【友達≦】幼馴染み萌えスレ16章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ16章【<恋人】 - 暇つぶし2ch400:名無しさん@ピンキー
08/11/17 00:02:06 7sNEhDH6
俺がもがき苦しむ姿を楽しんでるな
GJです

401:名無しさん@ピンキー
08/11/17 00:11:31 RDYv7u/m
ああああああああああああ気になるうううううううううう!!
GJ!

402:名無しさん@ピンキー
08/11/17 18:41:21 JetfKhz0
何という天然ドSっぷりw

403:名無しさん@ピンキー
08/11/18 00:54:33 IXEIIUM1
ここってファンタジーってあり?

404:名無しさん@ピンキー
08/11/18 01:06:12 /CdwgIyB
幼馴染であれば

405:名無しさん@ピンキー
08/11/18 01:08:22 IXEIIUM1
じゃその内投下します

406:名無しさん@ピンキー
08/11/18 01:13:12 PKBh64pN
厚着で待ってます

407:名無しさん@ピンキー
08/11/18 02:49:18 IXEIIUM1
405です
ファンタジーな幼なじみもの投下。

エロなしほのぼの
巨乳好き俺様王子としっかり者婚約者候補

全体的に少女マンガ風味で王道で色々とアレでイタタな話なんで、
ダメそうならスルーよろしく


408:成人の儀
08/11/18 02:52:38 IXEIIUM1
これは、とある世界での、昼下がりの出来事。
東南に海を臨み、西に豊かな山脈が連なる王国にて、今日はめでたくも成人の儀が執り行われた。
そのため、国のちょうど真ん中に位置する王城内は、右往左往する人々の姿で溢れていた。
なにせ、成人と認められる15の年までに何らかの優秀な成績を修めた者は、
王城主催の成人の儀に出席する権利を得られるのだ。
家柄も階級も関係なく、才能ある前途有望な若人にのみ、王城の堅い門扉は開かれる。
そしてついにこの日、王城を目指した若者たちの努力は報われたのである。
そんな、喜び溢れる王城内に浮かされたように、中庭の回廊を駆けていく姿があった。

「はぁ…はぁ…」
長い金髪を結い上げ、真っ白な肌の頬を紅潮させた少女だ。
何かのパーティーにでも行ったのだろうか。
少女の幼さの残る顔立ちに比べ、少し大人っぽい青のドレスを身にまとっている。
前方を真っ直ぐ強く見据える青の瞳は、纏ったドレスにも負けずキラキラと輝いていた。
その瞳で、少女はドレスの裾を両手でつまんで、キョロキョロと周りを見渡している。
「もう…どこに行ったんだろう」
息を乱して呟くと、少女は回廊を渡りきろうという手前で足を止めた。
「こういう日ぐらい、ちゃんと祝ってって言ったのに…」
メイフェルディ・ウォルト―メイリィは、走ったせいでもなく高ぶる気持ちを落ち着けようと、
先ほどのことを冷静に思い返すことにした。



409:405
08/11/18 02:54:59 IXEIIUM1
さわりはこんな感じ。
残りは明日投下します。
もう寝る


410:名無しさん@ピンキー
08/11/18 04:47:33 PB92f/pf
こりゃぁ…携帯(からの投稿)小説か

411:名無しさん@ピンキー
08/11/18 05:06:23 zRWYrE1i
>>409
明日はコピペなど駆使して一気に投下して、投下終わり、ときちんと書くんだぞー

412:名無しさん@ピンキー
08/11/18 11:00:08 H96WFEUx
萌える

413:名無しさん@ピンキー
08/11/18 17:36:01 kQ4OUh45
このスレのSSとゴーイングアンダーグラウンドの曲はなんとなく合う

414:名無しさん@ピンキー
08/11/18 18:08:16 ovcwT2TR
ミラージュとかな。

415:名無しさん@ピンキー
08/11/18 20:53:08 cRTKjIbW
俺も最近幼馴染みに好意を抱くようになってきた。54歳だけど

416:名無しさん@ピンキー
08/11/18 20:55:11 NQ3afyWZ
俺は最近幼馴染から敵意を抱かれるようになった。23歳

417:名無しさん@ピンキー
08/11/18 21:08:26 kQ4OUh45
>>416
なにしたんだよw

418:名無しさん@ピンキー
08/11/18 23:29:54 0wGwLrnp
俺は昔から幼馴染から敵意しか抱かれていない。19歳

419:成人の儀
08/11/18 23:30:42 IXEIIUM1
続き投下します。
お察しのとーり携帯からなんで読みづらいときスマン

420:成人の儀
08/11/18 23:33:06 IXEIIUM1
ざわめく広間では、参加者の緊張でぴんと張っていた空気が解けた反動からか、そこかしこで馬鹿笑いや大声が上がっている。
一大行事である成人の儀は無事終了し、今は玉座のある大広間で慰労の舞踏会が行われていた。
先月で満15才となり、様々な分野で才能を開花させてきたメイリィも、もちろんこれに出席していた。
『おめでとう、メイリィ。よくもまあ、ウチの愚息の相手をしながらこれほどの成績を修められたな。
お前の努力には、いつも目を見張らせられるよ』
そう言って、いつにも増して目を細め笑いかけたのは、この国の十七代目の王。
レイド・A・ライゼリムその人だった。
その昔『東南に武王あり』と恐れられたレイド王は、今でさえ屈強な体に衰えが見えない。
そして、強面な見た目に反して、性格は至って大らかで親しげだ。
『とんでもございません、陛下。
いたらぬ私を王子のご学友として迎えて下さった陛下や王妃様に報いる為には、このぐらい当然です』
恭しく礼をしながら、けれど毅然と言い放つメイリィ。
15才とは思えぬほどの意思の強さが、彼女を大人びさせる。
『…そうか。しかし、なんだな。メイリィも晴れて大人の仲間入りになったんだ。
もう少し色っぽい返答も覚えにゃならんぞ。どうだ?そのご学友…バカ息子との最近の進展なんぞは』
苦笑するレイド王に対し、メイリィはにこりともせずにべもない。
『お言葉ですが、陛下。コール王子と私の婚約は、あくまで形だけのはずではなかったでしょうか?
恐れ多くも、特に有力でもない家柄の私を王子のご学友として立てて下さったことは感謝しております。
ですが、婚約となるとこの身には余りすぎて、とても現実として考えられません。
なにより、王子ご自身がご不満を覚えていらっしゃるはずです』
いつもの朗らかな表情から一変して、硬い、実をつけたばかりの蕾のようにかたくなな顔。
レイド王はまだ苦笑しながらも、玉座から離れ、拝礼の姿勢をとっている少女の前に立った。
そして、丸く細い肩を、なだめるようにポンポンと叩いてやる。
『そうかな?俺には、あの人一倍意地っ張りで見栄っ張りの負けず嫌いが服着て歩いてるようなやつが、
お前には唯一気を許しているように見えていたんだがな』
『え?』
メイリィは目を見開いて、ついレイド王の顔を見上げてしまった。
許しもなく王の顔を見上げてはならないという規則を忘れるほど、メイリィには衝撃の言葉だった。


421:成人の儀
08/11/18 23:35:46 IXEIIUM1
『お互い、もう子供じゃない。たまには意地とか体裁ってのを取っ払って、素直になったらどうだ』
『陛下…』
『もちろん選択権はあるさ。俺も鬼じゃない、お前がどうしても嫌だってんなら辞退も考えよう。
だが、お前たちはまだ何も始まってないんだ。どうせやめるなら、一度ぐらい試してみないか?』
レイド王の言葉は、まるでメイリィの心を見透かしているかのようだった。



「陛下は、私とコールが恋仲になると思ってるのかな…」
ようやく整ってきた息を、すうっと吸い込んで吐き出し、胸を落ち着けさせる。
メイリィにとって、さっきのレイド王の言葉は、全て寝耳に水とも言うべきものだった。
「私とコールの関係なんて、ただ学友として一緒にいただけの、腐れ縁みたいなものなのに」
(けど、こうしてわざわざ探しまわってるのは、本当にそれだけの理由かしら)
自問自答している自分に、心臓がどきどきと責めている。
メイリィは、自分で自分の気持ちに折り合いをつけることができなくなっていた。
レイド王は、言葉でもってメイリィの気持ちを操る魔法でもかけたのだろうか?
こんな落ち着かない気持ちは初めてだ、とても耐えられそうにない。
メイリィがそう思ったときだった。

「……いじゃない、せっかく…の日なのに~。ヒドイ男ね、コール様」

(コール様…?)
甘ったるい女の声が確かにそう読んだのを、メイリィの耳は聞き逃さなかった。
コール。
それは今探している男と同一人物かと、メイリィは声がした方へ無意識に足を運んだ。
それが最悪の事態になろうとは、知る由もなく。


422:成人の儀
08/11/18 23:38:55 IXEIIUM1

「ふん、その晴れの日に誘ってきたのは貴様の方だろう。何がひどいだ。俺様に非はない」
「そうかしら。こんなとこで、分かりやすい誘い文句を口にする方に、非は微塵もない?」
「貴様、俺様に同じ事を二度も言わせる気か。…よほど仕置きを受けたいようだな」
「ふふ…女ですもの。手加減はなさってね」
「誘い上手も過ぎれば興ざめだな…」

メイリィが、中庭の奥まった場所で見た光景。
眼鏡を掛けた黒髪の男と、豊満な体を持った貴族の婦人の密会現場。
それは、メイリィを婚約者候補としているはずのくだんの王子コール・A・ライゼリムと、
成人の儀に列席したと見られる年上の女性が、キスをしながら抱き合っているというものだった。
メイリィはまず、驚きと羞恥とみじめさで、軽いめまいを覚えた。
ともすれば、膝が崩れそうになるほどの衝撃だった。
そして、その最初の衝撃が過ぎ、一番にメイリィの感情を突き抜けていったのは、怒りだ。
(別に、今さら驚くようなことでもないじゃない。コールは前から女好きだったし、
私には隠そうとしてたみたいだけど、何人かの人と付き合ってるって噂なら前からあった。でも…)
メイリィは、薄い手の甲に血管が浮かぶほど、ぎゅっと拳をにぎりこんだ。
(よりによって、今日、このタイミングで!私とは全然違う美人でスタイル良くて大人の色気たっぷり、
おまけに超・巨乳の人と、こんな所で、寒々しいセリフ吐きながらいちゃつかなくたって~!!)
メイリィの小さな胸の中はもはや、いろんな種類の怒りでごった煮状態になっていた。

423:成人の儀
08/11/18 23:41:27 IXEIIUM1
「コール!」
人の情事に出歯亀するような趣味などもちろん持ち合わせていないメイリィだったが、
レイド王の言葉で盛り上がっていた気持ちの行き着く先は、もはや怒りでしかないのだから仕方ない。
「め、め、メイリィ!?お前、舞踏会に出てるはずじゃ…」
メイリィの鋭い声に反応した男―コールは、さっきまでのカッコつけた雰囲気はどこへやら、
可哀想なほどうろたえていた。
「その舞踏会に最初に誘ってきたの、誰だっけ?」
「いや、ちょっと用事が出来てだな…」
「ふ~ん、こんなとこで女の人といちゃついてるのが、そんなに大事な用事なんて、知らなかった。
明日の王城新聞の三面記事が楽しみね~。『コール王子、真昼の逢瀬!相手はやはり巨乳だった!』」
「ばか…っ。ち、ちょっとこっち来い!」
慌てた体でコールはメイリィの細い腕を掴み、その場から引きずり出した。
「ちょっと、なにするの!?放してよ!」
「うるせぇ!」
暴れ出すメイリィを無視して、コールは力任せにずんずん中庭から離れていく。
自然、取り残された形の貴族の婦人は、腹を立てた様子もなく「ご愁傷様~」と手を振っていた。
「痛いって!舞踏会に戻るんだから放してよ!」
「説教したらいつまでも好きなだけ踊らせてやるよ!」
「なんで私が説教されなきゃならないのよ、立場が逆でしょ!」
「だから、部屋に戻ったら聞くって言ってんだろ、この貧乳!」
「なんですって馬鹿眼鏡!」
その、王子とその婚約者候補のものとはとても思えぬ言い合いを聞く者は、幸か不幸かいなかった。


424:成人の儀
08/11/18 23:44:15 IXEIIUM1

連れ出された先は、コールが執務室として使っている部屋だった。
書棚が右側の壁を埋め尽くす一方、左には様々な武器が飾られている、雑念とした部屋だ。
メイリィはいつもならなんとも思わず入るこの部屋に、言い様のない居心地の悪さを感じた。
「…放してよ。ここまで来たんだからもういいでしょ」
憤懣やるかたなし、といった表情のメイリィを見て、コールは渋々手を放した。
「ったく。なんであんなとこに居たんだよ」
溜め息混じりのコールにまた怒りが湧く。
あなたを探しにきた、なんて死んでも言いたくなかった。
「私がどこにいようと、コールには関係ないじゃない」
「かっ…わいくねぇな~いつもいつも!ちょっとはしおらしく言えねぇのかよ」
いつものメイリィなら、こんな憎まれ口は上手に流せるはずだった。
しかし、さっき女のプライドをズタボロにされたばかりのメイリィには、無理な注文だ。 「そうよ!かわいくなくてしおらしくもないよ私は!悪かったわね、美人でも巨乳でもない上に、
性悪な女が婚約者候補で!…でも、もう終りにするから安心してよ」
メイリィの常にない剣幕に圧倒され、コールはズリ落ちそうな眼鏡を引き上げることも忘れている。
一方メイリィは、驚きもあらわなコールをよそに、感情に任せて言葉を吐き出していた。
「七才の頃から腐れ縁でここまで来たけど、さすがに成人の儀を終えたらそうはいかないでしょう?
私、婚約者候補を辞退するって陛下に進言する。政略でも恋愛でもない婚約が、成立するわけないもの」
唇を噛んで悔しげに言うメイリィは、言っているうちにこれが一番いい方法なのでは、と思えてきた。
そうなれば、ウォルト家は再びただの中流貴族に戻るだろう。
だがそれで普通なのだ。
ウォルト家は、王と王妃に一時の恩を売ったことによって顔を覚えられた。
その際、たまたまメイリィの利発さと容姿が王妃の目に止まって、コールの学友に推挙される。
その頃、一ヶ月と埋まることがいなかったコールの学友の席。
問題児の王子の学友など、誰も務めることは出来ないだろうという宮中の噂は、
しかし、メイリィが着任したことで覆されてしまった。
喜んだ王妃は、半ば強引に、当時8つだったメイリィをコールの婚約者候補にしてしまったのだ。
だが、学友になることはできても、婚約者に、ましてや伴侶になどなれるはずもないとメイリィは思う。
友達は、恋人ではないのだ。


425:成人の儀
08/11/18 23:48:30 IXEIIUM1
「ちょっと落ち着けよ。大体、辞退ったって、あの親父が簡単に許すはずねぇだろう。
お前だって、せっかくありえねぇほど賞取りまくって今年の成人の儀のトップになったんじゃねぇか。
俺の婚約者候補って肩書きがありゃどんな施設も使い放題、おまけにその成績ならどこだって歓迎だ。
もう少しの間くらい、我慢しろよ」
な?と、なだめるように頭を撫でてくるコールに、理由の分からない寂しさを抱いた。
メイリィは、そんな自分に戸惑いを覚える。
「いいか?俺様の婚約者候補になりたいだなんて女、他にゴマンといるんだぞ?
お前、もうちょっとその辺有り難み感じろよな、ったく。…ま、ガキには分からんかもしれんがな」
そう言って、ひひ、と下品に笑うコールに、メイリィは笑いも怒りも、ツッコミも返せない。
(やっぱりコールは、私が婚約者候補やめてもいいんだ…
コールにとっても、ただの肩書きでしかなかったんだ…)
なんだか、心の中に空っぽの空洞が出来て、そこから全ての感情が抜け落ちてしまったような気がした。
「そう…ね。そうかもね…今やめるんじゃ、もったいないかも」
「お、おう。だろ?」
メイリィの反応がいつもと違うせいか、コールは拍子抜けしている。それでも場を取り持たせようと、「よく言った!」などと言っておどけて見せた。
せっかくセットした髪は、コールが遠慮なく撫でたせいでぐちゃぐちゃになってしまった。
でも、その撫でた掌が温かくて、怒りもすっかり収まって、メイリィはもう切なくなるしか術がない。
つきつきと痛む胸の中、「我慢しろよ」「ガキには分からん」というセリフだけ、ぐるぐる、
髪の毛のようにぐちゃぐちゃに混ぜ返されていた。


426:成人の儀
08/11/18 23:49:46 IXEIIUM1
おざなりな会話もそこそこに、執務室をあとにしたメイリィは、早足で歩き出し、やがて駆け出した。
大手を振って走るので、青いドレスの裾が乱れて白い太股があらわになる。
だが、メイリィにはもはや何もかもがどうでもいい。
着ているのがメイリィなら、コールにはドレスでも部屋着でも同じなのだ。
『お前たちはまだ何も始まってないんだ。どうせやめるなら、一度ぐらい試してみないか?』
不意に思い出したレイド王の言葉が、溢れ出しそうな感情の歯止めを壊す。
スタート地点にも立てないのに、試すなんて出来るはずがなかった。
学友は学友、腐れ縁は腐れ縁でしかない。
せっかく15になって、成績も上げて、精一杯のおめかしをしても、コールにとっては無意味なのだ。
約束の舞踏会すら、巨乳美女よりは軽かった。
(あんな人と、恋仲になんかなれるはずありません、陛下。なれるもんか……)
つきつき、痛む胸。
(痛くて、泣けてくる)
溢れ出る涙を拭いもせず、メイリィは自室までひたすら走ることで頭を空っぽにしようとした。





427:成人の儀
08/11/18 23:53:45 IXEIIUM1
舞踏会もようやく終わり、静まりかえった夜更け。
王城のとある一室に、音もなく忍び込もうとする影があった。
キィ…
かすかにたてられた扉の音に、しかし中にいる部屋の主は眠っているのか、反応はない。
気配を完全に絶っている影は、見知った部屋なのか、暗闇の室内を迷うことなく突っ切っていく。
そして、寝室に踏み入ると、天窓から漏れる月明かりに照らされた部屋の主の寝顔を、しばし眺めた。
穏やかな寝息をたてているのは、まだ幼げな丸みを頬の線に残している少女。
その頬には、くっきりと涙の跡が残っていた。
ついさっきまで泣いていたことが窺える。
「悪かったな…メイリィ」
低い、音にならない声。
部屋の主とともに照らし出された影の正体、コールは、常にかけている眼鏡が外されているせいか、
いつもよりも表情が柔らかく見受けられた。
コールはおもむろにズボンのポケットから何かを取り出し、ベッドサイドの台の上に無造作に置いた。
それは小さな正方形の箱だった。
「この俺にこんなもん買わせやがって……」
悪態をついているようで、その顔は優しげだ。
どうかしている、とでも言うように頭をかきむしると、コールはまた足を忍ばせ、部屋を出ていった。
誰かに贈られても贈ったことはない彼が、半年以上悩んで選んだものがその箱の中身だとは、
メイリィはおろか、誰も知る由はない。
まして、贈り物まで用意しておきながら舞踏会の約束をすっぽかした男の複雑な胸中などは、
なおのこと誰にも計り知れないことであった。

その後、二人は三年の時を経て正式な婚約を交わすことになるのだが、それはまた別の話。





終わり


428:名無しさん@ピンキー
08/11/18 23:56:11 IXEIIUM1
以上です

やっぱこの板的になんか違う気がするな
お目汚し失礼

429:名無しさん@ピンキー
08/11/18 23:59:36 0wGwLrnp
>>407
GJ!!別に大丈夫じゃない?

430:名無しさん@ピンキー
08/11/19 00:01:07 iSHVCqSa
>>428
GJ。
さあ、すぐに別の話を書くんだ。

431:名無しさん@ピンキー
08/11/19 00:12:11 VpHWOUoR
>>428
さぁはやく婚約するあたりの話をだな

432:名無しさん@ピンキー
08/11/19 02:54:48 Vga5V+GG
>>431早い話セクロスシーンを書けって事ですね。
同意します。

433:名無しさん@ピンキー
08/11/19 20:14:26 123TmpxY
GJ!
二人の掛け合いでらんま思い出した

434:名無しさん@ピンキー
08/11/20 09:46:50 xMewV9EH
>>413-414
ミーハーながらランブルとトワイライトを推したい

435:名無しさん@ピンキー
08/11/20 12:39:52 kJ/xlsDv
>>434
たしかにトワイライトはガチ

436:名無しさん@ピンキー
08/11/24 09:14:09 ghPYTaKg
NTR彼氏マダー?

437:名無しさん@ピンキー
08/11/24 09:59:49 clGD4fIC
>>436
あの人、別スレに投下したばっかだからもうちょいかかるんじゃね?まったり待とうぜ


438:名無しさん@ピンキー
08/11/24 21:53:57 C7CCgbmY
練習スレに書き込みがあったから書き始めてるのは確か

439:名無しさん@ピンキー
08/11/24 22:22:50 ieKNT90n
もう1週間以上全裸なんだが

440:名無しさん@ピンキー
08/11/24 23:12:15 UEeQS6Uv
靴下くらい履こうぜ

俺はサンタ帽で乗り切ってるぜ

441:名無しさん@ピンキー
08/11/25 19:01:32 gqhMjBr5
>>437
どこですか?

442:名無しさん@ピンキー
08/11/25 21:29:40 f37r/qoX
>>440

ギンギンにいきり立ったイチモツにサンタ帽を被せて待ってるんですね。分かります。

443:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:19:05 1F5ZcwLo
>>441、337じゃないが、
恐らくココ。逆レイプスレの>>328から。他だったら知らん
URLリンク(same.ula.cc)

444:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:19:57 kuqNszmK
>>429
亀田が、凄いまったりと面白かった。
GJ!

445:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:24:04 kuqNszmK
しまった、アンカつけ間違った。
>>407につけたかったんだ。
あと亀レスと言う意味で亀田じゃないんだ。色々スマン

446:名無しさん@ピンキー
08/11/26 01:25:04 UBY4LdxO
じゃあどんな意味なんだ、>>444の亀田は
気になるじゃないか

447:名無しさん@ピンキー
08/11/26 18:46:29 GtKDBQ8n
446に『亀田』という名前の幼馴染みがいるとかしかおもいつかん…

普段は名字で呼び合う仲なんだが、メールで『幼馴染み』と打つと、変換されるとか。

苦しいな。

448:名無しさん@ピンキー
08/11/27 12:02:23 H9VcLzkR
みる度に笑いがこみ上げてくる444スゴス

449:名無しさん@ピンキー
08/11/27 17:31:13 qZZE1Nqp
句点をつけろw

450:名無しさん@ピンキー
08/11/27 21:14:18 C6PD9lor
亀田「私の何がまったり面白いの?」
444「……ゴメン」

451:名無しさん@ピンキー
08/11/27 23:19:50 SEK1s14n
>>444って
「亀レスだが」と変換しようと思ったのに「レス」を入力し忘れて
「かめだが」で変換>「亀田が」になったっていうオチじゃない?

452:名無しさん@ピンキー
08/11/28 00:00:02 NNf1701a
いやオチも何も普通にそうだと思ったが

453:名無しさん@ピンキー
08/11/28 11:48:52 939creKs
>>445で亀レスじゃないと明言している件

454:名無しさん@ピンキー
08/11/28 13:07:00 mYtQ3Y4I
444ですが、>>451の意味で合ってます。
亀レスって言いたかったのに、亀田って入れちゃったんだ。
日本語って難しいね。本当にスマンかった。

455:名無しさん@ピンキー
08/11/28 13:13:19 7c/ufVwd
スレリンク(tomorrow板:885番)

456:名無しさん@ピンキー
08/11/28 18:09:14 4mUdLISE
>>451
ネタに・・・

457:名無しさん@ピンキー
08/11/28 18:52:29 whdqAPOk
>>455
萌えますた

458:名無しさん@ピンキー
08/11/28 22:28:33 A+zKYioJ
>>455
萌えたと同時にどうしようもない空しさが

あれ 目から汗が…

459:名無しさん@ピンキー
08/11/28 23:21:53 KPrYSIgA
>>455
そのくらいの関係俺にだって…あれ…おかしいな、誰もいない…

460:名無しさん@ピンキー
08/12/01 00:56:51 SSIsO/Rr
保守

461:名無しさん@ピンキー
08/12/02 18:56:02 Dtz5k10A
「そー君、今からそー君に催眠術を掛けるなら、この五円玉から目を離しちゃダメだよ?
 そー君の部屋だし、もし催眠術に掛かっても、変な事を要求しないから安心して。てーか、拒否したら起こしてあげないよ~。
 あはははははっ♪ んっ……じゃ、いくからね? リラックスして~、りらっくま、りらっくま♪
 
 貴方はこれから、私に対して素直になります。嘘は絶対に付けません。そして、催眠術に掛かっていた時の事は、催眠術が時に忘れてしまいます。良いですか?
 う~ん、本当に掛かってる? ホントにホント? 絶対だねっ!?

 それじゃあね、そー君はドコにエッチな本を隠してますか?
 あらっ、黙っちゃった。やっぱり掛かってな……机の一番下の引き出しの奥ね?
 どれどれ……おー、ホントだ! じゃ、ホントに掛かってるんだ……

 それならさ、そー君。私の告白を聞いてくれないかな?
 そー君と私が出会って、もう14年だよね? 3歳の頃からだもん、幼馴染みとしても凄く長いよ。
 でね、そー君。黙ってたけど私ね、そー君が好きなんだぁ。ずっと片思い……化石になっちゃうかも♪ なーんて。
 そー君は、私を女として見てくれた事は無いかも知れないけど、私にとってそー君は一番大好きな男の子だったよ。
 だから、ねっ? この関係を壊したく無いの。そー君にフラれて、関係がギクシャクして、疎遠になってくのは堪えれないの。
 だからっ、だから催眠術なんか掛けて、そー君に告白して……って、そー君、なんで私の肩を掴んでるの?
 きゃっ!? どうしたのそー君、目が怖いよ? 私を押し倒したって……そっか、もしかして催眠術が変なふうに作用して……それならっ。

 はい、手を叩きましたよ。催眠術は解けましたよ! 解けたよね? ほらっ、好きでもない女の子を襲ったりしたら駄目だよ? 私だから良かったものの。わかったら……ふぇっ? 最初から掛かって無かったの?」



……と言うようなやりとりをしてみたい。

462:名無しさん@ピンキー
08/12/02 18:58:55 Dtz5k10A
脱字が多過ぎる……orz

朝起こして~

催眠術が解けた時に~ね。

463:名無しさん@ピンキー
08/12/02 21:46:28 8T1lDo/f
>>461
可愛いな。GJ!

464:名無しさん@ピンキー
08/12/02 22:16:28 nOuPoTyl
当然そのエロ本はダミーで本丸は別のところだな

465:名無しさん@ピンキー
08/12/02 22:22:40 kcEVrcq0
どっかのエロマンガで似たようなの見たなそれ、確かそれは幼馴染じゃなかったけど

466:名無しさん@ピンキー
08/12/02 23:39:39 32lzcUaP
>>461
それは大塚子虎の「ファレノプシス」ではないのか?

467:名無しさん@ピンキー
08/12/02 23:49:37 w7KHnHu7
幼馴染じゃないけどあったね

でもそういうやり取りしてみたいぜ…

468:名無しさん@ピンキー
08/12/02 23:50:27 Dtz5k10A
普通に、催眠スレ読んで思い付いただけだよ。

469:名無しさん@ピンキー
08/12/03 14:36:32 nxmR9Wzm
>>468
GJ
あああ可愛いいいい

470:名無しさん@ピンキー
08/12/04 01:06:40 0zjsXVoi
子ネタを投稿させていただきます。
タイトルは「居心地の良い距離感」

471:居心地の良い距離感
08/12/04 01:08:16 0zjsXVoi
「ねぇたっちゃん、膝枕して?」
そういって美紀―まぁ所謂幼馴染だ―は、俺の了承を待たずして勝手に俺の太ももに頭を乗せた。

「おい、美紀。まだ了承してないんだが。」
「いいじゃない、どうせOKだったんでしょ?」
「…まぁそうだが。」
「ならいいじゃん。今日は甘えさせて?お願いだから…」
そういいながら潤んだ目で俺のことを見つめてきやがる。俺がそれに弱いのを知っているくせに。

こいつが甘えてくるときは、大抵何かしらあったことを示している。
いつだったか、膝枕だけしてやって理由を聞かなかったら、その後が大変だった。俺の財布から、諭吉様が数人飛び立って言ったほどだ。

「で、今日は何があったんよ?」
「うん…今日はね、あのね、振られちゃったんだ…」
「振られたって、あの優しそうな彼氏にか?」
「うん、他に好きな人が出来たって…」
振られたときのシーンが思い浮かんだんだろう。目には涙が浮かんでいる。

「…なら、俺が彼氏になってやろうか?」
「たっちゃんが?冗談はよしてよ~。他に好きな子いるんでしょ?」
冗談じゃないんだが。いつもこうやって俺が付き合ってやる、とか言うと話をそらしやがる。
そのくせ、甘えてくるから性質が悪い。生殺しもいいところだ。
「まぁな。片思いだけど。」
「え~!マジ?誰?誰?!」
さっき泣いたカラスがもう笑った、じゃないが、爛々と目を輝かせている。
「バーカ、お前なんかに言えるかよ。」
本当にお前が一番なんだけどな。なんて甘い台詞、言えないが。
美紀と過ごす、この空気が、この距離感が好きだから、壊したくない。

「…ねぇ、たっちゃん。」
「ん、何だ?」
「手をぎゅってして?頭なでなでして?」
こんな泣きそうな声でお願いなんかされたら、黙って従うしかなくなる。
「…了解。」
美紀の左手を俺の左手に絡ませ、空いた右手で頭を撫でてやる。
さらさらとした美紀の髪の毛が気持ちいい。美紀も少し嬉しそうに目を細めている。

…って、よく見たらこいつ、もう寝てやがる。
「…ったく…」
今回は何時間寝るんでしょうかね。俺のお姫様は。
毛布をかけてやりながら、俺はこの姫様が起きた後の脚の心配をしていた。

472:470
08/12/04 01:10:36 0zjsXVoi
以上です。
初めてなので誤字脱字や、文脈のおかしい部分が在るかもしれませんが、
何かあれば指摘してくださるとありがたいです。

473:名無しさん@ピンキー
08/12/04 01:18:58 lBoktHIb
まーありがちな話だな…














が、しかし萌えたぜGJ!

474:名無しさん@ピンキー
08/12/04 01:22:56 VU8CoUg4
小ネタとはいうが……続編書いてくれよ。
多くのROMだってそれを望んでるはずだZE!

とにかくGJ。まぁ精々誤字を指摘するなら、

× 飛び立って言ったほどだ
○ 飛び立って行ったほどだ

くらいかな? いやー久々に保養になったよ。

475:名無しさん@ピンキー
08/12/04 20:55:13 jdYQEpSa
続きは?

476:470
08/12/05 03:32:48 7GAIxtEd
>>473-475
ありがとうございます。まさか続編希望が出るとは思わず、でした。
さっくりとですが、女性視点で続き物を作ってみました。

3レス消費予定。タイトルは「彼氏に出来ない理由」。

477:彼氏に出来ない理由(1/3)
08/12/05 03:33:53 7GAIxtEd
「…ったく…」
なんだかたっちゃん―本名は海神 辰則―が何かつぶやいている。
でも良く聞き取れない。たっちゃんの大きな手で撫でられると、無条件で安心してしまう。
多分、私はたっちゃんの事が好きなんだろうな。でも、彼氏にはしたくない。いや、出来ないだけなんだと思う。
この心地良い関係を崩すなんて、私には出来ない。そんな勇気無いもん。

あ、毛布をかけてくれた。相変わらず無愛想なくせに優しいんだから。
私は知ってるよ。たっちゃんは誰にだって優しいんだって。厳しい言葉の中にも、救いがあるの。
でも、そんなことしてるから、無節操にフラグが立っちゃうんだよ?

紀子でしょ、瑞希でしょ、あとー…あ、湊もだっけ。
私が知っている限りでは、最低限この3人はたっちゃんに惚れてるんだと思う。だって彼を見つめる瞳の輝きが違うもの。
私の大切な友人たちだけど、そんな彼女たちにさえ、たっちゃんは盗られたくない。たっちゃんは私だけの「特別」なんだもん。

――そんなことを考えていたら、ふと昔の光景が思い浮かんだ。

478:彼氏に出来ない理由(2/3)
08/12/05 03:34:52 7GAIxtEd
「ひっく、ひっく、ひっく…」
誰かが泣いている。誰が?
「ひっく、ひっく、ひっく…」
あぁ、私が泣いてるんだ。でも、何で泣いてるんだっけ?

ふと近づいてくる、街灯に照らされている誰か。あの人は、たっちゃん?
「…あんな大声で怒鳴ってたと思ったら、隣の家から壊れるんじゃないかってくらいのドアの音が聞こえたからな。」
ああ、そうか。これは夢だ。確か、中学1年の夏だったっけ。
「で、美紀のお母さんに話を聞いたよ。お父さんと喧嘩したんだって?」
「…あんなお父さん、嫌いだもんっ!」
今までたっちゃん相手にこんな大きな声は出したことが無い。自分でもびっくりした。

「…おい。」
さっきの自分の声の大きさより、たっちゃんのこの声の方が、びっくりした。
と言うより、たっちゃんが怒るんじゃないかって、怖くなった。
だって、いつもより、たっちゃんの声のトーンが低いんだもん。

でも、たっちゃんは怒鳴ることなく、いつもの口調に戻り、
「そりゃウチの親父だって、お袋だって、無意味に怒ることだってある。でも、その意味を考えたことがあるか?」
「…なにそれ。無意味になんて怒られたくないよ。」
「まぁ話は最後まで聞けって。意味も無く怒ってくるときは、大抵何かしらのストレスを持ってるって俺は思うんだが、
 かといって誰にも吐き出せないときって、美紀には無いか?」
「…確かにあるけど…だからって娘に怒るの?要するに、怒られ損じゃん。やだよ、そんなの。」
「ま、そんなときの親父やお袋ってのは、ただ単に慰められたり、優しくされたりしたいんじゃないかと思うんだが。どう思うよ?」
「…うん、確かに、そうかもしれない…」
「そういうわけだ。だから、素直に謝っとけ。んで、少し肩でも揉んであげれば、機嫌が直るんじゃないか?」
「…じゃあ私のこの不機嫌はどこにぶつければいいの!?」
また怒鳴ってしまった。続くたっちゃんの返答にびくびくしていたら、

「俺にぶつけろ。四の五の言わずに言うこと聞いてやるから。」
あまりにストレートな言葉に、顔が熱くなる。今は顔を見られたくない。

「…じゃあ、私のこと、抱きしめて。それで、頭撫でて。その時、顔は見ないで。見たら、ぶん殴るから。」
「はいはい。」
「はい、はいっk…」
はい、は一回って言われなかった!?と言おうとしたのに、そんな風に抱きしめられたら、何も言えなくなるじゃん。
すごく嬉しくって、気持ちが暖かくなって、思わず顔が緩んでしまう。

このとき、初めてたっちゃんに『好きだ』って思ったんだったっけ。私にとっての初恋は、確かこのときだったと思う。

479:彼氏に出来ない理由(3/3)
08/12/05 03:35:51 7GAIxtEd
――ふと意識が浮上していく。たっちゃんに抱きしめてもらっている感覚が少しずつ薄れていく。
あれ、何の夢を見てたんだっけ?まぁ、いいや。またいつか、思い出すだろうし。

目を開けると、私は横になっていた。側頭部から伝わってくる、人の体温。
そういえば、たっちゃんに膝枕してもらってたんだっけ。
左手を見てみると、たっちゃんの手と私の手が繋がっている。
その事実がわかったとたんに、心が満たされていく。ついさっき振られた事で心に付いた傷が癒されていく。

…やっぱり私、たっちゃんの事が、好きなんだな。

そんなことを考えて、上を向いてみると、たっちゃんは目を閉じていた。
かすかにだけど、寝息が漏れている。膝枕しながら寝るなんて、たっちゃんは器用だね。

携帯で今の時間を確認してみると、午後5時半。
たっちゃんが夕飯を準備を開始するのは、確か6時半ごろ。
とりあえず、あと30分間はこの寝顔を眺めていることにしよう。

愛しの王子様が、目を覚ますまで、この緩んだ表情は私だけのものだから――

480:470
08/12/05 03:36:47 7GAIxtEd
以上でひとまず投下おしまいです。
お粗末さまでございます。

481:名無しさん@ピンキー
08/12/05 06:20:57 on2sPgUP
>>480
GJ!


とりあえずにちゃんのノリで言葉が途切れたところにアルファベット残すのだけはやめような。
あと気になったとこは下から3行目。「夕食の準備を」な。

482:名無しさん@ピンキー
08/12/05 08:00:23 VmRHj+jc
GJ。さぁ早く続きを書くんだ!wktkwktk

483:名無しさん@ピンキー
08/12/06 19:23:49 60CvacTk
教育テレビ

484:名無しさん@ピンキー
08/12/06 21:52:17 mJBY/utw
今日の寒さは堪えた・・・村雨マダー?

485:470 ◆POBrm2R/G2
08/12/07 01:56:35 200q7hI1
>>481
ご指摘ありがとうございます。非常に参考になります。
次回以降、そのような表現には気をつけます。

>>484さんには申し訳ありませんが、続編を書かせていただきます。

NGワードは「◆POBrm2R/G2」

タイトルは「親しき仲にも」



486:親しき仲にも ◆POBrm2R/G2
08/12/07 01:57:10 200q7hI1
現在時刻は土曜日の23時45分。そんな時間に、美紀から突然の電話。
なんとなく、明日に向けて嫌な予感がしつつ、電話に出てしまった。
そう、『出た』のではなく『出てしまった』。
「や、荷台クン。突然で悪いけど、明日10時、私の家に来て。よろしく。」
「おい美紀、ちょっ(プツッ プー プー プー)…はぁ」
明日は17時からバイト入ってるんだけどな…まぁ今電話したところで、
『現在、お客様の電話は、電波の届かない場所にいるか、電源が入っていないため、お繋ぎできません。』
と言われるんだろうな。

487:親しき仲にも ◆POBrm2R/G2
08/12/07 01:57:42 200q7hI1
そして、翌日。現在時刻は日曜日の10時10分。
目の前で眠るお転婆姫を眺めながら、
「で、この体たらくか。」
思わず、そうつぶやいてしまった。

ちなみにココは俺の部屋でも、どこか知らない場所でもない。美紀の部屋だ。
ちなみに不法侵入ではない。いくら幼馴染とはいえ、許可なくこの場所に足を踏み入れたりしない。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

約10分前の話になるが、
『ピンポーン』
「どちら様?って辰則君?久しぶりだね~。」
「ええ、お久しぶりです。お母さん。」
俺は美紀の母親のことを「お母さん」と呼ぶ。他の呼び方をすると、彼女自身の機嫌が非常に悪くなり、美紀と俺の両方にとばっちりがくるからだ。
「今日はどうしたの?もしかして私にこくは「今日の10時、美紀に呼ばれたんで、来たんですよ。」あら、そうなの?」
調子に乗らせると俺が困るし、もし美紀に見つかると、なぜか非常に不機嫌になるので、さっさと話を打ち切らせてもらった。
「申し訳ないんだけど、まだ寝てるみたい。」
「あ、そうなんですね。じゃあもう少し待つことに「ついでだから、起こしてやってくれる?」え?でも、男の俺が部屋に上がったらまずいんじゃ…」
「大丈夫、大丈夫!私がOKしたって言えばいいわよ。」
いや、年頃の娘さんの部屋に気軽に男を上げていいんですか?
「たっちゃんは、美紀のこと襲ったりしないでしょ?」
「いや、お母さん、心を読まないで下さい。」
「あははっ!たっちゃんことだからね~。本当に大丈夫だから、起こしてあげて。」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

なんてやり取りがあった。
よって、俺がこの場に居るのは不法侵入ではない。以上、証明終了。
さて、このまま美紀の寝顔を見ててもいいが、そろそろ起こさないとやばいだろう。『荷台』って事は出かけるんだろうし。

と言うことで起こさせていただこう。まずはちょっと遠めに声だけで。
「おーい、美紀ー、もう10時過ぎてるぞー。そろそろ起きろー。」
「…」
反応がない。ただの屍…ではなく、相当深い眠りについているらしいな。
次はもうちょっと近づいて、声のボリュームをあげよう。
「美紀さーん!もう10時過ぎてますよー!」
「うーん…あと5ふーん…」
あと五分、ねぇ。そういって五分で起きた人を見たことないんだが。
「美紀ー!そろそろ起きないと布団引っぺがすぞー!」
今度は美紀を揺らしながら大声で呼びかける。
「いやだー…もうすぐおきるからー…あと3ぷんだけ…」
どうやら美紀は起きる気がないようだ。

ちなみに今の季節は冬。今日の天気予報では最高気温でも8度とか言ってたから、引っぺがしたら寒いんだろうなぁ。
ちょっとニヤケながら、実力行使に出る。
「こらー!いい加減におき…ろ……」
美紀の白い肌が目に飛び込んでくる。
美紀って、意外と着やせするようで、谷間が目に入る。残念ながら上はキャミソールだ。
しかしこの気温のせいだろう、一部分が尖っているのが見える。
「なにするのー…やめてよー…たっちゃ…ん…?」
ようやく美紀が俺の存在を認識する。

美紀と目が合った瞬間に、『親しき仲にも礼儀あり』、こんな言葉がよぎる。
美紀の顔がみるみるうちに赤く染まっていく。
美紀の怒りが爆発する前に謝っておこう。
「美紀、ごめん、俺が悪かった。とりあえず、着替えてから、話し合おう。」
そんな言い訳を言いながら、その場を回れ右。一目散に部屋の外に出ようと扉を開けると、
「あら、もうおしまい?つまらないわねぇ。」
呑気な人妻が立っておられました。

488:親しき仲にも ◆POBrm2R/G2
08/12/07 01:58:13 200q7hI1
「…大体の事情はわかりました。」
デコに青筋立てた美紀の前で土下座する俺。
美紀はソファに座りながら腕組み。俺はフローリングの床。この時期のフローリングは流石に堪える。
ちなみに美紀のお母さんは早々に買い物に行くといって逃げ出した。

「…まぁ私も悪いとは思うけど、でも、布団をめくるのは、いくらたっちゃんでも許せないよ?」
「…はい、重々承知しております。」
「今日はこのあと12時から知美と湊と一緒に買い物だから、いつも通りの『荷台』でよろしくね。」
「…イエス、サー。」
「たっちゃん、確か今日バイトだよね?」
「17時からだけど、それが?」
「終わるのは?」
「21時だと思う。」
「じゃあそのあと迎えに行くから。」
「え?」
「そのままたっちゃんの家で、私が寝るまでマッサージしてもらうから。」
「え?アレやるの?」
「そう、アレやるの。」
「えぇ~…」
「当然そのまま私はベッドで寝るから、たっちゃんは床で寝てよ?」
「冬なのに…」
「何か文句でも?」
「いえ、ありません、ごめんなさい。」
「ん、わかればよろしい。じゃ、行こう?」
なんだか納得できないけど、美紀の笑顔を見たら、なんだか仕方ないか、なんて思ってしまう。
怒った顔と、笑った顔のギャップに、鋭く心が打たれてしまったんだから。仕方ないだろう?

それでも、この微妙な距離感を壊したくなくて、美紀が差し出した手を取らずに、自分の力で立ち上がる。
ヘタレで悪いけど、まだ、この距離で居させてくれ。

お前が好きだから――

489: ◆POBrm2R/G2
08/12/07 01:59:00 200q7hI1
以上で今回は終了になります。
毎度子ネタで申し訳ありません。

490:名無しさん@ピンキー
08/12/07 03:40:00 ZcU1mNj7
乙乙
キャミソールの巨乳…ゴクリ…

491:名無しさん@ピンキー
08/12/07 06:21:06 ul/sHIeD
萌えるなあ。GJ!

492:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:52:07 QnqtFB6e
三人マダー?

493:名無しさん@ピンキー
08/12/08 01:02:00 w0FxTuSp
エアコンのCMがいい感じである

494: ◆POBrm2R/G2
08/12/08 02:10:02 ImRuBM4w
この前の続き物をいかせていただきます。
初のエロ表現があります。微妙ですが。

NGワードは「◆POBrm2R/G2」
タイトルは「近い距離 遠い想い」
2レス消費予定。

495:近い距離 遠い想い(1/2) ◆POBrm2R/G2
08/12/08 02:10:46 ImRuBM4w
「はぁ…たっちゃん、気持ちいいよぉ…」
私は今、たっちゃんの部屋のベッドに寝ながら、オナニーをしている。
でも、この部屋の主は居ない。今頃、リビングのソファで寝ている頃だろう。
ちなみにたっちゃんの部屋は2階、リビングは1階で離れている。
だから、たっちゃんに気付かれることはないと思う。

『いくら好きな人がココに居ないからって、人の部屋でそんなことするなんて良くないよ!』
なんて頭の中の一部が叫んでいるけど、指が勝手に動いてしまう。
くちゅくちゅとエッチな音が、たっちゃんの部屋に響く。

「んんん!…やだぁ…ゆびいれちゃやだぁ…」
たっちゃんの匂いが布団からする。そのせいか、たっちゃんに触られている感覚に陥る。
そんな感覚が、私をもっとダメな子にしてしまう。

指が、たっちゃんの指が、私を犯している。私、犯されちゃってる。
もっと奥まで入れて、かき混ぜて欲しい。そう思っていたら、指がそのように動き出す。
「んんんんんっ!んあっ!」
思わずいやらしい声が漏れる。
「やっ…!こえでちゃう…!そんな、はげしく、しちゃ、だめぇ…!」
その声がたっちゃんに聞かれている感覚に陥り、恥ずかしくなる。
オナニーで火照った体が、さらに熱くなる。
「いやぁ…体が熱いよぉ…たっちゃぁん…」

ふと動いた指がクリトリスに触れる。
「あ、だめだめだめ、いくいくいく、いっちゃう…っ!」
ぐちゅぐちゅという水っぽい音が聞こえる気がする。
でも意識が霞んでる。ダメ、飛ばされちゃう。
飛ばされないよう、たっちゃんの匂いがする布団を掴む。
「いっ…ぁぁぁあああああああああああ!!!!」
視界が真っ白に染まる。ふわふわとした感覚が私を包む。

たっちゃんが、わたしを、つつんでる。
このまま、たっちゃんに、あまえちゃえ。

ダメな子になってた私は、後始末も忘れて、眠りについた。
翌日、たっちゃんに起こされる前に起きて、その惨状に羞恥することになるのだが。

496:近い距離 遠い想い(2/2) ◆POBrm2R/G2
08/12/08 02:11:22 ImRuBM4w
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

俺は今、リビングでAVを見ている。もちろんヘッドフォンも忘れない。

普段は部屋で見るのだが、今日は美紀にマッサージした後、
「あ、言い忘れてたけど、今日泊まるからね。」
なんて言われてしまい、部屋を追い出されたのだ。

美紀にマッサージをすると、非常にムラムラしてしまう。
普段見れない、肩とか鎖骨あたりの素肌とか。
普段触れない、すべすべの脚とか。
太ももをマッサージしていたら、「ぅん…」とやけに色っぽい声が出たりとか。
背筋を伸ばしてやったら、着やせする美紀の大き目の胸が目に入ってしまったりとか。
非常に生殺しだと思うのは、俺だけだろうか?

まぁそんなこともあって、非常にムラムラしている。
おまけにウチは1階と2階、両方にトイレがあるおかげで美紀はココに来なくてもトイレに行ける。
さらに今日は両親が旅行中ということもあって、非常に好都合なのだ。

『んんんんんっ!んあっ!』
画面の中の女優が喘いでいる。モザイクのかかっている部分からこぼれてくる透明な液体。
ちなみに女優がちょっと美紀に似ているのは…その、ほら、察してくれ。
ついでに言うと、女優の名前が「河合 未樹(かわい みき)」。…まぁ、いいじゃないか。

画面の女優の喘ぎを、本物の美紀の声と想像の中でシンクロさせる。
そして、美紀に触れたぬくもりを思い出しながら、擦る。
『あ、だめだめだめ、いくいくいく、いっちゃう…っ!』
や、やばい。美紀の声はやばい。今日はいつも以上に早く終わる気がする。
『いっ…ぁぁぁあああああああああああ!!!!』
あ、やばっ、出ちまう!
びくっと体が震える。急いでティッシュで抑える。

『はぁ…はぁ…気持ちよかったぁ…』
女優さんの気持ち良さそうな表情にぞくぞくしてしまう。
あぁ、アソコから白いの出てる、ってコレ中田氏モノかよ!…このAV置いてたレンタル屋、グッジョブ。

後始末を終えて、ふと思う。なんか虚しいよなぁ。
「なんで気付かないんかなぁ…マジで好きなのに。」
想いが届かない事を嘆くと同時に、自分の不甲斐なさにも嘆く。
「いつかは本当にあんなことして、結婚して、子供ほしいよなぁ…はぁ…」

「…さっさと寝よ…」
いつか気持ちが届くことを信じながら、解消されきらないムラムラ感を抱えながら眠りについた。
そのムラムラ感が朝勃ちとして美紀に発見されて、数日間ギクシャクしてしまうが、それはまた別の話――

497:470 ◆POBrm2R/G2
08/12/08 02:13:57 ImRuBM4w
以上で終了です。毎度長編ではなく申し訳ありません。
初の同時間帯両視点の作品ですので、もしかしたらおかしい部分が在るかもしれませんが、ご指摘いただけるとありがたく存じます。

498:名無しさん@ピンキー
08/12/08 03:57:46 QnqtFB6e
GJ
なぜAVと同じ喘ぎ声www

499:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:16:46 W6s2alT6
成人の儀
の続きが読みたいよー

500: ◆uC4PiS7dQ6
08/12/09 13:59:58 M+U4Ucf9
>>395の続き。
次から投下。

501:『寝取られ彼氏』後編 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/09 14:02:12 M+U4Ucf9
1
 村雨は存在しない俺の彼女へと嘘を言い並べ、ボリュームダイヤルを最低ラインまで回す。
 それに俺の耳を悪戯している時の様に息が荒い。きっと自分で放った言葉で興奮し出したんだ。だからボリュームを消した。
 しかしまぁ、村雨は俺の彼女にこの映像を見せて別れさそうとしてるんだろうが、これじゃレイプだ。信憑性のカケラもないぞ? それを気付け無い程、焦ってるってか……逆に俺は、一発抜かれたから冷静になれてるけどな。
「それじゃあ、はぁぁっ……するからなコタ。あっ、処女膜は無くても、私は正真正銘の処女だから。処女膜はな……ふふっ、7歳の時にオナニーで破ってしまったよ。
 忘れもしない、コタと私の家族で遊園地に行った日だ。私がコタの手を引っ張ってはしゃいでたら、家族とはぐれてしまったろ?
 でもコタは、自分も泣きたいはずなのに私を抱き締めて慰めてくれた……私はコタの耳をおしゃぶり代わりにして、泣き声を殺すだけで精一杯だったのにな。
 その夜だ……オナニー自体は5歳の時からしてたんだが、擦り付けるだけじゃセツナくて。指を……挿れたんだ。コタを想って、痛くても我慢して、激しく、激しく……そしたら破れてしまった」
 村雨も落ち着きを取り戻し、淡々と語られる幼い頃の思い出。
 これで確信する。99%の自信で自惚れられる。村雨も俺に好意を持ってたけど、何らかの理由で俺の告白を断ってたんだと。
「コタを手放したくない。だから……だからっ! たくさん誘惑してきたのにっ!! なんで襲ってくれないんだよコタっ!? しかも勝手に彼女なんか作っちゃうし、最低だ!!
 コタが私をレイプしてくれれば……罪悪感を持ってくれれば、例えコタが私を嫌いになっても離れられなくできたのにっ!!
 でも、もういい……今日はコタの赤ちゃんを孕むって決めたからな。コタの赤ちゃんいっぱい産むんだっ♪ ふふっ、なぁコタ? 子供の名前……どうしよっか?」
 ボリュームを元の位置へ。ローレグのクロッチ部分に中指を引っ掛け、躊躇なく横へスライドさせる。
「んんっ!!?」
 覗くのは、薄毛の丘に控え目でピンク色の秘唇。左右に分かれる唇の間からは、ふくらはぎまに到達するまでトロットロの糸を伝い垂らす。
 肩で息をするまでに興奮してテンションを高めながら、
 頬を紅潮させて瞳を水分たっぷりに潤ませながら、
 相変わらずの妖艶な笑みで、ビデオカメラを俺のペニスに向けたまま腰を下ろし始める。
「ふぅっ、ふぅぅっ、コタぁっ……」
 ゆっくり、ゆっくり。俺の上に。
 でも、

 ペチンッ……

 入らない。村雨の独白を聞いている内に硬度は無くなり、フニャリと情けなく曲がっていたからだ。
「コタっ! コタっ! コタぁっ!!」
 しかし挿入されてなくとも、村雨は関係無く腰を上下に動かし続ける。

 ペチン! ペチン! ペチン! ペチンッ!!

 村雨の生器に何回も押し潰され、ヌチュヌチュと吸い付く唇に挟まれてヘソに打ち付けられ、その度に愛液が溢れ出してペニスを粘着質にデコレートしていく。
 胸を弾ませ、俺の名を連呼しながら、俺の大切な幼馴染みが、俺を勃起させようしている。
 繋がる為に。セックスする為に。俺を彼女から寝取る為に。
 ちっくしょ! エロ過ぎるんだよ!!
「んっ、ぐっ……」
 夢に見ていた、昨日までオナペットにしていた村雨の裸身。それが今、目の前で淫らに揺れている。
 俺の告白を断っていた理由だって、本当に馬鹿げたモノ。こっちは何年片思いしてたと思ってんだよ?


502:『寝取られ彼氏』後編 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/09 14:05:10 M+U4Ucf9
2
 だから早く村雨を安心させないと。もう一度、心を篭めて告白しないと。セックスはその後。
 裸の村雨が誘ってるのに、これ以上我慢して待ってたら化石になっちまう。
「むっ、やっ、ひゃ、めっ! はっ、しゅ、せっ!!」
 できる限りの単音で『村雨、外せ』と口の自由を訴えてみるが、
「ああっ? む、ら、さ、め、ハ、メ、て? そうかそうかコタっ……いっぱいコウビしような♪♪」
 全く疎通されずに、笑顔で頷いて腰の動きを激しくさせるだけ。
 ハ、しか合って無いだろうがっ! くっそ、もう知らん!!

 パチンッ! パチンッ! パチンッ! パチンッ! パチンッ!

 一心不乱に騎乗位で腰を振る村雨。どんなAVよりもエロティックで、俺のペニスを硬化させる最高の媚薬。
 それに、こんな強引に性器同士を擦り合わせられては、射精して間もないから勃起しない……なんてヘリクツが通用しない。
「おっきく、なったなぁコタ。それじゃ、『はじめて』を……交換しような♪」
 ねっとりとした村雨の淫液に塗れ、再びペニスが棒状に変化して血管を浮かび上がらせる。
 ぎゅっちぃぃぃっ……
 そして幼いヴァギナが中指と薬指で左右に拡げられ、透明な蜜を零す穴にペニスの先端があてがわられた。
 皮に包まれたクリトリスに、ぷっくりと膨れたオシッコの穴に、その下。湯気が見えそうな程に熱い、膣内への挿入口。
 村雨の瞳は潤みを増し、涙となって目尻から漏れ出す。その雫が頬から顎先まで流れた瞬間、
「ははっ……やっと、ひくっ、ひっく、コタとぉっ……えっち、できるよぉっ。うくっ、うぅっ……ふんんっ!!!」
 甲高い村雨の艶声と共に、ペニスは根元まで包み込まれた。
 一息で打ち落とされ、奥の奥まで優しく迎え入れる。
「んむああああぁぁぁああっ!!?」
 俺はあまりの気持ち良さに悶え叫ぶだけ。
 膣内射精だけはしないように堪えるだけ。だけどこんなの無理!
「ぅあぁ、あっ、あん! くぅっ……みてるかぁ、彼女さん? いま、おまえの彼氏はぁっ、はぁん♪ 幼馴染みにチンポ突っ込んで、ふあぁ……んんっ、よがってるぞっ♪♪」
 パン! パン! パン! パン! パン! パンッ!!
 五度目。六度目。村雨も初めてに関わらず、腰を振るスピードは一向に変わらない。あくまでスムーズに、ペニスから精液を搾り取る動きで弄ぶ。
 中は熱く狭く、トロけてヌメる柔肉。膣壁は細かなヒダを隙間無く絡み付かせ、キュウキュウとキツく締め上げる。沈む時はカリを愛情たっぷりに撫で回し、抜ける時は行かないでと引っ掛かって吸い付く。
 ああ、駄目だ、負ける。この快楽を貪って、腰を突き上げれば更に気持ち良いかもしれない。
 膣内射精を強要する幼馴染みに、十四年分の思いをブチ撒けられるかもしれない。しかも全部を受け止めてくれると言ってる。
 なんて魅力的……だけどっ! 未成年で子供作って、幸せになんかなれるかよ!!
「んぐううぅぅああああぁぁぁぁぁっ!!!」
 口を塞いでいたガムテープは唾液に濡れて緩み、微かに剥がれた箇所から空気の出入りを許していた。
 俺は唇の間に舌を差し込み、できる限りガムテープを押し上げる。


503:『寝取られ彼氏』後編 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/09 14:11:14 M+U4Ucf9
3
 そしてそれはペリペリと、村雨の手によって剥がされた。
「ほらっ、彼女に謝れコタ。付き合ってその日の内に浮気してすみませんて、ボクは幼馴染みと付き合いますって……言えっ、コタっ!」
 ガムテープは丸めて部屋隅に投げられ、カメラレンズが俺の顔を捕らえる。
 村雨に脅迫された言葉。言えば誤解は消えるだろうが、現状の打破にはならない。
 既にカウパーが出てるって自覚してるし、もう我慢してられる自信は無いから、俺が言うべき台詞は決まってる。
「はぁっ、はぁっ、ムラサメ……もう、イキそうなんだ。このままだとマズイからっ、早く抜いてくれっ!!」
 カウパーだって孕ませる危険が有るんだから、下手したらとっくにアウトかもしれない。とにかくギリギリだっ!
 村雨へは安全を確保した後で、満足するまで思いを告げれば良い。
「んっ? コタだって赤ちゃん欲しいよな? 私に似てて、私の次にカワイイんだぞっ♪」
 本当に限界。ゆったりとした狂ってるとさえ感じる問いに、全力で首を左右に振る。
「まずは抜けよ! 早く! はやくっ! ハヤクッ!!」
 腰の動きは止まっていても、その中は別。膣内だけが違う意思を持っているかのように妖しく蠢き続けるのだ。
 自在に膣圧を変化させ、竿から裏スジ、カリ首、先端の鈴口に至るまで、余す所なく揉みほぐす。
 まるで搾精器。ただ挿れているだけで、快楽の波に当てられて射精に導かれる。我慢してる身としては、たまったもんじゃない。
「ふっ、しょうがないなぁコタはっ♪ すうぅっ、はぁぁっ……んふぅっ!!」
 イク寸前の敏感なペニスを擦り上げながら、少しずつ村雨の腰が浮き始める。
 ぢゅぶぶぶぶぶぶぶぶっ……
 とてつもなく甘い刺激で誘惑した蜜穴は、漸く先端まで。
 やっとだ、やっと終わり。そう思って村雨の表情を見れば、吊り上がった口元も、三日月にして笑う目も、何一つ解消されていなかった。
「私はわかってるぞ? 幼馴染みを妊娠させたくないんだろ? でもなコタ……そんなワガママ、通らないんっ、だっ!!!」
 ぢゅぱあぁぁぁぁぁんっっ!!!
 村雨の体重が掛けられてる。ペニスは再び気持ちいい穴の中。腰は勢い良く打ち落とされた。
 グツグツと、奥底からマグマの如く噴き上がる感覚。睾丸に準備されていた精液は、次々と管に転送される。
「あ、あ、あっ、あっ、あっ……うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 人生で最も巨大な咆哮。十四年分の溜まりに溜まった村雨への想いが、絶頂の快楽と混ざって爆発した。
 抑えられない。ビュクビュクと、とてつもなく長い射精。空になるまで注ぎ込む。
「ふぎいぃぃぃぃっ!!? あっ、あついぃっ……はぁぁっ、やっと、イッたなコタぁ……わたひなんて、もうっ、十回イキだぁっ♪♪
 あは、はっ……わたし、ムラサメはぁ、性欲盛んな、男子校生のぉ、こだち君にぃっ……ナカらしキメられちゃいましゅた♪♪」
 村雨は、白濁した液がゴポゴポと泡立ち、逆流して溢れ出す接合部を撮影しながら。俺はそんな村雨を見上げながら。二人揃って涙を流す。
「なんで、だよぉ……抜いてくれるって、言ったろ?」
 嬉しさと、悲しさと、情けなさで睨み付ける。
 全てが終わって、どうでも良くなって、自暴自棄になって、ポッキリと折れた心で村雨を責めた。
「ちゃんと抜いたぞ? おちんちんから、こゆくて、いっぱつで着床する精液を、たっくさん『ヌいた』じゃないか? まったく、何を言ってるんだコタ……っと違うな、何を言ってるんだ、パ・パ♪♪」
 しかし、そんな暗い声は届かない。満面の笑みを浮かべる彼女には届かない。
 返って来るのは、俺に向けられる、俺だけに向けられる、幸せそうな最高の笑顔。
「そうだな……ムラサメが隣に居るなら、それでも良いや」
 言い放つ台詞は尋常を逸脱していても、欲しかったモノを手に入れた心は暖かくなっていく。
 俺は心まで彼女に寝取られて。気持ち良い脱力の中、ゆっくりと目を閉じた。


504:『寝取られ彼氏』後編 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/09 14:16:16 M+U4Ucf9
4
 深夜も十二時を回った頃。順番にシャワーを浴びてさっぱりした後、服を着替えてベッドに腰掛ける。
 三歩も離れた前には、予備のパジャマを来て、床に正座して俯く村雨。
「ゴメン……でも! コタの部屋に来る時は、いつ襲われてもいい様に避妊薬を飲んでるから……だから、えぇと、あっと、ごめんなさい」
 さっきから言い訳を述べては俺の表情を確認し、許して貰ってないと悟ると、しょぼくれて下を向き、新たな言い訳を考えてる。
 因みに、俺が彼女を作ったって嘘はバラしてない。コタが嘘付くのが悪い! って開き直られるし、墓まで持って行こう。
 それじゃ、そろそろ……村雨が言い訳を考えてる間、俺も考えてたからな。

「なぁムラサメ? 嫌いに、ならないで欲しい?」
 頷く。

「耳、舐めたい?」
「五……四日に一度で我慢する」

「幼馴染みに戻りたい?」
「コタが許してくれるなら」

「じゃあ許さない」
「ふぇっ!? う、そ……」

 村雨の瞳は恐怖で大きく開かれ、口も広げられたまま身体は小刻みに震え出す。
 心苦しいけど、お前を泣かせるのはこれで最後だから、許してくれよな。
 ふぅぅっ、と二つ深呼吸。ベッドから立ち上がり、村雨の目前まで近寄り、泣き出しそうな最愛の瞳を見詰める。
「俺は幼馴染みに戻りたくない……だから、村雨さん。僕と、付き合ってください!!」
 そして何回目かも忘れた告白をし、頭を下げて手を差し延べた。
 頼む、カッコ良く決めさせてくれ村雨!

「ひくっ、えっ? えっ? あ……あっ、ああ! もちろんだコタぁ!!」
 破顔一笑。
 幼い時代から差し延べ続けた手は、やっと掴まれた。
 俺の夢が、やっと叶った。

 年甲斐も無く、二人で抱き合いわんわん泣く。今度は丸ごと嬉しさで、繋がり合った想いの嬉しさで。
 この日から、小太刀と村雨は、世界で一番幸せな恋人になった。そして一番幸せな家族になって行くはず。
 だって隣にはいつも、大好きな幼馴染みが居るんだから。




 『寝取られ彼氏』 おしまい。




 後日、彼女がいるって嘘がバレて、満員電車の中で怒った村雨に、手でアレをゴシゴシされたりもしたが、それはまた別の話し。



505:名無しさん@ピンキー
08/12/09 14:17:47 M+U4Ucf9
以上です。

506:名無しさん@ピンキー
08/12/09 15:12:56 1++vD5Sn
>>505
すごくGJです!
満員電車での話も読みたいです

507:名無しさん@ピンキー
08/12/09 21:33:29 MPvkezck
GJ

一つ気になったのだが、前編にあった
『十回くらい告白したけど、一回も首を縦に振ってくれなかった』
これの理由はなんだったのだろうか

508:名無しさん@ピンキー
08/12/09 21:45:55 rCSuHUJa
GJ!

>>507
良く読めばわかるようになってる

509:名無しさん@ピンキー
08/12/09 22:33:15 jWJx88Ix
>>505
GJ!

>>507,>>508
よく読まなくても村雨がはっきり言ってるじゃねぇかw

510:名無しさん@ピンキー
08/12/09 22:34:33 iRmojsHT
GJ! よかった、小太刀くんが幸せで本当によかった!

しかし、村雨さん、なんでそんな斜め上に突き抜けた方向に思考が行ったんだw


511:名無しさん@ピンキー
08/12/10 14:25:23 FrWoWgo/
>>510
だが、それがいい。

512:名無しさん@ピンキー
08/12/11 16:14:36 ZJhrWwaV
>>493
あれって幼馴染みなのか
元カレか何かだと思ってた

513:名無しさん@ピンキー
08/12/11 19:19:59 UgAUFZF1
女が距離感に無頓着なとこなんかがこっちっぽいかなーみたいな

514:名無しさん@ピンキー
08/12/11 23:22:16 QQytmAWC
さあ、それを元ネタで一本書いてみるんだ。

515:名無しさん@ピンキー
08/12/12 02:48:30 t1VLfxBH
知ってる人が居るかは分からないが久し振りにバトルロワイアルを読んだら誰よりも互いを信頼しつつ
かつ微妙な距離感の素晴らしい男女の幼なじみが居た
小説でもやっぱり幼なじみには弱いわw

516:名無しさん@ピンキー
08/12/12 02:52:42 7qjf3aOl
>>515
武道少年と陸上少女の話か? アレは確かに涙なしでは語れんよな。
でもやっぱり、幼馴染は結ばれて幸せになってナンボだと思うんだ!

517:名無しさん@ピンキー
08/12/12 18:11:16 0iUt77dW
次から投下。>>504の後日談。
エロだけなんで、蛇足イラネって片はスルーしてください。


518:『別れた二人』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/12 18:13:44 0iUt77dW
1

 ―ガタンゴトン、ガタンゴトン。


 ああ、身体が熱い。息も荒い。涙も漂わせてる。俺が居るのは、一歩も歩けないぐらいに詰まってる、雑音塗れの満員電車。
 入口のドアに背中を向けて押し付けられ、身動きを完璧に封じられている。
 俺を押さえ付けているのは、同じ身長、同じ年齢の見知った女性。
 女は抱き合う形で重量感たっぷりの胸を押し当て、足を太腿で挟み、左手に二人分の鞄を持たせ、右手は下で握って指を絡める。そして、
 
 くちゅくちゅ、ぴゅちゅっ、ぬっちゅぬっちゅぬっちゅ……

 俺の右耳を口に含む。
 顔を近付け、耳たぶを甘噛みし、耳の穴に舌を差し込んで乱暴に掻き回す。
 粘着質で卑猥な淫音がダイレクトに脳内を犯し、開発された性感帯は唾液でネバネバにされながら繰り返し痙攣する。
「こんな人前で、ヤメてくれよ……そうしないとぉっ」
 情けない声は俺の口から。許しを乞う為に出た戸惑いの声。
 今は、どんな声でも、どんな台詞でも良いから、女性の行為を止めなくちゃいけない。
 そうしないとバレそうだからだ。満員電車の中なのに、公共の場なのに、耳を犯されてペニスを勃起させてるってバレてしまう。
「ちゅぅっ、ちゅぷっ♪ ぷはっ、なんだコタぁっ……耳の穴を、ぢゅっ、ちゅっ、はぁぁっ……ベロチンコでレイプされて、感じてるのかぁ? とんでもないヘンタイさんだなっ♪♪」
 だから、目を細め、瞳を潤ませ、頬を紅潮させ、舌をダラリと垂らす村雨を、なんとか、なんとかしないと。
 いったいなんなんだよもうっ! 昨日、許すって言ったじゃないか? 笑いながらっ、気にするなって!?
 昨日の夜、今日の始業式の日に謝りたいから、誰と付き合う筈だったか教えて欲しいと言われた。そりゃまぁ、村雨にしたら俺を寝取ったと思ってるから、謝りたいってのもわかる。
 でも、そんな奴は居ないから無理。しかし俺が教える気が無いと悟ると、一人ずつ聴いて回るって宣言する始末。それで俺は観念して、彼女ができたのは嘘だと白状した。したらこのザマだよ!
 やめてくれって何回も頼んだのに。駅に着くまではいつもと変わらずに会話してたのに。電車に乗った瞬間、逃げられない位置に追い込まれ、身体を押さえ付けられて固定された。


 ―ガタンゴトン、ガタンゴトン。


「俺は、ううっ、変態……んあっ!? じゃ、ないっ」
 自分が惨め過ぎて泣きたいよ。いや、もう泣いてるか? 頬っぺたに暖かいの流れてるもんな。
「ちゅるっ……んっ、それは違うぞ? コタはとんでもないヘンタイさんだよっ、だってほらっ♪」
 村雨は俺の涙を拭うように舌で舐め上げると、兎に似た天然の赤い瞳を更に細める。
 そして自らの右手をヒシャクの形で口元に寄せ、掌に舌を乗せてトロトロの唾液を伝い落とす。
 窪みが満杯になるまで溜めて、その後に手を三度も開閉させ、ぐちゅぐちゅと鈍い水音を立てて全体に唾液を馴染ませる。
「っ!? ムラサ……メ? ちがうよな、そうじゃないよな?」
 指と指の間に架かる透明な橋。糸を引く官能。それを眺め、浮かぶのは一つの考え。
 もしかして、ムラサメは、電車の中で、俺の……


519:『別れた二人』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/12 18:15:38 0iUt77dW
2
 粘液を絡ませた手は、人差し指で正中線上をなぞりながら、ヘソの下まで落ちていく。
「電車の中で女子高生に触って、ココをおっきくするヘンタイだろコタは?」
 二人分の潤んだ瞳。二人分の上気した肌。二人分の熱い吐息が交差する。
 村雨はそのままズボンのジッパーを指で挟み持ち、小さな連接音を鳴らして股の下まで。
 そして手を差し込むと、トランクスをズラし、完全に勃起したペニスを取り出してズボンの外に晒す。
「バカッ! 早く戻せムラサメ、公然猥褻だぞ? 俺を犯罪者にする気かよ!?」
 俺の声は心から。心から村雨に訴えた言葉。でも、心からの言葉を投げ掛けても、村雨の表情に変化は訪れない。目を細めて妖しく微笑んだまま。
 なんら慌てた様子も無く、ペニスに自らのブレザーを覆い被せて人目から隠す。
 全ては村雨の制服の中。ペニスの先端にヘソが当たり、サオ部分はヌルヌルで熱を持った手に握られている。
「ゴメンねコタ、でもね? 辛抱堪らないの……コタの困ってる顔を見てると、身体がゾクゾクして、すごく……興奮するんだぁ♪
 耳を舐めてると落ち着くんだけど、コタを、はあぁぁっ……レイプした日からな? やすらぎといっしょに、サディスティックな性欲も掻き立てられてぇっ、ふふっ、コタの感じてる顔が……んふっ♪
 どうなんだコタ? 幼馴染みをこんなに依存させて、コタ無しじゃ生きられない身体にしてぇっ♪ 私をどうする気なんだ?」
 言い終わりに微笑む口元が一層に吊り上がり、こんな場所では絶対に有り得ない刺激が下半身を襲う。
「うあぁっ!? あ、あっ、頼むからっ、ヤメろムラサメぇっ……」
 ねっとりとした感触の手が、何の迷いも無くにゅちゅにゅちゅとペニスを上下して扱き出す。
 視線を向けられれば他の客にバレるのに、俺と村雨の間を見られたら一目瞭然なのに、そんなのお構いなし。指の腹を使って柔らかく締め、裏スジを擦り、往復の度にカリ首を引っ掛ける。
 制服の中、感度ポイントを的確に攻め、圧倒的な快楽で射精を促す動き。
 ぢゅっこ、ぢゅっこ、ぢゅっこ、ぢゅっこ、ぢゅっこ、ぢゅっこ……
「一週間に一度なんて、まるで足りない……コタとデキない日はな? あのビデオを見てぇっ、ふぅっ、ふぅぅっ……まいにち、オナニーするようになってしまったよ♪
 このセキニンはっ、んんっ? どーやって取ってくれるんだコタぁ?」
 知るかよっ! だいたい、エッチは一週間に一度って決めたのは村雨だろがっ!! 試験とか就職活動とかで忙しくなるから、卒業するまではって自分が言ったんだろ!?
「そんなの、知らな……んぎいぃぃっ!!?」
 ぢゅっこ、ぢゅっこ、ぢゅこ、ぢゅこ、ぢゅこぢゅこ、ぢゅこぢゅこぢゅこぢゅこぢゅこっ!!
 俺の反論を遮るように、絶頂を強要する手のギアは、急速シフトしてスピードを増す。


520:『別れた二人』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/12 18:18:03 0iUt77dW
3
 間違いなく精液を搾り取り、公共の場でイカせようとしている。俺を犯罪者にしようとしてる。
「でもなぁっ、ウソをつかれたのはショックだったぞ? あの時……私がレイプしなかったら、離ればれになってたかも知れないんだからなぁ、ふふっ、思い出すだけでも悲しくなるよ♪
 それでセキニンも取ってくれないんなら、しょうがないな……別れるしかないじゃないか♪ 別れるかコタ? 別れて、彼氏彼女から幼馴染みに戻るか?
 決めたよ、彼氏がヘンタイなんてイヤだから、駅に着く前にイッたら……ふっ、別れるちゃうから♪」
 先端からカウパーが溢れてるってわかってるだろ?
 管が拡張して太くなって、そろそろイクってわかってるだろ?
 それなのになんで? 冗談でもそんな事を言うなよっ!
「イキ、たくないっ……わかれたく、あうっ!? ないよぉっ、ムラサメぇ……」
 指の一本一本まで、リアルに動きが伝わり出す。
 ヘソの穴でグリグリと鈴口を押し包み、握る強さを、早さを、ランダムに変化させながら最後の追い込みを掛ける。
 俺は唯、打ち上げられた魚のようにパクパクと口を開いて痙攣するだけ。
「ああっ、そのカオぉっ♪♪ ダメだコタ、ちゅぷっ……ぢゅちゅ、ちゅっ、んちゅ、イッたらわかれりゅからなっ♪♪」
 再び耳を咥えて舌を差し挿れ、上と下、両方の快楽で真っ白な視界へと俺を導く。
「あっ、あっ、ちっくしょ……きもちいいよチクショウ! ヤだからなムラサメ、こんなことで別れな……うぎっ!?」
 終わった。後戻りできない所まで快感を高められた。
 あーあ、ムラサメの手、すげぇ気持ち良いよ。
 にゅっこ、にゅっこ、にちゅにちゅにちゅ、にゅくにゅくにゅくにゅくっ……
「イクッ、イクッ? イクのっ? イッちゃう? もうげんかい? もう出すのかコタ? びゅるびゅるしちゃうぅっ!?」
 うん、限界。綺麗だな村雨。こんな綺麗な女性と付き合ってたんだな俺は。冗談だって言ってくれないかな? そしたら笑って許すのに。ホントもう……くそぉぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!
「んぎいいいいいいぃぃぃっ!!?」

 びゅるびゅぅぅぅっ!! びゅぐんびゅぐん!! びゅるっ! びゅるっ! びゅくびゅく、ドクンドクンドクンドクン……

「んんっっ♪♪ ちゅぷっ、はあぁっ……相変わらず、熱くて、凄い量だなコタ? 替えの制服を持って来といて良かった。
 まさか、痴漢にオチンチンを握らせられて、服の中にザーメンを撒き散らされるなんて、思いもしなかったよ♪ ふふっ、あむっ……くちゅくちゅ♪」
 村雨は俺がイッた後も手離さず、一滴の雫も出なくなるまでペニスを扱き続ける。
 そして垂れた精液を掬うと、見せ付けるように舐め取ってプチュプチュと咀嚼し始めた。
「別れるって、嘘だよなムラサメ?」


「ウソ……にしてあげてもいいよ。コタがもう一度、告白してくれるならな」



521:『別れた二人』 ◆uC4PiS7dQ6
08/12/12 18:24:11 0iUt77dW
4
 始業式が終わり、全ての学校日程が終わり、下校のチャイムが鳴る。
 高校三年になって新しいクラス。村雨とも同じクラスで、十日前の登校日にこのメンバーになる事はわかっていた。
 俺は廊下側の一番後ろ、村雨は窓側の一番後ろの席。そして俺は深呼吸。覚悟、完了。
 電車から降りて、二人して謝りながら障害者用のトイレに入って、後始末をしながら改めて付き合う条件を言われた。
 もう他の人に告白されぬように、公認の中になるように、みんなが居る教室で告白してくれと。
 告白の台詞まで指定されて、そんな俺に選択肢は無い。長年想って来た憧れの女性を、今更あきらめられるかよっ! あの長い髪も、寂し気な赤い瞳も、唇も、胸も、アソコもっ、全部俺のモノだ!!
 それが手に入るんだから、恥ずかしいなんて言ってられないぞ、頑張れ自分!
「ふうぅぅっ……」
 落ち着ける。深く、深く、息を吐き、ゆっくり、ゆっくり、席を立つ。
 ホームルームの挨拶が終わり、他の生徒もそれぞれに席を立ちあがる。村雨も単なるクラスメイトとして、教室から出る為に俺の方へ。
 平然としているが、瞳だけは俺を見据え、チャンスはもう無いよ? と語ってる。わかってるっつの!
「村雨さんっ!!」
 声を教室に響かせて君の名を呼び、歩みを遮るように立ち塞がる。
「急にどうしたの小太刀君?」
 村雨は僅かに驚いたフリをして立ち止まり、俺の言葉をポーカーフェイスで待つ。
 クラスメイトはそんな俺達を無言で注目する。
 どーせフラれると思ってんだろみんな? だけど、そうはいかないぜ!

「村雨さん、俺と……」
 付き合ってください、と繋げられない。俺だけがわかる村雨の表情。目の動き。このままじゃ断られる。
 理由は俺。俺が指定された告白の台詞を勝手に省略したから。
「ふん、用が無いなら帰るよ」
 村雨が溜め息を吐きながら俺に近付く。違う、後ろのドアを開けて廊下に出ようとしてるんだ。
 指定された台詞を……あー、もうっ!
「村雨さんっ! 結婚を前提に、僕と付き合ってください!!」
 言った。頭を下げて、手を差し延べて。
 教室は静まり返ったまま、村雨の返答をじっと待っている。
 ―タトン。
 足音が俺の方へ。一歩、一歩、確実に迫り、
「えっ?」
 俺の横を通り過ぎた。
 なんで? どうしてっ!? 俺は確かに言ったぞ!? それなのにっ!

「こちらこそ、よろしくお願いしますね」

 崩れ落ちそうになった瞬間、背中に柔らかな重圧が掛かり、胸に手が回された。
 はっ、ははっ、なんだ……そう言う事か。くっだらねぇ。

 クラスメイトに祝福された拍手喝采の中、
 村雨に抱き締められた暖かな胸の中で、
 バカップルの誕生に大声で泣いた。




  『寝取られ彼氏』ほんとうにおしまい



522:名無しさん@ピンキー
08/12/12 18:26:31 0iUt77dW
以上です。中編の夢部分の逆バージョン見たいなもんです。

523:名無しさん@ピンキー
08/12/12 19:38:44 b3WbtUJW
GJ!!

524:名無しさん@ピンキー
08/12/13 00:02:07 vqJ0OfPJ
>>522
GJ!村雨のドSっぷりがたまらない

525:巧巳君と希羅ちゃん
08/12/14 00:00:40 nPMn8Oab
ずっと気になっていた…
-------------------------------------------------
俺の名前は野神巧巳。こいつは上野希羅。

家が隣同士のいわゆる幼馴染ってやつだ。

窓を開けると彼女の部屋。

わかるだろ?

屋根をつたって、こっちに来るってわけさ。
-------------------------------------------------
遡る事、9月の14日

チュッ

「お、おまえ、何するんだよ」
「だって、ほら」

夜空を指差す。

満月だ。

「チュウしようの名月。次は年末だよ、エヘ」

屋根をつたって自分の部屋に戻った。

ドテッ

サッシに躓いたな。
-------------------------------------------------
そして今年もあと少し。

12月14日

チュッ

「お、おまえ、何するんだよ」
「だって、ほら」

テレビを指差す。

殿中だ。

「チュウしたら心がグラッと来たでしょ」
「おまえねえ」

ペシッ!

「痛ったぁーい。刃傷でござる。刃傷でござるよー」

ドテッ

コケたっぽい。どじ…

おわり

526: ◆POBrm2R/G2
08/12/14 01:49:54 qNXXS8x8
もうじきクリスマス。ということでちょっとした続編。
2レス消費予定。NGワードは「◆POBrm2R/G2」

527:辰則と美紀のクリスマス 前編(1/2) ◆POBrm2R/G2
08/12/14 01:50:30 qNXXS8x8
ちょっと遠め(だが品質がいい)のスーパーまで夕飯の買出しに来たところ、ケーキの予約のチラシや大きな靴の形をした入れ物に
入ったお菓子など、クリスマス直前な雰囲気が伝ってきた。
「もうすぐクリスマスだなぁ。」「そうだねぇ。」
隣にいるのは俺の彼女・・・ではなく、幼馴染の美紀。久しぶりに夕飯に誘ったら意外にもOKしたので、
『飯食べるなら買出しくらい手伝え』と言ったら『お小遣いくれる?』とかふざけたことを言い出したものの、結局着いて来た。
コイツは俺を困らせてそんなに楽しいのか?

それはさておき、今日の夕飯は何にしようか。
「美紀、何か食べたいものはあるか?」
「んー、お寿司!」「そんな予算はどこにも無い。」回るお寿司屋だって、意外とその金額が俺の食生活に響くんだ。
「うー、じゃあピザ!」「手作りピザは今度食わせてやる。」クリスマス辺りにな。それにアレは準備に時間がかかるんだよ。
「えー!じゃあ、蟹!」「お前、蟹アレルギーだろうが。」それにそんな高いもの却下だ却下。
「むー!ワガママだよたっちゃん!」「お前のオーダーが極端すぎるんだよ。」最初の二つなんか出前の定番メニューか何かか?
「うーん・・・じゃあ、グラタン。」「ようやっとまともなメニューが出たな。」
「なによー!まだ何か文句あるの!?」「んにゃ、じゃあグラタンでも作るか。あったまるしな。」
と言うわけでグラタンの材料を買い、さっさと飯を食べることにしよう。

528:辰則と美紀のクリスマス 前編(2/2) ◆POBrm2R/G2
08/12/14 01:51:42 qNXXS8x8
たっちゃんお手製のグラタンとサラダを食べたら、お腹も心も幸せになっちゃった。
たっちゃんが台所でお片付けしてる間に、私は友達にメールを送ってクリスマスイブの予定を聞いてみる。
紀子は家族と帰省予定。瑞希は彼氏と・・・お幸せに。湊は予備校・・・頑張るなぁ。
てことはみんなと遊べるのは23日までかぁ。うーん、24日どうしようかなぁ。

「何ケータイにキスしながら難しい顔してるんだ?」いつの間にやら私の目の前に立っていたたっちゃん。びっくりして思わずへんてこな声が出る。
「わぁ!たっちゃん終わったならなんか言ってよ!」「これでも3回くらい呼びかけたんだけどな。」
「ふぇ!?そうなの!?」「そうだよ。せっかくクッキー焼き立てなのに、冷めちまうぞ。」
「え!?たっちゃんのクッキー!?食べる!食べるからちょっと待ってよ!」「わかってるっての」
苦笑しながらテーブルにクッキーを置くたっちゃん。んー♪バターのいい香り♪
「でもなんでいきなりクッキー?」「あぁ、グラタンの材料が微妙に余ったから、なら作っちまおうと思ってな。」
なるほどねぇ。・・・そうだ!
「ねぇたっちゃん、23日暇?」「現状では何も予定は無いが。」
「その日ね、みんなでパーティしようと思うんだけど、シェフ役やってくれない?」「構わんが、材料費はウチの財布からは出せないぞ。」
「大丈夫!その日はみんなで出すから!」「それなら構わんよ。ところで美紀、24日は空いてるか?」
「うん、その日からみんな忙しいみたいだから、大丈夫だよ。何で?」「いや、俺とデートしないか?」
「うん、たっちゃんとでー・・・デート!?」「おう、デートのつもりだが、ダメか?」
「たっちゃんとデートねぇ・・・」「まぁ無理にとは言わない。ちょっと行きたいだけだから。」
「ところでどこに行くの?」「ん?ああ、ちょっと遊園地のタダ券貰ってな。1人じゃ寂しいから。」
「他の友達は?」「お前と一緒でみんな彼女やら勉強やらで無理だとさ。」
「そっか・・・そうなんだ・・・」「なぁ、頼むよ。」
たっちゃんからのお願いなんて珍しいし、こんなに頼み込むのなんて初めて見た。思わず頬が緩む。はっ!いけないいけない!
「うん、わかった。でも、その日はたっちゃんのおごりだからね?」「ああ、それくらいなら貯金崩して頑張るさ。」

たっちゃんとデートなんて始めてかも。しかもたっちゃんの方からのお誘い。
思わず緩んでしまった頬は甘いクッキーのせいにして、今は素直に喜ぼうと思う。しっかし、たっちゃんの料理は本当に美味いなぁ。

この何気ない幸せが、ずっと続けばって信じてやまない私だった。

529: ◆POBrm2R/G2
08/12/14 01:53:51 qNXXS8x8
以上でとりあえず終了。一応中編と後編を作る予定でいます。
なにかあればご指摘いただけるとありがたく。

530:名無しさん@ピンキー
08/12/14 06:09:11 hFRZJ5vH
むはっ!甘いっ!
ご馳走さまでした。

531:名無しさん@ピンキー
08/12/14 08:59:22 Szuy8zGF
>>522
本当に逆痴漢プレイとヨダレがお好きでw

だがそれがいい

>>529
イイヨイイヨー

532:名無しさん@ピンキー
08/12/14 16:52:50 N4fAxQoU
>>529
続きwktkだけど…
最後一行日本語で(ry

533:名無しさん@ピンキー
08/12/14 17:43:44 R7Jlh4Y7
>>532
信じてやまないって別におかしい日本語じゃないだろう。

534:名無しさん@ピンキー
08/12/14 18:11:44 N4fAxQoU
「信じてやまない」ならその前は「ずっと続くと」にすべきだし
「ずっと続けばって」ならその後は「願ってやまない」だと思う

535:名無しさん@ピンキー
08/12/14 22:30:25 jxXo4Erg
>>529あっま~いw続き待ってます。

それと質問なんだけどさ、このスレって幼馴染みなら歳の差が有っても良いんだよな?
例えば、年齢一桁小学四年生の男子児童と女子高生とかさ。

536:名無しさん@ピンキー
08/12/14 22:36:32 8nQpzawO
年上幼なじみ?
大好物だばっちこーい!

537:名無しさん@ピンキー
08/12/14 22:39:20 eK/bndRV
個人的には中学高校で一緒に通える範囲が幼馴染と考えているけど
人それぞれ解釈は自由だからそういうのもありはありじゃね?

538:名無しさん@ピンキー
08/12/14 22:48:17 QbAaPTji
女子高生と一桁は流石にきつくないか?
年齢差はそのままにもう少し成長して中三男と女子大生ぐらいなら・・・

539: ◆POBrm2R/G2
08/12/15 00:00:55 qNXXS8x8
>>532-534
日本語が不自由な点の御指摘ありがとうございます!とても勉強になります!

>>536-538
こんな感じに仕上がりましたが、いかがでしょうか?

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ねーさん、今日も家庭教師、お願いしますっ!」
私は今日も今日とてかわいい許婚の三上悠二(9歳、小学4年生)の家庭教師をする。
「うん、よろしくね。今日は学校で何か宿題出た?」「えっとね、国語と算数に宿題があるよ!」
「じゃあまずはそれを終わらせちゃおうか?」「うん!」
元気な返事が悠二から返ってくる。かわいすぎてにやけちゃう。

私―井上紗耶華(16歳、高校1年生)―と悠二は父親同士が知り合いで、お互いの子供が生まれる前から異性同士なら
許婚にしてしまおうと画策していたくらい、仲がいい。
うちのお父さんは普通のサラリーマンだったが、偶然悠二のお父さんを助けたことからつながりが始まったと聞いている。
ちなみに、悠二のお父さんはとある大企業の社長さん。私は知らぬ間に玉の輿に乗ってしまっていたわけだ。

でも、あんまり玉の輿とかそんなこと気にしてない。だって悠二、ふつーに可愛いんだもん♪
このまま成長したらかなりいい男になるって確信してる。でも今はまだ、かわいいかわいい弟分だ。
たまに夢で成長した悠二の夢を見て、起きたら、その、ね?おなかの奥のほうが熱くなってたりすることも・・・

「・・・さん、ねーさん!」「ひゃい!」
少しトリップしていたためか、返答がおかしくなっちゃった。ちょっと恥ずかしい。
「ねーさん、大丈夫?顔まっかっかだけど、お風邪でもひいちゃった?」
あう、悠二に妙な妄想してたなんて言える訳無いよー!
「大丈夫大丈夫、それより宿題終わったの?」ちょっと苦しいけど、話題を変えることにする。
「??うん、終わったから見てもらいたかったの」「そっか、ごめんね。今からちょっと見るから、待っててね。」
不思議そうに首をかしげる悠二。きょとんとした顔が本当に可愛い。

「うん、ちょっと計算ミスしてるけど、それくらいかな。」「ありがと!ねーさん!」純粋に喜ぶ悠二を思わず抱きしめてしまう。
私のそんなに大きくない胸に埋まる悠二。抵抗するように首を動かすので、ブラが動いて乳首が擦れる。はぅ。
「悠二は毎日ちゃんと宿題やってえらいねー♪」「わっ!く、くるしいよねーさん!」
抱きしめられるのが恥ずかしいのか、悠二の顔がちょっと赤く染まる。
こういうことが出来るのはいつまでなんだろうな?と思いながら、今はとりあえずこのかわいい許婚を可愛がってあげようと思う。

「ねーさんっ!胸がくるしーんですっ!」
「ほらほら!おねーさんの胸が気持ち良いんでしょ?このマセガキ~!」

540:名無しさん@ピンキー
08/12/15 10:34:29 n09rchll
前もって一言断っておけばいいんじゃないか?
合わなさそうだと思ったらスルーすればよし。

541:名無しさん@ピンキー
08/12/15 10:40:40 n09rchll
>>539
レスを付けていたら新作キテター!
GJ!!

個人的には、小4のぼっちゃまの口調として、違和感があるのだけど
(もう少し精神年齢は上でないかと)微笑ましく感じた。

542:名無しさん@ピンキー
08/12/15 12:34:08 bdfys6Yx
この後、悠二に恋する女の子が出てきて紗耶華がやきもきするんだよな?な!?

543:名無しさん@ピンキー
08/12/15 13:10:21 JCQgSiub
年の差幼馴染とは…これは期待せずにいられないww

544:名無しさん@ピンキー
08/12/15 15:36:12 ZTRrpsyg
自分の予感が確かなら、小学生の男は女子高生に逆痴漢されると思うw

545: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:12:01 dCSqBSLW
今年も残りわずかとなりました。お久しぶりです。
暇つぶしにどうぞ。
・使用レス数:9レス
・内容:薄味
・NGワード:タイトル/ Jの喜劇
        トリ/  ◆H676uvqZmA

546: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:12:47 dCSqBSLW
Jの喜劇 【1/9】


「それで? じゅんた、ちゃんと断ったんだよね?」
「ああ、それよりしっかり手元見て食えよ。鼻の頭にクリームとか漫画か」
 夏実が向けてくる視線は結構シリアスだ。けど、つきっぱなしのクリームと両手でもった
ジャンボシューが雰囲気をぶち壊しているのに気付かないのはなかなかだよな。
ま、十二月にしては暖かい昼休みの教室でシリアスかまされても困るんだが。
 なんでいつもの和やかな昼食時にプチ修羅場に突入しなきゃならねぇんだよ。
やっと俺らを冷やかすのに飽きたクラスメイト達が聞き耳を立てているのがわかる。
四月は俺がお菓子を作ってくることに、五月はそれを夏実が他の何を差し置いても
優先することに、六月は俺らが付き合っていないことに。
九月に付き合い始めた時が一番ひどかった。
何がそんなに楽しいのか、月替わり日替わり人ごとに何かしらネタにされているんだから、
いい加減警戒心とかそういったものを持って欲しい。
 そんな俺の願いは虚しく、夏実はさらに言いつのってくる。
「ほんとに、ほんとーに断ったんだよね?」
「だからそうだって言ってんだろ」
 念を押す夏実に答えながら机越しに俺はティッシュでクリームを拭ってやった。
自分のことながら辛抱強い性格をしてると思う。
 いたるところから向けられる視線に耐えていることも含めて。
「あれあれ、どったのお二人さん。トラブルぅ?」
 焼きそばパンの最後のひとかけを飲み込んだ佐々木が振り返ってこちらへ椅子を寄せてきた。
俺と夏実と同じ中学出身で、軽いけどサッカー部で一年なのにレギュラーを獲っている
割とすごいやつだ。
「いや、大したこと―」
「うん。聞いてよ佐々木っち! じゅんたってばまた告白されたんだよ!」
 俺が言い終わる前に夏実が身を乗り出す。その言葉に大げさに驚いて見せた佐々木の目が
面白いおもちゃを見つけた子供のようだったのを俺は見逃さなかった。
しかも運が悪いことに近くにいた本田までいつの間にか背後に立っている。
「あらまあまあ、それは一大事だわー、松原ちゃん。ここはママと佐々木っちに
話してご覧なさいよ」
 演劇部の本田が舞台映えする声と体でしなを作って話すのは、やけにはまっていて
気持ちが悪い。今の姿をこの前の文化祭でファンになった他校の女子が見たら確実に泣くな。
しかもママってどこのママ設定なんだよ。おい。
「本田のママ。ありがとー! あのね、私がいるのに告白されたんだって。それでね、
断ってくれたみたいだけど、かっ……彼女としてはさー、ふくざつなんだよ」
「そうよねー、心配よねー。今まで女っ気なかったのに松原ちゃんと付き合いだしてから
これで二人目だもの。三ヶ月半の間にしては多すぎるわ」
 だから片手を頬に添えるな。小首を傾げるな。そして夏実は乗るな。そう言ったところで
無駄だから何とか飲み込んで、自分の分のシュークリームにかぶりつく。
頑張っているところに佐々木がさらに追い打ちをかけてきた。
こいつら、俺になんか恨みでもあるのかよ!


547: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:13:19 dCSqBSLW
Jの喜劇 【2/9】


「一人目は三年の先輩だったんだっけか。スタイル超いい、テニス部の。
もったいないことしてんだよなぁ……オレならあの胸の前で手ぇ組まれて、お願いっ!
なんて言われたら、ハイ喜んで! って言っちゃうけどさ。くっそ羨ましい。
憎い……じゃなくて、誘惑されなかった純太をほめてやるべきじゃないかなぁ」
「……むね?」
「そう! 胸は男のロマン。右には夢、左には愛が詰まっているんだ」
 この巨乳好きめ。余計なこと言うんじゃねぇよ。その思いを込めてシュークリームに
伸びてきた手をはたき落とす。佐々木の言葉にジャンボシューを持ったまま、夏実は自身の
お世辞にも豊かとは言えない胸板を見つめた。素直にそこを聞き入れるなよ。
ってかセクハラなんじゃね?
「男ってそんなもんなのよねー。そう言えば、この頃純太ちゃんってば人気なのよ。
知ってた? 何やら松原ちゃんと付き合いだしてから、妙に落ち着いちゃって
幸せオーラだしてるもんだから、『なんか、優しそうでいいかもー』とか。文化祭で
お菓子作ってみせたことで『料理できるのってよさげー』とかって」
「でもさ、でもさー。私がいるんだよ?」
「そんなの関係ないわよー。恋は盲目っていうじゃなーい?」
 だから流すなよ。お前も男だろってつっ込むところだろうが。
「もーもく……」
 ポツリと呟いた夏実を横に、巨乳好きの馬鹿と二丁目風の馬鹿はさらに続ける。
「そうよ。それにね、さっきも隣のクラスの女子が持ってた荷物半分持ってあげてたのよ」
「ジェントルぅ! さすがモテ期に入ったモテ男は違うね!」
 相手にしちゃいけない。それこそあいつらの思うつぼなんだ。そうだ。
俺にはやることがあるじゃないか。この目の前にこんがりしっとり仕上がったシュークリームの
出来を分析することだ。まだ半分以上残っているそれを俺は一口食べた。
今回のシュークリームはバニラビーンズがちょっと足りなかったか……。
「そうやってどんどん女の子を落としちゃうのねっ。やだー女の敵だわ!」
「タラシってやつだなぁ」
「……タラシ。じゅんたのタラシー!」
 シュークリームを両手から片手に持ち替えて、夏実が俺を睨む。乗り良すぎだろ。
マジで。それを見て二人はにやにやと人の悪い笑みを浮かべていた。
限界。
「……黙ってれば好き勝手言いやがって。人助けして何がいけねぇんだ。気がつくとか、
そりゃお前ら、夏実といたら自然とそうもなるわこのあほうども。見てないと知らないうちに
怪我したり、卵から未知の物体作り上げるんだぞこいつ」
 白と黄色のものから、黒や茶色のものができるのはわかるんだ。焦げただけだからな。
それがなぜなにどうして緑がかったものが皿の上に―しかもその皿も微妙にひび割れて
いたりする―鎮座していた時の衝撃を想像できるやつなんていないだろう。
 さらに料理名を聞いて後悔した。卵焼きってスタンダードな料理だと思うんだ。
基本だからこそ、奥が深いし難しいところはあるがそれは職人レベルの話であって、
素人が求められるものじゃないのに。


548: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:13:54 dCSqBSLW
Jの喜劇 【3/9】


 俺の心情を知ってか知らずか、夏実はきょとんとこちらを見てくる。まるで親鳥の
餌をまつ雛のように無邪気に。
「おかげで趣味の菓子だけじゃなく、料理全般対応できるようになった。両親働いてて、
姉貴にだけ手伝わせるわけにいかないから、家事もできるぞ」
 兄貴は舌も肥えているしやればできるくせにやらない。現に独り暮らしが成立しているんだから、
そこそここなせるはずなんだ。あのパソコンオタクは無駄に器用なくせにいらんことにしか
力をかけない。やけになってさらに重ねると、佐々木が俺の両肩をつかんだ。
「純太。オレと結婚して下さい。パートは週三、五時間のレジ打ちぐらいでオッケーだから」
「専業じゃないなら断る。それぐらいの甲斐性見せやがれ。三食昼寝付きなら考えてやらんこともない」
「要求たけぇ! オレだって胸のない野郎なんてお断り―」
「だめー! じゅんたは私と結婚するんだもん。昔、約束したんだからあっ。
私がじゅんたがいいなって言ったらいいよって言ったんだから!」
 俺らの軽口に夏実が手の中のジャンボシューを握りつぶさんばかりの勢いで待ったをかけた。
焦る必要がないと思うんだけどな……。
「まあ、もう二人は婚約済みなの? うらやましいわー」
「お断り―なんて言うと思ったか! オレだって本気よ? 松原。そんなに言うなら
その約束とやら、話してもらおうかっ」
 馬鹿どもが夏実をあおる。佐々木、お前胸がない野郎はいやなんじゃないのか。
都合よく言ったことを撤回するな。
俺らの様子をうかがっていたクラスメイト達の輪が心なしか狭まった気がする。
これなんていうイジメですか。
「いや、昔のことだから。なぁ? 夏実」
「じゅんた、大丈夫! ちゃんと私がせつめーするから」
 そう言うことではないんだ。さすがにこないだ聞いたばかりだから俺だって思い出してるし。
何でそんなに輝いてるんですか。夏実さん。
 そして何でこういう日に限って次の授業が自習だったりするんだろうか。
「―というわけで、じゅんたは一緒にクッキーを作ってくれて、そのときに約束したんだー。
だからね、佐々木っちには悪いけどじゅんたのことは諦めてね」
 こうして、五限目の三分の一を使って夏実クッキー事件はクラスメイト全員の知るところとなった。
しかもこの前俺に話したときよりも細かく説明。今までうらやましいかった夏実の記憶力を
恨んだのは初めてだ。
「ふーむ。そうれじゃあしょうがないか。松原からプロポーズして、純太がオッケーしたんだもんな」
 佐々木がしぶしぶ、といった感じで頷く。それに合わせて笑顔でいた夏実が急に固まった。
「私からプロポーズ……? あ、ダメ! やっぱりなし。なしにして、じゅんた」
 ギギギと音がしそうなくらいゆっくりとこっちを見ると、まだ飛べない小鳥が羽ばたきの
練習をするみたいに、体の横と顔の前で腕や手を振る。
「何でだよ?」
「決まってるじゃない! プロポーズされるのは女の子の夢だからっ。ちなみに理想その一は、
観覧車のてっぺんで。その二、クリスマスイルミネーションをバックに。その三は、
オーシャンビューのレストランでシャンパングラスの中から指輪。その四は」
「いくつあるんだよ」
「女の子の夢は無限大だから。というわけでノーカウントねっ」
 俺の溜息を了承と取ったのか、夏実は元通り笑顔になって理想のストーリーを本田のママと語り始めた。
演劇畑の本田とは演出面で趣味が合うみたいだ。少女漫画育ちだからとはわかっているけど、
挙げられた理想はどれも強烈に羞恥心を刺激してくれる。想像しただけで背中というか、
両腕というか、全身がむず痒い。夏実と少女漫画仲間の姉貴も同じような夢を持っているんだろうか……。

■□■□■□■



549: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:14:45 dCSqBSLW
Jの喜劇 【4/9】


■□■□■□■

 ショートケーキやウチの人気商品チョコレートムースのケーキ。通常の商品と並んで、
クリスマスを間近に控えた十二月はブッシュ・ド・ノエルなどの限定商品も予約者のために並べてある。
俺は白いシャツと黒のスラックスに身を包み、親父の店『Le ciel』のレジに立っていた。
学校のない日は、厨房で作るだけじゃなく小遣い稼ぎも兼ねてレジ打ちもしているからだ。
 今までもやってきたけれど、夏過ぎから少し多めにレジに入っている。
やっぱりちょっとは考えることもあるわけで。
 ケーキ屋にとってこの時期は一番の稼ぎ時。おかげでクリスマスに家族でどこかへ
出かけた記憶なんてないけれど、かわりに文化祭の前日みたいな大きなことが起こる高揚感がある。
実際、前日とかは親父は一日中ケーキを作り続けるんだから、当然だけど。
 それと同時に、俺がケーキを作り始めて我が家用の分を担当するようになってからは、
上達具合を審査される場にもなった。だから他の人とはまた違ってクリスマスキャロルが
流れ始めると緊張でテンションが上がる。
 団体客をさばき終えてほっと一息ついていると、「お願いしてもいいかしら?」と声をかけられた。
「あ、すみません。お待たせしました。どれをお取りしましょうか? っと。お客さん、久しぶりっすね」
「あらまあ、店員さん。憶えてくれていたの。嬉しいわあ」
 おっとりと上品に目を細めたお客さんは、月に二回ぐらいの頻度で来てくれるお得意様だ。
この前の来店が十一月の半ばだったから、少し間隔が開いていた。
「もちろんですよ」
 短く答えると、お客さんは手袋をはめた指で口元を隠すようにして笑う。俺のばあちゃんと
同じぐらいの年で、若いころはきれいだったんだろうなって感じの人。時々こうやって
会話するから、いつの間にか憶えていた。
 ミルフィーユ、ザッハトルテ、ティラミス、モンブラン、ショートケーキを各一個ずつ
保冷剤と一緒に詰める。
「六十二円のお返しになります。俺が忘れないようにすぐにまた来てくださいね。なんて」
 ケーキの箱とお釣りをお客さんに渡しながら冗談を言う。
「中原君ってこんな風に接客するんだ。なんか意外」
 突然割り込んできた声に、「ありがとうございました」のセリフを飲み込んでお客さんの
後ろを覗き込む。そこには俺の学校の制服を着た女子が胸のところで荷物を抱えて立っていた。
お客さんの孫だろうか。見覚えはないけど俺の名前を知っているんだから、多分同学年だろう。
「あらっ、二人ともお知り合いなの?」
「まあねー、中原君のほうはそうでもなさそうだけど」
 俺がわかりやすく怪訝な顔をしていたからか、意味ありげな視線を流された。
気まずい。なんとかしようと言葉を探すが、誰だかわからないんじゃ話しようがない。
言いよどむ俺に、彼女は呆れたように笑うと答えを教えてくれた。
「谷川みずほ。隣のクラスの女子ぐらいは知っておこう? この前荷物運ぶの手伝ってくれたから
てっきり憶えてくれてると思ってたんだけどなぁ」
「……わりぃ」


550: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:15:54 dCSqBSLW
Jの喜劇 【5/9】


「ちょーっと傷ついた! だからメアド教えて? ケータイ持っているでしょ」
 谷川はこちらの返事を聞かないうちに、ポケットからストラップがいっぱいついたケータイを取り出す。
 なんで傷ついたからメアドの交換になるんだろうか。でも憶えていなかった俺が悪いんだし、
ここは素直にしたがっておくべきか。疑問はあったけれどスラックスからケータイを
取り出そうとした手を押し止めたものがあった。
「お客さまー。こちらの店員は非売品ですので、メアドの交換はごえんりょくださーい」
 慣れた感触の夏実の指。急激にその場の空気が緊張感に張り詰めたように思う。
なんなんだ、どうしたんだよ。お客さんもおろおろしてるじゃねぇか。そう口を挟もうとしたら、
夏実の突き刺すような視線が返ってきた。
 怖い。
 谷川に助けを求めようとそちらを見ると、夏実と同じような表情をしている。
二人とも俺より小さいのに迫力がありすぎるだろう。
 怖い。
「それでは、ありがとーございましたあ」
 明らかに作り笑顔の夏実が俺の横から、ガラスのドアに向かうと送り出すように開いた。
それに対して気持ちを切り替えるように谷川は息を吐く。そしてこちらへにっこりと
笑いかけて「今度はゆっくり話そうね」と『今度』を強調して言うと、俺と同じように
状況が理解しきれていないお客さんと共に表の通りへ出て歩いて行った。
 その姿が完全に見えなくなると、小鳥が人間を威嚇するみたいに肩をいからせていた
夏実が「今度も何ももうくるなー」と呟く。
「いや、お得意様だしなあ」
 そういうわけにもいかないわけで。怒りを解こうとあえて軽い感じをだす。
すると何度か唇を開いては閉じてを夏実は繰り返した。外から見えるように置いた
クリスマスツリーのイルミネーションの点滅と同じタイミングでちょっとおもしろい。
「……じゅんたのバカッ」
 さっきとは違う感じだけど、キッと俺を睨むと短く吐き捨てて夏実は店を飛び出して行った。
乱暴にドアが閉められて、上の方に付けられたベルがチリチリと何度も鳴る。追いかけたいけど、
すぐに新しいお客さんがやってきたせいで店を離れるわけにいかなくて、奥にいるお袋に声をかけた。
馬鹿ねぇとお袋までに小言を背中にもらう。
 俺が何したって言うんだよ! いや、俺が悪かったかもしれないけれど。
この頃、夏実を怒らせてばかりのような気がする。

■□■□■□■



551: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:16:32 dCSqBSLW
Jの喜劇 【6/9】


■□■□■□■

 ぴったりと閉じられた夏実の部屋のドアをノックした。最初は外に行ったかと考えたけれど、
この季節、コートも何もなしに北風に当たるような性格をしていないことは知っている。
「入るぞ」
 返事はないけれど、ダメとも返ってこないので一声かけて開けた。
 ドアを背に、テーブルの上にお菓子の袋を広げた夏実はこちらには目もくれず、
サクサクとクッキーなどを食い散らかしている。いつの間に買ったんだろう。
いつも俺が作るお菓子ばかり食べているし、近頃コンビニめぐりもしていなかったのに。
林檎味の携帯用のゼリーまであるのに、ココアも葛湯も入れてあるしキャンディーの袋も転がっていた。
「そんなにお菓子ばっか食ってると、夕飯入らねぇぞ」
「これはお菓子じゃないもん」
 どう見てもお菓子ですけれど。そうツッコもうとする間にも夏実は葛湯に息を吹きかけて
それをあおる。とろみのある物がそう簡単に冷めるはずもなく。
「あつっ!」
 案の定、火傷をしたらしい様子に隣へ回りこんで舌を出させる。少し周囲よりも
赤くなっているところを指でなぜた。痛かったのかビクリと体が強張ったのが直接伝わってきて、
俺は指をどける。
「……ったく、気をつけろよ」
 口の中の傷は割と早く治るけれど、一応冷たいものでも取ってくるか。立ち上がろうと
膝を立てたところで、腕を引かれてバランスを崩しそうになりながら座り直した。
「あっぶね……」
「なんで、いつも離れちゃうの」
 何言ってるんだ、という問いは俺らの口の中で消える。いろんな物の甘さ。
さっき触れた舌の熱さがそのまま唇とさらにその奥に伝わってきた。
「ん、っふ」
 鼻にかかった夏実の声が喉を通して直接頭にしみてくる。あまり長くない舌が歯の根元をなぞった。
火傷は痛くないだろうか。ふとそんなことがよぎったけれど、上気した頬に
落ちたまつ毛の影に吹っ飛びそうになったから慌てて体を引きはがす。
「はぁっ……なんでっ? 胸がないから? だから何もしてくれないの」
 言いながらカーディガンの下に着たレースで飾られたブラウスのボタンをはずそうとする。
その手を握り締めて止めた。
唇と同じように濡れた瞳。息をするたびに覗く白い歯。本当に勘弁してほしい。
「怖いくせに」
「そんなことっ」
「俺だってさすがに気づくんだよ。触るたびに緊張されたら」
 そう指摘すると、夏実はうつむいた。自分の思うタイミングで、希望のように触れられないと
ダメなんだ。自分からならいくらでもそうできるから平気なんだろう。キスだって、
抱きしめるのだって、なんだって。俺だってそれくらいわかるんだ。もし、それから
外れたことをしたらどうなるかとか。俺と夏実の間にはそういう差があることを感じてた。
これまでだって危なかったことなんて、何回もそれこそ数えきれないぐらいあったけれど。
「……待つのには結構慣れてんだ。本音を言うとさっきとかかなりヤバかったけど」
 もう諦めとかを重しにして隠さなくていいだけ、前よりもずっと楽だ。強く掴みすぎて
白くなった手を離して、かわりに髪をかき混ぜるようにしてなぜる。
「どうして急に焦ったのかはわかんねぇけどさ。こんな風なのは、夏実が後で後悔すんのは厭だ。
知ってるだろうけど、俺だって初めてだし。いろんなこと、例えば他の誰かと話すとか、
そういうことの意味が俺らの中で少しずつ変わってきているよな。でも、全部をいきなり
変えなくたっていいと、思うよ。なんて言うか……あー! うまく言えないんだけど!」
 俺の手が乗ったままの頭が振られた。


552: ◆H676uvqZmA
08/12/16 00:17:08 dCSqBSLW
Jの喜劇 【7/9】


「わかるよ」
 すれ違ってばかりだけど、こんな時、俺らの積み重ねてきた時間を強く感じる。
夏実以外の人間がそう言ったとしてもきっと嘘だと思うだろう。だけど、夏実だから
そのまま受け入れられる。だから、だからこそ夏実がずっと夏実であり続けられるようにしていきたい。
「でもね、不安になったんだもん。いきなりモテ始めるし。教えてくれなかったから
知らなかったけど、そのっスタイルいー先輩から告白されたりとかしてるし……。
さっきもメアドとか聞かれてるし。心が狭いって思うかもしれないけど、いやだったんだもん」
「断ったし、メアド交換しても俺からは何もする気ないし。谷川さんが何か言ってきても
同じように断わったよ。つーか、スタイルとかそういうので夏実がいいわけじゃないから」
 夏実がいいわけで。体も心も両方夏実だから欲しい。どっちかが別の人になったら意味がない。
夏実もそう俺のこと考えていてくれると思っていたのは間違いだったのかな。
「私だってそうだよ? ただ何もなかったから……」
 ほらこういう風に欲しい言葉はその時にくれる。
「じゅんただって、おと……この人だしっ。胸とかやっぱりそういうの好きなのかなとか
思っちゃったんだよ! ばかばかっ。鈍感星人あほー」
 恥ずかしさの限界を超えたのか、夏実が両手で顔を隠した。見える耳が赤い。罵られて嬉しいとか、
そうないよな。そういう趣味ないし。夏実なりに気にして意識してたんだなぁと思えば
これくらいの悪口なんてむしろ嬉しいくらいだ。
 俺が何も言わないからか、夏実は声のトーンを落とすと呟くように訊いてくる。
「本当にいいの? いっぱい待たせちゃうかもしれないよ」
「後で泣かれたりするよりはずっといいな。でも限界前には間に合うように祈っておく」
 おどけて言うと、くすりと笑い声がした。
「胸、ないよ?」
「まだ気にするか。大丈夫。俺、足派だから」
「へんたい。じゅんたのへーんたーい」
 変なメロディをつけて何度も「変態」と繰り返される。さすがの俺も傷つくんですけど。
気にしているみたいだから「貧乳好き」と言わなかったのに。嘘になるから言わなかっただけだけども。
「まあ、足派ではあるが……ないよりはあった方がいいし。夏実の心が広くなるように、
ありかを大きく育てるのもいいな」
「へっ?」
 目を見開いた夏実の腕の下に手をさしこんで抱えあげると、ベッドへ軽く放り投げるように
その体を移動させた。胸ぐらいは許容範囲みたいだし、たまにはいい思いしたっていいよな。
「よく言うだろ。揉まれるとってやつ。そこらにあるクッキーとかと合わせれば
効果あるかもしんねぇぞ?」
 俺の言葉に戻りかけていた夏実の頬がまたパッと赤くなる。
 コンビニとかで見かけないパッケージだったから、気になってよく見るとどれにも
「豊胸」とかそういう言葉があった。運動とかじゃなく、甘いものを食って
なんとかしようとするのが、あまりにも夏実らしすぎて笑える。
「そっ……そういうのは触れないのがやさしさだとおもうー」
「気にしないようにあえて触れるやさしさもあるとおもうー」
 口調を真似しながら、上のひとつだけ外れたブラウスのボタンに手をかけた。首のところでタイのように
リボンを結ぶようになっていたそれは、どこかプレゼントの包装を連想させてわくわくする。
 寒くなってきてから隠れていた鎖骨が見えた。さらに続けると、夏実の部屋のカーテンと
同じような柔らかいオレンジの下着が現れる。
「や、やっぱりはずかし」
 起き上がろうとする肩を押してベッドに再び沈めた。肌と下着の境を指でたどる。
中心から外側へ。肉の薄い感触から控え目だけれど次第に柔らかさが増していくのがわかった。
シャツを広げて肩に伸びるストラップを横へずらすだけで、自分でもおかしいくらい緊張する。



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