ガンダムSEEDエロ総合スレ Part28at EROPARO
ガンダムSEEDエロ総合スレ Part28 - 暇つぶし2ch148:保守 アス/シン×カガ-28
09/01/30 12:57:17 5aN9n8uZ
カガリは自分の腰に回されたアスランの手に、自分の手を重ねる。
思えば、いつも理知的だったアスランが復讐などという物騒な言葉に振り回されながらだとしても、
これ程の感情を発露させたのは初めてではなかったか。
間違った、とアスランは言うが、確かにあの頃のわたしたちは訳知り顔で背伸びをしていた。
だからわたしはアスランを解放したかったのだし、アスランはわたしにオーブとアスランを
天秤にかけさせまいとしたのだ。
そこにわたしたちの心はあったか?
がむしゃらに相手をもぎとろうとする情熱があったか?
わたしがシンに惹かれた理由はシンにそれがあったからじゃなかったか。
「カガリ…?」
カガリの両手の力がふと緩んで片手が離れていったことでカガリの中に揺らぎを感じたシンは慌てた。
怖れていたのはこれだ、目の前で自分の罪を認めて項垂れる人間を包み込もうとするカガリのやさしさだ、と。
「俺は、…俺は本当に君が、…君とオーブの……、…それなのに…」
「やめろアスラン、今さら何だ!」
ちゃんとした言葉にすらならないぶつ切りのアスランの吐露を、だからシンは強い語気で遮った。
それでもカガリに重なるアスランの体は急速に熱を帯び、
「俺が、…俺がシンと同じように君を憎めば君は俺を許すのか!許して受け入れてくれるのか!」
その叫びはまさに業火となり、カガリの体をその罪ごと灼き始めてしまう。
カガリは自分の足下に真っ暗な闇を見た。アスランの叫びはそこからのものだ、オーブという大義を盾に
身勝手に周りの人間に理解を求め続け、身を引くなどという綺麗事でひとりよがりにアスランを置き去りにし、
そして結局アスランの人生を狂わせた、これが罪でなくてなんだというのだ、と
「あ…あ…」
カガリからはもはや慚愧の声しか出ない。その刹那、ぽたり、と、それはただ一滴、
熱い雫が確かにカガリの背中に落ちた。
「!」
カガリははっとして思わず顔を上げ、けれどそれとほとんど同時にアスランはふわり、とカガリから離れてしまった。
「アスラン…!」
体をひねり、アスランのほうを向いたカガリだったが、伏せたアスランの顔は陰になりその表情は見えない。
ただアスランはローブの前を合わせ、おもむろに口を開いた。
「…ここからは真面目な話だ」
アスランの声はすっかり落ち着きを取り戻したかのような平坦なもので、
「君らはまだ知らないかもしれないが、戦後モルゲンレーテとモビルスーツ開発の技術協定を結んだ
ユーラシアと連邦のカンパニーのトップが近々変わる」
しかもその話題転換は至極いきなりだった。シンもカガリも戸惑いを隠せない。

149:保守 アス/シン×カガ-29
09/01/30 12:58:32 5aN9n8uZ
「戦後の復興も一段落ついたところで、次のビジネスチャンスを求めてのことだろうな。
復興に携わってきた人間が大量に失職したり、未だ繁殖の有効手段が見つからなかったりで、
あちこちで暴動が起きるほどプラントも情勢は不安定だ。
平和平和とばかの一つ覚えで唱えるばかりの女帝も頭を悩ませているだろうな。
当たり前だよ、理想一つですべての民の利益を購えるほど世の中は簡単じゃない」
「なんの話だ」
シンの言葉に、アスランはあからさまな笑みを浮かべてみせた。
「おいおい、頭を働かせろよ、戦争をしたい人間はいつの世もいなくならないってことだ」
二の句を継がないシンの前で、カガリは点を結ぼうとした。ユーラシアと連邦の話は聞き及んではいない、
ただ復興にてんやわんやだった頃と違い今は行き先を失った人もモビルスーツも確かに溢れていて
、戦争屋が動き出しそうな時期だということぐらいは分かっている。
「両カンパニーの新しいトップは鷹派なのか?」
カガリの問いにアスランは答えず、さらに話し続ける。
「意地汚い連中は自作自演も辞さないそうだ。
自分たちでテロを起こし、なし崩し的に戦争を始めるというちゃちなシナリオでも連中の懐は潤う。
問題はどこを標的にするかだ」
アスランの瞳がカガリを捕らえた。
重たい沈黙が、その答えだ。
「…どうしてオーブを!」
「目障りだからだ。高い技術力も、プラントとの癒着も、いろいろとな。
どこかでテロを起こしたのはオーブのテロ組織だった、あるいはオーブは秘密裏にとんでもない兵器を開発している、
それぐらいでもきっかけとしては十分だろう」
「あんたは何が言いたいんだ、単なる警告じゃないんだろう?!」
自国の危機に、シンが黙っていられる筈もない。けれどそれを見て、ついにアスランは低く笑い始めた。
「ヒントをやろう」
そして、じゅうぶん勿体ぶった間をとってから、言う。
「俺の父の凍結されていた資産は規定の年数を過ぎて解除されたよ」
カガリの頭が真っ白になり、視界がぐらり、と揺れた。
「勘違いするな、俺はカードを手に入れただけだ。そのカードをどう使うかはこれから決める。
いや、カガリが決めるんだ」
「…え?」
アスランはいま一度カガリの前に片膝をつくと、力無いカガリの手を取り、右手には手錠のカギを優しく握らせ、
そして左手には、
「…!」
その薬指に指輪をはめた。
カガリが今日アスランに返そうと持ってきていたもの、携帯電話と同時にカガリの服から転がり出たのを
いつの間にかアスランによって拾われたもの、だ。
「近いうちに側近と近縁を集めてくれ、正式に挨拶にいくから」
カガリがこの結婚の申し出を拒めばオーブを標的とした陰謀が発動すると、
そう、アスランの話は警告などではなく、脅迫なのだった。

150:保守 アス/シン×カガ-30
09/01/30 12:59:45 5aN9n8uZ
「な…」
「ア…スラ…ン、そんな、…そんな…っ!」
思わずカガリはアスランの手を握り返し、
「嘘だろう? オーブを、…民衆を人質に取るなんて、…嘘だって言ってくれアスラン!!」
叫び懇願する。するとアスランはどこまでも優しくカガリに微笑みかけ、
「俺が君を取り戻すために周到に準備したことをそんな風に言うな、カガリ、これは交渉だよ
、一国の首長がこんな単純な交渉で慌てちゃいけない」
あくまでも平然と言ってのけ、励ますようにカガリの肩に両手を置いた。
まさか、再会の時のあの輸送船の事故も仕組まれたことだったのかと、
まるでアスランの掌が自分の生気をそこから吸い取っているかのようで、カガリの気が遠くなる。
それからアスランは思い出したようにシンを見やり、
「ああそうだシン、カガリのことを諦めきれないっていうなら、…まあお前のことだから
そう簡単には引き下がらないだろうが、安心しろ、時々は貸してやるから」
屈辱的なことをさらり、と言った。
「き…さま…」
怒りに震え、食いしばった歯の間からしぼり出すようにシンは、けれどそれぐらいしか言葉にできない。
アスランはそんなシンを鼻で笑ってからカガリに目を戻し、カガリの髪に手を挿し入れ、
親指でゆっくりその頬を、瞼を撫でた。
「カガリ…三日以内に答えを出して連絡してくれ、待ってるから」
それから、呆然とアスランを見上げるカガリの金色の瞳の中に、ちゃんと自分が映っていることを確認してから立ち上がり、
「暫くラウンジにでも行ってくる。その間にこの部屋から出ていってくれ」
それだけ言うと、アスランはもう振り返りもせずにバスルームを後にした。
そして部屋に戻り、服を着け、しかしその時になってアスランはボタンをとめる自分の指が震えていることに気づいた。
長い時間をかけてここまできた。暴れ回るさまざまな感情を、怒りを糧にここまでたどり着いたのだ。
この震えは歓喜なのだ、アスランはそう思おうとした。
が、下半身に残るもの憂げな充足感と、鼻腔に残るカガリの匂いがアスランの意識をヴェールのように柔らかく覆う。
頭でいくら計算して、シミュレートしてもわかり得なかった生の感覚がそこにはあった。
体全体で感じたカガリの体温も、肌の質感も、乳房の重みも、カガリの中の温かさも。
ばかな、俺はそれら全てを取り戻したんだ、純粋な復讐心とそれを成すためだけにあの女を取り戻した、
そうだ、俺は勝ったんだと、いくら甘い感傷に引きずられるもう一人の自分を鼓舞したところで、
まだ自分が揺らぐのをアスランは止められない。
本当に全てを取り戻した、のか? あの真っ直ぐで、強い瞳の、屈託なく笑うカガリの、…そうだカガリの笑顔は…。
室内がぐにゃり、と歪んで曇った。
アスランは上を向いてそれを押しとどめると、歩き出す。
まだこれからだ、と自分に強く言い聞かせて、決然と。

151:保守 アス/シン×カガ-31
09/01/30 13:01:21 5aN9n8uZ
ドアの閉まる音がして、その音に殴られでもしたみたいにカガリははっと我に返った。
それでも、とても落ち着きを取り戻したとは言えず、
「…か、官邸に、…秘書室にも連絡して、ゆ、ユーラシアと連邦の─」
うわごとのように途切れ途切れに呟き、何度もカギを取り落としそうになりながらもシンの手錠を外すのがようやくだった。
「カガリ…!」
戒めを解かれ、ふらつくシンが抱きしめたカガリは氷点下の湖から上がったみたいにがたがたと震えていて、
けれど、
「カガリ、しっかりしろ、俺が─」
殺してやる、とそう言いかけ今にも走り出しそうなシンを、震える体のどこからそんな力が出たのか、
渾身の力で抱きしめ返してきて、
「できない」
と言った。あとは堰ききったように続けざまの、
「できない、だめ、追いかけても何もできない、アスランをあんな風にしたのはわたしだ、
彼の人生を狂わせた、わたしのせいなのに、だからわたしが責任を─」
それは混乱。
「カガリ!」
シンがもう一度しっかりとカガリを抱いて立たせると、その瞬間にカガリの中に残っていたアスランの精液がゆっくりと太腿を伝い、
それがカガリの感情を破裂させた。
だってあの時背中に落ちたのは、あれはアスランの涙だった、彼は、彼にはまだ迷いがある、
葛藤して、…アスランは今も苦しんでいるんだ、あんなにも苦しんでいるんだと、そう思ったならもう何もかもが堪えきれなくなり、
シンの腕の中でカガリは子供のように泣きじゃくり始めた。
「シ…ン、どうしよう、…やだ、もうやだ…よ、シン…!」
薬指の指輪からどんどんアスランの狂気が、苦悩が流れ込んでくるようだった。
「カガリ、大丈夫だよ、すぐにどうこうって話じゃない、なんとかしよう、カガリ」
シンはカガリの頭を抱き、背中をやさしく叩き、あやすように言葉を繋ぐ。
「あいつの言いなりにになんかなることない、なんか手があるはずだ、カガリ、しっかりして」
燃えるように熱いカガリの体に呼応するかのように、落ち着きを取り戻したシンの中にも怒りの炎がゆらぎ出す。
けれどもアスランの堕落に負い目があるのは確かで、自分のしでかしたことに同様の仕打ちが返ってきたのだという自覚もあり、
その炎は行き場を決めかねている。
殺してやりたい、でもそれでいいのか、そんなこと本当にできるのか、アスランが思い直すことはないのか、
俺を、俺たちを許すことはほんとうにないのか。
だが、ただ今は、
「シン…、シ…ン…」
自分の名を呼びながらしゃくり上げる腕の中の、この小さな生き物が愛しくてならないシンは、
カガリの傷を舐め癒すことだけを思う。
「カガリ俺と、…俺と結婚しようカガリ、一緒にいるから、俺がずっと一緒にいるから、な、
ほら、施設の子供を養子にしたっていい、きっと楽しいよ─」
ひんやりと冷たいバスルームの中で、そこだけ温度を上げて、シンとカガリは抱き合うことしかできなかった。






152:シンカガファン
09/01/30 16:44:33 UyBhCHRr
神キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
素晴らしい文章とストーリー!最高でした!!
カガリたんはシンとアスランどちらを選ぶ!?
つかこれで終わりなんですか?
是非とも続きをお願いします!!
この職人さんに映画の脚本書いてほしいかも
これ映画化でも無問題

153:ありがとう
09/01/30 17:04:45 5aN9n8uZ
人が少ない今こそこっそりお礼をば。
ほんっとに長々とおつきあいいただいて、
もう読んでくださった人には友だちになって貰いたいぐらい
励みだったし、感謝しかできないす。


154:名無しさん@ピンキー
09/01/30 17:31:42 bxHE5x4s
汚い手を使ってでもカガリたんを手に入れたい凸
純粋にカガリたんを愛し誰にも渡したくないシン
カガリたんは誰の手を取るのか!?
俺も是非続きが見たい
職人あんた心の友だぜ
映画どころか種死まるごと闇に葬ってこれ地上波で放送して欲しかったくらい最高のストーリーだ

155:名無しさん@ピンキー
09/01/30 18:10:51 ewbrl72i
超GJ!!前作のヘタレ凸がまさかこう来るとはw
男の意地的復讐に同情したくなるけど、
今さらアグレッシブになるならもっと早くなっとけww
と思わないでもない。

これは続編を期待してていいのかな?あるならwktkで待っております。

156:名無しさん@ピンキー
09/01/30 18:11:27 /Lq3zXhS
相変わらずキラに刺されそうなアスランだなw
そいやこのSSのキラって何してたっけかw?

157:名無しさん@ピンキー
09/01/30 20:08:54 kO5eGSNl
GJGJGJ!!
素晴らしすぎます!!
これで終わってしまうのですか?
続きが気になって妄想が止まりません!
お疲れ様でした

158:名無しさん@ピンキー
09/01/30 23:24:25 0E28pVS4
>「俺が、…俺がシンと同じように君を憎めば君は俺を許すのか!許して受け入れてくれるのか!」

久々にキタ台詞だ
職人GJ
続きを待っている

159:名無しさん@ピンキー
09/01/31 00:08:11 pgI1W/j6
ダコメイ

160:名無しさん@ピンキー
09/01/31 14:37:48 B+59BovN
ネットリエロに堪能 そして只のエロじゃないところに感動 続き気になります! GJ!

161:名無しさん@ピンキー
09/02/05 15:26:44 YYVUuonu
150
アホ

162:アス/シン×カガ
09/02/05 15:33:16 F2+oIBO0
すまん、終わりにするつもりだったけどやっぱ続き書かせてw

163:名無しさん@ピンキー
09/02/05 16:20:38 XngQzxEU
勝手に投下すればいいと思うんだけど、
もしかしてブラウザで直接書いてるのか?

164:名無しさん@ピンキー
09/02/05 17:06:09 F2+oIBO0
嘘つきました 自分書けません

165:名無しさん@ピンキー
09/02/05 20:26:06 FOm6HNVC
マユとリュウタのロリショタカプはどうか

166:名無しさん@ピンキー
09/02/06 00:26:16 S1GvOBJw
う~~~ん
このアスランカガリと心中しそうな勢いだ

167:名無しさん@ピンキー
09/02/06 11:04:32 6hKzYPS3
>>153
いつも萌え燃えで読ませて貰っています。
また気が向いたら、続き読ませてくださいね。

ところで貴職人様は何スレ目から光臨されていますか?
さかのぼって読みたいので、もしわかれば教えて頂けると嬉しいです。

168:名無しさん@ピンキー
09/02/06 20:21:30 rxm46MjF
捕虜話しとか読んでみたいかも
アズラエルやエクステンデット攻めで…


169:名無しさん@ピンキー
09/02/07 16:28:12 JLbqRb3s
>>168
カガリたん監禁ものもいいな

170:名無しさん@ピンキー
09/02/08 21:59:50 o2pxxeVX
>>169
いいな。陵辱が似合う。

171:保守 アス/シン×カガ 続き-1
09/02/10 16:32:50 KcbAhbXn
「カガリ、すごく綺麗だよ、あの時とは比べものにならない」
そんな昔のことを思い出させるようなことを言っては、とたしなめるように
袖を小さく引っ張るラクスに、あ、そうかというように笑うキラのすみれ色の瞳は
どこまでも明るい。
「でも本当に綺麗ですわ」
すっかり身支度を終えたカガリは、確かに一度目の時よりは体つきも女らしくなり、
そのしっとりとした体の線はシンプルなドレスにより、いっそう美しく流れている。
髪をアップにしたうなじの後れ毛も長い睫毛も、細かな光を湛えて輝き、それは侵しがたい
ほどの気品で、いっそ神々しい花嫁だ。
「おめでとう、カガリ、しあわせになってね」
キラの優しい言葉は、カガリの静かな心に落ちて、じわり、と広がった。

*****
慌ただしく開いた閣議の最中にそのテロは起きた。
かねてから独立をめぐる紛争の絶えない地域でのテロだ、それ自体に意外性はなかった、
ただ独立推進派犯行組織の声明文が、その反対勢力である母体国家へのオーブからの
モビルスーツその他の技術提供即時停止を求める内容だったこと以外は。
無論、事実無根の話だ。
各国からホットラインも含め殺到する問い合わせにその旨を伝え、動じずに早々と
会見も行ったカガリが青ざめたのは、つまり、
「今回はそちらの発表を信じる、という形をとりますがね」
という大西洋連邦代表の一言だった。
結局、テロの実行犯は直後に逮捕され妄信的な犯行だったと決着したのだが、
「カガリ、大丈夫?」
カガリの血の気の引いた真っ白な顔色に驚いたキラが閣議再開前に駆け寄ってきた。
スーパーコーディネイターであるところの彼は軍に置いておくだけで十分脅威になるので、
ラクスのこともあり、プラント特使としてプラント在住の任に着かせていたのを
閣議にあたって帰国して貰ったのだが、キラにしてみれば久々に会ったカガリが
最初から元気がなかったのがここへ来て今にも倒れそうなので、もう黙っていられない。
「だ、…」
大丈夫だ、の一言さえも言えなくなっているカガリを支えるようにして、キラは閣議再開を
遅らせるようにと進言し、側近に伝えた。

172:保守 アス/シン×カガ 続き-2
09/02/10 16:33:28 KcbAhbXn
そうしてキラに連れていかれた控えの間の長椅子に、カガリは崩れるようにして倒れ込んだ。
カガリ…
大丈夫?…
どこか悪いの?…
キラの声が水中で聞いているかのように不鮮明で遠いのは、耳鳴りのせいなのか。
違う、これは紛れもない絶望だ。絶望が全身を冒し麻痺させているのだ。
突然カガリは身を二つに折り、空えづく。
「カガリ!」
苦しい息と、けれど何も食べていないせいで胃液の混じった苦い唾液しか出ない。
キラが相変わらずどこか遠くで誰かに水をもってきてくれと呼ばわっているのを
意識の外でぼんやりと聞きながら、カガリはシンの名を心の中で呼んだ。
何度も何度も、何度も、何度も呼び、やがてそれは絶叫になった。
声にならないシンの名は、カガリの神経をずたずたに裂く。
アスランの脅迫は本当だった。
与えられた三日という猶予を、閣議を開きたいからという理由でカガリは何とか一週間に延ばして貰い、
その間、至急の命で各地の諜報部員に調査に当たらせた結果、ユーラシア連邦と大西洋連邦の
件のカンパニーの新しいトップの名はアスラン・ザラではなく、それぞれ別の人間だった。
しかし、その裏側には確かに黒い影が蠢き、それがぼんやりとアスランを象る。
曰く、役員買収、友好的M&A─。それらが、もしくはそれら以外の何かがどのように成されたかは
判明しなかったものの、併せ考えてみれば、アスラン自らが言うように彼はカードを自由に切れる
権限を本当に手に入れたのだろう。
そして今回の、猶予期間にですら遂げられただめ押しのようなテロ。
死者24名、負傷者13名。
オーブが何を肯定しようと、否定しようと、あちら側はあちら側の都合のいいように解釈する、
次が同じように穏便に済むとは限らない、さしあたってそれが大西洋連邦からの警告というわけだ。
震えるカガリの体をさすり慌てるキラに、けれどカガリは何も言えない。言うつもりもない。
キラの親友のアスランは、今カガリを脅しているアスランとは別人だ。
アスランの狂気の人格は、カガリが創ったものなのだからキラにそれを一緒に背負えと
言えるわけもない。水くさいと、キラなら怒るかもしれなくても、だ。
(終わった…)
キラを弱々しく手で制し、
(…わたしとシンは─)
息を整えると、
(…終わったんだ……)
カガリは天を仰いだ。とめどもない涙がただ頬を伝った。


173:保守 アス/シン×カガ 続き-3
09/02/10 16:34:50 KcbAhbXn
顔を合わせて、けれども二人とも何も言えなかった。
交わす言葉がないのは、交わさねばならない言葉がわかりすぎていたからだ。
シンがカガリの手を取り、無言のままバルコニーに出るとベンチにまず自分が座り、
その足の間にカガリを座らせた。
そして二人合わせて二十本の指を、一本ずつ交互に、丁寧に絡めて手を繋ぐ。
庭を渡る風が頬を撫で、規則正しいシンの鼓動がカガリの背中を打つ。
力強くて、優しくて、こんなにも心安らぐ音をカガリは他に知らない。
目を閉じて身を任せるうち、シンの体温もカガリに伝わり、それが一つになった頃、
「……っ…」
堪えられない嗚咽がカガリから漏れた。
それでも二人に言葉はなく、シンが少し尖らせた舌先でカガリの涙をすくい続けるだけの、
ただただ静謐な時間。
あまりに心の震えが止まないものだから、やがてカガリは苦し紛れにシンの腕の中で体を回し、
両の手でその顔をやさしく挟んだ。
そこには赤い瞳が二つ。そうだ、この綺麗な赤色とここに宿る揺らぎのない魂を、
わたしは胸に刻まなければとカガリは思う。
と、そんなカガリの胸中を読んでか読まずか、カガリの瞳を逆に捕らえ、
しっかりと焦点を合わせるとシンはついに、
「思い出になんかしないからな」
口を開いた。開いてすぐ、カガリの手を取り直しベッドルームへと向かうと、
カガリをベッドに横たわらせ、その体を跨ぎ、服を脱がせ始める。
馴染みのある、愛してやまないカガリの白い肢体がベッドの上にくっきりと浮かび上がり、
シンはそれを暫く眺めてから、カガリ、と小さく呼んだ。
カガリからは逆光でシンの表情は見えない。が、
「俺は、二度と、大切なものは手…手放さないって、決めたんだ」
震えて掠れた声にすべてが明らかだ。
家族のことを思い出しているのかも知れない、そう思うとカガリはシンに呼びかける声、
そのたった二つの音すら詰まって声にできなかった。
「カガリは、あいつの…、あの時みたいに、思い出にして、お、俺の、俺の前から…
い、いなくなるつもり…で、も…」
たまらずカガリは起きあがり、シンを抱きしめる。骨が軋むほど抱きしめたなら、
その力でシンの慟哭が押し出された。
「俺は!俺は、…俺は…っ…うぅぅ、うあぁぁぁあああ…!」
勢い、シンはカガリを突き飛ばし、乱暴に自らの着衣を脱ぎ捨ててカガリに覆い被さると、
おそらくカガリと一つになりたいというそれだけがシンをその状態にしたのだろう、
いつの間にか硬くなった自身を乾いたカガリの入り口に押し当てた。
が、いきなりで力任せの挿入は上手くゆかず、何度か試みたところでカガリは開かない。
シンは五度目で止めると、
「大丈夫、…俺知ってるから、カガリが気持ちいいところ知ってるから」
まるで独り言のようにつぶやいて、カガリに泣き笑いのような笑顔を向けた。

174:保守 アス/シン×カガ 続き-4
09/02/10 16:35:54 KcbAhbXn
本当はそれだけでもうカガリは少し潤んだのだが、シンはいつもみたいに先ずカガリに口づける。
二人の舌は二匹の軟体動物のように絡まり合い、どちらのものともわからない唾液にまみれ、
お互いを味わう。温くてひどく甘いのは、
「…ぁ…ふ…」
そこに持て余すほどの想いがあるからだ。
シンがカガリの耳を甘噛みしながら、
「…ここと」
そう囁けば、吐息がカガリの首筋をかすめ、あっという間にカガリの体中の細胞が弛緩した。
カガリは思わずシンの頭を抱えたが、シンはそこからするりと抜け、
温かな掌でカガリの両肩を包むようにして押さえると、唇で左の乳首を、
「…こっち」
挟んだ。心臓に近いほうのカガリのそれは、刺激をダイレクトに秘処へと運ぶ。
シンの熱い舌が先端をつつき、まとわりつくようにねぶったなら、
もうパチパチと小さな火花がカガリの中で散って、中心がうるうると溢れる。
「あ…、シ…ン、わたしもう…」
濡れている、とは続けずに、けれどカガリが足をこすり合わせるように身を捩ると、
シンはその背中を支えるように捕らえてから、
「それからここも」
腰のちょうどくびれあたりを指先ですうっと撫でた。
「は…ぁん…!」
たまらずカガリはのけ反り、上ずった声を上げてしまう。
それどころか、続けざまにウィークポイントを攻められて、それがたかが三箇所なのに、
カガリの体の奥底からは悲鳴が上がった。
欲しい、もっと、と。
カガリの体はわかっているのだ、この先もっと気持ちいいことが待っていることを、
これ以上の快感がもうすぐシンによって与えられるということを。
カガリの両足が足に絡みついてきたのでシンはカガリを見上げた。
そこには濡れた瞳を妖しく光らせ、薄く開いた唇から浅い呼吸を繰り返す卑しくも美しい生き物がいた。
ああ、とシンは思う。
俺にはカガリのいない未来などない、と。

175:保守 アス/シン×カガ 続き-5
09/02/10 16:36:54 KcbAhbXn
シンがカガリの両足をやんわりとほどきつつ、薄い茂みに口づけ、舌で分け入ると、
「ぃや…あぁぁっ!」
頭の上から鋭いカガリの声が振ってきた。かまわずに尖らせた舌で花芯をつつくと、
「いや、…い…や、シン、やめて、ちが…う」
みるみるそれを膨らませるくせに、カガリは腰を左右に捩らせていやいやを繰り返す。
「違わない」
シンは獣が血をすするような音を立ててカガリの蜜を舐め、花芯を吸い上げ、ころがした。
「ち…がう、…だって、…あ、あぁぁ、あ…!」
するとカガリは体を小刻みに引きつらせ、それでもまだ違うと言う。
シンにも勿論わかっている、カガリは愛撫ではなくシンが欲しいのだ、
シン自身をその身に飲み込み、存分にしゃぶり尽くしたいのだ。
わかってる、俺だって、俺だってこんなに、と、シンはカガリの呼吸を測り、
カガリが昇りつめてしまう一歩、いや二歩手前で舌を止め上体を起こすと、
「…ぁ…は…っ…」
思わず浮いてしまったのだろうカガリの腰をしっかりと抱いて、
今度は何も妨げるものはなく、一気に奥まで貫いた。
「!」
カガリは長く苦しそうに息を吸い込むと、体中を硬直させて達した。
前後して膣内は激しく痙攣し、シンをきつく締め上げる。
「…う…」
思わず呻きながら、けれどシンはそのカガリの律動がたまらなく嬉しい。
なぜって、その律動ひとつひとつがカガリの歓び、カガリそのものなのだから。
だからシンはそのままカガリを抱きしめ、動かずにいた。
つながり、一つになっていることがこれ程までにシンを安心させる。
やがてあちら側から戻ってきたカガリが小さくシンを呼んだ。
「うん…もうちょっとこのまま…」
シンがたどたどしく応えるとその瞬間、びくん、とカガリの体が急に揺れたかと思うと、静かに震えだした。
「ちょっとじゃ…い…やだ、ずっと…、ずっとこのままが…い…い……」
また泣いて、ばかだなぁカガリは、俺、ちゃんと言ったのに、手放さないって言ったのに、
と心の中で呟いてひとり微笑むと、シンはカガリの首筋に唇を押し当て、
「ほら、ここも」
腰を少し引き、カガリの中の一番感じるところをペニスで擦ってやった。
膣壁の少し上のほう、ざらっとしたそこを。
「…っ…う」
途端に、泣いていたカガリが声を詰まらせ、また腰を跳ねさせる。

176:保守 アス/シン×カガ 続き-6
09/02/10 16:37:42 KcbAhbXn
「カガリ、泣くなよ、ほら、ここ気持ちいいんだろ?」
カガリはシンに腕も、脚も絡め、恥骨をこすりつけてきた。踝がシンの腰に当たっている。
「シン…あぁ…、シ…ン、う…ごい…て…」
「もう泣くなよ?」
「ん、…シ…ン、…シン、あ、あ……」
気が強いくせによく泣くカガリ、俺に甘えるようになったカガリ、初めて笑ってくれた時は嬉しかったな、
「カガリ…」
カガリの最初の男は俺だし、カガリをこんなふうにしたのも俺なんだからな─
「…カガリ…っ」
シンは思い切り腰を沈めた。二人ともまるでつながっている部分が、自分のもののような気すらする。
淫らな水音、昇るリズム、硬くて、柔らかくて、速くて、緩やかな…。
「…あ…ぁあ、あ…、あ…ぁ…ん……」
弱った獣のような声で喘ぐカガリをもっとよく見たくて、シンは体を入れ替えた。
カガリはそのシンの手を取り乳房にあてがうと、それを支えに腰を回し始める。
馴染みのあるシンの形だ、どこをどうすれば気持ちよくなれるかなんてカガリにはわかりきっているし、
既に気が変になりそうなぐらいよくて、まだ握ったままのシンの両の手首に指の跡をつけてしまいそうだ。
そうして暫くはシンの恥骨にクリトリスが当たるようにして小さく回していた腰を、
ちょうどいいところでカガリは抜き挿しに変えた。
痛いことも気持ちいいこともしてくれたシン、いつも真っ直ぐなシン、ほらそのしかめた顔…、
「あ…んっ、あぁ、…シ…ン…、シン…んっ…」
これも、ぜんぶシンに教わった、ふたりで覚えた─
「カガ…リ、お、れ…もう…」
カガリは優しくシンの腕を折らせ、前のめりに体を倒した。そのまま強く抱き合い、
ぶつけるように口を合わせ、互いの熱い息を奪ったなら、
「…い…く……あ…っ、ぁああ…あ!」
カガリの嬌声は唾液とともにシンに流れ込み、
「うっ」
シンは急激に狭まったカガリの中に思い切り放った。

177:保守 アス/シン×カガ 続き-7
09/02/10 16:38:52 KcbAhbXn
脳も下半身も痺れて、心地よく力が抜けていくなか、合わせた胸の間で潰れている
カガリの乳房の柔らかさと、汗ばんだカガリの体の重みを感じていたくて、
長いことカガリを抱きしめる腕をほどかずにいたシンだったが、
まだ息のおさまらないカガリをようやく解放すると、やさしく横たわらせた。
貼り付いた髪を分けてやると、カガリは金色の濡れた瞳でひたと見つめ返してきた。
びっくりするほど強い、まるでシンに挑むかのような瞳だった。
ああ、そうか、これはカガリの戦う意志なんだ、俺にも戦えと言っているのだとシンは合点する。
つまりは、離れられない、という当たり前の結論をシンもカガリもこの交わりで得ただけのこと。
おそらくシンは嫉妬で身も心もぼろぼろになるに違いない、そして、それでもシンにそれを要求するカガリは、
もう以前のカガリではない。
相手が傷つくところを見たくないなど欺瞞だ、重荷になりたくないなど逃げだ、互いにその覚悟があるのなら
傷ついても、傷つけても、互いにしがみつき、求め、与える、それこそがわたしがシンに教わったことだ、
シンとふたりで見つけた答えなんだ、とカガリはやっと気づいたのだ。
「カガリ…」
シンが笑みを浮かべる。
カガリも笑みを返す。
それがすべてだった。

178:保守 アス/シン×カガ 続き-8
09/02/10 16:39:47 KcbAhbXn
*****
さすがというべきかアスランの立ち居振る舞いは、優雅で堂に入ったものだった。
父の罪を贖罪すべく戦ったプラントの貴公子、などとオーブでももてはやされ、
ラクス・クラインの元婚約者であることや一時期カガリのボディガードをしていたことも
一大ロマンスの格好の材料となって、発表から婚儀への期間は駆け足だったにもかかわらず、
アスランはすっかり人気者になっていた。
加えて、より一層プラントとの融和が確固たるものになるとの期待感、
これで国民が沸き立たないはずがなく、気の早い世継ぎ問題すら持ち上がり、
騒然たることこの上ない。
つまりは、非の打ちどころのない結婚だ。
表向きは。
カガリが誓いの言葉を隣にいるアスランではなく、密やかにシンに立てたこと以外は。
そして、パレード、婚儀、晩餐会…、賑々しくて盛大な一連の行事から解放され、
アスランとカガリがふたりきりになったのは深夜を過ぎていた。
けれど、へとへとの体と張りつめっぱなしだった神経をようやく休められる、とはカガリはゆかない。
それどころか、昼間以上に緊張し、
「先にシャワーもらうぞ」
アスランがシャワーを浴びている間も動けず、
「おい、ずっと突っ立ってるつもりか、君もシャワー浴びてこいよ」
先に上がってきたアスランに促されシャワーを浴びても意識が定まらず、
結局バスルームを出てからも歩を進めることができなかった。
既にヘッドレストに上体を預け、ベッドに座っていたアスランはそのカガリの様子を笑った。
「初夜にそこまで緊張する花嫁も少ないだろうな」
仕方なくアスランが立ち上がって歩み寄り、カガリに手を伸ばせば案の定カガリの体はびくっ、と縮こまる。
勿論、今日この時までもアスランとの間に会話はあった。婚儀の相談、パレードの車内、晩餐会での談笑、
そのどれもをいたって普通の、いや仲むつまじい新郎新婦として微笑ましく見えるほどのやりとりだった。
おまけに、誓いのキスだってとにかくしたのだ。
だが、誰の目もなく、本当にふたりきりになった今は─
「俺に何をされるか、そんなに怖いか…」
アスランは答えもしないカガリの、緊張で冷たくなった手を引いてゆっくりと歩き出す。
そしてベッドに辿りついたなら、
「君と俺は晴れて夫婦になったんだ、することなんて決まってるだろう」
するり、とカガリのバスローブを床に落とした。


179:保守 アス/シン×カガ 続き-9
09/02/10 16:40:28 KcbAhbXn
布が肌をかすめてゆく刺激に少しだけぞくりとしたカガリは、けれど、アスランの予想に反して
下着を着けていなかった。
陶器のような白い肌、なだらかなカーヴ、ふたつの膨らみ、ピンク色の突起、金色の薄い茂み…。
驚いて、しばらく見とれ、それからアスランはくつくつと笑った。
「なんだ、わかってるんじゃないか」
言うが早いか自らもバスローブを脱いで再びベッドにもたれると、うって変わって厳しい目をカガリに向ける。
ままごとはここまでと言わんばかりのその目は、カガリに急激な喉の渇きを感じさせる。
「おいでカガリ」
カガリはベッドに上がり、アスランに示されるままアスランの脚の間に入り、アスランに導かれるまま
脚をM字に開き、両手を彼の首に回し、アスランと向かい合った。
そのカガリの素直な仕草に、なぜだかアスランはいたたまれなくなり、思わず部屋の照明を落とした。
光源はカーテンを透かして届く月明かりだけになり、それは無防備な股間を曝し、恥ずかしい格好を
させられているカガリにだけでなく、懲りずに揺れてしまうアスラン自身にも救いの薄闇となった。
カガリを強く抱きしめることで、そんな自分を振り払ったアスランは、だから、
「俺にどうして欲しい?」
カガリに冷然と訊ねる。
シャワーを浴びたばかりのしっとりとした肌と肌が合わさり、カガリの乳房が押しつぶされ、
だがカガリの股間に触れているアスラン自身はまだ柔らかい。
「体を売って君はオーブを救った、名実共にオーブの立派な女王だよ、その献身に対する俺からの
プレゼントだ、君の好きなやり方でしてやろう」
直に響くアスランの声は肋骨だけでなく、カガリの心までもを震わせる。
カガリにしてみれば、今日のアスランは言うまでもなく葛藤の中に垣間見える昔のアスランのほうではない。
一体どうしたらアスランは戻ってきてくれるんだろう、どの扉を開けば彼は、とは、あれから幾度ともなく
繰り返している難問だ。
「痛くされるのがいいか、やさしくされるのがいいか、上、下、前、後ろ、好きなのを選ぶといい、
それとも何か使って欲しい道具があるか?」
悩み迷った挙げ句カガリは、
「アスラン…」
アスランの顔を両手で挟んだ。仄暗い部屋の中で、顔の陰影だけが浮かび上がる。
「アスランを呼んでくれ、わたしはアスランと話したい」

180:保守 アス/シン×カガ 続き-10
09/02/10 16:42:21 KcbAhbXn
しかし、アスランはすぐさまそのカガリの手首を力強く掴んで、
「人を二重人格みたいな言うな」
カガリの要求を厳然と切って捨てた。
「それとも何か、そのアスランとならば君は喜んで寝るのか。
笑わせるな、それこそ君が置き去りにした男じゃないか」
カガリの手が怯むと同時に、アスランはカガリの手を払った。
「俺は君が心を開くまで君を抱かない、などと甘いことを言うつもりはない。
だがもうプレゼントはなしだ。早く俺が挿れられる状態にまで自分でしろ」
「ア…スラン…」
「どっちを呼んでいる?」
カガリはぎゅっと目をつぶり、右手を自分の中心へともってゆく。
指先で軽く擦れば電気が走ったようになるけれど、
心の伴わないそれはただの刺激でしかなく、とてもアスランの言うような状態になる気配はない。
声も出ないし、
「どうした、シンのことを考えても濡れないか」
その名を口に出されたなら尚更だ。
アスランは小さく笑うと、ふとカガリの髪に指を入れ、今度はうって変わって穏やかな声音でカガリを呼び、
いま一度その胸にカガリをかき抱いた。
「俺がいまどんなに君を抱きたいか、君はわかってない。体だけでいいから、俺に開いてくれ、カガリ」
そしてカガリに口づける。柔らかな舌はひどく念入りに動き回り、カガリの舌をやさしく撫で、
カガリの唾液を残さず飲み干そうとでもいうように吸う、長い長い口づけだった。
戸惑うカガリに、アスランはさらに優しい声で言う。
「あの時から、ずっとこの日を待ってたんだ」
あの時、とはいったいいつのことだろう、思い出にしようとしたあの初めての時か、それとも
照れながら指輪を贈ってくれた時か、初めてキスした時か…、思い出そうとしなくてもその場面場面の
アスランの表情が脳裏に浮かび、カガリの中で一本また一本と張りつめていた糸が切れていく。
と、同時に、
「カガリ…」
アスランの手が背中を降りてきて腰にさしかかったなら、そこは弱点だ、カガリの体はぴくん、と
反応してしまうし、アスランの唇が首筋、鎖骨、とやはり降りてきてゆるゆると左の乳首をふくめば、
もうカガリの中から拒む力は抜け果ててしまう。
ああ、わたしの体は─
アスランがカガリの中心に静かに触れる。
「…カガリ、…」
濡れていた。
「い…わないで」
わたしの体はどうして─!!



181:保守 アス/シン×カガ 続き-11
09/02/10 16:43:29 KcbAhbXn
くちゅ、と小さな音で鳴いてカガリの秘処はアスランの指を呑む。
あろうことか、逃がすまいと締め付ける。
思い出すな、アスランとの日々を思い出すな、といくら心で念じても叶わず、
自分の体がまったく言うことをきかないことにカガリの苛立ちはつのる。
けれどもその苛立ちは甘く湿ってもいて、昇らせろと焦れる体とシンクロする。
アスランの指がクリトリスを掠めるたびに震え、溢れる蜜で彼の指を濡らし、
早くもっと太いものをくれと逸る下半身とは反対に、もうだめ、とばかりに弓なりにしなって
弱々しく揺れるカガリの上半身をアスランはゆっくりと仰向きに横たえた。
そしてカガリの両脚を抱え、開かせ、
「…アス…ラ…ン」
ずぶり、と根元まで腰を沈める。
その快感はアスランの脊髄を走り、眉をしかめさせ、純粋な恍惚と征服欲の両方を混ぜ合わせた。
俺が甘い言葉で語ればカガリは落ちる、その事実をアスランは心の中で高笑う、
愚かな女だ、と。
が、それがまたしても意識の裏側にひっかかり、カガリの言うところのアスランを刺激するのも確かで、
「だからそれはどっちだ」
アスランはあえて自嘲気味に訊ねることで平静を保つ。
閉じたはずの傷から這い出たその存在を打ち消そうとするように、アスランは空の白むまでカガリを抱いた。


つづく

182:名無しさん@ピンキー
09/02/10 18:05:38 rYV2+mZs
gj!
だめだこのアスランw
普通に死ねないの決定だな

183:シンカガファン
09/02/10 18:19:30 2PSJA+OR
きたきたきた!!
毎日ここに通って待ってたかいがありました!
興奮しながら夢中で読ませていただいてました!
カガリたんどっちと結婚?と思ったらアスランですか
でも結局アスランはカガリたんを忘れられてないんすよね
シンの今後が非常に気になります
続きも楽しみにしてます!

184:名無しさん@ピンキー
09/02/10 21:16:34 xGHmbUuQ
待ってました!
今回はちゃんとつづくがあるからほっとしたw
しかしだんだんアスランが哀れになってきたぞ
シンはまさしく絶賛ブーメラン中

185:名無しさん@ピンキー
09/02/10 21:51:56 Viv9m/KG
GJ!

何かわからないけどこのアスランは嫌いになれないな。哀れというかなんというか…幸せになって欲しい。

186:名無しさん@ピンキー
09/02/10 22:09:09 8i4twH2n
アスカガもシンカガも好きだ
でも俺はアスランよりもシンにカガリたんを嫁がせてやりたい

187:名無しさん@ピンキー
09/02/10 22:44:44 pjVVoZkI
職人GJ
やっぱりアスランかね
シンも面白いがこれまでの経緯や原因考えるとアスランに幸せになって欲しい
無印からの付き合いもあるしな

188:名無しさん@ピンキー
09/02/10 23:05:26 ldLbArhc
GJ ! 3人ともせつなくてイイ!せつな萌え心にグッときます
続き待ってて良かった!

189:名無しさん@ピンキー
09/02/11 00:01:13 xDGo0+Wt
ネ申が降臨されていた!
続きが読めて嬉しいです
GJすぎます!

デスティニーではアスランはメイリンと
くっつきそうだったから、こっちでは
二人共幸せになって頂きたいです

190:名無しさん@ピンキー
09/02/11 10:33:59 qTypEXlQ
この物語はシンカガ+アスランだろうからカガリはシンを愛し続けてほしいかな
アスランはカガリ捨てて前作ではメイリンと住んでたくせに今更って気がしないでもない
てかシンかアスどっちか死にそうだ

191:名無しさん@ピンキー
09/02/11 11:40:44 8EHTJDfo
何つーかアンチの嫉妬って隠しててもにじみでるのな

職人にはそういうのに歪まされず書ききって欲しい

192:名無しさん@ピンキー
09/02/11 14:28:02 LdMYAY2M
まあ、強要してるわけじゃなし
職人の好きに書くでしょ

193:名無しさん@ピンキー
09/02/11 20:03:52 KF/8UZz3
この職人さんのこの一連の話ではメイリン関係は同棲含めて
一応ケリついてるしその後は好きに書くだろうね

194:名無しさん@ピンキー
09/02/11 20:20:34 qTypEXlQ
すんません全くアンチじゃありません
職人様、住人の皆様気に障ったらすみませんホント。

195:名無しさん@ピンキー
09/02/11 22:24:08 ves9sMph
どんなオチでもおいしくいただくぜ。
これまででもうたくさん楽しませてもらった。
あとは神の好きなように突っ走ってもらいたい。

ですので、未完だけは勘弁して下さいこの通りです。

196:名無しさん@ピンキー
09/02/12 17:05:12 Zi2vaFAA
カガリたんシン凸3人で同棲すればいい
カガリたんはいままでつらい思いを強いられてきたからこそ男2人で支えてやれ

197:名無しさん@ピンキー
09/02/13 10:16:16 YEwRA+NN
キサカを忘れてやらないでください。

198:保守 アス/シン×カガ 続き-12
09/02/13 18:22:20 5ZmCmCOL
結局、交わりは別として、毎夜同じベッドで一緒に眠るという行為はアスランにとって誤算でしかなかった。
規則正しい寝息、匂い、寝返りで伝わる振動、何より少し手を伸ばしただけで触れるその温もり─
それは抗いがたい本能的な安心感だ。
夜中に不意に目覚めたアスランがこうして黙ってカガリを見つめるのも、もう何度目かのこと。
そうならざるを得なかったとは言え、夜の過ごし方に何とか馴れたカガリが
こんな風に自分の横で無防備に眠るさまが、アスランは愉快で、そして、
「……」
切ない。
俺はこのままだともたない、とアスランは思う。
カガリを取り戻した後は、それでもカガリを強請り続け、シンとカガリを苦しませ絶望の淵に追いやり、
屈辱的な屈服というものを味わわせてやろうと、まだこれからだ、まだ足りない、とそう思ってきた。
それなのに、カガリを抱くたびに心、というより魂が震えるのだ。
だけでなく、震えた魂が浄化されていくような奇妙な感覚にまでいつも襲われてしまう。
欲望を放つだけ放ってすっきりしたなどという単純なものでは決してない。
まだふた月あまりしか経っていないというのに、だ。
俺が望むものは、いったい何なんだ。
カガリの寝息はどこまでも安らかだというのに、アスランをひどく混乱させる。



「そろそろシンが恋しいか」
執務室に入ってくるなりアスランはそう訊いた。
カガリは書類から目を上げ、微かに笑みを浮かべただけで当たり前に答えない。
が、アスランの手にしている何やら丸められた筒状の紙を見て、目で問うと、
「ああこれか、ちょっと相談があってね」
アスランはそれを机の上にぽんと放り、そのままカガリの背後へと回った。
そして、カガリが体を翻してアスランを追うより早く、カガリを軽く羽交い締め、
右手でカガリのスラックスのボタンを外しジッパーを下げる。
「ア…スラン?!」
「ちょっと立ち上がってくれ」
アスランの声音がまるで湿っておらず、いたって平常のものだったので、最初は驚いたカガリも
素直に椅子を引いて立ち上がった。けれど、
「しばらく目をつぶって」
重なるアスランの要求はやはり普通ではなく、カガリの動悸が速まる。
それでも言われるがまま目を閉じると、案の定アスランの手がカガリのスラックスと下着を
膝まで下げた。
「…や…!」
「黙って」
すると丸出しの股間を曝させたまま、アスランは何やらごそごそしていたが、
やがてぬるり、としたものがカガリの裂け目に当てられ、それは一気にカガリの中へと侵入した。
「!」

199:保守 アス/シン×カガ 続き-13
09/02/13 18:24:40 5ZmCmCOL
アスランのものよりは一回り小さい、ごつごつとした明らかな異物。
これは、とカガリが思った刹那、モーター音もほとんどないままそれはカガリの中で小刻みに震え出し、
「…あ…ぅ…」
カガリは思わず前のめりに机に手をついてしまった。
そんなカガリをよそに、アスランは平然とカガリの下着とスラックスを元通りにする。
「あ、…と、とめて、…」
もう目を閉じてはいないカガリは机に手をついたまま、いやしがみついていると言ったほうがいい、
快感の波を作る振動に膝が折れないように必死だ。
リモコンバイブの先端はカガリの奥に届き、いつの間にアスランに操作されたか振動の仕方を変え、
今やうねるようにカガリの中で暴れている。
もちろんこんな道具を入れられたのは初めてで、その無慈悲ともいえる動きにカガリは
為す術もなくどんどん引きずりあげられ、
「あ…はぁ…ぃや……だ…め……あぁん…!」
とうとう普段は我慢してあまり出さずにいる喘ぎ声までアスランに聞かせてしまう。
ぞくり、としてアスランは、けれどスイッチを切った。
「ちゃんと作動したようでよかったよ」
突然動きを止められ、カガリがほっとしたかがっかりしたかと言うならば両方だ。
カガリの膣はひくひくと余韻で疼き、もっと、と確かにねだっている。
カガリは息を弾ませながらアスランに恨めしげな濡れた瞳を向けた。
するとアスランは笑みを返し、
「で、相談というのは君らふたりにだ」
などとしれっと言う。
ふたり?とカガリが怪訝に思ったなら、測ったようなタイミングで執務室のドアがノックされた。
「入ってくれ」
「失礼します」
ドアを開け敬礼をし、アスランが手を上げて制した後に休めの姿勢を取ったのはシンだった。
「いや、いいよ、この面子で堅苦しいことは抜きだ」
会いたい、会いたいと焦がれたシンの顔を、だがカガリはまともに見ることができない。
とりあえず息だけは整えなければ、と背筋を伸ばしたものの膝から下はまだ頼りないままだ。
一方シンは、おそらく理性を総動員して平静を保っているのだろう、不自然なほど軍人然とした
姿勢を崩さず、招かれるままアスランと並んだ。
「そろそろ俺も仕事を始めなければならなくてな、事情を知っているおふたりにアドバイスを
貰いたいんだ」
アスランがそう言って机の上で丸まったままだった紙を伸ばしたならば、それはあちこちに
書き込みのなされた世界地図だった。

200:保守 アス/シン×カガ 続き-14
09/02/13 18:25:11 5ZmCmCOL
アスランは小気味よく、
「分離独立運動でもめているここ、宗教対立で小競り合いの絶えないここ、軍部が幅をきかせているこの国、
同じく軍部ががんばっているが今にもクーデターが起きそうなこの国、…」
地図を次々と指さしてゆく。そして、
「どこがいい?」
訊ねた。
アスランの冷徹な眼はシンとカガリからこの件に関することも、二人が久々の再会にそれぞれ何を思っているのかも、
何ひとつ漏らさず読み取ろうとするように注がれている。
が、またしても二人からは沈黙しか得られず、
「オーブの身代わりだ、おいそれと結論は出せないだろうからよく相談するといい、俺は少しの間外そう」
アスランは言い残すともうドアへと向かい、
「あ、カガリ、着替えが必要ならば持って来させよう」
同時に例のスイッチを押してそのまま出ていった。
「…あ…」
途端にカガリの膝が、太腿が震える。
ひどい、こんな、と思考ですら途切れるカガリの様子は明らかにおかしくて、シンは再会を味わう間もなく、
「カガリ、どうかしたのか?」
慌てて駆け寄りその肩を抱く。
シンに触られただけで、カガリの体中に電流が走った。
カガリの中のそれは、その身を震えながらくねらせ、存分にカガリの膣壁を弄ぶ。
苦しげに息をつき、快感と欲望に必死の抵抗を試みるけれど、
「シ…ン、あ…ぁ…」
カガリの声はもう喘ぎ以外の何ものでもなく、結局その抵抗も虚しく、その上気した顔と潤んだ瞳で
シンに気取られてしまった。
「カガリまさか…」
シンがカガリの股間に手をやると、
「あ…んっ」
下着どころかスラックスまで湿らせるほどにぐしょぐしょだった。
アスランが着替えといったのはこれのことだったのかと気づき、けれどカガリが、
「シン…!」
抱きついてきたのでシンは反射的にカガリを抱きしめた。
「あ…あ……、我慢で…きな…」
「カガリいつもこんなこと─」
シンの問いに答えることもできず、体中から力が抜けていくのと反対に達してしまいそうな脚は引きつり始めていて、
カガリはふるふると首を振って否定するのが精一杯だ。
それよりも、…そんなことよりも、
「…シ…ンが…」
欲しい。


201:保守 アス/シン×カガ 続き-15
09/02/13 18:25:45 5ZmCmCOL
欲しい、欲しい、欲しい…!!
カガリの全身がシンのペニスを欲しがって泣き喚いている。
ばかみたいに欲望の虜になってしまった自分をカガリは消し去ってしまいたいけれど、
いまここにシンがいるのに、あれほど渇望した相手がいるのに、そんなことは到底無理だ。
だが身を震わせて自分を乞うているそんなカガリに、シンが何もしてやれないのも現実で、
「ちくしょう、カガリ…!」
苛立ちまぎれにシンはカガリに口づけ、しっかりとその腰を抱き寄せてやった。
と、カガリの股間にシンの硬くなったそれが当たり、もうカガリは我慢できず、
「…くふ…う…!」
シンの腕の中で達してしまった。
それでも満足できずにシンを濡れた瞳で見つめて欲しがるカガリは、シンが見たこともないほど貪欲だ。
シンとてどれほど再会を待っていたか、アスランとカガリの考えたくもないような行為を否が応にも想像し、
肉もはらわたも灼き尽くされるほどの激情をいつも身中のど真ん中に抱えていたのだ、挿れたい、
というシンの熱望は、そんな扇情的なカガリを前に暴れ回っている。
けれども、どちらの欲求にもその行き場はなく、そうすることしかできずに抱き合っているうち、
ガチャリ、と冷たい音が割り込み、中座していたアスランが戻ってきた。
「相談どころじゃなかったか?」
しかも、冷笑の向こうにはカガリの着替えを捧げるようにして持つ侍女の姿があり、
シンとカガリは慌てて離れる。
上気した顔、潤む瞳、乱れた髪、そのどれもをおそらく見て見ぬふりをして、侍女は、
「あ…あ、すまない」
なんとか返すカガリに着替えを渡すと、一礼して出て行った。
ここまできてもまだアスランはそのスイッチを切らない。いや、それどころか強めた。
「はっ…ん」
思わずカガリは受け取ったばかりの着替えを取り落として、そのまま膝をついてうずくまってしまう。
もうだめ、気が狂いそう…、と自分で自分の身をかき抱くカガリを、シンが庇うように膝をついて
手を伸ばせば、
「さ…わらな……いで…、いっ…ちゃう…」
カガリからは消え入りそうな小さな声が漏れた。
「こんなこと…っ」
伸ばして止めた手を握りしめアスランに向き直り、こんなカガリをおもちゃにするようなことを、
と言いかけるシンの声を、
「カガリは俺の妻だ、俺がどうしようと俺の自由だろう」
容赦なく遮ったアスランは、カガリの前にしゃがむと、さっきの質問を繰り返す。
「で、どこにする、カガリ、もう決めたか?」
「…だめ、アスラ…ン」
「何がだめなんだ」
「どこにも、…せ、…戦渦を…広げちゃ…」
カガリの必死の言葉に、アスランはなるほど、と言うようにわざとらしく数回頷いてから、
カガリと床の隙間に手を伸ばし、そのままカガリの太腿の間に差し入れた。


202:保守 アス/シン×カガ 続き-16
09/02/13 18:27:22 5ZmCmCOL
「あ…ぁ!」
カガリは自分の中がきゅんと締まるのを自覚して身震いする。
「ここをこんなに濡らして言ったにしては上出来だ。自国に被害が及ばない限りは
知らぬ存ぜぬを通す天晴れな理念だよ」
「ち…が…、…」
絶え絶えなカガリの言葉を、けれどアスランはそれ以上は待たずに、すっくと立ち上がる。
「よくわかった、シンもこの件はもうこれで終わりだ、下がってくれ」
そしてぴしゃりと言うが、シンが簡単に従うはずもない。
このまま、こんな状態のカガリを置いて出てゆくなどできるわけがない、と、
しかしその反抗的な目も当然のようにアスランには受け流されてしまう。
「大丈夫、カガリの欲しがっているものは俺が与える」
シンの中の嫉妬の業火は一瞬にして燃え広がった。
この後、こいつは、カガリに、…カガリに!
けれどこの消えることのない、身を滅ぼさんと燃えさかるこの激情の炎(ほむら)こそが、
「もう一度言おうか? カガリは俺の妻だ」
カガリが俺に耐えろと求めたものだ、とシンは歯をくいしばる。
覚悟ならあの時した。
ふたりでしたんだ。
シンが立ち上がるとその風圧がカガリを撫で、それはカガリにシンの想いを届け、
そしてまた今一度の覚悟をカガリに促した。
「失礼します!」
敬礼をしてシンは出てゆく。
シン、わたしが抱いて欲しいのはシンだよ、挿れて欲しいのはシンのだけだよ、
カガリがシンの足音を聞きながら高ぶる体に繰り返し言い聞かせたなら、
みるみるシンの手の感触が、シンの匂いが甦り、カガリの中でバイブはシンのペニスに
すり替わった。
「あ…あぁ…ん…ん!!」
とうとう達したカガリを、アスランは黙って足下に見下ろす。
カガリの甘く身を切るほどにやるせない声はアスランの胸に深く刺さり、気づけばアスランは
自らの爪で掌が破れるほどにその拳を握りしめていた。

203:保守 アス/シン×カガ 続き-17
09/02/13 18:28:08 5ZmCmCOL
オーブの身代わりは結局、クーデターの噂のある中央アジアの国に決まった。
もともとユーラシア連邦のバックアップで成立した国家なので、そちらの軍部にはユーラシアが、
そしてその国家転覆を目論む側には正しい民主国家成立を掲げる大西洋連邦がついた。
親の金で子供に喧嘩をさせるような茶番だが、ユーラシアと連邦それぞれにそれなりの利が出るまで
いたずらに引き延ばされることだろう。生かさず殺さずだ。
忸怩たる思いと無力感に苛まれるカガリを、それが世界の仕組みだよ、とアスランは言う。
「仕組みもなにも、人民がそこにいなければ始まらない、その命を─」
「それでもオーブは技術だけを売りつけて潤い、国際協力の名のもとにすら派兵は行わない」
「…それは…」
「見せかけの平和に悪のりした技術提携など、悪用される可能性を承知の上なんだから同罪だ」
わかっている、と俯き唇を噛みしめるカガリの姿を、アスランは暫く黙って見つめていた。
オーブが売れるのは技術だけだ、それをして何が悪いという強硬派や、
技術の平和利用に積極的でない諸国から孤立するのは得策ではないという中道派、その他老獪な
者どもを相手に、せめて均衡を保たせようと大西洋、ユーラシア双方のカンパニーと技術提携
したことが、カガリにできる精一杯だったことはアスランにも分かっている。
そしてだから俺はそれを利用したんだ、と振り返る。
「…わかってるん…だ」
カガリからもう一度、しぼり出すような小さな声が届くと、アスランは執務室を後にした。

204:保守 アス/シン×カガ 続き-18
09/02/13 18:29:06 5ZmCmCOL
それから何ヶ月かの間に数回、アスランはオーブを留守にした。
「シンに会いたければ、好きにするといい」
そう言い残されて、しかし最初はカガリも踏みとどまった。
言われて素直に従うには矜持が、夫の居ぬ間に不貞をとは倫理観がさすがに邪魔をしたからだ。
が、二度目は会いたいという気持ちにそれらはあっさり負けた。
ちょうど件の開戦後ということもあり、弱っていたのかも知れない。
さすがに私邸で、とはいかず、カガリはシンを執務室に呼び出した。
ドアが開き、そこにシンの姿を認めるや否やカガリはその胸に飛び込んだ。
抱きとめたシンも胸がいっぱいで何も言葉にできず、長いことふたりはその場で抱き合ったままでいた。
今こうしてお互いの体を実体として感じたなら、離れている間に考えていたあれやこれやは
すべて消え去ってしまうのだから不思議だ。
「シン…少し痩せた…」
「うん、カガリも」
恨み言だってあった筈だ、吐き出して聞いて欲しい心情だって数え切れないほどある筈なのに、
シンとカガリはただ会えて、互いに触れられることを歓び、それがしあわせだった。
「ここじゃ痛いかな」
カガリがわざと真面目くさって言うと、
「大丈夫だよ、俺が下になる」
シンも同じように答えるので、顔を見合わせてふたりは笑った。
笑ってそれから、長いキスをした。
舌も指も、絡められる部分は全部、そうだこのままほどけなくなればいいのに、と思いながら。
「カガリ…」
シンに呼ばれると、カガリの体中の細胞は緩む。
そうやって緩んでできた隙間という隙間にシンを迎え入れるのだ。
「シ…ン…」
身を預けるようにくたり、と力の抜けたカガリをシンがゆっくり床に寝かせると、
カガリはそのまま両手を宙に突き出す。
そこが、その頼りなげに細くて、でもしなやかで強いカガリの両腕の作る空間こそが
俺の居場所だ、とシンは思う。
ふとシンの視界がぼやけた。理屈抜きに嬉しくて。


205:保守 アス/シン×カガ 続き-19
09/02/13 18:29:42 5ZmCmCOL
「シン、ぎゅうってして」
言われた通りにしてやれば、カガリからくぅ、と小さな息が漏れる。
もう重なる体を隔てるものは邪魔でしかない。隙間もいらない。
シンとカガリは硬い床の上で、
「きて…」
柔らかで無垢なひとつの塊になった。
「あ、…カ…ガリ、俺、だめだ」
「…いい…よ、いっぱい出して」
久しぶりのカガリの中が良すぎてシンが早々に果てようと、
「シンの舐めさせて」
「…おいしい?」
「ん、…おい…ひい」
何をどんな風にしようと、
「上になる?」
「うん、…おっぱい触ってて」
「…カガリ、ちょっと顔あげて」
「……あ…だ、め…いま…あん…っ、い…きそう…!」
「いく時の顔…ちゃんと見せて」
「や…あぁ…ああぁ…ん…!」
満ち足りるということを知らず、ふたりは交わり、絡み合い、
「俺なんか今日ヘンかも」
「わたしも…」
微笑みを交わしては何度も、何度も求め合った。
この夜は温かな、正真正銘シンとカガリ、世界でたったふたりだけのものだった。

206:保守 アス/シン×カガ 続き-19
09/02/13 18:30:03 5ZmCmCOL
「あー、なんか食べ物持ってくれば良かったかなぁ。次はそうしよう、何がいい?」
「うーん、…ハンバーガー!」
「お、なんかお姫様っぽい発言」
「だってほんとに随分食べてないんだ」
「あはは、むくれるなってば、わかったわかった、この次絶対持ってくるよ」─
モニタをたたき落としたい衝動を抑えて、アスランはスイッチを消した。
指が、いや、体が震えている。
もう何も誤魔化せない、限界だ。
最初にシンを執務室に呼んでカガリと再会させたのも、こうしてなにがしかの行為が行われることを
予想して執務室を盗撮したのも、自分が求めるものを今いちど確認するためにしたことだったが、
結果は同じ、呆れるほどのこの、声も出せないほどの嫉妬だった。
シンがもし嫉妬に狂ってカガリをなじり、暴力じみたセックスを強要したりしたならばあるいは
アスランもまだ笑っていられたかも知れない。
けれどふたりは恨み言ひとつ漏らさず、ただ互いを慈しむようにして交わっていた。
カガリは俺の知らない顔でシンに甘え、俺の知らない声で笑っていた、
そしてシンは俺の名を出すこともなく、嫉妬するでもなく、そうだ、まるで俺の存在など
ないもののようにカガリをただ抱いていて、それはつまり、ふたりはふたりにしかできない方法で
時間と空間を共有していたということだ。
そう認めたとき、アスランの血という血が濁流となってアスランを飲み込んだ。
もはや自分で自分を騙すことができないと悟り、アスランはちらりと、俺は負けたのか、と思う。
俺はあいつに、シンにできていることができるだろうか。
例えばカガリがこの先ずっとシンに抱かれるとして、そこに生まれる精神を苛む感情をすべて抑え込み、
純粋にカガリを愛し続けることなどできるのか?
アスランは目を閉じて自分を探った。
怒りを、負の感情を糧にしてここまで来たはずの自分も、あの時以来閉じ込めたはずの、けれどずっとそこに
居た自分も。
そして、足掻く、と決めた。
アスランの体は今や嫉妬ではなく、胸に秘めたその悲痛な決意で小さく震えていた。



つづく

207:名無しさん@ピンキー
09/02/13 20:15:44 UMpBr1oF
神キテター!
誰も彼もが可哀想で愛おしいなー、この三人。
今回もエロくておもしろかった! GJ!
続きも楽しみにしてます


208:名無しさん@ピンキー
09/02/14 00:38:36 tZ0tTpC1
物語の醍醐味って人間関係だと再確認

209:名無しさん@ピンキー
09/02/14 01:14:27 GGtPU4bC
アスラン→カガリ←シン
二人の騎士に想いを寄せられる姫最高

210:名無しさん@ピンキー
09/02/14 03:13:01 4zPjlatu
あすらんが変態プレイに目覚めたのかと思った(笑)
ドSかとおもいきや実はドMなあすらん(爆)
今回もGJでした 続きお待ちしてます

211:シンカガファン
09/02/14 09:53:08 eLZhVWw8
マイ神降臨してた!
プロ級というかこんなドキドキする小説は初めてです!
シンとカガリたんの愛は本物なんですね、良かった!
でもアスランは?
アスランがこの先どーなるかが心配です

212:名無しさん@ピンキー
09/02/14 17:54:58 b6X8++EG
元々はアスカガから始まってここまで来たんだよな、アスランの心中は計り知れないくらいにキツイよな。アスランが憎んでも憎んでもなお愛しさを消せないカガリは、自分らを残酷に引き裂いたシンと愛を築いていて……とか本当にやるせないよな。
職人さん本当にgjです。

213:名無しさん@ピンキー
09/02/14 18:06:28 KRWmRdNd
GJすぎますっ!
この作品は何スレ目から始まっているのでしょうか?

214:名無しさん@ピンキー
09/02/14 19:50:42 HxVBRVYh
いつだっけ
もうかれこれ一年前とか?
最初から読んでない人は読んだほうがイイとおも

215:名無しさん@ピンキー
09/02/14 23:46:30 tZ0tTpC1
23スレ目だっけ
それだけでオールOK

216:名無しさん@ピンキー
09/02/15 02:59:04 2WSL4B3f
>>215
サンクス!読んでくるっ

217:名無しさん@ピンキー
09/02/15 08:49:01 qqC2E/WU
もう2年以上前だったのか…

218:名無しさん@ピンキー
09/02/15 11:31:06 2WSL4B3f
作者様のモチベーションに感謝!

219:名無しさん@ピンキー
09/02/15 15:54:24 oANEPG17
作者様の他キャラの三角関係が見てみたい
特にアスキララク

220:名無しさん@ピンキー
09/02/15 21:57:42 qqC2E/WU
特定アンチは分かりやすいな

221:名無しさん@ピンキー
09/02/15 22:24:52 i9Lt+VVd
ゴリ腐以外はアンチ認定かよ

222:名無しさん@ピンキー
09/02/15 22:55:42 tUH3AZcB
>>221
相手するなよw

223:名無しさん@ピンキー
09/02/15 23:12:56 OUwA8rRs
ゴリ腐なんて言ってる時点でアウトだろ
新シャアであんだけなすりつけやってもまだ足りないのか
ここに持ち込むな
全く同じアンチ行為の流れで職人が来なくなったのに懲りないな

224:名無しさん@ピンキー
09/02/16 09:25:02 XaV8N5k7
誰でもいいからアスキララク読みたいっていう希望ならまだ普通だったろうが
現在進行形でシンカガ書いてる人に限定してわざわざ言うあたりが
嫌らしく見えたんだろう

225:名無しさん@ピンキー
09/02/16 10:21:44 PhG14R4i
>ゴリ腐なんて言ってる時点でアウトだろ

超禿同

226:名無しさん@ピンキー
09/02/16 12:05:26 CUzisGMk
シンカガさんは、初登場から文章上手いと思ったが、
最近輪をかけて秀逸になってるな…。

他の作家さんたちも、また気軽にカモーン。
俺も何か書こうかな…脳内妄想を…。

227:名無しさん@ピンキー
09/02/16 14:18:33 QaB9eXTU
新シャアで暴れているカガリアンチがここまで来たか
全くゴキブリ並の繁殖力だな

228:名無しさん@ピンキー
09/02/16 20:20:18 CKCpvrVj
運命終わってもうかなり経つのに
まだ暴れてるアンチがいるのか…
ある意味すごいなw
その情熱を別のものに向ければいいのに

229:名無しさん@ピンキー
09/02/17 02:57:26 p+vYfco2
良い小説読んだ後は、夢がウホホイなことになるw

230:保守 アス/シン×カガ 最終回
09/02/17 12:41:46 66ajWre2
物語を決着させようとしたら
エロ薄め、しかも後半数レスエロ無しに…
力不足です、すんません、予めご容赦を。

231:保守 アス/シン×カガ 最終回-1
09/02/17 12:43:02 66ajWre2
アスランが五回目にオーブを留守にした時は六日間の不在で、カガリはその二日目にシンと会った。
そしてプラントから急な通信が入ったのは最終日、今日まさにアスランが帰ってくるという日だった。
「ああ、キラ、どうかしたのか?」
いたって普通に笑顔でモニタの前に座ったカガリだったが、モニタのキラはにこりともせず、
「何やってるの、カガリ」
まるで地を這うような冷たい声音で言う。
「え…?」
重々しい沈黙が挟まり、否が応にも緊張感が高まった。
やがて、すみれ色の瞳をやや眇めたキラが低く、けれどはっきりと言った。
「キサカさんに聞いたんだ、キサカさんは侍従長から聞かされたって言ってた、
カガリがアスランのいない間にシンと会ってるって」
どくん、とひとつカガリの心臓が収縮し、それを合図のようにカガリの体は動けなくなった。
キラに言えること、言えないこと、さまざまな事柄はごちゃ混ぜになって巨大な波となり、
カガリを浚っていく。
「どうしてカガリ!いつからシンと?こんなこと許されると思ってるの?!」
いつからって、もう何年も前からだ、それもあんな形で始まったことだ、説明のしようなんかない、
許されるかだって? 許すって、いったいなにを、だれが、どんなふうに??
「僕はようやくカガリがアスランと結婚できて、ほんとうに何年か越しでようやく二人がしあわせに
なれたんだって嬉しかったのに、それなのに…」
そのしあわせな結婚がオーブを人質にとった脅迫だったなんて、それも言えないことなんだ。
シンとのことだってアスランは知っていて、でも─
無理なんだ、全部言えない、説明できない、と思わずキラから目そらし俯くカガリに、
モニタ越しのキラから投げられた言葉は、
「見損なったよカガリ」
それ以上はないだろう痛切な一言だった。


232:保守 アス/シン×カガ 最終回-2
09/02/17 12:44:16 66ajWre2
だがカガリを本当に漆黒の深淵へと突き落としたのは、続けてキラの口から語られた内容で、
「…アスランが戦災孤児たちの引受先斡旋に奔走したり、新しいプラント建設に向けて頑張ってるのに」
ゆっくりと顔を上げたカガリの瞳は、
「そのアスランを裏切るなんて、そんなことがよくできるねカガリ、アスランの気持ちを考えたら僕は─」
尋常ではない色をなしていた。
それに気づいたキラもこれには驚いて言葉を切り、たった今なじっていた相手だというのに反射的に
心配してしまう。
「カガリ…? どうしたの、カガリ?」
けれどカガリから反応はない。
「カガリ、まさか知らなかったの? カガリ!─」
カガリはまるで力の入らない指先で一方的に通信を切った。
不意に部屋の中の空気がひどく薄くなったように感じられて激しく喘いだなら、
焼け付くような塊が喉元にせり上がってきて、カガリはバスルームへと駆け込んだ。
自分の体も、意識も闇に溶けてしまったみたいに暗くて所在がない。
けれどやがてそれらはひとつに凝結して耳を聾する叫びを上げた。アスラン、と。
カガリは気づいてはいた、ここのところアスランの自分を抱く腕が何かを躊躇うようにやさしいことに。
もしかしたらあの、カガリの探していた扉が開きかけて、昔のアスランが顔を覗かせているのかもしれないと
思わないではなかったが、シンとの逢瀬に溺れていたカガリはそれをあえて看過してしまっていた。
そんなことがよくできるねカガリ─さっきのキラの言葉が甦る。
そうとも、わたしは何ということをしてしまったんだろう!
こんなこと許されると思ってるの─
許されない、いや、わたしがわたしを許せない!
カガリの中でアスランを叫ぶ声は響きあい、重なり続けている。
耳を塞いでうずくまるカガリに、
「…あ…あ…あぁああ…!!」
自らの慟哭は聞こえなかった。

233:保守 アス/シン×カガ 最終回-3
09/02/17 12:46:55 66ajWre2
帰宅したアスランの足取りはほんの少し重たかった。
帰りがけにキラが、カガリとはうまくやってる?などと訊いてきたりしたからだ。
思い出してアスランは小さく笑うと、寝室のドアを開ける。開けて、おや、と思う。
灯りが漏れていたからカガリが起きているのは分かっていたが、部屋の中がなんというか
妙な熱気に包まれているようで違和感があるのだ。
「ただいま」
とりあえず声をかけても、ベッドに腰掛けアスランに背を向けたままのカガリは
何も答えない。
「どうした、シンとケンカでもしたか?」
我ながら胸の痛い質問だ、などと思いながら上着を脱ぎつつアスランが言うと、
「アスランがわたしに何を望んでいるのか分からないんだ」
思いもよらなかったことをカガリが急に返すので、これはさすがに留守の間に何かあったな、と
アスランも思う。
「そのアスランっていうのは君の言う俺の別人格のほうか?」
アスランはカガリの横に腰掛け、ちょっとからかうように言ったのだが、
「もういい!!」
声を荒げたカガリが抱きついてきて、その勢いでそのまま押し倒されてしまったのには、
アスランも驚いた。
「もういいんだ、アスラン!」
見上げたカガリの目の縁が赤い。
何があってカガリは泣いて、俺が望むものが分からないなどと言うんだろう、と考えても
わからないアスランは、しかしぴりぴりとした危うさのようなものを感じて、
「そうか、シンに満足させてもらえなくて欲求不満なのか」
そこから逃げだそうとした。その危うさというのは、カガリが何か決定的なことを口にしそうな、
そしてそうなったら最後すべてが瓦解してしまいそうな、そういうもの。
「じゃあ目隠しをしてやろう、俺をシンだと思えばいい」
だからアスランはまたしても自虐的に言って、カガリの寝間着の腰紐をほどいて抜き取ると、
それをカガリの目に巻いた。
とはいえ、言葉にしてしまえばそれがまた自分を煽るのも事実で、カガリの袷を開いてその
体を見るなり、この体を今回もシンが抱いたのか、と嫉妬の炎が灯る。
その炎でカガリの体が火傷をしないように、アスランはそうっとカガリの乳暈を丸くなぞった。
そして軽く押しつけるようにして乳首をとらえ、小さく指を震わせてやると、カガリは密やかな吐息を漏らし、
驚いたことに両手を伸ばしてアスランを迎えるような仕草をした。
まさか本当に俺をシンだと思おうとしているのか、と炎の勢いを強めたアスランは
その両手を取り自分の指を絡め、カガリに口づける。
それから真珠のような小さな歯を舐め、柔らかな貝の身のような舌を味わっていると、
口を合わせたままの不明瞭な発音で、
「…アス…ラン」
カガリがシンではない、アスランの名を呼んだ。

234:保守 アス/シン×カガ 最終回-4
09/02/17 12:48:10 66ajWre2
なんだ、シンだと思おうとしているわけではないのか、それならばいつも通り過去の俺を相手にしているんだな、
とアスランが諦念の笑みを浮かべても、目隠しをされているカガリには見えない。
アスランはそのまま乳首をねぶりながら、カガリの体を満遍なく撫でる。
ほどよく弾力のある肌は、ことに太腿あたりは掌に吸い付くようで指先にすら甘い。
そこを十分堪能してからアスランがいよいよカガリの裂け目に指を這わせると、
ぬめぬめとその部分で舐めるようにしてカガリはアスランの指を誘(いざな)った。
中指を半ばまで挿し入れ、少し曲げ、そこだけ感触の違う部分を押すと、
「…こわ…れちゃう…」
とカガリが言った。
そりゃそうだろう、ここは感じる部分だと普段なら思う。けれど、今日は違った。
カガリの声音が湿って掠れていて、
「カガリ…?」
見ればカガリの目を覆うシルクの腰紐にはくっきりとふたつの染みがあったから。
「このまま…だと、アスラ…ンがこわれちゃ…う」
俺が?
なんだ、カガリは何を言っている?
「いつから、…いつ、ア、アスランは、…帰って…き…、わ…たしは、何も知らない…で、…」
アスランは目を閉じて大きく息を吸い込んだ。
さっきから感じていた危うさはこれだったか、と。
「キラから、聞い…たんだ、アスランが、…戦災孤児の引き受け先の斡旋……と、」
「…ああ、子供のできないコーディネイターにナチュラルの戦災孤児の里親になって貰ったり、
コーディネイターとナチュラルの婚姻斡旋みたいなことをする公益法人のバックアップをしてるんだ」
「あ…たらしいプラントも…」
「プラント、というか、構造はプラントでも建設区域はプラント群内でないものを、そうだな新しい雇用の拡大と
オーブの技術の平和利用に一役買えればと思って計画し始めた」
「そん…な両極端なこ…と…」
アスランが今説明したことと、大西洋・ユーラシアのカンパニーに戦争を起こさせていることはまったく逆の行為で、
そんなことを続けていたならアスランが崩壊してしまう、とそうカガリは言っているのだった。

235:保守 アス/シン×カガ 最終回-5
09/02/17 12:49:41 66ajWre2
「俺を心配して泣いてくれるのか?」
「…当たり前だ…っ」
アスランはカガリの上体を起こさせ、けれど目隠しは取らずにふわり、とカガリを胸に抱いた。
こんな情けない顔を見せるわけには、尚更ゆかないじゃないか。
思えばアスランが優しい言葉で語りかけさえすればいつもそれを受け入れるカガリは、
アスランが閉じ込めたはずの昔のアスランと、彼と過ごした日々をそれだけ大事にしていたということに他ならない。
どんな仕打ちをされても尚アスランの中の本物のアスランを、ずっと信じて続けていたということだ。
だがそんなこと、アスランとて本当はわかってはいたのだ。
「俺は、ばかだな…」
カガリはもう、胸が詰まって何も返せない。昔のように、今気づけただけでいい、などと軽々しくは決して。
「大人ぶって君の意見を尊重したつもりで、…君が指輪を外した時にどうして必ず迎えにゆくと言わなかったんだろう、
君と初めて…あのクライン邸での時もどうして一言、たった一言一緒にオーブへ帰ると言わなかったのか…。
ああ、あの時はちょっと君を驚かせたかったんだっけ、荷物をまとめて急に君のところへ行ったらびっくりするだろうと─」
カガリがアスランにしがみつくようにして泣いている、その体は驚くほど熱くて、
ああカガリは一人でいる間もこうして俺のために泣いていたのか、部屋の熱気はそれだったのかと、
アスランは自らの胸も熱くした。
「な…あ、カガリ、そうしてたら、…お…れたちは、ほんとうの夫婦に、…なれて…たかな」
嗚咽すら体中から絞り出しているのだろうカガリは、激しくその身を震わせ、アスランの骨という骨を軋ませる。
いや、部屋全体が軋んで悲鳴を上げているようにすらアスランには思えた。
「カガリ、…今日は、…今日だけは」
長い道のりだった。
ほんの少しタイミングを逸しただけで道を大きく違(たが)えてしまった二人の心が、ようやく触れ合い、溶け合った。
「…ア…スラ……ン…」
たとえそれがまた流血を伴って分離しなくてはならないものだったとしても。
カガリは自分で目隠しを外した。
そこには透き通った涙を流す碧色の瞳があった。
のぞき込むうち、その碧色は胸いっぱいに広がりカガリを満たす。
二人にはもう言葉はなく、ただ互いの名だけを交わしながら、想いも、体温も、体液も、何もかも、
互いが持てるものすべてを与え、奪い、分けた。


236:保守 アス/シン×カガ 最終回-6
09/02/17 12:51:35 66ajWre2
そうして朝を迎え、アスランはまだ気怠げに横たわるカガリの手に小型のチップを握らせた。
「それに今回の茶番劇の証拠が入っている。国際法廷…はあまり信用ならないから、別の方法で告発するといい」
驚いて飛び起きたカガリの目に映ったのは既に身支度を調えたアスランだった。
瞬時にアスランの意図を察したカガリは、慌てて寝間着を羽織りベッドを飛び出す。
アスランは、
「…ありがとう、カガリ」
出て行こうとしている、このチップとその命を引き換えにするつもりだ。
「アスラン!だめだ!」
青ざめたカガリがアスランの腕を掴む。と、アスランは穏やかな笑みを浮かべて
カガリを見た。
「大丈夫だ、カガリ、ヤキンで君に救われた命をみすみす捨てるような真似はしないと誓うよ。
なんとか逃げ回るさ」
無理だ、あれだけの組織を、いや国を相手にそんなことは不可能だ。
死ぬと、殺されるとわかっていてそんな風に笑うな!
カガリは素早くアスランとドアの間に体を割り込ませ、
「死なせない」
チップをぱきり、と折った。いささかの躊躇いもなかった。
「カガリ!」
こんなものとアスランの命が同等であっていい筈がない。
カガリはありったけの力でアスランを抱きしめる。
「お前はわたしが守る」
カガリからこぼれ出た懐かしいその呼び方に、アスランは思わず天を仰いだ。
「自国に被害が及ばない限り傍観を決め込むご立派な理念と、オーブのそれを言うのならそれでもいい、
オーブを守るように、私は大切な人を守る」
カガリの言葉はアスランの中に入り込み、その魂を両手で温かく包み込むと、アスランの視界を奪った。
アスランにとってはもうそれだけで十分だった、あれほど二人の間に立ちはだかったオーブという大きな存在と
アスランを同じようにに守ると、そうカガリが言ったのだから。
だからこそアスランは敢えて訊ねた、真っ向から、逃げることなく。
「君は俺にとどまれと、そんな残酷な命令をするのか」
する、とカガリは答えた。カガリもまた、逃げなかった。
アスランがとどまったならアスランもシンも、結局今まで通り辛い思いを強いられることになる、が、
耐えられなくなるか、嫌気がさすか、それらはアスランとシンが決めることで、カガリが決めることではない。
二人の情を逆手に取って開き直るか、と誰かに咎められてもかまわない、とカガリは思う。だって、
「命に優るものなんてないじゃないか」
アスランは頬を伝う涙をぬぐうより、応えるようにカガリにその腕を回す。
そして言った、
「俺が君を思い続けるのは自由だったな」
わざと再会の時と同じ台詞を、けれど今度は本心から。
カガリは小さく笑って、それから安堵したのだろうか、すうっと目の前が暗くなり、
「…?カガリ?」
アスランの腕の中で気を失った。


237:保守 アス/シン×カガ 最終回-7
09/02/17 12:54:01 66ajWre2
倒れたのは軽い貧血だったが、大事をとって検査をされたカガリが典医に告げられたのは、
「ご懐妊ですよ、カガリ様」
なんと妊娠の事実だった。
俄には信じられず、どこか他人事のように聞いていたカガリに次に訪れたのは、
当然のごとくパニックだ。
三ヶ月目に入りかけだと言われた、逆算したらいつになる、アスランが三度目に留守にした頃だ、
だとしたら?
シンとは最初は避妊をしていた時期もあったがなし崩し的に曖昧にしていた、
それで何年も特に何もなかったのに、いや、ナチュラルとコーディネイターなら、でも、
だとしたら?
そういえば最近食欲がなかった、いやちがう、だからそんなことより、そう、
どちらの子なんだ??
既に着床してしまっている受精卵をDNA鑑定することは可能なのか?
カガリは落ち着け、と自分に言い聞かせて数回深呼吸をした。
シンの子なら、彼は家族ができることを大喜びするにちがいない。
アスランの子なら、今アスランが手がけている事業にまたとない明るいニュースになる。
だけど、シンの子ならアスランは? アスランの子ならシンは? そして、わたしは?
これはわたしがふたりとの関係をこんなふうにしてしまったことへの罰なのか、とカガリは思い至って、
あわててそれを打ち消した。
何にせよ、生まれいずる命を罪や罰だと思ってはならない、それだけはだめだ、と。
そう思ったなら少しカガリの胆(はら)が座った。
発表等細かいことを相談しなければならないが今日のところはゆっくりしてくださいと
言い残した典医と入れ違いにアスランが入ってきた。
何をどう言えばいいのか分からなくてまごついているのだろうか、アスランは、
「…大丈夫だったのかな、昨日あんなに…」
昨夜の交わりのことをしどろもどろに心配する。
その様子がなんだかおかしくて、カガリはただにっこりと笑みを浮かべ、小さく頷いた。
すると、ほっとしたらしいアスランが傍らにきてカガリの頬に手を伸ばしたので、
カガリもそれに自分の手を重ねる。
「カガリ、俺は…君が俺に伴侶であり続けることを求めてくれた、それが─」
「…うん」
「それがすべてだから」
アスランの声はカガリにゆっくりと浸透して、カガリを内側からやさしく撫でた。
それがあまりに心地よくて、カガリは静かに目を閉じた。


238:保守 アス/シン×カガ 最終回-8
09/02/17 12:56:01 66ajWre2
アスランに呼び出されて執務室に入室したシンは、そこにカガリの姿がないことで少し怪訝に思った。
その様子があからさまだったのか、すぐさまアスランが、
「カガリなら屋敷で休んでいる」
と説明するが、それではまだシンは半分しか納得できず、ただ黙ってその先を待っていると、
少しだけ間をあけてからアスランは言った。
「妊娠したんだ、そろそろ三ヶ月目に入るらしい、もちろんどちらの子かはわからない」
驚いて、さすがにシンは言葉が出せない。
妊娠?そんな、まさか。
ざわざわとせり上がってくる不安や期待がないまぜとなった感情が、シンを混乱させる。
俺は今ちゃんと立っているのか、とそれすら覚束ない。
「シン、よく聞いてくれ。お前がどう思おうと、どんな覚悟をしようと、俺とカガリが結婚したことは
覆せない。分かっているだろうが、首長家の体裁を保つためにも、国家としても。
お前は本当にそれでいいんだな? 生まれてくる子がお前の子だったとしても、アスハ家の嫡男になる」
アスランは話しながらシンへと歩み寄る。
シンはその気配に神経を尖らせ、冷たくなった両の拳を握りしめた。
握りしめて、そして間合いに入ったアスランに、
「それともお前は、いずれカガリを連れて逃亡する気でもあるか、さもなくば俺を─」
「殺したいと思ってても俺はしない」
殴りかかることも掴みかかることもせず、ただアスランの言葉を引きちぎった。
「俺があんたを殺せばカガリが泣く。そんなことをした俺のために泣いて、多分あんたのためにも泣く。
だから俺はしない。カガリが泣くようなことは絶対にしない」
それはもうアスランの知るシンではまるでなかった。
「子供も、どっちの子でもどうでもいい、カガリが元気でちゃんと笑ってればいい、
それは俺にも笑えってことだから」
俺の逸した年月の間に、そうか、このふたりはこんな風にして絆を強くしたのか、と
アスランはここへきてようやく敗北を認めた。苦くて、でもどこか爽快な味だった。

239:保守 アス/シン×カガ 最終回-9
09/02/17 12:59:25 66ajWre2
「それは後でカガリに直接言うといい」
そう言って踵を返したアスランが、執務机の上にごとり、と置いたのは、
「モビルスーツに未練がないのなら、今日付けで俺とカガリのSPの任に着け」
ハンドガンと新しいID証と、そして記録チップ。
「カガリにも同じものを渡したが、これがあれば連邦とユーラシア両方を告発もできるし、
俺を闇に葬ることもできる」
もともと沢山コピーが存在し、どこにどれだけ配られたか分からない状況にしなければ
効果が薄れるものだ、カガリの割ったものが唯一ではない。
それをシンにも示して、アスランは続ける。
「俺はお前を許すとか、お前に許されるとか思っちゃいない。だが、お前だけが
辛い思いをしているなどとは思うなよ」
アスランが笑みを浮かべて言ったその一言は、アスランがもう正気で、やっぱりカガリを
求めているのだということをシンに確かに伝える。
そうして二人の間に横たわる空気の角が少し丸みを帯びたころ、アスランの凛とした瞳が
シンを捕らえなおした。
「俺の背中はお前に委ねる」
シンはアスランと瞳を重ねたままで静かに深く息を吸う。
それが何を意味するか、そしてアスランがどんな思いでそれを決意したか、痛いほど分かったから。
だから迷いなくシンも心を決める、アスランがすべてを認めたのならば、俺もそのアスランを認めようと。
シンは敬礼をすると、机の上からその一式を取り、もう一度敬礼をして、
「カガリの所に寄ってくれ」
アスランの声を背に部屋を出て行った。
見送るアスランの頬が少し緩む。
なるほどお前とカガリは今は強く結びついているかもしれない、だが、今後もそうであり続ける
保証はないぞ、だから、昨夜のカガリとのことはハンデとして貰っておこう、出遅れた俺に
それぐらいは許せよ、シン、と。


<エピローグ>

ようやく歩けるようになった小さな足はすぐにもつれ、ぺたん、と尻餅をつかせる。
アスランはその小さなかたまりを抱き上げた。
やわやわとした金色の髪と、
「だ…あ…」
「カガリは連邦に外交だ、暫くお留守番だな」
碧色の瞳。
「心配いらない、カガリはちゃんと守られてる、俺がいちばん信頼している男だよ」
アスランは数回高いたかいをしてやってから、きゃっきゃっと笑う彼をもういちど
やさしく抱きしめた。
お前は、俺の最初で最後の、最愛の女(ひと)の愛のあかしだ。
立派にオーブを継ぐ者になれ─
ひときわ高い子供の体温が、アスランの胸をいつも熱くさせる。
開け放した窓からすべり込むオーブの風は二人をやさしく撫で、また何処かへて渡っていった。




240:名無しさん@ピンキー
09/02/17 13:18:47 6pgwKTwu
とりあえず完結乙
まあ、ちとオチがぬるい気もするけど、放り出さないで書いたことを褒めたい
おつかれさん

241:sage
09/02/17 15:21:43 Hnhc+04S
完結ありがとうございます!
アスランが報われて(自分解釈ですが)良かったです。今までの軌跡を考えると、シンだけではなくアスランも報われて欲しかったもので。

242:シンカガファン
09/02/17 17:08:51 CX/tMDd9
おつかれ様でした!このスレに毎日通っていたのもシンカガ職人様の小説を
読むためでしたが完結してしまいさみしかったりします…
子供はアスランの子なんですね!昔のアスランに戻って良かったです!
シンがちょっと不憫な?気もしますがとても楽しめました!!
次回作を期待してもいいですか(笑)

243:名無しさん@ピンキー
09/02/17 19:40:46 DWigicK5
お疲れさまでした。
カガリの方から両方の手を取るというか離さない(笑)エンドですね
素敵ですカガリ様 とても漢らしいっス!
関係はドロドロなのにどこか爽やかなエンドでした GJ!


244:名無しさん@ピンキー
09/02/17 20:16:58 CX4YV/9F
お疲れ様でした
オチがw
カガリはマクロ○Fのアルトだったのかw

冗談は置いといてどっちも手を離すと死にそうだから仕方がないのだろうか

>>235は本気で泣いた
いい小説をありがとう

245:名無しさん@ピンキー
09/02/17 21:55:48 t5wtemXN
職人はどっちも死なせたくなかったんだなーとおもた
死なないならこのオチで自分は満足です
なんかこの先の波乱も妄想もできるしw

ともあれ、お疲れさまでした!ありがとう職人!

246:名無しさん@ピンキー
09/02/17 23:40:00 OECvgsz/
お疲れ様でした!
いつかまた修羅場を待ってますw

247:名無しさん@ピンキー
09/02/17 23:50:12 UQs66REl
お疲れ様でした
どろっどろだったのでバッドエンド(失礼)と思ってたのですが
オチが予想外で驚きました。とても好きです!
3人一緒にいる事で、この先各々の罪から目を背けられず辛い道のりになるんでしょうが
それを受け入れる覚悟の描写が3人とも素敵でした
素敵な作品ありがとうございます!

248:名無しさん@ピンキー
09/02/18 00:25:40 R/TEPPx6
ちゃんと完結してくれてありがとう。
ラストまで読めてすごく嬉しい。
こんな優しいエンディングになるとは夢にも思ってなかったw
本当にGJ、乙でした。

249:名無しさん@ピンキー
09/02/19 22:31:46 16nOJY/U
アスラク読みたいな

250:名無しさん@ピンキー
09/02/20 00:12:31 eCFa4Sbe
職人来てた!
そして完結してた!
お疲れさまでした。
エロありだけど戦後設定で地に足がついたような迫力で引き込まれて読んでしまいました。
アスランやさぐれてただけでしたね。
愛は偉大ですわw

次回作もよろしくお願いしますw


251:名無しさん@ピンキー
09/02/20 12:31:10 mWrwzWrP
>>239
すっごくGJ
ラストが予想に反して爽やかで…泣けた。いいどんでん返しでした。
多分カガリの子供はどちらの子とか鑑定もしないで3人の子供として可愛がられるのかな??って感じました。

できれば、貴職人さんのカガリ関係の話しまた読みたいです!



252:名無しさん@ピンキー
09/02/20 13:59:49 drXzgtkO
赤ん坊に母乳あげるカガリたんを妄想w

253:名無しさん@ピンキー
09/02/20 21:24:41 5NA3qPvw
>「な…あ、カガリ、そうしてたら、…お…れたちは、ほんとうの夫婦に、…なれて…たかな」
泣けた。驚かそうと思って黙ってたらその間にとかアスラン切なすぎ。

この職人さんの台詞回しとか好きだったし完結はかなり淋しい。
でも死人が出るかと思ってたから出なくてよかったw 希望のあるラストをありがとう。

>>251
鑑定せずとも金髪緑目だからアスランの子なんじゃね?
つうか可愛いよな、金髪緑目!

254:名無しさん@ピンキー
09/02/21 05:37:54 GO4ARnUf
>>249
カガリの出ないSSに何の需要もないよ

255:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:05:22 dKBu/h64
>>254
いいかげんエロだけがこのスレの正義だと理解しようぜ
~は需要ないは煽りもならんぞw


256:名無しさん@ピンキー
09/02/21 11:54:59 YuhdQS0f
あほにかまうなあほ

257:名無しさん@ピンキー
09/02/22 18:16:05 UVil5Nrr
職人お疲れ様でした
3角関係の描写お上手ですね
次回作もできればトライアングラーな話が読みたいです

258:名無しさん@ピンキー
09/02/22 18:46:24 hLPWbxUS
>>257
ルナマリアが歌うんですね、わかります。

259: ◆RX.N0dv0/c
09/02/26 11:02:07 Ki9XAiOM
『Making love to Fllay Allster』



「ああッ!! キラぁ―ッ!」

フレイの露塗れの肉体は、僕の上でグラグラと揺れていた。
彼女の肉壷は焼けたように熱くなりながら僕の肉棒を締め付け、
快楽の蜜がネトネトと僕と彼女の間を割って入る。

「ああ……キラ、素敵」

僕は、丸々とした尻をたぱんたぱんと腰に打ち付ける彼女の姿を、熱っぽく見つめた。
フレイは僕の名前を何度も何度も囁いた。それはまるで命乞いをしているようだった。
結局、フレイにとって僕は“生命線”に過ぎない。こうして身体を僕に売ることで、
フレイは生命の安楽を代償として得ているのであった。
僕自身、それは安っぽい安楽に過ぎないことは知っていた。僕だって死ぬときは死ぬと
悟っていたからだった。
しかし、それでも彼女はこうして僕に乗って、僕に貪られ、僕に隅々まで犯されて、
そうまでするほどにフレイは彼女自身を愛し切っていたのだ。

僕は下から大きく突き上げた。あさましい巨大な肉棒がフレイの女陰に深々と
突き刺さる。当然、彼女の甘ったるい喘ぎは激しさを高めて、僕の胸に爪を立てた。

「き……キラッ! 急に……そんな!」

僕はフレイの声など耳に入れなかった。彼女のふっくらとした腰を強く掴むと、
まるで自分の身体が自分のものではないような錯覚を覚えるほど、力強く―
彼女の肉壷をグチュ、グチュ、と淫らな水音を奏でながら、突き立てていった。
僕はフレイに憤りを感じていた。
フレイは僕の憧れだった筈なのに、どうしてこうも苛立ちが募るのか。
まるで小ばかにしたような甲高い嬌声、くねくねと腰を動かす仕草も鼻につく。
僕はその理由などとうに分かっていた。
フレイを、軽蔑していたからだ。男に簡単に身体を売る売女だとは想像もしなかったからだ。

260: ◆RX.N0dv0/c
09/02/26 11:02:48 Ki9XAiOM
「ん……ちゅっ、んは……」

フレイは僕に倒れ掛かると、僕の唇を奪った。
丁寧にケアされた皺一つ無い、プルプルと瑞々しく張った唇が僕を吸う。
キスの間に吐き出される甘い吐息を、僕の嗅覚が捉える。まるで脳が蕩けてしまいそうな
強い感覚だった。
僕も彼女の後ろ髪に手をやり、夢中でフレイの咥内を貪った。
フレイの心のうちを見て侮蔑に走る自分の心とは別に、少女にしては豊満すぎる
フレイの肉体に欲情する男としての本能も存在するのは、何か空しい感じがした。
左手で先述のように彼女の頭を抑え、右手で柔らかく揺れる乳房を強く押すように揉んだ。

「あふうぅ、ん……キラぁ……もっとやさしく」

「静かにして」

キスを終えて唇同士に唾液が粘りつく。そこで僕は言葉をようやく発した。
フレイは案の定不安そうな顔を浮かべる。まるで「貴方がいないと駄目なのよ」って
言っているように、同情を訴えかけてくるような顔で。
僕は彼女の言うことなど、最早聞きはしなかった。
聞けば不安になる。その唇から発せられる愛の言葉は、本心なのかと。
そうして僕は深い困惑に苛まれる。彼女の言葉を信じていいのか、悪いのか―。
だから、僕は彼女にそういった感情を一切抱かないように、常に心がけるようにした。
つまりフレイは、僕の最高の性玩具。
それ以上でも以下でもないと、目の前の肉体を見なすようになっていった。

一定のリズムで腰を突き出しながら、フレイの少しも黒ずんでいない桃色の乳首を
舌で包むように吸った。
彼女の喘ぎと共に、膣の深いところからどんどんと蜜が分泌されていくのが分かった。

「ああん……キラ、やっぱり……強くて大きくて……最高っ!」

「そろそろ、出すよ」


261: ◆RX.N0dv0/c
09/02/26 11:03:19 Ki9XAiOM
肥大しきった僕の肉棒が音をあげた。フレイは頷き、先程よりも激しく尻を上下させ、
蜜まみれでテラテラに光った肉棒を見せ付けては覆い隠した。
僕も負けじと、彼女の腰に両手を移しなおして、腰と尻をばすんばすんと大きく打ちつけ
まるで物でも扱うかのように彼女の蜜塗れの媚肉でペニスを扱いた。

ズンッと大きく最深部まで亀頭を打ち付けると、根元をキュッと膣口が締め付けた。
微かな痛みも感じたが、その快楽は大きく、その衝動のまま一気に白濁を放出した。
ドクドクと輸精管から精が吹き出るのと、血液が一気に肉棒に流れ込んでいるのが分かる。

「あ……はぁ……! キラぁ……」

「くっ……!」

僕がコーディネーターだからなのかどうかは分からない。
僕は人一倍、射精するザーメンの量が多いらしい。マスターベーションの際にもあちこちに
飛び散ってティッシュで拭き取るのにも長い時間を費やす。
しかし最近はマスターベーションもしていない。なぜなら、最高の玩具がそこにあるから。
フレイの膣内に射精すれば、ザーメンは飛び散る心配も無く、彼女の子宮に向かうのである。
今回もまたそのようにして、睾丸に溜まるたっぷりのザーメンを彼女の中に吐き出していた。

「はぁ……はぁ……僕のが、いっぱい入ってるでしょ……?」

「うん、キラのが……あたしの中、に……いっぱいっ」

フレイは下腹に手を置いて、じんわりと感じる熱さに目を瞑って答えた。
もちろん、膣内射精は妊娠の危険性がある。しかし、僕はむしろそちらのほうが都合が
良かった。

262: ◆RX.N0dv0/c
09/02/26 11:03:44 Ki9XAiOM
フレイが妊娠してしまうことで、僕から逃れられないようにしたかったのだ。
フレイに多くの疑念を抱き一歩距離を置きたい自分と、彼女みたいな都合の良い女を
誰の手にも渡したくない自分が拮抗しているのが、何だか滑稽に思える。
ペニスは、ヴァギナから抜かれた。
開放された肉棒の鈴口からはまだ白濁液がぷっくりと洩れている。

「さあ、フレイ……」

「うん……」

フレイは優しく頷いて、蜜塗れの僕のペニスを咥えて事後の掃除を始めた。
しかし、フレイの舌使いはだんだん巧みになっているようで、鈴口を穿られたり雁首を
舌先でくすぐられたりするだけで、僕は彼女の口の中にももう一回射精をしてしまった。



Fin

263:名無しさん@ピンキー
09/02/26 13:51:23 mPCykBFM
ぱすんぱすんとgj!

264:名無しさん@ピンキー
09/02/27 22:39:48 HNlMLvKR
無印のころはこの二人を見ていてはらはらしていた。
不安定なキラフレやっぱり萌える…!

265:名無しさん@ピンキー
09/03/01 16:06:00 /jqjc/lR
キラフレと言えば本編終了後でキララク打ち出していた当時にやった
スペエディの追加映像がすごかったな
福田正気かと思ったもんだw

266: ◆RX.N0dv0/c
09/03/03 05:13:47 st4Dui81
『Making love to Miriallia Haw』



僕はミリアリアの部屋の前へと着ていた。

「ミリアリア、僕だよ。入るよ……」

部屋の扉は開いて、ミリアリアの眩しいくらいの笑顔がそこにはあった。
ミリアリアは僕の手をそっと取って、部屋の中へと引っ張っていった。
空調は廊下のそれより温かく、すこし体が火照ってしまうくらいの気温だった。

「キラ……ずっと待ってたのに、どうして早く来なかったの?」

ミリアリアは頬を膨らませて、僕を睨むように見つめた。
僕は僅かに苦笑して、ミリアリアと共にベットの脇に腰を落ち着かせた。
ミリアリアにはトールという恋人がいる。僕の昔からの友人でもある男。
そんな彼に、僕とミリアリアの関係を気づかせてはならないと、彼女に部屋に
来る際には十分に注意していた。
ミリアリアは僕の胸に頭を寄せる。シャンプーの良い香りが鼻腔を擽った。
そして僕は、彼女の頭をゆっくりと撫でて、肌理細やかな額に優しく唇を寄せた。

「フレイにバレると、面倒だし……君もトールに知られるのはイヤだろ?」

僕がそう言うと、ミリアリアはさらに深く顔を僕の身体に潜らせた。

「フレイと、エッチしてたの?」

胸にかかる吐息がやけに熱く感じた。僕は手を彼女の頭から背へと移して、
小さく頷く。僕の制服には、フレイの甘い香水の匂いをしっとりと纏わりついているのを、
僕自身も自覚していた。
ミリアリアは、僕の顔を見つめた。
どちらからともなく唇は触れ合い、潜めていた互いの舌は顔を出して絡み合う。
長く深いキスの間は、空調の微かな音が大きく響いているように感じる。
そしてゆっくりと離すと、一糸の唾が輝いて、ミリアリアの眼はトロンと熱を帯びていた。
フレイよりも若干ぎこちなさの感じる舌の動きではあったが、それでもトールという
男を知っているだけあって、何も知らない生娘のそれとは大きく異なった。

267: ◆RX.N0dv0/c
09/03/03 05:14:16 st4Dui81
「私とも……エッチ、しよ?」

僕は溢れ来る熱情を発散するように、ミリアリアをベットの上に押し倒した。
彼女の首筋をくすぐるように唇を這わせて、仰け反らせて主張し始めた白い喉を、
舌先で舐める。
すると、ミリアリアの甘い吐息で僕の髪をそよぐ。
そしてピンク色の女子制服のボタンを一つ一つ外すと、白いブラジャーが露になり、
ミリアリアの頬はうっすらと桃色に染まった。
僕は構わずブラジャーのホックをゆっくりと外して除くと、可愛らしい乳房が現れた。
白く真ん丸な乳房に、桃色で綺麗な円を描いている乳輪、そして性的興奮からツンと
尖りを見せている乳首さえも、まるで芸術作品のように僕には感じられた。
僕はその乳頭を、唾液を馴染ませた舌でしゃぶった。

「あ……うっ、あぅんっ」

ミリアリアの髪がベッドシーツによって捩れる。あの活発な少女でさえもセックスの際は
こうして雌猫のように熱い視線を注いで、ご主人の機嫌を伺ってくる。
それはフレイほど顕著ではなかったが、僕の征服欲を刺激するのには十分過ぎた。
僕はベルトを緩めてズボンからペニスを取り出した。
フレイとの事後にシャワーを浴びていなかった為、まだ亀頭や竿にはヌルヌルとした
精液やフレイの愛液が付着しており、それをミリアリアに掃除させたかったのだ。

「ほら、舐めて?」

僕がミリアリアの脇の間に膝を立て、ペニスを手で持ち、彼女の唇にくっつけた。
すると唇の間から小さな舌が先を覗かせて、チロチロと肉色の亀頭の上を這う。
くすぐったいような―それでいて強い快感に僕は思わず背中を仰け反らせた。

「気持ち、いい……?」

「うん、いいよ。だけどもっと咥えないとね」

僕はそう言って息を荒げながら、肘を立てて、ミリアリアの口目掛けて腰を振った。
ヴァギナにペニスを嵌めた状態のように、ミリアリアの口にそれを挿入して、
喉奥まで一気に至らせた。
ミリアリアの苦しそうな声に、僕はちらりと彼女の顔を見やるが、彼女の表情は
少しも苦渋の気を顕にしていない。むしろ嬉しそうに僕のペニスを頬張っているように
見えた。
舌が竿に絡みつき、咥内の壁は窄まって、すぐにでも射精したい気分になった僕は
彼女の口の中でのピストンを早めた。クチュクチュとした唾液の音が何とも艶かしい。

268: ◆RX.N0dv0/c
09/03/03 05:14:45 st4Dui81
ついに、絶頂のときが来た。
僕は勢い良く彼女の口からペニスを抜き取って、ミリアリアの幼い容貌にたっぷりと
濃いザーメンを発射した。ビタビタと濃い白濁は、ミリアリアの肌に乗るように付着する。
友人の大切なものを思いっきり汚す背徳の感情が、心地良い快楽としか認識できなかった。
はっきりとした輪郭の唇、尖り気味の顎、あまり高くない鼻、柔らかな頬―全てに
僕は白濁を塗りつけた。


僕は正常位でミリアリアを犯すことにした。
結合したお互いの肉体は、毛布で覆い隠されている。

「はぁ……んっ、やっぱり、トールのより……すごいぃっ」

薄い毛布が跳ねる程に激しいピストンで責める。僕はうっすらと笑みを浮かべながら、
彼女の膣奥を抉ってはまた差し込んでを繰り返し、空いた両手はぷるぷると揺れる乳肉を
抑える為に使った。
僕の太くて長く、勃起時は鉄のように硬くなる肉棒は、トールのそれよりは十分に満足
させられるようで、それから彼女は僕の虜になった。
僕はバチンバチンと大きな音を響かせながら、ミリアリアに意地悪を言いたくなった。

「このまま出しちゃったら、トールはどんな顔するかな?」

彼女は目をとろんとさせながら僕をじっと見つめる。おそらく僕の言葉が届いていないの
だろう。しかし、僕がもう一度言おうとした時、彼女は首を横に振った。

「ううん……中に欲しいの。キラのザーメン……たっくさん」

「赤ちゃんが出来ても、いいの?」

ミリアリアは沈黙する。唇を窄めて悩む仕草がとても愛しい。
僕は一度彼女の唇にキスをして、腰を振りながらもミリアリアの肉体を抱きしめた。

「分かった……中に出すよ。だけど妊娠したら、トールには『トールの子だよ』って言うんだよ?
君はトールの子だといいながら、僕の子を孕むんだ……ふふっ」

彼女が頷くと僕は最深部まで一気に突きこんで、絶頂を迎えた。
さっきと同じく半固形の白濁がドビュッドビュッと、ミリアリアの膣道を上って子宮を打ちつける。
僕の巨大な肉茎が、彼女の中で震えるたびに、彼女の肩もまたそれに反応して震える。
抱きしめ合いながら、深い口付けをした僕とミリアリアは、
そのままトールの事など考えもせずに、ただただ、夢の世界へと上っていくのであった。


Fin

269:名無しさん@ピンキー
09/03/03 10:18:17 CfOz+iCl
さすがキラ、暴れとるな
Making loveシリーズで女全員抱くかw
GJ

270:名無しさん@ピンキー
09/03/03 15:19:11 d9WP+DpY
次はマリューさん、そしてナタルさん、で、カガリ?
GJです!!

271:名無しさん@ピンキー
09/03/03 17:02:43 8V0QAvyh
ミリアリア→マリュー
トール→フラガ大尉

に置換すればいいんじゃね。

272:名無しさん@ピンキー
09/03/03 21:54:30 flnRtuAv
運命キラがメイリンをって展開もあるか?


273:名無しさん@ピンキー
09/03/03 22:03:32 Y5e9EdN/
>>272
議長ラクスの眼を盗んでコッソリな女の子大好きキラさん

ネタじゃなくて可能性が高すぎw

274: ◆RX.N0dv0/c
09/03/04 12:49:25 y2SUQb7e
『Making love to Natarle Badgiruel』



「……それじゃ、ナタルさん。僕は部屋に戻ります」

「ああ……」

ベッドに横になりながら荒げた息遣いで、僕の言葉にナタルさんは返事をした。
薄紫色の口紅が輪郭を乱していて、僕との激しいキスの痕がはっきりと見て取れる。
僕はTシャツを身に着けて、制服に袖を通した。
顔を真っ赤にしながら僕を見つめるナタルさんの頬に、軽く口付けをして優しく微笑むと、
ナタルさんは呆れたように目を瞑った。

「まさか、六回も連続で……」

大きな溜息を漏らしながら、彼女は僕の精液が詰まったコンドームを眺める。
根元のほうを縛ってあるので零れることは無いが、六個のゴム全てにパンパンにザーメンが
詰まっている光景を目にすると、流石に僕も己の性欲に呆れてしまう。
ナタルさんは避妊に関しては、僕と同年代の女の子達とは違って厳しく、執拗にゴムの
着用を求めてきた。彼女曰く「未来も見据えられぬ男女が、安易に性交に及んではならない」
らしい。
本当は生でセックスをしたいが、ナタルさんに歯向かえばマリューさん以上の説教地獄を
味わわされてしまうことなど想像するに容易だ。
しかし、次第にナタルさんも僕の言うことに従順になってきたし、ゴム無しで挿入して思い切り
彼女の膣に僕のザーメンを射精するのも、決して遠い未来ではないような気がした。
それに、仮に叶わなかったとしても、フレイやミリアリアに好きなだけ射精すれば良いし、
最近ではカガリという女の子も乗船しているから、欲求不満に陥ることは無い。

僕はコンドームのビニールをゴミ箱へ捨てた。すると、そこから丁度良い具合に、
ナタルさんの大胆な脚と、そしてその最奥に位置する蜜塗れの花弁がよく見えた。
膣内射精をしたわけでもないのに、ピストン運動の摩擦によって蜜は泡立って、ザーメンの
ように白く濁った液が膣口付近に付着していた。

「あまり見るな……ヤマト。もう戻るのだろう?」

ナタルさんに制されるが、それでも僕は興味と好奇心からナタルさんの秘裂に吸い寄せられる
ようにベッドへと近づいて、脚をゆっくりと手で開きつつ顔をそこに近づけた。

275: ◆RX.N0dv0/c
09/03/04 12:50:06 y2SUQb7e
短く整った黒い陰毛に囲まれている中央の花からは、潮っぽく磯に似た香りが鼻につく。
激しい挿入を繰り返していたので、すっかり膣口は開いて、ヒクヒクと花弁全体を震わせていた。
僕は大きく舌を出して、ペロッと陰唇を這うように舐めた。

「あぅっ」

ナタルさんは綺麗な喘ぎ声を響かせた。
僕はまるで玩具を扱うように、舌先を丸めて尖らせ膣口を穿るようにクンニリングスを開始した。
サラサラした蜜が唾液と混ざって洪水状態となったヴァギナを、指の腹で擦ってはまた舐める。
膣口も挿入が待ちきれないようで、ヒクヒクと開閉を繰り返している。
これがあの厳格なナタルさんのヴァギナだとは、まだ信じられない心地がした。
僕は指で膣口をくすぐり、そのまま一気に挿入する。力をいれずともヌルッと膣に入り込んだ。

「んっ、ふう……」

「ナタルさん、またエッチな気分になりました……?」

「君がやったことだろう……んんっ」

自分のいやらしさを自覚したのか、ナタルさんの膣の入り口はキュンと窄まり、指が更に奥深い
膣肉へ埋め込まれていった。
根元まで指が入る頃には、少しだけ達してしまったのかナタルさんの身体が震えた。
僕はそんなナタルさんを愛しく感じ、膣の中に入った指を素早く動かしてザラザラした部分を
擦った。6回にも及ぶセックスは無駄では無かったようで、ナタルさんの最も気持ちよい部分のみを
責め立てるということも可能となった。

「はぁううっ、うん!」

ナタルさんの声が乱れ、意外にも豊満なその女体は捩れた。
しかし僕は躊躇することなく、クチュクチュと蜜を潤滑液として、指でそこを責め立てた。
そして、ついにナタルさんは大きな絶頂を迎えた。尿道口からは潮がピュッピュッと可愛らしく
吹き出て、挿入したまま膣圧に圧され気味の指に降りかかる。

ナタルさんのいつもならば在り得ない痴態に、僕の興奮は限界に達していた。
股間を見るとペニスはそそり立ち、透明な先汁が亀頭を覆っている。それなら選択肢は一つだった。

276: ◆RX.N0dv0/c
09/03/04 12:51:11 y2SUQb7e
僕はナタルさんに再び乗り、はだけた乳房を乱暴に揉んで、舌先で乳首を擽った。
フレイと同じくらいの大きさで、張りもあり、仰向けに寝ていてもその丘は崩れることは無い。
指でムニュッと押してみるとまるで吸い付いてくるようで、とても心地が良かった。
ナタルさんの喘ぎが僕を陶酔させ、気づけば自分のペニスを手にし彼女のヴァギナに宛がっていた。
もちろん、コンドームは1セット使い果たしてしまったので、挿入は生である。

「こ、こらっ、避妊はしなければ―」

「じゃあ、止めてもいいんですか? ナタルさんも……つらいでしょ?」

「それは……だな……」

僕の言葉に否定はしなかったので、僕は微かに笑みを浮かべ一気にペニスを突き入れた。
ゴムの感覚とはまるで違い、その温度も湿り気も襞の感触も、全てが鮮やかに伝わってくる。
締め付けてくる膣口が、剛直の根元を刺激し、僕はすぐにでもイキそうになってしまった。

「はは、ナタルさんのが、僕のを……いっぱい、締め付けてるよ」

「よ、余計なことを……! あ、ふぅ! はぁん! こら、激し……すぎる!」

きちんと整った黒い柳眉が悩ましげに顰められると、ナタルさんの「女」を見た気分に
なってくる。そして、更に彼女の奥深くに眠るセックス願望を、全て曝け出したくもなってきた。
ナタルさんの恍惚とした目つきに吸い込まれるように、僕は顔を近づけて深いキスをする。
彼女はこういう性格だから、最初はキスも僕が誘導してあげなければならないが、
セックスが盛り上がるにつれて、ナタルさんからも積極的に舌を絡ませるようになる。
何より彼女は、こうして挿入されながら抱きしめあって、深いキスするのが何より幸福を感じる
ようだった。

「んむっ……ちゅ……」

ミント系の香りが僕の鼻を擽り、ヌルヌルとナタルさんの舌が僕の歯に当たる。
目の前のナタルさんが微かに開けた目から、潤った瞳が見える。僕はナタルさんの頭を
撫でた。
7回目のセックス―ということもあり、彼女の呼吸はキスの最中も荒れていた。
おそらく疲労もかなり溜まっているだろう。事実、僕も最初のほうに比べれば腰の動きも
緩やかになりピストン運動の頻度も落ちていた。

「そろそろ、終わろうか。ナタルさん」

ナタルさんは唾液塗れの唇をぺろりと舌で舐めて、ゆっくりと僕から視線を外さず頷いた。


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