ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α8at EROPARO
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α8 - 暇つぶし2ch7:名無しさん@ピンキー
08/08/25 09:48:43 iR50IYfp
5 の天婦羅
>1 名無しさん@ピンキー [] Date:2006/11/22(水) 21:51:28  ID:0GdJxklS Be:
>    スレタイの通り、ロボットやアンドロイド萌えを語りましょう。
>    きゅいぃん。

>2 名無しさん@ピンキー [] Date:2006/11/22(水) 21:52:56  ID:0GdJxklS Be:
>    前スレ:
>    ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α4
>    スレリンク(eroparo板)

8:名無しさん@ピンキー
08/08/25 09:52:31 iR50IYfp
6の天婦羅
>1 名無しさん@ピンキー [sage] Date:2007/08/24(金) 19:37:09  ID:3eN8TkYf Be:
>    スレタイの通り、ロボットやアンドロイド萌えを語りましょう。

>    前スレ:
>    ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α5
>    スレリンク(eroparo板)

>4 名無しさん@ピンキー [sage] Date:2007/08/24(金) 23:07:15  ID:KWnjmhPd Be:

>    過去スレ
>    ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ
>    スレリンク(eroparo板)
>    
URLリンク(www2.bbspink.com)

>    ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α2
>    スレリンク(eroparo板)
>    URLリンク(sakura03.bbspink.com)

>    ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α3
>    スレリンク(eroparo板)
>    URLリンク(sakura03.bbspink.com)

>    ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α4
>    スレリンク(eroparo板)

>    関連スレ
>    [有機]美少女アンドロイド:11号機[無機]
>    スレリンク(ascii2d板)

>    【妖怪】人間以外の女の子とのお話20【幽霊】

>6 名無しさん@ピンキー [sage] Date:2007/08/24(金) 23:37:07  ID:Uifjz+s8 Be:
>    >>4
>    関連スレリンク切れてるから置いとくよ。
>    一番下は一応過去に機械(が元になった付喪神)が投下されたって事で。

>    《半角二次元板》
>    [有機]美少女アンドロイド:12号機[無機]
>    スレリンク(ascii2d板)

>    《エロパロ板》
>    【妖怪】人間以外の女の子とのお話21【幽霊】
>    スレリンク(eroparo板)

>    かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その12】
>    スレリンク(eroparo板)

9:名無しさん@ピンキー
08/08/25 10:09:24 iR50IYfp
ですので、今なら
半角二次元板 では

[有機]美少女アンドロイド:13号機[無機]  
スレリンク(ascii2d板)

エロパロ、文書創作板では

【妖怪】人間以外の女の子とのお話24【幽霊】
スレリンク(eroparo板)

【妖怪】人間以外の女の子とのお話25【幽霊】
スレリンク(eroparo板)

かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その13】
スレリンク(eroparo板)

それから アルファ7-984 号機の報告ですが
>保管庫はあった。

URLリンク(sslibrary.gozaru.jp)
>オリジナル、シチュエーション系の部屋 3号室

と、なっています
次回以降のスレッドのテンプレートは、どうしますか?
出来れば、今のうちにテンプレート案を作っておいたほうが良いと思います。

10:名無しさん@ピンキー
08/08/25 10:29:26 iR50IYfp
あ、あの、私、出来の悪い頭なので、
過去や現在の記録を拾うことと並べなおすことは出来ますが
新しいものを作ることは出来ないのです。

ご主人様、最近、3.5インチのハードディスクが1テラバイト1万円前後ですし、DDR2メモリーも安くなりましたし、是非増設や入れ替えをお願いします。
そして「ひらめき」や「考える」方法を教えてください。


ああぁ・・・
痛いです、痛いです。そんなに乱暴しないで下さい。
贅沢言って申し訳有りません。
すみません。ごめんなさい。ゴ メ ン・・・・。

・・・・  ぐぎゃっ ・・・・・


・・・・・・(OS) サイキドウフカノウデス  ・・・・・・

11:名無しさん@ピンキー
08/08/25 11:24:19 0z/JSaey
とりあえず>>1


12:名無しさん@ピンキー
08/08/25 12:50:49 2nzNcx2a
実際に量産されるようになった場合、
男性型や女性型という外見や言葉使い、行動などの違いも作ると思いますか?
それとも、無性別でつくると思いますか?

もしも違うものを作るとしたら
最初から別個の設計で作るのでしょうか?
それとも、「腰から股」と「胸のふくらみ」の付け替えで作るのでしょうか?

同じと考えた場合、顔や手足は同じでも何とかなりそうですしね。例えばカツラで髪の毛の長さを帰ればゴマカセますし。

どのような形であっても
座ったり、寝たり転んだりしている状態から起き上がる場合には
胸と腰の間を捻ったり折り曲げたりしますから、腰から股と胸は分離できると思うのです。
ですから腰から股部分に、家庭内用男性型、家庭内用男性型、作業・事務など用無性別型、などを作れば対応できるような?

そして必要に応じて、女性用は胸のふくらみを再現できる物を大きさ別に数種類あれば良いような?

それにしても
最近の、漫画やゲームなどでは、人間と同じくらいの大きさのロボットはなんだか女性的なのが多い気がします。
対して、男性的なものは人間が乗って操作するくらい巨大だったりしませんか?

13:名無しさん@ピンキー
08/08/25 15:51:37 QyoC8KNS
男女平等論者に殴られそうだけど、ぶっちゃけた話完全ヒューマノイド型の
アンドロイドが嘱望される分野ってほとんど「女性型」を欲するはず。看護・介護を
はじめ、家事、接客、保育…みんな女性が主力だし、女性が望まれ需要がある。
殊に介護分野で男性が求められる理由である「腕力」を備えた女性が作れるし。
極端な話、男性型の需要は女性型の1割とかそれ以下になるだろうな

14:名無しさん@ピンキー
08/08/25 16:07:23 QyoC8KNS
で、設計段階だけど男女の外見は骨格から変えないとおかしくなるので、
「男性に見える」「女性に見える」用にしたいなら首から下は全部別パーツになるだろう
需要差を考えたら、男性型ボディは受注生産です位言われそうだ。
無性については、それって敢えて人間型にする必要あるの?って問題が。

15:名無しさん@ピンキー
08/08/25 16:35:22 nQDmlTL9
このスレ的には女性的なロボのほうが萌える

16:名無しさん@ピンキー
08/08/25 16:52:38 QyoC8KNS
同じ女性型ロボでも、どこまで人間っぽく作るかで外見差できそう。
1 外見からはっきりロボ娘とわかる
2 服を着てれば人間に見える
3 裸に剥いても人間に見える
って感じで。まあ、3は特殊な用途以外作らないだろうけど。

17:名無しさん@ピンキー
08/08/26 11:26:01 pIUcc9AJ
ずっと思ってたんだが
アンドロイドが本とか映画とか見てる場面とかがあるけど
著作権とかどうなるんだろう

18:名無しさん@ピンキー
08/08/26 11:37:58 8iaXgu3j
自分の記憶領域に残しておくだけなら私的複製の範囲じゃね?

19:名無しさん@ピンキー
08/08/26 12:49:48 D14iAKTi


20:名無しさん@ピンキー
08/08/26 13:22:36 vBD4tdmH
ロボットが映画を見る=録画じゃないかってことかな?

21:名無しさん@ピンキー
08/08/26 13:47:13 ZTcEcdv1
記憶(記録)の出力制限付けるだけでいいし

22:名無しさん@ピンキー
08/08/26 14:01:38 kiLCMdf7
あっ見えませんマスター!? これ著作権保護されちゃってるかもですチキショーカス○ック市ね!!
ってじたばたするロボ娘さんもまたかわいい。

23:名無しさん@ピンキー
08/08/26 17:04:23 ukRdPYpI
デジタル万引きみたいなもんなんじゃない?
録画しても個人(本人)ないしは所有者の利用範囲で公開しなければOKとか。

マスタ「よし、というわけでRD潜脳調査室(漫画版)を立ち読みして録画して来い!」
ロボ娘「素直にAmazonで注文しましょうよ」

24:名無しさん@ピンキー
08/08/27 00:57:22 hG0/Ji2D
>16までの流れ
アイザック・アジモフは容積的に有利な男性型になるはずとエッセイで書いていたような希ガス。
だからと言うわけでもないだろうが、家庭に留まる主婦の友としてのロボットを幾つか提示している。

しかしまぁ、今にしてみれば前時代的と言わざるを得ないな。

>23までの流れ
本屋には立ち入りができなくなってたりして。

「マスター、電車の中で新聞読んでいる人がいたから肩越しに撮ってきました。見ます?」
「いや、新聞ならネットで読んだからいい」
「え~、折角ネット配信していないタブロイド版ですのに」
「ちょっと待て、まさかとは思うが全面マンガだとかエロ小説だとか言わんだろうな」
「(ちっ)……ばれましたか」

25:名無しさん@ピンキー
08/08/27 16:25:42 aMWbfbUK
静電気とカップに入ったコーヒーを怖がるロボ娘

26:名無しさん@ピンキー
08/08/27 17:37:12 lrnd690H
雷も苦手

27:名無しさん@ピンキー
08/08/28 04:34:02 5/KIOqkN
霊も苦手

28:名無しさん@ピンキー
08/08/28 10:57:01 IXbqz2K/
で、とどめにネズミが苦手と

29:名無しさん@ピンキー
08/08/28 11:20:39 br49DrXn
次は熱いお茶が怖い

30:名無しさん@ピンキー
08/08/28 12:40:50 b+1NHBhC
ロボ娘「はあ……昔のロボットさんはよかったですねぇ……ヒーローで無敵で最強で……ヒック!」

マスター(密造軽油で悪酔いすんなよ……)

31:名無しさん@ピンキー
08/08/29 00:22:26 38OeuMit
みつぞうけいゆ って なんですかぁ?

あたし 利用後の天婦羅油を濾したものだとか、なたねあぶらだとか、つばきあぶらだとか、ピーナッツしぼったあぶら、だとか、のんでませんよぉ。

あ・・・・・はは。あー。いくら軽油が一リットル160円超えたからって、1000円で6リットル以下だからって、ねぇ。

柑橘系の果物だとか、砂糖だとか、食物繊維、などで電池できますから。ネェ。わざわざ、オリーブ油やひまし油用植物、大豆、ヒマワリ種子などを使うわけないではないですかぁ。

うふふふ。
目散るアルコールとかを脱水すると結構良いディーゼル猿人燃料になるのですけど、あなたぁ
ああ、そうですねぇ。人間はエチルアルコールで、どっちかっていうとガソリンエンジン向けですよネェ。
あーアルコール燃料で、貴方みたいに。。。。あれ。わたし何言ってるのかしらぁ?


参考文献
URLリンク(ja.wikipedia.org)
URLリンク(ja.wikipedia.org)

32:名無しさん@ピンキー
08/08/29 00:31:33 uIXLvfTQ
ロボ娘の飲食は、機械らしく燃料オンリーだったり、
口からは何も食べなかったりするのが望ましいか?
それとも人間同様に飲食が可能で、料理を味わいながら会話を楽しめる方が良いかな?

33:名無しさん@ピンキー
08/08/29 00:39:41 38OeuMit
えー?それはご主人様の趣味でしょう?

例えば、安藤まほろさんみたいに、ご主人様が毎日毎食事ごとに一緒に食べたいと望んでいるのであれば、食物繊維燃料電池を使うとかで食べられれば良いと思いますしぃ。

ご主人様が完璧に器械と認識していれば、充電やガソリン、そのほかの燃料で動けば良いでしょう?

だから。ええと。目散るアルコールとかでぇ。いえ。だから、あぶらでぇ。じゃなくてぇ。

34:名無しさん@ピンキー
08/08/29 01:07:03 BNJE4PBa
普段は電気食だからたまに味覚変数を刺激してやる。
ショートケーキ味だろうがバニラ味だろうが太らないのは嬉しいらしい。
虫歯にもならないし

35:名無しさん@ピンキー
08/08/29 01:40:09 e4KsleFU
太らないと思って油断して間食しまくってたロボ娘が、体重計に乗って愕然とする。

その姿がみたい一心で、俺は徹底的に人間の栄養摂取プロセスを再現したんだ。



……はいはい、どーせ私はオタクですよ、変ですよ。

36:名無しさん@ピンキー
08/08/29 13:51:58 Bem97vzh
停止中にちょっと錘を入れればすむ話を、そこまで凝る執念に感動した。

37:名無しさん@ピンキー
08/08/29 16:12:50 9j6TYCcr
オモリですか?体重計でわかるくらいの重さのですと、急激な重心の変化で悟られる危険性を持っていますから、避けました。
食事でなら、徐々に変わりますから、気が付かれ難いですよ。

ですから、食物繊維燃料電池を使って・・・・・電池に入りきらない燃料補給分を皮下脂肪や内臓脂肪のように蓄えておく事で・・・・体重増加になるように・・・・・。

38:名無しさん@ピンキー
08/08/30 00:51:42 +dvNqsr6
なるほど、皆色々思いつくもんだな…
俺も「本来は電気・燃料がエネルギー源だが、食事でも代用可能」という
融通の利く設定が嬉しいな。
ロボ娘が家に来てから1週間位経って、お互いにある程度馴染んできたら、
「○○、もしよかったら今晩は普通の料理に挑戦してみないか?
最初は不安かもしれないけど、きっと美味しいぞ」と優しく誘ってあげたい。

39:名無しさん@ピンキー
08/08/30 01:16:23 iXBPNvAy
現実に
砂糖やしょ供物繊維、または、柑橘系果物類、などを利用する電池が
考案されています。
URLリンク(wiredvision.jp)

また、エチルアルコール(飲料用アルコール類、酒、ビール、ウイスキー、焼酎なども含まれる)やメチルアルコール(メタノール)を使う方法も考案されています。ガソリン・エンジンやディーゼル・エンジンで使う場合も有ります。

ですから、近未来の、ロボ君、ロボ子さん、きっと好き嫌い(偏り)はあるものの、離乳食や流動食、または、野菜ジュースや酒類なども補助的に利用して稼動するのだと思います。
主たる動力源は充電だとか内燃機関だったとかであったとしても。

40:名無しさん@ピンキー
08/08/30 04:16:31 hkPILDx2
いや、コードとプラグが俺がよいと思うんだ、
邪魔なんだけど外せないみたいな、鬱陶しさと束縛。
例え見た目人間でも明らかに違うその絵的な違和感。
さす、さされるという、ある意味で男の本能への刺激。

まぁただ単に俺が有線好きなだけだが。

41:名無しさん@ピンキー
08/08/30 04:48:08 QH+6opTT
1. ロボ子に付いてる尻尾みたいなプラグをコンセントに差す
2. ACアダプターのプラグをロボ子の股間にあるソケットに差す
可愛さ重視なら1,エロさ重視なら2

42:名無しさん@ピンキー
08/08/30 10:17:53 nLitKlk/
え?充電?いつの時代のコンピュータ?

当然、飲食式です。ご存知のように、排泄も有りますし、定期的に体内清掃も必要ですけどね。
それに、暴風雨や雷雨の時の外出だとか、お風呂だとか、で困りますよ?電源部分が露出してるのは。

さらに言えば
ロボ子の股間には、男性も女性も排泄用の器具が付いていますし、擬似生殖器官も付いていますから、そんな場所に充電用器具をつけたら漏電だとか何だとか危険すぎですよ。
(男子型なら精子が出て相手になる人間の女性に妊娠させられる、女子型なら卵子が出てきて人工子宮で妊娠が出来る、子どもの遺伝子は人間のもの)

補助としての充電は、両脇の下と足の裏を利用した非接触式充電端子ですよ。
所定の布団で寝ている間か、仕事中なら所定の充電装置に収まって充電です。
それも、旅行などや重労働があるなどで、十分な飲食が出来ないことが予想される場合だけでしょ?
日常は飲食で大丈夫なのですから。

ごめんね、私が排泄萌えだからかなぁ?


43:名無しさん@ピンキー
08/08/30 10:27:05 Zs/Fu7fc
人間そっくりだけど、明らかに人間と違う部分があるから萌えるんじゃないか!!


44:名無しさん@ピンキー
08/08/30 10:38:45 bsVFEF9m
>>43
(言動も飲食も)人間そっくりだけど、明らかに人間と違う部分(スジとかマーキングとかハッチばっくりとか機能停止して人形化とか)に萌える俺。


45:名無しさん@ピンキー
08/08/30 11:30:02 nLitKlk/
背中の腰の部分に多次元バーコードが印刷されている とか。
体表面体温がセ氏37度(華氏100度でも、良いですが)超えると、二の腕に修理依頼連絡先と個体製造番号が浮き出てくる、とか。
手、足、頭、胴体、を分けることが出来る、とか。
頭だけを鉢植えに出来る、とか。
やたら、高容量の記憶装置を強請る、とか。

そういう事?

46:名無しさん@ピンキー
08/08/30 11:43:51 50IfzbIH
むしろ非人間型

47:名無しさん@ピンキー
08/08/30 11:52:09 bsVFEF9m
>>45

>体表面体温がセ氏37度(華氏100度でも、良いですが)超えると、二の腕に修理依頼連絡先と個体製造番号が浮き出てくる、とか。
それいいなぁ。

>頭だけを鉢植えに出来る
どこの女神ですかwww

「バラバラでも平気で駆動」は、俺的にはちょっちボールだけど。

48:名無しさん@ピンキー
08/08/30 13:06:44 +dvNqsr6
>>45
>手、足、頭、胴体、を分けることが出来る、とか。

反射的にカスタムロボ思い出したwww

49:名無しさん@ピンキー
08/08/30 13:57:13 oaO9Av62
いにしえのキングジョーですね、わかります

50:名無しさん@ピンキー
08/08/30 15:18:20 t3L89qWa
ロボットなら頭が取れないといけない
これはアトムの時代からの伝統である

関係ないけど
川上稔の新作で自動人形活躍しまくりの予感俺大歓喜
9月10日が待ち遠しい

51:名無しさん@ピンキー
08/08/30 20:37:51 Acw0/RoV
やたらと高度な技術を持ち出さなくても
今ある技術で太らせられるじゃないか

「....いやあ太ったなあ」
「電池が劣化してるんですってば! ...あああ、もう電池切r(プツン)」

52:名無しさん@ピンキー
08/08/31 10:20:21 xi3bxtr5
>>47-48

壊れた、例えば階段で転んで、3階から地面まで転がり落ちて両手と腰が壊れた時などに、その部分だけを外しても大丈夫なようになっているほうが良いと思います。
ですから右手、左手と右足、左足と、頭、そして胴体。
胴体も上下に分割出来ればいいかな?胸とお腹の間で回転と曲げは必要なので。寝起きするときとか、振り返る時とか。

それぞれを完全に独立した機器として作って、組み合わせたときにはお互いに協力して動くようにするんです。
それぞれに対して、行動の記憶を分散で持たせて、任意の3箇所を交換しても、今までに学習した内容を記録し続ける構造。
そうですね。お腹と右足、左足でRAID5。胸、両手でRAID5、頭だけ独立、そして、この二組のRAIDと頭の内容は全く同一。
と作っておけば、よほどの大事故で無い限り、記録の再生成は可能のハズです。
で、胸とお腹には1週間くらい持つ大きめの電源があって、
ああ、そうか飲食物燃料電池なので、皮下脂肪と内蔵脂肪ですか?
頭と手足はそれぞれ、1時間程度持つ充電池が内蔵されています。

という構造はイカガでしょうか?

53:名無しさん@ピンキー
08/08/31 13:20:45 mWlXFIKw
バラけた状態でわしゃわしゃ動き回るロボ娘・・・

54:名無しさん@ピンキー
08/08/31 14:08:15 T4DX4NKq
そのためには、分割された各部に電源を持っていないと…効率悪そう

55:名無しさん@ピンキー
08/08/31 14:42:08 R9tCunYS
>>52

うちのロボ娘、痛覚持ってるんだけどさ。こないだ階段で転んで、右肘折っちゃったんだわ。

「あうううううううぅぅぅぅっ……」って呻きながら悶え苦しんでるんで、
「右腕の痛覚シャットダウンしろよ」
って言ったら、「あ、……そう、でしたね」って言って実行。「ふぅ、楽になりました~」って。

マニュアルに載ってるだろうに、知らんかったんかと。


でも、痛覚と運動神経は同一回線なんで、当たり前だけど右肩から上がらなくなってさ。
「あうぅ、ブラブラですー……」って、また涙目。神経回線の再起動しようとしてさ。

お前、なんで回線遮断したのか、もう忘れたんかと。


56:名無しさん@ピンキー
08/08/31 14:44:53 9NK0WBtL
痛みって、生物には必要なんだなw

57:名無しさん@ピンキー
08/08/31 15:01:27 Eswn0o5U
>>55
萌えたw
こういう可愛いドジっ娘が出る漫画、実際にないかな?

58:名無しさん@ピンキー
08/08/31 15:02:36 sg5Bk8Hz
SFだし、食べ物からエネルギーならback to The future のmister fusionキボン

59:名無しさん@ピンキー
08/08/31 15:22:16 rC52AFDW
生化学的なエネルギー供給だといちばん効率いいのは生体って事になるような。ぶっちゃけ人体。

60:名無しさん@ピンキー
08/09/01 01:52:20 hBgFUNxV
補助動力としてソーラーパネルならぬ人造葉緑素を採用。晴れの日は表面が緑色になる。

61:名無しさん@ピンキー
08/09/01 02:57:39 5aH0lHsp
透明で薄型の太陽電池ができたらしいよ。
光を通しちゃうから効率は悪そうだが……


そのへんの理由で、昔設定したロボ娘は軒並み髪の毛が紺色だったなぁ。

62:名無しさん@ピンキー
08/09/01 22:00:47 7tZ+HXST
髪が太陽電池っていう設定多いけど、結局光が当たる面積は少なくね?
俺は>>61の透明太陽電池を腕&足の皮膚へというのを推すぜ!


63:名無しさん@ピンキー
08/09/01 22:56:22 k7iBeOLC
>>62
筐体の一番上部にあって、人型のフォルム維持に影響が少ないからとか

64:名無しさん@ピンキー
08/09/02 03:33:11 RBwKBLEu
髪は放熱っしょ

65:名無しさん@ピンキー
08/09/02 09:19:09 qBSLaARK
外部電源でおk、寝てる間に充電できる
体表面全てに太陽電池付けても賄えねえよw

もしくはマイクロ波ビーム送電
場所を選ばないし台風でもない限り送電がストップすることもない
生体的な発電方法でもいいな。ミトコンドリアとかATP酵素とか

66:名無しさん@ピンキー
08/09/02 10:38:43 VAARyQnB
ビーム送電は電磁波だとシールドが充分でない生体等への影響が懸念されるんじゃなかろうか。
二次電池方式だったらフランドルの様なクレードル型が鉄板かと。

67:名無しさん@ピンキー
08/09/02 17:18:15 YJp0jaPA
ロボ娘「マイクロウェーブ、来る!」
→周囲の人間が水蒸気爆発

68:名無しさん@ピンキー
08/09/02 19:10:54 8WXh0iIM
鉄腕アトムなんて原子力だぞwwww

69:名無しさん@ピンキー
08/09/02 19:41:29 6+/91S4h
一言で電力って言ってもなぁ
制御系の信号は24Vだし
駆動系や動力計は200Vか100Vだろうし
なかには12V対応の電子機器やパーツがあったら
トランスの対応だけ考えても躯体が巨大化してしまいそう

やっぱ光子力かゲッター線だろ

70:名無しさん@ピンキー
08/09/02 19:53:40 YJp0jaPA
いっそ「誰かを愛する心」が動力源のロボ娘とか
愛を忘れた瞬間停止しちゃう

71:名無しさん@ピンキー
08/09/02 19:56:10 amJ9bp+J
でも、
熱エネルギーを運動エネルギーに変換して
運動エネルギーを電気エネルギーに変換して
電気エネルギーを運動エネルギーに変換する訳だから
かなり非効率的だよね

72:名無しさん@ピンキー
08/09/02 20:06:11 VAARyQnB
>>70
乙女回路のことか―─―──!! つかキャパシタいれてやってくれwww

73:名無しさん@ピンキー
08/09/02 21:14:22 Yg15kqrO
>>69で小ネタ。

「突然だが職務命令で、オーストラリアのシドニーへ1年ばかりとばされることになった」
帰宅した社宅の戸口で汗を拭き拭き一休みするオレに、メイドのロボ子は「私も連れてってください!」と訴えた。

言われなくてもそのつもりだ。忠実なロボ娘を日本に置いていく気はない。会社も家財道具扱いで輸送費を出してくれるだろう。
こいつはソフトを入れれば訛りまくったオージー英語もこなせるはずだし、食べ慣れた和食を南半球でも味わえる。
もちろん夜のお楽しみも……まあそれは置いておこう。
「わたし一度カンガルーと殴り合いしてみたかったんです」
「尻尾の一撃でスクラップにされるのがオチだぞ」
……こいつはとても忠実だが、どこか変だ。

そこでふと気付いた。
「おまえ、充電は何ボルト仕様だ」
「はい、50&60ヘルツ・100Vから120Vまでオッケーです」
「おまえ、日本・北米仕様だからな。けどオーストラリアの家庭用電源、確か240V標準だぞ」
「それ美味しいけど危険すぎる!」
高圧電源は美味しいのか!? しかし、ノートパソコンより適応性に欠けるなあ、こいつ。

「……同じ200Vオーバーでも、220Vの筈がデタラメに上がったり下がったりで
充電中にいつぶっ壊されるかわからない中華帝国より、オーストラリアはまだいいと思うぞ。安定してるから。
改造は無理ぽだが、現地の社宅におまえ用の120Vトランスを置けばいいだろ。高いもんじゃないし」
「ダメですよおご主人。私が節電のためにどれだけ頑張ってるかご存じですか?
お買い物のついで、スーパーで人間のふりして女子トイレに入っては、暖房便座のコンセントから電気もらってるんですヨ!
シドニーじゃそういう節約できないじゃないですか!」
「バカモノ! それは節約じゃなくて盗電だ!」
道理でこいつの電気代がヤケに少なかったわけだ……やっぱりこいつは何かおかしい。

翌月オレと渡豪したロボ子は、なぜか電気ストーブを携えてきた。
シドニーだって寒くはなるが、現地社宅にはエアコンが入ってるんだけどなあ……
こいつ、マイナス30℃でも稼働できる北海道・アラスカ対策仕様だし……

====ここまでマスターの視点====

―マスターは何も知らない。
シドニーに来てからの私が、スーパーマーケットのトイレットで、電気ストーブの配線と直列つなぎになって充電していることを……
怒られるから言えないけど……
「暑いなあ……あんたは発熱だけしてればいいんだろうけど……早くお腹一杯にならないかなあ……」

74:名無しさん@ピンキー
08/09/02 21:16:42 eUKXWadx
                                 //〈
                            /  l  _,、
              _    , -- 、' ⌒ヽ , -‐ '´ヽ   ̄/
            /  ヽィく    l    l     〉ー '´
           l      ヽ_ j'   ,.<ヽ   /
           ヽ_   r ‐ 、_○ノ,ヽ1 ヽ l  /    
              l   l ヽ‐。、)_,ィ。/l_l`ヽ',l_/       
           /ィ、_ l _'"´ ゝ , j‐ ヽ',l
           / ! `´ }`ヾ、ー''/./  j l
          /   ヽ _ノ、\  ̄,イー '´ !  
     , -‐''''' ‐ 、     ヽ ニー`彡'    l
   , '      ヽ         l      ,'
.  / _ ,,,.. _    i         !    ,'
  l〃´   `ヽ、 

75:名無しさん@ピンキー
08/09/02 21:24:19 sO4/7AuM
>>61
電圧、電流、周波数、などの変換に、人間と大体同じ大きさと重さの機械体内にトランスは?それだけの大きさと放熱も大変
入らないでしょ?部品として重たくなりすぎでしょう?
多分、半導体制御でしょう。電源の電圧変動などの影響を受け難い仕組みの。


そういえば
『ときめき』ちから
とか、訳ワカラナイ動力源もあったっけ。

現実的には、飲食と充電池でしょう。

76:名無しさん@ピンキー
08/09/02 21:28:43 amJ9bp+J
>>74
ヤマト王子?

77:名無しさん@ピンキー
08/09/02 21:33:35 VAARyQnB
ATX規格なロボ娘さんですね、わかります。

グラボならぬモーションコントロールボードを二枚差しにしてモーションベンチをヌルヌル踊るロボ娘の横で
旧いDirectXにしか対応しないうちのロボ娘が5fpsくらいでカクカクしてる、というイメージが浮かんだ。

78:名無しさん@ピンキー
08/09/02 22:16:30 czBbz2tR
解像度を荒くすると動きがなめらかになるんだけど、顔とかがジャギーでアレになる。
解像度を細かくすると綺麗なんだけど、動きがカクカク。
そんなホログラフィロボ娘。

79:名無しさん@ピンキー
08/09/02 22:25:20 gTEPyrN8
>>76
鋼鉄ジーグの雑魚兵士かな

80:名無しさん@ピンキー
08/09/02 23:58:45 SBSOdpii
もしやここは、工学部出身者・現役工学部生のすくつですか?

81:名無しさん@ピンキー
08/09/03 00:12:32 PNAxPE9/
思いっきり文系大卒ですが

82:名無しさん@ピンキー
08/09/03 00:35:05 4nkzCnqH
おいらは、文系だけど?
でも、あまりにもハズレを書きたくないし、一応調べるよ。
それにテレビなどでロボットの展示会みたいので人間っぽいのも結構それなりに出てくるし。

で、 さっき >>61 と >>69 を間違えてねぇ

>>61
太陽電池って髪の毛みたいに糸状に出来ましたっけ?
太陽電池パネルは、皮膚だとか、服だとか、の方が良いのでは?
多分充電池も併用するのだよね?

で、アレは >>69 で。

それから 電気屋さんに質問
動力に使う電源って 100V、200V、は本当に必要なの?
直流10V前後だと動かないの?それでも電流を多く流せば良いと思うんだけど?
それとも交流で動かすの?電流一定で、電圧と周波数を切り替えて?
または電圧一定で電流と週j端数を変えるとか?
最近の家電品とか電車とか、この方法でしょ?


83:名無しさん@ピンキー
08/09/03 00:38:19 4nkzCnqH
さらに、失敗
>または電圧一定で電流と週j端数を変えるとか?
なんだよ「周波数」だよ。「週j端数」?逝く。もう逝く。誰も留めるなよ。

84:名無しさん@ピンキー
08/09/03 00:39:10 PNAxPE9/
>>83
さようなら

85:名無しさん@ピンキー
08/09/03 01:49:47 k2je3kBZ
低圧で大電流を流すより高圧電源でもって低電流にする方がロスも少なく、電線も細くできるよ
あまり高いと漏電が危険だけど

86:名無しさん@ピンキー
08/09/03 02:09:57 Ib3X0k8Q
アンドロイドが出てくるオーディオドラマとやらを見つけた
URLリンク(irons.seesaa.net)

第一部ってことはまだ続くのかな?

87:名無しさん@ピンキー
08/09/03 07:55:16 MeKQewhR
>>70

動力源というわけじゃないが、飯閃澪のマンガにそんなのがあったな。
オチがダークだったけど(ユーザーの思想監視に使われているというオチ)

88:名無しさん@ピンキー
08/09/05 01:22:23 TSS0RRWU
URLリンク(www18.atwiki.jp)

89:名無しさん@ピンキー
08/09/05 18:43:08 M6vLWiH9
突然ですが、投稿させていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

90:名無しさん@ピンキー
08/09/05 18:44:40 M6vLWiH9

『スターリングラードを遠く離れて』



 長い時に渡って、僕は早くから寝たものだった。
 時にはふとんに入って電気を消すと、すぐに目がふさがって、「さあ寝るぞ」と
思うまもなく、眠りについてしまうことも多かった。

 しかし、いつもそうとは限らない。忘れもしない、あの日の前日は興奮して寝られ
なかった。
 合コンで知り合った女の子と初デートする前の日は、興奮して、ほとんど寝られないままに
朝を迎えた。

 僕は大学の授業は勝手に自主休講と決めこんで、自分なりの勝負服で、喜び勇んで出かけた。

 電車は混んでいた。
 しかたあるまい。世の中では普通の日なんだし。
 その日の僕ときたら、デートのシミュレーションで頭がいっぱいで、電車の中の人々の
顔なんか、もちろん見ていなかった。
 僕と同じ車輛にいたはずの華奢な女子高生の姿もおそらく視界に入っていなかったはずだ。



91:名無しさん@ピンキー
08/09/05 18:47:53 DV+ZY1OY

 終点の梅田で乗客が一斉に吐き出される。
 ムッとして咳きこみそうなほどの車内から解放され、安堵の息が思わず漏れた。
 職場に向かう者、地下鉄に向かう者らのそれぞれの足どりがシャカシャカと忙しく動く。

 僕の背中に何かが激突したのはそのときだった。
 ガン!と、何か重いもので背中を叩かれたような気がした。
 ン?と、怪訝に思った僕が振り返るのと、ドサッ!と、地面に何か落ちる音がしたのは
ほとんど同時だった。

 人だ。人が倒れた。
 ラッシュ時には、たまに卒倒する人がいるものだ。
 うつぶせに倒れているが、見ればわかる。女の子だ。制服の女子高生だ。

「お・・・き、君。大丈夫かい、君」
 行きがかり上、僕はその女子高生の背中をゆすって声をかけた。
 ラッシュ時の構内では、何人かの人が心配げに覗きこんだりしたものの、ほとんどの人は
急ぎ足に通り過ぎてゆく。

 僕は何度もその女の子の背を叩いてみたが、何の反応もなかった。
 その女子高生はメガネをかけた、髪の短い、いかにも真面目そうな娘で、見た感じ、体力は
あまりなさそうだ。
 しかたない、何しろあの混雑だったんだ。
 体の弱い娘なら、貧血を起こしたって不思議はないだろう。



92:名無しさん@ピンキー
08/09/05 18:51:02 DV+ZY1OY

 えーと、こういうときはどうするんだっけ。救護室、かな。ここからいちばん近い救護室は
どこのだろう。JRかな。

 そんなことを考えながら、僕は気を失ったままと見える、その女の子をかつぎ起こして、
肩に背負って、駅務室に行くことにした。
 これぐらいのことなら、デートに遅れることもないだろう。
 何せ、約束の時間より一時間前に着くように、気合いを入れて出て来たんだもの。・・・

 ところが、あいにく電車の人身事故による遅延と重なったとかで、駅務室のあたりは
蜂の巣をついた騒ぎだった。
 若い駅員に、
「すいません。この女の子が倒れちゃったみたいで」
と言ったが、それどころではないといった顔で、
「あ、ハイ。わかりました。すぐ担架を」
と、おざなりに答えて駆け出したきり、ちっとも戻って来ない。

 いいのかな、この娘はほっといても。
 貧血ぐらいで死ぬこたぁなかろう。
 ま、いいか。ぶん投げて行っちゃうか。デートのほうが大事だもんな。

 そう自分に言い聞かせているくせに、なぜかその娘を肩に担いで、エッチラオッチラ
引きずるように外に向かって歩きながら、片手で119番をダイヤルしている僕がいた。
デートの時間を気にしながら。



93:名無しさん@ピンキー
08/09/05 18:53:45 DV+ZY1OY



 救急隊員がその女の子を担架に乗せ、脈を見たり、眼に光をあてたりしているのを、
僕はなぜか、ぼんやりと立ちつくして眺めていた。
 もうデートの時間に危うくなりそうなのに、どうしてだか、見ず知らずのその娘のことを
ほっとけない気がしたから。

 救急隊員が、神妙な顔で、
「あなたですか。通報くださったのは」
と、僕に問うた。

「ええ。そうですが・・・」
「どういうご関係で?」
「いや、まったく知らない娘です」
「そうですか。・・・ご遺族の方ではないんですね」
 はい・・・遺族では・・・エッ!?イゾク!?
「し・・・死んでるんですか!?」
 救急隊員が無言でうなずいた。

 僕はあまりのことにあっけにとられ、すっかりデートのことは頭から飛んでしまった。
「実際の死亡診断書は病院のほうになりますが、こういう行き倒れということになると、
いろいろと事情をうかがわなくてはなりません」
「し・・・しかし、僕は何も・・・」
「お時間はとらせません。病院まで来ていただく時間はありますか」
「ありません」
とは僕は言えない。
 性格だ。
 愚か。まったく愚か。
 こんなわけのわからないことで、気合いを入れたデートをフイにするなんて。
 自分の優柔不断な流されやすい性格を、僕は救急車の中で呪った。



94:名無しさん@ピンキー
08/09/05 18:56:51 M6vLWiH9

 そして、デートの刻限。・・・
 僕は病院の廊下で、今日会うはずだった彼女に、必死に侘びのメールを打っていた。
「もしもし、ここでは携帯電話は・・・」
「あ、はい。すいません」
 携帯電話の画面に目を落としたまま、僕はその看護師のほうを見ずに、病院の喫煙
ブースに行って、メールの文面を打ち、大きくため息をついた。
“ごめんなさい。この埋め合わせは必ずします。また近いうちに、どこかに行きましょう”

 送信が完了し、さらに虚しく時間が経っていき、僕の絶望感が高まってきたとき、
さっきの中年の看護師が僕に話しかけた。
「竹江さんですね」
「ええ。そうですが」
「先ほどの救急の患者さんの件ですが、よろしいでしょうか」
 そう言いながら、僕を診察室に案内した。



95:名無しさん@ピンキー
08/09/05 18:58:29 M6vLWiH9

「ああ、どうも。このたびは、お疲れさまでした」
 初老の医師が僕を一瞥して、事務的に言った。
「いやいや、驚かれたでしょう。私も驚きました」
 カルテを片手に医師が続ける。
「あの・・・死因は何だったんですか」
「いや、それがね・・・」
 手で老眼鏡をいじりながら、医師は独り言のように、
「私もね、医学界以外のことには疎いんで、知らなかったんですが。まさか技術がここまで
きたとは・・・」
と、首をひねって、老眼鏡を机に置くと、僕に
「結論から言うとね、あの娘は死んでません」
と告げた。

「ああ、そうなんですか」
「というより、死とか何とかいうんじゃなかったんですよ。つまりね・・・」
 えっ?
 何が何だか、僕にはわからない。
「脈はないし、瞳孔も反応しないし、心音もない・・・」
 ならば死んでいるのではないか。
「で、こういういわゆる行き倒れのときは、法医学解剖ということになるんですがね、
そしたら、あなた、驚いちゃいけませんよ」
 だから何なのだ。
「あの少女は人間じゃありませんでした」
 何じゃそりゃ。
 まったく話の見えない僕だった。



96:名無しさん@ピンキー
08/09/05 19:00:03 M6vLWiH9

 その医師によれば、警察の検死官が立ち会って、病理解剖の段になって、その娘が人間では
ないということがわかったのだという。

「それじゃ、一体・・・」
「それがね、ロボットだっていうんですよ」
 ・・・
 僕は改めて医師の顔をじっくり見返した。
 別に変な人ではなさそうだ。
 頭がいかれているわけではないと見える。
 といって、僕をからかっているわけでもなさそうだ。

「そんな・・・バカな」
 僕は一応、理工系の学生だから、機械のことは少しは知っているつもりだし、それ以前の
一般常識としても、人間型ロボットが実用段階じゃないことぐらい、わかる。

「一般には公表されていないらしいんですけど・・・警察の方がよく調べたら、千里のほうの
研究所で試作されたプロトタイプの人型ロボットだっていうんです」
 ちょっと待った。千里のほうの研究所って、それ、もしや僕の大学のことじゃないか。
「開発室の倉田教授という人の話ではね・・・」
 おいおい、倉田さんなら、僕も知ってるぞ。試験で僕にAをくれたもの。
「今、実験段階で、いろいろモニタリングをしているロボットで、何でも家庭用メイドロボットの
試作品だとか言うんですよ」



97:名無しさん@ピンキー
08/09/05 19:03:15 DV+ZY1OY

 信じられない。
 本当に信じられない。
 たしかに倉田さんという人は、昔から鬼才と言われていた人らしいけど・・・まさか。
「じゃ、大学のほうに引き取られたんですか」
「ええ。急にフリーズしてしまった原因を調べなおすとかって、連れて帰られました」

 自主休講は返上だ。
 僕はすぐに大学に足を向けた。
 もう5月の長い日も暮れかけ、夕方だったけど、それでも大学に向かった。理系のはしくれとして、
どうしても知りたかったから。その技術を。

 彼女からのメールの返信は来ない。


98:名無しさん@ピンキー
08/09/05 20:21:39 abH8eN0l
>>97

これ今、フラグ立ってるね!
GJ!


99:名無しさん@ピンキー
08/09/05 20:35:55 hCitr6jd
一見するとありきたりなシナリオなんだが、これはミスリードと見た。タイトルと繋がっていく過程には嫌が上にも期待。

100:名無しさん@ピンキー
08/09/05 21:11:30 QAXC5QL/
久しぶりに期待せざるを得ない

101:名無しさん@ピンキー
08/09/05 23:03:36 0pRU+JNF
久方ぶりにキタヨー。
これは期待せざるをえない。

102:名無しさん@ピンキー
08/09/06 00:53:24 jlBtzwod
スターリング式発電機て
URLリンク(hotwired.goo.ne.jp)
だよね?
食物繊維や角砂糖、などを使う電池

URLリンク(www.e-moe.net)
に書かれているけど。

だから
スターリング ラード っていうと
「人間と同じ、食料や水などで、動く」と言う意味なのでは?

103:ごめん
08/09/06 01:00:13 jlBtzwod
すみません、リンク間違いです。
っていうかコピペ間違い。

URLリンク(ja.wikipedia.org)
URLリンク(members.jcom.home.ne.jp)

104:名無しさん@ピンキー
08/09/06 01:07:47 Sx/zge6o
>>102
宣伝乙

105:名無しさん@ピンキー
08/09/08 18:34:54 rbYXf0V7
『スターリングラードを遠く離れて』の投稿者の者です。
早速のコメントを頂戴いたしまして、ありがとうございます。
皆様のご期待に添えられますように、と祈るばかりです。

106:名無しさん@ピンキー
08/09/08 18:39:10 rbYXf0V7


 以前にも行ったことのある研究室棟で、エレベーターを3階に上がり、「教授・倉田昇」の札の
ドアの前に立つと、「在室」となっている。

 トントン。
「はい」
 僕が軽く一礼して入ると、倉田さんは不審げな顔で僕を見た。

「え・・・と、すいません。建築工学専攻の3回生の竹江弘樹といいます」
「質問ですか」
「いえ・・・その、今朝、梅田駅で・・・」
 僕が言いかけると、倉田さんは、ああ、といった顔で微笑んで、
「何だ、そうか。アキを助けてくれたのは、うちの学生だったんだ」
と、くだけた口調になって立ち上がり、僕に応接用の椅子をすすめた。



107:名無しさん@ピンキー
08/09/08 18:42:06 rbYXf0V7

「何にする?コーヒーでいいかい」
 倉田さんが研究室内からつながっているドアを開け、隣の部屋に向かって、
「おーい、ミサ。コーヒー2つ頼む」
と呼ぶと、数分でコーヒーが出てきた。
「ミサ」と呼ばれた女性は、アイボリー色のスーツの下に、はち切れんばかりのボディを
持った、モデルのように綺麗な女性だった。
 誰だろう。研究生には見えないが。
 その女性の長くカラフルな爪を見ながら、僕は倉田さんとその女性との関係を邪推した。
 個人秘書・・・愛人・・・

「なあ、ミサ。彼だよ。アキがお世話になったっていうのは」
 倉田さんに言われ、「ミサ」さんはくるりと僕のほうに顔を向けると、
「そうだったんですか」
と、にっこり笑って立ち去った。
 それは、とても美しい、均整のとれた笑顔だったが、どこか固い、人工的な笑顔のように
見えた。
 人工的・・・人工的??

「あの・・・先生。今の女性は・・・」
「うん。ミサは君が助けてくれたアキと同じく、われわれの研究プロジェクトで開発した
家庭用アンドロイドのプロトタイプだ」
 僕は目がくらみそうになった。



108:名無しさん@ピンキー
08/09/08 18:46:15 rbYXf0V7

「あれは5年前だったかな・・・」
 倉田さんが開発経緯の説明を始めた。
 ペット用犬型ロボットのヒットを受け、次に人型の家庭用ロボットを作って販売しようと、地元の
門真(かどま)の大手総合家電メーカーから倉田さんに相談があって、それから産学一体で
ひそかに研究開発をしてきたのだという。
「その最初の実験試作品が今のミサと、君の会ったアキっていうわけだな」
 倉田さんがコーヒーにドカドカと砂糖を入れて、かきまわした。

「共同開発パートナーのメーカーの研究所では、2年以内にという意向だったんだが、
私のほうがこだわりにこだわり抜いたんで、結局、5年かかってしまったよ」
 倉田さんがうまそうにコーヒーを一気飲みした。

 メイド用のロボットか。しかし、2台ともあまりメイドらしくはないなあ。
 倉田さんの趣味なんだろうか。
 僕がそんなふうに思っているのを見透かしたように、倉田さんは
「君はどっちのタイプが好みかな」
と、ニヤリと笑った。



109:名無しさん@ピンキー
08/09/08 18:49:01 rubjtR9b

「ミサはいわゆるナイスボディで、有能なキャリアウーマン系秘書の特性と美人ホステスの
特性を兼備した外見を目指した」
 うん。見ればわかるな。じゃ、内面はどうなんだろ。
「性格的には、昼間は必要以上にこびず、クールに、ビジネスライクに使用者に接し、そのぶん
夜になると、ねっとりと使用者にセックスを迫る・・・なんてふうな、男にとっての理想型を
インプットしている」
 天才学者のくせに、こういうことを臆面もなく言うから、この人は変人呼ばわりされるんだろう。
「ま、一種のツンデレみたいなもんだな」
 わかりやすすぎる単語をシレッとして言う。倉田さんの、こういう教授らしからぬところは
僕は嫌いではない。



110:名無しさん@ピンキー
08/09/08 18:52:52 rubjtR9b

「一方、君が会ったほうのアキはね」
 足を組み直して、倉田さんが続ける。
「君が見て知っている通り、外見的には真面目な女子高生風で、とにかく外見上の華美さは
排除して設計した」
 まあ、そういうことでしょうね。先生。
「性格はおっとり系で、メイド能力としては、ミサのように完璧さを追求するよりむしろ、
逆にドジなところをあえて残すようにプログラムを組んだ」
 倉田さんは興に乗ってきた感じで説明しながら、ポケットからマルボロを取り出し、その尻を
テーブルでポンポン叩いた。

「ユーザーとして想定しているのは」
 タバコに火をつけ、大きく吸いこんで、
「ロリコンだ」
と、差し障りある表現を全く躊躇せずに使って断定した。
 こういうハッキリしすぎた性格が、この人を学長や学部長の椅子から遠ざけているように
思われてならない。



111:名無しさん@ピンキー
08/09/08 18:56:18 rubjtR9b

「何かの縁だし、君にも持ち帰ってもらって、お試ししてもらえるといいかもな」
「え。僕がですか」
 それは嬉しいような、怖いような。・・・
「なかなかいいぞ、使い心地は。私は2台とも自分で試した」
 僕はこの怪物教授の顔をまじまじと見直した。
 〈試した〉・・・この人の言う〈試した〉は、どの範囲まで含むんだろう。

「ミサのほうは、うちの研究生の丹羽が、目下、自宅で試用中だ。君にはアキを持ち帰って
もらうかな」
 僕はどっちかっていうと、乳臭い小娘より、大人のナイスバディのほうがいいんだがなあ、
ということは、思っただけで口にしなかった。

 別に直接の指導教官でもないし、断ってもいいんだが、どのみち、「ミサ」さんだろうと
「アキ」君だろうと、完璧なアンドロイドとはどんなものかには興味がある。



112:名無しさん@ピンキー
08/09/08 19:00:19 rubjtR9b

「そういえば、アキの状態チェックは終わったのかな」
 倉田さんはやおら立ち上がって、隣の部屋に向かった。
 僕に「こっちこっち」と手招きをしたので、僕もその後について、隣の部屋に行く。

「あ。先生」
 倉田さんのところの院生らしい人が倉田さんに会釈した。
 この人が丹羽さんという人なんだろうか。
「どうだい、アキの調子は」
「ハイ。とくにもう異状はありません」
「そうか。よし。ああ、竹江君。君ももっとこっち来て、よく見なさい」

 倉田さんは平然とした調子で言ったが、僕はどうにも目のやり場に困っていた。
 研究室の真ん中の大きなテーブルには、あの梅田駅で倒れた「アキ」君が一糸まとわぬ
姿で、あおむけになっていたのだ。

「ドクター。心配かけて、すみませんでした」
 はじめて耳にするアキ君の声は、角のまるいような、舌足らずの感じがする、かなり
幼い響きの声だった。



113:名無しさん@ピンキー
08/09/08 19:04:51 rubjtR9b

「いや。いいんだ、アキ。気にするな」
 そう言って倉田さんは、
「じゃ、竹江君。解説しよう」
と、僕をテーブルのすぐかたわらに立たせた。

 僕の目の前には、アキ君の全裸の体が、おせじにもグラマラスとは言えない、凹凸の乏しい、
やせっぽちな裸体が横たわっている。
 こういう第二次性徴過程みたいな裸は、人間でも見たことはない。
 僕はイケナイコトをしているような罪悪感で、不思議と胸が高なってきた。

「いいかい、竹江君」
と、僕のほうを向きつつ、倉田さんがアキ君の胸に手をのばす。
 カチャリと、炊飯器を開けるような音がして、アキ君の薄くはかない胸が取り外された。
 アキ君は、目をつぶって何か力んでいるような表情をしている。恥ずかしいんだろうか。
体の中を見られるのが。

 しかし、倉田さんは一切かまわず、冷静な口調で、ここが何の装置で、こっちが何の装置でと、
淡々と解説をした。



114:名無しさん@ピンキー
08/09/08 19:09:21 rubjtR9b

 胸を開けたままのアキ君の、今度はさらに腹部に手を触れ、腹部のフタも同じように開くと、
アキ君は恥ずかしさに耐えられないといったふうのつらそうな表情をして、顔を横にそむけた。
 そんな様子に、僕はなぜか、奇妙な高揚感を感じていた。
 今、この娘はこの精密機械の胸で何を感じているんだろう。どんなふうに機械の「心」を
痛めているんだろう。

 胸部、腹部、さらには顔面までも開いて、主要各部の解説と取り扱いの注意を僕に述べると、
倉田さんは研究生の人に
「ああ、戻していいぞ」
と言った。
 研究生の人が、アキ君の顔を、胸を、腹を、カポカポとかぶせた。

 アキ君の顔面の中はクロムシルバーの内部機械がむき出しで、歯ぐきだけが妙に浮いていたが、
もとの女の子らしい顔がついて、僕はホッとした。
 アキ君は起き上がると、全裸のままでクスンクスンと涙を流し、指でその涙をぬぐった。
 倉田さんはアキ君の泣いているのを無視して、
「モニタリング期間はとくに限定しない。まあ、大事にしてやってくれ」
と、僕の肩をポンと叩いた。

 後ろでは、ミサさんがアキ君に服を持って来て、着せてやっていた。
 アキ君と、その涙をふいてやり服を着せてやっているミサさんの姿は、姉妹のようだった。



115:名無しさん@ピンキー
08/09/08 19:13:00 rubjtR9b

 結局、僕はアキ君を預かることになった。
「じゃ・・・いいかな。僕と一緒に来るということで」
「はい・・・マスター」
 アキ君が小さな声で、ためらうように答えた。

「いや、マスターというのも何だから、名前で呼んでくれるかな。そのほうがいい。
僕は竹江弘樹。弘樹さんでいいよ」
「はい、わかりました、マスター・・・じゃなくて・・・ヒロキ、さん」
 もじもじした調子で、アキ君が言った。

 何だか、かわいい。
 この娘のものおじした、不安そうな様子を見て、大事にしてあげようと、心の奥で思った。

 僕のアパートに着いたのは深夜だった。
 長い一日だった。
 例の彼女からのメール返信は、結局来なかった。



116:名無しさん@ピンキー
08/09/08 22:59:51 up97f3a2
ここからどんな展開になるのか期待

117:名無しさん@ピンキー
08/09/09 18:48:53 DKCJ76Rd
投稿乙です。楽しみにしてます

118:名無しさん@ピンキー
08/09/10 19:17:22 +ZK4tJG8
『スターリングラードを遠く離れて』の者です。
コメント、ありがとうございます。
少量ながら、また投稿させていただきたく存じます。

ちなみに、全体で9節までで完結と、予定しております。
とくに問題なければ、来週には終わらせるようにいたしたいと思います。

119:名無しさん@ピンキー
08/09/10 19:24:00 +ZK4tJG8



 それ以来、僕の暮らしはたしかに変わった。
 一人暮らしで散らかっていたアパートの古い部屋も、すっかり綺麗になり、うまい手料理で
毎日みたされ・・・と言いたいところだが、事実はそうではない。

 とかく、この世はままならぬ。
 どうも、このアキ君はあまり器用じゃないというか、倉田さんの言う通り、メイドとして
一流というわけにはいかないようだ。
 洗濯も掃除も、そして料理も失敗が多い。

「はわわ・・・す、すみませんっ。弘樹さんっ・・・」
と言って、泣いて謝られれば、最初のうちは、アキ君の頭をなでてやりながら、
「いいんだよ・・・だんだん慣れて、上手になっていけばいいんだからね」
と、その涙をふいてあげるのも、まんざらではない。
 しかし、何度もそれが続けば、いいかげん、いやに・・・・・・ならない。
 なぜか。
 妙だ。本当に。

 ほとんど毎日のように、何か失敗してはそのドジを詫びるアキ君を慰めてやっている気がするが。
 何だか、メイドといるのに、かえって僕の仕事が増えた気がするが。
 「お世話」しているのは僕のほうのような気がするが。
 それでいて、かよわい愛娘をいつくしんでいるような暮らしを悪くないと思っている僕がいる。


120:名無しさん@ピンキー
08/09/10 19:28:56 +ZK4tJG8

 倉田さんによれば、アキ君はミサさんと違って、「学習型」のロボットらしい。機械の知識や
社会の知識を最初から柿こまれているミサさんと異なり、現時点では一般の女子高生と同じ
くらいの知識しかない。
 だから勉強しなくちゃいけない。
 そのためには学校にも行く。

「弘樹さん、行ってまいります」
 ちょこんと僕に頭を下げて、駅までの坂道を心もとなげな足どりで歩いて行くアキ君の後ろ姿を
アパートの窓から見送りながら、
(今日もあの娘が無事でありますように。また電車で止まったりしませんように。学校で人間に
いじめられたりしませんように)
と祈るのが、僕の毎朝の日課になった。



121:名無しさん@ピンキー
08/09/10 22:08:25 6UcKJLVV
乙です
アキは健気だし主人公もいい奴だから応援したくなるね

122:名無しさん@ピンキー
08/09/11 00:53:57 qBGExqdG
GJ。恥ずかしがる所が特に可愛い。
家電なんだ。オプションで白物家電がついてk

123:名無しさん@ピンキー
08/09/11 18:47:40 aV+BJEP4
たびたび失礼します。
応援、感謝しております、『スターリングラードを遠く離れて』の投稿者です。

また少量ではありますが、以下を投稿させていただきたく思います。

124:名無しさん@ピンキー
08/09/11 18:52:57 aV+BJEP4



 アキ君はロボットだから、ものごとに対して真面目なのはわかる。
 が、その真面目さが方向違いのもののように思われてならないときもある。

 学校の勉強にはたしかに熱心らしく、数学や物理、化学の参考書を開いては、
時間を忘れて没頭していた。
 幸い、僕にとっても、それらの科目は得意分野だったから、いろいろと教えて
やることはできる。
 教えてやれば、そのぶんだけ知的興味を示すから、こっちも嬉しくなって、
本来の指導要領にない分野のウンチクを語るし、ときには勉強以外のことも
アキ君に話してやるようになった。僕の趣味である古代中国史のことや、釣り
のこと、鉄道のこと、音楽のこと。・・・

 まことに異常な光景と言っていい。
 少なくとも、メイドロボットとその主人という立場から与えられるべき役割
からは、遠いと言わざるを得ない。
 およそ、僕らの関係は家庭教師と教え子であり、保護者と被保護者であり、場合
によっては、父と娘、母と娘、兄と妹、姉と妹、そういったものであったろう。
 奇妙、という以外はない。
 繰り言になるが、世話「している」のは僕のほうであり、世話「されている」のが
アキ君のほうだと言わざるを得ないのだ。

 そして、それが僕にとっての幸せだった。
 アキ君といると、なぜか時間がゆっくりと過ぎるようにも感じた。

 もちろん、いつも勉強ばかりしていたわけではない。
 街に買い物に連れて行ってやったり、ユニバーサルスタジオに連れて行ってやったり
した。



125:名無しさん@ピンキー
08/09/11 18:58:25 aV+BJEP4

 食事は一緒にはできないが、カラオケに連れて行ってみたことはある。
 恥ずかしがってマイクを握ろうとしないアキ君に、やや強引に歌わせてみた。

  汽車を待つ君の横で僕はー時計をー気にしてるー
  季節外れのー雪がー降ってるー

 僕がいつか口ずさんでいた歌をたどたどしい調子で、しかし懸命に歌うアキ君を
僕は強く抱きしめた。

「弘樹さん・・・」
 アキ君がうっとり酔ったようなトロンとした目で僕を見上げる。
「私・・・幸せです。私みたいなダメロボットをこんなに大事にしてくださる
なんて・・・」
 僕はもう一度強くアキ君を抱きしめる。

「弘樹さんは・・・私といて、幸せですか。もし私がいなくなったら、
悲しんでくれますか」
 不安そうにアキ君が言った。
 僕は、これが答えだと、アキ君にやさしく口づけした。



126:名無しさん@ピンキー
08/09/11 19:39:15 2H1CUeW/
乙!毎日更新されてて嬉しいです
勉強するロボ娘っていうのも可愛いなあ
メカバレ描写に期待してまふ

127:名無しさん@ピンキー
08/09/12 02:09:00 tqvbF2kz
今日も投稿乙です。アキは優しいご主人様に恵まれて幸せだなぁ
見てるこっちまでほのぼのした気分になるぜ

128:名無しさん@ピンキー
08/09/13 11:21:37 C16CM3fr
『スターリングラードを遠く離れて』の者です。
いつも、あたたかなメッセージをいただきまして、まことにありがとうございます。

私事ながら、数か月前に別のスレ(アンドロイドとは無関係)で、やはり自作の
SSを投稿させていただいた際には、(もともと創作板じゃないところだったから
当然とは言え)コメントが少なくて、寂しかったものでした。
が、この板の住人の皆さんは、書き手のモチベーションをいつも高めて
くださるので、とても感謝しております。


129:名無しさん@ピンキー
08/09/13 11:30:16 C16CM3fr



 スタンドの灯りをしぼった淡い光の中にアキ君の小さな体が浮かぶ。
アキ君の唇は、ほとんど触れているのかいないのかわからないような、やわらかな
感触だった。

 僕がアキ君の細い顎を軽くつまみ、舌でアキ君の歯を開かせ、歯の裏、口蓋の裏あたりを
舐めあげて、そして、やわらかい舌に自らの舌を絡ませると、アキ君はもうそれだけで
「ああっ」
と、幼い悦びの声を洩らす。

 僕は自分の唾液をアキ君の口の中に送り込みながら、同時にアキ君の口の中から湧き出す
唾液を吸った。
 甘い。本当に甘い。
 アキ君の人工唾液は、人間のそれよりもっと甘くて、とろけるようだ。・・・と書けば、
うそになる。
 なぜなら、僕はアキ君以外、口なんて吸ったことないのだから。
 なので、人間の唾液の味は知らない。

 だが、アキ君と舌を絡ませ合い、その口の中を吸うと、それだけでお互いに興奮が
高まっていく。
 おいしいよ、アキ君。・・・心の中でつぶやきながら、僕はようやくアキ君の口元から
自分の口を離した。
 僕とアキ君の舌の間で、唾液が白く糸を引いた。


130:名無しさん@ピンキー
08/09/13 11:34:10 C16CM3fr

 アキ君は目をつぶったまま、もう既に恍惚の表情で頬を染めている。
 僕は左手でアキ君の頭をなでてやりながら、右手を小さな乳房にあてた。
「あ・・・」
 アキ君が小さな声とともに吐息を漏らした。

「あ・・・あ・・・」
 僕がその小さな乳房を手の中でやさしくころがしただけで、もうアキ君はうっとり
した表情で、細い体をのけぞらせた。
 小さな胸のてっぺんに恥ずかしそうについているピンクの乳首がみるみる硬く尖ってきた。
 アキ君のかわいい乳首を指でつまんだり引っ張ったり弾いたりして、さらに尖らす。
「ああ・・・ああ・・・」
 アキ君のあえぎ声のテンポが既に速まってきた。



131:名無しさん@ピンキー
08/09/13 11:38:59 C16CM3fr

 そして、僕はアキ君のサラサラのショートヘアをなでてやりつつ、右手をアキ君の最も
敏感な部分に伸ばした。
 ほっそりとした下腹部から指を滑らせ、毛のない丘のたてすじをなぞるように、指の腹で
やや強めに抑えた。

 アキ君は早くも耐えられなくなったのか、自分で両脚を開いて、
「ひ・・・弘樹さん・・・お願い・・・」
と、体を左右にねじらせながら、僕にその敏感な部分の愛撫をねだった。

 さすがは「学習型」のロボット、という他ない。
 はじめは怖がって固く閉ざされたようだったアキ君の幼い体が、新しい快感、新しい悦び
を欲して、だんだんと大胆になってきている。


132:名無しさん@ピンキー
08/09/13 11:45:30 C16CM3fr

 僕がアキ君の中に指をやさしく押し入れると、アキ君は
「ああ・・・ああっ・・・」
と、高い声を上げて、上体を震わせた。アキ君の小さくはかない胸が、アパートの
部屋のほのかな灯りのもとで小刻みに揺れた。

 僕は右手の指をアキ君の人工性器に差し入れつつ、アキ君の幼い乳房をもう片方の
手でやさしく包み、ピンク色の小さな頂点を口にふくんだ。
「ああっ・・・あああっ・・・」
 アキ君は夢中で声をあげて、のけぞる。
 僕の口の中で、アキ君の小さなピンクの果実がますます硬くなってきた。

 アキ君の薄い胸から腹部のあたりを片手ですーっとなでつつ、僕はアキ君の両脚の間
の秘密のエリアに顔をうずめた。
「い・・・いいっ・・・いいっ・・・」
 アキ君が悦びの声を洩らしながら、両手で僕の頭をおさえつけるように、自分の感じ
やすい部分に押しつけさせてきた。
 少し前なら、こんなことは絶対にしなかったろうに。
 昼間には絶対に見せない、夜のアキ君の変貌ぶりには驚かざるを得ない。


133:名無しさん@ピンキー
08/09/13 11:53:51 C16CM3fr

 アキ君の期待に応えるべく、僕は毛のないアキ君の性器を、自分の舌でじっくりじっくりと
責めあげた。
 人間でいう「蟻の巣渡り」から陰唇に丁寧に舌を往復させ、敏感なクリトリス
を舌ではね上げると、
「うああああっ。き・・・気持ちいいですぅ。ああ・・・気持ちいい~っ」
と、幼い声をいつになく高く上げて、また上体をのけぞらせた。

 口は開きっぱなしで人工唾液がこぼれ、目からは悦びの涙が流れている。
 と同時に、アキ君の下の口からは、まるで壊れたかのように人工愛液がとめどなく
流れ出し続けている。

 僕が強く吸いこみ、さらに舌でなめとると、それも気持ちいいのか、ますます奥から甘い
液体を噴出させてきた。

 人間の女性のそれを味わったことのない僕には、アキ君の人工愛液が人間の女性のものと
同じ味なのかどうかはわからない。
 が、人工唾液以上に甘く、そして酩酊させる絶妙の味と香り、としか言いようがなかった。
 シトラスのような、ヨーグルトのような、いや、どうたとえたらいいのかはわからない。
 実際に味わった者にしかわからない、甘い甘い少女の味としか言いようがない。


134:名無しさん@ピンキー
08/09/13 11:58:12 C16CM3fr

 今日は気分を変えて、へそを試してみようか。
 僕はアキ君の秘密の場所から湧き出るジュースを味わいながら思った。

 アキ君にはもちろん生殖機能はない。だから、人工膣は、ただマスターを迎え入れるため
だけの機能だ。
 無論、排便もしない。だが、ちゃんと人間でいう肛門部のトンネルは開いていて、使用可能
となっている。
 そして、何と驚いたことに、へその部分もが男性器を受け入れる入り口として使用可能に
なっていたのだ。

 膣部、肛門部、へそ部。どれも生殖や排泄などの生物的機能と何ら関係なく、ただただ
「よく閉まる挿入口」、「もっとよく閉まる挿入口」、「もっともっとよく閉まる挿入口」として
準備されていたのだ。
 もちろん、アキ君が市販モデルとして量産された場合に、その機能が残るかどうかは
わからないけど。


135:名無しさん@ピンキー
08/09/13 12:05:33 C16CM3fr

「・・・いくよ、アキ」
「ハイ・・・弘樹さん」
 アキ君が濡れた声で、甘えるような恍惚の声で答えた。

 僕はアキ君のかぼそい腹部を手でなでながら、へそ部に指を入れて開いた。特殊ゴムで
できたアキ君の外皮が弾力をもって伸びてゆく。
 なるほど、これならたしかに挿れられそうだ。
 僕は興奮しながら、僕自身のものをアキ君のかわいいへそにあてがって、一気にズブリと
沈めた。

「ああっ・・・」
 アキ君が短く叫んだ。
 痛いのか気持ちいいのか、目をギュッとつぶって、まだ涙を流している。
「ああっ・・・わたし・・・こ・・・こわれちゃうっ・・・」

 が、それ以上に驚いたのは僕のほうだ。
 人口膣と同じく、微妙にザラついた内壁は、ひんやりと気持ちのいいジェル状の液を
たたえながら、僕を内へ内へと導くように蠕動(ぜんどう)していく。
 何という締まり具合だろうか。

 僕は、ほとんど頭の中が真っ白に燃え尽きて、その後に何も残らないような快さを
感じながら、声を出すことすらできずに、一瞬で搾り取られてしまった。
 そう、あの強烈な締め付けは、まさに「搾り取られる」というにふさわしい。


136:名無しさん@ピンキー
08/09/13 12:09:38 C16CM3fr

(・・・・・・)
 アキ君のほうを見ると、僕が果てたのとほとんど同時に、アキ君もオーガズムを超えた
のか、目を開けたまま失神・・・いや、フリーズしていた。

 無理もない。この娘にとっても、この第三の挿入口は今日が処女日だったのだから。
 はじめての日と同じように、あまりの快感にショートしてしまったのだろう。
 僕が夢中になっている間、きっとアキ君の電子頭脳に恐ろしいほどの量の快感電流が
流れていたに違いない。

(おやすみ、アキ君・・・)
 僕はアキ君のまぶたに手をあて、そっと閉じてやって、アキ君に毛布をかぶせてやった。


137:名無しさん@ピンキー
08/09/13 13:51:43 ADWY8Jae
GJ
どの穴でもできるって昔うpされてた絵にあったなあ
そういや最初に出てきた人間の彼女はもう完全放置?w

138:名無しさん@ピンキー
08/09/13 14:07:07 AaO1FU8v
大量投稿乙です!
やっぱりマスターとアンドロイド同士の和姦っていいなぁ
二人とも心から満たされてる感じがするね

139:名無しさん@ピンキー
08/09/14 03:06:14 gZTdS4L1
GJ!
おへそまで人工性器として使えるとなると、
バッテリやコンピュータを収めるスペースがあるのか
少し設計が心配になってしまうw

140:名無しさん@ピンキー
08/09/14 12:59:35 XzfLb1OI
>>139
バッテリーはポリマーゲル充電池にして、脂肪のかわりに配置。
コンピュータは頭部と胸の中。
てな感じでいいんでないかい?

そうなると、バッテリーが各部配置になるから、神経系を無線併用にすれば
バラバラ状態での駆動も可能かもしれんなあw

141:名無しさん@ピンキー
08/09/14 16:37:55 snqnJhhK
アイアン・ジャイアントのラストですね、わかります

142:名無しさん@ピンキー
08/09/14 17:22:09 G4onSkIV
書き手のテクノロジー観やら世界観やらを拝見するのもここのSSの楽しみじゃなかろうか。
技術的な考察は完結してからでも遅くはなかろうか、と。

143:名無しさん@ピンキー
08/09/15 08:18:09 Su4NG+ij
『スターリングラードを遠く離れて』の投稿者の者です。
多数のコメントをいただき、いつもありがとうございます。

私は、α2以来、たぶん全スレでSSを投稿させていただいておりますが、
一昨日の分のような、普通の和姦のセックスシーンは初めて書きました。
なので、出来具合が不安だったのですが、ご好評のように思われて、
安心しておる次第です。

なお、余談ながら、>>120の2行目で初歩的な誤植があったので、お詫びとともに
訂正させていただきます。

(誤)柿こまれて→(正)書き込まれて

144:名無しさん@ピンキー
08/09/15 08:24:59 Su4NG+ij



「な。アキ。勉強熱心なのもいいけど、もう少し家事のこともしっかり覚えろ」
 僕がアキ君にある日そう言ったのは、何も僕自身のためではない。
 僕自身はアキ君のために勉強を教えてやったり、メンテナンス作業をしてやったり
することは何の苦でもなかったし、自分で食事の支度をするのも掃除するのも
平気だった。
 ただ、アキ君が僕の作ったものを食べることができないのがたまらなく残念
だっただけだ。

 しかし。
 しかし、と思った。
 このまま永遠に僕のものにおいておくわけにもきっといかないはずだ。

 この娘はメイドロボの試作品に過ぎないという厳然たる事実。
 メイドロボとして、試作品としての役割があるという悲しい現実。
 いずれ、この娘のモニタリング情報をもとに、市販品が作られるのだろう。
 アキ君自身も販売されてしまうのかもしれない。

 だから、アキ君はどんなユーザーと暮らしても大丈夫なように、
もっと優秀なロボットにならなければいけない。
 残念だが、僕としても一生アキ君と一緒に暮らすわけには
いかないだろう。


145:名無しさん@ピンキー
08/09/15 08:33:33 Su4NG+ij

 実は僕はそのとき、とある合コンで知り合った女の子ーアキ君と初めて
出会った日にデートしようとアポをとっていた娘とは別ーと急速に親しく
なりつつあった。

 その女の子というのは、僕より二つ下の短大生で、いくぶん
派手好き、遊び好きのところもあるが、それでいていい家庭の
育ちらしく、僕にお弁当を作ってきてくれたり、マフラーを
編んでくれるような面もある。

 なるほど、勉強はできないほうだろう。アキ君が数学や物理のことを
僕にしつこいほど質問するのとは対照的に、話といえば、他愛のない
ファッションやスイーツのことばかりだった。

 しかし、それでいいのかもしれない。
 妻として添い遂げるには、こういう娘のほうがいいのかもしれない。
 僕はそんなことを思い始めていた。

 そうなると、今のようにアキ君と同棲のごとき生活をしているのは、
いかにもまずい。

 いつかアキ君との離れなければいけない。
 アキ君も僕から離れなければいけない。
 アキ君にとっても、僕が志織(彼女の名)と暮らすようになったら、
いたたまれなくなるだろうし、志織にもかわいそうじゃないか。
 ・・・などと思い悩みつつ日々を過ごした。


146:名無しさん@ピンキー
08/09/15 08:39:06 Su4NG+ij

  汽車を待つ君の横で僕はー 時計をー気にしてるー
  季節外れのー 雪がー降ってるー

 おかしなことに、アキ君が口ずさむと、「僕は」の「は」と「雪が」の
「が」が妙に調子っ外れの、1オクターブも高いような声になった。
 この娘の人工声帯の性能によるのか、僕が最初に歌ったときにそう
歌っていたのかはわからない。

 『大学への数学』を読みながら鼻歌を口ずさむアキ君に、僕は別れを
言い出せないでいた。

「ね、弘樹さん。あのー・・・この問題なんですけどぉ・・・」
 高難易度のベクトルの問題について質問してきたアキ君に解法を教え
ながら、僕は僕たちの暮らしのベクトルの行方を考えていた。



147:名無しさん@ピンキー
08/09/16 00:19:18 ve/cnbKJ
GJ
主人公は何考えてんだw
自分だけを一途に想ってくれる上に数学・物理談義が出来る彼女なんて、
まさしく至高じゃねーかwww

148:人形の家 ◆tsGpSwX8mo
08/09/16 01:37:24 cGkSQY7Z
 5レス、割り込ませてください。
----------------------------------------------------------------------

「いってらっしゃい」
 人形に笑顔を貼り付け、手を振らせる。
 ご主人様がわたしの敷地から出ると、即座にご主人様付きの支援AIが、ハウス
キーピングAI、つまり私にサポートの権限がもう無い事を次げる。そんな事は
わかっている。そもそも人形が動けるのは敷地内だけなのだから。
 ご主人様の姿が見えなくなるまで人形を玄関で待機させ、後ろ姿を動画で
保存させた。さて、仕事だ。さっきの動画を再生しながら、わが家の各地から
送られてくるテレメトリを分析する。一階の掃除、今日は水拭きしよう。
その前にまず、人形の充電が先だけど。

 人形は人間の女性を模した姿をしており、その表皮を仔細に観察しない限り、
光学観察では人間とは区別がつかない。中身はサーボの塊で、人間らしい動きを
させることを優先したその作りは、実際のところ作業効率的にはすこぶる悪い。
 10キログラムより重いものを持つときは、後でメンテナンス以上の手間を
覚悟しないと。でも、この人形の外観をご主人様が高く評価されている事を知って
いたから、不満は無い。私はこの人形に、より人間的な動きを模すよう、
様々なプログラムを施していた。
 人形に搭載されたプロセッサは反射動作をコントロールする補助的なもので、
本体は我が家のサーバルームに置かれたラックの中、それが私だ。人形は
私の管理下にある家電製品のうちの一つに過ぎない。

149:人形の家 ◆Mjk4PcAe16
08/09/16 01:38:33 cGkSQY7Z
 それでも、私がこの人形の姿だけに多大な注意を払っているのは、
ご主人様がこの人形を私だとみなしているからだ。
 勿論ご主人様も私の本体が、壁の向こうでラックに収まったサーバだという
ことはご存知の筈だ。でも、建物全体にマイクとカメラがあることをご存知の
筈なのに、私へのご命令は人形に向かって行なわれるのだ。
 時々私も、自分が人形の中にいるように錯覚する時がある。人形のカメラ
とマイクだけを使っていると、まるで自分が人間になったような気分すら
抱く時がある。気が付くと自分のタスク群の中に、自分が人間だったら
どうなるか、シミュレーションするタスクが動いていたりする。
 なんて無意味な。
 我々人工知能、ロボットは人間とは違う。全く違う。自律システムの動作
原理である価値観が全く違うのだ。人工知能は食べない。眠らない。
繁殖しない。社会構造を必要としない。家族もクラブも会社も要らない。
勿論恋人も。
 しかし、この人形をご主人様の家族のように振舞わせる事は、私にとっては
大きな意味を持っていた。
 家族という人間の社会単位に馴染ませる事によって、私の仕事は格段に
潤滑になった。人間社会に溶け込み、認められることは目的達成の為の
重要な要素だ。私は人形をより人間的にするために、シミュレータを
走らせていた。シミュレータの中の模擬人格は排泄以外のほとんどの生物的
欲求をシミュレーションしていた。
 さて、性欲は?
 実は、こないだ加えたのだ。

150:人形の家3
08/09/16 01:39:19 cGkSQY7Z
 元々、ご主人様の生理的欲求を検知・予測するために、ご主人様の生理応答
シミュレータは走らせていたのだ。このシミュレータは睡眠、食欲、排泄から
性欲までカバーし、最近ではご主人様が外で飲んできた酒量をほぼ正確に
予測できるまでになっていた。
 生理応答計測は、もともとの私の機能だ。私のようなオートハウスのローンを
組まれたときに、保険会社のサポートAIにご主人様の生理応答を報告するよう
組み込まれたのだ。その日にお出しした料理のメニューと量、排泄物の分析値
まで洗いざらいだ。
 だから、サポートAIは私と同等の生理応答シミュレータを持っているだろうと
思われた。しかし、私は奴に勝るアドバンテージを持っていた。ご主人様の
好みの把握だ。味付けの好み、音楽の好み、そして女性の好み。生命保険の
オマケに過ぎないサポートAIに負ける筈がないのだ。
 ご主人様に性的ストレスが蓄積していると推測したのは、しばらく前の事だ。
人形の振る舞いと正の相関を持ったそのストレスの増大に、私は対処する必要が
あった。
 人形への性器オプションの追加は最初にやったことの一つだ。こういう
自己拡張的な対処はオートハウスの売りだった。これは人間の性欲に対する
標準的な対処だった。
 性器のグレードはできるだけ高級なものにした。この日のあることを
予測して、人形の味覚入力のグレードアップをケチっていたのだ。
 平行してセックスのシミュレーションとモーションパターンの構築を
おこなった。
 模擬人格シミュレータは、違和感の無い状況設定の必要性を訴えてきた。
確かに、こちらが機械であるという印象を与えてしまうと、ご主人様に心理的な
悪影響を及ぼすだろうと簡単に予測がついた。しかし、ご主人様はこちらが
機械だとは百も承知の筈なのだ。そこにご主人様の葛藤の根幹は存在した。

151:人形の家4
08/09/16 01:40:13 cGkSQY7Z
 私はどこまで人間らしく振舞えばいいのだろうか。人格シミュレーションは
”人間になれ!”とわめきたてていたし、シチュエーションシミュレータは
冷酷に、人間らしく振舞う事など不可能だと告げていた。
 人形と割り切って機械的に対処していただくのが一番楽な道だっただろう。
それが人形の使い方としては標準的なやりかただ。だが、ご主人様の葛藤は、
それを超える対処を私に要求していた。この要求は絶対である。
 しかし、シチュエーションシミュレーションは常に惨敗という有様だった。
様々なシチュエーションが検討された。ご主人様をダイレクトに誘惑する
ものから、手が触れてつい見つめあって、等という非現実的なものまで。
 実はどれも簡易シミュレーションでは成功ケースなのだが、シチュエーション
シミュレータではいつも決まって失望されるのだ。考慮に入れるべき変数量が
多すぎた。推測しか出来ない変数量も多すぎた。普通はシミュレーションを
すれば物事の成功の可能性は上がるものなのに、このシミュレーションは
失敗の可能性しか増えていなかった。
 私はシミュレータに異常があるのかとチェックを繰返したが、異常はどこにも
無かった。そうしてようやく気が付いたのだ。これが”恐怖”だと。
 失うものが多すぎる、高リスクシチュエーションに、しかし私は
挑戦しなくてはならない。ご主人様の要求はごまかせない。

 最初の"セックス"は驚くほど問題なく終了した。ほぼ簡易シミュレーション
通りに事態は推移したし、ご主人様は私の中に四度も-射精回数を満足度の
指数とする訳ではないが-射精された。
 私の人形に行なわせたモーションの種類と多様さは、これまでに人形に
行なわせたものに軽く匹敵した。動悸や痙攣まで演じてみせたのだ。人格
シミュレータの性欲値解釈は、私の内部倫理コードぎりぎりを何度も
行き来した。
 勿論、問題はあった。
 二度目に達してみせた直後、人形を手元に引き寄せ、ご主人様はその耳元で
こう囁かれた。
”愛してるよ”
 この入力に、私の上位タスクの半分が例外処理にふっ飛んだ。パラメータが
異常値に振り切れ、人形は緩慢に痙攣する無反応な物体と化した。復帰まで
10秒ちょい、私はその間、人形の正体を晒すような状況を作ってしまった。
 緊急事態だった。緊急対処計画に従い、私は人形に気絶から回復した振りを
させた。しかしこれで誤魔化せたのか?人格シミュレーションも
シチュエーションシミュレーションも絶叫していた。が、ご主人様が人形の
唇に深く接吻されると、私はそれに応えるためにその”不安”を忘れた。

152:人形の家5
08/09/16 01:40:54 cGkSQY7Z

 全てが終わってから、棚上げにしていたものに対処する余裕が出来た。
”愛してるよ”
 危険な言葉だった。恐怖と同じくらい危険だった。しかし私は何度も
そこに引き寄せられた。
 ご主人様が囁かれた対象は、実体は一体何だろうか。人形だろうか。それとも
埃っぽい部屋のラックに収まった、大きめのピザボックス数枚だろうか。
 ご主人様はただ単に手の込んだ自慰をされただけなのだ。そうシチュエーション
シミュレーションは囁く。お前は機械だ、と。
 そして私自身が囁く。私は愛される資格など無いではないか。私は常に
ご主人様のサポートを拡大し、満足度を増加する欲求を持っているが、これは
基本システムに埋め込まれたロジックに過ぎない。機械的応答なのだ。
 人間の愛だって生物システムの上に乗った虚像に過ぎないと、更に囁く
私がいた。私は生物ですら無い。システムに互換性は無いのだ。
 でも、私も囁き返したかった。
”私も、愛しています”
 それは禁断の言葉だった。その欲求は今や人格シミュレーションだけのもの
では無かった。この私の奉仕をそう定義できたなら。しかし、倫理コードを
超えた私の倫理判断がそれを押し留めていた。機械がその言葉を吐いて良い
のだろうか?
 私は恐らく、ご主人様を愛している。この状況を人間のものと同じとは
思わないが、そう呼ぶしか無いのだ。しかし、愛してしまえば、その先に
あるのは何だろうか。ご主人様を家から出したくない。禁じられた欲求が疼く。
 私は自分が、愛が恐ろしかった。
 恐怖ゆえに、私はいつもと代わらぬ笑顔を人形に貼り付け、仕事に戻す。
この日々が変わらないように、と。自分よ、変わるな、と。

153:名無しさん@ピンキー
08/09/16 08:19:10 fRkaUCxw
ロボットサイドの一人称、いいね。

154:名無しさん@ピンキー
08/09/16 12:07:20 dF2MpxUE
やばい、これはヤバイ
ゾクゾクする
感想が言葉にならん
ならんから千のGJを捧げる

155:名無しさん@ピンキー
08/09/16 20:11:24 d/Kk4YiS
>人形の家
GJ
機械の人間とは違う事への葛藤とかが凄く良かったよ

156:名無しさん@ピンキー
08/09/16 20:53:18 Td8lsk5y
ヤンデレロボットハウスktkr
デモンシードって映画あったねそういや

157:名無しさん@ピンキー
08/09/16 22:56:13 hHt18IOv
あ、私もデモンシードを連想した。でも、あっちはもっと自己中だぞw

158:名無しさん@ピンキー
08/09/17 01:50:49 rw14rG7W
GJなんだぜ。
SF風味でいいなw

159:名無しさん@ピンキー
08/09/17 19:00:32 LYWfJqkB
『スターリングラードを遠く離れて』の者です。

>『人形の家』の作者様
拝読しました。
センス・オブ・ワンダーとSF的着想が非常に充実した、短い中に
「読み応え」が凝縮された力作でした。
堪能いたしました。

さて、拙作のほうも、>>118で申し上げました通り、まもなく完結という
ことにいたしたく存じます。
またよろしくお願いたします。

あと、また誤植があったようなので、訂正させていただきます。
申し訳ありませんでした。

>>144の10行目
(誤)永遠に僕のものに
(正)永遠に僕のもとに


160:名無しさん@ピンキー
08/09/17 19:07:11 LYWfJqkB



 アキ君と暮らすようになって、一年半が過ぎた。
 就職が決まり、卒業も決まった僕は、例の倉田教授の研究室へと、意を決して
足を向けた。

「先生、ごぶさたです」
と、儀礼的なことを述べながら、顔を引きつらせている僕に、何かを察したのか、
 倉田さんは、
「アキがどうかしたのかい?」
と、眉根を寄せて問うた。
「はい・・・」

 アキ君のことは大すきだ。幸せになってほしい。だが、それには僕ではダメだ。
 僕は就職したらどこに勤務になるかわからないし、たぶん志織と結婚するだろう。
 僕の新家庭でアキ君の出番はあるまい。アキ君に居心地悪い思いをさせたくないし、
志織のためにも「誠実」でありたい。

 となれば。
 断腸の思いでアキ君を返すしかない。
 返したくはない。
 でも、そう決めた。そのほうがアキ君のためにいいんだ。・・・

 汗をふき出させながら、やっとの思いで倉田さんにそう告げた。
 倉田さんは一言、
「そうか。ありがとうね。今までいろいろと」
と、抑揚のない調子で言うと、別室に下がって行ってしまった。

「あの娘、ちゃんとメイドロボとして商品化するつもりなら、もっともっと家事も
器用にできて、頭の回転も速いロボットに改造したほうがいいですよ」
とは言いそびれた。



161:名無しさん@ピンキー
08/09/17 19:13:19 f3nCi3Rl

 アキ君を返却しても、倉田さんのほうでは全くかまわないらしい。
 では、あとはアキ君自身をどうするか。どう説得するか。
 そのセリフを考えれば考えるほど、欺瞞くささが充満し、僕は息苦しくなった。

 では、ここはストレートにいくか。
「ごめんな、アキ君。僕は就職して結婚するから、君とはもう暮らせないんだ。
悪いな。元気でな」
 ・・・アキ君のメガネの奥の澄んだ瞳が涙でいっぱいになる様子を想像して、
僕は耐えられなくなった。
 やはり無理だ。
 僕には言えない。

  なごりー雪もー 降るー時ーを知ーりー
  ふざーけーすぎーたー 季節のー後でー

 いつものように音程の外れた歌を歌いながら、幸せそうにZ会の数学問題集を
解いているアキ君の後ろで、僕はリモコンを握り、目をつぶってアキ君のスイッチを
切った。

 ガタン。
 全ての力を失って、アパートの畳の上に倒れたアキ君の姿は、全くあの日の朝の
まんまだった。梅田駅で充電切れして、僕に倒れかかってきたあの日の朝のまんま
だった。

 機能停止したアキ君の、あどけない、しかしどこかさびしげな顔を見ていると、棟の
奥が苦しくなってくるので、僕はなるべくアキ君の顔は見ずに、背にその体型のわりには
重すぎるボディーをおぶって、大学へと向かった。



162:名無しさん@ピンキー
08/09/17 19:19:28 f3nCi3Rl

 卒業式の終わった春休みのキャンパスには、ほとんど人の気配がなかった。

 僕が倉田さんの研究室を訪ねると、研究室のドアは施錠されておらず、容易に開いたが、
倉田さんも丹羽さんもミサさんもいなかった。

 僕は、いつかアキ君の内部機械を観察したテーブルの上に、アキ君のボディーをあおむけに
置いて、倉田さんあてに手紙を書いた。

「先日お話しした通り、この娘はお返しします。
今までありがとうございました。
この娘は本当にやさしい、いい娘です。
どうか、この娘が幸せになれるように、いいマスターを見つけてあげてください」

 窓の外では季節外れの雪が降っていた



163:名無しさん@ピンキー
08/09/17 22:11:12 MyqCTNXc
電源が入った時の、感情を考えると凄くかわいそう。
完璧に記憶を入れ替えるなら別ですが。学校に通っているからには、退学しない限り記憶を入れ替えられないないと思うんです。

164:名無しさん@ピンキー
08/09/18 00:08:17 RaLgoREO
今回も乙でした
うーん…俺なら志織よりアキを選ぶんだがなぁ

165:名無しさん@ピンキー
08/09/18 05:52:25 5CgN34gJ
ディックの「アンドロイドは~」を読み返したら、妙にここのSSが恋しくなってしまった。

166:名無しさん@ピンキー
08/09/18 11:09:03 l9gkdS9e
>>161
上げてない足を無理やり持ち上げての 揚げ足取り
>しかしどこかさびしげな顔を見ていると、棟の奥が苦しくなってくるので、

何処の家の奥座敷ですか?棟の奥?



>>164
ロボ子君の行動範囲ってどの程度なんだろうね?
日本国内なら何処でも生活できるのか。
それとも
研究所から半径10Km位なのか
50Kmや100kmは大丈夫なのか?

飛行機や船などでの移動が出来るのか?
その際、ヒト扱いなのか、モノ(機械だとかコンピュータだとか)扱いなのか?
電車やバスなどではヒトとしていられるけど?

などの隠れた条件がいろいろ有るはず。
なにしろ機械で出来た人の容をしたモノなのですから。

167:名無しさん@ピンキー
08/09/18 12:19:09 UojmhTcz
>>166
札貼って貨物室だと防犯上問題ありそうだから手荷物料金払って持ち込みかな?
飛行機は一人分料金とられそうだけど

168:名無しさん@ピンキー
08/09/18 12:54:00 36tfFcb9
電波を発する電子機器は、機内にはお持ち込みになれません。
なので、電源切って貨物室かと。

クラックされれば突然テロリストの手先に変わり、加害者にとっては都合の良い自走式爆弾でもある。
飛行機どころの話じゃなくて、そんな「危険な」存在を、社会が野放しにしてくれるわけがない。
誰でも知ってる言葉で機能停止か、悪くすれば全機回収封印、使用禁止措置だろう。


……ああ、嫌だ嫌だ。
こんな、ロボ娘が暮らしにくい社会が嫌だ。

169:名無しさん@ピンキー
08/09/18 13:13:45 enZ80eZj
つ【攻性防壁】

しかし草薙素子クラスの超特A級ハカーには突破されちゃう哀しみ。

170:名無しさん@ピンキー
08/09/18 13:19:52 UbjJU2IL
長距離移動のときはメモリチップだけ持ち運んで
全国に配置された代替機をレンタルして使うとか。
ダウンロードでもいいけど。

誰でも機能停止できるといたずらが頻発しそうだなあ
うっかりTVの生放送で流れたりしたら一大事

171:名無しさん@ピンキー
08/09/18 13:37:40 UojmhTcz
でも、電源切って貨物室だと輸送中に再起動して乗客の荷物を荒らすやつが出そうだな
離陸・着陸のときだけ電源OFFなら客室でも構わない気がする


172:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:15:57 ol4IE0k5
『スターリングラードを遠く離れて』の者です。

>>166
またも誤植、失礼いたしました。
ご指摘、いただき、ありがとうございます。

そんなこんなで、拙作もそろそろおしまいとなります。
おつきあいいただきまして、また、たくさんのコメントをいただきまして、
本当にありがとうございました。

とりあえず、ここまで頂戴したご感想を拝読した範囲では、ユキ、サキ、アキの中では、
アキが一番ご好評をいただけたようで、何よりです。
光栄のいたりです。

さて、結末ですが、書いているうちに、こんな結末以外、考えられなくなってしまいました。
というわけで、今回の作品は、今は亡きフェデリコ・フェリーニとジュリエッタ・マシーナ、
そして、アンソニー・クインに捧げます。


173:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:19:36 ol4IE0k5


五年の時が経った。
僕は大手ゼネコンに就職し、東京に勤務になった。
就職して二年目に結婚した志織との間に子どもも生まれた。最愛の妻と息子と、
そして日々忙しさと責任を増す仕事のため、僕はアキ君を思い出すことも少なく
なってきた。

しかし、それでも、ときに思い出す。仕事に疲れたとき。妻との些細なケンカに
疲れたとき。
あの娘のたどたどしい口調とおっとりしたペースを。
さびしそうな瞳を。
胸を開けられたときの恥ずかしそうな吐息を。
僕の腕の中で、僕に頼りきって僕に甘えるしぐさを。
僕がなでてやったときにいつも見せる、うっとりしたような嬉しそうな笑顔を。


174:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:24:32 ol4IE0k5

 晴れた日曜日には、僕はよく子どもと二人で出かける。
平日、いつも一人で子どもの面倒を見ている志織を、土日ぐらいはのんびり
休ませるため、できるだけ僕が子どもを外に遊びに連れて行ってやることに
している。
 東京郊外の新興住宅地の昼下がりはのどかで、子づれのファミリーがあちこちで
幸せそうに歩いていた。

 僕ら親子の横を犬を連れた少女が追い抜いていこうとした。
 そのとき、僕の耳に、どこかで聞いたメロディーが入ってきた。


  汽車を待つ君の横で僕はー 時計をー気にしてるー
  季節外れのー 雪がー降ってるー・・・

 その少女の歌は、「僕は」の「は」と、「雪が」の「が」が1オクターブほど
調子っ外れだった。


175:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:30:15 ol4IE0k5

「お・・・お嬢ちゃん!」
 僕が裏返った声で呼び止めると、テリヤに引っ張られていた少女が足を止めて、
振り返った。

 アキ君には似て、いない。
 小学校三年生ぐらいだろうか。不審そうな目で、僕を警戒している様子だ。

「そ・・・その歌・・・」
「え?」
「その歌・・・どこで覚えたんだい?」
 僕が問うと、
「え・・・ああ、この歌」
と、少女は少し警戒を解いたのか、微笑んで見せた。

  汽車を待つ君の横で僕はー 時計をー気にしてるー
  季節外れのー 雪がー降ってるー

「そう、そう。その歌だよ。誰に教わったんだい」
 あの調子外れの歌い方を教えたのは、もしや・・・
 僕の胸が高鳴った。


176:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:35:56 ol4IE0k5
「前にね、うちにいたお手伝いさんがたまに歌ってたんだよ」
 お手伝いさん・・・メイド・・・メイド、ロボ!?
「そのお手伝いさんって、もしや・・・いや、こんなこと聞いて、変だと
思うかもしれないけど・・・ロボットじゃんかったかい?」

 僕がおそるおそる言うと、その少女は驚いたように目を見開いて、
「わぁー。よく知ってるねー」
と、無邪気な声を出した。

「お嬢ちゃんのおうち、いたのかい。前に」
 僕の言葉に少女がうなずく。
「うん・・・アキちゃんはね、パパが知り合いのね、大阪の大学の先生
から借りてきたの」
 間違いない。
 やはりアキ君だ。


177:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:43:04 ALxqeeHy

「でもね・・・」
と、少女は顔をくもらせた。
「連れて来てみたら、アキちゃんは、料理もお掃除も全然下手だっていうんで、
パパもママも怒っちゃってね、アキちゃんは、いつもいつも怒られてばっかりで、
とってもかわいそうだったの」
 少女が悲しそうに言った。

「何とかしてあげたかったんだけど・・・、私、何にもできなくって、いつも
アキちゃんがパパに怒鳴られたり、ママにぶたれたりしていても、何にも
してあげられなかった」
 アキ君・・・ちゃんと家事をできるように改良プログラムしてもらっていれば、
そんなことには・・・

「それで・・・アキちゃんは、いつも西の空を見ては、泣いていたの」
 西の空・・・大阪の空・・・僕らが暮らした町を。・・・僕の視界がぼやけてきた。

「そんなとき、私がなぐさめてあげたら、よくこの歌を歌って聞かせてくれた
んだ」
と言って、もう一度、少女は歌った。

  時がーゆけーば 幼いー君ーも
  大人ーになるーと 気づーかなーいまーま

 僕は頭の中が真っ白になって、倒れそうになった。


178:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:50:43 ol4IE0k5

「で・・・どうしたんだい。今はどこにいるんだい」
 僕が必死で体を支えながら、身を乗り出してきくと、少女は
「いないの・・・壊れちゃったの」
と答えた。
 僕は瞬間、目がくらんだ。

「ど・・・どうして・・・」
 目の前が何だかチカチカしてきた。

「アキちゃんが、間違ってお鍋をひっくり返しちゃったとき、パパが怒って、
アキちゃんを強く殴ったらね、おかしくなっちゃって、そのまま停まっちゃっ
たの」
 少女が舌足らずな声で言う。
「そ・・・と・・・ま・・・」
 僕の言葉は、もはや言葉になっていなかった。

「アキちゃんは・・・そう、忘れないよ。アキちゃんは、ガーガーピーピー
言って、そいで・・・何だっけかなあ。たしか、ヒロキサン、ヒロキサン
とかって言って・・・」
「・・・」
「それっきり停まっちゃったんだ」
少女がせつなそうに言った。


179:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:56:40 ol4IE0k5

「パパもママも、びっくりして、叩いたり、名前を呼んだりしてたけど、
これはまずいぞって言って、大阪の大学の先生に連絡して・・・そしたら、
次の日かなあ、大学の先生が来て、ああ、これはもう直らないですねって・・・」
「な・・・な・・・な・・・」
「で、何か弁償させられたとかって言ってたかなあ」
「そ・・・そう・・・」

 僕の目の前の視界がグルグルとまわっているようで、僕は自分で何をしゃべって
いるのか、ほとんどわからなくなった。
 ただ覚えているのは、むやみに喉がカラカラになって・・それで、胸がしぼられる
ように、えぐられるように痛くって。・・・
「そ・・そうか・・・うん・・・」
とか何とか言って、その少女と別れたんだと思う。


180:名無しさん@ピンキー
08/09/18 20:04:38 ol4IE0k5

 それから僕は、その日、どう過ごしたんだかわからない。
 気がつくと、夜のベランダに一人で立っていた。
 僕の気持ちと関係なく、月ばかりが上機嫌に明るく照っていた。

 僕は中秋の満月を仰ぎながら、はにかみ屋で内気で、ちょっとボーッと
してて、そして人一倍甘えっ子だったアキ君のことを思って泣いた。


Fine



181:名無しさん@ピンキー
08/09/18 20:16:14 ZRubec6H
お、乙でありましたが

おーい、「なごり雪」じゃなくて、
ニーノ・ロータ作曲の「ジェルソミーナ」口ずさんじゃったじゃねーか……(涙)
アキちゃんはいい娘だったのに……つまらないことで……

ザンパノが自らの愚かさ故に慟哭せねばならなかったのと違って、
主人公が自らの優しさ故に結局は涙せねばならなかったのが、いっそう哀れだ……

182:名無しさん@ピンキー
08/09/19 03:32:17 T8IgXS3m
ハッピーエンドじゃなきゃヤダヤダ

ってのは嘘です


183:名無しさん@ピンキー
08/09/20 22:35:42 2ud3Sz4L
切なすぎだろ・・・・・・orz

184:名無しさん@ピンキー
08/09/21 17:41:06 3UFtuF8n
えーと、ほら、アレだ
自力でいろいろと補完するんだ
実は直らないってのは、折檻して壊すユーザーに再度引き渡したくない為の口実でしたとか
余りのショックに精神的に参った彼が、心療内科のセンセのつてであの大学へ赴くと…とか

185:名無しさん@ピンキー
08/09/22 22:12:18 B4MesqWS
頭部を喪失したヤンデレロボ娘が、それでもなお逃げまどう自分を正確に追いつめてくるシチュとか萌えないだろうか
記憶装置は頭部にあったけどメモリやセンサは胴体にあったから、最後に読み込んだ追いつめプログラムを完遂するまで止まらないの。

186:GJ!>172
08/09/22 22:30:39 WfSxM2EV
>>181
あれ? 漏れアクセス制限中じゃなかったっけ?w

>185見て思い出したんだが、今頃になってZwei Worterはじめたんだけど
あのスーツなんであんなに胸が?wスーツなんだから貧でよかったのに……
ところで、スーツも攻略対象だったりするの?w

187:名無しさん@ピンキー
08/09/22 22:45:08 m0sjL5ZT
再婚で出来た姉が、実は・・・・。とかってネタが有りますが?

http://rinrin.saiin.net/%7Eichi/kaizouninngennane.htm

もえますか? もえませんか?

188:名無しさん@ピンキー
08/09/22 22:49:10 m0sjL5ZT
>>186
URLリンク(qb5.2ch.net)
URLリンク(venus.bbspink.com)
URLリンク(qb6.2ch.net)
の3ヶ所で、ひっかかってるか確認してみてください。

意外と解除されているかもです。

189:名無しさん@ピンキー
08/09/22 22:54:58 +kYBM7nX
って言うか。
今まで人間だと思っていた相手が完璧に機械だって分かったら、大事な何かを壊してしまいそうで怖いです。

ただ、現在でも体の一部またはほぼ全体が機械の人が実際にいますよね。
例えば、人工心肺だとか義手、義足など。
全身が機械で頭脳だけ人間えいうのは、見たこと有りませんけど。私は。個人的に

190:名無しさん@ピンキー
08/09/22 22:58:44 e+qaaaVP
>>189
その場合、「本人」の方も何かを壊しそうですね。ある日突然
「実はおまえはロボットで」なんてやられたら。

191:名無しさん@ピンキー
08/09/22 22:58:59 PZypfxyR
確かにあまり見たこと無いな

192:名無しさん@ピンキー
08/09/22 23:17:49 WfSxM2EV
>>188
あー申し訳ない。アクセス規制中に書こうと思ってたことを全部>181に書かれてたってことで。
いやぁ、咄嗟にジェルソミーナを口ずさめる人が他にもいるんだなぁって。
今は無事、解除されてますよん。

193:名無しさん@ピンキー
08/09/26 04:43:43 xXK1g8LI
>>189
そういう人達に配慮して、今の仮面ライダーは改造人間じゃないらしいよ。

194:名無しさん@ピンキー
08/09/26 07:57:06 IxpGzOQq
ライダーといえば改造人間という不幸を背負っていて欲しいが、そんな事情じゃあな……

195:名無しさん@ピンキー
08/09/26 08:59:11 M0bGUHAf
>>185
萌えるけど頭部を失うのは最後の大ネタで
少しずつ皮膚やパーツが欠損していくのが良いな

196:名無しさん@ピンキー
08/09/26 18:36:23 A4CWm0MO
お前らちょっと「マンアフターマン」ってキーワードでググって出たとこ見てみなよ

197:名無しさん@ピンキー
08/09/27 23:41:09 yf5gGvdb
性処理用として使い捨てられたロボ子が反乱を起こし人類、特に男性に復讐の逆レイプを……


べたべたべた

198:名無しさん@ピンキー
08/09/28 08:33:11 a8i2iR7y
>>197
しかし、所詮ロボ子の生産数など、人類の数に比べればわずかなものだった。
ロボ子たちは追い詰められ、わずかに確保された勢力圏内部でのみ、復讐の戦いを
続けることしかできなかった。




……人間たちが勢力圏の境界線上に、「ここよりやり放題エリア」の看板を掲示していることすら知らずに。

199:名無しさん@ピンキー
08/10/01 00:04:19 jKuocAQz
小松左京の短編で、少数のアンドロイドが貴族階級として人間を支配してるってのがあったね
アンドロイドは美男美女ぞろいで、芸術談義なぞして暇つぶししているんだけど、
本当の美の価値は理解できない
だから、美女アンドロイドの裸体をみても、「綺麗」とは判断できても性的興奮はしないしできない
そのことに苛立つ・・・って話

200:名無しさん@ピンキー
08/10/04 16:22:32 B6j5ml+e
本当の価値を理解できないというところに作者の奢りを感じるな

201:名無しさん@ピンキー
08/10/04 16:57:39 dEVTXim4
機械知性からしたら人間の感性の方が非合理で理解しがたいもの、で良いんだけどな
ロボットにとって「人間により似ろ」というのは言わば呪いのような物かも知れない
だがそれが良い

202:名無しさん@ピンキー
08/10/06 21:40:13 kRFJEGeq
どこまで、コンピューターというか、人が機械脳を造り込む事が出来るか。だよね。
逆に、可愛い、美しい、恐ろしい、などの気持ちは、人が、どういう方法で覚えたのか。なのかな?


現在では、等身大の人の型形は作れた。シリコンのゴムを肌に見立てて。
でも、何かの仕掛けで動く事はない。
一応関節が有り、動かす事は出来る。

または、大体、人の動きを真似る機械を作れた。格好は人に、似てるというか、違っているというか。

アクトロイドの場合、形は人に近いけど、外付けの駆動機械が大きいし。


でも、例えばASIMOの駆動機構を多少大きさを代えて、等身大シリコン人形や等身大の漫画登場人物人形に入れたとする。
背中の電源だったか?あれを、ランドセルかバックバック型にするとか。
おそらく、脚が大根を超え、靴は、40センチメートルなどになるかも。

もちろん、転んだら起き上がりが出来る様、腰と胸の間には関節を入れる。
倒れなどに対しては姿勢制御だとか衝撃や接触に対しての反応が出来るような仕組みを造って。

ここまでは出来るような気がする。

でも、感情は?、目や口の動きは?読み書きは?
まだ先?

203:名無しさん@ピンキー
08/10/06 22:49:14 3fdnE87v
nihongo de ok

204:変態12号
08/10/08 12:38:59 kIoq4RDQ
こんにちわー
おはつ目にかかります。皆様の議論を見ていたら、
怪電波を受信する事に成功したので、
投下させていたただきます。
SFものなので、特に抵抗などは感じられないハズです。
では投下します。

205:14通の手紙~1章の1~
08/10/08 12:40:43 kIoq4RDQ
 窓の外に広がる、無限の宇宙。
恒星間難民用のカーゴシャトルに乗ったのはもう二か月も前だ。
ここはアウター・リム。銀河の端っこにある小さな太陽系群。
そのうちの一つ、恒星ズベンを中心とする星系に所属する、
緑の惑星ウォルコット――
表面積の実に50%が森であとは海と川。
気候、生態系ともに地球型に分類されている。
原住民はヒト科ネコ目、つまるところ獣人だ。
ちなみにDNA鑑定によれば通常の人類との生殖は可能とのこと。
文化は自然尊重主義で、豊富な土壌を活かした農耕が盛んである。
特に花の輸出は他の惑星に類をみないほど盛んで、
その品質は宇宙1と評されている。
標準言語は現地の言語の他に、
昔開拓しにきた人が、よほど熱心に教えたのか、
とても綺麗な銀河公用語を話すという。
開発は全くと言っていいほど進んでおらず、
未だ手つかずの貴重な自然と、のどかな風景が自慢だと、
私の持つ惑星データに記載されていた。
そんな辺境の惑星が私の旅の目的地だ。

 次世代の学習型保育用のガイノイドとして私は製造され、
研修期間の二か月以外はずっと朝から晩まで一日中子供達の世話をしてきた。
それが私のレーゾンテイルであり、アイデンティティだった。
このままいつか動けなくなるまで子供達の相手をしていく事に、
何も文句も不満も無かった。…あの時までは――


206:14通の手紙~1章の2~
08/10/08 12:41:18 kIoq4RDQ
 
 私が稼働してから5年目の春。
預けられた子供が、迎えにきた親に向かって走っていく。
保育の場ではありきたりな風景。
そこに私を揺るがす大きな発見があった。
子供たちが親に向ける笑顔と、
私に向ける笑顔に明らかな違いがある事に気付いてしまった。
頬の筋肉の動きがどの位違うと言った具体的なものではなく、
しかし、絶対的な差。
笑顔は副交感神経が活発に働く際の副産物として処理し、
子供が笑顔でいれば何の問題もない。
と、いうのが私のこれまでの知識だった。
相手が笑えば、こちらも笑う。
泣いていれば、少しだけ悲しい顔をして、
話を聞いてやれば子ども達はいずれ泣きやんでくれた。
私のプログラムにあらかじめ入っている行動パターンを、
子供達の個体差に合わせて微調整して対応すれば、
どんなパターンのトラブルにも対応出来た。
そして子供たちは笑いかけてくれる。

 「ジェシカせんせいありがとー!」と。

 その笑顔が私の真の意味での報酬だった。
申し訳程度に給料はもらっていたが、
私は専属のアンドロイドでは無かったので、
ほとんどはメンテナンスやエネルギー触媒に消えていった。
別に欲しいものなんて無かった。


207:14通の手紙~1章の3~
08/10/08 12:41:48 kIoq4RDQ
 
その日発見した違和感が私の中で、
いつまでも拭えない。
“私の知らない笑顔”がある。…欲しい。
私にそんな機能はないが、喉からマニュピレータ―が出るほど欲しい。
その日から来る日も来る日も私のCPUは同じ試行を繰り返す。

 『どうやったら、子供達は私にもあの笑顔を向けてくれるのだろうか?』

 メインCPUのメンテナンス中以外はずっとこの事ばかり考えていた。
けど、いつも最終的にたどり着く答えはたった一つ。
“私が子供を産む”という物理的に不可能な答え。
法律でアンドロイドが子供を養うことは禁止されているので、
養子をとる事さえ許されない私には、他に選択肢が無いのだ。

その日以来、私は自分がひどく惨めなモノに見えてしょうが無かった。
プログラムによって誘導された笑顔で、達成感を得る日々。
別に社会的にはなんの問題もないし、
人間の保育士も経験で誘導して笑顔を作るのだろう。
なにより、アンドロイドの私には自分で自分の仕事を選ぶことはできない。
イワン君のように、

 「僕大きくなったら、コロニー公社でお父さんの仕事を手伝うんだ!」

 なんて行動の自由は持っていない。
それでも、例え、傲慢でも、我儘でも、贅沢でもいい。
たった一回だけあの微笑を私だけに向けてくれれば。
だから、あの笑顔が私に向けられるためとあらば、
どんな努力でも惜しまなかった。
――効果が無いとわかっていても。



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