ハヤテのごとく!のエロパロ 24冊目at EROPARO
ハヤテのごとく!のエロパロ 24冊目 - 暇つぶし2ch317:名無しさん@ピンキー
08/09/30 19:01:19 g5AWaM1b
>>316ツッコミ乙だが
おいおい、神職人様へのGJを忘れてるぜベイベー

318:名無しさん@ピンキー
08/09/30 19:11:41 kdhfgAR2
>>317
おおう、うっかりしてた。ツッコミthx!

とゆーわけで、ROCO氏GJでした。何度中田氏してんだこいつらwww
3Pエロいよ3Pw

319:名無しさん@ピンキー
08/09/30 20:50:44 M1CCPwHj
ROCO氏GJ!!

320:名無しさん@ピンキー
08/09/30 22:47:48 8StGHRtz
>>308 GJ!!長らく投下が無いと思っていたら、アク禁くらっていたのか。
もしかして、今のスレの雰囲気に絶望して出ていったと思ってしまいました。よかったです。

次の投下では覗いていた人にお仕置きをする話ですね?わかります。がんばってください。

321:名無しさん@ピンキー
08/10/01 02:56:03 g7UCTLP1
ROCO氏GJ!

出来れば鬼畜わたるで伊澄咲夜を苛めるやつお願いしたいです。

322:名無しさん@ピンキー
08/10/01 06:48:17 vjt3JRmP
ROCO氏乙です!


323:名無しさん@ピンキー
08/10/01 22:13:41 OQFV9Joh
うひょーこりゃたまらん
GJ!

324:名無しさん@ピンキー
08/10/02 22:07:18 4kDDJtkD
正直、抜いた

325:名無しさん@ピンキー
08/10/02 22:16:53 FkFnbmez
gjgjgjgjgjgj

326:名無しさん@ピンキー
08/10/03 16:44:54 TTJ4x6Jo
1、数>量
2、量>数
3、数=量
どれだ?

327:名無しさん@ピンキー
08/10/03 16:48:17 W6W62Y8N
答えは>>326=あほ

328:名無しさん@ピンキー
08/10/03 19:03:14 w+CPYygD
保管庫に雪路のエロSSってあったっけ?

329:名無しさん@ピンキー
08/10/03 19:08:53 6bPS1eC/
聞く前に見に行こう。


まあ、結論いうと結構あるぜ?

330:名無しさん@ピンキー
08/10/04 01:04:36 4UP6cru8
雪路でエロネタなんてよく思いつくよな

331:名無しさん@ピンキー
08/10/04 03:29:29 M7e4Tz/m
雪路かわいいよ雪路

332:名無しさん@ピンキー
08/10/04 07:48:26 U7KXlvD/
【新装】犯したい二次元キャラ【開店】
スレリンク(eroparo板)

333:名無しさん@ピンキー
08/10/04 22:50:46 TyCSVpcD
雪路とガンプラの駄目大人2人は結構萌えるぞ

334:名無しさん@ピンキー
08/10/05 10:51:37 yaVOdVC0
ヒナギクちゃんは可愛い過ぎる

335:名無しさん@ピンキー
08/10/05 13:09:28 knIT6JhN
>>334
「ヒナギク」でも「ヒナギクさん」でも「ヒナさん」でも「ヒナちゃん」でも無く
あえてヒナギクちゃんと呼ぶなんて、相当の使い手だな

336:名無しさん@ピンキー
08/10/06 03:34:57 csFTR1r2
>>334
「ヒナギク」でも「ヒナギクさん」でも「ヒナさん」でも「ヒナちゃん」でも無く
あえてヒナギクちゃんと呼ぶなんて、相当の使い手だな

337:名無しさん@ピンキー
08/10/06 04:22:51 tke36ZWx
>>334
「ヒナギク」でも「ヒナギクさん」でも「ヒナさん」でも「ヒナちゃん」でも無く
あえてヒナギクちゃんと呼ぶなんて、相当の使い手だな

338:名無しさん@ピンキー
08/10/06 11:56:21 oir6tkD4
ヒナギクって胸少しでも膨らんでんの?

339:名無しさん@ピンキー
08/10/06 12:03:46 ++bY92d1
んなわきゃない

340: ◆40vIxa9ses
08/10/06 12:52:44 eBQv/UGU
「ニャオン、ニャオン!」

三千院家の広大な屋敷内。深いワイン色の高級な絨毯が敷き詰められた廊下の真ん中で、
ほんの数ヶ月前に屋敷に来たばかりの小さな黒猫・シラヌイが、まだ細くて頼りない四肢を懸命に踏ん張りながら、
先端に行くに従って急激に細くなっている幼猫独特の尻尾をピンと立て、
一声毎に両の口角を斜め上に目一杯引っぱり上げては、腹を大きく波打たせるようにして大きな声で鳴いている。

「ん?シラヌイか」

何時もとは全く違うその鳴き声に気付いて様子を見に来たハヤテの姿を見付けると、シラヌイは尚更激しく鳴いた。

「ニャオン!ニャオン!!」
「どうした?何処か痛い所でもあるのか?」

その只ならぬ鳴き方が心配なハヤテはすぐにシラヌイへと近付いたが、その小さな猫は、どうした訳か、
ハヤテが自分に近付いた分だけ廊下の先へと歩くと、その場でハヤテを振り返って、又、鳴き始める。

「ニャオン!」
「ごめんごめん、急いで近付いたら怖かったか?」
「ニャオン!ニャオン!!」

ハヤテの言葉に、更に激しく鳴いて返事をするシラヌイ。猫のことは良く分からないハヤテだが、
この小さな猫が何かの危機を感じてそれを必死にこちらへ訴えていることは明らかだった。
ならば、急がねばならない。
優しいハヤテは、逸る気持ちを抑えて今度はゆっくりとシラヌイに接近を試みる。

「ニャオン!ニャオン!!」

やはり結果は同じで、その一生懸命な小さな仔猫は身体全体を使って激しく鳴きながら、
ハヤテが接近した距離だけ廊下の奥へと進み、そしてそこで立ち止まって振り返ると又鳴き始めた。
これは、ひょっとすると…?

「僕を何処かへ連れて行こうっていうのか?」

ハヤテの言葉が通じたとは思われないが、しかしシラヌイは、その場所でクルリと回れ右をすると、
時々急かすようにハヤテを振り返りながら小走りに廊下を進んでいく。

「ニャオン!」

半開きの居間のドアの前でシラヌイは一旦立ち止まり、やはりちょっと振り返ってハヤテの接近を確認してから、
そのまま中へと入っていく。
そして、その後に従ってハヤテも部屋へ入った。

「居間?此処がどうしたんだ…?」

341: ◆40vIxa9ses
08/10/06 12:53:40 eBQv/UGU
シラヌイは部屋の中をそのまま進み続けて、入り口と反対側の壁にある窓の下でハヤテの方を振り向くと、
その場で両手両足をキチンと揃えて腰を降ろし、更に尻尾をその尻の片側へときちんと仕舞った。

「?」

シラヌイを追っていたハヤテの視線が、その上の窓へと移動する。
窓は大きく開け放たれていて、そのお陰で部屋の中には秋の昼下がりのほんのりと暖かい爽やかな空気が満ちており、
ソファーの上では、発売になったばかりの少年誌を胸元に抱いたままのナギが穏やかな寝息を立てていた。
だが、『秋の陽は釣瓶落とし』の諺の通り、
窓外から差し込む陽の光の色には、足早に訪れる秋の夕暮れ独特の黄金色の色味が既に混じりつつある。
この分では、もう30分もしないうちに気温はぐっと下がり始めるに違いない…

なるほど!

ドアのところに立ったままのハヤテは、
窓の下にチョコンと行儀良く座っているシラヌイに心からの笑顔と軽いウインクを贈った。
そして、ナギを起こさぬように注意しながらソファーを大きく迂回して窓に近付くと、それを静かに閉め、
更にレースのカーテンをそっと引いてから、戸棚から取り出した大判の膝掛けでそっとナギの身体を包み、
歩んできた時と同様の注意深い足取りで部屋を出てゆく。そんなハヤテの後を、シラヌイが静々と追った。
ロックの音にも気を遣ってドアノブを回したまま慎重にドアを閉め終えると、
ハヤテは、とても優しい手つきでシラヌイを抱き上げて、そのクリクリと大きい綺麗な金茶色の瞳を覗き込みながら尋ねた。

「お前は偉いなぁ!
あのまま窓が開けっ放しだと、お嬢さまがお風邪をお召しになってしまうから、それを教えてくれたんだろ?」
「ミャ~」
「そうか!シラヌイはいい子だね」

ハヤテの胸元に抱かれて喉元をスリスリと撫でられているシラヌイは、
「そうだよ!」とは言わぬばかりの、さっきまでとは全く違う可愛らしい鳴き声で返事をすると、
大きな目をキューッと瞑って幸せそうにその喉をゴロゴロと鳴らし始める。

「よし!お嬢さまのお役に立った賢いお前に、御褒美をやろう!」

ハヤテはそのままシラヌイを抱っこして、マリアが夕食の準備を始めているであろう厨房へと足を向けた。

342: ◆40vIxa9ses
08/10/06 12:55:58 eBQv/UGU
厨房の扉をノックする音に、マリアが振り返る。

「はい。どなたですか?」
「僕と、シラヌイです」

この返事に、さすがのマリアも戸惑った。
この時間帯の厨房がどれ位多忙かについて、また、
これからまさに調理が開始されようという厨房に動物を持ち込むことが禁忌である事について、
ハヤテが知らないはずなど無かったからだ。
だが、そうであるからこそ逆に、何か尋常でない事態がハヤテとシラヌイを襲ったという可能性もある。
とにかく早くハヤテの顔を見たほうが良いだろう。

「はい…」
「マリアさん!シラヌイってとっても賢いんですよ!!」
「は…、はあ…」

ドアを開けた自分に「忙しいところ、すみません」の前置きも無くとても嬉しそうな笑顔で話し出すハヤテの様子に、
マリアは一安心したものの、ハヤテがわざわざこの時間帯に仔猫を抱いて訪れたその理由は分からなかった。

「シラヌイが何時もと違う声で何回も鳴くんで、僕、行ってみたんですよ。そしたら…」

厨房のドアから半身を出したままの状態のマリアに、ハヤテは興奮しながら先ほどの一部始終を話して聴かせた。

「まあ…、そんなことが…!」

ハヤテと同様、シラヌイの主人想いの活躍に感じ入ったマリアが、
ハヤテの腕の中で丸くなっているシラヌイに優しく声をかける。

「偉かったわね!シラヌイ」
「でしょ!で、僕、シラヌイに御褒美をやりたいと思うんです」
「そうですね。何がいいかしら?」
「ミルクがいいですよ」
「ああ!それはいいですね」

343: ◆40vIxa9ses
08/10/06 12:56:41 eBQv/UGU
マリアはハヤテを厨房へ招き入れると、食器棚の一番下の扉を開けて質素な白い磁器の茶碗を取り出し、
ハヤテの足元に丁寧に置く。
だが、これは見た目が質素なだけで、帝と親交のある人間国宝の陶芸家が、
「お孫さんが飼っている猫の食事用の茶碗に」と好意で焼いてくれたものだった。

その茶碗にマリアが注ぎ分けてくれた三千院家の専用農場直送のミルクを、
シラヌイは、見ている人間も思わず喉が鳴りそうになるほど本当にとても美味しそうに飲み干した。

「ミャ~ン!」

マリアの顔を見上げながら「ご馳走様でした!」言っているに違いない可愛らしい声で一鳴きしたシラヌイは、
又も喉をゴロゴロ鳴らしながら、ハヤテの足元にじゃれ付き始めた。

「良かったな、シラヌイ!あ!マリアさん。お忙しいところ、いきなりすみませんでした。
僕はシラヌイを連れて居間に行きます」
「はい。これくらいのときは遊び盛りですから、しっかり遊んでやってくださいね」
「良ーし、シラヌイ!何して遊ぼうか?」
「ニャ~ン!」
「良いわねぇ、シラヌイ。ハヤテ君に遊んでもらえて。私なんか…」
「えー!マリアさん、何ですかそれ!」
「うふふ、半分冗談ですよ」
「“半分”って…」
「ウフフフ」
「あはは…」

厨房の中から漏れてくるこんな楽しげな笑い声交じりの会話に耳をそばだてている者がいた。
シラヌイが来るまでナギの寵愛を独占し続けていた巨大な白い猫。そう、タマである。

344: ◆40vIxa9ses
08/10/06 12:57:52 eBQv/UGU
夕食の後、皆が三々五々再び居間に集合する。
ここに集まる者皆それぞれが、いろいろな理由から一人で居る事を嫌ったし、
また、それぞれその程度や意味の差こそあれ、お互い同士お互いのことが好きなのだ。
もちろんその中には、今日のヒーローであるシラヌイと、
シラヌイが屋敷に来た当初にはこの小さな猫が怯えるからという理由でナギの生活圏への接近を全面的に禁じられ、
最近やっとそれが「寝室への進入の禁止」のみに緩和されたタマも含まれていた。

「お嬢さま!とても良いお話があるのですが、させていただいても宜しいでしょうか?」
「ん~、何だ~?任○堂がついにホログラム式の記憶システムでも採用したのか~?」

ナギは、ついさっき届いたばかりの通販で買った同人誌から目を離そうともせずハヤテに生返事をする。
それを見たマリアが、わざと刺激的な単語を選んで聞こえよがしにハヤテに話しかけた。

「私たち二人とも、とっても幸せな気持ちになったんですよね~、ハヤテ君!」
「なっ!『二人とも、とっても幸せ』って、お前たち、一体何をしたのだ!?」

ほんのさっきまであんなに夢中で読んでいた同人誌を放り投げて詰め寄るナギに、
ハヤテは「待ってました」とばかりに話し始めた。

「お嬢さまは、夕食の直前まで、お休みになっていらっしゃいましたよね」
「うむ」
「では、お休みになる前、窓はお閉めになられましたか?」
「…?ああ…、そういえば…。あれ!?私が起きたときには、レースのカーテンまで閉まっていたような…」
「はい!実はこのシラヌイが…」

ハヤテは、ソファーのナギが座っているところのちょうど反対側にちょこんと座っているシラヌイをそっと抱き上げて、
それを優しくナギに渡しながら、昼間のシラヌイの活躍を詳細にナギに説明した。

「おお!そんなことがあったのか!!私が育てた猫は、タマといいシラヌイといい、みんな立派になるなぁ!
そうだろ?ハヤテ!」
「はい!きっとお嬢さまの育て方が良いからに違いありません!!」
「あらあら、二人とも…」
「にゃ~ん!」
「まあ!シラヌイまで!」

マリアは苦笑いするけれど、二人と一匹は素直に己の思うところを披瀝しあっているだけなのであった。
その場にいる殆どの者が、正確には、タマただ一匹を除けば、いろいろな意味で“幸せ”であった。

345: ◆40vIxa9ses
08/10/06 12:59:00 eBQv/UGU
異変は、その晩に起きた。
東京都区部の大気は、突如としてその状態を著しく不安定にした挙げ句、都心各所に激しい落雷と豪雨をもたらし、
その影響は三千院家にも及んだ。
敷地内への数度の落雷のうちの大きな一回が、母屋たる本館を直撃したのである。
それによって正・副・予備のすべての電源系統が機能を停止し、
余りの衝撃にさすがのディーゼル式の自家発電機もシステムがダウンしてしまい、その結果、
予備の予備ともいえる蓄電池で賄われている本館の照明は、
各部屋の天井に一箇所だけの嫌にギラギラと目を刺激する非常用の白熱灯のみとなった。
この事態に、暗い所も雷も大の苦手とするナギは、ベッドの上で自分の胸元に押し付けるようにシラヌイを庇いながら、
自らはマリアの胸元に必死に縋り付くのが精一杯だった。

「お嬢さまッ!マリアさんッ!」

ナギの寝室の分厚いドアを通してもハヤテの必死の呼び声ははっきりと聞こえる。
声の出ないナギは、マリアの胸元に顔を埋めたまま、
微かにコクコクと頷いてハヤテの入室を許可する意向をマリアに伝える。

「どうぞ。入ってください」

マリアの良く通る声に促されて寝室に入ったハヤテは、
LED式懐中電灯の青白い光で闇を切り裂きながら、頼りなく震える主人の元にその名の通り疾風の様に駆けつけ、
ナギたちが蹲るベッドのすぐ傍に片膝をついて控えた。

「お嬢さま、僕が来たからには何も心配はいりません。僕が、この命に代えても、お嬢さまを必ずお守りいたしますから!」
「うん…、うん…」

非常灯の明かりでもそうとはっきりと分かるほど白々と血の気が失せ切った顔をようやくマリアの胸元から離したナギは、
ハヤテの心からの励ましを受けて、何とか首を縦に数回振ることが出来た。

「あれ…?」
「どうなさいましたか?お身体に、何かおかしいところでも…」
「シラヌイ…」
「シラヌイ、ですか?」
「シラヌイが、いない…」

「ほら」と言うようにハヤテに見せるナギのその両腕は、
確かに何か小さいものを護るように抱いていた形のまま固まっていたし、
マリアは、そのナギの言葉を肯定しながら心配げにベッドの周りに視線を走らせている。

「確かにシラヌイはナギに抱っこされていたはずなんですが…。
雷に驚いて、何処かに逃げ込んだのかも知れませんね」

ナギを一刻も早く安心させるためには、シラヌイの安否の確認が先か、
それとも、母屋の電源系統の復旧を試みるべきか、あるいは非常用の発電機を手動で起動させに行けばいいのか、
懸命に思案を巡らせるハヤテの上着の裾の後ろの方を、ぎゅっと握る者がある。それはナギでも、勿論マリアでもない。

「!?」

346: ◆40vIxa9ses
08/10/06 12:59:41 eBQv/UGU
さすがのハヤテも、ちょうど自分の真後ろに当たるその方向を確認するのに、かなりの覚悟を決めなければならなかった。
秋口に現れる幽霊など、そんなもの今まで一度も聞いたことも逢ったこともなかったけれども…

「ドンドン大きな音、怖い…。ピカピカ光るの、眩しくて嫌…」

確認しなければならないその位置から、少し震えている声変わり前の男の子の声がポツリポツリと聞こえてくる。
ハヤテが初めて聞く声だった。
ベッドの上を見れば、マリアも、そしてナギも、さっきまでの恐怖を失念したかのようにその目をパッチリと見開いて、
その声がした方向、つまりハヤテの背中の向こう側をじっと見詰めている。
最早それはハヤテの単なる思い込みや、非常時がもたらした感覚の異常などではなかった。
そうであるならば、真相の解明には一刻の猶予もならない。

「誰だッ!」

ハヤテは、上着の裾をピシッと引いてそれを掴んでいる者の手を放させ、
間髪いれずにそのままその場でクルリと身体を翻してナギとマリアを背中で庇うと、
目眩ましを兼ねて、その者の顔を真正面からライトで照らし出した。

「ああっ!」

その人物は如何にも頼りなげな力の入らぬ悲鳴を上げて両目を掌で懸命に覆いながらその場に丸く蹲ったが、
その青白い光円の中に浮かび上がったその人物の全体を見て、今度はハヤテたちが気の抜けた声を上げてしまった。

「え…?」
「あら…」
「うむ…」

床の上には、LEDライトの光に半身を濡らしながら、男の子らしい子供がただ一人、小さく震えながら蹲っていた。

347: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:00:28 eBQv/UGU
その時、電源が回復したらしく照明が何時もどおりに点灯し始め、
急に従来の明るさを取り戻した室内にハヤテたちがキュッと痛む瞳を瞬かせていると、
内線電話で修理技師から停電状態が長期化したことの侘びと電源の完全回復の報告が入った。

「で、君は、誰?」

まだ床に蹲り続けているその子に、困惑を隠せぬ口調でハヤテが声をかける。
『三千院家は、間抜けな暗殺者に狙われやすい』というのがハヤテの一般的な感想だったが、
この時間にやってきたプロの暗殺者ならば夜間用の装備を当然持っているはずだし、何より、激しい落雷の閃光や轟音、
不意の停電、そして照明の回復による視力の一時的喪失という好条件をことごとく逸するなどということは考えられない。
つまり、この子がナギに対する刺客でないことは明らかだった。
ならば一体、誰なのか?

「シラヌイ…」
「え…?」

蹲ったままのその子の答えに、ハヤテたちの目が点になる。

「ぼく、シラヌイ…」

微かに震えが残る声でそう名乗りながらゆっくりと身を起こしたその子の顔を見て、
ハヤテたちは思わず軽い悲鳴を上げるほどに驚いた。

「ええッ!」
「なっ!?」
「お…、お嬢さま…?」

348: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:01:25 eBQv/UGU
寝室のシャーベット・オレンジの絨毯の上では、
下が半ズボン仕様の仕立ての良い黒の子供用スーツをきちんと着込んだ男の子が、
両掌を床につき、正座している膝から下を両外側へ投げ出して尻をペタリと床につけた状態でへたり込みながら、
不安げな面持ちでハヤテたちを上目遣いに見上げていたが、
今回のような場合に『他人の空似』という言葉を使うのが適当かどうかは措くとしても、
今ならば『ペットは飼い主に似る』という俗信を素直に信じられるほど、その顔はナギとそっくりそのまま瓜二つ。
髪型も、ナギのツインテールに纏めたそれからテール部分を取り去っただけ、という激似振りだった。

「シラヌイ…、なのか…?」
「…うん。ぼく、シラヌイ…」

まだその指先でマリアの寝巻きの胸元をしっかりと握りながらも自分の方へグイっと身を乗り出して尋ねるナギに、
その子は、コクンと大きく頷きながらもう一度、誰あろうそのナギ本人から付けて貰った自らの名を名乗った。

「さっきは大きな声を出してごめんよ。よし、じゃあ、立ってご覧」

ハヤテは、シラヌイと名乗るその子に立ち上がるようにと優しく促し、そっと差し伸べた手で丁寧にその動作を助けると、
持ってきた椅子をちょうどナギの正面になるところに据えて、その子を座らせる。

「さあ、ここへお座り」
「はい」

近くでよく見れば、容姿こそナギとそっくりだが年齢はほんの少々ながら明らかに若いようであり、
その胸元では白いワイシャツと黒い絹地のネクタイが、足元では黒い靴下と白いエナメルの靴が上品な対比を見せ、
また、黒髪が余りに艶やかなのでそれ程目立たないものの、前髪の真ん中の部分には一筋の銀のメッシュが入っていた。

「…」

素直に椅子に座り、ナギからの視線をまっすぐ正面から受け止めてはいるものの、
不安げな表情のまま一向に口を開く気配を見せないその子に、
マリアの胸元を離れたナギがベッドの上をゆっくりとにじり寄っていく。

「私が誰だか分かるか?」
「なぎおじょうさま」

ベッドの縁から身を乗り出して真剣な表情で問うナギに、その子ははっきりと答えた。

「そうだ」
「じゃあ、これは?」
「まりあさん」
「なら、こっちは?」
「はやてくん」

349: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:02:04 eBQv/UGU
その子は、ナギが次々に指差す館の住人の名を正確に答えていく。
内心で感心するナギだったが、次に少し高度な質問をしてみることにした。

「この屋敷にはもっと人が住んでいるし、お前のほかにペットもいる。その名前を、知っているだけでよいから答えてみろ」
「くらうすさん。しつじちょうさん。たま。えすぴー…さん?…のひとたち?」

可愛く小首を傾げながらの自信なさげなその子の答えの、
その初歩的な勘違いに思わず表情を緩めたナギがそれを優しく訂正した。

「あははは。『クラウス』は正解。で、クラウスの仕事の名前が『執事長』なのだ。まあ、呼ぶときはどちらでも構わん。
それから、タマはお前の先輩なのだから、『タマさん』か『タマ先輩』と呼んだ方がいいな。
SPは沢山いるし、私も名前では呼んでいないから、ただ『SP』とか『SPさん』でいいよ」
「はい!」

ナギの打ち解けた態度に、その子は一瞬にして太陽のような笑顔になってサラサラの前髪を揺らしながら大きく頷いた。
なるほど、ナギの普段からの「私は動物を育てるのが上手いのだ」という自慢は決して伊達ではなかった。

「うむ!こいつは間違いなくシラヌイだ!!
いつ猫の姿に戻るのかは分からんが、それまでも、それからも、私たちと一緒にこの屋敷で暮らすのだぞ!」
「はい!」

さっきまでの半死半生、気息奄々の有様はどこへやら、
ナギはベッドの上に膝立ちになって両腰に手の甲を当てて肘先をグイと張ると、苦笑いを堪えて見上げるハヤテとマリア、
そして、蕩けるような笑顔で見上げるシラヌイを得意げに睥睨しながらそう高らかに宣言し、
シラヌイもそれに負けないくらい元気に返事をした。
この宣言は、『どうしてシラヌイが人間の姿になってしまったのか』の謎解きにはもちろん全く何の役にも立たなかったが、
しかし、人間姿のシラヌイがナギの傍近くで自由に暮らすお墨付きとしては十分な効力を有していた。
だがやはり、変身の原因が分からない以上、いろいろな意味で安心するわけにはいかなかったので、
その晩シラヌイは、ナギの寝室にハヤテが急遽設えた簡易ベッドで寝たのだった。

350: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:04:16 eBQv/UGU
次の朝一番に、三千院家の医療班とSPの責任者が共にナギの元に呼びつけられた。

「おいSP!それ、シラヌイだから。私がいない間に間違って取り押さえたり、屋敷から追い出したりするなよ」
「は…、はあ…。しらぬい様…、ですか…?」
「おはようございます!ぼく、シラヌイです!」
「は、はい…。おはようございます…」
「医療班!私が帰るまでに、シラヌイの身体の構造と機能を調べておけ。人間と同じ生活が出来るかどうかを知りたい!」
「はい…」
「では、私は今から登校する。いくぞ、ハヤテ」

傲然とそう言い置いて何時通りの不機嫌顔で玄関を出るナギに従うハヤテは、
医療班とSPの責任者からの「これは一体何事?」という困惑を隠せぬ視線にただ苦笑いを返すほか無かった。
医療班の責任者は、何処からどう見ても人間の姿をした人語を話す男の子のその身体について、
「人間と同じかどうか調べろ」と言われた瞬間から、どの様に答えればナギの機嫌を損ぜずに済むかを考え始めたが、
しかし一方、三千院家全体の安全を預かるSPとしては、
今から登校するついでの玄関先で、マリアの傍に控えている可愛らしい少年を「シラヌイだから」と紹介されて、
それをそのまま「はいそうですか」と無条件に受け入れるわけにはいかなかった。

「マリアさま…。これは、どういうことなのですか?」
「昨日の晩、お屋敷に雷が落ちましたよね…?」
「はい…」

目の前でそれを体験したこの自分にもそのカラクリが分からないのだから仕方ない。
マリアは、昨晩の落雷の折のナギの寝室での出来事を、二人にそのまま話した。

「う~~~~むむむむ…」

そのまま話してしまったことをマリアが後悔するほどに責任者たちは激しく懊悩し、
何度も何度もマリアとシラヌイの顔を交互に見比べていたが、しかしマリアがわざわざこんな馬鹿げた嘘をつく訳は無いし、
何よりも、明らかに白いトラでしかありえないタマを『大きな猫だ』と言い張るナギの決断とあれば、最早是非も無かった。


351: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:04:58 eBQv/UGU
「つまり…、あなたが、ナギお嬢さまがお育てになっていらっしゃった仔猫のシラヌイさん…、なんですよね…?」

哀れなSPの責任者は、目の前にある理不尽極まりない現実を可能な限り円滑に受け入れたいとの悲願を込めて、
その大きな身体を小さく丸め、困惑し切った何とも情けない表情でシラヌイの顔を覗き込む。

「はい!よろしくおねがいします!」
「こ、こちらこそ」
「宜しくお願いします…」

だが、先ほどからのシラヌイの屈託無い笑顔と気持ちの良い元気な挨拶に、責任者たちも漸く愁眉を開いた。
タマと同じナギのペットながら、あっちは危険な虎、こっちは人語が通じる上に飼い主よりも余程素直そうだ。
ナギの傍近くに仕える者同士、上手くやっていくのも、そう困難なことではないだろう。

「はい、了解しました。部下たちにもシラヌイさんのことを周知して、不都合が無いようにいたしますので」
「宜しくお願いしますね」
「では、シラヌイさんの身体検査はこの後9時頃から行いたいと思います。マリアさま、お付き添いをお願いできますか?」
「分かりました」
「じゃあまたね、えすぴーさん、いりょーはんさん!」
「うん、またね」
「はい、また後ほど」

マリアたちの前から辞去する責任者たちがシラヌイに微笑みかけながら手を振ると、
シラヌイもニッコリと笑って、白くて細い指先をピンと伸ばした可愛らしい手を胸の前で何度も何度も小刻みに振り返した。

352: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:07:20 eBQv/UGU
「ヒナギク、驚くなよ」
「何よナギ。また、『何とかゲームを昨日一晩でクリアーした』とかってこと?お屋敷は、停電、関係なかったの?」
「ふん!さすがはヒナギク。『昨日の晩』に気付くとは勘が良いな。だが違うぞ!」
「はいはい、で、何なのよ。私、今から桂先生のところに行かないといけないんだけど…」
「お前が拾ってハヤテに託した、あのシラヌイがな…」
「『しらぬい』?ああ!あの仔猫の名前ね!!」
「うむ。私が付けた」

朝の忙しい教室で、
なにやら得意顔で話しかけてくるナギの言葉を半分聞き流しながら鞄から机に教科書などを移し変えていたヒナギクは、
自分が拾ったあの仔猫のことが話題だと分かるや、表情をぱあっと綻ばせてクルリとナギの方を振り向いた。

「で、そのシラヌイちゃんがどうしたの!?」
「桂先生のところへ行かなくてもいいのか?」
「ああん!意地悪しないで教えなさいよ!」
「昨日の夜の雷でな、人間になった」
「は…?」

『家に落雷を受けた衝撃で、飼っている猫が人間の姿になった』という奇怪極まる異変など、
普通ならば他人には直隠しにしておきたいところであるはずなのだが、どういう心算かそれを自慢げに語り、
その内容に絶句するヒナギクに対して如何にも得意げにふんぞり返るナギに代わって、
ハヤテが昨日の晩の一部始終を説明した。

「ほんとなの…?」
「はい…」
「それって、化け猫…」
「ちがぁーう!!」

ナギは瞬間湯沸かし機並みの迅速さで頭の天辺からプンスカと湯気を立てながら、キッとヒナギクを睨み付ける。
『大きな猫』であるところのタマについて、周囲の者から事ある毎に『虎だ虎だ』と指摘され続けてきたナギは、
自分の“飼い猫”への悪口に対しては、つい反射的に激しく反応してしまうのであった。

353: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:08:05 eBQv/UGU
「なになに?」
「何やら朝から騒がしいな」
「どしたの?」

ナギとハヤテとヒナギクが寄り集まって笑ったり怒ったりしているのを、
美希、理沙、泉の生徒会三人娘が放っておくはずはない。彼女たちに取り囲まれたハヤテは、仕方なく、
どうせ無効と分かってはいるものの、「他の人には余りお話にならないでください」の前置きとともに、
ヒナギクにしたのと同じ説明を彼女たちにも行った。

「会いたいなー!」
「うむ。なかなかに興味深い話だ」
「今日、行ってもいいかなぁ!」
「うむ!是非来るといいぞ!旨い紅茶もあるからな」

あ~あ、というハヤテの困り顔を知らぬげに、もちろんナギは大得意で三人娘を招待することを決めてしまうが、
この騒ぎの中、マナーモードとバイブレーターを設定しているハヤテの携帯がブルルルッと一回だけ振動した。

「(メールですか?)」

ここで携帯を確認しては騒ぎがこちらに飛び火する恐れがあるし、
発信者がメールを選択したということは、それほど緊急の用件ではないだろう。
だが、今この時間の通信であるからには、次の休み時間には忘れずに確認すべきだろう。

354: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:08:50 eBQv/UGU
休み時間にこっそりと確認したメールの発信者は、伊澄だった。
機械音痴の伊澄が急いで必死に打ったので変換も改行も滅茶苦茶だったが、その内容は、
昨日の晩の落雷の最中に三千院家の方から一瞬だけ凄まじい妖気がしたが異常はないか、という問い合わせと、
一応屋敷に行って確かめたいので、それまでは気を付けて生活して欲しい、というものだった。

「(伊澄さんも、それですか…)」

もう手遅れ気味なのは明らかなのだが、しかし、伊澄が霊的な力を持っていることを知っているハヤテは、
昨日の落雷でシラヌイが人間の姿になったこと、そして伊澄の来訪を待つ旨の丁寧な返信をし、
更に、伊澄の来訪が円滑に行われるように一計を案じた。

「お嬢さま」
「ん?」
「シラヌイがお屋敷に来た時、伊澄さんはシラヌイに好かれようとして、凄い努力をなさったんでしたよね?」
「あ…?ああ!そうだったな!ありゃあ傑作だった!!サクに騙されて、普段着つけない洋服なんぞを着させられて…」
「ええ。ですので、シラヌイの変化について、一応、伊澄さんにもお声をおかけしたほうが良いと思うのですが?」
「なるほど、それもそうだな。じゃあ今日、あの三バカ連中が帰ったころを見計らって、呼んでやるか」
「それが宜しいと思います」

作戦成功である。

355: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:09:44 eBQv/UGU
「さあ、シラヌイ。入れ」

ナギの合図に居間の入り口がゆっくりと開き、そこに、マリアに手を引かれてシラヌイが現れた。

「キャーーーーーッッッ!!!!」
「こりゃあ驚きの可愛さだなぁ!!」
「ああ~~~~…。上目遣いに、半ズボン、生足…、もう、反則だよう…」

三人娘の悲鳴に近い黄色い声が三千院家全体に木霊する。

「これが…、あの、シラヌイなの…?何ていうか、ナギにそっくりね…」

拾った直後の3時間おきにミルクを飲ませねばならなかった時の印象しか持っていなかったヒナギクは、
その余りの変わりように只々目を見開いて息を呑むばかりである。

「ぼく、シラヌイです!ひなぎくさん!ぼくをひろってくれてありがとうございました!
さんにんのみなさんとははじめてあいます。よろしくおねがいします!」

マリアと繋いでいた手をそっと放し、それを身体の横にきちんと付けてから腰をしっかり折り曲げ、
丁寧に挨拶するシラヌイは、たちまち三人娘に取り囲まれた。

「瀬川泉だよ。ささ、こっちに来て!」
「朝風理沙だ。早く中へ入って!」
「私は花菱美希。おいでおいで!!」

三人娘に手をとられ、背中を押されて居間の真ん中に連れてこられたシラヌイは、
そのまま彼女たちに頭や喉元を撫でられながら質問責めにされる。
「ヒナに拾われたときの状況は?」「どうして人間になったの?」「人間になって、どんな気分?」
「人間の言葉がどれくらい分かるの?」「人間になっても鰹節やマタタビが好きか?」などなど…
シラヌイはどんな質問も嫌がらず、そして、意味の分からない言葉は可愛らしく小首を傾げながら一つ一つ聞き返すので、
その様子を面白がる理沙などは調子に乗って「『ショタコン』って分かるか」などと尋ねて、ヒナギクに注意されてしまった。
またシラヌイは、ヒナギクに拾ってくれた礼を改めて丁重に述べたので、それを聞いていた人間たちは皆感動したし、
その時一緒に世話をしてくれた西沢渉にも会って礼を言いたがったので、ヒナギクもそんな律儀なシラヌイを気に入った。
そんな大騒ぎの最中、内線電話で医療班からシラヌイの検査の結果が報告された。

「ほう、なるほど…。では、全て問題無いというわけか。うむ、ご苦労だった」

何事?と一瞬静まる一座に、カチャリと受話器を置いたナギが振り返りながら嬉しそうに告げる。

「シラヌイの身体の構造は、我々人間と全く同じだそうだ!」

「?」と不思議そうに小首を傾げるのは当のシラヌイ一人だけで、
あとの者は、「へえー!」とか「すごーい!」とか口々に歓声を上げながらシラヌイの頭を撫で、身体を擦った。

356: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:10:21 eBQv/UGU
「見れば見るほどナギちゃんに似てるね」
「こんなに可愛い生き物をナギだけが独り占めとはズルいなぁ」
「学校に連れてきたら、きっと女子が群がるぞ」
「でも、シラヌイを、っていうか人間の姿をしているものを無闇に校内に入れるわけには…」
「何ッ!!!」

大興奮の三人娘の前では、さすがのヒナギクもその正論を苦笑いと共に引っ込めるほか無かったけれど、
しかし、校内への部外者の立ち入り規制は生徒を始め学校全体の安全に関わることであったので、
今度機会を見つけてシラヌイを校門の所に連れてくるという無難な選択肢で一同はどうにか妥協した。

「ひなぎくさん、みきさん、いずみさん、りささん!またきてね!」

マリアが淹れてくれた美味しい紅茶を嗜みながらの美少年との歓談という
年頃の少女には堪えられない楽しい時間は瞬く間に過ぎ、
4人はシラヌイに門のところまで丁寧に送ってもらい大喜びで帰っていった。
『ペットの人気はその主人の人気』とナギの鼻も高々である。

357: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:11:21 eBQv/UGU
かしましい嵐が過ぎ去ったところでナギは伊澄を呼ぶようにハヤテに指示を出すが、
ついでだから咲夜も呼ぶようにと付け加えた。
そして、伊澄たちが到着するまでの間、シラヌイも加えた4人で紅茶を飲みなおして一息入れることになった。

「シラヌイも紅茶を飲めるのよね?」

紅茶を入れる一連の動作を珍しそうに顔全体で追うシラヌイとそれを優しく見守るナギに、マリヤが優しく問いかける。
ここでナギは、指先の仕草でハヤテに砂糖壺を持って来させると、それをスプーンでほんの少しだけ掌に取り分けて、
シラヌイの顔の前にそっと差し出した。

「シラヌイ、これを少し舐めてみろ」
「はい!」

その手をシラヌイは可愛らしく両手でちょこんと押さえると、ほんの少し出した舌先でチロリと砂糖の粒を少しだけ舐め取り、
そのままそれを口の中に引っ込めてムグムグと味わう。
次の瞬間、シラヌイは一旦パチッと見開いた目を更に2、3回パチクリさせた後、少々複雑な表情になった。

「どうだ?」
「あ…、ん~、…、えーと、おいしい…。おいしいけど、おくちのなかが…、おいしすぎるかんじ…」
「だろ?これは『砂糖』という食べ物だが、そのまま舐めてはいかんし、少しずつ使うのがいいのだ。分かるな?」
「はい!」

ナギは手際よく半嗜好品との付き合い方をシラヌイに教えていく。
そして、この遣り取りを微笑ましく見守っていたマリアがシラヌイに尋ねた。

「じゃあ、シラヌイも紅茶を飲みますか?」
「はい!」
「お砂糖は、少な目にしましょうね」
「はい!」

マリアが自分用の紅茶を淹れてくれるその澱みない動作を、シラヌイは小首を傾げながら一心に凝視した。

358: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:12:06 eBQv/UGU
「では、どうぞ」
「ありがとうございます!」

マリアに勧められ、金の縁取りのある優雅なデザインのカップを両手で可愛く持って口元に運んだシラヌイが、
次の瞬間、ギュッと眉間に深い皺を寄せる。

「あちちッ!…ちょっと…、あついかも…」
「ああ、ごめんなさい!シラヌイは猫舌…、いえ、猫ですものね」
「うん!でも、だいじょうぶです。まりあさん、やさしい!」
「まあ!シラヌイったら…」

ポッと頬を赤らめるマリアをじろりと睨み、ナギが大人気なくシラヌイを詰る。

「こら、シラヌイ!はじめて褒めた相手がマリアとは!!全く!シラヌイは!全く!!」

何を叱られたのか分からずキョトンとするシラヌイに、ナギの負けず嫌いが既に骨身に染みているハヤテが助け舟を出す。

「シラヌイ。ナギお嬢さまは可愛いかい?」
「はい!とってもかわいい!」
「じゃあ、綺麗かい?」
「とってもきれい!」

ハヤテの見え透いた誘導尋問に、ナギは尚更へそを曲げる。

「そんなお前、ハヤテに言われたことを只オウム返しに…」
「ううん!ちがうの!おじょうさまは、とってもあったかくて、やさしくて、
ほんとにきれいで、かわいくて、それから、いいにおいだよ!」
「そ…、そうなのか…?」
「うん!おじょうさまは、いつもぼくをだっこして、みるくをのませてくれてたでしょ?
そのときいつだって、おじょうさまは、あったかくてやさしくて、きれいでかわいくて、いいにおいだなっておもってたもん!」
「そっか…」
「うん!なぎおじょうさま、だいすき!!」

猫姿の時と同じクリクリとした金茶色の瞳をキラキラと輝かせながらこの自分への想いを一生懸命伝えるシラヌイの姿に、
上げた拳のやり場を捜すどころか萌えの返り討ちに遭ってしまったナギは、きゅう…と真っ赤になって下を向いてしまった。
誰も何も言わない、いや、言えない甘ったるい沈黙の中、
紅茶の冷める頃合を見計らっていたシラヌイは再び両掌でカップを包むように持つとそれをンクンクと一気に飲み干し、
それを見守っていた一同に「あまくて、おいしい!!」と太陽のような笑顔を見せる。

リーンゴーン!リーンゴーン!

この微妙な沈黙を破ったのは、伊澄たちの到着を告げる玄関のチャイムだった。

359: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:12:50 eBQv/UGU
ナギを除き玄関まで二人を迎えに出た三千院家の面々の中に見知らぬ男の子の姿を発見した伊澄たちは、
スタスタと早足でその前に歩み寄る。

「あなたが、シラヌイ?」
「はい!おひさしぶしです、いすみさん!はじめてあったとき、ふーっておこったりして、ごめんなさい」

独り言のような伊澄の問いかけを積極的に引き取ったシラヌイが、初対面での無礼を詫びた。

「へ~!けったいなこともあるもんやなぁ…。それにしても、ナギそっくりやないか」
「ぼく、シラヌイです!はじめまして!」

先ほど電話口でハヤテから簡単に受けた説明の真偽を確かめるべく、
悪意はないが明らかに無遠慮といえる視線をじろじろと注ぐ咲夜に対しても、シラヌイは快活に挨拶する。

「いいのよ。ハヤテ様特製のマタタビのスプレーで仲良くなれたんですから。でも、咲夜には騙されましたけど…」
「あはははは…。で、自分がシラヌイか!あんじょうしたるさかい、宣しゅう頼むわ!」
「はい!」

伊澄の来訪の目的を知るハヤテの目から見ても、今のところ伊澄とシラヌイは互いを警戒することもなく、
咲夜も、きちんと挨拶が出来るシラヌイを気に入ったようだった。

マリアに促されて居間に移動する最中から、
シラヌイを中心にして先ほどの白皇生徒会4人組の時と同じような会話が交わされていた。
変身のきっかけ、猫状態と人間状態の相違、その凄まじいばかりの美少年振りについて、などなど…

360: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:13:30 eBQv/UGU
「あの、わたし、お手洗いに…」
「ああ」
「迷子に成りなや!」

話が一段落したところで、伊澄がトイレに立った。

「カップを換えましょう」
「うむ」

伊澄が出て行ったドアが閉まり切ったのを確かめてから注意深く少し間を置くと、
ハヤテはさりげなくテーブルの上の古いカップを集めてトレイに乗せ、わざとゆっくりとした足取りで部屋を出る。

「伊澄さん!」
「ハヤテさま」

案の定、廊下の途中で伊澄はハヤテを待っていた。

「何か妖怪の気配みたいなものを感じますか?」
「いえ、今のところは、何も」
「そうですか…」
「昨日の夜中は、奇怪なことは何も起きなかったのですね?」
「はい、特に変わったことはありませんでした」
「本当に不思議なんですが、あのシラヌイからも何も感じないのです。でも…」
「?」
「妖怪の中には、完全に自分の気配を消せるものがいますから、今晩はお屋敷に泊めていただいて、様子を見ます」
「では後ほど、お嬢さまのお部屋にベッドを用意させていただきます」
「いえ、私が近くにいては警戒されてしまいますから。何時ものゲストルームで大丈夫です」
「はい。承知しました」

ここで下手に時間を取っては咲夜たちに怪しまれかねない。二人は互いに全く素知らぬ風に、その場を後にした。

361: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:14:16 eBQv/UGU
新しい仲間であるシラヌイを囲んでの楽しいおしゃべりと美味しい食事、
そしてその後のハヤテとマリアを交えての暖かな団欒が過ぎ、夜と呼ぶべき時刻がやってきた。

「で、これからどうするのだ?泊まっていくか?」
「せやな、世話んなろか」
「私も、泊めていただくことにいたします」

「はい、わかりました」とにこやかに話を引き取ったマリアが、早速、伊澄たちの入浴と寝巻きの手配に行ったその横で、
二人は携帯でそれぞれの屋敷に、明朝、三千院の屋敷から直接自分たちの学校へ登校するための段取りを付け始める。
やがて戻ってきたマリアが入浴と就寝の準備が整ったことを告げると、咲夜がヒョイとシラヌイの前にしゃがみ込んだ。

「なあ、シラヌイ。サク姉ちゃんと、風呂、入ろか?」
「うん!」

咲夜は、嬉しそうに大きく頷くシラヌイから目を離して身体を少しだけナギの方へと捻り、
ゆっくりと首を半分だけナギの方へ向け、その上に更に肩越しに横目でナギにジトーッとした視線を送る。

「なあ、ナギ」
「何だ?」
「自分とシラヌイ、同じような顔しとっても、素直さが全然違うなあ!
よう『ペットは飼い主に似る』ゆうけど、似たんが顔だけでホンマに良かったなあ、シラヌイ!」
「?」

咲夜の問い掛けの内容の怪しさを敏感に感じ取ったシラヌイは「はい」という返事を控えて小首を傾げるだけに止めたが、
もちろんナギはプンスカと腹を立てる。

「余計なお世話だ!早く風呂に入れぇ!!」
「私も一緒に入ります」
「お!伊澄さんも一緒かいな!おい、シラヌイ!」
「はい!」
「『両手に花』ゆうんはこうゆう状況のこっちゃ!良う覚えとき!」
「はい!」

苦虫を噛み潰したような膨れっ面で「何処が『両手に花』なのだ…」と呟くナギと苦笑いを懸命に堪えるハヤテたちを居間に残し、
大喜びのシラヌイは、伊澄と咲夜に手を引かれて大浴場へと向かった。

362: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:15:46 eBQv/UGU
「風呂に入る時はな、まず、『掛け湯』をするんや」
「『かけゆ』?」
「せや。湯船に入る前に身体に湯を掛けて、大体の汚れを落とすことや」
「かけゆ!」

シラヌイは浴槽の縁に手を突くと手桶一杯に湯を汲み、咲夜の真似をして二度、三度と上手に掛け湯をする。

「うまいうまい!」
「上手だわ」

初めてにしてはなかなか器用に掛け湯をするシラヌイを、咲夜も伊澄もニコニコしながら褒めてやる。

「で、この時、前の方も洗うんや」

咲夜は、自分の股間に湯を流しかけながら秘所を軽く先指で弄る様子を全く屈託なくシラヌイに見せる。

「はい!」

シラヌイも、咲夜に言われたとおり、湯を少しずつ掛けながらまだ無毛の股間を指でモソモソと探るように洗い流した。

「シラヌイは、いつもお風呂はナギと入っているの?」

髪をタオルで纏めて一足先に湯に浸かっていた伊澄が、咲夜に連れられて湯船に腰を降ろしたばかりのシラヌイに尋ねる。

「うん。なぎおじょうさまと、まりあさんと」

363: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:16:25 eBQv/UGU
マリアの名前が出たことに興味を惹かれた咲夜が、シラヌイの純粋さを利用して、ちょっとした悪戯を思い付く。

「ほなシラヌイ。ナギのオッパイと、マリアさんのオッパイ。どっちが大きい?」
「『おっぱい』?」
「これや、これ!」

小首を傾げるシラヌイに、それまで首まで湯に浸かっていた咲夜はザッと軽く飛沫を立てながら湯の上に上半身を出すと、
年齢の割には形良く張り出している自分の両の乳房をシラヌイに向けてグイッと突き出した。

「うん。まりあさんがおおきい」
「あははは!やっぱ、そっか!!あははははは!後でナギに言うたろ!!」
「つまらない事を尋ねるもんじゃないわ」

ゲラゲラと浴場一杯に響き渡るほど大笑する咲夜を伊澄が嗜めた。
シラヌイがその素直さ故に叱られるようなことがあっては、その精神的な成長に悪影響が及ぶだろう。

「何でや?シラヌイは見たまんまの事、答えてんねんで」
「だからよ。『シラヌイがこう言った』ってナギに言って、それでナギがシラヌイを叱ったら、
『ほんとのことを言ったのに、どうして叱られたんだろう』って、シラヌイは混乱してしまう…」
「わかった、わかった。伊澄サンはホンマ、頭固いなぁ~」

伊澄の正論にやり込められた咲夜は「あ~あ」とつまらなそうに溜め息をつきながら、ぶくぶくと口元まで湯に浸かり直した。

364: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:17:41 eBQv/UGU
「次は、身体の洗い方や」
「私たちが洗うのを良く見て、真似して洗って御覧なさい」
「はい!」
「ところで…」
「何や?」
「咲夜は、髪は何時洗うの?」
「せやな…」

なるほど、咲夜やシラヌイとは違って、ストレートのロングヘアの伊澄は髪の手入れが一苦労なのだ。

「よっしゃ!ほんなら、まずシラヌイの髪を洗うて、次に、三人で身体を洗う。
そんで、ウチが手伝うてお前さんの髪を洗うて、最後にウチが髪を洗うゆうんはどうや?」
「そうして貰うと、とても助かるわ」

話が纏まり、先ず、洗い場の椅子に座らせたシラヌイの髪を咲夜が丁寧に洗う。
そして次に伊澄と咲夜がシラヌイを挟む形で三人で身体を洗うが、
なんだかんだと言いながらシラヌイのいろんな所に触りたがる咲夜を伊澄が叱りながら、大騒ぎの後に何とか終了。
最後に伊澄と咲夜の洗髪だが、咲夜は伊澄の長い髪をとても器用に扱ったので、思わず伊澄はそれを褒めた。

「咲夜、とっても上手だわ」
「そか?ま、ウチはこう見えても手先は器用な方やからな。でも、ナギのあの髪を上手に洗うマリアさんには負けるで」
「そういうことこそシラヌイに訊いてみればいいわ。
ねえ、シラヌイ。マリアさんと咲夜と、長い髪を洗うのはどちらが上手かしら?」
「…」

シラヌイは確かに二人の方を向いてはいるものの、
その口からは何時まで待っても打てば響くような何時もの快活な「はい!」の返事が聞こえてこない。

「どないしてん?シラヌイ」
「どうしたの?」

そんな呼び掛けにも、まだこちらを一心に無言で凝視しているシラヌイの視線の先を辿った二人は、
悲鳴を上げながら一瞬のうちに首から上を真っ赤に染め上げた。

「いやあああ!!」
「お、お前!どこ見とんねん!!」

365: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:18:49 eBQv/UGU
そう、湯船に浸かっているシラヌイの熱い視線は、
椅子に座っていることでその目とちょうど良い高さになってしまっていた伊澄の秘所に注がれていたのである。
もちろん伊澄は初めからシラヌイのほうを向いて髪を洗ってもらっていたわけではなかった。
さっき、「ねえ、シラヌイ」と呼びかけた時、無意識にシラヌイの方に両膝先を向けてしまったのだった。

「落ち着け!落ち着くんやッ!!」
「でも…、でも…、見られてしまいましたぁ~」
「大丈夫や!見たゆうても目ぇがこっちに向とっただけかも知れんし、湯気だってかかっとる。
それに、万一見えとってもシラヌイにはまだ何が何やら良う分からんはずや」

だが…

「なぎおじょうさまと、ちがう…」

咲夜の希望的観測は、シラヌイの呟きによってあっさりと崩壊してしまった。

「やっぱり…、よく見られてしまいましたぁ~」
「泣きなや!相手は子供や!それも正体、猫やで!!」
「でも…、でも…」

三千院家に泊まってシラヌイを監視するという当初の計画は何処へやら、伊澄はえっくえっくと涙声で喉を詰まらせ始める。

「よ、よっしゃッ!ウチに任せぇ!!」

濯いでいる途中の伊澄の髪を放り出し、
咲夜は、必死に硬く閉じている伊澄の太股の付け根の辺りをじっと見詰め続けるシラヌイと伊澄の間に割って入ると、
身軽にヒョイと腰を降ろして両膝の先をほんの少しだけ開き、その奥の部分を指差した。

「シラヌイ~。サク姉ちゃんのここ、良~う見てみい~」
「うん」

返事と共にシラヌイの視線が自分の股間に移動したのを確かめた咲夜は、その両太股を力士が蹲踞する様にグッと開き、更にそのまま両膝の先を洗い場の床に着けて、まだ誰にもそのようにして見せ付けたことのない秘所をシラヌイに晒した。

「サク姉ちゃんのここと、伊澄姉ちゃんのアソコ、同じか~?」
「ううん。ちがう…」

この捨て身の作戦で、問題を『アソコを見た・見られた』から『アソコの形は皆違う』に擦り替えるきっかけを作った咲夜は、
咲夜のその場所がナギや伊澄のそれとどの様に違うのかについて更に一生懸命観察を続けるシラヌイに、畳み掛けた。

「ここの形ゆうんは、み~んな違うもんなんや。分かったか?」
「うん」
「でもな、『違う』ゆうんを気にする人も居るさかい、女の人のここを余んまりジーッと見たらアカンし、
もし何かの拍子に見えてしもても、『あ!見えた!』言うて騒いだり、『形が違う』言うたりしたらイカン。良えな?」
「はい!」

366: ◆40vIxa9ses
08/10/06 13:19:32 eBQv/UGU
いろいろな例を挙げてそれを『アカン』『イカン』と否定することを繰り返すことで、
女性の例の部分に言及することの禁忌を何とかシラヌイに刷り込むことに成功した咲夜は、
一応ながらもホッと胸を撫で下ろした。

「(ウチのアソコの初お目見え…、相手がシラヌイとは、全く予想外やったなぁ…。
せやけど、シラヌイかて『これが女のオ○コや!』思うて見とったわけやなし。それに、何ちゅうてもシラヌイは猫や…)」

だが、正体が猫である子供相手の緊急避難の行為とはいえ、
れっきとした異性の興味津々の眼差しに自らの秘所を自らの意思で開き晒したという事実が、
年頃の少女である咲夜の心と身体に何の痕跡も残さないと思うのは明らかに“お気楽”に過ぎた。
この行為が、咲夜の心身の中心の奥深くに小さいけれども決して消えない怪しく揺らめく“種火”を点したことを、
咲夜自身、まだ全く気付いてはいなかった。

「ま、これで一件落着や。後はウチらが動揺せんようにしとったら良え」
「そ、そうね…」

髪を濯いでもらう伊澄と、濯いでいる咲夜の二人はそっと頷き合う。
咲夜が横目でチラリと窺ったシラヌイは、別に臍を曲げたり拗ねたりしている風でもなく、
広大な湯船の真ん中にある築山の周りを、そこに生えている植物を珍しげに点検しながら、ゆっくりと回っていた。

367:名無しさん@ピンキー
08/10/06 13:22:03 eBQv/UGU
今回は以上です。

368:名無しさん@ピンキー
08/10/06 15:40:30 S0+QKAZt
>>367
絡み無し長文レスならその旨、前書きが欲しかったかな。
とりあえず続きを期待してます。

369:名無しさん@ピンキー
08/10/06 16:23:41 dn0FbObC
>>367
乙、基本的に>>368と同論

370:名無しさん@ピンキー
08/10/06 19:17:43 tke36ZWx


371:名無しさん@ピンキー
08/10/06 22:15:45 HlLPAwUZ
乙やねん

372:名無しさん@ピンキー
08/10/07 06:50:14 jSio/e4o
? が頭の中で延々と繰り返されている

373:名無しさん@ピンキー
08/10/07 17:15:48 iGxgbJy1
ROCOに対してはウザいくらいに「GJ!!」と誉めるくせに、他の書き手に対しては「乙。」で済ませるんだなwww

その明らかな差別化やめろよ。

ROCOに気遣ってんのが見え見えなんだが。

374:名無しさん@ピンキー
08/10/07 17:49:35 q6AMpsaA
エロパロスレで、エロ無しで未完
しかも微妙にオリキャラテイストの入ったSSに対するレスとしては
「乙」で正解だと思うけどな

375:名無しさん@ピンキー
08/10/07 18:00:43 9dy6jfrp
>374
同意

376:名無しさん@ピンキー
08/10/07 19:01:02 Rvf1SmF/
>>373
今回もお勤めご苦労様ですwww

377:名無しさん@ピンキー
08/10/07 19:05:19 WmtLyPQx
つかみんな単純に困惑してるよな

378:名無しさん@ピンキー
08/10/07 19:10:26 8AHyjEKR
>>374の考えもどうかと思うがね
これも本来はいつもの荒らしが職人にランクづけしようとして言い出したことだし
興味ないSSはスルーすりゃいいんだし、いちいち褒める言葉に落差を作る意味がわからない
あとエロパロ板のローカルルールとしては別にエロなしでも問題ない

379:名無しさん@ピンキー
08/10/07 19:27:05 q6AMpsaA
職人に対するランク付けではなく、SSに対するランク付けとしては以下のイメージ

GJ:良くやった!
乙:投下おつかれ
スルー:興味ねーし、別にどうでもいい
叩き:もう二度と書くな


380:名無しさん@ピンキー
08/10/07 19:35:07 9dy6jfrp
俺もだいたいそんな感じ

381:名無しさん@ピンキー
08/10/07 19:49:30 BuGCKQfg
好きでもない作品をわざわざ叩くのなんて荒らしくらいだろ

382:名無しさん@ピンキー
08/10/07 20:55:53 Xwn5g65R
他の人の投下中に同キャラの猟奇ネタで割り込んだヤツには叩きレスつけた
ワタシスだったか

383:名無しさん@ピンキー
08/10/07 21:02:12 KbunOkRT
>>373
ま た お ま え か

384:名無しさん@ピンキー
08/10/07 21:07:41 8AHyjEKR
>>379
それ全くニュアンスが変わってないから
こんな馬鹿の物差しで判断されるランクとやらに何の意味があるのか
いても無駄に荒れる原因を作るだけだからもう書き込まなくていいよ

385:名無しさん@ピンキー
08/10/07 21:20:39 q6AMpsaA
339 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2008/10/07(火) 20:51:41 ID:yLEzlrrS
自分の中では

乙一文字の解釈

・ご苦労(書いた事だけは褒めてやる)
・まぁよくやったよ(面白いかは別にして)
・OK(じゃ次の人)
・お疲れ(とりあえず反応だけはしておくか)

こんなとこかな悪意は無いにしても中の下ぐらいの反応

386:名無しさん@ピンキー
08/10/08 04:10:51 +yQ6ImCz
起承転結の承くらいの段階ではまだなんともいえないわ。
>>367氏、文章力はかなりあるみたいだからここからエロや萌え等々に繋げてくれるのに期待wktk

まあ最近ここの住人(自分含む)、単純にエロに飢えてるのは間違いない。

387:名無しさん@ピンキー
08/10/08 05:17:57 yhBe9v6A
>>373
お前をアク禁にしてやるw

388:名無しさん@ピンキー
08/10/08 07:34:38 fRJ6Xvf2
>>367
GJ

389:名無しさん@ピンキー
08/10/08 08:52:02 zVo9BE+s
>>379
の意見と同論


390:名無しさん@ピンキー
08/10/08 23:21:07 FcMBUdhL
>>367
GJ

391:名無しさん@ピンキー
08/10/08 23:32:01 vw+tm/Rv
>>388
>>390
わざとらしいGJはやめとけ
見てて痛々しい

392:名無しさん@ピンキー
08/10/09 00:13:02 4poPHDic
>>391
そんなあなたにBJ


393:名無しさん@ピンキー
08/10/09 00:51:23 ZA178l3o
とりあえず世辞でもいいからGJしようや


























こういうと釣られるお前ら大好きだお( = ∀ =)y─┛~~

394:名無しさん@ピンキー
08/10/09 03:14:34 HbDz50Fc
今週ハム脳内妄想
ヒナギクを旅行に誘う→何泊か一緒→二人きり→同じ部屋→同じベッド?

「ちょ、歩!なにしてんの!」
「ん?なにって、ヒナさんが可愛いからつい…ね……」
「ちょ……ぁん!!」

395:名無しさん@ピンキー
08/10/09 03:28:05 TaYa9Dbw
「というのは嘘でヒナさんがハヤテ君より私の方が好きになるようにしてあげますよ」
「ひゃあああ!」

というハヤテ独り占め計画

396:名無しさん@ピンキー
08/10/09 03:42:36 bNTaqFRN
そういう調教は愛歌さんがする方がいいな

397: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:08:56 z82FnpDe
>>366の続きです ・長くてHがありません

398: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:11:33 z82FnpDe
「これが『グー』、これが『パー』、そしてこれが『チョキ』よ」
「うん!」
「それでね、この『チョキ』は『パー』より強くって…」

髪を濯ぎ終えた伊澄が湯船の中でシラヌイにジャンケンを教える声を背中で聞きながら、今度は咲夜が髪を洗う。

「(ま、今んとこ、上手くいってるみたいやな…)」

だがここで、咲夜は自分の身体の中にムズムズと蠢く不思議な感覚に気が付いた。
覚えたてのジャンケンで伊澄に勝ったり負けたりする度にシラヌイが揚げる楽しげな歓声に、
自分の身体の何処かがビンビンと敏感に反応している。

「(何や…、このけったいな感じは…?)」

咲夜は髪を洗う手を休めることなく、
シャンプーで目を開けられない状況では得られない視覚以外の感覚を総動員して、
敏感に反応している身体の部分を慎重に探っていく。

「(…!!)」

耳に届くシラヌイの声にジンジンと切なく応えているのは、他でもない、
張りのある白い両太股と柔らかな巻き毛に覆われた恥丘によって一旦堰き止められた泡交じりの温かい湯が、
その僅かな隙間から再び少しずつ擽るようにさらさらと流れ下っていく先…
そう、咲夜の秘所だった。

「(そんな…、嘘やろ…!?)」

湯船の中の二人に気付かれぬように細心の注意を払いながら、そこの様子を確認しようと咲夜は素早く指先を伸ばす。

「…ッ!」

既に咲夜が思っている以上に敏感になっていたそこに指先が触れた瞬間、カクンと腰が揺れ、危うく声が漏れかける。
慌てて引っ込めたその指先には、そこの表面をヌルヌルと覆っている、
シャワーからの湯の流れとは違う生暖かさを持った粘液の感触がありありと残っていた。

「(何でウチのここ…、こないなってんのやろ…)」

その原因の詮索にいくら精神を集中しようと試みたところで、一旦意識してしまった秘所の熱い疼きは、
心臓が一鼓動する毎に咲夜の身体全体へと波紋を描くようにドクンドクンと脈打ちながら確実に広がっていく。

「(あ!さっき、股開いてシラヌイにここんとこ見せた…。あれかい!?)」

そう気が付いた瞬間、身体全体にゆるゆると広がっていた妖しく生温い感覚が一気に激しい欲情の滾りとなって爆発し、
敢えてそれをこの目で確認しなくても、例のあの穴から厭らしく粘る液体がじんわりと溢れ始めたのがはっきりと分かった。

399: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:12:24 z82FnpDe
「(ちょ、ちょっと待たんかい!この、ク×レオ○コが!
そんな良う分からんもんダラダラ垂らしよっても、全ッ然おもろないで!!直ぐ止めや!!)」

“持ち主”である咲夜が心の中でいくら叱り付けても、また、太股の付け根にいくら力を入れてギュッと閉じようとも、
熱く火照る秘所の中心に息衝くその穴は、全く言うことを聞く気配もないままに生暖かい滑りを緩々と吐き出し続ける。

「(そんな…、アカンて…)」

全然制御できないもう一人の自分を持て余し途方に暮れる咲夜は、
湯船の二人に気付かれぬようにと苦心しながら僅かに開いた太股の合わせ目にシャワーヘッドを差し入れて、
トクトクと絶え間なく溢れ出るその妖しい粘液を必死になってただひたすらに洗い流していたが、
そういている内に、今度は、そのシャワーヘッドの角度と位置が、
敏感になっているクリトリスの丁度真正面に当たっているということに気付いてしまった。

「(ウチ、一体何しとんねん!!)」

それを意識した途端、シャワーヘッドを小刻みに動かして更なる快感を追求しようとしている自分自身に慌てた咲夜は、
熱く脈打つことで自らの存在を誇示し続ける秘所から何とか意識を逸らし、心身を緊張と興奮から開放しようと、
下腹部に激しく渦巻くその艶めかしい氣の塊を吐き出すように、三回、四回、と腹式で深呼吸するが、
もちろん、そんな簡単な事で鎮めることが出来るほど、一旦火が付いてしまった女の欲望というものは軽くも弱くもなかった。

「(もう、アカン…!)」

髪を洗う振りをしながらこれ以上秘所にシャワーを浴びせ続ければ、更なる快感の泥沼に沈んでゆくしかないだろう。
咲夜は、「ふぅ」と熱っぽい溜め息を小さく一つつくと、
出来る限りの速さで濯ぎ終えた髪にトリートメントを馴染ませるのもそこそこに、
ヌルつく秘所をなるべく刺激せぬように注意しながらシャワーで手早く濯ぎたて、
快感を堪えていたために詰まり気味だった喉を軽い咳払いで開けると、平静を装いながらさりげなく湯船の二人に声をかけた。

「待たせてしもて、堪忍な。ほな、もうそろそろ上がろか!」
「そうね。じゃあシラヌイ、上がりましょ」
「うん!」

二人の返事を背中に聞きかせ、咲夜は見るともなしに正面の鏡に目をやった。
そこには、肌を艶っぽい桜色に染め上げ、ピンと張った乳房の先端を赤くぷっくりと厭らしく尖らせて、
誘うようなトロンとした眼差しをこちらに向けている自分自身の姿があった。

400: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:13:29 z82FnpDe
「髪の毛、良う拭かんとな」
「はい!」
「よ~し、覚悟せえよ!ゴシゴシゴシゴシ~!!」
「わ~!!」

脱衣所では、伊澄と咲夜が白い大判のバスタオルを身体に巻き、
咲夜は慣れた手つきでシラヌイの身体を拭き、伊澄は、髪を乾かすのを咲夜が手伝いに来てくれるのを待っている。
そのバスタオルはふわふわに仕上げられていたから、
合わせ目を胸元で二重にすれば、ツンと威張るように起った乳首を隠すのに申し分なかった。

「腕、ちょい上げぇ」
「はい」

咲夜の動作は澱み無かったけれど、それは、屋敷で男の子兄弟の世話をし慣れていたことによる半ば自動的なもので、
ムズムズと妖しく蠢く股間を持て余す咲夜は、目の前で自分の指示の通りに動くシラヌイのまだ幼い白い肢体、中でも、
その股間からピョコンと可愛らしく突き出ている本人もまだ小水の放出以外の使い方を知る由もないであろう男の象徴に、
なるべく視線を留めぬようにと必死になっていた。

「後ろ、向きぃ」
「はい」

もちろん咲夜にはショタコンの傾向など全く無かったが、しかし、
自分の動揺する心の内を映してどうしても少し乱暴になりがちなバスタオルの動かし方に時折バランスを崩すシラヌイの、
その華奢な肢体をそっと支えてやる度に掌に感じる少年の肌の暖かさや柔らかさに、
咲夜は何とも言い得ない衝動と苛立ちを覚えた。

401: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:14:10 z82FnpDe
「(ウチ、これからどないしたら良えねん…)」

心と身体を蝕むこの妖しい昂ぶりを、咲夜は、今だけは何とか…、と懸命に制御しようと試みるが、
それは徒労でしかなかった。

「よし!これで良え。湯冷めせんように気ぃ付けや!!」
「はい!」

シラヌイの小さな背中をポン!と叩いた咲夜の心と身体に、
クルリと振り返って元気よく返事をするシラヌイの蕩けそうな笑顔がじんわりと染み渡っていく。

「(ウチに、どないせえっちゅうねん…)」

本当に、どうすればいいのか分からなかった。
だが、その鍵をシラヌイが握っているということだけは確かだった。

「今日は出血大サービスや!特別にサク姉ちゃんが、服、着せたる!」
「わーい!」

裸のまま大喜びで抱き付いてきたシラヌイを、咲夜は半分反射的に、そして半分はそう意識しながらギュッと抱き締める。
バスタオル越しにシラヌイの幼い身体の抱き心地を確かめた咲夜は、
その瞬間、下半身の血が秘所へ向かってサァッと音を立てて集り、子宮がブワッと熱く腫れ膨れたのを感じた。

「(ああ…。ウチ、もうアカン…)」

どうしようもなかった。
咲夜は、自分自身の心と身体の手綱を全部放すかどうかの瀬戸際まで追い詰められてしまった。

「良かったわね。シラヌイ」

咲夜の心身の内奥に渦巻く女の赤裸々な真実に全く気付かぬまま声をかけた伊澄の方を振り返りながら、
そんなことがこの世にあることさえまだ知らないシラヌイは、
とても嬉しそうにニッコリと微笑みながら「うん!」と元気良く返事をした。

402: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:15:06 z82FnpDe
「サク姉ちゃんは伊澄姉ちゃんの髪乾かしてから行くさかい、それまでナギの所に居れ。良えな?」
「はい!」

脱衣所からシラヌイを送り出した咲夜は、すぐに伊澄の髪を乾かしにかかる。
心はシラヌイへと逸るけれど、しかし今は伊澄の髪を、その次には自分の髪をきちんと乾かさねばならない。

「(良えか、咲夜。違う事を考えるんや…。違う事、違う事…)」

身近な料理や学校から果ては世界経済まで、咲夜の脳裏に、脈絡のないスライドショーが展開されていく。
その効果ゆえか、或いはさっきシラヌイをドサクサ紛れに抱き締めたことで一応ながらも当面の欲求が満たされたのか、
咲夜の身体はまるで小休止するように少しだけ落ち着きを取り戻した。

「(お!違う事考えるんは、効果ありやな。よっしゃ!この調子で違う事を考え続ければ…)」

だが、これには思わぬ副作用があった。
咲夜は、伊澄の美しい黒髪を巧みな指使いで小分けにしては、
ドライヤーの温度や風量を小まめに調節しながらそれを丁寧に乾かしていくが、
その間も常に違う事を考え続けていたために、
その指先は確かに慎重で優しかったものの、その動き方は明らかにぎこちなくなってしまっていたのだった。
やがて伊澄は、この異変に気が付いた。

「咲夜」
「…」
「あの…、咲夜」
「…、へ?あ…!?ああ!何や?」
「どうかしたの?」
「あ…、あははは…。何でも…、何でもあれへんよ~。何で~もなぁ~…」

403: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:15:44 z82FnpDe
「(どんくさいコイツに気づかれるやなんて…、でも、身体が落ち着いてきとるんは確かやし…)」

一瞬思案に暮れた咲夜だが、すぐに「ああ、なるほど!」と納得した。
そう、考えるべき『違う事』はシラヌイやそのシラヌイに強く惹き付けられている自分自身のこと以外であれば何でもいいのだ。
なら今は『伊澄の髪を乾かす』ことを考えればよい。

「なら、いいのだけれど…」
「それよりお前さん、ホンマに髪長いなぁ。ここまで伸ばすんも大変やろけど、毎日の手入れも難儀なんやろな」

だが、淫らな欲望の炎がほんの少し治まりかけたのに気を良くして、話題を転換しようとしたこの世間話が良くなかった。
長い髪を大切にする女性が一番大変に思っているのが洗髪であり、
その『洗髪』というキーワードから“さっき起こったあの出来事”までは瞬間的な連想の範囲内だった。
咲夜の身体の奥底で、大人しくなりかけていた欲望の炎が再び勢い良く揺らめき始める。

「(つまり、このややこしいモヤモヤとは、ガチで勝負せんならんゆうことやな…)」

諦めと苛立ち半々に「ふぅ…」と大きく溜め息をつく咲夜へ、伊澄が再び心配そうに問いかけた。

「さっきから、どうしたの?」
「あ…、いや…、別に、どうもせぇへんよ…」
「何だか元気がないわよ。少し疲れているんじゃない?
「せやろか…?」
「ええ。シラヌイはとても素直だけど、子供の世話をすると自分でも知らないうちに案外疲れているものよ」
「ああ、そうかも分からんな…」

これから自分はどうすればいいのか全く見当もつかない咲夜は、
また、ついさっきまでの心ここにあらずという状態に戻って伊澄の髪を黙々と乾かし続けた。

404: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:16:47 z82FnpDe
「咲夜の髪、乾かすのを手伝いましょうか?」
「ウチは大丈夫や。それより早うシラヌイのところへ行ったって」

伊澄を一足先にナギたちがいるであろう居間へ送り出すと、
咲夜は、憚る相手のいなくなった脱衣所で「ふぅ」と大きな溜め息をつきながら洗面台の前に座りなおした。

「(シラヌイみたいなんが趣味やったとは、ウチ自身、全く気付きへんかったなぁ…)」

再びスイッチを入れたドライヤーのファンの回転が上がり切ったところを見計らって、
咲夜は、その穏やかな温風を手櫛で隙間を開けた髪に満遍なく通していく。

「(それにしてもウチは、シラヌイの何処を気に入ってんやろ…?顔かいな?)」

これには思わず自分でも噴き出してしまった。

「ぷぷっ!ちゃうちゃう!ナギみたいな顔が好みやなんて、そんなことある訳ないやないか!!」

405: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:17:26 z82FnpDe
咲夜は、大きな声での独り言に苦笑いを漏らすと、ドライヤーを操る手は休めぬままに尚も思案を巡らせる。

「(ほんなら、体つきか?それとも年恰好?もしそやったら、ウチにはショタコンの要素大有りゆうことやな!
こりゃオモロイわ!)」

何が面白いのかは自分でも良くは分からなかったけれど、
『ナギのような顔』と『年下』というキーワードに何か妙に引っかかるものを感じた咲夜は、
それを心の中で何回か反復していたが…

「(あちゃ~…。小さい頃、ナギのこと妹みたいに面倒見とった、あれか…)」

今でもそうだが、姉御肌で何事にも器用な咲夜は、
小さい頃にはナギの姉代わりを自負していろいろ細々と世話を焼いたし、
今とは全く違ってまだとても素直だった幼いナギは、そんな咲夜を「サク姉ちゃん」と呼んではとても頼りにしていた。
そして、咲夜にとって今のシラヌイは、その顔立ちといい、素直さといい、幼かった頃のナギのイメージそのままなのだった。
つまり、シラヌイに対する自分のこの激しい気持ちの源は、庇護欲求なのかも知れなかった。

「(何じゃそりゃ!)」

謎などというものは、解けてしまえば案外とつまらないものである。
だが、その結論に心が納得しても、
しかし身体はそんな理屈抜きで相変わらずシラヌイを強く求め続けているということに咲夜は気が付いた。

「よっしゃ、乾いた…」

ドライヤーを洗面台にコトリと置き、椅子からすっくと立ち上がった咲夜は、
胸元にたくし込んだバスタオルの端を外してそこを持つと、その身体から一気にバスタオルを全て引き剥がした。

「へっ!」

正面の鏡に向かって大人びた艶かしい肢体を惜しげもなく晒した咲夜は、
先端をコリコリと赤く凝らせている形の良い乳房をグイッと一回突き出し、その後、鏡を睨み付けるようにしながら、
少しだけ開いた両足のその合わせ目の中をバスタオルで丁寧に拭き上げると、それを大まかに畳み、
伊澄が使い終わったバスタオルをヒョイと持ち上げてその下へとそれを置き、そして、その上に伊澄のそれをそっと重ねた。

406: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:18:13 z82FnpDe
「まるでナギの独演会やないか。少しは皆に静かに映画見せたったらどないや!」

咲夜が居間に戻ってみると、居間の巨大な液晶テレビでは、
デジタル放送の映画専門チャンネルで放映当時一世を風靡したTVアニメの劇場版が放送されていたが、
その場面が切り替わる度にナギが自分の所感を交えながらカルトな知識を早口で矢継ぎ早に披露するので、
ハヤテもマリアもゲンナリし、シラヌイはただ小首を傾げ、
メディア表現に於いてナギと共通のものを持っている-マジカル☆デストロイを理解できる-伊澄だけが、
「うん、うん」とそれに一心に耳を傾けているという、とても悲惨な状況が展開されていた。

「今頃来て何を言う!この映像世界の魅力の全てを堪能するには、私の詳細かつ専門的な見地からの解説が不可欠なのだ!!」

ソファーの丁度空いていたシラヌイの横にストン!と腰を降ろした咲夜は、両掌を上へ向けて肩を竦め、
ご高説の続きをナギにリクエストした。

「へいへい。ほな、続きを承りましょか!なあ、シラヌイ!」
「うん!」

咲夜がさりげなくシラヌイの細い肩に腕を回してそっと抱き寄せると、
シラヌイはとても嬉しそうな返事と共にその身体をペタリと咲夜にくっ付けてくる。
その小さな身体から伝わってくる心地良い体重のかかり具合と温もりに、
そうして抱いているシラヌイの肩先から二の腕にかけてを優しく掌で包むように何度も何度も撫でてやりながら、
咲夜はようやく悟った。
シラヌイを求めるこの激しい気持ちを鎮めることが出来ないのなら、
それを一気に燃やし尽くす外にそれから逃れる道は無いのだ、ということを…

「ふむ、聴いて驚け!そう、ここ!!このシーンのこの台詞の元ネタはな…」

一本ピンと立てた人差し指をさも意味ありげに左右に振り立てながら大得意で滔々とまくし立てるナギを、
小脇に抱いているシラヌイへの熱い想いを尚一層深く強く自覚しながら、咲夜は静かに見守り続けた。

407: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:19:22 z82FnpDe
「で、このシーンをきっかけとして、ストーリーは後半へと一気に…」

「ふわあ~~~…」

画面の中のストーリーが丁度佳境に差し掛かった時、咲夜の胸元に凭れるようにしながら映画を見ていたシラヌイが、
無声映画の弁士のようなナギの立て板に水の場面解説を遮るように、顔の全てが裏返りそうな大きなあくびを一つした。

「くぉら~!シラヌイ~っ!!」

たちまちナギは、シラヌイを睨み付けながら半分本気でプンスカと怒り出す。

「本当なら一人でじっくりしっかり観たいところを、余りアニメに詳しくないお前たちでも楽しめるようにと、
私がこうして一生懸命に解説してやっているというのに、その一番良い所であくびとは、不心得も甚だしいでは…」
「そない言うても、シラヌイは今日はナギの友達やらウチらやら、ぎょうさん人に会うてんで。
それでこの時間までテレビ見せられたら、あくびの一つも出て当然やろ。なあ、シラヌイ!」
「…、あの…」

咲夜に同意を求められても、しかし、自分の主人はあくまでもナギだという事を良く心得ているシラヌイは、
ナギと咲夜、そしてハヤテとマリアの顔を暫く見比べていたが、やがて困惑したようにしょんぼりと下を向いてしまった。

408: ◆40vIxa9ses
08/10/09 12:20:05 z82FnpDe
「うむむむ…」

咲夜の正論とシラヌイの消沈した様子にナギが勢いを挫かれたことを見て取り、
咲夜は、居間にいる一同に対して自分にとって最重要な提案を如何にもさりげなく行なう。

「ウチがシラヌイを寝かし付けるさかい、ナギたちは映画の続きを見とったら良え。
なあ、シラヌイ。サク姉ちゃんと一緒に寝るか?」
「うん!」

蕩けそうな笑顔で見上げるシラヌイからの当然ともいえる返事に満足した咲夜は、
「サク姉ちゃんと一緒や!なぁ~」などと言いながら、
その艶やかな黒髪を滑らかなその感触を楽しむように何度も何度も愛しげに撫でてやる。

「シラヌイと一緒で宜しいのですか?」
「うん、構めへんよ。ここのゲストルームのベッド、クイーンサイズやし。さ、行こか。シラヌイ」
「はい!」

咲夜の真の意図を全く知らないハヤテからの問い掛けに半分だけ正直に応えると、ナギからの非難がましい視線と、
ハヤテとマリアからの羨ましげな視線をそれぞれ背中に受けながら、咲夜はシラヌイを連れて居間を出て行った。

「シラヌイの奴、私よりも咲夜が良いとは…。全く、シラヌイは、全く…!」

主人公が操るロボットが画面狭しと大立ち回りを繰り広げている大型の液晶モニタースクリーンを背にして、
ナギは腰の両側に手の甲を当てて仁王立ちになり、まだ閉まりきらない居間のドアを睨み付けながら苦々しげに毒づいた。

「(伊澄さん…?)」

小さな主人のそんな大人気ない姿を苦笑いを堪えながら見遣っていたハヤテは、ソファーに座っている伊澄が、
背後に控えているマリアに気付かれないように気遣いながら自分に対して一生懸命に目配せしていることに気が付いた。
シラヌイと共にドアを出て行く咲夜を伊澄は止めなかったが、やはりシラヌイのことが気になるのだろうか?

「まあいい!シラヌイがいないのだから、今日は久しぶりにタマを寝室に呼んでやろう。ハヤテ、後でタマを連れて来てくれ」

「かしこまりました」とナギに頭を下げながら、ハヤテは、できるだけ早く伊澄と二人だけで会う方法をいろいろと考え始めた。
だが、咲夜たちがいなくなり、居間にいるのが自分を含めて四人という状況では、それはとても難しいことだった。

409:名無しさん@ピンキー
08/10/09 12:21:49 z82FnpDe
今回は以上です。
次回は咲夜とシラヌイをイチャイチャさせようと思います。

410:名無しさん@ピンキー
08/10/09 12:43:54 qq6+ycoL
>>395
その計画をヒナギクの方から西沢さんに仕掛けて、
結局ヒナギクが西沢さんにはまるのが読みたい。

411:名無しさん@ピンキー
08/10/09 19:11:14 TaYa9Dbw
「いや~ヒナギクさんと一緒に旅行に来れて良かったですよ~」
「……」
「ヒナさん?」
「……はぁ!」
歩が何も喋らないヒナギクを不審に思い一歩近づいた途端、ヒナギクは歩をベッドに突き倒した。
「っ……。一体、何をするんですか!」
「ずっと待ってたのよね。ハヤテ君には告白したくない、でもハヤテ君が私に告白する前に歩がハヤテ君に告白しちゃう。
 それを防ぐには歩にハヤテ君を諦めてもらうしかないなあって。だから……」
ヒナギクはその俊敏さを活かしてすかさず歩の上に覆い被さり両手を掴む。
ヒナギクの顔が目前に迫った事で歩は一瞬とは言え、ときめいてしまう。
「ひ、ヒナさん。変な事、考えてないかな?冷静に!」
「大丈夫よ。え~っと……すぐにハヤ太君よりもヒナの方が好きになるようにしてあげるから」
(↑実は美希の入れ知恵)
ヒナギクはトドメの台詞を棒読みで呟いた後、すぐさまパジャマ姿だった歩の釦を外しにかかり胸を触りだす。
が……数分経っても変化無し。
「あれ?おかしいな……」
「ヒナさん、もう満足しましたか?」
「え?わっ!」
歩はすぐにヒナギクの襟を掴み自分の元へ引き寄せて転がり、逆にヒナギクの上に覆い被さった。
「あ…れ…?歩?」
「それ良い案ですよね、ヒナさん。でもヒナさん正直言って下手すぎるんじゃないかな?」
「ちょ、ちょっとどきなさいよ歩!」
「ヒナさんが持ち掛けてきた勝負ですよ?様はライバルは自分でおとせって事ですよね。
 散々、私の胸を弄んだんですから今更やめるとか言わないですよね?」
「ま、待って!あん!」
歩の目はもはや笑ってはいなかった。本気でハヤテを自分の物にするために―
思いっきり、唇を重ねそうなほど顔を近づけて一言つぶやく歩
「夜は長いですから……ハヤテ君の事なんか忘れちゃうくらいに私に夢中にしてあげますね……」

―【私の】ヒナさん―

みたいな……
今日は愛歌の誕生日だから愛歌とワタルを絡ませてみたいな……


412:名無しさん@ピンキー
08/10/09 20:34:26 x89yMbYb
>>409
GJ

なんつーか文章力がものすごく高いのに、エロ書かないのがもったいないとしか

413:名無しさん@ピンキー
08/10/09 21:46:01 qU77zYbi
文章力(笑)

414:名無しさん@ピンキー
08/10/10 10:38:03 NAEZP3dX
最近は何でも(笑)を付ければいいと思ってる奴が多いな

415:名無しさん@ピンキー
08/10/10 13:32:12 HpsD+wcu
西沢さんとヒナギクって、言葉と世界みたいだな。
しかしそれだと西沢さんとハヤテが人身事故起こした後で、
自分の妊娠に気づくヒナギクENDに。

416:名無しさん@ピンキー
08/10/10 16:13:25 eHv7sQG3
>>415 いまさら何を言っているのか。
西沢さんがヤンデレ化して包丁でヒナを殺すSSが
投下されたの、ずいぶん前だぞ。

417:名無しさん@ピンキー
08/10/10 17:49:10 HpsD+wcu
>>416
いやそのSSは知ってるんだけどさ。

418:名無しさん@ピンキー
08/10/10 20:26:13 omuvo38n
ハヤテにそんなドス黒い話は持ち込んでほしくないな

419: ◆40vIxa9ses
08/10/10 21:11:38 y4/BYiIY
>>408の続きです。

420:名無しさん@ピンキー
08/10/10 21:12:46 iZDxZ3l+
リアルタイムで来てしまった


421: ◆40vIxa9ses
08/10/10 21:12:56 y4/BYiIY
居間のひっくり返るような喧騒から全く隔絶されたゲストルーム。
ベッドの上では、来客用の特に仕立ての良いパジャマを纏った咲夜とシラヌイの二人が、
ヘッドボードの上に取り付けられている高級な磨りガラスのシェードで和らげられた白熱灯の柔らかな明かりに照らされながら、
一つの大判の枕に、まるで互いの鼻先を擦り合わせるように間近に顔を寄せあって頭を乗せていた。
二人は、少しだけひんやりとする部屋の空気を好んでその身体に何も掛けてはいなかったから、
まだ幼さの残るシラヌイの身体に巻き付けるように絡めている咲夜の細くて長い四肢の有様が、
照明からの薄いオレンジ色の光の中に濃淡の陰影となって一種とても躍動的に浮かび上がっていた。

「なあ、シラヌイ…」
「はい」

互いの息遣いが二人の口元と鼻先をさわさわと擽り合う。
シラヌイの小さな身体に絡めた手足や、まだ薄い胸板にぴたりと合わせた胸元に感じるほんのりと暖かい体温、
そして、その襟元から漂い上ってくる第二次性徴前の少年独特のミルクのような肌の匂いに、
咲夜は胸元が苦しくなるほどの昂ぶりを感じながら、シラヌイのその柔らかい頬を愛しさを込めた指先でそっとそっと撫でる。

「シラヌイは、サク姉ちゃんのこと、好きか…?」
「うん。だいすき」

頬骨から顎のラインまでをゆっくりとなぞる咲夜の指先を少しだけこそばゆそうにしながらシラヌイははっきりと返事をするが、
咲夜との顔の近さを考えて微妙に調節された普段のシラヌイに似合わぬ囁くようなその声音は、
心も身体も一瞬にして蕩かしてしまいそうな甘さで咲夜の耳と背筋をゾクゾクと這い回った。

「そか…」

絡めた手足にキュッと力を入れてシラヌイの身体を抱え直した咲夜の鼻腔に、シラヌイの匂いが更に濃くなる。

「ほな、ウチの何処が好き…?」

まるで恋人同士が囁き合う睦言のよう問い掛けに、
シラヌイはその艶やかな金茶色の大きな瞳で咲夜の爽やかな透明感のある美しい萌黄色の瞳の奥をじっと見詰めながら、
照れることなくはっきりと答えた。

「かお…」

422: ◆40vIxa9ses
08/10/10 21:14:04 y4/BYiIY
無難だけれどもちろん女なら誰でも嬉しいその言葉に思わず頬をポッと桜色に染めた咲夜は、
照れ隠し半分、更にシラヌイに畳み掛ける。

「ウチの顔の、何処が好きなん…?」
「め…」

シラヌイは、「此処がそうだよ」と言うように、先程から見詰め続けていた咲夜のその綺麗な瞳を、
グッと額をくっつけるようにして更にその奥底に何があるのかを見極めようとするかのように熱心に熱心に覗き込んだ。

「そないにウチの目ぇが好きか。ん?」
「うん…。かっこいい」
「格好良えか!そうかそうか!!」

女性への賛辞に「格好良い」はどうかとも思われるが、しかし、シラヌイのその至って真剣な眼差しに、
咲夜はシラヌイを胸元にぎゅっと抱き締めながら「あははは」と気持ちよさそうに笑う。

「今度はサク姉ちゃんが、シラヌイの何処が好きか、教えたる」
「はい!」

咲夜の胸元から顔を上げたシラヌイが、ワクワクを抑え切れないといった表情で咲夜の瞳を再び一生懸命に覗き込む。
そのシラヌイの眼差しには、咲夜に一瞬、そんなにまでこの自分のことが好きなのか、と恐れを抱かせる位の煌きがあった。

「ウチはな、シラヌイの全部が好きや」
「『ぜんぶ』…?」
「そうや。目ぇも耳も口も、腕も足も、頭の天辺から足の先まで全部、大好きや」
「うわー!うれしいっ!!」

歓声を上げたシラヌイは、ほんの少し身動ぎして咲夜に抱き締めているその腕を緩めてもらうと、
さっきまで身体の横にぴたりと付けたままだった腕をモソモソと引っ張り出してスルスルと咲夜の首や背中に回し、
それにギュッと力を入れた。

「ぼくも!ぼくも、さくねえちゃんのぜんぶがだいすき!!」
「そない言うてくれたら、ウチもメッチャ嬉しいわ。有り難うな、シラヌイ」

声変わり前の澄んで華やいだ声音で「さくねえちゃん!すきすき!だいすきっ!!」と歌うように唱える言葉の一区切り毎に、
咲夜の身体に回した腕にきゅっきゅっと力を入れては縋り付くように抱き締めてくるシラヌイを、
そのリズムに半拍遅れて抱き締め返す咲夜は、
さっきの告白の中に「その声も、匂いも」という言葉を入れた場合と入れなかった場合の得失について、
心中密かに秤にかけていた。

423: ◆40vIxa9ses
08/10/10 21:15:02 y4/BYiIY
「シラヌイ」
「はい」

この自分からの提案をシラヌイが拒むことなど有り得ないと十分わかってはいても、
今から一線を越えようとする女の覚悟と緊張が、咲夜を慎重にさせる。

「好きなもん同士でしかせん良えことがあんねんけど、ウチとしてみるか?」
「うん!」

太陽のようなシラヌイの笑顔が、
まだ咲夜の心の中にほんの少しだけ残っていた躊躇や逡巡の全てを一瞬に一蹴してしまった。

「キス、分かるか?」
「『きす』…?」
「こうするんや…」

咲夜は、ベッドの上で自分と向かい合って横になっているシラヌイが上にしている肩先に掌をそっと添えると、
それを背中側へとゆっくりと倒していく。

424: ◆40vIxa9ses
08/10/10 21:15:40 y4/BYiIY
「目ぇ、瞑ってんか…」
「はい」

咲夜の手によって完全に仰向けにされたシラヌイが静かに目を瞑ると、
桃色も鮮やかな小さくて形の良いその唇に咲夜の唇が一瞬だけふんわりと重なって、そして、すぐに離れた。

「これがキスや」
「…」

シラヌイの顔から頭を上げて呟くように囁きかける咲夜の声にパチリとその大きな目を開けたシラヌイは、
咲夜のささやかな口づけを今受けたばかりの唇をツンと尖らせると、
そこに視線を一生懸命に集中させながら、それを白くて細い指先でそっとそっとなぞっていく。

「ん…?どないしたん?」
「さくねえちゃんのくちびる…」
「ウチの唇…?」
「とっても、ふわふわ!」

キスの本当の意味を知らぬまま頬と耳の先を薄紅色に可愛らしく染め上げて上目遣いに自分を見上げるシラヌイの姿に、
咲夜の心と身体の奥の部分が、同時にキュンと甘くて切ない音を立てる。
中身が猫であるこの少年は、もしかすると生まれながらに女の心と身体の秘密を熟知しているのかも知れない。
いても立ってもいられずにシラヌイの細い手首をきゅっと握って少しだけ乱暴に抱き起こした咲夜は、
その幼い身体をそのままぎゅっと抱き締めた。

「も一度するか?キス」
「うん!」
「ほな、ウチがするんを、シラヌイも真似してみい」
「はい」

咲夜は、再びシラヌイを静かにベッドに押し倒すと、
自分よりほんの少し小さなその身体を押し潰してしまわないように注意しながら、優しく静かにその上へ重なっていった。

425: ◆40vIxa9ses
08/10/10 21:16:29 y4/BYiIY
「んっ…、んん…」
「はぁ…、あ…」

深く差し入れられてきた咲夜の舌先を上手にかわして、シラヌイのそれが咲夜の口腔に深々と侵入し、
油断しているうちに咲夜に吸い取られてしまった唾液を、シラヌイがちゅーっと音を立てながら吸い取り返す。

「シラヌイは…、キス…、うまいな…」
「さくねえちゃんのくちのなか…、とっても…、おいしい…」

何度も躊躇った後に漸く一瞬だけ互いの顔を引き離して息継ぎ代わりに睦言を囁き合った二人は、
その時間がまるで永劫だったかのようにせわしなく相手の唇を求めてそれに吸い付くと、舌の貪り合いを再開する。

「く…ッ」
「んむっ…」

咲夜の背中に回されたシラヌイの細い腕は、そこを当て所も無くただ愛しげに撫で回し、
シラヌイの肩の両外側に肘をついている咲夜は、手首を器用に捻ってシラヌイのさらさらな髪に何度も何度も手櫛を通す。

「ああ…、シラヌイ…」
「さく…、ねえちゃん…」

咲夜は舌先に感じるシラヌイの無垢な口腔内の粘膜と唾液の味わいに酔いしれ、
シラヌイは時に優しく時に力強い咲夜の舌全体の動きに翻弄されつつも溺れていった。

426: ◆40vIxa9ses
08/10/10 21:17:55 y4/BYiIY
わざとチュッと大きな音を立てて名残惜しそうにその唇をシラヌイのそれから離した咲夜は、
「あぁ…」と熱っぽい溜め息を一つ漏らしながらシラヌイの上から身体を起こすと、その隣にぱたりと仰向けに寝そべった。

「こっち来てみぃ…」

胸元に抱き寄せたシラヌイの顔の前で、
咲夜の指先がパジャマのボタンをプツンプツンと上から一つずつゆっくりと外していく。
そこから、既にしっとりと汗ばんでいる咲夜の肌の匂いが生暖かく立ち上ってシラヌイの鼻先を掠り、
思わずそれにクンクンと鼻を鳴らして反応するシラヌイの様子を、咲夜は艶かしく微笑みながら愛しげに眺めた。

「なあ…、シラヌイ…」

咲夜の指先が、クニャリと力なく左右に分かれた前身頃の縁を摘んで、
それをシラヌイに見せ付けるようにしながらそっと広げていく。

「ウチのオッパイ…、近くで良う見てみるか?」
「うん!」
「ホンマにシラヌイは素直な良え子やな…」

咲夜はシラヌイの頭を優しく一撫ですると、その指先を、
可愛らしいレースの縁取りのある白いブラジャーの片方のカップの下の縁に掛け、
それを、まるで自分自身を焦らすかのようにゆっくりとゆっくりと上へとずらし上げていく。

「ああ…」

色付いた溜め息を吐き出す度に大きく波打つ咲夜の胸元では、
静かにずれ上がっていくカップの下側から、先ず白くて柔らかそうな下乳が現われ、
次いで、もう既に赤らんでふっくらと張り始めている乳輪の下縁が顔を覗かせた。

「んっ…」

その膨らみの頂点をカップの下縁が乗り越えた瞬間、
先端にほんの少しの窪みを残して全体がプクッと立ち上がった乳首の先端が、プルン!と元気良く露になった。

「もうすぐ…、全部、出てくるで…」

咲夜は、高鳴る鼓動に詰まった喉で囁きながらカップを全部ずらし上げ、
その胸元にピンと張る二つの若い乳房の内の片方を、シラヌイの目の前に完全に晒した。

427: ◆40vIxa9ses
08/10/10 21:18:38 y4/BYiIY
「どや?サク姉ちゃんのオッパイ…?良えやろ…」
「うん!」

まるで珍しい生き物の誕生に立ち合ったようにその感動を素直に表情に現しているシラヌイを、
熱い吐息混じりに咲夜が誘う。

「触ってみ…。ウチのと、ナギのと、マリアさんの…、どれが一番柔らかい…?」

咲夜に言われるままに差し伸べられてきたシラヌイの白くて細い人差し指の先が、
形良く張り膨らんでいる下乳の肌を、最初はツンッとほんの軽く突付き、
次に、その弾力を確かめようと何度も何度も繰り返しその同じところをツンツンと突き始める。
だがこれには、さすがの咲夜も思わずクスリと小さな笑いを漏らした。

「それは『突付く』や。『触る』ゆうんは、こうするんや。手ぇ、貸してみ…」
「はい」

間違いを指摘されたシラヌイは、人差し指を軽く立てたままのその手を、迎えに来た咲夜の手に素直に任せる。

「こう…、優しく…、そうっと…」

咲夜は、シラヌイの手の甲を自分の掌でそっと包むと、それを導いて乳房全体に静かに押し当てた。

「うわぁ…」

シラヌイは、掌に感じるほんのりとした暖かさと、押した分だけ押し返してくるのにぜんぜん硬いという感じがしない、
そんな咲夜の乳房の絶妙な触り心地に、思わず心の底から感嘆の声を上げる。

「さ…、ウチと、ナギと、マリアさん…、誰のオッパイが一番柔らかいか、言うてみい」
「う~ん…」
「…」
「え~と…」
「誰や?」
「…」
「?」
「…、まりあ、さん…」
「ありゃりゃ…」

暫くの間真剣に悩んだ末のシラヌイの一言に、
どんな時でも笑いを愛する関西人である咲夜は、シラヌイを自分の身体の横へと庇いながら綺麗にズッコケて見せた。

428: ◆40vIxa9ses
08/10/10 21:19:19 y4/BYiIY
「やっぱり、マリアさんには勝たれへんか…!」

咲夜は、シラヌイを胸元に抱き直しながら如何にも悔しそうに一人言ちるが、
しかし、あの堅物のマリアが自分の乳房をわざとシラヌイに触らせているはずなど無かったから、
おそらくは普段抱き上げた時や風呂に入れる時、
その柔らかな胸の膨らみが自然にシラヌイの身体を圧迫しているのだろう。
ならば、まだ勝ち目(?)はあるかもしれない。

「なら、ここ、弄らしてもうたこと、あるか?」
「ううん」

“柔乳勝負”に敗退して少し意気消沈気味の乳首を指差しながら尋ねる咲夜に、シラヌイは大きく首を横に振って答えた。

「触ってみるか?」
「うん!」
「なら、そっとやぞ…」

先ほど咲夜に『触る』ということを『掌でそっと包む』ということだと教わったシラヌイは、
シラヌイからの視線を受けて赤みと隆起を増し始めた咲夜の乳首を掌でそっと包んだ。

「ああ、ウチの教え方が悪かった。こうするんや…」

咲夜は、「?」という顔で見上げるシラヌイに優しく微笑みながら乳首を包んでいるその手を優しく横へ除けると、
自分の親指と人差し指でピンと立った乳首をそっと摘んで見せる。

「こうや…。やってみぃ…」
「はい」

咲夜の指が離れるのと入れ違いにシラヌイの細い指先がそっと乳首に近付き、そして、それをキュッと摘んだ。

「ひゃっ!」

乳首を摘むシラヌイのぎこちない力加減に、咲夜は思わず細い肩先をピクンと振るわせる。

429:名無しさん@ピンキー
08/10/10 21:19:56 y4/BYiIY
今回は以上です。

430:名無しさん@ピンキー
08/10/10 21:36:19 CfK/b2hH
エロ突入ktkr

431:名無しさん@ピンキー
08/10/11 00:29:03 jzcgKWwU
このペースで、この量のテキストということは
完成したSSをわざと分割させて投下してるな
レスがほしいのか、スレを盛り上げたいのかは知らんが
まとめて投下してくれ

432:名無しさん@ピンキー
08/10/11 01:14:18 wqyPM5HJ
GJ

433:名無しさん@ピンキー
08/10/11 01:20:44 Dhv+fa6a
>>429
続きwktkwktk

>>431
推測だけで何ってるの?バカなの?死ぬの?

434:名無しさん@ピンキー
08/10/11 01:37:39 RIeVlmze
普通、完成させたものを
気が向いたときに投下するんじゃ

少なくとも俺はそうだが

435:名無しさん@ピンキー
08/10/11 01:43:53 wqyPM5HJ
うん、一気に長編投下はちょっとマナー違反の気がする

436:名無しさん@ピンキー
08/10/11 12:15:28 sona/o6B
>>435
同意。

437:名無しさん@ピンキー
08/10/11 15:04:28 5OcezdL0
>>431みたいな奴は一気に全部投下したら
「長すぎ、スレの無駄、区切れ」と間違いなく言うだろうなw

438:名無しさん@ピンキー
08/10/11 15:09:26 /sToBcrP
>>431 , >>434-437
小説の出来について指摘するならまだしも、投下のやり方について
あまり長々とレス消化するのもどうかと。
つーか、さっさと完結させてくれ >>429。でないと本筋に関係ない
ツッコミしか返ってこないぞ。

439:名無しさん@ピンキー
08/10/11 16:02:52 aoAcmSZ7
>>438

440: ◆40vIxa9ses
08/10/11 17:25:38 DqeWTduz
GJや乙を下さった方、続きに期待して下さった方、有り難うございました
スレを盛り上げるにはSSの投下が一番と考えて昼夜兼行で書かせて頂きましたが、
>>431はともかく、>>438の >つーか、さっさと完結させてくれ にはかなり参りました
>>428で打ち切りとし、保管庫への収蔵は辞退致します

441:名無しさん@ピンキー
08/10/11 17:33:39 nqge4KEc
>>440
そいつ荒らしだから構わなくていいってば。
何でわざわざみんな荒らしの思惑通りにいこうとしちゃうのよ…
打ち切りなんて言わず頑張って続き頼む。
陰ながら見守ってる人だってスレにはいるんだぜ?

442:名無しさん@ピンキー
08/10/11 18:27:53 jzcgKWwU
>>440
おつかれさん
打ち切りという表現から察するに、ひなゆめ出身の人かな?

443:名無しさん@ピンキー
08/10/11 19:18:02 drdIBgK/
>>440
あの、声の大きいだけの奴の言うことをそんな簡単に受け入れないで。
マンナンライフの件を連想してしまった。
そんなこと言わずに続きをお願い。

444:名無しさん@ピンキー
08/10/11 19:48:09 wJBxc5ui
>>431>>442

445:名無しさん@ピンキー
08/10/11 21:03:10 jzcgKWwU
>>444
だから何?


446:名無しさん@ピンキー
08/10/11 21:24:45 1GXLxEVB
>>445
お前は救い様の無い屑だって事だよ。A級戦犯
さっさと自害してくれ。

447:名無しさん@ピンキー
08/10/11 21:35:03 jzcgKWwU
感想の感想を書くのが、いかにスレの雰囲気を悪くする事か
理解してない馬鹿が多すぎるんだろうw

448:名無しさん@ピンキー
08/10/11 22:12:49 Dhv+fa6a
>>447
あなたはすごく気持ちが悪いで

449:名無しさん@ピンキー
08/10/11 23:15:42 1GXLxEVB
>>447
レスすんなよ屑野郎
早く自害汁!

450:名無しさん@ピンキー
08/10/11 23:18:44 jzcgKWwU
>>448>>449
自覚してないだけで、お前らも俺と同類なんだぜw
いや俺以下かwww

451:名無しさん@ピンキー
08/10/11 23:45:57 aoAcmSZ7
あーあ、オレら住人のせいで職人を失う典型的な例になっちまったな

452:名無しさん@ピンキー
08/10/11 23:49:20 N6SnD+ZT
>>450は自覚して荒らしてるんだな

453:名無しさん@ピンキー
08/10/12 00:02:42 pYFJC0bo
打ち切っちゃらめえええええ

454:名無しさん@ピンキー
08/10/12 00:14:32 OtPmzY+0
まー、これで職人にイチャモンつける奴は全て荒らしということがわかっただろう
内容や文体がどうとか以前にまともな頭があったら自分の勝手な価値観で創作者を批判したり
スレの雰囲気が悪くなる発言をするわけがないからな
>>451みたいな成りすましも何回やったら気が済むんだかw

455:名無しさん@ピンキー
08/10/12 00:19:55 Q89W0xn2
荒らしにかまっちゃう住人の短絡さはどうしていくべきか・・・

456:名無しさん@ピンキー
08/10/12 00:22:19 veKDalJk
それじゃ、マメに荒らし報告して荒らしをアク禁に追い込めば良いじゃん。
つまり邪魔者は排除。これに限る。

457:名無しさん@ピンキー
08/10/12 00:32:47 q1q9sg7I
あれくらいで荒らし扱いって、読み手も書き手もどんだけなれ合うつもりだ。

458:名無しさん@ピンキー
08/10/12 00:33:12 QsNDlWiG
気に入らない作品はスルーすればいいだけだからな。それをできない奴は自覚の有無にかかわらず荒らしだ。
そんなこと言うとここは職人をマンセーするだけ云々のようなことを述べる奴もいるが
好意を伴った感想や技術的な指摘のように、気に入った作品にしかレスしないんだから当然のこと。
作品の志向に文句があるやつは書き込みを控えてROMしなさい。

そして、一度に投下しろと言った奴はSSスレの住人じゃないな。
さっさと完結しろとか言う奴もどうかしている。本当に住人か。
時間掛かっても良いから完結してくれとかの淡い希望を述べるならともかく。

>455
荒らしと思われる発言はスルーが大原則。
そして思わず反応した住人も汚い言葉をなるべく控えるべきなのにね。
ここでもそういう点をテンプレで強調すべきなのだろうか。

459:名無しさん@ピンキー
08/10/12 01:03:16 zE8JIzhG
>>458
多分、テンプレをちゃんと読むヒトはそもそも荒らしに構ったり反応したりしないんじゃないかな。

ってか、荒らしに構っちゃうようなのはきっとテンプレなんて読んでくれないような気が・・・


何を言おうが荒らしは荒らしで好き自由に書きたいことを書き込んでるワケだし、
書き手のヒトも書きたいお話を書きたい様に書いて投下すればそれでいいのに・・・
2ちゃんねるという場所に荒らしがいるのはわかりきっているコトなんだし、
書き手さんはそんな奴等の書き込みなんぞイチイチ真に受けないで投下しちゃえばいいのになぁ


460:名無しさん@ピンキー
08/10/12 01:28:11 q1q9sg7I
気に入らないSSはスルーしろと主張するなら、気に入らない感想もスルーしとけ
出来ないのなら、感想レスを叩いてる奴も書き込むな
そうすれば、SSとマンセーレスだけになって職人も増えるだろ
なれ合い上等のぬるいスレが好きならSSを褒める以外は黙っておけばいい

461:名無しさん@ピンキー
08/10/12 01:30:03 +pqMf90k
ぬるいスレが好きっす

462:名無しさん@ピンキー
08/10/12 02:38:06 OtPmzY+0
>>460
だめだこりゃ
気に入らないSSと感想の扱いを同列にするとかほんと馬鹿だな
何で趣味に合わなきゃスルーするかって、SSは個人の趣味で気に入る、入らないがあって
だからいちいち自己主張しないで全てを投下できる場所にするための手段なんだが
一方、自分の主観でしかマナーやSSの質を判断できないくせに
声だけ無駄にでかい奴を放置したらそれこそ職人がダメージ受けるんだよね
気に入らないSSは好みの問題であるのに対し、気に入らない感想は悪意を感じ取られるから叩かれるわけ。わかる?
そもそも不特定多数が会話して進む通常のスレと違って職人に書いてもらうという行為が不可欠で
ある程度のマナーが必要なのに、その最低限のマナーを馴れ合いとかぬかすようじゃ何もわかってない証拠

とりあえず荒らしには本人の自覚ある・なしは関係ないと言っておくかw

463:名無しさん@ピンキー
08/10/12 02:58:03 q1q9sg7I
>>気に入らないSSは好みの問題であるのに対し、気に入らない感想は悪意を感じ取られるから叩かれるわけ。わかる?

君が馬鹿なのはわかった

464:名無しさん@ピンキー
08/10/12 04:13:31 Rv+hPBs+
デカイ声(笑)で無駄な議論する人たちもキモイですが、一番キモイのは>>429だな

「打ち切り」?、「辞退させていただきます」?

(゚д゚)ハァ?

漫画家にでもなったつもりかオマエ?www
こりゃあ、何言われても無視して投下できるほど面の皮の厚いROCOの方が全然マシだな

>>429は勘違いが激しすぎ



465:名無しさん@ピンキー
08/10/12 04:23:03 tnUeMyNl
長文めんどくさい、控えてください、お願いします。

>>440氏GJです!心情描写が良くて引き込まれます。続き期待してます。

466:名無しさん@ピンキー
08/10/12 04:29:12 tgcA/+MI
続き気になるから続けてくれよ

467:名無しさん@ピンキー
08/10/12 04:40:58 +pqMf90k
>>464はツンデレ

468:名無しさん@ピンキー
08/10/12 04:49:52 NIQv2bPU
オレも気になるわ。
あんなバカ一人のおかげでお預け食らうとは……ものすごい嫌がらせだ

469:名無しさん@ピンキー
08/10/12 04:54:25 wPHDNp1N
逆に考えるんだ
作者と荒しが実は同一人物だとすれば・・
後はいわないでもわかるよな。




















こんな手に引っかかるお前ら大好き^^w

470:名無しさん@ピンキー
08/10/12 07:51:53 hZEf+bI8
汚い言葉を使ったり、いちいち煽るような奴は大抵荒らしだろ?
さっさと終わらせみたいないちゃもん(批判にあらず)言う奴にしろ、そういうのにレス付けるのにしろ

471:名無しさん@ピンキー
08/10/12 09:43:16 P2d2rd4f
おまえら下らん言い争いで長文うつな
省略されまくりなんだよ、このやろー

472:名無しさん@ピンキー
08/10/12 09:43:16 8ZQ0ZXG6
問題は荒らしが複数いることだよな。
スルーできない無自覚の荒らしも含めればそれこそ山ほどだけど、まあそれはともかく。
荒らしが複数いるスレでスルーすると、荒らし同士が勝手に盛り上がって、
スレを乗っ取られることがあるから手に負えん。
どーすりゃいーんだか。

473:名無しさん@ピンキー
08/10/12 09:50:04 F+Wqj30r
>>462
だからいちいち自己主張しないで全てを投下できる場所にするための手段なんだが
一方、自分の主観でしかマナーやSSの質を判断できないくせに

この発言は止めた方が良かっただろう。

ssが好きなら乙なりGJなり感想なり渡すが良いさ。
だが嫌いならスルーすれば良い。
感想の感想は作者だけ。 そう割り切るべきだろう。
推測だけで発言→スレの退化だってあるんだし。



「まぁここでこの話は止めとこうぜ。 このスレが好きなら。」

474:名無しさん@ピンキー
08/10/12 19:13:49 veKDalJk
>>472
このスレを荒らし隔離スレにして
本スレは人知れず違う所で進行。
本スレ行きたきゃスレ主にメール送っての会員制にする事は絶対。
で本スレ内も荒らしは徹底的に報告してアク禁処置。

もうこれしかないだろ。

475:名無しさん@ピンキー
08/10/12 19:18:04 veKDalJk
>>473
>>全てを投下できる場所にするための手段なんだが
実際には全く逆の事をしている馬鹿が…
もう死んで良いよマジでさ。氏ねじゃなくて『死ね』だ。
お前なんかの屑がいなくなったって社会は何の障害も無く発展していくんだよ?
わかるかい?ゴミ屑

476:名無しさん@ピンキー
08/10/12 22:44:38 P2d2rd4f
>>475
もちろん通報しました

477:トルマリン
08/10/13 00:12:22 EqbrHhis
残暑も過ぎ、だんだんと涼しくなってくる頃。
週末だというのに今日も橘ワタルは暇そうに店のカウンターで雑誌を読んでいた。
「はあ、せっかくの三連休なのに……。なんか面白いこと起こらないかなあ」
今日は店にサキがいない。
彼女は三連休を利用して実家に帰っているために今ワタルは一人きりで店を運営している。
といっても客は誰一人来ないのだが。
「暇つぶしにナギにでもビデオの返却催促でもするかな! はは……」
わざと声を張り上げてみたものの余計に虚しくなりつつ気を取り直してワタルは電話をいれる。
ところが電話に出たのはマリアで特に話が横にそれて長続きするわけでもなく通話を終えてしまった。
「暇だなあ……」
そんな折、自動ドアがガタガタと激しい音を立てながら開いた。
何せ古い店だからどうも立て付けが悪いようだ。
そよ風が紅葉の落ち葉と共に店内に入ってくる。
ワタルは心の底から喜んだ。これが悪夢の始まりだったなんて夢にも思わずに……
「いらっしゃいませ!」



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