卓上ゲームエロパロ総合スレ25at EROPARO
卓上ゲームエロパロ総合スレ25 - 暇つぶし2ch262:名無しさん@ピンキー
08/10/23 17:54:24 CuqoGjgN
>>260
ナイスオウンゴール。

>>259
双影狂想曲(カプリッチオ)開幕おめでとうございます。待ち望んでおりました。
おそらくはお祝いと祝福とGJの嵐になるでしょうがとりあえず私からもGJを。次回更新をお待ちしております。

さて。
ではわたくしのこと全国ポンチ吸血鬼愛好会の一員から一言二言。
・『近親感』はわざとの記述ですか?
・ノーチェの一人称:「わたくし(ひらがな表記)」
      二人称:「名前呼び(日本人はきちんと漢字表記)」もしくは「あなた」。頻度としては基本的に名前呼び。姓は呼ばない。
       口調:「~であります」と、その変形。

……と。細かい話ですがこんなところでしょうか。慣れると口にまで出てくるから困りものですが。<「~であります」

ではでは、このへんで失礼させていただきます。

263:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/23 19:32:59 hgE4EM2J
レス返しアンドお詫び

>>260
お、おちついてw
レス番号が違いますよー、GJありがとうです。

>>261
ハ、ハル!? この、ピェー!(訳:ゆにまほがノーチェだと有名ですよね、さすがに許可なしでクロスなど出来るわけも無く(してどうする)
全うに考えれば初対面な二人でした)

>>262
グハッ! やばい、フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンの読み込みが足りませんでしたか。
深くお詫び申し上げます。
今後は同じ繰り返しをしないよう、しばらく読み込みをします。
は、恥ずかしい……マジで一生の不覚でした ORZ
マジで死ね 俺 oRZ(地面にめり込むほどの土下座)

264:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/23 19:34:06 hgE4EM2J
>>262
追記。
近親感は親近感のマジで誤字でした。
本当に申し訳ないです。ごめんなさい。

265:名無しさん@ピンキー
08/10/23 19:51:32 dlJ3dd+m
しむらしむらー。
ノーチェが出てるのはリーチ・フォー・ザ・スターズ。
あとGJ。

266:名無しさん@ピンキー
08/10/23 19:53:07 dlJ3dd+m
sage忘れた……orz

267:名無しさん@ピンキー
08/10/23 19:53:39 W4ZFN2TX
マッドマン落ち着けw

だがGJ!
これは続きが気になるな

しかしもう完全に隠居してるな柊w

268:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/23 20:01:58 hgE4EM2J
>>265
ノーチェが出てるのはリーチ・フォー・ザ・スターズ……ORZ
ちょっとゆにまほ見直してきます。

ああ、慣れないキャラだとどんどんボロが出ます。
ごめんなさい。
レス数無駄に消費してすみません 皆さん。

269:名無しさん@ピンキー
08/10/23 20:12:18 9SpoUysG
マッドマン氏GJ!
隠居柊とケーキ貪るノーチェがすごくかわいらしかったですー、リクエストした甲斐があったよ!

次待ってます!

270:名無しさん@ピンキー
08/10/23 21:02:09 9r1TpYwN
給料が入ったから(正確には明日だが)ようやくパワー・オブ・ラブと
フライング・カラーズを注文した俺にとって何というご褒美!
問題は届くより先に続きが書かれてしまう可能性が非常に高いことだな!

マッドマン氏ぐっじょーぶ!

271:名無しさん@ピンキー
08/10/23 23:32:33 ykunU6jo
なぁにいいいマッドマン氏め! 夜といっていたから安心してバイトしてきたら……超GJです!!
冒頭からもしかしてあの子が!? あいつと!? いいのそれ!? ハァハァ!! と大興奮!
スク水メイド魔王のネタもしっかり入って爆笑! ガイアにも冥魔出現……そうだよねぇ、どれも全部幻夢神の夢から出来た世界だもんねぇ……と凄い納得
まだまだ序盤なのに凄い楽しい、続きも楽しみです!

ゆにまほ設定がしっくりきちゃって某二人の関係に違和感を感じる人へ
逆に考えるんだ! 時系列がシャイマール事件→マッドマン氏作品→ゆにまほ作品という形なら今初対面でも何の問題もねぇ!!

272:名無しさん@ピンキー
08/10/23 23:41:53 9SpoUysG
>>271
なんか微妙にスレ違いですまんが、たしかゆにまほの人は桃魔でノーチェと柊発邂逅させてたぞ?
ってゆーかどんだけ読者被ってんだよ向こうとこっち!?

273:名無しさん@ピンキー
08/10/23 23:48:04 DWZArVAH
>272
いやぁ。読者被るもなにも、普通だろ?
エロが嫌い/苦手でこっち見ない人は居るかもだけど。


274:名無しさん@ピンキー
08/10/23 23:58:08 vRU6XPJx
しかし近頃NWだけでスレが回るくらいになってきたし、
スレ分けしてもいいのかもしらんな。

275:名無しさん@ピンキー
08/10/24 00:01:34 9ZFbyld6
>>274
前にも誰か言っただろうけど、NWだけだと過疎る可能性が高いかも。
NWスレだけにすると、S=Fネタとかも使いずらいし、たまにDXとか最近ならデモンパラサイトとかも需要あるっしょ?

卓ゲーは一種類だけじゃなく、複数種類知っているのが結構多いからこのままのほうが個人的にはいいかな?

276:名無しさん@ピンキー
08/10/24 00:08:17 eh+VuBvI
別にNWだけな訳でもないしなぁ
無理に分ける必要もないだろう、NWだけになってるならともかく

277:名無しさん@ピンキー
08/10/24 01:27:41 1bmvHnRj
A・L・G! A・L・G!

278:名無しさん@ピンキー
08/10/24 02:25:25 2TY/mAa5
A・R・A!A・R・A!

279:名無しさん@ピンキー
08/10/24 02:30:52 HNwxuqeX
P・P・P! P・P・P!

280:名無しさん@ピンキー
08/10/24 02:52:02 ZUVYBeDC
R・P・G!R・P・G!

281:名無しさん@ピンキー
08/10/24 02:53:38 1bmvHnRj
だからここの住人は大好きだ

282:名無しさん@ピンキー
08/10/24 03:49:01 JxVzZSuq
>>279はいくら歴戦のTRPG戦士が揃ってるこの板でも、エロパロ化は難しいんじゃあないかなぁ…w

283:名無しさん@ピンキー
08/10/24 03:54:30 L9Wyd+4q
一応アクロスのユンガーとエルザでエロ考えてるよー。
挿絵でもペアだったり、二人で酒場にいったり、キャラ的にも見守るタイプで面白い。
アメのエルザにムチのユンガーというか。
まあ、一戦やらかしたあと、無精髭なでて遊ぶエルザを妄想したらエロ可愛すぎたっていうのが一番の理由なんだがなw

ツヴァイは今後に期待ってことでw

284:名無しさん@ピンキー
08/10/24 07:17:53 Ni4QA4zu
>>282
……えーと、GFのPPP紹介記事の2人とか?
ただのPPならレディースキャンペーンのウーリー×ナンとかじゃない?

285:名無しさん@ピンキー
08/10/24 11:17:11 ycMHeiTR
>>282
フルプレート着た女騎士にバトンもって群がるフェアリーはどうだろう。

286:名無しさん@ピンキー
08/10/24 12:24:35 uNTdjqLl
変態という名の妖精ですね、わかります。

287:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/24 12:34:23 9ZFbyld6
こんな時間ですが、勇者少女の続きを投下します。
ああ、これから出発だ。
オリキャラ注意!

288:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/24 12:35:26 9ZFbyld6


 辛いんです。
 悲しいんです。
 それが分かりますか?
 遠い。
 遠い。

 ホライゾンの向こうの貴方。



 発作はいつも唐突だった。
 壊れていく。
 ぼきり、ぐしゃりと、細胞が自壊を始める。

「ぐ、げほっ!」

 血が唇から洩れる。ボタボタとシーツが喀血に汚れて、赤黒い染みを作る。
 体が壊れる。悲鳴を上げる肉の軋みが骨を、肉を、血を通じて理解する。
 慌てて薬を飲み干す。
 瓶から取り出したガリガリと鉄臭い錠剤、白い塊なそれはまるで白骨を齧っているような感覚、それだけで吐き出しそうになる。

「あ、ぁああ」

 シーツに指をめり込ませる。
 パジャマ越しに自分の体を抱きしめる、汗が噴出す、手加減出来ない自分の指がめり込む、痛い、けれど離せない。
 痛みがガリガリと進行してくる、生理にも似た痛み、鈍痛と鋭い痛みが交互に襲ってくる。
 もう慣れた。
 慣れたと思い込むしかない。
 ガリガリガリ、薬を噛む、水差しから水を飲む。
 溺れそうになるほど喉に水を注ぎ込み、震える手から零れる水は喉を埋め尽くし、鼻にかかり、咽た。


289:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/24 12:36:12 9ZFbyld6

「がく、ごほっ」

 まるで陸に溺れる魚のようだ。
 僅かに残った水を涎と血を共に飲み干して、べたつく汗の感触に吐き気を催しながら、必死に耐えるしかない自分。
 惨めだった。
 哀れだと思えた。

「ぁあ」

 泣き言が洩れる。
 それを咄嗟に手で押さえ込み、耐える、耐える。
 嗚咽が洩れないように、隣の部屋にいるだろう兄に心配をかけないように、一生涯直る見込みのない自分の体に絶望しながら、耐える。
 ……いつまで? いつまで耐えればいい?
 ―死ぬまでだ。
 瞬時に弾き出された答え。
 それに一瞬目の前が暗くなる。

「ダメだ」

 心が折れたら負けなんだ。
 生きることすらも、笑うことすらも辛くなる。
 考えてはいけない、理解してはいけない、折れてはいけないのだ。
 すぐだ。
 一分、二分、少ししたら、すぐに収まる、発作とはそういうものだ。
 じっとシーツを噛み締めて、熱く火照ってたまらない体を押さえつけながら、自分は耐える。
 耐え続ける。
 耐え続けないといけないんだ。

 それがボクの生きる唯一の術なのだから。


290:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/24 12:37:13 9ZFbyld6
 
 アンゼロットが用意したゲート、それを通り抜けた先にあったのは―なんら変わらないアンゼロット宮殿だった。
 多少の違いはあるけれど、基本的には同じ構造。

「……こっちのも変わらねえんだな」

 物珍しそうに柊とノーチェが周囲を見渡すのを、共にゲートを通り抜けた輝ける黄金がどこか楽しげに苦笑した。

「同じアンゼロットですからね。多少の誤差はあっても、本質は同じということなのでしょう」

 そう告げて、輝ける黄金のアンゼロットは柊たちに先導するかのように足を踏み出すと、パチンと指を鳴らした。
 それと同時に無数の仮面を付けた男装の麗人たちが現れる。

「車の手配を、客人たちに無礼がないように」

『はっ!』

 キビキビとしたおそらくこちらにおけるロンギヌスたちの行動を見て、やはりアンゼロットかと柊は内心納得した。
 今まで体験した異世界ラース=フェリア、ミッドガルド、ブルースフィアなどまったく違う異世界から似たような世界まで体験したが、ここまで同一であり、そして微妙に異なる世界は並行世界なのだという実感を与えてくれる。

「んー? こちらのロンギヌスは女性が多いようでありますな?」

「そういやそうだな?」

 ノーチェの物珍しそうな言葉に、柊は気付いた。
 向こうのロンギヌスにも確かに女性ロンギヌスは数多くいたが、どちらかというと男性のほうが多かったように思える。
 しかし、こちらのロンギヌスは真反対に女性のロンギヌス……それも何故か男装したものが多い。

「そういえばレンも男装してるけどよ、なんか決まりなんか?」

「あ、あははは」

 柊の質問に、何故かレンは目を逸らした。しかも笑って誤魔化そうとしている。

「?」

 聞いてはいけないことなのだろうか?
 首を傾げつつも、柊がさらなる質問をレンにしようとした瞬間だった。

「準備が整いましたわ」

 パンッと輝ける黄金が手の平を叩き、こちらに注目を集める。
 その先にあったのは転移魔法陣の上に乗った一台のリムジンだった。


291:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/24 12:37:55 9ZFbyld6

「現地まではこのリムジン型箒で移動します」

「箒なのかよ!?」

 反射的なツッコミ。
 そういえば向こうでも空飛ぶリムジンだったよな?!
 そんな思いを篭めたツッコミだったが、華麗にスルーされる。

「では、皆さん乗り込んでください。詳細な説明は中で致しますわ」

 輝ける黄金の言葉に反抗する意味もないので、ぞろぞろと柊たちはリムジンへと乗り込んでいく。
 ……その前に柊は考えていた疑問をぶつけた。

「そういえば、冥魔の反応があったってどこなんだ?」

「―日本三霊山の一つ“立山”ですわ」

 静かな言葉。
 そして、ぞっと震えるような視線が注がれ、大気が凍りつく。

「そして、おそらくその神が“喰われました”」

 それは恐ろしい言葉。
 それは恐ろしい事実。

「貴方達には“堕ちた神を殺してもらいます”」





292:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/24 12:38:45 9ZFbyld6
 
 リムジンに乗り込んだ。
 空間拡大の技術でも使っているのか、それとも月匣の応用か。
 内部は広々とした空間で、三人が横座りしても問題がない大きさ。
 ガクンと外部から音が響き、転移魔法が起動したらしい閃光が窓の外から見える。
 そして、僅かな振動もなく大地に着地したのだろう。
 エンジン音が鳴り響き、周囲の寂れた景色から車が動き出した。

「応援の協力者たちは現地で合流してもらう予定ですわ」

 動き出すリムジン、その中で優雅に紅茶を啜る輝ける黄金が告げたのはまずその言葉だった。

「まず教えてくれないか? 冥魔に神が喰われたって……どういう意味だ?」

「そうですね。通常のウィザードならばあまり縁がないのでしょうけど」

 輝ける黄金は顎に指を当てて、少しだけ言葉を選んだ後に告げる。

「柊 蓮司、それにノーチェさん、レン。貴方達はこの世界には神と呼べるものが複数種類存在していることは知っていますか?」

「……む? 神様は神様でありますが」

 ノーチェは分かってない模様。
 彼女の故郷であるイタリヤのポンペイではイシス神教や皇帝信仰などがあったはずなのに、どうやら吸血鬼には縁が無かった模様である。

「古代神とか幻夢神などのことじゃないんですか? 北欧神話での神々とかなら知識として知ってますけど」

「……あと神って言えるなら大いなるものの連中とか、八百万の神ぐらいしかしらねえぞ」

 多少は勉強しているレンらしい言葉に、くれはという神道系の陰陽師の幼馴染がいる柊ならではの発言。
 中々にいい答えです、と輝ける黄金は微笑む。

「しかし、神とはそれだけではありません。自然神、川の神、山の神、信仰の対象となるものであれば全て神と呼ぶべきなのです」

 極論を言えば、畏敬を、恐れを、敬意を称せられ、信仰を集めるものならば全て神なのだといえる。

「そして、立山はかつて皇神の峰(すめらかみのみね)と呼ばれ、富士ほどではないものの三霊山と呼ばれるに相応しい霊的地域であり、かの山を守護する山神が存在していました」

「……それが喰われた?」

「ええ。今立山は冥魔の領域です。事態にいち早く気付いたウィザードと応援に当てたロンギヌスによって山小屋の住人の救出や封鎖活動などは行いましたが、常人が立ち入ることの出来ない穢れた土地となっています」

「……ボクも一応その救出活動に応援に入ったんだけどね、まるで別世界だったよ」

 そう告げるレンの顔色はどこか血相が引けていて、その恐ろしさを物語るようだった。

「だろうな……俺も二回ぐらい戦ったが、冥魔の月匣は侵魔のそれとは性質の悪さが違う」

 世界全てが切り刻むことに特化した斬撃空間。
 裏返し、肉と産卵と汚濁に穢れた街。
 その二つを思い出し、柊は険しい顔を緩めない。


293:名無しさん@ピンキー
08/10/24 12:39:15 Hi+93QVq
さて、この支援。必要かね?

294:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/24 12:40:56 9ZFbyld6
 
「わたくし冥魔とは戦ったことがないのでありますが、それほどやばいのでありますか? 蓮司」

「下手な新人ウィザードなら歯が立たないどころか瞬殺だろうな……個人差はあるんだろうが、アンゼロット。今回の冥魔が立山を乗っ取ったってことは、その土地のプラーナは」

「全てかの者のものでしょうね。おそらく魔王にも匹敵するほどの力を蓄えているはずです」

「……俺が呼ばれたわけだ」

 霊峰とさえ呼ばれる霊的地域、そこを押さえた侵魔の恐ろしさは柊も話しに聞いている。
 世界を巡るプラーナの流れ、龍使いたちが呼ぶ龍脈、そして信仰や特異条件によって強いプラーナを帯びた霊的地域。
 そこを手に入れれば膨大なプラーナを手に入れることが出来る。
 陣としては最悪な場所を取得された。
 切り込むにも危険すぎる場所。
 だからこそアンゼロットは柊、レン、ノーチェ、さらにもう二人のおそらく自分が知っている連中ならばベテランの二人を集めたのだろう。

「それで冥魔の場所はどこだ? 俺の経験上だが、月匣の中で幾ら暴れても意味がねえ。侵魔同様にルーラーとなってる冥魔本体を叩かないと、潰せないぞ」

「あまりにも冥魔の展開する月匣が巨大なため、詳細な場所の特定は不可能でした」

「っ、山の中を探し回れっていうのかよ!?」

 それは幾らなんでも無理だ。
 複数人の熟練ウィザードの広範囲魔法で爆撃するという方法もあるだろうが、それでも確実とはいえない。

「いえ、方法がないわけではないのです。そのためのノーチェさんです」

「ズズー」

 差し出されたジュースを啜っていたノーチェが、向けられる視線に一瞬キョロキョロした後、慌ててストローから口を離し、どんっと自分の胸を叩いた。

「任せるであります! 戦闘ならばともかく情報探索はわたくしの得意分野でありますからな! この先祖代々伝わる水晶玉が唸りを上げるであります!」

 ノーチェは風呂敷に背負った水晶玉をニギニギしつつ言う。
 信用出来るのか? と柊が困ったような目でレンを見て、レンは困った顔で輝ける黄金を見て、輝ける黄金は頷く。

「あちらの私が保障しました。ノーチェさんはきっと役に立つでしょう」

「当たり前でありますよ!」

 心外なとばかりに目を見開くノーチェ。

「ま、頼りにしてるぜ」

 何故だろうか。
 柊はノーチェと名乗る少女に親近感を覚える。
 なんていうか苦労をしそうだという意味で。

「そろそろ到着しますわね」

 輝ける黄金が不意にそう告げた瞬間、リムジンの内部、僅かに振動していた揺れがどこまでも静かに止まった。
 リムジンのドアが外側から開かれ、輝ける黄金は最後に微笑む。

295:名無しさん@ピンキー
08/10/24 12:41:11 Hi+93QVq
って、はやくもさるさんかっ!?

296:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/24 12:41:42 9ZFbyld6
 
「ご武運を祈りますわ、レン、ノーチェさん。そして、異なる最後の希望―柊 蓮司さん」

「応!」

「行ってきます、アンゼロット様」

「OKであります!」

 そうして、三人はリムジンから出た。
 そこから広がるのは広々とした蒼穹。
 そして、どこまでも広がる巨大な山峰の景色。
 標高3015メートル、圧巻過ぎるほどの巨大な山。
 かつて見たミッドガルドのミョルニル山の高峰とは比べ物にはならないが、それでも絶景と呼べる景色。
 けれど、少し感覚を研ぎ澄ませれば分かる……腐臭にも似た圧迫感。

「居やがるな」

「気をつけて。あまり近づくと、一気に取り込まれるから」

 柊の緊張した言葉の意味を汲み取ったレンが寄り添うように立ち、告げる。
 彼女の額からはじわりと汗が浮かんでいた。
 彼女にとっては一度月匣に踏み入れただけで本格的な交戦経験のない異形の敵である。
 緊張に自律神経が狂い、汗が噴き出すのも仕方が無かった。

「そういえば現地で合流する協力者とやらはどこにいるでありますか? 既に入っているのでありますかな?」

 キョロキョロとノーチェが周りを見渡すが、封鎖されているせいか、人っ子一人見当たらない。
 まさか既に中へ?
 誰もがそう考えた瞬間だった。

「レェエエエエン―」

 上空から謎の声が響いた。

「へ?」

 柊が上を見上げる、そしてレンは即座に横へとノーチェを掴んで高速移動をしていた。

「お姉さまぁあああああああ!!」

 謎の声は高まり、そして見上げた柊は見る。
 真っ黒なゴスロリ法衣服に、帽子を被った金髪の少女が、血走った目で落下してくるのを。
 ついでに言えば乱れ行く風にパンツが丸見えだが、その先にある両足がどうしょうもなく危険な角度を持っていた。

「お、ぉおおおおお!!?」

「さまぁあああああああああ!」

 チュドガンッ!
 爆音が轟き、めきょりとその両足が柊の顔面に突き刺さり、叩き潰した。
 まるで隕石の落下の如きクレーターが発生する。

「ぁあ、蓮司君」

 ごめんねと、ほろりとレンが涙を零す。
 彼は謎のゴスロリ少女(十字架にも似た大剣つき)に踏み潰され、地面に沈んでいた。

297:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/24 12:42:28 9ZFbyld6
 
「きゃ! レンお姉さま、お久しぶりです!」

 ゲシリと柊をけた繰り、むちゅーと唇を突き出しながら少女が飛んで―ガシッとレンが咄嗟に突き出した手によって肩を押さえられる。

「久しぶりだね……エリー」

「はい、貴方のエリー・ボルジア。レンお姉さまのために只今参上ですわ!」

 キラッと流し目。
 それをレンはスルーした。

「エリーがここにいるってことは、ナイトメアさんは?」

「ああ、あの人なら」

「……無茶はよくないどりぃーむよ~」

 ふよふよと空から舞い降りる少女が一人。
 黒く夜を思わせるマント、豊満な乳房、それを覆うスクール水着にも似たスーツ、そして全身を淫らに拘束するベルト、ベルト、ベルト。
 水色の髪をたなびかせ、その片目に眼帯を付けた黄金色の瞳をしたこれまた少女の外見をした女性。
 実に妖艶、或いは変態、マニアック的な格好をするのは夢使いの宿命か。

「久しぶりね、レンちゃん」

 コードネーム、ナイトメア。本名 鈴木花子という夢使いの女性だった。

「な、ナイトメアに……グィードか。道理でアクが強い……」

 ボロボロの柊が取り出した魔剣を支えに立ち上がる。
 任務開始前からダメージを負っていた。

「うーむ、見事に女性ばかりでありますな。蓮司、しっかりするでありますよ。理性的な意味で」

「はぁ?」

 何のことだと首を捻る柊。
 フラグスルー能力が全開だった。

「んで、この二人がファー・ジ・アースからの援軍ね? 魔剣使いに、吸血鬼。前衛後衛二人に、どちらもこなせる万能が一人。バランス的にはいいわね」

 ぎゅっと胸を押し出すように腕を組み、ナイトメアが呟く。
 確かに戦力的には文句のつけようもない面子だった。
 攻撃力ならば文句のない魔剣使いと勇者に、前衛も後衛もこなせる聖職者、そして夢使いと魔法重視の吸血鬼。
 ガイア側の二名の力量を柊はまだ知らず、ノーチェの力量もまた知らない。
 だがしかし、二人の守護者が選び抜いた面々であり、ナイトメアとエリー、その二人が柊のよく知る人物の並行存在であるのならば実力は期待してもいいだろうと思った。

「とりあえずレンたちが来る前に上空からある程度偵察はすませたし、通常時の立山の地図も用意してあるわ」

 ナイトメアは胸の谷間から―人数分の地図を取り出すと、全員に地図を手渡した。

「サーチャーを何個か飛ばしたんだけど、やっぱり山頂付近に反応が強いようね」

「つまり、まずは山頂を目指すんでいいんだな?」

「魔王と煙は高いところが好きっていうものだから。おそらく冥魔にも通じるんでしょ」

 にっこりと微笑み、ナイトメアが幼女の顔つきで笑う。


298:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/24 12:43:36 9ZFbyld6

「それじゃあ、方針は決まったし」

「さっそく出発しましょう、お姉さま!」

 ガシッとレンの腕によりかかり、エリーが元気よく告げる。
 全員が同意したのを見て、柊が告げた。

「んじゃ、一丁登るとするか!」

 魔剣を取り出し、柊たちは異形と化した立山へと足を踏み出した。





 狂う、狂う、狂う。
 カラカラと、空殻と、大気が渦巻く、それは頂き。
 蠢く闇が嗤う。
 ゲタゲタと。
 クル、クルと、狂、狂と。
 狂気を渦巻かせながら、堕ちた神と成り果てた魔は嗤う。

 己が神域―魔域へと侵入した罪深きものたちへと神罰を下すために、蠢いた。


 己が罪に絶叫せよ。



299:名無しさん@ピンキー
08/10/24 12:45:05 Hi+93QVq
ふ。杞憂だったか…支援

300:名無しさん@ピンキー
08/10/24 12:46:57 Cr0KxEI8
   |ハ,_,ハ
   |´∀`';/^l
   |u'''^u;'  |
   |∀ `  ミ  シエンシエン・・・
   |  ⊂  :,    シエン スルナラ イマノウチ
   |     ミ
   |    彡
   |    ,:'
   |''~''''∪

               l^丶
        もさもさ   |  '゙''"'''゙ y-―,
               ミ ´ ∀ `  ,:'
             (丶    (丶 ミ
          ((    ミ        ;':  ハ,_,ハ
              ;:        ミ  ';´∀`';,
              `:;       ,:'  c  c.ミ
               U"゙'''~"^'丶)   u''゙"J

            /^l
     ,―-y'"'~"゙´  |   もさもさ
     ヽ  ´ ∀ `  ゙':
     ミ  .,/)   、/)
     ゙,   "'   ´''ミ   ハ,_,ハ
   (( ミ       ;:'  ,:' ´∀`';
      ';      彡  :: っ ,っ
      (/~"゙''´~"U    ι''"゙''u


301:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/24 12:47:31 9ZFbyld6
投下終了です。
次回からダイヴになると思います。
それなりに長丁場になるけれど、すみません。

なお、ガイアのナイトメアのイメージは1stサンプル夢使い。
グィードのイメージは確かどこぞのネコ耳先生が書いたNWイラストの背景に映っていた聖職者幼女をイメージしてください。
なお、山神や八百万、霊脈こと龍脈(パラーライン)、霊的地域(パワースポット)などは独自設定ですのであしからず。
ご拝読ありがとうございました!


302:名無しさん@ピンキー
08/10/24 12:55:08 Cr0KxEI8
シエンオソカッタモサ・・・
         /^l
  ,―-y'"'~"゙´  |   
  ヽ ; ´ ∀ `  ゙':    ハ,_,ハ  
  ミ    / ̄ ̄ ̄ ̄/';´∀`';, サスガモサネ
__゙, ,/) / MOSA / c  c.ミ モサタチ
     \/____/  ̄ ̄ ̄ ̄


303:名無しさん@ピンキー
08/10/24 13:01:17 Hi+93QVq
マッドマン氏乙&GJですー。
くそう、やはり注文したパワー・オブ・ラブよりあなたの方が速かったか…w。
表紙を見るにレンはすごいきょにぅなんだよなぁっ!楽しみだなぁ、早く届かないかなっ!
そして池田秀一御大の色っぽい悲鳴が聞きたい!

…って、それはどーでもよくて。
相変わらず盛り上げるのが上手くて尊敬します。たまにエロスが入っているのも超☆GJです!
でも今回はノーチェがいるからエロいトラップには引っかからないんだろうなぁ女性陣!
ぬるぬるしたものでなみなみと溢れた池に落ちて服が溶ける柊蓮司というのはありそうな気がするのですがね。

304:名無しさん@ピンキー
08/10/24 13:47:11 ZUVYBeDC
でも触手プレイは出ると期待してる

305:支援
08/10/24 13:50:05 RQtvh3Rs
               l^丶
               |  '゙''"'''゙ y-―, あ ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう    
               ミ ´ ∀ `  ,:'     
             (丶    (丶 ミ   いあ    いあ
          ((    ミ        ;':  ハ,_,ハ   ハ,_,ハ
              ;:        ミ  ';´∀`';  ';´∀`';, ,
              `:;       ,:'  c  c.ミ' c  c.ミ  
               U"゙'''~"^'丶)   u''゙"J   u''゙"J

            /^l
     ,―-y'"'~"゙´  |   それ  るるいえ うがふなぐる ふたぐん
     ヽ  ´ ∀ `  ゙':
     ミ  .,/)   、/)    いあ    いあ
     ゙,   "'   ´''ミ   ハ,_,ハ    ハ,_,ハ
  ((  ミ       ;:'  ,:' ´∀`';  ,:' ´∀`';
      ';      彡  :: っ ,っ  :: っ ,っ
      (/~"゙''´~"U    ι''"゙''u   ι''"゙''u

306:名無しさん@ピンキー
08/10/24 13:55:32 Cr0KxEI8
>>305


      / l,;_,;,,;;_,          { 、(⌒'ー-‐'´
,―-y'"'~"゙-    `"'~"゙´r―-、 ヽ、\
ヽ   丶 △        ナ<_⌒  \ `ヽ、      まぁ、もっさりさんも一皮向けばこれだからな
 ミ              、r‐く\―∑_¨ヽ、Y :} _    さすが邪神すとらまの眷属だけあるわ
 ゙,        .::._,.ィ^ヽト.、ト、レ-、 `ヽJノ.〃´.__`ヽ.  触手プレイ支援も対応>>304
 ミ   .:.,.ィT「 ト、!\j ヾ´ ,  }ヽ、’・ ,ハ.〈  `ヾj
 ';     人トハ_{个、 ヾこ彡{.’イ、.`<__丿 ・}
ヾご..√ `ヽ._丿.! ・ト、’・`ヾ!・ し'⌒ヾ、.‘_ノ     
`ヾご.ノ^ヽ、’ ・厶ノ `'ー-べ,_ ._ン⌒ヾこ´
       `ーく.〈_,r‐- 、    ̄
         `'ー-‐”^y!


こんなもっさりさんが貴方の背後に……いるかもしれない。

           /^l 
  ,―-y'"'~"~"~゙´  |
  ヽ  ::::::::::::::::::::::  ;:
  ミ:::::::::´-―-, `::::ミ 
  ゙,:::::::::づ,∧::∧と:::::ミ
  彡.:::::::::::(;´・ω・)::::;:'
   '; (⌒)( ∩∩) ⌒)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
URLリンク(blameitonthevoices.blogspot.com)
URLリンク(upload.wikimedia.org)


307:名無しさん@ピンキー
08/10/24 14:51:17 fyGoLVqM
>>マッドマン氏
いよいよダイブかっ! マッドマン氏の描写する冥魔はどれもいい感じに壊れていて凄い好きです。セッションで描写する時の参考になる
オリキャラもいい感じ! ロリときょぬーがバランスよく配分されているようですな! エロも戦闘も下がりっぷりも楽しみですぜ!!

>>304
触手も楽しみだが、粘液スライムプレイがより好きという俺も期待している

308:名無しさん@ピンキー
08/10/24 15:12:07 nzNwoshP
>>マッドマン氏

相変わらず筆が早いGJです
あと、ネコミミ画の女聖職者は、今は無きEーログの黒皇子連載中やっていた読参でいたグィードの妹だったはずですぜ旦那

しかしあれだな、作中でも言われてるように今回は珍しくパーティーのバランスが良いなw
これなら柊がホイホイHPが0なっても大丈夫DEATHね!
惜しむらくは世紀末覇王なファンブルヒーラーが居ないことかw

マッドマン氏の影響で冥魔はガンガン強くしてもいいって、ばっちゃが言ってた!

309:名無しさん@ピンキー
08/10/24 15:19:26 O9vkdqRx
>>187
遅レスだが、ノーチェのイラストは某ネコ耳先生のサイトの扉絵で見られる。

310:名無しさん@ピンキー
08/10/24 15:22:10 O9vkdqRx
sage忘れたーーー!!
しかも某ネコ耳先生じゃなくてうしゃぎさん方だし(汗)

311:名無しさん@ピンキー
08/10/24 15:47:39 kax+0uL+
>>310
返せ……っ。

「ねっ、ネコミミ(画)ノーチェだとぉぉぉぉっ!?」
と思ってネコミミさんとこでサイトのすみからすみまで駆け回って探した俺の純情と時間、返せ……っ!返しやがれ……っ!!!

【馬鹿は本気泣きだ】

312:名無しさん@ピンキー
08/10/24 16:47:09 tMR19DA9
>311
たった3分の間に何があったんだw

313:名無しさん@ピンキー
08/10/24 17:38:50 RQtvh3Rs
ふう、危ない危ない…レスを見てなければ恐ろしい罠にかかるところだった

314:名無しさん@ピンキー
08/10/24 17:45:12 kax+0uL+
>>311
ゆに○ほの人乙。

315:名無しさん@ピンキー
08/10/24 18:06:04 s/aPY3TL
URLリンク(www.fujimishobo.co.jp)
どこへ向かうのだろうか

316:名無しさん@ピンキー
08/10/24 18:18:25 GQEgY2Lo
巻田wwwwwwwwww
きゅうんきゅうん。

317:名無しさん@ピンキー
08/10/24 18:19:41 R3fqNluO
>315
さなえはホントにエロい子だな。

318:名無しさん@ピンキー
08/10/24 19:43:24 bb1Gjzvi
>>315
巻田だけどちゃんとヒロインに乳があってよかった。
わざわざ鞘でスカートめくってんのかw
でもここはまた帯で隠れる部分なんだな。

319:名無しさん@ピンキー
08/10/24 20:00:14 L9Wyd+4q
DXエクソダスにデモンパにと、さなえが随分プッシュされてきてるな。
デモンパで、食事の後は運動だーとか描写できないシーンが出てきてもおかしくなさそうな感じw

320:名無しさん@ピンキー
08/10/24 20:38:22 eh+VuBvI
デモンパ始まりすぎだww

>>301
投下乙

今後も楽しみにしてますw

321:名無しさん@ピンキー
08/10/24 21:39:53 ysX/Gi8G
さなえはデモパラ担当になってから輝きすぎだw

322:名無しさん@ピンキー
08/10/24 21:55:16 LNK9x3kY
>>315
初めてリプレイを表紙買いする日が来ようとは。
無頼の日々、今は悔ゆるのみ・・・。

323:いつふた
08/10/24 22:58:04 0M8/fn+f
ゲーム:真・女神転生200X(メガテンX11本目)
 分割:18分割(その13)。
エロ度:狙って書いたエロ描写はない。
 追伸:来週はお休み。

URLリンク(wiki.fdiary.net)

324:名無しさん@ピンキー
08/10/24 23:31:08 Rhb8mzMI
>308
 >あと、ネコミミ画の女聖職者は、今は無きEーログの黒皇子連載中やっていた読参でいたグィードの妹だったはずですぜ旦那
 ガイアでは性別転換してるっぽいから、ファー・ジ・アースでの容姿と逆転してるんじゃね?


325:名無しさん@ピンキー
08/10/24 23:38:25 VoK0IL7W
名前はガブリエラ・ボルジアだったか

326:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/25 00:51:16 /ZwCH/V+


レス返しです

>>308 >>324
 げふぅううう!(吐血)
 なんてこった E-LOGは見てなかったから、グィードに妹がいることすら知らなかったですよ、奥さん!
 イメージ画像は脳内変換してください、色々と修正というか補足をして独自のビジュアルにします。
(PS リーチフォーザスターズしかみていなかったので、ノーチェが金髪なのか銀髪なのか判別すらつかなかったのは秘密だよ!)

>>303

 エロイトラップだって!? 山の中で何を求めているんですか!
 そして、表紙の柊レンを見ながらこう踊ると解放されますね ↓

   _ _ ∩                                    _ _ ∩ おっぱい!
  ( ゚∀゚ )ノ )))             ⊂ヽ                  ( ゚∀゚ )/
  ( 二つ    おっぱい!   ((( (_ _ )、   おっぱい!     ⊂   ノ   おっぱい!
  ノ 彡ヽ                γ ⊂ノ, 彡         .     (つ ノ
  (_ノ ⌒゙J            .   し'⌒ヽJ          .    彡(ノ

>>304
 どこまでアブノーマルですかww
 触手は前回やったばかりなのにw


>>307
 冥魔は毎度頭をこねて出しているので喜んでいただいて幸いです。
 個人的には侵魔の月匣が迷宮なら、冥魔の月匣は処刑場とかそんなイメージですね。
 おっぱいスライムは大好きですが、個人的には純情が好き。
 人外に与えるエロなどないのです!

>>308 追記
 凶悪な冥魔を出してプレイヤーが悲鳴を上げたら、もうなんていうか私のせいですw さあ罪は私に被せて、PCをいじめるんだ!(責任は取れません)
 世紀末マッチョな陰陽師を出したら真面目に敵を殲滅し、さらに柊がデスるので出しませんでしたw
 陰陽師怖いよ、陰陽師 1stルールだと鬼コンボだよ。


 ―土日中に二話ぐらい更新できるといいなぁ。




327:名無しさん@ピンキー
08/10/25 01:39:26 C4L/W7hh
では>>238の続きを投下。

デモパラで、すみか陵辱です。
マッドマン氏とは別ですが触手アリ。

328:名無しさん@ピンキー
08/10/25 01:40:13 C4L/W7hh
すみかの意識が目覚めた時、どことも知れぬ部屋の中でベッドに寝かされていた。
手足は拘束されているのか動かない。どうやら裸のままのようだ。
顔を上げて回りを見回す。部屋にはソファに腰掛けたひとりの女が居るだけのようだ。
「お目覚めのようね。」
女の声が掛けられた。ナイトガウンを羽織っただけの、どこかで見たような人だ。
「あなたは……昼間の?」
「ええ、そうよ。それよりもっと前に会った事は覚えてないかしら?」
気絶から回復したばかりの朦朧とした意識で、記憶を探る。
「あなたは……理緒さんの時の!」
思い出した。インチキ芸能事務所を経営してたメギドの火の信者だ。確か名前は平尾ゆかり。
「思い出したようね。」
「あなた、一体どうしてっ。あの人達は!?」
「もちろん、あなた達への復讐のためよ。あのヤクザ達は私の事務所時代の知り合い。
あなたをおびき寄せて捕らえるのに協力してもらったの。」
平尾は魔種吸引し力を無くしている。……そういえば、その後の事は知らない。
「あなた達に敗れてから私は悪魔憑きの力も失い事務所も閉鎖。
愛しいアイドル候補生達は皆、私の元を去ったわ……」
「あたりまえです。」
「あなた達を憎んだわ。そして復讐を誓ったの。力を取り戻し、あなた達を地の底に引きずり落としてやると!」
「力を……取り戻す……?」
「そう、私は再び悪魔憑きとなったのよ! あなた達への復讐のためなら死すらも厭わない覚悟でっ!」
魔種吸引された悪魔憑きは体内に免疫が残り、新たな悪魔寄生体を入れることは極めて困難である。
拒絶反応から地獄の苦しみを味わい、3分の1は死んでしまうと言われている。
ゆかりは立ち上がるとガウンを脱ぎ、変身を始めた。メキメキと身体が変化し黒い甲冑を着た道化師のような姿となる。
「これが私の新たな力、トリブルスよッ!」
トリブルス。カルトロップを生み出す能力を持つ、ヴィシャスの中でも高位の悪魔憑きだ。
「くっ、変身ッ!」
すみかも変身を始める。普通の拘束具程度なら変身すれば壊れてしまうはずだ。
「あら、変身しちゃ駄目よ。」
ゆかりから静止の言葉が掛けられる。そんな言葉を聞くわけがなかった。
その時、すみかの全身に激しい痛みが走った。
「きゃあーーーーッ!!」
すみかはベッドの上でのたうちまわった。涙がこぼれ口からはよだれが垂れて顔がぐしゃぐしゃになった。
ひとしきり暴れた後、痛みが引いたので息を整えた。
「はぁ……はぁ……はぁ……いまのは……?」
「これよ。ブラックギアスってご存知?」
変身を解いたゆかりがすみかの胸の谷間を指しながら説明する。小さくハート型みたいな痣が浮かんでいる。
「この共生武装を入れられた子はね……ご主人様の命令に逆らえなくなっちゃうの。」
すみかの胸を愛撫するように撫でさすりながら囁く。
「あなた達は憎くて憎くてしょうがないわ。でもあなたは可愛いから特別。
あなたはたっぷり可愛がって、身も心も私のものにするの。」
背中から腕を回し、胸をやさしくもみほぐす。女の扱いに慣れているのか、とても気持ちいい。
「や、やめてくださいっ! 私にそういう趣味はありませんっ!」
「大丈夫よ。これからたっぷり教えてあげる。」
あごを掴まれ、強引にキスを奪われた。

329:名無しさん@ピンキー
08/10/25 01:40:48 C4L/W7hh
「ん~~~!!」
舌を入れられ口の中を嬲られる。すみかはたまらずゆかりを突き飛ばした。
「はぁ……はぁ……いきなりなにをするんですかっ!」
すみかにとってはファーストキスだった。女性に無理やり奪われることになるとは思わなかった。
「あら、乱暴ね。おイタが過ぎるわ。“おとなしくしなさい。” わかるでしょう?」
黙ってなぶられろと命令されたのだ。
逆らえばまたあの苦痛を受けることになる。いっそ苦痛に耐えて変身して逃げてしまおうか。
あの苦痛は耐えがたいが、このままされるがままになるのも嫌だ。
「逆らうのはやめたほうがいいわよ。ブラックギアスの苦痛を連続して受けると、まちがいなく死ぬわよ。」
考えを見透かしたかのようにゆかりが脅しを入れてくる。
「あなたが死んだら残念だけど、その時は死体を散々陵辱した後、学校に吊るしてあげるわ。
もちろん恥ずかしい写真を沢山撮って皆にバラまいてあげる。
あなたは輪姦された挙句に殺されて晒された可哀想な少女として週刊誌を騒がすでしょうね。」
「ひっ!」
正気の沙汰とは思えない発想だった。
「もちろん、私はそんなことしたくないのよ。すみかは可愛い優等生ですもの。私に逆らうなんて愚かなことはしないわよね?」
死んで尚なぶられるより、生きてチャンスを窺うほうがまだマシだと思えた。
「……わかりました。お好きになさってください。」
観念したかのように力を抜き、ベッドに横たわる。
「本当にいいこね。すみか。私のことはお姉さまと呼びなさい。」
「はい、お姉さま。」
「よく出来ました。ご褒美にたっぷり可愛がってあげるわ。
 そうそう、お家の方へはセラフィムのお仕事で遅くなりますってメールを入れておいてあげたから。
 履歴に同じ文章が沢山残っていて助かったわ。」
どうやら逃げ場はないようだ。すみかはこれからの行為を考えると頭が重くなった。

最初は逆らおうとしたが、ゆかりの巧みな愛撫はすみかを翻弄した。
全身をなで上げ、もみしだき、次第に昂ぶらされていった。
股間に手を伸ばされ、秘裂を押し広げられると、中から愛液が溢れ出してきた。
「ふふふっ、もう準備はいいようね。」
すみかは初めての体験に既に腰が抜けそうなくらい気持ちよくなってしまっていた。
あまりに気持ちが良すぎて、このままどうなってもいいという気分だ。
ゆかりはベッドの脇のインターホンを取り上げると外へ連絡した。
「いいわよ。頼むわね。」
なにを頼んだんだろう? 朦朧とした頭に疑問が浮かんだのも束の間、ドアを開けて数人の男がなだれ込んできた。
「きゃっ!」
急に現われた男達に驚き意識が覚醒する。全裸であられもない姿を晒しているのだ。慌てて腕で身体を隠す。
「隠しちゃ駄目よ。」
「そ、そんなっ!」
命令に逆らうことは出来ない。背筋にピリッと痛みが走る。躊躇しつつも腕を下ろし、胸を曝け出す。
脚は折り曲げて座ることで隠さずに見られない体勢をとることが出来た。
するとゆかりが後ろから腕を回し、すみかの両足を押し広げた。
「やっ、やぁっ! 恥ずかしいですっ! やめてくださいっ、お姉さまっ!」
「駄目よ。これからすみかの処女喪失シーンを記録に残してもらうんだから。しっかり見せ付けなきゃ。」
「しょ、処女喪失っ!?」
ゆかりに愛撫されながら漠然と考えていたが、女性同士だから処女を奪われることはないんじゃないかと期待をしていた。
だが、ゆかりはわざわざそのシーンを撮影しようとしていたのだ。
男達は撮影機材をテキパキと設置すると撮影を開始した。

330:名無しさん@ピンキー
08/10/25 01:42:32 C4L/W7hh
「はーい、これがすみかちゃんのパックリおまんこでーす。クリちゃんもビンビンで、処女だというのにラビアがパクパク開いてまーす。」
ゆかりがカメラに見せつけるようにすみかの股間を解説する。
「やぁ……撮らないでください……」
泣いて懇願するがゆかりと男達を喜ばせただけだった。二台目のカメラを抱えた男がすみかの泣き顔をアップにする。
「かわいいわよ~、すみか。」
ゆかりが舌を伸ばし涙をペロリと舐め上げた。
「さて、じゃあ本番といきましょうか。」
背後から生々しい光沢をした触手が幾本もにょろにょろと延びてきた。
ローパーツイスト。トリブルスが持つ能力の一つだ。
「お、お姉さま……まさか……」
「もちろん、そのまさかよ。大丈夫、傷つけないように先を丸めてあるし、かわりにカリ首を作っておいたわ。絶対気に入るわよ。」
男性器を模したらしい触手が股間に伸びる。
16年間護ってきた処女を奪うのは、人の物でも器物でもない、悪魔の触手。まさしく化け物に奪われてしまうのだ。
すみかは逃げることなど出来るはずもないのだが、腰を後ろに引こうとズリズリと足掻いた。
「あら、駄目よ。逃げちゃ。」
新たに伸びた触手が両手両足を拘束する。
「ひぃあっ!」
ぴとり。
遂に触手が膣口へと接触した。カメラが股間をズームして撮っている。
「それじゃ、いただきまーす。」
ゆかりがご馳走を食すかのように舌なめずりをしながら言うと、触手がすみかの股間へ一気に突き刺さった。
「……くはぁッ!」
股間でなにかが引きちぎられたような痛みがする。
痛みにたえようと深く呼吸を繰り返す。
「おめでとう、すみか。これであなたも大人の女よ。」
祝福するかのようにキスをし、舌をからめる。
「……はぁ……はぁ……」
激しく呼吸を繰り返す。いくら息を吸っても落ち着かない。
「……はぁ……はぁんっ!」
股間の触手が動き出した。処女に対する優しさなど欠片も無い激しい動きだ。
出し入れを繰り返すだけでなく、膣内で曲がる・回転する・太さが変わるなど、触手ならではの動きも混ざっている。
「痛いッ! 痛いですッ! やめっ、てっ……!」
あまりに激しい動きにすみかは悲鳴をあげながら助けを求めた。
「大丈夫、最初は痛いけどすぐに気持ちよくなるわ。悪魔憑きですもの。」

悪魔寄生体は宿主の肉体を護るため、常に健康な状態へ保とうとする。
宿主の深層心理を反映し、見た目の美しさすら望んだ姿へと変化させるのだ。
宿主が処女喪失に苦痛を感じセックスに快感を覚えたなら、苦痛を和らげ快感を増幅するように肉体を最適化させるだろう。
すみかの身体の中で衝動がはじけた。股間の痛みとは別に、下腹部に熱が生まれたのを感じた。
処女喪失の痛みが和らぎ、股間の抽送が快楽を生み出す。
きゅきゅきゅっ
膣が窄まり、触手を激しく締め上げたのを感じる。
「く……はぁっ……あんっ!」
すみかの声から苦悶の色が消え、あえぎ声へと変化する。
「あら、すみかったらさっきまで処女だったのにもう感じてる。幾らなんでも早すぎじゃないの?」
ゆかりが胸を揉みながらからかった。
「淫乱の素質があったのね。とっても素敵よ。」
「ひがぁっ、ちがぁぅ……はぁぅ……あんっ!」
必死に否定するも呂律が回らず、すぐにあえぎ声が洩れる。
「そんな淫乱すみかにご褒美よ……」
四肢を拘束する触手により、すみかの身体が持ち上げられる。全身が空中で固定され、ありとあらゆる角度から裸を見ることが出来た。
股間の触手は激しく抽送を繰り返し、すみかの肢体は空中で踊るように跳ね回った。

331:名無しさん@ピンキー
08/10/25 01:42:53 C4L/W7hh
「やあっ、気持ちいいっ、気持ちいいよぅ……」
「じゃあ次は後ろの処女の番よ。」
快楽に溺れそうな頭にゆかりの声が届く。
(後ろの処女? なんのことだろう?)
触手が出入りする股間に目をやると、同じような触手がもう一本伸びてきていた。
その触手の先端は、膣口より更に下の部分へと伸びていった。
(……まさか!?)
「ひゃめてっ、いあっ、きちゃないっ!」
(肛門へ突っ込むつもりなのだ!)
すみかは喘ぎながら否定の言葉を並べ立てる。空中で腰が自由に動くようになったため、必死に逃げるように動かす。
激しい腰の動きにより、触手が膣へと与える刺激が変化を生み、また新たな快感をすみかに与えた。
「だーめ。あなたの全てはわたしのものになるの。」
ゆかりがすみかのお尻に手を伸ばし、左右に割り開く。ピンクの菊門が顔を見せた。股間から垂れる愛液でビショビショに濡れている。
触手は股間の周りをなで上げるように動き、愛液をまとわりつかせると、菊門へと頭をつっこんだ。
「あああああっ!」
太い触手が肛門へ侵入してくる感覚。排泄に似ているが正反対の行為。
太い触手だがメリメリと中へと入り込んでくる。息苦しい。
初めての行為だが、排泄の際の快感と近しい感覚を覚える。
前後の穴で触手が暴れまわる。空中ですみかの肢体が跳ねる。全身から吹き出た汗と涙と愛液が飛び散る。
最初に与えられた苦痛はわずか。今ではゆかりの責めが全て快楽に感じられる。
触手が胸へのび双丘を強調するように縛りあげる。
激しく息を吐く口へも触手が突っ込まれる。
「ふふっ、すっかりこの子達の虜ね。」
ゆかりの声は既にすみかへ届いてなかった。すみかは既に自分の快楽を追及することしか考えていなかった。
(もっと、もっと!)
腰を激しくふり触手から与えられる快感に波をつくる。
突き出された胸へ手を伸ばし自分で気持ちいいように揉みしだく。
(もう少し、もう少しでなにかへ届くッ!)
「ほほほほ、すみかったらイキたいのね?」
(イキたい? イキたいっ!)
「ひぐぅ……ひぐぅ!」
触手を咥えながら主張する。もっと気持ちいいことを、もっと苛めて、もっと嬲って!
「本当、すみかは優等生ね。ご褒美よ。イキなさい。」
ゆかりの手が股間へ伸び、クリトリスを捻り上げた。
これまで味わった快感とは比べ物にならない程の刺激が一点に集中したかと思うと、全身へと広がり走った。
「はっ、あーーーーーッ!!」
脳に血が上り、目の前が真っ白になる。息ができない。
プシュッ
股間から白い液体が噴出した。
「潮を吹いたわっ! この娘本当にエッチな体してるわねぇ!」
ゆかりが感嘆の声をあげる。男達も喝采をあげた。
続いて尿道から黄色い液体が噴出し、綺麗な弧を描く。
「あら、おもらし? よほど気持ちよかったのねぇ」
股間と肛門、口の触手を抜き、胸の触手も解放する。この触手は射精が出来ないのがゆかりの不満点だった。
すみかは空中に磔にされ、ビクビクと痙攣しながらM字に開いた脚の間からおしっこを垂れ流している。
目の焦点は合っておらず、口は大きく開き舌が伸びよだれが垂れていた。
「はひぃ……はひぃ……」
おしっこが止まると、ゆかりはすみかをベッドへと優しく降ろした。
「どう? 気持ちよかったでしょう?」
優しく語り掛ける。
「……はい……もっとぉ……」
すみかは自由になった手で胸と股間を弄り出した。
ゆかりは成果に満面の笑みを浮かべると、次のプレイの準備に取り掛かった。

332:名無しさん@ピンキー
08/10/25 01:43:48 C4L/W7hh
ここまで。
次は輪姦の予定ですんで、苦手な人は回避してくださいね。

333:名無しさん@ピンキー
08/10/25 03:32:23 VbygzMB4
最近のデモンパの勢いは凄いな。
これがさなえ力か

334:名無しさん@ピンキー
08/10/25 09:12:16 66P2LlQw
>>324
くっ…Eログ捨てちまったから確認できねえええええ!

335:名無しさん@ピンキー
08/10/25 10:53:49 3W0Vrwal
>>マッドマン氏
更新キターと思ったら舞台が地元でフイタw
立山の伝説とか一通り語りたい気分だが自重しとく
次回以降をwktkで待つぜ!

336:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/25 14:20:39 /ZwCH/V+
こんな時間だが、勇者少女の続きを投下してもいいかな?
半から投下します~。
あまり展開が進んでないや ORZ

337:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/25 14:31:27 /ZwCH/V+

 愚かなり。
 哀れなり。
 断罪せよ、断罪せよ。
 哀哭せよ、哀哭せよ。
 己が罪を理解し。
 己が闇を恐怖し。
 全てに絶叫せよ。

 さすれば慈悲深き神が罰を与えん。





 ぬちゃりと湿った音がしたのは多分気のせいじゃない。
 敷地に、領域に一歩踏み込んで……既にそこは魔界だった。
 月匣よりもなおおぞましい冥魔の神域。

「くそったれ……紅い月は登ってないっていうのによ」

 空を見上げる。
 空には紅い月光はない。
 赤光に空間は満たされていないというのに、既に息するだけでも吐き気がする。
 月衣を意識していないと即座に腐れ落ちてしまいそうだった。

「レン、ノーチェ、他の連中も平気か?」

 柊は数歩歩きながら、後ろに振り返る。

「だ、大丈夫でありますよ」

「……前より酷くなってる」

「不浄な空間ですわね」

「ふむ~、思ったよりも危険だわね」

 ノーチェとレンの顔色が悪い以外は全員無事なようだ。
 無理もない。
 常人は愚か未熟なウィザードならば月衣ごと侵食されて、食い潰されそうな空間。
 冥魔の月匣、それは侵入者を迷わす迷宮ではなく、むしろ何もかも蹂躙し、殺し尽くすための処刑場といえた。
 二度の経験が功を奏していた。
 柊は魔剣を掴み握ると、表面上は変化のない山道を登っていく。
 荒れた山道、何人何十何百人何千人もの人間が登り続けたが故に出来た道。
 それを五人は歩いていく。
 周囲を警戒する―敵はない。
 空を見上げる―紅い月は昇らない。
 ただ吐き気がするような濃厚な気配が満ちるだけ。
 意識を保たなければ陸の上で溺れるかの如く、瘴気に溺れてしまいそうだった。


338:名無しさん@ピンキー
08/10/25 14:32:18 /ZwCH/V+
 
「柊 蓮司くんだっけ?」

 夢使いである故に感性に関しては一般的である柊にとって奇異とも言える格好をしたガイア側のナイトメアがふよふよと浮かびながら、柊の横に並んだ。

「あ、ああ? なんだ?」

「助っ人という話は一応上から聞いてるんだけど、この立山―雄山への山頂付近が一応の目的地って話は聞いてるわね?」

「ああ。アンゼロットから話は聞いた」

「じゃ、登頂ルートは考えてあるかな?」

「ルート?」

「普通の月匣でも当たり前だけど、今から登るのは山なんだよ。ウィザードといっても体力は無限じゃない、何回か休憩しながらじゃないと山頂までは辿り着けないだろうね」

 ふよふよと浮かびながら、ナイトメアはクルリと回転すると、まるで妖精のように柊の前に移動した。

「飛行していくってのはダメなのか? ……いや、無理か」

 のんきに空を飛んでいくのはあまりにも危険が大きすぎる。
 いい狙い撃ちの的だろうと、柊は途中で提案を取りやめた。

「室堂辺りには非難させたから無人の宿泊施設とかもあるし、そこで休憩を取ったほうがいいと思うね」

「室堂?」

「そそ。標高2450メートル。この立山は一般的な登山コースでもあるから、そこで大体休憩を取るのがベターかしらね」

 子供のような顔つきに、大人の魅力を入り混じらせて、妖艶とも言える顔つきを浮かべるナイトメア。
 捉え難いと柊は思った。
 ファー・ジ・アースのナイトメアとは何度か共闘をした中だが、最後まで調子を狂わされた記憶がある。
 ナイトメアはナイトメア、か。
 と、柊がため息を吐き出そうとした時だった。

「カー」

 鳥の鳴き声がした。
 空を見上げる。高い高度に飛ぶ無数の鳥の姿。
 鳴き声を上げて舞っている、何の変哲もない姿。
 いや、何の変哲も無い?

「っ! 敵だ!!」

 ありえない。この異空間の中に単なる鳥が飛んでいられるはずは無いのだ。
 瞬間、柊は魔剣を構え、その叫び声に全員が空を見上げる。
 そして、鳥は鳴いた。
 禍々しい鳴き声を。

「KaaAAAAAッッ!!」

 空が鮮血色に染まる。
 紅い月が昇り、鳥が鳴き声を上げながら、同時に血反吐をぶちまけた。
 闇色の血を吐き出し、その纏っていた羽根が千切れ飛び、落下しながら内部から膨れ上がるように巨大化していく。
 名づけるならば闇鳥とでも呼ぶべきか。
 その寄生主である鳥の血肉を引き裂いて、おぞましい造形と瘴気を纏った羽無き翼を翻して、落下する。
 それが複数。
 まるで闇夜がカーテンを引きながら落ちてくるかのような光景。

339:名無しさん@ピンキー
08/10/25 14:33:12 /ZwCH/V+
 
「おぉ!!」

 それを食い止めんと、柊は言霊を短く呟き、剣を逆手に握りながら、大地を踏み込んだ。
 腰を落とし、刃が地面を疾走し、空へと切り上げる一閃。
 まるで月を断つかの如き一刀、それは風の刃を纏い、鋭い不可視の斬撃を射出する。
 一刀両断にされた無数の鳥が汚濁を撒き散らしながら四散し、残った闇鳥が奇声を上げながら迫るも。

「閃光の魔弾、射抜きなさい」

 ナイトメアが上空に指を向ける。
 指鉄砲のポーズからスピット・レイ、光速で撃ち出される閃光が複数の闇鳥を射抜く、その血肉を焼き焦がし、砕け散る鳥たち。
 そして、さらにナイトメアが指を鳴らす。

「そして、縛れ」

 茨月。
 世界が恐怖する、おそろしい夢を見せる。
 光が拡散し、次々と闇鳥たちを縛り上げ、拘束する。

「ヴォーティカル・ショットであります!」

「神の威光を受けよ!」

 虚無の弾丸と閃光の爆撃。
 次々と吹き散らされる闇鳥。
 そして、最後に残った闇鳥は悲鳴のような声を上げると、翼をはためかせて、高度を取った。

「あ、逃げる気でありますよ!」

「任せて!」

 ノーチェの声に、レンは走りながら、自分の胸元に手を当てた。
 心臓を抉り出すようなポーズで中から抜き出された光を掴み取る。
 眩くばかりの聖光、輝ける武具、それはレンの手の中で瞬時に形作り、一本の閃光を放つ弓となった。

「いくよ」

 レンの繊手が弦に触れる、同時にそこから光が収束されていく。
 弓が放つ燐光を収束し、一本の輝ける矢へと再構築され、それはキリキリと音を立てて構えられた。

「打ち抜く!」

 鏃が逃げる闇鳥へと向けられる、空間が凍りついたかのような錯覚、息すらも苦しい、呼吸を止める。
 そして、手を離す。
 風を切り、闇を引き裂き、射ち放れた矢は弾丸のような速度で闇鳥を背後から射抜いた。

「GAAAA!!」

 嬌声にも似たおぞましい絶叫。
 破裂したかのように血肉が砕け散り、ボタボタと地面に穢れた血が撒き散らされて、蒸気を上げていた。


340:名無しさん@ピンキー
08/10/25 14:34:13 /ZwCH/V+
 
「ふぅ」

 レンが武器を手放した、と思った瞬間再び光に還元されて、掻き消える。
 それに柊は尋ねた。

「あれ? レンの武器は軍刀じゃなかったのか?」

「一番得意な獲物はそれだけどね、ボクの武器は用途に応じて形状を変えられるから」

 レンの所有する光輝天使の武具には本来決まった形状はない。
 持ち主の意思に従い、武装の形状を決める。
 切り裂きたければ魔刃となり、穿ちたければ巨大なる神槍となり、射抜きたければ光弓と化す。
 そのポテンシャル自体が高い勇者には高い万能性が求められる。
 それ故の選択だった。

「おねえさまー! かっこよかったですー!」

 ピョーンと金髪の髪を翻し、耳に付けたイヤリングを揺らしながら、エリーがレンの背後から飛びついた。

「わ、おもっ!」

「ま、お姉さまってば重くなんかないですわよ~」

「いや、武器が、重いんだけど」

 エリーが背負うのは身の丈ほどもある大剣である。
 それと十代半ばぐらいの年頃に相応しい外見体重と加われば、病弱なレンは思わずよろめき、それを支えようとして咄嗟に柊が手を伸ばす。

「おいおい、気を付けろ!」

 レンの倒れそうな体を支えて、柊が告げる。

「あ、ありがと」

 倒れる寸前で支えてもらったレンがお礼を告げると、その後ろにしがみ付いたエリーがビキリとこめかみに血管を浮かばせて。

「……お姉さま」

「な、なに?」

「そういえばこの方はどちらなのでしょうか?」

 にっこりと笑顔。
 背中の見えない位置でニコニコと笑みを浮かべるエリー、その気配に何故かレンは汗を噴き出した。

「え? いや、もうアンゼロット様から説明は受けてるんじゃ……」

「わ・た・しはお姉さまから説明して欲しいんです~」

 きゅーと指でレンの腰から脇まで指を走らせてエリーが猫なで声で呟く。
 それにレンは恐怖を、そして柊は何故か悪寒を感じていた。

「あ? いや、俺はこっちのアンゼロットに言われて―」

「野郎は黙れ」

 物凄いドスの効いた声だった。


341:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/25 14:34:54 /ZwCH/V+
「お、おう」

「えっと、蓮司君はファー・ジ・アースから協力に着てくれたウィザードだよ。ノーチェさんと一緒にね」

「あ、わたくしはノーチェでいいでありますよー」

 レンへと笑顔を浮かべて、名前を呼び捨てにするように提案するノーチェ。

「貴方も黙れ♪」

「おわぁ!」

 ギランと射抜くようなエリーの視線に、ノーチェが悲鳴を上げた。
 貴様それ以上ほざくようなら、その胸に祝福を受けた白木の杭を打ち込むぞ、ああん? とばかりの目つきだった。
 本来異端弾圧を掲げるローマ聖王庁に所属するエリーである、目的のためと己が欲望のターゲットが目の前にいるためその嫌悪感を押さえつけてはいるものの、元来吸血鬼などの類は敵なのだ。
 敵意を抑えるわけが無かった。
 ……それ以上の感情のような気もするが。

「まあ所詮この世界のウィザードでないんですから、分を弁えなさい、この部外者!」

「なんだと」

 嫌悪に満ち満ちた悪意の言葉。
 それを真正面から叩きつけられて、柊が不快そうに顔を歪める。
 そんな柊にびしっと指を突きつけながら、エリーは叫んだ。

「レンお姉さまの処女を奪うのは私ですからねー!」

「な、なにいってるんだよ!?」

「はぁ!?」

 瞬く間に崩れる緊張感。
 やれやれとナイトメアは肩を竦めて、ノーチェもそれに習うようにため息を吐き出した。
 女四人に男一人。
 戦力的にバランスは取れていても、チームワークとしては最悪だったようだ。

「さて、どうしょうかしらね」

 外見年齢十代前半、しかし山のような巨乳に、エキゾチックな格好をした人妻夢使いは困ったように顎に手を当てた。
 その時だった。
 強い風が吹いたのは。

「……風?」

 風がひゅーひゅーと呼吸のように吹き荒ぶ。
 空を見上げれば真っ赤な月光の夜、そこに―雲。
 雲? ありえない。

「何が!?」

 絶滅社の傭兵として過ごした数十年近いウィザードとしての経験でもなかった自体に、ナイトメアが厳しく顔を歪める。
 夢使いとしての魔眼で確認。
 現世は夢、夢は現実、全ては水泡の如き世界。
 夢を操り、現世をも書き換える彼女達の目には悪夢たる月匣の構成が視える。
 解析、索敵、分析。
 眼帯に隠されていない片目を大きく見開き、立ち込めてくる雲に対して目を向ける。
 そこから感じられるイメージ、嘆きの感覚、世界の悲鳴、汚物のような腐臭。
 吐き気がする―衝動のみに埋め尽くされた虚無のような冥魔の感情。
 そして、敵意。

342:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/25 14:35:40 /ZwCH/V+
 
「まずい!」

 予感がした。
 ナイトメアの声に、刃傷沙汰になりかけていた三人が止まる。
 そして、見上げる。
 紅い月匣の空に立ち込める暗雲に。

「空に、雲!?」

「嫌な予感ですわ!」

「くるぞ!!」

 雲が蠢いた。
 そして、降り注ぐのは……雨。
 蒸気集まり水滴となし、水滴集まり暗雲となし、暗雲集まり豪雨となる。
 それは森羅万象、当たり前の現象、自然は循環し、全ては流れのままにある。
 けれど、降り注ぐその前は当たり前ではなかった。
 黒い水滴、汚れた雨、まるで血涙のように毒々しい雨がスコールとなって降り注ぐ。

「ディストーション・フィールド!」

 次元歪曲。
 その防護壁を転換する夢使い。
 さらにそれを補強するかのように、ノーチェが詠唱を唱え、三人が己の身を護ろうと武具を突き出した。

「ダーク・バリアであります!」

 暗黒の球体が生み出されて降り注ぐ雨を飲み込み、噴き出されるプラーナによる壁が雨を弾き飛ばし、歪曲した空間が受け流し、降り注ぐ雨を切り払っていく。
 毒々しい雨水。
 それは大地を汚していく。歪な音を立てて岩が崩れ落ち、まるで強酸のように蒸気を上げて溶ける、溶ける、侵食されていく。

「っ、毒か!?」

「毒雨でありますな! まるでヒロシマであります!!」

「縁起でもないこというんじゃねえ!」

 原爆投下後に降り注いだといわれる死の雨。
 それを思わせるほど穢れた雨が降り注ぎ、ノーチェが叫んだ言葉に、柊は叫び返した。
 どうする、と冷静な自分が考える。
 降り注ぐのは雨、躱すのは不可能、量が多すぎる。
 咄嗟に逃げ込むにしてもあたり一面は単なる傾斜であり、逃げ込める場所なんて見当たらない。
 雨が止むのを待つのも不利すぎる。

「どうする! 一か八か走って逃げ切れるか!?」

「無茶だよ! この雨、危険な感じがする、浴びていたらどんなことになるか」

「それなら方法は一つですわね」

 エリーがやれやれと息を吐き出すと、一歩ディストーション・フィールドの外に足を踏み出す。

「エリー!?」

 レンの声。
 雨が降り注ぐ。
 その法衣を、金髪の髪を、体を汚れた水が汚していく。
 じゅっと苦痛の声が上がり、その体が痛めつけていくのが分かる。

343:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/25 14:36:29 /ZwCH/V+
 
「ぬ、わたくしが防御魔法をするであります!」

 ダークバリアの対象を変換しようとした瞬間、エリーが声を上げた。

「邪魔するな! 吸血鬼」

 冷たく一瞥。
 けれど、その目には嫌悪の瞳は無い。
 この場で一番脆いのは吸血鬼の少女だと誰もが悟っていた。
 彼女が防御魔法を怠れば、一番先に死ぬのは彼女だとエリーは理解していた。

「で、ですが!」

「私には神への愛と信仰があり、神に授けられた権威が私を護ります。如何に穢れようとも、この信仰は決して崩れない」

 全身から放たれる光。
 如何に汚れてもなお、少女は気高く、耳に付けた十字架形のイヤリングが揺れる、肩下まで伸びた髪をなびかせながら、詠唱を唱える。

「立ち去りなさい、悪しき闇」

 主が磔にされた十字の形をした大剣を掲げて、聖なる少女は穢れた豪雨の中でゆっくりと振り回す。
 神を信じなさい。
 世界を愛しなさい。
 無償の信仰が、無償の愛が、見返りを求めぬ普遍なる愛が痛みを消し去り、苦痛を忘れさせ、どこまでも神聖なる精神を保つ。

「退け、邪悪なる御霊」

 十字を描き、信仰を唱え、神聖なる聖句を唱え上げる。
 風の精霊を呼び込み、風を纏い、雨を吹き払う。

「如何に邪悪に蝕まれようとも、ここは神の住まう土地」

 主よ、主よ、主よ。
 穢れを退けたまえ、魔を払いたまえ、我が信仰に応えたまえ。
 そして、今ここに奇跡が体現する。

「主の愛無きものは失せよ! Amen! ハリケーン!!」

 十字を斬り、世界に響き渡るかのような少女の声が神々しく鳴り響く。
 瞬間風が舞った。
 汚濁に満ち満ちた大気が清廉なる気配を取り戻して、舞い踊る。
 それは轟風。
 それは神風。
 雲を切り裂き、世界へと愛を伝えるかのような強き風が竜巻となって、空へと舞い上がる。

「よしっ!」

 ハリケーンによって雨雲が切り散らされるのを見て、柊がガッツポーズを取った。

「はっ!」

 そして、ノーチェとレンが即座にエリーに駆け寄り、その体を支えた。
 エリーの全身は毒液に満ちて、触れるだけで肌が被れてしまいそうであり、艶のあった彼女の金髪が黒い雨によって艶を失い、痛んでいた。
 痛々しい状態、それにレンは唇を噛み締める。

344:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/25 14:37:56 /ZwCH/V+
 
「はぁ、少し疲れました」

「エリー! 無茶して……」

「だ、大丈夫でありますか!?」

「これぐらいでくたばれないです」

 毒雨によって掻き毟りたくなるような苦痛はある、だが耐える。
 自身に回復魔法をかけながら、神聖なる力を纏い吹き荒れるハリケーンを見て、告げた。

「次の障害が来る前に早く行きましょう」

 そうエリーが告げて、他の全員が同意し、彼女を支えながら足を踏み出した瞬間だった。
 唸り声が聞こえた。

「今度はなんだ!?」

 柊の目が声のした方角に向ける。
 そこには風が渦巻きながら、唸り声の如く音を響かせていた。
 大気が集う、荒れ狂う、そして―“嗤った”。
 気配を感じた。
 そして、邪悪なる旋風が強風と化し、毒雨によって穢れた土を巻き上げながら脅威を増していく。
 気付けば大地が振るえ、震動していた。

「っ、逃げるぞ!!」

 何が起こるのか理解。
 柊はノーチェの腕を取り、横に抱える。

「なんかヤバイであります!」

「エリー!」

「エリー、走るわよ!」

「こ、これも試練かしらぁ!」

 レンとナイトメアが両側からエリー立たせて、走り出す。
 そして、その背後で邪悪なる風がもう一つの竜巻となり、エリーの生み出したハリケーンと激突した。
 大気が震撼する。
 ゲラゲラと嗤うような気配と悪意の増大と共に轟音が膨れ上がり、走り出す柊たちを追い回すかのように強風が、邪悪なる瘴気が吹き荒れた。
 ここは既に敵地。
 それはもはや魔なる世界。
 魔界。
 神域など既になく、あるとしたら邪悪と化した神の残滓が司る閉じ込められた箱庭。

 そこには安全など既に存在しない―



 空を支配し、風を支配し、大地を支配し、自然を操る。

 それは古来より神の仕業だとされた。

 ならば、それを操り、蹂躙し、支配するそれは神であろう。

 人が抗うことなど出来ぬ強大なる力が、柊たちの前に立ちはだかっていた。


345:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/25 14:40:26 /ZwCH/V+
投下終了です。
最初は閉鎖空間、次は街全て、そして次は山脈に加えて自然現象。
どんどんスケールがでかくなるのは仕様ですw

次回も土日中に更新できるよう頑張ります。
ありがとうございました。

346:名無しさん@ピンキー
08/10/25 15:08:03 3W0Vrwal
GJ! まさかこんなに早く続きが読めるとは…無理しないでくださいね
今度のトラップは自然現象……トラップ探知が通用しないトラップですね
でも、柊はいつも漢探知だから関係ないかw

追伸 >>335の発言がテンション上がりすぎて無礼になってすみませんでした

347:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/25 15:11:02 /ZwCH/V+
>>346
む、むしろ地元の方に失礼がないようにネットで必死に調べています。
雄山神社の類の伝承などは一応出来る限り調べるつもりなのですが、なにかお勧めがあったら少しだけでもいいから教えて欲しいぐらいですw
感想ありがとうございました。


348:名無しさん@ピンキー
08/10/25 15:20:23 pWHYXsID
……そっか、こっちのナイトメアは「ひとづま」だったんだよな……(呆然
ないとめあのえろしーんないとめあのえろしーんないとめあのえろしーん(ぶつぶつ

349:名無しさん@ピンキー
08/10/25 16:15:10 1eLyqrIt
クロススレとかからも人が流れてきてるからかなあ、NWの投下がペース早いな。
それはいいんだが、どうも他のネタが埋もれがちだな。

350:名無しさん@ピンキー
08/10/25 16:16:22 7/U1UiuA
>>348
ロリ巨乳人妻で陵辱、ご飯六杯行けるじゃないか!


マッドマン殿、乙でござる!

351:346
08/10/25 16:48:32 3W0Vrwal
>>マッドマン氏
お勧めですか…雄山神社関連は調べておられるとのことなので、
こちらとかどうでしょう
URLリンク(www.hangontan.co.jp)
でもこれ、採用されたらネタバレになるのでは…
というわけで、マッドマン氏以外は自重願います


ところで、>>338で触れられている室堂から少し行った先には、
みくりが池温泉という日本で一番高いところにある『温泉』がありまして
まあ、せっかく温泉があるんですから…ねえ?w

352:名無しさん@ピンキー
08/10/25 17:43:09 DpaRxPGu
>日本で一番『高い』ところにある温泉

大変、柊力で下がっちゃう!
【いらぬ心配】

353:名無しさん@ピンキー
08/10/25 18:14:07 66P2LlQw
富山県ジャマイカ

354:名無しさん@ピンキー
08/10/25 18:33:26 C4L/W7hh
>>349
レスとかないと本当に読まれてるのか、完全にスルーされてるのか心配ではある。
でも俺は書くよ! エロいこと大好きだから! オナニーとか放置プレイと思って書くよ!

>>351
温泉っていいですよね。自然と裸の付き合いネタにできて。
冒険者相手のゲームでGMやると休息とるために温泉を出すことがよくあります。
3シナリオに1回ぐらい出す。温泉ネタ大好き。

355:346
08/10/25 18:49:00 3W0Vrwal
>>354
ごめんなさい……単なるスケベ心で温泉ネタ提案して、本当にごめんなさい…orz

356:名無しさん@ピンキー
08/10/25 18:55:38 C4L/W7hh
>>355
なぜ謝るかは知らないけど、マッドマン氏が温泉ネタにしてくれることを期待してまとう。
無理に期待して、期待はずれになっても気にしない方向で。

357:346
08/10/25 20:19:27 3W0Vrwal
いえ、あなたのほのぼのしたレスに、自分が汚れているように見えて、ついw

ってネタのつもりだった。確かに今見るとマジで謝ってるようにも見える
気にされたならごめんなさい

358:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/25 23:38:46 /ZwCH/V+
今夜一時頃にでも勇者少女の続きを投下します。
多分皆さんの期待に応えられるかと思ってますw


359:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:09:48 t+czoL+T
ゼンラタイキスルモサー
         /^l
  ,―-y'"'~"゙´  |   
  ヽ   ´ ∀ `  ゙':    ハ,_,ハ  
  ミ    / ̄ ̄ ̄ ̄/';´∀`';, ゼンラ デモ モサモサ ダヨネ
__゙, ,/) / MOSA / c  c.ミ モサタチ
     \/____/  ̄ ̄ ̄ ̄

360:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:11:44 Hags+Ngj
なにやってんだあんたわぁぁぁぁっ(爆笑)!?
裸☆待機!

361:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:21:48 nbZBjK3p
ふははは、この投下も書物に書いてある通り! というわけで全裸待機だあああああ

362:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:29:58 t+czoL+T
>>361
ソレミテ オモッタ モサ
・・・ガイア ノ リオン サマハ テツオタ デ
トウジョウシーン デ ハイケイ ニ バラ ガ トブ
オンナ ヲ オトスタメ ノ ホウホウ カイタ ジヒツ ノート カタテ ニ
クドキカタ ネクラ ニ レンシュウ スル ムキムキマッチョ?

         /^l
  ,―-y'"'~"゙´  |   
  ヽ   ´ A `  ゙':    ハ,_,ハ  ソウゾウリョクガマイナスモサネ
  ミ    / ̄ ̄ ̄ ̄/';´A`';, 
__゙, ,/) / MOSA / c  c.ミ モサタチ
     \/____/  ̄ ̄ ̄ ̄

363:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:35:01 v1n3iuAb
むう、私の方(デモパラ)も1時頃投下しようと思ったが、しばし待つか。

364:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/26 00:39:37 KZewB0pi
>>363

いや、先にどうぞどうぞ
それなら推敲と見直して二時ごろ投下しますんで

365:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:56:11 v1n3iuAb
>>364
いや、こっちも書いてる途中なんで、お先にどうぞw

366:マッドマン ◆265XGj4R92
08/10/26 01:09:09 KZewB0pi
では、投下してもよろしいでしょうか?
エロ注意ですが。
ちなみにリクエストとネタに満ち満ちております。


367:名無しさん@ピンキー
08/10/26 01:09:48 v1n3iuAb
オケオケ。温泉に期待しますw

368:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:11:11 KZewB0pi

 祈りなさい。
 願いなさい。
 乞いなさい。
 さすれば応えましょう。

 その全てを目の前で踏み潰してあげましょう。




 大地が震撼していた。
 風は荒れ狂い、草花は美しい風景を蹂躙するかのように変わり果て、悪意が山脈に満ちていた。
 終わらない、果ては無い、どこまでも広がる敵意。
 その中で柊たちは走っていた。

「どけぇえええ!!」

 魔剣を用いて、穢れた大地を踏み締め、加速。
 爆発的とも言える脚力で傾斜の大地を低空飛行の如く跳躍し、旋転しながら、前方に見える無数の異形たちに剣撃を叩き込む。
 エアブレード。
 遠距離まで届く不可視の刃が、人ならざる異形たちを切り裂きながら、血風を撒き散らす。
 それは人の形であっても、人ではない。
 肉塊の塊、瘴気を撒き散らす人型の爆弾だった。

「リーブレイドォ!!」

 さらに空から襲い来るのは闇鳥。
 編隊をも組んで迫るそれらを、ナイトメアが踊るような手つきで放つ光の奔流が薙ぎ払う。
 闇夜を切り裂かんとばかりの迸る閃光はどこまでも美しい。
 しかし、闇を切り裂くのは光ならば、光を覆うのもまた闇。
 限りは無い、終わりは無い、悪意が満ち満ちて、異形の集団が大地から生え出し、柊たちの前に立ちはだかる。
 ぐしゃぐしゃと水を撒き散らすような音を立てて、血涙を流しながら、筋肉繊維を断裂させて限界を超えた速度で追跡してくる集団がいる。

「っ! しつこい」

 それは野犬の群れ。
 口から汚濁を吐き出し、目からは血涙を流し、全身を弾けさせながらも疾走し続ける哀れなる犠牲者。
 救う手段は無い。
 音速に迫る速度で最後尾に走るノーチェに接近する。

「っ! 蹴散らせ、虚無の弾丸であります!」

 牙を剥き出しに迫った先頭の野犬の頭部を振り翳したノーチェの手の平から撃ち放れた虚無の刃が粉砕した。

「やったでありま―」

「馬鹿野郎!!」

 ノーチェがガッツポーズを決めた瞬間、柊の怒声が響いた。
 彼女の行動は誤りだった。
 迎撃などすべきではなかった。
 彼女がすべきなのは一歩でも早く前に進むこと、そうでなければ―まだ残る虚無の獣たちに追いつかれることは無かった。


369:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:12:24 KZewB0pi
 
「え?」

 最後の跳躍。
 生物限界を超えた脚力に四肢が骨折し、絶叫の血泡を吹き出しながら、野犬たちが跳躍し、それと同時に空中で中から弾け飛んだ。
 風船の如く破裂し、さなぎの如く中から飛び出す者がいる。
 それは混沌の汚濁に満ち満ちた獣、認識してはならない、感知してはならない、常人が見れば瞬く間に発狂する闇界の獣。
 魂が怯え竦める狂気の化身。
 それは獣の形を取りながらも、獣などではない。
 おぞましいほどに顎を開き、まるで花開いた悪臭な花弁のように牙を剥き出しにする。
 弾丸のような速度。
 ノーチェにそれを躱す術はない。彼女が取得する防御魔法は魔術を防ぎ、異能を打ち消す類、物理攻撃には意味が無い。
 故に、恐怖に目を見開いて、その眼前から飛び出した“岩壁”を見た。

「アースシールド!!」

 レンが大地を蹴り飛ばし、詠唱を唱え上げる。
 冥魔に掌握されたはずの大地を一時的に取り返し、魔力を流し込みながら、己の意のままに操る。
 無数に襲い掛かる虚無の獣の突撃を封じ、ひび割れながらもしっかりと受け止める壁。
 それに向かって、レンは自分の胸を掴み、大地に足をめり込ませながら旋転。
 加速しながら、光を抜き放ち―叫んだ。

「光よぉ!!」

 それは美しき軍刀。
 芸術に見せられた彫刻家が柄に工夫を凝らし、刀身は愚直なまでに鍛え上げることに心血を注いだ鍛冶師が打ち出したかのごとく頑強なる刃。
 美しさと実用性、形状美と機能美、その二つを矛盾無く併せ持つ刀。
 燐光を纏い、手にすることが出来れば歓喜に満ち溢れるだろうその刃の塚元から光が噴き上げる。
 極光、命の煌めき、プラーナの刀身。
 十数メートルにも届く光の刃、それを重量も無く、空気抵抗すらもない状態で、ウィザードが振るえばどうなるか。
 結果。
 その一閃は音速を超え、遮る岩壁をも豆腐を切り裂くかのように両断して見せた。

「断つ!」

 手首を返し、光を拡散させた後に残るのはずるりと揺れる岩壁とその先で開きにされて、二つの汚濁となった獣の残骸。
 残った獣が地面に着地し、態勢を整えて襲い掛かろうとした瞬間、左右から飛んできた閃光と旋風によって粉砕される。

「まったく」

「手間を……かけさせますわ」

 光の弾丸を打ち出した夢使いの女性が息を吐き出せば、顔色悪く揺らめく聖職者の少女が喘ぎ声を洩らす。

「す、すまないであります」

「勘違いしないで欲しいですわ。私はレンお姉さまを救っただけですわよ……」

 額から脂汗を噴き出し、一見するだけで苦痛に悩めるエリーがそう呟くが、ガクリと膝から力が抜ける。

「エリー!」

「まずいわね。このままあの雨水と触れていると、エリーが持たない」

 ナイトメアが診断、彼女の手に触れて、レイ・オン・フィンガーによって治癒の光を注ぎ込みながら顔をしかめる。

370:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:13:09 KZewB0pi
 
「《リラックス》を使おうにもこの辺りの空間じゃ、水分も汚されてるから……仕えないか。どこかで着替えさせないと駄目なのかな」

 レンが唇を噛み締めて、悔しそうに呟く。
 本来この手の呪詛ならばレンが習得しているリラックスで清めることは出来るのだが、リラックスを使うには大量の水分が必要であり、周囲の大気中から集めるにしても冥魔の影響力が強すぎて、使用するのは極めて困難だった。
 アースシールドも瞬間的に支配を奪ったのであり、数秒後には彼女の操作から脱却したからこそ諸共に破壊したのだ。

「とにかく、体を清めないと症状は悪化する一方だね」

「……どこか休めるところなんてあるのか?」

 手早く雑魚の冥魔を切り伏せてきた柊が、周りを警戒しながら声を上げた。
 一旦紅い月は解除されたものの、立ち込める気配は去っていない。
 ここもまだ安全圏ではないのだ。
 気を抜くには早すぎる。
 追ってくる異形に、襲い掛かる歪められた自然の猛威などに気を払い、数時間近く強行軍で走り抜けてきたが、そろそろ体力的にも限界が来ようとしていた。
 見ればレンの只でさえ白い顔は死人のように白いし、ノーチェもまた背負った風呂敷を重そうに肩を落とし、ナイトメアも何度放ったか分からない魔力の消費に取り繕った笑みを浮かべている。エリーは言わずもがなだ。
 柊はまだ体力に余裕があるが、これは冥魔の月匣に慣れているかどうかの差でしかない。
 疲労は等しく全員に体力を蝕んでいた。

「そうだね……かなり走ってきただけあって、もう室堂付近まで来てる」

 ナイトメアが目を向けると、その先には日本アルプスの絶景と呼ぶべき光景が目に飛び込んできた。
 遠目に見える白く化粧を覆われた山脈の数々は本来ならば見るべき人々の目を潤し、楽しませるものなのだろう。
 だが、今の柊たちに景色を楽しむ余裕は無く、始終圧迫する異界の空気が自然と彼らの心を荒ませる。

「冥魔の月匣に侵食されているせいか、かなり風景は変わっているけど……基本的な構造は同じはずだし、建物も同じ」

 遠目に見える登山客用の建築物などを一瞥しながら、ナイトメアはトンッと虚空を蹴り、宙へと浮いた。
 その視線の先には室堂の付近にある巨大な火山湖に向けられていた。

「みくりが池……確かあの付近に温泉と建物があったはず」

「温泉?」

「山は侵食されているし、みくりが池も多分汚染されている。けど、霊脈の恩恵を受けた地下水である温泉なら浸食はまだかもしれない。どちらにしてもさっきのような雨とかを凌ぐには建物に入ったほうがいいと思う……正直皆も限界だからね」

 そう告げるナイトメアは不意に重力を思い出したかのように落下すると、すとんと音を立てて地面に着地する。
 肩で荒く息を吐き出し、その突き出た乳房を呼吸音と共に揺らしながら、月衣で瘴気を浄化し、眼帯の付けていない目に入ってくる汗を拭った。

「わかった。レン、エリーを渡せ。俺が背負う」

「え? でも」

「全員で一番体力があるのは俺だろう」

 そう告げて、柊はレンが診ていたレンを担ぎ上げると、おんぶのように背負った。
 まだ膨らみきっていない乳房やガタガタと震えるエリーの体温を感じるが、柊は苦痛を押さえるかのように唇を噛み締めるのみ、彼女の法衣に染み込んだ毒液から痛みにも似た不快感を感じるが、無視する。
 その際に「貴方なんかに借りは受けたくないですわ」という声は聞こえたが、弱々しく、反抗する力も薄い。故に聞こえないふりをした。

「しっかり掴まってろよ」

 月衣からロープを取り出し、エリーと自分をレンに縛ってもらうと、柊は魔剣を握り直して、先導を切るナイトメアの後を追った。
 その後ろをレンとノーチェが背後を警戒するように走り出す。


 そして、彼らがみくりが池温泉の建物についたのは十数分後だった。



371:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:14:39 KZewB0pi
 
 みくりが池温泉。
 本来ならば何人もの従業員と客が詰めているだろう建物は人っ子一人いなかった。

「敵は」

「……いないみたいだね」

 建物の中に魔剣と軍刀を構えながら、柊とレンが中に入り、建物の内部を確認するが冥魔の気配は無し。
 スリッパなどが乱雑に並べられたままの受付、直ちに避難させられたということが分かった。
 柊とレンは靴も脱がないまま建物の内部を見回り、ナイトメアが周囲に探査魔法サーチャーを展開する。

「反応は……なし」

「ぬー、月匣羅盤を使っても敵の気配はないでありますよー!」

 水晶玉を降ろし、その補助を受けて吉凶を探る魔導具を使ったノーチェが安全を確認する。
 月匣羅盤。
 近年開発された仙人と呼ばれるウィザードと錬金術師により開発された方位日時の吉凶を探る、八卦や十干十二支の文字が刻まれた魔道具。
 周囲至宝に冥魔や侵魔などの反応がないかどうか探ることが出来るものであり、その精度は月匣内でも決して劣化しないとされている。

「ひとまず安心ね。エリーを降ろして」

「おう」

 柊がエリーを背負い、縛っていたロープを慎重に解くと、ずるりと彼女が床に転げ落ちる。
 それを慌ててレンが受け止めた。

「とりあえず着替えさせないと」

「お、お姉さま……」

「なに?」

 どこか部屋へと運ぼうとしたレンに、エリーが月衣から一つの小瓶を取り出す。

「これを入り口に掛けてください。一応侵魔などの侵入を防ぐ聖水ですから」

 弱々しく差し出されたそれをレンが受け取ろうとするが、その前に柊が手を差し出した。

「それは俺がやっておく。レン、エリーを」

 聖水を撒くぐらいなら自分でも出来るという判断。
 レンに一刻も早く処置を頼むという意思の現われ、レンが柊を見上げながら頷く。

372:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:15:08 KZewB0pi
「うん」

「レン、ノーチェ、二人はこっちに。こっちに入浴施設がある、体を洗い流さないとダメよ」

「了解であります。蓮司、しっかりと警戒するでありますよ!」

「おう」

「覗くなでありますよ!」

「しねえよ!!」

 ノーチェの要らぬ一言に突っ込みながら、柊は施設の奥へと歩き去っていく四人を見送り、受け取った聖水の蓋を開けた。
 玄関を横切るように聖水を撒き散らしながら、彼は荒く息を吐き出す。

「っ、結構辛いな」

 そう告げる柊の額からは押さえ込んでいた汗が噴き出していた。
 取り繕っていた体力の限界が近い、受付に手を付けながら、柊は月衣からHPヒールポーションを取り出すと、ぐいっと飲み込んだ。
 苦味のある独特の味。
 疲労を緩和させるために混入されている興奮剤により体が温まる、疲労を一時凌ぎだが忘れさせる。
 魔剣を床に突き刺し、柊は深く深く息を吐き出し、少しだけ目を閉じた。
 感覚を研ぎ澄まし、やってくるだろう危機に備えるために。




373:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:16:19 KZewB0pi
 
 女用の更衣室に四人が入る。
 そして、レンは館内売店から拝借してきた複数のタオルを床に敷くと、その上にエリーを横たえた。

「エリー、脱がすよ」

「や、優しくお願いしますね……」

 キャッと頬を染めるエリー。
 そんな冗談じみた態度だったが、その顔色の悪さは隠せない。
 衣服に触れるたびに染み込むような痛みを感じながら、レンは手早くエリーの法衣を脱がせる。
 短刀に変えた光輝天使の武具で法衣を切り裂き、剥ぎ取る。
 薄い肌着だけになったエリーの手足は真っ赤に染まり、火傷のようになっていた。

「……酷い」

「治癒魔法を掛けるから、残りの衣服も」

 ナイトメアが魔力を練り上げて、魔術陣を虚空に描き出す。
 スプーリング・ライフと呼ばれる時間軸に干渉する虚無の治癒魔法。
 時間が巻き戻るかのように赤みが収まっていくエリーを見ながら、レンはその肌着を脱がせた。
 子供っぽいシャツを上に脱がせると、ブラジャーを着けていない小振りな乳房につんっと立った桜色の乳首が外気に触れて震えた。
 そして、ショーツを脱がせると、その下にあった陰毛は毒液で解けたのか赤く爛れただけでツルツルの子供のようなヴァギナだった。
 聖職者としてエミュレイターを倒すべく厳しい教育を受けた悪魔祓いのエキスパート。
 だけど、彼女の体はこんなにも幼く、頼りなく、華奢だ。
 初めて出会った時から無償の行為を向けてくれる可愛らしく、少しだけ困った子供に過ぎないと思える。
 レンを悩ませて、楽しませて、温かくさせてくれる、まるで天使のような少女だと、彼女は少しだけ思っていた。

「……巻き戻し終了」

 ナイトメアが短く呟いて、額の汗を拭う。
 体を濡らす毒液をタオルで拭いながら、少しだけエリーの呼吸が落ち着いたのを確認して安堵の息を吐き出す。

「後は彼女の体を綺麗にしないと……それと私たちもね」

「え?」

 ナイトメアの言葉に、レンは不思議そうに首を傾げる。

「分からないかしら? エリーに私たちは多かれ少なかれ触れているし、直接雨に打たれていないとはいえ、飛沫とかは体に掛かってる』

 確かに、レンの白い制服などにはあちこちに染みが出来ているし、ノーチェやナイトメアの四肢もあの毒液で満たされた泥によって汚れている。
 汚染はされているのだ。

「というわけで……」

 パチンと手を叩き、ナイトメアはにっこりと微笑んだ。
 どこか不吉な笑みを。


374:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:17:10 KZewB0pi
 
「温泉に入りましょ♪」

「ええー!?」

「……なになに、効能は関節痛・筋肉痛・疲労回復でありますか! ナイスグットタイミングでありますね!」

 疲労回復というのは確かにいいかもしれない。
 けれど、けれど。

「敵陣の月匣のど真ん中で温泉に入るなんて……しかも蓮司君を置いて」

「あら? それなら彼もさ・そ・う?」

 ナイトメアが妖艶な顔つきで呟く。

「……え?」

 ピキリとレンの体が硬直した。
 蓮司君と一緒?
 裸で?
 ……無理。

「無理無理無理だよ! な、ナイトメアさん夫いるんでしょ!? 他人に肌を見せるなんて―」

「別に三十を越えた女の体なんて見ても面白くないでしょ? 私は気にしないけどな~」

 そう告げるナイトメアはくねっと体を捻ると、ぶるんとスクール水着のような衣服から溢れんばかりに盛り上がった乳房がぷるんと震えた。
 ありえない。
 前から思っていたけど、絶対に年齢は二十歳は逆サバ読んでいるとしか思えない。
 ナイトメアの外見は下手すれば小学生、上に見積もっても中学生ぐらいの身長と顔つきに、大人顔負けの巨乳という反則的なスタイルなのだ。
 男装という変わった格好をしているレンだったが、感性だけは一般的だった。

「で、でも。あ、そうだ。ノーチェは……ってもう脱いでる!?」

 スポーンとゴスロリドレスを脱いで、パンツ一丁になった吸血幼女がレンの叫び声にくるっと振り返った。
 透けるような白い肌、まだ肉は付かずにところどころに骨が浮かぶガリガリの体躯、けれどもそこに禁忌感を憶える青い果実のようなヒップと薄い平坦な胸から見える紅いサクランボ。
 そして、彼女は子供のような動作でパンツも脱ぎ捨てて、その子供のように小さなお尻を突き出していた。


375:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:18:13 KZewB0pi
 
「ん? なんでありますか?」

「いや、話……聞いてた?」

「聞いてたでありますよー」

 と、どうみても聞いてなさそうな態度でいそいそとタオルと何故か裸にも関わらず風呂敷で水晶玉を担いでいるノーチェにレンは頭痛を覚えた。
 あれなのだろうか。
 精神年齢というのは外見に引っ張られるのもなのか、外見年齢十代初期程度の彼女には羞恥心はあまりないと思えた。

「と、とにかく、ダメですからね! ボクは入ったりなんか―」

 瞬間、ガシリと足首に衝撃が走った。

「お、お姉さまぁ……」

「エリー!?」

 見下ろす、そこにはゾンビのようにしがみ付く全裸のエリーがいた。
 そして、その見上げる口元には……涎と爛々と輝く瞳があった。

「お着替え、手伝いますわぁあああ!!!」

「うわぁあああああ!!」

「私も手伝うわよー!」

「面白そうでありますー!」

 三人の破廉恥集団にレンは襲われた。

「蓮司君―!」

 助けを求める声が上がる。
 しかし。




「……握力はまだ効くよな、魔力も多少はあるし、対処は出来るか」

 シリアスな口調、真剣な眼差し、魔剣を床に着きたて、半膝を付いた姿勢で柊は襲撃に備えていた。





 無常にも声は届かない。
 両脇からナイトメアとノーチェがしがみ付き、そしてエリーが嫌に慣れた手つきで制服のボタンを外していく。

「ちょ、ちょっとまって!」

「いやですわ~」

 そして、制服の前が開かれると、そこには白いシャツを押し出して余りある乳肉の塊。
 男装をしていてもなお存在感をアピールし続ける巨大な山がそこにあった。


376:名無しさん@ピンキー
08/10/26 01:18:57 Hags+Ngj
はにゅーう

377:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:19:24 KZewB0pi
 
「ぬふふふふ。もうすぐお姉さまの生乳が」

「な、生ってなに!? やめて~!」

 シャツの前ボタンもプチプチと外すと、押し付けられていた胸がボインと飛び出した。

「お、お姉さま……恐ろしい人、着やせするタイプだったなんて」

 ガ○スの仮面チックな顔を浮かべるエリー。
 そこにはシンプルなブラジャーを付けたレンの妖艶とさえ言える格好がそこにあった。
 ……えぐえぐと漫画チックにレンが涙を流してなければ。

「途中までシリアスだったのに~」

「ええい、大人しく脱いでくださいませ!」

 ブラジャーを剥ぎ取る、そして外気に触れたレンの乳房は剥ぎ取られた衝撃で小刻みに震えた。
 まるで巨大な桃のようだった。
 しかし、その弾力はどうだろう。まるでマシュマロ、いやプリン? プリンのような弾力を持ったソフトボールが二つ付いていると思えばいいのだろうか。
 エリーが涎を流しながら、その乳房に目が釘付けになる。

「お姉さま、おっぱいでかいですわね」

「言わないでよ! 結構気にしてるんだから!!」

「個人的には羨ましいであります」

「でも、結構肩が凝るのよねぇ」

 横に立つメロンのようなロリ巨乳のたわごとを、ノーチェは華麗にスルーした。
 そして、三人がかりで上着を完全に脱がせて、ズボンとショーツも脱がせると、見事に一糸纏わぬ少女が一人出来上がった。

「……ひどいや」

「愚痴愚痴文句いわないの!」

 そして、ナイトメアも全身に巻きつけたベルトの金具を外し、するりと縛っていた拘束具を外す。
 淫らに縛られていた彼女の肢体が解放されて、さらに羽織っていた外套も月衣に放り込むと見事にスクール水着一つだけになった。
 それを肩からずりおろし、彼女は乳房を解放した。
 白く豊潤に実った白いメロン、大粒のサクランボを先端に尖らせて、ふぅっとナイトメアが色っぽい喘ぎ声を洩らす。

「あーきつかった」

 腰元までずり降ろした状態で、ナイトメアが一息付く。
 全身をぐっしょりと汗が濡らし、艶かしく肌から反射する鈍い光はどこまでも色香に満ちていて、ここにその手の趣味がある人間がいれば瞬時に理性を崩壊させそうなほどに危うい魅力を纏わせた格好。

「なら、格好を変えたらどうですか?」

 レンがタオルで前面を隠しながら呟いた。
 初めて出会った時から変わってない格好だが、あれは夢使いの正装なのだろうか?

378:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:20:20 KZewB0pi

「んー。でも、旦那があの格好だと喜ぶのよ」

『へ?』

「このコスチュームは全部夫が愛を篭めてプレゼントしてくれたの。だから、変えるわけにはいかないのよね」

 くねくねと身を捩らせながら、頬を薔薇色に染めるナイトメア。
 そして、その場の三人が思った。

 ―どうみても旦那さんは変態です。本当に、本当にありがとうございました。

 三人の心は一つになった。
 嫌な出来事で。

「このままでも風呂には入れるけど、さすがに駄目かな」

 ずるりと足首まで水着をずりおろすと、子供一人産んだ丸いお尻が露になる。
 脱いだ衣装の類を月衣に放り込み、最後にナイトメアは片目に付けていた眼帯も外した。
 そして、現れるのはもう片方の目と同じ琥珀色の瞳。

「あれ? ナイトメアさん、その眼帯って……両目見えるんですか?」

「んーファッションとあと実用性も兼ねて、片目は封じているの」

 そう告げた内容に嘘は無かった。
 彼女が片目を眼帯で封じているのは片方の目の情報を遮断し、さらに左目から入る右脳への刺激を和らげて、半分以上眠った状態にすることが目的なのである。
 夢使いは夢を見せるが、夢を見ない。
 それは常に現実という夢を見ているからだ。
 迷わし、見極めるために、彼女は己の能力を高めるために半分眠った状態で過ごしている。
 視覚能という膨大な情報量を制限することによって刺激を押さえ込んでいた。
 しかし、それらのことを夢使いではないレンに説明しても分からないだろう、とナイトメアは苦笑して話を打ち切る。

「じゃ、入りましょうか」

『はーい』

 諦め一人、同意二人の返事が返ってくる。
 そうして、四人の女性陣は立山が誇る日本最高所の温泉へと入っていった。



379:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:21:00 KZewB0pi

 一方その頃の柊 蓮司。

「っ!」

 音は無い。
 気配は無い。
 姿は無い。
 されど、理解。
 己が圏域に入った存在、それを理解し、握った剣を一閃していた。

「甘ぇよ」

 虚空の中で手ごたえ。
 確かな肉を、存在を切る手ごたえがあった。
 同時に虚空が歪み、ずるりと分割された異形が出現し、汚濁を吐き散らしながら崩れ落ちる。
 後にインヴィジブルストーカーと呼ばれる闇界の住人。
 それを柊は見極め、察知し、両断していた。

「エリーの治療の邪魔はさせねえ」

 気配を理解。
 踏み出す、魔剣を肩に担いで、柊が息を吸う。
 全身が痛い―何度か攻撃が掠めた。
 ミシミシと体が重い―疲労がある。
 だが、それがどうした。
 仲間を護るのに泣き声などいらない。
 助けるためならば、命すらも掛ける。
 それを無造作に、躊躇なく、行えるのが柊が柊である由縁。

「来るよな」

 施設の床を踏み締める、プラーナを供給、四肢に、感覚の強化にしよう。
 視える、迫ってくる異形の集団に。

「建物までは踏み込ませねえ」

 玄関から足を踏み出す。
 聖水によって守護された建物、その防護がどこまで聞くか分からない、故に迎撃を選択する。
 飛び出す、音速を超えて、仲間を護るために。
 細胞一つ一つにプラーナを満たし、活性化させ、全力を振り絞る。

「ぉおおおおお!!!」

 炎よ、纏え。
 風よ、覆え。
 風炎の魔剣を従えて、柊は迫る闇へと立ち向かう。

 仲間を護るために。



380:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:21:53 KZewB0pi
 
 そして、その頃の女性陣はみくりが池温泉に入ろうとしていた。
 みくりが池温泉だった。
 室内に備えられた木製の湯船に並々と温泉の水が注ぎ込まれている室内風呂だった。

「おおー、硫黄くさいであります! なんていうか先祖のトラウマが蘇ってきそうでありますなぁ」

 火山でぶっ飛ばされ、多分地球に帰ってこれなかった先祖を持つノーチェが目を光らせながら告げた。
 みくりが池温泉、その泉質は酸性・単純硫黄泉の白濁とした色を持つ。

「というわけで、入るであります!」

「っと、かけ湯ぐらいしなよ!」

「ストープよ、ノーチェ」

 突撃しそうになるノーチェの首根っこを捕まえたのは純日本人であるレンと日本国籍を持っているナイトメアだった。

「これだから吸血鬼は……」

 一糸纏わぬ裸体、その中で唯一付けているイヤリングを、少しだけカールした金髪ブロンドの髪の中で弄りながら、エリーが前に踏み出す。
 月衣を展開し、中から手の平サイズの十字架を取り出した。

「悪いですけど、念には念をいれさせてもらいますわ」

「え?」

「主よ、大いなる主よ、その威光を示したまえ」

 目を瞑り、聖句を唱え上げて、十字を切ると、ぽいっと手に持っていた十字架を温泉の中に投げ込んだ。

「あ、なにを?」

「十字架と聖句によってこの温泉を聖別しました。冥魔や侵魔、穢れしものたちには触れることすら出来ない聖水に清めましたわ」

 これならば万が一温泉に冥魔の手が及んでいようとも防ぐことは出来るとエリーは微笑んだ。
 そして、さらにもう一つ重要なことを告げるためにエリーはノーチェに振り向く。

「それと吸血鬼。貴方や人狼のような汚らわしい異端はこの聖水に触れることなんて出来ないから―」

「いやー、温泉とは気持ちいいものでありますな!」

 ざばーと掛け湯をノーチェは行っていた。
 たった今聖別をして、聖水と化したはずの温泉で。

「……」

「エリー……?」

 失敗したんじゃない? そんな目つき。
 レンから向けられるその目がとてもエリーには痛かった。

「あ、ありえないですわ。というかこの吸血鬼、本当に吸血鬼ですの?」

 体は洗ったでありますー!
 そう叫んで、温泉に浸かり、タオルを頭に載せて、びばのん○んを歌い出す吸血鬼というのは激しく間違っているといわざるをえない。
 白く濁った温泉に浸かり、その全身が白く濡れて、ノーチェは頬を上気させている。
 どうでもいいが、この吸血鬼の同僚として風呂に普通に浸かる巨乳な吸血鬼はいるわ、その宿敵は婦女子が入っている温泉に普通に侵入するなど、流れる流水が吸血鬼の弱点というのは嘘偽りだということが既に証明されていたりする。


381:名無しさん@ピンキー
08/10/26 01:22:25 Hags+Ngj
にゅーう

382:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:22:55 KZewB0pi
 
「ぼ、ボクらも入ろうか」

「しっかり体を洗ってね~」

「何故か敗北感……」

 ガクリと肩を落とすエリーがとぼとぼと桶を掴み、体のお湯を掛け始める。
 心身共に未だ未成熟の彼女の体を上から白く濁った液が舐めるように流れ落ち、股間からぽたぽたと陰毛がないせいで抵抗無く滴り落ちた。
 熱く暖められる感覚に心地よいのか、吐息がエリーの口元から零れる。

「それじゃ、エリー。念のためだけど―清めよ、清浄なる流れと共に! 《リラックス》」

 魔力を練り上げ、術式を描き、レンがエリーに魔法を放つ。
 あらゆる付与魔法などを解除する水の魔法。
 それが温泉水を媒介にして、その身に染み付いた穢れを洗い流した。
 染み一つ無い卵のような彼女の肌からどろりと黒い染みが零れ落ち、床から滴り落ちて、聖別された温泉水に溶け込んでいく。

「これで大丈夫だね」

「さすがお姉さま。助かりましたわっ!」

 ぴょいっとレンにしがみ付き、もにゅっとその胸に顔を押し付けるエリー。

「ちょ、ボクも体を洗いたいんだけど」

「それなら、私が……」

「いやいい、自分でやるから」

 ぶーと頬を膨らませるエリーに、貞操の危機を感じつつ、レンはハンドタオルで体を隠しながら、桶で温泉水を汲み上げる。
 そして、設置されている鏡の前に座り、石鹸を泡立てながらそのハンドタオルで全身を洗い始めた。
 まずは肩、そして次は腕、手首を、脇の下と洗い上げて、そして胸の上を洗う。
 泡立ち、病弱上にどこか痩せた自分の体の中で大きく膨らんだ乳房や臀部などはレンにとっては少しだけコンプレックスに感じていた。
 動くのにも重いし、肩が凝るし、街を出ればじろじろと見られることが多いからだ。
 後ろでエリーが指を咥えて見ているのにも気付かず、レンはさらに乳房を揉み解すように石鹸で洗うと、胸の下も丹念に磨いた。胸が大きいと胸の上だけではなく、下側も洗う手間も発生する。
 プリンのように形を変える自分の胸にため息を吐き出しつつ、洗い終えるとその下の腹を擦りあげて、さらに太腿、脚の爪先、そして、裏側と丁寧に洗い上げると、臀部に手を伸ばし、ゴシゴシとハンドタオルで擦った。
 むっちりと尻肉の詰まった形のいいお尻、それが泡立った白いハンドタオルで汚れを落とし、さらに申し訳程度に股間を洗うと、レンは一気に汲み上げておいた温泉水を頭から帯びた。
 洗髪までしている暇は無い。
 聖別された聖水のお陰か、全身が引き締まり、心地よい刺激を与えてくれて、レンは顔を薄い桜色に染め上げて、ぶるりと体を震わせた。
 魅力的な肢体、それはただ震えるだけで劣情を掻き立たせるものだと彼女は知っているのだろうか。

「はぁはぁ、レンお姉さまステキ過ぎますわ……」

 欲情に満ち満ちた瞳を獣の如く浮かべ、鼻血を流しながら、温泉に浸かる多分聖職者エリー・ボルジア。
 そして、その横でたぷんと巨大な胸がまるで浮き輪のように浮かび上がり、誇らしげに見せ付けながら、あ~とどこか年寄り臭い声を上げて、ナイトメアが天井を見上げる。

「極楽極楽だわ~」

 白く濁った湯が全身に被り、その乳球の張り詰めた谷の間を吹き出た珠の汗が流れ落ちる。
 んーと背筋を伸ばすと、同時に重たげな動作と共に乳房が上を向いた。
 白濁色の水を滴らせながら、乳房を上へと持ち上がり、伸びが終わると共にばしゃんと水を叩いて、上下に豊満極まる胸が揺れて、形が変形する。
 もしも十代の青少年が直視すれば即座に下半身を抑えて、うずくまること必死のインパクト大の光景だった。

383:勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92
08/10/26 01:23:40 KZewB0pi
 
「旦那と昔きたんだけど、やっぱりここの温泉はいいわねぇ」

 うっとりとした顔つき。
 上気し、あどけない顔つきに深い情艶の色を浮かばせて、自ら解いた髪を手櫛で梳くった。
 その横でぴゅーと水鉄砲で遊ぶのはノーチェである。

「お風呂とは気持ちいいでありますなぁ」

 うずうずと温泉の中を犬掻きのような動作で泳ぎまわり、その小さなヒップを水面から浮かばせながら、ぷかぷかと浸っている吸血鬼。
 激しく間違っていると言わざるを得ない。

「こら、お風呂の中で泳ぐのはマナー違反だよ」

 ようやく体を洗い終わったレンが、胸の前に腕を組みながら泳ぐノーチェを見下ろしていた。
 それはどこまでも美しい肢体。
 張り詰めたロケット型の乳房を突き出し、細く肉の薄い肢体が湯煙に濡れて風呂場の明かりに反射し、艶やかな色を映し出す。
 そして、ゆっくりと爪先から温泉に踏み入れると、その熱さにびくりとレンの肢体が震えて、ゆっくりと彼女は湯船に入っていった。

「ふぅ」

 胸下まで一気に浸かり、レンはようやく安堵の息を洩らす。
 張り詰めていた目を安らぎに閉じて、心地よい温泉の感触を貪った。
 タプタプと時々波立つ湯船の揺れは相変わらず反省しないノーチェと、上半身丸出しではぁはぁと興奮し続けるエリーのせいだった。

「エリー。鼻血を出すのは勝手だけど、温泉に血を入れないでね。ついでにいえば鼻血と性的興奮は科学的に関係ないから、多分のぼせてるわよ?」

「うふふ、私たちはウィザードですから、そんな科学的常識には捕われないのですわ」

 確かにその通りだが、激しく間違っているのは気のせいだろうか?

「それにしてもいい体してますわ、お姉さま♪」

「へ?」

「触っていいですか? いいや、限界だね!」

 ぐわしと背後からエリーが襲い掛かり、その乳房を握り締めた。
 突然の襲撃にレンは驚愕して目を見開き、おわぁっと滑る。

「え、エリー! ふざけないで!」

「なんていう弾力! なんていう柔らかさ! 至極の一品ですわ!」

 むにむにとその細い指をレンの胸肉に埋めながら、その返ってくる感触にエリーはくわっと目を見開いた。
 これは揉まなくては一生の後悔することになると確信した。

「め、滅茶苦茶にしてあげますわぁああ!」

「って、こらぁああ!」

 ぐにぐにと乳房を餅のように弄びながら、親指で乳首を弄ろうとした瞬間―べコンとエリーの頭部にプラーナ付きのレンの拳打がめり込んだ。
 ばしゃーんとお湯の噴水を上げて、ぶくぶくとエリーが湯船の中に上下逆さまに沈み込む。
 犬神家というべきか、足の代わりに可愛らしいお尻が水面からにゅっと突き出ていた。

「はぁはぁ、まったく」

 荒く目尻に涙すら浮かべながら、レンが息を吐き出す。
 油断も好きもなかった。
 平穏無事に風呂に浸かることも出来ないのだろうか。


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