10/06/04 11:54:27 WOagMEVq
怪物は触手をうねらせ、ショコラの前にマスタードとケチャップを掲げてみせた。
「ああ、やっぱそういうことかいな……」
絶望的な気分に打ちひしがれる。
こいつらが時として人間を食うことは知っている。
だがまさかその対象が自分になるなんて夢にも思わなかった。
これでも魔法少女だ。地球を守ってきたという自負はある。だから死ぬことはあってもそれは闘いの中。ずっと、そう思っていた……。
「まさかうちが、お前みたいなブサイクのおやつにされるなんてな。ほんま、泣けてくるわ……」
強がりを言うが、ショコラの瞳には薄く涙が滲みでる。
「グウウフェフェ！！」
勢い良く、マスタードとケチャップがショコラの体にトッピングされた。
「キャアッ！！……なんやもう。そんなん……お、女の子の顔にかけんといてや……」
そんな言葉に耳を貸さず、怪物はショコラに調味料を塗りたくる。
自分がこの怪物にとって対峙する敵でも女の子でもなく、ただの食事になっているというこの事実に、ショコラの涙は止まらなかった。
「グウウウウウウ！！」
勢い良く、ショコラの体はパンごと持ち上げられた。
「いやあああああ！！」
その衝撃に、ショコラの強さは打ち壊された。そしてただの女の子としての表情を顕にされる。
「いやや！うちを食べんといてや！お願いや！！」
「グウッ、フェフェフェフェ！！」
「お願いや！！お願いやから！！」
ショコラの懇願に聞く耳を持たず、怪物の口は大きく開かれる。
そして触手を器用に扱い、ゆっくりとショコラをその中へと……。
「いややああああああ！！！」
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