おんなのこでも感じるえっちな小説9at EROPARO
おんなのこでも感じるえっちな小説9 - 暇つぶし2ch50:ひとこと 4
08/11/09 12:30:38 iOT73GI5

ギシリと彼が止まる。
力のはいらない腕でなんとか彼を離そうとすると
そのまま床にずるずる落ちていってしまう。
あまり自分にも余裕はないけれどベッドの下の彼に手を伸ばそうとすると制される。
「い、いい・・・大丈夫だ・・・
 戻ってくるからちょっと待ってろ・・・」
いつもこの流れになってしまったあと彼はしばらく出て行ってしまう。
でも必ず戻ってきてくれるので、それまではなんとか起きていようと涙をぬぐう。

なにも考えられないままふかふかの枕に顔を埋め火照った体を冷ましていたが
汗が冷えたらさすがに肌寒くて近くに投げてあった服を引き寄せる。
彼のシャツだ。
背の高い人だけあってかなり大きい。
でもこれ一枚でだいぶ温かい。下はもう面倒くさいのでいいや。


しばらくすると彼が部屋に戻ってきた。
上半身裸で寒そうなので早く来てください。と布団を捲る。
「あ、あぁ・・・」
返事をした彼はくるりと体の向きを変え、何度か壁に頭を打ち付けてからベッドに入ってくる。
一緒にいるとたまにこのような行動をする。
聞いてみても、なんでもない。きにするな。と絶対に答えてくれないので黙っていることにする。

腕枕をされ、肩まで布団をかけてくれる彼を見ているとさすがに申し訳なってきた。
「あの・・・さっきはごめんなさい・・・」
「気にするな。
 前回よりは進んだ。」
自分ではよくわからなかったけど、そうだったのかしら・・・
「あの・・・次はちゃんと我慢しますから。」
「我慢なんてしなくていい。
 つらかったらちゃんと言え。」
頭を撫でられて、急に眠気が襲ってくる。
なんだかそうしたくなったので彼にひっつく。
うとうとしていると声がした。
「俺のこと・・・好きか?」
あの一言を使った日には必ずきかれる。
愛しています。と言いたかったけどもう頭が働かない。
「・・・ん・・・すき・・・だいすき・・・」
「俺も、愛してる・・・」

眠りに落ちる前にぎゅぅと抱きしめられた気がした。




51:名無しさん@ピンキー
08/11/09 12:34:00 iOT73GI5
おしまいです。
読みづらかったらすみませんー

52:名無しさん@ピンキー
08/11/09 13:27:53 Hx6kcWZ1
うほっ、これは可愛い
特に「彼」がw

GJでした~!

53:名無しさん@ピンキー
08/11/09 16:41:00 E+djXuFx
可愛らしい作品だ。デキる彼とメガネ娘の事情が気になる~
二人を取り巻く状況(何故学生で婚約? 政略or彼が見初めて?)とか
各登場人物に肉付けをした感じで次の話を読みたいです、GJ!

54:名無しさん@ピンキー
08/11/10 23:50:11 laEaBkxP
新婚スレに「週末のパズル」の続編来てるよ~!

55:名無しさん@ピンキー
08/11/12 00:35:22 uQ8hhYDX
週末のパズルから読み直そうと思って保管庫行ったら
既に続編も載っててちょっとびっくりしたw

56:名無しさん@ピンキー
08/11/12 01:01:52 kSmi/G3H
仕事速い~! 管理人さんいつも有難うございます

57:名無しさん@ピンキー
08/11/12 01:32:12 NkflNhFn
「週末~」の作者です。
思いついて書いたはいいがスレチかと思い別スレに投下した作品でしたが、まさか
保管(しかもこんなに速く)して頂けるとは思いませんでした。ご迷惑おかけしたかもしれませんが…ありがとうございます。


58:名無しさん@ピンキー
08/11/16 01:35:55 g02YWFcU
保守がてら、またえろくなくてごめんなさい・・・

59:びっくりした
08/11/16 01:37:11 g02YWFcU

「桐嶋さんって彼氏とかいるの?」
「え?」
新しい学校にも慣れてきた頃、まるで子犬のようなキラキラした瞳で聞かれた。

昼休みの学食。
小柄で元気な女の子が興味津々でこちらを見ている。
彼女が困っているときに手を貸してからよく声をかけてもらうようになった。
幼い頃姉からもっと笑えーと脇をくすぐられるのが日課だったくらい愛想のない自分とは正反対に笑顔の似合う女の子だ。
カレーを頬張る姿もなんだか可愛らしい。
「彼氏・・・ですか?」
「うん。」
なんと言えばいいのだろう?彼氏はいないけれど婚約者ならいる。
でもその人とも一昨日から喧嘩中だ。
といっても私が一方的に避けているだけなのだけど。
本当に信じられないことをされた。
思い出すだけで頭が混乱する。
だって・・・あんな・・・あんなこと・・・


頭に浮かんだ光景を消そうと頭を振ると目の前の女の子が慌てて喋る。
「あっごめんね?いきなり何って感じだよね!?
 あたし喋りすぎ?うるさい?うざい?」
「すみません、ちょっと別のこと思い出してしまって。
 彼氏は・・・いないですね。
 あと私口下手なのでたくさん喋ってもらえると嬉しいです。」
良かったーと照れたように笑う彼女。
「でも意外だーびっくりするくらい綺麗な人だからそーゆー人いるかなってぇー・・・
 あ、会長こんにちはー!」
彼女が頬を染めながら誰かにあいさつした。
あいさつの仕方も元気で明るいのね、と一瞬ほのぼのした気持ちになったけど、気づく。
ん?会長って生徒会長・・・

「こんにちは」
すぐ横で一番会いたくない人の声がした。

恐る恐る首を動かすと自分の婚約者が見慣れない爽やかな笑顔で立っていた。
「桐嶋さん探してたんだ。」
わざわざ一昨日から。と付け加えて話す彼。まずい。
「会長もしかして告白ですかー?」
「いや、ちょっと用事があって・・・」
彼と目が合う。
「落し物が桐嶋さんの物かもしれないんだ。
 今すぐ確認してくれるかな?」
顔は笑顔だけど目が笑っていない。
いつまでも逃げ回ってるわけにもいかない。覚悟を決めなければ。



60:名無しさん@ピンキー
08/11/16 01:39:37 g02YWFcU

「やっと捕まえたぞ。美夜子。」
人気のない教室に入るといきなり後ろから抱きしめられた。
「学校では馴れ馴れしくしないでください。」
「家であれだけ避けらたらこうするしかないだろう。」
なんとか彼を引き剥がしたが、今度は壁に追い詰められる。
「この前のことそんなに怒っているのか?」
「当たり前です!」
「舐めただけなのに。」

思い出してしまって顔が熱くなる。
なにも言えないでいると顔を覗き込まれた。
「俺のことが嫌いになったか?」
そんなことはない。と首を横に振る。
「痛かった?」
・・・首を横に振る。
「痛くはありませんでしたけど・・・
 へ、変な感じがしてっ・・・びっくりしてしまったんです・・・」
もう一度、今度は優しく抱きしめられる。
「そうだよな。驚かせてしまってすまん。」
頭を撫でられれば力が抜けてしまう。
「変な感じってどんな?」
だからつい聞かれたことに素直に答えてしまった。
「なんだか・・・わけわかんなくなって力が抜けちゃうような・・・
 頭が真っ白になってどっか行っちゃいそうな・・・
 あなたも全然やめてくれないし・・・」

自分がどんな状態になってしまったかがちゃんと伝わったか心配で顔を上げる。
「!!?」
「ほー。そうかそうか。それは素晴らしいことだな。」
彼の顔がこれ以上ないくらいニヤついていた。
「あの?ちゃんとわかってくれましたか?」
「わかったから心配するな。」
だからもうしないで・・・
そう言おうとしたら予鈴が鳴ってしまった。

「ほら、美夜子。
 早くしないと授業が始まってしまうぞ。」
彼が上機嫌で廊下を歩く。
今夜は彼の部屋に来るように言われたけれど、彼はわかったと言っていたし、大丈夫・・・なはず・・・



61:名無しさん@ピンキー
08/11/16 01:47:44 g02YWFcU
おしまいです。
読みづらかったらごめんなさいー

皆さんの作品楽しみにしております。

62:名無しさん@ピンキー
08/11/16 09:46:33 ONORuDAY
続きだ!
彼可愛いな~w
今夜に期待

63:名無しさん@ピンキー
08/11/16 11:53:33 5ALA2aA6
じわじわニヤニヤしちゃうシリーズだなあw
GJっす!

64:名無しさん@ピンキー
08/11/18 22:36:24 QSHfY8g2
GJ!!
何だこの萌え設定は(*´д`*)

65:名無しさん@ピンキー
08/11/20 05:02:57 LPep8E6T
GJ


数年前に未完のまま完全停止してるが
Pure Innocenceってのが女性向け鴨試練
気になる奴は検索してみ。確か著者が葵さん

66:名無しさん@ピンキー
08/11/20 21:36:13 8ekQv8qR
GJ!愛されてるなぁw
新しい友達が彼のことを好きっぽくていたたまれない‥切ない片思いの予感(´・ω・`)

それと、さっきなんとなく過去ログ読み返したら黒澤くん熱が再発した
作者さん、続きはもう書かないのかな?
密かに期待してます

67:名無しさん@ピンキー
08/11/20 23:39:13 9ypBug4M
>>61
飄々としていてマイぺースな彼氏がいいね~
私もこういうじわじわニヤニヤ系大好きです。


前スレ最後の方の話題にでていたヘタレ系も好きだ。
あと虚弱系あるいは中性系な男の子とぷくぷく健康優良児な女の子とか……
時々他スレでツボヒットなssを発見するのでこの板の定期的なチェックが
やめられない……。

68:名無しさん@ピンキー
08/11/21 19:39:41 FDuzlklh
またまた保守がてら失礼します。

69:君の笑顔
08/11/21 19:41:14 FDuzlklh

・綺麗すぎて近寄れない
・美人だけど冷たそう
・常に落ち着いていて隙がない
・蔑んだ目で見られて罵られたい  他諸々

多少おかしな点はあるがこれらが他人から見た彼女の印象。
目の前で真剣に鏡を見つめている女の印象。

確かに彼女は綺麗だ。
いつも背筋は伸びていて涼しげな顔立ちは見る者に緊張感を与える。
道を歩けば誰もが振り向く。
彼女の魅力は外見じゃない。 と言いたいところだが俺も一目惚れしたようなものだからな・・・


今日はせっかく部屋に呼んだのにずっと鏡と向き合っている。
面白くなくて頬を引っ張ると睨まれた。・・・面白い。

「ほーいひろーはん」
「なんだ?」
「はらひれふらはい」
「離してください。か?」
こくりと頷いたので離してやる。

「珍しく鏡なんて見つめて、何かあったのか?」
少し考え込んでしまったので彼女の髪を三つ編して遊ぶ。
しばらく待って言わなかったら押し倒してしまおうと思ったところで彼女が口を開いた。


「今日は人生で初めてお・・・お友達が出来ました」
お友達。という言葉に少し照れているらしい。
「あぁ、あの昼に一緒にいた?」
「えぇ。それで部活見学に連れて行ってもらったんですけど・・・
 初めて話す人も何人もいました」
「男か?」
「いえ、違いますが・・・こわいと・・・」
「あ?」
「恐そうな人だと思ってたと言われました。
 なので笑顔の練習をしようかと・・・」
「お前はたまに変なことをやりだすな」
「あなたは学校であれだけ爽やかな青年風にしているのですからすごいですね
 家ではこんな・・・なんでもありません」
「今失礼なことを言おうとしたな?まぁいい。付き合ってやる」
今夜は彼女に色々したかったが、一緒に過ごす時間は何をしていても楽しい。たとえ他人から見たらくだらない内容でも。



70:名無しさん@ピンキー
08/11/21 19:43:27 FDuzlklh

ベッドの上で向き合って座る。
「まずは表情だけでも作ってみろ」
「はい」
よし。と意気込んで、ギギギ・・・と音がしそうな程・・・
「い、いい!わかったからもういいっ!」
「はぁ、難しい・・・」

「あーなんだっけなー
 俺もあんまテレビ見ないしな。
 確か・・・そうだ、俺イケメン!」
「・・・そうですね」
「ちょっと待て。これは俺へのダメージが・・・
 かなり恥ずかしいな・・・」

甘いものを食べさせたり色々試している内にだいぶ時間がたった。
隣で目を擦る彼女。眠くなると仕草が子供っぽくなる。
部屋に戻ると言い出すだろうか?
まだ・・・まだ離れたくはない。

「そういえば、これはどうだ?」
服越しにわき腹をくすぐる。
「あの・・・ちょっと・・・」
困ったような顔をして身をよじる彼女。
「これは昔から苦手で・・・ひゃぁぁ」
抵抗する両手を捕まえて密着する。
「くすぐったい?」
耳元で囁いて軽く息を吹きかける。
「んっ耳はやめっ・・・」
軽く甘噛みをすると彼女が震えた。
「くふぐっはい?」
「あっ・・・う・・・くぅぅ・・・」
触れ合うのは好きなのにこういう感覚にはまだ慣れないらしい。
ずりずりと後ろに下がろうとするので体重をかける。
「ちょ・・・はなしっ・・・ってきゃぁ!!」
「おっと」



71:名無しさん@ピンキー
08/11/21 19:44:24 FDuzlklh

ベッドから落ちそうになった彼女を支え、そのまま二人して仰向けに寝転ぶ。
「すまんな。調子に乗りすぎた」
「いえ、ご協力ありがとうございました。」
息を整えてから彼女が呟く。
「私・・・才能ないんでしょうか?」
「なんの?」
「だから・・・笑う・・・」
「笑う才能ってなんだよ」
思わずこちらが笑ってしまった。
頬を摺り寄せてくる彼女。
よしよしと頭を撫でてやるとじっと目を閉じる。

甘えベタで人に頼ろうとしない彼女のこんな姿を見れるのは自分だけだ。
そう思うと不思議な気持ちになる。
ずっとこの安心した顔を見ていたいような。
困らせて、泣かせてしまいたくなるような。
「おい、美夜子」
「なんですか?総一郎さん」
「そりゃもっと笑ってくれたら嬉しいが・・・
 俺はお前がどんな仏頂面だって愛してるからな」

ゆっくりと身を起こした彼女に思わず見とれる。
満面の笑みとまではいかないが、とても優しくて柔らかい笑顔。
「はい。私も愛しています・・・」
可愛い、すごく可愛い。好きだ。大好きだ。愛してる。

「あの、総一郎さんなぜ服を脱ぐんですか?」
「野暮なことを聞くな」
「ちょっとこっち来ないでください!」
「俺のこと愛してるんだろう?」
「この状態でその台詞は最低な・・・ひっ・・・あっ・・・んむぅ・・・」

結局この日も痛がるので断念したが、彼女が一緒にいてくれる。それだけで満足できた気がした。
決してその際の彼女の一言に傷ついてなんかいない。・・・傷ついてなんか。



72:名無しさん@ピンキー
08/11/21 19:51:20 FDuzlklh
おしまいです。
次こそはどえろであひあひな内容にしたい!
みやこにずっこずっこにそーにゅーしたい!!

・・・お邪魔しました。



73:名無しさん@ピンキー
08/11/21 23:20:40 TdV8gOk/
うほほほ、GJでしたw

>次こそは
そーいちろーさんの心の叫びだなw

74:名無しさん@ピンキー
08/11/22 06:49:16 VGhyox6A
甘いな~GJ!!

75:名無しさん@ピンキー
08/11/22 07:02:12 VGhyox6A
保管庫の管理人様へ

いつもお世話になっております。
素早いお仕事ぷりお疲れ様です。
先日保管庫にうかがった際に気付いたことがあり、管理人様にお願いしたいことが。
収録作品のタイトルなんですが、「はじめての彼(仮)」の(仮)部分が
抜けてしまっているようです。
前スレのログを保存していないため、カッコ部分が全角か半角かは不明なのですが、
どなたかフォローをよろしくお願いします。
作品中にも仮だからと念を入れる部分があり、作者様も拘ってつけられていると思われます。
是非とも訂正をよろしくお願いします。

76:名無しさん@ピンキー
08/11/22 11:50:46 qom/EHAf
>>69
Gj!!
総一郎さんいいなぁ~続き楽しみにしてます

77:名無しさん@ピンキー
08/11/24 00:24:58 rQa8NOF2
黒澤くんに会いたいなぁ・・・

78:名無しさん@ピンキー
08/11/24 17:35:32 YGw/nZaK
黒澤くんと繭たんを楽しみに待ってるよ!

79:名無しさん@ピンキー
08/11/24 19:49:40 2haIqdVa
>>65
ググって読んできた。ヒロインの心理描写がうまくて
読み応えあった。このスレ好きの人ならお薦めかも。
更新止まってるのが残念。

80:名無しさん@ピンキー
08/11/25 02:11:00 FbQ2Izv1
>>72
続きwktk!!


81:名無しさん@ピンキー
08/11/25 07:12:39 kkLgxy0e
投下を待つ間の暇潰し雑談でも。

皆は普段どんなスレにいる?
私は最近オリジナル系のスレを色々回っているんだけど、
秀逸な恋愛小説にあたることが多くて、BBSPINKはさすがだなと感心する。
夕べはたまたま行ったスレのログに読み物として非常に面白い話があって、
幸せな気分で眠りについた。
近未来SFなんだけどね。非常に良かった。

ここは、商業ベースじゃないからか、抜き目的じゃない作品もあるし、エロなしもあるし。
恋愛ハウツーのあざとさがなくてホント面白い。
小ネタなんかも面白いし好き。
もちろん玉石混淆なんだけど、そういうのも含めて、色々巡るのが楽しい。

82:名無しさん@ピンキー
08/11/25 08:32:51 0sm804lK
お姫さま・主従(男女とも)・新婚……かな。
ここへの投下後、スレ違いの展開になった続編を書く為に
個人サイトを作った人もいるのでチェックが欠かせない。

83:名無しさん@ピンキー
08/11/25 08:58:12 hjKKLvjP
お姫様
主従
愛レイプ
ヒミツの花園
かな
ヒミツの花園は、ドラマも含めてマジお勧めします。


84:名無しさん@ピンキー
08/11/25 12:56:14 W6eJGJUQ
ああ、私も同じだw>お姫さま、主従

あと女兵士とかも。
蛇姫さまにはリアルタイムでwktkしたものだった。
(ああいうファムファタル系って意外とありそうでないんで)
メイドさんも主従に通じるものがあって、なかなかマイツボヒット率高い。

倉庫のシチュ系の部屋の保管庫はありがたい。あそこは宝の山だ。

85:名無しさん@ピンキー
08/11/25 14:49:10 kkLgxy0e
お姫様や主従読んだことがないわ。
今度読んでみる。

私は、ツンデレ、ヤンデレ、純愛、幼馴染みとか。
洗濯機スレとかのネタものも好き。

86:名無しさん@ピンキー
08/11/25 18:11:07 kpaqdu+V
お姫様、主従、女兵士、年の差、愛レイプ、新婚、純愛、猫耳少女、悪魔と天使、人外×人間
が定期巡回スレかな。一部趣味が混ざってるがw
男装少女は保管庫にいい作品があるよ。ナサの人のとか土曜日の~とか

87:名無しさん@ピンキー
08/11/25 22:39:40 LvH+/Est
愛レイプ、依存

気になって主従スレと悪魔と天使スレを見てみた
ツボな作品があって萌えたwありがとう

88:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:05:36 hJFHNh3b
上の面々も上げているが、自分はファンタジー好きってのもあって
姫、女兵士が良作多くて好きだ。
アリューシアとグルドフのシリーズはオススメ。
読んでない人いたら読んでほしいな。

89:名無しさん@ピンキー
08/11/26 08:41:11 2knMf8o5
幼馴染み・気が強い・おんなのこ・腹黒・仮面ライダー・戦隊・ビッチ・愛レイプ・ぬらり・ダブアー・ドラクエ・ハガレン

あれ?シチュ系よりパロの方が多いぞ

でも、この板にはまるきっかけは幼馴染み

90:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:28:07 Mv+GasMF
総一郎と美夜子で長いので 前編 みたいな感じで・・・
読みづらいしエロなし部分なので申し訳ないです

91:雨の夢 
08/11/26 22:30:21 Mv+GasMF

総一郎さんのいない4日目の朝。
曇り。

彼は現在、連休を利用した部活の合宿で家を空けている。
毎年かなりの山奥に行くらしく電話も出来ないらしい。
溜息をつく、自分に対しての。

離れ離れになる前日は愛を確かめ合うものだと聞いた。
こんな日まで彼に我慢させるのは申し訳ない。
だから絶対に「あなたなんか嫌いです」なんて言わないと決めていた。
なのに、なのに
なぜあんなことを言ってしまったんだろう……

─こわい!

自分も驚いた、彼もショックを受けているようだった。
傷つけてしまっただろうか……

彼が私のような無愛想な女のどこを気に入ったのかはわからないが婚約者として家に置いてくれている。
こちらが遠慮するくらいに甘やかそうとしてくれる。
一緒にいてくれる。
優しく抱きしめてくれる。
私は幸せだ。とても恵まれている。

だけど正直嫌われたらそれまでだとも思っている。
そうなったら出て行こうとも決めている。
あの温かい両腕に抱かれることが二度となくても。
彼には本当に好きな人と一緒になって欲しい、素敵な人もたくさんいるはず。
泣き叫んで縋りついたって人の心は動かない事だってある。
……私、落ち込んでる?

あーだこーだ考えたって仕方がない!
アルバイトの前に図書館で勉強でもしよう。
ピシャリと頬を叩いて気合を入れた。



92:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:32:31 Mv+GasMF

5日目。
総一郎さんが帰ってくる日。
天気予報の通り朝は雨。

家政婦さんもお休みなので家のことをする。
今日はなんの予定もない。

キッチンとお風呂の掃除、洗濯は終わった。
自分の部屋の掃除も…普段から散らかしているわけでもないのですぐに終わってしまった。
この家は広すぎるので一人で掃除しても絶対に終わらない。
自分の使った範囲だけした。

勉強でもしようと机に向かうが、何故か集中出来ない。
雨の中出かける気にもならない。

雨音だけが響く。
こういう時に自分には何の趣味も無いと気付く。
あっても読書くらいか。
手元にあった本をパラパラと捲る。もう内容は全て覚えてしまった。
「お茶でも飲もう……」

時計を見るとちょうどお昼。
彼が帰ってくるまではまだ時間がある。
「……嫌われてたらどうしよう」
そうだったら出ていこうと決めているはずなのに、なんだか胸の辺りがざわざわする。
落ち着かない。
皆こういう気持ちになったりするのだろうか?
誰かに相談したりするのだろうか?
でも誰に?

「そうだ、姉さん!」
姉さんは私と違って人の気持ちのよくわかる人だ。
きっとこんなわけのわからない気持ち吹き飛ばしてくれる!
あ…
せっかくの連休だしお義兄さんと出かけているか……温泉に行きたいとか言っていたし。
受話器に伸ばしかけた手を止める。
昨年結婚したばかりの姉の邪魔はしたくはない。
祖父母が亡くなってからずっと私の面倒を見てくれた姉。
今度は自分の幸せのことだけを考えて欲しい。



93:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:34:05 Mv+GasMF

この広い屋敷を探検しようとも思ったがやはり人様の家なのでそんな失礼なことは出来ない。
大体こんな赤の他人を一人家に残して無用心だ。ここの家の人は皆おおらかすぎではないだろうか?
長い廊下…
この家ってこんなに静かだったっけ……
午後には止むらしい雨の音だけがやけに大きく聞こえる。

気がつけば彼の部屋の前に立っていた。
いつでも好きな時に来いとは言われているけど、本人のいない時に入るのは初めてだ。
もちろん彼はいない。
ベッドに上がる。
冷たいシーツの感触しかしない。
頬を寄せても彼の匂いはしない。
「……ッ…」
また胸がざわざわする。
落ち着かない。落ち着かない。落ち着かない。

なんなんだろうか、この気持ちは。
なんていうんだろう…
なんて……



94:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:34:57 Mv+GasMF


夢だ
幼い頃から見る、彼と出会ってからは見ることのなかった夢
私は今眠ってしまっている

外は雨
窓際で泣いている女が一人
ずっと、ずっと、泣いている女が一人

記憶はないけれど私の母だろうか?
一度だけ、いつも泣いているような人だったと聞いた
……泣いてたってどうしようもないのに
子供の私はいつもただ見ていることしか出来ないから今回もまたそうだろう

しばらく立ち尽くしていると気づく
総一郎さんが帰ってくるから起きなきゃ
そう思うと初めて足が動いた
近づいて声を掛ける
 あの
俯いていてまだ顔は見えない
 わたしだいじなようがあるんです
ゆっくりと顔を上げる
 だからおきなければいけないんです
息が止まるかと思った

この人は私だ 

泣いていたのは私 ずっとずっと泣いていたのは私─‥…



気がつけば駅に向かって走っていた。
私何やっているんだろう。
家で待っていればいいのに。
大人しく待っていればちゃんと帰ってきてくれるのに。
それでも足が止まらない。
自分でも気持ちが抑えきれない。

会いたい……会いたい。 今すぐ会いたい! 総一郎さんに会いたい!!




95:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:35:58 Mv+GasMF

雨上がりで人も疎らな駅。
「買い物にでも行ったか?」
家に電話したのに美夜子は出なかった。
いいかげん携帯くらい持って欲しい。
早く帰ろう、と重い荷物を抱えなおす。

「そういちろうさ…へぶっ」

彼女に呼ばれた気がした。
 へぶ?
振り返ると水溜りに一人の女が転んでいる。
美夜子だ。

「おい!美夜子!大丈夫か!?」
「ごべんなざいー…」
なんとか顔を上げる彼女に手を貸す。
「怪我はないか?
 家で待っていてくれても良かったの…に……」
つい固まってしまった。

彼女の目から涙。
ぽろぽろと零れる大粒の涙。
「うぐっ…私、早く会いたくて……総一郎さんに会いたくてぇ……」

頭も服も転んでびしょ濡れ。子供みたいに泣いている。
こんな彼女は初めてだ。彼女の泣き顔なんて初めてだ。
「美夜子」
胸に愛しい気持ちが広がる。
「俺も、お前に早く会いたかったよ」


手を繋いで歩く。
「帰ったらすぐ風呂入れよ」
「…ぐすっ…はい」
「まだ泣いてるのか?」
「っ…なんだか涙が止まらなくて…ごめんなさい……」
「ははっかわいーかわいー。お、見てみろ美夜子」
澄んだ空気。
二人で見る雨上がりの虹はとても綺麗だった。



96:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:43:35 Mv+GasMF
とりあえずここまでです。
ちゃんとエロします。
ここさえ乗り切ればあとは総一郎が好き勝手にやってくれるはず・・・

お邪魔しましたー

97:名無しさん@ピンキー
08/11/26 23:10:15 8V8SZuO4
ドジっ子美夜タソかわいいな
後編、総さんガバス!w

98:名無しさん@ピンキー
08/11/27 02:46:14 Dko3yhNr
後半楽しみに、正座待機

99:名無しさん@ピンキー
08/11/28 00:33:00 7rRnv+DJ
後半はまだか

100:名無しさん@ピンキー
08/11/29 23:34:41 /Osi9c/M
>81
マリオキャラで, 愛あるレイプ, 擬物化
マリオキャラスレはエロでない投稿のほうが住人の支持を得たり、奥が深い

101:名無しさん@ピンキー
08/11/30 12:14:28 3c0cFr7w
>>88
まとめて読んできた!!
ツボすぎて萌えたよ~おしえてくれてありがとう(*´д`*)

102:名無しさん@ピンキー
08/11/30 16:07:49 2tZkvOv0
私のツボ作品は
メイドスレ保管庫の小雪シリーズと
夫婦スレ保管庫の大正政略結婚もの、大樹と穂波シリーズ
年の差スレ保管庫の総一郎と茜シリーズだな

おんなのこがかわいいのが好きだ

103:名無しさん@ピンキー
08/11/30 16:10:33 2tZkvOv0
言い忘れた。

>>91
GJ過ぎる!!!

104:名無しさん@ピンキー
08/11/30 18:57:41 kHpSvPRD
遅くなりましたが総一郎と美夜子 雨の夢の後編です
わけるほど長くなーいw
このグズ!のろま!

105:名無しさん@ピンキー
08/11/30 18:59:32 kHpSvPRD


長い長い口付け。
うっとりしていると軽く唇を噛まれる。
「あの、お願いが……」
「何?」
「さっさと挿入してください」
「……他に言い方はないのか」
彼の部屋のベッドの上。
ほとんど下着一枚の状態にされながらしがみつく。
離れるのがいやだ。

「他の表現を知らないもので、でも早くして」
「そんなに求められて嬉しいが、いきなりなんて無理だ」
「あなたが?」
「ばか、お前がだよ」
「ひぁっ」
胸の先端を摘まれる。
そのまま離してくれないまま話が進む。
「毎回痛い思いをしているのはお前だろう」
「うっ…んんっ!それはっそうですけど」
摘んだままのそこに彼が唇を寄せる。
ゆっくりと舐め上げられて吸われる。
「くっうぅぅ」
「だからこうして慣らさないとダメだろ。な?」
そのまま舌を這わせようとする彼の頭を掴んで止める。
「……おい」
「慣らさなくてもいいですから」
「いやだね。
 久しぶりのお前をじっくり可愛がりたい」

くすぐったいのとか、変な感じがするのはまだついていけない。
ぴったり寄り添っていたい。抱きしめあっていたい。この人で満たされたい。
今日の胸がざわざわした感じ。
あれを思い出すと不安な気持ちになる。
これはきっと彼と繋がることが出来れば忘れてしまうに違いない。
だから早く忘れさせて欲しい。

この感じを上手く表現できない自分がもどかしい。
「あの、私……」
思ったままを口に出してみればいいのか?

「はやく総一郎さんでいっぱいになりたいの」



106:名無しさん@ピンキー
08/11/30 19:00:27 kHpSvPRD

あれ?
彼が手で自分の顔を覆ってしまった。
失敗した?嫌な気分にさせた?
不安になり手を伸ばすと、指を絡めて握られた。
「……俺はお前が好きなんだよ」
知っている。
「痛い思いをさせたくない。傷つけたくない」
目が合う。
めずらしく困ったような。
「あんまり可愛いことを言わないでくれ……」


にゅち…
思わず腰が引けてしまう、でも逃げられない。
くちっ…
彼の首に腕を回し荒い息を繰り返す。
下着を下ろされて彼の指を感じる。
入り口をしばらく撫でられるとすごい、お、音が。
「まだ…っ…するの?これ」
「まだする。痛い?」
「いたくはっないですけど……ひあぁっ!」
一番敏感なところに指が触れた。
「それだめですっ……ッ!」
ぬるぬるを塗りつけられる。
体が震えてしまう。
なんとか耐えていると彼が見つめてくる。
「そんなにだめ?ここ」
こくこくと頷くのにやめてくれない。
指の腹でぐちぐちと執拗に撫でられて熱くなってくる。
「…ッ……」
「本当は舐めたいけど」
強めに指を押し付けられ、そのままゆっくりと動かされる。
「……くっぅぅ……」
「お前がダメだって言うから我慢してるんだぞ」
丁寧にいじられてしまって目の前がちかちかする。
「……ふっ…あっ……」
「俺の目、見て」
「あッ…あぁぁっ……んん─ッ!!」



107:名無しさん@ピンキー
08/11/30 19:02:28 kHpSvPRD

どれだけ爪立ててもいいから。
そう言われ、彼の腕を必死に掴む。
裂けそうな痛みに脂汗。
深呼吸をしようとするが、上手くできない。
「ふっはっ…はいったぁ?」
「もう少しだ。がんばれ美夜子」
「がんばりまふっ!」
噛んでしまったけどそんなこと気にしていられない。

背に手を回し、しがみつく。
痛いしつらいし泣きそうだけど、一人じゃない。
この人と、総一郎さんといっしょだ。
「も、いっきにどうぞっ!」
「美夜子、愛してるよ」
唇を塞がれ、彼がぐい、とさらに。

ぎっ!ぎゃー……

世の女性たちはすごい。
痛みに耐えている最中そんなことが頭に浮かんだ。
「はぁっ…はぁっ……」
「頑張ってくれてありがとうな」
涙を拭われる。
自分の中に感じる彼の存在。
やっと、やっとこうなれた。
「わたし……しあわせです……」
「俺も幸せだ」
いっぱいだ。心も体も総一郎さんでいっぱい。
いい気持ち。なんて、なんていい気持ちなんだろう。



108:名無しさん@ピンキー
08/11/30 19:03:12 kHpSvPRD

しばらく抱きしめあったり、軽いキスを繰り返す。
「少しは楽になったか?」
「もうだいぶ……」
ちゃんと入ればこの行為は成功のはず。
もう離れてしまうのだろうか?
でもその前にこの満たされた気持ちを少しでも伝えたい。
ちゃんと伝えよう。
彼の手を自分の頬に寄せる。
「総一郎さん」
「ん?」
いつも自信満々で意地悪で、腹の立つときもあるけれど。
甘く優しく撫でてくれる彼の手に唇を寄せる。
「あなたが好き、大好き……」

ちゃんと伝わった、かな?
彼が顔を首元に埋めたから少しくすぐったい。
「みや……」
熱っぽい声で名前を呼ばれた。
彼の瞳が揺らいでいる。
腰をしっかりと抱えられて撫でられる。
「すまん。すぐ終わらせるからちょっと我慢してくれ」
「え?え?そういちろうさん!?」
突然動かされて甘いような痺れで混乱する。
そこから先はよく覚えていない。

なんかぐちゅぐちゅいってる あついあついあつい

へんになっちゃう へんにっ そういちろうさん そういちろうさん たすけて

あっ あっ うあぁっ もうっ やだっ やだっ やだぁ

きつく抱きしめられわけのわからない感覚の中意識を失った。



109:名無しさん@ピンキー
08/11/30 19:04:06 kHpSvPRD

外は真っ暗。もう夜中だろうか。
「私いつの間にパジャマを?」
ちゃんと自分のものを着ているし、汗でべたついた感じもしない。

寝起きの頭で考える、さっきまでの出来事は夢だった?
でも隣には彼が眠っているし体がだるい。
不思議に思っていると彼が寝返りをうつ。
「あ…」
背中や腕にひっかいたような傷。
間違いなく自分がつけた、夢ではない証拠。
そっと触れる。

そうか、私は総一郎さんに抱かれたんだ。

安らかな、満たされたような気持ちなんだけ…ど……
ん?
なんだか心臓がバクバクしてきたっ
あれ?あれ?
顔がものすごく熱いっ

彼と一緒に居ると楽しい、触れ合うと安心する。愛してる。と今までは!
また何か別の…べべべ別の何かが!
頭がくらくらする。ドキドキしてドキドキする!ってわーっ!?
なにこれ?なんなのこれ!?

彼の顔がまともに見れなくなって枕におもいっきり顔を埋める。
落ち着こう!深呼吸、しんこきゅ…
「ん…みやこぉ……」
彼が寝ぼけて抱きついてくる。うわわっお願い今はくっつかないでぇ!


総一郎さんといると新しい感情、今まで気づけなかった自分に出会うことがある。
彼だけに抱く甘くとろけるような安心感、安堵感。
会えなくて寂しいという気持ち。
会えてとても嬉しいという気持ち。
そしてこれは?これはなに?
「とっとりあえず寝ようっ!そうしよう!!」

彼の腕を引き剥がし、朝になれば笑顔でおはようを言えると信じてぎゅっと瞼を閉じた。


110:名無しさん@ピンキー
08/11/30 19:14:13 kHpSvPRD
雨の夢おしまいです。 性交が成功・・・なんてね、ハハ

寒くなってまいりました、皆さん風邪などにはお気をつけてー
女兵士、主従、新婚、年の差とか好きです。げへへ

111:名無しさん@ピンキー
08/11/30 19:51:43 48OYmqOZ
>>88
君とは気が合いそうだ

112:名無しさん@ピンキー
08/11/30 19:56:28 48OYmqOZ
>>110


113:名無しさん@ピンキー
08/11/30 19:59:28 48OYmqOZ
>>110
おっと職人さん降臨に気付かなかったGJ!!
どうかこのまま終わらずに…この先の2人も読みたいです。

ちなみに自分は姫スレのオーギュスト&マリー、男装スレの土曜日の…シリーズが大好きです

114:名無しさん@ピンキー
08/11/30 21:06:07 ArS/NLFx
>110
GJ、GJ!!
ぜひぜひこの先の2人も書いてください。

いちゃ甘好きだから新婚、年の差スレ常駐だったんだが、ここ見て姫スレにも触手をのばしてみた。
エレノール&アラン、姫スレ8にのってた「いぬのおひめさま」でノックアウト。
がっぷり幸せですわー。

115:名無しさん@ピンキー
08/12/01 00:32:27 D0lUUCk7
やっぱいちゃ甘系が好きな傾向が強いみたいなんだね。
触手とか羞恥とかクリ系よりも、やっぱ人対人が好まれるのかな。

私がこの板に居つくきっかけになったのは逸話や童話スレの沼神御殿、
姫&男装少女スレのイヴァン&ナタリー、シスタースレの灰色の塔。
地の文だけでもがっつり読ませる。

116:名無しさん@ピンキー
08/12/01 13:47:52 9Z8mwJBu
>>110
gj 急かしてゴメンよ。これからも美夜子たんをいっぱいいっぱいしあわせにしてやっておくれ

117:名無しさん@ピンキー
08/12/01 14:25:58 1Q5ZB6Ed
クリスレも読んでるよ。
マリクリさんとか面白かったし。
今は改変コピペが好き。

118:名無しさん@ピンキー
08/12/01 14:28:09 1Q5ZB6Ed
肝心のレスを忘れていた。書き手さん申し訳ない。
無事結ばれてよかった。GJ!!
甘い雰囲気が良かった!投下お疲れ様でした。
どんどん開花していく様も読みたいな。
楽しみに待っています。

119:名無しさん@ピンキー
08/12/07 16:47:09 HiuO2QFC
スレが「イイわ」で停滞してる~!!
全職人さんに申しあげる。
「お願い……感じるお話がもっと欲しいのぉおおっっ!!」

120:名無しさん@ピンキー
08/12/07 20:13:05 LbLOn0SR
冬はあまり好きではないけど
クリスマスにサンタさん、ひめはじめ、バレンタインでチョコプレイ・・・
肌寒いこの季節には夢がいっぱい詰まってますな!

121:名無しさん@ピンキー
08/12/10 10:58:16 MhrA8H2W
男の嫉妬って萌えるよね

122:名無しさん@ピンキー
08/12/10 13:16:45 IZ0emZcE
(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン

123:名無しさん@ピンキー
08/12/10 21:52:49 pnq4t20i
嫉妬心から犯すように愛されるプレイや、嫉妬心から泣きそうになりながら甘えられて愛を捧げてくるプレイなどの内容が含まれる話なんて読んだらもう
ほんと子宮締め付けられます

124:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:27:50 n252v4xU
触手も愛レイプもスレあるぞ
しかし触手は男か数字向けでないか

125:名無しさん@ピンキー
08/12/11 01:14:35 M5KLOlD+
片思いor両思いで
誤解→嫉妬→暴走
コンボが激しく萌える。



126:名無しさん@ピンキー
08/12/11 05:14:39 4dlUVRti
>125
黒澤君ですねわかります

127:名無しさん@ピンキー
08/12/11 09:40:09 rdHntv+v
黒澤くん、続きを脳内妄想するも、全然進行しない…

128:名無しさん@ピンキー
08/12/11 10:09:24 bh0ECFbb
>125
愛レイプスレの内容そのもの

129:名無しさん@ピンキー
08/12/12 03:31:44 2tKoorDp
繭たんにあいたい

130:名無しさん@ピンキー
08/12/17 02:01:27 N0k6Leos
>>127
ただでさえ自己完結しちゃうタイプなのに、
繭サイドみたいに唆す人が青山君以外いなかったってのも問題だな
結局黒澤くんの背後関係自体は明らかになってないから、
このままヤンデレ化されると永遠に謎になりそうで困る

131:名無しさん@ピンキー
08/12/17 08:25:42 gFH+hzRs
ヤンデレか。
眼鏡くんで男前、お金持ち。ヤンデレで彼女にぞっこん。
男性向け萌え要素を女性向け転換されていて、そこら辺が上手いのかな。

132:週末の作者です
08/12/17 11:04:30 NoFItK7A
黒澤くん待ちの中、繭タン不足解消には至りませんが勢いによって投下

自分も書きながら待っております。


133:年上の男の子 1/17
08/12/17 11:05:40 NoFItK7A
 さっきから、あたしの周りにはやたらと男が集まっている。若いのからそうでないの、髪の茶色い
のや薄いの、いい男やらそうでないのまで色々あってまあよりどりみどりですこと!
 人生で一度はモテてモテて仕方ない時期があるというが、まさに今があたしにとってそうなんだろーか?
だったらあんまし嬉しくないんだが。
 だってその理由は実に単純。
 男の数に反して女の子が少ないから。
 でもってあたしがどう見ても一番若いから。
 何よりもこの人たちみんなに共通する理由、それは。

 ―お嫁さんが欲しいから!

 皆さん必死なんですなぁ……。でなきゃあたしがこんなにモテるわきゃないっての。
 ふられた事も無ければふった事もございません。
 とりあえず、
「あの、実苗(みなえ)さん僕とお話してくださいっ」
なんて差し出された手をじっと眺めてはその顔を見る気にもなれず(失礼極まりない、ゴメンナサイ)
とりあえず肩に掛かる髪を払っていた手を誰かにぐい!と掴まれた。
「へっ!?」
 何!?と言う間もなく椅子から引っ張られるように立ち上がる(立たされる?)と、もの凄い力と
速さで部屋の外へ連れ出された。
「何してんだおまえはーっ!?」
 でかい声。
「アナタと同じこと」
 負けずに言い返す。
「はっ?……あほかっ!お前はまだ18だろうが!!」
「そうよ。何か問題でも?」
 バッグの中から折り畳まれた紙を出して目の前に広げて突きつける。
『参加資格:18歳以上の独身男女ならどなたでも』
 それを見て相手は肩を落として「はあ~」と呆れたように、大げさに溜め息をついた。
「何考えてんだ……。お前、これが何だかわかってんのか?まだ高校生だろうが!!就職も決まったばっか
 なんだろ?第一ここは俺みたいに焦ってる奴がだな」
「……焦っちゃ悪い?」
「はい?」
「あたしが焦っちゃ悪いっての!?」
 突き出した紙を思いっきり丸めて投げつけた。
「おい?」
「誰のせいだと思ってんのよ!?―大ちゃんが悪いんじゃない!!」

 扉の陰から何事かとこっそり数人が覗いている。
 目の前の大ちゃんがばつが悪そうに突っ立ってても、腹立たしいのと恥ずかしいのとで涙が止まらなかった。



134:年上の男の子 2/17
08/12/17 11:07:30 NoFItK7A
* * *

「お見合いパーティー!?なんでっ!」
 畑の真ん中でかかしの手入れをしている奴の前で、あたしは強い風に必死でスカートを抑えながら
詰め寄っていた。
「何でって……そりゃ結婚相手探すためだよ」
「まだ23じゃん!!」
「都会じゃそうかもしんないけどな、ここらじゃこういう機会でもなきゃ、相手確保できないだろ?
 数少ないチャンスなんだから」
「だからって……」
『大ちゃん』こと大地(だいち)はあたし『ミナ』こと実苗の5歳上の幼なじみの兄ちゃんだ。この
春県外の農科大学を卒業して帰郷し、農家の跡を継いだ。出て行く若者が多い中、過疎化の進む地方町
には非常に稀で貴重な存在である。そして親孝行だとも思う。
 がしかし!
「そんなに結婚したいの?」
「今からぼちぼち探さなきゃ、農家の嫁なんかそうそう見つかんないだろ?ただでさえ田舎なんだから。
 早く婆ちゃん安心さしてやんねえとなー」
 確かに、嫁不足は深刻だ。ひ孫の顔を見せてやりたい気持ちもわかる。わかるけどさぁ……。
「やだ」
「ミナ?」
「嫌だ!やめてよ……やめようよそんなの。変だよ、お嫁さんが欲しいから恋愛するの?好きだから
 結婚するんじゃないの?」
「出会わなきゃ好きにだってなれないだろー?」
「だ、大ちゃんって割と男前なんだし、そのうち好きになってくれる人だって」
「どこにいんだよ?なかなか見つかんないよー、そんなうまい話なんてそうそうないって。いたら
 会ってみたいね」
 わかんないかなぁ、とか、ミナはまだガキンチョだからとか小声でぶつぶつ呟いてるけど、聞こえて
ますから。あたしの地獄耳を舐めるんじゃねえ!
「……いたらどうする?」
「何が」
「大ちゃんが好きってコがもしいたら行かない?」
「相手による」
「……じゃあご覧下さい」
 はあ?とジーンズの汚れをパンパンと叩きながらキョロキョロして、それからゆっくりとあたしを
凝視したまま固まった。
「……えっ。へえぇぇっ!?」
 セーラー服が埃にまみれてめくれ上がりそうになるのも忘れて、あたしは目の前で半笑いに引きつった
アホで鈍感な年上男をずっと涙目で睨み続けた。




135:年上の男の子 3/17
08/12/17 11:08:24 NoFItK7A
* * *

「……冗談だと思ってたんだよ」
 3日前の事を思い出しながら彼はハンドルを握っていた。
「あんな事冗談で言うわけないじゃん、バカ!あたしが今までその手のギャグでふざけたりした事あった?
 ねえっ!!」
「ない。だからびっくりしたんじゃん」
 このオトコ、それに対して
『ママゴトでもしたいのか?はいはいまた暇な時にな。兄ちゃんは忙しいんだよー』
 あたしにとっては一大決心だったのに!!
「う、生まれてはじ、初めて告ったのに……最低っ」
「ごめん」
「……それって返事なの?」
 一生ぶんの勇気を使い果たした気持ちでいたのに、もう本当に泣くしかないあたし。
「いや、そのごめんじゃなく……まあいいや」
 じゃあ何?と聞きかけて思いとどまった。今更だけど、ハッキリとその口からあたしに対する答えを
耳にするのが怖いと思ってしまったから。
 拒絶されたら、もうこれまでのように軽口叩いていられなくなる。それどころか、物陰から星○子
よろしくまた性懲りもなく行くであろう集いででも見つけた嫁とやらを恨めしそうに眺めねばならない。
 ……あ、何だか本っ当に取り返しのつかない事をしてしまった気が。
 もう今すぐこやつの頭をぶん殴って記憶を消してしまいたい。もしくは畑の隅でも奥深く穴掘って
あの瞬間を埋めてしまいたい。
 ……勢いだけで突っ走った若さに反省。

「で、俺の事好き?」
「ひゃいっ!?」
 唐突に何を言い出すか。今水飲んでたら確実に噴いてる。
「言ったよな?」
「……う」
 渇きかけた涙を拭う振りしながら頷いた。顔見るのが怖かったから、そうしてごまかすしかなかった。
「じゃあいいよな」
 何が?と聞く前にハンドルがいきなり切られ、ぽかんとしてるうちに車がヒラッヒラのノレンを潜って
薄暗い駐車場に止められた。
「どうする?」
「どうって……」
 ここって、あの、その、えっ!?
「俺とそういうコトできるのか、って事」


136:年上の男の子 4/17
08/12/17 11:09:49 NoFItK7A
 つまりその、毎度お馴染みラブホとかいう……。
 そういう所でやる事は一つ。
「意味、わかるよな?」
「うん」
「俺の事が好きって事は付き合う気がある、付き合ったらそんなコトやあんなコトするって事だぞ?」
「……嫌だって言うとどうなんの?」
 恐る恐る窺うと、彼はちょっと困ったような顔をして目を逸らした。
「……また他の相手探すかなぁ……えっ?おいっ!?」
 聞くなりあたしは思いっ切り車のドアを開けて駐車場を走り抜けた。

 扉をくぐるとケバケバしい装飾の部屋がバーッと並んだパネルが目に入った。
 戸惑ってる暇はない。ええいっ!と思い切って適当にボタンを押そうと手を伸ばしたその時―、
ガッ!と腕を掴まれてそれを阻止された。
「わかった、俺が悪かった!だからやめろ、ミナ、な?」
「なっ、なんで止めんの!?……やんないの?」
「いや、やりたいけど」
 んじゃなんで止めるのかと思いながら、真っ赤っかで困ったような戸惑ったような顔を見上げる。
「ごめん。俺、ミナの事試したんだ。正直そこまで想ってくれてるなんて思わなかった。だから泣くな。
 もうよくわかったからさ」
「……冗談じゃないもん。嘘じゃないもん」
「うん、わかった。だからとりあえずうち帰ろうぜ?な?」
 武骨な指先でまだうっすら残る涙を拭われて、その温もりに今度はちょっと違う意味で泣きたくなった。
「じゃ、信じてくれる?」
「うん」
「他の相手とか言わない?やんない?」
「うん、言わないし、やりたいとか思ってない」
 でも、いいよ、って思い切って言ったのに。
「いや、ヤる気はあるが金がない」
「はぁ!?」
 まさかそれが本音かよ……。
 あたしの冷たい視線に気付いたのか、肩をすくめて手を引きながら車へと戻っていった。



137:年上の男の子 5/17
08/12/17 11:11:00 NoFItK7A
「腹減ってない?」
「あ、そう言えば」
 何事も無かったかのように車はコンビニに向かう。
「何か買ってってうちで食うか、奢るから。……スミマセンね貧乏で」
「いーえ、お気になさらずに」
 そう言えば昼食込みだったんだ。
『痴話喧嘩ならよそでやって下さい!』
ってつまみ出されたんだよなー。
 確かあのパーティーって女の子は無料だけど、男の人は会費がいったはず……。
 って、もしうまい事いってその後でどっか……なんてなったらどうするつもりだったんだろ?
 ……考え過ぎか。ていうか想像したくもないわ!多分なーんも考えてなかったんだろうな。
 惚れた弱みを差し引いても、大ちゃんは結構かっこいい部類に入るんではないかと思う。なのに
あんまり色っぽい話を聞かないのはやはり何かが足りないのだろう。ツメが甘いのだろうか。
「うわっ、しまった!間違って冷た~いコーヒーを買ってしまったあぁ~orz」
「えっ!?中で買えばいいのに何で自販機で買うの」
「あ、そうか!温かいのが欲しかったのに……」
 わかった。バカだからだ、多分。


* * *

 大ちゃんの部屋は離れにある。姉2人の3姉弟の末っ子で跡取りともなればこその待遇だろうか。
逆にまだ小学生の弟と妹のいる長女のあたしから見れば、何かと我慢の多い身なので羨ましい限り。
 互いにそういう環境のせいだからか、あたし達は仲が良かった。甘えられるお兄ちゃんが欲しかった
あたしは遊んでくれる大ちゃんが大好きだったし、末っ子で下が欲しかった大ちゃんはそんなあたしを
弟達を含めて面倒見てくれた。
 だが、彼が高校受験の頃には忙しさもあり、またうちの両親が年頃の男の子とベタベタするのを
快く思わなくなったために、ここに入り込んだりする事は無くなってしまった。
 だから、本当に久しぶりにこの部屋に入った事になる。母屋からも表通りからも少し離れて建って
いるこの場所では、少々の事があっても多分外には漏れないと思う。
 そんな空間であたし達は黙々とごはんを食べていた。大ちゃんが温め直した缶コーヒーを飲み干す
と、あたしも同時に食べ終わったので互いにする事がなくなり、何となく手持ち無沙汰で気まずい
空気が流れた。


138:年上の男の子 6/17
08/12/17 11:12:04 NoFItK7A
「なあ、その服」
「あ、これ姉ちゃんに貰った」
「あーやっぱり、どっかで見たと思ったわ」
 大ちゃんのお姉ちゃん達はよく小さい頃からあたしにおさがりをくれた。その名残で、今でも時々
着なくなったのをくれる事があるのだ。
 今日のワンピもそう。淡い水色で清楚な感じが気に入ってる。
「似合わない?」
「ううん。馬子にも衣……いでっ!?」
 ムカついたからゴミの入った袋を投げてやったら、空き缶が当たったらしい。ざまーみろ!
「冗談だよ!可愛い、可愛いって」
「無理しなくていい!ばかっ!!大ちゃんだってスーツなんか着てたクセに」
「いや、まじで冗談」
 普段着に着替えてゴロゴロしてた体を起こしてあたしの側に這ってくる。
「可愛い。ミナが子供に見えない」
「……本当?」
「ああ。ちゃんと大人に見える」
 手があたしの頬に触れて、それから背中に回ってあっという間に躰が腕の中に包み込まれてしまった。
「大ちゃん……?」
「ちゃんと女に見える」
 低く耳元で響く声に、いつものようにちゃらけた様子は全く無く。
「俺の……女になるか?」

 心臓の音が、全て伝わってしまうのではと思うほどに高鳴った気がした。

  耳元に熱い息が掛かり低い声がゆっくりと響く。
「もう兄ちゃんやめようと思う。やめたい」
 きゅうっと背中の指に力がこもり、さっきより強く体が押し付けられたような気がした。もう既に
あたし達には距離なんかないというのに。

「お前にとってただの男でありたい。……最初で、最後の」

 すっとくっつけ合っていた頬が離れて、思わず目を閉じた。鼻と鼻が軽くぶつかる感触がして、唇
に柔らかな甘い濡れた温もりが重なる。
 はじめてのくちづけは、缶コーヒーの味がした。
「ミナ」
 唇が離れるともう一度抱き締められ、彼があたしの背中を覗き込むように確認しながらファスナー
を下ろし、ブラのホックを探って外すとそのまま勢いよく押し倒される。
 背中が床に付くと同時にまた唇は塞がれ、お腹まで一気に引き下ろされた服から露わになった胸に
手のひらが覆い被さる。
 声をあげる間もなくいきなり押し込まれた舌、下着の上から強い力で揉まれた胸の刺激に背中を
反らして悶えた。



139:年上の男の子 7/17
08/12/17 11:13:17 NoFItK7A
「だ……いちゃ……あぁっ……」
 散々暴れてようやく抜かれた舌は、唾液で濡れたあたしの唇をそのままに耳たぶを噛み、首筋に
吸い付いたまま鎖骨へ這わされていく。
 その間に持ち上げられたブラの下に潜り込んだ手が直接胸を掴み、強い力で揉みしだかれていた。
「いやぁっ……」
 その勢いにびっくりして思わずあげた声に反応したのか、一瞬彼が顔を上げて目が合ってしまった。
だが、すぐにそれは剥き出しにされた胸の上におりて、乗っかっていた手のひらのかわりにそこに
埋められていく。
 荒々しい息遣いだけが耳に届いて、そこにはもう応えてくれる『おにいちゃん』は存在してはいなかった。
「大ちゃん、大、ちゃ……っ」
 まるで貪るように夢中で胸に吸い付くその髪をあたしも夢中になってかき抱きながら、必死にそれに
流されないよう堪えようとする。
「怖いよ……大ちゃん……」
 震える声でやっとの思いで絞り出した声に彼の動きが止まった。

「ミナ」
 あたしの上に跨ったままで顔を近づけてきて、キスされるのかと思わず目を瞑った。
 だがそうはされずに体を覆うように被さり、耳元でぼそりと呟いた。
「嫌か?」
 きゅっとその背に腕を回してしがみつく。汗と微かな埃っぽいトレーナーの匂いに、初めて直に
感じる男の体。
「俺とこういうことすんの、怖いか?」
 ついさっきラブホで見せた威勢の良さはどこへやら、あたしはただ黙ってしがみつくしかできなく
なってた。
「嫌いか?」
 首をふる。
「……好き?」
 頷く。
 ぎゅーっと肩に乗せてきた手に力をこめて、軽くちゅっとキスを落としてくる。
「俺の事怖いって言ったよな?」
 心なしか少しだけ寂しそうな顔をした気がした。
「だって、違うひとみたいなんだもん。いきなり、だったから……」
「そうなのか?」
 また頷く。
「そりゃ恥ずかしいし、なんか、やっぱり怖いけど」
「それでも」
 少しだけ体を起こしてあたしを見下ろしてきた顔は、いつものふざけたバカ男の面影はどこに置いて
きたのか、獲物を狙う獣のような目つきに変わる。
「俺はお前を逃がしたくない」


140:年上の男の子 8/17
08/12/17 11:14:27 NoFItK7A
 体を起こして着ている物を脱ぎ捨てる。服の下から現れた締まった体を寝転がりながら眺めて、
この前それを見たのは一体いつの事だっただろうかと思い起こしていた。
 確かあたしが中学ん時プール連れて行って貰った時だっけ?歳が離れてるから、姉ちゃん達としか
お風呂に入ったりした事はなかった。
 気が付くと体を起こされ手を引かれ、ベッドまで導かれる。
 その間に逃げようとすればできたかもしれなかったのに、足元に落とされた水色の布地が目に入った
時には胸を覆うものも取られて、退くに退けない状態になってしまっていた。
「ちょっと待っ……やっ!?」
 残る1枚をパンストごと引き下ろされ慌ててしゃがみ込んだ。あまりの恥ずかしさに目眩がしそうで
思わず目を瞑り、躰を丸めて俯く。
 恥ずかしくて両腕は肩をぎゅっと抱いたままでしかいられなかったので、そのまま足首からあっさりと
下着は引き抜かれ、どうにも出来ないままに抱き上げられてベッドに寝かされてしまった。
 どこにそんな力があるんだろうと不思議に思いながら、のし掛かってくる見慣れた男の顔を眺めて
ため息をつく。
「……ん」
 再び近づいてきた唇がそれを全て受け止めて、あたしは何も言うことができなくなった。
 頬を挟んできた両の手のひらは、触れるだけのキスが徐々に舌を滑り込ませ激しい絡みに変わって
いくとあたしの髪をくしゃくしゃにして首筋や鎖骨を撫で回しながら胸へと下りていった。
「やだ、大ちゃ……んっ!」
 何か言おうとすればすぐに唇を塞がれ黙らされ、更に強く胸を揉みしだかれる。もう今やあたし達の
耳には互いの息遣いしか聞き取れるものがないようだった。
 どう反応したらいいのかわからなくて、ただ胸に触れてくる手の熱や唇の感触にいちいちビクビク
しながら次の手に怯えていた。
「……あっ」
 指先で胸の先に尖ってきたものをぐりぐりと押し付けられ、勝手に声が出た。思わず見下ろすと、
あたしを見上げるように顔を向けてきた彼と目が合った。
「いやぁ……、あっ!」
 慌てて顔を逸らしてみたもののその刺激からは逃れることができなくて、それどころか余計に追いかけて
くる指の力に意志とは関係なくくぐもった声が漏れてしまう。


141:年上の男の子 9/17
08/12/17 11:15:39 NoFItK7A
「あっ……あぁ」
 嫌だ。

「いや、いや、いやあっ」
 違う、嫌なわけじゃない。
「だぁいちゃ……っ」
 だけど何かが足りない。
「……やめ」
 何かがまだわからない。
「お願い、やめてぇっ……!」
 ぽろぽろと零れて枕を濡らす涙を優しい指が拭ってくれる。
「そんなに嫌か?」
 泣いてる顔をみられたくないと今更ながら思い、身を捩って枕に顔を埋めた。
「やっぱりだめか?嫌いか、俺の事……嫌んなったか?」
 消え入りそうな声で呟くと、あたしの背後に回る形でベッドに横になり、大きく息をついている。
「……ごめん」
 途端に悲しくなった。謝られていきなり側にある体がとんでもなく離れた場所まで飛ばされたような
気持ちになり、思い切って振り返ると裸の胸にしがみつき頬を寄せた。
「違うの」
 そうじゃない。
「嫌いなんかじゃないよ」
 望んでなかったわけじゃない。
「でも……嫌なんだろ?」
 顔はあげられないまま小さい子供がイヤイヤをするように首を横に振る。
「だってわかんないんだもん」
 何かが欠けているような気がして、不安だった。
「なんでこんな事するの……」
 なぜ求められているのに、こんなにもそれを信じきる事が怖いのだろうか。
「あたしは、大ちゃんが離れていくのが嫌。あたしも離れるのは嫌だ。だから逃げない。逃げないよ……」
 背中に腕がまわってしっかりと抱き寄せられた。

「あたしの事、大ちゃんはどう思うの?」
 髪を撫でられる。
「好きなのに」
 濡れた瞼に唇が落ちる。
「ずっとずっと大ちゃんしか見て来なかったのにっ……」
 背中を丸めてただ泣き続けるあたしの頭に乗せた手でよしよしとする、その仕草に小さい頃の微かな
記憶が蘇る。
 叱られたり、誰かと喧嘩したり、悲しいことがあったりして泣いているあたしの頭を黙って泣き
止むまで撫でて側にいてくれた。

『俺はいつもミナの味方だからな』
『ずっと一緒だから』
 そう言ってくれるのが嬉しかった。


142:年上の男の子 10/17
08/12/17 11:17:12 NoFItK7A
 大ちゃんは、どんなに大人になってしまってもずっと大ちゃんのまんまだったから。

 だけどさっきまでの大ちゃんは、今まで見た事のない男の人の顔をしてたから、それに驚き、戸惑って
怯んでしまった。

「ごめんな、怖がらせて泣かせちまったね、ミナの事」
「いいよ……もう大丈夫」
「俺の事嫌わないでいてくれんの?」
「うん」
「ありがとう」
 そっと見上げると、大好きな『だいちゃん』の穏やかな顔がそこにあった。

「驚いたけど嬉しかった、本当は。ミナが俺の事好きだって言ってくれたの。でも冗談かもしれないって
 あんまり期待しないようにしてた。今までの事考えたら、急にそんなふうに思えるわけないしって。
 ……だけど、ずっとモヤモヤしてて、そのまんまの気持ちでいた時に会場でお前の事見つけて、
 誰かに盗られんのは嫌だと思ったよ。冗談じゃねえって。ミナは俺んだって」
 一気にばーっとまくし立てると、ぎゅっときつく抱き締めてきた。痛い位に背中の指に力がこもってる。
「言うから。今から一番大事な事、言うから」
「なぁに?」
「ん……」
 だけどあーとか、うーとか唸ったり、咳払いをしつつなかなか核心には触れてこなかった。何故か
言葉を飲み込んでしまっているようで歯切れが悪く、段々不安になってきた。

 なんで何も言ってくれないんだろう。
 あたしはこの人にとって今どういう存在になっているんだろう。
 その言葉を聞くまでは怖い。
 あたしだって自惚れてしまってはそれを打ち消して胸を乱すのだ。何度も、何度も。

「……だ」
「え?」
 聞こえないよ、って言おうとして顔をあげたら胸の中にぎゅっと押さえ込まれた。
「ぶっ!なにすっ」
「見るんじゃねえッ」
「なんでー?」
「絶対変な顔してるから」
 それっきり暫くの間何も言わずただ黙って抱き締めあっていた。
 どうすればいいのだろう?突然始まった情事は中途半端にやりかけのまま放り出されてしまったが、
やり出しっぺが動き出さないのではどうにもできやしない。あたしは黙ってそれに従うしかなかった。
 だが、その沈黙もまた突然に破られる。
「ミナ」
「なあに?」


143:年上の男の子 11/17
08/12/17 11:18:21 NoFItK7A
 大きく息を吸い込んで吐くと耳元に唇を寄せて、ゆっくりと確実にその一言は贈られた。

「お前が、好きだ」
 頭の中で、パズルの最後のピースがぱちんと嵌った音がした。

「……」
「ミナ?」
「……えない」
「んあ?」
「アーアー聞こえなーい(∩゜Д゜)」
「はあぁ!?」
「もう一回言って」
「嘘だろー!?」
 ほんとは嬉しくて堪らないくせに、恥ずかしくてふざけて茶化してごまかした。
「お願い……」
「……好き」
「もっと」
「好きだよ」
「もう一回だけ」
「好きだ。ミナが好きだよ……」
「その一言が欲しかったの」
 ほんとはただ甘えてみたかっただけ。
「大ちゃん……好き」
 あたしから思い切ってキスをした。

 そこからはどちらも夢中で抱き合った。
 さっきよりもずっと貪欲に彼はあたしの躰に触れてくる。無言のまま胸に顔を埋めて揉みしだき、
荒々しい息遣いでそこに吸い付いてくる。
 散々弄ばれて堅く主張する先端を舌で更に転がされ吸い尽くされると、目を閉じて行為に没頭する
彼の少しゴワつく硬い髪をかきむしりながら声をあげてそれに応えるが、そうこう
しているうちにまた新たな感覚が表れてきてそれに気持ちが持って行かれてしまう。
「……ぅあ……ん」
 頭を抱え込むようにしながら下半身のよくわからない疼きに堪えて脚をくねらせていると、乳首を
くわえた唇はそのままに、反らせた背中から入り込んだ右手がお尻を撫でながら腿をなぞり、一番
触られたくなかった筈の場所へ廻っていった。

 くちゅ……

「いやあっ……!」
 思っていたよりハッキリと聞こえてしまった水音に、恥ずかしさで頭がいっぱいになる。
 うっかり声を出してしまうのにも堪えられなくなって唇を噛んで我慢するが、自分で触るのも躊躇われる
場所をぬるぬると滑る彼の指の感触に、恥ずかしさで余計に嬌声をあげ羞恥に追い込まれてしまう。


144:年上の男の子 12/17
08/12/17 11:19:44 NoFItK7A
「大ちゃん……っ……!」
前後するように動く指が何かに触れた途端、その部分に痺れるような衝撃が走った。
「やあっ!?あっ……!やぁんっ」
「ここか?」
 ぐい、と指を押し当て擦り付けるようにそれを弄られると、ビクンと膝が跳ねてしまう。
「逃げるな……ダメだろ」
 曲げた膝をぐっと押し上げられ、思い切り開かされた状態でのし掛かられ身動きが取れなくなる、
そんな状態で胸に唇の愛撫を受けながら一番敏感に感じる箇所をくにくにと転がされて、その度に
背中が反らされ勝手に躰が跳ねてしまう。
「ひぁっ……やぁ、ああん、ああ……っ!!」
 ビクビクするあたしを押さえつけるように、のし掛かった彼の体重が少しずつ強く感じられるように
なってきた。
「動いちゃだめだろ?ミナ……」
 仕方ないなぁというふうに胸から顔を上げ、首筋に吸い付きながら水音を立ててそこばかりを責め立てる。
「どこが気持ちいいか言ってみな?」
 耳元で熱い息を吐きながらぼそぼそと囁きかける声にぞくぞくした。

「いやぁ、そんなの……」
「気持ちよくなりたいだろ?ミナの感じるとこ見たいんだよ……」
「だって、へんになっ……やぁんっ!」
 強く擦りあげられて躰が跳ね上がり、思わずしがみついた。
「だめぇ、それだめ!やさ、やさ……しく、し……」
「んんっ」
 今度はじらす様にそっと優しく、ゆっくりゆっくり撫でてくれる。
「ああ……だいちゃ、あ……」
「いやらしい声だな……?可愛い。ミナ、いいよ、お前すげぇ可愛いよ」
 ぴちゃぴちゃと擦りあげる動きに合わせて濡れた音が響き渡る。
「ほら、わかるか?全部お前の……。嬉しい。俺がこんなにできて、嬉しいよ、ミナ……」
「あ……んっ、やだ、はずか……し……よ」
「いいよ、もっと見せろ。たまんないよ、俺」
 熱い息を吐きながら呼びかけてくる彼にドキドキして、どんどん躰が敏感さを増してゆく気がする。
「やあ……変だよ、あたし、おかしくな……」
「いいよ」
 また指の力が強くなった。



145:年上の男の子 13/17
08/12/17 11:21:06 NoFItK7A
「んやぁっ……あ……んっ、だめ!いや、いや、いやあっ!!」
 さっきよりすごく気持ちいい。腰が勝手に浮いて、自分から押し付けるように動いてく。意思とは
関係なく快感を貪欲に求めに行くなんて、無理と思っても躰が言うことを聞かない。
「うわ……あ……あ……やああぁっ!!」
 お腹の奥から喉元まで一気にズンと熱を帯びた衝撃が走り、背筋を伝って鎮火していく。
「ちょ、まっ、なんかだめ!本当にだめっ!!」
 ぴんと伸びた躰がまだ与え続けられる強すぎる快感に耐えられなくなって、そこに伸びている彼の
腕を必死で掴んで止めた。
「えっ?だめなのか」
「う……なんか、感じすぎて……」
「そっか。……な、今、イッた?」
「かなぁ?」
 息も絶え絶えに頷く。彼が体を離すとふっと力が抜けてぐたっとシーツの上に転がった。

「いいなぁ。なんかお前可愛かったんだなぁ」
 唇を合わせてまた胸をいじってくる。
「ん、もうっ」
「ごめん」
 あんまりそんなにしないで欲しい。やっと落ち着き始めた頭がまたぶっ飛んでしまうじゃないか。
「な、俺も」
 これからまだ行われることがあったのを思い出して、未知の行為に一瞬体が強張った。
「俺もする」
 床にあったコンビニ袋からそれらしき物を取り出すと背中を向けて下着を脱ぎ始めた。
 あーついに全部見ちゃったし、見られちゃったよ。
 昔テレビでぱっと濡れ場が映ると、『なんで大人って平気であんな恥ずかしい事出来るんだろー』
と思ったりしたものだった。それを今あたしは行っている。それも、その頃には思いも付かなかったひとと。
 大好きだったけど、まさかこんな事になるなんて。互いをこんなふうに晒し合う仲になるなんて―。
「何?」
 振り向いて覆い被さってくる相手は、物思うあたしの顔にどことなく不安げな目をして問いかける。
「やなの?」
「ううん」
 首をちょっと起こして少々グロテスクに伸びるモノを眺めて、また枕に頭を沈める。

「さっき買ったやつ?」
「なんでわかる!?」
 会計する時やたらあたしを外へ追い立て、レジにカゴを置いたままダッシュで棚を往復してたのは
見なかった事にしておきました。
「バレバレ」


146:年上の男の子 14/17
08/12/17 11:22:24 NoFItK7A
 くそっ、と口惜しげに尖らせた唇を重ねられて沈んでくる躰を受け止めながら、怖じ気付きそうな
気持ちを悟られないように背中に腕をまわして抱きつく。

『こわい』

 不安な顔を見られたくなくてキスをし視界を閉じた。
 ちょっとずつちょっとずつ、引っ掛かることもありながら彼の一部が痛みを伴って主張しあたしの
躰の中に侵入してくる。
「い……たぁい」
「はっ……はあ、はっ……」
 あたしが痛みに耐えつつも気になって彼の姿に目をやると、苦しげに表情を歪めながら肩で息をする。
「ミナ、痛いか」
「うん……けど、大丈夫。我慢できそう」
「そうか?ごめん俺、キツイわ……すげー緊張してる」
「大ちゃん……」
 そりゃ痛いけど、怖くなかったわけじゃないけど、本当に想像したよりは耐えられそうだと思った。
今のところは、だけど。
「欲しいよ。ミナが欲しい、はやく……っ」
 またぐっと深く突かれると、さすがに裂くような痛みは一瞬襲ってきて、飲み込もうとした声は
喉の奥から漏れてしまう。
「大ちゃん、大ちゃん……」
「もう入ったから。全部お前の中」
 嬉しい。とりあえず第一関門を突破した気持ちと、あたしの躰が彼を繋ぎ止めて一つになれた事実が
嵐の中の穏やかな安心感を生んでいる。
「ああっ!?」
 ずるーっと入った筈のモノが抜かれ、また同じように入ってくると、さすがに擦れ合う度に濡れてる
とは言えかなり痛い。
「力抜いてるか?」
「うー……」
 また抜いて、入れる。その繰り返し。一体どうなってるのかと好奇心から首をもたげてみると、意識
していたよりはるかに大きく広がった脚の付け根にぴったりと乗っかるように彼の腰が押しつけられていた。


147:年上の男の子 15/17
08/12/17 11:23:35 NoFItK7A
 あたしがそれを目にしたのを見てわざとゆっくり出し入れして見せる。
「や……」
「ちゃんと入ってるよ。中に……ほら」
 何て格好してたんだと恥ずかしさで目を覆うと、
「だめ」
とその手を掴んではねのけられる。
「顔見ときたいんだ」
 膝を押してぐっと曲げさせられ更に恥ずかしい格好になり、思い切り開いた脚を押さえると腰の動き
が激しくなった。
「ああんっ!やだぁ」
「もう……そんな声出すなよ!イキたくなっちゃうだろ」
「だって、や……っ」
「ミナ、んっ」
「だいちゃ……」
 痛いもんは痛い。だけどそれにどっからかきゅうっと締め付けられるような疼きが生まれ出てきて
ぶつけられるごつごつとした硬い感触のする彼の腰を必死で掴んだ。
「大ちゃん、大ちゃんっ……!」
 意識がもってかれる。一点に集中する刺激に感覚のすべてが流されていく。
「んっ、ミ……ナ」
「やあぁんっ」
 膝を掴んでいた片手が離れ胸を掴む。
「あ……だめっ」
 最初とはうって変わって滅茶苦茶に突かれ、痛みと共に痺れる歓びに悶えながらぐちゃぐちゃに躰
を捩った。

 もう狂っていてもかまわなかった。

「大ちゃん……大好きぃ」
「ミナぁ……」

 ぶるっと肩を震わせて唇を噛んで、あたしの胸を掴んだ手のひらに一瞬だけ軽く痛みを走らせて、
くたーっと脱力した躰をあたしの上に落としてきた。
「んあー……ヨかったぁー」
「ほんと?」
「うん……」
 んーっと唇を尖らせて顔を寄せてきたので、同じようにしてやったらそのまま軽くぶつけ合って
ふふん、て笑った。
 寝転がったまま見上げたベッドに起き上がる体は、さっきよりもずっと大きく見えてきて、何だか
しがみつきたい衝動に駆られて、重い体を引きずって起きようとした

ら。

「うわぁ、溜まってたんだなー」
「何が?」
 ほれ、と後処理途中のブツを見せられた。いや、いらんし。
「もったいないなー……これ子供何人作れるんだろー」
「はい?」
「再利用できないかね?畑にまくとか」
「引くわ!!」
 やっぱりバカだ。
 さっさと毛布を引っ張り上げて独り占めしてやった。



148:年上の男の子 16/17
08/12/17 11:25:03 NoFItK7A
* * *

「付き合うだけなら、別に今までと何ら変わらない気がしたんだ」
 一緒に毛布にくるまりながら(優しいあたしは鼻をたれて頼む大人に仕方なくそれを許可してあげた)、
さっさとこうなってしまったに至る言い訳を聞いていた。
「俺達の場合もう充分すぎる位下地は出来上がってると思うし。だからそこから変えるにはそうした
 ほうがいいって思ったんだ。早過ぎるなんて事も俺とミナの関係だったら無いだろうし」
 ふうん、と一言だけ返して彼の胸に背中をくっつけた格好で寝転がる。

「ミナ聞いてる?」
「聞いてます」
 ごそごそ。
「怒ってんの?」
「別に……」
 もみもみ。
「じゃあこっち向けよー」
「……」
 がしっ!
「何っ?何なのさっきからこの手はっ!なんで乳もんでんのっ!!」
「いでででで!!いーじゃんか。あー気持ちい~」
 さっき奴から借りて着たパーカーを捲り上げられて、ノーブラの胸を背後から揉まれまくって
いるあたし。ちっとは遠慮せんかいっ!!
「だって意外ときょぬーじゃないか?いやぁ嬉しい。花子よりいい乳してるわ」
「は?誰花子って……」
 答える前に思い出してまた思いっ切り手の甲をつねってやった。

「あたしは牛じゃないっ!!」


「俺尻に敷かれそ」
「やかましい」
 逃げるように母屋へ飲み物を取りに行き、
「夕飯食べて行けってさ」
と戻ってきた。
「え?あたし……」
「言っといたから、付き合う事も。ミナなら問題あるまい」
 ちゃんと前向きに考えて行動してくれる、そんな真っ直ぐな所があたしはやっぱり好きだと思った。
「ちょっと畑におかずを取りに行ってくっから」
「何畑?」
「ミナの両脚」
「……」

 実直だけどおバカな大ちゃんは察しのいいあたしにつねられたほっぺをさすりながら、大根採りに
行きましたとさ。




149:年上の男の子 17/17
08/12/17 11:26:17 NoFItK7A
* * *

 すっかり暗くなった夜道を送って貰いながら、大ちゃんは手を引いてくれた。
 子供の頃と変わったのは、互いの指を絡め合った恋人繋ぎに込められた溢れてくるそれぞれの気持ち。

「ありがとな」
「何が?」
「俺のこと、好きになってくれてさー」
「うん」
「好きだっていってくれてさぁ……大事なもん、みんなくれて」
「……いいよ、あたしがしたかったんだから」
 突然そんな事言い出すから、俯いてた顔を上げるタイミングを逃して足元ばかり見て歩いた。
「たった一言なのに、俺なかなか言えなかった。凄く重くて、声にするのが切なくて……。それを
 お前が勇気を出して言ってくれたのが本当に嬉しかった。なのになかなか言い返せなくて……
 ごめんな。俺ミナのこと好きだよ。ずっと、ずっと大事にするから」
「大ちゃん……」

 暗くて良かった、と言った。多分耳まで真っ赤なんだろう。正直なくせに照れ屋で恥ずかしがり。
だから顔を覗かなくても、どんな表情してるかなんてよくわかるよ。

「ミナんちのおじさんに挨拶しとかないと」
「え?まだ……」
「だってどうせなら両家公認になりたいじゃん。そしたら堂々と付き合えるだろ?俺達」
「大ちゃん……」
「さて覚悟しとくか!大事な娘いただきにいくんだから」
 もう、いちいち嬉しくなること言ってくれるんだ。
「柿泥棒が今や処女泥棒に……いでっ!!」
「一緒にするなー!!」
 ……思いっ切り足踏んでやった。うちの父親にげんこつかまされてしまえ!

「お前も覚悟しとけよ」
「何をよ?」
「絶対離しやしないからな」
「……ばか」

 だけどおバカなあなたが、あたしは大好きだ。


                                           「終わり」


150:名無しさん@ピンキー
08/12/17 22:04:25 azeXZUt+
GJ!!!!

ロマンスすぎないとこがリアルでいいかも

151:名無しさん@ピンキー
08/12/17 23:20:52 VFCgXqD/
好きだけど怖い、って気持ちわかるなー

再利用とかワロタ GJ!

152:名無しさん@ピンキー
08/12/18 00:17:09 Z74wI2jO
GJ!!!久々の投下でwktkしながら読ませていただきました
今夜は幸せを抱えつつ少しムラムラしながら眠りにつきそうです…
ミナちゃん農家の嫁になるのかw

153:名無しさん@ピンキー
08/12/18 03:17:01 hJV5729G
GJ!!
萌え有り、エロ有り、笑い有りですごく面白かったー!
ちょっと抜けてて己の欲望に素直で優しい大ちゃんがへたれ可愛くて好きだw


154:名無しさん@ピンキー
08/12/23 10:08:26 2IzInRTB
遅れましたがGJ!週末の話も好きだったので、同じ作者様にまた投下して頂いて嬉しいです

155:名無しさん@ピンキー
08/12/26 02:20:59 Erj1Qcy7
クリスマスオワタ

156:名無しさん@ピンキー
08/12/28 02:25:47 PYg11Wob
今頃皆正月ネタを書いているのかもね

157:名無しさん@ピンキー
08/12/31 15:53:44 7q/dvXJS
圧縮回避あげ!よかった~ヾ(´^ω^)ノ

158:名無しさん@ピンキー
09/01/03 16:05:18 dFB8OqLF
( ^ω^)

159:名無しさん@ピンキー
09/01/06 02:07:45 1K/xqzrf
明けましておめでとう

160:名無しさん@ピンキー
09/01/10 04:45:14 UJca3efZ
( ^ω^)

161:名無しさん@ピンキー
09/01/11 22:29:08 D068AkGZ
今頃はバレンタインネタを(ry

162:名無しさん@ピンキー
09/01/12 09:28:59 2AGlSMgw
どんど焼きネタを……(ry

163:名無しさん@ピンキー
09/01/12 14:14:28 7U7++EWt
成人式で久しぶりに会った同級生ネタを(ry

164:名無しさん@ピンキー
09/01/16 16:55:12 xwN/1vsZ
好きなの…


このスレ

165:名無しさん@ピンキー
09/01/20 00:32:29 xiVF9oK4
上の方で紹介されてるの全部読んできた
良作の紹介ごちです
一次創作中心住人さんが多いのかなここ
二次創作でおすすめのSSはありますか?

166:名無しさん@ピンキー
09/01/21 10:31:08 +vTgYujd
二次はその原作知ってないと状況がわからないものが多いから紹介は難しいんでは
まあ私もここの住人さんに教えてもらえるなら教えてほしいが

167:名無しさん@ピンキー
09/01/21 13:54:57 S3qlqP11
最初からいないし全部読んでないからよくわかんないけど
ここってオリジナルのみだと思ってた

168:名無しさん@ピンキー
09/01/22 15:47:53 1C2l10bL
そういう意味じゃないと思う

169:名無しさん@ピンキー
09/01/23 16:08:08 /DsmG3pA
金の力で困ってる女の子を助けてあげたい
スレリンク(eroparo板)
スレリンク(eroparo板)

このスレの『あやしいバイト』という話がとても良かった

170:名無しさん@ピンキー
09/01/24 01:50:34 PpALTTxG
『あやしいバイト』まとめサイトで一気読みしてきた。
結衣と川島さんモエス


171:名無しさん@ピンキー
09/01/26 14:54:29 dS++KXyw
新婚スレに真夏の雪解けの続編きてるよー

172:名無しさん@ピンキー
09/01/29 12:55:29 wv6b3ksu
あやしいバイト教えてくれてありがとう

ニヤニヤが止まらなかった

173:名無しさん@ピンキー
09/01/30 04:31:17 qZ6+ud/i
あやしいバイト読んできた…!
何この名作w川島さん萌えw


174:くろやまねこぞう
09/01/31 18:29:25 HDOfQU8A
はじめまして。

いろいろなスレを見ている間に、自分でも妄想とまらず筆をしたためてみました。
エロがあまりがっつりではないので、このスレ向きかなと思いこちらをお借りします。

175:OK 1/7
09/01/31 18:30:38 HDOfQU8A
「あのさ、最近寺山のヤツ、サークルに来てないじゃん」
 バイトの休憩時間に、先輩から電話が掛かってきた。
 同じサークルであたしと同級生の男の姿を最近見ないから心配してるみたい。でも寺山君とはあんまり仲良くないし……ていうかほとんど話したことない。なんか目つ

き悪くておっかないし無愛想だし、友達の結花ちゃんから変な噂聞いてるしではっきり言って嫌いなタイプ。
 ここんとこサークルに来てなくてホッとしてたぐらいなのに……、それがどうかしたのかな。
「ミュウのバイト先って梅の山の駅の近くだよな。アイツのこと見に行ってくれない?」
 はぁ?なんであたしが!?
 びっくりして声を出さないでいると、先輩が続けた。
「アイツのアパートも梅の山にあるんだよ。電話も繋がんないし死んでるかもしれないじゃん。心配だろ!?」
 だったら自分で行けばいいのに……と思ったけど、あたしが反論するよりも早く、先輩は「じゃ、よろしく」と言って電話を切った。
 ……ほんっとーに嫌で嫌でしょうがないけど、進級できたのも先輩のお陰だし、そんな先輩の頼みをすっぽかせるほどずうずうしくなかった。
 でも、見てすぐ帰ってくればいいんだもんね。うん。
 ……でもやっぱりできるなら行きたくない!

 ***

 寺山君ちに向かう途中、結花ちゃんから言われたことを思い出して、さらに気分が重くなった。
『寺山ってさ、この前飲み会で全然飲めない子に、それ知ってて無理やり焼酎飲ませて、結局その子気分悪くなって倒れたらしいよ』
『アイツ、私が学校の階段から落ちたとき、近くに居たのに助けもしないで友達とケタケタ笑ってたんだよ』
『サークルの買出しに一緒に行こうって約束して、平気で私のこと2時間も待たせたんだよ。そんで、謝りもしないの』
 ……などなど。細かいけどどれも人間性を疑うものばかり。
 あたしにとってもアイツはすっごい印象悪くて、それまで友達と楽しそうに話してたのに、あたしが来たら急に話をやめちゃったりとか、すれ違ったとき挨拶しようと

したら目をそらされたり。……多分嫌われてるんだよね。絶対、そうとしか思えない。
 行ったところで絶対イヤな顔されるんだろうな、と思ったらちょっと意地悪したくなった。

176:OK 2/7
09/01/31 18:31:11 HDOfQU8A
 あたしのバイト先は洋菓子屋なんだけど、見習い君が作った失敗作、売りには出せないから「持って帰っていいよ」っていつも言われてるんだ。
 その中で、きょう寺山君ちに手土産としてもって行くことにしたのはエクレア。見た目はOKなんだけど、中身がすごーくすごーく甘いの。もう砂糖の味しかしないっ

てくらい甘い。お菓子が大好きなあたしでも、一口食べただけで「もういいや」って思っちゃった代物。(どうやって間違えたんだろう?)きっと寺山君なんてもともと

甘いもの好きじゃないだろうし、これは少し食べただけでも拷問に近いぞー、と少しわくわくしながら4つほど箱に詰めた。
 ……まぁ、食べないで捨てられる可能性のほうが高いんだろうけどさ。

『ピンポーン』
 メールで教えられた住所にあった、古びたアパートの一室のチャイムを押す。
 居なけりゃ居ないで会わなくて済むし、居たらあの嫌がらせができるぞーと思うとドキドキする。
 しばらくしても何の反応もないので、もう一回押してみる。これで出なかったら帰ろうっと。
『ピンポーン』
 すると、部屋の奥からゆっくりとした足音があって、それからドアが開いた。

「こ……、こんにちは」
 久々にみた寺山君の顔は、あたしの記憶にあるよりもやつれているようだった。でも相変わらずでかくてガタイがいい。怒鳴られたりしたら絶対怖い。 
 及び腰になって一歩後ずさったあたしを見て、寺山君は宇宙人にでも会ったかのように驚いた表情をした。
「三浦……か?」
「う、うん」
 自然と声が上擦る。あ、あたし相当びびってる。でも負けないんだから!
「あ、あのね、最近サークルこないから、畑山先輩が心配して、様子見て来いって言われて」
「あ、そーか……。すまん、ちょっと実家でゴタゴタしてて……。携帯もつながんないようなとこだからさ。……迷惑かけちまったな」
「そっか。でも元気そうで良かった。早く先輩に連絡してあげてね」
「……わかった。三浦もわざわざ来てもらって悪かったな。本当にごめん」
 素直な言い方になんだか違和感がする。この人、こんな人だったっけ?
「あ、大丈夫、あたしバイト先がこの辺なんだ! ついでだから、つ・い・で!」
 寺山君が俯く。あたしもつられて下を向くと、右手に持ってた紙袋が目に入った。
「あの、これ、お見舞い! バイト先でもらったから、良かったら食べて!」
「え、俺がこれ貰っていいのか?」
「うん、食べてみて! 絶対おいしいから!」
「ありがとう三浦。……嬉しいよ」
 差し出された袋を受け取ると、寺山君がくしゃっと笑った。

(ドキン……)
 あ、あれ、あたしおかしい。なに今の「ドキン」って。違う、絶対そんなはずない!
「三浦、あのさ……」
『送っていくよ』とか言われそうな雰囲気だったので、あたしは大急ぎで大声をだした。ヤバイ、あたしこのままここにいたらきっと変なことになっちゃう。
「あー、もう遅いし帰んないと!それじゃ、また、学校でね!」
 そう言うと振り返らずに駅の方へと早足で歩き出した。

177:OK 3/7
09/01/31 18:31:54 HDOfQU8A
(なんなの、あれ!)
 見たことないような笑顔。「嬉しい」って言われてこっちのほうが嬉しかった。
(でも騙されちゃダメ、アイツは嫌なやつなんだから……)
 そう言い聞かせても寺山君の顔を思い出すだけで心臓が早鐘を打つ。
 ダメだダメだ……と心の中で何回もリピートしながら歩いていると、いつの間にか駅前に着いていた。
 改札をくぐろうとして、ポケットの中に手をいれたとき、気がついた。

「ウソ……」
 財布が、ない。定期もお財布の中に入ってるからこのままじゃ帰れない。
 
 途端に頭の中がパニックになる。慌ててカバンの中も探したけど、やっぱりない。
「どうしよう……」
 最後にお財布に触れたのっていつだっけ、と必死で思い出す。そうこうしてるうちに、最低最悪の可能性に気がついた。

 寺山君にあげた、袋の中だ。


 *** 
 
 ものすごく気まずい思いで、もう一度寺山君の家のチャイムを押す。
 今度は一回で寺山君が出てきた。
「三浦……、またどうしたんだ?」
「あのね、さっき渡したやつの中にお財布入ってなかった?」
 息を切らしてそう伝えると、寺山君は呆れたように言った。
「なんだ、そんなことなら電話してくれれば確かめたのに」
 だって番号知らなかったんだもん。
 ちょっと待っててね、と言い残すと、みしみし音を立てながら部屋の奥の方に消えていった。
 しばらくして帰ってくる。
「ごめん、やっぱ見当たらなかったんだけど……」
「ええっ、ウソ!」
 思わずあたしは叫んだ。
「ちょっと、確かめてもいい?」
「え、確かめるって?」
「袋の中、あたしが直接みるから、ちょっと家に上げてもらってもいい?」
 寺山君は困ったような顔をして考え込んだ。ごめん、疑ってるわけじゃなくって、もしかしたら見落としてるかもしれないでしょ?
 涙目になって頼み込むと、とうとう寺山君も観念したみたい。
「……散らかってるけど、気にしないで」

178:OK 4/7
09/01/31 18:32:28 HDOfQU8A
 大きな背中の後について部屋に上がりこむ。
 簡素な台所を過ぎると、古い感じの和室に通された。
「あっ……!」
 テーブルの横に紙袋が転がってる。
 真っ先に拾い上げて覗き込むけど、あたしの期待はすぐに絶望に変わった。
 紙袋の中身はすっからかん。何もなし。逆さにしたって何も出てこない。
「なんで……?」
 泣きそうになりながらそう言ったあたしの隣に、いつのまにか寺山君が座ってた。
「三浦、落ち着いて。カバンの中もちゃんとよく探したか?」
「うん……」
「もう一度探してみて。それでもなかったらとりあえず警察いこう。帰りの交通費は俺が貸すから」
 低い声でそういわれて、トートバックの中を取り出してテーブルの上に並べていく。
 教科書、ペンケース、ポーチときて、お弁当入れを持ったとき気がついた。
 なんか、いつもより重い。
 もしかして……とおそるおそる中身をのぞきこむと、あったよ、モノグラムの財布!
「あぁ……、よかった!」
 そういえば邪魔になるからって言ってこれの中にいれたんだっけ! もう、昼間のこともすっかり忘れてただなんて、あたし本当にバカだ。
 でもあって本当によかった……けど、あたしはすぐには喜べなかった。
(寺山君怒ってないかなぁ……)
 財布パクッたと疑われた上に、家にどすどす上がりこまれたんじゃ、あんまり……いや、全然いい気分はしないよね……。
 恐る恐る横を伺うと、寺山君はもともとあんまり大きくない目を更に細くした。
「ホントにあってよかったな。俺も安心したよ」


179:OK 5/7
09/01/31 18:33:37 HDOfQU8A
 あ、まただ。また心臓がへんな音した。今日のあたし、絶対へん。警察はいいけど病院いかないと。
 慌てて目を逸らすと、エクレアの入ってた箱がテーブルに置いてあった。
 ちらっと覗き込んで、あたしは「えっ!」とすっとんきょうな声を上げた。
「寺山君、これ、全部食べたの!?」
「ああ、うん。腹へってたし……、ちょうどよかったよ」
 それはよかった……ってよくない!
「すっごい甘くなかった? 大丈夫? 胃とか気持ち悪くない?」
「言われてみれば甘かったかも知れないな。でもうまかった。ホントありがとな」
 そう言って不器用に笑ったから、また胸がちくっとした。
「うまかった」ってそんなはずないのに……。やっぱり気を遣って言ってくれてるのかな。でももしかしたら味覚異常って線も捨て切れないし……。よくわからない。今まで避けて来たのが悔しい。
 財布も見つかったし早く帰った方がいいのに、足が張り付いたみたいに動かない。寺山君のことをもっと知りたい。
 寺山君の目を正面から見つめる。おっかない顔だけど、笑えば優しいんだ。
「どうした、三浦」
 寺山君も帰れって言わない。だから居ていいんだ。もしかして言えないだけかもしれないけど。変なところで大胆なあたしは、そこにつけこむことにした。
「安心したらのど渇いちゃった。お茶一杯、もらっていい?」

 ***

 あつあつの日本茶がテーブルに置かれる。ちびちびとすすりながら、あたしは切り出した。
「あのね、寺山君。聞きたいことがあるんだけど」
 うん、と斜め向かいの寺山君が首を傾げる。
「なんで、学校こなかったの?」 
 そもそも寺山君がちゃんと来てればあたしもここは来なかったわけで……。これぐらい聞いてもいいよね、と思って振ったんだけど、途端に気まずそうに目を逸らされた。
「……言えないんだったら無理には聞かないけど」
 ホントは気になる。でもここは我慢。

180:OK 6/7
09/01/31 18:34:13 HDOfQU8A
 何秒か黙り込んでから、寺山君は口を開いた。
「……ばーちゃんが危篤で」
「えっ……」
 思ってもいなかった打ち明け話に、あたしは言葉を失った。
「家族でかわりばんこで病院に行ったりしたけどやっぱりダメで……、昨日、初七日済ませて、こっちに帰ってきた」
 何も返すことができずに黙り込んだあたしに、寺山君は苦笑いをしながら続けた。
「でもまぁ、もともと弱ってたし、覚悟はしてたからそんなにショックじゃなかったかな」
 


 ダメだ。
 ダメだダメだ。
 もう、胸がつぶれそうに痛いもん。
 この人、絶対にいい人だ。なんであたしあんな意地悪なんかしちゃったんだろう。

 ホントはすごいショックだったはず。だってあたし、見ちゃったんだもん。
 棚の上の写真立て、二つ並べてあるのの片方は去年行ったサークル旅行の写真であたしも写ってるの、もう片方はちょっと幼い感じの寺山君がのどかな風景のなかでおばあちゃんと一緒に仲よさそうに笑いながら佇んでるの。
 そんな大好きだったおばあちゃんが亡くなって、こんながらんとした何もない部屋に帰ってきて、いい加減なあたしでもわかるくらい頬がこけて……
 
「てらやまぁ……」
 気がつくとあたしは、膝立ちになって寺山君の頭を胸にぎゅっと抱きしめていた。

181:OK 7/7
09/01/31 18:35:55 HDOfQU8A


……とすんません、7まで行く予定だったのですが時間切れでした。
スレ汚し申し訳ないです。

182:名無しさん@ピンキー
09/01/31 20:59:25 DjZDtuW0
なんだ続いてくれよ
気になるジャマイカ

183:名無しさん@ピンキー
09/01/31 22:01:16 H1cRpkl+
つ、続きプリーズ><


184:名無しさん@ピンキー
09/02/01 10:23:50 /N1TWgV4
まさかの寸止めw
寺山くん読みたすぎる!wktkしながら続き待っております

185:名無しさん@ピンキー
09/02/01 17:09:07 zL2mZ3/v
まさかのすんどめw
続き待ってるよー

186:くろやまねこぞう
09/02/02 17:25:15 lgjUYWSo
反応いただけて嬉しいです。
それでは寺山くんのお話、続きはじまります。

187:OK-2 (1/4)
09/02/02 17:25:50 lgjUYWSo
「……三浦、あのー……」
 あたしの腕の中で硬直してしまった寺山君が尋ねてきた。普段感情をあまり表に出さない彼が珍しいくらいに動揺してる、そんな声。
「も、もうちょっとだから、じっとしてて」
 言いながら寺山君の短い髪を梳いた。指にあたる硬い感触が、くせになりそうなほど気持ちいい。
「うっ」と返す言葉を詰まらせた寺山君は、素直にあたしの言葉通りおとなしくなった。
 寺山君の肩が呼吸をするたびに上下してる。胸の間に感じる体温が、熱い。
「……でも、一つ質問していいか?」
「なに?」
「一体……、何やってるんだ?」
 あたしは少し体を離して、寺山君の顔をこちらに上げさせた。熊みたいな印象のくせに、近くで見ると意外にいい顔な気がしてドキドキする。 
「寺山君が早く元気になりますようにっておまじない」
 くだらないし本当に効くかもわからない。でも寺山君は絶対バカにしたりしない。あたしにはわかる。
 ちょこっと笑いながらそう言うと、寺山君は短くため息をついてから、またその頭をあたしに預けてきた。今度は腕をあたしの背中に回しながら。
「…ごめん。お前、優しいな」
『優しい』という言葉に胸が痛んだ。それはあたしじゃない、あなたの方だ。
 ヤバい……。あたし、なんだかいろいろこらえきれなくなりそう。たすけて、神様。


188:OK-2 (2/4)
09/02/02 17:26:27 lgjUYWSo


 抱き合う格好をしながら、後ろにあった大きなクッションを引き寄せて、そこに背中から倒れこんだ。
 寺山君の上半身がダイレクトに圧し掛かってくる。さっきよりもお互いがくっついている感じがして、心臓が全力疾走のあとみたいに大きな音を立てはじめた。
 はぁ……はぁ……と細かく息を切らしているあたしに、寺山君も気づいたよう。すこし顔を上げて心配そうな声で聞いてきた。
「どうした? どっか辛い?」
「ううん……。ただちょっとドキドキしてるの」
 ホントはちょっとじゃなくて、すごく。心臓のとこにいる寺山君には聞こえてるんじゃないかな。
 わからない?と聞くと、寺山君は顔を横に傾けて、あたしの左のほうの胸に耳をつけるような素振りをした。
「胸が大きくてわからないよ」
「えっ、そう? 普通じゃないかな?」
 確かに小さい方じゃないけど……、巨乳よばわりされたことは一度もないよ!?
 寺山君はまた胸の間に顔を埋めると、左右にイヤイヤをするように首を振った。
「普通ってよくわからないけど……、俺はこのくらいが好き」
 ……だからヤバいって。なにその「好き」って。しかもさっきの仕草も可愛いすぎだったんですけど。ちくしょう、寺山のくせしてあたしを萌え殺す気か。
 それならこうしてやれ!と寺山君の頭をぎゅーっと胸に押し付けた。
「くるしい……、息できない……!」
 最後の方は結構本気でもがいているようだったので、ぱっと手を離す。
 息をととのえると、寺山君が言った。
「今ちょっとばーちゃんの姿が見えた」
 あはは、天国からのお迎えか。早いぞ、寺山。
 あたしがヘラヘラ笑っていると、それを見て寺山君も笑った。苦笑いでも愛想笑いでもない笑顔に、心臓じゃないもっと下の……おヘソの下らへんがきゅっとなる感じがした。
 それと同時に、あたしのおっぱいが好きなら、顔を埋めてるだけじゃなくてもっと……例えば手で感触を確かめたくなったりしないのかな、と心のどこかで思った。ていうか、実はあたし自身がそれを望んでいるんだってことに気がつくのに0.1秒もかからなかった。
(どうしよう……)
『相手はあの寺山だぞー。気をしっかり持てー』という声と『何て言ったらムニムニしてくれるかなー』という声が頭の中で戦う。今のところ、後者の方が優勢。ああ、あたし、もしかして欲求不満なのかなぁ……。
 そうこうしてるうちに、背中にあった寺山君の手がゆっくり引き抜かれていった。やだ、もう終わりかな。
『帰れ』という言葉を覚悟して息を止めるけど、寺山君の体はいつまでたってもあたしの上からどかない。
 そのかわり、右の肋から脇の下にかけてを左手でゆっくりと撫でられた。まるであたしの反応を伺ってるみたい。
 ……わかる、君が何をしたいのかわかるぞ、あたしには。
 手が脇の下に来たとき、その手を少し中央にずらして、寺山君の手のひら全体があたしの胸の上に乗っかった。別に嫌じゃなかったから何も言わない。あたしは息を潜めて次に起こることを期待した。
 寺山君の大きな手がおずおずと動きはじめる。その手の動きが拙くて、あまりの愛おしさに動くたび全身がビリビリした。なんで? あたし、自分で自分がわからない。


189:OK-2 (3/4)
09/02/02 17:27:08 lgjUYWSo
 最初は胸全体を柔かくほぐすように、次は根元からこねるように揉まれた。やわやわとした優しい刺激に、頭の中がだんだんボーっとなる。
 時々ぎゅっと強い力で握られる。その波がいつくるか読めないから、その度にあたしは体がびくっと反応してしまう。
「ごめん、やっぱ痛い?」
 何回目かに握られたときに聞かれた。体を捩ってるから、嫌がってるように見えたみたい。
「ううん、なんでもない……」
 そう言うと寺山君は体の向きを変えて、今度はあたしの左の胸に右手を乗せた。大きく円を描くように手のひらを動かされると、心の中までぐちゃぐちゃにかき乱されるみたい。体中が一緒に動いてる、そんな感じ。
「んっ……」
 思わず漏れたえっちな声に、自分でもびっくり。まだ服の上から……なのに、こんなことってあるんだね。
 それにこっちの方が利き手だからか、寺山君の動きも細かい気がする。脇の方から細かい振動を加えられたり、下の方から持ち上げられていきなり手を離されたり。さっきの右への攻撃(?)に比べて、なんか動きがいたずらっぽくてくすぐったい。
 しばらくそうやってされるがままになってたけど、あたしは気づいてしまった。
 まだ寺山君が、だいぶ遠慮してることを。


190:OK-2 (4/4)
09/02/02 17:27:35 lgjUYWSo
「あ、そうだ。帰りの時間って……」
 ふと寺山君が呟いた。
 寺山君はきっと次のステップに進もうかどうかで迷ってる。きっとこれにあたしが「もうそろそろ帰ろうかな」って言えばここで終わりなんだ。でも……
「え、今何時だっけ」
 あたしはちらっと腕時計をみるふりをした。フリだけでホントは見てない。
「うん、まだ平気。だから……」
 ごくっと唾を飲む音が聞こえてきた。あたしの左の胸に置きっぱなしだった寺山君の右手が、ふっと離れた。
「もっと……」
 熱にでも浮かされたみたいに声が途切れた。それを聞いた寺山君は、あやまたずに指先であたしの胸の頂上を弾いた。
「あッ!」
 さっきまで寺山君が決して触ってこなかったあたしの敏感なとこ。そこは初めての刺激を受けるずっと前から育ってたみたい。
 カリカリと爪の先で引っかかれた。ブラの内側とそこが擦れて、痛いくらいの快感が走った。
「ああっ……、て、てらやまくん……っ!」
「うん?」
 泣きそうな声でそう言ったから、寺山君は手を止めてしまった。そうじゃなくて……
「あの……、もっと……」
 
 もっと触って、もっと感じさせてほしいの、寺山君に。 


191:くろやまねこぞう
09/02/02 17:28:39 lgjUYWSo
本日の投下分は以上です。
またもや寸止めですみません。

192:名無しさん@ピンキー
09/02/02 22:08:22 uU0H+EYC
GJ!全裸で待ってます

193:名無しさん@ピンキー
09/02/02 22:19:55 U61CmbsA
GJ!!寺山くん萌えるなぁ
三浦の素直な心の内も好きだw
>>192
全裸待機は寒かろう
つ[靴下]

194:名無しさん@ピンキー
09/02/02 23:31:00 d/t07oK+
GJ!

>192
つ「ネクタイ」

195:名無しさん@ピンキー
09/02/03 12:49:19 JfIchJ4Z
GJ!続きが非常に気になる!


>>194
ここはおな感スレだからこっちの方がいい気がする
>>192
つ[リボン]

196:名無しさん@ピンキー
09/02/03 23:39:44 a/zDscEE
GJ!だけど冒頭の結花の話の真相が気になる私

>>195
ではネクタイは手首か足首で。私はこれをプレゼントします
つ[ヒゲメガネ]

197:名無しさん@ピンキー
09/02/04 00:58:30 Ojt4OaZ/
自分的には
つ[靴下][眼鏡]

198:くろやまねこぞう
09/02/05 13:27:26 jysP5OXk
>>192
つ[猫耳カチューシャ]

GJありがとうございます。
それでは続きを投下させていただきます。

199:OK-3 (1/3)
09/02/05 13:28:02 jysP5OXk
 *** 

 チッ…チッ…という時計の針が刻む音以外は、微かな衣擦れの音と、たまにあたしの口から漏れ出るいやらしい吐息しか聞こえない。
 寺山君の体は相変わらずあたしの上にあって、手は心臓の近くの膨らみの柔らかさを確かめ続けてる。ふにふにと弄るように、たまに力を込めて。
 触られるのが気持ちよくてつい抵抗もせずにこんな状況になってしまったけど……、あたしは一体どうしたいんだろう、とふわふわした頼りない頭で考えた。
 寺山君とその、え……っちしたいのかな、とか、それともこのまま服は脱がないで終わりにしたいのかな、とか。でもやっぱりこのまま終わりじゃちょっと物足りないな、と感じてる自分に気づいてそれに少し引いた。
(あたし、こんなにHだったっけ……?)
 今までの彼氏に求められたときは、特にイヤじゃなかったから拒んだりもしなかったけど、でも別に自分の方からすすんでやりたいとか、それっぽいことをしたいとは一度も思わなかった。
 それなのにこんな……彼氏でもない人とどうして……と戸惑っていると鎖骨の下にある頭がゆっくりと動いた。
「みう……、あのさ」
 ぼーっとして返事をしないでいると、胸のてっぺんを押しつぶされるようにつつかれて、あたしは「んっ!」と声を上げた。
「な、なに?」
 慌てて下を向くと、顔を上げていた寺山君と目が合う。
「俺も、他のみんなみたいに『ミュウ』って呼んでいい?」
 あたしの下の名前は「優乃」で「みうら・ゆうの」で略して「ミュウ」。響きがかわいくて自分でもお気に入りのあだ名。でもあだ名なんてみんな勝手に呼んでるし、わざわざそんな風に断んなくてもいいのに……。
「もちろん」と頷くと、寺山君は照笑いをして、あたしの体をぎゅっと抱きしめた。
「ミュウ……、ミュウ」
 寺山君の深く沈みこむような声でそう囁かれると、頭の中が溶けてしまいそう。あたしは残り少ない理性を必死でかき集めた。
 茶化すように笑って「なーに?」なんて頭を撫でながら尋ねると、寺山君はその鼻の先をあたしの胸にこするみたいにして押し付けた。
「ミュウってなんだかいい匂いする」
 なんでもないようでいてドキッとする発言。恥ずかしさもあって、あたしは寺山君の髪をわしわしと逆立てて答えた。
「うーん、ケーキ屋さんでバイトしてるからかな?」
 多分言いたいのはそういうことじゃないんだろうけど……。トンチンカンなことを言ったあたしに、寺山君はフッと優しく笑った。
「なんか、うまそうだな」
 何でもない風にそう言う。朴念仁のくせに意味深なこと言っちゃって……。そう思うとあたしの中でイケナイ気持ちがむくむくと頭をもたげて、口からついこんな言葉を発してしまった。
「……味見してみる?」

200:OK-3 (2/3)
09/02/05 13:28:30 jysP5OXk
 
 とたんに寺山君がオドロキの表情をしてこちらを見上げる。信じられない、ありえないことを聞いた、そんな目つき。
「あ……」
 あ、あたし何変なこと言ってるんだろう!?
「ごめん、なんでもない!」
 慌てて否定するけどもう遅い。顔に全身の血がカーッとあつまるのが分った。
 バカバカバカ!! 寺山君超引いてる!! やっぱりそんなつもりで言ったんじゃなかったんだ!! 一人でその気になって恥ずかしい!!
 もう寺山君の顔見らんないよ……と目の前を手で隠したとき、その手首をそっと握られて、耳元で低く囁かれた。
「うん、する。させて」
「え……」
(なにを……?)
 恐る恐る手を外して声のほうを向くと、あたしと同じくらい真っ赤なんだろうなって顔がそこにあって……
「俺も舐めたい。ミュウの味」
 あたしはさらに、耳まで熱くなるのがわかった。


201:OK-3 (3/3)
09/02/05 13:29:15 jysP5OXk

 すこし居住まいを正して座る。シャツのボタンに手を掛けたら「俺がやる」と寺山君に止められてしまった。
 不器用な手つきで黙々とボタンを外していく。その手がたまに肌に触れるだけでも全身が波立つのに、これからちゃんと触られたりしたらどうなってしまうのか、自分で自分がちょっと怖い。
 下まで外し終わるとシャツを引き抜かれた。すぐにキャミソールの下に手を入れられ、背中にあるブラのホックを外される。
 そのままブラごとキャミをたくし上げられそうになったので、「ちょ、ちょっと待って」と止めた。
「なに?」
 納得できないみたいに寺山君が言った。
「あ、あのね、ちょっとおなかが出てるから、見られるのが恥ずかしいの」
 そう言ってあたしはキャミとブラの肩ひもを右側だけ抜いた。ますます意味が分らない、といった感じで寺山君が顔をしかめる。
 まぁ、そうだよね。だってあたしやせてる方だし。もちろんウソ。
「それならそれでいいよ」
 言いながら抱きすくめられた。そのままゆっくりと、また後ろの方に押し倒される。 
 体をクッションに預けきると、少し体を離して、寺山君が左の肩ひもに手をかけた。
「……いい?」
 うん、と頷く。キャミとブラが少しずつ下げられて、胸の先のぷっくりとした部分が露わになった。
 それに触れようとして伸ばされた手は、なぜか空中でとまった。早く来て、もうそこは君を待っているよ。
 それでもなかなかその手は降りてこない。あたしは不安になって思わず尋ねた。
「がっかりした……?」
 もしかしてもっと大人っぽい胸のほうが好みだったかな……。大きさはまぁまぁでも、なんか乳首とか子供みたいで変だよね……。
 聞かれた寺山君はブンブンと頭を振った。
「想像以上。ただそのあ……味見とどっちが先がいいかなって」
 口ごもりながら否定する。その顔がどんどんゆでダコみたいになっていって、とってもかわいい。

 ほらやっぱりね。こっちのほうが寺山君の顔がよく見える。

「好きにしていいよ……」


202:くろやまねこぞう
09/02/05 13:35:42 jysP5OXk
本日はここまでです。
展開遅くて申し訳ない。

203:名無しさん@ピンキー
09/02/05 16:47:01 ncTxz/g5
GJ!
ミュウたん誘い方エロかわw
女の子が読むのもいいけどむしろ男子が読んだら大変なことになりそうだw


204:名無しさん@ピンキー
09/02/05 21:59:53 HanIO5Ek
GJ!ミュウの誘い受けスキルにとても萌える。

205:A-K ◆pQ0puWyYi.
09/02/06 19:41:53 TH1CqfjI
test

206:A-K ◆pQ0puWyYi.
09/02/06 19:42:49 TH1CqfjI
『仔猫と遊ぶ』

私の彼氏は、一言でいって、子供だ。
年下だからというのもあるのかも知れないが、言動がおよそ受験を控えた高校生のものではない。
「ねーねー、アマネ、次はいつ逢えるの?」
情事の後、彼がいつものようにそう訊いてきた。
「さあ。私に予定を訊かないでって言ってるでしょ、ボウイチ」
「そう? じゃ、また何か逢いたい時にメールしてよ。いつでも来るからさ」
ぱあっと満面の笑みでそんなことを言う。
「いつでもって、受験生なんだから、学校ちゃんと行きなさい。家にも帰りなさい」
「えー? だって、つまんないんだもん」
真顔でそう言い放つ。駄目だこいつ。早く何とかしないと。
「それより何か食べよう。何かある?」
「卵ならあるわよ」
「じゃあ何か作るよ」
「任せたわ」
坊一が学生服を着ると、食器棚と冷蔵庫を漁る。
「あとビール持ってきて」
「うん。僕も飲んでいい?」
「駄目。あんた学生なんだから」
「でも美味しいじゃない」
「美味しいから飲むとか、子供かあんたは?」
「うん」
臆面もない。確かに子供だった。
「だ、か、ら、そういう子供の飲むもんじゃないの、お酒は」
「ええっ? ケチだなあ、雨音は」
「ケチだから言ってるんじゃありません! いいから!」
「はあーい」
坊一は残念そうに呟くと、ビール缶と麦茶の入ったコップを持ってきた。
「はい、ビール」
「ありがと。じゃ、料理お願いね」
「うん」
坊一はビール缶とコップをカチンと合わせると、麦茶を飲みながら向こうに去っていった。
私は散らばった服を拾い集めると、洗濯かごの中に入れ、タンスから着替えを物色した。
しばらくすると、キッチンから何かを炒める音がした。


207:A-K ◆pQ0puWyYi.
09/02/06 19:43:24 TH1CqfjI
今日のご飯は、ケチャップをつけたほかほかのオムレツと、ホウレンソウとシメジとベーコンの炒め物だった。
「うーん、いつもながら雨音のために作るオムレツは美味しいなあ」
坊一はいつものことながら実に嬉しそうに食事を平らげる。
「うん、まあ、いい主夫になれると思うわよ」
「そう? それはよかった。おかわりするね」
坊一はいつもご飯をおかわりする。見ているだけで食欲をそそられるから不思議なものだ。
「最近、学校行ってるの?」
「雨音が行けって言ってるから、ちゃんと行ってるよー」
「そう? またゲーセンで遊んでたりしてない?」
「ゲーセンには帰りに行ってるよー」
「帰りにでも行っちゃ駄目でしょ」
「何で?」
「何でって、あんた受験生でしょ。勉強はどうしてるの」
「してるよー。それでストレス溜まるから抜いてるよ。戦略的にやってるよー」
どうも胡散臭いが、こいつは基本的に嘘をつく能力が壊滅的に欠けている。多分本当に勉強しているのだろう。
「成績は?」
「大学に入るくらいならどうとでもなるよー」
「大学は入るだけじゃ駄目なの。いい大学に入っていい会社に勤めなきゃ駄目よ」
「まあ、僕も食えるだけ稼ぎたいけどさ」
「じゃあ、いい成績目指さなきゃね」
「はあーい」
何か姉が弟に進路の相談に乗ってやっているような気分になってきた。


208:A-K ◆pQ0puWyYi.
09/02/06 19:43:47 TH1CqfjI
「じゃ、帰るよ」
「じゃあね」
坊一が夕暮れの中去っていく。
私は坊一の私生活をあまりよく知らない。親元から離れてアパート住まいなのは知っているが、私といない時は何をしているのか、正直闇の中だ。
携帯電話で呼び出せばいつでも、それこそ授業中の時間帯でもやってくるということは、不良なのだろう。
髪も脱色してシルバーにしているし、肌も焼いているし、ファッションに染まってないギャル男って感じだ。出会ったのもゲーセンだった。
(そもそもあいつ、本当に学校に行ってるのかしら?)
まずそこからが問題だが、考えると怖いのでやめておいた。

怖いと言えば、彼の倫理観が正直一番怖い。
「なぜ学校に行かなければならないのか」「なぜ酒を飲んではならないのか」など、基本的な道徳基準が欠如している。
彼の倫理観は基本的に好きか嫌いか、食えるか食えないか、というコードで設計されているらしく、世間で言うようないい悪いがなかった。
なぜ学校に行かなければならないのか? いい大学、いい会社、いい給料、いい食事。
なぜ酒を飲んではならないのか? 健康な体であれば、いつまで経っても食事がおいしい。
万事この調子で説得しなければ通じない。これで本当に社会人になれるのか、猛烈に不安だった。



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