08/12/18 03:56:59 hKEdIzYy
失意のあまり雨の中夜の街をさまよい歩く仁
飲めない酒を飲み
酔いどれて路地裏で嘔吐し
涙と胃液に塗れた顔で呪詛の言葉を呟く仁
ずぶ濡れのシャツに泥で汚れたズボン
そんな仁に降る雨がいきなり止んだ
仁が酔いに濁った目で頭上を見ると
そこにはそこらじゅうを探し回ったのか息せき切ったつぐみが傘を差しかけてくれている
手を取ると、つぐみは仁を助け起こして
「帰ろう。仁」
と雨に塗れた髪をハンカチでやさしく拭ってくれるわけで
そのしぐさになぜだか恥ずかしくも嬉しくなってしまった仁は
「帰りたくない」
と我侭を言ってしまう
そしてそこは実はラブホテル街であり
仁の言葉をすっかり誤解してしまったつぐみ
真っ赤になってしまったつぐみを見て
自分の言葉の意味を理解した仁は慌てて言い訳しようとする
でもその言い訳が言葉にならないうちに
つぐみはものすごく小さい声で
「…いいよ……仁だったら…いいよ……」
恥ずかしいのか目を伏せたつぐみがそんなことを言ってくるわけで
そんなSSが読みたい