08/09/18 01:08:32 5JnBNB7h
お馬鹿ゼストは無かったな
101:名無しさん@ピンキー
08/09/18 01:16:28 OQ56DBYk
ルー共々壊れてるのが1本だけあったような
102:名無しさん@ピンキー
08/09/18 02:25:45 wCijM5cV
>>528
そういえば、シグナムが相手の時と比べて、ヴィータが相手のときは随分気合いが入ってた気がw
103:名無しさん@ピンキー
08/09/18 02:32:47 4EH3dR0c
ゼスト=ハードロリータ説浮上www
まあ、そもそもルーテシアやアギトを連れまわしてんだから当たり前か。
104:名無しさん@ピンキー
08/09/18 02:33:57 CiS082yA
チソク相手に負けたのもまさか…
105:名無しさん@ピンキー
08/09/18 03:26:37 X03e+XCJ
レジアスと親友だったのも幼オーリス狙いだったからとかw
106:名無しさん@ピンキー
08/09/18 05:10:31 urZ99/ED
幼女だった頃のスバルとギンガも狙われていたのかw
107:名無しさん@ピンキー
08/09/18 06:11:42 yOi0enuS
ああ…ゼストが壊れていく…
108:名無しさん@ピンキー
08/09/18 06:19:30 5fy5UADz
うん、この流れ嫌いじゃないぞw
109:名無しさん@ピンキー
08/09/18 08:26:05 wjv1EhF2
>>528
無粋なツッコミをいれるなら時系列的におかしいが、まあいいか。
110:名無しさん@ピンキー
08/09/18 12:34:26 CwQladnl
>>518
これは予想外すぎるというかびっくりでした。
エリオがギャルゲの主人公っぽく、かっこ良さがあり良かったです。そしてキャロの珍しい活躍。
最期に勝つのはやはり純粋な愛ですね。
GJ!
111:名無しさん@ピンキー
08/09/18 12:42:41 zJPyX12r
今更だが>>489ってホントに本人か?
◆Ev9yni6HFA氏はトリ抜かれたって書き込み別スレで見たが……
保管庫はしばらく削除しない方がいいかもね
112:名無しさん@ピンキー
08/09/18 12:52:20 SbxGvvsG
だから皆、静観してるんだろうさ。
昔、640氏が投下直後だったか、トリップを抜かれてしまったときは、
ID変わらないうちに、トリップ変更宣言だしたから事なきをえたが。
この場合、SS投下がないとやはり本物かどうかこっちも判断できないもの
113: ◆K17zrcUAbw
08/09/18 20:05:50 DdcbNwuc
>>535のおかげで後日談その1『ルーテシアの心』完成。
かなりのキャラ崩壊に注意
114: ◆K17zrcUAbw
08/09/18 20:07:20 DdcbNwuc
ミッドチルダ高等魔術学院での事件から数ヶ月。
『はぁ……』
ルーテシアは大きな溜め息をついた。
エリオとキャロが付き合いだしてからというもの、交流が無いわけではないが二人との距離が少しだけ離れていったのを感じずにはいられない。
あんなことを言った手前、今さら、
『エリオは私のもの……だからあなたを殺すわ、キャロ』
なんてセリフなんて吐けるわけが無い。
確かにルーテシアのイメージにはピッタリだがそんなことを言う為に友情を捨てるなんて出来ない。
それこそ『ないすぼーと』になってしまう。
煎餅をかじりながら再び溜め息を吐く。
『それでも元許嫁の私の前で遠慮なくラブラブするのはやめて欲しいわ』
『取り敢えず詰め所に来て勝手に煎餅かじって言うセリフではないな』
『いたんだ』
『お前がいる方が問題だ』
ここはミッドチルダ高等魔術学院の守衛であるゼストが住んでいる詰め所である。
壁には槍やらロープやらの対犯罪者用の装備がぶら下がっている。
ゼストはそう言いつつルーテシアに茶を差し出す。
『とか言いながらお茶をだしてくれるあなたが好き』
『からかうな』
炬燵に足を突っ込んで煎餅を取る。
この広い学院にいる守衛は4人。
それぞれが東西南北に一棟ずつ設置された詰め所に住んでいる。
南側に位置するゼストの詰め所にここ最近ルーテシアは入り浸っていた。
煎餅をパリパリとかじりつつルーテシアは新聞を見る。
『どこぞの中年かお前は』
『いいの、学校じゃミステリアスなお嬢様だから』
それにしてもこのルーテシア、おっさんである。
ゼストは時計を見て立ち上がった。
『そろそろか』
『何が?』
コンコン、とドアがノックされる。
ゼストはドアを開けてある人物を迎え入れる。
銀色の髪をなびかせ、右目に包帯を巻いた少女がゼストに抱き付く。
『待て、チンク…客がいる』
『……え?』
『………こんにちは』
チンクと呼ばれた少女はルーテシアを見てしばらく固まる。
そしてゼストを睨んだ。
『誰?』
『…………はぁ』
二人の少女に板挟みにされ、ゼストは頭を抱える。
炬燵の正面にゼスト、両サイドに二人が座る形になった。
『取り敢えず炬燵の中で暴れるのはやめろ』
『『ごめんなさい』』
115: ◆K17zrcUAbw
08/09/18 20:08:08 DdcbNwuc
しばらく沈黙が続いたが、唐突にチンクが切り出した。
『お前は誰だ』
『私はルーテシア・アルピーノ……アルピーノカンパニーの 社 長 令 嬢 ……あなたは?』
『私はチンク……ここの生徒で 押 し か け 妻 をやっている』
『…負けたわ』
『何に負けたんだ何に』
どうやらこのチンクという少女、月に数回ゼストの詰め所にやって来ては妻のように炊事洗濯掃除をしているようだ。
その腕はルーテシアに勝るとも劣らない。
しかし悲しいかなこのゼスト、家事が完璧である。
おかげでチンクのすることは余り無い。
『押しかけ妻と言うよりは遊びに来るのに近いな』
『うっ、うるさいっ!!……それよりお前はなんでここにいる?』
チンクの問いにルーテシアは少し考え込む。
『………今日は激しかった』
『ゼストォ~~!!』
『何もしていない!!』
ルーテシアの一言(もちろん嘘)にチンクはゼストに泣き付く。
ゼストは慌てて釈明、ルーテシアは冷ややかな目で二人を見つめる。
『こんなおっさんのどこがいいの?』
ルーテシアはさらに刺のある一言を言い放つ。
『おっさんとはなんだ!!渋くて素敵ではないか!!ま……まだ、キスとかはした事無いけど……いつでもしてくれていいのだが』
どさくさに紛れて爆弾発言をするチンク。
ルーテシアは冷ややか目をゼストに向ける。
ゼストは溜め息を吐く。
『なにを言っているんだ……』
するとチンクはゼストにつかみ掛かる。
『わ、私は本気なんだぞ!!いつ求められてもいいように財布に避妊具だって…』
『それは普通男の方が用意するものじゃ…』
『では、ゼストの財布に…』
『入れるなっ!!』
もはや話の論点がわからなくなって来たのでルーテシアは退散する事にした。
このままでは済し崩しにR指定になってしまう。
そんな場面に居会わせるのは気まずい。
パタンと扉を閉じる。
すると二人の声が聞こえて来た。
『ゼスト………』
『取り返しが付かなくなっても知らんぞ』
『お前になら…私は……あっ』
取り敢えずその場を離れる事にした。
特にする事も無いルーテシアは校舎に入っていった。
廊下を歩いていると、突然叫び声が聞こえた。
『違うって言ってるだろ!!』
116: ◆K17zrcUAbw
08/09/18 20:09:46 DdcbNwuc
この声、ユーノ先生だろう。
誰かと言い争いをしているようだ。
声の聞こえた教室をコッソリとのぞいてみる。
そこにはユーノにつかみ掛かるなのはの姿があった。
『ユーノ君の嘘つきっ!!私じゃなくてアルフ先生を選ぶなんて……』
『だからそれは彼女が…』
なにやら浮気についての痴話げんかのようだ。
ユーノは必死に弁明しようとしているが、興奮したなのはは聞く耳持たず。
レイジングハートまで持ち出す始末だ。
『お願いだから話を聞いて!!』
『ユーノ君のばかっ!!あんなにデレデレして……どうせ私なんかより…』
『なのは!』
するとユーノはなのはの腕を掴む。
『離して!!』
『どうして君はいつも僕の話を聞いてくれないんだ!?』
真剣なまなざしで見つめられ涙を流すなのは。
それをユーノはじっと見つめる。
『昨日はアルフ先生に飲みに誘われたんだ』
『やっぱり……私なんかより……』
意地を張るなのはの目の前に小さな箱を出してみせるユーノ。
その中には小さな指輪が入っていた。
ユーノはそれをなのはの左手の薬指に付けてやる。
『これ……』
『もちろん断ったさ……これを買いに行きたかったからね…』
それは結婚指輪。
なのははレイジングハートを落とす。
カラン、と渇いた音が教室に響いた。
『もし僕のことが嫌いなら、今すぐ指輪を捨ててくれても構わない……』
『ユーノ君……ずるいよ…』
『なのは……』
(見せつけてくれるわ……)
ルーテシアはその場を後にする。
見つかると頭を冷やされてしまいそうだからだ。
そして、二人の声が漏れて来た。
『だめ…ユーノ君……ここじゃ』
『いや、僕がなのはを愛している事をわからせないと』
『あ……見つかっちゃうよ……』
(もう見つかってる……)
そのまま屋上へと脱出する。
冬空に冷めた風が舞う。
その冷たさがルーテシアの心に染みた。
『彼氏……欲しいな…』
たった一つの切実な願いだった。
日の暮れた空がルーテシアの心を写しているようだった。
しかし寒くなって来たので帰る事にした。
身も心も冷えきったルーテシアに春は来るのか。
それはルーテシアしか知らない。
117: ◆K17zrcUAbw
08/09/18 20:12:41 DdcbNwuc
ご め ん な さ い
取り敢えずゼスト=ロリコンにしか見えなかったのでこうなりました。
118:名無しさん@ピンキー
08/09/18 20:24:15 zb+ny5PG
チンクとなのはさんに萌えたw
119:名無しさん@ピンキー
08/09/18 20:30:52 CiS082yA
あれG?
これ途中が抜けてませんJ?
ゼストとチンクのR指定がないですよ?
120:名無しさん@ピンキー
08/09/18 20:31:58 fHEwxeT3
ガリューさんがこちらを恨めしそうな顔で見てましたが、無害です。
この学校、絶対に教育に善くないだろw
数年後、元気に通学するヴィヴィオの姿があるわけですね、わかります。
121:名無しさん@ピンキー
08/09/18 21:41:10 tCfsirFY
>>549
GJ!
そしてゼスト=ロリコンがますますガチにw
あれ~おかしいな…どうしちゃったのかな…
ゼストさんって、昔は人妻部隊の隊長だったのに…
122:名無しさん@ピンキー
08/09/18 21:53:44 FcJpDw/j
ひとづまには飽きたのさ……
123:名無しさん@ピンキー
08/09/18 21:54:34 Q97/uY6X
本当アギトを誰か救済してあげて
124:名無しさん@ピンキー
08/09/18 21:58:53 n8MLjtJK
アギトか……
アギト×リイン
シグナム×アギト
ゼスト×アギト
研究所員×アギト (鬼畜系)
のどれがいいんだろ
125:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:07:16 2I1Jr2RI
>>556
G3-X装着者の氷川さんで
126:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:07:40 rmYlR/H9
アギト×リイン×シグナムで
127:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:10:53 CwQladnl
とりあえずエリオがルーちゃんとの二股で全部解決だと思う
Gj!
128:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:16:51 fHEwxeT3
ゼストさんは幼子に惹かれてその部隊に入ったに違いないw
シグナム×アギト×エリオ
リイン×ユーノ×アギト
何故だろうか、アギトって受けのイメージが強いな
きっと責めに回れるのはエリオくらいだろうか?
129:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:19:03 Q97/uY6X
>>556
オーソドックスに下二つのどちらかで
130:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:22:14 CiS082yA
アギト、オリジナルのキャラクターを作れば無茶苦茶広く話作れるのにな
131:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:35:11 urZ99/ED
>>553
きっと、スカに改造されて目覚めてしまったのさ。
あるいは、人妻もロリも両方OKなのか・・・・・・・両方満たしているエイミィが危ないw
132:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:36:31 Dp+gx+YI
スカリエッティの趣味はスカなんだろうか
133:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:37:56 znrh2PD8
>>563
ヴィータやアルフも人妻になれば条件満たすな
134:名無しさん@ピンキー
08/09/18 23:08:30 urZ99/ED
>>565
あ、そういう意味じゃなくて、エイミィ(人妻)とリエラ(幼女)がいるという意味だったんだが。
だが、確かに永遠の幼女と体型自由自在なその2人なら一粒で二度おいしいって感じだ。
135:名無しさん@ピンキー
08/09/18 23:14:27 fHEwxeT3
いかんザッフィーに向かって「お父さん、お嬢さん僕にをください」ってマジメな顔でいうゼストが見えたw
知らないひとから見れば、ザッフィーお父さんだよな?
まちがいなくこのゼストはシグナムさんに斬られるなw
136:名無しさん@ピンキー
08/09/18 23:32:06 n8MLjtJK
ドゥーエがロリだったら殺されてなかったのだろうか。
保護してたりして。
137:名無しさん@ピンキー
08/09/19 00:00:08 urZ99/ED
>>567
ゼスト「お父さん、お嬢さんを僕にください」
ザフィ「・・・・騎士ゼスト、今なんと仰られました?」
ゼスト「お嬢さんを僕に・・・・・・」
ザフィ「違う、その前に」
ゼスト「・・・・・・お父さん?」
ザフィ「もう一度」
ゼスト「お父さん」
ザフィ「声を大にして、愛をこめて」
ゼスト「お父さん!」
ザフィ「ワーンス、モアっ!」
ゼスト「おと・・・・」
ヴィー「轟・天・爆・砕!」
八神家のペットの地位から脱した瞬間の一コマ
138:名無しさん@ピンキー
08/09/19 00:13:06 Udfkv+Xt
なにこの流れ
139:名無しさん@ピンキー
08/09/19 00:13:46 7TY5MEDG
みんなゼストが好きなんだ
本当に好きなのか、これはww
140:名無しさん@ピンキー
08/09/19 00:18:27 xOUElnzW
>>568
いかん、ロリコンのゼストに保護されライアーズ・マスクを解いて、
逃げようにも逃げれない幼児体型のドゥーエを想像してしまった
解いたら解いたで危機が待っているも、解かなければやはり危機(貞淑的な)が待ち受けているのですね、わかります。
きっと、レジアスを問いただそうとするも、目の前に幼女いて何もかも吹き飛んだんだなw
141:名無しさん@ピンキー
08/09/19 05:51:44 JVIWkVhb
ライアーズ・マスクって体型まで自在な変身能力じゃなかったような気が……
142:名無しさん@ピンキー
08/09/19 08:37:01 5MYsKfq7
>>549
ゼストさんあんたw
そしてここからルーテシアによるエリオ寝とりの展開となることを希望
143: ◆K17zrcUAbw
08/09/19 12:09:22 IkdKbtdP
あのね、ザフィーラが父さんだのアルフが人妻だの怪しい電波飛ばしたのは誰だい?
おかげで筆が止まらないんだけど。
そろそろ指が痛くなってきた……
『ザフィーラパパとアルフママ』
どうぞ
144: ◆K17zrcUAbw
08/09/19 12:10:17 IkdKbtdP
『アルフ、ちょっといい?』
自宅で煎餅をかじって雑誌を見ていたアルフに突然フェイトが声を掛けた。
『珍しいね、こっちに戻って来るなんて』
『うん、ちょっとアルフに頼みたい事が……』
『?』
パリン、と渇いた音が響いた。
所変わって時空管理局機動六課。
フェイトに連れられてやって来たアルフは驚愕した。
誰も仕事をしていない。
というか出来る状況では無い。
その中心に原因があった。
『うあぁぁぁぁぁぁぁぁん!!』
『びぇぇぇぇぇぇぇっ!!』
二人の子供が大声で泣いている。
男の子の方は赤黒い髪に茶色の耳と尻尾、女の子の方は白い髪に青い耳と尻尾。
人狼、ワーウルフと呼ばれる種族の子供であった。
アルフは溜め息をついた。
『だいたい言いたい事はわかったよ……』
『ごめんね…』
てへっ、と舌を出して謝るフェイト。
取り敢えずアルフは泣きわめく子供の元に行ってみる。
そして一言言った。
『ザフィーラ……なにやってんの?』
『………見なかった事にしてくれ』
そこには泣きわめく兄妹にいいように遊ばれているザフィーラがいた。
『これでもマシになった方だ………』
ザフィーラが駆け付けるまでは暴れまわり、手が付けられない状態であった。
アルフは兄妹に歩み寄る。
『どうしたの?パパとママは?』
『うっ……ぅ……いないの』
アルフの姿に安心したのか女の子の方がしゃくり上げながら答える。
次第に男の子の方も落ち着き、事情を話し出す。
『う……パパもママも死んじゃった……それで町の方まで来たらここに連れてこられて…』
『そっか……さびしかったんだね』
『うん………』
どうやら両親は死んでしまったようだ。
要するにこのワーウルフの双子はみなしごで、クラナガンに迷い込んだところを管理局が保護。
ザフィーラがいるからと機動六課に送りつけて来た。
アルフは二人を撫でながら話を聞いていく。
『二人とも名前は?』
『僕はクリフ……こっちが妹のクリス』
『クリフとクリスだね……辛い事聞くけどパパとママはどうして死んだんだい?』
『う……いきなり知らない人達がやってきて僕達を連れ去ろうとしたんだ……パパとママは僕達を逃がして…その時に』
145: ◆K17zrcUAbw
08/09/19 12:11:14 IkdKbtdP
『なるほどな……』
ザフィーラが唸る。
どうやら何らかの理由でクリフとクリスが狙われていたところを両親が逃がし、その際両親は殺されたという。
ザフィーラははやてに念話を送る。
(主……そういう事が)
(わかった……こっちでも調べてみるわ……二人の事、頼むな)
はやてに事件の事を任せてザフィーラは二人を見る。
しかし、二人はアルフに懐いている。
『……この様子ならアルフだけでも』
『待った』
静かに立ち去ろうとしたザフィーラを三人が掴む。
クリフとクリスは涙目で、アルフは不敵な笑みでザフィーラを見る。
『パパァ……』
『行かないでぇ……』
『と、いうわけで……よろしくね、パパ♪』
『…………ぐっ』
ザフィーラパパ、ここに誕生。
『では母親はどうする』
『そりゃもちろん』
アルフママ、同時に誕生。
ザフィーラは溜め息をついた。
アルフは二人と手を繋いで立ち上がる。
『それじゃ、遊びに行こうか?ここじゃみんなの邪魔になるし』
『『はーい』』
それにしてもこのアルフ、ノリノリである。
ザフィーラは頭を抱えた。
ミッドチルダでは存在が認識されているとはいえ、ワーウルフと言うのは珍しい存在である。
さらに管理局員として有名な機動六課の一人、盾の守護獣ザフィーラがいるとなれば自然に注目が集まる。
『んー、見られてるねぇ』
『仕方ないだろう…ワーウルフとは珍しいものだからな』
二人を連れてアルフと並んで歩くザフィーラ。
あちこちからひそひそと声が聞こえる。
『あれ、ザフィーラさんじゃ?』
『あら、奥さんとお子さんかしら』
『隅におけないわね~』
『人気だね、ザフィーラ』
『…………ぐっ』
話題の中心であるザフィーラに視線が集まる。
どうやら親子と勘違いされているようだ。
さりげなくザフィーラは話題を変える。
『ところで、どこへ向かう気だ?』
『んー?まずはこの子らの服をかわなきゃね』
二人はかなり薄汚れた格好をしていた。
どうやらかなり大変な目にあったらしい。
アルフは子供服を扱う店に向かう。
そして、店に入るなりクリスを連れて奥へと消えていった。
取り残されるザフィーラとクリフ。
ザフィーラはクリフの手をひいてやる。
146: ◆K17zrcUAbw
08/09/19 12:12:04 IkdKbtdP
『来い、俺が見繕ってやる』
『うん!』
ザフィーラもクリフを連れて奥へと消える。
それからは大騒ぎだった。
『ちょっとザフィーラ、それじゃ地味すぎるよ!!』
『何を言うか。これくらいでなければ目立つだろうに』
『その子にはこっちのが似合う!!』
『むぅっ!!だがクリスにはこれでなければ』
『なっ!!』
あれやこれやの応酬戦、結局選んだ服10着程を買い込んで終了。
二人も新しい服に浮かれる。
ザフィーラは少し疲れた表情を見せていたが、アルフはお構いなしに歩き出す。
『お腹も空いたし、ご飯食べよっか』
『『はーい!』』
『………元気だな』
ちなみに荷物持ちはザフィーラ。
四人はファミリーレストランに入って、席に案内される。
『さて、どうする?』
『『『肉っ!!』』』
ザフィーラの問いに三人が元気よく答える。
ザフィーラは店員を呼び付けて注文を伝える。
『特製巨大ステーキを四人分頼む』
『かしこまりました』
しばらくすると、雑誌程はあろうかという大きさの肉が三枚積まれた皿が四つ運ばれて来た。
クリフとクリスはじゅー、と音をたてる巨大な肉の塊によだれを垂らす。
『ほらほら、よだれよだれ』
『ごめんなさい』
『……食べてもいいの?』
クリフが申し訳なさそうにザフィーラに聞く。
ザフィーラはふっとほほ笑みながら答える。
『お前達の肉だ』
『………いただきますっ!!』
『いただきますー!!』
『熱いから気をつけなよ』
熱々の肉を頬張る二人を見ながらザフィーラとアルフもステーキを口にする。
初めて食べるらしいステーキの味に二人は笑顔になる。
『おいしい!!』
『そうか、よかったな』
四人はあっと言う間にステーキを完食し終え、幸せそうな顔をする。
それはさながら本当の親子の様に見えた。
代金を支払い店を出る。
そのまま四人は街中を歩き続けた。
高いビル、行き交う車、どれもがクリフとクリスには目新しかった。
そうこうしているうちに日も傾いて来た。
『そろそろ帰ろっか?』
『あぁ……む?クリスは?』
『え?いつの間に……』
ふと気がつくと側にいたはずのクリスの姿は無い。
周りを見渡すがどこにも姿は見えない。
147: ◆K17zrcUAbw
08/09/19 12:13:55 IkdKbtdP
ふとクリフが周囲の匂いを確かめる。
そして、顔を青くする。
『クリスの匂い……それと、パパとママを殺した奴等の匂いが一緒に……』
『なんだって!?』
『く……どっちだ!?』
『あっち!!』
すぐさまザフィーラはクリフを抱えて跳ぶ。
その後をアルフが追従する。
クリフのナビで二人は森の中へと進んで行った。
『いたっ!』
そこにはクリスを縛り、檻の中へ閉じ込めている集団がいた。
ザフィーラはクリフを木の影に隠し、集団の中の一人に向かって跳んだ。
『ておあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』
『な、なんだ…ぐふぉ!!』
首に蹴りを叩き付けられ気を失う男。
周りの男達が一斉にデバイスを構える。
しかし、また一人倒れた。
『あんたたち、何やってんだい!!』
『ちっ……こいつ』
『させん!!』
アルフに飛び掛かった男をザフィーラが殴り飛ばす。
ザフィーラが相手をしている間にアルフは檻を壊し、クリスを救出する。
クリスをクリフの元へ逃がして二人は男達と対峙する。
『連絡は?』
『いれておいた……後は時間を稼ぐっ!!』
そして、二人の戦闘が始まる。
『こいつっ!がはっ』
『ぐあっ!!』
『女だからってなめるんじゃないよ!!』
『ちいっ!!ぐおっ!』
『ておあぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
『こ、こいつ…』
男達の一人が懐から違うデバイスを取り出す。
そしてそれをザフィーラへ叩き付けた。
『ぐおぉぉ!!』
『ザフィーラ!?…っ!あぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
立て続けに二人に襲いかかる鞭型デバイス。
それは高電圧のかかった獣用の調教鞭である。
叩かれる度に高電圧で体を蝕まれる。
二人はなす術がなかった。
『パパ……ママ……』
それを影から見つめるクリフとクリス。
その光景は二人の両親が殺された時と同じものであった。
クリフは拳を握り締める。