【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】at EROPARO
【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】 - 暇つぶし2ch200:名無しさん@ピンキー
09/05/16 00:41:24 +9qxWaos
ナイス投棄

201:名無しさん@ピンキー
09/05/21 00:18:54 Pp0Ca84P
GJ

202:名無しさん@ピンキー
09/05/28 02:42:45 iT1fGP6C
保守

203:名無しさん@ピンキー
09/05/28 16:50:27 ReFADA4e
その日、御扇春香は彼氏にフラれた。
理由は至って単純。
春香がセックスさせてくれないから。
「お前さぁ、男女交際を慈善事業なかんかと勘違いしてんの?」
待ち合わせ場所のファーストフード店で顔を見るなり彼氏はそういった。
「させる気ねぇんなら粉かけてくんじゃねぇよガキ」
そう吐き捨てて彼氏は立ち去った。
飲み干したコーヒーカップを残して。

待ってよ……わけわかんないよ……だってあたし達まだ高校一年生だよ?
入学式で初めて知り合って、付き合い始めてまだ一ヶ月だよ?
手を繋いで登下校したり、一緒にゲームしたり、ショッピングなんて、
まだ片手で数えるくらいしかないんだよ?
させるとかさせないとか……そんなの……早過ぎるよ……。

春香は放心していた。とにかく、店を出て、一人で考え、泣ける場所がほしかった。
何も考えずに、映画館に入り、一番最後列の席に腰を降ろした。

今日のワンピース、頑張ったのに。
お姉ちゃんの香水、こっそり付けてみたのに。
このバレッタ、一緒にいった雑貨屋で買ったやつなんだよ?





……貞淑過ぎてフラれてしまっただけの、ホントは
すごくかわいい女の子をどう書いたらわからなくなった
これじゃただのウザ娘だ(涙)

204:名無しさん@ピンキー
09/05/29 00:07:14 F6sDceUd
個人的には初々しくて可愛いと思ったよ
でも、~~だよ? を多用するのが
ちょっとウザく感じなくもないとかなんとか

205:名無しさん@ピンキー
09/06/06 20:38:59 6429Phin
保守

206:吉野屋1
09/06/11 00:16:39 fxnBNp5f
「有名コピペでエロパロ」のスレに投下しようと思って書いていたのだが、書き終わる前にスレが落ちてしまった。
落とす場所もわからないのでお焚き上げ。
元ネタ:吉野家コピペ




 これは昨日の話だ。俺は大学を自主休講し、地元の吉野屋に向かうことにした。吉野屋
に行くことはここ最近の日課である。
 だがしかし、たどり着いた吉野屋はいつもと違っていた。わかりやすく言うとめちゃく
ちゃ混んでいたのである。外から中を覗きこむと、人がめちゃくちゃいっぱいいる。それ
どころか、順番待ちで並んでいるやつまでいる。
 この吉野屋、路地からかなり入ったところにあるという立地的にはかなり条件の悪いと
ころに立っているため、地元民でも知っている奴は少ない。基本空いている。だから嬉々
として常連になっていたというのに、これは一体どうしたことなのだろう。
 その答えは比較的早く見つかった。店先には見慣れない垂れ幕が下げてあり、目立つ文
字でこう書いてある。
 ―150円引き。
 よく見ると、俺の前に並んでいる男達はちらしを手にしている。きっとそこにも垂れ幕
と同じ文言が並んでいるのだろう。俺は消費者心理というものを考え、呆れて溜息をつい
た。
 お前らみんなひょっとしてバカなのか。150円だぞ150円。150円とかペットボ
トル一本分しかないわけ。それ如きで普段来てない、そもそも存在すら知らなかったはず
の吉野屋に来るなんて、お前らみんな頭めでたすぎるだろ。ホントにバカかと。
 もし俺に勇気があったなら、そこでそう叫んでいたことだろう。
 客の回転はそこそこ早いらしく、俺が苛々している間にもどんどん列は進んでいった。
中は若干暗くなっているが、近づけば、一番入り口側の様子くらいは察することができる。
それに、声だって聞こえてくる。


「いらっしゃいませ、なにになさいますかーっ」
 店員の女の子の声。暗くてはっきりはわからないが、顔も明るくて可愛い感じだ。
「えー、どうする?」
「どうしよっか」
「150円引きだし、特盛りでも…」
「特盛りとかハードル高くね」
「そこをなんとかしなきゃ男じゃねえっしょ」
 ぐだぐだうるさいのはリア厨っぽい四人組。順番を待っているこっちから見ると、もう
どうでもいいから早く決めるか店を出ろと言いたい。吉野屋に四人で来るとかほんとマジ
馬鹿の極み。何がしたいのかわからない。お前らは連れションしてる女子高生か。
 ここでも俺は思うだけで、もちろん口に出したりはしない。
「お客様?」
「「「「と、特盛りで!」」」」
 ハモってやがる。
「かしこまりましたー!」
 女の子はとびきりの営業スマイルでにっこり笑うと、おもむろに胸元のボタンを外し始
めた。下着は着けていないらしい。暗がりに白い肌がいやにはっきり見える。童貞四人組
(決めつけ)はごくりと生唾を飲んだようだった。
 女の子はするすると服を脱ぎわざわざ全裸になった上で、自分で胸を寄せて谷間を四人
組に見せつけた。
 ぱっと見で、Fカップ以上はある。
「お客様、こちらの特盛りでよろしかったですか?」
 童貞四人はひたすら頷く。
「それでは、失礼します♪」
 お手本のように爽やかにほほえんで、女の子は立っている童貞Aの足の間でしゃがみこ
んだ。しゃがみこんだというか膝立ちだ。ちょうど顔のあたりが股間にぴったりである。
本人はぎこちなく固まって、周りの三人からの羨望のまなざしを受けている。
「えへへ、お邪魔しますー」


207:吉野屋2
09/06/11 00:18:21 fxnBNp5f
 女の子はAのベルトを外した後、桃色の唇でジーパンのジッパーを銜え、上目遣いでAを
見つめながらそれを下ろしていく。デニムの締め付けから解放されたAの性器はもうはっ
きりわかりすぎるほど勃起していた。
「うふふ…お客さんの、元気なんですねえ」
「は、はい、スイマセン!」
「やだあ、謝ることじゃありませんよー」
 女の子はにこりと笑って、パンツの上からほおずりをするみたいにした。
「熱ーい…うふ、ちょっと濡れてますね。先走っちゃってるんですね、あらゆる意味で。うふふっ」
「す、す、スイマセン!」
 女の子が今下ネタギャグをとばしたようにもみえたが、童貞Aにはそんなことに突っ込
む余裕すらないのだろう。体育会系みたいな返事しかできていない。
 布越しにじゅうぶん焦らしたあと、彼女は慣れた手つきでAのズボンを下着ごと引き下
ろした。包茎のお手本のような性器が露わになる。
「やだぁ、かわいい」
 うふ、と女の子が笑った。Aは羞恥で真っ赤になっている。周りの三人も真っ赤になっ
ているところを見るに、奴らも同様に童貞で包茎なのだろう。どこまで仲良しだったら気
が済むのか。
「ニオイもキツくて…あん、ぞくぞくしちゃいます。お風呂入ったのはいつですか?」
「た…たくさんキレイにしてもらおうと思って、その…一昨日から風呂入ってないです」
「じゃあいっぱいカスをナメナメしてキレイにしちゃいますね?」
「おおお、お願いします!」
 彼女はあくまでも麗しい笑みを崩さずに、露出した性器をれろんと舐めた。
「ひぃ」
 Aはもの凄く気の抜けた声を上げる。
「あはっ……すごぉい。口の中で、どんどん大きくなってます」
「ああ、はい、す、すいませんっ」
「あんっ、びくって跳ねたぁ……」
 彼女は口の中に性器を含んだままもごもごとAに話しかける。その度に当たるところが
変わってまた違う刺激が送られるのだろう、口がもごもごする度に、Aは「ひっ」とか「うあっ」とか
断続的に声を上げているのだが、しまいには刺激が強すぎるのだろう、歯をかみしめて耐えるよ
うな表情をし始めた。
「んー、声、いっぱいあげてくれなきゃつまんないですぅ」
「………っ」
「気持ちよくないですか?」
 ぶるぶると首を振っている。
 おそらく、気を引き締めていないとすぐにでもイってしまうのだろう。同じ料金を払う
のならギリギリまで我慢しないと勿体ない、そう思ってのことだろうが、女の子の方とて
商売である。少し垂れ目気味の瞳が、一瞬だけ剣呑な色を帯びた。
「……我慢されると、私がつまんないんですよー」
 じゅぽじゅぽっ、ぐちゅっ、ぬるんっ!
 端から見ていてもわかるほど女の子の口がぎゅっと窄まり、激しく前後に動かした。
「ひィッ………うあ」
 もちろんDT氏がその刺激に耐えられるわけがない。
「あ、あ、あ、で、出るッ!」
「はいっ、いっぱい! いっぱい出してくださぁいっ!」
 そう言いながら、彼女は既に射精の始まったペニスを口から離す。
 解放されたそれはびくびくと波打ちながら、生臭い液体を彼女の顔に、胸元にぶちまけ
ていく。
 肩で息をするAを尻目に、女の子は自分の顔に付着した白濁色の液体を指で拭い、その
まま口に含んだ。
「あぁん…やだぁ。苦くて臭くて…すっごくおいしい…っ♪」
 とろけそうな声で彼女は囁く。そしてまだ液体の溜まっている胸の谷間を、残り三人に
見せつけるようにして微笑んだ。
「お次のお客様、ご注文は何になさいますか?」
 残り三人はごくりと生唾を飲んだようだ。しばしの沈黙の後、童貞Bがずずいっと前に
出る。
「あ…あの、胸で…胸で、してもらえませんか!」
 特盛りにかけるだけでは物足りないらしい。
「はいっ、パイズリですねー。かしこまりました♪」
 女の子はこれまた飛び切りの営業スマイルで微笑んで、Bのズボンに手をかけた。

208:吉野屋3
09/06/11 00:20:29 fxnBNp5f


「―……ますよ」
「え?」
「前、進んでますよ。詰めてください」
「あ……あ、はい、すみません」
 四人衆プラス女の子の様子に思いの外集中してしまっていたらしい。後ろから若干苛々
した声をかけられて、俺は急いで前に詰めた。かなり進んだ。既に俺の前の奴が先頭だ。
さすが吉野屋と言ったところ、回転がえらく早い。
 遠くから見ていたときとは違い、店の奥の様子もよく見える。声もよく聞こえる。手前
の方は奉仕中心の軽い客なのか、女の子の明るい声と男のうめく声が響いているが、奥の
方では逆に女の子の甲高いあえぎ声が響いている。今日の値引き祭りで吉野屋に来ようと
決めたにわかーズは、手前の安い値段コースを利用しているらしい。手前ばかりが回転が
速い。
 俺の前の奴は手前のコースを選んだようだ。エプロンしか身につけていない受付のお
ねーちゃんが輝くばかりの笑顔で俺に問うてくる。
「お客様のご予定はどちらですか?」
「奥で」
「はいっ、それではこちらにどうぞっ」
 案内されて、奥の方で順番を待つことになった。


 俺の相手をしてくれる女の子が来るまでの間、俺は椅子に座ってぼんやり隣の様子を見ていた。
「お客様、ご注文はなにになさいますか……」
 黒髪ロングのお嬢様みたいな風体の女の子である。胸はさっきの子よりはない、という
より、一般的に見て小さい方だ。従業員制服のスカートに隠されて見えないが、足は細い
感じがする。清楚な顔立ちに、垂れ目と泣き黒子が妙にいやらしい。その子の『お客様』
は脂ぎったおじさんである。俺は一瞬だけ資本主義を呪った。しかしその数秒後、男の一
言でテンションは更に下がることになる。
「『つゆだく』で」
「つ、『つゆだく』ですか……っ!」
 女の子は涙目だ。男はにやにやしながら、
「お客の注文をちゃんと聞けないのかね」
 とやたら偉そうに言った。こういう態度はよくないね。お客様は神様です、という言葉
は店側から出るモノであって、客側から言い出すものではない。しかし女の子はそんな風
に言い返すこともできるはずもなく、泣きそうな顔のまま男に頭を下げた。
「申し訳ありませんでした……つ、つゆだく……喜んでっ!」
 どこぞの居酒屋のような言葉を、似つかわしくないくらい悲痛な声でもってあげる。男
は鷹揚に頷いた。
 女の子は震える手で従業員の制服を脱いでいく。下から現れたのは絹のような肌―で
はない。しかしそれよりも下手したら価値のあるものだった。紺色の布。すなわちスク水
である。
 俺は感動した。
 女の子はスク水にニーソを着用していたのである。
 絶対領域と露出はアンビバレンツではなく両立し得るということを初めて知った。すら
りと伸びた足はふとももから膝上までしろく輝き、しかして膝からつま先まで覆う黒い布
によってその輝きはフルに発揮されることがない。
 けしからん、文化の無駄遣いだ。これに感動しなくてなにに感動すればいい。
 俺がそこまで感動したくらいなのだから、男はもっと感動したらしい。わなわなにやに
やして、女の子を後ろから抱きしめた。小柄な女の子は脂ぎった男にすっぽり収まってし
まう。




このあとスマタを見学→主人公が学園のアイドルと本番の予定でした。

209:名無しさん@ピンキー
09/06/11 02:31:29 yi46V/ee
ナイス投げ
素股しているお嬢の反応は読んでみたかったな

210:名無しさん@ピンキー
09/06/14 03:48:16 BQK/zOiD
GJ

211:名無しさん@ピンキー
09/06/15 14:35:40 sCwTzTM/
なんでこんな事になってんのだ。

むなしい。むなしくてしょうがない。
「ふぅ…っ ん……あ…っ」
思わず出てしまった声に、我に返る。家には母がいるというのに。
貴重な休みに遊ぶでもなし休むでもなしに、ひとり遊びというのはどうなんだろう。生理前ではな
いから、欲求不満なんだと思う。そうだった。私はなかば自棄になっていたんだ。
告白するまでもなく、私は失恋してしまった。
それは結構前の事であるけれど、今でも少しだけじくじくと心が痛む。そんなに好きだったんだろ
うか。大学の授業がよく一緒になる人。席が近い事が多かった。一目惚れだったんだと思う。で
も、話すようになってまもなく彼女がいる事を知った。…中身なんてほとんど知らなかったはず
で、傷つくも何もないと思っていたのに。
「はぁ…っ」
濡れているそこを擦りながら、乳首をいじる。
健一さんは胸好きだったよなあ…とかなんとか思い出す。つい3ヶ月前くらい前に別れた、という
か彼が留学してしまった為にほぼ自然消滅してしまった私の彼氏。優しくて、上手くて、天然ボケ
で可愛いのに年上だった。
多分私はさみしいんだ。そういう別れ方はあまりしたくなかった彼氏と別れて。その彼氏を忘れよ
うとしたら、逆に傷ついて。話を聞いてもらう友達もいるし、慰めてもらったりもしたけれど、なんだ
かむなしい。こんな事をしている自分もむなしい。
それでも指は止まらない。

212:名無しさん@ピンキー
09/06/15 14:36:00 sCwTzTM/
限界がそろそろ近づいてきた。このまま全部忘れちゃえと思う。
なのに、突然ドアが開いた。
「カンナ!」
「久しぶ…」
時間が止まった、とはこういうのを言うんだと思う。お互い固まったまま、何も言わずにふたつの
声の主はドアを閉めた。思考回路が停止して、それからサッと血の気がひく感じがする。次に
思ったのは、まずいという事だ。まずい。かなりまずい。見られてしまった。ドアの位置からして、
アレなところは見られてないはずだけど、何をしていたかはわかっただろう。半泣きになりなが
ら、即行で服を着る。着ているとだんだん、ノックもなしにドアを開けたあいつらに対して怒りがこ
みあげてくる。思い切りぶちまけてやろうと、ドアを勢いよく開けた。

あのバカ双子!

高山陽輔と祐樹は、近くに住むふるい幼馴染だ。割合仲もよくて、よくつるんでいた。大学に入っ
てからは、皆学校が違う事もあってほとんど会わなくなった。それでも道で会ったら挨拶して軽く
話すし、3年になった今では本当にごくたまにだけど三人で遊ぶ。
昔は性格が全然違うのに外見だけよく似ていて、それがおかしかったけど、高校ぐらいにもなれ
ば趣味も違うから外見も全然似ないようになってた。背格好も全然違う。それでも妙に似てるか
らおかしい。

213:名無しさん@ピンキー
09/06/15 14:36:24 sCwTzTM/
「…高山ァ…」
普段は名前呼びだけど、私は高山兄弟をあえて苗字で呼ぶ。
「…ごめんなさい」
土下座しているのが陽輔。
「無礼にも程があるよな、ごめん」
まっすぐ目を合わせて言うのが祐樹。
「ごめんですまない…っ もう本当にバカ!つうか死ね!帰れ!」
高校の頃は、バカエロ話も結構した。お互いの歴代彼女・彼氏も、報告もしないのに何故か知っ
ている。さらに言えば、奴らは口には出さないけど絶対私の初体験年齢も知っている。
でも、だからと言って自分の一人でヤッてる姿を見られるのが恥ずかしくないわけがない。
「…彼氏にも見せた事がないというのに」
「意外」
「帰れ祐樹」
もう何だか悲しいやら情けないやらで涙が出てくる。なんでこんな事になってんのだ。
久しぶりに会った幼馴染。何も最悪なかたちで会わなくたっていいじゃないか。
すると、大きな手が私の頭をなでた。陽輔の手だ。昔から、落ち込んだ時や失恋した時に慰めて
くれていた陽輔の手。大好きだ。
「今度何かおごってやるから」
祐樹が言う。いつもこうやって物で釣るけど、そのついでにデートもしてくれる(というより遊びにい
く、なんだろうか)ので結構気分がいい。高校に入ってから、二人はぐんと格好良くなった…と思う。
昔から見てきた身としては、いい感じに育ってくれて嬉しかったりする。母親視点で思う。
これで一度も恋愛関係になった事がないのが不思議だと友人は言う。実際私もそう思う。一応男
と女だって事はわかっているから、気をつけてはいるけれど。

214:名無しさん@ピンキー
09/06/15 14:38:43 sCwTzTM/
「で、なんであんたたちが家にいんの?何か用だったの?」
二人は顔を見合わせて、言いにくそうにしている。なんなんだ。
変な沈黙の後、祐樹が話しだした。
「フェアにやろうと思って」
「何それ」
誰が誰と何をどうフェアにやるんだ。祐樹が深くため息をついて、今度は陽輔がしゃべった。
「俺ら、カンナの事が好きなんだけど」
彼らは何語を話しているのか。
言葉の意味がわからない。思考力が低下している。誰が…誰を好きだって?
冗談、と言いかけて陽輔の顔が赤い事に気がついた。陽輔はあんまり嘘がつけない。双子の性
格をそれぞれ端的に言うと、陽介が犬で祐樹が猫だ。
祐樹が説明しだす。
「あのね、俺たちね、小学校くらいの時お前の事が好きで、協定結んでたんだよ。ぬけがけ禁
止って。可愛いでしょ。その後、別に好きな子が出来たんでうやむやになったけど」
「それから、今に至るまでカンナ以外の子の事好きになってふられたり、付き合ったりしてきた。
まあ色々あった。でもさあ…こないだ、つっても結構前だけど、カンナんち前で会った時から妙に
気になりだしてさ」
「…原点回帰ってわけじゃないけど、お前の事かわいくて仕方ないし」
何、この展開。
私をおいて、勝手にすすめていないか。
*
「そういうわけで、高山陽輔は倉本カンナが好きです」
「高山祐樹も同じく倉本カンナが好きです」
「ちょ、ちょっと待って!」
その宣言はなんだ、というツッコミも入れたかったけど、とりあえず言っても仕方ない事を言う。
「冗談だよねえ!」
「こういう冗談は言った事ないの、知ってるだろ」
少し怒ったふうに、祐樹が言った。本気なのか。
…悪い気は、しない。バカやったり派手に喧嘩もしたりするけど、基本的に陽輔と祐樹の事は
好きだからだ。
だけど、天と地がひっくり返ったような感覚だ。
だって、そんな事を言われて簡単にのみこめるわけがない。なんだか眩暈がしてきた。
それに、と祐樹が続けた。
「神代健一と別れたって聞いたから、今ならアリかと思って今に至るわけだ」
「な…んで、私が健一さんと別れたの知ってんの…」
「カンナの友達が言ってた」
「大学におけるカンナ情報は大体そこから」
呆れてものが言えないとは、まさにこの事だ。こいつらはそれなりに計算してきているようだ。
「高校ん時のお前の彼氏に比べたら、納得できる人間だしな」
「いっそあいつならしょうがないって思ってたけど、別れたしな」
「というわけだから、そのつもりで」
「「よろしく」」

215:名無しさん@ピンキー
09/06/15 14:40:15 sCwTzTM/
頭が痛い。
なんで、こんな事になった訳?
考えさせて、お願いだから。
ぐるぐる考えてたら、ハッとした。ちょっとだけ身の危険を感じた。
まさか、とは思うが万が一に備えて聞いておきたい事があった。
「そういや、うちのお母さんは?」
「呼び鈴押したら、ちょうど出かけるところだった。うちの母さんとどっか行くんだってよ」
「ゆっくりしてってね、だって」
やばい。陽輔は泣かれるのに弱いから、なんとかなるだろう。問題は祐樹だ。口では勝てない
し、弱点ついても私の弱点をついて道連れにするような奴だ。
「嫌だからね」
「何が」
「付き合ってもないのに、やるなんて絶対嫌だから」
「そんな事考えてたの、カンナ」
あ、私の馬鹿!祐樹にからかわれるような事言ってどうすんの!
「相変わらず、やらしいね」
「う、るさい!仕方ないじゃん!さっきまで、その、してたんだから…」
そうですよ。気持ちいい事好きですよ。
とろとろになって、イっちゃう瞬間の訳わかんない感じが好きですよ。それのどこが悪いっての!
「もう帰ってよう…最低、傷心な上に見られるとか、本当今日は最低…」
「傷心って?何かあった?」
心配そうに陽輔が見つめてくる。やめて。今、さみしいんだからすがっちゃう。代わりにするだけだ。
おまけに今は、体が疼いたまんまだ。双子の事は好きだ。好きだから、こういうのはやだ。
「たいした事じゃないよ。それより、たまってるので続きしたいし、帰って」
こんなあからさまに性欲ありますよ宣言してどうするんだろう。いいや、ドン引きしてくれ。
いくらエロ話してた仲でも、こういった事は言った事ない。せいぜい幻滅してください。
そう考えてたら、ぽつりと祐樹が言った。
「…してやろうか?」

何を。
何 を す る と 言 う ん だ !
「い、言ったじゃん!付き合ってもないのにするのはやだ!」
焦る。冗談でしょう。
「バカだなー。いくらなんでも、彼女になんないうちはしねえよ」
陽輔が笑いながら言うけど、絶対…
「…ごめん、そのつもりだった」
ああ、やっぱり。祐樹は目が本気だった。
最初からそのつもりだった訳じゃないけど、と前置きして祐樹が言う。
「お前が一人でしてるところ見て、うまくいけば三人で出来るかなとか考えてた」
ちょっと気が遠くなった。

216:名無しさん@ピンキー
09/06/15 14:44:22 sCwTzTM/
三人って、何。
私は、多分他の女の子と比べたらそういう事好きなんだろうけど、んでもって健一さんとも色々
したけど!内容は至ってノーマルだと思う。外でとか縛ってとか他の男ととかした事がない。
ていうかしたくない。
何なの、三人って何なの。私と祐樹と陽輔で?
いわゆる3Pって奴ですか?AVで見た事あるけど、たとえば祐樹の咥えながら陽輔に後ろから
されちゃう訳?
ないないない!
私、そこまでじゃない!好きな人としかしたくないし!
何それ、祐樹はそういう女だと思ってんの?怒ってもいい?
「…簡単に股開く女だと思ってんの」
「思ってない。好きな女は気持ちよくしてやりたいだけ。俺の性欲はどうでもいい」
「なんだよ、それ!違反だろうが!」
噛み付くように、陽輔が声を出した。
「カンナを傷つける事はしない!過ちを犯さない!泣かさない!お前がこれ考えたんだろ!」
本当にバカ双子。
そんな事まで決めていたのか…。このぶんだと、紙にも書いているだろう。
「半分はお前だし」
「守れよ!」
そして二人は私の目の前で喧嘩し始めた。

(中略)

「いいよ」
何、言ってんだ私は
「ただし、痛いのはやだ。挿入もやだ。私が舐めるのもやだ。唇にキスされんのもやだ」

217:名無しさん@ピンキー
09/06/15 14:46:51 sCwTzTM/
*****

3Pがどうにもこうにも書けなかったのと、挿れるか挿れないかで悩んで中断。
4年も放っておいたので、いい加減供養させて頂きました。

218:名無しさん@ピンキー
09/06/15 16:58:43 AD6lNRvK
ナイス投げ
女の子の心境がすごくリアルに感じられた

219:名無しさん@ピンキー
09/06/16 12:15:12 zdGl+BNP

エロSSというよりも
エロを巡る小劇場系演劇の一幕のようだと思った

220:名無しさん@ピンキー
09/06/19 03:34:32 K2p4/G87
GJ

221:名無しさん@ピンキー
09/06/22 04:29:38 2pAJuu60


222:名無しさん@ピンキー
09/06/22 21:56:13 rwGGU+6t
GJ

223:名無しさん@ピンキー
09/06/28 16:29:53 Zu0LCY3R
保守

224:名無しさん@ピンキー
09/07/02 22:12:13 XWTiCcPY
このスレ便利だな

225:名無しさん@ピンキー
09/07/16 17:50:22 SOkcn49n
此処で供養しようかなぁ

226:名無しさん@ピンキー
09/07/21 19:53:22 m+hHy2Nt
なむなむ

227:名無しさん@ピンキー
09/07/28 21:18:01 cNT83m+v
保守

228:名無しさん@ピンキー
09/07/31 17:58:43 BCQ0Du/f
深夜零時。私はお気に入りのパジャマに身を包んで、ベッドに潜り込む。
欠伸を一つ零して、目を閉じ、あとはただ睡魔に身を任せるだけ――。
いつもは、それだけなのに。
今夜は、それだけで一日を終わらせる事が出来なかった……。

いつまでたっても眠れない。厚くて寝苦しいのは確かにそうだけど、それだけじゃない。
起き上がって、水でも飲もうかと思った、その時。
「あっ、あれっ?」
躰が、動かない。
瞳だけを動かして、周りを見る。
すると、気がつく。
腹の上に、何か……いる。
それは、何か動物の形をした、白銀の何か。
「ひぃっ……やっ、何っ、なに、何なのよぉ……っ」
“それ”は私のパジャマを剥いで、着実に私を生まれたままの姿に戻していく。
ひやり、冷気が私の肌を嬲った。
やめて、やめてっ
それは鼻先で私の恥部に触れて、柔らかな恥毛に触れる。
「ひっ」
べろり、大きな舌でピンクの肉に触れる。


無謀な挑戦スレに落とそうと思ったけど、よく考えたらお稲荷様って悪霊じゃねーなーと思ってやめた。
別に文章は短いし惜しくないけど、一応書くにあたってお参りにも行ったし、ssも供養しようと思って此処に落としていく。

229:名無しさん@ピンキー
09/08/02 18:18:39 xqEwSX0u


230:名無しさん@ピンキー
09/08/02 19:01:27 bRaukH6q


231:名無しさん@ピンキー
09/08/02 21:25:00 SsEmBhnY
>>228
ナイス投げ

232:名無しさん@ピンキー
09/08/03 15:54:50 ECCSC+91
>>228


233:名無しさん@ピンキー
09/08/06 02:22:44 3tfr0vkY
 唐突に思いついた小ネタを台本形式で走り書き。
 触手ネタ苦手な人はスルーよろ。



若旦那「おとっつぁん、今日はおとっつぁんに会わせたい人がいるんだ」
娘「あ、あの、はじめまして、旦那様」
若旦那「いやぁ、一目惚れって奴はあるんだねぇ。一目見た瞬間
『この子しか無い!』って思っちまって……」
旦那「何を考えてるんだいお前は。こう言う事はもっと考えて、だね」
娘「あ、あの、私は大それた事は考えておりません。ただ、若旦那の
お側においていただければ、それだけで……」
旦那「お前さんの事情は聞いちゃいないよ。これは我が家の将来の
問題なんだ」
若旦那「おとっつぁん、あたしを信じておくれよ。この子はきっと
我が家の為になるよ」
旦那「……それじゃあ、一つ、試してみようじゃないか」
若旦那「と言うと?」
旦那「この種を畑に蒔いて、一日も欠かさず世話をするんだ。これを上手く
育てる事が出来たら、お前の好きにしなさい」
若旦那「ありがとう、おとっつぁん!」

 それから半年後。

旦那「ほう、これは見事に育ったもんだ」
若旦那「ほら、あたしの見立ては間違っちゃいなかったでしょ?」
旦那「うん、これならうちに置いておいてもいいだろう」
若旦那「良かったねぇお前、おとっつぁんに認めて貰えて」
娘「えっ、認めて、って、どう言う……」
若旦那「この蔦草はとっても高価な薬草でね、滋養強壮に効果覿面なのは
良いけど、普通の土で育てると育ち切らないうちに枯れちまうんだ。
でも、人に根付かせると株分けで増やせて、一年中取る事が出来るんだよ」
旦那「初めて見た時はこんなおぼこい娘にお守りが出来るかと心配だった
けど、お前さんは思った以上に良い『畑』だよ。近頃はあちこちから注文が
増えて難儀していたが、この分なら応える事が出来そうだ」
娘「そ、そんな、それじゃ、初めから……」
若旦那「あたしの為なら何でもしてくれるんだろ? これからもどんどん
株を増やして、我が家に富と福をもたらしておくれ」

 蛇のようにうねる無数の蔦草に体を被い尽くされ、刷毛のような白く
長い根に体内を侵され、恐怖と快楽に震える若い娘。
 若い男は嬉しそうに笑い掛けると、何か訴えようとした娘の口に、
茎と根を切り取られて激しくのたうつ『株』を押し込んだ。



 意思疎通可能な人外との異文化コミュニケーションもそれはそれで
好きだが、たまには知性の無い、又は全く思考の異なる異形のいる
風景を見てみたい。
 ……のだが、最近の異種系スレは何処も紳士淑女が多いようで
何だか話しにくい。
 と言う訳で台本状態のままお焚き上げ。

234:名無しさん@ピンキー
09/08/06 03:22:10 m3Mqyf6T
>>最近の異種系スレは何処も紳士淑女が多い…

禿同。
触スレなんか、いかに紳士かって感じになってるのが悲しいっす。

235:名無しさん@ピンキー
09/08/06 07:07:55 SIquI2vJ
逃げてんじゃねえよ

236:名無しさん@ピンキー
09/08/06 10:24:50 CyIPm5kP
なんだなんだ?

237:名無しさん@ピンキー
09/08/07 18:53:49 PMO4FsjV
>>233
ナイス投げ

238:名無しさん@ピンキー
09/08/17 07:41:58 yXWSMUVk
保守

239:名無しさん@ピンキー
09/08/24 20:33:10 8xFR/i+d
良スレage

240:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 14:15:37 /L63FC3P
保守age

241:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 17:03:52 uA2EK8nf
>>233
GJ

242:名無しさん@ピンキー
09/09/01 19:03:34 NW6ZeH9J
こんな所にキモいエロ落してんじゃねえよアレソマ厨が

243:名無しさん@ピンキー
09/09/04 12:46:34 jZv9DOXo
 お焚き上げSSが少ないのって良い事のようなそうでもないような。

 俺はこう言うのが読みたいなーと言うぼやきを頑張って形にしようと
したらありきたりな話になってしまったので道半ばでお焚き上げ。
 男言葉の女とか強姦ものとか苦手な人は向こう3レススルーよろ。

244:守護者と復讐者
09/09/04 12:52:17 jZv9DOXo
 古めかしい木箱や陶器が雑然と積み上げられ、外から差し込む月明かりに照らされた
土蔵の中。
 その片隅に、一人の人間が横たわっている。
 年の頃は十七、八。黒い詰襟を着ているが、後ろ手に縄で縛られ、シャツを引き
千切られて剥き出しになった胸には男には在り得ない膨らみがあり、何も覆う物の無い
下半身には男に在るべき物が無かった。
「……今日は、満月かな」
 少女は壁を支えに傷だらけの体を起こし、開け放たれた明かり取りの窓を見やるが、
その小さな窓から見えるのは薄雲がたなびく夜空ばかり。
「……約束、破っちまったなァ」
 からからに嗄れた声で呟き、彼女は壁に凭れて目を閉じた。

 『お誕生日には絶対に来てね。約束よ? お兄ちゃん』
 鈴を転がすような声。綿菓子のような柔らかい髪。砂糖のように甘い笑顔。
 生まれてすぐ家の事情で引き離された妹は、『兄』の突然の来訪を無邪気に喜び、
これまでの年月を取り戻そうとするかのように甘えて来た。
 平凡だが優しい養父母に育てられ、沢山の友達に囲まれ、傍らには少々内気だが
気立ての良い少年が寄り添っている。
 平凡だが満ち足りた彼女の人生は、どんな宝石よりも輝かしく見えた。
 最初は、遠くから眺めるだけで良いと思っていた。
 眺めているうち、一言だけ言葉を交わしたいと思うようになった。
 気が付けば、日の光に姿を晒してしまっていた。
 彼女は悔やんだ。
 自身が復讐者の手に落ち、尊厳を踏みにじられた事にではない。
 祖父の言い付けを破り、光の世界に惹かれ、その身から先祖伝来の武具を外した。
 その心の弱さと軽率な行動で、大切な宝物を失いそうになった事にだ。

 「……凛」
 妹の名を呟くと、胸の奥に温もりが生じ、涙がじわりと溢れる。
(お前に詫びたい。約束を破った事。嘘をついた事。俺のつまらない感傷でお前の未来を
閉ざしてしまいかねなかった事……)
 声を殺して涙を零していると、土蔵の扉が開き、一人の少年が中へ入って来た。
 白い詰襟の学生服を着た長身の少年は、少女の顔を見ると切れ長の目を更に細め、
指先で銀縁眼鏡をついと持ち上げる。
「やれやれ、随分大人しくしていると思えば、いささか拍子抜けだな、保坂守也」
「……」
 唇を噛んで睨み付けると、少年は目の前にひざまずき、顎を掴んで持ち上げる。
「そんな目で私を見るな。貴様の目は私の心を騒がせる」
「そんなに嫌なら、さっさと俺を殺せ。俺が死ねば保坂の血は絶え、手前は馬鹿げた
茶番劇から降りられる」

245:守護者と復讐者
09/09/04 12:57:35 jZv9DOXo
 苦しい胸の内を押し殺し、低い声で言うと、少年は冷徹な眼差しで見返す。
「言ったはずだ。そんな事は許さない」
 少年は少女の肩を掴むとぐいと引き寄せ、唇に噛み付いた。
「ぐぅ……!」
 唇が切れ、痛みに呻くのも構わず、少年は舌をこじ入れ、乾いた口内を蹂躙する。
「んっ、ふぁっ! 止めろ、清左……あぅっ!」
 どうにか口を外して少女が叫ぼうとすると、床に押し倒され、首に噛み付かれる。
 肉を食い千切らんばかりに歯を立てて吸い上げたかと思うと、ねっとりと噛み跡を
ねぶり上げ、また別の場所にかぶりつく。
「ぐっ! てめ、止めろって、言っ、が、あぁぁっ!?」
 突然、少女は目を剥き、びくんと跳ねた。
 少年の左手が下腹部の薄い茂みを覆い、細く硬い指が奥をまさぐる。
「うぁぁっ! やめっ! やめろぉっ!」
 胸の尖端を吸い上げ、足に足を絡め、指先で敏感な部分を容赦無く擦り上げる。
 その苦痛を和らげようと奥から愛液が滲み出し、その為に指が一層密着して、
にちゃにちゃと音を立ててなめらかに蠢く。
「やぅ、ぐ、あっ! ふぅっ! ふぅぅっ!」
 少女の声に明らかに違う色が混じり始め、唇を引き結ぼうとするが、硬く膨れて
ずきずきと疼く肉芽を執拗にいじられ、湧き上がる快感に声が漏れ出してしまう。

 その危険さゆえに秘匿された武術の継承者として。
 また、この世の闇に蠢く存在を退けて来た守護者の血を継ぐ者として。
 その役目の為に幼い頃から男として育てられ、戦士として修行を積んで来た守也は、
戦いの恐怖や苦痛には慣れていたが、女の性に抗する術は持ち合わせていなかった。
 そして、先祖代々の宿敵として幾度と無く命の遣り取りをして来た少年・北井清左が、
なぜこのような事に及ぶのか理解出来なかった。
 自分と同じ年頃で、互いに一族の力と業を受け継ぐ継承者で、同じ領域に生きて来た者
として、敵意の中にもある種の共感を感じていた。
 だから、勝負に敗れた時、薄れ行く意識の中で覚悟を決め、潔く死ぬつもりでいた。
 だが、清左は守也を殺すどころかこの蔵に閉じ込め、夜と無く昼と無くやって来ては
彼女を犯している。
 時に無言のまま激情を叩き付け、時に言葉と技巧を尽くして追い詰め、守也が力尽きて
気を失うまで、幾度も幾度も。
 その才子然とした容姿のどこに、それほどの獣性がひそんでいたのか。
 もう幾日にもなるのに、彼の欲望は一向に枯れる気配を見せなかった。

 「あぅっ! ぐっ! ふぅっ! んんんっ!」
 守也は唇を噛み切りそうなほど強く噛み、必死に声を押し殺す。
 うつ伏せで膝を大きく広げ、尻を高く上げた屈辱的な姿勢でひたすら秘所をいじられ、
達しそうになると止み、緊張が緩むと撫で上げられる。

246:守護者と復讐者
09/09/04 13:03:49 jZv9DOXo
 行くに行けず、降りる事も出来ず、肩に噛み付かれて逃げる事も叶わない。
「無駄な抵抗は止めろ、保坂守也」
 清左は左手をゆるゆると動かしながら、耳元へ唇を寄せた。
「耐えるくらいなら泣き叫んで助けを求めろ。心の底から叫べば、誰かに届くかも
しれんぞ? 例えば、お前が執着するあの娘……神河凛とか言ったか」
「っ!? てめぇ……あっ! あぁぁぁぁっ!?」
 思わず口を開いた途端、耳朶を噛まれ、秘芯を強くくじられ、頭が真っ白になる。
「やっ! やぁっ! うぁぁ! あぁぁぁぁっ!」
 一度緩んでしまった口は閉じられず、焦らされ続けた体は押さえが利かなくなって
がくがく震え、送り込まれる強烈な快感が意識を占領する。
「ふぁっ! あっ! あ……あぁぁぁぁあぁぁっ!」
 その瞬間、守也は体を強張らせて絶叫し、そして、くしゃりと床に潰れた。
 すっかり力が萎えたさまを見て、清左は身を起こし、守也の手首の戒めを解く。
「ぁ……」
 彼女は縄が解けても逃げる気配は無く、呆然として言葉にならない声を漏らしている。
 清左は守也の体を仰向けると、己のズボンを緩め、一物を解放した。
 既に硬くそそり立ったそれは、端正な顔に似合わず、大きく、醜悪な代物だった。
「……」
 彼は守也の脚の下に膝を進め、彼女の上体を抱え込んだ。
「くぁっ……!」
 ぐずぐずに蕩けた秘肉を押し開く硬い感触に守也は怯え、反射的に清左を押し退けて
腰を引こうとするが、彼はそれを許さず、更に押し進める。
 ほんの数日前まで何物にも侵入された事が無かったそこは、その凶器に幾度も穿たれ、
今また丹念に解された事で、最奥まで易々と飲み込んでしまった。
「観念しろ、守也」
 清左は守也を抱いたまま更に膝を進め、体重を掛けた。
「ひぅっ!」
 股関節が軋み、体の奥をずんと突かれ、彼女は息を呑む。
「私は貴様を逃がしはしない。命ある限り私の子を孕み、貴様の先祖が刈り取った命を、
一つでも多くあがなうのだ」
 言い放ち、清左は腰を動かし始めた。
「あぅっ! ふっ! うぅぅぅぅっ!」
 体を折り畳まれるような苦痛と、体の奥を突き上げる快感に耐えようにも、両足に力が
入らず、両腕で懸命に清左にしがみ付いて歯を食い縛る。
 その様子に、清左は勝ち誇ったような笑みを浮かべ、囁いた。
「貴様は私の物だ。貴様の血も力も、その心も、全て私の力に変えてやる」



 ……夜は、未だ明けそうに無い。

247:名無しさん@ピンキー
09/09/04 13:15:10 jZv9DOXo
 投下終了ー。
 喋りから気性から「漢!」って感じの女が何ぞ大変な事に……ってのが
萌えなんだが、自分が書くと普通の男になってもーてあかんわいな。

248:名無しさん@ピンキー
09/09/04 20:11:45 2XP9GXyk
ナイス投げ!

249:名無しさん@ピンキー
09/09/05 05:40:49 XoR8ozUe
GJ
こういうの大好きだ

250:名無しさん@ピンキー
09/09/10 12:47:47 J+3eQ0Mz
保守

251:名無しさん@ピンキー
09/09/13 01:37:45 DNdE4wTm
何となく良スレ

252:名無しさん@ピンキー
09/09/15 10:33:58 C340fP7A
ほんとに「何となく良スレ」だよな

253:名無しさん@ピンキー
09/09/16 10:32:44 qtZwUImE
SSを「この子」と呼んでいる人を初めて見た

254:名無しさん@ピンキー
09/09/22 00:31:12 4Ixi/Do9
保守する

255:名無しさん@ピンキー
09/09/23 23:24:47 ZN4JBakW
取調官と向かい合って座った尚子は、しばらく眼鏡の奥の瞳を泳がせていたが、ついに口を開いた。
「えと、あの……、私小さい時に『誕生日には18金の指輪がほしい』って父に頼んだんです……。
でも、父が買ってきたのは18禁のエロビでした。指輪とエロビ、『ビ』が被ってるだけじゃん!
なんて……まぁでも、大好きな父が買ってきたものなんで、大切に見ました。
繰り返し食い入るように見た結果、目を悪くしました……。それ以来眼鏡です。
そして私はある時素晴らしい発見をしました。眼鏡を外すと、周りがまるでエロビのボカシを一面に
かけたかのような世界になることを! それはひどく想像力をかきたてる、神秘的な光景でした……。
……そう、私は眼鏡を外すとどうしてもエロビが頭に浮かんでしまう体質なんです! ですから!
さっきは眼鏡をうっかり落としてしまい、身体がうずいてしょうがなくなって……!」
「だからといって街中でいきなりマスターベーションを始めないで下さいね……」
取調官はうんざりした顔つきで溜息を漏らした。
「……テヘッ」
尚子は頭をコツンと叩いてぺろりと小さく舌を出した。


新規開拓スレ「眼鏡を外すと淫乱になる娘」。保守小ネタにしようとしてたら圧縮で落ちてしまった…

256:名無しさん@ピンキー
09/09/24 12:10:01 zoCUYqOb
ナイス投げ
あのスレ落ちたのかー、もったいねぇw

257:名無しさん@ピンキー
09/09/25 13:26:15 iGyVOlX7
あったのかそんなスレww

258:名無しさん@ピンキー
09/09/26 16:39:50 NK96u3HI
落ちたのか、あのスレw
書き手も読み手も選ぶスレだったけど残念だなー

259:名無しさん@ピンキー
09/09/26 20:00:24 Bpn0b+1g
ナイス投げ
そんなスレあったのか
見てみたかったな

260:名無しさん@ピンキー
09/09/30 00:04:18 xKDy7+2b
ナイス投げ

261:名無しさん@ピンキー
09/10/01 17:16:15 lqZvLFBC
相棒inモンスターハンターをやってみたかったんだが
色々まずそうなのでこちらにお焚きあげ

・親子丼
・モンス一切関係なし

朝、ギルドでも名の通った一流ハンターが死んだ。
死因は爆死。
樽爆弾の調合に失敗し、木っ端みじんに吹き飛んだのだ。
ギルドから調査員が派遣され、早々に下手人は捕まった。
犯人はハンターズギルドショップの売り子だった。



わたしの父はあいつと一緒に組んでいた中堅ハンターでした。
わたしの生まれた村にやってきたクシャルダオラを
討伐したのが父とあいつでした。
あいつは宴席で村一番の美人と謳われた母にやたら
付き纏ったそうです。
それを庇ったのがわたしの父で、程なく父と母は
恋に落ち、わたしが生まれました。
父はハンターとしてあまりよいとは申せない腕前でしたが、
よく魚を釣っては台所で捌いてくれました。
今でもハリマグロの刺身とハジケイワシのつみれ汁を囲んだ
温かい、笑い声の絶えない食卓を、思い出すことが出来ます。
わたしが6才の時、父が死にました。
狩猟中、ババコンガに側頭部を殴られたのだそうです。
あいつは、母の元にやってきて、父の形見の
護りのピアスを渡すと、母に迫りました。
『彼が死んだのは私の責任だ、君の面倒を見させてほしい』
最初、母は断っていました。
でも、
『君一人ならいいだろう、しかしあの娘はどうする?君一人で育てていけるのかい?』
そう言われ、首をたてに振りました。
答えを聞くや否や、あいつは直ぐさま母を組み敷きました。
母は泣きながらわたしにキッチンに下がっているよう言い付けました。
あいつにのしかかられ、肩をはだけた母の姿が
今でも目の裏に焼き付いています。
女のわたしが言うのもなんですが、母は本当に美しい女性でした。
容姿は勿論、仕草のひとつひとつがたおやかと申しますか、清楚と申しますか、
村の他の女性達とはなにかが根本的に違う、そんな人でした。
あの毛むくじゃらは、そんな可憐な人を押し倒して、組み敷いていたのです。
何をしているのかわからないながら、異常な事態が
始まる事だけは分かりました。
わたしはただ流しの隅で目を閉じ耳を塞ぎ、
母がやってきて抱きしめてくれるのを待ちました。

262:名無しさん@ピンキー
09/10/01 17:17:41 lqZvLFBC
しばらくしてやってきたのはあいつでした。
猫撫で声で『今日からお父さんと呼びなさい』そう言いました。
あいつの向こう、開け放たれた居間の床に横たわる母は裸でした。
美しい母から生気が抜け、まるで人形のような抜け殻になって
一年で母は父の後を追うように亡くなりました。
葬儀が終わると同時にわたしはあいつの元を飛び出しました。
あいつの世話になるなんて死んでも嫌でしたから。
近くの畑の農作物を盗んで食べたり、放牧された
ポポの乳を飲んで飢えを凌ぎました。
ギルドに捕まった時にはあいつが父親面して
迎えにくるんじゃないかと生きた心地がしませんでした。
幸いにもあいつは来ませんでした。
それからはあなた方の調べた通り、わたしは施設で
読み書きを習わせてもらい、長じてギルドショップの売り子になりました。

父が死んだ理由が、本当にババコンガにやられたのか知りたかったのです。
父が死ぬ訳無いのです。父は必ず家に帰れるよう護りのピアスを付けていたのですから。
程なく親しくなった女性ガンナーから、うっかり
散弾で仲間を撃ってしまった、キリンはこれだから
やりづらいと愚痴を聞かされた時、全てが繋がったのです。
あいつはガンナーだった。
あいつがババコンガと父が射程に入るよう散弾を撃ち、
動けない父はそのままババコンガの爪に引き裂かれて死んだのです。
わたしは一計を案じました。
ええ、そうです。あの服はあなた方のおっしゃる通り、
ドンドルマで誂えた物です。
給金で購える代物ではない?
わたしには貯金がありましたから。お洒落も
彼氏も必要ありませんでしたし。
胸も背中も丸出しの踊り子が着るような衣装を纏い、
あいつの元を訪いました。
あいつはなんの疑問も持たず、わたしを家にあげました。
わたしの生まれ育った、思い出の場所。
「お父さん、今まで音信不通にしてごめんなさい」
そう詫びてしな垂れかかると、あいつは下卑た顔で笑いました。
『どこでこんなのを覚えてきたんだ?この放蕩娘』
酒臭い息を吐く唇で頬を、首筋を、肩を吸われました。
裾を托しあげられて指でくじられました。
中々濡れないわたしの秘処をあいつは何度も舐め、啜りました。


263:名無しさん@ピンキー
09/10/01 17:30:30 lqZvLFBC
逃げ出したい気持ちと吐き気を堪えて、感じているふりをしました。
どうせ朝には五体飛び散って死ぬ運命なののですから。
僅かに綻んだそこにあいつは自身を突き立て、激しく腰をふりました。
形だけとはいえ、父と娘の交合。あるまじき行為です。
わたしは請われてお父さん、お父さん、と泣き叫びました。
ええ、請われたんです。
あいつはそういう性癖だったのです。
わたしが果て、くず折れても、あいつは色々な
体位を試し凌辱しつづけました。
朝方、あいつがぐっすり眠っているのを確かめて、
わたしは樽にハジケイワシを仕込みました。
父は魚を捌くのが上手かったんですよ。
わたしにも、弾けない捌き方のコツを教えてくれましたし。
擬装?そんな気はありませんでした。
父も母もいない、そんな世界で生きていたって……。
早くわたしを処刑してください。



彼女の告白を最後まで聞いた後、二人のうち、年配の男が口を開いた。
「なるほどわかりました、ところで貴女はお聞きに
なられたでしょうか、三日前テオテスカトルがある村に現れ、
村は壊滅しました。村にはハンターはおらず、
ギルドにハンターを寄越してもらうよう要請していたそうです」
「……それがなにか」
「何かってアンタ」
売り子につかみ掛かる体格のよい若輩を年配が
まあまあ、と軽く宥める。
「要請を受けたのは被害者だったそうですよ。受けた
依頼は必ずやり遂げる、ギルドからの信頼は厚かったそうですね」
「存じ上げませんでした……わたしはただの売り子ですから」
「おかしいですね、貴女はギルドに所属していらっしゃる。
噂が聞こえてこない筈がない。貴女はそう言った被害者の
一流ハンターとしての一面を敢えて見てみぬふりを
し続けていたのではありませんか?」
「………………」
「そして被害者は事あるごとにこう言っていたそうです、
自分はつまらない嫉妬と些細なミスで素晴らしい
相棒を失った、遺族は自分を恨んでいる、
自分は許されるつもりはない、……もしかしたら、
貴女に復讐される覚悟がおありだったのかも知れませんね」
「そんな……身勝手すぎる……身勝手すぎます……」
売り子は黙って泣き崩れた。






264:名無しさん@ピンキー
09/10/01 19:34:17 oNP4wkRX
ナイス投げ!
相棒もMHも好きなので、かなりツボりましたっす。


265:名無しさん@ピンキー
09/10/01 20:23:54 eO/2UASC
いい投げだった。
非常に面白く読ませて頂きました。


266:名無しさん@ピンキー
09/10/01 20:50:51 Cv530/Qb
ナイス投げ。いい話だなぁ
相棒って見たことなかったけどこういう話なのか

267:『チューペット』
09/10/13 00:12:31 fgVD5Y5y
 なんつうか、キスしたいなぁと思う。

 恋したいとかやりたいとか、そうじゃない。誰と、という訳じゃなくキスがしたいという
気持ちの方が先だ。もう一年くらいはしていない。もしかしたら人恋しいのかもしれな
いが、彼女が欲しいと強く思ってる訳じゃない。
 キスがしたい。
 キスという行為自体が好きなんだと思う。だって気持ちいい。唇の感触とか、上気
した女の子の頬の感じとか、舌の動きとか、唾液の味とか。俺が上手いのか下手
なのかは、さておいて。そりゃあ男だからやるのだって好きだけど、キスさえいっぱい
出来るのなら、結構というかかなり満足してしまう。だって気持ちいいし。ちょっと酸欠
になる、頭がくらっとする感じ。
……久しく味わってねえなぁ……。

欲求不満なせいか、最近どうにも、唇に目がいってしまう奴がいる。

「ほら、木崎くんもかんぱーい」

 サークルの定期飲み会。いい具合にまったりしてきたところで、離れた席にいたはず
の奴が俺達のテーブルにやってきた。
 同じ経済学部の橘未央。
 派手で目立つ訳じゃないが、パーツひとつひとつが整っている。和風美人ってものだ
ろうか。同級生と比べると落ち着いた格好で、洗練されていると感じていた。他の女の子
とはちょっと違う雰囲気を持っていた。
 そこそこ話はするが、特別仲がいい訳じゃない。二人でどこかに遊びに行くなんてあり
えないくらいには、遠い。

「今日は久々の飲み会参加だし、皆といっぱい話したくて」
「ああ、確かに未央ちゃん久しぶりかもなぁ」
「だって未央、ここんとこバイト入れすぎじゃん」
「夏休みの留学資金貯めるのに必死だったんだもんー」

そう言って、橘はグラスを傾けた。酒で少し唇が濡れて光る。……やばい。

「木崎くんとは、よく会ったんだけど。ね?」
「……まぁ」

 俺がお前を見て何考えてるか、わかってないんだろうなぁと思いながら。

「基本的に学校いるしさ、俺。橘と違って、真面目に授業出てる訳じゃねえけど」
「そこは出ようよー」

268:『チューペット』
09/10/13 00:25:47 fgVD5Y5y

 あはは、と橘が笑う。笑い方も綺麗なんだよなぁ。
 それでも、目が行くのはやっぱり唇だった。
 口は小さめで、でも下唇がぷくっとしてて可愛い。上唇とのバランスもいい。きちんと化粧
しているけど、どうやら元々唇が赤いみたいだ。
 多分、柔らかいんだろうな。甘噛みしたら……
 やばい、今はだめだ。
 とりあえず、橘の唇をしっかり覚えておくことにして、意識をそらした。

 俺が橘とのキスを想像してるなんて、あいつは知る訳がない。



『ん……』

 唇を重ねると、橘の緊張が伝わった。でも、それもすぐにほどけて、俺の胸に手を添えた。

 離れようとすると、舌に吸い付いたまま橘が囁いた。

『ゃ、もっと……』

目は潤んで、頬は上気して、ねだる声が可愛かった。
甘えるように俺の首に手を回す。頬に触れてやると、ますます表情がとろけた。 

『もっと、何?』
『……キス、して……』



 不毛だ。
 こういう妄想は、もう何度目だ。
 別に、橘とやりたい訳じゃない。と思う。
 実際、あいつとやってる妄想はしたことがない。キスだけだ。まぁ、その妄想の後どうにも
こうにも収まらず、抜かなきゃならん状況は多々あったが、それでもあいつをおかずにした
ことはない。いや、結果的になってるのか?
だけど、それ以上、キス以上の何かをしたい訳じゃない。橘とどうにかなりたい訳じゃない。
そりゃ可愛いよ。嫌いじゃないよ。いい奴だよ。
ただ、そういう対象じゃないっていうだけだ。

これだけ、あいつとのキスの妄想してるくせになあ!

言い訳がましいと思いつつも、やめられないのが本当に。本当に男って駄目だ。
ていうか、俺が駄目だ。
相当、頭が参ってる。

なのに、今日もまた橘に会ってしまった。

269:名無しさん@ピンキー
09/10/13 00:27:08 fgVD5Y5y
チューペットって単語やらしいです><と思って書き始めたが、
どこのスレに投下していいのか悩んでるうちに行き詰ったのでお焚き上げ~

270:名無しさん@ピンキー
09/10/13 01:30:14 qg2BA8y/
>>267-268
ナイス投げ
読んでてこっちまで悶々としてきたw

271:名無しさん@ピンキー
09/10/13 01:48:36 /OlHtTlu
ナイス投げ
やるだけじゃないのも味ってもんだ
そうそう、キスフェチのスレかなんかあったぜ、たしか

272:名無しさん@ピンキー
09/10/14 13:41:22 ne8ELodD
キスフェチスレで待ってるぜ

273:名無しさん@ピンキー
09/10/18 15:44:40 zBw4IlSC
お焚き上げさせてください。
とあるドラマ二次で書いてたやつです。

スレの住人さんの嗜好に合わない、4P書くのがなかなか面倒、
ドラマ終了から数年が経ち、書く気が失せてしまった、
ということで、今に至ります。

設定は、4人兄弟と、長男のところに嫁いできたヒロインとの
明るい4P生活w というものです。
けれど、長男への想いを秘め、戸惑いながらの新婚生活を送る、
という内容です。長男は鬼畜設定でした。


 

274:名無しさん@ピンキー
09/10/18 15:45:07 zBw4IlSC
           
「かよっぺ、どう? 縛り加減は最高だとおもうけど…このくい込み方、すばらしく俺好み」

今日は修と、の日。
1週間に1日ずつそれぞれ修、智に抱かれる。ただ、智が来ない週もあるのだが。
3人一緒の日もあれば、4人の日もある―航も加わるのだ。
航とだけは好きな時に好きな場所で好きなように求められ、夏世もまたそれに応じ、求める。
そんな日々を送っていた。

夏世は片岡航と結婚し、片岡の嫁となった―いや、片岡4兄弟の嫁になったのだ。

夏世は、彼の弟2人との行為に自分の体が悦ぶのを心の奥では許すことができないでいた。
だが、3人や4人での行為はいいのだ。その中に航が混じっていれば。

夏世は弟たちとの行為の最中に航に見られるのも好きではない。
自分が航以外の男と1対1で行為に耽っているのを見られるのは、どこか後ろめたさを伴い、
航に対して背信行為をしているような気になってしまう。

もちろん普段は、航と二人仲睦まじく暮らしている。
全ては夫の航―だけでなく片岡兄弟と夏世との合意の上であるのに。

「……で、こんな変態プレイでも、ちゃんと感じちゃうんです。でも後ろめたいっていうか……」
「あーだから、それは夏世っぺがダンナさまを特別にとても愛してるっていう証拠なんだからさ」
「や!キツ…イタ…いっ、あん…修さん、もう少しゆるくして……」
「だめ。このおっぱいが飛び出るみたいに縛られてるのが…イイ!のでその要求は却下」
「えぇ~ッ、修さぁん! あ、なに? どうす…る…の?」

縄で拘束され動けない夏世を、修は、たたんである掛け布団に上半身を預けさせ、
少し起こした状態にさせると、修は待ってましたとばかりに、夏世の歪んだ乳房にむしゃぶりついた。
空いたほうの乳首を親指と人差し指で摘んだり、ひねったりしながら弄ぶ。
夏世の喘ぎがたちまち艶を帯びて、時折体がビクンと揺れる。

「あ、ああん…ああ…は…あ!」
「かよっぺ…すごくいやらしくて、可愛い! もっと声出してよ…この口からさ…」

そういうと修は、夏世の額に汗で張り付きはじめた髪をそっとなで上げ、喘ぎが漏れる唇を覆うように口づけ、口内を蹂躙していった。

ふと目をあけると、帰宅した航がコートのまま傍に立って見下ろしていた。

「ん! んん~っ、むっふ! やっ……おさっ……」
「むは……かよっぺ、なに? あ、兄ちゃん……」

修も気がついて、振り向くと、航がすっとしゃがみこんだ。
穏やかな微笑を浮かべて、修に声を掛ける。

「続けて、修。夏世のイクところ、見届けてあげるよ、いいね、修?」
「いいよー。この娘さ、お兄さまに後ろめたい、っていうんだよぉ。俺とのソフト緊縛プレイに感じちゃってるくせに」
「や、あの……航さん、できれば………見ないで……」

消え入りそうな声で、夏世は顔を背けた。

「修、少し…いいか?」
「いいよ、兄ちゃん。かよっぺをいつもみたいにしちゃってよ」

275:名無しさん@ピンキー
09/10/18 15:45:48 zBw4IlSC
                      
夏世をじっと見つめながら、縛られて開脚させられたその内股を、付け根のほうへと指を滑らせていく。
航が、ぬらぬらと愛液に光る襞へ指を滑らせると、震えていた夏世の体が、ビクリと跳ねた。
二本の指を泥濘の奥へ押し込んでいくと、夏世が身を捩って悶えはじめた。

「は……っ…あっくあ! んあああ」

後ろでに縛られて、畳んだ布団に預けられた体を捩らせる。
喉を反らせて、快感に顔を歪ませる。
航は微笑みながら、肩膝をついたままの姿勢で指を抜き差ししはじめた。
ぬちゃっぬちゃっ……卑猥な音がやがてじゅぶっじゅぶっ……というたっぷりの水音に変わっていく。
夏世は唇をかみしめ、なるべく声を堪えていた。
大きく開かされた体に抜き差しされる航の人差し指と中指。
時折それは、探るように夏世の中をかき混ぜる。

「なに、ガマンしてんの。かよっぺの可愛い声を俺とダンナ様に聞かせてよ。ほら、力抜いてさ……」

修の手が夏世の乳房を包み込み、やわやわと揉みしだいていく。

「あ……お、おさ……むさ……修さ……は…う」




――ここまでです。
     ここが無い時は、練習スレに投げてました。
     ありがとうございました。 なむなむ……

276:名無しさん@ピンキー
09/10/18 17:16:08 8RH/9sVe
ナイス投げ

277:名無しさん@ピンキー
09/10/31 09:47:05 DosmbuS0
保守

278:名無しさん@ピンキー
09/11/05 10:57:51 1isAxPNx
ちょ、ふらふらしてたらあのスレの投げ作品が!
4Pとか素晴らしい。投下してほしかった
乙!

279:名無しさん@ピンキー
09/11/06 11:24:24 gqruwoDg
ナイス投げ

280:名無しさん@ピンキー
09/11/09 17:54:31 oWHaBddA
良かった

281:名無しさん@ピンキー
09/11/14 21:18:12 OedZiWc3
保守

282:名無しさん@ピンキー
09/11/19 17:15:13 60NNKNXO
ここには大変世話になった
保守しておこう。

283:名無しさん@ピンキー
09/11/19 22:32:02 PwCpZ6QN
二次ものです。
完成しないうちに本編が進んでしまったので焚き上げさせてください。
クールな女性監督とショタ。



「吹雪くん、ちょっといい?」
瞳子の呼びかけに吹雪はびくりと肩を震わせた。
彼女に促されるままにグランドから遠ざかり、車へと向かう。
しんとした車内で向き合って座ると、吹雪は顔を伏せたまま呟くように問いかけた。
「……監督、ぼくはやっぱりキャラバンを……」
「降りたいの?」
彼女の鋭い声に吹雪は身を縮ませた。
「いえ、ぼくは……」
「そうね。私もあなたに降りてほしいとは思わないわ」
さらっと言ってのける彼女にハッと吹雪が顔を上げる。
「でも……」
「わかっているわ。―キャラバンに残る理由が必要なら私があげるわ」
その言葉の意味を問う前に彼の唇を彼女のやわらかい唇がふさいだ。
口を閉じたキスから口を開いたキスへと変わり、彼女の舌が彼の歯茎を舐め、驚きで開いた歯の間に
侵入していく。
舌を撫でるザラザラした感触に吹雪の下腹部に熱が起こる。
「―んっ」
瞳子の口から洩れた熱い息が吹雪の口内を満たす。
滑らかな手が彼の手を取り、彼女の胸元に導いた。
服と下着越しにもわかる膨らみに吹雪が顔を赤らめた。
瞳子は着痩せするタイプのようだ。
彼は手に余る乳房の重みとやわらかさを持てあました。
乳房に手を押しつけたまま固まる吹雪に瞳子がフフッと笑みを漏らす。
「こうやって触るのよ。下から掬い上げるように」
「こう…?」
「そうよ。潰しちゃ駄目。……うまいわね」
尖った乳首がカットソーとブラを突き上げる。
彼女の息に熱が混じりだし、吹雪の息も上がる。
瞳子の手が彼の股間に伸びた。
ジャージ越しに形を確かめるように撫でると、形の良い指の先をすっと根元から先端へ滑らせた。



以上です。
後はフェラから対面座位の予定でした。

284:名無しさん@ピンキー
09/11/19 23:34:55 60NNKNXO
おお、ナイス投げ!

285:名無しさん@ピンキー
09/11/21 01:19:37 hmhBYEu0
ナイス投げ

286:名無しさん@ピンキー
09/11/22 16:35:09 0ygThtrK
いいスレだ

287:名無しさん@ピンキー
09/11/23 19:56:07 NgLusr5t
最後尾か

288:名無しさん@ピンキー
09/11/23 23:36:50 Ue24+Z9C
ごめん、あげておく
もったいないから

289:こんな思いっきり生電話はイヤだ!!~エリィの場合
09/11/29 23:16:14 57cSsNE8
 主人が働かないんです。

 主人?今どこに居るのか全然知りません。いや別に行方不明とかじゃないんです。
 今は拳法の修行と称して、どこかへ出かけています。行き先までは教えてくれません。
 ……まさか。あの人に限って、浮気とか絶対ありえません。ええ、ありえませんとも。
 主人と私とは、前世からの強い絆で結ばれていますから―

 そうですね。まずは家族構成から話した方がいいかも知れません。
 私と主人、娘が一人の三人家族です。それとペットが一匹。ちょっと聞いて下さいよ。
 あの子―ペットの事なんですけど、主人がどうしても飼いたいと言うから家に置いているのに、
ご飯をあげるのはいつも私なんです。あの子はあの子で主人にばっかり懐いて、私の事なんか
『ゴハンくれる人』程度の認識しかないみたいなんです。これってほとんど下僕じゃないですか!
 ……そうでしょう?ペットのご飯は、飼主が責任を持ってあげるのが普通ですよね?
 なのにうちの主人と来たら、あの子の世話を私に任せっきりにして他所をほっつき歩いているんですよ。
帰ってきたら帰ってきたで、都合のいい時だけあの子を可愛がって、それであの子がご飯を欲しがると
「チュチュのエサ頼む」とか言って、自分はさっさとアトリエに引き篭もってしまうんです。
 あ、説明が遅れました。チュチュというのがペットの愛称です。
『ドデスカチュチュポリン』というのが本当の名前なんですけど、長すぎるので略して呼んでいます。
 まあ、可愛いんですけどね。ご飯の時は私にも懐いてくれるし。

 え、ペットは関係ありませんか?それよりも娘がいるんじゃないかって?
 わかりました、お話します。娘は14歳です。
 ……そうですよね。娘も難しい年頃になったというのに、あの人はいつまでもフラフラ遊び歩いて―
 私たちですか?
 私と主人が18歳になります。もうすぐ19歳―
 すみません、驚かせてしまって。確かに18歳の親に14歳の娘なんて変な話ですよね。
 そうです。実の娘ではありません。4000年前に、私たちの前世がもうけた子です。
 私と主人は一万年の間に五度ほど生まれ変わっている訳ですが、五回とも強い縁で互いに結ばれていました。
その中でも一番の蜜月時代が4000年前です。
 あの時の私たちも今と同じように、いやもっと仲睦まじい関係でした。娘が生まれたのもその時です。
 ますます話が解らなくなってきた?4000年前に生まれた娘が、なぜ14歳なのかって?
 分かりました。じゃあもう少し話しますので、ちゃんと聞いて下さい。

290:こんな思いっきり生電話はイヤだ!!~エリィの場合
09/11/29 23:16:35 57cSsNE8
 4000年前のゼボイムにいた頃は、主人もちゃんと働いていたんです。
 当時の主人は医学と分子工学を修めた天才科学者でした。16歳でゼボイム大学の医学部に入学して、
それから医学と分子工学を勉強して―
 でも分子工学の分野では、主人の評価は芳しくありませんでした。別に内容が悪かった訳ではありません。
むしろその逆です。彼の研究内容は当時の分子工学のあり方を、いや生命の考え方そのものを一新するほど
画期的なものでした。
 だからこそ生命に対する―ひいては神に対する冒涜であると周りから見なされたのでしょうね。
 分子工学の学会を追放された主人は、止むを得ずゼボイム大学の附属病院で外科医の職に就きました。
そこでナースとして勤務していた私は、主人と三度目の出会いを果たしたのです。
 彼の素早くて正確無比なメス捌きに見惚れてしまった事を、今でもはっきりと覚えています。
 ええそうです。あの人の手先が器用な事だけは、何度生まれ変わってもちっとも変わりません。

 ほどなく主人と愛し合うようになって解ったのですが、彼は本当に孤独な人でした。
 当時のゼボイムでは、人の平均寿命は三十代。おそらく遺伝的な欠陥が蔓延っていたからでしょうか、
子供の生まれない夫婦も数多くありました。社会不安も最高潮に達していて、このままでは全人類が
滅びてしまうのは誰の目にも明らかでした。
 だからその危機的な状況を何とかしよう、遺伝的な欠陥を治療して皆が明るく暮らせる世の中を取り戻そうと、
医学に加えて分子工学も必死で学んで研究を積み重ねたのに、その結果を誰も評価してくれない。挙句の果てに
彼に何の責任もない停電事故のせいで手術に失敗し、幼い命を奪ってしまった―
 世の中どころか人ひとりの命も救えない、街を見下ろして彼はそう嘆きました。
 私はそんな主人に対して、もっと絶望的な話を打ち明けるべきかどうか迷っていました。

 彼と出会って数年が経とうとしているのに、私には妊娠の兆候が一向に訪れませんでした。
 他の誰でもない、愛する人の血を引いた子供を産みたい。
 その望みがなかなか叶わない事に焦った末、もしやと思って主人には内緒で検査を受けました。
 思い過ごしだったら、どれだけ安心した事でしょう。けれども現実は残酷です。
 淡々とした口調で担当医から結果を告げられた時、目の前が真っ暗になりました。
 私には赤ちゃんを産む事ができない―
 ほんの些細かな私の願いは、永遠に打ち砕かれてしまいました。

 結局その晩私は主人に、絶望的な話を伝えました。
 隠していた方が、主人にとっては優しい妻でいられたかもしれません。
 だけど私には、二人が永久の別れを告げるまで主人を騙すことなんてできませんでした。
 あの人が子供好きなのは、それまで何度か転生を遂げる間にわかってましたから。
 ちゃんと主人の子供を生んであげられる彼女さんを見つけて、それで私は身を引いてもいい。
 全ての事情を打ち明けたうえで、主人に未来を選ばせてあげないと。
 たとえどんなに残酷な未来が待っていたとしても、嘘偽りなく伝えるのが妻の役目だと信じてましたから。

 主人は泣きました。
 お酒の勢いも手伝ったのかもしれません。
 泣きながら私を抱き締め、狂ったように私を求めました。
 身に付けていたドレスを破り、裸にした私をベッドに押し倒して、乱暴な手付きで私の胸をわし掴みにしました。
 無駄な努力だと知りつつも、それでも主人は諦めきれずに私の中へと何度も何度も押し入り、
 決して身を結ばない種子を注ぎ続けるのです。
 辛くて悲しくて、ただ彼の思いを受け止めるだけで精一杯でした。

 ……ってもしもし?聞いてるの?聞いてますかみ○さん?!おかしいわね、返事がないわ。
 誰もでんわ、って奴かな?いつの間にか番組終わっちゃってるし。
 お~いもしもし、もしもし?!

 冗談じゃないわよ!何で電話切っちゃうのよ!
 これからが面白いのに!なんで18歳の夫婦に14歳の娘がいるのか、その答えを今から説明しようと思ってたのに!
 というか。
 どうしたらフェイが働いてくれるのか、私まだ全然聞いてないじゃない!

291:名無しさん@ピンキー
09/11/29 23:17:31 57cSsNE8
元ネタ:ゼノギアス
改変アイデア:かってに改蔵

以上!ういーっし!

292:名無しさん@ピンキー
09/11/30 00:41:55 xgBoiXOM
乙。このSDえりぃ人形をあげよう

293:名無しさん@ピンキー
09/11/30 19:48:06 dRXyyv3T
ワロタw乙!

294:名無しさん@ピンキー
09/12/07 00:17:08 +W20iZWp
良レス

295:名無しさん@ピンキー
09/12/11 12:29:09 GvWPGv3e
超GJ!エロ切ないのに、最初と最後笑えたw
しかし何故焚き上げスレへ…ゼノスレに投下したら喜ばれたと思うんだが…

296:名無しさん@ピンキー
09/12/20 16:44:05 6oYeP5cm
保守

297:名無しさん@ピンキー
09/12/21 05:09:42 5eEmBTbg
めっきり寒くなりましたなぁ

298:名無しさん@ピンキー
10/01/02 20:04:23 KJzy6REz
保守

299:ウィンターウォーズ
10/01/06 23:08:00 e596juei
・エロ無し
・非常に厨二
勢いに任せて書いてみたけど、スレで求められてるモノじゃないようなのでお焚き上げ

三学期初日、久しぶりに友達とPSPを持ち寄って、モンスターハンターをやったんだ。
外は風吹きすさぶ寒さだけど教室は日だまりの暖かさ。
集まって過ごすには最高の場所なんだもの。
本当に久しぶり……てか半年以上ほったらかし、だったから、
一番難易度の低いP2にしようって事になってドスランポスや
イヤンクックでリハビリして、コツやらなにやらを思い出した辺りで
ランク1リオレウス討伐を受注したんだ。
ガンナーのマキはエリア9で狙撃、レイとユキと僕の近接部隊はエリア4で
待とう、って話になって、僕のティガ蒼レウス混合装備の自マキアイコンが
エリア5を離れたのを見計らって、エリア4に突入した。
その時だった。
アイコンがふい、と消えた。
「故障かよ!?」
マジ?
マキにペイント弾持ってきてないか聞こうと
画面から目を離した次の瞬間、窓の外、雲一つない空が光った。
光源がないのにパァッと一点から光が放たれる様は
しょっぱいCGでつくった超常現象映像のように見えた。
「超新星?」
ちょっぴり天文オタクのレイがわくわくと眼鏡をかけ直し、
大のオカルト嫌いのユキがやだやだなにあれと騒ぎ立てる。
そんな中、忘れようとも忘れられない、飛竜種のあの咆哮が響いた。
PSPのスピーカーからじゃなくて、遥か天空から。
そして、やや褐色のかった赤い甲殻の飛竜が、光の中から現れた。
「わ、リオレウス」
嬉しそうなレイ。
「やだ何、何でリオレウスがいんのよ……」
ヒステリー寸前のユキ。
言葉も出ない僕とマキ。
赤い飛竜は風を切るように、空の彼方に飛び去っていった。



その日のテレビは一様に突如首都圏に現れた謎の飛行物体
(勿論リオレウスの事だ)関連の報道一色だった。


300:ウィンターウォーズ
10/01/06 23:08:40 e596juei
当然、首都圏の交通網は全部マヒ。
空港も全面閉鎖。
父さんは安全のため会社に缶詰になって三連休の家族旅行もパァになった。
でも僕はそれどころじゃなかった。液晶テレビの向こうで血の気の多い某知事が
「県民を安心させるためにさっさと撃ち殺せ」とわめき立て、他所の特番では超常現象
関係の面々が、あれはプテラノドンが進化した貴重なUMAだいやいや宇宙から飛来した
何やらだとはしゃぐ中、僕は部屋に篭ってPSPを放り出してガタガタ震えていた。
恐る恐る覗いたYOUTUBEにもリオレウスの映像がテンコ盛り。
偶然だと思いたいよ。
でもあの場にいて、出現する直前に不思議な現象を見てるんだもの。
きっとよくある特撮物のように今にも家に政府の高官とかがやってきて……。
途端、ピリリと携帯が鳴って僕はホントに悲鳴をあげた。
着信はマキからだった。
「おい、テレビ見てるか?凄いことになってる」
古典SFとネイチャー雑誌をこよなく愛する筋金入りの変人ガンナーは
僕の返事も待たずにリオレウスの動向をまくし立て始めた。
「あいつは動物園のシマウマを食った後、23区上空を周回、今は風にのって房総半島に」
「おれが知るかよ!」
僕は怒鳴った。
僕のように怯える事もなく余裕ぶっこいて情報を語るマキの気持ちが理解できなかったんだ。
「おれはハンターじゃねぇよおれのせいじゃねぇよ!」
そんなに冷静になれるんなら自衛隊にでも教えてやれよ、あいつには毒がよく効くってさ!
「落ち着けよ、誰もお前にどうにかしろなんて言ってない、逆だ」
マキの声はしっかりしていた。
「お前は小心者だから今頃パニクってるんだろうと思って電話したら案の定だ」
意外だった。
マキはあんまり他人に関心を示さない本の虫だと思っていたから。
実際僕は、学校から逃げ帰る時、片思いのユキに現実逃避目的で
家に来てくれとお願いしようかと思ってたんだ。
「ゲームキャラが実体化した時点でガキの手に負える範囲なんか
とうに越えてるよ、だから気に病むな」
「……ありがとうな、マキ」
僕は泣いていた。


301:ウィンターウォーズ
10/01/06 23:09:42 e596juei
そうして、お腹が空いていたのに気が付いてリビングに出て来たら、
カプコンの開発部の責任者がテレビに写ってた。
やっぱりというか、何と言うか、動物園の監視カメラの映像や、YOUTUBEの動画から
関与を疑われたらしいのに、マイクを向けられた開発部の人は嬉しそうな顔をしていた。
モンスターハンターの世間的浸透度を喜んで、鋭意製作中のスピンオフ新作、猫の里を
アピールして事態を茶化したついでにリオレウスの存在自体を完全否定していた。
そこで画面が慌ただしくなって、サーチライトに照らされる夜の森が映し出された。
房総半島上空を飛んでいたヘリコプターがリオレウスを見つけたとかで、
実況中継に切り替わったらしい。
わらわら集まる光源を嫌がって、リオレウスが首を尻尾を振って雄叫びをあげる。
その様子に興奮した女子アナがわめき立てた。
『ご覧下さい、怪物がこちらを威嚇しています、あっ、自衛隊です、
自衛隊のF戦闘機がミサイルを放ちました!』
白いハレーションと轟音の嵐の中、リオレウスの悲鳴が聞こえた。
『あっ、怪物が飛びますきゃあこっちにひいいぃいいい』
唐突に画面がスタジオに戻って、生物学者や流体学?とかの学者さん達が、
腹部には空気を溜める器官があって、それで飛翔が可能と思われる、とか
意外とぐんにゃりした動きから甲殻を持った無脊椎動物の可能性もある、
とか、色々この世界の物理法則でリオレウスを分析して語っていた。
その間にもあちこちのカメラがリアルタイムで捉えたリオレウスの様子を
流しまくり、時折ミサイルが撃ち込まれる。
なんだかリオレウスが可哀相になってきた。
そりゃカプコンもなんとかしろ、って言われても困るだろうけどさ、あれがナナテオや
クシャルだったら、どんな顔をしてインタビューを受けるんだろう、爆撃に晒されて
追いかけまわされて苦しむ姿を見たらどう感じるんだろうって思ったら……。
やる瀬ない気持ちでマキに電話した。


302:ウィンターウォーズ
10/01/06 23:10:55 e596juei
「見てた今の?」
「さっきまでレイが憤慨していた。あいつ大のリオレウス好きだから」
「マキ、リオレウスを帰す方法ってなんかない?」
「そいつは難題だね」
「そこをなんとか、スペースファンタジーだとなんかあったりするだろ」
「そうだね、神様が筒井康隆のような意地悪でなきゃ、条件が揃えば帰せる
可能性はある。それからSFはサイエンスフィクション、空想科学小説だ」



戒厳令が敷かれた静かな夜明けの街を、僕らは誰にも
見つからないよう学校に向かってひた走った。
一世一代の大博打。
見つかったらおしまいだ。
教室に入って、席に座るなりPSPの電源を入れる。
きっかけは夜中の3時に届いたマキのメールだった。
「ニュースを見てて気が付いた、学校がエリア5、気の毒なシマウマのいた動物園は
エリア9の水呑場、都心はエリア6、房総半島はエリア2に合致するんだ。
(エリア2は正確には東京湾になるんだけど、陸地じゃないから足を伸ばしたんだね)
あちらの時間経過とリオレウスの疲労度から推察すると、午前6時に学校に来る」
祈るような気持ちだった。
リオレウスが戦車やミサイル爆撃で死ぬと思えないけど、
世界中の人達の嫌悪と好奇に晒されるのは嫌だから。
神様、どうかお願いです、ユキにフラれても泣かないから、
リオレウスを帰してあげて下さい。
ドスランポスを、イヤンクックをクリア、ランク1リオレウスを受注。
装備もあの時と全く同じに、アイコンを確認する。
飛竜のマークはない。
これは……確変!?
思わず空を見る。
朝焼けの空に白く輝く基点が現れ、みるみる輝きを増していく中、窓がビリビリ鳴り始めた。
きた……!
傷だらけのリオレウスが咆哮し、光の渦に飛び込む。
水の王冠のような軌跡を描いて光も消えていった。
「マキ、あんたクールだわ」
ユキの声がした。
振り返ると、ユキがマキのほっぺたに何回もキスをしていた。
嘘……っ、ユキがマキにっ……。
「あたし、あんたに惚れたかも」
ちょっと困った顔で視線を逸らしてこめかみをポリポリ掻いてるマキの頬は真っ赤だし。
そりゃフラれても泣かないって願掛けしたけど、
ホントにフラれるなんて、あんまりだぁぁぁ。
へたりこむ僕の頭上で、(顔は知らないけど)筒井康隆に似た顔の
神様があかんべぇをした気がした。





303:名無しさん@ピンキー
10/01/11 00:46:01 VrP1CAh/
ナイス投げ

304:普通?のカップル
10/01/11 21:57:45 ZqggBXX6

ピン、と中途半端なピンポンの音。
ボタンが壊れていて後半の音が出ないのだ。
時計を確かめると、約束の時間ぎりぎりだった。
俺はインターフォンを確かめもせずにドアを開けた。

「おじゃましまーす。間に合った?」

と奈緒が入ってきた。
顔半分がマフラーに埋もれているくせに、鼻と頬が赤い。

「ちょうど。外そんなに寒かった?」

「うん、わりとね」

勝手知ったる他人の家、奈緒は手持ちの鞄を定位置の本棚の前に置いた。
今日は久しぶりの連休でうちに泊まり込みに来たのだ。
このところ仕事が忙しくて暇がなく、数週間会ってない。
しばらく耐え忍んだせいか今日は一段とかわいく見えるような……気のせいか。

とりあえず、今日は荷物を置いた後で買い物に出かける予定だ。
奈緒が何やら買いたいものがあるらしい。
さぶさぶ、とこたつにもぐりこむ奈緒。
出かけるんじゃないのか、と思ったがまあ一服入れるのもいいだろう。
コーヒーを淹れてやるとありがと、とこたつの中から手を出した。

「おいし」

マグカップを手に自分もこたつに入った。
一口コーヒーをすすった後で、奈緒の顔がまだほんのりと赤いのに気付く。

「風邪引いてるんじゃないよな?」

「え、何で?」

「顔赤い」

額に手を当てるが、冷え症で寒がりの奈緒の額はまだひやりと冷たかった。
確かに熱もないし、声もかすれていないし鼻声でもない。

「ちょっと寒かっただけだよ」

だがそう言って顔を伏せた奈緒の、目が少し潤んでいたのを俺は見逃さなかった。
一気にコーヒーを飲み干して、

「ごめん、ちょっとトイレ借りるね!」

と立ち上がった時の不自然な立ち方。なんでスカートを押さえてるんだ。
妙な予感がする。
俺は怒られるのを覚悟で、後ろを向いた奈緒のスカートをめくりあげた。

「なっ……!」

ぱんつはいてない。


305:普通?のカップル
10/01/11 22:05:22 ZqggBXX6
「ちょっ、馬鹿何してんの!」

奈緒は俺の手をひっぱたいて慌ててスカートを直したが、そりゃこっちのセリフだ。
黒のタイツは色が濃くて透けにくいが、そのほんのりと透けた肌色のエロスといったら、まあ。

「なんではいてねーの!?しかもその上からタイツとか、えっろ……」

奈緒はそういう、色っぽいことを積極的にするような性格じゃない。
なので、これは。

「うううう、うっさい!いいじゃんなんだって」
「いやいやいや、あの、おもらしじゃない……よな?」
「な、ち、違うに決まってるでしょ!」
「じゃあ何」
「それは……」
「本当は用足したかったんじゃないよな」
「……うん」
「さっきからそわそわしてたのはそのせいだよな?」
「……うん。なんでバレたんだろ」
「そりゃあ、お前、愛の力っていう」
「馬鹿」
「いーじゃん、俺たちの仲じゃん、教えよーぜ。なんで?」
「やだ。だって絶対馬鹿にするもん」
「わかったわかった、絶対馬鹿にしないから。おせーて」
「……絶対?」

俺はぶんぶん首を縦に振った。
あんまり勢いよく振ったので、奈緒もちょっと苦笑した。

「だってさ。総一、時間に遅れるの嫌いじゃん。予定が狂うって」
「んー。まあ、ほどほどにしてくれると、ありがたいかな」
「今日も時間に遅れちゃいけないと思って急いで支度したんだけど、
 やっぱりギリギリになっちゃって。
 でも何とか電車には間に合ってさ、乗ったところで気付いたの」
「……はいてないことに?」
「さすがにそれはない!あのね、気付いたのは、その、下着の上下が違うってこと」
「はあ」
「いやホラ、今までは一応、ちゃんと上下同じの着てきてたんだよ!
 今回はついうっかり違うの付けてきちゃって。
 で、駅のトイレで着替えようかと思ったんだけど乗り換えの電車が来るから。
 で、しょうがないからタイツだけは履いたの」
「……はあ」
「そういうのも総一はだらしないと思うかな、って気になっちゃって。
 とにかく着いてから履けばいいか、って考えたの」
「いや……それは、別にそこまで気にしないけど……」
「そ、そう?ならいいんだ」

ほっとした表情で俺を見る奈緒の顔がやけにかわいく見える。
あれ、これって。もしかして。

「奈緒。お前、……感じてる?」

306:普通?のカップル
10/01/11 22:07:41 ZqggBXX6
「奈緒。お前、……感じてる?」

奈緒の顔がかっと赤くなる。

「何いってんの。そんなわけ」

「ノーパンで電車乗ってきて感じてるとかエロすぎるだろ。……奈緒?」

後ずさりする奈緒の肩を左腕でがっちり捕まえて、右手をスカートの中に差し入れる。

「や、やだっ、総一、待って」

暴れる奈緒の隙を突いて、スカートの中をまさぐる。
タイツのちょうど股の部分は実際の足の付け根からは少し空間があるが、タイツはうっすらと湿り気を帯びている。

「濡れてんじゃん」
「やだ……」
「そんな状態で電車乗って、痴漢に襲われでもしたらどうするんだよ。
 俺は別に下着のことは気にしないから」
「うん、そうだよね。なんか焦っちゃって。今は何やってんだろって思う」
「……で。何かエロいこと考えてたんじゃないよな?」
「へ?」
「やらしーこと想像してたんじゃないよな、って言ってんの。」

スカートの中に手を入れたまま、ゆっくりと太ももを撫でる。
肝心の股の部分は微妙に距離があって届かない。タイツめ、なんてにくい構造をしているんだ。

「あのね」
「うん」
「……総一のこと、考えてた」

その一言で理性は吹き飛んだ。狭いワンルームのこと、すぐ傍にベッドはある。
俺は抱えた奈緒ごとベッドの上に倒れこんだ。
むしゃぶるようにキスを重ねる。
奈緒もいつになく積極的で、舌を入れても抵抗せずむしろ自分から絡めてくる。
セーターの上から、夢中で奈緒の胸を揉む。
奈緒の呼吸が荒れてきてキスの合間に吐息が漏れた。

「あ、あっ、……はあっ、そ、……ーいち……」
「ん」
「だめ……こんな、明るいっ、うち、から……」
そうは言っても、身体は正直だ。
感じやすくなっているのか、キスと胸だけでこんなによがってるのに。

「やだ。俺もう我慢できねえもん」


307:普通?のカップル
10/01/11 22:24:24 ZqggBXX6
俺の息子もとっくに硬くなっていた。
数週間のお預けの上、この据え膳で我慢できる男がいるものか。
既に奈緒に突っ込みたくて大暴れしている。
でもいつにない奈緒の痴態を味わいたくて、わずかな理性でとどまっている。
「奈緒こそこんなに濡らしてるのに、出かけられないじゃん」
「……うん……」
奈緒のセーターを胸の上まで捲り、さらにブラも外さずずり上げる。
巨乳というほどでもないが、柔らかくって触り心地のいい奈緒の胸が現れる。
「久しぶりー、俺のおっぱい」
胸の間に顔をうずめると、奈緒が顔を上げた。
「なんで総一のなのよ」
「だって俺のだろ」
「……ん」
恥じらいつつ頷く奈緒。
やばい、エロかわいいっていうのはこういうことか。違うか。
じかに胸に触れると、ん、と奈緒が眉根を寄せる。
すべすべして気持ちいい。
奈緒の肌は全体に気持ちいいけど、中でもここが格別だ。
乳首はガンガンに立って硬くなっていて、ちょっとつつくだけで奈緒の身体がぴくんと跳ねた。
しばらく舌で優しく転がした後、きゅっとつまむ。
「ひゃ、あぁんっ!」
いつもは恥ずかしいからって、声を堪えてるのに。
今日の奈緒はやばい。
「奈緒、悪い。俺もう、限界なんだけど、いい?」
「うん……、いいよ」
そう言って服を脱ごうとする奈緒に、俺は待ったをかけた。
「え?」
「せっかく奈緒がやらしい格好してるんだし、そのままで」
「着たまま、するの?」
奈緒はちょっと意外そうな顔をしている。
そういえば着衣エロはしたことなかったか。
まあ、奈緒のエロ知識は俺が育てたようなものだからな。
といっても今日のようなケースになるとは思いもよらなかったけど。
「そのほうが興奮するって。いーだろ、たまには」
「……総一のどすけべ。変態」
「褒め言葉として受け取っておこうか」
言いながら奈緒のスカートをめくる。
黒いタイツの中に、うっすらと透ける肌と陰毛。
エロい。エロすぎる。
ああ、息子が痛いほど張ってきた。
名残惜しいがタイツを膝下あたりまで引き下げる。
「え、タイツも履いたままなの?まさか」
その状態で奈緒の身体をころんとうつ伏せにする。

「そのまさか。奈緒、四つん這いになって」


308:普通?のカップル
10/01/11 22:26:45 ZqggBXX6
「……恥ずかしいよ」
「何をいまさら」
何回俺が見たり突っ込んだり舐めたりしたと思ってるんだ。
「明るいし」
カーテンを引いているとはいえ、隙間から真昼の日差しが差し込んでいる。
今日はいい天気だ。
いつもは暗いところなのでまだしも、明るいところで見られるのが嫌らしい。
うつ伏せたままもじもじしている奈緒の、割れ目を指先で撫でてやった。
「ふあぁあんっ!」
不意打ちでびっくりしたのか、驚くほど大きな声が出た。
奈緒は顔を真っ赤にして首だけ振りかえった。
「ば、馬鹿!」
「すっげー濡れてるんだもん」
「だって……あっ……」
再び指でなぞると、それだけでぬちゃ、といやらしい音がする。
形のいい尻が震えてきゅっと力が入る。
「奈緒も、……欲しいだろ」
「ん。……も、今日だけ、だからね」
すっと腰を上げてくれた。
割れ目とそのすぐ上の穴が露わになって、良く見える。
てらてらに光って、きれいなピンクのはずがやけに怪しい色に見える。
「あんまり見ないで……」
めくりあげられたスカートに、中途半端に下ろしたタイツ。
誘うように、締まった尻が俺に向かって突き出される。
本当はもっと舐めたりいじくったりしたかったが、我慢も限界だった。
焦る手でベルトをはずして、下着をおろす。
ベッドの下に隠してあったコンドームを付けると、奈緒の腰に身体をあてがった。
「いくよ」
ずぶ、と音が立ちそうなぐらい引きこまれた。
奈緒の中はぬるりとぬめって、少しずつ入れようと思っていたのに一気に入ってしまった。



309:普通?のカップル
10/01/11 22:29:45 ZqggBXX6
「あ……やばい、奈緒。すげー気持ちいい……」
正直すぐイキそうなぐらいやばい。
動くよ、と言いながら既に腰が動いてしまっていた。
「ん、っ、ああ……っん!」
奈緒がたまらず嬌声を上げる。
いつにない奈緒の甘い声に、自然こちらの動きも激しくなる。
奈緒の張りのある尻をひっ掴んで、がつんと打ち付ける。
奥まで深く突くたびに、奈緒の尻が痺れたようにぷるぷる震える。
それがいやらしくて、もっと見たくなって、何度も何度も突きいれる。
「ふぁ、あっ、そう、いち……」
どこからかテレビの音が聞こえる。
そうだよな、休日の真昼間だもんな。
ってことは、こっちの声も聞こえてるかもしれないな。
そう思ったら、嫌だと思う半面もの凄く興奮してきた。
「奈緒っ……」
押し進めるごとにまといつくような感触。
「あん、そー、いち……すごっ……んん!」
引き戻すたび襞に引き絞られる感覚。
「やぁんっ!そーいち、やだ、あたしっ」
奈緒が悲鳴を上げる。
あ、と思った瞬間には熱い液が迸っていた。
それこそどばっ、ていう擬音がつきそうなぐらい大量に。

「……っはぁ……」
しばし放心状態。
数回、勢いに任せて動いた後ゆっくり引きぬくと、ご無沙汰だっただけに
どろりと濃いのが溜まっていた。
「うわ、すげ……あれ、奈緒?」
身体を離した途端、奈緒の腰がかくんと落ちた。
慌てて奈緒を横たえると、寝起きみたいなぼんやりした表情をしている。
「ん……」
「もしかして、奈緒、イった?」
「そう、なのかな……。なんとなく、こんな感じになったことはあるんだけど、
今日はなんか、凄かった」
そう言って目だけで俺を見上げる。
そんな顔で凄かったとか言われると、嬉しいんですけど。
やばいんですけど。
すると奈緒の手が伸びてきて、ベッドの上に引き倒された。
「ね、総一。もうちょっとゆっくりしよ……?」
それは望むところだけど。
「買い物は、いいの?」
「うん。だって、明日もあるし」
「いいならいいけど」
「久しぶりに会ったんだもん。今日は、ぎゅっとしてたい、かなって」
「……そんなこと言うとまた襲うよ?」
早くも息子が復活しつつあるのを感じながら、奈緒の頬に軽くキスした。
たまには予定が狂うのもありかな、と思いながら。

310:普通?のカップル
10/01/11 22:31:51 ZqggBXX6
以上投げ。

普通すぎて面白くないとか、タイツのネタとかがもっと活かせそうなのに
思いつかないとかいろいろ。


311:名無しさん@ピンキー
10/01/12 17:00:32 DBepjGoJ
ナイス投げ!
これは良いエロ

312:名無しさん@ピンキー
10/01/12 19:49:42 VA/RZwT7
メインとして考えていたSS
ところがサイド用SSを早漏投下してしまい、つじつまが合わなくなる
続きが書けなくなったのでお焚き上げ 

*

「おまえだけはなんとしても助けてみせる。愛しい子、愛しいわが娘」

 ザナハリ軍に王都を幾重にも囲まれ、もはや猫の仔さえ逃げ出すこともかなわないと認
めたとき、タウフェジット聖王妃は降伏を宣言した。
 主力の聖騎士団は王とともに戦場で散った、地方領主は動けまい。いまの戦力では早晩
崩れ落ちるだろう。すこしでも余力を残した状態で危機をしのぎ、再起に備える。それが
上層部の判断であった。
 降伏調印ののち、聖王妃はすべての権限を剥奪され、王城の一角に幽閉される。 
「おまえのためならば、タウフェジットを差し出すことも厭わぬ」
 狂気の相を浮かべた母に強く抱きしめられ、聖王女はそっと瞳を伏せた。
 母からすればタウフェジットを思っての降伏ではない。じわじわと握りつぶされる恐怖
に心蝕まれた人々が暴徒と化して城に押し寄せ、聖王女をなぶり殺しにする、その未来を
避けるための行動。
 娘を守るためだけに。
「ただ一人の聖王女。おまえだけだ。おまえだけ。宝石の姫よ。世界はおまえにひざまづく」
「尊い御心、ありがとうございます、お母様」
「この艶やかな銀の髪、渦なす白銀の輝き。瞳はどうだ、なんという緑。美しきわが娘。
おまえは誰よりも美しい……そう……あの女より……」
「お疲れになりましたか。お水はこちらに。さあ、ゆっくりなさってくださいませ」
「どこへ行くの……だめよ……」
「私はどこへも参りませんよ。いつでもお母様のお側に。こうしてずっと手を握っていま
すから」


 聖王女はザナハリ軍が支配する王城で、精神の均衡を失った母親を見舞うため、わずか
ばかりの自由を許されていた。
 部屋から部屋へ。
 前後を黒衣の兵士に挟まれ、女官も伴わず歩む姿は、しかし凛として美しい。
 敗者の屈辱に苛まれていた者も、ひそやかに伝わる聖王女の誇り高さに涙せずにはいら
れなかった。

313:名無しさん@ピンキー
10/01/12 19:51:31 VA/RZwT7
 つまらないこと。
 聖王女は失望していた。
 吟遊詩人がこぞって歌いあげた麗しさ、貴公子は熱情をこめて恋を囁き、行き交う人々
の羨望のため息は途切れることがなかったというのに。ザナハリの蛮族どもときたら、折
に触れてちらちら目をやるだけの卑しい所作が苛立たしい。
 東方、身体に墨を入れる習俗を残す未開の小国にタウフェジットが負けるとは、想像だ
にしなかった。軍旗は黒、軍装も黒、洗練とはほど遠い姿に眩暈がする。
 このような者どもが蠢く地に嫁がれたのか、姉上様は。
 

「待て」
 礼儀を知らぬ声につ、と視線だけを流す。
 黒髪ばかりのザナハリ兵では初めての、赤を宿した男がいた。
「こちらへ」
 かなりの地位にあるのか、見張りの兵士たちが無言で従う。
 背が高い。聖王女の頭頂がようやく胸元に届くだろう。わずかに顔を傾ければ、たく
ましい戦士の体躯と荒削りな容貌が窺える。
「気が済まれたか?」
 不躾な視線を揶揄されて、聖王女は頬を染め俯いた。好奇を見透かされた怒りを隠す
ために。
「大公妃様はこのことをご存じでいらっしゃるの」
「立場を弁えろ」
「大公妃様に謁見の申し込みを。私は王族にふさわしい扱いを望みます」

*

ここまで
ザナハリ大公妃は聖王女の異母姉
幼い頃に母親が権力争いに負け、王族としての存在を抹消されました
侵略軍の先陣を率いる恐ろしい女性
このあと聖王女は玉座のない謁見の広間へ行きまして、商人と引き合わされます

314:名無しさん@ピンキー
10/01/12 19:53:08 VA/RZwT7
 何度か見たことのある顔だ。
「素晴らしい」
 たしか……プラーマの商人。
「まさに聖王女と見まがう気品、色香ではありませんか」
「痴れ者が。この私を誰と心得る。タウフェジットの聖王女ぞ」
「いや、演技も堂に入ったもの。王侯のごとく血肉にまでとは望みませんが、ある程度の
不遜さは必要でありますからな」


みたいな感じで偽物認定くらったあげく


「おお、聖王女様は母君のご乱心により落命なされたとか。タウフェジットの方々にはお
悔やみ申し上げまする。比する者なき花と謳われた姫君はかくてザナハリの魔手より逃れ、
清らな身のまま人々の心に刻まれるわけですな、いやはや」


弔鐘が鳴り響き、聖王女は死んだということに
そしてプライドが高く認識の甘いお姫様は奴隷商の手に落ちてしまいます
<聖王女そっくりの娼奴>という触れこみで金持ち達からエロいことをされまくり、タウフェ
ジットという国はザナハリが吸収、地図から消えましたとさ


令嬢、女官、王女の三部作となる予定でしたが断念
なーむー

315:名無しさん@ピンキー
10/01/15 22:56:20 7TZt4uxs
ナイス投げ

316:名無しさん@ピンキー
10/01/20 15:24:10 XGmlkEjx
あれ三部作だったのか、残念
投げ乙

317:名無しさん@ピンキー
10/01/25 16:23:27 EvubSR2S
保守

318:名無しさん@ピンキー
10/01/28 01:52:47 SCJu8SXt
書いてる途中で漫画本編が進んでしまったので投下



千鶴は大いに悩んでいた。
放課後に風早をつかまえて口を割らせてからずっと、家に帰るまではおろか
家に帰ってからも、床をごろごろと転げ回りながら悩んでいる。
既に風呂も食事も済ませ、そろそろ寝る時間だというのに、一向に眠気が訪れない。
先程の爽子の件、ではない。
大きく関係しているのは事実だが、今の千鶴にはそれ所ではなかった。

「男は好きな女に触りたいと思うもの」

風早に言われた台詞が、頭でぐるぐると廻っている。
自分は龍に触れられた事はない。
頭を撫でられたり、慰める為に抱きしめられたことはあっても
男女として触れ合う事など皆無だった。
部屋に二人きりでいる時でも、ゲームや漫画、お喋りをするだけ。
あいつは、本当に自分のことを好きなんだろうか。
友達の延長、幼なじみの延長という事はないんだろうか。
風呂の中で見下ろした自分の身体を思い出して、思わずため息が出てしまう。
女らしい柔らかさのない身体。
「美しい」「可愛い」といった修飾語を付けようのない顔には
目つきが悪いと評するに遜色ない雰囲気が纏わり付いている。
これで女を感じろ、と言う方が無理なのかもしれない。
「やっぱ、触り甲斐がないよな」
自分の肩や足に手をやり、硬い感触に眉をしかめる。
大体、龍が悪いのだ。
自分に好きだと言っておきながら、何をする訳でもない。
部屋に行けば以前と同じ、口を開けば相変わらず。
これで安心しろと言う方がおかしい。
今日ずっと悩んでいたのは龍のせいだ。
ぜんぶ龍のせいだ。
決めた、龍が悪い。
折しも明後日からはゴールデンウイーク。
時間はたっぷりある。
対決して、白黒はっきりさせてやろう。
そもそも何を悩んでいたのか、主旨がずれている事にも気付ない。
千鶴は鼻息も荒く布団に潜り込み、苛立ちに任せて荒々しく寝返りを打った。

319:名無しさん@ピンキー
10/01/28 01:54:17 SCJu8SXt
しかも投下中にメモ帳とぶとかorz

320:名無しさん@ピンキー
10/01/29 00:57:11 O75CVXJa
>>319ヾ (゚Д゚ )…イ㌔

321:名無しさん@ピンキー
10/01/29 19:19:03 qhMK9xvT
>>318
ナイス投げ

322:名無しさん@ピンキー
10/01/31 20:12:19 ynLjQ/Fg
>>318


323:名無しさん@ピンキー
10/02/04 01:30:29 to1EOBLN
ヤンデレスレに投下しようと書いた長編のプロローグ的な話
完結させる暇がないのと、ヒロインの吃音症を上手く表現できず、投げてしまいました

 夕焼け。
 開け放った窓から、生ぬるいそよ風と共に聞きなれた掛け声が聞こえる。
 頬杖をついて、見下ろすグラウンドには、青春に汗を流す同年代の少年少女。
 その中のある場所に、俺の視線は固定されている。
 グラウンドに敷かれたダイアモンド。
 その中心、小高い丘に立つ一人の少年。
 彼は腕を大きく振りかぶって、手の中の小さなボールを投げる。
 直ぐに、カーンと小気味よい音が響く。
 高く上がった白球は勢いよく、空へ吸い込まれていく。
 このグラウンドに柵はなくホームランは存在しないが、普通の球場なら間違いなくホームランだろう。
 俺が通うこの、県内いや、全国でも十指に入るとされる強豪校の神明学園野球部で一番の強打者相手に、馬鹿正直に速くもない速球で勝負すればこうなることなんて明らかだろうに。
 ―俺が投げるなら、あんな惨めな醜態さらさないのに。
 そんな愚にもつかない考えが浮かんだところで、はん、と自分を鼻で笑う。
 何を今更。
 こんなところで、未練がましくかつて俺がいた場所を眺めている自分のほうがよほど惨めじゃないか。
 ズクンと左肩に鈍い痛みが走り、ち、と舌打ちして窓から視線を外す。
 放課からしばらくたち既に人気のないはずの教室に、一人、俺以外の少女がいた。
 同じクラスの少女で、名前は雛森小夜。
 見かけるたびにいつも一人で、誰かと話しているところなんて見たことなかった。
 なんでも、何ぞやの楽器がうまく多くの大会で賞をもらっているというような話を聞いたことがあったような気もするが、どうだっただろうか。
 つまり、俺にとっての彼女は容姿はいいが、今の今まで特に印象を抱くことのなかった少女だ。
 彼女は、机の上に置いてある教科書を、じっと見つめて微動だにしない。
 窓の外から少しでも意識をそらしたくて、俺は彼女にそっと近づいた。
 そして、彼女の視線の先にあるものを見て、
「成程」
 思わず声を漏らした俺に、びくりと肩を震わせ、少女は顔をあげた。
 どうやら、彼女も自分以外に誰かがいることに気づいてなかったのだろう。
 驚いたように見開いていた黒目がちな瞳が、やがて怯えの色を濃くしていく。
 俺はと言えば、彼女から視線を外し、再び彼女の机の上の教科書を未だ眺めていた。
 当然ながら俺が持っているモノと何ら変わりのないただの教科書。
 けれど、その教科書には汚い文字で悪辣な言葉がいっぱいに踊っていた。
「今時、こんなことする奴いるんだなあ」
 漫画やテレビの中でしか見たことのなかった、いじめの王道ともいってもよい代物に感心した声がもれた。
「あ……」
 少女が震えるような声で鳴く。
 かなり小さな声だが、透き通るような声。
 同じクラスになって、3ヶ月近くたつのに、初めて声を聞いた気がする。
 彼女はと言えば、ようやく俺の視線に気づいたように教科書をあわてて机の中に引っ込めた。
「なあ、お前ってエンコーなんてやってるの?」
 教科書にあった悪辣な言葉の一つの真偽を尋ねてみる。
 かなりデリカシーのない行為だが、今の俺はとにかくムシャクシャしていた。
 つまり、ムシャクシャしてやった、相手ならだれでもよかったっていうやつだ。
 ……あれ、なんか違うか?
 まぁ、半ばというか100%八つ当たりの俺の言葉に彼女は今にも泣きそうな顔をして、
「や、やって、ない……です」
「え、そうなの?でも教科書に書いてあったけど」
「あ、あそこに、か、書いてあるの……嘘、ばかり……です」
「ふうん」
 確かに目の前の少女は印象からしてそんな事をするようには見えなかった。
 触ると冷たそうだと思わせるほどの白い肌、黒目がちで大きな瞳は大粒の涙をたたえ、
 両側の一部を兎の耳のように黄色いリボンでまとめた肩よりも長い柔らかそうな黒髪。
 絶世の美人というほどでもないが、学年の女子の中でも上位に入るんじゃないかと思うその容姿からはどことなく、育ちの良さが感じられた。
 まぁ、だからといって、そういうことをやっていないとも限らないんだが。

324:名無しさん@ピンキー
10/02/04 01:32:19 to1EOBLN
「他にも何かされてんの?」
「……え?」
「いや、それって所謂いじめだろ。だったらこれだけじゃないのかな、と」
「……」
 彼女は俺の無神経な質問に答えず、俯く。
 それが、雄弁に答えを語っていることに彼女は気づいているのか。
 数秒の後、コクリとうなずいた。
 それから、興味本位な俺の質問に、彼女はやはりオドオドしながらも何故か答えてくれた。
 俺がもしも彼女だったら絶対に、一発殴るなり引っ叩くなりして罵倒して、逃げるだろうけど彼女はそうはしなかった。
 彼女の性格がそうさせているのかもしたら、それよりも彼女は話したかったんじゃないだろうか。
 誰でも、どんなことでもいいから、彼女は同年代の人と話したかったんじゃないだろうか。
 未だ濃い怯えの色の中にほんの少し、嬉しそうな色が混ざっているのを見つけ、何となくだがそう思った。
 

 彼女の説明によるといじめは、去年、つまり高校1年の春過ぎから続いていて、いじめの原因はある同級生の告白を断ったことが発端となったという。
 告白を断っただけで、いじめなんてどこの漫画の中の話ですか、と言いなくもなったが真実らしかった。
「こ、こ、告白だけなら、今まで何度か、け、経験があるの」
 話しているうちに敬語は治っていたがうざったい吃音は相変わらずだった。
「……自慢か!告白なんて日常茶飯事ですよってことか!」
 何となく、場を盛り上げようとそんな風におどけてみる。
 すると彼女は、びくりと体を震わせて、
「そ、そ、そんなんじゃ、ない、もん」
 と、泣きそうな顔をした。
「泣くなよ、ただの冗談だろ」
「う、うん。わかって、る、けど……」
「で、告白され慣れた雛森は他の女子の嫉妬を買いましたってことか?」
「だ、だか、ら、別に慣れてる、わけ、じゃない……。それに、い、いじめられてる、原、因はそうじゃなくって……」
 そこで彼女は言葉を切って考え込むようなそぶりを見せた。
 窺うように俺の瞳を覗き込んでくる。
 その上目遣いに少しだけ、心臓が跳ねたが、気付かないふりをする。
「なんだ、相手のことを気遣ってんの?別に誰にも広めたりしないって」
 そんなことよりも、こんな中途半端で話を止められたら気になって今夜眠れなくなってしまいそうだ。
 しかし彼女は、ふるふると首を振る。
 どうでもいいが、さっきから雛森の行動はやけに小動物チックだ、と兎の耳のように跳ねる髪を見て思った。
 ……狙ってやってるんじゃないだろうな?
「そうじゃ、なくて、う、う、宇佐美、くんは、知らない、の?」
「は、何を?」
「え、と、わたしが……い、い、いじめられてる、原、因」
「なに、そんなに有名なのかその原因って」
「わかんない、けど、多分……」
「ふむ、まあ俺はそういうのに頓着しなかったからな」
 正確にはそれどころではなかった、というところだろうか。
 1年前はそれより夢中になることで忙しかったし、最近は、周囲のことに気を配る余裕もなかった。
 だから、その有名な原因とやらを知らなくても不思議ではない。
「い、飯尾くんって、知って、る?」
「……飯尾、ね。このクラスの委員長で野球部のエースだろ」
「うん、去年その人に、こ、告白されたの」
「へぇ……あいつがねえ」
 クラス委員長である飯尾一樹の姿を、思い浮かべてみる。
 中学から一緒だった背が高く、切れ長の目をした彼は、性格も誰とも分け隔てなく接し、優しく温和で女子、男子ともに信頼が篤く、人気もそこそこあるほうだろう。
 学力、運動神経ともに並み以上の才能を持っていることも人気の一因と言える。
 しかし、俺に対しては以前から必要以上に突っかかってくるので正直辟易としていた。
 それは、俺が野球をやめた今となっても変わらず、たびたび俺に対し勝ち誇ったような、小馬鹿にしたような表情を見るたびに殴りたくなる衝動抑えるのに苦労していた。
 表では愛想良く、人当たり良い人間を演じているが、気に食わない人間などには才能を鼻にかけた傲慢さで見下した態度をとるような男であった。
「んで、その飯尾が断られたのを逆恨みしていじめを主導してるってわけ?」
 少し剣呑になった俺の声色に雛森は、びくつきながらも小さく首を振るような、頷くような曖昧な仕草をした。

325:名無しさん@ピンキー
10/02/04 01:35:47 to1EOBLN
「正確にはそうじゃ、なくて。何故、か、わたしから飯尾、君を誘惑して、告白した飯尾君を、こっぴどく、ふった、ことになってて。
 みんな、その話を信じて、気が付いたら、誰も、わたしと、はなしてくれなくな、ってて……。も、ものを、かくされたり、らくがきされたり、してっ……。好きだった、ぶかつもやめなきゃ、いけなくなって」
 途中から雛森の声に嗚咽がまじる。
 また泣くのかよ、と心中で舌打ち交じりのため息をつく。
 好きだった部活、のくだりでまた痛みが走った左肩をさすりながら雛森を初めて可哀そうだと思った。
 暫く―雛森が落ち着くまで待って、
「んで、いじめの原因となる噂を流したのが飯尾ってわけか」
「うん……」
「証拠は?」
「告白の、次の日、い、飯尾君、が、話してるの、みた、から」
「はあ?それならその時、違うとでも否定すれば良かったんじゃないのか?」
「ひ、否定、したけど、誰も……」
「信じてくれなかったってわけか」
 小さく、頷く。
 そういえば、と思い出す節があった。
 友達との会話の中でそういう噂を聞いた気がする。
 その時は、俺の精神状態は最悪で話半分に聞いていたし、特に俺を馬鹿にするようになった飯尾の話題は当時の俺にとってタブーに近く、友達もそのことを重々していたのか、その話は直ぐに終わり、以来話題に上らなかった。
「にしても、誰かを振ったってことでいじめにつながるとはな」
「飯尾君、人気者、で、い、い、良い人、だから」
「ふん、良い人、ねぇ」
 まあ、大多数の評価がそのまま、その人物の姿を的確に表すとは限らない、ということだろう。
 それに、雛森がいじめられる原因は、もちろんその噂とやらが最大であろうが、彼女の容姿なんかも関わっているのかもしれない。
 なんというか、なんともベタな話である。
 使い古されて、カビでも生えてるんじゃなかろうか、というくらいには。
 そんなことをぼんやりと考えていると、チャイムがなった。
 時計を見ると、どうやら下校のチャイムらしい。
 あと幾分もすれば、教室のカギが自動的に閉められ、教員の見回りが始まる。
 見つかったからと言って別に何ということでもないが、女子と二人遅くまで教室に残っていると変な誤解を買いそうだし、いろいろと面倒そうだ。
 それに、あと数十分後には駅前のスーパーで夕方のセールが始まる。
 わけあって一人暮らし中の俺にとって、食費というのは決して馬鹿に出来ないものである。
「じゃあ、俺もう帰るわ」
 そう言って席を立った俺を、雛森が見上げてきた。
 何故かその顔が、残念そうに見えるのは気のせいだろうか。
「あ……は、はい」
 わたしも、帰り、ます、と雛森は呟き、鞄の中に件の教科書や筆箱を入れ始めた。
 何となく気付いていたが、彼女の動作は何と言うか無駄が多く、鈍い。
 簡単に言うと、トロ臭い。
 その様子を何とはなしに眺めていると、準備を終えた雛森が、俺の様子をうかがってくる。
「え、えと……」
 雛森を眺めて動かない俺に、戸惑ったように、きょろきょろと周囲を見わたしたり、自らの髪の毛をなでつけたりと忙しない。
 ふと、俺の手が吸い込まれるように、彼女の頭に乗った。
「ふ、ふぇ?」
 戸惑う雛森をよそに、ふわふわと柔らかい髪の感触をたのしむ。
 そして、わしゃわしゃと髪の毛をないかき回しながら、
「一緒に帰ろう」
 雛森は、え?と目を白黒させて。
 俺は笑みをこらえながら彼女の返事を待たずに、くるりと踵を返した。
 我ながら俺らしくない行動だとは思うが、
「え、え、え?」
 何が起こったのか理解できないというような声を背中に聞きながら、教室を出る。
 すると、ぱたぱたと慌てたような足音が聞こえてきた。
 足音は俺の数歩後ろで、ゆっくりとなる。
 背中に、彼女の窺うような視線を感じながら、
「なあ、雛森の家ってどこだ?」
「え……」
「ちなみに、俺の家は新市街あたりなんだけど」
「あ、わ、わたしも……」
「あ、そうなん?んじゃあ、同じ電車に今まで乗ってたんだな。朝何時発?」
「えと、7時5分」

326:名無しさん@ピンキー
10/02/04 01:36:31 to1EOBLN
「えと、7時5分」
「早すぎだろ、いくらなんでも。そんな早く来て何してんの?」
「本、読んだり、授業の、予習とか」
「……」
 暗っ!という言葉を飲み込み、下駄箱から靴を出し、上履きと履きかえる。
 まぁ、皆からシカトされてるならそれ以外にやることはないか。
 横を見ると、のろのろと雛森が靴を履き替えている。
 生来のものであろうドン臭さに、俺を待たせてる意識があるのか、妙に慌てていて、わをかけて遅い。
 はあ、とため息一つ。
 しかし、そのため息が少し、弾んでいることには気のせいだと信じたい。
「置いて行ったりしないから、そんなに慌てんな」
「あ……うん」
 うなずき、ようやく靴を履き終えて、黒目がちな目でじっと見上げてくる。
「よし、行くか」
「う、うん!」
 喜色に声を弾ませて、雛森はうなずいた。
 初めて見た彼女の笑顔に、心臓が小さく一つ跳ねた。
 気付かないふりをして、少し速足で歩きだす。
 彼女が告白に慣れている理由も、まあ、頷ける。
 雛森は、再び俺の後をついてくるが、今度は俺の半歩から一歩後ろ、ほぼ俺の隣を歩いていて彼女の表情がうかがえた。
 雛森は目を細め、柳眉をさらに下げて口角を小さく上げている。
 その表情を横目で見ながら、俺は自分の行動の原因を考えていた。
 正直、俺は今まで生きてきて自分のことを優しいと思った事なぞ一度もないし、他人からそう称されたこともない、と思う。
 かといって、冷血人間ではないと信じたいが、真っ向から否定できるかと言われると痛い。
 この至って俺らしくない行動の原因は、やはり雛森が言った好きだった部活云々が関係しているのだろう。
「なあ、雛森って何か楽器がうまいって聞いたけど本当か?」
「え……う、うん、ヴァイオリン、なら……」
 俺の質問に雛森は予想外にも、頷いて見せた。
 お、と思って彼女を見つめると、彼女は照れくさそうな顔をして。
「わ、わたし、小さいときからいっぱい努力したから。その分の自信はある、から」
 彼女にしては妙に滑舌よくしゃべるその姿には、自信の色が見て取れた。
 でも、とすぐに雛森は声を落とす。
「でも、オケ部でも、部員皆に、む、無視、されて。わたし、悪くない、のに、やめなくちゃいけなく、なって……」
「何で?好きならずっと続ければよかったんじゃないのか」
「ううん。お、オーケストラは、まとまってなきゃ、だから。一人でも、な、仲間はずれが、いたら、その人がどんなに上手でも、足手まといにしか、ならない、から」
 今度は自慢か!と茶化すことはしなかった。
 また、ぼろぼろと涙を流す彼女にかける言葉を探したが見つからなかった。
 どうすればいいのか迷っていると、彼女はすぐに泣きやみ、
「ひ、弾くのは好きだけど、一人でやっても、つまんないし。やっぱりコンクールとかで、たくさんの人の前で弾くの、楽しいし」
「へぇ、緊張してコンクール苦手な印象があるけどな」
「うん。緊張はするけど、ね、でもやっぱり、皆に聞いてもらいたいって気持ちが、強いから」
「やっぱり、プロを目指してたりするのか?」
「うん!ソリストは、難しいけど、国内のオーケストラに所属できたらな、って思うの」
「じゃあ、留学とかするのか?」
「ううん、今は留学しなくても、国内の学校でもレベル高いところが、一杯あるから」
「へえ……」
 彼女の眼に涙はすでになく、キラキラと別の輝きをもっている。
 その様子を見て、彼女を応援したいと強く思った。
 ―俺は、とうに夢に破れてしまったから。
 破れてしまった俺の夢を、彼女に託したいと、身勝手な想いが湧いてくる。


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