【友達≦】幼馴染み萌えスレ16章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ16章【<恋人】 - 暇つぶし2ch600:名無しさん@ピンキー
08/12/24 01:05:20 tS2pbx5k
あまりに完璧な幼馴染モノを読むと死にたくなるんだとわかった。
草葉の蔭からGJ!

601:名無しさん@ピンキー
08/12/24 03:31:35 qXEy6LK3
GJ
だけど1つ気になる点が
>>591
陰茎だと男のモノですがな。正しくは陰核ですね

602:名無しさん@ピンキー
08/12/24 04:19:56 daEB3I/h
あぁもう。
心理描写も光景描写も旨い。
ドキがムネムネして止まらない。
今こそこのAAを使うとき。
;y=ー( ゚д゚)・∵.ターン

603: ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:19:33 AtvduLOz
辰則と美紀のクリスマス 後編投下します。10レス消費予定。
NGワードは「◆POBrm2R/G2」「辰則と美紀のクリスマス」

604:辰則と美紀のクリスマス 後編 (1/10) ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:20:27 AtvduLOz
今日は12月24日(水)、現在時刻は7時41分、俺の現在地は駅前。
美紀と一緒に来たかったんだが、「デートなんだから、駅前で待ち合せするのが常識でしょ?」と意味の分からない常識を持ち出され、待ち合わせすることになった。
ちなみに待ち合わせの時間は8時なんだが、緊張してしいたのか、気付いたら10分前にここに着いていた。
こういう場合、女性の方が早く着いていて『待った?』『ううん、今来たところ。』ってやり取りするのが普通じゃないのか?コレって所謂中二病ってヤツなのか?
まぁそんな事はどうでもいいが、今日こそは絶対に告白するつもりだ。生ぬるい関係もそれはそれで良かったんだが、気持ちが腐って廃棄処分される前にこの関係を崩したい。
もしも振られたら、多分二度と甘やかしてやれるような関係に戻れないとわかっているが、わかっているからこそ、崩すと決めた。いつまでも生殺しはごめんだ。

決意を新たにし、デートプランを練っていたらいつの間にか待ち合わせ時間を10分も過ぎていた。
「遅いなぁ・・・」
「遅いなぁ・・・」
いつの間にか俺の目の前に立っていた女性が、俺と同じタイミングで同じ言葉をつぶやいた。
思わず同情してしまい、その女性の顔を一目見ようと顔を上げると、
「美紀?」
「たっちゃん?」
そこにいたのは美紀だった。

「たっちゃんはいつからここに?」
「大体30分前からだな。美紀は?」
「私は15分前くらい・・・」
「そっか、ごめんな。ちょっと考えごとしてて気付かなかった。」
「か、考えごと!?って、何・・・?」
何を慌ててるんだ、美紀は?
「あぁ、今日のデートについて、ちょっとな。」
「あぁ、そうなんだ・・・ほっ・・・」
美紀は一体俺が何を考えてると思ったんだろうか。わからないがとりあえずスルーしておこう。
「美紀、朝飯は?」
「食べてきたよ。何で?」
「食べてないなら食べていこうと思っただけだ。じゃあ行くぞ。」
「え?じゃあたっちゃんは?」
「食ってきた。」
「そうなんだ。」
まぁ嘘だがな。

こうしてクリスマスイブデートの幕が開けた。

605:辰則と美紀のクリスマス 後編 (2/10) ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:21:08 AtvduLOz
たっちゃんの『考えごと』にはビックリしたなぁ。もしかして昨日の事を言われるんじゃないかと思ってたのに忘れてるみたい。というか今日のたっちゃんはやけに饒舌。いつものお出かけなら、私からしゃべりかけないと絶対しゃべらないのに。
たっちゃんから誘ったっていう心理的プレッシャーでもあるのかな?と思ったんだけど、たっちゃんの目を見てる限りそんな感じは伝わってこない。むしろ何か喋ってないと壊れちゃいそうな、危うい感じ。だから、私は話の切れ目に疑問をぶつけてみた。
「ねえ、たっちゃん。」
「何だ?」
「・・・何か、隠し事、してる?」
「・・・さあな。」
言葉自体はいつものたっちゃんだけど、なんか引っかかる。妙な違和感が取れないまま、私たち二人は遊園地に着いた。

遊園地はクリスマスイブってこともあって、多くのカップルや冬休みに入った学生たちで混雑していたけど、中には初々しいカップルの姿もあって、ちょっと和んだ。
一方、私たちと言えば・・・
「ふぅ~、ジェットコースター、気持ちよかった~!」
「そ、そうか・・・」
「そういやたっちゃん、ジェットコースターとかの絶叫系って苦手じゃなかったっけ?」
「いや、8年ぶりだから大丈夫だと思ってたんだが、なかなか克服できないな・・・」
「ふふっ、たっちゃん、無理しなくていいんだよ?」
「いや、美紀に楽しんで欲しいからな。」
「・・・ありがと♪」
たっちゃんは優しいけど、無理はしない人だと思ってた。今日は今まで無理だったものに積極的に挑んでいる気がする。
さっきのジェットコースターもそうだけど、普通はカップルじゃないといけないアトラクションとか、プリクラとか。確か3年前くらいに買い物に付き合ってもらった帰り、
ゲーセンに当時最新のプリクラがあったから『やっていこうよ』って言ったら『写真写り悪いから勘弁』とか色々と言い訳して、結局私が泣きそうになって、写ってもらったんだっけ。
確かにたっちゃんと一緒にプリクラ写るのは嬉しいんだけど、どことなく無理してる感じがして、ちょっと悲しい。

そして、妙な違和感の答えが夕方、夕日が照らす観覧車の中でわかった。

606:辰則と美紀のクリスマス 後編 (3/10) ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:21:39 AtvduLOz
現在時刻は4時を回ったところ。日が沈むのが早いこの土地では、後1時間もしないうちに日が沈む。頃合だと思った俺は、美紀を観覧車に誘った。
「観覧車なんて美紀と初めて遊園地に来た日ぶりだな。」
「たっちゃんはあれ以来乗ってないんだ?まぁ私もだけどね。」
「初めての遊園地と言えば、確かお前が迷子になって俺が見つけてやったんだよな。」
「むー!それは言わないでよ!たっちゃんだってアイス落として泣いてたじゃん!」
「・・・そうだったな。よく覚えてるな。」
「たっちゃんこそ良く覚えてるよね。でも、あれ以来一緒には遊園地に来なくなったね。」
「そうだな。確かウチの両親がその頃からウチの親父がなかなか時間取れなくなったんだよな。それに美紀があの頃からちょっとずつ変わっていって、誘いにくくなったのもあるな。」
「え?覚えてるの?」
「そりゃ、毎日見てりゃ分かるよ。何がきっかけかは知らないが、小4あたりから随分変わったよな。」

「・・・たっちゃんのせいだよ。」
美紀は俯きながら、そんなことを言った。若干震えている気がする。って俺が何かしたっけ?
「俺の?・・・何をしたか覚えてないが。」
「たっちゃんがっ!あの時クラスで一番人気がある優子が好きって言うから!」
美紀が俺に食いつくように叫んだ。まるで俺が悪人のように、泣きそうな目でにらみつけてくる。
「え?」
「私、悔しくって!一生懸命かわいくなろうとしてたのに、たっちゃんは何も言ってくれなくって・・・」
「美紀・・・」
だからあの頃の美紀はやたらと俺に突っかかってきてたのか。
「だからむかついて、彼氏作っても、たっちゃんはいつもいつも『そうか、おめでとう』って笑顔で言ってくるから、この朴念仁!とか思ったり、
 彼氏と別れて甘えても普通に慰めてくれて・・・そんなときに限って、冗談で『付き合ってやろうか?』なんて言ってくるから冗談だと思ったけど、
 わざと無防備に振舞ってたのに何もしてくれなくて・・・とっても惨めな気持ちになって・・・たっちゃんがわからなくて・・・」
「・・・」
「私、今までで5人くらい彼氏作ったけど、誰にもこの体触らせたことないんだよ?セックスどころかキス、手を繋ぐことさえしなかったんだよ?
 そうやって下心を出してきた子はその場で振ったし、そういう私に嫌気がさして振ってきた子もいた。たっちゃんにしか、触られてない部分が
 いっぱいあるんだよ?なのにたっちゃんは私に興味無い感じだし、今も好きな子が居るって言うし・・・
 ねぇ、私、こんなにたっちゃんが好きなんだよ?どうやったらたっちゃんが好きになってくれるの?ねぇ、教えてよ・・・」


美紀の突然の告白に衝撃を受けた。あまりのショックに反応が出来ない。普通に歩いていたら戦闘機が降ってきました、的な。
今聞いた話を総合すると、美紀は俺のことが好き、なんだよな?しかも今まで作ってきた彼氏とは手も繋いでませんと。
・・・俺らはもしかして壮絶なすれ違いを、少なく見積もっても小3の頃からしていたってことか?


「たっちゃん・・・?」
「美紀、これから俺が言う言葉にびっくりするなよ?」
「ふぇ・・・?」
涙目の美紀がやたらと可愛く見える。口の中が乾いて声が出ない。緊張で鼓動がえらいことになっている。
つばを飲み込み、目を閉じて大きく深呼吸し、気持ちを落ち着ける。そして目を開き、美紀の目をじっと見つめる。
「俺は、美紀が、昔から、大好きでした。」
そこで一度言葉を区切ると、美紀の目が大きく見開き、涙がこぼれそうになる。涙の色は、悲しみの色。
「そして、今も美紀のことが、大好きです。」
美紀の顔が歪む。涙の色は、喜びの色。
「だから、美紀。俺の彼女になってください。」
「た・・・っちゃ・・・う・・・ううう・・・」
「ほら、泣くなら俺の胸で泣け。」
「うわ~~~~~!!」
俺に抱きつき、大声で泣く美紀。胸を叩いてくるが、まるで痛くない。
「ばかっ!たっちゃ、のばかっ!も、ぜったい!はなさないんだ、ら!」
しゃくりあげながら俺を罵倒してくる。その罵倒すら心地よい。
「ああ、俺も、美紀のこと離さないから。」
夕日が照らす観覧車の中、俺と美紀は恋人同士になった。まぁ、随分と遠回りしたけどな。

607:辰則と美紀のクリスマス 後編 (4/10) ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:22:25 AtvduLOz
私は観覧車を降りた後、お手洗いに行かせてもらった、というか行かされた。観覧車の中でなんとか泣き止んだのはいいんだけど、
「まだ話したい事があるんだが・・・その顔じゃ、な。」
とちょっと苦笑しながら。うー、たっちゃんが泣かすのが悪いんじゃんかー!
お手洗いの鏡で顔を見ると、目がすっごく赤いし、ちょっとメイクも崩れちゃってる。
とりあえず目薬を注して、メイクも直す。目がちょっと赤いのは、たっちゃんの所為にしておこう。
それにしても本当に嬉しい。たっちゃんを好きになって10年。ここまでくるのにすごい時間がかかっちゃったけど、やっと願いがかなった。これってクリスマスプレゼントになるのかな?
・・・って良く考えたらクリスマスイブにカップル誕生じゃん?この後たっちゃんとお食事して、その後ホテルとかでたっちゃんが私をお食事!?・・・いい加減にしなさい、私。
妄想で赤くなった顔を冷ますのにちょっと時間がかかっちゃったけど、おかげで目が赤かったのもだいぶ引いた。

「ごめんね、遅くなっちゃって。」
「っ!?あ、ああ。遅かったな。」
「たっちゃん?どうかした?」
「い、いや、いざとなると、結構緊張するなと思って。」
えええ!?たたたたっちゃん!?も、もしかして、もうなの!?ちょ、ちょっと待って、まだ勇気とか気持ちとかその・・・
「美紀、これ、受け取ってくれるか?」
「っ!?ななななに!?」
「えっと、一応、コレが本当のクリスマスプレゼントなんだが・・・」
「ふぇ?これ?」
あ、あせったー。たっちゃんが緊張してるから、ホテル行きかと思ったら・・・思わせぶりだぞ~!
「・・・ってこれ・・・」
「うん、ティファニーのオープンハートネックレス、欲しがってなかったっけ?」
確かこれが欲しいって言ってたのは中2の秋。たまたまたっちゃんとデパートに行った時に見つけて、思わず『好きな人からプレゼントされたいなぁ』とか言ったんだっけ。
「指輪は美紀のサイズがわからないから、ネックレスならと思ったんだが・・・嫌だったか?」
「ううん!すっごく嬉しいよ!ありがとう、たっちゃん♪」
あまりに嬉しくって、気付いたらたっちゃんに抱きついてた。そういえば、こうやってたっちゃんに抱きつくのは初めてだなぁ。
「っあ、ああ・・・」
たっちゃんは顔を真っ赤にしながらそっぽ向いてる。その割には私の体をしっかり抱きしめてる。めちゃくちゃ嬉しい!

608:辰則と美紀のクリスマス 後編 (5/10) ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:22:57 AtvduLOz
「そういえばたっちゃん、いつの間にこんなの買ってたの?」
美紀がニコニコとネックレスをいじりながら聞いてきた。
「ん?たしか買ったのは10月ごろかな。それ以前から金は貯めてたけど。」
「お金?毎月のお小遣いでも貯めてたの?」
あ、そういや美紀には言ってなかったっけか。
「ちょっと前までファーストフードでバイトしてたよ。」
「え?そうなの?知らなかったなぁ。」
「教えてなかったし、知られたくなかったからな。ほら、商店街にケンタあるだろ?あそこでだよ。」
「えぇぇ!?あそこ普通に行ってたよ!?なんで気付かなかったんだろう・・・」
「まぁ俺は表に出ない仕事だったからなぁ。俺も美紀が来てるのは知らなかったよ。」
「ん?でもしてたって事は、辞めちゃったの?」
「まあな。あそこのクリスマスは大変なんだぞ?それに俺たちはもうじき受験生だし、目標金額は貯まったしな。」
「そうなんだぁ。私のためにバイトしてたんだ・・・なんだか嬉しいなぁ・・・♪」
目を細めてネックレスに頬擦りする美紀がすごく可愛くて、思わず見とれていると、
「ん?なぁに?たっちゃん♪」
その反応に、本能がうずく。気付いたら俺は、美紀のことを抱きしめていた。人の目を気にせずに。
「っ!?たたたたっちゃん!?」
「美紀、目、閉じてくれるか?」
「・・・うん。」
とても整った美紀の顔。柔らかそうな唇。赤く染まった頬。全てが愛しくて、美紀の初めてのキスを奪った。
ただ触れるだけの、官能的でもなんでもないキス。それでも、俺たちのファーストキス。時間は長くなかったはずだが、俺にとっては数分に感じた。

「・・・お二人さんとも、お熱いですなぁ。」
ふとそんな声が右から聞こえた。ってこの声は佐々木!?
「佐々木!?」
「瑞希!?」
「やー、どもども、その通り佐々木瑞希でございまーす♪」
「ご、ごめんね、瑞希が見たいって言うから・・・」
隣には佐々木の彼氏らしき男性―たしか佐々木より2歳上だったっけか―の姿も。
「む、村上さん!瑞希を止めてくださいよ!」
美紀はどうやら佐々木の彼氏の名前を知っているらしい。ちょっと嫉妬。
「あ、あはは。どうもこの子の野次馬根性に火がつくと俺でも制御不能でね。」
「む、どういうことかな?イチロー君?」
「ばっ!俺の名前は志郎だ!イチローではない!」
「じゃあ今どこの学校行ってますか?」
「ぐっ・・・!」
なるほど、予備校生か何かで。と言うかよく佐々木と付き合ってられるな・・・
「まぁイチローの話はほっといて。お二人さん、いつから付き合い始めたのさ?昨日はそんな雰囲気じゃなかったと思うんだけど?」
「・・・さっきだよ。俺から告白した。それにさっき佐々木が見たのがファーストキスだよ。」
「おー!ファーストキッス!きゃー!これはみんなにメールしないと!」
「瑞希止めてー!お願いだからー!」
「じょーだんよ、じょーだん♪でも、のりぴーとみなっちにはちゃんと言わないと、だよ?」
「・・・うん、分かってる。」
「ま、あの子達だってちゃんと事情説明すれば分かってくれるよ。心配すんな。」
「・・・うん、ありがと。」
何で木津さんと水上さんが出てくるんだ?よくわからんのだが。
「朴念仁は気にするな。乙女の秘密ってヤツだよ♪」
「侮辱された気がするが気のせいか?というか心の中を読むな、佐々木よ。」
「あははっ!だってたっつーの顔に『なんでのりぴーとみなっちなの?』って書いてあったもん。」
「むぅ・・・」
なるほど、俺は考えてることが顔に出やすいのか。気をつけないとな。

609:辰則と美紀のクリスマス 後編 (6/10) ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:23:28 AtvduLOz
瑞希に散々茶化されたあと、1時間ほどダブルデートみたいな感じで遊園地を回って、私たちは先に帰る事にした。
今日のデートのことを色々と話していて、今度はどこ行こうか、とか話していて、ふと今日の晩御飯のことが気になったので、たっちゃんに尋ねてみた。
「たっちゃん、この後の予定は?」
「あれ?美紀、お母さんから何も聞いてないのか?」
「ん?何も聞いてないよ?」
「そうなんだ?とりあえず美紀の家にお邪魔させてもらうよ。」
「うん。・・・え?ええええええ!?」
「うん?ダメか?」
「いやいやいやいや、ダメじゃないんだけどダメというかなんと言うか、だってパパもママも居ないし、だからたっちゃんが狼さんに・・・」
パパはお仕事、ママはお友達とご飯とか言ってたし。
「なりませんから。送り狼になんてなりませんよ。美紀のお母さんからいい鳥を買ったから、良かったら調理してくれって言われててな。」
「そ、そうなんだ・・・」
と言うか何故たっちゃんにメールを送ってるのよママ。せめて娘にそういうこと言ってよ・・・。

「ただいまー。」
「おじゃましまーす。」
ついつい習慣で帰ってくるとただいま、って言っちゃう。誰も居ないんだけどね。
「じゃあ俺は台所に行って確認してくるから。」
「うん。私は着替えてこようかな。」
たっちゃんとは台所で別れ、私は一回部屋に行くために、リビングの扉を開けた。
「「メリー・クリスマース!!」」
「ひゃう!」
ぱーん!と言う音と同時に真っ暗なリビングからそんな声が聞こえて、驚いて思わずしりもちをついちゃった。
「お父さん、お母さん、やっぱりやりすぎだったと思いますよ。」
苦笑しながらたっちゃんがリビングの電気をつける。え?お父さん?お母さん?
たっちゃんが「お父さん」と「お母さん」って呼ぶのって・・・
「まぁいいじゃないか。たまには娘の驚く顔が見たくてな。」
「お父さんったら趣味が悪いんだから♪お帰り、美紀♪」
のほほんとしたウチのパパとママが、リビングに居た。

「もー!パパもママも人が悪いよ!それにたっちゃんも!知ってるなら教えてよ!」
「まぁお母さんに『美紀に言ったら電気あんまね♪』って言われてたし・・・」
たっちゃんが昔の事を思い出したのか苦笑いしている。あれってそんなに痛いの?
「まぁまぁ、それより美紀、私たちに何か報告すること、あるんじゃない?」
「ふぇ?ママたちに報告すること?」
「遊園地で何かあったんじゃないの~?」
遊園地での出来事を思い出し、思わず顔を背ける。背けた先のたっちゃんは、ちょっと恥ずかしそうに、でも嬉しそうにしていた。
「・・・うん、たっちゃんと付き合うことになった。」
「あら、この子は恥ずかしがっちゃって♪」
「おお、そうなのか!辰則くん、美紀はあんまり料理は出来ないが気の利く優しい子だ。ぜひ幸せな夫婦になってくれよ!」
「パパ!なんでいきなり夫婦なのよっ!て言うかたっちゃんも照れてないで何か言い返してっ!」
「いや、ほら、彼女の両親公認で結婚を認めてくれるのって、やっぱ、嬉しいじゃん?相手は10年来想ってきた相手だし・・・」
「~~~~~!!!」
たっちゃんの言葉に頭から湯気が出るんじゃないかってほど照れる。たしかに、たっちゃんとなら結婚してもいいけど・・・
「まぁまぁたっちゃんは積極的ねぇ♪お母さん少し妬けちゃうわ♪」
「そうだねぇ。娘を手放すのが惜しい親の気持ちって、こんな感じなのかねぇ。」
なんだかのほほんと娘離れについて語りだしたうちの両親。こんな風にさせたたっちゃんが恨めしくて、手の甲を思いっきりつねる。
痛い痛い痛いとかたっちゃんは言ってるけど、腹の虫が収まるまでこうさせてもらうことにする。

610:辰則と美紀のクリスマス 後編 (7/10) ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:24:00 AtvduLOz
嬉しくて調子に乗って夫婦宣言したら、美紀に左手の甲が若干紫がかるまでつねられた。何がいけなかったんだろうか。
それはともかく、あの後は美紀の家族のために料理を振る舞い(と言っても材料は美紀の家の冷蔵庫からだが)、特に茶化されることもなく終わった。まぁ料理は上手いと褒められたが。
その後帰ろうとしたら、お母さんに「冬休みなんだし、泊まっていきなさい♪」と言われたので断ろうとしたら、ことごとく断り文句を撃破され、「さあ、他に理由は?」といい笑顔(でも目は笑ってない)で言われてしまったので、結局泊まる羽目になってしまった。
「で、何故美紀の部屋に・・・?」
「恋人なら添い寝くらいしなさい♪心配はしないで!美紀のベッドはこんなこともあろうかとダブルサイズだから♪」
「いや、普通付き合って初日で一緒に寝たりしないと思うんですが・・・」
「あら、最近の子たちは性の認識が軽くて、付き合った初日にヤっちゃうって言ってるけど?」
「それはテレビの中の話で、僕はそんなに軽々しくヤるもんじゃないと・・・」
「あら、美紀はたっちゃんのこと思ってオナニーしてるのよ?」
「っ!?!?!?そ、それは本人が居ないところでいうべき問題ではないと思います!」
と言うかこの話は美紀に知られる前に忘れよう。そうしないと後で大変なことになりそうだからな。
「まぁまぁ照れちゃって可愛いんだから♪男の子なんだから女の子にがっかりさせちゃダメよ?」
「・・・何を言ってもヤんなきゃいけないんですか・・・」
「うふふ♪それはたっちゃんの気持ち次第ね♪さぁ、コレ持って美紀がお風呂から上がるのを待ってなさい♪」
・・・いつのまにこんなもの持ってたんですか、お母さん。あなたの底が知れません。
「それ、ラテックス製だからとっても気持ちいいらしいの♪でも、伸縮性無いのが難点かしらねぇ。あ、それにたっちゃんのサイズわからないからねぇ♪あら?顔真っ赤にしてかわいーんだから♪」
・・・おかーさま、貴女は私に何をさせたいんですか。ヤらせるのが目的なのか辱めるのが目的なのか。よくわかりません。

このようなやり取りがあった後、俺は美紀が上がった後で風呂に入り、今は美紀の部屋のベッドの上で、背中合わせで話している。
「た、たっちゃんと寝るのって、久しぶりだね。」
「あ、ああ・・・」
お互いどもったり、声が裏返ってるのは、まぁ察してくれ。いきなりのお泊りで緊張してるんだ。それに俺はお母さんから妙なプレッシャーかけられるし。
「昔はよくお互いくっついて寝てたよね。まぁ向きは逆だったけどさ。」
「そうだったな。まだあの頃は男女の区別は無かったけど。でも、俺はあの頃から美紀のこと、好きだったぞ。」
「・・・恥ずかしげも無く、よくそんなことが言えるね。」
「付き合い始めたからな、さらけ出してもっと俺を知ってもらいたい、ってのもある。」
「そっか。・・・そうだよね。」
「だから、観覧車でのあの告白、かなりびっくりしたぞ。まさか美紀が俺の事好きだなんて知らなかったし。」
「私もだよ。たっちゃんがいつも言ってた『なんなら付き合ってやろうか?』が冗談じゃないなんて。」
「あれはおちゃらけて言ってた俺も悪かったな、ごめん。」
「ううん、気にしないで。私だってあの言葉に救われてた部分もあるし、ね。」
「そうか。」
「うん。」

611:辰則と美紀のクリスマス 後編 (8/10) ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:24:32 AtvduLOz
言葉が途切れて、次の言葉が出てこない。でも、嫌な空気ではない。今までの二人には無かった、ちょっと甘くて、胸が締め付けられるような、そんな空気。
「・・・ねぇ、たっちゃん。」
「ん?なんだ?」
「・・・私のこと、後ろから抱きしめて?」
「っ・・・あ、ああ・・・」
『美紀を抱きしめる』なんて、恋人じゃなかった頃には絶対に許されなかった行為だからこそ、『抱きしめる』って言う単純な行為に緊張するし、興奮する。
右腕は腰にまわし、左腕は頭の下を潜らせて肩にまわし、美紀を抱き寄せる。俺の鼻をくすぐる美紀のちょっと長めの黒髪。
美紀の背中やお尻の柔らかさ、華奢な肩、細い腰。全てが愛しくて、満ち足りた気分になり、思わず美紀の髪に顔をうずめる。
「ちょっと、たっちゃんくすぐったいっ」
「美紀、俺今すっごく幸せなんだが。」
「・・・うん、私も、幸せだよ。」
その言葉が嬉しくって、思わず強く引き寄せる。
「きゃっ、たっちゃんつよ・・・た、たっちゃん?あ、あの、その・・・」
「ん?どうした、美紀。」
「や、あのね、お、お尻に、なんか堅いのが当たってるんだけど・・・」
「堅いの?俺の骨かなに・・・」
そういえば先ほどから下半身に若干違和感が、と思い右手で下半身をまさぐると、そこには自己主張の激しい息子様が御起床されていました。
「うわわ、ご、ごめん美紀!そ、そんなつもりは、全く無くって、美紀の体が柔らかくて気持ちいいなとは思ったけど、べ、別にしたいわけじゃな「ねぇ、たっちゃん。」な、なんだ?」
「やっぱり、その、あの、・・・したい?」
「えぇぇぇ!?いや、そういうのはお互いの体も心、環境とか準備でき「私は、いいんだよ?」美紀!?」
「だってたっちゃん、私と結婚したい、って言ってくれたよね?ホントは嬉しかったんだよ、あの言葉。あの時は恥ずかしかったからあんなふうにしちゃったけど。だから、たっちゃんに最後まであげたいの。イヤかな?」
「美紀・・・」
「それにね?一緒に布団に入ったときから、そういうことを意識しちゃってて、でもまだ早いかなって思ってたの。
 でも、たっちゃんの体は正直に反応してくれて、私が欲しいんだってわかったらもっともっと嬉しくなっちゃって、たっちゃんとのつながりが欲しくって。だから、私の初めて、貰ってくれないかな?」
「・・・始めたら、二度と止められないかもしれない、と言うか止める自信が無いぞ。それでもいいのか?」
「うんっ。たっちゃんがくれる痛みなら、いいの。最初を忘れたくないから、痛くてもいいの。」
「・・・わかった。じゃあ、こっち向いてくれ。キスも出来ないからな。」
まさか本当にこうなるとは思ってなかったが、やっぱり嬉しいもんだな。その嬉しさをこめて、俺は美紀にキスをした。

612:辰則と美紀のクリスマス 後編 (9/10) ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:25:02 AtvduLOz
たっちゃんからの優しいキス。『受け入れてくれてありがとう』って気持ちが伝わってくる。胸が熱くなって、張り裂けそうで、嬉しくって強く唇を押し付ける。
そういえば、こういうときってベロを絡ませてする、大人のキスがあるって本に書いてあったけど、どうなんだろう。
ちょっと試したくなって口を半開きにすると、私の口に進入してくる熱くてぬるっとしたもの。ちょっとびっくりしたけどたっちゃんのベロだってわかったから、それに私のベロを触れさせてみる。
触れた瞬間、体に電気が走ったような感じになって、体がビクッて震える。でも全然嫌じゃない、例えるならそう、オナニーしてるときに感じるような震え。でもオナニーとは違って寂しくない、暖かいぬくもりのお陰で心まで暖かくなる。
私の体がビクッとしたことに驚いたのか、たっちゃんが離れようとする。嫌じゃないんだよ、ってアピールしたくって、両手をたっちゃんの首に回して、たっちゃんが離れられないようにする。
今度はたっちゃんの口の中に私のベロを入れる。たっちゃんの口の中を、歯をなぞるようになめると、たっちゃんもビクッて反応して、かわいい。
お互いのベロとベロをくっつけて、表面を撫でるように、裏側をなで上げるようになめると、私もたっちゃんもビクビク震える。
ただベロとベロをあわせるだけの行為なのに、こんなに気持ちよかったんだ。他の男の子にキスを許さなくて正解だった。こんなのされたら、いくらなんでもえっちな気持ちが我慢が出来なくなっちゃうもん。
その証拠に、さっきからお腹の奥の方がせつなくって、何かあふれてるような感じ。

「んはぁ・・・すごいね、キスって・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・そ、そうだな・・・」
さっきからたっちゃんの言うことを聞いてないアレが、なんだかさっきより堅くなってる気がする。
「ひゃう!」
突然たっちゃんに胸を触られて、変な声が出ちゃった。
「い、痛かったか?」
「ううん、いきなりだったからちょっとびっくりしただけ。だからもっと触ってみて?」
「お、おう。」
「あ、でも触ってるときはキスして欲しいな・・・」
「わ、わかった。」
ふふ、たっちゃん緊張しすぎ。おかげで私の緊張が解けたから、まぁいっか。
「ふぁ・・・は、んん・・・」
たっちゃんに胸をもまれて、思わず変な声が出ちゃったから、思わずたっちゃんの唇で声が漏れないように口をふさぐ。と言うかたっちゃん、そんなに胸ばっか見ないでよ。
たしかに無駄に大きいおっぱいだし、街を歩いてると男たちはエロエロしい目で見てくるし。たっちゃんは違うと思ってたんだけどなぁ、やっぱり男の子だったんだね。
「んんっ!んぁ、た、たっちゃんそこはつまんじゃだ、ひゃう!」
既にブラ外してたから、乳首が堅くなってるのことにたっちゃんが気付いちゃった。そこはかなり感じる場所だからあんまりされるとおかしくなっちゃいそう。
「た、たっちゃんちょっと待ってっ!」
「い、痛いのか?」
「ううん、痛くは無いんだけど、いきなり気持ちよくなったからちょっと怖くって・・・」
「そ、そうなのか?」
「うん、だから、もうちょっと優しくしてくれるとありがた・・・っ!?」
起き上がってたっちゃんにお願いしたときに、ふと目に入ったドア。よく見てみると、鍵が開いていてびっくり。
お布団に入る前にちゃんとドアの鍵は閉めたはずなのに。・・・!もしかして!

「美紀?どうした?」
「(たっちゃん、ちょっと悪いんだけど、静かにドアまで行って、ドアを思いっきり開けて欲しいんだけど)」
「(えっ?どうかしたか?)」
「(うん、ドアの鍵が開いてるの。閉めたはずなんだけど・・・)」
「(・・・わかった)」
たっちゃんがゆっくりゆっくりドアに近づく。たっちゃんも察したようで萎えちゃったみたい。たっちゃんがドアノブを握り、さっとドアを引くとバタバタッと倒れてくる人が二人。
「あ、あはは・・・バレちゃった?」
「だ、だから俺は鍵だけはやめとけって言ったんだ。」
「ママ~?パパ~?ちょっとお話聞かせて欲しいんだけど?」
「「み、美紀が怖・・・あ、あはは・・・」」

613:辰則と美紀のクリスマス 後編 (10/10) ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:25:33 AtvduLOz
美紀の尋問はおよそ一時間ほど続いた。その間、美紀のご両親から『助けてたっちゃん』的な視線が飛んできたが、俺自身も被害者なので苦笑で返した。
もっとも、俺の方を見た瞬間に『なにたっちゃんに助け求めようとしてるの!?』と言う美紀の雷が落ちたため、口の出しようがなかったわけだが。
と言うか、俺も美紀を怒らせないように気をつけよう。

「ねぇ、たっちゃん。」
ちなみに今は美紀が俺の腕に抱きつく形で寝ている。もちろん変なことはしていない。また覗かれるかもしれないし。
「ん?どうした?」
「たっちゃんは最後まで出来なくって、残念?」
「残念っちゃ残念。だけどまぁ、これでよかったと思ってる。」
「どして?」
「多分あのまま続けてても最後まで上手くいかなかったと思うんだよ。俺ガッチガチに緊張してたし。」
「あはは、確かにたっちゃんの緊張はすごかったね。」
「あんなことするのなんか初めてだからな。いざそういうことになると緊張するもんだな。」
「でも、嬉しかったよ。」
美紀が恥ずかしそうに俺の腕を強く抱きしめる。腕が胸に埋まってなんだかこそばゆい。
「それに何かで見たことあるんだが、ただ寄り添って寝るだけの夜を何日も過ごす内に、お互いの波長が合ってきて、セックスが良くなるって言う話もあるらしいぞ。」
「え?そうなの?」
「俺の記憶だけにある話だから眉唾かもしれないけどな。ただ、焦る必要なんてないさ。」
「そっか。・・・そうだよね、別に焦る必要はないんだよね。」
「美紀には焦る理由があったのか?」
「・・・まぁ心当たりは無きにしも非ず、かな。」
「俺が他の女に、性的に篭絡されるとか考えたとか。」
「っ!・・・たっちゃん、本当は全部知ってて今の話してるの?」
「は?何のことだ?」
と言うか一つの例えで、俺のことが好きな子って聞いたことないんだが。
「だよね。・・・たっちゃんがにぶちんさんで本当に良かったよ。」
「にぶちんとは失礼だな。まぁ別にモテたところで美紀が好きなことには変わりないよ。」
「・・・うん。」
俺の言葉に頬を赤く染めて目を逸らす美紀。可愛すぎだろマジで。
「とりあえず今日はゆっくり寝て、また明日からも仲良くしような。」
「うんっ!」
赤い頬はそのままに、潤んだ瞳で笑顔になる。今までとは違う笑顔に、今まで以上に強く強く『好きだ』って気持ちがあふれてくる。体が勝手に動いて、美紀を抱きしめながらキスをする。
美紀は一瞬びくっと震えたものの、素直にキスを受け入れてくれる。今日はこれ以上しないので、ディープキスはなし。
「ん・・・ふぅ・・・」
「ん・・・はぁ・・・たっちゃん、ありがと♪」
「おう。さ、寝ようぜ。」
「うんっ!」

互いに『おやすみ』と挨拶し、夢の世界に旅立つ。
ちなみにその日見た夢は、かなり幸せな夢だったとだけ言っておこう。

614: ◆POBrm2R/G2
08/12/24 06:27:15 AtvduLOz
以上で終了です。おかしい部分などがあれば指摘してくださるとありがたく。
エロは次回投下予定の話で投下予定。

615:名無しさん@ピンキー
08/12/24 10:30:34 VBpIVHMt
GJ!
しかしここのところの貴方の投下ペースはすごいな………
某スレもこっちも目を離せないぜ

616:名無しさん@ピンキー
08/12/25 11:02:36 AZ4pdA24
GJ!!
聖なる夜に虫歯になりそうな甘い話を読めて幸せなことしきり。
ありがとうございます。

617:名無しさん@ピンキー
08/12/26 11:40:08 32ZplzBM
>>578の続き。エロ無しです。

618:『この世で最も華麗な彼氏』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/26 11:41:36 32ZplzBM
1
 ずっと、考えてた。
 あの日から一年間、ずっと、ずっと。
 本当にボクの身体はオイシイのかって、ずっと考えてた……

 自分で自分の指を舐めたって味はしない。
 証明してくれるのは幼馴染みだけ。同じ日に産まれ、同じ時間を共有して来た幼馴染みだけ。ボクが恋焦がれた重羽美月だけだ。
 美月だけがオイシイと言う。他の人には絶対に舐めさせるなと言う。美月だけが、ボクの味を知ってる。
 でもこれってオカシクないか? もしかしたら味がするってのは全部ウソで、ボクを挑発して、約束を守れるかどうかを試しているのかも知れない。高校卒業までエッチしないって約束を守れるかどうかを。
「はんっ……」
 守れるさ! 何年越しの想いだと思ってるの!? どんな誘惑をされたって守ってみせる。だから……もう断らないと。もうボクを誘惑しなくて良いよって。ボクの指を舐めなくて良いよって。言わないと。
 だいたい、身体がカレーの味するなんて有る訳無いんだよ!
 でも万が一、億が一にもボクの身体が本当に美味しいなら? それを調べる為にも、美月以外の誰かに指を舐めて貰うとか?
 うん、そうだよ! そうしよう! 美月と同い年の、美月と同性の人に舐めて貰おう。ジュースでも奢れば首を振ってくれそうな人……真理(まこと)、かな?
 だね。こんな事を頼めるのも、美月以外で気兼ね無く話し掛けれる女性も、美月以外じゃ真理だけ。決まりだっ!
 

 ―キーンコーンカーンコーン。


 テスト終了の、全日程終了のチャイムが鳴り、突っ伏した机から顔を上げる。
 テストはバッチリ。考える時間もたくさん取れた。後は覚悟、幼馴染みを疑う覚悟。
「真理、ちょっと付き合って」
 二つも深呼吸して真理の背中を軽く叩く。
「えっ?」
 ボクの席は廊下側の後ろから二番目。真理はボクの真ん前。美月は窓側の先頭。美月とボクはほぼ対角。
 だったらイケる。挨拶が終わって、帰る支度をして、美月がこっちを振り向くよりも早く。
「きりーつ、れーい」
 テストが回収され、挨拶が終わると同時に真理の手を引いて教室を抜け出す。
「ちょっとぉ、どうしたの砂耶?」
 教室を出て、廊下を駆け、無人の図書室に入り、その奥。
 昼休みにボクとミツキの秘め事が行われる場所。そこで漸く立ち止まり、真理を窓際に。ボクは少し離れて向かい合う。
「はぁっ、はぁっ……んっ、ゴメンねマコちゃん。実は、内緒でお願いがあるんだ」
 むくれた表情の真理に謝罪して、すぐに本題へ。
 美月に似た切れ長の瞳に高身長。健康的に日焼けした褐色の肌に、多分にシャギーが入ったショートヘア。美月がグラマラスなら真理はスレンダー。
 美月を除いて、ボクが普通に話せる女の子……真理。
「でっ、お願いって何?」



619:『この世で最も華麗な彼氏』中編 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/26 11:43:19 32ZplzBM
2
 目を細め、口元を吊り上げる。いつもの表情。ボクの言葉を値踏みする、いつもの真理。ツマラナイ事だったら許さないと物語ってる。
 いきなりこんな所に連れ込まれたら当然だと思うけど、それでもボクは確かめたい。
「ジュース奢るからさ……マコトちゃん、ボクの指を舐めて」
 右腕を真っ直ぐに伸ばして肩の位置より上、真理の顔前に五指を開いて差し出し、好きな指を選ばせる。
「意味、わかんないんだけど?」
 そう否定しながらも、ボクの人差し指以外を折り畳み、一つの指を選択してくれた。
 本来ならきちんと理由を教えるものだと思うけど、ボクの身体はカレーの味するらしいから舐めて……なんて言えないよ。頭のおかしな人にされちゃう。
「お願いマコトちゃん……ボクの、ゆびを、なめて」
 だから全部、全部、舐めて貰ってから判定すれば良い。ボクはオイシイのか、ミツキが嘘を付いてるのかを。
 美味しいなら美月に謝ろう。疑ってゴメンねって。
 嘘なら言おう。もうボクを舐めるなって。約束は守るから誘惑なんてしなくて良いよって。
「ふっ!? ああっ……それじゃあ、舐めるよ砂耶?」
 マコトちゃんは一度だけブルリと全身を震わせると、許可を取って口を拡げ、舌を垂らして指に近付ける。
「うんっ、やさしく、やさしく、ねっ?」
 そして、唇の間に指が挟まれようとして、

「ダメだ砂耶っ!!」

 唐突な否定で後ろへと引っ張られた。
「えっ、うわっ!?」
 三歩も下がり、首に腕を掛けられ、胸に手を回され、羽交い締めにされる形。
 聞き慣れた声、ボクよりもずっと高い身長、後頭部に当たる柔らかくておっきな膨らみ。そこから導かれる解答は……
「みつ、き?」
 99%の自信を持って見上げる。
 すると目の前に映るのは正解。怒った顔でボクを覗き込む幼馴染み。
「真理、砂耶から言われた事は忘れてくれ……ほらっ、砂耶には大事な話しが有るからちょっと来いっ!」
 美月はそのまま、引きずるようにボクを真理から離して行く。
 真理はご愁傷様と、僅かに笑いながら手を振ってた。
「恥ずかしいから、せめて手だけにしてよぉ」
 ズルズルと図書室から出され、そこからは手首をしっかり掴まれて引っ張られる。
 女の子に引っ張られて抵抗できないボク……我ながら情けない。
 でもこれで決まりだ。美月が必死に止めたのは嘘がバレるから。味なんてしないから真理に舐めさせたくなかった。
 じゃあ言わなきゃ。もう舐めるなって、もう舐めさせないって。
 先を早足で歩く美月は長い髪を左右に揺らし、階段を降り、渡り廊下を越え、テスト日により静かな体育館に入り、重い扉を開けて更に静かな用具倉庫へ。
「おっ、わわっ!?」 
 跳び箱。バスケットボール。バレーネット。薄暗く微かにカビ臭い部屋。
 そこでボクは大きな着地用マットの上に仰向けで押し倒され、美月は後ろ手に扉を閉じる。



620:『この世で最も華麗な彼氏』中編 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/26 11:47:26 32ZplzBM
3
 薄暗い室内。互いに視線を交差させ、互いに一つの深呼吸。

「なんで、舐めさせようとしたんだサヤ?」
「なんで、舐めさせちゃダメなのミツキ?」

 互いの初言が重なった。
 ボクは仰向けで美月を見上げ、美月はボクの腰を跨いで見下ろす。空色のパンツが見えてるよ美月。見せてるの? またボクを挑発するんだね?
「うっ……前に言ったろ砂耶? 一回味わったら終わりなんだ。真理も私みたいになるんだぞ?」
 美月は真剣。それは伝わる。そんな逃げ道も有るって伝わる。いや、それしかないんだ。
 もしボクが本当に美味しくて、真理がまた求めて来ても、二度と与えたりしないよ。
 与えた結果がボクの幼馴染みだから。ボクに依存し過ぎてる美月だから。そんな風には絶対しない。
 だから美月も、そろそろリハビリしようよ。休みの日だってずっとボクと一緒に居て、好きな事を何もしてないじゃないか!? 束縛してるようで……心苦しいんだ!!
「わかったよ美月……もう誰にも舐めさせない。その代わり、美月にも舐めさせないから。我慢して、リハビリしよっ?」
 最初は辛いかもしれないけど、一ヶ月もしたら平気になるさ。
 ねっ、ミツキ? そんなに涙を浮かべるぐらいに辛いのも、ちょっとだけだから。
「ひっ、う、そ……だよな砂耶? そんなのっ、わたし、うくっ……しんじゃうよぉっ」
 綺麗な瞳を悲しさで潤ませ、眉をしかめ、手をギュッと握り締めて懇願する。
 ボクは顔を反らして立ち上がり、無言で美月を通り過ぎて重い扉をスライドさせた。
 すぐに馴れるから。ボクも我慢するから。だからミツキ……高校を卒業したら、ちゃんとした恋人になろうね?
 そう思って、用具倉庫から出て、聞こえたのは低い笑い声。誰に聞かせる訳でも無い、呟くような独り言。

「そっかそっかぁっ……そんなこと言っちゃうんだぁっ? ふっ、ふふっ、ふははははははははっ♪ あぁあっ……そうくるのかサヤ? ぐっ、絶対にっ……イプしてやるわっ!!」

 ボクを無理矢理に犯すって犯罪宣言。
 それを聞き届け、体育館に続く渡り廊下を帰りながら、プライドはイラッと反応する。
 ボクは男だぞ? そりゃ女顔だし、ミツキより背は低いけど、女の子一人にレイプされたりなんかしない。逆に押さえ込んでやるんだ!
「そうだっ……明日は休みだし、思いっ切りできるね」
 鞄を持ち、靴を履き変え、門を通り、帰路に着く。
 うん、明日は休みだしちょうど良い。
 美月を、メチャクチャにしてやる。ボクには勝てないって屈伏させてやる。恥ずかしい事をいっぱいさせてやるんだ!
「ははっ♪」
 そう決まれば気分も軽くなる。
 だってこれから始まるのは、誰にも邪魔されない、ボクの、ボクだけの時間。
 そこでミツキは、ボクの命令に服従する犬になる。



621:名無しさん@ピンキー
08/12/26 11:48:28 32ZplzBM
小出しでゴメン。
次で終わります。

622:名無しさん@ピンキー
08/12/26 15:29:14 9NddrL8Z
>>621
雪降ってるから全裸はツライナ……wktk

623:名無しさん@ピンキー
08/12/26 23:57:40 Csp2DEfs
投下ラッシュに紛れてみます
もっとも、スランプで幼なじみ成分が薄いですが……つか冗長です

624:幼なじみとお弁当
08/12/27 00:01:28 rWbLOSaU
きっかけは些細なことだ。

中学生になったばかりだったあるとき、母さんの親戚が倒れたことがあった。
もちろん母さんは親戚の下へ向かった。このとき父さんは出張で家にはいなかった。
学校を休むわけにはいかない俺は、結果として一人で留守番をすることになったのだ。
が、小学生気分が抜けなかった当時の俺にはできないことが多々あった。
例えば、弁当を作ることとか。

チャイムが鳴った。
まだ説明の途中だった国語担当の教師は少し不服そうに鼻をならし、
「仕方ない。委員長、号令を」
と、授業の終了を告げた。
「起立」
しかし号令に従ったのは全体の八割程度。あとの二割は教師の言葉の直後に教室を出ていってしまった。
「あ、ちょっとあなたたち!」
「……はぁ。もういい、ほうっておけ」
相変わらず彼らを止めようと、声を荒げる委員長。
もう慣れてしまったのか、ため息をつく教師。
その二人に同情しつつも、しかし俺には出ていった人の気持ちもわかったりする。
だって、仕方ない。
昼休みの購買と食堂は、それはもう何の祭りかというくらいの混みようを示すのだから……。

もちろん母さんはいくらかお金を渡してくれたし、
晩飯に関してはお隣さんに頼んでご一緒させてもらうことになった。
だがしかし、昼飯代として渡された臨時収入は俺にとって魅力的な金額だった。
母さんが帰宅するのは五日後。
もしその間、昼食を少し減らせば……いや、もっと言うと。
「これって、昼飯抜けば全額手元に残るよな……」
そこに考えが至った瞬間、俺の頭はさてこのお金を何に使おうかということに切り替わったのだった。
それは、昼飯を抜いたところで特に問題ないだろうという、そんな甘い考えから来ていたのだが。

「いただきます」
各々が食事の挨拶をして、昼飯を食べ始める。
俺は昼休みは何人かの男子とダベっていることが多い。今日もいつものメンバーと一緒だ。
「しかしいいよなー、高遠はよぉ」
俺がいつものように弁当を食べていると、そんな恨めしそうな言葉をかけられた。
「ん、何がだよ」
声の主に聞き返す。
正面に座っていたそいつ、水口はどんよりとした視線を俺に向け、
「だってお前、弁当じゃん」
手に持ったコッペパンをちびちびと食べながら、そんなことを言った。
確かに俺の昼飯は弁当だ。
今日も彩りのよい具が並び、特に卵焼きが絶品であるいつもの弁当。
しかし、弁当だからうらやましいってのは何というか……。
「水口、僕はともかく委員長だって弁当だよ」
同じくサンドイッチを食べながら言ったのは瀬尾だ。
ちなみに、水口も瀬尾も昼飯は購買を利用する。
特に水口は先ほどあった「授業終了直後に出ていく」タイプである。
が、授業の挨拶もしてからゆっくり購買に向かう瀬尾のほうがいいものを食べていることを考えると、
やっぱりズルをしないやつが報われるというか、
童顔のイケメンって有利だよなとか、そんなことを思ってしまう。
水口はそんな瀬尾の一言を鼻で笑って、
「バカ、斉藤は自炊した結果だろうが。高遠の場合は誰かさんが作ってくれてるんだよ、な?」
そう言って向けた視線の先には何人かの女子のグループと、
「お前はいいよな、弁当まで作ってくれる『幼なじみ』がいてよー」
俺の幼なじみが、楽しそうに談笑していたのだった。

625:幼なじみとお弁当
08/12/27 00:17:19 rWbLOSaU
当時の俺は中学生。とりあえずたくさん食べたい盛りである。
そんなときに昼飯を抜けばどうなるか。
「は、腹減った……」
昼休み中、俺はずっと机に突っ伏して飢えに耐えていた。
この頃の俺は周囲に壁を作っていて、誰かと一緒に昼飯を食べたりとかはしなかった。
周りの連中もクラスに馴染もうとしない俺のことなど気に掛けずにいたので、
俺は一人で空腹と戦い続けることになった。
しかし、それも限界がある。
三日目、俺はついに全額確保をあきらめることにした。
体育の授業があったために空腹はピークに達し、とにかく何か食べないと仕方なかったからである。
全額を手に入れられなかったことを残念に思い、
しかし何か食べられることを喜びながらポケットをまさぐり、
「……財布、ない」
そのときの気持ちと言えば、本当に地獄に叩き落とされたようであった。
空腹で死を覚悟したのは、恐らくあれが最初で最後だろう。
絶望の縁に立たされた俺。それを救ったのが、

「……み、水口。何の話だよ?」
声が上ずる。水口はニヤニヤといった表情を浮かべ、
「ネタは上がってんだぜー?お前が委員長から毎朝弁当箱を受け取ってるのはよぉ!」
「あぁ、それは確かによく見かける光景だな」
水口の台詞を受け、今まで黙々と食事をしていた斉藤が同意する。
ちなみに、斉藤はクラスの副委員長である。
しかし瀬尾は彼のことを『委員長』と呼ぶ。本人曰く「気質が委員長」なのだとか。
で、水口がいう『委員長』が本物、我がクラスの委員長のことだ。
ちなみに俺の幼なじみでもある。
……閑話休題。
斉藤はそのまま淡々とした口調で、
「もっとも、弁当まで作ってもらうような関係が『幼なじみ』で済まされるのか、甚だ疑問ではあるがな」
と、こちらの痛いところを突いてきた。
「う、うるさいな。そういうお前は彼女に作ってもらったりしないのかよ」
図星を突かれたのが癪だったのでやり返す。
斉藤にはクラス公認の彼女がいる。
こちらの関係も幼なじみが発展したもので、聞くところによるとやることは済ませてるとか。
「あ、それは僕も気になるな」
「おい斉藤、どうなんだよ」
瀬尾と水口が俺の振りにのる。瀬尾はともかく水口は扱いやすくて助かるな。
斉藤はしばし無言になったあと、
「……あれは、人間の食べ物じゃない」
ポツリと、そんな言葉を洩らした。
…………。
「何か、ごめんな」
「気にするな、忘れろ」
そんな会話の後が交わされ、俺たちの話はまた別のことに切り替わったのだった。

626:幼なじみとお弁当
08/12/27 00:27:22 rWbLOSaU
「ほら、これでも食べなさい」
顔をあげる。
目の前にあるのは一つの包みと、それを持つ白い手だ。
もう少し視線を上に向けると、彼女と目があった。
彼女は顔を赤くしながらそっぽを向いて、
「ま、まぁ、一人分も二人分も対して変わらないし。飢えてる姿を見るのは少し忍びなかったからね」
などと、それはもう早口でまくし立てた。
「……くれるのか?」
「そ、そうよ。作りすぎたからね」
「……本当に?」
「嘘ついてどうするのよ……」
「……マジか」
「……あぁもう、さっさと食べなさい!」
押しつけるように渡される弁当袋。
彼女は機嫌を悪くしたのか、足早に俺の席から離れていった。
残された俺は一人、そっと包みを解き、蓋を開ける。
中身は何の変哲もない弁当である。
いや、作りは何だか素人っぽい感じで、卵焼きとかは焦げていたが。
さっき見た手を思い出す。……そう言えば、絆創膏が巻いてあったような気がした。
箸を手に取り、おかずを口に運ぶ。
焦げた卵焼きはちょっと塩が効きすぎていてしょっぱかったが、
「……あぁ、うまいな」
三日振りにとる昼食は、俺にとっては最高のご馳走だった。

627:幼なじみとお弁当
08/12/27 00:29:02 rWbLOSaU
帰り道。
「優奈、いつもありがとうな」
「な、何よ。藪から棒に」
突然のお礼の言葉にびっくりする。
最近は私の助けに対して礼を言うことが多くなっているけど、
今日は彼が礼を言うようなことをした覚えはない。
「いやさ、毎回弁当作ってくれるだろ?そのお礼」
「……あぁ、なるほど」
別にそんなこと、いつもやっていることだし。
「一人も二人も作るのは変わらないわよ」
「んー……、それでも、誰かが昼飯を作ってくれることは幸せなんだと思ったんだよ」
水口とか見てるとさ、と続く。
……何か変な話を昼休みにしたらしい。また今度斉藤くんに聞いてみよう。
「幸せ、ね。そう言ってもらえるならありがたいけど」
そもそも事の始まりは、お金欲しさに飢えていた幼なじみを見かねたから、というだけなのだ。
私が礼を言われる筋合いはない。私は幼なじみとして、
「あぁ、幸せだな。お前の作る弁当なら一生食べてたいくらい」
当然のことを、している、だけ、で……
「……あれ、どうかしたか?顔赤いぞ」
「な、なんでもない!」
こ、この……!
たまにとんでもなく恥ずかしいことを言うんだから、匠は!

「お、おいおい優奈……」
足早になる幼なじみを追いかけつつ、ふと思う。
初めて弁当をもらった日。帰宅して、弁当箱を洗ってから届けに行ったあのとき。
「あ、あんまりおいしくなかったでしょうけど……」
などと言う優奈に対して、俺は正直に、
「いや、最高にうまかった。また作ってくれ」
と、素直に感想を述べた。
その時の優奈の顔、
「……よかったぁ」
何だかとても嬉しそうな表情は、しっかり俺の心に残っていて。
「いや本当、俺って幸せ者だよな」
あの顔をずっと見ていたいと、そんなことを考えていた。

「……ん?さっきのって、もしや実はめちゃくちゃ恥ずかしい台詞じゃあ……うわ」

628:名無しさん@ピンキー
08/12/27 00:31:25 rWbLOSaU
そんな話だったのさ、というわけで投下終わり
おさな、なじみ……?バカ話の間違いかもしれない
さっさと妄想力に戻ってきて欲しい

さて逃げるか

629:名無しさん@ピンキー
08/12/27 11:54:12 SLKcZ2oq
グッジョブ、そして乙、なんだぜ

630:名無しさん@ピンキー
08/12/28 01:42:41 c3e+/fFp
あはん

631:名無しさん@ピンキー
08/12/28 10:40:26 Yrex8Ygj
馴染の塔保守

632:名無しさん@ピンキー
08/12/29 00:49:28 eCwp+SMi
>>621
GJ
設定が良すぎるというか俺好み

633:名無しさん@ピンキー
08/12/30 15:47:16 OOruIaPR
圧縮回避保守

634:名無しさん@ピンキー
08/12/30 18:36:09 GxxyQ1sx
 仕事もどうにか落ち着き、久しぶりに実家のこたつでぬくぬくとしていると、
玄関先で聞きなれた声がした。そしてその声の持ち主は勢いよく居間のふすまを開けると、
俺のちょうど向い側に何の断りもなしに足を突っ込んだ。
「うおっ! つっめてぇえっ。足をくっつけてくるな」
「いいじゃーん。ちょっとぐらい分けてよ。外、ちょー寒かったんだから」
 ブーツで来たんだろう、薄いストッキングに包まれたつま先から冷えが伝わってくる。
見た目とは違い、内側の保温性はあまりないのか……。そんなくだらないことを考える間にも、
冬らしい銀色のマニキュアで彩られた形のいい爪が蜜柑を剥き始めた。
「いつ帰ってきたの?」
「今日の昼頃。お前は?」
「昨日。仕事終わって直接きたから」
 長い爪で器用に白い筋を取る。その真剣な眼差しは、昔から変わらない。
一度ひと房を無断で食べた時の怒りようは凄まじかった。食いものの恨みは本当に恐ろしい。
「クリスマスどころか、年越しを一緒に過ごす恋人もいないのかよ」
「それはあんたもでしょ」
 間髪入れずに返され、ぐうの音もでない。くっそ。
「いいじゃない、幸せにはいろんな形があっても」
「まぁな」
 今年もこうやって話をできたんだし。いつまでこうした年末を過ごせるだろう。
「でも、少しぐらい形を変えても、いいかもしれないね」
「え?」
 俺から熱を奪ってとっくに温まっていたはずの足はまだ触れたまま。
 意味がわからなくて、目を白黒させる俺に微笑んで、摘まんだ蜜柑を軽く振る。
「食べる?」
 次のクリスマスは二人で過ごせるのかもしれないなぁ、と俺は鬼が聞いたら大笑いしそうなことを考えながら、
差し出されたそれをありがたく頂戴するために身を乗り出した。




圧縮が近いと聞きまして。

635:名無しさん@ピンキー
08/12/30 22:15:03 oRn0hnVP
>>634
ほのぼのGJ

636:名無しさん@ピンキー
08/12/30 23:37:50 +WaS45Cc
一瞬、足でみかんの皮を剥いたのかと思ったwww

637:名無しさん@ピンキー
08/12/30 23:47:24 OOruIaPR
>>636
エアマスターかよww

638:名無しさん@ピンキー
08/12/31 19:39:18 0V6RftW8
足で皮を剥くとな

639:名無しさん@ピンキー
09/01/01 01:55:54 xIW48l1R
女「剥いたらついてる白いの…取らないと口に入れる気起きないんだよね」

男「みかんの白いの気にするのか 几帳面なんだなお前」

640: 【豚】 【1131円】
09/01/01 02:05:50 w3EioU2K
大吉だったら幼馴染ができる!

641:名無しさん@ピンキー
09/01/01 09:07:06 S7oTxUXO
「ほーら>>640、どう私の手? イキそうなんでしょ? イクときは、ブタさんみたいな汚らしい鳴き声あげてね~♪」

642:名無しさん@ピンキー
09/01/01 11:31:13 S7oTxUXO
1
 太陽は堕ち、気温は落ち、空は雲無く朱く色付く。
 家の中。部屋の中。勉強机に肘を掛け、キャスター付きの椅子に座り、ベッド上の恥態を眺める。
「はやく、ナカ出しっ、しなさいよ……ごーかんまっ!!」
 意気がるのは女。年齢7つの子供。第二次成長も迎えてない、小学校低学年の女子児童。
 そんな子供が全裸で四つん這いになり、俺に尻を向けて虚勢を張り、膣内射精を懇願している。
 怒った形の眉、涙を溜める瞳、上気した肌、言葉だけの反抗。
 ああ、口元が吊り上がる。笑いが止まらない。
 嗚呼、興奮するよ。何度だってイケそうだ。
「はっ? よく聞こえなかったなぁ……俺の、コレを、どうして欲しいって?」
 ただ、そんな乞われ方じゃ頷けない。中出しなんてしてやらない。
 だから見せ付けるように。教え込むように。ゆっくりとズボンのジッパーを下げ、血管が浮き出る程に勃起したガチガチのペニスを取り出す。
 女は更に頬を赤く染め、悔しそうに唇を震わせるだけ。
 極上の媚薬を塗りたくられ、幼い性器からトロットロの蜜を垂らしても、プライドが降伏する事を否定しているのだ。
「挿れなさいよっ! どーせ、そのおっきなオチンチンでズボズボしてぇっ……わたしにぃ、んふっ、はぁぁっ……ちつないシャセイするんでしょ?
 ヤメてって言っても、オナカがパンパンになるまでセーエキをびゅるびゅるするんだよね? ぜんぶ、わかってりゅんだからねハンザイシャ!!」
 四つん這いのまま後ろを、俺を睨む泣きそうな顔が堪らない。
 ああっ、駄目だ。生意気な声が、態度が、ペニスからどんどんカウパーを滲ませる。
 女も自分で気付いてるのか? 頭じゃどんなにまともを装っていても、身体は快楽の肉欲に負けたのだと。
 その証拠に、自らの両手で粘液の源泉口を左右に拡げ、媚薬ですっかり弛緩しきったピンク色の肉穴を晒す。
 掻き分けるように幼いペニス容れを開き、クリトリスをシコらせ、オシッコの穴まで透明な液を溢れさせてぷっくりと膨らませる。挿れた瞬間に失禁しそうだ。
 長い髪は汗で背中に貼り付き、訴える瞳は空気を読めと言っている。
 私は犯罪者に捕まり、媚薬を塗られる不幸なヒロイン。身体の疼きを解消する為に仕方無く犯されてやるから、バイブ代わりにしてやるから、さっさと挿れて中出ししろ……って女を演じているだけなんだからと。
 それくらいわかってるでしょ? と、それくらいわかれ! と、そう瞳は言っている。裏腹の言葉と思い。
 だけど無理だ。精液を注ぎ込まれるまで熱を持つ媚薬。それを塗布されたら最後、初潮前だとか、処女だとか、生理だとか、そんなヘリクツは消えて無くなる。
 唯々、男を挑発し、ペニスから精液を搾り取り、中出しアクメを繰り返す雌になるのだ。俺はそれが見たい!
 俺は、女を、コイツを、○○○を、屈伏させたいんだ。
「もっと女らしく誘えよ○○○。俺は自分の手でしても良いんだぜ?」
 それだけを目的として、これほどに高級な据え膳を野放しにする。
 本能はこの女を、チビを、今すぐにでもバックから突き捲くって喘がせたいが、それじゃあ目的は達せられない。

 ぬちゅぅっ、ヌチュヌチュヌチュ、ヌチュッ……

 ローションを右掌に垂らし馴染ませ、粘度の増した指でペニスを鈍い水音を立てながら扱いていく。



643: ◆uC4PiS7dQ6
09/01/01 11:33:00 S7oTxUXO
2
 素っ裸の子供をオカズに、自慰で性感を高める行為。このままでも俺はイケるだろう。だが……
「あ、あ、あっ、ふああっ……うわあぁぁぁぁぁぁぁん!!! やだやだやだぁっ!!!
 ひくっ、なんで、そんなに……ぐすっ、イジワルするのぉっ? わたしのこと、キライなのっ? ううっ、おちんち……いれてよぉっ!!」
 コイツは違う。ペニスで子宮を小突かれ、気を失うまでハメ回して貰わなくては治らないのだ。
 故に必死。プライドを投げ捨てて俺に挿入を縋(すが)る。自慰で射精されてしまっては、挿れて貰えなくなるから。
 大声でポロポロ涙を零して泣き、耳まで紅潮させ、それでも性器は拡げ続ける。
「ははっ、そうまで言われたら仕方無いなぁっ……ふぅっ、ふぅぅっ! 奥まで、ズリズリしてあげるからねっ!」
 勝った。最高だっ! この時、この瞬間は、いつも『ボクを』イカせてくれる。ボクが何度繰り返しても浸れる優越感。
 まだボクより小さかった頃の○○○を、ボクの思い通りにさせた。
 今じゃできないから、無理矢理に女装させられてイタズラされるのがオチだから、有り得ないのに、こうまで逆になる。
 強気になったボクが、まだボクより小さかった頃のミツキをイジメて、泣かせる……妄想。オナニーする時だけの歪んだ想い。
「美月、ミツキ、みつきっ、みつきぃっ!」
 ベッドを背もたれにして床に座り、ズボンを下ろして自慰に耽る。
 息が荒い。息が乱れる。いつもと同じ格好。いつもと同じ妄想。
 左手に微笑んでる美月の写真を持って、右手に非貫通型のオナニーホールを持って、大好きな幼馴染みの名前を呼びながらペニスを扱く。
 手へ匂いが付くのを防ぐ為に通販で買ったオナニーホール。ローションをたっぷりと入れ、小さな穴に根元まで呑ませて、柔らかな感触を思い出す……ボクの指を、舐めて、咥える、美月の咥内を。
 とても熱く、蕩(とろ)けて溶けちゃいそうな唾液に、
 きゅきゅぅっと吸い付き、咥え込んで離さない唇に、
 ざらざらとした細かい突起が無数に存在し、縦横無尽に妖しくうねり絡み付く、肉厚で、長い、ボクを興奮させて舐める為だけに進化した、美月のベロ。
 そんなヤラシイ器官が集まった口の中に、指じゃなくてアレを挿れられたら、どんなに気持ち良いだろう?
 妄想は叶わない。美月には敵わないから、後一年半我慢して、ちゃんとした恋人同士になったら、頭を下げたって、土下座したって、美月に、フェラして貰う。
 イジメたりはできないから、もう一つの妄想、もう一つの夢、あのエッチな、口の中に……挿れたいよ。



644: ◆uC4PiS7dQ6
09/01/01 11:34:37 S7oTxUXO
3
 ああ、ああっ、ミツキの、クチのナカ。
「きもちいいよぉ、みつきぃっ……ふっ、ふぅっ、ふぅっ、うぎいぃっ!!?」
 勢い良く上下していた右手が止まった。ビュクビュクとオナニーホールに中出しし、射精した余韻に震えてる。
「ぅうっ、はぁぁっ……くっ、バカかボクはっ!? ちくしょう、ちっくしょう……」
 終わった後は決まって自己嫌悪。誰より大切にしたいのに、誰よりも汚してしまう。きっとこれからも、何度も、何度も。
 だってしょうがないよ。あんなふうに舐められたら……あーあ、ミツキのせいにしちゃってるし、ほんとボクって……さいってー。
 でもさ、やっぱり気持ち良いんだ。美月を想ってオナニーすると、凄く、すっごく。
「みつき……怒ってないかなぁ?」
 視線を左に流すと、写真はイッた瞬間に握り締められ、幾つもの折り目が付いていた。
 ゴメンねって謝って天井を見上げる。明日になったら、本人に言おう。ゴメンねって。舐めるのは我慢してって。二人で乗り越えようって。よしっ、きまりっ!!
 そこまで考えて、


 ―タトン、タトン。


「ふぇっ?」
 思考は近付く足音に中断された。
 もちろんボクのじゃない。玄関の鍵は確実に掛けた。父親は単身赴任でしばらく帰って来ないし、母親も付いて行ったからいない。
 じゃあ、残るのは、唯一家族以外で合い鍵を持ってる幼馴染み。美月が、ボクの部屋に来る為に、階段を上ってる。
「うそ、でしょ!?」
 こんな姿なんか見せられない。しかも、たった今までオナペットにしてた人なんかと!
「もうっ、どーして急にくるんだよぅ!!」 
 静かに、素早く、クローゼットの中に身を隠し、Yシャツの胸ポケットに入っていた携帯の電源を切る。これで完璧……と溜め息を吐こうとして、ばかぁっ!! と自分を罵った。
 なぜなら、美月の写真も、脱ぎっぱなしのパンツも、抜け堕ちてたオナニーホールも、全部がそのまんま。言い訳の効かない状況だよ。
「ゴメン、あやまりたくてさ……入るからね砂耶?」
 しかも返事して無いのに、ノック三回で入って来ちゃってるしー! あー、もうっ!!
 美月は部屋を見渡しながら中央まで進み、ボクはクローゼットの隙間から覗き見る。
「サヤ、いないんだ? あっ、コレっ……」
 そして気付いた。ボクじゃなく、美月が、オナニーの残骸に。
 その場で正座して腰を下ろし、シワくちゃの写真を眺めて、口を三日月の形にして笑う。



645:『この世で最も華麗な彼氏』 ◆uC4PiS7dQ6
09/01/01 11:36:57 S7oTxUXO
4
 あーわーわーっ! 何する気なの美月!? 早く帰ってよー!!
「ふぅん……サヤったら、私をオカズにしておちんちんシコシコしてるんだぁっ?」
 やっぱりバレた、死にたい。明日からどんな顔して会えばいーの!?
 でも、そんなのより、もっと衝撃的な事。
「ふふっ、なーにがリハビリしようよ……もう末期で手遅れなのに、サヤ中毒なのに、それなのにっ!
 私をオカズにして、一人だけ気持ち良くなって、こんなえっちぃシミつくってっ、ズルイっ!
 はぁぁっ、はあぁぁん……まぁったくぅっ、おつゆ染み込ませすぎよぉっ♪ わたしもぉ、きもちよ……あむっ♪♪」
 美月がトランクスを両手で持ち、それを裏返して顔に寄せて、ボクのアレが当たっていた場所を、何の躊躇(ちゅうちょ)も無く口に含む。
 えっ、えっ、ええぇぇぇぇぇぇぇっ!!? なにしてるのミツキ!?
 まるでフライドチキンにでもカブリ付くように、骨までしゃぶり尽くすように、目を細めて美味しそうに、ぢゅぷっ、ぢゅくぢゅくぢゅく、ぢゅぷり……味わう。
「あ、あ、あっ、ぁあぁっ……なに、コレ? なにコレ? なにコレ、なにコレぇぇぇぇぇっ!!?
 こんなのダメだよぉっ、アセより、ヨダレより……んひゅぅっ、すごしゅぎるうっ♪ オシッコしゅごい、セーエキしゅごいよぉぉぉぉぉぉっ♪♪」
 口元から唾液を垂らし、長い髪を垂らし、舌足らずな艶声で歓喜しまくっている。
 その光景を盗み見て、ボクの手はいつの間にか再び勃起していたペニスを握り、無意識で力強く扱いていた。
 だってさっきまでオナペットにしてた人が、クチが、卑猥な淫音を響かせてる。ボクも舐めてよミツキ! パンツじゃなくて、ボクの、ボクのぉっ!!
「ぢゅちゅる! んっ……はぁぁっ、あじ、しなくなっちゃった」
 べっとりと糸を引かせ、濡れて重量感の増した下着が手を離れて床に落ちた。美月の興味が無くなったから。美月の目は次のモノが釘付けているから。
 肌色で柔らかく、クリトリスの造形まで施された筒状。穴が空いてて、非貫通で、ローションと精液が大量に混じり合って溜まってるオナニーホール。
 それを両手で包み持ち、パンツの代わりに、ソフトクリームでも舐めるよう口元に寄せる。
「さすがにコレは駄目よ、ダメよ美月! こんなの舐めたら、本当に戻れなくなっちゃう! 変態さんになっちゃう!
 砂耶から離れられなくなって、毎日セーエキ飲ませて貰わなくちゃ生きられなくなっちゃうよぅ!!
 ううっ、ううぅっ、でもぉ、でもぉっ……変態でいい、かな? ゴメンね砂耶……幼馴染みがヘンタイでゴメンねっ」
 息は荒く、頬は赤く、答えの決定していた葛藤で、視線は挿入口にガンジガラメ。
 そして、居ない筈のボクに謝罪して、舌をダラリと伸ばして、

 ぢゅぶぶぶぶぶぶっ……

 オナニーホールの中に差し挿れた。



646:名無しさん@ピンキー
09/01/01 11:38:43 S7oTxUXO
>>620の続きでした。
すいません、本当に次で終わります。

647:名無しさん@ピンキー
09/01/01 13:44:27 0aJkZFJn
ホワイトカレーGJ!

648: ◆uC4PiS7dQ6
09/01/02 01:14:32 UcunR8EI
ついでに、生まれて初めて書いたSSを発見したんで、記念に投下。
エロ無しで、隣に住むおねーさん的な話し。


649:『ウェザーリポート』 ◆uC4PiS7dQ6
09/01/02 01:18:02 UcunR8EI
1
 雨が降った――

 昇降口で五月蠅い雨音を聞きながら、重い空を見上げる。
「外れた、な……」
 天気予報では一日晴れだって言ってたのに、最後の授業が終わったと同時に降り出した。
 っ……たく、当てにするんじゃ無かったよ。それとも、『ヨシズミ』予報を信じて、傘を持って来なかった僕が馬鹿だったのか?
 何とかしないと、な……
 小雨ならまだしも、この土砂降りじゃあ、絶対に塗れて駄目になる。
「このケーキ、一緒に食べたかったけど」
 僕の右手に有る物は、二十日も前から予約を入れていたデコレートケーキ。
 誕生日を迎える人物の名前と、僕からのメッセージが描かれている。
「さて、どうするか?」
 受け取るのを待ち切れなくて、昼に一度学校を抜け出し、放課後まで職員室の冷蔵庫で保存していた。
 子供だと笑われても良い。早く、笑った顔が見たかったんだ。
「走るか……そうすれば、何とかなるだろ」
 さっきから何人ものクラスメイトが通るが、声を掛けて来る者はいない。別に、誰かの傘に入れて貰うつもりも無かったし、誘われても断るつもりだった。
 でもこの現実が、大切な人を、更に大切な人にする。この人しかいないと思わせる。
「急げば五分。ケースにブレザー掛ければ、間に合う」
 そう見切りを付け、走り出す。
 ━━バシャ、バシャ。
 水を跳ねる。

 ━━バシャ、バシャ。
 校門を出た時には、靴下まで濡れていた。

 ━━バシャ、バシャ。
 予想したより浸透が激しい。シャツが肌に張り付いて、気持ち悪くなる。

 ━━バシャ、バシャ。
 この角を曲がれば……

 ━━ドン!!
「がっ!?」
「きゃっ!?」
鈍い衝撃。
……ぶつかった!?

「ぐっ……」
 何とか踏み留まる。だが、相手はそうは行かなかった。その衝撃で車道へ。
「くそっ!!」
 両手で相手の腕を掴み、自分へと引く。

 ━━ズシャャャッ!!
 力強く引っ張り過ぎた為に、引き込んだ勢いに耐え切れず、相手ごと後ろのブロック塀に倒れる。
終わっ、た。何をやってるんだ僕は!?
「みつる……ちゃん?」
名を呼ばれ、その出所に視線を送る。
「あ、あっ……さん。どうし、て?」
 不意を付かれ、名前が出て来ない。
 けれど、買ったケーキも、浮かれてた気持ちも、どちらも目の前の人物に捧げたいと思っていた。
「ごめんなさい。大丈夫だった?」
「大丈夫だよ。僕は、ね……」
 道に転がっている開いた傘の他に、腕に別の傘が掛かってる。
 恐らく、僕を迎えに行こうとしていたのだろう。視線を横にずらすと、ズブ濡れのブレザーが、歪つな形になって水溜まりに浮いていた。
「そろそろどいてよ。重いんだ」
 最低だ。この現状も、八つ当たりしてる僕も。



650:『ウェザーリポート』 ◆uC4PiS7dQ6
09/01/02 01:23:33 UcunR8EI
「みつるちゃん、怒ってる?」
「怒ってないよ」
 手を伸ばし、ブレザーを掴む。これは、見せられない。もう、形すら止めていない筈だから。見つからない様に、後で捨てよう。
「みつるちゃん、それ何?」
「何でもない」
 反射的に後ろへとブレザーを隠す。普段はぼーっとしているのに、こう言う事には気付くんだから。
「うそ。雨降ってるに、わざわざ薄着になる人なんていないよ」
 本当に……
「ケーキ、買ったんだ。甘い物を食べたくなったから」
「また嘘。私に、買って来てくれたんだよね?」
 何もかも見抜かれているんだな。
「ずいぶん、自惚れてますね?」
 ひどい事を言っているのに、それでも笑顔で……
「だってみつるちゃん、私にホレてるでしょ? 今日は私の誕生日だし」
 この人の前じゃ、僕のプライドも空かされてしまうんだ。けれど、それが気持ち良いから、僕は……
「見せて」
「きっと、ぐちゃぐちゃになってるよ?」
 負けを認め、ブレザーを解く。
「それでも良いから」
 そして、すっかりふやけた蓋を開ける。
「ほら、ね?」
 予想通り、ぐちゃぐちゃだった。綺麗にデコレートされていたケーキも、影を無くしている。
「あっ、何か字が描かれてる。これ……く?」
 チョコで描かれた字も、大半が消えていた。
「これからもよろしく」
「えっ?」

「そう、描いてあったんだよ」
 既に、意味を成さなくなってしまったけど。
「そっ、か……じゃあ、食べよ?」
「だめだよ。汚い」
 こんな物を食べたって、お腹を壊すだけだ。
「うーん、えいっ♪」
 それは分かってる筈なのに、指で表面のクリームをすくうと、自らの口へと入れた。
「やっぱり甘いよ。ほら、みつるちゃんも」
 そう言うと、同じ指でクリームをすくい、今度は僕の口前に持って来た。
「食べて……」
 こう言われて断る術を、僕は知らない。
「んっ」
 指を口に入れる。
「甘いね」
「でしょ?」
 本当は雨に当たり過ぎたせいで、感覚等無くなっていたのだが、言わないで置いた。
「それじゃあ、風邪を引く前に帰ろ?」
「どいてくれないと、立てないんですけど」
 言うと、慌てて僕の上から飛び退き、「はいっ」と手を差し伸べて来た。
「僕は良いですから、早く傘を差して下さい」
 僕がそう言っても、差し伸べる事を止めない。
「ううん。一緒に濡れて帰ろう」
 やっぱり勝てない。しかたなく手を取り、立ち上がる。
「一緒にお風呂入って、温まろうねー」
 ―ッ!!?
「くっ、ははっ」
 笑いがこみ上げる。やっぱり、勝てないなー。
「あっ、やっと笑ってくれたね、みつるちゃん!」
 そんな無邪気な笑顔をされたら、嫌でも、この人に惚れてると確認させられてしまう。
「あーあ、真奈美さんと一緒にお風呂入るの楽しみだなー」
「わっ、冗談だよー」
 雨は未だ止まらない。でも、今日の雨は好きになれるかも知れないと、そう思えた。


651:名無しさん@ピンキー
09/01/02 01:27:18 UcunR8EI
なんで俺はコレを投下したんだ?
激しく後悔してるんで、これはスルーしてくださって結構です。


652:名無しさん@ピンキー
09/01/02 02:09:43 FMtiH4mS
わかったから早く続きを書くんだ。
特にお風呂の場面を詳しく。

653: ◆POBrm2R/G2
09/01/02 02:14:26 KkqIjKfZ
>>642-645 といい、>>649-650 といい、それぞれ色の違う作品いいですね。
個人的には後者はツボです!

こんな良作の後にワタクシの駄作を投下。
辰則と美紀のクリスマス完結編「その後」を投下します。
前編:>>527-528
中編:>>567-571
後編:>>604-613

NGワードは「◆POBrm2R/G2」「辰則と美紀のクリスマス」6レス消費予定。

654:辰則と美紀のクリスマス その後(1/6) ◆POBrm2R/G2
09/01/02 02:15:31 KkqIjKfZ
クリスマスイブについに恋人になったたっちゃんと私。
恋人になった後でファーストキスを瑞希に見られたり、ベッドでいちゃついてたとこを実の両親に見られたりって言うハプニングはあったけど。

ペアリングは翌日買いに行った。買った指輪はデザインが素敵なシルバーリング。
いつでもどこでも填めていたいなぁ、って思ってたら、『没収されたりしたら困るから、学校にはつけていかないようにな?』って釘を刺された。
たっちゃんの正論にうなだれていたら、『もし指が寂しかったらコレ使っていいから』って、視線を逸らしながら手を差し出してきた。
たっちゃんの突然の提案に顔がにやけちゃって、照れ隠しにたっちゃんの胸に顔を埋めて「バカ」って思わず怒っちゃった。

夜はたっちゃんのパパママが海外から帰ってきたので、たっちゃんの家で合同パーティー。
お互い両親が無類のお酒好きで、しかも私達が付き合いだしたって言う酒の肴があったせいで大騒ぎになった。
「ついにウチのバカ息子にも彼女が出来たかっ!」
「いやいや、辰徳クンはなかなか出来た男ですぞ?10年も一途に想い続けるなんてなかなか出来ませんよ。」
「ただのヘタレなんですって辰徳は。男なら好きな女の子を押し倒しちゃえばいいのに。」
「うふふ♪たっちゃんは紳士さんですからねぇ♪優しくて、お料理も上手で、美紀にはもったいないくらいの男の子ですよ♪」
実の息子を貶す親と、義理の息子(予定)を褒めまくる親。普通逆じゃないのかな?
「息子よ、そういえばまた料理の腕を上げたんだってな?つまみ作れ~!今すぐに!なに材料がない?これで買ってこい!10分以内に!」
「久しぶりの息子の料理楽しみだわ~♪」
「そう言えば義理の息子になってからは初めての宴会ですな。美紀、コレで何かめでたいもの買ってきなさい。めでたいだけに『たい』だぞ?あっはっはっは!」
「お父さんおやじギャグはいただけないわぁ♪あ、美紀、お酒の追加もよろしくね♪」
そして結局料理を作らされるハメになるたっちゃん。
酔っ払い達のから騒ぎに疲れたのか、たっちゃんはため息をつきながら、
「・・・とっととつまみ作って、コレら置いて先に寝ちまおう。」
と漏らした。コレ扱いは酷いけど、私もこの人たちには着いていけないよ・・・

そんな感じでたっちゃんのご両親にも説明し、お互いの両親も公認で付き合うことになった。
あの日からエッチなことはしていないんだけど、それでも出来るだけ一緒のベッドで寝るようになった。寝る場所は私の家だったりたっちゃんの家だったり。
例えたっちゃんの言ってた説が眉唾だったとしても、一緒に寝るって言うだけなのにひどく安心する。
しかもたっちゃんは寝る前にマッサージとかハグとかのスキンシップをしてくれるから、とっても嬉しい。
年明けてからはちょっとの間離れ離れに。毎日たっちゃんからメール来てたし、夜は電話したから寂しくは無かったけど。えへへ♪

5日はたっちゃんを連れてみんなと遊んだ。その時に紀子と湊には付き合い始めたことを話したら、二人とも絶句してた。
その場に偶然居合わせた瑞希がフォローしてくれたお陰で二人とも諦めてくれたけど。
でも、瑞希がいつの間にか撮っていたキスシーンの写真を出されたときは私もたっちゃんも恥ずかしくて怒ったけど。
その後、湊が珍しくこんな事を言ってきた。
「ねぇ、美紀、海神君、付き合い始めたからって、私たちと遊ばなくなるなんてこと、無いよね?」
「美紀が嫌がるなら別だが、俺はそんな事しないよ。知り合いが変な男ひっかけても困るしな。」
「たっつー、キミは二人のパパなんですか?実は二人とエンコーしてたとか!?いやーん、不潔ー!」
「どうやったらそこに思考が着地したのか教えていただきたいんだが佐々木さんよ?」
「あはは、まぁまぁ、いつもの瑞希じゃん?と言うか、私も別に構わないよ」
「ミキティ、ナニゲに毒舌だよね・・・のりぴ~!」
「はいはい、たまには瑞希も反省しようね?」
「紀子まで敵かっ!?みなっち~!」
「あはは・・・海神君は女の子をお金で買うような人じゃないもんね」
「四面楚歌だ~!」
「あははははっ!!!!」
とまぁこれからの付き合いも変わらずってことで。
ただ湊はまだ狙ってる節があるから気になるんだけど・・・

655:辰則と美紀のクリスマス その後(2/6) ◆POBrm2R/G2
09/01/02 02:16:03 KkqIjKfZ
その日の夜はたっちゃんにお願いしてご飯を作ってもらった。最近はあんまり家でまったりしてなかったしね。
ご飯の後はソファの上でくっつきながらお話タイム。
「そういやたっちゃんのパパもママももう行っちゃったんだね」
「『コレが無くなったらバイトでもするんだな』って書き置きと現金15万円が今朝机の上に置いてあったよ。多分小遣い兼今月の食費だろうけど。相変わらず挨拶とかなしで行っちまったよ」
「あはは・・・」
「まぁ暮らせればどうでもいいけどな」
そういやたっちゃんがこの家で一人暮らしし始めたのが中2になった頃だっけ。
それ以来、ご両親は年数回しか帰ってこなくて、帰ってきて数日いたなと思ったら現金を置いてふらっとまた出て行っちゃう。だから、私もたっちゃんのご両親に会う機会があまり無い。
そんな親なのによくグレないよなぁ、っていつも感心するけど。
「昔から思ってたんだけど、よくグレたりしなかったよね?」
「そりゃ、好きな奴がいたからな。グレてる暇があるなら自分磨きしたほうがよっぽどいいさ」
いつもの柔らかい視線で、遠回しに『ずっと美紀のことを考えてた』って言われたこと理解して、顔が熱くなる。
「・・・ばか」
「バカで結構。事実、美紀と付き合い始めてからかなり浮かれてるからな」
「―っ」
本当に卑怯。まるで麻薬のように、たっちゃんの甘い言葉が私を鋭く、深く抉ってくる。
「たっちゃんなんて嫌い。好きだけど、嫌い」
「なんだそりゃ?」
「これ以上私を惚れさせてどうする気?私、たっちゃんなしじゃ生きていけなくなっちゃうよ?」
「別にいいんじゃないか?俺だって美紀から離れることなんか考えられないからな」
そう言いながら、たっちゃんはさらに強く抱きしめながらキスをしてきた。
たっちゃんの言葉、心地良い抱かれる感覚、柔らかくて甘いキスの感触。
全てが私を縛り付ける鎖。私は甘い甘い牢屋にとらわれてしまった、可哀想な女の子。
恋っていう甘い牢屋に捕らわれた私は、我慢できなくなって、とても卑猥なおねだりをしてしまう。
「ねぇ、たっちゃん、もう私、我慢できないよ」
「俺もだ。美紀が欲しい」
「・・・うん♪」
私の卑猥なおねだりは牢屋の主に了承され、私たちはキスという契約を交わした。

656:辰則と美紀のクリスマス その後(3/6) ◆POBrm2R/G2
09/01/02 02:16:34 KkqIjKfZ
「はうー・・・緊張するー・・・」
今私は、たっちゃんの部屋の布団に包まり、たっちゃんがお風呂から出てくるのを待っている。
瑞希から聞いた話だと『初めて』はものすごく痛いらしい。雑誌には千差万別って結果にはなってたけど、やっぱり身近な人の話を聞くとそれを信じちゃうよね?
とりあえずバファリン飲んどけば痛くないかな?と思ってたときに、
「美紀、開けても大丈夫か?」
「ひゃい!う、うん!大丈夫だよ!」
不意にドア越しにたっちゃんに話しかけられて、変な返事になっちゃった。
「ちょっと遅くなっちまったな。ごめん」
「ううん!大丈夫大丈夫!」
「・・・?」
「な、なにかなたっちゃん?」
「美紀、緊張してるのか?」
「な!何を言ってるのかなぁ私のカレシさんは!わ、ワタシ全然キンチョウしてナイヨ!」
「ところどころ発音がおかしいぞ」
「そ、そんなこと・・・っ!」
たっちゃんが上半身裸のまま、私の頭を自分の胸に当てるように抱きしめてきた。
ドクンドクンってたっちゃんの心臓がビートを刻んでる。なんだか少し落ち着くな・・・
「俺だってな、緊張してるんだ。わかるだろ?」
「・・・うん、ドクンドクンっていってる音が、すごく早い」
「一緒なんだから、無理に虚勢張るなよ」
「・・・うんっ♪」
素肌で触れ合うって、すっごく恥ずかしいんだけど、こんなに心地良いんだ。
「たっちゃん、もう大丈夫。ありがとっ!」
「・・・じゃ、電気消すか」
私の反応に照れたたっちゃんは電気を消そうと私から離れようとしたから、私は離すまいとたっちゃんの腰に手を回す。
「なぁ、美紀。これじゃ電気を消せないんだが」
「・・・いいの」
「いいのって、お前・・・」
「初めてたっちゃんに裸見られるのはとっても恥ずかしいけど、いいの。たっちゃんに全部見てもらいたいから、いいの」
「・・・わかった」
私の裸を見て、なんてとってもエッチなお願いだと思う。でも、たっちゃんになら見られたいのは本当だから。

「ん・・・んはぁ・・・んん・・・」
「ちゅ・・・ちゅく・・・ん・・・」
私のベロとたっちゃんのベロが触れ合う。この間もしたけど、このキスは他の人には許しちゃいけないキス。
だって胸がきゅんって切なくなって、キスしてる人のことしか考えられなくなっちゃうんだもん。
「はぁ・・・ね、たっちゃん」
「ん・・・なんだ?」
「そのまま動かないでね?」
「はいよ」
座ってるたっちゃんに背中を向けて、脚の間に座る。そして、巻きつけてたバスタオルをほどいて、
「み、美紀!?」
「たっちゃん、腕を前に出して?」
「え?え?えーと、こ、こうか?」
私の横からにょきっと出てきたたっちゃんの腕、と言うか手を取って、そのまま私の胸に触れさせる。
「ん・・・そのまま軽く揉んでみて?」
たっちゃんの大きな手ですら包みきれない私の大きな胸。私の後ろでたっちゃんがものすごい興奮してるのが分かって、ちょっと苦笑い。
「ん・・・はぁ・・・気持ちいいよ、たっちゃん・・・」
たっちゃんが優しく私の胸を揉んでくれる。オナニーの時の想像と同じような優しさで、想像よりも大きな感触で。
思わず私の口からいやらしい声が漏れて、おっぱいの先の方がが堅くなるのが分かる。お腹の奥から何かがあふれてくる感覚も、いつもより鋭い。
「ね、たっちゃん。胸の真ん中に、堅い部分があるでしょ?それが私の感じる場所だよ」
「ここが感じるのか・・・触っていいか?」
「うん。でも優しくしてね?」
「分かってるよ」
たっちゃんが指先でおっぱいの先っぽに触れてくる。最初は優しく、徐々に触るだけじゃなく、つねってきたり、ぐりぐりと押し込んできたり。
つねられると体がビクンって反応しちゃって、余計にいじめてくる。息が荒くなって、お腹の奥のほうが切なくなってくる。
と言うかいつの間にか脚がモジモジと動いて、その動きのせいでクリトリスがやわやわと刺激される。

657:辰則と美紀のクリスマス その後(4/6) ◆POBrm2R/G2
09/01/02 02:17:08 KkqIjKfZ
クリちゃんにも触れて欲しい、そう思った私の思考はいつの間にかたっちゃんの腕を掴み、下に導いていた。
「ねぇ、たっちゃん・・・ここね、このちょっと硬いところなんだけど・・・」
「ん・・・なんだかヌルヌルしてるな」
「やぁん・・・恥ずかしいよぉ・・・んんっ!そ、そこなんだけど、そこもいじって・・・?」
「わかった・・・てか美紀、すごい濡れてるな・・・」
「やっ!い、言わないで・・・」
たっちゃんがエッチな言葉でいじめてくる。恥ずかしいんだけど、それもちょっと快感になっちゃってる。私、へんたいさんなのかな?
そんなことをぼーっとする頭で考えていたら、さっきよりも強く、激しい快感が体を駆け巡ってきた。
「ああっ!や!たっちゃんそこ!そこダメなのぉ!」
「ん?ダメなのか?さっき美紀に言われたとこを触ってただけなんだけど・・・」
私がダメって言ったことで、たっちゃんが動きを止めちゃった。ダメって言っても嫌なんじゃないんだけどなぁ。
「や、ダメって言うのは気持ちよくておかしくなっちゃいそうって事で・・・」
「ああ、そういうことね。じゃ、続けるぞ?」
「うん・・・でも、本気で嫌がったらやめてね?」
「わかったよ」
「おねがああっ!いきなりしな、ふあ!いでんんんっ!」
私が喋ってるのにいきなり人差し指と中指でクリちゃんを撫で始めるから妙にエッチな声になっちゃって恥ずかしくなる。
その反応に気を良くしたのか、責め方を変えないでしつこくクリちゃんを撫で続けるたっちゃん。
あこがれてた人にエッチな事されちゃってるって言う事実だけでヤバイのに、そんなに激しくされたら限界が近くなっちゃう。
「ダメダメダメ!たっちゃん!」
「気持ちいいか?」
「うん!うん!でもイっちゃうからやめて!」
「いいよ、一回イっちゃいな」
「がま、できない!イクイクイク!あああああああああっ!」
何を口走ったのか分からないけど、たっちゃんに『イっちゃいな』って言われたせいでふわーっと体が浮いて、思考が全部吹っ飛ばされちゃった。
体が自分のものじゃないみたいにビクンビクンと跳ねる。はぁはぁと荒い息を吐くことしか出来ない。
「美紀、イったのか?」
「うん・・・イっちゃったぁ・・・」
「そうか。良かった・・・」
「ふぇ・・・?」
「この後痛いことするからな。少しでも気持ちよくなってくれればちょっとは違うかなって思ってな」
「えへへ・・・たっちゃんやさしーんだから・・・」
「そ、そんなこんんっ!」
たっちゃんの気遣いが嬉しくって、のしかかって私からキスをする。
キスをしながら気付いたんだけど、たっちゃんの方も準備万端みたい。
「ねぇ・・・たっちゃん・・・もう私は大丈夫だから、そろそろたっちゃんと一緒になりたいよ・・・?」
「う・・・わ、わかった。だが、ちょっと待ってくれ」
「うん♪待ってるよ・・・♪」
たっちゃんが後ろを向いていそいそとしだした。もしかして、ゴムかな?
「こ、これをこうして・・・よ、よし!できた・・・美紀!い、いいか?」
「うん・・・♪」

658:辰則と美紀のクリスマス その後(5/6) ◆POBrm2R/G2
09/01/02 02:17:38 KkqIjKfZ
「こ、ここか?」
「ちょっと上過ぎ・・・あんっ♪そ、そこは別の・・・」
「あ、な、なるほど。じゃ、じゃあここらへん・・・か?」
「あ、そこだよ。そのまままっすぐ来て」
「う、うん」
ちょっと苦労したものの、無事に入れるべき場所を見つけ、私の中へと進んでくるたっちゃん。
私の中が引き裂かれるような感覚に、声が出せなくなる。
「~~~~~!?」
「う、うああっ!なんだこれ!?ヤバッ!」
「ぃ・・・ぁ・・・」
「み、美紀ごめん!痛いだろ!?」
「う、ううん・・・!こんなのいたくなっ・・・~~~~~!!」
痛くないって言おうとしたけど、やっぱ無理。痛いものは痛いんだもん。でも、たっちゃんとしっかり繋がりたい。
「痛い・・・けど、ちゃんと奥までして?」
「・・・分かった。じゃあ続けるぞ」
「うん・・・っ!?」
痛くて逃げたくて、でも逃げたくないから我慢する。声にならない声で痛いと叫ぶ。
「~~~~~!」
「うあ・・・入った・・・入ったぞ、美紀」
「う、うん。いったぁ・・・」
「ごめんな」
「ごめんって思うなら抱きしめてくれないかな・・・?」
「うん。分かった」
たっちゃんがぎゅって抱きしめてくれる。全部繋がった上で抱きしめてくれる。
その事実に嬉しくなって、少し痛いけどお腹の中がきゅんってなる。
「って美紀!動かすなって!」
「え?動かしてないよ?」
「な、中がグネグネしてやばいからっ!」
「そんなこと言われてもどうやったら止められるのか分からないよぉ」
「あ、もう無理!うあああっ!」
「はうっ!」
たっちゃんのが中でビクンビクン震えてちょっと痛い。・・・って言うか、もしかして?
「た、たっちゃん、もしかしてイっちゃった?」
「・・・言うな」
「え、えへへっ♪」
「可愛くしてもダメ。傷ついたぞ・・・」
「ご、ごめんってばぁ!」
痛かったけどたっちゃんの意外な事実(早撃ちさん)ということが分かってしまった、私たちの初めてのセックスはあっけない幕切れとなってしまった。

659:辰則と美紀のクリスマス その後(6/6) ◆POBrm2R/G2
09/01/02 02:18:09 KkqIjKfZ
「なぁ、美紀」
「ん~?なあに?」
「やっぱり早いよな・・・」
「さっきのこと?」
「うん・・・」
ベッドで横になりながら、先ほどので自信を失ったたっちゃんが私に愚痴ってくる。私は全然気にしてないのになぁ。
「私は全然気にしてないよ?」
「・・・本当か?」
「うん。それにね、たっちゃんが私の中で気持ちよくなっちゃったから、ああなったんだよね?」
「・・・うん」
「だからいいの。と言うか最後までちゃーんと出来て嬉しかったんだよ?」
「・・・そうか」
「うん♪だから気にしないで?」
そう声をかけながら、たっちゃんに抱きつく。裸で抱きつくのってすっごく気持ちよくって、思わず甘えんぼになっちゃう。
「ね、ね!頭撫でて?」
「・・・はいはい」
呆れたように、でもどこか安堵した雰囲気のたっちゃんが私の頭を撫でてくる。その心地いい感じが私を少しずつまどろみへと誘う。
「たっちゃん・・・ちょっと眠たくなってきちゃった・・・」
「俺も疲れて眠くなってきたよ・・・寝るか」
「うん・・・ね、寝る前にキス、して?」
「ああ・・・」
ゆっくりと優しい、触れるだけのキス。流れ込んでくる優しさに包まれて、私は落ちていく。

「たっちゃん・・・おやすみなさい・・・」
「だいすき、だよ・・・」

660: ◆POBrm2R/G2
09/01/02 02:19:00 KkqIjKfZ
以上で終了。お粗末さまでした。

661:名無しさん@ピンキー
09/01/02 03:53:32 ppfNsx7G
GJ
畜生…俺だって今年こそは幼馴染作…れないな

662:名無しさん@ピンキー
09/01/02 04:38:02 11en6tsW
ヒャッハー!GJだー!
エピローグとか期待してみていいかのう

663:名無しさん@ピンキー
09/01/02 12:32:01 lXxK6lUU
しょうがつからフルオッキしてしまた

664:小ネタ・『全自動人間発火装置』
09/01/02 12:49:37 8H4iRliD
「う~、寒い~~」
 俺の幼馴染みがかたかた震え始めたのが三日前。
 いつも俺の家に勝手に上がり込んでは好き放題している一夏も、寒さには弱い。
 ヒーターで対応してみたものの、ヒーターの前にぺったりと張り付いてしまった一夏は、多分凄く危ない。
「そんなにひっついてると発火するぞ」
 そう言って一夏をヒーターから引っぺがそうとしたのだが、一夏は大きく身体をねじって俺の手から逃げだすと、ヒーターにしがみついた。
「やだっ!こっから動いたら寒くて死んじゃうんだからっ!!」
 こうなったら一夏をどうにかするのは至難の業だ。
 これでも一応女の子なので、俺が触れてはいけない部分が沢山存在する。
 と言うか、むしろ触れちゃいけない所だらけな身体の穏便な部分だけに触れつつ、暴れる一夏をヒーターの前から除去するのは不可能に近い。
 俺は溜息を吐いて一夏を見下ろすと、すたすたとヒーターの後に歩いていき、
「えい」
 ヒーターのコンセントを引っこ抜いた。
「ちょっ……卑怯狡い反則っっ!!!!」
「あ~はいはい、分かったからいい加減ヒーターから離れろ。それはもう何も出てこないただの箱だぞ」
「コンセントつけてよ! こんな寒いと凍死する~!」
「しないだろ普通。それよりお前が発火する方が早い」
「だって、こんな寒いのに炬燵も何にもないなんて酷いっ!!」
「生憎炬燵布団はクリーニング中だ。誰かさんが柚子茶を盛大にこぼしたせいでな」
 じろりと睨むと流石に一夏も何も言えないらしく、挙動不審に口笛などを吹き始めた。
 しかも口笛が下手なので、傍目にはひょっとこの真似をしてふーふー息を吹いているようにしか見えない。
 ああ、間抜けだ、こいつ。
 俺が呆れた顔で見ていると、一夏は自分から注意が逸れたと思ったのだろう。
「隙ありっ!」
 素早い動作で立ち上がり、俺の手からコンセントを奪おうと飛びかかってきた。
 だが悲しいかな、俺と一夏じゃ身長差がある。
 俺がコンセントを持った手をひょいと上げると、一夏の手は虚しく空振りし、その上勢い余ってヒーターのコードに足を引っかけ、見事に転んだ。
「……っきゃああ!?」
 べちゃ、と言う音がしたように思う。
イモリみたいな格好で床に這い蹲った一夏は、何というか、非常に。
「馬鹿だ……」
 あんまり馬鹿なんで暫く放っておくと、今度は床で手足をわさわささせながら、しくしくと嘘泣きを始めた。
「寒いよ~、痛いよ~、人の冷たさが心にしみるよ~~」
 炬燵布団がクリーニングから帰ってくるまであと四日。
 明日の天気予報が雪だったことを思い出して、俺は重くて長い溜息を吐いた。
 


正月早々の新作ラッシュに便乗投下。
今年も良い幼馴染みがこのスレで拝めますように。

665:名無しさん@ピンキー
09/01/02 19:30:52 fmrTUXYP
みなさんGJ!

666:名無しさん@ピンキー
09/01/04 14:16:53 1oLtsRjv
ええい、ぬくもりを求めて幼馴染に抱きつく続きはまだか!
GJだと言わせてもらおう!

667:名無しさん@ピンキー
09/01/06 07:52:07 prDsX79A
ぐっじょおぶ
幼馴染とお雑煮食べたい

668:お雑煮
09/01/08 21:09:44 jyqHa2xi
「……ん?」
 走り始めたばかりでまだ団子状態の駅伝に飽きて、少しぬるくなり始めたお椀に目を移すと、
なにやら茶色がかった物体が増えている気がする。というか増えた。
「入れたろ」
「違ふよ」
 白々しく餅を頬ばりながら首を振られても。
「お前なぁ、俺だって椎茸あんまり好きじゃないんだよ」
「私、嫌い」
「レベルの話じゃないんだ。人ん家で雑煮食っておきながら好き嫌いすんな。ましてや人に押し付けるな。
いい大人が―」
「よそではやんないもん」
 俺は例外かよ! 同じ例外ならもっといい思いできるのがいいよなぁ。
「ってか昔は食えたじゃん」
「大人になるって悲しいものよ? 知りたくなかった……菌だなんてっ」
「イメージ先行かよ! 俺は味が嫌いなんだ。レベル高いだろ。むしろ俺の分も食え」
 箸で自分の分もまとめて差し出すとそっぽを向かれた。
「いやだしー。そうだ! 私たちのお雑煮はノン椎茸にしよう」
 これは名案。とばかりに手を打つ姿を見ながら、冬のボーナスで指輪を買いにいくべきか、そんなことをふと思った。

669:名無しさん@ピンキー
09/01/09 00:26:17 PBgDCBgJ
GJ!
仕事が早いね

キノコ食えない俺としては親近感沸きまくりwww

670:名無しさん@ピンキー
09/01/09 00:41:36 7aIMnqtk
股間のキノコは食わせてる癖になwwwwwwww

671:名無しさん@ピンキー
09/01/09 09:30:59 tdNDicb0
下ネタじゃねぇか!


【某芸人風に】

672:名無しさん@ピンキー
09/01/09 10:00:49 bBSgeaZ/
>>668
俺が椎茸食べるから幼馴染をください…

673:名無しさん@ピンキー
09/01/09 12:21:12 rdEBonDW
じゃあ俺が幼なじみ食べるから椎茸やるよ

674:名無しさん@ピンキー
09/01/09 17:26:49 cT8zQnKa
好き嫌いしない俺がまとめてもらってくわ

675:名無しさん@ピンキー
09/01/10 02:45:10 OFyjrG5e
ツンデレ幼馴染みの足を舐めさせられたい

676:名無しさん@ピンキー
09/01/10 02:50:36 DnWN7+Zj
むしろ足を舐めさせてもらう

677:名無しさん@ピンキー
09/01/10 11:26:51 ZmdfXXeO
>>676、あんた本気なの? 土下座までしちゃってぇっ……ふふっ、本気で私の足を舐めたいんだ?
 だいたい恥ずかしくないの? 幼馴染みの私だから良いけど、他の人にこんなこと胃ったら警察に連れてかれちゃうよ?
 くすっ、わかってるわ。ちゃんと舐めさせてあげるから、あんっ♪ そんなにがっつかないの♪
 ストッキング脱ぐから待って……はっ? ストッキングの上から舐めたいの? どんな変態よ……頭痛い。
 んんっ!? くすぐった。足の裏なんて、よく舐めれるわね? ほんと、凄い変態。幼馴染みヤメたくなったわ。
 へぇ? はっ? 縁を切っても良いからこのまま舐めさせてくれ?
 フザケないで! はぁん、くっ……絶対に離れないからねっ!?
 あんたみたいな変態は、私が面倒見てあげないとダメなんだからっ!! 放さないんだからぁっ!!
 ふぅっ、ふぅっ、はぁぁっ……そうね、ずっと一緒にいるなら、好きなだけ舐めさせてあげる。
 ほら>>676。あんたの唾液でドロドロになっちゃったわ。足の裏も、指も、ストッキングも。
 このドロドロでぐちゅぐちゅな足で、どうして欲しいの?
 ふふっ、膨らんでる>>676の……足で擦って欲しいんでしょ?」


678:名無しさん@ピンキー
09/01/10 13:59:47 jkxOW4eu
ぐああああああああああ
毎日起こしにきてくれるようなツンデレ幼馴染物がよみてえええええ
誰か書いてくれええええええええ

679:名無しさん@ピンキー
09/01/10 17:52:21 A5Jr/VbC
「ちょっと>>678! いつまで寝てるの!? 早く起きないと、こっ、こうしてやるだから……ちゅ」

680:名無しさん@ピンキー
09/01/10 19:42:47 H8NIKq1u
何この流れ

681:名無しさん@ピンキー
09/01/10 19:42:59 jkxOW4eu
>>679
頼む、それを長編にしてくれええええ
俺は文才が無いから無理なんだ

682:名無しさん@ピンキー
09/01/11 00:51:07 63heKC/b
文章なんてその気になって勉強すれば誰でも書けるだろ。
文才がないなんて言ってるのは、やる気のない奴だけだ。

683:名無しさん@ピンキー
09/01/11 01:14:43 vjoKC3XS
ツンデレ幼馴染にオナニー見学されて手コキされて足コキされてオナホ責めされるボイスドラマがあったなぁ
M男向けボイスなので挿入ないけどオナホで童貞奪われて責任とってあげる一生逃がしてあげない言われて最高だった

684:名無しさん@ピンキー
09/01/11 01:34:31 eGRF4a/1
なんて名前のCD?
是非欲しい

685:名無しさん@ピンキー
09/01/11 01:42:01 373O08Jj
アイロンウェアーだな
たしかDL販売しかなかった希ガス

686: ◆POBrm2R/G2
09/01/11 03:14:06 jRn2pDit
辰則×美紀のエピローグ、ではありませんが、続き話を投下。
4レスお借りいたします。NGワードは「◆POBrm2R/G2」「未来の僕へ」

687:未来の僕へ(1/4) ◆POBrm2R/G2
09/01/11 03:14:48 jRn2pDit

    未来のボクへ

未来のボクは、美紀ちゃんとなかよくしてますか?

今のボクは、美紀ちゃんがすきです。

これを読んでいる未来のボクは、まだ美紀ちゃんのことが好きですか?

それとも、べつの人が好きですか?

できれば、この手紙を書いていたころと同じように、美紀ちゃんをすきでいてください。

そして、美紀ちゃんにいっぱいのよろこびをあげてください。

きっと、その思いは美紀ちゃんにつたわると思うから。

7さいのボクから、未来のボクへ



688:未来の僕へ(2/4) ◆POBrm2R/G2
09/01/11 03:15:21 jRn2pDit

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

美紀と付き合い始めて2週間とちょっと。学校も冬休みを終え、いつも通りの生活に戻った。
いや、いつも通りというのには語弊があるな。美紀と一緒に登下校するようになったし、それをクラスメイトに茶化されるようにもなったな。

それはともかく、冬休み開けの最初の休みの日、ちょっと部屋が散らかり始めたので押入れも含め掃除していたら、押入れの奥の方からなにやら古びた箱が見つかった。
その箱を開けてみると、それは昔の俺が書いたタイムレター、とでも言うのだろうか?そんな品が発掘された。
他にも美紀と一緒に写った写真や、美紀から貰ったのであろう手紙など、懐かしいものがたくさん入っている。
その中でも一番、目に留まったのはこの手紙。とても拙い文章だけど、美紀への想いがとても詰まっていて、ちょっと前の俺が忘れかけてた、人を純粋に好きになる気持ちが蘇ってくる。
当時の俺が何でこんなものを書いたのか、今となっては忘れてしまったが。
美紀に見せるのはちょっと恥ずかしいが、どういう反応をするのか気になったので、後で美紀の部屋に行くときにでも持っていくか。

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

「へぇ、昔のたっちゃん、そんなことやってたんだ」
「俺も何でやったのかは覚えてないけどな」
今は例の箱を美紀の部屋に持ち込み、それをネタに話している。
「わ!こんな手紙とか写真が残ってたんだ!なつかしーね♪」
「あー!こんなこと手紙に書いてたんだ・・・恥ずかしーなぁ・・・」
まぁ話している、というよりは美紀が1人で盛り上がってる気がしないでもないが。
「む、今たっちゃんなんか失礼なこと考えてない?」
「いや、それより俺の手紙を見てくれないか?」
「むー、なんか話を逸らされた気がするんだけど・・・」
「気のせい気のせい」
不承不承、美紀は俺の手から手紙を受け取り、手紙を見始めた。
「へたくそな字でごめんな。読めるか?」
「・・・」
「美紀?」
返事をしないので美紀の方を見ると、美紀は目尻に涙を浮かべ、口をぎゅっと結び、涙がこぼれない様にこらえていた。
「美紀!?ど、どうした?な、なんか変なことでも書いてあったか?」
「・・・ううん、むかしのたっちゃんがね、私のことを好きでいてくれて、今のたっちゃんも好きでいてくれて、
 今のたっちゃんはこの手紙を忘れてたのに、内容を守ってくれてて、とっても嬉しいの・・・」
「・・・そうか、でも気持ちに偽りはないから、安心しろ」
「うんっ!うんっ!!」
美紀が俺に抱きついて嗚咽し始めた。俺は美紀を抱きしめ、髪を優しく撫でてやる。

「たっちゃんは本当に卑怯」
「は?何がだ?」
美紀が泣き止んだと思ったら、突然そんなことを言い出した。
「いつも優しくしてくれたりとか、いきなり告白してきたりとか、こんな手紙を書いてたとか。いっぱいいっぱい嬉しすぎて、恩返しできなくなっちゃうよ」
「いや、恩返しなんかしなくていいから、今までよりも好きでいてほしいな」
笑顔で頷いてくれるとおもったら、ちょっと考え始めた。
「・・・じゃあ、試してみたいことがあるんだけど、いい?」
「ん?試してみたいことって何だ?」
じゃあって何だ。別に恩返しとか要らないんだけどな。
「・・・あのね、たっちゃんのを、な、舐めてみたいんだけど・・・」
「・・・え?」
「だ、だからぁ!・・・たっちゃんの、お、おちんちんをね、な、舐めてみたいの・・・ダメ、かな?」
恩返しの方向性が意外すぎてさすがの俺でも動揺を隠せない。
「い、いやいや、ダメじゃないんだけどダメというか、これ汚いし、俺すぐイっちゃうし」
「・・・ダメ?」
「うぐっ・・・」
さっきまで泣いてたせいで潤んだ瞳、しかも上目遣いで見つめられて、エッチなお願いをされた男が『OK』以外の答えを言うであろうか。いや、ない!
「わ、わかった。で、でも先に風呂に入らせてくれるか?」
「・・・うんっ♪」
せめてもの頭を冷やす時間が欲しかった俺は、とりあえず風呂に入ることにした。
風呂の中でそのことばかり考えてしまい、結局冷やすどころか加熱させる結果にしかならなかったのだが。

689:未来の僕へ(3/4) ◆POBrm2R/G2
09/01/11 03:15:57 jRn2pDit
彼女(幼馴染)に昔の手紙を見せたら、フェラされることになった。どうしてこうなったのかはよく分からない。
エロゲスキーで某掲示板ユーザの和也にこんなことを言ったら、多分『sneg』と返ってくることだろう。俺自身ですらそう思うんだがな。

「じゃ、じゃあお願いします・・・」
「は、はい!お願いされますっ!」
そして始まってしまった、ある意味初体験。
「こ、これが普通の状態、なの?」
「あ、ああ。」
美紀に見られている、それだけで俺のアレが熱を帯び、硬さを取り戻す。
「わあっ!何にもしてないのにおっきくなってきてる!」
「・・・美紀に見られるのは恥ずかしいんだが・・・」
「じゃあ見られておっきくしちゃってるたっちゃんはへんたいさん?」
「ち、違う!」
と思う。そんな趣味はない。と脳内で言い訳していたら、美紀が前振りもなく触ってきたので、聞かん棒が勝手に反応する。
「うっ!」
「わっ、ピクンってした!・・・コレって熱くて硬いんだね」
「自分ではよくわからんが・・・」
「どうすると気持ちいいの?」
「・・・言わなきゃダメか?」
「うん、ダメ♪」
笑顔でそんなこと言わないでくれ、こっちが恥ずかしくなるから。
「・・・とりあえず軽く上下に擦ってくれ」
「こう?」
「うううっ・・・」
「これが気持ちいいんだ?へぇ♪」
俺の彼女は人がよがるのを楽しんでるようだが、『うう』とか『うあ』とか情けない声をあげることしか出来ない。
美紀に触られてるって事実だけで結構ヤバイのに、強烈な追撃が来た。
「じゃあこれはどうかな?」
美紀が先のほうを舐めたせいで、痺れる様な快感の電撃が体を駆け巡る。
「うああっ!」
「たっちゃん、気持ちよかった?」
「あ、ああ・・・」
「えへへぇ♪じゃあ続けてあげるね?」
美紀が愛しそうに、優しく頭を、竿を舐めてくる。一回一回の刺激が強すぎて、情けなく声をあげる。
自然と手が美紀の頭を掴み、離れないよう押さえつけてしまう。
「うあああっ!なんだこれっ、溶けちまうっ!」
突然美紀がアレを口に含んだせいで、妙なあえぎ声が出てしまう。
「ひもひいい?」
「み、美紀!しゃぶりながら喋るなっ」
咥えられながら喋られると、舌の動きが複雑になって色んなところが刺激される。
「ほめんほめん♪」
「うあ、だ、だからっ!ああっ!」
ごめんごめんと言った後、口で絞りあげるような動きで口撃し始め、限界が近くなる。
「み、美紀はっ、どこでっ、そんな技覚えっ、るんだっ!」
「ほんらよ~、ひもひいい?」
「や、ヤバイっ!イキそうだっ!」
「いっへいいよ♪」
と言った後、手で幹を擦りながら先のほうを口で擦るようにしてきた。
「うあああっ!美紀っ!イクっ、から離せっ・・・!」
全身の感覚が美紀に愛撫されてる部分に集中する。足とか手が妙な力が入ってる気がするが、それすらも良く分からない状態だ。
奥のほうから精子が競りあがってくる感覚。どこに出て行くのも分からない。ただ出したい。
「んんっ!?」
第一射、発射。どうやら美紀は離さず口で受け止めたみたいだ。このまま美紀の口の中を犯したい衝動に駆られるが、我慢。
「美紀っ、早く離れろっ!」
「んん~~~!!!」
美紀は首を振ってイヤイヤとする。それがさらに刺激となり、第二射、第三射が発射される。
「んんっ!えほっ!えほっ!」
勢いと量のせいだろう、美紀がむせ始めた。
「だから離れろって!」
それでも美紀は離れてくれない。目をぎゅっと瞑って、むせながらも俺の射撃から耐えている。

690:未来の僕へ(4/4) ◆POBrm2R/G2
09/01/11 03:16:35 jRn2pDit
全ての発射が終わり、全身がだるい感じに襲われる。このままベッドに倒れこみたいが、その前に美紀をアレから離さないとツライ。
「美紀、もう全部出たよ。離してくれ」
「ん♪」
「ほら、ここに吐き出せよ」
美紀にティッシュペーパーを渡すと、さすがにつらかったのか、むせながら吐き出した。
「ごほっ、こほっ・・・はぁ、コレって苦いんだねぇ」
「だから俺は口を離せって言ったのに・・・」
「あはは、大丈夫だと思ったんだよぉ」
「まったく・・・」
苦かったのか、舌をべーっと出して言い訳をする美紀。
「ね、たっちゃん、気持ちよかった?」
「・・・ん、よかったよ。ありがとな」
そう言いながら、頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を細めて、俺の胸に寄りかかってくる。
ふわりと漂う美紀のシャンプーの香り、美紀の暖かさが伝わってきて、心が温かくなる。
「美紀」
「なに?」
「とりあえず口をゆすいで来い。気持ち悪いだろ?」
「うんっ」
さすがに口の中が気持ち悪いのか、さっさと洗面所に行こうとする美紀に、感謝の言葉を伝えたくなった。

「・・・美紀」
「うん?」
「ありがとう、愛してるよ」
「・・・うんっ♪」

691: ◆POBrm2R/G2
09/01/11 03:17:14 jRn2pDit
以上で終了です。お粗末さまでした。

692:名無しさん@ピンキー
09/01/11 03:49:48 rtDuYzza
GJすぎる!!
次は足か……?

693:名無しさん@ピンキー
09/01/11 12:55:38 PUf78SY6
>>691
最高や!!!!
次は何をするきなんや!

694:名無しさん@ピンキー
09/01/12 02:20:40 TtDUhhiI
>>691
ご馳走さまでした


俺、死ぬ直前は「幼馴染が…欲しかった…ぜ…」って言う事にしたんだ
絶対に言うんだ

695:名無しさん@ピンキー
09/01/12 14:33:10 V0xdwJOV
美樹エロすぎるよ美樹


ところで、そろそろ次スレの時期だな

696:名無しさん@ピンキー
09/01/12 14:34:13 V0xdwJOV
ごめんよ美紀orz

697:名無しさん@ピンキー
09/01/13 15:47:49 frKiFvfg
ツンデレ幼馴染物が読みたい・・・グスッ

698:名無しさん@ピンキー
09/01/13 20:49:43 0U4UPnU/
華麗な彼氏の続きをずっと全裸で待ってます

699:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:27:56 Kz06p41c
絆と想いの続きを全裸にネクタイで今でも待っています。

700:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:53:16 TyABl3cs
俺の幼なじみ
男子a・女子aと結婚 イケメン
男子b・女子bと結婚 そこそこイケメン
女子a・男子aと結婚 そこそこ美人 元水泳の全国区の選手
女子b・男子bと結婚 微妙な顔
俺・ヲタ 童貞
何故俺だけこんなことに

701:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:58:08 uGs9IEu5
三人の続きをいつまでも(ry

702:名無しさん@ピンキー
09/01/13 23:31:50 k5OQIgRl
>700
いい加減うぜー!リアルの話なんぞどうでもよいわ!!

703:名無しさん@ピンキー
09/01/13 23:38:37 5jRYsJHE
カレー臭のする幼なじみマダー?

704:名無しさん@ピンキー
09/01/14 00:40:38 xaM+z2Kj
カレープレイか。。。

705:名無しさん@ピンキー
09/01/14 08:23:33 eIvnRfhh
>702 とか
いや、自分が言うのも何だが、藻前ら、だいじょうぶか……?

普段現実をちゃんと生きていて、休憩するときくらいは二次元一次元に浸りたいというなら別にいいが、
まっこうからリアルを否定して生きている人間はいつか壊れるぞ。なぜならば所詮我々は、肉の棺に閉じこめられた身なのだから。

その辺しくじると、破滅するぞー。私のように。
気をつけろ。休むのはいいが、逃げると追い込まれる。気が付けば檻の中だ。(なお、私のコメントはスルーしていただきたい)


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