10/03/29 03:07:08 LVuYwdlo
変化にはすぐに気付いた。が、それが何を意味するのかを受け入れるのに時間が掛かった。
覚えておいでだろうか。橋村が台に横になった時、向こうに太いシリコンパイプが見えていた、と書いたのを。
その太いパイプは、湯で溶かした排泄物を吸引するパイプだった。
すなわちそこを流れる茶色いものは、便である。誰の?橋村祐子の、便。
―おおおぉいいいい!!!!!出したのモロに映ってんじゃねーかよ!!
―え、え?マジ、やっぱり?あれうんこなの!?うわあああ、映すなってぇ!!
―うわああこれヤバイぞー、テレビ史上前代未聞クラスだわ。アナウンサーの糞が生放送www
―録画余裕でした。つかこれで橋村アナ完全に人生終了だな
―同じ女として可哀想すぎるっていうか、ディレクター何してんの?あの女医何なの!?
―全国の祐子ファンざまぁぁwwwこれからはゆうこじゃくてうんこアナなwwwwwww
―ひどいよな、もうマジで女として終わりだ。
―局が悪いな、こんな企画立てた時点でこうなる危険性は十分あったのに。局に殺されたよ橋村女史は
暴発。今までグレーゾーンに対し抑えられていた意見が、この瞬間に怒涛の如く溢れた。
ネットの海は阿鼻叫喚に包まれた。
思い出すと私は今でも居たたまれない気持ちになる。
場の空気に気付き、どこか呆けたような顔で反対側を振り向いた橋村を。
どんな顔をしていたのだろう。カメラも流石に追わなかったので想像に任せるしかない。
橋村は向こうを向いたまま、自らの腸から排泄された汚物が流れていくのを見つめていた。
もはや振り向けないのだろう。
シリコンパイプの中では波打つように汚液が流れ、時折固形物が混じった。
―すげぇ、またでかい塊きたな。女子アナって意外に出すんだな。
―この前にデトックスとか言って色んなもん食わされてたしな。そりゃお通じもいいわ。
―ガチで年越しそば吐いた…もういいって…
―やめろ、お前ら見るんじゃねえ俺の、俺の初恋の祐子おねーさんがっ……!!
―このコ縛り上げて下痢便漏らさせるのが夢だったけど、叶ったwww
―祐子ちゃん何か言ってェ~お茶の間でうんこ出して御免なさいってマッパで土下座してェ~~♪
排出が延々と続く中、コメントは次第に橋村を低俗と見るものに変わっていった。
輪姦、強姦、イラマチオ、枕営業、女の恥、肉奴隷……そんな罵倒が飛び交った。
カメラの映す現場の中、ある若手芸人の携帯が鳴る。
彼は慌てるあまり撮影中にも関わらず電話に出てしまう。
『TV見てっぞー、最ッ高だなオイ!
っつかお前さぁ、そこ居んだろ?だったらぁ、犯せよ!!犯せよその糞タレビッチよ!!
黒髪掴んでよ、イラマチオ!澄ました顔歪めて泣いてゲロ吐くまでやってやれ!』
若手芸人の連れらしい。ガラの悪い大声で叫び散らす。
若手芸人はすぐに携帯を切ったが、会話はすべてマイクに拾われている。
橋村の肩が震えていた。