08/11/26 03:55:40 5gZ+pdZD
中国からやってきていた張雪(リ・スヨン)は突然派遣契約を切られて途方にくれていた。
日本語もあまりうまくしゃべれないスヨンに仕事が見つかる当てもなかった。寮を追い出され
駅の連絡通路で一日を過ごすスヨン。と、中年の女性が仕事を紹介してあげる、と中国語で
話しかけてきた。あなたがその気になれば幾らでも稼げますよ、日本語できなくても大丈夫、
ついてきなさい。一も二も無くその話に飛びついたスヨンは女の後をついていく。
二人は駅から少し歩いたところにある看板も何もない建物にたどり着く。女が先に入り
スヨンが続いて入る。暗い部屋だったが女が明かりをつけると、粗末なテーブルと椅子が
あるだけだった。女はお茶を入れてあげる、とジャーポットからお湯をコーヒーカップに
入れた。カップからはジャスミンティーの香りがした。お腹は空いているの?と聞かれた
スヨンは素直に頷いた。今はカップ麺しかないから、これで我慢してね。と女がカップ
ラーメンに湯を入れて渡す。ガツガツと食べるスヨン。
一息ついたところで、女はスヨンに色々と質問を始めた。名前、出身地、パスポートの
有無、外国人登録証の有無。実はスヨンは寮を着ているものだけで追い出されて、会社が
預かっている書類も渡されないままで、そのままでは警察に捕まってしまう状態だった。
そう、それじゃ表の仕事はダメだわねぇ。夜の仕事でもいいかしら?女に問われたスヨン
だが、お願いします、というしかなかった。それじゃね、仕事の説明を始めるわね・・・・