☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第82話☆ at EROPARO
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第82話☆ - 暇つぶし2ch69:Das Erbe zur Zukunft③
08/08/20 22:01:11 kvaUvLtf
「止めることもできた・・・・・・力ずくで、あの娘を戦いから遠ざけることもできた・・・・・・だが、私にはできなかった。
ただ、私の役に立ちたい一心で・・・・・・眩しい夢を追いかける彼女を・・・・・残骸でしかなかった私は、止められなかった・・・・・・・」

「その気持ち、よくわかります。僕もある人の人生を捻じ曲げてしまった。普通に生きていけるはずだった女の子に魔法の力を与え、戦いに巻き込んでしまった。
それで救えるものはありましたが、失ったもの、傷つけてしまったものも多かった・・・・・・・ですが、それを悔やんで否定してしまえば、
その人の思いまで踏み躙ることになるんじゃないでしょうか?」

ユーノの脳裏に、最愛の妻の姿が思い浮かぶ。
高町なのは。
第97管理外世界で、ごく普通に生きていた少女。彼女の人生は、ユーノと出会ったことで一変してしまった。魔法の力を手に入れ、望まぬ戦いに身を置き、
何度も危ない目にあった。積み重ねた無理が祟って死にかけたこともあった。それは全て、自分と関わってしまったからだ。
ユーノ・スクライアという人間と関わらなければ、彼女はきっと戦いとは無縁の生活を送り、平和な世界で喫茶店の店長にでもなっていただろう。
その平凡な幸せを奪ってしまったのは、間違いなく自分の罪だ。そのことについて悩んだことは、一度や二度ではない。だが、彼女はそれを責めなかった。
それどころか、魔法と出会ったおかげで多くの友人達と出会うことができ、困っている人達の手助けができるようになったと、感謝を述べたのだ。
目を背けたくなるような絶望を何度も垣間見たはずだ。
その手で救うことができなかった命もたくさんあったはずだ。
それでも、彼女は責めなかった。やがては魔法の力を失い、戦闘魔導師でいられなくなっても彼女は責めなかった。
それが今の否定になってしまうから、どんな結果でも後悔しない。自分の意思を貫いたのだから、過去の自分は否定しない。
重傷を負って搬送された病院でも、JS事件が終結した時も、プロポーズを受け入れてくれた時も、そう言って彼女は自分のことを責めようとはしなかった。

「僕なんかが言えた義理じゃないと思いますが・・・・・・・後悔も懺悔もやろうと思えば誰でもできます。
けれど、行動することは・・・・・自分から何かをしようとすることは、きっと勇気がいることです。だから、もう少し自分を許してみたらどうですか?」

「許すか・・・・・・・許せていたら、こんな姿は晒しておらぬよ」

「不器用ですね、お互いに」

お互いに苦笑を漏らし、二人は頭上に広がる青空を見上げた。
戦いの音はすぐそこまで聞こえてきている。意識せずとも感じ取れる魔力の渦、それは開かれた世界でぶつかり合う二人の少女のものだった。

「大丈夫です、あなたの娘はヴィヴィオが必ず助け出す。何と言っても、僕となのはの娘ですからね」

「難しいぞ・・・・・・私の娘はかなりの頑固者だからな。だが、今だけは信じさせてもらうと・・・する・・・か・・・・・」

傷の痛みに表情を引きつらせながらも強がりを見せるシエンにつられ、ユーノもまた笑みを零す。だが、彼の内心はシエン程穏やかではいられなかった。
彼の脳裏に浮かんでいるのは、カリム・グラシアが預言者の著書によって宣託したある一節だった。その不吉極まりない言葉を思い返す度に、
ユーノの背筋に凍えるような寒気が走り、最悪の結末が想像されるのである。

『二つの星は大地を焼き、かくして王は天へと昇る』

今、クラナガンの空で二人の聖王が対峙している。この一節は、戦いの果てにそのどちらかが死亡することを予言しているのだ。


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