【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】at EROPARO
【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】 - 暇つぶし2ch100:名無しさん@ピンキー
08/12/30 18:39:31 +v+Romaq
保守

101:名無しさん@ピンキー
08/12/31 22:36:28 Jdea9Wip
>>99
供養つき合ってくれてTHX
よいお年を

102:名無しさん@ピンキー
09/01/03 01:18:27 XYuIMPDo

「ごめん。」

とける白い息に、混じらせて体育館の倉庫で先輩は俯いた。
小窓から見える冬空は水色に澄んでいて、手をかけたポールは冷えていた。



「さる。いつまで落ち込んでんだよ」

角のスーパーへお使いに行くとジャージ姿の友人がいた。
隣の家に住む幼馴染だ。
「……うるさいな。誰がサルよ」
"卵1パック/牛乳2本(低脂肪の)"と書かれたメモを握り締めて、がっくりする。
人が落ち込んでるのにやめてほしい。
「勝利には関係ないでしょ。あたしが落ち込んでようと暗かろうと」
「んー。愛が寝てると朝が静かだよな」
「うるっさいなあ」
眠ろうとしても買ったばかりの携帯を無駄に見つめてしまって眠れないんです。
今までの時間に起きられなくて遅刻しそうになるのもしょうがないでしょうが。
賞味期限をチェックしつつ奥に手を伸ばして新鮮なのを引き寄せる。
よ、とパックの両脇に指を入れて籠に移した。
スーパー特有のBGMに特売タイムサービスのアナウンスがカットインした。
勝利が反応してパン売り場に去っていった。
忘れることにして、さっさとレジに並ぶことにする。
ひとつ向こうの台ではクラスメートのお母さんがレジを打っていた。

冬の外は寒い。
夕方ならなおさらそうで、黒い電線がやけにくっきり空に写っている。
マフラーに顔を埋めるようにして歩いた。
高めの位置で二つ結びにした髪が、頬にかかってちょっと邪魔だった。
ポケットには安全のためにとお母さんが持たせた携帯電話。
荻野部長とつきあうときに新しく買ってもらったのに無駄になってしまった。

―もちろん、振られたことはショックだったのだけれど。
(暫く跳び箱の影で、マットに伏せって泣いた。)

荻野部長が悩んでいたことを全く気づかなかったことに
もうどうしようもないくらいのショックを受けて立ち直れなくなった。
結局、あたしは子どもなのだ。
こんなに、自分のことで精一杯だっただなんて。

---------------

年明け早々ですが。
幼馴染のふたりで時々埋めネタに投下していたもの、
もう続きが思いつかないのでお炊きあげします。

103:名無しさん@ピンキー
09/01/11 11:16:32 Uo1Xc/BM
保守

104:名無しさん@ピンキー
09/01/11 21:16:53 hxVSQD9f
>>102
幼なじみ萌えたよー

105:名無しさん@ピンキー
09/01/22 23:09:27 iZG0u4BO
ホッシュホッシュ

106:名無しさん@ピンキー
09/02/01 19:20:28 GIRGX/wJ
保守

107:名無しさん@ピンキー
09/02/03 23:36:30 PwMDszzs
「ね、アルノルト先生、なんだかごつごつしているでしょう」
「はい、いや、ええと……」
この状況でどう答えたものか。アルノルトは眉を歪ませて「なんとなくですが」と曖昧な返事をした。
視界は彼の使える主人の背中で遮られていた。彼女と同じ名前のバラ色、薄いピンク一色である。
柔らかく寄った皺まで美しい絹の生地がさらりと動いた。セシリアが振り向いたのである。
「なんとなくですか?」
ゆっくり、はっきり、おっとりした発音でセシリアが尋ねた。
小さな頭を傾げたときに長い金の髪が背中に流れ、セシリアを抱えるアルノルトの腕を擽った。
唇を引きつらせ、ますます硬直したアルノルトをじっと見おろすのは目尻の柔和に下がった小鳥のような目。樅の幹の色をしている。
アルノルトは彼女の眼差しを常々温かい素敵なものだと思っていたが、この至近距離だと話は違う。
彼はセシリアの顔から目を逸らし、自分の太腿に乗る小さなお尻を見、また慌てて目を閉じた。
「先生?」
「あ、申し訳ございません。ええ……いえ、痛くなんてありません。決して」
「そうですか。ありがとう。下ろしてください」
「はい」
心底ほっとして、アルノルトは少女の腰を抱いた。
猫を持つように(主人に対して失礼な例えだが)セシリアを床に下ろし、自分も大急ぎで椅子から立ち上がる。
彼女の座っていた太腿から、さっと熱が逃げてゆく。
体の前面にわずかに残ったぬくもりと重みの余韻、それから髪の甘い匂い。勘弁してくれ、とアルノルドは胸のうちに呟いた。
大体今の時間は詩文学の時間だったはずだ。
さあ今日はお嬢様は何分でお眠りになるだろうかと思いながら扉を開けたのが五分前のこと、彼女はアルノルトに仕事をさせてくれなかった。
開口一番こう言ったのだ。
『アルノルト先生、私のお尻ごつごつしているらしいの』
お母さまが昨晩仰ったのです。ええと、昨晩というのもお食事のときで、ええ、あらかた食べ終わったところなんですけれども。
そうそう、デザートのバニラアイスにかかったラズベリーソースが、(中略)、
それで、あなたは小さい頃お尻が薄かった、膝に乗せるとお尻の骨が当たって痛かったのよ、と仰られて。
『……なのです。先生、お膝の上に座らせていただいてもよろしいかしら?』
『よろしくありません』
いつもの要領を得ない長話を聞き流し、アルノルトは結論にだけ当然の即答をした。
セシリアは心の底から驚いた顔で、「まあ」と一言だけ発した。
これはあれだ。断られることを想定していなかった顔だ。
このあとはきっと不思議そうな顔になり、悲しそうな顔になり、泣きそうな顔になり―最後には花も恥じらう笑顔で、絶対にこう言うのだ。
『ありがとう、アルノルト先生。はい、どうぞ。私の椅子に腰かけてくださいね』
折れたアルノルトは胸中を見せない無表情で、瀟洒な花柄の椅子に腰かけた。
傍から見るとさぞや面白い絵であっただろう。無骨な青年が小さな椅子に座り、その上に華奢な美少女が腰掛ける、という。
ちなみに、教師たるもの教え子に嘘は教えない。
セシリアのお尻は丸くて小さいという事実は、アルノルトのよく覚える頭に鮮烈な体感として刻まれたのである。

108:名無しさん@ピンキー
09/02/03 23:37:11 PwMDszzs
クロフォード家の次女であるセシリアは御年十七歳。
それぞれ二つずつ年の離れた姉と妹がいるが、明晰揃いの姉妹の中で彼女だけは(いい意味でもその倍ぐらいの悪い意味でも)毛色が違っていた。
良く言えばおっとりと慎み深く清楚で大人しい。悪い意味では一言、ぼけている。
深窓の令嬢の世間知らずが行き過ぎたというレベルではないこともしばしばで、七歳の頃から彼女を知る家庭教師のアルノルトは、
諦め半分苛立ち半分、はみ出たところにどうとも表し難い妙な愛情を持ってセシリアに接してきた。
「ねえアルノルト先生、どうしてここは十二分七だなんて中途半端な答えになるのかしら?」
「正解です。良くできました」
「できました先生。答えは七です。私、七って好きです。アルノルト先生のお誕生日は七月七日ですし、私が初めてあなたにお会い……」
「間違いです。やり直して下さい」
「はい……」
 数学の時間ならばこう。
「それより、先生の国の言葉で、愛してるってどういう発音だったかしら?」
「イッヒ・リーベ・ディッヒ」
「まあ嬉しい!」
「知りませんよ」
外国語の時間ではない。政治学の時間である。とにかく万事がこんな風で堪らないのだ。
アルノルトはスーツのズボンを引っ張った。
皺など寄っていないと分かってはいたが、まだ柔らかい感触の消えない太腿がどうにも収まり悪かったのだ。
詩を朗読するセシリアの肩越しに、ちょこんとした耳越しに、ふっくらとした頬を見る。
アルノルトは溜め息をついた。
セシリア本人に直接その容姿を褒めたことはないが―何と言えばいいのか分からない―心底思う。
こんなに可愛らしいのだから、中身がもう少ししっかりしていれば申し分なかった。
家庭教師として自分が不甲斐ない。嫁に出すのにも先々不安である。いやそもそも貰い手があるだろうか。
春を讃える言葉がアルノルドの耳に流れ込む。
仕事中のこと、口先だけはしっかりとセシリアのラテン語の発音を訂正するのを忘れずに、アルノルドはぼんやりと窓の外を見つめた。
色とりどりのバラと昨夜の雨に艶めく芝生、季節の花のアーチと噴水は小さくともおしゃれで凝っている。
この授業が終わったらテラスでお茶にしましょう、とセシリアが言っていた。
クッキーをつまみながら脈絡も取り留めもない長話をテンポ悪く自分に語りかけるセシリアを想像し、アルノルトは苦笑した。
『そう思いませんか? アルノルト先生』、柔和な頬笑みを浮かべ、小首を傾げて尋ねるセシリア。
今日も庭を散歩する時に手を繋ぎませんかとせがむだろうか。家庭教師離れをさせるために断り続けてもう三か月も経つのだが。
「アルノルト先生、どうかされましたか?」
は、と顔を上げ、アルノルトは自分の意識がここにあらずだったことに気がついた。
「申し訳ございません」

109:名無しさん@ピンキー
09/02/03 23:37:39 PwMDszzs
セシリアが小鳥のような目を瞬きさせ、失敗したアルノルトを物珍しそうに見つめた。
「庭に何か、面白いものがおありかしら?」
「いいえ」
きまり悪く姿勢を正し、アルノルトは腕を伸ばしてセシリアの持つ本のページをくった。
セシリア様、三行目からお願いします。言うと、彼女は首を振った。
「休憩にしませんか? 私、お腹が空いちゃいました」
普段ならば時計を見て一蹴するところであるが―アルノルトは眉を寄せた。
セシリアが膝の上に座ってから調子が悪い。そうですね、と低い声で答える。
「あの……何か気に障ることが?」
セシリアが白い指を伸ばしてアルノルトの服の裾を摘まんだ。
不機嫌さを隠しきれずにひと回りも年の違う主人に気を使わせたことが情けなかったが、セシリアの無垢な行動がまた微妙にアルノルトの眉間の皺を濃くした。
「いいえ」
「本当ですか?」
「はい」
優しげな眼差しでアルノルトをしばらく見つめていたセシリアは、だったら、と唇を動かした。
「お茶が済んだら、お馬に乗せてください」
散歩ではなく相乗りと来たか。
「お言葉ですが、セシリア様」
今度こそ、アルノルトはきつくたしなめることを堪えなかった。
「セシリア様は大きくおなりです。例え慣れ親しんだ私のような家庭教師でも、男の膝の上に座ったり、相乗りをしたりすることは控えるべきかと思われます」
「まあ。私ったら……」
「はい、どうか慎み深く思慮深く―」
「太ったのかしら? そんなに重かった? ごめんなさい、私気付かなくて……お馬さんが可哀想でしょうか」
溜め息を吐く。
「そういうことではありません」
ではどういうことなのでしょう?
セシリアがそう尋ねたがっているのが分かった。
茶色の瞳が怒られるのを待つ時のふるふる震える視線をアルノルトに注いでいる。
「いつか、いえ、もうきっと近いうちに、セシリア様はご結婚されます」
結婚、と口にした途端、妙な胸騒ぎが胸に飛来したのに気付かないふりをして、打たれたような表情のセシリアにさらに告げる。
「そんなときに、ほいほいと夫以外の男に慣れ慣れしくしてはクロフォード家の名に傷が付きます。そうでなくても、あなたが夫以外の膝の上で抱かれ―いや失礼、とにかく……なりません」
アルノルトの言葉を理解するため、しばし沈黙した後、セシリアは一言ひとこと、穏やかに吐き出した。 
「男性の方と親しくなんてしたことはありません。私には……よく、分かりませんが。
結婚するのだとしても、アルノルト先生に優しくしてもらうことは、私はとても嬉しいのです。
嬉しくては、ダメなのでしょうか。アルノルト先生となら、アレックス様も問題ないとおっしゃるはずです」
「アレックス様?」


ここまで

110:名無しさん@ピンキー
09/02/03 23:38:22 PwMDszzs
アレックス様は彼女のフィアンセ
アレックス様の存在にショック受ける家庭教師
→ぼけぼけと「結婚したらどうしたらいいのか不安です」というお嬢様

「キスってどんなのですか?」
「こんなのです」
「セックスはどうすれば……」
「こうします」

→なんだかんだで思いを告げられずにいる家庭教師とようやく家庭教師が好きだった(性的な意味で)んだと気付くセシリア

(おしまい↓)

「私、思うのですが、アルノルト先生は私を攫えば良いのではないかしら」
「良くないです」
「では私がアルノルト先生に攫われますわ」
「それも一緒です、良くないです」
「ではどうすれば……私、あなたに汚されてしまいましたもの。もうお嫁には行けないみたい」
分かっていてしたことだが本人の口から汚されただの嫁には行けないだの聞かされるとやはり胸に来る。
とんでもないことをしでかすのだという自覚は最初からあったし、首も追放も覚悟の上だったが、
途方にくれたような、かつすっきりと泣きはらした目でわけのわからない提案を繰り広げるセシリアを前にすると後悔はとめどなかった。
はっきりと分かっていることは、セシリアが嫁に行くことをこのような卑劣な手段で遮るほど疎ましく思い、つまりよっぽど、自分はこのお嬢様のことが好きなのだということだ。
不幸せにはしたくなかった。どの口が言うのだと、自分でも思うけれども。
「ええと……ええと……」
駆け落ちしましょう。私の国に来なさい。
言いかけた言葉を噛み殺し、アルノルトの服の裾を摘む指を見た。少し蒸気した手は、逃がされることを恐れるようにアルノルトの視線からも逃げようとはしなかった。
「お父様に、言います」
目の前の真っ暗になるような感覚に耐えながら、アルノルトは静かに返事をした。
「……そうしましょう。嘘を吐くのは、絶対にいけませんから」

→「私この人と結婚する」って言うセシリア
→びっくりしたり呆れたり嬉しかったりなアルノルト
→父と婚約者涙目
→二人はいつまでも幸せにぼけぼけと暮らしましたとさ

めでたしめでたし

111:名無しさん@ピンキー
09/02/03 23:39:27 PwMDszzs
主従スレの家庭教師×おっとりお嬢様というレスに萌えたので書き始めたけど
壊滅的に時間がないのとネット離れするのとで続きが書けそうにない
なくなく供養チーン

112:名無しさん@ピンキー
09/02/04 05:36:36 QFrjatIo
GJ!
ありがとう萌えた

113:名無しさん@ピンキー
09/02/04 08:52:16 JIiNFbqL
>二人はいつまでも幸せにぼけぼけと暮らしましたとさ
GJ!!

114:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:52:14 YH50fzgL
             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【ドラえもん】 ガチャ子の祟り 【ガチャ子】
     ,__     | ガチャ子、迷わず成仏してくれ スレリンク(occult板)
    /  ./\    \______________
  /  ./( ・ ).\       o〇..      ヾ!;;l;::lilii|//"
/_____/ (´ー`) ,\    ∧∧         |;;l;;::|liii|/゙
 ̄|| || || ||. |っ¢..|| ̄   (,,  ) ナモナモ    |;;l;;::||iii|
  || || || ||./,,, |ゝ iii~    ⊂  ヾ..        |;;|;l;::i|ii|
  | ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 .(゙  ,,,)~ wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr

摩訶般若波羅密多心経

観自在菩薩。行深般若波羅密多。時照見五。
蘊皆空度。一切苦厄。舎利子色。
不異空空不異色色。即是空空。即是色。
受想行識。亦復如是。舎利子是。諸法空想。
不生不滅。不垢不浄。不増不減。是故空中。
無色無受想行識。無眼耳鼻舌身意。
無色声香味触法。無眼界乃至無意識界。
無無明亦。無無明盡。乃至無老。
死亦無老死盡。無苦集滅道。無智亦無得。
以無所得故。菩提薩タ依般若波羅密多。
故心無ケ礙。無ケ礙故。無有恐怖。遠離一切。
顛倒夢想。空竟涅槃。三世諸仏依般若波羅密多。
故得阿耨多羅三藐三菩提。
故知般若波羅密多。是大神呪。是大明呪。是無。
上呪。是無等等呪。能除一切苦真実不虚。
故説般若波羅密多。呪即説呪日。
羯諦羯諦。波羅羯諦。波羅僧羯諦。菩提娑婆訶。
般若心経


115:名無しさん@ピンキー
09/02/05 03:47:37 XGWlWmgz
ちょw

116:息子×母【00】
09/02/06 21:47:31 alc7XlmF
やってる部分の描写だけだがお焚き上げ。
本スレ投下分の続きで没ネタ。近親相姦もの。
子熊ファンは読まない方が良い。
息子16歳位久しぶりに寄宿舎から帰ってきた設定。
その後に母親死亡、と考えてたので設定的にもNG。
---------------

「あ、ああ…あなた……んっ…ああ」
リビングから悩ましい声がする。
母さんだ。
父さんのシャツを胸に抱いて。
あの夜みたいに下着の絡んだ片足を
テーブルの上に載せて。
足を開いて。
自分の指で。

僕の中で、何かが弾けた。

リビングの扉を乱暴に開け放つ。
バタン!という音に驚いた母さんが
はっと目を見開いて僕を見る。

あわてて足を閉じ、スカートをおろしても、
もう遅いよ、母さん。

僕はベルトを外しながら、
ソファの上の母さんにのしかかった。

「あ、アンドレイ?!」
驚いた母さんがもがく。
僕は乱暴に母さんのエプロンをはぎ取り、
セーターの裾から中に手をつっこむと
胸の上まで下着ごと引き上げた。
柔らかそうな白い二つの丸い胸が
誘う様に目の前で揺れてこぼれ出る。
その片方に、僕は夢中でむしゃぶりついた。

「アンドレイ!!」

ヒステリックな叱責にも似た声。
だけど、それだけじゃない。
母さんの中の、女の怯えを感じて、僕は昂る。
なんとか体制を入れ替えて逃れようと
もがく母さんの太腿を片手で抱える様にして持ち上げる。
足の間に自分の身を割り入れて、僕は母さんをさらに
自分の体の下に引きずり込む。
「やめっ、やめなさいっ!アンドレイッ!!」
僕はズボンをおろして露にした自分の股間を、
母さんの大事な所にこすりつける様に押し当てる。
「!!」
わかるよね、母さん。
もうこんなに固くなってる、僕のモノ。

117:息子×母【00】
09/02/06 21:48:00 alc7XlmF
母さんのあそこに触れて
僕のはさらにムクムクと大きくなる。
片方の胸をジュルジュルと音を立てて吸い、
片手でもう一方のこりこりしている胸のてっぺんを
軽く捻るようにいじくると、母さんの体がビクッと震える。
唇をすぼめてもう片方の先端も吸い上げ、舌でコロコロと
弄ぶ。

「んあっ!…う…や、やめなさいっ!」

まだ抵抗するの?母さん。
母さんのアソコ、どんどん濡れて熱くなって、
押し付けた僕のをヌラヌラにしてるのに。

僕は固くなった自分のモノで母さんのアソコを探る。
入り口の辺りに僕のがひっかかって、ほら、
もうヌルヌルすぎて、このまま僕のが入っちゃう。

「あ、ああ!だめ!だめよ、アンドレイ!挿入れちゃだめっ!」

できないね。
僕はゆっくりと、母さんの中に自分のモノを突き立てる。

「あ、あ、あああだめ、だめ!」

ぬぷっという音がしたの、聞こえた?母さん。
「やめて、お願いだから!アンドレイ!やめてぇ!」
何言ってるの。
母さんの体、僕を受け入れてくれてるじゃない。
あったかくて、ぐちょぐちょで、優しく僕に吸い付いてくる。
僕の、もう根元まで…きっちりと…ねえ。
「…欲しかったんでしょ?ここに」
思わず声に出して語りかると、母さんが息を呑む気配がした。
僕は勢いづいて言葉を続ける。


118:息子×母【00】
09/02/06 21:48:25 alc7XlmF
「父さんが…任務任務で構ってくれないから…自分でしてたんでしょ?」
「あ、アンドレイ、それは!」
「ならいいじゃない、僕が父さんの代わりに」

言いかけた所で、パアンという音と共に頬に衝撃が走った。

叩いた手をかざしたまま、燃える様な目で僕を睨んで、
母が激昂する。

「あんたなんかに父さんの代わりができる訳ないでしょう!!」

僕の中で、
それまでの甘い熱気の様な物が、
すーっと引いていった。

冷えてゆく頭で、
僕はかつてこのリビングで見た光景を思い出す。
あの時の父さんの、腰使いを。

僕は無言で、記憶の中のその動きを
自分の体を使って再現しはじめた。

あのリズムで。
抜きと深さで。
打ち付けて。
離れて。

母さんの中が、怯えた様にひくんっと震える。
僕の下で、母さんがあからさまに動揺しはじめたのがわかる。
そうさ。
母さんはあの時
この動きで狂わされてたんだ。
ならば同じ動きで…僕だって…。

「あ、あ、いや…!だめ!や、やめなさ…あ、アンドレ…ああ」
やめないよ母さん。
あの時見たいに狂って。
僕でイクまで、やめない。

僕はあの時に見た父の動きを思い出す。
ときどきリズムを変えて
ゆっくり深く突いて
とどまって
そして今度は
早く
浅く
腰を振って
また深く深く突き上げて
そのまま奥をえぐる様に
腰をグラインドさせて
それからまた
早く
浅く…

忘れようとしても、
脳裏に灼きついて離れずに、
今までさんざん瞼のウラに浮かんでは
夜中に僕を悩ませ続けた、あの光景を再現する。
正確に。この目で見た、父の動きそのままに。

119:息子×母【00】
09/02/06 21:48:45 alc7XlmF
「やあっあ、あっ!ああいや!あ、ああぅっ…ふ、うっ、くうぅんん!」

感じまいとしてるんだね。
声を一所懸命堪えて。
真っ赤な顔して。

「はっ…ああっ!んっ…くはっ!あっ…ぁんん!うぅ…ん、んやっぁ…!」

かわいいよ母さん。
悔しいの?
父さんじゃないのに父さんと同じ動きの
僕で感じちゃうのが、悔しいんだね?
でも…目を閉じちゃったらますいんじゃないかな。

「はうっ!!あはぁあああっだめ!やっ!
 やああああんっ!あぅう!っんああああ!」

ほら。
視覚が消えたら
記憶の中の父さんそっくりな僕の動きで、
ますます感じちゃうだけなのに。

「あああっ!だめぇぁああ!もっやあああん!ふぁんっ!はあんっ!」

母さんの中がどんどんグチュグチュ、
ドロドロになってく。
ああいい、気持ちイイよ、母さん。
僕が動くたびに、キュウキュウ締め付けて
ヒダ襞が蠢きながらぴたぴたと吸い付いて
撫でて、奏でて、擦り上げて…。

気持ちイイ。

父さんは、これを独り占めしてたんだ。
こんなに気持ちイイ母さんのここを。
独り占めしながら、寂しい想いをさせてたんだ。
父さんは酷い奴だ。
母さん、ね、そうだろう母さん。

僕は夢中で腰の動きを加速させる。

「はあうう!やあっ!ああっ!ああんっ!ああいいいっ!い、いあああ!」
限界なんだね、母さん。
気持ち良くなって。もっと。感じて、イって!

120:息子×母【00】
09/02/06 21:51:35 alc7XlmF
「イって…!母さんっ…!僕、でっ!イって!母さんっ!」
「あ、あ、あああ赦して!あああああっ………ッ!!!!!」
母さんの体が、僕の下で強ばる。
きゅううんと僕を締め付けてから
ビクンビクンと母さんのアソコが
リズミカルに収斂する。
「あ、ああ!母さんっ!僕もっ…イク…ッうううッ!!!」
母さんにぐりぐりと腰を押し付けながら
柔らかな肉の海の中に射精する。
ビュクン、ビュクンと繰り返し、幾度も。



-----------------------------------
で、このあと母は
「無かった事にするけれど今は一緒にいたくない、
 お願いだから、今日はもう寄宿舎に帰って」という。
息子はすごすごと立ち去る。
息子はさすがに後悔、だがこんなことになったのは
母にさんざん寂しい想いをさせた父がなにもかも全部悪いんだと
思い込もうとする。
そのすぐ後で赴任先で母は死亡。
見殺しにして帰ってきた父に、息子は自分の罪悪感を
隠す様に激しく叱責、父に初めて殴られる。
そして本スレ投下分の最後のシーンへ。

貶めるつもりはなかったのだが…結果的にひでえ奴になったしまったのと
本編見てたらファンがあまりにも気の毒でその意味でも没。

失礼しました。

121:名無しさん@ピンキー
09/02/07 19:55:19 X2fYZpGM
ナイス投げ
元ネタ知らないけどエロかった

122:名無しさん@ピンキー
09/02/08 16:21:26 DPYRvqIR
ひたすらエロい
GJ

123:ペアリング
09/02/14 18:25:04 06eHNwpT
いつか必ずこんな日が来るとわかっていた。
だけど見ない振りをしていた。知らない振りをしていた。
逃げようともせず、避けようともせず、立ち向かおうともせずに。
だからこれは必然。
いつものようにバイトを終え、自宅でつまらない笑いを流しているテレビ番組を茫洋と眺めながら、漫然と過ごしていた夜。
来訪者を告げるチャイムの音に促され、けだるい体を動かしながら、開いた扉の先に―
「……久しぶり」
彼女の姿があった。
好きだった女性。
胸を張って、好きだと言えた女性。
好きだと言って、隣にいてくれた女性。
もう俺の隣に並ぶことはない、一年前に別れた最愛の人。
俺は驚きに目を見開いて、彼女の姿を映す。突然の出来事に頭が追いつかない。
そんな俺に対して、彼女は柔らかな表情を崩さない。まるで昔みたいに。
少し冷たい風が吹き、彼女が一瞬身を震わせる。
俺はようやく落ち着いた頭で、これからどんな顔でどんな言葉を掛けるべきか模索するが、思い浮かべた全てが的はずれなような気がした。
結局俺は無表情で、選択を保留した。
「取りあえず入れよ」
今までのように。


彼女―新山なつきと出会ったのは、5年前の春。
「ね、シャーペンの芯持ってない?」
講義で偶然隣の席に座った彼女にそう尋ねられたのが、始まりだったと思う。
それから何度か話すようになり、友人になり、恋に落ちた。
お互い初めての恋人で、何をするのも手探りで、一歩ずつ、でも確実に進んでいった。
俺は彼女のくるくる変わる表情が好きで、彼女は俺の感情がわかりやすい顔が好きだと言った。
「チヒロってさ、考えてることがす~ぐ顔に出るよね。隠し事とか出来ないタイプ」
「そうか? 『お前は無愛想だ』ってよく言われるんだけど」
「初めはね。慣れちゃえばもう手に取るようにわかるよ。チヒロくらい素直な人も珍しいよね。かわいいかわいい」
「こら、ペット扱いすんな」
春のひだまりの中で、彼女の身体を腕に抱きながら、他愛ない話を睦み合う。
それは確かに幸せな時間だった。
いつまでも続くと思っていた。根拠もなく思っていた。



124:ペアリング
09/02/14 18:26:26 06eHNwpT
「ありがと」
俺が用意したクッションの上に行儀良く正座して、彼女は差し出された紅茶を受け取った。
カップを両手で包み込むようにしながら、ゆっくり口に運ぶ。
二、三度喉を動かしてから、彼女はかすかに顔をほころばせた。
「私の好み、まだ覚えてたんだ」
砂糖はいらない、ミルクは多め。それが彼女の紅茶を飲むときのスタイルだった。
「他にそんな飲み方をする奴は知らないからな」
答えて、自分のカップを傾ける。もう桜の咲く季節だというのに、今日はやけに冷える。
風が強いのか、時折窓が音を鳴らした。
彼女は一年前とほとんど変わっていなかった。いまだどこかあどけなさを残した顔も、カップの縁を撫でる仕草も、人懐っこい笑顔も。
ただあの頃と比べて、背中まである髪がもう少し伸びていた。
「それにしても、相変わらず雑誌だけは片づけないのねー」
「別にいいだろ。他はちゃんとしてるんだし」
俺の反論に、彼女はむっと眉をひそめる。
「部屋が汚く見えるよ」
「退廃的な雰囲気が出て良いと思わないか?」
「全然」
ばっさりと切り捨てられる。相変わらずの物言いに、ほっとしたような安堵の息が漏れた。
「でも」
彼女がいつの間にか、俺と同じような表情を浮かべていた。
「元気そうで、安心した」
猫みたいに目を細めて、微笑む。俺は急に気恥ずかしくなって、その瞳から視線を逸らした。
彼女には俺の感情の変化などお見通しだけど、それでも誤魔化すように言葉を紡ぐ。
「まぁ、な。お前の方はどうなんだ?」
「2回くらい風邪を引いたけど、それくらいかな。寝込んだりもしなかったし……あ!」
突然何かを見つけたような声を上げて、彼女はあらぬ方向を見た。
目線を追うと、部屋の隅に鎮座してあるオーブントースターに辿り着く。
白い色で、少し小さめのトースター。
「まだ使ってるんだ、これ」
懐かしさを滲ませた声音で、彼女が呟く。
それは初めて二人でお金を出し合って買った物だ。
全体的に薄汚れて、ところどころ塗装が剥げたり焦げたりしているけど、それでも二人が一緒にいたことの証だった。
「どっちかと言えばオブジェとして活躍してるけどな」
「それ全然使ってないってことじゃないっ。朝はパン派なんだから、ちゃんと焼きなさいよ」
「いやほら、面倒だし」
「もー、変なところでずぼらなんだから。おねーさん心配」
「同級生だろうが。二ヶ月生まれが早いだけで年上ぶんな」
そんな他愛ない話をしていると、今の俺達の関係が嘘のような気がしてくる。
別れたなんて事実はなくて、一年間の溝なんて存在しなくて、そんなのは全部俺の思いこみで。
今も変わらず彼女は俺の元に用もなくやってきて、二人で食事したり、テレビを見たり、くだらない冗談を言い合ったり。
たまにどこかへ出かけて、遊んで、デートを楽しんで、いい雰囲気になって、キスをして、愛し合って。
記念日にはプレゼントを贈り合って、来年も一緒だねと、身を寄せ合う。
だけど。

125:ペアリング
09/02/14 18:27:14 06eHNwpT
「そういやさ、最近どう?」
「どうって……普通」
「そんなんじゃわかんないわよ。もっと具体的な話を求めてるの」
「具体的って何を喋ればいいんだ」
「……例えば…………彼女が出来た…………とか、仕事が忙しいとか」
俺達は、別れたんだ。
「彼女なんて出来る気配もないよ。仕事は……」
一瞬言い淀んだが、知られても構わないだろうと、続ける。
「辞めた」
「……そっか」
彼女は怒りもせず理由も聞かず、ただ静かな声で目を伏せた。その何も触れない、気を遣ったような態度が胸に痛みを与える。
しかし我慢できないほどの苦痛ではない
なごやかな雰囲気が重いものに変わると、先送りにしていた疑問が急速に浮上してくる。
彼女がここに来た理由。何故このタイミングなのか。そして
彼女に新しい恋人はいるのか。
考えた瞬間、叫びだしそうなほど胸が荒れ狂う。つまらない、どうしようもない嫉妬。
俺はそれをどうにか押さえ込み、何でもないを装って彼女に同じ問いを返す。
「そっちはどうなんだ?」
彼女はしばし悩むかのような素振りを見せてから、穏やかな笑みを浮かべた。
「色々大変だけど、大体うまくいってるかな?」
気が狂うかと思った。世界がぐらぐら揺れ、胃と肺が鷲掴みにされる。
しかしそれも数秒で収まり、虚脱感と落胆と、泣き出したくなる気持ちだけが残った。
「そうか……」
彼氏、いるのか。まぁ彼女、器量はいいし性格だって明るいし、当然だよな。周りの男が放っておくはずがない。
別れる前、職場の同僚からしょっちゅう誘われて困ると言っていたし。
いや、そもそも俺は何を期待していたのだろう。俺は彼女にとって、昔の恋人。それだけでしかないのに。
「えっと」
祝福しようと口を開く。だけど意味のある単語にならない。
『よかったな』も『幸せに』も、とてもじゃないが言えそうになかった。
結局沈黙してしまい、静寂が部屋を支配する。
喉はからからに渇いているのに、飲み物に手を付ける気にはならなかった。
もう既に空になったカップの縁を手でなぞっていた彼女が、ぽつりと漏らした。
「引っ越し、しようと思うんだ」
顔を上げ、俺の目をしっかりと見据えて、今度ははっきりと告げた。
「この街を出ようと思うの」


どうして別れてしまったのか。
切っ掛けは些細なケンカだった。
お互い仕事が忙しくて、会える時間も学生時代とは格段に減って、気持ちのすれ違いが起きた。
意固地になって、謝ることもせず、ただ時間だけを無為に過ごした。
切っ掛けはケンカだけど、多分それは全ての元凶じゃない。
学生時代だってケンカはした。些細なことで意地を張ったときもあったし、口を利かないときだってあった。
5年近く付き合って、うち2年は半同棲状態。これだけ長く一緒にいれば、ケンカだってする。
でも学生時代は会える時間が多かった。口を利かなくても顔を合わせていれば、いつの間にかわだかまりは解消していた。
それに絶対に譲れない、受け入れられないという理由で衝突したことは一度もなかった。
俺達はきっと、甘えていたのだろう。
そうやって二人で一緒にいて、いつしか何も言わなくても相手の望むことがわかるようになって、
わかったつもりになっていて、わかってくれていると信じ込んで。
必要な言葉を口に出すことさえ忘れてしまった。
俺達はきっと、まだ大人になれていなかったんだ。



126:ペアリング
09/02/14 18:29:04 06eHNwpT
「これはどうする?」
「うーん、捨ててもらっていいよ」
「買ってきたCDは? 三枚くらいあるけど」
「それもいい。たまには聞くでしょ?」
なし崩し的に置いてあった彼女の私物を、二人でひとつひとつ処遇を決めていく。
まるで遺品整理のようだった。
遺品整理、か。
その言葉もあながち間違いではないだろう。ここにあるのは恋の残骸だ。
こんな詩的で格好付けた表現は気恥ずかしいけど、まさしくそのものなのだから。
「オーブントースターは?」
少しだけ彼女の動きが止まった。窺うようにこちらを見上げ、恐る恐ると言った口調で尋ねる。
「いらないって言ったら、捨てる?」
「多分な」
置いておくには、辛すぎるから。
「……じゃ、もらっとく」
逡巡のあと、彼女はそう答えた。
「わかった」
付けっぱはなしのコンセントを引き抜いて、輪ゴムでまとめる。
持ち上げたら塗装の剥げた部分がザラリとした手触りを返してきて、年月を感じさせる。
押入から引っ張り出したスポーツバックに入れ、彼女のハンドバックの隣に置いた。
「郵送してくれないの?」
「セルフサービス。小さいし軽いから、持って帰れるだろ」
「けち」
彼女は子供のように頬を膨らませた。以前はそれが楽しくて、わざと意地悪をしたりした。
でもそんな思い出も、恋の残骸のひとつなんだろう。
「このバックも、向こうにある俺の物も、そっちの勝手にしてもらって構わないから」
「うん」
彼女が頷く。
これで終わりだった。
これで全てだった。
彼女の物も思い出も部屋中に溢れていて、どれだけ捨ててもきりがないと思っていたのに。
たった小一時間程度で、全てが終わった。
俺も彼女もじっと立ちつくしたまま、指先ひとつ動かさない。
彼女は何を考えているのだろうか。
以前は手に取るようにわかったそれが、今は目隠しでもされたように少しも見えない。
まだ知りたいと、望んでいるのに―

127:ペアリング
09/02/14 18:29:59 06eHNwpT
「――っ」
どちらが漏らした吐息だったのか。突然の彼女の行為に俺は反応出来ず、思考すらも止められた。
俺の身体に、彼女の両手が回されていた。懐かしくて愛おしい感触。
ふわりと揺れた彼女の髪の香りが鼻腔をくすぐって、忘れていた感覚を叩き起こす。
「キス、して」
途切れ途切れの囁きが耳を打つ。その声には甘えも妖艶も無く、懇願しているような必死さだけがあった。
「ね、キス、しよう」
彼女の望みに応えたかった。抱きしめて、唇を奪って。自分の願いを叶えたかった。
でもそれだけじゃ俺はきっと止まらない。最後まで彼女を求めるだろう。
だから。
「やめよう。そういうのは」
受け入れなかった。
俺の好きだった彼女は、優しくて、意地悪で、意地っ張りで、時々甘えたがりになって。好きな相手には、正面から向き合う人だから。
彼女の隣には、今は違う人がいるから。
抱きしめるのは、もう俺の役目じゃない。
「……そっか」
背中に回された手がすっと離れ、暖かな体温が消えた。彼女は一歩下がって、微笑む。その顔は、泣き出す寸前に見えた。
「あと、これ返しておくね」
差し出された手のひらの上には、銀色の指輪が乗せられている。
それは俺が彼女に贈ったペアリング。
「持っておくのも捨てるのも、出来そうにないから」
幾度かの躊躇いの末、腕をゆっくり伸ばして受け取る。硬質な感触が震える指先から伝わってきた。
「じゃあ」
「うん」
小さなハンドバックと不似合いなスポーツバッグを持って、彼女は長い髪を翻す。一歩一歩、遠ざかっていく。
俺は石のように固まったまま、何も出来ずに見送るだけだった。
扉が閉まり、彼女の香りが部屋から消える。
手のひらに冷たい銀色だけを残して。



128:ペアリング
09/02/14 18:30:57 06eHNwpT
この指輪をプレゼントしたのは、付き合って2年目のこと。彼女が頻繁に俺の家に泊まるようになった頃だった。
彼女の誕生日プレゼントを考えていたときに、ふと思いついたのだ。
もし指輪を贈ったら、彼女はどんな顔をするだろう。
きっと驚きに目を開いて、それから最高の微笑みを見せてくれるに違いない。想像するだけで、自然ににやけてくる。
次の日から俺は必死でアルバイトをした。
彼女ならどんな金額の物でも喜んでくれるだろうが、高価であるほど俺の想いの深さを表せるという単純な思考からだった。
それに、彼女に贈る物は自分の稼いだ金で買いたかった。
順調に仕事はこなせていった。
しかし普段と違う様子を見せれば必ず目に留まる。というか俺は彼女に隠し事は出来ないのだ。
不自然な行動に疑念を持った彼女に問いつめられ、事はあっさり露見した。
同時にロマンティックな演出も企画倒れが決定した。
「だったらさ、こうしようよ」
こっそりと進めてきた計画が水の泡となり再び苦悩を始めた俺の手を取り、彼女が提案してきた。
「せっかくだから、ペアリングにしよ。二人で同じのを買って、お互いに贈り合うの」
それじゃあ誕生日プレゼントにならないと反論した俺に、
「私が買う方はチヒロの誕生日プレゼントだよ。
それで、ふたりの誕生日のちょうど間の日に交換しよう。何の日だったか覚えてるよね?」
忘れるわけがなかった。それは俺達が恋人同士になった日。幸せの第一歩を踏み出した日だった。
「ね、いいでしょ?」
反対する理由など無かった。俺の考えより遙かに良質のアイデアだったのだから。
そして当日。
近所の公園で、俺達は向かい合っていた。本当はもうちょっとロマンティックな舞台を用意したかったのだが、
『気取った場所よりも、普段行くような所にしない? そっちの方が、そこを通るたびに思い出せるから』
という彼女の意見により、自宅から徒歩10分のここに決定。
せめて夜ならば噴水の効果で少しは幻想的になったかもしれないのに。
まぁこれだけ天気がいいのに俺達以外に誰もいないので、良しとするか。
咳払いをひとつしてから、改めて彼女を視界に収める。彼女は両の手を後ろで組んで、俺をまっすぐに見つめてくれている。
ポケットの中から指輪を取り出し、手渡そうとしたところで動きが止まった。
……どういう風に渡そう。
プレゼント包装をしているから、そのまま渡せばいいのか? それとも直接指輪だけを渡す? 
こういう場面ってドラマとかでは見たことはあるけど、あれは大体がプロポーズシーンだったような。
プロポーズってちょっと待て結婚はまだ早くないか? いや違うだろ俺。
他のみんなはどうしてるんだ? ああ詳しく話を聞いておけばよかった。
焦れば焦るほど、思考が八方塞がりになっていく。
時間だけが無為に過ぎていき、いい加減彼女も呆れてるんじゃないかと思いつつ目を向けて―その姿に胸を突かれた。
ずっと彼女は待ってくれていた。
今の俺の心中などお見通しだろうに、それでも俺を信じて、瞳に俺だけを映して、変わらない優しい笑みを浮かべて待っていてくれた。
気持ちがスッと楽になる。憑き物が落ちたように体が軽くなった。
そうだな。他人がどうであろうと、俺達は俺達なんだから。
格好悪くても、想いを伝えられればいい。

129:ペアリング
09/02/14 18:32:08 06eHNwpT
俺は直接指輪を手に乗せ、
「誕生日、おめでとう」
差し出す。彼女の表情がゆっくりと微笑みに
「う~ん、ちょっと物足りないかな」
「は?」
変化せずに、代わりに紡がれたのはそんな言葉だった。
物足りないって何が? 指輪? というかこれ選んだの彼女だったよな?
疑問がぐるぐる頭を渦巻く。混乱状態の俺を見かねてか、彼女が助け船を出してくれる。
「おめでとうとかじゃなくて、恋人ならではの言葉が欲しいな。心がキュンってなるようなやつ。
あと回りくどいのじゃなくて、直接的なのを希望します」
えらく注文が多い。というか何を言わせたいのか読めてきた。
涼しい風がふわりと吹いて、木々の葉を揺らす。あぁ、もうこんな季節なんだな。
「……………………言わなきゃ駄目か?」
「だめ」
清々しささえ感じられるほどの即答だった。追いつめられた俺は、黙り込んで目を逸らす。
彼女の望む台詞を持っていないなんて事はありえない。それどころか、いつもいつも思っている。
しかし実際に口に出すのは気恥ずかしさが残るのだ。付き合って2年も経つのに未だに恥じらう俺は、やはり情けない男なのだろうか。
「言ってくれなきゃ伝わらないこともあるし、伝わっててもやっぱり言葉にして欲しいときだってあるよ」
俺は顔を上げ、語り始めた彼女に再び視線を合わせた。
「多分こうだろうなーとか、そうに違いないって思ってても、もしかしたら全部私の想像でしかなくて、
全然違ってるんじゃないかって、怖くなったりする。
だから、言って欲しいんだ。抱きしめてくれても伝わるけど、言葉にしてくれたらもっともっと伝わるから。
いろんな方法で、いっぱい伝えて欲しいから」
彼女はそこで、まっすぐ俺を見上げた。
「チヒロの口から、聞きたいな」
あぁ、薄々は気付いていたが、俺はとんだ馬鹿野郎だ。
彼女の想いをまったく察せられず、自分の変な見栄のことしか考えていなかった。本当、情けない。
でもそんな情けない奴の言葉を、彼女は待っていてくれているのだから。
俺は一度きゅっと指輪を握り、大きく深呼吸して、彼女にまっすぐ向かい合って、
「好きだっ」
告げた。
心の奥底まで占めている、大切な大切な気持ちを自分の口から伝える。ただそれだけで。
「うーん、もう一声っ」
「も、もう一声っ?」
「ほら、私って欲張りだから」
「……………………愛してるっ!」
「うんっ。私もチヒロのこと、愛してる」
彼女が最高の微笑みを見せてくれた。


-----------------------------------
このあと
ヒロインを追いかけて「やっぱり好きだ」と告白、
ヒロインも同じ気持ちだと返す。
新しい恋人云々は主人公の勘違いで、ヒロインはずっと主人公を忘れられなかった。
ペアリングはまたお互いの指へ。

こんな感じになる予定だったが、詰まった。
2年以上止まっているので焚き上げ。

130:名無しさん@ピンキー
09/02/14 19:27:58 bxG4SGzd
GJ!これは良い投げ
おもしろかった

131:名無しさん@ピンキー
09/02/15 00:54:19 ANul1bej
GJ
描写がいいね。ひきこまれた
ハッピーエンドらしいので安心したよ

132:名無しさん@ピンキー
09/02/15 17:39:18 eukXZ1zX
GJ,俺には書けないタイプの話なんで純粋にうらやましい。

というわけで、俺もお焚き上げ。
二度目のクリスマス遅刻の上、中で使うネタをほかの話に転用してしまったりで、
いよいよお蔵入りだと判断。


133:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 17:41:28 eukXZ1zX




なんというか。



火が消える瞬間というのは、命が潰える瞬間のように見えてしまう。






なんてな。
ガラにもなく、おセンチなこと考えちまったよ。


やっぱ人間、死ぬ間際ともなると、感傷的になるのかねぇ。







青年・青柳崇(あおやぎ たかし)は、火の消えた暖炉を眺めながら、そんなことを考えていた。

ここは、吹雪荒れ荒ぶ雪山の、孤立したロッジの中。
しばらく前まで部屋を暖めていた暖炉の炎も、燃やすものを燃やし尽くし、つい今し方その小さな火を潰えさせた。
その後の崇(たかし)の体温を保つものは、着ている服と、このロッジに残されていた毛布のみだ。
それ以外のめぼしい布は、暖炉の火を保つためにくべてしまった。
そとの吹雪はもはや嵐とも呼べる勢いで、ほんの数メートルの前進すら許さぬ勢いで荒れ狂っている。
いくら山の天気は変わりやすいとはいえ、これがあっさりと止むような気配は微塵もない。


さてでは本当に、完全に孤立した場所なのだろうか、ここは。


残念ながら、そうであるといわざるを得ない。
このロッジは、とある金持ちの持っていた別荘の一つ。部屋数もそこそこ、ヒーターなどの暖房設備も充実していたし、
通信機器も漏らさず揃えられていた。
緊急時の移動手段として、数台のスノーモービルも保持していた。
しかしそれらは、もういずれもなく、または機能を失っていた。

崇の他に人間は? と問われれば、彼一人であると答えるしかない。
死んだ人間は死体であり、崇の周りに散乱する多数の死体は、人数には数えることが出来ないからだ。

つまり彼は、吹雪荒れ荒ぶ雪山の、孤立したロッジの中、たった一人で命をつなげているのだ。


いったいいかなる事情があって、今がどういう状況なのか、もったいぶるようなものでもないので、簡潔に説明する。




134:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 17:44:22 eukXZ1zX


青柳崇は、ヤクザである。
背が高く、喧嘩慣れしたそれなりの肉体の持ち主であり、無口ではあるが冷たい表情で相手を威嚇できるクールタイプのヤクザだった。
少し前に二十歳を過ぎた年齢である彼、組の中での立場はといえば、10代の悪ガキ達をまとめる役割が与えられてはいるものの、
組織としてはまだまだ下っ端である。

そんな彼が、この数日、とある金持ちのボディガードとして駆り出され、こうして雪山のロッジへの遊興に付き合わされていた。
そこに、金持ちに敵対するグループからの襲撃。
崇をはじめボディーガード達は懸命に応戦したが、残念ながら敵の数が多すぎた。
激しい銃撃戦の後、崇達は全滅した。
もちろん崇は生きて・・・この時点では、の話であるが、生きている訳なので、全滅という言葉はふさわしくないのだが。

彼は、・・・要領よく、死んだ振りをしていた。
崇はヤクザではあるが、これといって下衆な性格をしているわけでもなく、所属する組に対する忠誠心が高いわけでもない。
なぜ彼がヤクザになったのかといえば、強いていうならば行き場もなくふらふらとしていたらいつの間にかヤクザになっていた、というだけなのだ。

血生臭い争いの時間は過ぎ、雪山のロッジに静寂が訪れた。

死んだフリを続けていた崇は、撤収する集団に混ざり損ねた。なもので、連中がロッジのヒーターと通信設備を破壊し、
残されたスノーモービルからすべての燃料を抜いていくなどといった、そつのない手際を感心しながら眺めているしかなかった。
仕方なく、歩いて脱出しようと出てみたものの、次第に天気が荒れ、ものすごい嵐となった。
なんとかロッジに戻った崇は、そこにしつらえられていた暖炉に火をともし、燃やせるものをかき集め少しずつそれをくべながら嵐が収まるのを待った。
しかし、一向に天候が回復する兆しを見せないまま、火を保つのも限界に近づき、そしてとうとう、火が消えたのだ。


暖炉の火が無くなってしまうと、一気に部屋の気温が下がっていく。

通信も出来ない以上、何らかの助けが向こうから来てくれることを他力本願的に待つしかないわけだ。
後は、この嵐が早々に収まって、自力で脱出するか。
寒さに体力を奪われ、動く力も余り残っていない。

徐々に冷えていく部屋の温度に、崇は、覚悟を決めてしまった。

死の覚悟をした彼は、ぼんやりと薄れ行く意識の中で、さて生まれてから今までの走馬燈を開始しようとして、3歳児あたりのところで止めてしまった。
今更思い返しても楽しい人生ではなかった。



(だったら、最後ぐらいは、楽しいことを考えながら死んでいこう。
 なんだかマッチ売りの少女や、フランダースの犬の最終回みたいだ。

 そう考えると、凍え死ぬのも悪くない。なんか儚げで、眠っている間にあの世に行けそうだ。
 燃えさかる火に包まれて焼け死ぬよりはマシ。あれはなんか、怨敵に呪詛を吐きながら死ぬような感じだし。
 イメージとしてはあれだな、本能寺の変で焼け死んでいった第六天魔王信長か、ジュリー演じるところの天草四郎@映画版魔界転生みたいな。)




いざ、逃れられない死を前にして崇は、ずいぶんと呑気な物思いに耽る。



135:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 17:45:33 eukXZ1zX



(とりあえず、俺の魂を迎えにくるのは誰だろうか。
 ネロのように心が清くないので、天使が迎えにくる、ってのは無いだろう。ルーベンスの絵もないし。
 悪魔、死神、鬼、妖怪、そのあたりが関の山か。)


そんなふうに自嘲するものの、思い浮かべるその物の怪達は皆、なぜか女の子。


(悪魔娘、死神少女、虎縞ビキニの鬼娘に、ネコ耳の生えた少女妖怪。それぞれが陸上トラックの第一コースから第4コースまでスタンバイ。
 さぁ、可愛い女の子達が一斉に走り出した! 商品はもちろん、俺の『魂』!)


ああ、言い忘れていましたが、青年・青柳崇は、可愛い女の子が大好きです。主に、十代前半の少女が大好物。


(おおっ、第一コースの悪魔っ娘、トップに躍り出たっ! それを追うのは、ネコ耳娘! 少し離れてセーラー服を着た死神、そして鬼娘が続く!!)


適当に、運動会でよく流れる徒競走の音楽をバックに鳴らしてあげてください。


(トラック1週目、3位の死神がどんどんペースアップ、2位のネコ耳娘をかわして、悪魔っ娘に追いすがる!!
 おおっ、すごいぞ死神少女、巨大な鎌を背負いながら、少しずつ悪魔っ娘との差を詰めていく!
 そして運命の3週目第2コース、接戦を繰り広げ、死神少女が悪魔っ娘を追い越したーーーーっっ!!
 あとは残り一周、ただ突っ走るのみ!!!)


空想の女子800メートル走も、いよいよクライマックス。
忘れている読者諸賢に念を押して置くが、この妄想主、青柳崇はヤクザで、死を待つ身の男である。


(やはり俺の魂を迎えに来るのは死神少女か。
 ・・・ん?彼女のすぐ後ろを、誰かがぐんぐん追いすがってくるぞ?
 ああっ、死神だっ! 水木しげる先生が書くところの、死神だっ!!)


いつの間にか、第5コースにエントリーしていた模様。


(ちょっ、だめだっ、あーーーーっ、追いつかれる!!
 頑張れ、死神少女、後もう少しでゴールだっ!!)



136:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 17:46:46 eukXZ1zX

死神同士のデッドヒート。
水木しげる版の死神、見かけによらずずいぶんと速い。死神少女も、可愛い顔を懸命にしかめて、ラストスパート。
そして、両者ほぼ同時にゴールした。


(ゴール!! ど、どっちが勝ったんだ?!)


審判達の協議。
全力で走ったランナー達の元に、一位のフラグを持った審判が駆け寄り、そして・・・
死神少女にそれを差し出した。


(よ、よかったーーーーっ、女の子だよ、俺の魂を持っていってくれるの、女の子だーーー。
 ふう、一時はどうなるかと思ったぜ。)


もう、説明するまでもないだろうが、この男、青柳崇はアホである。
普段、ヤクザとしての彼は寡黙で、淡々と仕事をこなすクールな男であったが、その中身はまぁ、こんなものだ。
その説明のためとはいえ、読者諸賢をくだらない妄想に付き合わせてしまったことについては謝罪しよう、申し訳ない。

とりあえずこれで、主人公のひととなり、及び状況の説明が終了した。いよいよお話を先に進めるとしよう。それでは、巻いていきます。




さて、そんなことを考えていた崇の耳に、なにやら物音が。
がさごそ、という壁に何かが派手に擦れるような音。
彼の頭の中では次の競技に移り、ろくろっ首チームと蛇女チーム対抗のパン喰い競争が始まろうとしていたとことで、現実に引き戻された。
もしや、自分の他に生き残りがいるのでは、とも考えたが、おそらくそれはない、とやはり否定した。
自分の仲間達や金持ち一行はすべて息がないことを確認したし、襲撃者側の死亡確認は、諍いの勝利者である彼ら自身が行っていったので、
彼らの仲間の死体もきちんと持ち帰っているはずだ。
そうなると心当たりは、近辺に生息する小動物あたりだろうか。周囲を見渡し音のするあたりを窺ってみると、どうやら暖炉の奥、
屋根に抜ける煙突の中から聞こえてくるようだった。さしずめ、野鳥が穴に潜り込んで留まっているのだろう。
暖炉の火が消えて煙が無くなった煙突は、風雪をしのぐにはちょうどいいのかもしれない。

これから死に行く身としては、特に支障もあろうはずがない。そして崇は再び、いまわの際の慰みに没頭しようとしたのだが。

「・・・・・・・・・・・・・・・えい、ん~~、ぬ、ぬけない~~っ」

(に、人間の、声?)

崇は、確かに日本語に聞こえる声を聞きながらも、素直にそれが人間のものとも思えなかった。
先ほどまでの抗争の生存者、自分の所属する組織からの救出者、偶然ここを訪れた訪問者。
そのどれにも当てはまりそうもない。だいたい、それらの人間が、なんの理由があって煙突から進入しようと言うのか。
それではまるで、サンタクロースではないか。

(まぁ、クリスマスはしばらく前に終わってるから、それはねーか)

それにその声は、サンタクロースのご老体とは思えない、幼い少女のような声。仔猫にその鳴き声のまま言葉を喋らせたかのような、甘ったるい声。

僅かの間、崇が現状の折り合いを脳内で戦わせていると、その仔猫の喋り声とともに聞こえている、ずり、ずり、と壁を擦る音が、微妙にトーンをあげていく。
なんとなく、崇にも分かる。
落ちる音だ。


137:名無しさん@ピンキー
09/02/15 17:48:03 eukXZ1zX

(あー、えー、とー?)

崇が、確実に起こりうる何かの落下を想定しながらも、いったい何をどうすればいいのか分からないままにぼんやりと考えていると、
それは起こるべくしてその想定通りの事態となった。

「きゃーー!」
どしゃーーーーーん!!

煙突の、どの辺りの高さからかは不明だが、それは落下した。
そして、火の消えた暖炉の上に落ちたそれは、ぼわん、と暖炉の灰を盛大に舞い上げて、崇の視界を派手に奪った。

「いっ、いたーーいっ、」

落ちたそれは、少女の声で痛みを訴えた。未だ舞う灰のために視界が奪われ、その声の主は相変わらず見えることはない。
誰とも知らない相手ではあるが、さすがに落下による怪我が心配になった崇は、もうもうと舞い上がる灰の中暖炉に近寄っていった。

「おーい、大丈夫か?」

いまだ視界霞む中、得体の知れない相手とは言え、高所から落ちて痛いと嘆く相手であれば、崇とて気の毒に思ってしまう。
そして、暖炉の下のうっすらと見える人影に、しゃがんで手を差しだそうとしたとき。

にゅっ、

と、青年・青柳崇の喉元に、出刃の包丁が突きつけられた。

「わ、悪い子はいねーがー!?」

ようやく視界も晴れた暖炉の中では、崇が助けようとした人物が、崇に包丁を突きつけていた。
どことなく東北地方を思わせる訛りでそのセリフをのたまったのは、まだ年端もいかない少女。
しかもその少女、透けるように肌の白い、金髪の持ち主。
どこからどう見ても異国人の少女が、何とも流暢な日本語で訛りを再現し、そしてまるで押し込み強盗のような姿勢で怪しげなセリフ。

対して崇は、職業柄刃物を突きつけられるのは慣れていたので、最初の驚き以降は割と平静を保つことが出来た。
反射的に懐のヤッパを抜くであろう状況ながら、結果そうしなかったのは、視界がはっきりとして、
相手が十代前半くらいの可愛らしい女の子であることを認識できたからだ。
重ねて言うが、崇は可愛い女の子が大好きなのだ。

「悪い子は、いねーがー?!」

繰り返し、少女は言った。刃物を突きつけての言葉はまるで恫喝のようでもあるが、この少女の言葉はどうやら問いかけのようらしい。
その問いに、ふむ、と一つ唸ってから。

「俺は悪い子じゃない。良い子だよ?」

とりあえず周りの死体のことは忘れて、ヤクザが答えた。
すると、その金髪少女は暖炉の下から、よいしょっ、と小さな掛け声と共に抜け出して、立ち上がった。

「そう、だったら、よい子にはプレゼントをあげなきゃね」

そう言った少女を、崇はしゃがんだまま小さく見上げた。


138:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 17:50:40 eukXZ1zX


赤い服を着た少女だった。
だが、ただ、服、とだけ断じてしまうには少し抵抗がある。赤い服、ではあるが、服に覆われていない肌色の部分が多すぎる。
足は脛を覆うブーツを履いてはいるものの、膝から腿はまるで素肌のまま。そして、ずいぶんと際どいハイレグカットの水着、というべきかレオタード。
しかも、極薄素材の赤いレオタードは肌にぴったりと密着しており、まるで、素肌に直接絵の具を塗ったボディペイントのような風情。
おかげで、十代前半の少女らしい肌のラインが少しも損なわれることなく露わになっている。
そして肘までの長い手袋、これも赤。そして当然、赤い三角帽子。
金髪の上に被ったその帽子の先は大きく折られて、先端についた白いボンボンを揺らせている。

全体的に真っ赤な衣装、そしてその布の縁を、白いラインが辿る。



そう、この配色の衣装を、我々は知っている。



「はい、お待たせ、サンタさんの到着だよーーーーーっ!」

少女は、自分がサンタクロースだと名乗った。
薄い胸を自慢げに張り、腰に手を当て、長い金髪をさらりと流して。

確かに言われてみればその服は、サンタの配色だ。
最初に発した言葉をそのままに解釈すれば、悪い子供に汚物を投げて懲らしめる「黒サンタ」というカテゴリに入りそうなものだが、
今の彼女の姿は間違いなく、赤と、白と、肌色と金色だった。いかな魔力かテクノロジーか、暖炉の灰は少しも彼女の肌を曇らせていない。

「サンタ?」
「そうよ、この格好がサンタクロースでなくて、いったいなんだというの?」

風俗嬢、と言いかけて、崇は口をつぐんだ。
目の前の少女、幼い顔立ちながらも気の強さを感じさせる。おそらく、気にくわない答えを返したりすれば、
その細い眉根を寄せてぷりぷりと怒り出すだろう。

(・・・それも、可愛らしそうだな)

そうとも思うのだが、いま目の前の少女をからかって楽しんでも仕方がない。

しかし、それでもこんな薄手のハイレグレオタードで大丈夫なのか? 崇は、少女の身体がくっきりと眺めることができるその服装にドキドキと
悦びながらも、サンタクロースの歴史的威厳や、お腹を冷やして大丈夫なのか、などと言った奇妙な心配をしてしまった。
世間的に恥ずかしいサンタコスプレといえばビキニとかミニスカなのだが、そんな物は超越している羞恥プレイだ。
もしこれをグリーンランドの国際サンタ協会が強制しているならば、GJと言わざるを得ない・・・、もとい、セクハラ以外の何物でもない。

と、そんな風に崇が彼女の身体をつらつらと眺めて感慨に耽っている間も、当の彼女は自分に与えられた仕事を果たそうとしていた。
くるりと反転し、暖炉に向き直ると、再びその下に四つん這いで潜り込み、上を見上げる。
そして、自分が落ちてきた穴、つまり煙突の中に手を伸ばしてみると、うーん、と唸った。どうやら煙突の中に何かが詰まっているらしく、
彼女はそれを取ろうと手を伸ばしているようだ。何か棒みたいなの、無い? と彼女が崇に尋ねるもので、
崇はその辺の死体が抱えていた猟銃を取り、彼女に手渡してやった。

「ありがと、長さ、ちょうどよさそう!」

猟銃の長さが彼女の求めていたものだったようで、にやりと笑ってそれを煙突の下からつっこんだ。

「・・・んしょ、んしょ、えい、っと!」


139:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 17:52:31 eukXZ1zX

崇は、懸命に何かをつついている金髪少女を眺め、その一生懸命になっている姿を好ましく思いながらも、
次に起こるであろう出来事を簡単に考察してみた。

(煙突につっかえているものは何か、だいたい見当つくけどさ、そんな風につついてたら、・・・・落ちてくるんじゃない?)

落ちてくる、つまり、崇が想像するところの、サンタさん定番の荷物が。

「ん! ここか、やっ!! よし!」
「ちょ! やべ!」

とっさに崇は暖炉に手を伸ばし、中に潜り込んでいた少女を掴むとすかさず引っ張り出した。
同時に、どさっ、と重い音がして、荷物が落ちてきた。先ほど少女と同じように、その勢いで再び灰を撒き上げる。

「・・・・・・あー、危なかった」

と、少女が言った。
少し呑気なその口調に、崇の力も抜けた。
少女を抱きかかえるように引っ張った崇がそうやって肩の力を抜くと、少女は少し、視線だけで崇を見上げて、ありがと、と小さく口にした。


そして少しの間、舞い上がっていた灰が落ち着いた頃にようやく暖炉の中の落下物を確認できた。想像に違(たが)いなく、
サンタクロースのプレゼント袋だ。
少女も、崇に引っ張られた姿勢から立ち上がり、袋の元へ駆け寄った。

「さぁ、良い子にしてたあなたは、どんなプレゼントかなぁ?」

ずりずりと暖炉の中から大きな袋を引っ張り出し、その口をほどいた。
ちょうど少女の半身くらいの大きさにふくらんだ袋の中になにが入っているのか、普通に想像すれば子供達へのプレゼントのはず。
しかし、崇はこれでも、それなりの良識は持っているのだ、ヤクザながらにも。だから、本当にプレゼントが、自分に用意されているとも思えない。
さっきはつい、しれっと『俺は悪い子じゃない、良い子だよ』とは言ったものの、本気なわけがない。
むしろ、サンタクロースにウソを吐く、悪い子だ。

プレゼントなんて、あるはずがない。

「はい! あった!!」

崇が心の中で自嘲を込めて否定したとたん、自称サンタクロースが仔猫の声で肯定した。

「はい、これ!!」

そう言って手渡されたのは、赤い紙で包まれた、円筒状のもの。ちょうど、缶コーヒーくらいの大きさか。
自分へのプレゼント、ということが信じられなかったが、確かにその包みには『あおやぎ たかしくんへ』と、自分の名前が書いてある。
それでも、同じ名前の人違いではないか、という疑念も拭えない。
中身は何か、包みをほどいて確かめて良いものなのか、崇は罪悪感もあって戸惑った。
そうして躊躇していると、目の前の少女がにこりと微笑んだ。


「サンタのプレゼントはね、絶対、何かの意味があるんだよ?」


少女は、両掌をお尻の後ろで組んで、崇の顔を覗き込むように窺った。
そして、そこにいたって崇は、少女に問いかけた。


「君は本当に、サンタなのか?」




140:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 17:54:46 eukXZ1zX

今更、というべき質問だが、これをはっきりさせねば始まらない。
少女は、唇をつん、と突き出して崇をひとにらみ。

「あったりまえじゃない。クリスマスイブの夜に、煙突から入ってくる赤い服の女の子といえば、サンタクロースで決まりでしょ」

それについて、崇はいくつかの反論材料を持っていた。


「『悪い子はいないか』って、サンタはそんなセリフ言わない」
「友達が、日本じゃ『メリークリスマス!』のかわりにそう言うんだ、って」
「騙されてるぞ、それは。日本では『なまはげ』といって、大晦日の行事だ」
「そんなの知らないってば!」

「それにサンタはジイサンだと思っていたが?」
「えらいさんはそうみたいだけど、下っ端にはいろんなのがいるのよ」
「もっと暖かそうな服を着ていたはずだが?」
「別に寒くないもん。それにこれは、今年から採用された新しいデザインだよ?」

「だいいち、今日は12月31日だ。イブは24日だろ?」
「え?」

最後の質問に、少女の顔が引きつった。

「えええっ!!! 今日はイブじゃないの?!」
「今年のイブは終わった。今日は31日だ」

崇はもう一度、溜め息を堪えて、今日の日付を伝えた。
懐からとりだした携帯電話は当然圏外で、電話としての機能は発揮できなかったが、カレンダーや時計としては申し分ない。
口で告げた日付を裏付けるように、そのカレンダーを少女に見せてやった。

がーん、とショックを受けた少女は、ふらり、と意識を飛ばし、へにゃり、と身体を弛緩させて、ぺたり、と床に尻餅を付いた。




「つまり、ドイツからの転属に伴い、移動途中で休眠を取っていたところ、寝過ごした、と」

うん、と少女は頷いた。眉根を寄せて、困っている。

「つまり、遅刻したわけだ」

うん、と少女は頷いた。涙目である。

「おまけに、転属先の事務所がある場所が分からなくて、迷っていた、と」

うん、と少女が頷いた。すん、と小さく鼻をすする。

崇は、少女から事情を聞いた。
それらをホラ話として信じないと決め込むことは簡単だったが、それにしてもそれなら、なぜこの少女はこんなところにいるのか。
この吹雪の中、ロッジまでやってきて、死にかけのヤクザを騙す意味などあるのだろうか?

「せっかく、新しい国で、がんばろうって決めたのにっ!!」

そう言って少女は、涙を拭った。そして、うーっ、と悔しそうに地団駄を踏んだ。
大声で泣きわめかないだけマシかもしれないが、その姿はどう見ても、子供にプレゼントをあげるサンタと言うよりはむしろ
サンタにプレゼントを貰う側の子供のようだ。


141:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 17:55:40 eukXZ1zX

だが崇は、その健気な意気を持つ少女に、いたく感心してしまった。
実際、クリスマスに遅刻するサンタという、致命的なミスを犯してしまったわけだが、それでもこれほど幼い少女が任された大役と思えば、
かなり頑張っているのだろう。
なにより、ヤクザである自分と比べると、子供達に夢を与える仕事に子供ながら従事していると言うだけで、感心せざるを得ない。
だから崇は、ついつい、その少女のことを誉める言葉を発した。
このときは、その言葉がこれからの流れを大きく変えてしまうとは、微塵も思い至ることはなかった。


「頑張ってるんだなぁ、こんな小さな子供なのに」


だん、だん、と踏んでいた地団駄を、少女はぴたりと停止させた。
そして。



「エリーゼこどもじゃないもん!!」

と少女は言った。



ここで新たな事実判明。
少女の名前は、エリーゼというらしい。

そして、少女・エリーゼが青年・青柳崇に詰め寄り、まくし立てた。
崇もエリーゼの剣幕に、押されることなく応じていた。

「いや、どう見たって子供だろう」
「ちがうったら!」
「ちなみに、歳はいくつ?」
「じ、じゅうにさいっ!! もう十分大人なんだからっ」
「2億12歳とか言わないだけマシだけど、十二歳は十分子供だろう」
「大人だってば!! 背も伸びたんだよっ!!」
「それでも俺の、胸の下くらいまでしかないけどな」
「お、おっぱいも大きくなってきたし!!」
「いや、それは『膨らみ始め』といって、なにより子供である証だ」



「こないだ『生理』も始まったんだからっ!!!」



そこで、両者の言葉が途切れた。

子供といわれたことで頭に血が上り、ついつい恥ずかしい告白までしてしまったエリーゼは、そこで我に返り、赤面した。
調子に乗って少女をからかうように応答していた崇だったが、とうとう生々しい告白が飛び出してきて、男である彼も赤面してしまった。


142:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 17:57:18 eukXZ1zX

「そ、そりゃあ立派な、オトナだな・・・」
「う、・・・うん」

微妙な空気が流れる。
実はこの青柳崇、十代前半の美少女が好きではあるが、実際にそれらの少女と交際したことがない。ヤクザである彼の元に近づいてくる女は、
誰も彼もが荒んだスベタか商売女ばかりであった。男性としての肉体的な性欲は満足できても、彼の嗜好が満たされたことはない。
なんというか、いまの崇は、かつて満たされなかったそのあたりをくすぐられるという初めての事態に直面していた。

(これは、サンタさんが俺にくれた、プレゼントか?)

死ぬ間際の男を哀れんでの情けなのか。
もしそれが真実ならば、今すぐ改宗しても良い、と崇は思った。和歌山にある菩提寺には適当に羊羹でも包んでおこう。
それとも、死ぬ間際に彼自身の脳が見せている幻影なのか。先ほどまでの脳内妄想がブーストされ、
現実と妄想の境界線を消滅させてしまったのか。
もしそうであればなおさら、プレゼントを拒む理由など無いはずだ。

「そうかぁ、エリーゼはもう、オトナなんだな」
「・・・う、うん、まぁね・・・・・・」

微妙な雰囲気継続中。
エリーゼは、何とも気まずそうにしていた。自分が子供ではないと訴えていたのは確かだが、それはあくまでも精神的年齢であったはずだ。
それがいつの間にか、女の子としての身体の発育の話になり、女の子自身の話になってしまった。
彼女は、その気まずさを紛らわせる為に、話題を切り替えようと必死に気持ちを整えた。

「あ、そうだ、さっきあげたプレゼント、なんだった?」

彼女の話題切り替えに、崇も気を引かれてしまった。そう言えば、先ほど貰った筒状のものを手に持ったまま、
中を確認しないまま放置していたのだ。

「ん? あげた方のサンタさんは、何をあげたのか知らないのか?」

崇のその反応に、上手く空気を変えられたとばかりにエリーゼは嬉々として答えた。

「そう、そうなのよ! このサンタ袋は、相手にとって必要とされてるものが自動的にチョイスされて出てくるの!!
 だから、エリーゼ達も、いったい何をあげたのかまでは分からないのよ」

そういって、ぽんぽんと大きな袋を叩いた。なるほどそのあたりはファンタジーな感じがする。

「だからさ、あけてみてよ!!」

急かされるまま、武史はプレゼントの赤い包みを解いていった。
すると出てきたのはなにやら半透明の容器で、中にはとろりとした液体が入っている。
それが何かは分からないまま、容器に貼ってあるラベルを崇が読み上げた。


「えーと、・・・『ロリータ用ローション』」

「え・・・?」

「『幼い少女の性感を呼び起こし、挿入の痛みを押さえる成分が含まれています』」

「・・・・・・・・・ちょ、ま、・・・・・・ええ!?」

「『これをたっぷりと塗り込めば、初めてのロリータも快感の虜に』」



143:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 17:58:21 eukXZ1zX

しばし、二人とも沈黙の間があって。



「なるほど。今の俺達に必要なものだな」
「ええーーーーーーーーーーーーーっっっ?!」



ばっ、とエリーゼは後退(あとじさ)った。

「ま、まさか・・・・・・」

「君も大人ならば、大人同士のつきあいってヤツをしようじゃないか」

崇はもう、喰う気マンマンである。

「え、エリーゼまだ子供だよ!?」

先ほどは自身で大人だと主張していたのだが。

「だったらちょうど良い機会だ。今から大人になろう」

そのあたりはヤクザ、一度決めたら少々のことで怯んだりはしない。
もちろん、力ずくで犯すようなことをするつもりはないから、ゆっくりと、優しく近づいていった。

しかしまぁ、身の危険を感じているエリーゼからすれば、そのゆっくりと近づく男の動きはじりじりと間を詰める狩人の動きにも感じてしまう。
そしてエリーゼは両肩を縮めるように抱きしめ、自分の身を守るようにガードの姿勢をとった。

「うーっ、この、ロリコン!!」
「ロリコン上等だぜ」

とうとうエリーゼは退路を壁に断たれて、悔しさにまかせて崇を詰った。
だが崇はヤクザなので、自身が他人から詰られるのは慣れている。だからエリーゼによるロリコンのそしりにも、たいして動じることもない。

「オレはオレの特殊性癖を貫くだけだ」

崇は奇妙なポーズをつけて、彼女からの抗議をあっさりとかわした。
そして彼は、自分のゆっくりとした動作がかえって彼女を不安にしているのだと察したようで、素早く事を運ぶように決めた。
壁に背を押しつけて数ミリでも逃げようと身を固くするエリーゼに、するりと近づいて覆い被さる。

「でも、本当に無理矢理する気はないよ、たとえ神様がくれたプレゼントでも」

「え・・・? ほ、ほんとう?」

壁に背を預けるエリーゼの、怯えの色が浮かんだその顔に自分の顔を近づけて、そう耳元に囁いた。
ヤクザであり、普段は視線で相手を威嚇する男であるが、その瞳は濁っていない。崇の場合、なまじ離れるよりも、
近寄った方が女に受ける顔の造りをしている。
そして男慣れしていないエリーゼなどは、そういう雰囲気にころりと乗せられてしまう。
むしろ、大人の世界、大人の行為に対しては、それなり以上の興味があったようだ。


144:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 18:00:00 eukXZ1zX

「じ、じゃあ、やめて、っていったら、やめてくれる?」

つい、と崇の瞳から視線を下げて、エリーゼがもごもごと呟く。

「どうしても怖くなったり、痛くなったりしたら、やめてくれる?」
「うーん、残念だけど、了解しとこうか」

消えるような呟きは不安の声だけれど、それをわざわざ口に出しているのは好奇心。
サンタクロースの少女が持つメンタリティと、普通の人間の少女が持つそれと、いったいどういう開きがあるのかなどと、崇に分かろうはずもない。
だからあえて崇は目の前の、性の興味と不安に戸惑う少女を、大切に扱うべきだろうと考えた。
まぁ、それよりも彼女を諭して、何も手を出さない方が正解なのかもしれないが、そこはそれ、崇は小狡い大人だ。
自分が彼女を抱きたい、という欲求を我慢するつもりもなかった。

男の譲歩に、少女の逡巡が均衡を崩し、傾いた。

「ぜ、ぜったいだからね?」
「約束するよ、絶対な」
「ほんとにほんとにぜったいだからね?!」

何度も何度も念を押す。そのあたりが少女の迷いの深さだろうか。
そんなところがまた、可愛らしく感じてしまう。幼い少女を優しく導いてやれるのも、男の悦びの一つなんだなぁと崇は実感した。


それから崇は、さすがに初体験を周りに死体が散乱した場所で行うのもなんだろうと配慮。
とりあえず寝室にでも移ろうとして、壁際に押さえ込んだ姿勢から彼女を対面の形で太股を抱えてやると、がぶり、と首を噛まれた。
いてぇ、なにすんだ、と崇がヤクザにしてはずいぶんと抑えめの抗議をするとエリーゼは。

「ばか、こういうときは、『お姫様だっこ』でしょ?!」

などと、注文を付けてきた。
へぇへぇ、と了承し、エリーゼを抱き直す。身長も140そこそこ、全体的に痩せぎすな感のある少女だから、体重もずいぶんと軽い。
羽のように軽いとは、比喩でもなんでもないくらいに軽い。たぶん崇になら、エリーゼを片手で持ち上げることもできるだろう、軽々と。

注文通りにお姫様だっこで、昨夜まで自分が休んでいた部屋に移動する。比較的きれいな簡易なベッドがあるのだ。
雇い主が使っていた部屋は確かに豪奢なベッドがあるのだが、部屋中に血やら脳漿やら臓物が散乱しているので、
やめておいた方がいいだろうと判断。
一階の暖炉のある広間から、屋根裏のような三階まで移動の間も、このサンタクロースのお姫様は、サンタクロース、その任務の重要性を語った。
どうやら彼女も、自分でリクエストしたお姫様だっこの恥ずかしさとこれから行う行為への不安から、かなり緊張しているようで。
それを繕い誤魔化すためには、黙ったままというのはまずいらしい。

そして、人間性育成の見地からの考察を話し出したエリーゼがいよいよ調子に乗り出し高説をのたまうに至った頃、部屋に到着した。
部屋のベッドは、安い造りだがそこそこ清潔であったので、その上にエリーゼを寝かせたときにも彼女からの不満が漏れるようなことはなかった。


145:『エリーゼ子供じゃないもん、と少女は言った』
09/02/15 18:04:10 eukXZ1zX

「・・・ど、どうするの?」

ベッドに横たわりながらサンタ少女が男を見上げて言った。
崇はその少女に、まかせてくださいな、と気安さを込めて答え、そして彼女に覆い被さるようにベッドにあがる。
少女をベッドに寝かせたときはきしりとも軋まなかったベッドのバネが、ぎしり、と大きく音を立てた。






%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%


このあと、
崇はエリーゼとセクス。エリーゼ、ローションのおかげか初めてのくせに感じまくる。

オチ:
ロリな女の子とエッチできて大満足の崇。

「あー、これで俺も本望だ、いつ死んでも後悔しないぜ」
「なにいってるの、もうあなた、死んでるよ?」
「・・・え?」

サンタが見えたのもそれに触れるのも、すでに崇が死んで幽霊になってこの世の理から離れたおかげ。
さてこれからどうしようか、と途方に暮れている崇をエリーゼがスカウト、トナカイ(ソリ型メカのドライバー)として彼女と一緒に飛び立っていくのであった。

「で、新しい事務所はどっち?」
「わかんない」

「・・・こりゃ正月どころか、節分に間に合うかどうかだな」
「うるさいわね! おにはーそと、ふくはーうち!!」
「・・・もうサンタの尊厳もねえのか・・・」



とあるスレに投下しようとこんな話を書きかけて放置中に、軽い気持ちで別の短編を同じスレで書いてしまったら、
かなりこのお話の基本骨格と類似していたので、もうこちらはお役ご免かなぁと。



それでは、南無南無。

146:名無しさん@ピンキー
09/02/16 19:42:59 ye3msPM/
こんにちは。涼風でヒロイン強姦ものです。
暴力・レイプ描写等、苦手な方はご注意下さい。

147:名無しさん@ピンキー
09/02/16 19:44:42 ye3msPM/
『よう、元気か? 朝比奈。
 しばらくは戻れないんだが、大事な話がある。
 みんなに心配かけたくねえんだ。誰にも言わずに来てくんねえかな。
 悪いな。急ぎの用事なんだ。場所は・・・・・・』

書き連ねられた地図を見れば、学校からそう遠くはない。

「急ぎの用事…? だったら授業中に教室に来ればよかったじゃない」
ブツブツと文句を言いながらも、涼風の足は地図の方面へと向かっていた。

『お前にしか頼めないんだ。本当に悪いな』

末文に目を止めて、涼風は溜め息をつく。
「あたしにしか頼めないって……何なのよ」
口から漏れるのは不平不満の言葉だが、その表情は嬉しそうに微笑んでいた。
「秋月くん! 来てあげたわよ、どこにいるのー!?」
響いた声は工場内に反響し、返る声はなかった。

「……何なのよ。まさか悪戯じゃないわよね……」
しげしげと手紙を眺める。やはり大和の下っ手くそな文字だ。
高校生にもなって、恥ずかしくないのだろうか?

『お前にしか頼めないんだ』

その言葉が目に止まり、涼風の胸に妙な擽ったさが走る。
元々お人好しな涼風だが、素直ではない秋月が見せた
弱気な言葉には敵うはずもない。
まして自分だけに助けを求めているとなれば、放り出すこともできなかった。
すると、工場内からカツンと物音が響く。

「? 大和くん、そこにいるのー?」

しんと静まり返った通路を越えて、物音のした二階へと上がる。
割れた窓ガラスが床に広がり、靴の底でパキパキと音がした。

「大和くん…? いるんでしょ。返事くらいしなさいよっ」

階段を昇り切ると、いくつも並んだドアの内、一つが半開きになっていた。
自然とそのドアに近づき、押し広げた瞬間──

148:名無しさん@ピンキー
09/02/16 19:45:19 ye3msPM/
「──んっ!?」

ドアの反対側の壁から伸びた手が涼風の口を覆う。
唇には湿った布の感触。鼻腔をくすぐる奇妙な薬の匂いを感じると、
涼風は振り返る間もなく、その瞳を伏せて全身を脱力させた。

「……涼風さん……」

倒れこんだ涼風を支えきれず、釣られて自分も床に座りこんだ。
抱きとめた重み、腕の中の柔らかな肢体に腕を絡ませて、頭を垂れた髪に顔を埋める。
至近距離0cm。
漸く朝比奈涼風を手に入れた。


高鳴る鼓動を抑え、かつては休憩所だったのだろう、ソファの上に涼風を引き釣り上げる。
眠り薬を目一杯吸い込んだ涼風は、穏やかな寝顔を見せていた。
まるで眠り姫のようだと自分は思う。
口づけをしたら今にも目覚めてしまいそうで、何度も頬を叩いて眠りの深さを確かめた。
……反応はない。
よほど眠りが深いのだろう、薬の作用で力が抜けているせいか、
いつもは酷い寝相でも、今は自分が抱え上げたまま、真っ直ぐに足を伸ばして眠り込んでいる。

「涼風さん…」

抱き上げる時に翻ったスカートの裾に気付き、ひざから手を伸ばす。
しっとりとした白い肌。柔らかな感触。
今まで思い描いていたよりもずっと柔らかく、てのひらに吸い付くような肌だった。

「!」

不意に吹き込んだ風がくもり窓を鳴らし、驚いて飛び上がる。
跳ね上がった鼓動を抑えながら、大きく息をついた。

149:名無しさん@ピンキー
09/02/16 19:45:55 ye3msPM/
この数ヶ月。毎日、毎日、決行場所を確かめてきたのだ。
この一室をこうして奇麗に掃除しにくる間も、一度として誰にも会ったことはなかった。

「…大丈夫だ…誰も、来ないんだ」
自分自身に暗示をかけて、額に滲んだ汗を拭い取った。
「……君も暑いかい……? 今日は本当に蒸すよね…」

胸元のリボンを解き、上からブラウスのボタンを外していく。指先は微かに震えていた。
スカートのホックを外し、脇のファスナーを下ろす。
一枚一枚、開かれていく制服の中から、涼風の下着姿が露になった。
幾重ものレースで縁取られた白いブラジャーに押さえつけられ、
盛り上がった胸の狭間に目が釘付けになる。
去年の夏、スクール水着をつけた時よりもずっと「隠された部分」という気がする。

「……全然小っちゃくなんかないよ……」

秋月に罵られるたび、悔しそうに睨みつけていた光景を思い出し、答えるように呟いた。
なだらかな曲線は聖域のようにすら思え、わし掴むこともできない。
怯えではなく、憧れゆえに。
何度もこの決行を頭の中でシミュレーションしていたが、
その肢体を前にして、まだ心の準備が出来ていなかった。
スカートを擦り下ろし、ブラジャーと揃いのレースで飾られたパンティーに目が止まる。
小さなパンティーは最小限、大事な部分を覆う程度で、薄い生地からは若草の茂みがうっすらと透けていた。
下着姿で横たわる涼風を前に、ズボンは既にテントを張っている。
興奮に息を荒げれば、吸い込んだ瞬間に涼風の香りが流れ込んできた。

「す…す、涼風さーんっ!」

耐え切れず涼風の身を抱き寄せると、頬に胸に涼風の温もりが伝わる。
瞬間、頭に血が昇ったように目眩がした。
穏やかな寝顔のままの頬から首筋にむしゃぶりつき、たどたどしい指先でブラジャーと肌の際に指を入れる。
探るように辿った指が背中に回り、窮屈な隙間に手間取りながらホックを解いた。

150:名無しさん@ピンキー
09/02/16 19:46:36 ye3msPM/
「……ん……」
「!」

締め付けを失い、無意識に漏れた吐息に飛び上がる。
しかし涼風は起きる様子はなかった。

「…大丈夫…。薬はまだ…効いてるんだ…」
涼風の体重から割り出した適量のクロロフォルム。タイムリミットはまだ先だ。
ずれたブラジャーは張りのある胸に押し上げられ、胸に被せられている程度の状態だった。

「涼風さん…」

ごくりと固唾を飲み下し、複雑な形の布切れと化したブラジャーを剥いだ。
現れたのは更に白い胸元、そして薄紅に突起した乳首だった。
よくよく見れば、鎖骨の辺りにうっすらと残った水着の跡を狭間に、陽の当たることのない
透くような肌に移っている。
太陽ですら見たことのない場所。誰も見たことのない、触れたこともないだろう聖域。
添える程度に置いた掌に、じわりとその温もりと張りを感じる。
見た目よりもずっと柔らかく、握れば潰れてしまいそうに儚いのに、
ついぞ夢中になって揉み上げてしまえば、いくら形を変えても元の形に戻る。
未知の感触に夢中になっていた。
涼風の上に伸し掛かり、二人分の重さを支えたソファが軋むほど、
両手で確かめるように揉み上げいくと、その先端に変化が現れてきた。

「うん…? あれ…す、涼風さん…感じているのかい」

指間に挟まった乳首は充血したように赤みを増し、突端の薄い肌は突起した。
眠っていても感覚は起きているのだろうか……。
堪らない柔らかみに吸い寄せられるように、その胸に顔を埋めた。
既に舌で転がせるほど突起した乳首に吸いつき、なだらかな尾根に舌を走らせる。

覆い被さって舌で舐め上げるうちに、自然と前後に擦り寄せていた下半身が、
布越しに甘い痺れを知らせてきた。
ちゅくちゅくと唾液を滴らせ、涼風の胸を味わいながら、無意識にズボンのファスナーを下ろす。
ズボンごとパンツを擦り下ろすと、そそり立った肉茎が押さえを失って飛び出した。

「……あっ」

飛び出した途端、涼風に触れる。
丁度、まだ触れていない涼風のパンティーに先端が当たる。
言い様もない興奮に身を焦がし、そのまま腰を前後した。
先端から溢れた先走りの液が涼風のパンティーに沁み込み、
激しい摩擦の中、湿った布地と涼風の体温を感じる。
いつしか喰らいつくようにむしゃぶりついた胸を根元から押さえ上げながら、
パンティー越しの涼風の秘肉へと己の強張りをなすり続けていた。
「すっ、す…涼風さーーーんっ!」
電気が走ったように背筋から下半身へと痺れが走り、
駆け抜ける快楽のままに己の猛りを吐き出した。
白濁の精液が宙を舞い、涼風の腹部から胸元にまで降り掛かる。
自分の唾液にぬれそぼった胸元に己の欲望がぶちまけられた。

「…くっ…は、……はぁ…はぁっ…」

151:名無しさん@ピンキー
09/02/16 19:48:28 ye3msPM/
弾んだ息に途切れ、荒い息が涼風の頬にかかる。
弛緩して薄く開いたままの唇に目がいく。その唇を味わいたい。

 口紅も引いていないというのに、薄紅に色づいたしっとりとした唇。
目が合えばいつも元気に「おはよう」と微笑みかけるその唇。
波打つように涼風の身を揺らしながら、頬から唇へと口を近づけた。
しかし、不意にかくりと首が傾き、寸前で逃げられてしまった。
下半身を寄せ合えば不安定に揺れ、涼風の顔はこっちを向かない。

息を整える間、自分の頭には今までの全てが走馬灯のように蘇えっていた。
どんな時にでも自分にまで、優しく笑いかけてくれる朝比奈涼風。
つり合わないことは分かっている。手に入らないことも知っていた。

できることならいつまでも見守っていたかったけれど。
見守るまでもなく、涼風は自分よりもずっと強かった。
けれど涼風のことなら自分が一番よく知っている。
遠くから、影から、いつも見つめ続けていたから、もしかすると涼風自身よりもずっと
涼風の事をよく知っているかもしれない。

(君が…あんな、いいかげんなダメ野郎に惹かれてるってことも…知っているんだ)

秋月のことを思い出すと、顔色が変わった。
隈の出た顔色の悪さは相変わらずだが、その目つきが凍りつく。

その胸には叶うことのない初恋の人への幼い恋心を抱え、
健気に見守りながら、時折胸を痛める……そう、自分と同じ気持ちを抱えていた。
しかし、次第に秋月大和の存在がその胸に土足で上がり込んでいった。

(それを…君は……受け入れてしまったんだ…っ)

自分にとっては裏切りにも等しい行為だった。
自分たちは、同じように片想いの痛みを抱えあう「同志」だと思っていたからだ。
しかし涼風は、自分を置き去りにした。
ひたむきな愛情が憎悪にも似た感情に変わるのは一瞬だった。
妙なことに怨恨は、密かに抑え続けてきた性欲を刺激した。
今までは自慰にだって、涼風を思い浮かべることはなかった。
そんなことに使ってはいけない、清らかな存在だったからだ。

152:名無しさん@ピンキー
09/02/16 19:49:15 ye3msPM/
深く息をつき、心を落ち着ける。
予定外の興奮に二度も吐き出してしまい、元々少ない自分の体力は限界寸前だった。

「時間は…たっぷりあるんだ…」

涼風の顔から吐き出した精液を拭い取る瞬間、何故か泣きたいような気分に駆られたが、
首を振って深呼吸する。
制御できぬ興奮に冷静さを欠いているだけだと言い聞かせる。

「さて…。僕ばかりじゃ…いけないよね」

再び膝立ちで後ずさる。
先に吐き出した白濁が乾き、張り付いたパンティーに指をかけた。

「ごめんね…。今度は、涼風さん…君の番だよね…」

乾いた唇を開き、薄笑いを浮かべながら指先が茂みに伸びた
パンティーの淵から指を忍ばせる。
手探りで秘裂をなぞり、せり上がった恥丘を分け入って進む指先が
複雑な形状の肉襞に触れた。

どんな形をしているのか、雑誌やビデオで大体の知識はあったものの、実物を見たことはない。
くちゅりと濡れた粘液に辿り着いた瞬間、驚いて指を引っ込めた。

(濡れて…た……?)

激しい動悸が治まらない。心臓が張り裂けそうに早鐘を打ち続ける。
爪を立てないよう気をつけながら、パンティーの淵からくるくると巻き返すように
腰の骨盤から太ももへ。ヒザからふくらはぎ、足首を通してパンティーをはぎ取った。
ぐいっと片足をソファの背凭れに掛け、広げた足の間に視線を走らせる。
薄暗い一室の中。目を凝らすようにじっと見つめ続けていた。
自然と息が上がる。
縦に走った亀裂に割られるように、幾重もの包皮に包まれた肉壁。
くぼんだ下腹から張り出したように肉のついた恥丘からは淫猥な恥毛が生え揃い、
人形ではない、生身の肢体に五寸釘の欲情は焚きつけられた。

(これが、本物の涼風さんの…涼風さんの……)

尻に手を入れて、押し上げるようにして顔を近づける。
ずっしりとした重み、尻肉に指がくい込む柔らかさも堪らないが、
目の前に広がる赤く色づいた秘肉の形に魅入る。

よくよく見れば、複雑に折り重なった肉襞の隙間に白い恥垢が見えた。
小指の直径ほどのぽっかりと開いた穴には、先に指先で触れた粘液がしみ出している。
またひとつ、涼風自身も知らないだろう、涼風の部分を知った。

しっかりと目に焼き付けているうちに、支えていた腕が痺れて震えだし、
おそるおそる舌を伸ばして、より近くへと顔を近づけていった。
ピチャ…くちょ…くちゅ…
鼻先を恥丘に擦りつけて、細く伸ばした舌で無我夢中で涼風の秘部をなめずる。

153:名無しさん@ピンキー
09/02/16 19:52:22 ye3msPM/
途中ですけど、これで投下終了です。続きはまた気が向いたら書きます。

154:名無しさん@ピンキー
09/02/16 21:08:57 9/JjyvgW
>>153
主旨違ってないか。うpろだスレか追い出されスレが妥当。

155:名無しさん@ピンキー
09/02/16 21:37:05 ZSPEWMoW
>>153
このスレは、執筆を断念したSSを流して供養するスレなんだ。
だから、

>続きはまた気が向いたら書きます。

この一文を書いた段階でスレ違い。




>>145
変な話で面白そうだったが残念。
なむなむ。

156:名無しさん@ピンキー
09/02/21 20:53:49 +jh4YYdZ
保守しとこう

157:名無しさん@ピンキー
09/02/21 23:00:58 P5cqiybi
「年の差」ってほどではないし、「先生とHな授業を」とも違う上に
エロで力尽きたのでお焚き上げ。


ボロアパートの鍵を開けドアを引っ張ると、がっ、と抵抗があった。
鍵、開けたのに閉まった。
これはあれだな。
再び鍵を開け、ドアを開ける。
狭いアパートを占領しているコタツの端から黒タイツに包まれた足先が出ていた。
「また勝手に上がり込みやがって」
せっかくコタツに入っているくせになぜ足を出すのだろう。そこから冷えたりしないのだろうか。
「あ、やっと帰ってきた。おかえりなさい~」
へろへろと力の入ってない声が出迎える。ごそごそとコタツからはい出てきたのはセーラー服。
いやセーラー服姿のオレの生徒だ。
といってもオレの身分は大学生。バイトで塾の講師をやっている。
「せんせー。鍵の置き場所変えた方がいいよ」
「取られて困るようなものは置いてない」
塾のバイト料はいいのだが、大半は生活費で消えていく。不況の折、親からの仕送りは事実上無いに等しい。
学費を払ってくれ、現物支給と称して食べ物や着る物を送ってきてくれるだけでも充分だ。
「おまえ、塾は? 最後の追い込みだろう?」
公立高校の入試目前で、遊んでいる暇など無いはずだ。
こいつの成績は中の上。高望みをしなければ公立合格は間違いないはずだし、親御さんの意向は
『一人娘なので私立の女子高でも』ということだった。
つまり。
「んー。息抜き、息抜き」
暇なのだ。
ショルダーバッグを放り投げ、ブルゾンを脱いだオレにおんぶおばけのように乗っかってくる。
「せんせぇー」
甘えてくる身体はさすが中学生。軽い。
「うるせえ。生徒だったらもっと生徒らしくけじめを付けろ。泥棒じゃあるまいし、家主の不在中に勝手に上がり込むな」
「えー。だって鍵の置き場所教えてくれたの先生だし。じゃー、勉強しましょ」
そう言って背中から降りると、セーラー服の上に着ていたカーディガンを脱いだ。
コタツの前にぺたんと座る。プリーツのたくさん入ったセーラーのスカートがふわりと広がる。
「うふふ」
鼻にかかった「う」から始まる妙な笑い声を立てて、にやん、と化け猫のように笑う。
妖怪じみてるな、おまえ。
真っ黒でまっすぐな髪はぷっつり切りそろえられていて、白い肌によく似合っている。紺色のセーラー服も清楚だと
思えなくもない。
でも「うふふ」だ。これはいかん。
「勉強って」
しゅる、と音を立ててセーラー服のスカーフを抜いた。白い手が摘むえんじ色のスカーフがひらりと宙を踊り、幻惑的だ。
「理科」
スカートの裾を蹴り上げるようにして、黒タイツの足が出てくる。
尻の方から手を入れてスカートをまくり上げ、一瞬尻を浮かす。足首あたりのタイツに余裕ができたと思ったら、
白い足が剥き出しになった。投げ出されたタイツは黒い一反木綿のようにコタツ布団の端に情けない姿をさらす。
「理科、って」
「高校だと生物って言いますよね。生殖とかー、遺伝とかー」
すすす、とスカートを少しずつずり上げていく。
ほっそりとした白い足があらわになっていく。
「ね。せんせ」
幼い顔が見上げてくる。手も入れてないくせに整っている眉の下、黒い大きな目にオレが映ってる。
「教えてください」


158:名無しさん@ピンキー
09/02/21 23:01:48 P5cqiybi
「せんせ。なんでエアコン無いの?」
電気代が払えないから。
「どうしてコタツなの?」
日本人だから。
「どうしてベッドにいかないの?」
オレのベッドは二人分の体重を乗せて運動できるほどの耐久力がないから。
セーラー服の構造は簡単なようだが、脱がせるとなると話は別だ。
特徴的なあの襟のついた上っ張りは胸元の余裕と、脇についている微妙な長さのファスナーを利用して脱ぎ着をするしかない。
本人の協力無しに脱がせられるシロモノとは思えない。
上っ張りを脱がしたら、ジャンバースカートだ。肩が左肩だけ外れるようにスナップがついている。
脇も、左側の身ごろにスナップ。そしてまた微妙な長さのファスナー。
どうせなら下まで一気に広げられるようになっていれば脱がせやすいのに。
ずるずると脱がせると、むくりと起きあがった。
「シワになる」
だったら最初から自分で脱げ。
シワにならないように畳むのも面倒な制服を、適当にそのへんに引っかけると、器用にブラを抜き、
ふと気が付いたようにキャミソールとショーツだけの格好でひょいとかがんだ。
おお、尻が。胸が。
「コタツ、消しときます」
「ん」
エコでよろしく。
「でも寒い」
ベッドから掛け布団だけ引きずり下ろしてくるまった。
「やっぱり寒い」
「そのうちなんとなく温かくなる」
「そのうちって?」
「あと三、四ヶ月もすれば」
「それまでこの格好で待つの?」
「世の中にはいろんなものを全裸で待つ人々がいる」
特殊な例だ。
眉を寄せ、変な表情になったその唇にキスをする。
「ん、ん」
「なんか……リンゴの味」
「給食。リンゴ出た」
給食。なんて懐かしい響きだろう。
「オレらの頃は芯ついたままだった」
「芯なんか食べられないのに?」
「そこを残してうまく喰え、ってことだよ」
おおらかな時代だったからな。大雑把とも言うか。
キャミソールの裾から手を入れる。
ほう、と息をついた。
「せんせいの手、あったかい」
小振りな胸は掌にすっぽり収まる。きゅ、きゅ、とリズミカルに手を開いたり閉じたりするとゴム毬を揉んでいるような気分になった。
「あ、あ……」
眉根を寄せ、目を閉じて、半開きの口から女のような声を出す。
「ひどい。ちゃんと女だよ」
「おまえはまだ女の子」
「子供も産めるのに」
それは生理が来るようになった、ってだけだろ。
「どこから子種をもらう気だ。単体生殖する気か」
「せんせ……ちょうだい」
うっとりとした目で言われると、女の子、とバカにしていてもゾクゾクする。
何をだ。子種か。子種発射装置のほうか。


159:名無しさん@ピンキー
09/02/21 23:02:29 P5cqiybi
「今日、大丈夫だから」
「おまえ、まだ生理、周期的に来てないってこないだ言ったばっかりだろうが! あれは生理周期が安定してこそ使える理論だ!」
このバカ生徒。
どこかで聞きかじってきたようなことばっかり言ってこっちを惑わせる。
胸を揉みながら、もう片方の手で太ももを撫で上げた。
子供の肌だ、と思う。薄くてすべすべしていて、温かくて健康的だ。
「ん、ふ」
やたら色っぽい声を出すようになってきた。いいかげん理性が保たないかもしれない。
パンツの中に手を突っ込む。
臍のうんと下、足のつけねの近くにだけ、きついカールを持った毛が生えている。頭髪と同じで真っ黒なのだろうが、
まだ目にしたことはない。
そのまま指を股の間に伸ばしていく。
「んっ、あ、ああん」
くっ、と白い喉をのけぞらせる。丸い肩が震える。
中指と薬指で秘唇をもみほぐす。
擦れるように押し合いへし合いしていたオレの指と肉唇は、その奥から流れ出てきた蜜でようやくゆるりと滑らかに動き始める。
「っ、はあ……」
熱い吐息を漏らして、背中も反らしていく。つんと尖った乳首が薄いキャミソールを持ち上げている。
寒い寒い、と被っていた布団はもう要らない。
キャミソールを胸の上までまくり上げる。
白い肌に薄い桜色のアクセントが乗っている。雪の上に桜の花びらが落ちているようだ。
中心の尖りがやや濃い紅色に見える。オレの目に何かフィルターがかかっているのかもしれない。
舌を伸ばして、舌先だけでつつくように舐めた。
「んっ、あ!」
びくんと腕の中の身体が跳ねた。
余韻のようにふるふると震える。胸のふくらみもぷるぷると揺れる。
ぱくりと咥える。
「んー! ん、んっ! あ、は…っ、あああ、んっ」
唇で、硬さの残る乳房を食み、口の中で舌を使って乳首を転がす。
面白いように身体をびくびくと跳ねさせる。ゆっくりと股も広げていく。
やらしい身体だ。
動かしやすくなった指で秘唇を開き、中のこりこりとした蜜口を指先でなぞる。
「んっ! んっ、ん、あ……そこぉ」
なにが「そこぉ」だ。
まだ入り口しか弄ったことはない。
「も、っと奥にぃ」
あー、わざとらしい。煽ってるな。
指の場所を変えて、愛液に濡れた指でクリトリスを擦った。
「んひふあぁぁ…っ」
本気なのはわかるが、この素っ頓狂な嬌声はなんとかならんのだろうか。
これがあるから理性が保っているようなものだが、それはそれで萎える。
もう少し大人になったら、こっちの我慢ができなくなるような声を出してくれるのかねえ。
ぷくりとふくれた小さな肉芽を、ぬるぬると滑る指でさすりながら包皮を剥く。
まだ全部は剥けない。硬い皮に守られている。
「尻、浮いてんぞ」
足を突っ張らせ、浮かした尻がゆらゆらと揺れている。
ああ、断言する。あと三年もしたらもう絶対堪えきれない。
「んひゃ、あ! ゃあ、あ、ぅん!」
後頭部を擦りつけるように首を振る。まっすぐな髪がばらばらに乱れていく。
「やあ、だめ、それ……そこ、だめ」
「もっと、って言ったのは誰だよ」
やべぇ。オレの声、ねちっこい。


160:名無しさん@ピンキー
09/02/21 23:02:52 P5cqiybi
「んん、ん、だってぇ… そこじゃないもん…っ」
クリトリスを指で挟む。
「ひぃあ…!」
挟んだまま左右に揺らす。
「う、あ! あああ! あ、あ」
呆けたように口を開けたまま、他に何も言えなくなってしまって、ただ、ああ、ああ、と浮かされたように声を上げ続ける。
「ほら。イけ」
「や…だあ! 今日、こ、そ…っ て、あ んあ」
強情だな。
あいた手で乳首を摘む。
「ひっ!」
こね回す。乳首はもうカチカチだ。もみほぐしてやろうとこりこり弄ると、余計に硬くなる。
ぎゅっと力一杯摘み上げると悲鳴を上げた。
「ひ! ひ、ぐ…っ、き、あ」
ぱっと離してすかさず口に咥える。
力を入れないようにねろりと舌で舐め上げる。
「う! は、あああ!」
全身をわななかせのけぞる。秘所はどろりと溢れ出た蜜でべとべとになっている。
クリトリスを中指の腹だけで、これでもかと高速で擦り上げた。
「う、ひあああ! あ、あー!!」
全身を突っ張らせてガクガクと揺れながら絶頂の声を上げるのを聞いた。

はふん、と溜息をもらして布団に潜り込むのを捉まえて抱きしめると、抵抗された。
「なんでだよ」
「せんせーはケチだからいや」
口を尖らせるが、頬を膨らませるのはやめたようだ。それだけでもぐっとお姉さん度が上がるぞ。
「せんせ、いっつもここまでしかしてくれないもん。胸触ったり舐めたり、パンツの中に手を入れてくれたりはするけど」
女の子がそんなことをはっきり言うもんじゃない。
「指どまり。しかも浅いし」
べち、と頭を叩いた。
「いたい! あっ、公式が! 定理が! 抜けていく」
「そのていどで抜けるなら覚えていた内には入らん! 覚え直せ!」
中途半端な気のひきかたをするな。
「せんせぇ」
首筋にするりと滑らかな肌がまとわりつく。腕を回され、ぐっと引き寄せられる。
「いつになったら最後までしてくれるの? 私、頑張ったよ? 学校の成績も上げたし、私立も受かった。
先生の授業受けたかったから、テストの点数も上げすぎないように気を付けた」
「バカか!? そこは上げろ!」
「そしたら先生と会えないじゃない」
うふん、と笑う。
「週に二回の、それも一回二時間の貴重な逢瀬よ」
他に二十三人の目があるのは忘れているのか。それとも無視か。
っていうかそれ以外にもおまえ、こうやってうちに勝手に来るじゃないか。
「先生が家庭教師だったら良かったのに」
家庭教師。それはエロスな響きでいいな。
って女の子を担当に持てるかどうかわからんぞ、それ。
「最後までして。そしたら」
その唇に人差し指を当てて黙らせた。
「合格のご褒美に取っておけ」
見開いた目がきらんと光る。
「ほんと? ほんとに?」
「オレは嘘は言わん」
ごまかしはいろいろやるが。
「わかった! 私頑張る!」
「おお、頑張れ」
頭を撫でてやった。
ちゃんと待っててやるからな、三年後の大学受験合格発表まで。

161:名無しさん@ピンキー
09/02/21 23:03:02 P5cqiybi
投下終了。

162:名無しさん@ピンキー
09/02/22 06:11:46 PrcvZMbH
GJ!
エロくて生徒可愛いな

163:名無しさん@ピンキー
09/03/01 21:20:09 NRgx4wLv
保守しておこう

164:名無しさん@ピンキー
09/03/10 12:25:04 lSkLuLWJ
保守

165:名無しさん@ピンキー
09/03/18 06:12:37 jwrxC2+5
ほっしゅっしゅ

166:名無しさん@ピンキー
09/03/18 22:02:31 6Nw/SiQ9
保守

167:名無しさん@ピンキー
09/03/18 23:49:36 0AlSswMz

師弟もの
弟子虚弱で声が出ない。
なんだかんだ師匠は弟子大事?

特集設定
弟子両性具有。
ふたなり注意。



弟子うっかり痴漢にあって、師匠にたすけられました、その後。



「まったく、なに他の奴に触られてやがる」
 不機嫌そうに呟いた師は噛みつくような、深いキスをしてきた。
片手がアルの白い体を這う。申し訳程度の膨らみを乱暴に揉まれ、
アルは身をよじった。突起をこねくり回されると腰が揺れてしまう。
「弱いな、お前は。だから狙われるのだよ」
 くりくりと苛められ、アルは必死にアスタロトにしがみついた。
熱い吐息がもれる。べつにだれでも良いわけじゃないのに。アルは
唇を噛んだ。というかここでヤるんですか。寒いのですが。
 何度もキスをされ、大きな手が熱くなり始めた体をいやらしく這
う。そのうち服をたくしあげられ、口づけが首筋、鎖骨、胸元と降
りてくる。ぷくりと膨れて固くなった突起を舌と指で転がされると、
アルは立っていられなくなってしまう。普段性欲に乏しく、男性器
も女性器も未完成なくせに、アルは快感に弱かった。それもこれも、
アルの胸元に顔を埋める師のせいであるのだが。
師はへたりこんでしまったアルを鼻で笑い、地べたに座った師はア
ルの腰を支えて膝だちにさせ、また突起に吸い付く。アルは師の頭
を抱え込み、喘ぐしかなかった。


168:名無しさん@ピンキー
09/03/18 23:55:58 0AlSswMz
 ズボンの上から中心を押される。男根は立ち上がり、その奥の泉は
もう溢れてしまっている。
 師はズボンを下ろし、やわやわと勃起しても子ども程度しかない
アルの自身をしごいた。膝だちもしていられずに、今度こそ尻をつい
てしまう。師はアルを抱上げ、快感に震えるアルが先走りをあふれ
出すと、今度は泉を浅く擦り上げた。豆をつまみ上げられると快感
が迸る。一本指が中に入り、擦りあげられ、アルは必死に快感に耐
える。蜜がさらに溢れ出すと、指が二本、それがなれると三本とく
わえこまされてしまった。音を立てて苛められ、蜜を掻き出され、
アルはあえぐ。地面に蜜が滴った。出し入れに耐えきれずびくんと
体を震わせ、指を締め付け達すると、アルの自身もとぷりと白濁を
吐き出してしまった。ほんの少量だが、アルにとってこれが最大で
ある。
 指が抜き取られ、壁に押し付けられると、片足をあげさせられ、
 熱く太いものがあてがわれた。

「入れるぞ」

 達したばかりの体が容赦なく押し開かれる。出し入れをしながら
押し込まれ、アルはいやいやと首をふる。

「気持ちいいだろうが…」

奥をぐりぐりと擦られ腰をよじった。


169:名無しさん@ピンキー
09/03/19 00:00:07 0AlSswMz
「お前は本当に奥が好きだな、え?」

弱い所ばかり苛められ、しかし達するほどの快感でもなく、野外で、
しかも恥ずかしい言葉にさらに羞恥を煽られ、アルは耐えきれず、色
素の薄い瞳からぽろぽろと涙をこぼした。
 師はそれを見て笑い、やはり腰を揺らして奥をもどかしく刺激する。
 懇願するようにアルは師の服を引っ張った。

「なんだ?」

わかっているくせに師は意地悪く笑い、アルを柔く攻める。
 アルは快感に震えながら、わななく口を開いた。虚弱なおかげで幼少
の大病により声を失ったアルは、必死に伝えようとぱくぱくと唇を動か
した。それも羞恥と頭が狂いそうな快感でなかなか伝わらない。その間
にも師はゆるゆると腰を動かした。
 もっと。師の笑みが深くなる。もっとしてください。
 ずるり、と師が腰を引き、アルの中が逃がすまいと収縮したところを、
また師が押し開き、最奥を突き刺す。大きな挿入を師は何度も繰り返し
た。

「俺以外に触らすんじゃねえぞ。わかったか、え?」

 こくこくと頷くと「いい子だ」と笑った師はアルを抱え、下から突き
上げた。アルは師の首にかじりつくように腕回し、快感に身を任せる。


170:名無しさん@ピンキー
09/03/19 00:05:27 0AlSswMz
 夕暮れの街に卑猥な音が響く。乞食らしい子どもがぎょっとして逃
げていく。

「このほっせぇ体も白い肌も、目も髪も口も、処女みてえなここも、
全部俺のもんだ。まあ、ついでちっちぇそれも俺のもんにしとくか?なあ?」

何度も達してしまい、もう訳もわからず喘ぐアルの師はささやく。

「いい子にはご褒美をやるからな、アル。お前なら孕んでも特別に
責任とってやってもいい。他の女は下ろさせるがな……」

 そう言った師はアルを一際強く貫き、たっぷりと白い欲望をそそぎ込んだ。
 欲望を引き抜いた師はアルを抱えるようにして立ち上がらせると、近くの木箱にアルを掴まらせた。腰を持ち、再度自身で貫いた。

「ご褒美だ」

 そしてまた律動を開始する。







「おい、土産だ」
 ここ二、三日、師はよく土産を買ってくる。お菓子とか、服とか。
 アルはその包みをうろんげに眺めた。
しかしアルの好みをあまり認識していないらしい師は、微妙にアルが
好きなものとは30度ほど斜めにずれたものを買ってくる。天上天下唯
我独尊、自己中でナルシストの塊、何年も共に暮らしても、人のこと
など見も考えもしないことはよく知っているので、消費するのに困っ
たなあと首を捻る程度だ。今更怒らない。


171:名無しさん@ピンキー
09/03/19 00:12:53 HYhwiJzI
 体調崩しているからべたべたに甘いケーキなどはあんまり気が進まな
いし、秋と冬の代わり目だというのにあんな夏用みたいなピンクピンク
した花柄すけすけミニミニワンピースなんて着られないし、着たくもな
い。値札を見たらとんでもなく高かった。基本ヒキコモリのアルにどこ
に着ていけと。
 お菓子はともかく、服の趣味は丸っきり師の願望だ。師はアルに女の
子女の子した格好させたいらしい。似合わないから嫌だというのに。

 お菓子は溜まり、着ない服が増え、師はそれを見て苛々……悪循環だ。
 それでも、普段怒るくせに、怒らないのは……

「おい、何が欲しい」

 気持ち悪いし、食欲ないからなにもいりません、と紙に書いて押しやる。
それを見た師が眉をはねあげた。

「……酸っぱいものとか欲しくないか」

 アルは顔をひきつらせて、師に背を向け、暖炉の前で丸くなる。二日や三
日でつわりなんざ来るわけがない。

「なんでも買ってやるぞ」

 ご機嫌取りなんてしないで素直に謝ればいいのに…、と無音の呟きを
漏らしつつ、脇に挟んだ体温計を見ると38度5分。これでも昨日よりは
良くなった。
 寝転がったアルは昼寝用の毛布にくるまり、ごほごほとひどい咳をする。
 ああ、喉が痛い。





おわり。
大変失礼しましたー。

弟子が男臭くなってないか心配。



172:名無しさん@ピンキー
09/03/19 07:14:10 AsQbK4q2
GJ!弟子かわいいよ弟子

173:名無しさん@ピンキー
09/03/26 08:55:43 j+UaEbDd
前にも書き込みしてた人?
師弟グッジョブ


174:名無しさん@ピンキー
09/03/28 09:12:01 9ZbygIO9
良作じゃないか

175:名無しさん@ピンキー
09/03/29 03:15:13 jCHDEldT
主従か軍人か年の差かどれかに投下しようと思ったけど、エロシーンと作戦シーンで行き詰ったのでお焚き上げお願いします。
 エルネスト・ベルナー曹長が、アリーセ・マイツェン暫定少尉の指示の元、特別潜入捜査に従事せよ、と内密に指令が下ったのは、すみれの花のにおいたつ穏やかな午後のことであった。

「結婚? あなたと俺が?」
「ええ。もちろん偽装の戸籍による虚偽の婚姻ですが」
 目の前の人形のようなアリーセ・マイツェンは事務的に告げる。
 仮にも夫になる人間に対する愛情や温かみや、親愛の類の一切を欠落させて彼女はエルネストに対峙する。

 アリーセ・マイツェンは組織の有名人だ。
 諜報部の生え抜き秘蔵っ子として、幼少のころより内密に育て上げられたアンドロイドのようなアリーセ。
 かくいうエルネストもその美貌を一目確認しようと、不必要に徘徊した記憶は新しい。
 だがアリーセという女は、その整った顔立ちにも関わらず人の記憶に残らない。せっかく拝んだ顔を、エルネストはたった三日で思い出せなくなってしまった。
 印象的だったのは、流れるようなはちみつ色の長い髪、ただそれだけだ。
 何故か、と思い返してみれば、アリーセには華がない。
 大人の女性としての色気も、少女としてのあどけなさも、一人の人間としての個性も持ち合わせていない。
 ―まるでお人形。
 それが、エルネストの彼女に対するイメージだった。
 上層部が作り出したかったのは、役にたつお人形、それだったのだと知る。

 命令なら何でもやりますよ。
 そう軽口を叩いて承諾をした。事実、逆らう術もメリットもない。
 早いところ作戦を終了させて、面倒な任務から解放をされてしまおう。それが得策だ。


「あの、ベルナー曹長。一つお願いが」
 アリーセがそう切り出したのは、任地へと向かう列車の中だった。
「なんです?」
「敬語を、止めていただけますか。通常の夫が妻に話すようにお願いします」
「……ではマイツェン少尉どのも、その仰々しい喋りかたを止めていただけますか」
「いけません。この任務の遂行のために少尉の位を暫定的に与えられてはいますが、実際の階級はベルナー曹長がはるかに上ですし、経験も深い。それに、」
「それに?」
「夫に敬語を使う妻は存在しますが、その逆はひどく不自然です」
 生真面目なその様子に、エルネストは苦笑をもらす。
 こいつはとんだ頑固者だ、と予感した。
「判った、普通に喋ろう。その代わり、あんたも出来るだけでいいから敬語をやめてくれ」
「……ですが」
「設定は新婚夫婦なんだろう? 愛し合って結ばれた二人がいつまでも敬語交じりでは、奥様方の噂の的になっちまうぞ」
 アリーセはそのアイスブルーの瞳を見開いてしばし硬直を見せた後、ふ、と息を吐いてその表情を崩した。
「判りました、努力いたします」
 この女、こんな顔もできるのか。
 柔らかい表情と相変わらずの堅苦しい喋りのギャップに、エルネストはまた苦笑を浮かべた。




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