戦隊シリーズ総合カップルスレ 8at EROPARO
戦隊シリーズ総合カップルスレ 8 - 暇つぶし2ch99:轟音緑×オリキャラ「Under the Same Sky」
08/10/21 23:48:16 ncvFaf3V
上空にいたジェットラスに吊ってもらい、駆け付けた早輝と連は飛び降りながら変身、
地に降り立つとダメージのために変身が解除されてしまった範人の元に駆けつけた。
「大丈夫、範人?!」
「ダイジョーブ・・・。来てくれたの」
「当たり前っす、一人で頑張らせてすまなかったっす」
範人を守るように立ちはだかる連と早輝に大翔が言った。
「またお前たちは!」
「大翔さんだって範人がかばったから撃てなかったくせに!」
早輝が大翔に訴えた。
「範人の気持ち、わかってよ!」
「感情論優先で戦えるか!」
「戦えるよ!」
早輝は胸を押さえた。
「範人が命を賭けて守るなら私だって守る!大翔さんみたいに強くないけど想いがあればなにより強くなれるんだから!」
大翔は舌を打ち、早輝を無視してロケットブースターを構えた。
「なんてことをするぞよ!」
悲鳴にも似たキタネイダスの声、大翔の放った冷気がレナの体を包んだ。
範人はみるみる凍りついてゆくレナの体にすがりついた。
「レナさん!」
冷気を浴びても破壊されない体を範人は茫然と見つめ、そして大翔を見た。
「せいぜい仮死状態だ。それなら悪さはできないだろう。
渡さないというなら、ヘタレていないでキタネイダスを倒せ」
戦闘の中、早輝は黄色い声をあげて、大翔に飛びついた。
「大翔さん!ありがとう、やっぱり大好き!」
首に抱きつかれ、大翔は焦ったように早輝の体を振り払う。
「わかったから、みんなとにかくまじめにやれ!」
そこにどこかで聞いたような高笑いが響いた。
一斉に上空を見上げると、箒に乗った眼鏡の老女が現れた。
「キタネイダス、久しぶりだのう」
「ま、魔法博士、オーセン・・・!」
地に降り立ったオーセンは杖をキタネイダスに向け、
「また花盛りにされたくなかったら、消えるのだ。この娘は私の孫娘だ。お前なんぞに二度渡しはしない」
「たかが魔女の分際で!」
キタネイダスはそういうものの、腰が引けている。
ほどなくキタネイダスは撤退した。
花盛りにされたことが相当のトラウマらしい。

100:轟音緑×オリキャラ「Under the Same Sky」
08/10/21 23:49:04 ncvFaf3V

あっけなく静かになった森の中で、氷の姿になったレナを抱きしめる範人。
「ごめん、レナさんごめんね」
どけ、と大翔が言いロケットブースターを向けるのを杖で制したオーセンは、杖の先をレナの体に向けた。
氷がみるみる解けていく。
それでも、レナの瞳は開くことがない。
レナの体を抱いたままの範人の背後に立ち、オーセンは言った。
「範人、レナの最後の望みをかなえさせておくれ」
「最後の望みって?」
「ジャンクワールドに戻り、静かに眠ることだ。私は約束したのだ。ガイアークの道具に戻らぬように元の姿にもどすと」
「お仙さんならレナさんを生き返らせるんでしょ? ここから連れて行って知恵を授けたのはお仙さんだって」
範人の声が濡れている。
オーセンは静かに首を横に振った。
「私が授けたのは知恵だけだ。それ以上は不幸になると思うたからのう。しかし、その知恵が人になりたいと望ませてしまった」
「・・・」
「キタネイダスの作った毒が抜けてしまえば、命を失うことと同じなのははじめからわかっていたのだ。
最期の時をお前と共にしたいと願ったこの娘の気持ちをわかってやってくれ、範人」
範人の涙がレナの頬に落ちる。
眠いと言って目を閉じてから、レナの命が尽きたことをわかっていた。
悲しみを悟られないように、気が付いていないふりを必死でした。
本当のことを何一つ話さずに、範人といたいと言ってくれた愛しい人のために。
「気持ちを・・・心を与えたのは、お前だ範人」
それを聞いて範人は地を拳で叩いた。
堰を切るように叫び声が涙と共にあふれた。


 目を閉じたままのレナの美しい顔を見て、範人は微笑んだ。
゛私が眠ったら、唇にキスして範人゛
゛いいよ、何度でも゛
あなたが望んでくれた。
それは僕への最高の贈り物。
閉じられたままの冷たい唇にキスをする。
「大好きだよ、レナさん」
 オーセンはレナの体を黒いマントで覆い、杖を向けた先にできた暗い空間へと浮かび上がらせた。
「さらば、範人」
「またね、お仙さん」
泣きはらした赤い目で笑みを浮かべる範人に、オーセンは深くうなずいた。

101:轟音緑×オリキャラ「Under the Same Sky」
08/10/21 23:49:50 ncvFaf3V
「みんな、勝手なことをしてごめんね」
ギンジロー号に戻ってから、範人は皆に頭を下げた。
走輔は銀貨を指ではじいて手の甲で受け止めて、にやりとした。
「表だ。範人、これからゼッタイいいことあっかんな、俺のコインが保証してるぜっ」
「範人、奮発してお肉っすよ、味わって食べるっす」
連がキッチンから何枚も皿をもって現れた。
そのあとに続くのは早輝のケーキの皿。
かと思えば、軍平に両肩をがっしりと掴まれ、
「範人、一緒にランニングしないか?」
顔をひきつらせた範人の肩を軍平から取り返し、美羽が大きな瞳を一層大きくして、
「範人はキラキラな男の子だよ。それに失恋は男を磨くんだから」
「ああ・・・ありがと」
テーブルに皿を並べながら、連が言った。
「このお肉たちは大翔が範人にって、置いていったっす」
それを聞いて、範人は泣き笑いのような顔をして頷いた。
「ありがと。みんな、ありがとう」


「バルカもありがとね」
皆が寝静まったあと、ギンジロー号の屋根の上で寝そべった範人は、星空を見上げながら、
隣にちょこんといる相棒のホログラムに語りかけた。
「いいんだよ、アミーゴ」
範人は目を閉じた。
本当はまだ涙が出てきそうになるけれど。
あなたを想うとき、泣いているよりも笑っていたい。
だって、僕は気ままで自由なvagabond。
僕は僕らしく、あなたを想うんだ。


<終わり>

102:名無しさん@ピンキー
08/10/22 00:39:24 rr3sv/D6
GJ!

これ実写でやって欲しい

103:名無しさん@ピンキー
08/10/22 00:54:29 frgzDncv
せ、せつない……
GJでした。

104:名無しさん@ピンキー
08/10/22 15:54:56 iQl6pfD/
良いものを読ませていただきました
ありがとう

105:名無しさん@ピンキー
08/10/22 17:07:41 auQm//zw
良かったです。また楽しみにしています。

106:名無しさん@ピンキー
08/10/23 00:29:00 qRnCUFZB
GJ!以外に緑よかった
オリキャラじゃないのがいいけど
次は赤銀書いて!

107:名無しさん@ピンキー
08/10/23 07:36:45 XpvVNTt8
原作の雰囲気が暗い時ですが、轟音赤銀投下します。
苦手な方はスルーでお願いします。

108:轟音赤銀「導カレル手」
08/10/23 07:40:25 XpvVNTt8
 土砂降りの雨だというのに、須塔家の別荘にやってきた走輔を見て、美羽は目を丸くした。
「ちょっと、一体どうしたの!? こんな天気なのに」
「大翔に用があってな。いるか? 大翔」
 走輔の言葉に、またしても美羽は驚いた。何故なら先程、大翔はギンジロー号に向かうと言って出て行ったばかりだったからだ。
「ええっ? アニ、ギンジロー号にいなかったの?」
「はあ? どういうことだよ?」
「さっき、あなたたちのところに行くって出て行ったばかりなのよ」
「マジかよ……」
 美羽がそう言うと、走輔はあからさまにがっかりした顔をした。それはそうだろう、こんな土砂降りの中走ってきたというのに、相手とすれ違いになっただなんて。
 口を開けたままその場に立ち尽くしている走輔を見て、美羽は言った。
「とにかく、服、着替えたら? 風邪引くわよ」
「お、おう。でも俺、着替えなんて持ってきてねえぞ?」
「じゃあお風呂に入ってきなさいよ。その間、乾かしておいてあげる」
 美羽がそう言うと、分かった、と走輔は頷いた。
 走輔を風呂場まで案内し、一通り使い方について説明すると、美羽は脱衣所の扉を閉めた。走輔が服を全て脱いだのを確認して、その服を回収するつもりだった。
 扉越しに、衣服の擦れる音が聞こえる。美羽は何故だか、それを聞いているだけでどきどきした。心臓の鼓動が激しくなっていって、美羽はますます動揺した。
 自分の体の中にあるはずなのに、心臓だけ、自分のものでないような気がした。
「おい、美羽! 後はよろしくな!」
 脱衣所の中から走輔の声が響いて、美羽ははっと我に返った。
「え、ええ!」
 美羽が慌てて答えたすぐ後に、ガラッと音がして、走輔が風呂場に入ったようだった。
 美羽はそうっと脱衣所の扉を開けた。当然ながら走輔はそこにはおらず、美羽はなんとなく安心した。
 籠の中に無造作に投げいれられた走輔の衣服を抱え、脱衣所を出た。


 走輔の衣服を室内に干し終えた後、美羽ははっと気付いた。
 そういえば、脱衣所にバスローブを用意していない。昨日干した後、たたんでタンスに入れたきりだった。
 バスローブの入っているタンスを開けてそれを取り出すと、美羽はそのまま風呂場に向かった。
 まだ走輔は風呂に入っているだろう。まさかもう出てきたということはあるまい。美羽の足は自然と速くなっていた。
 歩いてきた速さのまま、美羽は脱衣所の扉を開けた。


 だがその時、あってほしくないと願っていた光景が、目に飛び込んできた。
 なんとそこに、湯気をまとった走輔が立っていたのである。当然ながら、走輔は何も着ていない状態で―
「み、美羽!?」
「きっ―」
 美羽の唇が震えた。
「きゃあああ!!」
 美羽は思わず、バスローブを走輔に向かって投げつけていた。
「ぐわっ!?」
 走輔の呻き声が聞こえたが、構う余裕は全くなく、美羽はそのまま慌てて脱衣所を出、音が出るくらいきつく扉を閉めた。
「ちょっ、おい、美羽! 美羽!?」
「そ、それ、着て! いいから!」
 美羽は必死にそれだけ言うと、自分の部屋に走り去ってしまった。

109:轟音赤銀「導カレル手」
08/10/23 07:41:38 XpvVNTt8
 自分の部屋に入って、扉を閉めた後も、美羽の動悸は治まらなかった。それどころか、ますます激しくなる一方だ。
 ベッドに深く尻を沈めて、美羽はああ、とため息をつく。
 同時に、見るつもりのなかった、見たくなかった光景が、鮮明によみがえってくる。
 走輔のがっしりとした肩。胸板。筋肉質な腕。そして、下半身の―
「いや……」
 美羽は口を手で覆った。頭がくらくらした。心音が、耳にまで響いてきた。
 成人男性の裸を見たことのない美羽にとって、あの光景は刺激が強すぎるものだった。
 ましてや、相手は走輔だ。認めたくはないと思っていても、美羽は自分が走輔をどう思っているのかくらい、知っている。
 そんな相手の裸体を見て、何も思わないほうがおかしい。
 好きな人を想って、胸のどきどきが治まらない時、美羽はいつもあることをして自分を鎮めていた。
 このときも、美羽の手は、自然と下半身へと向かっていた。
「んんっ……」
 そっと指を動かしただけで、ぴりぴりとした快感が伝わってくる。もう一度同じようになぞると、奥から何かが溢れだしてきそうな感覚に陥った。
 今まで無意識のうちに隠し、守ってきたその場所に触れることは、とんでもなく重い罪のように感じられた。
 その行為に快感を覚えた後で、後戻りできない罪悪感に苛まれる。
 それでも、何故かやめられなかった。
 走輔が風呂からあがってきて、美羽を探し始めたらどうしようということなど、その時は考えもしなかった。ただ、この激しく脈打つ心臓を抑えるのに精一杯だった。
 もっと奥をなぞる。下から、上へ。ぞくぞくと、背中が震える。
「あ、ぁ……そう、すけ……」
 知らず知らずのうちに、美羽はその名前を口にしていた。
 止まらない。もっと、と、体が要求している。
「あん……あ、だめ……っ」
 絶頂を迎えそうになる。美羽の往復する指の速さが、だんだんと増していく―


 その時、非情にもその扉は開かれた。
「美羽! ここか!?」
 走輔の声によって、達しそうになっていた美羽は、急激に現実へと引き戻された。
 我に返った美羽が見たのは、またも信じたくない光景だった。走輔が部屋の中に入ってきて、美羽を見つめていたのだ。
 予想もしない出来事に、美羽は固まったままだ。
 当然、美羽の手は、その禁断の場所に置かれている。
 走輔の目は、驚きに見開かれていた。
「美羽、お前、何して―」
「や……いや……」
 美羽は絶頂を迎えかかっていたことと、突然の出来事が起きたせいで放心状態になっていた。
 ただ、首を振ることしかできない。それだけでは何も伝わっていないと知りながら。
「何、してんだよ……」
「ちが、ちが、うの……」
 美羽は首を振り続ける。
 いくら鈍感な走輔とて、先程までの美羽の行為が何を意味するのか、分からないわけがない。
 走輔は静かに、美羽に近寄ってきた。
「一人で……してたのか?」
 美羽は答えられない。首を振るのをやめて、ぎゅっと唇を噛む。
 それを肯定と受け取ったのか、走輔は気まずそうに目を逸らした。
「悪かった。いきなり、入ってきたりして」
 そう言うと、走輔はそのまま、部屋を出て行こうとした。だが、それを引き止める者があった。
 美羽はいつの間にか、走輔の手を掴んでいたのだ。
 美羽の思いがけない行動に目を丸くしている走輔を、潤んだ目で見つめた。
「行かないで……お願い」
「み、美羽……」
 走輔に見られてしまった事実を、消すことはできない。
 もう、どうでもよかった。走輔にどう思われてもよかった。
 美羽は走輔の手を、そのまま、自分の秘所に導いた。
「お願い……」
 ぎゅっと、握る手に力を込める。
「続き、して……」
 走輔が息をのむのが、美羽にも分かった。

110:轟音赤銀「導カレル手」
08/10/23 07:42:43 XpvVNTt8
「あぁ、ん、走輔……」
「美羽……」
 走輔は美羽の背に回ると、美羽に握られたままの手を動かした。
 走輔の指でその場所に触れられた美羽は、きゅっと身を固くした。
 いつも自分でしてきたこと。一人で、走輔を思ってしてきたこと。それが今、走輔の手で行われている。
 衣服ごしで、直接触れているわけではない。もどかしい思いが、ないではなかった。
 それでも美羽は、その場所に触れられているということ、そして触れているのが走輔だということに、この上ない興奮を覚えていた。
 走輔の指が秘密の場所を撫でるたび、美羽の口から息が洩れる。
「はぁん……」
 走輔の指が、往復する。
「……ぁぁっ……」
 声にならない快感が、空気の中へと放出されていく。
「美羽……気持ち、いいのか?」
「んっ……」
 耳元で囁かれる走輔の声にさえ、美羽の体は敏感に反応してしまう。
 同時に走輔の手が止まり、美羽の体がかあっと熱くなる。
 美羽は無意識に、体を少しずらしていた。ホットパンツごしに、花弁の中を滑っていく指の感触が、たまらなく心地よかった。
「そ、すけ……」
「何だ?」
「もっと、して……」
 美羽は熱っぽい息を吐きながら、哀願するように走輔の方を振り向く。
 走輔は驚いたような顔をしていたが、すぐに愛撫を再開した。
 体に、電流が走る。それは下半身から脳へ回って、興奮物質を体内に放出する。
「あぁぁっ……!」
 怒涛のごとく振り撒かれるその物質に耐えきれず、頭が真っ白になった。
 次の瞬間、美羽は体をぺたりと折って、すっかりと力の抜けたその体を走輔に支えてもらっていた。

 ふわふわと浮いたような感覚。
 快い痺れに襲われたまま、美羽の心に罪悪感が湧き出す。
 走輔をこんな罪深いことに付き合わせてしまった。
 走輔が、自分のことを恋愛対象として見ているかどうかもわからないのに。
「ごめ……ん……」
 謝罪の言葉が、口をついて出る。
「私、こんなこと、走輔に―」
 途切れ途切れの言葉の最中に、後ろから走輔に抱きしめられた。思わず体が震える。
「誰のこと思って、こんなことしてたんだよ」
「それ、は……」
「連か? 範人か? 軍平か? それとも―」
「ちが、う……」
 美羽はふるふると首を振る。その相手は、紛れもなく、今自分を抱きしめている男。
「走輔……」
 自分の胸の下に回した走輔の腕に、そっと触れる。
「好きなの……走輔のこと」
 ずっと、言いたかったこと。言いたかったのに、言えなかったこと。
 ふいに、涙がこぼれそうになる。走輔の次の言葉を聞くのが怖くなった。
 あの走輔のことだ、美羽に恋愛感情など抱いているわけがない。突然の告白に戸惑って、何と返せばいいのか分からなくなっているのだろう。
 だが痛いほどの沈黙の後、走輔が発したのは、思いがけない言葉だった。
「俺も、同じこと思ってた……」
「えっ……」
 うそ、と呟くように言うと、嘘じゃねえ、と返ってきた。
「いつからだったかなんて、覚えてねえけど、でも、俺は―」
 次の言葉が来る。美羽は無意識に体を固くしていた。
「お前が好きだ、美羽」
「走輔……」
 涙声になっていた。頬に温かいものが伝って落ちる。嬉しくてたまらなかった。
「私も好き……ずっと好きだったの、走輔」
「ああ……」
 走輔が美羽を抱きしめる腕が、いっそう強くなる。
 何かに導かれるように、美羽は首を横にやった。同じように、走輔も体をずらし、美羽の正面に顔を持ってくる。
 そうして、無意識のうちに、二人は口付けを交わしていた。

111:轟音赤銀「導カレル手」
08/10/23 07:43:28 XpvVNTt8
以上です。
短いですが、読んでくださった方、ありがとうございました。
それでは、失礼しました。

112:名無しさん@ピンキー
08/10/23 08:29:43 Q8ba+21b
緑GJ
赤銀GJ

金黄職人は一部に妬まれているみたいで気の毒。作品投下は控えたほうが無難なのでは……?
作品は上手いし読めたら萌えもあるので好きなんだが………スマソ。

113:名無しさん@ピンキー
08/10/23 10:34:13 lnbfg6Ml
>>111
GJ!です。良かった。

>>112
一部の人の妬みの為に、職人さんに投下を控えろというのも何か違うような…

正直、職人さんの話をもっと読みたいんだ。

114:名無しさん@ピンキー
08/10/23 13:23:40 Wm8hriUI
素敵な赤銀でした~。
GJです。

115:名無しさん@ピンキー
08/10/23 14:13:41 1wqWofpY
>>112
なんでそう締め出すようなこと書くかな?
投下前に一言断るとか、タイトルつけて苦手な人はスルーとか方法はあるじゃないか。

>>111
赤銀ステキでした!
走輔の戸惑い萌え。

116:名無しさん@ピンキー
08/10/23 16:10:38 HOVDJTgw
>>82みたいな調子で投下してけば、文句も自然に消えてくさ。

117:名無しさん@ピンキー
08/10/23 19:09:19 Wm8hriUI
今回の凄くよかったと思う。

自分は楽しめた口だが、少し苦手の人への配慮も凄く良かったしさ
ちゃんと注意書きもしてたし、NGワードも描いているんだから、これ以上なにか言うならいちゃもんじゃね?

118:名無しさん@ピンキー
08/10/24 09:14:34 QkILzu1d
>>82
ずばり泣きました。(エロパロで泣く自分って)
緑がかわいくて健気で切なかった。
範人が以前より好きになっちゃいました。
GJ!!です。

119:名無しさん@ピンキー
08/10/26 16:17:38 LmxAcazi
今回のラストシーンは赤銀的にご褒美でした。

120:名無しさん@ピンキー
08/10/26 18:33:02 CNCsZv0l
そうだよねえ、なんか赤銀の再会とかどうなるんだろうと
思ってたけど、好きな自分的には、凄くよかったし、
出来ればそこだけUP(2人)にしてくれたらもっと良かったんだけど
なんて贅沢なこと思ってしまった。


121:名無しさん@ピンキー
08/10/26 22:36:16 gDemwTQX
今日の銀の
「生き返ったなら(「この戦いが終わったらお前に言いたいことがあるんだ」って言ってたことを)早く言いなさいよ」
という風に聞こえて
あれ、そんな死亡フラグ立ってたっけ?
とリアルに一瞬勘違いしたのは自分だけでいい

122:名無しさん@ピンキー
08/10/26 22:50:30 jc9pn4cE
>>121
あ、俺も。

123:名無しさん@ピンキー
08/10/27 00:34:04 JlYRjjti
その発想はなかったけど、見返したらそうとしか思えなくなってきたぜ!
>言いなさいよ

124:名無しさん@ピンキー
08/10/27 00:46:37 Eeauw0Yh
早輝の「正義の味方だもん」ってセリフが走輔に届いたシーン
やっぱり美羽にやってほしかったな。まぁ、早輝でもいいんだけど。

あと、連が走輔のハンドルブラスターを持ち出して、
早輝がソウルをセットするシーンが共同作業みたいで萌えた。


125:名無しさん@ピンキー
08/10/27 00:51:20 CUaZE7dr
吹き飛ばされて倒れた6人が起き上がるシーンで、
2回とも大翔が美羽に手を貸してたのがすごく萌えた。

そして>>121を読んだらラストの赤銀がそうとしか見えなくなったw

126:名無しさん@ピンキー
08/10/30 23:37:14 zxzJuwNb
>>124
>早輝でもいいんだけど
なら言うなよ
ここにいるのは赤銀派だけじゃないんだからさ

127:名無しさん@ピンキー
08/10/31 00:36:23 1JV/0JgJ
誰か初々しい初体験同士の緑黄かいてくれないでしょうか・・??

128:名無しさん@ピンキー
08/10/31 01:16:10 mETst/n7
なんか緑は非で黒は童貞のような気がする。


129:名無しさん@ピンキー
08/10/31 10:43:23 X9rvmb/i
黒は童貞だったら嫌だなぁ。
金が童貞だったらもっと嫌だけど・・・w

130:名無しさん@ピンキー
08/10/31 15:22:17 5hN6HAKb
金はどう考えてもないだろ。
黒は・・・・・・微妙な気がする。

131:名無しさん@ピンキー
08/10/31 19:18:36 5uLwXsMI
>>127
前スレにあったじゃん

132:名無しさん@ピンキー
08/10/31 19:30:41 5hN6HAKb
>>127

保管庫に入っているから見てきたらどうかな?

133:名無しさん@ピンキー
08/10/31 23:25:15 cwaViE4K
保管庫にまだ入ってなかったんじゃないかな?

134:名無しさん@ピンキー
08/11/01 01:09:37 IR/dqxSW
>>127

ごめん。前のと間違えた。
まだ保管庫入ってなかった。

135:名無しさん@ピンキー
08/11/01 01:11:23 IR/dqxSW
連投すまん

前スレの >>52 ~お目当ての初々しい緑黄あるよ

136:名無し
08/11/01 06:29:37 shN649lA
本当にごめんなさい、職人さんに申し訳ない。

ここ2回の保管作業は、私がSS部分を抽出してメールで管理人さんに送付→収録、という手順で行ってます。
少しでも管理人さんの負担を減らせればと、私が勝手にしてることですが、話題の緑黄が収録されてないのは、私のミスです。

誰か前スレログアップすしていただけないでしょうか?

あと、保管庫に収録し終えている分以前でない作品等、他にもあったら教えて下さい。

重ねてお詫び申し上げます。

137:名無しさん@ピンキー
08/11/01 09:37:18 3n+WklOW
>>136
URLリンク(www.geocities.jp)
変換後のリンク先はどれかしら生きてるので根気よく探すといいよ

138:名無しさん@ピンキー
08/11/01 09:53:08 cp/ZA08w
前スレ52の「オトナノ階段」なら保管庫入ってるっすよ。
URLリンク(sentaieroparo.blog100.fc2.com)

139:名無しさん@ピンキー
08/11/01 10:35:19 +zauZQwH
127です。
保管庫の緑黄の「オトナノ階段」読めました!!
緑相手にお姉さんぶる黄が可愛い・・・。
かなり萌えた!!ありがとう!!!!


140:名無しさん@ピンキー
08/11/01 10:59:42 tTGo+JXa
流れ豚切り失礼します。
懲りずに過去作で恐縮ですが、忍者赤白SS投下させて下さい。

前作から続いている流れですが、続きものではありません。
無駄に長い上、エロ要素少なめです。
また、SS内で年齢を重ねているため、オリキャラ化している感が強いかも知れません。

11レス消費予定。
苦手な方は、「月明かりに照らされて」でNGワードご登録下さい。

141:忍者赤白「月明かりに照らされて」
08/11/01 11:00:50 tTGo+JXa
一日を終え、横たわったベッドの上で、突然やって来た衝動。
鶴姫は驚き、閉じかけていた瞼を大きく見開いた。

会えない時が続くと、狙いすましたかのようにきっちり嵐が襲って来るのは一体何故なんだろう。
何かの冗談みたいに疼く身体が、心よりも強く「彼」を求めているのが分かる。
最早眠りは吹き飛び、後ろめたさに片足を入れている感覚。去年までの自分なら、そんなもの知らずにいられたのに。
後から罪悪感に苛まれるのを覚悟で、ゆっくりと自らの身体に触れようとした直前。
明らかに風とは違う何物かによって、ガラスが叩かれた。

「寝てたか?」
バルコニーに腰掛け、的外れに問いかける恋人。
ドキドキしながら窓を開けた鶴姫にとって、言葉を失うには充分過ぎる状況だった。
連絡もなく深夜、しかも窓からやって来るなんて非常識も極まれり。だが、忍者が忍者を相手にして、今更な文句だ。
「前行った街から、来てくれないかって依頼があってさ。秋だからイベント多いし、ついでに他も回って稼いで来る。道混むから夜のうちに出んだけど、その前にちらっと顔見てくかと…」
つまり、しばらく会えないということだろう。
サスケは今でもネコマルでクレープを売りながら行脚しているから、不在なんて珍しくも何ともない。

それでも、いつにない早口が妙に淋しく感じた。
焦らねばならないほど遅い時間でもないのに。
鶴姫は裸足のままでバルコニーに進み出て、月明かりに照らされた横顔を見つめる。


ひんやりとした秋の夜風。サスケは座ったまま鶴姫を見返した。
その首に輝くチョーカーは自分が作ったもの。結婚を申し込んだ夜に、指輪の代わりに渡したものだった。
「どした?来いよ」
距離を保ったまま止まる鶴姫に促すが、見えない壁の向こうにいるかのように首を振り、彼女は動こうとしない。
せめて別れのキスぐらいはして行きたい。そう思ったサスケは立ち上がり、細い身体を引き寄せようと腕を伸ばす。
「…だめっ!」
突然低く叫んで、鶴姫はその手を弾き飛ばした。

サスケは呆然とし、同時に混乱。
怒っている。こんな夜中に、自分の都合でいきなりやって来たせいか。起こしてしまったから不機嫌なのか。
それとも、いなくなることを淋しがって逆ギレ…というのは、希望的観測に過ぎると言うものか。

鶴姫は今までただの一度も淋しいと言わないし、行くなとも言わない。楽でいいと思う反面、自分がいなくても平気なのかと思うとそれはそれで辛い。
「何だよ。ちょっとくらい…」
思わず口にした台詞は、負け犬100%の響き。俺は何が言いたいのかと憤りながら、サスケは目を反らす。気まずい沈黙。


142:忍者赤白「月明かりに照らされて」
08/11/01 11:01:35 tTGo+JXa
鶴姫は、身体の奥から洪水のように湧き出る欲望の泉を抑え込むことに必死だった。
サスケが傍にいない時に思うことは、「会いたい」、それが一番であって、それしかないと思っていた。
けれど、初めて二人で過ごした夜以来、それとは違う感情が折に触れてやって来るようになったことに、少しずつ気づき始めて。
募る想いは形を変えてエスカレートし、終いには肌の熱さを求める。
会いたい。近くに行きたい。
そして、抱いて欲しい。して欲しい。―したい。

今夜もそんな夜だと諦めを抱いていた矢先に、何故この男は飄々と現れるのだろう。
しかも、しばらく留守にするなどと事も無げに言う。その間に募り、焦がれて狂いそうになる自分の気持ちなんて知りもしないで。

今もあくまで余裕を崩さずに、これから訪れる空の下に旅立ってしまったかのような表情。
ここにいる自分より、大事なものがあると言うのか。
それならそれでいい。楽になるべきだ…お互いに。


自棄ばちに全てに蓋をして、鶴姫は窓を閉めようとする。サスケは慌て、阻んだ勢いで躓いた。
「ぅわっ!?」
鶴姫を巻き込みながら、部屋の床に投げ出されんとする身体。
彼女の頭を抱えて逆の肩をせり出すと、サスケはそこから着地した。手に走った衝撃は鶴姫にも伝わっただろうが、痛みは幾らか緩和された筈だ。
放出した焦りと呼吸が治まると、これまで以上の静寂がやって来る。

のしかかったままの上半身をすぐに離すべきだと思っているのに、どういう訳か動かない。動けない。
回した腕で鶴姫を抱きしめる。甘い髪の匂い。僅かに覗く耳は三日月のように白くて、衝動を抑えられなかった。
「……!」
瞬間、抗議するかのような吐息。
唇を肩で押さえ込み、サスケは頬やこめかみ、耳に舌を這わせ始める。
撫でつけるようにそっと息を吹き、歯で軽く挟むと、零れる黒髪のカーテンに絡め取られた。


143:忍者赤白「月明かりに照らされて」
08/11/01 11:02:33 tTGo+JXa
男の重さを全身で感じ取りながら、鶴姫は自分の中から潤いが溢れ出すのをはっきりと感じていた。
お腹の下のあたりがむず痒い。胸の先端が疼き、痛みすら感じる。
「苦しいから、どいて」
言葉だけの拒絶。本気で逃げようと思えば、いつでも腕一つで止められるのに。
抱き返すことこそしないものの、鶴姫はしっかりとサスケのシャツを掴む。動きようのない状態で、無理を言って追い詰めている。

「離れてよ」
分かる?今、私は嘘を言っているの。
「やだ。逃げんだろ」
そうだよ、だから離さないで。

どちらからともなく、互いのせいにするかのように強引を装って、唇を重ねた。
軽く、痛い程に何度も触れると、やがて痺れを切らしたらしいサスケが交わりの門を開き、角度を変えて啄んで来る。


そんなつもりはないのに、鶴姫が拒否する度に煽られて行くこの加虐感は何なのだろう。
基本、サスケは強引な気質ではあるが、嫌がられれば引くくらいの余裕は持っているつもりだ。なのに、今夜はそのセンサーが働かない。
それどころか犯せと言われている気すらするのは、最早犯罪級の勘違いだろうか。

「んん…!」
唇で噛みつき、同時に捩じ込む舌。溺れるような仕種で苦しむ鶴姫だったが、じきに同じ行為を返し始めて、粘膜が絡み合う度に水音が増す。
「ふ、…ぅんっ…」
開いたままの窓から月が降る。
まだ外に残ったままの足を納めるべく膝をついて鶴姫を覗き込み、再び体重をかけて首筋に顔を埋めた。
「声出すなよ」
これだけの邸宅になれば聞こえはしないだろうが、一応釘を刺しておく。
「お父さまたち、今日いないもの…」
サスケにとっては、最大級のグッドタイミング。そんな都合のいいことを暴露してしまっていいのだろうか。

と、いつになく呼吸を荒げ、心音を乱れさせた鶴姫に気づく。
軽く開いたままの唇は艶めいていて、瞼はいつも以上に扇情的に伏せられている。
「ベッド行くか?」
先を探るように訊いてみると、無言のままサスケのシャツのボタンを外し、彼女は直接肌に触れて来た。


144:忍者赤白「月明かりに照らされて」
08/11/01 11:03:20 tTGo+JXa
早くして。早く抱きしめて、痛いくらいに。
逸る気持ちを抑えられずに腰を浮かせ、鶴姫はサスケの手を導かんとする。
彼の問いは、このまま進んでもいいのかという確認だったはずだ。
そこで茶化せば、「らしく」終わらせられたかも知れない軽い戯れ。
けれど、自分はサスケの肌を求めた。めちゃくちゃだが、どう思われているかなんてこの際気にするまい。
いざとなったら言い訳だって出来る、ただ同じ温度になりたかっただけだと。

「足」
短いサスケの要求に、身体が先に反応する。言われるままに力を抜くと、すぐに膝が開かれた。
ベビードールほど大胆ではないが、ネグリジェほど長くはない夜着の裾をたくし上げる。太腿の内側を撫でる掌から、彼の期待を移されてしまいそうだ。
「んんっ」
前開きではないために、直接は触れない胸を布の上から揉みしだいて、サスケは鶴姫の足の付け根を探る。

「ん?」
小さな疑惑の呟き。下着の上から触れただけで、いつも以上に支度の整った様に気づいたのだろう。
鶴姫は、顔を反らしながら目を閉じる。が、追及は避けられなかった。


「どうかした?」
堂々と苛められる相手を見つけたかのように、サスケは嗤う。
艶めかしい水音を、脱がせもしないうちに聞いてしまったのだ。問わずにはいられない。
敏感な部分を囲むようにゆっくり撫で回すと、うっすらとした湿り気が広がり、甘い音色を聞かせる。
「っ、…、あ…」
下着越しのそこが、まるで呼吸でもしているかのように蠢いているのが分かった。
冷えた指が、鶴姫の熱で溶け出す。貪欲さで痛むほどに。

こんな風に夜のひと時を過ごすようになって、もうすぐ一年になる。
一向に慣れない鶴姫の初々しさが、これほどまでに支配欲をくすぐるとは意外だった。
全てを教えねばならない。大きなことを言えば、好きに仕立て上げられる女だとすら思っていたのに、ふと我を忘れそうなこんな瞬間に、溺れているのは自分の方だと気づかされてしまう。
「まだ、全然触ってねぇのに」
「きゃ…あ、ぁん!」
下着の脇から指を忍ばせ、濡れたそこを直接転がした。奥を探ると、面白いほどに蜜が溢れる。
「まさかとは思うけど、…したかった?」
全身で求められている、その自信が何故かあった。
愛しくて堪らず、かさつく感触と節を知らしめるように指を動かし続けた。
前後だけでなく、くるりと回して内側を暴かんとすると、鶴姫は腰を震わせる。
「あ、…や、だめ、サスケ…!」
「こんなに濡らして、ダメも何も。ほら、聞いてみな」
キスで唇を塞ぎ、乱す本数を増やした。
「ふっ、ん、うん…っ」
ちゅっ、くちゅ、ちゅぷん。
濡れて柔らかなそこは、激しい刺激に抗議するかのようにぬかるむ。
いやらしいとしか言えないその音色に、鶴姫の吐息が絡みつき、更なる情感を煽られた。


145:忍者赤白「月明かりに照らされて」
08/11/01 11:03:58 tTGo+JXa
サスケの手が好きだった。大きくて乾いた感触は、いつも心地好く鶴姫を包み込むから。
けれど、指先は時に意地悪く、怒りすら抱いているのではと思わせるほど激しい動きをすることがある。
まさに今、そんな風にされているのに、ようやく得た快感を貪る自分が憎いと鶴姫は思った。
「ふぅっ、…あ、あぁっ」
聞き飽きるほどに、溢れ続ける蜜の音。
恥ずかしいと思う間もなく、興奮を知らしめるように荒くなるサスケの呼吸を耳に、唇に感じて、素直な歓びが走る。
一人の男の快楽、その行く末を手にしているかのような感覚。
どんなに触れて乱しても、女の中に入ってしまえば到達して精を吐き出すまで、その呪縛から脱け出せないではないか。

自分との間で猛り狂っている、サスケの分身。
優位に立てたような気がした瞬間に、鶴姫は手を伸ばした。
いつベルトとファスナーを緩めたのだろう、気づかなかった悔しさが、躊躇いすら吹き飛ばす。
「!?」
固く膨張した塊は、獰猛な生き物のように鶴姫を弾き返そうとした。負けじと指を這わせ、あやすように2~3回撫でると、やがて嘘のように従順に手の中に収まる。
「どうしたら…いいの?」
嫌でも期待感を煽られる問いに、サスケは目を細めた。太陽を眩しがるような、若干の苦悶。
と、何かに抵抗するかのように、その指が速度を増して鶴姫の中を掻き回す。
「あんっ!んっ、あ…!」
声を上げながらも、少しだけ力を込めて動かすと、サスケは一瞬ぴくんと背中を強張らせた。
このくらいの刺激がいいのかも知れないと、鶴姫は快感の片隅で感じ取る。


知られるのを怖がるかのように腰を引きかける彼にあるのは、恥か、それとも気遣いか。
妙な優しさを見たような気がして、鶴姫は忍び笑いを洩らしながら熱いそこを握り締めた。
勝手が分からないまま、自分の中での動きを思い起こす。同じになるように、添えた手を前後に動かしてみた。
「んっ…」
苦しげなサスケの吐息。
笠のように張った部分を巻き込むようにすると、間断ない呼吸を引き起こす。
爪を引っ掛けないように気をつけながら揺らすと、先端に滲み出た液体が、細い指先に絡みついた。
これは何だろう。達した瞬間の白いものとは別の何か?
息を乱し、きつく目を閉じるサスケ。良さを与えられていることが嬉しくて、もっと悦ばせたくなった。
「気持ちいい?」
「ん、」
短く答えるサスケの耳元で、鶴姫は静かに囁く。
「口でしたら、もっとイイんでしょ?」

心底驚いた顔で、サスケが顔を見る。
染まっているから恥ずかしいことも口に出来たのに、理性を引き戻されては敵わないと鶴姫は身を起こす。
「私だって知ってるわよ、それくらい」
早口で強がって、身体を払う。軽く尻餅をつくサスケのジーンズに鼻先を埋めて、屹立したものに相対した。
大きい、それが第一印象。
先端の形は真っ直ぐな棒状ではなく、珍妙で生々しかった。張ったその部分が自らの内を暴き立てるのだと思うと、何故か喉が鳴る。
動物も人も、きっと同じ。原始的な感覚が、鶴姫から恐怖と躊躇いを消し去った。

少し唇を開き、舐めてみる。強い苦みに怯みながらも、お湯をかけるように舌を被せると、唾液とサスケの粘液で滑りを増したそこは、抵抗なく口内に収まった。
喉の奥の苦しさは誤魔化せなかったが、手でしたのと同じように、必死に唇を動かしてみる。
「く…、っ…!」
これまでで一番深いサスケの吐息を感じながら、彼がどうして自分に触れたがるのかを理解した。
感じさせられること、それはこんなにも幸せだからだ。


146:忍者赤白「月明かりに照らされて」
08/11/01 11:04:41 tTGo+JXa
それは、あまりに危うい快感だった。
歯を立てられそうになることへの恐れと、柔らかく滑る舌の感触への渇望。
今まで要求したことすらない行為故、ぎこちなさは当然のこと。だが、拙さにこそ鶴姫の愛情の深さを感じて、それだけでどうにかなってしまいそうになる。
「…!!」
鼓動が速まる。血液がドクドクと全身を巡って、サスケはエアーの切れたダイバーのようにもがいた。
呼吸が荒くなる。苦しくて熱い。なのに、恐ろしく気持ちがいい。

鶴姫の舌は必死でサスケを探り、先端の窪みをなぞると、小刻みに這い回った。
恐々ながらも飲み込むように愛撫され、喉の奥に吸い込まれては現れる分身を、信じられない気持ちで見る。
躊躇いがちな彼女の上目遣い。覚悟を決めて尚、屈辱に耐えるような気の強さを込めて潤む瞳が堪らなかった。

「鶴姫、待て!…ッ…!」
突然の高波。砕ける直前にかき集める、最後の理性。
口内から自身を引き抜くと同時に、熱いものが迸る。
「は…っ…」
違う世界のもののようにそれを見つめながら、サスケは満ちて乱れた呼吸を繰り返した。

「そのまま…良かったのに」
鶴姫は自分の指を汚した粘液を、怯むどころか何処か嬉しげに、不思議そうに弄りながら、サラリと罪深いことを口にする。
「出来るかよ。いくら俺だって、そんな…」
「気持ち良かったなら、嬉しいの」
優しい眼差しで遮られ、サスケは何も返せなくなった。
今夜は本当に妙だ。不慣れなはずの鶴姫にペースを奪われているような気がする。
柳に風を装いながら、その実頑固なプライドを抱くサスケ。女に許され、おだてられて乗せられて、それでよしとすることなど断じて出来ない気質。
「―どうして俺なんだ?」
だから、訊かずにはいられなかった。


147:忍者赤白「月明かりに照らされて」
08/11/01 11:05:19 tTGo+JXa
今更無責任と知りつつも、ふとした瞬間によぎる身分や年齢の違い。
釣り合わない。もっと条件のいい相手だって、沢山いるはず。
なのに、何故鶴姫は惜しげもなく愛を捧げ、嫌悪感すら見せず自分ごときに汚されて平気でいられるのか、真剣に分からなくなった。

「あんたこそ、どうして私を選んだの?」
顔が近づく。触れようとすると、鶴姫はギリギリで巧みにかわして逃げる。
唇を撫で、互いを繋ぎ合う吐息はキスよりも甘く煽情的で、サスケは密かに歯噛みした。
「させないよ、ちゃんと答えてくれるまで」
目の前の女が、一瞬のうちに死ぬほど愛しくて憎らしい存在になる。
して欲しいから駄々を捏ねる、そうであるといいという願望さえ抱く。

「選ぶも選ばないもない。気がついたら、そこにお前がいたんだ」
「誰でも良かったってこと?」
冷静な鶴姫の返しに、サスケは首を振った。キスの代わりに額を寄せ、鼻を擦り合わせて軽く睨む。
「言わなきゃ分かんねぇのかよ」
「分かんない。そのために言葉があるんじゃない」
その通り。だが、それは何かが違うとも思う。

言葉に踊らされ、気持ちを全て分かったつもりになるのは嫌だった。
嫌でも過剰になる自信の上に、胡坐をかきたくはなかったから。
どうすればいい?そう問う代わりに、サスケは鶴姫を見つめる。
俺はお前を大事にしたい。一生かけて守りたいし、離すつもりもないのに。

マメな性格ではないし、常に甘ったるいムードが作れる訳でもない。半端に言葉にしたところで、いつでも言ってやることなど出来はしないだろう。
結局今は良くても、いつかまたきっと不安にさせる。不満を抱かせる。
だから行動で、所作で常に想いを伝えたいと願っているのに、たったひとつの愛の言葉の方を信じられてしまうのでは愚の骨頂ではないか。
考え方の違いと言ってしまえばそれまで。けれど安売りなんてしたくない、本気だからこそ余計に。


148:忍者赤白「月明かりに照らされて」
08/11/01 11:06:06 tTGo+JXa
不毛過ぎる平行線。
でも、きちんと聞きたかった。これから会えなくなるのだから尚のこと、信じられる言葉を耳の奥に潜ませておきたかった。
それに、こうして問答を続けている間は、サスケはここにいてくれる。
鶴姫自身、本音を今やっと理解した。「行かないで」と言う代わりに、自分は彼に告白させようとしているのだと。
そうなると、素直じゃないのはサスケではなく、むしろ…。
「―ホントは分かってる、ちゃんと。あんたは嘘なんてつかないけど、都合のいいことはもっと言えないって」
軽く額をぶつけ返して、鶴姫は不穏さにピリオドを打った。
サスケは反射的に一瞬目を閉じ、次に大きく見開く。急転する状況について来られず、鳩が豆鉄砲を喰らったかのような表情で。

「何か、波が引いちゃった感じね。そろそろ行く?時間ないんでしょ?」
いつしか欲望の嵐は過ぎ去っていて、残るのは穏やかな気持ち。晴れた朝を迎える手前の、研ぎ澄まされた空気のような感覚。
乱れたサスケの髪を整えてから身体を離し、鶴姫は笑いかける。
顔を上げると、月が見下ろしていた。
ひどく明るい。まるで暗夜に射すスポットライトのように。
「……。」
諦めか納得か、サスケがゆっくりと身支度を始める気配。
耽る間もなく終わりを告げた行為に抱く一抹の淋しさは、二人共通の想いかも知れない。

「気をつけて、ね」
なるべく感情を出さないように、あっさり見送ることにした。どうせまたすぐに会える、その程度の感覚で。
けれど道中のこと、行った先でのこと。鶴姫にとって、気掛かりは数え切れないほど沢山ある。これでも、世界で一番サスケのことを心配している身。
心はいつも一緒だなんて嘘だ。だって離れていては、すぐに助けてやれないではないか。こんな無力で虚しいことはない。
それを言ったら、サスケは困るだろう。だから必死で飲み込むしかない。

立ち上がり、二つの影が重なる部分を瞳に焼きつけようとした、次の瞬間。
「許さなくてもいいから、勘弁してくれよ」
矛盾した台詞そのままの表情で、サスケが鶴姫の肩を強く引き寄せた。


149:忍者赤白「月明かりに照らされて」
08/11/01 11:06:55 tTGo+JXa
果たして鶴姫は聞き訳がいいのか、単に自由なのか。いずれにしても余裕はより多く持っていそうで、サスケはどうしたらいいのか迷うばかり。
もしかしたら、ひどい勘違いをしているのではないか。
深く想ってさえいれば、全て許されると開き直ってはいたのではないか。
たかだか19歳の鶴姫の欲しがるものを、何故僅かながら長く生きている自分が与えられない?
そこまでして保つプライドが、一体どれほどのものだと言うのか。
ちゃんと答えてくれるまで、と鶴姫は言った。
そうだ。きちんと答えなければ、キスする権利すら奪われたままになってしまう。

「忍法スケスケ望遠鏡、だった?」
「は?」
突然、懐かしい単語を発する鶴姫。
それはずっと以前、巨大化して食欲を抑えられなくなってしまったセイカイの体内を覗くために、サスケが用いた術の名前だった。
その直前、興味を引かれるままに鶴姫の胸を透かし見て、思いっきりどつかれた。今となっては、全くもって悪趣味なことをしたものだと後悔。
「あれであんたの心を覗いたら、何が見えるのかと思って、ね」
悪戯っぽく笑う顔に、サスケは実感する。
あの頃からは信じられないくらいに縮まり、近づき、寄り添ってしまった幸せな運命を。

「サスケ」
腕に閉じ込めたまま壁に押し付けると、鶴姫はふっと表情を緩ませた。
少女と大人の境目。今しか見られない変化の鮮やかさに吸い込まれそうになっていたら、彼女は更に続けた。
「帰って来て、絶対に。上手く言えないけど…私、大人しくしてるから。待ってる…から」
泣いているのかと思い、慌てて顔を覗き込んだ。だがそこに涙はなく、安らかな信頼があるだけ。

サスケの掌を頬に添わせ、鶴姫は大切なものを扱うように目を閉じる。
少しひんやりとした柔らかさといじらしさを移されて、胸が痛いほど高鳴った。
「…決めた」
細い腰を抱え込む勢いで引き寄せて、宣言する。
「―ついて来い!」
「え、…えっ?」
戸惑いにも構わず鶴姫を肩に担ぐと、サスケはバルコニーを蹴り、夜の世界へと飛び出して行った。



150:忍者赤白「月明かりに照らされて」
08/11/01 11:09:40 tTGo+JXa
先祖、猿飛佐助。だがそれは苗字ではなく、猿のように身軽であるが故に付いた仇名だと言う。
今、何世紀後かの子孫であるサスケも、それに違わず軽々と木から木へと飛び移り、風を切って行く。
誰よりも大切な、一生分の命と共に。

ネコマルが見えた。足を止め、勢いづいたまま地面へ飛び降りる。
「ちょっと、戻りなさいよ!誰にも言わずに出て行けないし、こんな恰好のままでどうするのよ!?」
「後で連絡すればいい。服も靴も、何だって買ってやる」
騒ぐ鶴姫を横向きに抱き直し、サスケはじっとその顔を見つめた。
夜具の裾が揺れて、裸足が覗く。その白い残像が、何故か人魚姫の童話を思い起こさせた。

自分自身の恋心と王子の命を引き換えにすることが出来ず、たった一人で泡になって消えて行った哀しい少女。
この姫様にそんな想いをさせたら、自分はどれだけの罪を背負うんだろう。
想像するだけで怖くて、腹立たしくて許せない。じわじわ湧き上がる、物哀しい怒り。
もし人魚の想いの深さを知っていたら、王子は心を動かしただろうか。その時、一体何を言ってやっただろう。
そんな疑問に自ら答えるように、サスケは口を開いた。

「好きだ」

「!?」
鶴姫は息を呑み、吸い寄せられたようにサスケを窺う。
抱き上げた腕に力を込めて、いくつか浅い呼吸を繰り返し、覚悟を決めて。
「勝手な望みに過ぎねぇけど。俺はお前の、最初で最後の男でいたい…と、思ってる」
ゆっくりと、言葉にならない感情を昇華させるように、強く腕が回された。
受け止めるサスケの襟足にかかる、緩やかな吐息。
肩の後ろで組まれた指先に力が篭り、鶴姫の囁きが響いた。

「…さっきの続き、しない?」
思いがけない提案に驚かされつつも、撫で上げる声の甘さが駄目押しになる。
「中途半端だったし…何か今、凄く…抱いて欲しいの」
唇の柔らかさが耳に咲き、じんわりと広がる快感。燻っていたサスケの欲望が、留まることを知らずに燃え上がる。
「喜んで、お姫様」
断る理由なんかあるはずもない。抱き足りなかったのは、自分も同じなのだから。

車に乗り込み、台に薄着の鶴姫を座らせると、シャツを脱いで羽織らせた。
夜中のうちに旅立つことが出来なくなった上、明日の寝不足も決定。なのに何よりも強靭な力が湧いて来て、現金なものだと苦笑した。
「しっかり掴まってろ」

アクセルを踏み込む。
覚醒を促されたネコマルは、ここではない何処か、遥か彼方の未来を目指すべく、一本道を走り出した。


<終>

151:名無しさん@ピンキー
08/11/01 14:54:51 9ncsigA5
GJ!
カクレンは黄白派だったけど、赤白すごくイイヨイイヨー!
ああ切ない・・・・・

152:名無しさん@ピンキー
08/11/02 02:01:16 HSu1CvZa
GJ
やっぱり忍者はいいな。次はもそっとエロ多目でよろしくです、と呟いてみる……


153:名無しさん@ピンキー
08/11/02 09:42:55 HMHFMOW1
>>140
超GJ!!しかし連作となると制約も見えてくるので、シリーズを変えてみればどうか。

前スレでBFJの仏×初代米萌えって人いなかったっけ?
昨日東映CHで再放送見たら、ショッピングとディスコと、あともう一か所
行ってそうな大人のこっそり感があって、いい感じに萌えたw
ってことで、今更同意させて頂く。

職人さん、もしいたらヨロ・・・


154:保管庫の人
08/11/03 00:19:58 SxUYHZB4
何か保管できてるかが問題になっているようですが、
一応、管理人として名無しさんからいただいているのとは、
別にスレのチェックを行っているので更新分までは保管が出来ていると思ってました・・・。

もし、保管忘れがあるようでしたら、お手数ですがご連絡いただkればと思います。

155:名無しさん@ピンキー
08/11/03 07:02:22 kt7JwmbL
名無しです。
すみません、ちゃんとあったそうです。

よく確認せずに大騒ぎしてすみません。ああ恥ずかしい…

156:名無しさん@ピンキー
08/11/04 10:30:16 sR4/caOG
>>140
GJ!
カクレン見てないんだが、レンタルしてくんないかなあとつくづく思った。

157:名無しさん@ピンキー
08/11/04 12:48:29 6If3onAP
>>156
今年の1月からDVDのリリースが始まるから、もしかしたらレンタルも始まるかもね。

もしレンタルしてないなら、買うんだ!

158:名無しさん@ピンキー
08/11/05 23:30:09 hwoRNgHJ
ここの影響か今回の話のラスト、金黄に見えて仕方なかった。
なに言われたんだ黄w

159:名無しさん@ピンキー
08/11/06 12:20:05 GscBHpeL
同じく!
何か、もう二人が近寄るだけで禿萌える!

160:名無しさん@ピンキー
08/11/06 13:17:25 AaqPDVAR
ここのスレのお陰で金黄に萌えだした自分が通りますよ。


赤銀SS投稿お待ちしております。。。


161:名無しさん@ピンキー
08/11/06 13:24:33 PpJc5TeD
大変恐縮ですが、轟音青黄です。
雰囲気はガラリと変わりますが、>>49の続きになりますので
合わせて読んでいただけるとうれしいです。

今回は、13くらいレスを消費するので
スルーの方はNGワード「ケセナイ嫉妬」でお願いします。

162:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」1
08/11/06 13:26:44 PpJc5TeD
「連、今日のオムレツもすんごくおいしいよ」
早輝は味覚音痴のはずだが、好きな食べ物に関しては違いが分かるらしい。
「なにしろ、早輝の大好きなシュクレのハイパークリームプリンと同じ烏骨鶏の卵を使ったっすからね」
「えぇ? ホント!?」
「高いから、早輝の分しか買ってないっす。みんなには内緒っすよ」

いつものように、ギンジロー号の外でお食事タイム。
しかし、今回は特別な材料のため、高級オムレツは先着一名様のみ。
走輔たちが外出していたのをいいことに、早輝のために特別に用意したものだ。

「ありがと、連」
早輝は嬉しそうに箸で一口サイズに切ると、パクリと口に運んだ。
よほど美味しかったのか、満足そうに体をくねらしている。
そんな早輝の姿を、連は目を細めて見つめていた。
やっぱり自分の作った料理をここまで喜んでくれると嬉しい。
「早輝、顔にケチャップが付いているっす」
夢中で食べていた早輝は、ケチャップに気づいてないようだった。
「ほらほら」
こういうときの連は、全くといっていいほど、メンバーのオカンである。
拭いてあげようとティッシュに手を伸ばすが……。
「……」
連は顔を近づけると、口元についたケチャップを舐めとった。
普段だったら考えられない連の大胆な行動に、早輝は目をパチパチさせていたが、すぐ笑顔になる。
「うふふ。くすぐったいよ」
「まだ、ついているっす」
今度は舌でなく唇で拭くように顔を近づけた。
「駄目だよう。こんな所、誰かに見られたら」
言葉ではそう言いながらも、キャッキャと喜んでいる。

誰も入り込めない二人の世界。
そんな連と早輝を、物陰から目玉をひんむいて見ていた男が約二名。


163:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」2
08/11/06 13:29:19 PpJc5TeD
「なんだってぇぇぇぇ」
子供が見たら泣き出してしまうんじゃないか、というくらいの驚愕の顔。
「ぐ……軍平、見たか? 今の?」
「あぁ、バッチリとな……、走輔」
お互いゆっくりと顔を横に向けて見つめ合う。
しばらく見つめ合ったが、いきなり走輔は軍平の頭を掴むと前に突き出した。
「軍平! お前読心術できるんだろ! あいつら、何を話しているんだ!」
「よせ! これ以上、犯罪者の真似をするのはこりごりだ!」
勝手に早輝の結婚と早とちりした前科を思い出して、悔しそうに歯軋りする走輔だったが、何を決意したのかいきなり飛び出そうとした。
「おい! 何をする」
「直接あいつらのとこ行って、話を聞き出してやるんだ!」
「落ち着け、走輔!」
暴れる走輔を必死に羽交い締めする。
「離せ! マッハで連の野郎を殴りつけないと気が済まねえ!」
「そんなことして何になる! そもそも俺たちには、あいつを殴る権利はねぇだろ!」
「なんだと!」
軍平に噛みつかんばかりの走輔。
そんな真っ赤な髪の毛を掴んだ軍平は、
「よく見ろ」
と、連と早輝がいる方に頭をつきつけた。
「読心術が出来なくても分かるだろ? 早輝の嬉しそうな顔」

いつもの光景。
見ていてほのぼのするような二人の笑顔。
満足げにオムレツを頬張る早輝。
傍から見たら、オカンと娘のはずなのだが…。
なんだか立ち入るのを躊躇ってしまいような空間。

「……あぁ」
神妙な顔つきになった走輔を見て、軍平が無言で走輔の肩をポンと叩く。
そんな辛気くさい二人を平気でぶち破るかように、脳天気な声が乱入した。
「ただいまっ、あれ? 走輔も軍平も、こんなとこで何してんの?」
バイトから帰ってきた範人は、どんよりとしている二人に小首を傾げている。
そしてギンジロー号に視線を向けた。
「あっ! 早輝ズルい! 一人でオムレツ食べてる」
「走輔!」
「おう!」
その時、ガイアークと闘う以上に息のあった連携プレーが働いた。
軍平が範人の後ろに回って口を押さえると、走輔が両足を小脇に抱えて持ち上げる。
「レッツ! ゴーオン!」
まるで荷物のように範人を軽々と抱えて立ち去る走輔と軍平。
「(うわぁぁぁ、人さらいだよぉぉぉぉぉぉ)」
いきなり拉致されて、目を白黒させる範人であった…。


164:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」3
08/11/06 13:32:09 PpJc5TeD
「全くなんなんだ。ウチは避難所でも寄合所でもないぞ」
サンドバックを叩く大翔は、フカフカのソファではしゃぐ三人に呆れたように言い放つ。
「そんなこと言ったってなぁ! ゴーオンジャー分裂の危機なんだ。相談に乗ってくれたっていいだろ!」
立ち上がって、大翔の方を指差して抗議する走輔に、何も知らない範人が、
「分裂!?」
と、驚いて立ち上がる。
「いいからお前は黙っていろ!」
隣に座っていた軍平も立ち上がって、強引に範人を座らせた。
「まぁ、アニ。いいじゃない。それにしても、なんだか穏やかじゃないわね。一体どうしたのよ」
お茶とお菓子を運びに来た美羽は、大翔と違って、持ち前の好奇心を隠しきれないようだった。

「俺が話す」
一部始終を走輔が説明すると、範人は驚き、美羽は呆れ、大翔はサンドバックを打ち込む手を休めなかった。
「確かに見たんだ! アイツらは、絶対にデキてる!!」
興奮した走輔が、机をバシンと叩く。
「デキてるって…、小学生じゃあるまいし。単なる見間違いなんじゃないの?」
「いや、俺も見た。遠くだったけど、確かにキスしているように見えた」
同調する軍平に気をよくしたのか、走輔は美羽に向かって得意気な顔をする。
そんな走輔の態度が鼻についたのか、美羽は引き下がらなかった。
「じゃぁ、百歩譲ってそうだとして、なんでそれが分裂の危機になるの? オカンと娘だからって、所詮赤の他人でしょ? 付き合っちゃいけないって決まりはないわ」
「な、何だって! 俺たちは仲間なんだっぜ! 社内恋愛されたら、チームワークが狂うだろ! それに、そんなの戦闘の邪魔だ!」
「何が社内恋愛よ! 馬鹿馬鹿しい。私は連と早輝が付き合っているとは思ってないけど、もし付き合っているなら、別に戦闘の邪魔にならないと思うわ。だって早輝は言ってたもの。『好きな人を思えば、パワーが出る出る』って。……あっ」
「なんだと? 美羽、今言ったこと本当か?」
「イヤーッ! やめて! もう思い出したくなーい!」
走輔を言い負かすために、早輝の言葉を用いたが、結局墓穴を掘ったことに美羽は気づいた。
ピンチに陥った走輔を助けるために、信じられないパワーを発揮してウガッツたちを蹴散らしたのは…。
「もう! バカバカ! なんで、今頃になって、あんなこと思い出すのよぉ!」
走輔は走輔で、そんなことは全く知らずに美羽の言葉にショックを受けている。
「早輝のヤツ、連のことを思えばパワーが出る出るとか言いやがったのか? ウォォォォーッ!」
勝手に暴走する走輔と、頭を抱えて一人で恥ずかしがる美羽に、ぽかーんとして見つめている軍平と範人。
「いい加減にしろ」
グローブをはめた手で、大翔が走輔の頭をはたいた。


165:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」4
08/11/06 13:34:41 PpJc5TeD
ひとまず二人が落ち着きを取り戻すと、いつになく真面目な声で軍平が口を開く。
「付き合ってようが、付き合ってなかろうが、オカンと娘だろうが、やっぱり直接聞いてはっきりさせるべきだ。いくら当人同士がパワーが出る出るでも、こういう疑惑が起こると、気になってチームワークに支障が出ちまう」
「いよっ! さすが軍ちゃん!」
軍平を味方につけた走輔は、黒いジャケットの肩に手を回して、美羽にあっかんべーをする。
「走輔!」
「なんだかよくわかんないけど、連は本当にみんなのオカンだと思うよ」
美羽の言葉を遮るように、今までロクに発言させてもらえなかった範人がしゃべった。
「僕、寝相が悪くて、いつも布団を剥がして寝るんだけど、この間かな? 連が布団掛けてくれたんだ。寝ぼけていたけど、あれは確かに連…だった…よ?」
みんなの視線が明らかに『それがどうした』というのを感じて、徐々に小さくなる範人。

―これこそ、連が早輝の部屋に行く前に、いつも習慣的に行っていたことだが、誰も分かる訳がなかった。

「だったら、結論は出たんでしょ? 直接確かめればいいじゃない」
先ほど墓穴を掘ったのをまだ引きずっているのか、美羽は半ば投げやり気味だった。
「オッケー! 連には俺たちが聞くから、早輝のことはよろしく頼む。美羽」
「ちょっと待ってよ、走輔。なんで私が聞かなきゃならないのよ」
「だって、女同士の方が、早輝も心を開くだろ?」
「勝手に分裂とか騒いでいるのは、走輔たちじゃない。私を巻き込まないで」
「言いだろ? 協力くらいしてくれたって!」
またもや、走輔と美羽の言い争いが始まる。
「大翔~」
範人が大翔に助けを求めるが、大翔は首をすくめるだけ。
「軍平~」
「あぁ、こうなったら、退散するか」
範人がうなづくと、二人は並んで出口まで歩いていった。
「イテッ!」
いきなりドアが開いて、おでこを直撃された軍平は、あまりの痛さにうずくまる。
「あ、ごめん。軍平、大丈夫っすか?」
走輔も美羽も、軍平も範人も大翔も、一斉にドアの向こうを見た。
「何なんすか? みんな」
全員に注目が集まって、連はきょとんとしている……。


166:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」5
08/11/06 13:36:54 PpJc5TeD
「連、早輝は一緒じゃないの?」
範人の問いかけにも、連はのんびりと首を振った。
「早輝は、いつものようにショッピングっすよ。みんな中々帰ってこないから、ここかなぁと思ったんだけどビンゴだったみたいっすね」
まとわりついてきた範人の頭を撫でる連は、たった今まで自分のことで議論していたとは、微塵にも思ってないようだ。
「おい、連」
「走輔、どうしたっすか? 急に改まって」
向かい合うように立つ走輔を、連は疑いもなく見つめる。
「単刀直入に言う。お前、早輝と付き合っているのか?」
「はぁ?」
「ちょっと走輔!」
いきなり切り出した走輔に、あわてて軍平や範人が走輔の下に駆け寄った。
でも、そんなことはお構いなしに走輔は暴露する。
「俺と軍平は見たんだ! お前が早輝にキスしているところを、な!」
「えっ?」
「あぁ、確かに俺も見た。間違いない」
連は、驚きを隠せないようだったが、口元に指を当てて、何かを考え込んでいた。
「連……」
今まで会話に加わらずに、サンドバックを打ち込んでいた大翔が、初めて動きを止めて連を見つめる。
「ちょっと待って……。あ、分かった! ズバリあれっすよ。見間違いっす」
いつもと同じ、さわやかな笑顔があった。
「早輝の口にケチャップがついていたから…。だから、ナプキンで拭いてあげたんっすよ。近づいたから、その……誤解されるように見間違えちゃったんじゃないっすか?」
「え?」
あっさりと返した連に、走輔と軍平は顔を見合わした。
「で……でも……、お前ら、本当に仲良すぎるじゃないか! 『連、カッコイイ♪』とか、早輝は料理するとき、お前のエプロン使うし……」
「俺に限ったことじゃないっすよ。早輝は、範人とだってジャレてるし、走輔や軍平とだってスキンシップとかあるじゃないっすか。それにエプロンだって、娘がオカンのエプロンを借りるのは、よくあることだと思うっす」
「それは、そうだが……」
同意する軍平だったが、まだ納得しきれない部分があるらしい。
連は、ちょっと悲しそうな目をして続けた。
「なんか誤解しているみたいだけど、俺、母さんを早くに亡くしたから、みんなのこと本当の家族のように大切に思っているっす。……別にやましいことなんかしてないっす」
しばらく沈黙が流れた。

167:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」6
08/11/06 13:38:38 PpJc5TeD
「僕、信じるよ、連のこと。だって、焼肉のことだって、連だけは信じてくれたもん」
「範人……」
範人の言葉によって、一つの結論が出たようだった。
「すまなかった、連。誤解して」
「軍平……」
そして、連は走輔に視線を向ける。
「走輔、俺のこと信じて……」
「皆まで言うな! 連、ごめん! 誤解していた。悪いけど、早輝には内緒だからな!」
「あぁ」
連の表情に、笑顔が戻った。
「飛んだ騒ぎだったわね。何が分裂の危機よ」
走輔に冷たい視線を送る美羽だったが、すぐに笑顔で仕切る。
「ま、誤解も解けたことだし、今晩は私がごちそうするわ!」
わーい、肉だ肉だと大喜びする走輔と範人と軍平。
「だーかーら、走輔は買い物の荷物持ちね」
「ゲッ!」
「アニと範人と軍平は片付け。連は悪いけど、お米を研いでもらえないかしら? 場所は分かるでしょ?」
「了解っす」
「じゃ、行きましょ。走輔」
走輔の腕をぎゅっと掴むと、引っ張るように美羽は部屋を後にし、軍平や範人も続くように出て行く。
連は、ほっと息をつくと、美羽に言われた通り台所に向かおうとした。
その時だった。
「このまま嘘を突き通すつもりなのか?」
大翔が、腕を組んだまま静かに口を開く。
差すような鋭い視線が、背中越しでも連には伝わった。


168:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」7
08/11/06 13:41:45 PpJc5TeD
その夜―。
「今日の晩御飯、美羽のおかげで、すごい豪勢だったね」
「そうっすね」
部屋の明かりを消した中、アロマキャンドルが、ベッドにいる二人を優しく照らす。
いつものように、早輝は青いパジャマの胸板に耳を当てながら、トロンとした目をしていた。
「烏骨鶏のオムレツもおいしかったよ」
早輝は、胸板に置いた手を軽く弄びながら、囁くようにつぶやいた。
「ありがとうっす……」
長い黒髪を、左手で優しく梳いていく。

結局、この奇妙な添い寝は、ズルズルと続いていた。
変わった事といったら、今までは早輝が連のベッドに忍び込んでいたが、それが逆になったことだ。
『いちいち運ぶの大変でしょ? それに、あたしの部屋の方が走輔たちが来る心配ないし』
早輝の提案により、最近は範人の部屋の布団を直した後に、早輝の部屋に行っていた。
そして、心臓の音を聞かせて、早輝が眠りについたのを確認したら自分の部屋に戻る。
いつの間にか、それが日課になっていた。

―みんなのこと、本当の家族のように大切に思っているっす

走輔たちに、言った言葉を思い出す。
あれだけは、本心から言った。
確かに、ケチャップの件は嘘だ。
告白もした。時折キスもしている。
だけど、それ以上のことはしていない。

―別にやましいことなんかしてないっす

そう、これは単なる添い寝じゃない。母親が眠れない娘を寝かしつけてあげている、ただ、それだけのこと。

「あぁ……」
早輝に聞こえないように、小さくため息をつく。

こじつけなのは分かっている。
何度もやめようと思った。
自分が悶々として眠れないのは、まだいい。
でも、今回走輔につめよられたことで、改めて大きな罪悪感にとらわれた。
今なら、まだ引き返すことができるはず。
『やっぱり、仲間を裏切ることになるからやめようっす』
そう説得すれば、早輝でも納得してくれるのではないか?
でも、そう言えない自分がいた。

オカンな自分と、男の自分が、心の中で錯綜する……。


169:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」8
08/11/06 13:43:32 PpJc5TeD
「早輝……」
「どうしたの?」
心臓の音を聞いていた早輝が、顔をあげて覗き込むように見おろした。
「俺のこと、好きっすか?」
「好きだよ」
「オカンとして大好きってことじゃないっすよね?」
「それもあるけど…、でも違うよ」
「それって、異性として好きってことっすか?」
「そうだよ」
「じゃぁ…」
逃げられないように、とっさに下から両肩を強く掴むと、搾り出すように低い声を出す。
「俺と…したいっすか?」
見上げる瞳に漂っているのは、不安と必死。
みんなの前では、あんな奇麗事を言ったのに、大翔のたった一言が、自分をこんな黒い気持ちにさせる。

嘘つきと思われてもいい。
裏切り者と罵られても構わない。
これ以上我慢できない、やっぱり君がほしいんだ……。

しばらく無言で見つめ合っていたが、表情が変わったのは早輝の方だった。
「したいっすよ」
「え?」
降り注がれる満面な笑顔。
白くて細い指が、喉元にのびていく。
「あっ、あぁ…」
掴んでいた両肩を離すと、パジャマのボタンが一つずつ外された。
鍛え上げられた胸板が外気に晒されると、早輝の手によって、パジャマの上を脱がされる。
「あっ……」
早輝は、そばで正座すると、鎖骨のラインをなぞるように指をすべらせた。
右手は脇から腰にかけてゆっくりと下降し、ズボンの中に到達すると、トランクス越しに大事な部分をまさぐっていた。
「すごい、もうおっきくなってる」
「んっ…」
形を浮き出すように上下に優しく撫でられると、それだけでせつなそうな声をあげてしまう。


170:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」9
08/11/06 13:47:55 PpJc5TeD
「はい、お尻をあげましょうね」
情けないと思いつつも素直に腰をあげる。
あっけなくパジャマのズボンを脱がされたら、
「いい子でちゅね~」
と、にこやかに笑われた。
今度は、トランクスの中に侵入して直接触れていく。
いつの間にか、早輝にペースを取られてしまった。
普段はオカンと娘なのに。
それも悪くない…のか? 
立場が逆転して、早輝がオカンになったのかと思ったが、やっぱりまだまだ子供だった。
「こんなに固くなるんだ、面白い~」
「おもちゃじゃないっす。……うっ……!」
いきなり乳首を甘噛みされて、たまらずのけぞった。
上目遣いでチラチラと見ながら、口に含み舌で転がしている。
かなりくすぐったかったが、あまりされたことがなかったので、気持ちが高まっていく。
さらに、白くて細い指先が握ったものが、いつのまにかトランクスから顔を出して、優しく上下にさすられていた。
「はぁっ…」
 今まで散々我慢していたのもあって、連は息を荒く吐いた。

……まずい、このままだと出ちゃいそうだ。

あわてて、彼女の白い手を掴んで外させると、連は上半身を起こして向かい合った。
「連……」
黒目がちの瞳は、あくまでも無邪気で、連の本心など全く気づいていない。
伸ばした手が頬に触れても、全く警戒せずに連を見つめている。
ゆっくりと顔を近づけた。
もう、ケチャップはついていないのに、昼間と同じ箇所に唇を当てて舐めとる。
唇を離して顔を覗き込むと、早輝はうふふとまた笑って「ん」と目をつぶって唇をとがらせた。

……本当に食べちゃいたいくらい、男を惑わせるっすね。

再び顔を近づける。
少し口をすぼめて、軽く合わせた。
顔の向きを変えたりして、何度が繰り返すと、早輝の方から首筋に手を絡めてきた。
段々、重ねる時より、離れる時の方が短くなっていって……。
柔らかくて甘い感触に、頭が痺れるような感覚に陥りながら、黄色いパジャマのボタンに手をかけた。


171:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」10
08/11/06 13:51:52 PpJc5TeD
黄色いパジャマの中は、何もつけていなかった。
ベッドに寝かせると、唇に体のラインを記憶するように這っていく。
かわいい二つの山のふくらみには、ふもとから頂上の周りを刻みつけ、鼻先で先端を転がしたりしながら、ズボンの方に手を伸ばそうとした。
「連……」
自分を見つめる潤んだ目が、普段おこづかいをおねだりするときと似ている。
じらそうと思ったが、それは今回の目的ではない。
先端を口に含み、中で舌を転がすと、もう片方は指で突起を摘んで軽く引っ張ったりした。
「あっ、あぁ……」
一際高い声をもっともっと聞きたくて、丹念に刻みこむ。
ふと、思い出したように、左胸の方に耳を当ててみた。
「聞こえるよ、早輝の心臓の音」
「なんか……、逆にされると変な気持ち」
「そんなことない、すごく落ち着くよ……」
このまま眠りにつけたら、どんなに至福かと思うが、身体の方はいう事を聞いてくれなかった。
そのまま臍から腰へと刻み付けていって、あらためてパジャマのズボンに手をかける。
膝までズボンを脱がすと、白くて細い両足がロウソクの明かりでもはっきり分かった。
戦闘でできた痣には特に念入りに唇を当てながら、足首まで下ろしたズボンを取り外す。
「やだ…っ」
足の指の1本1本まで丁寧に口に含む。恥じらいの声をあげようが、そんなことで止めたりしない。
太股からお尻にかけて、両手でまんべんなく愛撫していきながら、最後の砦に手をかけた。
ためらいはなかった。
下着を脱がすと、まずは濡れぼそった箇所に口をつける。
「だっダメダメ。ヤダ、連のエッチ!」
いきなり来るとは思わなかったのだろう。あわてて連の頭を押さえつけようとしたが、それくらいのことではびくともしなかった。
両足を閉じようにも、すでに連の体が間に入って邪魔をしている。
「やだ、恥ずかしいよぉ……」
「さっき、赤ん坊扱いしたから、おしおきっす」
「ひゃっ!」
息を吹きかけると、ビクンと身体が反応する。
改めて顔を近づけると、泉の湧き出る箇所をすすっていった。
「あぁ……ん……あっ……」
頭を押さえつける手が、段々弱くなっていき、シーツの上にだらんと落ちた。
両足に手をかけると、あっけなく持ち上がる。
ロウソクの灯のおかげで、連には、恥ずかしい部分が見えないと思ったのか……。
秘裂の部分が一際あらわになったが、早輝は抵抗することなく素直にされるがままになっていた。

……本当はばっちり見えているっすけどね。

巨大化したヨゴシュタインからチェンジソウルを見つけるくらい、常人離れした視力をもっていることを、早輝はすっかり忘れてしまっいるようだ。
でも、都合がいいので早輝には言わないでおく。

膝の下を通すように腕を入れて、彼女の腰を両手で固定すると、そのまま顔をうずめて、丁寧に舐めとる。
舌で、より深い所に侵入させると、彼女は身体をくねらせながら、甘い声をもらしていた。
悶える早輝の表情に、今までの子供っぽさや無邪気さは影もない。
そっと、指を敏感な箇所に触れてみると、一際高い声が漏れた。
「ここも、印をつけとかなきゃ…」
改めて、指で触れた所に口をつけた。


172:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」11
08/11/06 14:08:53 PpJc5TeD
もう、無我夢中だった。
早輝の全身に、自分の印を刻みこませようと、ただそればかりを考えて。
うつぶせにさせると、背中もすみずみまで唇をつけていった。
お尻の部分は、さすがにかわいそうだったので、ちょっと触れるだけにしておく。

そうしないと心の中の不安を沈めることができなかった。
もちろん、これは単なる自己満足。
ここも…ここも…と、誰も踏み入れてない所ほど、足跡をつけることで、後から彼女に触れようとする男に優越感を持ちたいだけ。
「……最低だ、俺」
「え?」
低く、聞こえないようにつぶやいたので、早輝には何の事かわからなかったらしい。
彼女の両足を抱えると、すでに固くなったものを入り口に押し当てた。
掴まれた両肩が、少し痛かったが、顔に出さずに体重をかけていく。
「あぁ…っ」
思ったよりもキツい締め付けに、連は強く目を閉じた。
閉じたまま、さらに奥まで挿入すると、荒い呼吸を繰り返す。

思えば、長い道のりだった。
添い寝をするようになった時点で、欲望を抑えるのが大変で不眠症になりかけたが、それでも早輝が『心の準備ができる』まで、待つつもりでいた。

でも、結局は待てなかった。

ロウソクの灯が視線に入る。
「あっあっ…あっ」
切なげな声に見下ろしてみると、目を深く閉じ、濡れた唇を半開きにしながら彼女は喘いでいた。
小刻みに動かしていたのをやめて、ゆっくり深く突くように変えてみる。
ベッドの上で乱れる彼女は、いつになく妖しくてキレイで……。
でも、まるで違う女性を抱いている気がして、なんだか早輝を抱いている実感が得られない。

これは罰だ。

自分を信じてくれた走輔たちに対して。
オカンと娘の関係を破った自分に対して。
嫉妬と独占欲で彼女を抱いたことに対して。

単純に好きだから、という理由で、彼女を抱けばよかったのに。
あのロウソクのように、嫉妬の炎を吹き消すことができたらどんなに楽か。

すべては、大翔の一言だった。

こんなに好きなのに……。
体は、こうして繋がっているのに……。
どうして、彼女を遠くに感じてしまうんだろう?


173:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」12
08/11/06 14:12:56 PpJc5TeD
「このまま嘘を突き通すつもりか?」
「何のことっすか?」
相手を射抜くような鋭い視線。
心を読まれないように、動揺を悟られないように、知らず知らずのうちに無表情になる。
大翔は軽く溜め息をついた。
「アイツらは、お前たちがキスする光景を見たとは言った。でも、時間や場所は一言も言ってない」
大翔は連の方まで歩み寄ると、振り向きざまに静かに言い放った。
「走輔はああいう奴だ。場の空気とか考えず、単刀直入に切り出す。でも本当に何もなかったら、笑い飛ばすか、変な言いがかりに怒る方が自然じゃないか?」
大翔の低い声が鋭い矢となって胸をチクチクさせる。

落ち着け。
反論の余地はいくらでもある

「自然とか自然じゃないとか、そんなの正解があるわけないじゃないっすか」
「そうかもしれない。でも、お前は、いきなり走輔に言われても、少し動揺を見せただけで、家族であることを強調して、みんなを納得させようとした」
「……」
「お前は最初から、走輔たちに見られたのを気づいていた。だから誤解を解くためにここへ来た、俺はそう思っている」
「そうっすよ」
余裕を取り戻した連は大翔と向かい合う。
「大翔の言うとおりっす。本当にケチャップを拭いてあげただけなのに、走輔たちが誤解するから……」
「フン、それなら俺が早輝を抱いてもいいってことだな?」
「えっ?」
何も言えなかった。

別にいいっすよ、と余裕をかますことも。
オカンとしてそれは許せないっす、とジョークで笑い飛ばすことも。

ただ、目を見開いたまま大翔を睨みつけることしかできなかったのは、相手の鋭い目に本気を感じたから。
時間が止まったかのような長い沈黙。
鋭く連を見ていた大翔の目が、急に緩んだ。
「冗談だ」
言われるまで、笑みを浮かべているとは気づかなかった。
「走輔が『早輝と付き合っているか? 』と言った時に、なぜお前は否定しなかったのか、それが疑問だったんだ」
その笑みも、また先ほどの鋭い目に変わる。
「それでも、最後まで嘘を突き通すつもりなのか?」
大翔が出て行ったあとも、ぼんやりと連はたたずんでいた。

―俺が早輝を抱いてもいいってことだな?

あの言葉は、本当に冗談だったんだろうか。
カマをかけただけだ、と言い聞かせたが、とてもそうは思えなかった。
大翔にだけ、唯一『さん』をつける早輝。
そんな二人に対して、一度湧き上がった不安は、消し去ることができなくて…
そして自分に自信が持てなくて…
どうしても大翔の前に、早輝の体に自分の印を刻み付けたくて…

それで、あの晩、初めて早輝を抱いた。



174:轟音青黄「ケセナイ嫉妬」13
08/11/06 14:17:15 PpJc5TeD
もうすぐ夜が明けようとしている。
早く部屋に戻らないと…と頭では分かっているのだが、体が鉛のように重くて動いてくれない。
「さすがに、もう言い逃れはできないっすよね…」
素肌をぴったりとくっつけるように、自分の胸の上で目を閉じている彼女。
快楽よりも苦痛を与えてしまったかもしれないが、それでも最後の方は、普段高い彼女の声に甘い喘ぎが加わっていた。
じらすつもりはなかったが、眉間に寄せた皺が気になって、「やめる?」と聞いた時、首を横に振ったのも彼女だった。
だから……後悔はしない。
抱き締める腕に力がこもってしまい、その痛さで早輝が目を覚ましてしまった。
「うっ……」
「ごめん、早輝、大丈夫っすか?」
早輝は顔をあげると、連の顔と向かい合うように見下ろした。
「連……、泣いているの?」
「えっ? 別に泣いてなんかないっすよ」
「昨日、なんかあったの?」
「何もないっすよ」
「ウソ、泣いてる」
「泣いてないっす」
「泣いてる!」
「泣いてないっすよ!」
しばらく、泣いた泣いてないの問答が続いたが、早輝はむーっと拗ねた。
「スマイル!」
片手で連の頬をつねる。
「……」
「……連?」
頬をつねられたまま、目を潤ませて連は言った。
「泣いてなんかないっす……」
早輝の体を引き寄せると、体制を変えて彼女の上に重ねていく。
「やだっ。連ったら。もう無理だよぅ」
胸を揉まれて、体をじたばたさせて抵抗するが、突然連の動きが止まった。
「……うっ…うぅ…」
肩に顔を押し付けるようにして、あふれる涙をぬぐっている。
「連……」
早輝は、これ以上何も言わなかった。
腕を回してぎゅっと抱き締めると、茶化すこともせずに頭を撫でていく。

早輝、ゴメン……。
起きたら、いつものように、みんなのオカンに戻るから、
今だけは泣いてもいいっすよね?
<終わり>


175:名無しさん@ピンキー
08/11/06 14:19:24 PpJc5TeD
以上です。このスレの金黄の影響をかなり受けておりますが、
三角関係の予定は今のところないです(っていうか無理w)。

176:名無しさん@ピンキー
08/11/06 15:00:53 Ek1eZv37
GJすぎて何も言えない

ありがとう

177:名無しさん@ピンキー
08/11/07 13:01:51 nrMtWhSe
GJ。
青×黄、いいのう。


178:名無しさん@ピンキー
08/11/07 13:37:51 PxGtrcJU
青可愛いよ、青。

179:名無しさん@ピンキー
08/11/09 12:54:26 O2QoclMl
失礼します。
轟音赤銀投下させていただきます。
金黄も少しあります。
エロはありません。
タイトルは
Caress of Venus
タイトルNGワードでお願いします。

180:轟音赤銀Caress of Venus 
08/11/09 12:55:37 O2QoclMl
 うるせえなんて言われたのは生まれて初めてだった。
なんて非礼な男だと怒りよりも驚きの方が先だった。
ひどい言葉を投げつけておきながら、忘れたかのように懐こく近寄ってくる無遠慮さ。
何を考えているのか、手に取るように分かる単細胞。
それでいながら時にこちらの正確な予測を狂わせ、その手で不可能を可能にする。

 好奇心が刺激されないわけがない。


「買い物の荷物持ちがなんで俺様なんだよッ」
大声で文句を言いながら江角走輔はいくつもの紙袋とおしゃれな箱を抱えて須塔美羽の後ろを歩いている。
手を後ろで組み、ポニーテールを軽やかに揺らしながら、美羽はくるりと振り返り足を止めた。
文句を言うだけで無防備だった走輔は驚いたようにぴたりと足を止める。
「アニは黙って付き合ってくれるのに」
美羽お得意のアニとの比較。
走輔は口元をひきつらせ、自分を見上げている愛らしい大きな瞳に言った。
「俺はアニじゃねぇ。走輔、江角走輔だ」
大げさにため息をついて美羽は唇を尖らせた。
「どうしてこんなにアニと違うんだろう」
アホか、と走輔はそっぽをむいた。
「違って当たり前なのがどうしてわかんねーのか、そっちの方が不思議だぜ」
天下の往来で二人は睨み合った。
「その無駄な金の使い方、連に叱られたんだってな」
「叱られてなんかいないわよ、ただ、カードの使い方を見直したらどうかってシュミレーションされただけよ」
「それを叱られたって言うんだよ、温室育ちのお嬢ちゃん」
「私は温室育ちなんかじゃないよ!」
「俺からすれば甘ったれのワガママ女だなんだよ。そんなにアニアニ言ってんなら、一生このまま大翔に甘やかしてもらってればいいじゃねぇかよ。それで万事丸く収まる、万々歳ってこった」
言い終わってから走輔ははっとした。
来るはずの美羽の口撃が来ないからだ。
美羽は大きな瞳を揺らして無言で走輔を睨んでいた。
言いすぎたかと後悔した瞬間、後悔なんかしなくて良かったことを痛感した。
買い物袋で両手がふさがっている男の鳩尾に一発、華麗なキックをお見舞いしてくれたのだ。
「走輔はなんにもわかってない!」
その場にうずくまりながら、走輔は思う。
わかるわけねえだろが。

181:轟音赤銀Caress of Venus 
08/11/09 12:56:22 O2QoclMl

「そんなに嫌なのにどうして走輔は美羽の買い物という口実に乗るんすかねぇ」
ギンジロー号では香坂連が、走輔の話を聞いて大笑いして腹を抱えている。
連の大笑いにますます気分を害した走輔は、たまたま隣にいた城範人の頭を張り倒し、いたいなーっ!と文句を言うその頭をぐりぐりなぜまわした。
「やつあたりはやめてよね、走輔だって我儘でガキじゃん。お似合いだよ美羽と」
「ナマイキ言ってんじゃねーぜ、このっこのっこのっ」
連と笑い転げていた軍平だったが、読んでいたハードカバーを閉じツンツンの赤い頭をパコンと叩いた。
「いい加減にしろ。荷物持ちごときでいちいちグダグダと。嫌なら断ればいいだろうが」
早輝は笑い転げている連の隣で、小首をかしげていた。
「買い物って口実なの?」
連は頷いた。声のトーンを落として早輝だけにわかるように言った。
「本来荷物持ちなんて必要ないっす。ショップから自宅に届けてもらうくらい、美羽たちセレブなら当然のことっす」
「それをわざわざ、走輔を連れ出すってことは」
「そして、走輔も断らないってことは」
早輝の目がキラキラとして走輔を見る。
連もそれに応えて意味ありげな視線を走輔にむける。
そして、早輝と連は顔を見合わせニッコリと笑いあったのだった。
「付き合っちゃえばいいのにねぇ、あの二人」
「それはそれで騒々しいっすけどねー」

182:轟音赤銀 Caress of Venus 
08/11/09 12:58:42 O2QoclMl

「単細胞の単純男!」
須塔邸では美羽がサンドバッグを殴っていた。
大翔が練習していのだが、帰宅後の妹の剣幕に押され、見物人とならざるを得なかったのである。
「温室育ちで悪かったわね!」
大翔は頭に手を置き、目を半分にして息をついた。
走輔と買い物と称して出かけ帰ってくると荒れているくせに、懲りもせずに何度も連れ出すとはこれはいかに。
殴る音が止み、突然美羽が大翔を見た。
身構えた大翔に美羽は、
「アニもアニよ。走輔は走輔のままでいいなんて言うから!」
なにを言い出すのかと目を見開いた後で、大翔は目を和ませた。
「走輔は走輔であることで不可能を可能にする。理論予測理屈をすべて覆すのが走輔の強さだ」
「で、でも、アニのように優しかったりしてくれてもバチは当たらない」
笑いだしそうなのをごまかすために大翔は口元に拳をあて、咳払いをした。
「そうだな、あいつはレディの扱いを知らなさすぎる」
「アニもそう思う?!」
「思う思う」
大翔の知る限り、美羽は恋をしたことがない。
上流階級育ちの洗練された青年たちにちやほやされた過去はあっても、自分から恋焦がれた経験などないのだ。
まして相手は、あの走輔と来ている。
類まれな強運を持つというのに、どこまでも鈍感な走輔。
兄としてはこのまま傍観するしかない。何かをすればただの野暮だ。
が、最愛の妹をここまで振り回す走輔がやや腹だたしくもある。
「どうしたら、走輔はアニみたいにキラキラになるんだろう!」
誰かを自分の思うように変えようとすること。
そこからまず美羽はボタンを掛け違えている。
それを教えてやらないのは、兄としてのささやかな報復なのかもしれない。

183:轟音赤銀 Caress of Venus 
08/11/09 13:01:18 O2QoclMl

「おはよう連」
ベンチに膝をつき、テーブルの上の皿を片づけている連の背中に美羽は声をかけた。
「早いっすね何かあったっすか?」
「何かなかったら来ちゃいけないの?」
「そんなことないっすよ」
両手に空いた皿を抱えた連がにこりと笑う。
「れーんー、お皿洗いやるから休んでていいよ!お洗濯は軍平がやってくれてるから!」
ギンジロー号の中から早輝の声がした。
「サンキュっす」
美羽は何となく微笑み、連を見た。
「いい娘さんですこと」
「オカンは甘えてコーヒーブレイクさせてもらうっす。美羽もコーヒー飲まないっすか?」
「ありがとう」

 美羽の向かいで静かにコーヒーカップを傾けている連は、同じゴーオンジャーなのに走輔とは全く違う。
コーヒーを飲んでいるだけなのに品がある。
「なんすか?」
観察をしすぎたらしい、連が苦笑いを浮かべていた。
「連はどうしてゴーオンジャーになったの?」
「それは・・・」
「連はアニよりも開発やメカニックとして優れているし、私よりも料理が上手。
今まで連みたいに多種多様な才能に恵まれた人材に会ったことがないわ。もちろんトータルで完璧なのはアニだけどね」
「過分に褒められている気がするっすね。得意分野ってものは誰にでもあるもんすよ」
ところで、と連はコーヒーカップをテーブルに置き、
「そろそろランニングから走輔帰ってくる頃っすよ」
「べつに走輔に用があるわけじゃないわ。あ、連に言われてからカードの使い方を私なりに考えているところよ」
「考えることは興味を向けること。いい傾向っすね」
「わたしにはアニくらいしか戒めてくれる相手がいないのに、アニは私にとても寛大なのよ。
連のように思慮深い人から忠告されるのは私にとって良いことだと思うの。
これからも気がついたら教えてほしいな」
「それは俺も大翔や美羽から教えてもらうことは多いっす。もちろんゴーオンジャーのみんなからも。
世の中、視点を変えると学ぶことばかりで楽しいっすね」
「連って・・・おもしろいね」
「そうっすか?」
「アニとは違うタイプの頭脳明晰さ。感心する。連は知ることを楽しんでいるのね」
美羽は連との会話を楽しんでいた。
連はスマートに美羽の疑問に答えてくれる。
走輔では絶対にこうはいかない。
あの単細胞とこんな会話ができたなら、物事はもっと簡単に済ませられるはずなのに。

184:轟音赤銀 Caress of Venus 
08/11/09 13:02:37 O2QoclMl
「走輔」
連と美羽から離れたところで、タオルを首にかけた走輔がギンジロー号に寄り掛かっていた。
「おかえり。いつからそこにいたっすか?」
「お前達が話し込んでるから邪魔しちゃ悪りぃかと思ってさ」
美羽は走輔がいたことに気がつかなかった自分に驚いた。
そんなに連と熱心に話し込んでいたのだろうか。
「ね、走輔、これから一緒に・・・」
走輔がタオルで口元を押さえながらこちらにやってきた。
ギンジロー号のドアに手をかけて、美羽に言った。
「買い物なら連と行けよ。たまには俺にも用事があるんだ」
「買い物じゃないわよ、走輔?走輔ってば!」
言うだけ言って走輔はドアの向こうへ行ってしまった。
残された美羽は瞬きを何度かして、ドアを見つめるしかできなかった。
連が立ち上がり、空になった自分のカップと美羽のカップを手にして言った。
「中に入ってもう一杯どうっすか? 今度は紅茶を早輝に淹れてもらって」
「ありがとう・・・でも」
帰る、と言いかけた時、連が美羽の目を見てそれを止めた。
「早輝の紅茶はう ま い っ す」


 軍平が外に出て洗濯物を干し始めたのを走輔が珍しく手伝い始めた。
干し方が雑でなっていないと軍平に小言を言われて、不貞腐れてつつも手を動かす走輔。
その様を窓から眺めながら、美羽は先刻の走輔のそっけなさが気になって仕方なかった。
連はお茶に誘っておきながら、ボンパーと新しい武器の開発に勤しんでいるし。
「美羽に教えてもらった薔薇のジャム入りの紅茶だよ。美味しくなったかな」
早輝がカップを置いてくれた。
「ありがと」
早輝は素直でいい子だ。
だから走輔に可愛がられて特別扱いされて、心配されて・・・。
「うらやましい」
「ん?」
美羽のつぶやきに早輝が首を傾げる。
美羽自身はその呟きが信じられず、困惑してしまう。
浮かない顔の美羽を早輝は見つめ、不意ににこっと笑った。
「美羽、スマイルしよっ。美羽のスマイルは最高なんだから、ねっ?」
早輝の言葉につられ、小さく笑った。
そして、冷めないうちに早輝の紅茶を楽しむことにする。
「いい香り」
「うん」
そうしてしばらく他愛もない会話をしていたのだが、突然早輝がもじもじとし始め、言い難そうに美羽にお願いがあるの、と。
「なに?」
「あのね、あのね・・・ちょっと待ってて」
早輝は美羽を残して自分の部屋に行って、テディベアを持ってきた。
そして、真っ赤な顔をして美羽にそれを突き付けると小声で、
「あのね・・・耳かして」
早輝の内緒話に美羽はくすりと笑った。
テディベアを受け取り、本物のスマイルで早輝の頭をやさしく撫ぜた。
「わかったわ。ミッション成功するように頑張るね」
早輝は真っ赤っ赤になったまま、こくりこくりと頷き、ありがとう、と言う。
こんな素直さやいじらしさが自分には足りないのかもしれない。
だから、いつもうまくいかないんだ。

185:轟音赤銀 Caress of Venus 
08/11/09 13:03:54 O2QoclMl
「アニ」
帰宅して、美羽は大翔を呼んだ。
大翔はトレーニングの後だったようで、バスルームにいた。
彼が出てくるまで待つことにした。
テディベアを抱きかかえながら、自分が朝生けた赤いバラを見つめた。
花はその命をもって私に大切なことを教えてくれる。
けれど、走輔については教えてくれないのね。
私がどうしてこんなに走輔を気にしてしまうのか。
走輔のことになると無意識に体が動いたり、口が動いたりしてしまうのか。
そのくせ、走輔には負けたくなくて。
「美羽、おかえり」
上半身裸で頭にタオルをのせた大翔が現れた。
「ただいま、アニ」
「めずらしい物を持ってるな」
「これ?」
大翔の視線は早輝のテディベアに注がれている。
この大翔を早輝は一途に想っている様子。
大翔の方はと言えば、皆の前では必要以上に早輝に接触せず、相変わらずの距離を保つクールさ。
早輝がまだこどもだとわかっていて本気にさせたのだから、大人である大翔はそれなりに気遣ってやるべきだ。
女の子を寂しがらせたり不安にさせるなんて、キラキラじゃない。
美羽は大翔の顔にテディベア押しつけた。
大翔はぬいぐるみとキスしている格好になり、眉をひそめた。
「何の真似だ・・・?」
「一晩、一緒に寝てあげて。早輝からのお願いよ」
「・・・意味がわからんが」
美羽は改めて大翔の胸にテディベアを預けた。
「寂しいのよ。早輝は」
大翔はテディベアと美羽を見比べて、わかったと優しく答えた。

186:轟音赤銀 Caress of Venus 
08/11/09 13:05:03 O2QoclMl

「用事、何だったの走輔」
上目づかいの早輝が走輔を責めるような口調で言った。
右手を掴まれているので逃げることも誤魔化すこともできず、走輔は天井を仰いだ。
「えーっとだね、早輝ちゃん、大人には色々と・・・」
「軍平とケンカして、スピードルと掛け合い漫才して、トレーニング。いつもと同じことしてただけじゃない」
「・・・」
その通りです、ぐうの音も出ません。
「美羽元気なかったよ」
「なんであいつが元気なくなるんだ。荷物持ちが別に俺じゃなくてもいいじゃねーか。荷物持ちなんか贅沢だぜっての」
そんなやり取りをさえぎるように連がキッチンから声をかけてきた。
「俺が走輔にギンジロー号の屋根の点検を頼んでたっす。何もなかったから早くすんだだけで・・・な、走輔」
「そ、そうなんですよ、早輝ちゃん」
ほんとにぃ?
早輝は走輔に疑い眼差しを目いっぱい向けて、不満そうながらも手を放した。
「知らないよ。美羽が彼氏作っちゃったりしても」
ぷいっ、と顔をそむけて早輝は離れていった。
残された走輔は顔を歪め、キッチンにいる連を見た。
「早輝は何を勘違いしてるんだろうな」
「勘違い」
連はオウム返しに言い、澄まし顔で続けた。
「早輝の言うとおりっすよ。今でこそウィングスとしての使命があるから恋愛なんて頭にないかもしれないものの、あの容姿に頭のよさ、男が放っておくわけないっすよ」
ほほぅ、と走輔は大きな動きで腕を組んだ。
「連君はその男の一人かもしれないと」
「悪くない提案かもしれないっすね。頭のいい女の子は嫌いじゃないっすから」
「ブラコンでワガママで贅沢三昧の凶暴女でもかよ」
「俺にはそんな姿見せないっす・・・ブラコンは別として」
ムッと走輔は口元を引き結んだ。
「走ってくる」
「これからっすか? 夜遅いのに」
「うるせー、走りたくなったんだよ」
「はい、はい、いってらっしゃい」


「おめー、こんな時間に何の用だよ」
不機嫌を隠さず走輔はテディベアを小脇に抱えた大翔に言い放つ。
ギンジロー号から少しだけ離れた場所でばったり会うなんて、偶然にしては最悪である。
大翔は大翔でバツが悪そうに口元を歪め、腕を組む。
「おまえこそ、こんな時間になにしてるんだ」
「トッ、トレーニングに決まってんだろ。ヒーローたるもの日々鍛練鍛練」
「時間を選べ、バカ」
「うるせーな、夜中に熊のぬいぐるみ抱えて立ってる方がどうかと思うぜ」
「・・・早く行け。トレーニングするんだろう?」
「あ、てめぇ、それ早輝のじゃねーか!」
「夜中に騒ぐな、やかましい奴だな」
「早輝には会わせねぇぞ」
大翔は肩をすくめた。
「これを渡すだけだ。寝不足になるらしいからな」
「ホントか~???!」
「ああ。美羽に頼まれた」
俺が渡しておいてやる、と言いかけて走輔は口を閉じた。
「み、美羽は・・・なにしてんだ」
「さあな」
大翔は走輔の傍らをすり抜け、ギンジロー号に向かって歩いて行く。
「海岸を散歩してるかもしれん。夜の女の一人歩きはやめろと言っているのに聞きやしない」

187:轟音赤銀 Caress of Venus 
08/11/09 13:06:23 O2QoclMl

 うるさい女なんだ実際。
だけど、無視することもできねぇ。
プライベートビーチの真ん中で膝を抱えて、月を見上げている美羽はいつもより儚げに見えた。
「いつもああしてだまってりゃいいのに」
走輔は小声でつぶやいた。
足が進むべきかこのまま留まっているべきか迷っている。
足元の砂を蹴り、走輔はなんでここに来てしまったのか考えた。
来たいと思ったから来た、ただそれだけだ。
なぜ来たいと思ったのかは、いくら鈍感な自分でも認めたくなくてもわかっていた。
美羽が気になったからだ。
意を決して、走輔は足を踏み出した。
「ぼーっとしてっと風邪ひくぞ、バカ」
美羽がこちらを向いた。
走輔を見て、驚いた様子で立ち上がる。
言葉を失ったまま大きな目を見開いている。
「なんでここにいんのかは聞くな。お前がいるって聞いたから来ただけだから」
ぶっきらぼうに言う走輔に美羽ははにかむように笑い、歩み寄ってきた。
黒いTシャツ一枚にホットパンツでは寒かろうと走輔が思った矢先、くしゃみをした。
「ほれみろ」
しょーがねーなと言いながら、走輔は自分のジャケットを脱ぎ、美羽に放り投げた。
受け取った美羽は、美羽で、
「走輔が寒いじゃない、いいよ」
「うるせえな、着てろったら着てろよ」
ホットパンツについた砂を払ったあと、美羽は走輔のジャケットに袖を通した。
だぶだぶで袖が余っている。
それを見て、華奢なんだなと走輔は思った。
それでも、男勝りで絶対に泣き言を口にしない、強い戦士である。
優しすぎて情に流されやすいのが彼女の弱点だが。
「髪の毛がツンツンしてないから、いつもと感じが違うね」
「ああ、風呂に入った後だから」
なんとなく、並んで歩き出した。
照れくさいが心地よかった。
「走輔がアニにじゃなくて私に会いにここに来てくれたのって初めてだね」
「そーかー?」
うん、そう美羽は頷いて見上げてくる。
「なにしてたんだよ」
「月が綺麗だったから見てたよ」
走輔は夜空を見上げた。
確かに真ん円に近い、柔らかい光を放つ美しさだ。
それを見ていたら、考えもなしに言葉がついて出た。
「美羽みたいだな」
「え?」
走輔は口を押さえた。
暗くて良かった、顔全体で赤面しているに違いない。
「考えてもわからないの。どうしてこんなに走輔のことが気になるのか」
「へっ?」
口を押さえたまま走輔は足を止めた。
「教えて、走輔。どうしてだと思う?」
「教えてったって・・・」
「頭にくることばかりだし、ガサツだし、暴走してばっかりで、全然スマートじゃないのに・・・走輔がカッコいいって思ったりするんだよ。もうわかんないの」
見つめられて走輔は言葉を失くした。
この眼差しは反則だろう。
教えてほしいのはこっちの方だ。
胸ン中、かき乱すような眼でどうして俺を見るんだと。
「れ・・・連みたいにさ、頭が切れるヤツの方がいいんだろ」

188:轟音赤銀 Caress of Venus 
08/11/09 13:07:56 O2QoclMl
うん。
美羽はあっさりうなずいた。
カクンと膝からこけそうになった走輔だが、なんとか持ちこたえる。
「だけど、走輔ばかり気になる」
「今までそんなこと一言も言ったことなかったじゃ・・・」
「言えるわけないでしょ」
「あのな、男としては勘違いするんだよ、気になる気になる言われるとさ」
「どんな勘違いするの」
走輔は言い淀む。
「俺・・・に気があるんじゃないか、とかさ。だから、簡単に言うなよ勘違いすっから」
すると美羽はなぜか安心したように笑った。
「走輔が好きってことなんだね。この気持ちは」
「いやいやいやいやいや、俺が思っただけで、そうとは限らねぇ・・・」
走輔の言葉が途切れたのは、美羽が胸に寄りかかってきたからだ。
それをされて鼓動がひとつ痛いほど強く打った。
「ムカつくことばっかだけど、お前が気になる・・・ってことは俺も同じってことか」
つぶやきと同時に自分のジャケットごと、美羽を抱きしめた。
「お前、バカだ」
「どうしてよ」
「俺に気がつかせるようなことしやがって」
「走輔?」
「俺は大翔や連みたいに優しくできてねえ。甘やかすことも、真綿で包むみたいに大事大事にすることもできねえ・・・欲しけりゃ欲しいって性分だ」
美羽の肩がおびえたのを悟った走輔は腕の力を強くした。
「今さら、怖くなりましたってのは無しだぜ。覚悟しとけ」
腕の中の美羽が顔をあげた。
強い意志の伝わる様な瞳が走輔を見据える。
上等だ、とそれを見て走輔は思う。
覚悟しろと言いながらも堪えるように強く握っていた拳を開放して、美羽の体を抱き直した。驚いた美羽が小さな悲鳴を上げるほど強引に。
小さな頭を抱え込んでわずかに開いた唇を唇で塞げば、手のひらで押し返して抵抗された。
そんな抵抗は手首を掴んで押さえつける、抵抗なんてさせやしない。
「そう・・・すけ・・・」
音にならない声で美羽が喘ぐように呼んだ。
返事の代わりは、より深いキス。
これはおまえへの宣戦布告だ、覚えとけ。

189:轟音赤銀 Caress of Venus 
08/11/09 13:09:40 O2QoclMl
散々キスして途中からは目まで閉じていた癖に、解放してやった途端、いきなり何をするのだ無礼者、と言わんばかりに美羽は走輔の頬をひっぱたいた。
「物事には順序ってもんがあるでしょうよ!」
「だから、そういうのを俺に期待すんな」
美羽は唇を噛み、鋭く睨んできた。
「走輔の思い通りになんかならないわよ。言っておくけど簡単に落ちる易い女じゃないからね!」
「ビビってんのかよ」
「ちがーう!」
勘違いするなと、美羽は言った。
「好きよ、あんたのことは。だけど、私が欲しいならそれ相応の強さを見せて。アニよりもキラキラじゃなきゃ!って・・・それは、無理か。・・・たとえばガイアークの大臣を片づけるとかね!」
「ああ、そんなんでいいなら、いつでもお安い御用だぜ」
「簡単じゃないわよ」
言いながら、美羽は走輔の両頬を挟むように手のひらをあてた。
「これは契約したってことの証だからね」
「契約?」
「強さを見せてくれたらあんたのものになってあげるってことよ、わかった?」
そうしてつま先をのばし、走輔にキスをした。
「了解」



「良く会うな」
「会いたくはねぇんだけどな」
「お互い様だ」
走輔が美羽を須塔邸まで送り届けると、門の前で大翔に遭遇した。
「てめえ今帰りか、今までなにしてやがった」
「それはこっちのセリフだと思わないか」
走輔の隣にいた美羽は素早く大翔の隣に移動した。
「アニ、一晩一緒に寝てあげるはずだったのに、テディベアどうしたの」
「早輝に返してきた」
走輔はフンと肩で息をつき、二人に背を向けた。
「美羽、返してこなくていいのか?」
「え?」
あ、と美羽は慌てて走輔の後を追った。
走輔のジャケットを羽織ったままだった。
大翔は門に寄り掛かり腕組みをして美羽が戻ってくるのを待っている。
走輔にジャケットを返して戻ってくると、今度は大翔がジャケットをかけてくれた。
門からまだ少し歩くからだろう。
「ありがと、アニ」
まだ、このバランスの中にいたいと美羽は思った。
「アニはずーっと私のアニだよね?」
明るい月明かりの下、大翔は優しく眼を和ませ、美羽の頭に大きな手を置く。
そのまま自分の方に引き寄せ、
「前にも言ったろう。何があっても美羽には俺がいるって」
「うん・・・うん」


あと少しだけでいいから、走輔と大翔の間に居ることを許して。


<終わり>


190:名無しさん@ピンキー
08/11/09 13:11:41 O2QoclMl
失礼します。
ありがとうございました。

191:名無しさん@ピンキー
08/11/09 14:22:29 r4Pesxm9
銀がツンデレならぬデレツンでGJ!ですた。
続き待ってます。

192:名無しさん@ピンキー
08/11/09 15:59:46 YW2/QyTS
ぐわーーー!!
イイ!!イイよ!!
GJでした!!

美味しい赤銀ごちそうさまでした。

193:名無しさん@ピンキー
08/11/09 16:26:11 e6+Pl+zv
銀可愛いよ。
GJ!!!

194:名無しさん@ピンキー
08/11/09 22:20:35 nntm0Xj3
赤銀も黄金も大好きだ
GJ!

195:名無しさん@ピンキー
08/11/10 00:42:52 iMzLvAPs
鈍感→強引の走輔に萌え
連の策士っぷりにニラニラ
超GJ!

196:名無しさん@ピンキー
08/11/10 00:55:29 iIwWJDPt
赤銀もいいけど、連と大翔が何気なく……粋だね。
GJでした!

197:名無しさん@ピンキー
08/11/12 16:51:54 zQa2b9Ab
久しぶりに赤黄に萌えた。ビンのやり取りがかわいい。
で、力のありそうな黒や青じゃなく、わざわざ緑に頼むのがいい。

198:名無しさん@ピンキー
08/11/12 22:33:04 XfA8/phh
わざわざ緑に頼む黄。
固まったときも緑の名前連呼するし。。。
くっつちゃえばいいのに!

199:名無しさん@ピンキー
08/11/13 00:32:40 uoSKQUaL
こないだの放送見て黄銀に飢えてます

200:名無しさん@ピンキー
08/11/13 22:28:53 pTnddrTJ
金黄職人様
金×黄はもう投下なしなのでしょうか
赤銀、金青黄、緑黄SS待ってます

201:名無しさん@ピンキー
08/11/13 23:54:10 4CX9Hhf8
俺はキタケガが読みたい・・・。

202:名無しさん@ピンキー
08/11/14 15:14:10 NemW9TYA
赤銀SS良かったです!
青と金も存在感があっていいね。

203:197
08/11/14 18:37:23 R2DWShX9
今度から現行作品を投下する時は放送日はなるべく避けてほしいかなと思った。
放送のことを書きたかったけど、現行作品だから、スルーして書くのも悪いし、一応1日待ってから書いたんだ。

204:名無しさん@ピンキー
08/11/14 19:06:16 qjckNJBO
>>203
作品投下の時期まで指定するの?

>スルーして書くのも悪いし、一応1日待ってから書いたんだ。

これを気にするなら放送日に放送のことを書けばいいんじゃない?
後になってこんな意見を出すほうが読んでいて不快だ。
本スレもあるのに気にしすぎじゃないかな。。。

205:名無しさん@ピンキー
08/11/14 22:38:23 BrwoJ5OG
>>204
同意。

注文が多いんじゃね?
前に投稿されたssのかぶせにならないように注意して間隔みて投稿するように気を使って、今度は投稿日かよ!
職人はいつ投稿すればいいんだ?
年がら年中スレに張り付いてるわけにもいかないんだが。

206:名無しさん@ピンキー
08/11/14 22:52:44 Y31hgpqG
話したい気持ちはわかるけどさ。
だからといって職人さんにあれこれ言うのはなんか違うと思う。

207:名無しさん@ピンキー
08/11/15 00:31:43 6tlGsK/S
>>179
赤銀ありがとう
ガイアークの大臣を倒した後の二人がどうなるのか!
本編ではヨゴさま倒してるしw
アニのピンクドレスと赤銀にGJ!

208:名無しさん@ピンキー
08/11/15 01:45:36 S1dEEGbx
>>203
これはコピペになる…いやコピペか

209:名無しさん@ピンキー
08/11/17 00:44:23 VUEXYTUE
亀ですが>>180赤銀
萌えすぎて禿げた
中の役者さんたちの声で聞こえたよ
超GJ

喧嘩ばかりの男女が恋に落ちるという古典パターンがダイコウブツなんで
赤銀は直撃
本編はもう絡みないかなー

210:名無しさん@ピンキー
08/11/17 11:22:53 FyoI0Pi/
>>209
禿同。
自分も萌えすぎて禿げたw

冒険みたいにラストに美味しい爆弾があるといいんだけどね>赤銀
きっと絡みがあると信じてますよ!
朝日公式の銀の中の人インタビューにもチラリと恋話に触れてたし。

211:名無しさん@ピンキー
08/11/19 15:22:18 t1WRjs2H
アニの人のブログで「黄とのシーンの撮影がある」というのを見て、
やたらと妄想を膨らませてしまった。

212:名無しさん@ピンキー
08/11/19 16:45:35 7a/tGIad
>>211
あるあるある

ほんのりでいいから金黄っぽいシーンだったら嬉しい

213:名無しさん@ピンキー
08/11/20 00:50:47 nlME3vh4
轟音青黄投下させていただきます。
エロはありません。
エロのないものばかり投下してすみません。
タイトルは
Angel's Share
タイトルNGワードでお願いします。

お暇つぶしになれば幸いです。

214:轟音青黄 Angel's Share
08/11/20 00:53:01 nlME3vh4

「珍しいな、一人酒か」
通りすがった軍平に声をかけられた。
皆と揃いのマグカップでウィスキーを飲んでいた連は苦笑で答える。
「早輝がお菓子作りに使ってる安酒っすよ」
なにを思ったか、軍平は椅子を引き連の向かいに腰かけた。
「軍平もやる?」
「いや。走輔がいないからな。連もダメとなれば俺しかドライバーがいない」
連はそうだったと頭に手を置いた。
「今、ガイアークが攻めてきたら、たぶん、俺、変身できないっすね」
「そんなに飲んだのか」
「まぁ、俺にしては」
いつもよりゆっくりな話し方で、連はマグカップに口をつける。
「早輝は帰ってきたのか」
「さっき、帰ってきたっすよ」
「なにが可笑しい」
連がくすくす笑い出したので、つられて笑みを浮かべながら軍平は尋ねた。
「笑い上戸なんす。付き合ってると疲れるっすよ?」
「お前の酔っぱらい具合を明日、皆に面白おかしく聞かせてやるだけだ」
「面白おかしい程ではないはずなんすけど」
「笑い続けてるだけでも十分だ」
先刻から口にしているマグを目の高さまで上げて、連は言った。
「全然、うまくないっす」
今でこそ貧乏一家のオカンのようなことをしているが、連はもともとお育ちのいい人間だ。安酒が口に合わないとしても不思議はない、と軍平は思った。
「飲むなら何がいい」
「純米吟醸」
「は?」
「山田錦100% 精米歩合55% 無濾過生原酒・・・ってとこっすね」
「どんな味になるんだか、数字つけられても想像ができん」
「香りも味も強いってことっす」
連の声がかすれている。
そこに風呂上りの早輝がパジャマ姿で現れた。
髪がまだ濡れているようで、タオルをのせて手のひらで挟むように丁寧に水気をタオルに移している。
「軍平、連どうしちゃったの? ウィスキーなんか飲んで」
「早輝のウィスキー拝借してるっす。料理酒やみりんはさすがにご勘弁だったから」
「みりんは駄目だよ」
早輝と軍平が笑うと連はニコニコとしてマグに口をつけた。
「飲みすぎだよ連。ビンの1/3なくなっちゃってるよ」
早輝がウィスキーの瓶を手にして言った。
その拍子に肩にかかっていたタオルが外れ、鎖骨に赤い痕がいくつが散らされているのを連と軍平は見る。
なんとなく気まずくなり軍平が目をそらすと、連はトロンとした眼で早輝の鎖骨を見続けている。
「連、軍平、どっちでもいいからちょっと助けて!」
外から範人の声がした。
何事かと同時に腰を上げかけた二人だが、酔っぱらいの連の肩を軍平が軽く押して、連はまた椅子に戻った。
「俺が行ってくる」
「いつもすまないっす」
「それは言わない約束だろう、おっかさん」
青年二人はクスクス笑いあい、そして軍平が出て行った。

215:轟音青黄 Angel's Share
08/11/20 00:55:14 nlME3vh4
二人きりになって、連は早輝を指さした。
「早輝、肩がさむそうっすよ。首まで隠れるの着た方がいいっす」
「・・・そう?」
「女の子は冷えたらダメっす」
マグの中身が空になったところで、連は立ち上がった。
が、思いのほか足に来ていたらしく、よろけてテーブルに手をついた。
「連!」
早輝があわてて連の腕をつかみ、体をささえた。
「大丈夫?連」
早輝は自分の肩に頭をのせたまま動かない連に声をかけた。
連は早輝の耳の傍でそっと息をついた。
「しばらくこのままでいていいっすか」
「いいけど、気持ち悪いの?」
「できれば動きたくないっす」
早輝は腕をまわして自分よりはるかに背の高い連の背を撫ぜた。
小さな手、なんて愛しいんだろう。
「飲みすぎたんだね。連もこんなことあるんだね」
連は目を閉じた。
腕をまわして抱きしめてしまいたいけれど、してはいけない。
ねぇ、早輝。
 君が大翔を意識する前に俺が、建前や仲間意識なんて捨てていたら。
彼のための君の不在を、切なく苦しむこともなかったのかな。
大翔より先に想いを伝えていたら、大翔と会わせたりなんてしなかったら。
「・・・れん?」
戸惑いを含んだ小さな早輝の声。
彼女の白い首筋に唇を寄せたからだ。
目を閉じて唇に意識を集めて、連は早輝の背に腕をまわした。
形跡は残さないから、このままもう少し。
「くすぐったいよ、連。酔っ払いなんだから」
しばらくの後、早輝が笑いだした。
だから、酔っぱらいを演じる。
「早輝、すっげえ可愛いっす」
「こらー、連っ、セクハラだ!」
わははははっと早輝は笑って、連の背中を優しく叩く。
酔っぱらいをあやすみたいに先刻までと同じように。
だから抱きしめる腕に力を込めた。
「ガイアークと決着がついたら、俺の奥さんになるっす」
「私以外の女の子だったら、本気にしちゃうぞ。簡単にそんなこと言っちゃ駄目なんだから」
「早輝がいい。早輝にしか言わない」
もう一度首筋に口づけた。色の薄い花びらのような痕が残る様に。
笑っていた早輝がふっと静かになり、背中にまわしてくれていた腕を解いた。
そっと連の胸を押して、神妙な顔で言った。
「連もそんな風にふざけるんだね」


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