【友達≦】幼馴染み萌えスレ16章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ16章【<恋人】 - 暇つぶし2ch500: ◆uC4PiS7dQ6
08/12/09 13:59:58 M+U4Ucf9
>>395の続き。
次から投下。

501:『寝取られ彼氏』後編 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/09 14:02:12 M+U4Ucf9
1
 村雨は存在しない俺の彼女へと嘘を言い並べ、ボリュームダイヤルを最低ラインまで回す。
 それに俺の耳を悪戯している時の様に息が荒い。きっと自分で放った言葉で興奮し出したんだ。だからボリュームを消した。
 しかしまぁ、村雨は俺の彼女にこの映像を見せて別れさそうとしてるんだろうが、これじゃレイプだ。信憑性のカケラもないぞ? それを気付け無い程、焦ってるってか……逆に俺は、一発抜かれたから冷静になれてるけどな。
「それじゃあ、はぁぁっ……するからなコタ。あっ、処女膜は無くても、私は正真正銘の処女だから。処女膜はな……ふふっ、7歳の時にオナニーで破ってしまったよ。
 忘れもしない、コタと私の家族で遊園地に行った日だ。私がコタの手を引っ張ってはしゃいでたら、家族とはぐれてしまったろ?
 でもコタは、自分も泣きたいはずなのに私を抱き締めて慰めてくれた……私はコタの耳をおしゃぶり代わりにして、泣き声を殺すだけで精一杯だったのにな。
 その夜だ……オナニー自体は5歳の時からしてたんだが、擦り付けるだけじゃセツナくて。指を……挿れたんだ。コタを想って、痛くても我慢して、激しく、激しく……そしたら破れてしまった」
 村雨も落ち着きを取り戻し、淡々と語られる幼い頃の思い出。
 これで確信する。99%の自信で自惚れられる。村雨も俺に好意を持ってたけど、何らかの理由で俺の告白を断ってたんだと。
「コタを手放したくない。だから……だからっ! たくさん誘惑してきたのにっ!! なんで襲ってくれないんだよコタっ!? しかも勝手に彼女なんか作っちゃうし、最低だ!!
 コタが私をレイプしてくれれば……罪悪感を持ってくれれば、例えコタが私を嫌いになっても離れられなくできたのにっ!!
 でも、もういい……今日はコタの赤ちゃんを孕むって決めたからな。コタの赤ちゃんいっぱい産むんだっ♪ ふふっ、なぁコタ? 子供の名前……どうしよっか?」
 ボリュームを元の位置へ。ローレグのクロッチ部分に中指を引っ掛け、躊躇なく横へスライドさせる。
「んんっ!!?」
 覗くのは、薄毛の丘に控え目でピンク色の秘唇。左右に分かれる唇の間からは、ふくらはぎまに到達するまでトロットロの糸を伝い垂らす。
 肩で息をするまでに興奮してテンションを高めながら、
 頬を紅潮させて瞳を水分たっぷりに潤ませながら、
 相変わらずの妖艶な笑みで、ビデオカメラを俺のペニスに向けたまま腰を下ろし始める。
「ふぅっ、ふぅぅっ、コタぁっ……」
 ゆっくり、ゆっくり。俺の上に。
 でも、

 ペチンッ……

 入らない。村雨の独白を聞いている内に硬度は無くなり、フニャリと情けなく曲がっていたからだ。
「コタっ! コタっ! コタぁっ!!」
 しかし挿入されてなくとも、村雨は関係無く腰を上下に動かし続ける。

 ペチン! ペチン! ペチン! ペチンッ!!

 村雨の生器に何回も押し潰され、ヌチュヌチュと吸い付く唇に挟まれてヘソに打ち付けられ、その度に愛液が溢れ出してペニスを粘着質にデコレートしていく。
 胸を弾ませ、俺の名を連呼しながら、俺の大切な幼馴染みが、俺を勃起させようしている。
 繋がる為に。セックスする為に。俺を彼女から寝取る為に。
 ちっくしょ! エロ過ぎるんだよ!!
「んっ、ぐっ……」
 夢に見ていた、昨日までオナペットにしていた村雨の裸身。それが今、目の前で淫らに揺れている。
 俺の告白を断っていた理由だって、本当に馬鹿げたモノ。こっちは何年片思いしてたと思ってんだよ?


502:『寝取られ彼氏』後編 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/09 14:05:10 M+U4Ucf9
2
 だから早く村雨を安心させないと。もう一度、心を篭めて告白しないと。セックスはその後。
 裸の村雨が誘ってるのに、これ以上我慢して待ってたら化石になっちまう。
「むっ、やっ、ひゃ、めっ! はっ、しゅ、せっ!!」
 できる限りの単音で『村雨、外せ』と口の自由を訴えてみるが、
「ああっ? む、ら、さ、め、ハ、メ、て? そうかそうかコタっ……いっぱいコウビしような♪♪」
 全く疎通されずに、笑顔で頷いて腰の動きを激しくさせるだけ。
 ハ、しか合って無いだろうがっ! くっそ、もう知らん!!

 パチンッ! パチンッ! パチンッ! パチンッ! パチンッ!

 一心不乱に騎乗位で腰を振る村雨。どんなAVよりもエロティックで、俺のペニスを硬化させる最高の媚薬。
 それに、こんな強引に性器同士を擦り合わせられては、射精して間もないから勃起しない……なんてヘリクツが通用しない。
「おっきく、なったなぁコタ。それじゃ、『はじめて』を……交換しような♪」
 ねっとりとした村雨の淫液に塗れ、再びペニスが棒状に変化して血管を浮かび上がらせる。
 ぎゅっちぃぃぃっ……
 そして幼いヴァギナが中指と薬指で左右に拡げられ、透明な蜜を零す穴にペニスの先端があてがわられた。
 皮に包まれたクリトリスに、ぷっくりと膨れたオシッコの穴に、その下。湯気が見えそうな程に熱い、膣内への挿入口。
 村雨の瞳は潤みを増し、涙となって目尻から漏れ出す。その雫が頬から顎先まで流れた瞬間、
「ははっ……やっと、ひくっ、ひっく、コタとぉっ……えっち、できるよぉっ。うくっ、うぅっ……ふんんっ!!!」
 甲高い村雨の艶声と共に、ペニスは根元まで包み込まれた。
 一息で打ち落とされ、奥の奥まで優しく迎え入れる。
「んむああああぁぁぁああっ!!?」
 俺はあまりの気持ち良さに悶え叫ぶだけ。
 膣内射精だけはしないように堪えるだけ。だけどこんなの無理!
「ぅあぁ、あっ、あん! くぅっ……みてるかぁ、彼女さん? いま、おまえの彼氏はぁっ、はぁん♪ 幼馴染みにチンポ突っ込んで、ふあぁ……んんっ、よがってるぞっ♪♪」
 パン! パン! パン! パン! パン! パンッ!!
 五度目。六度目。村雨も初めてに関わらず、腰を振るスピードは一向に変わらない。あくまでスムーズに、ペニスから精液を搾り取る動きで弄ぶ。
 中は熱く狭く、トロけてヌメる柔肉。膣壁は細かなヒダを隙間無く絡み付かせ、キュウキュウとキツく締め上げる。沈む時はカリを愛情たっぷりに撫で回し、抜ける時は行かないでと引っ掛かって吸い付く。
 ああ、駄目だ、負ける。この快楽を貪って、腰を突き上げれば更に気持ち良いかもしれない。
 膣内射精を強要する幼馴染みに、十四年分の思いをブチ撒けられるかもしれない。しかも全部を受け止めてくれると言ってる。
 なんて魅力的……だけどっ! 未成年で子供作って、幸せになんかなれるかよ!!
「んぐううぅぅああああぁぁぁぁぁっ!!!」
 口を塞いでいたガムテープは唾液に濡れて緩み、微かに剥がれた箇所から空気の出入りを許していた。
 俺は唇の間に舌を差し込み、できる限りガムテープを押し上げる。


503:『寝取られ彼氏』後編 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/09 14:11:14 M+U4Ucf9
3
 そしてそれはペリペリと、村雨の手によって剥がされた。
「ほらっ、彼女に謝れコタ。付き合ってその日の内に浮気してすみませんて、ボクは幼馴染みと付き合いますって……言えっ、コタっ!」
 ガムテープは丸めて部屋隅に投げられ、カメラレンズが俺の顔を捕らえる。
 村雨に脅迫された言葉。言えば誤解は消えるだろうが、現状の打破にはならない。
 既にカウパーが出てるって自覚してるし、もう我慢してられる自信は無いから、俺が言うべき台詞は決まってる。
「はぁっ、はぁっ、ムラサメ……もう、イキそうなんだ。このままだとマズイからっ、早く抜いてくれっ!!」
 カウパーだって孕ませる危険が有るんだから、下手したらとっくにアウトかもしれない。とにかくギリギリだっ!
 村雨へは安全を確保した後で、満足するまで思いを告げれば良い。
「んっ? コタだって赤ちゃん欲しいよな? 私に似てて、私の次にカワイイんだぞっ♪」
 本当に限界。ゆったりとした狂ってるとさえ感じる問いに、全力で首を左右に振る。
「まずは抜けよ! 早く! はやくっ! ハヤクッ!!」
 腰の動きは止まっていても、その中は別。膣内だけが違う意思を持っているかのように妖しく蠢き続けるのだ。
 自在に膣圧を変化させ、竿から裏スジ、カリ首、先端の鈴口に至るまで、余す所なく揉みほぐす。
 まるで搾精器。ただ挿れているだけで、快楽の波に当てられて射精に導かれる。我慢してる身としては、たまったもんじゃない。
「ふっ、しょうがないなぁコタはっ♪ すうぅっ、はぁぁっ……んふぅっ!!」
 イク寸前の敏感なペニスを擦り上げながら、少しずつ村雨の腰が浮き始める。
 ぢゅぶぶぶぶぶぶぶぶっ……
 とてつもなく甘い刺激で誘惑した蜜穴は、漸く先端まで。
 やっとだ、やっと終わり。そう思って村雨の表情を見れば、吊り上がった口元も、三日月にして笑う目も、何一つ解消されていなかった。
「私はわかってるぞ? 幼馴染みを妊娠させたくないんだろ? でもなコタ……そんなワガママ、通らないんっ、だっ!!!」
 ぢゅぱあぁぁぁぁぁんっっ!!!
 村雨の体重が掛けられてる。ペニスは再び気持ちいい穴の中。腰は勢い良く打ち落とされた。
 グツグツと、奥底からマグマの如く噴き上がる感覚。睾丸に準備されていた精液は、次々と管に転送される。
「あ、あ、あっ、あっ、あっ……うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 人生で最も巨大な咆哮。十四年分の溜まりに溜まった村雨への想いが、絶頂の快楽と混ざって爆発した。
 抑えられない。ビュクビュクと、とてつもなく長い射精。空になるまで注ぎ込む。
「ふぎいぃぃぃぃっ!!? あっ、あついぃっ……はぁぁっ、やっと、イッたなコタぁ……わたひなんて、もうっ、十回イキだぁっ♪♪
 あは、はっ……わたし、ムラサメはぁ、性欲盛んな、男子校生のぉ、こだち君にぃっ……ナカらしキメられちゃいましゅた♪♪」
 村雨は、白濁した液がゴポゴポと泡立ち、逆流して溢れ出す接合部を撮影しながら。俺はそんな村雨を見上げながら。二人揃って涙を流す。
「なんで、だよぉ……抜いてくれるって、言ったろ?」
 嬉しさと、悲しさと、情けなさで睨み付ける。
 全てが終わって、どうでも良くなって、自暴自棄になって、ポッキリと折れた心で村雨を責めた。
「ちゃんと抜いたぞ? おちんちんから、こゆくて、いっぱつで着床する精液を、たっくさん『ヌいた』じゃないか? まったく、何を言ってるんだコタ……っと違うな、何を言ってるんだ、パ・パ♪♪」
 しかし、そんな暗い声は届かない。満面の笑みを浮かべる彼女には届かない。
 返って来るのは、俺に向けられる、俺だけに向けられる、幸せそうな最高の笑顔。
「そうだな……ムラサメが隣に居るなら、それでも良いや」
 言い放つ台詞は尋常を逸脱していても、欲しかったモノを手に入れた心は暖かくなっていく。
 俺は心まで彼女に寝取られて。気持ち良い脱力の中、ゆっくりと目を閉じた。


504:『寝取られ彼氏』後編 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/09 14:16:16 M+U4Ucf9
4
 深夜も十二時を回った頃。順番にシャワーを浴びてさっぱりした後、服を着替えてベッドに腰掛ける。
 三歩も離れた前には、予備のパジャマを来て、床に正座して俯く村雨。
「ゴメン……でも! コタの部屋に来る時は、いつ襲われてもいい様に避妊薬を飲んでるから……だから、えぇと、あっと、ごめんなさい」
 さっきから言い訳を述べては俺の表情を確認し、許して貰ってないと悟ると、しょぼくれて下を向き、新たな言い訳を考えてる。
 因みに、俺が彼女を作ったって嘘はバラしてない。コタが嘘付くのが悪い! って開き直られるし、墓まで持って行こう。
 それじゃ、そろそろ……村雨が言い訳を考えてる間、俺も考えてたからな。

「なぁムラサメ? 嫌いに、ならないで欲しい?」
 頷く。

「耳、舐めたい?」
「五……四日に一度で我慢する」

「幼馴染みに戻りたい?」
「コタが許してくれるなら」

「じゃあ許さない」
「ふぇっ!? う、そ……」

 村雨の瞳は恐怖で大きく開かれ、口も広げられたまま身体は小刻みに震え出す。
 心苦しいけど、お前を泣かせるのはこれで最後だから、許してくれよな。
 ふぅぅっ、と二つ深呼吸。ベッドから立ち上がり、村雨の目前まで近寄り、泣き出しそうな最愛の瞳を見詰める。
「俺は幼馴染みに戻りたくない……だから、村雨さん。僕と、付き合ってください!!」
 そして何回目かも忘れた告白をし、頭を下げて手を差し延べた。
 頼む、カッコ良く決めさせてくれ村雨!

「ひくっ、えっ? えっ? あ……あっ、ああ! もちろんだコタぁ!!」
 破顔一笑。
 幼い時代から差し延べ続けた手は、やっと掴まれた。
 俺の夢が、やっと叶った。

 年甲斐も無く、二人で抱き合いわんわん泣く。今度は丸ごと嬉しさで、繋がり合った想いの嬉しさで。
 この日から、小太刀と村雨は、世界で一番幸せな恋人になった。そして一番幸せな家族になって行くはず。
 だって隣にはいつも、大好きな幼馴染みが居るんだから。




 『寝取られ彼氏』 おしまい。




 後日、彼女がいるって嘘がバレて、満員電車の中で怒った村雨に、手でアレをゴシゴシされたりもしたが、それはまた別の話し。



505:名無しさん@ピンキー
08/12/09 14:17:47 M+U4Ucf9
以上です。

506:名無しさん@ピンキー
08/12/09 15:12:56 1++vD5Sn
>>505
すごくGJです!
満員電車での話も読みたいです

507:名無しさん@ピンキー
08/12/09 21:33:29 MPvkezck
GJ

一つ気になったのだが、前編にあった
『十回くらい告白したけど、一回も首を縦に振ってくれなかった』
これの理由はなんだったのだろうか

508:名無しさん@ピンキー
08/12/09 21:45:55 rCSuHUJa
GJ!

>>507
良く読めばわかるようになってる

509:名無しさん@ピンキー
08/12/09 22:33:15 jWJx88Ix
>>505
GJ!

>>507,>>508
よく読まなくても村雨がはっきり言ってるじゃねぇかw

510:名無しさん@ピンキー
08/12/09 22:34:33 iRmojsHT
GJ! よかった、小太刀くんが幸せで本当によかった!

しかし、村雨さん、なんでそんな斜め上に突き抜けた方向に思考が行ったんだw


511:名無しさん@ピンキー
08/12/10 14:25:23 FrWoWgo/
>>510
だが、それがいい。

512:名無しさん@ピンキー
08/12/11 16:14:36 ZJhrWwaV
>>493
あれって幼馴染みなのか
元カレか何かだと思ってた

513:名無しさん@ピンキー
08/12/11 19:19:59 UgAUFZF1
女が距離感に無頓着なとこなんかがこっちっぽいかなーみたいな

514:名無しさん@ピンキー
08/12/11 23:22:16 QQytmAWC
さあ、それを元ネタで一本書いてみるんだ。

515:名無しさん@ピンキー
08/12/12 02:48:30 t1VLfxBH
知ってる人が居るかは分からないが久し振りにバトルロワイアルを読んだら誰よりも互いを信頼しつつ
かつ微妙な距離感の素晴らしい男女の幼なじみが居た
小説でもやっぱり幼なじみには弱いわw

516:名無しさん@ピンキー
08/12/12 02:52:42 7qjf3aOl
>>515
武道少年と陸上少女の話か? アレは確かに涙なしでは語れんよな。
でもやっぱり、幼馴染は結ばれて幸せになってナンボだと思うんだ!

517:名無しさん@ピンキー
08/12/12 18:11:16 0iUt77dW
次から投下。>>504の後日談。
エロだけなんで、蛇足イラネって片はスルーしてください。


518:『別れた二人』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/12 18:13:44 0iUt77dW
1

 ―ガタンゴトン、ガタンゴトン。


 ああ、身体が熱い。息も荒い。涙も漂わせてる。俺が居るのは、一歩も歩けないぐらいに詰まってる、雑音塗れの満員電車。
 入口のドアに背中を向けて押し付けられ、身動きを完璧に封じられている。
 俺を押さえ付けているのは、同じ身長、同じ年齢の見知った女性。
 女は抱き合う形で重量感たっぷりの胸を押し当て、足を太腿で挟み、左手に二人分の鞄を持たせ、右手は下で握って指を絡める。そして、
 
 くちゅくちゅ、ぴゅちゅっ、ぬっちゅぬっちゅぬっちゅ……

 俺の右耳を口に含む。
 顔を近付け、耳たぶを甘噛みし、耳の穴に舌を差し込んで乱暴に掻き回す。
 粘着質で卑猥な淫音がダイレクトに脳内を犯し、開発された性感帯は唾液でネバネバにされながら繰り返し痙攣する。
「こんな人前で、ヤメてくれよ……そうしないとぉっ」
 情けない声は俺の口から。許しを乞う為に出た戸惑いの声。
 今は、どんな声でも、どんな台詞でも良いから、女性の行為を止めなくちゃいけない。
 そうしないとバレそうだからだ。満員電車の中なのに、公共の場なのに、耳を犯されてペニスを勃起させてるってバレてしまう。
「ちゅぅっ、ちゅぷっ♪ ぷはっ、なんだコタぁっ……耳の穴を、ぢゅっ、ちゅっ、はぁぁっ……ベロチンコでレイプされて、感じてるのかぁ? とんでもないヘンタイさんだなっ♪♪」
 だから、目を細め、瞳を潤ませ、頬を紅潮させ、舌をダラリと垂らす村雨を、なんとか、なんとかしないと。
 いったいなんなんだよもうっ! 昨日、許すって言ったじゃないか? 笑いながらっ、気にするなって!?
 昨日の夜、今日の始業式の日に謝りたいから、誰と付き合う筈だったか教えて欲しいと言われた。そりゃまぁ、村雨にしたら俺を寝取ったと思ってるから、謝りたいってのもわかる。
 でも、そんな奴は居ないから無理。しかし俺が教える気が無いと悟ると、一人ずつ聴いて回るって宣言する始末。それで俺は観念して、彼女ができたのは嘘だと白状した。したらこのザマだよ!
 やめてくれって何回も頼んだのに。駅に着くまではいつもと変わらずに会話してたのに。電車に乗った瞬間、逃げられない位置に追い込まれ、身体を押さえ付けられて固定された。


 ―ガタンゴトン、ガタンゴトン。


「俺は、ううっ、変態……んあっ!? じゃ、ないっ」
 自分が惨め過ぎて泣きたいよ。いや、もう泣いてるか? 頬っぺたに暖かいの流れてるもんな。
「ちゅるっ……んっ、それは違うぞ? コタはとんでもないヘンタイさんだよっ、だってほらっ♪」
 村雨は俺の涙を拭うように舌で舐め上げると、兎に似た天然の赤い瞳を更に細める。
 そして自らの右手をヒシャクの形で口元に寄せ、掌に舌を乗せてトロトロの唾液を伝い落とす。
 窪みが満杯になるまで溜めて、その後に手を三度も開閉させ、ぐちゅぐちゅと鈍い水音を立てて全体に唾液を馴染ませる。
「っ!? ムラサ……メ? ちがうよな、そうじゃないよな?」
 指と指の間に架かる透明な橋。糸を引く官能。それを眺め、浮かぶのは一つの考え。
 もしかして、ムラサメは、電車の中で、俺の……


519:『別れた二人』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/12 18:15:38 0iUt77dW
2
 粘液を絡ませた手は、人差し指で正中線上をなぞりながら、ヘソの下まで落ちていく。
「電車の中で女子高生に触って、ココをおっきくするヘンタイだろコタは?」
 二人分の潤んだ瞳。二人分の上気した肌。二人分の熱い吐息が交差する。
 村雨はそのままズボンのジッパーを指で挟み持ち、小さな連接音を鳴らして股の下まで。
 そして手を差し込むと、トランクスをズラし、完全に勃起したペニスを取り出してズボンの外に晒す。
「バカッ! 早く戻せムラサメ、公然猥褻だぞ? 俺を犯罪者にする気かよ!?」
 俺の声は心から。心から村雨に訴えた言葉。でも、心からの言葉を投げ掛けても、村雨の表情に変化は訪れない。目を細めて妖しく微笑んだまま。
 なんら慌てた様子も無く、ペニスに自らのブレザーを覆い被せて人目から隠す。
 全ては村雨の制服の中。ペニスの先端にヘソが当たり、サオ部分はヌルヌルで熱を持った手に握られている。
「ゴメンねコタ、でもね? 辛抱堪らないの……コタの困ってる顔を見てると、身体がゾクゾクして、すごく……興奮するんだぁ♪
 耳を舐めてると落ち着くんだけど、コタを、はあぁぁっ……レイプした日からな? やすらぎといっしょに、サディスティックな性欲も掻き立てられてぇっ、ふふっ、コタの感じてる顔が……んふっ♪
 どうなんだコタ? 幼馴染みをこんなに依存させて、コタ無しじゃ生きられない身体にしてぇっ♪ 私をどうする気なんだ?」
 言い終わりに微笑む口元が一層に吊り上がり、こんな場所では絶対に有り得ない刺激が下半身を襲う。
「うあぁっ!? あ、あっ、頼むからっ、ヤメろムラサメぇっ……」
 ねっとりとした感触の手が、何の迷いも無くにゅちゅにゅちゅとペニスを上下して扱き出す。
 視線を向けられれば他の客にバレるのに、俺と村雨の間を見られたら一目瞭然なのに、そんなのお構いなし。指の腹を使って柔らかく締め、裏スジを擦り、往復の度にカリ首を引っ掛ける。
 制服の中、感度ポイントを的確に攻め、圧倒的な快楽で射精を促す動き。
 ぢゅっこ、ぢゅっこ、ぢゅっこ、ぢゅっこ、ぢゅっこ、ぢゅっこ……
「一週間に一度なんて、まるで足りない……コタとデキない日はな? あのビデオを見てぇっ、ふぅっ、ふぅぅっ……まいにち、オナニーするようになってしまったよ♪
 このセキニンはっ、んんっ? どーやって取ってくれるんだコタぁ?」
 知るかよっ! だいたい、エッチは一週間に一度って決めたのは村雨だろがっ!! 試験とか就職活動とかで忙しくなるから、卒業するまではって自分が言ったんだろ!?
「そんなの、知らな……んぎいぃぃっ!!?」
 ぢゅっこ、ぢゅっこ、ぢゅこ、ぢゅこ、ぢゅこぢゅこ、ぢゅこぢゅこぢゅこぢゅこぢゅこっ!!
 俺の反論を遮るように、絶頂を強要する手のギアは、急速シフトしてスピードを増す。


520:『別れた二人』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/12 18:18:03 0iUt77dW
3
 間違いなく精液を搾り取り、公共の場でイカせようとしている。俺を犯罪者にしようとしてる。
「でもなぁっ、ウソをつかれたのはショックだったぞ? あの時……私がレイプしなかったら、離ればれになってたかも知れないんだからなぁ、ふふっ、思い出すだけでも悲しくなるよ♪
 それでセキニンも取ってくれないんなら、しょうがないな……別れるしかないじゃないか♪ 別れるかコタ? 別れて、彼氏彼女から幼馴染みに戻るか?
 決めたよ、彼氏がヘンタイなんてイヤだから、駅に着く前にイッたら……ふっ、別れるちゃうから♪」
 先端からカウパーが溢れてるってわかってるだろ?
 管が拡張して太くなって、そろそろイクってわかってるだろ?
 それなのになんで? 冗談でもそんな事を言うなよっ!
「イキ、たくないっ……わかれたく、あうっ!? ないよぉっ、ムラサメぇ……」
 指の一本一本まで、リアルに動きが伝わり出す。
 ヘソの穴でグリグリと鈴口を押し包み、握る強さを、早さを、ランダムに変化させながら最後の追い込みを掛ける。
 俺は唯、打ち上げられた魚のようにパクパクと口を開いて痙攣するだけ。
「ああっ、そのカオぉっ♪♪ ダメだコタ、ちゅぷっ……ぢゅちゅ、ちゅっ、んちゅ、イッたらわかれりゅからなっ♪♪」
 再び耳を咥えて舌を差し挿れ、上と下、両方の快楽で真っ白な視界へと俺を導く。
「あっ、あっ、ちっくしょ……きもちいいよチクショウ! ヤだからなムラサメ、こんなことで別れな……うぎっ!?」
 終わった。後戻りできない所まで快感を高められた。
 あーあ、ムラサメの手、すげぇ気持ち良いよ。
 にゅっこ、にゅっこ、にちゅにちゅにちゅ、にゅくにゅくにゅくにゅくっ……
「イクッ、イクッ? イクのっ? イッちゃう? もうげんかい? もう出すのかコタ? びゅるびゅるしちゃうぅっ!?」
 うん、限界。綺麗だな村雨。こんな綺麗な女性と付き合ってたんだな俺は。冗談だって言ってくれないかな? そしたら笑って許すのに。ホントもう……くそぉぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!
「んぎいいいいいいぃぃぃっ!!?」

 びゅるびゅぅぅぅっ!! びゅぐんびゅぐん!! びゅるっ! びゅるっ! びゅくびゅく、ドクンドクンドクンドクン……

「んんっっ♪♪ ちゅぷっ、はあぁっ……相変わらず、熱くて、凄い量だなコタ? 替えの制服を持って来といて良かった。
 まさか、痴漢にオチンチンを握らせられて、服の中にザーメンを撒き散らされるなんて、思いもしなかったよ♪ ふふっ、あむっ……くちゅくちゅ♪」
 村雨は俺がイッた後も手離さず、一滴の雫も出なくなるまでペニスを扱き続ける。
 そして垂れた精液を掬うと、見せ付けるように舐め取ってプチュプチュと咀嚼し始めた。
「別れるって、嘘だよなムラサメ?」


「ウソ……にしてあげてもいいよ。コタがもう一度、告白してくれるならな」



521:『別れた二人』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/12 18:24:11 0iUt77dW
4
 始業式が終わり、全ての学校日程が終わり、下校のチャイムが鳴る。
 高校三年になって新しいクラス。村雨とも同じクラスで、十日前の登校日にこのメンバーになる事はわかっていた。
 俺は廊下側の一番後ろ、村雨は窓側の一番後ろの席。そして俺は深呼吸。覚悟、完了。
 電車から降りて、二人して謝りながら障害者用のトイレに入って、後始末をしながら改めて付き合う条件を言われた。
 もう他の人に告白されぬように、公認の中になるように、みんなが居る教室で告白してくれと。
 告白の台詞まで指定されて、そんな俺に選択肢は無い。長年想って来た憧れの女性を、今更あきらめられるかよっ! あの長い髪も、寂し気な赤い瞳も、唇も、胸も、アソコもっ、全部俺のモノだ!!
 それが手に入るんだから、恥ずかしいなんて言ってられないぞ、頑張れ自分!
「ふうぅぅっ……」
 落ち着ける。深く、深く、息を吐き、ゆっくり、ゆっくり、席を立つ。
 ホームルームの挨拶が終わり、他の生徒もそれぞれに席を立ちあがる。村雨も単なるクラスメイトとして、教室から出る為に俺の方へ。
 平然としているが、瞳だけは俺を見据え、チャンスはもう無いよ? と語ってる。わかってるっつの!
「村雨さんっ!!」
 声を教室に響かせて君の名を呼び、歩みを遮るように立ち塞がる。
「急にどうしたの小太刀君?」
 村雨は僅かに驚いたフリをして立ち止まり、俺の言葉をポーカーフェイスで待つ。
 クラスメイトはそんな俺達を無言で注目する。
 どーせフラれると思ってんだろみんな? だけど、そうはいかないぜ!

「村雨さん、俺と……」
 付き合ってください、と繋げられない。俺だけがわかる村雨の表情。目の動き。このままじゃ断られる。
 理由は俺。俺が指定された告白の台詞を勝手に省略したから。
「ふん、用が無いなら帰るよ」
 村雨が溜め息を吐きながら俺に近付く。違う、後ろのドアを開けて廊下に出ようとしてるんだ。
 指定された台詞を……あー、もうっ!
「村雨さんっ! 結婚を前提に、僕と付き合ってください!!」
 言った。頭を下げて、手を差し延べて。
 教室は静まり返ったまま、村雨の返答をじっと待っている。
 ―タトン。
 足音が俺の方へ。一歩、一歩、確実に迫り、
「えっ?」
 俺の横を通り過ぎた。
 なんで? どうしてっ!? 俺は確かに言ったぞ!? それなのにっ!

「こちらこそ、よろしくお願いしますね」

 崩れ落ちそうになった瞬間、背中に柔らかな重圧が掛かり、胸に手が回された。
 はっ、ははっ、なんだ……そう言う事か。くっだらねぇ。

 クラスメイトに祝福された拍手喝采の中、
 村雨に抱き締められた暖かな胸の中で、
 バカップルの誕生に大声で泣いた。




  『寝取られ彼氏』ほんとうにおしまい



522:名無しさん@ピンキー
08/12/12 18:26:31 0iUt77dW
以上です。中編の夢部分の逆バージョン見たいなもんです。

523:名無しさん@ピンキー
08/12/12 19:38:44 b3WbtUJW
GJ!!

524:名無しさん@ピンキー
08/12/13 00:02:07 vqJ0OfPJ
>>522
GJ!村雨のドSっぷりがたまらない

525:巧巳君と希羅ちゃん
08/12/14 00:00:40 nPMn8Oab
ずっと気になっていた…
-------------------------------------------------
俺の名前は野神巧巳。こいつは上野希羅。

家が隣同士のいわゆる幼馴染ってやつだ。

窓を開けると彼女の部屋。

わかるだろ?

屋根をつたって、こっちに来るってわけさ。
-------------------------------------------------
遡る事、9月の14日

チュッ

「お、おまえ、何するんだよ」
「だって、ほら」

夜空を指差す。

満月だ。

「チュウしようの名月。次は年末だよ、エヘ」

屋根をつたって自分の部屋に戻った。

ドテッ

サッシに躓いたな。
-------------------------------------------------
そして今年もあと少し。

12月14日

チュッ

「お、おまえ、何するんだよ」
「だって、ほら」

テレビを指差す。

殿中だ。

「チュウしたら心がグラッと来たでしょ」
「おまえねえ」

ペシッ!

「痛ったぁーい。刃傷でござる。刃傷でござるよー」

ドテッ

コケたっぽい。どじ…

おわり

526: ◆POBrm2R/G2
08/12/14 01:49:54 qNXXS8x8
もうじきクリスマス。ということでちょっとした続編。
2レス消費予定。NGワードは「◆POBrm2R/G2」

527:辰則と美紀のクリスマス 前編(1/2) ◆POBrm2R/G2
08/12/14 01:50:30 qNXXS8x8
ちょっと遠め(だが品質がいい)のスーパーまで夕飯の買出しに来たところ、ケーキの予約のチラシや大きな靴の形をした入れ物に
入ったお菓子など、クリスマス直前な雰囲気が伝ってきた。
「もうすぐクリスマスだなぁ。」「そうだねぇ。」
隣にいるのは俺の彼女・・・ではなく、幼馴染の美紀。久しぶりに夕飯に誘ったら意外にもOKしたので、
『飯食べるなら買出しくらい手伝え』と言ったら『お小遣いくれる?』とかふざけたことを言い出したものの、結局着いて来た。
コイツは俺を困らせてそんなに楽しいのか?

それはさておき、今日の夕飯は何にしようか。
「美紀、何か食べたいものはあるか?」
「んー、お寿司!」「そんな予算はどこにも無い。」回るお寿司屋だって、意外とその金額が俺の食生活に響くんだ。
「うー、じゃあピザ!」「手作りピザは今度食わせてやる。」クリスマス辺りにな。それにアレは準備に時間がかかるんだよ。
「えー!じゃあ、蟹!」「お前、蟹アレルギーだろうが。」それにそんな高いもの却下だ却下。
「むー!ワガママだよたっちゃん!」「お前のオーダーが極端すぎるんだよ。」最初の二つなんか出前の定番メニューか何かか?
「うーん・・・じゃあ、グラタン。」「ようやっとまともなメニューが出たな。」
「なによー!まだ何か文句あるの!?」「んにゃ、じゃあグラタンでも作るか。あったまるしな。」
と言うわけでグラタンの材料を買い、さっさと飯を食べることにしよう。

528:辰則と美紀のクリスマス 前編(2/2) ◆POBrm2R/G2
08/12/14 01:51:42 qNXXS8x8
たっちゃんお手製のグラタンとサラダを食べたら、お腹も心も幸せになっちゃった。
たっちゃんが台所でお片付けしてる間に、私は友達にメールを送ってクリスマスイブの予定を聞いてみる。
紀子は家族と帰省予定。瑞希は彼氏と・・・お幸せに。湊は予備校・・・頑張るなぁ。
てことはみんなと遊べるのは23日までかぁ。うーん、24日どうしようかなぁ。

「何ケータイにキスしながら難しい顔してるんだ?」いつの間にやら私の目の前に立っていたたっちゃん。びっくりして思わずへんてこな声が出る。
「わぁ!たっちゃん終わったならなんか言ってよ!」「これでも3回くらい呼びかけたんだけどな。」
「ふぇ!?そうなの!?」「そうだよ。せっかくクッキー焼き立てなのに、冷めちまうぞ。」
「え!?たっちゃんのクッキー!?食べる!食べるからちょっと待ってよ!」「わかってるっての」
苦笑しながらテーブルにクッキーを置くたっちゃん。んー♪バターのいい香り♪
「でもなんでいきなりクッキー?」「あぁ、グラタンの材料が微妙に余ったから、なら作っちまおうと思ってな。」
なるほどねぇ。・・・そうだ!
「ねぇたっちゃん、23日暇?」「現状では何も予定は無いが。」
「その日ね、みんなでパーティしようと思うんだけど、シェフ役やってくれない?」「構わんが、材料費はウチの財布からは出せないぞ。」
「大丈夫!その日はみんなで出すから!」「それなら構わんよ。ところで美紀、24日は空いてるか?」
「うん、その日からみんな忙しいみたいだから、大丈夫だよ。何で?」「いや、俺とデートしないか?」
「うん、たっちゃんとでー・・・デート!?」「おう、デートのつもりだが、ダメか?」
「たっちゃんとデートねぇ・・・」「まぁ無理にとは言わない。ちょっと行きたいだけだから。」
「ところでどこに行くの?」「ん?ああ、ちょっと遊園地のタダ券貰ってな。1人じゃ寂しいから。」
「他の友達は?」「お前と一緒でみんな彼女やら勉強やらで無理だとさ。」
「そっか・・・そうなんだ・・・」「なぁ、頼むよ。」
たっちゃんからのお願いなんて珍しいし、こんなに頼み込むのなんて初めて見た。思わず頬が緩む。はっ!いけないいけない!
「うん、わかった。でも、その日はたっちゃんのおごりだからね?」「ああ、それくらいなら貯金崩して頑張るさ。」

たっちゃんとデートなんて始めてかも。しかもたっちゃんの方からのお誘い。
思わず緩んでしまった頬は甘いクッキーのせいにして、今は素直に喜ぼうと思う。しっかし、たっちゃんの料理は本当に美味いなぁ。

この何気ない幸せが、ずっと続けばって信じてやまない私だった。

529: ◆POBrm2R/G2
08/12/14 01:53:51 qNXXS8x8
以上でとりあえず終了。一応中編と後編を作る予定でいます。
なにかあればご指摘いただけるとありがたく。

530:名無しさん@ピンキー
08/12/14 06:09:11 hFRZJ5vH
むはっ!甘いっ!
ご馳走さまでした。

531:名無しさん@ピンキー
08/12/14 08:59:22 Szuy8zGF
>>522
本当に逆痴漢プレイとヨダレがお好きでw

だがそれがいい

>>529
イイヨイイヨー

532:名無しさん@ピンキー
08/12/14 16:52:50 N4fAxQoU
>>529
続きwktkだけど…
最後一行日本語で(ry

533:名無しさん@ピンキー
08/12/14 17:43:44 R7Jlh4Y7
>>532
信じてやまないって別におかしい日本語じゃないだろう。

534:名無しさん@ピンキー
08/12/14 18:11:44 N4fAxQoU
「信じてやまない」ならその前は「ずっと続くと」にすべきだし
「ずっと続けばって」ならその後は「願ってやまない」だと思う

535:名無しさん@ピンキー
08/12/14 22:30:25 jxXo4Erg
>>529あっま~いw続き待ってます。

それと質問なんだけどさ、このスレって幼馴染みなら歳の差が有っても良いんだよな?
例えば、年齢一桁小学四年生の男子児童と女子高生とかさ。

536:名無しさん@ピンキー
08/12/14 22:36:32 8nQpzawO
年上幼なじみ?
大好物だばっちこーい!

537:名無しさん@ピンキー
08/12/14 22:39:20 eK/bndRV
個人的には中学高校で一緒に通える範囲が幼馴染と考えているけど
人それぞれ解釈は自由だからそういうのもありはありじゃね?

538:名無しさん@ピンキー
08/12/14 22:48:17 QbAaPTji
女子高生と一桁は流石にきつくないか?
年齢差はそのままにもう少し成長して中三男と女子大生ぐらいなら・・・

539: ◆POBrm2R/G2
08/12/15 00:00:55 qNXXS8x8
>>532-534
日本語が不自由な点の御指摘ありがとうございます!とても勉強になります!

>>536-538
こんな感じに仕上がりましたが、いかがでしょうか?

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ねーさん、今日も家庭教師、お願いしますっ!」
私は今日も今日とてかわいい許婚の三上悠二(9歳、小学4年生)の家庭教師をする。
「うん、よろしくね。今日は学校で何か宿題出た?」「えっとね、国語と算数に宿題があるよ!」
「じゃあまずはそれを終わらせちゃおうか?」「うん!」
元気な返事が悠二から返ってくる。かわいすぎてにやけちゃう。

私―井上紗耶華(16歳、高校1年生)―と悠二は父親同士が知り合いで、お互いの子供が生まれる前から異性同士なら
許婚にしてしまおうと画策していたくらい、仲がいい。
うちのお父さんは普通のサラリーマンだったが、偶然悠二のお父さんを助けたことからつながりが始まったと聞いている。
ちなみに、悠二のお父さんはとある大企業の社長さん。私は知らぬ間に玉の輿に乗ってしまっていたわけだ。

でも、あんまり玉の輿とかそんなこと気にしてない。だって悠二、ふつーに可愛いんだもん♪
このまま成長したらかなりいい男になるって確信してる。でも今はまだ、かわいいかわいい弟分だ。
たまに夢で成長した悠二の夢を見て、起きたら、その、ね?おなかの奥のほうが熱くなってたりすることも・・・

「・・・さん、ねーさん!」「ひゃい!」
少しトリップしていたためか、返答がおかしくなっちゃった。ちょっと恥ずかしい。
「ねーさん、大丈夫?顔まっかっかだけど、お風邪でもひいちゃった?」
あう、悠二に妙な妄想してたなんて言える訳無いよー!
「大丈夫大丈夫、それより宿題終わったの?」ちょっと苦しいけど、話題を変えることにする。
「??うん、終わったから見てもらいたかったの」「そっか、ごめんね。今からちょっと見るから、待っててね。」
不思議そうに首をかしげる悠二。きょとんとした顔が本当に可愛い。

「うん、ちょっと計算ミスしてるけど、それくらいかな。」「ありがと!ねーさん!」純粋に喜ぶ悠二を思わず抱きしめてしまう。
私のそんなに大きくない胸に埋まる悠二。抵抗するように首を動かすので、ブラが動いて乳首が擦れる。はぅ。
「悠二は毎日ちゃんと宿題やってえらいねー♪」「わっ!く、くるしいよねーさん!」
抱きしめられるのが恥ずかしいのか、悠二の顔がちょっと赤く染まる。
こういうことが出来るのはいつまでなんだろうな?と思いながら、今はとりあえずこのかわいい許婚を可愛がってあげようと思う。

「ねーさんっ!胸がくるしーんですっ!」
「ほらほら!おねーさんの胸が気持ち良いんでしょ?このマセガキ~!」

540:名無しさん@ピンキー
08/12/15 10:34:29 n09rchll
前もって一言断っておけばいいんじゃないか?
合わなさそうだと思ったらスルーすればよし。

541:名無しさん@ピンキー
08/12/15 10:40:40 n09rchll
>>539
レスを付けていたら新作キテター!
GJ!!

個人的には、小4のぼっちゃまの口調として、違和感があるのだけど
(もう少し精神年齢は上でないかと)微笑ましく感じた。

542:名無しさん@ピンキー
08/12/15 12:34:08 bdfys6Yx
この後、悠二に恋する女の子が出てきて紗耶華がやきもきするんだよな?な!?

543:名無しさん@ピンキー
08/12/15 13:10:21 JCQgSiub
年の差幼馴染とは…これは期待せずにいられないww

544:名無しさん@ピンキー
08/12/15 15:36:12 ZTRrpsyg
自分の予感が確かなら、小学生の男は女子高生に逆痴漢されると思うw

545: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:12:01 dCSqBSLW
今年も残りわずかとなりました。お久しぶりです。
暇つぶしにどうぞ。
・使用レス数:9レス
・内容:薄味
・NGワード:タイトル/ Jの喜劇
        トリ/  ◆H676uvqZmA

546: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:12:47 dCSqBSLW
Jの喜劇 【1/9】


「それで? じゅんた、ちゃんと断ったんだよね?」
「ああ、それよりしっかり手元見て食えよ。鼻の頭にクリームとか漫画か」
 夏実が向けてくる視線は結構シリアスだ。けど、つきっぱなしのクリームと両手でもった
ジャンボシューが雰囲気をぶち壊しているのに気付かないのはなかなかだよな。
ま、十二月にしては暖かい昼休みの教室でシリアスかまされても困るんだが。
 なんでいつもの和やかな昼食時にプチ修羅場に突入しなきゃならねぇんだよ。
やっと俺らを冷やかすのに飽きたクラスメイト達が聞き耳を立てているのがわかる。
四月は俺がお菓子を作ってくることに、五月はそれを夏実が他の何を差し置いても
優先することに、六月は俺らが付き合っていないことに。
九月に付き合い始めた時が一番ひどかった。
何がそんなに楽しいのか、月替わり日替わり人ごとに何かしらネタにされているんだから、
いい加減警戒心とかそういったものを持って欲しい。
 そんな俺の願いは虚しく、夏実はさらに言いつのってくる。
「ほんとに、ほんとーに断ったんだよね?」
「だからそうだって言ってんだろ」
 念を押す夏実に答えながら机越しに俺はティッシュでクリームを拭ってやった。
自分のことながら辛抱強い性格をしてると思う。
 いたるところから向けられる視線に耐えていることも含めて。
「あれあれ、どったのお二人さん。トラブルぅ?」
 焼きそばパンの最後のひとかけを飲み込んだ佐々木が振り返ってこちらへ椅子を寄せてきた。
俺と夏実と同じ中学出身で、軽いけどサッカー部で一年なのにレギュラーを獲っている
割とすごいやつだ。
「いや、大したこと―」
「うん。聞いてよ佐々木っち! じゅんたってばまた告白されたんだよ!」
 俺が言い終わる前に夏実が身を乗り出す。その言葉に大げさに驚いて見せた佐々木の目が
面白いおもちゃを見つけた子供のようだったのを俺は見逃さなかった。
しかも運が悪いことに近くにいた本田までいつの間にか背後に立っている。
「あらまあまあ、それは一大事だわー、松原ちゃん。ここはママと佐々木っちに
話してご覧なさいよ」
 演劇部の本田が舞台映えする声と体でしなを作って話すのは、やけにはまっていて
気持ちが悪い。今の姿をこの前の文化祭でファンになった他校の女子が見たら確実に泣くな。
しかもママってどこのママ設定なんだよ。おい。
「本田のママ。ありがとー! あのね、私がいるのに告白されたんだって。それでね、
断ってくれたみたいだけど、かっ……彼女としてはさー、ふくざつなんだよ」
「そうよねー、心配よねー。今まで女っ気なかったのに松原ちゃんと付き合いだしてから
これで二人目だもの。三ヶ月半の間にしては多すぎるわ」
 だから片手を頬に添えるな。小首を傾げるな。そして夏実は乗るな。そう言ったところで
無駄だから何とか飲み込んで、自分の分のシュークリームにかぶりつく。
頑張っているところに佐々木がさらに追い打ちをかけてきた。
こいつら、俺になんか恨みでもあるのかよ!


547: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:13:19 dCSqBSLW
Jの喜劇 【2/9】


「一人目は三年の先輩だったんだっけか。スタイル超いい、テニス部の。
もったいないことしてんだよなぁ……オレならあの胸の前で手ぇ組まれて、お願いっ!
なんて言われたら、ハイ喜んで! って言っちゃうけどさ。くっそ羨ましい。
憎い……じゃなくて、誘惑されなかった純太をほめてやるべきじゃないかなぁ」
「……むね?」
「そう! 胸は男のロマン。右には夢、左には愛が詰まっているんだ」
 この巨乳好きめ。余計なこと言うんじゃねぇよ。その思いを込めてシュークリームに
伸びてきた手をはたき落とす。佐々木の言葉にジャンボシューを持ったまま、夏実は自身の
お世辞にも豊かとは言えない胸板を見つめた。素直にそこを聞き入れるなよ。
ってかセクハラなんじゃね?
「男ってそんなもんなのよねー。そう言えば、この頃純太ちゃんってば人気なのよ。
知ってた? 何やら松原ちゃんと付き合いだしてから、妙に落ち着いちゃって
幸せオーラだしてるもんだから、『なんか、優しそうでいいかもー』とか。文化祭で
お菓子作ってみせたことで『料理できるのってよさげー』とかって」
「でもさ、でもさー。私がいるんだよ?」
「そんなの関係ないわよー。恋は盲目っていうじゃなーい?」
 だから流すなよ。お前も男だろってつっ込むところだろうが。
「もーもく……」
 ポツリと呟いた夏実を横に、巨乳好きの馬鹿と二丁目風の馬鹿はさらに続ける。
「そうよ。それにね、さっきも隣のクラスの女子が持ってた荷物半分持ってあげてたのよ」
「ジェントルぅ! さすがモテ期に入ったモテ男は違うね!」
 相手にしちゃいけない。それこそあいつらの思うつぼなんだ。そうだ。
俺にはやることがあるじゃないか。この目の前にこんがりしっとり仕上がったシュークリームの
出来を分析することだ。まだ半分以上残っているそれを俺は一口食べた。
今回のシュークリームはバニラビーンズがちょっと足りなかったか……。
「そうやってどんどん女の子を落としちゃうのねっ。やだー女の敵だわ!」
「タラシってやつだなぁ」
「……タラシ。じゅんたのタラシー!」
 シュークリームを両手から片手に持ち替えて、夏実が俺を睨む。乗り良すぎだろ。
マジで。それを見て二人はにやにやと人の悪い笑みを浮かべていた。
限界。
「……黙ってれば好き勝手言いやがって。人助けして何がいけねぇんだ。気がつくとか、
そりゃお前ら、夏実といたら自然とそうもなるわこのあほうども。見てないと知らないうちに
怪我したり、卵から未知の物体作り上げるんだぞこいつ」
 白と黄色のものから、黒や茶色のものができるのはわかるんだ。焦げただけだからな。
それがなぜなにどうして緑がかったものが皿の上に―しかもその皿も微妙にひび割れて
いたりする―鎮座していた時の衝撃を想像できるやつなんていないだろう。
 さらに料理名を聞いて後悔した。卵焼きってスタンダードな料理だと思うんだ。
基本だからこそ、奥が深いし難しいところはあるがそれは職人レベルの話であって、
素人が求められるものじゃないのに。


548: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:13:54 dCSqBSLW
Jの喜劇 【3/9】


 俺の心情を知ってか知らずか、夏実はきょとんとこちらを見てくる。まるで親鳥の
餌をまつ雛のように無邪気に。
「おかげで趣味の菓子だけじゃなく、料理全般対応できるようになった。両親働いてて、
姉貴にだけ手伝わせるわけにいかないから、家事もできるぞ」
 兄貴は舌も肥えているしやればできるくせにやらない。現に独り暮らしが成立しているんだから、
そこそここなせるはずなんだ。あのパソコンオタクは無駄に器用なくせにいらんことにしか
力をかけない。やけになってさらに重ねると、佐々木が俺の両肩をつかんだ。
「純太。オレと結婚して下さい。パートは週三、五時間のレジ打ちぐらいでオッケーだから」
「専業じゃないなら断る。それぐらいの甲斐性見せやがれ。三食昼寝付きなら考えてやらんこともない」
「要求たけぇ! オレだって胸のない野郎なんてお断り―」
「だめー! じゅんたは私と結婚するんだもん。昔、約束したんだからあっ。
私がじゅんたがいいなって言ったらいいよって言ったんだから!」
 俺らの軽口に夏実が手の中のジャンボシューを握りつぶさんばかりの勢いで待ったをかけた。
焦る必要がないと思うんだけどな……。
「まあ、もう二人は婚約済みなの? うらやましいわー」
「お断り―なんて言うと思ったか! オレだって本気よ? 松原。そんなに言うなら
その約束とやら、話してもらおうかっ」
 馬鹿どもが夏実をあおる。佐々木、お前胸がない野郎はいやなんじゃないのか。
都合よく言ったことを撤回するな。
俺らの様子をうかがっていたクラスメイト達の輪が心なしか狭まった気がする。
これなんていうイジメですか。
「いや、昔のことだから。なぁ? 夏実」
「じゅんた、大丈夫! ちゃんと私がせつめーするから」
 そう言うことではないんだ。さすがにこないだ聞いたばかりだから俺だって思い出してるし。
何でそんなに輝いてるんですか。夏実さん。
 そして何でこういう日に限って次の授業が自習だったりするんだろうか。
「―というわけで、じゅんたは一緒にクッキーを作ってくれて、そのときに約束したんだー。
だからね、佐々木っちには悪いけどじゅんたのことは諦めてね」
 こうして、五限目の三分の一を使って夏実クッキー事件はクラスメイト全員の知るところとなった。
しかもこの前俺に話したときよりも細かく説明。今までうらやましいかった夏実の記憶力を
恨んだのは初めてだ。
「ふーむ。そうれじゃあしょうがないか。松原からプロポーズして、純太がオッケーしたんだもんな」
 佐々木がしぶしぶ、といった感じで頷く。それに合わせて笑顔でいた夏実が急に固まった。
「私からプロポーズ……? あ、ダメ! やっぱりなし。なしにして、じゅんた」
 ギギギと音がしそうなくらいゆっくりとこっちを見ると、まだ飛べない小鳥が羽ばたきの
練習をするみたいに、体の横と顔の前で腕や手を振る。
「何でだよ?」
「決まってるじゃない! プロポーズされるのは女の子の夢だからっ。ちなみに理想その一は、
観覧車のてっぺんで。その二、クリスマスイルミネーションをバックに。その三は、
オーシャンビューのレストランでシャンパングラスの中から指輪。その四は」
「いくつあるんだよ」
「女の子の夢は無限大だから。というわけでノーカウントねっ」
 俺の溜息を了承と取ったのか、夏実は元通り笑顔になって理想のストーリーを本田のママと語り始めた。
演劇畑の本田とは演出面で趣味が合うみたいだ。少女漫画育ちだからとはわかっているけど、
挙げられた理想はどれも強烈に羞恥心を刺激してくれる。想像しただけで背中というか、
両腕というか、全身がむず痒い。夏実と少女漫画仲間の姉貴も同じような夢を持っているんだろうか……。

■□■□■□■



549: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:14:45 dCSqBSLW
Jの喜劇 【4/9】


■□■□■□■

 ショートケーキやウチの人気商品チョコレートムースのケーキ。通常の商品と並んで、
クリスマスを間近に控えた十二月はブッシュ・ド・ノエルなどの限定商品も予約者のために並べてある。
俺は白いシャツと黒のスラックスに身を包み、親父の店『Le ciel』のレジに立っていた。
学校のない日は、厨房で作るだけじゃなく小遣い稼ぎも兼ねてレジ打ちもしているからだ。
 今までもやってきたけれど、夏過ぎから少し多めにレジに入っている。
やっぱりちょっとは考えることもあるわけで。
 ケーキ屋にとってこの時期は一番の稼ぎ時。おかげでクリスマスに家族でどこかへ
出かけた記憶なんてないけれど、かわりに文化祭の前日みたいな大きなことが起こる高揚感がある。
実際、前日とかは親父は一日中ケーキを作り続けるんだから、当然だけど。
 それと同時に、俺がケーキを作り始めて我が家用の分を担当するようになってからは、
上達具合を審査される場にもなった。だから他の人とはまた違ってクリスマスキャロルが
流れ始めると緊張でテンションが上がる。
 団体客をさばき終えてほっと一息ついていると、「お願いしてもいいかしら?」と声をかけられた。
「あ、すみません。お待たせしました。どれをお取りしましょうか? っと。お客さん、久しぶりっすね」
「あらまあ、店員さん。憶えてくれていたの。嬉しいわあ」
 おっとりと上品に目を細めたお客さんは、月に二回ぐらいの頻度で来てくれるお得意様だ。
この前の来店が十一月の半ばだったから、少し間隔が開いていた。
「もちろんですよ」
 短く答えると、お客さんは手袋をはめた指で口元を隠すようにして笑う。俺のばあちゃんと
同じぐらいの年で、若いころはきれいだったんだろうなって感じの人。時々こうやって
会話するから、いつの間にか憶えていた。
 ミルフィーユ、ザッハトルテ、ティラミス、モンブラン、ショートケーキを各一個ずつ
保冷剤と一緒に詰める。
「六十二円のお返しになります。俺が忘れないようにすぐにまた来てくださいね。なんて」
 ケーキの箱とお釣りをお客さんに渡しながら冗談を言う。
「中原君ってこんな風に接客するんだ。なんか意外」
 突然割り込んできた声に、「ありがとうございました」のセリフを飲み込んでお客さんの
後ろを覗き込む。そこには俺の学校の制服を着た女子が胸のところで荷物を抱えて立っていた。
お客さんの孫だろうか。見覚えはないけど俺の名前を知っているんだから、多分同学年だろう。
「あらっ、二人ともお知り合いなの?」
「まあねー、中原君のほうはそうでもなさそうだけど」
 俺がわかりやすく怪訝な顔をしていたからか、意味ありげな視線を流された。
気まずい。なんとかしようと言葉を探すが、誰だかわからないんじゃ話しようがない。
言いよどむ俺に、彼女は呆れたように笑うと答えを教えてくれた。
「谷川みずほ。隣のクラスの女子ぐらいは知っておこう? この前荷物運ぶの手伝ってくれたから
てっきり憶えてくれてると思ってたんだけどなぁ」
「……わりぃ」


550: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:15:54 dCSqBSLW
Jの喜劇 【5/9】


「ちょーっと傷ついた! だからメアド教えて? ケータイ持っているでしょ」
 谷川はこちらの返事を聞かないうちに、ポケットからストラップがいっぱいついたケータイを取り出す。
 なんで傷ついたからメアドの交換になるんだろうか。でも憶えていなかった俺が悪いんだし、
ここは素直にしたがっておくべきか。疑問はあったけれどスラックスからケータイを
取り出そうとした手を押し止めたものがあった。
「お客さまー。こちらの店員は非売品ですので、メアドの交換はごえんりょくださーい」
 慣れた感触の夏実の指。急激にその場の空気が緊張感に張り詰めたように思う。
なんなんだ、どうしたんだよ。お客さんもおろおろしてるじゃねぇか。そう口を挟もうとしたら、
夏実の突き刺すような視線が返ってきた。
 怖い。
 谷川に助けを求めようとそちらを見ると、夏実と同じような表情をしている。
二人とも俺より小さいのに迫力がありすぎるだろう。
 怖い。
「それでは、ありがとーございましたあ」
 明らかに作り笑顔の夏実が俺の横から、ガラスのドアに向かうと送り出すように開いた。
それに対して気持ちを切り替えるように谷川は息を吐く。そしてこちらへにっこりと
笑いかけて「今度はゆっくり話そうね」と『今度』を強調して言うと、俺と同じように
状況が理解しきれていないお客さんと共に表の通りへ出て歩いて行った。
 その姿が完全に見えなくなると、小鳥が人間を威嚇するみたいに肩をいからせていた
夏実が「今度も何ももうくるなー」と呟く。
「いや、お得意様だしなあ」
 そういうわけにもいかないわけで。怒りを解こうとあえて軽い感じをだす。
すると何度か唇を開いては閉じてを夏実は繰り返した。外から見えるように置いた
クリスマスツリーのイルミネーションの点滅と同じタイミングでちょっとおもしろい。
「……じゅんたのバカッ」
 さっきとは違う感じだけど、キッと俺を睨むと短く吐き捨てて夏実は店を飛び出して行った。
乱暴にドアが閉められて、上の方に付けられたベルがチリチリと何度も鳴る。追いかけたいけど、
すぐに新しいお客さんがやってきたせいで店を離れるわけにいかなくて、奥にいるお袋に声をかけた。
馬鹿ねぇとお袋までに小言を背中にもらう。
 俺が何したって言うんだよ! いや、俺が悪かったかもしれないけれど。
この頃、夏実を怒らせてばかりのような気がする。

■□■□■□■



551: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:16:32 dCSqBSLW
Jの喜劇 【6/9】


■□■□■□■

 ぴったりと閉じられた夏実の部屋のドアをノックした。最初は外に行ったかと考えたけれど、
この季節、コートも何もなしに北風に当たるような性格をしていないことは知っている。
「入るぞ」
 返事はないけれど、ダメとも返ってこないので一声かけて開けた。
 ドアを背に、テーブルの上にお菓子の袋を広げた夏実はこちらには目もくれず、
サクサクとクッキーなどを食い散らかしている。いつの間に買ったんだろう。
いつも俺が作るお菓子ばかり食べているし、近頃コンビニめぐりもしていなかったのに。
林檎味の携帯用のゼリーまであるのに、ココアも葛湯も入れてあるしキャンディーの袋も転がっていた。
「そんなにお菓子ばっか食ってると、夕飯入らねぇぞ」
「これはお菓子じゃないもん」
 どう見てもお菓子ですけれど。そうツッコもうとする間にも夏実は葛湯に息を吹きかけて
それをあおる。とろみのある物がそう簡単に冷めるはずもなく。
「あつっ!」
 案の定、火傷をしたらしい様子に隣へ回りこんで舌を出させる。少し周囲よりも
赤くなっているところを指でなぜた。痛かったのかビクリと体が強張ったのが直接伝わってきて、
俺は指をどける。
「……ったく、気をつけろよ」
 口の中の傷は割と早く治るけれど、一応冷たいものでも取ってくるか。立ち上がろうと
膝を立てたところで、腕を引かれてバランスを崩しそうになりながら座り直した。
「あっぶね……」
「なんで、いつも離れちゃうの」
 何言ってるんだ、という問いは俺らの口の中で消える。いろんな物の甘さ。
さっき触れた舌の熱さがそのまま唇とさらにその奥に伝わってきた。
「ん、っふ」
 鼻にかかった夏実の声が喉を通して直接頭にしみてくる。あまり長くない舌が歯の根元をなぞった。
火傷は痛くないだろうか。ふとそんなことがよぎったけれど、上気した頬に
落ちたまつ毛の影に吹っ飛びそうになったから慌てて体を引きはがす。
「はぁっ……なんでっ? 胸がないから? だから何もしてくれないの」
 言いながらカーディガンの下に着たレースで飾られたブラウスのボタンをはずそうとする。
その手を握り締めて止めた。
唇と同じように濡れた瞳。息をするたびに覗く白い歯。本当に勘弁してほしい。
「怖いくせに」
「そんなことっ」
「俺だってさすがに気づくんだよ。触るたびに緊張されたら」
 そう指摘すると、夏実はうつむいた。自分の思うタイミングで、希望のように触れられないと
ダメなんだ。自分からならいくらでもそうできるから平気なんだろう。キスだって、
抱きしめるのだって、なんだって。俺だってそれくらいわかるんだ。もし、それから
外れたことをしたらどうなるかとか。俺と夏実の間にはそういう差があることを感じてた。
これまでだって危なかったことなんて、何回もそれこそ数えきれないぐらいあったけれど。
「……待つのには結構慣れてんだ。本音を言うとさっきとかかなりヤバかったけど」
 もう諦めとかを重しにして隠さなくていいだけ、前よりもずっと楽だ。強く掴みすぎて
白くなった手を離して、かわりに髪をかき混ぜるようにしてなぜる。
「どうして急に焦ったのかはわかんねぇけどさ。こんな風なのは、夏実が後で後悔すんのは厭だ。
知ってるだろうけど、俺だって初めてだし。いろんなこと、例えば他の誰かと話すとか、
そういうことの意味が俺らの中で少しずつ変わってきているよな。でも、全部をいきなり
変えなくたっていいと、思うよ。なんて言うか……あー! うまく言えないんだけど!」
 俺の手が乗ったままの頭が振られた。


552: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:17:08 dCSqBSLW
Jの喜劇 【7/9】


「わかるよ」
 すれ違ってばかりだけど、こんな時、俺らの積み重ねてきた時間を強く感じる。
夏実以外の人間がそう言ったとしてもきっと嘘だと思うだろう。だけど、夏実だから
そのまま受け入れられる。だから、だからこそ夏実がずっと夏実であり続けられるようにしていきたい。
「でもね、不安になったんだもん。いきなりモテ始めるし。教えてくれなかったから
知らなかったけど、そのっスタイルいー先輩から告白されたりとかしてるし……。
さっきもメアドとか聞かれてるし。心が狭いって思うかもしれないけど、いやだったんだもん」
「断ったし、メアド交換しても俺からは何もする気ないし。谷川さんが何か言ってきても
同じように断わったよ。つーか、スタイルとかそういうので夏実がいいわけじゃないから」
 夏実がいいわけで。体も心も両方夏実だから欲しい。どっちかが別の人になったら意味がない。
夏実もそう俺のこと考えていてくれると思っていたのは間違いだったのかな。
「私だってそうだよ? ただ何もなかったから……」
 ほらこういう風に欲しい言葉はその時にくれる。
「じゅんただって、おと……この人だしっ。胸とかやっぱりそういうの好きなのかなとか
思っちゃったんだよ! ばかばかっ。鈍感星人あほー」
 恥ずかしさの限界を超えたのか、夏実が両手で顔を隠した。見える耳が赤い。罵られて嬉しいとか、
そうないよな。そういう趣味ないし。夏実なりに気にして意識してたんだなぁと思えば
これくらいの悪口なんてむしろ嬉しいくらいだ。
 俺が何も言わないからか、夏実は声のトーンを落とすと呟くように訊いてくる。
「本当にいいの? いっぱい待たせちゃうかもしれないよ」
「後で泣かれたりするよりはずっといいな。でも限界前には間に合うように祈っておく」
 おどけて言うと、くすりと笑い声がした。
「胸、ないよ?」
「まだ気にするか。大丈夫。俺、足派だから」
「へんたい。じゅんたのへーんたーい」
 変なメロディをつけて何度も「変態」と繰り返される。さすがの俺も傷つくんですけど。
気にしているみたいだから「貧乳好き」と言わなかったのに。嘘になるから言わなかっただけだけども。
「まあ、足派ではあるが……ないよりはあった方がいいし。夏実の心が広くなるように、
ありかを大きく育てるのもいいな」
「へっ?」
 目を見開いた夏実の腕の下に手をさしこんで抱えあげると、ベッドへ軽く放り投げるように
その体を移動させた。胸ぐらいは許容範囲みたいだし、たまにはいい思いしたっていいよな。
「よく言うだろ。揉まれるとってやつ。そこらにあるクッキーとかと合わせれば
効果あるかもしんねぇぞ?」
 俺の言葉に戻りかけていた夏実の頬がまたパッと赤くなる。
 コンビニとかで見かけないパッケージだったから、気になってよく見るとどれにも
「豊胸」とかそういう言葉があった。運動とかじゃなく、甘いものを食って
なんとかしようとするのが、あまりにも夏実らしすぎて笑える。
「そっ……そういうのは触れないのがやさしさだとおもうー」
「気にしないようにあえて触れるやさしさもあるとおもうー」
 口調を真似しながら、上のひとつだけ外れたブラウスのボタンに手をかけた。首のところでタイのように
リボンを結ぶようになっていたそれは、どこかプレゼントの包装を連想させてわくわくする。
 寒くなってきてから隠れていた鎖骨が見えた。さらに続けると、夏実の部屋のカーテンと
同じような柔らかいオレンジの下着が現れる。
「や、やっぱりはずかし」
 起き上がろうとする肩を押してベッドに再び沈めた。肌と下着の境を指でたどる。
中心から外側へ。肉の薄い感触から控え目だけれど次第に柔らかさが増していくのがわかった。
シャツを広げて肩に伸びるストラップを横へずらすだけで、自分でもおかしいくらい緊張する。


553: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:17:42 dCSqBSLW
Jの喜劇 【8/9】


「可愛いのしてんじゃん」
 小さな花のレースがあしらわれた下着は繊細なケーキの細工みたいで夏実の肌によく映えた。
「かわいーのって他の人の見たこと……んくしゅん!」
 言葉の途中で小さくくしゃみ。いくら部屋の中とはいえ、冬にこんな恰好をしていたら
風邪をひいてもおかしくないか。しかも夏実は元気なくせに風邪を引きやすい。今の時期に
体調を崩されてもいいことないな。
「家には母親も姉貴もいるの思い出せ」
 言いながら体の下になっていた毛布を引きずりだして俺らの上にかけた。いつも夏実が
使っている香水の香りがする。こんな風になるなんて半年前の自分は想像もできなかった。
 ちゃんと足の方まで隠れるようにしている間にうつぶせになられて、胸が隠されてしまう。
くそ、心配してやったのに。しょうがないから、後ろから抱え込むようにして体をベッドに転がした。
たくしあげた裾の方から手を入れ、なめらかな背中を楽しむ。どうして同じものからできてるのに、
夏実の肌はこんなに触り心地がいいんだろう。ぽっこりと浮き出た首の骨に口づけて、
そちらに夏実が気を取られているうちにホックを外した。
「あっ……」
 キスか、下着の締め付けがなくなったことかどちらに対してかわからなかったけど、
吐息のような声。たぶん、わかってないだろうけど、それがどんなにこっちを煽るか。
実はどう外そうか悩んでいたんで、後ろを向いてくれて都合がよかったと言ったら
むくれるだろうから黙っておこう。
 浮かせた下着と肌の間に手を滑りこませるとわかりやすく体が硬直した。
左手に伝わる振動がとくとくとくとく、早い。
すべらかで、温かくて、さらりとしているのに吸いついてくるような。掌にすっぽりと
納まってしまうぐらいだけど、ちゃんと柔らかい。
「こんなんなんだ……」
 初めての感触に思わずつぶやくと、夏実が頭をもたれさせてきた。
「なんでも、お互いに知ってると思ってたけど、まだまだ知らないこと、あったね」
「だな」
「恥ずかしいけど……じゅんたの手、あったかくて安心するなー。背中からも伝わってきて気持ちいい……」
 鼓動はまだ早いままだけど、少しずつ入っていた力が抜けて体重を感じられるようになる。
すっげぇ幸せ。
「じゅんたぁ。今年のケーキはフォンダンショコラがいいな」
「わかった」
 夏実の声みたいにとけて消えそうなくらい、とびきりのやつをつくろう。
胸を掌に収めたまま、優しくパン生地をこねるみたいに動かしてみる。寄せたり、
指だけで外側を撫ぜたり。


554: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:18:15 dCSqBSLW
Jの喜劇 【9/9】


「どんな感じ?」
 俺は柔らかい感触が気持ちよくてずっとこうしていたいけど。同時に夏実の感覚も気になって尋ねた。
「んん、よく……わかんない、かも」
 かもってなんだ。まあ、始めてですぐ気持ちいいなんてないだろうしな。でも、
ただ柔らかいだけだったなかにも、押し返してくる硬さもちょっとずつ生まれてきているから、
悪くはないと……思いたい。そのぷにっとしたグミのような先端を指で掠めるとまた夏実の体が硬くなる。
 いきなりどうこうなんて無理だよな。動きを止めてただぎゅっと抱きしめた。
ゆっくりとか言いながらすぐに忘れそうになってたらこの先もたない。
はふ、と緊張をゆるめたため息が聞こえて、それに応えるように手を探し出して指を絡めた。
 一回り細い指が、重なってきて確認するように何度も撫ぜるから、上体を起こして
耳にキスをする。何度も、二日と開けずに入り込んでいる部屋が、ベッドの上から
夏実越しに見るだけで初めての場所みたいだ。時計の秒針が進む音が心臓の音と重なって聞こえる。
 あったかいな。やわらかくて、甘くて、ずっとこうしてみたかった。
 少しでも夏実もそう思っていてくれたらいい。
 しかし、そんな心と裏腹に体は正直で。
「あー、夏実? ちょっと俺、その……トイレに」
 自分のことながら情けないぐらいの歯切れの悪さで幸せな時間を終わらせようとする。
そしてそのまま起き上がろうとして、できなかった。未だに右手が夏実の体の下にあるからだ。
「ほんっとに悪いんだけど、どいてって夏実?」
 無言。窓ガラスが風に揺れて音を立てる。
「まさか……」
 息をつめて様子をうかがった。そしてもう一度名前を呼ぶ。返事は―ない。
かわりに、安らかな寝息なら返ってきた。
「まじか」
 夏実の寝起きの悪さは天下一品。そして抱きつき癖がある。そんなことされたら、
目も当てられないことになりかねないってか絶対なる。自信もって断言できる。
 とりあえず、まだ胸に触れたままだった片手をどかして……。
「んっううん」
 何でこのタイミングで寝言なんだよ。しかも妙に鼻にかかっててエロ、だめだ。
考えちゃだめだ。生殺しか。これ何ていう罰ですか。
「す、き」
 ラブコメじゃねぇんだよ! でもこんなだけど、大きな一歩、前進なの……か?



END


555: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:18:57 dCSqBSLW
終わり。
風邪には気をつけてくださいな。

556:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:52:21 0XqvYquX
一番槍GJ!
とてつもなく甘くておいちゃん砂糖吐きそうだよ!
ぜひ甘えんb(ry

557:名無しさん@ピンキー
08/12/16 14:50:47 94vnbgVG
あれ?お預け喰らったのになんか損した気分にならないよ?
GJです。こう、想いが通じ合った後も微妙にすれ違いとかあったりして
でも幸せで
なんかいいですね

558:名無しさん@ピンキー
08/12/16 22:02:39 +9hmNc4b
相変わらずのGJ!
今回のJは純太のJかな?

559: ◆POBrm2R/G2
08/12/16 23:16:09 QRGhbXhU
>>541
書いてるときは違和感無く感じたんですけど、改めて読み直したらなんか幼すぎますね。
以後気をつけます。

>>◆H676uvqZmA
これで薄味言われたら、私のなんか無味にしか感じない・・・
とにかくGJです!

>>542-544
お前らのせいで余計な妄想が膨らんだwww
>>542は次回以降書きますが、今回は>>544のシーンをちょっと作ってみました。
ただし夢オチです。ごめんなさい。1レス消費予定。

560:許嫁を逆痴漢 ◆POBrm2R/G2
08/12/16 23:17:01 QRGhbXhU
今私は悠二と一緒に通学するため電車に乗っている。今日に限って電車故障が起きたらしく、動き出したと思ったらぎゅうぎゅう詰めの
状態で電車が発車してしまった。その状態で悠二がごそごそ動くから、悠二の肘がちょうど私のクリトリスに当たってなんだかむず痒い。
周りの人はみんな音楽聴いてるみたいだし、悠二はずっとゴソゴソ動いてるから、濡れてきちゃったじゃん。こんなことしてくる悠二には
責任とって貰わないとね?そう思い、私は悠二の手を取り、ショーツの中に手を潜り込ませた。

「ね、ねーさん?僕の手で何してるの?」ちょっと大きいのでシッ、と制する。
「ふぁっ・・・ふふっ、いいから、悠二はそのままで、ね?」
「え?でも、ねーさん、何だか僕の指が濡れてるんだけど・・・」
「いいから・・・こうしてれば満員電車もツラくないでしょ?」
私の手が悠二の手を動かし、まだまだ幼い悠二の手が、私のあそこを撫で回す。私の手の方までねっとりとした熱い蜜で濡れてきちゃってる
のがわかって、ちょっと恥ずかしい。でも手の動きは止まらない。撫で回してる状態じゃなんだか物足りなくなり、切なくてぱくぱくと
何かを求めてる私の膣に、悠二の指を突き立てる。
「~~~~~!!!」心の中だけで絶叫。初めての指を入れた快感に、頭が、アソコが痺れる。でもさっきよりお腹の奥の方の切なさがヒドくなる。
「ねーさん、指が、熱いですっ!」「ゆうちゃん、そのまま指を動かしてっ」
悠二が混乱してる。かわいいけど、今欲しいのはその顔じゃない。悠二の手を乱暴に動かし、指を出し入れしたり、手のひらを回したりする。
そのたびに周りには水っぽい音が響く。気持ちよくて、何も考えられない。
「ゆうちゃん!お願いだから、動かしてっ!」
悠二が意を決したように目をつむり、私の手の動きとは違う動きをし始めた。

「ふぁっっっっっ!!」
思わず声が出ちゃった。これ以上えっちな声を漏らさないようにするため、私は口を押さえる。悠二の手が私を犯してる。まだ女性経験の無い
男の子の、乱雑な動きだからちょっと痛いんだけど、それ以上に気持ちよさが私の全身をかけ巡る。
脚から力が抜けて立ってられないので、悠二に抱きつく。腰の奥の方から訳の分からない波が襲ってきて、ビクビクと腰が震える。
「ゆうちゃ、もうだ、め・・・んんんんん~~~~~!!!」
大きな快感の波にさらわれ、意識が朦朧とする。私、悠二にイカされちゃったんだ。膣に入ってる悠二の指が暖かくって、段々と意識が闇に落ちていく。


「じりりりりりりりり!!!」「ひゃうっ!」
快感に微睡んでいたら、耳元で突然鳴り出した目覚まし時計のアラーム。ん?目覚まし?
目覚まし時計のアラームを止め、時間を見ると06:00。携帯で日付を確認すると、今日は土曜日。
「・・・アラーム消し忘れてたのね。というかさっきのは夢なのね・・・」
なんか損した、と思ったのも束の間、何だかアソコに違和感を感じる。
「・・・うわぁ、シーツまでびしょびしょだぁ・・・」
あんな夢見たんだからこうなるのも仕方ないけど、こんなに濡れたのは初めて。でも、すごい気持ちよかった。あんな夢なら、また見てみたいかも・・・

・・・って夢の余韻に浸ってる場合じゃない!
私は慌てて普段着に着替え、来ていたものとシーツを洗濯、ついでに布団も干して換気。
その様子を見たお父さんが「なんだ、悠二君でもくるのか?」なんて無神経なことを聞いてきたので鉄拳制裁しておいた。
ううう、こんなこと誰にも知られたくない・・・

561: ◆POBrm2R/G2
08/12/16 23:18:49 QRGhbXhU
以上で終了です。痴漢といっても今回は触る痴漢ではなく触らせる痴漢ということで。
思わず痴漢の定義をWikipediaで調べましたが何か。

辰則と美紀のクリスマス中編は近日中に完成予定です。
それでは、また。

562:名無しさん@ピンキー
08/12/18 09:15:11 kCKOgYaP
GJ
痴漢というか痴女だなww

563:名無しさん@ピンキー
08/12/19 00:20:31 7Fa1MWpA
幼馴染みというよりショタじゃね?

564:名無しさん@ピンキー
08/12/19 00:52:17 oRiyggiq
幼なじみでショタでもいいんじゃない
俺はむしろ男の子視点からお姉さん感を楽しんでるが

565:名無しさん@ピンキー
08/12/19 07:44:23 DzTWkHJV
よし、次はロリだw

566: ◆POBrm2R/G2
08/12/19 07:49:14 Ryej+yZs
辰則と美紀のクリスマス 中編、投下します。
5レス消費予定。NGワードは「◆POBrm2R/G2」

567:辰則と美紀のクリスマス 中編(1/5) ◆POBrm2R/G2
08/12/19 07:49:53 Ryej+yZs
「みんなー!グラスは持った~?」
「持ったよー!」「はーい!」「うんっ。」
今日は瑞希、紀子、湊と一緒にクリスマスパーティ!本当はあと1人居るんだけど・・・
「たっちゃん!キミも今くらいは料理はおいといて、とりあえず乾杯にきなさーい!」
「いや、今ちょうどピザがいい感じで焼けそうだから、先にやっててくれ。」
そう、私達専属のシェフ、たっちゃん。ピザは確かに気になるけどさ、乾杯するだけじゃん!
「たっちゃんノリ悪「たっつー!料理期待してるよー!」瑞希ー!」「ミキティめんごめんご!」
瑞希は私の不満に割り込み、たっちゃんに料理をするよう促す。うぅぅ・・・

「まぁまぁ、また海神君がきたら乾杯しようよ。ね?」私たちのまとめ役の湊がそういうなら・・・
「仕方ないなぁ。じゃあとりあえず4人で乾杯しようか?」
「そうだね!」「はやくはやく!」「あー!瑞希!料理の手づかみは汚いよ!」「あっはっはー!」
湊は苦笑しているが、嫌そうではない。そう、これが私たちの普通。

「それじゃあとりあえず、2学期もお疲れ様でした!また来年もよろしくって事で・・・」
「「「「かんぱーい!!!」」」」
カチン、とグラスを合わせる私達。ちなみにグラスの中身はアルコール無しのシャンパン。
瑞希がアルコールを買おうとしたけど、紀子と湊が阻止。それを見てたたっちゃんはさすがに苦笑いしてたな。
「ピザ出来たぞー。テーブルの上空けといてくれー!」
そんなことを考えていたら台所からたっちゃんの声。湊はその声が聞こえたと思ったら、既にスペースを確保し始める。
「お、水上さんありがとう。お前らも少しは見習えよー。」
湊の行動に感心しながら私たちを注意してくるたっちゃん。湊は褒められて頬を赤く染めてる。でもそれは差別だー!
「たっちゃん、私達が行動しようと思ったらもう湊が既にやっちゃってたんだよー。」「そうだよたっつー!私が何もしないとでも?」
「・・・佐々木に関しては何もしなさそうだな。気付いたら美紀と水上さん、木津さんがやってそうだもんな。」
「う、痛いとこ突くねたっつー。」「あはは・・・瑞希ちゃんはそういうところ疎いからね。」
「湊・・・フォローになってない。」「まぁその分いつも私たちを引っ張ってくれるからね。帳消しじゃない?」
「ううう・・・慰めてくれるのは紀子だけだよ・・・」「おーよしよし、それじゃあ私たちはベッドで仲良くするかい?」
「いーやー!私には彼氏がいるのー!」「「「「あははははっ」」」」
いつも通りの会話はたっちゃんが混じっても変わらない。
まぁ普段からナンパ除けとかで一緒に居るから、みんなあんまり抵抗無いのかも。

568:辰則と美紀のクリスマス 中編(2/5) ◆POBrm2R/G2
08/12/19 07:50:36 Ryej+yZs
でもみんないつもより少し楽しそう。やっぱり好きな男の子がいるから?
湊は普段からたっちゃんと仲良くしたいような雰囲気を出してる。たっちゃんが私達以外の女の子と喋っていると目が怖くなるのが、ね。
紀子に関しては良く見ないとわからないけど、何気にボディタッチとかしてるし。他の男の子なんて仲良さそうに喋ってても触れやしないのに。
瑞希は彼氏が居るのに、結構たっちゃんにじゃれ付いてる。何気に胸とか当ててるのってたっちゃんだけだよね?

湊も紀子も瑞希もクラス、いや学年で見てもかなり美人の部類に入ると思う。普段一緒に居るからこそ、自分に自信があまり持てない。
本当はたっちゃん、私なんかより他の女の子と付き合ったり、キスしたり、その、あの、セックスしたりとか・・・
そんなことを考えてると気分が落ち込み、背筋を走る悪寒みたいなもので体が冷え切ったような感覚に陥る。
「美紀、調子悪いのか?顔が青いぞ?」俯いていた私の視界に入る愛しい人。思わず涙が出そうになる。
「ちょっと失礼。」そういってたっちゃんは私のおでこにおでこを合わせる。暖かい。私の瞳からこぼれた雫が私の頬を濡らす。

「熱は無いみた・・・お、おい、泣くなよ美紀。俺なんかやっちまったか?っておでこか?それなら悪かった!すまん!」
「あー!たっつーがミキティ泣かしたー!」「えっ!?海神君、美紀に何かしたの!?」「美紀!?どうしたの!?」
「お、俺は美紀が顔真っ青にしてるから調子わるいのかと思って・・・。」
女性三人に攻められるような形になってるたっちゃんが慌ててる。たっちゃんの優しさは伝わったから、私からフォローしてあげないと。
「たっちゃん、瑞希、湊、紀子、ありがと。こんな楽しいパーティが来年出来ないと思うと、ちょっと寂しくなっちゃってね。」
ちょっと苦しい言い訳。こんなの私のキャラじゃないし。
「ちょっとミキティらしくないんじゃなーい?私たちは親友だよ?何があったってまた集まれば良いじゃん!
 来年は受験が終わったらみんなで旅行にでも行こうよ!ね?」瑞希らしいフォローにまた涙が出てくる。
「うんっ!ありがとう、瑞希!」「わわっ!私はそっちの気はないぞっ!でもミキティが喜ぶなら、今だけ撫でちゃる!」
「わ~!そんなにぐしゃぐしゃしないでよー!」「あははっ、涙目のミキティはなんだかかわいいぞー!」
私は本当にいい友達を持ったと思う。こんなに暖かい空気、なかなか味わえないもんね。

569:辰則と美紀のクリスマス 中編(3/5) ◆POBrm2R/G2
08/12/19 07:51:09 Ryej+yZs
美紀のいきなり泣きだした騒動から1時間経過。俺はパーティ一番のお楽しみを急ピッチで仕上げている。

あの後、女子に混じって料理を食べたり一緒にゲームしていたら、突然佐々木が「そういえばたっつー、クリスマスケーキは?」なんて言い出した。
完成したケーキはあるのだが、ちょっとした細工をするために「じゃあちょっと用意してくるから10分ほど待ってくれ」と宣言し、台所に移動。
ちなみにケーキはブッシュ・ド・ノエル。5分ほどでケーキに細工を施し、階段脇の納戸からプレゼントの入った白い袋を取り出し、サンタ帽を
身につけ、準備完了。サンタ服に着替えるのははめんどくさいので却下。

「メリー・クリスマース!今日のケーキはブッシュ・ド・ノエルだぞー。」「「「「わー!すごーい!」」」」
女性陣の関心の声が上がる。こういうのってちょっと嬉しいよな。
「既に切り分けてあるから、好きなのを取ってってくれ。」
ケーキに群がる女性陣。あれ、俺のこのカッコは無視かい?お兄さん、泣いても良いかな?
「あれ?たっちゃん、その袋は?」
やっぱり持つべきは幼馴染だよな。真っ先に美紀が気付いてくれてお兄さんの機嫌も急上昇。
「これか?実はそのケーキにはちょっとした細工があってな。ケーキのどこかに数字を印した飾り付けをしてある。
 その番号に応じたプレゼントが、この袋に入ってるのさ。ま、普段みんなにはお世話になってるから、そのお返しだよ。」
「「えっ!(たっちゃん|海神君)のプレゼントがもらえるの!?」」
美紀と水上さんが異様な反応を示した。水上さんはともかく、美紀ってこんなに俺からのプレゼント喜んだっけ?
「おう。一人一人違うプレゼントだぞ。ま、安物だけどな。」
「たっつー、それは言っちゃダメよ。」「そうだよ~、冗談でも『高かったんだぞ』くらい言わないと~。」
佐々木と木津さんが文句を言ってくる。いや、4人で1万円って結構な出費なんだけどな。


ケーキを食べ終え、女性陣の手元には俺から渡したプレゼントがいきわたってる。佐々木はケーキを食いながら包み紙を破いていたが・・・。
佐々木には1の『FACEBANK』、木津さんには4の『ザ・フロッグウェザーリポーター』、水上さんには2の『バスパレット マイオーシャン』、
美紀には3の『ペコっぱ』。正直、1は佐々木に当たってくれて助かった。木津さんならまだしも、他の二人なら絶対嫌がるだろうからな。

「たっちゃん、見事に全部おもちゃだね。」「悪いか?なかなかいいと思ったんだが。」
確かにアクセサリーとかの方がいいかと思い悩んだけど、アクセサリーのプレゼントって変に勘違いしたりしないか?と思い却下。
「なにこれー!キモーイ!あはははっ!コイツお金食べてるー!」
「へぇ、気圧でこの水が上がったり下がったりするんだ。今日は天気がいいから、低いみたいだね。」
「お風呂に浮かべるおもちゃかぁ。早く使ってみたいなぁ・・・」
既に中身を見ている3人の反応は上々、なかなかの高評価みたいで一安心する。
「美紀のもあけてみようよっ!」「そうだぞそうだぞ!独り占めしようなんて卑怯だぞ!」「私もちょっと見たいなぁ・・・」
そう思っていたら、唯一プレゼントを開封していなかった美紀に非難の声。早々に折れる美紀。
「わかったわかった!今から開けますよっ!」

「ていうかさー、たっつーってなかなかひどい男だよね?」ペコッ
「そうそう、優しい顔して酷い事言うんだから、えぐいよね~?」ペコッ
「いや、あの、海神君は優しい人ですよ?でも、その優しさが罪です・・・」ペコッ
「確かにねー、朴念仁って言葉がぴったりだと思わない?」ペコッ
「お前ら、ペコっぱ相手に俺をけなして楽しいか?」ペコッ
「・・・こいつ壊したろか」ペコッ
「「「「あはははははっ!」」」」
なぜか俺に対する愚痴をネタにペコっぱで遊ぶ4人。なんだか不愉快だ。気分を害された俺は、空いた皿片手に台所へ逃げ込む。
皿を洗っていたら気分が晴れてきて、気付けばクレープとクッキーを作っていた。てかクッキー好きだな俺。
時間がかかったものの、なかなかいい作品が出来た俺は、何の警戒もなくリビングに向かった。

570:辰則と美紀のクリスマス 中編(4/5) ◆POBrm2R/G2
08/12/19 07:51:41 Ryej+yZs
「あはははっ、良いではないか良いではないかっ」「いやーん、そこくすぐったーい♪んぁ!そこはダメだって!」
「美紀の体ってホント綺麗だよね・・・出るとこ出てるし・・・」「ふぁっ!ちょ、湊、感じちゃうからだめぇ・・・」
俺はクレープとクッキーがのったトレーを持ちながら、リビングの扉の前で固まっている。
俺がいない約30分ほどの間に一体何があったんだ?この百合の花が咲いている楽園のような場所に飛び込んでいいんだろうか。
いやいや、ただのマッサージだろ。いやらしい考えをするな、俺よ。南無妙法蓮華経、悪霊退散、臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!
なんだか訳の分からない呪文を唱え、意を決して扉を開ける。
「おーい、クッキーとクレープ作ったんだがいる・・・か・・・?」
・・・ここはどうやら本当に楽園だったようです。どうもご馳走様です。
木津さんの服の裾から手を突っ込んで胸を愛撫している佐々木。木津さんのちらりと見える白い肌とおへそがまぶしい。
水上さんは水上さんで服を捲りあげられた美紀の胸をブラの上から揉みしだいている。美紀の水色のブラにくらっとする。

俺は急いで回れ右、逃げるが勝ちと言う事でリビングを脱出しようとしたら、何者かに全身を拘束される。
「え、えと、その、これは、あの・・・」全身の汗腺という汗腺が開く。嫌な汗がだらだらと流れる。
「ちょっとこっちに来ようか、たっちゃん?」「そうだね、ちょっとお話聞かせてくれるかな?」
美紀と木津さんの声がすごい怖い。ごめんなさいごめんなさいごめん(以下略


「確かに湊にお酒を飲ませた瑞樹も悪いけど、たっちゃんも女の子しかいない場所に入るときは声かけようね?」
ちなみに佐々木は水上さんを美紀の部屋に運んで介抱している。
「そうだね。ちょっとマナー違反かなっ!」「はい、ごめんなさい、もうしません。」
と言うか俺は悪くないと思うんだが、女の子の肌を見てしまった以上謝るしかない。
「でもでもっ♪辰則くんは私のエッチな声聞いて興奮しちゃったかな?」「う、それについてはノーコメントで。」
「へぇ、じゃあ興奮しちゃったんだねぇ♪まぁ美紀の方が色っぽい声出してたけどねぇ?」「わ、私は仕方ないじゃん!」
「ほほう、なんでかなぁ?」「だって、そりゃ、あんなとこ触られたら、声出ちゃうし。」
お願いだから男の前でそんな生々しいお話しないでください。体育座りで色々と隠さないといけなくなりますから。
「どこ触られちゃったのかにゃ~?」「むー!じゃあ紀子にしてやるー!」
「えっ!ちょ、辰則くんがい、ふあっ!そこはだ、んにゃあ!」「ほらほらー!感じるでしょー?」
「んんんっ!美紀、ちょっとおかし、やぁ!もう!私だってやってやる!」「んあっ!ちょっと、そこはやめっ、あん!」
お前らも酒入ってるだろ?と思いつつもあまりの光景に頭に血が上りすぎて、美紀と木津さんの嬌声を聞きながら、俺は意識を手放した。

571:辰則と美紀のクリスマス 中編(5/5) ◆POBrm2R/G2
08/12/19 07:52:14 Ryej+yZs
紀子と乳繰り合ってたら、隣からバタッと言う音がしたので見てみると、顔を真っ赤にして目を回しているたっちゃん。
「「(たっちゃん|辰則くん)!?大丈夫!?」」紀子も驚いたようで、私と同時に駆け寄る。
「たっちゃん!?どうしたの!?ねぇ、ねぇ!」「美紀、ちょっと落ち着こう。まず体におかしい部分がないか調べないと。」
たっちゃんが倒れるなんて今まで無かったから、相当慌ててたみたい。とりあえず顔を真っ赤にしている以外におかしなとこ・・・っ!?
「美紀?どうしたの?・・・っ!?」
紀子もたっちゃんのおかしなところに気付いたらしい。まぁこれだけ主張してたら、ねぇ。
「・・・とりあえず。」「興奮しすぎて倒れちゃったんだね。」
原因が分かりほっとする私たち。まぁあんなことを目の前でやってたんだから、仕方ないよね。

「・・・ねぇ、美紀。」「ん?なあに?」
「あのさ、美紀も辰則くんのこと好きだよね?」「っ!?」
「わかっちゃうんだよね。なんとなく。」「・・・そっか。」
「だから、今からちょっと悪いこと、しちゃわない?」「え?どういうこと?」
「辰則くんの、コレ、見ちゃわない?」「ふぇ!?」
「美紀は、気にならない?」「た、確かに気にはなるけど・・・」
「これは私と美紀の秘密。誰にもしゃべらないし、辰則くんにも言わない。」「うう・・・でも・・・」
「美紀が嫌ならいいんだよ。私だけで見ちゃうから。」「そ、それはダメ!」
「・・・じゃあ、いいね?」「・・・分かった。でも、紀子も言わないでよ?」
「分かってる。絶対に守るから。・・・じゃあ、やるよ?」「・・・うん」
たっちゃんごめんね、美紀は悪い子です。でも、やっぱりたっちゃんが好きだから、気になっちゃうんだ。

「ってちょっと待てーお前らー!!!」「ひゃっ!」「わぁ!」
「たたたたたたっちゃん?!いいいいいつから気付いてたの!?」
「『美紀が嫌ならいいんだよ。私だけで見ちゃうから』あたりか?お前ら何しようとした?」
「いや、あの、その・・・辰則くんのね、あの、ソレが、立派だなぁと思って・・・」「それ?・・・あ、コレ見られたんだ・・・」
再び卒倒しそうなほど真っ赤になるたっちゃん。と言うかみんな真っ赤。
非常に空気が重い。えーと、なにか声を「みなっちふっかーつ!!・・・あれ?何この雰囲気は。またたっつーやらかした?」
「加害者確定!?今回俺はどちらかといえば被害者だっ!」「は?たっつーがひがい・・・なるほどねぇ♪」
瑞樹はたっちゃんの体を見、そして私たちの顔を見てそんなことを言い出した。何となく嫌な予感がするんだけど・・・
「たっつーのアレはおっきかったかい?」「ちょ!?ななななんて事っごほっ、ごほっ」
耳元で突拍子もないことを囁く瑞樹。思わず咳き込む私。いや確かに見ようとはしたけど見てはいないし!
「なるほどなるほど、見ようとしたらたっつーが気付いちゃったんだねぇ♪残念だったねぇ、お二人さん♪」
ずばり言い当てられ、真っ赤になってる三人。たっちゃんは体育座り。訳が分からないという表情の湊、ニヤニヤとしている瑞樹。
そんなこんながありつつ、デート前日は変な雰囲気のまま終わった。

明日、たっちゃんと顔合わせるのがツラいなぁ・・・

572: ◆POBrm2R/G2
08/12/19 07:53:59 Ryej+yZs
以上で終了。後編は現在ネタ出しの段階です。何とかクリスマスまでには仕上げたいです。
それはそうと特定商品の名前を出してますがごめんなさい。単純に自分が欲しいのもあります。特にペコっぱ。
また何かあればご指摘いただけるとありがたく。それでは。

573:名無しさん@ピンキー
08/12/19 08:44:36 sd3TKgtl
GJ幼馴染が欲しかったよおおおおおおおおお

574:名無しさん@ピンキー
08/12/19 13:01:33 qUXnOwkr
甘くて良いんだけど、セリフのやりとりは
「おはよう」「おはよう」
と書かずに、
「おはよう」
「おはよう」
と一つ一つ改行してくれ。読みにくいです。

575:名無しさん@ピンキー
08/12/20 13:06:20 +H2VUiFn
次から灯下。エロ無しです。

576:『この世で最も華麗な彼氏』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/20 13:09:06 +H2VUiFn
1
 高校入学と同時に、ボク達二人は付き合い出した。
 産まれた日も、病院も、時間も一緒。ベッドも隣同士。
 毎日暗くなるまで遊び、周りの連中に冷やかされても関係なく遊び、二人で揃って成長する。
 そんな幼馴染みが大好きで、手放したくなくて、溜め込んだ想いを全て吐き出して告白して、やっと二人は恋人になった。
 その後すぐに幼馴染みの両親へ挨拶に行き、ヨロシク頼むと了承を貰う。
 ただし、条件は三つ。

・高校を卒業したら、幼馴染みの両親がトップを勤める会社の社員になる事。
・幼馴染みとは結婚を前提に付き合う事。
・ボクと幼馴染みが高校を卒業するまではセックスしない事。

 以上が出された条件。
 つまり、ボクを婿に迎え入れて後を継がせたいと言うのだ。セックスするなってのも、ボクの我慢強さを見る為。
 きちんと仕事を続けられるか?
 他の社員に誘惑されても浮気せずにいられるか?
 それを計ろうしているだけ。
 なんて事は無い。ボクには歳の離れた兄が居るから婿に行っても大丈夫だし、幼馴染みも心から愛してる。三年間セックスをしなければ、ボク達の幸せな未来は確定なんだ。
 思えば、ここまでは良かった。
 ここまでは、順調だった……
 二人の関係が暗礁に乗り上げたのは高校一年の夏休み。その初日。ボクは時期外れな肺炎に掛かり入院した。
 手術を受け、薬漬けで横たわり、奇跡的簡単に回復し、夏休みの終わる前日に退院となった時……ボクの身体に異変が起こる。
 この異変こそが、暗礁に乗り上げた原因。条件を守ろうとする意志を揺るがす悪魔。

 ボクの身体は、美味しくなったのだ。

 中毒性の高い、この世で最も極上なカレー味に……

 そして幼馴染みは、重羽 美月(おもはね みつき)は、
 双海 砂耶(ふたみ さや)の、ボクの味に魅了された。




  『この世で最も華麗な彼氏』



577:『この世で最も華麗な彼氏』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/20 13:14:42 +H2VUiFn
2
 気温を挑発する太陽。鳴き止まぬ蝉の声。身体は本の海に沈む。
 学校の昼休み、静かな図書室の奥底で、卑猥な水音は響き続ける。
 本棚の波を幾つも掻き分けて辿り着いた、広い図書室の底。ソコでボクの指をしゃぶるのは、一年前に愛を語った幼馴染み。
「んっ、んっ、んっ♪ んっ♪ ぢゅるちゅっ♪ ちゅぷっ、はぁぁっ……とても、おいひいよ砂耶♪ さやのっ、とってもぉっ……んぢゅぅ~~~~~ッ!!!」
 ピリピリと、快楽の電流が全身を貫いた。肉体的では無く、精神的にボクの呼吸を荒くさせる。そうさ、誰だってこうなるよ。
 自分の愛して止まない人が、上目使いで、瞳を潤ませ、耳まで紅潮させて、差し延べた左手の指を膝立ちになって口に咥えたら、誰だってこうなる。
 手首を両手で持ち、人差し指と中指の二本をぽってりとした唇に挟んで顔を前後させ、肉厚な舌で情熱的に締め付けられたら、誰だってこうなるんだよ!
 もちゅぅっ、もぐゅもぢゅもぢゅ、ぢゅぢゅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!
「ねぇ美月ぃっ、まだ……ふうっ!? 終わら、ないのっ?」

 美月が変わったのはアノ日から。
 それまでは欠点らしい欠点さえ見当たらない、自慢の幼馴染みだったのに。
 背は170センチ後半でボクより20センチも高くて、スタイルも良いし胸も大きいし足だって長いし、髪だってサラサラで、綺麗で、勉強もできて何でも熟す、自慢の恋人だった。
 でも……変わった。ボクの味を知った日から。その日から、美月は変わった。

 最初は「砂耶って変な味するな?」の一言。でも、次は十日後。次は一週間後。次は五日後。求めて来て、日を増すごとに間隔が短くなって行く。今はもう毎日。
 印象に残ってるのは去年秋のマラソン大会。走り終わった後、美月に「汗を舐めさせて!」と泣き付かれる。
 汚いから駄目だと断っても、校庭隅に生えてる大木の影に引きずり込まれ、押さえ付けられて、頬っぺたと首をベトベトになるまで舐められた。
 家のトイレでオシッコした時、台所で手を洗おうとしたら、捕まえられて指を舐められた事も有る。
 その後にビクビクと震えてヘタレ込んでたけど。



578:『この世で最も華麗な彼氏』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/20 13:16:42 +H2VUiFn
3
 どうやらボクの体内から出る分泌液には中毒性が有るようだ。そしてボクの感情が高まると更に美味しくなるらしい。だから、いちいちイヤラシイ舐め方をする。
 セックスはしちゃイケないって美月もわかってる筈なのに、わざと……興奮させるんだ。一年で、ボクを舐める為だけに進化して伸びた美月の舌。顎舌のラインに垂れるまでに長い。
 こっちも意地でサポーターを付けて勃起してるのを悟られないようにしてるけど、こんなんじゃ約束を守れない。いずれ間違いを起こす。
 そう思ったから、夕食後に美月をボクの部屋に呼んで、「もうボクの身体を舐めるな!」とキツく言った。
 大声で泣かれたけど、首を縦に振り、納得してくれたんだ。納得してくれたと勘違いしていた。だから翌日に思い知らされる。

 翌日、息苦しさで目を覚ますと、美月がボクの上に乗っかって顔を押さえ付け、舌を差し込んで咥内からジュルジュルと唾液を啜っていた。
 グッバイ、ファーストキス。「あんな事を言う砂耶がイケないの! 私は砂耶が居ないと生きてけない身体にされちゃったんだよ?」と開き直り、美月は完璧に末期症状。ちなみに、唾液は汗より美味しいらしい。
 それでボクも諦め、一日一回。激しくならないように学校で舐めさせてる。
 美月はその一回を濃厚に味わい尽くすだけ。胸元を開けて、淫語を連発して、ボクを興奮させて。
 
 ああ、無理だよ。こんなんじゃ堪えれない。
 今は高二の夏。卒業するまで後一年半。やっぱり堪えれないよ。毎日、毎日、美月を想ってオナニーするだけじゃ堪えれない。
 だけど、それでも、二人の未来を考えて堪える。


 ボクの味は、感情が高まれば高まるほど美味しい。
 何も無いより汗が、汗より唾液が美味しい。
 感情が高まった時に出る液が特にオイシイ。

 じゃあ、ボクのアレは?




続く。



579:名無しさん@ピンキー
08/12/20 13:18:43 +H2VUiFn
以上です。
後はエロ→オチで終わりです。

580:名無しさん@ピンキー
08/12/20 13:31:42 7NWl8YRR
>>579
寝取られ彼氏の作者さん、相変わらずエロくていいwGJ!

581:名無しさん@ピンキー
08/12/20 15:17:01 qn1rC8Q/
こいつのウンコはカレー味……?

582:名無しさん@ピンキー
08/12/20 18:11:18 GWiLC4ef
いいぞもっとやれ

583:名無しさん@ピンキー
08/12/20 20:01:20 jOV1KLsw
エロなしなのにエロいな~
GJ!!

584:サカユメ
08/12/22 20:55:43 iQLHFbjD
 私ね、結婚するの。キラキラ輝く指輪を撫でて彼女が言った。恋が何かを知らないときから馴染んだ目元が幸せそうに弛む。
黄昏は北風に追いやられてほんの名残を残すばかりだ。
 一緒に通った通学路の途中、小さな公園は二人だけの隠れ家を何度も作った思いでの場所。彼女の言葉に何かが崩れてくすんでいくのがわかる。
 嘘だろう、と口にしたいけどできない。だってあんまりにも幸せそうだから。
 どんなやつだろう。ささやかなに光る幸せを大きな閃光でかきけして、彼女を染めてしまったのは。
強く強くまぶたを閉じれば、天地がぐるぐると回っていった。




 ねぇ、起きて。少しずつ変わったけど一番耳に心地よい声に体を起こす。
細い指が頬をたどって、泣いていたのだとしった。
 結婚する?
 えぇ、するわ。
 さっきの笑顔よりも輝いた瞳に自分が映っている。
 とても悲しい夢を見た。
 大丈夫、これからもずっとそばにいる。
 でも大事なことに気づけた。
 幸せになろうね。
 うんと頷いて彼女の体を抱き締めた。あぁ夢でよかった!

585:名無しさん@ピンキー
08/12/22 23:09:55 EWORkUCq
>>584
こういうのもいいな
GJ

586:名無しさん@ピンキー
08/12/23 01:01:08 enx6rMRN
>>585
夢でよかったー……GJ!

587:コトコのカタチ_0 ◆DswpUl0rgY
08/12/23 19:59:34 TS1QqPHy
ぐるっと季節が一周してしまいましたが、
コトコのハナシ URLリンク(red.ribbon.to)
コトコのキス URLリンク(red.ribbon.to)
の続きです。



588:コトコのカタチ_1 ◆DswpUl0rgY
08/12/23 20:00:17 TS1QqPHy
 
 せっかくだからクリスマスの日にしない? と琴子が言ったので、何がせっかくだか判らないけど一週間お預けにされた。
 今まで散々待ったからね、別に一週間ぐらいどうってことないけどね、大人だしね、なんて言いつつ、琴子の夢子ちゃん的に発想に苦笑いしかできなかった。
 ま、そのくらい付き合ってあげるけどね。

 約束のローストチキンは、実は作るより切り分ける方に苦労をしたけど、琴子は子供みたいにはしゃいで喜んでくれた。
 いつもみたいに脈絡もなく会話をしながら、時々思い出したように赤ワインの味のするキスをして。
 僕らはやっぱり、今まで恋人じゃなかったのが不思議なぐらい同じタイミングでキスがしたくなった。
 これって何かのワナ? と疑いたくなるような甘酸っぱい幸せを、ここぞとばかりに思いっきり楽しんでいる。


 ブッシュ・ド・ノエルを食べ終えて、チョコレートの味のするキスの途中で、ついに我慢が出来なくなって琴子の腕を引いた。
 誘われるままに、琴子が立ち上がって僕のももの上に横座りになり、首に琴子の両腕が回った。
「……重くない?」
 小声で問われて、僕はそっと左右に首を振って目を閉じた。
 くちびるが落ちてくる。
 ふわりと重なった柔らかなそれに、僕は夢中になる。
 ぺろりと舌先で舐めると、琴子の身体が僕の上でぴくんと揺れた。
 その小さな反応が嬉しくなって、ぐいと強引に舌を差し入れる。
 ちろちろと舌先で琴子の舌先をくすぐって、舌の裏も舐め上げて、湿った音を立てながら深く深く口付ける。
 ときどき濡れた声を漏らす琴子が愛しくなって、僕は背中に手を回してぎゅっとその身体を抱きしめた。
 重ねたくちびるの端が嬉しそうに歪む。
 触れるときと同じ速度でゆっくりと離れて琴子は、僕の肩に腕を預けたままくすぐったく笑った。
 
「ね、要。『僕のこと好き?』って聞いて?」
 柔らかな笑顔で問われて、僕は少し間をおいて口を開く。
「僕は琴子が好きだよ」
 にっこり笑って、琴子を見据えた。
 こういうのは勢いで言ったほうが勝ちだ。
 当の琴子はそのアーモンド型の瞳を見開いて、二三度瞬きを繰り返した後、恥ずかしそうに首をすくめて小声でずるい、と呟いた。
「……ずるいのはどっち?」
「…………そうだね、ごめんなさい。あのね、要、あのね、」
「うん」
「私、要のことすき。すごく好き。考えれば考えるほど、すきなの。どうして今まで気がつかなかったのかな」
「なんでだろうね」
 同時に小さく笑いあって、そっと触れるだけのキスをする。
「…………要……しよ?」
 吐息混じりに、琴子が囁く。
 うっすらと細めた目が色っぽい。少し乱れた呼吸も、掠れた声も。抱きしめた熱い身体も。
 琴子がこんなにも色気を持っているなんて、僕は知らなかった。
 うん、と答えながら僕は、自分の身体が内側からどんどん熱くなっていく、と思った。
 
 服の裾から熱くなった手のひらを差し入れたら、琴子が身を捩った。
「……場所、変えよ?」
 ああそうか。
 こんなとこで始めても、後が困るか。
「客間?」
「ううん、要の部屋がいい。だめ?」
「いいよ」
 そろりと僕の上から琴子が降りて、もう一度だけキスをすると僕らは手をつないで階段を上った。


589:コトコのカタチ_2 ◆DswpUl0rgY
08/12/23 20:01:00 TS1QqPHy
  
 常夜灯のみに照らされる薄暗い僕の部屋が、琴子の気配で見慣れたはずの色を変える。
 ベッドに腰掛けた琴子が、くすくすと小さく笑った。
「なに?」
「ん、要の匂いがするなあって」
「…………におう?」
「違うよ。なんか、安心するの。懐かしいかんじ」
 ふぅん、そんなもんかな。
 琴子の隣に腰を下ろして、そっと手を重ねる。
「そういえば、ここに入るの久しぶり。十年ぶりぐらい?」
「そうだっけ?」
「うん。なんか、雰囲気変わっちゃったね」
「十年も経ったら変わるよ。一回出てったし。琴子の部屋も変わった?」
「うーん、あんまり変わってないと思うよ。今度来る?」
 ちら、とこちらを見上げたその目にどきんとした。
 うん今度ねと適当に相槌を打ちながら、僕は琴子にキスをする。
 軽く触れると琴子が身を離して、僕の頬を両手で包み込んだ。
 そのまま僕の眼鏡を攫って枕元に丁寧に置くと、片足をベッドに上げて身を寄せてくる。
 両手を伸ばした仕草だけで、抱きしめてと誘われて、僕は琴子の背中に両手を回した。

 琴子も、両の腕を僕の首に回して身体を密着させてくる。
 柔らかな乳房の感触ががダイレクトに自分の胸に伝わり、僕はまた思春期のようにどきどきする。

「…………やばい」
「どうしたの?」
「すごく、緊張をしています。琴子は平気そうだね」
「…………平気じゃないよ、ばか。あのね、さっきからキスするたびに、いけないことしてるみたいな気がしてる」
「いけないこと?」
「そう。昔、お母さんたちに内緒で、国道越えたすべり台の公園までよく行ったじゃない? あのときみたいな」
「ああ、なるほどね。うん、ちょっと判るかも」
「あのときと一緒なの。駄目な気がするのに、どきどきして、もっと、って思う。もっと、触って……」
 全部言い切る前に、琴子がくちびるを寄せてきた。
 もう何度目か判らない、背徳の味のするキスを交わしながら、僕はついに琴子の肌に直に触れる。
 その動作は緊張のせいでとてもぎこちなく、まるで初めてのときみたいで急に恥ずかしくなる。
 初めてついでに、琴子の昔の彼氏の顔を何人か思い出してしまって、慌てて打ち消した。

 過去のことは言ってもしょうがない。お互い様だ。
 出来たら知らなければよかったとは思うが、取り返しはつかない。
 救いは最近の彼氏の顔を知らないことか。
 見苦しいな、僕。

 背中をそっと撫で上げる。
 ぴく、と琴子が震えた。
 するすると洋服を脱がせて、下着の上から軽くその胸を触れると、予想以上の大きさにちょっと驚いて僕は思わず手を止めて琴子を覗き込んだ。
「…………琴子って」
「な、なに?」
「着やせするんだね。知らなかった。案外大きい」
「か、要のばかっ。恥ずかしいから言わないで」
「恥ずかしいの?」
「恥ずかしいよ。男の先生に『ご立派ですね』って言われるし、男子に見られるし、女子に揉まれるし。だから出来るだけ胸が目立たない服着てるの」

 学校とはなんと恐ろしいセクハラが横行する場所なんだろう。
 男子が見るのは仕方ないし女子が揉むのもただのスキンシップだと予想しよう。
 一番初めのは非常によくないんじゃないか?
 眉根を寄せてしかめっ面を浮かべる僕を気遣うように、琴子が慌てて首を軽く振る。
「あ、でも、もっと大きくて悩んでる子はたくさんいるから。下着も、ちゃんとサイズあるし。
 困るほどじゃないんだけど、やっぱりね、突然触っていい? とか言われるとびっくりするし、もう少し、小さいほうが良かったかな」
「……………………そんな話の後になんなんだけど、触っていい?」

590:コトコのカタチ_3 ◆DswpUl0rgY
08/12/23 20:01:32 TS1QqPHy
 何か他に言うべきことはたくさんあるような気もするが、ちょっと余裕がなくなってきた。
 僕はもうずっと、琴子に触れたくて仕方なかったのだ。
 琴子を好きだと自覚してからおおよそ十ヵ月。ずっと望んできたことが、こうして現実になっている。
 夢見心地な今を早く現実にしたくて、余裕がないとは自覚しながらも僕は思わず琴子にお伺いを立ててしまった。

「……う、ん……触って」
 消え入りそうな声で、顔を俯けながら琴子が言う。
 指に軽く力を入れると、琴子の胸はなんともいえない弾力で僕の指を押し返す。
 大きさも、僕の手を広げたら片方がすっぽりとちょうどよく収まって、へんな話だけど僕のためにそこにあるような気さえしてきた。
「…………んん、要、……ふ」
 琴子にねだられるままにキスをして、僕はそっとそのふくらみを覆う下着を取り外す。
 紐を腕に滑らせて抜き取ると、肩を押してベッドに琴子を押し倒した。
 そのほっそりとした身体を、ぼんやりとする視界で懸命に見つめる。
 僕の視線に気がつくと琴子は、恥ずかしそうに両腕で自分の胸を覆った。

「……なに?」
「琴子の裸見るのって、二十年ぶりぐらいかなーと思って」
「え、いつだっけ?」
「小二ぐらい? 夏休みにウチのおじいちゃんち行ったとき、みんなで風呂入ったじゃん」
「………………そうだっけ……やだお願い、忘れて」
「えー」
「恥ずかしい……」
「ちゃんと成長してるから、大丈夫……」

 首の付け根を舐めると、琴子が鼻にかかった甘い声を漏らす。
 もっと聞きたくて、くちびるだけでそっと首筋を撫でたり、舌をべろんと這わせたり、歯を立てたり吸い付いたり、耳に息を吹きかけたり。
 思いつく限りの方法で琴子に触れる。
 僕が何かするたびに、聞いたことのない高い声が琴子の口から漏れていた。

「あ、あっ……まって、要も脱いで。恥ずかしいじゃない」
「はいはい」

 取り合えず自分も衣服をすべて脱ぎ落してから再び琴子に肌を重ねる。
 暖房を入れているとはいえ、若干の肌寒さを残す室内に素肌をさらされていた琴子の肌は少し泡立っていた。
 額を撫でて、見つめ合って、同時に瞳を閉じて、吸い寄せられるようにキスを交わしながら、指先は頬を伝って首筋を通り、両の膨らみへと落とす。

 琴子の胸は、今までに触れたどんなものよりも柔らかくて気持ちがよかった。
 こんな素晴らしいものが近くにあったのに、今まで知らなかったなんて全くもったいない。
 ずっと触れていたい、と思ったのは一瞬のことで、すぐに他の刺激が欲しくなり、片方の手のひらを滑らせた。
 きゅっと理想的にくびれた腰を撫でて、布地の上からそっと触れる。
 琴子が、声にならない吐息を漏らした。
 柔らかいそこを慎重に撫で上げる。
「あっ」
 一層高い声をあげて琴子は身を固くした。
 その反応に気をよくした僕は、くすぐるように指の先でそこを何度も往復させる。
「んん…、ん、あっ……や…………要っ、あ!」
 すっかりと余裕を失ったその声に、僕まで引きずられるように余裕をなくして、しっとりと湿り気を帯び始めた下着の内側に手を差し入れる。
「あんっ」
 彼女自身から溢れた水分のぬめりを借りて、そっと襞の間に指を滑らせた。
 形を確かめるように、何度もそこをなぞる。
 琴子からどんどんと染みだしてくる愛液が、指に絡んでぐちゃぐちゃと卑猥な音を室内に響かせた。


591:コトコのカタチ_4 ◆DswpUl0rgY
08/12/23 20:02:53 TS1QqPHy
 
「あ、ああっ……」
 だめ、や、と何度も短く言いながら、琴子が首を激しく左右に振っている。
 僕の二の腕を掴んだ指先に、どんどんと力が籠っていく。
 血の気が止まりそうに痛くなってきたところで、僕は愛撫の手を止めて、琴子の顔を覗き込んだ。
「……大丈夫?」
 僕が低く問いかけると、琴子は驚いたようにきつく閉じていた両目を開いて、何度か瞬かせた後に恥ずかしそうに瞼を伏せて視線を反らした。
「え…あ、……うん、大丈…夫だから、えっと…………。もっと…して」
 潤んだ瞳で懇願をされて、僕の胸はいっそうに高鳴った。

「ん」
 自身が一回り肥大して興奮を抑えるのにやっとな僕は、そう短く答えるのが精一杯だった。
 余裕のなさを誤魔化すために、顔を背けたために露わになった首筋にくちびるを落とした。
「あっ」
 同時に、指先にぐっと力を込めて琴子の中に人差し指を侵入させる。
 そこは驚くほどの熱と湿度を持っていて、僕を誘い込んでいるようだった。
 くい、とその指を折り曲げてかき混ぜると、琴子がまた薄く喘ぐ。
 下着の中で動き回る不自由さに限界を感じて、そっと最後の一枚を脱がしにかかった。
 するりとウェストに手を差し入れると、僕の動きを察知した琴子が腰を軽く浮かせて助力をしてくれる。
 細く引き締まった両足から薄っぺらい下着を引き抜く。かかとに引っ掛かったそれをちらりと片目で確認をしたら、色はワインレッドだった。
「……クリスマスカラー?」
 胸の内で呟いたつもりが、しっかりと声に出ていたようで。
 真っ赤に染まっていた顔をさらに首まで赤くした琴子が、ばか、と小さくつぶやいた。
 ごめんと口先だけで謝って、キスをする。

 もしかしなくても、僕のための用意かな。
 琴子自身が、僕にとっての最高のクリスマスプレゼントだ。

 うきうきしつつ舌を深く絡ませながら、膝を開かせてその間に陣取った。
 白い太ももと撫でて、身を起して膝に手のひらを乗せる。
 その手に力を込め、ぐいとさらに大きく割り開く。案外簡単に露わになったそこへ鼻先を近づけた。
「あ……やだっ」
 僕の次の行動を察知した琴子が、今更なのに足に力を込めて膝を合わそうとするが、それより早く僕は皮を被った陰茎に舌を這わせる。
「ああっ」
 琴子の全身がびくんと痙攣をした。
 舌先にダイレクトに伝わる女性の味に興奮をして、僕はまるで獣のようにぺろぺろとせわしなく舐め上げる。
「んっ、んん……あ! や、まって……!」
 琴子の手が伸びてきて僕の頭頂を髪の毛ごと掴んだ。
 僕は頓着せずに、愛液の滴る花心に吸いついて、ついでに手持無沙汰になっていた指先を内部に埋め込んでしまう。
「あ! やっ……やだ…ぁ」
 そこはさっきよりも一層激しい熱に満ちていた。
 早くここに自身を突き立てたい。
 そんな欲望に捕らわれた僕は、まるでやっと食事にありついた犬のように意地汚く琴子を舐めまわし、指の抽送を繰り返す。

 後から後から溢れてくる粘液を拭うように舐め取った。
 奥まで差し込んだ指を、ぐいと折り曲げて内壁を探るように撫でる。
「ぁ……ふ、んっ…ああ!」
 僕の行動一つ一つに、琴子が身を震わせて反応をくれる。
 どんどんと楽しくなってきた僕は、調子に乗って指の動きを激しくする。




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