08/11/27 21:07:08 iv8a+IUV
はじめまして。初SS書いてみました。
--
「ゲホッ…ガハッ…うえぇ……」
激しくむせながら、タバサは血液まじりの吐瀉物を大量に吐き出す。
彼女の腹部は何本もの氷の矢に貫かれ、鮮血が噴出していた。
目には、うっすらと、涙。
表情には、死への恐怖。
12歳でシュヴァリエに叙せられ、15歳にしてスクウェアクラスのメイジとなった天才少女の面影は、もはや見る影もない。
しかしタバサの右手はまだ杖を掴んで離さない。彼女の矜持がここに表れている。
彼女はまだ戦いを放棄していない。
それが私の癇に障る。
「杖を捨てろ」
短く、私は言い捨てた。