08/10/12 04:00:55 zzFfrSvo
>>131 続き
「クリス……はもう帰ったのか?」
入って来た人影に眉を寄せる。
「トリゴエ?何だ、今日はもう休んでると聞いていたが?」
「休む気にもならなくてな……今日の資料を確認したいんだが、彼女は?」
「クリスなら確か資料室に行くと言っていたが……」
「有難う……探してみるよ」
「……あまり、根を詰めるなよ」
返事の代わりに背中に手を振って部屋を出る。
廊下を進み資料室の前に立った時、すすり泣くような声が聞こえた。
気丈に振る舞ってはいたが、熟練の刑事であっても目を背けたくなるような凄惨な現場ばかり。
まだ若い彼女が精神的に追い詰められたとしてもおかしくはない。
悩んだ挙げ句、扉に手をかける。
経験上、彼女に何か言ってやることが出来るかもしれない……。
-----
「ハ……アァ……」
薄く血が滲む程唇を強く噛み締めるが、耐えきれず声が漏れる。
職場でこんな行為に及んでいる背徳感が尚更感覚を鋭敏にさせる。
捜査を共に進める度に、彼が優れた捜査官であることを実感した。
同時に男として惹かれて居ることに気付くのも時間の問題だった。
親子程に年の離れた相手、しかも妻子持ちで。
そんな事など問題にならないほど強くなっていく気持ち。
そんな事を考えている場合で無いことは重々承知している。
彼が病気の妻の事で心労に耐え続けていることも。
けれど病に臥して尚、夫を支え続ける顔も知らない彼の細君に、
事もあろうに嫉妬がふつふつと沸き起こる。
その深い夫婦愛に憧れながらも、その関係性に嫉妬心がどす黒く胸を染めて消えない。
愛情と憎悪は酷く近い感情なのだと実感する。
スカートをたくし上げ秘部を擦り上げる。
何かを期待する訳じゃ無いけれど、豪奢なレースのショーツに飾られたそこは
じっとりと濡れそぼり、溢れた愛液が床に溜りを作った。
そっと下着をずらし指を―
「……クリス君?」
ためらいがちに開かれた扉から薄暗い部屋に細く光が差し込み、逆光の中に浮かび上がるのは……