任天堂の男キャラはせくすぃーだ part12at EROPARO
任天堂の男キャラはせくすぃーだ part12 - 暇つぶし2ch600:名無しさん@ピンキー
10/03/20 15:37:38 KFsWTLGo
リソクたんのスカートの下は生足ノーパン、
それが俺のジャスティス!

601:名無しさん@ピンキー
10/03/23 22:43:19 iEKJkaqO
>>600
それで、
「いいねえ、いいねぇ、すごくいいよ」って言いながら、
アオリ視線でりんきゅんの写真を取りまくるのだ。
高い窓のところに立たせたりして、
「あ、あの、ここ風が強いんですけど」とかいって、
スカートの端押さえてはじらうりんきゅんに、
「大丈夫だから、そこから飛び降りて見せてよ」
って声をかけるんだ。

「ほら、ここ。エポナの背の上に。大丈夫、
勇者ならやってみな。いいよ、いいよ」で、
その気になったりんきゅんが。

ひらり。

すかさず、下からパシパシ、パシパシ!!
フラッシュたいてもちろん中身のばっちり。

そしたら
エポナの上に、

どん!!

きっとそこで「いってぇえええ」と声を上げたきり
悶絶するからさ。
「どうしたんだ、大丈夫か」
とやさしく声をかけながらもカメラをスカートの中に
つっこんでパシパシ。

「なに…すん…だ…う」
「ぼくはゲージツ家として、君の全てをカメラに収めたい、
知りたい、味わいたい…う~ペロペロうぶぶぶぶ」
「あ~、ああ、いや、そんなとこ、ああ、ああああああ」

そのあと、おいしくいただきました。




602:名無しさん@ピンキー
10/03/26 19:33:31 NKTwETHb
では金曜恒例青いどんべ萌え。

603:名無しさん@ピンキー
10/04/01 21:46:25 7MBTCDmP
ほしゅ

604:名無しさん@ピンキー
10/04/06 01:07:37 UigDjVSp
最近規制が多くて、落ち着いてハァハァも出来ない。

605:名無しさん@ピンキー
10/04/06 01:14:08 uVTVVt8v
久々に王子の生足すりすりハァハァ

606:名無しさん@ピンキー
10/04/08 23:18:36 Om8N7i57
モノリスの新作RPGが6月に発売。
バテン・カイトス3じゃないのが残念だけど。
サキたんみたいなかわいい子がいるといいな。

607:名無しさん@ピンキー
10/04/09 19:46:09 g9x2ZYdj
では今日も青くて可愛いどんべ萌え。

608:名無しさん@ピンキー
10/04/12 00:54:33 5fQlNRbq
こんなのが見つかった。堪え性のない方が作ったそうな。

『ゼルダの伝説』最新作の偽スクリーンショット
URLリンク(gs.inside-games.jp)

↓震源地
URLリンク(www.zeldauniverse.net)

609:名無しさん@ピンキー
10/04/12 21:10:31 Nt9GlfpO
ちょいリンクが頭でっかち?

こうして見ると欧米はやっぱり
リアルリンク待望論のほうが
強いのかね。

610:名無しさん@ピンキー
10/04/14 21:55:55 EDmcKlFJ
自分はやっぱり神トラの頃の
エセデ○ズニーっぽさがムンムンしてるあの絵柄の
りんきゅが大好きだなぁ…

あの説明書の飛び降りりんきゅは、
どう見てもぜってーパンツはいてねーだろコレっていう…w
この絵に衝撃を受けて以来、
かれこれもう一体何年りんきゅにハァハァしてるんだろう…罪なヤツだぜ…

611:名無しさん@ピンキー
10/04/15 00:40:42 /arhkw2j
おお同士w
おいらも神トラりんきゅん大好きさ!
時オカりんきゅんの次にw

612:名無しさん@ピンキー
10/04/15 00:42:41 /arhkw2j
ああついでに、ミヤホンさん直筆らしい初代のりんきゅんも大好きだw
一人旅で悪いこともするリンクは、あの初代が一番イメージに合ってる気がする。

613:名無しさん@ピンキー
10/04/15 18:54:23 hdg2WnP6
テスト

614:名無しさん@ピンキー
10/04/15 19:02:17 hdg2WnP6
解除キタァ\(^O^)/
初代やリン冒はリアルタイムじゃ知らない。
ムジュラの鬼神が、初ハァハァかな。

615:名無しさん@ピンキー
10/04/16 19:51:10 utVkZZMI
取り急ぎ、青いどんべ萌え

616:名無しさん@ピンキー
10/04/17 17:57:06 2InvSjtt
>>615
急いで萌えるな。
ここはちょんの間じゃないぞ。

617:名無しさん@ピンキー
10/04/21 21:32:34 udXOQho9
あと少しでゴールデンウィーク。
ゴールデンウィークが終わったらE3.

新ゼルダ、こいこい。

618:名無しさん@ピンキー
10/04/21 21:39:03 840yaP/d
今更ながらリンクに萌えた…
新作楽しみだー

619:名無しさん@ピンキー
10/04/23 03:42:04 5cBgABKB
大乱交スラッシュブラザーズ



スラッシュって「鞭で叩く」という意味らしいぜ。

620:名無しさん@ピンキー
10/04/23 07:23:58 JM6CAv6m
ほう

621:名無しさん@ピンキー
10/04/23 08:00:18 kZpQvZKy
トワプリンクは、敵を木刀でべっちべっち叩いてるよ
木刀プレイだとガノンドロフもべっちべっちしてるよ

622:名無しさん@ピンキー
10/04/23 19:46:02 v0qZK98L
では今日も青いどんべにじっくりとはあはあしたいとおもいます。

623:名無しさん@ピンキー
10/04/28 11:24:53 ei4VxfrP
久しぶりにGCCXの神トラの回を見たら、無性にゼルダやりたくなった。
せっかくなので、買ったまま放置していた時空をGBA引っ張り出してやってる。
リンク動かすことが理屈抜きで楽しいと再実感中。
ゲーム画面でリンクを見るだけで、なんでこんなに幸せになれるんだろうな。

624:名無しさん@ピンキー
10/04/28 21:38:23 Hkbd74lb
おいらは今大地中w 砂の神殿で足踏み中……

625:名無しさん@ピンキー
10/04/30 19:51:18 v5Xhc14d
では今日も青いどんべ萌え。

626:名無しさん@ピンキー
10/05/02 19:29:10 rTn4I99q
>>619
文字だけで萌えた。
シークにしばかれたい。

627:名無しさん@ピンキー
10/05/02 21:15:58 lqqUjvSW
平成新鬼ケ島VCという訳で
どんべのお尻にぺろぺろ

628:名無しさん@ピンキー
10/05/07 19:54:50 nPca4GoG
>>627
あの色のバランスを全く考えていないみたいな真っ青どんべがついに来るのか!
あの青さに惚れたんだよね。
ただ平成版は少しドット絵が適当なんだよな。うちでのこづち使ってくれる
お姉さんと成長後どんべの身長差が倍以上ってどういうことよ。

では吉報に舞い上がりつつ青くて可愛いどんべ萌え。

629:名無しさん@ピンキー
10/05/11 20:51:18 LxS+RzT4
スマブラのリンクは、
横スマッシュのポーズがすっきやぁ~。
ふっとばされたい。

630:名無しさん@ピンキー
10/05/14 11:31:50 3oG6K+vK
やっと!亜空のクリア率が100%になった!!
画面外のオレンジボックスが公式攻略本に載ってなくて
何度同じ場所を彷徨ったことか・・・つд`)゚∴
ごめんよリンク、俺がヘタレなばっかりに亜空の探索に使ってやれなくて
亜空はピット君とシークがお友達だったよ・・・

631:名無しさん@ピンキー
10/05/14 19:41:02 9g4tzN7P
では今日も青いどんべ萌え。

632:名無しさん@ピンキー
10/05/18 22:05:04 r6HSgSdZ
>>629
羽根のある奴はいい、ってつくづく思うピット。
シークは意外に使いにくいのだが、
諦めきれない。

勝負の時にはピカチュウ選んで、
凹られることもww。

633:名無しさん@ピンキー
10/05/21 19:46:26 4w5fLl20
毎週金曜だけなのに連投しているように見えるが今日も青いどんべ萌え。

634:名無しさん@ピンキー
10/05/22 08:35:51 v5C4K4Bd
燃料がないからな。
E3で新作の情報が来れば、盛り上がるかもね。

635:名無しさん@ピンキー
10/05/25 00:51:35 5hzOs7Vt
見渡す限り、いちめんの砂漠と紺碧の空。
照りつける太陽の下、沙漠と谷を隔てる柵の脇に
シーカーの青年は立っていた。
目指すは砂塵の彼方、魂の神殿。
-時の勇者が砂漠を越える前に、先回りして内部を
調べておかなくては―
額に手をかざし、太陽の位置を見て方角を確認する。
「もっとも、あの調子では砦を抜けるのはいつになることか」
青年は、女人砦の方を振り返った。

砦を守る女たちに捕らわれては逃げ出し、逃げ出しては捕らわれを
勇者はもう幾度、繰り返したかわからない。
捕らえる女たちも実はそれを楽しんでいるということを、
シーカーは知っていた。
「武器も道具も奪わずに牢に入れるなんて、あり得ない。さあ逃げてください、
と、言っているようなものだ」
勇者と本気で闘う気でいるのは、牢番ぐらいなもの。
その牢番でさえ、致命傷を与えることは絶対にない。
「なにより腹立たしいのは、勇者がその状況に
甘んじていることだ」

見守るのをやめよう、しばらく勇者から離れよう、
と、シーカーは思ったのだ。
女たちにモテモテの勇者を羨んでいるのではない。
そんな劣情を、誇り高いシーカー最後の一人である自分が、
抱くはずはないと青年は思っていた。
「やに下がった勇者を見ているのが、不愉快なだけだ」

だが、下世話にはそれを嫉妬という。
気づいていないのは、当の本人、シーカーの青年だけだった。



636:名無しさん@ピンキー
10/05/28 01:34:38 auYNQYZv
渡るに渡れないという死の砂漠だが、
シーカーは一族に伝わる秘儀があった。
日が落ちるのを待ち、星で位置を確かめながら、
魂の神殿に向かって砂漠を歩いていった。

ところが道半ばまで来た頃、
彼方地平線に砂塵が立ち上ったかと思うと、
砂まじりの激しい風が吹き付けてきた。
「くっ…こんな時に…」

数歩先も見えない砂嵐の中、
シーカーは先に進むことを諦めて
避難所を探した。
砂漠の女族が立てた赤い旗が、
嵐の中でかすんで見えていた。
「あの先にたしか、ひとつ小さな砦があったはず」
それを確かめようと顔をあげたとき
「な、何だ、あれは」

砂で煙った空にうつる月の影。
その月は見慣れたいつもの月ではなく、
恐ろしいほどの大きさで、今にも落下するのではと
思わせるほどに地上に迫っている。

―砂漠の幻影?それとも、
砂嵐に守られた、モンスターでもいるのか―-
しかし幾度見ても、空に浮かんだ丸く大きなあれは、
月でしかない。

一瞬、砂嵐の赤茶けた幕が途切れ
月が顔をのぞかせた。
「顔?」

顔、まさに顔だった。
月の形をした巨大な顔が、
そらの上からこちらを睨みつけていた。





637:名無しさん@ピンキー
10/05/28 02:05:31 jyddq3XA
まさかのムジュラ展開
この先が楽しみだ!


638:名無しさん@ピンキー
10/05/28 19:50:29 W7bkn8HK
では今日も青いどんべ萌え

639:名無しさん@ピンキー
10/05/29 07:24:35 SPv5uZ9j
まさかのアク禁どうしよう

640:名無しさん@ピンキー
10/05/29 14:02:22 2n+78vng
王子にまた会えると聞いたので久々にFC版の生足ハァハァ

641:名無しさん@ピンキー
10/05/30 20:07:47 jbv+vjT2
テスト

642:名無しさん@ピンキー
10/05/31 08:53:21 Zlc4jtRD
ss職人さんアク禁!?
またリンクのお店に預かってもらえば?
よろしければ転載するし。

643:636
10/06/01 01:05:28 MgrP2iWA
一瞬覗いた月は、あっという間に砂煙にかき消された。風の勢いは一層強まり、一寸先も見えない。
―こうなったらもう、下手に動かないこと―
シーカーは腹をくくって、マントを頭からかぶりフードを下ろした。先程の月をもう一度確めたかったが、顔をあげることさえできない。
風下に身体をむけようとしたその時、足下の砂地が崩れた。

「うゎ!」
砂はずるずると流れ、シーカーの身体をひきずりこもうとする。
「こ…こんな場所で、負けるわけにはいかない…」
「まだ、勇者に伝えていない事がある…姫が戻る前に。無事に二人を引き会わせるのが役目だったのに…」
シーカーは必死で砂にあらがったが、身体はぐいぐいひきずりこまれる。
「不覚…」ついに彼は力尽きた。砂に呑まれるその時また、シーカーは空を見上げた。不気味な月は確かにそこにあり、しかも「ぼくをにらんでいる」

薄れる意識の中で、そう思った。






644:名無しさん@ピンキー
10/06/04 19:49:34 Wvk7KiLg
では今日も青くて可愛いどんべ萌え。

645:名無しさん@ピンキー
10/06/04 22:57:07 2D80d4aP
規制よ解けろ

646:名無しさん@ピンキー
10/06/04 23:00:30 2D80d4aP
やた、解けた!!

が、突然で心の準備ができてないぞ。
ちょっとどっかで自家発電してくる。

647:名無しさん@ピンキー
10/06/05 02:45:37 jrz4DpX1
どれだけ時間がたったかもわからない頃、
シーカーが目覚めたのは、湿っぽい大地の上だった。
苔の臭いが鼻をつき、
ひやりとした感触が肌に這い登ってくる。

「なぜ? 砂漠にいたはずなのに」

身体を動かそうとしたが、感覚がない。
冷え切って麻痺してしまったのか、それとも…。
すぐそばで人の気配がし、話し声が聞こえてきた。
男がふたり。焚き火の爆ぜる音。
旅の者か、とシーカーは思った。

「助けられたのか、いやそれにしては」
手足を縛り上げられるはずはない、それも、
ご丁寧に鉄鎖で。
おまけにどうやら、地べたに、裸で転がされているようだ。

音は聞こえるが目はよく見えない。
五感が制限されたなか、
一族の血脈で鍛えられてきた勘が、
激しく警鐘を鳴らしている。

「少なくとも、喜ばしい状況ではなさそうだ」

シーカーは事態がもう少し把握できるまで、
男たちの話に、聞き耳をたてておくことにきめた。





648:名無しさん@ピンキー
10/06/05 11:01:43 0Ba7BQ/O
わあい♪

649:名無しさん@ピンキー
10/06/05 23:08:49 jrz4DpX1
焚き火のそばにいたのは、
がっちりした体格の壮年の男と、
気弱そうな若い男。
見るからにうさんくさげなのは、
言うまでもない。

「まったく、とんだお荷物だ!
今日中に街に入りたかったのに、
こんなところで足止めだ」

年上の男が声を荒げる。

「それもこれも、お前が行き倒れになっていた
アイツを拾ったからだ。
とんでもない上玉だって言うから
ここまで運んできたが…

ひん剥いてみたら、男じゃないか。
カーニバル客相手に、
いい商売しようと、思っていたのによ」

若い男はびくびく、おどおどしながら
弱弱しく反論した。

「だって、兄貴も賛成したじゃないですか。
えれえ、べっぴんだ。街で売り飛ばす前に、
ちょいと拝んどこう、って」
「うるせぇ!!
し、死体みたいに寝込んだ奴を、怪しまれずに
連れ込めるわけないだろう。
クロックタウンは女房の尻に敷かれた町長は腑抜けだが、
町の守護隊はしっかりしている。
たとえかどわかした奴でも、
しっかり言い含めて連れ込まないと、怪しまれてぱぁだ。
もっとも、こいつじゃどうにもならないが」

「ほ…、本当にそうですかね」
若い方はなおも食い下がる


650:名無しさん@ピンキー
10/06/06 00:12:41 PErFLKaD
若いほうの男は、横たわるシーカーの傍ににじり寄った。

「綺麗じゃないですか、女の服を着せれば
わかりゃしませんよぅ」
「ば、か、や、ろ、う!
女やガキならともかく、そいつをそこまでして、
連れてく価値がどこにある。
はがした衣服や持ち物だけかっぱらって、
中身はそのまま永遠に眠らせて、
そこいらに置いていけばいい」

「そんなことありませんってば、ほら。
肌だってこんなにやわらかくて、すべすべで…」

男はシーカーのあごのしたに手を差し入れ、
喉元から胸の辺りをなでさすった。
「ほら…乳首なんてさくらんぼみたいだ
…あ、やべ…おれ…」

うっとりとした手つきで乳首を弄くっていた男は、
こらえきれなくなったのか、
そこに吸い付いた。

「あぅ」
一瞬からだを振るわせたシーカーの口から、
あえぎ声が萌えた。



651:名無しさん@ピンキー
10/06/07 00:12:03 N1FG3plC
「おい、声を出してるぞ。
嗅がせといた薬が、切れかかっているんじゃないか?
正気にもどって、暴れられたら面倒…

って、この野郎、なにしやがんだ!!」

若い男は、荒々しく近寄ってきた兄貴分のベルトから鍵を奪い、
シーカーの足に絡められている鎖を解いた。
「ばか!意識が戻りかけているのに、
鎖を解くヤツがいるか!」

が、兄貴の罵声は、若者の耳には届かない。
若者は、自由になった足を大きく押し開き、
その間に自分の身体を入れて、
まだぐったりしているシーカーを
引き起こしてがっちりと抱えこんだ。

「こいつ、こいつ…いい匂いがするんだ。
すごく、あああ、たまんねぇ」
髪の毛の間や、脇に鼻先をつっこみ
ひとしきり貪ったかと思えば今度は、
腰のあたりで横抱きにして、
大腿部から下半身を嘗め回す。

シーカーのしなやかな身体は、
苔生した地面で不自然に曲げられ、
身体の隅々まで男の鼻先と指と舌とで弄られた。
「ああ…なんてやわら…かくて」
男は、生まれて初めて味わう至福に浸っていた。


シーカーは呻いていた。
呻こうとしたが、思うように声にならなかった。
こんな状況は、はじめてじゃない。
むしろ自分から、仕掛けたこともある。
だがそれは、つとめのうえでのこと。
主導権は自分にあった。

しかし、今は。
身体の自由はきかず、
「嬲られるままじゃないか!くそっ!!
あ…ぅあ」

男の鼻先が秘所を探り当てた。



652:名無しさん@ピンキー
10/06/07 22:45:46 N1FG3plC
兄貴分は機嫌が悪かった。
いつもはどやしつければたちまち言うことを聞く弟分が、
あの、行き倒れにはいやに執着しているのが気に入らなかった。
焚き火の傍らで酒を煽りながら、弟分のほうをちらちらとうかがっていた。

喘ぎともうめきともしれない低い声、
うごめく気配、まぐわいの気があたりに満ちている。
それがまた、兄貴分には気に入らなかった。

行き倒れの正体を知り愕然としたのは確かだが、
それも期待が大きかったからだ。
馬の背に乗せようと行き倒れを抱えあげた時、
思いのほか軽い体とだらりと垂れたしなやかな手足、
フードからのぞく乱れた金髪と白いうなじに、
思わず生唾を飲んだ。

わざわざここで野宿を決めたのも、
売り物の具合を確かめてみようと思ったからだ。

だが、
「今、その大事な商品を、
好き放題につまみ食いしているのが、アイツだ」
どうしようもなく、むかむかしてきた。

「おいっ!!いい加減にしろ!」
兄貴分は酒を飲み干し、
大声をあげて立ち上がり、弟分のほうに
大またで歩んでいった。




653:名無しさん@ピンキー
10/06/07 23:10:22 N1FG3plC
兄貴分が見たのは、今しも行き倒れにのしかかろうとする弟分。
下半身をむき出しにし、行き倒れに背中から抱きつこうとしていた。
兄貴分の声にびくりとして顔を上げ、
そのはずみに、陰に隠れていた行き倒れの顔が、
炎の明かりに照らしだされた。

長い睫に縁取られた二重まぶたは軽く閉じられ、
目じりの端や湿っていて、涙が膨れ上がる。
ぷっくりと官能的な唇は、怒りと苦悩でゆがみ、
ぬらぬらとした舌が見え隠れしていた。
揺らめく炎は、その口元を一層
扇情的に見せる。


兄貴は無意識のうちに弟分の襟首をつかみ、
行き倒れの身体から引き剥がした。

「いいかげんにしろよ、てめえ」

弟分は吹っ飛ばされて、
背中からどうと音をたてて、
地面に叩きつけられた。

654:名無しさん@ピンキー
10/06/07 23:35:34 N1FG3plC
自分が投げ飛ばしたほうを見もせずに、
兄貴分は長々と横たわるシーカーに覆いかぶさった。
片手で顎を上げ口を開かせ、中を調べる。
もう片方の手では、自分の一物をまさぐっていた。

「いい子にしてなよ、子猫ちゃん、
今、美味しいものをあげるからな」

互いの下腹あたりをぴったり密着させ、
髪に顔を突っ込んで匂いをかぐと、
とろりと甘く、すこしつんと突くような、
異国風の香りが胸いっぱいに満ちる。
「…なんだ?さっき嗅がせた薬草とは違う、
変わった匂いだ。
あいつめ、これに狂ったな」
男は目を閉じてまた、その香りを嗅ぎ、
華奢な身体をきつく抱きしめて、
一物の具合を確かめる。

それからおもむろにひざ立ちになって、
シーカーの顔を、股間に押し付けようと、
片手で引きずりあげようとした。




655:名無しさん@ピンキー
10/06/09 00:47:05 POwLurnZ
その時。

「ずん」

兄貴分は背中に衝撃を感じた。
やけるような痛みが広がり、息が苦しくなる。
いったい何が起こったのかと、
あたりを見回す。
その間にもどんどん、呼吸ができなくなる。
胸に手をやると、何かがぬるりとする。

血だ…。それも男自身の血だ。
これまで、数え切れないほど幾たびも
他人の血に染まった手が、
自分の血で汚れるのを見たのは、
男にとって、これが最初で最後になった。

見下ろすと、
すぐ足元に、
先ほどまで嬲っていたやつが、
後ろ手に縛られた白い背中を見せて、
横たわっている。

そのあたまのずっと高いところに、
突き出しているのは、
黒々と勃起した自分のモノ。
さらにそれよりもっと高いところには。

鋭い刃の切っ先が、
自分のモノと同じくらいの長さに、
胸のあたりから突き出しているではないか。

きさま…と怒鳴ろうとしたが、
血で満たされた肺はごぼごぼと音をたてるだけで、
男はがっと、血を吐きながら
どうと仰向けに倒れる。

焚き火の明かりに、
血まみれの刃と黒光りする男のモノが、
ふたつ仲良く屹立して影を落としていた。


656:名無しさん@ピンキー
10/06/09 00:48:23 POwLurnZ
やべぇ、あげちまった。スマ祖

657:名無しさん@ピンキー
10/06/09 10:01:05 /pJIHZdi
ドンマイ。
凄惨なシーンなのに後の三行で
朝から笑っちゃったじゃねーか

658:名無しさん@ピンキー
10/06/10 00:29:10 1C3CweJH
兄貴分を刺した男は呆然と立ち尽くし、
おこり病にでもかかったように、ガクガクと震えている。
「そいつに…触るな…そいつはおれ…が、
見つけたン…だ」
呟きながら男は、血まみれの手を何度も何度も、
返り血が点々と飛び散った上着でぬぐった。

「渡さない…手を出そうとした兄貴が、
悪いんだ」

かどわかしてきた女たちを、
品定めするのはいつも兄貴分だった。
たまに憂さ晴らしをする酒場や娼婦宿でも、
めぼしい女はみな、兄貴分が独占した。

やせこけて、あばらの上に申し訳程度に乳首をくっつけた女や、
しわくちゃの乳房にしか縁がなかった哀れな男に、
シーカーの張りがあって滑らかな肌は
まぶしすぎた。だから、兄貴分から横取りされるのは、
もうなにがあっても許せなかった。
男は兄貴分の剣を抜き、それを背後から突きたてたのだった。

「今はもう…オレ…が、独り占めできる」
胸は高鳴り、頭は血がのぼってクラクラする。
男は血で汚れた上着も脱ぎ捨てて、
今度こそ、とシーカーの傍に這い寄り、顔を覗き込んだ。

金糸の髪は乱れ、血や泥で汚れていても、
整った顔立ちから立ち上る気品さは隠せない。
誇り高い美しさを、
意のままにして焦らし、悶えさせる喜びに、
若い男の動悸はいっそう激しくなった。

背中から抱きしめ、
特徴のある形をした耳の後ろをなめると、
シーカーは身をよじる。

「動く…な」
男はシーカーの下半身に足を絡め、
張りの良い大腿に下腹部をこすりつけた。
時々髪に鼻をうずめてまた、あの匂いを嗅ぐ。
「い…いい、あああ、天国みてぇだ…」
そうするといっそう、体中に熱い血が駆け巡り、
男のモノはいきり立った。

「あ、あ…あ、いく…」
男は焦った。

あわてて事をすまそうと、
這いつくばらせたシーカーの臀部にそれをあてがい
身体を起こしたその途端、男の心の臓は限界点を超えた。

ぶるっ、と大きく身震いをした男は、
胸をかきむしりながら、前のめりに倒れた。
それでも片手でしっかりと自分のモノを支え、
決して離そうとはしなかった。





659:名無しさん@ピンキー
10/06/11 00:50:39 DpgCsUaA
若い男はぴくりとも動かなくなった。

ほどなく、ごろり、と木偶のような男の体を転がせて、
下からシーカーが体を起こした。

「まったく…」
頭を振ってあたりを見回し、
こときれている男たちを見て、ため息を漏らした。
「どうせだったら、こいつもはずしていって欲しかった」
足のいましめは解かれたが、
手首はまだ、後ろ手に鉄鎖をかけられたままだた。

若い男が脱ぎ捨てた衣服の脇に、鍵の束が落ちていたが、
それを拾って鍵をはずすのは至難の業。
「関節はずしも、骨が折れそうだ」
と、思ったその時、
背後に異様な気配を感じた。

振り返ると、漆黒の闇の中に、
幾組もの目ばかりが怪しく輝いている。
目をこらすとそいつらは、
見上げるほど大きな身体にいくつもいくつも
張り付いているようだ。もとより、
人間の類ではなさそうだ。
「モンスターか?? よりによって、こんな時に」

なにしろシーカーは、文字通りの丸腰の上、
手はまったく使い物にならない。
どうやら動けるようになったとはいえ、
身体の痺れと頭の芯のずんとくる重さは残っている。

それでも精一杯防御の姿勢をとったところ、
その化け物が声をかけてきた。

「大変な目にあいましたねぇ…」



660:名無しさん@ピンキー
10/06/11 09:45:06 yDPdinjR
シークたんは何とかなるとはいえ、
緊縛プレイ中に相手に腹上死されたら…怖いっすね

661:名無しさん@ピンキー
10/06/11 19:55:52 tI6S2YCR
では本日も青褌のどんべ萌え。

662:名無しさん@ピンキー
10/06/13 20:24:50 L1sc7giI
焚き火の明かりに踏み込んできたのは、意外にも小柄な、
ニンゲンの男だった。

小山のように見えたのは、背中の大荷物。
そこにいくつもとりつけられたお面の目で、
モンスターのように見えていたのだ。

しかもシーカーはその男の顔に、見覚えがあった。
「城下町のお面屋」。
流行のお面を買いたがる姫のお供で、
出かけたことがあった。

向こうはこちらに気づいているのか、
そうでないのかは分からない。
男は商人のように手をこすり合わせながら、
こちらへ近づいてきた。

「あの森には、追剥やら山賊やらがしょっちゅう出るのですよ。
かくいう私も、つい最近やられてしまいまして、
大切なモノを、奪われたばかりです。
あなたはどうやら、なにも盗られなかったようで、
なによりです」

この状況でどこが、なによりなんだ。
シーカーは心の中で呟いた。



663:名無しさん@ピンキー
10/06/13 20:39:06 L1sc7giI
「ワタクシは、旅から旅への生活を続けていますので、
こういう場面にも時々出会うのですが…」
お面屋はそういいながら、男たちの死体をこわごわと
覗き込んだ。

「おおおお、恐ろしい。本当に死んでいる…!
だが、面白い。本当に面白い」




664:名無しさん@ピンキー
10/06/13 22:54:16 L1sc7giI
お面屋は男たちの顔をそれぞれするり、となでた。
するとお面屋の手に、二つの新しいお面ができた。

「ワタクシは幸せのお面屋。
幸せのお面を売っています。
そのために世界中から珍しいお面を集めたり、
時には人間のシアワセな表情を集めて、
自分でも作ったりしているのですよ。

不思議ですね、この男たち、
死んでいるのにこんなに、
シアワセそうな顔をしている」

お面屋は手の中のお面を、シーカーに見せた。
ひとつのお面はうっすらと微笑みを浮かべ、
もういっぽうも歪んで恐ろしげな表情のようで、確かに
笑っているように見えた。

お面屋は二つのお面を手にして、
満足げにヒヒヒヒと、声を出して笑った。

665:名無しさん@ピンキー
10/06/14 20:03:32 pnWQ6OCc
マリオのお面もあったんだっけ
…怖いな…

666:名無しさん@ピンキー
10/06/14 21:54:26 gbLhLiWT
一羽の鴎とW杯の煽りでまた規制だくっそ!

ウウウ…明日はE3だし、悶え死にそうだ。

667:名無しさん@ピンキー
10/06/15 22:31:02 p32nZflP
「あなたはそうやって、お面を作っていたのか」と、ぞっとしない様子のシーカーが尋ねると、
「これはまだ完成ではありませんよ」と、お面屋は面を大切そうにしまいながら答えた。
「他にも色々、まぜたり…アナタもあのままでいたらさぞや素晴らしい…あぁ、失礼しました。」
露骨にいやな顔をしたシーカーに気付いたお面屋は、慌てて言葉を濁した。
「以前はワタクシも、小さいながら店を構えていたのですが…
恐ろしい出来事がおきて、なにもかもなくしてしまいました。
それからこうやってお面の材料を集めたり、シアワセのお面を作って売ったりの、行商を続けているのです」
やはり、あのお面屋なのか、と、シーカーは思った。






668:名無しさん@ピンキー
10/06/16 02:06:02 rbbAztnY
速報
ピットが帰ってきます
3DSで

669:名無しさん@ピンキー
10/06/16 22:32:25 XXQ/DJPC
つうより、3DSでオカリナリメイクと言う話は…
やた!シークたんにまた会える!

670:名無しさん@ピンキー
10/06/17 12:06:52 5hZAFiqq
僕のフォックスちゃんも3Dで帰ってくる!
やったね!

671:名無しさん@ピンキー
10/06/17 23:03:35 FyGPpJff
最新のリンクのイラスト、今までと何だか違うと思ったら
下半身だ。
ズボンがピチピチじゃないんだ
今までは太腿よりブーツのほうが太い末端肥大体形だったから



672:名無しさん@ピンキー
10/06/18 06:17:19 jkrTnawj
≫671
あの、女子高校生のハイソックスとミニスカートみたいな
格好がよかったのだが…

673:名無しさん@ピンキー
10/06/18 19:43:23 n2YEMw0N
海外人気のないどんべはもちろんありえないな。
でも仮にどんべが新作か他ゲームに出演するとなるとたぶん青じゃなくて緑の弟さん2号か緑のちび勇者2号
になるだろうから個人的にはちょっと複雑。
では青いどんべ萌え。ピット君おめ。

674:667
10/06/20 15:42:33 +useOOKa
お面屋はシーカーの顔をじっと見つめてつぶやいた。

「あなたのお顔を拝見しておりますと、
私がいた城下町のうわさを思い出します。

お転婆な姫君が、男のなりをして町に出ておられるとか。
それは実は、姫になりすました、影のものではないかとか。

恐ろしい出来事のあと、姫様も
行方知らずになったと聞きます」
「それがボクと何の関係が?」シーカーは、顔色ひとつ変えずに答えた。
「いえ、何も。
ただ、お美しいお顔ですから、
あなたのような方であれば、
姫の身代わりもつとまっただろう、と
思っただけですよ」
そう言ってお面屋は、また低く笑った。

675:名無しさん@ピンキー
10/06/20 15:59:07 +useOOKa
シーカーはお面屋と話している間も、
手鎖をはずそうと努力していたが、
がっちりからまった鎖は、
なかなか緩みそうにない。

「すまないが、君の足元にいる
男の上着の脇に、
鍵の束が落ちている。
そのなかのひとつで、この手鎖を、
はずしてはくれないか?」
ついにそう、お面屋に頼んだ。

「おお、これはこれは。
失礼いたしました」
お面屋は鍵の束を拾い上げると、
シーカーの傍ににこやかに笑いながら
近づいてきた。

「さぁ、はずして差し上げましょう」
そういいながらシーカーのむき出しの肩に手を置き、
鎖の絡まった細い手首の鍵を調べた。

男が背中に回ったとき、
シーカーはなんともいえない、いやな感じがした。
普段警戒しているようなあきらかな殺意や悪意、
男女を問わずに向けられる、欲情のまなざしとも違う。
だがねっとりとして、体中にまとわりつくような、
いやな感じの視線だった。

シーカーは、不用意に助けを頼んだことを後悔した。

676:名無しさん@ピンキー
10/06/20 16:18:53 +useOOKa
「これかな、いや、違う。
あらら、いったいどれなんでしょうねぇ」
ぶつぶつ独り言をいい、がちゃがちゃと派手な
音を立てながら、お面屋は何本もの鍵を、
手鎖の鍵に合わせていった。

いらいらしてもしょうがない、と
あきらめ、おとなしくしていたシーカーの首筋に、
ひやりと冷たい手が触れた。

「あなたの近くにいると、シアワセな香りがしますね。
なにか、こう、駆り立てられるような、
ふしぎに心地よい。
あの若い男もこの香りをかいで、
シアワセを感じていたのでしょうかね。
だからあのように、シアワセな顔で
死んでいたのでしょう」

男の冷たい指はゆっくりと、
シーカーの耳朶に触れ、
その後ろをこすりはじめる。

「ああ、強くなりました。
よい香りだ。ワタクシにもわかります。
それに、なにか違う匂いもしますね。
……これは、悪党どもがかどわかしに使う
麻薬のにおいだ。
これが交じり合っては、
元気な男であればあるほど、
ひとたまりもありませんね」

ヒヒヒという笑い声をシーカーは、耳のすぐ傍に聴いた。

「やはりあのまま、
あなたには眠っていただいておくべきでした。
あの時の表情があれば、ワタクシのシアワセのお面は、
もっともっと輝いたことでしょう…
もっともっとタクサンの男たちを、
シアワセな気持ちにできたことでしょう。

息があったので、顔を採るのを見送ったのですが、
ザンネンなことをしました」



677:名無しさん@ピンキー
10/06/20 16:30:26 +useOOKa
「これから…それをやろうというのか…」
シーカーはできるだけ冷静な声でたずねた。

「いいえ、いいえ、とんでもない」
お面屋は思い出したように、また、
ガチャガチャやりはじめた。

「ワタクシではあなたを、あのような
シアワセなお顔にすることはできませんからね…

あ、これだこれだ」

程なく、手首に食い込んでいた鎖が緩んだ。
シーカーはほぅっと、長いため息をついた。

678:名無しさん@ピンキー
10/06/20 16:56:51 +useOOKa
かなりの間自由を奪われていた腕は、
しびれ切ってなかなか感触が戻らなかった。
「マッタク、大変な目にあいましたねぇ」
お面やは両の腕をこすりあげてくれたが、
あんな話を聴かされたあとでは、
心から感謝、するのは難しい。

だがシーカーはようやく、礼を述べることができた。
しばらくは動けない。
この小男を刺激してはいけない、と
無理をせずにそのまま座り込んでいることにした。

「あなたは、これからどうされるのですか?」
お面屋が真顔で尋ねてきた。
「どこも…、いったいここがどこなのかもわからないし」
またあの、なんともいえない感じの視線を受けながら、
シーカーは答える。

「アナタも、世界の端を歩んでおられるようですね。
そういう人たちは、どこかの世界に何かがおきると、
揺らぎで別の世界に引き込まれたり、
落ち込んでしまうそうです。
あの森は、そんな人々がいろんな世界から、
落ちてくる場所、なのだそうです。
かくいうワタクシも、
この世界に紛れ込んだひとりでして…。

ときどきこの森のあたりへやってきて、
迷った方々をお助けしたり、しているのですよ、
トキドキ、ですが」
「そんなにこの世界に迷いこむ者が多いのか」
シーカーはようやく動くようになった腕で、
何か身につけるものをかき集めながら訊いた。

679:名無しさん@ピンキー
10/06/20 17:36:58 +useOOKa
「ついこのあいだも、おひとり。
その方には、ワタクシのタイセツなお面を
探すお願いをしました」

その時、どこからともなく不気味な地鳴りがして大地が揺れた。

「あああ、またですか」
お面屋はどこか遠くをみやるようにして、
ちょっと何かを考えていたようだった。

「ここは、どこなのだ?
どうすれば、もとの世界に帰ることができる?
あの地鳴りはなんだ?」
シーカーはいつになく、急いていた。

「そう一度にいろいろ、尋ねられましてもねぇ」
お面屋は顎に手をあてて、なにやらぶつぶついいながら、
考え事をしているようだった。


680:名無しさん@ピンキー
10/06/20 17:46:30 +useOOKa
やがて地鳴りは少しずつ小さくなり、
そのうちにすっかりおさまった。

お面屋はなにかを思いついたように顔を上げ、
シーカーに向き直る。

「この道をずっと行き、がけの上の洞穴を抜けると
街に出ます。この男たちも多分、そこへ向かう
ところだったのでしょう。

街ではもうじき、カーニバルが始まります。
いろいろな場所から、客が集まってくる。
そこへ行けばきっと、
もとの世界へ戻る情報も、
手にいれることができると思いますよ」
「本当か?」
「絶対に、とはいえませんが、
それしか方法がないでしょう、今のアナタには」

たしかにそうだ、とシーカーは思った。
なんとしても早く、もとの世界に戻って勇者を導かなければ、
あの世界は魔王に支配されたままだ。
もとらなければ、なんとしても。

「ただその街も少し…いま、調子が狂っています。
ワタクシがお願いしたものが無事に戻れば、
大丈夫なのですけれどねでも、きっとアナタなら
大丈夫です。

信じなさい、シンジナサイ…」

お面屋はまた、薄い唇の端に笑みを浮かべ、
ヒヒヒヒと笑った。

「では、ワタクシは先に参ります。
またどこかで、お会いしましょう」
そういい残し、小山のように大きな荷物を
ゆさゆさとゆらしながら、
現れた時と同じように静かに、
闇の中へ消えていった。

681:名無しさん@ピンキー
10/06/20 18:07:09 +useOOKa
シーカーは、体力が戻るまでしばらくの間横になり、
焚き火の火が消えるころ、その地を立ち去った。

男たちの屍は、穴を掘って埋めた。
表情を採られた男たちの顔は、
どこにでもあるような、ただの屍の顔だった。

「世界の端を歩くもの、か…」
うまいことをいう、とシーカーは思う。
光と闇の端、男と女の端、世界と世界の端、
どこをどこまで歩んでも、自分の落ち着くところはあるのか。


ただ、そんなことを悩むようなシーカーではなかった。
果たさなければいけない、任務がある。

お面屋に教えられた道を行き、
不気味な音を立てて回る歯車の傍をすぎ、
大きな扉を開いて街に出た。


シーカーの、「一日目の朝」が、始まった。


682:名無しさん@ピンキー
10/06/20 18:11:28 +useOOKa
いろいろあって、塩漬けになった妄想が腐って膨張しちまった。
長々と連投スマ祖。

とりあえず了。

683:名無しさん@ピンキー
10/06/21 01:08:19 +EFadl5K
>682
乙乙。色々とアヤシクて、引き込まれちゃったよ。

684:名無しさん@ピンキー
10/06/24 21:12:15 scEAXasM
黄金の太陽は、ロビンたんかな~ガルシアたんかな~

685:名無しさん@ピンキー
10/06/25 19:59:14 /2JK/C2X
新しい黄金の太陽も黄色マフラー主人公だね。なんか萌えるw

では青いどんべ萌え。

686:名無しさん@ピンキー
10/06/25 22:46:44 6fDW+GDB
黄金の太陽は、ジンシステムといい、男キャラといい、
もっと評価されても良いと思うんだけどね……ザンネン。

687:名無しさん@ピンキー
10/07/02 20:04:22 Bp2V+zdt
では本日も青いどんべ萌え。

688:名無しさん@ピンキー
10/07/09 22:10:21 kvBN91H9
さすがにどんべ二連発は辛いか。

スカイウォード・ソードのリンク、
らくだ色の股引はいやだ。

689:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 12:39:11 XuZTUDy4
>>688
おっさんさんぽいよね
大人のリンクが見たかったことも確かだが。

690:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 20:25:02 +O5gIq38
さて土曜日に青いどんべ萌え。

691:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 20:52:18 47s8Ms/R
個人的に時オカとムジュラに出てたこどもリンクがせくすぃーだと思う

692:名無しさん@ピンキー
10/07/16 20:01:59 XMkpfc3i
ひょっとしてみんなアク禁?

では今日も青いどんべ萌え。


693:名無しさん@ピンキー
10/07/23 20:03:45 ZfDbhC2s
保守青どんべ

694:名無しさん@ピンキー
10/07/24 05:46:29 j6OWRHGy
青ふんどし涼しげでいいじゃないか
俺のシークたんなんて可哀想に・・・

氷の洞窟にこもったきり出てこないぜ


695:名無しさん@ピンキー
10/07/25 23:02:30 TjMg4iri
水中花ならず氷中花みたいに氷漬けにしたシークたんを、
部屋において眺めていたい、熱帯夜。

696:682
10/07/26 22:33:53 Oun5S9+5
暑い…暑すぎるので、ぼちぼちまた書く。
いつもどおり、ホシュレスくらいに思ってもらって結構。

697:名無しさん@ピンキー
10/07/28 00:45:59 a55Z7TC9
わぁい♪
うんと冷えたシークたん届けて!

698:名無しさん@ピンキー
10/07/28 18:48:45 WCzOXIGU
こっそり聞いた話だが、
ゆうバックで送ったものだから途中でとけだして、
ポストマンに喰われてしまったらしい。

699:名無しさん@ピンキー
10/07/29 00:47:13 sT8+IgI4
街は活気に溢れていた。
絶え間なく響くかなづちの音、楽しげな音楽、
笑いさざめきながら行き交う人、人、人。

ありし日のハイラル城下町のような賑わいに
一瞬たじろいだシーカーだったが、
何気なく空を見上げて息を呑んだ。

「月だ…」
砂漠で砂に飲み込まれる前、
一瞬、砂嵐が見せた幻に思えたあの禍々しい月の恐ろしげな顔が、
時計塔の屋根にめり込むかと思えるほど近くにまで
迫っている。

―しかし…街の人たちは、気にしていないのだろうか―
通りかかった婦人を呼び止めた。
「あの…」

声をかけられた相手は、こちらをいぶかしげにジロジロ見た。
盗人から盗んだ古びたマントに、フードを目深にかぶった風体では、
怪しまれても当然である。
シーカーはフードを脱ぎ、額にかかる前髪をかきあげ、含羞の笑みで尋ねた。

「お尋ねしたいのですが…」

効果はてきめんだ。


700:名無しさん@ピンキー
10/07/29 00:48:12 sT8+IgI4
危うく別スレに誤爆するところだった…

701:名無しさん@ピンキー
10/07/30 19:52:26 u2ga0YvO
では涼しげな青褌のどんべ萌え。

702:名無しさん@ピンキー
10/08/03 01:08:01 1MzFpiYI
テレビ愛知主催の世界コスプレサミットで
イタリアチーム『ゼルダの伝説』が優勝!

おめでとう、リンクたん
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)

703:名無しさん@ピンキー
10/08/03 01:30:58 1MzFpiYI
動画
URLリンク(www.youtube.com)

704:名無しさん@ピンキー
10/08/06 20:07:49 UpAAEhcL
では今日も青いどんべ萌え。

705:名無しさん@ピンキー
10/08/13 19:34:11 pX1+JBKT
13日の金曜日に落ちないように青いどんべ保守

706:名無しさん@ピンキー
10/08/16 00:42:48 Ucv12MNs
ゾーラホールでブーツ脱いで涼むりんきゅんあげ

707:名無しさん@ピンキー
10/08/18 10:47:00 vpIihl5z
ゾーラ服を着たトワプリんきゅんに暗いところですれ違ったら
ほんとに涼しいだろうな

708:名無しさん@ピンキー
10/08/18 13:43:51 imJrDkC6
>>707
あの帽子には食い付かれそうだ。

709:名無しさん@ピンキー
10/08/18 20:44:46 G1C2gtg+
新参ですまんのだが青いどんべって何だ

710:名無しさん@ピンキー
10/08/19 00:50:29 PX9CG5yC
>>709
705ではないが、
新鬼ヶ島と言うゲームに出ているらしい。
詳しくは金曜日まで待て。大抵本人が来る。

711:名無しさん@ピンキー
10/08/20 20:03:49 nB7waFfQ
>>709
新鬼ヶ島の男主人公。青いと付けてるのは取説のイラスト描いた人が複数人いた
みたいで、どんべの着物とかの色が緑と青で大きく分けて2種類あるから。
全身青は色のバランス悪いがそこがいいのだよ。自分は全部青派。

では青いどんべ萌え。

712:名無しさん@ピンキー
10/08/21 10:43:25 NjUKL2GU
「緑のどんべ」ではそのまんまカップヌードルみたいだからな

このスレがもっているのは
毎週金曜にどんべ萌えしている人のおかげ

713:名無しさん@ピンキー
10/08/21 17:59:46 uch2uWKV
そりゃ緑のたぬきwww

そういえば最近、ケモナーを見ないね。
赤いきつねフォックス

714:名無しさん@ピンキー
10/08/21 22:27:01 G5nLWk0P
見てるけど獣人とかはスレチなのかなぁって思ってた
フォックスにハァハァしていいならこれからは遠慮しない

715:名無しさん@ピンキー
10/08/21 22:27:08 3iO/13uo
フォックスは冬が旬ですよw

716:名無しさん@ピンキー
10/08/22 02:44:48 vOYGjyzI
一年じゅう発情してるには人間だけだもんな

717:名無しさん@ピンキー
10/08/22 09:53:39 DZiMcfuM
フォックスだってその気になれば一年中発情してるはず

718:名無しさん@ピンキー
10/08/22 15:08:53 VCnh2B/K
ただこう暑くちゃあ、ハァハァするのもモフモフ毛皮よりヌルヌル、ヒンヤリ肌のゾーラリンク、
と言う気持はわからんでもない

719:名無しさん@ピンキー
10/08/22 23:13:52 DZiMcfuM
木の実リンクの海で泳ぐ姿がまじでかわいい

720:名無しさん@ピンキー
10/08/23 22:08:33 2uHE5NST
人魚スーツ?
あれ似合うのってまじでペコちゃんリンクくらいだよね

721:名無しさん@ピンキー
10/08/24 23:35:07 zjHRzX7J
上半身裸だったら、時岡でもトワプリでもオケ。

722:名無しさん@ピンキー
10/08/27 19:39:35 61owBmsN
>>712
青いどん兵衛はあるんだよね・・。かき揚げ天ぷらうどん。でもあんまスーパーとかで
売ってるの見ないな。

では青くて可愛いどんべ萌え。

723:名無しさん@ピンキー
10/09/04 18:00:22 CERRr4E4
ほしゅあげ

724:名無しさん@ピンキー
10/09/09 19:22:03 BLb41vuL
ふう、ようやく暑さも一段落。ロンロン牧場で月観てまったりしまい

725:名無しさん@ピンキー
10/09/10 18:57:44 2ssPbiWg
青いどんべと緑のどんべの比較画像貼ろうとしたが時間なく断念。

では青褌で可愛いどんべ萌え

726:名無しさん@ピンキー
10/09/14 21:00:57 iDdpg8dA
tesu

727:名無しさん@ピンキー
10/09/14 22:18:23 iDdpg8dA
婦人は相好を崩し、親切に教えてくれた。
時計塔のあるこの町の名前、
月の接近が異常なこと、
町の人々の中にも心配しているひとと、
そうでない人がいることとか。
さっきの不審そうな顔つきが嘘のようだった。

「カーニバルを開くかどうかも、
侃々諤々の議論がずっと続いているのよ。
宅の主人も、何日も家に帰らず会議に
出ずっぱりなの。
あ、宅の主人はね、この町の町長をしているのよ。
なにか困ったことがあったら、町長室に行きなさい、
といっても、今は会議であえないでしょうけど」

町長夫人だというその女性は、
額ににじむ汗をぬぐった。

「それにしてもあなた、その格好は酷いわね。
カーニバルなんだから、もっとパリッとした服を
着なければ。なんだったらうちの…」
そう言いかけて婦人は、顔を曇らせた。

728:名無しさん@ピンキー
10/09/14 22:30:59 iDdpg8dA
「いえ…あ、ごめんなさいね。
町の西側の路地に、
雑貨屋があるからそこに行けば、
服があるかもしれないわ…それから」

婦人は懐からお面を取り出した。

「これ…私の息子なの。ハンサムでしょ…
もう一ヶ月も行方不明なの。
もうじき…カーニバルの日に、
結婚式を挙げるというのに。

この顔の若い男にあったら、
理由はいいから、叱らないから、
家に戻ってくるように、って伝えてくださらない?。
見かけた、って知らせだけでもいい。
私毎晩、そこの地下にあるバーにいるから。
お願いよ」

婦人はシーカーの手を包み込むようにして、
お面を持たせた。
祈るように見上げる顔は、
涙で濡れていた。

見ず知らずの、行きずりの者に、
すがりつくように頼み込む。
これが母親の愛情というものか、と、
母を知らないシーカーはぼんやりと思った。

729:名無しさん@ピンキー
10/09/18 00:24:22 +cVc8hH1
シーカーは言われたとおり西の通りの雑貨やを訪ねた。
「服?今はここじゃあつかってないな。日が暮れてから隣の、
マニやを訪ねてみるんだな」
黒ガラスのメガネをかけた店主は、
ぶっきらぼうに言った。

「それよりお前、金を持っているのか?」
聞かれてシーカーは、懐を確かめた。
盗賊の荷物から頂戴したルピーがある。

「いくらか…」
「それだったら、向いの銀行やに預けておくといい。
悪いことはいわない。それから、早いところ、寝床を確保して
おくんだな。この町にはまともな宿屋は、一軒しかない。
時計塔の広場に面した宿に行け」

そっけないわりに、店主は親切だった。
シーカは言われた通り、手持ちのルピーのうちいくばくかを、
銀行やに預けた。

「まいどあり。あなたに目印をつけるよ」
銀行やの若い男は、不気味な手つきでシーカの体を撫で回した。


「これで大丈夫だ。引き出したかったら、またおいで」

もう二度と来たくない気分だったが、こないわけには行かないだろう。

730:名無しさん@ピンキー
10/09/18 00:45:42 EoVkZB9Y
ムジュラの住民は変な人ばかりだったな
シークたん気をつけて~

731:たぶん729
10/09/18 14:59:28 +cVc8hH1
昨夜は酔って帰ってきて、記憶がトンドル。
こんなカキコしてたとはwwww

732:そういうわけで729の続き
10/09/18 15:22:51 +cVc8hH1
日が翳りだした。

シーカーはもとの広場に戻り、宿屋を探した。
人に聞くでもなく、それはすぐに見つかった。

お世辞にも豪華とはいえない扉を押して中に入ると、
薄暗いホールのカウンターに、娘が立っていた。
「いらっしゃいませ」
礼儀正しく頭を下げたが、
か細く消え入りそうな声だ。

「今晩泊まれますか?」
シーカーの問いに娘は、美しいが陰気な顔に、
困惑したような表情を浮かべる。
「えっと…あの、お客様…は…
ご予約のかた…デハナイデスヨネ…」
「まぁ、いらっしゃい」
娘の声をかき消すように、奥から年配の女の声が聞こえた。



733:名無しさん@ピンキー
10/09/18 15:52:56 +cVc8hH1
女は娘の傍らに立ち、耳元でなにやらささやいた。
娘は小さく頷き、こちらに会釈して奥へと消えた。

目の端でそれを見送った女は、
シーカーに向き直って、
愛想笑いを浮かべながらも、
頭のてっぺんから足先まで、
値踏みするように鋭い視線を走らせる。

「すみませんねぇ、お客さん。
今夜はもう、満室なんですよ。
カーニバルが近いので」
「でも、この町に宿屋は、ここしかないのでしょう?」
「ええまぁ、そうなんですけれど。
カーニバル中は普通の家でも、
泊めてくれるところがありますし、
野宿をされる方も、いらっしゃいますよ」

本当に申し訳ありません、という声に送られて、
シーカーは宿を出た。

野宿には慣れている、別に寝るところなど、
最初からどこでもよかった。だが、
この町のことを少しでも知っておきたいと思って、
宿屋に来たシーカーだった。

「幸い、雨も降りそうにないし…」
空を見上げるとまたあの月が、いやでも目に入る。
「…前より、大きくなったみたいだ」
相変わらず不気味な、月だ。

町には、やぐらを立てる槌の音が絶え間なく響いている。
どこかの店から、相変わらず楽しげな音楽が流れていた。
テリアがキャンキャンとけたたましい鳴声をあげて、
木の民の子を追い掛け回していた。
月さえなければ、いたって平和な町の風景だ。

「木の民?この世界にもいるのか…」
見回すと、こちらへ歩いてくる岩の民もいた。
きっとどこかに、魚の民もいるのだろう。

たしかにここは、ハイラルとうり二つだ。
「そういえば…」
雑貨屋の主人も、宿屋の娘も、
前に見かけたことがある顔だった。

「確かに何か、もとの世界とつながりがありそうだ」
とにかく、調べるしかない。

734:名無しさん@ピンキー
10/09/19 18:52:59 JquGRyIU
時計塔の鐘が鳴って、夜の帳が街を包む。
シーカーはオレンジ色のあかりがともる西の路地へまた、
足を運んだ。

雑貨屋には、これまで見たこともない格好をした若い男がいて、
「バイトなんっす。わからないっす」を繰り返した。
埒があかないので、昼間店主に言われたように隣の店を覗くと、
そこには店主その人がいた。

だが、昼間とは別人のように感じられる。
店の雰囲気も、なにやらアヤシイ。

さほど広くない店は、雑多な商品でいっぱいだった。
高価そうなものからガラクタまで。品揃えはばらばら。
ただ皆、新品でないことだけは共通していた。
どことなく、いわくありげなところも。

「窩主買か」
シーカーは得心した。

店の主は、こっちの事情を見抜いていたのだ。
抜け目ないやつ、シーカーは用心しながら、カウンターの店主に話しかけた。
「こんばんわ、服が欲しいのですが」

735:名無しさん@ピンキー
10/09/19 19:15:44 JquGRyIU
店主は準備万端整えていたようで、
すぐさまひとそろえ出してきた。
木綿のシャツと丈の短い青紫色のチョッキ、
同系色だが少し灰色がかったひざ下ズボンと履物。
どれも贅沢なものではないが、こざっぱりしている。
シャツの胸のあたりには、糸で刺繍まで施されていた。

「交換や返品はお断りだ、そこで着替えていって」
「…ここで?」
「カーッ!お前、男だろう。何を恥ずかしがっている!」

服を変える前に、どこかで身体を清めようと思っていたシーカーは、
しぶしぶそこで服を脱いだ。

「おまえ…」
店主は遠慮なくこちらをじろじろ見続けている。
「生業はなんだ?」
一瞬ドキリとしたが何食わぬ顔で、シーカーは言い返した。
「なぜそんなことを聞くのです?この町じゃ、服を買うにも、
生業を明かさなきゃいけないのですか?」
「ほそっこいくせに筋肉がついている。何をすれば、
そんな肉のつき方をするのか、と思ってな」
店主はボリボリと身体を掻きながら、
シーカーから目を離さずに言った。

「武術家か何かか?」




736:名無しさん@ピンキー
10/09/19 19:30:50 JquGRyIU
あたらずとも遠からず、というところだ。
そういうことにしておこう、とシーカーは思う。

「そうです」
「ならば剣はどうした?」
根堀葉堀、親父はなかなかしつこい。

「使わないのです。
身一つで闘う技を極めようとしています」
ほう、と店主は声をあげた。

「路地の突き当たりに、剣術の師範とやらがいる。
一度、その技を見せてやってくれ」
「その方は、お強いのですか?」
店主はそれには答えず、代金の支払いを求めた。

服は、少しゆったり目だが程良い寸法だった。
「夕方、仕入れがあったばかりだ。
失踪した息子のもんだそうだ」

死んだときまったわけじゃないから、
ホトケさんのじゃない、安心しな、
と、店主はけけけと笑った。

737:名無しさん@ピンキー
10/09/19 19:39:18 JquGRyIU
「お前のその服、いらないんだったら買ってやるよ」
シーカーはその言葉に甘えることにした。
二束三文でも、捨てるよりはいい。
むろん、ホトケさんから奪った服だとは言わない。


「ほかにも何かないかね。この町じゃ、モノよりルピーだよ」
ホトケさんからいただいたものはまだ他にもあったが、
余計な詮索をされては面倒なので、シーカーは首を横に振った。


「まいどあり。またおいで。ただ言っておくが」
店主はまた、念を押した。
「余分なルピーは、銀行屋に預けておくんだ。忘れるな」

738:名無しさん@ピンキー
10/09/20 19:24:37 HTjURaEk
なぜしつこく、金を預けろというのか。
シーカーは理由を聞いたが、店主は煩そうに
左右に手を振った。

こういう商売は口の堅さが看板代わりだ。
しゃべらないときめたらしゃべらない。
シーカーはそれ以上たずねるのをあきらめ、
外へ出た。

ほぼ向かいが銀行屋だ。
「ご近所のよしみ、でもないだろうに」
そのまま、銀行やをたずねた。

「やあ、またきたね」
前髪が顔の半分を隠していて、表情はよめないが、
男は機嫌良さそうだった。
「引き出しかい?それとも預け入れ?」
「これを、預けたい」

男は金を受け取り、またあの妙な手つきで
シーカーの体に印を付けた。
「これで…よし」
ありがとう、と言ってカウンターを
離れようとしたが、男はシーカーの肩を
つかんだまま、ささやいた。

「今夜の宿は決まった?」
「いいや、まだだ」
「よかったら、ここにとまらないか?
なぁに、お代なんて気にしなくていい。
大切なお得意様への、サービスだ」

739:名無しさん@ピンキー
10/09/21 22:04:47 630Wb5pS
シーカーは考えた。

銀行屋なら町のいろいろな情報が入って来る。
たしかに危ない橋だが、渡ってみるのも悪くない。

「ありがとう、じゃあ頼むよ」

銀行屋は相変わらず無表情だったが、
ぽんぽんとシーカーの方を叩いた。

「こっちだ。遠慮せずに入ってくれ」

740:名無しさん@ピンキー
10/09/21 22:35:13 630Wb5pS
銀行屋はカーテンを引いて店の奥にシーカーを誘った。
奥には小さな寝台が、ぽつんと置かれていた。
部屋に窓はない。

「逃げ道は、入り口だけか…」

とシーカーが思ったその時、
銀行屋はいきなり身体を抱き寄せ、
唇を奪いにかかった。

「…ちょ、ちょ、ちょっと待て…聞きたいことが…」
銀行屋は待たない。
シーカーの口をふさぎ、そのままあっさりと相手の身体を抱え込んで、
寝台へなだれ込んだ。

シャツの留め具を引きちぎるように前を開け、
唇から胸元へと顔を移動させ乳首を舌で弄ぶ。
「やめろ、ボクは…そんなつもりじゃ」
あえぎながらシーカーは抗議したが、
相手はもう聞く耳を持たない。
獣のように喉を鳴らしながら、
のしかかる相手を制するのに、精一杯のシーカーだった。

「しまった…」
計算違いを悔いたその時、
異変が起こった。




741:こっそり聞いた話
10/09/22 23:00:50 3LagCtd/
今日は平日だけど、ラッテは終夜営業らしい。

742:名無しさん@ピンキー
10/09/24 19:33:29 jebcosZz
では本日も青いどんべ萌え。

743:名無しさん@ピンキー
10/09/25 00:18:45 QRS7r/hk
仰向けに見上げる天井が急にゆがみ、
周囲の風景が一点に向かってすごい勢いで
吸い込まれ始めた。

ふたりがもみ合っている寝台やも、
ひどく揺れている。

「ちょ、ちょっと君!それどころじゃぁ…あ」
シーカーは、相変わらず身体にしがみついて、
下腹に手を伸ばそうとしている銀行屋に
抗議の声をあげた。

「そんなことをしてる場合じゃ、あっ、
だめだってば!!」
銀行屋は顔をシーカーの胸元につっこみ、
音を立てて乳首を嘗め回していた。
「やめて…ってば、周囲を見ろよ…」

男はちょっとの間顔をあげた。
「わかってる…これから何が起こるかも
知っている。
だから、今のうちに
一発やっとくんだ。おとなしくしてくれ」
「やっとくって…」
「おとなしく協力してくれたら、利子うんと、
サービスしてやるよ。だから、
やらせろ」

「だって、寝台がひどく揺れているし…
このままじゃ…」
「大丈夫だ、少々ギシギシアンアンやったって
壊れない。マニやの親父のお墨付きだ。」

銀行屋はいよいよ本気だった。
目を血走らせてシーカーの腰にまたがり、
ズボンを下ろしにかかった。




744:名無しさん@ピンキー
10/09/25 00:41:00 QRS7r/hk
一瞬、銀行屋の締め付けが緩み、
シーカーはそこからするりと抜けた。

と、相手の身体がものすごい勢いで、
彼方へ吹き飛ばされていった。
部屋の中の家具やなにやらも、
後ろへ後ろへと引っ張られていく。

シーカーは飛ばされないよう寝台にしがみつき、
飛んでくるものを避けていたのだが、
ついに力尽きて手を滑らせた。
「わぁああああ~!!」





745:名無しさん@ピンキー
10/09/25 01:14:00 QRS7r/hk
鐘の音で、シーカーは我に返った。
最初にこの町に来たときに通った、
あの時計塔の扉の前だ。

買ったばかりの服は幸い無事だった。
前がはだけて、ズボンもあやうくずり落ちそうでは
あったが。。

幸い広場に、人影はなかった。
石畳の道は雨で濡れている。


「一体、何が起こったんだろう」
まだ朝早い時間らしく、やぐら作りの槌音もしていない。
あたりを警戒しながら広場を移動したシーカーは、
とんでもないものを目にした。

「こ…これは…」
祭りのやぐらができていた。
が、昨日見た時より高さが低い。
といって、出来上がった部分を壊した跡もない。

はじめから、ここまでしかできていない、という感じだ。
「時間が巻き戻ってる?」

空を見上げると、やはりそこにはあの月があった。
「この町でおかしいのは、月、ばかりじゃないのか」
一刻も早く帰る方法を見つけて戻りたい…

「といっても、どうすればいいのか」
シーカーは雨空と月を見上げて、ため息をついた。


746:名無しさん@ピンキー
10/09/27 23:43:51 vtVAqh2d
しばらく時計塔で休み、善後策を考えた。
「以前行ったところに行き、会った人に会ってみよう。
皆、ボクのことを知っているかどうか」

手始めに、宿屋へ行って見た。

あの娘はいなくて代わりに、
母親らしい夫人が、カウンターを仕切っていた。
ドアを開けて入るシーカーを愛想笑いで迎えた、
と、次の瞬間、顔色を変え険しい顔つきになった。

「あんた、なんだい!!何のつもりだい??」
「え…と。今晩の宿を」
「あんたを泊める部屋なんてないよ、出てっとくれ!」

その剣幕に押され、
シーカーは戸口から奥に入ることなく、
外へ出た。

「一体何が悪かったんだろう…」
服装なら前に来た時のほうが、
貧相だったはずだ。

「この服、どこか変だろうか?」
日が暮れたらまた、マニ屋に行って
事情を確かめるしかない。その前に、

「銀行屋で、ルピーをおろさなきゃ」
気は思いが、仕方がなかった。

747:名無しさん@ピンキー
10/10/06 22:31:19 +bUcrFmQ
ルビーを下ろすのはわけなかった。銀行屋の手つきは相変わらず変だったが…。
しかし。


748:名無しさん@ピンキー
10/10/08 18:47:09 Ubx9GuXt
では今日も真っ青な野生児どんべ萌え。

749:名無しさん@ピンキー
10/10/11 01:05:16 Zd0FLHkq
しかし。

747は いずこへ…

750:ども
10/10/14 00:08:26 mClLY/BL
それ以上は特に、なにもなかった。

「まいどあり。またおいで」
男の顔は相変わらず半分髪で隠れ、
表情は読めないままだった。

シーカーは内心ほっとしながら
ルピーを手に、さっそく向かいの店に入った。

「いらっしゃい」

迎えたのは、あの色つきめがねの親父だ。
不審そうに首をかしげながら言う。

「見慣れない顔だな…」

シーカーは耳を疑った。
つい昨晩、ここで服を買ったじゃないか、
とのどまで出かかった言葉を押さえて答える。

「カーニバルを見に来たんだ。
途中で追剥にあって、身ひとつなんだよ」
親父は大きくうなずいて、細々したものを揃えて寄越した。
「城壁の外は物騒だ。気をつけるんだな」





751:名無しさん@ピンキー
10/10/14 00:19:52 mClLY/BL
「どうも変だ」
納得がいかないことばかり、とシーカーは思う。

窩主買の親父とは、前に一度会っているはずだ。
昨日の今日、忘れてしまうにははやすぎる。
客商売ならなおさらだ。

「それとも、わざと…」

人面月といい、低くなった櫓といい、
親父のことといいこの街は、
わけのわからないことばかりだった。

考えながら路地の外れまで来た時、
視線の端を横切っていったものがあった。

緑色の帽子。

シーカーははっとした。
「あれは、まさか!」

ぱたぱたと小さな足音が、
曲がり角の向こうで響く。
見慣れた小さな影。

「!」

すぐに後を追った。

大人の姿で、女盗賊たちの砦に捕まっていたはずの勇者が
なぜ今こんなところに。
そんなことを考えている暇はない。
それでなくともこの街には、謎が多すぎるのだから。



752:名無しさん@ピンキー
10/10/15 00:31:42 4p/chYtp
細い路地を曲がるとその先はもう広場だ。
が、そこに出る前にふっと、足音が消えた。

一本道だから見失うはずはないと、
シーカーは思っていた。
それに追跡は慣れた仕事。
一族のものなら、物心ついたころからもう、
言いつけられる基本中の基本なのだ。

だが、

「いない」

がらんとした広場には、
人っ子ひとりいない。いや、
デクの木の子どもがひとり、
花プロペラを使って
月に向かって飛んでいくところだった。

いつもは沈着なシーカーだったが、
さすがにうろたえた。

「こんなところを、乳母殿に見つかったら」
任務の失敗は自分ばかりか、仲間の命も脅かすと、
こっぴどくしかられるところだ。
さすがに、ここではこれ以上悪いことはおこりそうもないが、
つながったと思った元の世界との絆が、
またぷつんと切れた気がした。



753:名無しさん@ピンキー
10/10/15 00:53:08 4p/chYtp
呆然としたシーカーは、またひとつ過ちを犯した。
隙ができて、あたりに注意を払わなかった。
後ろから人影が迫ってくることにさえ、
気づかなかったのだ。

代償は、腰のあたりにやってきた。
なにかにどん、と突き飛ばされたシーカーは、
前のめりにつんのめったところを、
顔面からレンガの地面に激突するのを
受身で避けて体をひねり、
腰のあたりに絡みついている奴を
振り払おうとした。

小さなそいつは、
シーカーの細い腰に必死で、
しがみついている。

一瞬のうちに、
衝撃を和らげる体勢を整えたシーカーは、
倒れこみながらそいつを、
両手で押さえ込んだ。

「子ども?!」

横受けで抱え込んでしまったのは、
5歳くらいのおかっぱ頭の子ども。
その子は
瞬間たじろいだシーカーの腹を思い切り蹴って飛び上がり、
相手が地面にのびたところで、
今度はどすん!と、
身体に馬乗りになった。

「つかまえたぞ!この泥棒め!
ボクのお面を返せ!!」


754:名無しさん@ピンキー
10/10/16 00:17:05 dQQzZxD/
子どもは馬乗りになったまま、シーカーの胸倉をつかんだ。
「脱げ!」
「なんだ、いきなり」
会う者、会う者ことごとくに、
脱げといわれっぱなしのシーカーだった。

「脱げ!それはボクの服だ。
母がぼくのために作ってくれた服だ」

シーカーは驚いて子どもの顔を見た。
くりくりと大きな目をして、
目鼻立ちも整ったかわいらしい子だ。
だが、
こめかみや口元が、ひきつっている。
相当癇が強いらしい。


「落ち着けよ。それにこの服は
マニ屋で買った」
「うそだ。ボクはずっとあの店で見張っていたが、
お前は最初からその服を着ていて、
小物を買っただけだ。

ボクからお面を奪った、
あいつの仲間だろう!!」
「うそなんか言ってない、それにこの服は大人用だ。
君はまだ、子どもじゃないか!」

相手はぐっと、言葉に詰まったようだった。

755:名無しさん@ピンキー
10/10/22 00:35:10 /0Zo3mVP
ほしゅ

756:名無しさん@ピンキー
10/10/25 23:35:17 TpIYsaLS
tes

757:名無しさん@ピンキー
10/10/25 23:52:31 TpIYsaLS
その隙に、シーカーは半身を起こした。
子どもは転がり落ちて、でんぐり返しになった。
「すまない!だ、大丈夫か」
差し出した手を子どもがつかんだ。びっくりする程力が強い。

「逃がすものか!
あいつの居場所を知ってるんだろう。
ボクのお面を盗んだ、あのスリの…」

子どもはまだ何か言っていたが、
あとは聞き取れなかった。
また、あのゆがみが起こったのだ。

「うわ…」
目が回り、気持ちが悪くなる。
シーカーは目をつぶった。腕をつかんでいた小さな手が、離れていく。
奈落の底に落ちていくような、いやな気分だった。


758:名無しさん@ピンキー
10/10/26 00:28:44 vQIURf1W
気がつくとまたあの、時計塔の前にいた。
今度は夕暮れ、鐘が街中に響いている。
所持品を調べると、マニ屋で買ったはずの小物も、
おろしたルピーもすべて、無くなっていた。

「また時間が戻っている」

何度も、何度も同じ時間を永遠に繰り返すのか。
シーカーは思わずぞっとした。
「いや、少しずつだが前に進んでいる」
前回は朝だった。今はもう夕方。
まもなくマニ屋も開く時刻だ。
あそこから始めるしかない―その前に
「先立つものはルピーだ」

相当げんなりしていたが、行くしかない。

さすがに、疲れていた。
どこかで休みたかった。
寝床を提供してくれるのなら、あの無愛想な女将の宿屋でも、
銀行屋のところでもいい。

自分でもあきれるほど、投げやりになっているシーカーだった。

759:名無しさん@ピンキー
10/10/27 10:27:28 FCrUm64Y
シークたん、うちに泊まって~
炬燵でアンアンしよう!

760:名無しさん@ピンキー
10/10/27 23:43:41 lsygSdOl
電気炬燵でアンアンするとケツを火傷する。

761:名無しさん@ピンキー
10/10/28 21:09:36 X6LRZaGC
いいなぁ炬燵。粋たなぁ。
急に寒くなったことだし、アンアン言わずとも、
裸で抱き合ってるだけでも。

762:名無しさん@ピンキー
10/10/30 21:18:35 LN6lJ7mZ
火傷ならオ□ナイン塗らなくちゃね
ほらじっとしてて
あ、手がすべった・・・・

763:名無しさん@ピンキー
10/10/30 21:45:17 0p3Mvnr5
オロナインは痔にも効く。
滑りがいいから…いやなんでもない。

764:書庫管
10/10/31 20:59:21 PpcblYYy
infoseekが今日で終わりということで移転しました。
URLリンク(www22.atpages.jp)

更新できてなくて、すいません。
今後も宜しくお願いします。

765:名無しさん@ピンキー
10/10/31 21:16:54 wobNT2QD
「何度目だ、西の路地」
シーカーはまたあの、階段状の小道にやってきた。
まずは気の重いことから、やら泣ければならない。

路地を上ってくると、突き当たりに人影が見えた。
少女がふたり、なにか考えているふうだったり、
そうかと思えば身体を動かしたり、はねてみたり。

「なんだろう」
少女たちの動きが気になったシーカーは、
銀行屋の前で足を止めて、彼女たちの仕掛け人形みたいな動きを
ぼんやり眺めていた。

「お兄さん、用があるのなら早く入っておいで」
中から声がした。あの銀行屋だ。

「毎度、また来たね」
シーカーはそれを聞き逃さなかった。
「ぼくのことを、覚えている?」
「いいや」銀行屋は頭を左右に振る。

「あんたの顔を見るのは初めてだ。だが、あんたの身体の印は、
ここに来るのが三度目、ってことになっているんでね」
「君はそれを気にしないのか?」
「どうして気にする必要がある?俺にとって大切なのは、
金額の変化だけだよ」

銀行屋は前のように怪しい手つきで、手続きを終えた。






766:名無しさん@ピンキー
10/10/31 21:19:29 wobNT2QD
>>764
うわぁ…書庫管氏。
管理お世話っす。

767:名無しさん@ピンキー
10/11/03 21:35:04 e1rDqx2N
路地から音楽が聞こえてきた。
くねくねして、粘りつくような、奇妙な旋律だが、
一度聞いたら忘れられないメロディーだ。

「やっと新しいステップを見つけたようだな」銀行屋が呟く。
「新しい?」
「ああ、旅芸人の女たちだ。新しい出し物の練習だとさ。
ずっとそこで頑張っていた。
カーニバルが開かれるかどうかもわからないのに、
ご苦労なことだ。月が落ちたらどうするんだろうな」
「月が落ちれば、君も困るだろうに。まるで他人事みたいだね」
「他人事だ」銀行屋はきっと、にやりと笑っていただろう。
「カーニバルが中止になろうと、月が落ちようと、
俺には関係ない。ここにいれば大丈夫」
銀行屋は自信たっぷりだ。

「どうしてそう言える?」
「時間がどう動こうと、ルピーの記録は影響されていない。
ここはどうやら、周囲とは違った場所らしい」
「…」
「だから、俺と一緒に来ないか?ここにいれば、
何も怖いことなんかないぜ」
銀行屋はまた、口説きにかかった。

周囲とは違った場所。確かにそうかもしれない、と
シーカーは思った。
それに、この街で暮らす以上、
銀行の世話にならないわけにはいかない。

試しにたずねてみた。

「ところで、緑色の帽子と服を着た、男の子を見かけたことがある?」
銀行屋は何の感情も交えずに、すぐに答えた。
「知らないな…知っていたとしてもこっちは商売だ。
守秘義務、ってものがある…気になるならここにいて、
自分の目で確かめてみることだ」

銀行屋は、前髪を下ろした顔を近づけてシーカーを凝視した。
シーカーは答えた。

「ありがとう。また来るよ」

768:名無しさん@ピンキー
10/11/09 04:48:50 92+OaDYz
ダレモイナイ 保守っとこう。

769:名無しさん@ピンキー
10/11/10 07:57:38 NIe80JIx
最近こないどんべ氏のかわりにどんべの太ももに萌えておこう

770:名無しさん@ピンキー
10/11/12 19:44:21 rtZqc4Rh
では1ヶ月ぶりにここで青い着物、青い脚絆と足袋、絶対領域、
そして青褌なエロかわいいどんべに萌えようかハアハア。

771:名無しさん@ピンキー
10/11/13 10:37:37 Amuld4nJ
タヌキ耳&しっぽ、ハチのコスプレ、ウサ耳。
ヒゲ生えたいい年したピザ男なのに、これらが似合うマリオは魔性の男。

772:名無しさん@ピンキー
10/11/13 16:18:06 1TXGLhmH
>770
おかえり
ピットやどんべやリンクなどのミニスカ男子(元含む)たまんねぇ

773:名無しさん@ピンキー
10/11/13 22:24:18 JZ+3RooC
時オカの子リンが宝箱覗き込む後姿とかwww

774:名無しさん@ピンキー
10/11/16 02:09:17 ccx60POp
宝箱に気を取られているとき 後ろから襲われたリンクたん

大人になったとき 足で開けるようになりましたとさ

775:767の続き
10/11/17 22:44:49 YS/+nECg
銀行屋を出ると、ちょうど踊り子の娘たちが
通りかかるところだった。
若い娘の汗と、脂粉の香りが漂ってくる。

「でもお師匠さんの踊りは最高だね」
女の一人が興奮したように話し出す。
「あんなステップ、思いつかないよね」
もう一人も、汗をふきふき同意した。
「あんなに、小さいのにね」
「そう、まだ子どもに見えるのにね」
「でも、大人になればきっと、オトコマエになるよ。
金髪のかわいらしいボウヤだからね」
「そうそう、緑色の服がよく、似合ってたよね」

「えっ?!」シーカーは二人を呼び止めた。
「すみません、その…お師匠さんというのは、
緑色の帽子をかぶって、剣と楯を背にした、
少年のことでしょうか」

女の一人が振り返り、
ちょっと頬を赤らめて答える。
「あら、よく知っているわね。そうよ。
あんな子どもなのに、見上げたものだわ。
おかげであたしたちの出し物も、大成功間違いなしよ。
あんたも、ぜひ観にきてよ」
「そうそう、ミルクバーってところで、
魚族の歌姫の前座でやるからさ」

「で、その少年は今どこに?」
シーカーは女たちの話など聞いていない。

「えっと、そうねぇ。そういえばどこに行ったかしら」
「ほら、あそこの門から出ていったんじゃない?」
「そうそう、こんな夜に平原に出るのは、まずいんじゃない、て
思ったんだけど」

776:名無しさん@ピンキー
10/11/17 23:14:56 YS/+nECg
シーカーは城門に走った。
女たちが何か言っていたが、聞こえていなかった。

門を抜けようとしたところで、衛兵に止められた。
「いかんいかん、こんな時間にいったい
どこへ行こうというのだ。外は魔物でいっぱいだ」
「今ここを、子どもが通ったでしょう?ぼくは…」
「彼は子どもではない。立派な勇者だ。剣も楯も装備している。
君はどうだ。丸腰じゃないか!」

確かにそうだ。前にマニ屋で揃えた装備は、
すっかり失われてしまっている。
「それに彼を追いかけようとしても無駄だよ。
馬に乗って駆けていってしまった。人間の足で
追いつくのは無理だ」

普通だったら、無理ではない、とシーカーは唇をかむ。
しかしこの世界は、まるで様子が違う。
どこまでいつもの力が出せるか、
自信を失いかけているシーカーだった。

「こんなことでは、とても任務なんて
勤まらない…」と、ため息をつきながら
空を仰ぐ。

そこにはやはりあの、恐ろしげな顔をした月が、
今にも地上に転げ落ちんばかりに迫っている。
「あの月のせいだろうか」
いつもの調子がでない。どこか変だ。
第一自分がどこにいるのかも、ここが正常な世界なのか、
そうでないのかもわからない。

勇者に会えるのか、どうなのかさえ。

「早く家にお帰り」衛兵が声をかける。
「ボクは旅の者だ、この街に家はない」
「では夜が明けたらすぐに、この街を立ち去るんだ。
家に戻って大切な人と、残された時間を
過ごすがいい」
「残された時間?」
衛兵も空を仰ぐ。
「ごらん、あと少しで地上に衝突する」
「この街を離れれば、助かるというのか」
衛兵は肩をすくめた。

「どうせだめでも、最期の時くらいは、
誰か大切な人と過ごしたほうが、いいだろう?」
「ボクはその、緑色の少年を探しに来た」
「じゃあ、あきらめたまえ。もう、どこへ向かったかわからない。
それに私は、君を通すわけにはいかないんだ」

シーカーは衛兵の説得に、素直に引き下がるしかなかった。



777:名無しさん@ピンキー
10/11/23 02:45:38 xjb0h2CG
マニ屋に入ったシーカは、さっと店内を一瞥した。
入口から見ると向かいあたり。天井に近いところに、暗がりがある。
「あそこか」きっとあそこから、こっちを見張っているに違いない。
ふと脇を見ると、若者の顔をしたお面が売られている。その顔に見覚えがあった。
「これはあの時の」
婦人から預かったお面だ。時間が戻った時に、無くしてしまった。
シーカは小柄と一緒に、それを求めた。
店主はじろりとシーカを見た。シーカは視線を、天井近くの暗がりに向けたままだった。
「裏だ」。オヤジが背中を掻きながらぼそりと言う。「洗濯場がある。そこへ行け」
シーカは軽くうなずいて、店を出た。

778:名無しさん@ピンキー
10/11/27 19:45:43 cv5nF0bA
今週もどんべ氏はお休みか。

779:名無しさん@ピンキー
10/11/30 22:52:19 uZVdVIt0
シーカーは店をでて路地を抜け、
裏へとまわった。
オレンジ色の明かりに照らされてた水場があり、
小さな郵便受けが立っていた。

水場の向こう側にあるドアが開き、
小さな人影が出てくる。
紫色のおかっぱ頭の子ども。
薄暗くて顔はよく見えなかったが、
街灯の明かりの中に入ったその子は、
きつねのお面をつけていた。

「お前は何者だ」お面の下からくぐもった声がする。
「ぼくは…君のお母さんから、
君を探すように頼まれた。でも、
そのことをお母さんが覚えているかどうかは、
わからない」
「この街のものではないな」
シーカーは首を横に振る。
「ここがどこなのか、どうしてここにいるのかも
わからない。わからないことだらけだ、ただ、
緑色の服を着た子どもを探している。
ボクは彼と同じ世界から来た」

子どもはきつねのお面を、ゆっくりとはずした。
その下から、大きな目と、すっきりと鼻筋の通った
端正な顔が現れる。

「その子なら、知っている。
ぼくも頼みごとをした…
ぼくの名はカーフェイ。婚礼を前に、
子どもの姿に変えられた惨めな男さ」

780:名無しさん@ピンキー
10/12/04 23:07:59 sDLpJ5kU
「それで君はここで、何をしているの」
カーフェイは後ろにそびえる建物を見やった。
「こんな格好では、どこにもいけない。
だが、ぼくはぼくの大切なものを奪った奴を見つけ、
取り返さなきゃいけないんだ」

そしてシーカーに向き直った。
「正直に言って君が、奴の、スリの仲間だと思っていた。
その服もてっきり、奪ったものだと」

だから違う時系列では、ボクに殴りかかってきたわけか、
と、シーカーは思う。
―だが、ボクの存在はこの世界には、
受け入れられていないようだ。
なぜだかわからないが、すべてがリセットされて、
初めからやり直さなけりゃ、ならなくなる―

781:途中送信しちまった
10/12/04 23:36:16 sDLpJ5kU
「とにかく、大切なものを取り戻すために、
あの店に二階から客を見張っている。

盗品をさばくには、普通の店ではだめだ。
あの店だったら…」
やっぱりあの親父は、窩主買いか、と、
シーカーは思う。

「知り合いなのか?」
「…父の、知り合いなんだ。理由を話したら
そこを使えばいい、って言ってくれた」
「お母さんに連絡はしないのか?」
「それも、頼んだ。緑色の服を着た少年に」
「! じゃあ、彼に会ったのか?
どこへ行けば、どうすれば会える?
今どこにいるんだ」
シーカーは柄にもなく気色ばんだ。

「その店には、いつかはやって来ると思う。
銀行で金を下ろしたり、雑貨屋で買い物をしなっきゃ、
この街では暮らしていけないから…」

カーフェイは少し考えていた。

「君もあの部屋で待つかい?
狭い部屋だが、君一人ぐらいなら大丈夫だ」

渡りに舟だ、とシーカーは思う。
少しの間だけでも、身体を休めることもできそうだ。
「もし、そうしてもらえたらありがたいよ」
「遠慮なんてしなくていいよ。
ぼくも、もう一ヶ月もろくに話す相手もいなくて、
少し気がめいってたところなんだ。それに、
銀行屋には、気をつけたほうがいい」

カーフェイは周囲を見回し、口元に片手をそえて、
もう片方の手でおいでおいでをした。
シーカーが身体をかがめて耳元でささやいた。

「銀行屋には気をつけろ。
あいつは男女かまわず、声をかけてくる。
ついこの間、旅芸人の姉妹に声をかけて、
まるきり無視されたところだ」
「ありがとう、気をつける」

遅すぎる忠告だ、とシーカーは心の中で
苦笑いした。

782:名無しさん@ピンキー
10/12/11 00:49:10 XyDvpGHI
時計が時を刻む音が暗闇に響く。
寝台の上からは、子どもの穏やかな寝息も聞こえる。

シーカーは久しぶりに、手足を伸ばして横になっていた。
床の上に敷かれた薄い夜具の上であっても、
これまでに比べると上等だった。

またいつあの、ゆり戻しがくるかと思うと、
疲れているのに頭は冴えてなかなか寝付かれなかった。
だが、定期的に歯車がかむカチッ、カチッという音を聞いているうちに、
次第に眠気の闇にとらわれてしまった。


シーカーは夢を見た。
夢の中でシーカーは、誰かの隣に立っていた。
それは男で、自分が知っている男のようだが、顔ははっきりとわからない。
その見知らぬ男とシーカーは、時計台の上で空を見上げていた。

空にあるのは、恐ろしげな顔などない見慣れた月だ。
月に向かって思わず手を伸ばすと、隣の男がその手をとって言う。

「戻ってきたんだ」

何かを言おうとした時、
腹部に激しい衝撃を感じて目が覚め、夢はそこで途切れてしまった。


783:名無しさん@ピンキー
10/12/17 20:44:38 cwaXs/dV
テスト

784:名無しさん@ピンキー
10/12/18 23:28:05 VOacCQX6
「ぐっ!!」
目を開くと鼻先に、青紫色の髪の毛が見えた。
どうやら子どもが…いや、子どもの姿に変えられた青年が、
眠り込んでベッドから転がり落ちたようだった。

人の上に乗っかかったままその子は、
相変わらずすやすやと寝息をたてている。
「おい…きみ」
シーカーは耳元でささやいたが、
なにやら小さくつぶやいて寝返りを打ったものの、
いっこうに目覚めそうにない。

「ちょっと…苦しいんだけど」
そっと身体をずらそうとすると、
相手はまた大きく寝返りを打って、
首筋にかじりついてきた。

785:名無しさん@ピンキー
10/12/24 23:16:44 his8bHaO
メリークリスマス!

スペインに「スーパーマリオブラザーズ通り」が誕生
URLリンク(www.cnn.co.jp)

「とある国のとある町で………」
URLリンク(www22.atpages.jp)
この世界が、実現するのかな。
これ書いた人は今でもここにいるのかな。
マスターソードを持たない身でも、おいら達も
もう随分遠くまで来たもんだ。

786:名無しさん@ピンキー
10/12/31 02:00:37 aZl386eA
日本じゃまだあまり聞かないね。サブカル系架空の人物にちなんだ公共物。
やっとこ鬼太郎空港が出来たところだ。
アニメからゲームへの移動はさらに、時間がかかるだろう。
それも任天堂系より、「イナズマイレブン・スタジアム」とかのほうが、
先になる可能性が高いと思う。

787:名無しさん@ピンキー
11/01/01 02:45:35 TOtX3NPW
いやいや「ポケモンスタジアム」「マリオスタジアム」は案外



なさそうだが

788:名無しさん@ピンキー
11/01/01 07:01:52 rCHl15uj
スーパーマリオ・スタジアムはすでにどこかに…

て、あれはテレビ番組か

789:名無しさん@ピンキー
11/01/01 18:25:36 fcuGdLh2
あけおめー。
今年、もうすぐ3DSが発売されて時オカりんきゅでオトナになったりコドモになったりできるんだと思うと
今からwkrkが止まらないぜ。フフ……w

790:名無しさん@ピンキー
11/01/06 22:46:29 Xg9JwM2y
あけおめ~。

3DSの体験会は来週か。
久しぶりに幕張、行ってみるかな。

791:名無しさん@ピンキー
11/01/12 23:37:18 KAKyTPi9
行ってきた。
オカリナの子りんきゅんが、剣ベルトしてた。

792:名無しさん@ピンキー
11/01/16 12:53:29 bHvagt07
子りんきゅんのパンツは確認できなかったか・・・
まあ、スカートの下が空洞ってことはないよね


793:名無しさん@ピンキー
11/01/22 12:43:15 KcUOP+Bj
空洞でもいい…そこに頭をつっこめるから。

794:名無しさん@ピンキー
11/01/30 01:04:05 w5jkGBTV
それなんてスカルファッ… いやなんでもない

795:名無しさん@ピンキー
11/02/01 21:36:39 r9aBgcL6
Wiiのスカイウォードより3DSの時岡リメイクの方が楽しみ。
ぴっちぴっちの白タイツをひさびさに拝める。
なにしろこのスレの原点だから。

796:名無しさん@ピンキー
11/02/08 00:05:41 bk1cveJa
で、予約はできたのかな。3DS

797:名無しさん@ピンキー
11/02/08 23:50:39 D2VnNYjN
地元で入庫日未定だけど予約受け付けてたところがあったから頼んでおいたよ
まあ、春までには入るだろ^^

798:名無しさん@ピンキー
11/02/14 01:26:01 hp5UCzc/
ハッピーバレンタイン!
早く3D勇者に会いたいな・・・

799:名無しさん@ピンキー
11/02/15 00:05:53 VS899VJb
ハッピーバレンタイン。
リンクはチョコたくさんもらったかな。

800:名無しさん@ピンキー
11/02/15 00:06:33 VS899VJb
おう、書き込みできた。
教えてくれた人、さんきゅ。

801:名無しさん@ピンキー
11/02/18 01:09:05 UigrGIh8
スマブラクッキー♪
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)

802:名無しさん@ピンキー
11/02/21 21:30:08.49 nGiJcGAr
>>801
えへへへへ…
誰から喰ってやろうか。


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