★女同士の壮絶なバトル Round4★at EROPARO
★女同士の壮絶なバトル Round4★ - 暇つぶし2ch150:Night Party
08/11/07 00:30:07 IG/V8DmK
気が向いたら、そんなにエロくないけどエロシーンいれたりして続き書きます。

あと参考なまでに聞いてよろしいですか?
どんな格闘技が出てきたらみなさん嬉しいんでせう?
というかこの板のスレではそういうの聞くのがそもそも空気よめてなくて、とにかくエロ特化させた方がいいんですかね?

では、いずれまたー。

151:名無しさん@ピンキー
08/11/07 01:55:42 5vE2krsn
失礼します。
The edgeの続きを投下します。

>>150Night Partyさん
出て来て嬉しい格闘技…私は壮絶バトルになるものなら何でもです。
プロレスとかムエタイとか。
しかし、本当にこのスレの方々は格闘技にお詳しいですね。
参考にさせて頂きます。

152:The Edge ep.10-2  1/10
08/11/07 01:56:58 5vE2krsn
1.

竹竿に括り付けられる瞬間、悠里は手足が千切れるような痛みを覚えた。
砕かれた手首足首では釘で打ち付けられるようなものだ。
しかも他の全員が衣服を纏う中、一人だけ裸体では屈辱もひとしおだった。
大股開きになった秘部が衆目に晒される。
素肌を晒すぐらい何でもないが、敵陣で見世物にされるのはまるで意味が違った。

「いい格好ね、女王さま」
馬鹿にしきった表情の娘たちが悠里を取り囲む。
楓との立会いの際にも見た顔だ。恐らくはこの道場の古参だろう。
「ははぁ…えらい睨み様。きつう縛っとかな、解けたら噛み殺されそうや」
「大丈夫よ、その時は師範呼べば。こいつじゃ絶対勝てないし」
女たちは嘲り笑った。悠里は目を曇らせる。
否定しようがなかった。
単に実力で負けたのとは訳が違う。
後半に楓が迫ったとき、悠里は反撃を放棄して無意識に顔を庇っていた。
自分を潰そうとする楓の気迫に圧し負けて。
子供が母親の折檻に抵抗できないようなものだ。
力が及ばないのとは別次元の敗北。悠里はそれがショックだった。

女の一人が集まってきた門下生に呼びかける。
「皆も知っての通り、この女は無謀にも師範に戦いを挑んで、負けたの。
 知らない奴なんていないよね?総合格闘技の女王・悠里よ」
彼女は悠里の太腿を叩いた。
「…で、ココでは公には『総合は敵だ』って言わせてるけど、居るでしょ?
 こいつに密かに憧れてる奴とか。私だって、一度は思ったりもした。
 だから今日は、その幻想を徹底的に砕くよう師範から仰せつかったわ。
 こいつも人間なんだってね」
女はラテックスの手袋を嵌め、さらに瓶から薄青い脂を掬いとる。
「お尻だけでイけるように、徹底的に開発してあげる。 きんもちいいよぅ?」
女は笑いながら菊輪に膏を馴染ませ、ずぶりと中指をねじ込んだ。
「うわ、ほ、ホントにお尻のなかに入れてる…!」
「…信じられない…!」
指を入れただけで若い門下生が騒ぎ始める。
悠里は間違っても感じている様など見せられないと理解した。
剥き出しの陰部はまだぴっちりと閉じている筈だが、それが尻穴の弄くりで開いたりすれば…。


153:The Edge ep.10-2  2/10
08/11/07 01:57:49 5vE2krsn

「ん、腸壁がヒクヒクしてるねぇ。どーしたの?」
女は中指で腸をなぞりつつ嘲る。
悠里はクールな表情を保っているが、その視線は落ち着きなく壁の木目を彷徨っていた。
上手い。そう認めざるを得ない。
たかが女の指一本、しかし細長いそれは驚くほど深くまで届いた。
関節部が敏感な尻穴を刺激し、指の腹が貼りついた奥の粘膜を一枚ずつ剥がしていく。
「随分ほぐれてきたねぇ」
女は奥をさすって笑う。そして一旦中指を抜き、次は人差し指も加えた二本を深く沈めた。
悠里の腰が浮く。
一本では違和感しかなかった指が、二本になると質量を持つ。
内臓をぐうっと押し上げられる感覚が腹を襲った。
「こっからキツいからね。ぱっくり開かれるからって、漏らしたりしないでよ?」
女はそう言って指を開いた。
にちゃっ。ひどく粘り気のある音が立つ。いつのまにか、何らかの液が腸内に生まれている。
そして二本指が腸の中で踊りはじめた。
ある時は二本の質量がそろって穴深くを弄り、ある時はバラバラに腸を押し開き。
にちゃっにちゃっにちゃっ。
隠微な音が淡々と繰り返される。

見た目には実に単調だ。どれだけの者が理解できるだろう。
悠里の体内がまさに今、じっくりととろ火で炙られている事を。
 (くっ……!)
悠里は心中で舌打ちした。縛られた足首をぎしぎしと鳴らす。
鎖骨とアバラが悲鳴を上げるが、わずかでも腰をくゆらす。
女の指入れは巧みすぎた。痛みで紛らわせなければ声を上げてしまうことは間違いなかった。
肛門を擦られる。腸内を開かれる。
言葉にすればたったそれだけの事が、とんでもなく気持ちいい。
奥で指を曲げられた。ぐじゅうっと水音がする。
腸液が分泌されているのはもう疑いようもなかった。
粘った音を聞かされ続け、中がどうなっているかを想像するとぞくぞくする。
 (逃げなきゃ…こんなの、ずっと受けてたら…!)
指が抜かれるたび内腿にスジが立つ。
頭上高く縛られた足が曲がっては伸びる。人の目がそれを追う。

「ねぇ…何かあの人、感じてない?」
誰かがそう呟くと、視線が一斉に女の部分へ集まった。
悠里は唇を噛む。
「あ!おっぱい立ってる…!」
「見て、クリちゃんも皮捲くりかけてるよ、やぁだ、本当に感じてるんだ!!」
きゃあきゃあと囃し立てられ、悠里は背筋が凍るように恥じ入った。


154:The Edge ep.10-2  3/10
08/11/07 01:58:44 5vE2krsn

肛門とて性器だ。人間には『肛門期』という、そこで快感を得るための時期さえある。
これだけ刺激されて昂ぶらない訳がないのだ。ましてや、感覚の研ぎ澄まされた肉体ならば。
女達はそれをよく知っている。知っていてさらに追い詰める。
一人は悠里にオイルを塗りたくり、首筋や腋といった性感帯を包むように揉みほぐす。
一人は興奮でしこり始めた乳首を指の輪で扱き上げる。
ちょうど乳児が吸い付くのと同じ感触。生理的快感にピンクの蕾は痛々しいほど屹立してゆく。
誰の目にも疑いなく、悠里は女になりつつあった。

「ねぇ?お尻の奥かき回されるのって、すっごくイイでしょ?」
女はさも可笑しそうに笑い、きつく締めつける直腸を乱暴に捏ね回す。
紅い粘膜が指の間から覗くほどの激しい攪拌。
見るだけの者には、どうして悠里が何かを振り払うように髪を振り乱し、どうして吊り下げられた腰が
たまらなそうに縮み上がるのか理解できなかった。
ただ、変化が起きているのは解る。
「あ!」「…ッふ」「く、ぅ゛!」
殺し損ねたつらい声が悠里からかすかに漏れ、汗が身体を伝う。
ねっとりとした生々しい汗。
首筋からのものは乳房を迂回して脇腹を流れ、膝裏からのものは美しい脚を撫でて床に滴り落ち。


さらに半刻ほど経ったころ、和室には冷ややかな笑いが広がっていた。
「きったない悲鳴ねぇ」
娘達が獲物の顔を覗き込んでからかう。悠里は悔しげに眉を顰めている。
ぶち、ぶりっ。
指が引き抜かれる瞬間、悠里の直腸は放屁を生んでいた。
『出来上がった』のだ。
赤らんだ肛門は指で刺激されただけでぽっかりと開き、黄色い液を噴きこぼす。
一切触れられていない秘裂も門渡りへ蜜を伝わせている。

気付けば、たかが指で穿られただけだというのに、女帝の体は夥しい汗に包まれていた。
それでも肛虐はまだ終わらない。
むしろここからが本番なのだと、尻穴へ宛がわれた質量が訴える。
冗談のようなサイズ、挿れる側への配慮が微塵も感じられない反り、醜悪なイボ。
女を苛むために造られたディルドーだ。
 (―い、嫌あぁッ!!)
悠里は蟻地獄を這い登る気分で脚をばたつかせる。
しかし現実は残酷に、彼女の可憐な蕾へと激痛をもたらした。

155:The Edge ep.10-2  4/10
08/11/07 01:59:38 5vE2krsn
2.

衝撃的な光景だった。
すらりとした脚の付け根に、目を疑うような極太が出入りしている。
秘裂にでさえ遠慮したい大きさが慎ましい蕾を押し広げている。
しかも手足を縛り上げられる歪な格好のために、強烈な腹圧までかかっているはずだ。
それを受けてなお悠里は耐えていた。
つらいのは一目で解る。
何しろ皺もなくなるほどの極太だ、それが突き込まれるとなると腿の強張りが尋常ではない。
張型が抜かれる際には引きずられて赤い腸が覗き、突きこむ際には尻穴周辺の肉が陥没する。
抽迭のたびに潤滑液代わりの白濁した腸液が滴り落ちる。
 どちゅっ。  どちゅっ。  どちゅっ。  どちゅっ。
重く湿った蹂躙。それにも悠里は泣きを入れない。
責め手など一度迎え入れただけで錯乱したらしいのに。
門下生は彼女の強かさに驚き、また瑞々しい身体に見惚れた。
「あーあ、もう!こっちの手が痺れちゃった」
ディルドーを操っていた娘が眉をしかめた。張型は巨大なだけに重量も相当らしい。
ここは悠里の粘り勝ちだ。
ふぅっ。突き込みが止まり、悠里は心底安堵した様子で息を吐く。
しかしすぐに次の娘がディルドーを掴む。
僅かな休息は一呼吸で終わりを迎えた。

「悠里さまってやっぱり頑固なのね。それなら、こんなのはどう?」
彼女はゆっくりとディルドーを送り込んでゆく。
急に突き込まれるのかと身構える悠里を嘲笑うように、ゆっくり、ゆっくりと。
そして巨大な質量は、直腸の最奥までを埋め尽くして止まる…
…はずだった。
しかし、奥まで埋め込んでも娘は力を緩めない。
悠里の細い腰を抱え、膝頭でぐりぐりとディルドーを押し込む。
「い、痛っ…!ち、ちょっと、もう…入、らない…!!」
さすがに悠里が非難の声を上げる。それでも娘の力は緩まらない。
押し出そうとする力と捻じ込もうとする力のせめぎ合い。
それは往々にして攻めの勝ちだ。
悠里が息苦しさに息を吸った時、ついに凶器の先は『そこ』にもぐり込んだ。


156:The Edge ep.10-2  5/10
08/11/07 02:00:24 5vE2krsn

奥まで達したはずの張型がさらに捻じ込まれた瞬間。
「う、うあおおおおぉあ゛!!」
悠里の口から潰れた悲鳴が迸った。額に汗を噴き、目を恐ろしいほどに見開いて。
何事かと門下生達は目を見合わせる。
「見つけた…『ここ』ね?」
責めている娘だけは一人得心し、ゆっくりとディルドーを引き抜いた。
そして一息つかせ、角度をつけて捻じり込む。
「おあ゛ーーー!!あ、あ゛ーーあぐあぁッッ!!」
悠里は再び呻きを上げて暴れる。いよいよ場は不可解な空気に包まれた。
ただそうした理解を超える状況には、必ず一つの事実が付随する。
悠里が『それを嫌がっている』。
つまりはそれだけ効果的ということだ。

「女の子の前立腺、とでも言うのかな。子宮裏、このディルドーの反りと長さがあって初めて
ほじくれる窪みよ」
娘は語りながら、完全に道筋を知ったかのように同じ角度で剛直を捻じ入れる。
悠里の方はもうたまらないらしかった。
「お、ぁおおおおおお゛!!!」
滅茶苦茶に腰を跳ね上げ、縛り上げられた足首を折れそうに反らせる。
秘裂からはついに蜜が溢れ出した。
「ねぇおっさん、あそこ、ちょっと開いて見てきなよ」
娘の一人が遠くの男に声をかけた。
顔中が脂ぎり、髪も不潔、さらに挙動不審。冴えないタイプの男だ。
彼は特に熱心に悠里を眺めていた。
「あ、お、おお、お……れ?」
彼は戸惑って辺りを見回し、周囲の者に蹴り出される。
そして吊り下げられた悠里の前に立つと、おもむろに秘部に顔を擦り付けた。
「…う、うあ、綺麗…でもすごい、に匂い……」
彼は犬のようにそこの匂いを嗅ぎ始める。悠里が顔を引き攣らせた。
「うわ、きっもい。あたしの手ぇ触んないでよ?」
娘が苦笑しながら、悠里への肛虐を再開する。
すぐに悠里の秘唇から蜜が溢れ、それを見た男は無遠慮に割り開いて中を弄り出す。
悠里の腰が跳ね上がった。


157:The Edge ep.10-2  6/10
08/11/07 02:01:13 5vE2krsn

「あんな太いのでお尻グチャグチャにされて、キモ男にアソコ嗅がれるなんてさ、どうなんだろ?」
「どうって…ねぇ?」
「気持ちイイんじゃない?ほら見なって、あの女前後から挟まれて涎垂らしてる」
「涎どこじゃないよ、あたし見たもん。おっさんが奥のほうに指突っ込んだ時、あいつ白目剥いてたよ」
「あ、わかるわかる!お尻からもあそこからも、とろっとろ本気汁漏らしてるし」
「まぁ逃げらんないし可哀想だとは思うけど、正直いいザマね。私のダチもアイツにやられたからさ」

門下生の嘲りを一身に受けながら、悠里は陸に上がった魚のようにのたうつ。
後孔に剛直を迎え入れてどのくらいになるだろう。
幾度も限界の排泄感に駆られ、一度も開放を許されない。
もはや直腸は剛直を迎え入れるだけの器官となりつつあった。
容赦ない責めが体中から汗と愛液を搾り出す。
「どーぉ?お尻突きまくってるのが壁越しにわかるでしょ」
尻を嬲る娘が男に呼びかけた。
「ぐにぐにしてる…。ここ、こ、こんなに、硬…」
男は悠里の秘唇を舐めまわし、ふと鼻に当たった陰核を指で潰す。
「あ、そこは…っ!」
悠里の膀胱に串刺しにされるような痛みが走った。
腰を駆け巡っていた甘い電流がその一点でスパークする。

いくしかなかった。それ以外に成す術が無かった。
とろぉっ。
悠里の脳に蜜の零れるイメージが浮かぶ。
負けだ。衆人環視の中、尻を穿たれ、見知らぬ男に秘部をくじられて達してしまった。
これほどの屈辱はない。

女の残念そうな声が聞こえる。
「もう、クリなんて摘んだら簡単に逝くでしょ!楽にさせんの、解らないかなぁグズ!!」
女は怒りに任せ、角度をつけてディルドーを叩き込んでくる。
「ア゛あぁっ!!!」
すごい声が出て膀胱が弾力を失った。
「あ、あ」
男の驚いたような声で、悠里は尿だけでも逃がせたことを知った。


158:The Edge ep.10-2  7/10
08/11/07 02:02:45 5vE2krsn

軽い絶頂と失禁で体力を使い、悠里は力なく項垂れる。その彼女を門下生が取り囲んだ。
「ちょっと、人の弟弟子に何ひっかけてくれてんのよ!」
彼女らはそう凄んだ。
さっきまでその男を散々馬鹿にしていた癖に。悠里は彼女らを睨み返す。
「何よ、その眼?」
門下生はそれが気に障ったらしい。一人が屈んで何かを拾うと、おもむろに悠里の鼻を摘み上げた。
「んくっ!」
元々呼吸の乱れていた悠里は苦しさに口を開いてしまう。その口に何かが咥えさせられた。
細身のディルドーだ。
「これから、何されるかわかる?」
女が尋ねる。ディルドーを咥えた口から震える息が漏れた。
「ビビってるって事はわかってるのね。そ、この細いので喉奥クチュクチュしたげる。
 えづいたり、しゃくりあげたり、たっぷり楽しませてね」
女は満面の笑みを浮かべた。
目を見開く悠里を面白そうに見つめ、ディルドーを唇の奥へと挿し入れてゆく。
く、くっとディルドーが二度ほどつっかえを乗り越えたとき。
「こおっ!」
悠里が声ではない声を鳴らした。
さしもの彼女にも未知の恐怖なのだろう、長い睫毛が震えている。
「あ、くれぐれも言っとくけど、戻して道場汚すのだけは勘弁ね。
 もしやったら二孔にゴムバイブ突っ込んで、チビ共の『巻き藁』にしてやるから」
女は言い、表情を消してディルドーの尻を強く握った。


159:The Edge ep.10-2  8/10
08/11/07 02:03:39 5vE2krsn


「ほら、ぼーっとしない!稽古よ稽古!!」
姉弟子が声を張り上げる。その声で悠里を見ていた門下生が一斉に目を逸らした。

「ぉ゛!おおろ゛ごおおお゛れぇ!うぐをぇええ゛っっ!!!」
顎を掴まれたまま喉奥をかき回され、悠里はおよそその清楚な顔からは想像できない
えづき声を響かせていた。
真っ赤な目からは涙が伝い、唇からは豊かな胸を覆い隠すほどの黄色い汚濁が毀れ続ける。
その上で尻穴への突きこみも加わっていた。
「あら?何か言いたいの?」
悠里のえづきが規則的なことに気付き、口からディルドーが引き抜かれる。
「お、おしり、おしりちょっと閉じさせて!!もう何かおかしいの、内臓が、溶けて落ちそうなの!」
悠里は息を整えることさえ二の次でまくし立てた。
本当に切羽詰っているように見える。
だが責め手に同情する者はいなかった。
「なに悠里さま、ケツアクメ迎えすぎて頭馬鹿になっちゃった?何言ってんのかわかんないわ」
すぐに喉奥への蹂躙が再開される。
「ぐぶっ!!」
急な呼吸の妨げで悠里は鼻水が噴き出した。それをまた笑われる。

「いつまで見てるの、さっさと稽古に戻りなさい!」
姉弟子は歳若い少女を戒めた。
他の門下生が下半身を屹立させたりしつつも鍛錬を行う中、彼女だけが悠里を凝視している。
いいんだろうか。彼女は考えた。
このままでいいんだろうか。
悠里は本当に凶暴なケダモノなのかもしれない。
そうだとしても、眼前のこれは檻の獅子に槍を突き立てて嬲り殺すようなものではないか。
もう十分だ。今すぐ悠里の縄を解き、解放してやるべきだ。
自分が武道をやろうと思ったのは、こういう時に強さを見せる為ではないのか…?
「紗江、聞こえないの!?」
姉弟子にどなりつけられ、紗江と呼ばれた少女はびくっと身を竦める。
そしておずおずと型を作った。
そんなもので一体どんな強さが得られるというのか、わからないままに。

160:The Edge ep.10-2  9/10
08/11/07 02:04:38 5vE2krsn
3.

「躾けられたもんやなぁ」
楓は布団に横になった悠里を見下ろして言った。
悠里は入浴を終えたばかりで身体を桜色に上気させている。
だが顔色はひどく悪かった。満足に寝ていないため、虚ろな目をしている。
「ここもようほぐれて」
楓は悠里の後孔に指を差し込んだ。
そこは指三本が楽に入るほどにふやけ、息めば奥からいくらでも白濁が溢れ出る。
寝る間もなく尻穴だけを犯され、嬲られた。
男の上で3度目の朝を迎えたとき、尻穴も立派な性器だと教えられた。
だが、犯されたのは後孔だけだ。全身を嬲られもしたが、肝心の膣は放っておかれた。
マグマのように滾る空洞を。
楓はその全てを知っているらしかった。悠里の身体中を撫で、最後に秘部に触れる。
「声ぇ、出してもええんよ」
くちゅりと指を差し込み、蠢かす。
  ―くそぅ、上手い…!…頭が、あ、とろけちゃう…。
悠里の顔は快感に歪んだ。
「あんたはメスとしては可愛い女や。これからはウチの愛奴として飼うたる」
楓が膝立ちになり、何かを股座に着けていた。
それは本物の男根と見紛うほどリアルなペニスバンド。いや、今の悠里にはそれも本物だった。
ぐちぃっ。
楓が押し入ってくる。
悠里は恐怖した。放置され続けた秘裂への浸入はあまりに心地よかった。
無意識に予見したのだ。心の奥底まで犯され、支配される事を。

楓は悠里の疲れた身体を恋人のように抱いた。
悠里はそれに抵抗できなかった。
心地が良いだけではない。心が、抗おうとしない。
正上位でしばらく腰を打ち付けあったあと、楓は悠里の伸びやかな脚を肩に乗せた。
  ―折られる!!
悠里は身体を硬直させるが、楓はそのまま悠里の脚をまとめ、横に倒した。
そしてより深く入り込んでくる。
思い過ごしだ。楓の一挙手一投足に臆するあまりの。
  ―怖がる…?この、私が…?そんな、馬鹿な。
腰を捻っての性交に喘ぎながら、悠里は浮かんだ考えを否定する。
だが、ならばなぜ、自分の身体は抵抗しようとしないのか。


161:The Edge ep.10-2  10/10
08/11/07 02:05:18 5vE2krsn
「あ、あ、あ、ああ、あっ…あ!」
悠里は、いつしか自分が唄うような喘ぎを発している事に気がついた。
ぐちゅっぐちゅっと楓が突きこむたび、背筋を凄まじい電流が走る。
踊らされていた。
「ふ、ああ、ふああ、んは…うっ!!」
快感に足が宙を蹴る。もっとしっかりしたものが欲しくて、楓の腰へと脚を巻きつけてしまう。
楓がふっと笑った。
膣の奥までを強く貫いたあと、楓は快感に打ち震える悠里の腰を掴み、自らは動きを止めた。
「あぇ…?」
悠里はいきなり快感の満ち干きが途絶えて狼狽する。
そして数秒後、はっと気がついた。

「……いかせて欲しいん?」
楓が訊く。悠里は答えない。
「…いかせて、ほしいんやろ?」
ぐぐっと楓が腰を押し付けた。悠里の腰が震える。
楓の瞳が悠里を映しこみ、悠里は凍ったようにそれに捉えられていた。
そして、楓の手が悠里を滑り上がる。腰から、胸へ。胸から、首元へ。
首元に楓の手が添えられる。
敗北の時が思い出され、悠里の身体を戦慄が突き抜けた。
それは圧倒的な力の恐怖。
かつて、カーペントレスと呼ばれた女性が、数多の相手に刻み込んできたもの。
それが自分に降り注いでいる。
「ううっ!」
頭が焼けつくように感じた瞬間、彼女の腰を痺れが巡った。
犯されて極まっている。身体が楓に服従している。
  ―こんな。こんなことって…
楓が数度腰を使った。
暖かい肉の感触が太股を撫で、身体の底が貫かれる。
脳が快感に蕩ける。
「……………お、おねがいです……。
 ………い、いかせて、くだ…さい………」
悠里は涙ながらに懇願した。
もう、そうするしかなかった。
楓は満足そうに笑みを浮かべ、華奢な身体を抱え上げる。

はっ、はぁっ。
吐息が部屋に木霊する。
小さな影が大きな影に喰われている。
悠里の脚は、楓に絡みつき、緩まって、

「んんっ…!!」

やがて、力なく投げ出された。


162:名無しさん@ピンキー
08/11/07 06:04:07 XyXgRZ56
おおう…住人の意見を取り入れてくれたのかまさか悠里の堕ちを描いてくるとは…

堕ちのエロさと女同士のせめぎ合いを両立させてなおキャラ性を保つのは大変だろうに…

エッヂの作者さんは挑戦者だな
乙&GJ!

163:Night Party
08/11/08 00:18:13 MmcYQQQ2
エッジの人、乙でした。
しかしプロレスとかムエタイっすか。
獏先生風にすっかなあ。
まあ壮絶バトルというと色々と考えられますが、さて。

164:名無しさん@ピンキー
08/11/08 08:28:33 B/73R+ZM
>>163
いや実はホントに見たいのは、
単純に本能の赴くままの素人女の戦いだったりするw
これは書くのむずかしいだろうなw

165:名無しさん@ピンキー
08/11/09 01:43:13 vfCnqM/4
そういえば武器道具なんでもありの殺し合いは今までなかったね
なんとなくバトル=格闘ってイメージになってるのか


166:名無しさん@ピンキー
08/11/09 04:10:04 J1kaafCW
おおっと、エッジがきてる。今回も内容がキテル。GJ

失禁シーンが淡白なのはいつもの事として・・・
悠里が恐怖と快楽に負けて、体だけでなく心まで完全に壊されて完全敗北
�の私たちが戦ったら、きっと殺し合いよ」
悠里も手にしていた茶帯を茜の手に乗せた。
「あはは。じゃあ、殺しあいましょう」
「そうね、そうこなくちゃ」
二つの帯が交わされる。
悠里と茜は並び立ち、互いを見つめ合った。
四年前はあれほどあった差が、今は殆ど感じられない。

強い身体に、弱い心。
強い心に、弱い身体。

共に不完全であった2人は、まさに今、彼女達の望む強さを手にしていた。

167:名無しさん@ピンキー
08/12/21 18:23:14 Vhr7+mxT
ぐぬぅ…えらくまたエロ描写を端折られた気もしないではないが、GJ!
生憎ここはバトルのスレ、陵辱調教とかはスレ違いか

やっぱ女同士のバトルといえばビンタの応酬は外せないよねw

いつか作者さんには調教中の悠里を書いてもらいたいね
乙でした!

168:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:45:22 PU7P8aiG
あ。、エッジが来てる。乙っす。
えー悠里復活?3ヶ月調教され続けてたのに?あっけないなぁ・・・
楓にリベンジしないと完全復活とはいえない気もするが、次回以降かね

しかしフタナリ娘でっかw予想外で面白すw
とりあえず、次回もwktk

169:名無しさん@ピンキー
08/12/22 01:03:21 xEQ8FaTw
その前に茜とフタナリ娘で悠里を取り合うバトルがあったりしてw

ん?どっちがより多く悠里をイカせられるかを競うラブイチャバトルってのもありか
悠里にとっては甘美な地獄だろうがw

170:名無しさん@ピンキー
08/12/22 09:24:34 QAHGHSDe
どんどん書き方が雑になってきてるな。
やる気ないならやめればいいのに

171:名無しさん@ピンキー
08/12/22 12:38:40 kQGMwhDP
同意。年越えで居座るのは勘弁

172:名無しさん@ピンキー
08/12/22 13:24:03 o8O22ZvR
書き手には少なからず物を生み出す苦悩ってもんが付いて回る
嫉妬なのか嫌悪なのか、それともただ叩きたいだけなのかは分からないが、少なくともその辺は汲んでやれ

173:名無しさん@ピンキー
08/12/22 14:39:41 bUKPBLiF
確かに最初のころと比べると、最近すげえいい加減な感じがするな
文章をなめてるのか読者をなめてるのか

174:名無しさん@ピンキー
08/12/22 17:20:45 qwv1XHgR
こんな読者ならなめられて当然だよね

175:名無しさん@ピンキー
08/12/22 20:24:15 Mz3guCYT
何この住人同士の壮絶なリンチスレ

176:名無しさん@ピンキー
08/12/23 13:29:45 pxjZwX8e
幕間なんだし仕方ないだろうよ
莉緒戦以来バトルらしいバトルないし

無条件でマンセーする訳じゃないが、これだけのモノ書ける人は殆どいないでしょ
プロでも最初のテンションを維持しつづけられる人なんてそうはいないんだし
とりあえずエッジ完結までwktk

177:名無しさん@ピンキー
08/12/26 00:11:37 pPnL2vLy
誰が住人同士でバトルしろと
とりあえずエッジの人は好きに描き続けてくだはい俺は待ってる

178:名無しさん@ピンキー
08/12/30 04:16:28 C5rJMGms
感想有難うございます。
次回でラストですが、年内完結はぎりぎりで無理そうです。

今回9レス分を投下します。
場面が交互になって少しわかりづらいかもしれませんが、「※」で場面切り替えです。
宜しくお願いします。

179:The Edge ep.12  1/9
08/12/30 04:18:35 C5rJMGms

「それが答えか」
悠里の携えた黒帯を凝視し、楓が拳を握った。
そこにあるのは明確な憤怒。周囲の門下生達の顔が引き攣る。
それは悠里も同じだ。
彼女は楓に「恐れ」を抱いていた。
今までの彼女なら、それを表しようのない漠然とした感覚と捉えただろう。
しかし今は、自分が脅えているとはっきり理解できる。
腕が震え、腰が砕けそうになる。
その“脅威”は、悠里と対峙した者達が皆感じてきたことだろう。
しかし彼女達は逃げなかった。圧倒的な力量差を前に、尚も立ち向かってきた。
なんと勇敢な事だろう。
それと戦ってきたことの、なんと誉れ高き事だろう。
悠里はその幸せを噛み締めながら、もう一つ想い浮かべることがあった。
楓に告げるのは、そのもう一つの想い。

「  お母さん  」

悠里は囁いた。楓の貌が変わる。

「…なんて、呼ぶ資格がない事は解ってます。それでも、呼びたい。
 ここでの経験はとても新鮮なものでした。
 貴方に抱かれる事は、親を知らない私に安心をくれました。
 女の悦びを知って、淑やかに過ごして。
 ひょっとしたら私にもあったかもしれない幸せが此処にはありました。
  でも、気付いたんです。
 こんな私を目標にしてくれる娘がいる。拳を交えたいと思う人がいる。
 罪の償いだからとか、ずっとしてきた事だからじゃない。

 私は、………………強くなりたい」

楓の瞳が驚きに見開かれる。
悠里は涙していた。ようやく溢れ出した本当の気持ちに押されて。

楓は目を閉じ、ひとつ溜め息を吐く。
「生憎と、ウチは言葉は信じへんのや。……せやけど」
さぁと音がする。楓の穿く袴の裾が広がり、着物の袖が持ち上がる。
待ちの構え。
「その心意気は汲んだるわ」
楓の覇気が悠里の足元にさざめいていく。
肌を撫でるようなその恐怖を、悠里は愛おしくさえ感じた。

悠里は軽く跳んで身体をほぐす。
穏やかだった心が弾み、畳に近づくにつれて高鳴っていく。
「……行きます!!」
畳を蹴って駆ける。
それは叩き伏せるための猛進ではなく、溢れる生の喜びを抑えきれんがための躍動だった。


180:The Edge ep.12  2/9
08/12/30 04:19:30 C5rJMGms



「悠里と戦うための前哨戦が私…か。妥当な判断だ」
香蘭は酒瓶から口を離して言った。
茜はその横顔をじっと見つめる。あの日、茜に死を覚悟させた殺し屋。
しかし今の彼女はただ麗しさを残すのみで、むしろ暖かな心が滲み出るようだった。
変わったのだ、悠里と出会って。
「ふん。腑抜け顔になった、とでも思っているのか?」
横顔を見つめる茜に、香蘭は意地悪く問う。茜は慌てて目を逸らした。
香蘭はそれに笑いを返し、手にした瓶を傾けて地面に酒を注いでいく。

「因果なものだな。あの日殺し損ねた小娘と、こうして語らうことになろうとは」
「ふふ、そうですね。あの時は本当に怖かった」
「言っておくが謝らんぞ?命を背負うことを覚悟しての一投だったからな」
「結構です、しっかりと殺されましたから。…私の大嫌いだった私が」

茜と香蘭は目線を交わし、くつくつと笑った。
透明な雫を垂らし、酒瓶の中身は全て地に空けられる。
香蘭は二つ目の瓶を手に茜に問う。
「悠里に惚れているか?」
茜は動揺を見せた。あからさまなほど図星という表情で。
「あ、あなたこそどうなんですか」
茜が問い返すと、香蘭もやや困窮を見せた。
「お前にだけは言いたくないな」
そう言って目を閉じる。二つ目の酒瓶が空になった。

互いに悠里を想う者同士、本来言葉など必要ない。
他愛のない会話はやがて尽き、2人は澄み切った冬空を見上げる。

「やるか」
「ええ」
短い言葉を交わした後、香蘭は取り出したマッチを擦った。
小さな火種は地面へ投げ捨てられ、その瞬間、2人の周りに火柱が立ち上がる。
酒の甘さが燃え盛る炎に混じり薫った。
「クソ度胸は一人前か」
香蘭は茜を見据えて呟く。茜は周囲を炎に囲まれながら、視線を微塵も惑わさない。
香蘭は左手を頭の上に、右は手の甲を立てて低く構える。
「押忍っ!!」
龍が大口を開けて襲い来るような威圧感を、楓は気合の声で迎え撃った。


181:The Edge ep.12  3/9
08/12/30 04:20:37 C5rJMGms



悠里の長身が跳ぶように距離を詰める。
紗江はその姿に見惚れた。長い脚が筋肉を伸縮させ駆ける様は絵になった。
しかしその向かう先には楓がいる。
鍛えられ女だてらに逞しい腕、地に根を張る大樹が如き下半身。
そして長年の鍛錬で培った戦闘勘。
『達人』という幻想じみた言葉が、この楓の前では真実味を持つ。
その四肢はゆっくりと真円を描き、予定調和だといわんばかりに悠里の突きを受け流した。
「おぅふっ!!」
悠里の体がくの字に折れる。楓は突きを流し、返しに腹へと肘打ちを浴びせかけたのだ。
そして肘打ちは起点に過ぎない。
腹を打たれて怯む、その人間としてごく当たり前の動作を利用してさらに打ち込む。
掌底で顎を跳ね上げ、脇腹へ手刀を突き刺し、鼻の下を殴りつけ。

「が、あふっ、あ、ぐぅっっ!!!」
怒涛の連打で悠里の体が四方に跳ねる。足が畳に筋をつけて後退していく。
それはそうだ。楓は人間を無力化する古武術の師。
格闘を嗜むとはいえ、まだ小娘に過ぎない悠里がその攻めから逃れられる筈がない。
紗江はそう思ったし、門下生も皆そうだったろう。

しかし、時間にして僅か数秒、その間に数十の手を浴びながら、悠里は安らかな表情を称えていた。
逆に楓は表情を苦しげに変えていく。
その時紗江は、悠里がやけに大きく跳ねている事に気がついた。
悠里は成す術がなかったのではない。
あえて逆らわず、むしろ大仰に連打に流されているのだ。
相手の抗う力を利用する楓にとって、それはこの上なく扱いづらい。
しかし普通の人間が狙ってできることではないのも事実。
目まぐるしい打撃の流れを読んで身体を反らし、頭がつくほど身が仰け反っても倒れず。
そんな事は人間離れした反射神経と異常なバランス感覚がなければ為しえない。

「くはあっ!」
無呼吸の限界を迎えた楓がついに顔を上げたその瞬間、悠里の足が畳を軋ませた。
楓は息が整わないのも構わず防御の形を作る。そして、構わないのは悠里も同じ。
筋肉の躍動が見て取れる。
脚を振り上げる腿に筋が浮き、支える臀部が引き締まり、腰の衣服に皺ができ、
「あははっ…」
紗江はどうしてか笑っていた。ひどく心がわくわくした。
それはきっと、悠里の脚を振り上げる様が爽快なほどに綺麗だったから。

戦斧は空高く振り上げられた。
悠里の足先は大気を切り裂き、弧を描いて楓に突き刺さる。
「ぐ、ううううおおおおおおっっっ!!!!」
古武術で人が壊されるのが真実なら、その至高の蹴りを受けきれないのもまた真実。
地に根を張るようだった楓の体が浮き上がり、襖を突き破り、渡り廊下に軋みの音を響かせた。


182:The Edge ep.12  4/9
08/12/30 04:21:41 C5rJMGms



「甘い!」
茜の開いた脇腹に、香蘭は至近距離からの崩拳を食らわせる。
「くうっ!!」
その威力に茜の小さな体は後退し、燃え盛る炎に寄りかかった。
炎が舌を伸ばす。それは茜の上衣に燃え移り、少女を呑みこもうとする。
すると、茜は躊躇なく上衣を破り去った。
現れるのは子供らしい細い身体。その身体に比べ、なんと冷静なことだろう。
香蘭は炎をあしらう茜を見つめつつ、顔を拭った。
その中華系の涼しい美貌は数ヶ所赤く腫れている。

正直なところ、香蘭は茜に舌を巻く思いでいた。
体格にはお世辞にも恵まれているとはいえず、格別に高い攻撃力があるわけではない。
しかし、手強い。責めきれない。
茜は再び幅広いスタンスを取り、地に引き絞るように腰を落とす。
小さな体をより一層小さく見せるかのように。
その安定感はまるで岩だ。
体格差によって力負けすることのない、見事な構え。
その牙城を1度崩すために、責めを主体とする香蘭は実に10を越える直撃を貰っていた。

「あ、ぐ……は、はぁっ……!!」
しかし茜の状況も変わってきている。
崩拳を受けた脇腹を押さえて汗を流し、息も切らしている。
小柄な者について回る、絶対的なスタミナ不足。
いかに稽古を積んだとはいえ、長丁場になれば体格に劣る茜は分が悪い。
「ふん、苦しいか茜。スタミナが切れた状態でのボディは効くだろう」
香蘭が囁きかける。
ボディなどというものではない、重みに重みをかさねた内臓壊しの崩拳だ。
いま茜の肝臓は狂いそうな唸りをあげていることだろう。

「気丈に構えてはいるが、張子の虎に過ぎまい」
香蘭は距離を詰めた。茜が目を見開く。
走る、歩く、跳ぶ、滑る。その全てを混ぜたような脚捌き。
近づくスピードが読めず、ときに後退まで織り交ぜて不規則に近づいてくる。
「う!……せぇいッ!!」
すぐ胸の先まで迫られ、茜は反射的に拳を打ち出した。しかし、そこに感触はない。
紙一重、茜の拳が届かない場所に下がっていた。
「リーチのないお前にこの歩法は控えるつもりだったが……
 少し、強くなりすぎたな」
香蘭は言うなり突きを繰り出した。
茜は届かなかったが、四肢の長い香蘭には問題のない位置だ。
拳は胸骨を捕らえたらしく、べこんと鈍い感触がする。
「 はぐうっ 」
茜は目を見開き、胸を庇ってよろめいた。
その尻穴を炎が舐め、細い身体は竦んでへたり込んだ。


183:The Edge ep.12  5/9
08/12/30 04:22:58 C5rJMGms
へたり込んだ茜に、香蘭は極端に膝を落とした構えを取る。
下段の相手を打ち据える構えだ。
容赦はしない。悠里と戦おうという相手だ、ここで潰れるならそこまでの事。
香蘭は旋風脚のように脚を舞い上がらせる。
その鮮やかな蹴りは巻きつくように楓の身を昇り、無理矢理に引き起こす。
そしてふらつく茜の頭頂部を、香蘭は中指一本拳で打ち下ろした。
かんっと硬い音がする。
「うあ…」
その瞬間、茜は一瞬白目を剥き、その後酩酊したようにふらつく。
「あ、れ…?足が…、地面、どこ……?あ、きゃあああっっ!!!」
よろめいた後、まともに炎を浴びて絶叫する。
慌てて炙られた箇所を擦るが、すでに身体のあちこちが真っ赤に腫れ上がっていた。

香蘭はその茜をじっと見つめる。
炎自体の温度は低く、炙られる程度なら跡が残る火傷にはならないだろう。
しかし、炎が煽るのはむしろ心。身体より先に警笛を鳴らす心が折れる。
それは悠里の蹴りとて同じこと。
香蘭はこの戦いをただの前哨戦とは思わない。これは洗礼だ。
竜虎として並び立ってきた悠里との間に割り込む小娘、それを疎んじる心もある。
だがそれ以上に、茜への嫉妬が大きい。
茜は若く、将来性もある。成長を続ける悠里の敵に相応しい。

「だが、弱いな!」
香蘭は茜の首を持ち上げ、頚動脈を絞め上げる。自重で絞まっていくように。
「あ、あつ!はっ、あ、ぐ!!」
茜はもがき苦しむ。首を絞められるだけでなく、足の指を炎がちらつくのだ。
「王手だ、若娘。そのまま落ちろ!」
香蘭は本気で言った。
下が炎では足がつけない、足がつけなければ体重の乗った打撃は打てない。
ならば、小さな空手家が体格に優のある香蘭に効かせる攻撃など、もはや無い。

184:The Edge ep.12  6/9
08/12/30 04:24:02 C5rJMGms
無いはずだ。

「負け、ないんだ…。先輩は……こんなときでも、負け…たり、しないんだ……!!!」
茜は虚空を仰いで呻くと、足を浮かせて香蘭の膝を踏みつける。
「なに…!!」
香蘭が顔色を変える。小さいがゆえの踏み台だ。そうすれば、腰が据わる。
「せやああッッ!!!
茜は裂帛の気合を込め、身体全体をぶつける様に左肘を放った。
肘は深々と香蘭の胸元に潜り込む。
「ぐああァっ!!」
香蘭は呻きをあげた。急所への肘は相当に効く。
だが、それ一撃で決まるほどでは、ない。

「ざ、残念…だった、な」
香蘭は咳き込みながら、茜の喉元に指を食い込ませていく。
こちらは本当の急所、“禁針穴”。押し込めば一分と待たず落とすことが出来る。
たちまち茜の顔が真っ赤に染まっていく。
龍の牙が茜の喉元を抉る。勝負はもう決した……はずだった。
その時、こひゅうっ、と息を吸う音がした。茜の呼吸だ。

妙に思い、茜の手を見て、香蘭はほくそ笑む。
茜は右の掌底を放とうとしていた。確かに効果的だが、それは肘打ちにさえ劣る。
終わりだ。
香蘭が最後に力を込めようとした瞬間、彼女の胸を鋭い痛みが襲う。
「ぐふっ………あ、…っっ…か………!?」
香蘭は声もなく、茜を放して後ろに崩れ落ちる。
「げほ、げほ、げぇ…っが、う!!」
背を丸めて咳き込む、ひどく咳き込む。そしてえづき上げた。
あばらが確実に逝っているだろう。

「あの、大丈夫ですか?」
自身も咳き込みながら、背をさすってくる茜を香蘭は見上げた。
最後にもたらされた痛みは、まるで槍に串刺しになったよう。
自らの胸の穿たれた痕を見て、香蘭は全てを悟った。
あの掌底は、最初に放った肘を打ち込んだのだ。
いわば発勁と同じ。肘で筋肉を押さえつけ、その腕ごと掌底で打ち込む。

「……恐れ入るな。よもや最後の最後で、こんな技を隠し持っているとは。」
香蘭は茜に支えられて身を起こし、笑った。
茜もそれに笑みを返し、疲労が頂点に達したのか、地に伏して目を閉じた。



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