【MH】モンスターハンターでエロパロ 15匹目【モンハン】at EROPARO
【MH】モンスターハンターでエロパロ 15匹目【モンハン】 - 暇つぶし2ch300:名無しさん@ピンキー
08/10/04 11:44:20 Imo88EcI
>>299

>>217あたりからの流れで分かると思うが、数人から遠回しに注意(指摘)されてる。反省レスらしきものも一応はしているが、今回の件でその色が見えない。だから厳しいレスがついたんだろ。

作品の善し悪しに関わらず、聞かれてもいない自分語りはスレだけでなく板全般で嫌われているからねぇ。
とにかく半年ROMをお勧めするよ。厨っぽい信者も煩いし。

301:名無しさん@ピンキー
08/10/04 16:05:37 2j0oist+
>>293
Lさん、おかえりなさい~(^O^)/

リクに応えてくださるようで感激です(>_<) いまからワクテカしときますねww

なんか上でごちゃごちゃ言ってる人がいますが(^^:;)気にしないでください!
こういう輩はたいてい、他人の才能に嫉妬してるだけなんです。
そもそも、嫌なら読まなければいいだけの話なんですよねえ(微苦笑)

でわでわ、これからのさらなるご活躍を期待してます!o(^-^o)(o^-^)o

302:名無しさん@ピンキー
08/10/04 16:08:16 Fr7OpX1B
自分(>>294)も>>295も、特別キツい事や余計な事は書いてないと思ったんだが、
18禁のこの板で、噛んで含めるような優しい表現を求められてるんだろうか?
おかんみたいに言った方が良かったの?
それより、『イラスト落としていいか』って質問をスルーしてた。
半角二次に持ってけばって言いたいとこだけど、
空気読めない人を他板の他スレに誘導するのはちょっと…
>>293
自作の話に絡んだイラストなら、ここに落としたらいいんじゃない?

303:名無しさん@ピンキー
08/10/04 21:44:22 IMRe1Ye4
>>301
何この人キモイですね^^;;;;;;;;;;

304:名無しさん@ピンキー
08/10/04 23:25:45 HWkkqb16
つ 回避性能+2

これを使ってスルーするんだ。頑張れ。

305:名無しさん@ピンキー
08/10/05 00:18:43 o4EVdZP3
つ スルーピアス

こいつも忘れてもらっちゃ困るぜ

306:名無しさん@ピンキー
08/10/05 03:20:50 Ug/ZgyLS
>>301
半年、ROMれ。それでちょっと周り見て、浮いてんのに気づくと良いかもよ。


307:名無しさん@ピンキー
08/10/05 06:48:07 SAjHuNf0
う~ん…

308:名無しさん@ピンキー
08/10/05 07:47:27 MtsaaA6D
もしかして前スレ最後に投下されたヤンデレハンターの話保管されてない?

309:名無しさん@ピンキー
08/10/05 12:54:38 DDZ5/WIk
>>306
自演か荒らしか、何れにしろ故意にやってるんだからスルーしろ

310:名無しさん@ピンキー
08/10/05 14:17:39 Ug/ZgyLS
おk

311:名無しさん@ピンキー
08/10/05 15:58:50 rtvyoOH5
ここにも荒らしがいるのか

312:名無しさん@ピンキー
08/10/05 17:12:46 wChM1AmR
ただの感想にまで荒らしのレッテル貼りとか、このスレ本格的にオワタな

313:名無しさん@ピンキー
08/10/05 18:52:14 FRgFkTNP
ID変えてまでお疲れ様です

314:名無しさん@ピンキー
08/10/05 19:20:04 OgYFaeG/
作者の肩持って住民蔑ろにしてるんだから荒らしだと思う奴も少なからずいるだろうよ

315:名無しさん@ピンキー
08/10/05 21:42:09 wChM1AmR
・・・・作家さんは神だろ
肩を持って当たり前だと思うが

そんな自分勝手な態度だから作家さんが減るんだよ

316:名無しさん@ピンキー
08/10/05 21:55:53 KA4n1wT5
>>315
・空気の読めない拍手レスをする作家

・自分語りを注意されても止めない作家

・特定の作家様(笑)のみを見苦しいまでにわっしょいする信者

・そして他の作家には暴言を吐く信者

・自演臭

・それらを注意する住民

さあ、自分勝手なのはいったい誰?

317:名無しさん@ピンキー
08/10/05 22:05:04 R2Bnur/X
>>316
注意するだけならいいし、何回言っても聞かないとしたらそれは自業自得だが、たまに『読んでやってる』とか抜かす奴が現れるから困る
というかこの人の自分語り今回が初じゃなかったっけ。

あと注意がやたら過激だったりする事もあるのはどうかと思うなぁ。
今回はそうでもなかったが

318:名無しさん@ピンキー
08/10/05 22:15:47 snk+9ZGD
>>317
>>87>>96辺り、俺には自分語りと言われてもしょうがない気がするけど

319:名無しさん@ピンキー
08/10/05 22:27:54 R2Bnur/X
>>318
そのときは注意が無かったじゃないですか確か。
だから注意されたのは今回が初って事で

320:名無しさん@ピンキー
08/10/05 22:49:29 wChM1AmR
とにかく、注意とかいらんから
自治厨こそ出ていってくれ
つーか嫌なら読まなければいいだろ
貴重な作家さんを攻撃すんな

321:名無しさん@ピンキー
08/10/05 22:50:25 FRgFkTNP
自治厨乙

322:名無しさん@ピンキー
08/10/05 23:01:13 KA4n1wT5
自治厨乙

323:名無しさん@ピンキー
08/10/05 23:12:51 DDZ5/WIk
ID使い分けてまで自演して、何がやりたいんだろう、この信者は

324:名無しさん@ピンキー
08/10/06 00:24:57 8v2qk3gN
スルースルー

325:L
08/10/06 01:10:57 5kweKpbR
こんばんわあ、今しがた3作目が書き上がりましたので・・・あの・・・UPしても大丈夫でしょうか?
それともやはりROMしていた方がいいのでしょうか?何度も皆さんに迷惑を掛けてしまっているので・・・。

326:名無しさん@ピンキー
08/10/06 01:14:34 5ox35kyZ
できれば変なのが湧く前にうpってくれ

327:L
08/10/06 01:19:50 5kweKpbR
分かりました、それでは出します

328:L
08/10/06 01:20:23 5kweKpbR
「分かりました、一応民間人という流れにしておきましょう。今回の件も、機密扱いと言う形で情報を制限しておきます。」
「いやーすいません、助かります。」
 ドンドルマ――その街の酒場の奥――通常のハンターや酒場のウェイトレスなどの立ち入りが禁止されている場所の一つである。その場所のある部屋で2人の女性が会話をしている。
「4人のハンターについては忘却薬を飲ませ、別の罪状で罰しておきます。」
 机に向かい、ペンをカリカリと鳴らしながら書類を書き上げていく女性と
「ついでに性格を矯正するような薬も飲ませたら?」
 表向きはハンターだが、「ギルドナイツ」という裏の顔も持ち合わせる白髪の女性――この女性は先程ある人物から呼び出しをくらい(勿論モンスターが出現する場所)、そこに向かったら4人のハンターに襲われている女の子を助け、保護したのだが・・・
「・・・なるほど、今度薬剤師に頼んでみましょうか。」
「・・・相変わらず冗談通じないわね~。」
 その保護した女の子が特殊・・・というか異例な為、こうしてギルドと王国に顔の利く女性に相談している――というのが今の流れだ。
「私は冗談に反応するほどの余裕が無いので・・・。その女の子の世話は貴女が引き受けてくれるのですよね?」
「ええ、勿論よ。私と同じ事情を抱えているからね。これはある意味で「義務」だわ。」
「・・・そうですね、それではこの件は私が処理しておきます。貴女はその女の子をお願いしますよ。」
 「下がっていいですよ」と言う仕草をする彼女に対し
「はっ、失礼します」
 白髪の女性は敬礼し
「――エミス書記長殿」
 と言って、部屋から出た。バタンっとドアが閉まるのと同時にエミルと呼ばれた女性はペンを止め
「――本当に、最近どうなっているのかしらね。」
 そう呟いてペンを置いた。



329:L
08/10/06 01:22:36 5kweKpbR

・・・

・・・・

・・・・・


「あ、団長。」
「お帰りなさいませ団長。」
 猟団部屋に戻ると団員達が迎えてくれた。今日も皆ハンターとして元気良く――そして無事に過ごしてくれたみたいだ。
「ただいま~。あ~疲れたあああぁぁぁ~」
 対して私は皆に少し甘えるように言う。団長としての威厳は?等と誰も言わない。皆私を理解してくれているからだ。だから
「ははは、お疲れ様です。今回の狩猟も大変だったんですか?」
「そ~なのよぉ~。ていうか場所的な問題かな~?立ち回りがしにくくてさ~」
「なんにせよ無事でよかったッス。どうスか酒でも?」
「遠慮しておく~、まだやることが残ってるから~。」
「大変ですな、無理しないようにお願いしますよ。」
「うん、ありがとね~。」
 こんな風に接することが出来る。これは私の一つの理想郷だから――幾人を率いる立場でも、皆と仲良く、他愛も無く会話や行動が出来る事。
私にとってそれはとても大切なことだ――。
 団長席――私が座る椅子の背後にはこの団の旗が飾られている。
「ねえねえ、ナナは?」
「団長の部屋の前で待つと言って行っちゃいましたよ。話したいことがあるからとか・・・。」
 旗にはドラゴンのイメージが鮮やかに描かれ――だがそのドラゴンを断ち斬るかの如く、白い太刀筋がドラゴンに上書きされている。
私の――我が猟団の名は――
「そっか、ありがと。じゃあ部屋に行って来るね。」
 

 減龍士団――通称「ヴァドフォリック・ドラゴネス」――文字通り「龍を滅する者達」が集まる飛竜狩り専門の団である。


「どうやら皆にはバレてないようね・・・。」
 特別な団員(と団長)のみが入れる宿舎の通路を歩く。宿舎といっても小さく、部屋はせいぜい5人分くらいしか無い。
通常ハンターは自分の部屋を用意され、そこで生活するが、私と――私と同じ事情を抱える「4人」はここで暮らしている。
 勿論異例ではあるが、同じく異例の事情持ちのエミスのおかげである。
「ま、ここに居ればバレることもないか。」
 この宿舎は猟団部屋から離れたところに設立されている。猟団部屋とは繋がってはいるが、特殊な鍵でないと行けなくなっている。
言ってしまえば、ここは私たちの「家」だ。
「お帰りなさい、姉さん。」
 私の部屋に差し掛かると、さっき聞いたとおり蒼紫の外套を纏った子――ナナが居た。
「ただいまナナ。ありがとね、見張っててくれたんだ。」
「・・・。」
 急に俯いたナナは少し声を小さくして
「・・・そうしないといけない気がしたから・・・。」
 と言った。

330:L
08/10/06 01:25:29 5kweKpbR

「なんとなくだけど・・・こうしていた方が姉さんが安心すると思って・・・。」
「うん、ナナの言うとおり安心したわ。ありがと~♪」
 そう言いながらナナの頭を撫でる。「角」があるので額側になってしまうが・・・。それでも嬉しいのか、ナナは笑っていた。
「さーてと、それじゃあ対面と行きますか。」
「あ、じゃあ私は部屋にもど――っ!?」
 戻ろうとしたナナを捕まえて抱きしめる。
「ね、姉さんっ!?」
「ごめんね~ナナ、今日ナナの番だったのに。」
「そ、そんな・・・私は別に・・・・その・・・・」
「明日にずれちゃうけど、これで許してね。」
 言って、頬に軽くキスをしてあげた。
「――ッ!」
 その瞬間、ナナの顔がもの凄く赤く――例えて言うならリンゴか、いやもっと、リオレウスやテオ・テスカトルよりも赤くなったか。
まあこれは何度も見ているし、心境も理解しているから今のナナがどんな気持ちか私には分かる。
 つまり――嬉しいけど恥ずかしい、そんな感情が混ぜあっている状態なのだ。
「それじゃ、おやすみ♪」
「・・・おやすみなさい、姉さん。」
 その証拠にウットリとした表情でナナは部屋に戻っていった。
「さて、と。」
 改めて私の部屋に入る。部屋は結構大きく、・・・まあ、説明するのも面倒なので、とにかく大きいと言っておこう。
何せ入って目の前にベッドがあって、その後ろは壁が無く、一面の景色を見渡せるほどである。バルコニーも設置されており、
そこに出た時の解放感は日々狩りをするハンターの私にとっては絶大な癒しをもたらす。
 さて、そんな景色をバックに、部屋の中央でポツンとでも言うように設置されている大きなベッドには昼間私が助けた――私と同じく
白髪の女の子が上体を起こして、部屋に入ってきた私を見つめていた。
「・・・やっと来たか。」
 今夜はとても良い。雲一つ無く、暗空に輝く月が部屋を照らしている。それによって女の子の顔は逆光になって見えずらい。だが微かに光る眼はとても神聖で――
「起きてたのね、逃げ出さなくてよかったわ。」
「・・・この体では動けん。」
 何故か布団は被っていない。感触が気に入らなかったからだろうか?まあ、ちょうど良い気温が続くこの季節なら風邪を引くことはないだろう。
「そうだったわね~。『その体になったばかり』だからね。」
 何も着ていない。女の子はオールヌードだ。月光に照らされているその裸体は普通の人ではありえないほど清く白い。
私と同じ白髪は透き通って見えるほど美しく、肌は艶のある――だが妖しさが漂っている。一言で言おう、とても―――――綺麗
「その体に慣れないとだめだね。」
「・・・・そなたは何者だ?」
 今頃になってドアを閉める。バタンっと音と共に歩み寄る。
「さーて、何者でしょうかね~?」
「――ッ!ふざけるなっ!そなたがあの―――『人間共と違う』ことはわか――くっ」
 こちらの態度が気に入らなかったのか、怒ったように声を荒げたが、力の無い声が出た。
「こう言いたいのでしょう?『人間の姿している』と――。けどそれはあなたも一緒よ?」
「わ、私は――好」
「『好きでこんな姿になったんじゃない』と言いたいんでしょ?」
「うっ――」
 先に私が言ったせいか、黙ってしまった。だが私は――会話をしながらも距離は縮めている。もうベッドは目の前だ。
「こ、来ないで――っ」
 どうもこちらの雰囲気で引っかかるものがあったのか、女の子は怯えてしまった。
「ふふ、大丈夫。私はあなたにひどいことはしないから、そんなに怖がらないでよ。」
 「そ、そんなの――言われてもっ」
 靴を脱いでベッドに上がり、女の子と対面する形になった。ああ――やはりこの子は――
「ほら、私をよく見て――。」
 顔を向き合わせて――眼が――見つめあう形になる。
「あっ――」
 と漏らした女の子は眼からポロポロと涙を零した。
「分かったかしら?」

331:L
08/10/06 01:26:16 5kweKpbR

「そな――いや、貴女は・・・『私と同じ存在』!?」
 気づいてくれたようだ。正直気づかれた時不安だったが、この反応を見る限り大丈夫であろう。恐らく警戒心も敵対心も解けた。
「そう、自己紹介がまだだったわね。私の名はイリス―『ミラルーツ・アイリス』よ。」
「ピリス・・・・。」
「経緯は違えど、あなたと同じよ。そうでしょう?『ミラボレアス』」
「――っ!」
 大当たり――いや、「もしかしたら」などと言った概念は最初から必要無い。何故なら「あの場所」で、「この姿」だったから。
「名前はあるのかしら?」
「・・・・名など無い――無いです。ただ一つ、私は『ルーツ・ミラピスト』と呼ばれる存在だったことしか・・・」
「『ミラピスト』って私の覚え違いじゃなければ『王女』・・・だったかな?」
「・・・間違っていないと思います・・・。」
 今気が付いたけどいつの間にか敬語になっている。なんでそうなっているのか分からないけど可愛いからいいか。
「けど自分の存在意義が分かっていていいよね~。私は分からないからな~。」
「え・・・・・?」
「覚えていないの。階級的な意味で言えばあなたよりも下かもしれないし、同等かもしれない。」
 多分前者の方だと私自身では思ったけど、女の子は否定するかのように
「それは無いです・・・っ!なんとなくだけど、貴女はとても大きく感じますっ。その・・・・暖かいような・・・。」
 それはつまり「母」とでも言いたいのだろうか。そんなバカな――と思った瞬間
「うっ・・・・くっ」
 弱々しく声を出した。忘れていた、今この子は――
「すいません、さっきから妙に力が・・・」
「力が出ないんでしょ?」
「・・・・はい。」
 無理も無い、昼間あの男達からある程度補充したとは言え、重要なものが欠けていたのでそれ程回復はしていないはずだ。
「あの・・・私、死んじゃうのでしょうか?」
 不安に満ちた表情で私に伺う。確かに、今の状態が続けば弱っていって死に至るだろう。だがそんなことあってはならない。だから私は――
「大丈夫、ちゃんと元気になる方法があるから、安心して。」
「ほんとですかっ?あ、でもどうやって・・・。」
「それはね――」
 彼女の頬をやさしく撫で――
「こうするといいんだよ――。」
 距離を更に縮め――
「えっ――?んっ!?」
 その小さな唇に私の唇を合わせた。
「な、何を――あっ」
 優しく起き上がっている上体をベッドに倒す。予想もしていなかったのだろう、瞳を大きく見開き混乱しているようだ。
 私は片手で彼女の額に手を当て、もう片方の手で自分が着ている服を脱ぎ始めた。
「んっ・・・・・ふぅ・・・・」
 また、口付け――抵抗は無い。ならばと私は舌を彼女の口内に侵入させた。
「んんぅっ!?」
 ニュルンっと入った舌を彼女の舌に絡ませる――とても暖かく柔らかい。
「んんっ・・・チュチュッ、チュルッピチュッ」
「んふぅっ!?んんっんっ!」
 トロトロとした感触がお互いの舌で混ざり合う。気持ちいいのか、舌の絡む音と共に彼女の嬌声が時折出ている。
「はふぅっ、んふぅっ・・・・チュルチュルッ、クチュッ」
「あ、んぅっ!んぁんうぅっ!」
 自然と出る唾液が口内で激しく乱れ、お互いの唇に付いていた。それが潤滑液となり、唇も舌もより滑らかに、激しく絡む。
「ぷはぁ~」
「んあっ・・・はぁ、はぁ・・・」
 十分味わったのでこのくらいでいいだろう。

332:L
08/10/06 01:26:46 5kweKpbR

「・・・・・。」
 予想通り少しポーっとしている。実はこれも大事なことだからだ。
「今あなたに足りないのは精気よ。人間で言う栄養も勿論必要だけど、モンスターから人へとなった者は特別な精気を蓄えないといけないのよ。」
「そ、そうなんですか・・・?ひゃっ!?」
 説明しながら彼女の小振りな胸に触れる。乳房の中央にある小さな乳首は儚しげに――触ってみると硬くなっていた。
「どうしてかは説明出来ないけど、私にはあなたの様な存在に、『こういうこと』をしてあげると精気をあげることが出来るのよ。」
「じゃ、じゃあ今の――この行いは・・・あっ!」
 乳首を口に含み、軽く吸ってみる。さっきのディープキスで感じたからか、乳首が勃起しており、吸い応えのある硬さだった。
「んっ、チュチュ―――クチュ、ピチャッ―――っ」
「ああっ!はぁあんっ!」
 漏れる声がやけに耳の奥まで感じる。自分でも分からない、ゾクゾクするような感じだ。もっと、この子の声が聴きたい――
「チュッ、チュプンッ――言ってみれば、私と交わることで、あなたの力は回復するということよ。」
「で、でもっそうすると貴女の力が――」
「私は平気。言ったでしょ?『精気をあげることが出来る』って。どれ位精気をあげても代わりに私自身の力が無くなるなんてことは今までで起きてないわ。」
 これは私自身も分からないから説明は難しい。例えて言うなら「衰えない供給源」だ。
「だから気にせずに、感じてていいのよ――あらあら、ココもすっかり濡れちゃってるわね。」
 視線を胸から股間へと移すと、ツルツルとした彼女のワレメは中から出る愛液でビチャビチャになっている。
太腿にまで伝っており、月光で反射して愛液がキラキラと光っている。
「あの・・・・私はまだよく分からないんですけど・・・足の間から出てる液体って一体・・・」
「これはね、気持ちいいと自然と出てくるものなんだよ。決して変なことじゃないから。」
「そ、そうなんですか・・・・」
 彼女も自分の膣を伺った。溢れ出る自らの愛液で濡れたワレメを見て、みるみる内に顔が赤くなっていった。
「やっ・・・!な、何っ――?」
「ふふ、どうしたの?」
「わ、分からないんですけど・・・見ていたら何か・・・熱く――っ」
 自分では分かっていないみたいだが、恥ずかしくなってしまったんだろう。両手で顔を覆い、小刻みに首をプルプルと振っている。
一挙一動がとても愛らしく、抑制が効かなくなってきてしまいそうだ。けどまだまだ――
「・・・続けるわよ、今度はこのヌレヌレのココを私が拭ってあげる・・・。」
「えっ――?ふあぁっ!」
 舌を這わせ、だが味わうように――ねちっこく舐め回す。幼いながらも感じた際に出る甘い嬌声に興奮している私は勢いのまま舌を中へとそのまま侵入させる。
「ニュチュッ、ピチャッピチャッ、ヌルゥ」
「はぁぁっ!んぅっ、やっ――んああっ!」
「チュッ、ジュルッチュチュウゥゥゥッ」
「ひはぁっ!やらぁっ、そ、それらめぇえっ!」
 中の次にプックリと小さく突起するクリトリスをやさしく舐めて吸う。敏感な部分だけあって反応も激しい。喘ぎ声を聴いているうちに私もムズムズしてきた。
「ああぁぁっ!やらぁっ、も、もぅぅっ――!」
「イきそう?いいよイッて。我慢する必要ないから・・・ンチュッ」
 クリトリスに軽くキスをした瞬間

333:L
08/10/06 01:27:47 5kweKpbR

「んあぁぁぁっ!でるぅぅぅっ!」
 プシッと愛液が噴出――私の顔に掛かったが、そんなこと全然気にならない。むしろ余計に――興奮した。
「あ・・・・はぁっ、ご、ごめんなさい、顔を汚してしまって・・・。」
「平気平気、それよりも気持ちよかったかしら?」
 髪で眼が隠れる。しかし頬を赤くしながら小声で
「・・・・・・気持ち・・・・よかった・・・です。」
 萌えた――いや、失礼。本当に可愛すぎです。
「じゃあ次は私を気持ちよくしてもらおうかな~」
 舐めている間に外套を脱ぎ終えていた私は残りのインナーと下着も脱いだ。月光下の中で――ベッドの上で、2つ白い光がお互い露になる。
「わっあ・・・・・」
 私の裸を見た彼女は声を漏らした。どこかおかしい所でもあったかな?
「ん?どうしたの?」
「あ、いえ・・・その・・・綺麗だな・・・・と・・・その」
 なるほど。自分ではあまり意識はしていないが・・・まあ、ある意味で彼女と同じ族と言うことだし、綺麗と言われれば綺麗なのだろう。
「ありがとう♪それじゃあ、今私があなたにしたことと同じことをしてもらおうかな?」
「え?私が・・・・ですか?」
「そうだよ、ほら、おっぱいからお願い。」
 彼女の眼前に自分の胸を近づける。年齢的な違いもあって大きさは私のほうが大きい。恐る恐る手で触れる彼女は軽く揉み始めた。
「んっ・・・・あっ」
「や、柔らかい・・・ですね・・・。」
「んっ、もう少し弄ってもいいよ。」
「そ、それじゃあ・・・。」
 そう言って今度は乳首を摘んだ。ピリピリとした軽い快感が胸から伝わる。
「あ・・・んっ、そうそう、今度は舐めてみて。」
「は、はい・・・・」
 「はむっ」と小さな口で乳首を口に含むと、慣れてきたのか――こちらが言わずとも乳首を舐めるだけでなく軽く吸い始めた。
「んぅっ、あっ!い、いいよっ・・・・!その調子で・・・んぁっ!」
「チュチュッ、チューチューッ」
「あんっ、上手・・・んぅっ・・・だねっ――」
 甘えるように胸に縋る彼女を見て、恐らくもうグショグショに濡れているであろう、私のアソコを触ってみるように言ってみた。
「すごい・・・・濡れてますね。」
「ふふ、今度はあなたが綺麗にしてくれないかな?」
「・・・・はい。」
 ゴクンっと、生唾を飲み込んで顔を私の股間に近づける彼女。サラっとした白い髪が太腿に触れるだけで感じてしまう。
そんな風に気を取られていると、熱くヌレヌレの舌が私のを舐め上げた。
「あっ・・・はんっ!も、もっと・・・舐めしゃぶって・・・んぅっ・・・くれないかなっ?あはぁっ!」
「わ、分かりましたっ」
 考えてみれば、彼女が「する」と言うのは初めてだったはず。そう認識してから改めて私の秘部を舐める彼女からは必死さが―
―頑張ろうとする初々しさが漂って――
「んああぁっ!いいよぉっ!もっと・・・もっと責めてっ!」
 堪らなくなった私は起こしていた上体をベッドに預けた。先程私がしていたのと同じ・・・だが今回は逆だ。
「ンジュルッ、ジュジュッ、チュ、ピチャッピチャ」
 必死に舐めようと頑張っているおかげで、部屋には私の嬌声と、愛液を舐め上げる音がビチャビチャといやらしく部屋に響く。
「あ・・・、ここもこうすると気持ちいいんでしたね・・・チュウッ」
「うあっ!はあぁぁっ!」
 舌が私のクリに当たり、電撃のようなビリビリとした快感が忽ち体中に走る。すごく――イイ・・・・。
「はぁ、はぁ、ごめんなさい。本当はココが一番感じるのでしょうけど・・・」
「んはぁっ!あっ!あっはぁあっ!」
「私もよく分からない――コッチを舐めていたほうが良くって――レロッ、クチュクチュッ、ビチャッ」
 クリトリスを舐めていた舌が私のナカに侵入してくる。どちらでも構わない――いや、私にとってはどちらでも快感が出るからいい。けどこの子は違う。
「さ、最後に――んふぅっ!これだけは・・・はぁっ!――守ってほしい・・・・ことが、ああっ!あ、あるの・・・・ぉっ!」
「んぇっ?」
 舌で嘗め回しながら聴く彼女は作業を止めることなく私に伺った。だがちょうどいい、中断してもらっては私も『出せないし』
そうなるとこの子は精気補充に『失敗してしまう』。
「全部っ!飲んで――っ!つあぁぁっ!イクゥッ!ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「んぶぅっ!?―――ゴクッゴクッ」
 絶頂に達した私はそのまま吹いた。噴出された愛液を飲むような音が聞こえた気がするが、私自身が声を上げているせいで聞き取りにくかった。

334:L
08/10/06 01:28:18 5kweKpbR
「はぁっ・・・はぁっ・・・・・ふぅ~っ」
 イッたおかげで力が抜けて動けない。とりあえず呼吸を整えようと深く息を吸って吐く。
「あ、あの・・・大丈夫ですか?」
 心配そうにこちらの顔を覗く彼女に微笑み
「大丈夫、とても気持ちよかったよ♪」
「そ、そうですか・・・。」
 優しく返答した。安堵した彼女は――どうやら気づいたようだ。
「・・・・?あ、あれ?」
「気が付いた?それならちょっと立ってみようか?」
「あ、はい・・・・。」
 言われた彼女はベッドから抜け、立ち上がろうと両足に力を込めた、すると――
「ひゃうっ!」
 一瞬立ったように見えたが、すぐに足がガクガクと震えて尻餅をついてしまった。
「あらあら、大丈夫。」
「あいたたた・・・。痛いですけど平気です。それよりも――」
「さっきと違って全然楽になったでしょ?」
 ベッドでうつ伏せになりながら彼女を見つめる。先程の説明を補足すると、私の排出する体液――すなわち今の愛液など。
を、彼女の様な存在が体に含むと精気が補充され、力が漲るのだ。
「すごいです、なんというか・・・生き返った感じです。」
 が、まだ立ち上がることが出来ないのは精気が足りないからか――もしくはまだ体に慣れていないからか。そう考えていると
「あの・・・でも、まだ貴女の精気が・・・ほしい・・・です。」
 と、彼女からお願いされた。まあ、念のためという意味でも確かにもう少し補充しておいた方がいいだろう。
「いいよ、それじゃあ頑張ってここまで上がってきなさい。」
「あぅ、そんなぁ・・・。」
 別にいじわるで言っている訳ではない。「ミラボレアス」だった彼女は「人間」になったばかり。言ってしまえば赤ん坊の様な状態だ。
体を自由に動かせるようになる為にも、自力でベッドまで上がってもらわねば。
「まずは手の力だけで来てみなよ。それだったら平気じゃない?」
「・・・わかりましたぁ・・・。」
 どうも納得いかない様で、ブスーと頬を膨らませている。だがそんなことをしても私はただ単に「可愛い」と思うしかない。
「ほらほら、頑張ったらたっぷり私のあげるからさ♪」
「・・・はいっ。」


335:L
08/10/06 01:29:40 5kweKpbR
その後、何とかベッドまで上がった彼女と約束通り何度も交わった。えーと、多分5,6回ほどかな?まあ私も彼女も回数は数えられないほどイったし。
 最後はシックスナインの体位になってお互いの愛液を感じ(味わい)あった。満足した私と彼女はそのまま一緒に寝ようとしたけど、肝心なことを思い出した。
「そういえば名前を聞いていなかったね。って、そうか。無いんだったよね。」
「あ、はい・・・。」
 名前はとても大切。「名前」の意味が大切だし、名前の意味も大切。そしてなにより、彼女はここにいるという存在意義が成り立つ。
難しく言わないほうがいいか。何にせよちゃんと彼女は名前で呼んであげないと。
「ん~そうだねー。」
 私は『ミラルーツ・アイリス』という名前をもらったけれど、正体がバレてしまうので最後の方の「イリス」で名を広めている。
ならばこの子の、『ルーツ・ミラピスト』も少々変えなくてはならない。
「『ミラピスト』・・・私と同じように最後の方で『ピスト』――いや、『ミピス』の方が女の子らしくていいか♪」
 私の中ではもう、決定だった。
「うん、『ミピス」だっ、決まりっ!今日からあなたは『ミピス』よっ!よろしくね♪」
「ミピス・・・ですかっ。」
 不思議そうな面持ちでこちらを見るが
「・・・はいっ!ありがとうございますっ!あっ・・・・。」
 喜んだ表情を見せたかと思うと、急に黙ってしまった。
「ん?どうしたの?」
「その・・・・、貴女のことは何と呼べば・・・。」
 なるほど、そういえばまだこの子は私を呼んでくれていない。
「んー、団員からはみーんな「団長」って呼ばれているし・・・あ、言い忘れてたけど貴女と同じ子が他にも居てね、その子達からは「姉さん」
とか「姉ちゃん」って呼ばれているよ。」
「私と同じ・・・いや、似たような存在が、他にも・・・。」
「今日はもう遅いから紹介出来ないけど、それは明日以降にでも・・・。さてと、それじゃあどうする?」
「あの・・・それじゃあ・・・・」
 考え付いたようだが、やや控えめに声を出して彼女は
「・・・お姉さま・・・で・・・・。」
 と、恥ずかしそうに言った。まあ、仮にも一族のお姫様がこんな過去も分からぬ、高い確率でそんじょそこらのミラボレアスと同じような存在を
「お姉さま」と呼ぶのはどうかともちょっぴり思ったけど、外見的年齢から言って全然クリアしているので問題無いだろう。それに初めてで新鮮だし。
「あっははははっ!いいわっ、『お姉さま』でっ。うん、イイわ~。」
 さて、大分夜も更けてきたし明日のことも考えてそろそろ寝なくては。
「それじゃあ疲れちゃったし寝ましょうか。おやすみ、ミピス♪」
「おやすみなさい・・・お姉さま・・・。」




 精気と言ってもいくつかある。補充する方法もいくつかあり、他の女性の愛液も可能だし、男性の精液でも勿論可能である。
だがそれらの行為であっても一番肝心なものが抜けていては精気補充の量は乏しいのだ。
 説明は出来ない。何故なら解明もされていないし解明する方法も無いからだ。だが私の経験上で、私にとってその肝心なものを言わせてもらおう。それは――

 「愛情」である。





 さて、夜も明け、いつも通り身の回りや顔を整えていると(ちなみにミピスはまだ寝ている)、ドアからノックする音と共に
『姉さん、緊急の通達が届きましたっ!』
 と、ナナの声がした。「緊急」と言ったとおり、ただ事ではないのだろう。ナナの声が慌しい。
「はいはい、一体どうしたの?」
 いつも通りのペースでドアを開けると、片手に手紙らしきものを持ったナナが必死の表情で言った

「殲牙獣士ラミア様がモンスターに襲われ行方不明だそうですっ!」



to be continue
 

336:L
08/10/06 01:31:52 5kweKpbR
以上が3作目でした。

お粗末でした。それでは

337:名無しさん@ピンキー
08/10/06 03:26:31 70mfiGJW
まぁ乙
もうそろそろここのやり方にも慣れた方がいいだろうね

338:名無しさん@ピンキー
08/10/06 04:55:50 fIv/MVF4
>>337
sageのやり方とかね

339:名無しさん@ピンキー
08/10/06 10:54:57 3ODM21nA
>>336
乙!読んでる人は普通に読んでるから頑張れよ!

>>337
お前はsageろ、まさかIEかよ・・・

340:GENERATION LOST
08/10/07 06:52:49 SW8NFJc0
【いろんな意味でMHらしさ捨ててます。既存の作品とはかなり毛色が違うので、
ダメな方はタイトルNGでお願いします】
【基本欝展開 一部グロあり】


その日、彼女は俺の帰還を待ち侘びていた。



いつものように集会所に入ると、受付嬢が増えていた。
カウンターの一番奥、暖炉脇の特等席に陣取り、見下した目でこちらを一瞥する
黄色いユニフォームの巨乳。
冷やかしで声をかけるとけんもほろろの扱いを受けた。
「あなた、ブラックオニキスも所持されていないのに馴れ馴れしくしないでいただけます?」
「なんだあのアマ」
卓についてわざと黄服にも聞こえるよう吐き捨てると、先に席について、
焼き魚をかじり、鍋をつついていた仲間達に窘められた。
「馬鹿、滅多な口をきくんじゃない、彼女はギルド中央から派遣された受付嬢だぞ」
10日後に迎える来期から、ランク7以上が対象の『G級』が追加、新フィールド
『樹海』と飛竜『ナルガクルガ』の投入、そして、閉鎖されていたココットの
旧フィールドが解放される話は聞いていた。
現在、ギルド総動員で未開の原野を切り開き、このフラヒヤ山脈から旧フィールドに
街道を通す作業が急ピッチで進められている。
昼夜を通しての突貫作業だから、赤服青服を中央に呼んでG級に関するレクチャー
をするだけの人手も時間的余裕もない。
「それでこのポッケ15にあの女が派遣されたのか」
「あの黄服はギルド中央のお偉方の姪だかなんだからしいよ」
「怒らせたら死活問題ね、報酬に一々口を出されるかも」
「おお怖ェ、くわばらくわばら」
それから俺達は黄服の噂……彼女の身内のお偉方のイニシャルはtkだかtjなんだとか、を肴に酒をあおった。



それから数日後、ギルドナイトに扮し、G級解禁の書を携えたギルドの使いが
やってきて、村では盛大なセレモニーが開かれた。
その間、コートを羽織ったアイルー、通称ネコートさんはポッケ15に所属する
ハンター23人一人一人に労いの言葉をかけてまわり、黄服はインタビュアーに
G級のコンセプトは「自然は厳しい」を基にした「原点回帰」であること、
売りの一つである新フィールド「樹海」と鳥竜「ヒプノック」が既に上位でお披露目
されていることなどをカメラにポージングを決めつつ喜々として中央から取材に来た
記者に語り、記者がポッケ15の村長のコメントを取りに席を離れると、そのあとは
ずっとつまらなそうに生欠伸を噛み殺していた。

341:GENERATION LOST
08/10/07 06:53:41 SW8NFJc0
……遥か昔、ハンターは己の智恵と技のみを頼りに飛竜を追い、地形を生態を利用して
罠を仕掛け、飛竜を狩り、素材を売って生計を立てていた。
今は違う。
種の保存本能として選択肢なのか、他に思うところがあったのかはわからないが、
太古の昔より狩り狩られてきた人と飛竜の関係に変化が生まれた。
一部の飛竜が爪牙を、毒を、火炎を、野性を捨てて人間と共存する道を選んだのだ。
今じゃ民家の軒先でランポスが跳ね回り、イヤンクックやイヤンガルルガは競竜や
上流社会の趣味嗜みに、ゲリョスはゲネポス、イーオスと共にギルドや金満家の
御屋敷の警備番鳥として飼われ、フルフルは安定した電力供給源、バサルモス、
グラビモス、モノブロス、ディアブロスは田畑山谷の開墾に欠かせない存在に、
そしてリオ夫妻は飛竜園の、ガノトトスは水棲園の、ティガレックスは闘竜の
人気者として親しまれている。
それでも人間の生活圏を一歩踏み出せば、そこは飛竜の領域だ。
偶然、野性の飛竜を見かけた登山客がちょっかい出して食い殺される事例が後を絶たず、
事態を憂いた先代のシュレイド城主が、調教済みの生きた飛竜を使って、正しい接し方と
自然の知識を身につけるアトラクション【モンスターレクチャー】を建設した。
もっともそんなもの、野性の飛竜を見かけても近づかなければよいだけの話で、
【モンスターレクチャー】は連日閑古鳥が鳴く有様。
苦肉の策として管理を任された当時のシュレイド城森林レンジャーが飛竜の代わりに
フィールドにモスやケルビを放し、薬草採取、モスの皮、ケルビの角を集める、
といった簡単なハンティング企画を開催したところ、これが大ウケした。
連日【モンスターレクチャー】前には長蛇の列が並び、狩猟体験を終えた者が
また最後尾に並び直す光景もごく当たり前だったという。
そんな中、狩猟企画の見世物として調教された飛竜と当時まだ僅かに残っていた
本職ハンターの格闘も人気を博し、ハンターは子供達の憧れの存在となり、長じた子供達は
“ハンター”を目指し、徐々に【モンスターレクチャー】の理念は変質していった。施設内に体験学習のための宿泊施設や素材を使った武器防具を誂える店が整えられ、
原種の遺伝子に手を加えて生み出された色違いの亜種、希少種に加え、本来温厚で
のんびりした生態の甲殻種、好奇心旺盛で知能が高く人里に降りることは滅多にない
牙獣種、そしてギルドが巨額の予算を投じて開発した、太古の神話伝説の生物を模した
DNA合成獣【古龍】までがフィールドに投入され、【モンスターレクチャー】は、
シュレイド王家が運営、レンジャーから派生、独立した機関として分離したギルドが
全てを管轄する巨大ハンティングアトラクション【モンスターハンター】として
生まれ変わり、ハンターとモンスターの戦いは賭の対象として大衆の楽しみになった。

342:GENERATION LOST
08/10/07 06:55:09 SW8NFJc0
現在、フラヒヤ山脈に点在するポッケ村は24ヶ所(俺達の村は15番目に出来たので
ポッケ15と呼ばれている)。
全フィールド、及び各村の集会所にはカメラが据えられていて、俺達の狩猟は、
大陸の主要都市に設けられた賭博場に映像が送られる。
そして客はクエストに参加するハンターの所持品、装備、狩猟対象モンスター戦績
などの詳細なデータから勝敗を賭けるのだ。
賭は素材採取ツアーとランク昇格緊急以外、全ての狩猟が対象だ。内容はハンターと
飛竜どちらが勝つか、という単純なものから、部位破壊箇所、報酬アイテムの的中、誰がとどめの一撃をくれるかを全て当てる、
という有り得ない難易度のものまで多種多様に楽しめる仕組みだ。
ただし、ポッケ村は、世界観の保全という名目で外界及び各拠点とも完全に隔離されている。
俺達が街の、そして他の拠点の情報を知ることは一切出来ない。
例外はハンターが肉親に当てて出す便りだけ。
これも厳しい検閲が入るのは言うまでもないだろう。
俺が家業の貴金属細工屋を継がせたい親の反対を押し切り、この世界に飛び込んだのが16才の時。
色々不便なことはあるけれど、仲間がいれば世は事も無し。不満はない。
それでも時々思うのだ。
ギルドの後ろ盾もなにもない、頼れるものは己の智恵と技のみという極限の状態の
狩りとはどんなものなんだろう。
そんな命懸けの狩りをしてみたい。
かつて、モノブロスと単身一ヶ月にも及ぶ死闘を繰り広げたという伝説のハンターは、
後世狩猟が賭博になったと知ったら、何と思うだろう?



「ああ、アカム倒してェなぁ……」
スネークサーモンをかじりながらハンターランク6の双剣使い、マルタがぼやいた。
マルタは俺より2つ下の17歳。少々短絡思考なのが玉に傷だが、基本楽天思考の
ムードメーカー。
そして、この世界に入って僅か半年でランク6まで駆け上がって来た若きエースだ。
「このままあの黄服に見下されたままなんて悔しくね?」
「あたしも嫌だわ」
村一番パピメルSの似合うボウガン使い、ルシータがマルタに同意した。
狩猟の度にパピメルSの頭から脚まで全て色を変えたり、雪山に赤一色でやってきたりと
中々のお洒落好きだが、気の強さは天下一品だ。
よくマルタとつるんではどつき漫才を繰り広げているが、今日は流石にそんな馬鹿を
やる気になれないらしい。


343:GENERATION LOST
08/10/07 06:55:59 SW8NFJc0
「僕も嫌だ」
「オレだって」
上位はまだまだ先の新米達もマルタに足並みを揃え、黄服に対して愚痴や不満を漏らし始める。
断っておくが、努めて客観的な目で見るなら、黄服は街の出、それもギルド中央の
令嬢なだけあって容姿は折り紙つきだ。仕草や着こなしも垢抜けている。
彼女と肩を並べて街をあるくのは大したステイタスであろうことは想像に難くない。
それでも誰ひとり黄服を擁護する奴はいなかった。
つまり、それが俺達と黄服の関係だ。
「ロムルスだってそう思うだろ?」
いきなり話を振られて俺は気管にフラヒヤビールを流し込んでしまい、盛大に噎せた。
そりゃ俺だってアカムは倒したい。だけど、俺自身それだけの技量があるかどうか。
皆で行けばなんとかなるんだろうけど。
第一、手持ちの龍属性片手剣が封龍宝剣Cしかないってどうなのよ?
それに……。
なんとなく諦め入った沈滞ムードの中、太刀使いのフーゴが手を挙げた。
フーゴは、一人での狩猟は太刀、連れ立っての狩猟は狩猟笛と得物を持ち変える変わり種だ。
狩猟自体ははたいした腕前ではないが、仲間のサポートに於いては天賦の才の持ち主だ。
「皆で閃光玉を持ち寄れば……何とかなるかも知れない」
皆が一斉にフーゴに視線を投げ掛ける。
やっと極炎石が揃って完成した龍属性太刀の試し切りだと張り切っていったものの、
アカムのあまりのでかさにビビってどうにもならなかったフーゴが言うには、
「ベースキャンプに戻るつもりでモドリ玉と間違えて閃光玉を投げてしまったんだ」
その間、アカムは目が眩んだかのように一切攻撃をしてこなかったというのだ。
「それから、閃光玉を投げるたびに動きが止まった、もしずっとあの状態に出来ればもしかしたら」
「確かにG級が解禁されたのに、HR7の花形ハンターがいないのは由々しき事態だな」
テーブルの端で黄金芋酒を舐めていた、筋骨隆々とした初老の男が立ち上がった。
このポッケ15のまとめ役、オンサ。
技量経験そして仲間を思いやる深い思慮、全て兼ね備えた最高の大剣使い。
そして、村でただ一人の、モンスターレクチャー時代を知る本物の狩人。
多分、オンサならアカムも一人で倒せるかも知れない。
でも、現在オンサは次から次と入ってくる新米ハンターの教育に時間を取られて、
腕に見合った狩猟に出られるのは20回の狩猟に一度あるかないか。
そんな中、俺達が抜け駆けするのは後ろめたい気持ちもあったのだ。
でも、オンサが出るのなら。
「明日の朝一番、HR6が四人揃った時点でアカム討伐に出るぞ」



結果的にオンサ、マルタ、俺、そして、俺達の分まで競走薬G、クーラードリンクの
予備を用意してきた後衛フーゴで挑んだアカム討伐は成功した。
本当はルシータが集会所に一番乗りしていたのだが、まだ狩猟の勝手のわからない
覇竜が相手、ということで、残ってもらったのだ。
「か……勝った……」
「まだ手が震えてらぁ……」
「凄ェ強ェぞオレら、閃光玉があれば完全無敵じゃね?」
「初心、忘れるべからず。侮りは禁物だぞ」
集会所に戻ると、カウンター越しに黄服が声をかけてきた。


344:GENERATION LOST
08/10/07 06:56:41 SW8NFJc0
「ブラックオニキス入手、おめでとうございます」
口の端だけを吊り上げた笑顔。
「しかしながら、これにてG級解禁、というわけには参りませぬ。あなた様の実力が
いかほどか、小手調べとしてヒプノック二頭立てをご用意させていただきました。
これをクリアして初めてG級とさせていただきます」
黄服の人を馬鹿にしたような見下した言い草に俺達が鼻白む中、、オンサが呵々と笑った。
「これはしてやられた、流石G級、一筋縄ではいかないようだな」
そう答えて、俺達を返り見る。
「しかし、先ずはこいつらをHR7にあげるのが先だ、小手調べはまた今度にさせてもらうよ」
「……一日も早いお越し、お待ち申し上げております」
黄服の小鼻はびくびく痙攣していた。



それから俺達は順次アカムを、ヒプノックを撃破し、ついにG級フィールドに立った。
まずはフィールド散策の基本、素材採取ツアー。
フーゴはこの期に及んで雪獅子の牙を取りに行くと一足先に雪山に出かけていたから、
旧フィールド密林へは、オンサ、マルタ、ルシータが一緒になった。
「晴れ渡る青い空、中途半端に意味ありげな遺跡……いいねェ、ここが密林か」
サイクロンを背負ったマルタがキャンプ脇の断崖で腕を組み、辺りを睥睨する。
「なに偉そうにしてんのよ」
ルシータが呆れ顔で愛銃ゴールドヴァルキリーの手入れの手を止める。
「はしゃぐのは構わないけど、あたしの邪魔なんかしたらランゴスタ共々撃ち抜くからね」
「おお、怖ェ」
大袈裟に身震いしながらマルタが俺の背後に隠れる。
「まさかロムルスはそんな野蛮な真似はしないよな?」
「さぁどうだろ?」
サーペントバイト改を抜いてちらつかせると、マルタがああ、ともおおともつかない嘆声をあげた。
「神よ、仲間はとても薄情です」
「ちょ」
「失礼ね」
途端にルシータのゴールドヴァルキリーが火を噴き、俺とマルタは猫じゃ猫じゃを踊る羽目になった。
オンサが沈痛な面持ちで額に手を当て、ため息をつく。
「それは新手のウォーミングアップか?馬鹿やってないでそろそろいくぞ」

……新米だった頃も、こうしてオンサに素材採取ツアーに連れていかれた。
あの頃は、いつまで経っても、ドスファンゴ、ドスランポス以上の狩猟討伐に同行させて
もらえない事に不満を抱き、ある日いつになったら大物狩猟に連れていってくれるのかと食ってかかった。
オンサは表情一つ変えず言った。
「なら、密林で薬草の採れるポイントを全部あげてみろ」
答えられず意気消沈して俯く俺に、オンサは優しく語りかけてきた。
「支給された応急薬、手持ちの回復薬、全部使い切った状況で生き残るには、
フィールドの全てを知る事だ。答えられるまでお前の相手はドスランポスだ」
今にして思えば、親の反対を押し切って飛び出した手前、早く名を揚げたくて
逸っているだけのクソガキの意気がり、とオンサはわかっていたんだろう。
その夜、業を煮やした俺は、こっそり村のイヤンクック狩猟に赴き、ほうほうのていで
赤い鳥竜を倒した。
応急薬、持ち込んだ回復薬G調合分まで全て使い切り、フィールドの薬草を求めて
逃げ回る有様だった。


345:GENERATION LOST
08/10/07 06:57:32 SW8NFJc0
相討ち覚悟のジャンプ斬りが一瞬早くイヤンクックの首を切り裂いて、大量の血飛沫を
あげた鳥竜が痙攣し、ぐたりと倒れたその脇にへたり込んだ。
間近に見る、生物として決定的何かを奪われ、ただの物と化したイヤンクックの虚ろな目。
生き物の命を奪うという行為の重さ、恐ろしさを初めて実感し、おいおい泣いた。
オンサは村に帰ってきた俺の頭を軽くはたいて言った。
「自然は厳しいが、時には優しく微笑んでくれる存在だ。頑張ったな、ロムルス」

……その夜、俺は初めて実家に手紙を書いた。



「なにこれ……?」
ルシータが嫌悪感の剥き出しの顔でフィールドを見回した。
無理もない。
まるで、手入れもせず、荒れ放題のまま開放したのかと訝しむ程に鬱蒼と繁った……
いや、繁りすぎた雑草。
「……凄ェ、マジ密林」
呆れ顔のマルタ。
「確かにここは密林だ……しかしあの頃の密林はこんな風だったろうか……?」
俺達に聞かれないよう小さく一人ごちるオンサ。
違和感を払拭しきれないような、初めて聞く頼りない呟きだった。

「ロムルスくぅん、これ何に見えますかァ?」
マルタが腕一杯に抱えた獲物を見せびらかす。
「どう見てもマンドラゴラだねぇ」
「こっちもよ」
ルシータが肩を聳やかし、虫の死骸を振りかざす。
首を傾げざるを得ない有様だった。
掘れど拾えど出て来るのは、いつものフィールドでも採取できるモノばかり。
俺達が乗ってきたポポ馬車の御者アイルーは
「どこを掘っても黄金石の塊、厳選キノコ、ゴットカブトがざっくざくニャー」
と言っていたのに。
「まぁそんな日もあるさ、きっとギルドの手入れが追い付かないんだろう」
不自然に明るい、オンサの声。
自らに言い聞かせるようなその響きに、知らず知らず顔を見合わせてしまう。
その時、聞き慣れた風斬り音と共に、俺達ハンターの愛すべき教官、赤い鳥竜
イヤンクックが飛来した。

346:GENERATION LOST
08/10/07 06:59:11 SW8NFJc0
ギュァ、ギュワワワワワ……
巨大な耳を展開し、こちらを威嚇する。
フィールドが変わっても、ハンターのやるべき事は変わらない。
「先生、G級稽古つけてもらいにきたぜっ」
隙をみて、勢いよくジャンプ斬りを浴びせる。
ガキン。
変な音がしてサーペントバイト改の刃が弾かれた。
「な……っ!?」
思わず刃先を確かめる。
切れ味は落ちていない。大体、落ちてるわけがない。
だってまだ何も狩っていない。
イヤンクックって、こんなに硬かったか?
嫌な感じがした。
「いったぞマルタ!」
「オッケー、いらっしゃいませェ乱舞メッタ斬りコースにようこそォ」
怪鳥の突進コースを読み切り、すれ違いのタイミングで乱舞の構えを取るマルタ。
本来ならマルタの脇を行き過ぎ、勢い余ってスライディングする筈のイヤンクックが、
まるでバネ仕掛けの玩具のようにマルタの脇で停まった。
そのままマルタの顔面目掛けて尻尾を振り抜く。
パン、ありえないほど軽い、乾いた音が弾け……マルタの顔が無くなっていた。
もはや五感で得た全ての情報を電光石火で処理し、生きのびるために最善の指令を
下す部位が綺麗さっぱり雨散無消し、ただの真っ赤な血潮を噴き零すだけの物体と
化した身体が、戸惑い気味にビクビクッと痙攣し、スローモーションで横倒しになった。
僅か一秒にも満たない間の出来事だった。
「マルタああぁぁぁぁっ!」
ルシータが悲鳴をあげた。
「こん畜生おぉぉぉっっ!」
イヤンクックの姿をした怪物に向かって通常弾3を撃ち込む。
「マルタを返せえっ!」
鳴咽混じりの絶叫も、通常弾3の嵐もどこ吹く風と怪鳥がルシータに狙いをつけた。
喙から火炎を漏らし、雄叫びをあげてルシータの傍に跳ぶ。
その執拗かつ的確過ぎる、そして有り得ない素早さで猛攻を奮う姿に本能的な何かが、
目の前の存在を拒否した。
違う……これは愛すべき先生、イヤンクックじゃない。イヤンクックの姿をした化け物だ。
咄嗟にルシータと怪物の間に割って入りガードした。
邪魔されたのが腹立たしいのか、ルシータの射撃が止まらないのが欝陶しいのか、
ハッフッハッフとしつこく啄みを浴びせるイヤンクック。

347:GENERATION LOST
08/10/07 07:00:29 SW8NFJc0
そんな中、首無しマルタをオンサが抱き抱え、ベースキャンプへの道を辿る姿が視界の端に映った。
ここはなんとか持ちこたえるから、オンサ頼む、そのままマルタをベースキャンプに連れ帰ってやってくれ。
祈るような気持ちだった。
ネコタクが来るんだから、ほっといていいのに、とかそんな気持ちは微塵もなかった。
あいつら、生きてる俺達でさえ起きられるんでしょ?と言わんばかりの勢いで平然と放り出していくんだ。
もう、二度と笑う事も軽口もたたく事も出来なくなってしまったマルタをそんな風に扱われたくなかった。
何時だったか一緒にティガレックスに轢かれ、仲良く砂漠のベースキャンプに
放り出された時の会話が耳の奥でこだまする。
『知ってるか?ネコタクの給料がどこから出るか……オレ達の報酬から天引きなんだぜ。
それでお客様を投げ捨てるって酷ェ話じゃね?』
クアァァァァッ、イヤンクックの姿をした怪物の絶叫で現実に引き戻された。
ああそうだ、お前だけは許さない。
サーペントバイト改を構え直す。
その途端、怪物は攻撃対象を俺からオンサに切り替えたのだ。
「なにやってんだよ……!お前の相手は俺だろ!何トチ狂ってんだよ馬鹿鳥竜!」
叫んで怪物を追いながらアイテムポーチから使えそうなアイテムをまさぐった。
閃光玉?音爆弾?どっちでもいい間に合ってくれっ!
願いも空しく投擲前に怪鳥がオンサに飛び掛かり、喙をたたき付けた。
頭を西瓜のように潰されるオンサ、という見たくない未来予想図が脳裏を過ぎり、思わず顔を背ける。
ガキィン。いい音がした。
一瞬早く接近に気付いたオンサが剣を抜き、ガードポジションをとってたのだ。
「随分オイタが過ぎるんじゃないかい?先生」
回し斬りの要領で怪物をダウンさせると、メッタ斬りを浴びせる。
オンサは片手で剣を振るっていた。
「何故マルタを殺した!」
俺も泣きながら目茶苦茶に斬り付け、ルシータも至近距離から乱射を浴びせた。
そんななか、ボロボロの茜色の耳の付け根の辺りで何かが煌めいた。
ありえない輝きだった。
何故なら、それは俺が幼い頃から両親の仕事場で見慣れてきた、そして鍛治屋でも
お馴染みの金属の光沢だったから。
見間違いだ、あれは血液が太陽の光を反射したんだ、そうだ、そうに決まってる。
余りに恐ろしい疑惑を振り払おうと遮二無二剣を振り回した。
程なくイヤンクックの姿をした悍ましい怪物が動かなくなった。
「なにこれ……」
ルシータが半狂乱の悲鳴をあげた。
そこに転がっていたのは、イヤンクックの皮を被せた精巧なロボットだったのだ。
皮を剥ぐと、胸部の辺りに小さな開口部があって、中にはゲリョスの皮袋が入っていた。
皮袋の中には「スカ 残念でしたまたどうぞ^^」と書かれた紙切れと、干からびた
怪鳥の耳、翼膜が三枚、それから怪鳥の鱗と上鱗が申し訳程度に納められていた。
ブシ。今まで聞いたことのない不気味な音が背後でした。
振り返ると、オンサが眦から、血を流して息絶えていた。

348:GENERATION LOST
08/10/07 10:32:03 SW8NFJc0
【前半、残り分投下です】


首無しマルタと憤死したオンサの死体が集会所に付いても、黄服は顔色一つ変えなかった。
「死ね、今すぐ死んでオンサとマルタに詫びろ」
激昂するルシータに向かって黄服が慇懃無礼に言い放つ。
「申し上げましたはずでございましょう……自然は厳しい、と」
その一言で完全にキレたルシータがゴールドヴァルキリーを抜いて黄服に食ってかかり、
俺はルシータを集会所から連れ出した。
黄服の身を案じたんじゃない。これ以上騒ぎ立ててルシータがギルドに処罰されるのを避けただけだ。
何も後腐れがないなら俺が真っ先に殺ってる。

「マルタマルタああぁぁ」
ルシータは狂ったように床を叩き、髪を毟り、号泣した。
……ルシータはマルタが好きだったのだ。
キッチンのアイルー達に目を離さないよう言い付けて宿舎に戻った。

翌朝、様子を見に行くと、ルシータは荷物を纏めていた。
髪はボサボサ、頬はげっそりやつれて、まるで別人だ。
ここに入った時に着ていたのだろうか、微妙に古臭い、逞しい身体には似合わないワンピース姿。
「出ていくのか……?」
「ここにいると嫌でもマルタを思い出すから」
「待ってよ」
思わずルシータを組み敷いた。
ホルターネックの留め金を外し、薄い乳房をあらわにすると、芯のない乳首に吸い付いた。
まるで、餓えた餓鬼だ。
「いかないでよ、傍にいてよ」
オンサも、マルタもいなくなって、これでルシータまでいなくなったら、俺はどうしたらいいの?
下着の中に掌を捩込む。
カサカサした乾いた感触がどうにもならない現実を突き付ける。
「俺じゃ、代わりにならない……?」
酷く哀しそうな、ルシータの顔。
「……ロムルスはマルタにはなれない」
なんてわかりやすい最終通告。
「じゃ、少しだけ胸を貸してよ」
もうホントどうにかなりそうなんだ。
……ルシータは縋り付いて泣きじゃくる俺をずっと抱きしめてくれた。
「ごめんね、ごめんね」と泣きながら。




349:GENERATION LOST
08/10/07 10:33:42 SW8NFJc0
ルシータを村外れまで送って村に戻ると、集会所が慌ただしい空気に包まれていた。
村のハンター達がカウンターに殺到し、赤服青服が泣きながら頭を振って何かを押し止めようとしていた。
「フーゴ、なにがあった」
「あっ、ロムルス」
半ベソのフーゴがこっちを向いた。
「大変だ、皆がハンター辞めるって言い出して」
中の一人……つい一週間前、ルシータと俺と一緒に下位バサルモス狩りにいった
ライトガンナーを捕まえ、話を聞くと、俄かには信じがたい言葉を口走った。
バサルモスが岩を突き抜けて来たと言うのだ。
「嘘だと思うなら、火山にいって見てくればいい、おれはもう嫌だ!」
今日がエイプリルフールなら信じるほうがただの馬鹿だ。
しかし、あのロボットクックを目の当たりにした後では、一笑に付すほうが難しく感じられた。
「フーゴ、後頼む!」
俺は集会所を飛び出した。

ポポ馬車の御者アイルーにマタタビをたっぷり弾むからと無理をいってフィールドをまわらせた。
「今はフィールドの手入れの時間だから、カメラは全部オフになってる筈ニャ、しかし何をしにいくニャ?」
火山につくと、真っ直ぐエリア6に向かった。
次の狩猟のために放されたばかりのバサルモスに一発くれてたたき起こし、
問題の岩を挟んで対峙する。
確かにバサルモスが岩を抜けて来た。
否、抜けた、は正しくない。
バサルモスがのしかかった瞬間、岩がグニャリと潰れたように見えたのだから。
岩竜をやり過ごした後、問題の岩に近付いてみた。
そこにあったのは本物と見紛うばかりに精巧に作られた樹脂の置物だった。
サーペントバイト改の刃で軽く叩いてみる。ドム、と重く響く鈍い音がした。
多分、一定以上の力が加わると変形する仕組みなのだろう。
ご丁寧に、元々あった岩の破片を隙間なく貼付けて、間近に観察しなけりゃ
そうとはわからないようにしてある。
なんて悪辣な……。
胸具合の悪くなるような思いを堪え、砂漠に、沼地にポポ馬車を走らせた。

350:GENERATION LOST
08/10/07 10:35:27 SW8NFJc0
沼地の段差は一見してはわからないような巧妙さで、足元が削り取られ、
洞窟に降りる部分にあった、人一人二人は楽に立てた踊り場が消えていた。
砂漠も同じようにそれとは感じない程度に段差が低く削られ、ディアブロスの尾が
当たるように調整されていた。
密林では、ギルドの放した新種のランゴスタが既存種を駆逐していた。
森丘では余所の拠点のハンターが狩ったらしいリオレウスの死体に、ギルドの
管理人がたかり、竜玉を、翼膜を、甲殻を、火炎袋を洗いざらいハイエナよろしく
むしり取り、嗤っていた。

……一体ギルドの言う自然って、なんなんだ?
ハンターが苦しめば、それは自然なのか?

こんな奴らにオンサは、マルタは……殺されたのか……。



マルタの遺体は親族に引き取られ、身寄りのないオンサは村でしめやかに葬儀が執り行われた。
……俺は葬儀に立ち会わなかった。

葬儀の翌日、集会所の黄服に声をかけた。
「君にプレゼント」
カウンターに置かれた掌サイズのそれを一瞥した黄服が目を見張る。
ピュアクリスタルを削った、躍動感溢れる精巧なガノトトスの彫刻。
「これはどこで?」
訝しさと感嘆の入り交じった視線で、俺と水面を跳ねるガノトトスを見較べながら黄服が問うてきた。
そりゃそうだ。村にこんな贅沢な調度品は流通しちゃいない。
「自前だ。実家が貴金属細工をやっててね、武器屋の親父に無理をいって工具を
借りて削った。なんなら今度は紅蓮石、いや獄炎石でテスカトルを彫ってこようか?
それとも虹色鉱石でマボロシチョウはどう?」
「目的はなんですの?」
問われ、カウンターに身を乗り出して、答えた。
「君の事、よく知りたいんだ」
まぁ、お上手ですこと。鼻で笑う黄服の目に、ほんの少し色が交じっていた。
雌特有の甘い、色香。

それから一月半、俺は狩りにもいかず黄服にせっせと貢ぎ物を贈り、親密度を増していき、
フーゴと、フーゴの説得で僅かに残った仲間は汚物でも見るような視線と共に距離を置くようになり、
俺はポッケ15で孤立した存在になった。



後編に続く

351:名無しさん@ピンキー
08/10/07 11:24:57 M0+1Bmmn
GJ!!
着眼点がいいと思う。多少の矛盾とか無理に目を潰る位の面白さもある。

気になったのは主人公がショックで弱幼児退行を起こした時位か

352:名無しさん@ピンキー
08/10/07 14:35:54 /HwZBVsb
解釈が面白いな、続きが読みたい。
前半のキャラ紹介は少々だるかったが、後半引き込まれた。
乙!

353:名無しさん@ピンキー
08/10/07 15:00:30 6VZj6fkc
これは…やられた感がある。面白い。

354:名無しさん@ピンキー
08/10/07 17:46:51 WjS4c/l7
現代の世界観でモンハンをやるとこうなるのか…
後半に期待せざるをえない

355:GENERATION LOST
08/10/07 18:53:41 SW8NFJc0
【後編。やっと本番です】
【後半少々スカあり】
【前編でこれはアカン、と思われた方はタイトルをNGでお願いします】



初めて訪う黄服の宿舎は、集会所の裏手、新しく建てられたロッジ風の建物だった。
窓がインナー姿の俺と黄服をいやにはっきり映し出す。
「ここ、色々規制が五月蝿いから、プライベートグラスにしてあるのよ」
「?」
マジックミラーと、変光グラスを足して二で割ったようなものらしい。
果たして、月明かりの差し込む黄服の宿舎は、女の子らしい、かわいらしい小物や
華やかな観葉植物が飾られ、暖房のよく効いた快適な……御禁制に溢れたプライベート空間だった。
何度か訪れた事のある、集会所二階の赤服青服の宿舎は、俺達の住み処とさして
変わらない、恐ろしく殺風景な部屋だったというのに。
黄服が部屋の明かりを付けた。
何年かぶりに目にする人工の光は、異様に眩しく、思わず目をしばたかせた。
「あら、どうしたの?ロムルス」
「ずっと原始的な暮らしだったから眩しくていけねぇ」
それもそうね、黄服がクスクス笑って明かりを落とした。
微かなルームランプの明かりの中、カラーボックスの前で黄服が背中に手を回し、ファスナーを降ろす。
シュル、ファサリ。
黄服が制服を脱ぎ捨てた。
色っぽい笑みを浮かべたパンツ一丁の黄服が、手を後ろに組んだまま、爪先立ちで歩み寄ってくる。
透き通るようなみずみずしい肌。ボリュームある美乳。細い腰。白い腿。綺麗に伸びた脚。
全体的にむっちりと脂がのった、もうしばらくは目にしていないまろやかな美しい女体に、下半身が不本意に疼いた。
「気が早いんだったら」
黄服がいやらしい笑みを隠すことなく、俺の腕をとり、絡み付く。
「夜は始まったばかり、お楽しみはこれからよ」
カチャリ。
両手首に冷たい金属の感触。
……俺は後ろ手に手錠をかけられていた。
この雌狐。
まぁいいさ、どうせ最初で最後の抱擁だ。じっくり楽しもうじゃないか。

もはや見たことも聞いたこともない最新設備の揃った贅沢なバスルームで、温かいシャワーを浴びせられた後、黄服のすべすべした肌が密着してきた。
背中に巨乳を押し付けた黄服が、綺麗な指でゆっくり竿を弄び始める。
この数週間ご無沙汰だった愚息には刺激が強すぎた。
「あ……」
白濁の絡み付いた指を舐め、黄服がうっとりと呟いた。
「かわいいわ、ロムルス……」
その言葉が合図のように、俺と黄服は重なり合うように大理石の洗い場に崩れ落ちた。
「……っ?」
首筋に顔を埋めた黄服が身体を離し、柳眉を寄せる。
「やだロムルス、あなたちょっと臭うわよ?」
「嘘、ちゃんと洗ってきたぜ?」


356:GENERATION LOST
08/10/07 18:55:16 SW8NFJc0
このポッケ村は、いずれもフラヒヤ山脈の温泉がひかれている。
村の左手から湧き出す温泉は、ハンターの宿舎、集会所の床下にも引き込まれ、
ちょっとした床暖房の役目もはたしている。厳しい寒さを凌ぐ工夫だ。
村の右手奥、武器屋の裏手に広がる棚に建てられた共同浴場は、ハンター達の憩いの場だ。
オンサ存命だった頃は、狩りから帰る度に皆で連れ立って汗を流し、ドスファンゴの
死蝋で背中を流しあったものだ。
尤もここ2、3週間は自宅の水道で身体を拭いて済ませているが。
「綺麗にするから大人しくして」
黄服が甘い、蠱惑的な香のするソープを手にとり、わしゃわしゃと俺を洗い立て始めた。
「わ、ちょっと待った、待て待てってひゃあ」
掌で脇腹や首筋を更に腿の付け根まで撫で回され、俺は狭い洗い場を転げ回った。
「どこ洗って来たのよ、泡が茶色いわよ」
腹筋と横隔膜がどうにかなるんじゃないか、ってくらい俺を笑い転がした黄服が、
女が気を許した男にだけ見せる、邪悪な笑顔で、泡をすくいとり掌に乗せて差し出してきた。
白くなきゃいけない筈のふんわりした塊は、薄く砂っぽい色が染み付いていた。
「じゃ、白くなるまで洗いあげてよ」
「いいわよ」
黄服が、今度は乳房を、腹を腿をスポンジに見立て、俺になすりつけ始めた。
白い滑らかな肌がぬめぬめと泡を立てて擦れるたびに、全身を怠惰な痺れが走る。
もう、いっそ明日なんかこなけりゃいい、そう思わせる程に、甘美な誘惑。
このまま溺れてしまえばどんなに楽だろう。
「キモチいい?」
「……最高っ」
俯せた俺の尻に乳房を這わせながら、黄服が問うてくる。
「ホントに?」
「ホント、ホント」
我ながら上擦った情けない嬌声に、思わず苦笑した。
「嘘だと思うなら、俺の……触ってよ」
「俺の……何?」
黄服が俺の背に跨がり、覆いかぶさる。
「聞こえないなぁ?」
背中越しの熱い柔らかな肉球が、先端の硬いしこりが堪らない。
耳たぶを甘噛みしながら黄服が再度問う。
「何を、どうしてほしいの?」
熱い吐息が、甘い声が、耳朶を擽る濡れた舌が、男のプライドを熔かし、俺をただの牡に変えてゆく。
「触ってよ……」
焦れて、焼けた本能が勝手に言葉を紡いだ。

357:GENERATION LOST
08/10/07 18:57:38 SW8NFJc0
「俺の……いきりたったペニスにさ、っ特別な、ソープで洗っ…てよ…っ」
手錠で繋がれたままの両手で、そこを指し示すと、黄服が、にんまりと笑った。
「……ロムルスったら、やらしいんだ」
黄服が上半身を起こした。
仰向けに寝かされ、愚息が熱い、柔らかい感触に押し包まれた。
思わず吐息を漏らす。
「キモチいいよ」
返事がない。
聞こえてくるのは、じゅば、じゅる、ぴちゃぴちゃ、と卑猥な水音。そして愚息の
すぐ傍から感じる荒い息遣い。
まさか。
不安になって首をあげた。
……黄服が、俺をしゃぶっていた。
「嫌だ、よせっ」
俺は暴れた。
口でなんて。
そんなの動物だってやらない。
お前と一緒にするな。俺はそこまで堕ちたくない。穢れたくない。
なのに、初めての口内性交に俺のブツは興奮し、俺の腿を押さえ込んで扱く黄服の口に
先走りを絶え間無く溢れさせていく。
強弱をつけた締め付けに、蛞蝓のような舌が先端を、鈴口をはい回る感触に、
限界が足早に迫ってくる。
嫌だ、こんな、こんな……っ。
「ぁあっ………ぐ…っ……うぅっ」
竿が熱い潮を噴き零し、黄服がこくこくと喉を鳴らして汚液を飲み下した。
イカされた……。
女に組み敷かれて一人乱れ、みっともない悲鳴まであげて。
男として最大級の屈辱に、涙が溢れ、目尻を伝って流れ落ちた。
「ロムルスったらよっぽど溜まってたのね、泣くほどキモチよかったなんて」
ぐったりと倒れ伏す俺の耳元に囁いて、再び黄服が被い被さってきた。



「洗ったら、男前があがったわよ、ロムルス」
満足気に黄服が、手鏡を渡してきた。
汗と垢混じりの肌は綺麗に磨きあげられ、砂と埃でボサボサだった髪もすっかり
濡れて艶めいている。
鏡に映る男は紛れも無く俺だが、随分と印象が違っていた。
男として、そして狩人としての誇り、矜持は全て洗われ、流れていってしまったのだろう。
大事な何かが欠落した俺は随分と優男に見えた。
これじゃ、ケルビ一匹にも鼻であしらわれるな。
でも、もういいんだ。
「ね、酒でも飲まない?」
「いいわね、とっときのシャンパンがあるの」
「じゃ、手錠、外してよ」


358:GENERATION LOST
08/10/07 18:59:52 SW8NFJc0
それから俺達は、ベッドルームに移動し、天蓋付きのベッドの上でシャンパンを
互いの身体にかけて舐めあったり、向かい合ってせんずりこいてどちらが
先に果てるか競争して、先に達して悔しがる黄服の性器にスペルマぶっかけたり、
およそ思い付く限りの変態行為に耽った。
そのうち、「ねぇ、私こんなグショ濡れなのよ?ほっておくってどういうつもり?」
と黄服がおねだりを始め、俺は黄服と繋がった。
亀頭が埋没した辺りで、黄服は軽い啜り泣きのような声をあげ、そのままがしがしと
力強いストロークで責め立てると、黄服は派手に哭き声をあげた。
「こんな、スキモノで、よく、ポッケ15、で、男日照りを、我慢、できたね」
「がっ、我慢、なんかっしてないっわっ、あのっ、カラーボックス、あっ、あそこっ、あそこにっいっ」
そこで黄服の身体がびくりと跳ね、俺をぎちぎちと締め上げた。
構わずにそのまま突き上げる。
「バイブがっ、入ってるっの、おっきい奴、でもっ、ロムルスのが、もっとおっきいっ、
好きっ、好きよっ、最高っ、他にもっ、ローターとかっ、何個も入ってっああっ、
いつもっ、それで紛らわしてたわっ」
それからどんなやり方が好き、風呂場でやり過ぎてそのまま朝を迎えた失敗談など
聞いてもいない事までまくし立てる黄服。
……今なら。
「ね、牙獣や甲殻、どうやって調教したの…?」
黄服の表情が変わった。
それまでの色に耽る雌の貌に、理性が滲む。
しまった。
「……何が言いたいの?ロムルス」
興ざめしたような冷たい声。
肌の熱も急速に冷めていく。
咄嗟に言い繕った。
バカっぽい、空気読めない野郎に思われるよう、極めてあっけらかんとした声音で。
「嫌、すごい技術だな、って。だって蟹なんか知能ないじゃん」
思惑通り黄服は何も含むところのない、ただの思い付きと受け取ったらしい。
「そうね、ロムルスには教えてもいいかな。あいつらがどうして執拗にハンターを狙えるのか」
それは胸の悪くなるような答えだった。

359:GENERATION LOST
08/10/07 19:04:32 SW8NFJc0
フィールドに放すモンスターは、全て幼生のうちから、鳥竜飛竜牙獣種は後頭部、
甲殻種は神経中枢に電極を埋め込むのだという。
「ハンターの所持する剥ぎ取りナイフに反応して放電する仕組みになっているの。
とにかくハンターを倒さなければ苦痛から逃れられない事を徹底的に身体に覚えさせるのよ」
だから、ランポスも、ヤオザミも、ファンゴも、ブランゴも皆……
「甲虫種も同じ。剥ぎ取りナイフから発する高周波に引き寄せられてるの。草食種には、
流石にそこまでしてないけど、ハンターが来ると自分達は狩られるし、補食動物が
荒れるから迷惑な存在、って学習したみたいね」
そういって黄服は笑った。
いい気味だ、そんな笑い方だった。
「じゃ、剥ぎ取り回数に制限があるのも」「当然、仕組みを知られないためよ。昔は自然とモンスターに敬意を払う、って
ハンターの掟に則った約束事だったらしいけど、フィールドに死骸放置されても迷惑なだけじゃない」
その言い草に得心がいくと同時に、腑に落ちない疑問も沸く。
恐る恐る口を開いた。
「……それは昔から……?」
「違うわ、拠点がココット村からポッケ村に移転した頃に採用されたの」
事もなげの黄服の答え。
「……何故?」
思い当たる節があった。
随分前、一度だけオンサが愚痴を零した事があったのだ。
あれは確かルシータかフーゴのドドブランゴ狩猟を手伝った時だ。
あの時のオンサは、手練として有り得ないほどの凡ミスを繰り返し、俺達の指南どころか
足手まといになっていた。
集会所に戻って珍しく深酒をして泥酔するオンサに声をかけた。
オンサは俺にこう問うた。
『お前は、野性のドドブランゴを見たことがあるか?』
ない、と答えると、だろうな、と自嘲気味に笑った。
『野生のドドブランゴは、まず、人間とあっても戦いを挑んだりしない。群れを、
仲間を大事にするんだ。争いは、群れと縄張りを守る最期の手段だ……時には死んだ
仲間の遺体に花を手向けたりもする。ドドブランゴは優しい生き物なんだ。あんな、
群れを危険に晒すような知性を感じられない行動なんかしたりしない』
俺が知っているドドブランゴは、飛竜園の檻の中でだらしなく座り、腹を掻いたり、
落ちている木の実を拾い食いする、知性とはおよそ掛け離れた姿しかなく、まして、
先刻フィールドでその狂暴さを目の当たりにしたばかりで、優しい生き物だなんて、
正直何かの冗談にしか思えなかったが、オンサが言うからにはそれは本当なのだろう。
『牙獣だけじゃない、甲殻種も……何故戦いなんか好まない種のあいつらまで……
まるで無理矢理戦わされているようで、見るのが辛いんだ』
そう吐き出し、黄金芋酒をあおった。


360:GENERATION LOST
08/10/07 19:06:10 SW8NFJc0
辞めたいのか?そう問うと、オンサは首を振った。
『身体が楽することを覚えてしまった。この歳で今更野山をあてどなく歩く狩猟には
戻れやせんよ。ただ、オレは時々考えるんだ……自然への敬意を忘れたモンスターハンターは
この先どうなってしまうんだろう、とな』
オンサの疑問に対するその答えが、今、目の前にある。
聞かなくてもわかった気がした。
聞きたくない、そう言ってしまいたかった。
でも、話をふったのは……俺だ。
果たして、黄服の答えは想像と違わなかった。
「より強く、より凶暴なモンスターがハンターと殺しあう、それが庶民の求める最高の娯楽だから」

俺達の命懸けの狩猟は……ただの殺しあい。そして、娯楽。
それは正しいのかも知れない。
だって、設立当初のモンスターレクチャーだって、最初は閑古鳥が鳴いていたんだから。
でも、狩猟を通して厳しい自然を体感する、その理念に共感した者もいたんだ。
狩猟は娯楽なんかじゃない。
無責任に笑ってハイおしまい、で済んじゃうような代物じゃない。
なのに、狩猟を面白おかしい刺激として提供するために、有り得ない生態系をつくりあげ、
機械を「狩猟」させることも厭わない。

それが……俺達ハンターを束ねるギルド。

すっかり動きの止まった俺を組み敷くように黄服がマウントポジションをとった。
激しく腰を振りながら、耳元に囁く。
「でも、ロムルスは特別よ、あなたの狩猟には特別弱いモンスターを放して、
レア素材をじゃんじゃん報酬に入れるよう、パパと大おじ様にお願いしてあげる」
「うれしい事言ってくれるじゃない」
黄服の腰を掴んで、激しく突き上げる。
「もしかして、惚れた?」
馬鹿、頬を染めた黄服の拳が、俺の胸を軽く叩いた。

夜が白々と明ける頃、俺は黄服にあることを施した。
「やだ、これじゃあ……」
「帰ってくる迄我慢できたら、夕べよりもっと凄い事してあげる」
「………ホントに?」
淫乱そのままの黄服の笑顔。
「ホントさ」
俺はにっこり笑い返した。



宿舎に戻ると、俺は倉庫の中の物を洗いざらい売っ払い、アイルー達を婆さんに預け、
密林素材ツアーに赴いた。


361:GENERATION LOST
08/10/07 19:13:03 SW8NFJc0
ハンターの基本を叩き込まれた、そして初めてイヤンクックを倒した、思い出の場所。
ひどく眠くて、ベースキャンプについてすぐにベッドで横になった。
眠りに落ちたのもつかの間、殻の中に黄服の腰から上がみっしり詰まった仙高人に
追いかけ回される夢を見て、とび起きた。
最後に思い出に浸ることも許さないってかよ。畜生。
仕方なく、寝不足で痛む頭を抱えたまま、ぼうっと群れる魚達を眺め、時間を潰した。
俺がこれからしようとする一部始終を知ったら、オンサはどう思うだろう。
きっと、諌めるだろうな。
でもごめん。このままじゃもう一歩も動けないんだ。
何事もなかったように、生きていく?そんなの無理な相談だ。
せめて一矢報いるくらいは許してほしい。

雨が降り始めた。間もなく日が暮れる。
「行くか」
自分に言い聞かせ、ネコタクチケットを取り出した。



集会所に戻ると、フーゴと下位ハンター数人が、賑やかに夕餉の鍋を囲んでいた。
俺に気付くと声を潜め、赤服青服が困ったように視線を反らせる。
そんな居心地の悪い空気の中、黄服がひらひらと手を振ってきた。
「ねぇ、早く行きましょ、ロムルス」
せわしない息遣い、少し青ざめた顔。
もう限界が近いらしい。
わざと素知らぬ振りをした。
「どこに?」
やだ、黄服が柳眉をひそめ、耳打ちしてくる。
「変な冗談はやめてよ」
「嘘だよ」
黄服の腰に腕を回すと、カウンターから引きずり出した。
「ひやっやだやめて漏れちゃうっ!」
乱暴に投げ降ろし、羽交い締めにするとスカートを捲くりあげる。
赤服青服が悲鳴をあげた。
黄服の、幼なすぎず見苦しくなく絶妙のさじ加減で手入れされた茂みには、すっかり
乾いてガビガビになった大量のネンチャク草が張り付いていたのだから。
茂みと一体化した草を潤すように、褐色の液体が滲み、白い腿を一筋二筋伝い流れている。
「もう漏れてる、だろ?」
切羽詰まった黄服の悲鳴を聞き流し、ネンチャク草を一気に剥ぎ取った。
「ぎゃああああああああ」
敏感な部分の毛を一気にむしり取られる、想像を絶した痛みに意識を削がれた黄服の
身体が硬直し、ピンと伸ばした形のいい脚の付け根の奥から黄色い奔流がビシャビシャと
勢いよく床に水溜まりをつくった。
「う……あ…あ……」
大衆の、しかも鼻で笑い見下していたハンター達の面前で失禁する事態に放心し、
弱々しく首を振る黄服の尻を卓に乗せた。
餅のように柔らかい腿を開かせ、渋い感触のクリトリスを摺り、摘み、こねくりまわす。


362:GENERATION LOST
08/10/07 19:15:04 SW8NFJc0
「そら、みんなに見てもらおうぜ、お前のお漏らしマンコ」
「うう、嫌……っいやっロムルスやめてっ」
黄服が羞恥の極みに泣き出した。
それでも愛撫に反応して肉付きのいい白い下半身がビクビク震え、大量の愛液が溢れ出す。
「やめろロムルス」
流石に見兼ねたフーゴがとめに入った。
そうだ、お前は人一倍仲間思いの優しい奴だ。だからオンサの葬儀にも顔を出さなかった、
仲間を捨てて黄服と睦まじくなった俺を許せなかったんだろう?
それでいいんだ。
バチ被るのは俺だけでいい。
「うるせぇ」
フーゴを突き飛ばし、更に黄服を弄んだ。
豊満な乳房を晒し、しこった乳首を中指と親指で乳房に押し込み玩ぶ。
蜜を塗りたくった指で尻の穴を挫ってやると、黄服が悲鳴をあげた。
「あっ、あっそんな、イヤッそこはぁっ」
「どうして?夕べはあんなに喜んだじゃない」
尻を貫き、突き上げる。
「いやっお尻、お尻気持ちいいっ、中で擦れてるのっいいっ気持ちいいっ」
快楽に溺れる黄服が、よがり狂う。
「こっちもすごいことになってるぜ?」
絶え間無く蜜を垂れ流す下の口を掻き回してやると、膣口の内側から白い塊が顔を覗かせた。
「うっふはっ、出ちゃう、裂けるううっ」
「ほら、いきんで」
クリトリスを捩りあげ、更に膣を締めさせる。
「あ…が……うぎ……ぃ……」
黄服が達した。
ミチミチと花弁を圧し開き、まろび出たのは、不規則に震え、蠢くフルフルの皮包み。
愛液まみれのそれが糸をひき、床に落ちる。
赤服青服が再び悲鳴をあげ、好奇心に駆られた下位ハンターの一人が剥ぎ取りナイフで
中を確かめ、絶句した。
言葉を無くすに決まってる。中にはポッケ村にあってはならないはずの高性能ローターが
入っていたのだから。
今頃、ギルド中央は蜂の巣を突いたような大騒ぎになっているはずだ。
虚ろな笑い声をあげてフルフルのローター包みを産み続ける黄服の股間をカメラに向け、
俺は怒鳴った。
「なぁ、お前らはこれが自然な出産に見えるか?見えないだろ?でもお前らが
今やってるのって、こーゆー事だよな?何が自然は厳しいだよ!自然への敬意を忘れて
ハンター苦しめるだけ苦しめて楽しいか?お前らのせいで皆いなくなっちまったんだ、
仲間を、オンサをマルタを、皆を返せよおぉっ!」
……最後は鳴咽混じりの絶叫だった。


363:GENERATION LOST
08/10/07 19:17:45 SW8NFJc0
……あの直訴の直後駆け付けたギルドナイトにポッケ15をたたき出された俺は、
義憤の変態ハンターとあだ名され、テレビにラジオに連日引っ張り出され、一躍時の人になった。
そこで初めて俺はG級が結構な物議を醸し、あちこちの拠点でもハンター人口が
激減していること、当座の打開策として、他拠点のハンターとも狩猟に行けるよう
待合施設が設置されること、を知った。
尤も、モンスターハンターの自然についてメディアが議論したのは最初のほんの数日の間だけで、
そのうち派手に脚色された俺の身の上話が、盛大に歪曲した黄服との蜜事が報道され、
変態ハンターが暴れたのは待遇改善が目的だった、と、どうしたらそんな解釈になるのか
理解に苦しむ結論が導き出され、事件は風化していった。
ギルドが手を回したのは嫌でもわかった。
鼻先に噛み付いた鼠を獅子が笑って逃がすわけがない。
俺を社会的に抹殺することで報復としたのだ。
そんな中、ほんの少しだけ打ち解けたADが、そっと教えてくれた。
「この件で危機感を抱いたギルドは、全く新しいシステム導入を検討しているんだ。
もうモンスターレクチャー基盤で続けるには限界が来ている、というのが公式発表
なんだけどね……機械を狩猟させる、なんての自体どこか変だと思わなかったのかね」
……そうだよね、変だよね。
でも、ギルドの誰も気がつかなかった。
誰か一人でもいい、モンスターレクチャーの理念を思い出してくれていたら……
こんなことにはならなかったんだ。

……そうして、現実に立ち返って困り果てたのは俺だ。
次の職場が見つからない。
そらそうだろう、いくら訳ありでも放尿アナルセックス&疑似出産プレイを公共電波に
乗せて流すような気違いなんざ、俺が雇い主でもごめんだ。
実家は何も言わずに戻ってこいと言ってくれた。
しかしある意味有名人になってしまった以上迷惑をかけるわけにはいかない。
そんな就職活動の合間、一度だけルシータから電話をもらった。
「ロムルスは大馬鹿よ」
呆れてはいたけど、声は沈んでいなかった。
マルタの事は吹っ切れたんだろうか?
恐る恐る問うた。
「ね、俺の事……怒ってない?」
あの時、マルタへの想いを知りながら、ポッケ15に引き止めたい一心でルシータを
犯そうとした身勝手な俺を。
「怒っていたら、電話なんかしないわよ」
……鈍い子供を諭すような、優しい声だった。

364:GENERATION LOST
08/10/07 19:19:36 SW8NFJc0
「最後の競竜協会の鳥竜飼育員も玉砕。これで万策尽きたわけだ……まだテレビ出演料で
懐が温かいうちに練炭でも買っとくかねぇ?」
世知辛い現実を噛み締めながら、町外れの河原で全財産の入ったスポーツバッグを枕に
ぼんやり空を見上げていると、ヒュルルルル……、この世界で聞こえるはずのない、
聞き慣れた音が聞こえた。
ハンターの哀しい習性だ、咄嗟に起き上がり、音の発生源を捜す。
そいつはすぐに見つかった。
「……リオレウス!」
黄昏れに染まる町の上空を悠々と旋回する空の王。
こんな人里に……?まさか子供を掠って食うのか!?
いや、世間に戻って一ヶ月、リオレウスが人里を縄張りにしてます、なんて話は
一度も聞いてない。あったとしたら、(いい見世物として)せっかくだから退治してほしい
とかなんとかいう話になってるはずだ。
リオレウスがこちらに気付いた。
くる……!
思わず身構える。

……紅い火竜は、俺を一瞥しただけだった。

不思議な気分だった。
フィールドで俺達が戦ってきたリオレウスは、後頭部に刺された電極のせいも
あるんだろうけど、いつもどこかヒステリックだった。
でも、それしか知らない俺達はそれが普通だと、自然なんだと思っていた。
奴は違った。
奴は確かにこっちを視認していた。
なのに意にも介していなかった。
人間なんてちっぽけな存在なんか気にもとめない、悠然たる空の王。
あれが……本当の自然……。
体中の血がふつふつと沸いている気がした。
あいつと戦いたい。命懸けの狩りをしてみたい。
ポッケ15をたたき出されるどさくさに紛れてくすねたサーペントバイト改を
スポーツバッグから取り出す。

時に自然は厳しくあるけれど、生き物全てに分け隔てなく優しく微笑んでくれる存在だから。
あいつになら食われても悔いはない。

俺は紅い火竜の飛び去った山に向かって、歩き出した。





365:名無しさん@ピンキー
08/10/07 19:29:15 WjS4c/l7
乙!最後の最後ま抗い続けた主人公に泣いた

366:名無しさん@ピンキー
08/10/07 20:16:33 mBoJzDxu
>>364
GJ。用意したティッシュで涙を拭くはめになった


367:名無しさん@ピンキー
08/10/07 22:41:03 dV8hwcw1
GJ。涙と鼻水が止まらない

368:名無しさん@ピンキー
08/10/07 23:18:14 /Zzg8ERE
乙。あなたが神か

369:名無しさん@ピンキー
08/10/08 03:23:19 V/rSnYXO
>340
GJ!GJ!!!
完成度マジ高いよ。
まさかエロパロで泣くとは思わなかった。


370:名無しさん@ピンキー
08/10/08 09:23:25 5YDGRi3C
GJ!
泣いた!

371:名無しさん@ピンキー
08/10/08 10:42:15 4Hg1hB9I
むしろエロはおまけ程度。

何だよ…ロムルス君かっこいいじゃないか……
「本当の自然」に不覚にもうるっときた。
GJ!!!

372:名無しさん@ピンキー
08/10/08 18:35:46 V0sUUUqM
なんか、凄い物をみた感じだ
いや~ 確かにコレは他の人には真似できない観点だわな

通りでディアブロの尻尾が当たるわけだ

373:名無しさん@ピンキー
08/10/08 20:30:53 QDLua4Al
GJ。「本当の自然」か…
それはそれとして普通にエロかったから凄い。

374:名無しさん@ピンキー
08/10/09 00:04:59 JpxfOWgB
世界観の切り口が鋭いなあ。
モンハンの理不尽なポイントをこういうかたちでぶった斬るとは。

モンハン3での「自然」の表現は、どうなるかな?

375:名無しさん@ピンキー
08/10/09 01:14:43 hCbe6cgH

まさかこんな視点で書くとは。
「本当の自然」に涙した。
そして
「より強く、より凶暴なモンスターが、ハンターと殺しあう、それが庶民の求める最高の娯楽だから」
この庶民って、俺達なんだよな・・・。
考えさせてくれる作品だった。
GJ

376:名無しさん@ピンキー
08/10/09 09:15:31 SH1q515K
空気嫁てないけど、
オンサが死んだのって憤死したからでいいんだよね?
メカクックはトラウマになりそうだな。

377:L
08/10/11 15:39:51 pC+tlhUZ
こんにちわ、ただ今4作目が終わったのでうpします。
そういえば今更気づいたのですがタイトル出してませんでしたね、今回から出します。

それではどうぞ↓

378:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:43:31 pC+tlhUZ

 ――早朝・エミス書記長の部屋にて


「待っていましたよ、早速今回の任務を説明します。」
 慌しくドアを開けたイリスを特に驚くことも無く、いつもの冷静さで対応するエミス。その反応にコメントもせず、キビキビと椅子に座るイリス。
 エミスの向かう机の横には会議などで使われる大きめな黒板がある。エミスはそこに地図を貼り付けた。
「大体のことは聞いてるわ、ラミアがどういった経緯で行方不明なのか聞かせてもらえないかしら?」
「ええ、勿論。まず話すところは、我が「調律現奏師団」、牙獣種調律士の一人であるラミアがこの地域で異常発生しているコンガを『調律』する為に
現地に向かいました。」
 地図の中にある「密林」のエリアを指してエミスが説明を始めた。
 「調律現奏師団」とは全てのハンターの目的である「モンスター」の生態を調整する特殊な団である。王国・ギルドが秘密裏に設立したこの団は
ギルドに所属していない流れのハンター対策として、また違法ギルドが行う過剰な狩りに対抗する為にモンスターの保護、飼育なども行って繁殖の手助けをしたり、
時には異常発生するモンスターが村や街、民間人などに影響を出す前に殲滅――あるいは一定数まで討伐するのを主としている。
「しかし、同行した牙獣保安士であるミナスの報告によると、コンガの数が尋常ではなく、その時に居たメンバーだけでは対処しきれなかったそうです。」
 殲牙獣士――今回の様に異常発生したモンスターの生態及び民間人(あるいはハンター)への被害が及ばぬように「減らす」ことを目的とした者であり、
ラミア(女性)は牙獣種を担当している。勿論表では普通のハンターであるが、牙獣種に対しては本気を出せばラージャン2頭狩りに苦戦することなく
(むしろ余裕で)討伐することも可能な程の腕前である。
 しかしそんな彼女が何故今回、行方不明になるほどの事を起こしてしまったのか?
「なんでミナスは同行したの?てか無事だったの?」
 牙獣保安士――殲牙獣士とは対照的に牙獣種を「増やす」または「保護する」事を主としている。違法なハンターによる過剰な狩りによって生息数が激減すると
生態系が崩れる、それを防止する為に牙獣種を保護・飼育して、数を調整するのが主である。
「ミナスは異常発生の原因を調べる為に同行したのです。ちなみにその時のメンバーはラミア、ミナスと他に、ラミアの助手2名。計4名での任務でした。
助手の話によると、コンガの群れに襲われて、逆にこちらが全滅しかねない状況を恐れ、ラミアは自ら囮になって3人を助けたそうです。そのせいでこんな結果に
なってしまいましたがね。」
 エミスは普通に話すが、イリスの表情は深刻になるばかりだった。その様子をしばらく見たエミスは気を取り直し、話を続けた
「本来「殲牙獣士」であるラミアにとっては容易な任務だったはずです、しかしミナスの話では、コンガの数もそうですが状態も異常だったと言うことです。」
「状態が異常?どういうこと?」
「・・・ミナスの観察眼によれば、まずコンガのどれもが眼が血走りになっているそうです。更に何故か、殺意の無い攻撃的姿勢を見せたのが
ミナスとそしてラミアだけだとか。同行していた助手2人には攻撃的姿勢を見せ、更に殺気を漂わせていたそうです。そしてもう一つ、
群れのリーダーであるババコンガの姿が見当たらないにも関わらず、統率の取れた動きを見せたそうです。例えて言うなら
大型モンスターに挑むパーティーを組んだハンターの如く・・・。」
「・・・確かコンガは本来少数での行動、しかもリーダーであるババコンガも見掛けられない。となるとこれは・・・・。」
「『何者かによる意図的な事件』だと私は思いますよ。」
「ええ、私も思ったわ。」
 軽く咳払いをしたエミスは机に戻り、いつもの様に――まるで軍の司令の様に言った。
「改めて任務を言い渡します。滅龍士イリス、貴女には殲牙獣士ラミアの救出及び今回異常発生したコンガの調査を行ってもらいます。」
 

379:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:46:02 pC+tlhUZ
 が、ノリが悪そうにイリスは質問で返した
「それさぁ、他のにも言ったの?」
 表情を一切変えず
「砕殻士アキラは現在ダイミョウザザミとショウグンギザミ討伐の任務に、斬漁士トミナは大型のガノトトス狩猟の任務に、撃鳥士ガラムは任務を完了した
そうですが場所が遠くてまだこちらには戻ってこれない状況です。」
 極めて真面目な顔でエミスは答えた
「つまり現状、手の空いていて、実力のある人物は貴女しかいないのですよ。お分かりになりましたか?」
「は~いはい。全く・・・こっちだって昨日入れたばかりの子の面倒見なくちゃならないって言うのに・・・。」
「分かっております、ですから報酬はゼニーの他にその子の為にあなたの様な外套・・・もしくは可愛い服をプレゼントしますよ。」
 何だかうまく釣られているような気がしたが、仕方なくイリスは了承した。
「さてと、それでは今回の任務には誰を連れて行きますか?」
「んーと、ナナとリレアと・・・・あとラミアの為にルルも連れて行くわ。」
「分かりました、それでは早速準備をお願いします。支度・移動費用などはいつも通りこちらが出しますので。」
「りょ~か~い。」




380:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:47:49 pC+tlhUZ

・・・

・・・・

・・・・・


 ――12時間前――密林エリアの奥深くにて


「ブゴォォォォッ!」
「はああああああああぁっ!」
 飛び掛ってくるコンガに太刀を振り下ろして叩き斬り、ついでに横から迫る気配を見せたコンガを薙ぎ払ってぶっ飛ばす。
「フガァァァァァッ!」
「ええぃっ!このぉっ!」
 背後から走ってくるコンガを薙ぎ払い後の慣性でそのまま斬る。しかしすぐにまた――しかも今度は3匹同時に飛び掛って来た。
「ちぃぃっ!」
 慣性を止め、そのまま一瞬の溜めを行い
「秘剣・迅落としっ!」
 溜めの直後、太刀を片手で振り回し一瞬で3匹のコンガを叩き落とした。
「くそ、こいつら一体どれだけ居るんだ・・・っ!」
 エミスからコンガが異常発生し、殲滅を要求されたが、ここまで多いとは正直思わなかった。せいぜい20か25あたりが異常発生なラインだ。
「ブグゥアアアアッ!」
「くっ!」
 またしても3匹同時、しかも左右前方から。先程繰り出した技で体勢が整えられず、迎撃は難しいと判断した私は空いている後ろへと飛び、そのまま走り出した。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
 異常発生は確かに異常発生だった。いつも異常発生といってもここまで多いことは無い。今まで最高30匹くらいで終わっていたが、今の所の感覚では
もうとっくに30匹は越えている。恐らく40か50。だが茂みの中からまだ出るまだ出る。
「3人とも・・・うまく逃げた・・・よなっ?」
 コンガと鉢合わせてから悪い予感がした。すぐに何十匹にも取り囲まれたからだ。だからひたすら倒しながら3人を逃がした。逃がして正解だったと自分で思う。
こんな状況、長く続けば全滅していただろう。なに、本来なら私の仕事だ。私一人になっても誰にも文句など言わないさ。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・っ!」
 だが出来れば――無事に逃げることが出来たのなら応援を呼んでほしいところ。本当は恥にも等しい行いだが、今回は異例だ。このコンガ達はいつも私が
斬っているコンガとは明らかに違う。外見、思考、チームワーク。どれも普通のコンガに当てはまらないものばかりだからだ。
「ぜぇっ、ぜぇっ、ぜぇっ!」
 今私に襲い掛かるコンガはどれも眼が赤い。いや、紅過ぎる。しかも毛並がかなり逆立っており、おまけに涎を垂らしながら襲い掛かってくる。こいつらに
人肉を食らう思考など持っている筈がない。ハンターに襲い掛かるのは自分のテリトリーから追い出す為だ。言ってしまえば防御するための行動。
 なのに何故――
「ガアアアアアアアアアアアアァッ!」
「なっ!――しまっ――」
 ――うっかりしていた。気が付くと横から今まで姿を見せていなかったババコンガが迫って来ていた。しかも攻撃態勢――右腕が降り上がっている
「うあぁぁぁっ!」
 振り下ろされた一撃を太刀で受け、直撃を防いだのはいいものの、踏ん張ってはいなかったのでそのまま吹き飛び――
「うぁっ!――ぐっ・・・・」
 背中と後頭部に激痛が走った。どうやら樹にぶつかったらしい。
「ウウ・・・グウゥゥ・・・・」
 動かなくなった私にババコンガがゆっくりと近づいて来る
「くっ―――そ――」
 だが頭を強く打った私はそのまま意識を失った――



381:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:49:08 pC+tlhUZ

・・・

・・・・

・・・・・


 ――26時間後――密林ベースキャンプにて


「お待ちしておりました、イリス。」
「久しぶり~、大変な事になっちゃったわね。」
 密林のベースキャンプに到着すると、牙獣保安士のミナスが居た。
「いえ、こちらこそ私達が付いていながらこんな結果になってしまって・・・全くもってお恥ずかしい。」
「気にしないの、同じ師団の仲間だもの。助けるのは当然のことでしょ?」
「ありがとうございます。場所のご説明を。このベースキャンプから北の方へ2時間ほど歩いた所までが私とラミア、そしてラミアの助手2人と共に行動した距離です。
それ以降は無数のコンガ達によって阻まれ、更に襲撃を受けたため、ラミアと一緒だったのはそこが最後です。」
 牙獣保安士は基より「戦う」為に居るのではない。勿論それ相応の腕がないと保安士としてはやっていけないが、実力では殲牙獣士には劣る。
「ラミアは、助手2人にアンタの護衛を任せて、1人でコンガ達を引き付けたんでしょ?」
「ええ、本当は私も戦わなければならなかったのですが、それをラミアは許さず、ただ私に逃げるように・・・」
「とにかく、ラミア様を助けに行きましょうっ!既にかなり時間が経過しています。急がなければ取り返しの付かないことに――っ!」
 側で聞いていた蒼紫の外套で身を包むナナが深刻に言った。
「そっか、ナナとラミアは師弟関係だったね。」
「私に剣技を教えてくださった大切な師匠です。その方がこんな形で命を落とすなど、もっての――あいたっ!?」
 力を込めて話すナナにデコピンを加える。可愛い声が漏れるが、そんなことよりも最後に出た言葉を私は否定した。
「こーら、そんなこと言っちゃダメでしょ?まだ死んだなんて訳じゃないし、第一私と同じ位の実力を持つラミアがこんなことでくたばる訳ないでしょ?」
「あの、イリス様・・・もう少々言葉遣いを丁寧に・・・。」
 翠緑の外套を纏う――この中で一番背の高い女性――リレアが入る。
「とにかく、今からそんな最悪の結果を想定してたらダメよ?」
「は、はい・・・っ!」
「さて、次に1つ気になることがあるんだけどさぁ?ミナス。」
「え?何でしょうか?」
 実は「異常発生」などという単語を聞いて――更にエミスの口から一言も出ていなかったのでどうしても聞きたいことがあった。
「今回の出来事で近隣住民に被害は及んでないの?」
 ミナスは「さすが・・・」と言って間を開けたが、すぐに話し始めた。
「実は私も気になったので調べたのですが、コンガ異常発生によって近くの村が襲撃され、その際に行方不明者が8名、その後村の要請でコンガ討伐と行方不明者の
捜索を行ったハンターが居るらしいのですが、今回の様な結果に陥り、4人の内2人が行方不明になっております。」
「計10人の行方不明・・・そしてその結果、ラミアに回ったってワケね?」
「はい、ですが・・・」
「もう言わなくていいよ――けど聞いておいてよかったし――」
 振り返る、テント近くに設置された支給品ボックスをガサゴソと整理している白い帽子を被った子が持ち物を整理している。その子に聞こえるように言った。
「――ルルを連れて来てよかったわ。」

382:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:50:55 pC+tlhUZ
「は、はいっ!?何ですかぁっ!?」
 名前を聞いて呼ばれたと思った――ルルという名の子はこちらに向く。体中至る所に包帯が巻かれ、更に
眼の部分までも包帯をしていて視覚など無い状態である。
 眼以外は怪我をしている訳でもない、しかし包帯を巻いているのはただ単に趣味なだけだそうだ。その上からは動きやすい様に軽い衣服を着ているが、
露出している肘と膝にはブヨブヨしたさわり心地のあるプロテクター(?)を装備している。
「ルル、今回の任務では特にあなたの働きが重要よ、沢山頑張ってもらうからね。」
「りょ、了解でありますっ!」
 ビシっと敬礼をするルル、背中のバッグにはギッチリと回復薬やら栄養剤、それに薬草やキノコ類まで
――他に白い布の様なものがある。
「既に荷物は整理済みでありますっ!いつでも出発出来るでありますっ!」
「私も準備は出来ております、イリス様。」
「私もです、行きましょう姉さんっ!」
 全員出発準備は出来ている。ならば後は行くのみ――
「よし、行ってくるわ。ミナス、照明弾が上がったらすぐにギルドに救護隊を要請して頂戴。」
「分かりました、それではお気をつけて。」
 こうして新たに4人が、異界と化した密林へと足を運んだ――


・・・

・・・・

・・・・・


 ――2時間後


「・・・あ・・・だっ・・・」
「やぁぁっ・・・・やめ・・・・」
 徐々に回復していく意識。いち早く機能し始めた聴覚には、どこからか女性の様な声が聞こえる。
「うっ――ここ、は?」
 あれからどうしたのだというのだろうか?確か私はババコンガの一撃を食らって、その後――
「――なっ、なんだこれはっ!?」
 意識がハッキリしてきて、私は愕然とした。目の前で何人もの女性がコンガ共に――

383:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:54:12 pC+tlhUZ
「やあぁ、ぁっ――!うあぁぁっ!」
「ひぃんっ――!も、もうっ・・・やめてぇっ!」
 群がるコンガに犯されている女性。中にはハンターらしき防具を身に着けている者も居るが、
無理矢理剥がされたのか、防具の形状を無くし、所々千切られている。
「んんぅっ!ふむぅっ、んんんぐぅっ――!」
 周りを認識する。薄暗い洞窟の中だが、周り中コンガが涎を垂らしながら「自分の番はまだか」と
犯され続けている女性を見ている。女性は10人、その内2人の女ハンターの汚れ具合を見る限り、
他の女性よりも綺麗な方だ。いや、大分コンガに犯され続けたせいで綺麗も何もないのだが、
恐らく状態を見る限り残りの8人は近隣に住む村人――そしてこのハンター2人は村人の救出で来たのだろう。
だが、結果は悲惨だ。
「んやぁぁっ!うあぁぁぁぁっ!」
 目の前でコンガから吐き出される精液を抵抗も出来ずに受け止める。それはハンターにとってどんな屈辱だろうか。
出し終えたコンガは離れるが、すぐ様別の――順番待ちしていたコンガが集り始めた。
「ひっ!いやぁぁぁぁぁぁっ!」
 忽ち洞窟内に悲鳴が響き渡る。だがどのコンガもそれを意にせず、
すぐに自らの肉棒を挿入させようとしていた――
「――このっ!やめろぉぉぉっ!」
 手元に武器が無い――だが武器を持たずとも、激怒した私は助けようと
立ち上がって踏み出そうとした――だが
「うがっ!くっ――なんだっ!?」
 何かに足を引っ張られ、無様にも地面に転んだ。掴んでいる手を見ると、異様にでかい。
忘れていた、そういえば確か――
「くっ!離せぇっ!」
 グイグイと引き寄せられ、そいつとの距離が縮む。明らかになった腕の主は、
私に一撃を食らわせたあのババコンガだった。
「グフゥッ、グフゥッ!」
 しかも、その横を巨体が通り過ぎる。なんと、2匹目のババコンガだった。
「な、何っ!?」
 そして更にそのババコンガに続くように1,2,3・・・・またババコンガだ。
「ば、バカなっ!何故こんな場所にババコンガが5匹も――っ!?」
 どうりで薄暗く日も差しにくく、本来肌寒いはずの洞窟内が蒸している理由が分かった。
5匹のババコンガが率いる群れが――いや、群れ以外のコンガも含まれ、洞窟内はギッシリとしているからだ。
「んん――、こ、ここは?」
 人の声がしてハッとする。見ると、私の横にはまだ汚れてもいない――恐らく私と同じようにここに
連れてこられたばかりの女性――しかもハンターではなく村人が4人壁にもたれ掛かっていた。
――眼が覚めた女性に1匹のババコンガが迫った。
「えっ?何―――きゃあああぁぁぁっ!」
 またしても洞窟内に悲鳴が響く。そのせいで更にまだ意識を落としていた女性を起こしてしまった。

384:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 15:58:01 pC+tlhUZ
「ひぃっ!何よこいつっ!?」
「や、やだぁっ!こないでぇぇぇっ!」
「た、助けてえええええぇっ!」
 4人全員を両腕で逃げないように拘束したババコンガ――私の足を掴んでいたババコンガも
空いている腕で私の両腕を包み込んでしまった。
「くっ!離せっ!無礼者がっ!」
 腕に力を込めて振りほどこうとするが、どうしたことか――全くビクともしない。
前にラージャンと戦った時、私は太刀でラージャンを打っ飛ばした事がある。
腕力なら誰よりも負けず、牙獣種を吹っ飛ばせるほどの力を持つ私が、振りほどけないとは。
「うぁっ!熱っ――」
 上からビチャっと液体が顔に掛かった。ベトベトしていて臭い。思わず私は顔を上げて降ってきた方を見た。
――ババコンガからだ
「うわっ!」
 堪らず声を上げる。通常ババコンガは憤怒すると顔が真っ赤になる。だが私の目の前に居るババコンガは
憤怒していないにも関わらずそれ以上に紅くなっており、更に血管が所々浮き出ている。おまけに息も荒く、
呼吸の為に開けている口が閉じられることなく――そのせいで涎がボタボタと零れ落ちている。
「フゥーッ!フゥーッ!」
 顔が近づいて来る。その息までもがたまらなく臭い。
「ええぃ寄るなっ!この下衆がぁっ!」
 腕は動かせない――ならば足はと暴れるように振り回すと――何か硬いものにバチッと当たった。
「ブゴアァァァァァアァァアァアアッァァァァァァ――!!!」
 いきなりけたたましい声を上げるババコンガ。耳を塞ぎたくても腕が拘束されているせいでモロにその咆哮を聞いてしまった。
洞窟内に反射的に響く咆哮――頭の中がクラクラとした。だが――
「ブオオオオォォォォォ――ッ!!!!」
「う、うわぁぁぁぁぁっ!」
 今度こそ本当に憤怒し声を荒げたババコンガは爪を食い込ませて私の着る防具を引き千切った。
信じられなかった――幾度も戦って丹念に作り上げられ、鍛えられ上げた筈のラージャンの防具がいとも簡単に剥がされてしまったのだ。
「いやぁぁぁぁぁっ!」
「きゃあぁぁぁぁっ!」
 しかもそれを合図に、他のババコンガ達も女性の衣服を引き千切り始め、
忽ち私とその女性達の体が露になった。
「こ、こいつらまさか―――っ!?」
 今期は確かに繁殖期ではあるが、牙獣種が人間に生殖活動をするなど聞いた事も無い。
だから先程コンガに犯されている女性達を見て違和感を感じていた。
 しかし今度はババコンガ、しかもそれが自分に――
「い、いやだぁっ!離せっ!離せぇぇぇぇっ――!」
 怖い――その感情でめちゃくちゃになった私は暴れた――だが抵抗も空しく、ババコンガが私の体中を嘗め回してきた。
「ひぁっ!?」
 怖気が走る――熱く涎でベトベトした舌が私の全身を這う
「ビチャッ!ビチャッ!ベロベロベロッ!」
「うあっ・・・ああぅっ・・・・気持ち悪い・・・・」
 今までに無い感触に今すぐ逃げ出したい気持ちだった。全身は既にババコンガの唾液でベトベトになり、
不快感が増す中、今度は足を掴まれ逆さ吊りにされた。

385:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:00:06 pC+tlhUZ
「な、何を――ひぁっ!」
 留まることを知らない唾液が足に、太腿に、そして私の股間に垂れ落ちる。すると、
ババコンガは両手で持った私の足を無理矢理開かせ――
「あっ!うああぁっ!やめ――やめろぉっ!ひはあぁっ!」
 アソコにむしゃぶりついた。激しく舌が動き、それによって涎が飛び散っている。
「ビチャビチャビチャッ!グチュッ、ジュパッ、ジュパッ――」
 淫らな音と共に、感じる場所を激しく舐められ、声が漏れ出てしまう。
「や、やめっ・・・いあぁっ!」
「だめぇえええええっ!舌っ入れない・・・・でぇっ!あああああっ!」
「いやぁあっ!中で・・・動いてぇ――っ!ひぃやぁぁぁっ!」
 私だけではない、他の――同じく私と同じように嬲られて居るのだろう。
すぐ側でさっきの女性達の嬌声混じりの悲痛な声が聞こえる。
「ジュジュッビチュッ!ビチャッ、ジュルルルルルルルルゥッ!」
「うあぁぁっ!やめろぉ――ッ!す、吸うな・・・ふあぁぁぁあっ!」
 それまで私の股間を舐めていたババコンガは今度は激しく吸い始めた。
とてつもない吸引力に比例して不快なる快感が私を襲う。
「や、やめぇっ――、で、出るっ!出ちゃううぅぅぅっ――!」
 声も抑えられず、我慢も出来ず、ひたすらに秘部を吸われ続けた私は排出の知らせが
下半身から感じられ、そして――
「いやぁぁあぁぁっ!ふああああああああああああああああぁぁっ!」
 絶頂――そして噴出。ブシャッと音と共に自身の尿が降り注ぐ。
「フガァッ!ジュルッ!ジュルルルルルルルルルッ!」
「いやぁぁっ!イッたばかり・・・・なのにぃっ!舐めないでっ――!吸わないでっ!お願いぃぃぃぃぃぃっ!」
 尿を吸い取るかの様に舐める――吸う動作を止めないババコンガ。快感がずっと続き、
パニックになった私は人語など解るはずもない獣に懇願してしまった。
「うはああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 そして結局また達してしまった。ガクガクと震える体を未だに掴む腕にはもう
――激しい快感で力が抜けてしまった私には抗うことが出来なくなってしまった。
「はあぁっ・・・・はぁっ・・・・はぁっ」
 逆さまにされているせいで呼吸がしづらい。何とか呼吸をしようとして大きく息を
吸ったり吐いたりとしていると、「何か」が目の前にあるのに気がつく。
「はぁっ・・・?ええええええええっ!?」
 ――一瞬、単なる岩か何かと思った。だが真っ赤に(特に先端が)腫れ上がり、
太い血管が浮き出てビクビクと動く棒――根元を見て驚いた。
それは私の顔ほどの大きさを持つババコンガのペニスだった。
 前に恋人だった者とセックスした際にペニスは見ている――そのせいでこの
ババコンガのペニスが私の知る標準的な大きさを大きく――果てしなく上回り――

386:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:02:43 pC+tlhUZ
「いたっ――!」
 無理矢理四つん這いにされ、更に頭を抑えられた。股間に何か熱いものが当たる
――ババコンガのペニスだと、それしか出ない答えを認識して私は
「いやあぁぁぁぁっ!やめてぇっ!そんなの入る訳ないっ!誰か――誰か助けてえぇぇぇぇぇぇっ!」
 死と直面するのに似たような恐怖に襲われた。助けを乞い、必死に逃げようと涙ながらもがいた。
しかしそんな行い、ババコンガには虫にも等しく
「うああああああああああああああっ―――!」
 構わずズブズブと自らの亀頭を挿入させた。実際に聞こえる訳ではない。あくまでも擬音としてだけど
――私は、私のお腹からメリメリとする音が聞こえた気がした。
「さ、裂ける・・・・・・・うぅっ!」
 先程も言ったとおり、私はセックスを経験しているため処女ではない。だが今までに無い
大きさのモノを挿入れられて痛みに襲われた。そんなことも気にせずに、ババコンガは――
「フフゥーッ!ウホォッ!ウホォッ!」
 快感を求めるだけか――それとも、ただ単に孕ませる為か、ババコンガは容赦なく腰を
―――まさしく獣の如く振り始めた。
「っ!――あはぁっ!う、うごかさないでぇっ!――やあぁぁぁっ!」
 下腹部で前後する亀頭――その感じたことも無い――引いて、突く度に出る圧迫感。
恐ろしい、自分の体の中からこれほどの感覚が出るなど、生まれて初めてだった。
「あっ――!があぁっ!な、かっ・・・・えぐれぇ――ああああああっ!」
 抉れる――外からではなくナカから、ナカからナカから――犯されて――。
「ひあぁっ!やぁ、やぁぁぁああっ!」
「痛いぃっ!やめてぇぇぇぇっ!」
「うっぐぅっ!あっ、あああああああっ!」
「た、助けてぇっ!いやぁああぁぁっ!」
 それは他の女性も一緒だった。涙で歪む視線の先には私と同じくババコンガの
――あの超絶な極太ペニスを突き入れられ――中には悶絶寸前にまでなっている様な者まで居た。
 しかしそれは私も一緒だ――が、次第に体が無意識に――
「えっ!?や、やぁっ!ウソよぉ!な、何で私っ―――!」
 ナカに入っているモノが動くたびに体の奥からゾクゾクとするものが出る。
――知っている――これは入れられて、動かされ、捻られて、感じるもの。

 ソウ―――――キモチイイ――――




387:参章「狂い始めた野獣の弦」
08/10/11 16:04:33 pC+tlhUZ

「ひぃんっ!あ、あんぅっ!んはぁあっ!」
 自分でも知らず、嬌声が漏れ
「あ、はぁっ!あああんっ!」
 体は快感と認識し
「うあぁっ!太くなってぇっ――!」
 ナカで一段と膨らんだソレは合図と知り
「ああああああああああああああああああああああああっ!」
 大量に吐き出された――中で激しく噴出する精液で、私はイってしまった―――。
「うはぁっ・・・・!はぁっ!はぁっ!」
 お腹が苦しい、ババコンガの大量に出た精液のせいで腹部は通常よりも膨らんでいる。
「うぁ・・・・っ!あああああっ!」
 ズポンっと引き抜かれたペニス。栓が抜かれたように、私の膣からゴボゴボと
大量の白濁色の液が零れ落ちた。
「はぁっ!はぁっ・・・はぁぁっ・・・・・・」
 凄まじい感覚――快感で意識が朦朧とした。薄らぐ眼の先には私と同じように
侵されていた女性が同じように股間から精液を排出していたり――気に入ったのか、
そのまま――入れたまま更にピストン運動を続けるババコンガと、解放されずずっと
涙を流し続ける女性――口が大きく開けて何か言っているよう――いや、悲鳴以外に無いだろう。
「グフゥー・・・・フー・・・・」
 背後に居たババコンガの気配が遠ざかる気がした。どうやら私の中は気に召さなかったようだ。
ひとまずの休息と――思っていた時――グイっと顔を上げさせられた。
「え・・・・っ?」
 ぼやけて眼に映るソレは大きさこそ大分違えど、先程挿入れられたペニスだった。
しかし一体誰の?などと思った瞬間――
「んんむぅっ!?」
 無理矢理口の中にペニスを押し込まれた。何故?この大きさは一体誰――
などと二度同じ事を思い始めた時に気がついた。
「んんんんぅっ!?」
 目の前の体はババコンガほどの大きさでもなく、ペニスもババコンガよりも小さい――
だが之も私の中の標準的な大きさを上回っている――
「んんむぅうっ!むぐぅっ!ふむぅぅぅっ!」
 先程私が最初に見た光景――眼の前で――眼の前でコンガに犯され、精液を浴びせられ、
そしてまた違うコンガに侵されていた女ハンター。
 

 つまり私は今、まさに「その状況」に陥っているっ!!




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