09/03/23 15:00:27 uvjbZzRI
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「‥文句あんのか?」
料理を食べ終えるとそのまま身動き一つせず、一言も発しない冴子に、銀狼が苛立ち気味に尋ねた。
「‥悔しいけど、どれも‥美味しかったわよ」
表情はかなり強張っているが、珍しく素直に自分を誉める冴子に、機嫌を良くした銀狼は
「言っただろ?俺に不可能はないって。こんなんで良けりゃ‥何時でも作ってやるよ」
冴子に、満面の笑みを見せた。
「…‥…」
「どうかしたのか?」
こちらを見て、再び黙ってしまった彼女に、不思議そうに尋ねた。
「な‥何もしないわよ。御馳走様」
「‥そうか」
冴子は席を立ち、二人分の食器を洗い片付けると、台所を後にした。
銀狼も使った調理器具を片付けると、浴室が空くまで自室に戻る事にした。
続