【貴方なしでは】依存スレッド3【生きられない】at EROPARO
【貴方なしでは】依存スレッド3【生きられない】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/08/21 06:30:56 8oYzVl1H
>>1

1乙!!

3:名無しさん@ピンキー
08/08/21 07:37:53 GGGjMPmW
>>1

4:名無しさん@ピンキー
08/08/21 08:31:15 NkZ88zBh

669 :名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 18:36:51 ID:cShlfD4I
依存大好き教の(自分的脳内)派閥図
├― 対人依存派(二大派閥)
|   ├─ 依存する娘萌え派(主流派)
|   |   ├─ ひたすらに愛する姿が良いよ(一途派)
|   |   ├─ 征服欲が満たされるよ(支配者派)
|   |   ├─ 必要とされたいよ(シンジ君派)
|   |   ├─ 依存している娘を虐めたいよ(加虐依存派)or(SMで言うとS派)
|   |   └─ 依存のあまり病んでいる娘に依存してるよ(ヤンデレ派)
|   ├─ 依存する男萌え(非主流派)
|   └─ 相手を依存させるよ(依存過程快楽主義派)
|       ├─ 策略で陥れる(依存原理主義者派)
|       └─ 薬や魔法、機械で依存させる(MC派)
├― 対物依存派 (二大派閥)
|   ├─ 薬等(中毒者派)
|   └─ その他物品(コレクター派)

├― 行動依存派(コミュニケーション派)
|   ├─ キスや膝枕などいちゃいちゃしたいよ(恋人派)あるいは(キス魔派)
|   └─ 占い等に依存している娘って良いよ(極少数派)

├― むしろ依存したい派(M派)
|   ├─ Mだから(SMで言うとM派)
|   ├─ 自分で考えるのは面倒だよ(無気力派)
|   └─ 自分が依存させられていく過程に興奮するよ(過激派)

└― 共依存派(シーア派)


5:名無しさん@ピンキー
08/08/21 10:03:19 85r0ZIes
>1
乙です。

6:名無しさん@ピンキー
08/08/21 13:56:14 fSKWDnl3
>>3のIDがガオガイガー

7:名無しさん@ピンキー
08/08/21 22:50:02 f3ZiDIyh
>>1乙です

8:名無しさん@ピンキー
08/08/22 00:51:35 +bWTjmDw
乙。
たまにくる投下がとても楽しみだから落ちないでほしいところだなぁ

9:名無しさん@ピンキー
08/08/22 01:25:10 nmJF9oA5
ところでゲーパロ氏以外で投下ってあったっけ?
まあ、それはそれでいいんだが落ちるはずのスレが、彼のおかげで助かった。
もう足向けて寝れないな、どっちにいるかわからないが

10:名無しさん@ピンキー
08/08/22 07:03:36 ETTjDCdV
いくつかはあったよ

11:名無しさん@ピンキー
08/08/22 19:20:33 QMkqQFDk
>>1おつ

12:名無しさん@ピンキー
08/08/23 20:41:31 x4eOPnAJ
>>1

13:名無しさん@ピンキー
08/08/23 21:50:46 JDjsSrqk
ここって保管庫ないの?

14:名無しさん@ピンキー
08/08/23 22:38:19 x4eOPnAJ
確かなかったはず
気になるなら君が作ってみたら?

15:名無しさん@ピンキー
08/08/23 22:55:34 JDjsSrqk
いや、ちょっと別のところでSS書いてたらなんか内容がずれて依存スレっぽいものになってそうな気がしたから
過去のヤツ見て行けそうなら投下しようと思っただけなんだ。

16:名無しさん@ピンキー
08/08/23 23:04:40 x4eOPnAJ
ならば迷わず投下するんだ。
人が少ない時だからこそ依存っぽいものならガンガン投下して熱いパトスを放出
してくれ

17:名無しさん@ピンキー
08/08/23 23:27:03 CLH5AffA
そういや、前に誰かがhtmlをうpしてなかったっけ……
まだ持ってる人居たら再うp頼む

18:15
08/08/24 04:24:41 XdXi4UTk
「お兄ちゃん…?」
夏の刺すような日差しの中、声がした方へ振り向く。
5、6メートル離れた所に、制服姿の少女が立っていた。
一人っ子の俺を“お兄ちゃん”なんて呼ぶ人は一人しかいない。
「…夏美ちゃん?」
「わー、本物のお兄ちゃんだ!」
答えるとほぼ同時に、その少女が白いカッターシャツをなびかせながらこちらに駆け寄ってきて一気に距離が縮まる。
「はは、なんだよ本物って」
「だってだってー!勝手にどっか行っちゃうんだもん!」
彼女が密着してくるのを、軽く手で制した。
住宅街の細い路地だから他に人気はないとはいえ、一応白昼の公道でとるような仕草じゃない。
それでも、お構いなしといった様子で俺の腕をつかむとまくしたてるように話し続けている。
「ホント、久しぶりだな。元気だったか?」

彼女は俺の実家のすぐ隣に住んでいるが、兄妹でもなければ何の血縁もない。
しいて言えば幼馴染みたいな関係かもしれないが、
俺の方がずいぶん年上なので、お互いよくある幼馴染像は抱いていないと思う。
やっぱり兄妹みたいなものが一番しっくりくる関係かもしれない。
「お兄ちゃん!」
「ん?」
とりあえず返事はしたが、用がないことくらいわかりきっていた。
もともと人見知りが激しくて、内気な子だったが、
いつからか二人っきりになるとこうやって、意味もなく注意を引くのが好きな子だった。
今も上の空で回想にふけっていた俺が気になったみたいだ。

隣に住んでいるとは言っても、5歳も違う異性だから小さい頃は遊び相手としては物足りなかった。
小学校の時の集団下校で一緒に帰るようになって、会話するようになったのが最初かもしれない。
それから、彼女の両親がおとなしい彼女を心配しているのを知り、ちょくちょく登下校を共にするようになった。
“お兄ちゃん”はその時漢字で書かれていた俺の名札が読めなくて、
彼女が俺を呼ぶのにとっさに使った言葉だったが、いつの間にかそれが定着していた。
俺も俺で、その時は年下の子の世話を任されて、大人になった気分に浸れたので悪い気分でもなかった。
半年ぶりぐらいに顔を合わせたが、今でもその口癖は治ってないみたいだ。
まあ、もっとも10年以上こう呼ばれてたから、突然変わってしまっても違和感がある。
それに、変わってなくてどこかホッとしたような気持になってしまった。

「お兄ちゃん、最近どうしたの?全然見かけないんだもん。死んじゃったのかと思ってた」
相変わらずの屈託のない笑顔だった。
「おい、勝手に殺すなって」
「だってー」
「俺、今年から社会人だからさ、一人暮らししてるんだよ」
「えー、そんなの知らなかったよ」
「ん、言ってなかったっけ?」
「知らないよー」
彼女が頬をぷくっと脹らませて不満げな顔をしている。
それを人差し指で突きながら続けた。
「意外と帰りが遅くなって家族にも悪いしさ、会社から補助も出るしアパート借りたんだよ。
 でもこっから電車で30分くらいだから、いつでも遊びにおいでよ」
「うん、行く!バイトしてお金貯めて行く!」
「はは、同じ市内だよ?がんばれば自転車でも来れるって」

19:15
08/08/24 04:25:11 XdXi4UTk
「そういえば、親父に車動かしてくれって頼まれてたんだ」
一通り会話が途切れた所で、ポケットから車のキーを取り出す。
キーレスのボタンを押し、ロックが解除されるのを確認して車に向う。
が、急にシャツの後ろを引っ張られた。
「ん、どうした?」
振り向くと、夏美が両手で俺のシャツをつかんでいる。
「…夏美ちゃん?」
「……あ」
二度ほど呼びかけると、ようやく我に帰ったといった感じで彼女がかすかな声を上げた。
「つ、次いつ帰ってくる?」
何かもっと別のことを言いたそうだったが彼女の口からはそんな言葉が出た。
「さあ…、ちょっとわからないな」
「……」
相変わらず彼女の両手は俺のシャツを離してはくれない。
「…これから、暇なら一緒にドライブでも行く?」
「え…?」
「忙しいか。今年で高校3年生だもんな?」
「ううん。行く!大丈夫!」


一応両親に許可取ろうか、と訊いたが彼女はもう子供じゃないから心配いらないと一言答え助手席に座った。
助手席のシートベルトがカチッと音を立てるのを確認すると、
俺はサイドブレーキをゆっくり下ろし、家のガレージの前に路注状態だった車を動かした。
大通りに出てしばらくは、すいている道を選び適当に車を走らせる。
夏美も調子を取り戻したようで、他愛のない会話に花が咲く。
彼女は、今は部活のマネージャーをやっていて、今日も学校に行ってきたとか、
近所で起きたちょっとした変化なんかをいろいろ話してくれた。
休みなく喋る彼女の姿を時々横目で見る。
まるで会話をやめると俺がどこかへ消えてしまうのではないかと、彼女は思っているんじゃないか。
そんな雰囲気が伝わってくるようだった。
だが、普段おとなしい分その反発で、喋りやすい相手を見つけると止まらないのだろう。
俺はそっちの考えの方が、より自然に自分を納得させられた。

「…お兄ちゃん」
「ん?ちゃんと話聞いてるから大丈夫だよ」
お盆ということもあり、少し交通量の多い道で注意がそちらに行っていたせいか、相槌が適当になりすぎていたのかもしれない。
「…うん」
「そういや、お腹すいてない?」
「ううん、大丈夫。でもちょっと喉乾いたかも」
「じゃあコンビニに寄ろうか」
数百メートルも走ると、左手にコンビニが見えた。
広い駐車場に車を止める。
ジュースでも買ってくるから待っててと一声かけ一人でコンビニに入った。
どうせすぐ戻るつもりだったので、車のエンジンを切るのが面倒だったというのもあるが、
制服姿の女子高生と二人で歩くのは、今は少し照れくさかった。
誰もそんなこと見てやしないだろうが、むしろ本物の兄妹と思うやつの方が多いような気もするが、
そういうつまらないことの方が気になったりする。
再び車に戻り、助手席に座って待っていた夏美にビニール袋を手渡した。
中からミルクティーとチョコを取り出している。
特にリクエストも聞かずに勝手に買ってきたものだったが満足しているみたいだ。
俺はそれを見て缶コーヒーを開けると、煙草に火をつけて窓の外に腕を垂らした。
「さて、これからどこ行こうか?」
夏美の方を向くと、彼女は板チョコをパキッと折り、俺の口に入れてくれた。
しかし彼女からの返事はなかなか返ってこない。
「…もう帰ろうか?」
「やだ!」
意外な返事だった。
「急に大人しくなったから、疲れてきたのかと思ったけど…」
「…違うの。なんて言うか……」


20:15
08/08/24 04:26:04 XdXi4UTk
そのまま彼女はペットボトルを持ったまま俯いて、しばらく言葉に迷っていた。
俺もつられて何も話しかけられないまま、車のエンジン音だけが静かに響いていた。
吸うのも忘れていたタバコがフィルターまで灰に変わり、慌ててもみ消す。
それがこの気まずい空気を打ち破る一助になったのか夏美がゆっくり話しだした。
「…お兄ちゃん、大学卒業してからちっとも見かけなくなっちゃってさ」
確かに大学の時は、しょっちゅう遊んでいた。
週に一回くらいは何かしらで会っていたはずだ。
こっちは忙しくてそれどころじゃなったから、言われて初めて自分の鈍さを思い知った。
「っていうか、黙っていなくなっちゃうんだもん…」
「まあ、さっきも言ったけど引っ越すったってすぐ近くだし」
「でも…、私はずっと会えなかったんだよ……」
「あ、ああ…、悪かったな。今度はちゃんと家教えてあげるから遊びに来なよ。
 親とケンカした時に家出して来てもかくまってあげるからさ」
妙に重苦しい雰囲気を何とかしたくて、冗談交じりに答えた。
「携帯にメールか電話でもくれればよかったのに」
目線を合わせないように彼女の方を見ると、ペットボトルを握る手にグッと力を入れているような気がした。
「何にも言わないで、突然いなくなっちゃってさ……。
 こっちから連絡なんてできるわけないよ…」
「そっか…。悪かったな…」
「うん…。でも、いなくなって初めて気づいた。
 私、こんなに何でもしゃべれる人、他にいないんだなって」
なんて返せばいいのか、考えているとまた彼女が続けた。
「でも、彼女にしてくれなんて言うつもりはないんだ…。
 たまに会って、さっきみたいに話聞いてもらって…、それだけで十分っていうかなんか元気になれるから。
 私友達としゃべっててもどこか気を遣っちゃうって言うか、本心が勘ぐられないような態度ばっかりとっちゃって」
俺は下唇を噛みながら、手持ち無沙汰で新しい煙草を箱から出す。
火をつけようか迷ったが、間をつなぐ動作が欲しかっただけだった。
「お兄ちゃんとしゃべってるときはそんなことないんだ…。
 だから傍にいてくんなきゃ困るのに…」

結局二本目の煙草に火を付けたが、ほとんど手を付けないうちに灰皿に押し込んだ。
昔から彼女は、友達は多くはなかったみたいだった。
それでも中学の途中から人並みに付き合いはしていたように、俺の目には映っていた。
俺の前では明るく、なんでもしゃべる子だったので、親からそのことを聞くまでは全く気付かなかった。
だが今の彼女は、いつもの彼女の様子とは違う。
受験や進路のから来る悩みか、急に理解者を失ったストレスか、
俺にはなんとなく想像できたが、どれも答えからは遠いような感じもする。
「ごめんね、…お兄ちゃん」
頭の中で今の一連の会話を整理していた俺の思考を遮るように、夏美がかすかな笑みを浮かべながら呟いた。
「…ん?」
「私ホントに今までみたいな関係でいいんだ…。
 でも、またいつ突然いなくなっちゃうかわからないって思うと、
 もっと私の思ってたこと話しておきたくて……」
「そっか…。とりあえず連絡くらいは入れておくべきだったな…」
「うん…。ごめんね、急にこんなこと…」
「いいよ。俺も悪かったし」
もう一度彼女の方を確認する。
「ちょっと、長居しすぎたけどドライブの続きでもするか」
彼女が頷くのを見て、車を発進させる準備をする。
俺にとっても彼女は特別な存在だが、
彼女にとっての俺は、それよりもずっと重要な存在だったのかもしれない。

21:名無しさん@ピンキー
08/08/24 04:28:50 XdXi4UTk
一応まだ続く予定です。
もともと別のシチュ用に書いてたやつが途中で脱線したものなんで
依存っぽく手直しは致しますが、お口に合わない可能性は高いです…

それでも暇つぶしにどうぞ

22:名無しさん@ピンキー
08/08/24 06:38:40 0o8hwjlv
よし、誰もいない……。とりあえず一番槍GJだ。
真に心を許せる人が一人しかいないなんて萌えますなぁ

23:名無しさん@ピンキー
08/08/24 15:09:38 KUCYL6fp
二番槍GJ
これはいい依存

24:名無しさん@ピンキー
08/08/24 22:17:59 OIF75T8e
遅れをとったが、GJ!

>「でも、彼女にしてくれなんて言うつもりはないんだ…。
とか
>「私ホントに今までみたいな関係でいいんだ…。

って部分はもちろん拒絶ではなく譲歩なんだよな?

25:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/24 23:58:53 iKqoiCGD
<つながれた犬>

「ん……はぁっ……」
唇を重ねると、志穂理は甘えた声をあげた。
俺の他に誰も聞くものがいない、その状況が、
普段の鋭利さを、この女から奪う。
もっとも、俺は、めったにその「普段」を見ることが出来ない。
なぜなら、俺の前では、志穂理はいつも「こう」だからだ。
からめた舌に全神経を集中させるように、目を閉じる。
ねじ切るように唇を奪うと、百人が百人、「とびっきり有能な秘書」と太鼓判を押すであろう
理知的な美貌が桜色に染まるのが、眼鏡越しでもわかった。
午前11時45分。
窓の外は雲ひとつない青空だが、俺と志穂理のオフィスラブはブラインドがいらない。
地上75階。
半径10キロ以内にこの部屋を覗けるだけの高さを持つ建物はないし、
あったとしても、子会社が開発したマジックウィンドウは、完璧な一方遮光性を保っている。
旧本社ビルでは、うっかりカギを閉め忘れて覗かれたことがあったが、
この新ビルではそういうことも起こりえない。
もっとも、俺がこの<秘書>との情事を覗かれて困るということは、あまりないが。
スキャンダルにはならない、という意味では。
むしろ、この時間を誰にも邪魔されたくないという相方の意思が、
このビルの最上階の設計思想の根本になっている。
「ふわ……啓太さんの、固い……」
俺のズボンとブリーフを下ろして、それを握った志穂理がうっとりとつぶやく。
今日は四度目のご対面なのに、まるで久々に触れたかのように、その感触を確かめる。
丁寧にしごき、口に含む。
唾液にまみれた舌が、俺の先端をちろちろと舐めあげる。
びくびくと男根が反応する様にさえ、志穂理は歓喜の声をあげた。
俺の<秘書>兼、<上司>兼、性欲処理係。
つまり俺の妻である女が。

26:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/24 23:59:47 iKqoiCGD
ソファに─このために特注した、ベッドにも使えるソファの上で重なり合う。
天を向いてそそり立つ俺の性器に、志穂理は頬ずりをする。
匂いと感触を、女が一番綺麗に装う場所にすり込む。
「固いです、啓太さんのおち×ちん。それにとっても逞しい……」
中高生のガキのようにおっ立ったそれは、
たしかに結婚十年目の妻を持つ年齢の男のものには思えない。
俺が、唯一他人に自慢してもいいモノだ。
志穂理は、それが嬉しくてたまらないというように、
ことばと手と唇でそれを誉めたたえた。
ソファの上に転がす。
期待に濡れた瞳は、黒く、妖しく、きらきらと輝いている。
なぜそんな目で俺を見れるんだ。
十年経った今も。
湧き上がってくる考えを振り払うように、志穂理の上に覆いかぶさる。
俺の女は、自分から足を大きく開いた。
志穂理の女性器は、たっぷりと濡れそぼっていた。
俺の部屋─社長室に入った瞬間から濡れている。
キスだけで、何度でもいける身体だ。
俺が、高校時代に、そう作ってしまった。
人一倍精力が強くて、変態的性欲の男のセックスを従順に受け入れ続けて入れば、
朝昼晩いつでも性行為を期待する精神(こころ)と身体(からだ)の女になってしまう。
「あはっ、啓太さんのおち×ちん、大きい……!」
大企業の社長室で真昼間から交わることを心の底から悦ぶ女に。
「くそっ!」
なぜか分からない衝動に押されて、俺は思いっきり志穂理の中に突き入れた。
「きゃふっ!!」
あられもない嬌声をあげ、志穂理がしがみついてきた。
隠花植物を思わせるような生白い肌が、俺の身体に吸い付くようにまとわり着く。

27:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:00:32 iKqoiCGD
「ひあっ、啓太さん、すごいっ……すごいっ……」
うわごとのように、志穂理がささやく。
俺の男性器は平均より大きいし、志穂理の女性器は平均より小ぶりだ。
それが、俺のものをしっかりと飲み込み、締め付ける。
付き合い始めたはじめのころは、何度も出血したが、
志穂理は一度もセックスを拒まなかった。
俺がセックス好きということを知ると、積極的に性交渉を求めた。
「だって啓太さんは、セックスしてくれる女の子が好きなんでしょう?
私、啓太さんに好きになってもらいたいから、セックスのお相手になります」
俺が他の女に全然もてないことがわかっても、志穂理の態度は変わらなかった。
抱き寄せればすぐに応じる女と、俺は何度交わっただろうか。
気がつけば、志穂理は痛がることもなくなり、
ますます性行為に積極的になっていた。
ぬちゅ、ぐちゅ。
ぐちゅ、ぬちゅ。
たっぷりと分泌された愛液が、棒のように硬くなった男性器にからみつく。
背中にまわされた手が、驚くほど強く俺を抱きしめる。
「ううっ、もう……」
うめくと、志穂理は、手足の力をいっそう強めた。
「中に、中に出してくださいっ……!!」
婚約中もたびたび膣内射精はしていたが、
結婚してから、志穂理は一切の避妊行為をとっていない。
名門を受け継ぐものとして、ましてやどこの馬の骨とも知れない男を婿に迎えた
次期当主の義務として、しっかりとした「道明寺の子供」を作っておくための処置。
─それもあるだろうが、
新婚初夜に大真面目な顔で俺にそれを誓約した理由が、
「啓太さんが、生でするほうが気持ちいいって言ったから」
とは、親類縁者には言えない。
反り返るようにして、身体の奥底に精を放つと、
志穂理は、声をかみ殺してしがみついてきた。

28:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:01:08 ri9a6Wha
「どうしました? 啓太さん……」
三度、志穂理の中に精液をぶちまけた後は、さすがに気だるい。
だが、僅かに感じる疲労感は、年齢や精力の衰えじゃないことは自分がよく知っていた。
俺の股間に顔をうずめる妻から目をそらし、俺は机の上を眺めた。
何百万するかわからない社長室のデスク。
もちろん、これも、妻からの贈り物だ。
道明寺グループ会長であり、俺を社長に据えた妻。
つまり、今、ソファに座る俺の前にひざまずいて、性行為が終わったばかりの男根を舐め清めている女、だ。
ペニスについた精液を丁寧に舐め取りながら、志穂理は、机の書類をちらりと眺めた。
「ああ、連結決算の報告書、ですか。
―あん、動いちゃダメです。まだ、おち×ちんの中に精子が残ってますよ、啓太さん」
鈴口をくわえて、尿道の中に残った精液を吸い取る。
風俗嬢でもやらないサービスを覚えたのは、多分、高校時代の俺のリクエストのせいだ。
「ん、おいし……。夜、また飲ませてくださいね。
今日は、まだ啓太さんの精液飲んでないですから」
唇の端についた白濁の粘液を上品に舐めあげながら、志穂理は立ち上がった。
「今日は、これから取引先と打ち合わせです。四時には戻ってこれると思いますが─。
啓太さんは、休憩と……その後はここにいてくださいね?」
道明寺グループの総帥は、会長職のほかに、夫の<秘書>役を務めている。
夫のスケジュールを自分で管理すれば、自由時間はセックスのし放題だ。
それ以前に、他の人間、特に女性秘書が自分の男に付く、という状態を
道明寺の娘は許容できない。
俺は、うなずいて、また机の上を見た。
連結決算報告書。
社長の座についている俺は、この簡単な書類の読み方を知らない。
ぱらぱらとめくったが、まるで意味が分からなかった。
道明寺の令嬢を射止めてしまった男は、一介のフリーターから
超一流企業の社長職に引き上げられたが、それで中身が変わるというわけではない。
結局、妻の言うとおりに、おとなしく社長室で彼女の帰りを待つしかないのだ。

29:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:01:40 ri9a6Wha
「……なあ」
「はい?」
<秘書>のブラウスを脱ぎ、<会長>用のスーツを手に取った志穂理が振り向く。
俺に向ける顔は、そのどちらでもない。
恋人に甘え、媚びる、―どこか、おびえた女の目。
それは、結婚後、俺を完全に自分のものにしてから
逆に強くなったように思える。
その前、俺に結婚を迫っていたころの志穂理は、
今より積極的で、押しが強かったように思える。
だが、今は、昔よりも、さらに弱々しく見えるのは俺の思い過ごしか。
「お前、……幸せか?」
「はい。……でも、なぜそんなことを?」
間髪を入れぬ答え。
「いや、なんでもない」
「私は、啓太さんがいてくれれば、幸せですよ。」
素直な、誰が聞いても裏や嘘がないと分かることば。
俺は、目をそらした。
「うふふ、それに、今日も啓太さんとのセックス、とっても気持ちよかったですもの」
五分前の痴態を思い出したのか、道明寺グループの会長は、白い頬をほんのりと染めた。
その脳裏に、当たり前のように描かれているのは、
最高級店で、札束と引き換えにどんなことでもするソープ嬢でもサービスしきれないような
濃厚で、変態じみて、マゾなセックス。
この街の支配者たる女が、自分自身よりも相手の快楽を喜びとするようなセックスに溺れている。
しかもその相手は、道明寺の総帥にふさわしい立派な男でも、一時の快楽のためにあとくされなく買える男娼でもない。
彼女にとって、他に代えがたい存在になってしまった相手だ。
他に代えがたい、つまらない、無能な男。
報告書のひとつも自分で読めない、馬鹿な男。
それを、宝石のように大事に扱っている。
「じゃあ、また後で……」
名残惜しげに部屋を出て行った志穂理を見送り、俺は、大きくため息をついた。

30:名無しさん@ピンキー
08/08/25 00:02:05 sstYGwPx
こっからどういう話になってくのか期待だねえ
GJですた

31:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:02:18 iKqoiCGD
遠くまで、歩く。
今、最上階から降りてきた75階建てのビルから逃げるように。
なるべく遠くへ、離れるように。
だけど、振り向かなくても分かる。
あのビルが見えなくなるところまで、俺は行けない。
この街に、あれが見えない場所はないのだから。
唇から、諦めたようにため息が漏れる。
無意識に自分の唇を舐め、俺は自分が無性に喉が乾いていることに気が付いた。
(飲み物……)
あたりを見渡す。
目の前にスーパーマーケットがあった。
通りの向側のビルの二階に喫茶店。
─後者を選んだのは、座りたかったからだ。

喫茶店は、エアコンがかかっていなかった。
窓から入る風が涼しい。
こんな日は、こういう店のほうが気持ち良い。
俺は、紅茶を頼んだ。
コーヒーが美味い店らしいが、貧乏舌では違いが分からない。
もっとも、紅茶の良し悪しが分かるわけでもないが。
まあ、だったら好きなほうを頼むのがまだマシだ。
入り口横の棚から取ってきた雑誌を広げる。
ビジネス誌にしたのは、見栄だ。
他に客もいないのに、愛読の「週刊少年チャンプDEAD」はなんとなく取り辛かった。
先週は久々に「ステゴロの王子さま」が再開していたので続きが気になっていたのだが。
まあ、いいさ。
「……」
見るともなしに広げた「月刊コード10」に、俺の視線が止まる。
見慣れた─さっきまで一緒にいた人物が載っていた。

32:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:02:48 iKqoiCGD
<世界に展開する道明寺グループ>

理知的な瞳を光らせ、インタビューを受けている道明寺グループの会長。
年商数千億。
いや、それは俺が社長に据えられている会社だけの話だったか。
グループ連結決算はそれより一桁多かったような記憶もないではない。
この街の半分の人間が勤め、残りの半分もそれを相手に商売することで生きている大企業。
この喫茶店も、ほんのちょっと前のランチタイムは、
道明寺に勤める人間の胃袋を満たすのにてんてこまいだったにちがいない。
俺は、写真の中の美女をぼんやりと見詰めた。
それは、さっきまで俺の隣にいた人物なのだろうか。
或いは─俺の隣にいてはいけない人物なのかもしれない。
ぬるくなった紅茶をもう一口すすり、俺は「月刊コード10」から目をそらした。
窓の外を見下ろす。
向側のスーパーマーケットの前に、犬が一匹いた。
白い、大きな犬。
買い物をしている主人を待っているのだろう。
店の前につながれて、大人しく座り込んでいる。
俺は、それを眺め、―ふと違和感を抱いた。
「……」
なんだろう。
何かが、不自然な感覚。
犬に、おかしなところは、ない。
通り過ぎる人に吠えることもなく、じっと座って店の自動ドアを見詰めている。
時折、軽く尻尾を振る、白い、大きな犬。
何もおかしなことはない。
首輪から伸びた紐でつながれて─。
「ああ」
俺は思わず声を出した。
違和感の正体がわかったからだ。

33:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:03:20 iKqoiCGD
犬の首輪からのびた紐がつながっているのは木やガードレールではなかった。
地面に置いた、こげ茶色の、小ぶりな買い物袋。
その取っ手の部分に、犬の紐はくくりつけられていた。
「……」
買い物袋は、わずかに膨らんでいる。
缶詰少しに、野菜の二つ三つ。
あるいはジュースのペットボトル。
そんな程度のものしか入っていないことは、外目からもわかった。
重さにして、1キロがあるかどうか。
あの犬をつなぎとめておくには、到底足りない重量の袋。
犬が歩けば、軽々と引きずることができる重し。
「……なんで逃げないんだ?」
犬は、それがまるで大木につながれているかのように、動かない。
動こうともしない。
今、自分をつなぎとめているものが、どの程度の重さなのか、確かめようともせず。
─こっけいな、まるっきりこっけいな風景。
「なんで……」
もう一度、つぶやきかけて、俺は息を飲んだ。
それが、なぜか、唐突にわかってしまったから。
「……ずっと、そうだったんだな」
あの犬は、子犬の頃からああやってつなぎ止められていたのだ。
最初は、もっと大きな袋で、中身ももっと入っていたにちがいない。
ビールの半ダースに大根やら人参やら。
小さな小さな子犬をつなぎとめるには十分な重さ。
子犬は、その頃、何度も動こうとしたにちがいない。
自由に走ろうとして、袋の重さを知った。
何回も、何回も。
そして、ついにこの袋は自分の力では動かせない、と思ったのだ。
その後、十分に育って力をつけた今も、そう思い込んでいるのだ。
袋は、呪縛のように犬をつなぎとめている。

34:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:03:52 iKqoiCGD
「……」
俺は、息苦しくなった。
あの袋の卑小な残酷さ─それは、まさしく俺だった。

高校の初日。
俺は、隣の席の女の子をナンパした。
ナンパなんか、初めての経験だった。
それは、相手にとっても。
黒く、暗い目が、驚愕に見開かれる様を、俺は今でもはっきりと覚えている。
今でも夢に見るくらいに、それは綺麗だった。
大人しく、引っ込み思案な同級生を誘った理由は、
ただ単に「高校デビューの遊び人」がリードできる相手だと思っただけに過ぎない。
その娘が、なぜいつも皆からはなれたところに一人でいたのか、その理由を知らなかった。
思ったとおり、おどおどと後ろを付いて来る娘を強引にモノにしたときも。
この街の支配者の娘が、こんな学校に「社会勉強」しに来ていたなんて知らなかったのだ。
そして、その娘が、その時までは病的な晩生(おくて)で、
俺の下で「女」になった瞬間から、病的な恋着に生きる人間になることも。

馬鹿な男が、欲望にまかせて抱き寄せるたび、娘は、その男への執着を深くした。
その本当の価値を知らずに、ただ性欲と精液のはけ口として抱き続けた娘が、
男との結婚以外の将来を考えられなくなった頃、
男は、その女が、どれだけの力を持っているのかを知った。

この街―どころではない、世界中に傘下企業と部下を抱える「道明寺」を受け継いだ女は、
破瓜のあの日のように、俺に媚び、俺の側に侍(はべ)る。
恋人を失うことを恐れる少女の目で、夫にした男の足元にすがりつく。
自分が支配する会社のナンバー・ツーに据えた男を。
何も出来ず、何かをしようとすれば足を引っ張るだけの男を。
昔、自分の価値を知らなかったときのように。
あの、軽い袋につながれた大きな犬のように。

35:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:04:23 ri9a6Wha
「―ここでしたか」
涼やかな声を耳にして、俺は振り返った。
いつの間にか、志穂理が立っていた。
「商談、早く終わったので戻って来れました」
どうしてここが、とは言わなかった。
この街では─いや、多分世界中のどこにいても、この女は俺の居場所がわかる。
そして、可能な限り俺のそばにいようとする。
俺の横などにいなければ、世界のどこにでもいける女なのに─。
「―」
何か言おうとして、俺は喉の奥の塊を飲み込んだ。
機嫌よく俺の向側の椅子に座った妻を見た俺は、今にも泣き出しそうだったのかもしれない。

犬。
俺が、子犬のとき、つまらないものに縛り付けてしまったので、
今でも逃げようとしない、犬。
俺から逃げようとしない、犬。
きらきらと輝く黒い瞳は、本来、俺を映すべきではない。
もっと高みの何かを見詰めるべきだった。

窓の外を見た。
もう一匹の犬がいた。
目の前の女と同じく、可能性を捨ててしまった犬。
「……」
俺の視線の先をたどり、志穂理はそれを見た。
そして、
「―あら、幸せな犬ですこと……」
そう、つぶやいた。

36:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:04:55 ri9a6Wha
「何を─」
言っているんだ、と続けようとして、俺は押し黙った。
窓の外を横目で眺める志穂理の唇に浮かぶ微笑を見て。
たぶん、こいつは、判っていたんだと思う。
俺が見たもの、俺が考えていたことを。
そして、もっと深いもの─真実さえも。
そうでなければ、その時始まった小さな事件を平然と眺めていられないだろう。

「なんだ、こいつぅ~!!」
耳障りな声をあげたのは、店の前に車を停めた二人組みの片方だった。
まだ若いが、これから脳みその中身が成長するとも思えない男だ。
つまり、俺とそう変わらない価値しかない男。
ただ、声に関しては、まだ俺のほうがマシかもしれない。
こいつらの大声は、こいつらの下品な改造を加えた車のエンジン音と同じくらいに、不快だった。
「つながれてねーじゃん」
「めーっわくだよなー!」
大人しい犬と見て取ったのか、もう一人の若者が犬を軽く蹴った。
きゃん。
小さな声をあげて、犬が縮こまった。
その場に。
袋につながれたまま。
「ちゃんとつないどけって!」
「うぜえんだよ」
すくむ犬に、二人組はますます居丈高になった。
昼間から酒でも入っているのかも知れない。
いくら大人しくても、つながれていない大型犬を蹴るなど、正気の沙汰ではない。
たとえ、分厚い靴底のブーツを履いているにしても、だ。
だが、犬は、吠えもせずに身を縮めるだけだった。
ただ、店の出入り口を見て。
二人組の顔が、通りのこちらから見て分かるくらいに邪悪に歪んだ。

37:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:05:26 ri9a6Wha
「おら、じゃまなんだよ!」
蹴り。
膝をあげて、前に蹴る、ただの蹴り。
犬は、きゃいん、と悲鳴をあげた。
後ろに下がる。
ガードレールに当たる。
右に逃げようとする。
紐が伸びる─犬は動きを止めた。
見えない力に止められたように。
「おもしれー、これ、おもしれーよ!」
笑い声。
二人組は、からかうように犬をいたぶった。
「―やめてくださいっ! やめてください!!」
不意に、悲鳴があがった。
初老の女性が、店から飛び出てきた。
犬の飼い主だろうか。
「うるせーよっ!」
「てめえの犬だろうが!」
逆らわなければ、ますます図に乗り、止められれば、逆上する。
最悪の精神構造の二人組は、ついに怒鳴り声をあげた。
小柄な女性の、肩を小突く。
「―おい」
思わず立ち上がりかける。
通りの向こうのこと、やっかいなこと。
立ち上がって、それからどうする?
駆けつけるのか、止められるのか。
そんなことまで頭は回らなかった。
それでも、立ち上がろうとして─止められた。
「……大丈夫です」
俺の腕をつかんだ志穂理は、静かに微笑んだ。

38:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:06:00 ri9a6Wha
「大丈夫って、お前っ……!!」
頭に上った血が、少しだけ、すとんと落ちる。
その分だけ、ちょっとだけだが冷静になれた。
ことばを捜して、息を吸おうとした瞬間、「事件」は終わった。
「うあっ!!」
「ぎゃっ!!」
悲鳴は、先ほど犬があげたものよりも、大きく、切羽詰っていた。
命の危険にさらされた小動物のあげるものにふさわしく。
一瞬にして手首をかみ砕かれた若者は、噴水のように血を撒き散らして地を転がり、
Gパンごとふくらはぎを噛み千切られた相棒も、同じく地べたをはいずっている。
薄汚い小動物を狩ったのは、白い犬だった。
四本の足をびしっと伸ばして飼い主を守るように立つその姿は、
大きく、頼もしく、そして野性そのものですらあった。
猛獣。
人間が銃を持ってはじめてハンディなしと言われる戦闘力を持つ、獣。
それが、本気になれば、厚底ブーツなど身を守る防具にもならない。
毛を逆立て、悲鳴をあげる「敵」をねめつける白い犬にとって、
次の瞬間、二人の喉笛を噛み切ることも造作ないことだ。
そして、犬には、その暴力を行使する理由も、意思も、凶気も十分にあった。
だが─、犬は二人組があわてて逃げ出すのを見送った。
「敵」がはるかに去るのを確認し、主人の無事を確かめ、
それから、もとの位置に戻った。
暴れたせいで、中身を散らかした袋をくわえ、
先ほどまで「つながれていた」元の位置に。
くうん。
小さく鳴いた声には、主人の言いつけを守れなかった悔悟の音。
うなだれきって小さくなった犬は、
ひざまずいて泣き出した初老の女性に抱きしめられて、はじめて尻尾を振った。
ちぎれるばかりに。

39:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:07:05 ri9a6Wha
「……幸せな犬ですこと」
もう一度、志穂理がつぶやいた。
膝の力が抜けて、すとんと席に座りなおした俺に視線を戻し、
志穂理は、バッグから携帯を取り出した。
「ああ、敷島? あとはよしなに─」
秘書との二言だけの会話。
それだけで指示は通じるのだろう。
道明寺グループの会長と、その秘書なら。
「あのお婆さん、……たぶん、あの二人から訴えられるようなことにはならないでしょう」
普通、人間側がどれだけ悪くても、犬が人を噛んだらとても不利だ。
たとえ、主人を守るための正当防衛であっても、訴えられたら、最悪保健所送り。
─好意的な証言者と、しかるべき筋へのいくつかの手回し、
それと、「なぜか被害者が訴える気にならなくなる」幾つかの状況が重ならなければ。
警察と地回りに影響力がある女なら、そんなことは朝飯前だ。
俺はため息をついた。
すっかり冷めた紅茶をすする。
「……わかってたのか? ああなるってことを」
目の前の女が、世界の全てを見通す預言者だと言われても納得できる気分だった。
「さあ。……でも、他のことはわかっていました」
「他のこと?」
「あの犬が、幸せだってことを」
「……」
「買い物袋につながれて大人しくしていたのは、
あの袋が<自分の力では動かせない>と思いこんでいたからではないのです」
「……」
「動かせることをあの犬は知っています。ずっとずっと前から。
でも動かない。動きたくないのです。」
「なぜ……だ?」
「だって─あの飼い主が動かないでほしい、って思ってつないだからです」

「―!」
俺は絶句した。
「犬がつながれているのは、つながれていたいからです。
つながれるのが幸せだからです─大好きな相手に」
志穂理は、俺を見詰めた。
おびえたような、弱々しい光。
……それは、志穂理の黒い瞳に映った、俺自身の瞳の色だ。
俺を見詰める志穂理の瞳は、いつもきらきらと強く輝いている。
なぜなら、
「だから、―あの犬は、とても幸せなのです」
幸せな者は、その幸せを疑わない。疑わない強さを持っている。
犬も。
人も。
気が抜けたのだろうか、わあわあと泣き出した飼い主の顔を熱心に舐めて慰める犬を、俺は眺めた。
たぶん、あの白い犬も、俺が大好きなこの女と同じ目をしているのに違いなかった。

                                 Fin

40:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/08/25 00:12:58 ri9a6Wha
<私が私でいられる時>END候補からネタ流用。

馬鹿ップルがラブラブすぎて、
「男の子が女の子におびえを残す段階」を過ぎてしまったので、
道明寺娘に使ってもらいましたw

>>15
GJ!!
シチュ流れで別シチュは、美味しくなります。
最初から固めてきたものより以外にスムーズになることも多いです。
期待してます!

41:名無しさん@ピンキー
08/08/25 00:29:43 6LWBP47z
ゲーパロ氏GJ!

さすがはネ申

42:名無しさん@ピンキー
08/08/25 00:51:51 a7cBnrqX
ゲーパロ氏GJです。
道明寺娘がエロイくてどっぷり依存しているのがいいですね~。

43:名無しさん@ピンキー
08/08/25 01:46:51 INnusmUO
もうなんていうか……ありがとう。しか言えない。
当たり前だと思っている幸せより、幸せだと噛み締められる幸せの方がどれだけよいことか。そんなちょっとしたことから聡明さがうかがいしれる所が何ていうかもう魔術の領域だと思う

44:名無しさん@ピンキー
08/08/25 02:34:00 XxZ1M+vz
ゲーパロ万歳!万歳!
将軍さまって呼ばせてくれ

45:名無しさん@ピンキー
08/08/25 02:39:43 RjMDDhf4
これだけ有能な娘なら、夫の劣等感を埋め合わせるために
「秘書業のストレスを開放させるため」とか理由をこじつけて
赤ちゃんプレイでおむつをせがんだり何かに驚いたはずみに失禁するなど
わざと無様な姿をみせたりしそうだと思ったが、
「もしそんなことをしてドン引きされたらどうしよう」とか想像しちゃって
実行に移せないのかな



46:名無しさん@ピンキー
08/08/25 20:51:55 a7cBnrqX
>>45
>「もしそんなことをしてドン引きされたらどうしよう」
そんな事も考えさせないくらい夢中にさせる策を巡らせるかもしれん。


47:名無しさん@ピンキー
08/08/25 20:55:12 zOaaqyOA
ぐ…GJGJGJ!!!
幸せ、しかし怖く、かといってそれが相手を傷つける方向じゃない
ありがとう依存万歳!

48:名無しさん@ピンキー
08/08/25 22:52:20 yHi+R2MD
ゲーパロ氏の依存モノはホンマ俺のストライクど真ん中やでぇ……
GJとしかいいようがありません、ありがとう!

49:名無しさん@ピンキー
08/08/26 00:01:52 wxHiePYF
Good☆Job!×136

今更だが、本当に記憶に残るキャラを書くよね。
依存が依存の形を保ったまま進行するとこんな凄いことになるのか・・・。

それにしても、バカップルの方を忘れないでくれてて良かった。

50:名無しさん@ピンキー
08/08/27 03:59:03 DQe/bU09
バカップルの方で一度子宮がたぷたぷになるまで注ぎ込むようなシチュエーション
は読んで見たいな。

51:名無しさん@ピンキー
08/08/28 18:59:21 sr303+7a
URLリンク(www.hsjp.net)

誰か

頼む

52:名無しさん@ピンキー
08/08/28 23:55:06 oCnD+5uO


53:名無しさん@ピンキー
08/08/29 14:11:47 ucs+eit6
>>51
1スレ目の読んだ事ないから助かった
出来ればこれからも更新してほしいです

54:名無しさん@ピンキー
08/08/29 22:48:33 u8UK+1h8
ゲーパロ氏のWEBサイトにあった昔の「道明寺志穂理」が主人公を言葉攻め
してる話だけどこの会話って普通に聞くと結構凹むよなぁ。
俺だけかも知れないけどここまで言われたら「そんな風に思ってるんなら俺より
もっといい男を捜して幸せになりなよ」とか言って別れそうだ。

セックスしか「能が無い(実際そうなのかもしれんが)」駄目男って言われてるような
もんだし。


55:名無しさん@ピンキー
08/08/30 01:17:52 r8biQL7J
>>54
たぶん君はSなんだと思う

56:名無しさん@ピンキー
08/08/30 03:51:18 IB53Md55
>>54
きっとその後に大切さを今まで以上に思い知るイベントがあったに違いない

57:名無しさん@ピンキー
08/08/30 05:04:22 IMp+PCV2
>>54
あれはああやってダメだと繰り返し洗脳することで
目の前の道明寺娘しかいないんだと思い込ませ刷りこんで
啓太を彼女に依存させてるんだとおもった
じゃないとすぐに浮気してふらふらするような男だからなあ
あの母さんのえげつない復讐方法みて育ってたら
手放したくない男を自分に依存させるべく頑張ってもむしろ自然だ
怖いよ道明寺の女たち

だがそこがいい

58:名無しさん@ピンキー
08/08/30 13:53:33 OMb4jQXk
ってことは皆はMなのか。
Sでじらしプレイが好きなだけかもしれんが相手の子が自分の事をどれだけ思って
いるかを確認するのは必要だとは思うけどなぁ。
愛情を感じられない&実感できなくなったらもう終わりだろ?

59:名無しさん@ピンキー
08/08/30 14:18:16 jr71vHrc
え?志穂理さんは啓太大好きオーラ全開じゃない。
言葉の端々で好きって言ってるし。
俺別のSS読んでる?

60:名無しさん@ピンキー
08/08/30 17:32:53 OMb4jQXk
ゲーパロ氏のWEBサイトのSSのことだが?

61:名無しさん@ピンキー
08/08/30 22:05:35 XPvirrwR
志保理さんは前田慶次
結局は、だがそれがいい、で終わらせるから

62:名無しさん@ピンキー
08/08/31 20:39:56 tz10PrsI
保守

63:名無しさん@ピンキー
08/09/02 12:40:49 CxhdNLEx
>>61
・・・・・・・ん?・・・・・・それどいう意味?

64:名無しさん@ピンキー
08/09/02 23:26:49 1RKoj961
>>40
このシリーズも随分深みが出てきましたねー、GJです。
なんか志穂理視点の初々しい高校時代のストーリーとか見たくなりました。

65:名無しさん@ピンキー
08/09/04 07:50:24 YrV/PHWc
>>64
それいいですね。
高校時代からねっとり依存だったのかもしれないけど。

66:名無しさん@ピンキー
08/09/05 02:37:18 jR+6D/NP
何この綺麗なリック

67:名無しさん@ピンキー
08/09/08 06:43:08 r/FeT0h1
ほしゅ

68:名無しさん@ピンキー
08/09/09 18:59:06 HgABKHyI
ほしゅ


69:名無しさん@ピンキー
08/09/12 05:24:47 a3GN3tc4
保守

70:名無しさん@ピンキー
08/09/14 08:58:36 OuL9brnB
保守


71:名無しさん@ピンキー
08/09/15 17:58:21 r/oiAZKf
保しゅ

72:名無しさん@ピンキー
08/09/15 20:02:16 pvYug1b5
そんなに頻繁に保守しなくても消えやしないと思うが

73:名無しさん@ピンキー
08/09/15 21:49:38 zNQ5xwms
スレッドへの依存度が高いからだな。

74:名無しさん@ピンキー
08/09/16 19:23:11 tXbAGEsR
依存はぁはぁ

75:名無しさん@ピンキー
08/09/17 19:53:41 DEMPl4ZF
依存・・・・

76:名無しさん@ピンキー
08/09/17 23:54:58 1TaM0U9M
子供駅で再放送しているカレカノみたらイイ依存だった
どっちかっていうと共依存なパパママの昔が好きだけど

77:名無しさん@ピンキー
08/09/18 04:56:50 YT/jREVH
確かにカレカノは依存っ気の強いの多い気がするなぁ
名前もう出てこないけど、ちっこい女の子とバンドやってる男の子もそんな感じだったような

78:名無しさん@ピンキー
08/09/18 15:10:50 X2+pH9wa
依存っ気の強いのは男キャラばっかじゃん(つД`)

79:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:02:51 R1YoGfBh
真理はなぁ、俺の母親になってくれるかもしれない女なんだ!

80:名無しさん@ピンキー
08/09/18 20:41:10 LCP2TJxt
元ネタ思い出すのに3分かかった

81:名無しさん@ピンキー
08/09/18 21:40:55 TuXeqwls
ロリコンでマザコンの人か

82:名無しさん@ピンキー
08/09/19 18:45:01 QL1PiRju
依存がなければ即死だった・・・

83:名無しさん@ピンキー
08/09/21 22:36:13 55W7SgOk
ロリコンでマザコンとな・・・・・・・すごい矛盾してる

84:名無しさん@ピンキー
08/09/22 00:22:48 CznSQDe5
ロリコンは外的な要素(ペッタンコ胸・ツルツル肌・低身長などの嗜好)
マザコンは内的な要素(包容力などの母性)

85:名無しさん@ピンキー
08/09/22 04:25:05 GGH5AoJ3
要は甘えさせてくれる幼女が好みってことだろ。なんら矛盾しない

86:名無しさん@ピンキー
08/09/22 11:28:04 +hy9TrFh
幼女みたいな母だろ、幼女に包容力があるとは思えん

87:保守小ネタ 「アッキーとゆーちゃん」 1/1 にっぷし
08/09/22 15:58:51 FaYVFEx2
やあ、僕はアッキー!
突然だけれど、僕には恋人がいるんだ!
容姿端麗成績優秀家事もこなせる幼馴染の恋人。
ちょっと困ったことがあるとすれば―

  うららかな朝。起きたとたんに笑顔の少年が元気にカーテンを開く。
  すると窓越しに、セミロングの黒髪をした美少女が座っていた。
  窓には吐息の白い痕。見開いたレンズのような無機質な瞳が、じぃっと凝視している。
  窓を挟んで20cm弱の近距離に現れた影に、しかし少年は笑顔を崩さない。
  目が合って美少女がふわっと安心したような笑顔をすると、手を振ってカーテンを閉めた。

―ちょっと僕に依存していることくらいかなっ
でも大丈夫! だって彼女は綺麗で、二人はラブラブだからねっ!

  カリカリ……カリカリカリ……
  窓を引っ掻く音に、ほんの少しだけカーテンを開けて着替えを始める。
  カーテンの隙間から、ギラギラと瞳を輝かせた美少女が凝視していた。

さあ、今日も元気にご飯を食べて、学校にいかなくちゃ!
いっただっきまーす! 納豆ご飯かー! ねばねばー!
ごちそうさまー! お弁当はいつもどーりだからいらないよー!

  がち「おはようっ、アッキー♪」
      ゃ、ばたん

おはよー! ゆーちゃんっ! 今日も可愛いねっ!
でも着替えを覗くのはダメだよっ、手を繋いであげないぞっ。

  「そんなっ、やだよアッキーっ、なんでもするからっ!
   ここではだかんぼさんになったりおしっこしたりでもいいからっ!」

うーん、じゃあ、お仕置きね。ここでキスしてっ。んー、ちゅっ、んみゅっ!?
うわー、舌入れちゃダメだって! チョップ!! それじゃー出発!!
もちろん手を繋いでだよっ! 今日もいい一日になりそうだねっ!!
満員電車もゆーちゃんが抱きしめてくれるから快適さ!
僕は背が低いから、おっぱいにむにゅむにゅできるんだ!
ゆーちゃんがハァハァして頭をくんくんしてよだれを垂らすけど気にしないよ!
いつものことだし、僕は恋人に優しいからねっ


時は流れてお昼休みだよっ!
僕のお弁当はもちろん彼女の手作りさっ!
いただきます! 手作りハンバーグかー、美味しそーっ、ぱくっ。
あははは、お肉に隠れて鉄の味だーっ。血を入れたな~?
どこ切ったの? へー、ヒジの近くかー、どうりで気付かなかったよ!
むぐむぐ、あれ、なんか縮れた毛が入ってたんだけど。これって。
わー、おまんこの毛を入れたんだ! すごいなぁ、なんかの呪い?

  「えっと、ア、アッキーがずっと私だけを見つめてくれるように……
   やだった? 怖い? 引いた? ごめんね、刻んで入れればよかった……」

何を言ってるのさ、気にしてないよっ!
ただ、健康には気を配りたいからねっ、煮沸消毒して欲しいかなっ!
だから今日のはおしおきだよっ! ぱんつ脱いでねっ! 今日はこれからノーパン!
それと消毒してないおけけを入れた罰として、帰ったらおまんこの毛を剃るからね!
わかったら「わんっ!」ってたくさん返事してっ。……うん。よしよし、いーこいーこ。
いいこだからおちんちんしゃぶらせてあげるねっ! 手を使っちゃダメだよっ!

そんな感じで僕たちの時間は過ぎていくよ!
彼女はちょっと僕に依存してるけど大丈夫! だって二人はラブラブだからねっ!

88:保守小ネタ 「アッキーとゆーちゃん」 2/1 にっぷし
08/09/22 16:00:45 FaYVFEx2
おしまいです。ノシ

89:名無しさん@ピンキー
08/09/22 17:19:21 s1cxJqj4
>>87
これはひどいwwwww

90:名無しさん@ピンキー
08/09/22 20:10:17 AMQ0Xb4t
惹かれるものがあるが、引いてしまう・・・
テンションを30%OFFぐらいにしてくれw

91:名無しさん@ピンキー
08/09/22 21:23:11 DDxzZVw/
ラジオドラマとかでこんなのやってほしいね
笑いすぎて窒息死するわw

92:名無しさん@ピンキー
08/09/22 21:50:12 +hy9TrFh
ひどいとかじゃなくて
> ゃ、ばたん が気になってしょうがない!なんの音なの?
それと、>がち「おはようっ、アッキー♪」
がちって誰?


93:名無しさん@ピンキー
08/09/22 21:54:13 um4e0cYV
テンション高杉ワロタw

94:名無しさん@ピンキー
08/09/22 23:59:44 GLmcDy0R
血や陰毛を食事に混ぜるとかヤンデレの領域ジャマイカwwwww

>>86
幼い頃に母親を亡くし、うだつの上がらない父親を懸命に支える幼女をですね

エプロンつけて台の上に乗り鼻歌歌いながら味噌汁かき混ぜて「あ、そろそろお父さん起こさなきゃ」
とかいってぱたぱたスリッパを鳴らしながら部屋に入り「もうしょうがないな~」といいながら
揺り起こして「早く髭そって顔洗って着替えて、ご飯冷めちゃうでしょ!」といいながら父親の背中を押して
洗面台に連れて行き台所に戻って配膳をすましてやっとテーブルについて新聞を広げた父親に
「お父さんは私がいないとだめだね。そうだ!私がお父さんのお嫁さんになってあげる!」なんていっちゃったりして。
父親が仕事でドジやったときに晩酌に付き合ったり頭を自分の胸に抱きしめてなでてあげるとかいったイベントもあったり。
実はお父さんが自分に依存するように(何時までもダメ人間であるように)かいがいしく世話をしているとか
自分がお父さんに依存(母親を亡くした寂しさと、美人なため同性から虐められて唯一頼れる父親に依存)したとか
裏設定があったりなんかして。

うん、こんな幼女居ないなwしかも微妙に包容力じゃないし。

95:にっぷし
08/09/23 00:19:10 OTob8cOG
感想ありがとうございます。

>>92
>   がち「おはようっ、アッキー♪」
>       ゃ、ばたん

玄関の扉を開けて締める音「がちゃ、ばたん」とセリフ「おはようっ、アッキー♪」を重ねることで、
玄関の扉を開けきる前に挨拶が飛んできた、というのを表現してみたものです。
ですので、 がち は玄関の扉を開ける音で、セリフはゆーちゃんが喋ったものです。
わかりづらくてすいませんでした。ノシ

96:名無しさん@ピンキー
08/09/23 01:00:07 YSvTl4mO
>>94
その死んだ母親の魂が幼女に転生して元々肉体に宿っていた娘の魂と
同居状態になっていれば包容力アリでもOK。
父親が再婚したら娘(かつての妻)からは離れてしまうわけだから依存状態
を保とうする部分の説明にもなりそうだがな。



97:名無しさん@ピンキー
08/09/25 01:59:56 mGPdvgWR
>>94
すごくいい

98:名無しさん@ピンキー
08/09/26 21:41:57 bJIW9LM3
他スレの保管庫で依存っぽいのを見つけた
依存度は温めだけど俺はこれくらいが好きだ
URLリンク(wiki.livedoor.jp)

99:名無しさん@ピンキー
08/09/26 22:21:04 n/O6F4aM
>>98
パスワード入力を求められるんだが

100:名無しさん@ピンキー
08/09/27 00:27:37 mrb1Zj1e
直接SSのページには飛べないみたいだね
トップから入れってことか

101:名無しさん@ピンキー
08/09/27 04:37:04 D+ZwCGS8
>>98
保管庫はなんて名前なの?

102:名無しさん@ピンキー
08/09/27 04:41:57 D+ZwCGS8
間違えた。SSの名前が聞きたかった。
まあそんな多くないし片っ端から見てけばいいか

103:名無しさん@ピンキー
08/09/27 10:39:11 Qe5o6fiv
>>98のアドレスを良く見れば一発でわかるだろ

104:名無しさん@ピンキー
08/09/27 11:32:14 Wx95Tf00
ヒント
1  初代スレ
509 そのまま

105:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/09/28 22:54:36 xDGfC9+M
<レベル99>

その娘とはじめてキスしたのは、予備校の帰りだった。

教室で、講師が来る前にいじくっていた携帯ゲーム機。
彼女は、それを覗き込んで、言った。
「─ね、付き合わない? 私と」
わずかに茶色に染めた髪の毛と、いかにもな、お洒落な服。
僕とは全然違う世界の住人からかけられた言葉に、僕は狼狽した。
「バラクエ5ね。私も持ってる」
そう言って鞄の中から取り出したのは、僕と同じゲーム機。
ストラップがたくさんついた携帯電話のほうが似合いそうな娘の
ボタンを押す手つきは、僕と同じくらい慣れていた。
だから、僕は、その娘のことばに流されたのかも知れない。
その日の帰り、僕らはキスをした。

「ベレベレ、レベル20までいったよ。」
「あれ、そこまで行ってはじめてまともに命令聞くんだよね」
「前の機種だと、すごく苦労したわ」
はじめて味方になるモンスターのレベルを最大まであげるのは、僕のデフォルト。
みんなは、そこまで上げる前にストーリーを進めるのが普通だけど、彼女は、違った。
その日の夜、公園でキスをして、僕ははじめて彼女のおっぱいにさわった。

「スライムロード、3匹揃ったよ」
馬の代わりにかわいらしいモンスターの上に跨った騎士は、
中盤はじめの味方モンスターの中でも仲間にしやすいけど、
3匹捕まえるのはけっこう時間と根気が必要だ。
「やりこむんだね」
「君だって、とっくに3匹そろってるんでしょ?」
その日、家族が留守の彼女の家で、僕は彼女とあそこを見せてもらった。
はじめて見る女の子の性器に、僕は帰ってから何度もオナニーをした。

106:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/09/28 22:55:07 xDGfC9+M
「ミントガムの鞭、8本そろえたよ」
「僕もプラチナクイーンの剣、8本取った」
「これでこの先、楽になるね」
「うん、ニセ女王も楽勝だ」
運と根気が不可欠のカジノ。
パーティ全員が最強装備を揃えられるまで頑張る子は、僕以外ではじめて会う。
その日、彼女は、僕の部屋で僕の性器を手で愛撫してくれた。
彼女の白い手の中にはじけた精液を、彼女は不思議そうに弄んだ。

「結婚式、誰を選ぶ?」
「うーん、直前でセーブしてるから誰を選んでもいいんだけど」
「私、たぶん何度もやり直さないと思う」
「あ、僕も。結局一週目で終わっちゃうんだよね」
ゲーム中最大のイベント。
話をしているとき、彼女はなぜかとても嬉しそうだった。
その日、僕と彼女ははじめてセックスした。
彼女が処女だったことに、僕はあまり驚かなかった。
ただ、なんで彼女は僕を選んだのかが、まだ僕には分からなかった。

「砂漠の国って、さらっと流れちゃうね」
「ここから進み方が早くなるのがちょっと苦手」
「ついつい進んじゃうけど、もう少しじっくりやりたいよね」
「今までと同じペースでゆっくりとでいいのに」
その日、二人で海に行った。
砂浜なんて、海水浴なんて、何年ぶりだろう。
はじめて見る彼女の水着姿にどきどきした僕は、
誘われるまま、帰りに岩陰で彼女とセックスをした。

107:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/09/28 22:55:38 xDGfC9+M
「トゾッタの山って、なかなか出られないよね」
「はぐれプラチナ3匹捕まえるのが大変だもんね」
「でも、ここでレベル上げもできるから好き」
「僕も」
その日の帰り、僕らは高いビルに登った。
階段で、1フロアずつ降りながら、いろんなところで
キスをしたり、フェラチオをしてもらったり、クンニリングスをしたりした。
女子トイレであそこを舐めると、彼女は何度も絶頂に達した。
男子トイレであそこを舐めてもらって、僕は何回も射精した。
最後は、一階の駐車場の片隅でセックスをした。



「子供、できたね」
「できたね」
その日、産婦人科から二人で帰って、報告した。
彼女の親は何も言わなかった。
僕の親も。
僕は予備校を辞めて、働き始めた。
お金も時間も余裕もない暮らし。
だけど、僕は彼女と、生まれてくる子供と、ちょっとだけゲームがあればそれで良くて、
それは彼女も同じだった。

108:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/09/28 22:56:09 xDGfC9+M
「……ね。なんで、君は、僕と一緒になったの?」
双子を抱く彼女に問いかける。
「あなたは、ゲームをやりなおさないから」
僕の妻、僕の子どもの母が答える。
バラクエ5は、まだやり続けている。
主人公たちはとっくにレベル99になった。
それでも、仲間になるモンスターは全部揃ってないし、レベル上げも完成していない。
「私ね─親が離婚したんだ。それも何度再婚して、また分かれて。
そのたんびに家族がバラバラになって、私はひとりになって……」
だから、一度はじめたらやりなおさないあなたを選んだ、と彼女は笑った。
最初に選んだ女の子とどこまでも旅を続けて。
子供を産ませて、家族になって。
全部のアイテムを集めて。
全部のモンスターを仲間にして。
それでも、まだまだいっしょにいて。
そんな人といっしょになりたくて、あなたを選んだ。
彼女はそう言ってキスをした。

109:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/09/28 22:56:40 xDGfC9+M
「―それにね、レベル上げを最後まで続ける人はね、臆病なの」
臆病だから、一度手に入れたものを絶対に離さない。
離さないから、どんどんレベルが上がっていく。
レベルが上がるから、―もう最初からやり直せない。

双子が眠ったことを確認して、彼女は、そっと服を脱ぎだした。
あれから、何度彼女とセックスしただろう。
二人は、ことばがいらないくらい相手を知り尽くして、
それでもまだ、全部を掘りおこしきれていない相手に夢中だった。
こんなに僕を喜ばせる唇と指と性器を持つ女性に、僕は二度とめぐり合えないだろう。
こんなに君を喜ばせるほど君の性癖を知り尽くした男性に、君は二度とめぐり合えないだろう。
手に入れた幸せのいくつかは、まったく幸運のなしえたもので、
それは、もう一度やり直しても、絶対に再入手はできない。
臆病な二人が臆病さゆえに互いの周りに築きあげたものは、失えば二度と手に入らない。
だから、たとえ、時間を巻き戻すことができたとしても、
二人は今以外を、互い以外のパートナーを選んでやり直せない。やり直さない。
だから、僕らは、ずっといっしょにいるんだ。


                                        fin

110:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/09/28 23:01:20 xDGfC9+M
これまた、馬鹿ップルEND候補から流用です。
昔はやりこんだものですが、今は大作の2週目は辛いw

111:名無しさん@ピンキー
08/09/29 01:19:14 buwA1NdW
一番槍!
GJ!!

112:名無しさん@ピンキー
08/09/29 02:45:40 XjZfZOYC
GJ!
そこまでやりこむ二人をマジで尊敬してしまった

113:名無しさん@ピンキー
08/09/29 02:58:22 bGti5HDQ
GJ!
見事な依存でした

114:名無しさん@ピンキー
08/09/29 21:31:16 yNJccoAF
久々のゲーパロ氏ktkr
相変わらずのGJな仕事
改めて敬服いたしました!

115:名無しさん@ピンキー
08/09/29 23:32:32 4uG+tSXm
俺は同じモンスター二匹揃えてレベル99にした卑怯者、だからか彼女できないの!

116:名無しさん@ピンキー
08/09/30 00:46:53 UnCA9VIz
俺に彼女ができない理由は、ゲームにすぐ飽きてチート使うからだったのか・・・

117:名無しさん@ピンキー
08/09/30 01:54:55 6UjHHfP5
>>115、116
いや、同じようなプレイをしている子達なら彼女になってくれるさ
ただ依存娘を彼女にしたいならゲームに依存する事から始めろとそういう事なんだろう…

あ、あとゲーパロさんGJです!

118:名無しさん@ピンキー
08/10/02 01:53:19 sUkW+TSr
ゲーパロさんGJ!

ドラクエ9は新作発表でしたがまた遅れないといいナァ。
2009年3月って書いてたけど延期しやすいしなぁ。


119:名無しさん@ピンキー
08/10/05 04:05:29 l8bcieVn
保守

120:名無しさん@ピンキー
08/10/05 15:14:00 TVqg0189
>>84-86
八神君の家庭の事情を思い出した

121:名無しさん@ピンキー
08/10/07 20:43:07 zEXNweLA
懐かしいw
実母がヒロインってのが斬新すぎたなあれは

122:名無しさん@ピンキー
08/10/10 18:07:02 AsCwbKw4
ほしゅ

123:名無しさん@ピンキー
08/10/11 18:21:31 oUl0hiIf
ほしゅ

124:名無しさん@ピンキー
08/10/15 01:50:10 GOvcwQmx
ほしゅ


125:名無しさん@ピンキー
08/10/15 21:57:55 IwxccYoC
依存カップルの出てくる漫画を教えてくれ

126:名無しさん@ピンキー
08/10/16 17:09:10 dkscQBv6
そのまんま共依存のカップルが、TAGROの「変ゼミ」に出てくる。

127:名無しさん@ピンキー
08/10/18 11:10:59 i62mnrTW
保守

128:Hurricane Run ◆RFJtYxNEj6
08/10/19 07:45:36 WCbErY1s
投下します

129:Hurricane Run ◆RFJtYxNEj6
08/10/19 07:46:07 WCbErY1s
『安全保障』

毎日武術の訓練をするのが日課となったのはいつからだろう。
物心が付いた時には師匠と呼ぶ人物がいた気がする。

―お前には守る人がいる。

周囲の人間からは常にそう言われてきた。
俺の家は或るかなりな旧家の分家筋にあたるらしい。
そして代々本家の子息を護衛、警護する役目を背負っている。

その「守る人」に出会ったのは小学校くらいの時だった。
ある日、やたら物々しい高級車で本家へ連れて行かれた。
そこに居たのは1人の少女。年は自分とそう変わらないだろう。

―今日から、この子をお前が守るんだよ。

幼いころから聞かされてきた、「守る人」。
しかし実際にその人が現れてみると、なんだが妙に気恥かしかった。

―ねえ、あなたがわたしをまもってくれるひと、なの?
―うん、…たぶん。
―じゃあ、きょうからわたしのないとさん、だね!
―ないと?
―おひめさまとかをね、まもってくれるひと!
 わたしね、いつかわたしをまもるひとがきてくれるってずーっといわれてきてね、ずーーっとたのしみにしてたの!
 これからよろしくね、わたしのないとさん!

無邪気に、矢継ぎ早に言葉を繰り出す彼女が愛しくて、
そして初めて他人に頼りにされたことが誇らしくて。

―うん!

俺は満面の笑顔で返事をした。

130:Hurricane Run ◆RFJtYxNEj6
08/10/19 07:47:07 WCbErY1s
それから始まった、俺と彼女の日々。
毎日同じ学校に通い―どうやったのか知らないが毎年同じクラスになった―俺は彼女を守る。
守る、とはいっても特に大それたことはしていない。
彼女は天真爛漫な性格でいじめに遭うタイプではなかったし、俺との関係が表沙汰になるようなこともない。
俺はただ遠巻きに、騒ぎに巻き込まれないか見ていただけ。
習い続けた武術が発揮されるような場面に遭遇することは全くと言っていいほど無かった。
それは少し不満だったけど、別に構わなかった。
確かに彼女とはそれなりに親しかった。が、友達とも、恋人とも違う。守り守られるという特殊な関係。
その関係が心地よかったし、誇らしかった。
―私の騎士様。
彼女はたまにふざけて俺のことをそう呼んでいた。

その関係が変わったのは高校生の時だった。
入学式の帰り、2人でたまたま繁華街を歩いていたら数人の不良に絡まれた。
最初は適当に追い払おうと思ったが、そのうち暴力を振るってきたので実力行使させてもらった。
負けるはずが無かった。こういう場面のために修行を積んできたのだから。
尻尾を巻いて逃げ去っていく不良どもを見つめながら、俺は歓喜に打ち震えた。
―彼女を守ったんだ。初めて。
その事実は、素晴らしいほどの充足感と喜びを俺に与えてくれた。
しばらくボーッとしてしまったが、はっと我に返って俯いている彼女に慌てて声をかけた。
その瞬間、何かで唇を塞がれた。
キスされた。それに気付くのは数秒かかった。
おい、と言葉をかけたが、それより速く彼女の手は俺の手を引っ張った。
訳も分からず彼女についていき、辿り着いた先は―ラブホテル。
当惑することしかできない俺の前で彼女は服を脱ぎ、俺に迫った。
助けてくれたお礼。確かそんな事を言われたような気がする。
そして俺たちは初めてのセックスをした。

その日から俺たちは毎日のようにセックスをするようになった。
彼女に誘われるまま、ホテルや学校、色々な場所で体を重ねあった。
特に、誰もいない時を見計らって本家でするのが互いにお気に入りだった。
彼女を守る。その使命に反していることを一番強く感じて、背徳感みたいなものがあって燃えた。
ただ、いくらセックスをしても彼女の本心だけはよく分からなかった。
単なる護衛であるはずの俺に、なぜここまでするのだろうか?考えても答えは出なかった。

131:Hurricane Run ◆RFJtYxNEj6
08/10/19 07:50:20 WCbErY1s
「なあ、何で俺を選んだんだ」

いつものセックスの後、彼女にふと聞く。
大学を卒業後、彼女とは結婚することが決まっている。
話を持ちかけたのは本家だった。彼女が周囲の人間たちを説得させたらしい。
こういうことになったのは、家の歴史の中では別に俺たちが初めてではないという。
俺達の関係は、他人から見れば、恋人、に見えるのだろうか。俺はどうしてもそうは思えなかった。

彼女は少し考えると、やがて口を開いた。
「安全、ってね」
「安全?」
「そう、安全。それってね、社会から与えられたり、権利として持ってるようなものじゃないと思うの」
何を言っているのかよく分からない。
「例えばね、最新の車と壊れかけの車が目の前にあったとして、どっちを選ぶ?
 ね、最新の車の方でしょ?
 事故に遭うと分かってて、わざわざ壊れかけの車に乗る人はいないでしょ?」
「それが何を―」
「つまりね」
俺に向き直る。
「安全っていうのはね、与えられるものじゃないの。自分で最善の選択をして、自分で守っていくものなの。
 そして、わたしにとっての『安全』は―あなたがそばにいてくれること」
少しはにかんだ顔が眩しい。
「高校の時さ、不良を追い払ってくれたことあったでしょ。
 あの時ね、私思ったの。大袈裟なことじゃなく、一生この人に守ってもらうんだって。
 この人がいなきゃ私は生きていけないんだって、本気で思ったの。
 だからあの場で体を求めたの。関係を繋ぎとめておくために。
 あなたを選んだのはそういう理由」
そして彼女は俺に体を預けて、その顔に最高の笑顔を湛える。
ああ、そうか。
最初は、周りに言われるままに彼女を守っていた。それが使命だと思っていた。
だがいつからか、俺は彼女の笑顔が見たい、共にいたいと思うようになって―

「これからもよろしく。
 ―私の騎士様」

今までも、そしてこれからも。
俺は、彼女を守る。ずっと守り続けていくんだ。

132:Hurricane Run ◆RFJtYxNEj6
08/10/19 07:51:36 WCbErY1s
以上です
よくあるお嬢様とその護衛の関係って依存になるかなあと思って書いてみました。

133:名無しさん@ピンキー
08/10/19 11:23:41 +6na+QY2
>>132
投下乙

んー、依存っていうより純愛物に見えるんだが気のせいかな。

134:名無しさん@ピンキー
08/10/19 19:22:57 pPUHsuml
>>132
GJ!ずっと、投下まってました!!

135:名無しさん@ピンキー
08/10/19 21:59:14 ehGyS+ok
GJ!
従者スレでも行けそうだな

136:名無しさん@ピンキー
08/10/19 22:00:18 ehGyS+ok
スマソ
sage忘れた

137:名無しさん@ピンキー
08/10/20 00:36:33 YpxiMkLx
依存というには若干の強引さを感じるが、十分にGJだな!
GJ!

138:名無しさん@ピンキー
08/10/21 02:30:49 cbiS2rKy
あれ?ここって、保管庫ないの?

139:名無しさん@ピンキー
08/10/21 02:32:45 pm1i5gWK
なんせほとんどの投稿がゲーパロ氏ですから

140:名無しさん@ピンキー
08/10/21 13:32:57 BkAU126p
>>132
良い話しを読ませて頂きました。ぐっじょ!

141:名無しさん@ピンキー
08/10/25 00:27:07 AnjAoDbI
保守

142:名無しさん@ピンキー
08/10/26 11:43:43 x0uUBJnQ


143:名無しさん@ピンキー
08/10/26 13:43:59 R7wTK0eR


144:名無しさん@ピンキー
08/10/26 17:17:56 J15aRDGK


145:名無しさん@ピンキー
08/10/26 23:42:22 g/7Ef9ZC


146:名無しさん@ピンキー
08/10/26 23:53:02 4HymH/uq


147:名無しさん@ピンキー
08/10/26 23:59:30 Ypw+qUJr


148:名無しさん@ピンキー
08/10/27 03:31:36 6S/iBkUa


149:名無しさん@ピンキー
08/10/27 04:02:59 DZV1OTNT


150:名無しさん@ピンキー
08/10/27 15:46:17 TR+p+ZNi
しゅ

151:名無しさん@ピンキー
08/10/27 19:29:02 937rqB/H
インラインスラッシュ!!!

152:名無しさん@ピンキー
08/10/27 22:20:47 XKjBEfua
のーじゃっく!

153:名無しさん@ピンキー
08/10/30 07:46:31 XecLW2O2
保守

154:名無しさん@ピンキー
08/10/31 16:59:47 jUKMa6Ej
保守

155:名無しさん@ピンキー
08/11/03 00:17:00 euwKx+zW
保守


156:名無しさん@ピンキー
08/11/06 01:29:38 jCSID1Y2


157:名無しさん@ピンキー
08/11/09 01:20:28 lOKzOvm4
保守するしか能がないのも悲しいな、俺

158:名無しさん@ピンキー
08/11/11 08:55:24 ftUq+XQD
そんなことはない
書きたまえよ諸君

159:名無しさん@ピンキー
08/11/16 00:54:45 eGFuzfh/
保守

160:名無しさん@ピンキー
08/11/20 08:14:40 ykeI5FzF
ほしゅ

161:名無しさん@ピンキー
08/11/22 20:07:52 5YwDvI1P
ほっしゅ

162:名無しさん@ピンキー
08/11/22 22:28:02 0hWUdL+d
このスレ保守してる人とおれしか見てない気がしてきた

163:名無しさん@ピンキー
08/11/22 22:58:53 SvYNjoRq
安心し…ろとは言いがたいが俺もいるぞ!!

保守ついでにチラ裏
先日、ヤンデレと依存が区別がイマイチついていない潜在的に依存好きな友人に対して
ヤンデレが例えば「あなたが私以外のものになるなんて我慢できない」「あなたを殺して私も死ぬ」だとすると
依存は「私をあなただけのものにしてください」「あなたが死んだら後を追います」みたいななもんと説明
→友人を依存同志に転向させることに成功したぜ!

164:名無しさん@ピンキー
08/11/22 22:59:18 QVeREJ0e
このスレはROM専です。

165:名無しさん@ピンキー
08/11/23 01:11:43 qvjc4Mi6
>>163
GJ!!
そうだよね依存ってそういうもんだよね
ヤンデレでハーレムは血の臭いしかしないが依存でハーレムはありえそうなあたりも違うよね
お互いがいればそれで良いっていうのも好きだけどね

166:名無しさん@ピンキー
08/11/23 01:54:31 4PldqAaB
今、ちょっと書いてみてる物がある
こういうのは初めて書くからあとどれくらいかかるかわからんが、一週間以内を目標に頑張ってみる

167:名無しさん@ピンキー
08/11/23 02:00:55 AzP5gdML
>>165ヤンデレてやっぱそういうイメージなんだな

168:名無しさん@ピンキー
08/11/23 14:32:59 SVxv2U01
依存は「何番目でもいいから、時々でいいから私を見て」
ヤンデレは「一番でいさせて、ずっと私を見ていて」

こういうイメージだな。

169:名無しさん@ピンキー
08/11/23 15:03:30 f02PKS9e
自分が一番になるまで他の女を消すのがヤンデレじゃね?

170:名無しさん@ピンキー
08/11/23 15:59:47 SVxv2U01
>>169
そうそう。
「一番じゃいられないなら……」って感じでザクッと行っちゃうんだよな。
依存は「……全然見てくれなくなった。死のう」とザクッと行っちゃう感じ。

171:名無しさん@ピンキー
08/11/24 05:51:56 cHT9ePZA
ヤンデレは積極性の極地だが、依存は受身的という分け方が適切だと思う。
例えば男に裏切られて遂に無理心中を図ったとしよう。

ヤンデレなら死ぬことで一緒になるという意味合いがある。

依存なら、何もかも依存しきっていた対象に裏切られたことで世界全てに絶望し、
愛情転じた憎しみで相手を殺し、裏切られた悲しみから完全に決別するために自分も死ぬ。

俺のイメージはこんな感じかな。

172:名無しさん@ピンキー
08/11/24 21:33:17 HB2B3OhW
>>171わかりにくい

173:名無しさん@ピンキー
08/11/24 22:24:59 rx1AUxsX
>>170 のイメージの方がはるかに分かりやすいし俺もそっちだろうと思う。


174:名無しさん@ピンキー
08/11/25 00:45:03 Ir18/ZIX
心中を図る時点で俺にとっちゃヤンデレかな
依存はひっそり消えていくイメージ

175:名無しさん@ピンキー
08/11/25 01:13:27 zE9LiiZA
俺はヤンデレはもっと包括的なイメージで、その中の依存型て感じなんだが

176:名無しさん@ピンキー
08/11/25 02:05:14 yri4n00+
>>175
まあ最近誤解されてるが、ヤンデレは精神的に異常な状態であることが重要であって、人を殺したりとかはヤンデレであることに必要な要素ではないからな
もっとも人には何かしら大事なものはあるから、軽度か重度かの違いはあれど人はみんな何かに依存してると考えれば病的に依存してる人は割と少なくなるが
とはいえ仮にも依存シチュのスレである以上、ここに投下されるものはほとんどが病的な依存を描くものだろうから>>175の認識も正しいと言えるかも知れない

177:名無しさん@ピンキー
08/11/25 08:53:15 MikYktjH
そんな語られても

178:名無しさん@ピンキー
08/11/25 20:24:58 8KLn7NYc
何でもいいからSS投下しろ

179:名無しさん@ピンキー
08/11/25 20:47:20 A6MVtyxh
なに過疎スレで殺伐としてるんだ
ちょっと落ち着け

180:名無しさん@ピンキー
08/11/25 21:12:36 LwUc0M4B
>>177
>>176は「依存」に依存しちまってるんだよ。

たとえば依存君が学校を休んでバイトして、バイトが終わって一人暮らししている家に帰るとだな
依存「なあ…俺の部屋になんで>>176がいるんだ?」
>>176「もちろん、貴方が今日学校を休んだからですわ!」
依存「理由になっていない気が猛烈にするんだが……」
メイド「>>176様は、貴方が学校にお越しにならないばっかりに禁断症状が出まして」
依存「うぉ!いつのまに後ろに!……禁断症状って俺は麻薬か!」
メイド「>>176様にとっては変わりませんわ。午前中はそわそわなされたり授業に集中されなかったりですみましたが、
    午後には手の震えや異常な発汗、果てにはパニックになり貴方に会いにここまで貴方の名前をつぶやきながら幽鬼のごとく歩いてきました。
    貴方が帰ってくるまでは貴方の枕に顔をうずめることによって依存様分を(ry」
>>176「(依存に抱きつきながら)すごく……さびしかったです」
依存「(くっ この上目づかいは反則だ…!) ちょっ!首に鼻を擦り付けないでくれ!こそばゆい!」
>>176「いやです。我慢できませんわ!」
メイド「この後の予定は>>176様と一緒に(>>176様が抱っこちゃん人形状態で)散歩、そのあとは一緒に(きゃっきゃうふふしながら)お風呂に入っていただいて
   その間に私が作った(ハッスルできる粉入りの)料理を出た後に食べていただき、(>>176様を膝の上にのせながら)ホラー映画を鑑賞、
   その後に(>>176様をお姫様抱っこしながら)布団に入り(激しい運動をしたあと)就寝です」
依存「何か間に嫌な言葉が入っている気がするんですけど!? それに勝手にそんな予定を」
メイド「ちなみに明日には、依存様分を定期的に補充できる環境を作るため、市役所に行き婚姻届を受け取り、>>176様の両親に(ry」
>>176「そうなれば貴方は私の体を自由に弄べますわ。それに私の家の財産だって好きにできますし、私ができることならなんだってしてみせます
    だから…お嫌かもしれませんが、私をそばにおいていただけませんでしょうか・・・?」
依存「(胸!胸があたってる!)うっ、それは・・・ううう・・・」
メイド「今>>176様をお買い上げいただけえればもれなく私もついてまいりますが(依存の股間をなでながら)」
依存「うわああああああああああ!!!!!(ヘブン状態!)」

なくらいに>>176はもう依存無しでは生きられない体になっちまったんだよ!
だから…語る事ぐらいは許して…やってくれ……orz

181:名無しさん@ピンキー
08/11/25 21:18:16 L0jBoDkh
安価がSSに入ると急に読む気が失せる、不思議!

182:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:19:45 WFfNLAPX
ううん、上手く「でも、もし〇〇だとしたら…?」につなげられないよう

183:名無しさん@ピンキー
08/11/26 02:38:34 kLgn47u4
>>180の妄想フィルターのほうがヘブン状態www

184:名無しさん@ピンキー
08/11/26 04:10:07 Uj7cll7s
>>180
そんな妄想力があるならSS書いてくれww

185:名無しさん@ピンキー
08/11/26 22:59:10 qjy3BIwI
>>181
それはアカンな ナンチテ

186:名無しさん@ピンキー
08/11/27 00:35:45 MyttAnHJ
>>180その力を何故SSにしない? 180にSSを書いて欲しい奴挙手

187:名無しさん@ピンキー
08/11/27 02:12:29 kdFaX5+r
飢えてきてんなあ…
>>166が本当に投下してくれりゃ助かるが

188:名無しさん@ピンキー
08/11/27 21:40:41 1/xGeyvD
>>176は俺の嫁

189:名無しさん@ピンキー
08/11/28 03:12:38 5e3x7CKv
誰かー
この前上げられたまとめのHTMLくれー
間違えて消してもーた

190:名無しさん@ピンキー
08/11/30 22:52:32 U3UP7k+3
土日に保守すらないとはw

そういえば漫画ガンスリンガー・ガールの義体少女達も見方によっては薬物や担当官に依存してるよな。

191:名無しさん@ピンキー
08/11/30 23:00:17 DpzdZdJw
担当官には、そうなるように条件付けされてる節もあるな。

四巻以降読んでないが。

192:名無しさん@ピンキー
08/12/01 07:42:45 oJUMIxWw
電撃大王購読組だが「節もある」どころかほぼ間違いなくされてるw

最近じゃそれふまえた上で担当官にまっとうな恋愛感情持ってるキャラとか出てきたが、
依存系としてはどうなんだろうかね

193:名無しさん@ピンキー
08/12/01 11:58:03 YsLQfAxu
依存心に表面的な抵抗をみせる、ツンデレ依存系かぁ…複雑すぎるw

194:名無しさん@ピンキー
08/12/01 17:24:29 SSIsO/Rr
投下したいと思います。
エロなし・男視点
依存と呼べるかは自分も、不安です。
苦手な方はスルーして頂ければ幸いです。

195:チョコレート中毒
08/12/01 17:25:15 SSIsO/Rr
彼女はぷくんとした唇にそれを運ぶ。桜貝のような爪で大切そうにつまみ、赤い舌でちろりと舐める。
その光景をみるのが僕は好きだ。
「そんなに好き?」
「うーん。それは難しい質問だな、ツトム君」
ブレザー姿の小柄な少女は小さく首を傾げながら、名探偵のように言った。
年頃の男女が放課後の教室に二人きり。だが僕らの間には緊張感はない。
「中毒なんだよ」
「中毒?エリカが?」
エリカの口から出た物騒な言葉に驚く。


196:チョコレート中毒
08/12/01 17:28:14 SSIsO/Rr
「チョコレート。食べ過ぎだもん私」
「自覚があるなら、食べなきゃいいだろ」
再びチョコレートを口に運んだエリカは、指を舐めながら僕を見つめた。
思わずドキリとする。
「それが出来ないから、中毒なの。正しくは依存っていうらしいけど。」
「ふーん」
エリカがチョコレートを食べる姿に再び僕は魅とれてしまう。
「ツトムはないの?」
ぼんやりしていた僕は、唐突な質問に頭が追いつかない。
「何が?」

197:チョコレート中毒
08/12/01 17:33:32 SSIsO/Rr
「だから、ツトムは何かに依存してる?」
―している。
だが僕は笑って答えた。 「してないよ。それよりそんなに食うと太るぞ」
机の上の箱からチョコレートを取り出し、口に放り込もうとした。
「あ、ダメ!最後の一個なのに!」
ツンと唇を尖らすエリカがかわいくて、余計にからかいたくなる。
「いいだろ一個くらい!エリカのケチ」
「ケチじゃないもん」
エリカは僕に飛びつき、手で口を塞ごうとした。
さっきまでエリカが舐めてた指が僕の唇に触れる。 甘いコロンの匂いと触れたエリカの柔かさに、僕はチョコレートを落とす。

198:チョコレート中毒
08/12/01 17:50:06 SSIsO/Rr
―僕は依存している。 幼なじみという心地よい関係に。友達より近くにいられ、家族にも似た信頼を築けるこの居場所に。
エリカに恋人が現れても、結婚しようとも、僕らの関係は変わらない。
僕らは「幼なじみ」なのだから

彼女はぷくんとした唇にそれを運ぶ。桜貝のような爪で大切そうにつまみ、赤い舌でちろりと舐める。
その光景をみるのが僕は好きだ。
そのために僕は幼なじみであり続ける。たとえ心が悲鳴を上げても。


199:名無しさん@ピンキー
08/12/01 17:56:34 SSIsO/Rr
投下終了です。
書かせて頂き
ありがとうございました。

200:名無しさん@ピンキー
08/12/01 23:08:47 ihuSofIj
一番槍GJ

201:名無しさん@ピンキー
08/12/01 23:35:43 gyLp+yAp
二番槍GJ

202:名無しさん@ピンキー
08/12/02 17:09:19 kEjYVTgs
三番槍は頂いた
GJ!

203:名無しさん@ピンキー
08/12/03 12:32:53 lr7xXz/7
保守

204:名無しさん@ピンキー
08/12/07 05:55:28 SqiShMTW
チョコレート中毒いいね
中毒という言葉は依存に似合う
今更だがGJ

205:名無しさん@ピンキー
08/12/10 08:12:55 CjiBpNf/
ほしゅ

206:名無しさん@ピンキー
08/12/10 11:22:46 tUhIN+AY
私が私でいられる時の続きを全裸で待ってる

207:名無しさん@ピンキー
08/12/12 00:02:49 jfzw+5Bz
>>206
馬鹿野郎!


全裸にネクタイ・靴下着用が正装だろうが

208:名無しさん@ピンキー
08/12/12 01:12:42 76p3GcvP
シルクハットもつけようぜ!!

209:名無しさん@ピンキー
08/12/12 13:59:35 f2Jvsev7
オプションで蝶々マスクモ付けようか!

210:名無しさん@ピンキー
08/12/12 18:47:06 HgCGpJh0
投下されたら蝶サイコーなGJを捧げねばなるまい!

211:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/15 01:48:57 yl2tgwY1
>>206-210
ありがとうございます。
いつの間にか冬になって、止まっているシーンの季節が回ってきました。
この冷気で当時のインスピレーションを思い出して描きたいと思います。全裸で。

その前に、犬な依存ものを保守代わりに。
依存度は高め。今回はまだエロエロには行きません。
たぶん、お漏らしとか、唾液とかそういう描写が出ると思います。

212:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/15 01:49:31 yl2tgwY1
<やまいぬ>・1

車から降りると、山の中腹のせいか、風が冷たく感じられた。
雪が積もっているのは、下の街でも同じだけど、
枝のない木々に積もった雪が、見た目にも寒さを強調しているように思える。
「ありがとうございます」
運転手さんに頭を下げる。
立場的に、下げる必要はないけど、僕はいつもそうしている。
厳密に考えれば、僕―犬養友哉(いぬかい・ゆうや)が頭を下げるべき相手は、
この山には、一人しかいない。
目の前に広がる大伽藍、一宗派の総本山にも匹敵する寺院の中にいる数百名の人間は、
すべて僕の下位にある、ということだ。
もっとも、それは便宜上の話だ。
いくら僕が、宮司であっても、まだ十五歳の少年が、
千年以上の伝統があるこの「神社」で二番目に偉いとは僕自身も思っていない。
だから、駅から運んでくれる「神社」お抱えの運転手にもきちんとお礼を言う。
それは、どこかで、自分が普通の人間であることを確認する儀式なのかもしれない。
普通の、十五歳の男の子。
ただの、高校生。
そう。
普通の、ただの─。
「ふう……」
鳥居の代わりにある大門をくぐったときに、ため息がもれた。
冷えた空気の中で、白く白く、僕の目にもそれが見える。
形になったため息を目にして、僕は、自分に言い聞かせている「それ」が、
虚しい自己暗示であることを改めて思い知らされた。
「……普通なわけ、ないよな」
山中のとほうもなく広大な私有地に建つ、巨大な「神社」。
信者の一人、観光客一人も立ち寄らない、「神社」。
─そんなものが、普通のはずがない。

213:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/15 01:50:03 yl2tgwY1
本殿に入って用意されている部屋で着替える。
学生服を脱いで、神官衣に。
黒褐色の袴を穿いたところで、禰宜(ねぎ)の岩代(いわしろ)さんが入ってきた。
「―友哉様。佐奈(さな)様が、お待ちです」
「はい、すぐ行きます」
「今日は昼餉(ひるげ)も召し上がりませんでした」
「またですか。じゃあ……」
「はい。ご機嫌がとても……」
岩代さんは語尾を濁した。
才色兼備のこの女性が、こういう言い方をするとき、
それは、彼女たちの手に負えない状態であることを遠まわしに言っている。
「相馬(そうま)さんは?」
「権宮司(ごんぐうじ)は、来客中です」
禰宜の岩城さんより偉い、この神社の神主の第二位の人、
つまり、事実上この神社を切り盛りしている人の名前を口にしてみると、
黒髪の美女は、意外な返事をした。
「来客? 誰?」
「双奈木(ふたなぎ)の方だそうです」
「双奈木が? ……面倒なことのようですね」
この神社にも縁の深い名門<支族>の名前は、久しぶりに耳にする。
ということは、あまり面白くない内容の相談だろう。
「それも佐奈様のご機嫌を損ねている理由の一つのようです」
「そうですか」
ため息を押し殺す。
佐奈がそうなったら、相馬さんや岩代さんでどうこうなるものではないことは、
宮司、すなわちこの神社の神主の長である僕が一番よく知っていた。
「とりあえず─台所に行きます」
「そうしてください」
岩代さんは頷いて足早に出て行った。
僕はもう一つため息をついて、部屋の外に出た。

214:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/15 01:50:34 yl2tgwY1
赤身の肉。
京野菜。
貝。
米。
味噌。
鰤のいいのが入っていたので取りあえず、捌く。
用意された食材を、手当たりしだいに使う。
献立は、いつも適当。
考えすぎないことの大切さは、<修行>先で教えてもらった。
<神食>(かんじき)の作り方は、技術ではない。
もちろん技術も大切だけれど、それよりも、
食べる側が食べたいと思うか、思わないか、が大事だ。
そして、厄介なことに、あいつらは、往々にして
「何を作るか」よりも「誰が作ったか」のほうを重要視することが多い。
─佐奈は、その最たるものだ。
三十分でざっくりと仕上げて、膳に並べる。
相馬さんも、岩代さんも、もっと古式にのっとってきちんと盛り付けろと
小言を言うけど、今の僕にはこれが精一杯だ。
「渡ります」
部屋の外に声をかけると、緊張しきった様子の巫女さんたちが、観音式の扉を左右に開ける。
「寒っ!」
思わず言いかけて、慌てて口を閉じる。
料理を膳ごと持ち上げて、扉の向こうに出る。
僕の後ろですぐに扉が閉められる気配。
「向こう」までは、屋根付の渡り廊下。
長さは、百間(約180メートル)。
だけど、この寒さの中では永遠に続くように思える。

215:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/15 01:51:07 yl2tgwY1
走るように、渡り廊下を進む。
奥の院─神様の住まいに渡るときに、
それに仕える人間が、ゆっくり歩いて行くなど失礼だから、
必ず小走りに渡らなければならない。
─そういう作法だ。
だけど、実際は、そうせずにいられない。
足袋が踏みしめる白木の廊下はまるで氷の板のようで、
じっと立っているほうが、よっぽど辛い。
そういうことも考えてこの吹きさらしの渡り廊下を作り、
小走りに走って「向こう」に渡ることをもっともらしい作法にしているんじゃないか?
思わずそんな事を考えてしまう。
あながち、間違っていないかもしれない。
何しろ、僕の先祖どもがやらかし続けていることの悪辣さを考えれば、
それくらいの欺瞞はお手の物だ。
しょうもないことを考えているうちに、百間の廊下は尽きた。
奥の院。
古びた木作りの建物は、しかし、千年を閲(けみ)して、いささかの揺るぎもない。
どんな人間が、どんな技術で建てたのか。
僕にはわからないが、きっと「何か」があるのだろう。
ここに棲むものが、ここに棲んでいられるように、
あるいは─ここから逃げ出さないようにする技術。
ただの木材を千年保(も)たせる技術など、きっと、その副産物に過ぎない。
「……宮司、参りました」
本式の祝詞はめったに使わない。
どうせ、ここから先は、僕以外に誰も進むことは出来ないし、
佐奈はそういうことに特別気をかけないから。
相馬さんたちはうるさく言うけど、案外、本物の神様はそういうことを気にしないものだ。
そう。
この神社の奥の院は、本物の女神の棲家だ。

216:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/15 01:51:38 yl2tgwY1
「遅かったでないかえ……?」
陰々とした声が響く。
部屋の中央でうずくまっている白い布の塊。
部屋に入ったとたんに、こっちに駆け寄ってこないのは、
─重症だ。相当機嫌が悪い。
「ごめん。……いったいどうしたの?」
できるだけ刺激しないように声をかけながら、そっと膳を置く。
「わらわは昼餉も取れずにおったのに……」
こちらの質問には回答せず、ただ文句だけを返す。
瘴気が、渦巻いた。
最低限。
僕の鼻先─膳のぎりぎり手前でそれは巻き戻って散る。
相手に、それをわからせる程度。
本気ならば─膳の上の料理は腐り、僕は発狂するだろう。
そして、佐奈は僕以外の相手にそれを躊躇することはない。
「ごめん。……でも昼ご飯は用意していたよ?」
向こうに手付かずに残っているもう一つの膳を見ながら言う。
紙をかぶせたそれは、朝、僕が作っておいた「おにぎり定食」だ。
「わらわに、あんな冷たい物を食わせる気かや?」
ねっとりとした声に含まれる怒りと苛立ちは、耳から入って腹の底に沈む。
僕以外の人間なら、一週間で胃潰瘍、一ヶ月で胃癌だ。
しかし、毎度のことながら、佐奈の言うことは理不尽だ。
……そりゃ、朝作ったおにぎりは、昼には冷めているだろう。
でも、普段はそんなものでも喜んで食べる。
「わかった。そっちは片付けるよ」
「……後で食す」
食べないとき、捨てようとすると慌てて抱え込む。
仔犬のころから変わらない。
この辺の呼吸は、他の人にはわからないらしい。
あるいは、わかっても、どうしようもないのか。

217:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/15 01:52:09 yl2tgwY1
僕が佐奈に対して、「こうできる」のは、昔からの関係によるものに過ぎない。
「じゃ、とりあえずお昼にしようよ」
少し強引に会話を切り上げ、膳を置くのも他の人にはできない。
─次の瞬間、床に突き飛ばされた。
佐奈が座っていたところから僕の場所まで、軽く10メートルはある。
膳を飛び越えて体当たり。
何が起こったのか見当がついたのは、床に思いっきり頭をぶつけてからだ。
「おそいおそいおそいおそいおそい!!」
一瞬気が遠くなるが、なんとか踏みとどまる。
僕の身体の上に、白い神衣の女が乗っていた。
白磁の美貌。
黒髪と、そこから生えた獣の耳。
鋭い牙。
そして堅く閉じられた目と、空気に渦巻く凶気。
佐奈、この神社に祭られた女神は、
盲(めしい)た犬神。
病み、狂気に陥った凶神(まがつかみ)。
そして、その凶神は、叫んだ。
「なぜ早く戻らない。なぜ早く戻らない。
わらわが待っているというのに! わらわが待っているというのに!」
千年の間、代々に犬神の血を受け継ぐものの間に生まれてきた、
人が作った、美しく、狂った、強力な女神。
そして─。
「―わらわは、友哉だけを待っているというのに!」
……そして、佐奈は、僕の飼い犬。
この娘が、産まれたばかりのまだ力に目覚めない仔犬の頃から飼い育て、
僕の匂いを覚えさせ、食事を、用便を、生きることのすべての世話をして、
犬神の血が目覚めても逆らえないように作った、女神。
僕は、犬養の宮司。
─盲目の女神を飼う、神官。

ここまで

218:名無しさん@ピンキー
08/12/15 02:29:20 OyaAlJld
>>211
縁側越しに日本庭園を臨む和室で
黒檀の文机に向かって端座し
巻紙に筆で書き付けるゲーパロ専用師の
全裸のお姿が浮かんだ

GJ !!

続きをお待ちする
まっぱで

219:名無しさん@ピンキー
08/12/15 12:44:36 IrJ8NMnJ
全裸だと風邪引くぜ
靴下履けよ

220:名無しさん@ピンキー
08/12/15 18:17:17 zDZ+hO39
>>217
犬×呪術的要素×依存関係とは、これはまた一味違うものを出してきなさったな。
舞台設定を現代系じゃなくてファンタジーっぽくするのは、目から鱗の発想。一刻も早く続きが読みたいです

221:名無しさん@ピンキー
08/12/15 18:25:47 xpT8CWIX
おぉ素晴らしい
続きをwktkしながら待っております。

222:名無しさん@ピンキー
08/12/15 18:29:42 vY1uaX2/
獣系だと鋭い眼光とかを想像するけど盲目なのか。歪みを感じていい感じ。
口は人間のなんだよねきっと。激しい性格っぽいのでつい獣口を想像してしまう。
とにかくGJでございました!

223:名無しさん@ピンキー
08/12/16 21:35:14 zDl6KmNM
盲目ってそのままの意味で目が見えないって
いう意味なの?
てっきり主人公のことしかみない、狂った様を
表現しているのかと思った。

224:名無しさん@ピンキー
08/12/16 21:57:10 DMvTslg9
おそらく犬は色盲という話から生まれた設定だろうから、そのまま目が見えないんでしょう。
文中でも主人公視点から、堅く目が閉じられているとかいう描写もあったし

225:名無しさん@ピンキー
08/12/17 21:31:41 RT9M5rGV
GJ

226:名無しさん@ピンキー
08/12/21 15:27:04 tobtolHe
直接的な行為は何一つ描写されてないのに
濡れているような文章で勃起してしまった
GJ

227:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/21 23:59:22 c+S4/sRs
続きをいきます。
まだ本番までは行きません、ごめんなさい。
おしっこのシーンがあります。
苦手な人はパスしてください。

228:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/22 00:00:13 c+S4/sRs
<やまいぬ>・2

ほんのわずかな時間でも貴方と離れていることは辛いことなのです 。
私と暮らす前にどうかそのことを覚えておいてください。(犬の十戒より)

「……飯は左手前、汁は右手前。汁は、けんちん。
左の奥は、バイ貝の肝と大根の煮物。
右の奥は膾(なます)の代わりに鰤の刺身と水菜。
中央は香の物。
焼き物膳は、牛の赤身を塩胡椒で焼いたものでございます。
箸は一番手前にございます」
……盲いた神様に膳を供えるときは、膳の位置と料理を申し上げる。
もとは、稲の葉で目を突いて目が見えなくなった豊穣の神様への儀式だが、
目が見えないことが多い「病犬(やまいぬ)の神」へ食事を献じるときの儀式として、
何百年か前のご先祖様がこれを取り入れた。
─多分、それは宮司の考え付いたことではない。
僕と同じく、「病犬神」を飼う宮司なら、
そんなものが必要でないことを、最初から知っているだろう。
目を閉じた佐奈は、僕のことばのたびに膳の上のその料理に正確に顔を向ける。
そして、そわそわと僕の顔を「見る」。
「……召し上がれ」
儀式は、この後、長々と祝詞をのべることになっていたが、
僕はいつもそれを省略している。
佐奈が我慢している顔を見るのは、好きでないから。
きっと、儀式を考え出したのは、「犬」を飼ったことのない人間だろう。
相馬さんや、岩城さんのような立場の人にとっては、
神社を運営するために必要なこと─権威とかそういうもの─を細かく考える必要がある。
でも、多分、「犬」と直接触れ合っている宮司は、
代々それをこっそり無視しているにちがいない。
僕と同じように。

229:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/22 00:00:46 c+S4/sRs
「いただきます!」
許可のことばを耳にするやいなや、佐奈は箸を取って食べ始めた。
昼を抜いたせいか、いつもより「喰い」の勢いが良い。
焼き物も、煮物も、サラダも、刺身も、素晴らしい速さで消えて行く。
箸使いは、僕が教え込んだ。
僕が母上に教え込まれたときよりは厳しくはないだろうけど、
それでもかなり徹底して教えた。
目が見えなくても、皿の位置が分かるのは─佐奈は鼻が利くからだ。
犬の嗅覚は、人の一万倍。
でも、佐奈は─それどころでは、ない。
「犬神」は、この世ならぬものの「匂い」も嗅ぎ分ける。
そして、「病犬神」の「嗅覚」は、普通の「犬神」の比ではない。
だから、佐奈は、閉じ込められた。
この「神社」の奥底に。
接するのは、彼女に仕える宮司の、「飼い主」の、僕一人。
そうしないと、佐奈は─。
「喰(く)らい終えたわ」
つぶやいて、佐奈が箸を置いた。
いつの間にか、膳の上は、何も残っていない。
苦手なサラダも、鰤の味がよかったのか、統べて平らげている。
残す残さないで叱らないですむ。
「おそまつさまでした」
「……ごちそうさまでした」
膳を片付けはじめると、佐奈はあわてて手を合わせて言った。
女神になった今では、僕に対して言わなくてもいいことばだが、
佐奈は、どんなに機嫌が悪くても、これだけはやめない。
それは、出された料理が、僕の作ったものだから。
そして、佐奈は、他のものを食べることが出来ない。
僕以外の人間が、佐奈の世話をすることが出来ないのと同じように。

230:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/22 00:01:18 edYG/sM9
佐奈の嗅覚は、鋭い。
外法によって強化された「病犬神」は、
文字通り「法(のり)」の外の嗅覚を有しているのだ。
それは─普通の世界に出たら、たちまちのうちに狂って
周りにあるもの全てを殺しまくり、自分も狂死するくらいの。
もともと狂った、そして強力な犬神を、さらに強化して「作られた」女神は、
ごく普通の空気の中にある匂いから、あらゆる事象を読み取る。
─そして、その「匂い」に耐え切れない。
だから、佐奈は、「神社」の奥の院に閉じ込められる。
幾重にも結界を張り、匂いを抑える術を重ねた、特殊な空間の中でしか
この女神は生きられないのだ。
だが、それを世話する人間が要(い)る。
生きている以上、様々な匂いを身にまとう、生きた人間が。
女神に、その匂いを耐えさせるために、
「神社」の外法使いたちが考え出した方法は、「飼い主」だった。
「病犬神」が生れ落ちた瞬間、最初に匂いを嗅がせ、
以降、衣食住、全てにわたり世話をする、飼い主。
髪を、肌を、肉を、血を、汗を、涙を、排泄物を、精液を─。
全てを刷り込むように嗅覚になすりつけ、「慣れ」させる。
それは、女神の一生に一人だけ。
赤子の持つ、順応力にのみ許される業(わざ)。
生れ落ちた瞬間からはじめる、ただ一度の機会を逃せば、
「病犬神」の嗅覚にそれを慣らすことは不可能だ。
そして、その飼い主は、長じて「宮司」となる。
生れ落ちた、犬とも人ともつかない無力な赤子が、
人の数倍の速さで成長し、自分の背丈を追い越すころ、女神の力に目覚めるとき。
凶神の「飼い主」は、彼女に仕える神官になるのだ。
─佐奈の飼い主は、僕だ。
佐奈は、僕の匂いにだけは「慣れ」ている。
だから、僕が作ったものだけは食べることが出来るし、僕の手だけが彼女を世話することが出来る。

231:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/22 00:02:00 edYG/sM9
「―嫌な匂いがするぞえ……」
食事を終えた佐奈が、ぽつりと言った。
僕は、はっとして振り返った。
「きょ、今日は何もないはず、だよ……?」
僕が高校に通うようになってだいぶ経つ。
佐奈も慣れたはずだ。
四月の頃はひどかった。
僕の身体に移った、クラスメイトの女の子たちの匂いに反応した佐奈は、
荒れ狂って奥の院を破壊するところだった。
六月にラブレターを貰った日には、
「神社」の職員の三分の一を衰弱死寸前にするくらいの瘴気を放った。
七月と八月には─いや、やめておこう。
とにかく、半年近くをかけて、僕は佐奈に、
僕が高校で「普通」の学生生活を送ってくることを慣れさせた。
佐奈の嗅覚は、尋常のものではない。
それは、文字通りの意味だ。
食べ物の匂い、汗や排泄物の匂い、服に着いた空気の匂い……。
普通の犬なら、匂いで主人の体調を嗅ぎ取るくらいはできる。
普通の犬神なら、さらに進んで、主人が何をしてきたか、過去を「嗅ぐ」ことができるだろう。
だが、「病犬神」は─。
嗅ぎ取れないはずのものを嗅ぎ当てる。
10メートルも離れて座ったクラスメイトから僕の学生服に移った匂いから佐奈が嗅ぎ当てたのは、
─彼女の素性と、僕に対して好意を持ったという、僕さえ知らない相手の心の中。
本殿に置いてきたカバンの中のラブレターから嗅ぎ取ったのは、
─ラブレターの一字一句ちがわない文面。
「病犬神」の嗅覚は、この世のあらゆる事象を嗅ぎ取る。
当たり前の話だ。
「病犬神」は、この世ならざるものの「匂い」を嗅ぎ、悟る女神。
そのために目から光を奪われ、「神社」の外で生きる術を奪われ、
ただ飼い主だけを与えられて力を強化された凶神。

232:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/22 00:02:31 edYG/sM9
「……違う。今日の友哉は、良い匂いじゃ」
佐奈がそう言ったので、僕はちょっとほっとした。
機嫌の悪い日の佐奈には、気を使う。
……待てよ、機嫌が悪い?
はっとして、本殿のほうを振り返る。
もちろん渡り廊下に続く扉は閉まっている。
でも、佐奈にはわかる。
呪法を重ねた分厚い木の扉を通して、
百間の渡り廊下を隔てて、
本殿のいくつもの部屋を越えて。
「双奈木の来客か」
「……嫌なものを持ち込んできたぞえ」
先ほど岩城さんから聞いた、<支族>の人は、
何か厄介ごとを頼みに来たのだろう。
─きっと、「病犬神」が必要なくらいに厄介な、「あちら側」の問題を。
「……」
「……」
僕と佐奈は黙り込んだ。
佐奈は、何を「嗅ぎ取った」のか。
それが、「良くないもの」なのは、僕にも分かる。
凶神といえど、「こちら側ではない世界」のことに関わるのは、危険なのだ。
でも、僕は、この「神社」を預かる僕は─。
「良い。聞かせてたも」
佐奈は、軽く頭を振りながら言った。
「……ごめん」
「わらわの仕事じゃ。のう、主どの?」
僕は答えられなかった。
犬養の宮司は、そのために、女神を飼う。
病犬に、この世ならぬものを嗅がせ、識(し)るために。
「神社」は、その外法を欲する者たちの莫大な援助によって成り立っているのだ。

233:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/22 00:03:27 edYG/sM9
「そのような顔をいたすでない。わらわは、そういうことをする犬神じゃ」
佐奈は笑った。
釣りあがった唇から、白い犬歯が見える。
黒髪の間から、犬の耳が見える。
硬く閉じた目蓋から、暗い光が見える。
くすくすと笑う、美しい女。
僕の喉が、ごくりと鳴る。
それは、恐怖だ。
僕は、佐奈の飼い主。
この凶神を、生まれたときから飼ってきた、飼い主。
だから、佐奈は僕だけは傷つけない。
僕の言うことだけは聞く。
だけど─。
「どうしたかえ、主どの?」
時が経ち、身体も力も僕よりも「早く」成長していく佐奈に、
僕は時々恐怖を覚える。
この娘は─昨日と同じ、僕の飼い犬なのだろうか。
ひょっとしたら、幼い頃から縛り続けていた見えない鎖は、
今日は、もうこの娘を縛るだけの力を有していないのではないか。
─歴代の宮司には、女神を縛り続けることが出来ずに、食い殺された者もいる。
僕が、そうならない保証はどこにもない。
「……なんでもない。双奈木さんの話を聞いてくる」
僕は、ちょっとだけ歯を食いしばって、その恐怖に耐え、佐奈に返事をした。
「……ふふふ」
佐奈が、また笑う。
「どうした?」
「駄目じゃ。―その前にわらわに湯浴みさせてたもれ」
佐奈は立ち上がって、するすると神衣を解き始めた。

234:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
08/12/22 00:04:03 edYG/sM9
「―腕、上げて」
「こうかえ?」
僕の言葉の通りに佐奈は腕を上げた。
白い腕。
生まれてから、一度も陽の光を浴びたことのない肌は、
妖しいまでに白くなまめかしい。
腋の下は、もっと白いように思える。
僕は、そっと唾を飲み込んで、そこを布でぬぐった。
ゆっくりとこすり、流す。
お湯は、霊峰から湧き出る清水を沸かしたものだ。
水と空気は、術法を加えれば、なんとか「病犬神」が耐えられる匂い。
─そのために、「神社」はこの地に作られた。
「ふふふ、どうしたかえ?」
湯気の中で、佐奈が笑う。
「なんでもないよ」
僕は目をそらしながら言った。
「もそっと強く洗ってたもれ。胸乳を、の」
佐奈が胸をつき出した。
まだ背の伸び盛りを迎えていない晩生の僕より、今の佐奈は背が高い。
日を追うごとに成長の差は開き、佐奈の身体はどんどん成熟していく。
おっぱいは─ものすごく大きくなった。
「仔犬」のころの、まるで人形のように小さく薄い身体を見ている僕には、
その成長は、目の前にしていても信じられない。
だけど、これは現実だった。
「どうしたかや? 早う……」
促されるまま、布越しに触れる、弾力と重みも。
「ふふふ」
佐奈の含み笑いが、湯殿に小さく反響する。
「くそっ……!」
僕は小さく毒づいた。


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