【MH】モンスターハンターでエロパロ 15匹目【モンハン】at EROPARO
【MH】モンスターハンターでエロパロ 15匹目【モンハン】 - 暇つぶし2ch381:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:49:08 pC+tlhUZ

・・・

・・・・

・・・・・


 ――26時間後――密林ベースキャンプにて


「お待ちしておりました、イリス。」
「久しぶり~、大変な事になっちゃったわね。」
 密林のベースキャンプに到着すると、牙獣保安士のミナスが居た。
「いえ、こちらこそ私達が付いていながらこんな結果になってしまって・・・全くもってお恥ずかしい。」
「気にしないの、同じ師団の仲間だもの。助けるのは当然のことでしょ?」
「ありがとうございます。場所のご説明を。このベースキャンプから北の方へ2時間ほど歩いた所までが私とラミア、そしてラミアの助手2人と共に行動した距離です。
それ以降は無数のコンガ達によって阻まれ、更に襲撃を受けたため、ラミアと一緒だったのはそこが最後です。」
 牙獣保安士は基より「戦う」為に居るのではない。勿論それ相応の腕がないと保安士としてはやっていけないが、実力では殲牙獣士には劣る。
「ラミアは、助手2人にアンタの護衛を任せて、1人でコンガ達を引き付けたんでしょ?」
「ええ、本当は私も戦わなければならなかったのですが、それをラミアは許さず、ただ私に逃げるように・・・」
「とにかく、ラミア様を助けに行きましょうっ!既にかなり時間が経過しています。急がなければ取り返しの付かないことに――っ!」
 側で聞いていた蒼紫の外套で身を包むナナが深刻に言った。
「そっか、ナナとラミアは師弟関係だったね。」
「私に剣技を教えてくださった大切な師匠です。その方がこんな形で命を落とすなど、もっての――あいたっ!?」
 力を込めて話すナナにデコピンを加える。可愛い声が漏れるが、そんなことよりも最後に出た言葉を私は否定した。
「こーら、そんなこと言っちゃダメでしょ?まだ死んだなんて訳じゃないし、第一私と同じ位の実力を持つラミアがこんなことでくたばる訳ないでしょ?」
「あの、イリス様・・・もう少々言葉遣いを丁寧に・・・。」
 翠緑の外套を纏う――この中で一番背の高い女性――リレアが入る。
「とにかく、今からそんな最悪の結果を想定してたらダメよ?」
「は、はい・・・っ!」
「さて、次に1つ気になることがあるんだけどさぁ?ミナス。」
「え?何でしょうか?」
 実は「異常発生」などという単語を聞いて――更にエミスの口から一言も出ていなかったのでどうしても聞きたいことがあった。
「今回の出来事で近隣住民に被害は及んでないの?」
 ミナスは「さすが・・・」と言って間を開けたが、すぐに話し始めた。
「実は私も気になったので調べたのですが、コンガ異常発生によって近くの村が襲撃され、その際に行方不明者が8名、その後村の要請でコンガ討伐と行方不明者の
捜索を行ったハンターが居るらしいのですが、今回の様な結果に陥り、4人の内2人が行方不明になっております。」
「計10人の行方不明・・・そしてその結果、ラミアに回ったってワケね?」
「はい、ですが・・・」
「もう言わなくていいよ――けど聞いておいてよかったし――」
 振り返る、テント近くに設置された支給品ボックスをガサゴソと整理している白い帽子を被った子が持ち物を整理している。その子に聞こえるように言った。
「――ルルを連れて来てよかったわ。」

382:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:50:55 pC+tlhUZ
「は、はいっ!?何ですかぁっ!?」
 名前を聞いて呼ばれたと思った――ルルという名の子はこちらに向く。体中至る所に包帯が巻かれ、更に
眼の部分までも包帯をしていて視覚など無い状態である。
 眼以外は怪我をしている訳でもない、しかし包帯を巻いているのはただ単に趣味なだけだそうだ。その上からは動きやすい様に軽い衣服を着ているが、
露出している肘と膝にはブヨブヨしたさわり心地のあるプロテクター(?)を装備している。
「ルル、今回の任務では特にあなたの働きが重要よ、沢山頑張ってもらうからね。」
「りょ、了解でありますっ!」
 ビシっと敬礼をするルル、背中のバッグにはギッチリと回復薬やら栄養剤、それに薬草やキノコ類まで
――他に白い布の様なものがある。
「既に荷物は整理済みでありますっ!いつでも出発出来るでありますっ!」
「私も準備は出来ております、イリス様。」
「私もです、行きましょう姉さんっ!」
 全員出発準備は出来ている。ならば後は行くのみ――
「よし、行ってくるわ。ミナス、照明弾が上がったらすぐにギルドに救護隊を要請して頂戴。」
「分かりました、それではお気をつけて。」
 こうして新たに4人が、異界と化した密林へと足を運んだ――


・・・

・・・・

・・・・・


 ――2時間後


「・・・あ・・・だっ・・・」
「やぁぁっ・・・・やめ・・・・」
 徐々に回復していく意識。いち早く機能し始めた聴覚には、どこからか女性の様な声が聞こえる。
「うっ――ここ、は?」
 あれからどうしたのだというのだろうか?確か私はババコンガの一撃を食らって、その後――
「――なっ、なんだこれはっ!?」
 意識がハッキリしてきて、私は愕然とした。目の前で何人もの女性がコンガ共に――

383:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:54:12 pC+tlhUZ
「やあぁ、ぁっ――!うあぁぁっ!」
「ひぃんっ――!も、もうっ・・・やめてぇっ!」
 群がるコンガに犯されている女性。中にはハンターらしき防具を身に着けている者も居るが、
無理矢理剥がされたのか、防具の形状を無くし、所々千切られている。
「んんぅっ!ふむぅっ、んんんぐぅっ――!」
 周りを認識する。薄暗い洞窟の中だが、周り中コンガが涎を垂らしながら「自分の番はまだか」と
犯され続けている女性を見ている。女性は10人、その内2人の女ハンターの汚れ具合を見る限り、
他の女性よりも綺麗な方だ。いや、大分コンガに犯され続けたせいで綺麗も何もないのだが、
恐らく状態を見る限り残りの8人は近隣に住む村人――そしてこのハンター2人は村人の救出で来たのだろう。
だが、結果は悲惨だ。
「んやぁぁっ!うあぁぁぁぁっ!」
 目の前でコンガから吐き出される精液を抵抗も出来ずに受け止める。それはハンターにとってどんな屈辱だろうか。
出し終えたコンガは離れるが、すぐ様別の――順番待ちしていたコンガが集り始めた。
「ひっ!いやぁぁぁぁぁぁっ!」
 忽ち洞窟内に悲鳴が響き渡る。だがどのコンガもそれを意にせず、
すぐに自らの肉棒を挿入させようとしていた――
「――このっ!やめろぉぉぉっ!」
 手元に武器が無い――だが武器を持たずとも、激怒した私は助けようと
立ち上がって踏み出そうとした――だが
「うがっ!くっ――なんだっ!?」
 何かに足を引っ張られ、無様にも地面に転んだ。掴んでいる手を見ると、異様にでかい。
忘れていた、そういえば確か――
「くっ!離せぇっ!」
 グイグイと引き寄せられ、そいつとの距離が縮む。明らかになった腕の主は、
私に一撃を食らわせたあのババコンガだった。
「グフゥッ、グフゥッ!」
 しかも、その横を巨体が通り過ぎる。なんと、2匹目のババコンガだった。
「な、何っ!?」
 そして更にそのババコンガに続くように1,2,3・・・・またババコンガだ。
「ば、バカなっ!何故こんな場所にババコンガが5匹も――っ!?」
 どうりで薄暗く日も差しにくく、本来肌寒いはずの洞窟内が蒸している理由が分かった。
5匹のババコンガが率いる群れが――いや、群れ以外のコンガも含まれ、洞窟内はギッシリとしているからだ。
「んん――、こ、ここは?」
 人の声がしてハッとする。見ると、私の横にはまだ汚れてもいない――恐らく私と同じようにここに
連れてこられたばかりの女性――しかもハンターではなく村人が4人壁にもたれ掛かっていた。
――眼が覚めた女性に1匹のババコンガが迫った。
「えっ?何―――きゃあああぁぁぁっ!」
 またしても洞窟内に悲鳴が響く。そのせいで更にまだ意識を落としていた女性を起こしてしまった。

384:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:58:01 pC+tlhUZ
「ひぃっ!何よこいつっ!?」
「や、やだぁっ!こないでぇぇぇっ!」
「た、助けてえええええぇっ!」
 4人全員を両腕で逃げないように拘束したババコンガ――私の足を掴んでいたババコンガも
空いている腕で私の両腕を包み込んでしまった。
「くっ!離せっ!無礼者がっ!」
 腕に力を込めて振りほどこうとするが、どうしたことか――全くビクともしない。
前にラージャンと戦った時、私は太刀でラージャンを打っ飛ばした事がある。
腕力なら誰よりも負けず、牙獣種を吹っ飛ばせるほどの力を持つ私が、振りほどけないとは。
「うぁっ!熱っ――」
 上からビチャっと液体が顔に掛かった。ベトベトしていて臭い。思わず私は顔を上げて降ってきた方を見た。
――ババコンガからだ
「うわっ!」
 堪らず声を上げる。通常ババコンガは憤怒すると顔が真っ赤になる。だが私の目の前に居るババコンガは
憤怒していないにも関わらずそれ以上に紅くなっており、更に血管が所々浮き出ている。おまけに息も荒く、
呼吸の為に開けている口が閉じられることなく――そのせいで涎がボタボタと零れ落ちている。
「フゥーッ!フゥーッ!」
 顔が近づいて来る。その息までもがたまらなく臭い。
「ええぃ寄るなっ!この下衆がぁっ!」
 腕は動かせない――ならば足はと暴れるように振り回すと――何か硬いものにバチッと当たった。
「ブゴアァァァァァアァァアァアアッァァァァァァ――!!!」
 いきなりけたたましい声を上げるババコンガ。耳を塞ぎたくても腕が拘束されているせいでモロにその咆哮を聞いてしまった。
洞窟内に反射的に響く咆哮――頭の中がクラクラとした。だが――
「ブオオオオォォォォォ――ッ!!!!」
「う、うわぁぁぁぁぁっ!」
 今度こそ本当に憤怒し声を荒げたババコンガは爪を食い込ませて私の着る防具を引き千切った。
信じられなかった――幾度も戦って丹念に作り上げられ、鍛えられ上げた筈のラージャンの防具がいとも簡単に剥がされてしまったのだ。
「いやぁぁぁぁぁっ!」
「きゃあぁぁぁぁっ!」
 しかもそれを合図に、他のババコンガ達も女性の衣服を引き千切り始め、
忽ち私とその女性達の体が露になった。
「こ、こいつらまさか―――っ!?」
 今期は確かに繁殖期ではあるが、牙獣種が人間に生殖活動をするなど聞いた事も無い。
だから先程コンガに犯されている女性達を見て違和感を感じていた。
 しかし今度はババコンガ、しかもそれが自分に――
「い、いやだぁっ!離せっ!離せぇぇぇぇっ――!」
 怖い――その感情でめちゃくちゃになった私は暴れた――だが抵抗も空しく、ババコンガが私の体中を嘗め回してきた。
「ひぁっ!?」
 怖気が走る――熱く涎でベトベトした舌が私の全身を這う
「ビチャッ!ビチャッ!ベロベロベロッ!」
「うあっ・・・ああぅっ・・・・気持ち悪い・・・・」
 今までに無い感触に今すぐ逃げ出したい気持ちだった。全身は既にババコンガの唾液でベトベトになり、
不快感が増す中、今度は足を掴まれ逆さ吊りにされた。

385:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:00:06 pC+tlhUZ
「な、何を――ひぁっ!」
 留まることを知らない唾液が足に、太腿に、そして私の股間に垂れ落ちる。すると、
ババコンガは両手で持った私の足を無理矢理開かせ――
「あっ!うああぁっ!やめ――やめろぉっ!ひはあぁっ!」
 アソコにむしゃぶりついた。激しく舌が動き、それによって涎が飛び散っている。
「ビチャビチャビチャッ!グチュッ、ジュパッ、ジュパッ――」
 淫らな音と共に、感じる場所を激しく舐められ、声が漏れ出てしまう。
「や、やめっ・・・いあぁっ!」
「だめぇえええええっ!舌っ入れない・・・・でぇっ!あああああっ!」
「いやぁあっ!中で・・・動いてぇ――っ!ひぃやぁぁぁっ!」
 私だけではない、他の――同じく私と同じように嬲られて居るのだろう。
すぐ側でさっきの女性達の嬌声混じりの悲痛な声が聞こえる。
「ジュジュッビチュッ!ビチャッ、ジュルルルルルルルルゥッ!」
「うあぁぁっ!やめろぉ――ッ!す、吸うな・・・ふあぁぁぁあっ!」
 それまで私の股間を舐めていたババコンガは今度は激しく吸い始めた。
とてつもない吸引力に比例して不快なる快感が私を襲う。
「や、やめぇっ――、で、出るっ!出ちゃううぅぅぅっ――!」
 声も抑えられず、我慢も出来ず、ひたすらに秘部を吸われ続けた私は排出の知らせが
下半身から感じられ、そして――
「いやぁぁあぁぁっ!ふああああああああああああああああぁぁっ!」
 絶頂――そして噴出。ブシャッと音と共に自身の尿が降り注ぐ。
「フガァッ!ジュルッ!ジュルルルルルルルルルッ!」
「いやぁぁっ!イッたばかり・・・・なのにぃっ!舐めないでっ――!吸わないでっ!お願いぃぃぃぃぃぃっ!」
 尿を吸い取るかの様に舐める――吸う動作を止めないババコンガ。快感がずっと続き、
パニックになった私は人語など解るはずもない獣に懇願してしまった。
「うはああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 そして結局また達してしまった。ガクガクと震える体を未だに掴む腕にはもう
――激しい快感で力が抜けてしまった私には抗うことが出来なくなってしまった。
「はあぁっ・・・・はぁっ・・・・はぁっ」
 逆さまにされているせいで呼吸がしづらい。何とか呼吸をしようとして大きく息を
吸ったり吐いたりとしていると、「何か」が目の前にあるのに気がつく。
「はぁっ・・・?ええええええええっ!?」
 ――一瞬、単なる岩か何かと思った。だが真っ赤に(特に先端が)腫れ上がり、
太い血管が浮き出てビクビクと動く棒――根元を見て驚いた。
それは私の顔ほどの大きさを持つババコンガのペニスだった。
 前に恋人だった者とセックスした際にペニスは見ている――そのせいでこの
ババコンガのペニスが私の知る標準的な大きさを大きく――果てしなく上回り――

386:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:02:43 pC+tlhUZ
「いたっ――!」
 無理矢理四つん這いにされ、更に頭を抑えられた。股間に何か熱いものが当たる
――ババコンガのペニスだと、それしか出ない答えを認識して私は
「いやあぁぁぁぁっ!やめてぇっ!そんなの入る訳ないっ!誰か――誰か助けてえぇぇぇぇぇぇっ!」
 死と直面するのに似たような恐怖に襲われた。助けを乞い、必死に逃げようと涙ながらもがいた。
しかしそんな行い、ババコンガには虫にも等しく
「うああああああああああああああっ―――!」
 構わずズブズブと自らの亀頭を挿入させた。実際に聞こえる訳ではない。あくまでも擬音としてだけど
――私は、私のお腹からメリメリとする音が聞こえた気がした。
「さ、裂ける・・・・・・・うぅっ!」
 先程も言ったとおり、私はセックスを経験しているため処女ではない。だが今までに無い
大きさのモノを挿入れられて痛みに襲われた。そんなことも気にせずに、ババコンガは――
「フフゥーッ!ウホォッ!ウホォッ!」
 快感を求めるだけか――それとも、ただ単に孕ませる為か、ババコンガは容赦なく腰を
―――まさしく獣の如く振り始めた。
「っ!――あはぁっ!う、うごかさないでぇっ!――やあぁぁぁっ!」
 下腹部で前後する亀頭――その感じたことも無い――引いて、突く度に出る圧迫感。
恐ろしい、自分の体の中からこれほどの感覚が出るなど、生まれて初めてだった。
「あっ――!があぁっ!な、かっ・・・・えぐれぇ――ああああああっ!」
 抉れる――外からではなくナカから、ナカからナカから――犯されて――。
「ひあぁっ!やぁ、やぁぁぁああっ!」
「痛いぃっ!やめてぇぇぇぇっ!」
「うっぐぅっ!あっ、あああああああっ!」
「た、助けてぇっ!いやぁああぁぁっ!」
 それは他の女性も一緒だった。涙で歪む視線の先には私と同じくババコンガの
――あの超絶な極太ペニスを突き入れられ――中には悶絶寸前にまでなっている様な者まで居た。
 しかしそれは私も一緒だ――が、次第に体が無意識に――
「えっ!?や、やぁっ!ウソよぉ!な、何で私っ―――!」
 ナカに入っているモノが動くたびに体の奥からゾクゾクとするものが出る。
――知っている――これは入れられて、動かされ、捻られて、感じるもの。

 ソウ―――――キモチイイ――――




387:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:04:33 pC+tlhUZ

「ひぃんっ!あ、あんぅっ!んはぁあっ!」
 自分でも知らず、嬌声が漏れ
「あ、はぁっ!あああんっ!」
 体は快感と認識し
「うあぁっ!太くなってぇっ――!」
 ナカで一段と膨らんだソレは合図と知り
「ああああああああああああああああああああああああっ!」
 大量に吐き出された――中で激しく噴出する精液で、私はイってしまった―――。
「うはぁっ・・・・!はぁっ!はぁっ!」
 お腹が苦しい、ババコンガの大量に出た精液のせいで腹部は通常よりも膨らんでいる。
「うぁ・・・・っ!あああああっ!」
 ズポンっと引き抜かれたペニス。栓が抜かれたように、私の膣からゴボゴボと
大量の白濁色の液が零れ落ちた。
「はぁっ!はぁっ・・・はぁぁっ・・・・・・」
 凄まじい感覚――快感で意識が朦朧とした。薄らぐ眼の先には私と同じように
侵されていた女性が同じように股間から精液を排出していたり――気に入ったのか、
そのまま――入れたまま更にピストン運動を続けるババコンガと、解放されずずっと
涙を流し続ける女性――口が大きく開けて何か言っているよう――いや、悲鳴以外に無いだろう。
「グフゥー・・・・フー・・・・」
 背後に居たババコンガの気配が遠ざかる気がした。どうやら私の中は気に召さなかったようだ。
ひとまずの休息と――思っていた時――グイっと顔を上げさせられた。
「え・・・・っ?」
 ぼやけて眼に映るソレは大きさこそ大分違えど、先程挿入れられたペニスだった。
しかし一体誰の?などと思った瞬間――
「んんむぅっ!?」
 無理矢理口の中にペニスを押し込まれた。何故?この大きさは一体誰――
などと二度同じ事を思い始めた時に気がついた。
「んんんんぅっ!?」
 目の前の体はババコンガほどの大きさでもなく、ペニスもババコンガよりも小さい――
だが之も私の中の標準的な大きさを上回っている――
「んんむぅうっ!むぐぅっ!ふむぅぅぅっ!」
 先程私が最初に見た光景――眼の前で――眼の前でコンガに犯され、精液を浴びせられ、
そしてまた違うコンガに侵されていた女ハンター。
 

 つまり私は今、まさに「その状況」に陥っているっ!!



388:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:06:21 pC+tlhUZ
「んんぅっ!?」
 アソコに何かが――考えるまでも無い、ペニスが当てがられている。それで私は――堕ちた。
「んやぁぁぁぁっ!ひゃめぇへぇぇぇぇぇぇぇっ!」
 口に含みながら叫んでも、声にならない叫びだった。当然ながら私の中に入れようとしているコンガは肉棒を突っ込んだ。
「んあぁぁぁっ!」
「ウホッ!ウホッ!ウホッ!」
 歓喜の声を出して腰を振るコンガ
「んふぅっ!んんっ!んんんんんっ!」
 涙を流しながら抵抗も出来ず銜える私
「いやぁぁぁぁっ!やめてぇっ!」
 別の場所から響く――私と同じようにコンガに群がられる女性
「うっ、あっ・・・・あはぁっ――はぁっ!」
 私よりも先にココに連れ込まれ、容赦なく――幾度と無く犯され続け、既に壊れかけている者
「んんぅっ!ふぅっ!んむぅあぁぁぁっ!」
 口と膣の中で前後していたモノが更に膨れ上がる――私の限界が間近に迫る――そして
「うむぅあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 コンガの射精――私の絶頂。生臭くドロドロとしたものが口とナカに流れ込む。
「ぶはぁっ!げほっ!げほっ!」
 引き抜かれて吐き出すように咳き込む。膣からはまたゴボゴボと精液が流れ出て、
地面が精液まみれになる――精液まみれになるのは私も一緒だった
「ウホッ!フゥーッ!フゥーッ!」
 すぐ様別のコンガが私に群がった。息を荒くし、涎を垂らし、興奮していると解る状態で
――今頃になってなぜ私とミナスだけを集中的に襲ってきたのか解った、助手二人は男だったし、
こいつらの目当ては女――いや、メスということか。
「・・・・ふ、ふふふ・・・。」
 なら、やはり3人を逃がして正解だった。こんなの、とてもじゃないがミナスには遭わせたくない。
だからよかった――けれど
「ごめん・・・・」
 もう、自分にはどうすることも出来ない。ただ――ただひたすらにこいつらに飽きるほど犯され、
捨てられるのを「待つ」だけだった。
 殲牙獣士――その地位に立っていながら――一番自分が滅ぼすべき対象に、こんな形で終わるなどと、
自分でも許し難い――なのに
「んんぅっ!?」
 
 もう、戻れない――



389:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:08:08 pC+tlhUZ
ドゴォーンッ!


「フハハハハハハッ!どけぇっ!猿共っ!」
「ガウッ!?」
 口の中に入れられたペニスが引き戻される。何だ?今の爆発音、それにこの声・・・・。
「邪魔邪魔邪魔あぁ!打っ飛べぇっ!アッハハハハハハハッ!」
「あーららぁ、完璧に切れてるわ、リレア。」
「しょうがないと思います。あれだけコンガが絶えずに出てくるせいでストレスが溜まったのでしょう。」 
 聞いたことのある声が2つ聞こえた。この、声は確か――
「まあおかげで楽にここまでこれたけど、何ここ?コンガの巣?」
「ね、姉さんっ!ラミア様がそこにっ!それに村人らしき人たちも!」
 ああ――そうかミナス、彼女たちを呼んでくれたのか。
「このぉっ!ラミア様から離れろぉ!」
「ブガァァァッ!」
 絶望から――徐々に希望へ、「助かる」とそう感じてきた。
「はあぁぁっ!」
「グギャァァァッ!」
 私が剣を教えた子――ナナだ。それに私と同じ地位を持つ仲間のイリスも一緒か――
「ブゴォォォォッ!」
 ナナに3匹のコンガが飛び交う、そして背後から時間差で別のコンガが襲い掛かろうとするが――
「アッハハハハハハッ!」
 ランスでずっと突進を繰り出している緑の女性に無残にもぶっ飛ばされた。そしてナナは――
「秘剣・迅落としっ!」
 私が教えた技で3匹のコンガを斬り落とした。しかしそのさらに上からコンガが押しつぶそうと跳んでいる。
「危ないっ!ナ――」
「飛炎・翔牙っ!」
 私が叫ぶと同時にナナは迅落としの慣性を止めずにそのまま剣を投擲――コンガに刺さり、
更に投擲による反発で失速したコンガはそのまま落下した。しかしまだ、無数のコンガが
敵を排除しようとナナに群がる(緑の女性は未だに突進し続けてコンガをぶっ飛ばしている)。
「ふっ!」

390:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:10:03 pC+tlhUZ
 投擲した剣を回収したナナは片手で持ち始め、もう片方の手には新たに剣が握られ、構えの姿勢に入った。
「えぇ?あの子・・・片手剣じゃ――」
 と、漏らしている内に9匹ほどのコンガがナナに迫る。一番前に居たコンガがナナに飛びついた瞬間――
「―――ッ!」
 いつの間にかナナが私の目の前に立っていた。コンガ達はしばらく走った後、力尽きた。
「大丈夫ですか?ラミア様。」
「ナナ・・・あなた、今の技は・・・。」
 差し出された手を握って立ち上がる、微笑んだナナは
「貴女の奥義、「閃無爪」ですが、私は双剣で会得しました。」
 と、言った。「閃無爪」――一瞬で複数の急所を斬り抜く技で、切れ味と形状から
太刀限定の技としていたが、まさか双剣で会得したとは――。
「・・・・。」
 しかしコンガを見ると、どれも頭部に一斬りされて血を流している。
急所に何度も斬り浴びせる――それがこの技の真髄だが、まだ1回が限度のようだ。
「ナナー、後ろにでっかいやつがいるよー。」
 洞窟の入り口で佇んでいるイリス――の足元には彼女に襲い掛かろうとして
逆に返り討ちにあった無数のコンガが力尽きていた。いや、それよりも――先程女性を犯し続けていた
ババコンガが居た、まさかそいつが――
「お下がりください、ラミア様。」
 やはり、あのババコンガだ。女性から離れ、敵を追い出そうとこちらに近づいて来る。
それに対峙する形で私の前に立つナナ。
「気をつけてナナ、あのババコンガは普通のババコンガじゃない――」
「ええ、気迫から感じられます。通常のより2倍――いや4倍ほどの実力がありそうですね」
 軽く言った。恐怖など何処にも感じられない。「倒せる」――いや、「倒す」と言った気迫がナナから漂う。
「私の事は気にせず姉さんの所へ――救護係りが居ます、その者から手当てを――。」
「分かった、ナナ。私をこんな目に合わせたあいつらに慈悲などいらない。容赦なく――」
 言いかけたところでナナは振り返って
「ええ、そのつもりですよ――」
 微笑んだ――が、眼は灼熱のように燃えていた。


391:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:12:28 pC+tlhUZ
「・・・・。」
 思わず息を呑んだ私は振り返り、イリスの元へと――下半身にはまだ力が戻りきっていないが、
それでもゆっくりと走った。
「アッハハハハハハハハハハッ!」
「うわっ!?」
 途中、逃げ惑うコンガ達と、それを追い続けてまだ突進する緑の女性が眼の前を横切った。というかむっちゃ危ない。
放って置いて大丈夫なのか?あと、スタミナは?
「心配無いわよ、キレたあの子は疲れ知らずだから――ルル、おいで~。怪我人だよ。」
「は、はいですっ!」
 それまで身を隠していたのか、イリスの背後から包帯で目隠しした子が――
何この子?見えてないみたいだけど大丈夫なの?と思っていると――
「むむむっ、背中と後頭部に強く打った跡が・・・そして何か大きな物を入れられて下半身の一部の筋肉が軽い損傷を受けておりますねっ!」
 包帯の下にある眼で見るよう私を見上げたルルという子は言った。――驚いた、
確かに防具を引き千切られたせいで肌の露出が多めになっているとは言え、この子は眼を包帯で隠しているというのに・・・。
さらに、どうして入れられたことが解ったんだ?――納得のいく説明を求む。
「とりあえず後ろを向いてくださいっ!うぁ、ひどいですねぇ・・・何か樹木に打ち付けられましたか?」
 正解――だけど、何で見えないのに判るのかって。
「ルルはね、眼が見えないけど嗅覚と聴覚、そして第6感が敏感になっていてね。眼が見えなくても
ちゃーんと怪我の部位や原因、状態が分かるんだよ。」
「はいっ、背中の打ち跡から樹の匂いが――女性器からはあのババコンガの臭いがするのですっ!」
「あのさ・・・直に言うのやめてくれない?もの凄く恥ずかしいんだけど・・・。」
 と、その時
「グギャアアアアアアアアアアアアッ!」
 獣の――ババコンガの悲鳴が聞こえた。
「――「紫炎・爆斬」・・・。我が師の敵だ、燃えろっ!」
 ナナがこちらに歩み寄る途中、漏らした言葉と同時に、ボンッとババコンガの一部から小爆発が起き、
それが毛に引火してババコンガを燃やし尽くした。
「な、なに・・・今の技・・・・?」
 あんな技は見たことも無い。もし剣の起こした作用だとしても、即発になるはず。
 それが――まるでナナが起こしたような感じで――
「姉さん、リレアを。」
「そうね、止めようか。コンガは大体片付けてくれたし。お~いリレアー!」
「アッハハハハハ――ハッ?あ、はいっ、何でしょうイリス様っ!?」
 もしかして本当に休み無くずっと突進し続けてた?
 突き出したランスと足を制し、背中に背負ってこちらに駆け寄るリレアと呼ばれた女性。
「ルル、ラミアを頼んだわよ。」
「了解でありますっ!」
「ま、待てイリス。あんた一体何を――」
 今頃になって異様な気配に気づいた、コンガがすっかりいなくなり、がらんとした洞窟の奥から――
大きなものが4つ―――4つ!?

392:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:14:27 pC+tlhUZ
「さーて、こっからが問題だね~。」
「そうですね、1匹ならともかく4匹同時となると・・・。」
「イリス様、どうします?」
 奥からズシン、ズシンっとゆっくりババコンガが4頭――姿を見せた。
4匹ともかなりの興奮状態みたいだ、吐く息が洞窟の冷たい空気によって白くなって消えている。
「リレアは他の女性を・・・あら?1,2,3・・・14人?なんで増えてるのかしら?」
 私を含めれば15人だ。だが皆――気絶しているようだ、ピクリとも動いていない。動いているものもいるが、
一定のリズムでピクンッピクンと体が動いている。どうやら快感が激しすぎて神経がめちゃくちゃになり、
痙攣しているようだ。
「とにかくリレアは全員をルルのところまで運んで――運び終わったらそのままルルの護衛を。」
「わかりました。」
 指示されたリレアは素早く行動した。ババコンガ達の視線がリレアに移るが、すぐにイリスとナナに戻った。
「ナナ、貴女は私と一緒にこいつらの討伐。」
「はい、姉さん。」
 見るとイリスの両手にもそれぞれ剣が握られている。双剣2人――が、4匹のババコンガと対峙する。
「ねえナナ、体力あとどん位?」
「・・・姉さん、もしや・・・。」
 イリスの質問の意味を悟ったようなナナは深刻な声で返答した。
「・・・可能ですよ。」
「じゃあヤりましょうか。『全力・全開――」
「――万力・万壊』・・・。」
 2人の意思疎通の合図らしい、それぞれ似たような言葉を出した後
「それじゃあ張り切って参りましょう♪」
 と、イリスが軽いノリで口にすると、4頭のババコンガが既に駆け出していた。
しかし二人は取り乱すことも無く――

「『紫炎・蒼妃』――」「――『雷光・閃帝』」
「『黒蒼・灼燐』――」「――『紅魔・斬陵』」


 交互に詠唱する様に言葉を口にし――



『――「双閃・四龍陵舞」――』
 

 最後の言葉を聴いた瞬間、2人の姿が消えた―――


393:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:16:26 pC+tlhUZ
・・・

・・・・

・・・・・


 あれから駆け付けたギルドからの救護隊によって私と他の女性達は無事救出された。
中には命が危なかった女性も居たらしいが、ルルという子(そういえば性別はどっちだ?)の
治療のおかげで女性達は皆何とか助かり、徐々に回復に向かっているらしい。
 イリス達には感謝しなくてはならない、こうして生きて帰ることが出来たのだから。
が、残念ながらお礼はルルとリレアの2人にしか言えていない。
 あの時――「双閃・四龍陵舞」と聞いた瞬間にババコンガ4頭が動きを止め、
全員時間差で大量に出血したり焼け焦げた。一体何が起こったのか分からなかった私に
ルルとリレアが病室で答えてくれた。
「「双閃・四龍陵舞」とは、「光陰矢の如し」、四の龍剣に習って名付けられた技でありますっ!」
「ええと、補足すると光速に近い速度で動き、相手を斬り刻む技です。」
「短時間で大型のモンスターや複数のモンスターを相手にする時に使うでありますっ!非常に強い技でありますっ!」
「けれど反動も大きく、異常なまでの速度で動くせいで筋肉や骨に大きな影響を与えるため、本来なら非常用として使われる技なのです。」
 どうりで私の為に用意されたベッドにイリスとナナが寝ている訳だ。――ババコンガ4頭が倒れた後に
無事な姿があったが二人同時に倒れるからびっくりした。
「元々イリス様の技でしたが、ナナは人一倍イリス様に思い入れがあり、どうしてもこの技を使いたかったとか。それで、努力で会得したらしく・・・。」
 リレアのこの一言を聞いてナナには感服した。昔から他の人より何倍も努力する子だったのを覚えているが、まさかそこまでするとは・・・。
昔私に習って剣を振っていたあの可愛らしい子の面影がすっかり無くなってしまったことを改めて認識した私は少々落ち込んだ気分になった。
「この技は人には不可侵域な技でありますっ!しかし人ではない2人ならではの特性でその領域に踏み入れ――ふぎゃっ!?」
 ルルの話の途中でリレアが脳天に「パコーンッ」と拳骨を食らわせた。しかし私はルルの発せられる1つの言葉が焼きつき、疑問に思った。
「しゃべりすぎよ。」
「あうぅ・・・ごめんなさいでありますぅ・・・・。」
「あの・・・「人ではない」って・・・どういう」
 その疑問をリレアに訪ねてみたが

394:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:17:55 pC+tlhUZ
「なんでもないです、この子が大げさに言いすぎただけですよ。私から言わせれば「人並み外れた」――です。」
 なんだかごまかされたような気がするが、まあいい。
「あのさぁ、2人はあとどれ位こんな調子なの?」
 数に限りがあるのでベッドは1つ。その中で特に違和感を出すまでもなく仲良く眠る2人を見てルルに聞くと
「はっ!本来あの技を出したのであれば、普通の人であれば1ヶ月近くの所、この2人の場合ですとなんとたったの2日――みぎゃっ!?」
 またしてもリレアの拳骨が今度は「パキィーンッ」とルルの脳天に――苦笑しながらリレアが代わりに答えた。
「この2人は2日ほど体力回復の為に眠り続け――」
「――リレア姉さんさっきから痛いでありますよぉーっ!」
「あーもぉっ!アンタが余計な事までしゃべるからでしょ!」
 だーめだ、さすがにもうこのノリには付いていけない。まだ口論する二人に私は
「じゃ、また改めて来るわ」
 と言って部屋から出た。聞いていたかどうかは――2人ともこちらを全く見ていなかったから聞いていなかっただろう。
「ふふ、なんだかうらやましいねぇ。」
 廊下を歩きながら本音が漏れる。あんな感じの仲間は草々居ない。イリスは幸せだろうなと感じる一方
「・・・すっごい気になるのよねぇ・・・。」
 ルルの言った「人ではない」――そして「普通の人であれば」の言葉。これはどう聴いても今だ病室のベッドで寝ている2人が
人外であると言っている様なものだ。
「いや・・・・。」
 しかしその言葉の答えはルルとリレアにも該当すると何故か私は思った。あの4人は確かに他の人とは違う違和感がある――しかし何故かは証明出来ない。
「まあ、いいか。さーてと、お礼はどうしようかなぁ?」
 現実を改めて見る。多分私は後日イリスから「お礼に何か頂戴♪」などと言われるのだろう。
「まあ、今に始まったことじゃないし、適当に考えるとするかな。」
「そうですねぇ、これからやることは山ほどありますし。」
「うわぁっ!」

395:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:19:39 pC+tlhUZ
 突然背後から声が出たのでびっくりした。振り返るとミナスが居た。
「あらあら、病院内では静かにしないといけませんよ?」
「・・・気配を消していきなり人を驚かせるような事をしたあんたがそれを言う?」
「ふふ、まあ良いですわ。歩ける元気があるにしろ、しばらく休んでくださいな。団の皆が心配しておりますよ。」
「そうだなぁ・・・いい機会だし休暇とするかぁ。」
 さっきの疑問などもうどうでもよくなった。私にも束ねる団がある。上に立つものとしてしっかりせねば――
「そうですね、今回の件に関する書類がどっさり来ていますから、まずはそれを処理していただかないと。」
「げ、そうなのか・・・。」
 逃げ出したい気分だった、しかしミナスは私をしっかり捕まえて――
「ふふふ、上に立つものとして――団長としてしっかりしてもらわないと困りますよ?」
「うっ・・・・。」
 見透かされ、どうにも逃げられない状況なので観念するしかなかった。
「しゃーない、やるしかないか。」
「ええ、私も手伝いますから頑張りましょう♪」
 背後からはまだ二人の口論が少し聞こえる、と、その時
「――病院内では静かにぃっ!」
 と、看護士らしき人の声が廊下にまで響いて聞こえた。
「ぷっ」
 そうして、吹きながらミナスの肩を借りて歩く――私は心の中で、寝ているイリスに届くように言った。


「またな――減龍士イリス」




It continues to a special volume.




396:L
08/10/11 16:24:42 pC+tlhUZ
 はい、以上で4作目は終了です。そして申し訳ない、今回メモ帳からコピーして
そのまま貼ったせいか、改行がメチャメチャになってしまいました・・・orz

 >>383あたりで改めましたが、それでも少しおかしくなってしまいました。
 読みにくくなって大変申し訳ありませんでした;;それでは失礼します。

397:名無しさん@ピンキー
08/10/13 23:47:47 GOYM8mSf
>>396
GJ!!

398:名無しさん@ピンキー
08/10/13 23:49:16 im3VoXzu
人いないなー、とにかくGJ!!
改行は次改善すればいいじゃない

399:名無しさん@ピンキー
08/10/14 17:07:30 LJ85W0ik
保管庫の編集の仕方がわかんない誰かタスケテー

400:名無しさん@ピンキー
08/10/15 14:51:17 vmWD20mv
誰か俺に新しいSSを書くための
アイテムもしくは装備を出してくれないか?www

401:名無しさん@ピンキー
08/10/15 15:24:39 0ZDBfeSG
ドラゴンXに限るぜ!

鎧に尻尾付いてるとかかなり神なデザイン!

402:名無しさん@ピンキー
08/10/15 18:59:51 atH4z1Xg
ドラゴンX?ああ、呂布ね。

403:名無しさん@ピンキー
08/10/15 20:42:02 uivt7l+3
地球ドキュメントの狼王ロボにレウスレイアをダブらせて見てたら泣けてきた

ホント、リオ夫妻は見てよし戦ってよし(異論は認める)萌えてよし
三拍子揃った神モンスターだわ

404:名無しさん@ピンキー
08/10/15 22:14:18 wpjX5u4x
だな。
想像したら俺も泣けてきた・・・

405:名無しさん@ピンキー
08/10/15 22:17:36 3krEo62x
リオ夫妻はG級やってから下位やるとあまりの突進の多さにイライラする

406:名無しさん@ピンキー
08/10/16 00:59:19 2cVmMm2n
夫妻だったら炎古龍の方が好きだ
なんか情熱的で

407:名無しさん@ピンキー
08/10/16 02:01:06 kIqWO/ik
>>400
っフルベビアイス

408:名無しさん@ピンキー
08/10/16 11:52:16 sgcFygOX
ドラゴンXでフルベビアイス納品、
クシャル擬人化雪山…でFA
じゃっ、作ってみるわノシ
たまには自給自足しなきゃ

409:名無しさん@ピンキー
08/10/16 18:33:59 BYbi6uRb
カオスw

410:名無しさん@ピンキー
08/10/16 20:10:45 swC4yky5
>>408
なんか凄いブレンドだなwwその組み合わせは予想外だww

頑張って!!

411:名無しさん@ピンキー
08/10/18 02:17:01 Qq1tOwYz
保守

412:名無しさん@ピンキー
08/10/19 15:42:28 fg7XLOfC
ほっしゅっしゅ

413:名無しさん@ピンキー
08/10/20 01:39:54 r0y8Mq1i
最近なんか過疎ってるな…
前スレのヤマツカミの人帰ってこんかな、続きが読みたい

414:名無しさん@ピンキー
08/10/20 14:41:56 fidYaEyJ
ミズチと(気持ちは判るけど)身勝手なかあさまの続きも気になってます

415:名無しさん@ピンキー
08/10/20 19:34:20 WpTBZBUI
いつまででもネコートさん待ってます

416:名無しさん@ピンキー
08/10/20 20:46:58 FrWneHJt
俺もナナ親子のやつを待ってます


417:名無しさん@ピンキー
08/10/21 01:27:35 CmlgUX6w
蟹の人元気かな…

418:名無しさん@ピンキー
08/10/21 18:15:27 7cDOxqkM
珍味の人氏待ってます

419:名無しさん@ピンキー
08/10/21 23:01:08 ryQuDnBq
3が出ればいいと思うよ

420:小ネタ?
08/10/21 23:12:22 9Taddl7j
見習ハンター「ハンターやめたい……」

教官「声が小さいよ!もっと大きい声で!」

見習ハンター「ハンターやめたい」

教官「ぜんっぜん気持ち伝わってこない!もう1回!」

見習ハンター「ハンターやめたい!」

教官「この俺がやめさせるとでも思うか!」

421:名無しさん@ピンキー
08/10/21 23:13:16 9Taddl7j
スマン
吊ってくる

422:名無しさん@ピンキー
08/10/21 23:19:55 0D9RRck2
女性教官の声で脳内再生してたら最後で裏切られた……!

423:名無しさん@ピンキー
08/10/21 23:55:24 qCkw9/IM
二次元では「俺女」と呼ばれる女性が多々存在するという罠。

424:名無しさん@ピンキー
08/10/22 08:40:08 d8WGjF0A
久々にワロタ

425:名無しさん@ピンキー
08/10/22 10:04:53 j75uEecd
女教官も自分を「我輩」って言うのかい?

426:名無しさん@ピンキー
08/10/22 18:24:34 dQVmf/6v
「我輩は猫である」
・・・後はわかるな?

427:名無しさん@ピンキー
08/10/23 18:16:59 uq5ScQcc
保守ポッポ

428:名無しさん@ピンキー
08/10/24 01:23:15 eZj/YMds
我輩はネコなのか

429:名無しさん@ピンキー
08/10/25 16:32:10 qaSY9QyD
人少な杉

430:名無しさん@ピンキー
08/10/25 20:23:42 VUW9WkF2
みんな、ガノトトスの詐欺紛い当たり判定にウンザリして、引きこもっちまったのさ

431:名無しさん@ピンキー
08/10/25 23:55:26 lpPkx05p
試しに書いてみました。マイトレ長女とハンター。変哲のないスタンダードな直球です。

432:tournesol
08/10/25 23:56:11 lpPkx05p
どこにでもある物語。ありふれていて、少し優しい物語。
寡黙な男、一人。長年戦い続け、その眼は隻眼。傷だらけで凄みのある身体。
いつも一人で、誰にも頼らず、黙々と、淡々と狩りを続けて、マイトレを持つまでに来た。
とはいえ、本人はあまり嬉しそうではない。表情は見えない。
この男が主人公の物語。
孤高のつわものが、人と出会った物語。

「さって、今日から私もマイトレ管理人!頑張るぞ!」
ここで気合を入れないとね。これは私の初仕事。これが盛り上がらずにいられますか。
でも、ちょっと不安…これから行くマイトレを持っているハンターさんって、あんまりいい噂を聞かなかったり…。
(かなりのベテランで、気難しい人らしいね)
(あんまり喋らなくて、人付き合いもしないって話。まともに話すのは大長老様ぐらい。
すごく強くて、この前大老殿で暴れていたハンター4人を無言のまま一瞬で叩き伏せたわ)
(大長老様曰く、悪人という言葉が最も似合わない男、だそうだけど…見た限りだとどう考えても悪人よ)
みんなで私を脅すんだもん…。ちょっと泣きそうになっちゃう…。
でも、話だけで人を判断するなんて、ダメよね。張り切って行こう!

「………」
う、噂どおり怖そうな人ね…傷だらけだし、何もしゃべらないし…。
あの人のマイトレ管理人は大変かもね、って冷やかされたのが現実になりそうな…。
あうー…どうなるんだろう、私…変なことされないといいんだけど。
「あ、あの…シェリーです。よろしくお願いします…」
「………」
小さな会釈。悪い人ではなさそうだけど、先行き不安なのは間違いないわね。
え、えーっと…とりあえず、ポイントを渡して…。
「………」
また会釈。律儀なんだけど、少しくらい喋ってもいいんじゃ?
あ、そうだ。私のほうから話しかけてみないと、ダメかな。シャイなだけかもしれないし。
「お名前、教えて頂いてもよろしいですか?」
「……シン」
喉にある派手な傷のせいか、ずいぶんかすれた声。今一つ聞きとりづらい。でも、喋ってくれただけでもいいかな。
シンさんは私の頭に手を置いて、少し笑った。この人、ちゃんと笑うんだ。
それにしても、私…何かしたかな?
「面白い。俺の名前を聞いた奴なんて久々だ。この面体のせいか、近づこうという奴なんていなくてな」
そういうことですか。なんだか、ちょっと恥ずかしいな。照れ隠しに笑うしかできない。
大きな手が頭から離れて、外へと足を向けて行った。これからクエストに行くみたい。
「お気をつけて」
「………」
右手を軽く上げて、挨拶を返してくれた。
悪い人じゃない…と思う。ただ、ちょっと不器用かもしれないけど。
さて、今のうちにちょっとマイトレの準備でもしておこうかな。まだやってなかったから…。
えーっと、荷物が色々あるからそれを解いて…それからお掃除…夕方にはなっちゃうかなぁ。
それでも、やらなきゃ終わらない。頑張ろう!

433:tournesol
08/10/25 23:56:53 lpPkx05p
「くー、くぅ…」
「寝てる、のか」
クエストから戻り、マイトレに来たシン。彼にしては珍しく、人と話そうという気分になっているようだ。
管理人…シェリーは眠っていた。すでに外は薄暗く、気温も下がってきている。
起こすべきか、寝かせるべきか、しばらく考え込んでいた。
せっかく気持ちよく眠っているのを起こすのは悪い気がするし、とはいえこのまま寝かせておくと風邪をひく。
そして、彼が出した結論。
「………」
シンはマイハウスへと行き、普段は使っていない予備の毛布を持ってきて、シェリーを起こさないようそっとかけた。
温かくしておけば大丈夫だろう。寝かせておこう。それが、彼の出した結論。
「………?」
他人を慮るなんて俺もどうかしたのかな、と少し疑問に思ったようだ。
かぶりを振って考えを振りはらい、シェリーが起きていないのを確認してからマイハウスへと帰っていった。


次の日。
「おはようございます…」
うぅ…眠い…。いつの間にか毛布がかけられてたから寒くはなかったけど、やっぱりベッドで寝ないと疲れが取れない…。
シンさんは全く表情を動かさずに、私に小瓶を投げ渡した。
「?」
「やるよ」
なんだろ、一体?開けて匂いを嗅いでみたら、いい匂いがした。この匂いって…。
「元気ドリンコですか。ありがとうございます」
少し気恥ずかしそうに頭をかいた。お礼なんて慣れてないのかな?
今度は私からも何かしたいな。少しだけこの人の事が気に入ってきちゃった。
「………?」
考え込んでいたら、それに気づいたのか少し怪訝そうになってる。
笑ってごまかすと、首を傾げながらマイトレから去っていこうとしていた。
…あ、そうだ。このマイトレって、殺風景だよね。
「あ、あの…今度ここに花を植えようかと思うんですけど、いいですか?」
「花…?」
今度はシンさんが考え込む番みたい。やっぱり、ちょっと鬱陶しいかな…。
私にとっては重い雰囲気がしばらく続いて、段々息苦しくなってきた。
「あ、あの…嫌でしたら、別に…」
「…このマイトレはお前に任せる。好きにしてくれ」
それだけ言って、背を向けた。これって、認めてくれたってことだよね。
さっきまでの鬱々とした感情はさっぱりとなくなって、心が温かくなってきた。
「ありがとうございます!キレイな花を咲かせてみせますねー!」
ほとんど見えなくなっていた背中に向かって叫ぶ。よく見えないけど、きっと手をあげて応えてくれていると思う。

434:tournesol
08/10/25 23:58:34 lpPkx05p
「すぅ、くー…」
「…またか」
クエストから戻ってみると、またシェリーが眠っていた。
二人で話すのを少し楽しみにしていた自分に気づいて、シンは頭をかく。
気を取り直してマイハウスから毛布を持ってきて、シェリーにかけて…。
「ん…?あれ、シン、さん?」
「すまん、起こしてしまったか」
肩口まで毛布をかけた時、シェリーが目を覚ました。とっさに謝る。
「いえ、居眠りしていた私が悪いんです。それより、この毛布は…。
あ、もしかして、この前居眠りしていた時の毛布も?」
俺だと言って、もう一度頭をかいた。意外と純情なところがあるらしい。
シェリーは柔らかい笑顔を浮かべて、きっちりとお礼を言う。頭をかく手が少し動きを速めた。
「…隣、いいか?」
「はい」
ポーカーフェイスに少しだけ赤みを差させて、遠慮がちに言った言葉。シェリーはすぐに頷く。
隣同士になった二人は一瞬だけ見つめあう。弾かれたように視線を伏せたのはシン。
彼自身、こんな感情になるのは久々で、戸惑っていた。
しばらくは何も言わず、昇りはじめた月を眺めるだけだったが、シェリーが口火を切って、さまざまな話が始まる。
「それで、妹がこの前作った料理なんですけどね…」
「面白い妹だな。いつかその料理を食ってみたい」
「ええ、是非!いつか、私の家にご案内します」
「ああ」
シンは言葉少なに答えるだけだったが、ぽつぽつと自分からも話すようになっていった。
「お前と話していると…懐かしい気持ちになれる」
「懐かしい?」
「かつての友と話している気分になる。なんだろうな?顔も、性格も、声も、体つきも…全然違うんだがな」
シェリーは黙り込んで、少し嫌そうな顔。シンはそれに気づき、一言謝ってマイトレを後にした。
「あ…」
シェリーの残念そうな小声は届かない。

その後、二人は今までよりもずっと仲良くなっていった。
話好きなシェリーの言葉にシンは喜び、シンの不器用な優しさがシェリーを優しく、柔らかくさせる。
シンも、シェリーも、変わっていく。友情は恋情へと。親密さは濃密なものへと。
だが、シンは一線を越えようとはしなかった。男女の仲になるという一線ではなく、心を開くかどうかという一線。
シェリーもそれに気づいていたが、どうしようもない。いつか変化が現れるのを祈るだけ。
――そして、しばらくの時が流れた。二人とも距離を縮め、やがて共にいるのが当たり前になってきた頃。
植えた花の種が花をつけた。可憐な花。
その花を見た瞬間、シンの顔色が変わる。シンの踏み越えようとしない線、鍵をかけた過去。
そういうものが表に出ることで、二人の関係に変化が現れるようになる。
歯車は回り出す。結果はどうあれ、その場に留まるのを許しはせずに。

435:tournesol
08/10/26 00:01:03 lpPkx05p
「この花は、あいつが好きだった」
小さな花を手にした姿。少し悲しそうな表情。
見たことがないくらいの儚さ。ほんのちょっと、顔が熱くなった。
「…あいつ?」
「11年前に喪った相棒だ。女だてらに大剣を振りまわし、俺の世話ばかり焼きたがった。
いつも二人で狩りをしていたよ。どんな相手でも負けなかった…11年前までは」
11年前…。私はまだ子供の頃。何があったかなんて、覚えていない。
ただ、辛い出来事だったのは間違いないと思う。さっきよりもずっと…悲痛な顔になっているから。
気になる。どうしても、知りたい。あなたのこと、もっと。
「11年前…何があったのですか?」
「…言う義理はない。どうしても知りたいなら、調べてみろ。どこまで調べられるかはわからんが」
表情を元に戻して、去っていく。声はかけられなかった。


「大長老様。11年前に、何があったのですか?」
11年前のこと、ギルドの誰に聞いてもはぐらかされるだけ。
だったら直接大長老様に聞くしかない。大長老様なら、きっと教えてくれる。
「11年前…?」
「シンさんの相棒が亡くなったという事件のことです。大長老様なら、ご存じではないかと思いました」
「それか…それは、言いたくない」
珍しくはっきりとしない。かっと頭に血がのぼった。
「何故ですか?私にも知る権利はあると思います!」
「シンの古い呼び名…『英雄』は、この街の古参はみんな知っておる…が、シンはそれを拒む。
栄光を捨て去り、密かに刃を研ぐその気持ちを、無駄にしたくない」
「英雄?それがどうしたというのですか?シンさんは、私にとって大事な人です。
心に負ったその傷を癒してあげたいのです。私の力じゃできないかもしれませんが、黙って見ているのは嫌です!」
自分でもびっくりするくらいの激しさ。普段とは比べものにならないくらい、荒れている。
大長老様も面食らっていて、言葉を詰まらせる。もう一度、教えて下さいと頼んだ。
「11年前…あの年はドンドルマ始まって以来の危機があった年」
少し口ごもらせていたけど、ようやく話が始まる。
でも…危機?幼いころに、そんなに大きな危機なんてあったのかな…?
「危機?」
「そう、危機。街を襲いにテオ・テスカトルの強力な個体が現れた。
――普通のものより遙かに大きな体、生半可な刃など通さぬ甲殻。
矢はおろか、バリスタの弾さえ届かぬ間に燃やしてしまうほどの炎鎧。
守護兵団、ハンターともになす術なくやられていく。間違いなく最強と言えた」
そんなことがあったの…。よく覚えていない。
「それを止めたのが、シンとその相棒…グリンだった。彼らは死を覚悟して、正面から戦いを挑んだ。
シンが奴を足止めし、その間にグリンが渾身の一撃をたたき込む。それが彼らの作戦。
シンが足止めできなければグリンが倒れ、グリンが倒れれば防御のみ考えたシンに勝ち目はない。
もちろん足止めができていても、グリンの一撃が入らなければ作戦そのものが破綻する。
まさに乾坤一擲だった。互いを信頼していたからこそ、できる作戦と言える。
そして、その作戦は功を奏す。奴はシンのランスのみに注意が向いていて、盾の陰に隠れたグリンに気づかなかった。
――グリンは渾身の一撃を放ち、奴の角と右目を奪った…自身の体を、爪で引き裂かれながら」
大長老様は悲しそう。亡くなったハンターなんて沢山いるのに。
…きっと、慕われていた人だったんだろうな。色んな人に。
「奴は逃げ去ったが、グリンは三日後に死んだ。シンは最後の時まで、食事も水も取らずに寄り添っておったよ。
葬儀も終わり、落ち着いた頃…シンは英雄、グリンは聖女として祭り上げられた。
だが、シンは約束された栄光を捨て、ハンターとして生涯を終える覚悟を決める。
自らの手で目を潰し、しゃべれないと思わせるため、喉に傷を作った。
1年の後に戻ってきたシンを、『英雄』シンだと気づくものは皆無。
ワシとて、シン自身からの報告を聞くまでわからなかったぐらいだ。
そして、戻ってきてからのシンは誰とも組まず、一人で狩りを続けている。
…これはワシの憶測にすぎんのだが、シンはグリンを奪ったテオを探しておるのだろう。
ドンドルマにテオが襲来してきた時は必ず出撃しておるし、テオを討伐したものに話を聞いているのも見かけた。
復讐のためだろうな。そして、誰の手も借りずに、己の手だけでやろうとしている。
栄光など、復讐に比べれば価値はない。そう思っておるのだろうよ」

436:tournesol
08/10/26 00:02:10 ALk0YfdA
大長老様は大きなため息をついた。シンさんの気持ちを置いておいても、あまり話したくない事みたい。
それにしても、そんな過去が…そっか、だからあの時あんなに悲しそうな顔を…。
大長老様に暇を告げて、マイトレへと駆け戻る。止めなきゃ。復讐なんて、ただ悲しくて空しいだけ。
懸命に走った。跳ね上がる心臓は走ったせいだけじゃないと思う。

シンさんは丁度マイトレに来ていた。いつもどおり私は頭を下げ、シンさんは軽く手を上げて挨拶。
呼吸を落ち着けて、シンさんに話しかけた。
「あなたの昔のこと…聞きました。グリンさんのことも」
「…そうか」
少し驚いたような顔。でも、すぐに表情は戻った。
「復讐、ですか…あまり前向きとは言えないような気がします。
もちろん本人じゃないとわからないのでしょうが…そんなことをして、グリンさんは喜ぶのでしょうか?」
「勘違いするな。俺は復讐がしたいのではない」
いつもより遙かに大きく、張りのある声。びっくりした。
「あのテオを討伐するということは、俺とグリンが別れるための儀式だ。
俺はずっとグリンと一緒に狩りをしてきた。俺達は二人いて初めて一人前のハンターになれた。
だが、あのテオにグリンを奪われた。大事な相棒を守れなかった。俺一人では、一人前のハンターではない。
だから、グリンと二人でも討伐できなかったあのテオを…俺一人で討伐することによって、俺は一人前になる。
相棒がいなくてもやっていける…一人前のハンターになる。そのために、俺は刃を研ぎ続けた」
隻眼はギラギラと輝き、普段より遥かに強い威圧感を放ってる。
本気でやる気だ。たとえ何年かかっても。でも、いつ来るのかなんてわからないよ。
「で、でも…11年も探し続けてまだ見つからないんじゃ…いい加減、諦めても…」
「――古龍観測所がテオ・テスカトルの襲来を察知した。巨大な体躯を持ち、片目で角がないテオを。
11年前の奴かどうかはわからん。だが、きっとそうだろうと思っている…三日後、ここに来る」
「そんな…」
「心配するな。11年前よりも、ずっと…奴との距離は近い。命をかけても届かなかった刃が、今は届くはずだ」
そんなのって、ないよ…。なんで、なんで今やってくるの?
やっと好きになれたのに。もうお別れになっちゃうかもしれないの?
何か言いたい。でも、言葉が出てこない。やめてくださいとは言えない。でも、がんばってくださいなんて言いたくない。
シンさんがマイトレから去っていくのも、ただ見ているだけしかできない。
この思いのたけを、どう伝えればいいんだろう。

437:tournesol
08/10/26 00:03:56 ALk0YfdA
三日はあっという間に過ぎて、観測所の予測通り、テオ・テスカトルが襲撃してきた。
私は大老殿で静かに待っていた。来るべき人が、必ずここに来るから。
注進が次々に入ってきていて…そう言っている間にも守護兵団やハンターがなぎ倒されていく。
11年前のテオだ、とベテランは口々に言っていた。シンはいないのか、とも。
「俺が出る。貴様達は下がっていろ」
聞きなれた声。やっぱり、来たんだ。
ベテラン達はその姿を見ただけで歓声。若いハンター達は、誰だという目を向けていた。
「大長老様。シン、迎撃に向かいます」
シンという名前を聞いた若いハンターが息を呑んだ。年代物のかっちりとした鎧を着込んでいて、兜の下の表情はわからない。
大長老様はただ頷く。一礼して、迎撃区画へと向かうシンさん。
何か、言わなきゃ。
「きっと、きっと無事に帰ってきてくださいね。そうじゃないと、私は…」
涙を堪えるのが辛い。シンさんは軽く抱きしめてくれた。鎧ごしでも、体温がわかる気がする。
「じゃあな、シェリー。世話になった。一緒にいてくれて、ありがとう」
いつものように…ちょっとクエストに行ってくるという言い草で、別れを告げられた。
いろんなことを言いたいのに、何も言葉が出てこない。涙を零しながら背中を見つめるだけしかできない。

すすり泣きが聞こえる。だが、止まるつもりも、振り向くつもりもない。
龍王騎槍ゲイボルガ、クシャルダオラの鎧…あの時と同じ武器。あの時と同じ鎧。
あの時と同じ、生かすためにした死の覚悟。違うのは、隣に相棒がいないというだけ。
迎撃区画に降りる。正面にテオ。相変わらず、大きい。
「よお。相変わらずみたいじゃないか」
「グルルル…」
肌を打つ殺気。懐かしい。俺を覚えているのか、初めからやる気になっている。
命を捨てねば勝てないような相手なのに、不思議なほど落ちついていた。
「グアアアアア!!!」
咆哮。開戦の合図。すぐに飛びかかってくる。
「…くっ!」
全力でガードをしても、いくらかのダメージは残る。腕が潰れるか、奴の命が尽きるか。
どちらが先かはわからない。だが、やるしかない。
(シン、来るよ!しっかり守りな!)
「グリン…」
懐かしい声。なんだ、相変わらず、俺の世話は焼きたがるんだな。
再び飛びかかってくる。ガードし、同時にゲイボルガを立てる。
肉を裂く感触があり、振り向いた奴の腹から少し血が流れていた。
このランスにはわずかだが毒がある。今は効いてこなくても、いずれ確実に効いてくるはずだ。
今度は突進。正面から受けた。ランスを突きだして。
「グルル…」
顔にいくらか刃が引っ掛かる。大したダメージはないようだが、少し怯んだ。
このタイミングを逃さず、一気に間合いを詰める。
「ハッ!」
顔をめがけて、突いた。すんでのところでかわされる。
追撃はせずに間合いを取った。ここで粘れば、奴の爪に食われる…グリンと同じように。
一撃離脱を繰り返して倒すしかない。奴の爪からすれば、俺の鎧など紙と大して変わらない。
だが、俺の体力は無限ではない。時をかければかけるほど不利になっていくのはわかっていた。

438:tournesol
08/10/26 00:04:50 ALk0YfdA
「ゴアアアア!!!」
「っと…!!」
奴が大きく息を吸い込んだ。すぐにバックステップ。さっきまでいた所に炎。一歩遅れていれば、鎧を残して灰になる。
(ったく…この修羅場で、どうしてアンタはそんなに落ち着いてられるの!?)
「性分なんでね…」
グリンの影がちらつく。こっちに来いと呼んでいるわけではなさそうだ。まだお前に会う気はない。
そうこうしている間にも、奴の爪が襲いかかってくる。
「さて…行くか」
バックステップでかわし、右腕めがけて突進をしかける。右腕を封じるか、右腕に殺されるか、賭けだった。

「シンさん…せめて、ご無事をお祈りしています…」
大老殿で見送ったあと、シェリーはそのまま祈る。ほぼ全てのハンターが迎撃に出払っていて、大老殿は静か。
(神様…シンさんを、どうか無事に返して下さい。そのためなら…私の命などいつお召しになられても構いません)
彫像のように動かず、静かに祈りを奉げつづける。声をかけるものはいなかった。

「ギャアアア!」
賭けは俺の勝ち。ゲイボルガは奴の右腕を切り裂き、まともに使えないようにした。
「グルアアアア!」
再び咆哮。本気の怒り。だが、動きは全体的に鈍くなってきている。毒が少しずつ回ってきたらしい。
ここで押せば勝てるだろうと思った。だが、こんなにあっさり勝てるはずはない、と俺の勘は叫ぶ。
「………!!」
一瞬の逡巡。それが却って身を救う。奴の翼からは塵粉が舞っていた。
(耐えられるか!?)
爆発の衝撃に耐えるために、全身に力を込めて小さく固まる。
奴が歯を鳴らした。それを合図に、爆発が起こる。
「ぐっ!!」
大きな衝撃。だが耐えきった。もしあそこで攻勢に転じていれば、今頃はバラバラになっていただろう。
俺が劣勢に立っているのを感じたのか、奴は再び粉塵爆発の構え。弱点とみれば確実にそこを突く。頭がよく…強い。
ガードしながらじりじりと後退する。少しでも距離を取りたかった。右腕を封じたが、近距離ではいくらなんでも危ない。
「!!!」
なんとか距離を取る事に成功したが、追い討ちのようなタイミングで爆発。
ガードは間に合ったが、骨が軋んだ。激痛。だが、まだ死んでいない。まだ戦える。
(シン…そろそろ、仕掛けるよ!)
「おう…!」
そろそろ、決着をつける。

439:tournesol
08/10/26 00:05:36 ALk0YfdA
「大長老様へ報告!」
静かな祈りを遮るように、守護兵の注進が入る。
祈りに気づいたのか、守護兵は少しばつの悪そうな顔をしている。大長老は続きを促した。
「シン殿は襲来してきたテオ・テスカトルに対し、五分以上の戦いを繰り広げております!
我らに勝ちの目が出てきました。流石は『英雄』であります!」
「警戒を怠るな。シンが倒れた時に備え、撃龍槍の準備。それと元気な兵を待機させておけ」
「はっ!」
シンが倒れた場合、という一言を聞いた時だけ、シェリーの体が動いた。
とっさに席を立ったが、すぐに再び座る。ただ、その肩は震えていた。
(ご無事を…祈って、いえ、信じています…)

決着をつける、と意気込んでおきながら、状況は膠着していた。
奴は近づかせないために粉塵爆発を繰り返す。俺はそれに対してひたすら守りを固めるしかない。
盾を手にした腕は悲鳴をあげている。行くしかない。動かなければ負ける。ならば動く。
少しずつ距離を詰める。奴もそれに気づいて、粉塵爆発の構えを解いた。
一気にケリをつけるつもりらしく、大きく息を吸い込んだ。炎を吐く気らしい。
(これが、最後かな。たとえ刺し違えてでも、貴様は俺が殺す)
突進。炎をかいくぐるなんて器用なマネはできない。
姿勢を低く、盾をささげ持つようにして…炎を食らいながら、一直線に突っ込む。
炎熱。生と死が交わる刹那。思い浮かんだ顔。グリンではない。
(きっと、きっと無事に帰ってきてくださいね。そうじゃないと、私は…)
待ってくれている人がいる。守りたい人がいる。
(………)
突っ込む軌道を少しずらした。確実に頭を突けるかはわからない。だが、間違いなく生き残れる。
炎の先。こっちへ向き直った奴の顔。このままなら、正面。
「…さらばだ!!」
渾身の一撃を眉間目がけて叩きこむ。刃先は頭蓋を食い破り、奴の動きを止めた。
「じゃあな」
ゲイボルガを引き抜く。断末魔をあげることもなく、巨躯が倒れた。
「勝ったぞ、グリン…」
(やったな、シン)
相棒の笑顔が見えた気がする。返り血を拭い、振り返ると…そこには、ハンター達と守護兵団。
誰も何も言わず、呆然としている。
「どいてくれ」
誰も一歩も動かない。石像になったんじゃないかというぐらいに。
仕方がないので押しのけ、大老殿へと向かう。
「うおおおおおおお!!!勝ちやがった!!!!」
耳をつんざくほどの歓声。必死に追いかけてくる男達。
「なんだなんだなんだあ!?」
状況は飲み込めないが、とにかく逃げたほうがいい!走るしかない!
大老殿までのわずかな距離が、びっくりするほど遠かった。

440:tournesol
08/10/26 00:06:50 ALk0YfdA
「勝ちました。これで自分も一人前です」
兜を脱ぎ、大長老様へと報告。
外は騒がしいが、守護兵によって大老殿への道は塞がれていて、中はいつも通り静かだ。
「御苦労だった。休むとよい」
「はっ」
大きく伸びをした。帰りたいところだが、外に出られる状況ではない。
さてどうしたものかと思っていると、真後ろに立つ人。
シェリーだ。ほっとしたというか、泣きそうというか、複雑な表情。
「おかえりなさい、シンさん」
「帰ったぞ、シェリー」
それだけ言った。それだけで十分だ。
飛び込んできたシェリーを受け止めた時、ふっと目の前が白くなった。

私の体に押されるように、大きな体が倒れそうになる。必死に抱きとめた。
「え、シンさん?」
力の入らない体。微笑みを浮かべた顔は紙のように白く、まるで…。

(心配するな。11年前よりも、ずっと…奴との距離は近い。命をかけても届かなかった刃が、今は届くはずだ)
――それって…命を捨てて、届かせるってこと?
(じゃあな、シェリー。世話になった。一緒にいてくれて、ありがとう)
―――!!!!
「ぃゃ…いやああああ!!」
「いかん!すぐに医師を!」
大長老様の叫びが、遠くに聞こえた。

ねえ、何故ですか?あなたは、勝ったのですよね?
何故、こんなところで倒れているのですか?
ずっと一緒にいてくれるのではないのですか?
私を置いていかないでください。私にはあなたが必要です。
生きてください。死なないでください。
――私のために。

441:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:08:29 ALk0YfdA
エロに続きます。ですがエロは現在迷走中につき明確に投下日時を言えません…ごめんなさい

442:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:09:33 rvowZ8+b
>>441
いつまでも待ってる

443:名無しさん@ピンキー
08/10/26 10:53:41 be6wkYrr
GJほしゅ

444:名無しさん@ピンキー
08/10/27 17:44:14 6DPfrr/j
>>441
GJ だが出来るだけ早くしてくれ

445:名無しさん@ピンキー
08/10/28 23:09:30 kdLiRSNB
保守したーい恋いしたーい

446:名無しさん@ピンキー
08/10/29 02:20:26 0EOHgZcx
今このスレの存在を知った
なにこの良スレ…
まとめサイトの珍味の人、面白すぎて一気読みしちまった
男も含めトトスカップルが可愛すぎてどうしようかと思った

>>441
俺も待ってる!

447:名無しさん@ピンキー
08/10/29 22:52:48 hVc/3+bs
保守はわしが育てた

448:名無しさん@ピンキー
08/10/31 01:20:51 YG679A7L
流れを無視してレイアじゃなくレウス娘が好きだと主張保守

449:名無しさん@ピンキー
08/10/31 01:22:38 0Gh36K/2
あ~ ふたなり?

450:名無しさん@ピンキー
08/10/31 03:11:31 7YvjCmxv
女の子みたいレウス
オカマなレウス
ガチホモなレウス

451:名無しさん@ピンキー
08/10/31 12:38:59 YG679A7L
この際ふたなりでもオカマでもいっそウホッでもいい
レウスのあの美しいフォルムが好きなんだ
優美に空を飛ぶ姿に心を奪われたんだ
燃える赤を芽吹く緑を清楚に輝く銀色を汚したくてたまらないんだ

レイアは確かに可愛いがここまでの衝動はないんだよな…



452:名無しさん@ピンキー
08/10/31 12:49:02 kg3BDl3B
ウホッはやだ

♀ハンター×レウス

453:名無しさん@ピンキー
08/10/31 20:09:22 OXSdIyl7
レウス娘……なんで某サファイア姫を思い出すんだよ自分は

454:名無しさん@ピンキー
08/10/31 20:53:48 SY1B5uvF
天使な小生意気思い出した

455:名無しさん@ピンキー
08/10/31 21:07:39 ZK25prg0
>>451
緑はレイアだぞww

>>452
wikiにあるよそれ。

456:名無しさん@ピンキー
08/10/31 22:36:50 WdkVQnZL
あきらめたらそこで保守終了だよ

457:名無しさん@ピンキー
08/10/31 22:53:39 S1dtQEeI
wikiまたやられたな。オレIDもってないんだ、誰か頼む

458:名無しさん@ピンキー
08/11/01 02:52:16 YrhEUjKm
>>455
あーそうか、亜種は蒼だった。翼膜の色のせいで勝手に緑にしてたわ

459:名無しさん@ピンキー
08/11/01 23:31:26 37nk1+Z7
レイアには「毛」が生えてるんだぞ!!

俺はうれしくないけど

460:名無しさん@ピンキー
08/11/02 08:47:46 NuQhR9id
あの毛のさわり心地ははふさふさだと勝手に妄想

461:名無しさん@ピンキー
08/11/02 22:20:51 a4Re2MXc
我が保守に一片の悔いなし

462:名無しさん@ピンキー
08/11/03 03:00:48 jKk0BFof
あの毛は針のようだといってみる保守

463:名無しさん@ピンキー
08/11/03 09:56:26 MubT9oy4
針に刺されてみたいと言ってみる

秘棘ハンターだぜ!

464:名無しさん@ピンキー
08/11/03 10:25:53 34K1Z+Nj
つまりボーイッシュな僕っ娘ですね、わかります。
外見や行動はレウスっぽい(つーか明らかに赤い)けどほんとは・・・的な。
いけそうだ!

465:名無しさん@ピンキー
08/11/03 17:05:03 pJ2BpaNK
ここって人間じゃない、モンスター×モンスターものもあり?
ただの交尾みたいになるんだけど

466:名無しさん@ピンキー
08/11/03 18:32:24 sFvcHAKS
保管庫行ってみてこい
話はそれからだ

467:名無しさん@ピンキー
08/11/03 19:05:01 cKq474rR
>>440の続きを投下します。エロはもう投げた

468:tournesol
08/11/03 19:05:48 cKq474rR
「どうなんですか…?」
お医者さんは疲れた表情を浮かべて、苦々しく口を開く。
「無理をしすぎました。軽度ではありますが、全身に熱傷。右腕の骨は折れ、内臓の半分はダメージを負っております。
細かい傷は数え上げられないほど。正直に申しあげまして、死んでいてもおかしくはありませんでした」
「それで…治る見込みは?」
深呼吸。この一瞬で、私の人生が決まる。泣いて暮らすか、笑って暮らすか。
「重傷ですが、命に別条はございません。数か月で完治するでしょう」
それって…?
「意識も戻りました。無理はできませんが、話すくらいならできます。行ってあげてください」
ほとんど無意識で部屋に飛び込んだ。シンさんはちょっとばつの悪そうな顔を浮かべていて…。
手を握ってみた。暖かい。鼓動を感じる。生きている。生きて、私の目の前にいる。
「格好悪い姿ですまん」
「いいえ。他の誰より、輝いていますよ」
お世辞でもなんでもなく、本心。大けがをしていても顔に陰はなくて、晴れ渡っていて、輝いて見える。
「医者から聞いたが、一月は安静にしなきゃならんらしい。
もしよければ、話し相手にでもなってくれると助かる。暇を持て余すのは確定だからな」
「そんなことでいいのでしたら、いくらでも」
返ってきたのは柔らかな微笑み。ほんとに、いい表情。今まであった暗さはもう見えない。
話したいことはいっぱいある。心からの想いを込めて、精一杯楽しませてみせる。
そんなことしか、私にはできないから。

「すぅ、すー…」
「やれやれ、だな」
シェリーは懸命に話し続けて、今は寝ている。手は繋いだままで。
手から伝わる体温で、心が温かくなる。捕えていたようだったのに、捕われたのは俺か。
どうでもいいことか。愛する人間がここにいる。それだけでいい。
(あたしは…あんたが幸せなら、それでいいんだよ。惚れた男の幸せ、天上から祈ってるよ)
(そんなことは言うな。ずっとそばにいてくれ!)
思い浮かぶ最後の会話。グリンの事は忘れたのか、と心が叫んだ。
忘れてはいない。ただ、思い出にしたいだけだ。どんなことをしても、もうグリンは帰ってこないのだから。
割り切るのか?あれだけ愛し、命をかけても守りたいと誓った人間を、思い出の一言で?
違う…割り切るのではないんだ。そうではないんだ。

469:tournesol
08/11/03 19:06:54 cKq474rR
「シン殿?」
自問自答を止めたのは医師。いつの間に入ってきたのか。全く気付かなかった。
それにしても、休んでいろと言っていた医師が今更用があるのだろうか。
「何か?」
「大事な話があるのですが…この状況では少し言いづらいですな」
「構わんよ。こいつになら、聞かれても問題ない。そのぐらいの付き合いはあるからな」
いつの間にか、そこまでの付き合いになってしまった。
まだシェリーは静かな寝息を立てている。そのくせ、握った手の力は緩んでいない。
「わかりました。大事な話というのは、あなたの体の事です」
…そこまで重篤なのだろうか。確かに痛みはあるが、命に関わるほどの苦しみではない。
「医者は気休めを言うのが仕事ではありません。故にはっきり申し上げさせて頂きます。
――あなたの右腕が完治する事は、おそらくないでしょう」
「…なに?」
思わず聞き返した。右腕が、治らない?
「右腕だけで3か所骨折しておりますし、熱傷の程度も酷い。筋肉へのダメージも大きいです。
完治する可能性はゼロ。とはいえ、ある程度は治るでしょう。日常生活に不満が出ることはないはずです。
ですが、もうモンスターを相手にすることはできません。
その右腕は武具を手にすることはできず、戦闘に耐えられるほどには回復しません。
怪我が治せないというのは、正直に言って悔しいです。ですが、どうしようもありません」
そこまで言って、医師は頭を下げた。怒る気はない。全力を尽くしたのは言われなくてもわかっている。
命がないと思っていた。だが、右腕だけで済んだ。ハンターとしては死ぬが、命がある分いい。
存分に戦った。様々なものを得て、そして失った。だが後悔はない。ただの一つも。
医師へ礼を述べて、まだ眠っているシェリーの頭を撫でた。
(こいつの為に、余生を過ごしてもいいかな。グリンよ、お前だって反対しないだろう?
俺はいつもお前の幸せを願い、お前はいつも俺の幸せを願った。これが俺の幸せなら、喜んでくれるだろう?)
「それから、大長老様が参られております。お通しいたしますので、お待ち下さい」
「え?」
わざわざ大長老様が?なぜだ?
からかっているのかとも思ったが、すぐに大長老様が入ってきた。
頭には疑問符ばかり浮かぶ。いきなりな展開についていけていない。
「これは、大長老様。わざわざお越しいただけるとは」
「シン、無理はするな。寝たままでよい」
体は重いが、なんとか体を起こそうとしていた。だが、無理を察してくれている。ありがたかった。
「情けない姿をお見せして、申し訳ありません」
「情けない姿なのは本当だが、名誉の負傷。むしろ誇りに思え」
豪快に笑う。つられてこっちも笑ってしまった。

470:tournesol
08/11/03 19:07:48 cKq474rR
「それにしても、何か御用があるのですか?」
「うむ…ヌシの今後を話し合いたいと思ってな」
今後…か。ハンターをやめた後、どうするか。それだな。
一般市民として生きるには有名になりすぎた。静かには暮せないだろう。とはいえ、もう前線に立つことはできない。
「怪我の具合は聞いておる。もはや引退を余儀なくされておるようだな。
それは仕方がない。ヌシも人間である以上、やむを得んだろう。
だが、ヌシの力を眠らせるのは余りに惜しい。経験、判断力、度胸…要するに実力でヌシに敵うものはおらんだろう。
そこでだ、ヌシを狩人道場の教官に迎え入れたい。どうだ?若いハンターの為に、その力を貸してもらえぬか?」
「教官…ですか」
ありがたい申し出。ハンターに未練がないわけではない。わずかでも狩りに関われる。迷うことなど、ない。
「その話、お受けさせて頂きます」
「ならばよい。だが、まずは体を治せ。きちんと治ったら、正式に教官の任に就かせる」
よろしく頼むぞ、と言い残して帰っていった。
教官、か。進んでいた道がなくなり、代わりに新しい道ができる。
人生とは面白い。流れる水のように、留まらない。
「シンさん」
「ん?起きていたのか」
聞いてみると、大長老様が来たときにはもう起きていたらしい。
でも、いつ起きるべきかわからずに狸寝入りを続けていた、と。
少し泣きそうに見えるのは気のせいだろうか。
「ハンターを引退して、教官になるんですよね?」
「………?そのつもりだが」
シェリーの瞳から涙が零れた。静かに涙を流し、顔を俺に押し付けてくる。
何がなんだかわからない。まずいことなど、あるのだろうか。
「どうした?」
「私はマイトレの管理人です。そしてマイトレはハンターの為にあります。
シンさんがハンターを引退するというのなら、私とシンさんを繋ぐものは無くなってしまいます…」
浮き立った心が一気に冷める。
確かに、俺とシェリーはハンターとそのハンターのマイトレを管理する人間という関係だ。
個人的な付き合いは深くなったが、その立ち位置は変わっていない。
そうか。そういうことなのだな。このままの立場では、繋ぐものは無くなる。
「シェリー…」
「やだな。泣きたくないのに。困らせたくないのに。涙、止まりません」
懸命に笑おうとしている。この上ないほど、悲痛な顔。
それから、何を考えたのか。

471:tournesol
08/11/03 19:09:03 cKq474rR
頭で考えるより先に体は動き、シェリーの体を抱きしめた。
心が止める前に体は動き、シェリーの唇を自分のそれと重ねた。
病室で重なる影。小さな灯だけの部屋。二人とも衣を脱ぎ捨てた。
傷だらけの体に精一杯の愛情を込める。
白磁の肌で愛情を受け止める。
灯は消え、闇が支配する部屋。未来を共にする為、二人は一つになる。

「これだけは言っておくぞ。俺はお前をグリンの代わりにしよう、なんて思ってない。
お前を抱くのは、グリンの代わりとしてじゃない。俺がお前を愛したからだ」
言葉は素直に出てくる。シェリーは一気に顔を赤くした。
初心な反応に心の中で笑い、もう一度キス。目を固く瞑っていて、キスに慣れていないのがよくわかる。
肩に手を触れただけで、大きく体を震わせ、強張らせた。
(これは、処女だな…)
疑いようもない。心の中にいる獣を押さえつける。暴れようとする獣を叩き伏せる。
いつまで止められるかはわからない。だが、シェリーを苦しませたくない。抑える理由はそれだけ。
もう一回、キス。ただし、さっきとは違う。
「ん!?ん…ふ…」
唇を割って舌を進ませる。歯列をなぞる。舌を味わう。

シェリーは経験した事のない感覚に戸惑っていた。
(キスって、こんなに激しいの…?)
唾液の交換を続けていくうちに、どんどん頭に霞が掛かっていく。
(あったかい。くすぐったい…気持ちいい)
いつの間にかシンの頭を抱いて、キスをどんどん続けようとしていた。
シンもそれに応えて、舌を少しずつ乱暴にしていく。
(もっと、もっと…)
従順に唾液を飲んで、激しさを増すキスを求める。そこにはもう、理性などない。
シンは一旦唇を離した。名残惜しそうに銀の橋が架かる。
とろんとしたシェリーの目に溜まった涙を吸い、少しずつ唇を下していく。
涙の筋をなぞり、首元から、少しずつ。
やがて、少し自己主張を始めた桜色の乳首に辿りついた。
「ひゃああ……」
軽く吸っただけでも、敏感になった感覚では大きな刺激。
頭を痺れさせる甘い声が上がった。
「ん、は…んんッ…!」
必死に声を堪えている。はしたないと思っているのだろうか。
「声、出していいぞ。我慢はよくない」
「で、でも…ひゃッ!」
少しサディスティックな気分になっている。出したくないなら、出させてやる。
乳首を吸い、甘噛みしてみる。余った手でもう片方の乳房を愛撫する。
「あぁ!!ん、はぁ…い、い…!」
段々と声が上がってくる。もっともっと、聞かせてくれ。
「きゃッ!!ふぁ…ッ」
赤子のように吸いついて、味わうようにぺろぺろとねぶる。淫らな声が上がり、若い体が跳ねた。
「タガが外れてきたんじゃないか?外に聞こえないといいんだが…」
そうさせているのは自分なのに、シェリーの罪悪感と羞恥心をいたぶる。
少しずつ、少しずつ、嗜虐的になっていく。獣を抑えられなくなっていく。

472:tournesol
08/11/03 19:09:34 cKq474rR
「ひゃん!や、やめ…んんッ!?」
自分の口から、自分でも聞いたことがない声が出る。
気持ちいいのかはよくわからない。でも、声は止まらない。
段々と激しくなっていく。それでも、乱暴にされているようには思えない。
(愛されて、いるのかな…)
そう思えて、きっと私は幸せなんだろうね。

「そろそろ、いいかな…」
呟く。いい加減我慢ができなくなってきた。
初めは秘所に少し強く触れただけでも痛がったが、今は指を入れても苦しい声は上がらない。
愛撫していた手をシェリーの手と絡ませる。一瞬、瞳が恐怖に揺れた。
「…行くぞ」
「はい」
視線を外さない。シェリーも目を閉じない。いい覚悟だ。
とろとろに蕩けた所へ、腰を進ませる。周りをなぞって、緊張をほぐした。
「ふあああああ…!?い、た…!!」
躊躇わず、一気に突いた。シェリーの顔が一気に強張る。握った手に強い力。
爪が立ち、少し血が流れた。それでいい。俺も痛みを味あわなければ不公平だ。
「落ち着くまで、少し待とう。痛いだろう?」
「は、い…ありが、とう」
流れた涙を吸って、キス。そうやって気を紛らわせないと、いつまでも痛いだろうから。
「ん、んん…」
キスは掛け値なしで気持ちよさそうだ。少し嬉しくて、かなり激しく舌を絡ませた。
「ん…もう、大丈夫ですよ?だいぶ、痛くなくなりましたから」
しばらくの後、シェリーからそう言ってきた。そう言われても、少しは痛いだろう。
なるだけそっと動かす。声が上がった。苦悶とまではいかないが、甘い声ではない。
それでも、やめてくれとは言わない。健気だ。
「ん、ふぅ…ッ。んあ…」
ゆっくりとした動きでも、狭く蠢く膣内は背筋にぞくぞくと来る。
そして、獣を抑える力がなくなった。
「ひゃ!ん、んあ!は、げし…イッ!!」
自分の快楽のみを求めて、ひたすら突き進む獣。
処女相手に何をやっているんだ、と思う。それももう香辛料でしかない。
「ああッ!や、やぁあんン!!」
「くっ!」
最後に最奥まで突いて、欲望を吐き出した。
「はぁ、はぁ…」
中に出した。それの責任を取るつもりで。
気絶したシェリーの体を拭って、自分もベッドに突っ伏した。

473:tournesol
08/11/03 19:10:31 cKq474rR
「さて、行くか」
「いよいよ初仕事。頑張って下さいね」
クロオビ一式に身を包み、いざ出発。右腕は上手く動かないが、小僧の相手ぐらいはなんてことない。
シェリーまで少し緊張しているように見える。心の中で笑った。
「ああ。小僧達にしっかり教えてやる。守るものがあるっていうのは幸せだと思えって。
街でも、誇りでも、なんでもいいから、守るべきものを持てって教授してやらんとな」
「シンさん…」
「それはやめろって言ってるだろう?それじゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい。えーっと、…あなた」
手を挙げて応えた。出会った時と同じように。
立場は変わり、隣にいる人間も違う。取り巻く環境はがらりと変わったのに、馴染める。
頑なさがなくなるとは、こういう事なんだろうか。
空を見上げた。黒々とした蒼穹。少しずつ暑くなってきた。
(じゃあな、シン)
「じゃあな、グリン」
別れを告げ、振り返らずに歩く。
未来に向かう足音は青空に響いた。

474:名無しさん@ピンキー
08/11/03 19:11:39 cKq474rR
ありがとうございました。

475:名無しさん@ピンキー
08/11/03 20:54:07 m8TODktv
GJ

476:名無しさん@ピンキー
08/11/03 21:25:33 vCVqh78l
GJ!!

477:名無しさん@ピンキー
08/11/04 08:54:16 glDYAJkV
交尾!交尾!

交尾をさせよう 話はそれからだ

478:名無しさん@ピンキー
08/11/04 15:20:35 kvA4hjXC
>>468
GJ!!
シェリーって可愛い名前だな
名前だけで萌えたわwww


479:名無しさん@ピンキー
08/11/05 00:52:26 0G3VeOL5
感動した!GJ!!

480:名無しさん@ピンキー
08/11/05 00:58:23 Q/StzQdO
いい話だ

481:名無しさん@ピンキー
08/11/05 01:16:43 xh4s1uev
エロでもエロ無でも泣きでも欝でも擬人化でもいい

俺に燃料をくれ…

482:名無しさん@ピンキー
08/11/05 07:27:36 ShhmJ/MF
>>481
つ【ニトロダケ】

483:名無しさん@ピンキー
08/11/05 15:39:03 ScKGIrPw
>>481
仕方ないなぁ、俺のアイテムボックスのストックを分けてあげるよ

つ爆薬

484:名無しさん@ピンキー
08/11/05 16:09:24 /6GpPa1b
>>481
これを燃料にしたまえ

つ【こやし玉】

485:名無しさん@ピンキー
08/11/05 19:32:15 KTdTSYRu
465です。
流れ切ってすんません
擬人化なしでもいいようなので、ちょっと投下させてもらいます。

メラルー複数×オトモアイルー(非擬人化)


486:ぬこの春1/7
08/11/05 19:33:09 KTdTSYRu
オトモアイルーのコルル(メス・茶)は、今日も朝早くから旦那さんに叩き起こされ、
うにゃにゃ~と眠い目を擦りながら狩猟におともさせられていた。
コルルの旦那さんは基本的に一匹狼だ。
なので、アイルーの補充と鍛錬に余念がない。
コルルも旦那さんに雇われてからというもの、毎晩のネコ筋トレやネコ腹筋を怠った事はない。
そして、既に下手な新人ハンターなどより遥かに優秀な働きをする
先輩アイルーたちのレベルに追いつくべく、こうやって連日の狩猟に勤しんでいた。

毎日、黙々と一人で大型モンスターに立ち向かう旦那さん。
それをお助けするのが、オトモアイルーの大事な仕事だ。
旦那さんに命令されれば、きのこの採取だってきちんとこなす。
「今日はアオキノコを7本は採ってこいよ、コルル」
「フニャ~」
7本…。今日の狩り場では、このエリアで4本は頑張らないと、達成は難しい。
コルルは鼻をくんくんさせてキノコの位置を探り、
爪を器用に動かしてアオキノコの採取をはじめた。
キノコを傷つけると、旦那さんはいつもぷりぷりと怒る。
効能の高い回復薬が調合できないからだという。
もちろん優しい旦那さんは、失敗してもコルルにお仕置きなどはしない。
それでも信頼する旦那さんを悲しませるのは、コルルの本分ではない。

コルルは出来るだけ丁寧にキノコを採取すべく、その作業に没頭した。
「コルル、俺はその先のエリアで適当に狩って、皮を剥いでおく。
 キノコを採ったらすぐについてこい、いいな?」
「フニャニャ~」
コルルはこくんと頷いて、旦那さんの背中を見送り、再びキノコ採取に戻った。
丁寧にキノコの埋まった土をほじくり返し、根元からそっと抜き出す。
1本、2本、3本…。
土の匂いがコルルの鼻につんと匂って来る。
すぐに爪も肉球も、土で茶色く汚れてしまった。
これを洗い流すのはいつも一苦労だ。
毎回、旦那さんは採取が終わると、いつもコルルを水辺に連れて行き、
爪の間に挟まった土を洗い流してくれる。
そしてよくやった、コルル、と、彼女の頭を優しく撫でてくれるのだ。
旦那さんのオトモアイルーになって、既に何週間も経っている。
狩猟のお手伝いは確かにキツかったが、コルルの旦那さんへの忠誠心は日毎強まっていった。


487:ぬこの春2/7
08/11/05 19:33:49 KTdTSYRu
ひたすら旦那さんのため、コルルはアオキノコの採取に精を出した。
ようやく、4本目のアオキノコを見つけ、その掘り出しにかかった時、
「ニャニャア~!」
静寂を切り裂いて複数のネコの鳴き声が、コルルの背後で響いた。
キノコ狩りに没頭するあまり、敵の気配に気付きもしなかった。
はっと顔を上げて息を呑む。
振り返ったコルルの視線の先に、真っ黒な毛に覆われてギラギラと瞳を光らせる、
4匹のメラルーの集団がいた。

メラルーのウザさはコルルとてよく知り尽くしている。
奴らは距離を取っていたかと思うと、急に武器を振りかざして突進してきて、
旦那さんの貴重なアイテムを奪うと、即座に地面にもぐってとんずらするのだ。
『コルル、あいつらはある意味モンスターの中で最凶だ。
 見つけたらどんな奴らよりも真っ先に撃退するんだぞ』
旦那さんの教えが、コルルの脳内に蘇った。

コルルは汚れた肉球もそのままに、自分の武器を握ってメラルーの集団に向き直った。
「ウニャニャ~ッッ!!!」
コルルは武器を振りかざして、最も近い距離にいたメラルーに襲い掛かった。
僅かに飛び跳ねて勢いを付け、そのまま武器をヤツの頭に振り下ろす。
「フニャッ!!」
しかし、メラルーは軽く鳴くと、余裕の動作でコルルの一撃を華麗にかわした。
ドサッ!キノコ土壌の柔らかい地面にコルルの武器がめり込む。
うんしょ、うんしょ、と武器を引き抜くのに苦労しているコルルの周囲を、
メラルーたちが取り囲み、「ウニャニャ~w」明らかな嘲けりの声を上げた。

地中深くまでめり込んだ武器がなかなか抜けない。
コルルの周りで、メラルーたちが嘲笑うかのように、不穏に足を踏み鳴らした。
ふと顔を上げて様子を窺うと、コルルは4匹のメラルーに完全に取り囲まれてしまっていた。
見下すように、メラルーの視線が落ちてくる。
その目付きがなにやらいつもと違っている事に、ようやくコルルは気付いた。
彼らの視線はいつも以上にらんらんと輝いて、心なしかその息遣いが乱れているようだ。

488:ぬこの春3/7
08/11/05 19:34:20 KTdTSYRu
まだろくに戦闘もしていないというのに…。
何故にこのメラルーたちは黒光りする体をこんな風に上気させ、
獣臭い荒い息を吐き続けているのだろう。

そう思った瞬間、コルルの体に急に異変が現れ始めた。
全身がなにやら熱くなり、股間の一部がやけに疼く。
そう言えばここ2,3日、コルルはいつもこの疼きを体の深くに感じていた事を思い出した。
その感覚がここに来て一層強まっていく。
「フニャウ…」
メラルーを警戒してもっと激しい威嚇の唸り声を上げたいのに、
コルルの喉から迸ったのはやけに甘い鳴き声だった。
メラルーたちのヒゲがびくりと震えた。
同時に彼らの鼻がひくひくと動き出す。
何かかぐわしいものを嗅ぎつけたかのように、彼らは鼻穴を始終動かし、
その香りの源を探るかのようにコルルの傍へと近づいてきた。

彼らが感じている匂いは、コルルの鼻にも確かに届いた。
どこからともなくふわりと立ち昇る、媚薬のように心を震わせる、艶かしい香り─。
その源泉は即座に判明した。
そう、コルルの股間、コルルのメスの部分から、それは立ち昇っているのだった。
「フニャァ…?」
メラルーたちの鼻が、自動的にそこに近づいていく。
抵抗しなければ、戦わなければ、と思うのに、コルルの体はまったく動かない。
それどころか、コルルは無意識状態のままで四つん這いになって尻を高く上げ、
彼らの目前にそこを晒して、軽く尻尾を揺らしてしまった。

『コルルはそろそろ発情期だなあ…。そろそろ、狩猟に連れて行くのはキケンだなあ…』
昨日、ベッドでコルルの背中を撫でながら呟いた旦那さんの言葉が、鮮やかにこだました。
いけない…!こんな事、旦那さんは望んでいない…!早く逃げないと…!
そう強く思うのに、それよりももっと強い衝動がコルルの体を支配していった。
自分の秘所を見つめるメラルーたちの視線が余計に体を熱くする。
彼ら4匹が全員オスなのは、既にわかっている。
ふと背後を振り返ると、コルルのフェロモンに刺激されたメラルーたちのペニスが、
どんどん勃起していくのが見えた。

489:ぬこの春4/7
08/11/05 19:34:53 KTdTSYRu
コルルがはじめて見る、オスの勃起─。
『お前達のちんこはほんとに可愛いなあ…』
いつも旦那さんが愛でていた、先輩オスアイルーの股間のそれとはまるで違う。
彼らの可愛らしいフグリとは大違いに、メラルーたちのそこは硬さと圧迫感を伴って
卑猥に勃ち上がっていく。
コルルの振り返ったすぐ目の前で、メラルーたちの臨戦態勢の肉棒が完成した。

目を反らしたいのに、反らせない。
本能的な何かが、それを体の深くに突き刺して欲しくて堪らなくする。
そしてむしろそうしなければならないのだという、脅迫観念じみた思いまで湧き起こってきた。
「フ、フニャ~…」
メラルーたちの4本の男根が、コルルの目の前でふるると揺れる。
コルルの秘穴が待ちきれずにヒクヒク動いた。中から滲出液がじわりと漏れ出す。
コルルのヒートした体は、最早彼女に使命を忘れさせる程にその体を火照らせ、
子種汁を受け入れる準備を自動的に整えていった。
体が自然に動き出す。
しっぽを上げきって真っピンクの汚れない秘裂を見せつけ、
くいくいと尻を振ってメラルー達の欲情を誘う。

このメラルー集団のボス、一番体の大きな彼は既に交尾に慣れていた。
コルルが処女だと一発で見抜いた彼は、交合をスムーズに達成するべく
彼女の興奮を更に高める事にした。
コルルの四つん這いで丸出しの秘裂に顔を近づけ、
触れそうなほどの至近距離でその匂いを嗅いだ。
挿入を急かすその隠微な匂いが、ボスの欲望を高めていく。
軽く秘裂に鼻が擦れると、「ウニャアァァ~~…」それだけでコルルは蕩けそうな甘い声を上げ、
堪らず腰を揺らして彼の鼻に秘穴をぐいぐいと押し付けてくる。
濡れた秘裂がボスの鼻先を軽く中へと受け入れた。
「ウニャァァ~ンンッ…」コルルに初めての性的快感が押し寄せる。
その淫らな鳴き声に、成り行きを見守る部下メラルーの勃起は今にも達さんばかりに疼いた。
「グニャニャッッ…!!」
ネコとは思えぬほどの割鐘のような声を出して、部下メラルーたちはボスを急かした。
ボスはそれでも余裕の態度を見せながら、分かっているさ、と言いたげに鼻先を抜き去り、
そしてコルルの秘裂をぺろりと舐め上げた。

490:ぬこの春5/7
08/11/05 19:35:26 KTdTSYRu
「フニャア~ン」
腰砕けになりそうなほどの甘い快感が、コルルのそこに満ちる。
性の誘惑を我慢できずに更に尻尾を上げて、コルルはゆらゆらと腰を揺らして
勃起の侵入を待ち侘びた。
赤く火照った秘穴を濡らす、卑猥な粘液に、ボスの瞳がかっと見開かれた。
「ニャニャ~~ッ!!!」
オスの叫び声を上げながら、ボスは四つん這いのコルルの背中に飛び乗って
前足で彼女の薄茶の背中を抑え込むと、秘口目掛け一気に勃起を突き刺していった。
「ウニャア…ン…ッ・・ッ!!」
コルルの処女のそこを、ボスのペニスが容赦なく引き裂いていく。
コルルは破瓜の激しい痛みで泣き叫ぶように鳴いたが、
ボスは気にせずに全ての勃起を埋め込んでいった。
ボスの勃起は、そのオスとしての優秀な遺伝子を惜しげもなく注ぎ込む為に、
数百回に渡るメスとのまぐわいにより極太に開発されていた。
その猛々しいペニスの根元の、雄雄しい威光を見せている陰嚢で作られた精液は、
あらゆるメスに常に優秀な子供を与えてきたのだ。
それでも今季初めての交尾に、ボスの心は初めての時のように沸き立った。

きつく締め付けてくる秘壁をほぐすように、ゆっくりとした抽迭を食らわしていく。
「グ、グニャァ……ッ」
ペニスで擦られる度に、コルルのそこが痛んで仕方ない。
涙がにじんで来そうになったが、彼女はこの本能的な行為を痛みに耐えて必死で受け入れた。
膣壁を極太ペニスで押し開きながら、何度も何度も勃起が突き入れられていく。
余りに太いそれで突き上げられると、凄まじい圧迫感で息も出来なくなる。
「ウニャッ!ウニャッ!ウニャッ!」
ボスはそんなコルルの背中に爪を立てて抑え付け、彼女の柔らかい茶毛を甘噛みしながら
本能のままにペニスを突き入れ続けた。

何度も突かれ続けて、ようやくその荒々しいパワーにコルルの秘穴は馴染んでいった。
オスとしては最上級だと思われる勃起が、コルルのそこにうっとりとした快感を漲らせていく。
「フニャァ~ンッ…、フニャァ~ンッ…!」
コルルの膣壁は突かれる度に快感を強めていった。

491:ぬこの春6/7
08/11/05 19:36:00 KTdTSYRu
漏れ出した甘い鳴き声が、部下アイルーたちの耳にも届く。
コルルの表情は旦那さまに撫でられている時より、もっと蕩けそうに歪んでいた。
目の前で、獣らしく後背位の体位でまぐわっている2匹の姿に、
彼らの欲情ははちきれんばかりになった。
人間なら手淫で慰める所だが、彼らにはそんな事は出来はしない。
生殺しの状態で身悶え、きつく犬歯を噛み締めて、一刻も早く2匹の交合が終わるのを待ち侘びる。

すぐに、ボスの腰付きが荒々しいものに変わった。
射精に向けてずんずんと腰を押し出し、コルルの体が前後に激しく揺さぶられる。
「ニャニャアアアッッ!!!」
最後2、3回深く突いてボスは一声叫ぶと、勃起を最奥まで突き入れて深く埋め込み、
軽く腰を揺らしながら精液を注ぎ込んでいった。

ペニスを引き抜くと、ズチュルとボスの白濁が漏れ出してコルルの茶毛を滴った。
「ウニャァァ~ン…」
人生で初めての最高の交尾は、夢見心地のような恍惚感をコルルに与えていた。
これで発情期の目的を果たせたのだという達成感が満ちてくる。
旦那さんの顔は、この時のコルルの頭に浮かぶはずもない。
甘い余韻の声を吐きながら、うっとりと空中を見つめるその横顔に、
部下メラルーの欲望は爆発した。
「フニュウウッ!!!」
我先にと押し合いながら、メラルーたちがコルルに襲い掛かる。
仲間を突き飛ばして、一本のペニスが再びコルルの中へと勢いよく突き入れられた。
「フニャアッッ…!」
ずんと膣壁を擦り上げられて、コルルのそこに快感が復活する。

射精されたばかりのボスの精液が、潤滑油のように部下アイルーの猛りきった
勃起を滑らせた。
我慢に我慢を重ねていた部下は、いきなり激しいピストンを繰り返していく。
既に射精直前にまで高まっていた欲が、あっという間に彼に限界をもたらす。
コルルを数回突き上げただけで、彼はあっけなく射精してしまった。
「ウ、ウニャ~…」
快感に打ち震えながら全ての精を出しきると、すぐに違うメラルーが彼を突き飛ばし、
コルルの中に入ってきた。
発情の本能に浮かされたかのような、凄まじい突き上げがはじまり、
コルルの全身に快感だけが広がっていく。

492:ぬこの春7/7
08/11/05 19:36:36 KTdTSYRu
それからコルルは、4匹のメラルーたちに代わる代わるに責められた。
この日の交尾だけで彼女の秘貝は早くも開発され、性交の快感を強めていった。
「ニャ~ッ!!ニャ~ッ!ニャ~ッ!!」
ずんずんと後ろから貫かれる度に、コルルの甲高い鳴き声がしんとした森に響き渡る。
その声は、既に2エリア先でファンゴの皮を剥いでいた旦那さんにも届いた。
コルルのピンチを感じて、旦那さんが急いでエリアに戻ってくる。
ようやくエリアに駆け込んだ彼が見たものは、4匹のメラルーに後ろからガンガン突き上げられて
明らかに快感の声を上げている、彼の手塩にかけたオトモアイルーの姿だった。

「しまった…!発情しちまったか…!」
さすがに人間らしく即座にその事を理解して、旦那さんは大剣を振りかざし、
勢いよくメラルーたちの集団に剣の一撃をお見舞いした。
「フニャアッッ!!?」
交尾に夢中になっていた彼らは、自分達が真横から切りつけられた事にも気付かない。
コルルの秘裂からちゅぽんと抜けたメラルーの勃起したペニスに、
旦那さんは同じ男としての近親憎悪のようなものを思わず感じた。
「テメエらああッッ!!アイテムどころか俺の大事なコルルを盗みやがってぇぇぇっっ!!」
旦那さんの怒号が森に響き渡る。
「ギニャニャアンッッ…!」
メラルーたちは勃起から精液を飛び散らせながら、慌てて地上に潜り、逃げ去った。

「ニャ、ニャニャ~…」
散々犯されまくったコルルが、旦那さんの腕の中でうっすらと目を開ける。
ごめんなさいニャ…。
その悲しげな瞳は、確かにそう言っていた。
仕方ない。これは、自分の判断ミスだ…。
コルルに発情が近い事は分かっていたのだから…。
いつもいつも死線を共にし、時に命まで懸けて自分を守ってくれる、
オトモアイルー、コルル…。

どれだけオスメラルーの精液に汚されまくったとしても、やはり旦那さんは
可愛い彼女を責める事は出来なかった。
「仕方ないさ。コルル…。あいつらのどれがヒットするか分からないけど、
 あいつらもこの森でしぶとく生き残っている、逞しいメラルーだもんな…。
 きっと、強い子が生まれるに決まってるさ…」
旦那さんはコルルの頭を優しく撫で、そっと彼女の体を抱きしめた。
コルルは一生、この人のオトモアイルーで居続けようと、心から思ったのだった。
                    終わり

493:名無しさん@ピンキー
08/11/05 20:37:53 FWOJGvk1
GJ
後、『地上に潜り』って何だw

494:名無しさん@ピンキー
08/11/05 23:36:09 mgkFwDZO
なんというナショナルジオグラフィックス

495:名無しさん@ピンキー
08/11/06 00:44:24 +oxJ5DoX
GJ!つーかケモラーにはたまりませんでした。

496:名無しさん@ピンキー
08/11/06 00:53:59 adYQ183c
超GJ!
コルルに萌えまくった

497:名無しさん@ピンキー
08/11/06 01:01:03 uThCpG6d
一瞬カマレウスと女ハンターの組み合わせが頭に浮かんだけど
うまくかけないのでやめる誰か書いてください・・・orz

498:名無しさん@ピンキー
08/11/06 02:20:13 x1SLDLO3
>>497
俺はお前に期待してる

499:名無しさん@ピンキー
08/11/06 08:00:25 NZ4/PjaF
GJw

あれだ 妊婦も(ry

500:名無しさん@ピンキー
08/11/07 22:29:27 ICT30wQB
青菜に保守

501:名無しさん@ピンキー
08/11/08 10:42:27 yCQ8dRcc
このスレ自由度高くて面白いね
もう普通のエロパロじゃ満足出来なくなりそうw

502:名無しさん@ピンキー
08/11/09 09:48:15 iLARAA7f
まあ人手が足りないのが現状

503:14匹目スレ768
08/11/09 16:16:14 txhqvgId
前スレ>>768-778ヤマツカミ続き投下しますよ、と。
不手際なければ話に14レスほど拝借。
エロスに期待してはいけない。
注意書きは擬人化っぽいような原形っぽいようなヤマツカミとハンターの話。
同性愛的表現あり。長い。MH的要素薄。
ある意味ホラー。むしろオカルト。
設定間違ってたら心の中でそっと補間して。
 
スルーしたいという方はタイトル『喰い遺しにつかれ』をNGにどうぞ。

↓久し振りなんで粗筋。
チビ・ガリ・非力と三拍子そろった貧乏ハンター・サイレ。
密林で消息を絶った、友人の植物学者の捜索を試みようとする美人依頼主の泣き落しにより、鳥竜の群れ相手に時間稼ぎをする依頼を請けた。
現地での活動中、サイレは大きなタコに似た謎の生き物に捕らえられてしまう。
タコに似た生き物・ルークは、サイレに筆談で語りかけてきた。
元は人であったルークは密林で命を落とし、死体を喰われた事で、タコ似の生き物の体を乗っ取ってしまったというのだ。
時間稼ぎの肩代わりをする代わり、自分の遺品を捜して欲しいと頼み込むルーク。押しに弱いサイレは頷く事に。
ルークの願いを聞き届けたサイレは、ルークこそが依頼主の探し人その人だと知る。
サイレは依頼主とルークの境遇に同情し、遺品を依頼主の元へという更なる頼みをきくことにした。
知り合ったばかりのサイレからの好意にルークは感謝するも、現状では満足な謝礼も払えない事を心苦しく思う。
容姿に自信のあった生前ならば、体で払う事もできたろうにと冗談をいうルークに、サイレはそれで構わないと返し、ルークを酷く慌てさせた。

504:喰い遺しにつかれ 1
08/11/09 16:18:35 txhqvgId
木板から鉄筆を抜くのをあきらめたのか、ルークは筆の柄から指を放した。
「労働力を提供してくれるのかと思ったけど、そっちさえ構わないなら正気を疑われる方のでも、有難く戴く」
木板の両端を支え持ち、ルークは触手を軽く左右に振るう。
ひたりとそれが動きを止めた。
乾いた音を立てて、板は真っ二つに割れた。断面からは刺さっていた鉄筆が転げ落ちる。
へし折ったのか、叩き割ったのか、どちらだかはわからないが、ルークは改めて筆を手にした。
『今 わたしは かつてないほどの冒険者を前にしています』
「先に話振ったのはそっちだろうに、失礼な」
笑いながら言ってやると、べちべちと触手が砂を叩く。
『この体じゃ そんなのお礼になるわけ ないじゃないですか』
私は至極真面目なのに、からかっていると思われているらしい。
短さのおかげで乾いてきた髪を掻きながら、どう口説いたもんだか考えた。
「逆に考えてみようか。手が多いから、思わぬアレコレが可能かもだ」
『そっちが 受身大前提ですね はい 攻め手は得意ですが
 現実的に考えましょう 今はわたし タコですよ
 ううん タコじゃないけど』
解らんタコの人だな。
いや、解らんなりに察そうとする気だけは大事なはずだ。
「操を立てた相手がいたとかで、したくないとか」
依頼主さんが恋人なのかなと、思いついた。それなら諦めなきゃいけないな。
『そんな相手がいたら そもそも 言い出しません
 そうじゃなくて タコっぽいんですよ』
なら問題なくないか。
 
私は立ち上がって、ルークを見上げた。
目の前に揺れている触手を捕まえて引いても、ルークはびくともしない。
「ちょいと降りて来てみ。でなきゃ登るぞ」
触手を引っ張ったまま言った。
触手にも苔が生えてるけど、節がある分とっかかりが多くてたぶんよじ登れる。
三呼吸くらい待って無反応だったから、真珠を足元に置き、そのまま登攀し始めてやった。
文句ありげに、もう片方の触手が私の背中を軽く叩く。それと同時、彼の体が下降した。
大きな体に押された空気が風となり、彼の下から逃げる。
狭い場所に無理矢理降りたものだから、ルークの体はいろんな物を下敷きにしながら、こんもりと緑の丘と化した。
私は触手を一本掴んだままその丘を裸足で踏み登り、彼の赤い眼の間に伏せるように身を寄せた。
「ルーク」
たぶん、眉間に当たる場所に顔を擦りつける。
苔くさくてじっとりもしてるけど、微かに甘いような匂いも混じり、不快ではない。
ふかふかしてる。
掴んだ触手が私の手から逃れようと身をくねらせるのを、掴みなおした。
「人に触れたいんだろう」
手の中の触手が一瞬止まり、忙しなく左右に振られる。
散々撫でまわしてくれておいて今更否定しても信用ならんな。
大暴れの触手をひっぱり唇を押し当て、少し大人しくなった所に囁いた。
「私はあんたに触れられたい」
重く低い音が彼の内から響く。そろりと触手が動き、何度も私の頬の上を往復する。
もう一方の触手が脚に乗った。
背中には腕が乗り、その重さに潰されるようにルークの目の間に押し付けられる。
ヤる気なのか殺る気なのかどっちにしろ堪らんな。
 
私が息苦しくなってきた頃、ぐいと襟首をつかまれて、私は彼から引き剥がされた。
心なしか慎重に砂の上に下ろされて、それが終わると同時、両頬を触手に軽く打たれた。
早速に鉄筆を取り、彼は何かを書き始める。
『その気にさせないでください 私が力加減間違うと死ぬのですよ バカですかあなたは』
打たれた頬を打った触手がまた撫でる。
疑問形で済まされる話じゃない。バカだが、何が悪い。
『人間 おかしな状況に置かれると 逃避に走るものです
 ねえ サイレ 落ち着いて
 同情と錯乱だけで 異常な事を しようとしているんですよ』

505:喰い遺しにつかれ 2
08/11/09 16:19:58 txhqvgId
異常者を前に、正気に返らざるを得ない状態っぽいな、彼は。
確かに異常だなとどこか他人事のように私は認めた。それは開き直りだったのかもしれない。
情にもろいのとは、少し違う。ただ私は流されやすいだけだ。
「ガタガタ抜かすな。私の同情心を満たすために触られてやろうって言ってるんだ。理性の限界に挑みつつ、触れ撫でろ慈しめ」
言って、笑った。
我ながら、なんて嫌な要求の仕方なんだ。
仕方なさげにぐしゃぐしゃと髪を掻き回され、もっと笑った。
可愛いな、このタコの人は。自称ろくでなしだけど、きっと悪い人じゃない。
 
ルークの触手の間に背を預け、触手の節を爪先でたどり始めてみた。
触手はたまにそろっと動いて私の指を逃れようとする。意味なんぞないが楽しい。
そういえば、大事なことを確認するのを忘れていた。
「ルーク、荷物のことだけど。あれは誰に届ければいい」
先程、彼が頼もうとした事の内容はこれでいいはずだ。誰にかは、もう想像がついてる。
ややあって、ルークが差し出した木板には思った通り、依頼主さんの名前が書いてあった。
遺品を託すほど仲が良いんだと思うと、ちょっと、なんだろう。羨ましい。私にはそんな相手いないぞ。
『彼女には いざという時の事を頼んでいます』
研究資料の取扱いなど良いようにやってくれると期待していると、彼は書く。
信頼してるんだな。思わず口に出た言葉にルークはいそいそと返事する。
『はい 彼女は親友です ここに来て得た一番の大事なものですよ』
「恋人じゃないのか」
ルークは触手をふらふらと横に振り、それはないと私の脚に指でかいた。
左腕を軽く巻き取られ、掌に何か乗せられる。さっきの真珠だ。
ルーク曰くの『わたしの気持ち』をすっかり忘れていたのに気付いて、ちょっと気まずい。
『だから 恋人はいないと 何度言えば』
更に何かを書きかけて、タコの人の手は動きを止めた。
「ともかく、荷物を届けるのもしっかりやり遂げるさ。それくらいしないと、依頼主さんに申し訳ないしな」
頼まれた仕事は結局すっぽかしたようなものだ。
 
私が依頼主さんから請けた仕事について、ルークに尋ねられた。
実質の拘束時間と仕事内容と報酬を聞き出した辺りで、彼はまたそれはないと私の脚に書く。
『安すぎでしょう 彼女 最近装備を新調して
 金欠だとか言ってましたから 彼女としては 仕方なしかもしれませんが』
言ってくれるな。美人の泣き落しに負けて請けちゃった私がバカみたいじゃないか。
頭を撫でられ、頬や顎や鼻の頭を撫でられ、ついでに口元を宥めるように撫でられた。
『得られる物も少ないのに 彼女を助けてくれて ありがとう』
「私は何もしてないだろう。仕事中だってのに、あんたの上で寝っ転がってるだけだし」
案外寝心地はいいんだが、ちょっと背中とか尻が冷たい。
雨降りの後に苔の上に乗るのは失敗が過ぎる。
『結果の一つですよ 善意で行動したのに全部裏目に出ることだってあります
 今回はそうじゃないんですから 良しと思いましょう』
触手が髪の中に入り、耳の上辺りを優しく掻いた。温度のないそれに違和感を覚えなくなってきている。
彼の年長者の気配、弟がいると言っていたのは伊達ではないな。
私にも弟妹がいたが、どうしているのやら。ほんの数年の別れだと思いきゃ、もう二度と会えそうにない状態だ。
つい貧乏くじを引きに行ってしまうのは、私の中の年上気質の名残りなのかもしれない。
私より年下らしいこのタコの人、歳は幾つなんだろう。
 
慰撫とも言うべき触手の動きにうとうとしかけた時、鼻をつつかれ我に返った。
ぼんやりと瞬きしていると、目の前におずおず板を差し出された。
『サイレ お願いしたいことが 三つほど あるのです』
三つ、の部分は微妙に修正してあって、どうやら二つから数を増やしたらしい。
「多いな。いいさ、言ってみなよ」
我に返ってみれば、結構雷光虫が眩しい。彼らの光のおかげで文字が読めるんだから、別に文句はない。
髪を掻き上げようとしたら、左腕が上がらない。見ればルークの腕に絡み付かれ、握る形に固定されていた。
掌の中に丸っこい物の存在を感じる。真珠を落とすなってことか。


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