09/01/09 03:40:36 CXTYMzZR
―父の葬式には、たくさんの人がきた……。
職業、年齢、性別は幅広く、父が知人にどれだけ愛されていたかわかる。
そんな、老若男女が集まれど、思う気持ちは皆一緒だった。
棺桶にしがみついて離れない小さな女の子。
―おじさんを連れていかないで!!
泣き叫ぶ子供の頭を撫でながら、「ありがとう」と言う。
でないと自分が崩れ落ちてしまう。
この女の子と同じように、父にしがみつき、泣きたかった。
もっと甘えたかった…
遊びたかった…
怒られたかった…
一緒に居たかった………
怒りか悲しみか解らない感情が溢れ出そうになる。
「………姉ちゃんは守らなきゃ。」
最後に父から言われた、
―麻奈美を守れ……
もう家族は姉ちゃんしかいない、俺がしっかりしなきゃ駄目だ。
姉を見ると忙しなくテキパキと行動している。
その後ろ姿を見ると心から感心する。
351:心の隙間
09/01/09 03:43:17 CXTYMzZR
外にでて空を見上げる。
雨が降りそうな曇り空。
昼間なのに日差しがまったくなく、冬独特の乾燥した風が肌寒い。
「……家に帰りたい」
ここから歩いて帰れば30分で帰れる。
でも姉をおいて帰るわけにはいかない。
帰ったら一人になる、それだけは避けたい。
「勇、外寒いよ?中入ろうよ」
自販機で買ったコーヒーを、ベンチで飲んでいると、姉が探しにきた。
「うん、わかった。」
飲み終わったカンをゴミ箱にむかって投げるがゴミ箱からハズれる。
チッと舌打ちしながらカンを拾いにいくと、女性に拾われゴミ箱に捨てられる。
「あっすいません、ありがとうございます。」
慌てて頭を下げ御礼を言う。
「勇……大きくなったわね、三年ぶりかしら?」
どこか懐かしく、優しい声。
「もう、中学3年生になったんだね…」
俺の頭に女性の手が近づいてくる…頭を触られた瞬間、昔の記憶がフラッシュバックする。
全身から脂汗と震えが止まらない。
「勇に触らないで!!」
姉が俺と女性の間に割り込んできた。
「あら…麻奈ちゃん、いたの?あなたも大きくなったわね」
女性がニコッと笑い姉に言う。
「今更なにしにきたの……お母さん」
352:心の隙間
09/01/09 03:46:23 CXTYMzZR
「お父さんに会いに来たのよ」
「ふざけないで!!!お父さんと会ってどうするのよ!?もう関係ないでしょ!!」
「最後のお別れを言いに来ただけよ…」
「ふざけっ「いいですよ…父は中にいますから、どうぞ」
姉の言葉を制して母に言う。
「勇!!!」
「ありがとう、案内してくれる?」
最終的にはどうせ親戚が母を中に入れるので、ここで言い合ってても仕方がない
姉は母を父に近づけたくないのかイラついた雰囲気を醸し出している。
母を父が眠る場所まで連れていくと親戚の目が母に向く。まったく気にならないと言った感じで父に近づき、父の顔をのぞき込む。
「あなた……死んでも優しい顔をしてるのね」
母が父の頬を優しく撫でながら呟く。
「本当に、ごめんなさい…」
母の涙をはじめてみた……それは後悔の涙なのか、悲しみの涙なのかわからないが、それを見た瞬間、今まで母にされたことが嘘みたいに「昔の思い出」となった
。
353:心の隙間
09/01/09 03:48:11 CXTYMzZR
お母さん元気かな……
一年前の葬式以来まったく会っていない。
葬式の後の半年間は姉に辛い思いさせた。
自分が姉に依存してることに半年間も気づかないなんて……。
―「てゆうか、凪ちゃん……早く寝ようよ…」
さっきまでは半分眠てるような顔をしていたのに、ベッドに入るが寝る気配がない。
「お父さん以外の人と寝たことないから……恥ずかしい…」
「今更はずかしいの?さっきまでは普通だったじゃん。」
顔を真っ赤にして布団を頭まで被ってしまった。
そのくせ掴んでる俺の手は離さない。
まぁ年頃なんだろうな……
姉が布団を取りに行ったが部屋を出ていく時に「忘れてる…」と呟きながら部屋を出ていった。
なにかを忘れたみたいだ
よくわからない。
まぁいろいろあったがやっと寝れる!!
明日は凪を帰さなきゃならない。
たぶん今日よりもっと疲れるだろう。
354:心の隙間
09/01/09 03:49:33 CXTYMzZR
―勇は完璧に忘れていた。
私と一緒に寝る約束。
私が人生の中で一番楽しみにしている至福の時。
今日会ったばかりの子にもっていかれた…
一年前、葬式の帰り際、母に言われた言葉。
「私と同じ苦しみだけは味わわないように」の意味が今ではなんとなくわかる気がする。
母も勇を愛していたのだろう…しかし勇は父に愛情を求めた。
結果、母の嫉妬心から愛が歪み、勇を縛った。
母はよく勇にキスをしていたみたいだが、キスでは飽きたらず、その先に踏み込もうとして父にバレたのだ。
自業自得。
私は母のようにはならない、勇を傷つけない。
私が勇を守る。
勇が言ってくれた
「お姉ちゃんは俺が守るから。」
この言葉を聞いて私は決心した。
勇と生きていこうと。
355:心の隙間
09/01/09 03:52:34 CXTYMzZR
……早く布団もっていかなきゃ。
こうしてる間にも私の居場所が無くなっていく。
父の部屋から強引に布団を掴むと階段を走り、布団を引きずったまま勇の部屋にむかった。
勢い良く扉を開けると二人はまだおきていた。
(小学生…おめめパッチリじゃない…)
さっきまでウトウトしてたのに…早く寝てほしい…。
そしたら勇を嘘泣きで私の布団に連れ込もう。
私自身我慢ができなくなっている、早く勇と寝たい!!
頭の中はそのことでいっぱいだ
「それじゃ、電気消すわよ?」
パチッと壁のボタンを押すと部屋が真っ暗になる。
「姉ちゃん豆電球にして。」
凪のことを考えてだろう。嫉妬心が沸き上がってくる
(ダメ、私はお母さんとは違う)
自分に言い聞かせ豆電球にしてから布団に入る。
布団をベッドに極限まで近づけている為、なにをしても止めに入れる。
勇は信用できるけど……凪は危ない。
私がいる限り勇には手を出させない。
てゆうか、豆電球ってなんであんなに心地いい光なんだろう……布団暖か…い…
「………zzZ」
「姉ちゃん……よっぽど疲れてたんだな。」
356:名無しさん@ピンキー
09/01/09 03:54:55 CXTYMzZR
遅くなって申し訳ないです……
今日も少なくてごめんなさい。
多分夜には続きかけると思います。
357:名無しさん@ピンキー
09/01/09 10:09:18 /lAq8iRv
GJ!!
姉ちゃんに萌えた!!
358:心の隙間
09/01/10 03:06:24 m1Fu2zaR
―寝てしまった……
携帯の時計を見るともう3時だ。
0時ごろから記憶が無い…
計算すると三時間、2人の行動を見逃したことになる。
ふと上に視線をむけると、いつの間にか豆電球の光が消えている…
だか、窓から射す月明かりの光が、部屋の中を照しているので、薄暗くてもある程度見えている。
音を立てず上半身だけ起きあがると、ベッドに目をむける。…
「勇?」
「…ウ…ン…」
(かわいい…)
携帯の液晶の光を勇にむけると眉間にシワがよる
少し眩しそうに顔を隠してしまった。
微笑ましい…
(お母さんが手を出すのも……唇触るぐらいなら…)
と考えるが頭を振り邪念を振り払う。
(勇のトラウマになるわ!!それだけはダメよ…)
悪魔と天使が頭の中で戦っていると、横に凪がいないことに気がついた。
「…?」
あれ?どこに行ったのかしら
トイレにしては遅いし多分一人ではトイレまでいけない。
ふと勇のお腹あたりに目をむけると布団越しに膨れ上がってることに気づく。
359:心の隙間
09/01/10 03:10:18 m1Fu2zaR
勇の布団を少し下げてみる……
「………」
パチッ
なにも言わず立ち上がり電気をつける。
「う…う~ん…なんだよ姉ちゃん…眩しいな…」
「その子なにしてるの……」
「はぁ?………おわ!!」
勇もビックリしている、てことは勇も気づかなかったのか…
「zzZ」
凪は気持ち良さそうに勇の服に頭を突っ込み寝ている…そりゃ気持ちいいだろうね。
「凪ちゃん……どこに頭突っ込んでんの?」
「んえ?」
凪は変な声をあげて勇のシャツから頭をだす。
「寝ぼけてたの?服の中に頭突っ込んでたからビックリしたよ」
勇は笑いながら話してるが、私は顔がひきつりっぱなしだ。
私でも躊躇することをサラッとする…これが子供の特権だ。
勇が拒まないと解っているのだろう…なんの迷いもなく、勇の腕に抱きつく。
「……やっぱり布団は別々にするべきね」
「いや、もう大丈夫だろ、凪ちゃんも大丈夫だよね?」
「うん、もうちゃんと寝る」
「そう、それじゃ早く寝なさい」
(今日だけの我慢よ、私頑張れ!!)
また電気を消し布団に入る。
ふぅ……早く朝になってほしい。
360:心の隙間
09/01/10 03:13:36 m1Fu2zaR
―起きたのは朝の七時。
凪はまだ寝ているが姉はすでにおきている。
「姉ちゃん…目の下クマ凄いよ?寝てないの?」
「うん…見張らなきゃ…」
「俺そんなに信用ない?」
「勇じゃなくて……」
よくわからないが、あまり信用されてないようだ…少しショックだな。
「まぁ、いいや。朝ご飯食べようか?」
「うん、今から作ってくるね。」
(少しふらついている…大丈夫かな?)
凪を見るとニヤニヤしながら寝ている。
お父さんの夢を見てるのか、「お父さん」と言う寝言が聞こえる。
俺も葬式の後2ヶ月は父の夢をみた。
夢の内容は決まって同じだった。
父、俺、姉で手を繋ぎ、公園を散歩している。
楽しいが最後に父がいなくなる。
だから葬式の後の半年間、眠れない日が続いた。
寝たら寝ただけ父との別れがまっている。
それがなにより辛かった。
―窓の外を眺めていると、凪が眠たそうにおきてきた。
「よく眠れた?」
「うん、お父さんと寝てるみたいだった」
「ものすごく幸せそうな顔してたよ?なんの夢見てたの?」
「う~ん…わかんない…」
まぁ夢なんてそんなもんか。
361:心の隙間
09/01/10 03:15:07 m1Fu2zaR
今日は学校が休みなので私服に着替える。
凪ちゃんは来たときと同じ服なので着替える必要はない。
勇の部屋を出て、2人で一階のリビングに行く。
テーブルを見ると朝の食卓定番と言ったおかずが並んでいる。
「凪ちゃん、おはよう」
エプロンをはずしながら、姉が凪に挨拶をする。
「…おはようございます」
凪も眠たそうに挨拶をする。
テーブルの椅子に腰をかけると俺の横は凪、前に姉が来る。
昨日みたいに凪と姉に挟まれることは無かった。
朝飯を食べ終わり、ソファーに座ると凪もくっついてくる。
もうすぐ凪ともお別れだ、少しは凪のお父さんみたいに出来ただろうか…。
「……勇」
姉が急かすように言ってくる…。
「わかってるよ、凪ちゃん……携帯持ってるよね?」
「……」
意味が解ったのだろう、俺の手を離してうなだれる。
「家族の人……心配してるよ?迎えに来てもらおうよ」
「……」
「……凪ちゃん…あなたには帰る場所があるでしょ?」
「帰っても誰も私に興味がないもん…」
「心配しない親なんていないよ、」
「……嫌」
ふぅどうしたもんか……警察に電話すれば一番早いのだが。
「……凪ちゃん、あなたいい加減にしなさいよ…」
362:心の隙間
09/01/10 03:16:42 m1Fu2zaR
泣きそうになる凪に言い放つ。
「ずっとここにいるつもり?あなた一人の為に家族の人が探し回ってるかもしれないのに」
なぜか姉も俺のほうをチラチラみながら泣きそうになっている。
「私のことを見つけてくれたのはお兄ちゃんだけ…お母さんが探してくれるわけがない…」
「だから逃げるの?ずっと逃げ回ってるの?」
「……」
姉の発した言葉から凪は喋らなくなってしまった。
「……凪ちゃん、携帯かしてくれる?」
凪の頭を撫でながら問いかけるとなにも言わずポケットから携帯をだす。
携帯を開けると電源を切っているため画面が真っ暗だ。
「お母さんに電話するよ?」
もう無理だと解ったのか小さくコクッと頷く。
凪の携帯から母親に電話をしようとすると姉に止められる。
「勇より女の私のほうが相手を混乱させずにすむから、私が電話するわ。」
「うん、そうだね、お願い。」
凪の携帯を姉に渡す
「凪ちゃん、こっちにおいで。」
凪に向かって手招きをするが近寄ってこない。
あんまり言いたくないが仕方ない。
「……凪ちゃん、俺もお父さんいないんだよ?」
363:心の隙間
09/01/10 03:18:30 m1Fu2zaR
「……え!?お兄ちゃんもお父さんいないの?」
ビックリしたような顔をむけてくる。
「うん、お母さんもお父さんもいない、家族はお姉ちゃんだけなんだ」
「なんでお兄ちゃん元気なの?……寂しくないの?」
「俺も始めは逃げてばっかりだったんだ。寂しいし、時々会いたくなる。でもねお父さんと約束したんだ、家族を守るって。」
凪の目を見て話すと凪も下を向かず話を聞いてくれている。
「凪ちゃんも俺みたいに逃げちゃダメだよ?寂しかったらお母さんに言いたいことを言えばいいよ、ちゃんと聞いてくれるはずだから。」
「……わかった、頑張ってみる…」
「うん、頑張ってね、応援してるからね」
先ほどの落ち込んだ顔よりやや晴れた顔をしている。
唯一の理解者を亡くせば誰だって逃げたくなる。
ましてや小学生…辛いって言葉じゃ足りないだろう。
「お兄ちゃん………抱っこして。」
「うん、おいで」
凪を膝の上に乗せ頭を撫でると俺の肩に顔を埋めてくる。
「○○駅にいきましょう、迎えに来てくれるって。」
姉が電話を終えて、戻ってきた。
「それじゃ、凪ちゃん、いこうか?」
「うん!!」
家から駅につくまで凪ちゃんは俺の手を離さなかった。
364:心の隙間
09/01/10 03:21:52 m1Fu2zaR
―駅につくと、ベンチに座り車で来るらしい迎えを待つ。
大手会社のご令嬢を一日預かったのだ…なに言われるかわからない…
「……大丈夫よ、勇はなにも悪いことしてないでしょ?親御さんもわかってくれるわよ。」
顔にでてたのか姉に慰められた。
三人で雑談していると。
少し遠目に一台真っ黒の車がむかってくる。
「あっ!あれだ!!」
凪が立ち上がり黒い車にむかって指をさす。
「うっわ……」
小さな駅にふさわしくない車が到着する。
ガチャッと助手席から女性が降りてくる。
「凪!!!」
「お母さん…」
その女性は凪に近づくや否や凪を力一杯抱きしめる。
「痛いよ、お母さん…」
「バカ!!ものすごく心配したのよ!?もうあなたしかいないの…だからいなくならないで……」
「うん…お母さんごめんなさい……」
やっぱり子を心配しない親なんていない。これならもう大丈夫だろう。
凪と母親を眺めていると、母親が姉に顔をむける。
「本当にありがとうございます!!なんて御礼をいったらいいか……。」
「いいえ、警察のほうに電話をしようと思ったのですが事情が少しわからなかったので…携帯を持ってることにも今朝気づきまして電話をするのが遅れました」
365:心の隙間
09/01/10 03:25:47 m1Fu2zaR
姉が頭を深々と下げる。慌ててそれに続く。
「いいえ、あなたみたいな人に凪を見つけてもらわなきゃ…今頃どうなっていたか……」
「そう言っていただけると有り難いです。」
「なにか御礼をさせて頂きたいのですが…」
「いいえ、お気持ちだけで結構です。これから用事があるので。」
母親と姉の押し問答が続く。
その間に凪との別れをすませよう…
「凪ちゃん…身体に気をつけるんだよ?」
「…うん、わかった」
「よし、それじゃ握手ね。」
手を出すと凪も手を握ってくれる。
もの凄く疲れた一日だったが。なんだかんだで楽しい一日だった。
凪の目には涙が溜まっている。
「お兄ちゃん………しゃがんで」
凪の言われた通りにしゃがむ。
「目瞑って手を出して…」
「変なイタズラしないでよ?」
笑いながら目を瞑る。
「………お父さんにもしたことないから……」
え?と聞き返すと唇に暖かい感触が触れるのが感じられた。
驚いて目を開けると凪の頬は真っ赤だ。
母親は背中をむけていたので気づかなかったが、姉には見られた。姉の顔も違う意味で真っ赤だ。
366:心の隙間
09/01/10 03:28:26 m1Fu2zaR
―あの子、勇にキスをした……
自分の顔が怒りで熱くなるのがわかる。
ふざけるな!!私の勇なのに!!母親が来たんだからさっさと帰ればいいのに。
母親との押し問答もさすがに疲れた。
「勇…帰るわよ?用事があるでしょ?」
「用事なんかあったっけ?」
「(私と寝る約束よ!!)忘れたの?早く帰りましょ。それでは、娘さんとお幸せに」
勇を無理矢理に立たせて歩き出す。
「ちょっ、姉ちゃん、あっそれじゃ凪ちゃん元気でね!!!」
「うん!お兄ちゃん電話するね!!」
ピタッと歩くのを止める。
「電話?…番号をしってるの?」
「ん?昨日の夜中に番号を教えてって言うから教えたよ」
私の不覚だ……やっぱり寝なきゃよかった……早く家に帰らなきゃ……。
休みの日をもっと有効に使わなきゃ。
2人のために。
母親の最後の御礼を軽く無視して家にむかう。
自宅に帰る途中、もう凪のことは頭になく、勇とどう過ごすかしか頭になかった。
367:名無しさん@ピンキー
09/01/10 04:14:17 yUkrQ/wO
GJ!
姉の逆襲に期待
368:名無しさん@ピンキー
09/01/10 04:16:38 AT1NnQHb
GJ!
369:心の隙間
09/01/10 04:24:52 m1Fu2zaR
投下終了です。
ありがとうございます。
次もなるべく早く投下します。
では
370:名無しさん@ピンキー
09/01/10 19:14:08 TgoUrTFu
GJ
幼女相手に、嫉妬するお姉ちゃんかわいいぜ
371:名無しさん@ピンキー
09/01/10 22:15:54 YuhLe9z4
GJ!!
次回も楽しみにしてます!
372:心の隙間
09/01/11 02:51:29 rCfrNZfi
―やっと落ち着けると思ったのに…。
凪を送り届け別れた後、姉に腕を引っ張られ家にむかっているが、なにか鬼気迫るといった感じでズンズン歩いていく。
「姉ちゃん、買い物にいこうよ、家に食べるものなにもないよ?」
「嫌。」
「姉ちゃん……手痛いからもう離して。」
「絶対にイヤ!!」
離すどころか余計に力が増してくる。
「姉ちゃんどうしたの?なんか変だよ?」
「勇……私との約束を忘れてるの?」
「約束?……」
なんだろう…姉との約束…思い出せない。
「毎週金曜日の夜!!」
考えていると姉が思い出せない俺にイラついたのか、ヒントをだしてきた。
「金曜日の夜………あ!!」
「勇……忘れてたでしょ。」
思い出した…だから昨日からあんなに機嫌が悪かったんだ
「でも凪ちゃんもいてたし…昨日はさすがに無理だよ…」
「だから我慢したのよ…今日まで我慢すれば、昨日の約束を今日に繰り越してもらうつもりだったから…」
俺の手を握り下を向いてしまった…
「……わかったよ、それじゃ今日の夜は一緒に寝よう。」
まぁ、約束だからしかたないか。
「…夜までまてない…」
違う意味に聞こえるから考えて喋ってほしい。
「それじゃ……買い物に行かなきゃ約束は無し…」
373:心の隙間
09/01/11 02:52:32 rCfrNZfi
その言葉を聞いた瞬間、カッと熱くなり、私は勇の頬を叩こうと、手を振り上げていた……
しかし勇は怯まず私の目をジッと見るだけ。
振り上げた手をどこに持っていけばいいか分からず、勇を睨みつける。
ここで叩けば今まで我慢したことがすべて崩れる、勇に嫌われる恐怖から、どこに怒りをぶつけていいかわからず、ただ戸惑うだけ…。
「わかった…それじゃ早く買い物にいこう……」
ここは勇の言うとおりにしよう…ここで揉めても時間が減るだけだ。
「うん、それじゃ行こっか?」
勇が先に歩き出す
置いて行かれないように慌てて勇の隣に並ぶ。
―勇は卑怯だ。
私は姉としての威厳がまったく無いといってもいいだろう。
なにをするにしても勇の側でないと落ち着かない。
今の私の人生はすべて勇で成り立ってるからだ。
―俺が姉ちゃんを守る―
その言葉に私は甘えているのだ。
もし守る相手が私では無く、違う相手に変わったら……
「考えるのは辞めよう……今が幸せなんだ」
自分に言い聞かせる。
そうしないと「姉」ではなく「女」としての感情が溢れ出てしまう。
374:心の隙間
09/01/11 02:53:00 rCfrNZfi
―昔の姉なら喧嘩になれば平手打ちなんて当たり前だった……
ここまで弱らせたのはほかでもない俺だ。
姉を見るとなにか考えごとをしてるのか、上の空で歩いている。
「姉ちゃん前をむいて歩かなきゃ危ないよ?」
そう言うと姉の腕を掴み、引き寄せる。
「分かってるわよ!!歩くぐらい自分で歩ける!!!」
バシッ
「痛っ」
「あっ!!勇……ごめんなさい。」
手を振り払われた……かなり怒ってるな。
まぁ家につく頃には機嫌よくなっているだろう。
そう信じてスーパーに足をむける。
―、スーパーにつくとカゴをもって歩き出すが、休日で人が混雑してごった返している。
「これと…これと、あと野菜売場にいかなきゃ…」
姉は食料を俺が持ってるカゴの中に放り込んでいく。
「…ちょっと姉ちゃん入れすぎじゃない?……」
食料をバンバン入れてくる。
「いいのよ、買いだめすれば毎日こなくてもいいでしょ、それに今日は美味しいもの食べさせてあげる」
いつ機嫌が治ったのだろう……
女性の感情は激しいな。
375:心の隙間
09/01/11 02:53:27 rCfrNZfi
見る見るうちにカゴの中が食料だらけだ。
さすがに重たい…
「………はい、半分。」
見透かされたのか姉がカゴの取っ手を片方掴んだ。
そのまま2人でカゴを持ち、レジの台にのせると、定員の冷たい視線に気づく。
彼女となら気にならないのだが、姉となると、なぜかその目が気になってしまう。
会計をして、買った物を袋に詰め、二つあるうちの軽い方を姉に渡す。
店の中が暖房で暖かかったので外に出ると来る時より寒さが増している。
「寒っ!早く家に帰ろう、身体が寒さを通り越して痛くなりそうだよ。」
「そうね、早く家に帰って布団に入らなきゃ」
「(そのことしか頭にないのか)いや、まだ昼だから、寝るには早いよ」
「私は3時間しか寝てないわ。」
「夜寝れなくなるから、今日はちゃんと夜中に寝ようね」
「ええ、帰ったら寝ましょう。」
……姉と会話が成り立たないので、会話することを辞める。
家に向かって歩いている道中、空から冷たい水の雫が顔に当る。
見上げると、空一面に雨雲が広がっている。
「あぁ~降ってきたな…傘なんて持ってきてないし…姉ちゃん走れる?」
「うん、大丈夫よ、風邪ひく前に家に着きたいわ。」
雨が本格的に降る前に家まで走って帰りたかった。
376:心の隙間
09/01/11 02:54:14 rCfrNZfi
「はぁ、はぁ、はぁ、買い物袋を持ったまま走るのは流石に疲れるね。」
「はぁ、はぁ、そうね、卵割れてなきゃいいんだけど…」
家の前まで走ってきたが、結局びしょびしょになってしまった。
「濡れるんなら歩いてくればよかったな。」
「バカッ、風邪ひいたらどうすんのよ、男手は勇しかいないんだっ?!…か…ら……。」
姉が固まった。
「姉ちゃん?どしたの?」
姉の目線を辿ると自宅の玄関を見て固まってるみたいだ。
「なに?家になにかある……の…」
姉につられて玄関に目をむけると………一年振りに見る母が扉の前に立っていた………
―「おかえりなさい。」
当たり前のように迎え入れるその声は、普段からある日常だと勘違いしてしまいそうになるぐらい、身体に優しく浸透してきた……
「ただ…い…ま。」
あれ?姉ちゃんと2人暮らしじゃなかったっけ?
意味が解らない。
お母さんが帰ってきた?手には買い物袋を持っている。
………懐かしい。
勇は感覚が麻痺して昔の思い出を懐かしんでいる。
だが麻奈美はそうはいかなかった。
母を睨み一言。
―「私達の家に……なにしに来たのよあんた…」
377:心の隙間
09/01/11 03:04:04 rCfrNZfi
今日の投下終了。
また短くて申し訳ないです。
短いときは夜勤だと思ってください。
では。
378:名無しさん@ピンキー
09/01/11 03:36:43 6SL5xfl8
GJ!!
お仕事がんばって下さい!今このスレにはあなたのSSを読みに来てるよ
うなものですから・・・
379:名無しさん@ピンキー
09/01/12 02:18:58 tsLJEkvk
GJ!!
姉の受難は続くよどこまでも
ほぼ毎日更新お疲れ様。スレが作品で伸びる事のなんて健全なことよ
380:心の隙間
09/01/12 05:28:13 L5IYTmpZ
―勇と2人が一番楽しい。
やっぱりあの子は私達の間にいらない存在だったのよ……。
スーパーに行く途中少し大人げない行動をとってしまったけど…見た感じ怒っては無いみたいだし、今日の夜美味しいものを作って謝れば勇も許してくれるだろう。
スーパーに着くと夕食のために必要なものと、5日間ほど買い物に行かなくてすむように、多めに買い込む。
勇を見ると重そうにカゴを持っている。
カゴの取っ手を片方掴むと、一緒に持ち上げレジに持っていく。
―勇との共同作業。
勇は少し照れていたみたいだが私は照れより嬉しさが増している。
スーパーを出て歩いていると雨が降ってきた……
「あぁ~降ってきたな…傘なんて持ってきてないし…姉ちゃん走れる?」
「うん、大丈夫よ、風邪ひく前に家に着きたいわ。」
このまま2人、雨に濡れれば一緒にお風呂に入れるんじゃないかな?…
と有り得ないことが脳裏によぎる。
(2人でお風呂なんて99%無いわ…風邪引いたら元も子もないのにバカね私。)
ため息を吐き、勇を追いかける。
―しかし、その1%に未練が残ってしまい、自然と走る足が遅くなる…。
結果2人ともびしょ濡れになってしまった。
381:心の隙間
09/01/12 05:28:55 L5IYTmpZ
「はぁ、はぁ、はぁ、買い物袋を持ったまま走るのは流石に疲れるね。」
途中から勇が私の足が遅いため袋も持って走ってくれた。
優しい勇の心遣いを感じる…。
「濡れるんなら歩いてくればよかったな。」
罪悪感が少しでるが1%の確率に期待してしまっている。
「バカッ、風邪ひいたらどうすんのよ、男手は勇しかいないんだっ?!…か…ら……(お母さ…ん?)」
なぜ…いるの…よ……私と勇の家に……
「姉ちゃん?どしたの?」
勇の問いかけに気づく。
勇に見せてはいけないと思い、勇を家から遠ざけようとしたがもう遅かった。
「なに?家になにかある……の…」
勇が母を見た瞬間固まってしまった。
―「おかえりなさい。」
おかえりなさい?今更家族気取り?
ふざけるのもいい加減にして!!
そう叫ぼうと一歩前に出る。
「ただ…い…ま。」
その言葉に足が止められる。
たぶん無意識のうちに出たんだろう
勇を見るとまだ状況が把握できてないらしい。
私も母がなぜここにいるか分からない。
ただ私にとって良くない理由には変わりないだろう。
怒りを込めて母に言い放つ。
「私達の家に……なにしに来たのよあんた…」
382:心の隙間
09/01/12 05:29:35 L5IYTmpZ
―姉ちゃんの言葉で現実に引き戻される。
そうだ、何故母がいるんだ?
「二人に料理を作ろうと思ってきたのよ。」
ニコッと笑いながら言う。
母の手料理?なぜ今になって?
「…いきなり?一年間も音沙汰無しで、現れたと思ったら料理って…」
これは本音だ、母の情報なんてこの町にいないってことぐらいしか、分からなかった。
いきなり現れて、料理作ると言われても意味がわからない。
「…私は何回も電話したわよ?ただ勇には繋いでくれなかったけどね。」
母が姉のほうを見る。
「あっ当たり前よ!!家を出ていった人と話す事なんて一つもないわよ!!!」
「なにそれ?……俺は電話かかってきた事すら知らなかったんだけど?」
軽く姉を睨む。
「う…だって……勇は嫌がると思って…それで…わたし…」
小さくなってしまった。
まぁ姉も俺のことを思ってしてくれたことみたいだし……
「ふぅ……まぁ、雨も降ってるし…とにかく家に入ろう、風邪ひくから」
「ちょっ勇!?、なんでこの人も入れるのよ!!?」
「こんな所で言い争ってたってしょうがないだろ?母さんも風邪ひくから、早く家に入って。」
母の背中をぽんと押す。
「ふふっ……ありがとう、勇。」
383:心の隙間
09/01/12 05:30:09 L5IYTmpZ
母を家に招き入れるのは不思議な感じだ。
元々は父と母の家だったのに……
「姉ちゃん、先にシャワー行ってきて、後で俺も入るから。」
姉は無言のまま、何故か悲しそうな表情浮かべ、風呂場に向かった。
「勇…もう高校一年になったのね。」
荷物をテーブルの上に置き母が俺に話しかけてくる。
「うん、身長はあまり伸びないけどね」
「そんなことないわ、カッコ良くなったよ。」
母とはいえ面と向かって言われたら恥ずかしい…
「やめてよ、恥ずかしいから」
「お父さんに似てきたわ……顔も性格も」
「…うん…ありがとう、おかあ…さ…。」
―お父さんに似てる―
それは俺にとって一番の誉め言葉だ。
俺が一番言って欲しかった言葉…
「あ…れ?ははっ…なんで…涙なん…か…」
自然と涙が出てきた…
拭いても拭いても止まらない…
「勇……ごめんなさい……お母さんを許して…」
「え?…お母さん…」
母に抱きしめられる…懐かしく、優しい匂い。
「……うん、もう大丈夫だよ…気にしてないから」
「ありがとう、勇…本当にありがとう…」
―「なにしてるの……」
384:心の隙間
09/01/12 05:30:36 L5IYTmpZ
「ね、姉ちゃん!?はっ早かったね!」
リビングの扉から姉が入って来たのに気づかなかった……
「えぇ…なにかあったら駄目だと思ったから早く出てきたの……で?なにしてたの…」
「つまずいて転けたところを勇が支えてくれたのよ…勇ありがとね。」
母が機転を利かしてくれた。
「う、うん、お母さんも気をつけてね。」
こんな言い訳で姉に通じるのか?
「勇……風邪ひくから早くシャワー浴びてきなさい。」
「うん、それじゃ行ってくるね。」
通じたのかよく分からないが助かった…
(…ただ姉ちゃん震えてたな…。)
「……大丈夫かな?」
姉と母を2人にすることが心配だったが、早くシャワーを浴びて出てくればいいか。
385:心の隙間
09/01/12 05:44:02 L5IYTmpZ
シャワーを浴び、姉が持ってきてくれた服を着て、リビングに向かう。
「あれ?姉ちゃんは?」
リビングに入ると母しかいなかった。
「二階に行ったわよ?」
幸い姉は自分の部屋にいるみたいだ。
「ふ~ん、あっそうだ!お母さんが料理作ってくれるんでしょ?なに作ってくれるの?」
「え~?まだ夕食には早いわよ?でも、楽しみにしててね。」
「秘密なの?まぁ楽しみにしてるよ」
ちゃんと家族らしい会話ができてる。
何年離れててもやっぱり家族なんだな…。
母と話していると、ふと母の髪型に目がいく。
「お母さん、髪短くなったね…髪の色も…」
一年前は茶髪にウェーブのかかったロングヘアーだった。
今はセミロングで綺麗にカットされている…色も真っ黒だ。
「あと…服装もなんか落ち着いてる。」
昔は派手な服装を好んで着てた。
だから子連れでも関係なくアホな男は声をかけてきたりした。
「ふふっもう今年で 37よ?そりゃ、お母さんも落ち着くわよ」
「でも見た目は20代後半ぐらいに見えるよ?」
「そう?…お小遣いあげようか?」
「え?…うん……ありがとう…(500円!?)」
「また言ってくれたら、あげるかもね」
笑いながら呟く母は心から楽しそうだった。
386:心の隙間
09/01/12 05:44:55 L5IYTmpZ
「てゆうか姉ちゃん、降りてこないな…ちょっと見てくるね?」
ふと姉が気になった…
「えぇ…それじゃ食材冷蔵庫に入れとくわね?」
「うん、ありがとう」
母から貰った500円を握りしめ二階の姉部屋に向かう。
こんっこんっとノックをする。
「姉ちゃん、いるんでしょ?下に降りてこないの?」
「……」
「姉ちゃん、入るよ?」
ガチャッと扉を開ける……
しかし姉の姿が見当たらない。
「あれ?姉ちゃんどこにいったんだ…?トイレか?」
部屋を出てトイレにむかう。
こんっこんっ
「姉ちゃん、いますか~?」
「……」
返事がない。
「あれ?ここも違うのか……」
二階には姉の部屋と俺の部屋とトイレしか無い。だとすると……
―ガチャッ。
「姉ちゃん、いんのか?」
自分の部屋だからノックせずに入る。
「姉ちゃん……なにしてんの…?」
よく解らないが、ベッドの上で三角座りしている…
俺に気づくとか細い声で姉が呟く。
「…ゆう……私は勇のことならなんでも分かるわ…。」
387:心の隙間
09/01/12 05:45:27 L5IYTmpZ
「え?いきなりなんなの、姉ちゃん?」
「勇の好きな食べ物、甘い肉じゃが。
嫌いな食べ物、トマト、納豆。
好きな色、緑。
嫌いな色、紫。
好きな動物、犬。
嫌いな動物、蜘蛛。……全部言えるわ」
「うん…あってるけど、それがどうかしたの…?」
「勇の家族は私一人…私の家族も勇一人。2人で頑張って行こうってお父さんとも約束したわ。」
「……」
「あの人は私達を裏切ったのよ!?当たり前みたいに母親面するあの人が許せないのよ!!」
「……でももう四年も前のことだよ?許せないのはわかるけど……ずっとこのまま許さないつもりなの?」
「勇は許せるの!?被害の張本人は勇、あなたなのよ!!?」
「……さっきお母さんが謝ってきた……それで許したよ。」
「なっ!?なんで許せるのよ!!」
「ずっと引きずっててもしょうがないだろ…?」
「………私は認めないわ……勇は騙されてる…」
「姉ちゃん……」
俺じゃ説得どころか逆撫でするだけだな…。
388:心の隙間
09/01/12 05:45:54 L5IYTmpZ
「ゆうくん…抱っこして…」
姉が俺のほうに両手を差し出す…
(ゆうくん…?小学生の時姉ちゃんに言われてた名前だ…なんで今頃?)
「…うん、分かったおいで。」
ベッドに座り姉を膝の上に呼ぶ
「ゆうくん……暖かい」
膝に座ると腕を首に巻き付けてきた。
「ゆうくん…置いていかないで…ゆうくんに必要とされるようにもっと頑張るから…だからお母さんのとこなんかに行かないで……」
「姉ちゃん…大丈夫だから…ほら…泣き止んで」
泣きじゃくる姉は俺の知ってる姉じゃなかった…。
ここで突き放せば、姉は立ち直れないどころか壊れてしまいそうで怖かった……
「…ゆうくん…勇…」
姉から奪った感情と植え付けた感情。
「はぁ~勇の匂…いいい匂い…大好き…」
植え付けた感情が少し多かっただけ
「勇は私の弟―私はゆうくんのお姉ちゃん―」
―自分が犯した罪と罰からは、絶対に逃げられない。
389:心の隙間
09/01/12 05:49:39 L5IYTmpZ
ありがとうございます。
今日はこれで投下終了です。
15日までに終わらそうと思ったけど…無理臭いな…
390:名無しさん@ピンキー
09/01/12 08:29:05 ZuP7XTsy
GJ!!
焦らなくてもいいんだぜ
391:名無しさん@ピンキー
09/01/12 10:47:55 OUqqWm2c
ゲーパロさんを全裸でまってます
392:名無しさん@ピンキー
09/01/12 14:14:06 W1bQWOaD
>>389
GJ! いい依存でした。この姉はいいな。
393:名無しさん@ピンキー
09/01/12 15:37:16 I6DJvaeC
>>389
GJ! 報われない姉ちゃんだが壊れないで欲しい。
394:心の隙間
09/01/13 03:18:36 imylJ3wA
―お風呂から出てきたとき、母と勇が抱き合っていた……
―その瞬間、私は悟った。
……母に勇を盗られた…。
(勇と母を離さなきゃ…)
頭にすぐに浮かんだが唇が思うように動かない…
勇と抱き合ってた母が、私がリビングに入ってきたにも関わらず、勇を離さなかったからだ……
―「なにしてるの……」
やっと振り絞って出た言葉がこんな弱々しい声なんて…
その言葉を聞いて勇が慌ててこちらを向く……
「ね、姉ちゃん!?はっ早かったね!」
……ムカつく……
「えぇ…なにかあったら駄目だと思ったから早く出てきたの……で?なにしてたの…」
精一杯、嫌みを込めて言う…。
「つまずいて転けたところを勇が支えてくれたのよ…勇ありがとね。」
母は言葉の裏に私だけが気づくように「嘘よ。」と言っているのが分かる…。
抱き合ってるのを途中から見てしまってるのだ、そんな言い訳通じるはずがない…母もそれは知っているはず…。
395:心の隙間
09/01/13 03:21:45 imylJ3wA
―勇が風呂場に行けば、リビングに私と母の2人だけ…
気まずい空気が流れる。
「…麻奈ちゃん、大学に行ってるんだって?」
そんな空気の中、母が私に話しかけてくる。
「えぇ……○○大学に……それがなにか?」
「○○大学?……懐かしいわね、お父さんが行ってた大学ね。」
「そう……」
「…麻奈美……私のせいで苦労をかけたわね…本当にごめんなさい…」
「今更なに……?」
「私は親として、してはいけないことをしたわ……あなたには一生許してもらえないかもしれない…ただずっと償っていくつもりよ…本当にごめんなさい…」
「ふざけないで……謝ってもらっても、もう、昔のようにはいかないわ…」
本心で謝ってるのはわかる……
だが母の最終目的が「また勇と一緒に暮らしたい」と願ってるなら私は絶対に許さない……
先ほど、なぜ抱き合ってたのか分からないが、あの行為も母には勇と暮らす第一歩になったはずだ。
家族と言うのは出てたり入ったりできない絆で結ばれているはず…。
そんな謝罪一つで家族に戻りたいなんて、傷つけられた側からすれば許せる訳がない。
「そう……麻奈美……あなた勇に彼女が出来れば、ちゃんと祝福できる?」
―勇に彼女?……なにいってるの?
396:心の隙間
09/01/13 03:25:17 imylJ3wA
「なによ…いきなり…」
「もしも……勇に彼女が出来て…結婚することになったら、あなたどうするの?」
私にその質問をする意味がわからない…「どうもこうも……私は勇の姉よ…姉だか…ら…」
―姉だからどうする?
勇のことを祝福する?
勇の横には私ではなく別の女…
その女と勇は新しい家族を作る…
私はどうすればいいの?
「私は我慢が出来なかった…大事に育てた勇が他の女のとこに行くのが怖かったのよ。」
「私…は…」
「…あなたはこの先、絶対に私と同じやりかたで勇を縛るわ……」
「お母さんとは違う!私は勇のことを最優先に考えて行動するわ!!ましてや勇を傷つけたりしないわよ!!!」
「私も勇を最優先に考えてたわ…なにをするにしても…」
「だったら何故あんなことを勇にしようとしたのよ!?あなた母親でしょ!!?」
「えぇ、私は母親よ…誰よりも勇を愛しているわ…私が産んだんだもの…」
―なにも…言い返せなかった。
勇を語る母には誰にも劣らない絶対的な勇への愛が溢れていた。
「無論あなたも愛している」
「…」
「あなたにも分かる時がくるわ―身体の半身を持って行かれた気持ちがね…」
「ぅ…あっ…」
―始めから母には勝てないんだ…
397:心の隙間
09/01/13 03:26:57 imylJ3wA
私は母から逃げた……
母の本音と現実を叩きつけられた私は勇を守る気持ちを忘れ自分可愛さに現実から逃げてしまった…
勇の部屋に逃げ込んだが無論勇は、風呂場にいて部屋にはいない。
勇のベッドに近寄り布団に顔を埋める…勇の匂い…の他に甘い匂いがする…凪の匂いだ…
「なんで…私には勇しかいないのに…」
今すぐ勇に触れたい…
私の「勇を守る」と言う信念から大きく外れているのは分かっている…
だがもう抑えられない…
勇に甘えたい。
撫でられたい。
匂いを嗅ぎたい。
母や凪と同じように………勇とキスをしたい。
―まただ……勇がいなきゃ不安で仕方がない…ここから動けない……自分の小ささに嫌気がさす…勇……。
助けて…
398:心の隙間
09/01/13 03:31:20 imylJ3wA
―「…姉ちゃん…大丈夫?」
「うん…少し落ち着いてきた……」
姉が泣き出してから30分間ずっと膝の上で抱っこしてたので足が痺れてる。
「勇……私を置いていかないでね…ずっと家族だから…」
俺の頭を姉の手が忙しなく這う。
「……」
「なんでなにも言ってくれないの……」
「いや、うん…分かってるよ…」
「……それじゃ今日は早く寝ましょ…勇こっちにきて…」
「まだお母さんが下にいるだろ?ご飯も作ってくれるし…食べなきゃ悪いよ…」
「勇は私とお母さんどっちが好き?」
「え?」
「私は勇が一番大切よ…?」
「あ…うん…」
「だから…勇もっ「コンっコン」
「勇?食料冷蔵庫に入れたわよ?」
いいところに母が来てくれた……
「は~い!わかったぁ!すぐに降りるよ~」
姉をチラッと見ると扉を睨み殺しそうな勢いで睨んでいる…「姉ちゃん…下に降りれる?」
「うん……大丈夫…」そういうと俺の膝から立ち上がる。
「ふぅ……それじゃいこっか…」
足が痺れてるのを我慢して立ち上がる…部屋の扉を開けると母が立っていた。
「勇、もう料理作っちゃうね?」
「うん、お願い、美味しい料理お願いね。」
「任せなさい、私は料理美味いわよ?」
「ははっ楽しみだね。」
399:心の隙間
09/01/13 03:33:12 imylJ3wA
「……お母さんと仲良く話さないでよ…」
「っ!?」
今の声姉ちゃんか?…すごく冷たかった…あんな声初めて聞いた。
「……でさっ、トマトとか入れないでね?」
姉のほうを振り替えれない…
「勇、あんたまだトマト食べれないの?昔からダメだったわよねぇ」
「匂いがね…駄目なんだよ」
「まだまだ子供ね…ふふっ」
「勇…聞こえないのお母さんと仲良く話さないで。」
今度は耳元で囁かれる。
「……」
―この日を境に麻奈美は母親の予言通りに勇の心を縛り付け、1ヶ月後には勇を壊してしまうことになる。
400:心の隙間
09/01/13 03:36:30 imylJ3wA
見てくれてる方ありがとうございます。
短いですが今日は終了です。
401:名無しさん@ピンキー
09/01/13 12:08:30 Ks4R1OAe
めちゃくちゃこえーよ!!!エ、エロは……?
402:名無しさん@ピンキー
09/01/13 21:05:01 0U4UPnU/
・・・これヤンデレじゃね?
403:名無しさん@ピンキー
09/01/13 21:51:25 imylJ3wA
>>401
エロパロだもんね…
エロいれなきゃ駄目かな?
>>402
俺はヤンデレでも依存でもどっちでもいいけど
ヤンデレってあれでしょ?
殺す!みたいな感じのやつでしょ?
人にたいして怪我させたり殺したりしないから安心してみてくださいね。
404:名無しさん@ピンキー
09/01/13 21:54:27 lby/JXbU
NO、刃傷沙汰=ヤンデレではない。
405:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:01:56 RxhkHtmn
エロは? あくまで個人的な要望なんだが女言葉はそこまできつくなくても
いいと思うぞ。
406:心の隙間
09/01/13 22:41:44 imylJ3wA
―私の犯した罪は計り知れないほど大きく、絶対に消せない…
家族を失った私は自暴自棄になり、死のうと何度刃物を手にしたか……
しかし死ねなかった…
もう一度勇と話がしたい…勇に触れたい…私の感情は高まるばかりだった…
いくら家に電話しても麻奈美が切ってしまう…
勇の携帯番号を知らないので家電に頼るしかなかった。
―そして会いに来てしまった。
…しかし家には誰もいないようだ…私は落胆したが何故か少しホッとしていた。
勇に会えば私はまた昔の罪を繰り返すんじゃないかと考えてしまったからだ。
「ふぅ……しょうがないわね……帰るしかな……い…」
後ろを振り返り家を離れようと一歩踏み出すと小さく聞こえる懐かしい声………勇?…
私の前に勇がいる…話しかけなければ。
麻奈美が私に気づいた…その顔は嫌悪感一色だ……
勇は私を見ればどんな顔するだろう…怖い…
―勇が姉の異変に気がつき、姉の目線を追って私を見る……久しぶりの勇の顔……ドキッとした。
その顔は拒絶でも喜びでもなかった。
「おかえりなさい。」なぜこんな言葉がでたのかわからない……ただ…勇の声が聞きたかった…
「ただ…い…ま。」
407:心の隙間
09/01/13 22:42:17 imylJ3wA
当たり前のように返してくれた…嬉しい。
勇の久しぶりの声は私の耳を通り抜け身体全体に染み渡る。
私の子……。
私の勇……。
一年前と比べてまた一段と若い頃の父に似てきた。
今でも私の旦那はあの人以外は考えられない、私にはあの人しかいなかったからだ。
私とあなたの間に出来た2人の子供…
麻奈美が産まれた時は2人で抱き合って喜んだ…麻奈美は私と父平等に甘えた…。初めての子供、可愛くて仕方なかった…それから三年後…勇が産まれた。
この時もあなたは男の子が産まれたって物凄く喜んでくれた。
でも勇は私にしか懐かず、あなたを困らせたわね。
それが成長して行くにつれ母親から父親に移行する…
私に甘えることは無くなり、なにかあればあの人に話した…。
学校のこと、友達のこと、悩み。
すべて私に報告していたのに…
初めは年頃だからしょうがない、と諦めていた。
―小学3年生の時4人で祭りに行った帰り、勇は父におんぶをねだった、私がしてあげると言った時、勇の「お父さんがいい」と言う言葉に私の心にある何かが弾けた…
この時初めて勇に必要とされたいと強く思った。
408:心の隙間
09/01/13 22:42:43 imylJ3wA
―「それじゃ、またご飯作りに来てね、お母さん。」
「えぇ、私はいつでもいいわよ?たまには電話してきてね」
母の料理をごちそうになり母を玄関の外まで送り届ける。
「勇、ありがとうね…私、拒絶されるかと思ってたから…」
「もういいよ…姉ちゃんにも言っとくから。」
「ありがとう…それじゃ、またね」
手を振り母を見送るが名残惜しそうな母の顔が脳裏に焼き付く…
「もう帰った……?」
玄関の扉から姉が顔を出す。
「あぁ…もう帰ったよ…また料理作ってくれるってさ。」
「……風邪ひくから早く家に入って。」
「うん…」
姉の言うとおりに家に入ると、姉に抱きしめられた。
「姉ちゃん、痛いよ…」
「少しだけ…少しだけこうさせて…」
「……(どうしよう…)」
「それじゃ、もう遅いから勇の部屋にいきましょ」
まだ8時だが仕方ない、これ以上伸ばしたら本気で切れそうだ。
姉と二階に上がり、俺の部屋に向かう。「……やっぱり私の部屋で寝よう。」
「は?なんで?姉ちゃんのベッド狭いじゃん。」
「いいのよ、いきましょ。」
いきなりなんなんだ?
409:心の隙間
09/01/13 22:43:06 imylJ3wA
姉に連れられ姉部屋に入る。
あまり姉の部屋には入らないので少しドキドキするが、部屋は昔とそんなに変わっていない。
年頃の女性の部屋にすれば、少し落ち着いてる気がする。
「勇…寒い…」
俺が部屋を見渡している間姉は一切俺の横を動かなかった。
「うん、それじゃ寝よっか?」
姉のベッドに俺が先に入ると。後から姉がベッドに入ってくる。
「……やっぱりちょっと狭いね」
「うん…」
小さいシングルベッドに大人2人が寝るとやっぱり窮屈だ…姉の身体が背中にピタリとくっついている。
「やっぱり俺の部屋に行こうか…」
「ここでいいよ…暖かいからこっちのほうが寝やすい…」
「……」
こんなんで寝れるのだろうか……
「勇、こっち向いて」
「え…なんで?」
「勇の顔が見たいから…こっち向いてよ…」
「……」
なにも言わず振り返ると、姉と俺の顔がスレスレの位置にあるのがわかる…
410:心の隙間
09/01/13 22:43:34 imylJ3wA
「ははっ、ちょっと恥ずかしいね。」
「うん、ちょっとね、でも勇と一緒に寝ると落ち着くわ…」
「そだね、もう寝よっか?」
「うん…」
寝れるかわからないが早く寝てしまおう…。
―――――――――――――
「……」
「……」
「勇…寝た…?」
「……zzZ」
「ごめんね…お姉ちゃん弱くて…少ししたらまた頑張るからね……」
「…zzZ」
「……チュッ……おやすみ…」
「!?……zzZ………(姉ちゃん…)」
この日を境に一週間に一度だった約束が4日に一度になった。
411:心の隙間
09/01/13 22:46:00 imylJ3wA
スイマセン、朝の続きこれで終わりです…
次はなるべくまとめて投下します
412:名無しさん@ピンキー
09/01/14 22:36:10 AmJNWoez
俺が思うに
依存=献身的、自己犠牲的な感じ
ヤン=独占、自己中心的な感じ
まあここでも一度話し合いがあったと思うけど。
なにはともあれgj
413:名無しさん@ピンキー
09/01/14 23:35:24 vKHaTys6
勇みたいのを魔性って言うんだろうなぁ
414:名無しさん@ピンキー
09/01/15 06:17:17 frr4qOqP
test
415:心の隙間
09/01/15 07:46:33 an/+82FO
今日仕事から帰ってきたら投下します。
416:名無しさん@ピンキー
09/01/15 20:46:22 3DMxBHww
待ってます!!!
417:心の隙間
09/01/15 22:12:32 an/+82FO
―母が夕飯を作りに来てくれてから二週間、あれから姉が俺の部屋に居る時間が倍近く増えた。
一週間に一度の約束も4日に一度になってしまった……姉から泣きながら頼み込まれたからだ。
それも姉の小さなベッドで寝るから体の節々が痛い。
「はぁ……」
最近ため息をよく吐くようになった…あまり身体の調子も良くないな…
授業の内容もあまり頭に入ってこない。
今も授業中だが空ばかり見てしまう…。
―「あんた…大丈夫?…」
隣席の女子、に声をかけられる。
「ん?あぁ、まぁちょっとね。」
「なんか最近元気ないみたいだけど…悩み事?」
異性の中で一番仲がいい女子かもしれない。
話しやすく、あまり気を使わなくてすむから楽だ。
「まぁ…家族のことだから相談しようにもね…」
「そっか……まぁいつでも相談してよ!!私が答えれる範囲でよければ、いつでも相談にのるからさ!!」
「ありがとう……あと授業中だから静にな?。」
周りを見渡すと全員俺達のほうを見ている……立ち上がり話しているこの女子は周りをキョロキョロと見ると顔を真っ赤にし小さく「バカ勇!」と言うと椅子に座り直した。
418:心の隙間
09/01/15 22:12:58 an/+82FO
キーン、コーン、カーン、コーン。
―「ふぅ…やっと終わったな。」
今日は学校が終わる時間まで空を眺めていた、
いつもは長く感じる学校の時間も今日ほど早く感じた日はないだろう。
―「勇、帰りにマック行こうぜ!腹減ってしょうがねぇよ。」
いつも一緒に帰っている男友達が話しかけてきた。
「は?、今日って部活無いの?」
「おう、三年生はもうすぐ卒業だろ?なんか三年生だけでパーティーするらしいよ。」
「なんだそりゃ?部活関係無いじゃん。」
「まぁ、集まって何かするってことが無くなるから羽目外したいんだろ。」
まだ一年だからわからないがやっぱり寂しい物なのか…
「まぁ、部活無いならべつにいいよ?」
「んじゃ、行こうぜ。」
―「勇~!!」
2人で一階まで降りると。
授業中、俺に相談にのると言った女子が俺の名前を呼びながら走ってくる。
「なんだ?走るなよ、転けるぞ」
「いや、校門に勇の知り合いが来てるわよ?」
「俺の知り合い…?誰だろ…」
「女の人だったよ…綺麗な人だったけど…あんた彼女いたの?」
「はぁ!?かのじょぉ!?勇……おまえ裏切ったな…」
419:心の隙間
09/01/15 22:13:25 an/+82FO
「ははっ裏切ったって。」
「なに笑ってんじゃボケ!!おまえは俺と同じように部活一筋の親友だと思ってたのに…女なんかの尻追っかけやがって。」
いきなりなにキレてんだ?
「いや、おまえだって高橋(女友)とつきあってたじゃん」
「ちょっ!!私は大樹(男友)とつきあってなんかいないわよ!?」
「まぁ、つきあってたのは本当だな…手も握らせてくれなかったが…」
「立派な彼氏彼女だよ。頑張れ」
「3日間だけよ!!今はなにもないわよ!!」
「すんげー必死だな…流石に傷つくぞ?」
「まぁ…仲良くな?俺は知り合いって奴を見てくるわ」
「まて!!おまえは俺とマックの約束があるはずだ!!」
「いや…まぁ、また明日な。」
「ヤダ!!約束だ約束!!」
姉ちゃんが男ならこうなるのか…
「てゆうか、本当になにも無いからね!?勘違いしないでよ!!?」
ギャーギャーと騒がしいな…似たもの同士で良いと思うけど…
「高橋…わかったから大樹をなんとかしてくれ……涙でボロボロじゃないか」
420:心の隙間
09/01/15 22:13:48 an/+82FO
「高橋頼むからな?」
「えぇ…誤解しないでよ?私と大樹は本当になにもなかったからね」
まだ言ってんのか…
「勇!!ちょ、ちょっと待てって!!Sサイズならなんでも奢ってやるから!!なっ!?」
「(なに言ってんだこいつ?)……んじゃ、また明日ね」
靴を履き替えて校門に向かう。
後ろで叫び声が聞こえるが無視しよう。
今は大樹より、校門で待つ女性だ…
―校門まで走ってきたが、どこにいるんだ?
「(いないじゃん…)」
周りを見渡してもいない…
「新手のイタズラか?」
するとヴーヴーッとポケットの携帯が震動する。
携帯を開いてみると画面には「姉」と表示されている。
「メール?なんだろ…」
『勇、迎えにきたよ~!○○駅に先に行ってるから、後で追いかけてきてね』
姉ちゃんが迎えに?校門の女の人って姉ちゃんか…
「でも珍しいな…姉ちゃんが迎えにくるなんて…なにか用事かな」
ここでウロウロしててもあの2人に捕まる恐れがある…よく解らないが一応駅に向かおう。
421:心の隙間
09/01/15 22:14:08 an/+82FO
―駅の改札口に着くと姉に電話をする。
「姉ちゃん今どこにいるの?」
『えっとね、三番線ホームのベンチに座ってる。』
「わかった、そこで待ってて。」
姉との電話を切り、三番線ホームを目指す……
学校帰りの生徒達が数多く、少し混雑している。
階段を登り三番線ホームにたどり着く。
「どこだろ……」
周りを見渡すが生徒だらけでまったくわからない…歩くことすら困難だ。
―「…勇」
「姉ちゃん!?ビックリしたぁ~」
肩を叩かれ後ろを振り向くと姉が立っていた。
「姉ちゃんよく後ろ姿だけで俺だってわかったね」
老若男女いるがほとんど俺と同じ学生に通う学生だ。
「弟の後ろ姿見間違えるわけないでしょ?」
「ふ~ん、まぁいいや、なにか用事があったの?迎えにくるなんて珍しいじゃん。」
「ん?べつに用事なんてないわよ?」
「は?じゃあなんで来たの?」
「……駄目だった?…嫌なら今から帰るけど…」
「いや、俺も今から家に帰るから一緒に帰るけど。」
「それじゃ帰りましょ。」
422:心の隙間
09/01/15 22:24:59 an/+82FO
電車に入ると後から後から人が入ってきて、10秒もしないうちに満員になってしまう…
姉は運良く座れた(譲ってくれた)みたいだが俺は座れなかった。
なんとか姉の前を確保することが精一杯だった。
「勇、交代する?」
「お姉ちゃんに立たせるわけにはいかないでしょ?大丈夫だよ30分ぐらいだから。」
「そう…辛くなったらいってね?」
「立つぐらい日常茶飯事だよ、気にしすぎだって。」
「うん……ギュッ……」
「……」
最近は一緒に居る時、俺の身体のどこかに触れていないと落ち着かないらしい。
誰が見ても姉の依存が悪化してるのはわかる。
姉にカウンセラーを勧めたが拒否反応が凄まじかったので断念した。
目を瞑り昔のことを思い出す…
昔は元気な姉だった。
美人と言う言葉が、そのまま当てはまる姿と、誰にも負けない強気な性格で姉の周りには人が耐えることは無かった。
姉に頼る人もいっぱいいるだろう…俺もその一人だ。
423:心の隙間
09/01/15 22:25:20 an/+82FO
俺に費やした時間が姉から周りの人間を遠ざけた。
周りからの誘いをすべて拒否し、休みの日を俺の為に使いだした頃から多くの人が離れていってしまった…
地元の友達はいるみたいだが、やはり大学の友達を作ってほしい。
そして大学生活を満喫してほしい。
一番世話になってるからこそ姉には一番幸せになってほしい。
本当にそう思う。
―「勇…着いたわよ?」
姉の声に現実へと引き戻される。
姉と一緒に降りて改札口を通り抜ける。
「勇?空見て…綺麗…」
「お?雪だ…積もるかな?」
「夜も降り続けば積もるかもね…」
「寒いねぇ…早く家に帰ろうか?」
「勇は右手に手袋付けて、私は左に手袋付けるから…はい反対の手は繋いで帰ろっ」
「恥ずかしいよ…」
「え?あっ……そっか…それじゃ勇が手袋使って言いよ?私は平気だから…」
「ははっ俺は手袋なんかしたことないよ、大丈夫だよ、お姉ちゃん使ってよ」
「え…でも…霜焼け出来るかもしれないし…」
「大丈夫、寒さには強いから」
「そう…そ、それじゃ…えっと…」
「……わかったよ、手袋片方付ければいいんだね…ハイ、繋ぐんでしょ?」
「!?……うん!!それじゃ帰ろっ!!」
424:心の隙間
09/01/15 22:26:00 an/+82FO
家につくと服に付いた雪が溶けて結局びしょ濡れになってしまった。
「お風呂沸かしてくるね?タオル持ってくるからちょっと待ってて!」
「わっ私も行く!」
慌てたように姉が俺の後を追ってくる。
「ハイ、姉ちゃん、タオル。」
姉にタオルを渡すとありがとう、と言い身体を拭き始めた。
10分経ち風呂が沸いたので姉を先に入れさせようとしたのだが、姉はとんでもないことを口走った。
「一緒にお風呂入る…とか…」
「え?」
思わず聞き直してしまった。
「いや、風邪引いたらさ…アレだから…」
「流石に…ね…先に入っていいよ?」
「うん……わかった…」
「……(一緒に風呂はやばいな)」
姉がでた後、俺もすぐに入ったが、何故か俺ではなく姉が風邪を引いてしまった…。
―やっぱり風邪か…風呂でた後姉の顔色が悪かったので熱を計れば38℃という高熱表示がされている。
「今日は大人しく寝なきゃ駄目だからね?」
「勇はどこいくの?」
「風邪移るといけないからさ、自分の部屋で寝るよ。」
「そう…たまに勇の様子を見に行く…」
「いや、風邪引いてるのお姉ちゃんなんだから俺が様子見に来るよ」
「わかった…なるべく早く見に来てね?」
風邪で余計に心細くなっている。
425:心の隙間
09/01/15 22:26:40 an/+82FO
一応明日は姉の看病で休むつもりだった…
だから一時間ごとに姉の部屋を覗いた…姉は苦しそうにしながらも俺が顔を覗かせると布団から出ようとする…
俺が行くから寝れないのかと思い
行くのを止めると今度は姉が部屋を覗きにくる…
どうにも姉の身体が休まってる気配が無かったので
俺も姉部屋に布団を敷いて寝ることにした。
約束の日では無いこの日に姉部屋で寝ることが姉自身嬉しかったようで。
一人はしゃいでいる。
姉を落ち着かせお腹をさすると10分もしない内に寝息をたて始めた…
「……本当に子供みたいだな」
小さく呟くと光を豆電球だけにし自分も床につく…
この小さな病気が麻奈美の依存を加速させることを勇はまだしらない…。
(病気や怪我をすれば勇は構ってくれるんだ…)
426:心の隙間
09/01/15 23:04:48 an/+82FO
ありがとうございます。
今日はこれで終了です、
次もなるべく早く投下します
427:名無しさん@ピンキー
09/01/15 23:35:57 yoaZqWID
GJ
姉にミュンヒハウゼン症候群の兆候が…
428:名無しさん@ピンキー
09/01/16 00:30:38 pc+9LDmZ
GJ!姉ちゃんかわいいな!
これから、エロのデプシーロールが始まるわけですな
429:名無しさん@ピンキー
09/01/16 00:57:54 sHC//RZe
あー、たまらん!!
GJ!!
430:名無しさん@ピンキー
09/01/16 13:28:14 KteqC19J
( ´Д`) <まだ続くの?。。。。
431:名無しさん@ピンキー
09/01/17 00:49:30 uJTVSh15
( ´Д`) <ほらぁ!ちゃっちゃっと投下しろやぁ!続きが読みてんだよ!
432:心の隙間
09/01/17 00:57:12 0EiW6Psj
>>430
ごめんなさいね。
なるべく早く終わらそうと一日、一日書いてるんですけどね~頑張ります。
>>431
多分投下は四時ぐらいになるかも…
433:名無しさん@ピンキー
09/01/17 00:57:58 sQCsA8hM
>>432
煽りは無視して自分のペースで投下してくださいな
まってます
434:心の隙間
09/01/17 04:20:30 0EiW6Psj
―「勇!!おまえ一昨日電車でいちゃついて帰ったらしいじゃねーか!!」
朝からやかましいな…
「いや、べつにいちゃついてないよ。」
「嘘つけ!!電車の中で見た奴がいるんだよ!!だから昨日彼女とエッチなことして学校に来なかったんだろ?」
通学路で言うことではない。
「勇……あんた…最低ッ!!」
もの凄く睨まれた…
「あのな、高橋……いちいち大樹の話を本気にしてたらきりがないぞ?第一彼女なんかいないって。」
「じゃあ昨日の女は誰だよ?……家族とかしょーもない答え返すなよ。」
「いや、姉だから。」
「今言ったばかりの嘘つくんじゃねぇ!!」
「本当だって…昨日もこっちにくる用事があるから学校に寄ったらしいよ?」
「へ~お姉ちゃんいたんだ?すごい綺麗な人だったよ?」
「まぁ昔からいろんな物貰ってくる人だったからな…でも姉だから気にすんな。」
「そうか……それじゃ、おまえの家に遊びに行っていいか?」
「ダメ」
「なぜか!?」
「………俺オマエ嫌いだもん。」
435:心の隙間
09/01/17 04:21:36 0EiW6Psj
「なんだそりゃ!?と、友達に言うことじゃねえだろ!!」
「冗談だよ、昨日休んだのも、一昨日の雪で姉が風邪引いたからだよ。料理も洗濯もしなきゃいけないからね。」
「へ~家の家事は勇がやってんのね~両親は共働き?」
「ばっ!!おまえっ!!」
大樹が慌てて高橋の口を塞ぐ。
「んっ!?ちょっと、なにすんのよ!?」
「大樹べつにいいよ、…親はいないんだよ、父は去年病気で死んで、母は離婚してるから、今は家に姉と二人なんだ。」
「えっ!?そんなこと!!…わた…し…ごめんなさい…」
「ははっ高橋に言ってなかったからね。べつに気にしてないよ。」
「しかし中学からつるんでるけど姉がいてるなんて初耳だな」
「まぁ家族構成なんて誰にも教えてないからな、てゆうか早く学校いかなきゃ遅刻するぞ?」
「やばっ!早く行くぞ。」
「……うん…」
436:心の隙間
09/01/17 04:22:11 0EiW6Psj
―食堂で券を買うためにならんでいると。
姉から電話がかかってきた。
「もしもし~姉ちゃん?どしたの?」
『勇?今なにしてるの?』
「今?、昼休みで食堂に来てるよ」
『そう……さっきね料理してたら指きっちゃった。』
「そうなの?大丈夫?てゆうか、料理作って置いといたよね?」
『うん、サラダ食べたくなっちゃって』
「傷は深くないの?」
『わかんないけど…一応絆創膏貼ってる』
「そう…で?どうしたの?」
『え?どうしたのって…』
「あれ?なんで電話してきたの?」
『いや、勇もうご飯食べたのかなって』
「いや、今から食べるよ…あっ!俺の番来たから切るね」
『え?あっうん、バイバイ』
最近姉からこういった電話がよくかかってくる。
多分一人じゃ不安なのだろう、寝る時も腕を組むのが定番になってきた。
―「お母さんに相談しようかな……」
437:心の隙間
09/01/17 04:22:38 0EiW6Psj
―勇から電話を切られた…
「はぁ…」
包丁で切った指を見ながらため息をつく…
深い傷は怖くてつけられない…
ただ些細な優しさを勇に向けられるだけでいい。
…なんでこんなに私弱くなったんだろ…
昔は家より外にいる時間のほうが多かった。
今は勇の事ばかり考えている…。
今行る場所も勇の部屋だ…先ほどまで寝ていたが勇の看病のお陰で少し熱が下がった。
勇のベッドに倒れかかる…枕に顔を押しつけて息を吸う。
「すぅ~はぁ……また熱でそう…」
体が火照ってきた…これ以上行為を続けたらさすがに勇に嫌われるだろうな…
「はぁ…部屋にもどろう…勇に怒られる」
勇のベッドから体を持ち上げる…名残惜しいが、勇にはちゃんと寝ていると約束した…。
「勇のお姉ちゃんだから…約束守らなきゃ…」
自分の部屋に戻り携帯を開け、勇にメールをする。
『夕方には帰ってこれるかな?風邪少し治ったから、私が夕飯作るね。』
直接的にではなく遠回しに「早く帰ってきてほしい」と伝える…
「送信…っと」
今日はなに作ろうか?
勇の好きな揚げ出し豆腐を作ろう…
「あっ!勇からメールきた…………え?」
『今日は食べて帰るから、先食べてていいよ。』
438:心の隙間
09/01/17 04:23:07 0EiW6Psj
―「これでよしっと…」
姉に夕飯を断り携帯を閉じる。
母に電話で「ちょっと相談したいことがある」と言うと
「それじゃ今日夕飯食べに来なさい、用意するから。」
悪いと思い断ろうとしたが。
「別にいいじゃない、たまにはお母さんに会いに来てよ。」
と言うので夕飯をご馳走になることになった。
「凪の両親の会社…あれだな。」
高層ビルが立ち並ぶ中で一際でかい高層ビルが中央に建っている。
母の家は凪と同じ隣町にあるらしい。
一番ビックリしたのが、母の仕事場が凪の両親の会社だってことだ。
よく凪母と買い物にいくらしい。…
(世界は本当に狭いな…。)
電車を使って、母が住む町までやってきたが右も左も人だらけだ。
「やっぱり都会は人が凄まじいな…」
自分が住んでる町は物静かで、夜になるとコンビニぐらいしか店は開いていない。
「てゆうか出口ありすぎだろ…」
どこから出ればいいか全くわからない。母に電話するしかないか…
携帯を取り出し母に電話をする。
「もしもし?改札口どこから出ればいいの?」
『もうついたの?南出口よ、お母さんもう来てるから。』
「わかったぁ、んじゃね。」
携帯を切り早足で南出口にむかう。
439:心の隙間
09/01/17 04:23:32 0EiW6Psj
南側の改札口を抜けると柱に母がもたれ掛かっているのが見えた。
「勇~!こっち、こっち~!!」
母が俺に気づき手を振る。
俺も小さく手を振り返すと、母が近寄ってきた。
「勇、制服似合うね、さすが私の息子!」
「ははっ、お母さんだってスーツ似合ってるよ、キャリアウーマンって感じがする。」
「そう?太らないように必死よ?」
笑いながら母が背中を叩く。
「それじゃ車をまわしてくるわね?ここでまってて。」
そう言うと母はパーキングエリアまで小走りで行ってしまった。
「お母さん…小さくなったな…」
俺がでかくなったのはわかるが、小さい頃の母のイメージが頭に焼き付いてるので、違和感を感じる。
―程なくして母が車に乗ってきた。
助手席を開け中に入ると、自販機で買ってきてくれたのか暖かいお茶をくれた。
「ありがとう、寒いから暖かいものがほしかったんだ。」
「ふふっ寒いものね、食材は買ってあるからこのまま家にむかっていい?」
「いいよ、別に買いたい物ないから。」
ふと目線を上げると。ミラーにミッキーの人形がぶら下げてある。
「あぁ…それ勇から貰ったものよ?覚えてる?」
「覚えてるよ?懐かしいね…」
440:心の隙間
09/01/17 04:23:55 0EiW6Psj
俺が小学生の時に母にプレゼントしたものだ…姉と一緒にスーパーのおもちゃ売場に行き母のプレゼントになる物を探した。
姉は花を母にプレゼントしたが
俺は少ない小遣いで買える物がこの人形しかなかった。
「まだもってたんだ?」
「貰った物で残せる物は全部あるわよ?写真もね。」
「写真かぁ…あんまり自分の子供の頃は見たくないなぁ」
「可愛いわよ~?写真の勇と麻奈美がキャッキャッ言ってるのが聞こえるくらいに」
話していると真っ白いマンションが見えてきた。
「ここよ、勇。」
駐車場に車をとめて外にでる。
「へぇ~なんかオシャレだね。」
「そうでしょ?私もこの外見が気に入ったのよ、私の部屋は七階だから景色も良いわよ?行こっ!」
母に手を取られエスカレーターで七階まで目指す。
―2LDKの部屋は綺麗に整頓されてて、少し緊張した。
「ソファーに腰掛けてて」
言われるがままにソファーに腰を掛けると母が熱いコーヒーをいれてくれた。
「おっありがとう」
「どういたしまして、それじゃ夕飯作るからまっててね」
母が冷蔵庫の中から食料をだし始めた。
「美味しい物作ってね?」
なんでだろう…料理している母の背中を眺めると落ちつく。
441:心の隙間
09/01/17 04:24:22 0EiW6Psj
「勇?どうしたの?」
いきなり声をかけられビクッとなる。
「いや、べつに…」
ヤバい…顔が真っ赤っかだ…
「?変な子ね。」
母はまた料理にとりかかった…
「一応姉ちゃんに電話しとくね?」
「え?……ご飯食べてからでも遅くないわよ、後でいいじゃない。」
「そうかな…って姉ちゃんからだ」
かけようか迷っていると姉から電話がかかってきた。
「もしもし?」
『もしもし…帰ってくるの何時ぐらいになりそう?』
「9時ぐらいかな?なるべく早く帰るよ」
『そう……わかった、心配するからなるべく早くね』
「勇~!これ運んで~!」
「うん、わかったぁ~!…んじゃ、9時頃には帰るからね、ちゃんとベッドの中に入ってなきゃだめだからね。バイバイ」
『ちょっ勇!?今のだっ』
「あれ?姉ちゃん今なんか言ったかな…よく聞こえなかった。」
「麻奈ちゃん許してくれた?」
「うん9時に帰れば大丈夫だってさ」
「それじゃ一緒に料理運んで、テーブルに並べてくれる?」
「うん!」
442:名無しさん@ピンキー
09/01/17 04:31:10 0EiW6Psj
>>435の続き抜けました申し訳ないです
443:心の隙間
09/01/17 04:50:22 S+/bvpPL
―遅刻ギリギリで学校の校門をくぐることができた。
「はぁ…はぁ…きっついな」
「あぁ、部活してて良かったな」
「……」
「……高橋、気にしてないって。」
「は?おまえ、まだ気にしてんのか?」
さっきから高橋は黙りっぱなしでなにも喋らない。
「もう随分前の事だからさ、マジで気にすんなよ」
「うん、ありがとう」正直気を使われる疲れてしまう。
父を亡くした後はみんなに可哀想と慰められた。
なにか出来ないと両親が…一日休むだけでまだ立ち直れないのか…
正直うんざりしている。
だから高校に入ると誰にも両親のことは話さなかった。
この学校では担任と中学からの友達である大樹しかしらない。
―昼休み、みんなが机をくっつけたり一人で食べたり食堂に行ったり、それぞれの時間を過ごしている。
「勇、おまえ弁当は?」
「作る時間が無かったから、食堂行くわ。」
「そっか、んじゃな。」
大樹と別れ食堂にむかう。
今日は、まだ熱が引かない姉を時間ギリギリまで看病していたので、弁当を持ってきてない。
「はぁ…姉ちゃん大丈夫かなぁ」
家に一人居る姉が心配になってきた。
444:心の隙間
09/01/17 04:52:45 S+/bvpPL
なんか規制されました…
445:名無しさん@ピンキー
09/01/17 05:20:25 0EiW6Psj
後でまたきます
446:名無しさん@ピンキー
09/01/17 12:15:43 uE2fFoo6
楽しみに待ってます
447:名無しさん@ピンキー
09/01/17 13:38:32 kWE6oH1K
おいらも待ってるお。
448:名無しさん@ピンキー
09/01/17 20:30:18 B0VtVGac
凪、姉、母と依存娘がそろい踏みしたね
これからオチに向けてどう収束していくのか楽しみ
449:心の隙間
09/01/19 00:43:11 PfpCdvTi
―今の声…お母さんだった…勇はお母さんのところにご飯を食べにいってるの?
なんで?
前にお母さんの所に行かないでっていったのに……
昨日私がご飯作らなかったから?
母の所に行く理由…
―私に愛想つかした?―
「いやあぁぁぁあぁぁぁ!!!」
…あ…れ…?スカートの中…暖か…い…私オシッコ漏ら…し…
気持ち悪い感覚に襲われる…
「勇に嫌われ……ッそんなことより…早くっ勇を迎えにいかなきゃ。」
住所は?
確か一週間前母から勇宛てになにかの荷物が届いたはず…
それに住所が書いている。
階段を駆け上がり勇の部屋の扉を乱暴に開ける…
机の上にダンボールが置いてある
「あった!!えっとこれだ………隣町じゃない…すぐにいけない…でもいかなきゃ!!」
服を着替え、伝票を強引にダンボールから引き剥がし、財布を持って家を飛び出した。
お母さんだけは私にはどうしようもできない。
凪ならなんとかなる…ただ母は無理だ。
―「はぁっはぁっ身体が重い…」
こんな時にも風邪の影響がでるなんて…
でもこんなとこで座って居られない…勇の所にいかなきゃ…お母さんの色に染まる前に。
450:心の隙間
09/01/19 00:43:41 PfpCdvTi
―「こんなに食べれるかなぁ…」
縦横1メートルのテーブルが料理で埋め尽くされる。
「高校生でしょ?大丈夫よ、」
エプロンを外し椅子に掛ける。
「なんか5人分ぐらいあるけど…」
「まぁ残ったら明日にでも食べるわよ。」
「うん、それじゃいただきます。」
「はい、いただきます。」
前は姉と三人で食べたがあの時は正直気まずくて、味もあまりわからなかった。
今は美味しく母の味を堪能できる。
「うん!美味しい!!」
「ふふっそうでしょ?勇はこの味で育ったんだから」
姉ちゃんと食べるご飯も美味しが。
懐かしさからか、母と食べる料理は、今まで一緒に食事をした誰よりも美味しく感じた。
「本当?ありがとね…さっ、いっぱいあるからたくさん食べてっ!」
母も楽しそうだ。
姉ちゃんとお母さんと俺…三人で暮らせたら楽しいだろうなぁ…
ふと姉ちゃんのを思う…
一番支えてくれた姉ちゃんだけは絶対に幸せになってもらわなきゃ。
(俺の甘えもそろそろ治さなきゃな)
「自立」と言う言葉が頭に浮かぶ。
451:心の隙間
09/01/19 00:44:01 PfpCdvTi
―仕事中に勇から電話かかってきた。
勇から初めての電話…。
携帯の画面を見て一瞬で身体が硬直する。
画面に表示されている勇の名前を眺めていると、電話がきれてしまった。
ハッと我に還り、すぐにトイレに駆け込む。
慌ててかけ直すとワンコールで勇が出てくれた。
勇から話を聞くと、なにか相談に乗って欲しいらしい。
「今仕事中だから夜でいい?」と聞くと血の気が引くような答えが返ってきた。
―「忙しいの?それじゃまた今度でいいや、仕事頑張ってね。」
「え!?ちょ、ちょっと待って!!!」
「ビックリした!!どうしたの!?」
自分でも自分の声のでかさにビックリした。
「いや…うん、多分あと一時間ぐらいしたら帰れるかも…」
「え?でもさっき夜になるって…」
「いや、すぐに終わる仕事ばかりだから大丈夫だよ。」
仕事が詰まってるが私一人いなくなったって会社は大丈夫だろう。
勇と会うのは夕飯を作った日以来だ。
会社の取締役という重役を担っている人間として、失格かもしれないが私は仕事より息子をとる。
食事を一緒に食べるという約束をして電話を切る。
「勇……」
まだ私を母として頼ってくれる勇に感謝しなくては。
452:心の隙間
09/01/19 00:44:27 PfpCdvTi
―「ごちそうさま、ちょっと食べ過ぎたかも…お腹いっぱい…」
テーブルに置いてある料理をすべて食べ、だらしなくソファーにもたれ掛かる。
「ふふっ凄いわね、全部食べちゃうなんて…さすが高校生ね。」
あんな嬉しそうな顔で食べてる姿を見られると全部食べないと悪い気がする。
「お母さんはお腹空いてなかったの?あんまり食べてないけど…」
食事の途中から母は箸を置いて俺の食べてる姿を眺めてるだけだった。
「勇の食べてる姿を見ているだけで、お腹いっぱいになったわ。」
そういいながら自分のお腹を撫でだした。
―「私も手伝おうか?」
「大丈夫だよ、休んでて。」
「そう…」
母は「私が洗うから休んでていいよ。」と言ったのだが、食べてばかりでは悪いので皿洗いをさせてもらっている。
「よしっ終わった。」
「お疲れ様、ありがとね、勇」
手をタオルで拭き、母が座るソファーに近づく。
「お母さん…それで話なんだけど…」
「ん?あっそうだったわね…でっなに?相談って。」
「姉ちゃんのことなんだけど…」
453:心の隙間
09/01/19 00:44:50 PfpCdvTi
「麻奈美…?」
母の表情が曇る。
「うん…最近姉ちゃんにどう接していいかわからなくてさ…」
「どうゆうこと?なにかされたの?」
―母に父が死んだ後のことを話した…
俺が姉に依存していたこと…俺は立ち直れたが俺の依存が姉に移り、姉の依存度が日に日に増していること。
母に言えることはすべて話した。
「私のせいね…私が家族を壊したから…」
母が涙を流しながら呟く。
「違う!!俺の精神面の弱さが姉を巻き込んだんだ…お母さんが悪い訳じゃない…」
気がつくと母を抱きしめていた…
「きゃっ!?、ゆ、ゆう??」
「俺がもっと強かったら姉ちゃんは自由になれたんだ……」
「勇…勇は悪くないわ…ほら泣きやんで…お母さんも悲しくなるから。」
いつの間にか涙が溢れていた。
「っ!?ごめんっ!!」
慌てて母から離れる。
涙を拭い深呼吸をする…
「すぅー…はぁー…すぅー…はぁー…相談どころじゃ無くなったね…」
「そうね、でもちゃんと相談にはのるわよ?」
「…また今度でいいや…てゆうか今何時?」
「……8時40分。」
「ええ!??」
454:心の隙間
09/01/19 00:45:33 PfpCdvTi
「九時までに帰らないと!!」
慌てて帰る準備をする。
「ふふふっ、勇はお姉ちゃん大好きなのね。」
母が笑いながら話す
「いや、まぁ…姉ちゃんだからね…あと風邪引いてたから…」
「ちょっと妬けるわね…でもまっ、仕方ないか…私と勇は時間が空きすぎたのね…」
「お母さん…」
「よし!私が家の近くまで送って行くわ、家まで送ると麻奈美が怒るでしょ?」
まぁ姉は良い顔しないわな…
いつか母とお姉ちゃんが仲良くなる日が来るのだろうか…。
いや、またみんなで仲良く話せるように三人の時間をこれからも作ろう。
昔のように過ごせるには時間がかかるかもしれない…でも人生はまだ先が長いんだから時間をかけて溝を埋めていこう。
「うん!お母さんお願い。」
455:心の隙間
09/01/19 00:46:01 PfpCdvTi
玄関を出ると暗闇の中でもわかるぐらい大粒の牡丹雪が空から降り注いでいるのが見えた。
前に姉ちゃんと帰った時も雪が降っていた…あの時は手を繋いで帰ったっけ…。
「勇!!下の駐車場見て!!」
姉ちゃんの子供っぽいところは母譲りみたいだ。
母が七階から上半身を乗り出して下を見ている
俺も同様に下を見る。
「うっわ~綺麗…真っ白だ…」
地面のアスファルトは完全に雪で隠れ車もすべて真っ白だ…
「こんなに積もったの何年ぶりだろうね!?早く下に降りましょ!!」
母に手を引かれエレベーターに乗り込む
エレベーターに乗ってる間母は手を離さなかった。
早く近くで雪を見たいらしい
すぐに走る準備ができている…
「勇!早く!!」
一階に着きエレベーターのドアが開ききってないにも関わらず走って外に飛び出す
ドアが肩に当たって少し痛かったが
母の喜びようを見るとどうでもよくなる。
「お母さん、走ったら滑るよ」
「まだ若いから大丈夫よ!」
姉が歳をとればお母さんみたいになるのかな…
そんなことを考えながら母が転けないように手を握りマンションからでると、少し離れたところで人影が見えた…。
は…?
姉ちゃん?
456:心の隙間
09/01/19 00:47:40 PfpCdvTi
ガタガタ震えながら立つ姉は顔色が真っ青だった…
すぐに姉に駆け寄りたかったのに……足が全く動かなかった…
「麻奈美!!」
母が俺よりも早く姉に走り近寄る。
俺は母が近寄ると確実に拒否反応がでると思い母を止めようとした。
…しかし姉の行動は考えていたのと全く違った…
「ちょっ!!麻奈美!?なにしてるの!?」
「お母さん…お願いですから…勇を盗らないでください…私は勇しかいないんです…」
―土下座……
姉は雪の中母にむかって地面ギリギリまで頭を下げたのだ。
「麻奈美!!いいから早く立ちなさい!!あなた顔真っ赤じゃない!!」
「お願いします…勇は盗らないでください…家も返すから…」
小さく呟いているのに姉の声は離れている俺のところまで聞こえてくる…
「姉ちゃん違うでしょ…?姉ちゃんは強くて…優しくて…憧れで……うっ!!」
あれ…お腹が痛い…食べ過ぎたのか…な…
「「勇!!!」」
身体に力が入らない……
なんで?雪があか…い…の?
苦し…い…お姉ちゃ…ん
457:心の隙間
09/01/19 00:49:19 PfpCdvTi
「きゅっ救急車呼ばなきゃ!!」
母が慌ててるのが見える……姉ちゃんは?
「勇?大丈夫だからね?すぐに病院いこうね?」
「大丈夫だ…よ、ちょっと転けた…だけだか…ら…それよりお姉ちゃん…風邪引いてるか…ら…早く」
立とうとするがお腹に激痛が走る…
「わかった!!わかったから!!」
母に肩をつかまれる。
そういやお父さんも血吐いたな…お父さん痛くないって言ってたのに…
―「ははっすんごい痛いじゃん」
母がなにか叫んでる……
俺もなにか返さなきゃ…
「安心して…大丈夫だか…ら泣かな…いで…」
―気を失う前に聞こえた最後の声は俺の名前を呼ぶ姉の声だった。
なんでだろう……
無性に姉に顔が見たくなった。
458:心の隙間
09/01/19 00:53:47 PfpCdvTi
ありがとうございます。
今日はこれで終わりです。
次はちょっと投下遅くなるかも…
でもなるべく早く続きを書くのでお許しを。
では。
459:名無しさん@ピンキー
09/01/19 01:03:57 1DOVW1wP
こういう話が好きな人もいるだろうしスレ違いじゃないんだけど、自分としてはちょっと残念な展開・・・
460:名無しさん@ピンキー
09/01/19 01:52:25 q2QkiRJP
・・・・・・・・・・・エロは・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「父さんの嘘つき!今度の日曜はエロ入れてくれるって言ったじゃないか!うぇーん」
461:名無しさん@ピンキー
09/01/19 02:52:00 tDYaHupy
え?これって、ただ単に勇が腹痛で倒れたってこと?それとも
誰かに、なんかされたん??
462:名無しさん@ピンキー
09/01/19 02:56:42 PfpCdvTi
書いてる文足りなかったですかね。
誰かになにかされた訳ではありません
463:名無しさん@ピンキー
09/01/19 02:59:00 PfpCdvTi
あっ今見たら姉に刺されたと思いますねw
スイマセンでした
464:名無しさん@ピンキー
09/01/19 03:57:13 ibg0PJw4
食い過ぎじゃ吐血しないよな……
465:名無しさん@ピンキー
09/01/19 04:28:17 gcDrLvw9
>>464
いや、食い過ぎと吐血100%関係ないでしょw
466:名無しさん@ピンキー
09/01/19 11:55:16 tWuBJw3Y
父親も吐血したっていう描写があったから遺伝的な病気かな?なんて思ったり
467:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
09/01/19 21:30:47 87xMjrJb
<やまいぬ>・3
私が「貴方が私に望んでいること」を理解できるようになるまで時間を与えてください。(犬の十戒より)
はあ、はあ。
はあ、はあ。
はあっ、はあっ。
自分の息遣いが、どんどん荒くなっていくのがわかる。
いつになっても、慣れない。
どきどきする。
ぞくぞくする。
─佐奈と交わるのは。
床に這った佐奈の白い大きなお尻を、後ろから抱え込む。
成熟し、脂の乗った女の人のお尻。
それは、十五歳の小柄な「子供」には、過ぎた代物だ。
戸惑いと、焦りと、そして欲情。
僕のあそこは、かちんかちんだった。
「ふふふ、どうしたかえ? いつもよりも堅くて熱いぞえ、主どの?」
振り返った佐奈が、弄うようにささやいた。
白磁の美貌の中で、唯一赤い─血のように紅い唇の端がきゅっっと吊り上っている。
それは微笑なのだろうか、それとも─。
わからない。
わからないまま、腰を振った。
「おお、逞しや」
佐奈が仰け反る。
でも、それは、たっぷりと余裕を残した反応。
その証拠に、自分から腰を振った佐奈の「中」が、なぶるように僕の性器を弄ぶ。
「……くっ……」
危うくいきそうになって、僕は、奥歯をかんでこらえた。
468:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
09/01/19 21:31:17 87xMjrJb
セックスなんか、よく分からない。
佐奈と交わることは、神社の人たち─相馬さんや岩代さんから勧められている。
凶神に人間の言うことを聞かせるのは大変なことだ。
人が願っても、聞き入れられることはない。
だから、人は、食欲、睡眠欲、物欲、破壊欲―欲望で神を釣り、取引をする。
性欲を刺激するは、その中でも食欲と並んで一番効果的な方法だと言う。
<女神>の飼い主なら、なおさらだ。
「友哉様。何のために、<凶犬神>の宮司が、神と異なる性の人間に定められていると思っているのです?」
佐奈がはじめて発情した日、僕に相談された岩代さんは、
眼鏡の奥の瞳に、何の感情も浮かべずに言った。
その日から、僕は佐奈と交わっている。
多分、同級生の誰よりも、セックスをした回数は多いんじゃないかと思う。
佐奈は、綺麗で、成熟して、そして淫らな女神だ。
交わり始めれば何度も僕を求めてくるし、僕のほうも何度しても欲望が尽きない。
教室で、すすんでいる子たちが、誰としたとか、
どこでどうやってしたとか、話しているのを耳にすることがある。
僕なんかは、みんなからまるっきり未経験と思われているだろうし、
実際そうしたことで、からかわれたこともある。
でも、「神社」に戻れば、僕は、こうして毎日佐奈を抱いている。
だけど、―セックスは、よくわからない。
こうしていると気持ちいいけど、ものすごく気持ちいいけど、
これは正しい交わり方なのだろうか。
DVDとか本とかで、知識は仕入れている。
でも、細かい─あるいは根本的なところで、
自分のこのセックスは間違っているんじゃないか、といつも不安になる。
同級生が熱心にひそひそ話しているセックス。
あの娘をいかせたとか、何をしてもらったとか。
ひょっとしたら、僕が今しているこれは、彼らがしているものとは違っていて、
そして佐奈はこれに満足していないんじゃないか。
僕は、それがとても不安だった。
469:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
09/01/19 21:31:48 87xMjrJb
「残念ながら、これ以上はどうアドバイスもできません」
恥を忍んで相談した相馬さんも、岩代さんもそう言った。
DVDやビデオ、それに聞きかじりの知識。
─それが佐奈の「許容範囲」だった。
佐奈は、僕が他の人間と親しく交わることを望まない。
まして、他の「牝」との性行為はなおさらだ。
佐奈は「凶犬神」。
あらゆる事象を「嗅ぎ取る」ことができる「鼻」を持つ。
それはつまり、僕が他の女性と交わって「練習」したり、
あるいは他の人間の交わりを生で見て「勉強」したりすることが不可能ということを意味する。
僕は、人間の女の子とセックスしたこともないのに、
女神、それも狂った女神としている。
─不安。
佐奈は、―この女神は、僕の捧げる「貢物」に満足しているのだろうか。
白くて大きなお尻を後ろから抱きながら、僕は、焦燥にも似た感情を抱く。
それは、経験の少ない男の子が、今、接している女の子、
それも自分よりはるかに成熟した、強力な女神への畏れ─。
牡と牝との間に、これほど力の隔たりのある二人。
いや。
一人と一柱は、交わってもいいのだろうか。
「……」
不意に、佐奈が振り返った。
四つん這いの肩越しに、強い視線が僕を突き刺す。
「どうしたかえ? 何を考えておる?」
「……い、いや。何も……」
「余計なことを考えるでない。わらわだけを感じや。―主どの?」
最後にとってつけたような、「飼い主」に呼びかける言葉。
佐奈は、まだ僕のことをある字だと思っていてくれているのだろうか。
─それとも……。
そう思った瞬間、佐奈が腰を僅かにゆすり、僕は悲鳴を上げた。
470:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
09/01/19 21:32:19 87xMjrJb
締まる。
佐奈のぬるぬるとした粘膜が、急に荒ぶる。
自分を深く貫いている僕の性器を、肉の洞(うろ)が包み込む。
いや。
これは、僕が貫いているんじゃない。
これは、僕がくわえ込まれているのだ。
佐奈の性器─佐奈の顎(あぎと)に。
喰われる。
尖った、敏感な、聖気の先っぽから。
白い肉の中の、薄桃色の粘膜。
それが、白い牙と、真っ赤な口に化けたような気がして、
僕は背筋が凍りついたように硬直した。
「……」
すがめた目で、佐奈が僕を睨む。
「いかぬかや? ―-いけ、主どの」
傲慢なまでの一言とともに、佐奈が、腰を激しくゆすった。
「ああっ!」
唇からまるで女の子のように高くて甘い悲鳴が漏れる。
同時に、僕は佐奈の中に射精していた。
「ちょっと、あっ、待って、待っ─!!」
耐えようとする僕の努力を、佐奈の白くて大きなお尻は無視した。
僕の下腹にぴったりと吸い付くように触れている滑らかな肌は、
そこから僕の動きを見通しているかのように、僕を放さない。
僕は、佐奈の中に射精し続けるしかなかった。
何度も、何度も、退職の限界まで。
搾り取られる、毟り取られる、吸い取られる。
身体の中身を丸ごと、全て。
頭の中が真っ白になって、やがてそれが真っ暗へ変わる。
気を失う瞬間、僕は佐奈の声を確かに聞いた。
「わらわが怖いかえ? ―いい気味じゃ」
471:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
09/01/19 21:34:09 87xMjrJb
思い出して下さい。
私には貴方の手の骨を簡単に噛み砕くことができる歯があります。(犬の十戒より)
夢。
闇の中。
灯りは、いつの間にか消えていた。
僕は、―目が覚めたのか?
それとも……。
夢現(ゆめうつつ)
暗闇の中。
誰かが僕のそばにいる。
ああ、これは、佐奈だ。
僕の佐奈。
佐奈の匂い、佐奈の息遣い、佐奈の体温。
でも─。
「わらわが怖いかえ? ―いい気味じゃ」
気を失う前に耳にした佐奈のことばを思い出し、僕は愕然と跳ね起きた。
暗黒の中。
現実。
僕は、凶犬神と二人きりで、光が一切ない部屋の中に閉じ込められていた。
灯りは、灯りはどうしたのだ。
佐奈の気配だけが、闇の中で感じ取れる。
窺っている。
僕のことを。
闇を友とする、盲目の狂犬が。
472:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
09/01/19 21:35:01 87xMjrJb
「……」
何か言おうとして、僕は、声が出なかった。
締め切られ、幾重にも結界を張られた本殿の中は、
光を失えば、真の闇の中に閉ざされる。
それは、佐奈の空間。
佐奈が閉じ込められている世界そのもの。
こうした状態が、どれだけ危険か、「神社」の人たちからよく聞かされている。
「狂える神」は、例外なく人間を憎んでいる。
人間に作られ、人間に使われる神なら、なおさら。
「凶犬神」を生まれたときから「飼う」のは、決して安全なことではない。
それだけ強力で、狂った女神だから、生まれたときから縛るのだ。
それは、つまり、そうでもしないと手に負えないほどの凶神(まがつかみ)だということ。
飼われること、養われること。
目も見えず、力も弱い、犬と人の間の弱い赤ん坊。
庇護し、世話をし、愛情をついでくれる「飼い主」に抱くのは、
感謝と、信頼と、愛情。
でも、だけど─。
長じて力を持ち、全てを「嗅ぐ」ことができるようになった女神。
それが、自分と言う呪わしい存在を生んだ張本人だと知ったときに抱くのは、
─感謝と、信頼と、愛情であり続けるだろうか。
力を高めるために、目から光を奪い、
その力を支配するために結界の中に閉じ込め、
この世ならぬものを「嗅ぐ」ことを強制し続ける「飼い主」の正体を知ったとき、
女神が抱く感情は─。
事実、何人もの犬養の宮司は、飼い犬に「喰われて」いる。
比喩ではない。
文字通り、喰われたのだ。
脳裏に、灰燼と化した本殿跡が浮かぶ。
何代か前の「凶犬神」の住まい。
─三日経っても宮司が戻らぬ場合、それは、女神が自分の「飼い主」を喰い殺してしまったのだ。
473:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
09/01/19 21:35:32 87xMjrJb
以後の、食事も、世話も、つまり自分の生命までも拒否して「飼い主」を殺す。
凶犬神は、そこまで歪んで狂ってしまうのだ。
結界ごと焼き払われた跡地を見たとき、
僕は、僕が佐奈にそうされる日が来ないという保証がどこにもない事を知った。
「―目が覚めたかや?」
闇の中での、問い。
「あ、ああ……」
「―わらわが怖いか、主どの?」
暗闇の中での、問い。
「……怖い。怖いよ」
「―いい気味じゃ」
暗黒の中での、ことば。
「……いい気味か─」
ふっと、近づく気配。
佐奈は、僕が思っていたよりも、ずっと近いところにいた。
暖かな舌が、べろりと、頬を舐められる。
いつか、―-ずっとずっと昔に、佐奈にそうされたように。
「いい気味じゃ。―佐奈は、友哉のほうがずっとずっと怖い」
「―え……」
拗ねたような声。
それには、隠しようのない甘えがこもっている。
僕が良く知っている、佐奈の声。
「わらわが、友哉に捨てられることをどれだけ畏れておるか。
─たまには、思い知るが良い。―いい気味じゃ」
暗闇の中で、床に優しく押し倒される。
佐奈が一人、ずっとずっと僕だけを待っていた闇の中で。
474:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
09/01/19 21:36:25 87xMjrJb
「あ……」
そして、僕は、佐奈がいつもどんな思いで僕を待っているのかを、はじめて知った。
涙が溢れる。
頬を伝うその涙を、佐奈が舐め取る。
飼い主よりも、ずっと成熟してしまった犬が。
飼い主よりも、ずっと力を持ってしまった犬が。
飼い主から恐がられてしまった犬が。
飼い主─世界の全てから恐がられてしまって、
飼い主に捨てられることを畏れて、
飼い主よりもずっとずっと怖い思いをしている犬が。
そんなことを、そんな単純なことをはじめて知った
愚かな飼い主は、ことばもなくただ泣き続け、
僕の犬は、ただただそれを慰め続けた。
優しい闇の中で。
思い出して下さい。
私には貴方の手の骨を簡単に噛み砕くことができる歯があります。
─けれども、私は貴方を噛まないように決めている事を。(犬の十戒より)
思い出してください。
貴方には仕事や楽しみがありますし、友達だっているでしょう。
でも……、私には貴方だけしかいないのです。(犬の十戒より)
そして─どうか忘れないで下さい。私が貴方を愛していることを。(犬の十戒より)
fin
475:名無しさん@ピンキー
09/01/19 21:46:55 oDUgHCJH
ぐっ…GJ!!
ラストにほろりとしてしまった…
476:名無しさん@ピンキー
09/01/19 21:56:51 tDYaHupy
GJ!!
やっぱ、あんた最高だ!!!!
477:名無しさん@ピンキー
09/01/19 22:00:21 sFnOPBNT
GJ!!
素敵!
478:名無しさん@ピンキー
09/01/19 22:43:32 g3yJQY8m
やまいぬで抜くの23回目です
479:名無しさん@ピンキー
09/01/19 23:15:33 g90G7UXb
GJ!!
480:名無しさん@ピンキー
09/01/19 23:19:08 0u2wqRT1
GJ!! 以外の言葉は見当たらん。
481:名無しさん@ピンキー
09/01/19 23:55:55 ttONECFv
いいなぁ、<やまいぬ>今までので一番好きです。ラストがあっさりめなのが個人的には惜しいですけど
後日談とかどうだろうか?
依存系小説はファンタジー要素無の現代が舞台という、固定観念を見事に打破したところも素晴らしいし、
犬の性質やら呪術的要素を取り入れることを選択したのも素晴らしい。設定の一つ一つが魅力的過ぎる、
アイデアの勝利にゲーパロ氏の技量が加わったこの作品は最強ですよ。
ああ、佐奈の可愛いところもっと見たいなぁ……
482:名無しさん@ピンキー
09/01/20 00:12:57 OBLPOtNs
gj
これはいい神
待ってたかいがありました
483:心の隙間
09/01/20 06:27:20 DJHNV9YO
―なんとかタクシーでお母さんのマンションにたどり着いたのはいいが、母の部屋まで行っていいのか、勇に電話をして出てきてもらうか迷っていた。
ここまで勇を迎えにきたんだ…勇からすれば迷惑に違いない。
ただ待ってることは出来なかった…もし勇が母と暮らし、私達の家に帰ってこなかったら私は一人になる……そうなれば私は父に会いに行くだろう…一人は耐えられない。
「……勇にメールしよう…」
もし電話で拒否されたら立ち直れない…勇の声で否定されたら……
そう思い携帯を取り出すとマンションから見覚えある人が小走りで出てきた…
「勇…と…お母さん」
手繋いでる…楽しそう…
「……あっ」
勇が私に気づく…その顔はどこか怒っていて、寂しく、私を哀れんでるような顔に見えた…
「麻奈美!!」
お母さんも私に気づいたようだ、名前を呼びながら私に駆け寄ってくる…
もう私はなにも持っていない…勇からお母さんを遠ざける術がなにもない……
母にお願いしよう……心から言えばわかってくれるはず…
私は地面に座り母頭を下げる…
「お母さん…お願いですから…勇を盗らないでください…私は勇しかいないんです…」
484:心の隙間
09/01/20 06:28:00 DJHNV9YO
母がなにか言ってるが頭がクラクラして聞こえない、まだ勇を連れていこうとしてる?お願いしなきゃ…
「お願いします…勇は盗らないでください…家も返すから…」
これでダメなら……
―『姉ちゃん違うでしょ…?』
あれ…勇の…声…?
『姉ちゃんは強くて…』
わたしは勇がいなきゃ……
『優しくて…』
勇のほうが……
『憧れで……』
勇が私に憧れ…
私は勇…の…お姉ちゃん…。
485:心の隙間
09/01/20 06:28:34 DJHNV9YO
勇が私の名前を呼んだ……立たなきゃ…
……ドサッ……
……え?
……勇?
……なんで寝て…ッ!!
「勇!!」
勇を助けなきゃ…
「足が…」
動かない…
母が勇に駆け寄っていくのが見える…
「うぅ…ぁ…(お母さん!!勇を助けて!!)」
声がでない…
「(勇!!まって!!すぐにっ!!)」
視界がぐにゃぐにゃになっている…。
なのに勇の姿ははっきりと見える…
―「はぁ、はぁ…ゆ…う…」
やっとでた言葉…あまりにも小さく弱々しい声は勇に届くはずがない。
動かない足をズルズルと引きずり、柵に手を掛け無理矢理に足を進める…
「もう少し…もう少しで…」
勇の顔が見える…
母が携帯で電話をしている…救急車を呼ぶのだろう。
「はぁ…はぁ…ゆう…もう大丈夫だ…か…」
―勇?なんで笑ってるの……
そんなに苦しそうに笑わないで……
486:心の隙間
09/01/20 06:29:00 DJHNV9YO
―――――――ここは?――――――
目を覚ますと真っ白の部屋にいた。
真っ先に視界に入ったのは蛍光灯……
身体には布団が掛けられている…
少し重たいが、上半身を持ち上げて座る。
「ここどこだろ…?」
周りを見渡すが部屋の中にはなにもない…
ふと腕に違和感を感じて腕を見る。
なにか刺さってる…
「点滴……病院?」
そうだっ私風邪引いてたんだ…でも誰が病院まで…
周りを見渡すが誰もいない。
「…勇がここまで連れてきてくれたんだ…」
やっぱり勇に迷惑かけた…
たしかあの夜勇を迎えに行って…それから…頭がクラクラして…勇が…
「え……勇…?」
たしか勇が倒れて…助けに行かなきゃって…
「ッ!?勇!!」
思い出した…確か勇も救急車で運ばれたはず!!
「今から、いくからね…勇ッ」
ベッドから降りようとすると点滴に繋がれてることを思い出す…
「……こんな物ッ!!」
「なにやってるの!?やめなさい!!麻奈美!!」
点滴の管を掴み、引き抜こうとすると母が扉から入ってきた。
「お母さん…?」
「あんたね…まず自分の身体を治しなさい。」
「お母さん……勇は?」
487:心の隙間
09/01/20 06:29:32 DJHNV9YO
「勇は……今検査中よ…」
お母さんの顔が一瞬にして曇る…
「お母さん…勇なにかの病気なの?吐血するなんて……」
「わからないわ…ただ病気だとするとあまり軽い病気ではないでしょうね…」
「もしかして…お父さんと……」
「麻奈美!!!」
母の大きな声にビクッとなる。
「でかい声だしてごめんなさい…今は麻奈ちゃんも身体を休めなさい。」
「勇に会いたい…」
「すぐに会えるわ…それまでに身体を治しなさい…勇に笑われるわよ?」
母が手を振り出ていく。
私はそれをふり返す訳でもなく、ただ母の後ろ姿を見ていた…
「勇……」
勇もお父さんと同じようにいなくなるの?
私はどうすれば……
―「私のなにが気に食わないのよ…役立たず。」
熱で思うように動かない自分の体を睨みつけ言い放つ。
しょうがないので上半身をベッドに戻す。
布団を肩まで掛け、目を瞑る……
―お姉ちゃん…
「……勇」
目を開けようが瞑ってようが、勇のことが頭から離れない…
488:心の隙間
09/01/20 06:30:00 DJHNV9YO
―ふぅ……麻奈美も勇の事になると周りが見えなくなるわね……
「周りじゃなくて…自分が見えないのか…」
やはり麻奈美は私と同じ過ちを犯した…
私は勇をこの手で縛り付け
麻奈美は自分を傷つけて勇の性格を逆手に取った…
なぜこうも悪いところだけ似てくるのだろうか…
「私もバカだな…勇の事になると周りが見えなくなる…」
ふぅっとため息を吐き袖を捲り上げる…
勇の診察中、自分を抱きしめる形で腕を必死に握ってた…結果皮膚に爪が食い込んで血が出てしまった…
「後で消毒してもらわなきゃ…」
服に血が付くが仕方がない…
さっき麻奈美に言われた、もしあの人と同じ癌なら……
嫌な汗が一気に吹き出す。
「絶対にダメよ!勇はまだ若いもの!!ガンなんかになってたまるものですか!!」
そう自分に言い聞かせないと、まともに立っていられない…。
あなたお願い…勇を連れていかないで……。
489:心の隙間
09/01/20 06:30:51 DJHNV9YO
―――――――夢を見た――――――
父と2人で散歩している夢…
なぜか懐かしいとは感じなかった…
死んだ父が出てきても当たり前のように接していた…。
昔は夕方まで遊んでいると父が迎えにきてくれた…帰り道に手を繋ぎ夕焼けの河原道を2人で歩いて帰った…
あの時の俺はまだ四年生だった…
だが夢の俺は現代の年代の姿形をしていた。
「勇、ちょっと疲れたか?」
父が優しく話しかけてくる。
「うん…ちょっとだけね…なんか眠たい…」
「よし、おんぶしてやろう!」
「いや、この歳で恥ずかしいよ…」
さすがに高校生でおんぶは恥ずかしい…。
「あほか、子供は親に甘えるのが仕事だ早く乗れ!!」
父が俺の前に座り手を後ろにする。
「俺…昔と違うけどおんぶなんてできるの?」
「子供担げない父親がどこにいるんだ!さっさと乗れ!」
「はぁ、わかったよ」
しかたなく父親の背中に乗る。
「おっ?なかなか重いな…健康に育ってる証拠だな。」
「足プルプルしてんじゃん…」
「ははっ大丈夫だよ」
―俺は成長したはずだ。
なのに父の背中は子供の頃に見たあの時とまったく変わっていなかった。
490:心の隙間
09/01/20 06:31:32 DJHNV9YO
―「あれ?見てよ、お姉ちゃんとお母さんだ…」
100メートルほど先に母と姉が立っている…
「おーいっ!!」
手を振ると母と姉も手を振り返えしてきた…
「ははっ…さっ早く帰ろっ!!」
「……」
「お父さん?」
「んじゃっここでお別れだな…」
父の手が俺の太ももから離れていく…
「は?…なんで?」
「なんでって、わかるだろ?」
「わからないよ!!帰る家は一緒でしょ!?家族なんだから!!」
本当はわかってる。
「唯一無二の家族だ…だが行く場所は違う…勇はまだやらなきゃいけないことが山ほどあるだろ?」
「お父さんと一緒にしたいことが山ほどあるんだ!!」
「それを麻奈美と一緒にしてあげてくれ…」
「お父さんに聞いてほしい相談がいっぱいあるんだ!!」
「それをお母さんに聞かせてあげてくれ…」
「まだお父さんに甘えたい!!」
「疲れたら2人に甘えればいい…その代わりいざとなったら勇が2人を守るんだぞ。」
「まってよ!!お父さん!!」
「ずっと見守ってるからな……愛してるぞバカ息子。」
「お父さんっ!!!」
491:心の隙間
09/01/20 06:46:32 DJHNV9YO
今日の投下終了です。
もうすぐ完結すると思うのですが…次こそちょっと遅くなるかも…
では
492:心の隙間
09/01/20 06:53:31 DJHNV9YO
ゲーパロさん楽しかったです
超GJ!
次も楽しみです
493:名無しさん@ピンキー
09/01/20 19:00:18 Bwxsdx8U
ゲーパロ氏最高すぎだろ……いぬがみはシリーズになったりしませんかね。やばいハマった
494:名無しさん@ピンキー
09/01/20 21:23:34 Rq7tgkiM
ゲーパロ氏の作品はいつどこで何を見ても最高だ
まず設定からしてすごいわ。ゲーパロ氏になら抱かれてもいい
495:名無しさん@ピンキー
09/01/20 21:23:48 3BYCFVdL
いぬがみって平仮名で書くと某裸王ラノベを思い出すから困る。
あれも重度の依存娘がヒロインだけどな。
496:名無しさん@ピンキー
09/01/20 21:43:50 lDI7ZE9Q
おおう沢山投下きてたっ。
作家の皆さんGJです!
497:名無しさん@ピンキー
09/01/21 22:59:51 15sdnR5c
>>491
GJ!!この後で凪の出番はあるのでしょうか?
498:名無しさん@ピンキー
09/01/24 20:58:19 /ps+PZN4
最近は1日に一回投下あったのに…
保守
499:名無しさん@ピンキー
09/01/24 23:09:15 QXcIDF/o
とりあえずヤンデレ展開でなくて(?)良かった
おやぢGJ!
500:名無しさん@ピンキー
09/01/25 14:55:16 KLGyxMKB
GJ!
母と姉ちゃんの和解おねがい~
501:名無しさん@ピンキー
09/01/28 11:36:52 sdv4hVlu
誰もいないね~
502:名無しさん@ピンキー
09/01/30 01:11:56 Q+VmOawj
「お父さんっ!!!」 「キャスバル父さん!!!」
503:名無しさん@ピンキー
09/01/30 18:03:23 I9sRVHnv
キャスバル「はっはっは・・・どうだ、冒険は楽しいだろう!」
504:名無しさん@ピンキー
09/01/31 18:29:43 3yJ2xeX1
age
505:名無しさん@ピンキー
09/02/01 02:49:32 NHkD0Fjd
>>503
そりゃキャッシュじゃねーの?
506:名無しさん@ピンキー
09/02/02 22:27:19 jZsjqo6c
続きマダー?
507:名無しさん@ピンキー
09/02/06 14:35:08 J3NCdONK
ここ人少ないな…いいスレなのに…
508:名無しさん@ピンキー
09/02/06 23:18:11 e4T+kflx
一番好きなジャンルなのに人がいないという…
509:名無しさん@ピンキー
09/02/06 23:20:49 sac5FUFT
てか、心の隙間どうしたんだろうね?
510:名無しさん@ピンキー
09/02/08 11:45:22 84n24osa
良い依存のある小説漫画を教えてけれ
511:名無しさん@ピンキー
09/02/08 19:12:17 SrLVkJDe
羊のうた
512:名無しさん@ピンキー
09/02/08 20:23:05 GjBQCISI
>>510
「なるたる」
513:名無しさん@ピンキー
09/02/08 22:04:49 XowV8fmT
やめろー!やめてくれー!
514:名無しさん@ピンキー
09/02/08 23:47:52 MEliLDVF
なるたる読んだことないけど結構な鬱らしいな
鬱エンドはヤンデレで十分だよ…
515:名無しさん@ピンキー
09/02/09 02:22:31 Wap9i1hr
依存は普通にヤンデレの一種だと思うが
516:名無しさん@ピンキー
09/02/09 02:49:06 W2BiHRJH
すまんな言い方が悪かった
最近よく見る、殺傷沙汰起こすヤンデレの事を言いたかったんだ
こういうヤンデレは何て呼んだらいいの?
517:名無しさん@ピンキー
09/02/09 02:51:10 YpbAVXnZ
サイコ?
518:名無しさん@ピンキー
09/02/09 16:28:23 LyPynvXu
最近になって映画化した「空の境界」も、なにげにヒロインは依存タイプだと思う
ナイフ振り回したり主人公を一度殺しかけてるせいかヤンデレ扱いされることが
多いけど
519:名無しさん@ピンキー
09/02/09 16:40:23 CQ4r8t9n
>空の境界
映画版の一作目のラストで敵と戦った際に「自分が最初に見つけた」
ってな感じの台詞があるしな。
520:名無しさん@ピンキー
09/02/09 18:01:32 3MQPmBPn
ああ、男を誘拐?した敵に対して、お前なんてどうでもいいけど、拠り所にしたのはこっちが先なんだから、返してもらう
みたいな台詞言ってたね。
あと、男に暫く会ってないだけで、ものすごく不機嫌になってきたりとか
521:名無しさん@ピンキー
09/02/09 18:41:29 CQ4r8t9n
>>520
それそれ、その台詞。
今DVD見て確認してたw
やっぱり依存型彼女だなあれは。
修羅場じゃないが自分の惚れた男を助けるor守るために敵を皆殺し
に来る女ってのは何気にツボだ。
522:名無しさん@ピンキー
09/02/09 21:49:11 Td/jQHWZ
そもそも原作の最終章では「お前がいないと生きていけない」発言があるしな
523:名無しさん@ピンキー
09/02/10 00:38:11 gpX2t7XG
空の境界は上巻で読むのやめてたな
今度続き買ってみるか
524:名無しさん@ピンキー
09/02/10 01:04:05 r6HXcmx+
作者いないね~
525:名無しさん@ピンキー
09/02/10 03:16:23 zqh4Qlba
お互いが寄り掛かってるような依存も良いけど、ドロドロに溶けて混ざりあってるような依存が特に好きです
526:名無しさん@ピンキー
09/02/11 00:51:06 /I8IUj9n
知名度低いんだろうなぁ…このスレ
527:名無しさん@ピンキー
09/02/11 17:20:27 3F+5oc7W
だろうなぁ
自分的には依存ってヤンデレと違うものだと思ってる