【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合35at EROPARO【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合35 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト500:白い姫とワルツを〈二・激突直前〉 08/11/19 00:29:36 7EHlY/l6 評議会の解散ののち。マザリーニの数歩先をあゆむアンリエッタが、かれに話しかけた。 「財務卿から聞きました。ものの値段が急速に上がって、トリスタニア市民から不満が出てきているとのことですが」 「はい、陛下。 ゲルマニア方面との流通路が断たれ、ガリア方面の経路のみが残った時点でこうなるとはわかっていたのですが、予想をだいぶこえて物価上昇が速いですな。 緊急措置としてガリア方面での関税を大きく引きさげましたが、まだ物価は上がっております。なお、関税引き下げのぶん王政府の収入はさらに減りました」 「しかたがないわ。 どうにかパンの値だけでもおさえなくては……民を飢えさせてはなりません」 「しかり。飢えれば暴動が起こりやすくなります。王都での暴動は起こしてはなりません、まかりまちがえば体制の動揺に直結するものですから。 まあ当然ですが物価が上がったことで、市民の多くは今回の戦に反感をいだいているそうです。 民のあつまるところにひそかに調査員を送りましたが『王家は河川都市と講和して戦をさっさとやめろ』という意見が多いようですな」 王宮の廊下をつかずはなれず歩きながら、女王と宰相は言葉をかわしている。 いちばん重要な論議は、まずふたりきりで行われるのが常だった。 護衛としてつきしたがうアニエスはけっして口をはさまず、聞いているそぶりすら見せない。 アンリエッタの口から憂わしげなぼやきがすべり出た。 「王政府がはじめた戦のように民草は思っているのかしら…… まず武力を使って罪のない人々に被害をふりまいたのは河川都市のほうだわ。講和の道をせばめたのはむしろあちらなのに。痛めつけられた諸侯はいまさら簡単には納得しないでしょう。 貴族ははやく戦って河川都市を罰しろとせまり、平民はいますぐ戦いをやめてほしいと期待している。 分裂した国論がまとまるのは、ぐずぐず軍を編成中の王政府を批判する点においてだけ。こっちはとぼしい予算と相談しながら努力しているのに」 その女王の愚痴をうけて、マザリーニの瞳がふいに冷たい理性の色を宿した。 「陛下、その諸侯のことですが、反乱地域にのこった諸侯からは協力はもう期待できませんな。 決起した貴族が叩かれたあとは、反乱軍に目をつけられることをおそれて兵を出さず館にこもりきりという、利口な領主ばかりになりました」 その話になったとたん、アンリエッタの歩みがいっしゅん止まりかけた。 「……しかたありませんわ。王政府のいまの体たらくでは、諸侯をつなぎとめられませぬ。 こちらの空海軍が勝っていれば、諸侯はよろこんで王政府ばんざいを叫んでくれたでしょう。 わたくしたちが頼りないから、反乱軍の威勢をおそれて声をひそめるしかないんだわ」 なにかが話題にのぼるのを怖れて逃げるかのように、女王はこんどはわずかに歩みを速めた。 その背をじっとみつめて、マザリーニは含みある口調で言った。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch