( ∴)攻殻機動隊でエロ4th GIG(∴ ) at EROPARO
( ∴)攻殻機動隊でエロ4th GIG(∴ ) - 暇つぶし2ch96:名無しさん@ピンキー
08/12/12 10:01:29 J6qwFK1a
3rd で「バトー×素子(妊娠がらみ)」を書いたものです。
リアルでバトー(夫)に精子を入れられ、妊娠しました。8月出産予定です。
生身の体で陣痛を体験することになるなんて・・・。いたそうだ!
「サイトー!(先生)そいつを(麻酔薬を)よこせえええ!」
注)かかりつけの先生の名前は斉藤ではありません。



97:名無しさん@ピンキー
08/12/12 14:44:32 kytdcfCu
日記帳にでも書いとけ

98:名無しさん@ピンキー
08/12/12 15:55:53 bxcKwo77
>>96
おめ
出産までにまた投下汁

99:名無しさん@ピンキー
08/12/12 16:55:05 RX/n0U9E
>>96
おめでとう。

でも、ちょっと一言。
自分の出産リスクやらを充分吟味して、出産予定の場所の産科事情も吟味した上で、
出来れば総合病院の産科(母子ともに手術の可能な設備で小児科併設)に、
費用は惜しまず頻繁に通って親しくなっとくように。

昨今の事情では、普通に産院で定期検診しているだけでは無事に産めるとは限らない。
場合によっては、陣痛を待たずに切ってしまう手もある。

出産は命のやりとりだし、その後だって、悩みの種は尽きないけど、
赤ちゃんはみんなに笑顔をもらって大きくなる。
決して一人で育てていくとは考えないで。

それから、つわりが酷ければ無理はしない。
PCなど、電磁波もあるから推奨しない。
電波なお子様になるよw

100:名無しさん@ピンキー
08/12/12 17:41:19 rwfjR8CE
>>96
おめでとう。元気な赤ちゃんが生まれるといいね

しかし非常におめでたい話だけど、できればここにそういうリアルな事を書いて欲しくなかった。
ここはあなただけが書いたり読んだりするスレじゃないし
せっかくのあなたのSSもそういうエロい目で見て萌えるという事が出来なくなってしまったよ
今度からは気を付けて。風邪をひかないように体を大事にしてください。

101:名無しさん@ピンキー
08/12/13 00:48:41 LyqgE7Th
おめでとう!
(しかし女性の方だったんですな……男性だと思いこんでた
このスレちょこちょこ自分以外にも女性住人がいて嬉しいぞ)

元気なお子を産んでください。
そして攻殻を次代へ脈々と伝えていくのだ(笑)

102:名無しさん@ピンキー
08/12/13 05:05:24 3Ddnsll4
お願いだから自重してくれ

103:名無しさん@ピンキー
08/12/13 13:26:01 3+uKSS2F
空気を読まずにバト×素を激しく希望

104:名無しさん@ピンキー
08/12/15 01:19:11 SMzCT1AC
遅レスだけどおめでとう。
それよりも、すっかり過疎スレだと思ってたのに、
雑談できるだけの人数がまだいた事に驚いてる。

105:名無しさん@ピンキー
08/12/24 21:40:44 IckQvrHO
(注意書き)
1,保守小ネタにつき、エロ無し
2,時系列ではウチコマを使用するべきですが、
あえてタチコマ使用に改変

遊びで書いた話なので、スレ違いのエロ無しご容赦下さい。

106:聖夜の奇跡1
08/12/24 21:43:33 IckQvrHO
 草薙素子には何か声を掛け難い時がある。
 今、この瞬間がまさにそれだ。
 あれはいつだったか、もっと蒸し暑い夏の夜だった。
 背中を向けたまま、高層階からぼんやりと市街地を見つめている。
 あの時と全く一緒だ。
 さめたコーヒー片手にいったい何を思っているのか、後ろに誰かいる事さえ
気づいている様子もない。
 素子が気づくまで、ずっとこのまま立っていようかとバトーは思った。

「何か用?」
 振り向きもせず窓ガラスに映ったバトーのシルエットに向って、素子はようやく
口を開いた。
「まだ帰らないのか?」
「えっ? ああ……もうこんな時間……他の皆は?」
「夜勤以外で残ってるのは俺とおまえだけだ。今日は何の日か理解してるか?」
「そんな所に立っていないでこっちへ来たら」
 バトーは、ゆっくりと素子へ近づいた。
「見て、ほら」
 窓ガラスの向う側に新居浜の夜景が広がっている。飽きるほど見慣れた眺めだが、
いつもより派手に輝くイルミネーションは、今日がクリスマスイブだからだ。
「イブだったわね。道理で誰もいないと思った」
「トグサも今日は早く帰った。今頃は家で楽しくやってるさ」
「きっとそうね」
「一緒にメシでも食いに行くか? 俺達も」
「今日はどこも多いわよ。それに余りお腹は空いてないの」
「そうか……腹は減ってないのか」
「でも飲みたい気分ね。お酒なら行ってもいいわ。一緒に行かない?」

 素子からの予想外の申し出だった。断る理由は当然ない。
「そうだな、メシより酒だ。待ってろ、上着取って来るから」
「下で待ってるわ」
――待ってる
 その言葉を快く聞いて、バトーは部屋を出て行った。
 上着を取って下に行くまで、ものの5分もかからない。
 だが、上着を忘れた場所を思い出して少し憂鬱になってくる。
 確かタチコマ達がいるハンガーに置いてきた筈だ。
 自分の姿を見て、退屈しているであろうあの連中が簡単に開放してくれるかどうか……。
 そっと行って脇目も振らずに逃げてくればいい。
 バトーはそう思いながら、全速力で走って走って走った

107:聖夜の奇跡2
08/12/24 21:46:29 IckQvrHO
「バトーさぁん!!!」
――しまった!
 バトーは椅子の上に放り出したままの汚い革ジャンを急いで着ると、なるべくタチコマ
と目を合わせないようにした。
「バトーさん、オセロやろう! トランプでもいいよ」
「バトーさん、天然オイル!」
「バトーさん、ぼく達すごく退屈なんだ。ねぇ遊んでよ」
「世間はクリスマスイブなのに、ぼく達には何にもない」
「ケーキも、チキンも、シャンパンも無い!」
「我々は、クリスマスを楽しむ権利を要求する!」
「サンタクロースもいない……プレゼントもなにも無い!」

 仕方なく、バトーは少しだけタチコマ達に付き合う事にした。
「ハァ? プレゼント? 赤い服きたじいさんからのプレゼントが欲しいっていうのか。
赤い服着たじいさん達なら毎日見てるだろ? ほら、そこにもひとりいるじゃねえか」
 ハンガーには、タチコマ1機を調節中の赤服が一人だけいた。
 赤服は、ニヤニヤしながらバトーとタチコマ達のやりとりを聞いていた。
「あんなのただの鑑識だ。なんにもくれないし、気に入らない事があるとすぐにラボ送り
にするって言うんだよ」
「明日ならオイルでもなんでもくれてやるよ。だが今日はダメだ。用がある」
「予定があるの? それってクリスマスイベント?」
「イベント? なんだそりゃ?」
「クリスマスにはクリスマスイベントってものがあるんでしょ? カップルで美味しい物
食べて、ホテルに泊まるんだよね? それから何するの? 楽しいこと?」

 タチコマの言葉に、バトーは頭をかかえた。
「……タチコマ……それは間違った情報だ。並列化するんじゃねえぞ!
 おい、赤服!おまえらどんな教育してんだ?」
「私じゃない。そんなウソを教えたのはアズマだ」
「何? アズマのヤツ! いかにも女好き軽薄ヤローの考えそうな事だ! 
 おい、おまえら。明日俺が正しいクリマスの過ごし方について教えてやる。
明日まで待ってろよ」
「なんで? 今日でもいいでしょ?」
「おい、おい……おまえ達……」
 赤服は調整中の手を止め、バトーとタチコマ達の元へ近づいた。
「バトーは用事があると言ってるだろう。余り困らせるんじゃない。それともおまえ達は、
他人の都合を思いやる事もできないのかな? そんな子供ではなかった筈だ。そんな態度
は大人だとは言えないな」
 赤服の言葉にラボ送りを恐れたタチコマ達は一斉に黙りこんだ。

108:聖夜の奇跡3
08/12/24 21:49:24 IckQvrHO
「う~ん、そうだよね。ぼく達はもう大人だ」
「バトーさん、わがまま言ってごめんなさい」
「ごめんなさい。明日まで我慢するよ」
「バトーさん、おやすみ。メリークリスマス!」
「いい子だ。わかったら早く寝るんだ。明日はきっとバトーも来てくれる」

「助かったぜ……頼りなるな、あんた」
「褒めるか、貶すかどっちかにしてくれよ。それにしても、珍しく急いでいるな。
彼らが言うようにクリスマスイベントでもあるのかね? 本当なら羨ましい」
「よせよ。そんな女はいない。少佐のお供で酒飲みに行くだけだ」
「少佐とね……それはますます羨ましい。少佐は、君の事はよく誘うが、
私などは一度もお誘いはかからない。もっとも、酒は余り飲まない方だが」
「羨ましいだと? あんたが思うほど楽しくもねえよ」
「まあいい。気をつけて行くといい。最近は物騒だ。少佐と君の強さは十分に理解して
いるが、大衆の集まる場所でのテロなんて珍しくもない世の中だ。クリスマスだから
といって、あっさり休戦になるなんて事はない」
「ご忠告はありがたく受取るよ。お疲れさん」
 バトーは、赤服とタチコマを残し急いで行ってしまった。

「ねえねえ……」
 皆寝たと思っていたのに、いつのまにか1機のタチコマが赤服の後ろに立っていた。
 それは、いつもバトーから天然オイルをもらっているあのタチコマだった。
「なんだ、まだ起きてたのか」
「バトーさんさぁ、少佐と行っても楽しくないって言ってるのに、なんであんなに
急いでるの? それになんだかとっても楽しそうにしてるんだけど……」
「難しい質問だな。要は人間の複雑な感情というか、大人の事情ってやつさ」
「おとなのじじょう? それ何?」
「おまえ達が理解するには、まだまだ経験値が足りないな。明日、バトーにゆっくり
質問するといい。質問の答えによっては、また経験値が上がる。おまえ達の経験値が
上がればバトーも喜ぶだろう」
「ほんと?」
「ああ、きっとさ。じっくり聞いてみてくれよ。ついでに、少佐とどこへ行ったかも
聞いてみてくれ。個人的に興味がある」
「了解! それじゃおやすみ!」
「ああ、お休み」

 ようやく静かになり、赤服は腕を組んだまま独り言をつぶやいた。
「まあ、私では少佐の相手は務まらない。いろんな意味で……バトー、健闘を祈る!」
明日、タチコマ達の質問責めに合うであろうバトーを想像して赤服はニヤリと笑った。

109:聖夜の奇跡4
08/12/24 21:52:26 IckQvrHO
 バトーは、息を切らして地下の駐車場へ行った。
 そこには、すでに車を横付けにして退屈そうにハンドルに凭れた素子がいた。
 助手席のドアを開け勢いよく車に乗り込むと、素子は欠伸をしながら言った。
「遅かったわね……」
「ああ、待たせて悪かった。タチコマ達につかまってたんだ」
「タチコマ? フフ……退屈してたのね。あの子達、何か言ってた?」
「クリマスを楽しむ権利を与えろだとよ」
「だんだん生意気になってくるわね。それとも、成長の証かしら?」
「成長か……そうかもしれん。アズマがくだらん話を聞かせたりするから……」
「アズマ? 何を話したの?」
「あっ! イヤ、なんでもないんだ。聞いてもつまらん話さ。
それより、ほら早く車出せよ」
「なによ、遅れてきたクセに勝手な事ばかり言って」
 素子は、ブツブツ言いながらエンジンをかけ車を急発進させた。
「グッ! あぶねーな。行き成り出すなよ!」
「しっかりつかまってなさい。飛ばすわよ」
「ほどほどにしろよ。一応、俺達は警察官なんだぜ」

 バトーの言葉が聞こえなかったのか、それとも無視しているのか、素子は少しも
スピードを緩めず9課を後にし車道に乗った。
 真直ぐ走っていつものように都市高速に合流するのだろうと、バトーは思った。
 だが、車は序々にスピードを緩め、ウインカーを点滅させたと思うと路肩に止まって
しまった。9課を出てからほんの数分しか経っていない。
「なんだよ、行き成り止めて」
「やっぱり、やめるわ」
「あ……やめるだと?」

 結局それか……。
 最初から機嫌が悪かったに違いない。夜景を眺めてるうちに気紛れに誘ったに違いない。
ここは諦めて、缶ビールでも買って帰るしかない。
 缶ビール程度で、今の気分が晴れるとは思えないのだが―

「ああ、行きたくないなら仕方がないな。俺はビールでも買って帰るわ」
「えっ? ああごめん……言葉が足りなかったわね。車で行かないって意味よ」
「なんだそうなのか……紛らわしいな、おまえの言い方」
 そう愚痴ってみたものの、再び気分は爽快になってくる。
 自分はどこまでも単純にできているらしいと、バトーは、ほっとしながらそう思った。
「それなら、店まで歩いて行くのか。珍しいな歩きなんて」
「まあね。酔いとは無縁の私達でも、たまには歩きでもいいんじゃない?
待ってて、そこのパーキングに車置いてくるわ」
 素子はそう言うと、バトーをその場に下ろしてバーキングに入っていった。

110:聖夜の奇跡5
08/12/24 21:55:30 IckQvrHO
「お待たせ。行きましょう」
 コートの襟をたて、ポケットに両手を突っ込んだまま二人は歩道を歩き出した。
 賑やかイルミネーションの煌く場所までは、まだ歩いて2、30分もかかりそうな
距離だ。
 やけに冷える夜だった。歩き出してものの数分もしないうちに夜空から白い氷の粒が
降ってくる。それは地面に落ちればすぐに水滴に変わってしまうほど脆い雪だった。
「雪か……珍しいわね。最近は余り見ないわ」
「ボタ雪か。降ってもすぐに溶けちまう。ロマンティックには、ほど遠い気分だな」
「いらないでしょ、そんな気分」
「ああいらねえ、いらねえ。いらねえよっ!」
「三度も言わなくてもわかるわよ。黙って歩きなさい」
「了解!」

 二人は、黙ったまま歩道を歩いた。
 最初は小降りだった雪も、いつの間にか段々と本降りになってきた。
 時々すれ違う人々も、傘を手にした者達が多くなっていた。
「おい、小降りだと思ってたら、本格的に降ってきたな。もう溶ける暇もねえな。
これじゃ店に着く頃には雪だるまになっちまう……」
 バトーは、犬の様に頭を振って体に積もった雪を払い落とした。
「やっぱり、傘が必要みたいね」
「何? 傘だと? いらねえよ、そんなモン。軍にいた頃を忘れたのか? あの頃は
こんな事は珍しくもなかったぜ。雨や大雪の中、何時間も移動させられてよ。あれに
比べりゃなんでもねえよ」
「忘れたわけじゃないけど……」
「俺は今、あの頃を思い出して懐かしい気分に浸ってるとこだぜ」
「懐古趣味? 止めはしないけど、じゃあこれはいらないわね」
 素子は、バッグの中から携帯用の傘を取り出した。それは、草薙素子には不似合いな
ピンク色の小さな傘だった。
「あ? あるのか? 傘……」
「なんだか雪になりそうだったから、車に置いてたやつを持ってきたのよ。
でも、いらないんでしょ。懐かしい気分に浸ってるなら……」
「かせよ」
「え?」
「かせって! ほら、早く!」
 バトーは、強引に素子の手から傘を取り上げると、急いでそれを素子に差しかけた。
「どうだ。やっぱり傘はあったほうがいいだろが?」
「何勝手な事ばかり言ってるのよ。懐古趣味はどうしたの? それに傘は私のよ……
でも、やっぱりあったほうがいいわね」
 素子はそう言って、にっこりと笑った。
「だろ?」
 素子の顔を見たバトーは、満足したようにニタリと笑った。

111:聖夜の奇跡6
08/12/24 21:58:21 IckQvrHO
 だが、折角の傘は余りに小さすぎ、その傘の大部分を素子に差しかけるバトーは、
かろうじて頭だけを傘に突っ込み、大きすぎる体の大半には雪が積もっている。
 目指す店まで、あと10分も歩けば着くはずだから、我慢しようと思えばなんでも
ないような気もした。
 さすがにここまで来ると、クリスマスを楽しむ人達が大勢いる。
 傘の中で肩を寄せ、体をピッタリと密着させた二人組の間をぬう様に、
バトーと素子は歩き続けた。
 同じ傘の中にいても、どう見ても恋人同士とも思えない二人は、周囲から異様に
浮いていた。
 当の本人達は一向に気にしてはいないのだが、何故かすれ違う人達は、この奇妙な
二人組を自然と避けるように移動していく。

「なんか……避けられてないか? 俺達?」
「別に何も気づかないけど」
「そうか? 気のせいか……」
「でも、ここまで来ると、やたらとカップルが多いわね」
「当たり前さ。イブだぜ」
「楽しいのかしら? みんな同じ事やって?」
「そりゃ楽しいだろ」
「あなたも楽しいの、バトー? 少しはロマンティックな気分とやらを感じてる?」
「はぁ? 感じちゃいねえよ。おまえと一緒だぜ? そんな気分にはならねえな」
「そう……私もバトーと一緒じゃ、そんな気分になれない」

―あいつとなら、そんな気分になれるのか?

 一瞬、バトーはそう聞いてみたくなった。
 だが止めた。
 わざわざ不愉快な事を口に出す必要もないと思った。
 聞いても答えははっきりとわかっている。
 9課のビルで、素子は夜景を眺めているわけじゃなかった事など承知の上だ。
 素子は、光の洪水の中に、はっきりとあの男の姿を見ていたに違いないのだから。
 素子は、決して忘れはしないだろう。
 あの懐かしい幼馴染とかいう、あいつの事を……
 素子の消えた二年間、自分が決して草薙素子の存在を忘れなかった様に。
 だからなんとなく、素子の気持ちは理解出来るような気がした。
 理解出来ると言うだけで、不愉快極まりない事は変わらないのだが。

112:聖夜の奇跡7
08/12/24 22:02:21 IckQvrHO
「だめだな。ここも満員だ」
「仕方ないわよ、こんな夜だもの」
 3軒目の店に断られ、二人は再び歩道に出た。
「こりゃ朝まで空いてる店が見つかるかどうか……」
「見つければいいじゃない。きっとどこか空いてるわよ」
「朝まで、ずっと歩いてもいいってか?」
「構わないわよ。明日は休みだし」
「少佐。俺、明日仕事だ」
「そう?」
「そうじゃねえだろ。ひでえな」
「我々にはチームプレーなどと言う都合の良い言葉は存在しない。自分の仕事の
責任くらい自分で取ってよね」
「俺、おまえの事……時々、ひでえ女だと思う時があるぜ……」
「そう? 自分じゃあんまりそうは思わないんだけど」
「言っても無駄って感じだな」
「フフフ……そうよ、無駄よ。だから黙って歩きなさい」
「はい、はい、了解」

 二人して夜の街をどこまでも歩いた。深夜になっても人の波は消える気配もない。
 あいかわらず、冷たい雪がバトーの上に降り注ぐ。
 半ばヤケクソな気持ちになりそうだったが、こうして黙って二人で歩いていると、
バトーは、不思議と落ちついてくるのを感じていた。
 素子が消えて二年。復帰して一年が過ぎようとしていた。
 ―もう、戻らないかもしれない。
 何度もそんな事を考え、いつの間にか心は荒んでいた。
 だが、素子はある日突然帰ってきた。
 そして、こんな夜に自分の隣りを歩いてる―傘というおまけまでつけて。
 自分が本当に望んでいたのは、素子の気持ちでは無く、ただ同じ場所にいてくれる
それだけだったのかもしれない。
 明日生まれたとかいう救い主が、不器用な男を哀れんで起こした小さな奇跡なのかも
しれない―そんなふうに思えてくる。

「なあ、魂の救済ってのは、本当にあると思うか?」
「なあに? 懐古趣味の次は宗教の話でも始めるつもり? そんなに信心深い人間だった
かしら?」
「俺は至って信心深い人間だ。おまえもよく知ってるだろ」
「知らないわね。今、初めて聞いた……でも、自分の魂を救済してくれる人間は、世間
一般で言われているような救世主なんかじゃなく、案外身近にいる人間なんじゃない?」
「……ああ、そうかもしれねえな。おまえには、そんな人間はいるか?」
「さあ、いるようないないような……よくわからないけど、いるかもしれない」

―それは、俺だ!

そう言ってしまいたかったが、さすがにそれを口に出しては、思い上がりというものだ。
 折角一緒にいられるのに、総てがぶち壊しになってしまう。
 このまま黙って歩いて行こう―バトーは、そう思った。

―おわり―

113:名無しさん@ピンキー
08/12/24 22:31:19 AUiGl4lI
GJ!
クリスマスプレゼントいただきました。

バトー、がんばれ。

114:名無しさん@ピンキー
08/12/24 22:33:09 p5jvqaEy
キャラに違和感もなくいい雰囲気だ
メリークリスマスGJ!

115:名無しさん@ピンキー
08/12/25 12:33:35 ZZ3ZSdS6
会話が自然で、いい感じだ。
これこそは9課の日常って、
やっぱりバド素はこんな王道なのがいいな。
恋人未満でも同僚にしては深く結びつき過ぎてる加減なあたり。

最近の流れでは、この板は「エロ」と「パロ」の共存らしいから、
エロパロ縛りはいらないんじゃないかと思う。
エロに至りそうで至らない緊張感もまたイイんじゃないかと思うんだよね、素子と他のメンバー。

スレが停滞するのもなんだしね。

116:名無しさん@ピンキー
08/12/25 13:00:09 EjEmkLII
バトーもいちいちめんどくさいところがあるよね。
思い切って行きゃいいのにと思うことがある。
もう9課どころかゴーダにもバレバレだったのにw

告白してフラれるならこのままの関係で的な
少し前の少女漫画のヒロインのようだ。

ま、そういうところがいいんだが。


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