08/10/30 21:35:15 pwkH0Ky9
……ふ、ふふ、さすが新庄君。難易度はベリーハードの上を行くね!?
体を歓喜にくねらせながら、渡された下着に込められた新庄の真意を推測していく。
そういえば、今日は起きてから何も食べていない。
……もしや、これが今日の朝食か!?
瞬間、これを与えてくださった目の前の尻神様に手を合わせようとし、しかし下着によって手がふさがれているため、その行動は中断される。
食事の前には手を合わせる。基本だ。新庄がそれをおろそかにするとは考えられない。ということは、
……手を合わせられないこの状況において、この下着が朝食であるということはありえない!
完璧なまでの理論展開だ。非を唱えるものなど誰もいないだろう。
と、再び下着に意識を集中させた佐山はあることに気がついた。
……なんだか重いね?
ずっしりと、とまではいかないが、記憶の中にあるものよりも明らかに重量感がある。
はて、と疑問に思いながらよく観察してみると、ほどなくしてその原因が見つかった。
渡されたショーツの内側、白濁色で粘性のある塊がべっとりと付着している。
……なるほど、そういうことか。
積み上げられていた数々の疑問が全て氷解し、張り詰めていた空気が溶けていく。
同時に、先ほどは思いつくことができなかった、今の新庄の表情を表す最適な表現方法に思い至る。
……親に怒られるときの子供の顔、か。
こちらが気づいたことを察したのか、新庄は視線をそらすのを止め、まっすぐに佐山を見上げた。
顔を振り上げたためか、目じりに溜まっていた涙が、頬をつたって流れていく。
佐山は黙って新庄の背中に手を当て、自分の方に抱き寄せた。
「佐山、くん…、ボク、ボク……っ!」
胸に顔を埋め、体を震わせながら嗚咽を漏らす新庄。
佐山は背中に当てた手で、落ち着かせるようにゆっくりさすりながら口を開く。
「大丈夫。大丈夫だとも、新庄君。これは悪いことではないのだよ。
むしろ、切君の体が正常に働いていることの証明でもあるのだから」
だから、
「君が落ち着くまで、ずっと私はこうしていよう。
そして、落ち着いたら全て教えてあげるよ。
君の不安を取り除くためにも、私達の今後のためにも、ね」