それは……そいつは本当なの?」
 娘は必死だった。
 必死になりすぎて、我知らず、本当に村人の胸座を掴んでしまい、揺さぶるようにして尋ねている自分にも気付けない有り様だ。
 娘のあまりの勢いにたじろぐ村人だが、彼にしても本当の事は知らなかった。遠くからやってくる商人や芸人から聞いた話なので、確かめたくたって確かめようもない。そもそも座を開こうとする行商人の前口上に過ぎないのかもしれないのだ。
「い、いや、俺だって噂に聞いたことがあるってだけだし……本当のところ、どうなんかは」
 知らない。
 尻すぼみに、そう返すのが精一杯。
 娘にとっては、村人の話が噂であろうが、それでも十分だった。
 少なくとも彼女にとって山神はまったく見知らぬ相手ではなく、相手は雲の上にいるのではないのだから。
 いちばん良い弓、いっとう鋭い矢、父譲りの短刀、編んだ縄をたくさん、自分で食べる分の食料、それと何故か一杯に膨らんだ竹魚篭を二つほど腰に携えて山に入った。
 目指すのは、以前に山神が居た所。
 あの断崖の上にある岩棚。
 あの日、二頭の狼がいた場所は、近隣の山々を自由に駆け巡る親子でさえもめったに近づかぬ場所だった。それは同時に、簡単には近づけない場所でもある事を意味していた。
 まるで人を拒むかのように切り立った崖を、娘は登っていく。すっぱりと鉈で断ち落としたような断崖のところどころに楔を打ち込み、縄を掛ける。
 そうして血を吐くような苦労の末に、とうとう崖の上まで登り切った娘は、眼前に広がる光景に息を呑んだ。
 彼女の前には、神の御座めいた岩棚が広がっていた。

245:『猟師と狼』
09/02/21 16:40:32 chmDSf9+
 まるでそこの座する誰かの為に磨き上げられたかのような、滑らかで巨大な一枚岩。
 その周りを半円を描くように、潅木が生い茂っている。
 峰を渡る風が低い梢を揺らし、ざざざざ、と波のような音を立て、厳粛とも言えそうな雰囲気に飲まれかけた娘を引き戻す。
 こくり、と娘の喉が動く。
 次の瞬間、娘はとんでもない行動に出た。もし誰かが見ていたら、娘の気が触れたと思ったに違いない。
 おもむろに娘は服を脱ぎ始めたのだ。
 脱ぐ端から崖の下に放り投げては、捨てていく。
 ただの獣ですら人の匂いに聡いのだ。山神の前では、衣服についた匂いなど闇夜に焚いた篝火も同然だろう。
 年頃の娘にとって全裸はさすがに気恥ずかしいものがあったが、どうせ数里四方にいる人間は娘だけだ。
 見ていても獣だけ。そういう考えと、なんとしても山神の狩りを成功させたいという想いが娘にとっぴも無い行動を取らせていた。
 熊の毛皮で作った外套から下着まで。全ての服を脱ぎ捨てると、娘は地面に転がった。
 それは猪の行動を真似たものだった。彼らがそうやって自分の匂いを消すのを、猟師である彼女は知っていたのだ。
 瑞々しい裸身はあっという間に土埃で赤茶けていく。
 それから娘は二個ぶら下げてきたうちの一つの竹魚篭の中身を取り出した。
 中を見れば、そこにはたっぷりと水気を含んだ泥が詰まっている。娘は魚篭に手を突っ込んで中身を掻き出すと、なんの躊躇も見せずに自分の肌に塗り始めた。
 里の者が見れば、絶対に気が触れたと思うに違いなかったろう。
 体と言わず顔と言わず、髪の毛にまで刷り込んで、娘はすっかり泥まみれになると、中身が無くなり軽くなった竹魚篭をさっきの服と同じように崖下に放り捨てた。
 そして一つ残った魚篭を手に、娘は一枚岩で出来た岩棚の真ん中にまで歩み寄った。
 ひょいと魚篭を逆さにすると、中からはどさどさと何かがこぼれ落ちる。よく見れば、それらは魚や貝などだった。それも渓流や河で獲れる魚ではなく、どれも海の幸ばかりで、こんな山の中では珍味と言える。
「山神をおびき出すのに、獣相手のような手は使えないわよね……」
 山の物全てが山神の物とも言えるのだ。山で獲れる肉を置いたところで、それが山神を引き寄せるとは思えない。なにせ、相手は欲しいと思えば、いくらでも新鮮なのを自分で獲れるのだから。
 だから、娘は海産の珍味で山神を誘う事にしたのだ。
 果たして喰い付くかどうか怪しいものだったが、それを言ったら、この狩り自体がとんだ大穴狙いの博打に過ぎない。そもそも、神を狩るなど普通だったら世迷い言の類だ。
 魚篭の中身を岩棚の上に出し終えると、これもほいと放り捨てた。
 岩棚の上に餌をおき、自分は少し離れた、しかしそこからは岩棚と周囲がしっかり見通せる潅木の陰に身を潜り込ませた。
 地面は苔や下草に覆われているとは言え、こんもりとした木の根元に潜り込んだ形になる。枝が肌を引っかき、蚯蚓腫れをあちこちに作ったが、これも全ては山神を狩り、父の怪我を癒すため。娘は我慢した。
 時間は飛ぶように過ぎていく。
 山神が現れる気配はない。
 それでも、じっと娘は仕掛けた餌を見張り、体全身が耳になってしまうのではないかと思うくらいに耳を澄まして辺りを油断なく伺い続ける。
 どれくらいたったのだろうか。
 不眠不休で岩棚を見張り続けて疲労困憊し、身体は動かせない為に強張り、半ば意識の混濁した娘が、はっと我に返った。
 見れば、岩棚の上、一頭の狼がいた。

246:『猟師と狼』
09/02/21 16:41:39 chmDSf9+
 真白い毛皮も美しく、黒く艶やかな鼻先から尾の先まで流れるような姿は艶かしいとすら言えるほどの、神々しい狼。
 体躯も並外れて大きい。控えめに見積もっても子牛ほどはあるのは間違いないだろう。
 あの時見た、山神の片割れに違いなかった。
 白狼が纏う、神気とも言うべき気配に飲まれるように見惚れてしまった娘が、再び我に返る。
 そっと、今まで生きてきた中でももっとも注意深く動き、弓を水平に構え、矢をつがえる。
 きり……。
 僅かに弦が音を立ててしまい娘を青ざめさせたが、娘の撒いた餌を不思議がっている白狼に気づく様子はない。身体中に泥まですり込んだお陰で匂いの消えた、ごく間近にいる娘に気づく様子もなかった。
 しばらく遠巻きに眺めていた白狼だったが、危険な物ではないと思ったのだろう、近づいて餌の匂いを嗅ごうとした。自然、頭が下がった。もっとも矢が刺さりやすく、かつ撃ちこみ辛い場所が位置を下げ、射やすくなる。動きも止まった。
 びん、と娘の弓弦が、空気を打ち鳴らす。
 狙い過たず、矢は白狼の左目に突き刺さった。
 こうなっては隠れている意味はもう無い。
 娘は木陰から飛び出すと、露わになった裸身を隠そうともせず、弓を構え、矢を放つ。
 一矢。
 雄叫びと共に、続けざまにもう二矢。
 至近距離だ。しかも標的の寸法が寸法である。一発だって外れっこなかった。
 白狼は顔から首筋から矢を食らい、血を飛沫かせてよろよろとふら付いたが、それでも倒れない。
 神の意地だろうか。
 それを、娘の短刀がねじ伏せた。
 熊にトドメをさす時などに使う短刀だ。鉄の匂いが辺りにせぬように、あらかじめ隠れ場所に埋めておいたのである。
 心の臓めがけて飛び込むように突き込み、ぐいっと力の限り、捻る。
 震える四肢で踏ん張っていた白狼の口吻から、ごぷっと真っ赤な血が溢れた。
 神と言えど、血は流れ、その血は赤かった。
 金の瞳から光が失せ、うずくまるようにして巨体が大地に倒れた。
 ついに娘は、片割れとは言え、神と呼ばれた獣を一人で倒したのだった。
 娘の全身には泥のようなねっとりとした疲れが溜まっていたが、自身を叱咤し、ぐっと気合を入れ直した。
 肝心要の事は片付いたけれど、これで全て終わったのではないし、なにせ急がなくてはいけなかった。これからこの狼の生き肝を取り出し、新鮮なうちに父の元まで届けなければいけないのだ。
 娘は全身が血で濡れるのにも構わず、山神の腹を割き、真っ赤な血の滴る肝を短刀を器用に使って切り出していった。
 そして少しだけ剥ぎ取った白狼の毛皮で肝をくるみ、手近な蔓草で簡単な背負い籠を編むと、娘は籠の中に取り出したばかりの肝を入れて背に負い、来た道を引き返し始めた。

247:『猟師と狼』
09/02/21 16:42:27 chmDSf9+
―3―

「ね、父さん、喜んで。ほら、今日は獲物が獲れたのよ」
 娘が持つ肉に、父は臥せったままで相好を崩した。
 父は、娘が普段どおりの、いつもと同じ、ただの狩りに行ったのだとばかり思っていた。
「これさえ食べれば、父さんの怪我なんて、あっという間に治っちゃうわ」
 なので、久しぶりの収穫と獲物を娘と共に喜び、狩った獲物に対する最大の礼儀として山の幸を頂く事にした。
 娘の持ってきた肝は父一人では食べきれないほどの大きさだったので、娘も山神の生き肝を口にして、そうして二人で食べきってしまった。
 それからの父の回復ぶりには、目を見張るものがあった。
「いやぁ、お前が獲って来てくれた肉を食べたら、傷の具合がだいぶ良くなってきたよ。
 ははっ、体の底から力が沸いてくるってのはこういうモンかな。いったい、お前は何の肉を獲って来てくれたんだい?」
「なにって…いつものよ。別に特別なのじゃないわ。
 たぶん獲物がずっと獲れなかったから、父さんにはお肉が足らなかったのよ」
 屈託の無い父の笑顔に、娘は居心地悪げな微笑みを返す。
 確かに父の言う通りだった。山神の肝は、傷を負った本人でさえ思わずいぶかしむほどの効能を発揮していた。
 それは娘も身に染みて実感していた。
 山神の生き肝を口にして以来、娘は身体の調子がおかしかったからだ。
 あくまで、調子がおかしい、のだ。調子が悪い、のではない。むしろその真逆と言えた。異様なまでに、体の調子が良さ過ぎるのだ。
 目も耳も鼻も鋭くなっていた。
 目は恐ろしく遠くまで物が見えるようになり、夜に松明無しでも山を歩けるほどに夜目が効くようになった。耳も、谷をいくつか越えた先にいる筈の獣の鳴き声が聞こえるようになり、どこにいるかまでピタリと当てられるようになった。
 体の方も同様である。
 まるで鹿か山羊そのもののように難なく岩場を跳ね超え、どれだけ山中を駆けようがまるで疲れを感じなくなった。鹿のような娘、とは里の者によく言われたものだったが、娘は自分が本当に鹿にでもなったような気分だった。
 手足が空気になったかのように軽く、その癖、ぶんと振り回せば今までに無い力を生んで、娘の肢体を躍動させる。

248:『猟師と狼』
09/02/21 16:43:06 chmDSf9+
 娘はちらりと恐怖を覚えたが、父が快方に向かってくれるのが嬉しく、それで気分が高揚している所為だと思うようにした。
 そうして何事もなく、数日が過ぎた頃。
 遂に、と言うべきか。それとも、やはり、と言うべきだろうか。
 やがて、時が来た。
 娘の体に働いている不可思議な力の源の所以と、どうしてそうなったのかを知る時が。
 それは、娘が一人で狩りに出かけている時だった。
 娘は道に迷ってしまっていた。
 ほんの幼い時から父について巡ってきた山なのに、だ。
 どんな場所だって知っている。その筈だった。その筈なのに、道が分からない。
 それどころか、今、自分がどの辺りにいるかさえ見当すらつけられない。娘は自分の周りに広がるのが、まるで初めて訪れる土地のように思えた。
 父の待つ家に帰ろうとしても、まるで水の中でもがいているようでどうにも侭ならず、さっぱり帰り道が見つからない。
 折悪しく、山肌を舐めるように吹いた風が霧を引き連れてきた。あっという間に、数歩先すら見えないほどの粥のような濃霧が立ち込める。
 と、遠くから娘を呼ぶ声がした。
「父さん!もう山に入れるようになったのね!」
 声は馴れ親しんだ父のものだった。
 父が迎えに来てくれた。
 乳白色をした闇の中に、ぽつんと人影らしきものが浮かんでいるのが目に入る。娘はそちらへ駆け出した。
 内臓を締め付けるような恐怖が、娘から冷静さを奪っていた。父親がこんな所へ来れる筈がないのだ。傷が治りつつあるとは言っても、なにせ、まだ彼は歩くのが精一杯なのだから。
 ふっ、と娘の足の下から大地が消え失せた。
「え?!うそっ…!」
 その悲鳴も、足元に大地を呼び戻したりはしない。
 ふわりと浮く感触に続いて、風が足元から吹き上げてくる。最初は緩やかに、すぐさま強烈に。足先から風を切って真っ逆さまに落ちていた。
 長い髪が吹き付けてくる暴風に弄ばれ、娘の体は濃霧の中をどこまでも落ちていく。
 いつしか霧に飲み込まれるようにして、娘は気を失った。

249:『猟師と狼』
09/02/21 16:44:29 chmDSf9+
―4―

 清けき月光が倒れた娘を照らし出していた。
 死んだように微動だにしなかった娘の頬がぴくりとかすかに動いた。それを切っ掛けに、紙のように白かった肌に徐々に赤みが増していく。娘の口から呻き声が漏れ、体を起こせるようになるまでにさほど時間はかからなかった。
 誰しも気絶から醒めると言うのは、決して良い気分にはなれないものだ。それは娘も同様だった。鉛でも流し込まれたように頭が重い。
 ぼんやりとした頭をはっきりとさせようと何度か頭を振り、そしてようやくシャッキリとした瞳に飛び込んできた風景に唖然とした。
「ここは……あの?」
 見覚えがあるどころの話ではない。
 白く青く熱の無い光に照らされたそこは、娘が山神の片割れを殺した、あの頂きにある岩棚だった。
 信じられないと、その表情が物語っている。
 当然だ。彼女はあの鋭く切り立った崖に近づいてすらいなかったのだから。どうして、どうやってここまで来たのか、推測する事すら難しい。驚く事しか娘には出来なかった。
 静寂が娘の言葉を呑みこむ。
 辺りはシンと静まりかえり、虫の音、獣の鳴き声、風が木立を揺らすざわめきすらしない。
 まるで誰かに頭を垂れ、無礼とならないためにそっと脇に控えているよう。
 猟師として山に慣れ親しんだ娘だったが、困惑と驚愕のただ中にいる彼女はただならぬ山の様子に気づけないでいた。
 と、娘の背後で、わだかまる闇がもぞりと蠢いた。
 今の今までまったく存在を感じさせなかった、巨大な気配に娘がバッと振り返る。
 あらゆる気配を殺されると、たとえ眼球が映していても、人はそこにいる実体を捕らえられず認識出来なくなる。娘は最高の猟師だったが、それも所詮は人の中で、と言うだけだ。山に棲むモノ達の中で最高の狩人とは比べるべくもない。
 そして、その狩人が獲物に気づかれないように気配を絶つなど造作も無い事だった。
 遮る物の無い開けた場所、全てを月明かりが照らし出していると言うのに、闇などありえない。
 "そいつ"はずっとそこにいたのだ。
 "そいつ"は一頭の狼だった。
 それも尋常ではない。
 まず、その体躯が並ではなかった。里で一番立派な雄牛に勝るとも劣らぬ大きさだろう。月光を吸い込んでいるような黒い毛皮、威厳に満ちた鬣も美しい獣であった。
 何よりも狼の黒々とした瞳には、獣の本能ではなく、はっきりと理性の光が宿っているのが窺い知れた。
 娘の顔ほどもありそうな大きな四つの足先が岩を踏む。
 狼は王者の風格を漂わせてゆっくりと歩み寄り、二十歩にやや足らないくらいのところで足を止めた。
 離れている筈なのに、生暖かい息が鼻っ面にかかるような錯覚を覚えるほどの存在感と迫力。
「娘。お前に会うのはこれで二度目になるな」
 なんと、狼が口をきいた。
 人はここまで驚く事が出来るのだと、娘は狼に教えられる事となった。
 ようやく娘がまともに話せるようになったのは、心臓が優に十回は脈を打ち終えてからだった。
「……まさか、あの山神?」
「そうだ、我はお前らが言うところの山神だ」
 娘の前にいるのは、あの日、父と一緒に見た二柱の山神のうち一柱だった。

250:『猟師と狼』
09/02/21 16:45:21 chmDSf9+
 さあっと彼女の顔から血の気が失せる。目の前にいる山神の口調と声が人と同様なら、自分が殺した山神の片割れがどのような者なのか、簡単に想像が付くと言うもの。
「その通りだ。お前が殺したのはな、あれは我が妻だ。悲しくはあるが、死をもって償え、とは言わん。
 人の命一つで山神の命が贖えようもなし。死に死をもって復讐するなどくだらん話だ。お前を黄泉路の供に送ったとて、あやつも喜ぶまい。
 しかし大地に縛られた一介の山神と言えども、人が神を殺した責は受けてもらわねばならん」
 黒い山神は、厳かとさえ言えそうな口調で、ことさらにゆっくりと言った。
「娘よ、我が新しき妻となれ」
「ふざけるなっ!」
 語気も鋭く、娘が叫ぶ。
「誰が獣ごときの嫁になどなるものか!」
 手品の如く、娘の両手の中には短弓と矢が現れていた。既に弦はキリリと引き絞られ、矢はぴたりと山神の眉間に狙いを定めている。
 一瞬で得物を構える、驚くべき早業と言えた。
「ほう」
 自分に向けられる殺意を柳に風とばかりに受け流し、山神は鷹揚に頷く。
「獣ごとき、とな。ならばお前も、お前の言う獣ごとき者らの仲間入りだな」
 愉快そうに言う。
「それ、そのように」
 くっと僅かに山神の顔が下がった。山神が目線で指し示した先。それは娘の手元だった。
 油断無く弓の狙いをつけたまま、不審そうに娘が自分の手を見やる。
 途端、娘の目が、空に浮かぶ満月もかくやと思えるほど見開かれた。無理もない。
「ひっ?!い、いやぁ!なによ、これぇ!」
 山暮らしで荒れてはいが、つるりとした自分の指と言わず掌と言わず、あちこちから真っ白い獣の毛が生えてきたのだから。
 あまりにも驚いたせいで、娘は山神に向けて構えた弓を、手の中から取り落としてしまった。
 びん。
 手を離した拍子に、弦が鳴り、矢が飛び出す。矢は山神を掠めるように、彼の耳先からほんの少しだけ離れた宙を貫いて、どこかへ飛び去っていった。
 危ないな、とまったく危なげの無い口調で山神が呟く。まるで、矢がどこに飛ぶのか予め分かっていたかのような態度だ。
 娘の方はそれどころではなかった。
 自分の体の、皮膚一枚の下でたくさんの百足が這いずり回っているような感触が娘を襲う。最初は指先だけに巣食っていたおぞましい感触は、次第に広がっていき、ついには全身を蝕むようになっていた。
 そして、百足どもは皮膚を食い破り、外へ外へと這いずりだそうとしていた。
 驚愕する娘の眼前で、自分の手がどんどんと変わっていく。
 指が太く、長くなっていく。爪がぐんぐんと伸び、凶悪に尖り、先端は大きく曲がりながら指先よりも先に伸びていく。獣毛は既に手のほとんどを覆ってしまっていて、娘の肌は見えなくなってしまった。
 指先に吸いついた蛭でも飛ばそうとするように腕を振り回すのだが、それでどうなるものでもなし。
 狂でも発したような悲鳴を上げている娘とは裏腹に、彼女の体は静かに、しかし確実に変わっていく。

251:『猟師と狼』
09/02/21 16:46:25 chmDSf9+
「娘よ。生は生、死は死としてそこに在るからこそ森羅万象全てがつつがなく回るのだ。
 お前のした行いは、生と死の理を乱すもの。それは現世(うつしよ)の掟を犯す大きな罪だ」
 神の肉を喰わせ、死ぬべき命を引き戻した事。
 それが娘の罪。
「ひぃ…や、あぁ、だ、だったら、父さんにあのまま死ねっていうの?」
「容易には受け入れ難き事ではあろうが、それが生命の理だ。
 とは言え、お前の父親への想いは分かっているし、我もその感情は知っている。お前がそれと知らせずに山神の肉を与えたのもな。
 故に彼の者に罪は無く、お前の父を案じる心に免じて命だけは助けてやろう」
 変貌しながらも気丈に応じる娘に、山神は言った。
「だが、咎を免れ得るのはお前の父のみ。
 娘よ。お前は人として生を受けた。だが人としての死は、もうお前には訪れん。それがお前の罰だ」
 す、と山神が右前脚を振り上げて、
「さあ、我らが新しき同胞(はらから)となり」
 ぶん、と振り下ろした。
「そして、我の妻となれ」
 触れてもいないのに、たったのそれだけで娘の着ている服は微塵に裂け、細切れになって吹き飛んだ。
 布と皮で押さえつけられていたものが、月光の元に曝け出される。
 異形であった。
 娘の手と同じように、いまや彼女の全身が毛に覆われていた。顔も手も胸も腹も尻も腿も足も、どこもかしこも毛足の短い獣皮で覆われ、人であった頃の肌は見えなくなっている。雪のように真っ白い毛皮は、あの時、娘が殺した山神の妻にそっくりだった。
 後頭部から背中に掛けては、背筋に沿って一際長い毛が生えて、綺麗な鬣を形作っている。
 野山で鍛えられ引き締まった腕や太腿にはぐっと筋肉がつき、かと言って柔らかさと緩やかな曲線美は損なわずに、しなやかな逞しさを増している。
 きゅっと形の良い尻の谷間の少し上には、尻尾が生えていた。ふさふさと柔らかそうで、長い尾に顔を埋めればさぞや良い感触に包まれる事だろう。
 黒かった娘の髪は、白銀に変わっていた。静かに照る月の光を跳ね返し、流れ落ちる白銀が煌びやかに光る。四肢を装おう真白い毛皮に、白銀の髪はとてもよく映えた。
 鼻は上唇とくっつき、ぐぅっと前にせり出して犬の口吻を形作る。犬と違うのは、犬よりももっと凛々しく流麗で、裂けた口元からちらりと覗く長い牙だ。
 流れるような銀髪を貫いて、綺麗な三角形をした両の耳がぴょこんと姿を現している。
 狼の野生溢れる力と強靭な躍動感。人の娘のしなやかさと、彼女が生来備えていた荒削りの美貌。
 それらを兼ね備え、人の姿を半ば捨て、狼の姿を半ば得た、半人半獣となった娘がそこにいた。
「お前は山神の生き肝を喰らった。その時に、山神の力をその小さい身体の内に宿した。
 元々は我が妻の力であるからな、それが我の力と共鳴してお前の中で芽吹いているのだ。
 しかし神の力は人の器には納まらん。かと言って芽吹きも止められん。故に、今、お前は神へと変貌しつつあるのだ」
 貴重な体験をしておるな、と山神は続ける。
「お前は新たな山神と成り、我の新たな妻となるのだ」
 山神が厳かに宣言した。

252:『猟師と狼』
09/02/21 16:47:05 chmDSf9+
「我の新たな妻よ、此処を今宵の閨とし、今宵を我らの初夜としよう。
 お前に足らぬ神の力を我が注ぎ、お前の中に残る人を我が押し流してやろう」
 山神の後ろ足の間、彼の股間でなにやらブルンと動くものがあった。尻尾ではない。尻尾は尻の上に生えるもの、股の下からはけして生えたりしないだろう。
 それは一見して肉塊だった。
 娘の片腕ほどもある大きな男根である。傘と言わず竿と言わず、一面に網のような細かい血管が這い回っている赤黒い肉の杭だ。
 山神の股間では、彼の雄が誇らしげに隆々と勃ち上がっていた
「契ろうではないか」
 にぃ、と狼が器用に唇を歪めて笑う様はとても珍しい光景だった。当の山神にしてみれば、これから妻になる雌に対して頑張って人のように笑ってみたのだが、生来の顔つきが険しいので何事かを企む悪人面にしか見えなかった。
 娘の眼が、恐怖に見開かれる。
 恐怖は一つだけではなかった。
 一つは、獣に陵辱される恐怖。
 もう一つは、目の前の素晴らしい雄に服従したい犯されたい、と心のどこかで思っている自分がいる恐怖だった。
「や…ぁ、ぃ、い、いやあぁぁぁぁっ!!」
 恐怖に駆られ、娘は身を翻し、脱兎のごとく逃げ出そうとした。
 山神の神性を得て数倍かそれ以上に力の増した体ならば、黒い山神からも逃げ切れる。筈だった。
 娘の体が、心に反抗しさえしなければ。
 かくん、と膝から力が抜ける。その拍子に、上半身はつんのめり、地面に膝をつく形で転がってしまった。
「ふむ、よい格好だな」
 からかうような、楽しむような口調で山神が言った。
 実際、楽しんでいるのだろう。確かに、今の娘の格好は、男性からすればその目を楽しませるものだった。
 獣同様に手足を地面につけた四つん這いで、これまた獣同様に一糸まとわぬ姿で、秘すべき部分を包み隠さず見せつけているのだから。
 山暮らしで贅肉がついていないのでいささか熟れ足らない面はあったが、形の良い尻はツンと突き上げられている。
 そうして、嬉しそうにふさっふさっと揺れる尻尾から、不浄の穴、一筋の切れ込みのような秘裂まで。
 娘は、何から何まで全てを山神に見せつける格好をしていた。
「や、やぁっ!やめて……見ないで、よぉ…」
「恥ずかしがる事は無い。お前は美しいぞ。
 お前があまりに美しいものだから、ほれ、我のモノがこんなになってしまっている」
 山神も神とは言うものの、やはり一匹の雄だった。
 はしたなくも素晴らしい娘の姿をとっくりと眺めているうちに昂ぶって来てしまい、時折、山神の股間で獣の肉棒がしゃっくりでもするようにビクンビクンと震える。
 山神の言葉に思わず振り返り、彼の股間のそんな様子を目にしてしまった娘を、見なければ良かったと言う後悔の念が襲った。
 あの醜悪な男根から目を反らしたい、あのおぞましいモノから一目散に逃げ出したい。
 と同時に、たくましい雄の象徴に舌を這わせたい、男根とそこから迸る子種の熱を胎に感じたい。
 そんな想いがむくむくと湧きあがってくるのだ。

253:『猟師と狼』
09/02/21 16:48:01 chmDSf9+
 相反する感情が、娘の中でぐるぐる渦を巻く。
 感情が渦巻く様子は、娘の肉体にまで顔を出していた。
 ぴったりと閉じ合わさって一筋の線のようにしか見えない娘の秘裂が、わずかに綻ぶ。
 寒さの中、咲く瞬間を今か今かと待ち望んでいた蕾が、春の訪れを知ったかのようであった。そっと咲いた花は蜜を出し、しっとりと雌しべを濡らしていく。
 山神が、すん、と鼻を鳴らす。
 犬すら凌ぐ狼の嗅覚は、娘の蜜と、曝け出された秘裂から立ち上る匂いに、敏感にある事実を嗅ぎ取っていた。
「娘。お前、生娘か」
 山神の言葉に、娘は顔を真っ赤に染め、黙ったまま恥辱に肩を戦慄かせている。それは山神の問いに諾と応えているのと同じだった。
 その間にも、雌しべからじくじくと漏れ出す蜜は娘の内腿を濡らし、濡れた毛を肌にぺっとりと張り付けていく。四つん這いの娘は、我知らず、自身の痴態をつぶさに山神に見せつけていた。
 乙女の純潔を奪える事ほど男を昂らせ、雄を奮い立たせる事もないだろう。
 山神もその例に漏れなかった。山神の張り詰めた男根の先、小さな鈴口の切れ込みから透明な粘液が一滴、つーっと細い糸を引いて滴り落ちる。
「安心せい。手荒にはせん」
 山神が娘に近寄り、這いつくばった彼女の体に覆い被さった。山神の四肢の間、腹の下にすっぽり収まってしまうくらいに、娘と山神の寸法には差があった。
 器用に体を曲げて、巨躯の下に納めた娘の背を真っ赤な舌を出して舐める。
「ふ、あぁ…ん!や、やめっ…!ん、んふぅ……ふ、ぁ、くぅん」
 いやらしく唾を塗りつけ、己の臭いを染み込ませようと言うのではない。山神の大きな舌は、生え揃ったばかりの娘の鬣を毛繕いしていた。
 山神は長い舌を器用に操っては、娘の白銀の髪から、短い鬣までを丹念に梳っていく。
 山神の舌が上から下へと一舐めするごとに、娘の心の中から、恐怖と抵抗感が少しずつ拭い取られていく。まるで山神がそれらを舐め取ってくれているかのようだった。
 獣の唾液に塗れた舌で舐めたくられていると言うのに、何故だかそれが心地よく、甘えるように娘は鼻を鳴らせてしまう。
 その鼻にかかった声に、山神も満足そうな鼻息を漏らす。
 すっと娘に腰を寄り添わせた。
「ひぃっ?!」
 つん、と尻に熱くて硬く、その癖どこか柔らかい棒を押し当てられ、娘が悲鳴を上げた。
 しかし、そこには先ほどのような絶対の恐怖と拒絶はもう無い。
 山神が背中を舐めてくれるその度に、なぜか娘の心は安らいで、ふわりと温かくなっていく。その温かさは、心を凍らせる恐怖という氷まで溶かしてくれるようだった。
 はっ。はっ。
 毛繕いの音に混じって、浅く荒い呼気が聞こえてくる。山神のではない。それは娘のだった。
 山神が背を一舐めする毎に、彼女の心同様、娘の体の一番奥が熱を帯びていく。
 いまだに肩を震わせる恐怖が、別の何かにどんどん変わっていくのが娘にはとても怖かった。怖いのだが、それすらもじわりと発する熱の前に溶け消えようとしていた。
 体の内に溜まり始めた熱を逃がすように、狼のそれへと変じた口から舌を突き出しては、熱く発情し始めた息を吐く。
 いつしか、娘の尻はゆっくりと泳いで、自ら誘うように妖しく動いていた。

254:『猟師と狼』
09/02/21 16:49:35 chmDSf9+
 やはり同族相手ではないので勝手が違うのだろう。
 山神の肉棒は、何度も娘の尻肉を突つくのだが、肝心の入り口になかなか触れない。その度に、山神の先走りが娘の尻に濡れ光る点を付けていく。
 くち。
「くあぁぁんっ!」
 ようやく触れ合った時、なんとも言えずいやらしい、粘っこい音が響いた。
 くち。
 くち。
 男根の先端と、秘裂の入り口が触れ合うたび、お互いに纏った粘液が音を立てる。
 潤い始めたとは言え、娘は未通女だ。綻びかけのそこはまだまだ硬い。少しでも挿入の痛みを和らげてやろうと、山神は先端を擦りつけては、秘裂の内側から肉襞を掻きだすようにしてやる。
 そうして慣らしてやるうち、徐々に水音は大きくなり、粘っこさを増してゆく。
 とても満開とまではいかないものの、娘の花弁もくつろげられて、楚々とした綺麗な花を咲かせていた。
 娘と山神の口から漏れる吐息も、甘ったるい熱を孕み始めている。
 男根と秘裂の間には、細かったり太かったり何本もの透明な吊り橋が架かっていた。男根と秘裂が触れ合うたびに吊り橋の数は増し、時折、自らの重みに負けてぷつりと切れては、地面を濡らす。
「そろそろ我も我慢が効かなくなってきた。ゆくぞ、力を抜けよ」
「え、え?!う、うそ、でしょ、いやいや!いやぁ!そんなの…まだ無理よっ。
 そんな大きなの入らな、ぁ、い…いぃぃぃっ!!か!……あっ……つっ!!」
 娘の目が大きく見開かれた。
 口からは声にならない悲鳴が上がる。それは声というよりも、下から突き上げる男根に押し出されて、肺に詰まった空気が吐き出されただけに聞こえた。
 彼女の体からも悲鳴が上がる。男根が進むごとにいっぱいに広げられた秘裂はみちっみちっと鳴り、骨が嫌な軋みを上げ、押し退けられそうになる内臓が文句を垂れる。
 反面、山神は満足そうだった。
 初めて雄を迎え入れる娘の膣肉はきつく、彼の男根をきついほどに締めつける。
 ぴったりと閉じ合わさった肉の合わせ目を、二人分の滑りの助けを借りて抉じ開けるようにして、奥へ奥へと進んでいく。
 娘の負担にならぬように少々速度を落としてやらねばとも思うのだが、ぴっちりと触れ合う肉襞が男根を擦り上げ、ぴりぴりと脳を痺れさせる快感を生む。野獣であった時分の本能が刺激され、どうしても腰が止まらなかった。
 と、肉棒の先端に抵抗を覚えた。
 僅かに逡巡したが、ここまで来ておいて退くと言うのは無理な相談というもの。ぐ、と力を込めてそのまま押し進む。
 山神は一息に娘の純潔を奪い去った。
「――ッ!!」
 娘の首が折れそうなほどに反り返り、天を―山神に伸し掛かられているので彼の黒い毛皮に覆われた腹しか見えなかったが―仰ぐ。
 まさしく言葉も無いほどの激痛だった。
 まるで焼けた鉄串が股から下腹部にかけて突き刺さっているかのよう。
 一人と一頭の結合部から一筋垂れた鮮血が、まるで溶けて流れる鉄のようにも見えた。
「ああ……良いな、お前の女陰(ほと)はとても良い」
 眼を細めて快感に浸っている山神に何か言ってやる余裕は、娘にはなかった。
 雌しべの肉の広がり具合といったら、すごい事になっていた。秘裂は限界まで開ききって、その様子といったら、既に裂け目ではなく穴と言うべきだった。
 左右の淫唇は開ききり、空に浮かぶ満月さながらに円を描いて、山神の太い肉棒をぱっくりと咥えこんでいる。
 神性を得て肉体が人を超えていなければ、本当に裂けてしまっていたところだろう。

255:『猟師と狼』
09/02/21 16:50:22 chmDSf9+
「どれ、動くぞ」
 言い終わる前に山神は動いていた。
 ゆっくり腰を引くと、抉じ開けられた肉壁が再び合わさろうとして、彼の亀頭を四方からむっちりと包みこむ。まるで、出ていかないで、と娘の体が言葉無く語っているようだった。
 男根は、入り口間際まで引き抜かれると、前進に転じた。
 じゅぷじゅぷっと先走りと愛液の混ざった粘液が押し出され、淫らな音と泡を無数に作る。
 山神の腰がゆっくりと動けば、娘の愛液に塗れた襞の一つ一つが亀頭を強烈に撫で上げ、娘の鼓動に合わせてきゅ、きゅ、と竿を締め付けては扱く。
 しかし、山神が奥まで突こうとする度、娘の軽い体が跳ね上がる。
 互いの体格が違いすぎるので山神の突き込みに抗えず、どうしても娘の体が重みに負けて動いてしまうのだ。
「ふむ、このままではどうにも具合が悪いな」
 山神がもぞもぞと姿勢を変えた。その拍子に刺さったままの男根が動いて、娘を刺激する。
「ひん!ふ、は……っつ!ぅ、い…ったぁ、い」
 岩棚の表面についた娘の両手を、黒い狼の前脚が押さえつけた。
 娘のそれの優に倍はあろうかという、大きな掌。
 無理やり押さえつけているようでいて、その実、地面に付いた娘の手には少しも余計な力がかかっていない。
 それはまるで、愛しい人に掌を重ね合わせて貰っているようだった。
 体が遊ばなくなった途端、今までよりもずっと胎の深くまで男根が侵入するようになる。山神の太く長い男根が、半ば以上も娘に飲み込まれていく。
 挿しこまれた男根が秘裂からずるずると引き出されてくる。赤黒い肉棒には、ねっとりと濃い蜜が絡み付いていた。もしも誰かがその光景を見ていたならば、十人が十人、その淫猥さに唾を飲んだ事だろう。
 一拍置いて、ず、と入り込む。
「くふうぅぅぅ……」
「ひぃやぁっ!ん…ふ、ふぁ、あ……ああぁぁぁっ!」
 同時に二つの口から異口同音に呻き声が上がった。
 粘液を纏った肉が絡み合い、擦れ合うたび、二つの狼の口が高低二つの音で歌う。
 男根の熱を女体の芯に染み込ませるように、ゆっくりと山神は娘の秘裂に自身を埋めていく。
「痛いか?」
 言わずもがなの事を尋ねる山神の鈍感ぶりに、さすがに娘も腹が立った。
 ついさっき処女をくれてやったばかりだと言うのに、そう簡単に破瓜の痛みが引く訳がない。
「やん…く、あ、ひぃんっ!い、痛いわ、ぁん、よぉっ!」
「そうか、ならば我慢せずに声に出してよいのだぞ。どうせ周りには誰もおらん」
 だったら女が落ち着くまで待ちなさいよ。
 そう言いたいのだが、緩やかとは言え山神が動き続けているお陰で言葉がまともに紡げない。
 あとで、頓珍漢な答えをよこす山神の髭を数本引っこ抜いて、たっぷりと乙女心を教えてやる。
 そんな事を考えられるくらいまでには、胎の奥底でずくずくと脈動するような痛みは引いており、我慢し切れないほどでは無くなってきていた。
 そして、そんな事を考えられるくらいまでに山神を受け入れている自分に、娘はそうと気づいていなかった。

256:『猟師と狼』
09/02/21 16:51:10 chmDSf9+
 痛みも快感も、山神が与えてくれる物ならば、全てを受け入れたい。山神の熱と鼓動を直に感じていたい。
 娘は痛みで快楽を覚える性質ではなかったので、それが快感であれば、言う事はない。
 いつしか娘は本心から、そう思うようになっていた。
 山神も、胴体の下から聞こえてくるのが悲鳴から艶を帯びたものに変わっているのに気づいていた。
 頃合い良しと見たのだろう。慎重に腰に体重をかけて、肉棒を根元まで、秘裂の一番奥底の更に奥まで届けとばかりに挿し入れる。
 狼の男根は雁首の段差が少なく、先は槍の穂先のように尖っているので、経験の無い娘の秘裂でも楽に掻き分けられる。みりみりと媚肉を押し広げ、ずぶずぶと穴を穿っていく。
 とん、と鈴口がぬめった壁に触れた。
 かは、と娘の口が大きく開き、だらしなく舌先と吐息が押し出された。
 同時に、今までに感じた事のない快感が娘を襲った。
 肉の杭が奥まで届いて、子袋の入り口を突かれているのだ。
 一際強烈なのだが脳を焼くような痛烈さはない。それは誰かにしっかりと抱き締められているような、温かさに包み込まれるような快感。
 膣肉を男根で擦られていた時のように、ぴりぴりと痺れるような快感とはまったく異なっていた。
 山神の亀頭に子袋の入り口をコツンとされると、秘裂の一番奥深い場所がじわりと温かくなって、そこから深い幸福感が全身と心の全てに広がっていく。
 子宮全体が揺さぶられて、それが快感の波ともいうべきものを起こしては全身に響き渡っていく。
「あ?!ああ!ああぁぁ!!あ……はっ、ひっ?!イイ、い、あ……ら、によ、コレぇ?!
 ひあっ!いくっ?!いく!いっひゃうぅぅぅんんっ!」
 水面に石を投げ入れたように、身体の中に同心円を描いて快感が広がっていき、快感の輪が通過したところはふるふると震えて止まらない。
 その快感の波が頭に達した時。
 ついぞ体験した事の無い強烈な快感に、娘は声すら上げられなかった。
「ほう、達したか」
 意識という水面を甘く掻き乱す波紋が穏やかになって、ようやく娘は喋れるようになった。とは言っても、呂律の回り具合は大酒かっ喰らった酔っ払いといい勝負だ。
「うん、うん!いぃ、いったのぉ……イくのぉぉぉ……んひぃ、これ、すごく、イイのぉ!」
「そんなに良いか。ならば、もっとくれてやるのが雄の勤めというものだな」
 その方が我もお前を味わっていられるしな、と山神は続けた。娘にそんな言葉を聞いている余裕は、これっぽっちもありはしなかったけれど。
 調子に乗った山神が、腰を前後させる速度を速める。
 自身も快感を貪るべく娘の肉襞を掻き分けては、
「ひぃいん!ん!ん!くぅ、きゅぅぅんっ…!あ、ぁは、あたしの、一番奥にコンッて!コンッてしてるのぉ…」
 舌を垂らしながら悶える娘にも、もっと快感を与えてやる。
「んふぅ…な、んで、嫌だったのにぃ。嫌だったのに……もぉ嫌じゃないのぉ。
 くぅん、もっとぉ…んふぅん、もっとコツンって、してよぉ」
 男根が進めば押し出され、退けば雁首に肉襞もろとも掻き出される。
 雄雌の体液が混ざった淫らな汁が溢れては、娘の内腿を伝い流れ、膝まで濡らし、毛皮で吸いきれなかった分が地面に垂れて黒く濡れ染めていく。
 一人と一頭が交わる岩の上は、むせ返るような熱と匂いが篭もった、まさしく番いの為の褥だった。

257:『猟師と狼』
09/02/21 16:52:19 chmDSf9+
 山神は単に突いたり引いたりする動きから、技巧を凝らし始め、さらに娘の体を玩ぼうとする。
 ぐんっと一気に突いて一息に引き抜く。それを数回繰り返し、また一息に引き抜くかと見せかけて、膣の半ばまでも折り返さないうちに再び突き入れる。
 コン、と奥を刺激して少しだけ下がっては連続してコン、コンと突いてやったりする。
 山神がちょっと娘を愉しませてやろうとするだけで、彼女は嵐の中の小船も同じだった。体も心も快楽と言う波と風に翻弄されて、何も考えられない。
 娘の目は焦点が合わないほどに蕩け、全身を痺れさす快感に弓形に身を反らせて、悦びを肉体で表現する。そうして体の上に伸し掛かる山神の腹に、甘えるように頭をぐりぐりと擦りつける。
 そこにいるのは、すっかり交尾の虜となった雌が一匹。
「お前が殺して喰らった我の妻、そろそろ元妻となるか、あやつの影響がお前の肉体だけでなく心にも出ているのだ。
 肉体が神の力に合わせて変わるなら、心も神の力に合わせて変わるのが道理というものであろう」
 人が、人の器に人の心のみを容れるのと同じ事だ。神の身体に神の心を持つのが、正しく神の在り方である。
 人の器に人以外の心を容れれば狂うのと同様。神の身体に人の心を持つのでは、狂い果て、挙句には力を御せずにただの異形の化け物と成り果てる。
「お前の内で芽吹いた力は我の妻のものだ。あやつが抱いていた我への想いも、同じようにしてお前の内で芽吹いた。
 そして二つの想いが一つに解け合い、お前を変えつつあるのだ」
「きゅふぅ…な、うそ…ぁ…んぁ、で、もぉ嫌じゃな、い…んんっ!…嬉しい、のぉ」
 語りかける間にも、山神は腰を休めない。
 じゅぷっじゅぷっと粘っこい水音。
 むせび泣くような娘の喘ぎ声。
 白く濁った蜜が雌しべから湧き出し、滴り落ちては、パタパタと小雨が地面を打つような音。
 夜のしじまの中、雄と雌が共に奏でるあらゆる淫らな音が響きわたる。
 山神の肉棒が奥まで突いて子宮口を叩くと、そのたびに絶頂に打ち上げられた娘の口からは甘く甲高い悲鳴が上がる。山神がずんずんと連続して小突くものだから、娘の意識は磔られたように快楽の高みを漂いつづけ、嬌声が途切れる気配はこれっぽっちもなかった。
 その絶頂の痙攣が、山神を優しく責めたてる。奥まで突くと、亀頭を半ば飲み込んだ子袋の口が収縮しては、真っ赤に熟れた肉塊をきゅむ、きゅむと揉む。
 赤ん坊がきゅっと手を窄めて、それで亀頭を柔らかく掴んでいるような感触といえば適当だろうか。
 粘液をたっぷりと絡みつかせた肉の輪で敏感な先を幾度も幾度も撫ぜられては、もう堪らなかった。
 山神も限界を迎えていた。
「くふぅん、いいのぉ……え?やっ、な、根元が、膨らんで、え?!ええぇぇぇ!」
 蕩けたようになっていた娘の顔が、ぎょっと強張る。驚くな、と言うのも無理な話だ。
 秘裂の入り口辺りの膣壁が、内側からぐぐっと押される。膣内に埋め込まれた男根の根元が、木のコブの様に膨らんでいくのだ。
 娘は山育ちだとは言え、これでも年頃の乙女だ。その手の事に興味はあっても、恥じらいが邪魔をして男の子のように露骨な好奇心を持って喰い付いたりはしなかった。動物の交尾を最初から最後までじっくりと見た事はない。なので、犬の交尾についても詳しくは知らなかった。
 犬は射精の時に、男根の根元が膨らんで、交尾している雌を放さないようにするのだ。肉体的には狼である山神もそれは同様らしい。
 コブが膨らみきると山神は娘を跨いで体勢を変え、互いの尻同士をつき合わせる格好になった。
 山神の男根を受け入れた時以上の、下腹部が本当に破裂するのではないかと思えるほどの強烈な圧迫感が娘を苛む。
 人相手ではありえない現象と、人にはいないほどの剛直に、娘の恥骨がごりごりと悲鳴を上げる。娘に自分の身を確認する余裕があれば、淫核の少し上辺りがぽっこりと円く大きく膨らんでいるのが見えた事だろう。
 が、その痛みも苦しみも、彼のくれる快感同様に娘には愛しくあった。
「お前の女陰があまりにも心地よいものでな。我はもう射精してしまいそうだ。
 我らの肉や血潮には神としての力が宿っているのは既に知っているな。もう一つ、教えてやろう。精もまた然りなのだ」

258:『猟師と狼』
09/02/21 16:53:31 chmDSf9+
 娘の胎の中、奥深くで山神の射精が始まった。
「くふぅぅ……たっぷりとくれてやるぞ。人を捨て、新しき山の神と成れ」
 熱い噴水が胎で弾けた。
「ぁ、あ!あつっ――!!」
 とうに獣のそれへと変わっている娘の金の双眸から、涙が溢れる。まるで月光を集めたような銀の雫が、頬を伝い落ちては消えていく。
 それはいかなる感情によるものなのだろうか。
 身を震わせる獣の歓喜か。それとも抗いきれぬと知った人の諦念か。
 あるいは人であった部分が涙と化して流れ、零れ落ちたのだろうか。それは誰にも、娘自身にも分からなかった。
「く、ぅうん!は、ぁ、あついの、でてる…いっぱい、きてるぅ……」
 悦びの言葉に山神は声無く笑って答え、言葉無く愛を伝える為、さらなる精液を送って膣と子宮の中を掻き回してやる。
 娘が身を捩ってよがるが、秘裂の中にがっちりとかかった閂は、ちょっとやそっとでは外れない。むしろ、予想外の動きで肉棒を自身の肉壁に擦りつける結果となり、さらに啼く羽目になった。
 どぷっどぷっと断続的な、しかし途切れる気配の無い射精。
 子種汁はどんどんと膣を満たしていく。
 雌しべは開ききっていたが、その内側で栓をされている状態だ。自然、精液は打ち続く絶頂ですっかり弛緩した子宮口から、空いた子宮へと流れ込んでいく。
 だが普通の犬でさえ、射精する量は人の比ではない。巨躯を誇る山神ともなればなおさらで、彼の吐き出す精は犬ごときを優に上回る。
 当然、山神の精液は子宮の狭間もすぐさま満たしてしまう。それでも山神の射精は止まる事を知らず、どんどんと娘の膣と子宮へ精液を送り込む。
「ぅうん!あ、は……まら、でてるぅ。くう…んふぅ!おなか、いっぱぁいに、なっひゃぅ…」
 逃げどころのない液体は溜まり続け、娘の腹を仔でも孕んだように膨らましていく。
 いっそ、暴虐と言ってもいいくらいの有り様。
 しかし娘にはその行為すら愛おしく、自分の腹を孕み女さながらにしているのは掛け替えの無い物だった。
 まるで自分が、半人半獣の形をした一個の皮袋にでもなってしまったかのよう。その皮袋に詰められるのは水ではなく、山神の精液。そして詰められているのはもう一つ、とうとう一つに混ざり合った二体の雌の心。
「ひぁん、な、なりまふぅ…かみ、はま、に。あらし、の…ら、旦那…さまぁ」
 体は想いに応じ、きゅうっと女陰全体が絞まって中で咆え猛る物を優しく抱きしめ、肉筒から精液を搾り出そうとする。
 山神が吠える。
「オォォ……アオォォォォォォォォォン!!!」
 一際勢い良く射ち出された子種が、娘の子袋を打つ。
 娘も吠える。
「んひ…!ひ、くぅん…くああぁぁぁぁぁんっ!!」
 二対の瞳が、同じ月を映しだす。
 雄は放ち。
 雌は求め。
 いまだ煌々と照らす月を振り仰いで、番いは仲睦まじく、絶頂と遠吠えを繰り返した。


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