【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合35at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合35 - 暇つぶし2ch229:4/8
08/10/30 02:12:40 sUTmmiLS

 ―魔法の存在に竦むシエスタの後ろで、静かにドアが開き……
 シエスタが部屋に入ってきた。


(え? え? な、なに?)


 手に抱えた大量の洗濯物は、サイトが毎日訓練に使用していた動きやすい服。
 サイトのために出来ることが有るのが嬉しくて仕方がない、見ているだけでそんな思いが伝わって来るほどに部屋に入ってきたシエスタは上機嫌だった。


(わ、わたし? どうして? 何がおきているの?)


 一つ一つを丁寧にたたみ、サイトとルイズの洗濯物を仕舞ってゆく。
 ルイズの可愛らしい下着や衣装を片付ける時は、自分の服を見て小さく溜息を吐いたりしたけれど、軽く頭を振り妬心を押さえ込むとサイトの服を仕舞う。
 サイトはいつも無造作に一番前から次に着る服を使うため、実際のコーディネイトは実質シエスタ任せだった。

「……これ……と……これ……かしら?」

 その服をサイトが着るところを想像しながら、彼の為に思う存分時間と費やす、彼女の至福の時間。
 貴族としての位を貰ってから、サイトの服は学院のお抱え業者からも購入できるようになっていて、仕立ての良い服を幾らでも仕入れることが出来た。
 ……軍馬に年金をつぎ込んだサイトは、本来新しい服を着ることが出来るのは来年からのはずだったが……

「やっぱり、この間のお洋服……無理してでも買うべきだったかしら?」

 貴族育ちのルイズや、異世界の服の相場の知識がないサイトに黙ったまま、サイトの生活必需品はシエスタの蓄えを切り崩すことで得られていた。

 サイト付きのメイドとして、給金は前より多く貰っているが、支出のほうが遥かに多い。
 それでも、好きな人が自分の選んだ服を着てくれる歓びはお金では代え難かった。

「ん……これでいいかな?」

 あまり似た取り合わせが続かないように注意しながら、全ての服を並べ替える。
 毎日並べ替えても意味はないのだけれど、楽しいのだから仕方なかった。

「……何か言ってくれるかしら……」

 そんな風に思ってしまう自分を、シエスタは慌てて戒めた。

「別に、感謝して欲しくてやってるわけじゃないもの……サイトさんが、綺麗な格好してると、わたしも嬉しいし……」

 少し悔しかった。
 毎日、サイトの為にシエスタは努力している。
 もしサイトがその気になっても良いように、自分の服だって毎日綺麗にしているし、身体だって……

 それでも……サイトが見ているのは、同じ部屋にいる素直に成れない貴族の女の子。

230:5/8
08/10/30 02:13:27 sUTmmiLS
 ―様子を見ることしか出来なくなっているシエスタは、この後に起こることを思い出し、必死に叫んでいた。

(だ、だめっ、だめだからっ……見られてっ、見られてるっ……)

 どれだけ叫んでも、彼女の声は彼女自身に届かない。
 狂乱し自分の姿に掴みかかろうと、過ぎ去った過去に触れることは何者にも出来ない。


 ―サイトの服の中から、シエスタは一着選んで持ち出した。
 それは、彼と始めて会った時の服。

 替えを作ってあげたかったけれど、編み方が解らなくて挫折してしまった不思議な感触の洋服。

 そうっと抱きしめてから、恐る恐ると部屋の入り口を見る。
 この時間に誰も入ってくることはないと分かっていても、今からするコトを考えると緊張が止まらない。

 サイトの服をルイズの使っている鏡台の横につるすと、その胸元にすりすりと頬擦りをする。
 ベットサイドは柔らかかったし、テーブルの縁は丸くて使い難かった。
 サイトの服に密着したまま、シエスタのふとももが鏡台のふちに掛けられて、冷たい木の感触がひざからゆっくりと進む。
 熱い吐息を吐きながら、じわじわと目的の場所にたどり着く。


 この部屋に来る前も、相部屋の友達が居たシエスタは自分を慰めるのに、幾つも問題を抱えていた。
 時間を掛けすぎるわけにもいかなかったし、着衣が乱れるような真似をすれば、戻ってきた友達に言い訳も出来なくなる。

 シエスタの自慰はいつも着衣のまま行われていた。


 片足を鏡台の上に乗せた、はしたない格好のまま床に着けたままの足の力を緩める。
 体重が一箇所に集中する。
 柔らかい肉に、硬く無機質な感触が押し当てられる。

 腰がじりじりと動かされ、馴染んだポイントを探す。
 ドロワーズの分厚い感触をもどかしく思いながら、シエスタはいつもの位置を見つけ出す。

 シエスタは下着一枚挟んで、鏡台の角をぴったりとスリットの上に重ねると、たたまれたままの左足と、伸ばされ床に着けられた右足でバランスを取ると、ゆっくり上体を揺らす。

 体重が集中しているポイントが不規則に乱れ、快感がシエスタの理性を溶かしていく。
 時折腰にひねりが加えられ、蜜を零し始めた入り口を斜めに横切るようにこすり付けていると、時折漏れてしまう声をサイトの服で封じ込める。
 そうして、乱れた呼吸を繰り返すだけで……

(サイトさぁんっ……いっぃよぉ……)

 胸の奥一杯に愛する人の匂いが満ちると、下腹部で燻っていた炎が激しく燃え上がった。

231:6/8
08/10/30 02:13:59 sUTmmiLS
 シエスタの体がゆくっりと傾き、鏡台の上にぺたりと片手が付けられる。
 僅かな前傾だったが、シエスタの目的はそれで遂げられた。

 ドロワーズの中で硬くなり始めた肉芽が強く押し付けられ、しなやかな肉体と硬質な木材の間でくにくにとその形を変える。
 這い上がる快感に流されたシエスタは、そのまま無心に腰を動かし始める。

 ルイズの鏡台が、ぎしぎしとリズミカルに軋み始めても、シエスタの衝動は止まらない。
 胸元にサイトの服を押し付けたまま、熱と柔らかさを増していく秘所が堪えられない位まで快感を高めてゆく。

 サイトの服を見つめながら、薄く目を瞑ればシエスタはサイトの上で人とは思えないほど硬くなった部分に責められていた。

「サイトさ……ん……そんなに……つよくしっ……ちゃ…………だめで……す……」

 妄想のサイトはシエスタの言葉に笑うと、しっかりと肩を掴んでシエスタの動きを止めさせた。
 快感に慣らされたシエスタの身体は、その供給が途絶える事に数秒も耐えることが出来ない。

「ひぁ…………ふ……ぁ……だ、だめ……やめないで……」

 思わず漏れた声の大きさに、シエスタは慌てるが理性の制止を振り切りシエスタの身体は貪欲に快楽を貪った。

 シエスタの頭の中のサイトは腰に手を回すと、そのまま肉棒を押し付ける。
 
 その想像に押されるように、シエスタの腰はぐるりと円を描くように動き始める。
 サイトの肉棒の上で、シエスタのクリトリスが執拗に責められる。
 
 もしサイト本人が見ていたら、その場で襲い掛からずにはいられないほどに淫靡にグラインドを始めた腰はシエスタに痺れる様な快感を送る、シエスタは崩れ落ちるまで快感に浸り、やがてぐったりと力尽きた。。


 ほんの数分、そうやって一息ついたシエスタは上気したままの顔でじっとサイトの洋服の袖を見ていたが、やがてスカートを緩めると震える手でコルセットを外す。

(い、今誰か来たら、言い訳できない……)

 からからに渇いた喉が、自分がどれほど恥ずかしいことをしているのかを教えてくれる。

 メイド服をめくり上げ、お腹の所からサイトの服の袖を差し込むと、そのまま胸に押し付ける。
 火照っていた身体に、新しい刺激が加えられ何もかも忘れて声を上げてしまいそうにある。

(だ、だめっ……みられちゃう、サイトさんに見られちゃうよ……)

 頭の奥が燃えるように熱く、心臓が煩いほどに高鳴る。
 尽きない欲望への予感と、快感への好奇心。
 なにより今だ熱の冷めない肉体が、シエスタの行動を決定した。
 
 サイトに触られている。そう妄想しながら、シエスタの指がふくよかな胸に食い込むと、さっきまでとは比較にならない快感が荒れ狂う。

232:7/8
08/10/30 02:14:31 sUTmmiLS
 ―くすくすという笑い声が聞こえ、シエスタは真っ赤になってヴィットーリオを睨みつける。
 魔法による虚像だと、こんな事は嘘だと、そう叫びたかった。

 しかし、彼女の記憶は言っている。
 これは、真実。
 本当にあった出来事。

 目の前で床の上に転がり、持ち上げるように胸をこねているのは間違いなく過去の自分。
 捲れ上がったスカートも、いつもはその影で日焼けから逃れている素肌も、淫らな痴態はすべて自分の記憶の通り。

「まるで犬ですね」

 優しげな声が、容赦ない裁断を下す。

 サイトの服の上を這わせていた指先を、シエスタは水音を立てながら唇の中に吸い込んだ。
 唾液を塗した指先が、真っ直ぐにドロワーズの中を目指す。
 湿らせた指先が熱い感触に飲み込まれていき、シエスタの背筋を何かが這い上がる。
 潤み始めた瞳がサイトの姿を求めて彷徨い、幻と共にサイトの服を抱きしめる。

 服と共に圧迫された胸も、浅く出入りを繰り返す秘所も、何時まで経ってもシエスタの渇きを癒すことが出来ない。

 それが出来るのは一人だけで…………そんな望みはずっと叶わなくて。

「切な……い……よぅ……サイトさぁ……ん……」

 媚と色を含んだ自分の声に、黙ってシエスタは俯く。
 サイト以外に見られたくないのに、ヴィットーリオは目を逸らそうともしていない。


「っく……サイトさん……ね……」

 噛んだ唇に血の味が滲んだ。
 ずっとサイトの側に居て、ミス・ヴァリエールと親しくなって、そうして忘れてしまっていた事実。

 メイジは―貴族は、平民の事なんてモノ程度にしか考えていない。
 優しいライバルにそんな素振りは無いけれど、きっと殆どの貴族はこの男の様に……

「ガンダールヴが……」

 ヴィットーリオの囁きに、シエスタの身が竦む。
 背後の自分は、甘やかな声でサイトの名前を呼び続けている。

「コレを知っても、彼はまだ貴女を側に置くでしょうか?」

 溢れたの恐怖。
 零れたのは悲鳴。

「コレは何度でも繰り返し見れるのですよ……ガンダールヴの帰還が楽しみです」

 一瞬だけ途切れる魔法。
 次に目に映った光景は、それから三日後の『ひとりあそび』繰り返される自分の痴態。 その次は一月前の、その次はその一週間前の、幾らでも用意されている光景。

 そしてその度に嘲られ、馬鹿にされ、サイトに焦がれる透明な想いを土足で踏み荒らされていく。

233:8/8
08/10/30 02:15:03 sUTmmiLS
「も、もう……許して……許してください……」

 自慰行為を覗かれるだけでも恥ずかしいと言うのに、ヴィーットリオはシエスタが泣き出すまでその手を緩めなかった。


「貴族は……始祖の信徒はこのような真似いたしませんよ」
「ガンダールヴも今は貴族でしたよね?」

 些細な棘が、胸の奥にずっと残る。

「この様な行為に耽る貴女は、彼に相応しいのですか?」
「聖女のこの様な様を見たことは有りますか?
 平民というのはこれだから度し難いですね」

 サイトに相応しくないといわれるのが、彼女には何より辛かった。
 実際は頻繁に行っているわけでなくとも、魔法の力で立て続けに見せられると自分がずっとこんな行為のためにこの部屋に居るのだと、
 サイトの為などという言葉は、気持ちよくなるための言い訳に過ぎないと、

 繰り返し語られるヴィットーリオの言葉で誘導されていく。


 そして……ソレが、どんなに罪深く、そんな自分がサイトの側に釣り合わないのか講釈を受けた後でヴィーットリオは尋ねた。


『ガンダールヴに見せて差し上げてかまいませんか?』

 と


 ―何でもするから、それだけは許してください。

 
 
 その言葉が、彼女の地獄の始まりだった。

234:名無しさん@ピンキー
08/10/30 02:17:10 sUTmmiLS
教皇様凄いです、盗聴盗撮し放題です。

……恐喝で陵辱書いてたけど、ゼロの使い魔使ってる意味が無くなって全文書き直したり……
無理矢理って、キャラに寄らないから難しいんですね……


つづきは連休中か、連休明けにでも投下予定です。

235:名無しさん@ピンキー
08/10/30 09:40:25 +wUlBR5g
>>234
結構です

236:名無しさん@ピンキー
08/10/30 11:11:32 Uf16+Cyu
>「貴族は……始祖の信徒はこのような真似いたしませんよ」
>「ガンダールヴも今は貴族でしたよね?」
>「この様な行為に耽る貴女は、彼に相応しいのですか?」

始祖の信徒の長が盗聴盗撮脅迫やってるのはふさわしい行為なんですかwww
GJ! 陵辱スキーなので期待

237:softbank218140014038.bbtec.net
08/10/30 11:37:48 Dl0Fxbll
>>234
怖い!!怖すぎる!!
俺の家に来られたら死んじまうwww
今までの虚無の呪文に比べると微妙な気がしたけど、こりゃきついなww
虚無はちょっとえげつない呪文が多いなw
まぁ、それはそうとGJ!!

238:名無しさん@ピンキー
08/10/30 14:45:52 jPxeRV5m
>>234
お断りしまーす

239:名無しさん@ピンキー
08/10/30 19:46:07 0hmC/KzS
>>234
今後の展開を予測してみた
サイト シエスタの痴態を見て大興奮
シエスタの恥ずかしい行為をサイト本人が目の前でやってみせるよう
頼み込む シエスタサイトに見られて大興奮 
これ以降ひとりあそびをサイトにみてもらうのが定番になる 
という頭の悪い展開にはなるわけないな
なにわともあれGJ!です

240:名無しさん@ピンキー
08/10/30 20:00:12 GHq4aZle
ウンコ書こうが大絶賛するのに、鬱、陵辱で(ry

まあきっとPSPなんだろうな

241:名無しさん@ピンキー
08/10/30 20:14:18 JMm8G+4t
スカとかは頭にそういう注意書きある場合が多いしなー。
陵辱でも鬱じゃない場合(救いがある場合)はあるけどそうじゃないし
まぁそっち系は受け入れられない事をある程度念頭に置く必要があると思う。

242:名無しさん@ピンキー
08/10/30 20:52:35 JIDAoEZb
まだそんなにひでー事されてねーじゃんって思ったのはエロゲ脳のたまものなのか・・・・
続きに期待しとく

243:名無しさん@ピンキー
08/10/30 22:06:29 pEcyFx6L
>>234
なんと言うか微妙すぎる・・・

244:名無しさん@ピンキー
08/10/30 22:29:27 VQtE/LmB
>>234
ギーシュ物を書いた人かな
面白く読んだけれども注意書きはあった方がいいかもしれない。GJ!

245:バレット
08/10/31 00:34:05 3XXrX61s
ハロウィンネタ書き上げたから投下いっきまーす。もう30日じゃないけどな!
・・・・・・大丈夫、まだ本場の方は日付変わってない筈!

246:12:とりっくおあとりーと?
08/10/31 00:34:48 3XXrX61s
とんとん、と少女は扉を軽く叩いてから、その音が誰かに聞かれてやしないかと柄に無くこそこそと見回す。
すぐに扉は開けられた。顔を覗かせたのは小柄なメガネの少女。
導かれるまま中に入る。背後で扉がすぐさま閉じられる。
部屋の中には他にも金髪の少女と妙齢の緑色の髪の女性が2人。


部屋に最後にやってきた少女は我が子の様に抱き締めていた小包を3人が囲んでいたテーブルにそっと置くと、厳かに口を開いた。


「・・・実家に頼んどいた物がやっと届いたよ」

その瞬間、少女達の間に何とも言えない空気が流れる。恥ずかしさと期待と興奮、といった所か。

そんな気配を敏感に感じ取ったのか、青い長髪の少女の頭に乗っていた『何か』が蠢いた。
無色透明、水そっくりな液体だがしかしその密度と濃さは段違いだ。大体、単なる水が染み込んだり零れたりしないままふよふよSD人形形態のまま形状を保ったりしない。

この液体生物の名前はその名もポヨ。ポ○ョでは無い。ポヨである。
魚の子でもないし赤くないし、それに性別だって分からない。

水の秘薬その他諸々の魔法的効能を持った薬品が多数混ざり合った結果、偶然生まれたこのスライムとでも言うべき疑似生命体は今ではイザベラの使い魔という扱いだ。
少々フライング気味だが、彼女の地位を考慮して特例で許可された結果である。
だって一応生きてるし、人畜無害だし―誕生時のイヤンでウフンな出来事はともかくとして―何よりイザベラに懐いている。
定位置は彼女の頭の上で、ポヨを乗せてると髪がぱさつく事無く油でも塗ったような美しい光沢が保たれるというお年頃の女生徒達からは人気が出そうな効能も持っているとか。
しかしサイトが傍にやってくるとすぐに隠れてしまう。最初の遭遇がトラウマになっているようだ。結構知性は高いのかもしれない。


それはともかく。


ガサガサと彼女達は袋の中身を取り出す。
そして数秒後


「「「「う、うわぁ・・・・・・//////」」」」


揃って赤面。


247:12:とりっくおあとりーと?
08/10/31 00:35:44 3XXrX61s
「ほ、本当にやるんだね?これ着て」

出てきたそれの1つを広げながらマチルダが少し躊躇いがちに聞いた。
1番年食って『ドゴンッ!』ウボァー!!
・・・・・・年長の彼女だがしかし、男性経験が最も浅いのも彼女である。
ここに居る彼女達全員、1人の男しか知らないのだが。

「当たり前じゃないか。せっかくわざわざ実家の方にまで頼んで仕立てて貰ったんだよ」
「それにこの衣装を使うのに最も最適なのは明日だけ。それを過ぎれば次は1年後になる」
「う、ううう、で、でもねぇ」

何というか、これを着てしまったら最後女として色々終わってしまいそうというか。

「きっと大丈夫よマチルダ姉さん、お兄様だって姉さんに着て貰えればきっと喜ぶから!」

妹分の言葉には弱いお姉ちゃんであるマチルダはその一言で腹を括った。

――あーもう、どっちにしたってアイツにはもう色々と恥ずかしいとこ見られたり見せちゃったりしてるんだからこれぐらい!!

「分かった、分かったよ!私も着るよ!着てやろうじゃないか!」


額を突き合わせてヒソヒソと密談を交わす少女達以外に明日起こる事を知る者は・・・・・・口を持たないポヨだけである。





「もう秋も終わりかぁ」

草原の遥か彼方の地平線に沈みゆく紅の夕日を眺めながら、サイトは感慨深く呟いた。
ただ今学院中の廊下や食堂の灯り用の燭台は、お化け風に中身と皮の一部をくり抜かれたカボチャのランタンにとって代わっている。

今日はパンプキン・デイ。
かつて始祖ブリミルと4人の使い魔がカボチャを使ってお化けと魔物のフリをして人々を助けた、なんて言い伝えから生まれた記念日だ。
まあ数千年経った今となっては伝わってるのはそんな概要ぐらいで、実際にはあちこちで化け物の仮装をしてカボチャ料理を食べてお祝いする日みたいな感じで定着している。
魔法使いの原点で信奉の対象でもあるブリミル由縁と言う事で、平民以外にも貴族達の間でもそういった催しをやるのが定例だ。
他に特筆すべき事があるとしたら、パンプキン・デイは秋と冬の境目にあるので、その日以降ハルケギニアの暦上では冬の季節に入るといった辺りか。

あ、あともう1つ。
子供達はカボチャのお化けや怪物に仮装してお菓子を貰って回るのが微笑ましくもその日の定番な光景である。
だが吸血鬼など一部の怪物の場合、ハルケギニアでは実在してる上にとんでもなく恐れられてるので、代わりに動物の仮装などもする人間は多い。
でも『お菓子くれなきゃ悪戯するぞー』なんてフレーズ、ハルケギニアでも定番だとは知らなかった。

「そーれなんてハロウィン、てなもんだよなあ。まー楽しいんだからいいんだけど」

まあ向こうじゃ名前と概要ぐらいしか知らなかったけど。
そういやジョゼフが調子に乗って『イリュージョン』まで使ってすっげーリアルなお化けとか作ったら、シャルロットが怯え過ぎてお漏らししちゃったんだよなぁ。
でもってシャルロットのお母さんに笑顔でフルボッコにされて余計シャルロットが怖がって――

いい歳した大人がバカやってたなぁ、とちょっと遠い目。
今でも目に浮かぶ。あの『無駄無駄無駄無駄!!』との叫びと共に放たれたラッシュで地面に足が触れる事無く強制滞空させられて紅く染まるあの髭を。
シャルロットのお母さん、実は石仮面被った事でもあるんデスカー?なんて思わず口走ったのは良い思い出だ。
・・・・・・そういえばあの人、にっこり微笑んだだけで答えてくれなかった気が――



248:12:とりっくおあとりーと?
08/10/31 00:36:18 3XXrX61s
「いやうん、これ以上触れちゃいけない事もあるよなうん!」

賢明である。


夕食を取りに食堂へ向かうと、壁際には大量の、そして中央部には直径10メイルはありそうな超特大カボチャのランタンがセッティングされていた。
魔法薬でも使って特別栽培された品種だろうか?

「うわぁ・・・」

ガリアに居た時も似たようなのは見た事あるけどやっぱり感嘆の息が漏れる。
でも落ちてきたらヤダなあと思いつつ指定席に向かった。
ちなみにこのカボチャの装飾、明日になれば全て撤去されてる筈だ。片付ける人達は一苦労程度で済むかどうか、甚だ疑問に思う。

今日ばかりは何人もの生徒が制服では無く、思い思いの仮装服姿に変身している。
しかし実際に魔物の類が実在しているハルケギニアだけに普通とは一味違う。ユニコーンの鬣とかドラゴンの鱗とか、実際のそういった生物のを使った衣装ばかりだ。
そういう訳で仮装を楽しむというより、仮想に使う衣装の質や装飾の豪華さを張り合う為に仮装してるような輩がちらほらと――

でも似合ってるかどうかはまた別問題だ。
特にマリコルヌ。そりゃアレか。オークのコスプレのつもりか。

そんな中、サイトはお目当ての蒼い頭2つに金髪を見つけて声をかけようとしたが、

「あれ?」
「何だい、微妙に期待外れだったみたいな声出して」

まさしくその通りです。
イザベラ、シャルロット、そしてティファニアはいつも通りの制服姿だった。
いやま、3人共いつもの制服姿でも十分眼福なんだけどね?

「いやさ、イザベラもシャルロットもガリアに居た時は楽しそうに毎年仮装とかしてたから今年もそうかな~って思ってたんだけど」
「たまにはこんな時もあるさ・・・・・・あんなの、アンタ以外に見せる訳にいかないよ(ボソリ)」
「な?何か言ったか?」
「い、いーや別に!」
「お兄ちゃん、これ食べて」

右隣のイザベラが何故か顔をほんのり染めてそっぽを向くと、左隣のシャルロットが皿を突き出した。
乗っかっているのは今日のメインのパンプキンパイ。うまそうだ。

「おう、サンキュ」

躊躇い無く受け取ってぱくつ――
こうとしたのだが・・・・・・何故か3方向から注目浴びてるのに気付いて手を止めた。

「え、えーっと、どうかしたのか?そんな見つめられると食い辛いんだけど」
「う、ううん何でもないのお兄様!」

あわあわだった。あからさまに怪しかった。でも可愛かった。萌ゑ。
あーもう、顔と一緒に先っぽまで真っ赤になってぴょこぴょこしてる耳をはみはみしてやりてー!

そんな益体も無い事考えてる間にさっきの視線の意味も忘れて、自然とフォークに突き刺したパイを口一杯に頬張っていた。

「(ちゃんと仕込んであるね?)」
「(ばっちり。無味無臭でほんの1滴だけで効果がある)」

――その時、両隣の席で小さく口の端が釣り上がった事に、サイトは気付かなかった・・・・・・・・



249:12:とりっくおあとりーと?
08/10/31 00:37:06 3XXrX61s
目が覚めるとベッドの上で拘束されていた。

「これ、なんてデジャヴ!?」

3回目だよこのネタ。いい加減使い回し止めようぜ。
いやいや今考えるべきは作者への文句じゃなくて。

「ここ、俺の部屋、だよなぁ・・・・・・?」

見覚えのあり過ぎる室内。というか意識を失う最後の瞬間に見た風景とそっくりだし。

えーっと、飯食い終わった後部屋に戻る途中いきなりすっげー眠くなってきて、何とか自分の部屋に辿り着いたんだけどもう我慢できずにぶっ倒れて・・・

騎士団相手に丸3日間山岳演習したんでもあるまいし、そこまで疲れてた覚えは全く無い。眠気に襲われた時周りに人は居なかったのも確かだ。
なら可能性としては睡眠薬でも飲まされたのか。でもそれは何時だ?
――――まさか。

「あの食事ん時か?」

思い出すのは3人が注目していたパンプキンパイ。アレにでも仕込まれてたのだろうか?
でも何でそんな事?と悩んでいると、くぐもった声が聞こえてきたから首を無理矢理捻ってそっちの方を向く。
扉の向こうで、えらく聞き慣れた声が4つ。

『目ぇ覚ましたみたいだよ。ほら、早く入りなよ。誰かに見られたらどうすんだい?』
『う、うるさいねぇ!やっぱり恥ずかしいじゃないのさ!』
『彼以外に見られる方がよほど恥ずかしい。早く』
『マチルダ姉さん、私も一緒だから、勇気出して、ね?』
『うううううあーもう、行くよ!』

扉が開いた。

「ぶはっ!!!!!?」

そして噴いた。

勢い良く部屋に飛び込んできたのはいつもの恋人達、でもその恰好はいつもの恰好と違っていて。

パタン

「な、なんじゃそりゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!?!?!?!」

さり気なく律儀に最後に床を滑る様に入ってきたポヨが扉を閉めていなければ、サイトの絶叫は寮中に轟いていただろう。



250:12:とりっくおあとりーと?
08/10/31 00:38:09 3XXrX61s
まずイザベラ。
頭には何故か髪と同じ色の蒼色の三角の獣耳。
身に纏っているのはビキニっぽい下着だけだが上も下ふさふさした蒼い毛に覆われていて、何故か後ろのお尻の辺りでは艶めかしい光沢のサラサラフンワリとした尻尾がどういう原理か揺れている。

次にシャルロット。
真っ白な細長い耳をぴょっこり生やし、お尻の所にはもこもこした小さな尻尾。
着てるのはレオタードかと思ったらよくよく見てみると水着だった。スク水だった。しかもなぜか白だった。胸元にはひらがなで『しゃるろっと』。誰が書いた一体。似合ってるけど。

そしてティファニア。
金色の獣耳がこれまたパタパタ、お尻の所にも同じ色の、でもイザベラのよりスラッと細身の尻尾がフリフリ。
下の方は色以外イザベラと変わりないが、上の方は胸を下から持ち上げて支えるタイプだが余りの質量に圧倒されて完全に支え切れていない。先端のぽっちが毛皮の間でチラチラ見え隠れするのがベリーグッド。

最後にマチルダ。
丸っこい茶色の獣耳に、尻尾は短く太くもふもふもふとした感じ。
イザベラ同様彼女も着痩せする性質で、深い谷間を形成してる2つの膨らみを恥ずかしげに押さえるその手は何故か毛皮の手袋。

イザベラが狐でシャルロットが兎、ティファニアが犬でマチルダが・・・・・・熊?

彼女達はせーのと息を吸い込んでから、少なからず朱色に染め上げた顔で、


『お菓子くれなきゃ悪戯するよ(する・します)!』


もちろん両手を縛られてるサイトがお菓子をあげれる筈も無く。
へ?へ?とサイトは暫くの間呆気に取られてはいたが、一度状況を理解すると即座に悟った。

は、嵌められた!というか、ハメられちゃう俺!?

その通り。
という訳で、お菓子を貰えなかった彼女達は顔が赤いままニヤリと―ティファニアは性格故ごめんなさいお兄様と漏らしていたものの―

悪戯決行。

「こーん♪」
「きゅーん♪」
「わんわん♪」
「く・・・くまー///」
「いや、最後の違(ry」



251:12:とりっくおあとりーと?
08/10/31 00:38:38 3XXrX61s
「わ、ちょ、お前ら、ちょい、そきょはー!!」

ぺろぺろ

ぺろぺろ

あっという間にすっぽんぽんにされたサイトの身体に動物の仮装をした恋人達に群がられて、裏返った嬌声を上げた。
動物なだけにそれっぽく振る舞ってるのか、イザベラは顔や首元、シャルロットは脇や胸、ティファニアは脇腹や股間、マチルダに至っては足の裏や指を舐め立ててきているのだ。
全身を同時に這いまわる生暖かい体温にぬるりとそして僅かにザラリとした舌の感触がくすぐったくも気持ちいい。

「うわ、うわわ、マチルダ、そんな所まで」
「はむっぅ・・・ちょっと、しょっぱいねぇ・・・」

丁寧に丹念に足の指の1本1本をしゃぶる感触に腰が浮く。
そしたら今やサイトの愚息を銜えこんでいたティファニアの喉の奥にこつんと当たる感触。

「わふ、わふぅん」

ティファニアの肢体がサイトの身体に乗る。69な態勢でサイトの方に向けられたティファニアの下は既にじっとり濡れて太股もテラテラ煌めくほど滴っている。
フンワリプンニャリした感触に包まれた気配に、ああ今胸に挟まれてんなと悟って、すぐに限界に襲われた。

びゅくっ びゅびゅっ!

「はっふあぁ・・・」
「ずるい――私も」

噴火した白い溶岩の大半はティファニアとシャルロットに舐め取られた。
目の前でフリフリ揺れる金色の毛皮に白い水着。そしてお尻から生えた尻尾。

・・・・・あれ?

よくよく見てみたら、尻尾は文字通りお尻から生えていた。
毛皮と水着のお尻の部分の布地が三角にくり抜かれていて、そこから覗く尻の谷間から尻尾が覗いているのだ。
更によくよく見てみると、尻尾の根元は丸い真珠の玉らしきものが繋がっていて―――

ああ、なるほど。魔法で生やしてるんじゃなくてお尻に埋め込んでる訳か。

・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・



252:12:とりっくおあとりーと?
08/10/31 00:39:11 3XXrX61s
ぐいっ

ずるるるるるっ!

「ひっ――きああぁぁぁぁんっ!?」

ティファニアの尻尾を銜えて(シャルロットの尻尾は短いので首を伸ばしても届かなかった)思いっきり頭と首全体を使って引っ張ってやると、
谷底の窄まりから次々連結した真珠が出てきた。
玉が1つ抜ける度に腸内と入口を擦り立てられる感触を瞬間的に連続で味わったティファニアは大きく震えてから、へなへなと倒れこむ。

「あー、テファだけずるいよ?ほら私にもして頂戴よ」
「ふむっ!?」

いきなり視界が塞がると同時に口と鼻も塞がれた。
文字通り目前に青い尻尾。イザベラにお尻を乗せられてるらしい。口に当たる布地も毛皮も十分以上に湿っている。
いや、というか息が!息が!

―――身動き取れない時に濡れてる布を顔に被せてはいけない。これ常識。

「~~~!?~~~~!!!!」
「んきゅぅ、こすっちゃらめぇ!」

そっちは顔乗っちゃらめぇぇぇぇぇぇ!!

堪らずご丁寧に『錬金』で鋼鉄化されてるロープで固定された腕以外の全身全てを使ってもがく。もがく。
腹上死ならぬ股下死。そんなの勘弁死ぬのも勘弁。

「ってチョイ待ち、もしかして息出来てないんじゃないのかい!?」
「え?」
「~~~~~・・・・・・!!?・・・・・・・!・・・・・・」
「うわ、うわわわわわっ!?ご、ゴメンよサイト!」
「ぷはっ!!あー死ぬかと思った」

慌ててイザベラがどいて開放する。
冗談抜きで本気で咳き込むサイト。その様子にすぐさまマチルダはサイトの両手も自由にすると、ようやく身動きが取れる様になったサイトは4人から背を向けてゼイゼイ喘いだ。
視界がチカチカする。死ぬ時は絶対窒息死だけはゴメンだとサイトは固く誓った。

「ご、ゴメンよ!本当にゴメンよサイト!」

イザベラ、涙目。
・・・・・・・・うん、やっぱり可愛い。

「もちろん、許すに決まってるだろ」
「サイトぉ・・・・・・」
「でも――今度はこっちが悪戯する番だーっ!!」
「きゃーっ♪」
「・・・私も。ウサギは寂しいと死んじゃう」
「わ、私も忘れないでおくれよ?」
「おにいさまぁ・・・私も、もっとおねがいしますぅ・・・・・・」
「どんとこいやー!!」




そんな訳で結局、お菓子の代わりに別の物をたっぷりもらいましたとさ。



253:バレット
08/10/31 00:41:23 3XXrX61s
投下終了。

・・・・・・ゴメン。最近スランプでこんな中途半端なのしか書けましぇんですはい。
やる気の無い作者でホントごめんなさい。



・・・続きかけるのならどなたでもどうぞ(コラ)

254:名無しさん@ピンキー
08/10/31 00:48:58 iUHRGB6T
>>234
GJ!!
あとは投下前に一言注意書きが欲しかった

255:名無しさん@ピンキー
08/10/31 00:56:01 aQr8Tbqa
GJ
可愛い女の子のいたずらなら、ばっちこーい
ポヨって聞くと黄色い丸猫思い出すんだ

256:名無しさん@ピンキー
08/10/31 03:42:11 sORQz7lL
>>233
> ―何でもするから、それだけは許してください。
「サイトさんなら大興奮ですから、是非見せてあげて下さい」だろシエスタ的に考えて

257:名無しさん@ピンキー
08/10/31 07:20:21 GEgythLD
>>253
ハロウィンは10/31なんだぜ!と誕生日の俺が言ってみるテスト

258:名無しさん@ピンキー
08/10/31 07:29:37 GEgythLD
書き忘れた!バレットさんGJ!

259:名無しさん@ピンキー
08/10/31 09:43:01 xUtWiQwE
マチルダはどうみてもタヌキですw

260:名無しさん@ピンキー
08/10/31 17:13:39 GvnXUNyt
バレット氏 投下乙!

261:名無しさん@ピンキー
08/10/31 19:40:52 aQBRWwc7
>>253
GJ!!

262:名無しさん@ピンキー
08/11/01 00:12:49 VkOwBcMJ
> 3 :wiki”管理”人:2008/10/16(木) 03:50:21 ID:C6G/7M99
> くっ、見守ってたのに
> 前スレラストでお知らせしそびれた……。
>
> 1乙!超乙!……しつつ業務連絡です。
>
> まとめwikiのアドレスが11月1日から
> URLリンク(zerokan.xxxwwwxxx.com)に変更されます。
>
> 以降は現在のドメイン名ではアクセス出来なくなるそうです。

管理人様乙です!

263:名無しさん@ピンキー
08/11/01 00:54:59 UIIbpvGe
まとめwiki繋がらね~.


264:名無しさん@ピンキー
08/11/01 01:11:07 x1XJVRYF
>>263
繋がるじゃん

265:名無しさん@ピンキー
08/11/01 09:32:01 RZZ/k+fT
>>262-264
周知プレイ乙

266:名無しさん@ピンキー
08/11/02 07:24:02 OsrEY2Li
あらら

267:名無しさん@ピンキー
08/11/03 18:21:56 zGa79DMJ
レモンちゃん

268:名無しさん@ピンキー
08/11/03 19:40:51 RbD/Czuj
連休というのにすっかりさびれてるね

269:名無しさん@ピンキー
08/11/03 19:48:11 6ewB3bxO
連休という事を今日知った

270:名無しさん@ピンキー
08/11/03 19:50:06 6NCTwuFg
連休だからこそ過疎ってるんだろ
みんな旅行や外出とかでいそがしんいだよw

271:名無しさん@ピンキー
08/11/03 20:47:54 2fDbDIeS
三連終わったら出張だ…ああ嫌だ嫌だ(>'A`)>
いつもここのSSですっきりさせてもらってる。職人さんありがとう

272:名無しさん@ピンキー
08/11/03 21:05:22 TNLmeTRi
連休最後の奇跡とかおきないかな~

273:名無しさん@ピンキー
08/11/03 21:07:42 mjt1quZq
>>272
奇跡は起きるものじゃない起こすものだ

274:名無しさん@ピンキー
08/11/03 21:14:32 TNLmeTRi
なるほど。
よし、がんばって小ネタぐらいは・・・

275:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
08/11/05 01:06:28 4wDs6N+L
さてと、遅くなったけど「ぼくらの七日間戦争~二日目」いきます

276:ぼくらの七日間戦争~二日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/05 01:08:08 4wDs6N+L
王宮に来て三日目の朝。
才人は先日教わったとおりに、早朝から起き出して謁見の間の見回りをする。
本日も異常はなし。

「…はぁ」

しかし漏れる溜息。
仕事が辛いのではない。
欲求不満なのである。
昨夜、アンリエッタに奉仕したあと、出せずに終わってしまったからだ。
もちろんその後軽く自家発電したのだが…正直物足りない。
そんなわけで才人は朝っぱらから性欲を持て余していた。
具体的には、目の前のホットパンツのおねえさんの太股に欲情してしまうくらい。

「早いなサイト」

朝の仕事を終えた才人の前に、アニエスがいた。

「…ええまあ。ちょっと早く目が覚めちゃって」

謁見の間には、まだ小間使いたちは来ていない。
朝の掃除の前に、才人は謁見の間のチェックをしていたのだ。
もちろん悶々としていたせいで眠りが浅かったせいなのだが。
そして、アニエスは自分の太股に注がれる才人の熱い視線に気付いていた。
いつもなら、その辺の物陰で『お姉さんにまかせとけ』とばかりに才人の性欲処理をするところなのだが。
アニエスは、女王から言い含められていた。

『この一週間、サイト様に手を出してはいけません。もし手出ししたら…分かっていますね?』

…まあ、弟を虐められないぶんはどこぞのハゲ頭を虐げて晴らすとするか…。

アニエスは才人の視線に気付かない振りをして、彼に告げた。

「だが今日は謁見の間は使わないんだぞ?忘れたのか?」
「い」

なんだ見回り無駄なのかよ、とがっくりうなだれる才人。
アニエスは、当然の疑問を口にした。

「お前、陛下から今日の予定は聞いてないのか?」
「え?今日の朝教えてくれるんじゃ」

昨日はあのあと、自家発電してさっさと寝てしまった才人である。もちろんそんなことは知らない。
アニエスもマザリーニも、女王の部屋で才人が今日の予定を聞いているものだと思っていたのだが。
アニエスはあの女王、また何か企んでるな、と思ったが。
目の前で困っている才人を放っては置けず、今日の女王の予定を教える。

「今日は陛下はガンディーニ子爵の建てた時計塔の落成式に賓客として呼ばれている。
 お前の今日の任務はその護衛だよ」
「え?そんな塔王都にあったっけ?」

才人の疑問の通り、そんな時計塔など、トリスタニアのどこにもない。
つまりは。

「ガンディーニ子爵の領地はトリスタニアから馬車で三時間の場所にある。
 そこの、ブリュッセンという街に建てられたんだ。
 もちろん、陛下の馬車でそこまで行く。
 式典は昼から、終わり次第王都に引き返す。明日も陛下には公務があるからな」

277:ぼくらの七日間戦争~二日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/05 01:08:54 4wDs6N+L
その子爵領まで行き、式典に参加してくるのだ。

「はあ…でも俺準備とかしてないっすよ」
「その服と鎧があれば十分だろう。だがもうすぐ出発の時間じゃないのか?」

日はすでに昇りきっている。昼前までにその子爵領に着こうと思うのなら、そろそろ出発しなくてはならないだろう。
才人が慌てて駆け出そうとすると、謁見の間の入り口に、見慣れた女性が現れた。

「あら。こんな所にいらしゃったのですか」

そこにいたのは、この謁見の間にある王座に座ることを唯一赦された女性。
アンリエッタ女王であった。
アンリエッタはお付の者やマザリーニ郷を入り口に置いたまま、すたすたと才人の傍まで歩み寄ると、すまなさそうに言った。

「ごめんなさいね、シュヴァリエ・サイト。昨夜、本日の予定をお伝えするのを忘れていました。
 仔細は追ってお話いたしますので、着いてきてくださいな。
 ささ、馬車の用意ができていますので、急いで」

才人の手をきゅっと握り、まるで恋人を急かすようにその手を引く。実際恋人なのだが。
才人はあわあわ言いながら、女王のされるがままになる。
そんな二人を、アニエスがあきれたような顔で見送った。

才人はあれよあれよという間に馬車に積み込まれ、ガンディーニ子爵領へと向かっていた。
目の前で、女王に並んだマザリーニが今日の女王の予定を語る。
まず、子爵領に到着したら用意された御用宿へ。そこで式典用のドレスに着替え、式典に参加。
その後子爵と会食後、再び着替えて王都に戻る。
それが一日の予定だった。
才人の役割は、お付の騎士たちとともに御用宿の検分、式典中の女王の警護。

「あれ?でも先行しないと御用宿の検分はできないんじゃ」

才人の言葉どおり、女王に同行していては御用宿の検分はできない。
実際お付の騎士たちは先行してガンディーニ領に向かっており、既に御用宿の検分を始めている。

「シュヴァリエ・サイトには、最後の確認をお願いします。
 トリステイン女王の御用宿検分の最終確認ですよ。しっかりお願いしますね」

にっこり笑ってそう言うアンリエッタ。
その笑顔には、何か確信めいたものが混じっていた。
才人は女王の吐いた言葉をよ~く考えてみる。
『トリステイン女王の御用宿検分の最終確認』…つまり。
『女王の寝所の最終検分を任せるに値する人物』。
そんな人間は、トリステイン広しといえども、マザリーニ卿を含めて数人しかいない。

…やばい、なんかどんどん深みに嵌ってないか俺…?

なんだか自分の与り知らぬところでどんどん自分の評価が変わっていっていることに軽い恐怖を覚える才人だった。
そんな才人の気持ちを知ってか知らずか、女王は目の前でニコニコ笑っている。
そして、馬車はまるで坂を転がり落ちる石のように、盆地の底にあるブリュッセンを目指す。

278:ぼくらの七日間戦争~二日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/05 01:09:46 4wDs6N+L
当然のことだが。
最終検分はあっという間に終わった。
騎士たちが認めたチェックリストに一通り目を通し、女王の使う予定の部屋を自分の目で検分する。
それすらチェックリストの確認作業にすぎない。
あとは、無事準備が整ったことをアンリエッタに伝えればいいのだが。

コンコン。

扉が突然ノックされた。
来客か?それとも…。
才人は一応警戒をしながら扉に声をかける。

「どなたですか?」
『私です。アンリエッタです』

本来この部屋を使うべき賓客が、ドアの外で才人に呼びかけていた。
才人は慌ててドアを開ける。
そこには、満面の笑顔のアンリエッタがいた。

「お部屋のチェックは終わりました?シュヴァリエ」
「ええ、まあ」

呼びに行く約束だった女王が自分から来たことに軽く驚き、才人は言葉を続ける。

「終わったら呼びに行くって言ってたのに。どうしたんです?」

才人の言葉に、アンリエッタは少し困ったように眉根を寄せる。

「実は、式典用のドレスが二着用意されてたんです。
 …それで、どっちを着ていくべきか、悩みまして。
 自分では決められなくて、サイト様に選んでもらおうかと」

言って、それまで小脇に抱えていた小さな革表紙の冊子を広げる。
そこには、二着のドレスの見本の肖像が描かれていた。
片方は、薄いブルーを基調とした、シンプルなイブニング・ドレス。腰の右側でひらめく大きな黄色いリボンがアクセントになっている。
ただスカート丈が短く、膝から下が露になるデザイン。その上から長いオーバースカートが被さり、脚が見えるのは正面からのみとなっている。
もう一つは、濃い紫を基調として、各所に黒いレースのあしらわれた豪奢なイブニング・ドレス。
ふわりと開いたAラインのスカートは、たっぷりのギャザーと縁にあしらわれた黒いレースで装飾されている。
こちらはスカートはごく普通のドレスだったが、上は胸を半分だけしか覆わないデザイン。
才人は二点を見比べ、そして、それを着たアンリエッタを想像する。

…姫様の生脚…うん、悪かないな。でも…。

正直言って、アンリエッタの下半身が他の男の前に晒されるのはいい気がしない。

…あの尻とふとももは俺のもんじゃい!

ぐっと拳を握り締め、才人は決断した。

「紫の方がいいと思いますよ。
 そっちの方が陛下に似合ってる」

その言葉を聴いたアンリエッタは、にっこりと微笑むと。

「ありがとうございます、サイト様。ではこちらにいたしますね」

言って、部屋を出て行った。
その後しばらくして、才人を迎えに来たのはマザリーニ卿だった。

279:ぼくらの七日間戦争~二日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/05 01:10:47 4wDs6N+L
時計塔を見上げるガンディーニ子爵の屋敷の中庭で、その式典は執り行われた。
時計塔を作った平民の職人や、貴族の設計技師たちが和気藹々と料理に舌鼓を打ち、招待された賓客たちはガンディーニ子爵の時計塔自慢に耳を傾ける。
会場がそうやって盛り上がっていると、突然、鋭いファンファーレが鳴った。
この式典に招待された、最も位の高い賓客が会場に到着したのだ。

「トリステイン国王、アンリエッタ・ド・トリステイン陛下、おなりになりました!」

女王の来訪を告げる小間使いの声が、会場に響き渡る。
一瞬で会場は静まり返り、自慢話をしていたガンディーニ子爵は慌てて会場の入り口へ向かう。
中庭に通じる開かれた大扉から、紫のドレスに身を包んだ女王が姿を現す。
いつの間にか、会場の入り口から会場に設えられた最奥の舞台まで、貴族たちが並んで列を作る。
その周囲を平民たちが取り巻く。貴族たちが防壁となり、女王を守っているのだ。
女王はその様子を眺めると、す、と右手を差し出した。
すると、アンリエッタの右斜め後ろに控えていた才人の小脇を、マザリーニがつつく。
小声で才人は何事かとマザリーニに尋ねる。

「え、なんすか?」
「馬鹿者、舞台まで陛下をエスコートするんだ。
 近衛騎士の役割だぞ」
「い?」

こんな衆人環視の中、女王の手を引いて舞台まで行けというのだ。
緊張しないわけがない。
さらに、マザリーニの言葉が才人に追い討ちをかける。

「…姫様を、よろしく頼む」

その声は、まるで娘を嫁にやる父親のように震えていた。

…いやまってちょっと待ってーーーーーーーー!?

ついに、マザリーニのお墨付きまで出た。
しかも、この状況。
辺境諸侯の居並ぶ中、女王の手を引いて歩くのだ。
つまり、これは宣伝活動だったのだ。

『ここに、女王の婚約者がいますよ』

と、貴族たちに吹聴するための。
汗をだらだらと垂らし、妙なプレッシャーにつぶされそうになる才人。
その重圧の主な原因は、頭の芯に響き続ける、『市ね、この駄犬!』というどこかの誰かの甲高い声だった。
しかし。
もう、ここまで来たら後戻りはできない。
ていうか後戻りしたらかなりひどい事になりそうな…。
才人は観念し、女王の手をとる。

「大丈夫、舞台まで一緒に歩いてくださればよいのです。
 心配しないで、サイト様」

小声でそうささやくアンリエッタだったが。
思わず才人は反論しそうになってしまった。

謀ったな!姫様!

才人はその手をとり、貴族たちのなす列の中を歩いていく。
女王の歩にあわせ、ゆっくりと進むその姿を、貴族たちが嘗め回すように見つめる。
ひそひそ声が、才人の耳にも届いた。

280:ぼくらの七日間戦争~二日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/05 01:11:35 4wDs6N+L
…あれが、トリステインの盾。単騎で七万を止めた英雄か。
…功績、若さ、ともに女王にふさわしいが、あの貧相な顔はどうにかならんのか。
…まあ風格はおいおい付いていくだろう。女王陛下とマザリーニ卿が教育してくださるに違いない。

…いやまって何その肯定的な意見ッ!?

むしろ非難されたほうが気が楽だったが、居並ぶ諸侯のすべてが、女王の選んだ騎士を肯定しているようだった。
もう、完全に女王の術中だった。
舞台に着いた女王は、己が騎士にねぎらいの言葉をかけ、舞台に上がる。
そして、式典の祝辞を述べ始めるのだが…。
才人に、その言葉は届いていなかった。

…オワタ。俺の人生オワタ…。

この噂を聞きつけ、必ず自分の下へやってくるであろう虚無の魔王に恐怖していたのである。
そして、式典はつつがなく終わり。
二人は、昼食を採るべく、用意された部屋に向かったのだった。


「…ひめさま。どーゆーつもりなんすか」
「はい?何がですか?」

円卓に並べられた、豪華な昼食を前に、才人は女王に問うた。

「公の場であんなことして!俺にも立場ってもんがあるんすよ!」

その立場とはぶっちゃけ『ルイズの使い魔』なのだが。
女王はにっこりと笑って言葉を返した。

「その立場、できる限り高い場所にまで持っていかなくてはなりませんから。
 いつまでも『平民出の英雄』では困るのです」

主に私がですけれどもね、と心の中だけで注釈を入れ、女王は優雅にスープを飲む。
才人は頬張ったパンを紅茶で流し込み、言った。

「いやそんなの俺望んでないですって!」

才人の言葉に、少しむっとするアンリエッタ。

…このひとわー。いい加減往生際の悪いー。

仕方がないので、決定的な言葉を吐いてやることにする。

「私が望みました。それではいけませんか?
 女王が番としてあなたを選びました。それではいけませんか?
 それとも。サイト様は、私が嫌いですか」

アンリエッタは一瞬で真剣な顔になり、才人をじっと見詰める。
その視線を受けきれず、才人は思わずアンリエッタから視線を逸らす。
その意味するところは。

「…ルイズですか」
「い」
「…それともシエスタさん?」
「え、あの、その」
「…ガリアの姫君かしら?」
「い、いやちょっとまって」
「…ティファニア、なんですか?」
「いやだからー!」

281:ぼくらの七日間戦争~二日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/05 01:12:31 4wDs6N+L
アンリエッタは才人の手癖の悪さを知っている。
というよりも、周囲の状況の方がまるで神の悪戯のように才人に転がって行っているのだ。
そう、まるで流砂の渦のように。
だから。
アンリエッタは決めていた。
彼には、『王』になってもらおうと。

「…あなたが誰に心を移していようと私は構いません。
 私は女王として、貴方を手に入れるために、如何なる手段も講じる覚悟です。
 でも、私の事が嫌いなら…その時は…言ってくださいね…」

言って、はらりと涙を流す。
もちろん演技である。
才人はそんなことは露知らず、慌ててフォローする。

「い、いや嫌いじゃないですって!
 …で、でもまだ俺心の整理がついてないっていうか」

そう言って狼狽する才人に、アンリエッタは席を立ち、彼の横へ跪く。
そして、才人の太股に両肘を乗せ、見上げた。

「側室としていくらでも娶ればいいんですよ。
 私は構いませんわ。だって、サイト様のものになれるんですもの」

言って顔を赤らめ、身体を才人に押し付ける。
紫色のドレスから半分はみ出た豊満な胸が才人の太股でぶにゅ、と潰れた。
そして。
その刺激に節操なく反応する、才人の息子。
目の前で膨らみ始めたズボンの前に、アンリエッタはくすりと笑う。

「あら。心の整理がついてないわりに、ここは元気なんですのね」
「…いや心の整理関係ないでしょーよ」

呆れたようにそう言った才人に、アンリエッタは意外な方向から反撃した。

「昨日は結局お預けでしたものね?
 …で、昨日は結局あの後どうされたのですか?」
「へ?」

昨夜、アンリエッタにお預けを喰らった後、才人はあてがわれた部屋で自家発電をしたのであるが。
もちろんそんな事、言えるわけはない。

「な、なにをいきなり」

慌てて誤魔化すが、アンリエッタはお見通しだった。

「…ご自分でなされたのですね?」
「ぶ!」

当然の帰結であった。
しかし才人は必死に否定する。

「し、してませんて!」
「嘘。サイト様がそんなに自制の効く人なら、学院にあれだけ恋人がいるはずありませんわ。
 それにアニエスに迫られても反応するでしょ。このせっそーなし」

言ってアンリエッタは限界まで張り詰めた才人の山頂をぴん、と指で弾く。

282:ぼくらの七日間戦争~二日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/05 01:13:21 4wDs6N+L
「うを!」
「正直におっしゃい。昨日ご自分でなされたでしょ?
 正直になれば、イイコトしてあげます♪」

もう完全にエロスイッチの入ったアンリエッタは、王冠を机に置き、愛しげに才人の前を撫で回し始めた。
そんなアンリエッタの『イイコト』に、才人の期待が高まる。
そして、昨日お預けを食ったこともあって、彼は折れた。

「…しましたよ。しましたとも」

その答えに、アンリエッタは淫靡ににやり、と嗤う。
そして、再び問いかける。

「誰で、ですか?」
「へ?」
「誰の事を想いながらなされたのです?私?それとも…」
「ひめさまに決まってます」

言って才人は、攻めて来るアンリエッタに対し、反撃に出た。
その言葉と同時にアンリエッタの顎をつまみ、唇を奪う。
びっくりしたように目を見開いたアンリエッタだったが、すぐに頬を弛緩させ、才人の口付けを受け入れた。
少しすると二人は唇を離し、見詰め合う。
そして、先に口を開いたのはアンリエッタだった。

「それじゃあ、イイコト…してあげますわ。
 立って、ズボンを脱いでくださいな」

アンリエッタの言葉通り、才人は立ち上がり、ズボンを脱ぐ。
完全に屹立した才人が、そそり立つ。
アンリエッタは、才人の目の前で、右腕を高く上げる。
すると、綺麗な白い腋が、露になる。
アンリエッタはそこを、ぐい、と才人の裏筋に押し当てた。

「ちょ、ひめさまなにやってはるんですかっ?」
「うふ。こういうのもいいでしょ?」

うろたえる才人に構わず、アンリエッタはそのまま、腋で才人を挟みこむ。
そのまま肩をきゅっとすくめて、上半身を前後に揺すり始める。
こりゅこりゅと、才人の雄を責めるアンリエッタの腋が、奇妙な音を立てる。
力を込めて締め付けられるアンリエッタの腋は、まるできつめの膣のようだった。
息を荒げ始めた才人に、足元からアンリエッタは語りかける。

「キモチイイですか?サイト様…?」
「いや確かにキモチイイけどもっ…!」

確かにアンリエッタの言うとおり、腋で擦られるのは気持ちのいいものだった。
しかし、本来そこは性器ではない。そんな場所で擦られる感覚に、才人は背徳的なものを感じていた。

…っていうか腋コキってゆーのかコレ!

思い当たったときには、既に息子は臨界突破寸前だった。
膨らんできた才人を感じ、アンリエッタは才人を一旦解放し、そして。
ぱく、と口に咥えた。

「ひ、ひめさま、出るっ、出るっ!」

才人の切羽詰った声とともに、アンリエッタの口の中で、才人が吼えた。

283:ぼくらの七日間戦争~二日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/05 01:14:03 4wDs6N+L
どぷぷぷ…!

アンリエッタの舌の上で、喉の奥で、才人の精液が跳ね回る。
アンリエッタはそれを、少しずつ味わって飲み干していく。
そして、勢いをなくし始めた才人の、尿道に残った精液すらも、ちうちうと愛おしげに吸い上げる。
ぷは、と淫乱な女王は吸い尽くした才人を口から解放する。
そして、足元から才人を見上げ、尋ねた。

「どうでした?私の腋のお味は」
「いや、サイコーでした…。つうかこんなのドコで覚えてくるんすか」

才人の疑問符に、アンリエッタはくすりと笑う。

「乙女の秘密です♪
 さて、それでは…」

アンリエッタの言葉に、才人はいよいよ本番か、と再び己を滾らせたが。
アンリエッタは口の周りに残った精液と唾液の飛沫を拭き取ると、言った。

「間もなく、トリスタニアに帰る時間ですわ。
 ささ、サイト様、ズボンを履いて」

い、と才人の顔が歪んだ。
いかに一発抜いてもらったとはいえ、このままでは不完全燃焼だ。
というよりも、昨日のお返しにひめさまをヒイヒイ言わしたい才人であった。

「い、いやまってちょっと待って?
 昨日に引き続き今日も途中で強制終了っすか?そんなのアリ?」

不満げにそう訴える才人に、アンリエッタはにっこり笑って。
才人の鼻先に、指を突きつけた。

「がっつくんじゃありません。
 王都に帰ったら、飽きるほど女王の身体を堪能させてあげますから♪
 だから、今はお・あ・ず・け♪」

言って、くるりと才人に背を向けるアンリエッタ。
実際、今日中に王都に着こうと思ったら、そろそろここを出ないと間に合わない。
才人はそれを悟って、大人しくズボンを履いた。
そして、アンリエッタに抗議する。

「じゃ、帰ったら続き、絶対っすからね?」

いつもなら自分がおねだりする立場なのに、今日はサイト様がおねだり…。

奇妙な高揚感に、アンリエッタは身体の芯が疼くのを感じた。

そして、二人は再び王都に戻ったのだが。
結局その夜、女王はさっさと寝てしまい、才人の欲求は果たされぬまま一日は終わってしまうのだった。
それもまた、女王の計略のうちであることを、才人はまだ知らない。

*続く*

284:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
08/11/05 01:15:18 4wDs6N+L
二日目終わり。さてどんどん深みに嵌っていく才人の運命やいかに。
そいじゃあねゆ。ノシ

285:名無しさん@ピンキー
08/11/05 01:20:00 f6oaxckN
一番槍ぃぃぃぃぃぐぅぅぅじょぉぉぉぶぅぅ!
いやー姫様に投票してよかったw

286:名無しさん@ピンキー
08/11/05 01:31:53 +4nTd1/b
>>284
GJ!!

おあずけは計画的に w
いあ、こういうおあずけなら歓迎ですよせんたいさん!

287:名無しさん@ピンキー
08/11/05 03:13:17 gAa/5jEY
>>284
アンリエッタ策士wwww

続きを全裸でカバディしながら待つぜ

288:名無しさん@ピンキー
08/11/05 09:21:12 zz7A7+fh
朝立ちが収まったと思ったら復活してきた

今日は暖かそうだから全裸でも耐えられそうだ

289:名無しさん@ピンキー
08/11/05 10:54:49 INey1gs7
>>288
っ輪ゴム

290:名無しさん@ピンキー
08/11/05 12:52:55 4dCA5ym/
っていうかタイムリーなタイトルだな


セブーンデイズウォー タタカウヨー

291:名無しさん@ピンキー
08/11/05 13:55:26 n/2vNxVt
GJ!

292:名無しさん@ピンキー
08/11/05 18:55:16 WyIvIgaM
せんたいさん GJ!

293:名無しさん@ピンキー
08/11/05 22:09:43 zeHN1YeP
催淫と健忘効果のある薬で、本人忘れてるのに種付けが終わってて認知を求められるSSを考えてたけど
上手く纏まらなかったil||li _| ̄|○ il||li

294:名無しさん@ピンキー
08/11/05 23:00:15 c4Eyy2XD
ヒロインのほうがその薬を飲んじゃってて、サイトと結ばれた夢を見たと思って赤面してたら、
日が経つうちだんだんお腹が大きくなってきて、お腹かかえて困ってたら
蒼白になったサイトに「責任とりますッ」って土下座されて目を白黒させる
という話が思い浮かんだ。

295:名無しさん@ピンキー
08/11/06 21:14:20 Raao+izH
X00ー42シリーズを書いている者です。
34-669の方「名無し」ではもったいないとは、書き手として嬉しく思います。
実は、此処の存在を知ったのが今日なものでして…つまり初心者なのです。
一月近くも遅くなった事をお詫びいたします。
最初ゼロの使い魔第3期のアニメの評価をしているサイトを探している内に、SSと書いてある
のが気になって、保管庫に辿り着いたんです。読んでいる内に私も書いてみようと思ったしだいで
ただ方法が分からなくて、直接投稿に書き込む事にしたんです。
つまりX00-42シリーズは、私の初投稿物なのです。
以前過去ログ・リンクからこちらを開けた時、白背景の文字列になって「地雷」を踏んだと
勘違いしてずっと開けていなかったためなんですが…
その原因がDATと書いて有る方をクリックしたためと今日気が付きました…遅
それ故マナーとかルール等基本的な事は殆ど知らない者なので、こちらに書き込みしていいものか
迷っています。雑談掲示板等かなり荒れていたもので…
X00-42を編集で開けて貰えば分かりますが、何も知らないまま継ぎ足し更新したため
お叱りを受けてしまいました。なので勝手に新規でページを作って現在に至っているのです。
話は変わりますが、他の職人さん達は、ワードとかの他のソフトで書いたものをコピーペして
書き込んでいるんでしょうか?私は、ページを作った後直接書き込んでいるので…
出来ればお教え願いたいのですが。



296:名無しさん@ピンキー
08/11/06 21:23:05 wjb3h44F
>>284
GJです。
>>295
ワードで書いてからコピペしています。

297:名無しさん@ピンキー
08/11/06 21:30:13 Raao+izH
>>296
早速の返答有難う御座います。
今度私もやってみます。以前誤ってキャンセルをクリックして約2時間書いたものが
消えてしまったことが有ったので。

298:名無しさん@ピンキー
08/11/06 21:31:15 HCgKO7d+
後はメ欄にsageかな

299:名無しさん@ピンキー
08/11/06 22:43:06 KvuXRErK
あと雑談見たならわかると思うが自治厨と荒らしはスルーな

300:名無しさん@ピンキー
08/11/06 22:45:30 IOppnSd1
あと、基本全裸で

301:名無しさん@ピンキー
08/11/06 22:55:25 wjb3h44F
>>300
レディーだったらどうすんだよ

302:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:01:11 IOppnSd1
>>301
貝殻2枚まで許可

303:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:01:29 HCgKO7d+
>>301
別に問題なくね?

304:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:03:15 U/9Kbgjj
基本全裸? レディー? ……『デビルマンレディー』か。

305:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:07:57 txu22CCc
ネクタイ忘れるなよ

306:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:08:06 I7Kqyg69
>>301
変態紳士道に男女の区別なし。

307:名無しさん@ピンキー
08/11/06 23:12:26 HCgKO7d+
紳士とは性別を超えたものなのさ

308:名無しさん@ピンキー
08/11/07 00:10:29 v53ZlAVK
エロスという神は元々一つだったらしい

309:名無しさん@ピンキー
08/11/07 00:23:35 rYydttaa
私の武器はviエディタ

310:名無しさん@ピンキー
08/11/07 04:26:15 JH1gLHbL
>>302
そこはせめて3枚・・・っ

311:名無しさん@ピンキー
08/11/07 06:04:06 I5iZPOpo
X00-42シリーズを書いている者です。
一つ質問が有ります。
今度こちらに投稿しようと思うのですが、保管庫に投稿したX00-42シリーズは、
コピペしてこちらに書き込んだ方が良いでしょうか?

1.保管庫に有るならその必要は無い。
2.保管庫に行かないから書き込んでほしい。

以上です。

312:名無しさん@ピンキー
08/11/07 07:45:51 T4Zhi/78

わざわざこっちにあげなくても大丈夫

313:名無しさん@ピンキー
08/11/07 22:15:51 JqzWnj8Y
>>311
保管庫でバッチリ読んでまっせ!
過去作品はコピぺする必要は無いと思うので、「1」。
学院のおまけキャラがパワーアップしすぎてるのが気になりますが、
更新早いし好きな作品ですよ~。

314:X42
08/11/08 00:52:29 AnAV4woF
X00-42シリーズを投稿している者です。
>>312>>313返答有難う御座います。
これからシリーズのつづきを投下します。
名前は、X42でいかせて貰います。

315:X42
08/11/08 01:03:23 AnAV4woF
オークション当日 王宮中庭

 この日、トリステイン王家主催のオークションにハルケギニア各地から有力者や豪商、魔法アイテム屋など多数参加した。
 主だった有力者は、ゲルマニアからは、皇帝アルブレヒト三世、フォン・ツェルプストー家他。
 トリステインからは、ラ・ヴァリエール公爵家、バーガンディー伯爵家他。
 クルデンホルフ大公。
 ガリアからは、財務大臣(ジョゼフ王の名代)他。
 ロマリアからは、教皇聖エイジス三十二世ヴィットーリオ・セレヴァレ他有力寺院。
 無論彼らには、近衛騎士団やら花壇騎士団、聖堂騎士団、空中装甲騎士団、親衛隊などが護衛に就いている。

 中でも注目されたのが、何といっても現教皇の参加であろう。
 本来、このような俗事に参加する筈が無いからだ。

「聖下、ご連絡頂ければお迎えに上がりましたものを。それにしてもこの様な俗事に聖下自ら参加されるとは、思いもよりませんでしたわ」


316:X42
08/11/08 01:05:46 AnAV4woF
「お気遣いご無用に願います。これは私の我儘で来たのです。表向き宗教庁に入用品の買い付けですが、
オークションなる物に参加したいだけなのですよ。何しろ教皇ともなると、何か一つ行動しようとすると、
司教やら神官達が色々煩いもので、その憂さ晴らしをしに来ただけなのですよ。アンリエッタ殿もお分かり頂けると存じますが」
(真の目的は、聖戦の資金援助。もう一つ、聖戦の切り札の作成のためですがね)

「えぇ、分かりますわ。それでは聖下、オークションをお楽しみくださいませ」
「ご理解感謝致します」

こうしてオークションの幕は、切って落とされた。
 普通物量が多い場合は、高値にはなりにくい筈だが、レッサードラゴンの各部位という非常に入手困難な、それ故偽物も多いのだが、今回はトリステイン王家100%保証の本物のため、オークションは過熱していた。
 無論、教皇とジョゼフの陰謀も加わっているためだが…


317:X42
08/11/08 01:07:20 AnAV4woF
殆どの品が、通常のほぼ倍の値段で落札されていった。
 オークションに出品されたレッサードラゴンは、倒された119頭からアカデミーの研究用に2頭差し引いた117頭だった。
 他にドラゴンアーマー用に鱗は、全て取り除かれていた。

 結果1頭当たり約180万エキューで落札されていった。
 総売上金額は、約2億1,060万エキューとなった。
 
 これにより才人の報奨金は、185.4万エキューとなり、
 水精霊騎士隊は、一人当たり4,500エキューとなった。
 銃士隊が一人当たり1,800エキュー、レイナール、ルイズ、ティファニアは、特別報奨金として1万エキュー、モンモランシーが5,000エキュー、タバサ3,000エキュー、他の魔法学院生500エキュー、戦死者一人当たり1,000エキューが支払われることとなった。
 支出合計は、約283万エキューとなり差し引き約2億777万エキューが国庫に入る事となった。
 これはトリステインの国家予算の1年4カ月分以上もの大金であった。


318:X42
08/11/08 01:08:08 AnAV4woF
そして才人とアンリエッタ女王の婚約と4人の側室の発表があった。
 大きな歓声が上がり、表向きの祝福がなされた。
 無論あちらこちらで、ひそひそ声の嫌味が発せられていた。

オークションが恙無く終了し来客が帰り始めた時、布を取り払っていきなりヨルムンガントが3体現れた。ギーシュが以前才人の像を作った時使った「周りの景色に合わせて模様を変える魔法の布」を掛けて中庭の隅に潜んでいたのだった。
人々は、悲鳴を上げ逃げ惑った。

「さあて、どうやって遊んであげようかね。ジョゼフ様の命令が無ければ虚無の担い手とガンダールヴを倒してやるんだがね」
 オークション終了まで待機の命を受けたミョズニトニルンであった。

「こけにされた分、死なない程度に痛めつけてやるとするか」
 恐ろしげな笑顔で呟いた。


319:X42
08/11/08 01:09:02 AnAV4woF
あれは、アルビオンで見た騎士人形じゃねえか」
「姫様、早くお逃げ下さい。最悪この辺り一帯廃墟になってしまいます」
「いいえ。皆が逃げのびるまで此処を動く訳にはまいりません」

「ルイズ、ラグナ・ブレイド!」
「サイト、精神力あまり溜まっていないの」
「嘘!ここんとこ、お前が怒る様な事続いたじゃねぇか」
「相棒、娘っ子はあまり怒っていないんだよ」
「へ?」
「つまりだな、自分も一緒に納得してやっていたからなんだよ。もしのけものにでもされていれば、ラグナ・ブレイド2,3発分の精神力が溜まったんじゃねえか?」

「サイト、私なら精神力満タンだから神衣(ゴッド・クロス)唱えられるよ」
「テファ、俺はいいから皆に掛けてくれねぇか」
「えっ…うん、分かった。けどサイト死なないでね」
「ああ、じゃ頼んだぞ」

「ルイズ、唱えられるとこまででいい、後は俺が何とかする」
「分かったわ。でも無茶しないでよね」
「相手が相手だからな。保証はできねぇ」

「止めても無駄…ですわよね」
「ああ」
「では、約束して下さいまし。私を再び悲しみに濡らさぬと」
「約束する」

「貴方は、私達の太陽。絶対死んではいけない」
「ああ、死なない」

「ちゃんと戻ってきてください」
「戻ってくるよ」


320:X42
08/11/08 01:11:07 AnAV4woF
ルイズがデルフリンガーに短い詠唱のラグナ・ブレイドを掛けた。
「相棒、はっきり言うが倒せねぇぜ、せいぜい装甲板を斬り裂くくらいしか出来ねぇぞ。それも2体で精一杯だあね」

「そっか、それでもやるしかねぇだろ。とにかくギーシュ達に協力してもらう。今のあいつ等なら、力を合わせれば倒せると思う。俺に考えが有るんだ」

 各国の近衛騎士達、親衛隊達は、主を守るためヨルムンガントに魔法攻撃を加えた。
無論、反射(カウンター)の掛ったヨルムンガントには、全く効かなかった。
「何なんだ、あの怪物は?此方の攻撃が全く通用しないぞ!」
「此処は危険です。早くお逃げ下さい!」
 悲鳴に近い叫び声が中庭を埋め尽くす。

「おい、ギーシュ。力を貸してくれ」
「サイト、一体如何するんだね?奴には、魔法も君の剣も効かないんだぞ。あっ、そう言えばゴールドラゴンを倒した時のルイズの呪文は?」

「はっきり言うが装甲板を斬るしか出来ねぇとさ。だからお前達に協力して欲しいんだ。俺が斬った切り口に水魔法で出した水を錬金で油に変えて、風魔法で大量の風と共に押し込んで、ファイヤーボールを打ち込んでくれ。そうすればきっと倒せる」


321:X42
08/11/08 01:12:20 AnAV4woF
コルベール先生の『ゆかいな蛇くん』の応用だね」
「その通り、流石レイナールだな」
「分かった。その作戦で行こう。サイト、そっちは頼んだぞ!でもどうやって斬るんだい?レビテーションは浮かぶ事しか出来ないし、君を抱えてフライで飛んでも奴ら素早いから捉えきれないだろうし、最悪、的になると思うけど」

「ゴールドドラゴンの力を使えば単独で飛べるよ。未だ上手く飛べねぇけどな」
「そうか、君にはその力があったんだったね。すっかり忘れていたよ」
「じゃあ頼んだぞ」
「任せておきたまえ」

 才人は、鎧姿になった。
「行くぞ、デルフ」
「しくじるなよ、相棒」

 才人は、一番近くにいたヨルムンガント目掛けて飛び立った。
「何?ガンダールヴが単独で飛んでいるだと?あの金色の鎧は一体?」
 才人は、一気に喉元まで接近し、デルフリンガーを振り下ろした。
「おおおおおおおおおお」

 ヨルムンガントの装甲板は、斬り裂かれた。
 生物であれば致命傷となるであろうが、ヨルムンガントは、何事もなかった様に才人に襲いかかった。そこにギーシュ達が、指示通り魔法攻撃を切れ目に打ち込んだ。


322:X42
08/11/08 01:13:17 AnAV4woF
「離れろ相棒!」

 ヨルムンガントの体内で爆発が起こり、巨体が真っ二つになり…崩れ落ちた。
「馬鹿な!倒されただと?!」
 他の2体が才人目掛けて突進して来た。

「あと一体だけだぞ、相棒」
「分かってるよ」

 再び飛び上がり、手前のヨルムンガントを斬った。
 すかさずギーシュ達の魔法攻撃でヨルムンガントは爆発し、崩れ落ちた。
 ラグナ・ブレイドの光が消え去った。

「奴は危険だ。命に反してでも、此処で殺しておかなくては!」
 才人の頭上にヨルムンガントがやって来た。

「踏み潰せーーー」
「相棒、迷うな。龍語魔法(ドラゴンスペル)を使え!」
 才人は、右手を真上に上げ。
(ドラゴン・フレアー)

 才人の右手から眩い閃光が放たれ、ヨルムンガントは、左足首だけを残して消滅した。
 文字通り塵一つ無く消滅した。


323:X42
08/11/08 01:14:35 AnAV4woF
馬鹿な!3体のヨルムンガントが、あっという間に倒されてしまうとは…何よりガンダールヴが最後に放った閃光は、一体何なのだ?強化した装甲を無に帰すとは…信じられんがジョゼフ様にご報告申し上げねば」

「ミューズよ」
「ジョゼフ様、申し訳ありません。3体のヨルムンガントがあっさり倒されてしまいました」
「良い良い、気にするな。奴らの力が分かったのだからな。早々に帰ってまいれ」
「はっ、畏まりました」
(次は、必ず倒してやるぞ、ガンダールヴ!)

「サイトの奴、一人で空飛べるなんて私に一言も言わないなんて…後でお仕置きだかんね」
「それにしてもサイトが最後に使った魔法凄かったね」
「私のエクスプロージョンより遥かに強力だわ。私の魔法では、バラバラにしか出来なかったもの」
「あれが龍語魔法」
「サイトさんも凄いですけど、ミスタ・グラモン達も凄いですわよ。各国の精鋭が傷一つ付けられなかった怪物を倒しちゃたんですから」


324:X42
08/11/08 01:15:30 AnAV4woF
「あれは、サイトが傷を付けたからよ」
「それでも凄いと思うわ。デルフさんの幅の中に正確に打ち込まなければ、絶対倒せなかったでしょ」
「確かにそうだわね。あいつ等そこまで腕を上げているのね」

「これで、彼等にまた叙勲の必要が出来ましたわね」
「でも姫様、この間したばかりですわ」
「私達だけではなく、各国の要人も守りましたわ。叙勲しなければ、私が笑い物になってしまいますわ」
「うっーーー確かにそう…ですわね」

「皆さん、先ずは、彼らの労を労いましょう」


325:X42
08/11/08 01:19:56 AnAV4woF
今回は、ここまでです。
コピペに失敗して容量オーバーの文字が出た時はあせりました。
それでは、失礼いたします。

326:名無しさん@ピンキー
08/11/08 01:22:11 WEa4XKVe
瑣末事で大変恐縮なんだが、メール欄に[sage]って入れてもらえると大変有難い

327:名無しさん@ピンキー
08/11/08 01:56:24 jIBwxYsm
>>325
続きGJです

>>326にもありますが、メール欄に[sage]と記入して書き込みすると
板一覧で一番上に表示されないので助かります。基本そんな感じで

あと気になったのが、今後の保管庫への保存形態
今までどおり直接投降+名無しでいくのかなぁと…。ちょっと気になったもので
(今回分はもう保管庫に入れてあるのを確認しました)
・・・これは雑談掲示板向きですかね?

328:X42
08/11/08 18:10:24 AnAV4woF
>>326>>327
ご指摘有難う御座います。
>>327
保管庫への保存形態ですが、実は最初、作者別の所に名前を作成しようとしたのですが、
結局うまくいかず、断念して名無しに入れる事にしたのです。今でも作者名の
作成方法は、分からないのでどなたかX42で作成してくださると有り難いのですが。


329:名無しさん@ピンキー
08/11/08 18:50:28 drN0DgbZ
[sage]の[ ]は要らんぞww

あと全レス返し(と言うかレス返し全般)とか、雑談時もコテ付けっ放しとかは
嫌馴合な人でアババババになるから気をつけれておけば良いかと

330:名無しさん@ピンキー
08/11/08 18:52:48 Yfx5bb1s
っ専用ブラウザ

331:X42
08/11/09 01:40:33 fV4mobNN
前回のつづき投下します。

332:X42
08/11/09 01:42:22 fV4mobNN
「あなた、見事な戦いぶりでしたわ」
「ちょっとあんた、どうして空飛べるなんて教えてくれなかったのよ」
「娘っ子、相棒は未だ上手くゴールドドラゴンの力をコントロール出来ねぇんだよ」

「え?ちゃんと飛んでたじゃない」
「緊急事態で精神が昂っていたからだろうな。今飛んだらあっちにフラフラ、こっちに
 フラフラになるだろうさ。相棒ここんとこ忙しい上に、娘っ子らに精も根も吸収されまっくて
いたからな。練習どころじゃなかったんだよ」
「うっ…あっ…ははは」

「それにしてもあんた、何時呪文詠唱したのよ?」
「詠唱の必要は、ねぇんだよ。念じるだけでいいんだ」
「あんな強力な呪文が念じるだけで?そんなの不公平だわ」
「言っとくがあの呪文、本来の十分の一も出てねぇぞ」

「嘘!」
「ホントだ」
「言ったろ娘っ子、龍語魔法はトリスタニア位簡単に消せるって。相棒がその気になりゃ
トリステインそのものも消し飛ばせるな。だから練習して自在に飛べるようになれば
ゼロセンとかいうヒコーキより早く飛べるはずさ」

「そんなに速く飛べるようになるのっ?!」
「一日3時間、一カ月程練習すればな」
「そんなに掛るの?」

「ゴールドドラゴンの力をコントロールしなきゃいけねぇんだ。言っとくが
 並みの奴には、一生掛っても不可能なんだぜ」
「そうなんだ」


333:X42
08/11/09 01:43:46 fV4mobNN
「おーいサイト」
「やったなギーシュ」
「君が装甲板を斬ってくれたおかげさ。でなければ僕らの攻撃は、一切効かないからね」

「お見事でしたわ、ミスタ・グラモン。それから水精霊騎士隊の皆さん。
 女王としてお礼申し上げますわ」
「恐縮です。女王陛下」
「この後、貴方がたの今回の勲功に対する会議を開きます。全員同席願いますわ」
「えっ?全員ですか」
「ええ、全員です」
「畏まりました」
(普通評価される側は、同席しない筈なんだが一体如何ゆう御積りなんだろう?)

「アンリエッタ女王陛下」
「如何なさいました?閣下」
「この度、ご結婚なされるそうで誠におめでとうございます。今日の救命の礼とご結婚のお祝いとしてサイト大公を我が国の大公に叙し、アルビオンのゲルマニア領を下賜したく存じます」

「まあ!随分と大きなお祝いで御座いますわね」
「いやいや、そんな事は御座いません。つきましては、アルビオンの共同統治領を本日の
 オークションで落札したレッサードラゴンと交換して頂きたいと存じますが」

「約500万エキューの代金としてですか?随分気前がよろしいですわね」
「んっ、いや、そうなればアルビオンは、ほぼ全てトリステイン領になるではないですか
 御嫌ですか?」

「いいえ、お受けいたしますわ」
「ご承諾有難うございます。ではこちらが権利書関係です」
「随分準備が宜しいですわね」
「ん、いや、後で踏み倒されたとか言われたくないのでね。サイト大公には、後で勲章を
贈ります」

「分かりました。道中お気をつけてお帰り下さい」
「うむ、それでは失礼致します」


334:X42
08/11/09 01:44:37 fV4mobNN
何故ゲルマニア皇帝は、これ程破格の事をしたのか?
 理由は、才人が領主税を取らない政策を執ったため、ゲルマニア領の民衆が大挙して
才人の領地に移住してしまった。
(戦費を回収しようと高税率を掛けていたせいもある)
結果領民が殆どいなくなってしまい、ならず者の吹き溜まりとなり、この一カ月弱で
治安維持のために30万エキューもの大金を注ぎ込む事になった。
つまり厄介払いなのである。
ゲルマニアは広大、その上元々自国領ではないので、執着もなかった。
その上オークションで貴重なレーサードラゴンが大量に競売に掛けられることになったため、
アルビオンを押し付けて、レッサードラゴンをタダで大量に入手しようと目論んだ訳である。
レッサードラゴンの方は、ロマリアとガリアが通常の約2倍の値で競り落としたため、
予定数までは、競り落とせなかったが、アルビオンは、無事押し付けられたため、皇帝
は、終始ご機嫌であった。その上結婚祝いも出さなくて済むため計算の上では、大幅な
黒字である。

一方トリステイン側は、アルビオン王国再興の最大の阻害要因のゲルマニアが撤退
してくれる事は、とても有難かった。無論ホーキンス達からアルビオンの現況報告が
逐一届いていたため、遠からずゲルマニアが撤退するのは、分かり切っていた。
レッサードラゴン500万エキュー分で済むなら安い買い物だとアンリエッタは思った。
残るは、ガリアが所有する港1つのみ。
(王国再興は、思ったより早く出来そうね)


335:X42
08/11/09 01:45:32 fV4mobNN
「アンリエッタ殿」
「聖下」
「この度ご結婚なされるそうですね。救命のお礼とお祝いを兼ねたものを差し上げます。
 それにこれは、始祖の遺言でもあるのです」
「始祖の遺言?」

「そうです。ご結婚相手のサイト大公は、『ガンダールヴ』それも特別の」
「ご存知なのですか?」
「はい、虚無に関する事は、色々調査しておりますゆえ。始祖の遺言の一節にこう有ります。
『彼の地より召喚されしガンダールヴ現れし時、我が血を引く者結ばれん。そこから
生れし子、我の力目覚めし者なり』と有るのです。」
(その先にその子等により我の願い叶うものなり、とあるのですがね)

「ですから貴女方がサイト大公に、惹かれるのは当然と言えるのです。それ故
始祖の力を持つ者が私生児では、困ります。何より彼女達の祖国の民が悲しむでしょう
 ですからサイト大公には、私と始祖の名において重婚の許可を与えます。
 3週間後にアクイレイアで私の即位3周年記念式典があります。そこで結婚式を行いましょう。
そして結婚式の神官は、私が務めましょう。そうすれば誰にも文句を言われずに済むでしょう」
 周囲から大きな歓声が上がった。
 無理もなかった。通常国王の結婚式は、その国の大司教が務めるもの。ブリミル教
 の頂点に立つ教皇自ら務めるなどあり得ない事であった。
 つまりこの結婚に異を唱える者は、異端(=死刑)とみなされる事になるのだ。
 それが例え陰口だろうとも。

「聖下、恐れ多いですわ。聖下に神官を務めて頂くなど」
「いいえ、私は嬉しいのですよ。始祖の御心にそえられる事が出来る。正に至上の喜びです」
「勿体ないお言葉です。聖下」
「それでは3週間後お待ちしております」
「聖下、有難うございます。宜しくお願いいたします」
「それでは、これにて失礼いたします」
「聖下、道中お気をつけてください」

「ジュリオ、落札したレッサードラゴンをトリステインの国中の豪商及び魔法アイテム屋
 に通常の値で捌くよう指示してください。そうすれば、税金となってトリステインの国庫を
更に潤す事でしょう」
「畏まりました」
(あと少しで我らの悲願が成就する…あと少しで)


336:X42
08/11/09 01:48:48 fV4mobNN
本日は、ここまでです。

337:名無しさん@ピンキー
08/11/09 02:33:27 qsMW/a+J
>>336
乙です!

338:名無しさん@ピンキー
08/11/09 23:26:39 yJP0maAn
>>336
Gj!!まさかハーレムの理由付けでこうくるとはww

339:wiki”管理”人
08/11/10 19:15:36 FbwJuDab
ただいま、wikiがアカウント停止になっています。
……というより、同サーバーの全てのアカウントの停止です。

保管庫が利用していたサーバーから、
他アカウント利用者による児童ポルノ・無修正ポルノの掲載により、
回線業者から回線を停止されてしまったため、
全アカウントの凍結を行ったとの連絡がありました。

ただいま問い合わせを行いました。
状況が変わり次第、またお知らせします。

340:名無しさん@ピンキー
08/11/10 22:59:17 8fSDgD2f
ええええええええええええええええええええええ????!!!!
かなり一大事じゃないですか?!

341:wiki”管理”人
08/11/10 23:29:32 FbwJuDab
連絡後、鯖は復帰しましたが、返答はいまだ無し。
鯖トップページにて今後の運営は有料になるとの表示を確認。
移転を予定しています。

現wikiのバックアップを完了、ただいま移転先を動作テスト中です。
URLリンク(zerokan.g.ribbon.to)

そういうわけで、wikiの更新は動作テスト完了まで
しばらくお待ち下さい……。

342:名無しさん@ピンキー
08/11/10 23:34:20 sd4yMGTR
お疲れ様です。
再移転かぁ~。管理って大変なんだな。

343:名無しさん@ピンキー
08/11/10 23:50:34 CMThbvq+
>>336
GJ!良かったよ~
>>341
管理人さんいつもお疲れ様です


344:X42
08/11/10 23:51:44 Fe8//hCV
夕方いきなりアカウント停止画面になって焦りましたがそういう理由だったんですね
つづき投下します。

345:X42
08/11/10 23:52:55 Fe8//hCV
叙勲評価会議

「皆さん揃いましたね。それでは評価会議を始めます」
 今回の件で評価を受けるのは、才人他水精霊騎士隊、ルイズ、ティファニアである。
 ルイズとティファニアは、今回は辞退すると申し出たが、アンリエッタは了承せず、
 結局、報奨金1,000エキューで決着した。

 平隊員…全員王軍少佐(戦時には中隊長)年金500エキュー加算、報奨金1,000エキュー。
 2名の副隊長…王軍大佐(戦時には、連隊長)年金加算、報奨金は同上。
 ギーシュ…近衛連隊副隊長兼水精霊騎士隊隊長兼王軍少将、年金加算、報奨金同上
 レイナール…男爵叙勲、男爵領下賜

 問題は、才人であった。
 アンリエッタは、全軍の指揮権を主張したが、才人が現状維持を主張し、共に譲らなかった。
 才人には、指揮権に激しい嫌悪感が有るのだ。
 理由は勿論、アルビオン戦役だの実体験だ。
 ルネ達が、作戦の為自分達の盾になった事、何よりルイズを捨て駒にした命令が、指揮権への
 嫌悪感になっているのだ。

 才人は、敵、味方双方に死んで欲しくないのだ。
 甘いと言われようが、それが才人の本音であり、本質なのだ。
 しかし一度命令を下せば、双方死者ゼロは、通常有り得ない。
 そして才人は、他人の命を危険に晒して自分だけ安全な所でぬくぬくしている事が出来ない。
 しかし指揮権を持ったら、そんな事は許されない。
 敵を倒し、味方を生かす命令を嫌でも出すしかない。
 そして才人クラスになると味方を犠牲にしても生き延びなくてはならない。
 才人の死=国の敗戦となる為だ。


346:X42
08/11/10 23:54:23 Fe8//hCV
平行線の話し合いの中、ギーシュはアンリエッタの何かを期待する視線を感じた。
(陛下が僕に何か期待している。この場面で僕にできる事…そうか!)
「才人、君が指揮権を毛嫌いするのは良く分かる。君はやさしいからな。なら君の指揮権を、
 僕達に限定すればいい。僕達は仲間だからね、細々した事は、僕達がやる。
 君はただ『一緒に戦ってくれ』そう言えばいい。一人じゃ出来ない事も力を合わせれば
 何とかなる。今日みたいにね。皆それで良いかい?」

「当たり前だろ」
「嫌な奴なんか一人もいないぜ」
「今更何言ってんだ」

「たっく、お前等は。アンリエッタ、俺の指揮権を水精霊騎士隊に限定で頼む」
「仕方有りませんわね。ではそう致しましょう」

(成程、これが騎士隊全員同席させた理由なんだ。さすがは女王陛下)

「ギーシュ殿、主人達から伺いましたが、魔法学院生が皆著しく成長したと。
 即戦力ですぐ入隊出来そうな方はどの程度居られますか?」

「全員トライアングル以上になって居りますので、力量的には全員大丈夫ですが、
 やはり実戦経験は、少ないのではっきり申せません」

「全員トライアングル以上!素晴らしい成長ぶりですわね」
「アニエス式の猛特訓のおかげです」

「そうですか。アニエスにも後で褒美をとらすと致しましょう。ギーシュ殿、帰国後
 水精霊騎士隊の増員と実戦訓練を命じます。宜しいですわね」

「畏まりました」

 会議が終了した時、急使が入って来た。

 内容を一読してアンリエッタが公表した。
「アルビオンの旧ゲルマニア領の奥地からオーガ鬼、トロル鬼計約200とならず者約千
 が、シティオブサウスゴータ目掛けて進軍中、旧国境まであと3日との知らせです」


347:X42
08/11/10 23:55:05 Fe8//hCV
すぐ救援に行かないと」
「今から派兵を準備しても到着まで4,5日掛ります」
「それじゃ、間に合わない。俺達で先行して、足止めでもしないと」

「いけません!ならず者が千の軍隊然として行動するという事は、確実に軍経験者
 がいます。ただの野盗とは違います」

「心配しなくても大丈夫さ。俺とこいつ等とルイズ達がいれば、千や二千に負けやしないよ」
「恐らく傭兵メイジもいる筈。そう簡単にいくとは思えません」
「恐れながら陛下、私に策が有ります。上手くいけば初戦で決着が付くかもしれません」

「本当ですか?」
「はい。サイトには、怪我一つさせないとお約束致します」
「貴方を信じます。レイナール殿」

「シャルロット、学院に行ってコルベール先生にオストラント号に乗せてくれるよう
頼んでくれ」
「分かった」

「じゃあ皆、先生が来たらすぐ出発だ」
「待って」
「アンリエッタ」
「出発は、明日にして下さい。あのフネならば半日で目的地まで行けるでしょう?
 ですから明日朝一番で出発して下さい」

「でも早い方が」
「サイト、お察ししなさい」
「なんだよ、ルイズ」
「この鈍感!姫様今晩だけは、サイトをお貸し致しますわ」
「有難う、ルイズ」
(こういう緊迫した時にこういう会話は、しないでくれよ)
――――――――――――∸――


348:X42
08/11/10 23:55:59 Fe8//hCV
「あなた、体調は万全ですか?」
「良く言うよ。昨日は人間の限界を無視した事したくせに。今日の夕餉もあからさまに
 精力料理のオンパレードじゃないか」

「確かに凄かったですわね。昨日のあなたの様子を見れば致し方ないかと」
「たっく、明日早いからもう寝るよ」
「いやです。折角ルイズ達が気を利かせてくれたんですもの、今夜は二人で精一杯
 励みましょう」
「いや、だからね」
「フネの中で、眠れば宜しいでしょ」
「抵抗しても無駄…だよね?」
「勿論ですわ。さあ脱がして下さいまし」

 才人がシルクのドレスを脱がすと、ショーツ一枚のアンリエッタの裸体。
 ショーツに手を掛けようとすると。
「あなたも脱がないと不公平ですわ」
 といって才人の服を脱がし始めた。

「あなた、今日は二人きりなんですから、じっくり時間を掛けてくださいまし」
「わかった」

 才人は、アンリエッタを「お姫様だっこ」でベットまで運んだ。
 ベットに横たえて、アンリエッタの顔を見つめ、顔を近づけると、
 いきなりアンリエッタにしがみつかれ濃厚なキスの先制パンチを受けた。
 徐に舌を入れてきてお互いの唾液をすすりあった。


349:X42
08/11/10 23:56:40 Fe8//hCV
才人は、唇から顔、首、胸へと徐々に降りてきた。
 そして胸を揉みながら、乳首を吸い、軽く噛んだ。
「あっ…はっ…」
 反対の乳首も吸って、甘噛みして乳首を固くした後、指で揉みながらアンリエッタの
 体を舐めながら下に降りて行った。
 口が太股まで達した時、手を太股に移して愛撫した。わざと秘部を避けながら。
 両の太股を舐めつくした後、秘部の周りを舐めまわした。

「焦らさないでくださいまし、早く気持ち良くさせて下さいまし」
 才人は、クリトリスの皮を剥きクンニを始めた。
「ああああああああーっ、もっと、もっとくださいまし」
 才人は、秘穴に中指を入れ、膣の中を蹂躙し愛液で満たした。
 それでも尚蹂躙し続けて、アンリエッタは潮を吹き、シーツが濡れまくった。

「あなた、欲しい…早く…入れて…下さいまし」
「入れるよ」
「早く」

 才人は、ペニスを秘穴に挿入した。
「ああっ…来る…あなたが…入って…」
 アンリエッタの膣が才人のペニスを全て飲み込んだ。

「あなた…突いて…突きまくって…下さいまし」
「いくぞ」
 
 才人は、突きまくった。ただ突くだけでなく、膣壁全て擦るように突きまくった。
「あなた…凄い…気持ち…良い…ですわ」
 才人は、左足を持ち上げて自分の前を通過させ、体位をバックに変えた。
「凄…いです…もっと…もっと…」

5分ほど突きまくり才人が限界を迎えた。
「出すぞ、アンリエッタ」
「出して下さいまし」

「ああああああああああああああああああああああ」
才人は、高速ピストンで突きまくり、アンリエッタを昇天させた。

「あなた、後3回、3回今のをお願いしますわ」
「1回にまけられない?」
「じゃあ4回」
「わかったよ!3回頑張るよ」
「嬉しい、愛してますわ、あなた」

才人は、アンリエッタのおねだりに応えて計4回頑張り通した。


350:X42
08/11/10 23:58:48 Fe8//hCV
本日は、ここまでです。
管理人さん頑張ってください。

351:名無しさん@ピンキー
08/11/11 01:06:25 u9icl4Wo
>「一回にまけられない?」
>「じゃあ四回」

なんで増えてんすか姫様www
GJ!

352:名無しさん@ピンキー
08/11/11 01:55:28 WVAWEZmZ
うわ、こんなスレあったんだ・・・w
すごくキモいです・・。

353:名無しさん@ピンキー
08/11/11 02:07:37 MCdXbVn7
gj!
ただ、下さいまし。が多すぎて目に付いたかな。

354:名無しさん@ピンキー
08/11/11 02:48:00 uNl9pQ/Y
GJ!アンビッチさまあああああ

355:名無しさん@ピンキー
08/11/11 02:50:18 Q+R6qtDW
GJだけど5分でイクなんてまだまだだろ
最低20分は持たないと話にならんぞw

356:名無しさん@ピンキー
08/11/11 10:17:20 GPtBSAuD
魂童夢つけてれば20分は持つけど
生じゃ5分くらいが限界だろ

357:名無しさん@ピンキー
08/11/11 10:37:40 Ly9z4+I5
激しく突くばかりだとそんなもんかもだが、世の中には緩急テクニックがあるわけで…
とくに遅漏でなくとも一時間はもつぞ。スローセックスでも調べるがよろし。

358:名無しさん@ピンキー
08/11/11 15:50:29 EPPVi4r5
ポリネシアンセックスなんてのもあるくらいだしな

359:名無しさん@ピンキー
08/11/11 15:55:00 byWv2PwL
>>358
前スレで言ったものだが誰かそれを書いてくれないか?

360:名無しさん@ピンキー
08/11/11 17:15:23 EPPVi4r5
>>359
意外と難しいと思うぞ。
「行為に集中できる環境」とか「行為は5日に1回程度であとは性器にふれないように愛撫」
とかだしね。それに子作りというよりは完全に快楽目的だからなぁ…。
少なくとも俺は無理だわ。

361:名無しさん@ピンキー
08/11/11 17:38:41 74h/beOP
>>350 GJ!
1回目5分→2回目10分→3回目20分→4回目60分だから問題なし

362:名無しさん@ピンキー
08/11/11 17:51:16 Q+R6qtDW
そろそろボルボ分が足りなくなってきた
マダー?

363:名無しさん@ピンキー
08/11/11 19:01:02 KkxER7Jh
紳士は黙って全裸で待機

364:名無しさん@ピンキー
08/11/11 19:34:32 74h/beOP
つネクタイ

365:名無しさん@ピンキー
08/11/11 19:37:49 N49d9OQV
オーバーニーソックスも履きたまえ

366:名無しさん@ピンキー
08/11/11 20:27:44 Ly9z4+I5
寒くなる時期だ、コートも正装のひとつとして認可するべきでは

367:名無しさん@ピンキー
08/11/11 20:28:43 wnBuiNiX
>>366からネクタイ没収したまえ

368:名無しさん@ピンキー
08/11/11 20:28:48 ytP7Cvl4
>>366
コートよりもマントの方がこのスレ的には良いのではなかろうか?

369:名無しさん@ピンキー
08/11/11 20:34:19 EmJgurzQ
>>366->>367の流れにわらたw

370:名無しさん@ピンキー
08/11/11 23:10:01 74h/beOP
総合すると、紳士の正装は全裸&マント&ネクタイ&ハイニーソなのか
ネクタイ→首輪にしてゼロ魔女性陣に装備させたら案外似合ってた件w

371:名無しさん@ピンキー
08/11/11 23:18:19 GkuW3LJG
全裸に勝る装身具は無いってばっちゃが言ってた

372:名無しさん@ピンキー
08/11/12 00:41:31 vo3mWqsF
ボルボ――氏!
どこ行った――?

そろそろ続きが待ち切れないんですよ
お待ちしてます。

373:名無しさん@ピンキー
08/11/12 00:51:05 z3MyUKCJ
紳士なら紳士らしく全裸に正座で待機だ
この時期は寒いからネクタイと靴下をつけるんだ

374:名無しさん@ピンキー
08/11/12 00:54:07 +tGvklzP
軍曹殿!網タイツは可でありますか!?

375:名無しさん@ピンキー
08/11/12 00:58:10 bdHqPGc4
↑気持ちは分かるが風邪を引いてしまったら元も子もないな
せめていつでも全裸になれる様バスローブくらい着たら?
X42さん、CJ! wiki管理人様いつもながらお疲れ様であります

376:名無しさん@ピンキー
08/11/12 01:02:05 cbI73oJW
おい、>>375の靴下とネクタイを没収だ

377:名無しさん@ピンキー
08/11/12 01:02:42 dW4g6ybJ
wiki管理人様に敬礼!

…密かに陵辱物の続きを待っているんだ

378:名無しさん@ピンキー
08/11/12 01:08:09 8ZFvaoOi
半纏と炬燵でぬくぬくして待ってる

379:名無しさん@ピンキー
08/11/12 18:32:29 xQ96hVPs
じゃあ俺はバスローブ着てウイスキー片手に飼い猫を愛でながら待つか

380:名無しさん@ピンキー
08/11/12 21:05:00 SpIi/9j/
急かす奴大杉だろう・・気持ちはわかるけども。
みんなこのスレ以外に見てるスレないのか?
・・俺も常駐してるスレはここだけだけどさ。
良いの探すのも楽しいもんだぜ。


381:名無しさん@ピンキー
08/11/12 21:09:52 UIrwoJSt
無い時は無い。
これは変わらない事実。
そして強請るのも余り宜しくない。
ねだるってゆすると同じ漢字であらわせるんだぜ

382:名無しさん@ピンキー
08/11/12 21:10:52 bdHqPGc4
>>380
376に靴下とネクタイを没収された俺が言うのもなんだが
確かにそのとおりだね
職人さんも皆生活があるんだから急かすのも褒められた物ではないな

383:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
08/11/12 21:17:02 4zRMXxbf
お前ら全裸待機もほどほどにな。
風邪をひいたら立つものも立たなくなっちゃうゼ!

…いや一年前ね、生まれてはじめて風邪で気絶しましてね…。
あれは冗談抜きできつかった…orz

そんなわけで投下いきます。途中で終わってるけど勘弁な。

384:ぼくらの7日間戦争~三日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/12 21:17:32 4zRMXxbf
才人が景品として王宮に連れ去られて四日目の朝。
トリステイン魔法学院の女子寮の一室では、制服姿のルイズが引き出しから何か細くて長いものを取り出していた。

「うふ。うふふふふふふふ…」

黒くて長いそれを、ふゅん、と鞭のようにしならせる。
そして、朗々と詠唱に入る。
最近、ルイズは一つ発見をした。
魔力というものは、充填しておけるのだ。
それを応用したのが、マジックアイテムを作る際に使われる、付与魔術である。
それは、虚無の魔力とて例外ではない。
普段、才人に対し振るわれるルイズの虚無も、実はそうした付与魔術によるものであった。
ただ、本人が自覚せずに魔力を充填していただけである。
黒く細く長い杖に、ルイズの虚無が充填される。
そう、今行っているこれは、彼女自身の意思に拠るもの。
その威力は、無意識に行われていた魔力の充填とは比べ物にならない。
普段の犬のお仕置き用エクスプロージョンを打ち上げ花火とするなら、今充填されている魔力は地震実験用のダイナマイト並みの威力があった。

「うふふふふふふ…。ふふ…」

ぱしぱしと放電していた杖が、元の様を取り戻していく。
魔力が消失したのではない。杖の中枢に、ルイズの虚無が納まったのだ。
それを確認したルイズは、その杖を、制服のスカートをたくし上げ、太股に巻かれたホルダーに刺す。
そこには既に、三本の杖が納まっていた。
そして、空のホルダーは右に二本、左に五本。
計十本の杖を、スカートの中に隠す事が可能だった。
そして。
引き出しの中には、残り八本の杖が。

「うふ。うふ。うふふふふ。ふふ…!」

嫉妬と独占欲を源とする彼女の魔力は、今、かつてないほどに膨れ上がっていた。
そう。
王都から聞こえてくる、『トリステインの盾』と『純白の女王』の噂を耳にして。
噂に曰く。

平民出の英雄が、トリステインの女王の結婚相手らしい。
公式の行事で、女王をエスコートする英雄を、何人もの貴族が目にしているのがその証拠。
そして、二人の仲を、枢機卿までが認めているということ。

「うふ。うふ。うふ。うふふふふふふふふふふふ!」

笑顔とは裏腹に、ルイズの声はドス黒く染まり、頬は歪に歪んでいた。
新しい杖に込められた虚無が、収束していく。
アルビオンの軍を退けたほどの虚無が、四本目の杖に充填された。
そこへ、黒髪のメイドがやってくる。

「ミス・ヴァリエール、ご注文の品、できましたよ♪」

そう言ったシエスタの満面の笑顔はしかし、全く笑っていないその目によって深遠の淵を思わせた。
彼女の持ってきたのは、大きなバスケット。
その中には、彼女の手料理が入っている。

「タルブ伝統の最悪の喰い合わせ…。
 ヌメリ魚とホロの実の塩漬けです♪」

単体で食べればとても美味な二品だったが、同時に食すと、とんでもない腹痛と吐き気に襲われるという、タルブでは禁忌とされている組み合わせだった。
普通にこの二品を組み合わせて供する事はないが、方やメインも張れる脂の乗った魚、方や付け合せの漬物、といった体なので、ぱっと見普通に見える。
ルイズはその品をどうするつもりなのか。

385:ぼくらの7日間戦争~三日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/12 21:18:28 4zRMXxbf
「よくやったわシエスタ。
 …きっと、女王陛下も満足なさるでしょうね…。ふふ、ふふふふふふふ…。
 さあ、行くわよ王都へ」
「はい♪」

計略によって、愛する人を攫われた二人は、王都に向かうつもりだった。
才人を攫った本人…アンリエッタから、才人を取り戻すために。


その日、才人は謁見の間で女王の警護をしていた。
女王の今日の公務は、昼まで各地の貴族との謁見で、その後は書類整理のみで大した仕事は入っていない。
そして、今朝の女王の言葉。

『今日の公務が終わったら、この間の続きをしましょうね』

その言葉を励みに、才人は張り切っていた。
なんせ、この二日の間、さんざん焦らされていたのである。
今日こそ、アンリエッタをベッドの上で調理できるかと思うと、滾って仕方のない才人であった。
そんな風に、才人が若い情熱を滾らせていると。

「陛下。よろしいですか」

謁見の間は王宮全体の警備を任されているアニエスが、謁見の隙間を縫って女王の脇に立つ。
アニエスは女王の耳元で何事か囁く。
アンリエッタはアニエスの言葉に一瞬驚いた顔をしたが、すぐに元の優しい笑顔に戻ると。

「分かりました。すぐに通してあげて。
 ラ・フォルテ卿には、灌漑用水の件、できる限り支援する旨を伝えてお帰り頂いてください」
「は。委細承りました」

どうやら、大事な人物の謁見のようだ。最後に控えていた地方貴族の嘆願にGOサインを出し、女王はその来客を謁見の間に通すように言った。
アニエスが謁見の間から出て行くと、才人は傍らの女王に問うた。

「ずいぶん偉い人が来るみたいっすね?飛び入りの謁見を割り込ませるなんて」

才人の疑問に、アンリエッタはこれ以上ないほど嬉しそうな笑顔で、才人を見上げて言った。

「いいえ、偉くはないですわ。でも、女王直属の女官が火急の用件で謁見したいというものですから」

その言葉に、才人は固まった。

「え。まさか」

固まる才人を気にも留めず、アンリエッタは次の間に控えるその賓客を、呼んだ。

「お入りなさい。
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」

謁見の間の入り口に、桃色がかったブロンドの、背の低い少女が姿を現す。
貴族の証である家紋の入ったマントを羽織り、静々と謁見の間の中央に出る。
その後に、黒髪でメイド服姿の少女が手に大きなバスケットを持ち、続く。
才人は真っ青な顔で、口を『い』の形にしたまま、固まっていた。
謁見の間に現れたのは、言わずと知れた才人のご主人様とメイド。
ルイズとシエスタであった。
二人が何をしに来たのか、だいたい想像のついている才人は恐怖のあまりガクブルする。
逃げないと。俺死ぬ。コロサレル。
しかし、今は公務の真っ最中。しかも衆人環視の前である。才人は気丈にもその場に留まった。
恐怖で半分気絶しそうになっていたが。

386:ぼくらの7日間戦争~三日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/12 21:19:28 4zRMXxbf
そして。
桃色の魔王が、口を開く。

「女王陛下におかれましてはご機嫌麗しゅう。
 本日は、陛下にお願いがあってまいりました」

あまりに完璧な所作で頭を垂れるルイズ。
アンリエッタはそんなルイズに満面の笑みで応える。

「言って御覧なさい。可能な限り、その願い聞き届けましょう」

女王の言葉に、ルイズは顔を上げる。
二人の視線が見事にかち合う。
その瞬間。
才人は、謁見の間に風速四十メートルの台風がやってきたのではないかと錯覚した。
二人の視線は、まさに死線となり、気の弱い人間なら射殺せるほどの殺気に満ちていた。

…人の使い魔に手ぇ出してタダですむと思うなよこのうんこわたあめ…!
…女王の覚悟、その平坦な胸で受けきれるかしら?脳髄まで桃色のルイズ・フランソワーズ?

視線だけで行われる死闘に、才人は呼吸すらままならなくなる。
二人のただならぬ雰囲気を察したのか、謁見の間の各所に控える近衛騎士たちが、剣の柄に手をかける。
しかし。
次の瞬間、二人の間に満ちていた殺気が、きれいさっぱり消えて失せた
ルイズは突然少女の顔に戻ると、ほ、と顔を赤らめ、アンリエッタに言った。

「いえ、その、あのう…この場では、少し、恥ずかしくて。
 できれば、女王陛下のお部屋でお話したく」
「あら、乙女の相談事ですか?ルイズ・フランソワーズ?
 わかりました、私のお部屋でお話を伺いましょう。
 よろしいですかマザリーニ卿?」

まるで妹の相談事を受ける姉のような笑顔で、アンリエッタは傍らに控えるマザリーニに問うた。
その笑顔は慈愛に満ち、白の女王の名を関するに相応しいものだった。
表面上は。
マザリーニは女王に言う。

「…わかりました。書類の方は私のほうで処理しておきましょう」

今日の書類は主に王に対する嘆願書。内容の検分だけなら、マザリーニに任せても問題はない。
女王はマザリーニの言葉を聴くと、玉座を立つ。
そして、玉座の前で畏まるルイズに、手を差し伸べる。

「では、参りましょうかルイズ・フランソワーズ。
 ふふ、どんな可愛らしいお願い事なのかしらね?ルイズ?」
「いやですわ女王陛下ってば」

二人はまるで無二の親友のように寄り添い、談笑しながら、謁見の間を出て行く。
その後ろに、シエスタが続いた。
三人が出て行く直前、マザリーニが胸をなでおろす才人の肩を叩いた。
無事に済んだ、と安堵していた才人に、マザリーニは言った。

387:ぼくらの7日間戦争~三日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/12 21:21:59 4zRMXxbf
「何をしている。お前も行くんだ」
「へ?」
「たとえ親友との会談とはいえ、お前は女王直轄の近衛だろう。
 女王陛下が言われない限り、お傍を離れてはならんのだぞ」

え、マジッスカ、それ全力で修羅場フラグっすよ、王宮消えてなくなるっすよ、と才人は視線で訴えたが。

「何、心配するな。あのミス・ヴァリエールの様子だとお前と陛下の婚約を祝いにきたのだろうよ。
 あのメイドの持っている荷物はさしずめ祝いの品か?いい主人を持ったな、シュヴァリエ・サイト」

全力で勘違いをしているマザリーニに、その視線に篭められたメッセージは伝わるはずもなく。
才人は泣きそうになりながら、かなり遅れて三人の後を追ったのだった。

そして。
先に三人の入った女王の寝室のドアを、才人はノックする。

『どうぞ』

アンリエッタの声が応え、才人は中に入る。
女王が眠るにはあまりに質素な寝室の中では。
ルイズとシエスタが床に仰向けに倒れていた。
よく見ると、ぐっすりと眠っている様子だ。
どうやら、争いごとになる前に女王が得意の水魔法で眠らせたらしい。
荒事にならずにほっと才人は胸を撫で下ろしたが。
すぐに気づく。

「どーするんすか。コレ二人起きたら王宮が消し飛びますよ」
「そうみたいですわね。この子ったら、こんなに虚無の魔力を充填した杖を準備してるみたいだし」

アンリエッタはそう言ってルイズのスカートをめくる。
白い飾り気のないショーツとともに、その太ももにくくりつけられた十本の杖が露になる。
アンリエッタはその杖をホルダーごと外してしまうと、鏡台の引き出しに仕舞い込む。
これで、引き出しを開けられない限りルイズの企みは意味を成さなくなった。

388:ぼくらの7日間戦争~三日目 ◆mQKcT9WQPM
08/11/12 21:22:59 4zRMXxbf
「それに、この『お土産』もとんでもない食わせ物ですし」

言ってアンリエッタはベッド脇の円卓の上に置かれたバスケットを開ける。
その中には、旨そうな匂いをたてる蒲焼の魚と、添え物として何か真っ赤な実の漬物。
アンリエッタは続ける。

「ヌメリ魚にホロの実の漬物。それぞれ、単品では非常に美味しい珍味ですわ。
 でも、一緒に食べると酷くお腹を下してしまいます。
 …私も、お料理についてはお勉強しましたからね。タルブ名物についても、かなり」

うなぎと梅干みたいなもんか、と才人は納得する。
そんな才人に、アンリエッタは悪戯っぽく言った。

「サイト様が私がお腹を下すところをご覧になりたいのなら、食べてもよろしいですけど。
 どうされます?」

何を言い出すのかこのわたあめは。

「い、いいですよ!俺そんなへんたいさんじゃないっすよ!」
「あら。そうなんですか?そういうのもお好きなのじゃないかと。
 …人前で裸でおしっこさせるようなお方ですし」
「…ひょっとしてアレまだ根に持ってる?」

才人の疑問に、アンリエッタは『うふふ、どうかしら』と誤魔化し、そして、続けた。

「さて。確かに起きたら暴れそうですわね、この子たち。
 暴れられてもコトですから…サイト様?」
「何ですか?」
「少し、血をくださいな。私に、いーい考えがあります。
 それにサイト様も、お預けされて溜まっておいででしょ?」

満面の、何か黒いものを湛えた女王の笑みに、才人は尋ねた。

「…何企んでるんですか」
「うふふ。いいコト。と~っても、いいコトですわ…♪」

言って女王は二人のライバルを見下ろす。
その瞳は、淫靡に光り輝いていた。


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