08/10/18 10:13:09 vfa7c9TQ
>>956
「私ね、太郎くんが好きよ。大好き」
二人はベンチに座り、やがて花子は言った。
「偶然だね。僕もさ」
太郎は笑顔でそう答えた。
味気ない状況説明になるのは、一人称にせよ三人称にせよ『語り手の主観』を織り込ま
ないようになっている/しているため。そのシーンそのカットで何が起きてるかを『語り手
の主観』でもって描写すると物語の情景がイメージしやすくなる。
ただ、やりすぎると読みづらいしなにより長くなるんだよな。
↓
「私ね、太郎くんが好きよ。大好き」
少しの沈黙の後、花子はようやく口に出した。こちらを見つめるその顔は頬を染め、
うるんだ瞳には一瞬前まで幼馴染であった相手に心を打ち明ける決意の光が灯る。
ベンチに座る二人の距離はほんの数センチだったが、花子にとってはついさっき
終わった試合の、最後の3ポイントシュートよりも遠く高く感じられた。
「偶然だね。僕もさ」
突然の告白に太郎は戸惑ったようだが、その時間は短かった。にっこりと微笑んで
花子に答える。
「僕も、僕のことが大好きなんだ」
我ながら読みづらいorz