08/10/16 01:00:04 pSUYNQQk
「ふぅ…」
首にかけたタオルで汗を拭いた
オレンジの収穫時期は夏。日差しは暑い
「アーニャ、大丈夫か?」
「ジェレミア…」
背後から籠を抱えて現れたのはジェレミア
私の記憶を取り戻してくれた人だ
「多分、大丈夫…」
「それならいいが…無理はするなよ」
「分かってる…」
今私はジェレミアのオレンジ菜園を手伝っている
日に日に成長していくオレンジたちを記録するのは意外と楽しかった
「今年もよく実ったな」
「当たり前…。私とジェレミアで育てたから」
私が言うとジェレミアは少しだけ目を細めて、そうだなと言った
―皇帝ルルーシュが死んでからもう2年ほどが経つ
昔共に過ごした人たちはいない
たまに友人としてナナリーが訪ねて来るが、すぐに帰ってしまうので、実質ジェレミアと二人だけだ
「そうだ、アーニャ」
「何?」
「収穫したオレンジを出荷しに行こうと思う。そのついでに色々と回るつもりだが…。一緒に来るか?」
私は首を横に振った
ジェレミアは、分かったとだけ言って詮索はしなかった