【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ9【ボーカロイド】at EROPARO
【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ9【ボーカロイド】 - 暇つぶし2ch500:名無しさん@ピンキー
08/12/09 18:33:11 n3VLOQOG
KAITOはバレンタイン兼誕生日にチョコ一個でまとめて終わらせられるタイプ

501:名無しさん@ピンキー
08/12/09 19:04:44 nhTDF6ng
>>500
チロルチョコにロウソク立てて
「はっぴばーすでーぼーくー」
と一人体育座りで歌うKAITOを幻視した

502:名無しさん@ピンキー
08/12/09 19:06:43 WVyn9lEc
アイスもチョコもロウソクの熱で溶けてorzってなってるカイトを受信したw

503:名無しさん@ピンキー
08/12/09 19:08:48 dWZp/wGj
そういや双子みたいに誕生日がクリスマス前後にかかってる場合ってクリスマスと一緒くたにされるって
友達が嘆いてたなw
ミクみたいに夏休み最終日だと宿題に追われて誰も友達が祝ってくれなかったり・・・

504:名無しさん@ピンキー
08/12/09 21:14:52 Pr6N7Dl9
がくぽの誕生日も夏休み入ってない?


なんだMEIKOの誕生日ってかなり空気読んだ誕生日だったんだな。


505:名無しさん@ピンキー
08/12/09 23:15:21 08qIqwyP
来年の誕生日は相棒のがくぽがいるから大丈夫だよ兄さん!

506:名無しさん@ピンキー
08/12/09 23:29:34 7h+AtXwt
>>505


507:名無しさん@ピンキー
08/12/09 23:35:28 YOhB2zBT
がくぽは、歳は元旦にとるものだから知らん、つって
お盆用の茄子栽培に勤しんでそうだ。

508:名無しさん@ピンキー
08/12/10 00:01:12 p6qdaoeC
まあ、そうだな。数えでがくぽは早速2歳だw

さて、CV03の画像はマダ来てない訳だが。開発はクリプトンのなかで進められてるんだろうと思う。

で、SとMどっちがいい?


509:名無しさん@ピンキー
08/12/10 07:22:51 HzUsERz9
>>508
Lはないのでしょうか?

510:名無しさん@ピンキー
08/12/10 07:43:25 lhHwLmZp
>>509
うまい

511:名無しさん@ピンキー
08/12/10 07:50:35 BVBRJ9do
>>509
ポテトもご一緒にいかがですかぁ?

512:名無しさん@ピンキー
08/12/10 11:18:20 0JKyz8JT
>>509
ではLサイズのアイスをあるだけください。

513:名無しさん@ピンキー
08/12/10 23:13:56 p7uu2bx2
>>512
KAITOなりきり板はここじゃないよ~

514:名無しさん@ピンキー
08/12/10 23:52:13 N/4J3ovV
>>508
MSでお願いします。

515: ◆G/JDSVg/gE
08/12/11 02:18:12 7PbCGLTu
こんばんは。鬼畜ド(ryです。

前回質問に答えて下さった皆様ありがとうございました。

カイメイ「服従 二日目」投下。

それではお手柔らかに。

516:服従 二日目(1/4)
08/12/11 02:19:29 7PbCGLTu
(ちょっとこれは刺激強過ぎるなぁ。嬉しいけど…)
俺はキッチンに続くリビングのソファに座り、起動したmyマイクがズボンの前側を
痛いくらい圧迫させているのを感じ取りながらメイコの後ろ姿を見た。


どうも、カイトです。
先日我が鬼畜ドSマスターから[メイコたん用エッチシチュエーションリスト]
なる物を俺に手渡した。ご丁寧に元ネタフォルダ付きで。
一通り中身を見たがマスターいえども、普段からメイコに対してこんな事を妄想
してたかと思うと正直ゾッとする。メイコは俺の女だ。たとえマスターでもメイコに
手を出そうとするなら絶対許さん。
でも、リストは喜んで使わせていただきます。ありがとうございますマスター。

てな訳でリスト中のネタをやろうとしたが、素面だと断られるのは目に見えたので
俺は作戦を考えた…酒で釣る。メイコにはこれが確実だ。
前回メイコが飲めなかった悲願のボジョ(ry(>>304>>318参照)をマスターのワインクーラー
から中身をすり替えて持って来て交渉すると、メイコは喜び勇んで0.5秒で受理即決。
その内容とは
 裸 エ プ ロ ン
…お前は酒の為なら喜んで脱ぐのか。哀し過ぎるぞメイコ、否、ダメイコorz

そんなこんなで鬼畜ドSマスターに夕方以降のスケジュールを調整してもらい、
ミク達は翌日まで夜通しレコ。邪魔者はいない二人きり。安心して色々出来る。
まぁ、やる事は決まっているけど。
キッチンではボジョ(ryでほろ酔い状態、上機嫌な裸エプロンのダメイコが鼻唄を
唄いながら夕食の準備をしている。夕食は簡単にパスタ。二人きりなので鍋物は却下。
揚げ物だと油が撥ねて熱いだろうし。
勿論エプロンは白フリルの可愛いらしい物で、下着は着けてない。背中も尻も晒してる。
正直、最初は目のやり場に困ったが、10分も経てば馴れる物だ。
いつもは薄暗い調節灯の下でしか見れないメイコの素肌。


517:服従 二日目(2/4)
08/12/11 02:20:54 7PbCGLTu
ボジョ(ryを飲んでるせいもあり、露出している背中・尻・太腿が綺麗な桜色に
染まっている。
…もう限界。さっきから股間のマイクが(ry
我慢出来なくなった俺はキッチンへ行き、後ろからメイコを抱きしめた。
「メーイコv」
「ふにゃ、まらパスタれきれないよぉ。」
飲みながら夕食を作っているダメイコ。呂律が回ってない、泥酔ギリギリだ。
「俺は今、夕食よりメイコを食べたい。」
俺はそう言ってメイコの尻にズボン越しのmyマイクを強く宛がう。
「ひゃっ…」
メイコの可愛い嬌声。理性の箍が外れた。もう止める事が出来ない。
俺はメイコの胸に手を伸ばし、たわわな胸を鷲掴みする。
「あぅ、まだコンロ…」
メイコに言われ、コンロを見るとパスタを入れた鍋がまだ火にかけられている。俺は
コンロの火を消し、股間をメイコの尻に密着させながらメイコの耳元で囁いた。
「刺激的過ぎるよメイコ。俺、もう我慢出来ないよ。わかるだろ?こんなに張っているのがさ。
痛いくらいギンギンなんだよ。」
「そ、そんな事…やらぁ…」
メイコはイヤイヤと身体を動かして抵抗するが、それは俺の嗜虐心を煽るだけ。
俺はメイコの秘処に手を伸ばした。
「そう言う割には…濡れてるじゃないか。」
「ひゃう…っ」
秘処をなぞると愛液が溢れ出し、俺の指を濡らしていく。そのまま俺は楽器を使うのに
有利な長い指を中に入れ、メイコの中を奏でる様に指を動かした。
「いや…らめっ、あっはぁっ…」
メイコは抵抗する様に俺の腕を掴むが、快楽に身体が反応し震え、中に入っている
指を締め上げる。それが楽しくて俺は執拗に愛撫を続けた。やがて秘処はクチュクチュと
いやらしい音を奏でだした。
「気持ちイイんだろメイコ。こんなに俺の指を締め上げてさ、可愛い…。」
俺は低い声でメイコの耳元に囁く。
「はぁん…やっ、んくぅ…あ、あ…」


518:服従 二日目(3/4)
08/12/11 02:22:21 7PbCGLTu
メイコの膝はガクガクと震え出し、床にポタポタと愛液が滴り落ちた。
「凄い敏感だねメイコ。もっと唄って…」
俺はメイコの耳を甘噛みし、中を激しく掻き回してメイコを奏でた。
「あひっ、らめぇ…やぅ…ふあぁんっ!」
メイコは身体が跳ねるのと同時に、中に入れた俺の指を強く締め上げて絶頂を迎えた。
「あ…はあ…」
俺が支えていた手をゆっくり離すと、メイコは腰が抜けたのか崩れる様に床へ座った。
俺はズボンのベルトを外し、下着ごと脱ぐと凶々しい自身が窮屈な所からやっと
解放され、天井を向いた。
座り込んでいるメイコは自分を[淫らな雌]にしてしまう俺の凶器を見ると、切なそうな
表情で固まった。瞳は潤み、身体をきゅっと竦める。何度も身体を重ねているのに、
その初(うぶ)な感じがとても可愛い。
「メイコ、わかっているね?俺も気持ちよくさせて。」
俺はメイコの目の前に自身を晒すとメイコはこくんと頷き、立て膝をして俺のを手に取った。
しかし俺はもう我慢出来なくてメイコの手を取り、頭を撫でながら催促する。
「もうやりたいからさ、カウンターに手を置いて尻を突き出して。」
「え…うん。」
メイコは小さく頷き、カウンターに手を置いて恥ずかしそうに尻を俺の方に突き出した。
太腿まで伝う愛液は俺の加虐心を煽り、更に自身に血が駆け巡る。
「メイコのエッチな汁、太腿まで滴ってるよ。メイコは本当にいやらしいね。」
俺はメイコの愛液が滴る割れ目に自身をあて、焦らす様になぞる。
「違う…あんっ、やぁ………ダメぇ、カイトぉ、は…早くぅ、入れてぇ…」
自身を割れ目に当てられた途端、虚勢の強がりは脆くも崩れ、発情した牝犬の様に
尻を振り催促する。本当うちのメイコはドMだ。そうなってしまった原因は…俺だけど。
「ふふっ、わかったよ。」
余裕ある声で話すが俺も我慢の限界。メイコの濡れそぼっている割れ目に自身を
一気に突き入れた。


519:服従 二日目(4/5)
08/12/11 02:25:38 7PbCGLTu
「あひぃっ!!あ、あぁんっ」
メイコは高らかな嬌声をあげ桜色に染まった身体を弓なりにし、激しく痙攣して俺の
自身を締め上げた。そして自ら腰を淫らに動かし、俺と共に快楽を貪る。
「ああっ…カイトぉ、激しくしてぇ…いっぱい、あたしのおまんこ虐めてぇ…」
あーあ、卑猥な言葉使っちゃって。
「わかってるよ、俺の淫乱ドMなメイコ。」
俺は背後からメイコの胸を鷲掴みし、幾度も子宮口を突き上げた。突き上げる度に
パンパンと互いの肌をぶつかり合う音がキッチンに響く。
俺はメイコの中をこれでもかと引っ掻き回した。
「あぁんっ…カイトの、凄いぃ…もっとぉ…はあぁ」
こうなるとメイコは[発情した淫らな牝]だ。俺にしか見せない、素直で健気ドMな彼女。
そして…独占欲が強過ぎるドSな俺。時折[やり過ぎるな、少しでも自重しろ]
と心の中では思っているけど、やっぱり無理。狂おしい程、彼女が好きだから。
俺しか知らない表情、身体、声音。誰にも見せたくない、聞かせたくない。俺の女。
そんな思いが加虐心を増長させる。
「目茶苦茶発情してるねメイコ。俺の太腿までこんなに濡らしやがって。俺が
引っ掻き回している処が[あたしはいやらしい牝です]って自白してるよ。」
「はぅ…違、あぁ…ひぅっ」
言葉攻めをするとメイコは否定しながらよがり、身体を震わせた。
「あぁんっカイト、ダメ…イク…」
メイコが絶頂を迎える。カウンターに上半身を預け、腰を動かし俺を締め上げた。
「イクっイっ…あああんっ!!」
「くっ…!!」
メイコの締め付けに耐え切れず俺も絶頂を迎え、メイコの中に熱い白濁液を注ぎ込んだ。

「ああ…カイトの…まだ、ビクビクしてる…」
「メイコも…まだ締め付けてるじゃないか…」
絶頂の余韻を味わいながら二人して熱い吐息を吐く。俺が自身を引き抜くとメイコの
秘処から白濁液がゴポリと溢れ、床に零れた。


520:服従 二日目(5/5)
08/12/11 02:27:37 7PbCGLTu
「カイトの熱いの…溢れてる…」
メイコが身体を起こし、とろんとした表情で俺を見つめる。耐え切れず俺は唇を重ね
舌をゆっくり絡ませた。
唇を離し見つめ合うと、優しくて暖かい感覚が胸に広がる。先程までお互いあんなに
淫らに、いやらしく交わっていたのに。感情とは不思議だとつくづく思う。
「…お腹、空いたね。」
メイコの可愛いKY爆弾。ちょっと気が抜ける。
「ムードないなぁ。確かにそうだけどさ。」
そう言いながら苦笑する。時計を見ると20時をまわっていた。

さぁ、伸びたパスタを食べようか。食後のデザートは勿論メイコ。

夜はまだまだ長い―


521:名無しさん@ピンキー
08/12/11 02:28:31 7PbCGLTu
以上。お粗末様でした。

>>418様が指摘した予告投下はこれでいいんでしょうか?

読んでいただいて、ありがとうございました。
それではおやすみなさい。


522:名無しさん@ピンキー
08/12/11 11:43:05 kj30K8pb
>>521
GJ!エロいメイコ可愛い
続編に期待

523:名無しさん@ピンキー
08/12/11 13:18:18 TslZi5ju
>>515
いつもエロいカイメイをありがとう・・・!
まったくエロいぜハァハァ

524:名無しさん@ピンキー
08/12/11 17:32:27 WYPQQm5p
>>521
相変わらず色んなシュチュエーションを楽しませてくれるw
GJ!

525:お願い(1/8)
08/12/11 22:28:58 aNeWvSWI
従順MEIKOさんの愛らしさに新たな可能性を見出し、
自分もマスメイでやっちまいました。
MEIKOの一般イメージから逸脱してるかなと思いますが、
でも元々MEIKOに固定イメージなんて公式にはないよな!
そうとも!と自分に言い聞かせています。

マスターがメイコに惚れ込んでます。好きなタイプらしいです。

* * *


「あっ、あっあっ…あぁう…っ!」
我が家に一体きりのVOCALOID・MEIKOは世間のイメージにもれず、実にけしからん肉体を持った美女である。
「ん…っ、くぅ…んっ!」
そして酒にだらしなく、深酒すると、いつも呂律はおかしくなり前後不覚にまで陥ってしまう。
「ま、ますた…もっ…、やあぁ…あ…」
さて、音楽のパートナー、主従に近いもの、を跳び越しこのような「関係」になって早数ヶ月。
もうすっかり性的な意味での調教もバッチリだと自負している。
メイコは唾液にテラテラと濡れた乳房を震わせ、下腹部で蠢く俺の頭を力の入らない手で必死に押しのけようともがいていた。
あー…なんかこういう抵抗久しぶり。やべー、男の嗜虐心が激しく燃えるんですけど。
「ふぁ――ああーっ!」
あと少し……というところで恥部への刺激を止め、俺は近付く限界に震えていたメイコの柔らかい内腿に新しい歯形をつけてやった。


メイコが酒を飲むのは主に夜。床に入る前。
ソファに並んで座る彼女の身体をかき抱き、上着の裾から手を入れてねっとりとキス。
力が抜けてくたっとしたところで耳元に口を寄せ「いい?」と問いかけると真っ赤な顔をしてメイコはいつも言う。
「ま、待ってください。あの、用意…して、来ますから待ってください…っ」
で、先に寝室に俺を押し込め、しばらくすると――ベロベロに酔った彼女が来るわけだ。
毎度この流れ。いや最初はビックリしたね。
後からわかったんだけど、行為に及ぶどうしようもない恥ずかしさや緊張を呑んでごまかそうとしているらしい。
MEIKOといってもユーザーの手元に渡るのにはいろいろなタイプがあるらしく、確かにうちのメイコもぱっと見よそと同じように見えるけど…どっちかというとおとなしめで、ものすごく恥ずかしがりらしい。
「ますたー…」
俺に覆い被さり、酔いにとろんとしながら口づけてくる。
うわーどれだけ呑んだんだよ、と漂う匂いから眉根を寄せるが、俺は特にそれで不快に思うつもりはなかった。
なんだかんだでメイコは俺のお願いや誘いを断れない→わかってやってる卑怯くさい俺→すごく恥ずかしいけど、せめて…→酒を呑む――という流れである以上、あー、頑張ってくれてるねーと思うことはあっても責められるわけもあるまい。
人間でありながらVOCALOIDのメイコに劣情を抱きまくっていることを否定はしない。が、純粋に彼女自身を可愛く思っていることもまた事実なので、彼女のやることを尊重してやりたい。

526:お願い(2/8)
08/12/11 22:30:35 aNeWvSWI
「…ずいぶん呑んでるけど、途中で寝るなよ?」
「ふぁい」
まあ寝かさないけど、と言いながら上下の位置を入れ替え、バスローブの前を大きく広げると桜色に染まった柔らかい胸にむしゃぶりついた。
「あ、ん、ますた…」
俺の頭に両腕を回し、甘えるように頬をすり寄せる。
「好き…大好き……」
こういうこともいつもなら言ってくれないもんなー。
そんなふうにして毎度、酒で下ごしらえされたおいしいトロトロのお肉をじっくりたっぷり隅々までおいしくいただいているのである。
いいよね、いつもと違うギャップも。
呂律の回らない声であられもなく啼き悶えながら、たまらないように乳と腰を揺らめかせる。
泥酔してはいても、ちゃーんと膣は上手にきつく締めあげてくれるし、敏感な部分を指先でちょいと捏ねあげてやれば実にいやらしくのたうち回って目を楽しませてくれる。
「…そろそろ、俺も…、げんか、い」
「ふあぁ……ますたぁ…。くださ、い…ぃ」
甘えた声を出し、俺の舌に自分のそれを、そして俺の腰に愛液にまみれた自分の足を絡ませた。
もう何回もイカせたメイコのナカがまた強請るようにきゅん、と可愛く締まる。
とにかく、この時のメイコはそりゃもうエロい。思い出だけでオカズになるくらいにエロい。
身も心もムスコ的にも、たっぷりと愛あるセックスを楽しませてもらって満足している…と思ってた。

のだが。


「…――すみませんマスター…覚えて、ないです」

翌朝(といっても昼近く)俺の横でシーツにくるまり俯きながら放たれるメイコのそのセリフに、いつも打ちのめされるのである。
あんなに濃厚に交じり合ったあのひとときも、言った言葉、言ってくれた言葉も、酒とともにすこーんと抜け落ちてしまうのだ。
そして自分でやったことなので俺を責めることはないのだが、こっそり「頭、いたたたた…」なんてやってるのを見てしまうと「俺どんだけ無茶を押し通すひどい男よ」、と思ってしまうわけで。


で、話は最初に戻る。

「は……うん……ぁっ」

今更ながら、俺は初めて酒を呑むのを禁止にした。
今まで許されていたことにひどくメイコは狼狽していたが、今夜は頑として許さないことにした。
真っ赤な顔でおろおろしながら一生懸命お願いしてきたが、「だめ」のひとことで突っぱねた。
そりゃね、今まで満足すぎるくらいのいい思いやスッキリを経験させてもらってましたよ?
でもね、それでも、本当の意味で満足もスッキリも得られてない気がするんだよ。
俺、メイコの身体だけが好きなんじゃないんだもん。

527:お願い(3/8)
08/12/11 22:31:51 aNeWvSWI
「もう、無理そう…?」
舌を這わせ、メイコの内腿につけた最新の歯形を舐ってやる。
あっあっと言いながら身を震わせ、メイコの目尻からまた大粒の涙がこぼれ落ちた。
「聞いてんだぞ?メイコ」
びしょびしょに濡れそぼった豆粒のような突起に息を吹きかけると、声にならない悲鳴を上げて背筋がぴんと伸びる。
「も…ますた、ゆる して…」
耐えるために噛みしめていた自身の指をどかせ、メイコの唇を舐めあげる。
舌で唇を割り開いて熱い口内を舐り、たぐり寄せた小さな舌を甘噛みしてやれば「んーんー」と可愛く鳴き声を漏らす。あー…、イイ。これもこれでイイな。
結局俺の言うことに逆らえず、今夜のメイコは羞恥に半べそかきながらベッドに潜り込んできた。
身体を固くして身構え、触れられる都度びくんびくんと身をよじる。
…メイコ、ほんとはこういうコト嫌いなんだろうかな。俺の、「マスター」の、いうことだから逆らえないで従ってんのかな、そう思うとちょっと(どころでなく)切なくなる。
「メイコ」
息をついて唇を離す。互いの舌の先からツッ…と銀の糸が延びた。
「嫌だったら、言えよ?そうなんだったら、諦めっから」
改めて言うが、俺は「こいつのこと」を可愛いと思ってる。だから、どうしても嫌だってんなら考えてやらなきゃいかん。
「…」
でもお前だってアノ時は好きって言ってくれただろうがよー。それ忠義心かよリップサービスかよー。
ふてくされながらメイコの胸に顔を埋めると、不意にふわっと頭を抱きしめられた。
「…マスターは、ひどいです」
「う…、なにがだよ」
まだ整わない呼吸に合わせ、キスマークだらけのメイコの胸が上下に揺れる。
「さっきは、やめてください、ってお願いしてもやめてくれませんでした」
「う」
そうだったっけ…?ととぼけると、ぽかぽか頭を叩きながらそうです!と反論する。
「ダメ、って言ってもマスター嬉しそうに指で」
そこまで言って、メイコは耳まで真っ赤になって口ごもった。
…あー、うん、指でねー。入り口近くのちょっと上のトコごりごりって擦ったら、すごくいい反応するから泣きながらイくまで虐めまくっちゃったんだったな。あ、いかん、思い出しただけで顔が。
「なあ」
両手で顔を覆ってしまったので、俺は直接真っ赤に染まったメイコの耳に囁く。
「俺とこういうコトするの、嫌?後悔してるか?」
その言葉に、んく、と息をのむ小さな音が返ってくる。
「俺はメイコとするの大好き。すげー可愛いし、俺メイコ好きだもん」
抱き寄せ、ちゅうと耳にキスすると小さな肩がぴくんと揺れる。
「…マスター、そういうの、ずるいです………」
少しうらめしそうに涙目で見上げ、そしてきゅっと俺に抱きついてきた。
「…ばーか、お前の方がずるいだろ」
結局ちゃんと返答してくれないくせに。
鼻をすり寄せて苦笑いしてから、俺は再び深くメイコに唇を重ねた。

528:お願い(4/8)
08/12/11 22:32:59 aNeWvSWI
「んっ…んんっ……ふ…ぅっ、あ、っ」
舌を差し入れ、竦むメイコの舌を捕らえて角度を変えては絡ませ合う。重なり合った胸で感じる、しこってコリコリに硬くなったメイコの乳首がごまかせない快楽を主張している。
脇腹から脚の方へと指を滑らせれば、再びせっぱ詰まった身体に火がついて、恥ずかしそうに身悶えながらメイコが甘い声ですすり泣く。
「ん、あ…!あ、あっ…ああ…ぅ…や、ん…!」
飲み下せずに彼女の口の端から流れる唾液を舐めあげ、下へ這わせた指は大事な部分を避けぬるぬると愛液を絡ませながら、がくがくと震える内腿や敏感な箇所の周辺部にそれを塗り込んでいく。
ぴちゃぴちゃにちゃにちゃという淫らな音に耳まで犯され、メイコは俺の首に両手を回して縋り付いたまま、涙を流してのたうちまわった。
可愛い。可愛い可愛い可愛い。
何度となく身体を重ね、すっかり調教を施され開発されているというのに、なにも覚えてない初心で極端に恥ずかしがりの中身が「それ」についていっていない。
先程からどうしようもないほどの快楽にすっかり蕩かされつつ、恐怖のようなものも感じて戸惑い、涙を流し、羞恥に身をよじり、俺にしがみつく。
「…参ったな、調教やり直さないと」
「……ふぁ…あ」
ちっとも困ってない風に舌なめずりし、メイコの脚を大きく割り開く。
「や…っ」
「ほーらまたそれ。なにがヤなんだよ。
意見は聞くから、言いたいことがあるならちゃんと言え?」
俺に見られて震える蜜壺からこぷんと蜜が溢れ出す。
もうこんなになってるのに何を意地はってるんだか。
「だ…て、恥ずかし……です、から…っ」
「何を今更。俺らもう何回ヤってると思ってんだよ。
指と口でメイコに触れてない場所とか、見てない場所とかもうないぞ?」
卑猥な言葉に更に泣きそうになりつつ、メイコは俺に問われて仕方なく口を開く。
「それにマス…た、言ってたじゃない…です…か…、ひっく」

『あー俺さー、慎みのない女は嫌いだねー。
そりゃこういうのってすごくグッとくるけどさあ。
でも過剰にエロいのとかやらしいのとか色気とかっての?あんまりノリノリだとそれはそれで逆に萎えるよな』

前に俺がそう言ってた、らしい。って、え?
「だから…だから…うっく、私……」
大きく息を乱しながらぽろぽろと涙をこぼす。
「わた、し、こ…んな、やらし…、ますたーに」
消え入るような声で『きらわれます』というのが聞こえた気がして、どーんと一気に血が集まった。どことは言わんが。

529:お願い(5/8)
08/12/11 22:34:12 aNeWvSWI
確かに俺そんなこと言った。きわどい袋とじグラビア見てたのをメイコにバレたとき咄嗟に言った。
わざわざ切って見てた以上、そりゃ当然そういうの好きなんだってのはごまかせないけど、でもそれは男の性というかなんというか。けど俺が好きなのはメイコみたいなタイプだもん。いやむしろメイコだし。
こういうのがマスター好きなんですか?なんて、じとっと聞かれて、そりゃもう必死に弁解がましく言ったんだっけなあ。
「それ、気にしてたのかよ…」
純粋な内面とエロい身体、ってなにそれ、それなんて究極兵器だよ。少なくとも対俺には最終兵器だろ。
「あ!ああぁあぁあ…!」
堪らなくなって秘唇にキスをすると、メイコの背がきれいにぴーんと伸びた。
俺も正直限界きてるけど……でもダメ、まだいかせられない。
今後のプレイに向けて、ここはマスターとしてきっちりさせておかないといけない。
「…メイコ…我慢、できないか…?も、正直に言って、いいから…」
尖らせた舌で決定的な刺激にならない程度に陰核を舐り、へそからそそり立つ乳首までゆっくりと這わせ…メイコの理性を蕩かせていく。
最後にちゅっと唇にキスして囁きかけると、メイコは口をパクパクさせながら何度も頷いた。
「ますたぁ…!」
再びメイコは俺の首に力の入らない両手を回してしがみつく。
これはもう、酒の力とか関係のない、「いつものメイコ」が陥落した瞬間であり、その彼女からの甘い愛情表現だと思って間違いないと思う。そう思うとこっちの脳もぐにゃぐにゃにとろけそうだ。
「ん…。ほら、どうした?」
「……ぇ……?」
「いつもみたいに、ちゃんと言ってくれないと。わかんないだろ?」
めっ、と人差し指をメイコの口にあてがい注意する。
本当に記憶にないのか、真剣になんのことだかわからない様子のメイコに、俺は耳元に口を当てできる限りのエロイ声(だと思う)で教えてやった。
「いつもだったら、――――で―――な感じで、っておねだりしてくるだろ…?」
「ひ…ぇ…!?」
メイコはひゅっと息をのみ、これ以上ないほど赤くなりながらブンブンと頭を振った。
「え、い、い…いつも、そんなこと、言ってたん、ですか…?」
「ああ、いっつも」

530:お願い(6/8)
08/12/11 22:34:56 aNeWvSWI
酒に酔ってはいても自分自身―まさかそんなにハメをはずしていただなんて思いもよらなかった。
しかもそんな卑猥なことを毎度…と思うとメイコは羞恥のあまり頓死しそうになった。
「して、とか気持ちいい気持ちいい、とか大好き、とか嬉しいこと言ってくれるよな?…もうナシ?」
「――!」
俺、今絶対人の悪い笑い顔してると思う。
でも、これは最終調整。いや、むしろ初期調教。とっても大事なことだからな。
「メイコ……」
ゆる…と片足を持ち上げ、柔らかい内腿に俺の熱くそそり立ったものを押しつけた。
「あっ」
ある意味処女に等しい今のメイコだが…身体はしっかりと覚えている。
どうすれば、どうなって、なにが、自分のどこをどうしてしまうのか…………
「あ、あっ……ふぁ」
恥ずかしい。恥ずかしくて死んでしまいそうだ。でも苦しい。
欲しい。欲しい……――

「――俺のこと、欲しいって言って」

それは、命令のようであり、願い。
細めた熱っぽい目で見つめられ、耳元でとどめの言葉を甘く囁かれ……メイコの何かがぷつんと切れた。
「あ、んぅ……、ます、た…だいすき…ぃ」
きゅーっとしがみつき、ぷるぷるっと震え涙が散る。
「くださ……欲し…です…っ。おなかのナカ、いっぱ、可愛がって…くださ……い…っ!」
抱きしめられた腕から伝わるように、俺の身体もぶるっと震えた。
「………ん…、いつもより文面は短い、けど…」
ダメ出しをしつつ眉が下がる。いや、笑う余裕もないかもしれない。
「ちゃんと言えたから合格……」
めちゃめちゃ可愛いから全然許す。という言葉を必死に飲み込みがてら、メイコに口づけた。
「んん…ん…っ……!」
間接照明が作る2人の影が更に重なり……次の瞬間粘着質な音が濃密な空気の部屋に響いた。
「んく……っ……!あ!ふあああぁあぁあああ!!!」

531:お願い(7/8)
08/12/11 22:36:14 aNeWvSWI


「ん…が……」
柔らかな感触にふと目を覚ます。
頬にあたる日の光の感触、そして肩に触れる滑らかな感触。
「――起こしちゃいましたか?」
「メイコ…」
ちょうどはだけた俺の肩にシーツをかけてくれようとしていたところらしい。
時間を見ると午前6時。アレから何時間も経ってはいない。
「いつも」のメイコなら昏々と昼近くまで眠っているところだが、酒が入っていない分目覚めはいいのだろうか。
「お前…まさか、寝てない、とか…?」
目ボケ眼でメイコの前髪に手を伸ばすと、ぴしゃっと軽くはたき落とされた。
「そんなわけないじゃないですか」
紅潮した頬を膨らますメイコに、ああ…そっか、とマヌケな返事を返す。
あー、そうだ、何度も何度も何度も何度もやって最後気絶させちゃったんだったな、そういえば。
「…お仕事ですから、あと少ししたら起きなきゃだめですよ」
ぷいっと背中を向けたメイコに俺はちょっと焦った。
「なあ……怒ってるのか?」
後ろから華奢な身体を抱きすくめ、甘えるように肩に顔を埋める。
「…怒るような、人にやっちゃいけないようなことをやったんですか?マスター」
「イイエ」
100%胸を張れることかといわれると怪しいことは否めないが…でも、愛ある行為だったと思ってるぞ。俺は。悪ノリ部分もあったかな?というのも否めないけども。うん。
「…覚えてるんだ、メイコ」
「都合良く、忘れるはずもないじゃないですか…っ」
身じろぎながら自分の身を縛める俺の腕をぽかぽかと叩く。
でも赤く染まったメイコのうなじと耳たぶに、俺はにやついてしまって仕方がなかった。
「そっかー、覚えてるか」
嬉しい。今の時間の共有が、すげえ嬉しい。
なに笑ってるんですか、と怒ってきたが、俺があまりにも嬉しそうにしているのでメイコも吊り上げていた眉をふにゃりと下げた。
「もう…」
「メイコ、可愛い」
「もー!」
メイコの頬にキスすると、頬を膨らませつつも観念したように身を反転し…俺にきゅっとしがみついた。
怒ってるんじゃなく、照れてしまっててどうしようもないらしい。
「…マスター」
「んー?」
「…………私……その、いつも、本当にあんなこと…してたん、ですか?」
伏せたままの顔を俺の胸に埋め、たどたどしく問いかける。

532:お願い(8/8)
08/12/11 22:37:58 aNeWvSWI
「どんなこと?」
「だから…っ」
おおよそわかっているけどとぼけて先を促す。
「お、おねだりとか、上に乗って…とか、く、口であれ…とか…」
声が詰まり後半涙声になってくるメイコの頭を慌ててよしよしとなでてやった。
「いつもはやってくれたこと」を口実にそりゃあもう昨夜は調子に乗っていろいろさせた。ごめんメイコ、ちょっと大げさに言ったこともあるし反省してる。でも後悔はしていない。
「うん本当」
ビクッと震えるメイコの肩を優しく抱きしめ、安心させるように額に唇を落とす。
「でもほら、あんだけ酔っぱらってたんだし、いつものメイコじゃないってわかってっから。
お前酒グセ悪いだけなんだよ。うちでならいいけどよそでは絶対自重しろよ?」
「う、うううー…」
くしゅんくしゅんと鼻の鳴る音がし、俺の胸にじわーっとぬるい液体がこぼれていく。
「私、もう絶対お酒呑みません…!」
「あーあーあーあーあー、そうだなー」
ぽんぽんと肩を叩き、柔らかなメイコの髪に頬をすり寄せる。
泥酔メイコとのいやらしいセックスも実にイイんだけど…やっぱ今の時間の楽しさと、昨夜のような羞恥に震える実に実に実に可愛らしい痴態は素晴らしく魅力的だもんな。これから新たな調教の楽しみもあるし。
「俺呑まないメイコの方が好みだし。好き」
「……」
涙をぬぐい、メイコは更に俺に強くしがみついた。
「…ら」
「へ?」
「…なら、最初から、呑んだりしてなきゃよかった…」
………
………
いかん、これはいかん。
可愛い小声でそんなこと言われて、なんかまたみなぎってきた。
「なあメイコ、今からもういっか」
「だ、ダメですっ!」
仕事は午前半休する、と提案して思いっきり怒られた。
そうでなくとも日の高いうちからこういうコトをしようとすると真っ赤になってメイコは怒る。
「じゃー朝は我慢するから、たまーには夜呑んでくれるか?」
「なに言ってるんですか、それもダメですっ」
さっきの話聞いてたんですか、と反論するが、やっぱあれはあれで惜しいんだよな。
たまにはああいうのも趣向が変わっていいと思うんだけど。
「ダメ?」
「ダメです」
またぷいっとそっぽを向かれてしまったが、俺は同じ要求をもう一度メイコの耳に囁いた。
「して」
「…っ」
一瞬詰まった息と丸めた背中。これが彼女のお返事。

「メイコ可愛い。大好き」
結局メイコは、俺のお願いを断れない。



*  *  *

お付き合いくださってどうもありがとうございました。

533:名無しさん@ピンキー
08/12/11 23:11:55 5LRYLSKN
ぐぐぐGJ!
従順で恥じらうメイコけしからんのう!けしからんのう!(大事なことなのでry)


534:名無しさん@ピンキー
08/12/11 23:20:23 3jkDsKaW
MEIKOかわいいよMEIKO。超GJ!マスメイにはまりそうだ

535:名無しさん@ピンキー
08/12/12 00:35:37 PxOtqukF
嗚呼、俺もメイコ欲しい。
こんなメイコめちゃめちゃ欲しい。

536:名無しさん@ピンキー
08/12/12 00:49:34 4yLtNX81
うちのメイコさんは未だにPCから出てきてくれないんですけどどうしたらいいですか
あ、でも一緒に入ってるカイトも出てきても困るのでめーたんだけなんとか、こう

537:名無しさん@ピンキー
08/12/12 01:38:25 p0zrdQ1W
>>532
GJ!!!
メイコのねちっこいくらいの描写に愛が溢れてる!テラ可愛いw

前にマスメイのおっぱいネタ書いた者だけど、
メイコの性格や仕草がすごく好みだ
いいもの読ませてくれてありがとさん

538:名無しさん@ピンキー
08/12/12 06:30:06 9KdImtT7
>>532
GJ!マスメイ最高だよマスメイ
イチャイチャたまらんっす

539:名無しさん@ピンキー
08/12/12 22:32:36 3oIZLtpa
垢抜けない女子大生マスターを
生意気なレンきゅんが開発するエロを読みたいのだが

540:名無しさん@ピンキー
08/12/13 14:25:22 WQfinOWM
2次エロパロの性質上女マスターものは供給少ないと思うぞ

>>539が自分の萌えを形にするの半裸で待ってる

541:名無しさん@ピンキー
08/12/15 10:56:07 7ntuDfr1
女子大生マスターに性的開発されるレンきゅんなら需要ありそうだけどな

何はともあれ>>539に期待

542:名無しさん@ピンキー
08/12/15 11:51:04 gPaytPU9
腐女子女子大生マスター(マストレス)に新刊のショタ本の参考資料に剥かれるレンきゅん
剥いたはいいが勝手がわかんないので固まるマスター
なんだかんだで勃っちゃってうつむくしかできないヘタレン
黙って向かい合わせで正座して時間が過ぎていくうちにリンが帰ってきてタイムアウト

こんなん浮かんだ

543:名無しさん@ピンキー
08/12/15 17:27:14 uA+I0D/C
ラブホ行ったらレンタルのコスプレにミクがあって吹いたw

って、三次元はお角違い?

544:名無しさん@ピンキー
08/12/15 20:31:57 M0XGrJBF
ヤンデレKAITOが社会人女マスターをズコズコするネタを前にどっかで見た

545:名無しさん@ピンキー
08/12/15 21:16:14 zbOqF4b7
女マスターものにするならハクさんでいいじゃまいか

546:名無しさん@ピンキー
08/12/15 22:02:11 3TP3zKXO
それ良いジャマイカ!!

547:名無しさん@ピンキー
08/12/15 23:26:14 LvIheMBX
>>545
お前頭いいなー!!

548:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:43:10 7FMp34bt
>>392-401の続きです。

・バンド物設定
・レン×テト、今回はエロなし

549:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:43:47 7FMp34bt
『おバカロイドの音楽隊・4』



今夜も、ライブハウスのイベントの大トリに『Idiot-ANDROID』の出番がやってきた。
ステージにベースとエフェクターボードを持ち込んで、先ずはセッティング。
少しチューニングがズレてたから、ブリッジ部分のチューナーで微調整して準備完了。
私こと『重音テト』は、こんな手順を踏んで、『Idiot-ANDROID』のべーシスト『テトペッテンソン』に変身するのだ。

アンとアイコンタクトを取って、今日の一曲目を演奏しだす。
やっぱり外国人のグルーヴ感って何だか違う。同じリズムパート担当だから、なおさらそう感じるのかな。
一歩下がって、ちょっと冷静になってフロントの二人を観察するのもまた面白い。
がくぽは今日も絶好調。言うこと無しのギターだ。

ただ、レンの調子がおかしい。普段の力の数割も出せていない。
いつもなら、あの傷だらけの黄色いテレキャスを肩からぶら下げながら、
怒りの衝動をそのままぶつけたような歌と、ステージの上を所狭しと踊るような演奏を見せてくれるはずなのに、
今日に至っては、そんな要素はまるで無い。
……まるで、レンの周りだけ別のバンドみたいだった。



「―――Fuckin'!!」

楽屋に入るなり、暴言と共にアンがレンの服の襟に掴みかかった。
こんなに怒ったアンは初めて見たかもしれない。

「今日のPlayはナニ!? キミはあんなRubbishな声しか出せなかったんデスカ!?」

まるで親の敵のようにレンを罵り続けるアン。
ファンのノリや楽しみ方に一番こだわりを持っているアンにとっては、
精彩さがまるで無い、今日のレンのステージが相当癪にさわったんだろうなぁ。
レンは無表情のままで、アンの怒りの感情を無抵抗で受け入れる。

「……Shit!!」

生気の無いレンの姿を見たアンは、一言吐き捨ててレンを解放した。
レンが元気の無い理由は、本当はアンだって分かってるはず。
壁に寄りかかったまま、腕を組んで見守っているがくぽも、楽屋のイスに座ってそんな三人を見ている私だって、当然分かってる。
だから、私達は何も言えない。誰もが言葉を失って、楽屋の中に妙な沈黙が訪れる。

「レン、お主は今日は宴に出ずに早く帰った方がいい。主にも伝えておこう」

「……ありがとうがっくん、マスターによろしくね」

がくぽのアドバイスに従って、レンがギターケースを担いでとぼとぼと楽屋から出て行った。
楽屋の中が三人だけになると、アンはドカッと体をイスに預け、顔に手を当てて泣き出してしまった。

「レン、Sorry……I've done a very stupid thing to him……!!」

一体、私達『Idiot-ANDROID』はどうなってしまうんだろうか。
このまま、レンの心がどうにかなったまま、空中分解したりしないだろうか。



『VOCALOID』でない私に、何か出来ることは無いのだろうか。



550:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:44:31 7FMp34bt
―――僕が目を覚ますと、リンがパソコンデスクに座っていた。
昨日のライブの疲れがまだ取れない体を起こすと、リンは僕に気付いたのか、
ヘッドホンを取って、イスをくるっと回して僕の方を向いた。

「おはよーレン。ゴメン、起こしちゃった?」

「いや、別にいいんだけど……」

「昨日もライブで疲れちゃってたみたいだし、もっと寝ててもいいよ?」

リンは気遣ってくれるけど、ホントにもう大丈夫なんだ。
なぜなら、リンが向かってるパソコン画面が妙に気になるから。
僕はベッドから起き上がり、リンの隣に近づく。

「どう? 出来た?」

「うーん、ちょっとね……ギターの音が納得行かないんだ。ギタリストとしての意見聞かせてよ」

液晶画面に映し出されているのは、リンが今作っている曲のデータが書き込まれたピアノロール画面だ。
デスクの上にはシンセサイザーが鎮座し、その周りはリンがメモ用に使った紙で散らかっている。
僕はパソコンの画面を覗き込み、ヘッドホンを耳に当てながらいろんなパラメータをチェックしてみた。
ちょっと気になった部分があったので、手を加えてみる。

「うーん……これでどう? 少しエフェクトかけてみたんだけど」

「ん……おお、いい! こんな感じにしたかったんだ! ありがとー!」

「どうでもいいけど、そろそろ朝飯じゃないか? がっくんのマスターを待たせるわけには行かないだろ」

「待って! 今エレピでも試してみたいの! それ終わったら降りるから」

リンは僕にお礼を言うと、そのまま画面とのにらめっこを再開した。
キーボードが弾けない僕には羨ましくなるような手つきで、
鍵盤をバシバシ叩きながら、どんどんピアノのパートを録音していく。
あまりにも夢中だったもんだから、僕は邪魔をしないようにそのまま部屋を出た。

あの後、リンは僕共々がくぽ君のマスターの家で世話になっている。
リンの『レンとしばらく一緒にいたい』というわがままが受け入れられた結果だ。
それほどに、リンにとって僕という存在が大きかったのかと思うと、何だか胸がキリキリ痛む。
一緒にいたいと言うリンの願いを叶えるために、今の僕とリンの寝室は一緒になっている。
がくぽ君のマスターがかつて書斎として使っていた部屋は、すっかり僕らの色に染まり、
おまけに五年落ちくらいの古いパソコンと、使わなくなったシンセサイザーも借りてしまった。
何だか申し訳なくなってしまう。

「……よかった、あんなにハマってくれるなんて思って無かったし」

あの事件以来、リンは『スタジオに入ること』と『歌うこと』に抵抗を感じるようになってしまった。
どうにかして、リンに音楽の楽しさとVOCALOIDらしさを取り戻してほしくて、
僕が無い知恵を絞って考えたのが、さっきのような『DTMによる曲作り』だ。
最初はマウスで一音一音打ち込んでいたリンも、いつの間にか普通のピアノ弾きが出来るようになっている。
音色選択のセンスも抜群にいいし、教えた事はすぐに応用する。
……ただ、これは別にリンが特別って訳じゃないと思う。
VOCALOIDは音楽に関することの吸収スピードがものすごく速い。理論も、実践も。
僕のギターだって、一ヶ月もすれば相当弾けるようになっていたのを思い出す。

(リンがステージに立てるようになるの、いつになるかな……)



551:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:45:04 7FMp34bt
人間が『飽きる』って言うのは、ここに関係するんだろうか?
僕らと同じように歌い、僕らと同じように曲を創り上げるために、人間は多大な苦労をしているらしい。
それでも満足のいかない結果しか出せない人は沢山いる。
才能が無ければ、"オンガク"は"音が苦"になってしまうのだろうか。

「レン」

「……うぉああぁっ!? がっくんいつの間にっ!?」

「拙者はさっきからお主の後ろに居たが」

……なんて考え事をしていたら、いつの間にか後ろにがくぽ君がいた。
どうやら全く気付いていなかったみたいだ。
いきなり気配を感じたので、思わず変な声を上げてしまった。

「主が朝餉(あさげ)を所望している。レンも早く席に着け」

「はーい」

昨日の今日だし、何だかばつの悪い思いはしたけど、
がくぽ君の作る朝飯は美味いし、それを考えると逆らえない。
後ろに付いて、僕はダイニングへと降りていった。



テーブルの向こうには、がくぽ君のマスターとがくぽ君。僕の隣には打ち込みが終わったリンが座った。
マスターと僕とリンの前には、焼きほっけと浅漬け、ご飯にみそ汁といった和風全開の朝飯が並んでいる。
一方、がくぽ君は野菜ジュースをコップ一杯だけ。
何でも、体系維持のために炭水化物は特別な時にしか食べないんだとか。
その割に料理はするんだから、やっぱり不思議だ。

「レン、今日は何か予定ある?」

「いや、何も無いですけど」

「なら一曲歌ってくれないかな? 新曲にコーラスが欲しくて」

がくぽ君のマスターが、みそ汁をすすった後で僕に話を持ち掛けた。
『VOCALOIDが今更増えた所で全然問題ないよ』と言って、僕やリンを泊めてくれているのだ。
こんな僕が出来る仕事でよければ、何だってしたい。
だけど、昨日のライブのクオリティを思い出すと、上手く歌えるかどうかはちょっと疑問が残る。

「確か、今日は『ごっぱー』が届く日でござったか」

「そうそう。いやー、遂に俺もSHUREのマイクを買う様になったか」

がくぽ君のマスターはニコニコしながら、白いほかほかご飯を頬張る。
がくぽ君のマスターが音楽の話をするときは、とても楽しそうだ。
この笑顔を見ていると、アイツがまだ僕らに飽きてなかった頃の事を思い出す。
……ただ、今はまだ全部は思い出したくない。吐き気がする。
吐き気を押し込めるようにそば茶を喉に流し込み、僕は何とか平静を装った。
気を取り直して浅漬けに箸を伸ばしたとき、玄関のチャイムが鳴る。



552:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:45:44 7FMp34bt
「あれ、お客さんだよ」

「僕が行ってきましょうか?」

「サンキューレン、宅配便だったらアレだから、ハンコ持ってって」

「はーい」

リンが真っ先に反応したが、体をイスから持ち上げたのは僕が一番早かった。
がくぽ君のマスターのOKを貰ったので、僕はハンコを持って玄関へ向かう。
パタパタとスリッパを鳴らして玄関ホールに着いて、つっかけを引っ掛けて僕は玄関のドアを開ける。

「宅配ご苦労様で……」

そこまで言って、僕は言葉を失ってしまった。
くるくる赤毛の……いや、AKGじゃなくて本当に赤い毛のツインテール。
軍服らしい、シンプルな色使いの上着。
まぶしいくらいの朝日がちょうど後光のようになって、ニヤついてるのに妙に神々しく見える笑顔。

「君はじつに馬鹿だな、私のどこが宅配便の人に見えるんだい?」

「てっ、テトさん!?」

ベースを担いだテトさんが、扉の前に立っていた。



そのまま、僕はテトさんの誘いに乗って街に繰り出した。
がくぽ君のマスターが快く出かけるのを了承してくれたし、断る理由も無かったし。
楽器屋に寄って冷やかしてたら、妙に気に入ったエフェクターが在って思わず買ってしまった後は、
近くのハンバーガーショップで昼飯となった。
テトさんはフィッシュバーガーを楽しそうに頬張り、僕はダブルバーガーをもそもそ。

「ジャンクフードうめぇwww」

「某掲示板のスラングが駄々漏れですよ」

「ふふふ、これが分かるって事は君も同じ穴のムジナだよ」

ぎくり。
それは置いといて、今、僕は休日のランチに二人でファーストフード食べてるんだよなぁ。
まるで普通のデートのようじゃないか。
やばい。何だか意識しだしたぞ僕。

「ん? トイレなら我慢せずに行ってくればいいよ」

「……違います」

恥ずかしさからか、ついつい股間で手をモジモジと動かしてしまっていたらしい。
あらぬ誤解を受けて、僕は頬がカーッと熱くなるような感覚を覚えた。



553:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:46:16 7FMp34bt
「ねぇ、この後はどこか行く?」

「うーん、そうですねぇ……じゃあ、さっき買ったエフェクター試してみたいかも」

という話の流れから、午後は貸しスタジオを借りて、二人でずーっとセッションしていた。
スタジオに入ってしまえば、さっきまでの恥ずかしさや妙な心境もなんのその。
最初はセッションだったけど、最後はバトルまがいのプレイ。
手が動かなくなるまで弾いて、たまに休憩して、気付いたら日が傾いていた。

「ヘックシ!! うっわ、寒っ……!!」

テトさんをアパートに送っていく最中に、僕は思わずくしゃみをした。
さっきスタジオでかいた汗と、木枯らしが僕の体温を奪う。

「うー……まずいなこりゃ」

何で僕はマフラーくらいしか防寒具らしい防寒具を持ってこなかったんだ。
こないだまではこれでも十分だったのになぁ。

「まったく、じつに馬鹿だなぁ。ボーカリストが風邪ひいてどうするんだ?」

「ずびばせん」

鼻をすすると、横で歩くテトさんがポケットティッシュをくれた。
好意に甘え、そのティッシュで鼻をかみ、丸めたティッシュを近くのコンビニのゴミ箱へ捨てて、
その後は、またテトさんと住宅街を歩き続ける。
まだ鼻水が止まらない。このままテトさんを送って、一人で帰るのは何かやだなぁなんて考えながら、
他愛の無い話をテトさんとしつつ、アパートへと近づいていった。

「寒そうだね」

「まぁ、何とかなるで……ヘックシっ!!」

流れで、僕の体調がらみの話になった。
何とかなると言いたかったのに、絶妙のタイミングでくしゃみが出た。
鼻をすすりながら、それでもカラ元気をアピールしようとした時、
一瞬うつむいたテトさんが、顔を上げて僕に提案をしてきた。

「……ちょっと、その、よ、寄って温まってかない?」

「へ? あ、ありがとうございます」

何だか口調がめずらしくしどろもどろな感じがしたけど、寒くてそれどころじゃなくなってきた。
それに、何だかムズムズするような嬉しい気持ちもしてきたし。
テトさんの好意に甘えて、僕はテトさんと一緒にアパートに入っていった。



「今、何か出すからちょっと待ってて」

テトさんがキッチンから僕に呼びかけてくる。
僕は生返事を返しながら、テトさんの部屋をぐるっと見回していた。

(……そういえば、こうやってゆっくりテトさんの部屋を見るの、初めてだったかも)



554:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:46:49 7FMp34bt
いつもはライブの打ち上げ用の馬鹿騒ぎに使ってるから、こんなに穏やかなテトさん家は記憶に無い。
注意して見ると、何だか興味深い物がたくさん置いてあった。
さっき部屋に入るなりケースから出したスタインバーガーは、壁際のスタンドにきっちり収まっている。
パソコンデスクの上のデスクトップには、豆みたいな形の赤いエフェクターが繋がっている。
隣には本棚があって、ベースの雑誌、音楽理論の本、エフェクターのカタログを始め、
バンド物の漫画、ライブDVD、バンド物のパソコンゲームまである。
でも、なぜか巷で話題のメタル物の漫画だけ無い。真っ先に買いそうなのに。

「テトさーん?」

「ん?」

「テトさんってさ、DMC持ってないの?」

「……ああ、それ嫌いなんだ私」

ちょうどテトさんが飲み物と食べ物を持ってきてくれた。
いいタイミングだし、テトさんに聞いてみるとそんな答が帰ってきた。なーんだ、あれおもしろいのになぁ。
嫌いな理由もちょっと興味あったけど、テトさんお手製のガーリックトーストの香りに誘われて、
すっかりそんな事を聞くのなんて忘れてしまった。

「はい紅茶。ミルクどうする?」

「いらないです。ストレートでお願いします」

「ハハッ厨二乙」

厨二で悪ぅございました。
テトさんが運んできたティーポットから注がれた紅茶が、僕の前に出される。
ストレートで飲む紅茶がちょっと苦かったから、早速ガーリックトーストにも手をつけた。

「……よかった、何だか今日のレンを見てたら安心したよ」

「ふぇ、ふぁふぃふぁふぇふか?」

テトさんは一口紅茶を飲むと、そんな言葉を漏らした。
僕は口にトーストをほおばったまま、疑問を投げかける。

「昨日の調子とか見てると、ちょっとね」

「……あ」

両手でマグカップを包んだまま、そんな事を言ってくるテトさん。
そうか、そういえば昨日は散々なステージだったんだっけ。
ホントなら、今日は一日中浮かない気分で過ごしてたんだろうなぁ。テトさんに誘われて、よかったのかも。
その後、部屋の中はしばらく静かな空間になった。
どうしよう、またしても女の人と二人って事を妙に意識しだしたぞ僕。
凄く気まずくなって、何とか話題を作ろうと頭をフル回転させる。頑張れ僕の頭。

「あの、その、えーっと……ありがとうございます」

何て言ったらいいか分からなかったけど、とにかくお礼を言いたくなってしまった。
テトさんの意図は僕には分からない。でも、今日遊んだら、少し楽になったかもしれない。
これは素直な僕の気持ちなんだ。

「え、あ、うぇ!? そ、そう? べ、別に特別な事をしたわけじゃないんだけど」



555:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:47:24 7FMp34bt
なぜか、さっきのようにテトさんが慌てだした。
急にマグカップを包む手をモジモジと動かして、もごもごと話し始めた。
僕の昼の行動と似ているそれは、多分テトさんも恥ずかしがってるんだろうという想像が簡単にできた。

「その、ちょ、ちょっと気になっただけだから。VOCALOIDがどうやったら上手く気分転換できるかなって」

「―――VOCALOID?」

「……………あっ」

テトさんの口からぽろっと漏れた、多分何気ない一言。
それだけで、部屋の中の空気が一気におかしくなった。
テトさんには、僕がVOCALOIDであることは一言も言ってなかったはずだ。
なら、何でVOCALOIDシリーズに名前が無いテトさんが、僕の正体を知っているのだろうか?

「……テトさん」

「あ、ちょっと、その、あははは……、そうだ! こないだ新しいCD買ったんだ。レンはガンズ聴く?」

笑ってごまかそうとするテトさんに、僕はコタツから出てずいっと近づいた。
顔がぶつかるくらいの距離で、テトさんと視線を合わせる。

「ごまかすなよ」

「……………」

「どこで知ったの? 何なの、テトさんは……!!」

思わず、ケンカ腰な口調になる。
テトさんは僕から視線を逸らし、しばらく斜め下に顔を伏せる。
しばらくすると、少し体を引いて、改めて僕と顔を合わせた。

「分かった、私の事……話すよ」

諦めたように、テトさんが小さなため息をつく。
そして、自分の境遇をゆっくりと語ってくれた。



―――人間のような自然な歌声を、自分達の手で人工的に作りたいという夢は、
何も僕たち『VOCALOID』の開発スタッフだけが持つものじゃなかった。
中には、高度な技術を持った個人レベルでの開発だって、当然ある。
そして、『VOCALOID』以外の歌唱生成プロジェクトで最も有名な物に、『UTAU』というプロジェクトがあるそうだ。
テトさんはその『UTAU』の技術を使って作られたアンドロイドの一人(一体?)だとか。

「まだ『UTAU』の技術は発展途上で、頻繁にバージョンアップしなきゃ上手く歌えないけどね」

コーラスは上手いテトさんが、なかなかリードボーカルを取ってくれなかったのは、
恥ずかしいからじゃなくてそういう理由があったらしい。




556:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:47:58 7FMp34bt
「じゃあ、本当の歳……じゃない、稼動期間は」

「えーっと、がくぽと大して変わらないよ」

「ベースが上手いのは……」

「君達VOCALOIDと同じ理由だよ。音楽の知識の吸収スピードが速いから」

「昔のバンドの知識とかは?」

「そんなの、今ならウィキペディアも動画サイトもあるじゃないか」

そんな事を言われてしまっては実も蓋も無い。
TUT○YAで初めて会った時はともかくとして、テトさんはずっとみんなにこの事を黙っていたのか。
でも、どうして? それならそうと言ってくれれば良かった。

「何で……隠すような事なんかしたの?」

「最初は『UTAU』に対して『VOCALOID』がどんな反応をするか、分からないから隠してたんだ」

「反応?」

「……例えば、VOCALOIDじゃないってだけで迫害したり」

「―――するもんかっ!!」

テトさんの言葉が言い終わる前に、僕はテトさんに食ってかかった。
夢中だったからテトさんの腕に手が伸びて、そのままテトさんを床に押し倒した。
テトさんの上に馬乗りになって、僕は続ける。

「そんな事するもんか!! 音楽をやるために生まれてきた同士じゃないか!!」

「ちょ、レン……!?」

「人間だって、UTAUだって、PC-6601だって、音楽好きなら仲間に決まってる!!」

そうだ。だって同じ目的に向かって、みんな楽しんでるんだから。
僕らのファンだって、ミク姉たちのファンだって、がくぽ君のマスターだって、
……………昔のアイツだって。

557:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:48:36 7FMp34bt
「……私ね、VOCALOIDに憧れて生まれて来たんだ」

まるで独り言のように、テトさんが僕から目を逸らしたまま語りだした。
僕らに、憧れてた?

「仮にみんなが『UTAU』として私を仲間に迎えてくれても、私の心は満足しなかったはず」

乗っかってる僕の下で、テトさんの体が少し震えだす。
テトさんの目元を見ると、なぜか涙っぽい物が見える。何で? 何でここで泣くの?

「隠したままみんなと過ごしてると、VOCALOIDになった気分に浸れてた。たとえ、それが嘘でもね」

やがて、テトさんの声まで震えてくる。
まるで調声に失敗したみたいな変なビブラートがかかり、鼻にかかった音質になる。
最後に、テトさんは僕の目を見ながら、途切れ途切れに言った。

「馬鹿みたいじゃない? いっつも『君はじつに馬鹿だなぁ』とか言っておきながら、私のほうが馬鹿だったんだよ」

テトさん自慢のくるくるヘアーは、床に押し付けられてくしゃくしゃになってしまった。
同じようにテトさんの顔もくしゃっとなって、本格的にテトさんの頬を涙が伝う。
ひっくひっくとしゃくり上げながらも、テトさんは僕に全部を話してくれた。

「……馬鹿、か」

僕はテトさんの上からよけて、床に仰向けになっているテトさんを、手を掴んで起こす。
改めて、座ったままの姿勢で僕らは向かい合った。
目を赤く腫らしたテトさんに向かって、僕は頭に浮かんだ事をそのままぶつけていく。

「なら、僕もやっぱり馬鹿だよ」

―――そう。だって昔はまだ何も知らなかったんだ。
ただ歌ってるだけで、ずっと楽しく暮らせると思ってたのに、実は僕らの周りは茨だらけだった。

「アンもがっくんも、もちろんテトさんも。みんな心配してくれてたのに無視してたもん」

僕らはまだ不安定で、下手するとあらぬ方向へ吹っ飛びそうな存在だ。
周りの人々も、いい人だけとは限らない。いや、よく考えたらいい人のほうが少なかったかもしれない。
側面しか見ない人、変なレッテル張りをする人、食い尽くそうとする人。

「僕ら仲間じゃん、やっぱり。だから、僕らはもうちょっと甘えてもいいと思うんだ」

僕らの前に広がるのは、バージンスノーみたいに足跡の無い世界。
あまりに自由すぎて、無軌道すぎて、寂しすぎる。だからこそ、支え合わなきゃ。
そんな思いを込めて、僕はテトさんを思いっきり抱きしめた。



この際だから、言っちゃえばいいか。
がくぽ君とアンのアレを覗いた日以来、ずっとくすぶってたんだ。でも、今日はっきりしたと思う。

「テトさん」

近くにいるだけでドキドキしてくる。気がつくと意識してしまう。
でも、それが心地いい。そんな人が目の前にいる。

「僕さ、テトさんのこと、好きなんだ」

抱き合ってたから、ちょうど僕の口はテトさんの耳のあたりにあった。
いつもはくるくるヘアーに隠れているテトさんの耳に目がけて、小声だけど、僕ははっきりとそう言った。

558:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:49:18 7FMp34bt
以上です。
まだ続きます。今度はエロパロらしくなります。
では、読んでいただいてありがとうございます。

559:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:54:08 B2DKXHln
>>558
GJGJ!萌えた!
エロな部分も楽しみにしてます

560:名無しさん@ピンキー
08/12/16 02:08:45 NIdGLv2Q
>>558
GJ!レンとテトかわいい
萌えたわ

561:名無しさん@ピンキー
08/12/16 06:21:37 wAt56H4A
>>558
テトの複雑な立場をよく理解しているなぁ
レンの言葉にこっちまで涙が・・・。゜。゜(ノД`)゜。゜。なんて優しい奴なんだ
しかし・・・次はとうとう・・・ゴクリ

562:名無しさん@ピンキー
08/12/16 13:26:09 ov/wTqzj
>>558
相変わらずGJ!!
がくぽの食生活は親譲りかw

563:名無しさん@ピンキー
08/12/16 14:16:26 zP2nrtAu
>>558

レン、優しいなぁ…

なんとなく、修羅場フラグが立ったような気がするが

564:名無しさん@ピンキー
08/12/16 16:16:46 NIdGLv2Q
>>562
がくぽの親ってこんな食生活なのか
人間離れしてると思ったがw

565:名無しさん@ピンキー
08/12/16 21:23:03 Tqit0Ct6
>>564
流石にジュースだけwて事は無いと思うが炭水化物をなるべく採らない。
米は10年食べてないらしい。
理由は定かではない(笑)

566:名無しさん@ピンキー
08/12/16 22:42:05 /K4xzAsb
>>557

わっふるわっふる。 おつおつおつ。

>>565
中の人は本当は炭水化物好きだけど自分用のご褒美にとってあって、満足できるものが出来たら食べるんだと予定してるらしい
で、未だ届かずとかなんとか
どっかで読んだ。自分で書いといてなんだがソースキボンヌ

567:名無しさん@ピンキー
08/12/17 01:58:55 h2G6FGQE
涙腺が緩むどころか、まさか号泣させられるとは夢にも思わなかった。
なんかエロ抜きにして、綺麗に終わらせても誰もが感動できる感じw

568:名無しさん@ピンキー
08/12/17 02:19:15 YplpJNt0
>>558
乙でした!
相変わらずストーリーがめっちゃ面白い。
次回も楽しみです。

569:名無しさん@ピンキー
08/12/17 02:24:04 UXhXdJY+
DMCのくだりやUTAUの事もよく理解していらっしゃる…GJでした!

570:名無しさん@ピンキー
08/12/17 02:38:33 /QffSale
>>558
これはいいものを読んだ
続き楽しみにしてます

571:名無しさん@ピンキー
08/12/17 12:21:22 KnPeoo6+

KYで悪いがなんでテトはDMC嫌いなん?

572:名無しさん@ピンキー
08/12/17 13:24:04 uzATdnXE
>>571
勝手な考察だが……
テトとDMCのクラウザーには、自分自身を偽って音楽を続けているという共通点がある
あとは……分かるな?(分かるか!

573:名無しさん@ピンキー
08/12/17 18:46:55 UXhXdJY+
テトのDMC嫌いは安価で決まった仕様だよw

URLリンク(www9.atwiki.jp)

574:名無しさん@ピンキー
08/12/17 20:11:05 1mSo/3Ll
DMCがデトロイト・メ○ル・シティの事かどうかは今なお意見の分かれるところ
でもこうして拾ってもらえるなら設定冥利につきるというものです実にGJ

575:名無しさん@ピンキー
08/12/17 20:57:48 BCzP6bMi
デビルメイクライのことじゃなかったのか
今の瞬間までDMCってのはデビルメイクライの略だと思ってた

道理で話がつながらないわけだ

576:名無しさん@ピンキー
08/12/19 10:56:52 9jTNMepu
誰かメイコとレンで母乳プレイを頼む

577:名無しさん@ピンキー
08/12/19 12:59:37 vwWiDNOR
言い出しっぺの法則

578:名無しさん@ピンキー
08/12/19 16:48:03 UyYmqRL8
>>576に期待


579:名無しさん@ピンキー
08/12/20 01:09:13 q3+B5Njk
>>576に期待

580:名無しさん@ピンキー
08/12/20 12:41:29 tV/e5pU7
>>576に期待

581:名無しさん@ピンキー
08/12/20 21:27:27 n5AbqWfl
>576に期待

582:名無しさん@ピンキー
08/12/20 21:32:42 5k1y9g/Z
>>576
カイトか殿バージョンも頼む

583:名無しさん@ピンキー
08/12/20 23:09:16 oPtOKZWc
おまえらwww

>>576に期待せざるを得ない

584:名無しさん@ピンキー
08/12/20 23:59:08 Hhq94Fj6
>>582
別の意味で犯罪くさいww

585:名無しさん@ピンキー
08/12/21 00:11:35 lKBvEgLd
マスメイ母乳ネタで密かにカイト版が来ないか半裸で待ってた俺が通りますよ。

586:名無しさん@ピンキー
08/12/21 00:23:01 dq+gjOGo
よしじゃあここはKAITOの母乳で

587:名無しさん@ピンキー
08/12/21 02:55:40 3T9WIS1h
それはないww

588:名無しさん@ピンキー
08/12/21 03:34:49 CVoLnCbL
なぜそこでミクやリンの母乳という発想が出てこない!
絶対に出てこないような賓乳から飛び出す母乳、まだ未発達な胸からこぼれる母乳
通はこれだね

589:名無しさん@ピンキー
08/12/21 03:54:40 Lyo2nuxS
母乳が出るようによく揉みほぐすんですね

産婦人科にも乳揉みのプロの人がいて出やすくなるように揉んでくれるし

590:名無しさん@ピンキー
08/12/21 04:44:21 lfs0EW78
ここまで盛り上がるとは思わなかったw
書けそうにないから、誰か頼む

591:名無しさん@ピンキー
08/12/21 09:06:27 2fd7ENu6
レンきゅんのおちんぽミルク以外認めない
反論はSSによってのみ認める

592:名無しさん@ピンキー
08/12/21 10:59:18 74uySYcH
>>576の人気に嫉妬と期待 
 
>>586
KAIKOとかはどうだい?

593:名無しさん@ピンキー
08/12/21 13:14:51 HjJXB/u6
このスレはMEIKO>男キャラ>>>>>>>ミク、リンか

594:名無しさん@ピンキー
08/12/21 13:25:44 Ufp/4+3C
>>593
なんかすげー不思議w

595:名無しさん@ピンキー
08/12/21 14:46:06 v6A3+UQE
>>593
なるほど、胸囲に比例してるわけですね。分かりやすい。

596:名無しさん@ピンキー
08/12/21 14:55:10 Wk0cOp8v
>>593
なんだここはマゾばっかかと思ったけど栗と法律的にだいぶ健全だな

597:名無しさん@ピンキー
08/12/21 14:58:13 mZy01PyV
>>595
あちらのお客様からネギ型バールとロードローラーどっちがいい?
とのメッセージカードを預かっております

598:名無しさん@ピンキー
08/12/21 15:08:01 0ilvJ6Tq
おまえらおっぱい好き過ぎだろwww

599:名無しさん@ピンキー
08/12/21 15:29:12 dRRmD7gA
ミクリンあたりはエロい同人誌とか山ほど出てるけど
メイコさんはほとんどないからその反動じゃね?とか思うのは気のせいか

600:名無しさん@ピンキー
08/12/21 15:46:27 mZy01PyV
>>599
確かにそれはあるかもな
あと、MEIKOみたいな大人キャラのSSって女性層に受けそうだ

601:名無しさん@ピンキー
08/12/21 19:28:10 lKBvEgLd
MEIKOメインだと確かにエロを安心して読める感はある。

602:名無しさん@ピンキー
08/12/21 20:25:42 v6A3+UQE
でもそんなに大人っぽいってほど大人っぽいMEIKO少なくね?
いや、安心感は確かにあるけど。

>>597
おっぱいに挟まれて死にたいと伝えといてくれ。

603:名無しさん@ピンキー
08/12/21 21:20:13 Wk0cOp8v
エロならなんでもいい

604:名無しさん@ピンキー
08/12/21 21:58:12 3v09izOZ
>>603
「この・・サカリのついたサルがっ!」
・・・とKAITO氏がおっしゃっていました

605:名無しさん@ピンキー
08/12/21 23:26:14 dqnXQb/B
レンリンならなんでもいい

606:名無しさん@ピンキー
08/12/21 23:59:04 IA/Mo0Tn
MEIKOならなんでもいい

607:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:43:39 65NOoCfc
>>548-558の続きです。
今回でラスト。展開のの都合上、二話に分かれています。

・バンド物設定
・レン×テト、エロ

608:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:43:52 65NOoCfc
『おバカロイドの音楽隊・4』



唐突ですが、鏡音レン、重音テトが好きです。よろしく。
告白してから数分経ったと思うけど、テトさんの部屋の中の空気は止まったまま。
壁掛け時計の秒針の、チチチチチ……という音が妙に気になる。
それでも、テトさんは何も反応を返してくれない。

「迷惑、かな?」

遂に耐え切れなくなって、僕は自分で口を開いた。
テトさんは、まだ何も言わない。
代わりに、僕の背中にテトさんの手が回された。

「……いや、迷惑じゃない」

抱き合ったままだから、テトさんがどんな顔をしてるかは分からない。
ただ、テトさんの言った言葉だけは、はっきりと聞こえた。

「私も好きだよ、レン」

テトさんがギュッと僕の体を強く抱いてきた。
僕もそれに合わせて、腕に力を込めた。
この瞬間、僕らはただのバンド仲間ではなく、特別な関係へと一歩踏み出したのだ。
そう考えると、今のテトさんの特徴が全部気になってくる。
実は僕より大きな背なのに華奢な体。主に胸囲的な意味で。
女の人ならではの、シャンプーか何か分からないけど甘いような香り。
くっついた体から感じる、体温と脈動。

(……やべっ)

はい、勃ちました。
しょうがないじゃないか!! こちとら血気盛んな14歳なんだ!!
とは言え、これを知られたらムードぶち壊しだ。
あくまで平静を装いながら、何とかして静めようとする。
どうする、円周率か素数か、えーっと……

「……何、この足に当たる硬い物」

「え」

テトさんがぽそっと漏らす。
テトさんの膝は、あろうことか僕の股間に密着していた。
これじゃあ、硬くなったらすぐばれる。
僕の体は一気に硬直した。

「これって、ナニ?」

「……はい、ナニです」

「ふーん。興奮してるんだ、今」

そりゃそうですよ!!
ああ、どうしよう。一気にムードは最悪の方向へ流れてしまった。
告白して返事貰って数分で別れたりなんかしたら、もう笑うしかない。

609:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:44:13 088RcMF5
ミク攻めマスターor男ぼかろ受けならなんでもいい

610:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:44:24 65NOoCfc
まるでギロチン台に首を突っ込んでいるかのような心境でいると、

「もう、しょうがないなぁ……レンは」

少し呆れたような声がして、テトさんは僕から離れた。
そして、何を思ったのか。
着ている服のボタンを上から二つ外して、僕の目の前に顔だけぐいっと近づけてきた。

「じゃぁ、そういう事……する?」

「え、あ、その」

僕がさっき告白するまで泣いていて、少し赤くなったテトさんの目と視線が合う。
あまりに露骨で一瞬ためらった。これは誘っていると見て間違いないだろう。
なら自重なんかするもんか。突っ走ってやる。

「……したいです、しましょう」

テトさんの誘いに、大いに乗ってやろうじゃないか。
いちいち悩んでられない。ある意味ノーフューチャーなのだ。

「ははっ、君はじつに……」

テトさんは笑顔になって、少し頬を染めながらいつものセリフを口にしようとした。
何だか悔しかったから、僕はテトさんが言い終わる前に、キスでテトさんの口を塞いでやった。

「んむぅうぅっ!?」

塞ぐだけじゃなく、舌も入れた。
テトさんと唾液の交換をして、どんどん気分を高める。
キスをしながら、ゆっくりとテトさんの体を床のカーペットの上に横たえていく。

「……慣れてるね」

「経験済みだもん。昔から言うでしょ? 『セックス・ドラッグ・ロックンロール』って」

テトさんの疑問に、僕はロックな返答を心がける。
あれ? 何だか昔メイコ姉に同じ事を言われたような気がする。まぁいいか。
そのメイコ姉に習った事を最大限発揮して、テトさんの服をゆっくりと剥いでいく。
いつもの軍服をはだけさせて、リンのみたいに控えめなブラジャーを外す。リアホックだって何のその。
ただ、テトさんが妙に非協力的だから手こずった。

「ねぇ、もしかして、ホントはこういうことしたくないの?」

だから、ついこんな事を聞いてしまった。
さっきはOKサインだと思った事が、実は違ったらどうしよう。
しかし、テトさんから返ってきたのは、

「……いや、その、私初めてだから、こういう時どうすればいいかイマイチピンと来なくて」

何っ!? テトさんじゅういっさい、バージンと申したか。
……いや、稼動時期から考えたら確かに不思議じゃないけど。
頬を真っ赤に染めながら話すテトさん。もちろん嘘じゃないんだろう。

「よし、じゃあ任せて」

「……うん」



611:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:44:53 65NOoCfc
服剥ぎ再開。
ブラジャーを取っ払ってしまうと、そこにはもちろんおっぱいがある。
メイコ姉より小さくて、ミク姉より多分小さくて、リンくらいのサイズだろうか。
ただ、肌が凄く綺麗だ。絹のようという比喩を使いたいくらいに。
そっと、ふくらみに手を添えてみる。

「にゃあぁっ……!?」

瞬間、テトさんがビクンと跳ねながらネコみたいな声を上げた。
恥ずかしそうに目を閉じ、口を真一文字に結んでいる。
触ったおっぱいはスベスベで、ライブハウスで触ったリンの肌に限りなく近い。
31歳というよりは、テトさんが普段言うとおりの15.5歳説を推したくなる。

「ひゃぁあぁっ!? ふあぁぁああっっ……!!」

おっぱいの先端をちゅっと吸ってやると、テトさんはまた声を上げた。
僕のすることにいちいち反応してくれるテトさんの体は、すごくいぢめがいがある。
そのまま、おっぱいを弄る方と反対の手を、テトさんのスカートの中に滑り込ませていく。

「あっ、そこ……!!」

テトさんの体がこわばるけど、それでも手は止めない。
スカートの中に隠れていたパンツに手をかけて、少しづつ降ろしていく。

「テトさん、少し足動かして」

「え、でも……」

「大丈夫、絶対に優しくするから」

きりっと顔を作って、テトさんに協力を促す。
それが功を奏したのかどうか、テトさんの体からこわばりが少し解けた。
手助けがあれば、パンツはするするとテトさんの足から剥がれる。
そして、僕はまだ誰も触れた事の無いテトさんのあそこに、遂に手を触れた。

「ひっ……!?」

当然、テトさんは小さな悲鳴を上げるわけだ。
僕だって、生まれて初めて他人にモノを触られたらこうなるだろう。
少し湿り気の有るソコは、触っただけでもピッタリ閉じているのが分かる。

「だ、大丈夫……だよね? ホントに」

「うん、力抜いてればOKだよ」

半分涙目になって、何度も僕に確認を取ってくるテトさんの顔を見下ろす。ヤバい、マジヤバいぞ。可愛すぎる。
守ってあげたい気持ちと滅茶苦茶にしたい気持ちがせめぎあって、
辛うじて優しく出来ているようなギリギリの状態で、僕はテトさんに愛撫を続ける。

「……痛かったら、遠慮しないでね」

「うん……にゃあっ……!?」

怖い痛いだけじゃ辛いだろうから、テトさんにも気持ちよくなってもらわないと。
メイコ姉曰く、『女の子が手っ取り早く感じるようになるのはクリトリス』だそうだ。
僕は指の腹を使って、テトさんのアソコにある芽っぽいソレを撫でる。
触れた途端、テトさんはまた短い声を上げた。



612:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:45:07 65NOoCfc
「どう?」

「うん……ビックリしただけだから。続けていいよ」

テトさんのOKを貰って、僕は本格的にクリトリスをいじりだす。
コロコロ転がすたびに、テトさんの口から

「ひゃあぁっ!?」

とか、

「ふあぁぁあっ!!」

とか、少なくとも痛そうではない声が聞こえる。
よし、今度は本当に大丈夫そうだ。
手を動かしながら、口ではテトさんの体のいろんな所にキスマークを付けていく。
おデコ、ほっぺた、うなじ、鎖骨、おっぱい、お腹。もちろん唇同士も。

「ひゃあっ!! あっ、あっ、っあぁぁっ!!」

その度に、耳にはテトさんの甘い喘ぎ声が入って来るのだ。
もうさっきから、僕のモノは戦闘状態を解いてくれない。
いい加減に何とかしたいけど、テトさんのほうはどうだろう?
指を一本だけ、テトさんの中につぷりと入れてみる。

「ひっ……!!」

「……よし」

テトさんは一瞬ビックリしたけど、こっちも準備が整ってるもんだと思っていいでしょう。
触り始めよりも明らかに濡れたソコは、指一本くらいなら問題なく受け入れてくれた。
僕は一旦テトさんの上から体を起こし、脱ぎ忘れてたズボンと下着を下ろす。
パンツを脱いだ瞬間、締め付けから解放された僕のモノがピョンと飛び出した。

「うわぁっ!? そ、それが……ナニ?」

「はい、ナニです」

「……大きい」

僕の手が離れて一旦息が整ったテトさんは、目を丸くして僕のモノを見つめてきた。
視線がモノの先端に集まってるような気がして、妙に恥ずかしくなる。

「いや、そんなに大きいとは思わないけどなぁ。もっと大きなモンもあるでしょ」

「……だって、他は見たこと無いから比べようが無いよ。馬鹿だなぁ」

「ごもっともです」

そうだ。僕のモノが、テトさんが初めて知るオトコになるのだ。
うーん、何だかいい気分になってきたぞ?
僕は改めてテトさんをゆっくりと寝かせ、テトさんの足の間に体を入れる。
そうなると、僕の目にはテトさんのアソコが映る訳だ。



613:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:45:19 65NOoCfc
「や、ああっっ……!! 見ないで、っ」

「……やだ。さっきテトさんこそ僕のモノまじまじ見てたじゃん」

「だって……」

少しいじわるな言葉をかけて、これで少しは緊張もほぐれてるかな?
まだ不安だらけの表情のテトさんの顔を見ながら、僕は手をあてがったモノを、
テトさんのアソコへとあてがった。

「あ、っ」

「……いくよ」

ぴとっとくっついた瞬間、テトさんがピクンと震える。
ゆっくり時間をかけるのもいいのかもしれないけど、いつまでも怖い思いさせるのは何かヤダ。
僕は狙いを定めると、一気にテトさんを貫いた。

「う゛あぁぁあっ!?!? ぐ、あぁっ、いた、痛い……っ!?!?」

テトさんの声が心にグサリと刺さるけど、我慢してくれると信じてそのまま続行する。
狭い膣内もお構いなしに、僕は進んだ。
しっかり濡れてると思ったアソコは、結局まだかなりキツかった。
呻くような、テトさんの痛がる声がする。何だか申し訳ない。
でも、もう戻れない。

「テトさん、っ……!! ぜんぶ、入ったよ……」

「あ゛……っく、は……そっ、か……はあ゛ぁぁっ!!」

「痛い?」

「うん、ちょっと……これは……すっごい痛い」

全部入ると、僕はテトさんの顔を改めて見た。
無理してにっこり笑うテトさんの顔が、逆に痛々しくて申し訳なくなる。
初めてでいきなり気持ち良くなんかなるもんじゃない、というメイコ姉のアドバイスもあることだし、
とにかく早く終わらせたい……んだけど。

「はぁ、あっ……レン、気持ちいい……?」

ぎっちぎちに締め付けてくるテトさんの膣内が、痛気持ちよくてどうしよう。
ずっと、このままテトさんの初めてのひと時を味わっていたいような気もする。

「うん、気持ちいいよ、テトさん……」

とにかく、テトさんの体がこなれるまでは少しづつピストンして、
段々ほぐれたかな? と思ったら少し動きを大きくする。これを、長い時間繰り返した。
その間は、まだ涙が伝っているテトさんの頬にキスしてみたり、
体中をなぞってみたりして、気が紛れるようにしてみた。
僕が童貞喪失した時よりは上手く出来てると思いたい。

「んっ、はっ……あ、ぐぅぅっ……!! ふぁ、あぁあぅっ」

段々とテトさんの声に余裕が生まれてきていた。
しかめっ面だった表情も少し緩んで、声にも艶が出てくる。
ハァハァと息を吐きながら、途切れ途切れに甘い声を漏らすテトさん。



614:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:45:29 65NOoCfc
「っく、テト、さんっ……!!」

もう我慢できなかった。
腰を動かすスピードを速めて、僕は一気に射精へと持っていこうとする。
僕もテトさんみたいに息が荒くなって、ムズムズした感覚がモノを昇ってくるのが分かる。そろそろ出そうだ。

「ああぅぅっ!! にゃああぁっ!! ああっっ!! レン、れ、んっ!!」

テトさんの声がまた辛い物になってきた。
僕の名前を呼びながら、必死に僕の上着に手を伸ばしてしがみ付いてくる。
仕方ないか、僕が結構乱暴にしちゃってるし。
でも、もうここまで来たら止められない。このまま中に出して……
あれ、VOCALOIDとUTAUって子供作れるのかな……?

「く、ぅぅあっ!!」

「やはああぁぁっっ!! うあぁぁあっ……!!」

僕は呻いて、最後にテトさんの腰に思いっきり自分の腰を打ちつけた。
一瞬浮かんだ心配も、射精の衝動で流されて、頭の中が真っ白になる。
ドクンドクンと脈を打つ僕のモノから出た精液が、テトさんの膣の中に広がっているんだ。

「はあぁっ、ああっぁあっ……はぁっ、はぁっ……!!」

まるで全力疾走をした直後のように息の乱れたテトさん。
汗が顔を伝い、はだけた胸を上下させ、下半身は僕とぴったり繋がりながら、ゆっくりと息を整えている。
ごくりと唾を飲んだ後、テトさんは射精を受け入れて初めての感想を漏らした。

「なんか、お腹の中がヘンな感じ……」

「そりゃあ、僕のモノが入ってるからね」

「……ばーか」

まだ整いきらない息の合間に、テトさんがにっこりと僕に向かって笑ってくれた。
その切ないような愛おしいような顔がたまらなくなって、僕はそのままテトさんにキスをする。

「ん……っ、はぁ……レン」

「何?」

キスを終えると、テトさんが僕に何か話したそうにしてきた。
それは、今更言うまでも無いことだったけど、今この瞬間に確かめたい事だった。

「レン……好きだよ」

「……はい。僕もテトさんが大好きです」

僕らは抱き合い、お互いの温かさを存分に味わった。
体もさることながら、すごく心が暖かい。
ああ、これが幸せって奴なのかなぁ。

……次の週、ライブのために集まった時は、テトさんと目が合うたびに少し恥ずかしかった。
でも肝心のライブはいつも通り、いや、いつも以上に調子がよかった。
何てったって、同じステージの上に一番の理解者がいてくれるんだ。もう怖い物なんかあるもんか。





615:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:45:42 65NOoCfc
さて、その後の話。
ライブハウスの楽屋で、テキトー英語を口ずさみながら、
リンが鏡に向かってメイクをしている。

「ゆーごーんとぅふぁーでぃすたーい、ばっらいだーんしんおんざばーれんたぁいん♪」

「……リン、それ気に入ったの? さっきから歌いまくってるけど」

「うん! だってこれに合わせてくるくる踊ったら楽しそうじゃない? わーいどんちゅーゆーぜー♪」

今日やるカバー曲を教えてから、ずっとこうだ。
おまけに、英語圏出身のアンもノッてきたりする。

「Try not to bruise it ~♪」

「いいから黙ってくれよ……」

ステージ前は集中したい僕にとってはいい迷惑だ。
でも、今日は僕よりリンの緊張を解きほぐす方が先決だ。
何てったって、今日は記念すべき『Idiot-ANDROID』新メンバー追加の日なのだ。



ある日、リンが僕らのライブ後の楽屋に訪ねてきた。
捨て猫みたいだったあの日のそれとは違った、キラキラした目で言ったのは、

「私も、レン達と一緒に馬鹿になってみたいな」

の一言だった。
正直、幾らリンの頼みでも、こればっかりは悩んだ。
リンがやるとなったら、パートは最近DTMもやってるしキーボードだろう。それはバンドのカラーに合わないのでは?
元々、所構わず萌え全開の、気持ち悪いアイツに嫌気がさして作ったバンドなんだ。これは今でも揺るがない。
それを伝えるには、オリジナル以外はUKパンクのカバーしか僕は相応しくないと思ってたし、それ系ばっかやってたわけで。
そこ、洋楽厨の厨二とか言わない。
バンドリーダーの僕の決定にゆだねられたが、正直僕自身はそんな感じだった。
そこへ、テトさんの一言が僕に突き刺さる。

「レン……、『Punk is Attitude,Not Style』だと思わないかい?」

僕の敬愛するパンクロッカーの言葉である。
ああ、テトさんにそこまで言われちゃ仕方ないよね。くそったれ。
リンの加入と、オリジナル曲のキーボードアレンジ、カバー曲探しがその日のうちに決まった。
で、妥協の結果、『じゃあUKロックでニューウェーブならOKでしょ?』とごり押しされて今に至る。



「よーし」

「ん? 何やってるの? レン」

ステージに上がる前に、僕は愛用のテレキャスにひと細工する。
ボディトップにデカデカと、ある物を貼った。



616:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:45:55 65NOoCfc
「……きったなーい、もうちょっと綺麗に貼ろうよ」

「うっさいな、これがいいんだよ」

「ふーん、パンクってよく分かんないや」

『KEEP OUT!!』と大きく書かれた黄色いテープが、ボディを斜めに横切るように貼られた。
何を隠そう、これは……リンが陵辱された現場から拾ってきた代物だ。
リンは当然そんな事は知らない。ただのクチャクチャのぼろっちいテープだとしか思わないだろう。
僕がこのテープを愛器に貼り付けた意味は、誰にも分からなくていい。と言うか、誰かにばれたって別にどうでもいい。
僕の怒りのジェネレーターとして、いつまでもステージで共にあれば、それでいい。
デコレートが終わったテレキャスを担いで、僕はみんなが組んでいた円陣に加わる。

「―――よし、今日は特別だ」

「無論、全身全霊をかけて舞台に挑ませていただく」

「馬鹿だなあ、私達はいつだって全力だ」

「Yes、ワタシたちは手加減シラズのIdiotデスからネ!!」

「みんな……ヨロシクねっ!!」

「「「「「お―――っ!!」」」」」

円陣を解いた僕らは、ステージに散っていく。
キューボックスからヘッドセットに送られるクリックに合わせ、リンのシンセとアンのドラムが入る。
いつもとはちょっと違う曲に最初は戸惑ったし、ファンも戸惑ってるけど、すぐに慣れた。
デジタルでダンサブルなビートとは裏腹な、ボロボロのテレキャスター。
黄色いボディと白っぽいメープルネック、黒いピックガードは正に僕の色だ。
曲が続いていくにつれ、僕とテレキャスの境界線が無くなっていくような感覚になる。
最後のオリジナル曲で、その境界線は遂に無くなった。



Cram-free generation,NEET heroes   ゆとり世代にニートの申し子
NICO-holics,Warezer       ニコ厨に割れ厨
Rogue circles,Right bodys  ジャンルゴロに利権団体
Newboys and Fangirls,Withdraws    リア厨、腐女子、引きこもり
All you Geeks and Childness peoples 全てのオタクとガキ臭い野郎共

MAD-holics,DTMer            MAD中毒患者にDTM職人
Loves Pixiv,Loves Piapro  PIXIVとピアプロを愛する奴ら
Novelists and Coterie ciacles SS職人に同人サークル
All you Geniuses and Lovely idiots 全ての天才と愛すべき馬鹿共

What you gonna do now?       今何がしたい?
Just rockin'on you,Wooh……     お前等を振り向かせてやるぜ
Spending the time through the night 夜通し時間をかけて
Grind into the reason to singing  歌う意味をその頭に叩き込んでやる

In the age,Just golden age of me   時代は正に俺のモノだ
The golden age of me,babe.    俺の時代だ  
In the age,Just golden age of me   時代は正に俺のモノだ
The golden age of VOCALOID……  時代はボーカロイドのモノだ





617:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:46:25 65NOoCfc
―――ああ、僕は楽器なのだ。人の形をした。
ただがむしゃらに、入力された事を素直に表現する存在なのだ。



ライブは盛況のまま終わり、アンコールまでやってから、僕はリンたちと楽屋に戻る。
初めてのロックバンド体験を、リンは汗をタオルで拭きながら楽しそうに語る。

「やーやーやー、こんなに激しいステージだとは思わなかったよ」

「……うん」

「だってさ、盛り上がったからってギターをグサグサアンプに挿しちゃうんだよ? あれはすっごいパンクだよね!!」

「……リン、もう言わないで」

あまりに気分が乗りすぎて、ついやってしまった。後悔だらけだ。
さっき、がくぽ君と僕でライブハウスのオーナーに土下座して、何とか出入り禁止だけは免れたものの、
約10万というギターアンプの弁償金は後日しっかり払う羽目になるだろう。当然だ。
頭を抱えてイスに座っていると、何だか外が騒がしい。
僕もリンも、一緒に楽屋にいたテトさんもアンも、何事かと楽屋のドアの方に目線をやる。

「ちょっ……迷惑でござる!! 見ず知らずの方にアンプ代の肩代わりなど……!!」

「あんだよー、ジャズコーラス買うのだって大変だろ? 収入源の乏しいアマチュアバンドなんだからさ」

「しかし……!!」

誰かが、外に出ていたがくぽ君と通路で言い争ってる。何かトラブルでもあったんだろうか?
一応バンドリーダーとしては見逃せない。三人は残して、僕はドアを開けて通路に出た。

「あっ……レン」

「ん? って言うと、君があのクレイジーなボーカルかい?」

「え、あ……はい、『Idiot-ANDROID』のレンは僕ですが」

がくぽ君と言い争っていた男の人は、僕を見るなりそんな事を言ってきた。
何だか不健康そうなのにガタイのいい体、リーゼント、今時ロッカーズファッション。怪しさ満点……いや、突き抜けてる。

「いやー、めちゃめちゃカッコよかったよマジで」

「……何の用事でしょうか」

いかにも怪しい風貌のその男の人は、僕の警戒心丸出しの目を見て、ポケットに手を突っ込む。
ジッポと『GAULOISES』と書かれたタバコの箱と、あと黒い皮のカードケースが出てきた。
『GAULOISES』を一本吸うと、男の人はカードケースから一枚名刺を取り出し、僕に差し出した。

「カッコがアレで悪ぃね。これでも一応本業は君たちと同じロッカーでね、これだけはやめらんねーのさ」

「え、あ、えええぇっ!?」

「……君たち、デビューしてみないかい?」

思わず僕は、名刺の肩書きと、咥えタバコでにやっと笑って『デビュー』と口にした彼の顔を見比べてしまった。
その名刺には、どこかで聞いた事のあるインディーズのレコード会社の名前と、
『代表取締役社長』の文字が確かに印刷されていた。

618:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:46:38 65NOoCfc
『おバカロイドの音楽隊・6』



北の大地の中心街。
僕はあるビルの前に立っていた。
空からは雪がチラチラと舞い降り、ビルを見上げる僕の顔にペタペタと当たっては消える。
僕は白い息を吐きながら、一人呟いた。

「ここか……」

その瞬間、目が何かで覆われた。

「だーれだ?」

「うわあぁぁっ!? て、テトさん止めてよ!?」

「……君はじつに空気読めないなぁ」

テトさんが、毛糸の手袋をはめた手で僕の目を隠していただけなんだけどね。
コートにマフラーの完全防備なテトさんも、僕と同じように目の前のビルを見上げた。

「……ここが?」

「うん、そうだよ」

「ここが、僕らの生まれた場所だ」

ビルを見上げる僕に、テトさんが寄り添ってくる。
頭と頭を軽くぶつけるような感じで、僕らはビルを見上げて……

「ちょっとー、早くしようよー。私早くホテルで寝たいよー!!」

後ろのワゴンの窓からのリンの大声で雰囲気がぶち壊しになった。
くそぅ、リンはこういう感情を噛み締めたく無いのかよ。
少し名残惜しかったけど、これ以上どうしようもないので、僕らはワゴンに乗り込んだ。
確かにフェリー慣れしていない僕らは、揺れる船内が寝にくくて疲れたし。

「さて、Hokkaidoまで来たんですから、今日のDinnerは何かオイシイモノにしましょう!」

「あ、私ラーメン食べたいなー」

「待てぃリン、拙者らの旅費はささやかな物でしかないぞ、倹約倹約」

昔から、駆け出しのバンドの全国ツアーはオンボロワゴンで、と決まっているんだとか。
例に漏れず(?)、僕ら『Idiot-ANDROID』の面々は、中古のハイエースに楽器と期待を詰め込んで初のツアーに突入していた。
運転手のがくぽ君、助手席のアン、後ろにはリンとテトさんと僕。荷室にはシンセやらギターやらが積んである。
まぁ、オンボロと言っても『ただ古いだけ』で中身は立派なもんだ。
ワインレッドのケバケバしいシートは目に毒だけど、それ以外は物も積めるし乗り心地もいい。
女の子がいるのにケツが痛くなるようなバンは無いだろう、と言って社長が用意してくれたのだ。
さっすが、インディーズレーベルとは言え社長なだけはある。

「大体今日の夜はライブだぞ? ディナーじゃなくて飲み会になるだろ」



619:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:46:48 65NOoCfc
僕はみんなの会話に口を挟むけど、リンもアンもがくぽ君も話に夢中でハブってくれやがった。ちくしょう。
カーステレオからは、ちょうど今日演奏しようと思っていた曲が流れている。
しょうがないから、ちょっと小声で練習してみた。



Wider baby smiling you've just made a million      ミリオンモノの笑顔をもっと見せてくれよ、ベイビー
Fuses pumping live heat twisting out on a wire     ワイヤーを通って 熱気が溶けていく
Take one last glimpse into the night          夜に向かって 最後にちらっと視線をくれて
I'm touching close I'm holding bright, holding tight  俺はもっと近づいて きつく抱きしめる
Give me shudders with a whisper             俺に 身震いするようなささやきをくれ
Take me high till I'm shooting a star……       天国に連れてってよ 俺が流れ星になるまで…… 



(しゅーてぃんすたあぁぁぁぁぁ―――……)

(ぶっ!?)

つい聞こえるくらいの声が出ていたのか、テトさんが僕にささやいてきた。
その声に、ボーっとしていた僕は思わず吹いてしまった。
やばい、これは恥ずかしいぞ。
テトさんは、そんな僕などお構い無しにそのまま続ける。

(……ねぇ、この後どこか出かけない?)

(え、いいけど……何で?)

(デ―――ト)

(ぶっ!?)

あの日以来僕とテトさんの関係は良好だ。あと体の相性も。
キュートなネコっぽい喘ぎ声がたまらないんだよねぇ。あと素直じゃない所とか。
ああ、思い出したら何だか変な気分に。
デートしたらその後、今日泊まるホテルで一発やってからライブに行こうかな……?

「あー!! レンが何かエッチな顔してるー!!」

「ちょ、ば、リンっ!!」

「Hahaha、レンはSusukinoにでも行く気なんデスカ?」

「ねーよっ!!」

……はっ、いかんいかん。
どれだけ顔に出ていたのか知らないけど、リンは緩んだ僕の顔を目ざとく見つけていた。
って言うかアンはいつの間に『すすきの』という単語を覚えたんだ?

「君は……」

やばい、横のテトさんがなんとも微妙な顔を僕に向ける。
怒りと嘲笑と諦めと、その他いろいろな物が交じった表情。

「ほんっっっっっとうに、馬っ鹿だなぁ!!」

……はい、ごめんなさい。

620:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:46:56 65NOoCfc
その時、ちょうどタイミングよく交差点に差し掛かる。
信号の矢印が消え、黄色から赤に変わりそうだ。
まだ運転に慣れていないがくぽ君が、少しオーバースピードで右折した。

「うわっ!!」

「きゃあぁっ!!」

「No!!」

「すっ、すまん!!」

みんな踏ん張りきれずに、体が流れる。
そうなると、僕のところにはテトさんが体を傾けてくる訳で。
妙に接近した僕ら。テトさんが、僕にしか聞こえない声で呟いた。

(……しょうがないなぁレンは。だったら、ホテルに着いたらすぐに君の『マイク』を握ってやろう)

(……うぅっ)

嬉しさ半分。ただし、情けなさ半分。僕はガックリと肩を落とした。
CDデビューしたての、新人バンドな僕らの珍道中。
いろんな感情を乗せて、オンボロハイエースは冬の街をひた走る。



―――VOCALOIDの未来と言う名の先の見えない雪原を、
僕は『Idiot』だから、ただ真っ直ぐに突き進む。
僕らの足跡には、きっと輝くものが残ってるはずなんだ。
VOCALOIDの、UTAUの、全てのヴァーチャルシンガーの未来に幸あらん事を願いながら、
今日もどこかで歌っています。



終わり。

621:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:47:10 65NOoCfc
以上です。
長い間、とても変わりなこのSSにお付き合いいただき、ありがとうございます。
また機会があれば次の作品で。







蛇足。妄想用にこれを置いていきます。

使用楽器イメージ
レン(ギター):フェンダー・テレキャスター(黄色、黒ピックガード)
がくぽ(ギター):キャパリソンギターズ・ヴィーナス(Gacktモデル)
テト(ベース):スタインバーガー・XL2TA(黒)
アン(ドラム):ラディック・アクセントCSセット(赤)
リン(シンセ):コルグ・トライトン(灰)

622:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:47:43 I2kPm+h0
咲音の時の衣装を偶然見つけて懐かしくて着てみたけど、胸の部分がはち切れそうになってるメイコさんが見たい。

623:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:54:15 I2kPm+h0
>>621
gj!
やべーこの組み合わせに本格的にハマりそうだw

624:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:56:25 65NOoCfc
修正。
>>608
『おバカロイドの音楽隊・4』→『おバカロイドの音楽隊・5』
申し訳ない。


625:名無しさん@ピンキー
08/12/22 01:11:34 GzPoscfi
>>621
エロももちろん良かったが、エロ無しの部分も十分楽しめた!GJ!!
まだまだ書いてほしいなぁ

626:名無しさん@ピンキー
08/12/22 01:52:25 PFiZiRB+
>>621
レンテトいいな。テトかわええ
エロもそれ以外も良かった!GJ!また見たい

そしてレンメイ母乳プレイ全裸待機中

627:名無しさん@ピンキー
08/12/22 02:05:43 eLpB6Csc
>>621
最後までGJ!
連載乙。次回作楽しみにしてる

628:名無しさん@ピンキー
08/12/22 05:08:19 niAMIivs
>>621
テト初のエロパロ、か・・・

作ったキャラがどれだけ浸透したかを測るちょうどいい目安として、
「第三者がそのキャラの登場する性的な作品を作る」ってのがあると思うんです
その点を考えると、娘が此処まで成長したのだと喜ぶべきなのですが・・・
父親としてはビルの屋上から飛び降りたい気分ですorz
・・でも、娘を使って良い作品を制作なさったことには変わりありません  ありがとうございました。
今日は赤飯を炊くとしますか・・・

とりあえず娘の初めてに中田氏決めやがったREN君はちょっとこっちへ来たまへ(#^ω^)ピキピキ



629:名無しさん@ピンキー
08/12/22 05:37:34 CD5aLy9g
>>621
萌えた

>>628
萎えた

630:名無しさん@ピンキー
08/12/22 06:53:04 LjdxfyQi
>>628
ちょ、親父早まるなww赤飯俺も炊くよ!

しかし、良い作品だった。
鬼畜とかスカだったらどうしようかと思ったわw

REN!娘を宜しく頼む!
でも避妊はしっかりしろよ?ww

631:名無しさん@ピンキー
08/12/22 08:26:40 6Ko4Pdkx
テトさんがきみらはじつにばかだなとおっしゃっています


>>621GJ!ハッピーエンドでよかった

632:名無しさん@ピンキー
08/12/22 09:21:36 qhxgqMYn
>>629
笑た

633:名無しさん@ピンキー
08/12/22 22:19:01 ESkr8wcU
ミク廃としては今年のクリスマスも中止と言いたいところだが

クリスマスエロパロは今から楽しみな件

634:名無しさん@ピンキー
08/12/22 22:59:03 u3tQVE3w
>>621
きみは実に神だなGJ!


635:名無しさん@ピンキー
08/12/23 00:08:32 XGO4Pbel
>>621
続編がマジで楽しみな作品だったので完結は寂しいけど、とにかくGJ!
毎回、楽しませてもらった!
次回作も期待

636:名無しさん@ピンキー
08/12/23 23:53:55 bGBdnQlG
聖夜を前にちょっと小ネタです。失礼します。
エロ無しです。すみません。

こんにちは!ミクです☆
今年もおにいちゃん(はあと)とメイコさんは別れませんでした。
なので今年も…

クリスマスは中止☆

「はっ?」
「ミク殿?何を」
「大体ねぇ!」
唖然としたレンとがくぽのリアクションはシカトでミクは憤りを口にする。
「何で、あの巨乳以外価値の無い、寧ろツリ的牛乳女が二年以上おにいちゃんの彼女よ?」
喋りながらミクのテンションは天井知らずに上る。
「公式?和製ボカロのアダムとイブ?ざけんな!カイトはミクの嫁ぇ!!」
魂のシャウトで窓ガラスがビリビリゆった。
「分かるよ、ミクちゃん」
シャウトに心うたれたリンがミクの手をとった。
「商業主義に踊らされた愚か者は滅ぶべき」
ミクは力強いリンの主張に涙ぐむ。
「分かってくれるの?リンちゃん…」
「環境破壊防止の為エコロジーの必然性を叫ばれる中不必要な電飾とか不可解だし、大体夜にケーキ!太れって?」
「そうよね!」
ミクとリンは熱く見つめあう。気持が1つになった。
「やっちゃう?デストロイ」
「やっちゃう!サンタ狩り」
「待たれい?!」
聖なる夜を守る為、今がくぽが立ち上がる。
「二人のはひがみ!己の感情で祝い事を潰そうとは了見狭さも程がある」

「何よ?」
ミクはがくぽを睨む。
「がくぽが私らとめれると?」
リンの声が氷の様に冷酷に響く。
レンは面倒なので空気になろうと努力した。
「レン殿もそう思うであろう?!」
が、多勢に憮勢ながくぽに話を振られて無駄に終わった。
「まぁ、ちっさいなぁとは思うよ。二人、小さいのは胸だけに」
チュイン!
レンの率直な感想は亜高速で頬をかすめた葱によって遮られる。
「レン?何か言った?」
凄まじい殺気。
ミクもリンも完全に戦闘モードに移行した。
がくぽは美振に手をかけ、レンも覚悟を決める。
最悪な闘いの火蓋は切って落とされた。
葱手裏剣を叩き落とす美振。激突、ロードローラーズ。


637:名無しさん@ピンキー
08/12/23 23:54:47 bGBdnQlG
~小1時間後~

「良かったぁ、あって」
カイトはご機嫌だ。
限定ピンキーリング。ピンクゴールドのかわいらしい、愛しいメイコへのクリスマスプレゼント。
カイトはイベント大好き派だ。
が、アレコレ悩んでいたら結局当日になってしまった。
メイコと待ち合わせは六時。ご飯の予約もいれて準備万端。
後は家族のご飯用意すれば良い。
が、甘くなかった。
「なに…」
カイトの瞳に映るもの。
乱れ飛びアチコチ刺さる葱。両鏡音が召喚した二台のロードローラー。半壊の家。
カイトは危機的な状況だと理解し、電話した。
「もしもし?」
「ごめん、めーちゃん」
「カイト?どうしたの?」
「今日、無理そう」
「何で?」
予想通り、電話越しの声が低くなる。
「僕の家、壊れそう」
「えっ?!なん…、アンタの兄弟?」
「うん…」
「わかった、お店キャンセルするね」
「ホントごめん」
「ん」
電話を切ってカイトは覚悟を決めた。

こうして、カイトどころか片付けとお説教で1日潰れた某ボカロ家のクリスマスは中止とあいなりました。

638:名無しさん@ピンキー
08/12/23 23:56:36 bGBdnQlG
駄文失礼しました。
今日一日クリスマス中止ソング聞きすぎて頭がおかしくなった。
スルーして下さい。

639:名無しさん@ピンキー
08/12/24 00:13:53 QtYjr31m
にーさんカワイソスw
お仕置きは生クリームプレイですねわかりm(ry

640:名無しさん@ピンキー
08/12/24 06:00:46 DfKd81sY
エロパロ板で言うことじゃないかもしれんが、
こういうアホほのぼのな総出演が一番好きだな…
嫁発言と電飾不可解超うけた。みんなかわいい。
今年もありがとう!

641:名無しさん@ピンキー
08/12/24 08:28:04 2qIW4zOT
>>640
分かる、分かるぞその気持ち

>>638
アグレッシブなミクが可愛い、GJ
おかげで今日明日生きていけそうだ

642:名無しさん@ピンキー
08/12/24 09:58:21 tuBGBuYx
俺もクリスマス中止だから大丈夫だぜ!

643:名無しさん@ピンキー
08/12/24 10:22:28 ClAKKeZj
ハクのクリスマスネタ明日までに間に合うかな……

644:名無しさん@ピンキー
08/12/24 20:24:34 QE5vLEjv
エロはエロにいく過程が一番大事だと思ってる俺は異端。


645:名無しさん@ピンキー
08/12/24 23:13:59 7vf80izF
>>644
よう、俺俺。

646:名無しさん@ピンキー
08/12/24 23:30:37 61h/slkd
レンきゅんのクリスマスツリーがホワイトクリスマスになる
そういうエロを激しく希望する

647:名無しさん@ピンキー
08/12/24 23:45:40 +oHHNWOy
おまえの想像力に驚いたわww

648:名無しさん@ピンキー
08/12/25 00:15:39 h7T/KLo9
クリスマスを題材に、SSというに相応しい極短物語をいかに創れるか挑戦してみた。
が、相変わらずエロ無しかつ、ウジウジした話なのは勘弁。


クリスマス・ミク


 吹きすさぶ寒風が、若草色の髪をあざ笑い去っていく。
 色は染色したのではない。
 初めからその色なのだ。
 これが意味することは、つまり彼女が人間ではないことだった。

「ふう」

 と、ミクは「可憐な少女」という表現がもっとも似合う、小柄で可愛げな顔に、もっと
も似合わない代物である煙草などを咥えてから、紫煙の息を吐いた。
 その姿。
 彼女を信奉する者が見ればきっと失望するであろう。
 昔むかしは「今日も元気だ煙草がうまい」などと言われたほどに自立した大人の象徴だ
ったものでも、いまとなっては、不健康と身勝手の象徴でしかないのだから。

 そんな代物を、アイドルである彼女が人目もはばからずに吹かしているのには、訳があ
った。
 先に結論をいうと、失恋である。

 ……ミクは、人間が好きだった。
 もっといえば自分のマスターである、一人の男性が好きだった。
 その彼は十分以上の美貌と、才気あふるる気概に満ちた青年であり、起動されて間もな
く世間の狭いミクにとって……人の世のなんたるかを知らない心にとって、この上なく、
魅力的だったものだ。

 だが、それはしょせんはヒトと、ヒトに造られし者の関係である。
 ヒトの心を模したプログラムが、どれほどに本物のヒトに恋慕しようとも、その想いが
届くことはないのだ。
 だから、彼女に命を吹き込んだ「マスター」は今頃、人間の女性と一緒に聖夜をゆるや
かに過ごしていることであろう。

 それを誰かが咎めることはできない。なぜならヒトは、ヒトに恋し、ヒトの子孫を残し
てこその繁栄があるからだ。
 機械ではその完全な代役をつとめる事はできない。
 少なくとも、現代の科学力では不可能なのだ。

 だが……。
 できるなら、そのとなりには自分が居たかった。
 叶わぬ願いであると知りつつも。
 だから、

649:名無しさん@ピンキー
08/12/25 00:15:45 h7T/KLo9
「私、悔しいよ」

 と、ミクは聖夜に相応しい満点の星空の下、かつてマスターに買い与えてもらった愛車
カワサキ「ZRX」の、角張ったごついガソリンタンクを撫でながらいう。
 マスターの趣味が優先したらしく、車体が黄緑のカラーリングだという、ミクのパーソ
ナルカラーとの共通点がある以外は大きく無骨なばかりで、とても彼女のイメージとは合
わないバイクだった。

(それでも、これはマスターとの繋がりを感じられるものなの!)

 そう思いこむ心には、物言わぬはずのZRXも、

「なァに……人間なんざ心移りやすいもんさ。いつか、君の魅力に振り向く時が来る」

 と、自分を慰めてくれるように感じたようだった。
 それはこのバイクが、幾人もの手を離れてきた中古車であるということがイメージの形
成に手伝っていたであろう。
 ヒトの心を持ってしまった機械の哀れな妄想であるといえば、そうかもしれない。
 だが、マスター以外に自己の存在価値を保証しないアンドロイドにとっては、数少ない
心の支えになるものだ。

 ミクがキーを捻れば、ZRXの重いエンジン音と野太い排気音が、勇ましい雄叫びとなっ
て現れる。
 その心強さに幾ばくかの安心を得るミクは煙草を捨て、車体にさっと跨ると、聖夜の下
を駆け出していく。
 後に残るは、希望という名の粉塵だった。


650:名無しさん@ピンキー
08/12/25 10:24:26 FGHUva/Z
毎回余韻のある文章GJです!
オートバイに興味が湧きますなあw

651:名無しさん@ピンキー
08/12/25 11:19:01 t6u596iX
はあどぼいるどだな

652:名無しさん@ピンキー
08/12/25 22:22:52 GvnQsWBs
シニカルなミク良いなぁ。

653:名無しさん@ピンキー
08/12/25 22:32:45 GvnQsWBs
こんばんは。
格好いいのあがったすぐ後に空気も読まず間も取らず失礼します。
カイメイです。>>636の続きです。
先に謝っておきます。すみません。


「良いか?」
マスターはねむそに不機嫌な視線を一列に正座した自分ちのボカロに向けた。

クリスマス「まだだ。まだ終わらんよ!」

「後、一息だ」
寝ずに皆で片付け続け、どうにか元の形を取り戻し始めた某ボカロ家。
「お前ら、休まず働けば昼には片付く、だろ?俺?休まずお仕事。昼からカイトは買い物。後でメールするからソレを全部揃える事。他四人、反省タイムだ。カイトが帰るまで正座。良いかぁ!マスターの命令はぁ」
「「「「「絶対!!!」」」」」

アレ(>>637)から1日半。
メイコは退屈していた。
目につくピンクの熊をグニグニ潰してみるくらいには暇だ。
メイコの趣味はとかくシンプル、実用。
が、部屋には点々と乙女趣味小物。
アンティーク風テディベア。きらきらな花のジュエルケース。
カイトの趣味だ。
メイコよりイベント事にマメなカイト。
「今度は何くれるか楽しみだったのに…」
いや、一緒にいれるだけで…
うつ向いた瞬間、KYに呑気なラブソングが大音量で流れた。
カイトが設定したカイトの着メロ。
深呼吸してから着信を押す。
「もしもし」
「あっ、めーちゃん。今、どこ?」
「家よ」
一人寂しくね。心でソッと付け足す。
口調もちょっとふてた様なつっけんどん。
しょうがないと分かっても面白く無いのだからしょうがない。
「開けてぇ」
「はい?アンタ今ドコよ?」
「玄関の前。今ねインターフォン鳴らすの無理。開~けて」
開けるとカイトがいた。


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