任天堂の男キャラはせくすぃーだ part12at EROPARO
任天堂の男キャラはせくすぃーだ part12 - 暇つぶし2ch700:名無しさん@ピンキー
10/07/29 00:48:12 sT8+IgI4
危うく別スレに誤爆するところだった…

701:名無しさん@ピンキー
10/07/30 19:52:26 u2ga0YvO
では涼しげな青褌のどんべ萌え。

702:名無しさん@ピンキー
10/08/03 01:08:01 1MzFpiYI
テレビ愛知主催の世界コスプレサミットで
イタリアチーム『ゼルダの伝説』が優勝!

おめでとう、リンクたん
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)

703:名無しさん@ピンキー
10/08/03 01:30:58 1MzFpiYI
動画
URLリンク(www.youtube.com)

704:名無しさん@ピンキー
10/08/06 20:07:49 UpAAEhcL
では今日も青いどんべ萌え。

705:名無しさん@ピンキー
10/08/13 19:34:11 pX1+JBKT
13日の金曜日に落ちないように青いどんべ保守

706:名無しさん@ピンキー
10/08/16 00:42:48 Ucv12MNs
ゾーラホールでブーツ脱いで涼むりんきゅんあげ

707:名無しさん@ピンキー
10/08/18 10:47:00 vpIihl5z
ゾーラ服を着たトワプリんきゅんに暗いところですれ違ったら
ほんとに涼しいだろうな

708:名無しさん@ピンキー
10/08/18 13:43:51 imJrDkC6
>>707
あの帽子には食い付かれそうだ。

709:名無しさん@ピンキー
10/08/18 20:44:46 G1C2gtg+
新参ですまんのだが青いどんべって何だ

710:名無しさん@ピンキー
10/08/19 00:50:29 PX9CG5yC
>>709
705ではないが、
新鬼ヶ島と言うゲームに出ているらしい。
詳しくは金曜日まで待て。大抵本人が来る。

711:名無しさん@ピンキー
10/08/20 20:03:49 nB7waFfQ
>>709
新鬼ヶ島の男主人公。青いと付けてるのは取説のイラスト描いた人が複数人いた
みたいで、どんべの着物とかの色が緑と青で大きく分けて2種類あるから。
全身青は色のバランス悪いがそこがいいのだよ。自分は全部青派。

では青いどんべ萌え。

712:名無しさん@ピンキー
10/08/21 10:43:25 NjUKL2GU
「緑のどんべ」ではそのまんまカップヌードルみたいだからな

このスレがもっているのは
毎週金曜にどんべ萌えしている人のおかげ

713:名無しさん@ピンキー
10/08/21 17:59:46 uch2uWKV
そりゃ緑のたぬきwww

そういえば最近、ケモナーを見ないね。
赤いきつねフォックス

714:名無しさん@ピンキー
10/08/21 22:27:01 G5nLWk0P
見てるけど獣人とかはスレチなのかなぁって思ってた
フォックスにハァハァしていいならこれからは遠慮しない

715:名無しさん@ピンキー
10/08/21 22:27:08 3iO/13uo
フォックスは冬が旬ですよw

716:名無しさん@ピンキー
10/08/22 02:44:48 vOYGjyzI
一年じゅう発情してるには人間だけだもんな

717:名無しさん@ピンキー
10/08/22 09:53:39 DZiMcfuM
フォックスだってその気になれば一年中発情してるはず

718:名無しさん@ピンキー
10/08/22 15:08:53 VCnh2B/K
ただこう暑くちゃあ、ハァハァするのもモフモフ毛皮よりヌルヌル、ヒンヤリ肌のゾーラリンク、
と言う気持はわからんでもない

719:名無しさん@ピンキー
10/08/22 23:13:52 DZiMcfuM
木の実リンクの海で泳ぐ姿がまじでかわいい

720:名無しさん@ピンキー
10/08/23 22:08:33 2uHE5NST
人魚スーツ?
あれ似合うのってまじでペコちゃんリンクくらいだよね

721:名無しさん@ピンキー
10/08/24 23:35:07 zjHRzX7J
上半身裸だったら、時岡でもトワプリでもオケ。

722:名無しさん@ピンキー
10/08/27 19:39:35 61owBmsN
>>712
青いどん兵衛はあるんだよね・・。かき揚げ天ぷらうどん。でもあんまスーパーとかで
売ってるの見ないな。

では青くて可愛いどんべ萌え。

723:名無しさん@ピンキー
10/09/04 18:00:22 CERRr4E4
ほしゅあげ

724:名無しさん@ピンキー
10/09/09 19:22:03 BLb41vuL
ふう、ようやく暑さも一段落。ロンロン牧場で月観てまったりしまい

725:名無しさん@ピンキー
10/09/10 18:57:44 2ssPbiWg
青いどんべと緑のどんべの比較画像貼ろうとしたが時間なく断念。

では青褌で可愛いどんべ萌え

726:名無しさん@ピンキー
10/09/14 21:00:57 iDdpg8dA
tesu

727:名無しさん@ピンキー
10/09/14 22:18:23 iDdpg8dA
婦人は相好を崩し、親切に教えてくれた。
時計塔のあるこの町の名前、
月の接近が異常なこと、
町の人々の中にも心配しているひとと、
そうでない人がいることとか。
さっきの不審そうな顔つきが嘘のようだった。

「カーニバルを開くかどうかも、
侃々諤々の議論がずっと続いているのよ。
宅の主人も、何日も家に帰らず会議に
出ずっぱりなの。
あ、宅の主人はね、この町の町長をしているのよ。
なにか困ったことがあったら、町長室に行きなさい、
といっても、今は会議であえないでしょうけど」

町長夫人だというその女性は、
額ににじむ汗をぬぐった。

「それにしてもあなた、その格好は酷いわね。
カーニバルなんだから、もっとパリッとした服を
着なければ。なんだったらうちの…」
そう言いかけて婦人は、顔を曇らせた。

728:名無しさん@ピンキー
10/09/14 22:30:59 iDdpg8dA
「いえ…あ、ごめんなさいね。
町の西側の路地に、
雑貨屋があるからそこに行けば、
服があるかもしれないわ…それから」

婦人は懐からお面を取り出した。

「これ…私の息子なの。ハンサムでしょ…
もう一ヶ月も行方不明なの。
もうじき…カーニバルの日に、
結婚式を挙げるというのに。

この顔の若い男にあったら、
理由はいいから、叱らないから、
家に戻ってくるように、って伝えてくださらない?。
見かけた、って知らせだけでもいい。
私毎晩、そこの地下にあるバーにいるから。
お願いよ」

婦人はシーカーの手を包み込むようにして、
お面を持たせた。
祈るように見上げる顔は、
涙で濡れていた。

見ず知らずの、行きずりの者に、
すがりつくように頼み込む。
これが母親の愛情というものか、と、
母を知らないシーカーはぼんやりと思った。

729:名無しさん@ピンキー
10/09/18 00:24:22 +cVc8hH1
シーカーは言われたとおり西の通りの雑貨やを訪ねた。
「服?今はここじゃあつかってないな。日が暮れてから隣の、
マニやを訪ねてみるんだな」
黒ガラスのメガネをかけた店主は、
ぶっきらぼうに言った。

「それよりお前、金を持っているのか?」
聞かれてシーカーは、懐を確かめた。
盗賊の荷物から頂戴したルピーがある。

「いくらか…」
「それだったら、向いの銀行やに預けておくといい。
悪いことはいわない。それから、早いところ、寝床を確保して
おくんだな。この町にはまともな宿屋は、一軒しかない。
時計塔の広場に面した宿に行け」

そっけないわりに、店主は親切だった。
シーカは言われた通り、手持ちのルピーのうちいくばくかを、
銀行やに預けた。

「まいどあり。あなたに目印をつけるよ」
銀行やの若い男は、不気味な手つきでシーカの体を撫で回した。


「これで大丈夫だ。引き出したかったら、またおいで」

もう二度と来たくない気分だったが、こないわけには行かないだろう。

730:名無しさん@ピンキー
10/09/18 00:45:42 EoVkZB9Y
ムジュラの住民は変な人ばかりだったな
シークたん気をつけて~

731:たぶん729
10/09/18 14:59:28 +cVc8hH1
昨夜は酔って帰ってきて、記憶がトンドル。
こんなカキコしてたとはwwww

732:そういうわけで729の続き
10/09/18 15:22:51 +cVc8hH1
日が翳りだした。

シーカーはもとの広場に戻り、宿屋を探した。
人に聞くでもなく、それはすぐに見つかった。

お世辞にも豪華とはいえない扉を押して中に入ると、
薄暗いホールのカウンターに、娘が立っていた。
「いらっしゃいませ」
礼儀正しく頭を下げたが、
か細く消え入りそうな声だ。

「今晩泊まれますか?」
シーカーの問いに娘は、美しいが陰気な顔に、
困惑したような表情を浮かべる。
「えっと…あの、お客様…は…
ご予約のかた…デハナイデスヨネ…」
「まぁ、いらっしゃい」
娘の声をかき消すように、奥から年配の女の声が聞こえた。



733:名無しさん@ピンキー
10/09/18 15:52:56 +cVc8hH1
女は娘の傍らに立ち、耳元でなにやらささやいた。
娘は小さく頷き、こちらに会釈して奥へと消えた。

目の端でそれを見送った女は、
シーカーに向き直って、
愛想笑いを浮かべながらも、
頭のてっぺんから足先まで、
値踏みするように鋭い視線を走らせる。

「すみませんねぇ、お客さん。
今夜はもう、満室なんですよ。
カーニバルが近いので」
「でも、この町に宿屋は、ここしかないのでしょう?」
「ええまぁ、そうなんですけれど。
カーニバル中は普通の家でも、
泊めてくれるところがありますし、
野宿をされる方も、いらっしゃいますよ」

本当に申し訳ありません、という声に送られて、
シーカーは宿を出た。

野宿には慣れている、別に寝るところなど、
最初からどこでもよかった。だが、
この町のことを少しでも知っておきたいと思って、
宿屋に来たシーカーだった。

「幸い、雨も降りそうにないし…」
空を見上げるとまたあの月が、いやでも目に入る。
「…前より、大きくなったみたいだ」
相変わらず不気味な、月だ。

町には、やぐらを立てる槌の音が絶え間なく響いている。
どこかの店から、相変わらず楽しげな音楽が流れていた。
テリアがキャンキャンとけたたましい鳴声をあげて、
木の民の子を追い掛け回していた。
月さえなければ、いたって平和な町の風景だ。

「木の民?この世界にもいるのか…」
見回すと、こちらへ歩いてくる岩の民もいた。
きっとどこかに、魚の民もいるのだろう。

たしかにここは、ハイラルとうり二つだ。
「そういえば…」
雑貨屋の主人も、宿屋の娘も、
前に見かけたことがある顔だった。

「確かに何か、もとの世界とつながりがありそうだ」
とにかく、調べるしかない。

734:名無しさん@ピンキー
10/09/19 18:52:59 JquGRyIU
時計塔の鐘が鳴って、夜の帳が街を包む。
シーカーはオレンジ色のあかりがともる西の路地へまた、
足を運んだ。

雑貨屋には、これまで見たこともない格好をした若い男がいて、
「バイトなんっす。わからないっす」を繰り返した。
埒があかないので、昼間店主に言われたように隣の店を覗くと、
そこには店主その人がいた。

だが、昼間とは別人のように感じられる。
店の雰囲気も、なにやらアヤシイ。

さほど広くない店は、雑多な商品でいっぱいだった。
高価そうなものからガラクタまで。品揃えはばらばら。
ただ皆、新品でないことだけは共通していた。
どことなく、いわくありげなところも。

「窩主買か」
シーカーは得心した。

店の主は、こっちの事情を見抜いていたのだ。
抜け目ないやつ、シーカーは用心しながら、カウンターの店主に話しかけた。
「こんばんわ、服が欲しいのですが」

735:名無しさん@ピンキー
10/09/19 19:15:44 JquGRyIU
店主は準備万端整えていたようで、
すぐさまひとそろえ出してきた。
木綿のシャツと丈の短い青紫色のチョッキ、
同系色だが少し灰色がかったひざ下ズボンと履物。
どれも贅沢なものではないが、こざっぱりしている。
シャツの胸のあたりには、糸で刺繍まで施されていた。

「交換や返品はお断りだ、そこで着替えていって」
「…ここで?」
「カーッ!お前、男だろう。何を恥ずかしがっている!」

服を変える前に、どこかで身体を清めようと思っていたシーカーは、
しぶしぶそこで服を脱いだ。

「おまえ…」
店主は遠慮なくこちらをじろじろ見続けている。
「生業はなんだ?」
一瞬ドキリとしたが何食わぬ顔で、シーカーは言い返した。
「なぜそんなことを聞くのです?この町じゃ、服を買うにも、
生業を明かさなきゃいけないのですか?」
「ほそっこいくせに筋肉がついている。何をすれば、
そんな肉のつき方をするのか、と思ってな」
店主はボリボリと身体を掻きながら、
シーカーから目を離さずに言った。

「武術家か何かか?」




736:名無しさん@ピンキー
10/09/19 19:30:50 JquGRyIU
あたらずとも遠からず、というところだ。
そういうことにしておこう、とシーカーは思う。

「そうです」
「ならば剣はどうした?」
根堀葉堀、親父はなかなかしつこい。

「使わないのです。
身一つで闘う技を極めようとしています」
ほう、と店主は声をあげた。

「路地の突き当たりに、剣術の師範とやらがいる。
一度、その技を見せてやってくれ」
「その方は、お強いのですか?」
店主はそれには答えず、代金の支払いを求めた。

服は、少しゆったり目だが程良い寸法だった。
「夕方、仕入れがあったばかりだ。
失踪した息子のもんだそうだ」

死んだときまったわけじゃないから、
ホトケさんのじゃない、安心しな、
と、店主はけけけと笑った。

737:名無しさん@ピンキー
10/09/19 19:39:18 JquGRyIU
「お前のその服、いらないんだったら買ってやるよ」
シーカーはその言葉に甘えることにした。
二束三文でも、捨てるよりはいい。
むろん、ホトケさんから奪った服だとは言わない。


「ほかにも何かないかね。この町じゃ、モノよりルピーだよ」
ホトケさんからいただいたものはまだ他にもあったが、
余計な詮索をされては面倒なので、シーカーは首を横に振った。


「まいどあり。またおいで。ただ言っておくが」
店主はまた、念を押した。
「余分なルピーは、銀行屋に預けておくんだ。忘れるな」

738:名無しさん@ピンキー
10/09/20 19:24:37 HTjURaEk
なぜしつこく、金を預けろというのか。
シーカーは理由を聞いたが、店主は煩そうに
左右に手を振った。

こういう商売は口の堅さが看板代わりだ。
しゃべらないときめたらしゃべらない。
シーカーはそれ以上たずねるのをあきらめ、
外へ出た。

ほぼ向かいが銀行屋だ。
「ご近所のよしみ、でもないだろうに」
そのまま、銀行やをたずねた。

「やあ、またきたね」
前髪が顔の半分を隠していて、表情はよめないが、
男は機嫌良さそうだった。
「引き出しかい?それとも預け入れ?」
「これを、預けたい」

男は金を受け取り、またあの妙な手つきで
シーカーの体に印を付けた。
「これで…よし」
ありがとう、と言ってカウンターを
離れようとしたが、男はシーカーの肩を
つかんだまま、ささやいた。

「今夜の宿は決まった?」
「いいや、まだだ」
「よかったら、ここにとまらないか?
なぁに、お代なんて気にしなくていい。
大切なお得意様への、サービスだ」

739:名無しさん@ピンキー
10/09/21 22:04:47 630Wb5pS
シーカーは考えた。

銀行屋なら町のいろいろな情報が入って来る。
たしかに危ない橋だが、渡ってみるのも悪くない。

「ありがとう、じゃあ頼むよ」

銀行屋は相変わらず無表情だったが、
ぽんぽんとシーカーの方を叩いた。

「こっちだ。遠慮せずに入ってくれ」

740:名無しさん@ピンキー
10/09/21 22:35:13 630Wb5pS
銀行屋はカーテンを引いて店の奥にシーカーを誘った。
奥には小さな寝台が、ぽつんと置かれていた。
部屋に窓はない。

「逃げ道は、入り口だけか…」

とシーカーが思ったその時、
銀行屋はいきなり身体を抱き寄せ、
唇を奪いにかかった。

「…ちょ、ちょ、ちょっと待て…聞きたいことが…」
銀行屋は待たない。
シーカーの口をふさぎ、そのままあっさりと相手の身体を抱え込んで、
寝台へなだれ込んだ。

シャツの留め具を引きちぎるように前を開け、
唇から胸元へと顔を移動させ乳首を舌で弄ぶ。
「やめろ、ボクは…そんなつもりじゃ」
あえぎながらシーカーは抗議したが、
相手はもう聞く耳を持たない。
獣のように喉を鳴らしながら、
のしかかる相手を制するのに、精一杯のシーカーだった。

「しまった…」
計算違いを悔いたその時、
異変が起こった。




741:こっそり聞いた話
10/09/22 23:00:50 3LagCtd/
今日は平日だけど、ラッテは終夜営業らしい。

742:名無しさん@ピンキー
10/09/24 19:33:29 jebcosZz
では本日も青いどんべ萌え。

743:名無しさん@ピンキー
10/09/25 00:18:45 QRS7r/hk
仰向けに見上げる天井が急にゆがみ、
周囲の風景が一点に向かってすごい勢いで
吸い込まれ始めた。

ふたりがもみ合っている寝台やも、
ひどく揺れている。

「ちょ、ちょっと君!それどころじゃぁ…あ」
シーカーは、相変わらず身体にしがみついて、
下腹に手を伸ばそうとしている銀行屋に
抗議の声をあげた。

「そんなことをしてる場合じゃ、あっ、
だめだってば!!」
銀行屋は顔をシーカーの胸元につっこみ、
音を立てて乳首を嘗め回していた。
「やめて…ってば、周囲を見ろよ…」

男はちょっとの間顔をあげた。
「わかってる…これから何が起こるかも
知っている。
だから、今のうちに
一発やっとくんだ。おとなしくしてくれ」
「やっとくって…」
「おとなしく協力してくれたら、利子うんと、
サービスしてやるよ。だから、
やらせろ」

「だって、寝台がひどく揺れているし…
このままじゃ…」
「大丈夫だ、少々ギシギシアンアンやったって
壊れない。マニやの親父のお墨付きだ。」

銀行屋はいよいよ本気だった。
目を血走らせてシーカーの腰にまたがり、
ズボンを下ろしにかかった。




744:名無しさん@ピンキー
10/09/25 00:41:00 QRS7r/hk
一瞬、銀行屋の締め付けが緩み、
シーカーはそこからするりと抜けた。

と、相手の身体がものすごい勢いで、
彼方へ吹き飛ばされていった。
部屋の中の家具やなにやらも、
後ろへ後ろへと引っ張られていく。

シーカーは飛ばされないよう寝台にしがみつき、
飛んでくるものを避けていたのだが、
ついに力尽きて手を滑らせた。
「わぁああああ~!!」





745:名無しさん@ピンキー
10/09/25 01:14:00 QRS7r/hk
鐘の音で、シーカーは我に返った。
最初にこの町に来たときに通った、
あの時計塔の扉の前だ。

買ったばかりの服は幸い無事だった。
前がはだけて、ズボンもあやうくずり落ちそうでは
あったが。。

幸い広場に、人影はなかった。
石畳の道は雨で濡れている。


「一体、何が起こったんだろう」
まだ朝早い時間らしく、やぐら作りの槌音もしていない。
あたりを警戒しながら広場を移動したシーカーは、
とんでもないものを目にした。

「こ…これは…」
祭りのやぐらができていた。
が、昨日見た時より高さが低い。
といって、出来上がった部分を壊した跡もない。

はじめから、ここまでしかできていない、という感じだ。
「時間が巻き戻ってる?」

空を見上げると、やはりそこにはあの月があった。
「この町でおかしいのは、月、ばかりじゃないのか」
一刻も早く帰る方法を見つけて戻りたい…

「といっても、どうすればいいのか」
シーカーは雨空と月を見上げて、ため息をついた。


746:名無しさん@ピンキー
10/09/27 23:43:51 vtVAqh2d
しばらく時計塔で休み、善後策を考えた。
「以前行ったところに行き、会った人に会ってみよう。
皆、ボクのことを知っているかどうか」

手始めに、宿屋へ行って見た。

あの娘はいなくて代わりに、
母親らしい夫人が、カウンターを仕切っていた。
ドアを開けて入るシーカーを愛想笑いで迎えた、
と、次の瞬間、顔色を変え険しい顔つきになった。

「あんた、なんだい!!何のつもりだい??」
「え…と。今晩の宿を」
「あんたを泊める部屋なんてないよ、出てっとくれ!」

その剣幕に押され、
シーカーは戸口から奥に入ることなく、
外へ出た。

「一体何が悪かったんだろう…」
服装なら前に来た時のほうが、
貧相だったはずだ。

「この服、どこか変だろうか?」
日が暮れたらまた、マニ屋に行って
事情を確かめるしかない。その前に、

「銀行屋で、ルピーをおろさなきゃ」
気は思いが、仕方がなかった。

747:名無しさん@ピンキー
10/10/06 22:31:19 +bUcrFmQ
ルビーを下ろすのはわけなかった。銀行屋の手つきは相変わらず変だったが…。
しかし。


748:名無しさん@ピンキー
10/10/08 18:47:09 Ubx9GuXt
では今日も真っ青な野生児どんべ萌え。

749:名無しさん@ピンキー
10/10/11 01:05:16 Zd0FLHkq
しかし。

747は いずこへ…

750:ども
10/10/14 00:08:26 mClLY/BL
それ以上は特に、なにもなかった。

「まいどあり。またおいで」
男の顔は相変わらず半分髪で隠れ、
表情は読めないままだった。

シーカーは内心ほっとしながら
ルピーを手に、さっそく向かいの店に入った。

「いらっしゃい」

迎えたのは、あの色つきめがねの親父だ。
不審そうに首をかしげながら言う。

「見慣れない顔だな…」

シーカーは耳を疑った。
つい昨晩、ここで服を買ったじゃないか、
とのどまで出かかった言葉を押さえて答える。

「カーニバルを見に来たんだ。
途中で追剥にあって、身ひとつなんだよ」
親父は大きくうなずいて、細々したものを揃えて寄越した。
「城壁の外は物騒だ。気をつけるんだな」





751:名無しさん@ピンキー
10/10/14 00:19:52 mClLY/BL
「どうも変だ」
納得がいかないことばかり、とシーカーは思う。

窩主買の親父とは、前に一度会っているはずだ。
昨日の今日、忘れてしまうにははやすぎる。
客商売ならなおさらだ。

「それとも、わざと…」

人面月といい、低くなった櫓といい、
親父のことといいこの街は、
わけのわからないことばかりだった。

考えながら路地の外れまで来た時、
視線の端を横切っていったものがあった。

緑色の帽子。

シーカーははっとした。
「あれは、まさか!」

ぱたぱたと小さな足音が、
曲がり角の向こうで響く。
見慣れた小さな影。

「!」

すぐに後を追った。

大人の姿で、女盗賊たちの砦に捕まっていたはずの勇者が
なぜ今こんなところに。
そんなことを考えている暇はない。
それでなくともこの街には、謎が多すぎるのだから。



752:名無しさん@ピンキー
10/10/15 00:31:42 4p/chYtp
細い路地を曲がるとその先はもう広場だ。
が、そこに出る前にふっと、足音が消えた。

一本道だから見失うはずはないと、
シーカーは思っていた。
それに追跡は慣れた仕事。
一族のものなら、物心ついたころからもう、
言いつけられる基本中の基本なのだ。

だが、

「いない」

がらんとした広場には、
人っ子ひとりいない。いや、
デクの木の子どもがひとり、
花プロペラを使って
月に向かって飛んでいくところだった。

いつもは沈着なシーカーだったが、
さすがにうろたえた。

「こんなところを、乳母殿に見つかったら」
任務の失敗は自分ばかりか、仲間の命も脅かすと、
こっぴどくしかられるところだ。
さすがに、ここではこれ以上悪いことはおこりそうもないが、
つながったと思った元の世界との絆が、
またぷつんと切れた気がした。



753:名無しさん@ピンキー
10/10/15 00:53:08 4p/chYtp
呆然としたシーカーは、またひとつ過ちを犯した。
隙ができて、あたりに注意を払わなかった。
後ろから人影が迫ってくることにさえ、
気づかなかったのだ。

代償は、腰のあたりにやってきた。
なにかにどん、と突き飛ばされたシーカーは、
前のめりにつんのめったところを、
顔面からレンガの地面に激突するのを
受身で避けて体をひねり、
腰のあたりに絡みついている奴を
振り払おうとした。

小さなそいつは、
シーカーの細い腰に必死で、
しがみついている。

一瞬のうちに、
衝撃を和らげる体勢を整えたシーカーは、
倒れこみながらそいつを、
両手で押さえ込んだ。

「子ども?!」

横受けで抱え込んでしまったのは、
5歳くらいのおかっぱ頭の子ども。
その子は
瞬間たじろいだシーカーの腹を思い切り蹴って飛び上がり、
相手が地面にのびたところで、
今度はどすん!と、
身体に馬乗りになった。

「つかまえたぞ!この泥棒め!
ボクのお面を返せ!!」


754:名無しさん@ピンキー
10/10/16 00:17:05 dQQzZxD/
子どもは馬乗りになったまま、シーカーの胸倉をつかんだ。
「脱げ!」
「なんだ、いきなり」
会う者、会う者ことごとくに、
脱げといわれっぱなしのシーカーだった。

「脱げ!それはボクの服だ。
母がぼくのために作ってくれた服だ」

シーカーは驚いて子どもの顔を見た。
くりくりと大きな目をして、
目鼻立ちも整ったかわいらしい子だ。
だが、
こめかみや口元が、ひきつっている。
相当癇が強いらしい。


「落ち着けよ。それにこの服は
マニ屋で買った」
「うそだ。ボクはずっとあの店で見張っていたが、
お前は最初からその服を着ていて、
小物を買っただけだ。

ボクからお面を奪った、
あいつの仲間だろう!!」
「うそなんか言ってない、それにこの服は大人用だ。
君はまだ、子どもじゃないか!」

相手はぐっと、言葉に詰まったようだった。

755:名無しさん@ピンキー
10/10/22 00:35:10 /0Zo3mVP
ほしゅ

756:名無しさん@ピンキー
10/10/25 23:35:17 TpIYsaLS
tes

757:名無しさん@ピンキー
10/10/25 23:52:31 TpIYsaLS
その隙に、シーカーは半身を起こした。
子どもは転がり落ちて、でんぐり返しになった。
「すまない!だ、大丈夫か」
差し出した手を子どもがつかんだ。びっくりする程力が強い。

「逃がすものか!
あいつの居場所を知ってるんだろう。
ボクのお面を盗んだ、あのスリの…」

子どもはまだ何か言っていたが、
あとは聞き取れなかった。
また、あのゆがみが起こったのだ。

「うわ…」
目が回り、気持ちが悪くなる。
シーカーは目をつぶった。腕をつかんでいた小さな手が、離れていく。
奈落の底に落ちていくような、いやな気分だった。


758:名無しさん@ピンキー
10/10/26 00:28:44 vQIURf1W
気がつくとまたあの、時計塔の前にいた。
今度は夕暮れ、鐘が街中に響いている。
所持品を調べると、マニ屋で買ったはずの小物も、
おろしたルピーもすべて、無くなっていた。

「また時間が戻っている」

何度も、何度も同じ時間を永遠に繰り返すのか。
シーカーは思わずぞっとした。
「いや、少しずつだが前に進んでいる」
前回は朝だった。今はもう夕方。
まもなくマニ屋も開く時刻だ。
あそこから始めるしかない―その前に
「先立つものはルピーだ」

相当げんなりしていたが、行くしかない。

さすがに、疲れていた。
どこかで休みたかった。
寝床を提供してくれるのなら、あの無愛想な女将の宿屋でも、
銀行屋のところでもいい。

自分でもあきれるほど、投げやりになっているシーカーだった。

759:名無しさん@ピンキー
10/10/27 10:27:28 FCrUm64Y
シークたん、うちに泊まって~
炬燵でアンアンしよう!

760:名無しさん@ピンキー
10/10/27 23:43:41 lsygSdOl
電気炬燵でアンアンするとケツを火傷する。

761:名無しさん@ピンキー
10/10/28 21:09:36 X6LRZaGC
いいなぁ炬燵。粋たなぁ。
急に寒くなったことだし、アンアン言わずとも、
裸で抱き合ってるだけでも。

762:名無しさん@ピンキー
10/10/30 21:18:35 LN6lJ7mZ
火傷ならオ□ナイン塗らなくちゃね
ほらじっとしてて
あ、手がすべった・・・・

763:名無しさん@ピンキー
10/10/30 21:45:17 0p3Mvnr5
オロナインは痔にも効く。
滑りがいいから…いやなんでもない。

764:書庫管
10/10/31 20:59:21 PpcblYYy
infoseekが今日で終わりということで移転しました。
URLリンク(www22.atpages.jp)

更新できてなくて、すいません。
今後も宜しくお願いします。

765:名無しさん@ピンキー
10/10/31 21:16:54 wobNT2QD
「何度目だ、西の路地」
シーカーはまたあの、階段状の小道にやってきた。
まずは気の重いことから、やら泣ければならない。

路地を上ってくると、突き当たりに人影が見えた。
少女がふたり、なにか考えているふうだったり、
そうかと思えば身体を動かしたり、はねてみたり。

「なんだろう」
少女たちの動きが気になったシーカーは、
銀行屋の前で足を止めて、彼女たちの仕掛け人形みたいな動きを
ぼんやり眺めていた。

「お兄さん、用があるのなら早く入っておいで」
中から声がした。あの銀行屋だ。

「毎度、また来たね」
シーカーはそれを聞き逃さなかった。
「ぼくのことを、覚えている?」
「いいや」銀行屋は頭を左右に振る。

「あんたの顔を見るのは初めてだ。だが、あんたの身体の印は、
ここに来るのが三度目、ってことになっているんでね」
「君はそれを気にしないのか?」
「どうして気にする必要がある?俺にとって大切なのは、
金額の変化だけだよ」

銀行屋は前のように怪しい手つきで、手続きを終えた。






766:名無しさん@ピンキー
10/10/31 21:19:29 wobNT2QD
>>764
うわぁ…書庫管氏。
管理お世話っす。

767:名無しさん@ピンキー
10/11/03 21:35:04 e1rDqx2N
路地から音楽が聞こえてきた。
くねくねして、粘りつくような、奇妙な旋律だが、
一度聞いたら忘れられないメロディーだ。

「やっと新しいステップを見つけたようだな」銀行屋が呟く。
「新しい?」
「ああ、旅芸人の女たちだ。新しい出し物の練習だとさ。
ずっとそこで頑張っていた。
カーニバルが開かれるかどうかもわからないのに、
ご苦労なことだ。月が落ちたらどうするんだろうな」
「月が落ちれば、君も困るだろうに。まるで他人事みたいだね」
「他人事だ」銀行屋はきっと、にやりと笑っていただろう。
「カーニバルが中止になろうと、月が落ちようと、
俺には関係ない。ここにいれば大丈夫」
銀行屋は自信たっぷりだ。

「どうしてそう言える?」
「時間がどう動こうと、ルピーの記録は影響されていない。
ここはどうやら、周囲とは違った場所らしい」
「…」
「だから、俺と一緒に来ないか?ここにいれば、
何も怖いことなんかないぜ」
銀行屋はまた、口説きにかかった。

周囲とは違った場所。確かにそうかもしれない、と
シーカーは思った。
それに、この街で暮らす以上、
銀行の世話にならないわけにはいかない。

試しにたずねてみた。

「ところで、緑色の帽子と服を着た、男の子を見かけたことがある?」
銀行屋は何の感情も交えずに、すぐに答えた。
「知らないな…知っていたとしてもこっちは商売だ。
守秘義務、ってものがある…気になるならここにいて、
自分の目で確かめてみることだ」

銀行屋は、前髪を下ろした顔を近づけてシーカーを凝視した。
シーカーは答えた。

「ありがとう。また来るよ」

768:名無しさん@ピンキー
10/11/09 04:48:50 92+OaDYz
ダレモイナイ 保守っとこう。

769:名無しさん@ピンキー
10/11/10 07:57:38 NIe80JIx
最近こないどんべ氏のかわりにどんべの太ももに萌えておこう

770:名無しさん@ピンキー
10/11/12 19:44:21 rtZqc4Rh
では1ヶ月ぶりにここで青い着物、青い脚絆と足袋、絶対領域、
そして青褌なエロかわいいどんべに萌えようかハアハア。

771:名無しさん@ピンキー
10/11/13 10:37:37 Amuld4nJ
タヌキ耳&しっぽ、ハチのコスプレ、ウサ耳。
ヒゲ生えたいい年したピザ男なのに、これらが似合うマリオは魔性の男。

772:名無しさん@ピンキー
10/11/13 16:18:06 1TXGLhmH
>770
おかえり
ピットやどんべやリンクなどのミニスカ男子(元含む)たまんねぇ

773:名無しさん@ピンキー
10/11/13 22:24:18 JZ+3RooC
時オカの子リンが宝箱覗き込む後姿とかwww

774:名無しさん@ピンキー
10/11/16 02:09:17 ccx60POp
宝箱に気を取られているとき 後ろから襲われたリンクたん

大人になったとき 足で開けるようになりましたとさ

775:767の続き
10/11/17 22:44:49 YS/+nECg
銀行屋を出ると、ちょうど踊り子の娘たちが
通りかかるところだった。
若い娘の汗と、脂粉の香りが漂ってくる。

「でもお師匠さんの踊りは最高だね」
女の一人が興奮したように話し出す。
「あんなステップ、思いつかないよね」
もう一人も、汗をふきふき同意した。
「あんなに、小さいのにね」
「そう、まだ子どもに見えるのにね」
「でも、大人になればきっと、オトコマエになるよ。
金髪のかわいらしいボウヤだからね」
「そうそう、緑色の服がよく、似合ってたよね」

「えっ?!」シーカーは二人を呼び止めた。
「すみません、その…お師匠さんというのは、
緑色の帽子をかぶって、剣と楯を背にした、
少年のことでしょうか」

女の一人が振り返り、
ちょっと頬を赤らめて答える。
「あら、よく知っているわね。そうよ。
あんな子どもなのに、見上げたものだわ。
おかげであたしたちの出し物も、大成功間違いなしよ。
あんたも、ぜひ観にきてよ」
「そうそう、ミルクバーってところで、
魚族の歌姫の前座でやるからさ」

「で、その少年は今どこに?」
シーカーは女たちの話など聞いていない。

「えっと、そうねぇ。そういえばどこに行ったかしら」
「ほら、あそこの門から出ていったんじゃない?」
「そうそう、こんな夜に平原に出るのは、まずいんじゃない、て
思ったんだけど」

776:名無しさん@ピンキー
10/11/17 23:14:56 YS/+nECg
シーカーは城門に走った。
女たちが何か言っていたが、聞こえていなかった。

門を抜けようとしたところで、衛兵に止められた。
「いかんいかん、こんな時間にいったい
どこへ行こうというのだ。外は魔物でいっぱいだ」
「今ここを、子どもが通ったでしょう?ぼくは…」
「彼は子どもではない。立派な勇者だ。剣も楯も装備している。
君はどうだ。丸腰じゃないか!」

確かにそうだ。前にマニ屋で揃えた装備は、
すっかり失われてしまっている。
「それに彼を追いかけようとしても無駄だよ。
馬に乗って駆けていってしまった。人間の足で
追いつくのは無理だ」

普通だったら、無理ではない、とシーカーは唇をかむ。
しかしこの世界は、まるで様子が違う。
どこまでいつもの力が出せるか、
自信を失いかけているシーカーだった。

「こんなことでは、とても任務なんて
勤まらない…」と、ため息をつきながら
空を仰ぐ。

そこにはやはりあの、恐ろしげな顔をした月が、
今にも地上に転げ落ちんばかりに迫っている。
「あの月のせいだろうか」
いつもの調子がでない。どこか変だ。
第一自分がどこにいるのかも、ここが正常な世界なのか、
そうでないのかもわからない。

勇者に会えるのか、どうなのかさえ。

「早く家にお帰り」衛兵が声をかける。
「ボクは旅の者だ、この街に家はない」
「では夜が明けたらすぐに、この街を立ち去るんだ。
家に戻って大切な人と、残された時間を
過ごすがいい」
「残された時間?」
衛兵も空を仰ぐ。
「ごらん、あと少しで地上に衝突する」
「この街を離れれば、助かるというのか」
衛兵は肩をすくめた。

「どうせだめでも、最期の時くらいは、
誰か大切な人と過ごしたほうが、いいだろう?」
「ボクはその、緑色の少年を探しに来た」
「じゃあ、あきらめたまえ。もう、どこへ向かったかわからない。
それに私は、君を通すわけにはいかないんだ」

シーカーは衛兵の説得に、素直に引き下がるしかなかった。



777:名無しさん@ピンキー
10/11/23 02:45:38 xjb0h2CG
マニ屋に入ったシーカは、さっと店内を一瞥した。
入口から見ると向かいあたり。天井に近いところに、暗がりがある。
「あそこか」きっとあそこから、こっちを見張っているに違いない。
ふと脇を見ると、若者の顔をしたお面が売られている。その顔に見覚えがあった。
「これはあの時の」
婦人から預かったお面だ。時間が戻った時に、無くしてしまった。
シーカは小柄と一緒に、それを求めた。
店主はじろりとシーカを見た。シーカは視線を、天井近くの暗がりに向けたままだった。
「裏だ」。オヤジが背中を掻きながらぼそりと言う。「洗濯場がある。そこへ行け」
シーカは軽くうなずいて、店を出た。

778:名無しさん@ピンキー
10/11/27 19:45:43 cv5nF0bA
今週もどんべ氏はお休みか。

779:名無しさん@ピンキー
10/11/30 22:52:19 uZVdVIt0
シーカーは店をでて路地を抜け、
裏へとまわった。
オレンジ色の明かりに照らされてた水場があり、
小さな郵便受けが立っていた。

水場の向こう側にあるドアが開き、
小さな人影が出てくる。
紫色のおかっぱ頭の子ども。
薄暗くて顔はよく見えなかったが、
街灯の明かりの中に入ったその子は、
きつねのお面をつけていた。

「お前は何者だ」お面の下からくぐもった声がする。
「ぼくは…君のお母さんから、
君を探すように頼まれた。でも、
そのことをお母さんが覚えているかどうかは、
わからない」
「この街のものではないな」
シーカーは首を横に振る。
「ここがどこなのか、どうしてここにいるのかも
わからない。わからないことだらけだ、ただ、
緑色の服を着た子どもを探している。
ボクは彼と同じ世界から来た」

子どもはきつねのお面を、ゆっくりとはずした。
その下から、大きな目と、すっきりと鼻筋の通った
端正な顔が現れる。

「その子なら、知っている。
ぼくも頼みごとをした…
ぼくの名はカーフェイ。婚礼を前に、
子どもの姿に変えられた惨めな男さ」

780:名無しさん@ピンキー
10/12/04 23:07:59 sDLpJ5kU
「それで君はここで、何をしているの」
カーフェイは後ろにそびえる建物を見やった。
「こんな格好では、どこにもいけない。
だが、ぼくはぼくの大切なものを奪った奴を見つけ、
取り返さなきゃいけないんだ」

そしてシーカーに向き直った。
「正直に言って君が、奴の、スリの仲間だと思っていた。
その服もてっきり、奪ったものだと」

だから違う時系列では、ボクに殴りかかってきたわけか、
と、シーカーは思う。
―だが、ボクの存在はこの世界には、
受け入れられていないようだ。
なぜだかわからないが、すべてがリセットされて、
初めからやり直さなけりゃ、ならなくなる―

781:途中送信しちまった
10/12/04 23:36:16 sDLpJ5kU
「とにかく、大切なものを取り戻すために、
あの店に二階から客を見張っている。

盗品をさばくには、普通の店ではだめだ。
あの店だったら…」
やっぱりあの親父は、窩主買いか、と、
シーカーは思う。

「知り合いなのか?」
「…父の、知り合いなんだ。理由を話したら
そこを使えばいい、って言ってくれた」
「お母さんに連絡はしないのか?」
「それも、頼んだ。緑色の服を着た少年に」
「! じゃあ、彼に会ったのか?
どこへ行けば、どうすれば会える?
今どこにいるんだ」
シーカーは柄にもなく気色ばんだ。

「その店には、いつかはやって来ると思う。
銀行で金を下ろしたり、雑貨屋で買い物をしなっきゃ、
この街では暮らしていけないから…」

カーフェイは少し考えていた。

「君もあの部屋で待つかい?
狭い部屋だが、君一人ぐらいなら大丈夫だ」

渡りに舟だ、とシーカーは思う。
少しの間だけでも、身体を休めることもできそうだ。
「もし、そうしてもらえたらありがたいよ」
「遠慮なんてしなくていいよ。
ぼくも、もう一ヶ月もろくに話す相手もいなくて、
少し気がめいってたところなんだ。それに、
銀行屋には、気をつけたほうがいい」

カーフェイは周囲を見回し、口元に片手をそえて、
もう片方の手でおいでおいでをした。
シーカーが身体をかがめて耳元でささやいた。

「銀行屋には気をつけろ。
あいつは男女かまわず、声をかけてくる。
ついこの間、旅芸人の姉妹に声をかけて、
まるきり無視されたところだ」
「ありがとう、気をつける」

遅すぎる忠告だ、とシーカーは心の中で
苦笑いした。

782:名無しさん@ピンキー
10/12/11 00:49:10 XyDvpGHI
時計が時を刻む音が暗闇に響く。
寝台の上からは、子どもの穏やかな寝息も聞こえる。

シーカーは久しぶりに、手足を伸ばして横になっていた。
床の上に敷かれた薄い夜具の上であっても、
これまでに比べると上等だった。

またいつあの、ゆり戻しがくるかと思うと、
疲れているのに頭は冴えてなかなか寝付かれなかった。
だが、定期的に歯車がかむカチッ、カチッという音を聞いているうちに、
次第に眠気の闇にとらわれてしまった。


シーカーは夢を見た。
夢の中でシーカーは、誰かの隣に立っていた。
それは男で、自分が知っている男のようだが、顔ははっきりとわからない。
その見知らぬ男とシーカーは、時計台の上で空を見上げていた。

空にあるのは、恐ろしげな顔などない見慣れた月だ。
月に向かって思わず手を伸ばすと、隣の男がその手をとって言う。

「戻ってきたんだ」

何かを言おうとした時、
腹部に激しい衝撃を感じて目が覚め、夢はそこで途切れてしまった。


783:名無しさん@ピンキー
10/12/17 20:44:38 cwaXs/dV
テスト

784:名無しさん@ピンキー
10/12/18 23:28:05 VOacCQX6
「ぐっ!!」
目を開くと鼻先に、青紫色の髪の毛が見えた。
どうやら子どもが…いや、子どもの姿に変えられた青年が、
眠り込んでベッドから転がり落ちたようだった。

人の上に乗っかかったままその子は、
相変わらずすやすやと寝息をたてている。
「おい…きみ」
シーカーは耳元でささやいたが、
なにやら小さくつぶやいて寝返りを打ったものの、
いっこうに目覚めそうにない。

「ちょっと…苦しいんだけど」
そっと身体をずらそうとすると、
相手はまた大きく寝返りを打って、
首筋にかじりついてきた。

785:名無しさん@ピンキー
10/12/24 23:16:44 his8bHaO
メリークリスマス!

スペインに「スーパーマリオブラザーズ通り」が誕生
URLリンク(www.cnn.co.jp)

「とある国のとある町で………」
URLリンク(www22.atpages.jp)
この世界が、実現するのかな。
これ書いた人は今でもここにいるのかな。
マスターソードを持たない身でも、おいら達も
もう随分遠くまで来たもんだ。

786:名無しさん@ピンキー
10/12/31 02:00:37 aZl386eA
日本じゃまだあまり聞かないね。サブカル系架空の人物にちなんだ公共物。
やっとこ鬼太郎空港が出来たところだ。
アニメからゲームへの移動はさらに、時間がかかるだろう。
それも任天堂系より、「イナズマイレブン・スタジアム」とかのほうが、
先になる可能性が高いと思う。

787:名無しさん@ピンキー
11/01/01 02:45:35 TOtX3NPW
いやいや「ポケモンスタジアム」「マリオスタジアム」は案外



なさそうだが

788:名無しさん@ピンキー
11/01/01 07:01:52 rCHl15uj
スーパーマリオ・スタジアムはすでにどこかに…

て、あれはテレビ番組か

789:名無しさん@ピンキー
11/01/01 18:25:36 fcuGdLh2
あけおめー。
今年、もうすぐ3DSが発売されて時オカりんきゅでオトナになったりコドモになったりできるんだと思うと
今からwkrkが止まらないぜ。フフ……w

790:名無しさん@ピンキー
11/01/06 22:46:29 Xg9JwM2y
あけおめ~。

3DSの体験会は来週か。
久しぶりに幕張、行ってみるかな。

791:名無しさん@ピンキー
11/01/12 23:37:18 KAKyTPi9
行ってきた。
オカリナの子りんきゅんが、剣ベルトしてた。

792:名無しさん@ピンキー
11/01/16 12:53:29 bHvagt07
子りんきゅんのパンツは確認できなかったか・・・
まあ、スカートの下が空洞ってことはないよね


793:名無しさん@ピンキー
11/01/22 12:43:15 KcUOP+Bj
空洞でもいい…そこに頭をつっこめるから。

794:名無しさん@ピンキー
11/01/30 01:04:05 w5jkGBTV
それなんてスカルファッ… いやなんでもない

795:名無しさん@ピンキー
11/02/01 21:36:39 r9aBgcL6
Wiiのスカイウォードより3DSの時岡リメイクの方が楽しみ。
ぴっちぴっちの白タイツをひさびさに拝める。
なにしろこのスレの原点だから。

796:名無しさん@ピンキー
11/02/08 00:05:41 bk1cveJa
で、予約はできたのかな。3DS

797:名無しさん@ピンキー
11/02/08 23:50:39 D2VnNYjN
地元で入庫日未定だけど予約受け付けてたところがあったから頼んでおいたよ
まあ、春までには入るだろ^^

798:名無しさん@ピンキー
11/02/14 01:26:01 hp5UCzc/
ハッピーバレンタイン!
早く3D勇者に会いたいな・・・

799:名無しさん@ピンキー
11/02/15 00:05:53 VS899VJb
ハッピーバレンタイン。
リンクはチョコたくさんもらったかな。

800:名無しさん@ピンキー
11/02/15 00:06:33 VS899VJb
おう、書き込みできた。
教えてくれた人、さんきゅ。

801:名無しさん@ピンキー
11/02/18 01:09:05 UigrGIh8
スマブラクッキー♪
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)

802:名無しさん@ピンキー
11/02/21 21:30:08.49 nGiJcGAr
>>801
えへへへへ…
誰から喰ってやろうか。


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