08/10/11 20:44:31 sAfswEEt
>>312
ごめん、書きかけの咲夜xみょんしかなかった。
「随分としけた面した幽霊がいるわね……」
「私は完全に幽霊というわけじゃないですよ、十六夜咲夜さん」
なんとなく遠出したくなって人間の里まで買い出しに来たら紅魔館のメイドに出会った。
夏祭りでもあるのか、周囲が騒がしい。空に張り巡らされた綱には提灯がぶらさけであるし、出店の準備で射的の景品を抱えた人や道端に金魚を零して立ち往生する子供なんかがその辺をうろついていた。
「大体、暗い幽霊の方が発見しやすいでしょう……」
「そう、で、その幽霊がなんで人里まで降りて来たの?」
「そういえば結婚したって聞いたんですけど、本当なんですか?」
「……」
咲夜は急に黙りこくった。目を逸らし、明後日の方向を見つめると、大きくため息をつく。何か言うかと思ったけど、別にそんな訳でもなく、口をへの時に曲げて腕まで組だした。……ああ、なんかよくよく見ると首のあたりとか痣と噛み傷一緒についてる。
「……上手くいってないんですね」
「お嬢様下手だから……、いやいやいや、そんな事はどうでもいいでしょ!?」
「私何も言ってませんよ?」
「まあ、その暗い表情からあなたが上手くいってない事も分かるけどね」
……うっかり頭を抱えてうずくまってしまった自分が憎い。
まだ何も買ってなくてよかった、卵でも買おうものなら割ってたかもしれない。ああ、……立ち上がる気力もないや、今の私。
「……相談乗りましょうか?」
「結婚すると性格変わるって本当なんですね……」
二人は袋小路の奥に積んであった煉瓦の上に座っていた。
遠くから練習と思われる祭りばやしが聞こえてくる。
「……まあ、変わるわね、人生観とかね、専属性奴隷にでもなった気分よ」
「そんなに肩落として落ち込まないで下さいよ、……いえむしろ、性奴隷とか……、どれだけ……」
「……初夜から一週間はベッドの外に出して貰えなかったわ、揚げ句能力まで封じられて……私、私、本当にあの時ばかりは……ッ」
咲夜は机があったら突っ伏しそうな具合で両膝を抱える。……ああ、肩震えてるよこの人。
「もういいです、泣かれても困りますし、っていうか何もする気ないんですけど」
「いいわよ、別に……、ああ、美鈴に会いたいなぁ……」
「既婚者が何言ってるんですか……、レミリアさんが聞いたら怒りますよ?」
「うん、知ってる。それで美鈴の前で何回か……」
「……」
「泣きそうになりながら私を見つめる美鈴がまた堪らないのよねぇ……」
頬染めてはぁっとため息つかないで下さい。
「貴方達が結婚した理由を垣間見たような気がしました。なんか、さっさと帰りたいなぁ……」
「遠慮しないでもっと聞いていいのよ? この間は妹様がお嬢様をテラスで青……」
「本当にどうでもいいですよ、……むしろ結構楽しんでません?」