【ここで】フォーチュンクエスト13【ない場所】at EROPARO
【ここで】フォーチュンクエスト13【ない場所】 - 暇つぶし2ch430:名無しさん@ピンキー
09/01/31 19:27:07 6tBYj+s6
それにしても、ほんとに…感想少ないね
基本的にこういうもんだと思ってたけど、このスレに入ってから
SS投下以外の話題だとものすごく書き込み増えるの見て
こんなにいつも人いたのかとなんか変な気分になったお

431:名無しさん@ピンキー
09/02/01 12:38:08 SNU0Byhn
書き手名指しリクなんかされたら
そのリク投下が終わるまで他の書き手は投下できないと言ってみる。
ただそういう作品が読みたい、じゃ駄目なんだろうか。書人さんが書いてくれなきゃ駄目だと。
感想少ないスレスタイルを書き手が受け入れろって言ってた奴もそうだけど
ここの住人は基本的に書き手の気持ちを考えてるつもりで理解してない。
だが絶対数は読み手のが多いだろうし、余計なこと言えば叩かれるだけなので書き手は黙ってるしかない現実

432:名無しさん@ピンキー
09/02/01 14:47:47 jBiFsZsy
もーちょい気楽な感じでもいいんじゃないかね
ちょっと前後混乱しても、好きな時に好きなネタでやってもらう感じで
事前にあいさつとか「これの続きです」とか「途中に失礼します」とかあるだけで充分な気がする
要するに最低限の配慮があれば
リクに関しても深く考えないでいいと思う

433:名無しさん@ピンキー
09/02/01 14:56:11 jBiFsZsy
あと、今更だけど、
書き手はただでさえ意見出しづらいわけだから
議論になると変にギスギスして、ますます出せなくなるような流れはやめよーぜ
自分の意見を淡々と言う感じがいい
ケンカ売るような書き方するのも、それを買う方もやめないか

あと>>430に同意

434:名無しさん@ピンキー
09/02/01 19:35:01 qRxR4RHp
>>431
>>428>>422の書人さんの、
>感想頂けたりリク頂けると、書き手冥利につきます。
>読んでもらえてるんだなー次何書こうかなという原動力ですので、
>今後ともよろしくお願いします。
に反応しただけでは?
書き手さんがこう言ってくれたときに、
誰でもいいから書いてってリクの方が失礼な気が
感想に意見したり自治しようとすればするほど
このスレは荒れるような
マターリしようよ

435:名無しさん@ピンキー
09/02/01 22:04:27 30WvIoiD
他人の感想を引き合いに出す奴、いつも居るよな。
毎回同じ奴か?
その感想を述べた人には勿論のこと、
職人さんにも失礼だからいい加減止めろよ。

436:名無しさん@ピンキー
09/02/01 22:53:51 9of8GXE8
>>435
2chでそれは愚問。
本人が認めるわけないし違うと言ったところで証明もできない。
徹底放置すれ。上でも言われてるじゃん。
「けんか売るような書き方するのも」「それを買う方も」やめないか

議論文書き連ねる暇があるなら感想なりリクエストなり前向きなこと書こう。
というわけで自分はがっつりエロありのトラパス希望と言ってみる。
状況に流されてとかじゃなくて、パステルが望んで~というのは、パステルの性格上難しいかな。
甘いギアパスもギアトラパスの続きも楽しみにしてます。


437:名無しさん@ピンキー
09/02/02 12:13:18 uwuznNMy
元プロテニスプレイヤー松岡修造の自作動画がナゼか大人気

『YouTube』や『ニコニコ動画』にアップロードされている動画に、なにやら不気味な兆候が見えているという。なぜか、
元プロテニスプレイヤーであり、テレビのレポーターで活躍をしている松岡修造さんの動画が大量にアップロードされて
いるのだ。しかも、放送されたものをそのまま掲載するわけではないことから、松岡修造さんを見たいがためにアップロ
ードしているわけではないようだ。そう、アップロードされる松岡修造さんの動画のほとんどが編集されており、意味不
明の動画になっているのである。

著作権等の問題がクリアになっていないと予想されるためココに掲載することはできないが、松岡修造さんが見ても誰も得しない
動画を紹介する『【どういう】「誰得動画」ランキング創刊号【ことなの…】』や、強引に松岡修造さんにアフレコさせてしまった
『【ドラゴンボール】 もしも16号が 松岡修造だったら』、意味不明な松岡修造さんの編集動画ランキングの『年刊 松岡修造
ランキング』、松岡修造さんのわけがわからない動画の総集編『【松岡修造】ニコニコユーザーへ向けてメッセージ【熱血】』など、
とにかく数多くの動画が掲載れている。その数は、『ニコニコ動画』だけでも918件もあるのだ。

なぜ、いま松岡修造さんに注目が集まっているかまったくの不明だが、動画の内容もまったく不明なので、最近は誰も得しな
い謎だらけの動画が流行っているのかもしれない。

438:名無しさん@ピンキー
09/02/02 16:50:28 P/k1Gxhd
自分はギアパスの人の黒マリーナをしつこく楽しみにしてます…

あとねー、>>377の一行にすっごい萌えた

439:名無しさん@ピンキー
09/02/09 19:12:37 C5JOP19h
保守

440:名無しさん@ピンキー
09/02/11 08:48:28 /srA789i
誰か書いてくれないかな~保守

441:名無しさん@ピンキー
09/02/13 10:51:12 ZuRLpSgF
はす

442:書人
09/02/14 02:12:20 iri9+ZJo
こんばんは、書人です。
リク頂いていたにも関わらず遅くなってすみません。
バレンタインネタにしましたが、ギリギリ間に合いましたw


ギアパス、甘めです。
カプが苦手の方はスルー願います。


443:ギア×パス バレンタイン編 1
09/02/14 02:13:32 iri9+ZJo

 よーし、できたっと。
 わたしはつけていたエプロンを外すと、思い切り伸びをした。
 台所のテーブルの上には、リボンをつけた小さな包みが山と積みあがっている。
 しかし我ながらたくさん作ったもんだわ。
 クレイでしょ、トラップでしょ、キットンでしょ、ノルでしょ、そしてもちろんシロちゃんとルーミィにも。
 お世話になっているみすず旅館のおかみさんやリタやルタ、印刷屋のご主人にもお渡ししたいし……
 ひとつひとつあげる人を数えながら包みを紙袋に入れていくと、最後にひとつだけが残った。
 大きなテーブルの上にぽつんと佇んでいるそれをそれをそっと手のひらに載せると、軽くため息。
 シックなブラウンの包み紙に赤くて細いリボンを結んである。
 小さな包みはたくさんの中に埋没していた時は気にならなかったけれど、こうしてひとつだけ残ると、なんだか妙に自己主張しているようで、たかがチョコレートなのになんだか気後れしてしまうなあ。

 ひとり包みとにらめっこしていると、廊下からとててててと小さな足音がした。続いてチャッチャッチャという、足音ならぬ爪音。
「あ! ぱーるぅ、それなあに?」
 足音の主は予想通り、ルーミィとシロちゃん。
 わたしが手のひらに載せた包みに気づき、すぐお菓子とわかったんだろう。
 目をキラキラさせながらスカートにまとわりついてくるルーミィ。
 ふわんふわんのシルバーブロンドを撫でながら、手の上の包みを差し出そうとして手を止める。これは……いや、中身も外見も全く同じなんだけどね。
 一瞬の躊躇いの後テーブル上にそれをそっと置くと、紙袋の中から別の包みを取り出す。
「はい、チョコレートだよ」
「ちょこえーと! ありがとだお!」
 にっこぉーっと満面の笑みを浮かべるルーミィ。かわいいなぁ。
 お行儀よく座り込んでいたシロちゃんにも差し出す。
「シロちゃんにもあるのよ、はい」
「ありがとさんデシ!」
 二本足で上手に立ち上がってお礼を言うシロちゃんの背中のリュックにチョコレートを入れてあげる。
 彼は食べたくなったら自己申告してくれるだろうから、その時剥いてあげればいいや。
 このふたりが帰ってきたということは。
「ノル? いるんでしょう?」
 勝手口のドアを開ければ、やっぱり。
 今帰ってきた風情のノルが、裏庭に干した洗濯物を取り込んでいるところだった。
 長身の彼はみすず旅館に入ると床が抜けちゃうので、ふたりがちゃんと旅館に入ってきたか外から見守ってくれてると思ったんだよね。ふふふ、大当たり。
「おかえりー、ノル。ふたりのお守りありがとう。これ、バレンタインのチョコレート」
「ありがとう、パステル」
 洗濯籠を片手に抱えた彼は、手のひらどころか指先に載ってしまうほどの包みを受け取るとにっこりと笑った。
 うーむ、ノルにはちょっと小さすぎたみたい。もう少し大きく作ってあげればよかったかなぁ。ま、いいや。
 チョコレートをポケットにしまって洗濯物の取り込みを再開したノルに軽く手を振ると、わたしは踵を返して台所へと戻った。
 わたしと入れ違いに裏庭へと飛び出していくひとりと一匹の後姿を見送ってから、わたしは階上へと足を向けた。


444:ギア×パス バレンタイン編 2
09/02/14 02:14:37 iri9+ZJo

「入るよー」
 男部屋のドアを開くと、相変わらず怪しげな実験に没頭しているキットンと、帽子を顔に載せて傍のベッドで寝転がっているトラップが視界に入る。
 キットンは例によって例のごとく軽くトランス状態で、目の焦点が合ってないような状態だけど……話通じるのかなあ。
「キットン、チョコレート……」
「はいはーい、そこに置いといてもらえますかあ?」
「……わかった」
 返ってきた返事はどう聞いてもラリった人のそれで……あまり関わらないほうが身のためかもしれない。
 キットンから半径1メートルほど離れた場所にそっとチョコレートを置いて振り返ると、寝ているように見えたトラップが帽子を持ち上げてニヤリと笑った。
「俺にもあるんだろうな、もちろん」
「あるよー、はいこれ。でもどうせファンクラブの子達から山ほどもらったんでしょ?」
「そりゃもう。でも俺甘いもん苦手なんだよなぁ。まーおめえのくらいならちいせぇから食ってやらねえでもねえけど」
 偉そうに寝転がったままニタニタしているのが癪に障るなぁ、もう。
「あ、そう。別に無理に食べてもらわなくったっていいんだけど?」
「まぁそう言うな。置いてけよ」
 まったく。
 にゅっと伸びてきた手にひょいと包みを載せて部屋を出ようとすると、背後から飛んできた唐突な質問。
「おめえ、本命はどしたんだよ」
 ぎく。
「は? 何の話よ」
「今シルバーリーブに来てんだろ? 情報通の俺を舐めてもらっちゃ困るぜ」
 トラップが言ってるのは間違いなく。
 特別警備隊の任務で、南部への移動途中でシルバーリーブに宿をとっているギアのこと……だと思う。他に該当者はいない。
 ギアと行動を共にしているダンシングシミターは今一緒じゃないらしいし、実際そうかどうかはともかく、本命かなんて言葉で尋ねられる相手は他に思い当たらないし。
「本命も何も……」
 口ごもるわたしに呆れたようなトラップ。
「あのなぁ、ぼやぼやしてていいのかよ。チョコレートくれえ準備してんだろうに。あいつ明日には行っちまうらしいぞ?」
 そうなんだよね。
 ギアは先日この街に来て、みすず旅館を訪ねてきてくれた。
 前の別れ方が別れ方だっただけにどんな顔をしていいのか微妙だったけど、兎にも角にも久々の再開を喜んだんだよね。
 でも数日滞在しただけで、すぐに南部へ出発してしまうそう。
 南の街でダンシングシミターと落ち合う予定なんだとか。


445:ギア×パス バレンタイン編 3
09/02/14 02:15:39 iri9+ZJo

 そしてわたしはというと。
 ギアに再会してからというもの、落ち着かないような考え込んでしまうような、なんとも気持ちがはっきりしない日を過ごしていた。
 そんな気持ちのままでバレンタインデーを目前に迎え、毎年恒例、周囲皆へのチョコを作るうち、気がついたらひとつ余分を拵えていたというわけ。
 どうしてわたしったら、単にバレンタインだからという理由で渡せばいいだけなのに、ひっかかりまくってしまってるのか……
 トラップの言葉に思わず考え込んでいると、意外に真面目な声色が問いかけた。
「おめえ見てりゃわかるっつーの。後悔しねえうちに早いとこ持ってけ」
 別に何を相談したわけでもなんでもないのに、その言葉はお見通し、と言わんばかりで。
 でもその表情は意外に揶揄するでもなく前みたいに不機嫌そうなわけでもなく。
 どことなく心配してくれている感じすらあって……あのトラップがねえ。なんだか不思議。
 トラップはわたしの様子を見て取ると、苦笑しつつごろりと寝返りを打った。
「嫁にまで行くんじゃねーぞ」
「はあ!? そんなわけないでしょ!」
 わたしはいつもの調子で勢いよく言い返しながらも、こっそり心の中で背中にお礼を言った。

「で? どうするんだい」
「……どうって」
 こちらははなっから真面目なコメント。でもその口元にはやさしい笑みが湛えられていて、ひしひしと気遣いが伝わってくる。
「持って行ってくる……つもりだけど」
「それがいいよ。パステル、ずっと考え込んでたから心配してたんだ」
 隣に座ったクレイは、手の中のチョコレートを胸元のポケットにしまうと、わたしの肩をぽんと叩いた。
「行っておいで。暗くならないうちに」

 そしてわたしはドアの前にいる。
 ギアが泊まっている部屋。少しお高い部類の宿屋で、絨毯の敷かれた廊下はしんと静まり返っている。
 さっきまでのもやもやした気持ちは、パーティの皆に会ううちにだんだんと形になってきたみたい。
 ただの義理チョコのつもりで渡す気になれないのはどうしてなのか。
 ギアがシルバーリーブに来ることなんて、ううん、そもそも会えることなんて滅多にない。
 彼がここにいる間に会いに行こうと思うのはどうしてなのか。やっとわかってきた気がする。
 好きとか嫌いとかわからないけど……どうしても会いたかった。
 バレンタインのチョコレートが気持ちを伝えるものならば、わたしはこれを、どうしてもギアに渡したかったんだ。
……わたしって、自分のことにまで鈍いのね、本当に。
 散々トラップに鈍いと言われて怒ってきたけど、あながち間違いでもないみたいだわ、こりゃ。

 トラップとクレイの言葉に背中を押されて、わたしは夕暮れの中みすず旅館を出た。
 始めはゆっくりとした足取りだったけど、なんだか気がせいてきてどんどん早足になり、このドアの前に立った今は肩で息をしているわたし。
 暫く呼吸を整えて、ドアをノックする。静かな廊下に響くノック音に、思わず周りを見回してしまいながら。


446:ギア×パス バレンタイン編 4
09/02/14 02:17:30 iri9+ZJo

「どうしたんだ? ここを訪ねてきてくれるとは」
 部屋に招き入れてくれたけれど、不思議そうなギア。
 わたしはどう言ったものか迷ったけれど、結局それには答えないで持ってきた紙袋を差し出した。
「これ」
「おれに? 何だい?」
 ば、バレンタイン知らないのかなあ。いやまさかそんなわけないか。
 一瞬がくっと脱力しつつ、まぁ冒険者だしそんなこといちいち気に掛けてもいないだろうと思い直す。さてどう言おう。落ち着かない心持ちで視線を泳がせつつ口を開く。
「……えっと、その……バレンタインだからチョコレート持ってきたんだけど……」
「あ、そういえば今日バレンタインか。わざわざおれに?」
 端整な顔に柔らかい笑みが浮かぶ。
 その顔を見た時、わたしはどうしても、どうしても言っておきたくなってしまった。
「あの、それ……いわゆる義理じゃないから」
 大きく目を見張るギア。
 い、言っちゃった。こんな言い方でちゃんと伝わるんだろか。慌てて言葉を継ぎ足す。
「あ、あのね、バレンタインって本来大切な人にチョコレートあげるって日でしょ?
 パーティの皆にもあげたしお世話になってる人たちにも渡してきたの。
 でも、その、ギアに持ってきたのはそれだけじゃなくって、えーと好きとか嫌いとかうまく言えないんだけどね、パーティの皆にも行って来いって言われて、えっと」
「もういいよ、パステル」
 しどろもどろにとりとめのない説明をするわたしをギアが遮った。
 大きな手がわたしの手をそっと握る。少しひんやりとして乾いた手のひら。
「言いたいことはよくわかったよ……来てくれてありがとう」
 黒い瞳がやさしく微笑んだ。
「え、いえ、どういたしまして」
「じゃあこれは本命チョコという風に受け取っておくよ」
「ほ本命って、そんな大袈裟なっ」
「違うのかい?」
「……」
 違わないけど……いや違うような……うーむ。
「でもさ、パステル。贅沢かもしれないけど、本命にしてはちょっと小さいんだな」
 あ、それは。
「ごめんなさい、あまりにもたくさん数が必要だったから、材料がギリギリになっちゃってそのサイズに」
 焦って顔の前で両手を振って謝ると、ギアがぷーっとふき出した。
「そんな真面目に謝らなくてもいいさ。冗談だって。というか」
「え? きゃっ」

 唐突に失われる平衡感覚。目の前にギアがいるのは同じなんだけど、その背後に見えていた窓が、今は天井……
 わたしはひょいと抱き寄せられて、そのままベッドに押し倒されていた。
 ほわんほわんと弾む、やわらかいマットの感触。ルームライトの光を背中に背負ったギア。
「チョコレートが小さいのはさ、ありがちなアレかと期待したりしたんだよ」
「アレ?」
 状況にも関わらずつい真剣に問い返すと、形のいいな唇がくくくっと笑った。
「ほら、わたしもどうぞ、みたいな」
 ぼん! と顔に血が一瞬にしてのぼったのが自分でもわかってしまった。
 うー、きっとトマトみたいになってるんだろうな。だってだって、ギアってばなんてこと言うのよお!
「違うの?」
「違うも何も、……そんなつもりはまったく……んんんっ」


447:ギア×パス バレンタイン編 5
09/02/14 02:18:54 iri9+ZJo

 言い訳をする唇を、前触れなく冷たいものが塞いだ。
 睫毛がふれんばかりの至近距離にあるギアの顔。
 すらりと高い鼻がぶつからないように、斜めに被せられたキス。
 そ、そりゃいつかキスされたことはあるけど。正直なところわたしのファーストキスはあれで、セカンドキスがこれなわけですけどっ。
 内心ジタバタしているんだけどどう反応していいやら、完全にそのままの姿勢で固まっているわたし。その動揺を感じたのか、わずかに唇が離れてくれた。
 ふう。思わず止めていた息をほんの少しこぼすと、同時にギアも小さく息をついた。唇の間を交差する吐息はほんのりとあたたかい。

「パステルがいけないんだからな」
「だからなんでそう、や、んっ」
 体制を立て直そうとした抗議は、頬から耳元へ滑るギアのキスにあっさりと遮られる。
「んっ、ギア、や……め」
 耳元から首筋を、舌がゆっくりと伝い下りていく。
 襟元に手をかけたギアはわたしの抗う手を軽く押しのけ、器用にボタンを外してしまった。うぅ、恥ずかしいよお。
 わたしの上半身からブラウスを取り払いながら、自分のシャツも脱ぎ捨てるギア。一見細身だけれど、鍛えられた裸体が薄暗くなってきた部屋に浮かび上がる。

「思いつめたような顔してチョコレート抱えて」
 そのままわたしにの胸元に顔を埋めて。胸に唇をつけたまましゃべるからか、少しくぐもった響きの声。
「頬っぺた真っ赤にして。好きな女の子にそんな一生懸命告白されたら……男だったら黙って帰せやしないよ」
 告白……あれって告白だったんだろか。
 言ってた自分も必死でよくわかってなかった気もするんだけどな。
 この状況下にも関わらず思わず内心首をひねる。そんなわたしにはおかまいなく、ギアはブラジャーをくいと引っ張ってずらすと、胸をあらわにしてしまった。
 必死に両手で隠そうとするけど、簡単に手の動きを封じられてしまう。
 全然力を入れているように見えないのに、男の人の力ってこんなに抗えないものなんだ。
「抵抗しても無駄だよ。男をこんな風にさせておいて、今更止められるかい?」
「させておいてって、そんなっ」
 別にわたしがそうさせたわけじゃないってば!
 ささやかに反論しつつ、どうにか逃れようと体をよじらせるも無駄な抵抗にしかならない。
 ギアの大きな手がわたしの胸を包むように触れた。やさしく柔らかく、押しつぶすように揉みあげる。
「ぁあ……あ、ん」
 ついこぼれた喘ぎに、思わずまた頬が熱くなる。だってこんな声が自分から出るものなのかっていうだけで恥ずかしくて。
 そもそも誰かに体をさわられるなんて初めてだし、しかもそれがギアみたいにかっこいい人なわけで。
 しかも慣れているのか大人だからなのか……正直、気持ちよかったり……する。
「後悔なんて……させないからな」
「ん……っ、はっ」
 乳首を口の中で転がしながら呟くギア。
 舌先でくりくりと舐めまわされると、皮膚感覚が凝縮されたみたいに先端が更に敏感になる。寒いわけでもないのに鳥肌がたってて。
「ひっ」
 スカートの中に、いつの間にか手が忍び込んでいた。下着の上からわたしのその部分をそっと撫でる指。
 わたしの抵抗なんて全くの無駄。
 思い切りきつく閉じているはずの太腿の間を滑らかに割り込むと、何度も何度もそこを緩やかになぞる。
「や、あっ」
 ぞくぞくする。ギアの細いけれど節くれだった指が動くたび、脚の間にくすぐったいような熱いような感じたことのない感触が広がる。と、お尻側に回った手がつるりと下着をずり下げた。
「や……だぁ……」
 ぎゅっと目をつぶり、胸のあたりに覆いかぶさっているギアの頭を反射的に抱き締める。指に触れる、ちょっと硬めの黒髪。


448:ギア×パス バレンタイン編 6
09/02/14 02:20:35 iri9+ZJo

「怖くないから、大丈夫」
 胸を愛撫しながら、視線だけこちらに向けるギア。こ、こんな状態で目があってしまうのって、ある意味余計恥ずかしいものなのね。
「あ、んっ、ん……んん」
 実にどうでもいいことなんだけど、唇を噛み締めて喘ぎを殺そうとすると、「ん」の音にしかならないことに気づく。そしてかなり息苦しい。いつまでこれで堪えられるかなぁ……

 ギアはわたしに体を密着させたまま、右手でわたしの秘部を愛撫する。
 気がつくとスカートも下着も脱がされていて、いったいいつの間に全裸にされていたのか見当もつかない。
 でも、そんなことを悠長に気にしている余裕もなく、彼はわたしの敏感な部分を刺激する。
 刺激に慣らすかのように、表面だけにやさしく触れていた指は徐々に潤ってきたその部分に少しずつ分け入ってきた。
「ん、ん……ぁあん」
 じわじわと奥へと進むギアの指。ほぐすよう奥まで辿り着くと、一旦それは引き抜かれ、太さを増してまた内壁を擦るように進んでくる。
 そうして何度も何度も出し入れされるうちに、膣の奥の方まで熱を帯びてきて痺れてきたみたい。
 指の動きに合わせてぴちゃ、ぴちゃっと音がたてられて、他に何の音もしない部屋に響いて何とも恥ずかしい。
「濡れてるね。痛くないか?」
「……うん」
 やさしく気遣う言葉に、回らない舌で答える。なんだか頭までぼおっとしてきたみたい。

 つとギアが体を離した。汗ばんだ体と体の間を通り過ぎた空気が火照りを冷やす。
 彼はそのままわたしの脚を開かせると、その間に屈み込んだ。
「な、やっ、そん、なっ……」
 少しざらりとした舌がわたしの襞の上を這う。その襞を押し分けると、普段は隠れている蕾を舐めあげた。
「や、やぁぁっ、あぁんっ」
 びいん、と音を立てるみたいに電流のような快感が走る。
 もう言うまでもなく当たり前だけどこんなところを触られるのは初めてで、もちろん舐められるなんてあり得なくて。
 でもそこは止めようがないくらい気持ちよくて。
「気持ちいいかい? その状態で入れた方がよさそうだな」
 前半は質問、後半は一人ごちるように呟いたギアは、その部分から唇を離した。
 体を起こすと細身のパンツと下着を床に脱ぎ捨てる。
 わたしの半分脱力して開いたままの脚の間に体を入れると、そそりたった自身のものをあてがう。
 思わずそこを凝視しているわたしに苦笑してみせた。
「大丈夫。こう見えても、女慣れしてないわけじゃない。無理はさせないから」
 そう言いながら本当に少しずつ、少しずつ腰を進めるギア。
「ん……くっ」
 愛撫で潤ったその部分は苦もなくギアのものを受け入れている感じだけど、やっぱり途中でひっかかるようなきつさと抵抗を感じる。ギアが時間をかけてほぐしてくれていたからか、恐れていたほどの痛みはないんだけど。
「痛い?」
「だい……じょうぶ」
 わたしを気遣いながら、抵抗がある度に腰をゆるゆると回すようにして動きを緩める。
 そうしてすごく時間をかけて、ギアのものはわたしの体の一番奥まで差し込まれた。思わずはーっと息をつく。お腹の中にはもちろん違和感。


449:ギア×パス バレンタイン編 7
09/02/14 02:21:38 iri9+ZJo

 ギアはわたしが落ち着くのを待って、ゆっくりと、本当にゆっくりと腰を動かし始めた。
 自身は上体を起こして背筋を伸ばした姿勢で、わたしの両脚を握って。
「は……あっ、んっ、くっ」
 徐々にスピードがあがってくる。滑らかになってるとはいえ、膣の中の襞に逆らうような動きに鈍い痛みが混じり始める。
 それを見透かしたように、ギアは腰を動かしながら自分の指先を舐めて湿らせると、わたしの蕾に伸ばした。
「ひゃ、んっ」
 再び走る電流。お腹の奥で鈍い痛みを感じつつも、一番外側にある敏感な部分を刺激されて、もう痛いんだか気持ちいいんだか。
「あ、や、やん、あん」
 もう声を堪えることなんてできない。
 ギアの突きこむリズムに押し出されるように喘ぎがこぼれる。
「パステル」

 目を上げるとギアの黒い瞳がわたしをじっと見つめていた。
 ほとばしるような想いが伝わってきて、思わず手を伸ばす。
 ギアは一瞬目を見開くと、伸ばしたわたしの手を握り返し、そのままわたしの体を引き起こした。
 下半身はつながったまま、逞しい胸にぎゅうっと抱き締められる。
 下から強く突き上げるギアのものは、わたしの中をえぐるように動き、痛さと快感とがごちゃまぜになった状態で、わたしはギアに思い切りしがみついた。
「んっ、あっ、あっ、あぁぁっ」
「パステル。おれを呼んで」
 耳元で荒い息をこぼしながら低い声が呟いた。
「ギ、ア……ぁ、あん、ギア、ギアぁっ」
 お互いの熱い息と声と体が絡み合い、わたしはギアの背中に跡が残るほど爪をたてた。



450:ギア×パス バレンタイン編 8
09/02/14 02:22:28 iri9+ZJo

 もうとっぷりと日が暮れた夜道。
 ギアは夜道は危ないから送ろうといってくれたけれど、断った。慣れた道だし知った街だしね。
 ギアの泊まっている旅館の外までついて出てくれたギアに、改めて握手。
 長身のギアを見上げると、いつかダンジョンで初めて抱き上げられた時の思い出が蘇る。
「何考えてるんだい?」
「ううん、何でもない」
「そうか」
 何気ない会話。
 でも、夜が明けたらこの人はまた旅立ってしまう。
 わたしの気持ちを知ってか知らずか、彼は伏せ目がちに微笑んだ。
「じゃあ」
「またモンスター討伐に行くのね」
「ああ。でもまた必ず来るさ……いつかガイナに連れて行ってくれるんじゃなかったのかい?」
 そんな話をしたことがあったっけ。正直、今なら本当にギアと戻ったっていいやと思っている自分がちょっと怖い。でも。
「でもわたし、もうしばらくは冒険していくと思うんだ」
「おれだってそうさ。おれの剣の腕も、特別警備隊ではまだ必要とされているようだし」
「そりゃそうだよ!」
 ギアは薄く笑うと、わたしを腕の中に抱き締めた。
 うっ、こんな旅館のどまん前でいいのかなあ。幸い誰も通る気配がないからいいけど……
「ホワイトデーまでいないからお返しがあげられないけど」
「そんなの、いいよ」
 厚い胸に押し付けられたままモガモガと答える。
 ギアは、抱き締める腕に力を込めた。

「あぁ、このまま連れていってしまいたいな」
 切なそうな、辛そうな、独白。
 ギアはそこまで言うとわたしから体を離し、くるりと踵を返した。黒衣の広い背中。
「きっと会いに来るよ」
 振り返らずそのまま建物の中へ歩いていくギア。
 追いかけて背中に抱きつきたい衝動をぐっと堪えて、立ち去る後姿を見送った。

 追いかけたい。
 でも、わたしにはパーティの皆がいるし、守るべき人たちもいる。
 非力なわたしだって誰かに必要とされてる以上、まだまだ冒険者として頑張らなくっちゃ。
 そうよ、誰かさんにも、嫁にまでは行くなよって言われてるんだもんね!
 お腹に力を入れるとブーツの踵を軸に回れ右。
 わたしは金色の月明かりの下、懐かしいみんなのいる場所へと、大またに帰路を急いだ。




-------------------------
完結です。


451:名無しさん@ピンキー
09/02/14 03:27:52 owLOV5yh
>書人さん
ギア×パスリクした者です
GJGJGJGJGJGJ!
ありがとうございます
お腹いっぱいです
タイムリーなテーマも良かったし「嫁にまで行くな」
というトラップの優しさに萌え
>「チョコレートが小さいのはさ、ありがちなアレかと期待したりしたんだよ」
>「ほら、わたしもどうぞ、みたいな」
ギアの強引な期待具合にも萌えました
>「あぁ、このまま連れていってしまいたいな」
大人なギアに似合いすぎな台詞もGJ!
すごく甘かったです
また読み返します
途中投下時刻が2:14でしたねw

452:名無しさん@ピンキー
09/02/15 16:35:25 FSQXV2eb
GJ!
毎回楽しみに読ませていただいてます。

453:名無しさん@ピンキー
09/02/15 18:22:22 am3CUQon
GJ!
素晴らしいです

454:名無しさん@ピンキー
09/02/16 04:21:01 xko5Hqxg
書人氏、投下お疲れ様です!
萌えさせていただきました!

455:名無しさん@ピンキー
09/02/17 01:04:13 9EHVsOQa
>>書人さん

なんていうさくさくという進み方!
無駄な描写は何もないのに一文一文が分かりやすくて
ナイスです。
クレイやトラの性格にあった台詞にも
グッときました!
よく思いつきますね!
素敵でし!!!!ギアパス!さいこー!!

456:名無しさん@ピンキー
09/02/17 23:36:48 b35oRFJU
書人さん乙です!
ギアにヤキモチ焼くトラパスかクレパスも読みたいです

457:名無しさん@ピンキー
09/02/18 12:35:50 4Cg82bxZ
スレ進んでたから次の作品が来たのかと思いきやいきなりの感想ラッシュにびっくり。
このスレ、こんなに読み手がいたんだ。

自分はしつこくギアパス職人さんの黒マリーナの続きと114さんのギアパストラの続きを楽しみにしてます。
いつか書いてくれると信じていつまでもお待ちしてます!

458:名無しさん@ピンキー
09/02/20 14:41:17 zNBRbnNm
またか……イチイチうぜぇ

459:名無しさん@ピンキー
09/02/20 17:37:47 UT0Ipq2t
>>458
気に入らない書き込みにイチイチうざいとレスをつけにくるあなたも相当ウザいね。

460:名無しさん@ピンキー
09/02/20 20:43:27 nZmrJN6O
>>458その言葉そのまま返すよ
巣から出てくんな
いつも通り巣で吐いてろ

461:名無しさん@ピンキー
09/02/21 00:00:04 XRwKaUmC
つ華麗にスルー
嵐にかまうのも嵐だ

462:名無しさん@ピンキー
09/02/21 23:27:36 EFxPBxqA
(・∀・)ニヤニヤ

463:名無しさん@ピンキー
09/02/22 01:11:27 MpvE8FPo
あぁまたウザスなこの流れ…

書き手どなたかの降臨を願う
ここしばらくのパステル幸せワールドも実にGJなのだが、
久々に陵辱エロ発動なんてどうでしょ

464:名無しさん@ピンキー
09/02/26 15:05:09 SvHExUW6
書き手の皆さん元気ですかー!

投下待ち保守

465:ファーファ
09/02/28 00:37:00 rkpO9fS8
ご無沙汰してます。
久しぶりに投下しに参りました。
PC故障のため、携帯からの投下ですので読みにくいところがあるかもしれません。

亀で申し訳ないですが、>>345-351に感想下さった方々ありがとうございます。
またまた愛撫ネタでクレパスです。

466:クレパス①
09/02/28 00:40:20 rkpO9fS8
「ふーっ。疲れたー」
そのままベッドへと吸い寄せられるように倒れこむ。
今日は、久しぶりにアルバイトの日だったわたし。貧乏パーティのわたし達にとってアルバイトなんて全然当たり前のことで全然珍しいことじゃないんだけど。
最近、ちょっとは冒険者らしくまともに冒険もしてたから、本当に久しぶりのことなんだ。
でもまぁ、急遽パーティ全員総動員(もちろん、ルーミィとシロちゃんは留守番してるんだけどね)でこうやって働かなきゃいけなくなったのは、もちろん、我がパーティが誇る赤毛のトラブルメイカーのせいなんですけれども!

「わりぃ、パステル。金、全部すっちまった」
わたし達がみすず旅館へ帰る途中に、トラップはへらへらと笑いながら手を合わせて言った。
「んもー。知らないわよ。自分でなんとかしなさいよね!」
トラップが自分のお金をギャンブルで浪費しようがわたしには関係ないもんね!
『これが何倍にもなって戻ってくるんだぜぇ』なーんて言ったって1Gも貸さないんだから!
わたしが冷たく突っぱねるとトラップはさらにへらへらしながら、
「いやー、わりわりぃ。賭けた金が自分のじゃねえってことも忘れちまっててさあ」
なんて言うんだもん。
「トラップ!まさか、お前!」
クレイがわたしとトラップの間に割って入った。
「いやー、ちょっくら財務担当さんの財布からちょろっと失敬しただけだぜぇ?そこら辺歩いてる奴らの財布ちょろまかした訳じゃねぇから、ちったぁ良心的ってもんだ」
そんなこと言いながら鼻歌を歌ってる。
ん?
てことは、つまり…。
わたしは自分の首から提げていたお財布を開けてびっくり。
えええ?なんでこんなに少ないのよう!
今日はみずず旅館のご主人に、宿代をまとめて払いに行こうと思ってたところだったのだ。
だから、ちょっとはお財布もあったかかったはず…なのに!
えーと、ひのふのみの…、ってほとんど入ってないじゃないのー!
「トラップー!」
わたしだけじゃなくて他のみんなもトラップをじとーっとにらんだ。
「お前、よくもそんな…ったく、ちょっとは反省してるのか!」
そう言ってクレイはトラップの頭をゴン!と思いっきりグーで殴った。
「いてっ!…ったく…殴るこたぁねーだろ、殴るこたぁ」
「何言ってるんですか、殴られるようなことしてるのは、トラップ、あんたでしょう?」
キットンもあとに続くようにトラップを責めたてる。
「るせー!なくなっちまったモンは、もうしょうがねぇだろ?おめぇもなー、財務担当だったらその辺に財布置きっぱなしにするなよなー!」
そう言いながらあっという間に雑踏の中へと姿を消していった。
「ったく、しょうがない奴だなぁ…」
クレイも小さくなる赤毛を見つめながらため息をついた。
それを思っていたのはその場にいた全員が思っていたことで。
全っ然!!悪びれてないんだもん!
ほんっとに、しょうがないやつ!

次の日からそれぞれ働き口を決めて何とかアルバイトをし始めたわたし達。
わたしはシルバーリーブに新しくできた服屋さんで働くことになった。
服屋っていうと、エベリンのマリーナの古着屋さんを思い出しちゃう。マリーナ、元気で本当の両親と暮らしてるかなぁ?
この服屋さんなんだけど、割と安くて質もいい。デザインもシンプルでおしゃれだし。
シルバーリーブでは珍しいからか連日、すごい数のお客さんが訪れる人気店なのだ。
お店が繁盛してるってことはとってもいいことなんだけど。
とっても忙しいんだよね。常に立ったままお客さんのぐちゃぐちゃに引っ掻き回した服を一枚一枚丁寧に、かつ早く畳まなきゃならない。
きれいになったと思っても、また引っかきまわされる。
はあああ。もう、畳んだって意味ないような気がするんだけどなあ。
そう思いながら畳むから、ついちょっと雑になる。そうすると、店長さんに怒られちゃうから気も抜けない。
一日中立ちっぱなしだから、もー、足がパンパン。
服はかわいいんだけど、終わりごろにはそんなところに目がいかなくなっちゃうほど疲れきってしまっている。
そんなんだから、帰ってきたらベッドに直行して休みたくなる。
こうやって寝転がっていると、自然と目が重たくなってくる。
うん、ちょこっとだけ、みんなが帰ってくる、ちょこっとだけ。
そうそう、ご主人は宿代ももうちょっと待ってくださるって言ってくれたんだよね。
いつものことながら、ほんとに申し訳ないけど、ありがたい。
だから、もうちょっと、頑張らなくっちゃ…。

467:クレパス②
09/02/28 00:41:05 rkpO9fS8

「…パステル」
ふわっとわたしの髪を撫でる大きな手の感触。
うっすら目をあけると、なんだか暗いようなほのかに明るいような視界。
まどろみながらも、その感触があまりに気持ちよすぎてそのまま意識を失いそうになる。
とろんとしたまま夢と現実の曖昧な場所をさまよっていたとき、わたしの唇に何かが触れた。
「…ふにゃ…?」
うっすらと目を開けると。そこにはやさしい鳶色の瞳。
わたしと目が合うと、うれしそうににっこりと笑った。
「おはよ」
「きゃっ!」
一気に現実へと引き戻された。
「クレイ!こ、こんなとこで何やってんのよ!」
身体を起こしてクレイに向き直った。
でもまだ頭は半分寝ぼけていて、熟睡していたせいなんだろう、なにがなんだかよくわかってない。
さ、さっきの、なんだったの?
な、なんでクレイがこんなとこにいるの?
さっと唇に手をやると、口の周りがベショベショに濡れている、と同時にむわっとちょっと生臭いような唾液の匂いが鼻の奥まで広がってきた。
ぎゃーーーーーー!
は、はずかしーーーーー。
わたしったらヨダレ垂れ流して熟睡してたんだ!しかも、クレイがしっかり見てたかもしれない…。
思わず口の周りを両手で隠しながらくるっと後ろを向いた。
「拭いてあげるよ」
そう言いながらわたしの背後からクレイがかぶさって来た。
そのまま回される大きくて太い腕、その手にはタオルが握られていた。
ええ、顔を出せってこと?ヨダレでベショベショに濡れてるんだよ?
ううー、そんな恥ずかしいところ、これ以上見せられないぞ。
そのまま無言でタオルを取って顔に押し付けた。
と、同時にクレイの汗ばんだ酸っぱい匂いと石鹸の匂いが混ざった匂いがわたしの鼻腔をくすぐった。
思わずちょっとドキッとしてしまう。
それにしても、カッコ悪いなあ、わたし。
「ごめん、さっきバイトでちょっと使ったから臭いかもしれないけど」
クレイはわたしの顔を後ろからちらっと覗かせて言った。
それでも身体のほとんどはわたしにくっつけたまま。服越しだけど、久しぶりに感じたクレイの体温に身体が自然に熱くなってくる。
「ううん!…わたし、この匂い、すき」
なんだかたまらなくなっちゃって。
振り返ってクレイの胸にぎゅーっと自分の顔を押し付けた。
「ちょ、パステル!」
クレイがわたしから身体を離そうとしたけど、今度はわたしの腕がしっかりと回されていた。
シャツの下から、むわんとむせ返るように香る汗の匂いと、それと同時に甘いような香ばしいような嗅いだだけでとろけてしまう匂いに、最上級の幸せを感じる。
でも、それと同時に息が出来なくなるくらい、きゅっと心臓を握られてしまう。
クレイの匂いを全身で感じて、まるで守られてるみたい。
クレイは、わたしが自分から抱きついてきたのでちょっと最初は戸惑ったみたいだけど、だんだんと優しくわたしを包み込むように抱きしめてくれた。
ふふっ、しあわせ!

468:クレパス③
09/02/28 00:43:33 rkpO9fS8
「…疲れてる?」
わたしは顔を起こしてクレイを見上げた。
彼は引越し屋さんでバイトをしている。この時期は何かと引越しが多いから毎日大変なんだろうな。いやいや、引越し一件だけでも大変だと思うけど。
「んー、今日は割と楽な方だったんじゃないかな。それより、パステル相当疲れてるんじゃないか?」
「ごめん、ちょっと寝るつもりが、だいぶ寝ちゃったみたい」
窓の外を見ると、いつの間にか外は真っ暗。
気づけばテーブルの上にはクレイが持ってきてくれたのか、明かりが置いてあった。
「みんなは?まだバイト?」
「いや、猪鹿亭。パステル熟睡してたから」
げげ、わたしったら、そんなに寝てたの!?うー、起こされた記憶なんて全然ないぞ。
つくづくカッコ悪いよなあ、わたし。
しかもクレイは、わたし一人を置いて出かけられないからってきっと残ってくれてたんだ。
バイト帰りで、お腹も空いているのに。
「ごめん、クレイ」
そう謝ったわたしに、クレイは返事の代わりに唇を重ねた。
ちゅっと軽く吸われるようなキスに、思わず全身の力が抜けた。
一瞬でわたしから顔を離すとやさしく微笑んだ。
「久しぶりにパステルにこういうこと出来るから、いいの」
うわーーーーーーーーーーーー。
は、恥ずかしい。そ、そういえば、ふ、二人っきりっていうのも、久しぶりかも。
それに、それに、こういうことって…?
思わず想像してしまったわたしの顔はみるみる赤くなっていくのが自分でも分かった。
「でも、パステル。疲れてるだろ?立ち仕事ってきついよな」
わたしが一人で悶々としているのをよそに、クレイが声をかけた。
うう、クレイってほんとに優しい。そういう優しいところが好きなんだよね。
そんなのキスひとつで治っちゃうよ!なーんて思うけど、肉体的にはちょっときついものがあった。
「う、うん…。ちょっと脚がパンパンで痛いんだよね」
タイツを履いてるからあんまり見た目には分からないんだけど、ほんと、足が棒になるとはよく言ったものだ。

469:クレパス④
09/02/28 00:43:59 rkpO9fS8
「じゃ、マッサージしないとな」
「え、う、うん」
そう答えてはみたものの、どうやったらいいかなんてよくわかんないし…。
ただ揉むだけでいいならやるけど、ほんとに効果あるのかなぁ?
そう思いながらなんとなく自分のふくらはぎをもみもみと握ってみる。
「おれがやってあげるから、脱いで」
「えっ!?」
ぬ、脱げって?い、今、脱げって言った?
マッサージってことは脚のマッサージに決まってるけど、でもそれ以外にどっか他にもマッサージするのかもしれないし。関節とか、筋肉が関係してる、とか。
あー、でもでも、今は二人っきりだし、何が起こるかわかんないような状況だし。脱げってことは、やっぱりそういうことなの?
えーっと、ど、どうしよう。ま、まだそんな心の準備っていうものが…。
またしても一人で悶々とするわたし。
そんなわたしをよそに、クレイはわたしのスカートをめくりあげて、タイツのゴムに手をかけた。
「ほら、パステル。腰、浮かせて」
「う、うん」
わたしから皮を剥ぐようにするっとタイツを脱がせていったクレイ。急にひやっとした外の冷気が直にわたしの太ももをなぞった。
うー…、やっぱりそうだったんだ。そうなるんだ。
ど、どうしよう。今日ってちゃんとした下着つけてたっけ?ピンクのだっけ?ううん、それは昨日着たやつだから、えーっと、んーっと…。
一人でえらく別のことを心配していると、クレイはわたしの足の裏に手をやった。
「カチカチだな。ここをやわらかくほぐさないとな」
そう言って硬くなってしまった足の裏のつま先から、丹念にマッサージし始めた。
あれ?
あ、やっぱりマッサージしてくれるんだよね。
あーもう、なに考えてるんだろ、わたしったら。やーらしーなー、もう。
一日中立ちっぱなしで固まってしまった足の裏に、クレイが自分の指の第二関節でぐいぐいっと押した。
たまに、それが土踏まずのやわらかいところを刺激されると、飛び上がるくらいに痛かったんだけど。
丹念にゆっくりマッサージしてくれたおかげで、だいぶ楽になってきた。
「ふー、ありがと、クレイ」
クレイはうれしそうにうなずいた。
「じゃあ、今度は足首からふくらはぎだな」
そう言ってわたしの正面に向き直った。
ぎゅっと足首を握られ、そのまま絞るようにぎゅっ、ぎゅっと握る。
力加減が絶妙で、ちょっと刺激がたまらなくいい。イタ気持ちいいって言うのかな。
「クレイ、ほんとに上手だね!」
そう言うとちょっと照れくさそうに笑った。
「痛かったら、言ってくれよ。力加減、人にやってるとあんまりわからないから」
「大丈夫。すーっごく、楽になってきたもん。それよりも、どうして、こんなこと出来るの?」
「なんとなくね。ま、自己流なんだけど。でも、効果は抜群だぜ」
「そうなんだ」
なんてことを話しながらも、クレイはずーっと休まずにわたしの足を揉み続けた。
帰ってきたときの脚と比べたら、断然楽になった。だって、パンパンにむくんじゃって、足首なんかどこへ行っちゃったの?って位に腫れてたもんね。
ぎゅっと指で押さえたら、そのままくっきりと痕が残っちゃうくらい。
こんなに長いことマッサージしてもらったのなんて初めてだった。
指とか腕とか疲れちゃうんじゃない?ただでさえ疲れて帰ってきてるのに。
そんなことをクレイに言ったら、「おれは大丈夫。さ、こんどは肩だから」なんていってくれるんだもん。思わずそれに甘えてしまった。
「横になった方が、パステルも楽だよ」
そう言ってうつぶせの姿勢で寝転ばされてしまった。こうしてると、再び睡魔が襲ってきそうになる。
わたしの身体にクレイがまたがるような姿勢(と、いってもクレイの身体は浮かせてくれていた)で再び肩を揉みだした。
「ふーっ」
思わずため息が出ちゃう。
クレイってほんとに上手なんだね。
そのままじっくりと肩から上腕までゆっくりとぎゅっ、ぎゅっとほぐされていく。
身体の疲れのかたまりなんてどっかいっちゃいそうだ。
やさしく、たまに強くわたしのツボを知り尽くしてるように刺激してくるんだもん。
だんだんとクレイの手が背中からゆっくりと下のほうに移動し始めていく。
そうそう、脚だけじゃなくて手も使うんだよね。
んー、だんだん力が抜けてきたぞー…。そ、それに、なんだか…ねむたくなってきちゃったかも…。
半分まどろみながらクレイのマッサージをされてたんだけど、なんだか身体がほんのりあったかくなってきた。
いや、熱くなってきたのかな。それに、なんだか、変な気持ち。
クレイの手が腰から下を指圧してるんだけど、身体の内側から熱くなってきて、なんだか息苦しくなってきた。

470:クレパス⑤
09/02/28 00:47:29 rkpO9fS8

「…んふぅ」
溢れるように漏れ出したのは、自分でもびっくりするくらいのいやらしい声。
どうしたんだろ、ただ身体をほぐしてもらってるだけなのに。
どくん、どくんと心臓が大きな音を立てている。
衝動がつきあげてきそう。
そのままクレイに身を任せていると、急に下着の上からあそこの筋をすっとなぞられた。
「ひゃあぅっ!」
びくっと反応する身体。
それと同時に全身を駆け抜ける快感。
「パステル…」
クレイは荒い息を吐きながら、わたしの上に被さった。首を片手で持ち上げられると、唇にクレイがしゃぶりついてきた。
ぐちゅ、じゅるっと音を立てながらお互いを食べるような激しいキス。
唾液を転がしながら、舌でまさぐりながら、お互いを激しく求め合う。
キスしている間も、もう片方の手でわき腹を撫でるようにふわっと触られる。うう、くすぐったいようでなんだか気持ちいい。
「…んんっ」
唾液まみれになりながらキスをしている最中も、クレイはわたしへの愛撫をやめようとはしない。
おしりを円を描くようになぞったり、ぎゅっと握ったり。
おしりの付け根からあそこの近くの肉をふにっと握られると、身体は正直にびくんと反応する。
ぷるぷるとしびれるような刺激。なんだか感じすぎてトイレに行きたくなっちゃう。
「ク、クレイ…うっ」
べちょべちょになった顔を起こすと、クレイはなんだかぼんやりとわたしをみつめている。
そのまま身体を起こすと、今までお尻を撫でていた右手をゆっくりとわたしの太ももの間に滑らせてきた。
「…ひっ」
触れてるか、触れてないかわからないような感覚。
なんだかくすぐったいんだけど、もっと触ってほしくなっちゃう。
太ももの奥のほうでは、熱を持ちながら蜜が溢れるように流れ出している。
「ああん、クレイ…」
だんだんと身体をわたしの下半身に移動させながら、クレイはもう片方の手でわたしの服をめくり上げ、ブラジャーをしたままの胸をあらわにさせた。
「んっ」
すすす、っとブラの隙間から入り込むちょっとごつごつした指。
ぷにゅっと乳房に触れたかと思ったら。
わたしの小さな胸の小山の周りをそっと撫でたり、一番敏感なところを避けるようにやさしく撫でるだけだった。
ううー、なんだかまどろっこしい。もっと触ってほしいのに。
こうしてる間にもじゅわっと下半身が濡れそぼっているのがわかる。


ゆっくり時間をかけながら、クレイはわたしの色んなところを撫でたり、自分の唇を這わせてわたしの秘部へとたどり着いた。
そこには、大きなシミを作った水色のパンティがスカートの間から顔を覗かせている。
「あーあ…パステル、こんなに濡れて…」
クレイはわたしの太ももの間から顔を覗かせながら言った。
ううう、そんなところから見ないでよう。そんなこと言わないでよう。
ちょっとの羞恥心がさらに神経を高ぶらせる。
そしてパンティの隙間からするっと指を入れたかと思うと、にゅるっとわたしの愛液でいっぱいになったそこに触れた。
「ひぃいいん!」
今までに感じたことのないような快感が身体の奥底から電流になって駆け巡った。
爪先がぴいんと伸びていく。

471:クレパス⑥
09/02/28 01:00:24 rkpO9fS8
「パステル、感じてるのか…?」
はあはあと荒い息遣いのクレイ。ほの暗い部屋の中でも、ちょっとクレイの顔が赤く染まっているのがわかる。
わたしはコクンと首を縦に振った。
体中が甘くしびれている。
「んっ…」
どうにかしてほしい。頭の中までおかしくなっちゃいそうなんだもん。こんな風に理性がとんじゃいそうになるなんてこと、今までなかったのに。
カチャカチャっと部屋に響く金属音。
この時間が、本当にじれったい。ああっ、クレイ。
ファスナーを降ろすと、今にも飛び出しそうにぱつんぱつんに膨らんでいるボクサーパンツ。それをそのままぐいっと下げると、びよん、としなりながらクレイのペニスが飛び出してきた。
ズボンを脱ぎ捨てて、わたしの前に向き直ったクレイ。そのままわたしの脚をがっと広げると、腰を近づける。
わたしもそれに応じて自然と腰を軽く浮かせたいところなんだけど。
で、でも、クレイ…。わたし…。
「ほら、パステル、パンツ穿いてたら出来ないぞ」
「えー、クレイ、脱がせて…」
自分で脱ぐなんて、なんか積極的すぎるよね。恥ずかしいんだもん。
甘えたように言うと、クレイは「…しょうがないな」と言ってずるっとパンティを脱がせてくれた。
そのままスカートを腰までたくし上げて、わたしの腰を掴む。
「うっ」
決壊したようにあふれ出す蜜に身体を震わせる。
思わずちょっともぞもぞと身体をよじった。
「ふう」
一息つくと、クレイは自分のペニスの竿を持って、わたしの中に入れようとした。
下腹部にぐっと力が入る。
が、クレイは亀頭でわたしの入り口をなぞっている。ヌラヌラと濡れた亀頭が触るたび、わたしの頭の中が狂ってしまいそうだ。
ねえ、早く挿れて!
そう言えたらどんなに楽だろう。
「ああん、ねえ、クレイ…」
「…なに、パステル」
「……んっ」
「…何?黙ってちゃわからないよ」
そう言いながら、またまたわたしの割れ目をなぞった。
入れるようで入れない、いつもの優しいクレイにしてはすっごく意地悪な気がした。
「…やだぁ」半分泣きそうになりながらつぶやいた。
「何がいやなんだ?」
入れて、なんてこんなこと言えないよ。

472:クレパス⑦
09/02/28 01:00:47 rkpO9fS8
「……!」
先っぽがにゅるっと微かに入った感覚がした。が、それもすぐに抜き出されてしまう。こんなにじらされて、ほんとにどうにかなっちゃいそうだ。
「いやぁ…、い、れてぇ…」
思わず本音が出てしまった。
わたしの顔を見るとクレイは満足そうに笑って深く腰を沈めていった。
ずん!
「んああああああっ!」
わたしの中に広がっていく、クレイの甘い痛み。
開放されるように、そのまま理性と意識はスパークした。

それからわたし達が果てるまでそれほど時間はかからなかった。
そして、わたしは初めて到達した感覚に、まだ頭の中がぼんやりしている。
顔に手をやると、そこには白濁色の液体に姿を変えたクレイの想い。少し手に取ると、鼻を突き刺すような生臭いなんともいえない匂いが鼻腔まで突き抜ける。
でも、なんだかとっても愛しい匂い。
舌ですくって口の中にどろんとした液体を入れる。そのままゴクっと呑み込むと、喉を突き刺すような刺激がした。
ちょっと辛いし、喉はイガイガする。はっきり言って気持ち悪いけど、クレイのだから、と思うとなんだか後をひくような感じがする。
「パステル…」
「…へへ、なんだかマッサージどころじゃなくなっちゃったね」
わたしたちは布団の中で抱き合いながら言った。
「でも、こういうマッサージも、たまには悪くないだろ」
ちょっと照れながらクレイは笑った。
うん、って言うのがちょっと恥ずかしい。
「今度は、優しくしてね」
ちょっと口を尖らせて言うと、クレイは意地悪っぽく笑って答えた。
「エッチなパステルってかわいいな」
「んもー!恥ずかしいってば!」
そう言ってわたしはクレイの胸に顔を押し当てた。
さっきよりもより感じるクレイの匂い、このままずっといたいって、心からそう思った。

473:ファーファ
09/02/28 01:05:01 rkpO9fS8
以上です。


途中でエラーになって書き込めなくて焦りました。

結構前に書いた作品で文章とかおかしくてすみません。
というか、毎度毎度拙い文章で申し訳ないです。

474:名無しさん@ピンキー
09/02/28 13:40:30 +LTWeqdD
>>473
乙です。
匂いへのこだわりに萌えたw

475:名無しさん@ピンキー
09/03/03 07:16:33 V1y7/ZvC
>>463
確かに久々に読んでみたいかも

476:名無しさん@ピンキー
09/03/03 13:22:48 E668x1G6
クレパスGJです!

477:名無しさん@ピンキー
09/03/03 18:16:32 LGf5Mx+V
二人ともやらしくて、でもかわいい~!
ファーファさんありがと~!


478:名無しさん@ピンキー
09/03/10 13:56:42 qBPGmpDz
保守~

479:名無しさん@ピンキー
09/03/10 17:21:37 4OjL6ZXw
>>475>>478書き込むなら乙とかGJの一言くらい言えばいいのに。

職人様GJです。
いつもお疲れ様。

480:名無しさん@ピンキー
09/03/10 20:02:35 0xo5HfTb
>>479
そういうあなたはその文句を言いたいがためにGJコメント書いたの?

違うというのなら、投下から10日も経って今更……はまあ毎日スレ覗いてる暇人ばかりじゃないと言われたらそれまでなのでともかくとしても
感想より先に他人のコメントに対する皮肉書いてる理由を教えてくれ。

他人の感想にケチつける奴最低って誰か言ってたけど
嫌味皮肉書くついでに感想書く奴も最低だと自分は思う


ところでこのスレは投下作品へレス入れなければ雑談や保守に参加してはいけないってローカルルールでもあるの?

481:名無しさん@ピンキー
09/03/10 20:18:52 4OjL6ZXw
人の感想を皮肉ついでって…。
失礼な人ですね…。
別に義務じゃなくても、乙やGJなんて一秒で打てるんだから、
投下してくれた職人様への感謝くらいあってもと思っただけ。
特に職人様の投下後に雑談しようとしてる人とか。
職人様あってこそのスレじゃないのかなぁ。
職人様へ感謝しようよってのはそんなに悪いこと?
いいじゃん、たった一言の感謝の言葉くらい。

482:名無しさん@ピンキー
09/03/10 21:15:12 0xo5HfTb
>>479=481?
書き方悪かったね。言い方というか質問変える。
あなたが
475は474と別人
478と474、476、477は別人
そう思った根拠は何?
日付も空いてるし、474=476=477=全てあなた、くらいしか答えが思いつかないんだけど。

それとも、一度感想を書き込んだ作品に対しても
後続がなければ書き込みのたびに乙GJ書いて感謝の意思を示せってこと?
確かにたった一言は一秒で打てるだろうけど
同じ人から義務で何回も何回も乙GJだけもらって書き手さんは嬉しいのかな。

483:名無しさん@ピンキー
09/03/10 21:25:16 CuvrCz3N
賞賛って強要されて書くもんじゃないだろ

484:ファーファ
09/03/10 23:48:30 bSLjmMqG
レス下さった方、ありがとうございます。


書き手として、私個人の意見を書きたいと思います。

投下後すぐに感想なしで雑談に入ることを不快に思ったりはしません。
スレ自体が盛り上がっているのはいいことだと思いますし。

私自身も自分が読み手の立場になった時、なかなかレス出来ませんし、また、自分の肌に合わなかった作品についてはどうしてもスルーしてしまうかもしれません。
なので、書き手として読み手の方から感想等絶対を要求することは出来ません。

それでも、投下作品にレスがあると大変嬉しいですし、励みになります。


最後に、書き手が投下しやすいように配慮して下さって本当にありがとうございます。
力不足ですが、ここの住人さんに満足して頂けるよう頑張ります。

長文失礼しました。

485:名無しさん@ピンキー
09/03/11 09:31:20 VTMPJnKk
478だけど

見当違いの指摘は本当に勘弁

どのレスかまでいちいち書かないが、
自分は書き手さん投下後は読んでるしレスも入れてる
>>479みたいなこと言ってたら、読み手までコテハンかトリつけなきゃならなくなるよ
私は○○です・一度感想書きました・だから今回は保守だけね・という説明までいるのかい

ある意味過剰自治のせいで
このレス人口も投下も減ってるのではないかと思うよ

486:479
09/03/11 12:04:23 qEjOlE5/
何だか自分が書いたレスがあらぬ方向に解釈されてる。。
賞賛の強制はしてないし、読み手コテハン強制もする気ないよ。
ただ、乙やGJなんて一言で済むんだから言えばいいのにと思っただけ。
過剰自治の気もないし。
日常生活でも、ありがとうって言われたら、ちょっとしたことでも嬉しいじゃない?
だから職人様へ一言感謝してもいいのになと感じた。
それは賞賛しろってことじゃないよ。
乙でもいいじゃない。
そういうことだから過剰反応しないで。

487:名無しさん@ピンキー
09/03/11 14:53:12 0SAroyeu
パステルちゃんのおっぱい!

488:名無しさん@ピンキー
09/03/11 17:30:18 mo5ogqtK
おっぱい! おっぱい!

489:名無しさん@ピンキー
09/03/12 08:22:10 kK/ZxEBX
そういうことだから過剰反応しないで(笑)

なにこいつ

490:名無しさん@ピンキー
09/03/12 10:21:52 iCDWiXv2
あれだけ書いといて強要する気はないとか
その図太さには恐れ入る。

とりあえず言い訳書き連ねる前に478にまず謝れよ

491:名無しさん@ピンキー
09/03/12 10:36:11 kK/ZxEBX
手前の発言の責任くらい取れるよな
今更逃げんなよ

492:名無しさん@ピンキー
09/03/12 18:55:15 Uw2oIfUJ
春厨フルボッコされすぎワロタ

493:名無しさん@ピンキー
09/03/13 11:03:51 vd+4WOtY
>>486
みっともなく言い逃れをするな。
あれだけの暴言を人様に吐いたのだから先にすべき事があるはず。

>書き込むなら乙とかGJの一言くらい言えばいいのに。
こんな礼を欠いた筋違いの指摘をしたら、周囲にどんな心証を与えるのか、
スレにどんな事態を引き起こすのか、分別ある大人なら予想出来るよな?
それが理解出来ない子供なら、もう二度と来るな。
ここは成人向けの板だ。

494:名無しさん@ピンキー
09/03/15 01:18:14 h0/6f3+r
ここまでがルーミィの自演

495:名無しさん@ピンキー
09/03/15 13:35:38 pxIkQT5a
ルーミィwww

496:名無しさん@ピンキー
09/03/20 22:15:47 gZfBA6BD
興奮した

497:名無しさん@ピンキー
09/03/23 01:15:41 i+3vXbFL
ルーミィのおっぱい!

498:名無しさん@ピンキー
09/03/23 03:44:07 37YwvSuw
ちっさいなー

499:名無しさん@ピンキー
09/03/24 00:11:12 DmW8ATee
ちゅぱちゅぱ

500:名無しさん@ピンキー
09/03/24 05:11:44 M4ez0OsM
れろれろ

501:名無しさん@ピンキー
09/03/24 10:17:27 B9mBH4XB
なんとも微妙なこの流れワロスw

しかしなー
ルーミィ使っちゃうと成長させない限りもろロリだからなー
クレイとかギアとかエロオサーンまっしぐらになっちまう
見てみたいけど見たくない…

502:名無しさん@ピンキー
09/03/26 21:45:30 I7zvTAbr
微妙な流れの中失礼します。初めてですがクレイ×パステル×トラップを書いてみました。
そんなに暗くないです。


 「お前なぁ!ガキ臭いことしてパステルを泣かせるな!いいかげんにしろよ!」
 「おめえこそなあ、甘いことばっか言って本気でこいつのことを考えてるってのかよ!」
 「ちょっとl・・・。二人ともこんな時まで、いいかげんにしてよ!」
 薄暗いダンジョンの中、わたしの泣き声だけが虚しく響いた。
 してよ・・・してよ・・・。
 わたしの最後の叫び声はこだまとなって何度もリフレインする。ようやくわたしの前で醜く争っていたクレイとトラップも気まずそうに黙った。
 「今は・・・そんなこと言ってる時じゃないでしょう・・・?」
 「ああ・・・」
 「そうだな・・・」
 クレイは後悔しているのか目を伏せ、トラップは不貞腐れたようにしゃがみ込んだ。
 わたしは・・・涙を浮かべて天井を見上げた。
 「この天井・・・さっきと同じね」
 そう、わたしたちは迷っていた。ううん、正確に言うと閉じ込められていたのだ。このダンジョンに。



 あなたたちって本当に仲のいいパーティーね。
 羨ましいよ。
 まるで家族みたいですね。

 今まで知り合った何人もがそう言ってわたしたちを褒めてくれた。
 わたしもそう思っていた。確かにいつまでもレベルが上がらない貧乏パーティーだけど、わたしたちの絆だけはどんなパーティーにも負けない確かなものだと思っていた。家族のような愛情をみんながみんなに抱いていると思っていた。
 その絆は本物。どんなパーティーにも負けない。
 それなのに、それはある日唐突に、あっけなく壊れてしまうほど脆いものだったのだとわたしは思い知らされた。
 クレイからの突然の告白でもって。

503:クレイ×パステル×トラップ 2
09/03/26 21:47:27 I7zvTAbr
 「パステル・・・俺、君のことが好きなんだ・・・」
 それは、ありきたりの台詞だった。飾り気のない、だけど何よりも真心のこもった告白。
 正直嬉しかった。クレイみたいな格好いい人にそう思われるのは光栄だと思えた。そして次にとても困った。
 だってわたしは・・・クレイをそんな風な目で見たことは今までになかったから。
 返事は急がない。そう言ってくれたのは彼の優しさ。いつだって彼は、自分の気持ちよりもわたしを優先してくれる。
 もし、わたしがここで彼を拒絶しても、きっと彼は少し寂しそうではあっても笑顔を見せ、「そうか、仕方ないな。でも、これからもいい仲間でいてくれよ」と言ってくれるだろう。そしてわたしに罪悪感を抱かせないよう、いつもと変わらず接してくれるだろう。
 でも、確実に彼は傷つく。
 わたしは確かに鈍感だ。だけど、今まで恋愛に疎かった彼が、サラという綺麗な婚約者がいて、マリーナ、親衛隊の女の子達に好意を寄せられても喜びより戸惑いを覚えていた彼が好きだと言ってくれた。その想いの深さに気付かないほど、わたしは鈍感じゃない。
 わたしが一人悩んでいる時、傍にきたのはトラップだった。
 「おめえさ、何悩んでるんだよ」
 クレイと顔を合わせられなかったわたしが部屋に篭って原稿を書いている時、突然彼はやってきた。
 「え?何もないよ?」
 「おめえさ、嘘つくの下手すぎ。ひょっとして・・・クレイと何かあったのか?」
 わたしの顔は強張ったのだろう。確かに彼の言う通りわたしは嘘をつくのが苦手だ。相手が仲間で、人一番勘の鋭い彼相手ならなおさらのこと。
 「そ、それは・・・」
 わたしの顔から察しのいい彼は気付いたのだろう。じっとわたしの顔を見て彼は呟いた。
 「そっか。あいつ・・・とうとう言ったんだな。なのに、おめえはあいつを避けるんだな。あいつが好きじゃないのか?」
 「好きだよ、もちろん。でも・・・クレイは仲間なんだよ。家族みたいなものだから・・・そういう対象として見たことなんか一度も・・・」
 そこまで言った時、強い力で腕を掴まれた。
 「え?」
 「それは、俺もか?」
 驚いて顔を上げると、そこには明るい茶色の瞳が、いつになく真剣な光をたたえていた。
 「トラップ・・・?」
 「俺は、おめえがクレイを好きなんだと思ってた。クレイがおめえに告白したんなら、もう諦めるしかないと思ってた。だけど違うんだな。おめえは、あいつを家族のようにしか見られないんだな。・・・なら、俺のことは?俺のことも家族としてしか見られねぇ?」
 何を言われているのかわからなかった。だけど、彼の瞳は真剣だった、とても。なぜか心臓の鼓動が激しくなる。
 「トラップ・・・?」
 「おめえが好きだ、パステル」
 顔が赤くなるのがわかった。
 そんな・・・。いつもわたしを子ども扱いしてからかうトラップが、わたしを好き・・・?
 「おめえはどうだ?やっぱり、クレイみたいに俺を男としては見られねぇ?」
 「それは・・・」
 クレイと違って彼は強引だった。答えをすぐに求めている。だけど、それはそれだけわたしを求めているわけでもあるんだと思う。
 トラップは、なんだかんだいって慎重なところは慎重に行く人だ。その彼が、切なげにわたしを見ながら「俺のことを男として見られないか」と問いかける。

504:クレイ×パステル×トラップ 3
09/03/26 21:48:13 I7zvTAbr
 わたしは・・・。
 その時、後ろでガタンと音がし、わたしとトラップが振り返った。振り返った先には・・・クレイがいた。
 息を呑むわたしの横で、トラップがクレイを真っ直ぐに見た。
 「聞いての通りだ、クレイ。俺もこうなったからにはパステルを諦める気はねぇ」
 「パステルの意思はどうなるんだ?パステルは俺達の関係が壊れるのを一番恐がっているんだ」
 クレイの言う事は当たっていた。結局彼は、わたしの本心を見抜いていたんだ。
 「だからなんだ!俺達がいつまでも同じパーティーでやっていくとは限らねぇだろ!?キットンだってノルだって当初の目的は果たしてんだ。俺だってお前だっていつかはドーマに帰る!いつまでも仲良しパーティーのままでいるわけじゃねぇんだよ!」
 トラップの言葉にわたしの体はビクリと揺れた。
 そう、彼の言うこともまた真実だ。
 キットンとノルはそれぞれの目的を果たしてる。クレイとトラップはもともと家業を継ぐための修行だったし、ルーミィだって、もし彼女の両親が見つかったりしたら、その場でわたしたちと離れることになってしまうんだ。
 わたしが大好きだった強い絆を持つ、家族のような暖かいパーティー・・・。
 それは、こんな脆いものの上で成り立っていたんだ。
 でも、わたしがもしどちらかの手をとれば、少なくともその人とは離れることはない。
 わたしはどうしたらいいのかわからず両手で顔を覆った。
 「いいかげんにしろ!パステルの気持ちも考えて・・・」
 「おめえだって、結局は居心地のいい関係でいてぇだけだろ!?その癖それは本心じゃねぇ!汚ぇんだよ!」
 「なんだと!?」
 「やめてよ!」
 これ以上二人に争って欲しくなくて、わたしは叫んだ。
 そして泣き出した。
 今までの関係が何て薄っぺらかったんだろうと思って泣いた。どうしてこんなことになってしまったんだろうと思って泣いた。どうしたらいいのかわからなくて泣いた。

505:クレイ×パステル×トラップ 4
09/03/26 21:49:18 I7zvTAbr
 わたしたち三人の問題は、キットンとノルには、もちろんルームィとシロちゃんには何も話さなかった。
 でもキットンとノルには何となくわかったのだろう。ルーミィとシロちゃんも、何も理解できなくとも不穏な空気を感じ取ったのか、どこか不安な目でわたしたちを見つめている。



 でも、いくらばらばらになりかけてたって、わたしたちは冒険者だ。しかも情けないことにとびきり貧乏な。
 だからキットンが持ってきた「儲け話」にわたしたちは乗った。
 キットンの話はこうだった。
 ある薬草を欲しがっている人がいる。ただしその薬草は貴重でどこにでも生えているわけではなく・・・あるダンジョンの奥深くにしか生えていないそうなのだ。
 「モンスター自体はそれほど手強いわけじゃないんですよ」
 珍しく神妙な顔付きでキットンはそう言った。
 「ただ・・・なぜだかその中で頻繁に神隠しが起こると言われています。勿論ならない人もいるんですが。神隠しにあった冒険者で、帰ってきたのはわずか数人しかいなかったとか」
 「へえ、一体どうしてその人達は帰って来れたんだろうね」
 わたしがそう言うとキットンも首を傾げた。
 「ええ。まったくの謎です。生き残った冒険者・・・その方々はちょうど二人の冒険者でしたが、レベルが特別高かったわけでもなかったんです。なぜ生きて帰れたのかはお二人とも揃って『わからない』と言っていたそうですが・・・」
 「まあ、ここでああだこうだ言ってもしゃーねえじゃん?行ってみるしかねぇんじゃねえの」
 トラップがそう言うと、キットンとノルもうんうんと頷いた。
 「そうだな・・・クエスト自体は難しくないようだしな」
 クレイも同意したところで、わたしたちの次の目標は決まった。

506:クレイ×パステル×トラップ 5
09/03/26 21:49:52 I7zvTAbr
 そしてわたし、クレイ、トラップがその神隠しにあってしまったのだ。
 それは不思議な出来事だった。先頭を歩いていたクレイ、真ん中を歩いていたわたし、そしてしんがりを務めていたトラップがなぜだか気付けば三人だけで見知らぬ場所にいたのだから。
 なぜ神隠しにあったのがわたしたちかと言えば・・・出られないのだ、この回廊から。
 「見て、この壁。さっきわたしがつけた目印だわ」
 わたしは思わず自分のマッピングした地図を見た。そりゃわたしはマッパーの癖に方向音痴だし、また間違えた可能性も(かなり)高いけど!
 「間違えたにしては妙だよな・・・。さっきから15分と歩いたわけじゃない」
 「分かれ道があったってわけでもねぇしな」
 クレイとトラップも厳しい顔で頷く。
 「ってことは・・・何かの魔法か?幻覚とか・・・」
 「帰ってこれた人達は・・・一体どうしたんだろうな」
 わたしはそう言いながらきょろきょろと辺りを見回した。誰かに見られている・・・そんな感じはしない。
 「また・・・同じ目印」
 もう一周したらしい。わたしはへなへなと座り込んだ。
 「どうしよう・・・どうやって帰ったらいいの?」
 キットンとノルは無事なの?ルーミィは・・・ルーミィはどうしてるのかな?わたしがいなくて泣いてたりしない?どうやったらみんなとまた会えるの?
 恐怖と不安でわたしの頬を涙が伝った。
 「おい!こんなとこで泣いてても仕方ねぇだろ!?」
 「だって・・・」
 「だー!『だって』じゃねぇ!泣いて解決するなら俺だってそうしてんだよ!帰って来る方法はあるんだ、どうにか・・・」
 それはいつものトラップの憎まれ口だった。泣いて立ち止まるわたしへの、彼らしい手厳しい叱咤と激励。だけど、その時もうひとつの声がした。
 「やめろよ。パステルだってこんな状況じゃ弱気にもなるさ。みんながお前みたいに強いわけじゃない」
 「あんだとぉ!?おめえがそうやって甘やかすからこいつが成長できねぇんじゃねぇか!」
 「お前はパステルに厳しすぎるんだよ。そりゃ時には厳しいことも必要なことはわかるさ。でも俺達は仲間なんだ。対等な相手なんじゃないのか。お前、自分がパステルを育ててるとでも勘違いしてないか?」
 その言葉にトラップの目が鋭くなった。あの目は、本気で怒っている目だった。
 この言い合いがさっきの喧嘩の発端なんだけど・・・。

507:クレイ×パステル×トラップ 6
09/03/26 21:50:31 I7zvTAbr
 「わたしたち、ばらばらだね・・・」
 疲れきったわたしたちはその場で座った。少し休憩と、頭を冷やす必要があると思ったから。
 本当、どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
 わかってる。わたしがはっきりと言わなかったのがいけないんだ。
 でも、いつまでもあの家族みたいなパーティーでやっていきたいと思う事は間違いだったの・・・?
 静かで薄暗いダンジョンの中、モンスターたちは一匹たりともやってこない、ある意味落ち着いた環境の中、わたしはふと思った。
 ずっと混乱してて、関係が壊れることを恐れてわたしは肝心な、二人にどう向き合うべきかと考えることが出来なかった。
 答えは宙ぶらりんのまま。だからこの二人だっていつまでもいがみ合うしかできないんだ。
 二人は優しいから。
 優しいから、わたしの答えを急がせない。だけど苛立っているから、つい互いを責めてしまうんだ。
 そっか・・・。わたしが一番悪かったんだ。
 わたしが変化を受け入れず、ただ変化が恐くて泣いているだけだから、パーティーはばらばらになりかけているんだ。
 右隣で壁にもたれて目を閉じているクレイを窺った。
 左隣で膝を抱えて考え事をしているトラップを窺った。
 クレイもトラップも、わたしにとっては何よりも大事な人。大切な仲間。それは確かだ。
 もちろんルーミィやキットンやノルだって同じ。
 でも、この二人に抱いている感情は、キットンやノルに対しての感情とは少し違うかもしれない。
 だって、クレイに告白された時、嬉しかった。トラップに告白された時、ドキドキした。
 二人に想いを告げられ、わたしは確かに困ったけど、それだけじゃない、胸が温かくなった気持ちも、確かにあったんだ。
 告白してきたのがキットン(そりゃ彼は妻帯者だしそんなことはないだろうけど)やノルだったら、わたしはあんな気持ちになっただろうか。

508:502 クレイ×パステル×トラップ
09/03/26 22:10:16 I7zvTAbr
規制が入ったので続きはしばらくしてからにします。

509:名無しさん@ピンキー
09/03/27 01:20:49 qe8krLzH
規制め!
前にあったクレパストラとは違いシリアス調ですね。多分一番難しいような・・・
続きそのうち期待してます。

510:502 クレイ×パステル×トラップ 7
09/03/27 22:08:33 ogzGEgXj
昨日の続きです


 ・・・たぶんならなかった。
 二人は、とてもとても大事。
 パーティーをばらばらにしたのがわたしなら、それを繋げるのもわたしでなくてはならない。
 カタをつける。それがこの三人の中の、わたしの役目なはず。
 わたしはそっと口を開いた。
 「クレイ、トラップ聞いて」
 わたしが静かな、落ち着いた声を出したので、二人は少し驚いたようだったけど、わたしの真剣な顔に、そのまま何も言わなかった。
 静かにわたしの言う言葉に耳を傾けようとしてくれていた。
 ありがとう、二人とも。いつだって二人はわたしのことを大事にしてくれたよね。
 嬉しくなってわたしは二人に微笑みかけ、続けた。
 「考えてみたの・・・二人のこと。こんな時に、なんだけど」
 「・・・ああ」
 「いいぜ、続けてくれ」
 こんな状況だったけど、二人はそのままわたしを促してくれた。
 「あのね。わたし、正直に言って今まで二人のことは家族としてしか見てなかったの」
 「・・・そうか、やっぱりな」
 「わかってたさ、そんなこと」
 そう言って二人は揃って苦笑した。二人は、わたしがどんな結論を下しても、きっとこんな風に受け入れてくれたんだろう。
 「だけど・・・二人を誰かに渡したくない。だって二人は・・・」
 クレイとトラップが驚いてわたしを見ている。だけどわたしは少し泣けてきて声を詰まらせながら続けた。
 「クレイとトラップは・・・本当に大事な人だから。キットンやノルに抱いている感情とは違う。二人から告白されて、本当に嬉しかった。ドキドキした。
 二人とも大好き。クレイはわたしを包み込んで、わたしの意見を尊重してくれる人。トラップは、わたしを理解して、わたしを導いてくれる人。だからあの時すごく困った」
 涙が一粒零れでたのでわたしは慌てて拭った。喉からこみ上げてくる熱いものに、わたしはしゃべるのが困難になる。でも、続けなきゃ。わたしを愛してくれる、愛する人達のために、わたしができることだもの。
 「こんなどっちつかずみたいなこと言ってごめん。でも、これがわたしの正直な心なの。どっちも同じくらい大事で、どちらかを選ぶことなんて・・・わたしにはどうしても無理だった。
 ごめんね、軽蔑してくれてもいいよ。でも、二人とも大好きなの」
 それが、わたしの正直な気持ちだった。
 家族と思っていたとか、今の関係を壊したくないとか、もっともなことばかり言って。
 本当の絆があれば、例え一時期恋愛問題でごたごたしたとしても、乗り越えることはできるはずなのに。そんなこともできないくらい、わたしたちの絆は安くなかったはずなのに。
 わたしが躊躇したのは、ただ単に選べなかったんだ。
 その時、もうどうしようもなく溢れた涙を、二人は両側からそっと拭ってくれた。
 「パステル、もういいよ」
 「おめえの気持ちはわかった」
 目を開けると、そこにはとびきり優しいとび色の瞳と薄茶色の瞳。
 「ごめんね、二人とも・・・。わたし、こんな中途半端な・・・」
 「いや、それは違うよパステル」
 「中途半端なんかじゃねぇよ。おめえの気持ちはよくわかった」
 二人はそう言って、互いに笑いあった。
 「実は俺、ずっとパステルはトラップが好きなんだと思ってたんだ。トラップと一緒にいるパステルはすごく楽しそうに笑ってたし。
 トラップの気持ちは知ってたし、いずれは二人はくっつくと思ってた。告白したのは・・・パステルが俺の気持ちを何も知らないままトラップと一緒になるのが悲しかっただけなんだ」
 「おめえ馬鹿か?」
 トラップが呆れ声を出した。その後、彼は少し気まずそうにぽりぽりと頬を掻いた。
 「でもよ、俺もなんだ・・・。クレイは顔もいいし、何よりおめえに優しい言葉をかけてやれるだろう?そのたびにパステルは嬉しそうに笑うんだ。
 俺にはできねぇ。いつだって泣かせることばっかり言っちまうんだ。だから、クレイがパステルに告白したと知った時は覚悟した」
 「つまりさ・・・」
 クレイが優しくわたしの髪を撫でてくれた。
 「俺は、楽しそうに笑っているパステルを見るのが好きだ」
 「俺は、嬉しそうに笑っているパステルが好きだ」
 それってつまり・・・。
 わたしは戸惑って二人の顔を交互に見るしか出来なかった。
 「おめえ、変な顔してんじゃねぇよ」
 トラップが声を上げて笑いながら、わたしの額を軽くデコピンした。
 「変な感じだけど、なんか、これが一番しっくりいかねぇ・・・?」

511:クレイ×パステル×トラップ 8
09/03/27 22:09:24 ogzGEgXj
 その後、わたしたちはごく自然に体を重ねた。
 急な展開に、わたしならもっと戸惑うと思ってた。二人もそう思っていたみたいで驚いていた。
 だけど、わたしは今まで悲しかった分、不安だった分を取り戻したくて性急に二人を求めた。
 一度はばらばらになったわたしたち。それを繋ぎ合わせるにはこうするのが一番いい気がして。
 こんな場所でと、普段のわたしなら思うかもしれない。
 だけど、わたし達の「初めて」は、冷たく薄暗いこの場所が、どんな場所よりもふさわしいような気がした。
 「あっ・・・」
 クレイの大きなごつごつした手がわたしの胸をなぞった。わたしの体を電流が走る。
 「んっ・・・」
 トラップの細い繊細な手がわたしのふとももを撫でる。わたしの体が震えた。
 「パステル、かわいいよ」
 「おめえはいい女だよ」
 二人から耳元で囁かれる。わたしの体が熱くなる。
 二人の舌がわたしの体を優しく這い回る。きっと、わたしの体で二人に支配されなかった場所なんかないだろう。
 敏感な箇所、ううん、体中の隅々まで攻められ、わたしは息も絶え絶えだった。だけどなんて幸せなんだろう。
 「ああんっ」
 一際大きなうねりがわたしの体を襲い、わたしはたまらず声を上げた。
 「その声、いいな・・・」
 「もっと聞かせてくれよ」
 そのたびに、二人が切なげに囁く。
 「大好きっ」
 わたしは思わず叫ぶように言った。
 「クレイ、トラップ、二人とも大好きっ」
 「俺もだ」
 「俺も」
 二人の指が、舌が、わたしを翻弄し、わたしの奥深い場所を攻め立てた。

 きっとわたしたちの愛は他人からは理解されない。でも、それでいいと思った。
 未熟で不完全なわたしたち。だからこそきっとこの関係も成り立つんだろう。
 不安定で、同時に揺ぎないわたしたちの愛は、とても奇妙でとても不思議で・・・そして何よりも純粋だった。
 「同時に愛して欲しい」
 わたしがそう言うと、二人は驚いていたようだった。
 「お前、その意味わかってるのか?相当痛いぞ?」
 「そんなことしなくてもいいんだよ、パステル」
 わかってる。でも、初めての時は同時がいいとわたしは思った。
 痛い?だからなに。どれほど痛くても、この二人とばらばらでいた時ほど痛いわけがないもの。
 二人は時間をかけて、ゆっくりと丹念にほぐしてくれた。わたしの願いを聞き届けてくれるつもりなんだろう。
 「そろそろいいか・・・?」
 「痛かったら無理するなよ・・・?」
 二人が心配そうに声をかけてくれる。こんな時でも、二人はわたしを優先してくれるんだ。嬉しくてもう一度涙が出た。
 「うん、いいよ・・・。きて・・・?」
 その瞬間、激しい痛みと衝撃、快楽とそして強い喜びがわたしを包んだ。

512:クレイ×パステル×トラップ 9
09/03/27 22:10:10 ogzGEgXj
 気がつくと、クレイとトラップが心配そうにわたしを見つめていた。
 「クレイ・・・?トラップ・・・?」
 「大丈夫だったか?」
 「すまねぇな。痛くしちまった・・・」
 少しだけ申し訳なさそうに言う二人がおかしくて、わたしはくすりと笑った。平気と伝えたくてわたしは身を起こした。
 いつの間にか服を着込んでいた。どうやら眠っている間に二人が着せてくれたみたい。
 「ここは・・・」
 「どうやら、俺達あそこから抜けられたらしいな。あの後、すぐに抜け道を見つけたんだ」
 クレイがそう言ってわたしの頭をそっと撫でた。
 「え?」
 「ほら、見てみろよ」
 そう言ってトラップが見せてくれたのは・・・キットンがさっき見せてくれた薬草辞典のイラストと同じ薬草・・・。
 「たぶん、パステルのおかげなんだと思う。なぜだかわからないけどそう思う。パステルがばらばらだった俺達を一つにした。だから戻ってこれた。そんな気がするんだ」
 「うん」
 クレイの言葉にわたしも頷いた。
 「わたしもそう思うよ」
 そう言って、わたしは二人に深いキスをした。
 その時、遠くでキットンたちのわたしたちを探す声が聞こえて来た。
 クエストは成功したのだ。

513:クレイ×パステル×トラップ ラスト
09/03/27 22:11:56 ogzGEgXj
 「いやあ、一時期はどうなるかと思いましたが、パステルたちも無事だったし、薬草は見つかるしよかったですねぇ!」
 薬草を届け報酬を貰って猪鹿亭に戻った後、キットンはそう言ってぎゃっはっはといつものように笑った。
 「ところで、どうやって戻ってきたんですか?」
 わたしの体が思わず強張る。隣にいたクレイも食べていたミケドリアを喉に詰まらせ目を白黒させた。
 「ああ?パステルが偶然隠しドアを見つけたんだよ。で、俺が罠を解除して、後から出てきたモンスターをクレイが倒したんだ。ま、連携のなせる業だな」
 しゃあしゃあと言い切ったのはトラップ。彼はそう言った後、何も言えないわたしたちにニヤリと意味ありげな笑みをなげかけた。
 うう~・・・。やっぱり嘘の上手いトラップがいてくれてよかった・・・。何も言わないけど、きっとクレイもそう思ってるんだろうな・・・。
 「そうだったんですか・・・。じゃあ次の時も、わたし一人じゃ無理ですね・・・」
 「ああ、またあの薬草が要るんだったら、俺達が行ってやるよ」
 キットンは一人納得している、彼はさっきから顔が明るい。
 珍しい薬草を手に入れたこともあるだろうけど、たぶん・・・わたしたちが元に戻ったことに気付いたんだ。
 ノルも、ルーミィもシロちゃんもわたしたちを見てニコニコ笑っている。きっと、彼らはわたしたちが思っている以上にわたしたちを心配してくれてたんだね。ごめんね、もう大丈夫だからね。
 わたしは嬉しくなって一緒にうふふと笑った。
 「おや?パステル機嫌がいいみたいですね。・・・それにしてもパステル、何かちょっと雰囲気変わってません?」
 キットンの何気ない言葉にわたしの心臓が跳ねた。
 雰囲気が変わった・・・?も、もしかして、クレイとトラップとの・・・アレのせい!?
 「そそそそう?ど、どんな風に・・・」
 「う~ん・・・上手くはいえませんが・・・綺麗になったというか、色っぽくなったというか・・・」
 「綺麗」のところまではニコニコ聞いていたクレイとトラップが・・・「色っぽくなった」の部分で急に顔色を変えた。
 な、なんというか・・・すごく、怖くなった。
 一気に変貌した二人に、ノルが一歩引いている。ルーミィとシロちゃんは目を丸くした。キットンは一人気付かずなおも続けている。
 「そうそう!色っぽくなった!そんな感じですね。パステル、あなたお化粧でもしてるんですか・・・?今日は妙に肌が・・・」
 ビシ!
 トラップがキットンに思い切りデコピンした。
 「うぎゃ!何するんですかトラップ!?一体わたしが何を・・・」
 ドン!
 キットンが抗議の声を上げた瞬間、クレイがもっていたショートソードをキットンの前のテーブルに突き刺した!
 「ひ!」
 「キットン・・・こいつをそんな目で見てんじゃねぇ・・・」
 「次にそんなふざけたことを言ったら、俺も容赦はしない・・・」
 「は?はひ?」
 二人の目は真剣だった。二人が本気で怒っている事は理解できても、それがなぜなのかがわからないキットンはすっごい戸惑っている・・・。
 そうだよね、ご、ごめんね、キットン。でもわたし・・・今、すごく・・・う、嬉しかったりする・・・。
 この二人って、こんな風に妬いてくれるんだ・・・。
 純粋に感動したわたしはキットンに助け舟を出すのを忘れてしまった。
 はっと気がついたらキットンが二人に小突かれて叫んでいた。
 「ちょ、ちょっと!何やってるのよー!?」
 二人の大事な恋人を止めるため、わたしは大声を張り上げた。


 
 
おそまつでした。
ちょっとエロが中途半端な感じになってしまいました。
次書く機会があったらもうちょっとエロに力を入れたいと思います。

514:名無しさん@ピンキー
09/03/29 22:18:06 /hVspqCH
規制大変だったな、乙
台詞運びと心理描写が丁寧で良かった!
GJ

515:名無しさん@ピンキー
09/03/30 00:16:56 KE94S5iJ
お疲れ様です。クレイとトラップの対応の違いが何か好きだ。
中途半端などではなく話が綺麗に纏まってるだけに逆にエロ部分が浮いちゃった感じですね。
真面目に3Pみたいなアブノーマルやる難しさを凄い巧く処理してるな、と。
何だか感想というより下手な評論みたいになってしまった。悪い癖だ。

516:名無しさん@ピンキー
09/04/03 00:52:48 t+n/8eNK
投下乙。
規制は本当に大変だったね。
丁寧な作品だった。
いいお話が読めて幸せだ。

517:名無しさん@ピンキー
09/04/06 09:17:25 R6DQbR/t
保守

518:名無しさん@ピンキー
09/04/06 23:39:22 6F+tyXde
圧縮は大丈夫かな

519:名無しさん@ピンキー
09/04/07 09:22:50 2dQ2VlkE
現在782スレか・・・
後数日で圧縮来そうだね
ひとまず保守

520:名無しさん@ピンキー
09/04/08 03:53:14 8MVMAWDC
圧縮が近いか

521:名無しさん@ピンキー
09/04/10 09:36:40 2JNmfEOV
モーニング保守

522:名無しさん@ピンキー
09/04/10 11:30:54 1iKf4LbD
おはよう

523:名無しさん@ピンキー
09/04/11 21:54:52 tg9/HE6O
圧縮に備え保守

524:名無しさん@ピンキー
09/04/14 09:38:48 HzV5FYfm
もう来るか
保守

525:名無しさん@ピンキー
09/04/14 10:37:13 QYNBp9Eg
やはりパステルはコットンの下着を愛用しているのだろうか。
冒険時はスポーツブラ?何色?
クレイはトランクス派?トラップはボクサーブリーフかな。

526:名無しさん@ピンキー
09/04/15 10:25:57 Fb1HJ0LO
念のため保守。

527:名無しさん@ピンキー
09/04/15 11:23:35 OkLypx7p
保守ついでにssのヒントになりそうな妄想をみんなで考えようぜ。誰かssにしてくれたらいいな。

草むらもろくにないところでおしっこするシーンあったよね。忘れられた村へ行くときだったっけ?
ルーミィはジャンプスーツだから大変らしい。先にルーミィの世話をしつつパステルも漏れそうだったり。
「絶対見ないでよ」みたいなことトラップに言ってたような。
んで蛇や虫なんかに驚いてパステルが悲鳴上げて、クレイあたりが見ちゃったりして…。

528:名無しさん@ピンキー
09/04/15 20:33:12 ScTro3xE
>>527
保管庫にある一番最初の作品がまさにそのシチュ。
相手はトラップだったけど

529:ファーファ
09/04/16 00:02:46 RunLt4UW
お久しぶりです。
今の需要に応えられるネタではないかもしれませんが…投下しに参りました。

トラ→パスタイツネタ。


ちなみに、元ネタであるパステルのイラストはダイスをころがせ公認ファンブックのキャラクター紹介ページから。
迎先生のイラストですが、本編では見なかったと思います…。
わかりにくい元ネタで申し訳ないです。

530:タイツ小ネタ①
09/04/16 00:05:56 RunLt4UW
「あれ、パステル。どうしたんだ、それ」
クレイがわたしの足元を見ながら言う。
「あ、コレ?マリーナからもらったの。かわいいでしょ?」
そう言って脚を向けた。
マリーナがくれたのは、ロイヤルブルーのカラータイツ。
今、カラシ色や赤紫色とか様々な色のカラータイツがエベリンで流行っているらしい。たしかに、ポイントとなってなかなかかわいい。あったかいし。
普段オシャレ出来ないわたしにとって、ささやかな乙女心なのだ。ぐっすん。
「…おれはいつもの方がいいんだけどな…」
「え?何か言った?」
「いやいやいや!な、なんでもない!かわいいよ、うん。すげーかわいい!」
慌ててクレイが首を横に降ったり縦に降ったりする。
珍しくクレイがわたしの変化に気づくなんてねー。
普段髪型変えても気づかないくせに。
まったく、男ってのは!

「そういえば、パステルって昔緑のタイツ履いてませんでしたっけ?」
キットンが横から口を挟む。
「何言ってんだよ、緑のタイツって言ったらこいつだろ」
クレイが指さしたのはもちろんお馴染みのトラップ。珍しくそれまで静かだったトラップだが、急に話を振られたからなのか動揺してたように見えた。
「あ、あったりめーだろ!?由緒正しきブーツ家に伝わる緑のタイツ様だぞ?な、なんで、こ、こいつがもってんだよ!なぁ、クレイ!」
そう言って顔を見合わせた。
それにしても、キットンって実は細かいところまで見てるのね-。
それにひきかえ、トラップとクレイったら!
実はそんなに長くはないんだけど、結構前に履いてたんだ、緑のタイツ。
赤のスカートには合わないから最近お蔵入りしてたんだけど。
………あれ?それにしても、あのタイツどこへ行っちゃったんだろう?






…あっぶねー。
キットンのやつ、変に記憶力がいいからな。
にしても、あいつが緑のタイツを履いてた期間なんてそんなに長いことじゃねえんだぞ!なんで覚えてやがんだ。
クレイもクレイで『緑のタイツ』ときたら、俺様なんてお約束のように話ふるんじゃねー!
ったく、この場はなんとかごまかすことが出来たし、パステルもすぐに家計簿とかなんやらですぐに忘れるに決まってるしな。
まー、とりあえずは一安心ってとこだな。

531:タイツ小ネタ②
09/04/16 00:06:25 RunLt4UW

どういうことかって?

へへ、俺様は盗賊のトラップ様だぞ。盗めねぇもんなんてねぇんだ。
しかもいつもぼーっとしてる財務担当さんのとこからなんざ、1Gやそこらスッたって全然気付きゃしねーんだ。ったく、財務担当が聞いて呆れるよな!

え?パステルの緑のタイツを盗ったかって?

バッキャロ-、おめぇ今の話の流れからわかんじゃねぇか。
ああ、そーだよ。盗りました。盗りましたとも。あんだよ、文句あっか。
なんで盗ったか?そりゃ、おめぇ愚問だよなぁ。
ま、おめぇも男ならわかんだろ?おれだって健康な男の子なんだかんな。
普通だったら年頃の男と女が一緒に生活してたら何が起こるかわかったもんじゃねぇ。な、だろ?
…それなのに、あいつときたら全然意識してねぇんだから、どうしていいかわかんねぇよなぁ。これだから厄介なんだよな。
だから、たまーに元気になっちまう息子のためにちょっくら拝借したっつーわけ。
んだよ、そんな目で見んじゃねぇ!

は?タイツをどう使うかだと?
しらねー!んなことまで言えるか!
んまぁ、その辺は好みっつーか…それぞれ趣向があるっつーことはおれのじっちゃんもよく言ってたもんだ。
でもまぁ、もしおれが持ってたのが万が一見つかったとしても…何かあったときのスペアとしときゃーいいしな!

まぁ、正直言うとパステルは生足が一番だよな!
…か、勘違いすんじゃねーぞ!誰のだっていいわけじゃねぇんだから!




「んー…どこにしまったんだろ」
わたしは荷物の中からあのタイツを探しているが、一向に見つかりそうもない。そういえば、あのタイツ…よく考えたらトラップとお揃いみたい…。
そんなことを想像して、思わず首をぶんぶん振った。
いっけない!あんな派手好きの盗賊とお揃いなんて…なんだかわたしまで趣味が悪いみたいに思われそうじゃない!?
あーあ、やめたやめた。きっと破けて捨てちゃったんだよ。うんうん!
トラップとお揃いなんて、ぜーったい、やだ!

あ、そういえばノルにこの格好まだ見せてなかったんだ!
…ふふ、ノルったら褒めてくれるかな?

わたしは立ち上がると、馬小屋へと走った。

532:ファーファ
09/04/16 00:07:15 RunLt4UW
以上です。

失礼しました。

533:名無しさん@ピンキー
09/04/16 01:02:01 bT6cUvJ0
ファーファさん投下乙でした!
そういやパステルも昔履いてましたね、目の付け所が素晴らしい。
トラップならやりかねませんねぇw
ノルの反応も見たかったなーと思いつつ、そちらは妄想で補完します。

…自分、元書き手だったんですが、半年くらいぶりにログ遡り皆様の神作品たちに刺激受けました。
何か思いついたら投下しに参ります。

534:名無しさん@ピンキー
09/04/16 08:39:47 +43iF61j
>>ファーファさん
トラパス派ですが、クレイの『いつもの方が~』のあたりの男心に萌えてしまいましたw

535:名無しさん@ピンキー
09/04/16 12:33:33 K1Mqhbfo
>>528
ありがとう。たくさんあって嬉しい~w
このスレに貼ってあるリンクから飛べなかったから諦めてたんだけど検索かけたら読めた。

2chエロパロ板SS保管庫
URLリンク(red.ribbon.to)

ミラー
URLリンク(database.f-adult.com)
URLリンク(library.f-adult.com)
URLリンク(sslibrary.arings2.com)

536:名無しさん@ピンキー
09/04/17 09:25:06 0MrzZ5mu
朝保守

537:名無しさん@ピンキー
09/04/17 10:29:38 7SFz1WMa
>>534
同じく萌えたw
クレイの慌てっぷりが良い。

538:名無しさん@ピンキー
09/04/17 22:34:05 YAw0Jv5N
GJ!クレイの慌てぶりが目に浮かぶね~w

しかしダイスを転がせとは懐かしい…不幸のカードだかを集めてヒールニントの温泉みると女性陣の裸が…(*´ω`*)

539:名無しさん@ピンキー
09/04/18 01:42:35 XSb+4L8t
>>538
kwsk

540:名無しさん@ピンキー
09/04/18 09:20:11 nes2cNsU
ケンカはこちらw
【隔離】場外乱闘専用スレ【施設】
スレリンク(eroparo板)

541:名無しさん@ピンキー
09/04/18 20:52:27 t58ScGge
>>539
 SFCソフトのフォーチュンで、ドクロカードを集めてMAP上のヒールニントの温泉を覗くと、
 誰もいない、コボルトだかスライム、そしてユリアさん等の女性陣の入浴シーンが見られるんだ。
 もちろんSFCの倫理規定にしたがって胸とかは隠されてるけど。

542:ファーファ
09/04/19 02:03:53 Lkq5jf3R
こんにちは。
>>530->>531ではエロ無しの前注なくてすみませんでした。

コメ下さった方々、ありがとうございます。
個人的にクレイ好きなので(トラもギアも好物ですが)、クレイのシーンに力が入ってしまったのかもしれませんw

またまた投下しに参りました。
クレパス、微エロ。
>>525さんのレスで思い付いた下着ネタです。

543:クレパス① 下着ネタ
09/04/19 02:05:00 Lkq5jf3R
「パステルって…まだそんな下着なの?」
不意に背後からかけられた声に振り返る。
「ちょっ!マリーナ!?」反射的に身体を隠す。
マリーナはカーテンの隙間から顔を覗かせてわたしの方をじっと見ていた。
「ま、まだ着替えてる途中なんだってば!」
「ふふっ、いいじゃない。女同士なんだし」
いたずらっぽく笑うと、マリーナはそのまま試着室に入ってきた。
「ちょ、ちょっと…お店の方はどうするの?」
「いーの、いーの!今日はもう店じまい!」
わたしの制止も空しく、マリーナは試着室に入ってきた。
そう、ここはエベリンのマリーナの古着屋さん。
マリーナに『パステルに似合いそうだから』とちょっと強引に試着室に連れていかれて着替えてたところなんだけど…。
試着室、といってもそんなに広くはない。大人二人が入れるくらいの広さ。
だから下着姿のわたしのすぐ目の前にはマリーナがいて…恥ずかしいんだけど、すごい近くで身体を見られてる感じ。
「もー、隠すことないでしょ?」
そう言いながら強引に身体を隠していた服を剥ぎ取った。
「きゃっ!」
思わず両手で身体を隠す。
「ふーん。結構着痩せするのねー、パステルったら」
わたしの身体を上から下まで見るとマリーナはくすっと笑った。
えっ、それって…太ってるってこと?そ、そりゃトラップには『引っ込むべきところは出てる』なんて言われちゃうし…。
うー…なんか恥ずかしいなぁ。というより、スタイル抜群のマリーナに言われると…ショックかも。
「あ、違うよ?パステルはスリムだもん。ウェストもキュッとしてるし……どのくらい?」
むぎゅっ。
「きゃあっ!な、なにすんの!?」
ま、マリーナったらわたしのむ、胸を揉んだ…っていうより、掴んだんだもん!
「ふふ、ごめんね!でも、やっぱりパステルって…結構ムネ、あるよね」
それよりも、目の前にいるマリーナのグラマーなバストは、厚手のセーターを着ているというのに存在感がある。
「うーん、Bか…Cくらいかな?」
「そ、そう?そんなに?」
「アンダー細いから、そのくらいかな。…でも、ちょっとその下着は…」
ちょっとだけ遠慮がちに言ってくれたけど。
ううっ…。
わかってはいたんだけど、そのことはあんまし触れてほしくなかったなぁ…。
思わず自分の下着姿を鏡で見た。
冒険で少しでも動きやすいようにスポーツタイプのブラをつけてるんだけど。
で、パンティは…というか、パンツはムレるのが嫌で綿100%白のパンツ。
色気とは無縁、機能性重視の下着。
「そりゃ、冒険のときはそういう下着がいいのかもしれないけど…ちょっと、年季入ってない?」
ぎくっ!
「う、うん…実は…」
実は、冒険に出てから新しいのって買ってない。かわいいのって高いし。まだまだ着れるし、大丈夫かなって…。
そう言うとマリーナはすごくびっくりしてた。

544:クレパス② 下着ネタ
09/04/19 02:06:47 Lkq5jf3R
「貧乏パーティだもん、経費削減しなきゃ」
そう言って笑ってみせた。
うう、情けないけどほんとのことだもん。
「パステルはみんなのお財布管理してるもんね。確かに節約かもしれないけど…でも…ちょっとヨレヨレじゃない?」
マリーナはわたしのブラを見ると言った。
「そりゃ、川で洗濯もしたりしてるし、仕方ないよ」
悲しいけど、冒険に出てたらそんなことは日常茶飯事だから。かわいいレースの下着なんてきっとすぐにダメになっちゃうんだろうなぁー。とほほ。
「ええー!でも…」
「いいの!誰かに見せる訳でもないんだし」
まだ何か言おうとするマリーナを遮った。
言いたいことはすごーく、よくわかる。でも、わたしには勿体ないし。今でも十分着れるから…。
レースとかサテンのかわいい下着が嫌いなわけじゃないよ。そ、そりゃ着てみたいけどさぁー…。
「パステル、言いにくいんだけどね」
「マリーナ…ありがとう。でも、やっぱりわたし…」なおも続けるマリーナを再び止めたけど。
「ブラのサイズが合ってない気がするんだ」
「……え?」
思わず自分の胸を見る。
「そのスポーツブラじゃ、パステルのムネが入りきってないよ」
そう言われて鏡を見ると、確かに脇からはみ出ちゃってる。
「それにちゃんとワイヤーが入ってるブラしないと、垂れてきちゃうよ?」
「そ、それはいや!」
思わず首を横に振ると、マリーナはくすっと笑った。
「…せっかくだから、新しいのにしようよ!うちの店、下着もおいてあるんだ」「でも、マリーナ…」
「あ、下着は古着じゃないから安心して!パステルに似合いそうなやつ、幾つか持ってくるから」
そう言ってマリーナは試着室から出ていった。



うー…なんか、落ち着かない。やっぱりやめとけばよかったかなぁ…。
わたしはマリーナのお店で買った下着(だいぶまけてもらったけど)を早速つけていた。
なんか、心なしか胸が大きくなった気がする。
それに、薄い水色のつるつるした生地に、同じ色のレースがあしらわれた上下。
これが、すーっごくかわいいんだ!他のもお花の刺繍がしてあったり、お尻にリボンのついたのとか…。
あーあ、何か今まで損して気がする。こんなかわいいの着てなかったんだもん。
お茶を飲みながら、わたしは一人でニマニマしてしまった。
「なぁーに、一人でニヤけてんだよ!気持ちわりぃ奴!」
トラップがそんなわたしの様子を見て悪態をついた。
「ふんだ!トラップには関係ないでしょー」
そうそう。これはわたしだけのひそかな喜びなんだから。
そう言って再びお茶を口にしたときだった。
「ねぇーねぇーぱぁーるぅ、こえ、ルーミィもー!」
「ブッ!!」
目の前の光景に、思いっきりお茶を吹き出してしまった。
「ル、ルーミィ!!」
なんと、ルーミィはわたしの新しいブラを持ってトテトテ歩いている。
その場にいた男性陣は目が点。
「もぉー、ルーミィ!こんなとこに持ってこないでよぉ」
「やだやだぁー!ルーミィもほしいおう!」
ルーミィに駆け寄ってブラを奪おうとするが、ルーミィも離そうとしない。
それを無言でニヤニヤしながら見つめるトラップ。
ノルは真っ赤な顔で下を向いている。
「ごめんねー、ルーミィ。ルーミィにはまだ早いと思うんだ。だから、返してくれない?」
そう言ってみたものの、ジタバタ暴れてやんちゃを言い出した。

545:クレパス③ 下着ネタ
09/04/19 02:09:14 Lkq5jf3R
「やだやだぁー!ルーミィ、ぴんくじゃなきゃやらぁー!」
そう言って離そうとしない。
うう、困ったなぁ…。
「そうだ、ルーミィ。これさっき袋についてたんだ。あげるよ」
それまで黙っていたクレイがピンク色のリボンを差し出した。
その瞬間、ルーミィの顔に満面の笑みが広がる。
「あー、くりぇー!そえ、ほしいおー!」
「ああ、いいよ。じゃあ、それはパステルのだから返そうな?」
そう言って、ルーミィの頭にリボンを結んであげた。
さっすが、クレイ!
「わーい!わーい!わぁーったお!ぱぁーるぅ、ごめんなしゃーい」
そう言ってわたしにピンクのブラを差し出した。
「もー、いたずらしちゃだめでしょ?」
そして、もうルーミィの目に着かないように後ろに隠した。また『ルーミィもー!』なんて言い出したら大変だもんね。
てか、人に見せるもんじゃないなんて思ってたけど…すっっっごい、見られてるよね…。はあああ。



「まぁ、ルーミィちゃんにはちょーっとばかし、早かったよなぁ」
トラップはルーミィの胸をつんつん突きながら言った。
「もぉー、とりゃっぷ、えっちらお!」
ルーミィはぷーっとバラ色のほっぺを膨らませてトラップを睨んだ。
「まぁ、わたしの作った胸部成長促進剤を使えば…」
「キッ・ト・ン!!変な冗談やめてよね!」
「あんだパステル、おめぇも促進剤欲しいってか?」
「まぁ、それが脂肪となってくれればいいですがねぇ。大胸筋が発達してしまったら大変ですよねぇ。うひゃひゃひゃひゃ!」
「ムッキムキになっちまったりしてなー!ひゃははは!」
「………!」




その夜。

「あ、クレイ。まだ起きてたの?」
下に行くと、クレイが椅子に座っていた。
「ん、何か寝付けなくて。パステルは、風呂?」
「う、うん」
すると、なぜかクレイはちょっと恥ずかしそうな顔をした。
「昼間…大変だったな」
「あ、ああ…うん」
あのあと、キットンとトラップをボコボコにしちゃったけどね。
「あいつらも、悪気があるわけじゃないから…許してくれよ」
「あはは、もう慣れっこだし!ありがと、クレイ」
そう言うと、ふっとクレイが真顔になってわたしを見つめた。
「な、何?」
急に真面目な顔になるんだもん。
するとクレイは立ち上がるとわたしを抱き寄せた。
「えっ…」
な、なに?
そのままクレイの大きな腕は背中に回されて、優しくわたしを抱きしめた。
まるでクレイの一部になっちゃってるみたいに。
「ど、どうしたの?」
そう言うのが精一杯なぐらい、胸がドキドキしてる。でもそれはクレイも同じで。すっごい速さで打っている胸の音が伝わってくる。

546:クレパス④ 下着ネタ
09/04/19 02:10:09 Lkq5jf3R
「きゃっ!」
急に、生暖かいものがスカートの下に入ってきた。え、これってクレイの手!?
「や、やめて!」
抵抗しようと思っても、身動きが取れない。片方の手でがっちり捕まえられていた。
く、くすぐったい!太股なんかさわさわ撫でないでよぉ!
「やっ…クレイ!」
どうしちゃったんだろ…なんか、いつものクレイじゃないみたい。あ、そこ…お尻なんだけど!
「ちょっ…」
クレイは下着の布の上からお尻の割れ目の辺りを優しく撫でている。
ぬ、布越しにクレイの指が…っ。
「…ひゃっ!」
「やっぱり…」
く、くすぐったい!生暖かい息を吐かないでよぉ。
思わず身体をよじると、クレイはわたしの肩を掴んで身体を離した。
「…何するの!?」
クレイを睨みつけると、ギラギラした目でわたしを見ていた。
「……!」
身体に戦慄が走る。
ど、どうしよう…。なんか、いつものクレイじゃないみたい。
「そんなに…トラップ達の気を惹きたい?」
「え……?」
言ってる意味が全くわかんないんだけど。え?気を惹くって…?
「パステルは自覚なさすぎるんだよ」
そう言って厳しい顔をしてわたしを見つめるクレイ。

「ご、ごめん。わたし気付かないうちに何かしちゃってた…?」
おそるおそる聞いてみる。ぜんっぜん心当たりがないからなぁ…わたしってにぶいみたいだし。
「…そんな下着つけてて、おれ達がいつまでも冷静でいられると思ってんの?」
「え?」
思わず耳を疑った。
え、下着って…?まさか今日の昼間のこと?
「ただでさえ、パステルは短いスカートはいてるし、その…たまに…」
「たまに?」
何を想像しているのか、クレイの顔は真っ赤になっていった。
「……下着が見えてたんだよ!」
「ええええ――!?」
う、嘘でしょお!?だって、結構気を遣ってたし、誰も教えてくれなかったじゃないのよぉ。
そう言うと、クレイは頭を抱えた。
「パステル…おれ達が言えるわけないだろ?」
うっ、そりゃそうだよね。
「こんな事…パステルには言いたくないんだけど、おれ達は男だから、その…なんていうか…そういう欲求がすごいんだよ。パステルが考えてる以上にさ」
「…う、うん」
そういう欲求てのは、つまりその性欲ってことは…さすがにわたしでもわかるけど。
「ちょっとした刺激でもムラムラするし、それはパステルのことをそういう対象として見ていなくても、どうしても身体は反応しちゃうから…」
わたしは黙ってクレイの言葉を聞いていた。
「あんな…その、色っぽい…下着をつけてるなんて考えたら…理性が飛んじゃいそうになるんだ」
そ、そりゃ普段の綿100%パンツに比べたら…確かに、色っぽいよね。
「じゃあ……クレイは、わたしとそういうことがしたいって…ことだよね?」
思わずそう聞くと、クレイは一瞬真っ赤な顔で固まった。
「えっ…誤解するなよ!あいつらが、パステルに対して変な気起こしたらどうしようって…おれ、心配で…」
変な気起こして人のパンティ触ってたのは誰だったかなぁ?
「心配だったら、なんでさっきあんなことしたの?」
「えっと、それは…」
ふふっ。
なんだか焦ってるクレイがかわいい。
するとクレイはわたしの腕を引っ張った。
「きゃっ」
再び、クレイの身体の中にすぽっと入り込んでしまう。

547:クレパス⑤ 下着ネタ
09/04/19 02:11:00 Lkq5jf3R
「…し、したいに決まってるだろ!…好きなんだから」
ぐっと手に力が入った。
いつも優しいクレイが見せる、珍しく子供っぽいところ。
お気に入りのモノを見つけて手放したがらない子供のようで、なんだか…わたし、うれしい、かも。
両手をクレイの首の後ろに回してしがみついた。

あ……。

目の前のクレイは、優しい瞳でわたしを見つめている。
そして、クレイの顔がだんだん近づいて来て…。




お風呂から出た後、わたしはクレイとベッドの中にいた。
たまたま宿屋に空き部屋があって、こっそりそこに忍び込んじゃったんだよね。
「これも…いいなぁ」
そう言いながらクレイはわたしの下着を触っている。
「もー…昼間見たやつだよ?」
そう、今つけてるのは、ルーミィのお気に入りの下着。
「パステルによく似合ってるよ」
そう言ってキスをした。
ふふっ。
「他のやつに見せないようにするんだぞ?」
「わかってる!見えないように気をつけるね」
何か過保護なお父さんみたいだけど、クレイがヤキモチを妬いてるのはなんだか嫌な気がしない。
「心配だなぁ…」
まだ不満そうな顔のクレイ。
「もー…だったらスカートの下にスパッツ履こうかなぁ?」
「えっ!いや、それは…」
なーんてクレイは言うんだよね。どうしろって感じなんだけど、それが男心らしい。
「パステル…好きだ…」
そう言うとわたしのパンティに手をかけた。
「…もう1回?汚れちゃうよ」
「また風呂入ればいいだろ?一緒にさ」
「うん……そうだね」
目をつぶると、キスの雨が降ってくる。

リボンやレースの施されたピンクの下着を脱がされて一糸纏わぬ姿になる。
…そこにはほんのり赤く染まった花びらがたくさん散っていた。




END


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