08/11/03 02:03:47 3uafQ2U7
「ほぼ間違いなく男らしいぞ?我らが第7子殿は」
「え?もう分かるんですか。どれどれ・・・ああ、こんなに写るものなのですね」
「凰火、貴様似になるのだろうな。髪は赤色のようだし」
「男の子は母親に似ていたほうが幸せになれると言うんですけれどね」
「不幸体質の子供は確実に不幸体質だろうな」
「怖い事言わないでください。・・・それに僕と凶華の子供なんですから。
きっと強い子になりますよ」
「少しぐらいの不幸ならば我らがフッ飛ばしてやろう。だから安心するがいいぞ?息子よ」
凰火の横にちょこんと腰掛け、そのお腹を撫でる。そんな妻に手を重ねて、命の動きを感じる凰火。
「しかし男の子でほっとしました。凶華に似た女の子だったらまた僕の頭痛の原因が増えー」
音速の速さで凰火の腹部に凶華の肘鉄が入った。
そんないちゃつく幸せ夫婦の声は、もう知紅には聞こえていない。
「・・・く、ふふ、フフフフフッフフフフふふっふくくくふふふくふくくぅ」
暫く地面を這い蹲っていた死神が、急に笑い出した。
正気には聞こえなくて、ものすごく怖い笑いだ。
その恐ろしげな雰囲気にに夫婦はずさっと引く。
ゆらぁ、と立ち上がるとゆっくりと向かってくる。
「私ぃ、決めました。」
「き 決めたって何を?」
「凰火さんにはふられちゃいましたけどぉ、そこに、もうひとり凰火さんが
いるって事だと思えばいいんですよねぇ・・・」
死神の後ろから紫っぽいオーラが噴出す。
「だから、私の想いを受け止めるのを引き継いでもらえばいいと思うんですぅ」
「待ちなさい知紅この子が成人したときはあなた50近くですよ!?」
「愛に年齢は関係ありませんよねぇ?私が教育してあげますぅ!」
凰火さんの遺伝子を、真っ白な状態で、
今ならだれのものでも無い-ええネコミミの遺伝子など排除して私が理想の男性に
仕上げてあげます。そうと決まれば最初が肝心・・・!
「そのマリモヨーカンのような腹掻っ捌いてでも私のモノにしますぅ
さあさあさあ今すぐそれすぐ寄越すですぅー!!!!」
死神の西洋刀が凶華に向けられる。 ひゅんひゅんひゅん。
「うおぅっ!?ま、待て話し合おう・・・胎児と恋愛とか早すぎるから!」
「いけません、凶華、逃げましょう!今の知紅には日本語が通じませんから!」
「逃がしませんよぅ・・・!待ってくださいねぇ、未来のマイダーリぃん!!
今、死神ちゃんがご挨拶してあげますからぁあああああああぁあああ!!!」
阿鼻叫喚に包まれる病院。
死神と人外妊婦と駄目眼鏡の通った後は、もはや野戦病院といった有様。
知紅が正気に返るまでに行動部隊及び特殊装甲車の出動を要したのは言うまでも無い。