ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α8at EROPARO
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α8 - 暇つぶし2ch770:ゴミ捨て場プリンセス
09/04/26 20:21:26 yRWb3CFM
チエを乗せた便が重慶江北国際空港に到着した頃、リ中佐は滑走路上に部下と共に整列し
日本からやってきた“災害復興支援”名目の刺客を出迎える準備を整えていた。
大型旅客機の格納庫から仰々しいコンテナの中から、リ中佐は目的の物を見つけ出すとすぐさま駆け寄った。
日本側の職員が慌てて静止しようとするが、リ中佐は“引受証明”を無言で叩きつけるように提示した。
「開けろ」
「ここでですか?」
「さっさとせんか」
人民解放軍軍人の高圧的な態度に、職員の表情はあからさまに不快感を示した。
だがリ中佐が腰に下げた拳銃のホルスターに手をかけ、コンテナに対し敵意むき出しの眼差しを向けているのを見た途端、職員は慌てて開放にかかった。
金属製のコンテナが口を開け、緩衝材と発砲スチロールの塊に覆われた“何か”を台車で運び出す。
リ中佐はそれがコンテナから顔を出した途端に、職員を押しのけて詰め寄り、発砲スチロールを固定していたマジックテープを解除した。
途端に発砲スチロールと緩衝材は真っ二つに割れ、中から白いビニール被膜に覆われた物体が現れた。
リ中佐は苛立たしげにそれを引きちぎり、遂に中に潜んでいたチエと対面した。
「…なんだこれは」
しかし、妖怪変化でも現れるものと想像していたリ中佐は、その中身の姿に拍子抜けさせられる。
「…『省電力モード解除、再起動後異常が見られた場合は、本社サービスにご連絡下さい』ニーハオ!私は被災地人命救助用多機能ロボット、アサカタイプ1005チエです。よろしくお願いいたします。」
和製アニメにでも使われそうな甘ったるい声で流暢な中国語を放ったそれは、とても殺し屋と言えるような様ではなかった。
背丈は中佐の腰ほどもなく、凶悪な武装も何一つ付いていない。強いて言うなら…
「炊飯器のお化けか?」
「残念ながら私自身に炊飯機能は備わっておりませんが、被災地での炊事活動を支援する程度の能力は付属しております…」
チエは流線型のボディの天辺から覗く全周囲広角カメラを絞り、リ中佐の顔を見つめた。
リ中佐は口元をへの字に曲げ、つまらなそうにフンと鼻で唸った。
「貴方様が私の新しいご主人様でございましょうか?恐れ入りますが、お名前を窺ってもよろしいですか?」

チエがリ中佐と対面した映像は、すぐにも防衛省の軍事衛星を経由して日本にいるエージェントらの元に送られてきた。
チエの主人であるサエキやアサカ社の技術者は、この作戦が終わるまでの間、自衛隊の某施設に半ば軟禁状態となっており、鬼の居ぬ間に風俗三昧を目論んでいたサエキは正に涙目だった。
だがそんな彼も、半日ぶりにチエから送られてきた通信に、思わず胸をなで下ろしていた。
「で、このおっさん誰よ」
オリーブ色の制服に身を包んだ自衛官や、白衣の技術者と肩を並べ、駄々広い司令室の大型スクリーンに映った人物を見たサエキは、間の抜けた声で言った。
サエキの表情とは裏腹に、周囲の自衛官達は慌てた様子で彼方此方支持を飛ばし始める。
「この男、人民解放陸軍の特殊作戦部隊だぞ」
「奴の所属と詳細な情報を探れ、急げ!」
「出ました!第13集団軍快速反応部隊、自動化装甲歩兵旅団所属、リ中佐です!」
リ中佐の名を聞いた情報保全部のエージェントは、口元を歪めて苦笑いした。
明らかに予想外の出来事に直面した顔だった。
「…ヤバい人ですか?」
サエキの質問に少々戸惑いながら、エージェントは口を開いた。
「中国国内の思想犯や活動家、地方の少数民族の独立運動なんかを、いち早く察知して制圧しちゃうような、超タカ派の鎮圧部隊ですね…恐らくタイプ2557の事件、彼が担当してますよ」
サエキは嫌そうに表情を歪め、チエの名を口ずさんだ。


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