【MH】モンスターハンターでエロパロ 15匹目【モンハン】at EROPARO
【MH】モンスターハンターでエロパロ 15匹目【モンハン】 - 暇つぶし2ch350:GENERATION LOST
08/10/07 10:35:27 SW8NFJc0
沼地の段差は一見してはわからないような巧妙さで、足元が削り取られ、
洞窟に降りる部分にあった、人一人二人は楽に立てた踊り場が消えていた。
砂漠も同じようにそれとは感じない程度に段差が低く削られ、ディアブロスの尾が
当たるように調整されていた。
密林では、ギルドの放した新種のランゴスタが既存種を駆逐していた。
森丘では余所の拠点のハンターが狩ったらしいリオレウスの死体に、ギルドの
管理人がたかり、竜玉を、翼膜を、甲殻を、火炎袋を洗いざらいハイエナよろしく
むしり取り、嗤っていた。

……一体ギルドの言う自然って、なんなんだ?
ハンターが苦しめば、それは自然なのか?

こんな奴らにオンサは、マルタは……殺されたのか……。



マルタの遺体は親族に引き取られ、身寄りのないオンサは村でしめやかに葬儀が執り行われた。
……俺は葬儀に立ち会わなかった。

葬儀の翌日、集会所の黄服に声をかけた。
「君にプレゼント」
カウンターに置かれた掌サイズのそれを一瞥した黄服が目を見張る。
ピュアクリスタルを削った、躍動感溢れる精巧なガノトトスの彫刻。
「これはどこで?」
訝しさと感嘆の入り交じった視線で、俺と水面を跳ねるガノトトスを見較べながら黄服が問うてきた。
そりゃそうだ。村にこんな贅沢な調度品は流通しちゃいない。
「自前だ。実家が貴金属細工をやっててね、武器屋の親父に無理をいって工具を
借りて削った。なんなら今度は紅蓮石、いや獄炎石でテスカトルを彫ってこようか?
それとも虹色鉱石でマボロシチョウはどう?」
「目的はなんですの?」
問われ、カウンターに身を乗り出して、答えた。
「君の事、よく知りたいんだ」
まぁ、お上手ですこと。鼻で笑う黄服の目に、ほんの少し色が交じっていた。
雌特有の甘い、色香。

それから一月半、俺は狩りにもいかず黄服にせっせと貢ぎ物を贈り、親密度を増していき、
フーゴと、フーゴの説得で僅かに残った仲間は汚物でも見るような視線と共に距離を置くようになり、
俺はポッケ15で孤立した存在になった。



後編に続く

351:名無しさん@ピンキー
08/10/07 11:24:57 M0+1Bmmn
GJ!!
着眼点がいいと思う。多少の矛盾とか無理に目を潰る位の面白さもある。

気になったのは主人公がショックで弱幼児退行を起こした時位か

352:名無しさん@ピンキー
08/10/07 14:35:54 /HwZBVsb
解釈が面白いな、続きが読みたい。
前半のキャラ紹介は少々だるかったが、後半引き込まれた。
乙!

353:名無しさん@ピンキー
08/10/07 15:00:30 6VZj6fkc
これは…やられた感がある。面白い。

354:名無しさん@ピンキー
08/10/07 17:46:51 WjS4c/l7
現代の世界観でモンハンをやるとこうなるのか…
後半に期待せざるをえない

355:GENERATION LOST
08/10/07 18:53:41 SW8NFJc0
【後編。やっと本番です】
【後半少々スカあり】
【前編でこれはアカン、と思われた方はタイトルをNGでお願いします】



初めて訪う黄服の宿舎は、集会所の裏手、新しく建てられたロッジ風の建物だった。
窓がインナー姿の俺と黄服をいやにはっきり映し出す。
「ここ、色々規制が五月蝿いから、プライベートグラスにしてあるのよ」
「?」
マジックミラーと、変光グラスを足して二で割ったようなものらしい。
果たして、月明かりの差し込む黄服の宿舎は、女の子らしい、かわいらしい小物や
華やかな観葉植物が飾られ、暖房のよく効いた快適な……御禁制に溢れたプライベート空間だった。
何度か訪れた事のある、集会所二階の赤服青服の宿舎は、俺達の住み処とさして
変わらない、恐ろしく殺風景な部屋だったというのに。
黄服が部屋の明かりを付けた。
何年かぶりに目にする人工の光は、異様に眩しく、思わず目をしばたかせた。
「あら、どうしたの?ロムルス」
「ずっと原始的な暮らしだったから眩しくていけねぇ」
それもそうね、黄服がクスクス笑って明かりを落とした。
微かなルームランプの明かりの中、カラーボックスの前で黄服が背中に手を回し、ファスナーを降ろす。
シュル、ファサリ。
黄服が制服を脱ぎ捨てた。
色っぽい笑みを浮かべたパンツ一丁の黄服が、手を後ろに組んだまま、爪先立ちで歩み寄ってくる。
透き通るようなみずみずしい肌。ボリュームある美乳。細い腰。白い腿。綺麗に伸びた脚。
全体的にむっちりと脂がのった、もうしばらくは目にしていないまろやかな美しい女体に、下半身が不本意に疼いた。
「気が早いんだったら」
黄服がいやらしい笑みを隠すことなく、俺の腕をとり、絡み付く。
「夜は始まったばかり、お楽しみはこれからよ」
カチャリ。
両手首に冷たい金属の感触。
……俺は後ろ手に手錠をかけられていた。
この雌狐。
まぁいいさ、どうせ最初で最後の抱擁だ。じっくり楽しもうじゃないか。

もはや見たことも聞いたこともない最新設備の揃った贅沢なバスルームで、温かいシャワーを浴びせられた後、黄服のすべすべした肌が密着してきた。
背中に巨乳を押し付けた黄服が、綺麗な指でゆっくり竿を弄び始める。
この数週間ご無沙汰だった愚息には刺激が強すぎた。
「あ……」
白濁の絡み付いた指を舐め、黄服がうっとりと呟いた。
「かわいいわ、ロムルス……」
その言葉が合図のように、俺と黄服は重なり合うように大理石の洗い場に崩れ落ちた。
「……っ?」
首筋に顔を埋めた黄服が身体を離し、柳眉を寄せる。
「やだロムルス、あなたちょっと臭うわよ?」
「嘘、ちゃんと洗ってきたぜ?」


356:GENERATION LOST
08/10/07 18:55:16 SW8NFJc0
このポッケ村は、いずれもフラヒヤ山脈の温泉がひかれている。
村の左手から湧き出す温泉は、ハンターの宿舎、集会所の床下にも引き込まれ、
ちょっとした床暖房の役目もはたしている。厳しい寒さを凌ぐ工夫だ。
村の右手奥、武器屋の裏手に広がる棚に建てられた共同浴場は、ハンター達の憩いの場だ。
オンサ存命だった頃は、狩りから帰る度に皆で連れ立って汗を流し、ドスファンゴの
死蝋で背中を流しあったものだ。
尤もここ2、3週間は自宅の水道で身体を拭いて済ませているが。
「綺麗にするから大人しくして」
黄服が甘い、蠱惑的な香のするソープを手にとり、わしゃわしゃと俺を洗い立て始めた。
「わ、ちょっと待った、待て待てってひゃあ」
掌で脇腹や首筋を更に腿の付け根まで撫で回され、俺は狭い洗い場を転げ回った。
「どこ洗って来たのよ、泡が茶色いわよ」
腹筋と横隔膜がどうにかなるんじゃないか、ってくらい俺を笑い転がした黄服が、
女が気を許した男にだけ見せる、邪悪な笑顔で、泡をすくいとり掌に乗せて差し出してきた。
白くなきゃいけない筈のふんわりした塊は、薄く砂っぽい色が染み付いていた。
「じゃ、白くなるまで洗いあげてよ」
「いいわよ」
黄服が、今度は乳房を、腹を腿をスポンジに見立て、俺になすりつけ始めた。
白い滑らかな肌がぬめぬめと泡を立てて擦れるたびに、全身を怠惰な痺れが走る。
もう、いっそ明日なんかこなけりゃいい、そう思わせる程に、甘美な誘惑。
このまま溺れてしまえばどんなに楽だろう。
「キモチいい?」
「……最高っ」
俯せた俺の尻に乳房を這わせながら、黄服が問うてくる。
「ホントに?」
「ホント、ホント」
我ながら上擦った情けない嬌声に、思わず苦笑した。
「嘘だと思うなら、俺の……触ってよ」
「俺の……何?」
黄服が俺の背に跨がり、覆いかぶさる。
「聞こえないなぁ?」
背中越しの熱い柔らかな肉球が、先端の硬いしこりが堪らない。
耳たぶを甘噛みしながら黄服が再度問う。
「何を、どうしてほしいの?」
熱い吐息が、甘い声が、耳朶を擽る濡れた舌が、男のプライドを熔かし、俺をただの牡に変えてゆく。
「触ってよ……」
焦れて、焼けた本能が勝手に言葉を紡いだ。

357:GENERATION LOST
08/10/07 18:57:38 SW8NFJc0
「俺の……いきりたったペニスにさ、っ特別な、ソープで洗っ…てよ…っ」
手錠で繋がれたままの両手で、そこを指し示すと、黄服が、にんまりと笑った。
「……ロムルスったら、やらしいんだ」
黄服が上半身を起こした。
仰向けに寝かされ、愚息が熱い、柔らかい感触に押し包まれた。
思わず吐息を漏らす。
「キモチいいよ」
返事がない。
聞こえてくるのは、じゅば、じゅる、ぴちゃぴちゃ、と卑猥な水音。そして愚息の
すぐ傍から感じる荒い息遣い。
まさか。
不安になって首をあげた。
……黄服が、俺をしゃぶっていた。
「嫌だ、よせっ」
俺は暴れた。
口でなんて。
そんなの動物だってやらない。
お前と一緒にするな。俺はそこまで堕ちたくない。穢れたくない。
なのに、初めての口内性交に俺のブツは興奮し、俺の腿を押さえ込んで扱く黄服の口に
先走りを絶え間無く溢れさせていく。
強弱をつけた締め付けに、蛞蝓のような舌が先端を、鈴口をはい回る感触に、
限界が足早に迫ってくる。
嫌だ、こんな、こんな……っ。
「ぁあっ………ぐ…っ……うぅっ」
竿が熱い潮を噴き零し、黄服がこくこくと喉を鳴らして汚液を飲み下した。
イカされた……。
女に組み敷かれて一人乱れ、みっともない悲鳴まであげて。
男として最大級の屈辱に、涙が溢れ、目尻を伝って流れ落ちた。
「ロムルスったらよっぽど溜まってたのね、泣くほどキモチよかったなんて」
ぐったりと倒れ伏す俺の耳元に囁いて、再び黄服が被い被さってきた。



「洗ったら、男前があがったわよ、ロムルス」
満足気に黄服が、手鏡を渡してきた。
汗と垢混じりの肌は綺麗に磨きあげられ、砂と埃でボサボサだった髪もすっかり
濡れて艶めいている。
鏡に映る男は紛れも無く俺だが、随分と印象が違っていた。
男として、そして狩人としての誇り、矜持は全て洗われ、流れていってしまったのだろう。
大事な何かが欠落した俺は随分と優男に見えた。
これじゃ、ケルビ一匹にも鼻であしらわれるな。
でも、もういいんだ。
「ね、酒でも飲まない?」
「いいわね、とっときのシャンパンがあるの」
「じゃ、手錠、外してよ」


358:GENERATION LOST
08/10/07 18:59:52 SW8NFJc0
それから俺達は、ベッドルームに移動し、天蓋付きのベッドの上でシャンパンを
互いの身体にかけて舐めあったり、向かい合ってせんずりこいてどちらが
先に果てるか競争して、先に達して悔しがる黄服の性器にスペルマぶっかけたり、
およそ思い付く限りの変態行為に耽った。
そのうち、「ねぇ、私こんなグショ濡れなのよ?ほっておくってどういうつもり?」
と黄服がおねだりを始め、俺は黄服と繋がった。
亀頭が埋没した辺りで、黄服は軽い啜り泣きのような声をあげ、そのままがしがしと
力強いストロークで責め立てると、黄服は派手に哭き声をあげた。
「こんな、スキモノで、よく、ポッケ15、で、男日照りを、我慢、できたね」
「がっ、我慢、なんかっしてないっわっ、あのっ、カラーボックス、あっ、あそこっ、あそこにっいっ」
そこで黄服の身体がびくりと跳ね、俺をぎちぎちと締め上げた。
構わずにそのまま突き上げる。
「バイブがっ、入ってるっの、おっきい奴、でもっ、ロムルスのが、もっとおっきいっ、
好きっ、好きよっ、最高っ、他にもっ、ローターとかっ、何個も入ってっああっ、
いつもっ、それで紛らわしてたわっ」
それからどんなやり方が好き、風呂場でやり過ぎてそのまま朝を迎えた失敗談など
聞いてもいない事までまくし立てる黄服。
……今なら。
「ね、牙獣や甲殻、どうやって調教したの…?」
黄服の表情が変わった。
それまでの色に耽る雌の貌に、理性が滲む。
しまった。
「……何が言いたいの?ロムルス」
興ざめしたような冷たい声。
肌の熱も急速に冷めていく。
咄嗟に言い繕った。
バカっぽい、空気読めない野郎に思われるよう、極めてあっけらかんとした声音で。
「嫌、すごい技術だな、って。だって蟹なんか知能ないじゃん」
思惑通り黄服は何も含むところのない、ただの思い付きと受け取ったらしい。
「そうね、ロムルスには教えてもいいかな。あいつらがどうして執拗にハンターを狙えるのか」
それは胸の悪くなるような答えだった。

359:GENERATION LOST
08/10/07 19:04:32 SW8NFJc0
フィールドに放すモンスターは、全て幼生のうちから、鳥竜飛竜牙獣種は後頭部、
甲殻種は神経中枢に電極を埋め込むのだという。
「ハンターの所持する剥ぎ取りナイフに反応して放電する仕組みになっているの。
とにかくハンターを倒さなければ苦痛から逃れられない事を徹底的に身体に覚えさせるのよ」
だから、ランポスも、ヤオザミも、ファンゴも、ブランゴも皆……
「甲虫種も同じ。剥ぎ取りナイフから発する高周波に引き寄せられてるの。草食種には、
流石にそこまでしてないけど、ハンターが来ると自分達は狩られるし、補食動物が
荒れるから迷惑な存在、って学習したみたいね」
そういって黄服は笑った。
いい気味だ、そんな笑い方だった。
「じゃ、剥ぎ取り回数に制限があるのも」「当然、仕組みを知られないためよ。昔は自然とモンスターに敬意を払う、って
ハンターの掟に則った約束事だったらしいけど、フィールドに死骸放置されても迷惑なだけじゃない」
その言い草に得心がいくと同時に、腑に落ちない疑問も沸く。
恐る恐る口を開いた。
「……それは昔から……?」
「違うわ、拠点がココット村からポッケ村に移転した頃に採用されたの」
事もなげの黄服の答え。
「……何故?」
思い当たる節があった。
随分前、一度だけオンサが愚痴を零した事があったのだ。
あれは確かルシータかフーゴのドドブランゴ狩猟を手伝った時だ。
あの時のオンサは、手練として有り得ないほどの凡ミスを繰り返し、俺達の指南どころか
足手まといになっていた。
集会所に戻って珍しく深酒をして泥酔するオンサに声をかけた。
オンサは俺にこう問うた。
『お前は、野性のドドブランゴを見たことがあるか?』
ない、と答えると、だろうな、と自嘲気味に笑った。
『野生のドドブランゴは、まず、人間とあっても戦いを挑んだりしない。群れを、
仲間を大事にするんだ。争いは、群れと縄張りを守る最期の手段だ……時には死んだ
仲間の遺体に花を手向けたりもする。ドドブランゴは優しい生き物なんだ。あんな、
群れを危険に晒すような知性を感じられない行動なんかしたりしない』
俺が知っているドドブランゴは、飛竜園の檻の中でだらしなく座り、腹を掻いたり、
落ちている木の実を拾い食いする、知性とはおよそ掛け離れた姿しかなく、まして、
先刻フィールドでその狂暴さを目の当たりにしたばかりで、優しい生き物だなんて、
正直何かの冗談にしか思えなかったが、オンサが言うからにはそれは本当なのだろう。
『牙獣だけじゃない、甲殻種も……何故戦いなんか好まない種のあいつらまで……
まるで無理矢理戦わされているようで、見るのが辛いんだ』
そう吐き出し、黄金芋酒をあおった。


360:GENERATION LOST
08/10/07 19:06:10 SW8NFJc0
辞めたいのか?そう問うと、オンサは首を振った。
『身体が楽することを覚えてしまった。この歳で今更野山をあてどなく歩く狩猟には
戻れやせんよ。ただ、オレは時々考えるんだ……自然への敬意を忘れたモンスターハンターは
この先どうなってしまうんだろう、とな』
オンサの疑問に対するその答えが、今、目の前にある。
聞かなくてもわかった気がした。
聞きたくない、そう言ってしまいたかった。
でも、話をふったのは……俺だ。
果たして、黄服の答えは想像と違わなかった。
「より強く、より凶暴なモンスターがハンターと殺しあう、それが庶民の求める最高の娯楽だから」

俺達の命懸けの狩猟は……ただの殺しあい。そして、娯楽。
それは正しいのかも知れない。
だって、設立当初のモンスターレクチャーだって、最初は閑古鳥が鳴いていたんだから。
でも、狩猟を通して厳しい自然を体感する、その理念に共感した者もいたんだ。
狩猟は娯楽なんかじゃない。
無責任に笑ってハイおしまい、で済んじゃうような代物じゃない。
なのに、狩猟を面白おかしい刺激として提供するために、有り得ない生態系をつくりあげ、
機械を「狩猟」させることも厭わない。

それが……俺達ハンターを束ねるギルド。

すっかり動きの止まった俺を組み敷くように黄服がマウントポジションをとった。
激しく腰を振りながら、耳元に囁く。
「でも、ロムルスは特別よ、あなたの狩猟には特別弱いモンスターを放して、
レア素材をじゃんじゃん報酬に入れるよう、パパと大おじ様にお願いしてあげる」
「うれしい事言ってくれるじゃない」
黄服の腰を掴んで、激しく突き上げる。
「もしかして、惚れた?」
馬鹿、頬を染めた黄服の拳が、俺の胸を軽く叩いた。

夜が白々と明ける頃、俺は黄服にあることを施した。
「やだ、これじゃあ……」
「帰ってくる迄我慢できたら、夕べよりもっと凄い事してあげる」
「………ホントに?」
淫乱そのままの黄服の笑顔。
「ホントさ」
俺はにっこり笑い返した。



宿舎に戻ると、俺は倉庫の中の物を洗いざらい売っ払い、アイルー達を婆さんに預け、
密林素材ツアーに赴いた。


361:GENERATION LOST
08/10/07 19:13:03 SW8NFJc0
ハンターの基本を叩き込まれた、そして初めてイヤンクックを倒した、思い出の場所。
ひどく眠くて、ベースキャンプについてすぐにベッドで横になった。
眠りに落ちたのもつかの間、殻の中に黄服の腰から上がみっしり詰まった仙高人に
追いかけ回される夢を見て、とび起きた。
最後に思い出に浸ることも許さないってかよ。畜生。
仕方なく、寝不足で痛む頭を抱えたまま、ぼうっと群れる魚達を眺め、時間を潰した。
俺がこれからしようとする一部始終を知ったら、オンサはどう思うだろう。
きっと、諌めるだろうな。
でもごめん。このままじゃもう一歩も動けないんだ。
何事もなかったように、生きていく?そんなの無理な相談だ。
せめて一矢報いるくらいは許してほしい。

雨が降り始めた。間もなく日が暮れる。
「行くか」
自分に言い聞かせ、ネコタクチケットを取り出した。



集会所に戻ると、フーゴと下位ハンター数人が、賑やかに夕餉の鍋を囲んでいた。
俺に気付くと声を潜め、赤服青服が困ったように視線を反らせる。
そんな居心地の悪い空気の中、黄服がひらひらと手を振ってきた。
「ねぇ、早く行きましょ、ロムルス」
せわしない息遣い、少し青ざめた顔。
もう限界が近いらしい。
わざと素知らぬ振りをした。
「どこに?」
やだ、黄服が柳眉をひそめ、耳打ちしてくる。
「変な冗談はやめてよ」
「嘘だよ」
黄服の腰に腕を回すと、カウンターから引きずり出した。
「ひやっやだやめて漏れちゃうっ!」
乱暴に投げ降ろし、羽交い締めにするとスカートを捲くりあげる。
赤服青服が悲鳴をあげた。
黄服の、幼なすぎず見苦しくなく絶妙のさじ加減で手入れされた茂みには、すっかり
乾いてガビガビになった大量のネンチャク草が張り付いていたのだから。
茂みと一体化した草を潤すように、褐色の液体が滲み、白い腿を一筋二筋伝い流れている。
「もう漏れてる、だろ?」
切羽詰まった黄服の悲鳴を聞き流し、ネンチャク草を一気に剥ぎ取った。
「ぎゃああああああああ」
敏感な部分の毛を一気にむしり取られる、想像を絶した痛みに意識を削がれた黄服の
身体が硬直し、ピンと伸ばした形のいい脚の付け根の奥から黄色い奔流がビシャビシャと
勢いよく床に水溜まりをつくった。
「う……あ…あ……」
大衆の、しかも鼻で笑い見下していたハンター達の面前で失禁する事態に放心し、
弱々しく首を振る黄服の尻を卓に乗せた。
餅のように柔らかい腿を開かせ、渋い感触のクリトリスを摺り、摘み、こねくりまわす。


362:GENERATION LOST
08/10/07 19:15:04 SW8NFJc0
「そら、みんなに見てもらおうぜ、お前のお漏らしマンコ」
「うう、嫌……っいやっロムルスやめてっ」
黄服が羞恥の極みに泣き出した。
それでも愛撫に反応して肉付きのいい白い下半身がビクビク震え、大量の愛液が溢れ出す。
「やめろロムルス」
流石に見兼ねたフーゴがとめに入った。
そうだ、お前は人一倍仲間思いの優しい奴だ。だからオンサの葬儀にも顔を出さなかった、
仲間を捨てて黄服と睦まじくなった俺を許せなかったんだろう?
それでいいんだ。
バチ被るのは俺だけでいい。
「うるせぇ」
フーゴを突き飛ばし、更に黄服を弄んだ。
豊満な乳房を晒し、しこった乳首を中指と親指で乳房に押し込み玩ぶ。
蜜を塗りたくった指で尻の穴を挫ってやると、黄服が悲鳴をあげた。
「あっ、あっそんな、イヤッそこはぁっ」
「どうして?夕べはあんなに喜んだじゃない」
尻を貫き、突き上げる。
「いやっお尻、お尻気持ちいいっ、中で擦れてるのっいいっ気持ちいいっ」
快楽に溺れる黄服が、よがり狂う。
「こっちもすごいことになってるぜ?」
絶え間無く蜜を垂れ流す下の口を掻き回してやると、膣口の内側から白い塊が顔を覗かせた。
「うっふはっ、出ちゃう、裂けるううっ」
「ほら、いきんで」
クリトリスを捩りあげ、更に膣を締めさせる。
「あ…が……うぎ……ぃ……」
黄服が達した。
ミチミチと花弁を圧し開き、まろび出たのは、不規則に震え、蠢くフルフルの皮包み。
愛液まみれのそれが糸をひき、床に落ちる。
赤服青服が再び悲鳴をあげ、好奇心に駆られた下位ハンターの一人が剥ぎ取りナイフで
中を確かめ、絶句した。
言葉を無くすに決まってる。中にはポッケ村にあってはならないはずの高性能ローターが
入っていたのだから。
今頃、ギルド中央は蜂の巣を突いたような大騒ぎになっているはずだ。
虚ろな笑い声をあげてフルフルのローター包みを産み続ける黄服の股間をカメラに向け、
俺は怒鳴った。
「なぁ、お前らはこれが自然な出産に見えるか?見えないだろ?でもお前らが
今やってるのって、こーゆー事だよな?何が自然は厳しいだよ!自然への敬意を忘れて
ハンター苦しめるだけ苦しめて楽しいか?お前らのせいで皆いなくなっちまったんだ、
仲間を、オンサをマルタを、皆を返せよおぉっ!」
……最後は鳴咽混じりの絶叫だった。


363:GENERATION LOST
08/10/07 19:17:45 SW8NFJc0
……あの直訴の直後駆け付けたギルドナイトにポッケ15をたたき出された俺は、
義憤の変態ハンターとあだ名され、テレビにラジオに連日引っ張り出され、一躍時の人になった。
そこで初めて俺はG級が結構な物議を醸し、あちこちの拠点でもハンター人口が
激減していること、当座の打開策として、他拠点のハンターとも狩猟に行けるよう
待合施設が設置されること、を知った。
尤も、モンスターハンターの自然についてメディアが議論したのは最初のほんの数日の間だけで、
そのうち派手に脚色された俺の身の上話が、盛大に歪曲した黄服との蜜事が報道され、
変態ハンターが暴れたのは待遇改善が目的だった、と、どうしたらそんな解釈になるのか
理解に苦しむ結論が導き出され、事件は風化していった。
ギルドが手を回したのは嫌でもわかった。
鼻先に噛み付いた鼠を獅子が笑って逃がすわけがない。
俺を社会的に抹殺することで報復としたのだ。
そんな中、ほんの少しだけ打ち解けたADが、そっと教えてくれた。
「この件で危機感を抱いたギルドは、全く新しいシステム導入を検討しているんだ。
もうモンスターレクチャー基盤で続けるには限界が来ている、というのが公式発表
なんだけどね……機械を狩猟させる、なんての自体どこか変だと思わなかったのかね」
……そうだよね、変だよね。
でも、ギルドの誰も気がつかなかった。
誰か一人でもいい、モンスターレクチャーの理念を思い出してくれていたら……
こんなことにはならなかったんだ。

……そうして、現実に立ち返って困り果てたのは俺だ。
次の職場が見つからない。
そらそうだろう、いくら訳ありでも放尿アナルセックス&疑似出産プレイを公共電波に
乗せて流すような気違いなんざ、俺が雇い主でもごめんだ。
実家は何も言わずに戻ってこいと言ってくれた。
しかしある意味有名人になってしまった以上迷惑をかけるわけにはいかない。
そんな就職活動の合間、一度だけルシータから電話をもらった。
「ロムルスは大馬鹿よ」
呆れてはいたけど、声は沈んでいなかった。
マルタの事は吹っ切れたんだろうか?
恐る恐る問うた。
「ね、俺の事……怒ってない?」
あの時、マルタへの想いを知りながら、ポッケ15に引き止めたい一心でルシータを
犯そうとした身勝手な俺を。
「怒っていたら、電話なんかしないわよ」
……鈍い子供を諭すような、優しい声だった。

364:GENERATION LOST
08/10/07 19:19:36 SW8NFJc0
「最後の競竜協会の鳥竜飼育員も玉砕。これで万策尽きたわけだ……まだテレビ出演料で
懐が温かいうちに練炭でも買っとくかねぇ?」
世知辛い現実を噛み締めながら、町外れの河原で全財産の入ったスポーツバッグを枕に
ぼんやり空を見上げていると、ヒュルルルル……、この世界で聞こえるはずのない、
聞き慣れた音が聞こえた。
ハンターの哀しい習性だ、咄嗟に起き上がり、音の発生源を捜す。
そいつはすぐに見つかった。
「……リオレウス!」
黄昏れに染まる町の上空を悠々と旋回する空の王。
こんな人里に……?まさか子供を掠って食うのか!?
いや、世間に戻って一ヶ月、リオレウスが人里を縄張りにしてます、なんて話は
一度も聞いてない。あったとしたら、(いい見世物として)せっかくだから退治してほしい
とかなんとかいう話になってるはずだ。
リオレウスがこちらに気付いた。
くる……!
思わず身構える。

……紅い火竜は、俺を一瞥しただけだった。

不思議な気分だった。
フィールドで俺達が戦ってきたリオレウスは、後頭部に刺された電極のせいも
あるんだろうけど、いつもどこかヒステリックだった。
でも、それしか知らない俺達はそれが普通だと、自然なんだと思っていた。
奴は違った。
奴は確かにこっちを視認していた。
なのに意にも介していなかった。
人間なんてちっぽけな存在なんか気にもとめない、悠然たる空の王。
あれが……本当の自然……。
体中の血がふつふつと沸いている気がした。
あいつと戦いたい。命懸けの狩りをしてみたい。
ポッケ15をたたき出されるどさくさに紛れてくすねたサーペントバイト改を
スポーツバッグから取り出す。

時に自然は厳しくあるけれど、生き物全てに分け隔てなく優しく微笑んでくれる存在だから。
あいつになら食われても悔いはない。

俺は紅い火竜の飛び去った山に向かって、歩き出した。





365:名無しさん@ピンキー
08/10/07 19:29:15 WjS4c/l7
乙!最後の最後ま抗い続けた主人公に泣いた

366:名無しさん@ピンキー
08/10/07 20:16:33 mBoJzDxu
>>364
GJ。用意したティッシュで涙を拭くはめになった


367:名無しさん@ピンキー
08/10/07 22:41:03 dV8hwcw1
GJ。涙と鼻水が止まらない

368:名無しさん@ピンキー
08/10/07 23:18:14 /Zzg8ERE
乙。あなたが神か

369:名無しさん@ピンキー
08/10/08 03:23:19 V/rSnYXO
>340
GJ!GJ!!!
完成度マジ高いよ。
まさかエロパロで泣くとは思わなかった。


370:名無しさん@ピンキー
08/10/08 09:23:25 5YDGRi3C
GJ!
泣いた!

371:名無しさん@ピンキー
08/10/08 10:42:15 4Hg1hB9I
むしろエロはおまけ程度。

何だよ…ロムルス君かっこいいじゃないか……
「本当の自然」に不覚にもうるっときた。
GJ!!!

372:名無しさん@ピンキー
08/10/08 18:35:46 V0sUUUqM
なんか、凄い物をみた感じだ
いや~ 確かにコレは他の人には真似できない観点だわな

通りでディアブロの尻尾が当たるわけだ

373:名無しさん@ピンキー
08/10/08 20:30:53 QDLua4Al
GJ。「本当の自然」か…
それはそれとして普通にエロかったから凄い。

374:名無しさん@ピンキー
08/10/09 00:04:59 JpxfOWgB
世界観の切り口が鋭いなあ。
モンハンの理不尽なポイントをこういうかたちでぶった斬るとは。

モンハン3での「自然」の表現は、どうなるかな?

375:名無しさん@ピンキー
08/10/09 01:14:43 hCbe6cgH

まさかこんな視点で書くとは。
「本当の自然」に涙した。
そして
「より強く、より凶暴なモンスターが、ハンターと殺しあう、それが庶民の求める最高の娯楽だから」
この庶民って、俺達なんだよな・・・。
考えさせてくれる作品だった。
GJ

376:名無しさん@ピンキー
08/10/09 09:15:31 SH1q515K
空気嫁てないけど、
オンサが死んだのって憤死したからでいいんだよね?
メカクックはトラウマになりそうだな。

377:L
08/10/11 15:39:51 pC+tlhUZ
こんにちわ、ただ今4作目が終わったのでうpします。
そういえば今更気づいたのですがタイトル出してませんでしたね、今回から出します。

それではどうぞ↓

378:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:43:31 pC+tlhUZ

 ――早朝・エミス書記長の部屋にて


「待っていましたよ、早速今回の任務を説明します。」
 慌しくドアを開けたイリスを特に驚くことも無く、いつもの冷静さで対応するエミス。その反応にコメントもせず、キビキビと椅子に座るイリス。
 エミスの向かう机の横には会議などで使われる大きめな黒板がある。エミスはそこに地図を貼り付けた。
「大体のことは聞いてるわ、ラミアがどういった経緯で行方不明なのか聞かせてもらえないかしら?」
「ええ、勿論。まず話すところは、我が「調律現奏師団」、牙獣種調律士の一人であるラミアがこの地域で異常発生しているコンガを『調律』する為に
現地に向かいました。」
 地図の中にある「密林」のエリアを指してエミスが説明を始めた。
 「調律現奏師団」とは全てのハンターの目的である「モンスター」の生態を調整する特殊な団である。王国・ギルドが秘密裏に設立したこの団は
ギルドに所属していない流れのハンター対策として、また違法ギルドが行う過剰な狩りに対抗する為にモンスターの保護、飼育なども行って繁殖の手助けをしたり、
時には異常発生するモンスターが村や街、民間人などに影響を出す前に殲滅――あるいは一定数まで討伐するのを主としている。
「しかし、同行した牙獣保安士であるミナスの報告によると、コンガの数が尋常ではなく、その時に居たメンバーだけでは対処しきれなかったそうです。」
 殲牙獣士――今回の様に異常発生したモンスターの生態及び民間人(あるいはハンター)への被害が及ばぬように「減らす」ことを目的とした者であり、
ラミア(女性)は牙獣種を担当している。勿論表では普通のハンターであるが、牙獣種に対しては本気を出せばラージャン2頭狩りに苦戦することなく
(むしろ余裕で)討伐することも可能な程の腕前である。
 しかしそんな彼女が何故今回、行方不明になるほどの事を起こしてしまったのか?
「なんでミナスは同行したの?てか無事だったの?」
 牙獣保安士――殲牙獣士とは対照的に牙獣種を「増やす」または「保護する」事を主としている。違法なハンターによる過剰な狩りによって生息数が激減すると
生態系が崩れる、それを防止する為に牙獣種を保護・飼育して、数を調整するのが主である。
「ミナスは異常発生の原因を調べる為に同行したのです。ちなみにその時のメンバーはラミア、ミナスと他に、ラミアの助手2名。計4名での任務でした。
助手の話によると、コンガの群れに襲われて、逆にこちらが全滅しかねない状況を恐れ、ラミアは自ら囮になって3人を助けたそうです。そのせいでこんな結果に
なってしまいましたがね。」
 エミスは普通に話すが、イリスの表情は深刻になるばかりだった。その様子をしばらく見たエミスは気を取り直し、話を続けた
「本来「殲牙獣士」であるラミアにとっては容易な任務だったはずです、しかしミナスの話では、コンガの数もそうですが状態も異常だったと言うことです。」
「状態が異常?どういうこと?」
「・・・ミナスの観察眼によれば、まずコンガのどれもが眼が血走りになっているそうです。更に何故か、殺意の無い攻撃的姿勢を見せたのが
ミナスとそしてラミアだけだとか。同行していた助手2人には攻撃的姿勢を見せ、更に殺気を漂わせていたそうです。そしてもう一つ、
群れのリーダーであるババコンガの姿が見当たらないにも関わらず、統率の取れた動きを見せたそうです。例えて言うなら
大型モンスターに挑むパーティーを組んだハンターの如く・・・。」
「・・・確かコンガは本来少数での行動、しかもリーダーであるババコンガも見掛けられない。となるとこれは・・・・。」
「『何者かによる意図的な事件』だと私は思いますよ。」
「ええ、私も思ったわ。」
 軽く咳払いをしたエミスは机に戻り、いつもの様に――まるで軍の司令の様に言った。
「改めて任務を言い渡します。滅龍士イリス、貴女には殲牙獣士ラミアの救出及び今回異常発生したコンガの調査を行ってもらいます。」
 

379:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:46:02 pC+tlhUZ
 が、ノリが悪そうにイリスは質問で返した
「それさぁ、他のにも言ったの?」
 表情を一切変えず
「砕殻士アキラは現在ダイミョウザザミとショウグンギザミ討伐の任務に、斬漁士トミナは大型のガノトトス狩猟の任務に、撃鳥士ガラムは任務を完了した
そうですが場所が遠くてまだこちらには戻ってこれない状況です。」
 極めて真面目な顔でエミスは答えた
「つまり現状、手の空いていて、実力のある人物は貴女しかいないのですよ。お分かりになりましたか?」
「は~いはい。全く・・・こっちだって昨日入れたばかりの子の面倒見なくちゃならないって言うのに・・・。」
「分かっております、ですから報酬はゼニーの他にその子の為にあなたの様な外套・・・もしくは可愛い服をプレゼントしますよ。」
 何だかうまく釣られているような気がしたが、仕方なくイリスは了承した。
「さてと、それでは今回の任務には誰を連れて行きますか?」
「んーと、ナナとリレアと・・・・あとラミアの為にルルも連れて行くわ。」
「分かりました、それでは早速準備をお願いします。支度・移動費用などはいつも通りこちらが出しますので。」
「りょ~か~い。」




380:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:47:49 pC+tlhUZ

・・・

・・・・

・・・・・


 ――12時間前――密林エリアの奥深くにて


「ブゴォォォォッ!」
「はああああああああぁっ!」
 飛び掛ってくるコンガに太刀を振り下ろして叩き斬り、ついでに横から迫る気配を見せたコンガを薙ぎ払ってぶっ飛ばす。
「フガァァァァァッ!」
「ええぃっ!このぉっ!」
 背後から走ってくるコンガを薙ぎ払い後の慣性でそのまま斬る。しかしすぐにまた――しかも今度は3匹同時に飛び掛って来た。
「ちぃぃっ!」
 慣性を止め、そのまま一瞬の溜めを行い
「秘剣・迅落としっ!」
 溜めの直後、太刀を片手で振り回し一瞬で3匹のコンガを叩き落とした。
「くそ、こいつら一体どれだけ居るんだ・・・っ!」
 エミスからコンガが異常発生し、殲滅を要求されたが、ここまで多いとは正直思わなかった。せいぜい20か25あたりが異常発生なラインだ。
「ブグゥアアアアッ!」
「くっ!」
 またしても3匹同時、しかも左右前方から。先程繰り出した技で体勢が整えられず、迎撃は難しいと判断した私は空いている後ろへと飛び、そのまま走り出した。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
 異常発生は確かに異常発生だった。いつも異常発生といってもここまで多いことは無い。今まで最高30匹くらいで終わっていたが、今の所の感覚では
もうとっくに30匹は越えている。恐らく40か50。だが茂みの中からまだ出るまだ出る。
「3人とも・・・うまく逃げた・・・よなっ?」
 コンガと鉢合わせてから悪い予感がした。すぐに何十匹にも取り囲まれたからだ。だからひたすら倒しながら3人を逃がした。逃がして正解だったと自分で思う。
こんな状況、長く続けば全滅していただろう。なに、本来なら私の仕事だ。私一人になっても誰にも文句など言わないさ。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・っ!」
 だが出来れば――無事に逃げることが出来たのなら応援を呼んでほしいところ。本当は恥にも等しい行いだが、今回は異例だ。このコンガ達はいつも私が
斬っているコンガとは明らかに違う。外見、思考、チームワーク。どれも普通のコンガに当てはまらないものばかりだからだ。
「ぜぇっ、ぜぇっ、ぜぇっ!」
 今私に襲い掛かるコンガはどれも眼が赤い。いや、紅過ぎる。しかも毛並がかなり逆立っており、おまけに涎を垂らしながら襲い掛かってくる。こいつらに
人肉を食らう思考など持っている筈がない。ハンターに襲い掛かるのは自分のテリトリーから追い出す為だ。言ってしまえば防御するための行動。
 なのに何故――
「ガアアアアアアアアアアアアァッ!」
「なっ!――しまっ――」
 ――うっかりしていた。気が付くと横から今まで姿を見せていなかったババコンガが迫って来ていた。しかも攻撃態勢――右腕が降り上がっている
「うあぁぁぁっ!」
 振り下ろされた一撃を太刀で受け、直撃を防いだのはいいものの、踏ん張ってはいなかったのでそのまま吹き飛び――
「うぁっ!――ぐっ・・・・」
 背中と後頭部に激痛が走った。どうやら樹にぶつかったらしい。
「ウウ・・・グウゥゥ・・・・」
 動かなくなった私にババコンガがゆっくりと近づいて来る
「くっ―――そ――」
 だが頭を強く打った私はそのまま意識を失った――



381:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:49:08 pC+tlhUZ

・・・

・・・・

・・・・・


 ――26時間後――密林ベースキャンプにて


「お待ちしておりました、イリス。」
「久しぶり~、大変な事になっちゃったわね。」
 密林のベースキャンプに到着すると、牙獣保安士のミナスが居た。
「いえ、こちらこそ私達が付いていながらこんな結果になってしまって・・・全くもってお恥ずかしい。」
「気にしないの、同じ師団の仲間だもの。助けるのは当然のことでしょ?」
「ありがとうございます。場所のご説明を。このベースキャンプから北の方へ2時間ほど歩いた所までが私とラミア、そしてラミアの助手2人と共に行動した距離です。
それ以降は無数のコンガ達によって阻まれ、更に襲撃を受けたため、ラミアと一緒だったのはそこが最後です。」
 牙獣保安士は基より「戦う」為に居るのではない。勿論それ相応の腕がないと保安士としてはやっていけないが、実力では殲牙獣士には劣る。
「ラミアは、助手2人にアンタの護衛を任せて、1人でコンガ達を引き付けたんでしょ?」
「ええ、本当は私も戦わなければならなかったのですが、それをラミアは許さず、ただ私に逃げるように・・・」
「とにかく、ラミア様を助けに行きましょうっ!既にかなり時間が経過しています。急がなければ取り返しの付かないことに――っ!」
 側で聞いていた蒼紫の外套で身を包むナナが深刻に言った。
「そっか、ナナとラミアは師弟関係だったね。」
「私に剣技を教えてくださった大切な師匠です。その方がこんな形で命を落とすなど、もっての――あいたっ!?」
 力を込めて話すナナにデコピンを加える。可愛い声が漏れるが、そんなことよりも最後に出た言葉を私は否定した。
「こーら、そんなこと言っちゃダメでしょ?まだ死んだなんて訳じゃないし、第一私と同じ位の実力を持つラミアがこんなことでくたばる訳ないでしょ?」
「あの、イリス様・・・もう少々言葉遣いを丁寧に・・・。」
 翠緑の外套を纏う――この中で一番背の高い女性――リレアが入る。
「とにかく、今からそんな最悪の結果を想定してたらダメよ?」
「は、はい・・・っ!」
「さて、次に1つ気になることがあるんだけどさぁ?ミナス。」
「え?何でしょうか?」
 実は「異常発生」などという単語を聞いて――更にエミスの口から一言も出ていなかったのでどうしても聞きたいことがあった。
「今回の出来事で近隣住民に被害は及んでないの?」
 ミナスは「さすが・・・」と言って間を開けたが、すぐに話し始めた。
「実は私も気になったので調べたのですが、コンガ異常発生によって近くの村が襲撃され、その際に行方不明者が8名、その後村の要請でコンガ討伐と行方不明者の
捜索を行ったハンターが居るらしいのですが、今回の様な結果に陥り、4人の内2人が行方不明になっております。」
「計10人の行方不明・・・そしてその結果、ラミアに回ったってワケね?」
「はい、ですが・・・」
「もう言わなくていいよ――けど聞いておいてよかったし――」
 振り返る、テント近くに設置された支給品ボックスをガサゴソと整理している白い帽子を被った子が持ち物を整理している。その子に聞こえるように言った。
「――ルルを連れて来てよかったわ。」

382:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:50:55 pC+tlhUZ
「は、はいっ!?何ですかぁっ!?」
 名前を聞いて呼ばれたと思った――ルルという名の子はこちらに向く。体中至る所に包帯が巻かれ、更に
眼の部分までも包帯をしていて視覚など無い状態である。
 眼以外は怪我をしている訳でもない、しかし包帯を巻いているのはただ単に趣味なだけだそうだ。その上からは動きやすい様に軽い衣服を着ているが、
露出している肘と膝にはブヨブヨしたさわり心地のあるプロテクター(?)を装備している。
「ルル、今回の任務では特にあなたの働きが重要よ、沢山頑張ってもらうからね。」
「りょ、了解でありますっ!」
 ビシっと敬礼をするルル、背中のバッグにはギッチリと回復薬やら栄養剤、それに薬草やキノコ類まで
――他に白い布の様なものがある。
「既に荷物は整理済みでありますっ!いつでも出発出来るでありますっ!」
「私も準備は出来ております、イリス様。」
「私もです、行きましょう姉さんっ!」
 全員出発準備は出来ている。ならば後は行くのみ――
「よし、行ってくるわ。ミナス、照明弾が上がったらすぐにギルドに救護隊を要請して頂戴。」
「分かりました、それではお気をつけて。」
 こうして新たに4人が、異界と化した密林へと足を運んだ――


・・・

・・・・

・・・・・


 ――2時間後


「・・・あ・・・だっ・・・」
「やぁぁっ・・・・やめ・・・・」
 徐々に回復していく意識。いち早く機能し始めた聴覚には、どこからか女性の様な声が聞こえる。
「うっ――ここ、は?」
 あれからどうしたのだというのだろうか?確か私はババコンガの一撃を食らって、その後――
「――なっ、なんだこれはっ!?」
 意識がハッキリしてきて、私は愕然とした。目の前で何人もの女性がコンガ共に――

383:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:54:12 pC+tlhUZ
「やあぁ、ぁっ――!うあぁぁっ!」
「ひぃんっ――!も、もうっ・・・やめてぇっ!」
 群がるコンガに犯されている女性。中にはハンターらしき防具を身に着けている者も居るが、
無理矢理剥がされたのか、防具の形状を無くし、所々千切られている。
「んんぅっ!ふむぅっ、んんんぐぅっ――!」
 周りを認識する。薄暗い洞窟の中だが、周り中コンガが涎を垂らしながら「自分の番はまだか」と
犯され続けている女性を見ている。女性は10人、その内2人の女ハンターの汚れ具合を見る限り、
他の女性よりも綺麗な方だ。いや、大分コンガに犯され続けたせいで綺麗も何もないのだが、
恐らく状態を見る限り残りの8人は近隣に住む村人――そしてこのハンター2人は村人の救出で来たのだろう。
だが、結果は悲惨だ。
「んやぁぁっ!うあぁぁぁぁっ!」
 目の前でコンガから吐き出される精液を抵抗も出来ずに受け止める。それはハンターにとってどんな屈辱だろうか。
出し終えたコンガは離れるが、すぐ様別の――順番待ちしていたコンガが集り始めた。
「ひっ!いやぁぁぁぁぁぁっ!」
 忽ち洞窟内に悲鳴が響き渡る。だがどのコンガもそれを意にせず、
すぐに自らの肉棒を挿入させようとしていた――
「――このっ!やめろぉぉぉっ!」
 手元に武器が無い――だが武器を持たずとも、激怒した私は助けようと
立ち上がって踏み出そうとした――だが
「うがっ!くっ――なんだっ!?」
 何かに足を引っ張られ、無様にも地面に転んだ。掴んでいる手を見ると、異様にでかい。
忘れていた、そういえば確か――
「くっ!離せぇっ!」
 グイグイと引き寄せられ、そいつとの距離が縮む。明らかになった腕の主は、
私に一撃を食らわせたあのババコンガだった。
「グフゥッ、グフゥッ!」
 しかも、その横を巨体が通り過ぎる。なんと、2匹目のババコンガだった。
「な、何っ!?」
 そして更にそのババコンガに続くように1,2,3・・・・またババコンガだ。
「ば、バカなっ!何故こんな場所にババコンガが5匹も――っ!?」
 どうりで薄暗く日も差しにくく、本来肌寒いはずの洞窟内が蒸している理由が分かった。
5匹のババコンガが率いる群れが――いや、群れ以外のコンガも含まれ、洞窟内はギッシリとしているからだ。
「んん――、こ、ここは?」
 人の声がしてハッとする。見ると、私の横にはまだ汚れてもいない――恐らく私と同じようにここに
連れてこられたばかりの女性――しかもハンターではなく村人が4人壁にもたれ掛かっていた。
――眼が覚めた女性に1匹のババコンガが迫った。
「えっ?何―――きゃあああぁぁぁっ!」
 またしても洞窟内に悲鳴が響く。そのせいで更にまだ意識を落としていた女性を起こしてしまった。

384:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:58:01 pC+tlhUZ
「ひぃっ!何よこいつっ!?」
「や、やだぁっ!こないでぇぇぇっ!」
「た、助けてえええええぇっ!」
 4人全員を両腕で逃げないように拘束したババコンガ――私の足を掴んでいたババコンガも
空いている腕で私の両腕を包み込んでしまった。
「くっ!離せっ!無礼者がっ!」
 腕に力を込めて振りほどこうとするが、どうしたことか――全くビクともしない。
前にラージャンと戦った時、私は太刀でラージャンを打っ飛ばした事がある。
腕力なら誰よりも負けず、牙獣種を吹っ飛ばせるほどの力を持つ私が、振りほどけないとは。
「うぁっ!熱っ――」
 上からビチャっと液体が顔に掛かった。ベトベトしていて臭い。思わず私は顔を上げて降ってきた方を見た。
――ババコンガからだ
「うわっ!」
 堪らず声を上げる。通常ババコンガは憤怒すると顔が真っ赤になる。だが私の目の前に居るババコンガは
憤怒していないにも関わらずそれ以上に紅くなっており、更に血管が所々浮き出ている。おまけに息も荒く、
呼吸の為に開けている口が閉じられることなく――そのせいで涎がボタボタと零れ落ちている。
「フゥーッ!フゥーッ!」
 顔が近づいて来る。その息までもがたまらなく臭い。
「ええぃ寄るなっ!この下衆がぁっ!」
 腕は動かせない――ならば足はと暴れるように振り回すと――何か硬いものにバチッと当たった。
「ブゴアァァァァァアァァアァアアッァァァァァァ――!!!」
 いきなりけたたましい声を上げるババコンガ。耳を塞ぎたくても腕が拘束されているせいでモロにその咆哮を聞いてしまった。
洞窟内に反射的に響く咆哮――頭の中がクラクラとした。だが――
「ブオオオオォォォォォ――ッ!!!!」
「う、うわぁぁぁぁぁっ!」
 今度こそ本当に憤怒し声を荒げたババコンガは爪を食い込ませて私の着る防具を引き千切った。
信じられなかった――幾度も戦って丹念に作り上げられ、鍛えられ上げた筈のラージャンの防具がいとも簡単に剥がされてしまったのだ。
「いやぁぁぁぁぁっ!」
「きゃあぁぁぁぁっ!」
 しかもそれを合図に、他のババコンガ達も女性の衣服を引き千切り始め、
忽ち私とその女性達の体が露になった。
「こ、こいつらまさか―――っ!?」
 今期は確かに繁殖期ではあるが、牙獣種が人間に生殖活動をするなど聞いた事も無い。
だから先程コンガに犯されている女性達を見て違和感を感じていた。
 しかし今度はババコンガ、しかもそれが自分に――
「い、いやだぁっ!離せっ!離せぇぇぇぇっ――!」
 怖い――その感情でめちゃくちゃになった私は暴れた――だが抵抗も空しく、ババコンガが私の体中を嘗め回してきた。
「ひぁっ!?」
 怖気が走る――熱く涎でベトベトした舌が私の全身を這う
「ビチャッ!ビチャッ!ベロベロベロッ!」
「うあっ・・・ああぅっ・・・・気持ち悪い・・・・」
 今までに無い感触に今すぐ逃げ出したい気持ちだった。全身は既にババコンガの唾液でベトベトになり、
不快感が増す中、今度は足を掴まれ逆さ吊りにされた。

385:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:00:06 pC+tlhUZ
「な、何を――ひぁっ!」
 留まることを知らない唾液が足に、太腿に、そして私の股間に垂れ落ちる。すると、
ババコンガは両手で持った私の足を無理矢理開かせ――
「あっ!うああぁっ!やめ――やめろぉっ!ひはあぁっ!」
 アソコにむしゃぶりついた。激しく舌が動き、それによって涎が飛び散っている。
「ビチャビチャビチャッ!グチュッ、ジュパッ、ジュパッ――」
 淫らな音と共に、感じる場所を激しく舐められ、声が漏れ出てしまう。
「や、やめっ・・・いあぁっ!」
「だめぇえええええっ!舌っ入れない・・・・でぇっ!あああああっ!」
「いやぁあっ!中で・・・動いてぇ――っ!ひぃやぁぁぁっ!」
 私だけではない、他の――同じく私と同じように嬲られて居るのだろう。
すぐ側でさっきの女性達の嬌声混じりの悲痛な声が聞こえる。
「ジュジュッビチュッ!ビチャッ、ジュルルルルルルルルゥッ!」
「うあぁぁっ!やめろぉ――ッ!す、吸うな・・・ふあぁぁぁあっ!」
 それまで私の股間を舐めていたババコンガは今度は激しく吸い始めた。
とてつもない吸引力に比例して不快なる快感が私を襲う。
「や、やめぇっ――、で、出るっ!出ちゃううぅぅぅっ――!」
 声も抑えられず、我慢も出来ず、ひたすらに秘部を吸われ続けた私は排出の知らせが
下半身から感じられ、そして――
「いやぁぁあぁぁっ!ふああああああああああああああああぁぁっ!」
 絶頂――そして噴出。ブシャッと音と共に自身の尿が降り注ぐ。
「フガァッ!ジュルッ!ジュルルルルルルルルルッ!」
「いやぁぁっ!イッたばかり・・・・なのにぃっ!舐めないでっ――!吸わないでっ!お願いぃぃぃぃぃぃっ!」
 尿を吸い取るかの様に舐める――吸う動作を止めないババコンガ。快感がずっと続き、
パニックになった私は人語など解るはずもない獣に懇願してしまった。
「うはああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 そして結局また達してしまった。ガクガクと震える体を未だに掴む腕にはもう
――激しい快感で力が抜けてしまった私には抗うことが出来なくなってしまった。
「はあぁっ・・・・はぁっ・・・・はぁっ」
 逆さまにされているせいで呼吸がしづらい。何とか呼吸をしようとして大きく息を
吸ったり吐いたりとしていると、「何か」が目の前にあるのに気がつく。
「はぁっ・・・?ええええええええっ!?」
 ――一瞬、単なる岩か何かと思った。だが真っ赤に(特に先端が)腫れ上がり、
太い血管が浮き出てビクビクと動く棒――根元を見て驚いた。
それは私の顔ほどの大きさを持つババコンガのペニスだった。
 前に恋人だった者とセックスした際にペニスは見ている――そのせいでこの
ババコンガのペニスが私の知る標準的な大きさを大きく――果てしなく上回り――

386:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:02:43 pC+tlhUZ
「いたっ――!」
 無理矢理四つん這いにされ、更に頭を抑えられた。股間に何か熱いものが当たる
――ババコンガのペニスだと、それしか出ない答えを認識して私は
「いやあぁぁぁぁっ!やめてぇっ!そんなの入る訳ないっ!誰か――誰か助けてえぇぇぇぇぇぇっ!」
 死と直面するのに似たような恐怖に襲われた。助けを乞い、必死に逃げようと涙ながらもがいた。
しかしそんな行い、ババコンガには虫にも等しく
「うああああああああああああああっ―――!」
 構わずズブズブと自らの亀頭を挿入させた。実際に聞こえる訳ではない。あくまでも擬音としてだけど
――私は、私のお腹からメリメリとする音が聞こえた気がした。
「さ、裂ける・・・・・・・うぅっ!」
 先程も言ったとおり、私はセックスを経験しているため処女ではない。だが今までに無い
大きさのモノを挿入れられて痛みに襲われた。そんなことも気にせずに、ババコンガは――
「フフゥーッ!ウホォッ!ウホォッ!」
 快感を求めるだけか――それとも、ただ単に孕ませる為か、ババコンガは容赦なく腰を
―――まさしく獣の如く振り始めた。
「っ!――あはぁっ!う、うごかさないでぇっ!――やあぁぁぁっ!」
 下腹部で前後する亀頭――その感じたことも無い――引いて、突く度に出る圧迫感。
恐ろしい、自分の体の中からこれほどの感覚が出るなど、生まれて初めてだった。
「あっ――!があぁっ!な、かっ・・・・えぐれぇ――ああああああっ!」
 抉れる――外からではなくナカから、ナカからナカから――犯されて――。
「ひあぁっ!やぁ、やぁぁぁああっ!」
「痛いぃっ!やめてぇぇぇぇっ!」
「うっぐぅっ!あっ、あああああああっ!」
「た、助けてぇっ!いやぁああぁぁっ!」
 それは他の女性も一緒だった。涙で歪む視線の先には私と同じくババコンガの
――あの超絶な極太ペニスを突き入れられ――中には悶絶寸前にまでなっている様な者まで居た。
 しかしそれは私も一緒だ――が、次第に体が無意識に――
「えっ!?や、やぁっ!ウソよぉ!な、何で私っ―――!」
 ナカに入っているモノが動くたびに体の奥からゾクゾクとするものが出る。
――知っている――これは入れられて、動かされ、捻られて、感じるもの。

 ソウ―――――キモチイイ――――




387:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:04:33 pC+tlhUZ

「ひぃんっ!あ、あんぅっ!んはぁあっ!」
 自分でも知らず、嬌声が漏れ
「あ、はぁっ!あああんっ!」
 体は快感と認識し
「うあぁっ!太くなってぇっ――!」
 ナカで一段と膨らんだソレは合図と知り
「ああああああああああああああああああああああああっ!」
 大量に吐き出された――中で激しく噴出する精液で、私はイってしまった―――。
「うはぁっ・・・・!はぁっ!はぁっ!」
 お腹が苦しい、ババコンガの大量に出た精液のせいで腹部は通常よりも膨らんでいる。
「うぁ・・・・っ!あああああっ!」
 ズポンっと引き抜かれたペニス。栓が抜かれたように、私の膣からゴボゴボと
大量の白濁色の液が零れ落ちた。
「はぁっ!はぁっ・・・はぁぁっ・・・・・・」
 凄まじい感覚――快感で意識が朦朧とした。薄らぐ眼の先には私と同じように
侵されていた女性が同じように股間から精液を排出していたり――気に入ったのか、
そのまま――入れたまま更にピストン運動を続けるババコンガと、解放されずずっと
涙を流し続ける女性――口が大きく開けて何か言っているよう――いや、悲鳴以外に無いだろう。
「グフゥー・・・・フー・・・・」
 背後に居たババコンガの気配が遠ざかる気がした。どうやら私の中は気に召さなかったようだ。
ひとまずの休息と――思っていた時――グイっと顔を上げさせられた。
「え・・・・っ?」
 ぼやけて眼に映るソレは大きさこそ大分違えど、先程挿入れられたペニスだった。
しかし一体誰の?などと思った瞬間――
「んんむぅっ!?」
 無理矢理口の中にペニスを押し込まれた。何故?この大きさは一体誰――
などと二度同じ事を思い始めた時に気がついた。
「んんんんぅっ!?」
 目の前の体はババコンガほどの大きさでもなく、ペニスもババコンガよりも小さい――
だが之も私の中の標準的な大きさを上回っている――
「んんむぅうっ!むぐぅっ!ふむぅぅぅっ!」
 先程私が最初に見た光景――眼の前で――眼の前でコンガに犯され、精液を浴びせられ、
そしてまた違うコンガに侵されていた女ハンター。
 

 つまり私は今、まさに「その状況」に陥っているっ!!



388:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:06:21 pC+tlhUZ
「んんぅっ!?」
 アソコに何かが――考えるまでも無い、ペニスが当てがられている。それで私は――堕ちた。
「んやぁぁぁぁっ!ひゃめぇへぇぇぇぇぇぇぇっ!」
 口に含みながら叫んでも、声にならない叫びだった。当然ながら私の中に入れようとしているコンガは肉棒を突っ込んだ。
「んあぁぁぁっ!」
「ウホッ!ウホッ!ウホッ!」
 歓喜の声を出して腰を振るコンガ
「んふぅっ!んんっ!んんんんんっ!」
 涙を流しながら抵抗も出来ず銜える私
「いやぁぁぁぁっ!やめてぇっ!」
 別の場所から響く――私と同じようにコンガに群がられる女性
「うっ、あっ・・・・あはぁっ――はぁっ!」
 私よりも先にココに連れ込まれ、容赦なく――幾度と無く犯され続け、既に壊れかけている者
「んんぅっ!ふぅっ!んむぅあぁぁぁっ!」
 口と膣の中で前後していたモノが更に膨れ上がる――私の限界が間近に迫る――そして
「うむぅあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 コンガの射精――私の絶頂。生臭くドロドロとしたものが口とナカに流れ込む。
「ぶはぁっ!げほっ!げほっ!」
 引き抜かれて吐き出すように咳き込む。膣からはまたゴボゴボと精液が流れ出て、
地面が精液まみれになる――精液まみれになるのは私も一緒だった
「ウホッ!フゥーッ!フゥーッ!」
 すぐ様別のコンガが私に群がった。息を荒くし、涎を垂らし、興奮していると解る状態で
――今頃になってなぜ私とミナスだけを集中的に襲ってきたのか解った、助手二人は男だったし、
こいつらの目当ては女――いや、メスということか。
「・・・・ふ、ふふふ・・・。」
 なら、やはり3人を逃がして正解だった。こんなの、とてもじゃないがミナスには遭わせたくない。
だからよかった――けれど
「ごめん・・・・」
 もう、自分にはどうすることも出来ない。ただ――ただひたすらにこいつらに飽きるほど犯され、
捨てられるのを「待つ」だけだった。
 殲牙獣士――その地位に立っていながら――一番自分が滅ぼすべき対象に、こんな形で終わるなどと、
自分でも許し難い――なのに
「んんぅっ!?」
 
 もう、戻れない――



389:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:08:08 pC+tlhUZ
ドゴォーンッ!


「フハハハハハハッ!どけぇっ!猿共っ!」
「ガウッ!?」
 口の中に入れられたペニスが引き戻される。何だ?今の爆発音、それにこの声・・・・。
「邪魔邪魔邪魔あぁ!打っ飛べぇっ!アッハハハハハハハッ!」
「あーららぁ、完璧に切れてるわ、リレア。」
「しょうがないと思います。あれだけコンガが絶えずに出てくるせいでストレスが溜まったのでしょう。」 
 聞いたことのある声が2つ聞こえた。この、声は確か――
「まあおかげで楽にここまでこれたけど、何ここ?コンガの巣?」
「ね、姉さんっ!ラミア様がそこにっ!それに村人らしき人たちも!」
 ああ――そうかミナス、彼女たちを呼んでくれたのか。
「このぉっ!ラミア様から離れろぉ!」
「ブガァァァッ!」
 絶望から――徐々に希望へ、「助かる」とそう感じてきた。
「はあぁぁっ!」
「グギャァァァッ!」
 私が剣を教えた子――ナナだ。それに私と同じ地位を持つ仲間のイリスも一緒か――
「ブゴォォォォッ!」
 ナナに3匹のコンガが飛び交う、そして背後から時間差で別のコンガが襲い掛かろうとするが――
「アッハハハハハハッ!」
 ランスでずっと突進を繰り出している緑の女性に無残にもぶっ飛ばされた。そしてナナは――
「秘剣・迅落としっ!」
 私が教えた技で3匹のコンガを斬り落とした。しかしそのさらに上からコンガが押しつぶそうと跳んでいる。
「危ないっ!ナ――」
「飛炎・翔牙っ!」
 私が叫ぶと同時にナナは迅落としの慣性を止めずにそのまま剣を投擲――コンガに刺さり、
更に投擲による反発で失速したコンガはそのまま落下した。しかしまだ、無数のコンガが
敵を排除しようとナナに群がる(緑の女性は未だに突進し続けてコンガをぶっ飛ばしている)。
「ふっ!」

390:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:10:03 pC+tlhUZ
 投擲した剣を回収したナナは片手で持ち始め、もう片方の手には新たに剣が握られ、構えの姿勢に入った。
「えぇ?あの子・・・片手剣じゃ――」
 と、漏らしている内に9匹ほどのコンガがナナに迫る。一番前に居たコンガがナナに飛びついた瞬間――
「―――ッ!」
 いつの間にかナナが私の目の前に立っていた。コンガ達はしばらく走った後、力尽きた。
「大丈夫ですか?ラミア様。」
「ナナ・・・あなた、今の技は・・・。」
 差し出された手を握って立ち上がる、微笑んだナナは
「貴女の奥義、「閃無爪」ですが、私は双剣で会得しました。」
 と、言った。「閃無爪」――一瞬で複数の急所を斬り抜く技で、切れ味と形状から
太刀限定の技としていたが、まさか双剣で会得したとは――。
「・・・・。」
 しかしコンガを見ると、どれも頭部に一斬りされて血を流している。
急所に何度も斬り浴びせる――それがこの技の真髄だが、まだ1回が限度のようだ。
「ナナー、後ろにでっかいやつがいるよー。」
 洞窟の入り口で佇んでいるイリス――の足元には彼女に襲い掛かろうとして
逆に返り討ちにあった無数のコンガが力尽きていた。いや、それよりも――先程女性を犯し続けていた
ババコンガが居た、まさかそいつが――
「お下がりください、ラミア様。」
 やはり、あのババコンガだ。女性から離れ、敵を追い出そうとこちらに近づいて来る。
それに対峙する形で私の前に立つナナ。
「気をつけてナナ、あのババコンガは普通のババコンガじゃない――」
「ええ、気迫から感じられます。通常のより2倍――いや4倍ほどの実力がありそうですね」
 軽く言った。恐怖など何処にも感じられない。「倒せる」――いや、「倒す」と言った気迫がナナから漂う。
「私の事は気にせず姉さんの所へ――救護係りが居ます、その者から手当てを――。」
「分かった、ナナ。私をこんな目に合わせたあいつらに慈悲などいらない。容赦なく――」
 言いかけたところでナナは振り返って
「ええ、そのつもりですよ――」
 微笑んだ――が、眼は灼熱のように燃えていた。


391:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:12:28 pC+tlhUZ
「・・・・。」
 思わず息を呑んだ私は振り返り、イリスの元へと――下半身にはまだ力が戻りきっていないが、
それでもゆっくりと走った。
「アッハハハハハハハハハハッ!」
「うわっ!?」
 途中、逃げ惑うコンガ達と、それを追い続けてまだ突進する緑の女性が眼の前を横切った。というかむっちゃ危ない。
放って置いて大丈夫なのか?あと、スタミナは?
「心配無いわよ、キレたあの子は疲れ知らずだから――ルル、おいで~。怪我人だよ。」
「は、はいですっ!」
 それまで身を隠していたのか、イリスの背後から包帯で目隠しした子が――
何この子?見えてないみたいだけど大丈夫なの?と思っていると――
「むむむっ、背中と後頭部に強く打った跡が・・・そして何か大きな物を入れられて下半身の一部の筋肉が軽い損傷を受けておりますねっ!」
 包帯の下にある眼で見るよう私を見上げたルルという子は言った。――驚いた、
確かに防具を引き千切られたせいで肌の露出が多めになっているとは言え、この子は眼を包帯で隠しているというのに・・・。
さらに、どうして入れられたことが解ったんだ?――納得のいく説明を求む。
「とりあえず後ろを向いてくださいっ!うぁ、ひどいですねぇ・・・何か樹木に打ち付けられましたか?」
 正解――だけど、何で見えないのに判るのかって。
「ルルはね、眼が見えないけど嗅覚と聴覚、そして第6感が敏感になっていてね。眼が見えなくても
ちゃーんと怪我の部位や原因、状態が分かるんだよ。」
「はいっ、背中の打ち跡から樹の匂いが――女性器からはあのババコンガの臭いがするのですっ!」
「あのさ・・・直に言うのやめてくれない?もの凄く恥ずかしいんだけど・・・。」
 と、その時
「グギャアアアアアアアアアアアアッ!」
 獣の――ババコンガの悲鳴が聞こえた。
「――「紫炎・爆斬」・・・。我が師の敵だ、燃えろっ!」
 ナナがこちらに歩み寄る途中、漏らした言葉と同時に、ボンッとババコンガの一部から小爆発が起き、
それが毛に引火してババコンガを燃やし尽くした。
「な、なに・・・今の技・・・・?」
 あんな技は見たことも無い。もし剣の起こした作用だとしても、即発になるはず。
 それが――まるでナナが起こしたような感じで――
「姉さん、リレアを。」
「そうね、止めようか。コンガは大体片付けてくれたし。お~いリレアー!」
「アッハハハハハ――ハッ?あ、はいっ、何でしょうイリス様っ!?」
 もしかして本当に休み無くずっと突進し続けてた?
 突き出したランスと足を制し、背中に背負ってこちらに駆け寄るリレアと呼ばれた女性。
「ルル、ラミアを頼んだわよ。」
「了解でありますっ!」
「ま、待てイリス。あんた一体何を――」
 今頃になって異様な気配に気づいた、コンガがすっかりいなくなり、がらんとした洞窟の奥から――
大きなものが4つ―――4つ!?

392:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:14:27 pC+tlhUZ
「さーて、こっからが問題だね~。」
「そうですね、1匹ならともかく4匹同時となると・・・。」
「イリス様、どうします?」
 奥からズシン、ズシンっとゆっくりババコンガが4頭――姿を見せた。
4匹ともかなりの興奮状態みたいだ、吐く息が洞窟の冷たい空気によって白くなって消えている。
「リレアは他の女性を・・・あら?1,2,3・・・14人?なんで増えてるのかしら?」
 私を含めれば15人だ。だが皆――気絶しているようだ、ピクリとも動いていない。動いているものもいるが、
一定のリズムでピクンッピクンと体が動いている。どうやら快感が激しすぎて神経がめちゃくちゃになり、
痙攣しているようだ。
「とにかくリレアは全員をルルのところまで運んで――運び終わったらそのままルルの護衛を。」
「わかりました。」
 指示されたリレアは素早く行動した。ババコンガ達の視線がリレアに移るが、すぐにイリスとナナに戻った。
「ナナ、貴女は私と一緒にこいつらの討伐。」
「はい、姉さん。」
 見るとイリスの両手にもそれぞれ剣が握られている。双剣2人――が、4匹のババコンガと対峙する。
「ねえナナ、体力あとどん位?」
「・・・姉さん、もしや・・・。」
 イリスの質問の意味を悟ったようなナナは深刻な声で返答した。
「・・・可能ですよ。」
「じゃあヤりましょうか。『全力・全開――」
「――万力・万壊』・・・。」
 2人の意思疎通の合図らしい、それぞれ似たような言葉を出した後
「それじゃあ張り切って参りましょう♪」
 と、イリスが軽いノリで口にすると、4頭のババコンガが既に駆け出していた。
しかし二人は取り乱すことも無く――

「『紫炎・蒼妃』――」「――『雷光・閃帝』」
「『黒蒼・灼燐』――」「――『紅魔・斬陵』」


 交互に詠唱する様に言葉を口にし――



『――「双閃・四龍陵舞」――』
 

 最後の言葉を聴いた瞬間、2人の姿が消えた―――


393:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:16:26 pC+tlhUZ
・・・

・・・・

・・・・・


 あれから駆け付けたギルドからの救護隊によって私と他の女性達は無事救出された。
中には命が危なかった女性も居たらしいが、ルルという子(そういえば性別はどっちだ?)の
治療のおかげで女性達は皆何とか助かり、徐々に回復に向かっているらしい。
 イリス達には感謝しなくてはならない、こうして生きて帰ることが出来たのだから。
が、残念ながらお礼はルルとリレアの2人にしか言えていない。
 あの時――「双閃・四龍陵舞」と聞いた瞬間にババコンガ4頭が動きを止め、
全員時間差で大量に出血したり焼け焦げた。一体何が起こったのか分からなかった私に
ルルとリレアが病室で答えてくれた。
「「双閃・四龍陵舞」とは、「光陰矢の如し」、四の龍剣に習って名付けられた技でありますっ!」
「ええと、補足すると光速に近い速度で動き、相手を斬り刻む技です。」
「短時間で大型のモンスターや複数のモンスターを相手にする時に使うでありますっ!非常に強い技でありますっ!」
「けれど反動も大きく、異常なまでの速度で動くせいで筋肉や骨に大きな影響を与えるため、本来なら非常用として使われる技なのです。」
 どうりで私の為に用意されたベッドにイリスとナナが寝ている訳だ。――ババコンガ4頭が倒れた後に
無事な姿があったが二人同時に倒れるからびっくりした。
「元々イリス様の技でしたが、ナナは人一倍イリス様に思い入れがあり、どうしてもこの技を使いたかったとか。それで、努力で会得したらしく・・・。」
 リレアのこの一言を聞いてナナには感服した。昔から他の人より何倍も努力する子だったのを覚えているが、まさかそこまでするとは・・・。
昔私に習って剣を振っていたあの可愛らしい子の面影がすっかり無くなってしまったことを改めて認識した私は少々落ち込んだ気分になった。
「この技は人には不可侵域な技でありますっ!しかし人ではない2人ならではの特性でその領域に踏み入れ――ふぎゃっ!?」
 ルルの話の途中でリレアが脳天に「パコーンッ」と拳骨を食らわせた。しかし私はルルの発せられる1つの言葉が焼きつき、疑問に思った。
「しゃべりすぎよ。」
「あうぅ・・・ごめんなさいでありますぅ・・・・。」
「あの・・・「人ではない」って・・・どういう」
 その疑問をリレアに訪ねてみたが

394:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:17:55 pC+tlhUZ
「なんでもないです、この子が大げさに言いすぎただけですよ。私から言わせれば「人並み外れた」――です。」
 なんだかごまかされたような気がするが、まあいい。
「あのさぁ、2人はあとどれ位こんな調子なの?」
 数に限りがあるのでベッドは1つ。その中で特に違和感を出すまでもなく仲良く眠る2人を見てルルに聞くと
「はっ!本来あの技を出したのであれば、普通の人であれば1ヶ月近くの所、この2人の場合ですとなんとたったの2日――みぎゃっ!?」
 またしてもリレアの拳骨が今度は「パキィーンッ」とルルの脳天に――苦笑しながらリレアが代わりに答えた。
「この2人は2日ほど体力回復の為に眠り続け――」
「――リレア姉さんさっきから痛いでありますよぉーっ!」
「あーもぉっ!アンタが余計な事までしゃべるからでしょ!」
 だーめだ、さすがにもうこのノリには付いていけない。まだ口論する二人に私は
「じゃ、また改めて来るわ」
 と言って部屋から出た。聞いていたかどうかは――2人ともこちらを全く見ていなかったから聞いていなかっただろう。
「ふふ、なんだかうらやましいねぇ。」
 廊下を歩きながら本音が漏れる。あんな感じの仲間は草々居ない。イリスは幸せだろうなと感じる一方
「・・・すっごい気になるのよねぇ・・・。」
 ルルの言った「人ではない」――そして「普通の人であれば」の言葉。これはどう聴いても今だ病室のベッドで寝ている2人が
人外であると言っている様なものだ。
「いや・・・・。」
 しかしその言葉の答えはルルとリレアにも該当すると何故か私は思った。あの4人は確かに他の人とは違う違和感がある――しかし何故かは証明出来ない。
「まあ、いいか。さーてと、お礼はどうしようかなぁ?」
 現実を改めて見る。多分私は後日イリスから「お礼に何か頂戴♪」などと言われるのだろう。
「まあ、今に始まったことじゃないし、適当に考えるとするかな。」
「そうですねぇ、これからやることは山ほどありますし。」
「うわぁっ!」

395:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:19:39 pC+tlhUZ
 突然背後から声が出たのでびっくりした。振り返るとミナスが居た。
「あらあら、病院内では静かにしないといけませんよ?」
「・・・気配を消していきなり人を驚かせるような事をしたあんたがそれを言う?」
「ふふ、まあ良いですわ。歩ける元気があるにしろ、しばらく休んでくださいな。団の皆が心配しておりますよ。」
「そうだなぁ・・・いい機会だし休暇とするかぁ。」
 さっきの疑問などもうどうでもよくなった。私にも束ねる団がある。上に立つものとしてしっかりせねば――
「そうですね、今回の件に関する書類がどっさり来ていますから、まずはそれを処理していただかないと。」
「げ、そうなのか・・・。」
 逃げ出したい気分だった、しかしミナスは私をしっかり捕まえて――
「ふふふ、上に立つものとして――団長としてしっかりしてもらわないと困りますよ?」
「うっ・・・・。」
 見透かされ、どうにも逃げられない状況なので観念するしかなかった。
「しゃーない、やるしかないか。」
「ええ、私も手伝いますから頑張りましょう♪」
 背後からはまだ二人の口論が少し聞こえる、と、その時
「――病院内では静かにぃっ!」
 と、看護士らしき人の声が廊下にまで響いて聞こえた。
「ぷっ」
 そうして、吹きながらミナスの肩を借りて歩く――私は心の中で、寝ているイリスに届くように言った。


「またな――減龍士イリス」




It continues to a special volume.




396:L
08/10/11 16:24:42 pC+tlhUZ
 はい、以上で4作目は終了です。そして申し訳ない、今回メモ帳からコピーして
そのまま貼ったせいか、改行がメチャメチャになってしまいました・・・orz

 >>383あたりで改めましたが、それでも少しおかしくなってしまいました。
 読みにくくなって大変申し訳ありませんでした;;それでは失礼します。

397:名無しさん@ピンキー
08/10/13 23:47:47 GOYM8mSf
>>396
GJ!!

398:名無しさん@ピンキー
08/10/13 23:49:16 im3VoXzu
人いないなー、とにかくGJ!!
改行は次改善すればいいじゃない

399:名無しさん@ピンキー
08/10/14 17:07:30 LJ85W0ik
保管庫の編集の仕方がわかんない誰かタスケテー

400:名無しさん@ピンキー
08/10/15 14:51:17 vmWD20mv
誰か俺に新しいSSを書くための
アイテムもしくは装備を出してくれないか?www

401:名無しさん@ピンキー
08/10/15 15:24:39 0ZDBfeSG
ドラゴンXに限るぜ!

鎧に尻尾付いてるとかかなり神なデザイン!

402:名無しさん@ピンキー
08/10/15 18:59:51 atH4z1Xg
ドラゴンX?ああ、呂布ね。

403:名無しさん@ピンキー
08/10/15 20:42:02 uivt7l+3
地球ドキュメントの狼王ロボにレウスレイアをダブらせて見てたら泣けてきた

ホント、リオ夫妻は見てよし戦ってよし(異論は認める)萌えてよし
三拍子揃った神モンスターだわ

404:名無しさん@ピンキー
08/10/15 22:14:18 wpjX5u4x
だな。
想像したら俺も泣けてきた・・・

405:名無しさん@ピンキー
08/10/15 22:17:36 3krEo62x
リオ夫妻はG級やってから下位やるとあまりの突進の多さにイライラする

406:名無しさん@ピンキー
08/10/16 00:59:19 2cVmMm2n
夫妻だったら炎古龍の方が好きだ
なんか情熱的で

407:名無しさん@ピンキー
08/10/16 02:01:06 kIqWO/ik
>>400
っフルベビアイス

408:名無しさん@ピンキー
08/10/16 11:52:16 sgcFygOX
ドラゴンXでフルベビアイス納品、
クシャル擬人化雪山…でFA
じゃっ、作ってみるわノシ
たまには自給自足しなきゃ

409:名無しさん@ピンキー
08/10/16 18:33:59 BYbi6uRb
カオスw

410:名無しさん@ピンキー
08/10/16 20:10:45 swC4yky5
>>408
なんか凄いブレンドだなwwその組み合わせは予想外だww

頑張って!!

411:名無しさん@ピンキー
08/10/18 02:17:01 Qq1tOwYz
保守

412:名無しさん@ピンキー
08/10/19 15:42:28 fg7XLOfC
ほっしゅっしゅ

413:名無しさん@ピンキー
08/10/20 01:39:54 r0y8Mq1i
最近なんか過疎ってるな…
前スレのヤマツカミの人帰ってこんかな、続きが読みたい

414:名無しさん@ピンキー
08/10/20 14:41:56 fidYaEyJ
ミズチと(気持ちは判るけど)身勝手なかあさまの続きも気になってます

415:名無しさん@ピンキー
08/10/20 19:34:20 WpTBZBUI
いつまででもネコートさん待ってます

416:名無しさん@ピンキー
08/10/20 20:46:58 FrWneHJt
俺もナナ親子のやつを待ってます


417:名無しさん@ピンキー
08/10/21 01:27:35 CmlgUX6w
蟹の人元気かな…

418:名無しさん@ピンキー
08/10/21 18:15:27 7cDOxqkM
珍味の人氏待ってます

419:名無しさん@ピンキー
08/10/21 23:01:08 ryQuDnBq
3が出ればいいと思うよ

420:小ネタ?
08/10/21 23:12:22 9Taddl7j
見習ハンター「ハンターやめたい……」

教官「声が小さいよ!もっと大きい声で!」

見習ハンター「ハンターやめたい」

教官「ぜんっぜん気持ち伝わってこない!もう1回!」

見習ハンター「ハンターやめたい!」

教官「この俺がやめさせるとでも思うか!」

421:名無しさん@ピンキー
08/10/21 23:13:16 9Taddl7j
スマン
吊ってくる

422:名無しさん@ピンキー
08/10/21 23:19:55 0D9RRck2
女性教官の声で脳内再生してたら最後で裏切られた……!

423:名無しさん@ピンキー
08/10/21 23:55:24 qCkw9/IM
二次元では「俺女」と呼ばれる女性が多々存在するという罠。

424:名無しさん@ピンキー
08/10/22 08:40:08 d8WGjF0A
久々にワロタ

425:名無しさん@ピンキー
08/10/22 10:04:53 j75uEecd
女教官も自分を「我輩」って言うのかい?

426:名無しさん@ピンキー
08/10/22 18:24:34 dQVmf/6v
「我輩は猫である」
・・・後はわかるな?

427:名無しさん@ピンキー
08/10/23 18:16:59 uq5ScQcc
保守ポッポ

428:名無しさん@ピンキー
08/10/24 01:23:15 eZj/YMds
我輩はネコなのか

429:名無しさん@ピンキー
08/10/25 16:32:10 qaSY9QyD
人少な杉

430:名無しさん@ピンキー
08/10/25 20:23:42 VUW9WkF2
みんな、ガノトトスの詐欺紛い当たり判定にウンザリして、引きこもっちまったのさ

431:名無しさん@ピンキー
08/10/25 23:55:26 lpPkx05p
試しに書いてみました。マイトレ長女とハンター。変哲のないスタンダードな直球です。

432:tournesol
08/10/25 23:56:11 lpPkx05p
どこにでもある物語。ありふれていて、少し優しい物語。
寡黙な男、一人。長年戦い続け、その眼は隻眼。傷だらけで凄みのある身体。
いつも一人で、誰にも頼らず、黙々と、淡々と狩りを続けて、マイトレを持つまでに来た。
とはいえ、本人はあまり嬉しそうではない。表情は見えない。
この男が主人公の物語。
孤高のつわものが、人と出会った物語。

「さって、今日から私もマイトレ管理人!頑張るぞ!」
ここで気合を入れないとね。これは私の初仕事。これが盛り上がらずにいられますか。
でも、ちょっと不安…これから行くマイトレを持っているハンターさんって、あんまりいい噂を聞かなかったり…。
(かなりのベテランで、気難しい人らしいね)
(あんまり喋らなくて、人付き合いもしないって話。まともに話すのは大長老様ぐらい。
すごく強くて、この前大老殿で暴れていたハンター4人を無言のまま一瞬で叩き伏せたわ)
(大長老様曰く、悪人という言葉が最も似合わない男、だそうだけど…見た限りだとどう考えても悪人よ)
みんなで私を脅すんだもん…。ちょっと泣きそうになっちゃう…。
でも、話だけで人を判断するなんて、ダメよね。張り切って行こう!

「………」
う、噂どおり怖そうな人ね…傷だらけだし、何もしゃべらないし…。
あの人のマイトレ管理人は大変かもね、って冷やかされたのが現実になりそうな…。
あうー…どうなるんだろう、私…変なことされないといいんだけど。
「あ、あの…シェリーです。よろしくお願いします…」
「………」
小さな会釈。悪い人ではなさそうだけど、先行き不安なのは間違いないわね。
え、えーっと…とりあえず、ポイントを渡して…。
「………」
また会釈。律儀なんだけど、少しくらい喋ってもいいんじゃ?
あ、そうだ。私のほうから話しかけてみないと、ダメかな。シャイなだけかもしれないし。
「お名前、教えて頂いてもよろしいですか?」
「……シン」
喉にある派手な傷のせいか、ずいぶんかすれた声。今一つ聞きとりづらい。でも、喋ってくれただけでもいいかな。
シンさんは私の頭に手を置いて、少し笑った。この人、ちゃんと笑うんだ。
それにしても、私…何かしたかな?
「面白い。俺の名前を聞いた奴なんて久々だ。この面体のせいか、近づこうという奴なんていなくてな」
そういうことですか。なんだか、ちょっと恥ずかしいな。照れ隠しに笑うしかできない。
大きな手が頭から離れて、外へと足を向けて行った。これからクエストに行くみたい。
「お気をつけて」
「………」
右手を軽く上げて、挨拶を返してくれた。
悪い人じゃない…と思う。ただ、ちょっと不器用かもしれないけど。
さて、今のうちにちょっとマイトレの準備でもしておこうかな。まだやってなかったから…。
えーっと、荷物が色々あるからそれを解いて…それからお掃除…夕方にはなっちゃうかなぁ。
それでも、やらなきゃ終わらない。頑張ろう!

433:tournesol
08/10/25 23:56:53 lpPkx05p
「くー、くぅ…」
「寝てる、のか」
クエストから戻り、マイトレに来たシン。彼にしては珍しく、人と話そうという気分になっているようだ。
管理人…シェリーは眠っていた。すでに外は薄暗く、気温も下がってきている。
起こすべきか、寝かせるべきか、しばらく考え込んでいた。
せっかく気持ちよく眠っているのを起こすのは悪い気がするし、とはいえこのまま寝かせておくと風邪をひく。
そして、彼が出した結論。
「………」
シンはマイハウスへと行き、普段は使っていない予備の毛布を持ってきて、シェリーを起こさないようそっとかけた。
温かくしておけば大丈夫だろう。寝かせておこう。それが、彼の出した結論。
「………?」
他人を慮るなんて俺もどうかしたのかな、と少し疑問に思ったようだ。
かぶりを振って考えを振りはらい、シェリーが起きていないのを確認してからマイハウスへと帰っていった。


次の日。
「おはようございます…」
うぅ…眠い…。いつの間にか毛布がかけられてたから寒くはなかったけど、やっぱりベッドで寝ないと疲れが取れない…。
シンさんは全く表情を動かさずに、私に小瓶を投げ渡した。
「?」
「やるよ」
なんだろ、一体?開けて匂いを嗅いでみたら、いい匂いがした。この匂いって…。
「元気ドリンコですか。ありがとうございます」
少し気恥ずかしそうに頭をかいた。お礼なんて慣れてないのかな?
今度は私からも何かしたいな。少しだけこの人の事が気に入ってきちゃった。
「………?」
考え込んでいたら、それに気づいたのか少し怪訝そうになってる。
笑ってごまかすと、首を傾げながらマイトレから去っていこうとしていた。
…あ、そうだ。このマイトレって、殺風景だよね。
「あ、あの…今度ここに花を植えようかと思うんですけど、いいですか?」
「花…?」
今度はシンさんが考え込む番みたい。やっぱり、ちょっと鬱陶しいかな…。
私にとっては重い雰囲気がしばらく続いて、段々息苦しくなってきた。
「あ、あの…嫌でしたら、別に…」
「…このマイトレはお前に任せる。好きにしてくれ」
それだけ言って、背を向けた。これって、認めてくれたってことだよね。
さっきまでの鬱々とした感情はさっぱりとなくなって、心が温かくなってきた。
「ありがとうございます!キレイな花を咲かせてみせますねー!」
ほとんど見えなくなっていた背中に向かって叫ぶ。よく見えないけど、きっと手をあげて応えてくれていると思う。

434:tournesol
08/10/25 23:58:34 lpPkx05p
「すぅ、くー…」
「…またか」
クエストから戻ってみると、またシェリーが眠っていた。
二人で話すのを少し楽しみにしていた自分に気づいて、シンは頭をかく。
気を取り直してマイハウスから毛布を持ってきて、シェリーにかけて…。
「ん…?あれ、シン、さん?」
「すまん、起こしてしまったか」
肩口まで毛布をかけた時、シェリーが目を覚ました。とっさに謝る。
「いえ、居眠りしていた私が悪いんです。それより、この毛布は…。
あ、もしかして、この前居眠りしていた時の毛布も?」
俺だと言って、もう一度頭をかいた。意外と純情なところがあるらしい。
シェリーは柔らかい笑顔を浮かべて、きっちりとお礼を言う。頭をかく手が少し動きを速めた。
「…隣、いいか?」
「はい」
ポーカーフェイスに少しだけ赤みを差させて、遠慮がちに言った言葉。シェリーはすぐに頷く。
隣同士になった二人は一瞬だけ見つめあう。弾かれたように視線を伏せたのはシン。
彼自身、こんな感情になるのは久々で、戸惑っていた。
しばらくは何も言わず、昇りはじめた月を眺めるだけだったが、シェリーが口火を切って、さまざまな話が始まる。
「それで、妹がこの前作った料理なんですけどね…」
「面白い妹だな。いつかその料理を食ってみたい」
「ええ、是非!いつか、私の家にご案内します」
「ああ」
シンは言葉少なに答えるだけだったが、ぽつぽつと自分からも話すようになっていった。
「お前と話していると…懐かしい気持ちになれる」
「懐かしい?」
「かつての友と話している気分になる。なんだろうな?顔も、性格も、声も、体つきも…全然違うんだがな」
シェリーは黙り込んで、少し嫌そうな顔。シンはそれに気づき、一言謝ってマイトレを後にした。
「あ…」
シェリーの残念そうな小声は届かない。

その後、二人は今までよりもずっと仲良くなっていった。
話好きなシェリーの言葉にシンは喜び、シンの不器用な優しさがシェリーを優しく、柔らかくさせる。
シンも、シェリーも、変わっていく。友情は恋情へと。親密さは濃密なものへと。
だが、シンは一線を越えようとはしなかった。男女の仲になるという一線ではなく、心を開くかどうかという一線。
シェリーもそれに気づいていたが、どうしようもない。いつか変化が現れるのを祈るだけ。
――そして、しばらくの時が流れた。二人とも距離を縮め、やがて共にいるのが当たり前になってきた頃。
植えた花の種が花をつけた。可憐な花。
その花を見た瞬間、シンの顔色が変わる。シンの踏み越えようとしない線、鍵をかけた過去。
そういうものが表に出ることで、二人の関係に変化が現れるようになる。
歯車は回り出す。結果はどうあれ、その場に留まるのを許しはせずに。

435:tournesol
08/10/26 00:01:03 lpPkx05p
「この花は、あいつが好きだった」
小さな花を手にした姿。少し悲しそうな表情。
見たことがないくらいの儚さ。ほんのちょっと、顔が熱くなった。
「…あいつ?」
「11年前に喪った相棒だ。女だてらに大剣を振りまわし、俺の世話ばかり焼きたがった。
いつも二人で狩りをしていたよ。どんな相手でも負けなかった…11年前までは」
11年前…。私はまだ子供の頃。何があったかなんて、覚えていない。
ただ、辛い出来事だったのは間違いないと思う。さっきよりもずっと…悲痛な顔になっているから。
気になる。どうしても、知りたい。あなたのこと、もっと。
「11年前…何があったのですか?」
「…言う義理はない。どうしても知りたいなら、調べてみろ。どこまで調べられるかはわからんが」
表情を元に戻して、去っていく。声はかけられなかった。


「大長老様。11年前に、何があったのですか?」
11年前のこと、ギルドの誰に聞いてもはぐらかされるだけ。
だったら直接大長老様に聞くしかない。大長老様なら、きっと教えてくれる。
「11年前…?」
「シンさんの相棒が亡くなったという事件のことです。大長老様なら、ご存じではないかと思いました」
「それか…それは、言いたくない」
珍しくはっきりとしない。かっと頭に血がのぼった。
「何故ですか?私にも知る権利はあると思います!」
「シンの古い呼び名…『英雄』は、この街の古参はみんな知っておる…が、シンはそれを拒む。
栄光を捨て去り、密かに刃を研ぐその気持ちを、無駄にしたくない」
「英雄?それがどうしたというのですか?シンさんは、私にとって大事な人です。
心に負ったその傷を癒してあげたいのです。私の力じゃできないかもしれませんが、黙って見ているのは嫌です!」
自分でもびっくりするくらいの激しさ。普段とは比べものにならないくらい、荒れている。
大長老様も面食らっていて、言葉を詰まらせる。もう一度、教えて下さいと頼んだ。
「11年前…あの年はドンドルマ始まって以来の危機があった年」
少し口ごもらせていたけど、ようやく話が始まる。
でも…危機?幼いころに、そんなに大きな危機なんてあったのかな…?
「危機?」
「そう、危機。街を襲いにテオ・テスカトルの強力な個体が現れた。
――普通のものより遙かに大きな体、生半可な刃など通さぬ甲殻。
矢はおろか、バリスタの弾さえ届かぬ間に燃やしてしまうほどの炎鎧。
守護兵団、ハンターともになす術なくやられていく。間違いなく最強と言えた」
そんなことがあったの…。よく覚えていない。
「それを止めたのが、シンとその相棒…グリンだった。彼らは死を覚悟して、正面から戦いを挑んだ。
シンが奴を足止めし、その間にグリンが渾身の一撃をたたき込む。それが彼らの作戦。
シンが足止めできなければグリンが倒れ、グリンが倒れれば防御のみ考えたシンに勝ち目はない。
もちろん足止めができていても、グリンの一撃が入らなければ作戦そのものが破綻する。
まさに乾坤一擲だった。互いを信頼していたからこそ、できる作戦と言える。
そして、その作戦は功を奏す。奴はシンのランスのみに注意が向いていて、盾の陰に隠れたグリンに気づかなかった。
――グリンは渾身の一撃を放ち、奴の角と右目を奪った…自身の体を、爪で引き裂かれながら」
大長老様は悲しそう。亡くなったハンターなんて沢山いるのに。
…きっと、慕われていた人だったんだろうな。色んな人に。
「奴は逃げ去ったが、グリンは三日後に死んだ。シンは最後の時まで、食事も水も取らずに寄り添っておったよ。
葬儀も終わり、落ち着いた頃…シンは英雄、グリンは聖女として祭り上げられた。
だが、シンは約束された栄光を捨て、ハンターとして生涯を終える覚悟を決める。
自らの手で目を潰し、しゃべれないと思わせるため、喉に傷を作った。
1年の後に戻ってきたシンを、『英雄』シンだと気づくものは皆無。
ワシとて、シン自身からの報告を聞くまでわからなかったぐらいだ。
そして、戻ってきてからのシンは誰とも組まず、一人で狩りを続けている。
…これはワシの憶測にすぎんのだが、シンはグリンを奪ったテオを探しておるのだろう。
ドンドルマにテオが襲来してきた時は必ず出撃しておるし、テオを討伐したものに話を聞いているのも見かけた。
復讐のためだろうな。そして、誰の手も借りずに、己の手だけでやろうとしている。
栄光など、復讐に比べれば価値はない。そう思っておるのだろうよ」

436:tournesol
08/10/26 00:02:10 ALk0YfdA
大長老様は大きなため息をついた。シンさんの気持ちを置いておいても、あまり話したくない事みたい。
それにしても、そんな過去が…そっか、だからあの時あんなに悲しそうな顔を…。
大長老様に暇を告げて、マイトレへと駆け戻る。止めなきゃ。復讐なんて、ただ悲しくて空しいだけ。
懸命に走った。跳ね上がる心臓は走ったせいだけじゃないと思う。

シンさんは丁度マイトレに来ていた。いつもどおり私は頭を下げ、シンさんは軽く手を上げて挨拶。
呼吸を落ち着けて、シンさんに話しかけた。
「あなたの昔のこと…聞きました。グリンさんのことも」
「…そうか」
少し驚いたような顔。でも、すぐに表情は戻った。
「復讐、ですか…あまり前向きとは言えないような気がします。
もちろん本人じゃないとわからないのでしょうが…そんなことをして、グリンさんは喜ぶのでしょうか?」
「勘違いするな。俺は復讐がしたいのではない」
いつもより遙かに大きく、張りのある声。びっくりした。
「あのテオを討伐するということは、俺とグリンが別れるための儀式だ。
俺はずっとグリンと一緒に狩りをしてきた。俺達は二人いて初めて一人前のハンターになれた。
だが、あのテオにグリンを奪われた。大事な相棒を守れなかった。俺一人では、一人前のハンターではない。
だから、グリンと二人でも討伐できなかったあのテオを…俺一人で討伐することによって、俺は一人前になる。
相棒がいなくてもやっていける…一人前のハンターになる。そのために、俺は刃を研ぎ続けた」
隻眼はギラギラと輝き、普段より遥かに強い威圧感を放ってる。
本気でやる気だ。たとえ何年かかっても。でも、いつ来るのかなんてわからないよ。
「で、でも…11年も探し続けてまだ見つからないんじゃ…いい加減、諦めても…」
「――古龍観測所がテオ・テスカトルの襲来を察知した。巨大な体躯を持ち、片目で角がないテオを。
11年前の奴かどうかはわからん。だが、きっとそうだろうと思っている…三日後、ここに来る」
「そんな…」
「心配するな。11年前よりも、ずっと…奴との距離は近い。命をかけても届かなかった刃が、今は届くはずだ」
そんなのって、ないよ…。なんで、なんで今やってくるの?
やっと好きになれたのに。もうお別れになっちゃうかもしれないの?
何か言いたい。でも、言葉が出てこない。やめてくださいとは言えない。でも、がんばってくださいなんて言いたくない。
シンさんがマイトレから去っていくのも、ただ見ているだけしかできない。
この思いのたけを、どう伝えればいいんだろう。

437:tournesol
08/10/26 00:03:56 ALk0YfdA
三日はあっという間に過ぎて、観測所の予測通り、テオ・テスカトルが襲撃してきた。
私は大老殿で静かに待っていた。来るべき人が、必ずここに来るから。
注進が次々に入ってきていて…そう言っている間にも守護兵団やハンターがなぎ倒されていく。
11年前のテオだ、とベテランは口々に言っていた。シンはいないのか、とも。
「俺が出る。貴様達は下がっていろ」
聞きなれた声。やっぱり、来たんだ。
ベテラン達はその姿を見ただけで歓声。若いハンター達は、誰だという目を向けていた。
「大長老様。シン、迎撃に向かいます」
シンという名前を聞いた若いハンターが息を呑んだ。年代物のかっちりとした鎧を着込んでいて、兜の下の表情はわからない。
大長老様はただ頷く。一礼して、迎撃区画へと向かうシンさん。
何か、言わなきゃ。
「きっと、きっと無事に帰ってきてくださいね。そうじゃないと、私は…」
涙を堪えるのが辛い。シンさんは軽く抱きしめてくれた。鎧ごしでも、体温がわかる気がする。
「じゃあな、シェリー。世話になった。一緒にいてくれて、ありがとう」
いつものように…ちょっとクエストに行ってくるという言い草で、別れを告げられた。
いろんなことを言いたいのに、何も言葉が出てこない。涙を零しながら背中を見つめるだけしかできない。

すすり泣きが聞こえる。だが、止まるつもりも、振り向くつもりもない。
龍王騎槍ゲイボルガ、クシャルダオラの鎧…あの時と同じ武器。あの時と同じ鎧。
あの時と同じ、生かすためにした死の覚悟。違うのは、隣に相棒がいないというだけ。
迎撃区画に降りる。正面にテオ。相変わらず、大きい。
「よお。相変わらずみたいじゃないか」
「グルルル…」
肌を打つ殺気。懐かしい。俺を覚えているのか、初めからやる気になっている。
命を捨てねば勝てないような相手なのに、不思議なほど落ちついていた。
「グアアアアア!!!」
咆哮。開戦の合図。すぐに飛びかかってくる。
「…くっ!」
全力でガードをしても、いくらかのダメージは残る。腕が潰れるか、奴の命が尽きるか。
どちらが先かはわからない。だが、やるしかない。
(シン、来るよ!しっかり守りな!)
「グリン…」
懐かしい声。なんだ、相変わらず、俺の世話は焼きたがるんだな。
再び飛びかかってくる。ガードし、同時にゲイボルガを立てる。
肉を裂く感触があり、振り向いた奴の腹から少し血が流れていた。
このランスにはわずかだが毒がある。今は効いてこなくても、いずれ確実に効いてくるはずだ。
今度は突進。正面から受けた。ランスを突きだして。
「グルル…」
顔にいくらか刃が引っ掛かる。大したダメージはないようだが、少し怯んだ。
このタイミングを逃さず、一気に間合いを詰める。
「ハッ!」
顔をめがけて、突いた。すんでのところでかわされる。
追撃はせずに間合いを取った。ここで粘れば、奴の爪に食われる…グリンと同じように。
一撃離脱を繰り返して倒すしかない。奴の爪からすれば、俺の鎧など紙と大して変わらない。
だが、俺の体力は無限ではない。時をかければかけるほど不利になっていくのはわかっていた。

438:tournesol
08/10/26 00:04:50 ALk0YfdA
「ゴアアアア!!!」
「っと…!!」
奴が大きく息を吸い込んだ。すぐにバックステップ。さっきまでいた所に炎。一歩遅れていれば、鎧を残して灰になる。
(ったく…この修羅場で、どうしてアンタはそんなに落ち着いてられるの!?)
「性分なんでね…」
グリンの影がちらつく。こっちに来いと呼んでいるわけではなさそうだ。まだお前に会う気はない。
そうこうしている間にも、奴の爪が襲いかかってくる。
「さて…行くか」
バックステップでかわし、右腕めがけて突進をしかける。右腕を封じるか、右腕に殺されるか、賭けだった。

「シンさん…せめて、ご無事をお祈りしています…」
大老殿で見送ったあと、シェリーはそのまま祈る。ほぼ全てのハンターが迎撃に出払っていて、大老殿は静か。
(神様…シンさんを、どうか無事に返して下さい。そのためなら…私の命などいつお召しになられても構いません)
彫像のように動かず、静かに祈りを奉げつづける。声をかけるものはいなかった。

「ギャアアア!」
賭けは俺の勝ち。ゲイボルガは奴の右腕を切り裂き、まともに使えないようにした。
「グルアアアア!」
再び咆哮。本気の怒り。だが、動きは全体的に鈍くなってきている。毒が少しずつ回ってきたらしい。
ここで押せば勝てるだろうと思った。だが、こんなにあっさり勝てるはずはない、と俺の勘は叫ぶ。
「………!!」
一瞬の逡巡。それが却って身を救う。奴の翼からは塵粉が舞っていた。
(耐えられるか!?)
爆発の衝撃に耐えるために、全身に力を込めて小さく固まる。
奴が歯を鳴らした。それを合図に、爆発が起こる。
「ぐっ!!」
大きな衝撃。だが耐えきった。もしあそこで攻勢に転じていれば、今頃はバラバラになっていただろう。
俺が劣勢に立っているのを感じたのか、奴は再び粉塵爆発の構え。弱点とみれば確実にそこを突く。頭がよく…強い。
ガードしながらじりじりと後退する。少しでも距離を取りたかった。右腕を封じたが、近距離ではいくらなんでも危ない。
「!!!」
なんとか距離を取る事に成功したが、追い討ちのようなタイミングで爆発。
ガードは間に合ったが、骨が軋んだ。激痛。だが、まだ死んでいない。まだ戦える。
(シン…そろそろ、仕掛けるよ!)
「おう…!」
そろそろ、決着をつける。

439:tournesol
08/10/26 00:05:36 ALk0YfdA
「大長老様へ報告!」
静かな祈りを遮るように、守護兵の注進が入る。
祈りに気づいたのか、守護兵は少しばつの悪そうな顔をしている。大長老は続きを促した。
「シン殿は襲来してきたテオ・テスカトルに対し、五分以上の戦いを繰り広げております!
我らに勝ちの目が出てきました。流石は『英雄』であります!」
「警戒を怠るな。シンが倒れた時に備え、撃龍槍の準備。それと元気な兵を待機させておけ」
「はっ!」
シンが倒れた場合、という一言を聞いた時だけ、シェリーの体が動いた。
とっさに席を立ったが、すぐに再び座る。ただ、その肩は震えていた。
(ご無事を…祈って、いえ、信じています…)

決着をつける、と意気込んでおきながら、状況は膠着していた。
奴は近づかせないために粉塵爆発を繰り返す。俺はそれに対してひたすら守りを固めるしかない。
盾を手にした腕は悲鳴をあげている。行くしかない。動かなければ負ける。ならば動く。
少しずつ距離を詰める。奴もそれに気づいて、粉塵爆発の構えを解いた。
一気にケリをつけるつもりらしく、大きく息を吸い込んだ。炎を吐く気らしい。
(これが、最後かな。たとえ刺し違えてでも、貴様は俺が殺す)
突進。炎をかいくぐるなんて器用なマネはできない。
姿勢を低く、盾をささげ持つようにして…炎を食らいながら、一直線に突っ込む。
炎熱。生と死が交わる刹那。思い浮かんだ顔。グリンではない。
(きっと、きっと無事に帰ってきてくださいね。そうじゃないと、私は…)
待ってくれている人がいる。守りたい人がいる。
(………)
突っ込む軌道を少しずらした。確実に頭を突けるかはわからない。だが、間違いなく生き残れる。
炎の先。こっちへ向き直った奴の顔。このままなら、正面。
「…さらばだ!!」
渾身の一撃を眉間目がけて叩きこむ。刃先は頭蓋を食い破り、奴の動きを止めた。
「じゃあな」
ゲイボルガを引き抜く。断末魔をあげることもなく、巨躯が倒れた。
「勝ったぞ、グリン…」
(やったな、シン)
相棒の笑顔が見えた気がする。返り血を拭い、振り返ると…そこには、ハンター達と守護兵団。
誰も何も言わず、呆然としている。
「どいてくれ」
誰も一歩も動かない。石像になったんじゃないかというぐらいに。
仕方がないので押しのけ、大老殿へと向かう。
「うおおおおおおお!!!勝ちやがった!!!!」
耳をつんざくほどの歓声。必死に追いかけてくる男達。
「なんだなんだなんだあ!?」
状況は飲み込めないが、とにかく逃げたほうがいい!走るしかない!
大老殿までのわずかな距離が、びっくりするほど遠かった。

440:tournesol
08/10/26 00:06:50 ALk0YfdA
「勝ちました。これで自分も一人前です」
兜を脱ぎ、大長老様へと報告。
外は騒がしいが、守護兵によって大老殿への道は塞がれていて、中はいつも通り静かだ。
「御苦労だった。休むとよい」
「はっ」
大きく伸びをした。帰りたいところだが、外に出られる状況ではない。
さてどうしたものかと思っていると、真後ろに立つ人。
シェリーだ。ほっとしたというか、泣きそうというか、複雑な表情。
「おかえりなさい、シンさん」
「帰ったぞ、シェリー」
それだけ言った。それだけで十分だ。
飛び込んできたシェリーを受け止めた時、ふっと目の前が白くなった。

私の体に押されるように、大きな体が倒れそうになる。必死に抱きとめた。
「え、シンさん?」
力の入らない体。微笑みを浮かべた顔は紙のように白く、まるで…。

(心配するな。11年前よりも、ずっと…奴との距離は近い。命をかけても届かなかった刃が、今は届くはずだ)
――それって…命を捨てて、届かせるってこと?
(じゃあな、シェリー。世話になった。一緒にいてくれて、ありがとう)
―――!!!!
「ぃゃ…いやああああ!!」
「いかん!すぐに医師を!」
大長老様の叫びが、遠くに聞こえた。

ねえ、何故ですか?あなたは、勝ったのですよね?
何故、こんなところで倒れているのですか?
ずっと一緒にいてくれるのではないのですか?
私を置いていかないでください。私にはあなたが必要です。
生きてください。死なないでください。
――私のために。

441:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:08:29 ALk0YfdA
エロに続きます。ですがエロは現在迷走中につき明確に投下日時を言えません…ごめんなさい

442:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:09:33 rvowZ8+b
>>441
いつまでも待ってる

443:名無しさん@ピンキー
08/10/26 10:53:41 be6wkYrr
GJほしゅ

444:名無しさん@ピンキー
08/10/27 17:44:14 6DPfrr/j
>>441
GJ だが出来るだけ早くしてくれ

445:名無しさん@ピンキー
08/10/28 23:09:30 kdLiRSNB
保守したーい恋いしたーい

446:名無しさん@ピンキー
08/10/29 02:20:26 0EOHgZcx
今このスレの存在を知った
なにこの良スレ…
まとめサイトの珍味の人、面白すぎて一気読みしちまった
男も含めトトスカップルが可愛すぎてどうしようかと思った

>>441
俺も待ってる!

447:名無しさん@ピンキー
08/10/29 22:52:48 hVc/3+bs
保守はわしが育てた

448:名無しさん@ピンキー
08/10/31 01:20:51 YG679A7L
流れを無視してレイアじゃなくレウス娘が好きだと主張保守

449:名無しさん@ピンキー
08/10/31 01:22:38 0Gh36K/2
あ~ ふたなり?

450:名無しさん@ピンキー
08/10/31 03:11:31 7YvjCmxv
女の子みたいレウス
オカマなレウス
ガチホモなレウス

451:名無しさん@ピンキー
08/10/31 12:38:59 YG679A7L
この際ふたなりでもオカマでもいっそウホッでもいい
レウスのあの美しいフォルムが好きなんだ
優美に空を飛ぶ姿に心を奪われたんだ
燃える赤を芽吹く緑を清楚に輝く銀色を汚したくてたまらないんだ

レイアは確かに可愛いがここまでの衝動はないんだよな…



452:名無しさん@ピンキー
08/10/31 12:49:02 kg3BDl3B
ウホッはやだ

♀ハンター×レウス

453:名無しさん@ピンキー
08/10/31 20:09:22 OXSdIyl7
レウス娘……なんで某サファイア姫を思い出すんだよ自分は

454:名無しさん@ピンキー
08/10/31 20:53:48 SY1B5uvF
天使な小生意気思い出した

455:名無しさん@ピンキー
08/10/31 21:07:39 ZK25prg0
>>451
緑はレイアだぞww

>>452
wikiにあるよそれ。

456:名無しさん@ピンキー
08/10/31 22:36:50 WdkVQnZL
あきらめたらそこで保守終了だよ

457:名無しさん@ピンキー
08/10/31 22:53:39 S1dtQEeI
wikiまたやられたな。オレIDもってないんだ、誰か頼む

458:名無しさん@ピンキー
08/11/01 02:52:16 YrhEUjKm
>>455
あーそうか、亜種は蒼だった。翼膜の色のせいで勝手に緑にしてたわ

459:名無しさん@ピンキー
08/11/01 23:31:26 37nk1+Z7
レイアには「毛」が生えてるんだぞ!!

俺はうれしくないけど

460:名無しさん@ピンキー
08/11/02 08:47:46 NuQhR9id
あの毛のさわり心地ははふさふさだと勝手に妄想

461:名無しさん@ピンキー
08/11/02 22:20:51 a4Re2MXc
我が保守に一片の悔いなし

462:名無しさん@ピンキー
08/11/03 03:00:48 jKk0BFof
あの毛は針のようだといってみる保守

463:名無しさん@ピンキー
08/11/03 09:56:26 MubT9oy4
針に刺されてみたいと言ってみる

秘棘ハンターだぜ!

464:名無しさん@ピンキー
08/11/03 10:25:53 34K1Z+Nj
つまりボーイッシュな僕っ娘ですね、わかります。
外見や行動はレウスっぽい(つーか明らかに赤い)けどほんとは・・・的な。
いけそうだ!

465:名無しさん@ピンキー
08/11/03 17:05:03 pJ2BpaNK
ここって人間じゃない、モンスター×モンスターものもあり?
ただの交尾みたいになるんだけど

466:名無しさん@ピンキー
08/11/03 18:32:24 sFvcHAKS
保管庫行ってみてこい
話はそれからだ

467:名無しさん@ピンキー
08/11/03 19:05:01 cKq474rR
>>440の続きを投下します。エロはもう投げた

468:tournesol
08/11/03 19:05:48 cKq474rR
「どうなんですか…?」
お医者さんは疲れた表情を浮かべて、苦々しく口を開く。
「無理をしすぎました。軽度ではありますが、全身に熱傷。右腕の骨は折れ、内臓の半分はダメージを負っております。
細かい傷は数え上げられないほど。正直に申しあげまして、死んでいてもおかしくはありませんでした」
「それで…治る見込みは?」
深呼吸。この一瞬で、私の人生が決まる。泣いて暮らすか、笑って暮らすか。
「重傷ですが、命に別条はございません。数か月で完治するでしょう」
それって…?
「意識も戻りました。無理はできませんが、話すくらいならできます。行ってあげてください」
ほとんど無意識で部屋に飛び込んだ。シンさんはちょっとばつの悪そうな顔を浮かべていて…。
手を握ってみた。暖かい。鼓動を感じる。生きている。生きて、私の目の前にいる。
「格好悪い姿ですまん」
「いいえ。他の誰より、輝いていますよ」
お世辞でもなんでもなく、本心。大けがをしていても顔に陰はなくて、晴れ渡っていて、輝いて見える。
「医者から聞いたが、一月は安静にしなきゃならんらしい。
もしよければ、話し相手にでもなってくれると助かる。暇を持て余すのは確定だからな」
「そんなことでいいのでしたら、いくらでも」
返ってきたのは柔らかな微笑み。ほんとに、いい表情。今まであった暗さはもう見えない。
話したいことはいっぱいある。心からの想いを込めて、精一杯楽しませてみせる。
そんなことしか、私にはできないから。

「すぅ、すー…」
「やれやれ、だな」
シェリーは懸命に話し続けて、今は寝ている。手は繋いだままで。
手から伝わる体温で、心が温かくなる。捕えていたようだったのに、捕われたのは俺か。
どうでもいいことか。愛する人間がここにいる。それだけでいい。
(あたしは…あんたが幸せなら、それでいいんだよ。惚れた男の幸せ、天上から祈ってるよ)
(そんなことは言うな。ずっとそばにいてくれ!)
思い浮かぶ最後の会話。グリンの事は忘れたのか、と心が叫んだ。
忘れてはいない。ただ、思い出にしたいだけだ。どんなことをしても、もうグリンは帰ってこないのだから。
割り切るのか?あれだけ愛し、命をかけても守りたいと誓った人間を、思い出の一言で?
違う…割り切るのではないんだ。そうではないんだ。

469:tournesol
08/11/03 19:06:54 cKq474rR
「シン殿?」
自問自答を止めたのは医師。いつの間に入ってきたのか。全く気付かなかった。
それにしても、休んでいろと言っていた医師が今更用があるのだろうか。
「何か?」
「大事な話があるのですが…この状況では少し言いづらいですな」
「構わんよ。こいつになら、聞かれても問題ない。そのぐらいの付き合いはあるからな」
いつの間にか、そこまでの付き合いになってしまった。
まだシェリーは静かな寝息を立てている。そのくせ、握った手の力は緩んでいない。
「わかりました。大事な話というのは、あなたの体の事です」
…そこまで重篤なのだろうか。確かに痛みはあるが、命に関わるほどの苦しみではない。
「医者は気休めを言うのが仕事ではありません。故にはっきり申し上げさせて頂きます。
――あなたの右腕が完治する事は、おそらくないでしょう」
「…なに?」
思わず聞き返した。右腕が、治らない?
「右腕だけで3か所骨折しておりますし、熱傷の程度も酷い。筋肉へのダメージも大きいです。
完治する可能性はゼロ。とはいえ、ある程度は治るでしょう。日常生活に不満が出ることはないはずです。
ですが、もうモンスターを相手にすることはできません。
その右腕は武具を手にすることはできず、戦闘に耐えられるほどには回復しません。
怪我が治せないというのは、正直に言って悔しいです。ですが、どうしようもありません」
そこまで言って、医師は頭を下げた。怒る気はない。全力を尽くしたのは言われなくてもわかっている。
命がないと思っていた。だが、右腕だけで済んだ。ハンターとしては死ぬが、命がある分いい。
存分に戦った。様々なものを得て、そして失った。だが後悔はない。ただの一つも。
医師へ礼を述べて、まだ眠っているシェリーの頭を撫でた。
(こいつの為に、余生を過ごしてもいいかな。グリンよ、お前だって反対しないだろう?
俺はいつもお前の幸せを願い、お前はいつも俺の幸せを願った。これが俺の幸せなら、喜んでくれるだろう?)
「それから、大長老様が参られております。お通しいたしますので、お待ち下さい」
「え?」
わざわざ大長老様が?なぜだ?
からかっているのかとも思ったが、すぐに大長老様が入ってきた。
頭には疑問符ばかり浮かぶ。いきなりな展開についていけていない。
「これは、大長老様。わざわざお越しいただけるとは」
「シン、無理はするな。寝たままでよい」
体は重いが、なんとか体を起こそうとしていた。だが、無理を察してくれている。ありがたかった。
「情けない姿をお見せして、申し訳ありません」
「情けない姿なのは本当だが、名誉の負傷。むしろ誇りに思え」
豪快に笑う。つられてこっちも笑ってしまった。


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